第007回国会 本会議 第5号
昭和二十四年十二月十七日(土曜日)
 議事日程 第三号
    午後一時開議
 第一 両院法規委員会委員辞任の件
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●本日の会議に付した事件
 公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に関する決議案(廣川弘禪君外六名提出)
 日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案(足鹿覺君外百五十七名提出)
 昭和二十三年度、昭和二十四年度衆議院予備金支出の件
 日程第一 両院法規委員会委員辞任の件
 両院法規委員会委員の補欠選挙
    午後一時五十四分開議
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、廣川弘禪君外六名提出、公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に関する決議案及び足鹿覺君外百五十七名提出、日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案、以上の両案は提出者の要求通り委員会の審査を省略してこの際一括これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に関する決議案、日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案、右両案を一括して議題といたします。順次提出者の趣旨弁明を許します。吉武惠市君。
    〔吉武惠市君登壇〕
○吉武惠市君 ただいま上程になりました公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員に対する給與支給に関する決議案の趣旨弁明をいたしたいと思います。
 まず決議案を朗読いたします。
  公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に関する決議案
  政府は、国鉄従業員の生活の実情にかんがみ、公共企業体仲裁委員会の裁定の趣旨を尊重し、速やかに必要な措置を講ずべきである。
 なお、一般公務員についても右に準じ、適当な措置をあわせ講ずべきである。
 右決議する。
 去る十二月二日、国鉄公共企業体の仲裁委員会は、国鉄両当事者に対しまして、賃金ベースの改訂及び年末賞與支給その他に関する紛争について、次のごとき裁定を下されたのであります。
 すなわち第一は、賃金ベースの改訂はさしあたり行わないけれども、国鉄職員に対する待遇の切下げに対しては、これを是正されなければならないということであります。
 第二は、前項の趣旨により、本年度においては公社は総額四十五億を支給すること、そのうち三十億は本年内にこれを支給し、残り十五億は、明年一月より毎月一人当り千円、すなわち五億円ずつを支給さるべきであるということであります。
 その第三は、組合の要求する年末賞與についてはこれを認められないけれども、公社の企業体たる精神にかんがみ、新たに業績による賞與制度を設け、予算以上の收入になり、あるいは節約が行われ、これが従業員の能率増進のためであつた場合には、それに相当額の賞與を支給する制度を設けてほしいということであります。
 その第四は、本裁定の解釈またはその実施にあたつては、もし意見の一致を見ない場合にはこの委員会によつて決定をするという、四つの事項であつたのであります。
 これに対しまして政府は、公労法第十六條第二項によりまして、今日の公社の予算上及び資金上の支出が不可能であるために、本国会にこれが承認を求めて来たのであります。
 思いまするのに、今日の国鉄従業員の給與は、皆様も御承知のように、昨年の十二月、六千三百円ベースが決定されまして以来、今日に至つておるのであります。ところが、その後一般の民間給與は漸次上昇をいたしまして、今日では八千四、五百円程度に上つておるのであります。また一方CPI、すなわち消費者物価指数も、昨年の暮れから本年四、五月ごろまで漸次上昇をして来ておるのでありまして、従つて今日の国鉄の従業員の給與は、一般に比べて相当低い実情にあるのでありまして、これにつきましては相当の考慮を拂わなければならないと思うのであります。
 しかしながら、祖国再建の上において最も重要な点は経済の復興をはかることにあるのであります。経済の復興をはかりまするためには、何と申しましても、戰後この方のインフレーシヨンを押えまして、経済の安定をはからければならないことは、皆さんすでに御承知のところであります。昨年の十二月に、マツカーサー元帥が日本政府に與えましたるところの九原則の実施も、すなわち均衡予算をつくり、日本の自立経済を確立するために、まずこのインフレーシヨンを押えなければならないという、日本政府に対する好意ある鉄則であつたのであります。
 わが党内閣は、昨年の十月成立して以来、この九原則を忠実に実施して参りまして、幾多の犠牲や困難を克服して今日に及んだのでありまして、わずか一年のうちに、あの急速度に伸びつつあつたインフレーシヨンが、ようやく終息するに至つたのであります。これはすでに、世界もまた驚異の眼を持つて見ているところであります。(拍手)従つて、今日の国鉄の従業員及び一般公務の給與が、一般民間の給與に比べて低いことは認めながらも、この九原則実施の上から考えますれば、これに対して相当の研究、考慮を必要とすると思うのであります。しかるに、CPI、すなわち消費者物価指数は、本年の八月ごろから漸次下降の徴候を示して参つたのであります。そこを考えますれば、今この際に賃金べースの改訂をいたしますることは、極力これを避くべきであろうかと思います。
 今回の仲裁委員会の裁定も、その第一において、現在のところ賃金ベースの改訂は行うべきでないということを言つておりまするのは、まことに妥当な決定であると存ずるのであります。しかしながら裁定は、今日の国鉄従業員の生活の実情にかんがみまして、先ほど申しましたるごとく、次の決定をしておるのであります。すなわち、経理上の都合によつて職員が受けた待遇の切下げは、これを是正しなければならないということであります。すなわち、本年度内において一人平均六千円、明年一月から一人平均千円ずつの支給をして行くということであります。今日の国鉄従業員の生活の実情を考えますると、もし公共企業体の予算上及び資金上支出が可能でございましたならば、これを尊重しなければならないと思います。ただ、今日の国鉄の経理状況は、皆さまも御承知のごとく、さきに行政整理を断行いたしましたけれども、なお赤字が続き、さきの第六国会におきましては、遂に貨物運賃を八割まで上げなければならなかつたのであります。しかも、一般会計より三十億の繰入れさえしなければならない状況でありまするから、今これを全面的に受入れるということは相当の困難があると思うのであります。
 しかし、この際われわれの最も考えなければならないことは、今日の国鉄労働組合のあり方であります。昨年七月二十二日のマツカーサー元帥の書簡に基きまして、これらの国鉄従業員は、その公共性に基き、争議権が持てなくなつたのであります。このことは、過去における国鉄労働組合のあり方が、一部の少数極左分子の指導によりまして、あまりにも政治的に、あまりにも無謀に組合運動を展開した結果にほかならないのであります。(拍手)これはすでにマツカーサー元帥の言葉をかりるまでもなく、わが新憲法第十二條には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」しかし、それは公共の福祉のために用いなければならないと規定されておる結果、当然のことと思うのであります。しかしながら、マツカーサー元帥の書簡によりますると、これらの国鉄従業員に、争議権は持てないけれども、そのかわりに、これらの人々の要求を合理的に解決する調停及び仲裁の制度が持たれなければならない、とあるのであります。今日の公労法は、すなわちこの精神を盛られてでき上つておる次第であります。
 ところが、この公労法に対しまして、一部の少数の人々は、これを憲法違反なりとし、実力公使を正当防衛などと言つておるのであります。現にこのことは、今年の七月、国鉄における行政整理の際にも、熱海の大会の決議によつてこれを決定し、しかも意思決定ばかりではない、現に列車の運行を妨げ、また列車の転覆さえはかりまして、今刑事事件を引き起しておるのであります。(拍手)
 しかるに、今日の国鉄の労働組合は、これら一部の扇動に乗りませんで、いわゆる民同派と称する健全なる分子が今日の国鉄労働組合の指導権を握つたのでありまして、今までのごとき一部の少数の人々の政治的な無謀なる労働運動は、まつこうからこれを排撃して、合法的手段によつてその要求の貫徹をはからんとしておるのであります。(拍手)このまじめな、真摯な態度に対しましては、私どもは、国家再建の途上にかんがみまして、まこと感銘にたえぬところであります。(拍手)
 今回の要求に対しましても、これらの人々は、自分の体を犠牲にしてハンストには入りましたけれども、いささかも列車の運行を妨げようとする態度に出ていないのであります。(拍手)それだけに、私どもは、これらの人々の要求に対しましては、あとう限りの理解と同情を持たなければならないと思います。(拍手)もし万一、今回の仲裁委員会の制度が尊重せられず、そしてこれら人々の要求が通らないといたしましたならば、再びこれら労働運動が従来のごとき一部の人々の非合法運動の手に帰らないとも限らないのであります。(拍手)私どもは、将来の日本の労働運動の前途を思いますために、今回の裁定の趣旨は、できるだけこれを尊重したいと思う次第であります。(拍手)
 政府もいろいろ事情があるでありましよう。ドツジ・ラインに基くところの総合均衡予算をつくらなければならないし、また国鉄も、先般運賃を八割上げたばかりであります。これらの事情を考えますならば、裁定を全面的に受入れるということは相当至難でありましようけれども、あとう限りこれを尊重して行きたいと思うものであります。(拍手)
 一昨々日、吉田総理はみずから司令部を訪ね、マツカーサー元帥に会い、マーカツト局長に会われまして、今日のこの事情を訴えて、あとう限りこれらに対する給與の支給を折衝していただきましたことは、われわれの感謝するところであります。(拍手)しかしながら、年末は目前に迫つておるのであります。従つて、今日の国鉄従業員の生活の実情を考えまするならば、一日も早くこの裁定の趣旨を尊重して適当なる措置が講ぜられたいと思うのであります。
 なお、以上述べましたところの理由は、一般公務員についても同様であります。(拍手)従つて、今回の国鉄従業員に対してとられますところの給與は、一般公務員に対しましても、これに準じ、すみやかに適当なる処置をあわせ講ぜられたいと思う次第でございます。
 以上、提案の趣旨を説明いたしまして、皆様方の御賛同を煩わしたいのであります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 赤松勇君
    〔赤松勇君登壇〕
○赤松勇君 私は、野党各派を代表いたしまして、足鹿覺君外百五十七名提出になります、日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案の趣旨弁明を行いたいと思います。(拍手)
 まず決議案の内容を読み上げます。
  日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案
  政府は、日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定額につき、同公社において予算上又は資金上支出不可能な部分は、その全額について、速やかに予算的措置を講じ、国会の承認を求めなければならない。
  右決議する。(拍手)
 ただいま吉武君から別の決議案が出まして、その趣旨弁明が行われたのでございまするが、吉武君は、仲裁委員会が指摘いたしまする賃金ベース引上げの点につきましても、その必要を認めておられる。そうして、その裁定を尊重しなければならぬという点においても、これまたわれわれと同じような考えを持つておられるのでございまするが、ただ一点違うところは、裁定を尊重するのは当然でございまして、裁定を尊重するというような決議が――、この権威ある国会に、このあいまいきわまる決議が出されるということは、まことにふしぎ千万といわなければならぬのであります。(拍手)なぜかならば、二百七十名の絶対多数を擁しております民主自由党の單独内閣ではないか。もし諸君たちが裁定を尊重するというならば、ここには運輸大臣がいる。吉田内閣総理大臣も――党議をもつてきめて、ただちに全額支給の手続をなぜとれないのであるか。(拍手)また、ただいま趣旨弁明の中で、盛んに九原則を引用されておりまするが、マツカーサー声明の中にもあるように、この経済再建の過程においては、もちろん国民全体が耐え忍ばなければならぬところは多々あるけれども、その犠牲はすべて平等でなければならぬということを吉武君は忘れている。
 大体、今日の仲裁裁定書の理由の中の第八項に、「本裁定は、公労法第十六條及び第三十五條によつて当事者双方を拘束するから、公社は裁定の指示するところに従つてそれぞれ所定の時日までに裁定の内容を履行すべき法律上の債務を負担する。従つて、公社は現有の経理能力で独自に処理し得べき分は直ちに準備に着手して所定の時日までにこれを履行し、経理能力を超える部分については、国鉄法第三十八條以下の規定により速やかに予算を作成し、所定の手続をとられたい。」ということが、ちやんとうたつてある。
    〔議長退席、副議長着席〕
 ところが先般、一昨日でございましたか、われわれ野党代表は加賀山総裁をおたずねいたしまして、この仲裁書が勧めておりまするところの所定の法的手続をおとりになつたかどうかということをば聞いたのでございます。なぜわれわれは、このことをば明らかにしなければならなかつたのでございましようか。それは言うまでもなく、われわれは、こういう考え方の上に立つている。国会に協定及びそれに伴う予算案を提出する責任は政府に課せられた義務である。日本国有鉄道法第三十八條の規定により、予算案の作成権は日本国有鉄道にあるから、政府は本項により義務を課す前提には、公共企業体の予算案の作成がなければならない。そうして、この予算案の作成が行われて、所定の手続がとられまするならば、すなわち国有鉄道公社は、この予算原案を作成して運輸大臣に答申をする。この答申に基きまして、運輸大臣は、これを閣議に諮つて、そうしてこれに伴うところの予算を付して国会に提出することが当然ではないか。その経理能力でまかなえる部分と、経理能力を越える部分とを明確にいたしまして――昨日また、末弘博士は、参議院の委員会において言つている。すなわち、その際の手続は三つある。第一は、経理能力を越えない部分につきましては、日本国有鉄道公社は、ただちにこの支拂いをしなけらばならない。ところが、日本国有鉄道公社はこの手続をすみやかにとつておるでございましようか。あるいは十八億は、経理能力の範囲内において、まかなうことができるというようなことを言つておりまするが、しからば、なぜ十八億をただちに支拂わないのであるか。これがもし政府の圧力によつて、政府の政治的陰謀によつて、その公共企業体でありまする日本国有鉄道公社の独自性を押えておるといたしまするならば、われわれは、はなはだもつて遺憾千万といわざるを得ないのであるます。何ゆえ日本国有鉄道公社は、ただちに経理能力の範囲においてまかなえる部分を、これを国鉄の従業員に対して支拂わないのであるか。
 第二点でございまするが、第二点は、いうまでもなくこの裁定案の中におしましては、国が予算を編成し、これを出さなくても、いわゆる運輸大臣の認可により、また政府の了解によつて預金部資金を融通することにより、十分にその目的を達成することができるということを、仲裁書はうたつている。第一に、加賀山総裁はそのような手続をふんだでございましようか。
 私は加賀山総裁からいただいたのでございまするが、彼が運輸大臣に答申をいたしましたのは、答申書ではなくて、これは單なる意見書である。国鉄総裁として、仲裁案の裁定について、運輸大臣に特段の配慮を切望するというのでございまして、この日本国有鉄道公社に課せられておるところの義務を果たさないで、單に財源その他については別に資料を提出すると言つて、この意見書を出しつ放しにしておるのでございます。運輸大臣の手元に、はたして国有鉄道公社の作成いたしました原案がきておるでございましようか。この課せられた義務をば彼は怠つておる。日本国有鉄道法第三十八條において規定されておりまするところの義務を怠つておる。その義務を怠つて、ただ單なる意見書が提出されまして、運輸大臣はこれを受取つておる。この責任もきわめて重大であるといわなければなりません。すでに法において規定いたしまするところの手続をふんでいない一片の意見書を受取つて、政府がただちにその裁定を国会に出したということは、私は重大なる違法行為と言わざるを得ないのでございます。(拍手)
 昨日の参議院におきまする末弘博士の意見によりましても、四十五億の裁定に対しまして、たとえば十八億は日本国有鉄道公社でまかなえる、そのまかない得ない部分につきましては、当然これは債務が残るのでございます。民法上の債務が残り、これは当然行政訴訟を起すことのできる権利が留保されておるのでございます。政府は、このような法律に規定されておりますところの手続を何らとらなくして、ただ單に仲裁書そのものを国会に出したということは、先ほど申した通り遺憾千万である。
 先ほど吉武君もこの問題に触れられておつたのでございますが、第二に、政府が違法行為を犯しておりますのは、公共企業体労働関係法において、すなわち第十六條の二項でございますが、十日以内にこれを国会に付議しなければならぬということになつておる。しかも、この十日以内に付議すべき裁定は、ただいま申しましたような国有鉄道それ自身の予算原案、これに政府自身が何らかの法的事実を必要とするような、そういう手続を添えて国会に出さなければなりませんが、これを政府は十二日に出したでございましようか。その後政府の要求によりまして、われわれは二日間待つたのでございます。政府は、遂にわれわれの要求いたしまするところのその所定の手続をとらないで、これを多数の圧力をもつて、むりやりに国会に付議したというこの違法行為は、断じて見のがすわけには参りません。(拍手)
 公共企業体労働関係法のできました理由は、吉武君に聞くまでもなく、今日国鉄職員五十万の国鉄労働組合は、いわゆる国家公務員法の適用からはずされまして、公共企業体労働関係法の適用を受けておる。アメリカにおきましても、イギリスにおきましても、この現業、すなわち運輸労働者に対しまして、労働者の基本的人権の一つであります罷業権を剥奪し、その団結権を著しく制限するというような――いわゆる近代民主主義国家においては、このような政治的自由を剥奪するような封建的な弾圧法はないのであります。
 ところが、先般国会におきまして、これをむりやり通して、一方においては国鉄労働者からその罷業権を奪い、政治的自由を奪つておいて、そうしていわゆる団体交渉を経て、調停機関を経て、きわめて合法的な、民主的な手続をとつて、最後にこの裁定が出ました際に、政府や国会が、この裁定を最終的の拘束力を持つところのものであるとして取上げなかつたといたしましたならば、罷業権は奪われ、政治的自由を極度の制限されておりますところの日本の労働組合運動、ことに国鉄労働組合運動は、今後一体何によつて自己の労働條件の維持改善のために闘うことができるでございましようか。(拍手)
 国会みずから新憲法をつくり、その新憲法の中に労働者の基本的人権を認めながら、一方にその基本的人権を剥奪するような弾圧をあえて行い、他方において民主的、合法的な手続をとつて、そうして今日国会に対し、あるいは政府に対し、国民に対し、納得の行くような運動を進めております国鉄労働者五十万に対して、もしも政府が、あるいはこの国会において多数を占める民主自由党が、その裁定を尊重すべきだというような、インチキきわまる、ごまかしきわまるこのような決議をいたしまして、その要求を弾圧したといたしまするならば、これこそ今後の日本の合法的な労働組合運動の上に一つの限界点が来るであろうということを、あえてわれわれは国会に警告せざるをえないのでございます。(拍手)
 すでに東京都内におきましても、全国各地におきましても、ハンガー・ストライキが生れている。一体近代民主主義国家におきまして、ハンガー・ストライキというような、かようなストライキ戰術というものは、元来あり得るでございましようか。インドのガンジーならいざ知らず、近代民主主義国家におきまして、その労働運動の闘争形態として、ハンガー・ストライキというような、このような封建的な戰術は、断じて行われていないのでございます。
 しかるに、今日わが国において、かような戰術が生れ、かような死をもつて政府に抗議し、死をもつて民主自由党に抗議するというような、かような戰術が生れますゆえんは、新憲法をつくり、民主主義を口の先で唱えながら、労働組合運動からその合法性を奪つて、みずからストライキを煽動するような反動労働政策を行う吉田反動内閣の必然の所産の戰術といわざるをえないのでございます。(拍手)すなわち、その罷業権を行使しようとすれば、たちまち吉田内閣はこれを弾圧する。やむを得ない結果といたしまして、あのような戰術をとつているのでございますが、近代民主主義国家の日本におきまして、このような悲劇が起るその責任は、あげて民主自由党と吉田内閣が負わなければならぬと思います。
 この仲裁案は、断じて新しい賃金値上げの要求をそのまま認めたものではございません。(「そんなことは言つていないぞ」と呼び、その他発言する者あり)仲裁書の中には、ベース改訂の必要を認めながら……(発言する者あり)ベース改訂の必要を認めながら、国家公務員とのつり合いの上に、やむを得ないが…(発言する者あり)やむを得ないが、この際は賃金値上げの方法は避けて、従来二割実質賃金が低下している。吉田内閣のもとにおいて、二割の実質賃金が低下したのだ。この二割低下をいたしました実質賃金の穴埋めとして、四十五億を来年三月までに出してやつてもらいたいということが、仲裁書の指示するところのその本旨でございます。決して仲裁書は、むりなことを諸君にしいているのではない。
 この際諸君は、政府を鞭撻し、この吉田反動内閣の反労働的政策を転換させるために、そうして日本の労働組合運動の合法的前進を守るために、われわれがただいま出しておりますところの、この裁定を完全に実施しろ、その裁定に示された四十五億はただちに全額支給せよというこの決議案に、なぜ同調しないのであるか。同調できないということは、口では尊重すると言いながら、一方において労働攻勢、あるいは野党攻勢に、国民の世論が民主自由党あるいは吉田内閣にだんだん不利になつて参りますので、それをカバーするゼスチユアとしてこの決議案が出たといわざるを得ないのであります。(拍手)
 臨時国会の劈頭におきまして、吉田内閣総理大臣は、現にこの議政壇上から、こう言つている。賃金ベースを改訂することはできないが、年末賞與は何とかして拂いたいと思う、ということを言つた。その後私は、人事委員会におきまして、増田官房長官に対しまして、はたして年末賞與は拂い得るかどうかということを質問いたしました際に、諸般の情勢から年末賞與はだめになりました、こう言う。
 その年末賞與にかわるに、いわゆる未拂分の超過勤務手当を、これを全額――初めは来年三月までの会計年度中に拂いたいと言つておつたが、その後増田官房長官は、言葉を改めまして、本年中に、すなわちこの十二月一ぱいに超過勤務手当を全部、未拂分全額を拂おう、それによつてこの年末賞與にしたいというようなことを言つております。
 ところが、最近に至つて、政府の方は年末手当をば二千円だ、やれ三千円だということを盛んに言つておりまするが、国有鉄道の職員や、あるいは地方自治体に従事いたしまする職員は、現行の給與法の適用を受けておりませんが、政府職員は、この給與法の適用を受けているのだ。これを吉田内閣総理大臣は御存じなかつたんだ。何でも自分の一存で、国会に諮ることなく、また法律を研究することなく、かつてに年末賞與がどんどん出せると思つておつたのでございまするが、よく調べてみますると、現行の給與以外には、政府職員に対してその手当を拂うことはできないのでございます。
 この臨時国会劈頭、議政壇上で、しかも施政演説の中で、年末賞與をば必ず拂うと公約をいたしましたその内閣が、その後みずから自分の公約を実行できない、諸般の情勢から実行できないような場面に到達しながら、なおかつ国会に対して、一度でもその意思を表示したことがあるか。われわれの質問に対する答えに窮して、増田官房長官が、ようやく、超過勤務手当の未拂分をもつてこれに充てるというようなことを言つているのだ。
 最近では二千円、三千円というようなことを言つておりまするが――これはあとから田中織之進君が緊急質問をいたしますが、現行給與法では断じて不可能である。しかも、新しい法律でこれをやろうとするならば、これにはきわめて客観情勢は困難であるということをば、政府自身はこれを隠している。私どもは、この際すみやかに、政府職員に対しましては賃金ベースの改訂をやり、国鉄職員に対しましては、この四十五億も不十分ではございまするが、四十五億の仲裁によるところの裁定、これを全額支給するの方法をとり、また地方公務員及び教職員に対しましては、すみやかに政府は半額国庫負担によるところの、いわゆる年末資金補給に関する緊急なる措置を構ずべきである。われわれは、かように考えているのでございます。
 そういう意味から申しまして、先ほど民主自由党が出しましたあの決議案は、いわばこれはただいまの国民世論の硬化、あるいは労働攻勢の熾烈化、その前に、何とか民主自由党が、これらの国民感情や、あるいは労働攻勢をばごまかして行きたいというところの、卑劣きわまる欺瞞政策の現われであるということを指摘いたしまして、私の趣旨弁明にかえる次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 質疑の通告があります。これを許します。橋本龍伍君。
    〔橋本龍伍君〕
○橋本龍伍君 私は、ただいま提案になつておりまする、足鹿覺君外百五十七名提出にかかる、日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案について、民主自由党を代表して、提案者に少しく質問をいたしたいと思うものであります。(拍手)
 わが党提出の決議案の趣旨弁明に明らかなるごとく、国鉄従業員の生活の実情から見ましても、また公共企業体労働関係法制定の趣旨から見ましても、これをできるだけ尊重すべきことは論をまたないところであります。われわれが、先般来、この裁定案の趣旨に沿つて解決をはかるために、いかなる努力をしてきたかは、野党の諸君の意図いかんにかかわらず、労働組合の心ある人々は必ず認識しているに違いない。(「ノーノー」拍手)ただ現下の国情から見まして、一面において減税その他の処置により国民全体の負担の軽減をはかり、他面財政上のゆとりをつけて国の復興を促進し、しかもその間に、国鉄従業員を初め公務員の実質給與をできるだけ改善することをはかるところに、国会が特に深い責任を持つてこの問題を取扱わなければならない理由があるのであります。場当りの党略によつて、いつでもいいことを言つて通るようなことは許されない。私は、この観点において、野党の提案にかかるところのこの決議案の趣旨についてお尋ねをいたしたいのであります。
 この仲裁委員会の裁定案の基礎になつておりますところは、仲裁委員会の説明に明らかなるがごとく、鉄道貨物運賃の八割値上げと、一般会計からの国民の税金をもとにした三十億円の繰入れを計算に入れて裁定されたものであります。しかるに、野党の提案は、全面的にこの裁定を肯定して、予算的措置を講ずべきことを要求いたしておる。
 野党の諸君は、去る臨時国会に何を主張したか。野党の諸君は、鉄道貨物運賃の八割値上げ、一般会計からの三十億の繰入れに対して強力な反対をしたことを、よもやお忘れではありますまい。(拍手、発言する者あり)わずかに一箇月を出でざる今日、この簡操なき態度は何ごとであるか、場当りの党略によつて、朝に甲にに迎合し、夕べに乙の意を迎えて、いつでもいいことを言つて通るようなことは、責任ある国会議員の断じてとるべからざるところであります。(拍手)いやしくも政治的な良心がある限り、この裁定の趣旨を尊重する資格のある者は、われわれ與党あるのみである。(拍手)私は、ここに諸君が今日の決議案を提出するにあたりまして、先般の臨時国会で、鉄道貨物運賃の八割値上げ及び一般会計からの繰入れに反対されたことは、まつたくの誤りであつたということをここに告白し訂正する趣旨であるかどうかを、まず第一に尋ねたい。(拍手)
 次に、もう一点質問をいたしたいのであります。今日われわれは、終戰以来のインフレーシヨンを収束せしめ、引続いて国の自立態勢を確立するために、経済安定九原則のもとに、あらゆる困難を排除して努力をいたしているわけであります。特に講話を前にいたしまして、自立態勢を確立するために、切り詰めた予算のもとに、できるだけのことをするために、政府、與党が一体となつて、総理大臣を初め閣僚が、関係方面と連絡しつつ努力をいたしていることは、皆さんの御承知の通りでありましよう。新聞が報ずるところによりますれば、野党の代表者も関係方面を訪れて会議をされたそうでございますが、問題の解決に諸君もまた努力をされていることは、まことに敬意を表するところであります。
 今日の経済安定九原則のもとに苦労いたしておる現下の国情からいたしまして、さだめし関係方面との折衝におかれましては、代表者の諸君も深い考慮を持つて話をされたのだろうと思いますが、一体その際にいかなる話をされたのか。しかして、この関係方面との話合いの上で、なおこの決議案を提出されたのでありますか、その会談の内容と、この決議とのつながりについて、野党の提案者の所見を承りたいのであります。
 私の伺いたいのは、それだけであります。(拍手)
    〔赤松勇君登壇〕
○赤松勇君 ただいまの御質問の点につきましてお答え申し上げます。
 運賃値上げ等の問題について私どもが反対をいたしましたことは、まつたく正しいと考えております。ただこの問題と、それからただいま私が決議案の趣旨弁明をいたしました裁定の問題とは、まつたく別個な問題であるように思つております。(拍手、発言する者あり)
 第二点といたしまして(発言する者あり)第二点は、橋本君はこの裁定書をお読みになつておらない。なぜかならば、裁定書の理由の第六項に、「公社の経営はこれに解決を與えるだけの能力をもつている。即ち、この際国会がこの問題解決のために多少の借入金を承認すれば、公社は次年度以降において容易にこれを償還し得るだけの余力をもつている。」と言つておる。(拍手)
 残余の質問は質問になつておりませんから、お答えする必要を認めません。(拍手、発言する者あり)
○副議長(岩本信行君) 田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
○田中織之進君 私は、ただいまの上程に相なつておりまする、廣川弘禪君外六名提出にかかりまする、公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に関する決議案に関しまして、提案者に対しまして、またこの決議案に関連をいたしまして、政府当局に対して若干の質疑を行わんとするものであります。(拍手)
 まず私が提出者の民自党に対してお伺いをいたしたいのは、昨日の議院運営委員会におきまして、先般の十二日に一応国会に提出いたしましたところの、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き国会の議決を求めるの件、この案件の処理につきまして、諸君は、われわれ野党の一致したところの、この案件自体が公労法違反の非合法の手続であるという主張を、多数をもつて押し切りまして、本日から労働委員会におきまして、この━━━━━━案件が審議せられようという、きわめてふしぎな現象が演じられておるやさきに、本日この決議案が出ることを、私はきわめてふしぎに思うのであります。(発言する者あり)
 政府が公労法第十六条第二項に基いて国会に承認を求めんとして出されたこの理由の中には、何と書いておられますか。現在の段階においては政府は国鉄仲裁委員会の裁定を承認することができないということについての承認を求めるために出されておるということは、増田官房長官が、昨日運営委員会で、はつきりと申されておるのであります。それにもかかわらず、いわゆる民主自由党と民主党連立派の政党内閣でありますあなたがたは、政府與党一体の立場にありながら、現に国会には、この裁決は全面的に承認できないということについての承認を求める議案を片一方に出しながら、本日また臆面もなく、この裁定を尊重して必要な措置を講ぜようということは、一体矛盾撞着もはなはだしいではありませんか。(拍手)あなた方は、そのいずれをとられるのでありますか。私が提案者にお伺いしたいのは、その点であります。
 もしも私の見解をもつていたしまするならば、この決議案にありますところの、すみやかに必要なる措置を講ずべきであるという、この必要なる措置を、というのは、あなた方が、政府、與党一体の原則から参りまするならば、政府が国会に求めて参つておりまするこの裁定案を不承認することを必要なる措置と、あなた方はお考えになつておるのでありますか。実に矛盾撞着もはなはだしい。私は、提案者にこの点を明確にお答え願うと同時に、かくのごとき矛盾しておる二つの案件につきましては、そのいずれかは当然撤回すべきであるということを主張いたしたいのでありまして、撤回の意思ありやいなや、この点について提案者にお伺いしたいのであります。
 同時に、これを関連いたしまして、私の政府当局にお伺いいたしたいのは、まず第一点は、昨日運営委員会において付託委員会を決定する段階までは、政府はまだ、この提案の理由書に書いておりまするように、国鉄の裁定の不承認についての承認を求められておるのでありますが、現在なおこの提案の理由に変更がないかどうか。もしも政府として、提案の理由その他に変更した事態がありまするならば、すみやかに国会に所定の手続を取らなければ、違法なる案件を出した上に、なおその違法性を継続することになりますから、増田官房長官から、その点について、現在の段階における状態に基いて、率直なる御答弁を願いたいと思います。
 私が本決議案に対しまして政府にお伺いをいたしたい次の問題は、御承知の通り、現在国会を中心として取上げておる給與に関する問題は、国鉄裁定に関する問題、また吉田首相の年末賞與の構想に出発するものでありますが、いわゆる年末手当に関する問題、並びに本月四日に人事院より勧告せられましたところの、公務員に対する給與改訂に関する勧告に基く給與ベースの改訂の、この三つの問題であります。この三つの問題は、いずれも相互に関連をいたします。しかしながら、それぞれ法的な退拠は異なつておると私は考えるのであります。従つて、まず政府は、これら三つの問題につきましては、独立した問題といたしまして、それぞれの対策をおとりになつておるとはずと思いまするが、その点について明確にしていただきたい。そうでないならば、国鉄の裁定の問題、給與ベースの改訂の問題、年末手当のこの三つの問題を、わずか二千五百円や二千八百円の目くされ金で、国民をごまかそうとする態度は、われわれは承認することができないのであります。この点につきまして、三つの案件に対し、それぞれ独立した取扱いをすべきであるが、これに対しては政府はどういう取扱いをしておるか、具体的にお答えを願いたい。
 次にお伺いいたしたい点は、十二月四日に、国会並びに政府に提出せられましたところの、人事院のベース改訂に関する勧告であります。これは、その勧告に示されておりまする通りに、どうしても早急に実施されなければならない問題でありまするが、政府は、この勧告を受け入れて、これを実行する意思ありやいなや。もし実行するといたしまするならば、いつからこれを実施する考えであるかという点が、私の政府に伺わんとするところの第三点であります。
 次に第四点といたしましては、今問題になつておりますところの年末手当の問題でございます。これは当然今までに支拂われなければならなかつたところの、過去に低賃金によるところの、労働者に残されている赤字を補填する性格を持つたものでございます。従つて、この過去における赤字補填の問題についまして、政府は一体いかなる形式をもつてこれを出されようとするのでありますか。まず考えられることは、現行の給與法によることが一つでありましよう。また臨時的な給與法を制定することも必要でありましよう。また増田官房長官がしばしば言明して参りましたように、超過勤務手当の支拂いという形をもつてなされることも、必要でありましようが、政府は、法制的に一体いかなる方式に従つて出されるか、またその点の準備がどの程度に進められておるかということについても、具体的にお答えを願いたいと思うのであるます。
 さらに、半末もいよいよ迫つて参つております。承れば、本日首相官邸において、一般公務員二千五百円、国鉄二千八百円を支給する交渉が進んでおるやに発表せられたということを聞いておるのでありますが、一体、これらの政府が予定いたしているものについて見ましても、いつこれを支拂うお考えであるかということを、お答え願いたいのであります。年末も迫つておるのでありますから、荏苒日を過すわけには参らないのであります。
 次に私のお伺いしたいのは、教育員並びに地方公務員につきまして、政府の想像している年末手当の問題にいたしましても、これに対しては、いかなる形で地方公務員並びに教育員に対してこれを確保されようとするお考えでありますか。もちろん半額は国で負担するものであるとわれわれは信じますけれども、残りの半額にいたしましても、現下の地方財政の枯渇した現状におきましては、何らかの金融的な処置を講じてやらなければならないのであります。先ほど吉武君は、地方公務員については触れられませんでしたけれども、現在地方公務員は百七十三万という多数に達するのでありまして、これら地方庁の負担部分について、政府はいかなる資金的な処置を講じてやるおつもりであるか、その点をお答え願いたいのであります。
 最後に私のお伺いいたしたいのは、去る十二月三日、本院におきまして、所得税の年末調整に関しますところの決議案が、滿場一致で本院を通過いたしたのであります。この院議をもつて決定いたしました税金の年末調整に対する分割拂いその他の処置につきまして、政府は衆議院の意思を体して、いかなる処置をとられておるか。われわれの調査したところによりますると大藏当局は何らかの処置を講じておらないと聞いておるのでございますが、院議無視もはなはだしいと思います。この点につきまして、政府は院議をはたして尊重する意思があるのかどうか。この際、もしも院議を無視いたしまするならば、われわれ衆議院といたしましては、野党與党の差なく、これは重大なる決意を持たざるを得ない問題でありまするから、最後に、この点について大藏当局より明確なる御答弁を要求するものでございます。
○副議長(岩本信行君) ただいまの田中君の発言中、すでに議案と決定しておるものを議案でないというように言われたようでありますが、この点は速記録を調査の上、適当な処置を論じます。
    〔吉武惠市君登壇〕
○吉武惠市君 ただいまの社会党の田中織之進君の質問にお答えいたしたいと思います。
 第一は、今回の国会に政府が承認を求めたのは違法であるというお話でありますが、これはすでに運営委員会においてはしばしば論議され、しかも入江法制局長からるる説明のあつたところで明瞭であると思います。私は、ここで法律論を繰返したくはございませんけれども、一応申し上げてみたいと思います。
 公労法の第三十五條によりますと、この裁決が「第十六條に規定する事項について裁定の行われたときは、同條の定めるところによる。」とございまして、第十六條によりますると、「公共企業体の予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とするいかなる協定も、政府を拘束するものではない。」、しかして第二項に、「前項の協定をなしたときは、政府は、その締結後十日以内に、これを国会に付議して、その承認を求めなければならない。」とあるのであります。従つて政府は、この期限でありまする十二日に、法律に従つてこの承認を求めて来たのであります。
 しかも、運営委員会における政府の答弁は、皆さんお聞きになつたところでございましようが、最初の日に、山口国務相も、この期限までに政府のとるべき処置が、この客観情勢下においては、まだはつきりしないので、一応この規定に基いて承認を求めたのである。これをたとえて言われましたのに、まずおぜんを出して、こうしてあとからごちそうを盛るつもりだと言つておるのであります。しかも、昨日の運営委員会におきましても、増田官房長官は、政府もまたできるだけこの裁定の趣旨を尊重すべく努力中である旨を述べられておるのであります。吉田総理も、先ほど申しましたごとく、一昨日来しばしば司令部を訪問して、その努力をされておるのでありまして、われわれとしては、社会党が言うがごとき、單なるゼスチユアに終ることなく、われわれは現実にできるだけ多くの給與を早く出したいという意味において、先ほど申しました趣旨尊重の決議をしたわけであります。(拍手)
    〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
○国務大臣(増田甲子七君) お答え申し上げます。
 政府は、ただいまのところ、国会に付議いたしました裁定案を変更する考えを持つておりません。ただしかしながら、皆さん御存じのごとく、総理以下全閣員一致いたしまして、一生懸命関係筋に対して努力いたしております。すなわち、裁定はできるだけこれを尊重し、でき得る限りこれを受諾いたしたいという意図のもとに努力している次第でございまして、関係方面の御回答がありますと、遅滯なく所要の手続をとりたい、こう思つております。これが第一の御質問に対するお答え。
 第二の御質問、すなわち国鉄関係の裁定と給與ベースと公務員の年末手当の三つの案件に対する政府の処置いかんということについてお答えをいたします。私は三つの案件とは考えておりません。国鉄の裁定並びに国家公務員に対する年末手当は、性質上同一の問題であると考えて、政府は一生懸命努力いたしております。恐らくこの二つの問題に対する御回答がある、こう考えている次第でございます。
 それから給與ベースに対する勧告につきましては、政府は、勧告があつた時から一生懸命これを研究いたしております。但し、ただいまの段階におきましては、九原則あるいは総合均衡予算、あるいは客観情勢その他の関係を勘案いたしますと、給與ベースを具現化することは著しく困難である、著しく困難であることを、この際明言申し上げます。
 それからその次に、国家公務員について何らか関係方面からの御回答があつた場合は、いかなる形式でこれを具現化するかという御質問にお答え申し上げます。われわれは、ただいまのところ、御回答の内容にもよりまするが特別なる法律措置が必要ではないかと考えておる次第でございます。それから第四の御質問、地方公務員と地方教職員とに対しては、いかなる取扱いをするか、これに対してお答え申し上げます。私どもは、地方公務員も地方教職員も、国家公務員あるいは公共企業体労働者諸君と同様なる扱いをすべきものと考えております。もし地方費等において適当なる考慮が拂われた場合におきましては、これに対して、政府といたしましても適当なる資金措置を講ずる考えでございます。(拍手)
    〔政府委員水田三喜男君登壇〕
○政府委員(水田三喜男君) 年末調整の問題につきましては、院議を十分尊重いたしまして、研究の上措置の準備をいたしておりますけれども、本年度におきましては、大体年末になつて多額の追加徴税をすることのないように、あらかじめ基準を示して徴税を実施してありますので、今の状態では、年末になつて多額の徴税を必要とするような事態は、大体今年度は起こらないだろう、こういう見通しでありますので、この点もご了承願いたいと存じます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 藤山義光君。
    〔藤田義光君登壇〕
○藤田義光君 私は、民主党野党派を代表いたしまして、先ほど吉武君によつて提案理由の説明をされましたる決議案に対しまして、いささか政府並びに提案者の所見を伺いたいと存じます。
 御存じの通り、国鉄従業員の給與の低位に過ぎることに関しましては、私があらためて贅言を要しないところであります。この点に関しましては、先ほど提案者の吉武君も十分認めているところでございます。国鉄従業員の給與を一般民間給與に比較いたしますれば、約七十パーセントという悲惨な現状でございます。われわれは、国鉄従業員の待遇を決定するにあたり、一般生計費の高騰、民間賃金との均衡、あるいは他の国家公務員給與との均衡を勘案すべきであることは当然であります。かかる際におきまして、去る二日公共企業体仲裁委員会が、かの裁定を下しましたことは、まことに時宜を得たる措置でありまして、われわれは、この裁定に対しまして満腔の敬意をささげる次第であります。(拍手)
 この裁定に関しましては、労働省の某高官すら、まれに見る完璧な公文書にして、みごとな労働政策であるということを、はつきり申し述べているのであります。従つて、われわれは、公労法第十六に基きまして、政府ははただちに所定の手続をとることを期待したのであります。この点に関しましては、公労法を審議いたしました労働委員会におきまして、民主自由党の倉石忠雄委員の質問に対しまして、賀来政府委員は、「この條文におきましては、国有鉄道法、專売公社法と関連して、こういう規定が入つて来たのであります。この法文だけで行きますと、もし国会の承認を経なければ、その協定は履行できないことになつております」と言明いたしまして、暗い予算措置が当然随伴することを前提といたした答弁をいたしております。これに対しまして、現労働委員長倉石君は満足の意を表しておるのであります。
 また例の賀来政府委員は、その公共企業体労働関係法の改正に関する著者におきまして、「所定の手続とは、国会における予算の可決、または予算に定められた借入金の限度の引下げの承認である。單に協定の承認を求めるのみにては、協定履行は不可能であるから、当然予算の改訂案があわせて承認されることになる」とはつきりとしたためておるのであります。(拍手)かかる幾多の例によりましても、この第十六條には当然予算措置を随伴することが肯定されるのであります。
 しかるに、先般、去る十二日、本院に提出されました奇怪な議案なるものは、参議院の運営委員会におきまして、関係閣僚の答弁が齟齬を来しまして、今日に至るまで保留のかつこうになつております。先ほど提案者吉武君は、この議案は違法ではない、合法的に参議院の運営委員会で決定されているではないかと申しておりましたが、参議院で同じ議案が保留になつているのは、いかなる理由であるか、法律的に幾多の疑義があるために保留されているのではないかと思うのであります。この点に関しましては増田官房長官並びに提案者の御答弁を願いたいのであります。
 公共企業体労働関係法第一條にあります通りに、公共企業体の従業員は、彼らの基本的権利でありまするところの争議權すら放棄いたしまして、ひたすらこの仲裁委員会の裁定に最後の望みを嘱しているのであるます。従来、中央労働委員会等におきまして幾多の裁定がなされておりますが、経営者ないしは理事者におきまして、この裁定に服従しなかつたという例はないのであります。しかるに今回、政府はこの裁定に対しまして、ほとんど全面的に不承認の態度に出ているのであります。
 現在の労働大臣であります鈴木氏は、かつて公労法が本院労働委員会に提案されましたとき、その趣旨説明の中に、「労働関係の調整は、自主的になされることの望ましいことは、労働関係法規の基本的精神でありまして、強制仲裁のごときことは、この精神からはやや離れております。しかしながら、争議行為の実行を禁ぜられた労働者の地位をよく保全し向上せしめますには、事案の解決が迅速になされなければならぬのであります。また一方には、労働関係の不安をいつまでも残しますことは、公共企業体の正常な運営と能率の発揮の上から見まして重要でありますので、かかる強制仲裁の制度を設けざるを得ないのであります。しかしながら、強制仲裁の制度の運用は、よほど適正に行わなければ重大な結果さえ引起されることが予想されます。」と言明しているのであります。
 また今般の裁定の下る前後に、加賀山国鉄総裁は、大屋運輸大臣に対しまして、「本裁定は公共企業体労働関係法施行後の最初の裁定であり、同法の精神が一方において公共企業体職員の争議を禁止するとともに、地方調停仲裁により職員の労働條件に関する苦情または紛争の友好的かつ平和的なる調整をはかることにあるにかんがみ、また行政整理以後、国有鉄道職員が新たなる労働意欲のもとに、国有鉄道の復興に努力しつつある事情を了承せられ、政府が本裁定の実現に特段の御配慮あらんことを切望する次第であります。」、かかる言明を見ましても、私は、政治上、道徳上、あらゆる面から見ましても、当然今回の裁定を最終的なものとして、政府は全面的にその裁定をのむのが当然と存ずるのであります。(拍手)
 従いまして、もし万が一、多数の横やりによりまして、今日の裁定が一部不承認になりました際、その当事者間に生じました債権債務の存続の問題でありまするが、この点に関しましては、公労法は何らかの規定をいたしておりません。しかし私は、公共企業体労働関係法の立法趣旨にかんがみまして、規定なきは当時者の有利に解する。なかんずく従業員の保護規定である本旨にかんがみまして、この際は国鉄労組のために有利に解するのが当然であります。(拍手)国会がその裁定になる金額の一部を承認しなかつた場合におきましても、当然債務は存続すると存じまするが、これに対する水田大蔵政務次官並びに大屋運輸大臣の所見をお伺いしたいと思います。
 池田大蔵大臣の愛唱いたしまする十五箇月予算によりますと、国鉄は完全に黒字を示しております。また大蔵省の預金部資金は、現に二百数十億の現金を死蔵いたしております。国債の償還を一部繰り延べることによつても、四十五億のいわゆる裁定金額は容易に出て来ると存ずるのであります。また民間企業と同列に考えるべきこの国有鉄道公社の本質にかんがみまして、銀行融資という新例を開くことも、もし政府に一掬の涙すらあなれば、容易にできるところでございます。
 仄聞いたしまするに、池田大蔵大臣は、本件が閣議に付議されるとともに、ただちに全面的にこの予算の支出を拒否したということであります。しかも、第十六條の規定する予算上、資金上支出不可能なる部分と可能なる部分の区別にすら反対いたしまして、一銭も出さぬという暴言を吐いたということを拜聽したのであります。これに対しましては、さすがに鈴木労働大臣が反対いたしまして、珍らしく池田大蔵大臣は自説を折つたということを拝聴いたしております。御存じの通り、この国鉄の裁定といい、さる四日に提出されました人事院の勧告といい、先般来朝中のドツジ及び池田会談当時に当然予想されたところでございますが、修正予算の編成に際しましては、大蔵大臣はあえてこの点をほおかむりして押し通したのであります。彼は、国際の寵兒たらんとしまして、今やまさに全国民から孤兒の扱いを受けんとしているといつても過言ではないと思うのであります。
 昨日、参議院の労働委員会に証人として呼ばれました末弘博士は、政府の態度を徹底的に駁撃いたしまして、四十五億円のうち、一般会計からの繰入れ、銀行または預金部資金からの借入れなどの措置に財源を求めざるを得ぬ分は、政府は予算案を付して国会に承認を求むべきだ、国鉄の既定経費のやり繰りで捻出できる部分のうち、公社の一存で支出できる分は、当然支拂いがなされなければならぬ。一方、国鉄の一存で支拂いができず、運輸、大蔵両省に支出の許可を求めねばならぬ分があるが、この分は、国の予算としてでなく、公共企業体の性質から見て経営技術的に支沸いを許すべきかどうか判断さるべきだ、しかるに、新聞で判断すると、政府特に大蔵大臣は、政治的考慮から、ことさらにこの分を縮めようとはかつているように思われる、もしそれが事実とすれば、大蔵大臣は財政大臣たるの本分を忘れ、監督官庁たる大蔵大臣の地位を保持するに汲々としている、と極論しているのであります。
○副議長(岩本信行君) 藤田君に申し上げます。時間が大分通過いたしましたので、結論をお急ぎ願います。
○藤田義光君(続) これを要するに、池田大蔵大臣が給與改善を出し惜しんでおりますのは、財政調整の能力がないのか、あるいは労働者に対する誠意がないのか、この点に関しまして、水田政務次官の代弁をお願いしたいと思います。
 時間が参りましたので簡單に申し上げたいと思いますが、大屋運輸大臣は、一晩考えました結果、十八億円を、石炭費あるいは修繕費の節約によつて捻出すると新聞に発表したのであります。先ほど来、吉武氏あるいは橋本氏から言明されました通り、貨物運賃を八割引き上げ、あるいは一般会計から三十億円という貴重なる財源を補給されました国有鉄道に、事務費あるいは事業費の節約によつて十八億円という厖大なる余剰余が生ずることは、政府の予算編成のずさんを暴露したものと存じますが、この内容はいかになつておるか。この十八億円の捻出によりまして、爾後に当然国会の審議に付すべき事項が発生すると想像されますが、この点に関する大屋運輸大臣の明快なる御答弁をお願いしたいのであります。
 今回裁定を受けました国鉄労組は、先ほど赤松議員から申し上げました通り、まさに政府の定員法実施にあたり、身をもつて一部の過激分子の蠢動を排し、決然国鉄再建のために立ち上つた民同派であります。いわば、吉田内閣の危機を救つた恩人であります。この恩人に対しまして、吉田総理以下各閣僚は、面会すら拒否しているのであります。吉武提案者は、この民同派に謝意を表しておりましたが、吉田総理以下の裁定後の態度は、日本古来の淳風美俗たる恩人への礼節を忘れたる暴挙でございます。
 最後に、鈴木労働大臣並びに提案者に御質問いたしたいのでありますが、この公労法によつて争議権を失い、爾後の光明を仲裁委員会の裁定にゆだねました国鉄労組は、いまや最後の手段としてハン・ストに突入いたしております。今朝来しでに二百数十名が、全国各地で悲壮なる最後的手段に出ているのでありますが、もし公労法に基く仲裁委員会の裁定を、政府が全面的に承認しないということになりますと、従業員はいかなる方法によつて救済できるのか。また政府は、この従業員の最後の望みを失わせた、骨抜きになつた公労法のあとに、いかなる労働政策を用意しておるのか、この際はつきりと、増田官房長官並びに鈴木労働大臣の御答弁をお伺いしたいのであります。
 はなはだ簡單でありますが、以上質問を申し上げた次第であります。(拍手)
    〔吉武惠市君登壇〕
○吉武惠市君 ただいまの藤田君の御質問にお答えを申し上げます。
 その第一点は、私が先ほど、今回の政府の国会に対する承認は違法でないと言つたけれども、現に参議院においてはこれが問題になつて、保留になつているかどうかというお尋ねであります。参議院においていかなることが審議されているか、それは参議院自体のことでございますので、私の答弁の限りでないと思います。ただ、これが違法であるかないかという法律問題につきましては、衆議院であろうと参議院であろうと同様でございまして、これは先ほど私が申し上げた通りでございます。
 次に第二点でありますが、もし今回の仲裁委員会の裁定がいれられなかつたとするならば、この国鉄従業員の要求というものは、どうしていれられるかというお話であります。私は、実はこの国鉄の幹部の人々とも、しばしば折衝をしております。これらの人々も、今日日本の置かれたるこの客観情勢については十分了解をしておりまして、これは必ずしも全面的に承認されることまでを要求しておりません。できるだけ多くこの趣旨が尊重されることを望んでおるのであります。
    〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
○国務大臣(増田甲子七君) 藤田さんにお答え申し上げます。
 ただいま吉武議員からも詳細御答弁がありましたが、政府は、国会に付議したあの議案につきましては、予算措置は必要でないと考えております。むしろ、あべこべに、十六條第一項によりまして、予算上、資金上不可能になる裁定については国会に付議しろ、こういう意味でございますから、第二項は予算措置を伴わなくてよろしいというふうに考えております。末弘委員長の言を引用されましたが、政治論としてはともかくも、法律論としては、政府の断じて首肯いたしがたいところでございます。
 それから、一般に国鉄といわず、すべての公務員諸君の労働條件をできるだけ維持し、これを改善したいという熱意につきましては、民主野党の諸君と全然同感でございます。
    〔国務大臣大屋晋三君登壇〕
○国務大臣(大屋晋三君) 藤田君にお答えいたします。
 第一点は、裁定の金額が御承知のように二つにわかれておるのであります。つまり国鉄の裁定におきまして、予算上、自己においてこれを処理し得る場合には、ただちに国鉄の総裁に義務が生じ、しかしてこれは自由に支拂い得るということになつておりまするが、予算上及び資金上不可能なるものは、政府において議会に提出して、議会の判断をまつ、こういうことになつておりますので、加賀山総裁におきましては、その通りの処置を申達して私のところに参つたのであります。御質問の要点の、もし国会でこれを不承認にした場合にはどうなるかという問題に対しましては、国鉄の経営者は、これによつて免責になると私は考えます。
 第二点の、十八億円を国鉄から、いわゆる総裁の権限において節約し得るという点に対して運輸大臣の見解如何という御質問でございましたが、これは御説の通り、国鉄の経理には、もちろん予算上は少いのでございますが、この従業員の非常なる生活の実情、給與の実情にかんがみ、かつ裁定委員会の裁定の趣旨にのつとりまして、国鉄の総裁は、十八億を節約しても業務の経営上にはさしつかえないという申達を私のところにして参つたのでありまするが、その点に対しまして、私は政府といたしまして、目下これを検討しておる次第で、この答案は、最もすみやかなる時間のうちに、諸君にこれをお示しができると考えておる次第でございます。
    〔国務大臣鈴木正文君登壇〕
○国務大臣(鈴木正文君) 国鉄の従業員の方々に、年末にあたつてできるだけ多くのものを受取れるようにいたしたいという考え方は、政府の考え方であることで、これは繰返して申し上げた通りであります。しかし、裁定の中の不可能なる部分は国会の議決をまたなければならないのであり、可能なる部分が、目下の続けつつある折衝において出て参りますれば、その分は、国会の議決をまつまでもなく、ただちに実際に支拂つて行くということになると思います。現在においては、でき得る限り、この可能なる部分の量も、あるいは條件も整えようという形において、政府は鋭意努力いたしておるのでありまして、その結果、さらに残つた不可能部分につきましては、皆様国会の審議にまつわけでございます。
 さらに将来にわたつての問題につきましては、国鉄の諸君のみならず、全国の労働者諸君の問題と同様であり、この点につきましては、前国会からしばしば申し上げて参りましたように、実質賃金の維持と向上、それは減税とか、あるいは自由物価による消費物価の引下げとか、そういうような政府の総合的な全体の政策をもつてこれに当つて行くという考え方は、今日においても、将来においても、かわらないのであります。
    〔政府委員水田三喜男君登壇〕
○政府委員(水田三喜男君) 大蔵大臣が、今回の問題につきまして誠意があるかないかという御質問でございますが、国鉄の裁定あるいは人事院の勧告に沿わないというのではなくて、これに沿うて、どこまでも実現したいと苦しんで、財源や方式についての折衝を現在ただいまも継続しているのが大蔵大臣でありますから、この点で不誠意であるということは認められないと思います。
    〔藤田義光君発言を求む〕
○副議長(岩本信行君) あとのこともありますので藤田君に申し上げますが、あなたのは、すでに七分も超過しておりますから、この際再質問は許しません。
 土橋一吉君。
    〔土橋一吉君登壇〕
○土橋一吉君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま吉武君より提案されておりますところの、公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員の給與並びに一般公務員の給與に関する決議案につきまして、提案者でありまする吉武議員及び政府の各閣僚諸君に質問いたしたいと思うのであります。御承知の通り、国鉄労働組合が、きわめて謙虚なる――しかも最近におきましては、一万二千円ないし九千七百円以上の給與が絶対必要であるにもかかわらず、国鉄労働組合におかれましては、その最低の給與の改訂を九月の中旬より折衝し、なおこの問題が解決をしないために調停委員会にかけまして、調停委員会は、これに対しまして相当の日数を要して、八千五十八円という給與の改訂を決定したのであります。ところが、国有鉄道公社並びに政府は、この問題を否決いたしまして取上げませんので、さらに国鉄労働組合は、これを公労法の規定に基きまして、仲裁委員会の裁定にゆだねたのであります。この当時の情勢は、十一月の上旬から、この裁定書が出ました十二月の二日の間であるのであります。
 当時政府は、御承知のように、補正予算の編成及びこれを含むところの十五箇月予算を考えておつたのでありますから、もし吉武議員が、このような提案理由を説明せられる、ほんとうの精神がありまするならば、この予算編成当時におきまして、当然民主自由党の全般の考えとして、政府になぜこのことを進言し、この予算の中に十分織り込むような措置を講じなかつたかという点が、私は第一に質問したいのであります。また政府の方におきましても、ただいまの状況になりまして、この問題については、すでに二日にこれが裁定せられまして、十二日までこの問題を保留しておいて、今日は十七日でありまするが、その間において十分なる折衝をしまするならば、ただいま藤田君なり、赤松君から趣旨弁明においても申されましたような措置は十分講じられるのであります。そういうものを講じないで、今日ただいまこれを議題とするような、政府のきわめて怠慢なる、しかも無処置なる、いわゆる吉田政府の低質金政策、同時に低米価主義政策をとつておりまするから、このようなものにつきましても明確なる答弁ができないのであります。この点について、官房長官が今も説明をしておりまするように、一体二千七百円を出すのか、あるいは二千五百円を出すのか。あるいは六千円を出すのか、この点を、私はもう一度質問したいと思うのであります。
 御承知のように、最近民間の給與におきましては逐次上昇いたしておるのであります。全官公庁のみが六千三百七円であるのであります。この差額にいたしましても、民間給與と比較いたしまして三〇%以上低下しておるのであります。最近政府は、御承知のように貨物運賃を引上げ、あらいは電燈料を引上げ、米の値段も引上げておりまするので、当然物価は上昇し、賃金を押えられておりまする立場から考えるならば、この九千七百円の要求は、まことに謙虚なものであります。同時に、人事院が十二月の四日に出しましたところの勧告の七千八百七十七円も、またまことに低きに失するものでありまするが、こういうようなものについて、政府は真劍にこれを実施するか、給與ベースの引上げについて、どういう理由でこれを引上げられないか、私は明確に説明してもらいたいと思うのである。もし勧告に書いてあります通りに、実質賃金の低下を認めながら給與ベースを改訂しないというならば、これこそ政府は、労働者の犠牲と、労働者の血と涙と汗によつて、一部の金持、一部の金融業者、独占資本に奉仕する吉田内閣の性格を遺憾なく国民の前へ暴露するものであります。
 さらに私は、吉武君にもお聞きしたいし、また鈴木労働大臣にも聞きたいと思いまするが、この給與ベースの改訂をめぐり、もしただいまの給與を上げるというならば、政府職員新給與実施に関する法律の裁定を改正しなければならぬのであります。ところが、第六国会の最終日であつたと思いますが、超過勤務手当に関する完全支給の決議が行われておりまするので、ここに書いてある給與というようなものは、超過勤務手当を支給するような気持でおるならば、これは重大なる誤りであるのであります。私は、超過勤務の七月以来今日までの累積は、おそらく一箇月分以上あると思うのであります。こういうものを支給することについて、吉武君なり、あるいは労働大臣、官房長官は、どう考えておられるか。特に、日本の慣習に基きまして、新年を迎えるにあたりましては、相当の資金がいることは、きわめて明瞭なる事実であります。従つて、越年資金はここに書いてあるものであるかどうか。あるいは、去る十二月三日決議しました超過勤務手当、これと別途に出す用意があるかどうか。こういう点について明確に答弁を願いたいと思うのであります。
 次は、この決議案を適用する範囲は、なるほど国鉄労働組合なり全官公庁はよくわかるのでありまするが、地方公務員諸君に対しましては、どういう裏づけを考えておるか。特に地方の教職員諸君につきましては、その給與の支給が国庫において負担されておる関係もありまして、今月地方財政は非常に逼迫しておるのであります。従いまして、もし政府が地方教職員を考えることなくして、この給與の決議を考えておるならば、まことに遺憾でありまするので、そういうものに対して、どういう基本的な態度を考えておるか。これは大蔵大臣にもお聞きしたいと思うのであります。
 次は進駐軍関係の労組でありまするが、このうちDWにつきましては問題はないと思いますが、PWとさらにPDの関係であります。このPDの関係については、これは支給することが妥当であろうと考えておるが、労働大臣、さらに吉武君はどういう考えであるか。あるいは今日、全国十数万以上の日雇い労働者諸君がおりますが、この諸君の最近の平均稼働日数は、おそらく二十日にも足りません。そういう諸君の手取りは二百三十二円でありますが、こういう諸君にしても、今日六千円以上の越冬資金の要求は、きわめて熾烈に行われておるのであります。こういう諸君に対して、どういうような予算措置を講ずるか。さらに、ここに書いてある決議は、そのものをも包合して考えたかどうか。
 さらにまた、民間の給與におきましても、資力のよろしい会社におきましては越年資金も出ておるでありましようが、最近は資金の未拂い、遅拂いという状況であつて、たとえば東芝車両におきましても、五日、十五日、二十五日の三回拂いであるのであります。しかも、十二月分が一月の五日あるいは十五日でなければ支拂えない、こういう状況にありますが、そういうような会社におきましても、この越冬資金なり年末賞與というようなものについて、政府はその融資あるいは資金のあつせん等について考慮しておるかどうか。こういう点を、私は明確にお聞きしたいと思うのであります。
 今まで政府は、給與ベースの改訂については一言の答弁もいたしておりませんが、私は、この提案の理由を説明しておられる吉武君の態度が奇怪千万であると思うのである。あなたも御承知のように、十二月三日に、わが日本共産党が提案いたしました、あの給與ベース引上げに関する決議の採択の場合にも、民主自由党の諸君は、きようの午後の代議士会において、この問題を討論したいからということで、私の出しました動議を否決したのであります。次の四日にも同じような状態であつたのであります。
 こういう態度をとりながら、いまさらこの給與支給の決議をするというよなことは、まつたく木によつて魚を求め、あるいは海に参りまして象を求めるにもひとしいのであります。もしも、そういう考えがありますれば、予算編成のときに、なぜ與党全体が一致結束をして政府を鞭撻しなかつたのであるか。こういうような、まつたく電信柱に花の咲くような決議案を出しております民主自由党の諸君の頭がおかしいと思うのである。(笑声)もし諸君が真劍に考えておりますならば、ただいま藤田君の説明にもありましたように、預金部資金においても、あるいは予備費においても、あるいは国有鉄道がなし得る最大限の力と責任ににおいて、運輸大臣は当然これらの措置を講ずべきでありますが、そういう措置をとつていない。
 加賀山総裁が單なる文書を出しても、この問題が解決するものでないということを、私は知つておるのであります。こういう事態につきまして、大屋運輸大臣の責任は、きわめて重大であるのであります。また、この決議案の趣旨弁明をせられました吉武君におかれても、われわれの方で出しておりますこの決議案に相対抗して、われわれの出したものをすりかえるような決議案を出されたことは、労働階級を欺瞞するもはなはだしいものであるということを申し上げて終る次第であります。(拍手)
    〔吉武惠市君登壇〕
○吉武惠市君 ただいまの土橋一吉君の質問に対しまして、簡單にお答えを申し上げます。
 第一に私にお尋ねになりましたのは、先般人事委員会において、共産党が給與ベースの改訂に関する決議案を出そうとしたときに、これを否決しておきながら、今日この提案をしたのはどういうわけかという意味であつたようでございます。私は、人事委員会で決議案を否決した覚えはございません。これはまだ審議を盡さないから、もつと審議をしようと言つただけであります。
 それは別といたしまして、さてこの給與ベースの改訂をすべきか、すべからざるかにつきましては、先ほど私が提案の趣旨弁明に詳しく申し上げたところであります。現在国鉄従業員の給與が、民間ベースに比べて低いことは、私ども十分了察しております。ただしかしながら、先ほど申しましたように、本年の八月以降、物価の指数は漸次下りつつある。しかも私どもは、国鉄従業員の実質的賃金を引上げることに努力すべきであつて、単なる名目賃金の引上げは、決して労働者のためにならないのであります。(拍手)今回の仲裁委員会の裁定にも、先ほど申しましたように、第一に、この際は給與ベースの改訂はなすべきでないという決定をされておるのであります。従いまして、私どもは、給與ベースの改訂によらずして、他の方法によつて実質的にこれらの人々の給與改善をはかりたいというのでございます。(拍手)
    〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
○国務大臣(増田甲子七君) 土橋君にお答え申し上げます。
 政府は、ただいま勧告を鋭意研究中でございます。しかしながら、田中繊之進君にお答え申し上げました通り、ただいまのところ、これを実施することは著しく困難であるということを申し上げておきます。従いまして、給與ベースを変更せざるの弁ということは、いまなお尚早でございますから申し上げかねる次第でございます。
 それから地方公務員並びに地方教職員に対しては、先ほど、これも田中君にお答えした通り、われわれは、公共企業体労働者並びに国家公務員と同様なる扱いをすることが、いわゆる公平の法則を満足せしむるゆえんであると考えております。従つて、これに要する資金措置等は追つて講じたい考えでございます。(拍手)
    〔国務大臣鈴木正文君登壇〕
○国務大臣(鈴木正文君) 年末手当の支出の形式等につきましては、目下研究中でありまして、ただいま増田官房長官がお答えした通りであります。進駐軍関係の労務の賃金という問題も、一般の賃金と同じ意味でもつて考えて行くべきであり、実質賃金の充実を中心といたしまして、公務員との関係、関係方面との折衝等を中心としてやつて参りたいと存じます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 石野久男君。
    〔石野久男君登壇〕
○石野久男君 私は、労働者農民党を代表いたしまして、吉武議員の説明になりました、廣川弘禪君外六名提出にかかわる決議案に対しまする質問、及びこれに関連いたしまして、政府に対して若干の質問をいたしたいと思うのでございます。
 吉武議員は、この決議案を説明するにあたりまして、あとう限りの理解と同情もつて、裁定の線に沿つて、公務員あるいは国鉄従業員に対して、年末の給與、あるいはまた裁定の線に沿つて與えるものを與えなければならぬ、こういうふうに言つておるのでありますが、これは吉武議員の説明している趣旨にもかかわらず、昨日運営委会において、この仲裁案に対して、政府の提案になりました、いわゆる不承認の態度をもつてするこの案件を受理したということによつて、この決議案を出したという民自党の趣旨と、それから強引に多数をもつて国会が政府の不承認の態度を承認したということの矛盾は、どこまでも残るのでございまして、これは明らかに法に対する蹂躪であると私は思うのでございます。
    〔副議長退席、議長着席〕
 これは、先ほど来、社会党、あるいは民主野党派、あるいは共産党の諸君が、しばしばにわたつて質問をしておるところでございまするけれども、吉武議員の説明は、同様に自分の見解が正しいということを主張しておるのでありまして、私どもは、あとう限りの理解と同情を持たなければならないという、その主張こそが、まさに労働者に対するゼスチユアであるということを、再びここで申し上げたいのでございます。(拍手)この見解に対して、吉武議員は答弁くだすつてもよろしいし、あるいはまた、あえて答弁を求めようとも思つておりません。特に私はそのようなことを申し上げたいと思うのでございます。この裁定の不承認の態度に対しましては、仲裁、調停制度の設けられた精神にもとるものでありまして、政府は、昨年の七月三十二日付のマツカーサー書簡に基くこの仲裁委員会または調停委員会制度の精神を蹂躪したものでおるということを私は強調したい。また、先ほど来しばしば引用されておりまする、賀來労政局長の、この仲裁委員会設定の趣旨の見解によりましても明らかなるごとく、これを不承認に付するということは、まさに政府みずからが法を蹂躪するものでありまして、国会が、民自党の多数をもつて、これを適法として受理するに及んで、仲裁委員会の権威は今や地に落ち、労働者は、もはやこれにたよるという考え方は毛頭持たなくなつておるのでございます。政府は、いかにして仲裁委員会の構成を保持しようとしておられるか。この点に関して、首相から、はつきりした答弁を求めたいのであります。
 また、この仲裁委員会の裁定に対しまして、政府は不承認の態度をとつておるのでありまするが、もし政府にして法を遵奉するという精神があるならば、憲法第三十二條に基いて、この仲裁に不服の意思を表明すべきである。不服の裁判を、なぜ提訴しなかつたかについて私はお尋ねをいたしたいのでございます。これは、まさに仲裁委員会の構成を政府みずからが蹂躪したものであり、この不承認の態度こそは、まさに労働者に対しては合法運動を要請しながら、政府みずからが、その合法運動を要請した陰に隠れて、自己の懐柔策を試みようとするものであると私は存ずるのでございます。(拍手)この点に関しましても、なぜ提訴しなかつたかということに対する明確な御答弁をお願いしたいのであります。
 次に労働大臣にお尋ね申し上げたいのでありますが、裁定不承認の行為は、明らかに公労法第三十五條を蹂躪したものでありまして、労働運動の民主的合法性の限度を示唆したものであると私は存ずるのでございます。裁定に対する政府の一方的なこの行為は、今後公共企業体、または政府と対等の立場に立つて行つて参りまする労働組合の、自主的な、そうして自由な法の見解をもまた可能ならしめるものであろうと信じております。従つて、労働組合は、今後自己の自由なる法の解釈に基いてすベての行動をすることが、政府の行為によつて裏づけられておるものと私は信じておるのでございますが、しからば政府は、そのようにして労働組合が自由なる法の解釈に基いて行う行為を、非合法なりと今後断定する所存であるかどうか、労働大臣の明確な御答弁をお聞きしたいのでございます。
 第二には、第六十條の第二項の規定によりまして、国会に付議するにあたつては、当然予算的措置をなさなければならないというわれわれの見解は、今日正しいと存じております、労働大臣は、労働行政の担当者といたしまして、真に労働者を保証しなければならないという精神において裁定を見られるならば、今回の不承認の態度をもつて国会に提示されたこの案に対しては、当然反対されるべきであつたと存ずるのでございまするが、労働大臣は、政府が国会に対して不承認の態度をもつて提案しましたものに対して、はたしてそのような態度をとられたかどうかということを、明白にお聞かせ願いたいと思うのであります。
 第三には、私は、公労法第三十五條に基くところこの決定は、その法の示すごとく、調停または仲裁は、すなわち紛争あるいは苦情に対する最終の決定を意味するものであると信じておるのでございます。しかるに、今日政府が、かくのごとくにして裁定を蹂躪したということは、当然今後これらの紛争あるいは苦情に対しての最終的決定の目途を失つてしまつたものであると存ずるのでございます。労働大臣は、労働行政の主管大臣といたしまして、はたしてこのような問題の最終的決定を、いかにして収拾しようとされるのであるか、その考え方を明白に示されたいのでございます。
 第四番目に、昨日も、またその他の機会においても、末弘裁定委員長は、明らかに労働大臣と所見を異にしておるのでございます。労働行政の主管者といたしましてへ鈴木労働大臣は、この末弘委員長との見解の相異に対して、いかなる処置をとられようとしておるか。もし鈴木労働大臣の態度が正しいということをなお主張されるとするならば、当然その趣旨に基いて、末弘裁定委員長のあの見解に対してのはつきりした意思表示を、主管大臣としてなされるベきであると存ずるのであります。労働大臣の、これに対する見解を求めるものであります。
 第五番目は、ただいま国鉄労組の諸君が行つたと同じように、専売労組の諸君が仲裁委員会を持つておるのでございます。もし国鉄労組に対する仲裁が、かくのごとくにして蹂躪されるとするならば、もはや専売労組の仲裁委員会は用をなさないものであると私は信じておるのでございます。労働大臣は、専売労組のこの仲裁委員会に対しては、もはやそれを却下するとか、あるいは何らかの処置をしようとする御意図があるかどうかを、明白に示していただきたいのでございます。
 次に私は、運輸大臣に二、三のことをただしたいのでございます。今回の裁定不承認の態度によつて、この案件を国会に出したということは、明らかに国鉄の要求を全面的に拒否したものであるというふうに見てよろしいかどうか、この点に対する運輸大臣の見解をお聞きしたい。
 また、今回のこの再提案に対する不承認の態度を国会に提示されるにあたりまして、十二月の十日には、明らかに国鉄法弟三十八條によるところの、加賀山総裁からなされた予算案が提示されておるとわれわれは信じておるのでございます。その予算案によりまするならば、二十七億百十三万六千円の追加予算を組んでほしいということを、明らかに表示されておるのでございます。かくのごとき明確なる数字による意向が、国鉄第三十八條によつて要請されておるにもかかわらず、なぜ運輸大臣または大蔵大臣はこれに対する適切なる処置をなさらないのであるかということについて、私はその意見を承りたいのでございます。
 十二月十二日に、加賀山総裁は、労働組合に対して次のように言つておるのでございます。私は再度ここに仲裁裁定の実現について、あらん限りの努力を盡す決意を披瀝するとともに、諸君がこの当局の態度に信倚し、軽挙を避け、社会の世論を失うがごとき行為に出ることなく云々と言つておるのでありますが、この総裁が言つておる、再度の見解を表明し、ということの中には、明らかに、この十二月十日に政府に対して要請したこと等も含めて、見通しと確信を持つて労働組合の諸君にこの声明を出されたものと信ずるのでございますが、その際に、政府はどのような意思表示を加賀山総裁に與えておるか、この点を、はつきりお伺いしたいのでございます。政府は、かくのごとき加賀山総裁からの法規による手続が行われておるにもかかわらず、なぜ所定の手続として、これを国会に要請しなかつたのであるか。これは明らかに仲裁委員会の権威を無視し、その権威を蹂躪するもりであると私は價ずるのでございまするが、なぜこれを成規に国会に対する手続としてなされなかつたのであるか。この点、はつきり御答弁をいただきたいのでございます。
 なお公社は、二十七億円以上のものが資金上あるいは予算上支出不可能ということにして政府に要請しておるのでございますが、政府では、この二十七億円にわたる、予算上あるいは資金上支出不可能とされる額に対して、どの程度のものを持つてこたえようとしておるのであるか、その点、明確にお伺いしたいのでございます。
 第四番目に、天坊総支配人は、労働組合との折衝において、十五箇月予算としては、国鉄は百円以上の黒字を認めるということを、はつきり言つておるのでございます。政府は、この国鉄当局の言つておるところの、いわゆる百億円以上の黒字に対して、どの程度の信頼と、それへの見通しを持つておられるか、この点について、はつきりした御答弁をいただきたいのでございます。もし、このことに対すも見解が明白でありまするならば、運輸大臣は、国鉄法第四十四條に即応いたしまして、当然国鉄が要請しておるとろの二十七億円に対する予算措置を、予算上あるいは貸與金の形においてでも、処置することがなされなければならないと思うのでございます。しかるに、運輸大臣がこれをなさらないということは、運輸大臣自身の職務怠慢であると私は信ずるのであります。運輸大臣は、これに対して、はつきりした所信を明確に述べていただきたいのであります。
 以上の点で、私は労働者農民党を代表する質問を終りたいと存ずるものでございます。(拍手)
    〔国務大臣林讓治君登壇〕
○国務大臣(林讓治君) 石野君の御質問に対してお答えをいたします。
 仲裁委員会の裁定を尊重いたしますことは、政府といたしましても、もとより当然のことと考えております。従いまして、国鉄の予算上、資金上不可能な資金の支出を内容とする今回の裁定につきましては、公労法の定むるところによりまして国会に付したのでありまして、法の定むるところに従うということが、すなわち公労法を尊重し、仲裁裁定を尊重するゆえんと存じておるわけであります。
 健全なる民主的の労働運動のますます発達いたしますことは、もとより望むところでありまして、決してわれわれといたしましても人後に落ちるものではございません。(拍手)
    〔国務大臣鈴木正文君登壇〕
○国務大臣(鈴木正文君) お答えいたします。
 第一の御質問は、ただいま林讓総理がお答えした通りでございます。
 それからその次に、労働大臣は政府の提案方式に反対したかという御質問、これは反対するはずがないのでありまして、政府の提案方式は、しばしば申しました通り、合法的、合理的であり、労働大臣が反対するはずはないのであります。
 それから末弘委員長との意見の相違云々という問題は、御承知のように、仲裁委員会は政府とまつたく独立の立場において自由に動くものでありまして、たまたま見解が相違いたしましても、それがどうこうという問題ではないのでございます。すべて国会において決定していただくのでございます。(拍手)
    〔国務大臣大屋晋三君登壇〕
○国務大臣(大屋晋三君) 石野君にお答えいたします。
 第一問は、この裁定案を国会に提出いたす場合に、政府は不承認を前提としてこれを提出したかという御質問でありまするが、これは言うまでもなく、この裁定案を実行すべく、国鉄にはその給與という予算が一厘もないことは、明々白々なのであります。しかしながら、それではいわゆる実情に即しないのであります、政府がこれを国会に提出いたしまするまでに、十二日の期限に至る間におきまして、予算には盛つていないけれど、何としても節約というような方法において捻出ができるかどうかということを考えたのでありますが、残念ながら、十二日の期限までは、その答案が出来いたしませんので、ああいう形で出したのでございます。あるいは嚴格に言うならば、予算は一文もないが、しかし出したいという腹が十分にあることは、すでに石野君御承知の通りであります。
 第二問の、総裁が、十二月十日に、すでに運輸大臣に対して具申書を出している、その具申書の中には、二十七億円は、とうてい国鉄の総裁の権限内ではマネージできないから、二十七億円を出してくれということを政府に申達して来たことは、まことにおつしやる通り事実であります。しかるに政府におきましては、この二十七億が支出不可能であるか、あるいはその残余は支出可能であるかという問題を、ただいま検討しておるのでございます。
 第三問の、天坊支配人が、十五箇月予算を通じて百億円の黒字の生み出しが可能であるということを言つたということでありますが、私は天坊君から何も聞いておりませんから、この点は答弁いたしかねます。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) これにて質疑は終了いたしました。
 討論の通告があります。これを許します。根本龍太郎君。
    〔根本龍太郎君登壇〕
○根本龍太郎君 私は、民主自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました、廣川弘禪君外六名提出の、公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に関する決議案に賛成し、足鹿覺君外五十七名提出の、日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案に対し反対の意を表するものでございます。(拍手)
 現在国鉄労働組合は――昨年七月二十二日付マツカーサー元帥の書簡に基きまして、公共企業体従業員は、一般労働者と異なり、著しくその争議權は制限せられているのでありまするが、他面におきまして、これら公共企業体従業員の生活擁護とその改善の道を開くために、調停または仲裁の制度が設けられているのであります。今回、国鉄の労働組合は、生活權を擁護するために、この與えられた合法的手段を正当に行使いたしまして、国鉄当局に待遇の改善を要求したのでありまするが、国鉄当局は、経済再建の原則として、さきに連合軍司令部より要請せられ、片山内閣以来、日本政府の根本方針といたしまして堅持されて参りました、経済三原則に基く独立採算制を貫く立場よりいたしまして、国鉄が、先般の大幅の人員整理を敢行するとともに、経営の合理化を強行いたしましたにもかかわらず、厖大なる赤字を生んでおる現実ににかんがみまして、鉄道運賃の値上げを要求されまして、貨物運賃の八割値上げが要請せられたのであります。なおこの大幅の値上げにもかかわらず、三十億に上る厖大な赤字が出まするために、さきの国会において、この補正予算が調定され議決されました関係上、赤字会計の経営におきましては、その従業員の賃金を値上げすることが認められないという経済三原則の見地から、国鉄はその要求を拒否いたしたのであります。ために、国鉄労働組合は、ここに国鉄仲裁委員会に提訴いたし、仲裁委員会は、両当事者の主張並びに諸般の事情を精査の上、裁定書をを決定し、これを政府に提出されたのであります。
 この間、国鉄労働組合の指導者の諸君は、昨年七月のマツカーサー元帥の書簡の趣旨を尊重し、かつ公共企業労働組合の国民大衆に対する責任と、他面政府の誠意ある措置を期待いたしまして、組合内の一部極左分子の扇動と、外部よりの直接行動に逸脱せしめんとする策動を断固排撃し、きわめて民主的なる態度をもつて、今日まで来つたのでありまして、この点につきましては、われわれは満腔の敬意を表する次第であります。(拍手)
 政府もまた、この国鉄労働組合の堂々たる態度と合法的要求に対しましては、きわめて好意ある態度をもつて臨んで来たのでありますが、諸般の複雑なる事情に制約せられまして、いまだ明確なる具体的措置を発表し得ざる現状でありまして、これは占領下にあるわが国政府としては、いかなる政党が政權を担当いたしましても、現内閣と同様な立場に置かれるものと思われ、われわれは、政府の苦しい立場に対し同情するものであります。
 現在野党におらるる諸君も、内心においては、政府がにわかに最後的決定をいたすことの困難であろうことは、万々承知であるはずであります。しかるにもかかわらず、ただ野党にあるがために政府を論難し、労働組合の歓心を買うことが党利党略上有利であるとの見地から、かたきを政府にしている態度に対しても、また同情の念を禁じ得ざるものがあるのであります。(拍手)野党の諸君は、先般、国鉄の厖大なる赤字を解消するために、また独立採算制を維持するために、運賃の値上げを要求せられましたのに対しまして、断固反対して参りました。先にも申し述べましたことく、経済三原則を遂行するためには、赤字会計の経営においては、その従業員の賃金値上げは許されていないのであります。このことは、諸君万々承知のことであります。特に社会党、民主党野党派、国民協同党の諸君におきましては、片山連立内閣並びに芦田連立内閣の当時、諸君の手によつて確立せられましたところの経済三原則並びに経済十原則の立場からいたしましても、赤字会計の経営には賃金値上げが否定されていることを、よもやお忘れになつておらないと思うのであります。(拍手)
 しかるに諸君は、今日一方においては、独立採算制の確立のため運賃値上げについては、まつこうから反対し、他方においては、赤字を埋めるために三十億の一般会計からの繰入れをしたところの国鉄に対して、実質上の賃上げとなる国鉄仲裁委員会の裁定を全面的に受諾すべきことを主張することは、まつたく矛盾撞着もはなはだしいと言わなければなりません。(拍手)これは明らかに、一時の党利党略のために、みずから確立したところの基本政策を捨てて顧みざる、厚顔無恥なる態度と言わざるを得ません。(拍手)いやしくも天下の公党としての自殺行為であると断ぜざるを得ないのであります。
 翻つて、本問題の本質について考えまするに、直接的には国鉄仲裁委員会の裁定をいかに処理するかということでありまするが、本問題の解決の中に、わが国労働組合の民主的確立が保障せらるるかいなかの、実に重大なる契機を含む、深刻なる政治問題となつているのであります。従つて政府は、本問題の解決にあたりましては、單に財政技術的に可能の範囲において事務的に処理する態度は絶対にこれを避け、高い政治的視野に立つて措置しなければならぬものと確信するものであります。(拍手)
 現在、わが国経済自立再建の基本政策として、はたまた連合国の日本占領基本政策の一環として、昨年十二月十九日、マツカーサー元帥によつて指令せられました経済九原則は、日本政府はもとより、全国民がこれを忠実に守る責任があるとともに、この原則を貫くことによつてのみ国民待望の講和が促進せられ、われわれの祖国が国際社会において名誉ある地位を保障せらるる大道に通ずる、とざされたるとびらを開くかぎとなるのであります。(拍手)
 第三次吉田内閣は、その成立以来、この経済九原則に基き、ドツジ・ラインを堅持いたしまして、あらゆる困難と闘い、終戦以来とめどもなく高進し来つたインフレ経済を、その破局の直前において收束せしむることに成功し、世界の刮目するところとなつているのであります。現在のわが国におきましては、個々の政策が個々別々に孤立して行わるべきではなくして、連合軍の占領基本政策のわく内において、経済自立と民主政治確立の総合的観点に立つてなされなければなりません。
    [発言する者多し]
○議長(幣原喜重郎君) 静粛に願います。
○根本龍太郎君(続) 今日政府が苦労いたしておられることも、かかる観点において、日本経済自立再建の基本原則であり、また日本占領政策の根本方針である経済九原則に基くドツジ・ラインと、この公共企業体労働関係法に基く国鉄仲裁委員会の裁定との講和点を、どこに見出すかという点にあるのであります。政府は、すみやかに妥当なる結論を見出し、具体的措置を講じて国会に提出することを要求するものであります。
 以上の諸点を理由といたしまして、私は、廣川弘禪君外六名の拠出にかかわる、公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員給與支給に関する決議案に賛成いたし、足鹿君外百五十七名提出の決議案に対しましては反対の意を表する次第でございます。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 並木芳雄君。
    〔並木芳雄君登壇〕
○並木芳雄君 私は、民主党野党派を代表いたしまして、ただいま上程されました二つの決議案のうち、與党側より出されました決議案に対して反対、野党側より出されました決議案に対して賛成の意を表するものであります。(拍手)
 先ほど来、趣旨弁明、質問、答弁その他によりまして、法律上の問題その他いろいろ明らかにされました。私は、ここにそれを重ねて申し上げることを避けます。そうして、側面からこれを見ますときに、ただいま一見いたしまして、同じような表札を持つていると見える二つの決議案が出ておる。この決議案に対して、どうして同じ国会の中で、志を同じゆうする者が反対をし賛成をするかということは、おそらく国民の皆さんの間においては、奇異の感に打たれるであろうと思います。そこにおきまして、私は、その誤解を一掃するために、表面は同じように見えますところのこの二つの決議案の中に一足を踏み込んでみますと、実は片方にはあたたかみがあるに反して、片方には冷たい風が吹いている、こういうことを明らかにしておきたい思うのであります。(拍手)
 歳末に至つて、いかにわれわれの生活が苦しいか、これは国家公務員にとつても、国鉄の従業員にとつても、またわれわれにとつても同じであります。従つて、今日あるをすでにわれわれは予期いたしまして、かつて国鉄調停委員会の公聽会におきましては、わが党の中曽根議員が出席して、特にこの点に触れておるのでございます。
 およそ政治の要諦というものは、声なき声に聞けということを言われております。ことに、最近のごとく労働組合の健全なる発展が遂げられております際におきましては、政治の要諦に立ちます者は、特に声なき声に対して耳をかすという善政をしくにあらずんば、しばしばその道を誤ることを憂うるものであります。しかるに、この問題に関しましては、すでに各方面から、こういう声も出ておりますし、いろいろ警告も発せられにておつたにもかかわらず、政府においては、池田大蔵大臣を初めとして、この声に耳をかさなかつたために、今日に至つて非常に窮地に追い込まれたということを、われわれは指摘せざるを得ないのであります。(拍手)
 まことに残念ながら両者の協定ならず、裁定案の上程されるに至つたということは、われわれとしては、とうていこれを受諾することができない、そういう見地から、先日来、国会において、これを不承認、拒否すべきだとい態度をわれわれはとつておつたのでございます。與党においても、おそらくこの窮状を見るに忍びず、真に国鉄従業員の方々に対するこの問題を、真劍に、かつ誠意をもつて取扱われんとする気持があるならば、今度の裁定案上程に際しても、われわれと行をともにして、あくまでこれ拒否すべきであつたと思うのでありますけれども、與党において、これをとらなかつた点は、われわれは、はなはだ不可解かつ遺憾に存ずるものであります。(拍手)
 與党は絶対多数をとつておるのでありますから、私が申し上げるまでもなく、何でもできないものはない、こう断言してもよいのでありますが、先日来の態度をもつて、われわれがながめますときに、あるときには、いかにも野党の声にも同調するように見える。たとえば、われわれがこの裁定案を拒否するときに、これに同調して、二日ないし三日というものを受付けないでおいた。こういうときには與党の諸君も話がわかるのだな、こういう感じをわれわれは抱いた。しかるにもかかわらず、二、三日たつて、いよいよこれを、抜打ち的に多数をもつて押し切つて受諾した。のみならず、われわれが今出そうか、きよう出そうかと、がまんにがまんを重ねて胸に秘めておつたところの緊急質問や決議案というものを出させずにおいて、いよいよどん詰まりに来て、われわれが、きのうから今日にかけて、こうやつて声をしぼつておるそのすきに乗じて、與党は決議案を出して、抜打ち的な追打ちを食らわせようとした、こういう不信な態度に対しては、われわれは、やはりこの壇上において明らかにしておく必要があるのであります。(拍手)
 特に今回の問題において、声を大にして申し上げなければならないのは、政府はこの裁定とベースの問題とを混同しておる。裁定というものは、法律によつて債権債務の関係が生じたのであつて、そこにおいて、これに対する検討の余地とか努力の余地というものは、問題にならないりでありますけれども、それをあたかも賃金ベース改訂の問題と同じようにひつくるめて、苦しい財政のもと、健全財政の堅持のために、なかなか御期待に沿わないのであるというようなことを、国民の前に示さんとするそのカモフラージの点については、われわれとしては、あくまでも承服できないということを指摘しておくのであります。(拍手)それも、與党の皆さんは、政府の手先となつて弁護しておる。これは、われわれ国会議員として、まことに残念であると思うのであります。
 さらに公労法の第十六條、問題の「不可能な資金」(発言する者多し)「不可能な資金」という、あの「不可能」という言葉を、政府も與党も、あまりに軽く解釈しておると思う。この「不可能な資金」の「不可能」という文字を、いわば不可抗力的な、人為をもつてしてはいかんともなしがたいような不可能という意味に、ごく狭く解釈して、どうしてこういう公共企業体の従業員の地位を保つことができるか。そういう点については、ぜひとも再考を煩わしたいのでございます。(拍手)
 さらに、この不可能ということを裏づけんがために、先ほど吉武提案者の説明にも九原則というものをひつぱり出し、また今根本討論者の言葉の中にも、盛んに九原則というものをひつぱり出して、あたかもこれが絶対不可能のような印象を與えんとしております。私は、九原則というものが、われわれが守らなければならない線であることは十分認識しております。しかしながら、ここに私は政府並びに與党に借問したい。
 皆さん、この間、日曜日の国会放送討論会をお聞きになつたと思います。あのうちにおきまして、たまたま増田官房長官は、米の超過供出を法制化することについて発言して、これは実は昨年の十二月二十四日に嚴命を受けておつたということを発表しております。これに対して、わが党の北村最高顧問から、ただちに発言を求めて、かくのごどきことを、うちにひそめて、しかもあの選挙に臨んで、主食供出後の自由販売を主張した民主自由党の責任というものは断じて許せない、こういう点に触れているのでありますが、私は、そういう点と今回の場合とを考えますときに、この九原則に基くドツジ・ライン、健全財政、こういうようなものも、民主自由党が、それだけの嚴命を受けておきながら、しかも選挙のときの公約とは反対の線を持つて来た。それだけの心臓と傲慢さがあるならば、今度のこういう大事な場合において、皆さんの誠意をもつてするならば、逆に政府を鞭韃して、苦しいだろうけれども、いかに困難が伴うとも、断固としてそれを突破すべきである、こういうことが言えるわけである。それを私は指摘したい。(拍手)その誠意が、われわれにはうかがえない。もし誠意があるならば、なぜこの裁定案を皆さんはけらなかつたか、受付けたが、こういうことが重大な論点になつて来るのでございます。(発言する者多し)
 また民主自由党の根本君は、盛んにだれがやつても苦しいという言葉をここで使つておつた(「その通り」)その通りとおつしやいますけれども、皆さんの間に、過ぐる選挙において、だれがやつても苦しいというようなことを言つた人がありますか。だれがやつても苦しいということは、われわれ健全な野党でおる民主党のスローガンである。與党である民主自由党のスローガンではなかつたはずだ。しかもそれを、その場において態度を豹変して、逆に利用して、国民の目をおおわんとする態度は、われわれは断固として糾弾せざるを得ないのであります。(拍手)この、だれがやつても苦しい中ではありますれども、本件に関する限りは、われわれは、力を盡し、誠意を披瀝して、あくまでも突破せざるを得ない。それなるがゆえに、今回の決議案となつて現われて参つたのであります。
 與常である皆さん、アメリカでは、たとい與党であつても、必ずしもいつも足並をそろえて投票するとばかりは限らない。皆さんが国会職員として、ほんとうに良心にそむく、真心に反する、そういう投票においては、反対の立場をとつてもよいのであります。今からでも遅くはない。われわれのこの誠意を込めたる、真心を込めたるところの決議案に皆さんに同調して、皆さんのこの偽善を秘めた、冷い風の吹いているところの決議案は、ただちに撤回して、幸いわれわれは、挙党一致、本件の目的完遂のために足並をそろえたいと思うのであります。
 以上、民主党野党派を代表いたしまして、私の討論を終る次第であります、(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 梨木作次郎君。
    〔梨木作次郎君登壇〕
○梨木作次郎君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程なつております廣川廣輝君外六名提出の決議案に反対し、足鹿覺君外百五十七名提出にかかる決議案に賛成せんとするものであります。(拍手)この二つの決議案は、主として国鉄仲裁委員会の裁定に関連しておるのであります。ところでその内容とするところは、民自党提出の決議案はきわめて漠然たるものであります。すなわち、裁定の趣旨を尊重しすみやかに必要な措置を購ぜよ、というのであります。ところで、野党提出にかかるところの決議案は、これに反しまして、裁定を全面的に実施することを要求しておるのでありまして、ここにこの二つの決議案が、きわめてその内容において質を異にしておるのであります。
 裁定によりますと、十二月中には三十億円、一月以降におきましては十五億円、合計四十五億円を支給するようにということを決定しておるのであります。その理由といたしましては、国鉄の労働者は、この六月から国鉄が公社に移行して以来、特に著しくその待遇が低下して、最低一箇月一千円の赤字を出しておる、だから、その待遇の切下げを一日もすみやかに是正しなければならぬ、その是正するためにこの裁定を下したのであるということを説明しておるのであります。つまり、この裁定は、国鉄の労働者諸君が、過去において当然支給を受け得べかりしものを支給せよということになるのであります。
 現在の日本の労働者は、きわめて安い賃金のために苦しんでおり、ほとんどその生活は破綻しそうになつて来ておるのでありまして、生活難のために一家が心中するというような悲惨な報道が、ひんぴんとして新聞記事の上においてその紙面を暗くしておるということは、皆さんも御承知の通りであります。かかる状態のもとにおいて、本件の裁定は、この労働者の生活を救うために、年末に何とかこの年越しをするために四十五億の支給を求めて来ておるという点において、きわめて重要であると思うのであります。
 われわれ野党の者は、去る十五日に、加賀山国鉄総裁に会いました。そのとき、国鉄加賀山総裁は、四十五億の裁定が下つた、自分たちとしては、国鉄の経理の範囲内において何とかまかなえるような財源をくふうしてみた、その結果、大体石炭費の節約、工事費の繰延べ等で十八億円くらい出せることになつた、この財源の捻出を考えたゆえんのものは、現在国鉄においては施設が相当荒廃している、この施設の復旧も大事であるが、しかし、自分は国鉄の総裁として、国鉄労働者の現在の生活状態をよく知つておる、だから、この国鉄の施設の復旧を先に延べてでも、これだけの財源を捻出しなければならないと考えたからである、こう説明しておるのであります。この総裁の談話は、明らかに現在の国鉄の労働者の生活の現状が、施設の復旧を先に延ばしても国鉄労働者の生活の赤字を救わなければ、国鉄の運営そのものが非常な危殆に瀕しておるということを物語つておると思うのであります。(拍手)
 政府は、昨日この本会議に、薪炭卸売業者の救済に主として使用されるような薪炭特別会計の赤字を補填するために五十四億円の支出を求め、われわれの反対にもかかわらず、民自党は絶対多数でもつてこれを通過させてしまつたのであります。このような五十四億円の財源があるにもかかわらず、国鉄五十万の労働者の生活を救うために、わずか二十七億円の金が出せないということは、これは明らかに政府並びに民自党の諸君が、労働者の生活の安定、労働費の生活を救済するために、まつたく冷淡、無関心であるということを暴露していう以外の何ものでもありません。(拍手)
 民自党提出にかかるところの決議案は、裁定の趣旨を尊重し、適当な措置を購ずべし、というようになつておるのでありまして、このことは、とりもなおさず、この年末に六千円を完全に支拂えという裁定があるにもかかわらず、できるだけこれをやりたくない、つまり実際は、この裁定が出ましてから、全国の労働者諸君から、年末の手当をよこせという強力な運動が起つて来たために、この圧力に押されまして、かかる決議案を出して来たのである。そして、わずかな金を出して、それによつてこの裁定案の実施をごまかし、それによつて、しかも自分たち民自党の努力によつて、あたかもこの支給がされたかのごとく点数をかせごうとする、きわめて子供らしい手練手管にすぎないと思うのであります。(拍手)
 国鉄の労働者は、公共企業体労働関係法によりまして、完全に争議権を奪われておるのであります。これは明らかに憲法違反だと思うのでありますが、政府は、この公労法を国会に提出するにあたりましては、争議権は取上げるが、しかしながら諸君の生活は責任をもつて保障するということを確約したのであります。しかるに今日、国鉄の総裁自身、また仲裁委員会が、年末に六千円支拂えと言つておるにもかかわらず、つまりその必要性を認めてこれを認定しておるにもかかわらず、この裁定を完全に即時実施することに努力しないということは、明らかに公労法に違反するのみならず、公労法の前提となつたところの連合軍最高司令官覚書にも違反するものであると私ほ思う。(拍手)
 諸君、政府並びに民自党は、みずからの手によつてつくつた法律を、今やみずからの手によつて破ろうとしておるのであります。諸君、法律を蹂躪するということほど政治的な背信行為、政治的な悪徳はありません。しかも、政府並びに民自党は、あえてこれをなそうとしておるのであります。
 諸君、裁定は、公労法の規定に基いてつくられた一種の行政機関であるところの仲裁委員会が決定したものであります。すなわち、仲裁委員会のこの裁定は、法律によつてつくられた行政機関の裁定なのであります。この裁定を、諸君は尊重すると口では言いながら、実際の行動の上においては、これを破ろうとしておるのであります。(拍手)また政府並びに民自党は、経済九原則の建前から、裁定を全面的に実施することを躊躇しておるようでありますが、諸君、経済九原則の中には、生活の安定ということを強くうたつておるのであります。
 諸君、政府は経済九原則の名のもとに、巨大銀行には四割ないし五割の大きな利益をあげさせておきながら、国鉄の労働者五十万に二十七億円の支出をしないということは、これは一体、経済九原則は、労働者をひぼしにしてもよろしいというように諸君は考えておるのであるか。諸君、憲法第二十五條においては、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ということを書いてある。九原則も、この憲法の大原則のもとにおいてのみ生かされなければならないということは、言をまちません。私は、国鉄労働者の赤字を救い、憲法と法律を守るために、野党提案にかかるところの決議案に賛成し、民自党提出の決議案に反対するものであります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 島田末信者。
  [島田末信君登壇〕
○島田末信君 私は、民主党の連立派を代表いたしまして、ただいま議題となつております決議案に対しまして、與党の提出に対して賛成するとともに、野党の提出に対しては反対申し上げる次第であります。
 根本君からも、賛成の趣旨につきましては詳細申し上げましたから、いまさら私からくどくどしくは伸しませんが、ただ與党の提出案が建設的であると同時に、野党の提出案は労働者に阿諛迎合する要素が多分に含まれておるいとうことを申し上げたいのであります。(拍手)
 わが国が、昨年来、経済九原則を至上課題として、政府ふ国民もあげて一路息実なる実施をして参つたことは御承知の通りでありますが、その結果が、もちろん満点とは申せないまでも、着々と実績をあげて、わが国の経済の自立に向つて、ほのぼのと、まさに峠を見出そうという、まことに望み多いところまでこぎつけて参つておることは、いなみがたい事実であります。しかも、わが労働界におきましても、今夏来、正常なる発展を続けて参りまして、終戰以来跋慮梁しておりました不健全分子は、その影をひそめつつあるということも事実であります。
 いやしくも、この欠乏経済から、わが国を安定させちためには、国民に異常なる忍苦がなければならぬことも当然でありまするがゆえに、これを実現するためには、決してなまやさしい気持ではこの実現はできないのでありますが、この点につきまして、九原則の忠実なる実施とともに、生産増強に対しましては、労働者各位は、現下の国情を認識して、十分に協力して参つたがゆえに、われわれは、この自立経済、安定経済に向かつて、まことに望みを持ちつつ、今日あらゆる施策に向つて邁進せんことを期しておるのであります。
 こういうやさきにあたりまして、もちろん労働者各位の苦しい立場もよくわかります。しかしながら、これもまた甘い気持でもつて同情に過ぎましては……
    〔発言する者多し〕
○議長(幣原喜重郎君) 静粛に願います。
○島田末信君(続) せつかくインフレを收束して、ここにわれわれが、この波に乗つたわが国の経済を軌道に乗せようとする場合、またぞろ、あともどりすることも考えなければなりません。
 私は、国鉄労組の要求に対しましては、しごくもつともだと考えます。むしろ国鉄労組の各位が、十分にわが国の実情を認識せられまして、正常なる労働運動の発展のために、いま少しく要求すべき程度を、ここに遠慮がらに、謙虚なる態度をもつて今日この要求がなされておることも、十分仄聞し得るのであります。(「仄聞」と呼ぶ者あり)しかしながら、われわれは、この現在置かれたるわが国の財政の実情並びに国鉄の自給自足という建前からいたしまして、どこまで労働者諸君の御期待に沿い得られるかということは、まことにここに苦心のあるところでありまして、もとより、この謙虚なる、遠慮がちなる要求に対し、さらに委員会の裁定案に対しましては、心からこれを尊重して実現を期するものであります。ただここに、われわれが、みずからのふところを考え、また各般の日本の建設を考慮して、どこまで御期待に沿い得られるかというところに、今日の重点が置かるべきでありまして、ない袖は振れないのであります。金のなる木を持つたような御議論に対しては賛成しかねるのであります。(拍手)
 せつかく正常なる労働運動の発達過程におきまして、しかも労働者各位が、この越年を前にして、まことに苦しい生活の中から謙虚に持ち出された要求に対しまして、われわれは、今後の労働運動の発展のために、全面的にそのお気持を支持したのであります。同時に、万一裁定案が十分に御期待に沿い得ないようなふところぐあい、いわゆる窮乏せる財源のために、もし裁定案に欠けるような場合がかりにありましても、わが国の労働者各位は断じて悪化しないことを確信しておるのであります。(拍手)しかしながら、この虚につけ入つて、わが国の労働運動を再び不健全な方向に持ち込もうとする野望と魂胆とが随所に見られるりでありまして、私は、この空気を心中最も恐れるものであります。
 かくのごとき大事なわが国の現在の実情に即しまして、われわれは、堅実なる国家の再建を期するとともに、この裁定案に対しては心からなる賛意を表し、これを尊重し、政府の方全の勢力を期待しつつ、この與党案に対しまして賛成の意思を表明するものであります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 小林信一君。
    〔小林信一君登壇〕
○小林信一君 ただいま上程されておりますところの二つの決議案に対しまして、私は、新政治協議会を代表いたしまして、與党側の提案に対しましては反対、野党側の提案に対しまして賛成を表明するものであります。(拍手)
 国鉄に対する裁定が政府に手交されたのは今月の二日でありますが、政府は、あたかも突発事故にあつたかのごとく非常に混乱し狼狽しておりまして、法律に規定されておりますところの十日間の期限も過ぎたのにかかわらず、いまだにその態度を決せず、国民の前に意思表示がないまま、労働組合の今後の運命のかかつておるこの問題、国鉄従業員とその家族の生活が託されておるこの問題、さらに公労法の持つところの精神の活殺がかかつております本問題が、さらにこれ以上延引されるならば、ひいては社会不安を醸成することを恐れまして、野党側の提案に全面的に賛成いたして、政府の善処を要望しようとするものであります。
 本問題は、国鉄労組におきまして、すでに八月末、中岡委員会において論議され、以後団体交渉が行われたのでありますが、これが行き詰まつて調停委員会にかけられ、調停委員会の結論が、十月中旬、一応の発表を見せたのでありますが、さらに続いて仲裁委員会の手に移され、今日裁定となつて政府に手交されたのであります。
 先ほど来、政府の意向を聞いておりますと、出そうとする腹はある、あるいは決して野党側の人後に落ちないと、はつきり申しておりますけれども、かかる長時間にわたつて論議された問題に対して、今に至つてその態度が決定しないというようなこの事実から考えてみますときに、これらの答弁に対して納得の行かないものが私はあるのであります。(拍手)
 このような過程をもつて推移いたし、労働者諸君が長期にわたつて重大なる関心を持つてここまで運んで参りました結果裁定を得たのでありますが、この裁定は不満足ながら了承して、今日までの一切の労働者諸君の待遇を曲りなりにも解決して新年を迎えようと期待しておるものが、俄然政府の不明確な態度の表明によつて恐愕し、不安のどん底に落されまして、しかも時間の延引と混乱とは、その不安を増大するものでありまして、遂にハンストとなり、あるいは合法的なあらゆる方途を講じて希望達成のために立ち上つたのでありますが、われわれには、従業員諸君の心情が了解できるのであります。と同時に、政府の不誠意とその不明に遺憾の意を表せざるを得ないのであります。
 とかく現内閣が、與党の絶対多数に依存して誠実さを失い、無為無策を批判されておりますが、今回の裁定をめぐるところの醜状に対しましては、いささか?然たるものを感じ、政権担当の真価を疑わざるを得ないのであります。裁定案に対し何ら予算的措置をなさずして国会の審議を要求した問題に対し、昨日の政府の答弁は、時間的余裕のなかつたことを理由に、その不明を隠そうとしておるのでありますが、これこそ、政府の労働行政、ひいては経済安定の政策の内容がいかにずさんであるかを明瞭に表示しておるものと言えるのであります。すなわち、現内閣が金科玉條としておるところの経済安定政策の母体として労働力の調整がなされておることは、自他ともに知るところでありますが、現内閣が、当初において労組法の改訂を行い、公労法制定を画し、逐次労組活動に対して制限を行つた事実によつて明白であります。
 労働力を重視し、経済安定の根幹となすことについては、勤労者諸君の本懐とするところであつて、この方針のもとにとられるところの政府の措置も、本質的に了解しがたいものがありながら、またやむを得ないものと了承しておるのであります。しかしこれに対しては、当然政府が勤労者の生活安定に十分な考慮を拂うことには確信を持つておつたのであります。定員法によつて人員が減少され、人事院規則によつて言動が著しく制限されておる今日、むしろ政府が積極的に保護救済に当るべきであるのに、今回の国鉄裁定によつて示した政府の態度を何は意味するのか、今日までの労働行政の実態は、労働力の完全な行使をして、一部の者の利益を保全せんがために、その犠牲を強制する以外に何ものもなかつたと断じられるおそれがあるのであります。
 各労組は、労働組合活動の将来を憂慮いたしまして、新たなる決意に立つて、あらゆる障害と闘いながら、困難を経まして今日に至つたのでありますが、その苦衷は、実に今回の裁定にその一切をかけておるのであります。今、この労組の健全なる育成の問題に対しましても、政府は、政府の手によつて暗影を投げかけようとしておるのであります。これに対しまして、国鉄労組はももろん、一般労組は大いなる衝撃を感じまして、国民の輿論に問うべく重大なる快意をなして、労働攻勢は展開されておるのでありますが、依然として前途に暗澹たるものを感ずる現況に対しまして、各労組のこの労働攻勢が、今まさに熾烈なる頂点に達しておるのであります。
 本日、数寄屋橋附近におきまして、日本教職員組合のハンストが実施されたのでありますが、正当な闘争の方法とはいえ、教員諸君がハンガー・ストライキを実施するに至りましては、いかなる社会的な影響を與えるかを感じますときに、これら一切の責任を政府は自覚して善処すべきであることが痛感されるのであります。(拍手)この際、混乱と不安を一日も早く、すみやかに除去すべく、政府に対して果断なる処置を国民は痛切に要望しておるのであります。
 政府は、当初におきましては、法律の解釈に非常にあいまいであり、実際上の措置、方法において不明確なものを所持し、しかも絶対多数を過信して、これが先例となるところの重要な問題であるにかかわらず、平然とこれに対処したのが、この混乱と不安を醸成した原因であります。また、みずからがつくつた公労法によつて苦しめられ、その政策におきましては何ら一貫したものがないことを国民にさらけ出しております。
 ことに政府は、九原則を振りかざして、今度の問題に対して、つとめてこれを忌避しようとしておりますが、計数の上に立つところの財政経済は、決して絶対的なものではない。数字によつて政治を拘束するような愚策から、この際政府は、政治の力によつて数字を決するところの態度に転向すべきであることを、私は感ずるのであります。すなわち、均衡予算の目的は経済安定のためであり、経済安定は勤労者の自覚を促し、これが感奮興起することによつて緊持されるのであります。この原則を立証するものが、政府の手によつて制定された裁定であり勧告であることは事実であります。
 仲裁委員会あるいは人事院が、その中立性に立脚し、労働者の生活実態、経済情勢を判断し、しかも国家財政をも考慮して裁定したものは、もつともつと尊重されなければならないのであります。現在のごとき政府の態度は、法の精神を無視し、仲裁委、人事院の存在が軽視され、ただに労働者を不安に陥れるばかりでなく、法律の構成に疑惑を持たせるような重大なる結果を醸成しようとしておるのであります。
 裁定者は、過去六箇月間の賃金引下げの補償として年内に六千円を支給すること、さらに来年度三箇月にわたつて千円ずつを支給することが指示されておりますが、地方給與の実情から考え、物価の三割値上がりの現状からして当然であつて、この最低限度の支給は、ただちに政府の予算的措置によつて実現さるべきで、国民の何ら疑わざるところであります。
 ともすれば、地方給與を刺戟するというようなことを言うかもしれませんが、これこそ地方給與へのさや寄せであつて、きわめて妥当な裁定であると考えます。さらに国民に対して増税が予想されるとか、あるいは物価の値上りとなり、インフレヘの転換とか、りくつを言うかもしれませんけれども、薪炭特別会計あるいは食管会計等に数十億を簡單に計上する一面には果敢な、積極的な態度である政府は、またこの労働者に対しても積極的な態度を示すべきであると私は考えます。私は、ここに政府は一切の反省の上に立つて全額を支給し、一般公務員に対しても同様な措置をなして越年資金を支給し、社会不安、労働不安を一掃すべきであると思います。
 以上の趣旨からいたしまして、民自党からの提案でありますところの決議案が、單にかかる政府のふしだらな行為に対しまして、これを糊塗する以外に何ものもない点から反対いたし、労働者諸君の熱意と衷情を考えるところの野党の決議案に対して賛成するものであります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。まず、日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案につき採決いたします。この採決は記名投票をもつて行います。本案を可決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(幣原喜重郎君) 投票漏れはありませんか――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(幣原喜重郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数三百一
  可とする者(白票)     百七
    〔拍手〕
  否とする者(青票)   百九十四
    〔拍手〕
○議長(幣原喜重郎君) 右の結果、日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案は否決せられました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔参照〕
日本国有鉄道公社従業員の給與に関する公共企業体仲裁委員会の裁定全額実現要求の決議案を可とする議員の氏名
  青野 武一君  赤松  勇君
  淺沼稻次郎君  井上 良二君
  猪俣 浩三君  石井 繁丸君
  石川金次郎君  稻村 順三君
  今澄  勇君  大矢 省三君
  岡  良一君  勝間田清一君
  上林與市郎君  川島 金次君
  佐々木更三君  鈴木茂三郎君
  田中織之進君  田万 廣文君
  堤 ツルヨ君  成田 知巳君
  福田 昌子君  前田榮之助君
  前田 種男君  松井 政吉君
  松岡 駒吉君  松澤 兼人君
  松本 七郎君  水谷長三郎君
  門司  亮君  森戸 辰男君
  八百板 正君  山口シヅエ君
  米窪 滿亮君  荒木萬壽夫君
  有田 喜一君  稻葉  修君
  小野  孝君  大森 玉木君
  金塚  孝君  川崎 秀二君
  北村徳太郎君  椎熊 三郎君
  清藤 唯七君  園田  直君
  高橋清治郎君  千葉 三郎君
  床次 徳二君  苫米地義三君
  中曽根康弘君  並木 芳雄君
  橋本 金一君  長谷川四郎君
  畠山 重勇君  林  好次君
  福田 繁芳君  増田 連也君
  村瀬 宣親君  柳原 三郎君
  井之口政雄君  伊藤 憲一君
  池田 峯雄君  江崎 一治君
  加藤  充君  風早八十二君
  春日 正一君  上村  進君
  神山 茂夫君  柄澤登志子君
  川上 貫一君  河田 賢治君
  苅田アサノ君  聽濤 克巳君
  砂間 一良君  田島 ひで君
  田代 文久君  田中 堯平君
  高田 富之君  竹村奈良一君
  谷口善太郎君  土橋 一吉君
  中西伊之助君  梨木作次郎君
  野坂 參三君  林  百郎君
  横田勘太郎君  米原  昶君
  石田 一松君  今井  耕君
  木下  榮君  吉川 久衛君
  小林 借一君  河野 金昇君
  笹森 順造君  竹山祐太郎君
  中村 寅太君  平川 篤雄君
  松本 瀧藏君  松本六太郎君
  三木 武夫君  山手 滿男君
  石野 久男君  岡田 春夫君
  黒田 寿男君  中原 健次君
  松谷天光光君  浦口 鉄男君
  中野 四郎君
 否とする議員の氏名
  足立 篤郎君  青木 孝義君
  青木  正君  青柳 一郎君
  淺利 三朗君  麻生太賀吉君
  天野 公義君  有田 二郎君
  井手 光治君  井上 知治君
  飯塚 定輔君  池田正之輔君
  池見 茂隆君  石田 博英君
  石原 賢吉君  石原  登君
  今泉 貞雄君  今村 忠助君
  岩本 信行君  岩川 與助君
  植原悦二郎君  内海 安吉君
  江田斗米吉君  遠藤 三郎君
  小川原政信君  小澤佐重喜君
  尾関 義一君  越智  茂君
  大泉 寛三君  大上  司君
  大澤嘉平治君  大橋 武夫君
  大村 清一君  大和田義榮君
  岡延右エ門君  岡崎 勝男君
  岡田 五郎君  岡西 明貞君
  岡野 清豪君  押谷 富三君
  鍛冶 良作君  風間 辰吉君
  柏原 義則君  片岡伊三郎君
  甲木  保君  門脇勝太郎君
  神田  博君  川西  清君
  川端 佳夫君  川本 末治君
  河原伊三郎君  菅家 喜六君
  木村 公平君  北川 定務君
  北澤 直吉君  金原 舜二君
  倉石 忠雄君  黒澤富次郎君
  小平 久雄君  小玉 治行君
  小西 寅松君  小峯 柳多君
  小山 長規君  五島 秀次君
  河野 謙三君  近藤 鶴代君
  佐久間 徹君  佐々木秀世君
  佐瀬 昌三君  佐藤 榮作君
  佐藤 重遠君  坂田 道太君
  坂本  昭君  志田 義信君
  清水 逸平君  塩田賀四郎君
  篠田 弘作君  澁谷雄太郎君
  周東 英雄君  鈴木 善幸君
  鈴木 正文君  瀬戸山三男君
  關谷 勝利君  千賀 康治君
  田口長治郎君  田中 角榮君
  田中 啓一君  田中  元君
  田中 萬逸君  田渕 光一君
  多武良哲三君  高木 松吉君
  高橋 權六君  高橋  等君
  竹尾  弌君  玉置 信一君
  玉置  實君  中馬 辰猪君
  塚田十一郎君  塚原 俊郎君
  辻  寛一君  苫米地英俊君
  冨永格五郎君  奈良 治二君
  内藤  隆君  中野 武雄君
  中村  清君  中村 幸八君
  中村 純一君  中山 マサ君
  仲内 憲次君  永井 英修君
  永田  繭君  夏堀瀬三郎君
  西村 英一君  西村 久之君
  野原 正勝君  野村專太郎君
 橋本登美三郎君  橋本 龍伍君
  畠山 鶴吉君  花村 四郎君
  林  讓治君  原 健三郎君
  原田 雪松君  樋貝 詮三君
  平井 義一君  平野 三郎君
  廣川 弘禪君  福井  勇君
  福田 篤泰君  福田  一君
  福永 一臣君  福永 健司君
  藤井 平治君  藤枝 泉介君
  渕  通義君  淵上房太郎君
  船越  弘君  古島 義英君
  降旗 徳称君  細田 榮藏君
  本多 市郎君  本間 俊一君
  眞鍋  勝君  前尾繁三郎君
  前田 正男君  牧野 寛索君
  益谷 秀次君  松木  弘君
  松田 鐵践君  松永 佛骨君
  丸山 直友君  三浦寅之助君
  三宅 則義君  水谷  昇君
  南  好雄君  宮幡  靖君
  武藤 嘉一君  村上  勇君
  村上 清治君  森 幸太郎君
  森   曉君 藥師神岩太郎君
 山口喜久一郎君  山口 好一君
  山口六郎次君  山崎  猛君
  山村新次郎君  山本 猛夫君
  山本 久勇君  吉田 省三君
  吉武 惠市君  若林 義孝君
  渡邉 良夫君  亘  四郎君
  逢澤  寛君  犬養  健君
  大西 正男君  大西 禎男君
  久野 忠治君  島田 末信君
  田中不破三君  橘  直治君
  鬪司 安正君  坪川 信三君
  寺島條太郎君  寺本  齋君
  中垣 國男君  中村 又一君
  長野 長廣君  保利  茂君
 山本 利壽君 早稻田柳右エ門君
    ―――――――――――――
○議長(幣原喜重郎君) 次に、公共企案体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に関する決議案につき採決いたします。この採決は記名投票をもつて行います。本案を可決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(幣原喜重郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(幣原喜重郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 三百
  可とする者(白票) 百九十三
    〔拍手〕
  否とする者(青票)    百七
    〔拍手〕
○議長(幣原喜重郎君) 右の結果、公共企業体仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に対する決議案は可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔参照〕
公共企業泰仲裁委員会の裁定に基く国鉄従業員に対する給與並びに一般公務員の給與支給に対する決議案を可とする議員の氏名
  足立 篤郎君  青木 孝義君
  青木  正君  青柳 一郎君
  淺利 三朗君  麻生太賀吉君
  天野 公義君  有田 二郎君
  井手 光治君  井上 知治君
  飯塚 定輔君  池田正之輔君
  池見 茂隆君  石田 博英君
  石原 圓吉君  今泉 貞雄君
  今村 忠助君  岩本 信行君
  岩川 與助君  植原悦二郎君
  内海 安吉君  江田斗米吉君
  遠藤 三郎君  小川原政信君
  小澤佐重喜君  尾関 義一君
  越智  茂君  大泉 寛三君
  大上  司君  大澤嘉平治君
  大橋 武夫君  大和田義榮君
  岡延右エ門君  岡崎 勝男君
  岡田 五郎君  岡西 明貞君
  岡野 清豪君  押谷 富三君
  鍛冶 良作君  角田 索吉君
  風間 啓吉君  柏原 義則君
  片岡伊三郎君  甲木  保君
  門脇勝太郎君  神田  博君
  川西  清君  川端 佳夫君
  川本 末治君  河原伊三郎君
  菅家 喜六君  木村 公平君
  北川 定務君  北澤 直吉君
  金原 舜二君  倉石 忠雄君
  黒澤富次郎君  小平 久雄君
  小玉 治行君  小西 寅松君
  小峯 柳多君  小山 長規君
  五島 秀次君  河野 謙三君
  近藤 鶴代君  佐久間 徹君
  佐々木秀世君  佐瀬 昌三君
  佐藤 榮作君  佐藤 重遠君
  坂田 道太君  坂本  實君
  志田 義信君  清水 逸平君
  塩田賀四郎君  篠田 弘作君
  澁谷雄太郎君  周東 英雄君
  鈴木 善幸君  鈴木 正文君
  瀬戸山三男君  關谷 勝利君
  千賀 康治君  田口長治郎君
  田中 角榮君  田中 啓一君
  田中  元君  田中 萬逸君
  田渕 光一君  多武良哲三君
  高木 松吉君  高橋 權六君
  高橋  等君  竹尾  弌君
  玉置 信一君  玉置  實君
  中馬 辰猪君  塚田十一郎君
  塚原 俊郎君  辻  寛一君
  苫米地英俊君  冨永格五郎君
  奈良 治二君  内藤  隆君
  中野 武雄君  中村  清君
  中村 幸八君  中村 純一君
  中山 マサ君  仲内 憲治君
  永井 英修君  永山  節君
  夏堀源三郎君  西村 英一君
  西村 久之君  根本龍太郎君
  野原 正勝君  野村專太郎君
  橋本登美三郎君  橋本 龍伍君
  畠山 鶴吉君  花村 四郎君
  林  讓治君  原 健三郎君
  原田 雪松君  樋貝 詮三君
  平井 義一君  平野 三郎君
  廣川 弘禪君  福井  勇君
  福田 篤泰君  福田  一君
  福永 一臣君  福永 健司君
  藤井 平治君  藤枝 泉介君
  渕  通義君  船越  弘君
  古島 義英君  降旗 徳弥君
  細田 榮藏君  本多 市郎君
  本間 俊一君  眞鍋  勝君
  前尾繁三郎君  前田 正男君
  牧野 寛索君  益谷 秀次君
  松木  弘君  松田 鐵藏君
  松永 佛骨君  丸山 直友君
  二浦寅之助君  三宅 則彦君
  水谷  昇君  南  好雄君
  宮幡  靖君  武藤 嘉一君
  村上  勇君  村上 清治君
  森 幸太郎君  森   曉君
  藥師寺岩太郎君 山口喜久一郎君
  山口 好一君  山口六郎次君
  山崎  猛君  山村新次郎君
  山本 猛夫君  山本 久雄君
  吉田 省三君  吉武 惠市君
  若林 義孝君  渡邊 良夫君
  亘  四郎君  逢澤  寛君
  犬養  健君  大西 正男君
  大西 禎夫君  久野 忠治君
  島田 末信君  田中不破三君
  橋  真治君  圖司 安正君
  坪川 信三君  寺島隆太郎君
  寺本  賢君  中垣 國男君
  中村 又一君  長野 長廣君
  保利  茂君  山本 利壽君
  早稻田柳右エ門君
 否とする議員の氏名
  青野 武一君  赤松  勇君
  淺沼稻次郎君  井上 良二君
  猪俣 浩三君  石井 繁丸君
  石川金次郎君  岡村 得三君
  今澄  勇君  大矢 省三君
  岡  良一君  勝間田清一君
  上林與市郎君  川島 金次君
  佐々木更三君  鈴木茂三郎君
  田中織之進君  田万 廣文君
  堤 ツルヨ君  成田 知巳君
  福田 昌子君  前田榮之助君
  前田 種男君  松井 政吉君
  松岡 駒吉君  松澤 兼人君
  松本 七郎君  水谷長三郎君
  門司  亮君  森戸 辰男君
  八百板 正君  山口シヅエ君
  米窪 滿亮君  荒木萬壽夫君
  有田 喜一君  稻葉  修君
  小野  孝君  大森 玉木君
  金塚  孝君  川崎 秀二君
  北村徳太郎君  椎熊 三郎君
  清藤 唯七君  園田  直君
  高橋清治郎君  千葉 三郎君
  床次 徳二君  苫米地義三君
  中曽根康弘君  並木 芳雄君
  橋本 金一君  長谷川四郎君
  畠山 重勇君  林  好次君
  福田 繁芳君  増田 連也君
  村瀬 宣親君  柳原 三郎君
  井之口政雄君  伊藤 憲一君
  池田 峯雄君  江崎 一治君
  加藤  充君  風早八十二君
  春日 正一君  上村  進君
  神山 茂夫君  柄澤登志子君
  川上 貫一君  河田 賢治君
  苅田アサノ君  聽濤 克巳君
  砂間 一良君  田崎 ひで君
  田代 文久君  田中 堯平君
  福田 富之君  竹村奈良一君
  谷口善太郎君  土橋 一吉君
  中西伊之助君  梨木作次郎君
  野坂 參三君  林  百郎君
  横田勘太郎君  米原  昶君
  石田 一松君  今井  耕君
  木下  榮君  吉川 久衛君
  小林 信一君  河野 金昇君
  笹森 順造君  竹山祐太郎君
  中村 寅太君  平川 篤雄君
  松本 瀧藏君  松本六太郎君
  三木 武夫君  山手 滿男君
  石野 久男君  岡田 春夫君
  黒田 寿男君  中原 健治君
  松谷天光光君  浦口 鉄男君
  中野 四郎君
    ―――――――――――――
○山本猛夫君 議事日程の緊急動議を提出いたします。すなわち、昭和二十三年度、昭和二十四年度衆議員予備金支出の件を議題となし、この際議院運営委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は、追加せられました。
 昭和二十三年度、昭和二十四年度衆議院予備金支出の件を議題といたします。議院運営委員長の報告を求めます。議院運営委員会理事石田博英君。
    〔石田博英君登壇〕
○石田博英君 ただいま議題に供せられました昭和二十三年度、昭和二十四年度衆議院予備金支出の件について御説明いたします。
 昭和二十三年度国会予備金のうち、衆議院予備経費の予算額は七百万円でありまして、昨昭和二十三年十月二十六日までに支出された分については、すでに前の常会において承諾を得ておりますから、今回報告の上御承諾を得る分は、その後支出された六百五十三万四千円と、昭和二十四年度衆議院予備経費予算額七百万のうちから昭和二十四年十月十七日までに支出された百三万六千八百円であります。
 その費途は、国会予備金支出報告書に詳記してあります通り、昭和二十三年度分は、議案類印刷費及び議員に支給する超過勤務手当の予算に不足を生じまして、これが補足のため支出された経費であります。また同二十四年度分は、在職中逝去されました議員の遺族に対して贈つた弔慰金であります。
 以上はいずれも、その都度議院運営委員会の承認を経て支出されたものでありますから、御次諾あらんことを希望いたします。
○議長(幣原喜重郎君) 本件は承諾を與えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて承諾を與えるに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、両院法規委員会委員辞任の件につきお諮りいたします。林百郎君より両院法規委員会委員辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(幣原喜重郎君) つきましては、この際両院法規委員会委員の補欠選挙を行います。
    ―――――――――――――
○山本猛夫君 両院法規委員の委員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて議長は聽濤克巳君を両院法規委員会委員に指名いたします。
 次会の議事日程は公報をもつて通知いにします。本日はこれにて散会いたします。
    午後五時四十五分散会