第007回国会 本会議 第31号
昭和二十五年三月二十八日(火曜日)
 議事日程 第二十九号
    午後一時開議
 第一 昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第1号)
 第二 千八百九十年七月五日ブラツセルで署名された関税表刊行のための国際連合の設立に関する條約、関税表刊行のための国際事務局を設立する條約の実施規則及び署名調書を修正する議定書を承認することについて承認を求めるの件
 第三 海外移住組合法の廃止に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 下級裁利所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第五 少年院法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第六 少年法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第七 倉庫業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 電気通信省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第九 新聞出版用紙の割当に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十 運輸省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十一 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十二 総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十三 審議会等の整理に伴う厚生省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十四 油糧配給公団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十五 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十六 松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律案(内閣提出)
 第十七 長期産業資金調達促進のための株式対策確立に関する決議案(川野芳滿君外二十七名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第十八 ラフカデイオ・ハーン(小泉八雲)生誕百年記念事業に関する決議案(山本利壽君外百二十一名提出)(委員会審査省略要求事件)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 外国為替監理委員会委員任命につき同意を求めるの件
 公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(議決第二号)についての労働委員長の報告
 公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(議決第二号)は委員長報告の通り消滅したものとして審議を要しないものとするの件(議長発表)
 日程第一 昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第1号)
 日程第二 千八百九十年七月五日ブラツセルで署名された関税表刊行のための国際連合の設立に関する條約、関税表刊行のための国際事務局を設立する條約の実施規則及び署名調書を修正する議定書を承認することについて承認を求めるの件
 日程第三 海外移住組合法の廃止に関する法律案(内閣提出、参議員送付)
 日程第四 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第五 少年院法の一部を改正する法律案(内閣程出、参議院送付)
 日程第六 少年法の一部を改正する法律案(内閣程出、参議院送付)
 日程第七 倉庫業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 電気通信省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第九 新聞出版用紙の割当に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十 運輸省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十一 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十二 総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十三 審議会等の整理に伴う厚生省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十四 油糧配給公団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十五 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十六 松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律案(内閣提出)
 日程第十七 長期産業資金調達促進のための株式対策確立に関する決議案(川野芳滿君外二十七名提出)
 日程第十八 ラフカデイオ・ハーン(小泉八雲)生誕百年記念事業に関する決議案(山本利壽君外百二十一名提出)
 肥料配給公団令の一部を改正する法律案(内閣提出)
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 教育委員会法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 連合国軍人等住宅公社法案(内閣提出)
 特別調達庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 食糧の供出並びに配給制度に関する緊急質問(山口武秀君提出)
 報償物資対策に関する緊急質問(吉川久衛君提出)
    午後一時二十八分開議
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(幣原喜重郎君) 御報告申し上げることがあります。
 去る三月十八日、本院において議決いたしました、渡米国会議員団に寄せられた米国の厚意に対する感謝決議について、議長は、参議院議長とともに、去る二十四日正午、連合国総司令部にマツカーサー元帥を訪問してこれをお渡しし、連邦議会並びに関係各州議会その他に伝達方を依頼いたしました。その際、マツカーサー元帥は、この決議に対し感謝されるとともに、議員諸君に特に謝意を伝えられるようにとのことでありました。
 また日本国会議員団に寄せられたカナダの厚意に対する感謝決議については、議長は、参議院議長とともに、昨二十七日午後三時、対日理事会カナダ代表部にノーマン公使を訪問、決議をお渡しして、関係各方面に伝達方を依頼いたしましたところ、同公使よりも同様よろしく申されましたから、あわせて御報告をいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(幣原喜重郎君) お諮りいたします。内閣から外国為替管理委員会委員に大久保太三郎を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意を與えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本件は同意を與えるに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(幣原喜重郎君) 労働委員長より、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(議決第二号)につき報告のため発言を求められております。これを許します。労働委員長倉石忠雄君。
    〔倉石忠雄君登壇〕
○倉石忠雄君 ただいまより、公共企業体労働関係法等十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(議決第二号)の労働委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 全專売労働組合と日本專売公社との間において争いのありました賃金問題に関し公共企業体仲裁委員会が下した仲裁裁定は、去る一月七日、政府より、この裁定は公共企業体労働関係法第十六條第一項に該当するので、同條第二項の規定により国会の議決を要するものであるといたしまして本国会に提出され、同日労働委員会に付託されたのであります。
 労働委員会といたしましては、爾来愼重に審議を続けて参つたのでありますが、去る二十三日、討論に入るに先だつて政府より発言を求められましたので、これを許可いたしましたところ、さきに国会に提出いたしました專売裁定について、最近に至り日本專売公社の人件費に余剰が生ずることが明らかとなつたので、本件は公共企業体労働関係法第十六條第一項に該当しなくなつたとの説明があつたのであります。よつて、この説明をめぐり質疑を行いました結果、労働委員会としては、本件は專売公社の予算上支出可能となるに至つたから自然消滅したものであり、従つてその審議は不要となつたと認めるということに決定いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。
     ――――◇――――
 公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(議決第二号)は委員長報告の通り消滅したものとして審議を要しないものとするの件(議長発議)
○議長(幣原喜重郎君) ただいまの委員長の報告の通り、本件は消滅したものとして審議を要しないものといたしたいと思います。これに対して発言を求められておりますから、順次これを許します。春日正一君。
    〔春日正一君登壇〕
○春日正一君 金が出たから自然消滅になつた、確かにその通りであります。せつかく労働委員会で審議しておつたのに、何だか、いかれたようなかつこうになつてしまつた。これは確かであります。しかし問題は、金が出たからそれでいいじやないかということでないということは、この公労法の十六條に関する扱いというもの、これが国鉄裁定のときでも非常に問題になつたのでありますけれども、こういう形で、十六條を、政府が思う通りに、これはだめだと言い途中になつたら、金が出せるようになつたから自然消滅だ、こういうふうに扱うということになれば、この公共企業体労働関係法というものは、立法されたとき罷業権とすりかえて保護してやるんだといつた精神が完全にくつがえされて、労働者だけは完全に拘束するけれども、政府と公社は何ら拘束されないという法律になる。明らかにこれはブルジヨア独裁の法律だ。(拍手)こういう大きな問題が含まれておる。
 それからもう一つの問題は、政府がこういう法律に対して、條文をいいかげんに解釈して、それで出せないとか何だとか言うこの態度が、日本の労働階級に及ぼす影響というものは絶大なものであります。たとえば、労働組合法で組合幹部を首切つちやならぬということになつておるけれども、今日とうとうとして組合幹部の首切りがやられておる。そうして不当労働行為というような問題が起つておるし、労働基準法ではつきり規定されておるにもかかわらず、この基準法が至るところにおいて無視されておる。
 さらに賃金の問題におきましても、政府が公務員の給與を上げないというような強硬な態度をとり、裁定を無視してまでもこれを強行するという態度は、民間にも非常に大きく影響しまして、たとえば炭鉱のごとき、現在基準法の違反、労働強化、低賃金によつて塗炭の苦しみをしておる労働者の賃上げ要求に対して、資本家はなかなかこれをいれようとしないのであります。こういうことは、結局今日の電産、炭鉱あるいは金属の莫大なストライキによつて、この政策が反撃されるに至つた原因であると思う。
 しかも、これに対してストライキが長期化し、資本家が息を切らし始めて来ると、政府は強制調停だと言う。こういう形で、ひとり公労法の專売の際に限らずこの政府の態度というものは、すべての労働問題に反映し、労働階級に対して非常な大きな苦痛を與えておる。従つて、この自然に消滅したという事実、これに対して政府は、これを提出して来て、途中で事情がかわつて来たというとについて十分な説明をし、こういう十六條の扱いを絶対にやらぬということ、今後は公労法の規定に従つて忠実に服するということを、はつきりここで言明し、将来に対する保障を與ない限り、このような問題が頻発することは必至である。従つて私は、こういうあいまいな、当然消滅したのだというよう形でこれの解決をつけることには断じて反対するものであります。これが共産党の態度であります。
○議長(幣原喜重郎君) 吉武惠市君。
    〔吉武惠市君登壇〕
○吉武惠市君 ただいま労働委員長から御報告のありました專売裁定に関する件につきまして、私は自由党を代表して賛成をいたすものでございます。
 御承知のように、專売裁定は、一月の七日、政府はその当時公社の予算上、資金上その支出が不可能でございましたので、法の命ずるままに、十日以内にこれを国会に提出して来たのであります。私どもは、労働委員会において、数回にわたつてこの問題を討議したのであります。当時といたしましては、流用すればできますが、予算を流用しない限りは、とうてい余裕を生じていなかつた。流用するということは、公社の建前上、とうてい許されなかつたのであります。
 そこで私どもは、委員会において、去る二月の二十何日でありましたか、一応質疑を打切つたのであります。しかしながら、私どもは、何とかして專売公社の議員の給與の改善をはかりたいという念願からいたしまして、この決定を今日まで延ばして来たのであります。もし私ども自由党が労働者の給與の問題について理解がないといたしますならば、多数を持つておるわが党といたしましては、これをただちに不承認にすることは、いと容易であつたのであります。しかしながら、私どもが今日までこの決定を保留いたしましたゆえんのものは、何とかして少しでも結興の改善をはかりたいという念願にほかならないのであります。(拍手)
 昨年の暮れの国鉄裁定の際におきましても、私は自由党を代表いたしまして、労働委員会の裁定の尊重せらるべき旨の決議案を提出いたしまして、各位多数の御賛同を得たところであります。従いまして、われわれは、今回の專売公社の裁定につきましても、審議の当時におきましては政府にしばしばお尋ねいたしましたけれども、公社総裁の言によりましても、当時の公社の予算上、資金上は、その余裕を生じていなかつた。しかし先ほど申しましたように、わが党の精神はでき得る限り今日の専売公社の従業員の生活の実状にかんがみまして、幾分でも支出をしてあげたいという念願から、政府にも、その間しばしば折衝いたしまして、遂に去る三月の二十三日、政府より官房長官増田甲子七氏及び公社の総裁が出席されまして、年度末に差迫つて計算をいたしました結果、ようやく裁定の示す一億三千万円の支出が可能になつたということでございまして、私どもも哀心より喜びにたえないところであります。(「さる芝居じやないか」と呼び、その他発言する者あり)
 今回の專売裁定につきまして、政府が本国会にこの議案を提出いたしましたのは、ただいま労働委員長より御報告がありましたごとく、公労法第十六條によりまして、公社の予算上、賃金上その支出が不可能でありまするがゆえに国会に提出されたのであります。しかるに、いよいよ最近になりまして、この支出が可能となりましたならば、もはや十六條に該当しなくなるのであります。そういたしますれば、この十六條に基いて提出されましたこの議案というものは、その審議の対象を失つたことでございまするから、自然消滅に相なるのであります。従いまして委員長の報告のごとく、これ以上これを審議するの必要を認めないと決定されましたことにつきましては、われわれ賛成をいたすものであります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 石野久男君。
    〔石野久男君登壇〕
○石野久男君 私は、労働者農民党を代表いたしまして、ただいま報告がありました件について反対するものでございます。
 自由党及び吉田内閣は、今度の裁定問題については、国鉄と同じように拂えないということを言つておつた。しかしあやまちを改めて、今回一億二千八百万円のものを出すということになつたことは喜ばしいことであります。けれども、今委員長の報告した中には、本質的な反動性を隠蔽しようとする自由党の陰謀があるのであつて、われわれは、これに対して徹底的に反対するのでございます。
    〔議長退席、副議長着席〕
 少なくとも今回の問題について、私たちは、二月七日におけるこの問題に対する本院の議決を思い返さなくちやならない。当時自由党の諸君は、この十六條二項によつて討議されたところの本件を、多数をもつて、われわれの反対を押し切つて、本院においてこれを採択したのでございます。ところが、今日の委員長の報告によりますと、自然消滅したということを言つておる。しかし、そのことは、すでに秋山総裁が、この裁定が出て間もなきときに、全額支給の可能性を声明しておつたのでございます。今ここで、それが自然消滅するのだということは、実に片腹の痛い、笑止千万なことであるとわれわれは思うのでございます。この秋山総裁の全額支給可能ということを、あえて公労法十六條の第一項及び第二項をもつて国会に付議したところの吉田内閣は、あくまでも労働者を弾圧しようとする、どんなことがあつても、労働者には、より以上のものはやらないのだというう本質があつたのであります。しかるに、これが今ここで消滅したということは、われわれにとつてうれしい。けれども、そのことによつて吉田内閣が労働者の味方であると思わせるようなそういう陰謀を、われわれは徹底的に反駁しなければならない、こういうふうに思つておるものでございます。
 またこの問題は、第二には国鉄裁定との関係において考えなければならぬ問題である。專売公社に対してはこれを認めた。けれども、国鉄裁定に対してはこれを認めないということの中に、何が隠されておるか。これは明らかに労働戦線を分裂させようとするところの反動的な陰謀がこの中に含まれておるということであります。われわれは、このような意味において、この裁定の取扱い方について反対するのでございます。
 とにかく、一月七日に国会に付議されまして、二月七日に、これを院議で採択いたしました。自由党及び吉田内閣は、今日この問題を、消滅したという言葉でごまかそうとしておる。このとき私たちは、国会法第五十九條の條文を考え合せなくてはならぬのであります。国会法においては、少なくとも案件を修正し、あるいはまた撤回しようとする場合には、その院の承諾を必要とすることになつつておるのであります。それを委員会において消滅したものというような取扱いによつてごまかして行くという扱い方そのことが国会の運営をあやまらしめるのである。これは明らかに多数をもつてするところの自由党の陰謀的な現われであるということを、われわれは、はつきりここで指摘しなければならぬ、こういうふうに思うものでございます。自由党及び吉田内閣の反動性と陋劣な労働戦線分断の作為がこの中に含まれておるというその取扱い方及び国会運営に対するあやまられた多数派の横暴をわれわれは徹底的に粉砕する意味におきまして、本件の取扱い方に対してわれわれは絶対に反対であるということの意思表示をするものでございます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま労働委員長が報告せられましたことに対しまする社会党の意思を表明したいと思うのであります。
 公労法第十六條第一項に該当するということで專売裁定の議決を求めて参りました案件が、この專売裁定の実施によりまして審議の対象がなくなつたという事実が現在発生しておるということにつきましては、これは何人も否定できないことだと思います。その意味において、わが党は、この事実を認めることについては異論を唱えるものではございません。しかしながら、まず私は、この問題になつておりまする專売裁定が公労法によりまして罷業権を奪われた專売公社従業員の待遇改善のために当然これは実施されなければならないという点が第一点。しかも、專売公社の経理上、予算上、資金上この支出が可能なものでありまして、従つて公労法第十六條第一項に該当するものでないということは、これは明々白々なる事実であつたのであります。しかも、先ほど吉武君も申されておりまする通りに、流用、移用の財源といたしまして四十五億に達するものがあるということは、この裁定の中にも明記されており、政府並びに專売公社当局が、委員会において、この点を明確にいたしておるのであります。しかるにもかかわらず、政府が、これを公労法第十六條第一項に該当するものとして提出したということは、これは明らかに公労法の精神を蹂躙したところの不当なる行為といわざるを得ないのであります。
 かかる観点から、わが社会党は、この專売裁定の、公労法第十六條第一項に基く議決を求める案件を国会に提出して参りましたときに、かかる條件をわれわれが看取いたしますがゆえに、この案件の撤回の動議を本会議に提出いたしたのであります。しかるにもかかわらず、政府はこれを取上げなかつた。與党の多数をもつて押し切つたのであります。しかも労働委員会、大蔵委員会、人事委員会の連合審査会その他約一箇月にわたる審議を通じて、本案件に対する審議が実質的に終了した今日、政府は、この公労法の解釈の不当性を知り、しかも政府の不手ぎわをはつきり認めまして、この裁定が公社の総裁限りで支出可能であるからといつて、ここにこれを引込めるという態度に至りましては、われわれは、政府の無定見と、政府の方針の一貫性の欠如を、この際強く指摘しなければならないと思うのであります。(拍手)
 さらにこれは、本来ならば、ただいま労農党の石野君も申されましたように、国会法律五十九條には、委員会の審議にかかつた案件を撤回する場合においてはその院の議決がなければならないという明文がございます。従つて、これに基いて当然の手続をとらなければならないのでありますが、私が前段に申し上げましたように、わが党の撤回の動議を理不盡にも蹂躙したという事実がございまする関係から、一事不再議の原則に基いてこの手続をとり得ないというところに、政府がこの自然消滅という方式を考え出したものだと、われわれはいわざるを得ないのでありまして、この点からも、われわれは、政府が第一次国鉄裁定の場合におきましても、案の内容の重大なる変更を、修正の手続をとらずに、正誤の形もつてごまかそうとしたあの態度と合せまして、政府が国会法を無視しておるという態度に対しまして、この際これを強く指摘して糾弾しなければならぬと思うのであります。
 さらに公労法による裁定は、すでに第二次国鉄裁定を入れますならば、三回国会の議題に相なりつつあるのでありますが、第一次国鉄裁定につきましては、今申しましたように、重大なる案の変更を、正誤もつて、ほおかむりをいたして参りました。また今回この專売裁定につきましては、いわゆる実質的な撤回を政府が行わんとして来ておるのであります。私は、これらの過程を見ますときに、政府が公労法の精神を体得いたしまして、これが実施のために予算的設置を講ずるということについて何ら積極的努力をしておらないという、この政府の態度を糾彈しなければならぬと同時に、第二次国鉄裁定につきましても不承認の議決を求めるがごとき政府の現在の態度につきまして猛省を促さなければならないのであります。われわれは、第二次国鉄裁定につきましては、すみやかに予算的措置を講ずることをこの機会に要求しなければならないのであります。
 以上申し述べました諸点をわれわれは明確にいたしますと同時に、またこの專売裁定が実施されたというこの実質的な効果をわれわれは認めなければならないという観点から、前段に申しました通り、この案件の審議の対象がなくなつたという事実はわれわれ認めまするけれども、約一箇月にわたりまする本案件の審議の過程においてわれわれが、これは予算上、資金上可能なものであるということを、具体的な数字をあげて主張いたして参りましたにもかかわらず、政府はこれに耳を傾けず、公労法の精神を蹂躙した態度に対しましては、この案件とは別個の立場において、政府のその無定見と政治的な責任を追究するという態度を保留いたしまして、この事実に対しましては、わが党は承認するという態度を明らかにするものでございます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 石田一松君。
    〔石田一松君登壇〕
○石田一松君 私は、国民協同党、新政治協議会を代表いたしまして、ただいま労働委員長の報告になりました、專売裁定が自然消滅したということにつきまして、強い希望と條件を付して賛成をいたしましたけれども、この点について、一応ただいまの田中議員のお説と同じような、政府の本案件に対する取扱いについて種々疑問があり、種々手落ちがあるということを指摘したいと思うものであります。
 このいわゆる專売裁定が国会に提出された当初から專売裁定を下しました仲裁委員会はもちろんのこと、公社当局並びに專売全従業員諸君が、ことごとく、この裁定は公労法第十六條第一項にいうところの予算上、資金上不可能な資金の支出を内容とするものでないとしておつたということは明瞭であつたのであります。ただこれを公社の予算上、資金上不可能な支出を内容とするものであるとおつしやつたのは、現吉田内閣の池田大蔵大臣で、自由裁量によつて他の科目からの流用、移用を認めないから、これに予算上、貸金上不可能なんである、私が認めないから不可能なんだと、こういう暴言をはいて、この不可能を立証されようとしたのであります。
 しかも、今回これが予算上、資金上支出が可能となつたと言う。可能となつたならば、政府は提出者として、本国会からこれを撤回する手続をとるべきであります。増田官房長官も、運営委員会において、また私たち野党の連合が――川崎君、社会党の前田君私、などが官房長官にお会いしたときも、撤回の手続をとると官房長官はおつしやつております。運営委員会でも、今撤回の手続をとりつつあると明らかに言明をなさいました。にもかかわらず、先般この本会議で、自由党の諸君が本案の撤回に対して反対をされた事実がありましたので、一事不再議の原則に一応疑問を生じて、自然消滅という手をおとりになつた。
 しかし、私はここに申し上げます。あの当時自由党の諸君が撤回に反対をされたのは、裁定の提出された姿そのままでありまして、過日の委員会において本案は委員会の審議の対象としては消滅したという議決をしました以上、この議決されて消滅したと決定した案件を、政府は撤回の手続をとるのが私は当然であると思います。この手続をとつた場合には、前の自由党諸君が本案に対して撤回に不賛成をされたものと、一事不再議の原則で絶対に抵触しないと思います。
 政府は、あくまでも仲裁委員会の裁定を国会に提出するときに、議決を求めるの件といつて提出をしております。公労法十六條のどの点から推しましても、議決を求めるの件といつて政府の責任を回避することを許すことは、條文に何ら認められないのであります。にもかかわらず、政府は、この承認を求ようとしておるのか不承認を求めようとしておるのか全然不明朗な態度で、承認、不承認は国会の議決によるものだという、まことに卑怯なる態度をとつているということであります。(拍手)私は、政府が国会に提出する法案、議案、案件について、政府の意思がはつきりしない案件というものを国会は受付けるべきでないと信じております。にもかかわらず、政府は、あくまでもこの観点に立つて、公労法十六條の第一項、第二項、第三十五条を不当にも蹂躙しつつあります。先ほど、さる芝居というやじが出ましたけれども、小さな技巧を凝らしたさる知惠で、まず最初の国鉄裁定をあんなぐあいに提出したために、今日のような、実に支離滅裂な結末終ろうとしておるのであります。これがこのまま続くならば、裁定問題については、ますます国会そのものが不名誉を負わなければならぬ事実が到来することと思います。(拍手)
 私は、こうした観点に立ちまして、政府は悔を改むるにはばかることなかれ、ただちに今提出しておる第二次国鉄総定も承認を求めるの件とし、しかも予算的措置を講じて国会に提出されるよう、まず訂正をされんことを特に要望し、ただいま委員長が報告いたしました、消滅をした事実そのものに対し今後こうした不明朗なことのないようにという強い希望條件を付しまして、賛成の意思を表するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(議決第二号)は消滅したものとして審議を要しないものとするに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつてその通り決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第一、昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第1号)を議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員長植原悦二郎君。
    〔植原悦二郎君登壇〕
○植原悦二郎君 ただいま議題となりました昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第1号)に関して、その内容及び委員会における審議の経過並びに結果について報告いたします。
 本補正予算は、ただいま本院において審議中の法案により新たに設立されます連合国軍人等住宅公社の予算に関する、きわめて簡單なものでありますが、見方によつていろいろな批評もあります。その内容は、連合国軍人等住宅二千戸を新たに建設するため五十二億五千六百万円を支出するというのであります。そして、その金額は全部見返り資金からの借入による。従つて、一定の家賃を収得する。家賃の見積もり総額は三億一千九百余万円にして、これは全額見返り資金への返済に充てることになつておるのであります。また住宅の維持修繕費は終戰処理費より支出することとし、公社の事務費は特別調達庁の予算より支出する仕組みであるゆえに、公社の事務はすべて特別調達庁がつかさどるのであります。
 本補正予算は、去る三月十五日、本委員会に付託され、政府の提案理由の説明があつた後、連日にわたつて質疑を行いました。その詳細は会議録でごらんを願うこととし、これには最も重要だと思われる要項だけ報告いたします。
 質疑の要点は、第一に、従来連合国軍人の住宅等は終戰処理費で建設していたのに、なぜ今回は見返り資金で行うのか、終戰処理費で行う場合と見返り貸金で行う場合との利害得失いかんとの質疑でありました。これに対して政府の答弁は、現在これを終戰処理費でまかなうとなると新たな財源が必要となり、一般国民の負担に帰するので、この場合見返り資金による建設の方が比較的得策であるとのことでありました。
 次に、見返り資金はわが国の経済再建に使うのがその建前になつているのに、これを進駐軍の住宅建設に使用するのはすこぶる変則ではないか、しかも経済再建のために充つべき、より適切緊要と思われる使途はたくさんある、たとえば昨今の貿易不振を打開するために、東南アジア等に対する長期の貿易金融等にこれを使用すべきではないかとの意見でありました。これに対して政府の答弁は、見返り資金の運用は必ずしもそうきゆうくつに考うべきではない、できる限りゆるやかにして有効適切になすべきである、従つて、見返り資金を進駐軍住宅建設資金にまわすのは妥当でないとは思わない、また見返り資金を長期貿易金融にまわすことについては従来考慮しなかつたが、今後大いに研究してみたいということでありました。
 さらに見返り資金の性質について質疑がありました。一体見返り資金は日本自身のものであるか、または米国のさしずによらなければ使用できない性質のものであるかというのでありました。これに対する政府の答弁は、見返り資金はもちろん日本自身のものではあるが、元来対日援助物資等によつて生じたのであるから、その運用については十分関係方面と協議する必要があるわけであるというのでありました。
 次に、特別調達庁の職員が公社の職員を兼ねると、公社の事務費、住宅の維持修繕費等が一般会計の負担となつていること等ははなはだ変則的である、なぜこのような公社を新設する必要があるのか、またこの住宅の所有者はだれなのかとの質疑がありました。これに対する政府の答弁は、事務費、維持費等は住宅管理の便宜上一般会計で負担することにしたので、多少変則的ではあるがかえつてこれは便利で、何ら支障はない、また公社を設立したのは家質をとるためであり、さらに見返り資金を直接民間業者に融通して住宅を建設させる場合よりも融通が円滑に行われる可能性が多いのである、そうしてこの住宅の所有者は公社であるが、最後には国家の所有に帰するべきものであるとの意味でありました。
 去る二十五日質疑を打切り、二十七日討論採決に入り、自由党、民主党、農民協同党及び国民協同党のそれぞれの代表者より賛成の討論がありまして、社会党、共産党の代表よりそれぞれ反対の討輪がありました。これらは速記録によつてごらんを願うこととし、ここに省略いたします。
 続いて採決の結果、多数を持つて政府原案通り可決いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。西村榮一君。
    〔西村榮一君登壇〕
○西村榮一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、遺憾ながら本補正予算に対しまして反対いたすものであります。その理由といたしますところは、まず第一に、わが国の経済並びに社会生活の現状がこれを許さぬということであります。第二点においては、見返り資金運営の法律に抵触する疑義が生じて来ておるのであります。
 申すまでもなく、これは連合国軍人の住宅二千戸の建設に要する五十二億円の支出を見返り貸金からなすべしということでありまするが、連合国軍人の住宅をわが国に建設するということは、連合国の軍事費として支出すべき性質のものでありまして、わが国の国家財政がこれを負担すべきものではないと確信いたしておるのであります。(拍手)同時に、かりにこれを百歩譲りましてわが国の財政が負担いたすといたしますならば、それは当然終戰処理費から支出すべきでありまして、見返り資金から支出すべき性質のものではありません。もしも、これを支出いたしましるならば、将来わが国の国家財政の見地から一定の均衡をとつた支出をいたしましても、他の形をかえた支出を、これを前例といたしまして続々といたしますならば、占領軍費の重圧がわが国家財政に加わる危險は、まことに大なるものがあるといわざるを得ません。(拍手)現在の終戰処理費にいたしましても、わが国の国民経済並びに社会生活は、負担の最高限度に到達いたしておることを考えてみまするならば、終戰処理費の将来については大なる検討を要する現在におきまして、この形をかえた国家負担というものは、よほど検討をなさなければ、軽々に賛意を表することができないということは、満場の諸君も同感されることと存ずるのであります。
 これを見返り資金から支出するという本案に対しまして、もしも賛成をいたすといたしまするならば対日援助見返資金特別会計法第四條には、いかなることが明記されているかということを思い出していただきたい。昨年の四月、対日援助見返資金特別会計法という嚴格なるわくをきめまして、この法律をアメリカの占領軍当局の指導のもとに制定せられましたるゆえんのものは、わが国の動揺を続ける通貨の安定、日本経済の再建、輸出の振興のために、これを使用すべきであるいうこと、この嚴格なるわくをはめられた対日援助見返資金特別会計法が昨年四月制定せられたのであります。しかして、連合国の軍人の住宅費が、わが国の通貨の安定、経済の再建、輸出振興にいかなる関連を有するか。これを今回法律を改正いたしまして、かりにそのことの支出が可能に相なつたといたしましても、時の権力者の都合によつて法律をときどき、かえられるというような朝令暮改の前例をつくりますならば、それは民主主義の基礎であるところの遵法精神をわが日本の国民から減殺して、民主主義の基礎を破壞し去るものといわざるを得ない。
 私は、これらの見地より考えてみまするならば、まず第一に、わが国の経済の現状あるいは社会生活の現状より、かりに連合国の軍人の住宅がどうしても必要であるといたしまするならば、ここに従来通り高級住宅を接收いたしましてその用途に充てるとともに、五十二億円のこの費用が許されまするならば、それは貿易の振興あるいは庶民住宅の建設等、経済社会に役立つ方面に使うことが、現下窮迫せるわが国家財政の使い道として当然であると考えるのであります。(拍手)これらの点から考えまして、私は、遺憾ながら本法案については、日本社会党を代表いたしまして反対いたすものであります。
○副議長(岩本信行君) 尾崎末吉君。
    〔尾崎末吉君登壇〕
○尾崎末吉君 私は、ただいま上程になりました昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第1号)に対し、自由党を代表いたしまして賛成の意を表するものであります。
 本予算の提案理由につきましては、先ほど委員長が報告をされた通りであります。従来かかる経費は終戰処理費によつてまかなわれたのでありますが、今回の予算におきましては、見返り資金の予備費から五十二億五千六百万円を貸し付けるという形をとつておることがその特色と見られるのであります。
 本予算に賛成を表するゆえんのものは、第一には、現在わが国は連合国占領軍の管理下にあるという嚴然たる事実であります。去る昭和二十年九月二日、ミズーリ号艦上において調印の上ポツダム宣言の條項を誠実に履行することを誓つたわが国は、同日発せられた総司令部指令第一号に引続き、翌三日、指令第二号を受けたのでありますが、その第二号の第四部におきまして、日本政府は連合国占領軍のための住居及び関連施設の建設に従うべきことと相なつておるのであります。これに基きまして、今回、去る一月二十七日、連合軍最高司令官の覚書がわが政府に発せられました。それは連合国軍人の住宅緩和のために二千戸を建設するという措置でありまして、わが国としては当然の義務なのであります。もしこれに反対する者がありといたしますならば、それはポツダム宣言及び降伏條項の履行に反対し、占領軍に対する協力を拒否せんとするものであると思うのであります。
 第二といたしましては、本案が実施せられることによりまして経済的効果によき影響を與えることとなる点を指摘し得られると思うのであります。前にも申し述べましたように、連合国軍入り宿舎建設はわが国民の義務となつておるので、国民の租税負担によつて終戰処理費をもつてまかなわれるのが当然でありますが、これでは、昭和二十五年度一般会計予算を改定して、増税その他により新たに五十二億五千六百万円の財源を確保する必要が生じますので、国民負担をさらに増大するような措置は避けて、租税軽減の実をあげるために、見返り資金の予備費から貸付がなされるので、直接に国民の負担とならないのであります。野党一部の者の主張する、この住宅建築費を従来の通り終戰処理費で支出せよということは、それは国民への増税を主張し、国民負担の増加を求めるものというべきであります。(拍手)
 また予備費から貸し出されることになつておる他の一面の事情は、従来この資金の放出は、とかく遅れがちであつたので、これを避けるために、かかる措置がとられたと思うのであります。しかも、五十二億余万円が本年七月末までの建設完了費でありますから、これは通貨対策といたしましても好適であるのみならず、積極的な有効需要の喚起にも役立つであろうと思われるのであります。また従来終戰処理費によりまして建設せられた建物に居住する軍人関係者からは家賃がとれなかつたのでありますが、今回の新しい公社設立によりまして、一戸当り七十四ドルの家賃がとれることと相なつておるのであります。すなわち、わが国のドル資金は、月に十四万八千ドル、一箇年百七十七万六千ドル増加することと相なり、また償還される元利の資金は当然産業投資として機能するものと予想せられるのであります。(拍手)すなわち、われわれといたしましては、今回の措置は、日本政府及び最高司令部が、わが国の経済の現状よりいたしまして、国民負担の軽減や経済効果を勘案しての好意ある措置であると思うのであります。
 かくのごとくであるにもかかわらず、これに反対のごとき議論をいたす者があるのは、いたずらにためにするものであると信ぜざるを得ないのであります。(拍手)すなわち野党の中には、見返り貸金で連合国軍人の住宅を建にるのは、ひもがつけられるので、講和條約後においても、軍事基地化するために、長期間にわたつて兵を駐屯させる措置であるとか、あるいは十二年間の償還計画もその証左であるとか、また、かかる方法によつて、かかる使途に充てられる今回の措置は、今後わが国に軍事基地を設置するためであり、かかる方面に今後どしどし資金が使われる先例を開くものであるとか、また本予算総則に右資金に不足が出じた場合には追加し得るという規定定が設けられてあるのは、その事実が裏づけられておるものではないか等の事論を、しきりにいたしておるのであります。しかしながら、かかる設置をとつたということは、十二年間は必ず連合軍がわが国にとどまるということにはならないのであつて、経理の計数、上十二年間の償還計画が立てられたにすぎないもので、進駐軍の引揚げが行われた際には他に転用の方法もあり、随時そのときの情勢に応じて処理されるものであります。また、この建物は公社所有であり、現在の公団等の政府関係の機関は国有財産法の適用は受けないのでありますが、国有財産あるいは国有財産に準ずる取扱いを受けていると同様な性質を持つておるのでありますから、見返り資金から貸し出されたということは別個に取扱われますので、ひもつきというようには解釈されないものであります。
 以上が本案に対する賛成の大なる論拠でありますが、この機会におきまして、われわれが政府に対し今後要望する事柄と、共産党並びに野党の一部の人々に対する警告とを申し上げておきたいと思うのであります。
 それは、見返り資金の性質上、わが国産業の復興再建に直接効果あらしめるために積極的な格別の努力を希望いたしたいということであります。本案に対する取扱いにおきましては、前に申し上げましたように、経済効果の上によき、結果もたらしていることは別といたしまして、本資金はどこまでもわが国経済の再建復興に寄與する面に直接投下して行くのが本筋であろうと思うのでありますから、このことを深く御考慮願いたいというのであります。
 予算委員会において、これらのことに関しましても、あらゆる角度から検討いたしたのでありますが、政府は、次のことを明らかにせられたのであります。すなわち、米国の対日援助資金が債務であるか贈與であるか講和会議によつて決定せられると思うが、わが国の心構えとしては債務と思つておらねばならぬ、しかし見返り資金は、援助資金で購入して輸入せられた物資をわが国民が買い、その金が積み立てられたのであるから、当然政府の資金である、但し援助貸金がないとすれば見返り資金もないのであるから、その関係において、その使途については政府が最高司令部と協議の上に決定するのであるというのでありまして、われわれも、かような解釈をいたしておるのであります。われわれは、本年度予算において決定せられた公企業あるいは私企業投資において、前年度に比して大幅に増額され、また今回予備費の中から、国民負担の軽減と経済効果をあわせ考慮せられて今回の措置に出られたことを承知いたすものでありますが、当面しておるわが国の自立経済を達成するために、この資金の円滑にして納得の行く運用の妙を一層発揮することがきわめて必要であると信ずるものでありますから、政府が言明せられた御趣旨をさらに徹底いたされて、今後の一層積極的な御努力を希望いたすものでありす。
 それから私は、この予算審議にあたつてなされた日本共産党及び社会党の人々の歪曲せられた言論について一言いたしたいのであります。さる一月、日本共産党の野坂參三君がコミンフオルムのはげしい批判を受けて、党員一同が縮み上り、国民に愛される……(発言する者多し)国民に愛される共産党という多年の仮面をはぎ捨てざるを得なくなり、名は日本共産党というが、事実はソ同盟に――的であり、(〔取消せ〕と叫び、その他発言する者あり)コミンフオルムへ、ただこれ恭順を表するところの、コミンフオルムの日本――――であり、その前衛隊であるかのような姿を現わした諸君が、爾来占領政策をもつて奴隷化政策あると印象づけることに努力を傾注し、また占領政策に対するわが政府及び国民の誠実を指さし売国奴と唱え、国民独占資本のために民族の独立を放棄して奴隷になることだとの言葉を製造して、これを流行せしめることに狂奔して来ておるようであります。しかるに、最近参議院の海外同胞引揚対策特別委員会においても、徳田君がわが同胞のソ連抑留者引揚げを根本的に――したことが発表せられたのでありますが……。
    〔「それは問題外だ」と呼び、その他発言する者多し〕
○副議長(岩本信行君) 静粛に願います。
○尾崎末吉君(続) さらに過般来の昭和二十五年度一般会計予算の審議にあたつては、当然わが国の所属に帰すべきものと思われる北千島その他の領域が、あたかもソ同盟に属すべきものであるかのような、いわゆるわが国の再建をはかるにあらずして、わが国のものを、ことさらに他国に分割せねばならぬような口吻を弄したり、(拍手)また共産党は、ともに生産するにあらずして、生産はしなくても、非常手段によつてでも、わけ前はとるというがごとき言動をみだりに弄して、共産党にあらず共分党のような印象を深く與えていることを、心から遺憾に思うのであります。今回のこの昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第一号)審議にあたつても、前に述べたような論議をとつたのであります。われわれが……(「時間だ」と呼ぶ者あり)連合国最高司令官に……。
○副議長(岩本信行君) 尾崎君に申し上げます。申合せの時間が参りましたから、結論をお急ぎ願います。
○尾崎末吉君(続) 結論に入ります。われわれが連合軍最高司令官に誠実を示すのは、ポツダム宣言に基き連合軍に誠実を示すのであります。連合軍最高司令官は、連合軍の代表であることはもちろんであります。時によつて連合軍多数の意向に同調しない場合のソ同盟一国に対して誠実を示すものとは、おのずから迷うのであります。民主政治は多数の意思の政治であることは、日本共産党を除くほかは、ことごとくこれを認めておるはずであります。しからば、通合軍司令官の命令または指示に誠実なのは連合国へ誠実であることは明らかでありまして、米国偏重ではないことを断言いたすのであります。たとい連合国中の一国または二国が日本占領に関する個々の問題について……、
○副議長(岩本信行君) 尾崎君、結論を願います。
○尾崎末吉君(続) 異議があつた場合といえども、連合軍多数の意見によつて結論づけられたその事柄が最高司令官によつて命令または指示せられますならば、それは連合国全体としてであることは当然であり、これにわれわれが従うことは当然であります。コミンフオルム一個の意見にのみ従つて行こうとする日本共産党の態度とは明らかに区別されるベきものであります。この基本的の観念と態度とは、ここにあらためて深く認識いたすべきであると断言いたすのであります。しかるに社会党が……。
○副議長(岩本信行君) 尾崎君――尾崎君、発言中止。
○尾崎末吉君 終ります。
○副議長(岩本信行君) 一言申し上げますが、どなたの発言中におきましても、不穏等な言辞がありますれば、速記録を取調べた上、適当の処置をとることといたします。
 米原昶君。
    〔米原昶君登壇〕
○米原昶君 私は、日本共産党を代表しまして、この補正予算案に対して反対の意見を述べるものであります。
 自由党は、この予算案に反対する者は占領軍の指令にそむき、ポツグム宣言に違反するものであると断ぜられ、またこの予算案にも関係なき、問題ならざる問題を、この壇上で繰返されたのでありますが、その態度たるや、まことにみずからの卑屈なる根性を暴露したものといわざるを得ないと思うのであります。(拍手)この予算案の成立した趣旨につきましても、委員会におきまして、大蔵大臣が、この点を明らかにしておるのであります。この予算案は、あくまでも政府の全責任において国会に提出したものであり、その指令についても、政府がみずから協議に参加し、これに賛成した後に発せられたものであるとまで言つておるのであります。しからば、この予算案に反対することが許されないというがごとき、まつたく国会の審議権を無視し、国会の存在そのものを無視するものといわざるを得ないではありませんか、(拍手)
 かくのごとき自由党の発言は、まことにみずからの卑屈なる根性を暴露したものでありますが、同時にわれわれは、この自由党の発言が一つのてれ隠しであることを感ずるのであります。なぜならば、ただいまの発言にもありましたが、委員会における自由党の討論におきましては、この予算案に自由党は賛成しておられるが、これに対して数個のきわめて強烈なる希望條件をつけられておるのであります。諸君が委員会の会議録を冷静に客観的に検討されるならば、この自由党の希望意見なるものが、事実上においてはこの予算案に反対するものとなるのであります。この事実を私は明らかにしたいのであります。なぜか、自由党のこの希望條件の中には、たとえば見反り資金の運用について、日本政府が明確なる発議権、イニシアチブを強く主張しておるのであります。しかるに、今回の予算案において、この占領軍の住宅に見返り資金を出すことについて日本政府が発議権を持つておらなかつたことは明瞭なる事実であります。かるがゆえに、この予算案の審議にあたつて、見返り資金の発議権を日本政府が持つべきであると強硬に主張するこの希望條件なるものは、実質的にはこの予算案に反対しておるといつても決してあやまちではないのであります。(拍手)
 先ほど委員長からも発言がありましたが、この見返り資金の性格について、この委員会の審議で非常に明確となつて来たのであります。この返り資金の運用が今までまつたく自主性を失つていたことについては、われわれはしばしば指摘して来たのでありますが、予算委員会においても、今度の予算は日本の利益のためのものであるか、アメリカの利益のためのものであるか、こういう質問が自由党側の委員から出ておるのであります(拍手)かくのごとき質疑の結果、見返り資金の根本性格がすこぶる明瞭となつて来たのである。すなわち、先ほども委員長から発言がありました通り、援助資金は、阿波丸協定の了解事項に基いて、これは日本の借金である、有効なる債務である、その額はおよそ十七億ドル、円に換算すれば六千億円を超えるものがわが国の借金となつておるということを、政府当局もはつきり認めておるのである。
 しかしながら、この援助資金の見返りであるところの見返り資金、これは日本の国民が援助物資を買つたところの代金と、われわれが納めた税金の積み立てられたものであつて、これはあくまでも日本人のものである。従つてこの事実から出て来る結論は、この見返り資金の運用は当然日本政府のものでなくてはなちぬ、日本政府の発議権に基くものでなくてはならぬというところの自由党の希望條件が出て来るのであります。
 しかるに、現在まで見返り資金の運用がまつたく自主性を失つて来た。このことは、産業資金におきましても、証券対策にしましても、まつたく政府の一存ではどうにもできなかつたことは、諸君の御存じの通りであります。(拍手)今回のこの住宅公社の予算にしましても、五十二億円の厖大な見返り資金が占領軍の宿舎のために投ぜられ、一方では戰災者、引揚者が住宅難にあえいておる。またあらゆる産業方面において資金の枯渇に悩んでおるそのときに、この五十二億円が使われるということは、どこに日本政府の自主性があるかと言いたいのであります。
 先日、読売新聞を見ますと、INSのジヨン・リツチ氏の記事が載つております。ここには「総司令部の日本政府に対する占領軍用住宅二千戸建設指令は、講和條約後も日本に基地を保有しようとするアメリカの計画も最もよく物語る一例あると見られる」、はつきりと、こう書いてあるのでありますまたいはく「これら計画では、十二年間に借家料によつて建設費を償還するということになつておる。計画の意義の軽重は別としても、およそ何年間アメリカが日本に基地を保有する意向であるかについて若干の示唆を與えるものであろう」、こうアメリカの新聞記者が書いておるのであります。この記事は、きわめて重大であります。
 今回の占領軍の宿舎建設によつて、占領軍は講和條約締結後も日本に残るのであるか、今後十二箇間も日本に基地を持つのであるか、この点は日本国民だれしも憂ふるところでありまして、われわれは、予算委員会においても、この点を特に政府にただしたのでありますが政府は、何も確信ある態度をもつてこれに答えなかつたのであります。これこそ吉田内閣のなしくずし講和、事実上の單独講和の意図を示すものでなくて何でありましようか。
 本日の各新聞を見ますと、オーストラリアのスベンダー外務大臣が言つておる「われわれは特に軍国日本が復活しないように切望する」、またいわく「特に日本側において双務保障のない一方的基礎に立つ事実上の講和は、満足すべきものと見なすわけには行かない、」こうオーストラリアの外務大臣が言つております。すなわち、今や国際的な輿論は、日本の再武装、軍事基地化に反対するとともに、いわゆる事実上の講和に対しても強く反対の意向を表明しているのであります。われわれは、すみやかなる全面講和を望むとともに、講和後はポツダム宣言に基いて占領軍の撤退されることを望むものであります。このことに全日本国民の希望であり、世界の平和と自由と日本民族の独立を祈念する全日本の愛国者の名において、日本を軍事基地化するおそれがあり、事実上の單独講和を裏づけするがごとき本予算案に対して、われわれは絶対反対するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論ほ終局いたしました。
 採決いたします。本件の委員長の報告は可決であります。本件を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本件は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第二、千八百九十年七月五日ブラツセルで署名された関税表刊行のための国際連合の設立に関する條約、関税表刊行のための国際事務局を設立する條約の実施規則及び署名調書を修正する裁定書を承認することについて承認を求めるの件及び日程第三、海外移住組合法の廃止に関する法律案、右両件は同一の委員に付託された案件でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長岡崎勝男君。
    〔岡崎勝男君登壇〕
○岡崎勝男君 ただいま議題と相なりました條約案及び法案につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。まず條約案より報告いたします。本委員会、本件につき、三月十七日、二十二日及び二十四日の三回にわたり委員会を開き、審議をいたしたのであります。政府側の説明によりますれば、関税表刊行のための国際連合の設立に関する条約、関税表刊行のための国際事務局を設立する條約の実態及び署名調書は、国際貿易促進のため、各国の関税表を共同の費用で迅速かつ正確に刊行配付することを目的として、明治二十三年ブラツセルで署名され、わが国は、翌明治二十四年これに加入して以来、連合の一員として、この事業に盡力を続けて参つたのであります。しかるに、二回に及ぶ世界大戰の結果、條約の締結当時に比して貨幣価値の変動も著しく、かつ各国の関税制度もきわめて複雑化したたり、従来の事務局の予算ではその事業を完全に遂行することができなくなつたのであります。このため、昨年十二月、ベルギー国政府の発議により、ブラツセルにおいて條約修正のための締約国会議が開かれ、前連條約、條約実施規則及び署名調書修正議定書が採択されたのであります。
 議定書の内容のおもなる点は、一、事務局の経費の年次予算を十二万五千フランから五十万フランに引上げ、これに応じて各国の分担金額を引上げること、二、締結国の分担額はこれを公平に決定するため、一九三八年の各国の貿易額を基準として七等級にわけられ、わが国は二等国として年額一万九百五十金フラン、すなわち邦買百三十円一万四千円を分担することであります。
 わが国は、ベルギー国政府の招請を受領し、連合国総司令部の承認を得てこの会議へ代表を派遣いたし、署名を了したのでありまするが、憲法上議会の承認を必要とする国は、さらに所定の手続を経て政府の承認書を送付し、加盟の意思を確定することになつておりしますので、ここに国会の承認を求めて来た次第であります。現状において、わが国が一つでも多くの国際団体に復帰できることは、きわめて意義深いことでありまするが、特に本議定番へ加盟することにより各国の関税表を定期的に入手する道を開くことは、わが国の貿易促進に非常に役に立つというのであります。以上は政府側の説明でありました。
 次いで、本識定書がわが国関税政策等にも関連しておる関係上、特に池田大蔵大臣の出席をも求め、質疑応答及び討論が行われましたが、その詳細については速記録に譲ることといたします。
 かくて採決の結果、多数をもつて本件は承認を與えるべきものと議決いたした次第であります。つきましては、本院において本議定書に承認を與えられんことを希望いたします。
 次に海外移住組合法の廃止に関する法律案につき報告いたします。
 本委員会は、本案につき、三月十七日及び三月二十四日委員会を開き、審議をいたしました。政府側の説明によりますれば、海外移住組合法は、日本人の海外移住を助成することを目的として昭和二年制定されたものでありまして、これにより各府県ごとに移住組合が設立され、組合員に対して海外移往に必要な資金、土地、物件等を貸付または譲渡する等の事業を行つて参りました。しかるに、目下全国の海外移住組合は、そのほとんどすべてが活動を停止しており、かつ現在は、かかる組織を必要としない実状でありますので、この際同法を廃止したいというのであります。
 本法案のおもなる内容は、海外移住組合法の廃止と、海外移住組合の清算、罰則等を処理するための規定であります。
 本法案は、質疑終了の後、討論を省略して、ただちに採決に入り、全会一致をもつて可決せられました。
 右報告いしします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) まず日程第二につき、採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
 次に日程第三につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第四、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、日程第五、少年院法の一部を改正する法律案、日程第六、少年法の一部を改正する法律案、右三案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員会理事田嶋好文君。
    〔田嶋好文君登壇〕
○田嶋好文君 ただいま議題となりました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、少年院法の一部を改正する法律案及び少年法の一部を改正する法律案について、それぞれその要旨及び委員会における審議の経過並びに結果につき御報告申し上げます。
 まず下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法術案について申し上げます。
 この法律は、高等裁利所以下の下級裁判所の設立及び管轄区域につき規定したものでありますが、今回その一部の裁判所の管轄区域または名称を変更しようとするものであります。その改正の第一点は、土地の状況及び交通の便否等にかんがみ、簡易裁判所の管轄区域を変更しようとするものであります。第二点は、市町村その他の行政区画の変更に伴い、この法律の別表を訂正するものであります。第三点は、簡易裁判所の所在地の名称変更に伴う裁判所の名称を変更しようとするものであります。
 このように、まつたく裁判所内部の事務であつて、地理的事情によつて管轄を変更しようというものでありますから、委員会においては、質疑もなく、討論も省略して、三月二十五日採決の結果、全会一致をもつて政府原案の通り可決した次第であります。
 次に少年院法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、少年院法施行後の一年間の経験にかんがみ、これを合理化し実際化するために若干の改正を加えようとするものであります。改正の第一は、少年観護所と少年鑑別所とを一つにしたことであります。これは実地後の経験によると、少年観護所と少年鑑別所とを一つの機関として統合することが実際上適当であるのみならず、わが国の官庁機構上も合理的であると考えるに至つたからであります。改正の第二は、特別少年院に収容し得る少年の年齢を十八歳から十六歳に改めたことであります。これも実際上の経験から、十六歳から收容してもよいと確信できるようになつたからであります。改正の第三は、収容少年を他の少年院に移送する場合の手続を改めようとすることであります。すなわち、移送には矯正保護管区長の認可を得るだけでよく、あとで家庭裁判所及び地方少年保護委員会等にその旨を通知すれば足りるということに改めようというのであります。
 委員会においては、監獄法にある規定をこの少年院法に移した規定の中には親切を欠いた規定もあり、民法の所有権の規定で確立した事項まで規定しているのはどうかという質疑がありました。これに対して政府から、従来特別事故もなかつたので監獄法の規定通りに規定していたが、今後解釈には十分に注意するとの答弁がありました。
 かくして、三月二十五日討論に入り、採決の結果、全会一致をもつて政府原案の通り可決されました。
 最後に少年法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、少年法施行一年の経験にかんがみ、これを合理化し実際化して若干の改正を加えようとするものであります。改正の第一は、家庭裁判所にて適法に審判をなし得ない年齢の者が、あやまつて送致されたり、さらに保護処分の決定を受けたりした場合の是正手続を新しく設けようとすることであります。これは、少年が年齢を偽り、家庭裁判所に少年として送致され、さらに審判まで受ける事例が相当多いので、これを解決するための新規定を設けるわけであります。改正の第二は、新たに保護処分の決定を執行するとき、少年の保護上必要であると認めるときは、その少年に対し呼出状を発せずに、ただちに同行状を発し得る規定を設けようとすることであります。改正の第三は、少年を少年院に收容のため同行状を執行する場合必要があるときは、かりに、もよりの少年保護鑑別所に収容できるようにしようとするのであります。
 委員会においては、第一に、少年の保護処分の継続中、審判権のなかつたことが判明した場合は、家庭裁判所は誤判したものであつて、基本的人権は侵害されるから、国家賠償法の適用がないかという質疑がありました。これに対し政府から、誤判は本人の虚偽の陳述から起つたものであつて、審判は不当であるが、違法にはならぬ、かつ裁判官に故意、過失がないから国家賠償法の適用はないと思うという答弁がありました。第二に、少年は真実の年齢を告げねばならぬ法律上の義務ありやという質疑がありました。これに対し政府から、刑事訴訟法と少年法とは異なるので、少年の取扱い上真実の年齢を告げさせることが適当と思うとの答弁がありました。
 かくして、三月二十五日討論に入り、採択の結果、全会一致をもつて政府原案の通り可決された次第であります。
 右御報告申し上げました。(拍手)
○副議長(岩本信行君) まず日程第四につき採決いたします。本案は委員長報告の通りに決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第五及び第六の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第七、倉庫業法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会委員尾関義一君。
    〔尾関義一君登壇〕
○尾関義一君 ただいま議題となりました倉庫業法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、去る三月十四日、本委員会に付託されまして、越えて十六日、政府より提案理由の説明を聴取し、これを愼重に審議したのであります。
 本法案の趣旨を簡單に申し上げますと、現行法は、その規定の対象がもつぱら証券発行倉庫業に限られておりましたが、終戰後に至りまして、非発券倉庫業が著しく増加いたしました。これらの中には、火災または盗難に対する予防措置さえ講じていないもの、あるいは設備が不完全なもの等がありますので、非発券倉庫業に対しましても最少限度の行政措置をとり得るようにしようとするのであります。また現行法では、発券倉庫業者が法人格を変更いたしましたときは、その実体が同一でありましても、申請をして許可を受けなければ証券を発行することができないという不便がありますので、かかる場合には認可を受ければ継続して証券を発行し得るよう手続の簡易化をはかる等、今日の事態に対応する措置といたしまして、現行法の一部を改正しようとするものであります。
 その内容のおもなる点をあげますと、まず第一点といたしましては、倉庫営業者の定義を明らかにしたことであります。次に第二点といたしましては、倉庫営業者は営業を開始した日から三十日以内に所定の事項を主務大臣に届け出なければならないことであります。第二点といししましては、主務大臣は倉庫営業者の事業計画及び営業規則等について一定の基準を設けまして、その基準に適合しない場合は、公聴会を開いた上、事業の休止あるいは廃止を命じ得ることといたしたのであります。第四点といたしましては、発券倉庫業者がその法人格を変更いたしたときの手続を簡素化いたしたのであります。最後に第五点といたしましては、罰金の額を現在の経済情勢に適応せしめたのであります。
 本法案に対する質疑に関しては、速記録にこれを譲りたいと存じます。
 次に討論を行い、共産党を代表して林百郎君が反対、自由党を代表して岡田五郎君が賛成の意を表されました。採決の結果、起立多数をもつて本法案は政府原案通り議決すべきものと決した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第八、電気通信省設置法の一部を改正する法律案、日程第九、新聞出版用紙の割当に関する法律の一部を改正する法律案、日程第十、運輸省設置法等の一部を改正する法律案、日程第十一、外務省設置法の一部を改正する法律案、日程第十二、総理府設置法の一部を改正する法律案、日程第十三、審議会等の整理に伴う厚生省設置法等の一部を改正する法律案、右六案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事小川原政信君。
    〔小川原政信君登壇〕
○小川原政信君 ただいま議題となりました電気通信省設置法の一部を改正する法律案、新聞出版用紙の割当に関する法律の一部を改正する法律案、運輸省設置法等の一部を改正する法律案、外務省設置法等の一部を改正する法律案、総理府設置法等の一部を改正する法律案法及び審議会等の整理に伴う厚生省設置法等の一部を改正する法律案について、内閣委員会の審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 まず電気通信省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案において改正せんとするおもなるものは二点でありまして、その一つは電気通信調整審議会の廃止であります。本審議会は、主として電気通に関する機器設置及び工事の統制を実施するために設けられたもりでありますが、経済の復興による生産の向上等によりまして、近来ようやく資材の需給関係が緩和され、資材の入手にはほとんど困難を感じなくなりましたので、この統制を撤廃することといたし、従つてこの審議会を廃止せんとするものであります。他の一つは、従来電波監理業務は電気通信省の外局たる電波庁がつかさどつて参つたのでありますが、今回電波庁を廃して、新たに委員会形態による電波監理委員会を総理府の外局として設置することと相なりましたのに伴い、これが関連規定を電波監理委員会設置法に移すこととして、これを電気通信省設置法から削除せんとするものであります。本案は、以上申し述べました二つの趣旨から所要の改正を加えて電波監理委員全設置法施行の日からこれを施行しようとするものであります。
 各新聞出版用紙の割当に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、新聞出版用紙の割当制度を明年三月三十一日限り廃止する旨を定めたものであります。新聞出版用紙の割当は、臨時物資需給調整法に基き本法律によつて実施されて参つたのでありますが、近来用紙の生産事情が好転してその需給関係が著しく改善されて参りましたので、事業の特殊性にもかんがみまして、なるべくすみやかに統制を撤廃にし新聞出版活動を本来の自由な状態に復せしめたいというのが政府の念願でありましたところ、基本法たる臨時物資需給調整法の存続期限が明年三月三十一日までと改正されることと相なりましたので、この際一応本法律の存続期限を形式的にこれと一致せしめて、その実施法的正確を明らかにするとともに、今後の事態に応じ機宣の処置をとらんとするものであります。すなわち附則に改正を加え、本法律は昭和二十六年四月一日にその効力を失うこととし、公布の日からこれを実施しようとするものであります。
 次に運輸省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案において改正を加えんとするおもなる点は、第一に、運輸省の附属機関たる船舶試験所を廃止して、運輸に関する総合的試験研究機関として新たに運輸技術研究所を設置しようとするものであり、第二に、行政機構の簡素化の立場から、同省に設置されてあります参與制度並びに附属機関たる特別地区船員職業安定審議会を廃止し、第三に、国家行政組織法の別表二のうちの運輸省関係について不備な点を改正しようとするものであります。すなわち、従来運輸関係の試験研究機関としては、船舶につきましては船舶試験所、鉄道、軌道等につきましては鉄道技術研究所があつて、それぞれの部門を担当して参つたのでありますが、鉄道技術研究所は、昨年六月、日本国有鉄道発足とともに、これが研究機関として移管せられ、もつぱら同鉄道の日常業務遂行上必要な試験研究だけを行うこととなりましたため、政府としましては、民有の鉄道、軌道等をも含め、広く鉄道、軌道関係の試験、研究を行う機関が必要となつて参つたのであります。しかるに、運輸交通機関の基礎的研究においては、その基礎工学を初め、発動機、材料等各般にわたつて共通する部面が幾多ありますので、この際船舶試験所並びに港湾局の港湾技術研究課を統合するとともに、日本国有鉄道の鉄道技術研究所の一部を吸牧して、新たに運輸に関する総合的試験研究機関としての運輸技術研究所を設け、船舶、鉄道、軌道、索道、無軌條電車、自動車及び港湾等に関する設計、試験、調査並びに研究を行い、もつて世界の水準から遅れましたわが国のこの方面における技術の向上発達をはからんとするものであります。なおこの研究所においては、事務に支障のない限り官庁、民間からの委託に応じて試験、研究を行い得ることといたしておるのでありますが、東京都に設けられます本所には、所長のほかに次長三人を置くと同時に、大阪市及び八幡市にそれぞれ支所を置き、本所及び支所の内部組織は運輸省令で定めることといたしておるのであります。
 次に、運輸省参與は省務に参與させるために設けられた制度であり、また特別地区の船員職業安定審議会は、船員職業安定法に基き、同法の定める特別地区の船員の職業安定に関する重要事項を調査審議するために設けられたものでありますが、これらは今日まで実際には運用されておらず、また当分その必要も認められませんので、これらを廃止しようとするものであります。
 国家行政組織法の別表二り改正につきましては、もつぱら形式の整備にとどまりますので、特に申し上げるまでもないと存じます。
 本案は、以上諸点のほか関係條項に所要の改正を加え、四月一日からこれを施行しようとするものであります。
 次に外務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案において改正せんとするおもなるものは二点でありまして、その一つは、行政機構簡素化のため中央連絡協議会並びに出入国管理連絡協議会を廃止するとともに、在外公館借入金整理準備審査会法に基く在外公館等借入金整理準備審査会を設けようとするにあります。他の一つは、連合国軍民事機構の改組に対応し、新たに関東連絡調整事務局を設置するものであります。すなわち、昨年行われました府県單位の民事部の廃止に伴いまして、関東地方民事部の重要性がとみに加わつたのでありますが、これに対応して新たに関東連絡調整事務局を設置し、これをして関東地方民事部との連絡に当らせようとするものであります。
 なお附則において、関係法令の整理を行い、かつ公布の日から施行すべき旨を定めておるのであります。
 本案は、予備審査のため、一月二十六日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、外務委員会とも連合審査会を開いて審査を進めて参つたのでありますが、三月二十四日参議院の送付を受け、あらためて本委員会に付託されたのであります。
 本案は、参議院において、政府提出案に対し、設置法の中の機関については設置することを示すと同時に、その組織、権限、所掌事務に関する規定を同法の中に置くことの例に従つて、在外公館等借入金整理準備審査会に関しては在外公館等借入金整理準備審査会法の定めるところによる旨の規定が加えられることの修正が行われておるのであります。
 次に総理府設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、行政機構の簡素化をはかるため、総理府の付属機関として設置されてあります各種審議会の整備を行わんとするものであります。すなわち、交通事業調整審議会は、陸上交通事業調整法により陸上交通事業の調整上必要な事項を調査審議するため設けられたものでありますが、終戰後は、ほとんどその活動を停止しておる状態であり、地方制度調査会は、新憲法の制定に即応して地方自治制度の根本的改革をはかる必要から設けられたものでありますが、すでに答申の完了によつて本会の指名は大体九経了しており、また、地方税審査会は、地方税法に基き地方税に関する審査を行うために設けられたものでありますが、シヤウプ勧告によりて地方税制は根本的に改革されることと相なり、これに伴つて新たな構想のもとに設置されます新たな機関がその機能を受継ぐことになりましたので、これら三つの審議会を廃止しようとするものであります。
 次に中央青少年問題協議会を新たに付属機関に加えようとするものでありますが、この協議会は、第五回国会における参衆両院の決議に基き、青少年の指導、保護及び矯正に関する総合的施策を樹立し、その適正な実施をはかるため、昨年六月開議決定をもつて内閣に設置されたものでありまして、爾来、青少年問題に関し総合的な対策を樹立して政府に答申いたしましたばかりでなく、対策の実施にあたりましても、種々なる助言を與える等、すこぶるその機能を発揮して参つたのであります。青少年の不良化、犯罪化の傾向のきわめて憂うべき状態にあります現状にかんがみまして、同協議会に法的根拠を與え、その機能を一段と発揮させようとするものであります。
 本案は、以上の趣旨から関係條文の整理を行い、四月一日から施行しようとするものであります。
 次に審議会等の整理に伴う厚生省設置法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、行政機構の簡素化をはかるため、厚生省の付属機関として設置されてあります三十七の各種審議会を整理統合して、これを二十一に減じようとするものであります。すなわち、国民体力審議会、国立公園地方審議会、中央温泉審議会、理容師養成施設指定協議会及び医業制度調査会を廃止し、医師国家試験審議会、医師国家試験委員及び医師国家試験予備試験委員を医師試験審議会に、歯科医師国家試験審議会、国家試験予備試験委員び歯科医師国家試験予備試験委員を歯科医師試験審議会に、医師実地修練審議会及び歯科医師実地修練審議会を医師、歯料医師実地修練審議会に、保健婦助産婦看護婦試験審議会及び保健婦助産婦甲種看護婦国家試験委員を保健婦助産婦看護婦審議会に、医療機関整備中央審議会及び診療報酬審議会を医療審議会に、健康保険審議会、厚生年金保險審議会及び船員保險審議会を社会保險審議会に、また中央社会保險診療協議会及び社会保險診療報酬算定協議会を中央社会保險医療協議会に、健康保險審査会、厚生年金保險審査会及び船員保險審査会を社会保險審査会にそれぞれ統合し、さらに衛生統計協議会を厚生統計協議会に、国立公園中央審議会を国立公園審議会に、栄養士試験審議会を同審査会に、また医療団清算管理協議会を同管理協議会にそれぞれ改称するとともに、新たに死体解剖資格審査会を加えることとして、附属機関の表並びに関係法律に所要の改正を加え、本年四月一日からこれを施行しようとするものであります。
 電気通信省設置法の一部を改正する法律案は二月十日、新聞出版用紙の割当に関する法律の一部を改正する法律案は三月十四日、運輸省設置法等の一部を改正する法律案は三月二十二日、外務省設置法の一部を改正する法律案は三月二十四日にそれぞれ本委員会に付託され、また総理府設置法の一部を改正する法律案並びに審議会等の整理に伴う厚生省設置法等の一部を改正する法律案は、予備審査のためそれぞれ三月十四日、三月十六日、本委員会に付託されましたが、三月二十七日参議院の送付を受け、同日あらためて本委員会に付託されたのであります。
 以上各法律案の付託を受くるや、本委員会は、それぞれについて、ただちに政府の説明を聞き、質疑を行い、慎重に審査の結果、三月二十七日、これら六法律案を一括して討論採決の結果、多数をもつていずれも原案の通り可決いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 六案を一括して採決いたします。六案の委員長の報告はいずれも可決であります。六案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて六案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第十四、油糧配給公団法の一部を改正する法律案、日程第十五、食糧管理法の一部を改正する法律案、日程第十六、松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に対する法律案、右三案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事山村新治郎君。
    〔山村新治郎君登壇〕
○山村新治郎君 ただいま議題と相なりました、農林委員会付託にかかりまする、内閣提出、油糧配給公団法の一部を改正する法律案、食糧管理法の一部を改正する法律案並びに松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律案、以上三案をもちまして、審議の経過及び結果の大要を御報告いたします。
 まず油糧配給公団法の一部を改正する法律案につきまして御報告いたします。
 御承知のごとく、油糧並びに食料品の需給は最近著しく改善せられまして、戰時戰後を通じて実施せられて参りました経済統制方式は改廃を必要とする段階に相なりましたので、本法律案は、かような新しい経済事態に即応させるため所要の改正を加えようとするものでありまして、その提案の要旨は、およそ次の三点であると思います。
 第一点は、本年四月一日に失効する食料品配給公団及び油糧配給公団につきまして、食料品配給公団が取扱つております、みそ、しようゆ及び乳製品は、需給状態が改善いたしましたので、これを統制からはずし、同公団を四月一日をもつて解散いたしますと同時に、その取扱い物資であります砂糖は、油脂及び油脂原料とともに、その大部分が輸入に依存しており、かつまた供給も不足しておりまして、国民生活の安定上なお統制を続ける必要がありますので、油糧配給公団の存続期間を一箇年延長いたし、砂糖をも同公団に取扱わせることとし、その名称も油糧砂糖配給公団と改めること、第二点は、油糧砂糖配給公団の存続については、砂糖及び油糧の輸入が増大いたし、その需給の均衡が得られ次第同公団を廃止するようにいたすこと、第三点は、公団の一手買取り販売をやめることとなつた、みそ、しようゆ及び乳製品は民間企業にゆだね、必要に応じ最小限度の簡素な需給調整を行うこととし、また、ぬか油、魚油等は統制をやめて民間企業に移すことであります。
 今日、公団統制方式は、その改廃につきまして根本的再検討を加える必要があり、またそれは、いわゆる農林関係五公団全般にわたることでありますので、本委員会におきましては、すでに二月九日、公団に関する小委員会を設置いたし、各党各派より、小委員長以下十一名の委員を任命いたし、農林五公団の統制方式の改廃とその時期並びにそれが農業及び国民経済全般に及ぼす影響等につき鋭意検討を続けて来たのであります。
 本法律案は、二月二十一日付託と相なり、三月二十二日提案理由の説明を聽取いたしたのでありますが、さきの公団に関する小委員会と並行して本委員会におきましても審議をいたし、各委員より、熱心な質疑と真劔な意見の開陳がなされたのであります。
 詳細の点は速記録に讓りますが、各委員の見解の主要な点を総合いたしますと、ぬか油及び魚油の統制を廃止した場合、統制油脂との鑑別が困難で、混乱を来すおそれはないかという点がその一つ、国民保險並びに栄養保持上、食料油脂資源の確保に今後とも十分努力すべきであること、また自由党河野委員を初め社会党足鹿委員等多数の委員から、食料品配給公団は、解散後も売掛代金の回収、滞貨処理等のための清算事務があるので、相当の人員を残すものであり、また他方砂糖業務のため油糧砂糖配給公団に副総裁一名を増置することになつておるが、むしろ業務簡素化の点から、食料品配給公団を存続せしめて砂糖業務だけを取扱わせ、需給の好転した最も早い機会に同公団を解散することとした方がよいのではないかとの意見がございました。
 本法律案につきましては、二十七日質疑を終了し、続いて討論に入ることになつたのでありますが、その際、民主党小林委員より、油糧配給公団法の一部を改正する法律案につき、食料品配給公団を存続せしめて砂糖業務を取扱い、また食料管理法の一部を改正する法律案については、基本金九千万円の増額を削除する等の修正を施すよう政府に要求すべしとの緊急動議が提案せられたのでありますが、採決の結果、少数をもつて否定せられました。
 次いで討論に移りましたるところ、自由党河野委員より賛成の意を表せられ、これに対し社会党足鹿委員、民主党坂口委員、国民協同党吉川委員及び共産党山口委員は反対の意を表せられたのでございます。討論を終り表決に付しましたるところ、多数をもつて原案通り可決すべきものと議決いたした次第でございます。
 次に食糧管理法の一部を改正する法律案について御報告いたします。
 この法律案の要旨を見まするに、第一点は、いも類の統制を緩和することであります。しかしながら、全面的に統制を廃止いたしますことは、農家経済、なかんずく、いも作農家に與えます影響が甚大でありまして、ひいて日本農業の健全な発達にも支障を来しますので、食糧確保臨時設置法の適用から除外して供出割当を行わないことにいたしますと同時に、食糧管理法の上におきましても、米麦と分離して新たな政府買入れ方式を設定するのであります。この買入れ方式におきましては、都道府県別の過去の生産実績と今後の生産見込み、さらに都道府県別の買入れ予定数量とを基礎にし、これに国の財政並びに食糧管理特別会計の現況をも勘案いたしまして政府の買入れ予定数量を明示し、この政府の指示数量の範囲内で、売渡しの申込みのあつたものは必ず政府が買入れなければならない制度とすることであります。なお、二十五年度産いも類の買上げ数量は四億貫を予定しているのであります。
 第二点といたしましては、食糧配給公団の業務のうち、末端配給機構、消費地卸売機構及び精米施設等必ずしも公団直営方式をとる必要のなくなつたもの、その他新しい情勢に応じて簡素化し得るものは、主要食料の円滑な配給に支障のない限り適時民間事業に移して機構の縮小をはかり、それによつて業務能率の向上と財政負担の軽減をほかり、また民間事業の自主性を回復する等、新しい経済事態に即応する措置をすることであります。
 以上の二点が本改正法律案の要旨でありますが、この主旨に基きまして、さしあたり必要な最小限の法的措置を想定したのであります。その大要を申し上げますと、一、食糧配給公団の存続期間を一箇年延長いたし、その間に逐次円滑な整理解体をはかること、二、右の整理解体中に新たに小売ないし卸売の販売業者ができるのでありますが、これに対し都道府県知事は、消費者への配給が計画通りに実施できるように食糧配給公団及び市町村長に指示すると同様に、配給計画の実施に必要な事項を指示し得ること、三、これら販売業者の主要食糧の売買には購入券制度を適用すること、四、食料配給公団の役職員は、関係企業である保管、加工、輸送の株式取得を禁ぜられてありますが、販売業者の発生に伴いまして、公団存続中の今後におきましては、この株式取得の禁止の中に販売業を加えること、五、基本金を九千万円増額して二億七千万円とし、これにより現在不足している運搬具、什器備品等につき最小限度の調達をはかることであります。
 本法律案は、去る三月八日付託となり、二十二日提案理由の説明を聞いたのでありますが、本案の付託後におきましては、さきに申し上げました公団に関する小委員会と並行して本委員会においても審議を重ね、全委員より熱烈な質疑と真劔なる意見の開陳がなされたのであります。
 各委員の開陳せられました見解の詳細は速記録に讓ることといたしますが、その重要な点を総合して申し上げますと、一、二十五年度産いも類の予定買上げ数量四億貫は必ず買上げを実行し、またその売上げ価格は米価を基準として決定し、不当に安くならないようにすべきこと、二、食糧配給公団の改革に伴い発生いたします小売業者及び卸業者が必要とする資金調達には特に政府において特別の援助を與えるべきこと、三、公団の職員の大部分は、もと、米麦の卸小売商人であつて、今回公団の末端より代位配給に切りかえ、さらに純然たる民間企業に移すことになつているので、その準備のため販売業の株式を持ち得るよう考慮を拂うこと、四、閉鎖機関たる食糧営団の清算がまだ完了していない事実につき、これを促進すべきである等であります。
 本法律案は、二十五日質疑を終了いたし、二十七日討論に付しましたるところ、河野委員は自由党を代表して賛成の意を表せられ、なお、いも類の四億貫の買上げの実施、小売業者及び卸売業者に対する資金調達の援助、また公団職員の販売業の株式取得等に関し特別の考慮を拂うべきことを要望して賛成せられたのであります。これに対しまして社会党足鹿委員、民主党坂口委員、共産党山口委員、国民協同党吉川委員は、油糧配給公団法の一部を改正する法律案の場合と同様の趣旨により反対意見を述べられたのであります。
 次いで表決に付しましたるところ、多数をもつて原案の通り可決すべきものと議決されたのであります。
 次に、松くい虫等その他の森林病虫害の駆除予防に関する法律案につき御報告いたします。
 本案の内容の要旨は、すべて次の三点であると思います。第一は、従来森林害虫の防除は森林法第八十條及び第八十一條に基いて行われまして、駆除の対象が森林に限られていましたが、松くい虫等の防除の徹底を期するため、森林のみならず、街路樹、公園の樹木及び伐採木等に対しても適用できるよう、本法の適用範囲を拡大いたし、かつそれぞれに対する駆除設置の内容を明確にしたこと、第二は、森林害虫の種類あるいはその発生状況により、国全体の利益と各都道府県のそれぞれの利益とが必ずしも一致しない場合には、農林大臣が必要な防除設置を講じ得るようにしたこと、第三は、防除のために必要な命令を受けた者に対し、その命令に対する不服を申し立てる機会を與え、また防除のために必要な命令または処分により損失を受けた者に対し、一定の基準による補償金を交付する等、森林所有者等に対する救済の制度を規定したことであります。
 本法律案については、去る二十五日、提案理由の説明を聞いたのでありますが、森林害虫の防除を強力に実施いたし、森林資源の確保と、生産の増進をはからんとするものであります。しかるに、わが国森林資源は、戰時戰後を通じた濫伐により非常に荒廃しているのでありまして、このときにあたり、本法の制定は時宜を得た当然の措置であると考えられ、各党とも異議がございませんので、二十七日、質疑討論を省略して表決に付しましたるところ、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。
 以上をもつて御報告を終ります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。足鹿覺君。
    〔足鹿覺君登壇〕
○足鹿覺君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されております食糧管理法の一部を改正する法律案、油糧配給公団法の一部を改正する法律案に対しまして反対意見を表明いたしたいと存じます。
 まず第一に、政府には一貫する食糧政策の方針が欠除しておる、並びに政府みずから法を無視しつつあるということを指摘いたして、反対の第一点にしたいのであります。すなわち、本食糧管理法の一部改正の法律案が問題となり始めましたのは昨年の夏のことでありまして、当時連合軍総司令部より、いも類に関する価格及び配給統制について緩和の覚書が発せられたのでありますが、その第二項におきましては、この措置は穀類に対する統制を軽減するものと解釈されてはならないということが明らかに記載されておるのでありまして、続いて、それゆえに、いも類に対する統制廃止とともに穀類の供出配給統制の強化が行われることが期待されると、はつきり記載されておるのであります。
    〔副議長退席、議長着席〕
しかるに、この覚書を否定しあるいは改変する何ものも、その後にいまだ正式に発表されておらないということを、私どもは委員会の審議を通じて、大臣みずから御報告を開いたのであります。
 すなりち、昨年の暮れに、食確法改正法案をめぐつて政府の態度はどうであつたか。第五、第六国会において審議未了となりまするや、無謀にもボ勅令によつてこれお施行たことは、いまだ私どもの記憶に新たなところであります。当時、ただいま委員長報告をなされた山村新治郎君に、十一月三十日の衆議院本会議の席上において、農民政党として光栄ある歴史と伝統を有する民自党を代表して、賢明なる農民諸君は食確法に賛成しておる、今まで農民を苦しめた食確法は、今日では農民の利益を守る法律になつておる、と自画自讃をされておるのであります。もし、しかりといたしますならば、今回あえてこの食糧管理法の一部改正法律案を提案するまでもなく、農村が要求しておる要求量のいも類を食確法によつて買い上げるのが妥当ではないかという結論に逢着するのであります。(拍手)真に食糧確保臨時設置法が農民の利益を守るべき法律であるならば、これをあえてたな上げにして、今日食糧管理法の一部改正法律案を出す必要を私どもは確めることができないのであります。
 去る三月七日、農林大臣とウイリアムソン農業課長との会見以来、最近の政府與党の食糧政策に対する動きは実にあわただしいものを見るのであります。先日来、神奈川県湯河原温泉において、いで湯にひたりつつ食糧問題が議せられつつあると聞いておりますが、その内容は、新聞の報道によつて知るところによれば、食確法の精神とはおよそ似ても似つかない統制緩和を論じ、主食の自由取引について審議が進められつつあるということを聞くのであります。農民政党と自称する與党は、よくこの点を勘考すべきであると思う。
 要するに、現段階における食糧政策の根本は、決して自由か統制かにあるのではなくして、第一に、高価格の輸入食糧は必要最小限度にとどめ、輸入余力を基礎物資、原料等に振り向け、雇用の増大、国内購買力の増成をなして国民経済の安定と復興をはかる大方針は、断固守り通されなければならないはずである。第二には国内米麦及び原料農産物、輸出農産物の生産力を高める基本的施策を講じ、もつて国内食糧の供給力を高めると同時に、農家経済の安定がはかられなければならないのであります。わが国の農政は、この二つの基本課題といかにして完全に解決し達成するかにあることは論をまたないのであります。
 政府與党は本末を転倒せられ、自由か統制かを論ぜられることは、まことにわれわれをして首肯せしめる何ものもないのであります。(拍手)すなわち具体的には、国際食糧過剰時代に備えて、戰時立法的現行食糧関係法規をすみやかに廃止し、農業年産を保障するために必要な諸事項を国家の責任において解決することを内容とする農業基本法のごとき保護立法を行い、農産物の価格支持の諸設置を即時採用されなければならないのであります。しかるに、現実の政府の諸施策は、はたしてどうであるか。過重の農業課税が農家経済を著しく圧迫し、かつ農業生産の増大をはばんでおる実情を無視し、地方税法を改悪して、かえつて農家負担を過重し、肥料配給補給金撤廃による肥料価格の値上りの犠牲をすベて農民に転嫁する方針を明らかにし、かつまた最近においては、二十五年産米麦の早期供出奨励金、超過供出特別価格買入れ設置の打切りをも策するの暴挙に出んとしつつあるのでありまして、かかる幾多の農村無視の諸施策の端的な現われをわれわれは本改正法律案を通じて見ることができるのでありまして、これが、わが党が農民の声として本法案に反対する基本的な態度であることを表明いたしたいのであります(拍手)
 第二に、具体的な法案の、内容について二、三検討を加えたいと思います。
 第一点は、このたびの改正により、いも類の新買入れ方式を設定し、政府買入れ予定数量をきめておるのでありますが、まだ本法案の成立しない昨年の秋、政府はすでに行政措置として四億万貫の買上げ希望を與えておるのであります。全国知事会議が政府に要求した買上げ希望数量は六億四千万貫と聞いておるのであります。これを一方的に四億万貫に圧縮し、しかもこの法律で行くならば、予算の範囲内において将来いかようにでも変更できる、活投自在の権力をこの法案に盛つておることに、私どもは農民として納得することができないのであります。
 勢二点は、質入れの価格決定についてであります。私どもは、現行米価比率を基準とすることを法文にはつきり記載すべきであるという修正案を出したのでありますけれども、これは遺憾ながら実現を見ることはできませんでした。現在のこの法律で行きますると、需給事情を参酌して、いかようにでも政府がいもの買入れ価格を決定できるがごとく仕組んであるのでありまして、私どもは、かような価格支持方策をもつてしては、とうてい安んじていも作に従事することのできない農家のあることを指摘いたしたいのであります。(拍手)
 以上、この二点が最も重大なる本改正法案の欠格であることを指摘するにとどめたいと思います。
 次には、この法案と直接関係は薄いのでありますけれども、戰争中、戰後において、いも類が国内食糧に貢献したその力は偉大なるもののあることを認めざるを得ません。しかるに、今日の事態を招来するに及んで、一方的にこのいもの統制撤廃が行われ、従つて、いもの減産が起きようとしている今日において、いも作の転作に伴う政府の農政施策の貧弱であるということであります。戰争中、果樹園を倒し、桑園を掘り、あらゆる犠牲を拂つて、いも畑に転作をした。それらのことを考えてみましても、転作に伴つて拂つた農民の犠牲は、農政的裏づけによつてこれをカバーすることは当然の責任であるにもかかわらず、二十五年度の農林予算を痛覚しまして、この予算的裏づけのないことに、私ども、本法案と表裏の関係にある立場から納得し得ない点であることを指摘いたさねばなりません。
 第三の反対理由は、配給業務民間委讓の法的設置についてであります。来年四月一日を期して食糧公団が解体され、この間にあつて、民間に配給業務を委讓し、自主性を回復し、公正な競争を促進して消費者利便を増大すると言つておりますけれども、これについては、その構想をめぐる問題点としては、委託指定権の問題、被委託者の優先順位の問題、現行配給所の拡大の問題、自由登録による小売、卸売業の設定時期の問題、配給手数料等流用費用の問題等々、重大なる問題が未解決のままあるのでありまして、これらの問題は、配給機構の大きな転換に備えて十分検討が加えられなけれげならないということを指摘し、またこれに対して未完成な状態にあるということを指摘いたしまして、この点に反対を表明いたしたいのであります。
 最後に第四の反対理由といたしましては、公団の基本金を九千万円増額し、二億七千万円にするという原案でありますけれども、食糧公団のみならず、公団業務の運営状況の内部監査の結果につき中央経済調査庁が報告書を提出しておりますが、その報告書を見ますると、剰余金の内部留保についても、具体的相手方のない未拂金勘定を立てて剰余金の内部留保を講じており……。
○(幣原喜重郎君) 足鹿君――足鹿君に申し上げますが、申合せの時間が参りましたから短簡に願います。
○足鹿覺君(続) 二十三年度後期の決算でも数億万円に達する不当措置が行われており、金融機関との結託による浮貸しや、運賃、利子支拂い等についても国民の納得し得ない事実が指摘されておる今日、たとい什器、備品購入といえども、基金の増額に対しましては、私どもは反対せざるを得ないのであります。
 最後に油糧配給公団法の一部の改正法律案につきましては、食糧品配給公団を解散し油糧公団に併合する案自体はけつこうでありますけれども、合併することによつて、かえつて人員が増加するごときは矛盾であり、むしろ現状のまま機構を圧縮することを妥当と信じますがゆえに、この法案に対しましても、私どもは反対意見を表明する次第であります。
 以上二つの法案に対しまして反対意見を表明した次第であります。(拍手)
○(幣原喜重郎君) 大森玉木君。
    〔大森玉木君登壇〕
○大森玉木君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま提案になりました食糧管理法の一部改正並びに油糧公団法の一部改正案に対して、遺憾ながら反対の意見を申し述べたいと思います。(拍手)私は(「原稿を持つて読んでもさしつかえない」と呼ぶ者あり)持つてやるよりも持たずにしやべつた方がいいかと思います。
 大体、この食糧確保臨時設置法が提案されましたことは、皆様御承知の通りであります。その食糧確保臨時設置法は、いかなるものであつたかと申しますと、御承知のように、最も協力に食糧を統制するということである。そこで、それが昨年の暮れの議会において、どういうぐあいになつたかと申しますと、まだ会期があるにもかかわらず、ポツダム政令によつてこれを決定いたしたのであります。しからば、それほど強力な統制が必要であつたにもかかわらず、わずか二、三箇月しかたたない今日において、ただちにいも類の統制を撤廃するという案を出されることが矛盾てはないかと私は思うのであります。こういう点を私の反対の理由といたすのであります。
 さらにまたどうであるかと申しますと、日本全国に、いもは十五億万貫とれるのであります。そこで、今政府が買上げをいたすものが四億万貫というのであります。この四億万貫のいもも、それは強制的ではなく、自由に売りたければ売れ、また政府は買うことだけほ買うということである。そこで、価格の点についてはどうかと申しますと価格については、そのときの米麦の価格を算定してということで、あいまいな答弁であります。そこで私どもは、ただこのあいまいな答弁によつてこれを承服できないのであります。なぜかと申しますと、皆様御承知の、昨生の早場米の問題があつた。そのときには、いよいよ刈入れをいたしまして、いよいよこれを検査するというときに相なつて初めて検査制度を強力になし、そうして三等米を四等米に格下げをいたしましたことによつて二十四億の金が残されたのであります。そこで、ただいままた四億万貫を買うということでありまするが、しかしながら、これを買うといたしましても、そういうふうに、いよいよいもを出した。そのときにおいて、検査等の規格とか、そういうものによつて圧迫するがごときことはあつてはならない。第一点はこの点であります。(「内容貧弱だ」と呼ぶ者あり)内容貧弱であつても、私の意見だから黙つて聞け。(発言する者あり)そういう点が私の反対するゆえんであります。
 さらにまた、政府の考え方に対しまして私どもの承服できないものは何であるかと申しますと、現在の農業政策に対して私は、一言言及してみたい。何かと申しますと、今や輸入は三百七十万トンであります。その補給金は四百五十何億になつている。その補給金の一部は農村が負担するのである。補給金の一部は農村が出す。そうして、その持つて来た食糧によつて、農村がつくつたところの農産物の価格を圧迫するのである。この点が私どもは承服できない点である。(「いなかへ行つて言え」と呼ぶ者あり)私どもは、いなかへ行つて言わなくても、ここで言うのだ。そういう点からいたしまして、わが民主党といたしましては、これを修正をし、輸入食糧を半額にせよということを言つておる。輸入負担を半額にせよということは、負担を少くせよという要求であるのである。ところが、そこにやはり四百五十何億というもりも入れる。そうなるならば、それは農民が負担して、今問題になつておりますいもの四億万貫以上は買わない。そうすると、つくつたいもをどうする。つくつたいもはどうなるのだ。これであります。そこで、どちらかというと、輸入食糧によつて国内の食糧を圧迫するということに相なる。であるから、この点は国内の食糧を確保し、そうして足らざるものを輸入することが当然でなければならぬと思う。こういう点から、私はこの案に対して反対をいたすのである。
 なおまた、公団を一方廃止いたしまして、油糧公団に今や合併し、あるいは砂糖とかいろいろなものを入れる。しかしながら、こり公団廃止というものは恐るべきものである。これはよく考えなければならない。今日までの公団で満足なものがあつたかどうかということを、皆さん笑うまでもなく……(「だれがつくつたのだ」と呼ぶ者あり)とにかく、あるいは木炭にしても、あるいは石炭にしても、その公団の跡始末をどうするかというと、これは何十億、何百億ということに相なつておる。しからば、私はこの機会に、公団の存在を予言して――あるいは次から次からその跡始末をさせて、一方にはまた整理において悪をなし、次にまたそれらのものを奪わんとし、あるいは、そうしたものどもにその機会を與えることになると思う。
 一例を言えば、おそらくこの公団というものを予告しておくならば、猫に魚の番をさすと同じことである。金銭は、要するに、あるいは魚も買われる、あるいはまた酒も飲めるのである。その金を全部公団にまかじておくならば、そり跡始末をどうするかということである。だから、跡始末をどうするかということに対しては、公団を廃止するならば、ただちに廃止ということにしてしまう。それを、あるいは六箇月延期、一年延期ということでこれを延ばすことは、これほど危険なものはないということを私は申し上げておく。
 今や、この後に起るところの公団の損害は、だれが負うのであるか。一体自由党が負うのか政府が負うのか。この後に公団から起つて来る損害あるいは赤字、それらの問題をだれが負うかということになる。そういうことを予告せずに、公団なら公団というものを、かりに廃止するならば廃止するという法案を、ただちに出すべきである。首を切られるかわからないという不安心な立場に置いて、お前たちは、この前で魚の番をしておれと言つても、猫は、たたかれても食うだけは食つてしまう。食つたあとは、一体だれが責任を負うかということになる。
 こういう点からいたしまして、私は、この公団、管理法の一部を改正することに対して反対をいたす次第であります。(「問題は反対なのか」と呼ぶ者あり)反対だ。反対ということは、はつきりした。(笑声、拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 高田富之君。
    〔高田富之君登壇〕
○高田富之君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程になつております油糧配給公団法の一部改正並びに食糧管理法の一部を改正する法律案に対しまして反対の理由を申し述べんとするものであります。まず第一こ油糧配給公団法の一部を改正する法律案でありますが、農業関係の公団につきましては、先般も経済調査庁におきまして、相当多額の資金の使途について疑惑があると、いうことが発表されております。これにつきまして、委員会におきましては、さらに徹底的にこれを究明し、一部には、これがおそらく三十数億にも上るりではないかと言われておるほどでありますのでその内容を明らかにしない限り、公団を廃止するとか、あるいは改組するとかいうような法案の審議に入ることはできないということを主張しておるのであります。しかるに、ほとんどまだ内容等につきましても調査が徹底しておりません。現在食料品配給公団を廃止し、油糧配給公団法を改正するというこの法案に対しましては、まずその点において反対せざるを得ない。
 なお食料品配給公団の廃止につきましても、政府は、食料品の需給が非常に緩和されて来たということを前提にしておりますけれども、事実は、みそ、しようゆにしましても、あるいは乳製品その他にいたしましても、戰前の状態と比べまして、使用量は決してふえておるわけではないのでありまして、みそ、しようゆのごときは、まだ六割程度というような状態であります。すべて政府の統制撤廃方式は、需給が緩和した、緩和したと言つておりますけれども、実際には、まだまだ非常に消費度が低い。問題は購売力を高めるということにあるにもかかわらず、ただちに統制撤廃でやります結果、かえつて生産者に対して非常な打撃を與え、恐慌を深める、購買力を一層低めるという結果になるのでありまして、今回のこの改正案も、またそのような自由党式統制撤廃の一つの現われであります。この点につきましても、われわれは反対せざるを得ない。ここに乳製品のごときは、外国の乳製品がどんどん入つて参りまして、国内の酪農家に対する圧迫は非常に強化されておる。こういうふうな点からも、われわれは、こういつた統制改廃の行き方に対しまして根本的に反対せざるを得ないのであります。
 第二に食糧管理法の一部を改正する法律案でありますが、この点につきましては、足鹿君ほ先ほど申されましたように、まず第一は、政府みずから法律をかつてに踏みにじる。このことは政府の常套手段でありまして、單にこれには限りませんけれども……(「何を言うか」「その通り」と呼ぶ者あり)昨年度のいも類につきましては、出国のいも作農家はもちろんのこと、食糧調整委員会におきましても、政府の食糧行政には今後協力しないというような決議までやらざるを得ないほど、政府は一方的にみずからの法律を破棄して顧みない。その結果、昨年度のいもの買上げ方法等につきましても、月別に平常にむりなる制限を加えまして、最後は統制撤廃もやりまして、非常な打撃を與えております。こういうふな法律無視のやり方――今回も、この法案がまだできていないにかかわらず、新しい方法で買入れ予定を府県庁に出しているというようなやり方は、まつたく法律を無税したやり方でありまして、この点から、まず第一にわれわれは反対せざるを得ません。
 それから、統制撤廃後のいも作農家に対る方策であります。これにつきましても、関係農業団体から非常に熾烈な要望が昨年以来なされているにもかかわらず、政府といたしましては、ほとんど手を打つておらない。従いまして、もしこのままで、簡單にただ買上げを制限するというような方法で突き放しますならば、いも作地帯におきましては、さなきだにひどい農業恐慌の状態のもとにある農家が、さらに非常な苦境に陥るということは、もう明らかであります。われわれ、政府がすみやかに十分な設置を講じまして――いも類の加工であるとか、農村工業の方面であるとか、これらの方向に対して十分な措置を講ずることなしに、こういつた方法をとることに対しまして、まず反対の意を表明せざるを得ません。
 それから、政府は四億万貫買上げてやるのだ、これは農村を保護するのだと言つておりますけれども、これは、はなはだしい詭弁でありまして、農村を保護するのであれば、農民は、前には当然政府が買い上ぐべき義務があるにもかかわらず、これを買い上げなかつたのでありますから、農民の希望する数量については、希望があれば無制限に政府は買い上げるべき当然の義務があるのであります。こういうふうなことで農民を保護するというようなことを言つておる。
 しかも価格の面についても、先に足鹿君その他も言われましたように、食糧の需給状況のいかんによつては、対米価比率よりも、もつと安く買い上げられるようなことになつておる。こういうことでは、今後の外国食糧の入つて来る状況等を考えまして、いまの政府の買上げ値段は、現在予定されているよりもますます下るものといわざるを得ない。そうすれば農民は供出義務がないということになりますと、せつかく出しても、事実上売る者はなくなるかもしれません。有名無実の、これは單なる見せびらかしのものであります。従いまして、共産党といたしましては、こういう欺瞞的なやり方に対しまして、断固として反対せざるを得ないのであります。なお、食糧公団の末端機構の改正等につきましても、九千万円からの莫大な金を、近く廃止すると予定しておる公団に対して無雑作に出すということは、その他いろいろな各般の事情から総合してみましても、当然われわれは、こういうところに疑いを持たざるを得ません。国民すべてが了解に苦しむところであります。また、このいも類の統制方式をかえましたことは、單にいもだけの問題ではない。現に政府並びに與党の諸君が連日頭を悩ましておる、わが国の食糧管理方式の根本的改変の、これは第一着手であります。こういう点について、われわれは非常にこれを重大視せざるを得ないのであります。
 大体、食糧管理特別会計の運用につきまして、政府は何ら自主性を持つておらない。自分で立てた計画を、はるかに上まわらなければならないような莫大な輸入食糧をかかえ込み、そのために、いもの統制も撤廃して、買い上ぐべきものまでも買い上げないというような、まつたく無計画、自主性のない運用を食糧管理特別会計に典型的に見るのでありますが、この食管特別会計の運営に自主性がないということは、わが国の食糧政策並びに農業政策の全体としての自主性の喪失を、最も基本的に立証しているつもりであります。もしも、こういう状態のもとで、政府が今予定しているような三百七十五万トンというような莫大なものを将来輸入するというようなことになりますれば、これは、さなきだに現在すでに進行している農村のこの不況を――ほとんど外国の農業恐慌によつてこれを洗い流すといつても過言でないような大打撃を與えるであろうことは、想像にかたくありません。しかも、こういうときに、輸入関税を永久に免除しろというような問題もあるのでございまして、わが国の農政としましては、今きわめて重大な段階に入つているといわざるを得ないのであります。
 ところが政府は、来年度三百七十五万トンも入れるのはどういうわけだ、しかも二百九十万トンからの持ち越しを予定するのは、わけがわからぬではないかという当然の質問に対しまして、こういうことを言う。そう心配しなくても、はたして三百七十五万トンもかえるかどうかもわからない。そうして、コマーシヤル・アカウントによるものであつて、そう心配するなというような口吻でありますけれども、今せいふが三百七十五万トンも買えないかもしれないほれど日本の輸出力を考えて、非常にこれは今の国力ではむずかしい。むずかしいほど大きな計画を立ててたててどんどん輸入をし、またどんどんこれにたいして輸出をしなければならぬという態勢に今国家を置いているということは、これはいわゆる国をあげてのダンピングである。そのきそには、やはり非常な低い賃金と、また非常に低い農産物価というものが当然前提にならなければならなし、またこういう形で飢餓貿易に全力をあげる結果、農村に対しましては国家的なとうしもほとんどできない。災害復旧もできなければ、農地改良もできなければ、何一つできない。政府融資もできない。
 見返り資金のごときも、本来ならば、外国から来るいわゆる援助物資なるもには、ほとんどその六、七割が食糧でありますから、食糧の自給度を高めるためにこのも返り資金を使うというのであれば話しがわかる。そうすれば、見返り資金の半分以上は、当然わが国の農業を発展させるために、近代化するために、あるいは農業改良地や、あるいは干拓、開墾をやるために使つてこそ、この食糧が援助されているという関係を早く断ちきることのできる、自給度を高める方法であるにもかかわららず、現在見返り資金の中で、たつた三十億、しかも、これがわれわれが考えても直接関係のない国有林の山の中へ――木會の山の中へつつ込む。こういうようなことは、わが国の針葉樹林の軍事的な価値を考えれば、きわめてこれが重大なことなのである。
 こういうようなことで、まつたく自主性のない食管法の運用のもとで、どんどんこの統制が緩和されてて行く。今ここに出ましたこの法案に見られるように、農民の保護をまつたく考えない、外国の恐慌を輸入する方式で、どしどしこういつた統制の改廃が行こなわれて行くということは、わが国の農業を完全にこの犠牲にいたしまして、そうして外国食糧に永遠に依存せしめる、こういう態勢に持つて行く……。
○議長(幣原喜重郎君) 高田君――高田君。
○高田富之君(続) 言いかえれば、わが国農産業の植民化であります。
○議長(幣原喜重郎君) 高田君。
○高田富之君(続) 私は、かかる買弁的な法案に対しましては心から反対せざるを得ないのであります。
○議長(幣原喜重郎君) 高田君――時間が参りました。
 小平忠君。
    〔小平忠君登壇〕
○小平忠君 私は、ただいま議題となつておりまする油糧配給公団法の一部を改正する法律案並びに食糧管理法の一部を改正する法律案の両法案に対しまして、農民協同党を代表いたしまして反対の意見を申し述べたいと思います。
 戰後の農業政策を考えてみまするのに、政府のこの農業に対する政策がきわめて、軽視されて参つた結果、今日、日本農業の現状というものは、皆さんが御承知のように、永年の苛酷なる供出に、さらに重税と農家の生活配給物資の非常な不円滑、これら山積する問題から、まつたく農業経済の破綻となり、本年度の農業経営の方法がまつたくつかないというような、まさに日本農業の危機のさ中に現在つつ込まれているという現状であります。さらに、今日の農村の現状をどういうふうな観点において、かくあらしめたかという来の農業政策を見るのに、それは昨年この議場においても討論されたことく、食糧確保臨時措置法の一部を改正して超過供出を法制化し、これに強権供出をさせるような政策をとるという暴政をとつておられるのであります。
 このことについて私はさらに一言附加したいのでありますが、これは何と言つても、日本祖国の復興というものは、まず食糧問題を解決し、民生を安定するということで、戰後長い間やつて来た。そういうような観点から、今日内外の食糧事情が変わつたからといつて、一ぺんに食糧緩和政策をとるような生き方が、はつぃてこれは常道であるかどうかということについては、大きな疑問があるのであります。今日の段階においては、やはり農民が安心をして増産に励み得るような政策を政府にずからがとらなければならぬ、そのためには、まず農業再生産に支障がないように、米価、農作物価格の安定なり、農業生産資材の円滑なる配給なり、そいうう面において十分なる施策をとらなければならぬにかかわらず、政府はどうかというと、御承知のように、二十五年度においては三百四十万トンの厖大な食糧輸入を計画し、さらに今回出されたこの食管法の改正のごときは――昨年食糧法に基くところのポ政令を出した、それをたな上げにしておいて、今度それとまつたくうらはらの、供出を緩和する、すなわち統制をはずす、このような食管法を出すに至つた森農政については、私はまつたく疑問を持つのでありますが、さらにその内容と来たらならば、供出を強化する、あるいは買上げをすると言つておきながら、ただいままで各党の野党議員が論議されたように、実農民をだまかして、うまいことを言つてまわつて農作物をつくらすが、あとはどうでもいい、こういう無責任な政府が、今度のこの改正の中に現われておる。これは現吉田内閣において重大なる責任を痛感してもらいたい。
 とくにいも類の買上げについては、これは四億万貫以内という言葉を使い、さらに今度の食管法の改正の中では、予算の範囲内という言葉を使つている。これも政府は買上げの責任があるが、農民はこれを売るところの義務はないのだたいう説明を、政府当局はされておるのでありますが、このような、でたらめなことを言つて、はたしていも類耕作農民が安心して、いもの作付に従事できるかということを考えてみなければならぬと思います。戰後長い間、いもというのは、日本の主食の重要な部分を占めて参つておるのであります。特に東北、北海道のような單作地帯においては、いもしかできない、いもしかとれない地方がある。そういうところへ、政府は、かまわない、価格はどうなつてもいいというような政策をとつて――このいも類耕作農民の死活問題をどうするかということを考えてみればならぬ。これに対する政府は、いも類の作付転換なり、今後の処置について何らの施策もない。私は、この面について、さらに政府の重大なる反省と、今後これに対する打開策を講じてもらわなければならぬということは、農林委員会を通じて強く指摘して参つたところであります。
 さらに、この食管法の一部改正をめぐりまして、いろいろ農林委員会でも議論されましたが、私は特に重要な点をまず一点指摘したい。その一点は、現在の農産物価格が、各位も御存じのように、農業再生産を償う価格ではない。非常な低米価で、農民は困つておる。これに対して、政府も、あるいは與党たる自由党の諸君も、この農民の保護施策という問題については非常に関心を持たれて、超過供出に対する報償物資あるいは特別買上げ措置といつたような問題について、これは処置をされて産つたが、特に二十四年度産米、麦あるいはいも類、これに対する報償物資の返品問題が現在露骨に現れて来ておる。農産物が安いから、これに対して幾分の補いをする、報償をするといつて出したその報償物資、昨年は金額にして約五十億円、その五十億円に近い配給価格のうち、約四割は農家が引取らないで、現在どんどん返品になつております。その返品の原因というものはどうかというと、すでに御承知の通り、衣料品その他の値下がりであり、その品質が粗悪で、一般市中の価格よりも二割、三割高いから、そういう高いものを報償物資といつて農民が喜んで受取るはずがない。これに対して、現在政治問題化しつつあるのでありますが、最近、ここ一両日の政府当局の考えは、まことに無責任きわまる考え方をとつております。
 このようなことを一つ取上げてみても、私は、今後の農業政策について、このような考え方で行つたならば、まつたく農民は、再び、かつての非常にしいたげられた、あの農奴的な農民の生活に陥るということは、火を見るよりも明らかだと思うのであります。かかる観点に立つならば、この食管法の改正について、單なる部分的な点を改善するのだという政府の説明は、これは全然当らない。
 特に公団について見ますに、公団問題については、農林委員会においても、この重要性にかんがみて小委員会をつくり、農林五公団の内容、今後の統制方式、存廃について、非常に堀り下げた議論をしておる。特に現在は、そのうちから五人の小委員会をあげて現地調査までしている。そのさ中に、その結論もつかないうちに、これを一挙に出してしまう。もちろん、三月三十一日でこの法が廃止になるというこの差迫つた現状は私はわかつております。真にやむを得ない点はありましようが、このやり方については、これは私は、あくまでも政府を攻撃したい。委員会においても政府委員が非常に精勤しないというようなことが影響しておるのです。
 さらに、この公団の廃止については、わが党初め自由党の諸君たちも、すみやかに廃止するということは持論である。そういう観点において、廃止すつのはけつこうであるが、單に廃止だけではいけない。廃止をしたその跡始末を十分に考えなければならない。その点を具体的に指摘するならば、これは枚挙にいとまないのでありますが、時間がありませんから省略いたします。
 さらに油糧配給公団法の一部を改正する法律案の内容にいたしましても、今日食料品配給公団法は存続の必要がないという見地から廃止するのだが、その中の砂糖を今度は油糧公団にくつつけるというこの理由です。私は、機構を簡素化して、公団方式を大いに整理するということには賛成であるが、この砂糖という問題については、もちろん現在は、ビート糖以外は全部輸入であります。そういつたような見地から、現在はまだ統制をはずすわけに行ふぬという点において、この砂糖局を存置することはわかるのだが、この砂糖局を油糧配給公団に持つて来ることによつて二百八十名の公団職員を四百名にしなければならぬという理由はない、今日、公団職員は全国で約八万七千人おるこの公団職員の人件費だけで数十億いる。その結果、公団のマージンその他の経費が――現在供出価格は、一石当り米換算で四千二百五十円でありますが、消費者価格が六千七百五十円、すなわち、その供出価格と消費者価格の開きが二千五百円もある。こういつたような、農民には安い価格で食糧を供出せしめ、一般国民大衆には二千五百円も高い食糧を配給するといつたような矛盾は、このようなべらぼうな公団方式、むだな公団方式をとつているから、そういう結果になるのであるということを私は指摘したい。
○議長(幣原喜重郎君) 小平君、申合せの時間が参りました。
○小平忠君(続) 以上のような観点にかんがみまして、油糧配給公団の一部改正ということに関しましては、食料品配給公団を廃止して砂糖局を持つて行くということはわかる。水と油をちやんぼんにするということわざがあるが、砂糖と油をちやんぽんにして、むだのないようにするなら賛成であるが、そのような筆法については断固反対しなければならぬ。
 以上三点について反対の理由を申し上げて、私の討論を終ります。
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 まず日程第十四及び第十五の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第十六につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(幣原喜重郎君) 日程第十七は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第十七、長期産業資金調達促進のための株式対策確立に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。川野芳滿君。
    ―――――――――――――
    〔川野芳滿君登壇〕
○川野芳滿君 ただいま議題となりました株式対策確立に関する決議案に対しまして、提出者を代表いたしまして趣旨弁明をいたします。
 まずそれに先だちまして案文を朗読いたします。
長期産業資金調達促進のための株式対策確立に関する決議
  戰後の経済再建に必要な資本の蓄積にあたり、株式市場は極めて重要な地位を占めている。
  しかも、今日の経済体制の下では長期資金調達の機関としての株式市場の利用価値は重大である。したがつて産業資金の調達を阻害している最近の株式市場の不振については、経済再建の見地より重大な関心をもつものであるが、政府の対策は行きづまりの観を呈している。
  しかるに、事態は必ずしも楽観を許さないと考えられるから、改めて早急に根本的な対策を講ずるよう政府に要望する。
  株式対策は、経済政策上の観点から総合的に推進されるべきであるが、政府は、当面の対策として先ず次の事項を直ちに実施して株価の安定をはかり、産業の復興を促進すべきである。
一 経済情勢に即応し資本発行の總合調整をはかる措置を講ずること。
二 過剰株式を吸收保有する措置を講ずること。
三 株式金融を円滑化するため日本銀行の株式担保金融を実施すること。
四 投資大衆の保護措置を強化するとともに零細資金の安全投資をはかる機関として投資信託制度の復活を考慮すること。
五 信用供與制度の実施等株式市場機構の合理化をはかること。
六 適当な株価工作等投資大衆を犠牲とする行為を嚴重に取り締ること。
右決議する。
ただいま朗読いたしました案文につきまして、少しく補足的な説明をいたしたいと存じます。
 日本経済の再建にあたりまして、資本の蓄積は絶対に必要な條件であります。資本の蓄積の形式にはいろいろありまするが、産業の復興にあたり長期資金の調達がその成否を決定すると言つても過言ではございません。ところが、ドツジ・ラインの実施以来、長期産業資金の調達に関しまして証券市場に課せられた任務というものは、まことに重大なものでございます。
 ドツジ・ラインの直接にねらうところは、御承知の通り通貨の安定であり、そのためにとられました手段は、政府の債務償還によつて市中銀行の手元資金を豊富にし、現行の採算を通じて貸金を合理的に配分しようとするものであります。しかるに、市中銀行は本来商業銀行でございまして、長期融資を担当するにはもともとむりがあります上に、戰後の資金構成は、戰前に比較いたしまして一段と安定性を欠いているために、市中銀行を通じての長期産業資金の調達に期待することはできません。従いまして、金詰りが深刻化するに連れまして、市中銀行を通ずる長期資金の調達はいよいよ困難となり、そこでドツジ・ラインの原則に従いまして、長期産業資金の調達について証券市場、特に株式市場に求める部分がきわめて大となつたのでございます。特に企業再建整備措置による増資の最後段階にあたつており、またドツジ・ラインを円滑に実施するための條件である輸出振興のために日本産業の設備を近代化しなければならないという状態にあるのでありますから、企業の増資の要求には、きわめて切実なものがございます。これは、二十四年中の株式拂い込み金が、昨年の四百二十億円に対し二倍に近い八百二十二億円に及んでおる事実からもうかがうことができるのでございます。
 しかるに、増資が本格化した昨年の秋に至りまして、戰後上昇を続けて来た株価は反対に崩落の一途をたどり、そのため一時株式恐慌ともいうべき事態を引起したのであります。株価の崩落は新しい資本発行を困難にいたしますから、企業の再建整備や産業の合理化のための資金調達は一頓挫を来し、事業会社は資金繰りに四苦八苦しなければならない状態に陥つて参りました。この状態が続きますならば、産業の復興はきわめて困難な事態に直面することになりまするが、産業面における事態の逼迫は、銀行にとつても、増資や起債を條件に融資した部分が回收できないだけでなく、全般的に融資先の経営内容が悪化しております折柄、これは決して楽観を許さない問題でございます。
 かくして、株式市場に対しまして何らかの対策を施し、株価の安定をはかることは、資本主義経済体制が支配しております今日においては、今後経済の再建、産業復興の出発点であると言わねばなりません。しかも、今日財閥はすでに解体し、またさきに述べましたように、市中銀行にも長期資金を期待することが困難でありますから、株式市場の役割はきわめて重大でございます。しかるに、戰後証券市場の地位が一段と高められることになりましたので、証券行政もまた近代的な形態をとるようになつたのでございまするが、戰後の株式市場の活況がインフレの進行によつてもたらされておる事実を軽視し、経済基調の転換に備えて本格的な対策を講ずる必要があつたにもかかわらず、この点が見落されていたために、昨秋以降の株式恐慌ともいうべき事態を引起した苦しい経験にかんがみ、これからの株式対策は経済政策上の問題として取上げなければならないと思うのでございます。
 この意味におきまして特に強調したい点は、單なる技術的な、あるいは応急的な対策にとどまることなく、広く経済政策の一部として、総合的な立場から株式対策を考えていただきたいということであります。今日の経済機構においてほ、景気昇降の具体的表現となつておる株式市場が恐慌に近い様相を呈しておることは、幾多の問題が滯在しておる折柄、すみやかに打開されねばならない重大な問題でございます。しかして、今日の経済体制のもとにおきましては、長期資金調達の重要な機関としての株式市場の意義を認めないわけに参らない。同様に、低落した株価の回復が実現できない場合に予想される幾多の経済問題の発生を防止する措置に單に反対だけすることはできないと信ずるのであります。
 この意味におきまして、国会におきましては、急速に株式対策として経済の実質的な安定への前進を促進したいと考えます。何とぞ本決議案に対しましては、皆さま方の熱烈なる御支援を得て、滿堂の賛成を賜らんことを切にお願いする次第であります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) これより討論に入ります。田中織之進君。
    〔田中織之進君発壇〕
○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程に相なつておりまする長期産業資金調達促進のための株式対策確立に関する決議案に対しまして賛成の意思を表明せんとするものであります。
 本案は共同決議案でありますために、わが社会党の要求が全面的にいれられておらないうらみがありますので、この機会に、株式市場対策に対しまするわが党の立場を闡明いたさんとするのでありまするが、今日経済再建の見地から長期産業資金の調達の必要なことは、きわめて重大な意義を持つておるのでありまして、この意味において、今日の株式市場の任務につきまして、社会主義を標榜するわが党といたしましても、單に資本主義経済の機構の一部分であるという理由で株式市場の存在を否定することはできないと信じます。平和的な革命遂行を党是といたしまするわれわれの立場から見まするならば、長期資金の調達が経済の安定を再建を促進する大きな要件であり、従つてその役割をになう株式市場の振興につきましては、確かにその必要を認めるものであります。
 そもそも株式市場は、資本主義経済下における景気変動を率直に反映して発展して参つたものであります。従いまして、資本主義上昇期における株式市場は、自由主義の原則のもとに発展することができたのでありまするが、資本主義が崩壊過程に入りますと、自力をもつて株式市場を維持することがきわめて困難になつて参つたのであります。特に戰後の経済再建の過程におきまして、資本主義の本来の機構がその機能を失つておりますので、株式市場の健全化を維持しようといたしまするならば、戰後経済の特殊性を十分に認識した上で慎重な株式対策を立てなければならないのであります。しかも、戰後の経済の性格が戰前とは大きく異なりまして、資本主義的経済政策をもつてしては再建が不可能であることほ明白な事実でございます。従いまして、現実の問題として、ただちに社会主義的な経済政策を実施し得ない今日の状態におきまして、長期資金の調達機関としての株式市場の役割を十分活用しなければならないのであります。この意味において、戰後には一つの目的意識を持つた経済政策上の問題として株式市場対策を考えなければならないと信ずるのであります。
 戰後の株式市場の推移をながめまするならば、戰争直後の虚脱状態を脱しました後、昨年の秋ごろまでは相当活況を呈したのでありますが、これは当時のインフレ高進に乗じて現われました現象であつて、インフレ收束期に入りました今日、金詰まりから、投資資金が枯渇したり、あるいは、かえつて資金が市場から引上げられたりすることになりまするから、株式の需給バランスが破れて株価が低落することは当然であります。特に戰後、財閥解体によりまして、株式所有者の層が、財閥からいわゆる大衆にかわつて参りましたために、株価が低落するとともに、これをもちこたえることができない事実が発生いたしまして、一段と株価の低落に拍車をかける結果を来しておるのであります。従いまして、株式市場を通じて長期資金を調達するという建前をとるといたしますならば、インフレ收束期に備えた株式対策というものを当然考えなければならないと信ずるのであります。すなわち、ただいま川野氏から提案の理由に説明せられたのでありまするが、ドツジ・ラインの実施によつて引起された金詰まりが株式市場に影響を與えるであろうことは、これは当然予想されたことであります。従いまして、これに対する具体策を何ら考えることなく時日を空費して、ついに今日の株式恐慌を引起したということは、これはまつたく吉田内閣の責任と言わなければならないのであります。
 そもそもドツジ・ラインは、資本主義的な原則から見まするならば、これは正統的なインフレ收束の方策と言えるでありましよう。従つて、日本経済の実情がこのやり方に耐えられまするならば、資本主義的には一つの意味を持つて参るのであります。しかしながら、今日の情勢では種々深刻な問題を生じておるのでありまして、日本経済の実情に即応するところの修正が必要であります。ドツジ・ラインの修正こそが株式対策の根本であるということを私は申し上げたいのでございます。
 今日、長期資金調達の必要上、株式市場の意義を認めますならば、総合的な経済政策の一部として株式市場対策を取上げることが至当であり、この点について、政府の施策の矛盾、つまり経済政策における合理性の欠如をわれわれは指摘しなければならないのてあります。言葉をかえて申しまするならば、自由資本主義を基本方針とする政府の政策には、日本経済の近代化の基礎である経済合理主義がまつたく認められておらないのであります。経済合理主養の見地に立もまするならば、今日の株式市場の不振をもたらした根本的な原因が資本の欠乏にあるということは明白であります。つまり、資金調達の必要額と、これを充足し得る力とのアンバランスの問題であります。従いまして、株式市場に供給される株式数が消化能力をはるかに越しておるという事実がある以上、この現象を何らかの方法において解消させる必要があるのであります。
 さらにここで一言いたしますならば、ドツジ・ラインによるところの資本の蓄積の過程において自己資金の充実が強く叫ばれましても、それが債務償還等に振向けられて、直接いわゆる設備投資等に向けられる部分が少いところに、やはり今日の株価の低落の一つの原因を生じておるという事実を、われわれは指摘しなければならないと思うのであります。つまり、今日のごとき資本主義崩壊期におきまして自由に放任いたしまするならば、株式需給のアンバランスから、とうてい自力をもつて株価を維持することができないのでありまするから、適当なる方法において株価を維持する施策が考えられなければならないのは当然でございます。
 かように、株式対策についても合理主義に基くところの経済政策の実施が要望されるのであるまするが、この点につきまして、従来の政府の施策が一貫性を欠き、今日まで思いつき的な動きを示したにすぎないことは、これは吉田内閣の非近代的な性格を意味するものと考えるのでありまするが、今日、日本経済に関する科学的な認識を欠く見解が施策を決定しておることは重大問題でございます。株式対策も、今日まで幾たびか取上げられたりでありまするが、今日の事態に至つては、きわめて深刻な問題であり、かつきわめて広範囲な問題で、これの及ぼすところの影響が重大な関係がありまするから、われわれはその趣旨に賛成するものでございまするが、わが党として、以下要約いたしまして、政府の施策につきまして若干の注文をつけたいと考えるのでございます。
 まず第一に、株式対策は、その主体となるべき証券業者自体がみずからの体制を整えることが先決條件であると思いまするが、今日の証券業界は、きわめてばらばらな意見と行動によつて動いておるようにわれわれは考えるのでありまして、この点に対する調整がまず第一に必要であるということ。
 第二には、昨秋行われました国税庁の帳簿検査の結果にきわめて注目すべき事実が現われておるのでありまして、その一例といたしまして、四大証券を初めとして業者の資産内容や経理状況の報告については嚴重な検討を要する問題が発生しており、また取引所の役員の中にも、証券取引法によつて禁止されておる手張り等を行つておるということも従来からいわれておることでございまするが、これらの問題に対する処置も必要でございます。
 第三には、幾たびが行われて参りましたところの証券民主化運動によりまして証券知識が普及いたしまして、大衆が無批判的に株式を買う結果を今日招いております。そのために、昨年の秋以来の株価の低落によつて最も打撃を受けたものが、これらの大衆でございまするが、これに対する保護の施策というものがまた重要な問題になつて来るのであり、特にこの点では、プレミアムつきの優良株を社内で処分して、大衆にはほどんど提供しておらないというこの事実についても、政府は嚴重な監督をしなければならないと思うのであります。
 第四には、証券業界におきまして、いわゆる四大証券の制覇が完全に行われておりまするが、それ以外の中小業者の利益が証券業界においても犠牲にされておる事実に対しまして、民主化の見地からこれが適切なる処置を講ずること。
 五番目には、資本発行にあたつて、発行会社はあらかじめ規定の事項を証券取引委員会に届けることには相なつておりまするが、資金調達後にこの届出事項の変更が行われておりましても、今日、これら投資家が知る由がないのであります。従いまして、投資家保護の見地から、これに対しましても、こうした届出事項の変更に伴う危險の救済措置を講じなければならない点。
 さらに、いわゆる場外市場として放置されておる自由市場には幾多の問題を生じておるのでありまして、証券取引の健全化をはかる意味において、これに対する処置も講じなければならない。
 さらに株式市場の公共的性格から考えますならば、その構成に、定款にありまするところの理事の四分の三、あるいは監事の三分の二以下の者は、会員である証券業者以外の者から選挙することに相なつておりまするが、現在、議長以下二十二名の役員中、証券関係業者でない者は日本銀行の関係者一人にすぎないという事実に対しましても、取引所の公共的な性格から、その役員構成等の民主化についても、政府としては、ただちに手を打たなければならない問題が出ておるのであります。
 さらに、昭和二十三年十一月以降の証券引受業務は証券業者の專業となつておるわけでございますが、今日の証券引受機能を証券業者だけではとうてい果し得ない実情である点より、資金調達の見地から、この引受機能の充実増大についても速急に施策を講ずることを私は政府に要求したいのであります。
 さらに見返り資金による証券会社の増資が考えられると聞いておりまするが、個々の会社に国家資本を導入するよりも、売買市場の健全性を維持いたしまして発行株式の消化を促進するということ、その方面に国家資本を利用するということは、これは自由党の諸君としても、私は理論的に一貫すると考えまするので、政府において、この点についての留意をはかつていただきたい。
 さらに最後には、証券取引法によつて、証券取引所や証券業者の監督については証券取引委員会の権限に一応属することになつておりまするけれども、今月問題になうておりまするところの証券業に対する総合的な施策は、一体証券取引委員会の委員長が責任を持つのか、あるいは大蔵大臣が責任を持つているのか、この点について明白にすること等が、この決議案の趣旨を実行する上において最もすみやかに手をつけなければならない問題であるということを指摘するわけであります。
 われわれは、以上指摘しましたような諸点についての政府の急速なる努力を強く要請いたしまして、国民経済内における証券業者の地位を認めると同時に、そのあり方に対しまして嚴重な反省を求め、必要に応じては政府の監督と指導を強化いたしまして、証券業者がその重大な使命に即応する態勢を実現することによつて投資大衆の保護と資本蓄積の役割が十分に果され得るように、政府において格段の努力を拂われんことを強く要求いたしまして、本決議案に養成の意思を表明するものであります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
 この際大蔵政務次官から発言を求められております。これを許します。大蔵政務次官水田三喜男君。
    〔政府委員水田三喜男君登壇〕
○政府委員(水田三喜男君) ただいまの御決議に関しましては、まつたく同感でございます。
 御要望の第一の事項につきましては、本年一月からすでに措置を講じておりまして、各企業間の増資に関し調整を加えておりますが、今後一層御趣旨達成の線に沿つて資本発行の調節及び指導に努力いたします。
 第二の過剰株式の吸收策につきましては、さらに各方面の協力を求めて実現方に努力いたします。
 第三の事項であります日本銀行の株式担保金融の問題につきましては、過般の日本証券金融株式会社に対する資金の融通に関連しまして、部分的、実質的にはすでに解決を見ているのでありますが、国債償還の進行に伴わせまして、全面的にこの制度が実現するような措置をはかるつもりであります。
 第四の投資信託制度の復活の問題でございますが、これはきわめて緊要妥当なことと思われますので、これも近き将来必ず実行を期すつもりでおります。
 第五の信用供與に伴うレギユラー・ウエイの導入につきましては、これも現在努力中でございます。單に現物取引だけでなくて、健全なスペキユレーシヨン、健全な投機取引を認めることが適正価格を形成するゆえんでございまして、これを認めることによつて株式市場の本来の姿を再現させるということが、株式対策をしましては何といつても根本的な対策の一つと思われますので、そういう、かなり根本的ないろいろの対策につきましては急速に準備を完了するつもりでありますから、国会の御協力もなお一層お願いしてやまない次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(幣原喜重郎君) 日程第十八は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第十八、ラフカデイオ・ハーン(小泉八雲)生誕百年記念事業に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。山本利壽君。
    ―――――――――――――
    〔山本利壽君登壇〕
○山本利壽君 ただいま議題となりましたラフカデイオ・ハーン(小泉八雲)生誕百年記念事業に関する決議案提出の趣旨弁明をいたしたいと思います。
 まず案文を朗読いたします。
  本年はラフカデイオ・ハーン(小泉八雲)生誕百年にあたる。この時にあたりわれらは真に日本を理解し、日本を愛し、甘木に関する幾多の著作をなして、これを世界に紹介したこの国際的文筆を顕彰すべきである。このことは、われら自らが自己を再発見し、又この偉大な文豪がわれらに寄せた深き理解と愛情とに報いる所以であり、延いては現下我国に対する諸外国人の認識と同情とをかち得る最大の時代的要務であると信ずる。よつてかかる意義ある顕彰は、速やかに国家がこれを企画し、且つ施行すべきである。
  右決議する。
  〔拍手〕
 ラフカデイオ・ハーンは、西暦一八五〇年、すなわちわが国の嘉永三年六月二十七日ギリシヤに生れ、父は当時ギリシヤ駐在の英国軍医チヤールズ・プツシユ・ハーンで、母はギリシヤ人ローザ・テツシマであります。二歳のとき父が西インドへ転任した折、母とともに、父の郷里アイルランドに渡つて父の一族に身を寄せ、四歳のころ、母が離別されてギリシヤに帰国した後は、父の叔母に引取られて養育されました。十三歳のころから、英国の学校に約三年、フランスの学校に約一年学びましたが、父の叔母の破産が原因となつて退学し、十九歳のころ、自活の道を求めて渡米したのであります。ニユーヨークを経て、オハイオ州シンシナテイに落ちつき、約八年を暮しました。その間、電報配達人、ホテル・ボーイ、広告取り等あらゆる辛酸をなめた末、一新聞社の探訪記者となつたのであります。
 その後ニユーオルリアンズに移り、ここでも幾多経済的苦難と戰いつつ三年余を経て後、タイムズ・デモクラツトの文学部主筆のいすにつくことができました。この地に滞在約十年の間に、彼の手になる翻訳や創作が漸次に世に出て、彼の文名は次第に高くなつたのであります。このとき、ニユーヨークの書店ハーバー社の依頼を受けて、フランス領西インドにおもむき、約二箇年滯在して、その地に関する紀行文や小説を発表し、彼の名は文壇に高く評価されるに至りました。ハーバー社は、次いで彼に日本行きを勧めることとなり、一八九〇年、すなわち明治二十三年四月、ハーンあこがれの日本渡来となつたのであります。
 彼が日本に着いてみると、その文化は彼が想像した以上に複薙であり、その文化の根底は意外に深いということを察しまして、短期滞在の予定をかえて、日本内地に居住して、おもむろにこの国の研究に従事したいと決心したのであります。
 たまたま出雲松江中字に英語教師の欠員があり、当時東大教授でありましたチエンバレン氏等の推薦で、同年九月より。彼がその職についたのであります。彼が松江に赴任するや、それまでの外国人教師とはまつたく異なり、人種や宗教上の偏見などはみじんもなく、日水の国柄に対して心から尊敬の念を持ち、日本的な思想を外人には珍しいくらい深く理解し、学校においては、日本人が言語系統の異なる英語を習得することの困難さをよく了解して、その講義は懇切丁寧をきわめたので、松江における彼の人気はすばらしいものがありました。
 かくて、同年十二月、松江中学の教師西田氏の媒酌で、小泉湊の次女節子との婚約が成立したのであります。小泉家は、旧松江藩士で、代々五百石をいただいた家柄であります。この松江時代こそ、ハーンが生れて初めて、ほんとうに魂の安息所を得て、しみじみと落ちついた気持を味わつたところであり、この節子夫人の内助あつてこそ彼の文学上の功績が不動のものとなつたことは御承知の通りであります。彼はその後三男一女を得ましたが、彼自身も日本に帰化し、小泉八雲と名乗つたのであります。
 明治二十四年十一月、熊本第五高等学校に転じ、三年の後、神戸クロニクルの記者となり、二十九年九月には、東京帝大文字部講師として再び教壇に立ち、明治三十六年三月まで勤続、翌三十七年四月、早稻田大学講師となり、その年九月二十六日の夕刻、突然狭心症をもつて沒し、雑司ケ谷共同墓地に葬られたのであります。
 富士山や芸者ガールさえ、まだ世界に広くは知られていないころから、彼は日本に対する限りない愛と理解とをもつて、この国土の有するうるわしい風光や、珍しい風俗習慣や、素朴な人々の生活をつぶさに観察し、流麗にしてしかも無限の滋味あふるるがごとき彼の文体に託して随筆とし、論文とし、物語として、世界の人々に紹介したのであります。彼の作品ほど世界中に多くの日本びいきをつくつたものはありません。
 彼の思想は、スペンサーの進化論的哲学と仏教の輪廻説とが混然一体をなしたものであるといわれておりますが、そのゆえにこそ、單にキリスト教的観点からのみ日本の文物を批評せられがちな世の中に、よくわが国の神道を理解し、仏教を咀嚼して、わが国文化の真髄を世界に知らしめたのであります。また日本の素材に、彼の深い思索と、真実でうるわしい彼の人間性が吹き込まれて、珠玉のような作品となり、その中に、われわれ日本民族の美しさと尊さとを、われわれ自身が驚異の眼をもつて発見し得るのであります。
 次に、彼は外人には珍しい五尺にも満たない体躯と、少年時代遊戯中に失明した左眼と、近視二度半という不自由な右眼の持主でありましたが、この貧弱な肉体的條件にも屈せず、鋭敏な感情と驚くべき洞察力とにより、常に彼の情熱をたぎらせて、芸術味ゆたかな作品を後世に残したのであります。また彼は、常に日常の行動において、不正、不義、卑劣、惨忍等の行いに対しては仮借なき反撃を示し、陰險邪惡の従輩への限りない憎惡の念を、だれはばかることなく示しているのであります。彼こそ、敗戰の痛手にとかくくじけて自己を失いがちな現在の日本国民に多大の教訓を與えるものと思うのであります。これらの観点からしても、この偉大なる国際的文豪を顕彰することはわれらの要務であると考えるのであります。
 彼にゆかりの地松江市においては、現に彼の旧居は保存されており、そのかたわらには、彼の遺品や原稿や著書や関係の文献などを納めた、ささやかながら記念館を設立しておるのでありますが、この際ハーンに関する総合的、永久的記念施設を設け、彼の偉業を顕彰するとともに、国際親善の強ききずなといたしたいと切望いたしておるのであります。
 今やこの要望は、松江市のみならず各方面に起り、東大の名誉教授市河三喜博士、関西日仏協会長マーセル・ロバート氏その他多数の内外著名の士によつてハーン生誕百年記念事業実現の委員会が組織せられ、また参議院においては記念事業に関する請願書が審議採択せられんとしていると聞きます。わが衆議院におきましても、文化に理解深き諸君の御賛同によりまして本決議案が満場一致可決せられますよう懇願いたして、この説明を終る次第であります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) これより討論に入ります。松澤兼人君。
    〔松澤兼人君登壇〕
○松澤兼人君 ただいま上程されましたラフカデオ・ハーン氏の生誕百年記念事業に関する決議案に対しまして、簡單に賛成の理由を申し上げたいと存ずるのであります。
 決議の内容は提案者より説明があつた通りでありまして、わが国文化の現状より見まして、文化財の保存顕彰の必要があることは申すまでもないことであります。将来日本が平和愛好国として国際社会に参加しようとしておる現在、さきに国会においては湯川博士の業績の選奨が議決せられ、また文化財の保存の決議もなされておるのでありまして、国会がかかる文化的な問題に対し深い関心を持つことを表明しておりますことは、きわめて欣快にたえないところであります。世界の眼は、おそらくわが国の戰争放棄が、いかなる形において、いかなる方法において実現しつつあるかを見ようとしているのではないかと思うのであります。国民、ことに将来のわが国の運命をになうべき青少年が、わが国の文化的な遺産につき深い関心と認識を持ち、将来の文化建設に寄與する自信と熱意を持つことにわれわれは大きな興味を持つのみでなく、これに対し協力をなさなければならないのであります。特に外国人には理解容易であり、血のつながりのある外国人のわが国における業績とその生涯についてこれを内外に紹介し、その事蹟を顕彰することの意義は、きわめて大きなものがあると信ずるのであります。
 ラフカデイオ・ハーン氏が日本に来朝したのは明治二十三年、一八九〇年でありまして、ハーン氏は、日本の文化の意外に複雑であつて、しかも根底の深いものであることを見出し、風土の美しさと国民性の純良さを喜び、日本に居住する決意を固め、日本研究を始めたのであります。この傾倒がいかに深いものであつたかは、彼が日本婦人と結婚し、日本に帰化するに至つたことによつても明瞭にうかがわれるのであります。
 明治二十三年、松江中学校の教師となり、校務の余暇をさいて国史の研究をなし、日本文化の由来の探求に着手し、翌二十四年には、熊本に招かれて第五高等学校に教鞭をとり、数年間学生に英文学を講じたのであります。後、クロニクル新聞の記者となつて、日本に関する多くの著作を内外に発表いたしました。それらのうち著名なものには「知られざる日本の面影」「東の国より」などがあるのでありまして、明治二十九年には、東京大学より招かれて文学部の講師となり、爾来三十六年に至るまで孜々として英文学の講義に努めたのであります。わが国英文学界及び文芸における数多くの先達がハーン氏の門下より生れておることは、きわめて高く評価されなければならない事実であります。さらに当時、国際的には日本に対する認識がはなはだ低い段階であつたことを考えるならば、ハーン氏の流麗な文体をもつて、日本及び日本人に深い愛情を持ち、日本に関する数多くの研究を発表し、伝説、風俗の描写、随筆等をもつて、欧米人にきわめて日本に対する大きな興味を與えたということは、世界に日本を紹介するに大きな貢献があつたと申さなければならないのであります。
 戰前におきましては、主として軍国主義的または封建的な遺跡の顕彰が行われたのでありますが、今日国際的の文豪の生誕百年にあたりましてラフカデイオ・ハーン氏の文化的功績を顕彰し、東西文化の交流、過去における日本人の文化愛好的国民性の認識及び今後の日本の文化的平和国家建設の基礎づけ等の観点から考えてみまして、かくのごとき決議はきわめて適切であると存ずるのであります。教育に対してラフカデイオ・ハーン氏が與えたその功績もまたこれを見のがすことができないものがあるのでありまして、日本教育史上に特筆さるべき大きな事蹟を残したとわれわれは考えるのであります。
 私どもに、山本利壽君から提案説明がありました通り、この決議に衷心より賛成いたしまして、ハーン氏の遺跡顕彰等記念事業をなすために政府は万至の協力をなすべきことを要請いたしまして賛成の討論を終る次第であります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。この際文部大臣から発言をを求められております。これを許します。高瀬文部大臣。
    〔国務大臣高瀬荘太郎君登壇〕
○國務大臣(高瀬荘太郎君) ただいまの御決議に対しまして、政府の所見を簡單に申し上げたいと思います。
 ラフカデイオ・ハーン先生が残されました不朽の文化的の業績が、わが国文化の世界的認識を非常に深め、またその世界的な価値を非常に高めたという点につきましては、御決議に御指摘になりました通りであります。従いまして、その大きな功績を顕彰いたすために先生の生誕百年記念事業を企画実施するということは、政府といたしましてもまつたく賛成であります。ついては、御決議の趣旨に従いまして、これから適当な企画及び実施について、できるだけの努力をいたしたい所存でおります。(拍手)
     ―――――・―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、肥料配給公団令の一部を改正すす法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異談ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 肥料配給公団令の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事山村新治郎君。
    ―――――――――――――
    〔山村新治郎君登壇〕
○山村新治郎君 ただいま議題と相なりました、農林委員会付託にかかりまする、内閣提出の肥料配給公団会の一部を改正する法律案につきまして御報告申し上げます。
 本改正法律案の要旨は、およそ二点であります。第一点は、肥料配給公団令の有効期間を一年延長いたしておきまして、現在の春肥配給終了の上、なるべくすみやかに、本令第七條の経済安定本部総務長官の解散命令によりまして廃止するようにしたいという点であります。第二点は、同公団に必要な什器備品は基本金によつて購入することになつておりますが、すでに消耗はなはだしく、業務上支障を来しておりますので、五百万円を増加いたしまして最小限度の補充をいたしたいということの二点であると思うのでございます。
 肥料配給公団の存廃につきましては、すでに旧臘三十一日付の総司令部マーカツト経済科学局長より経済安定本部総務長官あての覚書の中で、一九五〇日本会計年度中において同公団の機能を漸次廃止する計画を進めるようにとの要請を受けているのであります。他方、肥料価格差補給金の廃止の措置に伴いまして、肥料価格は本年一月以降漸次値上げとなりまして、七月末日までには七割程度の値上りが予想されるのでありまして、これが農業生産に及ぼします影響は重大でありますので、本年一月、本国会再開当初より、本委員会におきまして、一般農政と関連いたし、政府委員との間に活発なる論議がとりかわされて来たのであります。次いで公団に関する小委員会の設置せられましてからは、本公団の存廃、肥料価格、あるいは生産状況、輸入量ないしは有効需要の見通し、またはそれらの農村経済に及ぼす影響等に関しまして、真劍な質疑あるいは意見の開陳がなされたのであります。
 本法律案は、二月二十一日付託となり、同月二十四日提案理由の説明を聞きまして、本委員会並びに小委員会におきまして引続き検討を加えて参つたのでありますが、今特に問題となりました要点を申し上げますと、第一点は、価絡差補給金撤廃による肥料価格の値上りの問題でありまして、公団の廃止または公団事務の簡素化ないしは肥料生産コストの合理化等によりましてその値上りを極力軽減すべきこと、第二点は、本年度末にはおよそ硝安二十万トン程度のストツクが見込まれて、財政負担の軽減の上からもこれに対する適切な処置を講ずべきこと、第三点は、同公団の存続を明年四月一日までとしているが、すでに需給関係が著しく好転しておるので、県段階以下を廃止する予定の七月末をもつて同公団を同時に廃止し、その後は肥料管理法のごとき間接統制によるのが至当ではないかということ等でございます。
 これに対して、重要なる問題でございまするから、本日の委員会におきまして、森農林大臣は、春肥の配給の終る七月までに県段階以下の機構を整備し、また肥料資金等に対する措置も講じて、同月の末までに肥料料公団を廃止すべき旨を言明せられたのであります。
 次いで討論に移りましたるところ、自由党河野委員並びに民主党小林委員は、春肥の配給を終つた後公団を廃止するということは当を得た措置として賛成を表明せられ、また共産党山口委員は、本案に対する反対を表明せられました。続いて国民協同党吉川委員、農民協同党小平委員の両委員は、同公団を七月末に廃止することは妥当の措置と考えるが、存続を一箇年延期せんとする原案には賛成しがたいとて反対せられたのであります。
 討論を終り採決に付しましたるところ、多数をもつて原案の通り可決すべきものと議決せられたのであります。
 以上御報告申し上げる次第であります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ―――――・―――――
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
教育委員会法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案及び教育委員会法の一部を改正する法律案の両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案、教育委員会法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員会理事岡延右エ門君。
    〔岡延右エ門君登壇〕
○岡延右エ門君 ただいま議題と相なりました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、本法案の概要並びに文部委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず本法案の内容を簡單に申し上げますれば、北海道大学ほか三校の学部の再編成または新たなる分割を行い、本年三月をもつて職員生徒の定員がなくなる國立学校を削除し、大学の付属研究所を新設しまたは併合いたしますとともに、國立の各種学校を東京教育大学に付設すること等であります。また以上のごとく改正せられますために、結局四百九十一名の職員の定員が増員と相なるのでございます。
 次に審議の経過について申し上げます。三月三日に本委員会に付託となりましてから、六回にわたる慎重なる審議の結果、自由党の高木章君より修正案が提出いたされました。
 次いで討論に入り、共産党の今野武雄君より反対意見を述べられましたが、修正案について採決の結果、多数をもつて可決せられ、次に修正部分を除く原案について採決の結果、これまた多数をもつて可決せられ、結局本案は修正議決せられました。
 次に、ただいま議題となりました教育委員会法の一部を改正する法律案について、文部委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず政府原案の要旨のおもなる点を御説明申し上げます。
 その第一は、地方委員会の設置の時期を昭和二十七年度まで延期することにいたしまして、今回は市と特別区についてのみ昭和二十五年度または昭和二十七年度にこれを設置しようとするものであります。
 第二は、教育委員会の職務権限の明確化をはかつた点でありまして、学校その他の教育期間の建築、営繕の実施について教育委員会の責任及びその実施方法を明らかにしようとしたこと並びに学校の保健計画に関する権限及び教育事務に関する收入の命令権を有するようにしたこと等について規定しておるのであります。
 次に第三としましては、教育委員会と教育長との関係について、両者本来の機能を明確にしようとしている点であります。
 以上が本案の大要でございますが、文部委員会においては熱心なる審議が行われ、自由党の水谷昇君より本案に対する修正案が提出いたされました。
 次いで討論に入り、共産党の今野武雄君より反対意見が述べられて後、採決に入り、まず修正案は多数をもつて可決いたしました。次に修正案を除く原案につきまして採決いたしましたところ、これまた多数をもつて可決いたしました。よつて本法案は修正議決した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれ修正であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数よつて両案とも委員長報告の通り決しました。
     ―――――・―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、連合国軍人党住宅公社法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 連合国軍人等住宅公社法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長淺利三朗君。
    〔淺利三朗君登壇〕
○淺利三朗君 ただいま議題となりました連合国軍人等住宅社公法案について、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のごとく、連合国軍用住宅は、生活様式あるいは環境の著しく異なる本邦個人住宅の接收あるいはビルの改造等の応急的措置によつてまかなわれて参つたのであります。しかし、それだけでは現在はなはだ不自由であるのはもちろんのこと、いまだ必要糧だけも十分でないこの実情にかんがみまして、この際米国対日援助見返資金を活用いたしまして連合国軍用住宅を建設し、これを連合国軍人等に賃貸しして、前述のような不自由あるいは不足分を幾らかでも緩和しようとするのが本法案の趣旨であります。
 次に、その内容について簡單に申し上げますと、まず第一に、連合国占領軍の軍人及び連合国占領軍に附属しまたは随伴する連合国人並びにこれらの者の家族の使用する住宅を建設してこれを連合国軍人等に賃貸しするため公社をつくるよう規定しております。第二に、援助資金を本目的に運用することができるように米国対日援助見返資金特別会計法の資金運用目的を拡張しております。第三に、本建設が従来特別調達庁で行つて来た連合国軍用住宅の建設と同様の性質であり、また急速建設の必要に迫られている点等からして、本公社の役職員をすべて特別調達庁の職員から兼任させて特別調達庁と表裏一体の関係に立たしめ、もつて公社を設立するための時間と費用の節減を考えているのであります。第四に、公社の経理につきましては住宅建設費は援助資金の借入金で支弁いたしますが、住宅の維持修理は終戰処理費で行い、公社の事務費は特別調達庁との表裏一体の関係から特別調達庁の庁費として支出するのであります。
    〔議長退席、副議長着席〕
その他国有財産を公社に無償で貸與する道を開いていること、公社成立まで特別調達庁で公社の事務を代行すること以外は、国税、地方税の不課税に関すること、公社の監督に関すること等、おおむね他の公法人と共通的な事項に関する規定であります。以上は本法案の概要であります。
 本委員会におきましては、法案の重要性にかんがみ、政府との間に種々熱心なる質疑をかわし、慎重審議をいたしたのでありますが、詳細につきましては会議録に譲ることにいたしたいと存じます。
 かくて討論を終局したる後、各派共同提案による修正案が瀬戸山三男君より提出されました。その第一点は、附則第十一項を削り、第七條に一項を加え、地方税を公社には課さない旨を明らかにしたい。その第二点は、第十七條中「連合国最高司令官の命令に基き」という字句を削除したいということでありました。すなわち、附則第十一項は目下地方行政委員会で審議中の地方税法案の成立を前提としたものでありますのに、本法案はこれに先んじて早急な成立を要求せられるものでありますので、現行の地方税法に基き公社に地方税を課さないよう規定する必要があるのであります。また第十七條中特に「連合国最高司令官の命令に基き」とある部分は、わが国の置かれている諸情勢からして当然でありますので削除いたしたいというのであります。
 次いで討論に入り、修正案に対しては各党賛成の意見が述べられ、修正部分を除く原案に対しては、共産党を除く各党は賛成の意見を、共産党は反対の意見をそれぞれ開陳されたのであります。
 かくて採決に入り、修正案は全会一致をもつて可決、修正案を除く原案に対しては賛成多数をもつて可決いたした次第であります。
 以上、簡單に御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立者多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
     ―――――・―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、特別調達庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 特別調達庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事江花靜君。
    〔江花靜君登壇〕
○江花靜君 ただいま議題となりました特別調達庁設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会の審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 本案において改正を行わんとするおもなるものは五点でありまして、第一点は、特別調達庁の内部機構を改組しようとするものであります。すなわち同庁は、従来中央官庁としての事務のほかに、全国の約四割に達する調達の現業関係事務を取扱つて参つたのでありますが、今回この現業関係事務を分離して、これを新たに設置する東京特別調達局に取扱わしめ、同庁はもつぱら調達に関する企画立案並びに地方局の指導監督に当ることとしまして、その内部部局を、従来の長官官房及び五部制から長官官房及び財務、契約、技術監督、労務管財の四部制に改め、さらに経理部一人のほかほ各部二人ずつでありました次長を各部一人に減じ、減じた部長と次長をもつて東京特別調達局の長及び部長に充てることとしようとするものであります。なお明年度からは終戰処理費の所管が大蔵省から総理府に移ることとなりましたため、各部の所掌事務をこれに対応せしめて改めようとするものであります。
 第二点は、従来特別調達庁長官の諮問機関として設けられてあります五つの審議会を三つに減じ、これらを同庁の付属機関として規定しようとするものであります。すなわち調達役務審議会は、同庁長官を会長とし委員五十人以内で組織し、設計測量その他の技術的事項及び連合国の教育映画等の日本語版または外国語版の編集、製作並びに調達されたホテル等の運営に関する調達役務について調査審議するものであり、中央調達不動産審議会は、委員二十人以内で組織し、会長は学識経験者のうちから任命された委員の互選により定めることとし、調達不動産及びこれに付属する動産の評価についてその基準その他一般的事項を調査審議するものであり、また調達芸能審議会は、同庁次長を会長とし委員三十四人で組織し、芸能に関する調達役務について調査審議するものであります。これら審議会の組織及び所掌事務の大網についてはこれを本法において規定しておりますが、その細部規定並びに委員の任期等につきましてはこれを政令で定めることとしております。
 第三点は、前に申し述べましたように、従来特別調達庁で取扱つておりました調達の現業関係事務を所掌せしめるため、地方支分部局の一つとして新たに東京特別調達局を設置しようとするものであります。
 第四点は、地方支分部局の内部機構の改組みであります。すなわち特別調達局の内部部局は、従来経理、契約、技術並びに促進監督の四部制のほか、当分の間管財部を置くことができることとなつておりますが、接收不動産事務、特に解除不動産補償事務並びに解除財産処理事務等の漸増にかんがみまして、これら事務遂行の万全を期するため新たに局長官房を設けるとともに、管財務を加えて五部制に改めようとするものであります。
 第五点は、特別調達庁は最初特別法人として発足いたしました関係から、旧法による同庁の役員または参事もしくは主事などの職員で、昨年六月同庁設置法により国家公務員となつたものに対し今回旧法による勤務年月数を恩給年限に通産する道を開かんとするものであります。なお特別調達庁は現業関係事務を取扱わないことといたしましたため、連絡事務所は地方支分部局なる特別調達局のみにこれを設置できることに附則において改めております。
 本案は、以上の改正に伴う所要の改正を行い、四月一日からこれを施行しようとするものであります。
 本案は、三月二十五日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、質疑を行つた後、三月二十八日、討論を省略して採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、山口武秀君提出、食糧の供出並びに配給制度に関する緊急質問、これをこの際許可されんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 食糧の供出並びに配給制度に関する繋急質問を許可いたします。山口武秀君。
    〔山口武秀君登壇〕
    〔「大臣はどうした」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 大臣には通告しておきましたか、何らかの都合で出席がありません。
○山口武秀君 私は、供出並びに配給制度に関する問題につきまして関係大臣に質問いたしたいのであります。
 政府は、今回食糧管理制度の転換を行うために各種の用意を進めており、すでに本日の国会にも上程になりましたが、いも類の取扱いの問題につきまして、その第一歩を始めておるのであります。この食糧管理制度の転換は、農村にきわめて大きな影響を與えておりまして、すでにわが国の農業、農民団体は、手放し統制解除の反対、さらに食糧輸入関税永久無視反対の声をあげておるのであります。一体、現在の供出制度は戰時統制時代からの継続であり、これは明らかに食糧の掠奪政策なのであります。それにもかかわらず、農民がなぜこれに賛成し得ないのか。これには重大な理由が存ずるのであります。この理由は、本来は一つのものでありますが、二つにわけて申し上げることができるのであります。その一つは、現在日本の農業と農民が與えられておりまする地位と役割なのであります。第二番目には、これは産業に限つたことではないのでありますが、政策の自主性の問題であります。従来、日本の農業の後進性は明らかにされたところでありまして、国内民主化の観点からいたしましても、国際農業との競争の観点からいたしましても、農業の前進、生産性の向上は必須の條件とされていたものであります。ところが、戰後日本の舞村はこの方向に向うベきであつたにもかかわらず、そこの方向に向つて来たであろうか。事実、その逆の方向へと向つて来たわけであります。農業の前進を可能にする條件、土地の完全な解放、農家における経済的な要因、さらに前進を可能にする社会的な情勢というものは、まつたく存在していないのであります。さらに、農業の前進を可能にする国家の援助がない。発展どころではなくして、現在は農業存立の基礎が破壊されるまでの状況に立至つておるのであります。これは何のためであるか。自由党吉田内閣の農村収奪の政策がここまで農村を追い詰めて参つたわけであります。農村収奪の現状が、農業がいずれの方向であろうと発展する方向を完全にとさしておるというのが実情であります。(発言する者多し)黙つて聞いておれ。
 日本の農業と農民に與えられましたものは、独占資本の収奪の対象である。労働者の低賃金の基礎としてであり、さらに最近におきましては、失業者の引受機関としての役割を負わせられておるのであります。日本の農村は植民地的に再編成されようとしておる。問題はここにある。このような條件のもとにおける農業は、自立できない実情に置かれておる。農業が自立できるという力を自由党政府がすべて奪い去つてしまつたのであります。それだから、惡制度である現在の供出制度に対してすらも、これより以上苛烈なる收奪が自由の名のもとになされるということをおそれまして、日本の農民は、現在の自由党の管理制度の転換に反対をいたしておるわけであります。この基本問題を解決しない統制の解除をするとするならば、それは新しい形における農村の収奪ではないか、より農村の収奪をはげしくするのではないだろうか、この点に関する政府の基本的な見解を聞きたいのであります。(「ソ連だ」と呼ぶ者あり)わかりもせぬのに黙つておれ。
 次いで政策の自主性の問題であります。特に輸入食糧におきましては、この点が問題になるのであります。政府は、国内の自給度を高めて不足分を輸入すると言つておる。だが、一体どこに国内の自給度を高めるような政策があるのか。災害復旧すら十分になし得ない單作地帯に油紙を配るということが自由党の最大の増産政策ではないか。そのほかに何があるか不足分を輸入すると申しまするが、昨年度の輸入量も当初の見込みよりは増大し、二十五年度の主食需給見込もを見ても輸入最が多く、二千万石が二十六年度に持ち越されるというが、これほどの多量な持越しが何のために必要とされるのであるか。しかも、さらに輸入量はその見込みよりも増大する可能性があるといわれておる。これが不足分を補うための輸入であり、政府の自主的な計画によるものといえるのであるか。農民を不安にしておるのは、自由党の政府が日本の農業というものを忘れて、外国の事情のために、それを基礎にして食糧の輸入をして行くのではないかという点であります。この点に関する、納得の行く説明を要求いたします。
 現在、世界的に食糧は過剰生産である。米国を初め各国は農業恐慌に襲われておるわけであります。またかりに、東南アジア諸国が軍事的な資金の必要のために日本に米の輸入を求めて来るという事情も考えられるのであります。外国の過剰食糧や軍事的要因によつて輸入が左右されてはならないはずである。ところが、すでに恐慌輸入か始まつており、そのため日本の農業恐慌は本格化しつつあるのであります。従つて、食糧輸入に関する政府の見解、政府の計画による輸入量の見込み数字、さらにその数字の基礎、持越量につきましての政府の説明をお願いしたいのであります。
 なお、いずれにしても政府は供出制度の改廃に進むでありましようし、それが新しい農村收奪の形となつて現われて来るでありましよう。だが、すでに農民は吉田内閣の収奪政策……。
○副議長(岩本信行君) 山口君に御注意申し上げます。時間が経過いたしました。結論をお急ぎ願います。
○山口武秀君(続) この結果は、農家收入は昨年度に比して五割に減少したといわれておるのであります。しかも一方、政府の低賃金、重税、首切りの政策は、大衆の購買力を極度に削減しているのであります。ここで供出制度の改廃が行われるとしまするならば、まず農家の窮迫販売が考えちれるのであります。これは、最近になつて転落農家が、自己の保有米をやみ売りして生活しているという事態から考えましても、当然に予想されることであります。この窮迫販売には、たたき落し買いがなされるでありましようし、さらにブローカーの発生も考えられるのであります。なお商業資本が新しく農民搾取のために登場していることも予想しなければならないのであります。また販売においてのみならず、消費者の購買においても全般的な混乱が考えられます。これにつきましての政府の見解、さらに日本農業を守り発展させるためには貿易と食糧生産の自主権を持つことであり、さらに民族の独立を守ることにあるはずでありまするが、これに関する政府の見解をお聞きしたいのであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) ただいまの山口君に対する答弁は、ただいま農林大臣が参議院の予算総会で答弁中だそうでありまして、動議がありましようが、次の吉川久衛君のとあわせてあとで答弁ということで御了承願います。
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、吉川久衛君提出、報償物資対策に関する緊急質問、これをこの際許可されんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 報償物費対策に関する緊急質問を許可いたします。吉川久衛君。
    〔吉川久衛君登壇〕
○吉川久衛君 私は、報償物資対策に関する緊急質問をいたします。大蔵大臣、農林大臣、通産大臣、安本長官にお願いをいたします。
 報償物費とは、出すまでもなく主食、農産物の強制供出に対する報酬と増産奨励を意味するものであります。昭和二十四年産米に対する報償物資にいて、農林省では、昨年の不評にかんがみまして、さらに一〇〇%供出完遂を間違いないと見て、早くから手が打たれました。衣料については昨年七月に計画生産が終り、早場米の出始めた九月には、ほとんど全国各都道府県に現品が行き渡つていたのでありますが、いよいよ農家が品定に移つたころ、織物消費税廃止、マル公の引下げ、取引高税の廃止、一億数千万ヤールの綿布の放出等で、報償衣料品は、市販品のものより平均三割強の割高となつたのであります、それに加えて農家の金詰まりで、引取り拒否が全国に広まり、小売店、農業協同組合の滞貨山積となり、ひいては卸売業者の受取る手形が大半不渡りとなりまして、金融界にも累を及ぼすに至る重大な問題となつておるのでございます。
 もともと報償物資は、政府もしばしは言明しておるように、生産費を償わない米価の補償的ない意味を持つておるものでありまして、報償物資が市販品より三割以上も高値であることは、報償制度の意義を没却するものであります。(拍手)
 農協組関係だけでも、その取扱い高は約五十億円で、そのうち、現在十九億から二十三億円の滞貸と見られ、報償衣料品代金の手形不渡りが約十三億円に及んでおるといわれております。農協組等は、この莫大な滞貸をかかえ、経営上、今や重大なる危機にございます。
 全購連の調査によりますと、配給当時のマル公小売価格と、現在販売し得る価格とを比べてみますと、綿織物について、農協の農民への配給価格一反五百五十四円の品が、市価では三百八十二円で約三割の開き、作業スボンは五百八十七円が三百五十円で、約四割の開となつております。千葉県五井町の農業協同組合の実例を見まするに、供出に対する割当は、てんじくが三百二十五反、このうち農民の引取り拒否残品が約半分の百五十反で、品質、価格の点で市販品と比べものになりません。残品の整理は不可能と見られております。白木綿について見ますと、四百二十四反割当のうち残品が三百反で、これは品質粗惡で、全然換金される見込みがないといわれております。このような実情でありますので、農業復興会議外五十七団体の加盟するところの農村衣料全国協議会は、しばしば国会、政府関係方面にも要請運動を起しまして、この窮状を訴えておるのであります。また、去る三月九日には緊急全国大全を開催いたしまして、二十四年産米、かんしよ供出に対する報償物資配給処理について、価格の引下げ、滞貸の処理、金融設置等、局面打開に熱烈な討議を行い、決議をなし、悲壮な叫びを上げておるのであります。このときの決議の趣は、すでに関係各省大臣各位に御承知のところであります。
 私どもは、日本農民が、インフレ経済下において強制供出制度に頭を押えられ、あまつさえ低米価によるシェーレの増大と課税の重圧によつて悩み抜いて来たのを見て参りました。しかるところ、今また世界的食糧事情の好転になりまするや、農業物価の保証となる統制の廃止の傾向に、農民は極度に不安に脅かされておるのであります。デフレ経済下にあつて、課税の重圧は、依然たるものがあります。この実情は、最近町村の経済の中心をなすところの農業協同組合の合併もしくは解散等によつて整理されたものがすでに三百八十余件に及んでおる実情を見ますれば、雄弁にこのあたりの状況を物語つておるのでございます。現下の国際情勢を考え、平和な文化国家として立ち上らなければならないところの日本の将来を考えまするときに、全人口の半ばを占める農民をして安心して生産増強に邁進せしめ、わが国食糧の自給度を高めることは、輸出を増進し、経済復興の基本施策として強力に実施しなければならないと考えられるのであります。報償物資は、購入してから食糧の完全供出が行われまするまでは配給のできない関係上、相場の動きを見まして、すなわち安くなるからといつて、かつてに処分することができないような品物であります。そのため配給事項の発生したときは、前に述べましたような事情によつて、市販品は非常に下落したのであります。しかるに、配給物資は三割も四割も高い。金の詰まつた農民は受取れない。経営難の農協は、この負担が非常なウエートとなつておるのであります。報償の趣旨から考えて、政府は、その責任において、すみやかなる設置をとらるべきであると思うのであります
 三月九日、参議院農林委員会におきまして、森農相は、十三億と予想される不渡り手形については政府引受けにより解除するよう努力する、滞貸の価格引下げは三割程度の見込みで努力したい、引取り拒否の残品を問屋や荷受機関に返品しても代金決済の問題が残るから適切な設置をとる大蔵、通産大臣とも協議し至急対策をとりたい、と言明されております。このような消極的な設置さえも、その後はかばかしく決定されていないのでありまして、この点について、関係各大臣に次の二、三点をお伺いいたしたいと思うのであります。
 昭和二十四年度報償物資過年度分を含むについては、全品目につき報償の趣旨に合致する物価まで値引きをし、その差額を全農民に返戻すること、二、農民のまつたく不必要とする物資及び値引きが僅少な場合には返品できるようにすること、そのときは農民の欲する代品を報償の趣旨に合う価格にて配給すること、大体前二項の措置を円滑ならしめるため、荷受機関に対し、即時に十数億円の未回收を、農林中金を通じて政府資金によつてつなぎ金融を行い、融資期間は、政府における値引き基本措置が実施せられ、滯貨処理が完了するまでとすること、以上の三点について大蔵、通産、農林各大臣の責任ある御答弁を求むるものであります。
 なお念のために政府は均衡予算に籍口しまして財源がないとは申されないとは思いますが、去年配給の綿製品は、マル公二倍値上げ以前に持つておりましたところの手持を新価格で配給したのでありますから、その差益金があるはずでありますし、食糧管理特別会計においても買入米の等級差金の剰余金が甚大なものがございますし、あるいはまた集荷費等からの転用をもつていたしますれば財源には困らないはずであります。公団の赤字は無制限に背負い込む政府が、自己政策の破綻による農協や中小業者の損失は対岸の火災観すると言われることのないように、誠意ある御答弁をお願いする次第であります。(拍手)
    〔政府委員坂本實君登壇〕
○政府委員(坂本實君) まず山口議員から御質問のございました食糧の供出並びに配給制度に関しまする御質疑にお答えを申し上げます。
 最近、食糧事情が著しく好転をいたして参つたのでありまするが、これは国内産食糧に対しまする農民各位の絶大なる御協力のたまものであり、また一方連合国の援助によることは申すまでもないのであります。従いまして、この食糧事情の好転に基きまして、あるいは供出の関係、配給制度等につきまして、従来の不備欠陥等をこの際是正をいたしたいといろいろ研究をいたしておりまするが、未だ結論に到達をいたしておらないのであります。なおまた、わが国の食糧の自給度を高めまするためには、国家財政の許す限り国費を投じまして、土地改良を初め災害復旧等も十分ひとつその手を打ちたいと考えておる次第であります。
 さらに需給推算についての御質問であつたのでありますが、一応昭和二十五年の米穀年度におきまする需給推算を見まする場合、国内産食糧の集荷並びに輸入食糧においては幾らか繰越高がふえて参つておるのでありますが、しかしながら、国内産食糧にいたしましても、天候その他の関係でいろいろ減收等の事実も起つて参りまするし、また輸入食糧につきましても、米国の対日援助資金によりまする輸入と、商業資金によりまする輸入との見通しも、まだはつきりいたさないのであります、従いまして、これが必ずしも繰越高があり余つておるというふうには考えておらないのであります。かような意味におきましても、いろいろ新聞等に報道されておりまする供出制度、配給制度に対しまするところの転換につきましては、ただいまのところ、昭和二十五年度につきましては極力既定の方針によつてこれを推進いたしたいと考えておる次第であります。
 さらにまた吉川議員からお尋ねのありました報償物資対策に関します御質問でありまするが、いかにも昭和二十五年産米並びにかんしよに対します報償物資が著しく滯貨をいたしておりまする現状に対しましては、われわれといたしましても、種々これの対策に苦慮いたしております次第でございます。
 まず第一は手形の決済についてでありますが、これは手形法等の関係もありまして、いろいろ大蔵当局にも御配慮を願つておるのでありますが、特にこの報償物資に対します手形の取扱い方につきましては慎重を期せられるようにお願いを申し上げておるわけであります。
 さらにまた滯貨処理の方法といたしましては、返品もしくに値引の問題があるのでありますが、農林省といたしましては、この滯貨の実態を把握いたしますためにいろいろ手を盡しているのでありますが、いまだ事務的には正確な数字が出て参らないのであります。しかしながら、この問題を放任いたしますことは――いろいろ農村の実態から見まして、一日も早く解決をいたしたいと存じまして、関係各省とも連絡をいたしておるのであります。なお返品の問題につきましては、いろいろ実際上の取扱いにつきましても困難な点もあろうかと思いますので、極力値引の問題について処理をいたしたいと農林省は考えておりますが、関係各省のお考えもあるのでありまして、近日中に成案を得たいと、せつかく努力をいたしております最中でございます。
    〔政府委員水田三喜男君登壇〕
○政府委員(水田三喜男君) 御質問にお答えします。
 最初に山口さんの御質問でございますが、輸入食糧については永久無税というようなことでございましたが、永久無税ということは考えておかません。ただいまは暫定措置によりまして免税しておりますが、援助を受けておる現状から考えまして、今後一、二年の間免除したいと思つております。しかしながら、この免税期間が過ぎましたら、これは現行の従量税を政府としましては従価税に改めて課税したい、こういう方針を持つております。
 それから吉川さんの御質問でありますが、これは先ほど坂本農林次官が答弁されましたように、今関係当局でこの対策をやつておりますので、近く閣議に出せるところまで行くと思つております。問題はやはり物資の値引をしなければ解決になりませんので、どれだけ値引するか、値引するとすればどういう方法でやるか、この問題が決定すれば一切は解決しますが、その間の措置といたしまして、それができるまで金融も本格的に行きませんので、これができたら、すぐにいろいろな金融ができるように、現在滯貨金融の百五十億円のうち、とりあえず十八億円のわくだけは、この二十五日の預金物資金の運用審議会で決定しておりますので、必要に応じてさらにこのわくを拡大する、この準備は十分してありますので、あとはただ関係省で値引の対策が本格的にきまればいい、そこまで行つておりますので御了承願いたいと思います。
    〔政府委員宮幡靖君登壇〕
○政府委員(宮幡靖君) 兼任大臣にかわつて、通産省の所管につきお答えいたします。
 まず、山口議員の御質問のうち通商面に関します輸入食糧の部分について申し上げます。ただいまのいわゆる二十五年度、四月から明年三月までの間の輸入食糧につきましては関係方面と折衝中でありますが、大体米に換算しまして三百十六万トンというねらいで交渉いたしております。これを輸入いたします相手国は、小麦につきましては大体アルゼンチン、濠州、カナダ、大麦につきましては北アフリカ、アルゼンチン、濠州、米はビルマ、タイ、朝鮮等を見合つております。これらは通商協定及び輸出の見通し等から考えまして可能な数量だと考えております。従いまして、翌年度へ持ち越します米の問題等につきましては担当省で考えておることと思いますが、基本的な輸入食糧の数量が確定いたしましてから勘案できる問題だと存じております。
 それから吉川議員の御質問に対しお答えいたします。この問題につきましては、おおむね両政務次官よりお答えがあつたわけでありますが、値引の問題につきましては、これは農林省の所管でありまして、私の方で軽々と申し上げかねるわけでありますが、しかしながら、この問題をどうも放擲いたすわけにも参らぬと思いまして、いろいろ具体的にやつております。従いまして、一、二の成案は得ているわけでありますが、現在の状況におきましては、関係方面の御了解のないうちに、ここに公式発表いたしますことの是非善惡につきましては、賢明なる吉川議員によつて御判断を願つて然るべきものだと存じております。
 また返品の問題につきましては、すでに手配済みでございまして、もし不適格品がございましたら、どうぞ荷受機関に御返品をしていただきたいのであります。その荷受機関と通産省は折衝して、善意の解決が可能になるようになつております。
 それから御承知のように、四月から衣料切符を廃止いたしまして、あらゆる綿布、綿製品等の自由販売を実施いたします関係上、従来いわゆる先安見込みで停頓いたしておりました購買力も、ある程度喚起せられるであろうと考えております。
 また公団の放出物資につきましては、安い価格で市場混乱をいたさないように、生産コストと見合い、相当の利潤等を見込みました標準価格を設け、将来にわたりまして、随時購買もしくは随時その契約によつて拂い下げて参ることに確定いたしております。御承知のように、公団の放出物資の処理につきましては、ことに繊維品につきましては、三月三十一日を期限として関係の向きからおさしずを受けたのでありますが、事情を具申いたしまして、この程度の御了解を得ております。従いまして、現在の立場といたしましては、決して右の方の議席から御指摘のあるようなへまは、通産省ではいたしておりません。
○副議長(岩本信行君) これにて議事日程は議了いたしました。本日はこれにて散会いたします。
    午後六時三十三分散会