第007回国会 本会議 第47号
昭和二十五年五月二日(火曜日)
 議事日程 第四十五号
    午前十時開議
 第一 北海道開発審議会委員指名の件
 第二 一般職の職員の給與に関する法律の制定に伴う関係法律の整理に関する法律案(内閣提出、参議院回付)
 第三 裁判官弾劾法の一部を改正する法律案(古島義英君提出)
 第四 特別未帰還者給與法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 第五 判事補の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(参議院提出)
    〔請願日程は本号の末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 北海道開発審議会委員指名の件
 日程第二 一般職の職員の給與に関する法律の制定施行に伴う関係法律の整理に関する法律案(内閣提出、参議院回付)
 日程第三 裁判官弾劾法の一部を改正する法律案(古島義英君提出)
    ―――――――――――――
 日程第四 特別未帰還者給與法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 請願日程 恩給法臨時特例改正に関する請願外千九百三十二請願
 漁業用資材に価格差補給金存続の請願外二請願
 全国選挙管理委員会委員の指名司法書士法案(本院提出、参議院回付)
 経済調査庁法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
 経済調査庁法の一部を改正する法律案(本院議決案)
 商法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
 日程第五 判事補の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(参議院提出)
 狩猟法の一部を改正する法律案(参議院提出)、
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商産業局石炭事務所及び鉱山で監督部支部の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出)
 未帰還同胞の引揚促進並びに実体調査等を国際連合を通じて行うことを懇請する決議案(中山マサ君外二十三名提出)
 鉱害に関する決議案(神田博君外三十四名提出)
 天然ガス緊急開発に関する決議案(神田町君外三十五名提出)
 検察事務官及び矯正保護職員の待遇に関する決議案(花村四郎君外二十二名提出)
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
 電気照明器具に対する物品税改正の請願外二百十二請願
 内閣委員会外二十常任委員会及び海外同胞引揚に関する特別委員会外一特別委員会において閉会中審査の件(議長発議)
常任委員長辞任の件
常任委員長の選挙
    午後零時二十五分開議
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 第一 北海道開発審議会委員指名
   の件
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、北海道開発審議会委員の指名を行います。
    ―――――――――――――
○山本猛夫君 北海道開発審議会委員の指名については、その手続を省略して議長において指名せられんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて議長は、北海道開発審議会委員に
      小川原政信君    篠田 弘作君
      玉置 信一君    椎熊 三郎君
      高倉 定助君を指名いたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 第二 一般職の職員の給與に関する法律の制定施行に伴う関係法律の整理に関する法律案(内閣提出、参議院回付)
○議長(幣原喜重郎君) 日程第二、一般職の職員の給與に関する法律の制定施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の参議院回付案を議題といたします。
○議長(幣原喜重郎君) 裁決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて参議院の修正の同意するに決定しました。
     ――――◇―――――
 第三 裁判官弾劾法の一部を改正
  する法律案(古島義英君提出)
○議長(幣原喜重郎君) 日程第三、裁判官弾劾法の一部を改正する決議案を議題といたします。委員長の報告を求めます。議院運営委員会理事福永健司君。
    〔福永健司君登壇〕
○福永健司君 ただいま議題となりました裁判官弾劾法の一部を改正する法律案について、本案の概要及び委員会における審査の経過並びに結果を御説明申し上げます。
 本案は議員古島義英君より提出され、当委員会に付託になつたものであります。当委員会は特に小委員会を設け、慎重審議の結果、提案に対して必要なる修正を加えることにしたのであります。その概要を申し上げれば次の通りであります。
 一、提案では、訴追奉賛会だけに訴追の対象を明確にするため裁判官の三字を冠することとなつていましたが、弾劾裁判所に対しても同様に裁判官の三字を加うることにいたしました。
 二、訴追委員及び予備員、裁判負及び予備員の辞任手続は、開会中は訴追委員会、弾劾裁判所をそれぞれ経由し、閉会中に訴追委員長、裁判長を経由することの提案に対し、国会の開会中なると閉会中なるとを区別せず、これらの辞任についてはそれぞれ訴追委員長、裁判官を経由することに改めたのであります。
 三、委員長、裁判長は開会中職務雑費を受けることり提案については、閉会中に受けている手当等を考えて、議長においてその金額を定める場合、他の委員長と十分に公平を期し得られるように定めることとしてこれを認めることにいたしまし、
 四、委員長、裁判長は必要に応じ課を置き、事務の分掌を定め得る提案についには、当然のこととして提案通りといたしました。
 五、訴追委員、裁判員の派遣旅費を受ける規定を入れたことも、当然としてこれを認めました。六、弾劾裁判所の参事、主事の定員を一名ずつ増加したことに対しては、裁判所より事務繁忙であるべき訴追委員会においても、予算的措置のつき次第、当然に裁判所と同様に増員すべきものであるとの一致の意見のもとに、提案はこれを認めました。
 七、弾劾裁判所の忌避の対象として「事務局長その他の」とある不用の字句を提案通り削りました。
 八、証人の罰則中、過料千円、三千円とあるを、提案通りすべて一万円と改めました
 九、附則中、前述の職務雑費を受くる時期を、提案では昭和二十四年十一月三十日とありましたのを、昭和二十五年四月一日に修正いたしました。なお附則中で、国会法及び国会職員法中の弾劾裁判所及び訴追委員会の字句に裁判官の三字を加える礎案でありましたが、これは必ずしも改正の必要がないもの三して、これを削除いたしました。
 以上簡單でありますが、本委員会における提案に対する修正議決の経過並びに結果について御報告申し上げます。何とぞ御賛成あらんことを願います。
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて、本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 第四 特別未帰還者給與法の一部
 を改正する法律案(参議院提出)
○議長(幣原喜重郎君) 日程第四、特別未帰還者給與法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事北澤直吉君。
    〔北澤直吉君登壇〕
○北澤直吉君 ただいま議題となりました特別未帰還者給與法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びにその結果についてご報告申し上げます。
 この法案は、元の陸海軍に属していないいわゆる特別未帰還者のうち、外地官公署の職員であつた者に対して、昭和二十四年一月一日にさかのぼつて、一般帰還者と同じように、俸給及び扶養手当以外の他の給與、すなわち帰郷旅費、療養障害一時金及び遺骨埋葬費を支給することを明らかにするために提出されたものであります。
 この淡案につきましては、五月一日、提出者浅岡参議院議員より提案理由の説明を聽取し、質疑に入つたのでありますが、質疑応答の内容については速記録に譲りたいと存じます。
 次いで、討論を省略の上裁決いたしましたところ、起立多数をもつて本案は原案の通り可決されました。
 以上御報告申し上げます。
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(幣原喜重郎君) 日程第五、判事捕の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員会理事押谷富三君。――押谷君は、ただいま見えませんから、これはあとまわしにいたします。
     ――――◇―――――
 恩給法臨時特例改正に関する請願
 外千九百三十二請願
○議長(幣原喜重郎君) 次に、請願日程中、水産委員会日程第五六ないし第五八を除き、請願日程全部を一括して議題といたします。
 右各請願は委員長の報告を省略して採択することとし、同種議案議決の結果採択とみなすものの整理については議長に一任するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。
    ―――――――――――――
 恩給法臨時特例改正に関する請願外
 千九百三十二請願に関する報告書
    〔本号の附録に掲載〕
     ――――◇―――――
 五六 漁業用資材に価格差補給金
  存続の請願(小高熹郎君紹介)
  (第一八五号)
 五七 底びき網漁業許可に関する
  請願(塩田賀四郎君紹介)(第八
  七九号)
 五八 底びき漁業取締緩和に関す
  る請願(内海安吉君紹介)(第二
  八二五号)
○議長(幣原喜重郎君) 次に、請願日程水産委員会のうち第五六ないし第五八、漁業用資材に価格差補給存続の請願外二請願を一括して議題といたします。
 右三請願は委員長の報告を省略して不採択とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。
○議長(幣原喜重郎君) この際暫時休憩いたします。
    午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後八時五十八分開議
○副議長(岩本信行君) 休憩前に引続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 全国選挙管理委員会委員に二名の欠員がありますので、これを補充しなければなりませんよつてこの際全国選挙管理委員会委員の指名を行います。
    ―――――――――――――
○山本猛夫君 全国選挙管理委員会委員の指名については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて議長は全国選挙管理委員会委員に中御門經民君及び野村秀雄看を指名いたします。
     ――――◇―――――
 司法書士法案(本院提出、参議院
 回付)
○副議長(岩本信行君) 参議院から本院提出、司法書士法案が回付せられました。この際議事日程に追加して右回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 司法書士法案の参議院回付案を議題といたします。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正の同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
 経済調査庁法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、参議院回付)
○副議長(岩本信行君) 参議院から経済調査庁法の一部を改正する法律案が回付せられました。この際議事日程に追加して右回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 経済調査庁法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔起立者なし〕
○副議長(岩本信行君) 起立者はありません。よつて参議院の修正に同意せざることに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
 経済調査庁の一部を改正する法
 律案(本院議決案)
○山本猛夫君 憲法第五十九條第二項に基いて再議決のため、経済調査庁法の一部を改正する法律案の本院決議案を議題とせられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて経済調査庁法の一部を改正する法律案の本院議決案を議題といたします。
 ただちに採決いたします。本案はさきに本院において議決の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立)
○副議長(岩本信行君) 起立者出席議員の三分の二以上と認めます。(拍手)よつて本案は、先の議決の通り、出席議員三分の二以上の多数をもつて可決せられました。(拍手)
     ――――◇―――――
 商法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、参議院回付)
○副議長(岩本信行君) 参議院から商法の一部を改正する法律日案が回付せられました。この際議事日程に追加して右回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます、よつて日程は追加せられました。
 商法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院に修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
 第五 判事補の職権の特例等に関
  する法律の一部を改正する法律
  案(参議院提出)
○副議長(岩本信行君) 日程第五、判事補の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題いたします。委員長の報告を求むます。法務委員会理事押谷富三君。
    〔押谷富三君登壇〕
○押谷富三君 ただいま議題となりました判事補の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について、委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国会及び議院事務局法の改正並びに議院法制局法の制定に伴い、国会の法務委員会の專門員及び国会の法制局の参事等について、判事補の職権の特例等に関する法律第二條の規定を訂正する必要がありますので、これを整理いたしますとともに、新たに設けられた国会の常任委員会調査員で法務委員会に勤務する者についても、裁判所法第四十一條、第四十二條及び第四十四條の規定の適用に関し、右の專門員及び参事と同様に、その在職年数を法務府事務官の在職年数とみなす必要がありますので、これを追加するため参議院議員から提案せられたものであります。
 委員会においては、四月二十九日参議院より送付、付託を受け、昨日、提案者松井道夫君より提案理由の説明を聽取した後、全会一致をもつて原案の通り可決した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 狩猟法の一部を改正する法律案
 (参議院提出)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、参議院提出、狩猟法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 狩猟法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事安部俊吾君。
    〔安部俊吾君登壇〕
○安部俊吾君 ただいま議題と相なりました、参議院送付、伊達源一郎君外九名提案、狩猟法の一部を改正する法律案につきまして、審議の状況並びに結果の大要を御報告いたします。
 わが国は従来有益鳥獣保護の方策が不徹底であります上に、戰時中の森林の濫伐等により鳥獣の自然的成育の條件が奪われましたため、最近著しくその数を減少いたし、森林資源に多大の損害を與えているまつくい虫その他の害虫の蔓延も、これら害虫の大敵たる鳥類の減少によるところが多いと考えられますので、有益鳥獣につき單に捕獲を制限するだけでなく、積極的にこれが保護繁殖をもはかるため、現行法に所要の改正を施そうとするものであります。
 その改正の要点は、農林大臣または都道府県知事は、狩猟鳥獣一般の捕獲について適宜適切な禁止または制限をするほか、鳥獣保護区を設け、その他鳥獣の保護繁殖を積極的に行い、さらに狩猟鳥獣の種類の決定、捕獲の禁止もしくは制限または鳥獣保護区の設定には公聽会を開き、利害関係人及び学識経験者の意見を聞き、民主的運営を期したことであります。
 本法案は、去る二十九日、本委員会に付託となり、同日、提案者を代表して伊達源一郎君より提案理由の説明が行われました。
 本法案の趣旨は、有益鳥獣の保護繁殖をはかり、農林業生産の増強に寄與いたそうとするもので、各委員とも異議ありませんので、本日質疑、討論省略いたし採決に付しましたるとこる、全会一致をもつて原案の通り可決いたすべきものと議決いたしました。
 以上ご報告いたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 国会議員の選挙等の執行経費の基
 準に関する法律案(内閣提出、参
 議院送付)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議衆を提出いたします。すなわち、参議院送付、国会議院の選挙等の執行経費の基準に関する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事野村專太郎君。
    〔野村專太郎君登壇〕
○野村專太郎君 ただいま議題となりました国会議院の選挙等の執行経費の基準に関する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、都道府県及び市町村の選挙管理委員会が管理する国会議員の選挙等の執行につきまして、国が負担する経費の基準を定めることを目的とするものであります。
 御承知のごとく、国会議員の選挙、最高裁判所裁判官国民審査及び憲法第九十五條の規定による投票の執行の事務は、大部分地方の選挙管理委員会に委任して行われるのでありまして、国はその要所経費の全額を負担することとなつているのであります。しかるに、従来よるべき明確な基準が存しなかつたため、その経費をめぐつて幾多の問題が起つていたのであります。昨年一月に行われました衆議院議員総選挙におきましても、政府は当初七億七千万円の国費を支出いたしたのでありますが、地方によりましては、実施の結果はなはだしい経費不足を生じ、地方財政を圧迫するに至つたものが少くなく、結局政府は、第六回国会において一億七千八百万円の追加を補正予算に計上いたさざるを得ないような事態が生じて参つたのであります。このように事後に問題を残すがごとき事態は、国の財政にも、また地方選挙管理委員会の事務執行の上にも不安を與え、選挙の適正かつ円滑な執行に支障を生ずることとなるのであります。この際国が負担すべき経費の基準をあらかじめ決定することにより地方選挙管理委員会が選挙に使用し得る経費を予測できるようにいたし、他方国の負担額もいたずらに厖大になることを防ぎ、紛議の発生を未然に防止することが適当と考えられるのであります。これが本法案の提出理由であります。
 本法案は、去る四月六日、本委員会に予備審査のため付託となり、同十三日、政府委員より提案理由の説明を聽取し、五月一日質疑応答を行い、翌二日、参議院より一部修正の上本院に送付せられ、本委員会に本付託となりましたりで、同日さらに質疑応答を重ねたのであります。次いで同日討論、採決の結果、全会一致をもつて可決すべきものと決定した次第であります。
 以上をもつて御報告といたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商産業局石炭事務所及び鉱山保安監督部支部員の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商産業局石炭事務所及び鉱山保安監督部支部の設置に関し承認を求めるの件を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 地方自治体第百五十六條第四項の規定に基き、通商産業局石炭事務所及び鉱山保安監督部支部の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員会理事澁谷雄太君。
    〔澁谷雄太郎君登壇〕
○澁谷雄太郎君 ただいま議題となりました、地方自治法的第五十六條第四項の規定に基き、通商産業局石炭事務所及び鉱山保安監督部支部の設置に関し承認を求めるの件につきまして、通商産業委員会における審議の経過並びに結果の御報告申し上げます。
 本件は、さきに本院において可決されました臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律が施行せられた場合、司法第三條によつて改正されました通商産業省設置法第二十八條及び第四十八條によりまして所要の地に通商産業局の石炭事務所及び鉱山保安監督部の支部を置くことが許されておりますので北海道岩見沢市外十箇所に通商産業局石炭事務所を、福島県平市及び山口県宇部市に鉱山保安監督部支部を設置しようとするのが本件の要旨であります。
 本件は、五月二日、通商産業委員会に付託されましたので、同日午後、提案理由の説明を聴取いたしました。審議に入るに先だちまして、門脇委員より、本件の要旨は妥当と認められるから、質疑並びに討論を省略して、ただちに採決すべしとの動議が提出されましたので、門脇委貸よりの動議を採決の結果、多数をもつて採択すべきものと決しました。よつて質疑並びに討論を省略して、ただちに採決の結果、多数をもつて可決すべきものと議決した次第であります。
 以上をもちまして御報告といたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本件を委員長報告の通り承認を與えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。
     ――――◇―――――
 未帰還同胞の引揚促進並びに実体調査等を国際連合を通じて行うことを懇談する決議案(中山マサ君外二十三名提出)
    (委員会審査省略要求事件)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、中山マサ君外二十三名提出、未帰還同胞の引揚促進並びに実体調査等を国際連合を通じて行うことを懇請する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山木君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 未帰還同胞の引揚促進並びに実体調査等を国際連合を通じて行うことを懇請する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を求めます。中山マサ君。
    〔中山マサ君登壇〕
○中山マサ君 ただいま議題となりました未帰還同胞の引揚促進並びに実体調査等を国際連合を通じて行うことを懇請する決議案につきまして、その趣旨弁明をいたします。
 まず案文を朗読いたします。
  未帰還同胞の引揚促進並びに実体調査等を国際連合を通じて行うことを懇請する決議案日本国民は終戦以来「ポツダム」宣言を忠実に履行して今日に至つた。然るに終戰以来五ケ年に垂んとする今日なお三十有余万名の日本人がソ連並びにソ連の勢力下に有る地域(シベリヤ、樺太、北鮮、大連並びに中共地域を含む)に残留せしめられ生死不明の状況にある政府は総司令部を通じソ連に対してしばしば正式の報告を求めたにも拘らずソ連より何等正式の報告がないのでいまや留守宅家族は勿論全日本国民の心痛は共の極に達している。
  本院は玄に院議をもつて我が国民の此の気持を代表し連合最高司令官に対し国際連合を通じて世界の正義と輿論に訴え本件の速かなる解決のためあらゆる援助を與えられんことを要請すると共に特に左の点の実現について御配慮の懇請をする。
 (一) ソ連並びにソ連勢力下にある地域(シベリヤ、樺太、北鮮、大連並びに中共地域を含む)の、残留者全員を一日も速かに帰還せしめられたい。
 (二) ソ連並びにソ連勢力下の地域に抑留中に死亡したもの並びに戰犯関係として抑留されている者一般受刑者及び病気のため残留している者等の氏名を速かに発表せしめられたい。
 (三) ソ連並びにソ連の勢力下にある地域に残留せしめられた日本人の生死及び動静を調査するため国際連合又は中立の機関若しくは人道的機関より速か調査団を派遣せしめられたい。
  右決議する。(拍手)
 第一回国会以来、第七回国会に至る間、本院におきましては、数多くの海外残留者のすみやかなる帰還実現をこいねがい、その都度院議をもつて帰還促進の決議をなして今日に至つたのでございますが、終戰以来五年目を迎え、日本国民はひたすらポツダム宣言を忠実に守つて参つたのでございますが、ソ連及びソ連の勢力下にある地域には、いまだ三十有余万の同胞が……
    〔発言する者多く、議場騒然〕
○副議長(岩本信行君) 御静粛に願います。
○中山マサ君(続) 残留せしめられているのでございますが、総司令部よりも、その生死の状況についてしばしば正式報告を求められたるにもかかわらず、何らの回答も與えられなかつたのでございます。しかも、去る四月二十二日、突如としてタス通信は送還完了を報じ、戰犯関係者二千四百五十八名及び病人九名を残すのみと発表したのでございますが、もちろんこれは正式公報でなく、單なる一新聞の報道にすぎないのでございますけれども、留守家族、全国民に與えた衝撃はまことに大なるものがあつたのでございます。
 今や留守家族等は血書をもつて悲痛な訴えをなしている今日の段階において、総司令部の絶大なる好意にすがり、国民の総意によりまして、この上は国際連合にこれを訴え、ソ連並びにソ連の勢力下にある地域の残留者の全員を一日もすみやかに帰還せしめられたく、また全地域にあつて抑留中死亡せる者並びに戰犯関係者等の氏名をすみやかに発表していただき、またソ連並びにソ連の勢力下にある地域に残留せしめられた日本人の生死及び動静を調査するため、国際連合または中立の機関もしくは人道的機関よりすみやかに調査団の派遣を懇請して、この悲惨な運命に置かれている留守家族の状況及び三十有余万が事実未帰還であることを調査の上確認していただき、世界の輿論に訴えて、この困難なる事業の完遂を期せんとするものでございます。
 幸いにしてここの決議案が議決せられましたならば、政府は何時国際連合その他中立の機関または人道的機関より調査を受けても調査を受入れられる万般の準備をなしておりますことを付言いたしまして、趣旨の弁明を終わりす。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。田中堯平君。
    〔田中堯平君登壇〕
    〔「君らはソ連の手先でないことを先に言つてから言え」と呼ぶ者あり〕
○田中堯平君 よしよし。ただいま上提されました、引揚げ問題を国連に持ち込もうとするこの決議案に対し、日本共産党を代表いたしまして、絶対に反対の討論をいたします。
 一体、今日こういう決議案を国会に上程するその意図はどこにあるか。反ソ反共の宣伝をやる以外には……
    〔発言する者多く、議場騒然〕
○副議長(岩本信行君) 御静粛に願います。
○田中堯平君(続) 何ら意味がない。なぜか。大体、三十七万なお未帰還者の数があるなどと、大でたらめを言つておる。三十七万の数字の基礎はどこにありますか。われわれは、第六回国会以来、政府に対して未帰還者の数の基礎を明確にしてくれということを、繰返し繰返し追及しておる。しかるにもかかわらず、日本政府は一度もこの数の基礎を明示したことがない。もし三十七万が現在なおソ連にあるということならば、政府みずからが堂々とこの数字を明示すればいいじやないか。(拍手)
 大体、終戰の直前においては、皆さんも御承知の通り、あの満州における日本の同胞の数というものは、当時日本政府が、たとえば海軍省を通じて、あるいは厚生省、あるいは外務省を通じて、いろいろに発表をしておるけれども、その数字は五十万、八十万という開きがみなあるではないか。なぜこういう責任ある発表に数字の食い違いがあるか。あのどさくさまぎれに莫大なる戰死者があつたことも、南方に移駐したことも、それらの調査は一切できておらぬ。だから数字の食い違いがある。かかる基礎の固まらないこの事実に基いて、一体何万、何十万が向うにおると言つてみたところで、何で信頼する根拠がありますか。しかも吉田首相は、本国会において、三十七万とは單なる想像上の数字にすぎないということを、みずから言明しておるではありませんか(拍手)
 かくのごとく、三十七万などと大でたらめな数字を並べて、これを返せなどということは、おそらく提案者にも、そり確信も自信もありはしない。(拍手)にむかかわらず、これをやらなければならぬというのは、一体いかなる根拠によつてあるか。もつぱら反ソ反共の道具に使つて来る選挙を有利に導こうということもあろうけれども、目下全世界にまたまた第三次世界大戰の危機が切迫しておる。国の内外り独占資本は、欧州においては西ドイツを、東洋においては日本を、その前進基地として、軍事基地化の工作に余念がない。單に物質的に戰争準備を急ぐだけではない、国民の精神的な武装もしなければならないので、必要もないのに、国民が中国やソ連に接近することに対し水を差し、敵対心に切りかえて、そうして精神的に戦争の準備を進めておるのである。(拍手)
 また国内においては、皆さんごらんの通り、今やだれも彼もが戦争反対、平和、独立日本ということをこいねがつておる。この四月には、多くの学者の会議、たとえば地質学者とか、全日本の物理学者とか、あるいは日本学術会議というような学者、有識者の団体が相次いで戦争反対、平和、独立の決議をし、声明をしておる。また労働者や農民や勤労市民というものは、あるいは工場において、農業村において、学校において、街頭において平和を守る会を組織し、平和運動を猛烈に起している。昨日のあのメーデーをごらんなさい。東京だけでも六十万から集まつている。このメーデーは世界一の大きなメーデーの一つと言われているが、このメーデーに集まつた勤労大衆は何と叫んでおるか。多くのスローガンのうちで、平和と独立、この二つを中心スローガンとして主張しておるのではないか。
 かくのごとくにして今や全国民は、津々浦々に至るまで、日本の平和と、戦争に巻き込まれないことと、民族の独立、これを念願して立ち上りつつある。かかる勤労階級の革命勢力を諸君は恐れている。こいつを弾圧する、これに攻撃を加えたければ戦争の準備にはならぬのでしあります。それゆえ日本において…。
○副議長(岩本信行君) 田中君に申し上げます。申合せの時間が参りましたので、結論をつけてください。
○田中堯平君(続) 諾君、この提案者並びにこれに賛成の諸君、諸君は、ただこの挙によつて戦争の挑発をやつておるだけではない。さらには、あの池田蔵相が渡米の途中、ハワイで何と言つたか。そうしてまた、今朝の新聞に出ている吉田首相の談話は何を意味するか。諸君はあらゆる手段を盡して、今や世界戦争に…。
○副議長(岩本信行君) 田中君、結論をつけてくだざい。
○田中堯平君(続) その一つの現われが、この引揚げ問題を国連に持ち込もうとするところの陰謀であります。かかる国内革命勢力を弾圧し、国際的には戦争を挑発しようとするような提案に対しては、命がけで断固反対します。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにで討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
 この際内閣総理大臣から発言を求められております。これを許します。吉田内閣総理大臣。
    〔国務大臣吉田茂君登壇〕
○国務大臣(吉田茂君) 引揚促進に対するただいまの決議に対しまして、政府といたしまして一言所見を述べます。(拍手)
 終戦直後においてソビエトその他中国に引渡された同胞の概数に、政府の持つております陸軍その他の調査によつて、大体の数字は政府が承知いたしておるところであります。その後において、どれくらいな人がどうなつたか、詳細のことは([わからぬだろう」と呼ぶ者あり)わからぬのがあたりまえであります。何となれば、ソビエトとの間に日本としては何らの機関も持つておらないのでありますから、実情がわからないのはあたりまえであります。その実情を知らんと欲して、しばしばソビエト政府その他に対して、連合軍司指令を通じて、その実情について詳細なる調査を絶えず求めており、また帰還者等によつて、現在ソビエト地区その他中共地区にどのくらいな同胞が残つておるか、絶えず詳細な調査をいたしておるのでありまするが、しかしながら、国として、政府としてみずからの機関を持つておらないのでありますから、正確な数字は知り得ないのであります。知り得ないのが当然であるのであります。(拍手)また、この実数を調査することを妨ぐるものは共産党諸君であるかもしれないのであります。(拍手)はなはだ残念なことであります。しかしながら、政府としては、あくまでも在ソ未帰還同胞の消息については絶えず知らんと欲して百方力を盡しておるのであります。また総司令部においても非常な同情を持つて、懸切にその調査に従事しておるのでありまするが、何分今日まで何らの情報を得ることができないのであります。ゆえに決議案のように、国際連合その他国際団体によつて未帰還者の実情を調査することができましたならば、政府としても、国民としても、まことに満足するところがあるのであります。また仕合せに、そういう機関が在外のソビエト、中共等にある同胞等の実情調査に従事してくれるならば、政府といたしましては、あらゆる便宜を提供し、政府が持つておる、あるいは政府その他が持つておるあらゆる資料を提供して調査の便宜を與えたいと思うのであります。何分いまだその実情については詳細なる報告を得ることができないものでありまするから、政府はいたずらに焦慮するのみでありますが、もし総司令部が、国際団体その他を通じて未帰還者同胞の実情について調査するようなことになりましたならば政府としても、また国民としてもまことに喜ぶべきこととして、この決議案の御趣意は、政府としてはこれを尊重し、またその実現に努める考えであります。(拍手)
     ――――◇―――――
 鉱害に関する決議案(神田博君外三十四名提出)天然ガス緊急開発に関する決議案(神田博君外三十五名提出)
   (委員会審査省略要求事件)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊動議を提出いたします。すなわちこの際、神田博君外三十四名提出、鉱害に関する決議案及び神田博君外三十五名提出、天然ガス緊急開発に関する決議案の両案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際一括上程し、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 鉱害に関する決議案、天然ガス緊急開発に関する決議案、右両案を一括して議題としたします。提出者の趣旨弁明を許します。小金義照君。
    〔小金義照君登壇〕
○小金義照君 私は、ここに通商産業委員会全委員の提案にかかわりまする鉱害に関する決議案について、決議及びその理由を申し述べたいと存じます。
 まず決議案を朗読いたします。
   鉱害に関する決議案
 石炭採掘による鉱害のため、美田は変じて泥海と化し、住宅は日夜倒壊の危檢に脅され、交通通信と絶し、祖先の墳墓は水底に没する等、惨たんたるその事情は、路傍の人もなお正視するに忍びないものがある。
  昨年十月資源庁の調査にかかる炭鉱の鉱害復旧費は、総額実に二三一億円に上り、この中特別鉱害復旧臨時措置法によつて処理せられるものは、約五〇億円に過ぎない。
  しかも炭鉱の鉱害は、更に今後も続々発生することに想い到るとき、ぼう大なるこれら鉱害のために被る経済上の損失、公共福祉の阻害、あるいは人心の不安等、誠に憂慮に耐えないものがある。
  本院は、今般特別鉱害復旧臨時措地法の成立せるに際し、一般鉱害の復旧についてもまた、これと一体不可分の関係にあるものとして、特別の関心を有するとともに、鉱害対策は、総合的な国土計画の一環たる性質を有するものと認める。
  政府は、本件の重大性、特に今日の事態を招来した原因に深く鑑み、既存鉱害の復旧を促進するため、あらゆる手段を講ずるはもちろん、国土計画の観点からも対策を樹て、今後の発生を最小限度に喰い止めるため、鉱業権の設定、施業案の認可等に関する抜本寒源的措置についても万遺憾なきを朗すべきである。
  右決議する。
 以下、提案理由を述べます。炭鉱鉱害の問題は、現地においては、経済問題だけではなく、すでに大なる社会問題にまで発展しているのであります。これら鉱害のうち、いわゆる特別鉱害は、今回の復旧臨時措置法によつて一応安心できるのでありますが、これは全体の約五分の一程度にしかすぎない有様であります。特別鉱害だけが処理せられても、なおこれに数倍する一般鉱害が残ることをわれわれは忘れてはならないのであります。事態を今日のごとく悪化せしめたことについてはいろいろの原因が考えられますが、石炭鉱業に関する行政当局の措置そのよろしきを得なかつた点の小くないことも否定し得ないところであります。いわゆる無過失損害賠償の原則が確立せられ、担保提供の制度が設けられておりましても、加害者に賠償の実力がなく、供託金は貨幣価値暴落のため、なきにひとしい状態であるがために、復旧を阻害している点も少くはないのであります。今後の対策として政府当局に要望したいことは、公共事務費による国庫補助の増額、土地改良費の国庫支弁その他あらゆる手段を講じて、すみやかに復旧をはかるとともに、今後続発する鉱害を最小限度にとどめるため、いやしくも採掘のために生ずる鉱害を完全に賠償し得る見通しのつかないものに対しては鉱業権の設定や施業案の認可等を與えないことはもちろん、供託金の適正化、賠償の紛争に対する調停、あつせん等についてもそれぞれ善処せられたいのであります。なお復旧工事の合理化をはかるとともに、採掘と鉱害復旧との総合調整についても、国土計画その他ともにらみ合せまして遺憾なきを期せられたいのであります。
 以上、簡單ながら本決議案の趣旨を弁明した次第でございます。
 天然ガス緊急開発に関する決議案について、提案者を代表して提案理由の説明をいたします。
 まず決議案を朗読いたします。
   天然ガス緊急開発に関する決議案
  産業の復興は、一つにかかつて石炭、水力、石油等天然資源の開発にまつものであるが、わが国の石油資源は、その埋蔵量極めて貧弱、国内消費の九〇パーセントを輸入に仰ぎ、その総額ば、年間五〇〇〇万ドル以上の多額に達する実情であつて、埋蔵量七〇〇億立方米以上といわれ、石油に優るとも劣らぬ資源と考えられている天然ガス資源の開発は、急務中の急務であるにもかかわらず、十年一日の如く遅々として進展しない有様である。
  天然ガス資源を、緊急に開発して、自動車燃料を始め、工場用家庭用の燃料に充当し、あるいはさく酸ビニール製造の原料として、これが利用を促進するときは、輸入資金を節約するとともに、国内産業を振興し、平和日本再建のために貢献するところ多大なるものがあると確信する。
  よつて本院は、政府に対して天然ガス資源の緊急なる開発に関し、積極的に左記対策を講ずべきことを要望する。
 一 天然ガス生産量日産五〇万立方米以上を確保するために、必要且つ適正なる措置を講ずること。
 一 天然ガス資源開発に要する設備資金の融資につき、特別措置を講ずること。
 一 天然ガス利用によるさく酸ビニール製造方法の研究助成につき、速やかに対策を樹立すること。
 一 天然ガス埋蔵地域の地質調査、試掘等は、国家自らこれを行うのほか、国庫補助の途を開くこと。
  右決議する。
 平和日本の再建は、もつぱら輸出産業の振興による以外はないと考えられておりますが、わが国は国土が狭くて、天然資源もきわめて貧弱でありまするから、その実現には幾多の難関が予想されておりますことは御承知の通りであります。しかしながら、天然ガス資源の調査研究が進むにつれて、これを急速に開発して多方面に利用することによつて産業の振興をはかり、輸出を盛大にすることは必ずしも難事でないという輝かしい確信を抱くに至つたのであります。
 天然ガスは、熱量八千カロリー以上で、オクタン・バリユー一二〇でありますから、自動車燃料としてはガソリン以上の低能を有するものでありまして、現に各地では、工場用の燃料として、あるいは家庭用の燃料として広く利用されているりであります。なお最近、天然ガスを原料として酢酸ビニールを生産することも各方面において研究されつつあるのであります。天然ガスの利用価値は今後ますます増大することと期待されておりまするが、天然ガス鉱業の現状はまだ新興産業の域を脱していないということは、まことに残念に存ずる次第であります。アメリカにおきましては四大燃料の一つに数えられ、天然ガスの消費量は全アメリカのエネルギー消費量の七分の一に達し、天然ガス輸送用のパイプ。ラインの延長は実に数万マイルに及び、鉄道総延長よりも長く、あらゆる部門に利用されているといわれております。この際政府は、緊急措置を講じ、天然ガス資源の開発を助成して、少くとも現在の日産二十万立方メートルを、日産五十万立方メートル以上までに増加するとともに、天然ガス利用の促進、天然ガスの輸送用パイプ・ラインの実現を期すべきであると信ずるもりであります。
 以上の理由によつて、本決議案を提出した次第でありまするか、何とぞ御審議の上御賛成を願いたいと存ずる次第でございます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これより討論に入ります。青野武一君。
    〔青野武一君登壇〕
○青野武一君 ただいま議題となりました鉱害に関する決議案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして、賛成の意を表する次第であります。
 四月二十六日の衆議院の本会議におきまして、特別鉱害復旧臨時措置法は、事実上各党各派満場一致でこれが決定を見たのであります。しがしながら、ただいま決議案を朗読されたように、特別鉱害の復旧のみをもつて、炭鉱鉱害の復旧の完璧を期することは至難中の至難であるのであります。ただいまの決議案の内容にありましたように、日本全体の炭鉱の鉱害の復旧費の総額は二百三十一億といわれているのであります。戦時中強行採炭をいたしましたそのための災害は、そのうちの九十八億円に相当するといわれておつたのでありますが、実際は、五箇年継続事業として約五十億円が、いわゆる特別鉱害復旧臨時措置法の中で決定せられたことは、御存じの通りであります。一昨年四月九日の、時の政府閣議によつて、初めて特別鉱害の被害額の問題が取上げられまして、復旧の理由といたしましては、食糧と石炭の増産と炭業の災害を防止するという目的のために、これが発足したのであります。その工事費の財源は、国庫補助金と地方公共団体の負担金を特別鉱害復旧費として、石炭一トン当りについて十六円十一銭を炭価に織り込みまして配炭公団にプールする証方法によつて、この事業費は調達をせられたりでありまするが、昨年の九月十六日をもつて配炭公団は解散し、石炭の統制が撤廃せられましたために、この主要なる復旧費の財源は、遂に矢うことになつたのであります。従つて、継続せられておりました復旧事業というものは、事実上昨年の九月から中絶を見たのであります。
 御承知のように、私どもの居住しております附近にありましても、筑豊炭田に具体的に例を二、三とりましても、見渡す限り、二、三日雨が降りますと、五尺も六尺もたまつた雨水のはけ場がない。海岸から五里も六里も距離の離れたところの田地田畑が、わずかに海抜一メートル半、二米の差でありますがために、雨水を吐くことができなくて、せつかく米や麦をつくりましても、自信を持つて農民が農業に従事することができないという土地が数万町歩筑豊炭田にはあるのでありまして、一部炭鉱業者は、その補償金のために、年々三千五、六百万円もの金を補償金として出さなければならないような、気の毒な被害状況が各所にあるのであります。
 キテイ台風によりまして、筑豊炭田の一部は、普通の台風による被害に輪をかけまして、有名な遠賀川の堤防も、支流の川のキテイ台風の増水によつてこれが決壊したために、百数十町歩の土地と、そこに実つております稻と人家を一瞬のうちに押し流したということは、関係者が各党派の代表者に陳情したことで御存じの方もいると思いますが、こういう特別鉱害が今度の第七通常国会を通過いたしてましても、この一般鉱害の残されておりまする復旧費の百八十一億という問題が解決しなければ、車の両輪の一方がないのと同じ結果になるのであります。
 また、将来におきしましてもこの炭鉱の鉱害がますます大きな問題を投げかけて来るということにを私どもは意識しているのでありますが、たつた一つ例を申しますと、北九州の鉄の都といわれておりまする八幡は、御承知のように八幡製鉄所の従業員が三万五千名あります。銑銅一貫作業の製鉄所といたしまして、その機械設備の上に東注一の優秀さを誇つておりますが、それが中鶴炭鉱という炭鉱経営者の手によつて、鉱業権の上に立つて、八幡市、若松市、戸畑市、これが上水道の貯水池でありまする下に石炭を堀り込んで来ようとする行き万があるのであります。
○副議長(岩本信行君) 青野君に申し上げます。時間が参りましたので、結論をお急ぎ願います。
○青野武一君(続) もしこの炭鉱経営者のなすがままにまかしておきますならば、数年を出でずして、北九州の有力なる三市、八幡の製鉄所は作業を停止しなければならないように、貯水池が決壊して水が汚化するという運命にあるのであります。
 現在、通商産業委員の諸君が現地を視察いたしました一つの例から申しましても、三菱化成の貯水池において高松炭鉱がその下に石炭を掘つて来ておりますために、その会社は昨年のうち三箇月操業を停止しなければならぬというような出題もすでに起つているのであります。あるい農民の諸君の土地が陥落し、鉄道が陥落し、あるいは道路が陥落し、護岸が決壊し、いろいろな問題がたくさん残つておりますので、この特別鉱害復旧臨時措置法に並行いたしまして、ぜひとも一般鉱害の復旧につきましても、来るべき臨時国会におきましては、適切なる内容を織り込んだ一つの法律案をつくり、政府が特にこれらの炭鉱業者に対して、被害箇所の金銭賠償あるいは現状回復の点について適切なる手を打つように、私どもは希望してやまないのであります。
 時間が各党代表者に五分間ずつしか與えられておりませんので十分意を徹すことができませんが、超党派的立場によつて、特別鉱害復旧と同時に一般鉱害の復旧につきましても、私どもは皆さんとともにこれが解決に向つて努力したいという意思を表明いたしまして、ただいまの決議案に対しまして賛意を表する次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 田代文久君。
    〔田代文久君登壇〕
○田代文久君 私は、日本共産党を代表いたしまして、本決議案に対しまして賛成意見を述べるものであります。(拍手)
 御承知のように、現在の鉱業法における賠償規定は不十分、不完全なるものでありまして、この決議案を十分生かすことによりまして、来るべき国会におきまして、被害者大衆のこの苦悩を徹底的に救うという方策がとられなければならないのであります。御承知のようりに、現在炭鉱の掘盤による、長い間累積いたしました鉱害なるものは、まさに三百億になんなんとしておるのであり、この被害者全大衆といたしましては百数十万に上り、福岡県下のみにおきましても、田面あるいは田畑の荒廃はまさに一万数千町歩に達する、ゆゆしき事態になつているのであります。しかもその間、被害者は家屋を陥落せしめられ、あるいは井戸水は枯渇し、道路は壊廃するという、さんたんたる光景に立ち至つておるのでありまして、しかもこれらの百数十万の被害もの大衆は、石炭産業によつて一銭の利益も得たことのない人々であることであります。ここに本問題が根本的に社会問題たる性質を持つのでありまして石炭産業の発展から申しましても、かくのごとき鉱害が累年の間放置されておるということは、まさにゆゆしき事態である私たちは信ずるものであります。従いまして、われわれ共産党といたしましては、この根本的な解決策といたしまして、石炭産業の国営、人民管理を徹底的にやるということ、高度の累進課税によりまして一切の鉱害を全額国庫で復旧するという政策をとらない限り全鉱害は解決しないということを確信いたすものでありす。
 御承知のように、先月の本会におきまして特別鉱害復旧臨時措置法案が通過いたしましたが、政府の実際による調査によりましても、九十八億、百億になんなんとする戦時中の強行出炭による特別鉱害があつたにもかかわらず、政府の出しましたる法案は、それを半減いたしまして五十億にちよん切つてしまつたのであります。しかもこの五十億をすら、あるいは三十五億にする、三十八億にするというような活動がなされたのでありまして、われわれの徹底的な反対によりまして、また被害者大衆の全国的な大運動によりまして、とにもかくにも、どうにかこの三十八億円案なるものは五十億円の線まで返すことはできましたけれども、これはわれわれとしましても、全被害者大衆といたしましても不満きわまるものであり、しかもこの法案の審議、通過にあたりましては、政府自体がそういう被害者大衆を無視する法案を提出し、しかも與党たる自由党の党内事情によりまして、第六回国会から第七国会にかけまして、非常に被害者大衆に長い間不安を與え、かくのごとき事態に追い込まれましたことは、私たちはまつたく遺憾に感ずる次第であり、この法案の通過に対しまして、一千名に余る地方の人々の東京へ東京へそういう大運動が展開されて、その費用並びに時日の浪費という面から申しましても、現在の政府と社会党、自由党が、いかにばかげたことをやりつつあるかということを証明するものであります。この点を明確にわれわれは指摘いたしまして、この決議案に賛成するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 中村寅太君。
    〔中村寅太君登壇〕
○中村寅太君 私は、農民協同党を代表いたしまして、ただいま上程されております決議案に賛意を表するものてあります。
 この機会に、私は一言皆様方にお礼を申し上げたいのでありますが、この鉱害たるや、決議案の賛成者がことごとく福岡県の議員をもつてされておりまするように、鉱害の八割ないし九割は福岡県に存しておるのであります。この国会におきまして、特別鉱害復旧臨時措置法を諸君の手によつて制定せられたことに対しまして、被害民である福岡県の百数十万の人たちが、心からなる感謝の意をささげておるのであります。機会のある際に皆様に伝えてくれるようにというたよりがたくさん参つておりますので、この際、この百数十万の福岡県被害民の、皆様方に対するお礼の言葉を私は申し上げるものであります。と同時に、この石炭の採掘には、鉱害というものが必ず伴つて起つて参るものであります。そこで、国家の復興して行きます上に、国家が石炭の採掘を必要といたしまする限り、鉱害が発生するということはどうしてもいなみ得ないことなのであります。そこで、石炭を掘ることがある限り復旧するという処置が伴わなければならないということをわれわれは痛感するのであります。どうかこういう意味から申し上げましても、現在復旧事業といたしまして先ほど社会党の青野君からも言われたように、百八十億に上るところの莫大な費用を要する復旧事業が残つておるのであります。この事業の陰にはたくさんの人が悩んでおるということをお考えいただきまして、最も近い機会に、根本的に既存の災害を復旧すると同時に、次に起つて参りますところの災害を根本的に排除するところの措置を皆様の手によつてすみやかに具体化していただきたいと考えるのであります。
 私はこの際皆様方に御礼を申し上げると同時に、今後の適正なる処置をお願い申し上げて本案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 岡田春夫君より討論の通告がありますが、議席にお見えにならぬようでありますから棄権と認めます。
 これにて討論は終局いたしました。
 両案を指して採決いたします。両案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて両案は可決いたしました。(拍手)
 この際、通商産業政務次官かち発言を求められております。これを許します。通商産業政務次官宮幡靖君。
    〔政府委員宮幡靖君登壇〕
○政府委員(宮幡靖君) ただいまの両決議案に対して、簡單に政府の所信を申し述べましてお答えといたします。
 特別鉱害につきましては、皆様の御理解あるおとりはからいによりまして、無事に救済の決議案が通過いたしました。残ります一般鉱害につきましても、決議案にある通り、政府の考え方もまつたく同様でございます。しかしながら、これに対しましては一般的な法令、予算措置等になかなか困難な面もございますが、引続き特別鉱害を解決いたしましたと同様の意欲をもちまして決議案の御趣旨に沿うよう努力きせていただきたいと存じます。
 次に天然ガスの問題でありますが、この天然ガスの生産を増強いたしまして、あらゆる化学部門に利用いたします点については、これまた決議案の御趣旨の通りだと考えます。ただ、パイプ・ラインを施設したり井戸を掘繁いたしますのに多額の資金を要しますので、ただいま資金供給の面等におきまして特別の配慮をいたしまして特に閣議にも話題に乗せましていろいろ研究いたしておりますが、近くこの方は一つの案といたしまして、皆様の御批判に供えることになろうと思います。ただいままでの状況はさようなことになつておりますので、何とぞ御了承いただきまして、今後とも政府の施策に御協力賜わらんことをお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 検察事務官及び矯正保護職員の待遇に関する決議案(花村四郎君外二十二名提出)(委員会審査省略要求事件)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、花村四郎君外二十二名提出、検察事務官及び矯正保護職員の待遇に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 検察事務官及び矯正保護職員の待遇に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。田嶋好文君。
    〔田嶋好文登壇〕
○田嶋好文君 共産党を除く各党共同提案になりますところの検察事務官及び矯正保護職員の待遇に関する決議案につきまして提案理由の説明を申し上げます。
 まず決議文を読み上げます。
  検察事務官及び矯正保護職員の待遇に関する決議案
  政府は、検察事務官の治安上の職責の特殊性にかんがみ、その待遇を税務職員なみに高むべきである。なお、矯正保護職員についても刑務職員なみに高むべきである。
  右決議する。
 検察庁で働く検察事務官の職務は、検察官の指揮のもとに、犯罪の捜査に始まり、刑の執行、保護、恩赦に至るまでの諸般の事務を鞅掌するのはもちろん、退庁後、休日といえども当直勤務に服し、検察官と表裏一体となつて、検察官に準ずる重責を負わされているのであります。特に検察事務官に捜査権が付與せられまして以来、その活動は真に見るべきものがありまして、検察官指揮のもとに、各種特殊重要事件の捜査に顯著なる実績を收めつつありまして、よその事例は枚挙にいとまがないのであります。戰後、犯罪の激増により、なかんずく改正刑事訴訟法の施行によりまして検案官の公判事務が倍加せられました結果、検察事務官の捜査補助の職責はいよいよ重要度を加うるに至りました。さらに政治的、社会的影響の大なる重要事件であつて、検察官みずから捜査を必要とする場合には、検察事務官直接捜査の第一線に進出しまして、何ら防御の武器なくして犯人の逮捕、押收、捜策等の危険な職務に従事し、この面における職務は、警察、刑務関係職員にまさるとも劣らないのであります。検察事務官にして脅迫または傷害を加えられた事件も少くないのであります。
 次に矯正保護職員の待遇について申し上げます。最近における犯罪、特に青少年犯罪の激増はまことに憂うべき状況にありまして、しかも少年院、少年保証鑑別所等の矯正保護職員の努力にもかかわらず、近時悪質集団逃走、騒擾事件等が続発しているのであります。次の時代をになうべき青少年の育成教化は、たれが輿任を負うのでありましようかしかも、この職域は特殊な犯罪性の強い青少年を取扱うものでありますから、職員に真に適格者を得るのでなければ所期の効果をあげることはできません。しかるに、有能な職員は多く他に転じ、外部から将来性に富む職員を得ることは不可能な状況にあります。青少年問題の解決は、これら矯正保護職員の待遇改善の早急な解決にまつところ大なるものがあるのであります。
 この際、一般職の職員の給與に関する法律中、検察事務官を挿入し、この待遇を税務職員及び経済調査官に高め、また同法中「刑務職員」とある字句を「矯正保護職員」と改め、その適用範囲をこれら職員に拡大して、矯正保護職員の待遇を刑務職員と同一程度に高める必要があるのであります。何とぞ皆さんの御賛同を得ますよう御願いいたす次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 行政機関職員定員法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、参議院回付)
○副議長(岩本信行君) 参議院から行政機関職員定員法の一部を改正する法律案か回付せられました。この際議事日程に追加して右回付案を議題となすに御異議ありませか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者の起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、電気照明器具に対する物品税改正の請願外二百十二請願は一括して議題となし、この際審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。電気照明器具に対する物品税改正の請願外二百十二請願を一括して議題といたします。
 右各請願は委員長の報告を省略して採択するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。
    ―――――――――――――
○副議長(岩本信行君) お諮りいたします。各常任委員会において閉会中審査いたしたいとの申出がありますから、参事をして朗読せしめます。
    〔参事朗読〕
内閣委員会において
 一、治山治水行政機構に関する件
 二、地方開発機構に関する件
 三、観光行政機構に関する件
 四、地方出先機関に関する件
人事委員会において
 一、公務員の福利厚生に関する件
 二、公務員の勤務地手当支給地域に関する件
 三、公務員の寒冷地手当及び石炭手当に関する件
地方行政委員会において
 一、地方自治に関する件、
 二、地方財政に関する件
 三、警察及び消防に関する件
 四、選挙に関する件
 五、行政書士法案起草の件
 六、競犬法案起草の件
法務委員会において
 一、人権じうりんに関する件
 二、刑事訴訟法の運用に関する件
 三、鉄道犯罪及び鉄道公安官の法制化に関する件
外務委員会において
 一、国際経済に関する件。
 (一) 講和條約前における対外経済関係調整の具体策
 (二) わが国の経済自立のための緊急貿易対策
 二、講和会議に関する件
 (一) 講和会議開催に処する諸般の緊急重要事項
 (二) 賠償指定工場の稼働状態と日本の産業水準との関係
 (三) 講和条約を前にして密入団、密出団、密貿易等治安に関する問題
大蔵委員会において
 一、徴税及び納税状況に関する件
 二、金融状況に関する件
文部委員会において
 一、六・三制義務教育に関する法律案起算の件
 二、宗教法人に関する法律案起算の件
厚生委員会において、
 一、生活保護、結核対策、医療制度、社会保険、社会事業、水道事業に関する件
 二、その他厚生行政全般に関する件
農林委員会において
 一、單作地帯における農業経営事情等に関する件
 二、農業関係公団整理に関する件
水産委員会において
 一、漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第五号)
 二、(一) 水産市場機構に関する件
   (二) 水産金融、漁業経営、並びに漁民経済状態に関する件
   (三) 荒廃漁場復旧に関する件
   (四) 水産資源保護育成に関する件
通商産業委員会において
 一、電気事業及びガス事業に関する件
 二、中小企業振興対策樹立に関する件
 三、貿易振興対策樹立に関する件
 四、石炭鉱業の合理化並びに石油及び天然ガス増産対策樹立に関する件一
 五、金その他の鉱物増産対策樹立に関する件
 六、基礎工業自立対策並びに化学工業振興対策樹立に関する件
運輸委員会において
 一、国鉄の経営合理化に関する件
 二、鉄道の建設並びに電化に関する件
 三、船舶(機帆船を含む)の運航体制に関する件
 四、港湾の運営並びに修築に関する件
 五、観光に関する件
郵政委員会において
 一、簡易生命保険及び郵便年金積立に関する件
電気通信委員会において
  一、電気近信事業の経営方式に関する件
労働委員会において
 一、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(議決第三号)
 二、失業対策その他労働事情に関する件
建設委員会において
 一、国土計画及び地方計画に関する件
 二、都市計画及び住宅復興に関する件
 三、道路及び治山治水事業に関する件
 四、特別調達庁の営繕及び保有物資の調査等に関する件
 五、その他建設行政に関する件
経済安定委員会において
 一、事業者団体法の一部を改正する法律案起算の件
 二、公団の実情調査に関する件
 三、経済実態調査に関する件
 四、国土総合開発計画に関する件
予算委員会において
 一、予算制度に関する件
 二、予算の執行状況調査に関する件
決算委員会において
 一、昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算及び同年度特別会計歳入歳出決算
 二、決算制度及び決算審議に関する件
議院運営委員会において
 一、議員の福利施設に関する件
 二、議員の退職金制度に関する件
 三、議長の諮問事項に関する件
図書館運営委員会において
 一、国立国会図書館運榮営関する件
海外同胞引揚に関する特別委員会において
 一、在外同胞引揚促進に関する件
 二、引掛著定着援護に関する件
災害地対策特別委員会において
 一、災害防止、国土保全法案起草に関する件
 二、既往の災害復旧状況に関する件
 三、不時の災害による被害状況に関する件
○副議長(岩本信行君) ただいま朗読いたしました案件について各委員会において閉会中審査するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。
 この際暫時休憩いたします。
    午後十時二十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後十一時四十三分開議
○議長(幣原喜重郎君) 休憩前に引続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 常任委員長辞任の件
○議長(幣原喜重郎君) お諮りいたします。各常任委員長からそれぞれ辞任したいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 常任委員長の選挙
○議長(幣原喜重郎君) つきましては、この際常任委員長の選挙を行います。
    ―――――――――――――
○山本猛夫君 常任委員長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて議長は各常任委員長を指名いたします。
        内閣委員長   木村 公平君
        人事委員長   田中伊三次君
        地方行政委員長 前尾繁三郎君
        法務委員長   安部 俊吾君
        外務委員長   守島 伍郎君
        大蔵委員長   夏堀源三郎君
        文部委員長   長野 長廣君
        厚生委員長   寺島隆太郎君
        農林委員長   千賀 康治君
        水産委員長   冨永格五郎君
        通商産業委員長 小金 義照君
        運輸委員長   前田  郁君
        郵政委員長   池田正之輔君
        電気通信委員長 關内 正一君
        労働委員長   倉石 忠雄君
        建設委員長  藥師神岩太郎君
        経済安定委員長 圖司 安正君
        予算委員長   小坂善太郎君
        決算委員長   菅家 喜六君
        議院運営委員長 大村 清一君
        懲罰委員長   山本 猛夫君
        図書館運営委員
        長       東井三代次君
    〔拍手、発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
     ――――◇―――――
○議長(幣原喜重郎君) 地方税法案……(発言する者多し)両院協議会衆議院両院協議委員議長星島二郎君より、地方税法案……(発言する者多し)右は両院協議会の成案を得なかつた……(発言する考多く、聽取不能)報告する。……(発言する者多く、聴取不能)
 諸君、第七回国会は本日をもつて終了いたしました。会期を通じ諸君は日夜励精して、よくその職責を果されたのであります。ここに本年度予算を初め幾多の重要議案を議了するとともに、諸君が常に民意の伸張に努め、もつて立法府としての国会の声価をいよいよ大ならしめたことは、まことに御同慶の至りであります。(拍手)諸君の御苦労と御協力に対して深く敬意を表する次第であります。
 これにて散会いたします。
    午後十一時五十一分散会