第006回国会 通商産業委員会 第2号
昭和二十四年十月二十八日
      有田 二郎君    神田  博君
      小金 義照君    澁谷雄太郎君
      村上  勇君    今澄  勇君
      有田 喜一君    川上 貫一君
      永井 要造君    山手 滿男君
が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十四年十一月八日(火曜日)
    午前十一時四十四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 神田  博君
   理事 有田 二郎君 理事 小金 義照君
   理事 澁谷雄太郎君 理事 村上  勇君
   理事 有田 喜一君 理事 川上 貫一君
   理事 永井 要造君 理事 山手 滿男君
      阿左美廣治君    岩川 與助君
      門脇勝太郎君    首藤 新八君
      田中 彰治君    中村 幸八君
      福田 篤泰君    福田  一君
      前田 正男君    加藤 鐐造君
      坂本 泰良君    山口シヅエ君
      高橋清治郎君    柳原 三郎君
      田代 文久君    河野 金昇君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       宮幡  靖君
        資源庁長官  進藤武左ヱ門君
 委員外の出席者
        通商産業事務官 武内 征平君
        経済安定事務官 増岡 尚士君
        経済安定事務官 川上 爲治君
        專  門  員 谷崎  明君
        專  門  員 大石 主計君
    ―――――――――――――
十月三十一日
 輸出品取締法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した件
 国政調査承認要求に関する件
 電力行政に関する説明聽取
    ―――――――――――――
○神田委員長代理 これより通商産業委員会を開会いたします。
 大野委員長にはおさしつかえがありますので、私が委員長の職務を行います。
 まず国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。前第五国会に本委員会の前身たる商工委員会におきましては、商工行政に関する事項について国政調査を実施いたしまして、行政当局を監視督励いたすとともに、委員会の意思を行政面に反映せしめ、また法律案その他議案並びに請願の審査にあたり、大いに貢献するところがあつたのでありますが、今国会以後本委員会が、新たに通商産業省の所管に属する項を所管することとなりましたについては、さらにより深く通商産業行政について調査を実施し、鉱工業、電気、商業、貿易等の実情を把握し、その合理化並びに振興に関する対策を樹立する必要があろうと考えられるのでありまして、この点各派の理事諸君とも御協議をいたすのでありますが、衆議院規則第九十四條によりまする手続関係につきましては、委員長に御一任を願うことにいたしまして、議長に国政調査の承認要求をするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長代理 御異議なしと認めます。それでは通商産業行政に関する国政調査の承認要求をいたすことに決します。
    ―――――――――――――
○神田委員長代理 次に電力行政に関し当局より説明聽取の件を議題といたします。それでは発言の通告によりまして発言を許します。有田二郎君
○有田(二)委員 現在の電力需給状況並びにこれが具体的対策について、資源庁長官の説明を承りたいと思います。
 今年は一月以来降雨はきわめて順調であつて九、十月のごときは例年よりも降雨量が多かつたはずであります。しかるに緊急遮断がほとんど毎夜のごとく行われて、われわれ需要家は非常に迷惑しておるのであります。元来電気事業は営利事業であると同時に公益事業でありますから、あらゆる努力を拂つて夜間の点燈用電力は十分に供給すべきものであると考えるのであります。
 まず最初に、降雨量が多く、水力発電量も多いはずであるのに、水力を主としておる関東地方において、現在電力不足の状態を現出しておりますが、この理由について承りたいと思います。
○進藤政府委員 先般来特に点燈時におきまして緊急遮断をいたしまして、工場、家庭等に多大の御迷惑、御不便を感じさせておることは、われわれまことに申訳なく考えておるわけであります。ただいま御質問になりました電力の最近の情勢について概要を申し上げたいと思います
 ただいま有田さんからお話のございましたように、本年は四月以降相当降雨量が豊富でございまして、ただいままでのところ毎月予定よりも予定と申しますと、過去五箇年平均、あるいは安本の割当キロワット・アワーよりも毎月一割程度増加しているような状況でございます。多い月にしましては一割二分程度、少い月でも二パーセント程度上昇しておりまして、大体四月から九月までの平均は、八%の増加となつておるわけであります。かようにいたしまして本年の安本割当におきましては四百六十五万トンの石炭を消費し、過去五箇年の平均キロワット・アワーを土台として、電力の割当をいたしておつたのでありますが、水力が今申し上げましたように豊富でありましたために、上期におきましては、石炭の消費量は予定よりも相当節約されたというふうな状態を続けております。しかし今申し上げたのは全国的の状況でございまして、九州並びに北海道におきましては電源が、これは絶対値が非常に少いために、本州中央部よりも制限の率が多くなつておるわけであります。ことに北海道におきましては、降雨量が今申し上げましたような過去の平均よりも相当低下いたしております。われわれが頼みといたしておりました雨龍の貯水池の水も流入量が平年量に達しませんために、放水量を予定通りいたしますと、冬になりまして非常な需給の混乱を起しますので、途中で雨龍の貯水池の調整方法をかえなくちやならぬというような状況にまでなりました。北海道におきましては特に本年は制限をいたしまして、御迷惑をかけておる状態でございます。しかしこの水力発電所が割合に予定より電力が出て参りましたのと、それから御承知のようにサンマー・タイムを実施いたしまして、夕方の工場の使用電力と、電燈の重なるのを避け得ましたために、サンマー・タイム実施当時におきましては、夕方の最大電力需用に対しまして電源の方も間に合つておりましたので、緊急停電というようなことが起らずに済んだわけでございます。しかるに十月に入りましてサンマー・タイムが終りましたのと、もう一つは最大電力が夕方から出て参りますと、火力発電所で補なわなくちやならぬのでありますが、たまたま先般のキテイ台風によりまして、関東におきましては潮田の発電所、あるいは千住の発電所がキテイ台風によつて故障を起しまして、その故障の修理が完成いたしておりませんために、十月に入りまして、関東地方におきましても御承知のような緊急停電をいたしまして、たいへんに御迷惑をおかけしたようなわけでございます。これは要するに一つには電源が今の需用に応じ切れないという絶対の問題があるわけでございまして、御承知のように日本の水力発電所は冬になりますと、出力がひどいところは大体半分程度に下りまして、それを貯水池と火力発電所で補つておるわけでありますが、火力発電所は二百八十万キロ近くございますが、これが戰争で主力発電所がやられ、あるいは石炭の質が下つたというようなことで、戰後全力を盡して火力の復旧に努力いたしておるのでありますが、本年は最大におきましても、百七十万キロ程度しか出ないような四囲の状況でございますので、絶対値がどうしても夕方の最大電力需用に応じ切れないという問題があるのでありまして、これはここ数年間電源が拡充されるまでは避け得ない問題でございます。そこで一方では電源をできるだけ拡充して、最大電力需用に応ずるという処置をとらなくちやなりませんが、しかしそれができるまでは最大電力需用に対する調整をお願いするほかないわけでございます。実は電気は私から申し上げるまでもないのでありますが、需給の予想をいたしまして、その需給に合せるように毎年々々発電所が完成して行くという戰争前はそのような措置をとられておつたのでありますが、戰争戰後を通じまして、発電の断層と申しますか、発電所の建設が中止された時代が相当永く続きましたために需用がどんどん発電力を追い越しまして、今発電力が需用に追いつきかねているわけでございます。その状況は豊水期におきましてはキロワット・アワーは今申し上げましたように、昨年度におきましても今年度におきましても、相当需用に応じ得る状態になつておりますが、発電所の設備は絶対値が不足しておりますために、冬になりますと、あるいは夕方の最大電力需用量に対しましては、どうしても調整をやるというやむを得ない状態になつて参つております。そこでこの十月になりまして御承知のように最大電力が非常にふえました。これはお手元に差上げました資料に、特に関東だけを抜いて差上げてございますが、これを見ましても、約六万キロばかり、この間の緊急停電で制限をいたしたわけでございます。そこで今政府といたしましては、今月の初めから緊急対策を講じまして、一方では火力発電所の出力を増加する処置をとり、一方では工場用電力、特に五時から八時までの最大電力の時間に対しまして、工場電力の制限、それから電熱の制限ということをいたしまして、最大電力を押えて参つておるわけであります。なお根本問題としましては、現在の調整規則がキロワット・アワーの調整に対する規則になつておりまして、キロワット―つまり最大電力と申しますか、キロワットに対する調整の方法がはつきりいたしておりませんので、これも何とかはつきりいたしたいと考えております。なお電源と、それから需用との調節をいたしませんと、電源は今申し上げましたように、ここ数年間開発が非常に遅れておりますために、電源が新設されるまでは非常に少いのであります。しかし需用は御承知のように、国の経済復興に連れまして、非常にふえて参つておりますので、電源の増加とほかの増加に対しまして、今後調節をうまくいたしましてここ二、三年電源が相当拡充される間は、決して今の発電力では間に合いませんが、これは秩序をつけてできるだけ御迷惑のかからないような処置をいたし、早く電源を拡充いたしまして需給の調整をとりたいと考えておるわけであります。
 ごく概要でございますが、今の電力不足の状況を申し上げました。数字はお手元へ表を差上げてございますから、それをごらん願いたいと思います。
○有田(二)委員 さらに、進藤長官にお聞きしたいことは、ただいまお話がありました中で、二百八十万キロの火力発電所の件でありますが、この運営については政府としては日発のやつておる方法が万全を期したやり方であるかどうか、料金の関係で火力電気を積極的に動かさないというようなきらいはないか、非常に日発はうまく行つておる、かような確信を政府としてお持ちになつておるかどうか、この点を承りたい。
○進藤政府委員 政府といたしましては、火力発電所をできるだけ早く修理いたして、能力のあるだけはたくという処置をぜひとりたいと考えて、日発にもそう言つておるわけでありますが、今御指摘のありました通り、電力料金の問題が未解決にございます。それからもう一つは水力発電所が今年の四月以降相当調子がよかつたために、水力が出ますと、火力の出力を減らすというのは、これは実績が出て参つておるわけであります。そこで今御指摘の点はなかつたとは申しかねますが、料金を早く決定し、それから火力発電所をできるだけ早く修理いたしまして、予定の炭をぜひたきたいと考えております。ことに緊急停電以後におきましては、配炭公団の炭を日発へ渡しまして、炭の手配を十分いたし、精いつぱいたくようにいたすということで、日本発送電にも話をし、今手配中であります。
○有田(二)委員 進藤さんが資源庁長官になられた直前は、日発の副総裁をやつておられた。しかも電気行政については非常にわが国の権威者であり、日発の内容については一番よく御存じの方である。かような見解で当時私も御推薦申し上げた一人でありますが、国民もこの進藤人事に対しては大きな期待をかけておつたのであります。従つて今度の火力発電所の問題につきましても、むつかしい料金問題がその間に横たわつておりますけれども、このむずかしい段階を最もいい方向にやつて行ける人として、私どもは進藤氏に期待するところが非常に大きいのであります。しかしながら私の考えまする段階においては火力電気について、もつと私は政府から強力に申入れをこの際日発にすべきではないか、進藤さんはかつて日発の副総裁であつたけれども、日発に対してもいろいろな是正すべき点を進藤さんの手によつて是正して、そうしてこれからの需給状況をさらによくしていただきたい、かような考えを私は持つておりまするが、進藤長官の御意見を承りたいと思います。
○進藤政府委員 私の微力のために、いろいろ御期待があつたようなお話でございますが、御期待に沿いかねてまことに恐縮に感じておりますが、何と言いましても、電力が民生安定と申しますか、あるいは経済復興という問題に対して非常に重大な影響があることは、われわれ心の底からしみわたつておるわけで、日発に私が在職中におきましても、火力発電所を全力を盡して修理するということをいたしておつたわけでございます。今御指摘のような欠陥は、今後当然避けなければなりませんので、日本発送電にも先般も火力をたけという命令を、われわれの方から出しておりますが、なおお話のような点を十分注意いたしましてことしの渇水期に対しまして、また将来の電源の―確保に対しまして、全力を盡して努力し、御期待に沿いたいと思います。
○有田(二)委員 進藤氏の御意見はよく了承したのでありますが、とにかく一例を商店にとりましても、ちようど五時ぐらいから電気が消えてしまうということになりますると、銀座にしましても、あるいはまた京都あるいは大阪、その他の各都市のメンストリートの商人というものは、まつたく非常に困るのであります。それで中小企業の有成という面から言つても、この停電については政府として十分考慮を拂うべきである。さらに中小企業、中小炭鉱については、現在非常に問題になつているときでありますが、特に石炭の多い九州、北海道において停電がしきりに行われる。この方面は石炭は豊富にあるわけでありますし、中小企業、中小炭鉱の育成の面から言つても、政府として当然この面に力を入れなければならない。全国的に停電のために商売人が非常に困つておるというような点もあわせて考えるべきである。しかも今日の状態を考えまするに、日発と政府との間においてほんとうに一体になつてやつておるというようには、私はまだ考えられない。進藤さんを中心としてはつきり日発の腹を割つてそうして国民に迷惑のかからないように処置しなければならぬ。しかも戰争中のいわゆる官僚統制、すなわち一銭五厘で人間を引張り出して使つて来たという戰争中の考え方を打破して、そうして戰後の状況に合うような方向に、私は電力行政をも進めて行く必要があると考えるのでありまするが、とにかくこれらの各地における停電による商人のあり方、それからまた石炭の使い方というようなことによつて、中小企業、炭鉱の救済というような面についての、進藤長官の御所見を承りたいと思います。
○進藤政府委員 先ほど申し上げましたように、九州、北海道は石炭の一番の産地であります。九州、北海道におきまして電力事情が不幸にして全国的に見まして、非常に悪いと思いますが、九州におきましては、本年は幸い水が豊富でありまして、今までのところ例年よりも一八%ぐらい増加したような状況であつたわけであります。しかし石炭の統制が解けましてから、ほかの産業とにらみ合せて、十月以降の石炭企業に対する電力の割当は幾分滅つておるわけでございます。これに対しまして九州、北海道からいろいろわれわれの方へもお話がありまして、一応第三・四半期におきましては、過去の水力と火力の復旧量を見まして割当をいたしたのでありますが、九州に対しましては、九月並びに十月は水が豊富に出ましたので、また火力が予定よりも復旧がやや進みましたために、割当の増加をいたしました。十一月に対しましても御要求がございました。これは割当に対しまして一々こまかいことを中央で申すよりも、現地の石炭局、通産局あるいは配電会社と連絡しまして処置をとつた方が手取り早いというふうに考えまして、先般北海道、九州に対しましては通産局長のところで、関係者が連絡をとりまして、中小炭鉱なり、その他の炭鉱の状況を見て石炭の手配をするように、こちらから申しておるわけであります。おそらく十一月におきましても今の火力発電所の復旧状況等を見まして、割当も増加できるじやないかというふうに考えております。これは現地において今手配を進めております。
○有田(二)委員 中小炭鉱の救済についてお考えになつておる点は、私も非常にけつこうと思いますが、全国の商店がちようど商売の盛りに電気を消されるということによつて来る影響、この点をお考えになつて政府としてはこれらに対する対策をどういうようにお考えになつておりますか。
○進藤政府委員 これは緊急対策に書いてありますように、電熱、大口電力等を最大電力需用のときに制限しまして、電燈用のはできるだけ送りたい。そういう処置をとつております。
○有田(二)委員 せつかくの進藤長官のお話でありますが、実際の面はちようど商売の盛りに電気が消えておるのでありまして、進藤長官の意思が日発の方面に徹底していないうらみがあるんじやないか。従つてただいまの進藤長官の、電燈についてはなるべく消さないようにする、特に商業都市の地区については十分に考えるという話でありますが、これが末端にまで滲透して全国の商人がこれによつて喜ぶような方向に、さらに御努力を願いたいと思うのであります。
 さらにまた九州、北海道の火力電気については、さらになお御検討を願つて、九州、北海道の石炭のたくさんある、しかも單なる営利事業でなく、公益事業であるという建前から考えまして、この方面の停電が些少もないように努力をしていただきたいと同時に、この九州、北海道についてはどうしても電力の料金の問題がついて来ると思うのであります。この点についても政府として十分なる御努力が必要であると思うのでありますが、現段階においてはどういうような状況になつておりますか、伺いたい。
○進藤政府委員 今政府の気持が現場の方に徹底してないというお話でありますが、実は昨日電気事業経営者にお集まり願いまして、今度の緊急対策に対しましていろいろ懇談いたしましてなお今後緊急停電をなくする、秩序ある送電をすることを必ずやるということで、現実に具体案を出していただくことになつております。なお各地区ごとに通産局を中心として日本発送電並びに配電会社と組織的な連絡をとりまして、渇水期に混乱を起さないようにやつて行きたいと考えまして、そのつもりで進めつつあるわけであります。なお電力料金に対しましては、四月以降この問題でいろいろ手配いたしておつたわけであります。先ほど申しましたように初めの予定よりも水が多かつたために、電気の会社の收入状況もやや好転いたした等の関係もございましたし、その他で遅れておりましたが、ごく近く決定されるようにわれわれは期待いたしております。物価庁からお見えになつておりますから、料金のことはその方から……
○川上説明員 料金の問題につきましては、電力事情に非常に悪い影響がないようにということで、私どもの方としましては大体現在の三割二分程度の引上げ案をもちまして、向うといろいろ折衝をして参つたのですが、大体値上げにつきましては向うも了承しておるようであります。ただ地域的な配分の問題とか、あるいは基本料金と超過料金との関係の問題とか、そういうような問題につきまして、司令部の内部におきまして若干意見がありまして、まだ決定を見るに至つていないのですが、その点非常に遺憾に思つておりますので、いろいろ向うと折衝いたしております。大体今週中には目途がつくのじやないかというような状態になつております。
○有田(二)委員 よく話は了承したのでありますが、特に進藤長官にお願いいたしたいことは日発の内容については進藤さんが一番よく御存じだと思うのでありますから、この日発の内容を十分御検討願つて、これからの冬場にかけて非常に電力行政のむずかしいときに、大義親を滅してこの打開に当り、また日発の最高幹部もこの際事業の公益性を考え、さらにひとつ敢闘してもらつて、国民の迷惑を最小限度にとどめるように御努力願いたいと思うのでありますが、これに対する進藤さんの決意のほどを聞かしていただきたい。
○進藤政府委員 全力を盡して御期待に沿いたいと思います。
○神田委員長代理 次は福田一君
○福田(一)委員 まず第一にちよつと委員長に承りたいのですが、本日は通産大臣がお見えになつておりませんが、どういう事情ですか。
○神田委員長代理 お答えいたします。院内閣議をやつていて手離しがたいからということでございまして、連絡は今つけておりますが、ちよつと無理じやないかと思つております。お答えしておきます。
○福田(一)委員 先般来しばしば同僚委員からも、この通算委員の権威のために政府委員の出席を要求いたしておるわけでありますが、本日そういう御用向があつたということであればいたし方がありませんけれども、法案その他が出た場合には、関係の政府委員並びに大臣その他関係各省の人たちが全部出られるように、ぜひともおとりはからいを願いたいと思います。
 私は通産大臣がお出でにならないのであれば、政務次官あるいは進藤長官より御説明を願うことといたしますが、電源開発の問題であります。これは第五国会また第四、第三ずつと国会開設以来、非常に重要な問題として、今まで国会が力を入れて来ておる問題であります。今回三十八箇地点の正式な承認を得まして、しかも建設命令もほとんど出ておるのであります。われわれが第五国会において承つておりましたときには、すでに建設は全部着手される、少くとも八、九月ごろには着手される予定になつておつたのでありますが、いまだ一箇所も着手しておらないように聞いておるのであります。これは一体どういう事情によるものか、はつきりと御説明を願いたいと思います。さらにまた御存じのごとく、十一月にもなりますと、すでに北海道あたりでは降雪がある時期であります。東北、北陸方面でも工事には非常に支障を来すのであります。われわれは第五国会で、いろいろ同僚委員からも申しておりましたけれども、今後五箇年計画をやられましても、なおかつ三十万キロワットの電力の不足を来す、五箇年計画が完成した後にも三十万キロワットの電力の不足を来すということを聞いておるのであります。ところが今ごろから着手したのではこの計画がますます遅れて、日本の経済復興といい、あるいはまた民生の安定といい、電力開発の非常に大きな目的が阻害されることになつておるのでありますが、これらの点についてひとつ政府委員の御説明を承りたいと思います。
○宮幡政府委員 福田委員の御配慮のかずかずは同感であり、また恐縮にたえないわけでありますが、電源開発の問題は、御承知のように当初の計画において連合軍が、一体日本の工業水準はどの程度に置くべきか、それに要しまする電力はどの程度であるか、かようなことに重点を置きまして御検討をいただいて許されましたのがお説の三十八箇地点でありましてこれは御承知のように水力として四十九万キロ、火力として四十万キロ程度だと思つております。そうしてこの資金は、ただいまの国内金融の情勢から申しまして会社の自己資本、すなわち増資とかあるいは社債による調達が困難でありますので、これまた御承知の見返り資金によりまして、百四十五億を出していただくことを交渉いたしております。国内手続は大蔵省の承認を得、安本との連絡も相済みまして、ことごとく遅滯なく行われておるのでありますが、関係方面の手続は、その後諸般の事情から遅れがちになつております。お説のように北海道地区のごときはすでに降雪を見るような状況で、工事を緊急に行わなければならない時期に当面しておりまして、福田委員同様実は焦慮いたしておるわけであります。すでに前回の委員会においても若干御説明申し上げました通り、冬季工事の着手につきましては、たとえて申せば北海道の蘭越、久保内にはすでに日発に命じまして特に見積りをとらせる、あるいは飲場の建設をやらせるとか、少くとも日発の手持資金で融通のできる限度におきましては、それぞれ手配をいたしておりまして、ひたすら見返り資金の使用の許されることを毎日のように折衝を繰返しております。しかし全体的にこれを解決しますために、事情を異にする電源地点の開発に一般的な迷惑をかける、一般的な支障を来させることは遺憾千万でありますので、当面の措置といたしまして百四十五億のうち、さしあたり日発として二十五億円、配電会社として六億円、県営二億円、合計三十三億円の資金は、冬季においては工事困難だとか、あるいはこれはぜひとも先にやらなければならないという重点的なものを取上げまして百四十五億の全体をまたずに、部分的にも着工のできるようただいま交渉中でありまして、この点についてはここで申し上げるのもどうかと思いますが、すみやかに許される段階になるであろう、かように期待いたしておる状況であります。なおその他の事務的の詳細のことは、資源庁長官からお答えいたさせます。
○進藤政府委員 ただいまお話のございました発電所の建設が、資金のために遅延しはしないかというお話に対しましては、政務次官からお答え申し上げました通り、寒冷地帶の工事のむずかしい地帶からできるだけ早くやつて、北海道、東北方面に対しては早く手配いたしたい。日発の手持資金でできる範囲、つまり動力線を引くとか、飯場をつくるとか、または用地の折衝をいたすというようなことを進めまして、資金が調達でき次第、すぐかかれるように手配を進めておるわけであります。なお今後の見通しといたしましては、五箇年計画と申しますか、大体あの線に沿つて計画を進めておるのでありますが、先ほど申しましたようにここ数年間、発電所の建設が停頓しておつたために、この需給が今のような状況になつておりますが、建設工事のスピードを上げるということにいたしたいと考えております。これに対しましてはできるだけ技術的にも検討いたす必要がございますので、発電所の建設技術の研究につきましては、日発とメーカー、あるいは土建業者等といろいろ相談しております。またこちらから最近技術者を米国へ派遣いたしまして、新しい建設方式あるいは設計等につきましても検討いたしまして、この工事の遅延は技術的にできるだけ解決したいと考えております。
○福田(一)委員 ただいま見返り資金の許可の関係で遅れておる。従つてその遅れた分は技術面でこれを取返すようにしたい、こういうお話でありましたが、この見返り資金の運用につきましては、政府はこれをもつて失業救済をやるのであるということを、しばしば言明されておるわけであります。しからば最近のごとく失業者が増加しておりまする場合に、この建設が遅れておるということになれば、ただいま言いました政府の方針が十分徹底できないといううらみがあるのであります。この百四十五億の見返り資金を本年内に使うといたしましたならば、一体どれくらいの失業者の救済ができる予定になつておりますか、承りたいと思います。
○宮幡政府委員 電源開発事業によつて労力を吸收いたします限度につきましては、それぞれ見方によつて相違がございます。これは労働省の所管でありまして、われわれの方からはつきりした数字は申し上げかねますが、労働省の意向としましては、完全失業者と申しますか、年末四十八万くらいの数字を出しておるようであります。それからまた一部就業して―具体的に申せば、一箇月のうちに十日ぐらいしか仕事ができないというような方々も拾い上げますと、どうも二百万見当に行くではなかろうか、かようなことが話されております。しかして百四十五億でどれだけの労力を吸收し得るかという問題を検討してみますと、現われて参ります顯在、潜在の失業者の、いわゆる質と申しますと妙な言葉になりますが、質によつてその事業に吸收される限度があろうと思つております。しかし当面の通産省としての考えから申しますと、これだけの事業をやりましたならば、推定で三十万程度の失業者の救済はできるではなかろうか、かような期待をかけておるわけであります。なおこの点につきましては、所管省でありませんから十分な御回答はできません。なお綿密に検討いたしまして、所管省とも連絡の上、万全を期して参りたい、かように考えております。
○福田(一)委員 ただいまのお話ですと、電力開発については、国内の金融の関係その他の面から見て、見返り資金をお使いになるという御予定だそうでありますが、一体こういうような国家的に重要な―仕事に、もう少し政府としては国内金融の面、あるいは予算の面において何らかの措置を講じ、そうして電力の開発をおやりになるお考えはないでしようか。
○宮幡政府委員 福田委員の御説ごもつともだと存じます。許されるなり、また調達できるならば、国家の資金をもちまして、かような国家的事業は達成いたすべきだと考えております。しかし御承知のような事情でいわゆる財政的インフレになりまする資金の使途を一応封鎖されまして、ディス・インフレの線を強く押し進めております関係で、政府が手出しいたしますところの資金の調達ということは、現段階においては少くとも困難であろうと考えております。ただここで今見返り資金の問題について御意見もありましたので、許される範囲で申し上げますと、去る第五国会におきまして一千七百五十億の予算を計上いたしましたいわゆる見返り資金の性格というものについて、近き時期において相当の変革があるものと期待いたしております。それはアメリカの方の予算操作の点も、伝え聞くところによりますと、従来のガリオア、イロアの資金の関係の見方に相当の変化があるように伝えられております。のみならず、日本の産業経済復興のために設けられました、あるいは東亜全地域と申した方が当つておるかもしれませんが、一億五千万ドル回転基金というものが一応中止になつておりまして、かつて一億五千万ドル回転基金によりまして調達せられて参りました物資を、今度はガリオア、イロアの資金の中で調達せられるような面になつて参りまして、そこで今までは対日援助見返り資金という性格を持つておりますこの資金が、もう少しその性質をかえるではないかということがただいま考えられております。これは近くこの委員会の御審議をお願いすることになりますが、輸出入に対します自由貿易の原則―輸出臨時措置法、また輸入臨時措置法、かようなものを二法案そろえて御審議を煩わしたいと考え、ただいまその筋と折衝中でありますが、これらの機会においてはさらにはつきりしたことのお答えができるではなかろうかと思いますが、このいわゆる見返り資金の運用及びその性格というものが相当かわつて来るではなかろうか、こういうことを考えております。もし現在期待いたしておりますような状況に見返り資金の性格がかわつて参りますならば、お説のように国家の資金を運用いたしまして、国策的事業を育成する資金の効率を上げるということは可能であろうと思つております。しかしながらこれは今日の段階ではこれ以上申し上げかねるのでありまして、ぜひとも民間資金の吸收のできない、しかも長期にわたつて建設をいたしますもので、その資金の回收が容易でない、たとえばただいまの問題になつております―電源開発、あるいは山獄地帶の鉄道の開発、かようなものにつきましてはどうしても長期の資金が必要でありまして、その資金は民間から容易に吸收ができないものについてのまかなうべき一つの源泉を求むべきであろう、かように考えまして、この含みをもつてその筋ともいろいろお話合いを続けておるのであります。残念ながら、現段階におきましては御希望のような国家の資金をもつてこれを達成する、かようなことは不可能の状況にあることを御了承いただきたいと思うのであります。
○福田(一)委員 ただいまの政務次官のお話で非常に私は喜んでおるのでありますが、大体平和條約も近く審議が進められるというような状況になつておりまして日本の経済が順次独立化の方向に向いつつある現状におきましては、どうしても予算の編成その他についても、そういう面でお考えを願つておかないと、非常に困難を来すことが起りはしないかということを私は心配いたしておるものであります。そこで今申されましたように、見返り資金を使う一面において政府がこれに対して何らかの資金の調達をはかるということもまた必要でありますが、と同時に日発が自己資金をつくるという意味におきましては、日発の経営自体が非常に合理化され、また日発に対するわれわれ国民の信頼いうものが上つて、初めて自己資金の調達ができると思うのであります。最近伝え聞くところによると、日発は増資をされるそうでありますが、その増資を許可された内容はどういう点にあるか、その理由を承りたいと思います。
○宮幡政府委員 日発は、先ほど有田委員からもいろいろ御指摘がありまして、大分御疑念を持たれた点もあるようでありますが、進藤長官からお答えいたしましたように、それぞれ緊密な連絡をとりまして、国会の意思に沿うように、日発の特殊会社の性格を現わさせたい。かように考えておりますが、いずれにいたしましても現在の電力料金に織込まれております原価計算でありますが、これにおきましては、火力の石炭につきましても三百六十五万トンという数字が織込まれております。しかるに本年は四百七十万トンたくべきことになつております。また賃金べースにおいても七千百円のべースは組み込まれておりません。所要補修費が百二十億円程度いるのでありますが、そのうちたしか六十七億円しか組まれておらないのが現在であります。従つて事務所を建てるにも、補修をいたすにも、ことごとく自己資金で調達をして参らなければならないことが現状のありのままであります。そこでどうしても開発をやるごとと見合いまして、でき得べくんば―司令部の御慫慂は自己資金の調達をやる、社債や増資により、回收のできない資金はエード・フアンドからやつてもよかろうけれども、できるだけのものは市場の金を吸收するように、かような御慫慂もありますので、またこれが一つの大きな方針でもありますので、今回十五億円という増資をいたします。一部は現株主に割当て、その他は市場を通じまして公募いたします。こういう方法で最近におきましてはほとんで満株に達しようとする状況になつております。わずかに数万株が現在ところではまだ引受け確定しないというような状況でありますが、最近大分引受け希望が旺盛になつて参りましたので、これは間もなく消化されまして、十五億円の増資が現実化いたしまして、若干資金にゆとりがあるだろう、こういうように考えております。なおその上にかりに電力料金が三二%値上げを許されたといたしましても、火力発電を現在の段階におきましてフルにまわす、かようなためには、資金繰りをいたしてみますと、大体十八億円ないし二十億円の資金不足になつて参ります。この十八億円ないし二十億円の資金不足を、御説の経営の合理化によりまして、新規雇入れの抑制とか、過剰人員の配置転換、その他諸経費の節約、延滯電力料金の徴收を強化するとか、あるいは電気を俗に申す盗用―擅用という言葉を使つておりますが、その擅用防止、その程度をどんどん縮小して行く、あるいは送電量のロスの軽減をはかる、こういう合理化面で日発自身にやつていただく面を考えまして五億円程度は資金を節約してもらいたい。そこで火力電気における十分な運営を期する上におきましては、十五億円の資金のあつせん、これこそ国家的にやつてやらなければならない。かような状況がただいまのありのままであります。
○福田(一)委員 先ほど政務次官の御説明の中に、インフレにならないようにすることが非常に必要であるというお言葉があつたのでありますが、同僚諸君からもよくその御意見が出ておりますが、今のところはインフレでなくてデフレになつておるというのが現状であります。ディス・インフレという政策は非常にけつこうな政策だとわれわれも考えておりますけれども、そのディス・インフレがデフレになつておるという状況下におきましては、見返り資金その他の面におきまして、予算の編成並びに運用の面においてももう少し―ディス・インフレになるように、いわゆるデフレにならないように努めていただく。最近はドツジさんも見えておいでになりまして、政府当局としてはそうい面でもしばしば折衝をしておられる時期だと思いますが、この点は特に政府当局から十分御説明を願つて、そうしてデフレになつて、日本の経済が復興よりは破滅の方に行かないようにひとつ十分御努力を願いたいと思います。
 さらにまた失業救済ということは非常に重大な問題でありますが、この失業救済はあらゆる産業がそういう面において努力して初めてできるものでありましてわれわれ国民全部の責任であると考えておるものでありますから、この面においてもこの電力の開発というものをすみやかにやつていただく。またできるだけ量を多くしてやる、こういうふうに考えていただきたいと思うのであります。こういう希望を述べまして、私の質問を終らせていただきます。
○神田委員長代理 次は門脇勝太郎君。
○門脇委員 私は電気の停電に関しまする質問であつたのでありますが、すでに有田氏から委曲を盡されたのでありますから、有田氏の質問で徹底しなかつた点だけを簡單にひとつ御質問申し上げたいと存じます。
 先ほど政府から、いろいろ後説明があつたのでありまするが、いかなる説明がありましても、何と言つても国民がこうむつておる大きな迷惑という現実に対しましては、政府がこれは当然責任を持たるべきものであると私は考えます。なぜなればこの電気事業は日発にいたしましても、また各地区の配電会社にいたしましても、これは独占企業であります。しこうしてこの独占企業に対して政府がこれを監督し、統制しておられる。この独占企業が国民に対して多大の迷惑をかけるということに対して、政府が従来とかく傍観的態度であつたという点に、私は非常に遺憾の意を持つものであります。先ほどもこの需給調整に関しまして、渇水、豊水の問題からいろいろ御説明がありましたが、これに対して政府はどうもとかく無定見のような感じがあります。こういつたような停電が起つてから初めて電力緊急遮断防止対策といつたようなことを決定して、これを発令される。これはあたかもどろぼうを見つけてからなわをなうようなものでありまして、もつと前に―日本の渇水とか農水とかいうことは天然の―理であつて、何百年来の過去の実績であるのでありますから、そういつたことを参考にして、こういう緊急処置を前もつて設けて、国民が迷惑をこうむつてから、よちよちと政府が立ち上るといつたような、こういう手ぬるい無責任なことの今後ないようにお願いしたい。それから私どもが聞きまする範囲で、目下でももし日発が誠意を持つてやるならばいくらでも解決の方法がある。というのは火力発電は現在十分利用されておらぬ。利用されておらぬという原因は、要するに石炭をたけばコストが高くなる。石炭をたけば現在の料金から見合いまして、これは不引合いになる。欠損してまで国民にサービスはしない。こういつたような観点から日発が予定通りの石炭をたいておらぬ。わずかに予定の半数しか石炭をたいておらぬということが、新聞紙上に報ぜられておる。ここに一つの利害関系のために、十分なる施設をしないということは、先ほど申しまするような独占企業であり、ことに電力事業が国民に対するところの一つの大きな公益事業であるといつた観点から見て、そういうことをする日発自体がけしからんとともに、そういう事情を知つておつて、これを傍観される政府の態度というものも、非常に私は煮えきらぬと思います。
 続いて質問をいたしまするが以上の点につきまして御説明をいただきたいと思います。
○宮幡政府委員 日発が特殊会社でありまして、独占企業であることには一切異論はございません。御説の通りだと思います。しかるがゆえに御承知のように過度経済力集中排除法の適用を受けて、これを解体しなければならないようになつておりまするので、この点は御意見の通りだと思います。従いまして独占企業であるから、政府に全部責任があるのだという点は、われわれに対します御警告だと思いまして、そのまま拝承さしていただきます。
 それから日発が火力の出力を惜しむようなことを、石炭をたいては割に合わぬというようなことからやつていることが、新聞にも書いてあるではないかというお話でありまするが、過去におきましては、私はこの事実を否定するものではありません。残念ながらかようなときもあつたことを率直に認めねばならないと存じますが、現在におきましては、かような弊害をあくまでも監督の立場にある者が、消費者の御迷惑というか、あるいは消費者の利益を保護する意味から、十分指令し監督すべきものであろうと思いましてこの点につきましてはでき得る限りの手配をいたしております。のみならず現在石炭を買う資金がないというような問題につきましては、すでに資源庁の長官からもちよつと触れたと思いますが、現在滯貨となつております配炭公団の炭を、料金の値上げなりあるいは増資の資金、あるいは政府のあつせんいたしまする民間資金、かようなものの融通のつきまするまでの間前貸をして、そして石炭の前渡しをいたしまして、全部まわるように、ただいまいたしております。それでありますから、火力の現有設備の出力といたしましては、最近の統計は大体完全の程度に動いておりますが、やはり日発が独占企業であつても、国家的事業であつても、経営者の頭が利益本位に傾く。こういう御観点もあろうと思いますから、その点についての監視は、御注意もありますので十分いたしまして、さような間違いを繰返さないようにいたしたいと思います。
 なお電力が足りなくなつたから、急にその対策をとるという傍観的な態度はよくないではないか、これもお説の通りでありまして、もし傍観的の態度でありましたならば、これは申訳ない次第であります。しかしながらすでに資源庁長官からも申し上げましたように、電力量の絶対量において不足がある、そういう意味から、少いものを全般にうまく行き渡らせるということにつきましては、これは机の上だけで考えるようなわけに、事実はそぐわないのではないか、こう思いますので、特に電力需給調整規則の運営によつてやることを予想いたしまして、たとえば晝間送電をやめるとか、あるいは五時から八時までの電熱器の使用をやめるとか、この時期における工場の動力をやめて、家庭の方に十分お送りをする。かようなことをする等の措置は、電力需給調整規則の定むるところでありまして、この規則が不要であると、国会で御決定をいただくような時期が参りまして、もし傍観しておつたといたしましたならば、これを強く申しますならば、腹を切つて死ななければならないようなことになろうと思いますが、現在はまだ電力需給調整規則の存在を必要とする時期であるということを御了察いただきたいと思います。御注意の点は十分当局として承つておきまして万遺憾なきことに努力させていただき、なお御監視をこの後受けたいと思つております。
○門脇委員 もう一言簡單に申し上げたいと思います。日発が独占企業であるために、非常に專横である、要するに自由競争によつて国民にサービスをするといつたようないい点を、全然脱却しておるということに対しましては、非常に遺憾の念を持つものであります。しかし一面電源開発等の事業が非常に大事業であつて、こういつた大事業が数社に分割されることの方が不利益だということも痛感するのでありますが、しかし一面そういつたような大特典があつても、反面国民に対するサービスにおいて競争するものがないために、非常に横着千万であるといつたようなことも、相当関心を持たなければならぬことと考えます。政府としましてこの日発の独占企業に対するところの将来の方針をどう考えておられるか、この点をちよつとお伺いしたい。
○宮幡政府委員 お尋ねの点は、先刻もちよつと触れました通り、日発はすでに過度経済力集中排除法によりまして、解体を命ぜられているわけであります。現在の国情におきましては、また現在の法制下におきましては、好むと好まざるとにかかわらず、これを解体して参らなければならないことは、既定の事実であります。ただその方法と時期につきましてただいま研究中であり、またその筋とも交渉中でありまして、きわめて近い時期に、またこの点についての御審議をいただくようなことになろうと思つております。その場合におきまして、正常なる電気事業の自由競争が行われるような状態に再編成をすることが、お説の通り理想的であろうと思います。少くとも力の不平均化、あるいは力の平衡というようなことから生まれますところの、独占的な性格あるいは協定というようなものが生れて来ないように再編成すべきであつて、もし日発の解体が実現せられたとしたならば、その他集排法によつて解体せられました企業が、その後かつての兄弟でありながら、盛んに自由競争をいたします現状に照しまして、おおむね御心配の点は解決するのではなかろうか、かように存じております。
○門脇委員 日発の解体につきましてはそういつたような事例があることも伺つておるのでありますが、しかしその後政府側の了解工作によつて、ある程度その内容が変更せられたかのように、実は聞き及んでおるのでありますが、もしそういう点につきましても、御存じの点があれば、一応お聞かせ願いたいと思います。
 なお、これは枝葉末節にわたるような問題でありますが、どうも従来の経営の内容につきましても相当矛盾がある。たとえて言いますと、製塩事業であるとか、あるいは一般浴場の電化であるとか、こういつたようなことが非常に需給の関係から無定見に拡張されておるといつたようなうらみもありますし、また料金につきましてもとかく大口が非常に割安である。こういつたような非難も聞いておるのであります。今後そういう点に十分関心を持たれて、この電力需給調整にしましても、あるいは料金の調整にしましても、もつと公正にひとつお願いしたいということを、希望として申し上げておきます。
○宮幡政府委員 前段の御質問であります日発の解体が、その後話合いで遅れているような状況だがどうかという点にお答えいたします。日発を解体しなければならないことは、ただいまお話のような状況でありまして、近く通商産業大臣の諮問機関といたしまして、再編成の審議会を設置して、ただちにこの方法、時期等につきまして検討を開始し、続いて国会の御承認を得まして、法制化した一つの委員会等をつくりまして、すみやかにこれが行えますように、順次取運んで参りたい段階になつておることを御承知願いたいと思います。
○門脇委員 最後に一言申し上げます。るる申し上げましたように日発の採算いかんにかかわらず、火力発電等をこの際断固として強化されて、今後絶対に従来のように停電によつて国民に迷惑をかけないように、十分信念を持つて、政府がその衝に当られんことを切望申し上げておきます。
○神田委員長代理 次は前田正男君。
○前田(正)委員 先ほどから御質問がありましたので、ひとつ簡單に質問さしていただきたいと思います。
 まず第一に新規の工事及び修理が非常に予定より遅れておるようであります。これにはいろいろ事情があると思いますが、毎年冬になれば電力が不足になるのですから、もう少し早く修理を完了しなければならないと思うのですが、その遅れた原因をお尋ねいたします。
○進藤政府委員 ただいま工事その他が遅れておるのではないかというお尋ねでございましたが、大体におきまして前に申し上げたように、修理で申しますと、ことに火力発電でありますが、火力は九州は全部とは申しませんが、大体において豊水期に修理をいたしまして渇水期にフルにまわすということを毎年やつておるのであります。本年も四月以降火力発電の修理を一生懸命やつておつたわけであります。初めにおきましては、多少修理費の調達が困難であつたという点で、一部握れたところもありましたが、しかしさいわいに水がありましたために、安本の割当よりも毎月大体一割程度の発電量を多く出しておつたのであります。それでありますから、工事はそう遅れておるわけでありません。ただ逆に需用が非常にふえておる。これは新しい発電所の建設が数年間押えられておつたために間に合わなかつた。すなわち建設に対して需用の方が非常に多かつたということが、今の停電のもとになつておるわけであります。
○前田(正)委員 そう遅れていないようなお話でありましたが、実は十月になれば電力は足りなくなるのでありますから、火力発電所の修理をもう少し早めに完了するようにすれば、現在問題になつておる停電の問題は起らないと思う。しかしその原因につきましては、今のお話によりますと、資金関係で修理が多少遅れたということですが、この修理の資金関係というものの内容はどういうようになつておりましようか、お伺いいたしたいと思います。
○進藤政府委員 火力発電は経営費の運転資金でやるものと、設備資金でやるものと二つでございます。経営費でやるものは、料金をある程度織り込んでおるわけでありますが、その料金がまだはつきりいたしません。設備資金の方は、三月までは復金融資でやつておりましたが、復金融資がとまりまして見返り資金の方に一部食込んでおりますが、これが遅れたというふうな点で遅れておつたのであります。いずれにしましても修理は新設と違いまして、毎年どうしてもやらなければならぬのでありますから、そちらの方にできるだけ手配をして、工事が遅れないように努力したわけであります。
○前田(正)委員 今御説明がありましたので、大体資金計画の内容はわかりましたが、そこで問題は今説明がありました通りで、これは毎年行われることでありますから、この資金計画の調達の面に政府も協力していただきまして、ぜひとも冬の渇水期にならないうちに停電の問題が起らないように、修理計画自身をもう少し早めに繰上げるような方法ができると思います。豊水期のあとにおきましての修理の期間というものは相当あることはありますが、しかしながら現在の日本の電気方面の修理の能力から言いますならば、各発電所が同時に修理をするということはそう困難ではないと思います。問題は資金とか労力という点も相当あると思いますが、ぜひひとつ毎年起ることでありますから、現に起つておることに文句を言つてもしかたがないのですから、これからのことになりますが、ひとつその点政府及び関係当局の日発その他においては、来年度からしつかりした計画を立て直していただきまして、こういうことを再び繰返さないで済むようにお願いたします。渇水期における絶対的な不足につきましては、これはまた発電の方で御研究願いたいと思います。
 次にもう一つの問題は停電の罰金の問題の問題であります。実は罰金をとるということは、これは需用者が適正な需用以外の使用をすることに対しての懲らしめのためにとるのでやむを得ないと思いますが、しかしながら先ほど申しました通り日発及び政府その他、いろんな関係方面におきまして、十分な対策が完全に行われなかつたところに原因があるのでありますから、この際罰金をとりましたものは、政府は今までいろんな方面に使用しているのでありますが、この電力の供給増加という方面にこれが有効に使えるような方法に、考え直さなければ罰金を出す意味はないのであります。みんな非常に困つているときでありますから、どちらかというならばこんなものをとるよりも政府の責任を問いたいというのが、一般の声であります。しかし不正な使用者を懲らしめるために、罰金をとるのでありますから、とつたものは電力の増加になるという方面にこれが使えるように、政府においては考えていただきたいと思います。これに対して現在何か御計画があれば承りたいと思います。
○武内説明員 ただいまの御質問まことにごもつともでありまして、超過料金の五%を除きましては全部政府の国庫に入るのであります。電気業者の手には入らないのでありますが、仄聞いたしまするところによりますと、今回の電気料金の改正案には、超過料金は地域によつて異りますけれども、五倍ないし六倍というような金額がきめられるようでございますが、それは電気業者の方に入る超過料金というふうに考えられているようにわれわれは聞いております。従いまして前田委員のただいまの御質問の趣旨のようなことになりはしないかとも思います。もちろん最後的に示された案ではございませんから、はつきりしたことを申し上げる段階にはなつておりませんけれども、さような意味にわれわれは聞いております。
○前田(正)委員 今の政府委員の御答弁で大体了解いたしますが、もしそのようにならないことがありましたならば、ぜひわれわれの委員会に御報告願いたい。私たちの方としてはできるだけそういうことにたるように協力させていただきたいという希望を持つております。
 それから簡單なことについてひとつお聞きしたいのでありますが、昭和二十四年度の電力施設計画の中に、実施計画の基本方針といたしまして、建設資金が少くて済み、且つ経済的、能率的なものを設定するというように書いてあるのですが、これにつきまして実はこの開発計画に当てられている地方に現在非常に迷惑を及ぼしている事実が相当あるのであります。それはなぜかというと、この案の通りで行きますならば小規模あるいは中規模程度の発電所が建設せられることになつているのですが、しかしまた同時に大規模のものをつくりまして、相当多数の人口が立ち退かなければならないとか、あるいは村が湖底に沈むとかいうような調査が行われているのであります。その結果新制中学を建てるのをやめるとか、あるいは倒れた家を直すのをやめるとか、あるいは道路のこわれを直さないとか、いろいろな問題が起つているのであります。そういうふうな大ダム式の大発電計画というものは、もちろん外資の導入その他によりまして、将来の考えといたしまして行うということは、非常にけつこうだと思いますが、しかしながら現在の方針といたしまして、本年度はこういう方針があります。さらにこの方針がどの程度まで続くか、現在地方によりましては、非常に心配しておる向きもありますので、この建設資金が少くて済み、経済的な、能率的なものを選定するというような点を、よくお聞かせ願いたいと思います。この点につきまして御説明をいただきまして、私の質問を終りたいと思います。
○進藤政府委員 お答えいたします。この計画におきましては、さしあたりは早くできるように、もう一つは、北海道、九州のように、電力の逼迫しておるところを主としてやるようにしておりますが、しかし将来の問題としても、貯水池等は早く着手しておきませんと、相当長期になりますし、その点が今お話の点だろうと思いますが、これはよく打合せをいたしまして、趣旨を徹底し、話合いをいたしまして、よいということになつて、こちらに回答して来て、建設命令を出すことになつております。もし不十分な点がありましたら、計画その他を十分説明いたしまして御了解を得まして、今のようなことのないように努力いたしたいと思います。なおこの計画は変更せずにやりたいと思います。
○前田(正)委員 質疑を終ります。
○神田委員長代理 本日はこの程度にいたしまして、明日は午前十時から開会いたします。詳細は公報でお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時三分散会