第007回国会 大蔵委員会 第13号
昭和二十五年二月十三日(月曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 大上  司君 理事 北澤 直吉君
   理事 小峯 柳多君 理事 小山 長規君
   理事 島村 一郎君 理事 前尾繁三郎君
   理事 内藤 友明君
      岡野 清豪君    佐久間 徹君
      塚田十一郎君    苫米地英俊君
      西村 直己君    三宅 則義君
      田中織之進君    松尾トシ子君
      宮腰 喜助君    奧村又十郎君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  水田三喜男君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      佐藤 一郎君
        食糧庁長官   安孫子藤吉君
 委員外の出席者
        專  門  員 黒田 久太君
        專  門  員 椎木 文也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 農業共済再保險特別会計の歳入不足を補てんす
 るための一般会計からする繰入金に関する法律
 案(内閣提出第一七号)
 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするため
 の一般会計からする繰入金に関する法律案(内
 閣提出第一八号)
 連合国軍の需要に応じ連合国軍のために労務に
 服する者等に支拂うべき給料その他の給與の支
 拂事務の処理の特例に関する法律案(内閣提出
 第二八号)(予)
    ―――――――――――――
○川野委員長 これより会議を開きます。
 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題として質疑を続行いたします。田中織之進君。
○田中(織)委員 食糧管理特別会計の一般会計からの繰入金に関する法律案についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず最初に食糧管理特別会計の二十五年度の歳入歳出の予算のうち、農民の要求いたしておりまする米価にははるかに及ばないものでありますけれども、二十四年度産米に対しまする政府の買入れ価格の多少の引上げが行われておりますが、予算案を見ますと、食管特別会計の二十五年度の予算は、歳入歳出ともに二十四年度よりも、総額において約四十億少くなつておるのであります。これは一体二十四年度に比べて、二十五年度が約四十億歳入歳出ともに内輪に見積られたという根拠が、どういうところにありますか。まずそれからお伺いいたします。
    〔委員長退席、前尾委員長代理着席〕
○安孫子政府委員 前年度と二十五年度との歳出関係の増減の模様を申し上げますと、職員費あるいは職員手当でありますとか、そういうものも減つておるのでありますが、主として商品費つまり食糧の買入れその他に関する分が少くなつておるのであります。この根拠は数量の比較というものが、やはり金額のほかに必要になつて参ろうと思います。その辺の明細は整理いたしまして申し上げたいと存じます。そのほかに商品費の内訳になりますが、早場米獎励金でありますとか、そういうものも前年度より減つておるというような事情もあるわけであります。その点は数量についての前年度との比較対照表を作製いたしまして、資料を御提出して、それに基いて御説明申し上げた方が適切ではないかと存じますので、その資料は半日くらいでできますから、それに基いて詳しい点を申し上げたいと存じます。
○田中(織)委員 食糧庁長官のお話のように、前年度との数量の比較に関する資料をひとつ提出していただきたいと思います。なお私これからお伺いいたします点にも関連するのでありますが、ここで数字的にかなり御説明願わなければならぬ点が多々あると思いますので、こういうようなものはあらかじめ一括して資料として出していただくことを、この際お願いしておきたいのであります。
 もちろん商品費において買入れ数量等の減もある。ことに輸入食糧等の関係におきましても、その点が出て来るであろうということは予想せられるのでありますが、一般的に考えますと、食糧管理特別会計の取扱いまする食糧の数量、それに單価をかけたものから見ますと、大体二十四年度よりもふえなければならないというのが、常識的な結論だろうと思うのであります。それが現実に約四十億程度減つておるというところに、一応の疑問を持つわけであります。しかも一面におきまして、そういう食管特別会計の歳出歳入に関する予算の面において、そういう減少的な傾向が現われておる反面におきまして、やはり食管特別会計への一般会計からの多額の繰入れの問題が、問題になつておるのであります。現に今回食管の特別会計の二十五年度における歳入減のために、あらかじめ二十数億の一般会計からの繰入れに関する法律案を提出せられたわけでありますが、これはわれわれといたしましても、いわゆる農業災害保險のうちで消費者の負担分、これをただちに米価に転嫁することが、現在の消費者価格が一般消費者階級の負担以上に引上げられて来ておる現状から見まして、これを消費者に転嫁するわけには参らないから、一般会計からやむを得ず補填しなければならないという点については、やむを得ない処置としてわれわれ了解できるのでありますが、しかしそれはやはり食管の特別会計の中におきまして、はたして操作が不可能なものであるかどうかということを、根本的に検討してみなければならない関係がありますので、今お伺いしたわけであります。以下の質問もそういう観点から申し上げたいと思います。
 次にこれは漠然たる質問になると思いますけれども、現在食糧管理特別会計における赤字は大体どの程度に見込まれておりますか。ひとつ憂慮からお答え願いたいと思います。
○安孫子政府委員 前々年度から前年度にわたつての赤字は、大体六十億であつたかと私は思つております。それは前々年度におきまして、超過供出、特にいも類の超過供出が非常に予定よりもよけい供出されたのであります。生いも並びにほしかんしよが予定よりも非常に多く供出された。従つて予算並びに消費者価格に織り込んでおりますもの以上に、政府の支拂いが多かつたわけであります。そんな関係でその分だけがいわゆる赤字というような形になつて出て来ておるのであります。しかしこの赤字は普通にいうところの赤字じやございませんので、その金額に相当する物の裏づけは一応あるわけであります。しかし予算並びに消費者価格算定の基準になりました金額の上から見ると、それだけがはみ出しておるという事情になつておるのであります。今度の消費者価格の改訂にあたりましては、その事情も織り込みまして、消費者価格を決定いたしておりまするので、現在のところ赤字というものはないというふうに私は考えておるものであります。
○田中(織)委員 前々年度から前年度に大体移行したときの一応の赤字と推定されるものが六十億といつておる。それは米穀年度の関係ですか。会計年度の関係ですか。
○安孫子政府委員 会計年度においての赤字を申し上げました。
○田中(織)委員 それは米穀年度との関係から見まするとどういうものになりましようか。それと同時にこうしたものはやはり期末におけるたなおろしの結果出て参つておるものであるかどうか。食管特別会計においてはたなおろしという、決算の場合における処置が現にとられて来ておるかという点について……。
○安孫子政府委員 経理上の関係はすべて会計年度で実はやつております。食糧年度においては物の――主として需給の面から調整をとつておりまするので、その点は私ども切離して考えておるわけでございます。それから年度末におきましては、やはりたなおろしをいたしまして、その間の決算をつけておるわけでございます。
○田中(織)委員 そこに食管の特別会計の実態をわれわれきめる上において問題があると思う。需給関係の点から見て米穀年度の問題が出て参るし、いわゆる経理上の関係から見るならば、普通の会計年度に従うというところに、どうもわれわれたびたび食管当局からいろいろ資料を提出願う場合におきましても、そこに食い違いが出て来るのであります。これでは実態をつかめないのであります。この点をわれわれは明確にしなければ、たとえば今度の一般会計からの二十数億の繰入れというようなものは、必要やむを得ない。それ自体をとつて見まするとやむを得ないものであるということは理解できましても、前段に申しましたように、食管の特別会計全体の運用という点から見て、検討しなければならぬ余地が残つております。この点についても、少くとも二十三年度から二十四年度への切りかえのときの数字、並びに大体この三月末というものについての見通しもつくかと思いまするので、三月末における会計年度において、二十四年度から二十五年度へ繰越しされる本年三月末現在における見込み数字、そういうようなものも最初の商品勘定における数量費と同時に御提出を願いたいのであります。それからただいま一応赤字と見られる六十億につきましては、超過供出の関係から出て参るということを長官も申されたのでありますが、われわれ従来手元に持つております数字から見ますると、やはりその点に大きな食い違いが出て参ると思うのであります。いわゆる超過供出の米または麦等の受入れ数量は、これは業務勘定で出ておると思う。ところが経理関係で、いわゆる支拂い勘定に出て参りまする超過供出の買上げ数量というものとの間には、これは従来もたびたび食い違いが出ておる。これはちよつとわれわれとしては納得できないのであります。そのことは超過供出数量の業務勘定では、これこれ買い上げたというけれども、これは実際には支拂い勘定の点から申しまするならば、勢い支拂い超過になつておるような従来の傾向があると思う。そういうようなことが、たとえば超過供出に対する報償金の支拂いの場合におきましても、やはり支拂い超過の関係が出て参ると思うのでありますが、現在の段階をとりましても、やはりその点の食い違いがどの程度に見込まれるかということについて、お答え願えればお答え願いたいと思います。
○安孫子政府委員 従来は需給関係が相当急迫いたしておりましたので、いろいろな方策を講じまして、供出面に対する施策を講じて参つておつたのであります。一昨年の作況は私どもが当初予定いたしておりましたよりも相当よかつた関係、その他の事情からいたしまして、当初予算上に織り込みました数量以上に供出面が多かつた。需給関係から申しますと、実は非常に喜ばしい状況であつたのであります。それが経理面におきましては超過をして、奨励金を拂わざるを得ないというような状況に相なつたのであります。実は本年の作況にいたしましても、ただいまから予測することは非常に困難なのであります。特別会計を編成いたします際に、その年の生産が大体どれくらいで、供出数量はどれくらいであろうかというようなことを、いろいろな角度から予想をいたすのでありますが、それがなかなかその通りに作況なり供出の状況が動いて参りませんので、常にその間業務の方と経理の方面との食い違いが出て来て、その調整に苦心いたしておるわけであります。二十五年度の予定につきましては、私どもは超過供出については非常に多い目に見まして、約三百万石程度の超過供出があるという前提でこの予算を組んでおるわけであります。これはただいまの状況からいたしますと、まず私どもは百五十万石から二百万石しか、実際の超過供出がないであろうというふうに考えられますが、予算の上におきましては三百万石の超過供出があるという前提で、この予算を組んでおるのであります。二十五年度につきましては、この範囲内において十分超過供出はまかなえるものであるという想定をいたしておるわけであります。
 なおつけ加えて申し上げますが、経理の面からいたしまして、早場米獎励金等も従来は無制限にやつておつたのでありますが、昨年度は予算上の事情からもいたしまして、早場米獎励金につきましては一定のわくをつくりまして、その範囲内において早場米獎励金を交付するというような、一つの制限的な処置も講じておつたのであります。今後も予算と業務の面が適合して参りますように、努力をいたしたいと考えておるわけであります。
○田中(織)委員 私は、やはり業務の面と経理の面とにおける食い違いの問題をなくしなければいけないと思う。その意味で一番問題になる面が加工部門だと思う。そこでこれもすぐに御即答を願うわけには参らないと思いますから、ひとつ資料の提出を願いたいと思うのであります。加工部門で精米、精麦、製粉、製パン、製麺等の関係におきまして、これは二十四年度の分でけつこうでございますが、結局精麦、製麺、製粉等の関係に業務勘定で出しましたところの数量、それからこれに対していろいろ加工品その他の関係で支拂いをした部門との数字を出していただきたい。私はこの点にも確かに食い違いがあると思うのであります。われわれ食管の労働組合の諸君から聞きますと、労働組合の諸君もやはりそこに食い違いのあることを認められている。そこで食管の、いわゆる定員法による定員増加の一つの理由として、この問題を労働組合の方では取上げているように、われわれは聞いているのであります。結局人員が足りないから、そこまで整理が行き届かないのだということであるとするならば、一番初めに食糧庁長官は、二十五年度における歳入歳出が、二十四年度より約四十億減少しているということの理由といたしまして、やはり職員の費用並びに手当等が、若干減少したということを申されているのでありますが、私は食管特別会計の経理の内容に重大なる影響を持つて参ります、こうした業務勘定と支拂い勘定との間における食い違い等が、率直に申しますならば人員不足、手不足の関係で出て参るとするならば、むしろ私はこうした面においては必要な人員をふやすことが当然とられなければならない処置であると思いますので、その点で二十四年度の、ごく最近における関係でありますが、業務関係における加工のために出した数量、それに対する代金の支拂い状況がどういうようになつているかということについての数字を、御提出願いたいと思います。
 なお次にお伺いいたしたい点は、これはおそらく他の委員諸君からも質問のあつたことと私は思うのでありますが、食管特別会計に関する法律案が本委員会に出るたびに、われわれはただすところでございますけれども、食管におけるいわゆる買上げ価格と消費者売渡し価格との間における石当り二千円からの開きの問題、これは私はどうしても、この食管特別会計の健全なる運営の点から見まして、これは圧縮しなければならない筋合いのものだと私は思うのであります。一面、これは圧縮が可能であるということになりますならば、一月から一割四分上つております消費者価格というものも、元にもどすことも可能である。同時に、現に生産農民が要望しております農民からの買上げ価格の引上げにも、一面こたえられることになると思います。この食管の買入れ価格と売渡し価格との間における二千円からの、俗にマージンと言つておりますが、これは圧縮の可能性がないものかどうか。現在の食管特別会計の運用状況から見まして、この点について食糧庁長官としていかにお考えになつているか承りたいと思います。
○安孫子政府委員 食糧生産者価格と消費者価格との差額、端的に申しますと中間経費の節約につきましては、従来とも各方面からいろいろ御批判を受け、これが圧縮について善処を要望されているのは十分了承いたしております。特にこれが米価審議会において生産者価格をきめます際に、いろいろな方策を講ずるとともに、食糧の中間経費を節約して、その点から相当の金額を捻出して、生産者価格を上げてしかるべきであるという御答申をいただいておりまして、この点については私どもも財務当局といろいろ御相談をいたしまして、この圧縮について実は努力して参つているのであります。結論的に申しますと、一般的にそう御批判を受けているように、この中間経費がルーズに使われているわけではございませんので、この圧縮の余地ははなはだ少いというのが、ただいまの私どもの考え方でございます。もちろんそうかと申しまして、この中間経費をできるだけ圧縮いたしまして生産価格を引上げ、また消費者価格をできるだけ低廉にすることについての努力は拂つて参る所存でございますが、その余地は現在の状況におきましてははなはだ少いというのが、ただいままでの結論でございます。これはここで申し上げるまでもなく十分御承知のことであろうと思いますが、いわゆる中間経費と申しているものの中には、生産者に還元されるものが相当あるのであります。超過供出獎励金とか、早場米獎励金とか、あるいはバツク・ペイの経費というようなものも、俗に中間経費というものの中に入つているわけであります。この分は生産者に還元されるのでありまして、そうした生産者に還元されるものを除きまして、ほんとうの中間経費というようなものを取上げてみますと、いろいろ御批判を受けているほど大きいものでないというように考えているのであります。二十四年産の内地米について申し上げますと、そうした生産者に還元されまする中間経費に計上されているものを除いて、ほんとうの中間経費というものだけを取上げてみますと、消費者価格に対しまして九・二九%、約一割を切れるようなパーセントになつております。それから二十五年産米についてこの予算上考えました際のパーセントは、輸送賃、保管料その他が引上げられておりますので、これが高くなつて一四・五一%になつております。輸入米について申し上げますと、一一・六四%というような純粋の中間経費を占めることになつているのであります。これもいろいろな委員会の席上で、自由経済時代との比較のお尋ねを受けるのでありますが、これも的確な資料が、自由経済時代のものについてはなかなか捕捉するのに困難でありますゆえ、かりに昭和九年から十一年におきまする精米十キロ当りの生産者価格は、どうであつたかというようなことを調査いたしますと、平均いたしまして一円九十六銭くらいであつたのでございます。それが小売価格では二円四十八銭になつております。従つてこの中間経費は五十二銭というようなことになるのであります。これは小売価格に比較いたしますと約二一%になつております。自由経済時代における生産者価格と小売価格との差が一二%である。そういう点からいたしますと、現在の食管特別会計において扱つておりまする食糧の生産者価格と消費者価格との差から、生産者に還元されまするものを除いて、純粋の中間経費的なものを出してみますと、自由経済時代よりもむしろ低目であるというようなことが、私どもとしては言えるのではなかろうかと考えております。もつとも中間経費の節約については、今後ともわれわれは努力しなければならぬと考えております。
○田中(織)委員 このことは今議題になつております法律とちよつと直接の関連がないわけでありますが、やはりこの機会に長官にお伺いしておきたいと思うのであります。一月の三十一日をもちまして一応ことしの供米が、私の郷里和歌山県等におきましても一〇〇%の完了をいたしたのでありますが、一〇〇%の完了をする陰に、月末と言いたいけれども、完了いたした翌日から実は飯米のない農家があるのでございます。これらのいわゆる転落農家、こうした農家の再生産のために必要な農家の飯米の確保につきましては、食糧庁長官としていかにお考えになつているか。和歌山県は補正では約三万四千八百石の補正をもらいまして、今度の約四十万石ですかのいわゆる免責という形において、率直に申しますならば再補正的なものを若干いただいている関係であるのでありますが、昨年は当初の生産予想に反しまして実收が非常に減つておりまする関係から、ことに近畿軍政部からの非常に強い要請に基きまして、農民があるいは買い集めるというような形をとつてまで、一応供出すべきものを供出しているのであります。こうした、まだ麦もできない段階においてすでに飯米を切らしている農家の食糧確保に対して、食糧長官としてはどういうお考えを持つておられますか。
○安孫子政府委員 ことしの供出の状況は近年になく相当困難をきわめているのであります。ここ数年来の経過を見ますと、実收高が大体において予想收穫高よりも上まわつて来ております。それにもかかわりませず、昨年だけは実收が收穫予想高をはるかに下まわつた実情であります。昨年の八月当時の状況からいたしますと、全国的に非常な豊作気構えであつたのでありますが、これを刈り取り脱穀調製をするに従つて、いろいろな原因による被害が影響していることが、次第にはつきりいたして参りまして、相当作況が不良である。
    〔前尾委員長代理退席、委員長着席〕
そういうような結論になつて来たのであります。実は実收高が判明いたします前に補正をいたしましたので、その際もいろいろ議論がありまして、実收の結果予想收穫高よりも相当下まわるような場合においては、その点についての善後措置を講じなければならぬじやないかという強い知事側からの要望もありまして、そうした事態が判明した場合には、責任免除の措置を講じて善処をいたしたいということを、実はお約束を申し上げて来ているのであります。従つて実收高が発表になりますと、予想收穫高よりもはるかに下まわつておりますので、その点についての善後措置は講じて参らなければならぬと考えております。近畿の問題につきましては、ただいまお話がございましたように、相当いろいろな事情からいたしまして実收高が下つておりまするから、補正について責任免除の條項を適用して、ある程度の再補正的な措置を講ずる必要を認めたおります。しかしその事情がありますにもかかわらず、いろいろな事情からいたしまして一〇〇%近くまで行つてしまつているというのは、京都、滋賀、大阪、和歌山、いずれもそうであろうと思います。りくつ通り申しますならば、そのために生産者の保有に相当強く食い込んで、場合によりますとほとんど皆無の状態において、供出が完了されているという例も相当あろうと思います。この点についてはぜひ善後措置を講じなければならぬというように考えております。特にこのための食糧需給上の一つの操作のわくをとりまして処置することは、はなはだ困難な状況にありますので、従来の農家用配給のわくを広げて、その操作によりまして、こうした非常に窮迫した事態をぜひ解消して参りたいというように存じまして、ただいま各方面と折衝いたして、この点の解決に努めたいと思つております。何にいたしましても二十五年産米なり、二十五年産の麦の生産に支障を来すようなことでありましては、食糧の確保上ゆゆしい問題でありますので、生産者の食糧の確保につきましては、万全の措置を講じて参りたい所存でおります。
○田中(織)委員 食糧庁長官の、近畿の本年度の供出完了の裏にある非常に悲惨なる事実について、深い理解を持つていただいておることを感謝するものであります。近畿軍政部の方では、農林省が免責その他の形において再補正的な措置を講じようとも、とにかく一〇〇%出さなければいかぬ、こういう強い要請の前に農民が事実上飯米皆無のような事態に陷りながらも、実は一〇〇%の完了をいたしておるのであります。その点については今申されるような需給関係から見て、早急に特別のわくを設定することは困難かもしれませんけれども、農家用のわくを広められるような処置を早急に講じていただかなければ、非常に深刻な事態になる。和歌山県の農業調整委員は、そのために総辞職をいたしておるというような事実が発生いたしておるのであります。これは非常にゆゆしき問題でございますので、特段の御配慮を願いたいと思うのであります。さらにこの問題に関連いたしまして、勢い農家用として飯米を確保していただかなければならないのでありますが、その農家用として配給を受けなければならぬ立場に立つ農民が、現実にその米をもらうときの価格の問題が、先ほど私がお伺いいたしましたように、結局農民から買い上げるときには、俵代を入れても石四千四百二十円にしかならないにもかかわらず、配給を受けるときには、やはり消費者価格でありますと六千円を越える、こういうことは農民として一番理解できないところである。そこで少くともやはり生産者から買い上げたときの価格で、自分たちの出した米を――結局保有米を切つた関係から、もとしてもらうときには、そこにすでに二千円からの開きがあるということでは、農民は理解できないのであります。これは一昨日わが党の井上良二君から、本会議において緊急質問を申し上げたときに、その価格の点については、農林大臣は公団の手数料、その程度のものでひとつ配給したいという方法を考えておられるということでございましたが、公団の手数料なり、あるいは農業協同組合その他の集荷機関の手数料、これはある面から見れば、農民生産者に還元される集荷機関等の関係のものであるようにも理解できるのでありますが、それは数字の上で申しますと、現在の消費者価格より大体どの程度下げた価格において、農家用としての食糧の配給を受けられるかどうか。その点について数字的に、農林大臣が一昨日本会議で御答弁になつた点について、もう少し明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○安孫子政府委員 ただいまお話の点もありました当然責任免除の処置を講ずべき点がありながら、各種の事情からいたしまして一〇〇%まで行つた。その善後措置を私の方としてはぜひ講じたいと思つておりますが、その際に最も重要な点は、ただいま御指摘になりました価格問題であります。従来の農家用の飯米の処置につきましては、消費者価格でもつて配給いたしているのでありますが、今回の実情を見ますと、それははなはだ酷であるがゆえに、生産者価格でこれを還元するのが本則であるということが、理論上言えると思うのであります。そういたしますと、実は政府の会計においてはそれだけの赤字が出て来るのであります。と申しますのは、買入れを結了いたしておりますので、集荷手数料並びに買い入れましたものの保管料、またそうしたものについてはおそらく運送はあまり行われておらぬと思いますが、ただいま申しました二つの費用は、政府として現実に支拂つている結果になつているのであります。これは生産者から申すならば、はなはだ不本意ではあろうかと思いますが、政府の財政の上から経理上からいたしましても、その程度のものはどうしても加算をする必要があるだろうと考えております。それで従来の経過は、消費者価格を割つて配給することについて非常に困難な事情が伏在いたしているのであります。俗に言う還元米でありますが、還元米ということは理論上あり得ないという一つの考え方があるのであります。これは申し上げるまでもないことかと思います。補正なるものが適正に行われている以上、還元というものは考えられないという意味からいたしまして、一昨々年来還元制度というものが、表向きにどうしても認められないような実情にあるのであります。しかし実情からいたしますと、末端の割当あるいは末端までの補正という措置が、神様のように完全無欠に行われておらぬのは、これは当然のことであろうかと思います。できるだけ適正に行われることに努力いたしておりますが、非常に多数の農家のことでもありますし、その間いろいろの行き違いもありまして、完全無欠な事前割当、完全無欠な補正、再補正割当というものはなかなか行われない実情にありますので、その間の調整をとりますために、どうしても農家用というようなものを活用いたしまして、調整をとつて参る必要があると考えております。その辺の価格については、一昨々年来非常に困難な事情に来ているのであります。しかし本年の実情につきましては特殊な実情がありますので、ただいま申し上げましたような価格でこれを処置するということについて、ただいま関係方面とも折衝しているところでありまして、近い機会にぜひこの問題を解決したいと思つております。具体的な数字を申しますと、集荷手数料は一俵当り二十四円でございます。それから倉庫の保管料が四十七円九十八銭、これは大体山地の保管期間を七期と見て――これは時期が早ければ七期も見る必要はなかろうと思うのでありますが、大体平均をとりまして七期と見まして、全国平均四十七円九十八銭という倉庫保管料を予算上は組んでおるわけであります。この経度のものはどうしても加算をしなければならないのではないだろうかというふうに考えております。
○川野委員長 田中君に申し上げますが、農林大臣がお見えになりましたので、農林大臣に対する質疑をやつていただきます。
○田中(織)委員 農林大臣がお見えくださつたので伺います。大臣の御出身地の滋賀県その他近畿の方の供米を完了した裏面における深刻な事態に対処して、農家の再生産のために最小限度必要な飯米の額などについて、今食糧庁長官から非常に理解のある御答弁をいただいたのでありますが、ひとつ大臣の政治力を最大限度に御発揮を願つて、早急にこの問題を解決願いたいということを、まずお願いしておく次第であります。農林大臣に私一、二お伺いしておきたいと思うのでありますが、今回の食管特別会計の二十五年度における歳入不足に対する一般会計からの繰入れの点は、さしあたりは農災保險関係の消費者負担分を消費者に転嫁することができないから、一般会計から繰入れる部分だけが出ておるのであります。これを農林大臣からお答え願えれば幸いだと思いますが、それ以外の部分で食管特別会計における歳入不足というものが、二十五年度内にはさらに発生するようなことが予想されないかどうか。昨年度におきましてもわれわれは借入金でまかなつたらどうかということで、政府の処置に反対をいたしたのでありますが、百七十数億という厖大なる食管特別会計の一般会計からの繰入れを行つておるのであります。今度の農災保險の消費者負担の部分を繰入れるということは、われわれは先ほどから食管特別会計のいろいろ内容を伺つてみまして、やむを得ない処置として認めざるを得ないという見解に立つておるのでありますが、それ以外の部分で、二十四毎度におけるような多額の一般会計からの繰入れを必要とするような事態に、食管会計が陷りはせぬか。その点について見通しを持つておられるならば伺いたい。大体この程度のもので、二十五年度においては一般会計にやつかいにならなければならないというような事態が、発生しないという確信がおありになるかどうか。農林大臣から承つておきたいと思います。
○森国務大臣 お答えいたしますが、百七十五億の繰入れをいたしましたことは、借入金において処理することができないということで、ああいう措置をとらざるを得ないことになつたわけでありますが、二十五年度の特別会計におきましては、現在の見通しにおきましては、一般会計から繰入れをせなければならぬということは断じてない、かように考えておるわけであります。今回いもの買入れをいたしますにつきましても、あの会計の範囲内において処理するということになつておりますので、再び繰入れを要求するというようなことはない、こういう見通しを持つておるわけで、またさように行くと私信じておるわけであります。
○田中(織)委員 今後一年間の動きを見通すということは、なかなか実際問題として困難なことで、現在の段階においての大臣としての見通しが、前年度のようなことにはならないだろうということは、一応理解できると思います。そこでこれも先ほどから食糧庁長官にお願いをしておいた点であるのでありますが、実際せんじ詰めて行けば、これは赤字というわけのものではないという食糧庁長官のお答えでありますが、一応今までの食管特別会計の経緯をある段階で取上げてみますと、たとえば二十三年度から二十四年度への移りかわりの時期には約六十億、一見赤字に見えるようなものが出ておるということであります。われわれ薪炭特別会計の苦い経験から見ますならば、やはり食管特別会計においてもこれは技術的には非常にむつかしいし、官庁会計でたなおろしという問題は帳簿の上ではできても、実際にはなかなかむつかしいということも理解できないではないのでありますが、やはり食管特別会計に多少でも赤字が出るということになりまして、今後そういうような赤字を薪炭特別会計と同じような形で、一般会計から繰入れなければならぬという事態が発生いたしますと、これは消費者並びに生産者ともに納得のできない問題として、大きな政治問題化するおそれがあると思うのであります。この際食管特別会計において、普通の企業において行うような徹底的なたなおろしをやはりやつてもらわなければならないし、その結果出て来たところの赤字というようなものにつきましての見通しをつけて、一般会計にはせわにならずにそれが処理できるように、いわゆる中間経費の節約その他の方法によつて、これをなくして行つてもらいたいという強い希望を持つておるのでありますが、この点について農林大臣の御所信を伺つておきたいと思います。
○森国務大臣 田中委員の御注意まことにありがたくお受けしますが、薪炭特別会計におきましては、まことに長い間たなおろしをせずしてほつたらかして来まして、ああいう結末を見たということは、まことに遺憾に存じております。しかしこの食糧管理特別会計は、各府県がそれぞれ配給の操作をする責任を持つておりますので、もしも薪炭のように現物がないというようなことになれば、ただちにそれが問題になつて来まして、これはただちに発見し得られる情勢になつておるのであります。従つて薪炭特別会計のごとくにどこにまきが来ておるか、どこに炭が貯蔵されておるかというような空白なことをやつても、それが発見できないというような情勢ではないのであります。もしたなおろしをしなくても、その府県に貯蓄いたしております食糧がないというようなことになると、ただちに配給操作の上に障害を生じて参りまして、これを発見し得られるのでありまして、決してさようなことはないと存じております。特別会計の方式については違法でない、あるいは違法であるというような議論もありましたが、農林省関係ではこの特別会計の経理方式が一つになつておりますので、御心配くださることはごもつともと存じますが、食糧特別会計におきましては断じてさような心配はない、かように考えておるわけであります。一時的に赤字の出ますことは、会計年度の繰りかえの場合において、地方から特別会計へ編入しなければならぬ金が遅れる。いわゆるずれがあるのであります。従つてそのずれが三月三十一日経理した場合において、入るべき金が入つて来ない、遅れて来る、こういうことのために一時記録上の赤字が生ずるわけでありまして、それは漸次年度を超過することにおいて解消されて来るのであります。決してほんとうの赤字ではないのであります。時期的なずれであるということを御了承願いたいと存じます。
 なおたくさんな品物を扱つておるわけでありまするから、政府におきましても、できるだけそういう不正なことの行われないように、たなおろしをすると同一の方法によつて、在庫品の調査ということには絶えず考慮を拂つておることを御了承願いたいと存じます。
○田中(織)委員 その点はすでに薪炭特別会計の轍もあることでありますから、この轍を踏まないように、大臣においても特段の御注意を願いたいと思うのであります。これはあえて大臣から御答弁をいただくつもりではなかつたのでありますが、食管特別会計に関連いたしまして、さらに大臣にお伺いしておきたい点がございます。それは二十五年度においても、相当数量いもを買い上げることが先般の事前割当ではつきりいたしたので、一応安堵したような形になつておるのでありますが、例のいも貯蔵のキユアリング倉庫が和歌山県でも七箇所すでに建設され、実は私の村にも一箇所できまして、二十四年度は一応予定の三万貫を入れたわけでありますが、いもの統制撤廃の関係から見て、農林省の肝入りによつてこしらえたキユアリング倉庫が、開店休業になるのではないかと非常に心配しておるのであります。しかもいも関係の貯蔵だけでは、これは申し上げるまでもないことですけれども、フルにこの倉庫を活用するわけに行かないのでありまして、政府の肝入りでつくらした以上、やはりこれがフルに動かされるように、農林省として考えていただかなければならないと思います。いもは二十五年度も引続き相当数量の買上げを行いますから、当然このキユアリングを利用することになると思うのですが、一旦政府の肝入りでつくらした以上、これのめんどうを見てもらわなければならぬと考えますので、その点に対する農林大臣の見込みをお聞きしたいのであります。
 それからキユアリングの問題について私の県では、建設費のうち六十五万円だけは一時見返り資金の関係から融資をしていただくことになつて、すでに県まで通知が参つておるのでありますが、まだ実際にそれが出ないので非常に困つておるのであります。私の村等は農業協同組合で経営いたしておるわけでありますが、いつごろこの資金が手に入る見込みでありますか。あとの点は技術的な問題でありますから、ほかの方からでもけつこうでありますが、この二点を大臣から伺いたいと思います。
○森国務大臣 お答えいたします。いもの統制は緩和いたしまして、一部政府の予約購入の形になつたわけでありますが、いもは生産時期より四月、五月はたいがい六、七倍ぐらい高く売れておるのであります。今市場に出ております自由販売のいもの価格におきましても、品質のよいものは非常に高く売れておる。キユアリングを奨励いたしましたのは、せつかくできた価値ある食糧を腐らしてしまうことはまことにもつたいないことである。それであるから政府が統制をやろうとやるまいと、これはぜひ農家経営の一環としてでもそういう処置をとらなければならない。穴蔵貯蔵も畑地貯蔵もやつておりますが、それでは不完全でありますので、このキユアリングの施設により、いもを五月、六月ごろまでも貯蔵し得られるようにするということは、日本の食糧事情からはもちろんでありますが、農家経営の上から申しましても、価格が非常に高くなるという点から必要であると考えておるわけであります。今後におきましても、キユアリングの利用ということは、おのずから自然現象として起つて来ると思うのであります。政府におきましてもこのキユアリングを利用させまして、その価値を高めることをせつかく指導して行きたいと存じておるのであります。今河原田政太郎博士は、このキユアリングの施設によりまして、六、七月ごろまでもいもを貯蔵してみたいと研究を続けておるわけであります。ばれいしよは比較的長く使用されますが、さつまいもは御承知の通り早く腐るわけでありますから、この腐ることを防ぐと非常に価値を高めますので、今後さらに研究を進めまして、キユアリングの利用を一層効果的ならしめたいと考えております。なお資金の面につきましては、御承知の通り司令部の了解を求めなければならない関係もあります。司令部でも経済科学とか農業科学とかいろいろなセクシヨンがありまして、資金を得るのにいろいろな手続を要するのであります。従つて見返り資金の利用が政府の意のごとく行われないような事情もあるわけでありますが、これは近く了解を求めまして、要求通りの資金が融通されると考えておるわけであります。また政府としてもできるだけ早くこの資金の利用ができるように努力を続けたい、かように考えておるわけであります。
○田中(織)委員 キユアリングの建設費は、当初の計画では大体政府の方で見てくれるということであつたように、私は記憶いたしておるのでありますが、それは結局資金を融通してもらつて、経営体の責任においてこれを建設するということに方針がかわつて参つた。事情もあることでありましようが、すでに建設を完了した組合等には、資金が早急に渡りまするよう御努力を願いたいと思うのであります。
 農林大臣はほかの委員会もおありのようでありますから、この機会に農災保險の関係で……。
○川野委員長 ちよつと待つてください。
    ―――――――――――――
○川野委員長 それでは農業共済再保險特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたします。田中織之進君。
○田中(織)委員 農業災害という問題は、自然現象であるからそう先を予見されないので、ある程度の予備費を見なければならぬということは、理解できないわけでもないのでありますが、ここ数年来の統計を見てみますると、これは根本的に考え直さなければならない時期に来ているんじやないかと思うのです。多少性質が違いますけれども、この委員会に今同じような失業保險であるとかいうような問題も出て来ておるのでありますが、この広い意味における社会保障的な制度に対する現内閣の基本的な態度というものは、これは考え直してもらわなければならない段階が来ておると思うのです。失業保險の問題につきましても、昨年度においては六十億の予備費を見たわけでありますが、大体失業者の数というもの、これは私後ほど労働省に対して質問したいと思つておるのでありますが、失業というものを非常に甘く見ておるというような傾向が、同様にやはり農業災害の問題についても現実にあります。たとえば二十三年度、二十四年度における農業災害の実情から判断いたしますならば、これは農業災害の災害保險の基本的な問題について、農林省としても考えた上で、こうした法案の作定に当らなければならないのではないかと思うのでありますが、そうなりますと、これは保險料率の問題にも影響をして来る問題でありますが、現在農業災害の問題について、ここ数年の非常に災害が多いという実情から、農業災害保險の全部について再検討をしなければならない段階に来ておると思う。ただ従来のごく少いケースに基いて、あとは予備費でこれをまかなつて行くというような膏薬張り的な措置ではなくて、農業災害の問題についてもう少し国家として本腰を入れて、生産農民を保護して行く広い意味における社会保障的な問題で、農業災害保險のみならず農業災害の補償についての農林当局としての根本的な対策というものを、考えていただきたいと思うのでありますが、この点について農林大臣は御検討されたことがございますか。もし御検討されておるといたしますならば、この点についてどういうふうにお考えになつておるか、承りたいと思うのであります。
○森国務大臣 農業災害の情勢は、過去の記録を平均するとか考察するというようなことによつて、大体の方針はきめるのでありますが、昨年のごときは予想外な災害が出まして、保險の支拂い等につきましても府県関係で八億でありますとか、また政府支拂いにおいて四億円ほど予算から不足を生じておる。こういう事態が発生いたしておるのであります。しかしながら二十五年度においても、二十四年度のごとくあるべきだろうというような予想をもつてやりますれば、これは保險料の率を上げるというようなことも考慮しなければならないのであります。できるだけ保險料は生産農業経営者に負担せしめないようにいたしたいという気持で、この保險の事業を継続せねばならぬと存じますので、できるだけそういう災害の少からんことを祈つておるわけであります。しかし昨年のごとく予想外の場合においては、適当の処置をいたしまして、その誓約通りの履行をせなければならぬ立場にあるのでありますが、農業者もこれは相互扶助という気持になつていただかなければならない。これは保險はみなそうであります。火災保險にいたしましても、生命保險にいたしましても、自分がその年にそういう災害にあつたと思うことによつて、あきらめて行くという保險制度でありますが、この農業災害保險はさらに一歩進みまして、相互扶助という気持で隣の田が非常な水害あるいは病害で倒れてしまつた。しかし自分は幸いにその病害あるいは水害を免れたから、隣に同情するという気持で成り立つのがいわゆる共済保險であります。しかし昨年のごとき例がまた今年も起るだろうというようなことを予想いたしますと、今日の経理の上において保險料率を高めて行かなければならぬことになるわけでありますから、保險料率はできるだけ低くいたしまして、そうして万一の場合においては、国家ができるだけの助成をして行くということに、考慮を拂うよりいたし方がないのではないか。今日災害保險におきましては加入者の農業者に対しましては、相当の負担になつておるわけでありますから、これ以上負担を高めるということは至難な事情もありますので、その年の事情によつて、政府はできるだけの処置をとつて行くということにならざるを得ない、かように考えておるわけであります。
○田中(織)委員 申し上げるまでもないことでありますが、大体民主自由党の政策として統制を撤廃するということで、相当の施策が続けられておると思います。ひとり農業経済に関する部分は、依然として戰時中の統制が引続き行われておるのであります。これはあなた方の立場においても、根本的に考えなければならない段階に来ておるのじやないかと思います。あなたたちが排撃せられる統制経済の最後のしわが、現に農業の部面に寄せられて来ておるというところに、農村政策の根本的な重要意義があるというところから、農業災害の問題についてももちろん共済保險の建前から申しますならば、相互扶助でございますし、保險制度一本によつて参るということになれば、たとえば二十四年度におけるあの不測の災害を本年度において見込むということになれば、勢い保險料率の引上げということになつて、また経営者に対する一つの経済的な圧迫ということになる事情は理解できるのでありますが、保險制度一本によらないところの農業災害に対する国の補償という点について、さらに前進した形において考えていただきたいという希望を農林大臣に申し上げます。私の農林大臣に対する質疑はこれで終ることにいたします。
○宮腰委員 昨年来東北六県の農業関係の方々が集まつて、東北六県の農災保險料掛金について、冷害地であるという特別な場合を考慮して、もう少し農民の支拂う料金を下げてもらいたいという希望がありまして、東北六県の議員団は全面的にこれに賛成したのであります。また掛金に非常に困るので掛金を米で納めるようにしてもらいたい。その米の代金を超過額にしてほしい。こういう要望がありまして、おそらく大臣にも小笠原委員長からお話があつたと思いますが、この二点についてお伺いしたい。
○安孫子政府委員 事務的処理をいたしました点だけを申し上げたい。できるだけ超過供出の方で出すように、現地において十分指導するようにという通牒を私の方で出して、そういう方向で処理をいたしております。
○森国務大臣 東北地帶の特殊な事情によつて保險料の料率を下げるというような御要求は、一応ごもつともとも考えられますが、しかしこれは全国的になつておりますので、相互扶助の立場から、東北地方は寒害が、あるいは関西、近畿地方には病虫害が多いというように、その特殊の事情がありますので、これをその事情ごとに考えることは、全国的な組織の上においては非常に困難なことと考えるのであります。先ほど田中委員からも御要求がありましたが、できるだけその加入者の保險料金を安くして、そうして万一の場合においては、政府ができるだけの助成をして行くというような方法をとるより道がないのでありまして、地区的に特別にこれを削除するということは、今日の法制化する上において困難だと考えておるわけであります。
○木村(榮)委員 一言だけ伺つておきたいのですが、今年は農繁期に、農家に加配米を配給するようなお考えはないのですか。
○森国務大臣 今年は食糧事情も幾らか緩和できるように考えておりますので、そういう処置をとりたいということを考えております。
○川野委員長 それでは安孫子政府委員に対する質問を継続いたします。田中織之進君。
○田中(織)委員 それでは食糧管理特別会計につきまして、もう一、二点お伺いをしておきたいのであります。先ほどの質問でちよつと触れておいたのでありますが、昭和二十五年度における早場米の獎励金の問題であります。これは二十五年度に入つてみないと、わからないと言われるかもしれないのでありますが、一方におきまして食管の特別会計において、早場獎励金等が――超過供出の獎励金の場合も同様でありますが、予定よりふえるというような関係から、それは一面、消費者価格の引上げという中間経費の中に――嚴密な中間経費ではありませんが、入れるというような形になるのであります。たとえば二十四年度について見ますると、早場地帶である新潟県等におきましても、早場獎励金だけで新潟県一県だけで、前年度に比べると約六億からの減少になつておる。それはやはり獎励金の交付期間の短縮の問題と、それからこれは農林委員会等において問題になつた点だろうと思うのでありますが、やはり品質の点から来るところの等級の格下げの点の、二点から来ておるように御説明を伺つておるのであります。これは私らの郷里のような暖かいところで、二毛作――もちろん米だけの二毛作ということではありませんけれども、二毛作地帶は関係のないことでありますが、單作地帶はやはり早場米を出すということについては、特別の苦心とまた経費のかかつておることだと思いまするので、二十五年度の早場米の獎励金等につきまして、大体現在持つておられる構想をひとつはつきりさせていただきたいと思います。
○安孫子政府委員 昨年度の早場米獎励につきましては、いろいろ問題を惹起いたしまして、ただいま御指摘がありましたように、獎励金につきましては四等米を除き、また従来出しておりました雑穀については、獎励金の対象にしないというような措置を講じまして、予算のわく内においてこれを処理いたしたいと苦心いたしたのであります。單作地帶に対しまする非常に御理解のある御意見であつたのでありますが、実を申しますと、私どもも食糧の操作の面からいたしますならば、早場米獎励金というものは、非常に批判の余地があろうかと思います。しかし單作地帶に対します農村対策という観点からいたしますと、どうしても早場米獎励金というものを出して行かなければいかぬという実情を、強く認識しておるのであります。二十五年度の予算につきましては大体九月、十月で、早場米の供出数量一千万石を見込んでおります。一石当り平均六百円として、総額六十億というものを積算の基礎にいたしておる次第であります。昨年の予算に織り込みました基礎は七十億であります。従つて昨年よりも十億だけ減つておる。しかし昨年のああした制限をしいて実施をいたしました、早場米獎励金の実績は五十二億になつております。実際の支出金額が五十二億で、それよりも多いが、昨年度の予算よりは多少減つておるという実情にあります。これがことしの秋の状況によりまして、不確定の事実も相当ございます。買入期の商品費の中には、さような積算で組み入れておりますが、一方予備費がございますので、状況によりましては予備費というようなものも考慮に入れて、事態の適正な処置をやつて参りたいと思つておる次第であります。
○川野委員長 田中君に御相談申し上げますが、明日というわけに行きませんか。
○田中(織)委員 もう一点だけ……。先ほどから申し上げましたように、食管特別会計の、たとえば商品勘定における前年度との数量の比、それから業務勘定と支拂勘定とにおける食い違いの問題等について、また加工部門に関しまする業務勘定で出したものと、それから加工が終つて代金を支拂つた関係等につきまして、ごく最近の数字でけつこうでございますが、そうした数字をいただきまして、その数字を検討した上で、なお一、二の質問を留保いたしまして、きようはこの程度で私はやめたいと思います。
○川野委員長 奥村君、ただ一点だけお願いいたします。
○奧村委員 ただいま食糧庁長官の田中委員に対する御答弁の中で、明年度は超過供出は三百万石と言われましたが、これは昭和二十五年度の超過供出ですか。
○安孫子政府委員 三十四年産米の超過供出を五十万石見込み、二十五年産米の超過供出を二百五十万石としての積算でございます。
○奧村委員 私は田中委員と同じように、相当買上げ価格と消費者へ配給する価格との間にもつと圧縮し、しまつのできる経費があると思う。これは予算委員会においても申し上げましたが、約九百億ほどの経費のうちでかなり圧縮する部分がある、こういう考えを持つておるのでありますが、ただいまの田中委員に対する長官の御答弁によると、実際考えてみると圧縮する部分はない、こういうお言葉でありますが、これはひとつこまかく予算書、あるいは前年度、前々年度の決算書を参照して申し上げなければ、われわれの意見が主張できぬと思いまするので、きようは時間がありませんから、明日こまかくこの予算書についてお伺いをいたしたいと思います。そこで明日お伺いしたいことは、公団の予算書とそれから特別会計の予算書の中に、重複しておる部分があるように思えるのと、公団と食糧特別会計との間に運賃の計算その他において、かなり行き方が違つておる。どちらが正しいかは知らぬが、かなり行き方が違つて、ここにむだがあるんじやないか。そのほか出張所、支所などの旅費についてかなり不要な部分もそこにあるのではないか。その他買上げの価格などについて、予算書についてこまかい部分を明日お伺いいたしますから、そのおつもりで御準備をお願いいたしたいと思います。
○川野委員長 それでは両案に対する質疑は明日に譲ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次に一昨十一日本委員会に予備審査のため付託されました連合国軍の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者等に支拂うべき給料その他の給與の支拂事務の処理の特例に関する法律案を議題として、まず政府より提案の趣旨説明を求めます。水田政務次官。
    ―――――――――――――
○水田政府委員 ただいま議題になりました連合国軍の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者等に支拂うべき給料その他の給與の支拂事務の処理の特例に関する法律案の提出の理由を御説明申し上げます。
 連合国軍の需要に応じ、連合国軍のために労務に服する者、及び公共事業費または米国対日援助見返資金による公共事業に使用される労務者に支拂うべき給與金の支拂いは、他の労働者の賃金と同様、労働基準法第二十四條の規定によりまして、通貨で直接労働者にその全額を支拂わなければならないこととなつておりますが、地区によりましては、賃金の支拂い月額が数千万円というところもあり、施設、場所その他の諸点から所管官庁におきまして、直接現金支拂いをすることに非常な困難が伴うばかりでなく、各種の事故発生の原因となるおそれもございますので、これが賃金の支拂いを迅速かつ確実ならしめるため、特に必要があるときは、大蔵大臣の定めるところによりまして、日本銀行以外の市中銀行に支拂い事務の一部を委託して、取扱わせることができるという特例を設けようとするものであります。
 以上の理由によりまして、この法律案を提出いたしました次第でございますので、何とぞよろしく御審議のほどをお願いします。
○奧村委員 議事進行について――明日の審議につきまして、食管会計とともに、食糧配給公団の予算のこまかい根拠についてお尋ねいたしたいのですが、これは食糧庁の方で御説明ができますかどうか。できますならばこの予算書の計算の基礎になる数字をお示し願いたいし、もし食糧庁の方で御説明ができないとすれば、適当にその関係者を煩わしたいと思いますが、この点長官にお伺いをいたします。
○安孫子政府委員 公団予算につきましては、いろいろな事情からいたしまして、公団が直接――もちろん私どもも全然関與しないわけではございませんが、財務当局でもつて相当強くこれを処理いたしておりますので、ただいまの点につきましては、主計局並びに公団当局をお呼びいただきますことが、議事の進行、内容の説明について適当ではないかと私は考えております。
○奧村委員 そういたしますと食糧庁長官としては、食管特別会計までは目が届いておるが、公団の予算その他については十分携わつていない、こういう御答弁でありますが、それであるとなかなかたいへんな問題だと思いますが、重ねて御答弁を傾わします。
○安孫子政府委員 公団予算につきましては、沿革的に公団は政府機関であります。大綱につきましては私ども十分相談に乗つて処理をいたしておりますが、積算の基礎その他につきましては、公団と財務当局との相談というようなものが主になつております。
○奧村委員 食糧配給の経費約九百億円のうち、半額は食管特別会計でその経費を支出しており、公団の方でも約半額の四百五十億円支出しておる。これはやはり税のごとき性質のものであつて、政府機関の名においてこれだけの経費を国民が負担しておるわけであります。従つて同じ経費であつても、われわれは十分審議しなければならぬ。ところが單に一通り目を通してみましても、食管特別会計の方で食糧加工費に百二、三十億円出しておるが、公団の方でも同じ百二、三十億出しておる。あるいは運賃にしても食管特別会計で百二十三億円出しておるが、公団の方でも五十数億円出しておる。保管料のごときもやはり同じである。これはどこまでの限界が食管会計であるか、どこまでが公団でやるか、ここに重複した点がないか、また重複せずとも同じような計算の基礎に立つておるのかどうか、こういう点において、これはどうしても食糧庁長官において同じように目を通されてこそ、ここにむだを省き重複を省くことができるが、ただいまの御答弁では、はなはだ私は心もとないと思うのであります。また特別会計の職員の給料の基礎、それから公団の給料のはじき方、これは根本から違つております。食管特別会計の方だけはわかるが、公団の方はわからぬということであれば、そこにも相当公団及び特別会計との比較対照におきまして、非常に困難な点ができると思いますが、これは別問題として、明日はこの公団の予算の計算の基礎を十分お尋ねをして、特別会計との間に重複がないか、あるいは双方の間に非常な食い違いはないかということをお尋ねいたしたいと思いますから、委員長の方におかれましては、この公団の予算をつくられた十分責任のとれる方を御要求になつていただきたいと思います。
○川野委員長 承知いたしました。
○安孫子政府委員 御質問じやないと思いますが、たとえば加工費なんかは両者に計上してある。政府が直接加工いたしておりますものと、たとえばパンのように公団が加工いたしますものと、この限界ははつきりいたしております。この点について重複の点はないと考えます。
 それから運送費でありますが、これは大体において政府は産地からの運送を実行いたしまして、消費地の庫入れまでいたします。これは食管特別会計に組み入れられてあります。そこで公団に売却いたしましてから、公団は、配給所その他までの運送は当然出て来るわけであります。この点が公団の運送賃の方に入つて来るのでありまして、業務的にこれを観察いたしますならば、ただいま御注意がありましたように、公団の運送費、加工費が、食糧管理特別会計の加工費、輸送費というものに重複して来る点はないと考えております。その点だけお答えいたしておきます。
○川野委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十一分散会