第005回国会 考査特別委員会 第17号
昭和二十四年七月八日(金曜日)
    午後一時五十二分開議
 出席委員
   委員長 鍛冶 良作君
   理事 大橋 武夫君 理事 小玉 治行君
   理事 内藤  隆君 理事 猪俣 浩三君
   理事 神山 茂夫君 理事 小松 勇次君
   理事 石田 一松君
      安部 俊吾君    井手 光治君
      佐々木秀世君    篠田 弘作君
      永田  節君    西村 直己君
     橋本登美三郎君    福井  勇君
      吉武 惠市君    赤松  勇君
      椎熊 三郎君    聽濤 克巳君
      寺本  齋君    浦口 鉄男君
 委員外の出席者
        証     人
        (國鉄労働組合
        中央闘爭副委員
        長)      鈴木 市藏君
        証     人
        (國鉄労働組合
        中央闘爭委員会
        企画統制部長) 井上 唯雄君
七月六日
 委員徳田球一君辞任につき、その補欠として聽
 濤克巳君が議長の指名で委員に選任された。
同月七日
 委員田嶋好文君及び山崎岩男君辞任につき、そ
 の補欠として橋本登美三郎君及び寺本齋君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 証人出頭要求に関する件
 國鉄労組中央委員会の実力行使決議事件
    ―――――――――――――
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。
 國鉄労組中央委員会の実力行使決議事件に関する調査を進めます。本件につきましては、本日の委員会の調査に支障なきを期するため理事諸君と協議の結果、あらかじめ十一日中央委員会議長新川輝隆君、本日國鉄労組副委員長鈴木市藏君、実力行使決議の趣旨弁明者井上唯雄君をそれぞれ本委員会に出頭を求める手続をとつておきましたが、以上三君を本委員会における証人として決定いたすことに御異議ありませんか。
    「異議なしと呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさようにとりはからいます。
 なおこの際お諮りいたします。本件につきまして、さらに証人として十一日新川輝隆君のほか星加要君、菊川孝夫君、高橋儀平君、十二日澤田弘君、中村強君、殖田俊吉君、足羽則之君を証人として決定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさようとりはからいます。
 それではこれより國鉄労組中央委員会の実力行使決議事件について、証人より証言を求めることといたします。
 本日お見えになつている証人は鈴木市藏さん、井上唯雄さん、あらかじめ文書をもつて御了承願つておきましたが、証人として証言を求めることに決定いたしましたから、さよう御承知願います。
 それではこれより証言を求めることといたしますが、証言を求める前に各証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして証人に証言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれら親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。
 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。
 御起立を願います。
 鈴木さん、代表してそれを読んでいただきます。
    〔証人鈴木市藏君各証人を代表して宣誓〕
○鍛冶委員長 署名捺印を願います。
    〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○鍛冶委員長 鈴木さん、それから井上さんの順序で承りたいと思いますから、鈴木さんの尋問の間井上さんはもう一度もとの控室でお休み願います。
     ――――◇―――――
○鍛冶委員長 鈴木市藏さんですね。
○鈴木証人 そうです。
○鍛冶委員長 あなたは國鉄労働組合中央闘爭委員会副委員長でありますか。
○鈴木証人 そうです。
○鍛冶委員長 いつから副委員長をやつておいでになりますか。
○鈴木証人 お答えします。昭和二十四年四月二十五日と記憶しております。
○鍛冶委員長 委員長はどなたですか。
○鈴木証人 加藤閲男です。
○鍛冶委員長 加藤さんは今おいでにならないのだそうですね。
○鈴木証人 そうです。ジユネーブへ行つています。
○鍛冶委員長 加藤さんのおられぬ間は、あなたが委員長の代理をやつておられるのですね。
○鈴木証人 そうです。そういうことになつています。
○鍛冶委員長 第十五回國鉄労組中央委員会が、熱海の公会堂で昭和二十四年六月二十三日から二十六日まで開催されたそうですが、間違いありませんか。
○鈴木証人 間違いありません。
○鍛冶委員長 あなたも御出席になましたね。
○鈴木証人 私も出席しました。
○鍛冶委員長 この委員会は、労働組合規約の第何條によつて招集されたのでありますか。
○鈴木証人 その点については、関係書類を調べてはつきりした上でお答えしたいと思います。組合の方からの書面は、多分井上証人がお持ちになつているではないかと思いますから、そのときによく規約を見て申し上げたいと思います。――これは少し古い規約でありまして、新しい規約の條文は琴平大会で訂正になつたので、何條になるかははつきり記憶しておりません。しかし中央委員会を招集する権限は、中央執行委員長もしくは執行委員三分の二以上の開催要求とか、あるいは闘爭委員会の決議、こういつたことによつて招集されることになつております。この手続をとつて行つたということだけであります。
○鍛冶委員長 これを見ますと、要するに通常の会と臨時に要求した会とあるようですが、これは通常のものですか。
○鈴木証人 大体労働組合の中央委員会というのは、規約では年四回ということになつておりますが、その年四回は、いつ開くという明文がないから、從つて定例であるか、臨時であるかということは、あまり問題にならないのであります。
○鍛冶委員長 そこでその委員会において、議長その他の役員はどういう方法で、どういう人がなつたかをお聞きしたい。
○鈴木証人 そのような中央委員会もしくは大会を開催するときには、議事規則というものがありまして、その議事規則に從つて行つております。
○鍛冶委員長 それでどうして、だれが、何になつたかということを一應説明願いたい。
○鈴木証人 二十三日十時に中央委員会を開催いたしまして、司会者が司会の言葉を申し上げ、準備委員長が準備の言葉を申し上げ、それから中央委員会成立を確認した後、司会者から議長、副議長の選出について中央委員に諮り、中央委員諸君から自薦、他薦によるところの選挙を行うということで、他薦されたところの議長候補として新川、大和両氏、副議長候補として中村、奥山両氏が推薦され、既定の手続きに從つて無記名投票を行つた結果、議長は新川氏六十八票、副議長は中村氏が六十九票をもつて、議長、副議長に当選した、かようになつております。
○鍛冶委員長 そのほか大会の重要なる役員はありませんでしたか。議長、副議長だけですか。、
○鈴木証人 このほかにもしありとすれば、大会書記長というようなことになるのじやないかと思います。
○鍛冶委員長 それは何か選挙でもやるのですか。
○鈴木証人 大会書記長は、慣例として選挙を用いず、議長から皆さんに諮つて、司会者の方であらかじめ用意された方を了解を求めて、異議なければ就任ということになります。
○鍛冶委員長 だれがなりましたか。
○鈴木証人 中央委員会書記長は、総務部長の小林信次氏であります。
○鍛冶委員長 さらに進んで議事の大要を述べてください。これは三日間もやつたのですから大要でよろしゆうございます。
○鈴木証人 議事は、あらかじめ議長から全員に対して議事日程についての確認を求めて進んだのでありまして、第一日目は委員長あいさつ並びに來賓のあいさつののち経過報告を行い、経過報告に対する質疑が行われました。第二日目の議題としては、公共企業体轉移に伴う処置について質疑討論を行い、それから当面の闘爭方針を次に議題として取上げてこれを行つた、こういう順序になつております。
○鍛冶委員長 その委員会に出席せられた委員の数はいくらぐらいでありましたか。
○鈴木証人 その点はつきりと記憶できないのでありますが、議長、副議長の選挙のときの票数を見ますと、百二十六名出席したと記憶しております。
○鍛冶委員長 中央委員の総数はいくらですか。
○鈴木証人 中央委員の総数は、百三十名じやなかつたかと記憶しております。
○鍛冶委員長 それで出られた方の党派というか、勢力関係というようなものはおわかりになりませんか。
○鈴木証人 そういうことはただ世上よく言われておることであつて、実質的にはどういうものであるかということはわかりません。
○鍛冶委員長 たとえば、われわれの聞いているところでは、民同であるとか革同とかいうようなことを聞いておりますが、たいてい色わけはできるのではないですか。
○鈴木証人 そういうこともよく世間では言われておりますが、労働組合の会議というものは、そういうものとはちよつと違うのでありまして、世上言われているほどのものでもないのです。
○鍛冶委員長 決議された事項の主なるものは何と何ですか。
○鈴木証人 公共企業体轉移に伴う処置について、組合側の選出すべき調停委員候補者とか、それから当面の闘爭方針とか、それから緊急議題として出された諸問題とか、こういつた程度だと思います。
○鍛冶委員長 その闘爭方針はどういうものでありましたか。
○鈴木証人 闘爭方針というのは、一口に言えばいかにしたならば國鉄を破壊から守るかというところにあるわけです。
○鍛冶委員長 この六項目か何かにわかれておるのがこれですか。
○鈴木証人 それは具体的な問題として提案されたものです。
○鍛冶委員長 その点相当詳細に承りたいのですが……。一、二、三とありましたら、それを……。
○鈴木証人 闘爭方針の具体的な討議の過程でありますか。
○鍛冶委員長 いや、その決定した項目ですが……。
○鈴木証人 それらの問題につきまして、本日正式に決定した具体的な内容については持参して参りません。これは実はこのようなことが本委員会で問題にされて私が証人として呼ばれたというふうには書面の中にありませんでしたものですから、何か事情を聽取したいということで、もしそのときに必要あらば証人になるかもしれないということでありまして、書面に、準備を十分整えて、これこれの問題について証人の証言を必要とするから、これこれの書類とか、これこれのものとか言つてくださるとよかつたと思うのですが、そういうわけでしつかりした関係書類を整えて参つておらないということを前提にして……。
○鍛冶委員長 大体覚えておいでになりませんか。
○鈴木証人 大体の程度は覚えております。
○鍛冶委員長 私のところに國鉄労働情報というものがあるのですが、これに載つております……。
○鈴木証人 國鉄労働情報というのは当局資料ですが、私もその程度のものなら持つて來ておるわけです。
○鍛冶委員長 この通りであるかどうかをお聞きしたい。
○鈴木証人 私も非常に忙しくて、國鉄情報にどういうことを書いたか、内容はまだ読んでいるひまがありませんので読んでおりませんが、本委員会として参考になるべき國鉄情報はナンバーは何号ですか。
○鍛冶委員長 第五号の十七ページです。
○鈴木証人 闘爭方針の大会決議の具体化、琴平大会の云々から、経驗を生かして推進する、ここまで間違いありません。この問題ですが、琴平大会の決議による一九四九年の運動方針及び闘爭方針に現在までの具体的闘爭の経驗を生かして推進するということですが、実は本中央委員会は、琴平大会の決議による運動方針並びに闘爭方針に從つて具体的な運動を進めるために持たれた中央委員会であるということが、まず第一のここではつきりしたことであるということが言えると思うのです。そこで琴平大会では、私たちは國鉄をいかにして破壊から守るかという点に主力が注がれて、國鉄の防衛の闘いを進めて行くということがきまつたわけであります。從つてもし問題を取上げて行くとするならば、いかにしてこのような、つまり國鉄の組合が防衛の闘いに立たざるを得なかつたかという、この内実について委員会はさらに詳しく檢討していただいて、その事実の基礎の上に立つて本問題についての審議をされることが最も妥当ではないかというふうに考えておるわけです。そのことがなされないと、きわめて不十分な討議に落ちつくおそれがある。組合側としてもきわめて遺憾にたえないということを考えるわけです。從いまして本委員会は、なぜこのような防衛の戰い、國鉄を守る闘いに労働者が立たざるを得ないかという事実を隈なく國鉄の実情について調査をされ、その上に立つて問題を究明していただくことが望ましい、こういうふうに考えるわけです。
○鍛冶委員長 それはよろしいが、私の今聞かんとするのはこの決議の内容です。第一の、あなたのおつしやつた大会決議具体化ということは、この通り間違いないと言うんですね。――それから第二の闘爭目標というのは…。
○鈴木証人 こういうふうに形式的に聞いて來られて、間違いないか。うんそうだと答えただけでは何にも……。
○鍛冶委員長 あとでまた内容に入ります。一應どういうことがきまつたかを聞いておかなくては議論になりません。
○鈴木証人 ただ形式的に聞くだけのことですか。
○鍛冶委員長 なおここに書いてあることで間違つておるところ、また不十分なところがあれば、附け加えてくださることはかまいません。
○鈴木証人 今も申し上げたように、組合側として正式な書類が整つておりませんので、当局側の情報が逐一正しいものであるかどうかということについては、私としてもはつきり断言することはできませんということは、先ほど申し上げた通りであります。從つてどのようなことがここに書かれてあるか、これからこれを一々確認して申し上げなければならないということになるのですが、第二の闘爭目標はこの通りであるかということをお聞きになつておると思いますが、ちよつとこれは間違いじやないかというふうに考えますがね。
○鍛冶委員長 もし間違つておれば、どの点が間違つておるかということを……。
    〔発言する者多し〕
○鈴木証人 お答えいたしますが、十七ページに書かれておることは、中闘委員会に提出された案です。
○鍛冶委員長 大体こういう案の出たことは間違いないですね。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 静粛に願います。そこで、大体ここに掲げてあるようなものは、議案として出され、しこうして決議になつたものですか。
○鈴木証人 決議については相当大幅な修正が加わつているということを申し上げます。
○鍛冶委員長 今ありました議案の中で、ひどくかわつたものは何かありますか。ありましたら……。
○鈴木証人 この闘爭目標のうちで、首切りを不可能にし、修正予算を組み、首切り案を撤回するための國会を早く開かせると同時に吉田民自党内閣の打倒をはかるということが闘爭目標の中に加わつたということは、大きな修正だと思つております。
○鍛冶委員長 その次の闘爭方法についても……。それはただこれをガリ版に刷つただけなんです。大体こんなものですか。
○鈴木証人 やはり私が申し上げたように、もしおやりになるならば、正規の文書を取寄せてやつていただきたいと思います。記憶でお答えすることは間違いやすい点がありますので、あくまで御質問があるなら、やはり労働組合の正規の何か決定に基いた方がよいのではないかと思います。
○鍛冶委員長 証言ですから、ほんとうは――参考にごらんになることは一向かまいませんが、本日あなたの頭にあることを聞くことを主眼とする。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 静粛に願います。それでは闘爭方針で覚えておるものだけを言うてください。あなたの記憶にある程度だけでよろしゆうございます。
    〔発言する者あり〕
○鍛冶委員長 証人にあらためて申し上げますが、何もこれによらなければならぬことはないのですよ。あなたが記憶している事柄いかんによるのだから、これによるのがいやだつたら記憶だけでいいのです。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 皆さんに申し上げますが、尋問中発言するときにはやはり委員長の許可を得て発言されぬととても進めませんから――じやお答え願います。
○鈴木証人 どういうことでございますか。
○鍛冶委員長 その闘爭方針について決定した事項を……。
○鈴木証人 闘爭方針について決定した事項大会は決議の具体化と闘爭目標、具体的闘爭方法等にわかれて論議いたしまして、ここに書かれておる十七ページのは闘爭方針の案として出されたものであつて、案として出されたものである限りは正確だと大体私は記憶しております。これをもとにいたしまして審議を続けた過程において修正が行われまして、きまりましもたのは、第一項は大会決議の具体化は琴平大会の決議による一九四九年の運動方針及び闘爭方針に現在までの具体的闘爭の経驗を生かして推進する。こういう項目が決定されたわけです。目標としましては本部大会できめられた諸要求のほか本部支部分会は職場に起るあらゆる要求を取上げ、これが解決をはかり、首切りを不可能にし、修正予算を組み、首切案を撤回するための國会を早く開かせる。同時に吉田内閣を打倒する。こういうふうに闘爭目標は修正になつて可決されていると記憶しています。
○鍛冶委員長 その次。
○鈴木証人 三項の具体的闘爭方針ですが、これは一、宣傳戰を強化する。首切り反対その他の諸要求、國鉄の荒廃状況を廣く訴え、民自党と政府の政策が大衆の生活を破壊することを全國民に宣傳するため、即時大宣傳戰を展開する。ポスター、ビラで全國を埋める。組合の掲示板を大衆の目につくところに立てる。建物、堀割等に大文字のスローガンを書く。青年婦人を主力とする宣傳隊を編成する。戸別訪問をする等により創意を生かす。第一項はこういうふうに修正可決されたように記憶しています。
 第二項、遵法闘爭を活発に行う。労働基準法、運轉、保線、檢車等の列車の安全を保持するための諸規程や、旅客、貨物取扱い諸規則を遵守する。特に線路の危険簡所等には所定の標示を行い、その修理を求める等により、最近続発する事故の責任を組合員が負うことを予防する。第二項はそのように可決されたと記憶しております。
 第三項は不正摘発闘爭を行う。各支部、分会にも不正摘発委員会を設け、幹部の不正を徹底的に摘発する。それは不正摘発闘爭を行うという項目の中に出された具体的なものではないかというふうに記憶しておりますが、その場合に組合員相互の微々たる過失を取上げ、当局が首切りを合理化せんとすることを警戒し、政府や高級官僚の不正を関連産業友誼團体とともに摘発すること。大体こういうようなことがきまつたと思いますが、字句はどうかはつきりいたしません。
 第四項は関連産業との共同闘爭を強化する。本部のみならず地評、支部、分会に至るまで、緊密なる産業防衛共同闘爭を行う。職場復興綱領をつくること。これらを通じて地方権力と闘い、地方議会、PTA等で、組合の要求支持、首切り反対等を決議させる。大体四項はこうだつたと思います。
 第五項は、團体交渉を行う。定員法は不法であり、これを実質的に粉砕する。本部から班に至るまで、團体交渉を行う。非組合員のあるところ必ず苦構処理共同調整会議を持つ。本部の團体交渉が結末を見るまで支部、分会は強力に交渉を行う。
 第六項、最惡の場合はストをも含む実力行使を行う。最惡の判定は本部の團体交渉の決裂したときであり、集約は中闘の責任で行う。
 大体今申し上げたようなことが一、二字句や何かの修正はあるかもしれませんが、こういうことが闘爭方針として決定されたというふうに記憶しております。
○鍛冶委員長 最惡の場合とは團体交渉の決裂したときを言うのですか。
○鈴木証人 最惡の判定、こういうことは非常にデリケートでありまして……。
○鍛冶委員長 今あなたのおつしやつたのはもう一ぺん言つてもらいたい……。
○鈴木証人 私の記憶しておる最惡の判定は、本部團体交渉の決裂したときであると思いますが、これはおそらく書き違いではないか、私の記憶ではそうはなつておらないのです。私の記憶では最惡の事態とは、本部の團体交渉が決裂したときである。こういうふうに記憶しておるのです。
○鍛冶委員長 それからそのあとで、また集約は中闘の責任において闘うとかいうことは……。
○鈴木証人 集約は中闘の責任で行う。
○鍛冶委員長 責任で行うのですか。それで大体よろしゆうございます。そこでこの決議事項の起草もしくは提案等は、どなたがなされたのですか。
○鈴木証人 そういう非常に微細にわたる個人的な問題についても、証人として発言しなければならないものですか。
○鍛冶委員長 それはもちろん。
○鈴木証人 これは大衆團体としての組合の関係でありますから、なるべくならばだれだれがどうのこうのという言論の制限に関するようなことの発言を、証人に慫慂することはちよつと避けていただきたいと希望申し上げます。
○鍛冶委員長 別に制限するようなことにはならぬと思うが、ただどなたが起草されて、だれが提案の理由を説明されたかというのです。それは別に秘密会でやつたわけでもないでしよう。
○鈴木証人 これは秘密会でやつたわけではないのです。しかしどうも何かそういうふうなことは、労働組合の立場とすれば、だれだれがどういう場合にどういう提案の発言をやつたかということは、やはり機関の全体としての責任ですから、中闘委員会としての提案であり、決定は中央委員会である。あくまでも労働組合は大衆機関の決議を尊重して行動するのでありますから、本日ここへ私が出席しておるのも、やはり機関の決定によつて出席しているのでありまして、やはり中闘の副委員長としての私として来ておるのでありまするから、そういうふうにあまり個人的な問題にわたらないように……。
○鍛冶委員長 先ほど読み聞かせましたが、その人の恥辱にわたるとか、何か刑事上の訴追を受けるおそれある場合はそうですが、そうでない以上、こちらはだれがどう考えてつくつたかということは、こちらとしては一番の焦点になるのですから、やはり承つておかなければいけないと思います。
○鈴木証人 しかしなぜそういうことが必要であるのかという質問を証人が発することは許されていませんか。
○鍛冶委員長 それはよろしゆうございます。
○鈴木証人 なぜそういうことが必要なのですか。
○鍛冶委員長 それはわれわれの調査の必要上そこまで聞いておきたいのです。
○鈴木証人 しかし証人は、そういつた問題については、機関の責任としてどうしてもやらなければならない性質がありますので、そういうふうなことは、やはり機関の決定に從つてそれらの問題について責任を負つておりますので、從つてどうも証人に個人的な問題について証言を求められるようでありまするが、この点ちよつと御説明願えれば非常にいいと思いますが、どういう意味でしようか。
○鍛冶委員長 それはあなた副委員長という資格を持つておられるから証人になつてもらつたのですが、聞いていることは鈴木さん一人の御意見を聞いているのですよ。起草者はあるのでしよう。ただ一人出るわけもないのだから……。
○鈴木証人 起草者はあります。
○鍛冶委員長 どなたです。
○鈴木証人 それはしいて答えろと言われるならば個人として答えますが、それは中央闘爭委員会の井上唯雄君だと記憶しています。
○鍛冶委員長 それから提案を説明されたのは……。
○鈴木証人 提案を説明したのは同様です。
○鍛冶委員長 やはり井上さんですね。それからその議決に至るまで相当議論のあつたことと存じますが、大体どういうような議論がありましたか。この中で一番議論の多かつたのはどの事項でありましたか。闘爭方針のうちで……。
○鈴木証人 闘爭方針は全体を通じて論議が活発に行われたということは言えます。ただ一項から六項までにわたつて比較的時間をとつたのはどの項かと言えば、それは六項です。
○鍛冶委員長 闘爭方針のうちの六ですね。
○鈴木証人 そうです。
○鍛冶委員長 これはどこの團体からどういう意見があつて、どこからどういうことがあつたということはお覚えはありませんか。
○鈴木証人 それはどういうことですか。
○鍛冶委員長 たとえば何々派の方が賛成で……。
○鈴木証人 そういうことは記憶はありません。
○鍛冶委員長 委員の名前でもようございます。大体のだれだれが賛成の意見を言つた、だれだれが反対の意見を言つたとか……。
○鈴木証人 そういうのもあまり私、記憶がありません。これはどうもそういうふうに個人的に問題を質問されて來るのですか、どうですか。本質的に御質問なさつた方が建設的でいいじやないかと思いますが……。
○鍛冶委員長 それはあとで聞きますが、ただ私の今聞いておりますのは、どういう議論があつたかだけを聞いておるのです。大体のことでいいのです。討論はされたでしよう。
○鈴木証人 討論はいたしました。
○鍛冶委員長 そこで反対賛成というものがあつたろうと思いますが、反対はどういう人が述べて賛成はどういう人が述べたかを、あなたの記憶のある程度でよろしゆうございます。
○鈴木証人 これはいろいろな方がいろんなことを言つておりますね。
○鍛冶委員長 大体どういう人たちが……。
○鈴木証人 私はその中央委員会のそういうふうなことは……。
○石田(一)委員 議事進行に関して……。
○鍛冶委員長 答弁を求めておる最中ですから困ります。
○石田(一)委員 答弁に関することだ。証人に読み上げて聞かさなければならぬことをよく注意しろ。
○鈴木証人 やはりいろいろな人がいろいろな発言をしたとお答えします。
○鍛冶委員長 名前はわかつておりましよう、大体でよろしい。そんな一人一人間違いなく述べてもらわぬでもいい。主としてだれが賛成して、だれが反対したかということを聞いておきたい。
○鈴木証人 いろんな人がいろんなことを……。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 静粛に……。その名前は――言わないとなお時間がかかる。覚えておりませんか。どうですか、言えませんか。今お答えにならなければ、いずれあなたの方から議事録を出してもらうことになるから。わかるのですが、しかしあなた覚えがないことはないのだから、あるものだけを簡單でいいから言つてもらわぬと時間ばかりかかります。――お答えになりませんか。
○鈴木証人 いろんな人がいろんな発言をしておるということをお答えしておるわけです。
○鍛冶委員長 その人の名前を覚えておいででしようから大体のものでいいので、一人々々間違いのないこと言わぬでもよろしい。議事録を見ればわかることです。あなたが、今ここで質問したにもかかわらず、答えられなかつたということは証言拒否ということになりますが――答えられなければやむを得ません。あとを進めます。
 その次を承ります。(発言する者多し)皆さんにあらためて申しますが、証人が証言をしなくてもよいとか、しなければならぬとか、いろいろ示唆するような各委員の不規則な発言は御注意を願います。――お答えになりますか。先ほど言つたようにいろいろな人があつたが、その人がどういう人であつたかということをあなたがお答えにならなければしかたがない。
○鈴木証人 しかし本問題についてはいろいろな人がいろいろの発言をなしております、とこう答えているのであります。
○鍛冶委員長 いろいろな人とはどういう人とどういう人でありましたかということです。
○鈴木証人 一々名前をここにあげて覚えているというわけには……。
○鍛冶委員長 大体覚えておるだけを……ないですか。
○鈴木証人 全委員です、全中央委員です。
    〔「全とは何だ、全とは何だ」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 静粛に願います。これ以上やむを得ません。そこで承りたいのは、この決議事項の実力行使とはいかなることを意味しておりますか。
○鈴木証人 いろいろな人がいろいろな発言をなしております。たれがどうだということでなく、ほとんど全部の中央委員がこの問題については発言をしておるということを答えているわけです。
○鍛冶委員長 それならばよろしい。その次の質問にお答え願います。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 静粛に願います。実力行使とはどういうことを指さして言つておられるのですか。
○鈴木証人 それほ御心配いりません。ほとんど発言しておりますから……この重大なる問題についてうちの中央委員が発言をしないということはない。ほとんど全部が言つておる。
○鍛冶委員長 その問題はそれでなにしましたから、次に今申し上げました実力行使とはどういうことを具体的に指して言つておるのでありますか。
○鈴木証人 それは実力行使とは何かという御質問ですか。
○鍛冶委員長 どういうことを指して言つておるかということです。
○鈴木証人 何か私に実力行使の定義や何かを求めておられるのですか。
○鍛冶委員長 そう固くならなくてもいいので、率直に答えてください。
○鈴木証人 実力行使とは何かというような定義をここで求めているように見えますが……。
○鍛冶委員長 実力行使とはどういうことを思味して、あなた方は決議されたのかということです。
○鈴木証人 どうも実力行使の定義はむずかしいのです。
○鍛冶委員長 あなた方決議しておられるのですから、意味のないことはないでしよう。ことにあなたも重要な発言をしておられるようですが、あなたはどういう実力行使をやらなければならぬと言つておられるようだが、どういうことをしなければならぬとおつしやつたか、それを聞きたいのです。
○鈴木証人 これは労働者の利益を守るために闘うというわけです。(「その方法だ」)その方法はさつき申し上げたようなことです。
○鍛冶委員長 ストを含む実力行使というわけでありますね。ストということはわかつておりますが、そのほか実力行使という意味はどういうことをもつて闘おうとされたのか。それを聞きたいのです。
○鈴木証人 とにかくストライキよりももつと樂なものという意味です。
○鍛冶委員長 どういう……。
○鈴木証人 どういう意味であるかという御質問ですか、先ほどから申し上げているように、労働者の力を示すということなんですから、いろいろありまして、それがつまり五項目だろうというふうに証人は思つております。
○鍛冶委員長 実力行使の一つとしてストに入るわけですね。
○鈴木証人 まあこの場合文字通りに解釈して行けばストライキはその一つだというように考えられますが……。
○鍛冶委員長 そのストライキのほかに何か実力行使というものがあつたと思うのですが、どういうものをあなた方が予想してこの言葉を使われたか、それをお聞きしたいのです。
○鈴木証人 ぞれは先ほどから申し上げておる通り、結局國鉄の建設を目的として闘い取るために行つて行こうというのです。
○鍛冶委員長 何を行うのですか。
○鈴木証人 何を行うと言つて……つまり今言いましたように一項から五項までの具体的の問題を行うこういうことなんです。
○鍛冶委員長 五項目までは前にその方法がみな書いてあるのですが、六にわざわざそれをあげられて、大議論をしてやられたのですから――最惡の場合はストをやつてもいい、そのほかこういうこともやろうじやあないか、ああいうこともやろうじやあないかという考えがあつたでしよう。
○鈴木証人 私はそういう深いことは記憶しておりません。
○鍛冶委員長 あなた自身重大な発言をしておられるようですが、これに対して――これはまた印刷のものを頼つて言うと、それは違うと言われるから申しませんが……。
○鈴木証人 とにかくさつき申しましたように、実力行使というのはストライキよりもずつと弱いものです。
○鍛冶委員長 どういうことです。たとえばサボタージユも入るのですか。
○鈴木証人 一から五までの問題と私は記憶しております。
○鍛冶委員長 一から五まで決議して、あとに六を持つて來て一から五までを指しておると言われてもちよつと意味がとれないが……。
○鈴木証人 とれるとか、とれないとか言つても、そうお答えするよりほかない。私はそう記憶しておるのですから。
○鍛冶委員長 あなたこれに対して討論をなさいましたね。
○鈴木証人 私はやりました。
○鍛冶委員長 その討論のときに、どうしても実力行使をしなければならぬということを強調しておられるようですが、そのあなたの考えておられたことをわれわれは聞けばいいのです。
○鈴木証人 だから一から五までです。
○鍛冶委員長 間違いありませんか。
○鈴木証人 私は間違いありません。
○鍛冶委員長 こういうことを決議すれば決議しただけで、全組合員が決議に從うべき拘束力でも持つておるものですか。それともあらためてまた何か指令でも出さなければならないものですか。
○鈴木証人 それはわかりかねます。
○鍛冶委員長 あなたがわからなければだれがわかるのですか。――決議の効力の問題なんですよ。決議をしただけで全組合員を拘束するものであるか、それとも具体的に一つ一つに指令でもやらなければならぬものであるか、その点だけを聞いておるのです。あまりこだわらぬで、すらすらといつも考えておられることを述べてもらえばいいのです。
○鈴木証人 こだわつておるわけじやないけれども、決議を行えばそれでただちに効力を持つのか、こういう御質問でございますか。
○鍛冶委員長 組合員がそれで決議に拘束されるかというのです。
○鈴木証人 大体ちやんとした機関で決定された決議は、組合としては組合員を拘束するものだと考えております。
○鍛冶委員長 それではこの決議に対して、各組合にあらためてこういう決議をやつたからという指令でもお出しになりましたか、それともそれをお出しになりませんか。
○鈴木証人 こういう決議をやつたからという指令は出しておりません。
○鍛冶委員長 出しておらぬ……。
○鈴木証人 と記憶しております。
○鍛冶委員長 そうすると、最惡の場合か事態か事は本部團体交渉の決裂したときを言う、こういうのですから、團体交渉の決裂したときはいよいよ初めて最悪の場合に到達したという指令を出すことになるのですか。
○鈴木証人 さあ、それはどうなるかわかりませんね。
○鍛冶委員長 この決議に基いてどうせられるのですか、最惡の場合が來たとなれば……。
○鈴木証人 それはどうなるかまつたくわからないと思いますね。
○鍛冶委員長 最惡の場合が來てみなければわからぬ、こういうのですか。
○鈴木証人 これは私どもとしてはこういうことのないように念願をしているわけです。
○鍛冶委員長 それはそうでしようが、來たらどうなるのです、具体的に……。
○鈴木証人 それは仮定の上に立つておる御質問でありまして……。
○鍛冶委員長 いや、仮定じやない。あなた方としてのやり方を聞いているのです。
○鈴木証人 最惡の事態というのは仮定の上に立つているのですが、どのようなものが最惡の事態としていつ來るか、どうであるか、それはわからぬというのです。
○鍛冶委員長 それだけれども、ここにちやんと具体的に出ておるでしよう、本部團体交渉の決裂したとき、こういつておるのだから、今決裂したとこう言うてやらなければ、だれも知らぬのじやないですか。
○鈴木証人 どういうことになるのですか、それは非常にむずかしい問題で、私にはちよつとわかりかねるのですが……。
○鍛冶委員長 もつと言つてみたら、團体交渉が決裂して黙つておるのですか、そうじやないでしよう。
    〔「今だつて黙つているじやないか。」と呼び、その他発言する者あり〕
○鍛冶委員長 静粛に願います。黙つておつたら何もわからぬじやないですか。おわかりでしよう、私の質問は、最惡の事態とは本部團体交渉の決裂したときを言う、こういうのですから、團体交渉が決裂したら決裂した、こう言うてやらなければみんなにわからぬのじやないですか。――では最惡の場合に到達せりというあなた方の方から指令を出すものではありませんか、こういうのですよ。当然のようなことですが……。
○鈴木証人 むずかしい御質問で、私にはちよつとお答え申し上げかねるのですが……。
○鍛冶委員長 何もむずかしくない。
○鈴木証人 一刻も早く團体交渉を持てるようにしていただきたい。これがわれわれの希望です。
○鍛冶委員長 そんなことをわれわれ言つておるのではないのです。この決議をせられた以上は、どうしてこの決議を実際に現わすことになるのですか、それだけを聞きたい。まだ起らぬから何ですが、あなた方がこういうことをやられる以上は……。まあ当然といえば当然のようなことだから、そうこだわらぬでもいいことだと思うが、どうですか。
○鈴木証人 とにかく自分にはむずかしい御質問なんです。きわめてむずかしい御質問なんです。私にはちよつと答えきることのできないほどむずかしい御質問と思います。
○鍛冶委員長 どうして……。
    〔「何だつて説明のつかぬことを決議したのだ。」と呼ぶ者あり〕
○鈴木証人 それは現に團体交渉を持つておらぬのですから、從つて最惡の事態とか何とかおつしやつても、一体團体交渉がどういう形になるのか、とてもむずかしいですよ。
○鍛冶委員長 いや、現在のことを私は聞いておるのじやないですよ。これを決議されたときのあなた方の意図を聞いておるのです。今のことを聞いておるのじやない。それで團体交渉が決裂したということになれば、そのときはどうして実際にやられるつもりのものか、こういうのです。これをやられるのは、あなた方の方で行く道がわかつておるはずだと思うので、それを聞いておるのです。何もそんなむずかしいことを聞いておるのじやないのです。
○鈴木証人 とにかく組合員としては非常にむずかしいことです。
○鍛冶委員長 この決議をせられるときは、当然にそういうことを考えてやつておられるに違いないし、また当然そういうところに行かなくちやならぬと思うが、あなたが答えぬとおつしやればしかたがありません。
○鈴木証人 これはあなたの御質問が一般的に、要するにこの問題と具体的に関連がなく、一般的に御質問されているように見えるのです。それはさつき決議の問題だとか指令の問題だとかいうようなことをおつしやつたが、それならば答えられる。しかしながら具体的な問題に入つて参りますと、なかなかむずかしいから答えられない、こう言うのです。これはおわかりだろうと思います。
○鍛冶委員長 これからどうと言うているのじやない、あなた方が決議された意図、最惡の場合が來たら指令を出してストをやれとか、さつき言われたサボタージユに入れとか、当然、そういう考えだつたろう、私の言うのはこういうのです。
○鈴木証人 今のお言葉ですが私はサボタージユをやるというようなことは……。
○鍛冶委員長 これは例です。まあそれ以上答えられんものはやむを得ません。(「そういう場合はどういう手続をとるか聞いている」)それだけです。今最惡の場合に達しておるかどうかということを聞いておるのではない。最惡の場合が來たらどうして実力行使を行うようにされるのか、その手続を聞いているのです。
○鈴木証人 それはむずかしいですね。そのときになつて見なければわからない。特にむずかしい御質問だと思います。
○鍛冶委員長 それじややむを得ません。この問題についての議論の焦点はどこにありましたか。どういうことが一番の議論の焦点であつたのですか。賛否のわかれるところはどこから來ておりますか。
○鈴木証人 この問題とは何ですか。
○鍛冶委員長 この第六項の決議について最も議論があつたと言われるのは、賛否の両論があつたことと思いますが、その賛否のわかれる議論の焦点はどこにありましたろう、こういうのです。
○鈴木証人 これで吉田内閣が反省してくれるかどうかというところだつたろうと思います。
○鍛冶委員長 これを決議として採決するかしないかという議論の焦点を私は聞いておるのです。
○鈴木証人 賛否の両論の焦点はどこにあつたかということですから、これによつて首切りが撤回できるかあるいはできないかというところに焦点があつたと思います。
○鍛冶委員長 どうもそう深く考えないで、ありのままをすらつと言つてもらいたい。どういうところに一番議論があつたかということを聞いておるのです。
○鈴木証人 だから私は、このことによつて首切りが撤回できるか、あるいは吉田内閣がこのことによつて反省するかというところに、大きな議論の焦点があつたと言つているのです。
○鍛冶委員長 それではあらためて聞きますが、実力行使は不法であるという議論はなかつたのですか。
○鈴木証人 どうもそれは茶飲み話で聞かれて答えるとは違うのですが、実力行使というと、ストは云々と言つて聞かれたのと、実力行使は云々と言つて聞かれたのでは、どうも違うのです。
○鍛冶委員長 ストを含む実力行使です。不法であるという議論がありませんでしたか。私は初めからそう言うことは知つておりますけれども、なるべくあなたに自由に述べてもらいたいと思つたから……。
○鈴木証人 あつたように記憶しております。
○鍛冶委員長 どういうところが不法だというのですか。
○鈴木証人 これは公共企業体関係労働法によつて、ストライキなどは行うことができなくなつておるから不法だ、こういうような御意見がありました。
○鍛冶委員長 不法にあらずという議論もありましたか。
○鈴木証人 ありました。
○鍛冶委員長 それはどういうことでしたか。
○鈴木証人 元来労働組合から罷業権をなくすんだというふうなことをきめることは、これは男の子に女の着物を差せて、お前は女になつたんだから静かにしなさいというのに等しくて、いざ鎌倉というときには役に立たない。だから労働組合は本来罷業権を持つているのであつて、その討議の中では、私たちはみずから好んで実力行使を行うものではなくてやむを得ず、正当防衛として立たざるを得ない、こういうことがそのときに賛成意見として言われたと記憶しております。
○鍛冶委員長 罷業権があるんだということになると、公共企業労働関係法はどう解釈されるのか、その点を聞きたい。
○鈴木証人 いや、それはそういう論議が中で闘かわされたということで、御質問に答えたわけです。
○鍛冶委員長 公共企業体労働関係法というものがあつても、なお罷業権があるとこういうことですか。
○鈴木証人 いやそういうふうにはつきり賛成論が述べられたわけではない。一般論として、労働組合に女の着物をきせて男だと言わしても、それはむりだ、こういう意見があつたということです。その不法かどうかに対しては、私たちとしては、やむなき場合には正当防衛としては許されておるだろう、こういうことが賛成論として述べられたのであります。
○鍛冶委員長 あなたも賛成の討論をせられたようですが、今のお言葉を聞きますと、正当防衛は違法性を阻却するという意味ですか。
○鈴木証人 むずかしい言葉でわかりかねるのですが、私たちが正当防衛と言つておるのは、何も法律がどうのこうのということではなくて、たとえば今度の公共企業体労働関係法は十七條なら十七條によつて、十八條を適用されて首を切られた場合に、当局の一方的な判定によりて首を切られれば、どこへも訴願をして行くこともできなければ、苦情を持つて行くこともできない。あの点はむしろ公務員法よりは惡い法です。こういうようなことで何でもかんでもやられてしまつては泣寝入りしなければならないといつた場合に、それは許されるはずです。たといそのことが法できめられておつても苦情を申込み、この問題について交渉を持つて行くことは許される。こういうことは憲法で保障される問題である。だから労働者は何も好んで実力行使を行うものではない。しかしながら憲法で保障されている基本的人権だけは確保しなければならない。第一今度の問題についてもわかる通り、私たちには公共企業体労働関係法として、労働法の中で第八條として團体交渉権は認められているわけです。それにもかかわらず、團体交渉権はないのだ。こういうふうなことで一方的に今回首を切つてしまつて、それについて一切の請願権も團体交渉権も認めないのだ。こういう斬捨御免は私たちとしてはちよつと考えられない。從つてこれらの点に関して、法律通りに解釈して行くならば、むしろひとつこれは私たちこそ、憲法の建前から基本的人権を守ろうじやないか、守つてもらおうじやないかというような意味で象徴的に私たちは正当防衛という言葉を使つた。
○鍛冶委員長 それは御意見ですから承つておきます。それではどなたか……。
○吉武委員 私は証人に二、三お尋ねをしたいと思います。
 まず第一に、証人はただいまお述べになりました、先般の熱海における中央委員会において決定されました第六項目、すなわちストをも含む実力行使を行う、最惡の判定とは本部の團体交渉の決裂したときを云う。集約が中闘の責任において行う。というこの項目について御賛成をされましたかどうかをお尋ねしたいのであります。
○鈴木証人 私は賛成しました。
○吉武委員 それでは次にお尋ねいたしまするが、ただいまもお話にありましたが、國鉄におきましては、公共企業体労働関係法第十七條においてストライキは禁止されているのでありまするが、禁止されているということを御承知でありますかどうか、お尋ねしたいのであります。
○鈴木証人 知つています。
○吉武委員 そうしますると、その決議は法律を無視する違法の決議であるということを御了承になつてのことでございますか。
    〔発言する者多し〕
○鈴木証人 どういう御質問ですか、ちよつといろいろと言葉が出てわかりかねたのですが……。
○吉武委員 今第二にお尋ねしましたように、公共企業体、労働関係法十七條では、ストライキを禁止されているのであります。それを御承知の上でストライキも含む実力行使を決定され、それに御賛成になつたということであるならば、あなたは法律を無視する決議を御賛成になつたということになるのですが、さよう了承してよいかということです。
○鈴木証人 そういうことにならないと考えます。
○吉武委員 その理由はどういうわけでありますか。
○鈴木証人 それは先ほどから委員長の質問に答えましたように、これは最惡の場合の問題であり、同時に十七條の問題としても、私たちには同様の意味で團体交渉権は保障されているわけであります。從つてこの團体交渉権について、政府みずからそれを道をとざしているという点に問題があるのであつて、われわれが不法であるかないかは、それはこの公共企業体労働関係法を素直に適用するかないかにかかつて來るのだ。こういうふうに考えているわけです。
○吉武委員 それではお尋ねしますが、あなたの御意見によると、自分たちには團体交渉権があるのであるから、それで公共企業体で禁止されたストライキも、それに基いて行う。こういう御趣旨でありますか、すなわち憲法第二十八條が労働者の團結権と團体交渉権を保障しておる。だからそれを憲法の條章に從つて、自分たちは公共企業体労働関係法の第十七條で禁止されておつても、その法律に從わずして、自分たちの憲法の解釈に從つて実力行使を行う。こういう御趣旨のように聞きますが、どうですか。
○鈴木証人 まあ、そういう法律論は労働者には苦手でありまして非常にわかりにくいのであります。私たちはそのような決議をしたということは、つまりお互いの決意をその場で現わしたことであつて、先ほどから申し上げておるように、そういうことは労働者に許されておるはずだ。こう考えるわけであります。
○吉武委員 許されておるといつて、先ほどお尋ねしたように、公共企業体労働関係法の第十七條にははつきりと書いてある。これはあなたも御承知だと言われた。はつきり禁止されておることを知つておりながら、あえてストを含む実力行使を行うということを口にされるということであるならば、それは法律を無視してやるぞということを御承知の上でおやりになつたことになる。
○鈴木証人 それは先ほどの質問に答えたことと同じように聞えるのですが……。
○吉武委員 だからあなたのお答えを想像しますと、あなたは労働者の團体交渉権というものは憲法に保障されているのだ、だから公共企業体労働関係法第十七条にストライキが禁止されておつても、自分たちの意見を通すためには、それを無視してでも実力行使を行うのだ。こういうことになるのだから、そうかということを確認を求めておるわけであります。あなたのお答えになつておる通りに、私がいま一度申しておるのであります。
○鈴木証人 私がそういうふうに答えておると吉武さんが御了解になるならば迷惑です。
○吉武委員 それはどういう……。
○鈴木証人 つまりあなたは非常にお上手に質問をされておつて、ストライキを含む実力行使を君は賛成したか、私は賛成しました。十七條を知つているか、それは知つています。しからば、とこういうふうに臨みかけておいでになりますが、実は私たちは十七條は知らないとは答えられない。なるほど私もこの問題について賛成なら賛成と答えます。しかしながらこれは労働者の決意である。労働者の決意を表明するのに、なぜそういうようにあなたたちはこだわり過ぎると言つておる。
○吉武委員 こだわるのじやなくして、それを御承知の上で決議されたかということだけです。私はもちろん決議だけを聞いておるのです。それ以上のことはこれからまたお聞きしたいと思うのですけれども、決議自体は法律に禁止されておることを知りながらおやりになつた。それは自分たちとしては憲法に保障されておるから、法律を無視しても自分たちは決議をしたのだ、こういうことになるということを私は申し上げておるのであります。
 それでは次にお尋ねをいたしまするが、その決議はあなた方の各支部に御指令になりましたかどうですか。その点をお伺いしたいと思います。
○鈴木証人 さつき吉武さんは無視しておるというように断定をしておりましたが、私どもは法律を無視しておるというような気持は持つておらぬ、ただ最惡の場合いかんともしがたいときには、このようなことも決意として持つておるということを決議に移したいということを申し上げておるのであつて、この点は誤解のないように願います。
○吉武委員 わかりました。私は決議だけを一應伺つておるのであります。
 そこで次の問題についてお答えを願いたいのでありますが、決議は各支部に御指令になりましたか。
○鈴木証人 それは先ほど委員長の質問に答えましたが、決議は全部指令としては流してはないはずであると記憶しております。
○吉武委員 そうすると中央執行委員長の不在中の代理として、あなたは指令をお出しにならなかつたということですね。
○鈴木証人 全部のことを聞いておられると私も非常に困るのですが……。
○吉武委員 今の決議です。決議を示されたかどうかということを聞いておるのです。
○鈴木証人 それはただいま委員長の御質事問にお答えしたような次第で……
○吉武委員 それじやお聞きしますが、委員長の質問に対して、あなたは指令は出さない、それから今私の申しましたのに対して、指令を出した覚えはないようだということでありまするが、指令とか指令でないとかいうことは別にしましても、決議になつた事項を各支部に御通知になつたことはあるでしよう。御通知にもならないのですか。
○鈴木証人 本部としてですか。
○吉武委員 そうです。
○鈴木証人 本部としては通知はしました。
○吉武委員 通知をされたということは、こういう決議をしたということを指令されたことですね。実際の行動に入るか入らないかの指令は別といたしましても、各支部に中闘ではこういう闘爭方針を決定したぞということを御通知になつたわけですね。
○鈴木証人 それは通知はいたしましたし、あるいはまたそこに出席しておりました中央委員諸君はその決議を持つて支部にお帰りになつてお話をしたでしよう。しかしこれは指令じやありませんよ。
○吉武委員 指令であるかないかは別といたしましても、そういう意思表示をされたかどうかということを聞いておるわけであります。
○鈴木証人 それは意思表示というよりもむしろ自然効果的なものです。
○吉武委員 それで結構です。
 次にお尋ねいたしたいのでありますが、第六項の最後に「集約は中闘の責仕において行う」これはどういう意味ですか。
○鈴木証人 非常にむずかしい御質問です。御満足のいく答弁をすることができるかどうか……。
○吉武委員 大体御提案に御賛成になつたときのお気持をお答えになればよいのです。
○鈴木証人 どういうふうに答えたら一番よくしろうとの方にわかるのだが……。組合のこういう言葉は独自でありまして非常にむずかしいのです。集約ということをもし文字通りに解釈するならば、投あみを打つ人が投あみの元を握つておる、そういうふうに解釈したらよいでしようね。
○吉武委員 それではあなた方は、先ほど來からお尋ねしておるように公共企業体の十七條に禁止された事項をもあえて行うという決議をなさつた。その決議は指令ではないにいたしましても、各支部に御通知になつた、すなわち中央の意思表示はあつたわけであります。そこでもしそういたしますると、次に第二項にありまするように、最惡の事態とは團体交渉の決裂したときを言う、そうすると各支部の末端において、あるいは團体交渉を行う、あるいはそこに話合いが行われる、それが決裂したときにもしストに入つたとするならば、それはあなた方に責任はないとお考えになりますか。
○鈴木証人 これは先ほど委員長の御質問で非常にむずかしい問題だと言つておりましたのですが、そのような場合に実際にどういうことになるのか、私もやはり今ちよつとわかりかねるのでございます。
○吉武委員 わかりかねると言つて、あなたは國鉄の最高責任者として、しかもこれが中闘の会議におきましては、先ほど來委員長からるるお尋ねがありましたように相当議論になつた。あなたは最高の責任者として御存じのないはずはない。私の持つておる資料をもつていたしましても、民動の星加君が盛んにこれに反対をしておる。國会において成立したことは必ず國会で解決する決意を固めなければならないのだ。今回の整理は遅くも七月中には断行されるであろう。それに対する作戰は引伸ばしであるが、予算的裏づけがない、また團体交渉もない。関係筋ではだれを首にするか、または復職する準備はできると思うが、人員は動かせないと言つておる。これの行先も聞いてみたが、これも見込みがない。結局われわれは誠意を持つて今後交渉するほかはないのだ、こう言つておる。さらに加藤委員長が不在中であるが、彼の意思も考えなければならぬ。われわれは公共団体企業法によつて認められておる合法的の組合であるから、組合運動もまたその線で進まなければならぬのだ。ゆえに実力行使をすることはもはや國鉄のその組合ではなくなるのだ。ストをやることが労組の目的になつておるようであるが、法律の観念がないのだ。その中で採決する場合はわれわれはもはや組合を脱退るよりほかはないと言つて、盛んに内部においては論爭されておる。それは何ゆえかと言えば、組合で責任を持つておるものは、特に國鉄で言えぱ六十万の労働者をかかえ、しかも國鉄は一般大衆に最も関係の深い公共の福祉に関係の深い事業をやつておられる。もし中央委員会においてこういう非合法なストを含む実力行使を決議されると、あなたは今これは單なる決議であるといつて逃げられているけれども、決議をされたということが各支部に通知される。そうすればその末端においてはいろいろの話合いや、いざこざの上で決裂すれば、ただちにストに入るかもわからぬ。それをあなたは自分の意図ではないと言われても、そういうことが行われれば、そういう結果を生むことは必然的なのです。それであるからこそ、組合の中で合法主義で行こうという人々は盛んに最後まで反対をされている。それをあなたは井上君の提案されました、ストを含む実力行使に御賛成になつておるのでありますが、今後もしそういうストを含む実力行使の事態が起つたとすれば、かりにあなたの言葉をもつてして、指令を出したのじやないと言われても、すでに決議され、その決議が通知されたということになれば、それによつて起る責任はあなた方にあると断定せざるを得ないと思うのですがいかがでしよう。
○鈴木証人 ずいぶん吉武さん長くいろいろなことを言つたので、何が何だかさつぱりわからないのですが、結局最後に言つたことは、地方に起きたいろいろな問題について責任はだれが負うか、こういうことなのですか。
○吉武委員 そうです。
○鈴木証人 それはまあそれを起させないようにすることが一番いいと思います。(笑声)ですから私は、それは起させないようにしてくださる政府の腹がきめてくださると思つております。
○吉武委員 そうではないのです。先ほどから言つておるように、そういう事態が起つてはいけないからといつて、あなた方の組合の内部において、盛んに合法主義の議論がなされたにもかかわらず、あなた方があえて決議されたというところには、知らないでやつたということにはならないと思うのです。
○鈴木証人 私はだからあなたが前に御質問になつた三つの問題についてはお答えしておいたのですが、言葉で聞くと非常に開きとりにくいかもじれませんが、私は決意と言つた。決意を決議として表現した。だから決意という言葉で語呂が惡ければ、心構えと直してもけつこうです。労働者が闘わなければならない心構えを決議として出したものだ、こう言つているのです。これを皆さんはその内容にわたつていろいろ御質問しておるのでありますが、私は許された合法的な労働組合の討議の過程が考査委員会で問題に取上げられたということは、非常に驚いているのです。これは一体どういうことなのです。私たちの労働組合の大会なり委員会なりはきわめて自主的にやつているのですよ。労働者の総意によつてやつているわけです。これは内部でもつてどういう論爭が行われた、こういう論爭が行われた、この論爭は好ましいがこの論爭は好ましくないというようなことを何か皆さんが御判定なさる権利があつてこの考査委員会にお臨みであるかのごとく考えておられるようですが、私はこれは労働組合のいろいろな権利を守るために、あるいはまたポツダム宣言にも、極東委員会の十六原則にもはつきり書かれていることに抵触しているんじやないかという気がしてならなくなつて來た。今の御質問なんか聞いておりますと…(「討論か」「答えを拒否するか、答えるか」〕、その他発言する者あり)そういう言い方というものは、ずいぶん私は基本的人権を阻害しておると思う。拒否するか、答えるか、どつちか、そういうことではないのです。
○吉武委員 そこで私は重ねてあなたにお聞きしますが、あなたは熱海における中央委員会の決議はただ單なる内部の決議であるというふうにお考えになつているように思える。しかしながら法律的に言うならば、そういう決議自体さえも実は禁止されている。十七條をごらんになりますと「職員及びその組合は、同盟罷業、怠業その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。又職員は、このような禁止された行為を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。」わざわざ念を押して後段に、禁止された行為の共謀や、そそのかし、あおりが禁止されている。そのゆえんのものは、指令されぬでも、決定されたということが、あなた方の末端に非常に大きなインフルエンスを持つのであります。私はそういう法律の字句を論議したくはないのでありますが、実際あなた方は、ただこれは中闘における一つの闘爭方針の決定だけであると軽くお考えになつておつても、あなた方の末端に至れば、中闘で決議をしたということで、交渉が決裂すればただちにストに入らないとどうして保証ができるでありましようか。そこで私はあなた方が熱海で決定された事項については重大なる責任がありますぞということを言つている。それは各地域で勝手にやつておるのだ、おれたちは知らないと言つてあなた方はお逃げになるのでありますか。
○鈴木証人 そういうことは少しも考えておりません。つまり集約は中闘の責任で行うということでありますから、それはやはり同様の決議の集約は中闘で行うということでおわかりになると考えます。
○吉武委員 集約は中闘でもちろんおやりになる。中央で統制されることは当然でしようが、集約されないでも、個々の地域において起つた地域闘爭においても、かかる違法の御決議をなされ、それが通知されたということになれば……(発言する者あり)各地において起つたときに、かりにあなたの意図に出でないでも、あなた方が決定されたことに基いてストが起つたものと断定しなければならない。その点をあなたは責任をお感じにならないかどうかということをお尋ねしておるのであります。それは地域闘爭で、おれたち中央においてはそれは知らないとお考えになるのですか。
○鈴木証人 そういうことはありません。
○吉武委員 それならよろしゆうございます。私は質問はこれで一應保留しておきます。
○鍛冶委員長 五分間休憩いたしましよう。二十五分から始めます。
    午後四時十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時二十七分開議
○鍛冶委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
○篠田委員 証人にお尋ねいたしますが、あなたは共産党に入党しておられるとうですけれども、いつ入党されましたか。何月何日でなく、何年何月でよろしいのですが……。
○鈴木証人 ただいまの御質問は何だかよくわからないのですが……。
○篠田委員 あなたは共産党に入党しておられますか。
○鈴木証人 私にはちよつとそういう御質問が、なぜこの委員会で必要なのかわからない。
○篠田委員 必要はこちらの判断です、あなたは証人ですから。いつ入党なさつたか。
○鈴木証人 私は共産党員です。日にちははつきり記憶しておりませんけれども、終戰の翌年だと思います。
○篠田委員 入党の動機は何ですか。
○鈴木証人 私は貧乏が最惡の罪惡と思つております。ですから貧困をなくなすために入つたのです。
○篠田委員 共産党に入れば貧乏がなくなるという信念のもとにお入りになつたのですか。
○鈴木証人 私は共産党の政策がやはり大衆の支持を得て実行されることによつて、日本から貧困が駆逐されるものと確信しております。
○篠田委員 共産党のどういうところが日本から貧困を駆逐するのですか。
○鈴木証人 それは困つた御質問なんですが……。
○篠田委員 たとえば理論的に共産主義というものをあなたは研究されておるのですか。それともただ共産党の政策を行えば日本から貧困はなくなるという考え方ですか。
○鈴木証人 両方です。
○篠田委員 それは理論的にはどういうところですか。
○鈴木証人 私は労働者ですから労働者の権利を守り、労働者の生活を安定して行くためにとられる諸措置がそれに該当すると考えております。
○篠田委員 共産党は労働者の権利を守つてくれるとあなたは現在でも思つておるのですか。
○鈴木証人 思つておるどころか、私は確信しております。
○篠田委員 それはどういう例証によつてそういうことが言われるのですか。たとえば共産主義の國はたくさんあるけれども、そういう國々において労働者の権利は守られておるという確信のもとにあなたは言つておられるのですか。
○鈴木証人 その通りです。
○篠田委員 そうしますと、結局あなたは党員として、もちろん日本に共産主義的な革命が可能であるということを信じておられるわけですね。共産主義的な革命がなければ現在の日本は共産主義にはならぬでしよう。日本から貧困を駆逐するために社会革命であつても、共産草命であつてもよいけれども、それを冒さなければならぬというのはあたりまえでしよう。
○鈴木証人 そういうことが本考査委員会に関係があるかという問題を疑問に思うわけです。
○鍛冶委員長 單に考えておるか考えておらぬかそれでいいのです。
○篠田委員 あなたは共産党員として革命は可能であるという信念の上に立つておるが、可能だと信じておる以上は革命に向つて努力をしなければならぬでしよう。その努力をあなたはしておられるかどうかということを聞いておるのです。
○鈴木証人 共産主義革命とは一体どういうことか、私は今の御質問の内容がよくわかりません。
○篠田委員 今あなたの言うような日本から貧困をなくするための革命です。言いかえれば現在の資本主義というものをこわして、個人の私有財産権というものを否定して行く、そういう革命を意味しておるのです。
○鈴木証人 あなたがおつしやるようなことは私は考えておりません。
○篠田委員 それであなたは労働者の立場において今革命が可能である、貧困をなくするための革命が可能であると言われたが、そのためにどういうことを努力しておられますか。
○鈴木証人 それは結局私がさつき言つたように、大衆の支持を得るというところに重点を置いてある。ですから納得をし、民主的な方法によつてそのようなことが行われることを私は望んでおるわけです。
○篠田委員 民主的な方法というのはどういう方法ですか。
○鈴木証人 民主的な方法とはどういうことか。――私は何か討論みたいになる可能性があるから避けておりますが……。(「討論の必要があるのか」と呼ぶ、その他発言する者あり)
○篠田委員 共産党革命へのコースと労働組合運動との限界を聞いておる。言いかえればあなたも革命家の一人でしよう。共産党員として日本から貧困をなくすために共産党に入つておる。そうしてその革命の可能性を信じておる以上は、あなたはそのために何らかの努力をしなければならぬ。それと労働組合活動、國鉄における活動とはどういう関連があるかということを知りたいから、今それを聞いているのです。
○鈴木証人 私は労働者の利益を守るために今までも闘つていたし、今後も闘つて行くわけで、労働者である限りにおいてだれもが労働者の不利益になることに進んで賛成する者はないと思つております。
○篠田委員 だからあなたは労働運動というものを革命運動まで発展させようという意思はないのですか。現在の労働者の利益だけを解決して行けばいいのですか
○鈴木証人 それは私の見解に関しては、やはり大衆がこれを支持するかいなかがこれを決定する問題と考えております。
○篠田委員 あなたは大衆の支持によつて可能性があるということを信じておられるのでしよう。さつきのお答えではそう思える。そうすればあなたが國鉄の労働運動というものをリーダーとしてやつておられる以上は、それをあなたの信ずるところの革命に持つて行く考えがあるかないかということを聞いているのです。
○鈴木証人 それは何回もお答えしておりますように、國鉄の労働組合の中における私の働きは、労働者の利益を守るために最善の努力を盡すという点にあるわけです。
○篠田委員 それは現実の利益だけですか。それともあなたがたが共産党員として日本をさつき言つたように……。
○鈴木証人 共産党員とはそういうものなんです。
○篠田委員 いや、日本から貧困をなくするために、あなたは共産党に入つた、そう言つたでしよう。だからその貧困をなくするためには、当然あなた方の考えるような一つの手段というものをとらなくてはならぬでしよう。それと國鉄の中における労働運動との関係というものを聞きたいわけです。
○鈴木証人 何回お聞きになつても、さつきの通りに私は労働者として國鉄の労働組合員の利益を守るために闘う、そういう意味です。
○篠田委員 わかりました。
○鍛冶委員長 福井君。
○福井委員 ちよつと証人にお尋ねしますが、先ほど大分ひやかしたようだから、事実の問題だけをお尋ねいたします。証人の学歴を簡単に聞かしていただきたい。それから就職の状況を簡單に御説明願いたい。
○鈴木証人 私は学歴は高等小学校を卒業しただけです。その他は鉄道の教習関係です。運轉高等科を出ております。職歴は品川檢車区の助役をやつております。
○福井委員 高等小学はどちらの方ですか。
○鈴木証人 本籍であります。本籍は神奈川縣眞鶴町六百六十九です。
○小玉委員 あなたは國鉄労働組合の中央委員は百三十名あるとお答えになりましたね。
○鈴木証人 はあ、百三十名ぐらい……。
○小玉委員 そのうちの党派別というか傾向というか、それは新聞等にある民同系が五十五名、革同系が二十四名、共産系が三十九名、中立が十名、かように私はある調査の情報によつて得ておるのですが、あなたはいかようにお考えになつていますか、大体でよろしいから……。
○鈴木証人 これは組合の中におけるそういうふうないろいろな考え方のあることは事実ですが、はつきりそのような形でもつて表わされておる数字が正しいかどうかについては、私はわかりかねると思います。
○小玉委員 それではせけんに言われておる民同というものの組合内部における思想的立場というか、これはいかなる傾向を持つておる党派ですか。(「あまり民同の肩を持つなよ」と呼ぶ者あり)肩を持ちはせぬ、聞いておるのだ。
○鈴木証人 民同の思想的傾向というとし……。
○小玉委員 あるいは組合内におけるところの主張ですね。それが共産系と対立しておるところの基本的な差異と申しましようか、そういう点です。
○鈴木証人 まあ民同というのは、これは労働組合の中における何と申しますかいわゆる形式主義的な考え方をする人たちだと思えばいいのではないかと思います。
○小玉委員 その形式的な考え方、形式的な傾向というのをもう少し説明していただかないとわからないのです。
○鈴木証人 それは私の見解を求められておるのだから、私は今そういうふうな見解を申し上げたのであつて……。
○小玉委員 形式主義的なというのは、どの点が形式主義的な傾向を帯びておるとあなたは見ておられるか。
○鈴木証人 それは、たとえば規約の問題であるとか、その他の問題について形式主義的な考え方をしておる、こういうふうに申し上げておるのであつて、大体そういうような傾向の人たちが一般的にそういうふうに言われておるようですね。民同というのは……。
○小玉委員 今あなたは組合の規約等について形式主義的だとおつしやいましたが、その意味は組合の規約をそのままに守る、そのままに忠実に実行しよう、こういうことを言うのでありますか。
○鈴木証人 いや、それを忠実に守るのは全組合員の義務ですから、だれも忠実に守るわけです。ただその考え方がつまり規約的だと言つておるのです。
○小玉委員 規約的だということは、すなわち規約に從つて、規約を重んじて行くという考え方だ、こういうわけですか。
○鈴木証人 いや、それは規約を重んじ、規約に從つて物を運んで行くというのは全組合員の義務ですから、それは別に民同だけの特異なものではないのです。だからつまり考え方が形式的だ、こういう意味です。
○小玉委員 形式的だということではわからないわけだ。規約に即して行けばどういう点が形式的だか……。
○鈴木証人 つまり規約的です。
○小玉委員 規約的というのは、規約を守るということじやないですか。
○鈴木証人 規約を守ることは、これは全組合員が守るわけです。
○小玉委員 そんなら民同のみが形式的ではないじやないですか。あなたの主張からいえば全組合員が形式的であり規約的であるということになるじやないですか。
○鈴木証人 規約的と皆が規約を守るということは同一じやないのです。
○小玉委員 その差異の説明を聞きたい。
○鈴木証人 非常に何と申しますか……。
○小玉委員 非常にといつて根本的な考え方の差異に属する問題でありますから、明確に言つてもらいたい。
○鈴木証人 私が明確に答えても別に権威があるものじやないのです。
○小玉委員 権威の有無にかかわらぬ。あなたが組合の指導者としてはつきりしたところの認識を持たなければ組合運動はできぬと私は思う。あなたが言つたことは権威がないということにはわれわれ承らぬ。いわゆる國鉄中央委員会の副委員長であるあなたが言うたことにはわれわれは権威を持つ。労働者の代表者としてわれわれは権威を持つのだ。権威のある表現をしてもらいたい。
○鈴木証人 こういう問題だけじやなく、ひとつ國鉄の労働者の実情について、私は申し述べたいと思いますが、そういう点について……。
○鍛冶委員長 証人に御注意をいたしますが、質問には答えるようにしてもらわないと……。
○鈴木証人 だから何回も同じことを答えているわけです。
○小玉委員 いわゆる形式的だという――規約的だということを、だからして民同系は組合内にあつても、一つの思想系統をなしておるとあなたはそうおつしやる。それが規約を尊重するところの全組合員とは差異があるとあなたはおつしやつた。しからばその差異がどこにあるかということを私はお聞きしておるわけです。
○鈴木証人 つまり民同の諸君は形式主義的にものを考えるこう言つたのです。あなたのそれは具体的にどういうことかということから、たとえば規約のごときことをよく持ち出す考え方が規約的であるこう言つているわけです。それでは考え方が規約的だという点については、これは全組合員がそうじやないかという反問に対して、規約を守ることは、これは労働組合、全組合員の義務である……。
○小玉委員 それでは端的に聞きましよう、あなたの共産系と民同とはどこに根本的の考え方の相違があるか。また組合運動に対する進み方について、どういうところの差異があるかをお聞きしたい。あなたの共産系は規約的ではないのですか。規約を尊重しないのですか。
○鈴木証人 規約は尊重します。
○小玉委員 それならば民同との立場はどこにおいて一線を画しておるのか。
○鈴木証人 それは一線を画すると世間で言われるほど一線は画していないのです。
○小玉委員 世間ではいわゆる組合の民主化を妨げておるというか、民主化の線に沿わないのがすなわち共産系である。組合を独裁化しよう、権力意識によつて支配しようというのが組合であるというような議論も行われておるわけです。そういう点が民同と共産系との差異ではないか。
○鈴木証人 まあ、そういう考え方は常識的に言われているようです。
○小玉委員 あなたはそれを公認されるか。
○鈴木証人 私はだからそれは形式主義的な考え方から出て來るものだというふうに考えております。
○小玉委員 結局組合内における共産系の傾向と、民同の傾向との差異はどこに求めるか、組合活動として――政党としての共産党と民自党というものははつきりしておるでしよう。けれども、組合内における民同、共産というものについてはつきりしたことを承つておかなければ、組合運動、從つて本件の組合の決議というものなどが正確に私は認識できないような氣がするからしておく。
○鈴木証人 それはやはり何回も繰返すようでありますが、労働者の中にはそれはいろいろな考え方を持つている人がいることは事実です。労働組合はそういうものなのですから、事実でありまするが、私は世上いろいろ言われているようなことが、それがすべて民同だとは考えておらぬのであります。
○小玉委員 よろしい。それではこう聞きましよう。共産系という君が組合にあるということは世間一般に言われておるわけだ。その共産系と言われるのは、すなわち共産党の党員をもつて組織しておる團体であるかということをお聞きしておる。
○鈴木証人 團体というのは、ずいぶん妙な話ですが……。
○小玉委員 まあ傾向、分派だね。
○鈴木証人 私は労働組合の中にいろいろな考え方を持つている人がいるということは、率直に認めます。そのいろいろな考え方を持つている人が、いろいろな議題について自分たちの考え方を率直にまとめるために、その態度をきめる。要するに議案に対していろいろな研究をしたり、いろいろな態度をきめるというふうなことはあり得るし、またあつてもいいことだと考えております。ただそういう程度のことです。
○小玉委員 そうすると組合におけるある種の問題を解決する際に、その解決のしかたについていろいろな考えが起つて來る。その考え方によつてもしきめ方についての賛否によつておのずから共産党系ということがわかる、あるいは民同系というものがわかる。こうおつしやるのですか。――はつきりわかつて、おるのではないですか。
○鈴木証人 しかし労働組合の中にいろいろな考え方をする人がありましても、労働者は労働者の利益を守るためにはみな同じなのだ、ただ……。
○小玉委員 それはそうであろうけれども、その中にもおのずから考え方があるでしよう。たとえばきようの新聞で、だんだん脱退する組合員ができるというようなことが書いてある。きようの新聞によりますと、支部等においてそういうふうにこれはいわば熱海決議に從うとか、從わぬとかいうことが論議になつて、從わないような人は脱退するというような傾向を見つつあるようであります。今組合の動向は、それはいわゆる民同系だ。こういうふうに評されておる。そこでそういうふうに脱退し、分裂して行くのは結局組合内のいわゆる共産系に從わぬというような意向から、だんだん分派しておる。こう言つておる。同じく労働者の團体でありながら、そういう傾向を帯びているから、それはいかなるところに原因しておるか。熱海会議に帰するものもあれば、これは拒絶して、いわゆる脱退して來る者ができるということは、いかなるところの思想、ものの考え方に原因しているかということをお聞きしているわけです。
○鈴木証人 同じ組合の中から、そのような脱退するような人が出て來るという世上のうわさについては承知しております。しかしながら組合の本部へ脱退を正式に届け出でて來た者は私の知つている限りまだないのであります。
○小玉委員 その点はそれではその程度にしておきましよう。これ以上質問しても結論は出ないように思う。あなたは先ほど國鉄の中央委員会は年四回開く。それには臨時とか、定例会とかいうものはないのであつて、年四回開く。それによつて六月二十三日から熱海で会を開いた、こうおつしやいましたね。
○鈴木証人 はい。
○小玉委員 いつ会議を開くかという時期を決定することは、いかなる機関に諮り、いかなる方法でやつておるか。
○鈴木証人 時期を選ぶのも、これはただいまのところは中央闘爭委員会がありまして、そこで提案をしまして大体この日ぐらいがよかろう。皆さんの御賛成を得てきめるわけなんです。
○小玉委員 それに提案してきまるのですか。
○鈴木証人 はあ。
○小玉委員 その提案は各委員で自由にできるわけですね。
○鈴木証人 そうでございます。
○小玉委員 今回はだれの提案に從つて、結集されたのですか。
○鈴木証人 まあ期せずして皆さんの氣持が一致して、中央委員会に持つて行くことになつたのだというふうに私は記憶しております。
○小玉委員 よろしうございます。ほかの観点からお聞きしますが、今年の六月十日、十一日にわたつて廣島の日鋼においてスト問題でいろいろ騒ぎが起つた。さらに十日に東神奈川で人民電車ですか、そういうようなものが起つていろいろ騒ぎがあつた。さらに六月九日に中央線においても問題が起り、六月九日に千葉でスクラムを組んで乗車を断わつたというような事件が起つたことはあなたは御承知でございますね。
○鈴木証人 廣島云々はどうですか。……東神奈川は……。
○小玉委員 人民電車ということが盛んに言われておるし、あるいはスクラムを組んで千葉で乗車を禁じたというようなことを盛んに言われておる。
○鈴木証人 スクラムを組んで千葉でどうしたというのですか。
○小玉委員 一般乗客の乗車を断わつたというのです。
○鈴木証人 それは関知しておりません。
○小玉委員 東神奈川の問題は、どういうふうに知つておりますか。
○鈴木証人 東神奈川の問題は――、私は人民電車そのものについては、やはり知らない。ただなぜあのような東神奈川の……。
○小玉委員 起つた原因はよろしいが、そういうことが起つたことは御存じですね。人民電車というものの起つたことは御存じですね。
○鈴木証人 私もそれは新聞やその他で知つた程度です。
○小玉委員 世人はかような行為をもつていわゆる実力行使というふうに感じておるのです。あなた方はそう感じておりませんですか。
○鈴木証人 あなたがおつしやるのは、千葉でスクラムを組んで乗客を拒絶したり、東神奈川で人民電車を運轉したり、こういうことが実力行使ではないかというのですか。
○小玉委員 世人は感じておるが、あなたはそう感じないかというのです。
○鈴木証人 ということが、さつき言われた実力行使との問題ですか。
○小玉委員 そこは、もちろん今あなたのお感じだけを聞くのです。
○鈴木証人 これは、おそらく組合の立場からという註釈付で質問されておることだと思いますので、私もその前提に立つてお答えしたいと思いますが、別にそういうことは組合できめておる実力行使の範囲の中に含んでおるとは私は考えておりません。
○小玉委員 よろしいが、世人がそう考えておる。あなたはこれは組合で、熱海会議で実力行使と決議したその中に入る、入らぬは別問題として、世人が実力行使であろうと感じておることを、あなたは組合員を離れてそういうふうにお考えにならぬかというのです。熱海会議における実力行使とは違つても、実力行使であることはあなたはお認めになりませんか。それは常識の問題ですよ。
○鈴木証人 それはやはり常識の問題でしよう。私もそう思います。
○小玉委員 そこで私があなた方に非常に愼重にお考え願わなければならぬのは、かような鉄道に関する不幸な事件、いわゆる世人が実力行使なりと感ずるような事件が國鉄に起つておつて、國民はまたかようないわゆる実力行使事件が頻発するのではないかということを一般に心配し恐れておる。さようなさ中において、六月二十五日から六日間にわたる國鉄熱海会議において、いわゆるストを含む実力行使というような決議が行われれば、一般社会大衆がいかように感ずるかということについて、あなた方は檢討されたかどうか。熱海会議においてそういう問題も討議の対象になつてやられたかどうかということをお聞きしたい。
○鈴木証人 一般の人がどう考えるかという点について、それは私たちも十分討議の対象にして行われたものだと考えます。
○小玉委員 それでは、國民が今にもあのようなスト、実力行使が頻発するのではないかと言つて恐れ懸念しているさ中にかかわらず、かような実力行使、先ほどお聞きしてもなかなか意味がわからぬ、一般人は神奈川や千葉に起つたような実力行使ではないかというふうにまどわしやすい文字を用いることは、私は愼重に考えるべきことではないかと思うのだが、その点について討議が行われたということだが、さようなことは無視してもよいという討議なんですか、結論は。
○鈴木証人 いやいやそうではないのです。とにかくできるだけ皆さんに実情を訴えて、組合のことをよく理解してもらつて、かようなことのないように進んで行きたいというのは、もう第一の具体的な目的の中に宣傳を行うということがきめられているのでありまして……。
○小玉委員 しかしながら、この実力行使という表現は、あなた方の意図されるような高遠な目的というか、理想とは相距るところの表現ではないですか。
○鈴木証人 それはお説として承つておく程度です。
○小玉委員 それでよろしい。それからあなたは、公共企業体労働関係法十七條の違法であるかどうかという点について、憲法の基本的人権論からこれを論ずれば違法でないというような表現もされた反面において、これはすなわち正当防衛である。だから違法と思わぬというふうな表現も先ほどされておつたが、どちらがあなた方のほんとうの考えなんですか。
○鈴木証人 どうもこういう答弁は私ら非常に苦手なんですが、労働者の一般的概念から考えるならば、これは自分たちの生きる最後の権利を守るために許されてよい、正当防衛として許されていいのではないだろうか、こういうふうな意見もあのときに闘わされたということを私は申し上げておる。そしてこれは今あの首切りによつて起きている労働者の悲惨な現状を見れば、かえつて組合がこういうふうな形によつて労働者の氣持を個々ばらばらに起させないで、暴力とかあるいは労働者が各個ばらばらに行動を起させないように組合として集約するためにとられた処置であつて、これは決して皆様がこの問題から引き出して考えておられるようなものではないということを先ほどからも申し上げておるのでありまして、つまり私たちはあそこの問題については労働者の利益を守るための労働者の心構えを決議したものだ、こういうふうに私は答えておるのであります。
○小玉委員 正当防衛的な立場でそういう決議をされた、こうおつしやるのですね。
○鈴木証人 そうです。
○小玉委員 しかしながら、くどいようですけれども、すでに公共企業体労働関係法あるいは定員法というものは、法律によつて定められておるものであります。法律において決定されておる。その法律の施行については、正当防衛権というものはないとわれわれは考えている。その点についてあなたの御見解はいかがですか。法律の施行について、法律を実施するために、そこに正当防衛権はないとわれわれは考えておるのですが、あなたはどういうふうな御見解を持つておられるかということをお聞きしておきたい。
○鈴木証人 労働者は決して好んで法を破るものではありません。從つてそのような最惡の事態が來ないことを望んで、きわめて愼重な態度を持つて当局に反省をうながしながら現在闘い続けている姿をよくごらんになつていただけるならば、私たちの決議の眞意が奈辺にあつたかということがよくおわかりになつていただけると思うわけであります。
○小玉委員 その点はそれ以上追及いたすまいが、あなたは先ほどストをも含む実力行使を行うということは、いわゆる決意であるということを強く表明されている。実行に移すのかどうかという点についてははなはだあいまいなお答えのように私は了解しておるのであります。はたしてあなた方は決議だけであつて実行に移す考えはなかつたのか。要するに團体交渉が決裂した場合、要求が政府に容れられなかつた場合に、ストをも含む実力行使を、さような條件が到來した場合には実行に移すところの考えがあつてこの決議をなされたものであるか、あるいは單なる決議、いわゆるゼスチユアであるのか、先ほどあなた方は吉田内閣に反省を求める一手段としてこういうことをやられたと言つておるが、いわゆる團体交渉が決裂した場合にも実行に移すところの意思はなくしてかような決議をされたのであるか、その点を明確にお答えを願いたい。
○鈴木証人 それは先ほどからも申し上げている通り、きわめて受身な考え方です。
○小玉委員 受身でも何でもよろしいが、今言つた現在はさような條件が來ていない、團体交渉をしていないから來ていないが、この決議をするときのあなた方の考えというものは、團体交渉をやり、そうしてそれが決裂したといつた場合には、いわゆるストをも含む実力行使の決意があつたのかどうか。やる予定のもとにこの決議をされたのであるかどうかということをお聞きしたい。
○鈴木証人 小玉さんは証人をつかまえて、あなた方という複数を使つているが……。
○小玉委員 それでは、あなたです。
○鈴木証人 私個人に聞いているのですか。
○小玉委員 決議に参加しているからお尋ねしているのです。
○鈴木証人 だから、組合を代表しているとすれば……。
○小玉委員 そういう條件が到來した團体交渉が決裂したという場合、ストをやるという考えがあるかないか。そういう考えがなくして、單に表現的なこういう意思表示をやつたのか、あるいはそれをやる考えがあつたかということです。
○鈴木証人 これはやはり先ほどからも申し上げている通り、私たちの要求について政府が示してくれる問題が解決すると考えているわけです。
○小玉委員 それはよろしいが、解決しない場合です。團体交渉が決裂した場合ですよその場合にストをも含む実力行使を現実にやる考えであつたかということを開いているのです。
○鈴木証人 それはやはり仮定の上に立つての御質問でありますから……。
○小玉委員 仮定じやない。決議の一項目にある。現実の問題です。その解釈いかんということを聞いているのです。
○鈴木証人 だから、その解釈は、先ほどから言つている通り、そのような決意を決議として表現したものであるというのです。
○小玉委員 それでは実行する意思はなかつたのですか。
○鈴木証人 このようなことは、先ほどからも言つている通り、仮定の上に立つ問題でありますから、私にとつては非常にむつかしい御質問である、こう申し上げるほかありません。
○小玉委員 だから実行する決意か、実行しない決意かと言つておるのだ。
○鈴木証人 それはむずかしい問題であつて、仮定の上に立つているからということを何回も何回も繰返しておる。
○鍛冶委員長 あなたはさつき吉田内閣に反省を求めるためだと言われたが、何か單にゼスチユアのようにも聞える。それでも最惡の場合には……。
○小玉委員 だから單なるゼスチユアで宝刀を引抜くぞという決意であるかということをお聞きしておる。あなたはラジオ放送の場合に敵は吹飛ぶだろう――反省を促すだけで吉田内閣は吹飛ぶことはありませんよ。
○鍛冶委員長 簡單なことですよ。実行する意思がなくてやつたのか。最惡の場合は実行する意思だつたのか。それだけのことです。
○鈴木証人 だから私がさつきから言つておるのです。つまり私たちがこういうふうな決議をしたということは、労働者の決意を表現したものである。從つて問題は政府の出方によつてこれは回避できるであろうし、問題はすべてそこにあるのだということをさつきから繰返しておるのです。
○小玉委員 團体交渉に應じない場合はどうなる。
○鈴木証人 應じない場合にどうなるかということは、それは仮定の上に立つておる問題であるから、今は言えない。
○小玉委員 仮定の決議――わからぬような決議をするはずはない。
○鈴木証人 それは決議の仕方がまずかつたという御批判ならば受けますけれども、しかし労働者が決議する場合に、右でなければ左、白でなければ黒であるというふうにはつきり言い切つて問題をすべて解決すると考えておられるのは非常におかしいと思う。
○小玉委員 おかしいことはない。それではあなたはこの解釈については説明を與えられないというように承つてよろしいのですか。この最惡の場合にはストをも含む実力行使を行うという一項目については、自分は國鉄中央委員会の副委員長として説明ができないというふうに承つてよろしゆうございますか。
○鈴木証人 いや、説明はできなくはないのです。そういうふうにちやんと説明しておるのですから……。
○小玉委員 説明になつておらぬ。それではよろしい。
○鍛冶委員長 質問に対して答えてもらわぬと困ります。
○鈴木証人 ですから質問に対して答えております。
○小玉委員 質問に対して答えていないと私は思つておる。だれが考えてもそれは常識的に質問に答えたというふうに受けとれない。よろしいかね。あなた方の決議は、最惡の場合には、ストをも含むところの実力行使を行う。最惡の場合とは、團体交渉が決裂したるときであるという條件をつけて、その條件が到来したときには、実行に移す意思があるかどうかということを私はお聞きしているのである。あなた方單に吉田内閣に反省を求めるためにかような表現をしたのであるか。事実あなた方が実力行使をするという考えでやつておるかどうかということを明確に答えていただきたい。
○鈴木証人 それはもう何回も答えておる通りであります。
○小玉委員 何回答えても答えになつていない。
○鈴木証人 しかしそれはむつかしい問題であるから……。
○小玉委員 むつかしい問題でない。
○鈴木証人 あなたはむつかしくなくても私はむつかしいと言つておる。
○小玉委員 あなた方はこれに対して正確な返答をしないと國民が迷う。單なるゼスチユアであるか、実行に移すのであるか、明確にならなければ國民が迷います。また國鉄六十万人の人間だつて迷うと思う。
○鍛冶委員長 それ以上答えられませんか。
○鈴木証人 しかし私は事実のお答えをしておると思つておる。
○小玉委員 実行に移す意思があつたかないかということをお聞きしておるのに答えられなくておつて、事実に対し答えておるということははなはだしく人を侮蔑したものであると思う。
○鈴木証人 それが先ほどからくれぐれも申し上げておる通り、そのような場合における労働者の決意をはつきりと決議として打出したものであるということを私は前々から申し上げておるわけである。
○小玉委員 それはわかつておる。さればそれを実行する意思ありやいなや、團体交渉が決裂したという決議の一項目に書いてある條件が到來した場合には、あなた方はストをも含む実力行使をなさる決意をもつてこの決議をなされたかということをお聞きしておる。決議にも二段階の決議があります。
○鈴木証人 それはやはり全体を含んでの決議です。
○小玉委員 全体でもよろしいが、全体の一項目、重要な一項目……。
○鍛冶委員長 だから全体を含む決議だと言つておる。
○鍛冶委員長 大橋武夫君。なるべく簡單に。
○大橋委員 証人は共産党に入党しておられるそうでございますが、党内における証人の党員としての地位はどういう地位にあられますか、伺いたい。
○鈴木証人 私は單純党員です。
○大橋委員 單純党員というのはいわゆる平党員ですか。
○鈴木証人 そうです。
○大橋委員 それは承つておきまして、共産党の問題でなく、今度は國鉄組合の問題でございますが、國鉄における中央の議決機関と執行部との関係をお伺いしたい。
○鈴木証人 組合における議決機関の最高のものは大会です。大会に次ぐのが中央委員会であります。それで執行機関として中央執行委員会、闘爭委員会、こういうものがあるわけです。從つて中央闘爭委員会はみずからの緊急の問題には議決権があるし、執行する場合には大会もしくは中央委員会の決議を執行する、こういう任務を與えられています。
○大橋委員 熱海における中央委員会の招集につきまして、実際上会場の準備であるとか、あるいは招集状の発送であるとか、宿泊施設の用意とか、そういうものは中闘委あるいはそれに附属する書記局というようなもので出したわけでございますか。
○鈴木証人 その通りであります。
○大橋委員 招待状の発送は書記局のどなたがなさいましたか。
○鈴木証人 どなたがなすつたか、個人的には私はつきりと記憶しておりません。
○大橋委員 それから熱海における中央委員会の、各委員の出席せられました際の宿泊所はどこでございましたか。数箇所にあつたと思いますが……。
○鈴木証人 私たちが宿泊したのは本部は山木旅館だと記憶しております。
○大橋委員 ほかになお二、三……。
○鈴木証人 その他の中央委員は熱海のつるや旅館ではないかと記憶しております。
○大橋委員 そうすると山木とつるやの二つにわかれてお泊りになつたわけですか。
○鈴木証人 最初はつるやだつたと思いますが、その後つるや旅館が分宿されたように記憶しております。
○大橋委員 分宿というのはどういうことですか。
○鈴木証人 つまりつるやだけでは多過ぎるとか、何か宿の都合でなかつたかと思います。
○大橋委員 あなたは共産党に入つておられ、なお別に國鉄の役員をしておられるのですか、國鉄における支部ないし分会は品川機関区の所属でございますか。
○鈴木証人 品川の檢車部でございます。
○大橋委員 そこのどういう地位におられますか。
○鈴木証人 助役でございます。
○大橋委員 それは組合の單位としてどういう名称になつておりますか。
○鈴木証人 組合の單位は國鉄労働組合新橋支部品川檢車区分会であります。
○大橋委員 そこにいつから御所属ですか。
○鈴木証人 品川檢車区に私所属いたしましたのは、多分昭和十六年ではないかと思います。
○大橋委員 共産党へ入党の前からずつとそこにおられたわけですか。昭和十六年以來は職場の異動はございませんね。
○鈴木証人 ありません。
○大橋委員 現在いわゆる專從者としてやつておられますか。
○鈴木証人 そうです。
○大橋委員 それから党における所属はいかなる單位に所属しておられますか。
○鈴木証人 党の所属と言いましても私は平党員でございまして、國鉄労働組合の中における党員ということです。
○大橋委員 國鉄労働組合の中における共産党の細胞と言いますか、われわれよく細胞ということを承つておりますが、はたしてそういう言葉で表現されておりますか、いかなる單位に所属しておられますか。
○鈴木証人 私は品川檢車区の細胞に属しております。
○大橋委員 あなたは品川檢車区の細胞の單なる一員であられますか。それともそのうちのある任務を持つておられますか。
○鈴木証人 單なる一員であります。
○大橋委員 あなたはその細胞に属するほかのお方の顔をよく存じておられますか。
○鈴木証人 それは知つております。
○大橋委員 その中にはあなたよりも先に入党しておられる方がございますか。あなたより後に入党なされた方ばかりでありますか。
○鈴木証人 あまり詳しくは知つておりません。
○大橋委員 あなたはその細胞に属しておられまして、そして党の政策をできる限り、またあらゆる機会に実現に努力しておられると存ずるのでございますが、どうでございますか。
○鈴木証人 私は品川檢車区の細胞として所属している点においては、その細胞の方針に從つて働きます。しかしながらずつと機関の方へ出ておつたために、最近はほとんど会議に参加しているひまがないような実情であります。
○大橋委員 そうするとあなたの党員としての本來の活動は、品川檢車区細胞が指令を出し得る状態にあつたけれども、しかしながら最近においては組合の中央機関におられるためにあまり頻繁なる接触はなかつた、こういうお答えと了承してよろしゆうございますか。
○鈴木証人 細胞の指令とかなんとかいうふうなことを今言われましたが、私はそういうことは少しも申し上げておらないのであります。ただ最近はそういう点で会議に参加している余裕がない、こういう意味であります。
○大橋委員 品川檢車区細胞というものはどういう目的を持つておりますか。
○鈴木証人 私は最近は知りません。
○大橋委員 最近の状態ではなく、本來の目的、任務、共産党内において品川檢車区細胞なるものが、共産党のいかなる任務を担当して組織されているものであるかということを伺いたいのであります。
○聽濤委員 共産党規約を読んで來い。
○大橋委員 その規約を言つてくれればそれでよろしい。
○鈴木証人 本日呼ばれたこととまつたく関係がないと思いますけれども、できるだけひとつ簡單に事実に基いて……。
○鍛冶委員長 簡單に知つておるなら知つておるだけでよろしい。
○大橋委員 私の特に伺いたいのは、品川檢車区細胞は一般社会に対しても働きかける任務を持つているのか、あるいは党の機構として、品川檢車区に属する労働組合の單位に対して働きかける任務を持つているのか。その辺をはつきりいたしたかつたのであります。
○鈴木証人 私はそういうことは知りません。
○大橋委員 そうするとあなたは知らずに品川檢車区細胞に入つておられたわけですか。
○鈴木証人 そうおとりになつてもけつこうであります。
○大橋委員 それでは伺いますが、品川檢車区の共産党の細胞というものは品川検車区を單位として、その中における一般國鉄労働組合員に対しまして、でき得る限り共産党が理想としている方針によつて動かすように努力をするという任務は持つておりませんか。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 静粛に願います。
○大橋委員 委員長、証人は私の質問に対してお答えになりませんが、その理由をお聞き願いたい――証人に伺いますが、先ほどの私の質問はわかりませんでしたか。
○鈴木証人 ええ。
○大橋委員 それではもう一度聞きます。共産党の品川檢車区の細胞は品川檢車区に属する國鉄労働組合員に対して働きかける任務を持つておりませんかどうですかということを聞いている。
    〔議場騒然〕
○大橋委員 ただいまの私の質問に対して、証人はお答えになりませんが、その理由をお確かめ願いまして、その結果によつて進行さしていただたいと思います。
○鍛冶委員長 今言われたこと、簡單なことなんですが……。
○鈴木証人 私は本日國鉄の副委員長といたしまして、この考査委員会へお呼びになつた次第の件について、出席して証言を行つておるのでありまして、個人の政治的な活動並びに考え方について、種々質問がかわされているようでありますが、それは本日の考査委員会が証人に出頭を命じたものと、どういう関係にあるのか、非常に証人は理解に苦しむのでありますが、他の方面に問題をひとつ発展さしていただくことをお願いいたします。
○鍛冶委員長 それは私は委員長であるからといつて、委員が本件を調べる上に必要だと言われるものを、必要なかろうと言うわけには行きません。議場を整理する上において、そんなことを言つて証言を拒否されては調べることができません。その点答えませんか。
○鈴木証人 だからそれは先ほどから申し上げている通り知らないと言つておる。
○大橋委員 そうするとあなたは共産党品川檢車区細胞の任務というものは全然関知しておらぬ、こういうお答えと了承いたしますが、よろしいですか。
○鍛冶委員長 そういうことは知らないのですね。
○鈴木証人 どういうことですか。私はあまり、この証言を求められる範囲を非常に大きく飛び越えているような感じがいたしますから……。
○鍛冶委員長 そういう意味で拒否されては困る。事実さえ簡單に言つてもらえば、早く済むのですから。知らないならばやむを得ませんが、知つているなら答えてもらいたい。早く……。
○鈴木証人 できるだけ早く具体的な問題に入つていただきたい。私は最近は全然こういうふうな会に参加しておりませんので知りません。
○大橋委員 私は最近のことを伺つておるのでない。証人が参加しておられた当時のことを伺いたいと思います。あなたはいつからいつまでそれでは関係されましたか。細胞に直接……。
○鈴木証人 ほとんど私は大半を國鉄労働組合の機関で過しております。
○大橋委員 そうするとあなたは品川細胞のいろいろな相談には全然出席せられたことはございませんか。
○鈴木証人 全然とかいうことはそれはないでしよう。
○大橋委員 それでは最後に出席せられたのはいつでございますか。
○鈴木証人 記憶ありません。
○大橋委員 今年になつてからは一回も出席せられたことはございませんか。
○鈴木証人 記憶ありません。
○大橋委員 昨年はいかがですか。
○鈴木証人 あつたかもしれません。
○大橋委員 あつたんでしよう。
○鈴木証人 あつたかもしれません。
○大橋委員 そうするとその細胞において、最高の地位を占めておられた方はどなたでありましたか。最高主任者の名前は答えられませんか。――答えられない。委員長答えられない理由を確かめてください。お答えのない理由を確かめて進行したいと思います。
○鍛冶委員長 簡單なことですが……。
○鈴木証人 答えられないという理由は……。
○鍛冶委員長 それは知つておるか、知つておらないかということだけでいいんだ。
○大橋委員 そうすると証人は本件に関係がないという理由をもつて証言を拒まれております。これは証人に許されました証言拒否の理由のうちに入らないと存じますが、この点はまた後に記録を見て適当に処理していただくように保留さしていただきたいと思います。証人は共産党から何らかの形で指令を受けられるという場合がありますか、ありませんか。党員として……。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 今のは簡單ですよ。党員としてそういう指令を受けたことがあるかないかということなんですよ。それだけなんです。
○大橋委員 これも答えがない……。
○鈴木証人 これはやはり証人の政治的な心情の自由は尊重していただきたいと思います。
○鍛冶委員長 尊重はしますが、ただあるかないかということぐらい答えられぬと……。
○大橋委員 それでは國鉄組合内における共産党員は、いかなる任務を持つておるかということを、これは細胞とか何とかではなく、一党員としてどういう任務を持つべきであるかということのお考えを伺いたい。
○鈴木証人 それは國鉄の労働者の利益を守り、労働者の権利を伸ばすために努力することを任務としています。
○大橋委員 それでは共産党の主義主張にのつとつて、國鉄の大衆の利益を守るという意味でございますか。――共産党の主義主張に関係なく、自己自身の独自の立場から守つて行くのですか。
○鈴木証人 それはある場合においては一致することがあります。
○大橋委員 ある場合には党の方針と一致しない場合もある。
○鈴木証人 そういうことになります。
○大橋委員 それではあなたのやつたことが一致しておるということはどうしてわかりますか。
○鈴木証人 それは労働者の利益を守るために行われることが党員の任務でありまするから、その任務を忠実に履行して行くということが、期せずして全般的に共産党自体の労働の利益を守るために闘つて行く方針と合致すると思います。
○大橋委員 合致するとあなたは思うだけですか。
○鍛冶委員長 何か具体的に問題を出されたらどうですか。
○大橋委員 それでは具体的に伺えば、あなたが國鉄の熱海の決議において行動されたあなたの行動というものは、日本共産党の方針に合致したものでありますか。それとも多少違つておりますか。
○鈴木証人 それは國鉄の労働者の心情に基いて行動したところであります。
○大橋委員 それでそれは日本共産党の方針に合致いたしましたか。それとも合致しなかつたですか。
○鈴木証人 それはよくわかりませんな。
○大橋委員 あなたはよくわからないとおつしやるが、それではあなたがあのときにこういう行動をしたけれども、それは共産党の方針に確かに合致しておつたというあなた自身の行動の例を一つだけでいいからあげていただきたい。
○鍛冶委員長 熱海におけるでしよう。
○大橋委員 あなたが先ほど共産党の方針に党員としての行動が合致する場合もあつたし、合致しない場合もあるとおつしやつたのです。從つてどういう場合が合致して、どういう場合が合致しなかつたということはわかつておらなければならない。わかつておらなければああいう答えはなかつたと思うのです。
○鈴木証人 それは結局熱海の中央委員会の決定が、労働者の今の問題として、ためになつたかならなかつたかによつて、共産党の方針に合致するかいなかが決定されるのです。
○大橋委員 ためになつた場合には方針に合致するが、ためにならなかつた場合には方針に合致しない……。
○鈴木証人 それは労働者の利益のためにという前提があるからそういうことになるのです。
○大橋委員 そうするとこの場合にためになつたとあなたは判断しておられますか、あるいは労働者のために利益にならなかつたと判断しておられますか。
○鈴木証人 それは非常にわかりにくい……。
○大橋委員 ためになつたかならなかつたかわからない……。
○鈴木証人 それは労働者のためにという前提でお答えをするならば、私たちは國鉄労働者の多数の意思があのことを決定した……。
○大橋委員 そうしますと、あなたがあの際に賛成の討論に加つておられまするが、あなた自身は少くともあの際ああいう決議をすることが國鉄の大衆のためになるとお考えになつておられたのでありますか。
○鈴木証人 それはその通りです。
○大橋委員 そうすると、少くとも労働者のためになるということ、すなわち日本共産党の方針に合致しておると考えておられたのでありますね。
○鈴木証人 それはやはり客観的事実が判定することでしようね。
○大橋委員 そうすると、その当時あなたがどう思つておられたかということは、將來の客観的事実が判定するのですか。
○鈴木証人 あなたがそう御判断になるなら、判断してよろしうございます。
○大橋委員 私は伺つておるのでありまして、当時あなたがどういう意見を持つておられたか、これはあなたが所属しておられる日本共産党の方針に合致すると考えて行動されたのですか、それともこれは日本共産党の示しておる線より離れておる線であるということを自覚しながら行動したかということを伺つておるのです。
○鈴木証人 私は労働者の利益に合致するかいなかによつて問題をきめました。
○大橋委員 そうすると、それは合致すると考えて行動されたのですか。
○鈴木証人 國鉄労働者の利益に合致するかどうかという点において私は行動をきめたのであります。
○大橋委員 どういうふうに行動をきめられましたか。
○鈴木証人 それは先ほどからの御質問によつてはつきりうかがわれておる通りであります。
○大橋委員 どういうふうにきめられましたか。――あなたは賛成の討論をしておられる。そうしてこの方針こそは日本共産党の方針に合致すると考えて行動された。それのみが労働者の利益を守るゆえんであると考えて行動されたのである。こういうお答えでありますね。
○鈴木証人 私は國鉄労働者の利益を守るためにあのことが正しいと思つて賛成をいたしました。
○大橋委員 そうすると、それは共産党の方針に合致するのですか、しないのですか。
○鈴木証人 それは客観的な事実が決定するのであります。
○大橋委員 どういう客観的な事実がありますか。
○鈴木証人 これは具体的な問題に應じて、そのときにきめらるべきものだと思います。
○大橋委員 どうもあなたの言われることはお経の文句を伺つておるようでよく意味がわかりませんが、いかなる具体的な場合にどういうふうになれば共産党の方針に合致したと言い得るのですか。
○鈴木証人 それはまたこの問題と離れて十分お答えする機会を與えられることを希望します。
○大橋委員 この機会にお答え願いたい。
○鈴木証人 用意を持つておりません。
○大橋委員 用意ない状態においてお答えできる程度でお答え願いたい。
○鈴木証人 それは國鉄労働者の利益のために私は行動した。
○大橋委員 あなたのお答えになつたことは、あなた自身が労働者の利益のために行動されたということ、そうして労働者の利益のために行動するということは、日本共産党の方針に合致するということですね。しからばあなたは日本共産党の方針に從つて行動されたと言わざるを得ないでしよう。
○鈴木証人 そういうふうに何か都合のいいように問題をお考えのようであしますが……。
○大橋委員 そこまで言い得ないとすれば、少くともあなた自身がこれは共産党員としての任務と背反しないと思つて行動されておつたと思うが、その点いかがですか。
○鈴木証人 私はくれぐれも申し上げておる通り、熱海の中央委員会には國鉄の副委員長として臨み、國鉄労働組合のために行動を行つたということです。
○大橋委員 あなたは國鉄労働組合に対する日本共産党の方針というものを御存じですか。
○鈴木証人 あつたら教えていただきたい。
○大橋委員 あなたは御存じありませんか。
○鈴木証人 それはあのアカハタ等で知られておる程度のことはあると思います。
○大橋委員 アカハタでどういうことを知られましたか。
○鈴木証人 現状における國鉄の施設の荒廃とか、國鉄のもろもろの破壊的な現状を一日もすみやかに復旧し、なおかつ復興せしめる、これが日本共産党の國鉄労働組合に課せられた方針であるというふうなことがアカハタに載つておつたことを記憶しております。
○大橋委員 それをあなたはアカハタを読んでお知りになつたのですね。
○鈴木証人 そうです。
○大橋委員 アカハタ以外にあなたは全然御承知ありませんか。
○鈴木証人 あれが党の最高の機関紙でありまして、あそこに書かれたことが方針であるというふうに理解しております。
○大橋委員 そのことはわかりました。アカハタを読む以外の方法であなたは知られたことは全然ありませんか。――それならば伺いましよう。熱海の中央委員会の運営についてあなたがたれか共産党の他のお方と相談せられた事実はありませんか。
○鈴木証人 会議の運営やその他については、すべてこれは労働者の自主的な問題として行つておるものでありまして、そのようなことについて話合いをした事実はありません。
○大橋委員 あなたは井上唯雄君とこの問題について事前に話されたことはありませんか。
○鈴木証人 それは井上唯雄君とは同じ中闘委員会の同志であります関係上、あるいはまた企画部長としての関係上、いろいろ話合つた事実はあります。
○大橋委員 井上君は共産党員ではありませんか。
○鈴木証人 私は井上君も共産党員だと記憶しております。
○大橋委員 そうするとあなたの言われるところは、結局組合部内における党員以外の党員とは話合つた事実はない、こういうことを言われたいのですね。つまり部外の党員とこの問題について話合われたことはありませんか。
○鈴木証人 いや、話合いと言つても、会議の運営その他についてという前提がありますが、そういうことについては会議の運営は組合の自主的な立場に立つて行つて行くものであるということを繰返しておるわけです。
○大橋委員 会議の運営以外について事前に何か話合われたことはあるのですか。――お答えはないものとして進めます。一應私はこれで終ります。
○鍛冶委員長 佐々木委員。簡單に願います。
○鈴木証人 委員長、さつきの点については、やはり組合の自主的な立場に立つて私たちが行つたものであつて、これはやはり証人に証言を求められる内容とどういう関係であるかわからないのですが……。
○鍛冶委員長 向うは関係あるとして聞いているのですから、その事実を答えられればいいのです。答えられなければしようがない。
○佐々木(秀)委員 証人にお伺いしますが、熱海大会の当日の司会者はどなたでしたか。
○鈴木証人 司会者は副闘爭委員長を同じくやつております高橋君であります。
○佐々木(秀)委員 それから現在國鉄の労働組合では、組合費あるいは闘爭資金というものが月平均一人どのくらいの割合になつておりますか。
○鈴木証人 組合費は大体月額七十円です。闘爭費はそれにプラス十円だと記憶しております。
○佐々木(秀)委員 十円ですか、十六円じやないですか。合計で八十六円、そうなつておりますが……。
○鈴木証人 闘爭費のほかに救済資金等が加わつておりますので、額はあなたのおつしやつた程度になります。
○佐々木(秀)委員 わかりました。大体八十六円程度と聞いておりますが、この闘爭資金あるいは組合費について、年に何回か組合員に会計報告というものを出しますでしようか。
○鈴木証人 いたします。
○佐々木(秀)委員 それはいつでございますか。
○鈴木証人 会計報告は通常年二回期日を定めて、その結果を組合員に報告するとともに、次期大会に報告すると言われておりますから、その通りでございます。
○佐々木(秀)委員 專從職員というものは、組合からどのくらいな俸給といいますか、手当といいますか、とつておりましようか。
○鈴木証人 專從職員は、ただいま給料は政府からもらつておりません。
○佐々木(秀)委員 いや、組合から……。
○鈴木証人 組合からは規約に從つて、本部における組合員は給料の三割及び手当が支給されます。
○佐々木(秀)委員 手当はどのくらいですか。
○鈴木証人 手当は月額四千円ないし五千円です。
○佐々木(秀)委員 あなたは幾らいただいておりますか。
○鈴木証人 私はこれは中央委員会の決定に基いて月額の手当五千円をもらつております。
○佐々木(秀)委員 わかりました。もちろん先ほどから証人のお話を聞いておりますと、この國鉄労働組合においても共産系の人あり、あるいは民同あり、あるいは革同あり、中立というような立場に置かれているということをお聞きしたときに、最初あなたはそういうものは知らぬと言つておられたようでありましたが、次の委員の質問において、大体こういう派があるということだけはわかつたのでありますが、もちろんこの方々の行いまするいろいろな行動は、労働者の利益のためにやるんだということにおいては私も承知するのであります。ただ労働者の利益のために行動する行動の方法において、いろいろ今回の熱海の決議などの論爭が繰返されているのじやないか、こう考えるのでありますが、あなた方の行いましたいわゆる賛成演説あるいはまた賛成投票の結果から見まして相当な議論があつたのですが、私たちは最も重大と考えましたのは、いわゆるストを含む実力行使ということについて各委員が何回も何回繰返して質問したのでありますが、遂にその核心をつかむことができないのであります。あなたもその実力行使というものがどういうものであるかに対していまだに答弁しておりません。しかるにあなたが熱海において賛成演説をなさつたその記録を見ますと、実力行使とはこういうものであるということをはつきりと演説しておるのであります。それはこういうことであります。「首切りは一体だれの利益のために行われているか。これは首を切られる人間の利益にならないことは初めから明らかだ。では國民の利益になるか。國鉄のサービスは低下し、貨物駅は廃止されるというように、國民の利金にも決してならない。ただ金融独占資本のみがひとりこの利益を受けるものだ。このわれわれのほんとうの敵がどのようにわれわれを苦めているかが今日の重大な問題だ。このくさびこそが実は吉田民自党内閣の権力となつてわれわれを締めつけているのだ。だがこのくさびを断ち切るために、どうしても吉田民自党内閣を打倒しなければならないという結論が出て來るのだ。実際問題として、首を切られた人間もやはりだれかが背負つて生きて行かなければならぬ。このことは結局社会不安をますますはげしくし、國鉄の收入もまた減つて、第二の首切りを誘発することになる。從つて現在われわれが当面しておる闘爭は妥協なき闘いである。われわれは死力を盡して闘わねばならぬ。どうしてもわれわれはここで攻勢に出て、先手をとつて局面を有利に展開しなければならない。この機会をどうして握るか、これが私の言う実力行使である。」こういうふうにあなたははつきりと言われておる。これを先ほどからあなたは一回も申しておらないのであります。こういうことをはつきり言つているにもかかわらず実力行使をぼやかすようなことは、この証言に対してあなたはまじめにしていないという見解を私は持つのです。しかしそのことは私の意見になりますからやめておきますが、先手をとつて局面を打開するというこの先手をとるというあなたの演説の内容、お考えをひとつ聞きたいのであります。
○鈴木証人 まあそういうことは組合といたしましても後手ばかり踏んでおつて、どんどん当局から首を切られて、あとから追つかけて行くというようなことではなくて、首を切られない前に先手をとらなければならない。その先手をとるということは、つまりわれわれが攻勢に出るときだ。といいましてもその攻勢がただちに実力行使であるというようなことは、少しもそこで申し上げているはずはないと私は記憶しております。つまり私たちが攻勢をとるためには、あらゆる要求を提出して、團体交渉にこれを移して持つて行く、このようなことが行われて行かたければ、組合としては先手をとることができないのではないか、こういうことを私は申し上げておるのであつて、そのようにお聞き取り願つていいのではないかと思います。
○佐々木(秀)委員 それは私の質問にちよつとはずれているようですが、この先手をとるという先手の具体的な方法はどういうことかを聞いておるのです。
○鈴木証人 だから先手の具体的な方法は、あらゆる要求を先に提出し、なおかつ團体交渉を持たして行く。そうして吉田内閣の首切りが実質的には行われ得ないような形に当局を追い込んで行く。これが私の言う先手なんです。
○佐々木(秀)委員 わかりました。それではあなたの言つていることと、やろうとすることが違つているようですが、妥協なき闘いという言葉は、どういうところから、どういう考えから出されたのでありますか。妥協なき闘い、先ほどあなたは右だとか左だとかはつきりきめるのではないが、その上でいろいろ話合いできめて行くと言われましたが、そういつた証言の精神と、あなたが演説された妥協なき闘いということとは雲泥の違いがあると私は思います。妥協なき闘いと言つたそのときの心境はどういうお考えであつたか聞きたい。
○鈴木証人 それは私の感覚に映つた、つまり表現とでも申しましようか……。
○佐々木(秀)委員 感覚に映つた表現、そういうことで逃げられては困る。
○鈴木証人 それは吉田内閣の破壊政策が、やはり依然としてそのままで來る限りは、労働者の首切りを防ぐためにわれわれとしては妥協の余地がない。こういうことです。
○佐々木(秀)委員 現在においてもうすでに妥協の余地がないと見たところの意思発表ですね。
○鈴木証人 いや、先ほども申し上げたように、当時の感覚においてそういうふうな表現をした……。
○佐々木(秀)委員 当時の感覚、わかりました。
 それからこの闘爭方針の第一から第六項目までのいろいろな案は井上君がつくられて、出されたというのですが、これはどういう形式で出されたのですか。
○鈴木証人 熱海では、中央委員会で、この提案を中闘委員会の提案として出すということを満場一致で認めたわけです。
○佐々木(秀)委員 そのとき議論になりましたね。井上君が何か中闘委員会で満場一致で承認して提案したのだということを言わなかつたのですか。それで議論があつたでしよう。
○鈴木証人 議論があつたことは私も記憶しておりますが、そのようなはつきりした表現で提案理由を説明したかどうかは記憶にありません。
○佐々木(秀)委員 そうしたらこれは中央委員会に提案することを中闘委員会が承認したということに了承してよろしゆうございますね。
○鈴木証人 そういうことです。
○佐々木(秀)委員 それからさつきの組合資金の方にちよつともどりますが、最近あなた方は労働者の利益のために働いていると申されますが、ことに共産党員は労働者の利益のために、しかも貧困者のないように闘うのだ。これは私も非常にけつこうだと思うのです。しかし全國で最近こういうことが起きている。労働組合員が先ほどから申し上げる通り一人大体八十六円ずつ薄給の中から出している。その組合資金を、しかも共産党員が相当に各地で使い込みを出している。こういうことはあなたは共産党員として聞いたことがありますかどうか。
○鈴木証人 八十六円という金額が具体的に出されましたので、おそらくは國鉄の労働組合のことだと考えますが、國鉄労働組合に関する限り、最近そのようなうわさは聞いておりません。
○佐々木(秀)委員 旭川の工機部の会計をやつておりまする共産党員が、二十数万円使い込みしたという事実を聞いておりませんか。
○鈴木証人 私はそのようなことを聞いた記憶を持つておりません。
○佐々木(秀)委員 もう一つ伺いますが、九州の福岡におきまして、やはり共産党員であつて、九州地区の執行委員と申しますか、赤塚何某以下四名の者が、しかも組合の資金を百六十余万円使い込みを出したという事実をあなた聞いたことはありませんか。
○鈴木証人 それは國鉄に関する問題とは違います。その話は聞いてはいますが……。
○佐々木(秀)委員 しからばこういうことを他にも知つておるのですか。労働者の味方の利益のために働くという共産党員が多くとは申しませんが、各地で、しかも血のにじむような労働組合の闘爭資金まで共産党員が使い込む。しかも國鉄に直接関係なくとも、百六十万円とか、あるいは二十数万円とかいうことを聞くに及べば、あなたは共産党員としてどういつた考えを持ちますか。
○鈴木証人 そういうことはまことに遺憾にたえないと思つています。
○佐々木(秀)委員 それではもう一つ聞きます。國鉄労働組合の会計というものはどういう形において、預かられて、どういう形で処理されておりますか。
○鈴木証人 國鉄労働組合の会計は、きわめて嚴格であります。分会におきまして、各組合員から徴收できました組合費を、支部に納め、支部からさらに振替口座を持つて本部に送る。本部は九人の会計監査員によつて、年間四期にわけて、会計檢査を行い、万不正のないように行つているわけであります。
○佐々木(秀)委員 大体今回の熱海か大会では、どのくらいの費用を使つておるのですか。
○鈴木証人 どのくらいになりますかはつきりわかりませんが、百万円以上かかつたということは言えるだろうと思います。
○佐々木(秀)委員 あなた方中闘委員といいますか、幹部の方々は地方出張をされますね。その出張旅費は大体一日どのくらいになりますか。
○鈴木証人 出張旅費と言いますのは、これは当局の旅費と同額でありまして甲泊の場合は七百円ではないかと記憶しております。それから乙泊、丙泊とわかれておりましてすべてこれは政府の旅費規則と同額であります。
○佐々木(秀)委員 私ちよつとこれを聞いたのは眞実をつかんでいないのですが、一日いろいろのものを含めて二千円ちよつとになるということを聞いたのですが、それはうそでございますか。
○鈴木証人 そういう厖大な金額にはならないと考えております。
○佐々木(秀)委員 そうすると、今回の熱海の費用は百万円以上と言われましたが、百万円以上と言つても限度があるのですが、大体わかりませんか。
○鈴木証人 百三十人に中央闘爭委員をまじえまして、百六十人程度の人間が一泊いたしますと、いくらぐらいかかりますか。六百円にいたしまして……。
○佐々木(秀)委員 それでなくて、大体の予算というものを組むでしよう。大会でいくらとか……。
○鈴木証人 大体予算で組んでいたのですが、これは大体中央委員会の費用がいくらというふうに、一年間の予算があるわけです。それでその中央委員会の費用の中で大体やり繰つていることになりまするが、熱海は予想よりもちよつと会期が延長されたので、かかつたのではないかという氣がします。
○佐々木(秀)委員 わかりました。この程度でけつこうです。
○石田(一)委員 ちよつと簡單に私は質問するのですが、労働者の利益のためにたえず働いていらつしやる副委員長のあなたは、先般六月の十日前後に行われたあの國電の局部ストといいますか、各分会がスト行為に入つた場合、あなたは実際的にどういう行動あるいは指令、どういう方針をもつてこれに臨まれましたか。
○鈴木証人 國電ストが起きましたときには、ただちにこの爭議の原因となつた問題を取上げまして、これをいち早く團体交渉に移して解決することが最も正しいことであるというふうに信じて、まず当局との交渉に全力を注ぎました。私たちの方針は不拡大方針だつたのであります。
○石田(一)委員 不拡大方針であつた場合、たとえば神奈川の檢車区あるいは中野あたりの分会に対して、実際上のスト行為を中止するようにというような何らかの手段、指令をお出しになつたか、おとりになつたことはありますか。
○鈴木証人 それは指令二六号として、いわゆる中闘が集約をいたしまして、そのストをやめることを指令いたしました。
○石田(一)委員 あなたが副委員長として、中闘委員会の議決に基いて、そのストを中止するようにという指令、あるいは集約した指令をなすつたというのは、連合軍司令部の強い要求があつてからですか、それともあなたたち中の方々の自発的な客観情勢の判断によつてなされたものでしようか。
○鈴木証人 時期的にはそれが符合いたしましたが、すでにその前日において私たちは不拡大方針をとり、当時の東神奈川をもつておつた横浜支部の委員長にも來ていただいて、その前日すでにやめるように努力することを申しているわけであります。從つてあの指令は自主的な立場において行われたものであると考えております。
○石田(一)委員 もう一つお伺いいたしますが、ああいう一つの新しい交番勤務制に対して、一部の從業員、労働者が不満を抱いて、これは行政整理の前提としてなすつたものだという観点に立つて、局部的にこうした問題を取上げてストをなさるということは、副委員長あるいは中闘委の立場としては、決して好ましいものではないとお考えになつたわけなんですか。
○鈴木証人 その事自体が好ましいとか好ましくないということではなくて、問題を團体交渉に移して解決することを主眼にして、問題の処理にあたつたのが私たちの眞意であります。あの神奈川におきましても、中野におきましても、御承知のように戰災で焼け落ちたままの状態において、わずかに雨露をしのぐ程度の詰所しかないところで働いていまして、もしあの新交番が実施されることになりますと、三日ないし一週間にわたつてそこへ泊らなければならないというような乗務員が出て來るわけであります。その乗務員が満足に休憩することができかねる状態であり、雨が降れば雨漏りがする。寝具も十分整つておらぬ。從つてそのような状態を直して労働者が安心して働ける環境をつくれという職場要求が中心になつて、あの問題は当時團体交渉としてなされていた、それを当局が、新交番拒否ということで、何らストライキを行つてもおらないし、また業務の運営を乱してもいないにもかかわらず、また何らの調査も行わず、一方的に十九名の馘首を発表して來たのです。そこに問題の発端があるのです。
○石田(一)委員 そうした場合にでも、これを解決するという一点にあなたたちは努力するために、まず自主的に局部的ストを中止するようにという指令をお出しになり、その努力をなさつたのですね。
○鈴木証人 そうです。
○椎熊委員 私はごく簡單に率直に二、三の点を伺つてみたい。組合の最高の意思決定は組合の大会であるということを先ほど証人は言われましたが、その通りですか。
○鈴木証人 そうであります。
○椎熊委員 そうすると、中央委員会というものは大会にかわる性質を持つておるものですか。
○鈴木証人 大会に次ぐ決議機関です。
○椎熊委員 すると、中央委員会の決議、決定等は、大会の承認を経なければ効力を発しないのですか。
○鈴木証人 そのような問題もあります。
○椎熊委員 熱海における決議のごときはどういう性質のものです。
○鈴木証人 熱海における決議は、琴平大会において國鉄防衛の方針が打立てられまして、それをさらに一歩進める役割をしたのが熱海の中央委員会だというふうに考えております。
○椎熊委員 そうすると、熱海の決定は大会の決定に基いてなされた決定である、こういうふうに……。
○鈴木証人 そうです。
○椎熊委員 そうすると、結局熱海の決定というものは、國鉄労働組合の最高の意思決定であつたとみなすことができますか。
○鈴木証人 現状においてはそうみなしていいと思います。
○椎熊委員 そこで問題になるのは、ストを含めての実力行為の問題ですが、証人は先刻、実力行使は実はやむを得ざる場合のみ遺憾ながら行使するのだ、そういう発言があつたようです。しかもそれに付言して、その実力行使は労働者の正当防衛であると確信するという発言があつたが、その通りですか。
○鈴木証人 前段については、そういうふうなことを私は申したかどうか今記憶がありません。もう一度おつしやつていただきたいと思います。
○椎熊委員 実力行使は望むところではないのだ。しかしながらやむを得ず出でたる行為である。しかもその実力行使とは正当防衛の行為であると確信する。その通りのお考えですか。
○鈴木証人 その通りの表現として述べたとはちよつと私も解釈ができないのであります。つまり実力行使とか何とかいうようなことは、労働組合としては好むところではない。しかしながら万やむを得なかつた場合には、そのようなことを行うという決意を表明することは許されていいだろう。しこうしてもしそのようなことが実際問題として論議されたとしても、われわれとしては、これは労働者のやむを得ざる権利を守るための正当防衛だ、こういうふうに私は述べたと思います。
○椎熊委員 大体その通りだつたのです。そこで私どもの常識から、正当防衛とは不法行為を対象とするものだと思うが、定員法の施行に対するあなた方の実力行使も正当防衛だと、あなた方は考えられますか。定員法の実施に対する実力行使、もつと率直に言えば、定員法に基く首切りに対する防衛行動としてなさるる実力行使は、正当防衛であるとあなたは考えられるのであるか。
○鈴木証人 そういうふうに抽象的に質問されると困るのでありますが……。
    〔「抽象的とは驚いたね。」と呼ぶ者あり〕
○椎熊委員 つまり定員法に基く首切りに対する反対的実力行使を正当防衛と認めるか。
○鈴木証人 それは正当防衛ということを、何か前後の問題と切り離して、それだけ論ぜられているようだから抽象的と申し上げたのであつて、その定員法に基く首切りが、労働者を納得せしめるに足るものかということに重点がある。
○椎熊委員 定員法は國会を通過したる日本の法律たることは御存じですね。
○鈴木証人 それは知つております。
○椎熊委員 それは労働者といえども嚴守しなければならぬものですね。
○鈴木証人 しかしながら……。
○椎熊委員 いや、しかしながらじやない。法律は嚴守すべきものか、どうか。労働者に不利益である法律は、蹂躪してもいいとあなたは考えられるのか。それとも労働者に不利益な法律ではあるが、國家の法律だからそれは遵守すべきものであるか。あなたの法治國の國民としての信念を伺うのです。
○鈴木証人 だれも法律を好んで破るものは労働者の中にはおりません。
○椎熊委員 そこで論旨をかえて別の問題を聞きます。あなたは熱海の中央委員会の決議というものを、どうも明確に、自信を持つて証言をしておらない。決意の表現であると言うが、どちらにしても決議は決議なんだ。しかも前提として聞きました通り、大会の決定に基いたる國鉄労働組合の全体の意思決定であるという前提からして、この決議なるものは、ただ單にこう考えるんだという漠然たる意思表示でなくして、組合員全体を規正すべきものでなければならぬはずです。この決議はあなた方の嚴粛なる討論と投票の結果きめた、犯すべからざる鉄則でしよう。そこにはあいまいな点はありませんな。
○鈴木証人 それは組合の決議でありますから、組合は決議が全組合員に尊重されることを望み、かつ要請するわけであります。
○椎熊委員 その全組合員を拘束すべき嚴粛なる決議というものには、精神的にも、行動の上にも裏づけがなければ、決議というものの價値はありませんね。
○鈴木証人 決議に対する裏づけですか。
○椎熊委員 その決議というものは、ただ概念的にこう考えるというだけでなくして、精神的にはそれを遵守し、具体的には行動に現われるということでなければ、決議というものは意味をなさないものである。その通りと考えられますか。
○鈴木証人 一般的には御説の通りだと思います。
○椎熊委員 たいへん明確なお答えを得て満足に思います。そこでこの決議の第六項は、先ほど來、るる諸君から質問があつたように、ストを含めての実力行使、それをいかなる場合に発動するかは、あなた方組合はきめているが、それは團体交渉の決裂の際に行う、そういうことですか。そういうふうに決定してありますな。
○鈴木証人 最悪の事態とは、本部の團体交渉が決裂したときというふうに書いてあることは、私も認めます。
○椎熊委員 その通り実行されるお氣持ですね。
○鈴木証人 いや、実行するかどうかという点については、先ほどから問題になつている……。
○椎熊委員 あなたはそこを不明確にするので、あなたほどの闘士が、卑怯なやり方だと思います。國鉄の権威ある決議に対して、あなたは疑義を挾ませるような答弁をなさることは、國鉄の名誉のためによくないと思う。はつきり決議は決議で、決議した以上は実行するんだという牢固抜くべからざる決意がなければ、権威ある決議というものは成立たない。
 そこで論旨をかえます。すでに今定員法に基く首切りは今月の四日以来申し渡されていると聞いておりますが、その通りですか。
○鈴木証人 四日以来申し渡されております。
○椎熊委員 そうすると、この問題に対して、先般來組合ば國鉄当局に團体交渉の申し入れをせられたというのも事実ですな。
○鈴木証人 事実です。
○椎熊委員 それは新聞によると、四回ほどに及んでいるが、ことごとく拒絶されて、團体交渉が成立しなかつた、その通りですね。
○鈴木証人 その通りです。
○椎熊委員 あなた方が團体交渉をもつて円満妥結をはからんとして請求したのに、團体交渉が拒絶され、遂に團体交渉を持つことができなかつたということは、團体交渉の決裂ということと大体同じことですか。團体交渉をして決裂をしたということと、團体交渉をしようとして拒絶されたということとは内容的に違いますか。
○鈴木証人 同じとは見ておらないです。
○椎熊委員 あなた方はなお團体交渉ができると思われますか。
○鈴木証人 皆さんのお力によつて、そのようにひとつ政府当局を動かしていただくことができるならば、私たちの希望は達せられると思います。
○椎熊委員 法律には、政府当局はそれができないことになつている。
○鈴木証人 法律にはできないと明文はないと記憶しております。
○椎熊委員 あなたは法律をお読みになりましたか。
○鈴木証人 読みました。
○椎熊委員 あれの附則を読みましたか。
○鈴木証人 読みました。
○椎熊委員 それにはできないことになつている。
○鈴木証人 團体交渉ができないと、明文化しているとは私は記憶しておりません。
○椎熊委員 これは先般の委員会で他の人からも聞いたが、その際議場が非常に雑音が入つておつて、あなたの明確なる答弁が聞きとれなかつたのですが、八月十日前後行われたる神奈川管区における人民電車の問題、千葉における実力行使による乗客の乗車拒否の問題は、これはあなた方としては実力行使であると認められますか。そういうものは常識的には実力行使と言われるのでしような。
○鈴木証人 熱海できめられました実力行使云々の中には、そのようなことは含んでおらないと私は考えております。
○椎熊委員 熱海の決議には、これこれのことが実力行使だとは羅列してなかつたが、しかし現実に行われたようなことは、世間ではこれを実力行使と傳えているのだが、あなたはどう考えるかということです。答えにくいのですか。あなたはさつきからそれを明確にしていない。――それでは別な問題を聞きます。先般来われわれは國会において運輸省の労組あたりからも痛烈なる陳情を受けておる。それは定員法に対する反対の陳情で、われわれもこの法案には衆議院において反対したものです。党をあげて反対しております。あなたはこの法案が通過する最後の議会の状況というものを御存じですか。
○鈴木証人 私は多く参議院の方におりましたので、衆議院の状況は知つておりません。
○椎熊委員 知らなければ次の段階を聞くためにその模様を簡單に言いますがね。われわれその日は六月二十一日だと記憶しております。そこで第二回の会期延長が切れてしまつて、政府は午前中から参議院の議事の進行の督促をしておる。当時参議院には六十二件審議未了の案件があつて、その中には定員法が入つておる。私どもは定員法は、われわれの感覚からして適当でない法律であるというので、審議未了にさしたいということであつたが、衆議院におきましては、民主自由党絶対多数のために、われわれ論爭いたしましたが、投票の結果負けて通過した。参議院においても非常に問題の法案であつた。ときたま会期がその日の午後十二時で切れるときになつて、午後六時過ぎに内閣官房長官が衆議院議長に会期二日間の延長を申し入れて参りました。そこでわれわれがそのことを議長から承つたのは八時で、各党に持ち帰つて党の態度をきめて、われわれは会期の延長は賛成しがたい。ことに会期を延長しないことによつて、衆議院においてわれわれが反対した定員法を葬り去ることもできるという観点から、各党連合の会談をいたしまして社会党、共産党その他の会派――新政治協議会も加わつて、これは合法的議会運営の技術によつて会期延長を議決することができない状態になさしむることができる。それには各党各派その日出席の者がこぞつて議席に着くならばそれができるということで、これを共産党の中央委員長と申しますが、徳田球一君のごときも、このわれわれの戦術に賛成せられて、当日出席の五分の一をもつてして、ここにおられる聽濤君の質問に対する議長の五分間の発言制限に対する反対、その反対は起立採決ではいかぬという異議を申し立てて、堂々めぐりをなし、その後それでも民主自由党は多数ですから、そのことは決定いたしましよう。堂々めぐりをするためには少くとも三十分の時間を要する。それが終つて聽濤君の質問が終り、答弁が終つてから各党の討論に入る。討論はわが党だけでも三人――各党多数の討論者を出しておつたが、これも反対せられることにきまつておる。討論の人数の制限が議長から宣言せられる際、これまた堂々めぐりをもつて三十分かせぎ、それががきまつた後、討論終結の動議に反対の意見を述べてまた三十分、そうしてそれも葬り去られて、最後の段階では、われわれはこの会期延長を承認するやいなやの投票を決して最小限度四回の堂々めぐりをやることによつて二時間を費すことができる。それを合法的にやつておけば、その日十一時十分から開かれたる本会議には完全に政府の企図しておる二日間の会期の延長が不可能に陥る。不可能に陥ることによつて参議院の定員法を含めたる六十二件の法案はことごとく審議未了で不成立になる。民主自由党は二百六十九名の絶対多数党ですからかくて次の臨時國会を召集するであろうけれども、一まずこの法案を葬り去ることができるのであります。そのことによつ三月なり、四月なりの將來に持ち越すことができれば、実施までには少くとも半年以上の余裕がある。われわれはこの労働者の失業問題の裏付けもなし、社会保障もなしに二十数万の首切りをするという乱暴なやり方には政策的には同意ができないという建前から、何とかしてこの法案を通過せしめたくないということで、共産党は内心はなはだ私どもは好ましからざる政党ではあるが、この法案をつぶすためにはそこまで譲歩いたしまして共同歩調をとつたのであるが、いざ振鈴によつて十一時十分本会議に入つて見ると、共産党は上村某その他一人を残してことごとく議場に入つて來ない。これを共産党員たる君は何と思う。そうして遂にわれわれの野党で合議したるこの戰術が共産党の背信行為によつて葬り去られた。そのために定員法はあの通り通過した。これは共産党の考え方を私は想像して申し上げることははなはだ失礼だと思うが、想像でないことが明らかな問題は、なぜ共産党はかくのごとき行動をなしたか、翌日運営委員会において民自党の運営委員の筆頭を勤めておる石田博英君はここにおられる神山君に、昨夜はどうもありがとうございましたと礼を述べた。それかあらぬか、その翌日民主自由党では除名にしようとしたあの暴力議員立花某を登院停止一箇月と減刑をしておる。このやみ取引をわれわれははなはだ奇怪至極に思う。私は思うに共産党は立花某の除名を恐れてこのことをなしたのではなくして、内心ほんとうは定員法というものを議会が通過することをねらつておつたんではないか、そのことによつて官業労働の間に非常な刺戟を與えて撹乱をし混迷を與え、そうして彼等のいわゆる一つの大きな目的のもとに一歩前進したいというのが眞の共産党の腹ではなかつたかと私は想像しておるんだが、共産党員で國鉄労働組合の副委員長たる君は、この事実を私から聞いて、共産党が定員法通過のために一臂の力を添えたということを君はどう考えられるか、この事実をあなたはどう考えるか。
○鈴木証人 私は当時参議院において定員法のための会期延長の場面も傍聽席において見ておつたのでありまするが、まつたくこれは会期が延長されたのか、されないのか、わずか五分間の短かい時間できめられておつた事実を知りております。從つて衆議院においてよしかりにあなたのおつしやるような事実が行われたとしても、あの参議院をもつてしてもあのような短かい時間に、中村正雄氏の言をかりて言うならば、議院法といつたものを十分に取上げられないで、そのまま会期延長が可決されて行くといつたようなことを考えて見ると、衆議院において、よしお説のような事実がかりになかつたとしても、私は会期延長ということだけは何らかの意味でなされたんではないかと考えます。
○椎熊委員 君は会期延長に対して反対の行動を野党連合で相談しておつたにもかかわらず、共産党は背信行為をもつてこの行動に誠意を示さなかつたということを認められるでしような。
○鈴木証人 私は認めていません。
○椎熊委員 何でも共産党のやることは、悪いことをしていいとあなたは考えるか、意識的に……。
○鈴木証人 このことは國鉄の労働組合においてもすでに問題は社会党の淺沼さん及び共産党の神山さん等が見えられていろいろ御説明れたことによつて、國鉄の労働者はあなたがおつしやつておるようなこととは異なつた見解のもとにこの問題は了解しておるわけです。
○椎熊委員 わかりました。あなたは共産党員だから、なるべく共産党の悪いことを是認したくないでしよう。しかし熱海の中央委員会の決定等から見て私は非常に残念に思うのだが、もう一度熱海の問題に立ち返りまして、熱海における中央委員会におきましては、一時間ごとに汽車の上り下りを利用して、あの大会と代々木の共産党本部との間に人をもつて連絡したという事実がありますか。あなたは委員長代理であつたからそのことを御存じでしよう。殊に共産党員だから……。
○鈴木証人 私はそのような事実は全然存じておりません。
○椎熊委員 知りませんか。
○鈴木証人 知りません。
○椎熊委員 形をかえて聞きますが、あなたは、この会議の前に、そうしてこの会議の行われた最中に党員として本部に報告しておりませんか。
○鈴木証人 会議が終つたあと、あるいは会議の前でございますか、私は党員ですからしばしば党本部へ行くこともあります。
○椎熊委員 実はこの熱海の会議中、共産党員並びに熱海の鉄道職員、その他の労働組合に加盟しておる者を使つて一時間ごとに連絡をして指令を受けたという巷間傳えられている点があるのだが、そういう事実はなかつたですか。
○鈴木証人 私は知りません。
○椎熊委員 知りませんか。では最後に念のためにたつた一言ですが、あなたは共産党の党員であり、全國に有名な労働組合の闘士である。その組合が決定した決議事項に対する牢固たる決意というものが、今のあなたの答弁だと私どもはうかがうことはできない。それは事実はうそで、あなたほどの労働運動をしておる者が決意なくして決議をするということはあり得ない。その決議はちやんとこういう場合にこうするとまでこまかく規定した決議なのです。それをこういう席上においてあなたは答弁を韜晦するがごときは、はなはだあなたの心情を私は疑わざるを得ない。そこで今日の事態を見て、國民が全体心配しておるような中にあつても、あなた方は非合法の行動をやつても、あるいはストを含めた実力行使などをいまなお考えておるのか。今はすでに首切りが始まつておるのです。あなたはこの決議をやつて、今日の心境はどうか。なおその実力行使をやるつもりか。
○鈴木証人 同じような御質問がさつきから繰返されておりますが、何回申されましても、この問題に関しては私たちは事態を平和裡に解決するために、國体交渉をもつて解決して行きたいという希望を再三再四にわたつて表明しておるのでありまして、現在の心境も……。
○椎熊委員 重ねて聞きます。それではこの熱海の決議というものは永遠に実行に移されないものか。
○鈴木証人 そういうことは私がここではつきりとお答えできないものだと考えます。
○椎熊委員 そうでない。あなたは團体交渉一点張りなんだ。團体交渉はすでに決裂以上に拒否されている。それでもなお実力行使をしないというなら永遠に無價値な決定をしたのか、事態がわかれば実行するのかどうか。
○鈴木証人 それは率直に申し上げますれば、問題を平和的に解決するために政府の誠意が示されることを希望します。
○椎熊委員 どうもあなたは顧みて他を言う。そんな言い方じやいかぬ。そこで要するに私どもは國鉄の権威ある組合の決議というものは、あなたが言うようなそんなぼやけたものでないと組合の権威のために考えたい。あなたはこの場所におつて何か自分の率直な、良心の命ずるままに発言することが都合が悪いと考えるなら、それは勇敢なる闘士でない。卑怯です。ほんとうのあなたの眞意は……。
○鈴木証人 何回もそれはお答えしているわけです。
○椎熊委員 それは意中に秘しておいて、表現はできないということですか。そう解釈してよろしゆうございますね。
○鈴木証人 私たちの意中をしいて言うならば、先ほども申し上げている通り、事態を平和裡に解決することが組合の考え方であり、目的は國鉄を再建することに主眼を置いておるわけです。
○椎熊委員 言葉はたいへんいいですが、平和裡に解決するなら実行をしないようなストをも含めた実力行使という威嚇的言辞をどうしてやる。どういうことなのですか、それは君の威嚇であつたのか。
○鈴木証人 それはさつきも御質問に答えおる通り、われわれの決意の表現であつて……。
○椎熊委員 決意の表現ということは行動の裏づけがなかつたならば、何ら意味なさぬじやないか。
○鈴木証人 國民とともにそのようなことが起らないことを……。
○椎熊委員 國民は法治國民ですからストを含めての実力行使というものは考えられない。法治國民ですよ。法律を守るというのは國民の態度ですよ。あなたは國民と行き方が違つておるのじやないですか。
○鈴木証人 だから椎熊さん、お願いしますから、早く臨時國会を開いていただきたい。
○椎熊委員 よけいなことを言わなくてもよい。
○鈴木証人 あなたたちの力でこういう問題をすみやかに解決していただくように私たちはお願いしているわけです。
○椎熊委員 お願いは別に聞く。そうじやないのです。今証人として君はそこに立つている以上は、牢固たる決意を示さなければ証人じやないじやないか。しかしこれ以上繰返すことはやめます。
○神山委員 椎熊君が大分好ましからざる質問をされたのでありますが、二、三はつきりしておく点があるのでお尋ねしたいのです。先ほど椎熊君の御質問の中で証人がお答えになる場合に、中央委員会の権限と言いますか、決議機関としての地位についてこういうふうに言われたと私記憶しているのです。これがある場合に大会にかわるというふうにおつしやつているのですが、あなたの方の規約の第十六條によれば、明らかに大会は組合の最高の決議機関だと書いておる。これに対して中央委員会は大会に次ぐ決議機関だというふうに書いてあるのです。從つてここで権限の上で大きな差がある。これと併列的に、ある場合に大会にかわるという今証人の言われた点は、規約に反しているのではないか、あるいは規約の正当なる解釈ではないと考えるが、その点をお答え願いたい。
○鈴木証人 大会は最高の決議機関であることは、私も先ほど申し上げた通りであります。中央委員会はこれに次ぐ決議機関である、こういうふうに言つております。しかしながら大会によつて委託された諸事項について中央委員会が決定した……。
○鍛冶委員長 もう一度……。
○鈴木証人 大会は最高の決議機関であることはその通りです。中央委員会がそれに次ぐ決議機関であることはその通りです。しかしながら大会によつて委託された事項について決議する場合には、これは同等の大会にかわるべき性格を持つものであるということを申し上げておるわけです。
○神山委員 そこであなたは、先ほど大会によつて委託された事項という点を私が聞き落したか、あなたの説明が不十分だつたのが、その点をはつきりしてもらいたいのです。今度の熱海の闘爭方針というものが、はつきりと第一の点にうたつてもありますように、一九四九年の運動方針及び闘爭方針に現在までの具体的闘爭の経驗を生かして推進する、こういうふうになつておりますね。
○鈴木証人 はい。
○神山委員 從つて私が今聞きたいのは、今度の中央委員会は独自にこれを決定したのではなくして、大会の委託に基いた事項について決定したということ、この点をはつきりしておきたかつたわけです。
○鈴木証人 琴平大会できめられました國鉄防衛の基本的方針を、現在の情勢においてどう具体的に推進して行くかということをきめたのが、今度の熱海の中央委員会であると私は答えておるわけです。
○神山委員 そこでお尋ねいたしますが、今あなたのおつしやつた琴平大会できめた國鉄防衛闘爭というものがなぜ必要であつたかという点について簡單にでも御説明を願いたい。
○鈴木証人 それは御承知のように、國鉄は戰時中の酷使と、戰後における復旧並びに復興に対する施策が十分でなかつたために、非常に多くの点において破壊の現状にさらされておるわけです。私は過日の定員法審議の際に、参議院の証人として、この点に対して約一時間にわたつて申し述べたのでおりますが、國鉄の現状は、たとえて申し上げますならば、ちようど土台の腐つた家にベニヤ板を張りつけて、その上からペンキを塗つて復興したというような、そういう見せかけ的な点があるのであつて、内実はきわめて深刻な危機にさらされておる。こういうことを申し上げたわけです。たとえて申し上げますならば、すでに当局みずから認めているように、東京周辺の電車の線路はほとんど磨耗の局限に達しておつて、運轉することも非常に危険な状態にあることを知つておるわけです。しかしながら東京全都を取巻く鉄道の線路を全部交替するということは、一億数千万円の費用を要することであり、同時にこれに要するところの人員も莫大なものがいるわけでありますが、こういつた事実がなかなか実行に移されておらぬ。あるいはまた爾鉄のその他の線路の状況を見ましても、きわめて危険な状態にさらされておるという実例は、過日北海道におきまして、旭川管内だつたと記憶しておりますが、白滝上白滝間における線路の路盤の崩壊によつて、静かに運聽して行つた機関車が轉覆いたしまして、そこに乗つておつた機関士と機関助手とが死亡しておるといつたような事実も起きております。御承知のように國鉄の輸送路の隘路とされておるところの山陽線などにおきましては、わずかな水出がありましても、ただちに交通が危険な状態にさらされるといつたような、そういう施設はもうすでに数年來放置されたままであつて、これらの点についてもしばしば機会あるごとに警告を発して、これが復旧を督促しておるのでありますが、いまだに実現されておらない。あるいは東北地方へ参りますと、盛岡から釜石にかけて山田線という線路があるのでありますが、この山田線のごときは昨年のアイオン台風によつて橋梁を破壊され、線路の路盤は押し流されたまま約一年近くたつ今日いまだに復旧ができておらぬという状況である。從つて釜石、宮古附近における漁民は、とれた魚を今までのように鉄道によつて運搬することが困難な状況にさらされておつて、非常に地方民の生活が困窮しているという事実も出ております。こういつたように國鉄の施設というものは、しろうとの目にはわからないのでありますが、非常に危険な状態にさらされているということを、私どもは事あることの大会においてそのことを訴えておるわけであります。單に今度の琴平大会においてのみでなく、前後四回にわたる大会において國鉄再建の具体的な運動方針がいつも打ち出されて行つたのは、こういう問題を一日もすみやかに解決したかつたからにほかならなかつたのであります。また最近における國電ストと世間で言われております東神奈川、千葉あるいは中野等におきましても、從業員の休憩する場所が、少しの雨が降つても雨漏りがする。ふとんも十分にない、食物も十分にないといつたようなところにさらされているのでありまして、このような戰災の被害をたくさんこうむつたところが現状のまま放置されている。ここで労働者に対して今までよりもさらに過重な労働が強いられるといつたところに大きな問題がひそんでいるのでありまして、私どもはこの施設の回復を一日もすみやかにするよう当局に要請し、そのような予算が十分國会の審議によつて通過されて、復興が地につくようにお願いを申しあげておるわけであります。さらにまた車両の方の問題に移りましても、二十四年度の予算によりますれば、日本における車両会社はほとんど潰滅の状態に階れられていることは、皆さんも御存じだろうと思うわけです。機関車のごときは二十四年度の予算では一台も新造しないことになつているわけです。大体日本の車両会社は一年間約百台に上る機関車製造を行い得る能力があるにもかかわらず、二十四年度の予算では機関車一台も新しい注文を発することができないような状態にさらされている。また一般の車両にいたしましても、雨が漏ればそれに從つた損害補償をしなければならない。あるいはまた……。
○鍛冶委員長 証人に申し上げますが、質問に答えるだけにして意見はやめてください。
○鈴木証人 質問に答えているわけです。(発言する者多し)私は中央委員会において廣島の一中央委員がこういうことを言つたことをお傳えしたいと思います。廣島機関区における機関車で満足な速度計を整えているものは一台もない。こういうことは一体どういうことを意味するかということを私どもは深く考えてみたいと思います。それから二十四年度の予算の削減に伴いまして、國鉄においてはせつかく能率を上げている分工場が数箇所閉鎖の運命にある。あるいは地方施設部等がすでに閉鎖になつているといつたような問題がどんどん行われているわけです。大体今度の定員法の問題もあるし、あるいはまた……。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 琴平大会においてどういうことがきまつたということならよいけれども、それに敷衍したことは……。
○鈴木証人 そういうような施設の荒廃を一日も早く直して、ほんとうに國民のために安全正確かつ迅速な國鉄事業としての使命を果し得るような、そういうような國鉄に復興するための防衛決議が琴平大会でなされているわけです。労働者のまじめな氣持を率直におくみとり願つて、いかにしたならばこの國鉄が復興するかをお考え願いたい。それから定員法の首切り……。
○鍛冶委員長 証人に申しますが、われわれが聞いたことだけを答えてください。われわれに考えてくれとか、こういうことをしてくれとか、そういうことは証言のほかです。
○鈴木証人 私は訴えるわけじやない。質問に答えるわけです。
○鍛冶委員長 神山君、続けてください。
○神山委員 どうも議場がごちやごちやしてもしようがないから、ここで切つてください。今大橋委員が特にやじを入れたのですが、石を並べるのもお前らだろうということを言つた。國鉄の諸君は石を並べるのかどうか、線路妨害をやるのかどうか。
○鈴木証人 國鉄の労働者には、あのようなばか者はないと私は確信しております。大体最近世間でそういうようないろいろなデマを並べておりますが、世間のうわさを聞いて本考査委員会が開かれるとは思つておりません。
○神山委員 この問題は、地方行政委員会その他へ來ても、共産党がやつたということはもちろん一言も言つていない。国警長官も言つていない。それで国警長官が首になるのかもしれぬが、公式の席上で言われるのだから、委員も権威ある言い方をしてもらいたい。公式の席上でなぜ共産党がやつたというような不逞なことを言われるのか。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 そちらでの論争はやめていただきます。
○神山委員 その次にもう一つお伺いしたいのは、あなた方の一九四九年の運動方針、これを具体化するため熱海で中央委員会を開かれたわけですから、この内容のおもなるものについて、記憶していたら要項だけ言つてもらいたいと思います。
○鈴木証人 一番おもなものは、私たちの手によつて國鉄を復興するということであります。この問題について、さらに國鉄の復興闘爭としてきめられた諸問題につきましては、やはり追加予算を組んで、そうして國鉄の復興が一日も早く行われるようにして行きたい、こういうことが中心の問題であります。
○神山委員 一九四九年の運動方針には、一が働く者の生活を安定する、二が國鉄企業の再建をはかる、三が組合の組織を守り、組合デモクラシーを確立する、働く者の基本的権利を守る、それから政治活動の制限を撤廃させる、その他九つの項目が並べてあるわけであります。これは熱海の大会の中央委員会の決議に関係があると思うのですが、この点一應確認しておいてもらいたいと思う。
○鈴木証人 熱海の中央委員会は、それらの問題を参考として具体的な方針を打出す中央委員会であることは事実であります。
○神山委員 それでは、もう一つお尋ねしますが、あなた方の國鉄労働者六十万の生活状態の最近の特徴、ここ一、二年間における特徴を、あまり具体的に言われますと、ほかの諸君がやかましく言われますから、ごく簡單明瞭にすぱつと言つてもらいたい。樂になつておるのか、苦しくなつておるのか、安心して働けるのか、安心して働けないのか、そういう形でもよろしい。
○鈴木証人 樂になつておるどころか、刻々苦しくなつて行くばかりであります。私たちは、職場に安心して働きたいと思つておりますが、今の首切りのあらしのもとに戰々きようきようとしておる状況です。
○神山委員 労働基準法その他が実際に守られておりましようか。
○鈴木証人 労働基準決は完全に実施されておるとは考えておりません。
○神山委員 それでは、その次にお尋ねしますけれども、今問題になつておる十五回中央委員会の次定の第二項の闘爭目標、これは各委員諸君の手もとにも資料が配付されておりますが、この第二項を飛ばして第三項のごく枝葉末節について論議があるので、はつきりとここで読んで確認願いたいのですが、大会できめた諸要求のほか、本部支部分会は職場におけるあらゆる要求を取上げ、これが解決をはかるとともに、首切りを不可能にし、修正予算を組み、首切り案を撤回するための國会を早く開かせると同時に、吉田民自党内閣を打倒する、こういうことになつておる。從つてこの中には、予算の修正あるいは法案の改正ということは、世間で言いますような、ことに椎熊君なんかが好んで言う暴力革命とか何とかいうことでなく、國会を通じてやるということを意思表示されたものと思いますが、この点どうです。
○鈴木証人 この闘爭目標は、御質問の通り、修正予算を組み首切り案を撤回するため臨時議会を早く開いてもらいたいということが闘爭目標の多くの関心をひくところの議題である。
○神山委員 吉田内閣を打倒するとかいうことは、苫米地君だつて言つておる。今の民自党がひどいということは國民はだれでも考えておる。この点についてあなた方は、実力行使でなく、これでは困るから、こいつをやめてもらいたい、これだけのことでしよう。
○鈴木証人 その通りです。
○神山委員 それから第三ですが、委員諸君の質問が不公平であつたから、一應項目だけをあげるのだけれども、第一は宣傳戰を強化する、第二は遵法闘爭を活発に行う――どうもふしぎで、法律を守ると言えば怒り、守らぬと言えば怒る委員諸君が多いが、二に法律を守ると書いてある。三に書いてあるのは、不正摘発闘爭を行う、四に関連産業との共同闘爭、それから第五に團体交渉を行う、こういう前提があつて、第六になつておる。これは明らかな関連があると私にちは思うのだが、あなたは六のことばかりさつきから言つておるのだけれども、この前提はどうなんです。一、二、三、西、五これがむしろ問題である。
○鈴木証人 私たちも、その通りに考えているわけなんです。だから一から五までの問題が、今次闘爭の多くの主要目標になつて闘われておるのだということを言つているわけなんです。
    〔発言する者多し〕
○神山委員 第六の問題について質問します。これは佐々木秀世委員が読んだところに関連するのですが、ほかにあなたが何を言つておるか、私はまだ聞いてないのだけれども、ここに読まれた限り、一番の結論のところだが、この機会をどうして握るか、これが私の言う実力行使なんである――これだけのことである。たつたこれだけのことをわあわあ言われておるのだが、当然あなたは前に述べた五つないし六つの、その全体を含めて考えておるんじやへないか。
○鈴木証人 質問が節六項に集中されておりましたので、私は親切に第六項の問題について答えておつたのであります。第一項から第五項の問題について関連があるという今の神山さんの御質問については、その通りであるとお答えしたいと思います。
    〔「それはそうだろう、神山君に反抗したら除名される」と、呼ぶ者あり〕
○神山委員 神山に反抗はできないというようなやじが大分あるので、誤解を解くためにひとつ質問いたします。あなたは先ほどからのいろいろな質問に答えて、共産党の指導ということをあたかも指令とかあるいは命令があつたというふうにばかり言つております。ことに問題なのは、共産党員の組合員に対する指導は命令あるいは指令に從つて行われるのが、あるいは正しい共産主義の観点から言えば、共産主義者の献身的な具体的な行動によつて実際に行われ、それによつて権威を獲得して行くことになるのか、この点に対しあなたははつきりした回答をする必要があると思います。
○鈴木証人 私は組合内における共産党員は、やはり労働者の利益のために献身的に働くことによつて大衆の支持を得るということに主眼があるということは、先ほども申し上げた通りです。
○神山委員 その次にお尋ねしますが、定員法の通過の問題に関連して、椎熊君が相当ここで長廣舌にわたつて、共産党の背信行為について綿々として言つておりましたが、ここにふしぎなことには、民自党の諸君もまた共産党の背信行為云々と言つている。それはすでに熱海の中央委員会で、僕と淺沼君が公式の席上で言つたごとく、議場内部の手続上の違いだからとこういうことをはつきり言つている。もしもやかましく言えば……。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 私語はやめてもらいましよう。
○神山委員 從つて、定員法が通つた問題、この問題については、國鉄の労働者諸君はすでに了解していると私は思いますが、あなたはどうですか。
○鍛冶委員長 さつき証人はそ言いました。
○鈴木証人 その問題については、私は熱海の中央委員会に社会党から淺沼さん、それからあなたがお出になつてこの問題についてるる御説明をされた。國鉄労働者はその点については了解しているはずだと思う。ただ私たちはそういうふうな問題を利用されて、何か労働者の戰線に対して分裂を持ち込むような諸般のデマに対しては、國鉄労働者は、そういうふうなことは歓迎しないということをはつきり申しておきます。
○聽濤委員 私もいろいろ聞きたいことがあるのですが、この考査委員会において民自党の諸君は、ただこれは労働爭議であるという事実を無視して――今日なぜこういうふうな爭議が起らなければならないか、この問題を抜きにしていろいろな議論が行われたために、これが非常に一方的な印象をはうきり與えておるわけである。私たちはこの点でもつと正しくこの問題を取扱う必要があると思う。そこで包括的に第一にお伺いしたいのは、國鉄労働組合として今日なぜこういうふうな闘爭をやらなければならない事態にまでなつて來たかということを、ひとつ簡單に総括的にお話願いたい。
○鈴木証人 お答えします。それはこのような破壊政策は國民のためにならない。從つて私たちとしてはこれを防がなければならない。こういう立場に追い込まれておるから、こういう防衛闘爭をせざるを得ないのであります。
○聽濤委員 それではお尋ねしますが、國鉄労働組合では終戦以来國鉄を防備しろ、國鉄が荒廃しつつあるということを第一のスローガンに掲げておるということは、あなたもおつしやつた通りである。ところで國鉄の現在の崩壊の状態の問題と、そういう中で行われる從業員の首切りというものとは、これは現在直接の問題としては首切りに対する反対が強く出ておりますが、これと國鉄防衛ということとはどういう関連があのか。國鉄の労働者にとつてのみならず、あるいは日本の全人民にとつてどういう事柄を意味しておるのか、そのことをひとつお聞きしたい。
○鈴木証人 私たちの首切りに対する反対の運動は、國鉄防衛の大きな一環であります。單に私たちは首切りに反対するための反対を行うのではなくて、この首切りを行うことによつて國鉄の正常な運轉が阻害され、かつ利用者の皆さんが非常に大きな損害をこうむる、こういう事実のもとに立つてわれわれは反対しておるわけです。具体的な例をもつて申し上げますならば、六月四日に埼玉縣の興野駅の貨物の取扱いが廃止されることについて、工場経営者の代表――私は具体的に名前をあげてもかまいませんが、その工場経営者の代表が約二十人あまり参議院の民自党議員の小林さんに連れられて運輸省に陳情に來られた事実があります。つまり埼玉縣の興野駅の貨物を廃止されるならば、興野駅の近くの荷主は年間約四百万円の損害をこうむる。それにもかかわらず、この貨物取扱駅が廃止されることによつて浮く人件費は、わずかに八万六千円にしかすぎない。國鉄当局がこのような人件費を節約するために、その附近の住民に四百万円の損害を與えることによつてこの首切りを行おうとしていることは、ずいぶん不当なやり方ではないかといろ抗議を申し込んでおる。そのときに運輸省の某氏は何と答えたか。このような予算を組みこのような法律をつくつて國鉄に首切りを押しつけられているのだから、われわれとしては何としてもしかたがない。ぜひどうかここにおられるような議員さんを突つついて、このようなことが一日も早く撤回され、修正されることを望みますと言つておる。それから三河島でも同じことであります。荒川の区民大会では、三河島の貨物を廃止することによつてこうむる損害は年間約二千万円と言われておりますが、そいいうふうな荷主の負担が加重されることについては、民自党と言わず、共産党と言わず、もう全部の人が寄つて反対しているわけです。こういう事実によつて國鉄の首切りが行われるということは、國民にとつてはずいぶん多くの犠牲がかかつて來る。しかもわれわれの首切りは全予算額のわずかに五%にすぎない。しかもこの全予算額の五%にすぎない人件費の節約は、このような形によつて行われなくても十分行い得る根拠があるわけです。私たちは首切りをやらなくて國鉄の復興はできる。こういう具体的な問題を持つて運輸省当局に迫つておるわけです。第一の問題は、私たちは昨年の二十三年度において石炭を三十億だけ節約しておるわけです。これは私たち全組合員が國銀当局と一緒になつて一かけらの石炭も節約し、それから石炭の効力を発揮するために石炭の粉化技術、こういつたものにも心を配つて、年間約三十億に上るところの石炭費を節約しておるわけです。あるいはまた國鉄当局における修繕費、あるいは工事費、備品費、用品費、こういつた費用の使途を徹底的に追求することによつて、中間における莫大な不当利益をわれわれの力で排除することによつて、このような人件費は浮いて來る。このような確信をもつて、そのようなデーターを示して、われわれは國鉄当局に迫つておるわけです。それにもかかわらず國鉄当局、あるいは政府はもう首切ることをきめてしまつたのだから君たちの首切りはやむを得ない。こういうこと一点ばりで、われわれの建設的な意見を交渉の席上においても取上げようとしない。ここに問題がある。つまり私たちはもつともつとこの問題について國民の皆様が冷静な立場に立つて、國鉄の首切りをして一体國鉄はもうかるのか損をするのか、こういう点について問題を考えればはつきりした答えが出て來ると思うのであります。從つてこういうことについては國鉄の労働者として見るに忍びない実情であるがゆえに、この方針でどうしても防衛しなければならない。こういうことで立つたのです。こういうことがつまり國鉄の從業者に対するところの大きな問題であります。
○聽濤委員 それは非常に重要な点だと私は思います。大体今の國鉄でいろいろな運営、この中には首切りも今度は出て來たわけですが、その以外の今までの運営の仕方に対して組合は大きな批判を持つておる。これは大体あんた方のお考えによれば、今のような運営をやるから國鉄がだんだんだめになつて來るとか、だんだん赤字になつて來るとか、そうして赤字を理由にして首切りをやらなければならぬ、こういつた問題があるだろう。これは非常に重要な問題ですから簡單にお答え願います。
○鈴木証人 私たちの今度の目的の方向は四つあるわけです。一つは國鉄の徹底的民主化をはからなければいけないということ、御承知のように今度の各省設置法によつて運輸省の設置法がつくられた。しかしながらこの運輸省の設置法には私たち現場の從業員の首は切つておきながら、しかも運輸審議金とかいう上級官僚を設け、あるいはまた今までは鉄道局長は九人だつた。それにもかかわらず、今度は陸運局長をつくつて九人が十八人にふえておる。こういうふうに上級官僚のポストはふやして行きながら現場の從業員はどんどん首を切つて行く。こういう矛盾したやり方は決して國民の利益のためになることではない。また同時に行政の簡素化ということは全然逆行した形になつておる。上部の機構が拡充されて行くならば、下部に対する監督、干渉はますます多くなつて來るであろう。われわれはこういつた事務的な問題にとらわれて國鉄がほんとうの意味の能力をあげて國民の付託にこたえるような運営をやつて行くことが困難になるのではないか。私たは國鉄ががもつと民主化されて行き、國鉄人事の行政が明朗化され、そしてこういう問題に対しても利益者代表、國会代表、あるいは労働組合の代表といつたようなこういう代表によつて構成されるところの人事運営の管理委員会が設けられて行つて、國鉄の実態が全國民の前に提示されるような方法が講じられなければいけないと考えております。第二の問題は國鉄の徹底的な縮減であります。これがなければなりません。(「項目だけにしろ」)第三項の問題については運賃政策です。この運賃政策は今の國鉄を危機に陥れておるものです。御承知のように本年の五月に運賃が六割値上げになつた。この運賃が六割値上げになつたために乗客輸送は二六%の激減をしておる、そして毎月の赤字が十億に上ろうとしておるのです。結局均衡予算をつくつてはその均衡予算が片つぱしから破れて行く、國鉄では運賃を値上げして行くためにかえつて赤字が増加して行くというような現状になつておる。私たちはこの運賃を業者、大衆の利益になるような方針によつてきめて行かなければならない、しかも沿線においてはどんどん荷物がなくなつて行くわけです。運ぶ荷物さへもなくなろうとしておる。そして大型客車は千何百両と沿線に停留しておるような状態です。こういうふうな状態によつて刻一刻國鉄の経営は危険な状態に追い込まれて來ておるわけです。これを徹底的に業者の立場に立つて賃金政策を講じなければ國鉄の赤字はなくならないであろうという考えを私は持つておる。第四点は職場を復興させなければならない。そのためにはほんとうに労働者が安心して働けるような方向に持つて行き、またそのような施設なり資材なりを充実して行く要求と相結びついて政府当局もこの國鉄の職場を重点的に復興させて行く。こういうふうな観点に立つて全体として、國鉄の復興が推進されて行かなければならない。この点において今の國鉄当局の管理制度はきわめてまずい手ぎわを示しておる、これが今回の首切りに端的に現われておるということを私は言いたいのであります。
○聽濤委員 先ほど神山君からちよつと簡單に聞いたわけでありますが、あれだけではよくわかりませんので、大体最近におきます労働者の労働の状態は非常に労働強化が行われておるという話も聞いておるし、あるいは非常に職場が荒廃しておる。これはどちらも切つても切れない関係にあると思いますが、この状況を少し具体的に話していただきたい。
○鈴木証人 國鉄では一概に人が多い、余つておるというふうなことが世間で流布されておりますが、現実においては人は余つておらぬ、私たちは今大体五十九万五千の全從業員を持つておるわけです。しかしながらよく皆さんに引合いに出されるのは國鉄では昔三十万でやつていたじやないか、今は五十九万では多いじやないかということが言われますが、この二十九万の中には実に約十八万人というものは戰後とられた必要やむを得ない事情によつて増加された人員が含まれております。たとえば四つの項目によつて申し上げます。一つは労働基準法によつて労働者の待遇が改善されたことによつて当然増加されなければならない人員が約八万八千あつた。それから進駐軍関係あるいは特殊関係によつてどうしても増員しなけれげならなかつた人員が約六万五千いるわけです。そのほかたとえぽ戰前にはなかつたのでありますが、九州の方に行つて見ると志免炭鉱というように鉄道が炭鉱を経営しておりまして、石炭を掘つておる坑夫が鉄道職員なのであります。あるいは保線要員、公安官、警備係、乗客係、こういつたように戰時中も戰前もなかつたところの新しい職名によつて増加した人員が大体十七万人からおるわけです。從つて二十九万人からごの十七万人を引きますと十二万人が多いわけです。從つて昔は三十万でやつていた、今は四十二万でやつておつて、はたして人間が多いか少いかということでもつて問題を檢討して行かなければ規格の根拠がくずれるわけです。しかしながらその五十二万で、昔は三十万でやつておつて、昔と同じような仕事面でありながらともかく昭和十一年を基準にしてみますならば、昭和十一年においては貨物の総輸送量は昭和十一年は九千六百万トン、ところが昭和二十三年度は一億三千万トンで、一三〇%に上るところのわれわれは能率を上げておるわけです。それから乗客数においては昭和十一年が十億五千万人、昭和二十三年は三十五億六千万人の仕事をしているわけです。乗車率においては実に三五〇%以上に上る仕事をやつている。両者を平均してみましても、大体われわれは昭和十一年と比べて二五〇%に上るところの業務量を遂行しているわけです。しかもこれを十二万人当初と比べて約十七、八万人多い人間によつて行つておるという事実を見たときに、國鉄の能率は戰後日本における産業の最高能率を示しておると自信を持つて言い得るわけである。こういう事実を少しも徹底的に調べてみないで、ただ國鉄は人間が多い多いという観念論的な議論をされておることは、非常に私たちは不快だと思つております。從つてこういう事実からどういうことが生れておるかというと、昭和二十三年においては一億三千万トンの輸送をする。これは國鉄自身が認めておることです。それはなぜかと言つたら、この一億三千万トンを輸送するためには八万人分の超過手当を必要とするといつてその額をきめておる。あなた方は國会においてそれを認めたわけだ。その二十三年度の八万人分の超過勤務手当は第三・四半期において使い果してしまつた。そうして私たちには超過勤務手当を減らしておきながら、しかも現在一文も超過手当を拂つておらぬ。まつたくただ働きを強いられているわけです。
○鍛冶委員長 証人の意見はいりませんから、質問だけの答えをしてください。
○鈴木証人 意見じやない。しかも私たちは正規にもらつているところの休暇、年に有給休暇のごときものにおいても私たちは五六%しかとつておらない、とれない、こういう現実が職場の中にあるわけです。從つて私たちが國鉄をほんとうに復興してやつて行こうとするためには、今の五十九万でさえも足りないという事実が出て來る。このことは二十三年度においてもはつきりと当局が認めておることです。
○聽濤委員 次にお伺いしたいのですが、國鉄において遵法闘爭ということをやつておりますね。この遵法闘爭というものをどういうふうに解釈し、またなぜこれをやらなければならぬか、これが國欽の闘爭にとつてなぜ必要であるか、そういう点をひとつお聞きし
○鍛冶委員長 質問に答えてください。
○鈴木証人 質問にお答えいたします。遵法闘爭は眞のサービスを行う闘爭です。つまり危険な場所を危険と知らせ、危険な車は危険と知らす、こういうふうなことをやつて、ほんとうに皆さんにこれは危険であるか安全であるか知らせるわけでありますから、國鉄の労働者にとつては遵法闘爭は眞のサービスであると考えております。現にこの遵法闘爭によつて危険な車を運轉させないようにするということは私たちはこのような遵法闘爭を必要とする事実が國鉄の中にふんだんにあるということをはつきり知つていただいて、われわれの公共企業体の中に遵法闘爭を必要としないような、そのような現実ができ上つて來ることを願つて闘つておるのであります。
○聽濤委員 では今の点を、たとえば檢車区なら檢車区などの実例によつて簡單に答えてもらいたい。
○鈴木証人 檢車区などにおきましては、これは車がフランジいわゆる輸縁と申しておりまするが、両方の線路に車がはまり込んで行くわけであります。こういうふうなフランジにつきましてはちやんと規定があつて、これ以上守り得ない場合は、運轉するのは非常に危険だ。たとえば非常に薄くなつて來ますと乗り上げたり、あるいは割れてしまつたり、あるいは線路をつないでいるボルトの頭を切つたりするというような幾多の事故が起きておるので、こういうふうなフランジにつきましては嚴重な規定を設けて、つまり使用限度まで設けておるわけであります。あるいはタイヤが薄くなつては非常に危険であるから、タイヤは何ミリまでよいというような規定がある。あるいは車をとめる制輪子は使用限度において何ミリというふうにはつきりきめられておるわけであります。こういうふうな事実が、今は備品納入が非常に不足しておる関係上思うように手に入つて來ない、あるいはまた運轉規定においても、こういうふうな場合には何キロの速度で走る、あるいはまたこういうふうな危険な場所においてはこういうふうな運轉をしなければならないということが逐一規定されておるのでありますが。こういつたことが規約通り行えない現状においてもやつておるわけであります。これらのことにつきましては、最近の國鉄の労働組合がこういうふうな諸規定を守つてやるという方針をきめたために、当局はどういうことをやつておるかというと、自分みずからがきめたところの諸規定があるにかかわらず、適宜これをやつてもよろしいというようなことを示しているわけであります。しかしながら國鉄の仕事というものは……。
○鍛冶委員長 わかりました。
○聽濤委員 それからもう一つ聞きますが、この遵法闘爭というのは、結局安全規定というような使用制限とかいろいろな嚴重な規定がある。ところがそれを無視して当局は運営をやらしておるというところに問題があるというわけですか。
○鈴木証人 そうです。
○聽濤委員 それではもう一つお聞きしたいのですが、大体國鉄当局は労働基準法も相当無視してやつておる。あるいは、公共企業体労働関係法ですか、あの中には団体交渉権も苦情を言つて行くこともできる、こういうこともやつて行く、あれほど組合が反対して大騒ぎしてそうしてそれを押して自分らでつくつておきながら、実際上そういうふうな諸法律を無視しておるということをわれわれはたびたび聞くのですが、これを具体的に話してもらいたい。
○鈴木証人 この公共企業体労働関係法第八條第二項では、これこれのものは團体交渉の対象とし、労働協約を締結することを妨げないという明文があるわけです。この中には労働時間、労働條件、賃金あるいは就業規則、懲戒規則、あるいはまた安全、こういつたものはすべて團体交渉の対象とするという明文があるわけです。ところが当局はこれらの明文にのつとつて、法の命ずるところに從つてわれわれと團体交渉を行うということについては必ずしも了解しておらぬ、こういう点が問題です。たとえば今度の新交番のごときははつきりとそのことが言える。新交番というのは、乗務員自体にとつてはこれは勤務時間表なんだ。ところがこの乗務員の勤務時間表は、六月の一日には明らかに國鉄が公共企業体になり、われわれも公共企業体労働関係法が適用されるのでありますが、その六月一日から実施するという問題について、これは当局の一方的な業務管理の問題であるから、われわれは実施するわけにはいかない。私が今言つておる通り、これは乗務員にとつては勤務時間表なんだ。だからこれは明らかに團体交渉の対象になるところの労働時間であり、また同時に就業規則なんだ。これを当局が一方的にきめて流して、これに從わない者は業務命令違反だといつて現に首切つたところの事実が、東神奈川におけるところの事実、あるいは千葉におけるところの事実、こういうふうなものが出て來ておる。こういうふうに向う自体が公共企業体労働関係法を無視しておる。それから懲戒規則これははつきりと労働関係法においても團体交渉の対象にしてあることを言つておるわけです。それにもかかわらず懲戒規則はすでに六月の七日だと記憶しておりますが、これを一方的に流しておる。何ら組合との交渉を待たずして流しておる。こういうふうに当局自体が公共企業体の第八條第二項に明文化されておる團体交渉を一方的に無視して流しておるという事実が、全般的に行われているということであります。
○聽濤委員 大体今まで私に言われたようなことを総合いたしますと、終戰後非常に國鉄が今の運営のしかたの中で、実際上職場においてどんどん荒廃の事実が現われており、國の政策が層一層荒廃を促進する。こういうふうなやり方は結局國鉄從業員に対して死を強制するような不法なことばかりでなくして、結局日本の國民の大多数を占めておる人民に対して非常に重大な不利益を與える。こういう確信のもとにあなた方はここに日本の人民の利益を守るためにこの闘いをやられておると理解してよろしゆうございますか。
○鈴木証人 そういうふうに理解しております。
○聽濤委員 最後に、さいぜんから大分共産党員としての気持や何かについていろいろ質問がありましたが、一つだめを押したいと思います。共産党こそが労働階級のほんとうの利益を守つて闘うところの政党だと、あなたは確信しておられるかどうか。その点も念のために聞きたいと思います。
○鈴木証人 私もそのように確信しております。
○小松委員 お尋ねしますが、熱海大会の決議の第三項に不正摘発闘爭を行うということがありまするが、この中を見ますと、不正摘発委員会を設けて活動するというふうになつておりますが、現に不正摘発委員会をも設けて活動されておりますかどうか。まだ決議してから日が浅いから、委員会ができておらぬというならよろしいが、かような幹部の者の不正を徹底的に摘発するというようなことをおきめになるについては、さような行為、いろいろな醜聞があなた方の耳に入つているからこそかようなことが決定されると思いますが、それらの点についてちよつとお伺いしたいと思います。
○鈴木証人 國鉄の不正摘発の問題につきましては、不正摘発委員会をもつてどしどし行つておるところがあるか、かような御質問でありますが、そのようなところが具体的にあるとはつきり私も存じておりません。しかしながら各地方においては、このような事実に從つて着々と問題を進めておるということは言えると思います。そこで不正の問題があるかないかという御質問でありますが、すでに衆議院の考査特別委員会に運輸省省外不正拂下げ事件という問題に対して私たちは資料をさし上げているか、あるいはさし上げることになつていると考えておりますが、こういうようなものの中に非常に多くの物品が、常識では考えられないほどの安い値段によつて拂下げられておる。こういうことを私は知つているわけであります。たとえば一例を上げましても、昭和二十二年の七月十日に日本鋼管以下熱海の多賀農業会等二十数会社に鋼及び屑鉄等を相当多量に流しておる。この資料は運輸省の鉄道総局資材局から出されたものであつて、当局側から出された資料でありますから……。
○小松委員 その拂下げについて不正の行為が高級の官吏の中にあつたかどうか、そういうことをあなた方は耳にしておるかどうか。
○鈴木証人 これらの問題についてはできるだけ問題が具体的でありますから、正確な資料をもつてお答えしなければならないと思いますが……。
    〔「あるなら出せ」と呼ぶ者あり〕
○鈴木証人 必要があるならばいつでもお出しします。
○小松委員 それから証人は労働組合の指導者でありますから、労働法のごときは十分御存じのことだと思いますが、労働組合運動の政治運動は禁ぜられておるように思つております。その点はいかがですか。
○鈴木証人 極東委員会の十六原則におきましてはそれを保障しておると私は記憶しております。
○小松委員 あなたは改正の労働組合法を御覧になつたのですか。私どもの考えでは、二條に、政治運動または社会運動を目的とするということは禁ぜられておるように思いますが、そういうことはありませんか。
○鈴木証人 それは労働者が行うところの具体的の問題において決定さるべき性質のものだと考えます。
○小松委員 しからばお伺いいたしますが、あなたはこの闘爭決議の中の闘爭目標の項に吉田内閣を打倒するということがあります。これは政治運動とみなされるべきものだと思いますが、あなたの御見解はいかがですか。
○鈴木証人 これは労働者の生活を守るためにとられたところの方針だと考えております。
○小松委員 あなたはいかなる方法をもつて吉田内閣を打倒せんとするのでありますか。
○鈴木証人 やはりそれは國民の皆様が吉田内閣の政策ではだめだということを理解することによつて……。
○小松委員 あなたの労組においてはどういう方法をとつたか。
○鈴木証人 それはここに書かれてありますように……。
○小松委員 どこにありますか。
○鈴木証人 先ほどからあなたたちの手もとに行つておるはずだと思いますが、國鉄を守るためにわれわれは決議したのであります。それは先ほどから何回も御説明したと思つております。
○小松委員 あなた方は、内閣を倒すにはどういう方法、どういう手段をとつて行こうとお考えになつておるのですか。
○鈴木証人 それは先ほどから申し上げておる通り、駅長の支持を得るということであります。
○小松委員 それによつて内閣を打倒しようというのですか。それはそう承つておきましよう。しからばあなた方は、吉田内閣を倒したらその次にどういう内閣をつくろうというのですか。
○鈴木証人 労働者の生活を守り、再建に対して労働者の納得を求めるような政策ができる内閣を望んでおります。
○小松委員 それは労働者だけですか。
○鈴木証人 私は労働組合の指導者として答えておるのでありますが、これは言うまでもなく全部の人民がそのことを欲する、こういうことが……。
○小松委員 政党といえば、どういう内閣をあなた方は希望するのですか。
○鈴木証人 それは日本の再建と復興に協力し、労働者が納得して進めるような内閣ができることを望んでおります。
○小松委員 それはわかつておる。政党で言えばどういう政党内閣ができることをあなたは希望しておるかというのです。
○鈴木証人 それは民自党内閣でないことは確かです。
○小松委員 さらにお尋ねいたします。労働運動は法に許された範囲においてのみ活動ができると私は思うのでありますが、この決議を見ますると、一つには遵法闘爭を活発にすると言いながら、他の項においてはこの遵法精神に相反するような事項があるように私は思うのです。たとえば先ほど來もお話があつたごとく、定員法をついておる。またこの定員法を無視してのあなた方の闘爭、それから決議の第六項の、最惡の場合はストをも含む実力行使を行うというようなことは、法を逸脱した行動ではなかろうかと私は思うのです。あなたはどういうお考えですか。
○鈴木証人 それは、先ほど來から関連されておる、諸問題について証言をしておることとかわつておりません。
○小松委員 そうすると、あなたは第六項を決議した当時は、かような実力行使をしようという心境であつたでしようが、今日においても決議した当時と心境には何らおかわりはありませんか。あなたはその決議が行過ぎだとは御反省になつておらないか。
○鈴木証人 私は行過ぎだとは考えておりません。今も当時と同じように、問題を平和的な手段によつて解決できることを望んでおります。
○小松委員 平和的解決ができなかつた場合に実力行使を行うんでしよう。最惡の場合のことを予想してあなた方はこの決議をされた。あなたのお話では、決意を示すために決議をしたとおつしやられておるが、あなたは実行に移す決意があつて決議をされたと思うが、実行の意思なきものと決議をされたのですか。
○鈴木証人 それは先ほど來しばしば同様な質問が繰返されて……。
○鍛冶委員長 あなたがはつきり答えられればいいのです。單にゼスチュアにすぎないのか、それとも最惡の場合が來たらやろうというのか、それさえ言えばいいのです。
○鈴木証人 何べんも同じような御質問でありますが、その点については労働者がきわめて明白に知つております。
○小松委員 労働者は知つておるかもしれないが、私ども考査委員会はわからぬので、それを知りたいのです。
○鈴木証人 それは先ほどから申し上げている通りです。
○鍛冶委員長 それがわからぬというのです。――質問に答えてくれぬか。――最惡の場合は決議した以上は実行するのかどうかというのだ。
○小松委員 証人お答えになられぬのですか。
○鈴木証人 その問題につきましては、先ほど來から申し上げておりまする通りに、あの問題は一項から六項にわたつて、関連があつて、われわれが論議した結論として出されたものであり、これは最惡の事態に処する労働者の決意の表現である。それを決議にしたのである。こういうふうに答えたのであります。
○小松委員 それを実行に移すかどうかということです。それだけでよろしいのです。
○鈴木証人 それは先ほど來から何回も繰返して申し上げている通りであつて、仮定の上に立つていることであるから。
○鍛冶委員長 それ以上答えませんね。
○小松委員 証人はぼくの尋問に対して、証言を拒否しているのです。
○鈴木証人 いや証言拒否ではありません。答えているのです。
○鍛冶委員長 ゼスチュアであるか、今後実行を伴うのか、こう聞いているのです。――これ以上はやむを得ません。それでは拒否であるかどうかは諸君の御判断に待つほかはありません。
○内藤(隆)委員 さいぜんから数時間にわたつて証人の弁明を聞いておりますが、口を開けばわれわれは労働階級の味方であるということを言つておられるが、熱海の会で、私の聞いておるのでは、四百万円近い会費を使つているのだと聞いておりますが、証人はわずかに百万円だと言つておるが、百万円からの金を四日、五日の間に百人足らずの人がお使いになつて、これで一体苦しい者の味方かどうかと言いたい。こういう意味において私は委員長を通じて、過去十五回のこの中央委員会なるものの使つた経費をここに請求して確かめていただきたいと思います。
○鍛冶委員長 承知しました。
○井手委員 先ほどから証人の証言によりますと、この熱海の中央委員会は、ひらたく言えば琴平大会の延長だと言つておる。そこで具体的闘爭方針ということが明白に掲げられている。これはあなたに説明を聞くまでもなく、具体的に闘爭方針というものがきめられておつて、單なる意思決定をしたのだというあなたの証言とは社会通念上のギヤツプがあると見ているが、あなたはこの点をどういうふうに見ておりますか。
○鈴木証人 労働者の通念から言えば、これは明白であります。
○井手委員 そこでなお例をとりましよう。この中で第三の具体的闘爭方針という中に、一から五までは具体的事実が羅列してあります。これが闘爭方針の決議である。ところで第六項に限つては最惡の場合はストをも含む実力行使を行うという主題目をきめて、その内容が掲げられておらない。それはその通りですね。そこでどうきめてあるかというと、最惡の事態とは本部の團体交渉の決裂したときであるという時間的な制約をきめる一項目が入つているわけです。そこでこの闘爭方針をきめたというこの決議はすでにこの第六項の、最惡の場合はストをも含む実力行使を行うという具体的事項をきめたものです。これは小学校の生徒が読んでも明々白々のことです。それは具体的な決議であるということをあなたは言わない。單なる労働者の意思をきめた決議であると言う。これを、どつちであるかということを皆さんが追究している。こういう明白な事実があなたはおわかりにならぬのか。これによつて実力行動をるやか、もしくは社会に対する、國民に対する不安感を助成するための一つのゼスチュアをきめたのだということをお考えになつているのか。どつちですか。
○鈴木証人 それは先ほど來からの御質問によつて何回も申し上げてあります。
○井手委員 社会通念上、六十万の國鉄從業員が実力行使を行うという國鉄の中央委員会の決議というものが、いかに重大な影響を持つかということは、少くとも國鉄労働組合の副委員長である鈴木君が、そういう社会通念的な、常識的な考え方を持たないでこれをきめたかどうか。これを聞きたい。僕はあなたの権威にかけて聞きたい。先ほどの証人の証言は、実力行使とはストより弱いという反証をあげております。そのストより弱いということを言つているあなたの意思の裏には、スト以外にどういうものがあるかということがなければストより弱いということは言えない。それを聞きたいのです。
○鈴木証人 その通りだと私は解釈しております。
○井手委員 あなたはストより弱いという証言をしたが、実力行使という具体的なものが掲げられているから、これはどういうものかというのです。意思決定だと言うがそれは社会通念上決議にはならないのです。
○鈴木証人 今私たちは、何回も繰返す通り、最惡の事態の來ないことを念願して、そのように運動を進めて行つているわけであります。
○井手委員 私の聞きたいのは、具体的に闘爭方針を決定した決議である、具体的事実をきめた決議であるということが言われるから、その具体的事実というものは何らあなたは考えないできめたのかと言うのです。その証言の裏に、ストより弱いということを言うから、そのストより弱いということはどういうことか。それを考えないであなたはきめたのか。そこで、その事実はどうかということを聞くのです。
○鈴木証人 たとえば遵法闘爭のごときは、そういうことを言うのでしよう。
○井手委員 遵法闘爭とは、この決議とは違うじやないか。遵法闘爭とはこれ以外のものでしよう。第六の具体的なもの、それを聞きたいのです。証言しないのですか。
○鈴木証人 証言しないといつても、私は前からお答えしているわけであつて……。
○井手委員 それは答えにならぬのだ。あなたのお答えに対してさらに次の事項を聞くことがわれわれの責任だから、あなたは單なる意思決定であると言う。あるいは、ときによつては具体性を含む具体的決議であると言つている。これはどちらかということです。
○鈴木証人 私の前から申し上げている通り、決意の表明です。
○井手委員 その意思判定を、かくのごとき事実であるということをはつきり言つてもらいたいのだ。まさに明日レールの上を車が走らぬようなことを言うておるが、そういう事実を知つているのか。副委員長としてそれくらいのことが言えないことはない。
○鈴木証人 それは何回も申上げる通り、実力行使という問題について御質問があるようでありますが、実力行使というものはストより弱いものであろう、こういうように私は解釈する。こういうことです。
○井手委員 そうすると具体的なものであるということですね。そのストより弱いということ、これはあなたははつきりしておいてくださいよ。しかもあなたは先ほどの証言において、右の決議は組合員鉄道從業員六十万の全員を拘束するという証言をしている。この点において、あなたが今言われた具体的に強い弱いということは別としてその実力行使の、國鉄從業員六十万を拘束する決議に対する決議機関としての責任を持たなければならぬ、そういうふうにお考えになつておるか。いや、われわれはそれは責任がないのだ、こうお考えになつておるか。あなたは副委員長の立場としてどうお考えになつておるか。
○鈴木証人 私は中央委員会で決定された決議については、それを執行する責任があると考えております。
○神山委員 たつた一つお尋ねしたい。今日証人は証人として、ここに尋問されて來たのですか。それとも何かの参考人として呼ばれて來たのですか。この点をひとつ聞きたい。
○鈴木証人 私が最初通知を受けたときには証人というはつきりした言葉はなかつた。事情を聽取したい、こういうことでありまして、本日國会へ到着いたしまして証人としてということに変更になつたわけであります。
○神山委員 そういうわけですね。われわれは理事会その他で証人として呼ぶことを前もつて了解しているからそのことを言うのじやない。ただ証人そのものが、自分が証人として呼ばれて、いることを知らずに事情聽取のために來て、初めて証人になつたというそのことだけはつきりしておけばいい。
○鍛冶委員長 必要があれば証人として聞くということが書いてあつたはずです。こつちにあるのを読んでみましよう。必要があれば当日正規の手続を経て証人として証言を求めることになるかもしれませんから、あらかじめ御了承ください。――それではずいぶん長くかかりましたが、済みました。それから今委員から言つたものは、あとでこちらから正規に出してもらいます。
 ちよつと速記をやめてください。
    〔速記中止〕
○鍛冶委員長 皆さんにお諮りいたします。これから十五分間休憩して一人の証人を調べるという意見と、明日に延ばすという意見とありますが、いずれにしていいか、採択いたしましようか。
○大橋委員 十五分間休憩して再開されんことを望みます。
○神山委員 私は絶対反対します。それは第一にきようもうぼくたちは八時間以上やつておる。しかも諸君が見るように残つておるのは民自党と連立派の諸君で野党派は全然いない。こういうことで公正な審議ができないと思う。從つて明日か、この次十一日にあるんだから、その日に延ばしてやるのが適当だと思う。
○小玉委員 採決願います。
○鍛冶委員長 それでは採決いたします。休憩の後再開して調査を進めることに賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
○鍛冶委員長 起立多数、九時まで休憩して、九時から開きます。
    午後八時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後九時二十五分開議
○鍛冶委員長 それでは休憩前に引続き、会議を開きます。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 それでは承ります。井上唯雄さんですね。あなたは國鉄労働組合の役員のようですが、どういう役をやつておいでになりますか。
○井上証人 その前に私の質問に答えてください。私は今日十二時から九時まで、今最後に御飯をいただきましたけれども、こういう状態では、これから非常に重要な問題についてお答えするについて、私はあるいは十分意を盡せないことがあると思う。そういうことでは困ることが一つ。それから第二には今國鉄労働組合は非常な危機にあるわけです。組合員の諸君で首を切られて、気が狂つたような人が出て來たというような状態で、明日また出て來なければならないというような状態では困る。從つて私はあらためてひとつやつていただきたい。そういうことであなた方の質問にお答えしないことが、この法律二百二十五号によつて罰せられるということになるのかどうか。その点をひとつ委員会ではつきりしてもらいたいと思います。
○鍛冶委員長 遅くなつたことはまことにお気の毒なのですが、成規の手続をもつてこの委員会を開いて、あなたに出てもらいました以上は、あなたが特に病氣でからだが惡いとか何とかで、答えられないというのであればやむを得ませんが、しからざる場合においては、どうぞひとつあしからず……。
○井上証人 病気ではありません。腹が減つて……。
    〔「腹が減つて言えないならそれでいいじやないか」と呼び、その他発言する者あり〕
○鍛冶委員長 かえつて時間がかかるだけですよ。
○井上証人 私は意を盡せないと思いますから、委員長さんお願いしますよ。
○鍛冶委員長 それはわかつておりますが、こつちも継続して委員会を開いているのですから、あなたの御都合もありましようが、この委員会の都合もありますからね。
    〔「尋問」と呼び、その他発言する者あり〕
○鍛冶委員長 お静かに願います。國鉄……。
○井上証人 私の質問に答えてくれないのかどうか。
○鍛冶委員長 先ほど答えたじやありませんか。
○井上証人 こういう状態でこの法律の違反になるのかどうか。
○鍛冶委員長 私はあなたがお氣の毒だと思つて非公式に聞いておるわけですが、われわれはあなたを証人としてお呼びしているので、あなたの言われることに答えなければならぬ義務はありません。こちらは証人として尋問するだけです。そういう事情ですから、かえつて時間がかかるだけですから、できるだけ簡單にお聞きします。
○井上証人 私の言うことに答えてください。
    〔「証言を拒否するのか」と呼び、その他発言する者多し〕
○鍛冶委員長 お静かに、願います。――お静かに願います。証言拒否になるのかならぬかは、私が質問しましてあなたが答えられるか答えられぬかできまるのです。
○井上証人 証言拒否ということになつて罰せられるのならば――私はどんなことでも、あなた方に十分意が盡せなくてもそれでよろしいということになれば続けてください。しかしそういうことでなかつたならば、私は日を改めて……。
○鍛冶委員長 だからあなたの言われるのはごもつともですが、成規の手続を経て委員会を開いているのですから、今まで十時過ぎまでやつた例は幾らでもあるのですから、まことにお氣の毒ですが、こつちで問うたことは答えてもらいたい。そのかわりなるべく簡單にやりたいと思つております。延せばまたあした來ることになりますよ。
○井上証人 あした來ますよ。
○石田(一)委員 私はちよつと議事進行に関して委員長の許可を得て発言するのでありますが、今日晝間この証人が今一人の証人とともに、この委員会で宣誓なすつたことだけはこれは事実なんです。しかもこれは署名捺印をなさつております。しかもその効力は今晩の零時まで継続しておるわけなんです。まことにこの委員会としては審議等の関係上長引きまして、証人の方には申訳ないことと思います。また精神的にも落ちつかないということもわかりますが、ぜひこの際証人の方にも委員長からとくとその趣を御了承願つて、それと同時にこの委員会における各委員の証人に対する言語動作は、衆議院の委員会の委員が、わざわざ喚問した証人に対する態度であるとは絶対に受取れません。こういうことではますます証人の感情を刺激するおそれもありますので、委員長からこの点は特に戒められて、証人に対しても委員長から御了承を得られ、証人もこの点を御了承くださいまして、御同意せられんことをぜひお願いいたします。
○神山委員 石田君の意見ごもつともなんですが、しかし先例として十二時まで効力のあるという宣誓をしたあとで、二人帰している事実もあるのです。ついこの間石川まで帰しておる。井上君は東京に住んでおるので、いざとなれば明日にも來るというのですから、本人の健康状態なんか考えた場合、当然私は今まで言われたように、ここでもう一ぺん熟考して、今日はこの前にやつたように次回に延期することにして、あといつ呼ぶかということにしたらいいと思う。これがほんとうに正しいと思う。
○鍛冶委員長 さつき採決したのですから、証人にもう一ぺん申しますが、今石田君が言われた通りで、なるべく簡単にやりますから、どうぞひとつやつてください。
○井上証人 簡單に片づけられたら……。
○鍛冶委員長 もうこんなことを言つているうちに三十分以上になつているのです。初めから話しておればもう済んでおつたかもしれないのですから。
○井上証人 前の証人は九時間もかかつたのですから……。
○鍛冶委員長 今度はそんなにはかかりません。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 どうぞお静かに願います。
 では証人にお伺いします。証人は國鉄労働組合の役員のようですが、國鉄労働組合においてはどういう役員をやつておいでになりますか。
○井上証人 その前に私、非常に申訳ありませんが、とにかくこの二時間くらいではとても意を盡せないと思つて延ばしていただきたい、かように考えましたけれども、それじやこれからそういう状況を十分御勘案の上で御質問願います。
○鍛冶委員長 よくわかつております。
○井上証人 國鉄労働組合の中央闘爭委員、企画統制部長をしております。
○鍛冶委員長 十五回國鉄労働組合中央委員会が熱海の公会堂で昭和二十四年六月二十三日から二十六日まで開催されたそうですが、それにあなたは御出席になりましたか。
○井上証人 出ました。
○鍛冶委員長 その中央委員会でどういう役をお勤めになりましたか。
○井上証人 中央委員会では別に役はありません。
○鍛冶委員長 この中央委員会で何派が何名、付添が何名とかいうことはあつたのじやないかと思いますが、その点どういう実情であつたか……。
○井上証人 それは私はつきり知りません。いわゆる三派とかなんとか言われますけれども、これはいろいろ言われるので、それははつきりとどれが何人とか、そういうことについては事実私自身はつきりした数字をその当時も知つておりませんし、今でもわかりません。
○鍛冶委員長 よろしゆうございます。あなたはこの委員会で議案の提案者となり、また議案の草案もつくられ、またその提案者ともなられたそうでありますが、大体きまつた項目だけでよろしゆうございますから、どういうこととどういうことがきまつたか聞かしていただきたい。
○井上証人 私は議題の公共企業体の定員に伴う措置についてということと、それから今後の闘爭方針の二つの議題の提案説明をいたしました。これらについて提案された内容が一部変更されて決定した。
○鍛冶委員長 闘爭方針は六項目あつたようですが、その通りですか。
○井上証人 闘爭方針はたしか四項目です。六項目と言われるのは、第三項の具体的闘爭方法の六項のことでしよう。
○鍛冶委員長 その具体的闘爭方法もあなたが提案説明をされたのでしよう。
○井上証人 そうです。
○鍛冶委員長 その具体的闘爭方法の六項目はどういうこととどういうことでありますか。
○井上証人 六項目は一、宣傳戰を強化する、二、遵法闘爭を活発に行う、三、不正摘発闘爭を行う、四、関連産業との共闘を強化する、五、團体交渉を行う、六、最惡の場合はストをも含む実力行使を行う、こういうことです。
○鍛冶委員長 それからそのあとで最惡の場合について確認……。
○井上証人 最惡の場合とは、本部において團体交渉が決裂したときであるということが一つ、それから本部において集約するということだと思つておるのですが、どうも記憶が……。
○鍛冶委員長 そこでこれらの闘爭方針に対してずいぶん活発な議論があつたようでありますが、主としてどの点で一番議論がありましたか。最惡の場合はストをも含む実力行使を行う、この点ですか。
○井上証人 そうです。
○鍛冶委員長 大体どういうような人が賛成をし、どういうような人が反対をいたしましたか。
○井上証人 実は名前も今はつきり記憶しておりません。これは二日目に提案しまして、三日目が夜通しになりまして翌朝まで続いたのでありますから、その間ずいぶんたくさんの人が論議を闘わされたので、私たれとたれという記憶ははつきりしておりません。
○鍛冶委員長 大体のことでも覚えておりませんか。
○井上証人 よく覚えておりません。
○鍛冶委員長 ストをも含む実力行使ということが一番議論になつたということですが、議論の焦点は主としてどこにあつたのですか。
○井上証人 これはとにかく中央委員会では、この問題について最初に私が中央闘爭委員会で満場一致決定したということの提案理由をしましたら、一部異議がございまして、そんなことで相当もんだと思います。そのあとさらに実力行使の採決の方法について過半数によるか、三分の二によるかということ、それから実力行使の内容がどうであるか、それから今言つた確認がどういうことになるのかということで論議されたと思います。
○鍛冶委員長 そうすると今あなたのおつしやつた実力行使の内容は起案者たるあなたはどう考えておられたか、議論はどういうところにおもにありましたか。
○井上証人 私の起案は実は否決されまして、ほかに出た案が可決されたのですが、私の提案は「列車をとめることと動かすことは國民の意思によるよう準備すること、この場合いかなる官権の彈圧や命令があつてもやめない、一分会、一支部も孤立させないよう闘う。」こういう意味でありまして、むしろ私としましてはこの第六項の実力行使ということは、中央委員会が開かれる前においても、たとえば今までそういうことについては非常に消極的であつた支部はやはり実力行使をもひとつ決意しなくちやならないというようなことが大会決議等で出ておりまして、そういうことを含めて実力行使をも最惡の場合に至つてはやむを得ないのではないか。それでその場合には十分國民の納得の行くような方法でやらなければならぬ、こういうつもりで注釈は入れております。おそらくこのあときまつたのも、そういうようなことをも含んでおられるのだつたら私の考へと違う。まあ團体交渉が決裂したときというようなことがあつた点が……。
○鍛冶委員長 あなたの提案と違つたところだ。あなたの前の提案は、最惡の場合の判定はそれぞれの機関の判定によるとかいうことだつたのですね。
○井上証人 そういうことは別に言つてはおりません。言つてはおりませんけれども、私もそう思います。いろいろ行動する場合にはそれぞれの機関が正式に決定してやるのです。
○鍛冶委員長 それがこういうふうにかわつて來たのですね。
○井上証人 そうです。
○鍛冶委員長 そこでストを含む実力行使ということですが、具体的に言うとどういうことをやることになるのですか。
○井上証人 それは実際には、わかりません。どういうことができるか、そのときになつてみなければわかりません。
○鍛冶委員長 スト以外の実力行使というと大体どんなようなものですか。大体その内容ですね。
○井上証人 とにかく労働組合のあらゆる行為ですね。それがわれわれの要求を通すために役立つようなことは全部実力行使でしよう。
○鍛冶委員長 そのストを含む実力行使ということは、適法でないという議論も相当あつたようでありますが、適法でないという論拠、それから適法なりという議論があつたとすれば、その論拠を聞かせていただきたいと思います。
○井上証人 いや、そういう発言は一、二あつたのですけれども、適法であるかないかという議論はやるべきものでないということで、そういう議論についてはあまりなかつたと思います。適法とか違法とかそういうことは、これは実際そのときの段階になつてみなければわからないことで、われわれが合法だと思つても非合法だと思われる場合もあるし、あるいはそうでない場合もあるし、簡単に言えばあなた方公共企業体労働関係法をおつくりになつたけれども、われわれこれは惡法だと考えて撤廃をしてもらいたいと思つております。從つてこういう法律が撤廃されれば、当然團体はあらゆる行為ができることになります。しかしそのときになつてみなければわからないことだから合法をやるんだ、非合法をやるんだというようなことを論議するのはあまり適当でない、こういうふに私も考えておつたし、そのときもそのような論議については長くはやられなかつたと思います。
○鍛冶委員長 今あなたのおつしやつた公共企業体労働関係法の第十七條には明らかに「同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。又職員は、このような禁止された行為を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。」こうなつておりますが、これは御承知ですね。これにまつこうから抵触すると思うのですが、しかしそれでも適法であるという論拠がありますか。
○井上証人 私はこれにまつこうから抵触するようなことが起らないように望んでおるのです。そういうことはないだろうと思います。
○鍛冶委員長 どういうことで……。
○井上証人 これはあなた方こういう立場に組合を追い込むようなことのないように希望しておるのであつて、これに違反するようなことは起らないのじやないかと思います。政府がもし理解をもつて組合に接してくれるならば、そのような違法なんということはおそらく起るまいと思います。
○鍛冶委員長 けれども最惡の場合が來たら実力行使をやるんでしよう。やればこれにはまりはしませんか。
○井上証人 それはもしこの法律がかわらないで、そうしてそういうことになればするかもしれませんね。
○鍛冶委員長 法律がかわれば問題はありませんが、現在この法律は生きておるのですから……。
○井上証人 かわることを望みます。そのために早く臨時國会を開いてくれということを私たちも言つておるのです。
○鍛冶委員長 あなたの希望はそうですけれども、私の聞きますのは、この法律がかわれば問題ないが、かわらぬ先に、この法律が生きておるにもかかわらず最惡の場合が來たら実力行使に出るでしよう。出ればこの法律に抵触すると思うが、それを抵触せないという何か論拠がありますかというのです。
○井上証人 そういう仮定はあまりしないでください。そして今度でも團体交渉をどうも当局の方では一方的に打切る打切ると言つておりますけれども、そういう打切りは私たちは認めず、こういう最惡の事態を防止するために今でも誠意を議してやつておりますが、どうかひとつあまりそういう最惡の事態が来るからというようないわゆるストライキをあおつたり、そそのかしたりすることを政府からしないでください。そういうことの起らないようにしてください。
○鍛冶委員長 あなた以上に、それはわれわれも希望していますが、しかし今ここで聞くのは希望でも何でもない、現実なんです。現実に最惡の場合が來れば、これで決議したのだからやるのでしよう。
○井上証人 しかしそれもわかりませんよ。やると云つたつて、それは実際組合でやれるような段階にならなければなかなかやれません。労働組合というものはそんな簡単に決議したものは何でもやるというのならば私の意見も通つております。決議したつてなかなかその通りに行きません。だから私たちはこういう最惡の事態が起らないようにあなた方もぜひともひとつ……。
○鍛冶委員長 それからもう一つ伺いたいのは、こういう決議をすれば組合員は全部これに服すべき義務はあるでしようね。
○井上証人 それはそうでしよう、決議に服してやるようにすべきでしよう。しかしそれは義務なんですけれども、法律もそうなんですよ。あなた方きめるけれども、きめたつて、たとえば食糧管理法だつて何だつて人間生きる問題になつたらなかなかその通りうまく行かぬ。それと同じように労働組合の決議は、私たち決議してもなかなかそうは行きませんよ。
○鍛冶委員長 しかし組合員全体はその決議に從わなければならぬということは、これは問題ありませんね。
○井上証人 それはもちろんです。これは國民の義務で、法律に從わなければならぬ義務があつても、労働基準法だつてあなた方きめられてもなかなかその通りやれないと同じように、ほかの問題みんなそうですよ。だからそういうことは法律できめるときに、もう少し社会の実態に即した、社会的に基盤のある法律をつくらなければ、法は形の上でできてもなかなか実施されな
    〔「この決議は社会的基盤の上に立つておるかね。」と呼ぶ者あり〕
○井上証人 それはあなた方よく考えてください。
○鍛冶委員長 いや、それはよろしい。――それでは先ほど言われた起らぬようにというあなたの御希望はわかりますが、われわれは希望を言うておるのではなくて、この決議をした状態を、われわれは今聞いおるのですが、そうすると起つて來れば実力行使をやれということなんでしような。
○井上証人 起つて來れば……。
○鍛冶委員長 この決議は最惡の場合が起つて來ればそうでしよう。
○井上証人 起つて來ればやれということはどうでしようね。
○鍛冶委員長 最惡の場合は本部において團体交渉の決裂したときだ、こういうのですか。團体交渉の決裂したときが來れば実力行使をやれ、こういうことでしような。
○井上証人 どうかわかりません。それはあなた方團体交渉が決裂したらすぐやれ、こういうことをいくら言つたつてできない場合はできないのですよ。從つてこれはそういうことをやれとか何とかいうことを、おそらくそのときに決議した人たちもそれまで考えていなかつただろうと思います。
○鍛冶委員長 実際においてやるときはさらにまた……。
○井上証人 私はあらためて繰返すようですけれども、こういうこともぜひ起らないようにひとつやつていただきたいのです。
○橋本(登)委員 証人にお聞きします。この前の熱海の大会で二日目だと思いますが、この席上で議長かどなたか知りませんが、加藤委員長のメツセージをお読みになつたことをお聞きになつておりますか。
○井上証人 聞いております。
○橋本(登)委員 その内容は、十六日の外國新聞に今回の國鉄ストについて大きく書かれ、ヘプラー氏よりも強い注意を受け、日本の立場が非常に不利になつた。今後すべての紛争は調停仲裁で解決せよ。こういうような内容と聞いておるのですが、内容については大体そのようなものですか。
○井上証人 大体そのようなことだと思います。
○橋本(登)委員 このステートメントはいつごろ――当日到着したものですか。それともその何日前かに到着したものですか。
○井上証人 よく知りませんけれども、中央闘爭委員会にも私にも全然來たことを知りませでしたから発表された当日だろうと思います。
○橋本(登)委員 それではこのステートメントは、先ほど証人が認められて國鉄労組の闘爭方針、この全体の感じとこのステートメントの内容は同一のものと考えられますが、それともそこに何らかの違いがあると考えられますか。
○井上証人 それはむずかしいですね。とにかくわれわれだつて調停や仲裁、そういう機関でなるべくうまく解決したい。こう思つておるわけです。そういう点においてはおそらく一致しておるだろうし、それ以上については加藤さんがどのように考えられたか私知りません。
○橋本(登)委員 それではそのステートメントの内容のうち、日本の立場が非常に不利になつたという言葉は、証人は日本の立場ということは國欽を含めた日本の経済的、あるいは政治的な立場の不利、國鉄も含めたものと解釈しておられますか。
○井上証人 それはわかりません。加藤さんはどう思つたかわかりませんよ。
○橋本(登)委員 あなたの感じは……。
○井上証人 私はどういうわけで加藤さんが日本の立場が不利になつた、不利になつたとおつしやつているかわかりませんけれども、私は日本の労働者はこういうことは加藤さんが言つて來られたようなことで日本の労働者の立場が不利になるというようなことについては、むしろ当然有利にならなくちやならない。
○橋本(登)委員 日本の不利という言葉の文字の上から解釈すれば、その意味では意見が違うというわけですね。おそらく私はこの委員長のステートメントの意味は、こういうぐあいに日本の立場が不利になるということは國鉄も含めておると思うのです。それでこの委員長のステートメントが結局大会の討議に対して、やはり一應論議の中に入つておる。これは先ほどちよつと質問があつたのですが、その中に加藤委員長の意見も聞かなければならぬというようなことを澤田という委員が言つておられるようです。それで大体そのときには問題になつたようですが……。
○井上証人 加藤委員長の意見を聞かなければいかぬと言つたつて……。
○橋本(登)委員 加藤委員長の意見が具体的であるので、かれの言を聞かなければならないということを、澤田委員が当日の会場で述べた。その意味から言つて、実力行使というものが、少くともいわゆる加藤委員長のステートメントとは違つたものであるというふうに、われわれ解釈するのですが、そういうふうに解釈されませんか。
○井上証人 それはどうかわかりませんね。加藤さんの言われたのは、その中央委員会の決議云々ではなしに、何か國電のあれが山ねこに傳えられた。こういうことで不利になつたと言つておりますが、山ねこ、山ねこだと何でも山ねこにしてしまいますけれども、非常に迷惑な話です。これは山ねこでも何でもありません。誤解があると思うのです。
○橋本(登)委員 しかしこれは第二日目の委員会のときに言われたことでありまして、最後の実力行使の問題の討議は、第三日目にやられております。從つてこのステートメントは、当日出席した中央委員の方は全部耳に入つておるわけであります。その建前があるからといつて、その委員は発言に入つたのだろうと思います。私が証人に聞きたいことは、從つて國鉄の復興とか、あるいは日本経済の再建のためにこういう大会が開かれて、こういう決議が必要なんだという建前から言えば、この実力行使ということは、いわゆる加藤委員長の線に沿うところの意味であるか、それとも最惡の場合は、ストを含む実力行使ということは、文字通りにストライキを含んだ意味での実力行使の意思をここで決定した。これは先ほども委員長の尋問に対しては、そのときでなければわからないと言われておるようですが、やはりこれはいやしくも意思として決定した以上は、こういう実力行使の内容については、すでにお考えがあつてのことだろうと思う。しかも具体的にストを含むということが書いてあるのですから、その意味合いでの証人の気持をお聞かせ願いたい。
○井上証人 私はあなたのおつしやるように日本の復興、國鉄をよくしたい、こういうことについてはあなたと同じくらい、あるいはそれ以上に熱烈に考えております。しかしながらどうも今度やられるような首切りをぜんどんやつて、それで昨日あたりも私のところへ岐早の復興事務の人が家族六人もあつて気が狂つているらしいのですが、出で來てどういうことを言つておられるかというと、とにかく私は二十何年も鉄道に勤めて何にも悪いことをした覚えがない。総理大臣にもこれこの通り手紙を出してお頼みしてあるのに、私ゆうべ突然名古屋の局長から首を切られた、どうしても私には納得できないから、大臣に会わせてくれ、私は政府が頭に電氣をかけるために大脳と小脳が反應してどうも正常に考えられない。仕事もできない。仕事をしようと思つても仕事を與えてくれない。これは納得行かないからという、それで私は非常に氣が狂つているようですから……涙ぐみました。こんなことは方々でたくさん出ているのです……。
○橋本(登)委員 こちらの言うことを聞いてください。時間がないから……。実力行使のことについて聞いているのです。問題はストを含むとい内容を持つた実力行使、これについてもう少し言うことができませんか。
○井上証人 どうもあんまりストストと言わないでくださいよ。私たちストをやりたがつているのではないのですから……。
○橋本(登)委員 あなた方がきめた内容を聞いているのですよ。
○井上証人 きめた内容はその通りです。
○橋本(登)委員 ストライキを含むというのですから、たとえばいろいろのサボタージユとかいうものがありますね。そういうものを内容にするのですか。
○井上証人 私の提案とは違うので、どうもはつきりわかりません。
○橋本(登)委員 ストを含む実力行使というのは提案の中にありましたね。
○井上証人 私の言つたのは前言つたように、とにかく國民の意思によるよう準備しなければならない。列車をとめるにも、汽車を動かすにもこれは國民の意思に沿わないようなことをやつては困るのだ。そういうことを言つております。
○橋本(登)委員 証人の意思はこう解釈してよろ上ゆうございますか。國民が納得すれば汽車をとめる。そういうわけですね。
○井上証人 國民に命じられれば……。
○橋本(登)委員 あなた、國民が納得すれば……。
○井上証人 協力して納得して――これは何とかかえてもらわなければいかぬというのです。
○橋本(登)委員 そのようでは、法律はあつても汽車はとめるというのですね。
○井上証人 とまるということになろうと思います。
○橋本(登)委員 わかりました。
  以上で質問を終ります。
○吉武委員 私は証人に二、三の点を聞きたいと思います。先般の熱海の大会で闘爭方針が決定されたのでありますが、その決定方針は何に基いて中央委員会が御決定になつたのですか。と申しますのは、時間がありませんから簡單に私の方から申し上げますが、琴平の大会で闘爭方針が御決定になつた。その御決定になつた闘爭方針に基いて、中央委員会でさらに具体的な闘爭方針をきめたということを先ほど鈴木君は言われましたが、その通りですか。
○井上証人 その通りです。
○吉武委員 そうすると、その闘爭方針の第一條にありますように、琴平の大会の決議に基き、一九四九年の運動方針及び闘爭方針に、現在までの具体的闘爭の経驗を生かして推進するとありますが、この現在までの具体的闘爭の経驗とは何でありますか。
○井上証人 私が書いたときには、それまでやつて來たいろいろな交渉の経驗だとか、それからまた國会でいろいろ皆様にお願いしてやつて來たその経驗とか、それからまた各支部で、熱海の中央委員会に至る間のいろいろな努力をして來た闘爭の経驗があると思います。そういうものを全部、いいものはいい、惡いものは惡いで、今後いいものをとつて闘爭して行くというふうに考えたのであります。
○吉武委員 大体熱海の大会の決議の内容を見ますと、現在までの闘爭の経驗について論議がかわされておる。その経驗についてある委員はこういうことを言つている。先般の國鉄のストは成功か失敗か、そのいずれの経驗が経驗を生かしてきめるのだと言われておるので、その提案の第一にありまする、現在までの具体的な経驗を生かすというその経驗は、この間やつた國鉄のストは成功か失敗かという点に関して、あなたはそれは成功だつたものと考えるこういうふうに御答弁になつていますが事実でありますか。
○井上証人 事実です。
○吉武委員 そうすると、この間の國鉄のストは、東神奈川に行われました人民電車、それから千葉におけるスト、あるいは立川等に行われましたストライキ、あれらはすべて成功であつたとお考えになりますか。
○井上証人 それが全部失敗だと言われる人に対しては、これは非常に私としてもまずかつたとも考えられます。そういう点もありますけれども、全体として、たとえばあなたはストのことを盛んに言つているけれども、それからやめたのも、何か命令されてやめたのだということを言つていますけれども、やはり組合の諸君が、國民に迷惑をかけては惡いということで、あの命令の出る前にやめることを自主的にきめておる。それから人民電車のことを盛んに言われておりますけれども、これはみな一旦とめたけれども、旅客、公衆に迷惑をかけてはならぬと思い直して動かそうとして、たまたま一台あつたから動かした。それが人民電車と言われておりますけれども、こういうような観点から、やはり労働者自身がほんとうに大衆の求めるところに從つて行動しようということを自主的にきめて來ている。自主的に事を決定して、しかもその結果御承知のように、今後われわれとしてはほんとうにこういう経驗に学んでよりよい闘爭をしなければならぬというような経驗を國鉄労働組合全体に與えた。こういう点について非常に私は成功だ、もちろん六十六名の馘首はまだ取消されておりませんけれども、こういうのは闘爭によつて取消すということも考えられます。
○吉武委員 わかりました。そうすると、この間の國鉄ストは法律で禁止しておるにもかかわらず、ストを決行したのであるけれども、それはあなたの御意思では成功だ、是認をするという御見解ですね。
○井上証人 非常に遺憾なことだと思いますけれども、やむを得ない。
○吉武委員 わかりました。そこでその経驗を生かしてあなたが提案されたところの今回の熱海の決定の第六項目、すなわち最惡の場合は実力行使に入る。こういう提案をあなたはされている。あなたの御意思とは違つて、最後の決定の案は、それにさらに二つの項目をつけ加えられておる。それは、最惡の事態は團体交渉の決裂したときをいう。集約は中闘の責任において行う。この二つがつけ加わつたことがあなたの提案と違つているところであり、第一項目については同じです。そうしますと、この第六項目の、最惡の場合はストを含む実力行使を行う。これは明らかに現在の公共企業体法第十七條に禁止された事項を無視して行うということを御決定になつていると思いますが、さよう了承してよろしゆうございますか。
○井上証人 そうではありません。私は法律になんか違反してやることのないように、先にも言つている通り希望しております。
○吉武委員 希望しているいないにかかわらず、先ほど言つたように、琴平大会における闘爭方針と、現在までの闘爭の経驗を生かして提案され、そうして十七條で禁止されているにもかかわらず先般國電ストを行つて、あなたはそれを成功である、やむを得ぬ、こういうことをお認めになつている。そのお認めになつた経驗に基いて、ここに再びストを含む実力行使を行うということを御決定になつていることは、十七條に違反してもやむを得ぬときには行うという御決意ですね。
○井上証人 あまり邪推しないでください。私は法律に違反するようにということではないのだ。そういうことをやつてはやはり労働者も悪いと考えて、國民の利益を考えて、また列車を動かすようになつた。しかも國鉄の琴平大会の決定は――公共企業体労働関係法は、あなたは労働の專門家だから御存じのように、私たちとして納得のできないところがたくさんあると思います。憲法から見ても、極東委員会の決定した十六條から見ても、これは適法でないという考えにわれわれは考えているし、あなた方も認めるだろうと思いますので、こういうものは撤廃してもらいたいのです。
○吉武委員 それはあなたの御希望であるが、それは別として、ここで御決定になつたこの事項はどうかというのです。
○井上証人 適法な、法律で禁止せられたことはやらないで行きたいと思います。
○吉武委員 それではストを含む実力行使、ストとは何です。ストとはストライキでしよう。禁止されたストライキを行うということは、明かに法律に違反したことをやるということをきめているだけありませんか。
○井上証人 そんなことを禁止した公共企業体法は撤廃してくださいというのです。
○吉武委員 撤廃しない間はできぬのです。
○井上証人 撤廃しない前にだれがやると言つているのですか。われわれとしてはそのために七月中にも國会を開いてくれ、もつとそれより前に開いてくれと盛んにお願いしているのです。國会を開いてやめてもらいたいのです。
○吉武委員 そうすると、あなたの意見は、法律が改正されない限りは法律が存在するのですから、それには抵触してもやむを得ずやらなければならない。そういう事態が起るということはお認めになりますね。今整理が行われておる。その整理に対するこれは闘爭方針でしよう。何も抽象的の問題をおきめになつているのではない。今度の整理に対する闘爭方針をおきめになつている。その整理が今行われつつある。これに対する闘爭方針でありますから、法律の改正がない限りは、嚴として存在する法律に抵触することは明らかである。
○井上証人 抵触させないようにしてくださいよ。
○吉武委員 させるさせないは別として、ここにある意味は、法律が存在する限りは抵触しますよ。それでは次にお聞きしますがあなたはこの事項が決定されまして、中闘あるいは中央執行委員部の方でこれを各支部に御通知になりましたか。
○井上証人 決定事項は國鉄新聞には載つております。
○吉武委員 新聞以外には通知されませんか。
○井上証人 してありません。
○吉武委員 それはおかしいですね。中央執行委員部において決定された意思決定が、各支部の末端に通知がされないというのはおかしいではありませんか。
○井上証人 それはちよつと誤解でありまして、中央委員会は各組合の代表者が出て來て、それらの決定事項はその代表者がそれぞれの支部へ報告する義務があります。もう一つは、組合の機関紙というものがありまして、それでみなに十分わかるようになつております。
○吉武委員 わかりました。そうすると、機関紙によつて通知することと、もう一つは、各支部から代表者が出ておられるから、当然各支部の代表者がそれぞれの末端機関に帰つてこれを通知する。それで一應これは全部末端まで行届いておると見てけつこうですね。
○井上証人 そうです。
○吉武委員 わかりました。そこで、先ほどのあなたのお言葉を聞くと、実力行使はそれぞれの機関の判定によるということを言われました。それがあなたの御意思であつたが変つて、最後にきまつたのは、最惡の事態とは團体交渉の決裂したときというふうに変つた。それが変つたにしても、あなたの御意思は、それぞれの機関の判定によつてこれを行うということを言つておられますが、その通りですね。
○井上証人 そうです。
○吉武委員 そうしますと、あなた方が中闘において、いわゆる闘爭方針としてストを含む実力行使を御決定になつた。しかもそれを中央委員会においてとにかく決定された。それはいわゆる國鉄の最高の意思決定と見ざるを得ない。その意思決定がそれぞれの機関紙もしくは支部長を通じて末端まで届いている。そこでその修正になつた最惡の事態とは團体交渉の決裂したときという意味に解釈しても、またあなたの提案の説明にありましたそれぞれの機関の判定によるといたしましても、もしあなた方が中央でその意思を決定されて、それがあらゆる方法で通知され、そうしたときに、各職場もしくは各地域において、あるいは團体交渉あるいは話合なり行われて、もしそれがうまく行かなかつたときには、ストに入ることもやむを得ないということは、あなたはお考えになりませんか。
○井上証人 そう考えない。
○吉武委員 考えないことはないでしよう。それぞれの機関によつてきまると言えば、中央から仮にストに入れという指令を出さないにしても、その判定は、あなたの御提案の説明によれば、それぞれの機関の判定による――機関というのはそれぞれの職場の機関です。支部なり分会なりそれぞれの職場の機関が判定したときによる、ストを含んだ実力行使をするかしないかは、それぞれの機関によつて決定するということであれば、仮に中央で折衝されないでも、それぞれの末端の機関の折衝の結果、もし決裂すれば、ただちにストに入る意味の決定であると考えなければならないじやないですか。
○井上証人 それはちよつと労働運動についての認識が足りない、そういうふうには行かぬのです。つまり一つの分会のどこかの小さな駅とか、あるいは私らの方の本省なら本省だけで、交渉の結果最惡の事態に來ても、労働者というものはやはりりこうで、そんな簡單なことではなかなかやらないのです。こういうことをやるには……。
○吉武委員 もういいです。あなたは労働に御経驗がないと言われますが、私は労働運動はやりませんけれども経驗を持つている。すなわち中央においてこういう意思決定をなされて、これをそれぞれの機関によつて御通知になれば、なかなかストはやりませんぞと言われるが、それはそうです。一般の公共の福祉に関係する者がそう簡單にできるものではありませんけれども、あなた方がやらないと言われても、現実の事実としてはたくさん行われている。それはこの間の國電ストにおいても、中央執行委員会からは指令は出ないにしても、現に東神奈川において、千葉において、あるいは立川においてそれぞれストライキが起つている。これがすなわち山猫躯爭議というものです。これはあなた方はずるい、中央で意思決定をやるものであるならば、自分たちが指令を出すまではやつてはいかぬということをつけ加えて指合されなければならない。にもかかわらずそれをしないで、ただ決定したということを御通知になつて、しかもこの闘爭方針の初めにあるように、現在の実際の闘爭の経驗を活かすとまでつけ加えてある。その生々しい経驗は何であるか、それは東神奈川における人民電車なりその他のストライキでしよう。あなた方は、自分たちは指令しないと言われても、現に実際に支部でやつている。そうすれば、六十万の組合員を持つておられるその組合の末端では、あるいは職場において、あるいは地域において、各種の話合の決裂の結果、ただちにストライキに入らぬということがどうして保証できますか。
○井上証人 どうも吉武さんは自分でストライキをやるようにばかり解釈しておられるけれども、そういうものじやないですよ。あの人民電車をやつたと同じようなことをまたやると言われるが、そこなんだ、その経驗を活かして、労働者自身これはまずいと考えたら、ちやんと復帰しているのですよ。そういうことを考えたら、今度やるときにはそんなことは考えていませんよ。
○吉武委員 ストをやるかやらないかは別として、この間の人民電車その他のストライキが、先ほど私が言つたように成功か不成功か、よかつたか惡かつたかという論爭が行われた際に、みな成功だつた、よかつたんだということを是認された。そういう方々の提案にかかるストを含む実力行使ということは、その内容は明らかに先般行われたような事例を含む実力行使を断定しなければならぬじやないでしようか。
○井上証人 そういうふうにあなたが断定なさるのは、あなた自身が勝手になさるので、はなはだ迷惑ですよ。法律があるのに、それをやるのがいいのだと言つておるのじやないですよ。成功だつたというのは、そういう経驗によつていろいろなことを学び、これからの闘爭に非常に貴重な経驗を與えた、こういう面において私は成功だと言つたのです。あなたのように違反することを全部成功と、そういうことばかりに持つて行こうとされるのは、非常に迷惑ですよ。
○吉武委員 それじや次にお聞きしますが、あなたはそう言われるが、もし熱海の決定が末端に通知されて、その結果ストライキが職場もしくは地域において起つたとしたならば、そのよつて來る原因は、中闘委員会あるいは中央委員会で御決定になつたその趣旨に基いて行われたものと断じてよろしゆうございますか。もしこれがあなたの御趣旨でなかつたならば、これが現に中央委員会で議論になり、議論にならない問題ならば格別ですが、議論になつてストをも含むという闘爭方針は非合法であるからやめたらどうかということが盛んに議論された。それにもかかわらず、あなたはなお強硬にストを含む実力行使を決定されて、賛成されているでしよう。議論になり決定されて、しかもその議論になつた点を末端に誤解のないように、これはそういう法律を犯してはならないのだということを附け加えずして出すということは、明らかにその解釈の中には先般の國鉄ストの経驗を生かした意味の実力行使が含まれているということを考えざるを得ないのじやないですか。
○井上証人 あなたは少し独善的になりすぎて、知りもしないで、これが提案されてそういう意見があつたのは、私が強硬に主張してきまつたとか言われておりますが、そういうことは違つております。さつきも言つた通り合法、非合法という点はそう討議されなかつた。私は少くともそれに参加してやつたわけではない。強硬に非合法でもよいからやれと私が言つてきまつたというようにお考えになつているのは間違いですから、もう少し……。
○吉武委員 それではお聞きしますが、非合法だからやめようじやないかという議論のあつたことは御存じですね。
○井上証人 あつたと思いますが、あなたの言うように非合法だからやめろということはなかつたと思います。
○吉武委員 そこであなたは提案者だからもちろんこの提案には御賛成になうたでしよう。ストを含む実力行使を行うという闘爭方針には御賛成になつたんでしよう。
○井上証人 私は前に出した原案に賛成しただけです。
○吉武委員 修正なされてもその修正案にも御賛成だつたのでしよう。反対されましたか。
○井上証人 私ら中闘委員は一旦提案して自分の案が否決になつたら、あと中央委員会できめますし、これに対して採決権はありませんから、もちろんこれに賛否の意思を表示することもできないのです。規約の上で……。
○吉武委員 そうするとあなたは投票はできなかつたが、提案だけした……。
○井上証人 提案しただけです。投票権はありません。
○吉武委員 次にお聞きしますが、公共企業体法にはこういうことが書いてあります。今委員長がお読みになりましたが、「職員及びその組合は、同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。」そのあとに「又職員は、このような禁止された行為を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。」こう書いてある。そうするとあなた方が中闘においてこれを論議されて、おきめになつたことはいわゆるここにある禁止された行為を共謀されたことになりますがそれは御存じありませんか。
○井上証人 そうなるとは考えておりません。この法律は知つておりますが、何もそそのかすわけではないし、むしろ私たちはこういうことの起らないようにと、考えておりますから……。
○吉武委員 起らないのだつたら、なぜ起らないようにとはつきりした意思表示をしないのですか。
○井上証人 だから私は提案のときもたしか言つたし、中闘で提案したときにも言つておるけれども、一から五項をよくやつて行つて、こういう六項なんていうことは労働者の最惡の場合の権利として当然あつてもこういうことの起らないように、われわれの要求が貫徹できることは今後の闘爭方針でなければならぬということを言つておる。
○吉武委員 二項から五項まであるんだから、できればそれでどうかしたいという御意思もあつたでしようけれども、しかし最惡の場合は行うというこれが一番大事なことだ。法律で禁止しておるにかかわらず、あえて最後の場合にはこれを行うか。
○井上証人 どうしてあなたは法律で禁止しておるのに違反をやる、違反をやるとそういうふうに言うのですか。
○吉武委員 書いてある。
○井上証人 だから私たちは琴平大会の決定を見てください。とにかく公共企業体労働関係法を撤廃させる、これを目標に掲げておるから、たとい私たちは非常に頼りないような感じもしますけれども、國会を早く開いて、予算の組直しもしてもらうし、こういうことについてもひとつ修正をしてもらいたい。こういうように考えておるんですよ。だから法律にあるのにそれに違反するのだというあなた自身がそういうところにもつて行くように盛んに言われておるけれども、それは私たちには迷惑だ。
○吉武委員 法律はあなた方が言わぬでも、これは國民の総意で決定し、國民の総意で決定するとは國民から選ばれた國会によつて決定する。あなた方だけの一部の意思だけで法律というものは決定されるものじやない。しからば國会において決定された法律は改正されるまでは嚴として存在する。それは御承知でしよう。そうすればその法律が存在するときにおいて、現実のいわゆる行政整理に対する闘爭方針の中に、ストを含む実力行使を行うということは、最惡の場合は法律を犯してもやむを得ぬ。先ほど鈴木君はこれを正当防衛という言葉を使つておる、どうです。
○井上証人 鈴木さんはそう言つたかしらんが。正当防衛とかそんなこと……。
○吉武委員 しかしあなたは提案者じやないか。
○井上証人 提案者だけれども、正当防衛とか、あなたの言つておるような法律を犯してやれと、こういうようなつもりでやつておるんじやない。これは早く吉武さんのような理解のある人が御努力願つて、憲法とかそういうことから考えて國鉄労働者の実情をお考えになつて、ひとつ御理解ある改正案を民自党自身も出してもらいたい。こういうことです。
○吉武委員 目前の行政整理を控えた國鉄の闘爭方針の中に、ストを含むいわゆる実力行使とは現在の法律が存在する限りにおいては、最惡の場合これを犯すものであり、犯してもやむを得ないというふうに断定しなければならない、そうでしよう。
○井上証人 そうじやない。
○吉武委員 そうじやないと言つたとて、はつきり書いてある。
○井上証人 書いてあることであなた方が解釈してこの通りだと言つておるんだから、私に聞く必要はない。私はそうでないと言つておる。
○吉武委員 それでは君が白と書いて、この白は白でないと……。
    〔発言する者多し〕
○鍛冶委員長 静粛に願います。
○吉武委員 これ以上尋ねる必要ありません。白と書いて白の意味でない、黒であるというような言葉であるならば……。明らかにストを含む実力行使と書いておきながらやらないということは、どうしてあるか。
○佐々木(秀)委員 ちよつと伺います。井上さんは今ちよつと聞きますと共産党員だそうですが、そうですが。
○井上証人 わかり切つたこと聞かぬでください、共産党員です。
○佐々木(秀)委員 今回の熱海の大会は琴平大会のいわゆる決議に基いて、またこれのいろんな條件を裏づけするということもあつたでしようが、熱海大会の今度の主なる目的は首切りに対する闘爭方針だと私は考えますが、どうでありましようか。
○井上証人 どうも世間でも、それからあなた方もそうらしいし、組合員の一部にも何か首切りだけの問題になつておりますけれども、私たちはそう考えていない。首切り以外の四十一項目にわたる要求を今でも出しております。これらすべての問題をわれわれ國鉄労働組合が解決しなければならない。どうも首切りの問題がクローズ・アップされておりますけれども、それだけではない。熱海できめたのも從つて首切りの問題だけじやなくして、琴平大会できめた問題を推進する。
○佐々木(秀)委員 いろいろ問題がありましようけれども、首切り問題が大きく取上げられて、それに対する闘爭目標が定められたというようにとつてよろしいでしようか。それだけじやないが、首切りという問題が大きく取上げられたですね。
○井上証人 大きく取上げられたのであります。
○佐々木(秀)委員 そうすると現在すでにあなた方が首切りのないようにいろいろ努力したが、あなたがこの会議におきましても、われわれは一致團結すれば一名も首は切れないと思うということを沢田君の質問に対してあなたが発言している。そうすると首切りをしないであろうと断言すれば首も切られないだろうというように考えてあなた方が善処したにもかかわらず、現在首切りが行われておる。しかもあなたが言われたように、きようあたりは五万人からの首切りがあるじやないかと言われている。そうすればあなた方の立場から言うならば、今日の首がすでに切られているという実態は、最惡な事態になつたと見ることができるのじやないか。
○井上証人 そうは行かないですね。私らとしては御承知のようにこの問題については当然團体交渉権がある。定員法においては團体交渉権がないけれども、これは憲法の條章から言えば、團体交渉権をなくしたということは憲法に違反しておるように考える。その点でこれは法律ではたしてそうかどうかということは合法的な手続によつて、今告訴もしておるわけです。そういうことが取上げられて裁判所とか、そういうところによつてこれはやはり間違いだということになれば、当然團体交渉に移されるわけです。一時そういう通告があつてもこれは後からのわれわれの運動によつて取消されて復職ができないものでもない、そういうふうに考えております。まだ組合としては最惡とまでは考えていないから團体交渉を言つておるのであります。
○佐々木(秀)委員 あなたの最惡ということはどういうことですか。
○井上証人 それはGHQでも言われたけれども、ねばり強くどこまでも手続をとつてやれ、私どもはその手続をとりたいと思つております。最惡最惡と言つてやれば簡單に行くかもしれませんけれども、ちよつと労働者としてはそうはいかぬです。
○佐々木(秀)委員 私は労働者自体はすでに最惡の事態だと考えていると思うのです。ただあなた方闘爭を指導している方々から言つて、まだ最惡でないというような見解があるとするならば、あなた方はいわゆる指導者の言う最惡とはどういうことを指して最惡と申しますか。
○井上証人 それはいろいろあるでしよう……。
○佐々木(秀)委員 だからそのうちの一つを聞かしてもらいたい。
○井上証人 とにかく最惡の事態になるということは、労働組合と当局との交渉の段階がさまざまに変轉して行くわけです。一つの場合に最惡であると考えられることも、われわれとしては別な方法で最惡でなしに切り抜けることもあるわけです。ですからこれが最惡だというはつきりとした公式は考えられないのです。
○佐々木(秀)委員 あなたは答弁をあつちへ持つて行き、こうちへ持つて行つてやわらかく言うようですが、見てごらんなさい、遵法精神ということをあなた方は言つておる。遵法精神と言つておきながら國民の大多数によつて選ばれた國会議員によつてきめられた定員法というものを、あなた方は不法だと言つておる。それならば國民の多数によつて選ばれた代議士によつてきめられたものを、一方的に不法だということにどうしてなりますか。
○井上証人 お答えいたします。代議士は神様ではない。代議士だつて間違いを起す。戰爭前ずいぶん代議士がいろいろなことをきめた、それらすべてがやはり間違つておつた。間違つておつたから撤廃されたものもたくさんあるでしよう。
    〔「議会否認思想だ」と呼ぶ者あり〕
○井上証人 議会否認じやありませんよ。今度もわれわれに認められた最大の法は憲法です。憲法にはどう書いてあるかというと、憲法の條章に反したところの法律とか、勅令とか、行政行為のすべては効力を有しないと書いてあるのです。
○佐々木(秀)委員 憲法はどこできめられましたか。
○井上証人 憲法は國会です。
○佐々木(秀)委員 そうでしよう。國会できめるものがあなた方の一方的な考え方によつて、代議士は神様ではないとかいうような見解では、あなたはわれわれに対して議論をするのであつて、あなた方の一方的な考え方で、労働組合の独自的な考えを持つておるからいろいろなことが起きて來ると思うのだ。それであなたはこういうことを言つておる。今度の國会を開会していろいろすると言うけれども、さつきの質問に対してあなたは國会の開会が目的じやないのだ、これは一つの手段で、要するにわれわれの要求を入れるようにすればいいんだと言つておる。
○井上証人 その通りです。
○佐々木(秀)委員 そうしたならば國会の開会なんか目的じやないと言つておいて、しかも國会を開くことを要求する。現実の國会においては大多数の人の選んでくれた國会議員が定員法というものを通過さした國会なんだ、そうしたならばあなたの言う遵法精神ということと、いろいろ発言している内容と、それからここに実行方針として取上げられたものは多分に一つの欺瞞的な言葉をもつてやつている。それから先ほどこの第六項目の実力行使にあたりましても、あなた方はいわゆる組合の中央の大幹部なんだ、しかも企画部長としてあなたはこれを提案したのだ。そうした重要なるポストにある人たちが熱海の大会において愼重審議、論議されて、しかも通過したものに対して責任がないような、しかも一つのゼスチュアのような答弁をされておる。少くとも六十万あ國鉄の代表者でのるならば、この決議をしたならば、これはストライキも起るであろうということを想像しなければならぬ。これはストライキを好むものではありません。ただ六十方の代表たるあなた方が一旦決議としてきめた以上は、そのことによつていろいろな國家的に及ぼす影響もありましよう。また國鉄労働組合というものの中から選ばれたあなた方であるから、あなた方のきあたいということに対しては愼重に守つて行くということでなければならない。そうすればあなた方がこういう重大なるものをきめるのに、ただゼスチュア的な、ただこういう考えを決議として表わしたのだ、こういう実効がないことを望むのだ。最惡の事態とは何ぞやと聞いてももうすでに首切りが始まり、團体交渉が拒否された今日、もう最惡の事態だと考えなければならぬ。最惡の事態になるならばこの第六項が何らかの形で実力行使というものに対していさぎよく、私はその責任をとつて行こうという嚴然たる態度なくして、あなた方は六十万の指導者と言われますか。もつとあなた方は行つたこと自体に責任をとるような証言をしていただけないかということを私は國鉄労組のために悲しむものであります。ひとつはつきりした答弁をやつてもらいたい。
○井上証人 佐々木さんは盛んに私どもが責任をとらないとらないと言われるが、私ども中央闘爭委員会はほんとうに全責任を負わなくちやならぬ。あなたがおつしやるように、ストライキとか、そういうことが起つて來そば責任は負わなくちやならぬと思います。しかしあなたがさつき言つたその前のことがどうも私にはわからない。それは國会がきめたのだから全部よいのだ、そういうことだつたら、憲法になぜこういうことを書いてあるのか。法律は全部國会できめなければならぬ。それにもかかわらず、その法律で憲法のこれらの條項に反するものは効力を有しないと九十八條に書いてある。
○佐々木(秀)委員 憲法に違反した法律を國会でどこにきめてありますか。
○井上証人 あなた方は違反していないと考えているし、われわれとしては、明らかに第二十八條かに、團体交渉権は……。(「君らに決定権はない」と呼び、その他発言する者多し)憲法を守るのはあなた方だけじやありません。われわれ國民全体のためである。
○佐々木(秀)委員 そんなことはわかつておる。
○井上証人 そのためにわれわれはこれを主張するので、あなた方に議論してもしようがないから、正式の手続をとつて裁判所に訴えてやつておる。
○佐々木(秀)委員 あなた方は遵法精神とか言つておきながら、國民の大多数の選んでくれた國会議員がきめたこの定員法なるものを不法と言い、しかもいろいろな質疑に対して君の答弁を見ると、國会の開会なんか問題じやないのだ。これは一つの手段だ。要するにわれわれの要求を入れさせるようにさえすればよいのだとちやんと言つているではないか。
○井上証人 その通りです。
○佐々木(秀)委員 それならば、あなた方は今の國会というものを尊重していない立場ではないか。
○井上証人 國会を尊重するから、手段として、われわれの要求を入れるためにも、定員法の問題にしても何にしても、この國会を通じて修正してもらわなければいかぬと言つておる。國会を解散するだけが労働組合の目的とするものぢやない。われわれの要求を通すための方法として、あなた方が國会を尊重せよというから、われわれは國会を開いてやつてくださいと言つておる。
○佐々木(秀)委員 今の國会は、少くとも代議士が國民の代表として一つの審議権を託された以上は、それは責任をもつて慎重に審議権を行使しておる。現在の代議士は定員法を通過させた代議士が大部分なんだ。今日の國会が定員法を通したということは、決して労働者のためになる、ならぬとかいうだけじやない。全部を考えて、労働者のためにも、國民のためにもなるように、あらゆる総合的な観点から考えてこれを通しておる。鈴木君やあなたの証言を聞いていると、他のことは考えないで、労働組合、労働者、ことに國鉄、自分たちの立場さえよくなればよいという証言に聞えやすい。その点をもう少しお考え願いたいと思う。しかもあなたは組合のこれを提案した一人でしよう。その人が、実力行使ということをきめたらどういう結果になるかというくらいのことは考えなくちやならぬと思う。その事態になつてみなければわからないとか何とか言つておるが、自分らのやつて來たストライキは成功だつたと現にあなたは言つておる。そういう点から考えて、われわれははつきりした証言が欲しいのです。
○井上証人 はつきりしていますよ。
○佐々木(秀)委員 はつきりしていない。
○井上証人 とにかく私は國鉄労働組合の闘爭委員です。しかしながら、私は國鉄労働組合だけがよかつたらよいという考え方じやありません。ほんとうに國鉄労働組合がよくなるためには、全人民がよくならなければいけない。だから私の提案だつて、國民の意思によつてやらなければならぬということも出ておる。今私の考えていることは、あなた方と全然違う。あなたは盛んにそういうふうに言つておられるけれども、私の考えとは全然違う。私は國鉄労働組合のことだけなんというよりも、大体文化の低い人は、代議士なら代議士のことばかり言うし、國鉄なら國鉄のことばかり言うし、低い人はそうやるけれども、文化がだんだん高くなつて行けば、やはり自分自身をよくするためには周囲の人をよくしなければならぬですよ。
○佐々木(秀)委員 代議士の前で代議士さえよくなればよいというようなことは、取消してもらわなければならぬ。
○井上証人 あなたがそうだというのじやない。(発言する者多し)國鉄は國鉄のことだけ思つており、代議士は代議士のことだけ思つており、商人は商人だけのことを思つており、労働者は労働者だけのことを思つておつたら、みながだめになるという……(発言する者多し)全部がそれぞれの立場を総合してやつて行かなければならぬ。
○佐々木(秀)委員 それでしたら、大多数の人の意見によつてきめた定員法を違法だと言うのは、あなたは一方的な考え方だと思わないか。
○井上証人 憲法に書いてあるじやないか。
○佐々木(秀)委員 定員法をつくつておるいと書いてありますか。
○井上証人 そうは書いてありませんけれども、定員法には明らかに團体交渉権を否認しているでしよう。ところが二十八條をごらんなさい。團体交渉権を保障すると書いてある。
    〔他発言する者多し〕
○鍛冶委員長 議論はやめてもらいましよう。
○佐々木(秀)委員 この点についてはわれわれと考えが違うようですから、論拠をかえてもう一つ簡單に聞きますが、大体さつき鈴木君に聞いたのますけれども、熱海の大会の費用はどのくらいかかつているか、あなたは御存じですか。
○井上証人 会計の方は私はよく知らない。
○佐々木(秀)委員 今まで毎年やつている大会で大体どれくらい使つているのですか。
○井上証人 どれくらいか、私よく知りません。
○大橋委員 まだ質疑は大分ございますようですけれども、証人も今日はたいへんお疲れのようでございますし、いろいろな事情を考えまして、本日の証人尋問はこの程度に打切られまして、日を改めてまた喚問せられんことを望みます。
○鍛冶委員長 期日は追つてきめるということで、大橋君の動議に御賛成ですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鍛冶委員長 それではさよう決定いたします。
 本日はこれで散会いたします。
    午前十一時九分散会