第005回国会 観光事業振興方策樹立特別委員会 第8号
昭和二十四年九月九日(金曜日)
    午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長 栗山長次郎君
  理事 今村 忠助君 理事 岡村利右衞門君
   理事 畠山 鶴吉君 理事 砂間 一良君
      石原 圓吉君    岩川 與助君
      川村善八郎君    高木吉之助君
      塚原 俊郎君    西村 直己君
      土井 直作君    松澤 兼人君
      高橋清治郎君    藤田 義光君
 委員外の出席者
        大藏事務官   久田重次郎君
        通商産業事務官 渡邊彌榮司君
        運輸事務官   國井富士利君
        法制局参事   鮫島 真男君
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本日の会議に付した事件
 國際観光ホテルの整備に関する法律案起草の件
 國際観光客に対する食料供給に関する件
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○栗山委員長 これより会議を開きます。
 六名の登院でありますが、本委員長の重大案件である國際観光ホテル法案に関しては、もう少し登院数がふえてからにいたしまして、幸い国税廳から事務官がお見えでありますので、先般の委員会において問題になりましたホテル及び國際観光旅館に対する課税の件について委員会の質問に答えてもらいたく存じます。
 具体的に申しますと、ホテルや國際観光旅館は、よく修理をして整備して国際的競争に耐え得る施設たらしめなければならねのでありますが、さような修繕もしくは家具の置きかえ等を、あるいは不動産の取得と見て、あるいは利益金と見て、これに課税をなす税務当局が多いそうであります。委員会の見解をもつてすれば、前に述べました國際的な競争にこういう事業を耐え得さしめるためには、さような費目は経費として当然経営が計上し、処理すべきものであると考えるのでありますが、國税廳はこれに対していかなる見解を持つつかご披瀝を願います。
○久田説明員 お答え申し上げます。ただいまお尋ねになりました件につきましては、修繕の範囲に属するものは必要経費にいたします。それから改良に属する点は、資本的支出でありまして、経費にはいたしかねます。但しそれはその減価償却といたしまして、逐次必要経費になつて行く素材のものであります。
○栗山委員長 重ねて質問いたしますが、今のお答えは、一應お答えとしては筋が通つておると思います。しかしながら改良、修繕と線を引く場合に、これは個人の見解とかもしくは認定によるものであろうと付度いたしますが、われわれの観点をもつてすれば、修繕であるものを、改良として資産の方に繰入れられ、もしくはそれを追究して、利益が多額にあつたものとして徴税するということであります。一例をあげるならば、これはおそらく税務当局はその見解を持たぬと存じますが、壁紙のはりかえ、カーテンの取りかえ、ペンキの塗りかえ、こういうものは、國際的慣例から見て、明らかに修繕であります。また家具の破れたものを直すことも修繕であります。こういうものに対して、今答弁された改良の部類に入れて課税をしておる実例があるのでありますが、こういうものに対してはいかように対処されますか。
○久田説明員 お答え申し上げます。ただいまお尋ねになりましたペンキの塗りかえ、その辺のところは必要経費であろうと思いますが、カーテンの新しくりつぱなのを取りつけます場合は、おそらく修繕とは言かねるのではないかと思います。それも具体的な一つの事例でございませんと、一般的に申し上げることはできませんが、そういうところでないかと思います。それから家具什器の修繕でございますが、これも修繕の範囲でございましたならばよろしゆうございますが、修繕いたします際に、非常にりつぱなものにつくり上げたという場合におきましては、そのりつぱなものになつた部分だけは必要経費にはしがたいものじやないかと思います。
○栗山委員長 重ねて質問したいと思います。今りつぱなものという表現を用いられましたが、りつぱであるとかないとかということは、いかなる尺度をもつてこれを御判断になりますか。
○久田説明員 それは一應会計学というような、一つの根本的な見方がございまして、私たちの自為的にきめることではございませんので、もしそういうような自為的なものがありましたならば、審査の請求なり何なりでぜひお申出を願いたいと思います。
○栗山委員長 この件については、税務当局としても、おそらく確たる基準はなかろうと存じます。從つて本委員会としては、かようなことを列記して、税務当局と交渉いたしたく思います。さようにお傳えを願います。
○久田説明員 けつこうでございます。國税廳の方へお申出を願いますれば一括してお答えいたします。
○栗山委員長 次にはオーバーシー・サプライズによつて供給されている外客及び当地滞在の外人に対する食糧の問題について御協議を願います。
 まず関係当局から実情の報告を願いたいのでありますが、委員会においてあらかたの調査をいたしましたところ、オーバーシー・サプテイズの名称のもとに供給されております食糧は、日本側の扱い店がたつた一軒であり、独占的であるということ、この点が今の時代の趨勢にかんがみまして、第一に検討を要することであろうと考えます。幾つかの品目がありますが、その品目中、当然日本側が供給し得るものがあるようですから、日本側が供給し得るものは、調査研究いたしまして日本側に移すことが至当ではないかという印象を持つものであります。第二点は、オーバーシー・サプライズの供給範囲が限られておりますために、外客の足が各地に廣く仲びないという欠陥があるように存じます。これらの点は、観光事業振興の一具体的方途でありますために、委員会としては当然取上げて改善をなさなければならぬことであると考える次第であります。現況について通産省設備課長渡邊君より、ごく要点的な御説明を願います。
○渡邊説明員 オーバーシー・サプライズ・ストアの問題が、観光の問題と非常に関係がございますので、ただいま御質問が出たわけでありますが、その要点を申し上げたいと思います。
 いわゆるOSSの仕事が独占的になつているという問題でありますが、これはただいままで明治屋が独占的に実施をして來たのでありますが、通産省で、ただいま司令部の関係当局とも話合いをして準備をしておりますのは、これを民営に移すことです。ただいまは通産省の直営の仕事になつておりますので、これを民営に切りかえたい、そうして同じような仕事ができる業者が幾つか、出て参りまして、独占的なことから生ずるいろいろな弊害を直して行きたいというふうに考えております。
 それから第二点のOSSで取扱つておりまする品目が、必ずしも輸入品でなくてもまかなえるものがあるじやないかという点のようにお聞きしたのでありますが、その点につきましては外貨獲得という見地からも、できるだけ國産品でまかなえるものはそういうふうにして行く。また輸入品の仕入れにつきましては、御承知のように非常に貴重な外貨をそのために相当な期間にわたつて寝かすことにもなりますので、そういう点からもこれにつきましては万全の努力をいたしたいと思つております。
 第三点のOSSの施設が全國全部にわたつていないために、観光客に対する便宜供與が狭い範囲に限られるという問題は、非常に重要な問題でございまして、これの解決の方法をいろいろ通産省の側といたしましても苦慮しているわけでありますが、一つは主として生鮮食料品につきまして、衛生的な見地から國産品の使用の限度が相当狭くきめてあるということが非常に大きいネックになつております。これはただいま厚生省の方とも連絡をしておりますが、その品質の検査、適品を必ず確保し得るような方法を確立しまして、随時食料品の供給が北海道においても、九州においてもできるという制度をつくることが一番望ましい方法じやないか。これはもちろんそのための予算とかいうような問題が出て参りますが、こういう点一つきまして、主として厚生省の方で今一いろいろ進めておられるように承つております。通産省の側からもそういう問題の解決について側面から大いにプッシユしたいというふうに考えております。ごく簡単に要点だけを説明申し上げました。
○栗山委員長 ご質問をいたしますが、今の独占的に扱われているという原因で、明治屋をあげての御回答でありますが、これに独占的なことにしておかなければならぬ性質のものでありますか。それとも指定をするにしても数軒に処理さすべき問題でありますか。この点についてご見解がありましたら伺います。
○渡邊説明員 ただいまのご質問でございますが、性質として独占的でなければならないということは、全然ないと思うのであります。ただいままでは政府の直営として実施しておりましたことと、それからただいままでの非常に混乱した見通しもなかなかつけにくい状態でありましたので、できるだけ廣く必要な品目、日用品類を集めて、そうして外貨の扱いとかいろいろ嚴重に実施をして行かなければいけないような責任問題もございましたので、その資格を十分に備えている者というようなことで、さしあたり明治屋に実務の委託をしたわけであります。そうしてその後輸入品は、主としてアメリカからでありますが、價格の変動がありましたりいろいろして、相当たくさんのストツクを手持にして持つておりまして、先ほど民営切りかえの問題に簡単に触れたわけでありますが、アメリカではさらに價格が下つておるとか、それから向後半年ぐらいはさばき切れないだろうとかいうようなものがたくさんございますので、主として今まで独占的でありましたのは、一社だけにやらしておりましたのが、そういう仕入れの技術面の問題がありますのと、それからできるだけ早く民営に移して、同じような競争者が出て来ることにしたいというような二点から延びておつたのでおります。直営のままで、相当業者の自発的な仕人れ方法がいろいろな意味で制約されておりますと、競争者が出ましても必ずしも能率的な運営が期待できないというようなこともありましたので、遅れておりまして、この点は非常に残念に思つております。これは遠からず、おそらく今月中くらいには民営に切りかわると思いますので、今まで私どもいろいろ耳にしておりました独占的な運営から來る弊害は、ごく近い機会に解決するものと思います。
○栗山委員長 近い機会に御解決の予定でありますか。
○渡邊説明員 そうであります。
○栗山委員長 もしそれが延引するようならば、独占禁止というような時代の趨勢になつておりますので、委員会は委員会の決定によることでありますから、これを諮りまして、皆さんが賛成であるならば委員会としての調査をしたく思つておるくらいの問題であります。
 次に渡邊さんに重ねてお伺いいたしますが、供給されておる食品目中、日本側から供給し得るものがあるであろうという委員会の見解に対して同感の意を表しておられたようでありますが、たとえばどういう品物は日本側で供給し得るというような御用意がございましたならば、お述べを願います。
○渡邊説明員 ただいまの問題でありますが、主として生鮮食料品のうちで私どもが特に考えておりますのは、一つに食肉の問題であります。これは第三点に触れまして先ほどちよつと申し上げたことと関連いたしますが、主として衛生的見地からのようでありまして、この方法を確立すれば牛肉は國産品でまかなうようにすべきである。それからぶた肉、鶏卵等につきましては厳重な検査の通つたものについては認められるようになつて、だんだん問題が解決して来ておりますが、この牛肉の問題はぜひ近いうちに解消すべき問題である。それから野菜につきましても、今非常にむりをして遠いところから運んでおりますが、野菜も解決をする必要があります。それから魚類につきましても取扱いを清潔にするとか、いろいろな方法を講じますれば、解決のできない問題ではない。今さしあたり主として考えておりますのは野菜類、魚類、肉類というようなものであります。
○栗山委員長 ありがとうございました。
○石原(圓)委員 ちよつと時間の関係上時機が来たら発言を許してもらいたいのです。
○栗山委員長 どうぞ。厚生省の方が御出席でありますけれども、ただいまの外客に供給すべき食糧について御見解がありましたならば、御披瀝を願いたいと思いますが、別に御発言もなさそうでありますから、よろしゆうございます。それでは委員の方々の発言を求めます。
○石原(圓)委員 本日の朝日新聞に、観光事業振興に関して、在日中に米陸軍次官が大いに努力をするということが、ここに信ずべき記事として載つておるのであります。この記事の内容は、われわれが平生希望しておるところの種々の問題が織り込まれてあるのでありまするが、これが実現することは、まことにわが國の外客誘致、外貨獲得の上に最も必要であり希望するところであります。これが実現を希望するところ切なるものがあるのであります。この中にはわれわれの最も必要とし困つておるところのホテル建設その他内容充実に必要とする資金の問題が織り込まれてないようでありまするから、この点もぜひ何らかの援助を仰ぐように希望する次第であります。つきましては、ヴォルヒーズ陸軍次官の來朝について、この記事になるような事柄を、ただいま御列席の政府委員のどなたかご承知の点があれば、参考にこの席において拝聴したいと思うのであります。なお次官には近く吉田総理も御会見なさるようでありまするが、それまでに本委員会の希望とするところをとりまとめて、そうして総理まで申し述べ、進んでは本委員会が直接次官に面会を求めて、この問題がすみやかに達せいするような方法について、委員長の格段なるご配慮を仰ぎたいと思うのであります。この希望を申し述べます。
○栗山委員長 ただいまの御希望、御意向に沿うことに委員会としては異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗山委員長 続いて食品に関する問問題でありますが、ただいま通産省の担当者から御報告があつたのでありますが、できればオーヴァーシー・サプライズの全廃、全廃が不可能であれば過渡的措置としてなるべく日本側の関與する品目を多くする、及びその地域を拡大して、東北の方面、九州の方面にまでも及ぶようにするという三点について、通産省、厚生省、両省の方々の、ご委員会の事務を主として担当しておつてくたさいます方々との御協カを願いたく存じます。ただいま石原委員から御発言のありました点について、内容的に敷衍いたす事項がございましたら他の委員の方々から御発言を願いたく存じます。ございませんければ、委員長及び理事においてよく研究をいたし善処することとして御了承を願います。
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○栗山委員長 引き続きまして本委員会において審議中のホテル法案につき審議を願います。
 前回までの審議により準備せられました要綱中、数項目にわたつて留保もしくは再整理の委員会の意向のはつきりしておる点がありますので、まずそれから拾つて御報告申し上げ、御意見を承りたく存じます。
 まず法案の名称の点でありますが、その後運輸省の國井事務官が主として説明の任に当り、本院法制局第三部長ほか第三部の各位の非常な御協力をいただきまして、法案の整理は著しく進捗いたしたのでありますが、その御協議の過程中、委員長も参加いたしまして、名称については「國際観光ホテル整備法」としてはどうかという意見が出ております。案件のみを申し述べまして、あとで一括して御意見を承り、御採択を願いたく存じます。
 それから前回配付いたしております要項中の第十一、第十二、これは宿泊客の退出要求に関するものと、宿泊者の携帯品を留置するかどうかという二点でありますが、この両点につきましては、他に救済の方法もあるし、またいささか時代の考え方に逆行する点もあるというので、さつき申しました再整理の協議会におきましては、除いた方がよかろう、つまり宿泊客に対する退去要求及び携帯品の留置、この二つは本法案要綱中から除いた方がよかろうという意向がありましたので、その意向に從つて整理をし、委員会の御決定を待つ次第であります。
 要項中の十五には畠山委員からも御意見を述べられました施設の中に立ち入つて調査をするという事項が入つておりますが、立入りは少し過ぎはしないか、報告を求める程度がよかろうというので、その方向に從つて一應の整理をいたしました。
 税金関係につきましては、不動産取得税がやがて、國会の立法を待つてのことでありますけれども、廃止になる趨勢でありますので、おそらくこの法案もそういう税制の改正と並行して審議成立せらるべきものである。これは推測でありますが、從つてそれれを除いて一應整理をいたしましたが、同時に減免というような事柄ではあいまい模糊としておりますので、どの程度まで減額するか、免ずるかという具体的な数字によつて整理をいたした次第でございます。
 要項の十七は輸入税に関する減免の件でありますが、これを制令の定めるところによりとせずして、別表によつてこれこれかくかくのものは輸入税についてかくかくの措置をするというふうに整理をいたしました。
 またそれに続く十八の固定資産の耐用年数につきましては、耐用年数表を別表として設けまして、具体的に表示をいたし整理をした次第であります。
 さらに、ホテル審議会の件につきまして、審議会が荏苒日を送り、その答申が著しく遅延した場合には、業者及び関係者に多大の迷惑をかけるという委員会の御意向がありましたので、審議に期限をつけるという方針をもつて整理をいたしたのであります。
 ただいま申し上げました点が懸案になつており、また整理の過程においてさらによいと思う方向に向つて取扱つたのでありますが、内容につきましては簡略に國井説明員及び法制局鮫島第三部長から要点の御説明を願いたく存じます。
○國井説明員 新しい法案によつて重大な変化のあつたところだけ簡単に申し上げます。
  第四條の第二項で「申請者が登録の取り消しを受けた者でその取消の日から一年を経過しないものであるときは、運運輸大臣は、前項の登録をしないことができる。これを特に各号からはずしたのは、登録ホテル業者が施設などに欠格事項が生ずる。あるいはその経営者が禁治産者になり、そのために取消しを受けるというような事情のときは、一年を経過しなければどうしても登録をしないということでは非常に酷であろうというので、多少の弾力性を持たせる意味で各号からはずしまして、別に第二項としたわけであります。
 それから宿泊客の退去要求ということを除いたことは、今委員長からお話がありましたが、これにつきましては、法制局などの見解でも、大体客が來て初めに金を拂わぬといつたときには、それではとめられないといつて断つてよいし、一旦宿泊してから金を拂わないというときには、民法の五百四十一條で契約不履行という條項を活用して、相当の期間を定めてその履行を催促して、なお拂わないというときは契約の解除ができる。こういう條項でできるから、わざわざここにあげる必要はないと思う、こういうことになつて削除したわけであります。
 留置所の問題でございますが、これを削除いたしましたのは、やはり法制局などの御見解もありまして、実際において從來もお客が承諾したような場合は、当然質権としてその客の持つて來た品物を留置することができるわけであります。それから先取得権なども現に認められておる。もし留置権を認めて、本人にそれではかばんを置いて行けと言つて聞かないときに、自力でかばんを留置することがでるかということは、文明國の法律として考えられない。そういう意味の自力救済というような條項ははずした方がよいのではないかという立法的な御意見であります。実際問題としてはお客が金を拂わないときに、何か置いて行けと言えば置いて行きますから、ホテル業者として大した支障もないのではないかというようなところもありまして、削除することにしました。それからもう一つは立法体系といたしましてこういうものを入れるのもちよつとも色がかわつているのではないかという御意見がこの前の委員会にありました。いろいろな点を考えまして削除いたしたわけであります。
 第十一條は課税の減免の問題であります。登録税につきましては、この前のには免除または減額するようになつておりましたが、不動産所得税というような恩典がなくなつたのであるから、登録税につきましてはむしろ免除した方がよいのではないか。ことに初めてホテルを建てる場合には、從來でも千分の六しか税金が課せられていない。また他から買い受けてホテルを始める場合には千分の五十でありまして、いずれも低率でありますから免除するという方に行きたいところであります。それでこういうふうにいたしたのであります。
 なお家屋税につきましては、從來は府縣税と市町村などによる附加税と両方あつたのでありますが、シヤゥプ博士の勧告によりますと、家屋税は府縣税からはずされて市町村税になつております。その税率をどんなふうにするかはわからないが、一應これは二分の一に減額するというふうにいたした次第であります。
 それから第十四條は認可及び許可の條件でありますが、この前にはこの中に登録の点も入つておつたのであります。それは大体において登録ホテルあるいは登録旅館としての條件を備えておるが、一部不完全なところがあるというときには、不動産取得税などは、一應でき上るとすぐとられる関係もありますから、あらかじめ停止條件付で登録させてはどうであろうかということもあつたのでありすが、不動産所得税の恩典がなくなつてしまえば、そういう停止條件などをつけて許可するという必要もなくなる。それから完全にでき上らないうちにこういうような登録をさせておくことになると、一應登録ホテルあるいは登録旅館というものになつて、家屋税の減免を受けることになつて芳ばしくないのであります。そういうような点から登録というものを條件の中からはずしたわけであります。
 それから第十五條にございます資金の問題でありますが、これはこの前の委員会で御決定になつたような資金の貸付ではなく、貸付のあつせんということにしたのでありまして、多少弱くなつたので2ありますが、必要のある場合には審議会に諮つて資金のあつせんをする、行政官廳にあつせんの義務を一應課するという意味でここに入れたのであります。
 それから第十六條の登録の取消の三に「第三條の登録を受けた者が、正当の理由がないのに、登録後六箇月以内に営業を開始しないとき」とありますが、これもやはり取消しの條件としたものでありまして、法制局などの御意見もありまして登録すれば家屋税などは免除を受ける、減額される。それなのに依然として営業を開始しない、いつまでもそのままに置くということは不適当である。中の備品などがそろわないからといつて荏苒日を過ごすということはよくないから、こういう條項が必要ではないか。こういう見地からこれを加えたわけでございます。
 次に第十七條でありますが、これはたとえば営業を廃止したいというようなときに、前に相当な課税の免除や減額の恩典を受けておるのに、その恩典がが五箇年間でなくなつてしまつているから貸ビルなど他に轉貸するとか、賣却するとかいう弊害が起ることも考えられる。そういうように故意に廃止されるような状態になつた場合、今まで免除したものを全面的に認めない。特別の事情あるときは認める場合があるが、場合によつては十一條から十三條までの適用はないものとみなして、登録税とか、家屋税とか、輸入税、法人税を追徴し得るような法規が必要ではないかという立法的な考慮から十七條が入つたわけであります。
 次の十八條も同じく立法的な観点から、登録の抹消廃止の申請をして來て、これを受入れた場合には抹消する、その方が立法技術上よかろうということになつたわけであります。
 それから第十九條の報告の点につきましては、委員長の御説明がありましたが、立入りを避けました。
 それから審議会でございますが、審議会に付議すべき事柄につきましては、「この法律を改正する法律案及びこの法律に基づく政令の立案並びにこの法律に基づく命令の制定及び改正」という條項が前にございました。しかしこれは立法府が主として当るべきものであり、法律の改正案などを審議会に諮るのはどうだろうかという御意見もございました。それにつきましては、事前審議で改正案をつくる場合にも、民主的な面でつくる必要があるからという御説明を申し上げておいたのでございますが、法制局とも御相談いたしまして、こういうものをしいて置いておく必要はないじやないかというので、かたがたこの前の委員会の御意向などもございましたものですから、こういう点を削りました。
 それからこの十七條にあげておりますところの、一旦免除あるいは減額した税金の追徴の問題につきましては、審議会に諮る。また訴願の裁決というものにつきましても、問題が重要であるから審議会に諮るようにする。他の立法令などをも参酌いたしましてそういうふうにいたしました。
 次に審議会の構成員でございますが、これにつきましては、前には交通機関の代表というものが二名、入つておつたのでございますが、審議会の審議事項というものは交通機関とそう関係もないから、これを入れるのはどうだろうかというので削除しました。それから旅行愛好者團体の代表というのが前には一名入つておりましたが、これも同じような意味で削除いたしました。そのかわりにこの審議会の事項が、行政関係の事項に相当関係を持つておりますので、かたがた関係各省からの十二分なる意向を徴する必要もあるだろうというので、関係各官廳の官吏を三名程度入れてはどうだろうかということで三人ほど入れることにいたしたのであります。たとえば課税の減冤関係など考えまして大蔵省関係、それから主管官廳たる運輸省、それから建設省とか、その他まだあるかもしれませんが、一應そういうふうなものを入れるようにいたしたわけであります。
 それから第二十七條第二項の末尾でございますが、これはこの前畠山委員などから御意見がありましたことく、審議に手間どつて、かえつてブレーキがかかるようでは非常にぐあいが悪いというので、意見を徴した日から七日以内に審議を開始し、おそくても六十日以内に審議会としての態度を決定するというふうにして、荏苒日を延ばすことのないようにという規定をいたしたわけでございます。
 それから第二十九條の「公開による聴聞」、これも法制局の御意見によりまして、最近の審議会の審議事項から言うと、やはり聴聞という規定を入れる方が民主化された審議会ということから、せひ必要でないかというので、こういう條項を入れたわけであります。
 最後に登録旅館業に対する準用の規定でございますが、これは委員長とも十二分に御相談申し上げた結果、全面的に登録旅館に準用することは非常にむずかしい。そのかわりにぐあいの悪いところだけ準用するということもまた登録旅館として迷惑であるから、なるべく恩典のあるところだけ可能な範囲で準用するようにという特別の御趣旨もございましたので、そういう点からできるだけのところを準用したというわけでございます。簡単に申し上げますと、第三條の登録、それから登録の欠格事項、それから登録旅館の名称は、登録しない者には許可しない、これは当然であります。また料金の認可及び公示という点も、外客をとるようになれば当然準用せざるを得ないのであります。それから第十三條から十七條、十九條は固定資産の耐用年数でこれをぜひとも登録旅館に準用するようにいたしたい。それから認可及び許可の條件、施設及び経営の改善の勧告、及びこれの裏付けとなる資金のあつせん、登録の取消し、抹消、それから報告を徴するというように、必要の最少限度の準用をして、これ以上課税の減冤の点は非常にむげかしいのではないか、立法技術の上からも非常にむずかしいのではないだろうかという法制局側の御意見もあり、またいろいろ考えまして、ぜひとも何とかしようということにしたわけであります。ことに輸入税の免除については、考慮の余地があろうかと考えたのでありまして、これにつきましては、國際観光旅館連盟の方のなども、大体日本旅館については日本品で間に合わせるから、あまりその必要を認めないというので、輸入税の免除については認めたのであります。
 最後に経過規定として戦前地方廳で大蔵省の低利資金の融通を受けて建てたホテルが、近く民有になるので、これが民有に移るときに不動産所得税を減額するという経過規定がありましたが、今度不動産取得税がなくなる関係もありまして、附則のところから削除したわけであります。
 大きな変更をした條項といたしましては、大体その程度であります。
○栗山委員長 鮫島第三部長、何かおつけ加えになる点はございませんか。
○鮫島法制局第三部長 ただいま國井説明員から説明がありましたので、もうほとんど盡きておるのでありますが、この前の要項にありました客への退去要求の点について一言だけ補足しておきます。
 この規定を置く必要のないことは大体説明があつたのでございますが、さらにもう一つ、こういう規定を置きますと、かえつてその反対解釈といたしまして、この法律の適用を受けないホテルなり、旅館なりにおいては、こういうことはできないのではないかという逆の解釈がございますので、そういう意味からもこの客への退去要求の規定は置かない方が過当ではないかという考えがありましたことだけを一言申し上げておきます。
○栗山委員長 委員諸君の御発言の前にお諮りいたします。國井説明員は便宜法案をもつて説明されたのでありますが、在來は要綱によつて私どもは審議をして来たのでございます。この際、今までの要綱にかえるに新たにお手元に配付いたしました國際観光ホテル整備法案、これによつて御審議をお進め願うことに御了承を願いたく存じます。委員の方の御発言を求めます。
○畠山(鶴)委員 この法案は数回にわたつて皆さんが慎重審議せられましたので、私ども賛成の賛成を表するものでありまするが、ただ審議会の委員の選定のところでありますが、私はまだここに少し疑念を抱く点があるのであります。この中に、でき得ますならば、ホテルも旅館も結局は同じでありますが現在の旅館業者のうらからも一人委員を人れていただくようにしていただいたならば、この現在までの日本旅館館として非常に向上して行くのではないか、指導してもらえるのではないかという点がありますので、私の希望として申し上げておきます。
 それからもう一つは、今月の二日でありましたが、司令部の渉外局から、卒然熱海へ参りまして旅館を四、五軒調査されました。少佐の方が一瞬最高に立たれまして、四人さんで参りました。そうしてずつと見て帰りまして、まだ十日にならないのに、一昨々日から外人が毎晩私どもの旅館あたりヘ二組ぐらいずつ宿泊されておるのであります。いわば面くらいの形でありまして、非常にスピード的であります。海にもMPの屯所がありまして、そこからも、もう本部から通知があつたのだから、どんどんとめてやつてくれ。実に簡単明瞭なので、この点を私ども業者としても、あまりスピードというか、アメリカ式といいますか、迅速なのに驚いておりますが、そういうような関係にありますので、このホテル法案の今後の運営方法に対しましても、ある程度この委員会は相当の権限と責任を持ち、またこれに付随しますところの諸官省におかれましてもこの意味を十分御留意くださいまして、とにかく町を早く、そうして率直にでき得るような方法を講じていたたくことが一番重要でないかと私は考えましてこの一例を申し上げた次第であります。委員会におかれましても、ぜひこの辺に善処を願いたいと思うわけであります。
○栗山委員長 畠山委員の御発言中、ホテル審議会の構成につき、御意見がございましたが、いずれこの法案をまとめますときに、その御意見を本委員会において御討議いたく存じます。
 時間になりましたので午後一時から再開することにいたしますが、休憩に先立つて特に國税廳の方にお取次ぎを願いたいことは、先ほど申しましたように外貨の獲得は國際的な競争課題でありますし、國際観光事業はどうしても國際競争の基盤に立つてなされなければならぬことでありますがために、税金についてのこの法案に盛られたような考慮を必要とするわけでありまして、それには競争の相手國である諸外國の立法令等も調査をいたしてありますし、資料を整えて国税廳の考慮を煩わしたく存じております。特に立法府としては大蔵委員会があり、地方行政委員会がありますので、その両委員会ともよく協議をとげまして、法案の趣旨の存するところを関係各位に御了解を願いたく思つております。これをひとつ、國税廳に関する限りにおいてお取次ぎおきを願います。
 それでは休憩いたします。
    午後零時六分休憩
    ―――――――――――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕