第007回国会 水産委員会 第27号
昭和二十五年四月三日(月曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 夏堀源三郎君 理事 平井 義一君
   理事 林  好次君 理事 中西伊之助君
      小高 熹郎君    川端 佳夫君
      田口長治郎君    田渕 光一君
      玉置 信一君    冨永格五郎君
      福田 喜東君    永田  節君
      長谷川四郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  坂本  實君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        長)     松任谷健太郎君
        農林事務官
        (水産庁生産部
        統制課長)   奧田  孝君
        農 林 技 官
        (水産庁漁産部
        漁港課長)   林  眞治君
        專  門  員 齋藤 一郎君
    ―――――――――――――
四月三日
 委員井上知治君及び森下孝君辞任につき、その
 補欠として玉置信一君及び永田節君が議長の指
 名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月一日
 高浜漁港に防波堤築設の請願(田口長治郎君紹
 介)(第二〇一九号)
 久慈漁港修築促進に関する請願(塚原俊郎君紹
 介)(第二〇二三号)
 漁船保險制度改善に関する請願(冨永格五郎君
 外二名紹介)(第二〇四五号)
 同(坂本實君紹介)(第二〇四六号)
 引揚者等新規漁業者に対する漁網資材配給割当
 増加に関する請願(甲木保君外二名紹介)(第
 二〇七二号)
 兒島湾淡水化に伴う漁業上の損失補償に関する
 請願(橋本龍伍君外五名紹介)(第二一一五
 号)
 九十九里浜太東岬に漁港築設の請願(田中豊君
 紹介)(第二一三四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 水産資源枯渇防止法案(内閣提出第一四九号)
 漁港法案起草に関する件
 水産物卸売手数料等に関する件
    ―――――――――――――
○夏堀委員長代理 これより会議を開きます。
 まず水産資源枯渇防止法案を議題といたします。提案理由の説明を求めます。坂本政府委員。
○坂本政府委員 水産資源枯渇防止法案につきまして、その提案理由の大体を御説明申し上げたいと思います。
 言うまでもなく、資源の保護、愛護ということは、いかなる産業にとつても大切なことであります。特に漁業の方面においては、制限された漁場の内部において多数の経営者が漁業に従事し、すでに飽和状態に達している状況にあるのでありまして、遠洋漁業、近海漁業、沿岸漁業を問わず、稚魚探捕等によつて濫獲の弊を生じ、または無許可船の操業等により漁場の紛争が絶えないありさまで、その結果は漁場内の水産資源を枯渇させ、ひいてはやむにやまれず制限漁区違反というような事態が起るに至つたのであります。
 由来、総司令部天然資源局におきましては、水産資源愛護策を水産施策の重要な眼目として来たのでありまして、従来、日本の漁業者か侵略的な漁業という悪い印象を国際間に持たれておる点にかんがみ、漁業に関する規律を自主的に守り、また資源を愛護することと継続的実行によつて証明しなければ、漁区制限の撤廃の問題も論議に上せ得ない旨をたびたび声明して来たのであります。政府におきましては、さきに支那東海、黄海における機船底びき網漁業及び汽船トロール漁業につきまして、資源枯渇の弊害が特に著しいことを認め、当業者の自主的な体制において、操業漁船の約三割を減船することを決定いたしたのでありますが、ただにこれらの漁業種類にとどまらず、全般的に重要な水産資源について科学的な調査を実施し、資源の量に適応した最高の漁獲率を維持して漁業の利益を永久に継続させ、かつ国際信義を高めることの必要を痛感する次第であります。そして資源枯渇のおそれのある種類の漁業につきましては、他に濫獲防止の方法を講じて、やむを得ない場合には、むしろ直載に減船なり操業区域の変更の措置をとつて参りたいと存ずるのであります。このためには、許可の取消し、国家の補償といつた面において、法律的根拠が必要でありまして、講和條約を控えた現在、このような法律を制定して、わが国の漁業者がかくしてまで資源愛護の目的を達成しようと努めていることを、国の内外にさし示すことは、わが国水産業の将来にとつて最も適切なことと信ずるのであります。
 以上が水産資源枯渇防止法案を提案したゆえんでありますが、以下この法案の主要な内容について概略御説明申し上げます。
 まず第一に、水産資源の枯渇のおそれがあると認められる漁業について、資源の関係その他を見合いまして、漁業種類及び海域別に、操業漁船の最高隻数を定めるのであります。
 第二に、この最高隻数を定めた場合に、これと比較して、現実に許可を受けている漁船の数がその限度を越えている場合には、越える数の漁船について、許可の取消しまたは漁業区域の変更の措置を行のうであります。この措置をとるためには、当該漁業の操業状況、労働條件その他のことを勘案した一定の基準によつて行つて参ろわけであります。なお必要がある場合には、この限度内の漁船についても同時に操業区域を変更する場合があります。
 第三に、以上のような措置をとつたことによる通常の損失に対しては、予算の関係から現金で拂うことの困難な事情もありますので、交付の方法については、政令で定めることといたしております。
 なお、これらのことを実施するために必要な科学的な資源調査をこの法律を基礎にして、確実にやつて参りたいと存ずるのであります。
 以上がこの法案の主要な内容でありますが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御決議あらんことを切望する次第であります。
○鈴木(善)委員 ただいま坂本政務次官より、水産資源枯渇防止法案の提案理由の御説明を承つたのでありますが、ただいまの御説明につきまして、二、三重要な点を御質問いたしたいと思うのであります。
 その第一は、今回の政府提案の資源枯渇防止法案は、積極的な資源の愛護、あるいは資源の増強という面につきまして、何らお触れになつていないように見受けられるのであります。この資源枯渇防止につきましては、積極的面と消極的面があると思うのであります。政府案を検討いたしますと、消極的な減船でありますとか、あるいは操業区域の変更でありますとか、そういう措置は講じておるのでありますが、積極的に水産資源を増強しようという、孵化放流事業等について、積極的な意図を何ら見ることができないことを、私ども物足らなく感じておるものであります。先般カナダの水産大臣メーヒユー氏が来訪されまして、その際カナダにおいては、水産予算の三分の一は資源の積極的な増強のために使われている、孵化放流事業等に水産予算の三分の二以上が使われているということをお話になつたのでありますが、政府はこの水産資源の愛護のために、そういう積極的な面をこの法案に何ゆえに織り込まれなかつたのであるか、この点をまず第一にお伺いしたいのであります。
○坂本政府委員 ただいま御審議を願うために御説明申し上げました、水産資源枯渇防止法案の内容につきまして、ただいま鈴木委員より、もつと積極的な水産資源保護の面がなければならないのではないかというお話かあつたのであります。まことにごもつともなお話だと存ずるのでありますが、政府といたしましては、限られました漁区内におきまして、最も妥当な漁船の隻数を一応配置いたしまして、この操業によつておのずから出て参りまする結果に基きまして、それぞれ資源保護に対しまする具体的な方策を立てたい、かように考えているのであります。
 なおこれらの問題につきまして、本年度予算におきましても、いろいろ漁族の繁殖のために必要な経費でありますとか、あるいはまた研究所に必要な経費等も、実は計上いたしておるのでありまして、逐次今御指摘になりましたような点は、整備いたして参りたいと考えておる次第であります。
○鈴木(善)委員 ただいま御答弁がありましたが、私ども水産予算の現状を検討いたしまして、まだまだその面に対する積極的な、水産資源の増強に対するところの政府の御処置が十分なものでないことを認めるものであります。水産関係の諸税は相当重くなつておるのでありますが、この際政府は今後の施策といたしまして、積極的な資源の保護、増強の面につきましても、さらに一段の御努力を拂われんことを要望するものであります。
 次にもう一点は、この資源枯渇防止法案の最初の適用を受けますものは、いわゆる以西底びき網漁業であると思うのでありますが、以西底びき網漁業のほかに、政府が次に着手しようとするこの法案の適用漁業、それはどういうものを現在お考えになつておるかどうか、そのことをお尋ねいたたしたいのであります。と申しますのは、以西底びき網漁業につきましては、かねてから政府におきましても、政府の調査船及び民間の漁船を動員いたしまして、資源に関するある程度の科学調査をおやりになつて、しつかりした見通しをお持ちになつておるようでありますが、その他の漁業にいつての資源量等の調査については、いまだ十分な御調査ができていないと思うのでありますが、政府は以西底びきの減船をこの法案の適用によつておやりになりました後において、いかなる漁業について手をつけられる御計画であるか、その点をお伺いしたいのであります。
○松任谷説明員 お話の通り本法律案の立法の端緒となりましたのは、以西底びきとトロール漁業の減船整理にあつたのでありますが、この法案に書かれておりますように、農林大臣の許可漁業について、一つ一つの漁業に当つて漸次実行に移したいというように考えておるのでありますが、さしあたり以西底びきの次に問題になりますのは、われわれといたしましては以東底びき漁業であると考えておるのであります。以東底びき網漁業につきましても、操業区域が、戰前に比べましてあまりかわつていないにもかかわらず、操業する隻数につきましては、御承知の通り昭和十二年ごろに二千隻くらいでありまして、その当時すでに十箇年計画で七百隻に減船しようという計画もあつたのでございます。沿岸漁業に及ぼす影響でありますとか、あるいは資源の維持といつたような観点から考えましても、なるべく漁場に適応した漁船を考えなければいけないという事情になつておるのでございまして、しかも現在の隻数は、許可船だけで二千八百隻程度になつておりまして、不許可船といつたものも相当数ある。しかも地方庁許可の類似漁船といつたようなものもございますので、以西の次に取上げる問題といたしましては、以東底びき網漁業であろうというふうに考えておるのでございます。現在以東底びき網漁業につきましては、関係地方と協議いたしまして、そういう資源と漁船といつたような調和の問題につきましていろいろと相談をいたしておるのでございまして、本法案実施のあかつきにおきましては、そういう協議ができました線に沿いまして、本法との関係を調整して検討した上で、本法の適用をいたして参りたいというふうに考えておる次第でございます。
○鈴木(善)委員 以西底びきの減船の次には以東底びきについて政府は手をつける計画であるというお話があつたのでありますが、この以東底びきと沿岸漁業との関係はきわめて微妙な関係にあるわけでありまして、この以西底びき網を適正なる数まで資源量と見合つて整理をしようという御趣旨は私どもも同感でありますが、問題は資源量と科学的に見合つての整理をいかにして行うか、現在の以東底びきについての政府当局の御調査というものはきわめて不完全なものであります。今後政府は以東の底びき網に手をつけられるにあたりましては、その前提といたしまして、徹底的な資源調査をまず断行されまして、関係業者が真に納得し得るような資源と隻数とを完全に見合つての整理を行わなければ、以東底びき網漁業者が、漁村における中小企業者によつて行われておるという経済事情から考えまして、以西底びきよりも深刻な社会問題に相なるわけであります。なおこれらの以東底びき漁船の隻数におきましても、あるいは従業員の数におきましても非常に数が多い。そういう関係からいたしまして、これらの漁業の連関なり、あるいは漁業労働問題の解決という面について十分なる計画が立てられなければならないと考えるのでございます。そういう意味におきまして十分な科学的調査、そうして愼重なる御計画を急がずにやつてほしい。これは私ども東北及び北海道、以東底びきの多い地方の代表といたしまして、特に政府当局に要望するものであります。
 第三点のお尋ねといたしまして、この資源枯渇防止法案の運用にあたつて最も重要な点は、資源の科学的調査の問題であります。それについての政府の費用等予算について、本二十五年度の予算を見ましてもきわめて不十分であります、政府はこのような水産企業整備法案とも称すべきこの法案の運営にあたりましては、まず徹底したところの科学的な資源調査が大前提でなければならないと思うのであります。この点についての政府の準備は、遺憾なから二十五年度予算程度では不十分である。今後において政府は十分この資源調査網の整備拡充について、一段の努力を要するものと私は考えるのであります。これに対する政府のお考えを承りたいのであります。第四点として、損失補償の面につきまして、政令にその交付方法を讓るということにいたしておるのでありますが、この補償の問題は非常に重大な問題であります。このすべてを政令に讓られますることにつきましては、立法府との関係をどう考えておられるか、この点をお伺いしたいのであります。
    〔夏堀委員長代理退席、委員長著席〕
○松任谷説明員 御指摘になりました調査予算の関係でございますが、はなはだわれわれといたしましても、不十分な点はあるとは思うのでありますが、資源枯渇防止法の全体的な関係から申しまして、さらに資源調査といつたような関係から、従来より水産研究所の拡充、充実に努めて参つておりまして、本年度におきまする資源調査研究費といたしましては、にしん、いか、かつお、まぐろあるいは底魚の状況というような関係の資源調査でありますとか、あるいはいわしの関係の調査でありますとかいうような具体的な項目につきまして、水産研究所を中心に、徹底的な調査をやつて参りたいいうふうに考えて、予算につきましても数億計上いたしておる次第なのでございます。この資源調査の関係は、單に水産研究所のみでやつて行くというようなことではなく、沿岸の各地方庁の水産資源調査機関でありますとか、あるいは民間の調査研究機関でありますとか、あるいは主要な漁業者と緊密な連絡をとりまして、万全を期して参りたいというふうに考えておるのでございます。なお以西の調査につきましては、もちろんこの減船の前提になつております調査も、大体あるのでございまするが、さらに的確を期するために、本年度二千万円程度の予算によりまして、さらに綿密な調査を実施して参りたいというふうに考えておるのでございます。従いまして、この調査予算につきましては、今後われわれといたしましては、十分拡充に努力して参りたい、かように存ずる次第でございます。
 第四番目の補償の関係でございまするが、お話になられましたように、補償金の交付の方法は政令できめるというように、政令に讓つておるのでございますが、この補償の規定につきましては、従来この減船、整理許可の取扱いといつたようなことにつきまして、補償すべきであるかどうかといつたような点が問題になりまして、政府といたしましては、これは憲法の二十九條に基きまして、補償の義務があるということを決定して、その内容につきましては、具体的に以西の例にとりますと、大体遠洋権の問題と船舶の保全費の問題と、労務者の衣食手当といつたような事項を予定いたしまして、関係当局と具体的に折衝をしておるのでございまするが、何分金額といたしましても、それから整理の関係から申しましても、一年で全部これを支出するといつたような関係が困難でありましたので、現在のところは三箇年くらいにわたつて交付するといつたようなことの話合いで進んでおるのでございまして、そういつた方面におきまして、初年度の金額というものをその項目の別をいかにすべきであるかということにつきましては、まだ関係方面との話合いと申しまするか、承認が得られませんので、一応その話合いがまとまつたところで、政令の具体的内容に織り込んで参りたいというふうに考えた次第でございます。従いましてわれわれといたしましては、はつきりとこの法律の規定にいたしたかつたのではございまするが、以上申しましたような経過がございますので、やむを得ず政令できめるというふうな規定にいたした次第でございます。
○川村委員 簡単に二、三お伺いいたします。ただいま法案の内容の説明の中に、稚魚の濫獲防止、もちろんこれはそうしたような政策をとらなければならないのは当然でありますが、まずそれには第一に、以西底びき網を整理する。第二に来るべきものは以東底びき網それから漸次沿岸漁業にも及ぼすというふうに説明されましたが、今北海道におきましては、小型沿岸漁業というものを整理しておるようなことでありますが、これらに類似したものが、以東底びき網漁業として、内地方面にあるかどうか。もしあつたとすれば、北海道同様に、これらも整理する意思があるかどうか、この点をお伺いしたい。
○松任谷説明員 御質問の点は、いわゆる以東底びき網取締規則によりまして、事業を制約する場合におきまして、往復に動力を使つて行う底びき類似船の問題が中心になると思うのでございますが、この点につきまして、現在水産庁といたしましては、底びき網漁業整理の基本対策要綱というものを立案いたしまして、その要項を関係各府県と相談の上実施して参るということで、進行をしておるのでございまするが、その要項によりますれば、要するに許可漁船というものは、極力調整、整理をいたしまして、不健全なものはなるべく落して参りたい。それから不許可船は、そういつた関係において絶滅して行きたい。それからお話のありました類似漁船につきましては、これは地方庁の関係でございますので、極力地方庁の処置におきまして、沿岸漁業との摩擦関係あるいは資源関係といつたようなものを検討の上、適当な数で取締りを実施してもらいたいというふうなことを考えておるのでございます。それで大体の基準といたしましては、十トン未満のものを地方庁の許可にまかせる。すなわち十トン未満の程度の底びき類似船でありますれば、操業範囲というものもおのずから限定されまするし、かつ沿岸との非常に緊密な生産関係にもなりますので、そういつた範囲において、地方庁に極力その整理をやつてもらうというふうな態勢で進んでおるのでございます。それでこの点、地方のいろいろの実情に従いまして、おのずからその対策も異なつて来る場合も多うございまして、お話のような北海道の関係におきましては、そういつた小手繰網漁業というものは、沿革的に申しまして、北海道の一部の地方を除きまして、これを整理いたしまして、正規の底びき網漁業の健全なる発達と、それから沿岸漁業といつたようなものの発達との関連において、考えて行かなければいかぬというようなことからいたしまして、北海道庁と相談の上、実は水産庁として要綱を決定して実施することに相なつたのでございまするが、その他の地方につきましては、今後いろいろと折衝協議いたしました上で、まとまつた案について逐次実施して参りたい、かように存ずるのでございます。お話のように、底びき類似船を、全国的に一概にこれを全部消滅させるといつたような措置をとりますると、いろいろと漁業者の、ことに零細なる漁業者の生活問題あるいは社会問題にもなりますので、その点を愼重に取り扱つて参りたい、かように存じておる次第であります。
○川村委員 次にお伺いいたしたいのは、これも直接この法案とは関係ないと思いますが、いわしの稚魚の濫獲から資源が枯渇することは当然でありますので、もう一点お伺いしますが、ある地方で、いわしの稚魚をじやこと称して、相当濫獲をしておる地方もあるように見受けられるのであります。これらのじやこを濫獲されますと、いわし漁業の衰退を来すことは当然でありますし、大きく言いますならば、いわし資源の枯渇と相なることは当然でありますので、将来いわしの稚魚をじやこと称してとる漁業に対しても、何らか対策を考えておるかどうか、この点をお伺いします。
○松任谷説明員 お話のような点もございますので、実は水産庁内部で、調査研究の関係といたしまして、いろいろと調査をしておるのでございまして、いわし資源に及ぼす影響の程度によりまして、将来この一対策について、善処と申しますか、取締りの関係をやつて参りたいというふうに考えておる次第でございます。
○石原委員長 他に御発言もないようでありますからお諮りします。本法案につきましては、これを小委員会に移して、検討、審議いたしたらいかがかと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議ないようでありますから、御異議がなければ本案を漁業制度に関する小委員会の審議に付することにいたします。
    ―――――――――――――
○石原委員長 次に水産金融に関し、夏堀源三郎君より発言を求められております。この際これを許します。夏堀源三郎君。
○夏堀委員 三月二十七日に水産庁の主催によつて、安本、大蔵省、農林省各関係官庁からの係員も出席して、私及び富永委員も小委員長として出席いたしまして、水産金融小委員会で問題になつておりました、流通関係、金融対策についての懇談会を開いたのであります。会議の結果は非常によい結果を收めたことと私は信じております。すなわち私の小委員会においてしばしば申し上げました荷受機関、出荷機関及び仲買いに対する、統制より自由販売に移行する段階におきまする混乱を、いかにして防止するかというこの問題の解決点を、金融によつて何とか防止しようとする案のとりまとめをいたしたのであります。それによつて、結局現金によつてのみの決済ということは、この際非常に困難でありますので、北海道で今行われておりますにしんの決済方法、すなわち手形によつて決済するという方法であります。この問題も小委員で取り上げて一応委員会の決議の形になつて、政府の方へも要望しておつた問題でありまするが、幸いに日銀主催の函舘の会議において、その問題に円満に妥結を見出すことができまして、統制撤廃後においても、手形によつて大体七〇%程度の金額のそれを現地において決済するということに成功したのであります。この問題は船舶の、いわゆる運搬船によつての積取りということになりますので、非常にこの間に危險が伴つておるのでありまするけれども、これも現地において、手形の決済によつて、進歩的な金融を求めることに成功したということは、非常に私どもは金融機関及び業者の考えの進歩的な点に対して敬意を表しておるのであります。よつて私はそうしたような考え、――日本の生産金融の現状は、非常な危機に瀕しておるのでありますから、この方法をもつて全体にこれを適用することがいいではないか、こう考えまして、出席の各係員の方々とも懇談を進めたのであります。それか出席の皆様方の同意を得まして、大体そういう線で進むことがいいではないか、こういう結論に達したのであります。そこで過般小委員会を開きまして、この問題を再確認し、そうして政府にあらためてこれを要望して、実施する運びとなつたのであります。その案について今朗読をいたさせます。
    〔齋藤專門員朗読〕
 銀総第五〇号
  昭和二十五年四月一日
   大蔵省銀行局長 舟山 正吉財務部長殿
   鮮魚等の統制撤廃に伴う金融に関する件
  生鮮水産物及び加工水産物の統制は四月一日以降完全に廃止されることになつたのであるが、之が取扱業者である従来の公認出荷機関又は公認荷受機関に代る産地問屋、消費地問屋又は仲買人等の金融については、融資準則上左記によることに決定したから、御了知の上各金融機関に対し周知方よろしく御指導相成り度い。
  右命によつて通知する。
  なお従来の公認出荷機関、公認荷受機関は切替後産地問屋、消費地問屋若しくは仲買人としての機能を営むから、これら業者の順位は従来と変りがないので、切替当初において金融上混乱を生ずることのないよう併せて御指導相成り度い。
    記
 一、産地問屋、消費地問屋又は仲買人は卸売機能を営むものと認められるから問屋卸売業として運転資金は「乙」とする。
 二、八大消費地域(別表)及海無県(栃木県、群馬県、埼玉県、長野県、山梨県、岐阜県、滋賀県、及び奈良県)における問屋又は仲買人の運転資金は「甲」とする。
 三、問屋又は仲買人の間において代金決済のため振出した商業手形の割引は運転資金の「甲」とする。
  (別紙)
 八大消費地域
  東京地域
   東京都、但し離島を除く
  横浜地域
   横浜市、川崎市、横須賀市(旧大楠町、旧長井町、旧北下浦町及び旧浦賀町(大津を含まず)を除く。)鎌倉市、藤沢市及び三浦郡葉山町
  名古屋地域
   名古屋市、一宮市、春日井市、瀬戸市、津島市、愛知郡の内天白村、鳴海町、豊明村、知多郡の内、大宮町、大府町、有松町、東春日井郡の内守山町、旭村、小牧町、西春日井郡の内、枇杷島町、新川町及び丹羽郡の内大山町、古知野町、布袋町、岩倉町
  京都地域
   京都市
  大阪地域
   大阪市、堺市、池田市、吹田市、布施市、豊中市、岸和田市、守口市、和泉大津市、高槻市及び庄内町
  兵庫地域
   尼崎市、伊丹市、川辺郡西宮市、芦屋市、武庫郡、神戸市、明石市及び明石郡
  広島地域
   広島市、呉市、佐伯郡の内二十日市町、五日市町、井口村、安佐郡祇園町、安芸郡の内中山村、温品村、府中町、船越町、海田市町、矢野町、坂村、大屋村、昭和村及び賀茂郡川尻町
  福岡地域
   門司市、小倉市、八幡宮、戸畑市、若松市、久留米市及び福岡市
○夏堀委員 ただいま齋藤專門員より朗読いたしました通り、この通牒は依命通牒の形によつて、各財務部長、あるいは日銀等に銀行局長の名によつて発せられたのであります。これでとれまで統制撤廃によつて金融方面が消滅するのではないかと思われたことが、ここに復活以上に強く発動することになつたのであります。特に問屋または仲買人の間においての代金決済のために振出した商業手形の割引は、運転資金の甲とするということもここに明記してありますので、委員会において主張した問題は、ここに一応解決かついたと私は考えております。ただ具体的にこの問題をどう運営するかということが、まだ残つておりますが、なおこの上とも水産庁及び大蔵省より、この手形の運営方法について、一段と強く何かの方法によつてとりまとめをしてもらいたいと考えております。なお各地のブロツク会議を開いて、この前の漁業手形のように、この運営についてどういう方法をやるか、あるいは委員会制度でも設けるか、そうした方面について、何かそこに御意見がありますかどうか、これはどこまでも最後に実を結ぶまでこの問題を取上げて、完全に水産金融の運転資金を、この面から生み出さなければならないと私は考えますが、当局の御答弁をお願いいたします。
○松任谷説明員 配給統制に伴います集出荷金融の措置については、いろいろと御指導にあずかり、銀行当局もわれわれの意見に賛成してくれまして、ただいまお話のありました通牒か出た次第であります。われわれ水産庁といたしましても、小委員会で懇談決定いたしました線に沿いまして、この通牒の実施関係を強力に実施して参りたい。かように存ずる次第でございます。現在配給に関する手形要項について、大蔵省、日本銀行等と協議し、近日中にこれをまとめて、大蔵当局よりさらに具体的の通牒を出していただく線で進んで参つておるのでございます。もしそれが早急に実現できましたならば、さらに地方的な金融機関その他と懇談会等を開き、具体的にその態勢が強力に実施できるように、促進して参りたいと存ずる次第でございます。
○夏堀委員 御答弁を承つて満足しております。私昨日の日曜を利用して、東京の市場及び横浜の市場を調査して参りましたが、やはり私どもの予想通り、取引は非常に混乱し、仲買制度をどう持つて行こうか、また人員をどの程度にしようかということで、毎日会議を開いておる。その取引はほとんど現金以外には行われない、こういう状態になつておるようであります。新聞の報道によると、統制撤廃によつて魚価は非常に高騰したと見えておりますが、実際私の調査によると、たとえば近海のごく鮮度のいいまぐろは、数量にしてわずかに二十本のものが倍の値になつたということであります。北海道方面のたら、特にすけそうだらは前よりも安くなつたし、冷凍魚はむしろ安くなつた状態であつて、大衆魚は値上りしておらない。ほんの一部の高級魚だけが値上げになつたことが、非常に大げさに発表になつておるのであります。こうした点も漁民の漁業経済から言つてぴつたり来ないのであつて、これより値が下つたならば、漁業者は完全に行き詰まつてしまつて、とんでもないことになる。ここに私が調査したことだけを述べておきますが、なおこの際非常に大きな問題があるわけです。それは手数料の値上げ運動が魚市場内に行われておる。六大都市は手数料を一割以内とか、あるいは八分にするとかいう運動が行われております。産地の出荷機関は三分の手数料で甘んじて漁業者に協力しておりますが、その間消費地の荷受け機関は、五分の手数料である。あるいはそれで経営の困難な面もあるかもしれませんが、現在漁業者の立場を考えるときに、問題になつておる地方税、固定資産税のもとに附加価値税等の問題がこれから加算されることになつて参りますので、漁業経済は補給金の打切りと同時に非常に困難になつて参ります。そうした場合、手数料の値上げを一方的にやることは、漁民を非常に犠牲にして、一方が楽をしようという、いわゆる策動的な行動ではないかと考えられる点もあります。しかし私は、実際に企業整備をやらずして、一方的に手数料の値上げをすることは当らないと考えております。たとえば東京の場合でも、二十幾つかの荷受け機関が、統制時代においてもすでに事業的には成立つておらなかつた。なおそれを持続しようというところに悩みが残つておるのであつて、それを漁民の犠牲において、六大都市の荷受け機関のみが楽々として営業を持続しようというところにむりがあると存じます。この手数料の値上げ運動が、あるいは大きくこれから展開するであろうと私どもは予想しておりますので、この場合に当局がどういうことにお考えになつておりますか。ひとつお考えを承りたいと思います。
○松任谷説明員 現在市場手数料につきましては、業務規程によりまして、大消費都市の関係で一割以内の範囲で、開設者の承認によつてきまつておるのでございまして、それが現在五分ということになつておりますことはお話の通りでございます。開設者と申しますのは、これは地方庁の知事が開設者に該当しておりまして、業務規定の運用につきましても、知事が監督をしておるというような現状に相なつておるのでございます。お話のように、現在の消費地の卸売者業が、従来の態勢のままに自由経済に移行するというようなことになりますれば、手数料の引上げの要望が当然起るだろうということか予想されるのでございまするか、卸売業者の関係として、従来の態勢のまま移行するこいうことにつきましても、問題があるわけでございまして、お話になりましたような卸売者業の自主的な整備合理化といつたような関係を、むしろ第一番に考えるべきであろうとわれわれも思うのでございますが、先ほど申しましたように、業務規程の運用の関係は、地方庁の権限でもございますので、この点は地方庁とわれわれと協議いたしまして、生産者に不当な損失を與えないように考慮して参りたい。かように存ずる次第であります。
○夏堀委員 さつき一割以内というのは、何かそういうことにきめられたのではないですか。
○松任谷説明員 現行の業務規程によりますれば、一割以内の範囲内できめるということになつておるのでございます。それで現実に五分ということがきまつておるのでございます。
○夏堀委員 業務規程ですか。そうすると一割以内はやり得るということになるわけですか。
○松任谷説明員 單なる規則上の関係から申しますれば、現在の業務規程の範囲内で、開設者が承認しさえすれば一割以内の範囲内でできるという態勢になつておるのでございます。
○夏堀委員 これはそこで協議をするということですか、東京や横浜ではどうしてもこれをやらなければならぬということで、非常に運動を起すというような形勢になつておりますが、もし御協議なさることであれは、一日も早くこの問題をとり上げて、一応企業整備を行つて行つたあとでなければそれは許可せぬという方向に持つて行つてもらいたいと、こう考えておるものでありますが、いかがでございましようか
○松任谷説明員 お話の御趣旨をよく尊重いたしまして、十分協議いたしたいと存じておる次第であります。
○夏堀委員 これはひとつ委員長から委員諸君にお諮りを願いたいのですが、水産常任委員会としては、非常に今苦境に立ち至つている漁民の犠牲において、一部六大都市の荷受け機関だけが適当な、業務規程によつて、一割程度まで手数料の値上げをするというこの運動に対しては、私は反対の意向を表明しておるのでありまするが、一応委員諸君にお諮りを願つて、この問題の取扱い方法について御協議を願いたいと思います。
○石原委員長 ただいま夏堀君の御発言、一割程度に手数料を引上げる問題を論議することは最も必要と存じます。これを議題といたします。田口君より発言を求められております。田口君。
○田口委員 先般荷受け機関が物価庁その他に対して、手数料値上げの猛運動をしたことがあります。その際、遂に実現しなかつた。その不足財源をどこに求めたかと申しますと、結局到着駅における荷卸貨を従来荷受け機関が負担しておつたものを、生産者に負わした。一箱について四円幾らか――かりに長崎市だけを考えてみましても、一千万円の負担を生産者に転嫁した、こういうような問題が昨年の秋に起つたのであります。これに対しまして生産者といたしましては、ただいま夏堀委員の申されました通りに、生産地の市場が地元の販買手数料を三分でやつております。それから発送した荷物に対しては千分の五いわゆる五厘でやつておる。この程度の手数料で大体生産地と市場というものは成立つているにかかわらず、この消費地の荷受け機関だけが昔のままの人員をかかえて、そして少くとも五分という多額の手数料をとつておつて、それで経営が成立たない。こういうような矛盾があるのでありますから、西の方の生産地としては荷卸賃を生産者に持たせるということは絶対にまかりならぬ、認めない、こういうようなことで再三折衝いたしました結果、どうしても生産者に持つてもらわなければ困る。こういうような問題が起りますから、生産といたしましては、それではひとつ生産者が消費地における荷受け機関を経営しよう。そうして三分なりあるいは四分の手数料で成立つような模範例を示してやろう、こういうことで、大阪でまさに生産者が荷受機関を経営しようとしたのであります。そこまで行きますと、結局消費地の荷受け機関も腰を折りまして、この問題に関する限り、それじや生産者の意向を聞こう、こういうことでまた荷卸賃は荷受機関が負担する。こういうことにきまつておる次第でございます。もしどうしても荷受け機関が手数料を上げる、こういうような問題にぶつかりましたら、生産者にひとつ荷受け機関を許可する。こういうような方向でぜひ牽制していただく、この問題に対しては、夏堀委員の御意見に全然賛成でございまして、絶対に手数料を上げる。そういう処置を講じられないように、ぜひお願いしたいのであります。
○夏堀委員 この問題は非常に重大な問題でありまして、私は一例をあげて、その値上げの当らない点をここにはつきりともう一ぺん申し上げておきます。東京の荷受け機関の中にある会社が、五分の手数料の中から有力な団体に対して、また個人でも入つているかもしれません。荷主に対して一分の歩もどしをしているにもかかわらず、一千何百万円の利益をあげて、七百何万円かの税金をさえ納めておる余裕を持つておるのである。だが反対にある荷受け機関は、荷物が入らぬために、いわゆる手数料を上げなければならぬという状態にあるのであつて、その背後に何かしらこういう整理に対していろいろな手を伸ばしおる者もあるということも聞いております。こういう状態であるのであつて、五分以上の手数料をとらなければ、商売はできないという段階では決してないのでありまして、実際の実情はそうなつておる。これはうそでも何でもないのであつて、調べればわかる。この点も水産庁の方ではよくお含みの上で、強く東京都の方に御折衝になることを希望いたしておきます。
○林(好)委員 ただいまの問題につきまして、私も絶対に反対するものでありますが、要するに今夏掘委員からもお話がありましたように、これは荷受け機関の濫立が大きな原因をなしているものであると思うのであります。最近築地市場に入りました各荷受け機関の集荷実績を調査いたしてみますと、相当荷物を集荷して成績をあげている荷受け機関もありますけれども、たくさんの数の中にはわずか一箇月一万貫か二万貫ぐらいしか集荷しておらなかつた荷受け機関があるのであります。かような荷受け機関といたしますならば、その荷物を無償でもらつても、結局採算がとれないというような結果になるのでありまして、結局荷受け機関の濫立が大きな原因をなしておるものであると思うのであります。さらにまた漁村の経済の状況から申しましても、御承知のように資材に対する補給金は撤廃されまして、また現在の事情から申しますと、労働賃金も当然下らないであります。すなわち高い資材を使つて、従来通りの労働賃金を拂いまして、漁獲いたしました魚は従来の六〇%あるいは七〇%、ものによりましては五〇%にも低落するものもあろうと思うのであります。さらに今回のシヤウプ税制改革案のこの税制法案が通りますならば、附加価値税であるとか、あるいは固定資産税というものが附加されるのでありまして、ほんとうに今後の漁村の経済には、大慌恐が来ると私どもは考えておるものであります。このときにおきまして、消費地の荷受機関が従来の五分の手数料を八分にするとか、一割にするとかというようなことは、まつたく時代に逆行した考え方でありまして、現在の五分でも私どもは生産者が負担することは容易でない、かように考えておりますので、絶対に私どもは阻止、反対をしなければならないと考えておるのものであります。
○鈴木(善)委員 私はこの問題につきまして、動議を提出いたしまして、委員長から決議として政府当局に強く要望されんことを望むものであります。お諮り願います。
○石原委員長 ただいま鈴木君より動議を提出するという発言があります。これを許すことに……。
○冨永委員 鈴木君の動議の内容はまだ承つておりませんが、おそらく夏掘委員からの発言の内容に即応した動議であろうと考えるものであります。もちろん私も賛成するものでありますが、中央卸市場法の改正等に関連しての立場から一応動議を提出される内容の文案を起草する場合の参考に申し上げておきたいと思います。
 今の一割にするということの妥当を得ていないということは、いまさら論ずるまでもないと思います。夏堀さんから先ほど一分というお話がありましたが、現に二分の事実さえも私知つておる者の一人でございます。従つて東京都が市場を監督いたします場合におきまして、一割にするというようなことは、おそらくあり得まいと思いますけれども、夏掘さんの察知した情勢によりますと、あり得るということであれば、むろんこれは警告を発することが必要であろうと考えます。しかし統制下におきましては、水産庁、物価庁その他安定本部等の許可を要請しまして、許可にならなかつた事実もありますが、統制が撤廃されている今日の実情から見ますと、東京都がこの内容を所管することになるのでありますから、先ほども申し上げましたが、そういう妥当でないことにはなり得ないと思うが、万一そういうような場合には、当然産地側はやはり一定の條件を備えて、市場で荷受け機関行為、仲買い行為をすることによつて、当然競争の立場において、これを制圧撤回せしめるということに、おそらくなるのであろうとも考えられますので、ただいま動議が提出されるそうでありますが、その動議の内容、原案につきましては、私よく存じないのにかかわらずかような発言をいたしたのは、そういう点をも考慮せられまして、処置せられんことを鈴木君に希望いたしたいからであります。
○鈴木(善)委員 それでは決議の案文を朗読いたしまして、御審議を願いたいと思います。
  〔朗 読〕
   決 議 案
  六大都市等における水産物卸売業務者間において、卸売手数料等値上げの要望ありやに仄聞するが、政府は生産者並びに消費者の窮状にかんがみ現状以上に手数料等の値上げを認めざるよう速かに適切なる措置を講ずべし。
  右決議する。
以上であります。
○石原委員長 ただいまの鈴木君の朗読しました動議に対して御意見がありましたら御発言を願います。――ただいまの鈴木君の動議に対しては御異議がないようであります。この際この決議案に対して御賛成の方の御起立を願います。
    〔総員起立〕
○石原委員長 起立総員。ただいまの決議を議長に報告いたすとともに、政府に参考送付いたしますから、さよう御承知を願います。
    ―――――――――――――
○石原委員長 次に漁港法案起草に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、前回漁港に関する小委員長より小委員会の成案に関し、報告並びに説明を聽取し、質疑を行つたのでありますが、なお質疑のある方にはこの際これを許します。――別に御質疑もなければこれより漁港法案の小委員会成案の決定についてお諮りすることにいたします。
 一昨日漁港に関する小委員長より報告せられました案中、第四十二條を削除し、第四十三條を四十二條とし、以下順次繰上げましたものを原案としまして、これを本委員会の成案となすことについてお諮りいたしいと思います。採決に入ります前に、右の原案について討論を行いたいと思います。討論の通告があります。中西伊之助君。
○中西委員 この漁港法の立法精神についてはまつたく賛成であります。ことに沿岸漁民、零細漁民が漁港を待望していることは非常に切実でありまして、非常に時宜に適した法案であると考えております。ただ法案の内容でありますが、これは簡單に申し上げて修正点を述べたいと思うのであります。
 大体におきまして、これは関係方面の修正意見の中にもあつたようでありますか、本法は過大な権力と統制権限を大臣に集中し、非民主主義的な方法で中央集権と画一化を策するものであるというような意見があつたようでありますが。これはこの意見に対して賛成であります。
 それで各條についてその理由を申し上げますと長くなりますから申し上げませんが、大体において、官僚が、すなわち農林大臣がほとんどその決定権を持つているような結果になつているようであります。そうして働く漁民自身の意思がこれに代表されていないという点が、本案に対して非常な遺憾とするところでありまして、ことに漁港審議会でありまするが、修正意見といたしまして、大体におきまして諮問機関になつているようでありますが、これを実行力のある決議機関に修正したいと思います。そうしてこれを一種より四種までの漁港管理会、これはあとでちよつと説明いたしますが、その中から第一種、第二種、第三種、第四種おのおの十名の委員をもつて構成するような構成組織を希望するのでありまして、水産庁の長官及び国会議員はこの審議会の中に参加しないということにしたいと思うのであります。
 それからこの施設でありますが、この條文の中には無條件で施設が書かれておりますが、これは大体において第一種から第四種の漁港の條件がいろいろあります。しかしこの條文によりまするといろいろな施設が書かれております、ことに機能施設に至つては、これは場合によれば軍事基地になるような危險があるのでありまして、(笑声)これはお笑いになるかもわかりませんが、前にも申し上げましたが、これはかつて明治維新もやはりそういう形勢があつた。これはなかなかわれわれ日本民族にとつては笑いごとでは済ませないのでありまして、金沢八景からあの辺に漁港が計画されておりますが、あそこでは漁民自身が、こんな所にどうして漁港をこしらえるのだということを言つておりますが、あれは今まで潜水艦もしくは水雷艇の演習場あるいは碇泊場になつていたのでありまして、こういうことに漁港が利用されるということになれば、これはわが国の独立にとつて重大であり、かつ平和を脅かすものだと考えているのであります。これを無制限に、制限をつけないでこういう施設がどこでもできる。一種でも二種でもどこでもこういうふうな厖大な施設ができるのでありまして、この法案によりますと、こういう危險をわれわれは非常に不安に思うのでありまして、これはもう少し具体的に規定をしていただきたいと思います。
 それから修築事業でありますが、これは国庫の全額負担ということにしたいと思うのであります。
 それから漁港管理者、こういうことになつておりますが、この前のときにもちよつと申し上げましたが、どうも漠然としている。そこでもつと具体的に、管理者を民主的な方法で選挙したい、それは漁港管理会として、そうしてその委員は漁業労働組合の代表者、それから漁業法による組合の漁民代表者、それから漁船を漁民のために使用するものの中からこれを選挙するというふうな、徹底した民主的な方法で漁港管理会を組織したいと思うのであります。大体以上でありますが、こういう方法でやれば、少くとも零細漁民あるいは働く漁民、もしくはその他の漁民大衆の利益を代表して漁港が運営されるだろうと思うのであります。これだけを本案に御修正くだされば、日本共産党は全面的に賛成いたすのであります。
○石原委員長 川村善八郎君。
○川村委員 私はただいま議題となりました漁港法案に対し、自由党を代表いたしまして賛成の意思を表するものであります。趣旨につきましては去る一日の本委員会において、專門員より詳細に説明があつた通りでありまして、内容全体は民主的であつて、しかも合理的に計画を立てて、漁港並びにこれに付帶した施設を完全に修復し、それらの管理と運用のよろしきを得て、その目的を達成せんとするからであります。以下賛意を表するおもなる点だけを簡單に申し上げたいと思います。
 これまで漁港の修築等に、いかに漁民または地方民は強い要望がありましても、そのときの官僚の独善と職権、あるいは権力ある者の支配によつて築設されて来たきらいもないのではなかつたのであります。従つて必ずしもその地方の漁業あるいは漁業経済に合致した漁港、あるいは施設であつたとは考えられない点がたくさんあつたのであります。この法案ではこれらの点を一掃して、その目的を完全に達成するために、まず第一に総則におきまして一貫した計画をもつて立案されていること。第二にこれまでは漁港と称するもので数種あつたほか、船入澗とか船だまりとかいろいろな名称はあつたのでありますが、これらを整理して第一種から第四種までとし、農林大臣は漁港審議会の議を経て、かつ都道府知事の意見を徴して、それぞれ利用度によつて漁港の種類を定めて指定することになつている。第三には官僚独善と権力支配等を排除するために、民主的な漁港審議会を設けて、機構の整備計画、または付帶施設計画、その他漁港に関する必要な事項について、関係行政庁に意見を提出することになつたこと。第四には、農林大臣は漁港審議会の意見を採択して漁港の整備計画を定め、これを内閣に提出し、内閣が決定した場合はこれを国会に提出して承認を受けて、漁港の整備計画に必要な経費を予算化せなければならない義務を負われたこと。しかも漁港の重要度に即して国の負担を多くしたこと、第五に、これまでの漁港の維持及び管理または運用等の主体は、おおむね当該地方公共団体、すなわち都道府県並びに市町村てあつたのでありますが、新たに漁業協同組合を指定することになつたこと、その他重要事項等の決定には、公聽会を開いて決定することにしたこと等でありまして、まことに民主的なりつぱな法律であるのであります。従つて以上の理由において、自由党を代表して賛意を表したのであります。
 共産党の中西議員から、審議会は單なる諮問機関であると言われましたが、法文の内容をよくごらんになればわかりますが、單なる諮問機関でなく、ただいま申し上げた通り、審議会の意見を農林大臣は採択しなければならぬという義務に相つたのであります。従つて採択し得ない場合は、その意見を付して内閣に提出される。内閣もこれを承認できない場合においては、国会にその意見を付して提出する。国会でこれを承認するかいなかということがきまるのであつて、決して單なる諮問機関ではありません。言いかえるならば、強い実行力を持つておるということに考えてもいいと思うのであります。従つて大臣はこれを独善的に、どこそこへどういう漁港をつくつてやるとか、あるいは施設をつくつてやるということは絶対できないのでありまして、中西委員の御心配になつておるところは、この法律ですつかり織り込まれておりますから、御安心願いたいと思います。それから国会議員の審議会に参加の問題でありますが、他の法律を見ました場合におきましては、国会議員が委員になることができないとか、道府県会議員が委員になることができないというような規定がありますけれども、本案にはそれは絶対にありません。国会議員は国会の承認を得れば、当然その審議会の委員になることができるようになつております。完全にはうたつておりませんが、国会法のしからしめるところであります。それから第三の軍事基地の問題でありますが、私は中西委員と別な考えを持つております。日本は御承知の通り、憲法第二章によつてもう戰争を放棄しております。戰争を放棄して国は軍事基地の必要はありません。従つてかつての軍事基地であつたところは、むしろ漁業基地に切りかえて、そうして漁業生産に邁進せしめて、日本の食糧問題を解決することこそ望ましいのであつて、従つてこの法案には何ら軍事基地を心配するようなことはないようになつております。もし軍事基地として御心配になられる点がありましたならば、これは先ほど申し上げましたように、審議会に大体の決定権があるといつてもいいのでありますから、審議会は民主的になつておるだけに、軍事基地に再びなされるようなことは御心配ないと私は考えております。それから管理会の問題でありますが、先ほど私が申し上げましたように、今度は漁業協会組合が指定を受けることに相なりましたので、もちろん漁民の意思は十分反映することになりまするし、また管理会には必ず漁民の多数が出るような内容になつておりますから、中西委員の心配されることは全部この法律においては解消されております。私が申し上げるように、真に民主化された、しかも地方の実情に即して法の裏づけがあり、法の裏づけをした以上は予算の裏づけを完全にしなければならぬようになつておりますので、どうか今からでも遅くありませんから、御研究をなさつて、本会議には満場一致御賛成くださるように特にお願いする次第であります。
○石原委員長 次に林好次君。
○林(好)委員 本法案は第一條の目的にもありますように、時宜に適した法律でございまして賛成いたしたいと存じます。ただ一部私は希望條件を付して賛成いたしたいと存ずるのでございます。小委員長の御説明によりまして、現在の国家財政におきまして、これ以上の国費の負担をいたしますことは、まことに困難な事情のようでありまして、小委員長のお骨折りに対して、私どもは感謝するものでございますが、今後国の財政が許しますならば、国費の負担をぜひ増額していただきたいという希望を持つておるものであります。もちろん今後の漁村の経済は、先ほども申し上げたように、容易でない情勢にありますし、また関係市町村においても、多額の負担をするということは、現在の市町村財政から見まして、非常な困難な事情にありますし、直接の受益者といたしましても、今申し上げたように、多額の負担をいたしますことは非常に困難な事情にありますので、なるべく近いうちに国の負担を増額していただきますように、希望條件を付して賛成をいたしたいと思います。
○石原委員長 これにて討論は終結いたしました。
 お諮りいたします。本案を当委員会の成案と決定いたすに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立)
○石原委員長 起立多数。よつて委員会の成案といたすに決定いたしました。
 続いてお諮りいたします。本成案を委員会提出の法律案として議院に提出いたしたいと考えます。これに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
○石原委員長 起立全員であります。よつてさよう決定いたしました。なお字句の整理に関しましては、委員長に御一任願いたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十八分散会