第007回国会 図書館運営委員会 第1号
昭和二十四年十二月十五日(木曜日)
    午後一時五十分開議
 出席委員
   委員長 早稻田柳右エ門君
   理事 水谷  昇君
      木村 公平君    千賀 康治君
      多田  勇君    森戸 辰男君
      渡部 義通君
 委員外の出席者
        国立国会図書館
        長       金森徳次郎君
十一月二十四日
 委員受田新吉君辞任につき、その補欠として森
 戸辰男君が議長の指名で委員に選任された。
十二月二日
 委員木村公平君辞任につき、その補欠として山
 崎猛君が議長の指名で委員に選任された。
同月四日
 委員山崎猛君辞任につき、その補欠として木村
 公平君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十五年度国立国会図書館予算に関する件
    ―――――――――――――
○早稻田委員長 これより会議を開きます。
 国立国会図書館法第二十八條によりまして、図書館より昭和二十五年度予算の予定経費要求書が当委員会に提出されております。本日はそれを議題として審議をいたしたいと存じます。それではまず図書館長より説明を求めます。金森国会図書館長。
○金森国会図書館長 今日御審議をお願いしたいと思つておりまする国立国会図書館の、明年度の予算の要求につきまして御説明を申し上げます。
 それに先だちまして一応おわびをしておかなければなりませんが、予算につきまして関係諸部局と協議を始めましたのが本年の八月の終りごろでありまして、非常に急な場面でありましたことと、少し私の方が油断をしておりまして、その当面の準備の方に没頭しておりました関係から、皆様方にあらかじめ御連絡を申し上げて、種々のお教えを願うということがなかつたのでありまして、この点はまことに申訳ない次第と考えております。今後時間と準備のつきまする限り、できるだけ事前の手続きをとりたいと考えております。
 さてこの本館の管理運営に必要な経費は、別の刷りものにありまするように、一億五百二十五万六千円でありまして、本年度の予算額の七千八百四十九万三千円に比較いたしますると、おおよそ三割四分、つまり二千六百七十六万三千円だけ増加になつておるのであります。
 次に上野支部図書館の管理、運営に要しまする経費は、二千五百八万一千円でありまして、本年度予算額の一千九百七十八万二千円に比較いたしますると、二割七分、金額にいたしまして五百二十九万九千円の増額となつております。
 次に営繕事務費は本年度と同額十四万円であります。また営繕費は書庫新常費五百万円、各所修繕費五百万円、合計一千万円でありまして、本年度の合計が七百万円であるのに対しまして、三百万円の増額となつております。
 以上申し上げました通りで、要求の総額は一億四千四十七万七千円でありまして、本年度の金額一億五百四十一万五千円に対しますると、三千五百六万二千円、すなわち三割三分強の増加となつておるのであります。今申し上げましたのは、数字の表面につきまして、一応本年度の予算要求がどんなふうになつておるかという点を申し上げましたが、これを事柄にわけて申し上げますと、まず人員の問題であります。これは本館の方でわずかではございますけれども、三十七名だけ増加をいたしまして、従つて本年度の本館の職員は三百六十九谷土野支部図書館百二十二名、合計四百九十一名でありますところに対して、明年度は三十六名の増加のために五百三十七名となるわけであります。
 次の予算年度に対しまして、新しい事業として計点いたしておりますものは、あまりたくさんはございません。五つばかりの項目がこの中に現われるのであります。
 第一に申し上げますのは、従来国会図書館では、法律または法律に関係しております図書の設備が非常に不十分でありまして、この重要な立法調査機関及び世間の人がそういう資料を得ようとするときに、まことに不完全であつたのであります。公立図書館を整備し、これを公開する趣旨をもつて、漸次計画を進めて行きたいのでありますが、これがためにさしあたり九名の人を増加いたしまして、それに要します人件費と必要な図書を、特別に購入いたします経費とを合せまして、二百万円計上をしておるのであります。
 それから第二の項目といたしまして印刷カードの作成について、ある程度充実をしたいと考えております。印刷カードをこしらえまして、新しく日本にできて来ます一切の書物について、完全な図書の分類整理を記述いたしましたものをこしらえて、それを印刷をいたしまして、一面においてはわれわれの図書館において利用いたしますとともに、他面は広くは世間の利用に供するということは、かねがねアメリカ使節等からも勧告されておつたところであります。経費の都合上今まで遅れておりまして、本年の夏からこれを実行はいたしておりますけれども、経費の不足のために、なかなかむりをしてやつておるわけであります。それに対しまして本年度は四百万円を計上して完璧を期しております。
 第三に憲政史料の維持整備ということを考えておりますが、明治以来日本の憲政の発達は、いろいろな歴史的段階を経ております。それに必要な根本の史料は、漸次散逸する傾きを持つておりまして、今日古き関係のある家には、若干保全せられてはおりますけれども、これらのものの散逸を防ぎまし
 て、できるだけ現物を一つ所に集める、どうしても現物の集まりませんものについては、そのあり所を調査をいたしまして、完全な、いわば文献目録のようなものを、まず最初に整備いたしまして、次にさような憲政史自身が、今日は実行はできませんけれども、いつかはそれがうまくできて行くということの準備をしたいと考えておりまして、いろいろかような貴重な資料を持つておらるる方々と内相談をしてみましたところが、各方面の賛成を得たのでありますから、今回関係部局とも相談をいたしまして四百万円を計上いたしておるわけであります。
 第四に文献摘録の作成に関する経費を要求しております。文献摘録と申しますのは、学術に関する文献につきまして、これをきわめて簡單に摘録をして、一般に広く利用せしむるとともに、外国との同様の文献と並びまして、その文献がお互いに流れ合うという方法によつて、一般の学問の発言を進めるというのがねらいどころであります。但しかような文献の摘録をいたしますことは、実質上の働きは、必ずしもわれわれの図書館がこれをやることが適当であるとは思つておりません。それは学術会議その他学問そのものについて深い関係を持つておらるるところが、技術的な仕事を担任してだされなければならぬのでありますけれども、それにいたしましても、事務としてこれを扱つて、これを整備し、かつ国外との交流をはかるということの任務を行つて行きたいと思いまして、委託費三十六万円を含めて、合計百五十万円を計上いたしておるのであります。
 第五の項目といたしまして労働科学研究所の図書を維持管理するという事柄を念頭に置いております。労働科学研究所は、多年存費しておるものでありまして、そこには相当貴重な文献が保存せられて、労働科学の研究に必要な図書が、大よそ九万冊存在しております。これが種々なる事情によつて、何とか適当に処置せられなければならぬということになりまして、今までの話の行き道では、これを国立国会図書館において管理するというような方向に、関係部局から方針を示されております。従つてこの九万冊の図書を引受けますと、これを一般の利用に供しまするためには、種々な経費を要するわけでありまして、大体六名の職員の人件費を含めまして、合計において六十八万四千円を計上しておるのであります。
 かようなふうに五つの新規事業を含めまして、この予算の額をいろいろに整備して款項によつて分類いたしますと、お手元に差上げましたような書類になるのであります。
 大体かような筋でありまして、それ以外のことは、さらにお尋ねを待つてお答え申し上げたいと存じます。
○早稻田委員長 ただいまの館長の御説明に対して質疑を許します。
○多田委員 二、三点お伺いしますが、この予算の中で書籍の購入費はどの程度ございますか。
○金森国会図書館長 まず本年度の書籍の購入費の方から申し上げますが、本年度は大体本館におきまして八百万円、上野図書館につきまして二百万円、合計一千万円を図書購入費に充てておるのであります。もちろん先刻も申し上げたように、内国の出版につきましては、大体一型ずつはただで寄贈をしてくれます。蓄積の面から見ればそれだけ割増しになつておるのであります。ところで次の年度につきましては、ある程度これを増面したいという気持をもつて、いろいろ関係者と接触をしておりますが、新しい年度では法律図書を特に集めるというようなことも念頭に置きまして、本館では千二百八十二万九千円計上しております。上野の方も七割ばかり増加いたしまして三百五十万円にしております。合計いたしまして千六百三十二万九千円ほどになつておりますから、今年度の一千万円に比べますと六割何がしかふえておるのであります。これとても今申しましたように、もとより十分ではございませんで、たとえばある一つのまとまつたものが売りに出ますときに、そういうものがときどきあるのであります。これが散逸を防ぐ意味からも、非常に貴重なものが問題になることがございますけれども、ちよつとこれだけの金額で、大きなかたまりのものを一ぺんに手に入れることはできません。あるものはいわばなしくずしの約束をしておきまして、本年度はその何分の一というようなことでやつておりますし、またもし非常に貴重なものが急に市場に出たようなときになりましたら、何とかして、どつかに泣きついて、特別にその予算をくふうしてもらいたい。こういう考えを持つております。
○多田委員 そうしますと、予算面では備品費の中からそれだけのものを支出するということになつておりますか。
○金森国会図書館長 さようでございます。
○多田委員 次に上野図書館の、図書館員養成所ですが、あの教育機関をやはり継続して持つておられるか、またあの教育機関をさらに充実させるというようなお考えがあるか。
○金森国会図書館長 お説のように、上野図書館がすぐわきに図書館員の養成所を持つておりました。上野図書館を国立国会図書館に合併いたしますときに、この養成機関をどうするかということが研究の題目に上つたわけであります。ところがこの図書館員の養成は、一般国民のためにやつておる、いわば学校のようなものでありましてその学校のようなものは、文部省が所管するのが順当でありまして、従来ともその線によつてやつておられたでありますから、私の方が引継ぐということは筋が通るまいということで、文部省と話合いの結果、その部分だけは文部省に残しまして、そして本体だけをこつちに持つて来まして、そのつながりの不便なところは解決しております。
○多田委員 先ほどの御説明で、非常に御苦心されて予算をつくられたという点については敬意を表しますが、文献摘録をつくるために三十六万円を委託費に計上したということであります。予算では五十万円載つておりますが、この委託費の内容を概略御説明願いたいと思います。
○金森国会図書館長 この実情を申しまと、文献摘録は、いろいろな方面からの御希望からわき起つたようなものでありまして、一つは学術会議の方からの御希望もございました。他の一つは今までこういう事業を実質上やつておつたところの外国側の御希望もございまして、それらをもとにいたしまして、全体の扱い方を国立国会図書館で担任するということになりましたから、その問題が新しく起りましたために、まだ十分な経費はこれに織り込まれてはおりません。ここに姿を現わしております委託費三十数万円というものは、実は非常にわぶかであつて、当初要求いたしたものに比べると、百五十万円要求いたしましたものが、これに減つたわけであります。
 この仕事をどこに委託するかということでありますが、これはまだはつきりしたところまではきまつておりません。大体の方向といたしましては、学術研究会議の方の御努力によりたいという気持を持つております。
○多田委員 委託費が予算の面では五十万円になつておりますが、今のお話の三十六万円との差の十四万円はどういうところに使われるのですか。
○金森国会図書館長 この文献摘録に用いておる委託費は三十六万円であります。そのほかの十四万円の額になりますのは、これは私の方の平素の立法調査の仕事に用いる意味の予算であります。
○多田委員 此の予算では前年に比べて書庫の新営費が五十万円削減されておるのでございますが、先般の委員会で、書籍の整理が非常に遅れておる。それは書庫の設備が不十分であるということが、大きな原因になつておるように聞いたのでありますが、せつかく購入し、あるいは納本された書籍が、未整理のまま積まれておるということであつては、図書館の機能を達することができませんが、この程度の――十分とまでは行かぬでしようけれども、この程度の設備費があれば、大体現在の見通しでは、入手した書類の整理が、ある程度完全に行われるという見通しを持たれておるかどうか。その点についてお伺いいたします。
○金森国会図書館長 実はこの書物の倉庫の関係につきましては、当初一億五千万円の希望を伝えたのでありますけれども、実際はなかなか折衝は困難であつて、こういうことになりましたが、問題は二つにわかれると思います。つまり書物を適当に利用いたしますためには、どうしてもある程度の倉庫がなければならぬ。これも当然でありまして、あらゆる方法をもつて倉庫を獲得したいという気持を持つております。ここに現われました五百五十万円というのは、大体本年度もそれのようなものを獲得いたしましたが、来年度も一棟、もとの参謀本部のあとのところに、ある程度のものをつくるというので、実質は本年つくりましたものと、ほぼ同じ規模のものが来年できる。こういう考えになつております。もう一つの問題はたくさんの書物が入つても、これの整理が遅れるということは、まことに残念でございまするが、私の方の図書館の実情といたしまして、これは何としても乗り切らなければならぬというように考えております。他の起りはこの図書館が初めてできますときに、衆参両院にずつと古くから持つておられます書物のかたまりが、大体十五万艇ぐらいあつたと思います。それが重荷になりまして、それを整理することが非常に困難であります。その次に満鉄の書物を約五万冊買いました。これがまたどかつと来たものでありますから、非常に重荷になつておつたのであります。けれども年々普通に出まする書物の数はせいぜい一万二、三千種、今までのところでは大体年にそれくらいのものでありますから、それが副本等もございまして、実際の扱い部数はふえますけれども、大体この程度新しく出ます程度のものは、どうにか努力をしてやつて来ておりました。今のような集積して買いましたところの書物のために、非常に苦痛を感じておりました。今回はその部分につきまして、特に関係当局の御了解を得まして要員を十人だけ整理のためにふやしてもらいました。十人ふえますと、かりに一人が一日に八冊ずつ整理をする――これは大体書図館の常識らしゆうございますが、といたしますと、まず一年に二万五千冊見当は整理できるというわけであります。どうも数学的に言いますと、これではとても足りませんのですが、まあそれで努力しようと考えております。
○多田委員 ぜひ書類の整理については、一段の御努力をお願いしたいと思います。
 その次に先ほどお話がありましたが、書庫を参謀本部跡につくるということでありますが、それは新しい図書館を建設するための事業と関連を持つておるかどうか、その点について伺います。
○金森国会図書館長  新しい図書館をつくりますことは、法律の予想して出るところでありまして、どうしても早くその計画に入り込まなければならぬと思つております。新しい図書館をつくりますために、もとのドイツ大使館の跡、あれが大体一万四千坪ございますが、ここを手に入れました。手に入れたというのは、これにひつかかつておりますいろいろの障害を取除いて、国会の管理のもとにその敷地が入つて来る、これだけのことは一応なし遂げましたけれども、ここにあります地面をもう少し拡大して、およそ二万坪ぐらいまでに拡大いたしまして、ここに将来理想的な図書館をつくる、そうして国会の左わきにおつて、見かけは国会のようなりつぱなものではなくても、実際の利用面におきましては、相当の場所と設備があつて、役に立つものをつくらなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。大体アメリカ使節が言つておりましたような、延坪五万坪の完全な図書館をつくることは、いくら小さく考えましても五十億、坪一万円といたしまして、どうしても五十億の金額を要します。ことにこれに必要なる資材を獲得するということも、相当困難であろうと思つております。これは図書館建設に関しまする委員会が法律できめられておりますので、それで専門技術家の意見をも参酌して漸次計画を立てております。これがいつから養子できるかということは、今のところ、何しろ五十億の経費を要しますので、常識から申しまして、にわかにはできないと思つております。そこでそういう合理的な、一ぺんつくれば容易に故障を起さないという完全なものをつくるという計画を別に持つておりながら、さしあたりここ十年ぐらいの間というものは、どうしても暫定的な方法で行かなければならぬ、こう考えております。その暫定的な方法というものは、つまりわれわれの図書館が赤坂御所に根を持つておりますために、国会との関係も非常に疎遠になりますし、どつちかというと、こういう宮殿でもつて図書館事業をやりますことは、人間の気持の上などから申しましてどうもあまり完全とは思いません。能率の点もまずいし、気分の上にもおもしろくない点もあるわけであります。でありますから、今後われわれの図書館のサービスというものを、できるだけ国会に近いところに持つて来て、本建築のできるまでの間はやつて行かなければならぬ、こう考えます。そういたしますと、今焼けております旧参謀本部の跡のところに空地がございまして、あそこにとにかく国会に一番密接なもの、具体的に申しますと、調査立法の仕事、それから調査立法に縁故の深い法律図書館、それから外国の新しい出版物が集まつておりまする国際公館、この三つのものは、もう少し国会のわきに持つて来てひつつけるという計画を立てておりまして、漸次これをやつております。今御指摘になりました書庫の建設というものは、この暫定措置の一つでありまして、ほんとうの建築物ではございません。ほんとうの建築物を考えまするときに、世間は割合にこれに無関心でありまして、ある人は今の国会の建物の三倍もあるような、人の目を引くこうな、りつぱなものをつくれというような話もございます。そのほか種々なる議論がございますけれども、実際の責任者として考えて行きますると、図書館は建物を見せるためのものではございません。入つたらあらゆる面から見て便利であり、かつ有効であるというものでなければならぬと思いまするが、実際図書館が大きくなりますと、はしにも棒にもかからぬと申しますか、かえつて利用価値が減るという議論がありますが、そうではないかと思います。百万艇を持つておりまする上野図書館が相当その点において苦労をしております。本を一冊出そうと思つても容易に出ない。ほしくない本ばかり書庫に詰まつておる。こういう傾きがあります。将来の国会図書館の建設の方法につきましては、いろいろの計画の上に、太い線を幾つか発見しなければならぬのであります。現在建設委員会をこしらえて、その専門家等の意見を聞いておりまするけれども、しかし建築の専門家の意見と、実際図書館の運営の専門家の意見というものは、決してぴつたり当るものではございません。二つの方の要求がどこかで溶け合つて、初めてりつぱなものができるというようなことに思われるのであります。それにつきましては、私ども外国の事情を目で見たことはございませんが、いろいろ文献によつて察しておるところによりますと、やはりある程度新しい原理を取入れなければならないのではなかろうか、その着眼点は、いわば要求すれば十分間でどんな本でも出て来る、こういうような便利であるということであります。それからまたそこには、ほぼ心要なる書物は蓄積せられておる。アメリカ使節の言葉をかりに借りて申しますと、一千万冊の書物をたくわえるということであります。この二つはちよつと矛盾しておりまして、ふえればふえるほど図書館は扱いにくくなるのであります。そこをどういうふうに考えるかということが、今後の研究問題であります。それは今考えておりますけれども、大体の著想は文献等で得られておりますが、まだはつきりした研究もでき上つておりません。今後研究を進めて行きたい。もしもそういうことを目でもつて研究するような機会が起れば、それを活用して考えを固めたい、こんなふうに考えております。
○多田委員 ただいまの建設委員会の関係の予算を見ていないのですが、これはどの程度考えておられるか、なお建設委員会がいつごろ組織され、どのような仕事をされているか、あるいは建設委員会は図書館と別個の事務局を設けるということに法律的にきまつているようでありますが、そういつた建設委員会の構成が、どの程度の形にできておるか、その点についてお伺いいたしたい。
○金森国会図書館長 この建設委員会が法律できまりまするときの実際の事情は、私どもの関知しない限りでございましたからよく存じません。その当時ほとんど予算を用いないという前提でおつたものと考えております。構成要素も、両院の運営委員長とそれから建設大臣と専門技術家、それから図書館長、この五人でできておりまして、実はそれにくつついてどうしても動かないというような予算を持つておりません。いろいろな経費をさしくつて間に合わせているという状況でございましたので、まだめぼしいところまで行つておりません。
○多田委員 法律の第四條に、事務局を設置するという條項があつたように記憶しておるのでありますが、そうしますと当然予算を伴うということは必至の事実であります。立法当時そういつた考え方で事務局を設けるという法律ができ上つておうたとは考えられないのですが、その点事務局を改めてつくることも、当分の間はさしつかえないが、委員会がいつごろ構成されたかその点を伺いたい。
○金森国会図書館長 委員会のできましたのは法律で当然にできましたので、今はつきり覚えておりませんが、昨年の十二月九日に第一回を開きまして、本年十一月四日に第二回を開いておるのでございます。これは事務局と申しましても、ほとんど当初から予算の計画もございませんで、いろいろ図書館全体のうちの経費を差繰つてやつておるような状況でありまして、今のところぎようぎようしい組織を持つておりません。ただその組み方は図書館の制度をきめております規定の中で、部局をつくつております。人数もごくわずかでありまして、あまり活躍していない状況であります。
○多田委員 図書館の経理が非常に窮屈な範囲に限られなければならないというような経済状態で、その中で建設に関する仕事もあわせて行うということは、非常な過重な負担になると思うのであります。建設委員会の事務局の経費について、それぞれの方面に交渉され、あるいは計画されたことがあるかどうか、その点について伺いたい。
○金森国会図書館長 その建設事務局につきましての予算は、昨年から実は要求しておりますけれども、まあがまんしてやれということで、かような状況になつているわけでありますが、いずれこれがもう少し具体化されまして、大体の建築の具体的な案が固まつて来るようになりますと、相当これは人間を充実して、間違いない設計を立てなければならぬと思つております。もとよりこれは設計計画だけでありまして、現実の建築をするのは、また別なことになろうと思います。そういうようなことを考えておりまして、漸次その辺は補強をいたしたいと思つておりますが、まだそこまで手がついていないのであります。
○多田委員 委員長にお尋ねしたいのですが、図書館の運営について二、三まだお伺いしたいことがあるわけで、予算と間接には関係ございますけれども面接には関係ございません。後ほどそういう質問の機会を與えていただけるかどうか、その点についてお許しがあれば、私の質問はこの程度で……。
○早稻田委員長 お答えいたします。この程度で一日休憩いたしまして再開後ひとつじつくり御検討を願いたいと思います。
 これをもつて暫時休憩いたします。
    午後二時四十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十一分開議
○早稻田委員長 それでは休憩前に引続き再開いたします。お諮りいたしまするが、これから予算について、あるいは図書館運営について質疑を続行いたしたいと存じまするが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早稻田委員長 それでは続行いたします。
○千賀委員 きようは多田君も出席しておりますが、前委員会で例の支那問題の飜訳ですが、あれを委員に一部ずついただきたいという要求をいたしましたが、うやむやになつております。その後御熟考の結果どうせられるおつむりであるか、それを伺います。
○金森国会図書館長 私が記憶しておりますることころでは、今の文言はここへ持つて参りまして、ここで皆様方にお目にかけたい、こういうふうにいたしまして、ごらんくださいましたあとで、また私の方へお返しを願いまして、私の方で保存をしておくというのが今までの経過であります。それを今度どういうふうに、また御希望に従つて処置するかという点につきましては、かねがねこの文献について申しましたように、私どもの方の事務的な便利をはかる見地から、これをつくつたのでありまするから、それをそのまま幾分広い世界に持ち出しまするということは、相当懸念すべきと言いまするか、一たび物が外へ出ますれば、それから先のことにつきましては、私どもが調節をする道を失いまするので、そこに一つの懸念を持つております。その辺のところで従来の経過は終つておりまして、その後のことにつきましては、まだはつきりした答えはつくつてはおりません。これはもしお許しを願えるならば、何か国会の意思決定として、この書類を出せということでございますれぼ、私の方は職務として出すのでございますから、どこにも気兼ねすることはないと思います。それからそうではなくて、やや技術上の意味において出せということでございますならば、御審議の証拠となりまするようなきわどい点は、すでにごらんに入れたところによつて確定をしておりますところから動くことはございませんが、しかしそれが物として外に出ますれば、どこに行くかわからないということを前提といたしますと、その懸念すべき部分だけは、削つてからお渡しするということにでもして。願いできたら、非常に好都合ではないかと考えております。
○千賀委員 図書館員のうちで十数名はまだ手に渡つておるというお答えであります。これは以前のお答えでありますが、その方々は研究のためにということですが、それは図書館内において研究の用にしておるのか。その方方が個人的、信用において、図書館外に持ち出して研究することを許しておられるのか。その点ははつきりいたしておりませんが、いかがでございましようか。国会議員はもちろん最高権威と言われておりまするので、図書館員以下に信用せられるはずはないと思います。われわれが参考のために見たい、あるいはこの部屋以外に議員会館に持つて行つて研究するとか、あるいは宿舎に持つて行つて研究するか知れませんが、館員ならば間違いはないが国会議員ならば間違いがある、こういうことは受取れません。特定な人、特定な中にも、特定な、しかも文部委員と言えば国会からこの方面の審議だけを、特に選ばれてまかされておる特定人でありますから、この人々を、あなたが使つておる館員以下に信用しなければならないということはおかしいと思うのであります。その点どうお考えになりますか。
○金森国会図書館長 今の点は、そういう形をとつてお進みくださいますと、実はまことに申訳ないことになるわけでございますが、私の卒直な考えは、中におる人に渡しましたのは、中で仕事に使え、これを外へ持ち出してはならぬぞ、こういうので番号をつけ、取扱い注意ということで制限をしておつたのであります。従つてこれを当初の趣旨に反してやりますれば、いつでもこれに対して適当の処置をもつて臨むことができる、すなわち監督権の範囲に及ぶのでありますから、責任もはつきりいたしまして、処置もしやすい、こう考えております。けれどもこれが私どものそういう範囲から外に出ますと、これは物というものは一ぺん外へ出ますと、思いもつかぬ所へそれが流れて行く、たとえばひそかにそれをほかの人が持つて行くという懸念もございますので、大体文献が外へ出ることが問題を生み出すようなものでございますから、できるだけそこは避けたいというのが私の気持でございます。今申しました通り、こらんくださることは少しも妨げるのではございません。私どもが物を管理しておる館中においてごらんを願いたいということになります。お持ちくださるということでありますれば、何かそれが裸で外へ飛び出したときに、故障を起す点だけは削らせていただきたい。しかしあるいは職務上の特別なお考えによつて、どうしてもこの物がほしいということでございますれば、私どもは当然にこれに服従すべきであります。それに対して私どもの責任が免除せられるというような手続をおとりください。こういうように三つにわけて考えておるのであります。議員の方がごらんになることについて、決して疑うわけでも何でもございません。物というものは、出ますと第一著がつい持つて行くような懸念もございますので、そこに安全感を保ちたいというのが私の趣旨であります。
○千賀委員 私もこの問題は当然研究をしたいと思いますが、先だつて館長が個人的に御存じになつておるように、この議会の図書館で個人の所有の書物であつたそうですが、借りたものをそこうで盗まれた例があるので、今問題の書籍でも、手に渡つたならば、物がなくならぬという保証は人間である以上は必ずしもできません。しかしながらわれわれも公の人として、この書籍はなくしてくれるな、あるいは国会議員が直接研究のために使う以外の目的をもつて使つてくれるな、という請託に対して、これを承諾して閲覧する以上は、あなた方の部下以上に不行用であるべきことはどうしても考えられません。ゆえに国会議員のこの常任委員の多数が閲覽を要求すれば、それは適当な方法――適当な方法といつても、この委員会で見せてもらうだけでは研究になりません。この委員会は別な任務があるので、特に外部な書籍に目を通して研究するというようなことには、まつたく不向きな場所柄であります。どうしてもこれは議員会館であるとか、あるいは休憩室であるとかいうようなところでなければ、この閲覽はできぬはずであります。私はその点でやはりこの印刷物は見せてもらいたいという要求をいたします。同時にこれは個人として言つておりません。ただいま私の言うことは、図書館常任委員として言つておる。これは速記に載つておるので、私の立場でないということを申しそえておきます。
○金森国会図書館長 今のお話の点は、これはもう少し考えさせていただきたいと思います。私どもは少しく惑いを持つておりまして、今までいろいろな御返事をしておりますけれども、せつかくの御主張でありますから、十分研究をいたしまして、そうしてさらにはつきりしたお答えを申し上げたいと存じます。
○多田委員 何かこの問題だけにこだわつて発言しているようで、非常に申訳ございませんが、私どもこの問題について図書館側にいろいろお尋ねしているというその真意は、図書館の運営を円満に、しかも明朗にやつていただきたいという考えが主でありまして、図別館の実務に対して妨害しようとか、あるいは非難を加えようとかいうような意思をもつて発言しているものでございませんので、その点十分御了承いただきましてざつくばらんにお答えいただきたい。これを最初に申し上げたいと思います。
 それでただいま千賀さんから御発言がありました例の出版物の件でございますが、その後この出版物の図書館内における取扱い、あるいは館長の権限におけるこの問題に対する処置、これらについてその後の経過を御報告いただきたいと存じます。
○金森国会図書館長 これは前にも御説明申し上げましたように、初めの立ち上りは、あまりこれに対して深い考慮をしないで謄写印刷に付したものでありまして、そのときの気持から言えば、これは相当広く調査に関係のあるところに配つてもいいのではないかという気持ちをもつて、謄写印刷に付されたものと思つております。ところがかねがね申し上げましたように、私はそれが外に出ることは好ましくない部分も含んでおる、こういうふうに考えましたから、それの外に出ることをさしとめたのであります。さしとめましたところが、それが外に多少出たという痕跡がございました。もし私どもの希望がそのまま届いておるものならば、それが外に出るというりくつは毛頭ございません。外に出ることをとめたやり方が、悪かつたか、いいかということは別にいたしまして、とめようとしたものが外に出たということは、これは否定できません。してみれば、私どもの考えておつた考えが、図書館の中で十分行われなかつた、徹底しなかつた、こういうような結果になるのであります。その点につきましては、私は誠に遺憾に存じております。そこでどうしてそれが外に出たのであろうかということを考えますために、あらかじめ交付せられておつた人々が、それを今もなお完全に保持しておるかどうかということを、取調べる手続きをとりました。ところがそのうち元へもどつて来ないのが三冊あるいはまた四冊です。四冊を越えることはないと思つておりますが、つまり三冊は完全になくなり、あとの一冊は表紙だけあつて、中味がない、こういう状況を起しました。その道行きのてんまつについて、今日なお調査を進めております。それはそれが出たことがいいとか悪いとかいうことではなくて、図書館として規律を守るべき任務に反したものではないか、こういうことを調べるためにやつておるのであります。やつておりますけれども、これに対する弁明は、まだ私ども非常に明瞭とは感じておりません。なおそのことは調査の問題として残しておるのであります。それ以後別に私の方で特別な措置は講じておりません。
○多田委員 あまりしつこいようで申訳ないのですが、外部に三部ないし四部出たということは、館長の言われる通り私ども聞いているのでありますが、外部に出た当時はまだ館長から外部に出してはいかぬというような注意もなかつたということを聞いておりますし、外部に出た書類の一部が、直接図書館の監督といいますか、衆議院議長の手元に手渡されたというようなことも、私ども聞いているのであります。そういつた館長が外邦に出ることをさしとめる以前に、外部に書類が出たというように私どもは聞いているのであります。ただいまのお話は、館員に配られたものを、実際その館員が保持しているかどうかという点について調査をして、三部ないし四部が行方不明になつておつたというようなお話でございましたが、これは各館員に配られたものの中から外部に出たものか、あるいは配られたもの以外の他のものが外部に出たのか、この点私どもの聞いている点と相違しますので、はつきりお聞かせ願いたいと思います。もし館員に配られたもののうち、三冊ないし四冊が行方不明になつたということであるならば、その館員がだれであるかということがはつきりして来るだろうと思います。従つて館長の言われたように、館長の命令が完全に行われなかつたという点について、どういう処置をとられたか、この点について……。
○金森国会図書館長 今の点は書類を配りましたのは、取扱注意という判を押して、通し番号を打つて交付した。これが事実であります。その配りましたことの意味の解釈がどういうことであるかということは、一々説明をされておるわけでございません。そこに解釈問題が残つておろうと思います。しかしわれわれ官僚の常識といたしまして、取扱い注意とされ、番号がついておるものにつきましては、相当丁重な手続をとるべきものである。それを自分の管理しておる外に出すというような場合は、しかるべき順序をふんで、それに対して権能のあるものの理解を得ることが妥当であると信じております。ところが今現実の場合は、およそ四冊行方不明になつておるものにつきましては、おのおのその書類の交付を受けた人は名前はわかつております。わかつておりますけれども、どうして失われたかという事情につきましては、人々の弁明がいろいろでありますので、その弁明の程度をいかに信用するかによつて、各人の責任はかわつて行くのであります。つまりある人は偶然のことからそれを廃棄してしまつたということ、つまり不注意の結果それを廃棄してしまつた。だから表紙はあるけれども中身はない、こういう答弁もあるのであります。またある人は、それは図書館へ来られたところの国会議員の方がそれを貸してくれと言われて、そこで貸した。しかしだれに貸したか名前も顔も覚えていない、こういうふうな答弁でございますので、これもその言葉をいかに信用するかによつて、解決の道はかわつて来ると思つております。また他の二人は、自分は何もそれをどうするという考えを持たなかつた。しかしながら図書館の中におる同僚がそれをちよつと貸してくれと言つたから貸したのだ。貸したらもどつて来なかつた、こういうことを言つておりますので、これらの答弁の一つ一つをいかに理解していいかということは、そんなに簡單にできるものではない。公正に本人の言うところ、前後の事情を考えて、ごく軽い意味で、それを大した重要なものと思わずに処置したものであるかもわかりませんし、また特に重要なものと知りながらも外へ出したのであるかもしれません。それは出しますときには、どこへ出すといたしましても、図書館の中の規律を守ろうとする私の立場から見れば、おそらく意味に軽重はないと思います。ただ出します順序、方法が本人の軽い過失であつて、何ら特に意を用いてかくするのでなかつたかもしれません。そういうことをよく見きわめて解決いたしますのは、そんなに楽なことでもございませんので、今のところ研究に残されておる、こういうわけであります。
○多田委員 館長が館員の立場を非常に好意的に考えられておる点については、これ以上追求したくないのでありますが、衆議院議長の手元にこの書籍が配られた経緯については、衆議院議長から館長に対して、事務総長を通じて話があつたように聞いておりますから、その間の経緯については――だれに配付したものが衆議院議長の手元に届けられたかという点は、十分おわかりのことだろうと思います。
 いま一つは、議長に届けられた――議長の手元にあるこの文書に取扱い注意という字句が入つておるかどうか。その点、これは非常に重要な問題だと思いますので、お伺いいたします。
○金森国会図書館長 私の見ましたときの記憶では、取扱い注意という字は入つておつたと思います。ただ配付をいたしました番号は、そのところが紙に穴が明いておりまして、それでよく番号がわかりませんでじた。それ以上のことは質問もいたしませんし、そのままになつております。
○多田委員 館長はこの問題について、館員に対して特別の処置をしていないというお話でございましたが、この問題の書籍の取扱いをしておつた、あるいはその書籍を貸したなりあるいは紛失したなりした館員が、他のポストに転ぜられたというような事実がないかどうか。
○金森国会図書館長 中の人事をどこにどう動かすかということは、その人の勤務のいろいろな様子を見まして、適当なところにあんばいをするということが、これは公務員の仕事の当然の道行きであろうと思つております。今多分お考えになつておるであろうという人は、まだどこにも勤務をかえておりません。しかし諸般の情勢から判断して行きますると、やはり勤務をかえる方が、図書館の実際をほどよく運営して行く上において、必要であろうと確信しております。
○多田委員 まだ勤務をかえていないというお話でございますが、ある一定の期間を切つて、ポストをかえることに対する要求をしたというような話も、他から聞いております。その際に私ども非常に遺憾に思う点は、はたしてこの処置が、ただいま言われました図書館長の意思によつて出たものであるかどうか、あるいは当然これは図書館長の責任においてやられるべきものでございますので、私ども容喙すべきことではございませんけれども、その間に何かどうも一般に誤解を受けるような点がかりにあつたとしますれば、今後の図書館の運営の面にも、私どもとしましても非常に考えなければならぬ点があるような気がいたしますが、これはこの席でお害えいただくということは御むりだと思いますけれども、一応そういつた感じを一般に與えることのないような御処置を、十分お考えおきいただきたい。この点をひとつ最後にお願いいたしたいと思います。
○千賀委員 ただいま質問並びに答弁を伺つている間に、重大なことに気がついて来たのであります。この印刷物は、あらかじめ図書館長が重大なものだということを知つて、特に通し番号を付して必要な人にだけ配付をしたんだというお話でありますが、ただいまなくした人の取扱いから聞くと、なあにあんなものはただの印刷だということで、表紙だけあるが中がない。およそそれは帰りにさんまを買つて行つた包み紙になつたか、便所で使われたかしりませんが、あなたは重要だからというつもりで通し番号をつけて、相当に坂扱い注意をいたしたということでありますが、もらう人がさような気持で、てんで役にも立たないもので何でもない、ただの一枚刷りの何か印刷物をもらつたのと同じ考えであるということになると、この中国年鑑が、その人の仕事に何も役に立たないような不必要なところにまで配られたということであります。必要なところに必要なものが配られる。この中国年鑑が何か役に立つという人々に配られることは、これは事務の必要からと考えますが、鼻紙と同じように考える人にまで配られておるということ、相当に粗末にされておつたのだ、また小数冊でさえもそういうところに配られておるために、あなたの予定通り百五十何冊というものが刷られたならば、これは全然無価値なところに配られて行くのだ、こういうことになると、画数は何千、何万というのでなくても、相当にこれは目的以外の、学問の探求以外に、宣伝勅果のある方に使われるということも、大いにあり得たのだということを考えます。少くもこの点は、四名のもらつた人が、非常に粗末にしておつたということは、その内容について何も利用価値も認めなかつたということで、それはもらうべからざる人に配られたということになる。この点は聞きがのしなりません。取扱い注意という判を押したことが、あなたの全部の心を用いたシンボルであるかのごとくに言われますけれども、きわめてこれは粗末な取扱いであつて、取扱い注意ということは、図書館員が配られる書物の多くはそういう判が押してある。取扱い注意が押されてあつても、これは日常茶飯事のごとくに考えるものと同じく取扱われておつた。われわれはかように信ずるよりいたし方がないと思います。
○金森国会図書館長 たくさんの人間の中でありまするから、一々のことを実際どういう考えで取扱つたかということはわかりません。ただ私どもの態度としては、取扱い注意の書物はそんなにたくさんございません。近ごろとして記憶しておりますのはこれだけであつて、おそらくそのほかにはなかつたと思います。だからして私どもの方では、重要なるものと思つて交付をしておつたのであります。そうしてそれを配りましたのも、そういうことを担任する一般的な部局、つまり一般考査部の重要職員と、そのほかに、おそらくは特に調査の必要を持つであろうと思われる立法考査局の人というようなところに配つたのでありまするから、私としては必要なる部面に配つたものと信じております。ただしかしこれを今のように軽々しく使用したという人が、どういう気持でやつたかよくわかりません。弁護して言えば、人間にあり勝ちな一時の不注意ということによつてやつたのではないかと想像しております。しかし図書館の全体の秩序を維持しまする上からいえば、いかなる過失であろうとも、何であろうとも、せつかく図書館の方針として取扱い注意として通し番号をつけて配つたものを軽率にされましては、私としては責任がとれないわけであります。だからしてこれに対して正当の措置をとるということは、図書館長の正当な責任であろうと思う。私はその方面において方針を変更しようという考えは毫末も持つておりません。ただしかし各個のものを手から離したということにつきましては、いろいろな事情もあるのであろうから、本人の意見を聞いて、非常に疑うべき根拠がない限りは、その言うところを信用するよりほかにいたし方がないのでありまして、あとは想像になります。私は想像によつて人を処置するということは不十分だと思いますから、できるだけ向うの人の言うところに信頼をして、それがはつきりほんとうでないという確信があれば、もとより進んで処置いたしますけれども、こちらにその証拠があげられない場合は、一応向うの言説に従つて行動するという態度をとつておのであります。そうして先ほど多田さんが仰せになりました点につきましては、まつたく人事の差繰りの上から、ここにこの人を配置する方が一番妥当であろうという考えのもとに、私が発案をしてやつておるのでありまして、今の問題と直接関係があるわけではございません。
○渡部委員 この問題は非常に国家の大事であるかのように深刻に、あるいは神経質に取扱われているようですが、私の考えではかなり転い、そうして非常に単純な問題であるように思います。こういう事の内容が何であれ、図書館の考査立法部の方々が、これはぜひとも研究上必要だと思つて翻訳し、プリントにされるということが、もしこのような問題として取扱われた結果、萎縮するようなことがあつたならば、今後の考査立法部の生き生きとした、達識のある活動が非常に制限されるという、憂うべき結果になるということが考えられるわけです。
 第三に、すでにでき上つたものを、委員の方からは、ぜひともこれは中国をめぐる諸状態の研究の上からも、閲覧したいという申出があつたのに対して館長は非常に懸念されているようでありますが、それは館長の責任としてはいろいろ懸念さるべき問題があるかもしれませんけれども、懸念さるべき対象となつている部分は、いろいろ懸念さるべき問題があるかもしれませんけれども、懸念さるべき対象となつている部分は、館長の主観によるのであつて、委員の方々が閲覧したいという要望を持ち、これを頒布されたいという希望を出しておられることは、委員が責任をもつて、自分の良識においてそれを処理するという前提に立つておるのでありますから、それは委員の良識にまかせらるべきではないかと思います。それにしてもまだ懸念があるとおつしけるならば、その場合には、懸念があると思われる部分を委員に示して検討しまして、この部分はそれならば場合によつては抹殺してもよいのではないかというような事柄について、委員の間柄で検討し合うことにいたしまして、頒布されてはどうか。このいうふうな問題を提出したいと思います。
○多田委員 今渡部君はこの問題は非常に軽い單純な問題だというお説でありましたが、私どもはそうは考えない。要するにこの研究資料がプリントされ、出版されたということ自体は、国会図書館の仕事の一部でありまして、この問題については私ども追究するものではないのでありますが、この翻訳され、プリントされたものが、館長の考え方によつて外部に出すことを禁止したという点と、国会議員に配布することすら拒否しているといの点、これは国会図書館の性質からいつて、われわれとしては絶対に容認することができない重大な問題であろうと考えておるのであります。いま一つは先ほど館長は、人事の問題については、館長の権限において、考え方において、適当な処置をとることは当然であるというように言われましたけれども、少くとも衆議院長に図書館でプリントした書籍を渡したという責任を問われて、ポストをかえるのだというような印象を一般に與えるような、要するにこういう人事の時期的な問題が、私どもとしては感服できないというようなことから、私どもはこの問題についてあまりしつこいようでありますが、館長の御意見をお伺いしておるのでありまして、私どもといたしましては、單純な問題あるいは軽い問題だというようには、この問題は考えていないのであります。
○早稻田委員長 お諮りをいたします。ただいま論議されている問題につきましては、館長の方におきましても一応よく検討させていただいて、配本すべきかどうかということを御返答申したいと言つておられますので、一応その御猶予をお願いすることにしていただいて、この問題についてはこの程度できようは打切つていただきまして、先ほど御審査をいただきました予算の問題についてお諮りをしたいと思います。一 昭和二十五年度国立国会図書館の予算の問題につきましては、勧告文を付してこれを議長の手元に送付するようにいたしたいと存じますがいかがでございましようか。
○多田委員 昭和二十五年度の予算について、勧告文を付して議長に送するということは、委員会の職責でありますが。私どもにいま少しこの予算の問題、あるいは図書館の運営の問題について深く堀り下げて、委員として自身のある勧告文をつけて行かなけれでならないというような考えを、私自身は持つておりますので、いましばらく図書館の運営、あるいは予算の面について論議をする時間を與えていただきたい、かようにお願い申し上げます。
○千賀委員 多田君の発言に反対するのでにありませんが、われわれは党内事情もあります。ことにわれわれが質問をして参つたあらゆることを総合して、一つの関連性を持つたこの問題は、党内事情もありますので、ここでわれわれが軽率に最後の意見を発表することはいまだ許されない事情にあります。党の幹部会、並びに適当な党内の機関で打合せを済ませた上で、われわれの意見は発表したいと思います。行動も同時にそれによつて律したいと思います。
○早稻田委員長 それではこの予算については、さらにひとつ御検討を願うことにいたしまして次の委員会を明後日午後一時から開きまして、ひとつ論議を続行していただくようにいたします。
 それからいま一つお諮りをいたしたいと存じますが、御承知のように近く議員団の濃米に際しまして、金森図書館長もアメリカへ参られますので、その際アメリカの国会図書館長並びに副館長及び図書館協会長へ、委員会よりのメッセージをお届け願うようにいたしたいと存じますが、いかがで、ございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。それではさようとりはからいます。
 本日はこれにて散会致します。
    午後三時二十二分散会