第006回国会 議院運営委員会 第19号
昭和二十四年十一月二十七日(日曜日)
    午後三時四十分開議
 出席委員
   委員長 大村 清一君
   理事 石田 博英君 理事 今村 忠助君
   理事 福永 健司君 理事 山本 猛夫君
   理事 椎熊 三郎君 理事 神山 茂夫君
      江崎 真澄君    大橋 武夫君
      岡延右エ門君    岡西 明貞君
      倉石 忠雄君    田中  元君
      田渕 光一君    塚原 俊郎君
      福永 一臣君    井上 良二君
      田中織之進君    松井 政吉君
      園田  直君    土橋 一吉君
      島田 末信君
 委員外の出席者
        議     長 幣原喜重郎君
        副  議  長 岩本 信行君
        議     長 金子與重郎君
        議     長 石野 久男君
        議     長 早川  崇君
        議     長 浦口 鉄男君
        事 務 総 長 大池  眞君
十二月二十七日
 委員淺沼稻次郎君及び土井直作君辞任につき、
 その補欠として松井政吉君及び井上良二君が議
 長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
 本日の本会議の議事に関する件
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○大村委員長 これより会議を開きます。
○田中(織)委員 議案に入ります前に、実は昨夜の本会議における議場の混乱は私はこれは議長が議場整理を十分に行われなかつたため起つたものと考えるのであります。この点につきましては先ほどわれわれ野党各派で、昨夜の岩木副議長とお話をいたしましたときにおきまして、当の岩木副議長からも議長としての不行届きの点を認められておるのであります。まず本日の本会議冒頭に副議長より昨夜の議場混乱の問題について、釈明をしていただきたいということを、社会党として正式に要求いたしたいのであります。
○石田(博)委員 昨日の議場の混乱状況について今日議論をいたして参りますならば、両方とも言い分が出ると思います。これは與党の議席が騒がしいのに、議長が制止しなかつたから野党が退場したという筋に立つての御議論と思うわけでありますが、場内が確かに静粛であつたとは私どもは言い得ないと思います。しかしそれは與党だけだということについての議論はまた別であります。たとえばそういう議論になつて来ると、社会党の議席の方でも名札をばたばたさしたり、名札を動かして机の中の方に持つておいでになつた方もまたなかつたとは言えない。また議場が騒然としたために議事が進行できなかつたというならば、演壇に立つておられる岡田君の演説が続行できないと思うのですが、岡田君は議場の混乱状態のために若干停頓されておりましたけれども、結局責任のある演設は最後まで結了された。議場の騒然たる状況については議長は再三再四注意されておつたことも見ておりますし、また自分自身もも覚えておりますが、逆に党の議席に向つて制止をし、また制止することに努力もし、あなた方の退場される前後から、完全に静齋になつて来たと思うのであります。また採決するにあたつての議長の処置で上ありますが、あなた方が入場するから待つてくれとおつしやつたために、副議長は採決を執行するのをもたれた。それで私どもが今後は副議長のところに行つてなぜ採決しないかと言つて再三再四注意した。それで議長は今入つて来るから待てというので、しばらく待つておつた。しかし無制限にいつまでも待てるわけのものでないので、議長にやむを得ず採決を執行れたのであつて、さらに採決に異議があつて、議場に入場せられる御意思があるならば、採決が一通り終わりましたあとで、それを読み上げる前に議場を開きます。その開いたときにあなた方は四分の一の数をもつて採決に異議を申し出ることができる。従つて成規の手続きもつて異議を申し立てますれらば、当然採決のやり直しをしなければならぬ。議場の状態は確かにわれわれ議員全体として満点であつた、きわめて静齋であつたとは申しかねますが、議長のとられた処置は、私どもから言わせますれば不満であつた。初め岡田君は、六分という約束であつた。それを岡田君は、もう一分増やしてくれと言われて来たのでやむを得ないという返事をしましたが、一分になつてもやめない。さらにあれが二人合せて六分にするというお話合いがあれば、私たちは代議士会で、六分と言つたのですでれども、ここでは話合いがつかなかつたから、私たちは岡田君は三分だと代議士会で報告しておる。そうすると時間を超過した人の責任も間わなければならぬ。また議場が採決で指名投票しておる最中に、そこに飛び出して来た投票妨害という、ほかの派生的問題も起つて来ます。そこでこの際そういうことを一々言う出して来ると、両方ともきりがない議論になると思います。もし私どもが陳謝するなら、約束した時間をなぜ守らなかつたか、なぜ岡田君の発言はに十分を超過して、約二十分近くやつたかということを、私どもの方は聞いて行かなければならぬ。申合せに違反した岡田春夫君の責任もとつてもらわなでればならぬ。そういうことになつて来ますから、私はこの際そういうことを勘案し、その当時の議場の状況を考えて、御質問に答えるなら別問題ですが、釈明、陳謝のごときは断じて必要ないと考えます。
○田中(織)委員 昨夜の状況について議論すれば、きりがないことだと思うのであります。その点について私は実は多くを言わないつもりで出て来ました。それから先ほど――石田委員もその席におられたと思いますが、野党各派の代表者と岩本副議長の会見における状況も、この席で述べなければならぬことになると思うのであります。今石田委員から発言されたようなことに対しましても、そういう事態を引き起したということについての責任は、あげて議場を整理する議長の職責に関する問題だと私は思うのであります。従いましてこの際昨夜の議場の混乱という事態は否定することができないのでありますから、そうい見地に立ちまして、議長から昨夜の議場混乱問題についての釈明をされることは、私は、当然のことだと思うのであります。また会期も残りわずかになつておりますけれども、われわれは今後の会議の円、滑なる運営と、また会議における十分の審議を進めて行く見地に立ちまして、この際議長より本会議において釈明をされることは当然のことだと思うし、そのことよりよき結果をもたらすと思いますので、本日の本会議の冒頭に、昨夜の議場混乱について、議長の立場における釈明をあくまでもお願いしたいと思うのであります。
○石田(博)委員 私は議長のとられた処置については完全であると考えております。ただ遺憾ながら議員の方がきわめて静粛であつたとは言いかねる。それは私ども民主自由党のみとは言わない。社会党の方でも名札をもつて音響を立てられた事実を見ておる。また人の名前を一々あげるわけに行かないけれども、比較的演壇に向つて右の方がおとなしかつたということは認めてもよいが、その中でも特別に異様なる発言をされておつた方もなきにしもあらず。そうなつて来ると民自党ということも当らない。私自身前に出て静齋と言わざるを得なかつたことは、議場が静齋であつたとは言いかねる。従つてそうい事実に向かつて、今後の円満なる運行に対して議長が発言されることはよろしいが、議長自身がとられた態度について釈明をいたされることは必要ないと思います。
○田中(織)委員 繰返して申し上げます。私は岩本副議長と野党各派の代表との会見模様は申したくないのでありますが、ただいまのように石田君が発言せられるなら一、二申し上げたいと思います。岩本副議長は、われわれが運営委員開会前に会見を申し込みましたところ、民主自由党の代議士会に出ておられるということでありましたので、先ほど会見の際に、昨夜の議場について岩本副議長の属しておられる民自党――議会の絶対多数を占めておられる党でありますが、昨夜の議場における態度につきましては、ことに議長席に着いておつた立場から、ほかの党派の名前は出さなかつたをうでありますけれども、民自党の諸君の態度について、議長から何事か要請せられた旨のお話も先はど承つないのであります。ことに昨日議場がああした混乱になる原因でありまする投票前に、名札をがちやがちやいわして喧噪にわたつたということについては、昨日の運営委員会が始まる前でありましたか、懇談会に移つてからでありましたか、そこにおいて取上げられましたときに、民自党の石田委員から、一昨日のああしたことはきわめて品のよくないことであるというので、代議士においてもやらぬようにしようじやないかということを、きよう話し合つて来たという意味のことも話されておつたやさきに、同じようなことが繰返されたことが、昨夜の議場の喧噪にわたつた出発点であります。その点につきまして、われわれも議席から議長から議場整理を要望いたしたのでありますが、一向に議長からの発言もなかつたので、私は社会党の場内交渉係として、事務総長のそばで参りまして、運営委員会にける模様まで話をいたしまして、特に議場整理の発言を議長に促したようないきさつがありました。そうして議長の静止があつたにもかかわらず、なお喧嘩にわたつておつたということは歴然たる事実であります。そういうをことあえて私に申したくないのでありますが、そういうよなことから、当夜議長席に着かれておりました岩木副議長は、先ほど、そうしたことについて、議長としては十分盡されておつたとお考えになつておられたようですけれども、われわれ野党から見れば不満足な点もあつたし、昨夜のことについては遺憾であつた。ことに議長としても十分ではなかつたということは認められたと了解しております。そういう意味におきまして、こうしたことが今後繰返されないように、少くとも昨夜討論終結まぎわまでおりました議員の中で、相当数が採決に参加できないとい事態が発生したことは事実でありまして、これは国会全体の立場から見まして、決して歓迎すベきことでないことは申すまでもないのであります。そういう意味におきまして、私は昨夜の議場混乱の問題につきましては、この際議長より発言を求めて釈明せられることは当然である。しかしこれはもちろん議員の方にも責任がある。それならその議員の退場を命ずるなり何なりすることは、議長の職責として認められておる当然の権限である。これをもしなかつたということについて、議長が釈明されることは当然だと思うのであります。重ねて要望いたします。
○石田(博)委員 騒擾を起した原因を申して参りますと、卵が先か鷄が先かという議論になりて来る。私から言わせますと、申合わせ時間を超過したところに原因がある。それから代議士会におきまして、確かに副議長からわが党に対しての要望はありました。しかしそれはわが党だけがきのうの騒擾の責任があるから注意を受けたという意味ではございません。副議長はたまたまわが党の所属であり、党の代議士会に御出席になつて、わが党に対して要請をされた。それだからといつて騒擾したものが全部わが党であるというりくつにはならない。先ほどから繰返して申しておる通り、名札をもつて背を立てておられた方も社会党にある。そうなつて来ると、この背をを立てたのは名札であるということになつて来るかもしれません。別にここに御出席なされた方が、そういうことをされたとは申しませんけれども、そういうことがある。それで騒擾の責任ということになるいろいろ言い分がある。それから投票が完全に行われなかつた責任を議長に持つて来られますが、それは議員にに意思力がない。何らか他動的な力があつて投票しなかつたというなら別ですが、自発的に自分のおみ足で外に出られたのであつて、従つて議長はそういう意味で釈明の必要はないと思います。
○石野久男君 騒擾になつて原因の一つに、持時間を長くしたという点があげられておる。この点については事前に民自党の皆さんから、いろいろ短い時間なので、二分余裕は與えるという了解を得てあつて、私ども感謝しておる次第であります。あの岡田君の演説は、あとで議事録を調べていただけばわかると思いますが、おそらく岡田君の語調をもつてすれば八、九分で終る問題であつた。ところが岡田君は二十二分に演説して二十五分ころに第一節を終わつた。私自身時間を気にしておりましたから、見ておつたのですが、二十六分から騒擾が起つて、それから再度にわたつて場内交渉保が、事務総長との間にいろいろ交渉して、その間中ほとんど発言ができなかつたという事態があつた。これらの点から、岡田君の時間が非常に延びたという問題は、必ずしも岡田君の責任でなしに、議場の騒擾の点で、相当発言時間を妨害されたということもひとつ考えていただかなけれげならぬと思うのであります。私どもとしては、非常に短い時間の間に、一応言い分を言おうとすることはむりだと最初から思つておつたのですが、その間いろいろ小林さんや何かに面倒を見ていただいて一、二分時間をいただいたことは感謝しているわけであります。持時間が決して二十分にわたるような、それはどの原稿内容でなかつたということを、はつきり見ていただきまして、それが騒擾のために妨害されたということを民自党の皆さんに御了解願いたいと思つておる。きのうの運営委員会の席上でも、一昨日のようなことがないようにというお話がたまたま出まして、ことに名札をもつてする騒擾はお互いに慎もうということがあつたのでありまして、この点は十分考慮してもらわないと今後の問題もあるので、私どもとしては皆さんの好意に感謝しながらも、この点についてに一応十二分に検討していただきたいと思うのであります。
○石田(博)委員 私どもは自由党だけの問題であるとは思いません。しかし私どもに対する副議長の御注意は本日代議士会で承りました。また私どもとしてはもちろん当然そういうふうに行くべきものであると考えておる次第です。それから確かにあなたのカから六分より一分ふやしてくれという申し出は、岡田君から承りまして了承いたしましたが、騒擾が起つて最初副議長が注意されたときは十分です。その後若干騒擾があつて延びたということは認めます。それから一々申しませんが、あなたの方の発言、特に岡田君の発言は、全部と言つていいくらい約束の時間で終了されたことがない。それはうちの党の諸君が認めてる。それで何かのためにあの党派に発言を許すかということを、私は党に陥るごとに終始言われておる。それから名札を机に持つて来て背を立てたというこは知つております。けれどもそういう点については私はここでは言いません。私の方の党も満点でなかつたということは、副議長から注意を受けております。
○石野久男君 岡田君の時間が延びるということは、民自党の席がさわがしいためです。この点民自党の諸君は反省していただきたい。
○石田(博)委員 私どもの方としては先ほどから申している通り、党の態度として満点でなかつたということは認めておる。それにあなたの方の時間が延びるのは、私どもの党の態度のためだと言われることは、あまりに独断的であると思います。
○石野久男君 時間を延長させるということについてはできるだけ延長します。ただ岡田君の場合は、いつもあなた方は最初から岡田君の演説を妨害するということは、十分考えてもらわなければならぬと思います。
○石田(博)委員 われわれは別に岡田君の発言を注意しておるというような、自己を過大評価される御見解はどうかと思います。
○田中(織)委員 この問題ですでに本会議の開会時間も相当延びておるわけであります。それはわれわれの本意とするところでありません。しかしながらその原因はともあれ、議場が混乱したという見苦しい事態に対して、一番責任を感ぜられ、また不名誉になるのは議長の立場だと思う。そういう立場において、昨夜の事態について、この際われわれの方で要求する以前に、むしろ議長側より釈明を持ち出さるべきものでないかと考えるのであります。しかし一向そういう気配も見えませんので、私どもの方から要求いたしたわけでありますが、この点につきまして幸いお見えになつておりますから、私ども釈明要求に対して、岩本副議長の御所見を伺いたいと思います。
○岩本副議長 昨夜の状態については各位御承知の通りであります。しこうしてそのことにつきましては、野党各派のお方がお見えのときに委曲お話を申し上げた次第でございます。それでただいま田中君より議長は職権によつて断固やれるではないかといことであります。確かに国会法、衆議院規則等それぞれの規定がございます。しかしながらこの法規を厳格に徹底して行うことは、私どもの考えでは、ためにならないと思いますので、厳格に行つておりません。そのときの情勢に応じて収捨選択をすることが、むしろ議会運営の手段であり、一番いい方法であると考えております。しかしながらただいま御注意もありましたので、今後できるだけこの規定を厳格に守るように努めて行きたいと考えております。
 なおその間のいきさつにつきましては、主観客観いろいろの見方もありましようが、先ほどの懇談会で申し上げたような次第でありまして、私は本会議場において、ゆうべのできごとを特に取上げて釈明するようなことは考えておりません。どうぞ先ほどの懇談会の際における話でご了承を願いたいと存じます。
○田中(織)委員 先ほどの懇談会の話の模様で了承してもらいたいということでありますが、われわれ了承できないから、この際本会議場において議長の責任を明らかにする意味において釈明を要求いたしておるわけであります。つきましてはわれわれといたしましては、先ほどの岩本副議長と野党各派との懇談会におきまして、少くとも岩本副議長としては、昨夜の事態についた遺憾の意を表明されておつたと思いますので、本会議における釈明を通じて、われわれはある程度の了解をを與えたいという見地から要求しておるのでありますが、岩本副議長の方では、本会議における釈明の必要を認めないということでありますれば、先はども述べましたように、われわれは昨夜の事態に対する議長の責任は、あくまで追究する立場を留保しておきます。
○椎熊委員 どうもこの問題で時間をとられることに、私どもとしてに非常に迷惑に感ずるのでありますが、きのうの委員会であれほど注意したにもかかかわらず、きのうああいう事態を惹起した原因は與党にあつたと考えます。反対の意思表示をしながら投票をやらなかつたり、演説しておきながら投票権を行使しなかつたり、ああいうぶざまなやり方はみつともない。今後慎んでいただきたい。ことに岩本副議長は党席を持つておられるから他党には一言も言わなかつたが、民主自由党に警告を発したということは副議長の処置としてよろしきを得たものと考えまして、わが党は了承を與えたのであります。これ以上この問題を取上げて論及することはむだであると思います。議長から議場において釈明する意思があれげけつこうですが、その意思がないとすればそれ以外方法はないでしよう。この問題は打切りにいたしたいと思います。退席の問題、投票を拒んだ問題については、わが党は野党であるが、わが党は何ら問題がないということを申し上げておきます。
○井上(良)委員 この問題で時間をとつておりますのはお互いに困ることと思いますし、さきに岩本氏が野党の代表者と会われて、率直にともかく芳ばしからぬ事実であつて、遺憾にたえなかつたしいうことを釈明されておるのでありますから、それにこだわる必要がない。ただ天下に対しても御承知の通りゆうべこういう問題で議場が混乱して、こうなつたということが報道されておりますから、それに対して議長としても一応こうであつたということについての釈明をして、そうしてきれいに治めて、あとくされのないようにしておくことがいいのでにないかと思います。
○神山委員 私たちも先ほどから田中君が述べられました意見、それから最後に留保された点について大体同一の意見を持つております。
○大村委員長 それではただいま椎熊君から、この事件この程度で打切りまして次に移りたいという動議が出ましたしたから、これについて採決いたします。
 ただいまの椎熊君の動議に御賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
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○大村委員長 多数。よつて動議のごとく決しました。
○大村委員長 それでは次に移ります。本日の議事日程に関する件を議題といたします。ちよつ速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○大村委員長 それでは速記を始めてください。
 なおこの際申し上げておきます。外務委員の増員の件については、次会に御相談申し上げたいと思いますから御了承願います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十分散会