第005回国会 考査特別委員会 第8号
昭和二十四年五月二十八日(土曜日)
    午後一時五十八分開議
 出席委員
   委員長 鍛冶 良作君
   理事 池田正之輔君 理事 小玉 治行君
   理事 高橋 英吉君 理事 小川 半次君
   理事 神山 茂夫君 理事 吉田  安君
      安部 俊吾君    大橋 武夫君
      高木 松吉君    福井  勇君
      水田三喜男君    吉武 惠市君
      徳田 球一君    小林  進君
      浦口 鉄男君    北  二郎君
 委員外の出席者
        証     人
        (大藏大臣)  池田 勇人君
        証     人
        (東京財務局
        長)      湯地謹爾郎君
        証     人
        (前全國財務労
        働組合東京地区
        連合会委員長) 佐藤 憲壽君
        証     人
        (関東財務職員
        労働組合執行委
        員長)     齋藤 甚助君
五月二十七日
 委員林百郎君辞任につき、その補欠として徳田
 球一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 税務署をめぐる官吏汚職事件
    ―――――――――――――
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。
 税務官吏汚職事件について、これより証人の証言を求めます。本日出頭の証人は、池田勇人君、湯地謹爾郎君、佐藤憲壽君、齋藤甚助君の四名であります。
 証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられかつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。
 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。宣誓書を朗読の上署名捺印願います。
    〔証人湯地謹爾郎君各証人を代表して宣誓〕
    〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○鍛冶委員長 証言を求める順序は今読み上げました通り池田さん、湯地さん、佐藤さん、斎藤さん、こういうふうにお聞きしますから、池田さんを除いたほかの方はしばらく元の控室でお待ち願います。
 池田さんにお聞きしますることで、あなたが直接取扱われたことは証人として承りますが、そうでなくて御意見にわたるところは政府委員として承ることにしますから、さよう御了承を願いまする
 証人は大藏大臣でございますね。
○池田證人 さようでございます。
○鍛冶委員長 証人は昭和二十二年度、昭和二十三年度における所得税につきまして、まず國民所得と徴税総額との権衡はとれておるとお認めになつておりまするか、いかがでしよう。
○池田證人 二十二年度並びに二十三年度の徴税総額は事実として現われて参ります。しかし片一方の國民所得というものは、一應の計算でございまして、すなわち見込みの域を脱しないと私は考えております。從いまして徴税額のうち所得秘につきまして課税所得がいくらあつたかということは、結果において出て参りませんが、見込みの國民所得との間にはかなりの差があると思うのであります。その差につきましても、いわゆる課税所得ということは、税法上のあらゆる措置をとつたあとの数字でございますので、その間に相当の開きがあると考えております。
○鍛冶委員長 相当の開きと言いますと、なおまだ所得に残つておるところがあるという意味ですな。
○池田證人 各種の所得につきまして、課税漏れもあると私は考えております。
○鍛冶委員長 徴税方針については、やはり予算に基いた課税を実施しておられるわけでしようね。
○池田證人 税法にのつとりまして、徴税をいたしております。
○北委員 議事進行について……。この國民所得と徴税総額との権衡はとれておるかおらぬかという質問なのですが、これはとれておるともおらぬともはつきり大臣はしないのですが……。
○鍛冶委員長 今なお余りがあると言われておる。
○池田證人 誤解があるといけませんから、國民所得と所得総の徴税額との権衡ということは、私は問題にならぬと思います。御質問の点は國民所得がたとえば十と計算された場合に、課税所得が七であつた。その三というものを認めるか認めないかという御質問だと思うのであります。その三が二になつたら権衡があり、あるいはその差が二になり、一になつたら権衡がとれておるという問題ではないと思います。やはり課税技術上、あるいは税務機構の事情から考えまして、全部が全部とれていない。いわゆる課税漏れはあるということを認めざるを得ないという答えでございます。
○鍛冶委員長 そこで予算化された総額を、各総務署に対して徴收させるにはどういう指示をし、または何か方法はやつておられると思うのですが、その具体的のことを承りたい。
○池田證人 これは私が次官のときに、すなわち昭和二十二年度の所得税の徴收に当りまして、大体各財務局はどのくらい徴税見込みを立てておるか、あるいは財務局内の税務署はどのくらい徴税見込み額を立てておるかということは、昨年の一月ごろに主税局長をして資料を集めさせたことはございます。その後次官をやめまして、本年の二月十六日まで退職いたしておりましたが、大臣になりましてから、そういうことをやつているやに聞いておるのでございますが、どこの税務署に、どの財務局にどれだけの目標額を指示したかという数字は私見ておりません。
○鍛冶委員長 大藏としては財務局にそういう指示をすることになりますが、財務局からは各税務署へも同様に指示をしておりますか。
○池田證人 指令の書類は私は見ておりません。多分会議その他の方法によりまして、何々財務局はどのくらい收入があるか、何々財務局はどのくらい見込まれるかということは、会議で一應きめるのではないかと思うのであります。しかして財務局長会議できめましたものを、財務局は署長会議を開きまして、大体の目標額を各署について相談したりすることはあると考えるのであります。しかしそれが幾ら幾らにきまつたという指令が出ておるかどうか、その辺は存じておりません。
○鍛冶委員長 今あなたは徴税見込み額という言葉をお使いになつたのですが、税務署長の間で努力目標額と言つておる言葉があるのですが、これは同一のものを言葉をかえて言つておるのでしようか、それとも違う内容のものでしようか。
○池田證人 徴税目標額と努力目標額ということにつきましては、私はその額を示したかどうかということを知りませんから、はつきりお答えできません。
○鍛冶委員長 そこで今あなたは会議を開いてと言われるが、その会議では大体本省では、予算に現われたる金を、これだけとるからお前の方でこれだけ受持てと言うわけですか。それとも各財務局で、私の財務局ではこれくらいの見込みが立ち得る、こつちでもこれだけあるということできめるのですか。どういうことできめておりますか。
○池田證人 私は次官並びに大臣時代にその会議に参加したことはございません。訓示に出たことはございますが、それでどういうふうなやり方でやつてるかということをはつきり申し上げる材料を持つておりませんが、私が主税局長あるいは経理課長時代のことを申し上げますと、各財務局から、議会が済みました後、今年の予算はこういりふうになつている、各財務局長は各税にわたつて管内の経済事情その他によつてどういう見込みを立てるかということは、十数年前からずつとやつて來ているのであります。しかして各財務局長は管内の経済事情を調べまして、所得税についてはこう、法人税についてはこれこれ、入場税あるいは酒造税、物品税等についてはこれこれだという報告をいたします。そうして主税局といたしましては全部の收入を集めまして、予算とどれだけ開きがあるか、こういう見込みを立てます。しかして今度は第二段に行きまして、たとえば所得税については各財務局はどうやつておる、所得税につきましても農業所得はどう、勤労所得はどう、あるいは商業所得はどうということを見るのであります。しかし農業所得等については、その年の米の作柄が各地方によつて原簿がございます。九州方面は非常に今年は豊作だつたが、東北は冷害で悪かつたというときは、そういう資料を集めまして、熊本は豊作だからもう少しとれるのではないか。あるいは東北は冷害であるからもう少し減るのではないかということを各自が相談し合うのであります。そうして大体の見込みを立つて、財務局長としてはその会議の模様を見て管内の税務署長と相談する、こういうやり方をいたしておりましたから、最近におきましても多分そういう方法でやつてるんではないかと考えております。
○鍛冶委員長 要するに財務局長の自信のないものを押しつけるというようなことはないでしようね。
○池田證人 私が主税局長並びに経理課長のときにおきましては押しつけるということは絶対にございませんでした。
○鍛冶委員長 なお、御承知でなければいいんですが、財務局において税務署長会議でどういうやり方をしているか御承知でありましようか。あつたらお聞かせ願いたい。
○池田證人 私は今から十二、三年前東京の直税部長をいたしておりましたが、そのときに直税関係につきましては、ただいまお話申し上げたと同じような方法で各税務署長を集めまして、たとえば今年はたびの生産が非常にいい、あるいは軍手も相当いいというときには、御承知の忍税務署の管内はずつと上ります。あるいは税務署の認識の足りないところ、あるいは行過ぎを是正して、管内全体にうまく行くような方法を財務局長あるいは直税部長としてとつたことはございます。
○鍛冶委員長 あなたは昨年から、ことに本年にわたりまして、各地の税務署においていろいろ税務署員の不正事件が起つているのでありますが、これについてどれくらいの不正事件があつたか報告は受けておりませんか。
○池田證人 報告は書面で受けまして今はつきり数字は覚えませんが、二十三年中に、すなわち昨年の一月から十二月までに收賄あるいは公金横領その他の不正事件を加えまして四百二、三十件ではないかと記憶しております。今年に入りまして收賄あるいは公金横領等で大体六、七十件ではないかと記憶しております。正確な数字はあとから御報告申し上げてもようございます。
○鍛冶委員長 これはおもにどこが多くてどこが少いというようなことはありませんか。たいてい平均しておりますか。
○池田證人 この不正事件の起ります原因はいろいろなのがございますが、税額の非常に上るところに多いのであります。これを歴史的に申し上げますと、昭和十年の臨時利得税の施行のとき、あるいは昭和十五年から昭和十七年の、いわゆる中央地方を通じました税制改革後、税務署の徴収いたします税金が非常に伸びて來た、こういうときにえてして不正事件の起るものであります。しこうして地方別に見てどこが多いかということは一概には申し上げかねますが、いなかの税務署よりも都市の税務署が多うございます。都市の税務署につきましても大都市の方が件数が多いと私は考えております。
○鍛冶委員長 徴税につきまして、いろいろ差押えをしたり、競賣等の手続があるというので、これに対して実情に沿わないことはないかという議論が非常に多いのでありますが、これらに対する大体の方針とか指示とかいうものがありますか。
○池田證人 所得の決定をいたしまして、これについて異議の申立があつた場合に、税法は異議の申立があつたからといつて徴税手続をとめないという規定を置いております。しかし異議の申立につきまして税務署で申立がもつともな点があると考えられ、あるいは税務署の方でこれは自分の税務署の決定が少し自信がないというときには競賣処分、公賣処分をしないようにという指示は與えておるはずでございます。從いまして公賣につきましては、訂正することは万々ないというようなものか公賣してはならぬという指示は與えておると考えております。
○鍛冶委員長 予算の目標以外に多くの徴收がありますか、それとも予算以内でありましたか。これは二十三年度はまだ全部済まぬかもしれませんが二十二年度その他について。
○池田證人 二十三年度は決算がまだできておりませんが、大体私の見るところでは租税三千百億円の予算額に対しまして、二百七十億程度の増収があると期待いたしております。しこうしてこのうちおもなる増收を見ましたものは、すなわち予算に比較いたしましておもなる増收を見たものは、第一が源泉徴收の所得税であります。第三が法人税でございます。第三が酒造税でございます。しこうして予算に対して收入が足りなかつたのは取引高税と所得税のうち事業所得税、すなわち最も問題になりまする賦課課税の所得税が予算に達しなかつたと私は記憶いたしております。しかしこの事業所得に対しまして、初め相当達しないというようなことでございましたが、あるいは最近の数字で達したかもしれません。しかし私は達していないのではないかと見ております。この点はいずれ調べて御報告申し上げてもよろしゆうございます。
○鍛冶委員長 よく追徴をやられたやられたということを聞くのですが、そういう場合があるのですか。やるとすればどういうときにやるのですか。
○池田證人 今の所得税並びに法人税は申告納税制度に相なつております。法人で申しますと、総会によつて決算が確定して、二週間、三週間のうちに税務署に所得申告いたしまして、納税することになつておる。しかし税務署で調査いたしまして、向うの申告より違つており、ふえたという場合につきましては、足らず前の税金を徴收いたしますのみならず、その間における加算税、追徴税を徴收することになつております。
○鍛冶委員長 最初の徴收見込額では足らぬから、予算に達せないからというので、もう一ぺん追徴した徴收見込額をつけ加えてやるということはないのですか。
○池田證人 そういう具体的な問題は、私よくわかりません。しかもそういう問題はやめておつたときではないかと思います。
○鍛冶委員長 脱税が相当あつた。ことに大口の脱税があつたということになつておるのですが、そういうものはどういう方法でこれを調査し、またはいかなる方法によつてこれを摘発し、徴收しておられるのですか。
○池田證人 脱税者は昔からあることでありまして、申告が出ました場合に、その会社あるいは個人の営業状態から見て、申告が寡少である。あるいはまた疑わしいという場合には調査に出かけるのであります。調査した結果そこに脱税がありますれば、それに対しまして所定の手続をとるのであります。
○鍛冶委員長 昨年から今年にかけて相当多額なものがあつたようですが、その概略を覚えておいでになりませんか。
○池田證人 税務の個々の調査につきましては、大臣は正式に報告を受けておりません。しかし会議その他で主税局長から聞くところによりますると、かなりの脱税者がございました。一会社につきまして二億円余りの脱税額を徴収したのもありました。あるいは三億円のもあつたかと聞いております。なおまた最近におきましては、主税局に査察部を設けまして、全國各地にわたつて脱税者の摘発に最善の努力をいたしておりますが、どんどん出て來るようでございます。出て来た場合につきましては、経済九原則の線に沿いまして適当の措置をとつております。
○鍛冶委員長 なおそのあとはあなたの御意見を大体承ることになりますから、政府委員として聞くことにします。今までお聞きしたところから演繹しまして、申告制度ということに対して相当考慮すべき点があるのじやないかと思うのですが、どうお思いですか。実際において申告は十分やつて行けるかどうか。それとも何か考慮しなければならぬと思つておいでになるか、その点を承りたい。
○池田證人 申告納税制度というのは、これは昔からあることでございまして、私は税の民主化から申しましても、國民は自分の所得を申告して納税することが建前と思います。御質問の点は、ただいま行つております予算申告納税制度と実績納税制度――実績納税制度と申しますと、語弊がございますが、三年前までは所得税は大体実績によつて課税しておる。それから昭和十五年までは予算と実績と両方かみ合せてやつております。今回は、予算申告の制度、前年の実績によらぬということになつておるのであります。予算申告納税制度がよいか、実績申告納税制度がよいかということにつきましては、議論のあるところでありますが、私は経済界の変動のはなはだしいときにおきましては絶対に予算申告納税制度がよいと考えております。しかし経済界の変動がない場合につきましては、大体実績課税制度をとるべきではないか。あるいはその場合にでも予算申告納税制度はよい。経済界の変動のない場合につきましては、どちらでもよい。経済界の変動のある場合には納税者の立場からいつて予算申告納税制度がいいと考えております。
○鍛冶委員長 実際においてそれでは國民は自分の所得を確実に調べて、これだけの能力があるということで申告しておるとお思いですか。この間から調べたところによると、その点たいへん不安なように思われるのですが、いかがですか。
○池田證人 中には非常にりつぱな申告をなさつていらつしやる方も昔からありました。しかもこれは数が少うございまして、大体は胸算用で申告しておられるようであります。しかもまた税法がはつきりのみ込めていない関係上、自分の家事に関係する経費、すなわち生活費等も必要経費と考えておられる向きの人が相当あるようでございますが、この点はだんだんよくなつて参りました。私はできれば納税者各位が收入、支出をつけられまして、りつぱな所得を申告してくださるような帳簿組織を備えつけられておやりになる方が一番よい、これでなければ予算申告であろうが、実績申告であろうが、所得税の徴收はむずかしいと考えます。
○鍛冶委員長 ところがこの間からこつちで調べたところによりますと、実際の所得を書いて出してその通り徴税せられたのでは所得以上に――これは額にもよりますが、五十万円以上、百万円になるとあらゆる税金を加算して見ると、百万円の申告をして百二十万円くらいとられる。とてもこれでは申告できない。そうすればいやでも内輪に申告するのがあたりまえだ、こういう人があるのですが、この点はどうでしようか。
○池田證人 そういう税法は日本にはないと思います。それは計算にどこか誤りがあると考えております。すなわちたとえば百万円の所得のある人は、その百万円に対して課税する場合、いわゆる事業税、あるいは地租、家屋税を引いたあとの百万円か、引く前の百万円か、これを考えなければいけません。この議論は十年以前から議会でいつも議論になつておる。私は今の地方税が相当高くなつた関係を見ましても、原則として絶対にないと考えておりますが、もしそういう例がありましたならばこれはゆゆしい問題でございますから、ただちに税法の改正をやらねばならぬと考えております。はつきり税法の改正をして、計算すれば、税法上当然に所得額以上になることはございません。ただある特定の村で市町村民税をうんとかけたという場合、そういう異例の場合には起り得るかもしれませんが、東京都内においてはそういうことはないと考えております。
○鍛冶委員長 ところが申告があつてそれから仮決定して、さらに本更正をやられる。それに対してたいへんな異議申立てがあるようですが、この間から聞いておると、四〇%から以上に上つておるようですが、実際そうなつておりませんか。
○池田證人 そういう問題は財務局長か、主税局長にお聞きになつた方がよろしい。私は異議申立てがどれだけあるとか数字は存じません。ただなるべく異議の申立てがないように適正な決定をすべきであるということは指示いたしております。
○鍛冶委員長 先ほど聞いたのですが、この各署に対する配分というか、徴税見込額というか、これは公平に行つておりますか。この点が非常な問題になつておるのですが、あなたとしてはできるだけ公平にやつておると考えますか。
○池田證人 私は先般ほかの機会に申し上げておいたのでありますが、もし君の税務署はこれだけとれ、というような命令をしては絶対にいかんと思います。もしある税務署がこれくらい自分のところはとれる見込みだといつたときに、財務局長あるいは今度できる國税廳長官が考えて、ほかの所得税、また管内の経済事情を見て、それが行き過ぎるのじやないか、あるいはそれは過少じやないか、君のところの大納税者はこういう経済情勢だというときに、これは上げろ、これはもう少し下げろというような指示をすることは、税務の全般から申しまして適当だと思います。しかし税務署はこれだけとらなければいかぬぞという指示をすることは、これは不可能なんです。例をあげて申し上げますが、一昨年の十二月の末ごろ、各税務署、各財務局の税の目標を何か大藏省は知らぬかと言つたから、いや知らぬ、そんなことはないだろう、いや知らぬ、調べればわかる。それじや調べてもらいたいというので昨年の一月の中ごろ各税務署について調べました。しかしてこれだけとれる、とれた場合には大藏大臣から表彰状を出す、こういうことを主税局長が言つたそうです。それで私次官当時、東北の水澤の税務署でございましたか、一月の末に目標額に逹した。大藏大臣の表彰状を出すということを主税局長が言つて参りましたから、これはもつてのほかだ、三月三十一日あるいは四月末までにとればよいのを一月の末までにとるのはたいへんむちやなやり方をしておるのじやないか、よほどよく調べなければならぬ、これは目標額の出し方が悪いか、あるいは苛斂誅求かどつちかで、これは誇るべきことじやないと申しましたら、実は会議のときに局長から早く税を徴收したら表彰状を出すと言つた。ぼくはいやだ、ぼくは主税局長に表彰するわけに行かないからと反対をいたしました。これはどちらか悪い、そう急いでとる必要はない、むちやをしてとつてはいかぬ、ほどほどにとらなければいかぬ、しかして目標額に逹しない税務署もあつたように聞きます。そのときには私は役人をやめておりました。しかし目標額に逹しなかつた税務署の方がよほど努力した。今年におきましても逹しない税務署が相当あります。聞くところによりますと、横浜市内には事業所得税のところで八割程度から六割程度にまでしか目標に行かぬ税務署が相当ある。ぼくは署長に会つてお前は努力が足らぬというようなことは一切言わぬ。これは目標があつたにしてもないにしてもそんなことは問題にいたしておりません。自分は大藏大臣としてこのむずかしい所得税をとります場合には、時間がある限り各税務署長に対してむちやをしないように、適正な課税をするように言いつけるつもりでおります。
○鍛冶委員長 ところが先ほど聞いたようにずいぶんたくさんの汚職事件が起るわけであります。この事件の起る原因は、どこにあるとお思いでしようか。またこれに対しての対策は何かやつておいでになりまするか。
○池田證人 不正事件の起りますのは先ほど申しましたように、税額がパツと伸びて來るときに起るのであります。御承知の通り、先ほど申しました昭和十年の臨時利得税、あるいは昭和十七年でございましたか、賀屋大藏大臣のときに東京市内に相当問題がありました。ああいうときとか、あるいは今回のごとく非常に所得税の伸びて行きますときに問題が起ります。まあお考えください。昭和二十一年度は事業所得が百億程度でございましたが、二十二年度は五百億程度でございます。二十三年度が千二百億でございます。二十四年度は千九百億、これは営業、農業、いわゆる事業に対するものです。こういうふうに毎年倍加して行つて参りまして、非常に納税者の負担がきつく感ぜられるのであります。そういうときにはえてして不正事件が起ります。この原因は一つは税金が重過ぎる。すなわち急激に重くなる。もう一つは税務官吏の素質の低下、もう一つは全体に道義の頽廃、こういうことが原因すると思うのであります。從いまして税金につきましてはできるだけこれを軽くすると同時に、税務官吏の素質を十分向上し、また納税者に対しましても税務官吏を誘惑しないように、税務官吏も誘惑に乗らないように、この三者をあわせて行かなければならぬと思います。私どもといたしましては今度國税廳ができましたのを機会に、内部に監察官を設けまして、未然にそういう下心得者のないような措置をとりたい、早くわかつて來ればこれに訓戒を與える、悪性の者につきましては免官さす、こういう措置をとりますと同時に、納税者に対しましてはできるだけ帳面を正確にして、税務官吏がとやかくおどし文句を言つてもそんなことに乗らないように、またもし税務官吏が不正な要求をしたり、むちやな課税をするとすれば投書箱とかあるいは大藏大臣に投書して申告してもらいまして、そうして内からの観察と外からの納税者の投書によつて、税務官吏を誤りなきようにさせて行く、こう考えております、何と申しましても根本は税金をできるだけ少くすることが一番の早道であると思いますが、その三点に向つて努力して行かなければならぬと思います。
○鍛冶委員長 この間から聞いておりましてわれわれの感じたところでは、先ほど言つたように各納税者がみずからの所得の確実なる数字をつかんでおらない、そこへもつて來て今あなたのおつしやるように税務官吏にも素質の悪い者が入つて來ておる、税務官吏だけできめることになる。そのきめ方が上手でない、もしくは一人で大勢持つておるがゆえに思うように調査できなかつたということで、いいかげんな見当の決定になる、ここに根本があるのじやないかと思うのです。要するにいいかげんなものをつくつて、ほんとうの基礎がないから、動かせばどつちでも動くようになるから動かそうとする。また動かせば動くという、この両方からこういうことが起るのじやないかと見られるのですが、この点はどうお思いですか。
○池田證人 そういう点があると思います。從いましてこの税務署の更正決定をいたします場合には民間の人を入れて税務署の奥正決定につきまして御檢討を願います機会を設けたらどうか、そういう制度を置いたらどうかということは、私は最も傾聽すべき議論だと考えております。しかし申告納税制度を置きます場合に、こういうことにつきまして関係方面と議論をしたのでありまするが、今までの所得調査員が納税者の代表から出ておりまして、税というものは國民と國とが相対立するものだ。納税者と國とが対立する場合に、納税者の選出した者をもつて所得調査委員会を組織し、それに諮問するということは矛盾じやないか、こういう議論がありまして、一應所得調査委員会をやめたのでありますが、その後の施行状況から考えまして、私は少くとも今の税務機構の現状におきましては、昔の所得調査委員会に似たようなものを設けて、ひとつ民間の知識を入れた方がいいという考えを持ちまして、ただいま関係方面と折衝いたしておるのであります。いいかげんの見当でやると申しまするが、私が十二、三年前に税務署長をいたしておりましたそのときの様子を御参考に申し上げますと、私は昭和十年に玉造の税務署長をいたしておりました。営業收益税の納税者が二万六千人おりました。この二万六千人の営業收益税をやりますのに十三人でやりました。今ごろとは比較になりません。当時昭和十年は臨時利得税の施行されたときでありましたので、いわゆる満洲事変後の好景氣で、しかも大阪の東の発展地玉造の税務署では旭区、東区、住吉区、西成区の四区を管轄いたしておりまして、どうしても十三人で二万六千人の営業者を一々帳面できめるわけに行きません。私は五、六年病氣でやめておつたのでありますが、復職いたしますと、すぐその署員の十三人を連れまして、商店街に参りまして、各自商店を受持つて、これから三十軒右側の家を何ぼに決定するかということを調べる。そしてその店の商品のあり高、業種別、あるいは使用人が幾ら、自轉車がどう、家族がどうということを見まして、この薬屋は七千円、その隣の本屋は三千円、その隣のそば屋は出前持ちが五人であるから一万五千円、こういうふうにずつとやつて行きまして、三十軒なり、二十軒なりを見ましたら、その十三人が集まつて、君は何ぼと見た、何ぼと見た、税務署長と直税課長が最後におれは何ぼと見た。そういうことで一應眼をならしまして、それからずつと個人調査をやつて、こういうふうにずつと管内を見できめておつたのであります。しこうして署長は各署員の実額調査したものについては一々目を通しまして、今申し上げましたような使用人とか、家族とか、店の状況とかいうことによつて決定をいたしておつたのでございます。その当時におきましても、なお相当の異議の申立てはあつたのであります。しかしその当時は十三人の署員は、たいがい二十七、八から四十前後の一騎当千の者でありましたからできました。しかし今の税務官吏は御承知の通りに平均年齢二十三、四、なかなか昔のようなものではありません。從つて一人当りの件数は昔とは比較にならぬほど少くなつておりますから、これをこなす能力がない。でありますから、お話のようなことがありましたので、私はもう少し税務官吏の素質を向上し、教育を授けて、自分の責任においてきめるという方向に行つたならば、必ず不平が減つて來ると考えております。
○鍛冶委員長 それで今の民間の諮問機関でも設ければいいという御議論ですが、審際において調べていると、各業者の組合の幹部、さらにたいてい商工会議所または小さい町では商工会等に諮問をして、ほとんどそれをうのみにしておるような傾向があるのですが、從つて幹部と特殊の関係のある者は非常に安くてそうでない者が高いというこの不平が一番多く現われておるのですが、これは大臣の方には響いて來ておりませんか。
○池田證人 これはまた昔のことを言うようでございますが、とにかく営業者の國体に諮問することはできる規定がございます。これは國体交渉と昔は言つておりました。これをやることがいいか悪いかということにつきましては非常な疑問がある。非常にいい場合もありますし、非常にまげられる場合もある。從つて、大藏省の最近の方針といたしましては、公正に行く場合につきましては團体交渉もあえて辞さない。しかし税というものはできるだけ個々の人にあたつて調べて、不公正になるようなおそれのある場合は團体交渉をよした方がいいということにいたしております。從つて、團体交渉をやる前に手に何も持たずに團体交渉をやつたら非常に不公正になる。だから、たとえばここに呉服屋なら呉服屋がありまして、五十人の團体であるというときには、少くとも五人くらいは調べてこれはこつちに資料を持つている、そして向うから五十人の順位をあの人が百ならこの人は九十に、この人は三十にというような資料を出させて、こつちの持つている実額調査の資料と合してやらなければ、こつちが何にも持たずに團体交渉をやつたらまげられる。昔の團体交渉ではこつちに資料を持つて團体交渉をしておりましたから、かなりいいところがあつたのであります。これは正宗の名刀のように、うまくやれば非常によろしいのでありますが、悪かつたら非常に悪い。あなた方のお聞きになつたのは悪い場面ばかりお聞きになつたのではないか、いい場面もあるというように考えております。
○鍛冶委員長 若い者が行つてそういう者と交渉するものだから自分の頭がない。おまけにそういう者は海千山千の者があると思うのですが、仲がよくなると情実が生れてくる。こういう弊害があつたようですが……。
○池田證人 それは先ほど申し上げたように、自分の手に資料を持たずに経驗のない者がやると、非常に悪い結果に陥る場合が多い。
○鍛冶委員長 何かお聞きになりますか。徳田君。
○徳田委員 最初に、証人として政府委員ではなく証人池田勇人さんにちよつと聞きたいんです。第一に今の所得税ですが、これは勤労所得税から先に聞きたいのですが、今のように勤労所得税をとられて、生活ができますか、どうですか。
○池田證人 これは意見にわたりますから……。
○徳田委員 いや、それは意見ではなくて、あなたの生活自体が実際勤労所得税をとられて、われわれも代議士として何ぼかの金をとつているけれども、これは今のような勤労所得税をとられると食えない。事実食えない。食えると思う人は手をあげてみろ。(笑声)実際、食えるものでない。だから大臣として、幾ら金をとつて、幾らこうやつて、幾らこうして、それで食えるかと言うのです。それを私はあなたがいわゆる政府委員としてではなく、証人として自分の体驗の上でひとつ言うてもらいたい。
○鍛冶委員長 では、こう聞きますか。証人自身、勤労所得税を拂つてそれで食ベて行つているかどうか、こういうことになるかな。
○徳田委員 そうです。
○池田證人 生活しております。
○徳田委員 それならそれでいい。それが非常な大間違いなんだ。だめならだめだと言うんだよ、ほんとは。実際、税法によつて勤労所得税ではどれだけの控除をやつておりますか、いわゆる基礎控除は。
○池田證人 税法に規定いたしております控除をやつております。
○徳田委員 税法で幾らになつておりますか。それはあなたの職務上答えていいものだと思う、証人として。
○池田證人 昨年度は途中で改正いたしましたから、年度平均で申しますと、正確な数字は記憶いたしておりませんが、大体一万三百円だと思います。そして昨年の税法改正以後は年一万五千円で行つております。
○徳田委員 子供は何人持ちですか。
○池田證人 子供は家族控除でございまして、基礎控除ではございません。
○徳田委員 そうすると、基礎控除が大体一箇月千円というわけですね。昨年は……。
○池田證人 所得者の基礎控除がただいまの税法では年一万五千円と記憶しております。
○徳田委員 そうしますと、大体六千三百円べースで、子供は、これは基準でありますから標準家族でもつて、それで控除を引かれて大体どれだけで食うことになつておりますか。家族何人でどれだけで食うことになつておりますか。
○池田證人 証人としてお答えする事項でございましようか。
○徳田委員 それが大藏大臣としての商賣なんです。大藏大臣としてやらなければいかぬのです。
○鍛冶委員長 今あなたの記憶にないことなら、税法に関することですから、あとで書面で出していただいてもよいと思います。記憶があれば答えていただいてもいいと思います。
○池田證人 もう一回質問していただきたい。
○徳田委員 現在六千三百円ペースですから、標準の家族で六千三百円ですから、それでどれだけで生活するようになつておりますか。いくら税を引きまして、どれだけの家族でどれだけの金で生活するようになつておるかというのです。そうすれば勤労所得税ではたして食えるか食えぬかということがわかる。
○鍛冶委員長 要するに六千三百円べースで、どれだけの税金をとられ、どれだけ残り、それで生活することができるかということです。
○池田證人 ただいま数字を持つておりません。
○徳田委員 だからでたらめだと言うのだ。委員長の質問に対して、私の不審とするところをお尋ねするのですが、昭和二十二年から二十三年度における所得税につき左の事項を説明せよというところに、第一に國民所得と徴税総額との均衡はとれているかということに対しまして、証人は均衡なんていうことは問題にならぬということでありましたが、この均衡が問題になつているということは、この國民所得から税をとつた場合に生活ができない状態になつているのではない。すなわち生活とそれから税額の間にちやんと調節がとれて食つて行けるようになつておるかどうかということを委員会は聞きたかつたと思う。そういう意味であると私は理解する。理事会におきましての大体の討議は、ちよつと簡單にしたのですけれども、われわれの理解はそうであつた。証人の答えはそれには該当しなかつた。それで私はあらためて聞くのですが、今のことはどうです。実際國民所得から税額を引いて残つたもので生活ができるかどうか、生活権を侵してないかどうか、生活の実際の状態を侵して、これを危險な状態に陷れておるのではないか。これを証人はどう見ますか。
○池田證人 意見になりますから……。
○徳田委員 証人としては何にも答えぬ。大体答えぬ方針で來ておるから、それなら政府委員として聞きましよう。意見はどうです。
○池田證人 政府委員としてお答えいたします。今の税法は先ほど申し上げましたように非常につらい、きつい場面もございますので、早急に減税の措置をとるべく努力いたしております。
○徳田委員 そうすると生活を実際侵しておるということを認めるのですか、認めないのですか。
○池田證人 生活を侵すという程度がわかりませんので……。
○徳田委員 人間らしい生活ができないというのです。憲法にちやんと書いてある。文化的にちやんと人間らしい生活をするようにと憲法に書いてある。そういうように生活ができるかどうかという……。
○池田證人 敗戦國の日本としては、今の生活は憲法に規定している以上に苦しめておるとは考えておりません。
○徳田委員 そうすると憲法上の通りやつておるというのですね。――そうすると大分自殺者も出、家族心中なんか大分出ておる。すなわち子供を連れて一家心中というようなものをやつておるけれども、こういうものが税に関係しておるものがたくさんにあると思いますが、そういうことに対しては大藏大臣としてはいかなる所見を有するるや。
○池田證人 その人に対しまして不当な課税をいたす場合におきましては、これを訂正するのにやぶさかではございません。
○徳田委員 そうではない、そういうことを言つているのではない、そういう事実、自殺でもしなければならない事実、これは生活が憲法に保障せられておるように、それだけの生活ができる、それ以上の税をとつておらぬ、すなわち苦しめるような税をとつておるのとは違うではないかというのです。
○池田證人 私は自殺に追い込むような不当な税はとつておらぬ。
○徳田委員 とつておらぬ、だからだめだと言うんだ。事実を全然無視している。現にこういうことはわれわれの委員会で調べたんだけれども、実際生活ができないからよしたというのがいる。こういう税をとられたんではとても生活ができないからよしたというのが大分ある。どうです、これでもやはりちやんと生活を保障するようにできていますか。
○池田證人 自分が営業いたしまして税金を非常にとられる、それで何かほかの方法をやろうというのはかつてでございまして、私はとやかく言うのではございません。
○徳田委員 それはかつてではない。ほかに仕事をし得るというものは全然ないけれども、これではとうてい生活ができないから、ほかに目あてがないけれどもこれをやめておる、こういう事実に対してはどうですか。
○池田證人 答える限りではございません。
○徳田委員 だから言うのだよ。大臣をここに呼んでもためだ。主税局長を呼んだ方がいい。
○安部委員 委員長、議事進行に関して……。
○鍛冶委員長 では安部君、議事進行に関して……。
    〔発言する者多く議場騒然〕
○安部委員 ただいまの徳田委員の質問は……。
○徳田委員 予算委員会では……。
○鍛冶委員長 徳田君、ちよつと待つてください。安部君。
○安部委員 かくのごとき質問はこの委員会の不信に関するものだから、こういうことは委員長が取上げて質問すべからざる條項については、質問する限りでないということを指示してほしい。
○徳田委員 今大藏大臣がちやんと言うたのだ、あなたの質問したことに……。それに対して疑義があるからこつちは質問を追加しておるのだ。
○安部委員 大藏大臣の人身攻撃をしてはいかぬ。
○徳田委員 何が人身攻撃だ。大藏大臣は公僕じやないか。いかん人に対してはわれわれは議員だから監督するのだ。公僕を監督するのだ。
○安部委員 限度がある。
○徳田委員 ちやんと憲法に書いてある。悪いのはどんどん監督する。それがどうして悪い。(発言する者あり)
 大藏大臣は委員長の質問に対しまして徴税見込額とか、あるいは努力目標とかいうものは單に会議でやつておるだけであつて、これに対して指令を発したり、その他押しつけがましいことはしておらぬという話でありますけれども、五月十日の予算委員会で湯地東京財務局査長及び横山関東信越財務局長、それから新井日本橋税務署長、大谷麹町税務署長等からいろいろの説明を聞いております。これを皆総合いたしますと、大体各税務署からちやんと税收の見込額を出して、これを財務局長会議にかけて、大体この目標でやるということを言い渡しておる。そういう目標を言い渡しておる事実があるが、これは昨年のことです。あなたはこの時には大藏大臣でなかつたと言つて、おれは知らぬというのでは私はいかぬと思う。こういう事実が実際上行われておるかどうかということに対しては、あとに來た大藏大臣にしてみたところで、この事実は十分知つておらなければならぬ、これは非常に大事なことである。この点はたしてあなたは知つているか知らぬのか、お聞きしたい。
○池田證人 私が先ほど申し上げましたことは、昔のことを言つておるのであります。最近の会議には出たことはございませんので、どういうようなことをやつておるか、私は存じておりません。この点につきましては、この会議に列席した主税局長、その他関係官から報告を承るのが適当かと考えます。
○徳田委員 それでは大藏大臣としてははなはだ怠慢である。それから大藏大臣は昔おれが税務署長をしておつたときはこうだ、あのときはああだと言うけれども、昔とは税法が違つておる。そうしてあなたも言う通り、現在においては予算申告の方がよろしい、今は経済上の変動があるからよろしい、こういうことですね。このあなたの意見は間違いありませんね。そういう予算申告をやることはよい。経済上の大変動がある。この大変動があればこそこれに努力目標を示してやらなければ、今のような状態では実際上税はとれない実情にあるのではないですか、どうです。
○池田證人 それは努力目標と申しますか、先ほどの私も申し上げました昔のような方法でやつてるのでないかと私は考えておるのであります。しかして今後におきまして努力目標を示すかどうかという問題があるのでありますが、先般参議院で答えておいたと思いますが、きつく考えるような努力目標は示すべきではないと思います。
○徳田委員 それではもう一つ聞くが、この予算申告の制度は、現在のように経済的な大変動があるときには、これでなければならないと、こう言われますが、この経済的な変動というのはどういう点を言いますか。すなわちインフレーシヨンでどんどん上つているときに、予算申告、これは先が幾らになるかわからぬから、実績を待つていたのではとてもおつつかない。だからどんどん上るときには予算申告いうものは必要だ、こういう意味ですか。それとも下るときにだつて、日本でも一九二九年、三〇年、三一年にわたりまして下つた。こういう下るときにもこの予算申告でいいというのですか。どつちですか。
○池田證人 上るときも下るときも予算申告がいいのであります。
○徳田委員 そうすると、現在はどうですか。現在は下り口か、上り口かどつちですか。
○池田證人 今は安定に向いつつあると思います。
○徳田委員 その点では私は非常に考えておかなければならぬ。これは今や壊滅しつつある。壊滅しつつあるのだから予算申告ではとうていとれない。すなわち現在の状態ではどれくらい收入があるかということは、こういう下り口には予定できない。なぜならば非常に大きな損をするのであるから実際所得になるかならぬかなかなかわかるものでない。上り口のときならば、大体少く見積つておけば何とかなるが、下り口にはおつかなくて予算なんか立てられるものではない。あなたは立てられますか。
○池田證人 むずかしくはございますが、できないことはありません。しかしむずかしいのをでかした場合に、あとどうするかというときは、確定申告で翌年の一月是正いたします。
○徳田委員 むずかしいがやらなければいかぬ。しかしむずかしいのにも限度があつて、むずかしいのは不可能に近いものがある。事実こういう時代において非常な大変動があり、中小商工業者もばんばん崩れていく。これは大藏大臣の方に責任があることであるけれどもつぶれて行く。事実農村などにおいては薪炭林なども買取りを食らわされる。この買取りをいつ食らわされるかわかりはしない。そういうことが実際起つておる。そういう場合にあなたはほんとうの意味でこの不可能に近い困難、こういう困難がこの予算申告にないと思いますか。あなたはこういう場合でも相当人民の考え方でまず正鵠に近いところまで予算が立てられると思いますかどうですか。
○池田證人 これは確定申告がありますので、適当に各自の商況をみはからつて申告していただきたいと考えております。
○徳田委員 これまでは確定申告というものは大体申告の二倍なり三倍であつた。どんなに少くてもまあ二割か三割はみなふやしておる。むろんそれは大ボスはなかなか確定申告は申告通り出さない。また議員とか何とかうるさいやつは大体言うた通り。更正決定は來ないのです。こういうものはいいけれども、事実今までの更正決定というものはみんなこれはふえておる。事実こういう場合に、これが逆に來るときにこれを減らす更正決定ができますか。可能性がありますかどうですか。
○池田證人 商況によつてだんだん物價高で行つておる今までの場合におきましては、予定よりも更正決定が多くなるのが適当でございましよう。しかし下り坂のときにおきましては、初めの予算申告より更正決定が少くなる場合もあり得ると思います。
○徳田委員 大藏省はそれでやつて行けますか。今のような予算のあれで……。
○池田證人 やつて行けなかつたときには收入不足が出るのであります。
○徳田委員 いらないことだ。そんなことは知つておるよ。差押え物件はなるべく納めるまで待つていて、ばんばんむりなようになるから競賣をしてはならないということをしておくとあなたは言われますけれども、東京ではこれは非常に間違つておる。そういうのではない。差押えをしたら十日間待つべきものも待たずにデパートへ持つて行つて右から左にばんばん賣つておることがありますが、そういうことは報告を受けておりませんか。
○池田證人 報告を受けておりません。
○徳田委員 よほどそれは世の中を知らない。(笑声)それから最後に、実際汚職事件の発生する原因につきまして、あなたは原因よりは矯正する方を言われて三つをあげた。しかしわれわれの意見としてはこうだ。第一の問題は実に現在の課税というものは非常に絶対的だ。絶対権的だ。非常に專制的だ。一度、決定したならばなかなかこれは更正も何もできない。これをかえることができない。またかえなくてもいいようにできておる。異議の申請をしても何をしても、そんなことを講わずにどんどん差押えをするものだから、どうしても專制的にならざるを得ない。この專制的になつておるということが、だからこういう効力を持つておるからこそ、実際上表向きから行つてはできないので、裏から手をまわして買收するのではないか。こういうことに対して、実際上あなたの受けておる報告からこういう推定をされる事実はありませんか。
○池田證人 税務の執行につきまして一々報告は受けておりませんが、お話のような点は他の方面から聞いたことがあるのであります。從いまして、これにつきましては税務機構を拡充強化いたしまして、異議の申請がありました場合にはただちに行つて調査して、申請が是なりや非なりやということを決定しなければならぬと思つております。そういう方向に指導いたしております。
○徳田委員 それならば更正せられるかもしれないが、しかしながらもう一つ問題は、今われわれが調べておるところにおいては、実際この税法通り徴收せられるようになつたならば、だれ人でもほんとうに生きることはできないようにできておる。その根本的な理由は、今これは事業所得に関してでありますが、事業所得のうちで実際これだけのものがいるというこの必要な経費の見積りについて、実際事業をしておる者に対しまして、自己の出しておる労働の賃金などはみんな考えておらぬ。だからこれは勤労所得税的感覚から事業所得を見ておる。從つて必要な経費が非常に少く見積られておる。その結果こそ、実際上税が非常に高くなつて、どうにもこうにもならんことになつておると思いますが、そういう点はどうです。大藏大臣はどう思うのですか。
○池田證人 御質問の点がはつきりわからないのですが、察するにこうだと思います。ここに豆腐屋があります。豆腐をこしらえるその豆腐屋の主人を、勤労所得として豆腐製造販賣による利益から引いて課税すべきじやないか、こういう御質問かと思いますが、今の税法はそうではありません。これは豆腐屋の御主人が豆腐をこしらえてお賣りになるときは、豆腐の製造販賣業として收入から必要経費を引いたものをもつて課税する、こういう所得税法になつておるのであります。
○徳田委員 だからその必要経費の中に自家労働を足してその人間が生きて行く。そのことに対するものだけは引くかどうかというのだ。必要経費の中に入れてあるかというのだ。
○池田證人 私が所得税を納めますときに、私の労働に対して自家労働として勤労所得から引かぬと同じような考え方です。
○徳田委員 だから勤労所得税的考え方だというのだ。そういうために今や中小商工業者はみなやり切れなくなつておる。それだからこそここに大問題がある。こういうことについてはどうです。あなたはそれは当然やつていいものだ、すなわちこれでも十分やつて行けると思うかどうか。
○池田證人 所得税法はそういうふうにできておるのでありまして、決してむりでもなくて合理的な制度と考えております。
○徳田委員 合理的な制度……。だから民自党はつぶれるんだ。(笑声)
○鍛冶委員長 できるだけ議論でなくて事実を聞いてください。
○徳田委員 最後にもう一つある。同業組合の幹部と実際上なれ合わなければ今の課税はできないじやないか。なれ合わずにやれる方法があるか。すなわちほんとうに具体的に調べて、こういうものを全然除外してやつて行く方法があるかどうか。今の諮問とか何とかいうことは、ほんとうに具体的にはこれが贈收賄取引所になつておる。取引会になつておる。あなたはこういうことを全部排してやつて行けると思いますかどうですか、それだけ聞いておく。
○池田證人 理想から言えば、税務職員が個々のの納税者に当つて、実額調査をして決定すべきものと思うのであります。しかし收賄とか贈賄とかいう問題になりますと、組合の場合には幹部の人との間にそういうことが起り得るかもわかりませんが、個々に調査した場合におきましても、調査官吏の下心得あるいは納税者の不心得でそういうことも起り得るのであります。私は理想といたしましてはとにかく納税者個々について正確な所得を申告してもらい、また税務官吏も正確なる申告と思つた場合には、個々に調査して決定するものと考えております。
○徳田委員 そうすると組合との関係を断つことは今では可能じやないのですね。
○池田證人 組合との関係につきましては昔からいい場合もあるし悪い場合もあります。いい場合につきましては私はできるだけ民間の人のいい公正な知惠を借りることも必要かと考えております。
○徳田委員 それは一般論だ。そういうことを聞いておるのではないんだ。現在の状態において、この非常なシーリヤスな状態において実際これを断ち得るかどうか、組合との関係を断ち得るかどうか。そんな一般論を聞いておるのではないのです。具体的に断ち切つてやつて行けるかどうかを聞いておる。
○池田證人 私は一般論を答えるほかにはございません。個々の團体でこういう團体とこういう團体がどうかという場合には、そのときに御意見を申し上げます。
○徳田委員 それではいくら言つてもだめだからこれくらいにしておきます。
○北委員 私は証人でなく大藏大臣としてお伺い申し上げるのでありますが、ひとつ御丁寧な御答弁をお願いしたい。実は先ほど大藏大臣は税額が上るときにはいわゆる汚職事件というものが起る、こうおつしやいましたが、今まで証人をいろいろ呼んだ結果によりますと、これは非常に多いのです。私は今都市と農村と比べてここで大藏大臣に聞きたいと思うのですが、都市の人に非常に多い。そうして事実上それが下げられておる。一方農村の方を見ますと、これは今強制供出、あるいは割当、あるいは價格においてもこれは政府がかつてにきめておる。こうなりますと、帳簿上農村の方に非常に正確な数字が出て來ると思うのです。一方都市においてはそうでなく、いろいろ汚職事件や何かが起つて、そうして今までの証人に聞くところによりますと負けられておる。私はこの点都市と農村を比べるときに非常に不公平な徴税が行われておると考えておるのですが、この点に対して大藏大臣はどう考えますか。
○池田證人 これは都市と農村とにおわけになることが不適当だと思います。農村におきましては大体の概計標準がつくのであります。たとえばAなる農家は田を六反、畑を三反、こういうことはわかります。しかして畑の三反について大根を植えているか、ごぼうを植えているか、あるいはいちごを植えているか、作物によつて大体の所得標準が出て來るのです。しかし都会におきましてはそういう概計を得ることはなかなか困難であります。轉々ストツクが動きますし、商品の回轉率が場合によつて違いますから、税務上の見込みがなかなかつきません。從つて非常に低かつたり、むりが行くのであります。從つて業種によつてそういうことがあるとお考えいただかなければならぬと思います。それでやつぱり事業所得税の中心、営業ということにつきまして実額調査をできるだけたくさんやらなければ不公平を來すと考えるのであります。
○北委員 そこでさつきも大藏大臣が言われたように、昔は非常にうまく行つておつたが、今の税務官吏は非常に怠慢だとか、なれていないとかいうことを聞いたのでありますが、私の聞くところによりますと、都市はたいして調べていない。ただ組合と交渉してやられておる。しかもこれがいわゆる汚職事件や贈收賄であげられておる。農村の方はそういうことが見られぬ。かつまた、農村の方にはそういうはつきりした数字が出ておるにもかかわらず、やみ米を流したとか何とかそういう水増しを農村にかけておる。これは一体公平なことかどうかということをお聞きしたい。
○池田證人 今の税務官吏の勤務状況から申しますと、大体農村出身の方が多いのであります。しこうして今の住宅問題から考えてみますと、なかなか都市に税務官吏を集中することは困難でございます。從いましてどちらかといえばいなかの方が課税物件にもよると思いまするが、相当調査が正確に行つておるのではないかと考えております。第二段の農家がやみをした場合の所得につきましてこれを課税することの適否につきましては、やみ賣して所得があれば、所得があるところに課税するのは当然と考えます。
○北委員 それでは公平にやられておるというのですね。
○池田證人 公平にやつておると私は考えます。不公平がありましたならば改めさせます。
○北委員 私はこの間から証人の実態を聞いて、非常に不公平があると考えております。次に先ほども大藏大臣は農林委員会におきまして、農業は企業体でない、企業体のような企業体のものでない、だから税の上には少し考えなければならぬというようなことを漏らしておられたようですが、現在やられておる徴税というものは、農業を一つの企業として扱つてどんどんかけられておる。これはあたりまえと思われますか。
○池田證人 これはたいへんな誤解でございまして、私は先ほど農林委員会におきまして農家の事業が企業体でないとは申し上げておりません。農地の改良を一つの企業として見るということは農地の改良の実態からいつてなかなかむつかしい。一つの企業として農地を改良するということは困難である。日本の農地の状況からいつてそこへ金を注ぎ込む場合においては、普通の企業のように利子を年に八分とか、一割とか、取立てられては金が注ぎ込まれない。農地改良のことを企業として見るわけにはいかぬということを申し上げたのであつて、農家の事業が企業でないかということは申し上げておりません。
○北委員 そうしますと、今の農業経営は企業体だとおつしやるのですか。
○池田證人 企業体ということには語弊がありますが、一つの事業と見ております。
○北委員 そこで今やられておる徴税の方法は、事業としてかけられておるわけですね。
○池田證人 税法にも明記しておる通りであります。
○北委員 そうしますと、今の農業経営というものはたとえば農産物の價格にしても土地にしても実際農家の自由にならない。價格にしても政府が勝手にきめておる。それからその主食糧にしても國家管理というようなことをやられておる。それでもなおかつ大藏大臣はこの農業を事業として見ますか。
○池田證人 事業として見ております。
○北委員 そうするとその事業として見て課税をなさるわけですね。
○池田證人 税法に從つて事業として見て課税しております。
○北委員 それから農村の徴税のことについてもう一、二聞きたい。私は北海道でありますが、北海道においては下の税務官吏が農村へ行つて、ただ名刺を出しただけで倉庫へずかずか入つて行つてそれを調べておる。こういうようなことは正常ですか。
○池田證人 税の調査につきまして臨檢、訊問をするときには、正式の手続をとつて行くべきだと考えております。
○北委員 もしもそういうことが正式の手続をとられないでやられた場合には、大藏大臣としてこの税務署の官吏をどう処分されますか。
○池田證人 事実を調べて適当な措置を講じます。
○北委員 これは適当な処置ではちよつと許されぬと思う。いかなる処置をとられるか。
○池田證人 これはきまつております。適当な措置を事実によつて判断して行かなければなりません。
○北委員 それからただいま農村で非常に困つておることは、農業協同組合が扱うところの主食をつくるに要する資材、これらに対してどんどん取引高税などがかかつて來るわけです。しかし農業協同組合の精神から行くと、これは法人と違いまして特別法人ということになつておりますが、これは税をかける建前のものではないと私は考えておりますが、この点はどうですか。
○池田證人 ただいまの税法の命ずるところによつて課税いたしております。私は、議論になりますが、ただいまのところ、今の税法は適当だと考えております。
○北委員 そうしますると、將來どうするつもりですか。
○池田證人 將來は將來の状態によつて考えて行きたいと思います。
○北委員 それじや大藏大臣、あまり誠意のない答弁じやありませんか。それじや今度は証人として尋ねます。先ほど徴税目標は上から押しつけていないと言いましたが、もしこういう事実があつたら、一体どうしますか。
○池田證人 私は強い割当と申しますか、徴税目標を示して、これはどうしてもとらなければいかぬとか、これだけとらなければどうだという考え方はいたしたくないのであります。
○北委員 大藏大臣としてはいたしたくないかもしれませんが、下において、税務署長なりそこら辺の人が、上から言つて來たからどうしてもこれだけとらなければならぬと強制してとつているじやないか。その事実をどうしますか。
○池田證人 そういうことは今後は言わさないように適当な措置を講じます。
○北委員 それなら大藏大臣の責任において、そういうことをなさないように各税務署に通牒を発してもらえますか。
○池田證人 通牒はもちろん発しますし、議会でも答弁いたしております。
○北委員 次に税の徴收にあたつて、関係方面が非常にうるさい。直接農村なり何なりへ入つて來てそういうことを言つておるという事実があるように聞きますが、これに対してどう考えますか。
○池田證人 私はその事実を見たことはございませんが、耳にしたことはございます。占領下におきまして、ある程度行政上の指導を受けることはいたしかたないのではないかと思います。
○北委員 これに対して何か向うの意見を聞くなり、向うに忠告を與えるなり、そうしたことをしたことがありますか。
○池田證人 就任早々間もないのでありますが、私はそういう意見のないように、独自の考えでりつぱな行政をやつて行きたいと考えております。
○北委員 ちよつと話が違いますが、聞くところによりますと、農村の超過供出に対して税金をとるのに、今やかましい問題が起きております。この超過供出に対して、今年はどういう税処置をとられたか、この点をひとつ……。
○池田證人 食確法の改正によりまして、地方長官が超過供出を命ずる建前になりました関係上、私といたしましては、超過供出による所得については、特別の軽減措置を考えたいというので、昨日來交渉いたしております。
○北委員 軽減になるような見通しがありますか。
○池田證人 本國会にはむずかしいと思いますが、私の見通しとしては、ぜひとも軽減措置を講ずるように努力し、大体見通しもつくのではないかという考えを持つております。
○北委員 最後に、これはお願いになるかもしれませんが、農村のやみに対する水増しの課税は絶対にやめてもらいたい。考査委員会の一つの仕事として、こういう資料をまた出していただきたいと思います。
○小玉委員 所得を押えるのに一番むずかしいのはやみ所得だと思うのです。脱税問題は経済九原則でも非常にやかましく言われますが、このやみ所得を抑えるために、大藏大臣としては有効適切なる案があるでしようか。どういうふうな対策をもつて臨まれておられるかお聞きしたいと思います。
○池田證人 なかなかむずかしい問題でございまして、これを捕捉いたしまするには、やはり個々の業者についてみるよりほかにはないのであります。個々の業者につきましても、なかなか完全な把握はむずかしいと考えますが、疑わしいものにつきましては、預金帳その他を調べまして、全体につきまして調査を進めて行けば相当程度のやみ所得は把握できるのであります。最近の査察部におきまする活動にいたしましても、かなりやみ所得をとらえておるような状態でございます。
○小玉委員 脱税問題については、檢察当局と協力されておるやに承つたのでありますが、それはどういうふうになさつておるか承りたい。
○池田證人 檢察当局と協議いたしまして、起訴、不起訴をきめるような方法を考えてやつておるようでありますが、脱税があつたからといつてすぐ起訴するということもいかがかと考えますので、そういう場合につきましては、各省ごとに協議いたしまして、適当な方法をとることにいたしております。
○小玉委員 もう一点、ある地方では、税務署の徴税成績について、自分の方は全國で何番であるとかいうようなことをよく言つているようですが、何かそういう番付みたようなものがありまして、番付によつて競争させて、功名心を利用して徴税成績をあげさせることがだんだん下の署員あたりに影響して、むりな徴税をやるというようなことにもなるかと思いますが、そういうことをやつているのをお聞きでございませんでしようか。
○池田證人 先ほど來の私の答弁でおわかりと思いますが、目標額以上に逹したからそれは非常にりつぱな署長であり、目標額に逹しなかつたから無能なつまらぬ署長であるとは考えておりません。目標額というものは、いいかげんと言うと語弊があるかもしれませんが、なかなかきめるのはむずかしいもので、そういうようなことでやるべきでないと思います。もし早く目標額以上とつたらそのものはえらいというようなことを制度的に認めているようなことがありましたならば、その制度はただちにやめさせます。
○小玉委員 これは御調査の上適当に御処置願いたい。
 それから見込額と実際の徴税成績との差額、見込額に逹するまでの徴税は、農村と都市においては非常に差があるのではないかと思いますが、農村と都市との関係から見まして、見込額と徴税額との開きの大小ということについて、何かお氣づきの点はございませんか。
○池田證人 これはあなたが大藏大臣になられても、また税務署長になられましても、管内から事業所得はどれだけとれるというようなことをきめることは、神様でなければできません。またこれは、とれるだけとるというようなことをしても課税が不公平になるので、税法にきめられた範囲内で適正にとるのがよいのであつて、君の管内からこれだけとれとか、昔の悪代官のようなやり方は絶対にやりたくないと考えている次第であります。從いまして、農村の方からどう、都会の方からどうこうということはないのであります。この目標をきめますときに、米價のきめ方の問題、そのところの作柄の問題とか、あるいは同じ一家にいたしましても、子供がふえておる場合と死んでおる場合によつて税金が違つて來るのでありますから、正確な目標額はできつこないと考えておるのであります。
○小玉委員 今共産党の徳田君や農民党の北君あたりからいろいろありましたが、われわれの感ずるところでは、やはり上から天くだり的の案があつて、その案が税務署に押しつけられておつて、下につらく当るということは、一般民衆が考えておる事実じやないかと思うのです。この事実を一帰するということは、大藏大臣の今までのお答えによつて、われわれよく大藏大臣の御方針はわかつたのですが、この誤つたるところの民衆の感じということを拂拭するということが非常に税に対する観念をやわらげるというか、國家に対する信頼を増すゆえんではないかと思いますが、何か大藏大臣においてこの点については適切な措置を講じていただきたい。これはもう言うと言わずにかかわらず、一般の民衆はそういうふうに考えていることは事実でありますから、その点について何か適切な処置をお取りになるお考えがあるのかどうか承りたいと思います。
○池田證人 実際問題といたしまして、人はおのおのその管内の事情につきまして認識に厚薄があることは爭えません。この署長を監督いたしまする――これから國税局長になりまするが、前の財務局長は、その署長の認識につきまして指導、注意を與えることは、これは行政措置として当然のことであります。それがお前の税務署はこれだけとらなければならぬというような形式でやつたならば、それは行過ぎであります。今後におきましても、甲と乙の税務署長が、おのおのその管内における経済状況の見通しにつきまして厚薄がありましたら、財務局長はこれを是正するのは当然だと思うのであります。しかして税務署長が、これだけの割当ですから、これだけとらなければ自分が困るからこれだけ出してくれというような税務署長は、私は不見識そのものでありまして、卑怯千万であると考えます。税務署長は税法の命ずるところで、自分の管内の経済状況を見て適正な課税をする。これを決定する権限は税務署長にある。もし税務署長の権限が行過ぎだという場合におきましては、財務局長はこれを是正する権限を持つている。もつと税務署長はその権限に訴えて、これだけの税金はとるべきだ、これはとるべからざるものであるという――それをいたずらに割当だ、どうだこうだというならば、われわれは卑怯千万だと思います。今後はそういうことのないようにやつて行きたいと思います。
○神山委員 今の問題に関連して、大藏大臣でなく、証人としてお聞きしたいのですけれども、努力目標であろうと、徴税目標であろうと、そういうふうな名前によつて実際押しつけられておるという事実をあなたは認めますか、認めませんか。
○池田證人 私はそこまで調査したことはございません。
○神山委員 その次に聞きます。この考査委員会に呼んだ証人のほとんどが、前回の証人として來た中野税務署の総務課長は、自分の口で割当と言い、あるいは目標と言う。しかしそれは上から押しつけたと言われましたが、それは事実に反しているかどうか。
○池田證人 そういうことは私存じておりません。
○神山委員 それではもう少し聞いておきたい。これも証人にお聞きするわけですが、先ほど北君が聞いたときにも出た問題ですが、國民所得と徴税総額、この問題について具体的な数字に基いて現在の徴税総額が適当だと思われるのかどうか。
○池田證人 今の徴税見込み額は適当と考えまして、議会に提出し議決を経ております。
○神山委員 それでは、先ほど証人尋問のときに、事実としては知らぬとお答えになつたのでありますが、これはどうですか。
○池田證人 どの問題でございますか。
○神山委員 今の國民所得と徴税総額との均衡です。
○池田證人 國民所得は一定の計算をいたしまして、これだけあるだろうという見込みを立てております。そうして徴税額はあとから表われて参ります。
○神山委員 私がお尋ねしているのは、それが國民生活の、憲法で保障されている最低生活を保障しているかどうか。その点についてあなたはどう考えているか。それを聞きたいのです。知らないなら知らないでいいのです。
○池田證人 國民生活は今のままで行くものとして徴税見込額を立てたのであります。
○神山委員 前回の委員会に召喚しました証人はことごとく口をそろえて、今の税金では自分たちは生活できないと言つておりますが、こういう事実は認められますか。認められませんか。
○池田證人 それは主観の問題でございます。
○神山委員 それではもう一つお尋ねします。先ほどの、自殺者が税金の関係からたくさん出ているというのも、新聞にもだいぶん出ておりますが、あなたはご存じありませんか。
○池田證人 新聞には税金の関係も一つの原因をなしているというように出ておつたのを読んだことはあります。
○神山委員 関係が一部でもあるということを認めればまことにけつこうです。それから、まだ二、三お尋ねいたしますが、前回呼んだ証人の話では、これは中野の古物商組合ですが、今年になつてたしか六、七十軒、昨年以來二百軒近く廃業したと言つている。こういう事実が生じているのを見られて、今の税法及び課税方法が適当であるとお考えになりますかどうか。
○池田證人 税率が重い点もありますので、これを改正すべく努力いたしております。
○神山委員 もう一つお尋ねしますが、徴收目標以外の收入は幾ばくあるかという先ほどの委員長の質問に対して、お答えになつたのを私ははつきり記憶しないのですが、あらためて補充的にお尋ねします。尋問事項の第五ですが、徴收目標以外の收入はどのくらいありますか。
○池田證人 徴收見込み額の中に今の追徴金、加算税も加えて見込んであるのであります。
○神山委員 具体的なことは述べられませんか。
○池田證人 数字の持ち合せがございません。
○神山委員 その次第六の点ですが、脱税についての処理方法いかんという点であります。この点についてもあなたの見解でなく、どういうふうにやつておられるかということを聞きたい。
○鍛冶委員長 これはさつきから何べんも聞いておりますね。私も小玉君も聞いておるのだから具体的にこの点ということを聞いてもらいたいのですがね。
○神山委員 はつきりもう一ぺん速記録にとどめておきたいから……。私は大藏大臣としての池田勇人君にこの点について、はつきり答えてもらいたい。脱税についての処理方法をどうするかということです。
○池田證人 先ほどお答えした通りでありますが、たつてのお望みでございますから、お答えいたします。脱税があつた場合には実地に調査いたしまして、税法の命ずるところによりまして、所定の手続をとつております。
○神山委員 それから先ほどからの話を聞いておりますと、異議申請が來ればただちにそれを処理するとおつしやつておる。まことにけつこうですが、実際上中野総務署のごときは七千通も積まれているということが事実といわれておりますが、こういうことをどう考えられますか。
○池田證人 幾ら税務署に異議を申立て、あるいは審査請求が出ているかは存じません。相当数に上つていると思うのでありますが、これを処理する人員は十分ではございません。しかし少い中でもできるだけ早く処理するように指令をいたしております。
○神山委員 事実問題としてそういうふうに処理されていないで、数千通がたまつているという事実があるのだから、これに対しては適当な処置をしなければならないと思います。それはそれでいいとして、努力目標の問題に一ぺん返りますが、先ほども申したように大藏大臣は案外話がわかるのでありますが、下の方の諸君は努力目標を割当だと考えている。実際業者はそう思つている。現実のこういう事実の中に、軍政部までがこの努力目標を目安にしているのが事実である、こういう意見があるが、こういう意見をあなたどうお考えになりますか。
○池田證人 その意見は聞いておりません。
○神山委員 これは四月二十三日徴税目標調査に関する小委員会において大藏省主税局監理第一課長忠氏が数名の委員の質問に対する答えの中にこういうことがあります。これは事実に反しているのですか、あなたが知らないのですか。
○池田證人 その会議に出席いたしておりませんで存じません。
○神山委員 大藏大臣は世間で、警察より税務署がこわいと言つていることを御存じですか。
○池田證人 新聞で見たことはございます。
○神山委員 これはあなたが先ほど意見として述べられた中に、汚職事件ができて來る原因の中に、官吏の素質が仮下したことを第一にあげられております。一般に道徳的に頽廃している結果だということも言われたのでありますが、官吏の素質が低下したということの中にはどういうことが含まれておりますか、これをお聞きしたい。
○池田證人 これは昔と違いまして、年齢からいつても非常に平均年齢が下つております。それから経驗から申しましても、私は五年、十年、十五年勤めた人よりは、一、二年しか勤めていない人の数が非常に多くなつて來ている、こういうところから言つております。
○神山委員 どうしてそういうことになつたのでしようか。
○池田證人 御承知のごとく十二、三年前は税務官吏は七、八千人から八、九千人でございました。ただいまのところは六万四千人、しかもこのうち二、三万人程度を一、二年のうちに採用した。これは税法がかわりまして、課税の物件が多くなつて、急激にふえたのであります。そして戰爭中はなかなか税務官吏の優秀な者をとるわけには行きませんし、またとつても應召したというように、いろいろな原因が重なつて今のような状態になつているのであります。
○神山委員 私がむしろ言いたかつたのは、率直に言いますけれども、今言われたように急に増員した若い人が多い、これも理由だと思います。しかしこの人たちが安んじて業務につけないような低い給料になつていることが汚職事件を起す一つの原因になつているのではないか。
○池田證人 そういう点がありますので、税務署職員につきましては特別の俸給制度を置いてやつております。しかしこれがまた足りないとすれば、今後においても税官吏の待遇改善につきましては、大藏大臣として十分努力をいたしたいと考えております。
○浦口委員 私は御意見でけつこうでございますが、大藏大臣はあらゆる機会に税を引下げるとおつしやつております。それは國民所得が正確に申告されれば、もつともつと國民所得がたくさんある、そういう意味でパーセンテージを引下げる、こういうふうにお考えになるのですか。
○池田證人 私は大藏大臣就任以來、税を引下げることについて一番の努力をいたしました。引下げるについては、大体今の予算ではできるだけ歳出を減らすことが第一番、第二番には脱税者がありとすれば、その脱税を摘発して、徴税を確保する。こういう財源を元として、前年度剰余金等を使い、できるだけ減税いたしたいと考えます。私は今年度から減税ができるという見通しを持つております。
○浦口委員 私の質問とちよつとはずれているように思うのですが、所得の申告が正確に行われているかということをお聞きしたのであります。はたして大多数の事業者が正確に申告をしているかどうか、申告をしているとお考えでございますか。それとも申告していないとお考えでありますか。
○池田證人 先ほど申し上げたのでありまするが、中には正確な申告をなさつている方もありますが、所得の計算につきまして、税法自体を御存じない方がありますし、またまじめな申告をしようと思いましても、帳面を備えつけておられなかつた関係や、あるいは備えつけておつても記帳を漏らした等の関係から、税務署があとから行つてみました場合に、税務署の決定見込額と申告との違う場合が相当たくさんあるのであります。
○小林(進)委員 大分お疲れのようですから、私は簡單に一つだけお尋ねいたします。これは取引高税に関する問題であります。二十四年度はまた違いますが、二十三年度の最初は証紙を張る、張らないということで大分問題になつたようで、証紙を張らないものが罰則の対象になつたのであります。これが年度末に至ると、もう証紙の問題でなくなつて、予算が足らないからこれだけのものは必ずとつてくれと、天くだり式に各團体、各業者に取引高税の割当をされたことは、天下周知の事実でありますが、大藏大臣はこれを御存じであるかどうか。証人としてお伺いしたいと思います。
○池田證人 取引高税の收入は予算通り行つていないと思います。税務署におきまして取引高税の更正決定をしたということは聞いておりましたが、その際に私は、取引高税で更正決定をすることは、よほどの場合でなければ、ないのではないかということを申したことはございます。
○小林(進)委員 天くだり式にともかく割当てたということを御承知でありますかどうか、お伺いしたい。
○池田證人 存じておりません。
○小林(進)委員 それでは証人としてお伺いしたい。北海道の特に場所をおつしやられれば、私も調査の上で申し上げますが、今確実な税務署の名前はわかりませんが、税務署長が、昭和二十二年度の所得の場合、一〇〇%の目標額に対して一二七%の税金を取立てたというので、賞状、感謝状ないし賞金を與えている事実がある。これを御承知でありますか。
○池田證人 先ほど申し上げましたように、非常に努力したという場合につきまして賞状を渡すということになつているということは聞いております。しかしてまた先ほどお話申し上げましたように、東北のどこかの税務署だつたかと思いますが、大藏大臣なり次官なりで賞状を出したことは存じております。
○小林(進)委員 これは大藏大臣として私の勉強のために教えていただきたいのでありまするけれども、今努力というお言葉がありましたが、税務官吏に対して、そういうようなことでいわゆる感謝状なり賞金をやるという制度があるかどうか。またそれが國家予算においてどれだけ予算化されておるか、お伺いしたいと思います。
○池田證人 費目はどういう費目で出ておりますか、よく存じませんが、総務官吏の福利のために、二十二年度、二十三年度は厚生施設としてある程度予算を組んでおつたと思つております。金額は存じません。
○小林(進)委員 それでは最後にさつき大藏大臣が言われたことを正確にしておく意味で、くどいようだが今一度お答えをお願いするのであります。それは今後異議の申立があれば必ずすみやかに出かけて行つて再調査するように何らかの処置をとるとおつしやいましたが、これはそのやうにやつていただくということを私が確認してよろしいかどうか。
○池田證人 この議場を出ましたら、さつそく秘書官を通じて主税局長に申し傳えます。
○小玉委員 その審査請求をする基礎でございますが、先般中野税務署員に伺つたところでは、調査簿というものがあつて、それを見て税務署で自分の所得がどれだけに査定されているかということがわかるのですが、実際は調査簿を閲覧することがはなはだ困難である。十円の印紙を張つて閲覧申請すればいいということになつているのですが、末端の税務署員はそれを見せることを拒むという実情がある。税務署長に聞かなければとか、税務署長は不在だとか言つて、なかなかそれを見せないという事実があるために異議の申請ができない。要するに一般民衆が簡便に安直にできない。そのために税務代理士その他を通じて多額の手数料を拂つて異議の申立をして閲覧する。そのために民衆は非常な負担をこうむつてやつと自分の税を納める基準を知るというのが実情のようであります。なお中野税務署員は、申請があれば当然見せなければならぬかどうかという点について、答弁をしぶつておつたようでありますが、その点については大藏大臣はどのようにお考えになつておりますか。
○池田證人 税法上どうなつているか、私はその点はつきり記憶ありませんので、これは不確定かもしれませんが、財産税なんかのときには、申請があればごらんに入れるという制度をあのとき確立したと思つております。その後所得税につきましても多分やつていると思いますが、あまり詳しい例は覚えておりません。そういう問題は適当の人にお聞きくださつたらいいと思いますが、民主的にやるとすれば、やはり税務署の書類なんかも簡便にごらんに入れるという方がよいと思います。ただ察するに、自分の調査が不確実なために、見て笑われやしないか、こういう変な氣持でいるような場合が人情としてあるのじやないかということは想像できるわけです。
○北委員 ちよつと証人としてお伺いしたいのですが、先般來ここに税関係の証人を呼びましていろいろ聞いて、われわれの観点から見ますと、汚職が非常に起りまして、酒を飲ましたとか、料理屋へ連れて行つたとか、そういうために非常に税が一部引下げられたように思うのですが、これをお認めになりますか。
○池田證人 知りません。
○小玉委員 各税務署に対して、努力の目標があるかないかは別として、その見込額以上に成績が上つた、そのためにある一定の割戻しを民衆にしたというようなことを承つたことがあるのですが、そういう事実がございましようか。
○池田證人 そんなことは私はないと思います。またすべきじやないと思います。
○小玉委員 予定申告によつてずつとたくさん納めていた。ところが確定申告によつては実際の收入は非常に少かつたということで、要するに確定申告のときに税をよけい納めておつたというようなことが技術的にあるのじやないかと思いますが、そういう場合にはどういうふうな処置をとられておるか。
○池田證人 それ税法上当然認められております。それは過誤納金としてもどさなければならぬ。
○北委員 実は先ほども申しましたように、汚職によつて税が一部下げられたところがあるということは、この委員会でも認められているわけです。それを大藏大臣は知らぬと言うのですから、これは仕方がない。地方においては、私は北海道ですが、北海道の滝川税務署管内においては、目標が百とすれば、百二十パーセント税金をとつてしまつたわけです。そういうところは農村は非常に純情ですから、百パーセント、百二十パーセント納めるわけです。これは至るところにあると思うのですが、もしか先ほど言つたことが委員会において認められるとすれば、こういう場合には農村に不公平な課税がなされるのではないか、それを認められるかどうか。
○池田證人 收賄が摘発されそうだから税金を引下げた事実を認めるかどうかということに対して、知りませんということと、ある税務署で、目標ありとして、予定よりもたくさんとつたということと、何の関係があるのか……。
○北委員 それと二つくらべて、大藏大臣は知らぬと言うが、もしか委員会では承認しているとすれば……。
○鍛冶委員長 委員会というのはどこの委員会です。
○北委員 この委員会です。この間の証人で、いわゆる贈收賄や何かによつて税が下げられたということは一應承認されているわけですね。
○鍛冶委員長 そういう証言があつたというのでしよう。
○北委員 証言があつたということは、承認されているわけですね。もしかあつたとすれば、非常に不公平でないかという……。
○池田證人 百二十パーセントとつたから非常に不公平だ、あるいは百五十パーセントとつたから不公平だ、あるいは六十パーセントしかとれなかつたから不公平だ、そういうことは私は考えたくないと思います。そして滝川税務署が予定よりも相当多くとつたことと、今のお話のごとく、收賄事件があがりそうだから税金を軽減したということとは、因果関係はないと私は考えております。
○神山委員 大分知らぬ知らぬということをお答えになりましたが、最後に聞いておきたいのは、知らぬとお答えになつたことは、ことごとくありのままに知らぬというふうに解釈していいのですか。
○池田證人 今存じておりませんので、存じないと答えたのであります。
○神山委員 それじや初めから繰返すことはしませんが、一番具体的な問題として、國民が非常に困つて自殺したものが出ているということも御存じないという結論になつてもいいのですか。
○池田證人 そういうことが新聞に出ているのは見ましたが、税のために自殺したのやら、ほかの原因のために自殺したのやら、それはわからぬ。
○鍛冶委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。
    ―――――――――――――
○鍛冶委員長 湯地謹爾郎さん。東京財務局長ですね。
○湯地證人 そうです。
○鍛冶委員長 いつから財務局長におなりでしたか。
○湯地證人 昭和二十二年の八月二十七日からです。
○鍛冶委員長 所得税並びに取引高税の徴税方法に当つて、何か大藏省からあなたの財務局へ目標が來るのか。それによつて各税務署へやるのか。それを聞きたい。
○湯地證人 今の徴税目標の問題についてはやはり全國的に大藏省の方で――もつともこれは全國局長会議がありまして、その会議で一應大藏省の案としてそれを示されましていろいろ会議をした結果――もちろんその会議の結果、そこで必ずきまるというわけではありませんが、その後になつて大藏省の方から各財務局ごとにいわゆる努力目標額が各税務署ごとに示めされております。
○鍛冶委員長 それは大藏省からこれだけというのですか、財務局長がこれならやれるというので引受けるのですか、どつちです。
○湯地證人 大藏省から示され、財務局としてもこれだけはやろうということで……。
○鍛冶委員長 そうするとそれがきまると、各税務署との関係はどういうことになるのですか。
○湯地證人 税務署との関係は、もつともその前に各財務局で、その会議に出る際に各税務署から本年度一体どの程度徴收できるかという、いわゆる目標額というのを出して、財務局としても、それを檢討して一つの提案と言いますか、それを持つてその会議へ出るわけですが、会議の結果きまつた数字、事実上財務局としてはそう引受けざるを得ないことになるのですが、そのきまつた数字によりまして、今度は税務署長から出た数字とを勘案しまして、各税務署別のいわゆる努力目標というのを策定して税務署へ通知する。こういうことになるわけであります。
○鍛冶委員長 会議の席上で税務署長が引受けるのではなくして、税務署長の意見を参考にして局長が決定して、あとで通知してやるのですか。
○湯地證人 実際問題としてそうなります。
○鍛冶委員長 そこでそれが実際の担税能力よりも多いということはありませんか。大体その内輪であると思つておいでになりますか。
○湯地證人 多い場合もありますし、少い場合もあります。
○鍛冶委員長 多かつたらどうなります。
○湯地證人 多くてもこれは一應の目標ですから逹しないからといつてどうこうするわけには行かぬと思います。現実に東京財務局の各税務署のうちで、いわゆるその目標に到逹しないのが現在十二ばかりあります。すでに突破しておるものも相当あります。
○鍛冶委員長 取引高税ではなおその点が強く、どうあつてもこれだけやらなければならぬというので、税務署なんかで押えつけて來たという声があるのですが、それはどうです。
○湯地證人 私はむしろその問題は、取引高税というものはその目標が非常にむずかしいのです。御承知の通り去年は現金でとる場合と、印紙で收める場合があります。現金でとる場合は、ある程度各税務署に目標を指示しても、税務署としてはその税務署の收入としてはつきり上りますが、印紙の場合には、かりに東京でありますれば税務署がたくさんある。ところがかりに日本橋にある会社が京橋の税務署管内から印紙を買つて納める。これは一体どつちへ入るのか、はつきりした何はできないのです。その意味で取引高税の目標それ自体については、むしろほかの所得税とか、法人税とかいうほどはつきりした目標にならない。こういう観念になります。
○鍛冶委員長 これはどうあつてもお前の方からこれだけは納めてもらわなければならぬというのでやつたという者もあるのですが、これは実際にあつたかどうか、あなた御承知かどうかという問題です。御承知でなければいいですが……。
○湯地證人 陳情ではその話は聞いております。
○鍛冶委員長 これはひとり今言う税務署だけではないのです。日本全國の実情のようですが、浦和、中野その他あなたの管轄下の各税務署において官吏の涜職罪が非常に多く現われておるようですが、大体どのようにあなたの方へ知れておりますか。
○湯地證人 今の浦和は私の管外ですから、よく存じかねます。埼玉縣は関東信越財務局の管内であります。私の方は東京都と、神奈川、山梨、千葉縣等ですが、東京都が相当問題になつております。これは各税務署長から警察の方へ行くという場合には、すぐ報告をさせることになつておりますが、実際問題としてすぐ來る場合と、いくらか遅れてある程度の様子がわかつてから來る場合とあります。私の今承知しておるのでは、東京都では現在警察にその関係であげられたというのは、たしか五十四名、そのうち十一名はすでに釈放されております。それから関係の税務署の数はたしか二十四だと記憶しております。もつともこれはある税務署の事件としては十六くらいあります。元その税務署におつてほかへ轉勤して、轉勤先下でひつばられたという、そういう意味の計算をすれば二十四ばかりあります。関係の税務署とすれば十六だと記憶しております。
○鍛冶委員長 どういうところからこういうことが起つて來るとお思いです。大体のことでよろしゆうございます。
○湯地證人 大体二つにわけられるのではないかと思うのであります。一つは納税者の側から、一つは税務署の側から、その納税者の側という点については、最近御承知の通り相当税負担が重くなつて参りますと、業者としてもその事業をやつて行く上において、あるいは普通の生活をやつて行く上においても、税金のことを考えないと商賣も十分やれない。それほど税が商賣なり、あるいは生活の面に占める割合が非常に大きくなつて來ておると思います。從つてその税が安くなるということは商賣にも関係する、またもともとおそらくだれでもそうだろうと思うのですが、どちらかと言えば税は安い方がいいというのは、一つの人情かと思います。商賣をやつて行く上においても税の負担は非常に大きいものですから、それは相当軽減されることが商賣をやる上において非常に有利になるというような意味から、税務官吏に対しまして、あらゆる誘惑の手が伸びて來ておるのは事実だと思います。また一面税務署の側から見ましても、昔と違いまし納税者が非常に多くなつておる。一人当りの分担が相当多くなつております関係上、昔のように大部分を実際調査をして課税して行くということができずに、権衡その他で、いわゆる認定をもつてやる場合が昔より多い関係上、この認定のやり方について問題が起るわけであります。しかも実際税務の第一線に從事しておる人の数は、終戰後相当ふえて参つておりますが、年齢の層からいつても、二十五歳以下というのが、現在の東京財務局で言いますと大体五八%、約六〇%です。また勤続年数三年以下といえば、これは約七〇%を占めております。言いかえれば相当未熟練者が多いということが一つ、いま一つは素質の問題からいつて、率直に申し上げまして終戰後入つた税務署官吏は、当時終戰後いろいろ税務関係も昔と違いまして混乱しておつた時代でもありまして、入つた若い人には税務署というのは大体こういうようなものだろうというような感じも植えつけたのではないかという氣もするのですが、そういうよりな意味で、年齢も若い、経驗も少い、あるいはまた昔のように非常に勤勉にやつておつた時代じやない時代に入つた関係上、ある程度ルーズにやつても、これは普通だというような感をある程度植えつけたのじやないか。從つてこの両者が相まつて、業者の誘惑の手も出る。十分経驗のない税務官吏のことで、ある程度饗應等受けても大したことはないというくらいの氣持が、最近あるいは去年、前々年というふうに、昔と比べまして相当汚職事件の起きて來た原因じやないかと思います。
○鍛冶委員長 今のお話で大体わかりますが、これは確実に所得の基礎がわかり、それに基いて額が決定していると、ちよつと動く余地がないのですが、それがどうもいいかげんにきめておるものだから、動かせば動かし得る、そこに根本原因があるのじやないかと思いますが、その点はいかがでしようか。
○湯地證人 その点が一つの大きな原因になつておるかと思います。
○鍛冶委員長 もう一つは、この決定をするときに、商工会議所または小さい所では商工会それから同業組合、そういうものに諮問をなさるそうですが、その諮問は、たいてい諮問するものは、そこの役員なんですが、そこで自然そういうものに諮問されると、税務署員と行き來が激しくなる。そうして役員そのものは自分の方をなるべく安くしてもらうようにするというような事実はお認めになりませんか。
○湯地證人 そういう事実については実は注意しておるつもりなんですが、そういうことはないとは申し上げかねると思います。しかしその諮問というのは、実は同業組合とかあるいは商工会、商工会議所だとかに諮問する場合に、この人の所得が何十何万円という金額的にまで諮問は実はしないのでありまして、順位を出してもらつたり、あるいは指数を出してもらつたりというような諮問で、あくまで相談して、そこできめるということは絶対に避けることを強く言つておるわけであります。その指数あるいは順位等を参考にしまして、こちらとしては指数なり、順位が出ますと、その上の方、中の方、あるいは下の方というのを実際に調査しまして、場合によつてはそれをあてはめるということを考えてやつております。
○鍛冶委員長 ところがなかなか業者というものは海千山千だし、税務官吏は若いものなんだから、そこでいいかげんにやられておる事実はあるようですね。これらに対して防止の方法その他具体的に指示監督等をやられた事実はありますか。
○湯地證人 官紀の振粛の問題につきましては、私局長になりまして、たしか四回だと思いますが、直接これだけの関係の通牒を出しております。特に最近東京で事件がありました関係上、その業者等との説明会あるいは順位を聞いたりなんかするという際、えてしてそのあとで宴会ということになるきらいがありまして、またそのために問題が起きたことがありまして、それらにかんがみて今後そういう宴会には絶対に出ちやいかぬという強い指示を出しております。
○鍛冶委員長 それだけですか。なおまだほかに注意せられたことはないですか。
○湯地證人 注意としては今のように通牒を四回ばかり出しております。そのほかにその防止する方法としましては、財務局に監察課というのをおいておりまして、それが專門に、よく世間では――税務署の内部では、いわゆる潜航艇と称しておりますが、これが各税務署をまわり、あるいは投書その他の材料を基礎にして――これは警察関係とは別でございますが、その人の素行その他を基礎にしてそういうことがあるかないか、またあるという投書についてはその人について直接調べる。直接に監視しまた調査する制度を設けて活躍をさしております。
○鍛冶委員長 あなたの管内で中野の税務署が一番徴税成績が悪かつたということを聞きましたが、そういう事実があるか。またどのくらいの成績になつておりますか。
○湯地證人 成績がよかつたか悪かつたかという判断はなかなかむずかしいと思いますが、ただ端的に数字的に見まして、いわゆる努力目標に対して歩合が悪かつたということなら、これは私の財務局管内で一番悪かつたその目標額に対しては、たしか八〇%に逹しない数字であります。しかし中野の目標額自体につきましては、これは必ずしも正しいものというふうに考えておらないので、むしろ多過ぎたんじやないかというふうに考えております。
○鍛冶委員長 この間中野の総務課長に聞いたのですが、いろいろあすこの税務署管内では問題があつたので、それで成績が悪かつたというておるが、それらの問題についてあなたのところにどんな報告が來ておつたか。覚えておいでですか。
○湯地證人 どういうことですか、もう一度ちよつと……。
○鍛冶委員長 この間総務課長が出まして、特に中野は成績が悪かつた。それにはこういうこと、こういうこともあつたためになつたのだ。こういうことをここで証言したのですが、それについてあなたの方へそれに関係した報告なり指示なりを求めて來ておることはありませんか。
○湯地證人 中野の税務署は御承知の通り大きな業者は割合少いところですが、納税者は相当多い所で、相当困難な税務署であります。と同時にこれは内部的に見まして、ほかの税務署に比べまして、外部の反抗と申しますか、課税に対しまして異議の申立て、あるいはそれに対する集團的の陳情等がほかに比べて多いようでありまして、從つてそれに忙殺されておるというような関係もありますし、まあ何と言いますか、税務署の中の統制も必ずしもほかの税務署のように行つてなかつた。それで三月の終りごろから、あそこの税務署へ財務局の監督官を常駐させまして、署長としてやりにくいようなところを、財務局から行つた監督官をして、それを推進させるというような方法等をとつたことがあります。
○鍛冶委員長 小林総務課長追放署名運動というものがあつて、総務課長の非行を書いたビラが張られて、いろいろな運動があつたので、あなたの方から抗議文を出されたことがありましたね。それは大体どういう内容のものですか。
○湯地證人 その内容は、小林総務課長について、こちらとして調査してみたところ、そういう事実がないと思うようなことをビラに書いておるが、そういう事実があるのであれば、はつきりそれを示してもらいたい、もし事実がないのであれば、公の所でそういうことのないという釈明なり陳謝なりしてもらいたい、こういう意味のことを書いてあります。
○鍛冶委員長 その結果はどういうことになりましたか。
○湯地證人 実はその抗議文というのを、私の方の総務課長と係官一名と、そうしてたしか本人の小林君と三人で、中野の民主商工会の会長と、もう一人小西さんという人のところに行きまして、その事実について直接そういうことがあるかどうかということを伺つたのであります。そうして報告によりますと、そのときにもはつきりした回答もなくて、後日税務署で会つて、さらに返事を聞くということになつておつたそうでありますが、その総務署で会う予定のものが、日は忘れましたが、直接財務局の方へ参りまして、私が会いまして、私の方の調査ではそういうような事実はない、しかしそういう事実があるのであれば、はつきり示してもらいたいということを申し上げたのでありまするが、民主商工会の方では、この抗議文は一種の脅迫じやないかというような意味の抗議がありまして、これは突き返すという話があつたのでありますが、私としましては、自分の方の調査ではそういう事実がないから、突き返されても、受取るわけに行かないということで、それを返したわけです。
○鍛冶委員長 先ほど、集團陳情があるために忙殺せられて、事務が澁滯すると言われたが、そういうことによつて一般民衆に、何と言いますか、税を納めぬでよいとかいう悪い影響を與えたような事実もありますか。
○湯地證人 私どもとしましては、十分税務の関係を知らない納税者は、そういう集團陳情に加わつたり、あるいはそういう團体に入れば、税が安くなるだろうというように考えた人も幾らかあつたろうと思います。そういう意味では、影響があつたと言えば言えると思います。しかしこちらとしては、できるだけ、そういうようなことがあつても、課税はそういうことのために安くなることのないようにというために、いろいろ今のような措置を講じたわけです。
○鍛冶委員長 今のは四月三日かの中野民主商工会新井支部でやつた問題です。そのほか民主商工会もしくは他の團体において、そういうはなはだ困るような行動をした者がありますか。御承知ありませんか。
○湯地證人 まあ集團陳情なり、デモなりということは、相当大部分の税務署に一、二あります。そうして集團的陳情等がありましたのが、去年の十一月からことしの三月末までに、大体管内の税務署で報告を受けたもので約七十件ばかり。それから直接財務局へ見えたのが約五件ばかりあります。
○鍛冶委員長 その集團陳情がですか。
○湯地證人 ええ。もつとも集團と言いましても、多いのは三百人ぐらい、少いのは二、三人くらい。
○鍛冶委員長 こういう集團運動なんかをやる者に対して、さつきの同業組合と同様に、諮問機関に認めるとか、そういうようなことがありますか。
○湯地證人 諮問機関に認めておりません。
○鍛冶委員長 こういう集團運動をして、何かいろいろ圧迫したという事実はほかにもありますか。
○湯地證人 圧追というと……。
○鍛冶委員長 脅迫がましいようなこと、そういうことを聞いておりますか。
○湯地證人 受ける方の感じなのですが、それは税務署長によりましては氣の弱い税務署長は圧迫を感じる場合もありますし、そういう場合にどう対処したらいいのかというようなことを指示するということで、税務署としても受ける感じを同じようにしたいという意味でいろいろ努力しております。ただ中には相当神経質に考えている署長もあつたろうと思います。
○鍛冶委員長 署長が神経質に考えますか。実際またそういう事実があるのですか。具体的にもしさしつかえなかつたら言つてもらつてもいいと思います。
○湯地證人 中野の署長はその一人、それから荒川の署長もその一人だと思います。
○鍛冶委員長 ほかに何か……。
○小川(半)委員 証人にお尋ねします。あなたの管内にある中野税務署の納税成績は全國最下位の状態にありまするが、その原因はもちろん種々あるでしようが、第一の原因は、あの管内においてかなり強烈なる反税計動式なことが行われたことに原因があるように伺つておりますが、証人はさように考えておりますか。
○湯地證人 私もそれは一つの大きな原因だと考えております。
○小川(半)委員 中野税務署の小林総務課長追放運動を中野民主商工会が行つていた当時、あなたの方からこの民主商工会の会長でありまする河野、それから小西に対して抗議文を渡された。ところがその抗議文を後日あなたの方へこれは突つ返すからと言つて持つて來られたそうですが、そのときに河野、小西以外にだれが参加しておつたか、その名前を聞かしていただきたいと思います。
○湯地證人 たしかほかに三、四人おつたと思いますが、名前はみな控えておりますから帰りますとわかりますが、私の知つておつた人としましては土橋さんがおられました。そのほかは名前は承知しておりません。しかし財務局に記録がありますから、記録といつて大体面会する場合に住所氏名を書いていただくということにいたしておりますから、それはあとで調べればわかります。
○小川(半)委員 私の記憶によりますれば、土橋君は中野税務署管内に住んでおらない人なのですが、どういう理由で参加されたか、あなたの当時受けられた印象をお漏らし願いたい。
○湯地證人 私はその前に土橋さんに二、三回会つておりました関係上、中野民主商工会の人と直接今まであまり会つたことはないので、そういう関係で紹介というような意味で來られたのじやないかと思います。
○北委員 証人に所得税並びに取引高税の割当の問題についてお伺いしたい。先ほど努力目標と言いましたが、これの決定は全國の局長会議を開いて、その席上できめる、しかしそこには大藏省の指示がある、こう言われましたね。
○湯地證人 はい。
○北委員 そこで大藏省の指示というものは、その会議において大体修正されるものですか、どうですか。またされた事実があれば、その事実を示していただきたい。
○湯地證人 これは修正された事実はあります。しかし大体その会議ではそう簡單にきまらないのであります。というのは、一應努力目標は全國的には予算額に合つております。修正してあるところは減らせばある局におつかぶさるということになります関係上、その会議の席上ではなかなかきまりにくい。そして修正されたのは、明らかに檢査上不当であるとか、過当であるとかいうような性質のものです。そしてあとでその会議の結果を本省で勘案しまして適当にきめるものだと思います。
○北委員 今の御証言によりますと、会議の席上ではなかなかきまらない。そうすると、最終段階にきまるのはどういう方法できまるのですか。また先ほど割当の修正の事実があると言いましたが、どれくらいありましたか。
○湯地證人 実は大藏省でも手ぶらでその会議に出るわけではありませんで、各財務局からの見込みをとり、その見込みというものは各税務署から來た見込みによつて、財務局がそれを持つて大藏省に出ておるわけです。各財務局から出た資料を基礎にして、これはどう申し上げてもおそらく各財務局でもある程度のかけひきがあるだろうと思います。そういうような点を、大藏省としては全國的な資料によりまして、それを調整して、いわゆる原案というものが出るわけです。その原案に対していいか悪いかということを議論するわけでございます。そうすると原案は大体予算にあつておりますから、どこかひつ込めばどこかくつつくというようなことで、各局長がそこで全部満場一致できまるということはちよつとなかなか困難な点であります。そこで修正された点は、たしか源泉所得だつたか、あるいは災害の関係の免除の仕方、これは個人所得、農業所得らしいのですが、これ等が修正されたはずです。
○北委員 ちよつと今のことはわかりかねるのですが、最終決定というのは大藏省と財務局の局長個人できまるわけですね。
○湯地證人 はい。
○北委員 それからもう一点、その財務局の目標額と大藏省の目標額と、相当私は違うのではないかと思いますが、そういう場合の調整をどうなされるか、大藏省の言う通りにされるか、またその財務局長の局長会議へ大藏省のたれが見えられるのですか、これをひとつ伺いたい。
○湯地證人 財務局と大藏省で話合い、両者が納得が行つてきまるということができれば一番いいと思うのですが、これは今申したように全國で十一財務局がありまして、十一の財務局が納得ができるようなきまり方はその場ではなかなかできない思うのです。またできなかつた。これはやはり各財務局の意見と相当闘わして、その結果を大藏省で公平に判断して、こういうふうにきめるということできまるということになります。
○北委員 その会議には大藏省でたれが主体で行かれるのですか。
○湯地證人 主として主税局関係です。
○北委員 主税局長ですか。
○湯地證人 もちろん來ます。
○北委員 大臣は行きませんか。
○湯地證人 大臣はお見えになりません。
○北委員 そうしますとまだ証言でわからないのですが、あなたの財務局なら財務局が最後的に決定するのはどうするかということはなかなかお答えにならない。大藏省と折衝して最後的に決定するにはどう決定するか。会議の席上ではきまらぬとおつしやいましたが、それでは最後的にどういうぐあいに決定するか。聞くところによりますと大藏省の案を大体まるのみにして行かれるということです。大藏省の案はこれだけの徴收目標だからとれと言われてみな帰られるということを聞くのですが、そういう事実がありますか。
○鍛冶委員長 それはさつき聞いたのです。そこで意見を述べてあとで大藏省からそれを参酌して通知が來るというのです。
○北委員 そうすると財務局と大藏省との間に少し食い違いがありますね。そういうことはその会議で討論されるでしようが、そのときに大藏省がそういう案を持つて來た通りに來ますか、どうですか。
○湯地證人 大体はやはり当初出た原案が大部分です。いくらか訂正があります。ただこの問題は受けた財務局長としての氣持としても、これはやはりあくまで努力目標と考えておりますから、事実徴收できない目標をもらつても逹成することができなければそのままになる。そういう感じでそう強くそれにこだわつておりません。
○北委員 そうすると財務局長さんの考えでは、大藏省はむりなことを言うけれどもしかたがないというような考えなのですね。
○湯地證人 それはあくまで努力目標であるから、財務局長としてはやはり自分の管内のことだけ考えておるわけです。それよりもう少し廣く全國的に見た場合に、別の観点で見たことに対してこちらはこちらの立場ばかり固守するわけにいかぬ。かりに目標が少くとも、事実徴收が多くなることもあるし、目標が過大であつても事実そこまで行かなければこれはあくまで努力目標だ、こういうふうに考えております。
○北委員 そうすると昨年度行われたあなたの財務局の徴收高は大藏省の通りだつたのですか。
○湯地證人 東京財務局は大藏省の当初の原案よりは多くなりました。
○北委員 最後に先ほど中野の税務署管内の統制がとれていないということを申しましたが、それはどういうわけで統制がとれていないとお思いですか。
○湯地證人 あそこの署長及び幹部等の報告によりますと、いろいろ署内で計画したような事項等が外部に漏れるじやないかというような氣持がするという話等もありました。それから御承知の通り各税務署にも職員組合等があるのですが、あそこには職員組合がない。全財から脱退いたしまして、そうかと言つて新しい全財にも入らないし、もう一つの組合の関東財務職員組合というのがあるのですが、こつちにも入つていない。どつちつかずでおるというようなところであります。
○浦口委員 ちよつとお尋ねしますが、中野税務署管轄の中の小久保産業が脱税しておるということが財務監察官で摘発されて調査中であるということは事実でありますか。
○湯地證人 これはもうすでに調査して決定もいたしまして、同時に告発もいたし、その第一審の判決もありました。
○浦口委員 重ねてお聞きしますが、中野民主商工会の河野さんは、もしそのほかの津田正治、星ケ岡茶寮というような大きな脱税を摘発すれば中野管轄下の六、七割はこれでまかなえるだろう、こうおつしやつておつたのですが、その点どうお考えになりますか。
○湯地證人 今のお話はちよつと了解しにくい点があるのですが、小久保産業はあそこに本店があつたのです。途中から日本橋の税務署管内に移りまして、徴收税額は日本橋税務署の收入になつておるわけです。そのほかの会社も調査廳で調査いたしますと、これは相当時間がかかります。いろいろな資料を集めて、しかも一期だけでなく、相当前にさかのぼつて調査決定するということになりますと、それは合せた税額は相当になりまして、一度にやるのは困難で、納付が遅れるというような形になるのです。もちろん金額的に相当大きい関係で中野の税務署には響くと思いますが、しかしそれほど響くとは考えておりません。
○浦口委員 それはそれでよろしゆうございます。その場合実はこれが摘発されたことが新聞に出るまで小林総務課長は知らなかつたという。先ほどお話をお聞きしますと、中野税務署監督のために、財務監察官を中野税務署に駐在さしてあると、こうおつしやいましたが、なぜ中野税務署がそれまで知らなかつたか。あるいは財務監察官が、中野税務署と全然別個に、これを摘発したということは、そういう方針になつておるのか。われわれが考えますと、その前に中野税務署をしてやらせるべきではないか、こういうふうに考えるのでありますが、その点いかがでしようか。
○湯地證人 御承知の通り、現在財務局ごとに査察部というのがありまして、戰前の税法の改正によりまして、その調査決定は、從來は税務署長だけであつたのでありますが、財務局長も権限として調査決定ができる、そういうことと査察部と関連いたしまして、相当大きな脱税をしておる。あるいは税務署も、一つの税務署だけでは手に負えないというような大きなものとか、あるいは悪質なものとか、困難なものとかいうのは、査察部から直接に財務局員として行つてそれを摘発するという方法をとつております。それによつてやつたわけです。
○浦口委員 中野税務署では、そういう摘発ができない何か事情があつたので、直接おやりになつた。そういうわけではないのでしようか。
○湯地證人 それはそういうわけではありません。今の小久保産業を直接摘発する動機になつたのは、もともと財務局等でも間接の資料は集めておつたのでありますが、その前に経済違反の問題ですか、贈賄の問題ですか、刑事問題が起りまして、檢察廳の手に刑事問題として行つておる関係から、同時に脱税の問題もあるということで、本格的に始めたのが動機であります。
○神山委員 第一に聞きたいのは、今の湯地さんのお話を聞いておりますと、税の努力目標をきめるときに、大藏省の案を局長会議にかける。そして局ごとに努力目標を出すわけですが、それで両方で意見が違うときには、大藏省から示された案を、大体局がのむ。一番初めにそうおつしやつたのですが、これも大体そう解釈してよろしゆうございますか。
○湯地證人 ええ。
○神山委員 それから農民新党の北君がお聞きになつたのですが、大藏省と財務局とが意見の違うときには――もちろん局長会議でまとまらないで、違うときには、大藏省のきめたものが結局押しつけられる。そうおつしやつたですね。これは事実ですか。
○湯地證人 大体そういうことです。
○神山委員 そうしますと、これは北君から委託された質問で、私たちも聞きたいところですが、そんなら財務局長会議というのは、ほとんど無意味じやないかという極論まで出て來るわけですが、現在あなたは財務局長として、そういうことは言いにくいかもしれませんが、結局のまされる。それでは無意味ではないのですか。
○湯地證人 こういうことになるだろうと思います。財務局としては、たとえば自分のところの目標が非常に大き過ぎる。とうていそこまで行かぬかもしれないということで、いろいろやつたが、結局そうきまつたという場合でも、やはり財務局としては、これはあくまで努力目標だと考えておる。これは現実にやつてみなければわからない。やつてみた結果、やはり自分の言う通りじやないかということが言える場合もありますし、かりにそこまで行かなくても、これはあくまで努力目標だから仕方がないと言える場合もあります。また同時に、來年度の問題にいたしましても、一應原案をつくつてしまいますと、どこか減らしたら、またどこかで予算に合わせるという目標をつくる場合には、どこかにおつかぶせなければならぬという関係がありますので、原案を修正することは、なかなかむずかしいのですが、しかし一應げたを預ける、と言つては語弊がありますが、そういう意味においてでも、あるいは將來來年度の目標の算定の場合でも、今後注意してもらう、あるいは執行の途中においても、そういう点について十分関心を持つてもらうのです。
○神山委員 わかりました。今の事情を聞けば、大体予算でおつかぶせて來ておるものですから、それをどこかの財務局が断れば、ほかのところにまたおつかぶせなければならぬ。そんな意味もあるから、財務局長会議が全然無意味だということは、あなたの御説明で、これは言えないかもしれない。しかし最後の決定権が、結局大藏省にあるということだけは、大体動かせないように受取れますが、そうですね。
○湯地證人 大藏省としては、各局の意見をとにかく聞いて、自分の原案があればそれに判断を加えてやる、直接意見を聞いたりする機会が得られるということになると思います。
○神山委員 あなたは長く税務官吏をやつていらしたと思うのですが、あなたの方では努力目標というふうに考えておる。大藏大臣は、さつき証人に呼んで聞いたわけですが、大藏大臣などの努力目標というものは、非常に含みがあつて、屈伸性がある。できなければ、できないでよい、こう言つているわけです。ところが、局長さんまではその氣持ちがわかるのだが、税務署に行き、ことに総務署が同業組合などに序列をつけるときには、これが割当という言葉にさえなつて、上から押しつけられておるという事実が証言されておる、こういう事実があるということを、あなたは聞いていらつしやいますか。
○湯地證人 そういうふうな説明があつたということを、陳情の際等たびたび聞いております。
○神山委員 もう一つお聞きしたいのですが、團体等に諮問される場合に、あなたの方では、今では税法に基いて順位や序列だけしかおきめにならない。これはそうだと思うのですが、あなたの方でわざわざ順位や序列だけにせよと言つてやらなければならぬ。一つ裏返えせば、この序列や順位が金額で換算されて出て來ておる。割当てられておる。こういうような事実があることを、あなた御承知ですか。
○湯地證人 それは陳情等でも、あまり伺いません。
○神山委員 それは東京ではないかもしれませんが、浦和の証人に言つたら、そのときに、はつきり出て來ておるわけです。
 次にもう一つお尋ねしたいのは、鍛冶委員長が、先ほどたくみな誘導尋問をしまして、脅迫がましいことがあつたか、ないかということをお聞きしたわけです。あなたは、ありのままにお答えになつて、氣の弱い人、あるいは神経質な人は恐れたかもしれぬとおつしやつた。そこまでは問題がない。それに対して対策を立てておるとおつしやつたのですが、どういう対策をお立てになつておるのですか。
○湯地證人 対策というのは、税務署長としての心構え、そういう陳情等にあつた場合に、たとえば非常に乱暴な言葉でおどかされる。またおどかされても決して手を出すようなことはないとか、もつと腹をすえてやれといつたようなことです。
○神山委員 そのこまかな点を述べていただきたいのですが、もし今あなた御記憶がなければ、あとで理事会にでもかけて、書類を提出させていただきたいのです。東京財務局の下々まで対策を出したことがあるでしよう。それをひとつ出してもらいたい。そうすれば一部で考えておる心配がなくなるから、これは資料としてあとで提出していただきたいと思います。
○湯地證人 委員長にちよつとお伺いしたいのですが、この委員会の証言の性質が、私まだ十分研究していないのでわからないのですが、役所の中で極祕扱いにしておる文書もこの委員会の資料として出さなければならないのですかどうか。
○鍛冶委員長 職務上の祕密であれば拒絶せられてよろしい。
○湯地證人 これは職務上祕密にしております関係上……。
○神山委員 これは私が一年生ですからお尋ねしますが、職務上祕密だということは直接税務署の活動全体に影響することだし、税金の問題について陳情に來る人に直接影響がある場合はどうするのですか。國会がそれに対して資料を提出せよということは言えないのですか。これは税務署がもちろん税務署内に限つて出したことであろう。その文書は今言われたたつた一行でなくて、書かれたことがたくさんある。そしてその内容が直接税金の問題について、たとえば異議申請を持つて來たり、不当な課税があつたり、更正決定が不当だつたら陳情者に適用される。すなわち法に基いて納税の正しい、適当なあり方を要求するものに対して、業務上の祕密だというような点で拒否しておるような一定の文書ができておる。それを國会は要求することができないのかどうか。
○鍛冶委員長 それに対する條文を読みましようか。議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五條「各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、出頭した証人が公務員である場合又は公務員であつた場合國務大臣以外の國会議員を除く。その者が知り得た事実について、本人又は当該公務所から職務上の祕密に関するものであることを申し立てたときは、当該公務所又はその監督廳の承認がなければ、証言又は書類の提出を求めることができない。」
○神山委員 よろしいそれならさつそく求めますが、彼の監督廳、大藏大臣まで含めて、それにその書類を提出せよということを要求することを委員長に要求します。
○鍛冶委員長 よろしゆうございます。
○神山委員 それで聞きたいことがたくさんあるけれども、同僚議員がよせよせと言いますから簡單にしますが、一つ聞いておかなければならないことがある。先ほど証人が率直にお話になつたときには、中野の徴税成績は東京中で一番悪かつたとおつしやいましたが、これは事実ですか。
○湯地證人 東京でもそうですし、東京税務署管内でもそうです。
○神山委員 全國でも一番悪いですか。
○湯地證人 それはちよつとわかりません。
○神山委員 大体八〇%に逹しないというところまで來ているのですね。
○湯地證人 はい。
○神山委員 これはあなたに直接関係ないことですが、中野の税務署長はつい最近も六〇%と言つておりましたが、どちらが正しいのですか。
○湯地證人 おそらくこれは四月の末でたしか七十七、八くらいだと思います。
○神山委員 その次にお聞きしたいのは、あなたのお話の中で、中野の目標額が正しく決定されていなくて、多過ぎたというふうに一番初めにおつしやつた。これは率直な御意見だと思う。それに付随していろいろな事情がさらに成績を悪くした、というのは、中野では小さい納税者が多い、それから外部の抵抗が多くて、それに忙殺された、それに内部の統制も悪い、三つをあげられた。その全体というふうに理解してよろしいですね。最大の原因は不当な課税であつた。不当と言うと誤弊があるが、重過ぎた。
○湯地證人 不当な課税じやなくて、不当な目標というか……。
○神山委員 しかり、それでよろしい。不当な目標で不当なわくにはめたということです。從つて成績が悪いのはあたりまえのことだ。それに付随的ないろいろな問題があつた。こういうことに理解していいですね。それから抗議文の問題に一言だけ触れておきたいのです。あなたは今もその抗議文が正しかつたと思つておりますか。それとも違つた事実が現われたので、違つた態度をとらなければならぬと思つておりますか。これを聞きたい。
○湯地證人 私は小林総務課長に関する問題についての抗議文は、小林総務課長については、今でもまだ抗議したことが正しかつたこういうふうに考えております。
○神山委員 よろしい。それじやお聞きします。こまかなことを並べるとまずいので簡單に名前だけあげますが、中野税務署の五味事務官というのはパチンコ屋と遊興している。それから、靴澤、橋本、藤本事務官というのは酒類同業組合で一杯飲んでいる。小松事務官は古物商組合の役員と何べんも飲んだり食つたりしている。現金も二万円もらつたし、カバンももらつている。西田は打越の某旅館で暴力で宿料を踏み倒している。それから加瀬事務官は取引高税を口実に五千円を自宅で收賄した。宇佐美事務官は……並べて行けば無数にある。そうしてあなたが抗議した。そのあとで刑事被告人が二人出ている。この事実を全然総務課長に責任がないとあなたはお考えになりますか。総務課長は人事を扱つている人間です。佐藤間税課長は今刑事被告人になつている。二人の人は不良で、適当な人間でないということを前から言つている。それを総務課長が知らなかつたとすれば、これはどうです、自分の職務を正しく執行したと今も言えますか、御返答願いたい。
○湯地證人 税務署におきましては総務課長は署長を助けてその税務署の人事を補佐するわけでありますが、あの抗議文を出したときの小林総務課長に対するビラの内容は、小林総務課長が中野税務署を腐敗さしている、また大きな脱税をあげて來た者に対してしかつたとか、そういうことが事実として載つているので、そういう事実は私の方で調査した点においてはない、こういうふうに申し上げます。
○神山委員 それはあなたの見解ですね。
○湯地證人 そうです。
○神山委員 しかしそれは四月十五日のことであつて、それ以後私が今読んだ――まだ読めといえば読みます、九つも十もありますが、そういうような醜態を演じた者、刑事事件を起した者が一方で起つている。しかも一方では、今も浦口委員から指摘されましたような、税務署から一町ばかりのところに、天下隠れもない大脱税者がいたのを知らなかつた。星ケ岡茶寮、津田繊維、こういうような大口脱税者と客観的に見られるような事実があつた場合に、その税務署の署長を助ける、ことに人事を握つている総務課長が、はたから見て客観的に信頼できないといつて、このことを抗議するほどの必要があるかどうか。今日の観点から一應考えてもらいたい。私は何も中野の民商の代弁人でありませんから、この点とやかく言うのではありませんが、五月二十八日には刑事事件が出ていることによつて立証されている。それでもあなたはまだ抗議文が正しかつたと言われるかどうか。そうがんばるほどのことでない。すなおに、小林君にしても、ちよつと言い過ぎましたぐらい、あなたも遺憾でありましたぐらい言つて片づけていいではないか。どうですか。まだ言えませんか。
○鍛冶委員長 それは意見だから……。
○神山委員 意見じやない。この事実を何と見るかだ。抗議が正しいなら正しいと言えばいい。そうじやないなら、ないと言えばよろしい、どつちか一つ、イエスかノーかだ。委員長、まぜつ返さないで証人に答えさせろ。
○湯地證人 私はあの当時出した抗議文が今でも正しいのではないかというふうに考えております。
○神山委員 これほど事実が明らかになつても、なおかつあなたはそういうふうに言われるのですね。
○湯地證人 そういうわけです。
○神山委員 刑事事件が起り腐敗官吏がこれだけ十何人あがつていても、なおあなたは小林君をかばうのですか。
○湯地證人 私の意見を聞かれたから、意見を申し上げたのです。
○安部委員 証人は先ほど、集團陳情は去年の十一月から本年三月まで、約七十件に及んだ、こういうことを証言されておりますが、集團陳情というものは具体的には、何人ぐらいの人が、どういう形式、どういう方法によつてやつたのですか。
○湯地證人 報告をとつてその数字を申し上げたことは、少くて二、三十人、多い場合は約三百人ばかりの場合がありました。
○安部委員 二三十人もしくは三百人――三百人といえば大分多いのですが、そういう人は何か武器でも持つて來るのですか。暴言でも吐くのですか。
○湯地證人 武器は持つておりませんが、相当大衆の威力と申しますか……。
○安部委員 あなたの印象によると、何か脅威を感ずるような態度をとつて來るのですか。
○湯地證人 そういう場合があります。
○安部委員 そこで三百人ぐらい寄つた集團が來て、おとなしく、こういうふうに課税が不当であるとか、穏健な方法によつて陳情して是正を懇請する、こういうような態度ですか。あるいはまたいろいろな威嚇的な暴言を吐いて、何か非常に身辺の危險を感ずるような言動をしたのですか。
○湯地證人 それはやはり百人からおりまして、人数の関係もあつて全部の人にもちろんお会いしませんが、大勢の人が税務署を取巻いて、赤旗を振つたり、労働歌を歌つたりするようなこと等がありまして、会つている税務署長の部屋が往來に面したようなところでは、相当近辺の窓からのぞき込んでいるというようなことがあつて、あまりなれない署長では威圧を感ずる場合が相当あつたと思います。
○安部委員 その三百人もしくは三十人でもいいが、多数の集團の人が、そこの中野の町の善良な人々が隊を組んで來たのですか、あるいは中野以外の人も來たのですか。
○湯地證人 今の三百人というのは、中野じやなかつたと思いますが、中野でも相当來た場合があります。
○安部委員 そういうような集團陳情に來た人々は、そこの住民ですか、もしくは他からやつて來たのですか。
○湯地證人 その数の大部分はその土地の人だと思いますが、土地以外の人もいる場合が相当あると思います。また私実際受けた場合も、いろいろ陳情は各地から受けましたが、幹部の人は大体同じような人が多い場合が多いと思います。
○安部委員 陳情團と称するけれども、実際は何か反税運動のようなことになるわけですね、そうじやないですか。
○湯地證人 それは中には具体的にこちらも反省しなければならぬような点もありますが、大部分は、どちらかといえば、たとえば天くだり課税反対というような抽象的なものだとか、あるいは更正決定は全部取消して申告を認めろとかいうような、おそらく具体的な結論は出ないのじやないかというような問題について來られる場合が多いと思います。
○安部委員 先ほど局長さんの御答弁の中に、非常に納税の結果が悪いというのは、反税運動のためであるということをおつしやつておるのですが、その通りですね。
○湯地證人 それも一つの大きな原因だろうと思います。
○安部委員 反税運動のために、税金を納付する者が納付することができなかつたということがあつたのですね。税金を納める結果が悪かつたのですね。
○湯地證人 税務署の仕事が阻害されたのです。
○鍛冶委員長 では済みました。
    ――――――――――
○鍛冶委員長 佐藤憲壽さんですね。
○佐藤證人 はい。
○鍛冶委員長 現在あなたの職業は何ですか。
○佐藤證人 税務署の大藏事務官です。
○鍛冶委員長 どこの税務署ですか。
○佐藤證人 世田ケ谷の税務署です。
○鍛冶委員長 そこであなたは全國財務職員労働組合東京地区連合会のさきの執行委員長であつたですね。
○佐藤證人 全國財務労働組合の東京地区連合会の元執行委員長でありました。
○鍛冶委員長 近ごろは税務署内でずいぶん職員の汚職事件というか、涜職事件の発生しておる事実は御承知だろうと思いまするが、この原因その他これに関する対策等についてお知りのこと、またお考えのあることを聞きたいと思います。
○佐藤證人 汚職事件が起つて、收賄なりそういうことをした官吏がたしかに悪いとは思いますが、なぜ下級官吏の場合において、そういう汚職事件が起つたかということは、やはりわれわれの考えといたしましては税金が高い、過重であるというふうなことが原因になつているんじやないかと思います。なおそれにつきましては、東京の財務局の官職側で発表しております東財旬報によりましても、勤労所得者、農業所得者、少額営業所得者等の大部分の者については、現行税率から言えばたしかに過重であり、租税方の限界に逹しているとも言えるが云々とある。あとには大規模営業者、法人、それらの関係者には余力があるということをうたつてありますけれども、これはわれわれ組合側といたしましても、官廳側としても租税が過重であるということは認めておるところでありまして、それが結局納税者としては税金が高い。何とかしてこれを安くしてもらおうという考えで税務官吏が誘惑されたという形が一番最初の起りになるのではないかと思われます。それではなぜ誘惑されたかと言いますと、税務官吏の俸給があまりにも安すぎる。私が聞きましたところによりますと、ある税務署において五月分の給料が百三十一名おりまして、総額で、税金込みでありますが、八十一万一千二百十八円五十銭と聞いております。大体一人当り六千何百円にしかならない。それから税金その他を引かれますと、税込みでさえ六千百何十円くらいにしかなりませんから、相当低賃金である。しかも低賃金に加えてわれわれに課せられた労働は――現在行政整理の対象にはなつておりますけれども、われわれの考えといたしましては人員がまことに少な過ぎる。すなわちわれわれの言葉で申しますと営業所得と申すのでありますけれども、その営業所得の方と、自由職業の医者とか、あるいは弁護士さんであるとか、そういう職業は個人個人について総務官吏が調べなければならぬ。ところが現実には一人の調査担当官が直接調べなければならない件数が三十件以上、あるいは多いところではもつとたくさんあると聞いておりますが、それが現在時間的制約にしばられてそういう調査ができない。そのために税務署の調査の実情から参りますと、権衡調査と申しまして、たとえば八百屋なら八百屋が某税務署管内に何軒かありますと、その八百屋をある一人の事務官が調べるわけです。それにはその業界のうちから数人の者を引抜きまして、それを調査して、あとは右へならえしまして、あの家はあの家の倍であるとか、あの家はあの家の半分であろうというふうに大体見当をつけて、それを所得としてきめる、こういうふうになります関係上、その業態について実際上どの程度調べるかと言いますと、個人の場合では大体その業態について一割から一割五分見当しか調べない。あとの八割五分ないし九割というものは大体の目見当できめる。さらに自分たちの能力ではそれができかねる場合においては同業組合と交渉する。そうして同業組合の幹部と話合つて所得額を決定する。しかしこれは進駐軍の進駐以來金額まで折衝することは禁止されたというふうに聞いておりまして、大体順位とか、あるいは割合であるとか、最高の人を百としたならば最低の人は幾つにしたらいいか、そういう指数を諮問するという形式になつておるそうでありますが、現実には金額の点まで触れることになつておると聞いております。聞いておると言いますのは、私がやつております仕事は法人税の方で、個人税のことにつきましては実際に担当しておりませんので、聞いた話になりますが、事実その際には結局同業組合の幹部の人たちと折衝する、そうして所得をきめるというふうになつて來ます。そのため必然的に同業組合の幹部と税務署員との間の交渉が頻繁になつて來る。それで中には同業組合の方から誘惑を持ちかけて、自分の業界はよその業界に比べて安くしてもらいたいとか、そういうことが原因になつて、低賃金であること、重労働で、実際に人員の不足のために一軒々々調べることができないということ、さらにはそのために同業組合と交渉したり、あるいは直接調べる場合においても、何と申しましても、先ほど読み上げました官廳側発行の新聞にもあります通り、税金が小額の納税者にとつては、現在も過重なる負担である。だから多少でも負けてもらわなければならない。必死な覚悟で誘惑にかかつて來たのではないかと思います。それに対してこちらが低賃金であるために、そこに條件が重なりあつて、こういう不祥な事件が起つたのではないかと考えております。
○鍛冶委員長 そうすると、対策はおのずからわかつて來ますね。税率を下げることと、官吏の待遇をよくすること、労働條件をあまり過重でないようにすること。それから組合側とあまり折衝させないこと、こういうことになりますね。組合側と折衝させなかつたら、ほかに何かいい方法を考えてみたことはありますか。
○佐藤證人 組合側と申しましても、われわれ全財の立場といたしましては、民主的な團体とか、あるいは民間の知識人を入れた税制審議会というようなものがあるとかというふうにも聞いておるのでありますけれども、そういうような組織ができ上つて――諮問團体とかいうようなものを、税務署單位とか、財務局單位にこしらえて、それには民主的な團体とか、民間の知識人であるとかいう人たち、あるいはもちろん税界の人たちも入つておりますが、そういうふうな國体ができてやることはむしろ助長すべきことではないかと思つております。ただ先ほど國体折衝をするためにそういう問題が起るということを申し上げましたけれども、同業組合の中には、いわゆる親分子分と言いますか、ボス的な存在とか、あるいはその土地の有力者であるとかいうふうな関係から、その同業組合の中自体においても普通なら差がこういうふうな急カーブを画かなければなりません。同じ業種において一番高い所得と一番低い所得とのカーブがこうならなければならないという場合に、組合側からの報告がこういうふうに比較的平になつて來る。こういうふうなことが弊害があると聞いております。
○鍛冶委員長 それらについて何か減税運動というものの具体的の現われを御承知になつておりますか。
○佐藤證人 減税運動というのがちよつとわかりません。
○鍛冶委員長 あるいは組合的に來るとか、集團的にやるとか、大会をもつてやつて來るとか、そういうようなことはありませんか。税務署にあたつて來るとか。
○佐藤證人 私は世田ケ谷へ轉勤する前に小石川におりましたけれども、小石川の実情におきましては、特に集團で陳情に來たということは一ぺんしかないと思つております。
○鍛冶委員長 そういうことのために税務署の事務が非常に澁滯するとか、困るとか言うようなことは認められなかつたですか。
○佐藤證人 私の在勤中小石川の税務署においては、そういうことは認められませんでした。
○鍛冶委員長 よろしゆうございます。ほかに何か聞くことがありますか。
○神山委員 私も急行列車のように聞きますから、ひとつ証人の方も簡單に答えてください。努力目標というものが、先ほど大臣からも局長からも言われたのですが、あなた方も努力目標というようなものがあることはもちろんお認めになるでしよう。
○佐藤證人 新聞紙上で見ましても、大藏大臣は割当はしてないのだ、努力目標というようなことを國会で答弁したとか聞きましたけれども、末端のわれわれ税務署に來ますと、むしろこれは強制的な割当額である。われわれの立場から行きますと、そういうふうに今まで感ぜられておるのであります。これも聞いた話でありまして、具体的な事例につきましては、全財の東京地連の副執行委員長をやつておられる人たちに聞けばわかるのでありますけれども、実は遂行の目標額に対するパーセンテージが悪いために左遷させられたというような話も聞いております。これにつきましては、委員会でお調べになれば確かなことがわかると思います。
○神山委員 その点はもう証人に聞いてわかつておりますから……。一番下は割当になつておることを承知しております。あなた方もそういうことで苦しんでおるということがわかればいいのです。
 もう一つお尋ねしますが、審査請求を親切に処理されておりますか、それから私が先ほど他の証人にも聞いて事実がわかつているのですが、中野のごときは七千も山に積んであるということが言われておりますが、あなた方職員の立場から、どう見ていらつしやいますか。
○佐藤證人 審査請求の御質問でありますけれども、審査請求というのは、法規上から言いますれば、税務署ではできないことになつている、こういうふうに聞いております。これは東京と申しましたけれども、各所管の財務局長の権限であつて、税務署は審査請求が出れば、それに意見書をつけて財務局へ具申する、財務局においてはその審査請求の内容を調査して、高くなり、安くなり訂正する。そういうふうな法規になつている――実際はなつているそうでありますけれども、それでは税務署ではどういたしますかと申しますと、審査請求の出た場合には、それが審査が出たから訂正するという取扱いではなく、税務署の当初の決定があやまつていたから直す。すなわち税務署の言葉で申しますと、誤謬訂正というふうな言葉を使いまして、税務署で処理しているのだそうであります。これも個人係の人に聞いていただきますと、法律上の詳しいこともわかります。私はそう聞いております。
○神山委員 わかりました。次に異議申請の処置をどういうふうにいたしますか。
○佐藤證人 普通の言葉で異議の申請と申しますけれども、書式の上から申しますと、財務局長宛に審査請求書を出すというふうに聞いております。
○神山委員 そこで聞きたいのは、今の誤謬訂正の材料に一方で使うと同時に、一方では誤謬訂正の材料にも使わずに頼んでいるということが言われているのです。そういうことをあなた方は見たり、聞いたりしませんか。
○佐藤證人 私の聞いている範囲におきましては、確かに審査請求が出されましても、誤謬訂正の処理をもせず、財務局の方へ報告をもせず、未済になつて、それからそれへと、人間の手が足りませんから、たとえば現在審査請求が残つておりましても、新しい今年の次の税金も調査しなければなりません。そういうふうなために、とかく審査請求は遅れがちになつているように聞いております。
○神山委員 それを聞きたかつたのです。それでいい。それからまた差押え――これはこまかいことは言いませんが、現在差押えが相当不法にやられているというふうに私たちは見ておりますが、あなた方やる方の立場からはどうですか。
○佐藤證人 私自分自身で実際差押えをやつたことがないので、はつきりしたことを申し上げかねますけれども、うわさに聞きますと、差押禁止物件まで差押えたりした不なれな税務官吏があつたといううわさは聞いております。
○神山委員 それから期間ですが、十日置かなければならぬのを、すぐ公賣にしたような事実も、ニユース映画を見ると出ているじやないですか。あなた知りませんか。
○佐藤證人 現実に、はつきりここにこういう事例があつたということはわかりません。
○神山委員 もう一つあなたに聞きたい。あなたが今までおられたところは、小石川でしたか、そこの署長があなた方に、これだけの努力目標をして來いというときの態度は、先ほどの説明から言つてもわかりますが、努力目標というものはできるだけやつたらよいというものなのか、それともどうしてもこれだけとつて來いと言うのか。拂う方はそう受取つている。あなた方にもそういうふうな形で來るのか、それとも單にできるだけとつて來いというのか、どうですか。
○佐藤證人 ただいまとつて來いという言葉でありますけれども……。
○神山委員 ぼくの言葉は悪いですから、ぼくの言葉にとらわれないでいいです。
○佐藤證人 税務署の方では、賦課する方と徴收する方と課がわかれております。ですから、税を賦課する方は何億、徴收する方は何億という目標額で、われわれから考えますと、割当のようなものが來ているわけでありまして、徴收の方で行きますれば、私の前任地の小石川税務署の署長は、われわれの目から見れば、そういう点は別に苛酷には申されませんでしたけれども、よその大部分の署におきましては、たとえば税金の徴收に出かけます場合に差押えかしからずんば全額である、一部分納めるというようなものはもらつてはいけない。こういうようなことを言われたということを聞いております。
○北委員 証人にお伺いいたしますが、先ほど大藏大臣の説明によりますと、十年前は七、八千人の税務官吏で十分にやれた。こうおつしやるのですね。そういう事実を聞いたのですが、ただいまの税務官吏の数を調べますと、六万人以上おります。そうすると、七、八千人でうまく行つておつたものが、いろいろな事情はありますけれども、十倍以上になつておりますが、これは税務官吏が足らなくてやつて行けないという理由はどこにありますか。
○佐藤證人 ただいまここに具体的な数字は持つておりませんけれども、昔はいわゆる所得税にいたしましても、少額所得者の基礎控除とか免税点とかいうものが高かつたために、納税人員が少かつた。現在は年額一万五千円と覚えておりますが、その基礎控除のために大部分のものが税金がかかる。それで納税人員が著しくふえたということが一つございます。ことに法人税係といたしまして法人の税金についてみますると、現在は申告納税制度になつておりまして、手間も内部の事務におきまして二倍以上の手数がかかる。毎日毎日会計檢査院に提出したりするのを考えますと二倍では及ばない、むしろ三倍近い労力を必要とするのではないか。そういうように仕事の量がふえておりまして、当時の納税者の人員対税務官吏の比率と、現在の納税者の人員対税務官吏の比率とを存じておりませんからここではつきり申し上げられませんが、仕事の量が著しくふえて來たということははつきり申し上げられると思います。
○北委員 そこで異議の申請とかいろいろな書類とか來ますね。中野で言えぱ七千通も出ておる。これを山に積んでおると言いますが、そういうものを税務官吏の方が何とかして大衆のために働いてやろうという考えで、たとえば大藏省が予算編成のときに夜中でもやつた。こういうように盡されたことはありますか。
○佐藤證人 その問題につきましては、はつきりした実例を知りませんので、はつきり御返答はできかねますけれども、われわれの労働條件が悪いということもそこにあるのではないかと思います。われわれは現在本日まで四月分の超過勤務手当がまだ支給されておりません。なおここでちよつと申しますと、例の号俸の切下げの問題におきまして、あるいは税金の年末調整の問題におきまして、三月、四月、五月までは相当控除額が多いのでありまして、先ほど申し上げました数字からそういうふうな税金の未納の分であるとかあるいは負債の返済であるとかとられますと、ほんのわずかしか残らない。しかも四月分の超過手当すらまだ支給されていない。なおもう一言述べさせていただきますと、われわれが外部に調査に出かけますときには、旅費はその一箇月分は自分が先に拂うのです。そうして翌月の五日か十日になつて初めて先月の分をもらうわけであります。一箇月間というものは自弁しなければならないという現況に置かれております。こういうふうに労働條件が悪いため、特に親切にやつたか、夜業までしてやつたかどうかということについてははつきり申し上げかねますけれども、労働條件が悪くてそこまでできなかつた点もあるのではないかと考えられますが、実例についてははつきり御返答申し上げかねます。
○北委員 そうすると私は労働條件のいろいろの問題もあります、それも知つておりますが、結局は税務署職員として大衆にあまりに何と言うのか、誠意がないと解釈してもいいですか。
○佐藤證人 それに対しましては、あるいは答弁が意見にわたるかもしれませんけれども、全財といたしましては割当課税の反対も唱えておりますし、大口脱税の摘発ということもやつております。しかしながら先年でありましたか、尼ケ崎の支部におきまして大口脱税の摘発をやつた。ところがその摘発の指揮者が官側から圧迫を受けたとかいううわさも聞いておりまして、これが眞相につきましては全財の尼ケ崎支部で御調査をいただきますればはつきりすると思いますが、われわれとしては割当額はどうしてもやむを得ないものといたしましても、その税務署から大口脱税なり何なり一つあげますれば、あとは割当を完遂するためにほかの人の軽減になるということで、大口脱税は努めてやつております。しかしながら尼ケ崎支部にそういう例があつたように聞いておりまして、そういうやりにくい点は全財労組としてあるということを聞いております。
○北委員 そこでお伺いしたい。給料條件もいろいろありましようが、あなたたちがほんとうに眞劍に大衆のために思つてやるならば、中野の例にしても今の人員で七千通くらいの書面を見るのはわけはないと思う。ほんとうにやるつもりならば。給料の少いこともわかりますが、やつて初めて給料をよこせということでなければうまくないのじやないかと思う。
○佐藤證人 それについてもう一つ、特に先ほどから何べんも申しておりますように、官側は努力目標額という言葉を使つて――われわれの解釈では割当であるという解釈をとつておりますが、そういうふうにわくがあるのです。そのわくを破つてわれわれが減らすということは実に困難である。たとえば具体的に言えば、これまた個人の話で聞いた話でありますが、税務署である業種について平均が二十五万円であるという調査をして財務局に報告する。ところが財務局は二十五万円は安い。三十五万にせいというような指示がある。その業種について平均三十五万なら三十五万というわくがはめられておる。さらにそれを割るのは――異議の申立がたくさん出てそれをどんどん下げてしまうと、その税務署の目標額を割つてしまうような現象になり、そういうことは現在上の方から嚴重に言われておりまして、なかなか目標額を割つてまで審査請求をしてやるということができかねるのではないかと思います。
○北委員 最後にちよつと希望を申し述べておきますが、あらゆるものをそういうぐあいに処理して、こうだからこうだというような態度をとつてもらいたいということを希望しておきます。
○神山委員 議事進行についてですが、今の二人の証人について全國財務職員労働組合と関東財務職員労働組合と分裂した理由いかんと、こう書いてある。これをあなたが聞くのだつたら両方の証人から聞かなければならぬ。時間の関係もあるのでこの点のみを聞けばいい。もしこれを省略するのだつたら両方省略する。やるのだつたら両方やるべきだ。
○鍛冶委員長 それではお聞きいたしましよう。あなたの方は全國財務職員労働組合それと関東財務職員労働組合、この二つがあるのはどういう関係なんですか。
○佐藤證人 われわれが考えておりますところでは、これは官側の分裂策動によりまして組合が分裂した。こういうふうに考えております。
○鍛冶委員長 官側とはどこのことですか。
○佐藤證人 官と申しますと、われわれの場合は上級官廳であるところの東京財務局あるいは大藏省であります。
○鍛冶委員長 そこの細工でそういうことになつたというのですな。
○佐藤證人 はあ。
○安部委員 全國の職員組合と関東財務職員組合と二つあるのですが、もう一つだつた組合が分裂したのですか。
○佐藤證人 そうです。
○安部委員 どういうわけで分離したのですか。
○佐藤證人 ですからただいまお答え申しました通り、分裂策動があつて分裂したというふうに考えております。
○鍛冶委員長 それではよろしゆうございます。
    ―――――――――――――
○鍛冶委員長 齋藤甚助さんですか。
○齋藤證人 そうです。
○鍛冶委員長 あなたは今どこにお勤めですか。
○齋藤證人 籍は大森税務署であります。そして関東財務職員労働組合執行委員長であります。
○鍛冶委員長 大藏事務官ですか。
○齋藤證人 そうです。
○鍛冶委員長 近ごろずいぶん税務署内において汚職事件というか、涜職事件というのがあるのですが、このことは御存じでしようね。
○齋藤證人 存じております。
○鍛冶委員長 その原因についてどういうことが原因だということを調査し、もしくは考えてみられたことはありますか。
○齋藤證人 それはいろいろあると思いますが、まず待遇問題もあり、本質的な問題はやはり質という問題が影響しておるのではないか、こうも考えるのです。
○鍛冶委員長 大体のところを聞かしてもらいたいのだが、あなたの思つておられるのは、主として素質が悪いためにこういうことが起る。こう言うのですか。
○齋藤證人 もちろんそれが解決のためには待遇さえよくなれば上質の者が採用でき、事前に防止することができたのじやないか、ただそれのみに限定して考えることもあながち肯綮をうがつていない、こうも考えられます。
○鍛冶委員長 その他やり方とか、税法とかに原因があることはお認めになりませんか。
○齋藤證人 汚職事件そのものに税法が関係があるとは考えられませんが、税法そのものも改正を要するという点は認められると思うのです。たとえば所得税の問題とか、あるいは所得税の基礎控除の問題とかいう点は、当然税が引下げられるべきである。こうは考えております。從つてそういう問題がある納税者に影響しまして、税務官吏が働きかけたという状況も考えられるという節もないとは申されないと思います。
○鍛冶委員長 現在税法があまりに率が高過ぎるとか、基礎控除が低過ぎるとかいうことから、こういう汚職事件が出るとはあなたとしては認めませんか。これは意見になりますけれども……。
○齋藤證人 これは認められないと思います。
○鍛冶委員長 決定の方法もしくは徴税の方法等からも考えられる点はありませんか。
○齋藤證人 結果的な事実から申しますれば、ないとは申されないと思います。たとえば税金を安くするからとかいうようなことが新聞紙上に現われておる事実を批評して言うならば、ないとは申されないと思います。
○鍛冶委員長 よく聞きますのは、仮更正でもよし、本更正でもよいのですが、それには各個人々々を調べるいとまがないために、同業組合とか、あるいは商工会議所というようなところに諮問をしておる、こういうところから非常に不公平もできれば、そういう相手の海千山千の者と若い税務官吏がつきあいするようになつて、自然交際も激しくなり、情実も起ると聞くのですが、そういうことはどうですか。
○齋藤證人 そういう事実があつたことも認めております。しかしこれはおのずからその質の問題によつて解決されて行くのじやないかとこう考えられるわけです。
○鍛冶委員長 それについても何かこうしたらよいという考えを持たれたことはありませんか。
○齋藤證人 その点、われわれは課税の公平を期する。課税の公平を期するにはどうするかといえば、現在の申告納税意識について、一般の納税大衆は知識水準が低い。そういう点から考えて、ある程度いわゆる納税大衆の意見をとつて最も適正な課税をするというような一つの方法が考えられると思う。もちろんこれは税務署が個々別、個人々々の調査を最も理想的な形態に基いて決定することが正しい方法であると思うのでありますが、現在量質ともに非常に人員が少いという点からその万全を期することが非常に困難であつた。ためにこういう点はできるならば團体交渉は避けて行きたい。もちろん團体交渉をやつたということは、あくまでも円満に課税の方法を期して行きたい。こういうような方法で考えられるわけですが、できればこういう團体交渉は避けたいと思います。
○鍛冶委員長 それにかわつて何かよい方法を考えたことはありますか。
○齋藤證人 それはあくまでも納税申告課税であるとするならば、納税者に正しい納税の申告の方法を指導する。指導すると同時にそれにあやまちのないように充実した調査が絶対に必要である。こういうことが考えられると思うのであります。
○鍛冶委員長 よく税務署で努力目標とか、割当目標とかいうことがあるのですが、そういうものはあることはあるのですか。
○齋藤證人 これは言葉の表現だろうと思いますが、割当ということは少し語弊があると思います。大体目標額がないということはないと思います。たとえば國家予算がこれだけとするならば、当然一應の目標というものが考えられる、しかしないものに対する目標ではなくして、あくまでも実績に対する目標であると思いますが、言葉の上の宣傳から、ないものからとるような目標というものはわれわれは考えておりません。しかしあくまでも目標であり、割当というものは実績に対する課税である、こう考えております。
○鍛冶委員長 目標だからなるべくそこに行こうというのだから、それはそれとして実際に当てはめることにしようということですね。
○齋藤證人 それは目標を與えることによつて、そこへ持つて行かなければならないのだといいう考えでございます。
○鍛冶委員長 それは目標だが、実際は実情を調べた上でやる……。
○齋藤證人 その通りです。あくまでも実績の課税によつてやる。
○鍛冶委員長 ところが目標はどうでもよいが、その目標に逹しなければいかぬといつて押しつけたことはありませんか。
○齋藤證人 それは耳にしております。しかしあくまでもそれではいけないと思います。実際はそういうことがあつたということは聞いております。しかし私たちがもしもそういうことがあるとするならば、はなはだ遺憾であると思います。もしそういうことがあるならば、われわれ組合といたしましても、大いにこれらの啓蒙、教育に努めて、決してそういうことがあつてはならない。われわれはあくまでも職場を愛するがゆえに、組織を愛し、組織を守るものである。もしもそういう点があるとするならば、断固われわれは組合の正しい力において職場を確立しなければならぬ。同時に國民の全体の奉仕者としてその責めを果さなければならないと考えております。
○鍛冶委員長 納税者の側において、税務官吏の素質の低下しておるのにつけ込んで贈賄その他で減税の方法をとろうとしますが、その反面においてそうでなくして何か團体的の力によつて牽制させようという運動の現われも見られますか。
○齋藤證人 そういう現われも聞いております。また事実そういうことがあつたようにわれわれは認めざるを得ない事実があります。
○鍛冶委員長 どんな事実ですか。
○齋藤證人 たとえば民主商工会その他が適正課税運動というようなことで、納税の手引きであると言われる反面――これはもちろん民主商工会そのものがそうであるとは申しません。ただ一部の者が税金を拂わぬ、まけろ運動に発展するがごとき行為があつたことを聞きもし、一部においてはそういうことを認めざるを得ない事実があります。
○鍛冶委員長 民主商工会というのはどこでもありますか。
○齋藤證人 大体各地区ごとにあるのじやないかと思います。民主商工会とか、それから民主擁護会あるいは適正納税同盟とかあるのじやないかと思います。
○鍛冶委員長 はなはだ困ると思われるような運動の仕方はやつておりますか。
○齋藤證人 たとえば民主商工会そのものはあくまでも正しい税金を課せらるべきものである。いわゆる適正課税――われわれから言いますと適法課税と申しますが、いわゆる適当な課税と一般の方が申されるように考えるのであります。たとえば適当な課税は食つた残りに対する課税であると考えられる。一人ではなかなか税務署に行つて聞いてもらえない。民主商工会の組織の力をもつて行くならば、税金を安くしてもらえるのじやないかと、あるいは煽動したのか、あるいは納税者が錯覚を起したのかわかりませんが、衆を頼んで税務署に押しかけることによつて、話をすればわかるものがただそうすることによつて税金が安くなるという群衆心理と申しましようか、衆にまざつて税務署に來たという事実があります。
○鍛冶委員長 ここに全國財務労働組合と関東財務職員労働組合との二つがあるようですが、聞くところによれば全國財務労働組合から関東財務職員労働組合というものが分裂してできたのだということですが、どういうわけでそういうことになつたのか、その原因を承りたい。
○齋藤證人 これは昨年の九月七日に政党支配を企図するところの共産フラクを排撃して、眞の民主的な自主性のもとに組合を組織しなければならぬと随所にほうはいとしてそういう声が起つたので、関東財務職員労働組合が新組織として生れたわけであります。
○鍛冶委員長 そうすると全國財務職員労働組合は共産フラクの活動体にでもなつておつたのですか。
○齋藤證人 と一應はわれわれとして認められたわけであります。
○鍛冶委員長 ただそう思つたのか、そういう事実があつたのですか。
○齋藤證人 もちろん思つたというよりも、事実から発しておるわけであります。それを詳細に申し上げろということであれば申し上げます。
○鍛冶委員長 詳細にはいらぬが、大体でよろしい。
○齋藤證人 われわれはあくまでも職場を基盤とし、労働組合であると同時に、われわれ組合員としてともに行動する組合の総意を反映したものでなければならぬというときに、たまたま共産フラクの幹部が組合の総意を無視して、極端に言いかえますと牛耳つたとでも申しますか、幾多反省に値いする事実があるのに、それを反省せずに組合の利益を無視したそういう事実のもとにわれわれはあくまでも健全な、民主的な労働組合を結成しなければならぬ、そういう声とともにできたわけであります。
○鍛冶委員長 何か官の上の方の策謀でそういうことをやつたという人もあるのですか。そういうことがあつたのじやないのですか。
○齋藤證人 それはわれわれとしてはまことに心外だと思います。それはあり得ないわけです。あつてはならないはずであると思います。当初われわれが結成するときに、少くとも敗北者であり、御用組合であるというレツテルのもとに、必ずわれわれに誹諦があるであろうということはわれわれが立ち上つたときにすでに覚悟した。はたせるかなそういう言をもつて應酬されたことは事実であります。われわれ働く者の組合である以上あり得ないわけであります。
○北委員 簡單にお伺いします。全國財務労働組合、関東財務労働組合も近ごろの労働組合というのは非常に政党に支配せられておりますが、聞くところによると今のような事情ですが、あなたはいずれかの政党に属しておりますか。
○齋藤證人 私は属しておりません。
○小林(進)委員 組合民主化の問題はあらためて神山君がるる御質問になると思います。ただあなたは大森の税務署におられるということを聞いたのですが、税務署におられるあなたのポストは何でございますか。あるいは主任だとか、課長だとか、係長だとか、あるいは署長とか――署長じやないでしようが、それをちよつとお聞きしたい。
○齋藤證人 私は一事務官、一課員であります。ちようど三年專從者を勤めておるわけであります。二十年の十月十二日以來專從者として職場を離れておりました。現在一課員であります。
○小林(進)委員 わかりました。それではこの前中野の税務署の問題でいろいろ総務課長や係の人のお話を聞いたときですが、そのとき中野税務署の成績の悪いのは中野の労組の連中の全財の支部ですか、その連中の労働組合の行為のために、非常に税の徴收その他に支障を來した。それが東京一とか、全國一成績の悪い原因だということを言われたんですが、あなたは労組のいわゆる專從者としてどういうふうにお考えになりますか。
○齋藤證人 内部的な労組の対立で納税に支障を來したということは聞いておりませんし、私はそう考えておりません。
○小林(進)委員 全然お考えになつておりませんか。
○齋藤證人 考えておりません。
○小林(進)委員 そうすると中野の税務署が全國一成績の悪いのは、あえて労組は全然関知するところではない。やはりそのほかの原因に基くものである、こうお考えになるわけですか。
○齋藤證人 私はそういうふうに考えております。
○小林(進)委員 よくこれは、あなたたちはお考えになつておられると思うのですが、これは前からもお話が出ておるのですが、一般に大口脱税者の方が多い。どうも見逃されておる。そうして小物はどぶ板の果てまで追いかけて行つて税金をとるという傾向が強いということからきのうからこの問題がぶり返されて、中野あたりの小久保産業とか、星ケ岡茶寮とかが取上げられておりますが、これはいつでも高級官吏に対する質問であつて、労組関係に質問するのは今が初めてなんです。あなた方は今現場におられる方として、そういうことを時に民衆の意思を反映して努めてやろうという、何か、努力されたあとがあるかどうか。あるいは努力したけれども、上の方に押えられたというようなことがあるかどうか。ひとつお開かせ願いたい。
○齋藤證人 私といたしましては、先ほど申し上げましたように、三年來專從者を勤めておるので、調査の実績は持つておりません。但しわれわれ組合といたしましても、大口脱税者の摘発はやつております。しかし実際の実情から申すと、なかなか人と物というような実情から、まつたく完全であるということは申されないと思うのです。しかし摘発に対しては相当根強く、またボス的な支配があることをわれわれ知りつつ、またそういうことを全体の奉仕者として、あくまで公平を期さなければならないという観点で極力脱税者を捕捉すべく努力は組合としてはやつておるわけであります。私自身としては経驗を持つておりません。
○小林(進)委員 あなたは大森でいらつしやいますか。
○齋藤證人 そうです。
○小林(進)委員 品川は品川税務署ですか。
○齋藤證人 品川税務署です。
○小林(進)委員 私はそういうことに対する具体的な例を持つておるのですが、これはここでは発表いたしませんが、大口の脱税者が押えられた。手をまわしたのです。それを結局免れたわけなんだ。そういうことを私どもが他の方面からそういう事実をとらえて聞きますると、税務署の方で実は私はやめようと思うと言う。結局下級官吏として正直にやつておるけれども、正直にやつておる者が過重な任務ばかり負担されて、ちよつとも報いられない、だからそういう不正な人たちと手を握るなり、誘惑に乗つて、まけるならまけて、御馳走になるならなつて、もらえるカバンをもらつた者がやはりもうけておる、これが総務署の実情です、だからもう私はまつたくいやになりましたから、やめますと言つて、現実に私にその実情を訴えてやめた人がおるのです。これはほんの小さな問題ではなくて、その人たちの言葉を裏返してみれば下級官吏、上級官吏、一般にもらうのはあたりまえだ。こういう実情があることは、私は現にあたつて知つておるのです。こういうことに対して、労組あたりはいかに一体考えられておるか。またどういうふうに処置されておるかということを私は伺いたいと思います。
○齋藤證人 御説ごもつともだと思いまする組合といたしましても、組合の民主化あるいは組合の秩序確立あるいは組合員の再教育を叫んで、できるだけそういう問題を事前に防止したいと努めてはいるわけでありまするしかし実際問題として、ただいま申されたような話はわれわれはたびたび耳にいたしております。それと同時に、いかにしてこれをやるかということは私たちは建設的な氣持で、第三者通報制度もあり、われわれ組合としても積極的に行動しているのであります。税金はぼくはこれだけ納める、お前はそれだけ納める、しかしお前のは高過ぎる、おれはこれだけ納めるというように積極的に正しい税金を納める方向に各人が積極的に努力されていただきましたならば、この問題も了解されるのではないかということを納税者ごとに対しても、組合ごとに話したこともあります。
○小林(進)委員 ぼくは東京に住んでおりまして、東京の税務署関係は案外詳しいのです。ですからあなたにお聞きする人ですが、大体大口の脱税者で脱税をとらえられまして、最初にかけられた税金をそのまま納めている人は僕の知つている範囲で一人もいない。必ず税務署に交渉する。そして三月でも四月でも交渉する。そうすると、一千万円が七百万円になり五百万円になり三百万円になる。この人たちの負け方は一千万円が八百万円になる。その差額は二百万円です。この二百万円は下級の連中が生活費に面して一万円のものを八千円にまけてもらうのとまつたく性格が違う。そういうことに対してあなた方は、下の方の苦しい者の一万円を八千円、五千円に負けたことに対しては税務署は非常に至嚴な態度をもつて臨んでいる。そういう上の方の方々なり、政治的な折衝に対して、一千万円を八百万円に負ける、五百万円に負けるということに対しては必ずこれは成就している。ここに大口の脱相者にあたる税務官吏の方たが根本的に頭を切りかえてもらつて、一万円を八千円にするということに対しては寛大であつてもよろしいが、一千万円を八百万円に負けることは嚴格に処してもらわなくてはならないと思いますが、事実そういうことがありませんかどうか伺いたい。
○齋藤證人 私が專徒者になる前、いわゆる税務署の決定にあたる調査会というものがございました。御存じでございましようか。その当時は、たとえば一万円以下とかの小さいものに対する調査員は大体無條件で判を押す。しかも高いものに対してはとかく交渉にあたつてこれを安くしろというような行為は過去において経驗いたしました。從つて、こういうほんとうに困る人に対してはわれわれはできるだけよく調査をして、誤りのない、しかも喜ばれる調査の方法でやつて欲しいということを私は申しております。なお、よく帳簿をおつけになつておらないので、これは私個人の主観になりますけれども、あらゆる角度より檢討して誤りがないということよりも、誤りだらけでもけつこうである、一に一足す二が何で一に一足す二になつたというよりも、一に一足すが三であるということが一に一足す二の誤りであつたということであれば、正しいあらゆる角度から檢討して誤りがないというよりもその事実が証明できればけつこうである、從つてできるだけ皆さん方が帳簿を記帳しておいてもらいたい、その記帳も書道展覧会に出すようなりつばな字で書いてもらうとか、あるいは計理士というようなことを考えているのではない、金釘流でもよろしいから出しておいてもらいたい、この帳簿をつけるということは、健全なる権利は健全なる営業発展を前提とするものであるから、だからなるべく記帳だけはしておいてもらいたい、こういうことを申しまして、その大口脱税者に対する防壁として極力進めておつた事実は持つております。なお、そういう方法でできるだけ考えて行くような方法を講じたい。
○小林(進)委員 ただぼくは希望になりますが、大口脱税者に対しては、労働組合はいま少し至嚴なる態度をもつて、大いにこれをやつていただかないと、この方面から恐るべき礼金問題が起きて來ると思う。これはあなた方は大いに考えてもらわなければならぬ。それを希望します。
 いま一つは、さつきも神山君がよく言つたのですが、私もいなかにおける言葉としましては、おまわりさんを見れば子供が泣く、税務官吏を見ればおとなが泣く。こういう諺がある通り、非常に恐れておる、こういうことに対して今の労組としては、どんなぐあいにこの対策を考えておるかという問題なんです。いま一つつきつめて行きますれば、あなたたちは、いわゆる民衆の公僕である、あるいはあなた方の上司に忠実なるところの官吏である。この二面の性格がある。それを労働組合としてはどちらに重点をおかれておるかということです。それをひとつはつきり態度をお聞きしたいと思います。
○齋藤證人 全体の奉仕者として、國民の公僕として忠実を誓いたいと考えておるわけです。もちろんその問題につきまして、あるいはこれは公務員法によりますれば、百一條だと記憶しておりますが、公務員といたしますれば、上司の命に対して從わなければならないという規定がございます。しかしそれはあくまでもわれわれのなすことが正しいという全体の公僕として、いわゆる全体の奉仕者としての建前として私たちは考えておるつもりであります。今のような大口所得者は税金もかけなくともいいという上司の命があつた場合であつても、われわれは全体の奉仕者という建前から見れば、これは上司に反対することが正しいことであると考えておりますので、そういう点われわれは事理の判断はよくいたしまして、あながち上司の指示が正しいと私どもは考えておらないわけであります。
○小林(進)委員 何と言つても今の世の中で民衆を一番苦しめており、また私も一番悪いのは税務官吏であると確信しておる。これは非常に失礼だが、そう確信せざるを得ない。その税務官吏の悪さというものを、どうかひとつあなた方の労組の力でこれを直してもらつて、いま少し民衆に温かい感じを與えるものにすつきり性格をかえていただきたい。あなた方の服從の義務に違反する場合があつても、これは私どもが全力をあげてできるだけの應援をいたしますから、どうかこれだけはひとつ性格をかえて御努力願いたい、これを私の希望として申し上げます。
○齋藤證人 しごくごもつともだと思うりでありますが、ただ先ほども申し上げましたように、税務官吏はことごとく蛇蝎のように嫌われておるけれども、智さん方も積極的に理解と協力のもとに、税務官吏はそういうものでないということを強調願いたいと思います。
○浦口委員 簡單に一言お尋ねします。正しい減税運動は、当然これはあつていいし、あるべきだと思うのですが、減免運動と反税運動とをどういうところで区別するか、あなたのお考えを簡單に……。
○齋藤證人 減税とは言葉の表現でありますか、それとも正しい税金の課税という意味の減税でございましようか。
○浦口委員 それはいろいろ事情を言つて、こういうわけだからこれは不当である、安くしてほしいという、いわゆる頼みです。そういう意味です。
○齋藤證人 陳情……、それは法の許す範囲の減税でございましようか。
○浦口委員 妥当な税金に直す……。
○齋藤證人 妥当な税金であるということは、税法に許可された妥当であるか、なれ合いの適当にやつてくれという妥当であるか、減税であるかはそれによつておのずから見解がかわつて來ると思いますが、許された範囲内でその税金がしんしやくできるものは、税法によつてやれると思いますが、それ以外はできないと思います。
○神山委員 まず第一にあなたが大森の税務署というから聞きたいのですが、今年の初めだと思う。大森の税務署員が、自分がある医者のところに行つて実際を見て、金額は忘れましたが、これが適当だと思う査定をして來たら、帰つて課長から、そんなばかなやつがあるかといつてうんと大きな額を押しつけられて、それを苦にして自殺したということを新聞で読みましたけれども、お聞きになつたことはありますか。
○齋藤證人 聞いております。
○神山委員 その事実はありますか。
○齋藤證人 その事実がないということを肯定いたしたいと思います。
○神山委員 それではその人はどうして死んだんですか。
○齋藤證人 その方は私の知る範囲では、実は弔慰金を組合として要求いたしました。そのときの眞相で申し上げたいのですが、大体文学を非常に愛好しておられまして、常日ごろから青酸カリを所持しておつたということを聞いております。私の知る範囲では、あなたがおつしやられるような事実はないと聞いております。
○神山委員 それではあの新聞――一つの新聞ではありませんが、新聞に訂正でもお出しになりましたか。
○齋藤證人 それは宮側の方で出したはずと記憶しております。
○神山委員 それはけつこうですが、世間でそういうことがあつたそうだと思つておるとしても不思議ではないと思いますか。
○齋藤證人 私はその点は非常に遺憾だと思つております。
○神山委員 残念だと思う。
○齋藤證人 残念だということは肯定した残念ではないのです。たとえばこれは少し余談になるかわかりませんが、親子心中の青酸カリ事件がございました、私の家から十軒くらいですが、あの人は洗濯屋さんで、私も洗濯していたわけです。非常に家庭的な雰囲氣のある方だということは推察しておりますが、一家心中のあれを税金に結びつけて新聞に出ておりました。大森の問題もやはりそうでございます。荒川の問題もやはりそういう問題にでつち上げられております。しかしそれは事実無根であります。
○神山委員 あなたは無根の証拠をあげられましたが、本物の証拠をあげろといえば、私の方にもたくさんある。しかしそれを今言うのではない。私は今そういうことは世間で一般に言われるような客観的な空氣があることを指摘したかつただけです。從つて自殺者の問題を出したのは、これは一應聞いておけばよかつたのです。
 さてあなたは先ほどからお答えになつている中に、今の税法に種々欠陥があるとおつしやいましたが、それをお認めになりますか。
○齋藤證人 それは認めます。
○神山委員 税法に若干不適当なところがあることをまず認められれば、これを何らかの形で是正しようというような運動が起つて來るのは当然のことではないですか。
○齋藤證人 そうです。
○神山委員 それからもう一つお聞きしたい。あなたは努力目標というものが割当ではないということを強調された。先ほどここに証人に來た大藏大臣よりも雄弁に、かつ確信をもつて言われた。しかしあなた自身の証言の中にも、事実割当てたという形になつて來ているということを認められましたね。
○齋藤證人 そういうことを言われるやに聞いております。
○神山委員 当委員会では証人の大部分がその事実を述べているわけです。また先ほどあなたの前に來た湯地東京財務局長はまたその事実を認めている。ですから大藏大臣や上級の官吏がどう考えるか、あなたがどう解釈するかは別に、やはり割当というふうなものの感じを國民の一部が持つているということも事実だと思う。そこで問題が起りますが、税法に一部不適当なところがある、また頭から割当課税がかかつてくるというように受け取れる場合に、法に基いた減税運動というものが起つてくるということは最も当然なことだと思いますが、どうですか。
○齋藤證人 その意味における減税ですな、はあ。
○神山委員 それを認められればいいのです。それからあなたのおつしやつた先ほどの言葉の中に、あなたは非常に民商のことをよく知つておられて、民商が適正な課税ということを全体としては言つているのである。ところが一部の人が負けろとか拂わぬということはあるかもしれない。しかしその負けろということが、頭から割当てて來た不当な課税に対して負けろという場合には、これはどういうことになりますか。
○齋藤證人 それは與えられた税法に基いた適法課税によるのですから、結局誤つた負けろ運動であるということになると思います。
○神山委員 話があと先になりますが、あなた方の待遇があまりよくない、この待遇について実情をちよつと聞かしてもらいたいと思います。
○齋藤證人 実は今具体的な資料を持つて來ないので非常に遺憾だと思つておりますのですが、今私の方は最低賃金制の確立は要求しておりませんが、実態生計費による生活賃金を要求しているわけです。從つて現在われわれの実際もらつている俸給よりは――現在私の場合ですと九千四百円ばかりもらつているわけであります。ところが家族一・八という実体生計費に基きますと、大体東京のものは一万二千円を要求しているわけです。從つて三千円は足りない、こういうことになるわけです。
○神山委員 それであなたの場合は、そう言つては失礼ですが九千円だつたらややいい方で、一般には、平均してやはり六千円前後ということが言えるのじやないでしようか。
○齋藤證人 平均率が六千三百円であるから、結局中間層が多いので、それより下だと思います。
○神山委員 それから勤務手当などの支拂いが遅れていたり、旅費などもやはりあなた方自分で先に拂わなければならぬ。その上にこの間のような号俸引下げが來ている。相当辛いということも事実ですね。その上に仕事は相当過重だということもあなた方の経驗でわかつているでしよう。こういうふうな背景が、この汚職事件の背景になつているこてとも認められるのじやないでしようか。
○齋藤證人 それが全部であるということは私は申されません。
○神山委員 私ももちろん全部とは申し上げません。背景だということだけ認めれば……。
○齋藤證人 根本的にそういう問題が解決されれば、ある程度までは打開ができるということは言えると思います。
○神山委員 今までこの委員会で聞いたところによりますと、あなたのおつしやるように、待遇も悪い、また質も悪い、しかしその人々は待遇も悪い質も悪いその上に、今の生活を何とか切り抜けるためにどうしても手を出さざるを得ない。一方業者の方は苦しくてたまらない、その危機を切り抜けるために、カバンの中に金をつつ込まざるを得ない、カバンもやる、くつもやる、女も抱かせる、全部やつてしまう。從つて私は税法が悪いからこういうことが起ると言うのではないが、この全体が関連があるということはあなたとしても認められるわけですね。
○齋藤證人 その点は考えられると思います。まつたく因果関係がないとは申されません。
○神山委員 それから先ほどおつしやつたことの中に、國民全体の利益のためには、ある場合に上司に反することがあつても仕方がないとおつしやいまして、まことにけつこうです。それから大口脱税を摘発するために最善の努力をしたいとおつしやるのも、まことに私たちは同感です。そこであなたは御承知でしようが、これは組合が分裂しない以前だつたと思いますが、大阪財務局において、大口脱税者をあげた方々が上から押えられたという事実があつたということを御承知でしようか。
○齋藤證人 それは聞いておりませんが、恐縮ですがいつごろのことですか。
○神山委員 去年の秋じやなかつたかと思います。私はそういうふうに聞いております。先ほどの証人である佐藤君も、その事実はここで述べておりますが、ひとつあなた方に、國民全体の利益のため、正しいことのためには全力をあげて闘つてもらいたいということをお願いしたかつたから言つたわけです。
 最後に一言しておきたいのは、私は御承知のように共産党の代議士です。あなたが先ほど関東財務職員労働組合と全國財務職員労働組合の分裂の理由について言われましたが、この問題にいて私はあなたと論争すれば、三日三晩やつても盡きない。從つてその点については、ここでやる氣はありませんが、あなたの先ほどおつしやつた中で、分裂の原因が共産党フラクを排除するところにあつたということをおつしやいましたが、これはあなた自身もおつしやつているように、一應そういうふうにあなた方が考えているということだけなんでしようね。あなたがもつと突き進んでいろいろな見解まで述べるのだつたら、私も別な角度から別の機会にやらなければならないと思いますが、実は今日陳述を進めるに当つて、両方來ておられるので、聞くとすれば両方から聞かなければならぬ。全財の佐藤君は一言だけ言つて帰つてしまつた。あなたは長々言われたので、一應聞きたいのですが、あなた方がそう考えているということじやないのですか。
○齋藤證人 私自身は――共産フラクとか申されますが、あくまでも組織の内部で闘うべきであるというのが私の論旨であります。
○神山委員 それならわかります。ですから、遺憾ながら今は組合が分裂しておりますが、共産主義者であろうと、社会主義者であろうと、あなたが自由党であろうと、大藏大臣であろうと――大藏大臣は困るけれども、組合の中でぜひこれからも今のような問題は討議して解決していただくようにお骨折願いたい。それから財務職員諸君の生活水準の低いということ、仕事が過重であるということ、素質が全体として低下しているということ、そうしてそのためにいろいろな汚職事件が起る一つの動機ができているということ、こういうことをなくするためにも、また國民全体の利益を守るためにも、ある場合にあなた方の上司とも闘つて、あなた方の職場を守るためにぜひ今日のような組合の分裂状態を解消して、意見の違いは組合の中で解決してもらいたいということを最後に希望だけ申上げておきます。
○鍛冶委員長 目標額は、さつきからずいぶんくどく聞きましたが、目標額に逹せぬとそれはいかぬ、もう一遍やれ、再更正せいということはありませんか。
○齋藤證人 そういうことは聞いております。結局調査が不完全であるという観点に立つて、もう一度調査をせよというのですが、実際問題として非常に能力がない、先ほど申し上げましたように、最も理想的な形態は、個々の業態を知つておることが理想的だと思います。しかしやはり一方申告納税制度に対して納税意識が持たれていない、そのために税務署が調査をすることと一致しないのです。完全な理想形態は実態調査であると考えておりますが、そのために調査をして、調査の標準あるいは経済の情勢も見て、かくあるべきではないか、この点について誤りがある、非常な隔りがある、もう一度調査を仕直す、こういうものがあつたと思います。あるいは必要以上に頭から與えられたものを解釈することによつて、徴税を強行された署もあるやに聞いております。もちろんその場合はあくまでわれわれは納税する義務があると同時に、その誤りに対しては訂正する権利がある。その権利に基いてやることによつて、正しい更正をやつて行きたいと考えております。
○鍛冶委員長 さつきから言う、いわゆる正しい減税運動、是正運動といつたらよいと思うが、それと反税運動の限界、要するに法律上行われないことを團体の力をもつて強いようということが反税運動と認めるわけですか。
○神山委員 そんなことになつたら道を歩けるものじやない。税務署に行くのは法規に基いて談判しておるのでないか。委員長がそんなことばかり言うから誘導尋問になる。
○鍛冶委員長 反税運動と減税運動の区別です。
○神山委員 減税運動が正しいのであつて、反税運動というものはないのだ。
○鍛冶委員長 そこで法律上強いてやれないことをしようというのが反税運動というのでないか。
○神山委員 そういう者は道を歩けないのだろう。
○鍛冶委員長 たとえば民主商工会を事実上の諮問機関に認めろという要求を出したらどうです。
○齋藤證人 それは受けられないと思います。
○鍛冶委員長 民主商工会員に対する更生決定は全部これを撤回せよ、こういうことを言つたらどうです。税務署側にそういう要求を出したら……。
○神山委員 なぜ一方的に聞くのだ。いつも一方的に聞いておる。どうしてほかから出た証人に聞かない。
○鍛冶委員長 どうして聞いていけない。
○神山委員 なぜ一方的に聞く。なぜ全財の証人に聞かなかつた。
○鍛冶委員長 事実があるから。
○神山委員 でたらめだ。一方的なへんぱなやり方を攻撃するのだ。君は議事録に残したくてそんなことを言うのだろう。そんなことを言つちやいかぬ。誘導尋問だ。
○鍛冶委員長 誘導尋問でない。
○神山委員 なぜ全体に聞かない、ほかの証人に聞かない、一方的じやないか。問題になつたらなぜさつきの証人に聞かない。自分の都合のよいところだけ聞くのだ。
○鍛冶委員長 本日はこれで散会いたします。
    午後七時五分散会