第007回国会 大蔵委員会 第42号
昭和二十五年三月二十九日(水曜日)
    午前十時五十分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 岡野 清豪君 理事 北澤 直吉君
   理事 小山 長規君 理事 前尾繁三郎君
   理事 川島 金次君 理事 橋本 金一君
   理事 河田 賢治君 理事 内藤 友明君
      奧村又十郎君    甲木  保君
      鹿野 彦吉君    佐久間 徹君
      田中 啓一君    苫米地英俊君
      中野 武雄君    西村 直己君
      三宅 則義君    田中織之進君
      宮腰 喜助君    竹村奈良一君
      田島 ひで君    中野 四郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 青木 孝義君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (外国為替管理
        委員会事務局
        長)      牛場 信彦君
        地方自治庁次長 荻田  保君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      佐藤 一郎君
        大蔵事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
        大蔵事務官
        (理財局長)  伊原  隆君
        大蔵事務官
        (管財局長)  吉田 晴二君
        通商産業政務次
        官       宮幡  靖君
        通商産業事務官
        (資源庁石炭管
        理局長)    中島 征帆君
        経済調査官
        (中央経済調査
        庁監査部長)  木村  武君
        参議院議員   佐々木鹿藏君
        大蔵事務官
        (管財局総務課
        長)      宮川新一郎君
        通商産業事務官
        (通商局次長) 松尾泰一郎君
        通商産業事務官 加野 一郎君
        配炭公団清算事
        務所調整室次長 岡野 賢司君
        配炭公団清算事
        務所調整室課長 植木友治郎君
        專  門  員 椎木 文也君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 委員前田榮之助君辞任につき、その補欠として
 田中織之進君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月二十八日
 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第一三一号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 配炭公団の損失金補てんのための交付金等に関
 する法律案(内閣提出第七五号)
 国税犯則取締法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一一三号)
 国税の延滯金等の特例に関する法律案(内閣提
 出第一一七号)
 災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一一八号)
 国税徴收法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一二六号)
 昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負
 担の特例に関する法律案(内閣提出第一二五
 号)
 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第一三一号)
 旧軍港市転換法案(佐々木鹿藏君外二十二名提
 出、参法第二号)(予)
    ―――――――――――――
○川野委員長 これより会議を開きます。
 昨二十八日本委員会に付託になりました外国為替及び外国貿易の管理法の一部を改正する法律案を議題として、政府より提案理由の説明を求めます。
○伊原政府委員 ただいま議題となりました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。
 昨年十二月一日付で公布されました外国為替及び外国貿易管理法中、貨物の輸出入及び外国へ向けた支拂いに関する規制、外国為替銀行及び両替商の認可、外国為替相場の公定、対外取引に使用する外国通貨の指定等に関する命令を本日までに制定施行しましたが、その他の部分、すなわち外国為替の集中、渉外債権債務の統制、証券の渉外取引の統制、不動産の渉外取引の統制、渉外サービスに関する契約の統制及び通貨等の輸出入の統制に関する部分については、現在なお未施行でありますが、これらは法律の附則によつて、昭和二十五年三月三十一日までに施行しなければならないことになつております。
 しかるに外国人の本邦内事業活動、外国為替銀行の為替業務、外資導入等に関する事項については、愼重考慮を要する点があり、現在に至つてなお未確定の部分がありますので、右未施行部分を三月三十一日までに施行することが不可能となりました。これが法の一部を改正して施行期日を延期しようとする理由であります。
 何とぞ右御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを切望してやまない次第でございます。
○川野委員長 それでは本案を議題として質疑に入ります。河田委員。
○河田委員 実はこの法律についてではありませんが、最近新聞では、日本の政府は円建を今考えておるということでありますが、特に東南アジア諸国に対するそういう方針はおありでございましようか。
○松尾説明員 ただいまお尋ねのございました円建の貿易のことについてお答え申し上げます。実はまだ全面的的に円建の貿易を実施するということについては、時期尚早かと思つておるのであります。たとえば韓国とか琉球あるいは台湾等の近隣諸国につきましては、一部の貿易につきまして円建の取引を認めるということは、かえつてドル不足の緩和にも役立つし、日本側の輸出の振興にも役立つのではないかというふうな見解をもちまして、目下研究を進めておるような段階でございます。
○河田委員 ただいまのお話では韓国、琉球、台湾、こういうことでありますが、最近いろいろな新聞等によりまして、また国内のいろいろな政治情勢から考えまして、見返り資金を東南方面の円建資金に使うというようなことを構想になつたことがおありですか。あるいはまたそういうことについて関係筋からのお話があつたことはありませんか。この点をちよつと伺つておきたいと思います。
○伊原政府委員 お答え申し上げます。見返り資金の使用方法につきましては、輸出の増進等につきましても積極的に役立てるという意味におきまして、そういう問題も一つの研究の対象とは相なつておりますが、具体化はいたしておりません。
○川島委員 ちよつと一言だけお尋ねしておきたいのですが、この説明によりますと、外国人の本邦内事業活動外国為替銀行の為替業務、外資導入等に関する事項、この三点ばかりの非常に重要なことについてはいまなお愼重考慮、未確定の分がある。こういう意味を述べておるのですが、この三点の重要事項はどういう点で未確定なのか。その内容について参考のためにこの際聞かしておいてもらつた方が、よろしいのではないかと思うのです。
○伊原政府委員 ちよつと関連いたしますので、ほかの点も申し上げたいと思います。
 今回の法律の御制定を願いますのは、お手元にございます外国為替及び外国貿易管理法の一番うしろをごらん願いますと、附則の第一に「この法律の施行期日は、各規定につき政令で定める。但し、その期日は、昭和二十五年三月三十一日後であつてはならない。」とありますが、これの期日を六月三十日と改めていただくものでございます。そうしてこの法律は昨年の十一月の国会で御制定を願いまして、御承知の通り輸出に関する部分は十二月一日から、輸入に関する部分は一月一日から施行いたされまして、現在未施行になつておりますのは、第四章の外国為替の集中、それから第五章の制限及び禁止というふうな部分が未施行に相なつております。ただいま川島先生のお尋ねのございました点は、実はまず第一に現在問題になつております点の一つは、外国人の本邦内事業活動という問題でございますが、これは第四章の外国為替の集中の問題とそれから第五章第一節の支拂いの問題等に関連をいたす問題でございますが、日本の現在におきまして日本に参ります外国人の間では、預金を持つた外貨の取引が司令部の承認によつて許されておるわけでございますが、これをだんだん日本の円の取引に持つて行く方角のもとに、ただいま研究をいたしております。但しこれは非常に国際的な関係もございますので、その円の取引に持つて行く方法、それから程度等につきまして、非常に愼重な考慮がいりますので、まだきまつておらないのであります。それから外国為替銀行の為替業務と書いてございますのは、現在御存じの通り現行の政令三五三号で外国為替の集中をいたしております。これは全面集中に相なつております。従つてその輸出ビルの一本々々がその都度集中になつておるのでありますが、こういうことがはたして制度の趣旨に沿うかどうかということもございまして、銀行に外国為替の保有の限度を認めたらいいじやないか、どの程度認めるかというような問題がまだ研究中でございますので、これがきまらないのであります。
 それからなお外資の導入等に関する事項とございますが、これは第五章の第三節の証券とか、それから第四節の不動産等に関連をいたす問題でございます。御存じのように現在外資の導入は安本の外資委員会におきまして政令五一号に基きまして、たとえば外国人が株を買いまする場合には許可がいる、不動産を買う場合には許可がいるというようなこともございますが、その他外資導入に関する一切の問題を含めまして、目下外資導入に関する法律について政府で研究中でございます。関係方面と今打合せ中の事項でございますので、これらの方針がきまりませんと、実は第四章、第五章というようなものを発動いたしますのに、三月三十一日ではむりでございますので、六月三十日まで延ばしていただきたい、こういうわけでございます。
○前尾委員 ただいま議題となつております外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案は、この法律の一部を改正して施行期日を延期しようという法律案でありますので、この際質疑を打切り、討論を省略してただちに採択に入られんことを望みます。
○川野委員長 前尾君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議がないようですから、本案は原案の通り可決することに賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次に国税犯則取締法の一部を改正する法律案、国税の延滯金等の特例に関する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、及び国税徴收法の一部を改正する法律案の四法律案を一括議題として質疑に入ります。
○奧村委員 私は災害法に関連して二、三お尋ねいたしたいと思います。主税局長は先だつての御答弁において、災害の場合に所得税法の災害規定で行くか、今回の災害規定で行くかということは、納税者の選択にまかせるということを答弁せられたのでありますが、この災害法の第一條には「他の法律に特別の定のある場合を除く外、この法律の定めるところによる。」こういうことになつておりますが、他の法律の特別の定めというのは、所得税法における災害の規定であらうと思うのであります。そうであるとすればまず所得税法の災害の規定を適用して、それでない場合に初めてこの災害法が適用される。所得税法の災害規定がまず先に優先して適用せられる、こういうふうに読めると思うのですが、この点いかがですか。
○平田政府委員 ただいまのお尋ねの点につきましては、第二條に特にその旨を明らかにいたしておるわけでありまして、この二條の規定によりまして、所得税の規定との関係をこの法律において明らかにいたしたわけでございます。すなわち二條の中に括弧書きをいたしておるのでありまして、「当該災害に因る損失額について所得税法第十一條の三の規定による控除をしない者に限る。」というようにいたしておるのでありますが、その趣意は当然に所得税法の控除をする場合におきましては、第二條の控除をしないという意味でございます。しこうして、どちらが有利であるかというその選択によりまして、そのいずれかを適用するという意味で考えておるのでありまして、災害減免法の規定の適用を受けた方が有利な場合におきましては、これは所得税法の規定によつて控除を受けるものに該当しないで、第二條の規定により軽減されるものに該当いたしますので、そういう趣旨によつてこの規定を改正して参りたいと考えておるわけであります。
○奧村委員 この第二條の括弧の、所得税法十一條の三の規定による控除、これは自発的に納税者がこの十一條の三の規定を望まない場合に限つて、この災害法の改正法が適用せられる、こういうことになるのですか。
○平田政府委員 この所得税法第十一條の三の規定による控除は、納税者の申請によつて行われるのでございまして、従いまして申請がなかつた場合におきましては、この所得税法の適用がない。その場合におきましては第二條の規定の適用になるということでございまして、お話の通りであります。
○奧村委員 ところがこの災害法によりましても、附則の第四項において、この適用を受けようとする場合においては所得税法第二十一條の二の第一項、あとずつとやはり申請書を出さなければ適用しない、こういうことになつておりますので、同じことになると思いますが、この点いかがですか。
○平田政府委員 もちろんこの第二條の規定の適用を受けるためには、その旨の申請を必要とするのでございます。従いましてその申請をいたします際に、所得税法の適用を受けるか、第二條の適用を受けるか、納税者が選沢しまして有利な方を申請できるということに相なるのでございます。なおこの附則の控除は、今申し上げました今後の恒久法として規定されておりまする第二條とは、実は別個の條文になつておりまして、これは昭和二十三年の一月一日から昭和二十四年十二月三十一日までに生じました災害に対する特別の規定でございます。この規定につきましては、この法律はいわば別個の法律と解すべき独立の條文でございまして、こういうものにつきましては過去にさかのぼりまして、今まで控除し得なかつた部分を控除しようというわけでございます。従いましてこの規定の適用を受けんとする場合におきましては、あらためて本法施行後一定の期間までに、さらに申請をしてもろうことになつておるのでございます。そういうようなことによりまして、この規定を運用して参りたいと考えております。
○奧村委員 所得税法の十一條の三の方では盜難の場合も減免しておるのですが、災害の方は盜難は含まないのですか。
○平田政府委員 盜難は災害には含まないと解釈いたしております。従いまして従来から盜難につきましては何ら控除はなかつたのでざいますが、昭和二十五年度の所得税から、盜難につきましては所得税法の規定によりまして、控除をすることに相なるのでございます。
○奧村委員 これは念のためにお尋ねを申し上げておくのですが、災害の規定においては、災害の年を含まずに災害の年の翌年から三箇年、こういうふうに読みとれますし、それから所得税法の第九條の二項の前年以前三箇年というように、その年を含まずに以前の三箇年、こういうことになつて、災害を入れると四箇年の租税減免になる、こういうふうになるように解釈されますか。
○平田政府委員 所得税法におきまする控除はまさにその通りでありまして、災害のあつた年には所得税の計算上当然差引きます。それで引切れない分を次に繰越しにいたしまして、三年間控除することに相なるのであります。
○奧村委員 災害の第二條は、損害の金額は規定せずに、單に総所得の額と規定してあります。たとえば損害が住宅、家財でありますけれども、五万円の場合であつても、総所得が三十万円の場合には十五万円引いてもらえるというようなことになつて、損害の金額と所得金額の控除とは別になりますが、そのように解釈してよろしゆうございますか。
○平田政府委員 この第二條の規定は、前回も御説明申し上げましたように、一々損害額は幾らというような査定は、必ずしも必要としないのでございまして、甚大な被害ということは、その程度について政令で規定しておりまして、住宅または家財が過半それぞれ被害を受けたという場合におきましては、この簡單な標準でこの第二條の適用に相なるのでございます。その額のいかんを問いません。その人の所有しまする住宅または家財の過半以上損害を受けておると認められるものに対しまして、その標準でこの條文を適用したのでございます。従いましてこの條文は損害額を所得金額から控除するというような方法によりませんで、その條件に該当いたします場合におきましては、総所得金額が十五万円以下の場合であつたから、所得税を全額免除する。それから所得金額が十五万円を越え三十万円以下の場合には、半額を軽減するということになつておりまして、所得税法における所得の控除というような、技術的にむずかしい方法によりませんで、比較的簡單な方法で、災害のあつた場合には、この條文によつて救済することになつておるのでございます。しかしながらその損害額が相当な額に逹しまして、被害金額も相当明らかである。むしろこの條文の適用を受けるよりも、所得税法等の適用を受けた方が有利であるという納税者の場合においては、先般も申し上げましたように、所得税法の規定によつてそれぞれ救済される。しかしごく簡單な、たとえば勤労所得者等で、家財の半分が燒けたという場合においては、その損害額を一々評価して、所得金額から擦除するという方法よりも、むしろこのような條文によつて簡單に減免するという方が、納税者の実情にも合し、また実際の行政上の便宜にも資するというわけで、再建の減免の方法を認めておる次第でございます。
○奧村委員 災害の改正法の附則の三項の「所得の基因たる資産又は事業の用に供する資産」とありますが、この中には農家における田畑が風水害でいたんだ。その田畑の破損、損害というものも認められるのですか。また「事業の用に供する資産」とありますが、その中には住宅も含まれておるのですか。
○平田政府委員 田畑は当然所得の基因たる資産に該当するわけであります。あるいは自作農の場合においては、事業の用に供する資産、いずれかに該当するわけでありまして、当然入ることになります。家屋の場合は、営業用になつております家屋は、当然この規定に入りますが、もつぱら自己の住居の用になつておる場合においては、この條文には該当しないのであります。共用しておる場合においてはその共用分を按分計算等により計算して、その部分はこの條文に該当することに相なるかと思います。
○奧村委員 それでは同じく附則第三項によつて昭和二十三年一月一日からですから、一昨年、昨年のデラ、ヘスターあるいはその他いろいろの台風がありますが、その台風災害がほとんどこの中え含まれると思いますが、その災害の金額は二十三年の一月一日から二十四年の十二月三十一日まで、この二箇年間で大体どのくらいお見積りになられるか。そういう調査をなすつたことがありますか。お伺いします。
○平田政府委員 災害につきましては、いろいろ断片的な調査はいたしておるのでございますが、全部まとめました調査を今申し上げることができないのを、はなはだ残念に思うのでございます。昭和二十四年度の予算を見込みます場合におきまして、現地の情報をできるだけ取入れまして、歳入見積りの正確を期することにいたしたのでございますが、それによりまする二十四年度の所得税の計算上、災害等による減收額を見込みました額が、税額で四十四億七千二百万円程度を見込んでおります。災害の金額自体につきましては、今全部総合しまして詳しく申し上げるような資料を、先般も調べてみたのですけれども、ちよつと簡單にとりまとめができないような状態ですが、二十四年度の予算上におきましては、そのような見積りをされておりますことを御承知願いたいと思います。
○奧村委員 それから附則の第五項によつて昭和二十四年度分の所得の計算において、この規定において相当所得の税額が更正されることに相なります。ところが所得の更正の場合において、二十四年の十二月三十一日までの災害の損害の申告なるものが、災害法の旧法の第五條によつて提出されておりますから、私は非常にずさんと思いますが、そう正確な損害は出していない分が多いのではないか。将来三箇年間にわたつて損害が減免されるということがわかつておつたならば、納税者においても災害の際にもつと徹底した損害額を出すわけですが、わずか一年に限つての損害だけでありまして、今までそうでありましたから、申請がずさんであつた。それでこの規定が法律となるときには、この二箇月以内には新たに損害として相当申請を出し直す部分が多いだろうと思う。これはひとつ御当局においても、せつかくこういう合理的な方法を出された以上は、この法の精神に基いて新たな申請を出した場合においても、大いにそれを認めてやつていただきたいと思うのです。またそういう場合が非常に多いと思うのですが、その点いかがですか。
○平田政府委員 今度の災害減免法の附則に基きまする特別の控除は、これは異例にわたることでありまして、何と申しましても、まことにお気の毒な立場にありますので、一般の税の例外として特にさかのぼつて控除することにいたしたのでございます。しかしてその損害額の査定等につきましては、もちろんお話のような点も十分考慮に入れまして、適正を期する必要があろうかと思いますが、ただ今になりまして、前に報告をしておられますのと著しく違つた報告があつた場合におきまして、はたしてそれが正しいかどうかを調べるのが、非常にまたこれが困難な問題ではなかろうかと思います。大体におきまして損害額の申告というのは、通常の場合は実際よりも幾分多い目に出ているのが普通でございまして、それをもとにして常に若干査定をしておるのが実際の状況でございます。従いましてあまりこの際改めて、被害額が実は多かつたのだという申請をしまして、それに基いて査定をし直すことがなかなかむずかしいだろうと考えまして、この規定では一応その被害を受けた年分の確定申告書に記載された金額をもとにしまして、控除することにいたしておるのでございます。従いまして全然その当時記載されておりません損害の額を、全面的にこの際むしかえして調べ直して行くということは、これはなかなか困難だと思うのでございますが、ただ非常に異例に属するような場合等につきましては、運用である程度考えますかどうですか。その辺のことにつきましては、なお実情を調べました上で、できる限り法の趣意に合するような取扱いをいたしたいと思いますが、一般的にはさようなことで参りませんと、とうてい正しい損害の査定あるいは正しい減免というものがむずかしいのではなかろうか。かように考えておる次第でございます。
○奧村委員 それにつけ加えまして、こういう場合があると思いますので、一応ひとつ頭に入れておいていただきたいと思います。それは災害のあつた年は、特に大きな損害を受ければ、事業がほとんど壞滅に瀕する。従つてその災害の年は所得が根底からなくなる。従つて所得の申告を出さないで、災害の損害額も申告してない。しかし翌年から何とか復活して所得が出て来たが、災害の年は災害の申請はしていなかつた。従つて翌年以後三箇年にわたる減免の規定を適用されないという不幸な人が、おそらく相当出て来ると思うので、それについてはある程度その事情を認めていただきたい。こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○平田政府委員 現在の災害減免法の規定にございまするが、災害による所得の基因たる資産または事業の用に供する資産について、甚大な被害を受けた年分の所得について、損害金額を控除するという規定が第五條にございます。この第五條の適用を受けんとする場合においては、政令ではつきり規定を設けております。申告書に被害を受けた旨と被害状況及び損害金額を記載しなければならない。こういう記載をして申告をしていなければ、今度は削除しましたが、従来の第五條の適用を受けられぬのでございます。従いまして、いやしくも第五條の適用を受けられないようなお気の毒な方々は、大体におきましてこの施行令の第七條の規定に基きまして、申告書に記載しているものと考えるのでございますが、非常に異例にわたる場合につきましては、なお実際に応じまして、できる限りのことはいたしたいと思いまするが、大体におきましては、施行令第七條の規定によりまして、被害の状況と損害金額を記載して出ているものと見ておるのであります。
○川島委員 私は、国税犯則取締法の改正案について、お尋ねしたいと思います。
 問題の女子の身体の捜索には、成年の女子を立会わしめるという改正になつておるのですが、しかも急を要する場合はこの限りにあらずということで、立会いを必要としない面も出ておる。そこでお伺いをするのですが、従来は收税官吏が捜索などをする場合に、納税者もしくは納税者の家庭におる女子の身体の捜索を必要とする事件が相当あつたはずだが、今後もあるという予想のもとにこう改めたのでありましようか。今後の見通しについても、こういう事態がひんぴんとしてあるのかどうかということについて、例がありましたならば、それを聞かせておいてもらいたい。
○平田政府委員 この女子の身体を捜索します場合の立会人の規定は、実は今回新たに制限的規定として設けたのでございまして、従来の規定によりますと、新旧対照表をお配りいたしてございまするが、第二條の第一項で当然でき得ることになつていたのであります。そのことは、第四項におきまして、令状をもらいます場合に、捜索すべき身体をはつきりさせてしなければならぬという規定が、明記されておることによりましても明らかでございます。ただ従来におきましては、そういう場合におきましても、單に「成年ニ逹シタル者ヲシテ立会ハシムヘシ」という規定だけでございまして、女子の身体を捜索します場合におきましては、だれでもかまわないという規定に実はなつていたのでございますが、最近の状況から見ますと、これはいかにも適当でない。ことに新刑事訴訟法は、この点につきまして、やはり今度国税犯則取締法第六條第三項を設けましたと同じ規定を設けたのでございまして、新刑事訴訟法の第百十五條によりますると、「女子の身体について捜索状の執行をする場合には、成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。」という條文があるのであります。国税犯則取締法におきましても、この新刑事訴訟法の趣意を体しまして、新しくこの規定を設けまして、従来よりも一層権利の保護を明らかにしたいという趣旨で加えられたのでございます。ただ実際問題としてどういう場合があるかというお尋ねでありますが、これは私もそのことだけを調査したものはございませんが、いろいろ情報によりますと、たとえば調べに行きました場合に、預金帳なり大事な帳簿等をふところの中や帶の中に入れまして、必ずしもすぐ出さない、こういう場合があるやに聞いておるのでございます。そういうどうしても必要やむを得ない場合にのみもちろん行うのでございまして、ことに收税官吏の行います調査は、身体そのものの捜索というよりも、身体の中にかくまつておるそういういろいろなものを調べるということでございますから、場合によりましては、やはりこういうことが必要である場合もあろうかと存じます。もちろんこれは裁判官の令状により国犯法に基いてやる場合に限るのでありまして、普通の收税官吏が令状によらないで検査いたします場合においては、当然このようなことはできないのでございます。犯則の嫌疑がありまして、令状でやります場合におきましては、運用には十分注意いたしたいと思いますが、やはりこういう場合は、今後におきましてもある程度はあるのではなかろうかと考えております。
○川島委員 変な質問ですが、そういつた場合もあり得ることは想像できるのですが、さらにたとえば婦女子のまとつておりまする衣類、あるいは帶、たびという程度の捜索にとどまらないで、それ以上に出るような場合も予想される。ありていにいえば、婦女子の捜索をする場合に、女子の立会人があれば、相手の女子をしてまつたくの裸体にさせるということも予想される。そういうこともできるという法律上の解釈がこれでは成り立つわけですが、その点はどうですか。
○平田政府委員 法律上の條文としましては、そういう必要がある場合におきましては、従来からもやはり可能ではなかろうかと解釈いたしておるのであります。実際上は先ほど申し上げましたように、不要の場合が通常でございまして、お話のような必要を生ずる場合は、よほど例外の場合であろうと考えております。
○川島委員 質問が前後になりますが、第三條の二で「必要アルトキハ錠ヲ外シ戸扉又ハ封ヲ開ク等ノ処分ヲ為スコトヲ得」となつておりまして、「必要アルトキ」という非常に漠然たるものでありますが、「錠ヲ外シ戸扉又ハ封ヲ開ク」、こういうことが書かれてあるのですが、これを通して見ますと、たとえば店舗を有するものが、住宅の方に通ずるかぎがある。そのかぎを臨検收税吏が、直接の実力をもつて明けてしまうというようなことをいうのですか。明けさせることができるのであるか。実力でもつて收税吏がこういう行為を、独断で押し切つてやれるという解釈なんですか。どちらですか。
○平田政府委員 最初に申し上げておきますが、この條文は、もちろん裁判官の令状を持ちまして、この犯則処分法に基いて收税官吏が検査する場合に限りまして、適用になるのでございます。一般の令状がなくて税務官吏が納税者のところに調査に行きます際におきましては、このようなことはできないのでありますが、令状をもらいましてやります場合におきましては、警察官等の場合と同じように、これらの規定を設けることになつておるのでございます。しかいたしましてこの條文を新たに設けましたのは、従来も第二條の一般的な解釈上、臨検、捜索、差押えと申しますか、この中にかような行為も当然できるということで、多年解釈されて来たのでございますが、新刑事訴訟法はこのようなことにつきましては、なるべく具体的に法律で規定するということになつておりまして、新刑事訴訟法にもやはりこれと類似の規定を設けることになつておりますので、国犯法においてもそれにならいまして、今回新しくこの規定を設けることにいたしたのであります。ただ新しい拡張ではございませんで、従来解釈上当然認めておられましたところを、法律によりまして明らかにした点でございます。従いましてこの規定は、もちろん納税者に、普通の場合ならば錠を明けさせるのが通常の行き方だと思います。その場合におきまして、納税者がそれに応じない場合におきましては、やはり実力をもちまして、この規定によりましてみずから錠を明けたり、とびらを開く等の処分をいたすことができるというのでございまして、実際は大体納税者をしてやらせまして、それでどうにも行かない場合に、こういう措置に出ることに相なると思います。
○川野委員長 ほかに質疑はありませんか。
○田島委員 ただいまの法案に関連しまして、第六條の女子の身体捜索についてはというこの條項につきまして、何か今までこういう事件について弊害があつた例がありますかどうか。もしございましたならば、それを具体的に、おわかりにならないかもしれませんけれども、お示しをいただきたいと思います。
○平田政府委員 今まで具体的なケースとしまして特に中央まで大きな情報として入つて来ているような例はまだ聞いておりません。ただ新刑事訴訟法におきまして、特にそのような規定を明らかにいたしておりますし、いかにも成年のものであれば、だれでも立会わせしめればいいというのでは穏当でないという趣旨からいたしまして、このような規定を設けることにいたした次第でございます。
○内藤(友)委員 延滯金等の特例に関する法律案ですが、これはちよつと教えていただきたいのですけれども、本税のほかに追徴税と加算税というものがあるのですが、この追徴税、加算税というものは、本税に対して、ごく最近の例によりましてどんな割合になつておるものですか。それから追徴税とか加算税というものは、予算にこの程度入るものだということを見てあるものかどうか。そういうことをひとつお教えいただきたい。
○平田政府委員 金額につきましては今取調べましてお答えいたしたいと思いますが、追徴税、加算税は、予算の上におきましては、そのこと自体として特に計上いたしておりません。これは当然実績からいたしましても相当あるのでございますが、建前といたしましては、そういうものがないように運用して行く建前になつておりますし、それから所得税、法人税その他におきましても、実際問題といたしましては、いわゆる徴收歩合の見込みを立てます場合におきまして、そういう要素も考慮に入れまして、基本税に対しまして本年度幾らくらい入つて来るかというような見積り方をいたしておりますので、特別に別途にそういうものを見積りまして予算に計上するというような方法はいたしていないのでございます。ただ課税した実績といいますか、それにつきましては今調べましてお答えいなしたいと思います。――私は今予算の計算上は特別にそういうものとして見積つてないということを申し上げただけでありまして、実際は所得税の中に徴收歩合というものを、年度内に入る歩合を定めておりますことは、内藤委員も御承知の通りでございますが、この歩合を見ます際において、加算税も含めましたところで所得税が幾ら今まで入つて来ておるか、それに基きまして見ておるのでございます。従いましてそういう意味におきましては、加算税等のことも考慮されまして、徴收歩合が見られておるということに相なるかと思うのでございまして、特別に加算税の関係を別途に計算して見ていないというだけでございます。全体といたしましては、もちろんそのようなものも、徴收歩合等を見ます際におきまして入つておるということは、誤解ないようにお願いいたしたいと考えます。なお最近の統計はございませんが、二十三年度の加算税の課税の実績といたしまして四十五億円程度でございます。追徴税の方は特別に調べたものはないのでございますが、若干あろうと思います。
 今申し上げました加算税四十五億は、所得税が約三十億、法人税が十一億、その他入れまして四十五億に相なるのでございます。これはもちろん二十三年度の所得税、法人税、それぞれの税目といたしまして徴收額の中に入つて来ておるわけであります。別途のものではございません。それぞれ所得税、法人税でございます。それから追徴税につきましては、これは幾ら入つておるか、はつきりしないのでございますが、これも賦課額につきましては、個人の場合は昭和二十三年度において約九十億程度決定いたしております。ただこれは、決定はしておりますが、御承知の通り一定の納期までに納めた限りにおきましては、追徴税を徴收しないような特例を設けまして運用をやつておりますので、このうち幾ら入つておりますか、その正確な統計はなかなかむずかしいのでございまして、大分遅れますとわかるのでございますが、今のところまだはつきりしたものはございません。もちろんこのようなものも、統計におきましては全部所得税、法人税といたしまして、歳入実績を申し上げますあの額の中にそれぞれ入つておるわけであります。予算の見方も先ほど申しましたように、このようなものを総体として見まして、徴收歩合等を適当に定めてあるということになりますので、抽象的にはこのようなものも入つておるというふうに御了解願いたいと考えております。
○内藤(友)委員 そうしますと、この追徴税、加算税というものが、今お答えによりますと百三十五億二十三年度にあるのでありますが、こういうものは、たとえて申しますと二十五年度の所得税は二千四百八十億ほど徴收されるのでありますが、これとは別なものなんですね。
○平田政府委員 別なものではございません。それは歳入の統計でも何でも、実績等にはすべてそれぞれ所得税の追徴は、所得税として入つて来ることになつておりますし、加算税も同様でございます。従いまして賦課額は所得税等につきましても一応計算いたしまして、そのうち、たとえば二十五年度の予算でございますと、七四%程度が年度内に入つて来るという計算を立てておりますことは、内藤委員のお説の通りであります。資料も出しておりますが、その七四%程度入つて来るという中には、追徴税、加算税等も加えて入つて来るという計算を立てておるのでございます。
○内藤委員 そうしますと、二十五年度の二千四百八十六億なら二千四百八十六億という所得税の基礎計算は、国民所得にあの率をかけて、ここに数字が出る。そのほかに前年度からのこういう追徴税、加算税というものがこれだけある。これを加えたものが二千四百八十六億となるのでございますか。
○平田政府委員 所得税の見積りは、国民所得からは見積つてございません。国民所得は重要な参考資料にいたしておりますが、国民所得というような荒つぽい計算方法でやりますことは非常に危險でございますから、私どもさような方法はとつておりません。予算の説明にも書いてありますように、二十三年度に現実に賦課した額、その額を元にいたしまして、それに対して生産、物価等の指数を乘じまして、二十五年度の所得は幾らになるであろうか、その課税所得金額を求めまして、それに対してそれぞれの税率を適用しまして、賦課見込額を出しておるのでございます。しかしてその賦課見込額の中で年度内、つまり二十五年度内に幾ら入つて来るのかということをさらに見込んでおりまして、それが二十五年度の予算におきましては、七四%程度申告所得税は入つて来るものと見ておるのでございます。源泉課税は、成績が非常によろしゆうございますので、九八%程度実際におきまして入つて来るものと見込んでおるのでございます。しかして残余の申告所得税の二五%の分は、結局翌年度において、入つて来るわけであります。従いまして二十五年度の予算におきましては、二十四年度から繰越す分が入つて来ると同時に、他方二十六年度に繰越す分を二割五分差引いて、所得税を計算いたしておるのでございます。その歩合を見ます際におきましては、従来の実績によつておりますので――この実績の中には先ほどから言つておりますように、加算税、追徴税等も全部入れました所得税を見ておりますから、従いまして大体におきましては、そのようなものも見込んで本年度に入つて来る所得税は、全部で幾らかということを見積つておるということが、言い得られるかと考えるのでございます。課税所得の延ばし方につきましては、大体国民所得の延ばし方と同じような方法によつております。ただ所得税法の所得計算と、国民所得の所得計算の定義の仕方は若干違う場合がございますので、そういうものはそれぞれ違つた方法によつてやりますが、大体において生産の増は幾らあるか、物価が幾ら上るかというようなことで、国民所得の見積りと同じようにいたしておるのでございますが、国民所得自体を所得税の見積りの基礎にいたしておるわけではございません。そういう関係に相なつておりますことを御了承願ひたいと思います。
○内藤(友)委員 そういたしますと、今度法律を出されまして、加算税の税率を引下げられたのでございますが、これは今度の二十五年度の收入予算の中には、ちやんと織り込んであるということでありますか。
○平田政府委員 加算税を引下げましたのは、結局一月から三月までの分につきまして引下げることになつておるわけでございますが、額から申しますと、追徴税においては相当な額になるかと思うのでありますが、加算税の方は期間が比較的短くございますので、それほど大きな金額にはなるまいかとも考えております。しかしこれはいずれにしましても、これによりまして若干の増減はあるに違いないと思うのでございますが、二十四年分の歳入に若干影響はあるということでございまして、先般から申し上げておりますように、申告所得税は本年は相当減收になるのではないかと見ておりますが、そういうものも一つのフアクターの中には入つて来るかと考えておるのでございます。しかし二十四年度の予算の中におきましては、それほど大きな要素にはなるまい。むしろ加算税、本税を通じまして年度内に入つて来る分は七五%程度という見込みでございますから、それをこの改正によりましてかえる程度のものではあるまい、かように考えておるのでございます。
○小山委員 ちよつとお伺いしますが、この災害被害者に対する租税の軽減は入つておるわけですね。減免、徴收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案の中で、附則の第三項はたいへんけつこうな項だと思いますが、これの適用のある場合を二、三具体的にお示しを願いたいのと、もう一つは必要の経費とみなすと書いてありますが、たとえば農村の場合のように、一応標準加税でやつている場合にどういうことになるだろうか。たとえば南九州あたりは去年、おとどしと非常な災害をこうむつておるわけでありますが、災害をこうむつておる分については、今度二十五年度の所得税のときにこの規定によりまして、何らかの方法で税の繰りもどしとでも申しますか、そういうような措置がとられる余地があるのかどうか。そういうことに関して具体的な事例を若干お示しを願いたい。
○平田政府委員 今度の災害減免法の附則の第三項に規定しましたのは、ここにはつきり書いてありますように、二十三年一月から昨年の十二月までの災害の損失控除を、さかのぼりまして控除しようという規定でございます。しかしてこの規定の適用を受ける前の條文といたしまして、従来の災害減免法第五條の規定、新旧対照表をごらんになればわかりますが、改正前の第五條の規定によりまして、災害により所得の基因たる資産または事業の用に供する資産について甚大なる被害を受けたものにつきましては、所得を計算する場合におきまして、その損害金額を必要経費とみなして控除すると書いてあるのでございます。従いましてお話のように二十四年中に災害がありまして、たとえば田畑がやられたとか、あるいは店舗がやられたという場合におきましては、第五條の規定の適用を受けるために、さらに施行令にいろいろな事例をあげまして、それぞれ被害の状況、損害金額を申告書に記載しまして、この規定の適用を受けることになつておるのでございます。その被害が比較的少くて、去年一年限りでその被害金額が控除し切れた納税者の場合におきましては、その際に完全に救済しておりますので問題はないと思いますが、その年限りで控除し切れないで、なお損害が多いという場合におきましては、さらに今後引続き控除をしようというのが、この附則第三項の精神であります。従いましてお話の通り、田畑等が昨年の被害でやられた納税者の場合におきまして、昨年中の所得金額から控除し切れない損害金額がありました場合におきましては、二十五年度の所得金額の中らかその控除し切れなかつた部分を、必要経費として繰越し控除を認めるという趣旨でございます。所得税法に損害控除の規定を設けておりますが、これは原則として二十五年以後の災害の分から適用になりますので、これで特に特例を設けまして、さような方法によりまして過去の災害の分も、極力納税者の実情に即するように処置をいたしたのでございます。
○小山委員 私が特に聞いておりますのは、標準課税による場合に、必要経費としてはたしてこれが入つておるか入つてないかということが、納税者本人にわかつていないのではないかということです。
○平田政府委員 第五條の規定を適用いたします場合におきましては、必ず申告書に損害金額を書いて申告をしておることになつておると思います。従いまして一応所得の標準額を出しまして、その出た所得からその損害額を引いて計算しておるのでございます。従いましてその損害金額が残つておる場合におきましては、これはやはり二十五年度の所得を計算する際におきまして、一応標準等によりまして計算しました所得金額から、その損害金額を引いたということに相なるのでございまして、大体私も結論としてそうなるのではないか、かように考えております。
○小山委員 さらにもう一つ伺いますが、今までそういう規定があるのを普通の農民は知らなかつたと思うのでありますが、知らなかつた人が、新たにこういう非常にけつこうな規定ができたというので、本法施行後二箇月以内に申告しろということで、これを申告することは可能でありますか、二十四年度で打切つたのでありますか。
○平田政府委員 知らなかつたということで申告できなかつたような農民の損害は、あまり大した損害じやない場合が多いんじやないかと思います。実際問題としては、この件につきましては税務署も徴税に困りますので、相当注意を拂いまして申請書を集めておると思うのであります。従いましてその年の所得から控除し得なかつたというものは、よほど例外であるか、あるいは大した被害でない場合であろうと考えます。大体一年限りで引切れないで、なお翌年から控除しなければならないというような納税者の場合におきましては、大体におきまして、従来の第五條の申請をなしておるのではないか、かように考えております。
○小山委員 私が申し上げるのは、そういう知らなかつた人がわれわれの方には相当おると私は考えておるわけです。その場合に、そういう人たちは本法施行後二箇月以内に申告という、この中に入るかどうか、これを伺いたい。
○平田政府委員 今申し上げましたのは、入らない理由を申し上げたわけであります。第三項の中に規定しておりますように、被害を受けた年分の確定申告書に記載して、やはり第五條の規定の適用を一応受けた人でないと、該当しないことになるのであります。
○宮腰委員 この前からお伺いしようと思つておつたのですが、そのまま延び延びになつておりました。実は出版界の問題ですが、今度日配が解散されるについて、日配から返された本を相当各所で持つておるようですが、これを国税局の方針あるいは国税庁の方針では、大体時価に見積つて計算せよ、こういうような国税庁からの指令があつたということで、税務署ではそういうような命令に基いて処理しておるということを伺つておるのですが、もしこれを時価によつて処理するということになれば、出版社はみなつぶれてしまうのではないかと思うのです。それでそういう業者の方々の集まつたときにも、私は出席して御意見を伺つてみたのですが、時価であれば当然つぶれてしまう。従つてこれを立会いの上で本を破るとかして、看貫処理を認めることができないかどうか。おそらく大きい出版社は全部困つておると思うのです。
○平田政府委員 結局もどつて来ました本等のたなおろし資産の評価の問題だと思うのですが、やはり法律上におきましては、原則として時価によるということになつております。ただ時価の見方はいろいろ問題があろうと思います。それを單に定価の何割引といつたように見たのが正しいか、あるいはとうてい売れないと認められる場合におきましては、それに応じましてさらに適当な評価をしなければならないということになるわけであります。従いまして時価の見方をどうするかということによつて、問題は解決するであろうと思います。これを單純に卸値段で評価するということは、必ずしも正しい時価を見出すゆえんではないと思います。その辺のところは、実際におきまして売れ行きの見込み等を考慮しまして、適正な評価をすべきではないかと思います。
○宮腰委員 実は二流、三流の出版社であれば、おそらくこれは見込みがないから看貫処理でする場合もあり、また地方に持つて行つてたたき売りする場合もあるかもしれぬけれども、一流の出版社では、もどつて来たものは看貫処理する以外はないんじやないかと思うのです。それは結局過去の紙が惡い。仙花紙を使つている。そういうような紙では、あるいは半年なり一年たつてしまうと、おそらく売れなくなつてしまうのじやないか。こういう意味合いで、もしできるならば看貫処理を実際やるということを税務署に立会つてもらつて処理する場合は、看貫処理の計算で仕上げるのが妥当ではないかと思うのです。時価に換算したのと、今度は看貫処理してしまうのとでは、相当な開きが生れて来るのではないか。これは大きな出版社はみな同じではないかと思うのですが、適当に立会つて看貫処理するということはできないものでしようか。
○平田政府委員 会社の場合でございますと、はつきりそういうふうに処分しまして、現実にそのものの値段がないということが明らかになりました場合におきましては、それによりまして評価することは私はさしつかえないと考えます。ただ個人の場合におきましては、これは御承知の通り大体原価主義を採用いたしておりますので、結局その損が出ますのは、現実にそれを廃棄したり、あるいは売却しまして損が出た年度の損失になるということに相なるかと存ずるのであります。
○三宅(則)委員 私は一、二点だけ最後に補足的質問をさせていただきたいと思うのであります。国税徴收法の一部を改正する法律案でありまして、第三十一條に再調査ということがあるのでございますが、これにつきまして相当の理由ありと認めまして、再調査いたしましたものにつきましては、税務署長はなるべく徴收は猶予する、こういうふうに書いてあるのでありますが、実際面につきまして、おれの方は決定する方である、おれの方はとる方であるというようなわけで、関連がない場合が多いのでありますが、これはひとつ同情ある制度におきまして、一応審査請求いたしましたものもしくは再調査いたしましたものにつきましては、一箇月もしくは二箇月の余裕を認めまして、三箇月以上たちまして最後にこれが審査にまわつたというときには、考慮する必要がありましようが、ただちにもつて差押えあるいは処分するということはどうもむずかしいのではないか、かように考えまするが、政府のほんとうの心構えを承りたい。これは国民はたいへん困つておる点でありますから、ひとつ親切な御答弁を承りたいと思います。
○平田政府委員 今三宅さんのお尋ねの点につきましては、従来からたびたび態度としてはお答えいたした通りでございまして、本條の運用におきましても同様の趣旨で、十分法の精神に照しまして運用の適正をはかることにいたしたいと思います。ただ個別的な問題はいろいろ事情の差もございますので、一がいにはどうも申しにくいのであります。
○三宅(則)委員 私はこれと関連しておるからちようと申し上げたいのでありますが、所得税法を審査するときにおきまして、所得の申告をする場合におきましても大体昨年の所得の実績以下ではいかぬ、こういうことを言われますが、地方などにおきましては、非常に物価が下落した場合においては、そういうことがはなはだ困難である。しかしながら税務署長にこれを持つて行きましても、税務署長はなかなか判を押さぬであろう、こういうことで、地方に帰りましてたいへん攻撃を受けた。私はこういうことを考えまして、納税者のまじめなる申告もしくは同情ある意見に対しましては、ある程度まで税務署長もこれに対応するように、親切に取扱うということが必要であろう、かように考えておる次第でございまするから、税務署長並びに各地方の第一線に至りますまで、主税局長からその線を通告していただきたい、かように考えておるのでありますが、もう一度国民にかわつて聞きますから、御参考までに御答弁を承りたいと思います。
○平田政府委員 ただいまの点につきましては、先般の所得税法の審議の際に特に奥村委員からも質問がありまして、大臣からも答弁があつた次第であります。私どもその趣旨に従いまして、適正な運営をはかりたいと考えております。
○三宅(則)委員 それでは今主税局長から大分謙讓の徳をもつての御答弁がありましたから、これを信頼いたしまして、その御答弁を実情に適するように運用いたしていただきたい、かようにお願いして、質問を打切りたいと思います。
○川島委員 先ほどお尋ねをしはぐつたことがありますので、この機会にお尋ねをしたいのでありますが、やはり国税の犯則取締りに関する問題で、第二十二條の問題であります。「国税ノ納税義務者ノ為スヘキ国税ノ課税標準ノ申告ヲ為ササルコト若ハ虚偽ノ申告ヲ為スコト又ハ国税ノ徴收若ハ納付ヲ為ササルコトヲ煽動シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ二十万円以下ノ罰金ニ処ス」この問題について、最近各所にいろいろ税金鬪争などが行われておるようでありますが、この第二十二條が実際に適用されたという具体的な事実が最近あつたかどうか。あればその例について一、二あげてもらいたいと思うのですが……。
○平田政府委員 この條文は、今回別に改正をいたしていないのでありますが、お話の適用になりました例は、今はつきりした材料を持ち合せておりませんのです。しかしごく少数ではありまするが、あるように記憶いたしております。ごく最近におきましてこれで告発した例があるかどうかは、必要がありますれば、また他の機会におきまして、取調べまして御答弁いたしてもさしつかえないと思います。
○川島委員 その事例についての内容を、実はあれば一応お伺いしておきたいと思うのでお尋ねしたのでございまして、後刻でよろしいですから、何かの機会にその具体的な事例、告発の内容、結果等について示してもらいたいと思うのです。
 それからついでにお伺いしますが、最近の年度末にあたりまして、更正決定に対する再審査の要求などが、非常に納税義務者から出ておるわけであります。ところがこの問題については、委員会でも国税長官等に対して、かなりひんぴんと議論があつたところであります。しかも当局のお答えによれば、いつも末端に対する通逹を嚴重にして、なるべく納税義務者の審査に的確に応ずるように務める、こういう答弁を繰返しておるのでありますが、実際の実情はなかなか今もつてそう行つておりません。最近私が身辺において聞いたり聞かされたりする具体的な事実におきましても、審査要求をいたしましても、まつたく審査要求に対する何らの調査をしておらないということが大部分であります。しかも何らの調査をせずして、いきなり口頭もしくは文書をもつて、何月何日までに納めなければ差押えを執行する、こういう威嚇的なことを言つてまわつておることも、目下ひんぴんとしてあるのであります。元来租税法から行きましても、そういうことがあつてはならないはずであるにかかわらず、それが具体的な事実として、今もつて実行されておるということは、納税者にとつてまたきわめて迷惑千万であるのであります。そういうところから一種の税金鬪争や、集団的な反税鬪争が巻き起つているという原因も、そこに大きくあるわけだと私は感じておるのでありますが、そういう問題について当局では、これは高橋長官がおればなおいいのですが、全国の各税務署長に対して、そういう問題に対する嚴格な示逹か何か最近やつた事実があるかどうか。依然としていまなおどうも同じようなことが繰返されて、納税者は非常に困つております。その点についての何か示逹をいたしました例があれば、その例を、またそういうむちやな税務官があつたとして具体的な事実をあげた場合には、それに対して当局としてどういうような処置をする方針であるかということについて、重ねてこの問題は今当面の問題でありますので、この機会にお伺いしておきたいと思うのであります。
○平田政府委員 まことにごもつともなお尋ねでございまして、政府といたしましても、本年度の更正決定後に対しまするいろいろな対処する策といたしましては、でき得る限りの措置を講じまして、適正な納税に努めることにいたしておるのでございます。一面におきましては、反税運動が相当全国的に行われておりますので、これに対しましてはやはり政府が一体となりまして、断固不当なものに対しましては対処する考えを持つておるのであります。と同時に今お話のございました審査の請求に対しましては、できる限り早くそれを片づけるという方針を、閣議でも先般決定していただきまして、これを地方にも流したような次第でございます。大体の実情から申しますると、一定の決定通知をよこしますと、納税者の方々が多数税務署に来られまして、いろいろ質問し、どうして決定したかを聞かれるわけであります。その際におきまして、簡單なことは、計算の間違い等を発見しました場合には、即座にでも直すような方向へ指導いたしております。ただ営業所得等、はたして所得金額がいずれか正しいか、納税者の言い分がすぐ正しいかどうかわからない、こういうものにつきましては、やはり一定の調査を要しますので、この問題につきましてはすぐ即座に解決をはかるということは、これはなかなか困難であろうと思いまするが、そういうものにつきましても、極力早い機会に詳細によく調べまして、審査の決定を急ぐようにいたしたいと考えておるのでございます。実際問題としましては、大体二月末に決定通知を発送いたしまして、その審査の期間がそれから一箇月ということになつておりますので、今後お話のような点につきましては、四月、五月にわたりましてできる限り迅速に処理をはかりたいということにして、極力適正をはかる方針であります。閣議決定の内容は別途にお手元にお配りいたしてさしつかえないと思いますが、さらにそれにつきましては、必要がございますれば、他の機会に国税庁長官からでも御説明するようにいたしたいと考えております。
○川島委員 まことにしつこいようですが、今の問題は、私はもう全国的にそういう事態が起つておるのではないかと思うのです。それで当局の説明によれば、税務当局はいつでも納税者と直接会つて、誤りがあれば訂正しておる、こういうことを言われるのです。そういうこともあります。ありますが、更正決定に対して不満である。税務署に出かける。それでは口頭ではいかぬから、こういう書類を出せ、こういう書類を出せといつて指導することまではよろしい。ところが出してみても一向何らの審査の形跡がない。結局はやぶから棒に差押えの通告が来る。こういうことが実際地方に行つてみるともう大半なんです。そういうことであつてはならないはずだと私は思うにもかかわらず、そういうことが今もつて繰返されておる。そういうことから、繰返して言うように、そこに火に油を注ぐようないろいろの運動が巻き起るという事柄であつて、政府みずからの怠慢によつて、いろいろの好ましからぬ集団的な運動を起さしめておる。実際問題は逆にこういう形になつておる。ですからこの問題については、非常に年度末も迫つておりますし、一箇月だと言うてもうきようあすのような問題に迫つておるようなことが、全国的に多いのであります。従つてこれは国税長官をして、こういう問題をなるべく急速に、審査を申請する者に対しては、納税義務者の納得の行くような審査の方法を講じ、誤りがあればそれを訂正し、誤りがなければこれをまた法に従つて徴收することは、もとよりわれわれには異存がないわけであります。ただ非常に真実といいますか、誠意というものが非常に足りないということだけは、私どもの狹い範囲においても、事実いろいろの具体的な事例がかなり多くあるのです。従つてその問題についての処置に対して、当局はできるだけ早く納税者の人心を安定せしめる上から行きましても、急速なる手配をすることがきわめて必要ではないかと思いますので、そのことを強く希望しておく次第であります。
○竹村委員 川島委員から言われましたことに関連して一、二お伺いしたいと思うのです。大体更正決定を出されますと、異議の申立ての者がいろいろ事情を聞きに行く、そうして異議の申立てをする。ところがこれは大体個人々々で行くということになつておるので、いろいろふなれなために、その申請書をいろいろな形で――農村なんかでは自分で書けないというので、それを書いてもらつたりして持つて行く。そうすると、団体はいかぬ、個人々々を受付けるということで、結局個人が百人なり二百人なりして行く、そういう場合においても取締るものであるかどうか、伺つておきたい。
○平田政府委員 どういうお尋ねの意味かよくわかりかねますが、異議申立てに、税務署に納税者の各自がおいでになりまして、それぞれ審査の請求書を持つて説明を求め、さらに提出するという限りにおきましては、別段それだけでございますればさしつかえないことでございまして、問題は別にないと思います。
○竹村委員 そういう場合に、たとえば各税務署で実際やつておりますことは、異議申立てに行く者に対して、ずいぶん税務署管内で多くなりますから、大体番号札を渡す。そうして異議申立てを番号の順によつて、一日に百人なら百人、二百人なら二百人というふうに制限してやつておる。従つて異議申立てを受理してもらうために、番号札をとるのに、これがプレミアムがついて売られたりしておるという実情があるわけです。こういう場合に、百人とか二百人とかと制限するところに――たとえば千人も二千人も異議申立てをしようとするのに、一日に百人とか二百人とか制限を受けている。そうすると、団体的にこれを受取れという運動が起るのは当然だと思いますが、こういう制限をされないように各税務署に通知される意思があるかどうか承りたい。
○平田政府委員 どうもどちらが結果だか原因だか、むしろ逆に考えるのですが、多数の方が押しかけられて税務署の秩序が乱れるというおそれが、最近の事例によりましてもあるわけでありまして、その秩序が乱れたためにお互いに適正な処理ができませんから、それを順序よく処理する方法といたしまして、お話のような処置をとつている場合もあると思います。これはお互いに秩序を守つて適正に処理したい、こういう趣旨で行きますれば、おのずから問題は解決するのではないかと思います。
○竹村委員 その意味においては、別に私たちは問題はないのでありますが、一日に百人なら百人といわれて、異議申立ての期間が限られておるということになると、その限られた以外の人数の人が異議申立てをする期間がなくなるのですが、これに対して一体どうするのですか。
○平田政府委員 異議申立ての期間が切れたような場合におきましては、おそらくそう思うような番号で制限するというようなことはやらないと思います。
○宮腰委員 ごく最近大きな会社方面を大分整理されておるようですが、過去のインフレ時代には、経理上名目利益があつても実際の利益はなかつた。そういう意味で名目利益がありとして、それに百パーセント課税して行けば、それは完全に資本を食つてしまうのではないかという心配をするわけです。こういう意味から考えまして、今後そういう大きい会社方面でもいろいろ問題が起つた場合、追徴、加算税を過去にさかのぼつてとれるということになつたら、おそらく日本の経済再建というものはできないで、逆に税のためにつぶれてしまうのじやないかと思います。こういう場合にさかのぼつて追徴、加算税をとるものか、新しい税法によつて親心で解釈してやつて行かれるか、この点を伺いたい。
○平田政府委員 その問題につきましては、たしか前に御説明申し上げたかと思いますが、やはり過去にさかのぼりまして調べるということも相当必要ではなかろうか、ただあまり微細なものにつきまして一々調べるということは、実際上あまり穏当ではないと思いますが、多額な課税漏れのような場合においては、やはり適正な調査をして、負担額の調整をはかるということが必要ではないかと思います。そういう場合に追徴税等をどうするかということは、個別的なケースにつきまして判断すべきものでございます。あまりむりをする必要はないかと思いますが、相当惡質なような場合においては、これはやはり追徴税等も徴收する。非常に惡質な場合は脱税犯として告発するという場合もあろうかと思います。一がいには言いにくいと思いますが、やむを得ない事情があります場合には、追徴税は加算しないことができるということになつております。運営につきまして留意いたしまして、適正な課税をするように努めたいと思います。
○宮腰委員 現に税をとられるためにつぶれて行く会社が寒際できているのであります。こういう場合に徴收猶予、たとえば一年なり二年なり猶予してもらえば、その会社が再建できると思うのに、税務署なり国税庁の方では、それはまかりならぬ。いかなる場合でも、家を売つても工場を売つても整理してしまえ、こういうことを言つておられる。これはなるほど法律の規定からいえば当然かと思いますが、何かそういう場合――おそらく税をとつたために工場、会社がつぶれてしまう、そうなると失業者を二百人なり三百人なり出すという事実もあり得るわけですか、こういう場合には、何かそういう特別の経済上の立場を考えて、徴收を猶予できるような方法はないものでしようか。
○平田政府委員 お話のような問題につきましても、一がいにはなかなか言いにくいと思います。それぞれ会社の事情、あるいは税金が抜けている理由が、どういうところから抜けているか。その後において納税する予裕があるかどうか。これを延ばすことによつて的確に納まる見込があるかどうか。そういう点をよく調べまして、極力妥当な処分をして行くべきではなかろうかと思います。従つて古いものを決定しましたような場合におきまして、一律に何でもかでもただちに規則そのままで行つてとるということは、必ずしも実情に即さない場合がありましようし、個別的ケースによりまして妥当な調整をはかつて行くようにいたしたいと考えます。
○竹村委員 東京都におきまして物納された土地等の処分をされる際に、直接その土地の上に家を建てているというような人にこれを売り渡される方針であるか、あるいはまた不動産株式会社というようなところを通じて、売り渡されるのであるかをお聞きしたい。
○平田政府委員 国有財産法の問題であるように了承しますが、これは別にその方の政府委員から御説明申し上げます。
○宮川説明員 お答えいたします。物納不動産の処分につきましては、信託会社その他不動産会社等を通じまして売却する方法と、国におきまして直接売却する方法と、二つの方法を併用してやつて参りたいと考えております。現在もさようにやつております。
○竹村委員 それでは一つお伺いしたいのですが、大体今まで住んでいた土地が物納された、しかもそれに対していろいろ手入れを加えてよくなつた場合、これが不動産会社から処分される場合に、そのよくなつたままの価格で不動産会社にまかされるのか。あるいはその元の物納された、荒地であつた当時のものの価格で不動産会社にまかされるのか。どちらですか。
○宮川説明員 手入れを加えました価格、すなわち時価によつて評価いたしまして処分いたしております。
○竹村委員 それでは現在そこに住まつておる人で、その土地をよくなしたという代価は、そのよくなした者に認められないのですか。
○宮川説明員 その人が有益費用を投じたような場合には、その価格の分は売拂い代金の決定の際に考慮いたしまして、減額できるように考えております。
○竹村委員 もしそこに住んでおる人が買う希望を持つている。しかし大蔵省の方からまかされたたとえば不動産株式会社とか、そういうものが不当な価格で売つて、その人のいろいろ修理したものを認めないで紛糾が起つたような場合に、その本人から申立があつた場合においては、適当な価格に訂正されるかどうか。
○宮川説明員 不動産会社等を通じまして売拂いを委託いたします際には、当初政府の側におきまして大体の価格を示してやつておりまして、当然そういう点を考慮に入れてやつておるはずでございますが、あるいは調査漏れ等によつてそういう事情が判明いたさず、後ほどそういう事実が判明いたしました場合には、不動産会社に対しましてその売拂い価格に対して、その陳情に基きまして手心を加えることができると考えております。
○竹村委員 そうするとそれを売渡しされるときに、一々測量して売り渡さなければならぬ。そういう場合に測量の手数料等は購入者の負担になるのですか。
○宮川説明員 正確にはただいま即答いたしかねるのでありますが、事柄の性質上そういう経費は、売拂いを受ける者の負担にはならないものと考えます。
○川島委員 せつかく見えておりますりで私も伺います。物納財産の売拂いの開顕ですが、具体的に申し上げますと私のきわめて身辺の者ですが、物納財産等において不動産、土地一坪百五十円の割合で物納いたしました。その物納されました土地に私の身辺の者が借地しておつて、それを今度は仲介業者が来て三百円でなければ売れないんだ。そうすると物納するときには百五十円、買うときには倍という額になつておる。時価相場という言葉もあつたようでありますが、私どもの常識的な社会通念から考えた場合に、納得がちよつと行きかねるものがある。一体そういう大きな開きを結果するということはどういう事情にあるのか。また政府は承知であつせん業者にやらしておるのか。その点をひとつ御説明願いたい。
○宮川説明員 ただいまの点は、その財産を買い受けたいという人にとりましては、まことに同情しなければならぬ事情があるのでございますけれども、一応国の財産として收納いたしまして、それが時価騰貴いたしまして価格が上つて参りました際に、国有財産としてこれを売拂いする基本方針といたしまして、御承知のように財政法第八條の適正に処分しなければならぬという基本精神から申しまして、現在のところこれを売り拂うにあたりましては時価を基準にしなければならぬ、かように考えておるわけであります。
○川島委員 ところがその時価の問題なんです。その土地におきましては――その土地だけでなく、最近の傾向ですが、この不動産のうちの家屋とか地価というものが最近ではむしろ逆に下つておる。下つておるのが大勢なんです。にもかかわらず物納したときの額の倍ということに今もつてなつておる。これが昨年の当初とか一昨年の暮れというならば倍近くのものもあつたし、またそれで拂下げを受けた者もあることを私知つております。ところが最近でもやはり依然としてその一昨年の暮れあたりの時価相場を持続して、今日でも百五十円のものは三百円でなければだめだ、こういうことになつておる。そこに私どもが納得のできないものがある。その点どういうことになつておるのか。そういう方向で政府は業者にやらしておるのか。もう一ぺん説明してもらいたい。
○宮川説明員 もしそういう事態になつておりまして、昨年は時価は確かに高くなつておつたが、今年は下つておるというような場合には、当然下つておる価格で売るべきでありまして、政府といたしましては委託業者が不当に高くこれを売るというようなことのないように、巌重に絶えず注意をしておるのでありまして、かりにそういう場合でございますと、政府の側におきましてもその辺の時価の算定に留意をいたしますと同時に、問題があります場合には第三者の、たとえば信託会社でありますとか勧業銀行でありますとか、こういう第三者の評価もとりまして適正に処理することにいたしております。全般的にそういう態度でおるわけでございますが、個々のケースにあるいはそういう事例があるのではないかと考えております。そういう問題がございましたならば、所轄の財務局なりあるいは大蔵本省の管財局にもしお話がございますれば、そういう調整をいたしたいと考えます。
○河田委員 主税局長にお伺いしますが、第二十二條、これは古い法規なんですが、ここの「国税ノ徴收若ハ納付ヲ為ササルコトヲ煽動」云々の文句でありますが、御承知のように最近は国税に対する不当な天くだり的な更正法定、何らの調査に基かず、個人申告を基礎にしたものに基かずに、標準的なもので天くだり的にやつておる。従つて個々のケースの場合にはこれが非常に問題となつて、不当な課税になるわけです。また與党である自由党でも、最近の新聞を見ますと国税並びに地方税がやはり割当課税になつておる。だからこの割当課税を廃止しなくてはならぬということが、與党の幹部の諸君の会合でも発表されておるように、事実そういう点が多いわけなんです。最近ではそういうことから納税者が、この納税の徴收に対する手続並びに税法等に関していろいろ会合を持つて、日本の徴税方法並びに税制などに対するいろいろな意思表示をやつております。ところが最近ではこういうことが多かれ少かれ税金の滯納もしくは納付しないような煽動だとして、検事局あたりでも会同を催しておるようでありますが、一般的な場合にそういうことを意思表示するのと個々のケースの場合と、この二十二條の場合においてはどういうふうな御解釈を持つておられるか。これをお聞きしたいと思います。
○平田政府委員 どういうお尋ねでございますか、その事柄の内容がちよつとわかりかねたのでございますが、この第二十二條に書いてありますのは「国税ノ課税標準ノ申告ヲ為ササルコト芳ハ虚偽ノ申告ヲ為スコト又ハ国税ノ徴收若ハ納付ヲ為ササルコトヲ煽動シダル者」というふうにはつきり規定しておりまして、これに該当する限りにおきましては、本條の適用を受けるということに相なるかと思うのであります。
○河田委員 もちろん税務署から見れば、国税の徴收納付をなさないことを煽動した者はということになるのですが、しかし納税者から見れば不当な課税であり、万人が見てもこれはきわめてむちやな更正決定である、あるいは確定申告であるということが認められる場合も、それを納める必要がないということを言えばこれが煽動になるか。つまり不当な課税に対してです。この点をはつきりしてもらいたい。
○平田政府委員 不当な課税云々という問題は、直接には関係ないのでございまして、この條文に該当するかいなかは、一にここに書いてありまする條文に該当するかどうかによつてきまるかと思います。しこうしてこの解釈を最後にきめますのは、これは裁判所でありまして、検察庁がこれに該当すると認める事実があります場合は、告発する、起訴するということに相なるかと思うのであります。
○河田委員 最近――きのうきようでしたか、検察庁あたりの租税の方の係の検事が会同しておるのですが、最近いろいろ納税に対する国民の、いわば問題が大きく起つておりまするが、これに対しまして大蔵当局としまして、今日の課税方法が、どこにおきましてもきわめてむりな更正決定が起り、これは昨年あたりもそうでありましたが、更正決定をする。これに異議申請をすれば、大体三分の一に折れ合いがつくとか、半分に折れ合いがつくとかいう例はたくさんありまして、従つてこういう場合に、特に警察官あるいは検事局等が、わずかなことにでもこの法をたてにとつて出ることは、むしろ事態をますます惡化させる、紛糾をさせるものだと考える次第でありますが、これに対して大蔵当局は、今日の実際の徴税方法あるいは税務署の能力から行つて、適正に課税されていないものと私は思うのでありますが、こういう点の見通しと、それから現在の状況において、はたして今後こういう司法的な権力までも動員しなければ、この問題が解決しないとお考えであるかどうか。この点をお伺いしたい。
○平田政府委員 適正な課税につきましては、本国会におきましてもたびたび御意見を承つておりますし、おそらく国税庁、税務署といたしましても、ベストを盡してやつておるものと考えておるのでございます。結果がはたしてどうであるかという点につきましては、私どもから申し上げるよりも、御批判にまつた方がいいのではないかと思いますが、少くとも妥当な決定をすることに全力をあげているということは、申し上げ得ると考えるのであります。
 それからこのような規定の発動する場合は、最近の事態といたしましては、私はやはりあり得るのではないかと考えております。地方によりましては、煽動を越えて暴行、脅迫に及んでいるケースも相当あるようにも聞いておりますので、この規定あるいは公務執行妨害罪等といたしまして、告発起訴するようなケースが若干あるのではないかと思います。まことに遺憾ではございますが、そういう事態が起きましたならば、やはり必要な法律を適用いたしまして秩序ある運営をはかることに、政府といたしましても努力いたしたいと考えておるのであります。
○河田委員 しかしながら今そういうケースの場合にはこの法を適用するということでありまするが、現在の税務署のやり方が、先ほども申し上げましたように與党からすらも、割当課税に対して反対ということが言われているので、こういうふうなことに基いてやつた徴税官吏の責任に対しては、事実どういうふうにおとりになつておるか。今日までそういう税務署の署長なりあるいは課長なり、あるいはそれ以上の人々がそういう割当的な決定をやつていることに対して相当御処置になつたかどうか、これをお伺いしたいと思うのであります。
○平田政府委員 先ほど申し上げました通り、適正の課税をやることにべストを盡しているのでございますが、故意に法律に違反したような事実がありますれば、これはもちろん法律によりまして、それぞれ責任をとるべきものと考えておるのであります。相当現在の事態がいろいろむずかしい点がございまして、今税務官吏も一方におきましては相当苦労をして徴税事務に当つているということも、同時にひとつ御了承願いたいと存ずる次第であります。
○前尾委員 国税の延滯金等の特例に関する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、国税犯則取締法の一部を改正する法律案、国税微收法の一部を改正する法律案、この四つのただいま議題となつております法律案につきましては、すでに十分審議も盡されたと考えまするので、この際質疑を打切り、ただちに討論採決に入られんことを望む次第であります。
○川野委員長 前尾君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議がないようでありますから、ただいま議題となつておりまする四法案については質疑を終了し、これより右四案を議題として討論採決に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。川島金次君。
○川島委員 ただいま議題になりました災害被害者に対する租税の減免、微收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案外三法律案に対しまして、私は社会党を代表して遺憾ながら反対の意を表明いたすものであります。
 第一の災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予、この問題に対しては、もちろんその精神とするところに大きな反対の筋を持つものではありません。しかしながら今日の国民経済の実情、ことに一般の資産に対する再評価等も実施される段階に入つておりまする際でありまして、この実情を基礎といたしまして考えた場合に、これら災害により父祖伝来の住宅、家財その他を壞滅的なる状態に陷れるような事柄がしばしばあるのであります。この災害もまた刻下の国民経済の実情や、治山治水等に対する徹底的な施策の欠如等からいたしまして、さらに年々こうした問題が全国的に頻発をし、しかもその被害の限度は次第に深刻になろうといたしておるような有様であります。こういうときに政府がこれらの災害被害者等に対する租税の減免、あるいは徴收猶予等を考えられたという事柄については、一応賛意を表したいのでありますが、その考えに基いて実施いたそうといたしておりまするところのこの法律の一部改正では、国民の実生活あるいは実態にまことに沿うておらぬ。たとえば租税の減免に関する基準というものが、今日の国民経済の実態に照して低過ぎるきらいがはなはだしくある、こういうふうにわれわれは考えるのでありまして、むしろ政府がこのような考え方をもつて、この災害被害者に対する処置をいたすとするならば、もう少しその基準について国民経済の立ち上りの上に、被害者等が立ち上る上に、適切妥当な基準を立つべきではなかつたかと、かように考えるのであります。従いましてその方向については何も重大な異議をとなえるものではございませんが、その基準について適切でない、こういう見地から遺憾ながら反対をいたすものであります。
 次の国税の延滯金等の特例に関する法律、これについてもわれわれはしばしばこの国会を通じて叫んで参つて来たところであります。延滯金等に付随する利息、あるいは追徴の税が非常に苛酷である。それがためにさなきだに不当、一方的な課税がひんぴんとして行われる上に、さらにまた納税者は延滯金等において、大きな苦痛を味わなければならぬというような実情にありますので、これを一日も早く是正する必要があるということはわれわれも主張いたして参つたところであります。ここに政府が遅ればせながらその方向について、この一部の改正案を出されたことについては別に異議はないのでありまするが、元来が、私どもは今回政府の立案いたしました税制全般に対する体系の基本に対して重大な意見の違いがあり、これに対しては徹底的に反対をいたした立場もありますので、その国税の基礎に基いて改正されまする延滯金等の特例に関する法律に対しても、遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。
 また国税の犯則取締りの改正につきましても、われわれはもう少し納税者なり国民生活の実態に即した民主的な観点に立つて、この取締法の改正を促進すべきであるという年来の主張を、われわれは堅持して参つておるのであります。このたびの改正案はその見解から見ますれば、きわめて不徹底なところがあることを、われわれは指摘せざるを得ないのでありまして、この意味においても、この取締りの改正案に対しましては、残念ながら賛成はいたしかねるのであります。いずれにいたしましても、これがもし実施されるような場合におきましても、さなきだに最近税務官吏の経験の少いことやあるいは年齢の若いこと、そういつた事柄に基きまして、牧税官吏の越権的な行為が世間にしばしば頻発しておりまして、それがために納税者の迷惑、納税者の苦痛を一層加重しておるというような事例も、枚挙にいとまないような実情でありますので、政府はこれら国税犯則の取締りについても、今後とも各段の留意を拂いまして、かりそめにも本来の正しい納税者、その他に対するところの人権の侵害等のごときことがないように、大いに留意すべきであるというようなことを、この際特に強く警告をいたし、かつ本案に反対をいたすものであります。
○川野委員長 三宅則義君。
○三宅(則)委員 私はただいま議題となりました災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、国税犯則取締法の一部を改正する法律案、国税の延滯金等の特例に関する法律案、並びに国税徴收法の一部を改正する法律案につきまして、自由党を代表し賛成の意を表するものであります。以下数点を申し述べまして賛成の理由を申し上げたいと思うのであります。
 災害者に対してのことでありまするが、これは震災、風水害、火災等もこれに入るのでありまするが、従来でありますると、大体五万円以下は全免になり、十万円までのものは五割しか認められなかつたものが、今回の改正によりまして十五万円まではこれを全免し、少くとも三十万円に逹するまでは、五割を免税することになつたわけでありまして、これは一大進歩であると思いまして、わが党の政策を十二分に助長いたしておるものであると確信いたすものでありまして、まことによき改正である。かように考えておるのであります。なお災害については昭和二十三年及び二十四年のいわゆる過去三箇年にわたりまするところの災害についても、新たにこれに対する規定を適用しようというのでありまして、まことに当を得た改正案であると思いまして、賛意を表する次第であります。
 次に申し述べたい事柄は、国税犯則に対することでありますが、これは物品税等に対しまして、従来ば通告期間を一週間以内に告発するというようになつておりますところを、今回は二十日間の余裕を與えて、しかる後に告発するというようになりましたから、これもたいへん穏便なことに改正されたものと確信します。さらに先ほども質疑がありました刑事訴訟法の改正に対しまして、女子に関しては特に身体の検査にあたりましては、立会いをさせるというようなことも、また時宜に適したる改正であるということを感ずるのであります。なお特に声を大にして申し上げたい点は、国税の延滯金等の特例に関する法律案でありまして、これはわが党の政策を如実に現わしたものでありまして、特に新税法によりまして四月一日からということになつておりましたものを、本年の一月一日から三月三十一日に至ります三箇月間の分をさかのぼつて、これに対する加算税あるいは追徴税等に対します減免をいたそうというわけでありまして、これほまことにわが党の意見を尊重いたしておりまして、延滯金が二十銭であつたものを八銭に下げる。あるいはこれに対しまして、加算税が十銭であつたものを四銭に下げるというような点につきましては、まことにりつばな案であると思うのでありまして、これは池田大蔵大臣の説明にもありましたが、まことに私どもの賛意を表する大なるものであります。
 次に国税徴收法の一部を改正する法律案でありますが、これは今度の地方税の改正につきまして、国税と地方税と同一順位によつて取上げる、こういうことでありまして、これもまた当然な理由であるということを感ずるわけでありまして、ことに新税法の趣旨にのつとりまして、先ほど申し述べました比率も今まで高かつたのでありますが、四銭にいたそうという線から見ますと、まことに当を得たものであると確信するのであります。また差押え等につきまして給料、俸給等をとりますものにつきましては、全部を差押えることができない。七五%までは所得者が取り、残りの二五%しか差押えることができないというようになつているのでありまして、これもまた時宜に適したる改正案であるということを考えまして、この四法案に対しましては、少くともわが自由党は声を大にして、この改正案に賛成する次第であります。
 私は以上をもちまして、反対討論もありましたが、わが自由党はどこまでもこの法案を早く実行いたしたい、こういう線に沿つて賛成をする次第であります。
○川野委員長 河田賢治君。
○河田委員 私は日本共産党を代表しまして、ここに上程されました四つの法案に対して反対するものであります。
 大体社会党の川島委員から説明がありましたので簡單に省きますが、災害被害者に対する租税の減免等に関しましては、今日ではわずか十五万円が所得の全部としましても、マツチ箱のような家を建てましても二十万や三十万円はかかるのでありまして、従つてこの程度の災害の被害に対しては、ほとんどなさざるにひとしいものであります。従つてこういう意味で、私たちはこれがもつともつと高額な減免をなすべきであるという立場から、これに対しては反対します。
 また国税の延滯金等の特例に関しましては、なるほど従来よりも四月一日から施行される法律に基いて減りはいたしましたけれども、本来からしてこういうものは取るべきものでない。特にまたすべてのこうした延滯金並びに追加あるいはその他の問題にしましても、今日の徴收のやり方から見ますれば、たとえば高額所得者であつて、しかも納められるべき税金であるにもかかわらず、むしろこれが安くなることによつて、あちらこちらに金融をして金もうけをやる者もできる。一方においては、税を拂おうにも拂えなくて拂わない者もある。こういう者からびしびし取つて行く。こういうのが今日の税務署における実際のあり方なんでありまして、従つて今日この程度の減免がありましても、実際における税金の拂えないような人々にとつては、やはりきわめて重い徴税になるわけであります。従つてこういう点から私たちは反対します。
 また国税徴收法の一部改正につきましても、現在の徴税官僚機構の強化であつてそれ以外の何ものでもない。これはこれまでの徴税機構をそのまま強化して行く。現在非常に不当にやつていることを、今度合法化するという線が非常に出ております。こういう点からこの法案の中心的なものとして私は反対いたします。
 また国税犯則取締法でありますが、なるほどこれによつて、若干新刑事訴訟法によつて人権を保護したように言われておりますけれども、従来の法律は明治三十年代の遺物でありまして、本来ならばこれは博物館に入れるべき法律なのであります。こういう法律に若干の改正を加えましたが、しかし改正された部分におきましても、錠をはずしたり、あるいはとびらをこじあけたりして、まるきり強盗以上のようなやり方でとつてもいいということは、本来からいつて民主主義的な国のあり方ではない。また女に対するあれなんかも、新しいあれによつて認めたとは言つておりますけれども、元来かうして普通の刑事訴訟法に基いて、たとえばどろぼうしたとか、あるいは詐欺をしたとかいうものとは、国税犯則においてはやや趣を異にすると私は考えるものであります。従つてこの点につきましても、他のいわゆる刑法に基くものとはここでは区別すべきが当然だと私は思う。こういう点で今日女を裸にしてもいいというような法律は、やはりない方がいいのである。ピストルを警官に持たせれば、だれでもかれでもちよつと撃つたりして、非常なあやまちを犯しておりますが、やはりこういう法律をつくれば、今日の税務官吏の頭の状態、またやり方の状態からしましても、こういうものがどんどん適用されて、かえつて国民に非常な迷惑をかける、こういうふうに考えましてこの法案に対して反対するわけであります。
 以上が共産党が全四つの法律案に対して反対する理由であります。
○川野委員長 宮腰喜助君。
○宮腰委員 私は民主党を代表しまして、この四税法案に対しては反対するものであります。
 その理由は、災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律案、並びに国税の延滯金等の特例に関する法律案、こう二つにわけて参りますが、大体二法案の問題は、先ほど川島委員からもお話があつた通り、現在の国民経済の状態からいい、またごく最近に資産再評価も実施される上において、どうも国民経済の内容が非常に貧弱である。こういう場合に災害にぶつかつた場合は、当然自分の生活もささえて行けないような状態であるので、われわれはもつとこの基準を切り下げる、あるいは全免にする状態まで持つて行つた方が、かえつて災害者を救済する意味になるのじやないかと考えまして、この災害に対する法律案にも反対するものであります。それから延滯金の問題については、第五国会あたりから再三議論がありまして、ぜひこれは改正しなければならないということで、政府でもそういう御意向のようであつたのですが、今回この改正をげること自体については、われわれは大賛成でありますが、しかしこれに関する根本法に対してわれわれは反対して来た以上、この二法案に対しても反対するのであります。
 国税犯則取締法の一部を改正する法律案、それから国税徴收法の一部を改正する法律案、これは前々国会からも実際国民生活の実情に沿わないから、これはぜひ修正なり改正をしなければならないということをたびたび申しておつたのでありますが、実際犯則に関する問題にしても、一方的な書面審理でやつておる場合が非常に多いのでありまして、本来なら犯罪人であれば、公判廷にひつぱられて、弁護人の立合いのもとにこれを審理して行くのでありますが、今の徴税の仕方を見ると、ほとんど書面審理で一方的にきめてしまう。そうしてそれが処罰になるような場合は、いわゆる告発になつて行くので、本人の意見を十分聽取していない場合が非常に多いのであります。それからまた知識経験が乏しく、また年齢が少い。これがために一般納税者が非常に迷惑を受けておる。こういう意味合いで、改正それ自体には別に反対する理由もないようですが、われわれはこの根本法に今まで反対した関係上、本案にも反対するのであります。
 以上申しまして討論を終ります。
○川野委員長 討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。国税犯則取締法の一部を改正する法律案、国税の延滯金等の特例に関する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、国税徴收法の一部を改正する法律案、右四案に対して、原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よつて四法案とも原案通り可決いたしました。
 午前はこの程度にいたしまして、午後二時から再開いたします。
    午後零時五十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十四分開議
○川野委員長 午前に引続き会議を開きます。
 配炭公団の損失金補てんのための交付金等に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。竹村奈良一君。
○竹村委員 石炭を山元から受入れるときに、その受入れる方法としては大体駐在員を置いてやつたということでありますが、この駐在員がしろうとであつて、受入れに際して、たとえば上質炭でないものを、上質炭というような形で受入れたという実情があつたならば、ひとつお知らせ願いたい。
○植木説明員 お答えいたします。駐在員は司令部の要請もありまして、急速に充足いたしました関係上、引揚者というような方も入りましたので、石炭にはあまり知識のない人も配置されましたが、中には一部非常に経験がございまして、正式職員として採用のできるような経験者も入つております。経験者と未経験者とをうまくまぜて配置いたしましたので、さようなただいま御質問のあつたような、あまりにひどい受入れをしていたということはないと考えるのであります。
○竹村委員 それからもう一つ、輸送にあたりましては、機帆船等を大体利用されたのでありますが、きのう少し資料をいただきましていろいろ契約等を見たのです。これの契約にあたつては相当高く契約されておるというようなことで、考査委員会でも一応問題になつておるのですが、こういう点についてあなたの方でわかつてをる範囲でお知らせ願いだい。
○植木説明員 機帆船の傭船につきましては、大体傭船の形が三つの段階を経たと思うのでございます。当初配炭公団の業務開始当時におきましては、御案内の通り船舶が非常に不足いたしまして、計画配給をするために計画配船しなければならぬ。そういうことでむしろマル公を越えることを押えるために、マル公維持に非常に努力をしたという段階がございました。次の段階は幾分船舶が余つて参りまして、幾分これを引けということで、マル公よりも一割程度値下げをさせて契約をしております。それから解散後におきましては、油の関係上機帆船に油の配給がなくなつたのでございまして、ほとんど機帆船を使わないという三つの段階がございました。
○竹村委員 昨日もちよつとお伺いしたのですけれども、あまりはつきりしないのですが、たとえば八月十五日以後に三池染料や三池合成などに相当な石炭、つまりきのう言われたのでは一万二千トンほどであつたと思いますが、これを拂い下げて、八月十五日前に売渡したというようにされた事情を伺いたい。
○植木説明員 ただいまの問題は、三井鉱山の石炭を三池合成や三池染料などに売つた場合に、特定産業向け補給金の関係で、八月十五日以後に売つたものを、補給金を支給するために八月十五日以前の処理として整理したのでございます。これはコークスの配炭公団が、以上申し上げました二工場から買い取る場合の買取り価格を、値上げせずに買い取るために、政府からの指示によつてとられた措置でございます。
○竹村委員 そうするともちろんこれの補給金等は相当な金になるのですが、このことについては府政の指示でやられた。それではこのことについはは政府の関係の方が来られたらお伺いすることといたしまして、その次にお伺いいたしたいのは、大体荷役費が指定販売制度実施後相当値が下つたという事実があるのですが、この荷役費についても、相当多額に実際以上に多くの荷役費を使つておられたというような実情があるかないか、ひとつ‥‥。
○植木説明員 ただいまの御質問の趣旨がはつきりいたさないのでございますが、八月十五日以降に、販売業者制度になつてからは荷役料が非常に下つたが、配炭公団営業中は荷役料が非常に高かつたという御趣指でございますか。
○竹村委員 そうです。
○植木説明員 ただいまの御質問は先ほど申し上げましたように、機帆船の運賃の場合と同様に、統制の初期においてはむしろマル公を上まわつてはいけないということで、非常に本部でも支部に対して取締りを嚴重にしていた時代があるのでございますけれども、逐次諸物価の安定を来すに従いまして、それぞれマル公を割つて契約するようにということで指示いたしまして、実際にもマル公を割つて契約しております。
○竹村委員 次に保險の問題をひとつお聞きしたいのでございますが、大体第二会社として千代田商業株式会社というものが設立されたということは、これはもう確実でありますが、これに対して大体東京海上火災とか各社等の代理店をこの第二会社が引受けて、そうして大体公団発足当時から保險をかけられたものは約六億円であつたらしいのですが、それの保險金として受取られたものが六千万円である。従つてこれの代理店としての手数料というものは公団に入れられないので、第二会社がそのままとつておられる、こういう事実は間違いありませんか。
○植木説明員 ただいまの保險契約の問題でございますか、公団の創立以来昨年の九月十五日までに、大体おつしやつたように六億円程度の保險契約をやつておりまして、これに対して求償額は非常にわずかであるということは事実でございます。
 それから保險契約をいたす場合に、従来配炭公団の以前の日本石炭会社でに、四つの保險会社の代理店があつたのでございますが、これがいろいろ煩雑あるいは手続等の関係で、千代田商業会社というものに一本に統合いたしまして、これを経由して保險契約をしたということも事実でございます。ただこの千代田商業会社は、保險会社十社ございますが、十社の代理店でございまして、この代理店を通して保險契約をやるということでございます。
○竹村委員 もう一つ尋ねますが、従つてこの代理店が一応手数料なんかとるということになれば、公団に手数料等は入つておりませんな。
○植木説明員 代理店につきましては、代理店に関する法令に基きまして一割程度と記憶しておりますが、保險会社から代理店が領收しているように聞いております。
○竹村委員 実はそれでは現在あります石炭やコークス等は、一体どういう形で売られておりますか。たとえば公売的な形か、あるいは指定された人に売つておるのか、その事情をひとつ‥‥。
○加野説明員 配炭公団解散後におきまして、石炭を売る形式は、根本方針といたしまして一般競争入札ということが大体きめられてございます。それで配炭公団も十二月八日には第一回の一般競争入札をいたしたいのでありますが、これが非常に成績が惡うございまして、実際の落札が一割内外という事情でありましたために、その後におきましては、競争入札のほかに随時一般に対しては随意契約をもつて契約をしておる。それからなお国鉄、日発、日鉄、日本鋼管というふうな大口につきましては、それぞれ別個に随意契約で販売をいたしております。
○竹村委員 そうすると随意契約で販売される場合は現金取引ですか。それとも手形ですか。
○加野説明員 随意契約で販売いたしておりますものは手形が大部分であります。
○竹村委員 そういたしますと、随意契約で手形でお売りになるという場合においては、もちろんこれはいろいろ問題になつたのでありますから、必ずその売り先の支拂い能力――手形の不渡りなんかにはならぬというような点は調査されているのでございますか。それともそういう点はお考えにならずに、ただ手形をもらつたらよいということで売られているのですか。
○加野説明員 それは焦げつきが生じないように、公団といたしましてできるだけ支拂い能力を調査いたしまして、解散後に売つたものについては、回收不能は生じないという見込みでやつております。
○竹村委員 そうすると、現在コークスは一トン当り大体最近売られたものでどのくらいの価格で売られたか。あるいは石炭は一トン当りどのくらいの価格で売つておられるか。もちろん上質炭、低質炭いろいろ等級があるでありましようが、大体のところでけつこうでございますから‥‥。
○加野説明員 石炭とコークスにわけて申し上げます。石炭につきましては、本年の二月までに売り上げました総数が、昨日申し上げましたように廃棄炭を除きますと二百六十八万トンございますが、これの平均炭価はトン当り二千四百円という数字になつております。コークスの方は二月までに二十三万トン販売いたしておりまして、これの売上げ平均は約二千八百円というふうな数字になつております。
○竹村委員 そうすると、最近信越化学工業株式会社等へ売られたかどうか。これはコークスだと思いますが、売られたことがありますか。おわかりになりませんか。
○岡野説明員 今この席上では書類を持つておらないので、詳しいことはわかりませんが、私の記憶では何か最近コーライトとか、コークスを契約するか、何かそういうふうな内部の書類を見たような気がするのでございますが、もしあとでよろしければ調べて御返事いたしたいと思います。
○竹村委員 実は私は来ていただきたい人を要求したのですが、休みだということですから、その人が出て来られたならば質問を続けたいと思います。
○宮腰委員 ただいま配付になりました解散当時の売掛一覧表の中で、これは現在でも残つておるものでしようか。その当時残つておつたものでしようか。
○岡野説明員 この中には現在も残つておるのもありますが、大体そのうち四十七億くらいが一月三十一日までに入金しております。
○宮腰委員 そうするとこのパーセンテージで行くと、この総数の半分くらいは拂つているのですか。
○岡野説明員 百九十億はその他の分も含まれておりますので、大口のものだけについて見ますと、半分以上入つておることになります。
○宮腰委員 それからこれは今後問題になると思うのでありますが、この会社をずつと見てみると、企業再建整備法によつて解除になる会社があります。この再建整備で解除になつた場合には、第二会社が生れて参りまして、本来の会社の債権債務であつたものが、第二会社でその債務を引受けないというような法律的な問題がまず起きて来ると思いますが、そういうことについては手を打つておるでしようか。
○岡野説明員 私法律的手続につきまして詳しいことを存じませんので、はなはだ申訳ありませんが、そういういろいろな問題がございますし、そのほかにも強硬措置として訴訟をしたり、相当弁護士を煩わして回收に努力しておりますので、お尋ねのような場合でも万遺漏ないようにやつておるはずでございます。
○宮腰委員 現にこの中で脱税のために起訴になつている会社が幾つかあります。これは再後整備法によつて第二会社が生れますが、生れた場合に、第二会社に対してはおそらくこの支拂い請求は法律上できないのじやないかと思います。従つて親会社、いわゆる第二会社が生れた母体の、企業再建整備法の通用を受けた会社としては、おそらく請求ができても支拂いが不能になる事態があるのじやないか。現に税の問題について同じような悩みで判決をとつても、それは第二会社で責任を負わない。結局政府でも泣寢入りにならなければならないというような、判決が死んでしまうような状態がたくさんあります。おそらくこの中でも相当あるようですから、これは今のうちに手を打つていただいて、第二会社が成立するような場合には、第二会社でこの責任をとれ。あるいは公正証書なり適当の措置をしないと、おそらくとれないのじやないかと思います。これは政府でどういうような考えを持つておるかどうか、御意見を伺いたい。
○岡野説明員 これは政府の方の答弁ではございませんが、よく御趣旨の点、配炭公団の方といたしますれば清算人に伝えまして、疎漏のないようにいたします。
○宮腰委員 この資料の中でもちろん再建整備法の適用を受けないので、ごく最近解除にならなくてもそのまま持続できる会社があるようですが、これに対してまだ大口が半分残つているということははなはだおかしいと思います。なおこの資産内容をずつと見ても、証券市場に上場になつている一流会社だつて、このくらいの資金を拂えないような会社はおそらくないと思います。これはもう少し強硬にとらなければ、あとでいろいろな問題が起ると思いますが、どういう方法をとつておられるでしようか。
○岡野説明員 先ほど申し上げましたのは、一月末までに回收した数字でございまして、その後もどんどん入つているのであります。ただいま手元にごく最近までの資料が集まりませんので、はつきりした数字はお答えできないことははなはだ申訳ないのでありますが、残つております中でも相殺をして消えるものも相当ありまして、二月末が集計できますれば、そうたくさん残つているとは思つておらないのであります。
○宮腰委員 それでは現在残つているところの会社の氏名、称号と金額を資料にお願いしたいと思います。
○岡野説明員 さつそく調整いたしまして、明日でも提出いたします。
○川島委員 今宮腰委員からの質問に対しての御答弁で、ちよつと納得しかねる点がありますのでお伺いしますが、この表で見ますと、解散当時売掛金が百九十億何がし、それで最近まで入つたのが四十七億、大口会社だけを見れば半分近く入つているのですが、それにしても百五十億近い売掛代金がまだ残つている形になるわけであります。説明を聞いているときわめて安心してしかるべきような口吻であるのですが、解散してからもすでに半年経過しておつて、しかも百九十億の中で上つたのは四十七億、半年問で四分の一、さらに四分の三をこれから取上げて行くのですが、一体どのくらいの目標を立ててこの売掛金が回收できるか。その見通しについて確信のある話を聞かしておいてもらいたいと思います。
○岡野説明員 まことに申訳ございませんが、先ほどの一月三十一日までの回收金額を、私間違えまして申し上げましたので、御訂正願いたいのであります。はなはだ申訳ありません。九月十六日から一月三十一日までに、総額において回收いたしましたものが百三億でございます。それは大口についてだけでなく、全部の百九十億に対しての入金であります。従つて一月三十一日の残は、大体八十七億ということになるのでありますが、その一月三十一日の残の八十七億の中には、たとえば鉱工品質易公団とか、国鉄とかに、配炭公団の方でも借金がありますので、これと相殺するものを落しまして、あとのものについては一生懸命あらゆる方法を講じまして回收に努力しております。
○川野委員長 経済安定本部長官がお見えになりましたので、長官に対する質問を先にお願いいたします。
○川島委員 長官が見えられましたので、一、二点お伺いいたしたいのであります。配炭公団の清算に伴う一般会計からの補填の問題をめぐつて、先日来この委員会で質疑応答を重ねておるわけですが、その都度責任のある政府の閣僚が出席しておりませんから、われわれ委員の質問に対して納得の行く答弁が得られませんので、いまだに審議が続いておるわけであります。
 そこで長官にまずひとつお伺いしたいのは、この配炭公団の清算において、相当厖大な欠損を見るのやむなきに至つた。そのために国民の血税の結晶たる巨額な金を、この公団のあらゆる面に投下しなければならないという、まことに寒心すべき事態になつておるわけであります。しかもかくのごときに至りましたいろいろの経過につきましては、聞いたところによれば一応もつともな理由もないではない。しかしながらまた反面には、どう聞いてもわれわれ国民側として、すなおに納得できない点が少からずあるわけであります。ひつきようとするに、巨額な国民の血税をもつてしても、なおかつ穴を埋めなければならぬようなこの公団の運営の結果に対して、一体責任の所在はだれであるのか。こういう問題についても委員会では事やかましく論議しておるわけであります。そこで長官は担当者として、また同時に国務大臣として、こうした事柄に対する一体責任の所在はだれが負うべき性格のものであるかということについて、率直な御意見を承りたいと思います。
○青木国務大臣 ただいまの川島委員の御質問にお答えいたしますが、政府はかねてからこの公団の運営合理化といいますか、そういう点では絶えず配慮をいたしては参りました。しかしながらお説のように、今日の経済情勢から見て、公団が終息過程に入つて来たというときに、いろいろの欠点が出ておるわけでありまして、その結果がひいては国民の血税でもつてまかなわれておる一般会計から、これを幾分負担しなければならぬ事態が生じておるかのごとき観があるという意味での御質問は、政府としてもこれは深く責任を感じておる次第でございます。配炭公団等の問題になれば、それは通産大臣が直接の責任を負うということであり、またひいてはわれわれの方もその監督的地位という意味で、いういう監督当局としての責任を負う、こういうことであります。結局形式的な問題になれば安定本部が責任を負い、しかも安定本部総裁が責性を負う、こういう形になつておるわけであります。この点はもちろん御承知のことであると思いますが、われわれは従来公団につきましていろいろとそういう点を配慮いたしまして、できるだけ国家的な損失が起らないような努力をして参つております。承るところによれば、そういう欠点が指摘されておるようであります。われわれとしては十分改善して参りたいということで、かねてからそういう措置もとつて参つておりますし、現在いろいろとその監督関係当局とも話合いをいたしまして、今後ともそういうことが最小限度にとどまるように、あるいはできることならば、ないようにするような努力もいたしておる次第であります。
○川島委員 漠然たるお話でよくわからないのですが、思い合せますと、過般前回の国会で問題になりました例の薪炭特別会計赤字五十何億と、今度の配炭公団の欠損の問題、いずれも偶然か何かわかりませんが、年次的に重なつて来たものではなくて、ごく最近に突如として大きな穴が出て来るような感じであります。ことに薪炭特別会計においては、その八割がこの内閣になつてから出て来た。公団のこの問題も年次的に均等もしくは重なつて来たというのでなくして、やはりこれも最近において集積された赤字、こういうふうにわれわれは聞いておる。一体こういう形になつて来たということについては、国民として納得のできる政府側の説明がありませんと、容易にこの問題に対して審議の結論を出すことが困難であるわけであります。一体どういう理由で、どういう根拠でこういうことになつて来たのであるか。長官においてもこの問題については、やはり個人的に相当重大視しておられるのではないかと思うのであります。またこれを埋め合せる犠牲は、国民の血税によつて行われるということでもありますので、国民においてもきわめて重大視しておるわけであります。いずれにしてもでき上つたことでありますので、しよせんはその欠陷は補わなければならぬことにはなりましようが、こういう事態になりました理由といいますか、根拠、こういう事柄について長官は閣僚としての御感想があれば、われわれにお聞かせを願い、そうして国民全般の納得の行く形において、この問題の処理を適正に行つて行くことにわれわれも協力したい。こういうように思いますので、この点の御見解をこの際伺わせていただきたいと思うのであります。
○青木国務大臣 川島君も御承知の通り公団は最近のものではございませんので、今日まで経営を続けて来たものでございます。その経過におきまして、最近においての経済情勢というようなものから見ますれば、公団の滯貨等も集積されて来たというふうにも見られますし、また売掛代金の回收等につきましても、予定通りに行かないというような部面もあるいは起つて来ておるかと思ますが、これらの問題はできるだけ政府としては、そういう点で損失を最小限度にとどめるという方針で、いろいろと配慮をいたしておるような次第でございますので、ただいま御質問のございましたような点は、もちろんわれわれがこれを等閑に付しておるわけではなく、これらの点についてできるだけ善処して、最小限度の負担というようなことにとどまれば、幸いであるというふうに考えておる次第であります。
○西村(直)委員 百二十億の赤字が出ましたことは、おそらく各公団を通じて一番大きな赤字だと私は思います。昨日来実は清算事務所の方が御答弁に当られたのでありますが、過去の経緯を全然知らない。この問題は、川島君は突然出たように言われますが、これはわれわれの調査から言いますれば全然違つておる。従いまして安本長官自体も当面の責任者ではありますが、過去まで問われる責任はない。しかし当面の責任者である立場から、できますればわれわれがこの議案を審査するにあたつて、大筋から言つてどういう面からこの赤字が出たかということを、かいつまんで御説明願いたいと思います。それが第一点。
 それから第二点は重ねて御質問するのはたいへんでありますから、お尋ねしておきたいのでありますが、一体これは公団運営の実態に当つた人間が惡かつたのか、あるいは公団方式そのものが惡かつたのか、こういう点であります。特にわれわれが調査いたしました範囲では、公団そのものというものは、昨日来質問がありまして御答弁があつたのでありますが、大体石炭業界の相当優秀の士が集まつて、公団と牛耳つております。そしてその人たちがほんとうに自分の会社であれば、おそらく損を出されなかつたであろうと思われるのが、公団という甘い形式のもとに隠れまして、国家公務員の地位を保障されて、そうしてその間にいろいろな、まずはつきり言うならばぐあいの惡いことをやつておられる。それが赤字の累積した一つの原因です。もちろん他にいろいろな経済事情、たとえばドツジ・ラインの切りかえというようなこともあるのでありまして、もう一度繰返して申しますと、偶然これが出たのでなくて、累年これが積み上げられて、現在跡始末の段階に入つて来ておると思います。またこれをこのまま続けさして行くならば、損失は大きくなつて行くと承知いたしておりますが、第一点といたしまして、赤字の原因がどこから出て来たかという大筋を、納得の行くように御説明願いたいと思います。第二は公団運営に当る人間自体にも、相当大きな欠陷があつたのではないか。あるいは公団自体にそういうものを発生せしめる統制経済の欠陷があつたのか。この二つの点を伺いたいと思います。
○青木国務大臣 この公団そのものの機構とか組織、そういうものについては何しろ統制経済というものと関連を持つておりますので、統制を実行いたしましても、依然としてやみが存在していたという経過から申しまして、確かにそれは一応いい行き方であらうと考えて実行したのでありますけれども、しかしながらそれにはいろいろな、やはりその制度自体に欠陷もあつたのだということが考えられるのであります。しかしながらやはりいかなる場合においても、その機構とかあるいは組織と人間というものがくつついたものでありますから、これが單に組織だけの欠点である、あるいは人的の要素とかあるいは人の欠点であるというふうに、どちらとばかりに言い切れない点があるかと思いますので、これはやはりそういう大体において欠陷が起つて来たということについては、いずれも因果関係として双方に欠陷があつたものというふうに考えるわけであります。
○西村(直)委員 私は長官とまつたく意見を異にいたしておるのであります。この運営に当る人間というものは、相当業界において練逹堪能の士であつたということは、昨日も清算事務所の方が言われておる。また考査委員会においても証人が確実に言つておられた。そういう人たちが集まつて、しかも相当の百二十億という損害を與えておる。その内容というものはいろいろ惡いことをやつておられた。その意味において私は将来の問題も相当あろうと思いますが、それがたまたま公団形式というものの美名に隠れて、自分のふところがいたまない。もうけがある場合は政府に差上げておる。もうけがない場合には国家がこれを背負つて行くという公団形式そのものの中に、大きな反省をする必要がありはしないか。もちろん今政府としては公団そのものに対して相当の反省をしておられる。その点についてはけつこうであります。御答弁はいただきません。
 第二の点でありますが、これは今後の問題でありますから、御質問申し上げたいのでありますが、現在清算の段階に入つておる場合におきまして、おそらくこれは公団の支局の所在地において、大体旧公団の関係者をもつて第二会社をつくる。そこでさらに清算された現物が横の方向に流れて行くのではないか。また流されたといううわさを聞いておりますが、これに対して安本長官なり通産省の方としての御感想を述べていただきたいと思います。百二十億前後の赤字を持つ。それは剩余金があるから多少繰入れて減りますが、しかしさらに今後そこに有利な條件、言いかえれば国民にとつては損な條件で第二会社が設立される。それがしかも旧公団の関係者の救済手段に使われておるということがあつたとすれば、遺憾なことだと思います。ひとつ御答弁願います。
○青木国務大臣 ただいまの御質問は大体運営面における欠点が指摘されておるように思うのでありますが、もちろんわれわれは公団そのものについて、これが初めから万全に行われるということは考えておりませんが、いずれにいたしましてもわれわれとしては、そういうことについては配慮を怠らずに参つたつもりでありますけれども、何分運営そのものが結局惡かつたというふうにも思いますので、一応通産省の当局としての御意見を、まず御説明していただくということにいたしたいと思います。
○宮幡政府委員 ただいまのお尋ねでありますが、途中から遅れて参りまして、あるいは御質問の趣旨と違つたお話を申し上げるかもしれません。先刻お尋ねのありました赤字が生じましたのは、どんなふうな事情からだというふうな、あるいは機構と人間の問題、かような点につきまして通産省として考えておりますことは、もちろん二十二年以降の剩余金は七十億以上あるのでありますが、これがもし二十三年当時におきましても清算状態に入りますれば、普通の商業なり工業の店じまいと同じように、たなざらしの品がありまして、必らずそこに整理損失があるものと考えております。従つて二十二年二十三年の剩余金がたくさんあるから、最終の赤字は二十二年、二十三年に無関係だとは申しにくい状況にあると思うのであります。公団の機構及びこれに携わります方々は、昔の業務遂行をなすつておる方はもちろん一応認めなければならぬのでありますが、人でありますので、間違いのあつたことを見たり聞いたりいたしておることも事実であります。従つて政府としては第三次吉田内閣が成立いたしますや、昭和二十三年度の年末をもちまして、ぜひとも公団の廃止をいたしたいことを勘案いたしまして、関係方面との交渉をいたしまして、たとい遅れましても五月末日くらいまでには公団を廃止いたしまして、あらゆる社会の疑惑等を受けております問題もはつきりと究明いたしますならば、当時におきましては約十三億程度――これは剩余金を繰入れましての話でありますが、十三億程度の赤字で済むではないかという一応の目安が立つたわけであります。関係方面との交渉の経緯等におきまして、また三千六百万トンベースから四千二百万トンベースに、増出等を命じました結果から申しまして、配炭公団廃止の時期が順次ずれまして、御承知のように九月十五日ということになつたわけであります。その間経済状況の変化及び必然的に起りまするストツクの約五百二万トンの石炭が、あるいは品質の変化その他の惡條件によりまして、かような事態になつて参りましたことは、きわめて遺憾に存ずる次第でございます。ただいま西村委員から御指摘のございましたような点につきましては、考査委員会の方でもお調べになつたようでありますが、われわれといたしましても、たといこれがただいまでは大蔵省所管の清算事務に移されましても、運営上の責任からは、通産省として重大な関心と監視を持たなければならないわけでありますので、引続きこの点に留意いたしております。
 なお第二会社的の設立が、かつての関係者の集まりでありまして、何らかそこに緊密な連絡があるではなかろうかという御指摘があります。この点につきましても、見よう見方の問題でありますが、さような弊害のないように特に嚴重なる警告を発した事例もございまして、ただいまわれわれの方で感じておることは、さような弊害がはなはだしく起つておるなどとは思わない状況であります。幸いにしてこれらの機関によりまして、統制解除以後の普通の取引ぺースに流れて行くことが円満にできましたことは、むしろ第二会社と御指摘になりました関係各位の御努力のたまものであると思つて、当局といたしましては、若干の感謝の念さえ持つておるような次第でございます。そういうものの重大なる点は、先ほども申し上げましたように、やはりたなざらしの中に品質不良あるいは欠斤、さようなことから起りましたものが累積されたものでありまして、むしろ、これは人の失敗とか、あるいは機構の問題とかいうことより、かけ離れました一つの経済事情の変遷や、その他の一種の不可抗力的な損失の累積であろうと、かようにただいま考えておるのであります。
○宮腰委員 この前にも一度委員会でお尋ねしましたが、臨時石炭工業管理法の中の四十條の規定の問題ですが、私はこの四十條の規定というものは、非常に彈力性のある解釈ができる規定だと思うのです。資源庁あたりの資料によりますと、こういうようなたとえば赤字経営あるいは増産計画のためにある一定の施設をした、ある目的逹成のためにある施設をした。こういうような施設に対して、今回は責任を負わないのだということを言つておるようですが、これは前の公団設置等の委員会の記録の中にも、そういう場合は責任を負うのだという言辞を使つておるという記録が残つておるそうで、業者の方々も、この問題については大分騒ぎ立てておるようです。従つてこの四十條の解釈というものは、もつと幅のある解釈をした方が妥当のように思うのですが、政府はどういうふうにお考えになつておりますか。
○宮幡政府委員 お答えいたします。ただいま宮腰委員の御指摘の点は、配炭公団を廃止いたす機運になりました当時、通商産業委員会において、国政調査の形で石炭の問題を取上げて質問をされました。その席上におきまして、前稻垣通産大臣から、四十條の解釈につきまして詳しく御答弁をいたしておるようでございますが、それは特別な生産命令指示等をいたさない限り、損失補償の原因はただいまないというような意味のことが言われておつたと思います。ある條件上、何か別な反証を上げて、損失の補償をすべきだという御指摘のありました場合は格別、現在資源庁方面で考えておりますことは、損失を補償すべき原因となるべき指示、命令等はいたしておらない、こういうような観点に立つております。従いまして二十五年度の予算におきまして、石炭国管にまわりまするところの予算処置としまして、一応項目だけをあげまして、万一にもさような事実が起つた場合に、予算の移流用等によりまして処理できますような準備はいたしておりまするが、ただいまのところでは、さような事実を予想した計数的計上はいたしておりません。
○竹村委員 長官にお伺いしたいのですが、大体配炭公団がいろいろ業務その他をするときは、安本長官の認可を受けるということに規定されておつたのが、この解散まで、大体そういう認可をしておらなかつたということが、考査委員会の報告に出ておるのですが、これはどういうわけで認可をされなかつたのか。その計画が粗雑のために認可をされなかつたのか。その事情をお聞かせ願いたい。
○青木国務大臣 それは認可をいたしております。二十二年の十二月二十八日に、和田博雄安定本部長官のときに認可をいたしております。
○竹村委員 それではもう一つお聞きしたいのは、これは安本かどこか、大体政府としてお伺いしたいのです。八月十五日の解散後―先ほどもいろいろ経済安定本部の方に伺つたのでありますが、その後政府から、三池合成、三井化学等に多くの石炭を、補給金のある旧価格のままで拂下げを命令されたのですが、一体その根拠はどういう理由に基くのか、お開かせを願いたい。従つて八月十五日後に遅れたものを、八月十五日以前に売り渡したことにせよ、それには価格の差――一トンにつき二千六百円かの差があるのでありますが、そういう政府の指示があつたから、そういうふうに売り渡したのだということを公団の方では言つておるのであります。そこで政府はどういう根拠に基いてこれを指示されたか、お聞かせ願いたい。
○宮幡政府委員 竹村委員のお尋ねの点は、当時いろいろな経過におきまして、一時さような処置を講じようかというようなことも考えたのであります。先刻西村委員からもいろいろな問題について御指摘になりました個々の問題につきましては、いろいろまずい点もありまして、それらは当面の責任者につき十分調査いたし、適当な処置をいたして参つたわけであります。竹村委員の仰せのことは、その一つの実例的な問題だろうと思いますが、当時そういう事例があつたとか、それによつて荷渡しをいたしたとかいう問題がございました。その後最近のことでありますが、その後の処置につきまして嚴正な判断をいたしまして、物価庁、大蔵省等で御協議の上、これに対し補給金の交付はいたさないことに決定いたしましたので、その点御了承いただきたいのであります。
○内藤(友)委員 私ただ一つ青木さんにお尋ねしたいと思うのでありますが、ちようど青木さんのお立場が私お尋ねするのに一番いいのではないかと思いますので、初めてこういうことをお尋ね申すのであります。それは実はこの委員会で見返り資金の問題を、いろいろ法律が出まして審議いたしておるのでありますが、その見返り資金なるものの本質についていろいろ論議がありました。この見返り資金というものは、これはもらつた金であるか、また貸してもらつた金であるかというのであります。そこで私は、大臣もお忙しいようでありますから、まわりくどいことをやめまして結論に入りますが、先般池田大蔵大臣に、私は二度ほどにわたりまして、見返り資金のその点をただしましたところ、それはもらつた金ではない、それはまだ債務として考えなければならぬのだ、こういうお話でありました。ところが一昨日小沢国務大臣がここへ出られまして、いや、それは今までの分は借りておるのであるけれども、これからの分はもらつたのだ。私が退席しましたあとで、そのように思うというふうなことをつけ加えられたそうでありますが、それはあとから同僚委員からお聞きしたのであります。こうしてこの委員会では、この見返資金の本質論につきまして、池田大臣と小沢大臣との間に食い違つた答弁が、速記録に載つておるのであります。これをこのまま残しておくということは、将来非常に災いが起きると思うのでありまして、ちようどあなたはその両者を適当にコントロールされる立場にあるようにもお見受けするのでありますから、今御答弁いただかなくともいいのであります。いずれこれは池田さんからでも小沢さんからでも、どちらでもいいのでありますが、これをひとつ、もらつたのである。いや、そうではない。これは借りておるのだ。こういうふうにはつきりしていただきたい。これだけひとつお願いしておきます。今御答弁願わなくともいいのでありますから、この大蔵委員会に、これをひとつはつきりしていただきたい。これだけお願いしておきます。
○青木国務大臣 内藤さんから御親切なる御質問をいただきまして、まことに恐れ入りました。われわれが了解をいたしております事柄といたしましては、見返り資金は現在のところ、ただやるんだとも言われておらないし、そうかといつて、将来債務として拂わなければならない、現在また、拂えというようなことも言われておらないのであります。そこでわれわれとしては、結局アメリカの方の意思に属するんだ、こんなふうな了解をいたしておるわけであります。事実そういう状態でございますが、なおせつかくそういうふうに御質問をいただきましたので、あらためて十分検討をして、正確にお答えいたしたいと思いますが、私の了解しておるところはさような次第でございます。
○内藤(友)委員 あとでまた御返事いただくのでけつこうでありますが、実はこれはなぜ私どもがこういうことを申し上げるかというと、もらつた金ならば、七分五厘という利率の根拠はどこから出て来たのか。借りておるというならば、七分五厘というのはどこから出て来たのであるか。これは非常に大きな問題になりますので、いろいろお尋ねしておるのでありますが、いずれこれははつきりと願いたいと思います。
○西村(直)委員 先ほどの質問の継続になりますが、途中で御質問の方が入りましたので、忘れましたが、先ほど通産政務次官からお答えがありまして、配炭公団百二十億円の欠損は、大部分不可抗力から出たのではないかというような御説明がありました。しかしこれは私としては納得の行かない点であります。むしろ昨日から私どもが論議いたしておりますように、配炭公団を組成した人物は業界のエキスパートであり、相当連逹堪能の士であるということは、現在ここにいらつしやる清算事務者の方も言つておられる。他の場合においてもみな言つておられるのであります。この業界のエキスパートが、政府の出資金で、公団の形式でもつて仕事を始めた。それが累積して百二十億になつた。その間にいろいろな事情があつて出て来た。その事情は、政府でも受け継いでおそらく知つておられると思う。それらがはつきりしませんと、私どもはこれらに対して納得ができない。もちろんその間には多少不可抗力な経済情勢の変化もありましよう。その点をいま一度通産省の方から具体的な御説明を願いたいと思います。
○宮幡政府委員 お答えいたします。西村委員のお尋ねはしごくごもつともだと思います。先刻私が概念的に不可抗力であるという御説明を申し上げましたが、これはいわゆる責任の所在がいずれにあるかというような問題にも関連があろうと存じますが、御承知のように、配炭公団に対します通商産業省としての監督権と申しますか、それは人事及び業務全般にわたつて経済安定本部と相関連してやつているのでございます。従いましてこの当然の監督権の上から、取締りあるいは、指示命令等をいたしましてやつて参りますうちに、政府の措置といたしましては、これは善意の解訳であると考えておるのでありますが、その構成しておりましたものが、御指示のような業界のエキスパートでありながら、もし私企業であつたならばいたさないであろうという一つの努力を怠つたというような点につきましては、私どもはその現実の状態をながめまして絶対に否定するものではございません。しかしそれがためにただちに政府に責任があるかどうかという問題になりますと、しばらくそこに幅を置いてお考えをいただかなければならないのではなかろうか、かように考えておる次第であります。
○西村(直)委員 たとえば損失の具体的な原因というものをいま少し通産省方面で知つておられるのじやないか。それをむしろ率直にお出しを願つて――清算事務者の方にお聞きいたしますと、それは過去のことで、自分たちは清算だけやつているのであるからわからぬというような御答弁が、昨日来続いているのであります。業界のエキスパートが集まりましてやつた場合に、たとえば山元において、あるいは輸送の形態において、あるいは荷役の形態において、あるいは保管において、いろいろと損失を起すような状態があつたと思うのでありますが、むしろこれは通産省の方から御説明を願いたい。
○宮幡政府委員 御質問の点につきましては、いろいろな事実があつたと存じます。また石炭管理局長から申し上げさせますが、一言にして申しますと、たとえていえば、配炭公団の炭の買取り一手販売の経過におきましては、銘柄別の販売等をやつていないようであります。従いまして、いい炭と惡い炭とをつきまぜたり、あるいは惡い炭のものにいい炭を入れたというような事実は、よほど十分な監督のもとにおいてもこれを行う機会が相当あろうと思うのであります。それが証拠づけるものであるとは断定はいたしませんが、最後に残りましたものが、通常の欠斤とか、買い入れた炭がそのまま不良のままで残つているという事実を尋ねまして、不良炭が相当量残つておるというような事実におきましては、この銘柄販売という点にひもつき的行為がなされないで、むしろそこにいろいろ炭をつきまぜて販売いたすところの中に、相当心を用いてやりますといろいろな操作ができたのではなかろうか、かように考えて、当時非常に心配しまして、あるいはうわさ等も聞ましてこれらの点にも十分監督を及ぼしました。
 なおその足らざるところがございましたならば、これははなはだ申訳ない、かように考えておる次第であります。
 なお詳しいことにつきましては、管理局長よりお答えいたします。
○中島政府委員 ただいまの政務次官からの御答弁の内容をもう少し詳しく申し上げますと、百十九億の赤字は全体の收益から経費を差引きました残でありまして、その内訳といたしまして一番項目の大きいのは欠斤、廃棄に基く損失、それから石炭の値下りないし格下げという、いわゆる値引きによるもの、この二つであります。この二つで約六十七億になりますが、そのほかにきのう問題になりましたが、売上金の回收不能の分が約十六億、それ以外の残りの約五十億はその他の一般経費がありまして、これは清算法人が引受けましたあとの種々の管理費その他の経費、金利等を含んでおるわけであります。従つて赤字百十九億のうちの最も主なものは、先ほどの三つの要素になるわけであります。廃棄、欠斤がどういう原因に基くかということは、公団の貯炭が累増いたしましたその後にはつきり出て参りました問題でありまして、もちろん公団解散決定後そこに残つておりました貯炭というものは、ずつと以前からの累積された貯炭でありますので、そのときに初めて出て来たものだとは必ずしも言い切れませんが、しかし現実化いたしましたのは、やはり公団が解散いたしまして、それまでにたまつていた石炭が、さらにその後数箇月間の処理期間の間に、どの程度品質が下り、また自然発火して消耗したかということになるわけであります。従つて従来のごとく配炭公団の業務が円滑に、順調に運営されておりました場合は、石炭が始終流れておりますために、そういう貯炭のロスというものも出ないわけでありますけれども、いざこれを決算いたしますという段階に入りまして、ようやく全体のものがはつきり出た。しかしそのうちの大部分の原因は、やはり昨年の四月以降貯炭が特に激増いたしまして、その結果に基くところが非常に大きいのでありまして、その後の貯炭増の傾向に対しましてこれをいかに管理し、いかに売りさばくかということが一番の問題であります。これが非常にうまく行われましたならば、もちろんこういう欠損は出ないのでありますけれども、しかし諸般の経済情勢を考えましたときに、五百万トンの貯炭が円滑に右から左へ売りさばかれるものでもなく、またそれだけの貯炭の管理というものが、限られた公団の人員で完璧に行われるということも、またなかなか期待しがたいところでありまして、そういうことにおきましては、貯炭関係の損失というものは、やむを得ないところがあつたと私どもは考えております。また売上金の回收不能につきましても、もちろん公団存続中におきましても、回收につきましては非常に努力しておりますが、全般的な事業不振ないしは金詰まりのために、昨年初めごろから次第に回收が困難になりまして、それに対しまして配炭停止という一つの武器をもつて対抗するということが、昨日もちよつと申し上げましたように若干困難な点がございましたので、ますます焦げつきがふえる。しかしこれに対しましては、やはり公団の整理期におきましては、そういうふうな非常手段においても十分対抗して、できるだけ回收するように努めたのでありますが、やはり一般的な情勢というものはいかんともしがたく、現在においてもなお残つておるわけであります。そのうち、解散当時に約百六十億ほどたまつておりましたものを、約一割だけは結局においてもむずかしいのではないか、こういう予想のもとに見積られた額でありまして、これはもちろん今後の公団の清算当局者の努力によりまして、どの程度まで、圧縮できるかという問題になつていると思うのであります。
○西村(直)委員 私どもまだ納得が行かないのは、御説によりますと貯炭が増加して、それでもつて廃炭なり欠斤がふえて行つて、しかも人員が足りないから、その結果出て来たものはやむを得ない。いわゆる天から災難が降つて来たからこういうふうになつたというような説明が昨日来続いておる。そうでなくて、私はかなり人為的な原因がありはせぬかという点をいま少し御説明いただかないと、これは野党の人は口をきわめておつしやるのですが、国民の血税でとにかく百二十億からの穴を埋めるわけであります。その点から行きますと、政府側といたしましても、いま少し真劒な立場でお考え願わぬと納得できない問題だと思う。具体的に例を申し上げますと、配炭公団の保險の問題にいたしましても、自家保險をやらないで、いわゆる配炭公団の旧の統制会社の関係で千代田商事というような会社をつくらせて、六億からの保險料を拂つておる。そしてその保險料の歩合をとつているわけです。こういうふうな事実もやはりありましようし、あるいは石炭管理局長が御存じになつて問題になりましたいわゆる荷後炭協会、いわゆるどろぼう炭の協会というような制度もできておりますし、そういう点は政府側としては率直にお述べになつて――政府側としては中間の監督の責任の問題もあります。これは一つの責任もあるでありましようが、配炭公団を運営した当事者の方々の責任というものも、清算人が残つて、しかも清算人はどちらかというならば、私どもの考えておるところでは、あまり深入りしなかつた人だけを残して、大物はみな逃げちやつている、その点をもう少し政府の方から率直に御説明願つた方が、われわれには納得が行くのではないかと思うのですが、いかがでしようか。
○中島政府委員 公団の理事者の運営方法によりまして、その責任によつてある程度損失ができたのではないかという御質問でありますが、全般的に考えました場合には、私どもは先ほど申しましたようにそれほどの余地がなかつた、かように考えております。ただ個々の問題につきましては、もちろんただいまの保險の問題にいたしましても、やり方といたしましてはあるいは自家保險という方法があつたかもしれないのでありますが、そういうような保險を委託するというようなことは、これは保險会社と配炭公団との中間に大体品物を置いたというだけでありまして、直接契約をいたしましても大して経費が節約できたかどうかということは疑問だと思うのであります。しかしそれと別個に、自家保險をすればどうかということは、一つの方法として考えられると思います。その点につきましての当否は、必ずしも私ははつきりいたしておりません。それからたとえば配炭公団の業務の運営中にいつも問題になりますのは、公団が山から炭を引取りますときに、大体もうほとんど計量もなしに貨車一ばい幾らということで、実質的には一割ないし一割五分あるいは二割という欠斤をそのまま引受けて来て、そうしてこれを消費者の方にそのまま売りつける。これが販売のときに正確な計量をいたしますれば、当然それだけの欠斤が配炭公団に出るわけでありますが、そういうふうな意味で出たロスも部分的にはあると思います。しかしもしそういう事実があるとすれば、最後に残つた配炭公団の貯炭が、実際の受入れ数量と拂出し数量との差額より一割ないし一割五分ぐらいば当然少くならなければならぬ、こういうふうに一応想像されるのですが、これにつきましては、そういう疑念を持つて公団解散後一、二箇月の間に、相当の人手を擁しまして――これは各関係官庁参加の上でありますが、公団の貯炭の実地監査をいたしました結果は、予想に反して、実際の貯炭数量というものが帳簿数量にきわめて近いという結果が出ております。それをもつて見ましても、それほど世間一般に言われているほど、配炭公団の業務がルーズに行われておるということにはならない、こういうふうに考えております。
○西村(直)委員 どうも納得が行かないのでありますが、それでは石炭管理局の局長さんが、かりに自分が御商売をやつておるといつた場合に、そういう態度でもつて御商売ができるものだとお考えになりますか。百二十億の赤字を出してしまつたら、商売は首をつる以外にはない。ところが公団というあたたかい形式で、あとは清算に送つて、そうしてそのしりを国会へ出して国民の税金でやる。これでは私は国民は納得しないのではないかと思いますが、これに対してはどうですか。あるいは政務次官から御答弁願つてもいいのですが、あまりにも私には御説明が納得行かない。ほかの委員の方はどうか知らんが、私は納得が行かない。
○宮幡政府委員 西村委員の御説は、私は一応ごもつともだと思います。御説のように自分の商売だつたら当然ではないであろうと御想像なさいますような赤字が出まして、それが国民の血税によつて補填されているのだ。それにふさわしい考え方を持つておらないということは納得が行かない。これは私どもがもし立場をかえて考えてもその通りだと思います。個々の問題につきまして、いろいろ中島局長から御説明申し上げましたその一つ一つが、むしろお考えの点と背馳をしているような説明になつておりますことは、私どもの責任においてこれはおわびを申し上げます。いずれにいたしましても、貯炭が増加してからできた損だというような説明をいたした部分につきましても、その多くは物理的現象と申しまするか、貯炭の場所もないというような事実に追い込まれまして、しかもそういう状態ができますると、石炭は散乱し、自然管理もおろそかになり、そこに先ほど御指摘のような人為的惡條件が加わつて、いろいろな弊害が起つておつたということ、これを極力とどめるべく努力を拂つて来たのでありますが、そういうことは全然ないと政府としては言えない立場にございます。従いまして個々の問題につきまして御納得の行かない点につきましては、国民を代表せられる皆様のお立場におきまして、国民の御納得の行くまで御調査御追究をしていただき、私どもとしてもできるだけ資料を整え、皆さんの代弁によりまして国民の御納得の行くような措置をとつて、私どもの責任のあることも明らかにしてもらいたい、かように考えている次第であります。
○前尾委員 大体この問題が最初問題にされるに至りました原因と申しますか、これは安本で査察をされた結果であろうと想像される記事が新聞紙上に現われたわけで、しかもその当時不正な内容が相当あるように宣伝されたわけで、従いまして私はまず安本当局からその監査についての御意見、なおまた現在されておりまする收支の予想、それらについて、はたして安本が調査された結果と、もちろん符合しているとは思いまするが、それに対する御意見、そういうものをまずお伺いした方がよいのではないかと考えますので、その点ひとつお願いいたします。
○木村(武)政府委員 ただいま前尾さんから御質問の点でございますが、私ども昨年のちようどこの解散の問題が日程に上ります直前ごろに、配炭公団の業務の監査をいたしたことはございます。その当時監査いたしましたのは、もつぱらいわゆる臨時物資需給調整法の運用面を、配炭公団がどういうふうにやつているかというような点を監査いたしたのであります。つまり能率の見地と申しますか、いわゆる不正があるというようなことの監査ではございませんで、能率の見地の監査をもつぱらいたした、こういうことでございます。当時私どもが感じましたのは、石炭につきましては二十三年度くらいまでは非常に貴重物資だというのでいわゆる有効需要の問題などがほとんどなかつた。ところがわれわれが監査いたしました当時には、石炭について非常な有効需要の問題が起つた。それからこれは私どもの見たところでは、石炭の生産はいわゆる傾斜生産方式のもとに上つたのでありますが、それに伴つてすそもの炭がたくさん出て、優良炭が出て来ない。出て来ないというと語弊がありますが、むしろすそもの炭が多いので、ますます有効需要のことが問題になるという状態、そういう背景であつたのであります。ところが依然として配炭公団の商売のやり方と申しますか、物の渡し方が、言葉がいささか何ですが、売つてつかわすというか、士族の商法と申しますか、そんなようなことで、たとえばはなはだしい例は、大阪などで見ました例では、かんじんの売渡先を全然確かめておらぬ。どこにこの石炭を売るのか、その売渡先が公団ではさつぱりわかつておらないという状況であります。ところが引取りが非常にむずかしくなつて参りましたので、われわれが調査いたしましたときに、どこが一体配給先であろうかということを、公団と一緒に見に行つたというような状況であつたのでまします。だんだんと需給の問題が、そういうように情勢がかわつて参つたにかかわらず、公団の商売のやり方が依然として、需給が非常に窮迫しておつた最初の時期のような仕事のやりぶりであつたというようなことが非常に顯著に見られる。これはまた一つは切符の発券のやり方が、小さなものまで中央発券になつておりまして、現地ではほとんどその発券の問題にタツチしていない。そこで発券自体が非常に地方と遊離している。だんだん経済の情勢が変化するにつれて遊離している、こういう状態が見られます。こういうことと表裏している問題であります。最初石炭の雲要が非常に窮迫しておつた時代には、とにかく切符があれば、それを自分の工場に使おうが使うまいが、切符自体が価値があつたわけでありますが、だんだんと切符にも魅力がないという情勢になつて来たのであます。しかしそれにもかかわらず、そういうふうな状況が見られて、やはり石炭の引取りが活発に行つていないというような問題が見られたのであります。従つてお尋ねの点について結びつけてお話を申し上げれば、特に配炭公団の末期におきまして、商売のやり方があまり上手でなかつた。そこで最後に特にすそもの炭などについて滯貨がだんだんと大きくふえて来た。もし先ほど西村さんのおつしやるように、自分の商売のように考えてそれを一生懸命に売る、積極的に売るという操作をやつたならば、もつとこの解散のときのごたごたというものが、もう少し少くて済んだのではないか。こういうふうなことが私どもの調査のときに出て参つた一つの結論であります。大体そんなことであります。
○苫米地(英)委員 ただいまの案本の御説明で事態が大分ほぐれて来たと思うのであります。そこでこの問題を解決するポイントはどこにあるかというと、こういうような赤字を出したこと、これを一つの面から見れば、ただいま明らかにされたように統制そのもの、統制の機構、その運営、これが惡かつたということが一つの原因だと思うのであります。われわれはこの公団をつくるときに、こういうことを見越して反対をいたしたのでありますけれども、とにかくこの公団というものが成立して、昨年の九月までやつて来た。それから生れて来た不始末であるとすれば、これはわれわれも責任の一半を負わなければならないものだと考えるのであります。そこでいま一つ残された問題は、政府がこの間に十分な監督をしたかどうか。損害を避けるだけの努力をしたかどうか。その監督はどういうふうにしたかということが大きな問題になる。そこで政府も最善の努力を拂つてやつたけれども、遂に及ばなかつたということでありますならば、これは人間のいたすことであるからいたし方がない。ここに私どもはこの問題の解決点があるのではないかと考えるのであります。ただこの際私が先ほど来伺つておりましたお話について、註釈を加え御反省願いたいと思う点があるのであります。それはこの配炭公団の解体後に、品質が非常に落ちて不可抗力な損害があつた、こういう説明が一つあつたのでありますが、これは大きな間違いであります。そうじやなくて、この配炭機構による増産で、初めから燃えない粗惡炭をどんどん生産しておつたのです。それでこの議場におきまして、私はこのことを指摘いたしまして、ああいうものを配給されたのではわれわれは困る、また労力、資金の浪費になるだけであるということをたびたび申したのであります。しかるにその当時の政府は、これに対して一向耳をかさなかつたのであります。これは石炭国管を主張されてその結果出て来たのですから、耳をかさなかつたのも当然であると思いますけれども、とにかくしばしばここにおいて論議されたけれども、ついに問題にならなかつた。ただ配炭公団が活発に仕事をしておつた間は、こういう燃えない粗惡炭をむりやりに押しつけたのです。であるから幾らかずつでも片づいて行つた。そして今これを見ますと、掛売金の滯りが大分ありますけれども、この掛売金の滯りというものが、はたして買つた方だけの責任であるか。売つた方にも責任があるのではないか。売つた方で惡いものを売つたとか、欠斤のものを売渡したとか、拂わない方に言わせたら、相当拂わないだけの理由があるのじやないだろうか。また売る方でもむりなことをやつたことを承知しておるのではないか。われわれはこう考えるのであります。きようもらつたこの表を見ましても、大部減つてはおりますけれども、この中には国鉄とかあるいは貿易公団とかの国家機関も入つています。そのほか当然拂えるということが見越される会社が、拂つておらないというようなことになつて来ると、これはその辺に相当考えるべきことがあるのではないか。それで政府は自己の責任を軽くするような答弁ばかりしないで、今安本で話されたように、現実を現実としてお話しになつて、それを基礎に解決方法を考えて行くのがいいのではないかと私は思うのであります。
 それから先ほど西村委員のお話で、保險の問題が出ておりました。これは重大な問題です。重大だというのは、單に配炭公団だけではない。現在まだ残つておるところの公団です。これがどういう保險契約をして、どういうことをやつているか。これが大きな問題です。であるからこういうことについては、この問題を考えると同時に、政府がこれを機会に大いに粛正して行かれるということが必要じやないかと思うのであります。こういう点について何かお話が伺えれば、伺つておきたいと思います。
○宮幡政府委員 苫米地委員のお話は、前にも石炭じやなくしていし炭だというようなお話を聞いたことも、私どもあなた方の後輩といたしましてよく承つておつたのでありまして、当時も非常に心配いたしたわけであります。いろいろここに議論が出まして、不可抗力というようなことはそれは大きな考え違いだと言われますが、しかしこれは政府の責任を回避する言葉でないことは、西村委員の御納得が行かないという点からお尋ねのありましたことで、政府は感ずべき責任は十分感じて参りたい、こういう態度でおるのでありますが、結局出炭量がふえまして価絡が下落した。今までは運賃等もプールいたしまして、価格政策をとつて参つた状態から、自由経済の中に突入いたしましたので、その間の事情というものは、これはなかなか人為で調整できない面があつたろうと思います。この点についてさような意味合いを申し上げたわけでありますが、御指摘のように、決して政府がとるべき責任に対しまして――これがいずれの内閣であるかどうかはその後の議論でありまして、当面におきまして、その責任を回避する等の気持は毛頭持つておりません。従いまして、政府といたしましての監督が、善意の過失であつたということは、私はここで申し上げるものではなくして、惡意の過失を見のがしたとか、あるいはそれを怠つたとかいう点につきましては、一応できるだけの努力を拂つて参つたのであります。しかし御指摘の通り公団につきましては、ただいま残つております公団にも非常な欠陷があります。私昨年六月通産省に就任以来、公団の経理及び運営等につきまして幾多の疑問を持ちまして、具体的例で申し上げるならば、鉱工品公団における輸入物資及び放出物資等の処理につきまして、私監督すべき立場の一人としまして、きわめて満足のできない点があつたのであります。具体的な問題を取上げまして、総裁その他に命じまして、具体的な調査をいたしましたところ、その結果現われて参りましたことは、私らの心配いたしましたことが一片の杞憂でなくして、真実の問題となつて現われた。たとえて申しますならば、公団から支拂いましたところの輸入税を沖仲仕の連中が、それを資金にして仕事をやつておつたというような事実が暴露いたしまして、これに対して法的追究をするかしないかは、総裁の責任において行うべきことを勧告いたしましたところ、当面のその責任者は一応輸入税の完納はいたしましたが、その後あらゆる問題につきましてそれらが関連いたしまして、遂に自分で処置をつけなければならないように感ぜられたものか、当時新聞紙上にも発表されましたが、自決してこの清算をいたしたようなわけであります。そのほか個々の具体的問題につきまして、いろいろな物資につきましての弊害等を一々抜打ち的にやりまして、従来とかく弊害のありましたものを一つ一つ直す。一罰百戒とまでの偉大なる力もなかろうかとも思いますけれども、少くともさような心持をもちまして、ただいま続いております公団の監督を行つております。そこで配炭公団につきましては人的構成、特に公団というものの組織が、私企業のように努力と創意とくふうと誠実を積み重ねる運営が、御承知のように困難であります。要は十何年間統制経済の温床の中につちかわれた人たちの運営でありますので、人的面におきまして遺憾の点があつたことは、私どもは絶対にこれを否定するものではございません。そこで今後も政府機関として残存しております公団は、さような弊害にかんがみまして、随時きわめて早い時期にこれを廃止すべき方針をとつておりますが、その存続機関については、前轍を踏まないように十分に監督をいたして参りたい、かように考えておりますので、お気づきの点は、それぞれにつきまして重ね重ね御注意、御勧告をいただきたいと思います。
○苫米地(英)委員 私先ほど申しました通り、この赤字の出た欠陷の一番大きい原因は、公団組織によつて配炭をやつたというところにあると思うのであります。そこでその配炭の機構の中で最も惡かつたのは、銘柄というものを無視してしまつたということ、そうしてプール計算でやつた。それからして先ほどお話になりましたが、石炭を正確にはかつて受渡しをしなかつたと申しますが、これは昔から石炭はそうでございます。正確に看貫なんかしての受渡しは、いつの時代でもやつておりません。ただこういう場合に、どうも公団を預かつておつた人が非常に無責任である。無責任の行動があつた。これは私否定できない事実だと思うのであります。けれども根本を言うと、われわれ国会が承認してこの公団というものにやらせたというところに失敗があるのであります。ですからして公団にやらしておくのは、これはやむを得ない一つの穴であつた。われわれとしてもこの責任を認めなければならないと思うであります。そこで政府の方では、自分たちがこれだけやつたんだということさえ見せていただければ、この問題は解決すると思うのでありますが、いかがでございましようか。
○宮幡政府委員 ただいまの御意見はまことに御名論でありまして、言葉といたしましてはその通りだと思います。しかしながら政府と国会との立場におきまして、各々見方が違うのでありまして、こちらではできるだけ御説明申し上げ、御納得をいただく努力は絶対に惜しみませんが、その間に足りないところがありましたような場合にはお許しいただく。かような立場にもなろうかと思いますが、どうぞ本問題につきまして、政府のとつて参りました措置等につきましては、御要求がありますれば、また一つの報告書のようなものでもつづり上げまして、当委員会の御審査に備える等の措置によりまして、ぜひ御了解を願いたいと思います。
○川野委員長 本案に対しましてはまだ相当質疑があるようでございますし、なお政府としても誠実ある答弁をまとめていただく。なおできるだけ多くの参考資料を出していただく意味合いにおきまして、後日に讓ることにいたします。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次に昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案、及び予備審査中の旧軍港市転換法案を一括議題として質疑に入ります。川島委員。
○川島委員 ちよつとお尋ねしますが、この旧軍港市にはそれぞれ国家施設があつたわけです。その中でことに病院等の施設が今日でもあるように聞いておるのでありますが、その病院であつた施設は、今だれの手でどういう形で運営されておるのですか。それを御承知でありましたら、お伺いいたします。
○佐々木参議院議員 詳細なことは大蔵当局で聞いていただく方が正確だと思います。病院は、私の知つておる範囲では共済組合がございますが、その他残存しておる病院は進駐軍の方にとられておるというような関係が、呉などではそうなつておりますが、詳細は大蔵の政府委員からお願いいたします。
○川島委員 それでは軍港の方は後の機会にお尋ねいたします。
 一方の国庫負担の方の問題について大まかな点でお尋ねをしておきたいですが、戰時中及び戰後にわたつて、幾多の災害で国土が荒廃に帰しております。ことに戰後のたび重なる台風等によりまして、河川、港湾その他道路、至るところの国土施設が破壞荒廃されたことも言うまでもございませんが、それによりますと、災害復旧の旧にもどすだけでも相当な費用がいることになると思います。その後歴代の政府が若干ずつではありますが、災害復旧にも力を注いで来たのですが、それでもなおかつその災害の完全復旧というところまでは逹しておらない。そこでお伺いするのですが、今の日本の国内におけるこれらの国土の復旧をいたしますためには、現在の貨幣価値で計算をして一体どれくらいかかる目標であるのか。そういうことについての資料がありましたならば、その資料を読み上げてくださつてもよろしいし、また何か刷つたものを私どもに配付を願つてもけつこうでございますが、さしあたつて大まかな数字だけはここで示してもらいたいと思います。
○荻田政府委員 今お尋ねのございました点は、範囲がちよつと理解できなかつたのでございますが、今度の法律の対象になつております天然災害で、現在残つているのは大体千二百億円程度のものが、二十五年度の初めにおいて残つております。それに対しまして今回全額負担として四百七十億ばかりの公共事業費が出ておりますが、この額のうち大体三百七十億程度は過去の分に当ります。百億だけは本年度の分であります。千二百億のうち三百億程度が本年度において復旧されることに相なります。
    〔委員長退席、前尾委員長代理着席〕
○川島委員 そうすると、天然災害による復旧を国で扱うべき性質の災害復旧費というものは、千二百億だけであつたわけですか。
○荻田政府委員 災害全体として千二百億、つまり従来公共事業費の対象にしておりました分であります。
○川島委員 私は千二百億程度ではなくて、もつと相当な額だと記憶いたしておつたのですが、私の記憶違いであれば別ですが、要するに政府が公共事業費として行うというわく内にとどまらないで、全国的に市町村に至るまで負担して復旧しなければならぬいわゆる天然災害による荒廃をこうむつた全体の復旧費を私は尋ねておる。
○荻田政府委員 その点につきましては政府の方ではつきりした資料を持つておりませんけれども、今までの災害復旧費も大部分が公共事業費の対象になつておりまして、ただ三分の二とか、二分の一とか、補助率が低かつたのであります。従つてその対象から漏れておるようなものがありましても割合は少く、その分は大体当該年度におきまして、いわゆる單独の事業として地方団体が施行いたしますのに対しまして地方債を認めておりましたので、そう多額のものは残つておらぬと思つております。
○川島委員 そこで具体的にこまかい点をお伺いしておきたいのですが、関東利根川の復旧問題、これは目下まだ完全復旧に至つておりません。当初の予算額は幾らでありましたか忘れましたが、全体では相当な額を要することになつておりまして、その後いろいろ政府が復旧をやつた来ておりまするが、まだ多分の予定計画の大部分が残つているのではないかと思うのです。その点御承知でありましたらば、この機会に聞かしてもらいたいと思います。
○荻田政府委員 具体的の工事箇所につきましては、私の方の役所といたしましては、資料がございませんので、あるいは建設省からでも御答弁願つたらよいかと思います。
○小山委員 まだこれは実は全部読み通してないので、あるいはわかりきつた質問かもしれませんけれども、昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担となつておりますが、昭和二十四年度に生じた災害、それから二十三年度以前における災害というものは、やはり全額国庫負担でやるのでございますか。
○荻田政府委員 これは過去に起りました災害でございましても、二十五年度において復旧工事をいたします分はすべてこれに包含いたします。
○小山委員 自治庁で昭和二十三年度及び昭和二十四年度は、どういう比率でもつて千二百億の災害を復旧するかということを御存じでしたら‥‥。
○荻田政府委員 先ほど申したように、過年度分につきましては三百七十億の数字が充ててあるのでございまして、その内訳等は安本で各省に予算の配当をいたします際に決定いたしますので、われわれといたしましては現在持ち合せておりません。
○小山委員 この三百七十億というのは、過年度が三百七十億というのでございますか。さつき千二百億と川島君におつしやつたのは。
○荻田政府委員 大体復旧工事といたしまして残つておりますのが千二百億程度でございまして、そのうち本年度公共事業として施行いたしますのが三百七十億円であります。
○小山委員 これは補助ですか。それとも国において施行する工事ですか。それだけの金額を與えて全額補助の形で府県が施行するのでありますか。
○荻田政府委員 両方含んでおります。従来は補助金として三分の二の補助をやつております。また大きな工事につきましては政府が直轄施行しておりますが、それに対しましては、大体三分の一に相当するものを地方団体から負担金として取つておつたわけであります。この補助金を一〇〇%に改めまして、政府直轄の分につきましては負担金をなくする、国庫の費用だけで施行する。こういうふうに改正いたしたい趣旨であります。
○小山委員 その場合に問題になつて来るのは十五万円以下の工事であります。これについては別途認められておりますところの例の地方起債、これによつて自由にやれる立場に立ちますか、それとも何か法律上の規則がありますか。
○荻田政府委員 十五万円以下の工事につきましては、起債その他一般財源において施行するといたしまして、別にどの工事をやつてはいけないとかいうような法律上の規則はございません。
○川島委員 千二百億で本年度は三百七十億ですか、この年次計画がもうあるんだと思うのですが、二十六年、二十七年はどういう形でこれをやつて行くのですか。その年次計画がありましたらこの際。
○荻田政府委員 ただいま私どもとしましては、年次計画というものは持ち合せておりません。
○川島委員 そうすると二十五年度に限つて特例を設けたものであつて、二十五年度以降は政府としては全然考えておらぬという形になるのでございますか。元にもどるのですか。
○荻田政府委員 御承知の通り、今回政府の考えておりますこの地方財政全般の改革、税法の改正、平衡交付金、災害復旧費、こういうものはすべてシヤウプ勧告の趣旨を適当と認めまして実行しておるのでありまして、その中におきましては、災害費は大体小さなものを除いて全額政府の負担とするということになつておりますので、この方針にのつとつて行いたいと思うのでありますが、何分にも急なことでありましたので、細目まで検討するひまがございませんでしたので、さしあたり法案のかつこうとしましては、二十五年度だけという立案になつております。しかし将来もやはりこの精神によりまして、二十六年度以降も恒久的な立法を考えたいと考えております。なおその点につきましては、各般の事務の配分調整、補助金の整理等を審議する地方行政調査委員会もできておりますので、その結果を見まして、そのような恒久対策を講じたいと考えております。
○川島委員 私もちよつとこの問題については錯覚を起しておつたようです。かりに二十五年度の災害復旧事業に三百七十億の国費を投じて全額国庫でこれを施行する。それでこの配分の形が全国的に見て適正公平であれば問題はなかろうと思います。ところが二十五年度に限つて行われる。二十五年度以降の問題は、今後の問題に残されて行くということになりますと、本年度三百七十億円の金額をもつて配分を受ける当該災害地はそれでよろしいが、残つたものにつきましては二十五年度の分だけに限られて、翌年からは従来のごとき配分で、国庫の負担は全額でなくなるという形になると、非常に公正を欠くような結果になる所が相当出て来るのではないかと思うのです。そういう事柄について当然政府は考えられたことだろうと思うのでありますが、その間どういうお考えで行くのかを聞かしてもらいたいと思います。
○荻田政府委員 今申し上げましたように、形は二十五年度だけの法律になつておりまするが、精神といたしましては二十六年度以降でも、大体この趣旨で実行して行きたいと考えておりますので、本年度においてたまたま補助をもらつた所としからざる所とに、非常な厚薄の差違ができることがないようにいたしたいと考えております。
○川島委員 そうすると二十五年度限りではないのだ。実質面においては、今後も年次的に全部の復旧が終るまで、こういうことが続行されるのだというふうに理解してよろしいわけでありますか。
○荻田政府委員 大体そういうように考えております。つまり二十六年度以降も、もしこのようなかつこうでないといたしましても、そのためにその団体が地方財政上非常に困るようなことが、絶対に起らないようにいたしたいと考えております。
○小山委員 平衡交付金の問題とからんでお尋ねしたいのでありますが、災害復旧は荻田さんも御承知のように府県によつていろいろ違う。毎年々々災害を受けておる県もあれば、十年に一ぺんしか災害がない県もありますが、そういう場合に過去における災害復旧費等に要した県債の利子負担、あるいは十五万円以下のものをいろいろやらなければならないために生ずる県債の利子負担、そういうものも平衡交付金の交付対象となつておりますかどうかを伺いたいと思います。
○荻田政府委員 今おつしやいました災害のために起しました県債の元利償還費は、全額平衡交付金の標準行政費の中に算入いたすことになつております。従つて過去において災害をこうむり、そのために県債がかさんでおりました所は、その元利償還額の全額が平衡交付金の対象として保証されることになります。
○北澤委員 私は旧軍港市転換法案につきまして、二、三点お伺いしたいと思います。その第一点はこの法案の第一條によりますと、この法律は旧軍港市を平和産業港湾都市に転換することによつて、平和日本実現の理想逹成に寄與することを目的とするとなつている。ところが横須賀は現に西太平洋におけるアメリカの海軍の活動の本部みたいな形になつておるのであります。そういたしますと、横須賀の町の相当の部分は、やはりアメリカの海軍のそういう目的のために供せられることになりますので、横須賀の場合には、それ以外の地域に平和産業都市をつくるということになりますか。ちよつと伺いたいと思います。
○佐々木参議院議員 この問題につきましては向うと交渉の際、特に横須賀海軍の司令官等がこの問題に協力していただきまして、いろいろとこの問題に――基地になるのではなかろうか、基地になるためにオーケーが非常に遅れるのではないかと心配いたしておつたのでありますが、ほんとうに当つてみますと、そのようなことは関係がないので、やはりこの軍港を一日も早く平和産業都市にすることは大賛成だ、大いにやれと激励を受けたようなわけでございますので、おそらく基地になるというおそれはなかろう、かように考えております。
○北澤委員 あそこのデツカース提督は私もよく知つておる人であります。あの人は三年ばかり前に来られましたが、あの人は会うたびに、自分が横須賀におる以上は、昔は日本一の軍港であつたけれども、自分が来た以上は、これを日本一の平和な都市にする、こういうつもりでやつておるのだと言つておられます。従いましてあの横須賀市におきましては、ほかのアメリカ陸軍の管轄権のある所と違いまして、デツカース将軍が非常に好意を持つて、たとえば賠償施設などでも、アメリカ海軍の好意によつて、日本の方に返すということで、あの人は横須賀の復興に努力したのであります。あの人があそこに来ましてから、いかにして横須賀におきまして、工場労働者などの就職の率をふやそうかということで、毎日毎日の統計をとつて、きようはこれだけ人夫がふえたと言つて、それを見て喜んでおられたのであります。その後の情勢をだんだん見ておりますと、デツカース提督の意思と関係なく、あそこを平和的でない方面に使うような空気が出ておりますので、この質問をしたのであります。
 それで、ただいまのお話によりますと、アメリカの海軍としましても、横須賀を平和産業都市にすることに全面的に協力するということになりますと、たとえばアメリカの海軍があそこで使つております土地とか建物も、相当大幅に横須賀の平和建設のために使わすものであるか、その点をお伺いいたします。
○佐々木参議院議員 その海軍が使つておられるものをただちに返すかどうかについては、まだ的確に調べておりませんが、先ほど申しましたオーケーをとる段階に非常な協力を願い、促進を願つたような関係で、オーケーも非常に早くもらつたという関係から行きまして、できるだけ早く平和産業に転換しろという指示をもらつておるわけであります。このためにこの委員である宮原君、また渉外関係の山田議員等がしばしば会いまして、折衝しお礼を言つておるような関係であります。
○北澤委員 この旧軍港都市にありますいろいろの旧軍用施設の中には、賠償の施設としてまだ解除になつていないものが相当あるのであります。賠償施設で解除になつたものは日本の国有財産でありますが、まだ賠償の指定を受けておるもの、あるいはアメリカの軍側にあるものを、平和都市建設のために利用するようなお考えがあるかどうか。
○佐々木参議院議員 その点につきましては、御承知の通り各軍港で賠償物資をそれぞれ整理をいたしまして、荷づくり、梱包をしておるものが相当あります。その荷づくりされたものはまだ解放されておりませんが、漸次解放するというものが大分できておる。というのは一級品、二級品、三級品と等級がつけられてあるのでありますが、その等級のうち、三級品などはもう解放していいのじやないかという意向が強いようであります。ですからそういう場合にはやはり三級品が解放されたらもとしてもらつて、日本の工場に使いたいという考えであります。
○北澤委員 もう一点お伺いいたしたいのですが、旧軍港都市におきまする国有財産とかそういうものの大体の率と申しますか、これはもちろん大蔵省でおわかりと思いますが、参考のために当委員会にお出し願いたいと思います。
○佐々木参議院議員 この問題につきましては本日参議院において大蔵、地方行政、建設の三つの合同審査をやりましたときにも、やはりそのような資料を提供しろということでございまして、明日中にでも参議院の方には提出するという予測になつております。その点ひとつお含みおき願いたいと思います。
○宮腰委員 軍港にある施設は無償で拂い下げるのでしようか。有償で拂い下げるのでしようか。
○佐々木参議院議員 これはお手元に配付してあるかどうかわかりませんが、四條で、公共団体に対しては従来は二割以内の値引をするという規定になつておりますが、今度のこの法案によつて五割以内の値引きをするということに改正することになつております。同時にその四條の二につきまして産業会社の誘致をやつておりますが、現在の国有財産処理法に基く法案の規定によりますと、なかなか單価が高いために各産業会社がこれに向つて事業を起そうと考えません。そこで非常に困つておるのがこの四つの都市でありまして、この四つの都市にはやはり公共団体と同じような値引きを願いたいというのが、私どもの願望であつたのでありますが、その四條の二をそのような法案に仕上げて持つて行こうと考えたのが、つい、早く持つて来い、早く持つて来い、オーケーを早くやろうというような関係で、宮原委員長などがるすうちにその案を持つて行つたわけです。私ども初め起案した者がいない間に、在京の三人で持つて行つたというようなことで、実のところは、かんじんな産業を起そうというねらいのところが、欠けておるということになつております。ただこの法案では、今まで三年間は延納を認めるということであつたが、今度の改正によつて十年間延ばすということになつておりますが、これも金利を出し、担保を提供するということになつておりますので、そのような恩典の少なさでは、この未開の地にもつて行つて産業を起すという有志が少いということがあります。しかしこれをすぐ修正を願おうというので、われわれまたGHQに参りましたところが、一旦これでオーケーをやつたんだから、もしそういうことが必要であれば、委員会で修正をしたらいいだろうというようなお話がございまして、このまま提案いたしました次第であります。
○宮腰委員 これはどういうことになりましようか。今までに建物なんかで借りておつたような場合には、結局拂下げになつたからといつて明渡しするものでしようか。それともそのような過去の法律関係は認めて、貸すことを持続させるものでしようか。その点を伺いたい。
○佐々木参議院議員 大体四市とも今まで一時貸與の形でございます。名目は一時貸與で、何年か続いてよろしいが、一時貸與でございますから、いつかは一時貸與を解いて売渡しにしなければ国有財産の処理ができないというので、実は大蔵省はこのような法案が早く出て、このような処分を早くしたいという意向があつたようでございます。そういうことで、ただ一時貸與したのみで、永久に貸すということではこの財産処理がつかないので、今はもどせとは申しません。しかしいつかはもどさなければならぬという段階にあります。
○宮腰委員 結局電軍都市であつたものが平和都市になるということになると、今後海岸の道路改修とかいろいろな施設撤去のあとに来るいろいろな経費が相当かかると思います。そういう意味から考えると、これには相当経費がかかると思うのですが、そういう埋合せで安く拂い下げるのでしようか。どうでしようか。
○佐々木参議院議員 そのような考えでございます。どうしても今の四つの都市の経済では復興が困難であります。そこでやはりこの遊休施設を利用活用いたしまして産業を起して、それらの工員なりあるいは会社から税金をとつて施設を充実させる、こういう考えであります。
○宮腰委員 話がかわりますが、荻田さんにお伺い申し上げます。災害の全額国庫負担で地方住民として一番考えさせられる三百七十億の配分でありますが、この配分については自治庁は関與されるのでしようか。これは運輸省、建設省、農林省が自分の査定方針によつてやるのでありますか。あなたの方がこれに関與されるのでありますか。それを伺つておきたい。
○荻田政府委員 これはわれわれの方は関與いたしません。建設省、運輸省が安本と相談いたしてやるのでございます。
○小山委員 それでは全然関與されないということになると、平衡交付金の財源など、これによつて得た起債の元利金につきましては、どこで調節されますか。
○荻田政府委員 関與はいたしませんけれども、この法律によりまして一定観以上の一定の規模を備えます復旧費が、全部この対象になるのであります。本年補助ができませんでしたならば、来年度において補助金が全額交付されることになります。従つてこの問題につきましては地方債の問題は起らないのでありまして、この標準以下のものにつきましては、こちらで査定いたしまして地方債を許可いたします。そういうものにつきまして将来元利の償還金を平衡交付金の中に計上いたしまして、結局において全額国庫負担といたしたと同じことになります。
○小山委員 その点はよくわかりました。それからこれはこの法案のできる過程においてわれわれが主張したのでありますが、どうもその規定が抜けているように思います。と申しますのは、一箇所十五万円以上ということになれば、地方の山村の場合には被害箇所が相当散らばつておるが、一つの村なり町なりを集計してみると、相当な金額になつておる。その場合の救済規定を最初考えられておつたはずでありますけれども、今度の規定にはそれが抜けているのじやありませんか。
○荻田政府委員 そういう御意見も途中で聞いておりましたですが、いろいろ考えましたのですけれども、これで一応政府が全額国庫補助をいたしますから、どうしてもこれを拾い上げる以上は、全部政府の機関において工事の査定をしなければならない。これはとうてい十五万円以下になりますると手が届きませんので、これはやはり対象から除外することにいたしたいと思います。しかしながらそういう町村におきましては、そのために相当財政上困ることが出て来はしないかと憂慮されますので、その点につきましては地方債の問題、それから平衡交付金によりまして十分に考慮いたしまして、そういうところも災害のため財政が困るというようなことがないようにいたしたいと思います。
○宮腰委員 先ほど伺つた軍港都市の問題で、この賠償の対象になつておる機械類ですが、これもこの中に包括して受けるということになるだろうと思うのですが、もしなれば、これはただちに荷づくりをしてあるので売却をするものでしよか。それとも将来の産業設備に利用するために保管するものでしようか。その点を伺いたい。
○佐々木参議院議員 もしそういうことが起りますれば、やはり四つの軍港都市において再建をする諸会社が、必要な機械類だけをそれに拂い下げる。さらに余つたような場合には、官憲にこれを配分するという考え方であります。
○河田委員 軍港都市転換について伺いますが、これは私自身も舞鶴の方へ近いので、財政的な逼迫については十分同感の点があるわけなんです。だからここで時価の五割以内で減額して讓れというようなことを、私たちはより以上希望を持つておるわけです。しかしこの点は別に触れませんが、この旧軍港都市の転換事業は、平和的な産業港湾都市にふさわしいように建設するという目標がうたつてあるのであります。そしてこの審議会というものの仕事が、旧軍港財産の処理と普通財産の讓渡に関して、いろいろ大臣の諮問に応じて調査審議するようになつておりますが、これはただこの範囲であつて、ここにその他の重要事項ということがありますが、平和的の産業港湾都市にして行くという都市計というようなことにも、この審議会が一応タツチするのでありましようか。
○佐々木参議院議員 大体財産の処理を重点にこの審議会を運営して行く。都市計画についてはまた別な方向になろうかと思います。
○前尾委員長代理 他に質疑がないようでありますから、本日はこの程度で散会いたします。
    午後四時三十三分散会