第006回国会 農林委員会 第3号
昭和二十四年十一月十一日(金曜日)
    午前十一時二十七分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 野原 正勝君 理事 松浦 東介君
  理事 八木 一郎君 理事 藥師神岩太郎君
   理事 山村新治郎君 理事 井上 良二君
   理事 小林 運美君 理事 竹村奈良一君
   理事 寺島隆太郎君
      足立 篤郎君    安部 俊吾君
      宇野秀次郎君    遠藤 三郎君
      河野 謙三君    中村  清君
      原田 雪松君    平澤 長吉君
      平野 三郎君    渕  通義君
      村上 清治君    守島 伍郎君
      渡邊 良夫君    石井 繁丸君
      坂口 主税君    山口 武秀君
      横田甚太郎君    寺本  齋君
      小平  忠君
 出席政府委員
        農林政務次官  坂本  實君
        食糧庁長官   安孫子藤吉君
 委員外の出席者
        参議院農林委員
        長       楠見 義男君
        専  門  員 岩隅  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
十一月十日
 雑穀産地帯における米穀受配並びに代替穀物供
 出に関する請願(倉石忠雄君紹介)(第四号)
 單作地帶農業者の農業災害補償法強化に関する
 請願(本間俊一君紹介)(第二十六号)
 亘理郡の土地改良事業助成に関する請願(庄司
 一郎君紹介)(第二九号)
 菓子原料の統制方式改善に関する請願(庄司一
 郎君紹介)(第四一号)
 富山県の農村金融対策に関する請願(内藤友明
 君外二名紹介)(第四三号)
 福浦村の排水施設費全額国庫負担の請願(松井
 政吉君紹介)(第五八号)
 愛知県内養魚場を未墾買収の対象から除外の請
 願(江崎真澄君紹介)(第六七号)
 花瀬地区開拓事業促進の請願(前田正男君紹
 介)(第六八号)
 土地改良法の一部改正に関する請願(江崎真澄
 君紹介)(第七〇号)
 てん菜糖業助成に関する請願(岡田春夫君外九
 名紹介)(第一〇七号)
 十津川、紀の川総合開発事業施行の請願(前田
 正男君外二名紹介)(第一二一号)
 高崎市大字寺尾の国有林拂下げの請願(小峯柳
 多君紹介)(第一二二号)
 高崎市乗附地区十貫山国有林拂下げの請願(小
 峯柳多君紹介)(第一二三号)
 荒浜町字藤平橋国有地開放に関する請願(庄司
 一郎君紹介介)(第一二四号)
 開拓事業助成に関する請願(竹山祐太郎君紹
 介)(第一二五号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、第五回国会法第七三号)
 食糧増産確保基本法案(参議院提出、第五回国
 会参法第一〇号)
 昭和二十四年産米収穫予想高に関する件
 木材運賃に関する件
    ―――――――――――――
    午前十一時二十七分閉議
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 去る十月二十六日、第五国会内閣提出による食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案及び参議院提出による食糧増産確保基本法案が、それぞれ本委員会に付託と相なりました。本日はこの両案を一括議題とし、その審査に入ります。まず提案理由の説明でありますが、関係者がいまだそろつておりませんから、これは後刻行うことといたしまして、昭和二十四年度産米収穫予想高に関する件を議題として質疑に入ります。
○藥師神委員 きのう産米の補正の数字の問題について、作報と食糧庁の方でいろいろ調査があつたのでありますが、どうもわれわれ捕捉し得ないのでありまして、これはいずれもう少し正確な数字が出て来るとは考えますが食糧庁の調査による見込みと作報の調査によるものとは、相当の食い違いがあるということが、大体われわれでも考えられるわけでありますが、しかしそれによつて起るところの食糧の需給推算に対する影響度の問題に対する、食糧庁長官の意見を聞いてみたいと思うわけであります。名地方庁から減額の問題についての報告は約千二百万石に達するものでありますが、食糧庁なりあるいは作報の方で調べた数字というものと、どういう開きになるかはまつたく予測もつかぬわけでありますが、とにかく相当な減額補正をしなければならぬことだけはわかるわけである。がしかし一面において、食糧の需給推算の点から見てみますと、本年度に輸入する食糧は約百八十三万トン弱というものが需給推算の方に入つておるわけであります。してみると、まず石数に換算してみると千百六、七十万石になると思うわけであります。もしこれを行地方庁から報告しておる減額というものの千二百万石が、これが妥当なもの、かりに正確を得ておるものとするならば、輸入食糧は需給推算の上から言えば、これにゼロになるわけである。私は数字上から見てこう思う。かりに二分の一として見ても、今度新聞で伝えておるところを見ると、三百二、三十万トン六月までに輸入し得るというようなことが出ておりますが、これは別な角度から考えても、たいへんな議論の余地があるということは考えますけれども、それは第二の問題といたしまして、約二百万トンの輸入のうちで約十万トンが二十五年の需給にまわる。六、七万トンがみその原料として消費される。実際の二十四年度の需給推算から見て百八十三万トン、そこへ約三百万トン以上のものが入つて来るということになると、大体石数に換算して七、八百万石になると予想でき得るのでありますが、これをどういう意図をもつて三百万以上ににわかに変更されたのか。それから今度の減額補正とにらみ合してみて、これをどういうふうに今御算定をなさつておるかを、まず承りたいのであります。
○安孫子政府委員 年度がいろいろ食い違いますので、多少数字の点が違うかと思いますが、一九五〇年度におきましてはーーこれはアメリカの会計年度で申し上げますが、二百数十万トンの食糧の輸入が必要であるというふうに考えておるわけであります。昨年度は大体百八重万トンというような数値になつております。しかし人口増その他いろいろの関係から言つて、二百三、四十万トンのものが一九五〇年には必要であるというふうに折衝いたしておつて、大体その線で話が進んでおつたのであります。昨今におきまして、大体一九五〇年には三百万トン余のものが入る見通しになつて来たということは、一面世界的な豊作というようなものが原因になつておると思うのでありますけれども、アメリカにおきましても相当のストツクを持つておりまするので、それを日本に出しておくという意味があると思います。三百万トンのものが入つたといたしましても、それを今ただちに消費するという意味にはなりませんので、所要量以外はストツクをするという形になろうかと思います。それで需給推算におきましては三百万トン余のうち、やはり使うものが二百二、三十万トンというような形に相なるわけであります。あとは繰越しになるというふうに私どもは考えておるわけであります。それからその輸入食糧と国内の補正との関係についてお尋ねがごさいましたが、一面輸入食糧は相当入るわけでありますけれども、主体は何と申しましても国内産食糧であります。国内産食糧の効率的な集荷というものが、どうしても第一命題になるわけでありまして、足らざる部分を輸入食糧で補填するという建前になつておるわけであります。ただその補填する輸入食糧の方が、比較的順調に昨今においては入つて来て、明るい見通しがあるということであるのでありますが、しかし国内食糧の効率的な集荷という点について、これをゆるめる一つの理由にはならないのであります。そのために、各府県から御要求になつております減額補正値が約一千百万石程度になつておりますが、この一千百万石の減額要求というものは私どもも常識的に見てどうかと思う数字であります。しかし法律の趣旨にのつとりまして適正な減額をいたすために、食糧庁の調査あるいは作報の調査、あるいは府県の調査というようなものを彼此勘案いたしまして、減額の決定をいたしたいと思つて、ただいまいろいろ折衝を続けておるところであります。大体私はさようなふうに考えております。
○藥師神委員 私はきのうの質凝の点を聞いておりましたが、ここで数字上の議論をしてみたところで、何も効果はないようでありますから、それをしようとは思わぬのでありますが、この作報の調査統計と府県の減額補正の問題、あるいは食糧庁の方で調べたものと、それぞれ相当な多額の開きが出て来ると思うのであります。しかし本年度の作柄は、われわれが考えてみましても、災害を除いて非常に秋落ちがしたのであつて、虫の害も相当ひどくて、予想外に悪かつたということは、これは肯定できるわけであります。この点について作報あるいは府県の食糧事務所の理解の上で、実際に坪刈りをして、そうして現地調査までやつて出ておる実収の数字は動かすことのできないものと思うのであります。こういうものの最後の決定は、食糧庁の方でやらなければならぬと思うのでありますが、それは認めるお考えがあるのか、実際においてそういう立証できるものは、その現地の報告に基いてこれを決定するお考えでありますか、あるいはやはり腰だめでやられるお考えですか、その辺を伺つておきたいと思います。
○安孫子政府委員 坪刈りの成績をとりましても、やはり結論においては一つの推定になるかと思います。全部の農家についての坪刈りの成績の集計というものは、なかなか困難でありますので、やはりその地方における坪刈りの成績を勘案いたしまして、補正量を決定する有力な参考にするという取扱いをしなければならねかと思います。坪刈りの成績が即そのまま補正量の決定になるというわけには参らぬかと思います。
○藥師神委員 作報の調査には抽出の調査の方法もありますし、あるいは拉致計算もありますが、私はこのくらい架空なものはないと認めておるのであります。隅々のもみが充実しなければならぬのであつて、果実類におきましても、たくさんなる果実が小さくなるのはわかりきつたことであります。草たけとか粒数というものは、その年の作柄を予想する上の一つの参考資料にはなるけれども、有力な一つの基礎資料にはならないと思つておる。虫の害、いもちとか台風の害がありましたが、われわれは開花時における天候の不良であつたということを一番大きく見た。結実までにその條件が悪かつたということを非常に大きく見ておる。なおかんしよの問題について、新聞の伝えるところによりますと、非常に本年は豊作を予想しておつて、むしろ政府の方では、豊作のために悲鳴を上げるような状態に追い込まれておつたのであるが、さてこの供出を開始してみると、昨年度に比較して非常に供出の出荷の成績が悪いということを伝えておるのであります。この前年同期との供出の比較でありますが、その内容を承りたいと思います。それからもし昨年同期に比較して供出成績が悪いということになれば、どういう点にその原因があるかということを食糧庁ではお見込みになつておるか、それを合せて承りたい。
○安孫子政府委員 かんしよの出荷の前年度との月別比較でありますが、前年度のものはただいま手持ちいたしておりませんので、これは次の機会に申し上げたいと思いますが、私どもが昨年のかんしよの取扱いの経験によりまして、本年は月別に出荷計画というものを立てて、大体その線に沿つて出荷について御協力を得て、消費者の方にも、非常に迷惑なような状況にならないように措置して参つたのであります。その月別計画は大体八、九月におきまして一億一千万貫を計画いたしておつたのであります。これの実績は六千三百万貫、それから十月に二億二千万貫の出荷計画でありましたが、実績は一億八千三百万貫、当初計画よりも各月とも落ちております。十一月の見通しでございますが、これは当初計画は二億二千万貫でありましたが、これはおそらく二億四、五千万貫には行くのではなかろうかというふうに考えております。かように当初計画に比して実績が落ちておる理由でありますが、やはり一つはかんしよの作柄が思つたほど全国的にはよくないというとがあろうと思います。それからやはり月別出荷計画というふうなものが立てられましたので、これに即応する意味においてのご協力を得ておるという点も、一つあろうと思います。根本的には私は本年の作況が初め言われましたほどよくないというのが、やはり一番有力な原因じやなかろうか、かように考えております。
○藥師神委員 かんしよの方は豊作を予想されておつたのでありまするが、産米ほど表面にすぐ出て来ませんから、私も何とも言えないのでありますけれども、これは私、この前に指摘したように、月別出荷計画を立てられることは非常にけつこうな話でありますが、なるほどこの十一月の月は相当量出るかともわれわれ考えるのでありますが、十二月、一月というものはほとんど出ないのじやないかと思うのです。それはつまり貯蔵費との問題に関連を持つわけでありまして、私たちの主張は、輸送力あるいは消化能力、こういうものを勘案して、そうしてこの掘取り期のラツシユ時代に、一時に出すから腐らしもし、消費者も迷惑するのだから、それを各月にわけて、そうして出荷計画というものを、今の消化力あるいは輸送力を勘案して立てる、これをわれわれは慫慂したわけでありますが、ただ問題は、三月以降まで貯蔵したものでないと貯蔵費を拂わないというところに、大きな問題がひそんでおると思います。これは私この前も、しろうとが立てた案だということを申しましたが、三月と言えばすでに温床にいも種を植えなければならぬ時期です。すでに貯蔵庫において発芽をするような時期まで、何ゆえにいもを貯蔵しなければならねか、私はこれがわからぬのであります。今度の出荷の不振だという意味は、一面においては、予想ほどの収穫が得られなかつたということも事実でありましようが、一面においては、三月以降まで貯蔵すればキヤリシグ施設によるものは十貫匁当り百七十円、普通貯蔵には百四十円を支拂うというと、ほとんど二十三年度のいもの収買費に該当する高額なものであります。昨年度の一等のいもは十貫当り百八十円弱であると思いますから、貯蔵費から言えば厖大なものである。われわれとしては、拂うのもよろしいけれども、どんなに暖かい所でも一二月の上旬には掘つてしまうのだから、仮貯蔵でも何でもしたものは、十一月、十二月一月、二月というふうに出荷計画を立てて、長く貯蔵すれば腐敗率も多くなるわけだから、順次等差をつけて貯蔵費を拂うことを、われわれは極力主張したのでありますけれども、当時は物価庁の方できかない、寒いときにいもを出す必要はないというので、きかないというのでありますから、実にあきれておるのでありますが、いまの予想外に数量が少かつたということも原因でありましようが、一面においてはこういうむちやな、貯蔵費を三月以降でなければ拂わないというために農家は貯蔵費にほれて、多量に貯蔵したという傾きがあるのではないかと思うが、大体キヤリングと普通の貯蔵と合わせて、どういうお見込みですか、ちよつと聞かしていただきたい。
○安孫子政府委員 貯蔵見込み数量でありますが、ただいまはつきりした見通しを計数的に持つておりませんのでこれも留保いたしておきたいと思うのでありますが、キヤリング倉庫は大体二百数十棟できておると言いますが、完成はいたしておりませんが、着手して完成の過程にあるわけであります。そのうちどの程度使えるか、一応調べてみたいと思います。それから貯蔵費の関係で、非常にいもの出まわりに影響するほどの出荷の統制と申しますか、そういうふうに値段の高い関係から、貯蔵の方に大部分のいもがまわつて、普通出荷の方が少なくなつておるんじやないかというお尋ねですが、貯蔵の方は全体的に申しますと、能力から申しましても、そう急激に膨張するというわけにも参らぬのじやなかろうかと思うのであります。そり辺は値段の点もありますけれども、ふえましても膨大なふえ方でないので、やはり出荷が計画通り行つておりませんのは作況その他の関係が主である。貯蔵費を百七十円と百四十円にしたがゆえに、月別出荷が、実績が計画に比して非常に落ちておる有力な一つの原因であるというふうには、私ども考えておらぬわけであります。
○藥師神委員 そうすると、出荷計画は十二月、一月、二月というものは立てられていないのですか。出荷計画はあるのですか。
○安孫子政府委員 十二月及び一月ー三月は、合計いたしまして計画としては一億五千八百万貫の見込みであります。そうすると、計画は八月、九月が一億一千万貫、十月が二億二千万貫、十一月が二億二千万貫、十二月から三月までにおいて一億千八百万貫、合計七億八百万貫というのが当初の計画であります。
○藥師神委員 そうすると、大体当初の買上げ数量というものは、七億四千三百万貫と、それから政府の方でかつてにきめられた超供の分を六千万貫としても、約八億万貫でありますが、かりに今長官の言われたように十一月の予定の二億二千万貫が、二億五千万貫出るだろうというお話でありますが、二億五千万貫出ても、八月からの累計は五億一千四百万貫にしかならないのであります。残りは約三億万貫残るわけであります。それで十二月から三月まで通じて、一億五千八百万貫ということになると、まだ一億四千万貫というものが差額として出て来るわけであつて、超過供出の六千万貫どころではない。普通買上げの七億四千万貫を、七、八千万貫も割るということになるのですが、そういうお見込みですか。
○安孫子政府委員 買入れの大体見込み数量を申し上げますと、八、九月は六千三百万貫、十月が一億八千三百万貫、それから十一月が二億五千万貫、十二月が一億五千七百万貫と実は見込んでおります。一月から三月におきまして二千百三十万貫、そういたしますと、その総計が六億七千四百三十万貫という数字になるわけであります。これは生の問題であります。切りぼしの方はまた別にあるわけであります。
 切ぼしは大体二十四年の十二月に五千万貫、二十五年の一月に六千万貫、二月に三千三百万貫、合計いたしまして一億四千三百万貫というものが予想されているのであります。これを合計いたしますと八億一千七百万貫になりますが、大体そういうものであります。
○藥師神委員 一億四千三百万貫というのはほしかんしよになつたものですか。
○安孫子政府委員 そうです。
○藥師神委員 そうすると数字がたいへん違つて来ますが、しかしそれは大体にしておきましよう。ただ十二月から三月までの予定でありますが、これは私が今申したように三月以降でないと貯蔵費を加算しないということになると、十二月から三月までに出すものは、出荷計画はお立てになつてもいもは一つも出て来ねという結果になるんじやないか。十二月に出すものは貯蔵をしなくては置けぬのでありますが、その貯蔵したものに貯費は一つも加算してもらえない。これで出荷計画を立てられても出るお見込みがありますか、それを最後に一つ承つておきたいと思います。これはいもの統制解除とか、あるいは供出後の自由販売とか、今悩み抜いておる問題とも非常な関連もありますし、あるいは食糧需給推算にも大きな影響がありますし、なおさらに輸入食糧の問題、これは本日は議論を避けますけれども、これは将来の農村経営に畜至大な影響を持つと思うわけでありますが、雜米の補正の問題は一時的の問題でありますけれども重大にわれわれは見ておるわけでありますから、大体の概要を私は承つておきたいと思うわけであります。
○安孫子政府委員 いろいろ五議論がありますが、私どもが想定いたしておりましところでは、十二月にはやはり一億四、五千万貫のものは出るのではなかろうかと考えております。
○小笠原委員長 それでは昭和二十四年度産米収穫予想高に関する件の質疑は一応とどめまして、食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案及び食糧増産確保基本法案を一括議題といたします。まず食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を求めます。坂本農林政務次官
○坂本政府委員 食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案は第五国会に提案いたしたのでありますが、参議院の議決を得たのみで衆議院の議決を得るに至らず現在継続審議に付されておる次第であります。この際あらためて本法律案の提案理由を申し上げます。
 食糧確保臨時措置法は、食糧供出制度の根本的改善をはかるため、第二回国会に提案し、法律として成立を見たものでありまして、今年産主要食糧農産物からこの法律に基き農業計画を各生産者に指示し、これにより今年産主要食糧農産物の生産及び供出の確保を期していたのでありますが、昨年末経済九原則か公表され、日本経済の自立安定は、ひたすらこの線に沿つて強力に推進されることになつた結果、その最も重要な一環を占める主要食糧農産物の集荷も、従来の制度に改善を加えその能率の向上をはからねばならぬ次第に相なつたのであります。
 右九原則の具現化にあたりましては、特に財政の実質的均衡と、物価及び賃金の安定がその根幹となるのでありますが、終戰以来の経験にかんがみましても明らかな通り経済全体の改善につきましては、食糧配給の確保が大きな基礎的な役割を持つているのでありますから、この際急速に経済の自立安定をはからんとするならば、食糧配給は必ずこれを確保せねばならぬのであります。
 終戰以来わが国は食糧の不足を輸入食糧により補つて来ていることは、いまさら申し上げるまでもないことでありますが、今日わが国は配給所要量の約二割五分を輸入食糧に仰いでいるのであります。そして今日までこれはすべて連合軍占領地救済基金により供給されているのでありまして、われわれが自力で調達し得たものではないのであります。すなわちわれわれは連合軍の絶大なる援助により、終戰以来今日まで國民生活の破綻を防止して参つて来たと言えるのであります。しかしながらいつまでも連合軍の好意ある援助にのみすがることはできないのでありますから、われわれはこの際その必要とする食糧を自力によつて最大限度に確保することについて、従来に増し一層の努力を傾けなければならないのであります。これがためには、まず国内産食糧は可能な限り余すところなく集荷し、これを公平に配分するのが第一でありまして、その十分な実現をして後にこそ、初めて真の不足量の輸入につき、連合軍の援助を引続き期待することができるのでありますし、また今後きわめて乏しいわが国の輸出代金を食糧輸入に割くことが期待できるのであります。
 現行の食糧確保臨時措置法は、主要食糧農産物の生産供出その他に関する農業計画の指示を、作付の事前にこれをなし、爾後供出割当数量は増加せられないことを規定しているのでありますが、これは国内産食糧の超過供出を農民の自発的意思にのみ期待するものといたしますため、最大限の食糧を集荷しようとする面から見ると、経済自主化を急速に促進しなければならない現段階におきましては、適当でない点がありますため、旧臘連合軍最高司令部からも、九原則に関する書簡の発表に相次ぎ、主要食糧集荷に関する覚書が発表せられ、この点の法律改正が指令されたのであります。従いまして、今般の改正は、この覚書に基き、減収があつた場合は、これの減額補正を実施するとともに、食糧需給の均衡をはかるため、特に必要がある場合は、作況を考慮して供出数量の変更をなし得るような措置を講じるための法的措置を主たるものとしているのであります。
 以下順次内容の重要な点を述べますと、第一に、現在地方農業調整委員会を置いた場合、都道府県知事は、地方農業調整委員会の管轄区域については、地方農業調整委員会の議決を経て、その区域の市町村別の農業計画を定めているのでありますが、従来この点については明瞭な法規上の規定を欠いておりますため、新たにこれを設けたのでありまして、農業計画に対する異議の申立てに関しても、地方農業調整委員会を関与せしめるものとしたのであります。
 第二の点は、現行法によると、農業計画が公表されても、そのまますベての生産者が納得するとは限らないので、生産者が自己の農業計画に対して異議のあるときは、農業計画の公表のあつた日から十日以内に、市町村長に対して異議の申立てをすることができることになつているのでありますが、異議の申立ての期間を公表のあつた日から十日以内とすると、各市町村の農業計画の公表が時間的に差異がありますため、市町村の農業計画により県の供出数量に変更を生ずる場合、その事務処理に支障があるのであります。すなわち現状においては、農業計画の変更は、国全体の食糧事情を考慮して決定しなければならない事情にありますため、最後の異議申立てがあるまで全体が決定し得ないことに相なるのであります。特に現在法規上は知事の承認を要する場合の決定は、異議申立て期間経過後四十日以内となつておりますため、この関係からも、実際の決定が著しく困難となるので、農業計画に対する異議の申立ては、都道府県知事が定める期間内にこれをすることに改めたのであります。
 第三の点は、これまで市町村長が生産者に農業計画を指示する場合において、その指示は一定の形式によることを特に定めておりませんでしたので、個人別割当があいまいとなり特別価格の支拂い等につき不都合がありましたので、個人別割当を常時明瞭ならしめるためにも個人に対する割当の指示は農林大臣が様式を定めた書簡によるべきことを明文化したのであります。
 第四の点は、本改正法案の主張点であります。前述の通り政府は、生産者が災害等真にやむを得ない事由により、当初定められた供出数量の供出が不可能となつたと認めた場合、及び数量が当初の見込みに比し増加し、生産者に供出の余力があり、かつ国の食糧事情からも、食糧需給の均衡の保持上必要があると認めるときには、中央農業調整審議会及び都道府県知事の意見に基いて、事前に割当てた供出数量の変更をなし得ることとしたのであります。
 次に、供出数量の削減の場合の手続の点でありますが、現行法によると、生産者から市町村長に対し減額請求があつた場合に、供出数量の削減を行うことになつているのでありますが、これによつては、農家の現状から見ても、減額請求の手続を逸して、補正を受け得ぬ農家が生ずるおそれがあり、補正の完全を期しがたい事情があると思われますので、災害等のあつた場合は、政府の指示するところにより、市町村長がこれを行うことと変更したのであります。
 以上の供出数量の増減変更の場合にも、農業計画の事前割当の指示の場合と同様に、生産者の意思を尊重し、供出数量の変更に対する異議の申立てを認め、割当変更の公正を期し、農家の納得の行く供出を行つてもらおうとするものであります。なお、供出数量の変更を受けない者につきましては、市町村長がその旨公表し、これに対し異議の申立てをなし得る道を開き、かかる場合の救済措置を講ずる次第であります。ただ供出数量の変更に対する異議の申立てについては、供出期限の関係もあり、生産者別の供出数量を迅速に決定する必要がありますため、市町村長は異議申立て期限経過後十日以内に都道府県知事の承認を要する場合は異議申立て期間後二十日以内に、これを定めることとし、当初の農業計画に対する異議申立て後の決定の場合に比し、その期間を短縮したのであります。
 改正の第五としては、農業計国の変更の場合の措置につき、これを円滑に運営いたしますため、いわゆる地方補正を明らかに法的制度として認めようとするものであります。すなわち特に必要ある場合には、都道府県知事は、都道府県農業調整委員会の議決を経た後に、農林大臣の承認を経て、農林大臣が指示した農業計画に変更を来さない場合に限り、事前に割当てた供出数量の変更について、農林大臣の指示と異つた指示を市町村長にすることができることとした点であります。これは全体としての食糧確保には支障なく、しかも市町村の実態に即して合理的補正を行うための措置であります。なおこの場合においても、指示を受けた生産者が異議の申立てをなし得ることはもちろんであります。
 以上のごとく今般の改正は、内外の要請から、災害等の場合の減額措置にあわせて、食糧需給の均衡確保上必要ある場合は、収穫の増加した生産者に対し、供出数量の増加を命じ得る道を開いたのでありますが、もし努力して収穫した数量のすべてに対し増加割当を命ずると、まじめな農民の勤労意欲を阻害するおそれがありますため、政府は増加割当の場合、食糧事情の許す限り、超過供出をする生産者が超過供出の一部を保有することができるように、増加数量を定めなければならぬこととしたのであります。
 最後に、改正の第六点について申し述べますと、主要食糧農産物の生産を増進するため、生産障害除去に関する市町村農業調整委員会の指示権の中に、陰樹の伐採を加えた点であります。今日耕地に隣接する材木の陰のため、その耕地の食糧の生産力が著しく低下している事例がありますため、かくのごとき場合、陰樹を伐採し得ることといたしたのであります。これの運営につきましては、具体的事実を十分に考慮の上、慎重に運用せしめるつもりでありまして、その際の補償の措置についても、受益者は市町村農業調整委員会の支持に従つて、損失を受けた者に補償しなければならぬこととし、陰樹伐採に関する指示を円滑になし得るようにしたのであります。
 以上が食糧確保臨時措置法改正法案の骨子となる点でありますが、要旨とするところは、経済九原則の具体化を中心とする日本経済再建に関する近時の動向に即応するため、供出制度の能律的な改善をはからんとするところにあるのであります。
 何とぞすみやかにご審議の上御可決くださいますよう、お願いする次第であります。
 なおこの際、参議院において議決されました本法律案の一部修正案につきましては、参議院農林常任委員長楠見義男君より御説明を、願うことにいたしたいと存じます。
○小笠原委員長 それでは補足説明を参議院の農林委員長楠見義男君にお願いいたします。
○楠見参議院農林委員長 ただいま議題になつておりまする食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案につきましては、前国会において参議院は慎重に審議いたしました結果、ただいまもお話がございましたように一部修正をいたしたのであります。修正の條文はお手元に参つておると思いますが、非常に複雑と申しますか、原案が現行法を改正するのに対して、その一部をまた修正いたしまして、非常にややこしい規定になつておりますので、むしろこれはこの際その修正の要点を御説明申し上げた方が御理解に便宜かと思いますので、要点を申しあげたいと存じます。
 修正の要点は四点ございますが、まず第一の修正の点は、いわゆる転落農家、一部保有農家に対しまして、市町村長が農業計画を指示いたします場合においては、その農業計画の中で供出数量を定めるようなことをしてはならない。すなわち修正文にございますように、その生産者にかかる農業計画において、供出数量を定めないようにしなければならない。こういう点を修正いたしたのであります。この点は供用問題に関しましては、末端の問題が常にやかましい、また大きな問題になつておりますが、一般の紛擾は、こういうような一部保有農家に対する割当問題が常に問題になつておりまするし、このことは配給の合理化強化の問題とも関連いたしまして、また真に供出計画を合理的にいたします場合においては、この問題はぜひ取上げなければならない問題だと存じまして、こういうふうに修正をいたしたのでございます。
 それから第二の点は、政府提案の改正法案の第六條におきましては、割当計画を受けました生産農家が、異議の申立てをいたします場合に、その異議申立て期間を、ただいまも御説明がありましたように、知事の定める期間内においてやるようになつておるのでございます。現行法は、その指示を受けてから十日という期限がございます。今回の改正案の趣旨を政府の方から伺いますと、ただいまも御説明がありましたように、地方々々によつてばらばらに異議の申立て期間が定められておると、結局補正をしたりあるいは計画を立てたりする場合において非常に困る。従つて最後の締めくくりをするために、期日を統一するために、都道府県知事の定める期間内において異議の申立てをさせる、こういうような御説明でございました。その要旨も現在の十日の期限を短縮するような意図はなかつたのでございますけれども、しかし法文の上から見ますと、それは保障されておりませんので、ところによつては現在の十日の期間が短縮されるおそれも感ぜられましたので、参議院の農林委員会といたしましては、そういうようなおそれをなくするために、そしてまた政府ができるだけ期日を整えることを期待しておるとすれば、それはむしろ農民に対してではなくて、割当をする市町村長のところで統一した方がよくはないかというようなことで、第五條のところで、四項に、市町村長が農業計画を定める場合には、都道府県知事の定める期間内においてこれを定めなければならぬ、こういうふうにいたしまして、従来の生産農家が有しておりました異議の申立て期間が不当に短縮されることのないように保障することにいたしたのであります。
 それから修正の第三点は、第八条でございますが、政府提案によりますと、従来御承知のように、天災その他真にやむを得ざる事情によつて減収をした場合に、生産農家から減額補正の請求権を有しておつたのでありますが、今般の改正案におきましては、これまた政府の提案理由の説明によりますと、下からそういう請求権があることをまつよりも、むしろ上からそういような減額補正の措置を講じた方が実情に沿う、こういうような意味の御説明があつたのでありますが、しかし少くとも上からそういうような措置が講ぜられるとともに、下からもやはり従来通り減額補正の請求権があつてしかるべきではないか。今回の改正案では、下からの減額補正請求権を抹殺しておることになりまして、これは生産農家が有しておりました従来の権利を著しく侵害するものと認められましたので、下からの減額補正請求権に関する従来の第八條の規定をそのままにいたしまして、それとあわせて上からの減額補正その他の供出数量変更の措置もとられるようにする。追加割当の調整の措置もまた上から来るのでありますが、そういう上からの措置は別の條文でいたす。そうして現在の八條の規定はそのまま存置する、こういうような意味の趣旨の修正をいたしたのであります。
 最後に修正の第四点でありますが、市町村農業調整委員会が有しておりまする指示権の中で、今回の改正案におきましては、険樹の伐採指示権が存することを法文上明らかにいたしておるのでありますが、この陰樹の伐採につきましては、御承知のように、もしこの伐採指示権が濫に流れますと、地方においてはいろいろ困難な、また収拾すべからざるような弊害の生ずることも予想せられまするし、一方政府におきましても、そういうような事態の生ずることは夢にも想像しておらぬとのことでありますので、その指示権が濫に流れ、そうして弊害の生ずるおそれがあると認められるもの、たとえば保安林のようなものを伐採するとかあるいはこれに類似したものが伐採されるようなことのないように、あらかじめこれらの点について、但書において制限的の規定を設くるようにした方が、むしろ、指示権が正常にスムースに動くゆえんであると考えまして、その点を修正いたしたのであります。
 そのほかの点はそういうような修正に伴いましての整理でございまして、別段補足的に御説明申し上げることもないと存じます。大体以上のような点が修正の要点でございます。
    ―――――――――――――
○小笠原委員長 次に食糧増産確保基本法案の提案理由の説明を求めます。
○楠見参議院農林委員長 ただいま御審議を煩わすことになりました食糧増産確保基本法案につきまして、提案者の一人といたしましてその趣旨を御説明申し上げたいと存じます。
 前国会で、御承知のように、衆議院で土地改良及び災害復旧事業の促進についての決議をなされたのでございますが、参議院におきましてもこれを受けまして、食糧増産確保に関する決議をいたしたのであります。この食糧増産確保基本法案は、ただいま申し上げました決議の趣旨の一端に沿うための法案でありまするとともに、前国会において食糧確保臨時措置法の一部改正法案が参議院に先議としてまわされまして、参議院は農林委員会におきましては、この法案をわが国現下の諸情勢の上から見て、万やむを得ざる措置として賛意を表したのでありますが、その賛意を表した者にとりましては、この法案を受入れるために必要なつつかい棒と申しますか、臨時措置法を受入れるために必要な、新しい立法的措置といたしまして、農林委員の大多数がこの法案を提案いたしたような次第でございます。御承知のように、食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律は、昨年の十二月二十四日のスキアピンに基づいて立案せられたものでございますが、そのスキヤピンの中では、でき得る限り一主要食糧農産物の増産について政府は努力するように、そしてその努力によつて得た食糧を公平に分配するように、追加割当について法的の強制措置をとるようにという内容のスキアピンでございますが、私ども検討いたしました結果、農民に対する一方的な義務づけはございますけれども、政府の面における義務の負担というものは何らないのでございまして、従つて先ほど申し上げましたように、食糧増産がきわめて重要であり、経済自立の根本がこの食糧の増産にあり、しかもその重要性にかんがみて両院が決議をいたしたのでありますから、その決議の趣旨に沿うと同時に、ただいま申しましたスキアピンの一半の責任を政府が負うべく、政府にその責任を義務づけるために、しかも法律でもつて明白に義務づける必要を痛感いたしましたので、そういう趣旨からこの食糧増産確保基本法案を立案いたしたような次第でございます。そういうような趣旨でございますので、提案の理由にも明記しておりますように、わが国の経済自立を達成するためには、食糧の増産確保がきわめて緊急であることの基本的事実にかんがみ、主要食糧農産物の増産を容易かつ適切ならしめるため、積極的な措置を講ずるとともに、その増産をはかる上において障害となつておる諸事項を是正し、あるいは排除するのに必要な処置を講ぜんとするものでございます。
 そこでこの法案の内容といたしましては、まず第一に農地開発、災害復旧、土地改良等の事業につきまして、政府みずからその施策をなし、あるいは民間事業に対して適切な予算的あるいは資金融通的の助成を行わねばならぬことを規定いたしておるのでございます。
 第二には、わが国食糧の自給度向上の見地から、きわめて重要だと考えられまするところの、いも類の利用増進を期するために必要な加工、貯蔵設備の完備につきましても、同様に政府の義務を規定いたしておるのでございます。
 第三には、いわゆる早期供出及び超過供出に対する政府の報奨金の交付義務を規定いたしておるのでございます。なおついででありますが、実は提案者一同といたしましては、この報奨金に対してぜひ免税的の措置を講じたいということで、当初原案には免税の規定を入れておつたのでございます。数度にわたりまして、私委員長としてG・H・QのGSあるいはE8S等と折衝を重ねたのでございますが、容易にその了解をとりつけることができなかつたのであります。最後に源泉課税であれば、あるいは何とかなりそうな空気にも察せられましたので、当初の免税の規定を源泉課税によるいわゆる源泉選択の方法で税法上の特典を得ようと考えまして、再度この問題についてE8Sのその方面ときわめて強く、また数回にわたつて折衝を重ねたのでありますが、結局その問題は当時来訪中のシヤウブ・ミツシヨンの検討にゆだね、られることになりまして、前国会においてはその問題は解決を見なかつたのであります。この点は私どもはまことに遺憾なことと考えておつたのであります。シヤウブ・ミツシヨンの報告にも、この問題は何ら解決を見ておらないような現状でございます。御参考までに申しておきます。
 最後に、この法案の内容の第四の点は、御承知のように、極東委員会の農民十六原則中にも明示されておりますように、農業協同組合等に対する差別待遇の防止の規定でございまして、すなわち一般商業者または商業団体に比して、農業協同組合等が差別的の待遇を受けた場合の救済措置を規定いたしておるるのでございます。現に昨年あるいはその前から、配給繊維その他の配給問題等について、この種の問題が起つておりますが、この救済規定によつて、経済安定本部長官に異議の申立てと申しますか、提訴をいたしまして、公聴会において黒白を明らかにし、その差別的待遇を防除いたしたい。そうして、そのことによつて、農業協同組合が主要食糧の生産に直接または間接に必要な物資の取扱いを円滑にいたしまして、ひいてもつて生産農民にその生産上の利便を与え、そして食糧増産にも資するところがあろう、こういうような観点からでございます。
 食糧増産確保の問題につきましては、この他いろいろの問題もあろうかと思いますが、最初に申し上げましたように、この法案自体は御説明申し上げましたような趣旨で提案されたものでございますから、いろいろ足らざるところもきわめて多いと思うのでありますが、この法案が成立いたしましたあかつきにおいて、皆様方のご努力によつて真にこの法案の目的が達せられまするように、今後補充、完備していただきたい、こういうふうに存ずる次第であります。
 以上、簡単でありますが、大体提案の趣旨を御説明申し上げます。
○小笠原委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○小笠原委員長 引続き質疑でありますが、これは次会から行うことといたしまして、補正に関する件の質疑を継続いたします。藥師神君の質疑に関連する発言がありました。これを許します。足立君
○足立(篤)委員 昨日来補正問題につきましては種々論議されましたが、要するに水かけ論に終つておりまして、何ら要領をつかみ得ないことは、全国農民のためにまことに遺憾千万であります。要は食確法の定めるところに従いまして、一日も早く減収補正を適正かつ厳正に実行願いたいのであります。今日、法によつて定められておりまする事前割当制度の趣旨よりいたしまして、補正すべきものは厳正に、すみやかにこれを補正していただきまして、法の定むるところに忠実でなければならねと思うのであります。昨日の政府側の答弁を聞いておりますと、食糧庁においては、すでに五百万石余りの減収を認めておると言明されておるのであります。しからば五百万石の補正をただちにやるべきではないかと私は思うのであります。作報の調査によりますところの、増収と見込まれております莫大な数字につきましては、現行法上においては別扱いをすべきものであると思うのであります。従来同様供出とかいろいろな方法によりまして供出を見ておるのでありますが、これは出す、出さぬは農民の自由であるべきものでありまして、食確法の一部改正が通過いたしますまでは、法的根拠はないと思うのであります。そこで考えますのに、昨日食糧庁長官並びに作報の統計部長の方からも、いろいろ数字についてのお話がございましたが、結局こういつた関係は、物事をごつちやにして考えておる結果ではないかと思うのであります。たとい一俵の減収がありましても、現在の事前割当制度から行きますならば、その一俵を的確に補正すべきものであると私は思うのであります。従いまして、数字に対しての論議を繰返返しておりましても、これは際限がないと思うのでありまして、万一数字について不明瞭な点、不的確な点がありまして、これを是正しなければならぬということになりましたならば、ただちに権威ある再調査を行つていただきまして、これを確定していただき、法の定むるところに従つて補正を実施していただくべきものであると、私は存ずるわけであります。今日全国の農民が、この補正の問題につきまして、いたずらに疑惑を起し、いかにも政府が独裁的にこの数字をきめるというような強い印象を与えておりますことは、民主政治の発達のためにまことに残念であります。どうか農林当局におきましては、この上とも絶大なる御努力を得まして、一日も早くこの数字を確定し、嚴正な、そして適正なる補正を実行されんことを希望してやみません。
 なお一言申し上げたいことは、昨日来の質疑応答におきまして、数字の問題がこんぐらかつて参つております。私はきのうの河野委員の御発言のごとき、まことに筋の通つた意見である、それに対する政府側の答弁は、まことにあいまい模糊としていると断ぜざるを得ないのであります。しからばこの数字の確定のために、必要があれば再調査をしていただく、そしてこの疑惑を一掃し、一日も早く全国の農民を救つていただきたい、かように念願するのでありまして、委員長に御一任申し上げ、場合によりましては、国会においてこの再調査の決議をいたしまして、政府当局の善処を要請いたしたい、私は個人としてかように考えるわけであります。この点を委員長に御一任申し上げ、御善処をお願いいたしたいと思うわけであります。
○坂本政府委員 ただいまの御意見につきましては、まつたくわれわれも同感であります。従いまして、われわれは極力正確な実収高を、把握いたしまして、適切なる補正を行いたいということで、あらゆる努力をいたしております。ただ御指摘になりました通り、まことに遅れておりますることは遺憾に存じまするが、しかしながらそれだけわれわれといたしましては慎重に事に当つておるのでありますので、なるべく早く適切なる補正ができまするように、なお今後といえども十分なる努力を続ける所存でございます。
○小笠原委員長 それではただいまの足立君の御要求に対しましては、政府の方で最善の御努力をなさつて、なお不満足な場合には、さらに委員長より要求することにいたします。
○山口(武)委員 なおこの数字の点についても多少お聞きしたいことがあるのですが、これも省略いたします。この補正の問題につきまして、私政府の根本的な態度について二、三点お伺いしたいのであります。これは私先般国勢調査に参りまして、岩手県にいつたときなのでありますが、岩手県に行つて、県庁でいろいろ調査をしておりましたところ、本年度の米の割当は、完全農家、不完全農家を問わず割当をしている。食確法がどうのこうのと言いましても、上の押しつけ主義によると、こういう食確法がどうのこうのということは考えていられないのだ、さような答弁を聞いて参つたわけであります。特に今回の補正の問題を考えてみますると、これはおそらく政府の方といたしましては、下から出て参つた補正の要求に対してこれを重視して、これを基礎として補正を考えるような態度をとられるのかどうなのか、そういうことを初めから無視してしまつて、天くり的な補正だけでお茶を濁すとするのかどうなるのか、一体政府は法律に従つて事を行おうとしておるのかどうか、いわゆるそういうものは頭から問題にしないのかどうか、ここに問題が出て参りますので、この点に対して、まず根本的な態度について御表明を願いたい。
○安孫子政府委員 補正については、法律の精神にのつとりまして適切にやりたいという態度でございます。
○山口(武)委員 今安孫子長官からそのような答弁がありましたが、そのような答弁にいたしましても、実情においては、そういうことをちつともやる態度がないから問題だ、どこにそういう態度がある。
 なお私さらにお聞きしたいのでありますが、この問題につきましてはあとで再度質問いたしたいと思います。実は今回の補正も重大な影響を持つのでありますが、こういう事実が行われている現在供出割当は、食確法に基いてなされているのだ、そうすると食確法に基いて法律上の正式の手続がなければ、この割当は法律上無効になるのだ。ところが現実の町村における生産者に対する割当の状況を調べてみると、こういう問題がある。町村におきまして、個人割当が行われていないのであります。部落に対して割当がされておるだけで、しかもそれを割当てたことにして、部落割当をしたときの日を割当公表の日として、それから十日たてば異議の申立てもみとめていない。何か異議の申立てが出ると、農業調査委員会では、この異議の申立てに対して何らの審議もしないで放置しておる。期間が過ぎてもそのままになつている。こういうことになりますると、これは町村長の方におきまして、成規の法律による手続をとらないことになり、明らかに違法行為になる。こういうことになつた場合においては、私は生産者はこれは法律上から見まして、供出の義務がなくなることになるのじやないか、こういう実情がどこの村に少しあつた、ここの村に少しあつたという問題ではなく、現在の情勢においては、かなり大量に行われているのだ。これはどういうことになるか、御見解をお聞きしたい。
○安孫子政府委員 法律施行当時さような状況もあつたと思いますが、この点は実情もわれわれの方として判明して参りましたので、これの改善について再三督促もいたし、鞭撻もいたしまして、二十四年産米の事前割当においては、私は相当改善されると存じております。そのために食糧庁としては、検査員も動員いたしまして、個人別の割当をいたします数量その他についても、チェックもさせておるようなわけでありまして、この点は御指摘は相当広汎にわたるというお話でありましたが、非常にその点は改善されると私は考えております。
○山口(武)委員 私の質問に対して何ら答ておられない、私は現実にそういうことがあるのだ、それがあつた場合に、法律上これは有効なのか無効なのか、この見解をはつきりお聞きしたいと思う。
○安孫子政府委員 個人に、法律上の手続に従わないで末端に行かなかつた場合には、法律上いろいろ疑問の余地はあると思います。なおこの点はいろいろ研究をして見る余地もありますので、はつきりした答弁は次の機会に譲らせていただきます。
○山口(武)委員 そうしますと、今食糧長官はこの問題に対しては疑問があるということで、はつきりした見解をお持ちになつていないのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○安孫子政府委員 十分研究した上に、はつきりした見解を申し上げたいと思います。
○山口(武)委員 現在の処置について私は聞いているのです。
○安孫子政府委員 現在の処置について、十分研究してお答えを申し上げる、こう申しているのであります。
○山口(武)委員 繰返しても依然回答がないようですからやめます。
 次に坂本次官に一つだけお伺いいたしたい。それは供出の補正の会議があつたときの問題でありますが、食糧関係の会議は原則として公表してやられるのですが、実は七月五日に補正会議が開かれまして、私その会長に参つたのです。というのは、当時私は農林委員でもありましたし、どういう事情によつて補正会議が持たれるか、これは農林委会の審議の関係から申してもきわめて重大であるというので、勉強したいと思つて参つたのであります。ところがこの補正の知事会議に出席することを、食糧庁のある部長が拒否されたのです。これは食糧の問題に関する会議の公開一という原則にそむくものではないかと思います。そのとき坂本次官もそこに居合せて、私の交渉の話も知つているはずである。ところが坂本次官から何とも言われなかつたが、どういうふうにお考えになつておられたかお聞きいたします。
○安孫子政府委員 麦の補正会議のときの問題と拝察いたしますが、会場の関係もあり、また議事のとりまとめの関係等からいたしまして、実は会議を開きます前に、出席者の整理をいたしたわけであります。当時府県からも、普通でありますと相当多人数参りますけれども、その方の人数も制限したような次第でございまして、そんな観点から、ただいまお話のありましたようないきさつになつたと思つております。当時も部長からお話申し上げたかと思いますが、補正会議の内容その他につきましては、国会等において御質疑があれば、詳細申し上げなければならぬのでありますので、その辺も御了承願いまして、当時の会場の整理の都合からお断りしたようなふうに私は承知しております。
○小笠原委員長 それでは午前中はこの程度にとどめまして、午後二時より再開することといたしまして、暫時休憩いたします。
    午後零時四十四分休憩
     ―――――・―――――
    午後二時三十五分開議
○小笠原委員長 休憩前に引続き質疑を継続いたします。
 なおこの際野原委員より木材の貨物運賃に関する件について発言を求められております。これを許します。野原君
○野原委員 今回政府は国有鉄道事業の独立採算制確立のために、貨物運賃の引上げを行うというような情報が伝わつておる。聞くところによると、貨物運賃において九割一律の運賃値上げをするということを聞いておるのですが農林関係、特に林業の方面から見ますと、今回のそうした一律の値上げがもしかりに実現いたしますならば、日本における林業は致命的な影響を受けることに相なるのであります。御承知の通り木材は非常に容積が大きいのでありますから、一車に積みましてもたかだか十万円か十二、三万円の価格なのであります。品物によりましては一車積むと数百万円というような物もございますし、一般の輸送する品物の中で、おそらく最も低廉なものが木材なんです。そういつたような見地から、過去におきましても木材の運賃というのは、常に最低位の待遇を受けて保護されて参つたと思うわけであります。今日本材の運賃は、現行の運賃の等級におきましては、十一級にわかれておるうちの六級として扱われておるのでありますが、過去十六級にわかれておつた当時におきましても、木材に十六級によつて処理されておつたというような事情もあるのであります。今日いろいろな事情から見まして、どうしても木材の運賃の値上げは不当であるという声が強いのでありまして、もし万一無謀な値上げが行われるということになりますと、今日の木材の生産事業というものは致命的な影響を受けて、おそらくあらゆる産業に非常な影響があるであろうとわれわれは心配しておるのであります。そこで農林委員会としましてはこの際ぜひひとつ委員会の決議をもつて、政府のこの運賃の値上げに関しましては、木材の運賃は特にこれを慎重に考慮の上、一般的な運賃の値上げはやむを得ないとしましてもせめて等級においてこれを下げるというふうな扱いをすることを強く要望する必要があろうと思う。現在貨物は十一級にわかれておりますが、薪炭等はその最低位の十一級はもちろんでありますが、木材を十級程度にするということをこの委員会で御決議をいただいて、そして運輸委員会あるいは政府に対しまして、強力にこれを主張することにいたしたいと考えますので、この機会にこのことを動議として提出します。
○小笠原委員長 ただいまの木材運賃に関する野原君提出動議に御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶものあり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それでは動議のようにとりはからうことに決しました。
○小笠原委員長 引続き昭和二十四年産米収穫予想高に関する廉の質疑を継続いたします。
○井上(良)委員 私農林大臣に伺いたいと思いましたけれども、農林大臣が見えません。第五国会で審議して、参りました食確法の一部改正の法律案に関連して、いろいろ当面の食糧の需給対策等を検討して参りましたが、最近政府が昭和二十五年度の予算並びに二十四年度の補正予算の編成にあたりましてわが国農業の将来に重大な転換をしなければならね時期に今際会しつつあるのではないかということを、ひしひしとわれわれは身に感じておるわけであります。つまりこの補正予算及び明年度の予算の編成を前にいたしましてわが国農業政策または食糧政策の上に非常な変革か行われなければならぬ事態に当面しておるのではないかと思うのであります。その見地からこの補正問題にも関係がありますから伺うのでありますが、政府は最近新聞によりますと、米価は米価審議会の決定の線よりもはるかに下まわる線で決定されようといたしておりますし、従来ずつと單作地帯方面の農家の救済または特に増産に励みます農民の奨励の意味で、超過供出に対する三倍買上げというのを実施して来ましたが、これが本年からどうも二倍に押えられるような危険性になつて来ておる。つまりあくまで低米価主義で、そういう国内の食糧に対しては、農民の努力がほとんど報いられる手か打たれざるに、逆に小麦協定には参加をいたしますし、また商業資本によつて莫大な外米を輸入しようとしておる。このことは、日本の食糧の将来の上に重大な問題を提供しておるのであります。食糧庁長官は、また政府としましては、国内産産米の供給源を一体どのくらいに押えて行こうとするか、この問題であります。一つは需給の計画からわれわれが検討を加えますと、日本人は普通食糧といたしましては三合を必要とするというのが常識であります。かりに三合をわれわれが計画をいたした場合に、国内でまかなわれます面が、一杯米で何ぼ、麦で何ぼ、その他の食糧で何ぼと押えようとしておるか。かわりに三合配給ができない現状から考えましても、二合七勺という線で押えるにしましても、米で一体何ぼ供給をさそうとするかという、この需給の見地に立つた国内食糧の供給量を、政府は最低限度何ぼ確保しようとするか。これは非常に大事な問題でありますので、この点をまず食糧庁長官及び政務次官から伺いたい。
○安孫子政府委員 御趣旨は、日本の食糧の需給の観点から立ちまして、外国食糧が相当入つて来る。その場合に日本の農業なりあるいは農業生産力を、どう持つて行くつもりかというような御趣旨のように、承つたのであります。またそれに関連しまして、国内の食糧の種類別な二合七勺なりあるいは三合の場合の割合を、どういうふうに見ておるかというふうなお話もあつたと思うのであります。日本の食糧は、いろいろ御議論がありますけれども、ここ当分の間は、私は自給は困難であるという前提をとつておりまして、やはり相当の外国食糧を入れなければ、需給の調整はとつていけないというふうに考えております。もつともそれは、国内の食糧の生産力をこの程度にとどめておいていいという意味ではなくて、これはますます勉強して参らなければならぬと思いますけれども、ご承知のように、農業生産力というものは、そう飛躍的に上昇するものでもありませんので、理想的な、また新しい科学的な技術が導入されることによつて、自給自足もあるいは見方としては可能かもしれませんけれども、そうした事態はここ当分はないのであつて、やはりそういう方面に努力はするけれども、当分は輸入食糧によつて不足分をまかなつて参らなければならぬと思つております。非常に卑近なことで申しますならば、ご承知のように、日本は前でも決して食糧の自給はやつておらなかつた。表面的には自給をやつておつたかのごとく見えますのは、朝鮮、台湾から、年によつて違いますけれども、最も入りましたときで千五、六百万石の食糧が入つて、日本内地の食糧が表面的に自給自足しておつたかのごとく見えるのであります。千五、六百万石の朝鮮米、台湾米と申しますれば、トン数にいたしまして二百四、五十万トンのものが入つておつたわけであります。しかも当時から比べますれば、人口も増加し、またこの給源も失つておる現状において、食糧の国内自給という、この考え方は正しいと思いますけれども、現実にはなかなか困難である。それで少くとも朝鮮米、台湾米程度のもの、二百四、五十万トンというものはどうしても必要ではなかろうか。人口もふえておりますから、将来三合べ一スなりそういうものにいたしますと、もつともつとふえて行くというような状況だと思つております。大体そんな考え方をいたしておるのであります。あと種類別に申し上げますと、一九五〇年から五三年の間において、一応の想定をいたしておりますが、国内の米の生産力は一九五〇年においては、計画でありますが九百三十一万八千トンというものを想定いたしております。これが順次上りまして、一九五三年においては九百八十三万五千トンというような生産力を一応私どもとしては想定いたしておるわけであります。
○井上(良)委員 昨日長官はこの委員会において、明年度一九五〇年度のアメリカ会計年度に当てはまります年度において、約三百万トンの食糧を輸入する、こういうことをここで発表しておりますが、これを輸入するのについては、一つはいもの統制を撤廃するということが前提になつて、主食を米麦でもつて二合七勺を配給する、こうい見地で三百万トン必要となつておるのでありますか、それとも国内における補正をあまり多くやらなければならぬ関係から、輸入を多くせなければいかぬということになつておりますか。われわれ常識として考えますのには、十二月か一月ごろにいもの統制を撤廃して、米麦によつて二合七勺を配給する必要から、また一つは賃金ベースを上げない、実質賃金を確保するという見地から、主食を増配する、こういう面でこの一月から二合七勺を米麦で配給したい、こういう見地にたつて、この三百万トンの輸入計画を立てておるのではないか、こう思うのでありますが、この点に対する御意見を伺いたいのです。
○安孫子政府委員 三百万トンの輸入計画は、ただいまお話がございましたように、一月以降米麦のみをもつて、換言いたしますと、穀類でもつて二合七勺ベースを維持するという観点から、三百万トンの輸入ということではございません。その関係はないのです。三百万トンふえました一つの理由は、やはり各地との通商協定がいろいろ進行しておるわけであります。その通商協定の観点からの一つの計画が盛り込まれますために、三百万トンという数字になるわけであります。たまたま一面いもの統制問題がいろいろ論議されておりまするので、とかくこの三百万トンといもの統制解除による穀類の需給増というものを結びつけて見る見方を、時折私もお聞きいたすのでありますけれども、そういう関係ではございません。通商協定その他の関係から、この三百万トンの輸入が計画いたされておるのであります。この三百万トンのうち相当の部分がコンマーシヤル・ファンドになると思いますがこのコンマーシヤル・ファンドが最近のローガンのポリシーから申しますと、輸入が先で輸出があとだというような話もありますので、何とも申せませんが、必ずしも私はただいまのところ手放しで楽観しているという趣旨ではないのでありまして、これが実現については、手放しで楽観していい性質のものでもないと考えております。一応の計画としては、そういう計画を持つておるのでありますが、その具体化というものは今後の問題であるというふうに考えております。この点はガリオア・ファンドとはよつほど趣が違て来ると考えます。
○井上(良)委員 そうなりますと、三百万トンを入れますと、それをストックするのですか。いもの統制は続ける、そこで二合七勺の配給を堅持して行くということになりますならば、それだけだぶつくのですが、その関係はどうなりますか。
○安孫子政府委員 三百万トンかりに完全に入つたといたしますと、そこでストックが五、六千万トンできるという形になるわけであります。五十万トンとしても三百万石程度のストックということであります。ただいまの考え方では、入つて来たものはストックになるという考え方を致しております。
○井上(良)委員 そういうようなむりをしてことさらに入れなければならぬ理由はどこにあるのです。御存じの通り、またあなたの御指摘の通り、これはほとんどが余分にだぶつく分としてストックしようと計画されておる。食糧は商業資本によつて入れようとしておる。これは御存知の通り飢餓輸出によるものなのです。国民は敗戦の苦情の中に立つて、着るものも着ずに、食べるものも、ろくろく食えずに国土再建をしようということで、飢餓輸出に全力をあげておる飢餓輸出をしたその身がわりとして食糧を輸入するというほどばかげた貿易計画はないのです。国内に絶対に食糧が不足するから、やむを得ずにわれわれは、何よりも生きなければなりませんから、そのために入れなければならぬというのならともかく、そうじやないんじやないですか。現実においてはいもをはずさなければ二百万トン輸入すればいいのです。何であと百万トンを輸入しなければならぬか。しかも飢餓輸出による身がわりとして米が輸入されて、それも国内で食糧が不足しておるというのならば話がわかるけれども、そうではないのです。それとも、私が開きたいのは、一千万石からの地方庁側の補正要求があるからこれは来年度の食糧事情はなかなか油断できぬというところで、その補正の目当てとして、ここに相当のストックを持つていないと、来年の需給の上に重大な支障を来すということでやられるのならば、これまた了解いたしますけれども、おそらく一千万石も政府は補正をしようという勇断もないだろうと思うから、そこでそういう飢餓輸出による身がわりとして、ことさらに百万トンからの食糧を輸入するというのは、單なる外国の事情に基いておりはせんか、国内事情じやないのじやないですか。この点はどうですか。
○安孫子政府委員 井上さんのお説もありますが、私は食糧の持越しと申しますか、ストックはやはりある程度持つておることが、食糧事情の安定の上に必要だと考えております。五十万トンと申しますれば三百三、四十万石で、昨今のことではありませんが、一時理想持越し高は、日本においてはどれくらいであろうかということを、いろいろ検討した時代もあるわけでありますが、当時においても、大体六百万から八百万ということが、常識であつたと記憶しております。従いまして五十万程度のストックは、決して農業生産力に圧力を加える性質のものでもありませんし、また食糧需給の操作の面においては、相当有効なストックであるというふうに考えますので、ただいま申し上げましたように、なけなしの金でもつてその程度のものを入れることが、はたしてどうかという御疑問はありまするけれど、この程度のストックは決して非常識なものじやないと考えます。
○井上(良)委員 私にはよくわかりませんが、政府は二十四米穀年度から二十五米穀年度へ、例年にない持越しをいたしておるのであります。この十月末日から十一月一日への繰越しを見ると、例年にない持越しが行われておるのです。その上にさらに百万トンに近いものをストックする理由はないのです。その点を明確にされたい。
○安孫子政府委員 昨日八木さんからもお話がありまして、今年の十月末日から十一月一日への持越しを御報告申し上げることになつておつたのでありますが、この機会に申し上げておきたいと思います。二十四年の十一月一日におきまする国内産の食糧が米、麦、雑穀、豆類を総計いたしまして千百二十七万四千石でございます。前年の同期は千二百二十六万七千石でございましたから、国内産食糧におきましては九十九万三千石の減になつております。これは早場米の供出が昨年に比較して少かつたということがおもなる原因であります。輸入食糧は、二十四年十一月一日におきまして四百六十八万石でございます。前年同期が七十九万四千石であります。従つて輸入食糧の前年度に比較しての増が三百八十八万六千石。国内産食糧と差引いたしますと前年に比較いたしまして二百八十九万三千石という増になつておるわけでございます。もちろんただいま申し上げましたように、相当外国食糧がコンスタントに入つて来るということになりますれば、どこを押さえまして持越しを考えて行くかという問題が一つあると思うのであります。国内の出まわり期でありまする十一月等押えるのがいいのか、あるいは前でありましたならば、中間端境期の五、六月を標準としてとるべきか、その年度の最もウィークポイントを押えまして、持越しを見て行くのが適当ではないかと思いますけれども、これはもつとわれわれとしても研究を要する問題でありますが、今申しましたように、十一月一日において千五、六百万石の食糧が内地にあり、これにあと五百万石を、プラスする必要はないのではないかということのお話合いであろうかと思います。これも年間の需給をとりますと、まあとんとん程度の需給の操作をやつておるのでありますから、余分に五、六百万石程度のものはストックを持つておりましても、決して不必要なむだなストックではないというふうに私は考えていいのではないかと考える次第であります。
○井上(良)委員 これはいずれ食確法の改正法案の審議の場合に、さらに詳しく伺いたいと思いますけれども、ここで大事な点は、そうしますと、政府の方では十二月からいも類の統制を一部解除しまして、政府で買上げた以外にものは自由販売にするという新聞報道が出ますが、これは事実ですか、事実じやないのですか。これを明らかに願いたい
○安孫子政府委員 政府といたしまして、本年度のかんしよは、割当をいたしたもの、及びその一割程度の超過供出出を買いまして、そのあとは自由販売を認めようというような趣旨のもとに、関係方面と交渉をいたしております。ただし、これが結論はいまだ出ておりません。そういう線でいろいろ折衝をいたしておることを申し上げておきます。
○井上(良)委員 さらに、明年度のいも類は統制を撤廃するという方針ですか。これはもう一度念を押しておきます。
○安孫子政府委員 二十五年産のいも類の統制につきましては、いろいろ私どもとしては検討を加えております。しかし二十四年産のいもについて、いまだ結論を得ておりませんので、その状況も加味いたしまして、二十五年のやつも考えて行かなければならぬかと存じておりますが、統制を継続すべきか、全部はずすべきか、あるいは農業生産力に対するいろいろな考証から、その折衷的な措置をとるべきか等について、利害損失を検討を加えておる、研究を続けておるという段階でございます。
○井上(良)委員 もし、いもの統制を撤廃をいたしまして、二合七勺を堅持いたすということになりますと、当然一般配給と、農家保有米の増加保有となつておりますいもの問題が、ここで問題になつて来る。そこでこれがもしはずされるということになりますと、両方で約百三十万トンほど足らぬことになりはせんかと思う。そういう問題をわれわれは考慮いたしまして、本年の補正問題にもこれが重大な関係を持つて来ますので、これはいずれ食確法の場合によく検討をし、政府にもお聞きをしたいと思いますが、いずれにいたしましても、これらの問題が少しも明らかにされてないということは、本年の補正の上に非常な悪影響を及ぼしておるのではないかと私は思う。私は、昨日農林委員会に最後までいませんでしたから、他の委員から質疑されたかもわかりませんが、政府は今日まで司令部等と補正問題ついて折衝を開始いたしておりますが、この点を一応伺いたい。
○安孫子政府委員 補正に関する関係保全面との折衝は、約半月ほど前に一度折衝を開始いたしたのであります。その後各地におきます坪刈りの成績等が順次判明して参つております。従つてこの際においては、坪刈りの成績を十分勘案して、その事情も織り込んで交渉するのが適当であろうという考え方のもとに、その資料を整備いたしまして、それが今月の初めに大体できましたので、その後再び折衝を始めておるという段階でございます。
○井上(良)委員 そうすると、政府は司令部に折衝するのについては、政府として本年補正してもらう最低の数字をお持ちであろうと思いますが、その数字をお示しを願いたい。
○安孫子政府委員 もちろん、司令部と折衝いたしますについて、われわれの腹案も持つておるわけであります。昨日もご質問があつたのでありますが、これにつきましては、今申し上げることは、いろいろ交渉の上において適当じやないという考えをいたしておりまするので、近いうちにぜひこの点は申し上げたいと存じますけれども、ここ一両日のうちは、ひとつ御容赦を願いたい、こういうふうに考えております。
○井上(良)委員 それはおかしい話で、その数字が明確にされませんと、補正問題に対する国会としての審議ができませんよ。そんなものを秘密に持つておる必要はありません。堂々と自信のあるほどを国会にも国民にも知らせる必要がありますが、もし一般に公開することがぐあいが悪うございますれば、委員長はただちに秘密会にされて、その数字の公開をひとつおとりはからい願いたい。委員長、非常に大事な問題でありますから、公開できませんでしたらただちに秘密会にして、その基本的数字をお示し願いたいと思います。それがわかりませんと、補正問題に対する国会としての態度で論議が進められませんから、おとりはからいをお願いいたします。
○小笠原委員長 政府の方で秘密会ですと発表できる程度になつておりますか、お伺いいたします。
○安孫子政府委員 来週の月曜日ごろでありますれば、秘密会においてお話申し上げることができようかと思いますが、きようのところは実はかんべんを願いたい思つております。
○井上(良)委員 各県の被害の実情は、その後多少移動がつたりして、最低の基本的数字に多少の変更があるという見通しの上で言われるならば、われわれも了解いたします。そうではなしに、何か政府の方でこの数字を知られるとどうもかえつていろいろな上にぐあいが悪いというような、秘密主義の上で言われるならば、これは私は承認できませんが、どうですか、それをはつきりしてもらいたい。
○安孫子政府委員 実は国会には補正の全部の経過その他はどうせお話申し上げるつもりでおりまするので、もちろん本日お話を申し上げてもいいかと思うのであります。ただ、またただいまもお話がございましたように、名地からの訂正その他もございますので、一応出しました案はございますけれども、率直に申し上げますと、明日また私が直接参つていろいろ折衝する段取りになつておりますので、その結果も見まして、今までの経過を次の機会にでも御報告申上げる方が効果的ではなかろうか、そういう考えで申しておるわけであります。
○井上(良)委員 きわめて効果的な答弁をされたのですが、私ほそこまで追い込んで、別にその数字の公開を要求をしようとは考えておりませんが、政府がそこまでいろいろな大事を踏んでやられることについては、われわれも了としなければなりません。ただこの際ご注意申し上げたい点は、政府の今持つておるその数字は、一体何を基礎にして持つておるかということなのです。御存じの通りに、作報の六千五百万石の数字にいたしましても、実際現実とは非常にかけ離れておる点は、いろいろな面から検討を加えられておるのです。それで作報はさらに全国の各地に坪刈りをいたしまして、実収額を正確に把握しようとして、今計数を作業中であります。その計数の作業の結果は、十二月の中ごろでなければわからぬと言うておる。これができあがつたときこそ、ほんとうにはつきりした収穫の実数がつかめるのじやないか、この数字をもつて臨みますならば司令部との折衝にも相当御自信のある交渉ができますが、政府の今持つておる数字というものは、向こうさんの顔色を見ておつて、それでこつちでこれだけで行つたらどうだろうという、腰だめでやつておるのじやないか、どうもそういう気がしてしようがないのです。そういうことで補正問題がかりにきめられますと、これは天くだり割当になりまして、現実とは非常にかけ離れた補正が実際に各県に下されることになります。それが相当被害の実数に近いところではがまんをしておりましようけれども、もし被害の実数と非常にかけ離れた補正でありました場合には、これは供出の上に重大な支障を来して来ます。その責任はあげて政府にあるということになります。
 そこには私は問題があると思いますからあなたが明日司令部へおいでになるならば、今日のうちに、実は政府はこう思つているのだ、そのやり方はちよつとおもしろくないからこうやつたらどかということで、お互いがよく国民の心情を聞いて、そうして司令部の方に十分納得と得心のできる説明の資料をもつて行くということが、払は必要じやないかと思うから、あえてあなたを追い込もうと思いませんけれども、できればきようその内容をお知らせを願えるならば、まことに都合がいいことじやないかと思う。どうも今あなたのお持ちになつておる数字は、政治的数字じやないかと私はにらんでおる。科学的根拠に基いた数字ではないと思つておる。いや科学的根拠の数字だというならば、はつきりしてもらいたい、こう思うのです。
○安孫子政府委員 補正の数字はもちろん井上さんに申し上げるまでもなく、府県から要求されておりまするものは千百万石、食糧事務所の末端機構において調査をいたしましたものが五百数十万石、あるいは食糧庁におきまする地方の資料官からの報告もそれに似たり寄つたりで、いろいろな資料があるわけです。また作報におきましても、一部被害調査というものをやつておりまするので、その辺もまあその見当の数字になつておる。それでどれをとるのが最も科学的であるかということになりますと、これはなかなかむずかしい問題だろうと思います。被害調査については、確立した一定の方式並びに組織というものが実は欠けておるのは御承知の通りであります。その状況において最も科学的な結論を言つてみよ、こう言われましても、なかなか簡単には申せないので、結局各種の資料を総合いたしましたところを事実に近いものだろうと申し上げるより実は方法がないのであります。それで常にこの問題については、腰だめ式な補正をやつてけしからぬという御非難を受けておるのでありますが、現状においてはそういう状態であります。しかしながら作報の調査が相当進んで来ておりまするので、この点は漸次確実になりつつあると思いますし、また御指摘のように、十二月の半ばになりますれば作報の実収というものも判明をして来る――もちろん実収が判明したからといつて、ただちに補正数量が確定するものが残されておる問題であるので、この補正の問題につきましては、結局いろいろなものを総合しての腰だめというようなものにならざるを得ないのであります。それで県から御要求になつておりますのは千百万石ですから。これは常識か申しますと、ことしの作況が五千百万石から二百万石という結論になる。もちろん増收分がほかに多少あろうかと思います。これは県の御報告によりますと百五十万石程度と言つております。そうするとことしほ五千二、三百万石の作柄だということになる。これは私どもとしてはとうてい承知のできない作況でありまして、ことしはいかに應いとは言え、そういう作況ではないと思つております。そうしますと、食糧庁等において調査した結果、あるいは作報等において調査しました結果及び坪刈りの遺蹟等を加味いたしまして、大体の見当をつけて交渉するという段取りになるわけでございます。もちろん府県の調査が、総体においては以上のようなちよつと常識を離れた数字にはなりますけれども、府県別のいろいろの状況を勘案いたしまするには、最も有力な材料であることはこれははつきりいたします。それで実は非常に逆なことを申して恐縮なのでありますけれども、大体どの辺がことしの補正数値としては最も適当かということについては、前農林次官の井上さんあたりの御意見もお聞きしたいくらいに、実は思つておるのでおります。
○井上委員 最後にお伺いいたしますが、今あなたの御説明をいろいろ伺いまして、政府の力ではもう大体の腹はできておると私はにらんでいるのです。実際のところは、司令部の方でもことしの補正は何ぼと、日分社で大体押えておりはせんかと私はにらんでおるのです。ただあまり県側が言つて来ました数字が大きいものですから、あなたの腹の中に疊み込んで、あの補正の数字を今出すとうるさい、だからできるだけ時期を延ばして、そうして熱も下げた時分にやれば、まあそこらはどうにか納まりませんか、こういう政治的な考慮が拂われておりはせんかと――これは思い考え方ではありませんが、経過的な処置として私にそういうふうに感ずるのです。私はあなたに伺うのですが、どうも日本の思いくせで、本年の春の麦の補正におきましても、昨年の米の補正におきましても、余計言つて来なければ損だというわけでとてつもない減額補正をされておつても平気のへいざでおるのです。実際はそういうことが一体連合国に対して、日本の各地方庁としてはずかしくないかということです。一千万石もかりに補正をせいと言つて来ておいて、実際――これは私のはだはだ言い過ぎかもわかりませんけれども、今のような食糧事情の動きから考えると、私におそらくことしの補正は二、三百万石でとまるりじやないかとにらんでおるのです。政府のへつぴり腰では、とてもじやないが、五百万石や六百万石もの補正はとれまいと思う。そうするとあとの七割というものが切り捨てられるのです。そんなことで一体地方へ持つて帰つて納まるかというと、納まらぬのです。それはどこへ影響して来るかというと供米へ影響して来る。今度はまた関係方面からけつをたたかれて、がさがさやられて、しぶしぶ雪の降る時分に出そうかということになりはせんかと思うのですが、そういうことに対して、もつと正直なほんとうの数字を出さすようにいたして、あなたの方でも、やほりほんとうに正確な数年をできるだけ持つて交渉するということにせんと、どうも交渉というものは数字自身が政治的に組まれており、数字自身の上に立つた交渉がみな政治的に折衝されて、地方へおろされるのもみな政迫的な考慮から、いろいろな点を考慮されてやられるようなことがあつてさきに山口君から質問がありました通り、実際被害農家の実数を集めて、それを上へ積み上げて来て、本年の被害はこれだけあるということで補正をしているのと違うのです。県側なりあなたの方の食糧庁の被害の実数を合した上で、大体ことしはこれぐらいであろうということで補正の数字がつかまれておりますから、その点に非常に迷惑する所と、非常に得をする市町村ができ上るのです。これは毎年起る問題でございますから、こういう点について、今後はお互いがもつと真剣に、この問題についての計画的な数字を持ち得るような調査の方法を、これは作報に頼みますか、食管に願つた方がいいかわかりませんが、いずれともこのやり方はひとつ政府の方で真剣に考えてもらいたいということが一つであります。
 それからこの次の食糧の討議の際ぜひお願いをいたいのは、食糧管理局の特別会計赤字の問題でございますが、この赤字の内容について、詳細な資料をお出し願いたいということをこの際お願いいたしまして、私の質問一応終ります。
○小笠原委員長 補正問題は論議は盡きたようでありますが、各委員の御要求並びに御意見はごもつともでありますから、これを政府の方の決定、あるいは新聞発表前にわれわれ農林委員会の方に折衝をしていただいて、わが農林委員会の意見を十分反映して、効果あらしめる期間において十分に調査の結果を発表願うことにしておいたらいかがでしよう。
○竹村委員 それに一言つけ加えてもらいたいことがあります。
 きのうからの質問で、大体明らかになつていると思うのですが、今度の補正の問題で、根本的な問題は、收穫高と補正値と並行せしめるという考えではないという政府の方針を、ひとつ堅持してもらいたい。そうしないと予想收穫高の発表というものは、一応十月一日現在でありますけれども、ああいう形で発表されている。そうしてまあ増産されていると言われている。それだから補正はすることにいらぬのだというもし関係方面の考えがあるとするならば、これは非常に大きな迷惑であります。先ほどからの井上さんの御質問で明らかになりましたように、政府に腰ができて、まだはつきり発表の時期に至つていないと言われておりますけれども、あの質疑応答の中でわれわれの感じましたことは、地方庁からの減收の報告は一千七十六万八百何石ぐらいあると言われております。ところが作報あるいは食糧庁の調査によりますと、大体五百万石程度だとその当時は考えている。しかもそれ以上に進行していることは事実なのである。そうすると、実際の減收率と、予想收穫高との間には開きがあるように、昨日の佐々木更三氏の質問がありましたけれども、実際は政府の答弁されている通りでありまして、この答弁から見て、その当時のことから考えますならば、五百万石以上は補正しなければならないということが、食糧法の規定から申しましてもはつきりしているわけです。そうするといかに増收されておつても、しかしこれだけは補正しなければならないということが結論になつているわけであります。この点はつきりしておいていただきませんと、先ほど井上氏の質問にもありましたように、やはり輸入食糧との関連があると思うのであります。それで米がなかつたならばどんどん買つたらいいではないか、從つて政府は小麦協定に入つて、持越高をまあこれくらいだつたらいいというので、先ほどからいろいろ数字をあけて御説明願つたのですけれども、毎年激増して来ている、しかし激増するのに少くとも長官も説明されたように、日本の国内においても一九五〇年よりも五三年に至る方が多く増産するという計画を持つておられるというほど、世界の食用事情は毎年々々好転して行くということは、これはだれでも想像できる。その好転して行く時にこそ持越高というものは少くていいわけであります。食糧事情が惡くなるのであつたならば、おそらく国内の食糧問題というものをよくするために、持越高を多くしなければならないのでありますけれども、これが好転しているにかかわらず多くしているということ自体に、先ほど言われた、われわれは飢餓輸出で持つている今日、なお高いものを多く貯蔵するということは、非常に大きな問題がありますので、特に政府はこの際でき高、いわゆる増産と、そして補正する額との相違点、先ほどから問題になつた相違点をよく考えられることを、特につけ加えて委員会は政府に警告していただきたいと思います。
○小平(忠)委員 ただいま論議されております問題に関連しまして、重復しない点を二、三お伺いしたい。ただいま政府当局と委員との質疑を伺つてみますと、何だか政治的な取引によつて割当量をきめようというような、そういう感じを深く持つのであります。これは非常に重大な問題であります。少くともこの補正については、最も的確な最も正確、公正な実態を把握して、それが最終決定となるということが、私は最も望ましいと思います。その点で、現に作報の発表と都道府県の地方庁の発表との開きが、一千百万石もあるということについて、それが結果において二、三百万石ということになつたならば、それはあまりにも開きが大き過ぎる。そうしますと、今後においても各地方庁において、一応そういつたようなことを見越して、はつたり的に大きな数字をふつかけるというような惡い悪例を残します。ですから私は先般農林省の発表された数字については、まことに遺憾にたえないわけであります。少くとも農業調整委員会において、末端の個々の盛り上つた数字を一応持つて参つたものは、ほんとうに的確なものでなければならぬということでなければ、この補正の問題についても、食糧行政についても円滑に行かないのであります。別に私どもの方の北海道の実例を申し上げますと、作報の調査が二百七十六万八千石に対して、道に調査は二百二十七万八千石、その開きが四十九万石であります。これは私の方の例を申し上げるのですが、北海道の開道以来の旱魃と、さらにキティ台風、あるいは冷害、さらにいもち病の病虫害、これによつて北海道の本年度の作柄というものは、非常に惡いのであります。現に内地の本州、四国におきましても、今次の数度にわたる台風によるところ被害というものに、非常に多いのであります。これらが一方的に作報において、本年は戰後において初めての豊作であるというような報道によつて、それらの実態が隠れて、最後は関係方面との折衝において抑えつけられたもりが確定であるという場合において、結果がどうなりましようか。それはただいまいろいろ各委員からも発言されておるように、結果というものは、ここにまた流血の惨事を見るというような結果をもたらすのであります。そういう見地から、一体農業の調整委員というものがあつて、最後は天くだり的にきめるのであるとするならば、一体こういう農地調整委員会の制度なんか必要ではないのではないか。そういう点について、私は忌憚のない政府当局の意見を伺いたいと思います。と同時にこれに関連いたしまして、実はけさ日本経済新聞を見て私におどろいた、今度の米価の問題、あるいは超過供出の問題等について、いろいろ仄聞はしておつたのでありますが、けさの新聞の報道によりますと、農林省は本年度の米価を四千四百五円に決定したい。すなわちその内容を申し上げますと、このパリティー指数を一五六・四三といたしまして、四千二百五十円に、俵代が百十円、等級間の格差調整金というものは四十五円、合算いたしまして四千四百五円、さらに超過供出は二倍である。実はこういつたような新聞の報道で、農林省は昨夜おそくまで審議して、本日の閣議においてこれを決定するというような報道がなされておるわけでありますが、かりにこれが真実とした場合において、今日まで農林省に、大臣においても、次官においても、あるいは長官においても、超過供出についてはあくまでも三倍を堅持しておられた、しかるに最後のどたんばに来て二倍ということになつた場合にどうなるか。さらに米価の問題については、これは今日まで相当論議されているが、例の米価審議会において政府に答申した四千七百円を下まわること三百円、そのような低位な価格において、実際に農家が翌年度の採算を憤つて行くことができないということは、これは明らかであります。そういうような点から言いまして、私はけさこの新聞の報道を見て、実は唖然としたのでありますが、農林政務次官並びに食糧長官の補正問題並びにこれに関連する米価の問題について、忌憚のない御意見を承りたいと思います。
○坂本政府委員 まず第一に補正の問題でありますが、減額補正をいたします場合に、いかなる資料を採用するかという問題につきましては、先日来の委員会におきまして十分申し述べた通りであります。從つておのおのの資料の信憑性ということの問題につきましては、いろいろ御意見もあろうかと思うのでありまするが、われわれといたしましては、各方面の資料を十分総合勘案いたしまして、本年度補正が非常に遡れておりますことも、できるだけ実收高に近いものをとりたいというようなことでありまして、先ほど来食糧長官からも詳細に申し述べた通りで、おわかりいただいていると思うのでありますが、決してわれわれが、何か政治的な意図でもつて、かように問題を引伸しておつたり、あるいはまた故意に数字をつくり上げている、捏造しているというような事実はないのでありますから、この機会にこの点は十分御了承おきを願いたいと思います。
 さらに米価の問題でありますが、すでに供出は始まつておりますし、米価の問題が今日まで解決しないことは、まことに申し上げます通り、米価審議会におきまして、各委員の方々、しかもそれがあるいは生産者の立場において、あるいは消費者の立場において、あるいは、いわゆる第三者の学識経験者の立場において、いろいろ論議をされたのでありまして、この結論の趣旨に基いて、われわれは政府の原案を作成いたしたりでありますが、まず基本価格の問題の、石当り四千七百円という数字については、いろいろ実は研究もいたしたりでありますが、その算定の基礎につきましては、従来通りやはりパリテイー方式を採用すべきである、かような見地から、パリテイー方式につきまして、そのおのおののフアクターについて、慎重にウエートの計算をいたし、また修正すべきものは修正をいたして参つたのでありまして、ただいま御指摘のありました、いわゆるパリテイー方式を採用したという点について、多少の御議論があるかと思いますけれども、この点は関係方面においても、どこまでも堅持しているところの建前でありますので、この点もひとつ御了承願いたいと思います。
 さらにまた超過供出の特別価格の倍率問題につきましては、先ほど決定的なことのようなお話もありましたが、まだわれわれとしても望みを捨てているわけではないのでありまして、依然として交渉を続けているような次第でありますので、この点も御了承願いたいと存じます。
○小平(忠)委員 割当調査の問題について、実は私はただいまの農林次宜のような回答を承ろうと思つたのではないのです。現在町村から都道府県に農業調整委員会という制度があつて、実際この調査にあたつては、私どもの方の北海道では、今回のこの調査について七名の即死、十三名の重傷という不祥事まで起して、現実に的確な調査をやつておるわけであります。そういうような眞劍な調査が、作報によるところの一方的な調査によつて、それらが何ら反映されないというのであるならば、それに結論において、極端なる開きのもとに最終決定をなされるというのであるなるならば、農業調整委員会において、そういつたようなむだな調査は必要はないと思うが、農林省はこれに対して一体どういうふうに考えるか、その点を私は伺います。
 その次に米価の問題はすでに農林省の最後の腹をきめて、本日の閣議で最終決定をするという報道がなされておるのは事実であるかどうか。農林省にそういう考えを持つておるのかどうかということを、現在率直に伺いたいのであります。
○坂本政府委員 各市町村におきまする最終調整委員の方々が、常にわれわれの農業政策につきまして、御協力を願つておりまする点は、多々敬意を表しておるのであります。決してこれらの方々の御労苦によつてできておりまするところの調査資料を、われわれがないがしろにするという考えに毛頭ないのであります。もちろん有力なる資料として採用をいたしており、また全体の調整の上につきましても、十分ひとつ資料といたしまして採用する所存でございます。
 なお今お話のありました米価問題につきましては、先ほど申しました通り、本日の閣議におきましてはいまだ審議される段階に至つておらないと考えます。
○小平(忠)委員 最後に一点、それは米価問題については、まだ最終決定になつておらない。農林省自体のお考えもないというように伺いましたが、これに非常に無責任な御回答であると私は思う。少くとも農林委員会において、現段階におけるその通行状態については、これは外部に漏れる前に、実際こういう段階になつておるのだということを、率直に、赤裸々にお話してもらつてこそ、私は国会の権威が保たれるのではないかと思う。この問題について、單に新聞の報道だけでなく、ある程度的確な意見も情報も実は承つておるわけであります。それについて、私はもし最後決定になつてから政府を攻撃したり、あるいは云々することはいけない。少くともまだ決定になつておらない攻防だから、農林省当局のお考えを率直に承つて、私の考え方を申し上げたい。こう思つたのであります。しかるに政務次官は、まだこれについては何ら決定になつておらないと言つて逃げるのは、私は卑怯だと思う。
 さらに超過提出の倍率の問題も、米については二倍、さらに仄聞いたしますと、民自党政府が現在折衝を重ねておる米券制度について、この倍率との関係を二倍にして、さらに米券制度を採用すれば、ちようど農家の手取りというものが、三倍になるというような関係において、均衡がなされておるというようなことも仄聞するのであります。(「じようだんじやない。」と呼び笑声起る)しかしこれに災いごとじやない。現にそういう問題がいろいろ流布されているのでありまして、こういう問題も、実に特に関西や四国、九州のように二毛作地帯においては、私はその及ぼす影響は大でないと思いますが、東北地方のごとき單作地帯においては、一律的にきめられる農産物価格等に関連いたしますときに、これは非常に重大問題です。さらにいものごときは、その倍率を現在の二・二五倍を一・五倍にするというような、極端な考え方をしていると私は承るのであります。これらについても最後決定になつてから云々言うよりも、私に事前に率直にお考えを承つて、これに対してやはり、政府も現在の日本が占領治下にある現情を率直に認めて、へつぴり腰でなく、ほんとうの農家の実態、農村の現状というものを考えて、真剣に取組んで行くという心構えをつくつていただきたいということを、私に最後に申し上げたいのであります。
○小笠原委員長 小平君の御要求のようなことに、先刻委員長からも要求してありますから、そういうことで、政府の方から決定する前にこちらの方に明瞭に御説明を願うことにしていいでしよう。
○小平(忠)委員 政府がほかに発表になる前にこちらに報告してもらうということでけつこうです。
○小笠原委員長 それではどうか政府の力で、そういうようなお取扱いをしていただきたい。
 それでは本日はこの程度に止めまして、次会は公法をもつてお知らせすることといたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後三時四十六分散会