第007回国会 農林委員会 第33号
昭和二十五年四月二十一日(金曜日)
    午前十一時十九分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 野原 正勝君 理事 八木 一郎君
  理事 藥師神岩太郎君 理事 山村新治郎君
   理事 井上 良二君 理事 山口 武秀君
   理事 吉川 久衛君
      足立 篤郎君    宇野秀次郎君
      遠藤 三郎君    小淵 光平君
      河野 謙三君    中村  清君
      平野 三郎君    渕  通義君
      守島 伍郎君    足鹿  覺君
      石井 繁丸君    上林與市郎君
      坂日 主税君    高田 富之君
      横田甚太郎君    小平  忠君
 出席政府委員
        農林政務次官  坂本  實君
        農林事務官
        (農地局長)  山添 利作君
 委員外の出席者
        議     員 江崎 真澄君
        農 林 技 官
        (畜産局競馬部
        長)      井上 綱雄君
        專  門  員 岩隈  博君
        專  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
四月二十日
 委員小林運美君辞任につき、その補欠として椎
 熊一三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月二十日
 競馬法の一部を改正する法律案(江崎真澄君外
 十五名提出、衆法第一八号)
 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基き、
 輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第五号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 国有林過伐防止に関する陳情書(北海道岩内郡
 岩内町長清水武夫外六名)(第八一五号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件。
 競馬法の一部を改正する法律案(江崎真澄君外
 十五名提出、衆法第一八号)
    ―――――――――――――
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 昨日江崎真澄君外十五名提出による競馬法の一部を改正する法律案、及び内閣提出による地方自治法第百五十六条第四項の規定に基き、動植物検疫所の出張所設置に関し承認を求めるの件がそれぞれ本委員会に付託に相なりました。以上御報告いたします。
 それではただいまより競馬法の一部を改正する法律案を議題とし、その審査に入ることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではただいまより競馬法の一部を改正する法律案を議題とし、その審査に入ります。まず提出者の提案理由の説明を求めます。江崎君。
○江崎真澄君 ただいま御審議を願います競馬法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して提案理由の説明を申し上げたいと思います。
 この競馬法の一部を改正する法律案は、前国会におきましても、すでに提出をいたされまして、当農林委員会におきましては、格別熱心に御審議を煩わした次第であります。以来継続御審議を願つておりましたのは、設置の場所とか、その他いろいろ準備、受入れ態勢等におきまして不備の点ありというので、委員各位の御心配を煩わしておつたのでございますが、このほど委員長初め委員各位におかれまして、格別のごあつせんを賜わり、ようやくにして結論を得たのであります。そうしてここに再度提出の運びに至りましたことは、私ども提案者といたしまして、心から感激をいたしておる次第でございます。
 現行競馬法におきましては、国営競馬場として、札幌、函館、福島、新潟、中山、東京、横浜、京都、阪神、小倉及び宮崎の十二箇所が規定されておることは、御承知の通りでありますが、今般この法律案参を提出して、新たに中京地区に中京競馬場を設置せんとするものでございます。
 その理由は、第一に、勝馬投票券の売上げ金額の増大により、政府収入の増加をはかることでございます。
 第二には、先ほど申し上げましたように、現行競馬法には十一箇所の国営競馬場が規定されておりますが、その実情は戦時中における設備の荒廃、交通事情その他の理由によりまして、現在競馬が実際に開催されておりますのは、札幌、函館、福島、中山、東京、京都、阪神及び小倉の八箇所にすぎないのでございます。この八箇所の競馬だけでは、馬主、調教師、騎手その他関係者の経済的負担が重過ぎますので、これらの経済的負担を軽減し、競馬の健全なる発達に寄与したいと思うのであります。第二には、現在横浜より京都の間に国営競馬場がございませんので、関係者はその距離が遠いために、非常に不便を感じておると承つておりますが、中京地区に競馬場を設置することは、ちようどその中継場所ともなりまして、関係者の便益をはかることができると存じます。
 以上三点がこの法律案を提出した理由の大要でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決せられんことを希望する次第でございます。
○小笠原委員長 これにて提案者の提案理由の説明は終りました。引続き質疑に入ります。
○野原委員 ただいま競馬法の一部を改正する法律案に対する提案の理由の説明を承りましたが、その説明できわめて明白なことく、中京地区に競馬場を置くということに対しましては、われわれもすでに十分その必要を感じ、またその設置をすることが、きわめて当然であると考えておるのでありまするけれども、この問題に関しましては、かなり以前から問題になつておりまして、要するに地元においてたくさんの地区で、この設置に対して非常な競争もあつたという点で、非常なせり合いになつておつたのでありますが、今提案者の事情を承りますると、地元におきましては、すでにそれらの競争の関係もいろいろとお話合いがついたというような大体のお話でございますが、一体どんなぐあいになつておるのか、その辺の事情を、もしできますならばもう少し具体的にお伺いいたしたいと思います。
○江崎真澄君 お答え申し上げます。たいへん御好意のあるお言葉でございまして、提案者といたしましては、今日までせつかく中京地区に競馬場を設置したいという念願を持つておりながら、あまり候補地が多いために、船を山に上げてしまつたという感がありました点につきましては、いかにも顧みて恥としておるような次第でございます。しかしすでに前国会以来引続きまして、農林委員長初め、代表委員のお方たちが、大体愛知県の中京競馬場の候補地としてあげられました五箇所を、つぶさに御視察を賜わり、のみならずその視察を終えました結果、それぞれ一長一短あり、しかし幸いにして先般委員長の御裁量を得まして、われわれ中京競馬場候補地五箇所の代表者が一堂に参集をいたしまして、そうして委員長の公平なる御裁断を得たのでございます。まず候補地として第一番に一宮の競馬場候補地を指定し、第二番目としては春日井市の競馬場候補地を指定する。そうして第三番目の候補地として大府、守山、鳴海というようなものを指定しようじやないかという御裁断でございます。そうして地元におきましては、この五音が三つに限られたわけでございまするが、この三位にわけられたそれぞれの候補地が相協力をいたしまして、そうして第一の候補地は大体九月ごろまでを目途といたしまして、たとえば農地の交換分合であるとか、あるいは今日まで競馬場設置のために要する坪数十万坪以上というような、厖大な土地をまとめて、関係筋と十分了解を得る。そうしてもしこの第一候補、第二候補、第三候補、それぞれが了解を得ない場合には、妥当な線にお互いが協調をして、とにかく中京地区の五つの中から、適格なものがあるはずであるから、一応まとめたらよいじやないかという、委員長のきわめて御理解ある御裁量を得たような次第でございます。そこで地元におきましては、一つの紳士協約といたしまして、候補地はそれぞれ相協力しまして、一つに集場中して、とにかく一箇所を設置することにお互いがそれに協力する。もしまたこれがいよいよ不適格というような場合には、次の第二候補地に対して全体が協力するという建前で、地元としては円満解決を見たような次第でございます。そこで荏苒そういう交渉に日を送つておりますと、せつかくおまとめをいただきましたこのお話も、途中競争がまた激烈になつたり、あるいはまた他の何らかの策動などの乗ずるところとなりまして、せつかくのこの委員会における御苦心も支障を来すようなことがあつては相ならぬ。そこでこの競馬法は、一応は中京競馬場として提出をして、皆様方の御審議にあずかりたい。かような建前で提出しておるような次第でございます。
○藥師神委員 大体われわれはこの原案に反対はないのでありますが、なお念のために承つておきたいと思うことは、大体今提案者からの御説明によりまして、これが遂行に誤りがないとは存じますが、われわれは親しく現地を見せてもらいまして、一長一短はよくわかつておるのでありますが、問題は、この競馬法を中心として考える場合においては、つまり交通の至便ということがまず大きな条件であり、なおまた地元の負担が相当かさむのでありまして、これに耐え得るということも、一つの大きな要件であると思います。なおさらに整地費あるいは土地の買収、こういうものについて非常に懸隔があると思うのでありまして、でき得るだけ購入費も安く上るし、整地費も安く上るということが理想でありますが、この三拍子がそろうということはなかなか容易なことでないのであります。そういうこまかい点はわれわれにもわからぬのでありますけれども、大体提案者の方では、概要の見込みが立つていやしないかと思うのであります。これをかりに一宮の場合においてはどれくらいな経費を要するのか、あるいは春日井の場合においてはどのくらいな経費を要するのか、この点を私たち参考のために、概要でよろしいから承つておきたいと思うわけであります。私たち現地を見ました上からいつて、まず委員長の裁定と申しますか、地元の自主的のお話合いと申しますか、それは大体われわれの考えておる線におちつくような気持はするのでありまして、総体的には異議はないのでありますが、ただ国営としてやります場合においては、今言つたような経費の点に大分差異があるのではないかと思うのであります。こういう点をまず参考のために承つておきたい、かように思うわけであります。
○江崎真澄君 ごもつともな御質問であると思います。実はこの競馬法改正の提案者は、愛知県の代議士ほとんどがこれに参加をいたしておるような次第でもございまして、この場所等の設定につきましては、これは当然地元の代議士が、十分責任を持つてあつせんをし、自主的に紳士的に話合いをして、皆様方の御期待にこたえたい、かように考えております。大体この建設の計画というものは、金詰まりの昨今におきましては、いろいろ憂えられる点も、御質問の通り確かにあると思います。しかし大体この中京地区は、産業的に見ましても、比較的全国の中心地でございまして、やはりそういう資金の募集とかいうようなことを民間に訴えて参ります場合にも、よその地区よりは、比較的楽に行くのではないかというような見通しも立つのであります。当初私どもこの競馬場を建設するに際しまして、いろいろ専門家の人たちとも相談をいたしたのでございます。その工事費の概算を示せというお話でございますが、大体これは小さく見積りましても、そういう建設資材方面の物価がある程度下つて参りましたとはいいながら、二億円程度は要するのではないか、かように考えておるものでございます。大体この二億円程度のものでどんなものができるかと申しますと、建物はスタンドが木造の二階建、収容人員は約二十五万ないし三十万程度、それで投票券の発売所及び払いもどしの場所、窓口が約五百程度は必要ではないかと思つております。事務所、食堂、売店とか、馬の治療所あるいは厩舎を数棟用意しなければならぬと思つております。それからまた住宅等も十数戸を要するというふうに考えます。厩舎のごときは、やはり大体四百頭くらいは収容し得るものをつくらなければならぬというようなことも考えておるようなわけでございます。これに要する費用は二億円、そこで当然これは名古屋を中心といたしまして、たとえば第一候補地になつております一宮のごときは、全国の毛織物の約七割を生産するという、きわめて産業的には殷賑をきわめておる場所でございます。自然名古屋、一宮あるいは春日井その他そういう産業地の資力を、あげてこの設備に向けて行きたい。そうして民間においてこの設備をし、同時にこれを国家借り上げて、国営競馬をしていただくようなかつこうになると考えておるのでございますが、当然これは中京競馬場という銘を打つて出ます以上は、私ども提案者にはほとんど地元の代議士が参加をいたしておりますので、これらと協調をいたしましてれ今日三億円といえば決して少い金額ではございません。相当将来難関も予想せられるのでございますが、これは提案者において十分責任を持つて建設に邁進をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○藥師神委員 詳細な御答弁であつたのでございますが、私のお尋ね申し上げたのはちよつと違うのであつて、提案者としてはちよつと申されにくいものがあるとは思いますが、具体的に私どもから言つてみると、一宮は交通の便、位置というものから見ると、非常にいい所であるから、地価も高いしするじやないかと思うのです。春日井の山の位置なんかからすると、土地の格がたいへん違う。それに付随して、土地代は安くても整地場費が非常にかかる所もあれば、土地が高くても整地費は少くて済む所もある。それを一宮の場合、あるいは春日井の場合において、建物とか何とかいうこと以外に、そういう経費にたいへん違いがあるのではないか。これはちよつと提案者にはデリケートなものがあるから、お話しにくいかもわからぬと思うのですが、さしつかえなければ、その大要参を承つておきたいと思う。なおまた一つは、今お話のようにたいへんな構想で、二十万人を収容するような大きな競馬場、これは新式な優秀なものが出て来るのが理想であるが、大体昨年の東京競馬のダービーのときの、入場者の一番多いときでも六万くらいが最高だと思つておる。たいへんな計画のようでありますが、その辺はどういうものでしようか。
○江崎真澄君 ごもつともな御質問でございまして結局各地区それぞれごらんをいただいた通りでございまして、せつかく委員長の御裁量によりまして、今第一候補、第二候補、第三候補と三箇所におきめをいただいたのでございまして、私どもこの順序によりまして、自主的に検討を進めて実現をはかりたい。また関係筋等の農地その他に対する意向なども参酌いたしまして、決定をいたしたいと思つておる次第でございまして、今ここで私が申し上げますよりも、すでに実際の現状を見ていただきましたので、どの競馬場がどういうふうで、整地費がどういうふうだということは、その視察の委員の方たちの御報告に対して、もう一度お尋ねをいただくことの方がよいのではないか。むしろ私どもとしては、委員長の第一、第二、第三候補というこの理由のよつて来るものが、自然整地費であるとか、あるいは土地のあり方であるとかいうようなものの考慮の結果ではないか、かよう私ども考えておるという方が、率直な御答弁だと思います。なおまたただいま私が二十五万ないし三十万と申しましたが、まことに御説の通りでございまして、新しくできる競馬場であるから、極力理想的なものをというので、これは最初理想的な線に沿つて、全国に申分のない、それこそ府中、中山寺にも匹敵するような競馬場を建設したいというので、專門家と相談した線でございまして、現実的には十万程度ということになるかとも思います。これは当初の理想建設の一端を私は申し上げたわけでございまして、その点御了承を願いたいと思います。
○井上(良)委員 この際ちよつと政府当局者に伺つておきたいと思います。それからもう一つは提案者に伺いたい。
 第一、中京というのは、区域はどこからどこまで中京というのか。これは先般この問題が、この前の委員会にかかつたときも議論をせられたのでありますが、まず通称中京と言えば名古屋をさす、こういうのがわれわれの考え方であります。ところがその中京競馬というと、名古屋を中心にして、かりに十里四方という円が描かれるところを中京というのか。そうなると、これに岐阜もかかつて来る。岐阜の方にも実は中京競馬場の候補地として、適当な場所を要求しておる所もあるのです。だから中京というのは、一体どこからどこまでを中京というのか。これは非常に抽象的な地区名で、はなはだやつかいな解釈になりはせぬかと思うが、それを明らかに願いたい。
 それからもう一つは、競馬場設置の問題でございますが、たしかに農地改革に関連して、競馬場設置には農地がつぶされるということが非常な問題になつておりますが、かりに競馬場の予定地に農地が相当つぶされるという場合には、農地局としては、一体どういう考え方を持つか。確かにこの点に対しては、司令部の方からも相当やかましく指示されておるのじやないかと思うが、かりに今お話のように、一宮が非常にいいということでございますが、一宮の実情は、御存じの通り六万坪ぐらいじやないかと思う。そこで多少その付近の耕地を交換分合その他によつていたしましても、相当ここでは敷地の面で問題がありはせぬかということが一つございます。その場合ここで農地をつぶすという場合、一体農地局としては問題はないかどうかということを、農地局長に伺いたい。
 その次は、今薬師神君からも質問がございましたが、整地費の問題です。実際はこの競馬場の設置に、相当大きな整地費を要しますので、この点がどういう状態になつているか。それからこの競馬場の設置については、政府は一体政府直営で、競馬場を設置しようとするか。それとも、もしかりにやるとすれば、阪神競馬のように、民間の競馬会社というものによつて別に設営させて、それを政府で借り上げようとするのか。その場合、政府でかりに中京に競馬場を設置するとすれば、普通理想的なもので、どのくらいの資金を要し、その資金のわくはどういう状態のもとに出されるかということ、かりに適地がございましても、また整地費その他工事費が安く済む所でありましても、要は馬券の売上げが問題でございますから、やはり交通という問題が非常に重要になつて参りますが、これら交通の関係から、適当な地域を選ばなければならぬことはもちろんです。
 それからいま一つの質問は、競馬場設置という問題は、これは農林委員会が関与すべき問題ではございません。御存じの通り国会は法案を審議し、法案を採決いたしまして、法律をつくるところでありまして、つくつた法律をだれが執行するかといえば、政府が執行するのであります。従つて政府の執行したその行為に対して、妥当であるかどうかということについては、われわれ国会議員としては、これに対する十分な監督権を持ち得るのであります。そういう面で、国会が自分がこういう法律をつくるが、この法律は一体適当なりやいなやということについて、具体的な実情も調べ、いろいろな関係から、ここに競馬場を設置した方が適当なりという参考のために、いろいろなことの実地を調査し、諸般の情勢を考慮した上で、法律を制定するのでありまして、制定しました以上は、その執行は政府がやる。政府が適当と認める所について考慮されたらいいと思いますが、その場合、政府としては、一体現在、たとえばうわさに上つております一宮なり、また春日井なり、その他の候補地がございますが、これらの候補地のどちらを適当と考えるかということを、伺いたいのであります。
○坂本政府委員 お答えを申し上げます。まず今回議員提出によりまして、名古屋を中心とする地帯に国賞競馬場を建設したい、こういう法案なのでありますが、もとより私どもといたしましては、法律に規定をいたしまする以上、地点を極力明確にするということが必要であると思うのであります。これらの点につきまして、第五国会にこの法案が出ました際にも、いろいろ論議をされたところであります。しかしながら議員側におきまして、この法案について、いろいろ司令部その他の折衝もせられ、さらにまた地元におきましても、いろいろの御相談もあつたようでありまして、今提案者からいろいろ詳細の御説明もあつたのでありまするが、かような意味におきましては、あるいは中京という文字を使うこともまたやむを得ないのじやないか、かように実は考えるのであります。なおまた御指摘のありました通り、この法律が可決をいたされまして、執行するという場合におきましては、当然農林省におきまして、その候補地の一つ一つを十分仔細に検討いたしまして、どれがはたして最も適切な地点かということにつきましては、十分調査もいたす所存でございます。なお経営につきましてのお話でありますが、もとより国営競馬であります以上、国費を投じましてこれが施設を行いますることは、当然のことでありまするが、これは予算その他の関係もありまして国費を投じて施設をすることが理想ではありまするが、はたしてさようなことができるかどうか、これも今後において十分検討しなければならないのであります。今日の国家・財政の建前からいたしまして、かような予算的措置が不可能でございまするならば、民間におきまして、あるいは競馬会社等もつくつて、そしてこれらの施設をしていただくということもあろうかと思うのでありまするが、われわれの考え方といたしましては、相なるべく国費をもつてこれらの施設をいたしたい、かように思うわけであります。なお足りない部分につきましては、事務当局から御説明を申し上げます。
○山添政府委員 農地の関係につきましては、現在方々で競輪場ができておりますが、これについて一般的な基準をきめております。それによりますると、原則として農地をつぶさないのでありまするが、かりにどうしても一部農地にひつかかるという場合におきましても、全体の面積の百分の三以内であるというふうな基準を設けておるのであります。農地に関する問題は、具体的な候補地について検討いたしたいというつもりでおります。
○井上説明員 交通の問題のお話だと思いますが、競馬開催の場合、いずれの地が最も交通の点がいいかというような御質問だつたと思います。これは具体的になりましたら、私どもといたしましても、なお詳細に調査する必要があると思います。ごく常識的に申しまして、現在おあげになりました候補地の中では、一宮が最も交通状態がよろしかろうということが言えると思います。且し先般農林委員長がお出かけになりましたときに、私どもがおともしたような次第でありますが、その場合の敷地につきましては、相当電車その他のことを考えていただく必要があるということは言えると思います。
○井上(良)委員 次に勝馬投票券の売得金の政府納金の問題ですが、御承知の通り、競馬が競輪と競合してしまつて、競馬の方の売得金が減つて行つておる。これは競馬の方が三分の一ですか、政府納金のこまかい数字がきまつておりますが、それを競輪と同列にしなければとてもいかぬというところから、政府当局も競輪並にこれを引下げるということをいろいろ考えて、改正案を出すように準備をされておるという話を聞いておりますが、それは一体どういう経過になつておりますか。このままでやりますれば、競馬はますます損をすることになりはせぬか、先般行われました京都競馬でも、売上げか激減しておるのです。こういう状態のもと品に新設競馬をつくるということは、非常な危険が伴つて参りますから、そうういう点について、どういう手を政府は考えておるかということ、それから先般も私は申したのですが、われわれが競馬を国営でもつて経営するのは、少くともわが国の畜産を奨励するという大きな目的で経営しなければ、意義がないという点から、この売得金の政府納金の中から、三分の一は畜産の奨励に使うというふうに、この競馬法改正をして、この法律は実施されておる。実施されておるのにちつとも予算的措置は講ぜられない。一体どういうことになつておりますか。政務次官にこれを伺いたい。政府はあまりに怠慢ではないですか。そんなことで勤まりますか。
○坂本政府委員 まず質問の第一点でありますが、競輪と競馬との関係におきまして、国家が徴収いたします税の関係において、差等があるということは不都合であるという御見解、まつたくわれわれも同様に考えておるのでありまして、何とかひとつ同率に、これを引下げてもらいたいということで、大蔵省とも折衝をいたしたのであります。われわれこの主張が当然と考え、また通すべくいろいろと努力いたしたのでありますが、ただいままでには実は結論が出ないのでありまして、なお今後ともこれが貫徹には十分に努力して参りたいと考えておりますが、まだ法案を提出するに至らないことははなはだ遺憾に存じます。なおまた競馬によつて得ました売得金の三分の一を、いわゆる畜産奨励のために使えということは、過般議会におきまして、議員各位の修正によつてできたのであります。この点につきましては、しばしばお答えも申し上げておると思いますが、その御趣旨の点もよくわかつておりますし、また大蔵省難局につきましても、この立法の精神を十分伝えまして、畜産に要します経費を、これらの売御金と見合つて確保いたすように努力いたしたのでありますが、法文上の解釈も、いろいろ広義の解釈あるいは狭義の解釈等もありまして、必ずしも大蔵省と見解を一にするに至らないのであります。しかしながら、畜産振興に要します経費の考え方につきましても、一部あるいはこれを家畜共済その他におきましても、相当の予算を計上いたしたのでありまして、かような面から見まするならば、少くとも御趣旨の全部ではないまでも、一部は還元できておる、こういう見方もあると思います。なおこれらの予算の獲得につきましては、さらに一層の努力をしたいと考えます。
○高田(富)委員 これは政府に伺いたいのでありますが、今までの十一箇所の国営競馬において、大体年にどのくらいの国家収入を上げておるのでありますか。それから今度できます中京のものには、どのくらいの収入を予定しておりますか。
○井上説明員 ただいま実は手元に資料を持つておりませんで、配付するわけには参りませんが、ごく概略を申し上げますと、国営競馬の全体をもちまして、約二十二億の収益を予定しております。それから愛知県に設置せられる競馬場につきましては、実はまだ具体的に、私どもの方としては数字をあげて考えたことはないのでありますが、あらましを申し上げますと、一日三千万円ぐらいの売上げがあるであろう。従つて八日やりますと二億四千万円で、その三倍が総売上げになるといたしますと、二億四千万円の三倍でありますから七億三千万円、それに対しまして御承知のように三割六分程度の総収入があることになります。経費の点につきましてはこの競馬場ができ上つた上でなければ、いろいろなことがございますので、ただちにここで御答弁申し上げかねるのであります。
○高田(富)委員 先ほど提案者の御説明によりますと、まず地元で負担して、施設等をつくつて、それを政府が借上げるというようなお話でありましたが、政府の方としては、将来必ずできたあとで、会社等の経営に終らないで、政府が借上げて直営するという、はつきりした見通しなり、約束を持つておるのですか。
○坂本政府委員 私からお答え申し上げますが、この競馬場の施設に要します経費につきましては、予算的な措置ができますならば、当然国費を投じてやるということになると思いますが、かようなことができない場合は、民間会社によりましてこれらの施設を行い、これに対しましては、もちろん政府が借上げをいたしまして、公正な賃貸料を払うということになろうかと思います。これは阪神競馬の例もあるのでありますが、物価庁におきまして、いわゆる公定相場というものを算定をいたしましてこれで政府が借上げることになるというふうに考えております。
○高田(富)委員 しかし政府はそれだけの収入の予定があり、確実にこれは国営競馬場一箇所を創設した方がいいという見通しがあるならば、何も先に予算の見通しも何もないのに、一たん民間にやらしておいて、それから場合によれば資金の都合で政府でやるということでなくて、やるならば、初めから資金的な予定をつくつてやるべきだし、やらないならば、はつきりやらないというふうのでないと、非常に不明朗といいますか、政府の自発的な意思でやるのか、地元の要望によつて、やむを得ず引きずられ引きずられ政府がやるのか、どうもそこが不明朗である。議員提出だということになりますと、政府の方ではつきり、これは資金上、予算上政府としてはもうやれないということで、議員提出の形をとつているということになりますと、国家的見地よりも、むしろやはり地元的な見地の方が、非常に強いという感じを受けるわけでありますが、この点についてはどういうふうにお考えでありますか。
○江崎真澄君 一応確かに疑問に思われるような点だと思います。しかしながら、これは大体中京地区競馬場をつくるという地元の非常な熱意に発するのでございます。今日国家財政がきわめて、窮乏の極にあることはお互い周知の事実でございまするから、競馬場設置に格別の熱意を持つ以上は、この熱意のほとばしりとしてでも、地元において自主的に、自発的に受入れ態勢をつくつて行こうというところに発するのでございまして、別にそれが地元のいわゆる利権に連なつたり、あるいは地元中心の考えに連なつているものではございません。のみならず、また中京競馬場として設置をお願いするゆえんのものも、ちようど先ほど井上委員からも御説明があつたのでございますが、結局受入れ態勢―熱意と申しましても、金額も相当要するのでございまして、それにはお互いがどろ試合を演じ、誘致に奔命しているようなことはかえつて不明朗だ、むしろここに委員長の視察の結果の御指定があるならば、協力をして適当な場所に最後にはおちつけたい、ただしこの資金の面等におきましても、そういう不明朗を排しまして、五箇所が三候補地として上つているならば、それぞれの設備主といいますか、資金主になりまして、協調をしたいというようなことを、考えておるような次第でございまして、きわめてこれは熱意のほとばしりで、われわれの計画ができているものである、かように御承知を願いたいと思います。
○小笠原委員長 ちよつとこの際委員長の名前がたびたび出ますから、御了解を得るために申し上げておきます。この問題は、御承知の通り委員会の方で前々からの問題でありまして、その際から地元の競争や紛糾のようなことのないようにという注意で、一時これは押えておつたのでありますが、その後におきまして、五箇所の候補地が出て参りまして、それを見てくれというので、委員会から、皆さんの御同意によつて代表者を選んで、二、三回視察したようなわけであります。その後においてもまとまりませんから。県の知事並びに関係者の方々に一堂に集まつていただいて、どうか地元でこの場所を公平な選定をするようにと言つて、県の方に要望しておつたのでありますが、とうてい県の方は、県会議員その他の関係でまとまりがつかぬということで、またもどつて来て、こちらで選定してくれということでありました。これはもちろん法的根拠のあるものでなく、参考でありますが、多少私たちもその道に経験があるので、依頼されたものと心得て、政府当局とよく協議をいたしまして、それではこういう順位にしてまとまる方法はないかということで、みんな呼んだところが、皆さんでそれが円満に解決がついたような関係になつております。なおまた高田君の御質疑にありましたように、政府は政府で自由にやつたらよさそうなものだし、民間にできてから政府がそれに応ずるのは不明則だというような御質問もあつたようでありますが、一応のりくつとしては、そういうふうにも考えられますが、御承知のように競馬場というものは、政府が馬を持つておるわけではない、みんな地元の熱意によらなければ、競馬場が設置をしても実行に困難を来たすので、やはり地元の熱意というものをまつ先に置かなければならぬということは、御承知であります。そういう意味で、最初第一回にこれを提案されたので、質疑等も十分された結果、そこへ抑えておつたのが、今度また円満に行つてここへ提案されたというような経過でありますから、その点を元の委員とかわつた方々もありますから、ここに私の方から御参考までに申し上げておきます。
○高田(富)委員 その問題で実は聞こうと思つておつたわけでありますが、委員長がそういうことの中に入つて、委員長の裁量によつてきまつたというさつきの御報告でありましたが、そうすると、初めは、委員会として正式に承認を得た代表者が行つて実情を調査した、その後の行動は、委員長個人として動かれたというわけですか。
○小笠原委員長 私個人ということになりますと、委員会の委員の方々の御意見を個々に聞いてみて、大体円満にするには、適当な位置で、だれにでもこれは候補地にいいということで、皆さんの個々の意見もとりまとめた関係もありますので、正式の委員会ではありませんけれども、私のやつたことも一つの参考でありますから、こういうことで地元はまとめたらどうかということに提案して、地元が自発的にまとまつた、それに政府の方の競馬部長も、畜産局長も加わつて、ここに参考に提案したところが、衆目の見るところごもつともなことだということで、自発的にまとまつた、こういう経過であります。
○江崎真澄君 今ちようど委員長から御答弁があつた通りでございまして、私どもも、委員長のきわめて参考になるいい意見を承つて、自主的にこれを円満に持つて行こう、先ほど申しましたように、相当設備も要するし、あるいは馬主と申しますか、馬を持つている人たちの融和ということもなければ、中京競馬場の将来の繁栄ということは考えられませんので、そこで円満に行こうじやないかというのでございまするから、これはそのようにひとつ御了解を賜わりたいと思います。
○高田(富)委員 政府当局に私からお伺いしたい。最近競馬だの競輪だのが大分人気者になつたのであります。これば今お間きしたように、地方自治体なり、国の収入としてもあるわけでありますが、一体競馬の本来の目的は、さつきお話がありましたように、畜産の奨励とか、そういつたようなところにあつたと思うのです。しかし現在は、おそらく質のいい馬をたくさんつくらせるというようなことを目的としたものではなくて、もつぱら財政的な収入を目当てにする方が、目的になつておるのではないかと考えられるのです。ところが、これがあまり最近ははやり過ぎて、しばしばあつちにもこつちにも、たいへんな問題を起したり、非常に国民の思想的、道徳的な方面にも悪影響を及ぼして来ているし、賭博は犯罪にあらずというような判決までも、東京の地方裁判所で出したとか、出しそうだということが問題になつて来ている。非常にこれは、そういう点では戦後における頽廃的な、国民の射倖心をとらえたやり方でありまして、全体の国策の観点から、すこぶる憂慮すべき方向へ行つているのではないか、こういうようなことが考えられるわけですが、政府の考えとして何もこういうことをわずかな財政上の収入を目当にして、この方向を進めて行くことがいいと考えておられますかどうですか。この点をお伺いしたい。
○坂本政府委員 今お話がありました、競馬であるとか競輪であるとかいつたようなことにつきましては、これが時代の風潮とでも申しますか、とかく賭博的なことになりがちだということにつきしては、われわれも非常に憂慮をいたしております。しかしながら、元来競馬というものは、先ほどもお話が出ましたように、どこまでも畜産を振興いたします一つの方法であり、なおまた健全なスポーツを奨励するという意味におきましては、健全な娯楽としても意味のあるものでありまして、かような意味におきまして、私たちは、もちろん今日の行き過ぎにつきましては、十分是正をしなければならないと思うのでありますが、今回議員提出で御提案になりました中京地区につきましては、東京を離れて京都までの間にないのでありますから、これが一つ妥当なところではないかという点であります。ただいたずらに数をふやすということは、決してわれわれ考えておらないのであります。従つて今後におきまする競馬の取締りについては、さらに十分注意をして参りたいと考えておる次第でございます。
○小平(忠)委員 私から簡単に要点だけを一括して提案者並びに政府当局にお伺いいたしたいと思います。先ほど配付願いました法律案の提案理由の説明でありますが、私に言わしむれば、遺憾ながら落第点をつけなければならぬという結果になるのであります。なぜならば、この理由の第一点に、「中京競馬場を設置せんとする」こういう表現でございますと、中京地区に中京という名をつけた競馬場を一箇所設置するというように解釈されるのです。ところが、ただいままでの説明によりますと、中京地区に候補の場所を選定して、場合によつては一箇所になるか二箇所になるか、三箇所になるかわからない。実にあいまいなのです。それから第二点は、十一箇所現行法では設置され得るというようにきまつておるけれども、現在やつておるのは八箇所である。そういう関係から、この八箇所の競馬場だけでは、馬主、調教師、騎手、その他関係者の経済的負担になる。こういうような理由がありますが、しからば十一箇所設置しているにかかわらず、なぜ八箇所しか現在やつておらないのか。なぜ新潟、横浜、宮崎の三地区がやつておらないのか。こういうような現に十一箇所が設置されておるにかかわらず、八箇所しかやつてないで、さらに一箇所をやる。この一箇所も現在新潟、横浜、宮崎のように、設置したけれどもやらないという結果になつては何にもならない。こういう理由から、第二の理由も私は落第点をつけなければならない。第三の理由は、辛うじてパスはするけれども、ただいままでの提案者の説明と、政府の説明を聞きましてもあいまいであります。特に国営競馬場として設置するからには、やはりこれを政府が直営によつて、みずからの予算をもつて設置する考え方か、あるいは競馬会社なり、民間会社をつくつてまず設置せしめてそれを借り上げる、こういう方針か、今の説明では一つも確立されておりません。そういうことでは、議員提出でありましても、やはり空文に終つてはいけないので、そういう点について、私はもう少し明確な答弁を願いたい。提案者はいかなる確信を持つて、この競馬場を設置されるお考えか、これに対する設営費に二億円を要するというが、その二億円は―確かに一宮地区は全国で有名な繊維生産地帯であることは承知いたしておりますが、そういう財閥の集合地であるという関係だけで、簡単に考えるべきではないと思う。その点についての予算的な関係、さらに中京地区に一箇所、あるいは場合によつては二箇所にするというのですか、その点をひとつ明確な御答弁を願いたい。
 次に坂本政務次官にお伺いいたしたい点は、現在十一箇所の設置をなし得る現行法の規定があるにかかわらず、現在新潟、横浜、宮崎の三箇所が開催されてないが、いかなる理由でありますか。その理由をお伺いいたしたい。
 次に、現行法の一部を改正して、新たに中京地区に競馬場を増設するということにつきましては、畜産奨励、競馬の健全な発展という見地から見て、反対はいたしませんが、競馬というのは、何と言つても軽種の育成改良であります。これは何と言つても、全国において北海道をあげなければならぬ。ところが北海道に行つて軽種の生産の実情をよくごらんいただきたいと思うのですが、職後における軽種の改良育成について、大きな支障があるわけであります。と申しますのは、戦後の飼料の非常に悪い条件によりまして、軽種生産者は飼料問題で非常に悩んでおります。さらにこの育成あるいは改良の面において幾多の支障があるわけであります。現在のような有様では、優秀な軽種を生産することは不可能ではないかと思われるのであります。特に昨年の暮れから本年にかけまして、北海道地方における家畜のえさ枯れは極端なものがあるのであります。これに対して政府はいかなるお考えを持つておるか。これに対する明確な答弁を願いたい。
 私はここに二百申し上げたいのだが、明確な答弁ができなければ、大臣の出席を求める。少くとも一つの法律案を通されるのであるならば―法律の改正というものは重大問題である。それに対しては、担当する大臣が出席をして、趣旨を明らかにするということでなければいかぬと思う。しかし大臣もお忙しいでありましようから、その点はあえて強引に要求するものではありませんが、大臣にかわつて、政務次官の適切な御答弁をお願いいたします。
○江崎真澄君 御質問の点でございますが、特に提案者には、この提案理由の第一点と第二点についてのお尋ねのように承りますが、これは多少誤解があつたのではないかと思いますが、申し上げれば及第点がいただけると思います。と申しますのは、この中京競馬場というのは、ちようど十一箇所の名称の中に阪神競馬場という、阪神という名称がありますように、いわゆる阪神、中京という言葉は、これは同じ語彙に属す言葉と考えていただいていいと思います。そこでたまたまこの中京競馬場は、もちろん一箇所ですが、その候補地としてあげておるのが五つあるわけでございます。なぜその五箇所を一箇所にきめてから、はつきりした名称で出さないのか、こういう疑問があつたので、ただいまの御質問になつたと思いますが、すでに委員長から補足説明をいただき、また実際御視察をいただいた委員各位には、御了承をいただいておるところでございますが、なかなかどうも、さて十万坪以上、あるいは厖大な二億円というような経費のかかるような国営競馬場の計画ということになりますと、はたして五箇所のうち、どれがいいかということになれば、多少一長一短ということは、差の大小こそあれ、あると思うのです。そこで最もいい所を一つきめたい。これが今日までの農林委員会のこの法案御審議に当つての御苦心の存するところであり、委員長のいろいろな御意見になつて、私どもに伝わつて参りました。これが自主的に、今度とにかく一箇所に行こうということに相なつたわけです。そこでこの法案をつくつていただくこと自体が、五箇所がほんとうに協力して、一番いい所に中京競馬場と称する競馬場を設置する一つの濫腸にもなり、空気になる。そうして、これがひいて二億円の資金調達にも大いに役立つわけでございます。これは当然名古屋、一宮に限りません。全国の競馬愛好家等にも呼びかけまして全国的に募金をいたしまして、この競馬場をつくる計画に向わなければならぬ、かように考えておる次第であります。
 第二の点は、政府側から御答弁をいただく方がほんとうじやないかと思いますが、要するに十一箇所あつて八箇所しか実施しておらぬ。それならば現在競馬場のあるところでやつたらいいじやないかという御質問と承ります。ごもつともだと思いますけれども、これは提案理由の説明の中にもうたつてありますように、実情は戦時中における設備の荒廃、交通事情、その他の理由によりましてとありますように、国営競馬といいます以上は、収入が国庫になければならぬと思います。そうすると、交通事情が悪かつたり、設備が荒廃した所では、幾ら競馬をやつてみたところで、収入があがらない、人が集らない。馬主も自然そんな交通不便の所に持つて行つてやるということに、再三は応じないでありましよう。そういうことからいうと、十一箇所の中の、今やめておる新潟であるとか、宮崎であるとかいうような辺境の地と、この中京地区という、内地の中心地帯と御比較していただけば、おのずからこの場所が適当であるというふうに、お考えをいただけるのではなかろうか、こんなふうに考える次第でございます。予算の関係は、先ほど来から申し上げておりますように、二億円からの厖大なものでございますから、余裕があるものならば当然国家でつくつてもらいたい。これは地元としても一つの希望でございます。けれども、これはもう地元において非常な熱意を持つて、ぜひここに競馬場を持つて来たいという以上は、ただあなたまかせといいますか、政府まかせで、たなぼた式の競馬場設置ということは考えません。そこで私どもといたしましては、熱意を持つ以上は、この資金は極力全国に訴えて、当然これは、産業の中心地帯でありまする名古屋でありますとか、あるいは一宮という所に、地元としては中心を置くわけでございます。競馬熱というものは、戦後非常に熾烈なものがございます。これの愛好者、これの協力者というものは、全国にも多数あるわけでございまして、すでに私ども、競馬界その他の関係者に呼びかけまして、法案通過のあかつきには、十分協力してやろうという、大阪方面―もちろん東京におきましても、さような心強い、力強い意見を承つておるのでございまして、この点につきましては、ひとつ委員各位の御理解によりまして、私どもも十分御期待に沿うべく、資金獲得に奔命をしたいと考えておる次第であります。この点は十分確信を持つてお答えができると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○坂本政府委員 ただいま国営競馬場が、十一箇所あるのでございますが、現在使用いたしておるものが八つで、使つておらない三つは、一つは宮崎でありますが、これは施設が非常に荒廃しておる。なおまた交通不便でありまして、競走馬が集らないし、人が集まらないわけであります。従つて収入の見込みが立たなくて、やめておる、こういうことであります。大体これと両じような意味で、新潟も施設が非常に荒廃しておりまするし、なおまた交通不便である、こういうことであります。それから横浜でありますが、横浜も非常に戦時中荒れておりましたことと、今日は米軍がこれを使つております。従つてこの三箇所につきましては、ただいまのところこれを使用しておらない、こういう現状でございます。なおまた予算の関係でありまするが、国営競馬でありまする以上は、国費をもつてやるというのが一応の理想であります。しかしながら、先ほど来お話し申し上げまするように、国家財政が非常なきゆうくつな際でありますので、この際巨額なものを支出することは、いささか困難かとも思うのであります。幸いにして地元が非常な熱意を持つておられるとするならば、あるいは民間会社等でやつてやろうという、こともあろうかと思いますが、これはこの法案が通過いたしました後におきまして、真剣に考えてみたいと考えておるのであります。
○井上説明員 軽種の生産につきましてたいへんな御心配をいただきまして、関係者としてはまことにありがたいことに考えます。お話のごとく、軽種につきましては、生産が沈滞をいたしております。その理由といたしましては、ただいまお述べになりました飼料が不足である。飼料が粗悪であるということも確かに理由の一つでございます。その他に、原種になるものを英国、あるいはその他から入れておりましたものが、今日まで長い間入らない、こういうような事情がありまして、軽種が沈滞をいたしております。飼料の点につきましては、全般的な食糧その他の関係から、本年はややいい方に向つておるのではないか、また地元のいろいろ関係者からのお話も、八月以降になつたら、大分楽になるのじやないかというようなお話もございまして、これにつきましては、畜産局といたしまして、種々飼料全般の問題と関連いたしまして、研究努力いたしておりますので、御了承願いたいと思います。
○小笠原委員長 これにて質疑は終りました。
 引続き討論に入ります。討論の通告がありませんから、この際討論を省略してただちに本案に対する採決に入ります。
 本案の原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○小笠原委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 この際、委員会の報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決しました。
 本日はこの程度にとどめます。次会は、明日午前十時より開会することにし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十五分散会