第008回国会 考査特別委員会 第18号
昭和二十五年十一月二十日(月曜日)
    午前十一時五十五分開議
 出席委員
   委員長 篠田 弘作君
   理事 島田 末信君 理事 塚原 俊郎君
   理事 内藤  隆君 理事 小松 勇次君
   理事 猪俣 浩三君 理事 横田甚太郎君
      安部 俊吾君    天野 公義君
      井手 光治君    尾関 義一君
      岡延右エ門君    岡西 明貞君
      奧村又十郎君    角田 幸吉君
      鍛冶 良作君    佐々木秀世君
      田中不破三君    中村 幸八君
     橋本登美三郎君    三宅 則義君
      柳澤 義男君    石田 一松君
      椎熊 三郎君    吉田  安君
      久保田鶴松君    梨木作次郎君
      岡田 春夫君
    ―――――――――――――
十一月二十日
 委員西村直己君、小玉治行君、永井要造君、青
 木正君、田嶋好文君及び吉武惠市君辞任につき、
 その補缺として中村幸八君、角田幸吉君、尾関
 義一君、天野公義君、三宅則義君及び奧村又十
 郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 電力再編成問題追加調査要求に関する件
 証人出頭要求に関する件
 委員会報告書に関する件
    ―――――――――――――
○篠田委員長 これより会議を開きます。
 電力再編成問題につきましては、今日まで一応予定の証人尋問を終了いたしたのでありますが、本問題につきましては、猪俣君、小松君、梨木君、横田君、岡田君の五人の委員から日発渉外費の使途について九項目の調査追加要求が提出されております。また一方今日までの証人の証言に基いて、新たな証人として、猪俣君から田中清玄君外五名、椎熊委員から菅原通齋、門屋盛一両君をそれぞれ証人として、本委員会に出頭要求すべしとの御意見が提出されておりまして、一昨日の理事会におきましては協議をいたしましたが、意見の一致を見るに至りませんでしたので、本日の委員会において討論採決をいたすことになつておるのでありますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○篠田委員長 塚原君。
○塚原委員 討論採決の方法は、御承知のように考査委員会は超党派的に運営して行かなければならない、委員会でございますから、この調査を継続すべしということを主張する側から一名、なお打切るべしということを主張する側から一名、それぞれ一名の方が討論に立つて審議を進められんことを望みます。
○椎熊委員 当委員会の性格は、超党派的にやるということは理想でございましたが、その後運営の実況を見ますると、超党派的ではない。ことごとく数の決定に基いて運営をされております。従つてこの委員会を党利党略の具に供せられる疑いが多分にあります。従つてわれわれ少数派たる野党側における言論というものは、往々にして多数派の数の力によつて圧倒的に封鎖せられるということがしばしば見られたのであります。この現実の状況から見て、これが超党派的に運営されたということは世間も承知しておりませんし、われわれ委員自体もそこに非常なる不満を持つておるのであります。われわれは先般の理事会におきましても、調査の追加要求を提出し、あるいは証人喚問を追加要求をいたしましたけれども、その理事会における論争のごときも、少数なる野党派の言論に対してはほとんど耳を傾けるの雅量なく、しかも先般来の証人の喚問に際しても、多数派たる与党は、意外にも証人の弁護人的な態度をとつて、誘導尋問的な、いかにも事前に打合せでもやつたがごとき尋問の応答が繰返されたのであります。これはひとりわれわれの不満たるのみならず、言論界における輿論を聞きましても、この事実を認めておる。こういうことはこの委員会の当初成立以来の本旨にもとることはなはだしく、しかもこういう事態を継続するならば、かえつて多数派が何らか秘すべき痛いところがあつて、それを隠蔽せんがためこの委員会を悪用しておるかのごとき感を深めて、世の中の疑惑を深めることこれより大なるはない。私はこの点に関しましては、当委員会の存在の意義に疑いをさえ持たざるを得ない。従つて現段階におきましては、ただいま与党側の代表者から言われたように、真に超党派的の考え方によつて公正にこの委員会を運営せんとするならば、せめて本日の会議におきましては、多数党たる与党派は雅量を示して、超党派的の観点に立つて論議すべきである。従つてただいま御提案になりましたる追加調査要求あるいは証人喚問の追加要求のごときは、各党それぞれの観点から申請したものでありますので、与党野党と大別して一人ずつの対論的な発言によつて決定するということは、当委員会の内容にかんがみて適当でありません。また共産党の要求とわれわれの要求とはその観点において著しい違いがあるのであります。これを混同せられることは、健全保守党たるわれわれの迷惑とするところであります。従つてわれわれは共産党の意見を代表するものでもなく、共産党またわれわれの意見を代表するものでもない。労農党も社会党もその通りであります。従つてわれわれこの追加要求をした者の所属する各政党の観点に立つて、自由なる論議をすることによつて、初めて公正なる結論を見出すことができると信じますがゆえに、ただいま御発言になりました与野党各一名対立の論争によつて決定するということには反対いたします。
○岡(延)委員 ただいまの椎熊君の言論でありますが、私は椎熊君ともあろうものが、今の言論は、アメリカを見て来られた椎熊さんとしてはふに落ちないと思います。というのは、委員会において発言の機会はわれわれ十分に与えておるにかかわらず、ほとんど材料がないためにしり切れとんぼになる。それをあたかも多数党たるわれわれが圧迫しているかのごとくおつしやることは、はなはだ妥当でないと思います。それから超党派云々の話がありましたが、この前の国会以来、今は追放でこの委員会には神山君を、ほとんど総司令官とするかのごとく、野党連合というものが、委員会に臨むにあたつては、必ず打合せをやつておる。今回のこの休会中における日発問題をめぐる調査においても、委員会に臨む前には、たいてい野党連合という事前の打合せをやつておる。ある場合のごとき、ほんとうかうそか知らぬけれども、共産党の部屋において、野党連合会をやつたといううわさすらあるのであります。これをしもあなたは超党派と言い、健全野党と言うのであろうか。私ははなはだ事実と相反するものがあると思います。そこで椎熊君のただいまの発言、すなわち超党派を自由党が破つたがごとき印象を与えようとした、その言論に対しては、事実がそうでないことを指摘いたしまして、私はこの言論に反対する動議につきましては、またあらためて他の人によつてその動議は提出されるであろうと思います。
○猪俣委員 超党派だから一名ずつというようなことは、りくつが合わぬ。超党派ならば、それこそ一人一党だ。各自一人ずつその意見を述べさした方がいい。同じく賛成するにしても、反対するにしても、おのおの個別的色彩があるわけだ。超党派でないならば、各党がまとめて意見を出すということがあるが、超党派ならば、一人々々意見を出すことが至当であると思う。一人一人に発言を許していただきたい。なおまた調査が、資料がないから何もできなかつたのだろうというようなことは、はなはだ不都合だと思う。私ども資料をみな出しておる。しかしながら調査してない。たとえば三浦義一の資金関係を調べよといつても、調べてないじやないか。なおまた昭和二十五年度の第四・四半期の物価庁に対する配電側の報告と、電力局に対する報告とは違つていると数字まで指摘しても、それも調査してない。そういうようなことで、資料がないということは何事であるか。とにかくわれわれは、資料をまだどんどん出すから、各人みなその意見を述べさして決をとつていただきたい。
○内藤(隆)委員 塚原君の動議が非常に委員諸君の議論の中心になつておりますが、椎熊委員が、健全野党であるから共産党とは全然違つておるとおつしやいますが、その証人の調査要求書を見ると、共産党と同一の名を連ねて……(発言する者あり)われわれはどこに観点があるのかはなはだ疑わざるを得ないのであります。しかし要するに、塚原委員のおつしやつたのは、超党派であるから、これを継続すべしという派から一名、それから継続打切りだという派から一名、これはまことに私はこの委員会の性格からいつても当然の議論であると思うが、しかしいたずらにわれわれは言論を圧服したというような印象を与えられても困るのでありますから、ここで委員の立場において発言はひとつ自由に許すが、時間的にこれを制限したらいかん。五分間くらいの程度においてこれを制限して、各自の発言を許すということを動議として提出いたします。
○篠田委員長 ただいま塚原委員長から賛成と反対各一名、椎熊委員から各党一名、猪俣委員から委員各自おのおのその意見を述べるというふうな提案がありましたが、その折衷案といたしまして、内藤委員から椎熊君の提案に賛成をして、各党一名の発言を許すが、その場合においては時間の制限をしようという動議が提出されております。この動議に対して……。
○横田委員 そういうけちなやり方は反対です。今まで自由党の制限によつて、ほんとうにわれわれが究明しようとするところの本質をぼやかされて来た。しかも今まで調べた証人のうちからでも、疑わしい点がたくさんある。たくさんあるにもかかわらず打切りを策しておる。そうしてこの委員会において何らかの体裁を整えるために五分間だけやらそうと、そういうふうなけちなやり方に対しては、この問題の本質をはつきり外部に伝えることができないので、反対いたします。だから無制限に討論すべきだ。これを要求いたします。
○篠田委員長 ただいま横田君からも発言がありましたが、内藤君の動議に対して採決いたします。
 まず第一に、各党一名の討論を許すかどうか、各党一名の討論を許すということについて御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○篠田委員長 しからば、時間の制限について……。
○椎熊委員 時間は五分間ということは、今もたれかの発言のように、ほんとうに真相を伝えることはできないし、自分の思つておることを十分言えないうらみがありますから、それかといつて、この継続するか、しないかという問題を、一時間も二時間もしやべる必要はないのだから、常識的に大体五分から十分くらいの間で、あまり冗漫に流れたら委員長がそれに注意を喚起する、そういう程度でやつたらどうか。
○篠田委員長 それではただいま椎熊君からの提案によりまして、大体五分から十分間くらいの間に、各党討論をする。冗漫に流れた場合には、委員長から注意を喚起いたしまして、ただ注意だけではありませんが、やめていただくということにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○篠田委員長 討論の通告を願います。
 それでは民主党の小松君から御発言を願います。小松君。
○小松委員 私は、ただいま議題になつております電力再編成をめぐる不正事件の究明のため、引続いて証人を喚問し、さらに調査を継続せんとする提議に賛成するものであります。
 考査委員会は御承知のごとく特別委員会であり、その設置期限は臨時国会の召集の前日である本日をもつて終り、次の国会において存続が可決せられない限り、一応活動力を停止せられるのでありまするが、かような重大な事件の調査究明の半ばにおいて、本委員会を廃止するがごときは、従来の例より見ても、また常識的にも、あり得べからざることでありまするがゆえに、この前提のもとに、新たに証人を喚問し、本事件の継続調査を主張するものであります。
 思うに電力再編成をめぐる事件を考査委員会が取上げたゆえんのものは、日発のごとき発送電を一元的に管理する一大公共事業体が、電力再編成案を握りつぶすために、直接、間接的に政党や政党幹部に政治献金を提供するような事態を招くことは、政界、財界をいたずらに不明朗に陥入れるだけでなく、公明な政治の運営に汚毒を流すものであります。よつて政界粛正と政界に対する国民的不信用を防止する一つの過程として、その疑惑の真相を徹底的に究明して、疑惑を解くことに重点を置かれておつたのであります。しかして以上の目的を達するために、今日まで十四人の証人を喚問いたしたのでありますが、その証言によつて、はたして政界に対する深き疑惑が完全に解けたであろうか。今日の段階においては、疑惑は解けた、不正事件なしと断定することは、時期きわめて尚早なりと申さねばならぬのであります。事件の複雑さは、電力事業九分割による再編成問題の発展のうちに、日発当局だけでなく、電産労組側による反対運動があり、これに対する配電側の関係も云々されております。調査によりまして、なるほど電気事業経営者協議会から代表を選んで自由党の参与となり、金一百万円を自由党に提供した政治献金の変形な事情は明らかになりましたが、その他日発関係の政治献金として疑惑に包まれている、日発工事請負人や資材の納入者またはそれらの下請人からリベートを受けたものを、政治献金秘密グループの組織によつて積み立てて、中間の顔役や工事人がつながりを持つ政党や政党幹部に、それぞれ秘密グループの積立金を政治資金として提供されたという疑惑の真相が、どれだけ明らかになつたか。また電産を通じて金銭が政界に流れたであろうといううわさが解けたか。ざらに日発の経理は、本支店間に予算制度を実施しておるため、支店の支出面に使途不明瞭が多い。その使途不明瞭のものがとかく政治献金として流れておるであろうという疑いが濃いのであります。現に工事の請負においても、一千万円までの工事は、支店長の権限において工事人を指名し、請負契約が自由に結ばれておるのであります。これら工事人から支店がリベートを受けて政治献金をしておるという疑惑が解けないのであります。さらに労務対策費三千六百六十万円の支出中、講演会を一手に引受けたという田中清玄氏に金一千九十万円が支払われておりまするが、その他二千五百七十余万円の金の使途については、経理部長山本理事の証言では、各支店長が責任を持つて支出したものであつて、支出の内容は本社においては承知しないと申されておるのであります。こうした大金が顔役を介して政治献金したであろうといううわさが解消できたか。日発本社の帳簿や幹部をつつついてもぼろは出ない、支店の総理内容と工事人を調べなければ真相が明らかにならないとは、識者の定評であります。しかるにいまだこうした関係の証人を喚問せずして、どうして深き疑惑が解けるか。本事件の複雑性かんがみまして、証人喚問についても、まず調査の順序といたしまして、概論より各論に入る予定のもとに証人を選んで来たのであります。しかして概論的調査の証人は終つて、今後は各論に入つて、それぞれの真相を究明せんとするのであつて、今回申請した証人は、いずれも細部の事情を究明するに必要なる人物であります。しかるにこれらの証人尋問を拒むだけでなく、本事件をこの程度で打切りを主張するがごときは、あたかも事件の核心に触れることを恐れ、痛いところにメスを入れようとすることを避けようとするすねに傷を持つ者の逃げ口上の態度にひとしいものと私は思うのであります。われわれは一般のうわさを手あたり次第に取上げて証人の喚問要求をするのではなく、証人として喚問しなければ、いまだ知られざるところの疑惑の内情を明らかにすることができない必要な人物のみを、証人として申請いたしておるのであります。国民の疑惑を解くために必要なる証人でありまするがゆえに、ぜひともわれわれの申請したこれらの証人を喚問して、そうして調査を継続せられんことをわれわれは要求するのであります。もとより何でもかんでもつこうとするような意図はわれわれには毛頭なく、きわめて政界粛正のため厳粛なる態度で臨んでおることを、私はここに明らかにいたしたいのであります。また考査委員会の責務もここにあると存ずるのであります。重ねて申し上げますが、もしもこの程度において本事件の調査を打切るようでは、国民に与えた疑惑は容易に観けず、疑惑は疑惑を生じて、政界の信用を回復するどころか、政党の信用を失墜することはなはだしきものがあることを私は憂うるのであります。かつて軍閥官僚時代、暴なる力によつて不正と罪悪がやみからやみに葬られたような印象を、再びこの民主政治下において国民に与えるようなことのないように、われわれは考査委員会のその責務を果したいのであります。何と申しても現段階におきましては遺憾ながら幾多の疑惑を残しております。これらの疑惑に対する真相の究明は終つておらないのであります。よつて平素政治の粛正を強調する吉田内閣の与党たる自由党の賢明なる諸君も、われわれに協力せられまして、そうしてこの調査を続行せられんことを私は切に希望するものであります。(拍手)
○篠田委員長 次に猪俣君の御討論を願います。――猪俣君に御討論を願います。
    〔賛成、反対にやれよ」と呼び、その他発言する者多し〕
○篠田委員長 賛成、反対にならないのです。全部の意見を述べてから………。
    〔発言する者多く、議場騒然〕
○篠田委員長 それでは鍛冶君、討論を願います。
○鍛冶委員 私は本問題についてこの程度において打切るべしという議論に賛成の意見を述べるものであります。
 私は今小松君の御意見を聞いておりましたが、小松君がこの問題を調べるか調べぬかというときは、單なるうわさをもつてやつてはいかぬ、こういうので調査をせぬ方がいいという御意見だつたと記憶しております。しこうして今日これだけ調べて、單にうわさにすぎなかつたということがこれほど明白になつたときには、なおさらにやらなければならぬとおつしやることは、私は何ゆえにかようなことをおつしやるのかと疑問を持つておるのであります。
    〔発言する者多く、議場騒然〕
○篠田委員長 椎熊君。静粛に願います。
○鍛冶委員 そもそもこの問題は今小松君が言われた通り、電力再編成にからんで再編成に反対する者、もしくは再編成に賛成する者がおのおの黄白を散らし、政党に金を出し、政治家を買收したという疑いがないか、こういうことが根本の問題であつたのであります。しかもさらに進んで行きますと、各大工事請負人から日発が一〇%にあたるリベートをとつて、四億にわたる献金をしたという、これが焦点だということであります。これらについて十分調べましたところ、これまつたく架空の議論で、單に人の雑談しておるところの片言隻語をとらえて、いかにもこういう事実があつたように言いふらしておつたということが明白になつて参りました以上は、いやしくも正当なる調べをして、国民に疑惑のあるかないかを明白にしようという考えのある方であれば、この一事をもつて早く打切らなければならぬという議論が出るのは当然だと私は思います。しかるになおやらなければならぬという議論をまず調査要求事項から調べてみますと、昨日でしたか、一昨日でしたか、五人から出ましたあの刷物を読んでみますと、これはおそらく共産党で原稿のできたものと考えられる。しかも今まで調べたところと全然食い違つた日発の経理状態を調べてみようじやないかということが主なるものなんです。この委員会においては日発の経理などを調べようと考えたのではありません。ここに臭いものが出ているかどうかということを調べなければならないと思うのであります。その重点をよそにして、経理内容を調べる、これは日発の株主総会で日発の経理が悪いから検査役を申請してもらいたいという理由にはなろうけれども、いやしくも国会において考査委員会で調べてくれというような問題には一つもなりません。さらにそのほかに調査要求もしくは証人の申請はありましたが、これことごとく今まで世上言いふらされておつたデマをもう一ぺんむし返すことにらろうというそのほかの何ものにもなりません。われわれはしばしば椎熊先輩から名論を聞かされておつた。こういうようなことを世上言いふらされては国会の権威のためにはなはだいかない。それだからあるのかないのか明白にしてやろう。こういうことを言われた。国会の権威としてもうかようなことはないということが明瞭になつた今日、なおこれをさらにやつて行こうと言われるその真意那辺にあるかを了解に苦しむものであります。また証人その他の指摘せられるところも今までたくさん出て来た。証人に少くとも野党の諸君は一人々々に対してあたらざるものなし、はなはだしきはいやみを言つたり、もしくは大きな声で威嚇的な調べまでもせられてあたつた。あたつたが出て来ぬ問題をもう一ぺんやろうとおつしやるのでありまして、これはまつたくいかなるところに目的があるかを了解に苦しむ。先ほどから党利党略のために自由党がやると言われるが、この議論は野党の諸君に御返還申さなければならぬ。われわれは正当なる考えで真実をきわめるために一生懸命やつた。やつた結果今まで出て来たことはまつたくデマであるということがわかつた以上は、国会の権威のためにこれはデマであつたから、これ以上やるべきでないということこそ、この委員会の使命を達するものと確信いたします。しかるになお何でもない今日、これにつながつてさえおればためになるところがあるだろうと考えられる、これはまつたく野党的立場においてこの委員会を党利党略の具に供されようという議論以外の何物でもないと主張せざるを得ないのであります。今日世人において、失礼だがもうこの問題は煙であつた。何しろこういうデマを飛ばして歩いた者が一体だれであろうかという疑問こそ持つておるが、なおこの上に臭いものなどがあると考える人は真面目な人には一人もないと私は確信いたします。この意味において本日ここで打切ることが当然であつて、いたずらにこの問題を世上紛糾せしめ、しいて議会の権威を傷つけることがないことを切望いたしまして、私の意見を終ります。(拍手)
○篠田委員長 猪俣浩三君。
○猪俣委員 私どもはこれからほんとうの調査ができると思つておつたんですが、今まで前総裁とか、副総裁とか、あるいは役員とか、さような者を調べて来たのは形式的なことなんです。こんなものを調べて真相がわかると思うのはよほどどうかしておる。そういうものは総論として事の順序として調べたにすぎない。これからその中心点に向つて調査を進めたい。こう思つておつた途端に打切説であつて、われわれ茫然としたのであります。一体今まで大層制限せられて調査をしておりましたがその調査を見ましても、労務対策費が三千六百何万円出ておる。しかもそのうちの千九十三万円が講演会費というような奇怪な名前になつておる。どういう講演をしたのか知らぬのでありますが、千九十三万円も出るというのは異常であります。そこでこういう内容については今まで呼んだ証人はだれも知らない。これは田中清玄という人が一手に請負つてやつておつたということが明らかなんです。してみればこの田中清玄を呼んでこの内容を突込んで行くということは事の順序であります。ことに聞くところによれば、この講演会費というものの金もはたして講演会に使われたかどうか、これは常識で判断すればすぐわかる。お互い講演会なんかやつておつて、普通のやり方ならどのくらい金がかかりますか。なおある説によれば、そのうちの数百万円が日発のある理事の芸者の身受けの金に使われておる。こういうこともうわさされておる。してみれば、そこからまた政治献金が出ないとも限らない。かようなことであるから、この千九十三万円という自由に使いましたところの田中清玄氏に聞いてみるということは、これはあたりまえのことだ。それを田中清玄を呼ぶことに対し反対し、調査を打切りだということは、それでは事の真相がわからないことは明らかであります。なおまたその他の会社の機密費と称されるものから政治献金が出ることは明らかであります。会社の経理を調べるのはすべきじやないと言われるけれども、これは弁護士である鍛冶君の説としては私は奇怪に思う。ある会社から政治献金が出たかどうかといえば、まず経理を調べるのはあたりまえのことじやないか。それを調べないで、君はどんな調べをするのか。わからぬじやないか。伝票なんか焼いてしまつて、そうしてどのように使われたかわからぬ。伝票は明らかになつていない。みんな書類は焼いてしまつた。こういう証言をしておる。それであるから、しかもこれは矢萩という人に聞けばなお詳しいことはわかる。こういう証言をしておるのであるから、矢萩氏を呼んで、なお詳しくその先を調べるというのが職務に忠実なゆえんだと思う。それを調べないで、そういうことで事の真相がわかる道理はない。なおこれは拘束せられ、恐れながら調査した調査員の調査だけでもそれはわかつておる。なお私の提出しましたいわゆる日発の談合金かなんかから政治献金が出た。あの件については何も調査しておらぬ。澁谷昇次君、寳鏡晃君を調べてみればわかる。こういうふうに私が前から提案しているにかかわらず、今日まで何ら彼らを調べておらぬ。これを証人として呼んでくだされば、いわゆる談合金があつたということも明らかになる。ことに聞くところによれば、星野組の門屋盛一氏のごときは談合金のあつたことも肯定しているということだ。それを委員長だか、委員会だか知らぬがそんなことは追及しない方がよかろうというような話だ。かような状態である。だから民主党からも進んで門屋氏を呼んで調べてもらいたいということがわれわれの打合せに出ている。それを調べない。談合金があるということは天下周知の事実でありまして、土建業者を引張り出して、良心的な人を調べるならばすぐわかる。それもやらない。そうしていたずらに私らの提案が何か荒唐無稽デマであるかのごとく言つておる。調べないでデマであるかどうかわからない。ちやんと私は人名まで指摘してやつている。しかるにその人をちつとも調べておらぬ。ただ役人なんかをちよつと呼んだだけだ。なぜ澁谷や宝鏡を呼ばないのか。そういうことも調査員にすらさつぱり調査さしておらぬ。なおまたこの事件には早くからほとんど天下の人心に膾炙されておる三浦義一なる人物が活躍しておる。われわれも三浦氏が登場するようになつてこそ、初めて事の真相が明らかになると思う。なお特審局でその事実を調べた。それを自由党の方から特審局を圧迫して、この調査を打切らした。こういう事例も出て来ている。殖田法務総裁のごときもこれを否定しておらぬ。だから、殖田前法務総裁も呼んでただすなら、事の真相が明らかになる。しかも三浦義一氏は三浦久子の名前で帝国銀行の本店に預金をしておつた。この預金関係を調べれば政治献金がどういうふうに動いたかも想像がつく、それまで指摘したにかかわらず今日までその銀行も調べておらぬ。かようにして調査員の調査から出て当然調べなければならぬ田中清玄やあるいは矢萩というような人物、あるいはまた私が極力主張している渋谷君や宝鏡君、これも調べない。そして三浦義一氏の預金関係も調べていない。それで事は何もない。これで全部明らかになつた。かような上すべりの調査で何ができますか。これから本論に入つて、この田中清玄氏を出すならば、相当のことが明らかになつて来る。われわれも検察官じやないから、彼を直接調べるわけにいかぬから委員会へ出して、これをだんだん調査してくれるならば、相当の事実が明らかになるわけだ。それが諸君にはこわいためにこの打切り説が出たことは、事情に通じている人はみな認めている。なぜこれを呼ばないか。これはもう明らかなことであります。そして田中清玄氏を呼んでくれるならば、三浦義一氏の問題も出て来る。そういうふうにしてだんだん調べてこそ事の真相がわかる。今まで何人を調べたか。役人だとか、日発の前副総裁なんかを調べて事の真相の核心がつける道理はない。かような意味において、とにかく材料がたくさんあるから、なおこの審査を継続して、われわれの要求する田中清玄とかあるいは三浦義一、そういう人物を呼んでいただいて、そして事の真相を確かめなければ、それこそいたずらに自由党の諸君が事を隠蔽せんとして、これを打切ろうという腹であるということが明らかになつて来る。なお私は詳細なる調査要求書に一々その証人の名前を列挙して、三回にわたつて委員会に提出しているにかかわらず、何も調べてない。なか配電会社の問題についても、私が電力局と物価庁に関する報告が違つているということも数字まで指摘しているにかかわらず、それに対して調査は何もしていない。かようなことで事の真相が明らかになる道理はない。調査員の中にはどうも委員長がわれわれの調査をある程度拘束するということを漏らしている人もある。かような状態、たとえば私は三田の般若苑において吉川特審局長あるいは益谷氏らが会合してこの三浦義一氏の調査打切りの相談をしたというこの事実を調べてくれ、こういうことを出しているにかかわらず、その調べもない。かようなことで、われわれ委員がせつかく苦労して調査要求しているにかかわらず、それをほんとうに……。
○篠田委員長 猪俣君、お約束の時間が過ぎました。簡單に願います。
○猪俣委員 それをもちつとも調査しておらぬ。かようなことで事が何にもないということで、天下の耳目をごまかすわけに行かないのであります。本委員会の権威にかけても、いま少しく本格的な調査をしていただきたい。われわれも努力する、調査員も努力して、もう少し本格的な、人の納得の行く調査をしてもらいたい。今までのような上すべりなようなことではいけない。今までは序論にすぎない。これから本格的な人物が登場して来る。それを、この際において打切つてしまうというようなことは、本委員会のごまかし的な存在を天下に示すだけの何ものでもない。本委員会の権威のためにこの調査を継続して、われわれの要求する証人を極力呼んでいただきたいがゆえに打切りには反対であります。
○篠田委員長 島田君。
○島田委員 私はただいま議題となつております電力再編成に関する不正事件の審査にあたつて、これ以上証人の喚問は打切るという動議に対して賛成の意見を述べるものであります。元来本委員会がこの問題を取上げたのは、われわれは最初から政界にスキヤンダルなしという確信のもとに、こり事件に当つたのでありますが、ただ世間この問題に関しましては相当デマが飛んでおり、何らか政治道徳上許されぬような事実があるのではないかというふうなうわさがはげしかつたのでこれに対して真相を明らかにしてわれわれ政界の今後における国民の信頼を十分つないで行きたいというために、すべてを明らかにして政治道徳を守ろうということがわれわれの最初の出発であり、信念であつたはずであります。そうして爾来証人を喚問して調べた結果、われわれが最初に予想したごとく、政界のスキヤンダルは見当らない、なかつたということに確証を得たのであります。われわれは最初の出発が政治道徳を守り、国民の疑いをはらして、りつぱに政治道徳を守つて行きたいという信念でありますがために、ないという確信を得た今日、これ以上さらにらつきようの皮をむくような調べ方、群盲が象をなでるような調べ方は、せつかく国民の間に、本事件において政界にスキヤンダルなしという確信を国民が持つておるにかかわらず、なおさらにこれを継続して、何らかあるのではないかというふうな疑いを持つた調べ方をする場合においては、せつかく国民のこの信頼と本事件においてすべて政界にスキヤンダルなしという確信をさらにくつがえして、国民を迷わすことは疑いないのであります。われわれは長時日にわたつて本問題を十分検討した結果、すでにもはやこれ以上日発の経理を調べてみたり、また確かな事実のない、確証を握らない、本問題に対して、暗中模素をやるような調べ方をするというふうなことは、われわれの目的が政界の粛正であり、また政治道徳の番人としての十分の使命を果そうということにありますがゆえに、これ以上国民を迷わし、国民の信頼を裏切るようなことはしたくないと考えるのであります。しかも今日証人として申請し来つたその理由やらその内容を見まするのに、私は政界にスキヤンダルの事実、これこれのすでに確証を得たというところをつかんで調べるならば納得できますが、もう一歩進んで行つたら何かあるのではないかというふうな、さぐりを入れるような確信のない、いわゆる信念のない、こういう調査というものは、国会における考査委員会の権威から申しましても、とるべき手段ではないと考えるのであります。もし調べるならば、十分に事実をつかみ、その緒をつかんで、大いに全貌を明るくしようじやないかというふうな進み方をわれわれは要望したいのであります。今日証人の喚問を申請しておる内容は、いたずらにいわゆる疑心暗鬼のもとに事を進めて行こうというふうな信念のないやり方であると考えますがゆえに私はもはやこれ以上証人を喚問してこの事件を暗中模索するごとき態度は考査委員会として断然排すべきである。かような見地から私は打切りに賛成するものであります。
○篠田委員長 横田君。
○横田委員 本事件を何かはつきりさせないようにするためのように、巧妙にして不正しごくな今までの調査方法を改めて、調査中に野党委員をも参画せしめて陣容を整備してかかつたなれば、必ず本事件の核心はつかめると私は思うのであります。そうすることにおいて国民の疑惑を一掃し、電力産業の発展、日本の全産業のこの方面における障害を除き、政界、財界の暗黒の癌に痛撃を加えることができて、明るく安き電燈を公平に国民大衆に配電させることができると私は思うのでありますが、自由党はなぜにこれをサボるのか、これを調べたがらないというのは疑問であります。そこにおいて電気事業関係者を中心とした土建屋、追放のとばりの中に保護されて室町将軍の専横をほしいままにしておる三浦、これにつながる利権政治家暴力団の暴威とその害を後世に残すような結果が起つて来るのであります。調査をこれで打切つてはならない一、二の例を申し上げましても、こういうことが言われます。三建工業の星野君が協和銀行から二千五百万円の金を引出し、そのうちの一千万円を三浦が融通を受けている。この金の性質、この手品のやり方が日発工事費にまつわるところのものかいなかということが、考査委員会における今までの証人の証言では明らかになつておらないから、そこにおいてこの星野君並びに三浦君を私は喚問すべきであると思うのであります。また競争相手のない公共的な独占企業の名のもとにおいて国民の夜の電燈を消し、しかも高い電気料金をとつて、おのれだけはただで暖かい電熱器の中にぬくぬくとやみ政治、やみ余得の恩恵を満喫しておる。この不当な利得のわけ前にあずかつて、公平であらねばならない配電事業を不公平にするために、おのれの公僕としての職務を怠り、係役人どもを饗応したという世人の疑惑がバレてはあぶないから、これは言いませんという手合いだけを呼んで来て、われわれがおもに官庁関係その他の接待に使つたと考査委員会事務局から報告され、委員長から言われたところの問題を糾明したところで言わないのはあたりまえであります。だから私たちはこれに対しましては、一つの手口をはつきりさせるために申しますと、この人たちが水上温泉に参りまして、しかもその温泉に参つたときには日発発電所の視察に行つたのであります。それで行つたときの通産省の役人が水上温泉において連日連夜どんちやん騒ぎをやつておる。かような費用は一体日発のどの費目に含まれておるのかということをはつきりしてくれといつて調査要求をわれわれは出しているのであります。それは当然すべきことなのであります。そうすることによつて、これは官庁関係その他の接待でないと委員長があわてて言われたところの疑惑が一掃されるのであります。その努力がされずに、かえつてあわてて七百七十二万円は、おもに官庁関係その他の接待でございましたということを言いましたが、それはわれわれの方の言い間違いでありますということを言われると、野党側といたしましては、かえつて疑いを持つのであります。それから千四百五十二万円の渉外費にしたところが、これは実にややこしい帳面のつけ方でありまして、その内容は明らかになつておらない。現に米国人との電源視察に名をかりて、占領下に外人とつながつておりさえすれば何でもできるというような思惑を持つておるところの特殊職業の名のもとに、芸者と遊んで騒いで使つた多額の費用をわれわれは徹底的に調べなくちやならない。そうせぬと日発の経理は明らかにならない。その一例として電源視察に名をかりて、かつてこの調査要求書にもございますように、齋藤三郎という人たちが遊んだところのあの費用は、一体渉外費のどの項目に入つておるのかということを調査してくれとわれわれは要求しておるのであります。これを徹底的にやることなしには、日発の調査が調査にならないのであります。こんな帳簿をごまかすことの上手な手合いがつくつた会社経理を現わすための数字の行列にひとしい、ごまかしてしまつた帳簿には疑いがなかつたといつて感心して引下つておるようなこの委員会のうちの、しかも自由党の委員は、日発の電気事業関係者の弁護士になり下つたのじやなかろうか、考査委員をやめて弁護士になつてしまつたのではないかと疑います。それからあらゆる不正をごまかしきつておつて、悪いようなことはしたことはございませんといつても、悪いことは帳簿に隠してありますのだというように日発の経理はできております。だから日発の経理を見て、もしごまかしがわかるようであれば、このごろ赤を追放しておるように、こいつは日発の不正、ごまかしに協力しなかつたといつて首切られて、日発の失業保險の中で失業者になつて泣いて暮さなければならぬのであります。だから帳簿を見て、これに間違いないというようなばかげたことを言う調査方法それ自体が疑わしいのであります。第一、考査委員会の責任者並びに考査委員会の要請を受けて調査に行かれた方は、日発に数学のけいこに行かれたのかと私は疑います。数字の計算に行かれただけであります。また日発の一億円の内容にも問題があるのでありまして、この一億の金は一体何を現わしておるのかということをはつきりしない限りにおいて、帳面を私たちは信ずることができないのであります。それから特にこの点をはつきりしておいてもらわねばならないのは、数字というものは人の考えでどうにもできます。しかもあの人たちはやみ経営の中において十分に腕を磨いた人たちでございますから、やみ経理ということは上手でございます。しかもその人たちに対しまして、お前のところは二重帳簿があるのじやないか、秘密帳簿があるのじやないかということを尋ねたら、秘密帳簿がないのはあたりまえであつて、秘密帳簿があるということは、それは秘密帳簿ではないので、そういうばかげたことを聞いておいて、一体委員会は何をしているのだろう。これで証人を呼んだのだろうか。これで考査委員会の役割を果しているかということが、私は実に残念でならないのであります。
 さらに配電関係に至りましては、日発よりインチキがはなはだしいのであります。電気が送られて来て、それを配電する料金を集める場合においてどんなインチキをやつておるか。その電気産業に携わつておる人は多いのですが、その十万人の人たちが使うところの電気料金は全部ただであります。無制限に使つておるのであります。この電燈料金は一体だれが出しているのでしようか。しかも第三国人に対しましては、料金が違うのであります。日本のわれわれに対しましては、一キロ水力が一円八十銭、火力が九円八十銭である。この二つの料金を建前にいたしまして、わずかしか使わせない規定のもとにおいて、よけい使つたからといつて電力料金をさらにとるのであります。そうして外国人が使つた場合においては、よけいに使つた分は、九割はいわゆる水力料金の一円八十銭の安い方でとるのであります。われわれ日本人が使いました場合は九円八十銭の高い方をとるのであります。だから非常にインチキがあつて、特に関東配電のごときは土倉水源培養林の費用は多額なものであつて、この培養林を切つてこしらえた木によつて机ができ、たんすができ、それをたくさんの従業員に売つておるのでありますが、その費目は向うの帳簿には出ていないのであります。この金はどこに行つたのでしよう。こういう金を明らかにしないから、松永は二千万円もらつているのじやなかろうかという疑惑が起るのであります。日発問題がこうなつたがために、自由党の人たちは非常に困つておる、もし京都の競輪事件の不正があがらなかつたら、大野はもう少し元気があつたのだが、あの不正があがつたがために、これはたいへんだといつて、三菱の何号館かに一生懸命もみ消しに行つておるという真相があるのであります。特に私が不快に思いましたのは、松永喚問でありまして、自由党のお覚えがめでたくて、連れて行つていただいたのですが、行つてからたいへんなことをしたと思つたのであります。なぜと申しまして、松永さんの喚問に対しましては、この人は本委員会における重要な証人であります。だから来てもらつてぜひ言つてもらわなければならない人であるにもかかわらず、病気であつて、老齢であるから行けない、こう言われたのであります。なるほどこれは至極その通りである。そうしなければならないと思つて私も行つたのであります。そうしたら病気で寝ているはずの松永さんがかえつて元気でありまして、病人を見守りに来ておるお医者さんの方が病人らしいのであります。それでは一体何の尋問か。だからその意味においてどうでもこれは中村博士という松永さんの秘書を呼んで来て究明しなければならない。ところがこれがやられておらない。それから特に田中清玄氏であります。これは共産党を転向した人であるからそうだというのではないのであります。なぜと申しまして、きのうの理事会の空気をみますと、非常に不愉快だから申し上げます。あなたたちは政党献金を云々しますが政党献金というものは内容は如何でしよう。国会に議席を有しているところのいわゆる代議士あるいは参議院議員あるいは政党の一員が金をもらうのが政党献金なのでしようが、私はそう考えない田中清玄がもらつておるところの千九十三万円の金は一体何に使つたのでしよう。電産労働組合の名前においてビラをまいている。しかも電源防衞の名においてトーチカをこしらえ、そうして廠舎をこしらえて演習さながらのことをやつているというのは、調査に行つたところの考査委員会の事務局員に聞けば明らかであります。これは明らかに政治献金である。こんな金をだれが出したのでしよう。しかも一日に四百七十人の紅陵大学の学生までを交えたところの田中の行動は労働省労政局の人に聞いても、これは明らかに不当労働行為だと言われておるのであります。これを明らかにしないで、自由党は団体等規正令等による議席を持つておらないところの団体の人たちに対しまして、放送を適用しておられる。
○篠田委員長 横田君に注意をいたします。約束の時間が参りましたから簡單にお願いします。
○横田委員 だからそのような意味合いにおきまして、もし自由党が会社経理が正しいのだ、日発の請負單価が固いのだと言われるならば、その固いというところの証拠を見せてもらいたい。それを十分調べられておらない。私たちはこう思うのであります。だから私たちは証人の喚問を要求するのであります。そうしてこれを徹底的にやつてこそ本質がわかるのであります。第一談合入札するということは土建業界の常識であります。世界の土建業界はみな談合入札でやつておるのでありまして、この談合入札をやつておる人たちに対しまして、お前が談合入札をやつたとだれが言うでしよう。要は私たちが知りたいのは、日発がどんな形において談合入札をやつて、その日発の工事の特異性がどこにあるかということを徹底的に究明しなければならないのであります。さらに自由党の人たちが談合入札をやつたかといつて、いろいろなあたかも私たちをひがませるような質問をやつておることに、私は不満を持つのであります。だから私は調査を要求します。こうすることによつて明るく電力を万人に配電することができるのであります。だからわれわれは本事件の究明を極力要求するのであります。おのれのボロくて仕方のない利得を政界に献金をしたのではないかと思われるような危い世渡りをやつて、そんなうわさをたくさんまき散して、そうしてまでもなお自分の利益を守らねばならないというところのボロもうけのできる電気事業の関係者の利得の根源を突くことなしには、どうしても本問題を究明することはできません。
 最後に臨みまして、私はどうしてもこの続行を要求しておきます。国会において数の多数をもつて不正の隠蔽まできないのであります。国会内の多数を頼んで日発中心の考査をうやむやにすることができましても、国民大衆の疑惑を解くことはできません。必らずこの問題は後日国民大衆の奮起によつてボロがぼろぼろと出て来て、国会の考査委員会の機構をわらうがごとくに大スキヤンダルをわれわれの前に展開するのであります。よつて考査委員会を構成する一員といたしまして、考査委員会の面目にかけてもこのわれわれが出しました調査要求書を取上げて、本事件を徹底的に調査されるように、私はそれを望みます。
○柳澤委員 私は本件につきまして、この程度をもつて証人の喚問は打切り本件の調査はこれをもつて終了するという意見に賛成の意見を申し述べます。
 ただいまいろいろな反対の意見がありましたが、聞いておるというとまるで罵詈誹謗、あたかもかくのごとき事実が明確に存在するかのごときことを申しますけれども、今日までに調べられました多数の証人は、一体どなたが要求されて呼び、これを調べたものであるか。少くともこれらの証人のほとんど全部は野党の諸君がこれを要求したもであります、あるいは総論とか、何とか、各論はこれからだとかいう議論をされましたけれども、そんな順序をわきまえなしにあの尋問をみておるということは、およそ社会通念の認むる尋問の法則にはよらない、総論も各論もあつたものじやない、まるきりむちやくちやな質問で何か当るであろうと思うような、思う存分な質問を野党の諸君は徹底的にやつておるのであります。いわんやわれわれ与党はこれに対する時間を考えまして、できるだけ質問を控えておる。大部分の時間が野党の諸君によつてこれらの証人の質問にとられておる。しかも誘導尋問どころじやない。脅迫的な尋問までも試みておる。私は実にこの証人の立場に同情をせざるを得なかつた。いやしくも人権の尊重を最もわれわれがしなければならぬ国会の委員会において、証人尋問としてはこれでよかろうが、今後の考査委員会のあり方についても、証人の尋問については、十分われわれは反省しなければならないのであつて、聞くにたえないような尋問までも平気でやらかしておるではありませんかこれらをもつていまだ総論しか尽くされぬのだということは、これは速記録をごらんになれば、ただちにわかることですが、疑問の余地なく、あらゆる角度から、諸君がこれを検討しておる。この上出されたところの今回の証人あるいは調査要求事項、いずれをとつてみても枝葉末節、あの通りつつつきましてもなお出なかつたようなものである。それを国会の権威ある考査委員会といたしまして、また呼び出して、いわば恥をかかせる。少くともこの影響力大なる考査委員会の立場において、最も慎重に考えなければならないところのこの証人の呼び出しを、かくも軽軽に多数の人をただ羅列して、これも呼べ、あれも呼べ。人種の尊重はどこにありましよか。考査委員会の証人喚問は、事件の真相がこれなら必ずわかるというところにあてなければならない。何もかもひつぱり出して、これをいじめまわすというようなことを簡單になすべきではない。これだけではわからないというが、その調査に対する責任は、委員会みずからが、全部が負うべきであつて、野党の諸君が不足を言うのは、はなはだもつて当らないと私は思う。ここに出された証人について今後なお続けて行くということは、何らの必要も認めないのであります。まつたく荒唐無稽、先ほど猪俣委員が言われましたが、文字通り荒唐無稽な事実をとつつかまえて、まつたくのデマを基礎にして、これを何か裏づけがあるであろうという想像のもとに行つておるということは、まことに国会の権威においてなすべからざるものであります。われわれはかような非人道的な、人権を考えないところの、まことに残酷なるところの調べを、今後まつたく不必要なる証人に対して続行することはできないと考えるのであります。調べなければわからないと申しますけれども、今日まであなた方が要求された証人を調べて、なおかつ何も出ておらないじやありませんか。野党の諸君が言われるようなことは、いずれもあの証人においてすでに尽きておる。私はかように見ますときに、もはやこれ以上、今求められておる調査事項、これに対する証人を究明して行くことは、まつたく、先ほどどなたか言われましたように、その真意那辺にあるかを疑うのであります。あたかも自由党がこのスキヤンダルに介在しまして、これを隠蔽しておるかのごとき様相をつくらんがための反対意見であつて、まことにこれは遺憾千万であります。私はかように考えますときに、完全なる事実をつかみ得る確信を持たないような者を証人として調べる価はないものとして、おそらく裁判所などでは頭から却下せらるべきものであろうと思う。いやしくも権威ある国会におきまして、これを継続審議するということは、その必要がないと考えるのであります。もしこれを許すならば、おそらく先ほど横田君が言われました通り、はつきりさせない、はつきりさせない、でやつて行つたならば、むしろこの産業もあべこべに破壊せられるでありましよう。三浦というような名前も盛んに出しますけれども、あなた方、かつてぴつたりあてはまるごとき尋問をした人を見たことがない。真相か何かの雑誌で初めて名前を知つたというではありませんか。そのことは今後調べる証人においても同様でありまして、まつたくむだなことであります。
○篠田委員長 柳澤君、約束の時間が来ましたから簡單に願います。
○柳澤委員 私はこれらの証人については全部その必要を認めない。いわんや今日までの調査によつてきわめて事実は明瞭である、この上調査は必要なしと考えますので、すべてこれらのものは却下しまして、これをもつて打切るべきものと考えるのであります。
○篠田委員長 岡田春夫君。
○岡田(春)委員 打切りの動議に対して反対いたします。その理由を簡單に申し上げますが、先ほど柳澤君の賛成討論においても、るるお話がありましたけれど、われわれが聞いておる限りにおいて、真実というものをまつたく隠蔽してしまつて、雲の上だけの論議をやつておるという印象しか与えておらない。たとえば今までの証人喚問の状況を見ておつても、前々回の考査委員会における委員長の発言において、総論から序論の初めに入ろうではないか、序論の初めに入つて、まず証人喚問をやろうではないというので、前回の証人七名は序論の第一回として行われたはずであります。しかるにかかわらず、第一回の序論が、すでにここに至つては結論を飛び越えて、ここに打切られようとしておる点を見ても、この事件をあまりつきたくないというのが自由党の腹ではないか思うて真相をほんとうに追究して、明らかに白であるならば、ここではつきり白にさせるというだけの決意が大政党の自由党にないということは、きわめて遺憾であります。前委員長の鍛冶君が今ここで盛んに発言されておりますが、この間の理事会においても、われわれ野党各派から新たに調書要求を出したのに対して、一番先に真向から反対されたのは鍛冶前委員長である。これ以上追求することは何か困ることがあるから、これは調査を拒否されるという態度をとつたのではないかと思うのであります。いわゆる証人喚問の段階にあつては、今自由党側の諸君からいろいろお話になりましたけれども、なるほど自由党諸君の発言は非常に少かつた。しかし聞いておると、われわれの印象をもつてするならば、証人とのなれ合い的な一問一答であるという印象しか感じられなかつたのであります。たとえば委員長の発言においても、委員長は櫻井督三副総裁に対して、日発は関係土木業者及びメーカーからリベートをとり、分断反対の政治献金をやつておると言われるが、さようなことはありますかと言つておる。大体疑惑のある人に対して政治献金があるといううわさがあるが、そういうことがありますかと聞いて、ありますと答えるような、そんなばかな話は、常識から考えてみても絶対にあり得ない。あるいはまた自由党の証人に対する質疑を聞いておつても、廣川元幹事長の百万円は、あれは参与会の会費でありますかどうですか、という質問をすると、これは政治献金ではございません、参与会の会費でございます、と証人は答える。このようにまつたく、われわれの聞いておる限りでは、なれ合いの質疑応答としか感じられない。このような事実において、委員会の速記録に参与会の会費であるがごとき印象を植えつけようと自由党の諸君が躍起になつておつた。ところがあにはからんや、このような印象とまつたくさかさまの事実が出ておる。九月十五日の閣議において、廣川農林大臣、元幹事長は、百万円前後の金であつたが、私はただちに届出を済ませて官報にも政治献金として載つているはずであるからあやしむに足りないと言つている。この事実を見ても、これは参与会費ではなくて政治献金だということが明らかになつておるではないか。このいう点をまつたく隠蔽をしておいて、参与会費でございますといつてでつち上げようとしているではないか。それ以外においても、考査委員会の事務局が調査をしたことを、ことさらに委員会でこの調査の真相を追究することに対してサボタージユをしている。具体的な例を見ると、たとえば配電関係の経費を考査委員会の事務局で、細川旅館について二十三万八千円、カフエ・パレヤスに三十万円の金を使つたということを報告している。こういう点についても、われわれが真相を調査するために証人の要求をすることについても拒否をしておる。あるいはまたそれ以外にあるではないか。機密費の関係だつてはつきりしているではないか。秘書課扱い千四百五十二万円、秘書役扱い七百七十二万円の金の使途は、これは伝票一つないではないか。伝票もなくて、それ以上の調査をするといつても、どこを調査したらいいか、調査のしようもないという裏に隠れて、雲の上だけでないないと言つて、なれ合いの話をやつているにすぎない。そればかりではない。今度の日発の考査委員会の調査の仕方自体について、非常にわれわれは疑念を感ぜざるを得ない。現に東京の某大新聞でありますが、これは十月の八日でありますが、ここにはつきり書いているのではありませんか。「それに第三部の調査員には職務柄政界の明暗両面の事情に通じている者が多いのだが、篠田委員長は、これが政治的に利用されるのを防止するという理由でこの問題にふれさせないようにしている。」そればかりではないあまりに消極的だとの調査委員の意見が一部に起つているようだが、桜井前副総裁とは同郷の関係の三義浦一氏の最近の動きを確めようとして、今後一切日発問題の調査に関係してはならぬと言い渡された調査員もあると言つている。そればかりではない。調査員の中では地方の支社なんかをいくら調査しても何も出て来ないことはわかり切つている。しかし調査できないことはわかり切つているということを言えば首になるかもしれないから、これは調査できないのだということまで考査委員会の事務局の理事が言つているということが記事に書いてあるのじやないか。こういう調査の仕方で――この新聞をもつてすれば、委員長自身が委員会の事務局をある程度拘束をして、調査を十分にさせないで、調査がまつたく行われないようにして、そうしてないないと言つてこれを打切ろうとしている。臭いものには完全にふたをしてしまつて、自由党の諸君は痛くないところを探つて、痛くない痛くないと言つているのが今度の考査委員会だ。こういう点から見ても、今度の考査委員会の調査というものは醜を天下にさらすものだということを明らかにしておかなければならない。その責任は明らかに自由党にあるということをはつきり言つておかなければならないと私は思う。こういうことで打切るなら打切つてごらんなさい。多数で打切るなら打切つてよろしい。しかし大体われわれの見ておる限りでは、この問題は自由党が打切つてごまかしていても、いつまでも隠せるようなものではない。これはやがて世評によつて断固として糾彈をされて、考査委員会の事務局を初め、自由党の諸君もこれの責任をはつきり感じて、諸君たちがまつたく赤恥をかかなければならないときが来るということを私は一言言つておきたいと思います。
○篠田委員長 佐々木秀世君。
○佐々木(秀)委員 今回電力再編成にからむところの日発スキャンダル事件を取上げましたのは、九月十三日の理事会以来今日まで四十日間、しかもその間に十月三十日から十一人にわたるところの証人を喚問いたしまして、昨日まで証人から証言を求めたのであります。もともとこの問題の発足いたしましたのは、野党の諸君も御承知の通り、土建業者からは四億円にわたるリべートが出て、それが政治献金となつたであろうといううわさから出たのでありまして、当時野党の諸君におかれましては、日発問題は自由党は取上げないであろうという観測から、ひがみから、最後の理事会のときに至るも、個人的に今反対された岡田君あるいは横田君等は、自由党は取上げないのだろうということを私たちに迫つたのであります。しかしこの四億円にわたるところの日発政治献金があるとするならば、わが党といたしましてはこれは明らかにしなければならないという考えから、わが党みずから野党の諸君とともにこの問題を取上げましたことは今さら申し上げるまでもありません。しこうして四十日間のこの調査の内容を見ますると、猪俣君あるいは小松君、横田君、岡田君からいろいろとそれに対するところの調査打切りに対する反対の討論があつたのでありますが、いずれも何らそこに根拠を見出すことができなかつたのであります。たとえば最初出ました四億円の問題は、皆さん御承知の通りそれはどこから出たかと申すと、通産省の山岡水力課長が雑談的にこういう場合もあり得るような想像から出たところのデマであつたということは皆さんすでに了解がついたことであろうと思うのであります。またその他いろいろな問題が出て参りました。田中清玄氏に対する電力防衞費との問題、千九十三万円の問題もありますが、この点に対しての反対討論もございましたが、この内容を考えますと三百回にわたるところの講演会費その他いわゆる水力発電所の防衞のために使つたということであつて、これも何ら政治的な献金に関係なかつた。その間いわゆる政治的な、政治献金と目されるものの中に現われて来たのが自由党に対する百万円問題であります。これは御承知の通り政務調査会の参与制による会費であり、あるいは見ようによつては政治献金であつたかもしれません。しかもそれも正式に届出をしておる今日、これもスキヤングルとして取扱うべきものでないということも明らかになり、かつまた社会党が疑惑を持たれたいわゆる政治献金ですか、あるいは資金カンパでしようか、日発に対しての資金カンパの申込みをしたが、いろいろな事情でそれも実現しなかつたということもわかりました。その間において、政党あるいは政治家の名前の出たのは、社会党のいわゆるただいまの問題、自由党の百万円の問題であります。たまたま土建業者の中に政治家として現われたのが第一回に社会党から出された飛嶋繁氏の問題であります。この人は自由党の代議士でありますが、飛島組の社長であり、いわゆる日発にからむところの政治献金が行われておるのであろうといううわさから、社会党が出したのでありましようが、同氏のところを調べてみると、すでに飛嶋繁氏は、五年前に今の飛島組の社長を辞しておるというような、この土建業者の立場からの事実から見ましても、この発足にあたつては、何ら根拠がなかつた。四億円から発してデマを生んで、何か出ないかということで終始今日まで来たことは、いまさら申し上げるまでもありません。今日まで十一名の証人を喚問して、その内容についていろいろ各党の諸君が申されますが、あるいはほんとうのことは言わない。あるいは証人がうそ偽りを言つておると言いますが、しかし考査委員会で証人を喚問する場合は、法律に定められたところのいわゆる厳粛なる宣誓をして、証言を求めておるのであります。その厳粛なる宣誓をさしたその証言が、ほんとうに真実でない、うそ偽りであるとするならば、なぜ野党の諸君がこの証人に対して、いわゆる偽証罪をもつてこれに報いなかつたか。この偽証罪をも出さないで、証人の証言を認めないというそのことは、野党みずからがそのなすべき事柄をなさずに、みずからが考査委員会の権限というものを没却したものであると私は考える。そういう点から考えましても野党の証人に対する証言の求め方というものは、やはりみなわが党の方が申された通り、何かそこから根拠を得ないかというような、單なるデマによるところの証言の求め方以外の何ものでもなかつたのであります。ことに、個人的にいろいろ申しましたが、社会党にしても、すでにもう材料がなくなつているし、横田君のごとき、ほんとうに純情な人が私に申すことにおいても、共産党にももう材料がないということさえも申したではないですか。しからばこうした問題をもう四十日も今日まで引延しておいて、これ以上継続する必要はございません。またあなた方が問題として取上げて最も疑念を持つているのは、いわゆる日発の秘書役扱いの金でありましよう。これは証拠がないというので、相当猛烈に野党から突込んで参りました。そして二箇年にわたるところの秘書役扱いの七百万円、これをまた分析してみますれば、一年間に約三百五十万円、一箇月に計算いたしますと二十五万円の重役の費用であります。十名近くの重役がおりまするならば、百七十億の出費をするところの日発において、重役一人当り月に二万や二万五千円使うということは何らその中から政治献金のごときことが出て来るかどうか、ということはこれは三才の童児でも私はわかるだろうと思うのであります。そうして秘書役扱いは七百万円あるいは秘書課扱いの千四百万円の問題にしても、分析してみれば何らやましいことがないというくらいのことはいかに日発の存在に反対される方々であろうとも、常識的に了解されるものであると私は考えます。いろいろ申し上げたい反対の理由も、またあなた方の反対の理由に対する私の反駁もございますが時間が制限されておりますので述べません。電源問題にしても先ほど申し上げた通りであります。こうした結果から見まして、四十日間にわたる委員諸君あるいは調査委員、委員長を初めとするこの調査というものは、厳密なる調査に基きましてやや終末に達したものであつて、もうこれ以上何ら出るというところの見通しがつきません。こうしたことにおいて今われわれがいたずらにこれを継続するということは、天下に考査委員会の存続すらも私は批判されるのではないかと考えます。よつてこの程度にしておきまして、証人の喚問あるいは調査の打切りに対しましては賛成を申し上げるものであります。(拍手)
○篠田委員長 これにて論討は終結いたしました。
 採決いたします。採決は一件ごとに行います。まず猪俣君外四名より提出の追加調査要求に基いて、さらに下調査を進めるかいなかについて、これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○篠田委員長 起立少数。よつて委員会といたしましては、猪俣君提出の追加要求については調査を打切ることに決定いたしました。
 次に、猪俣君及び椎熊君より御要求の、今日までの証人の証言に基いて、さらに証人を喚問すべきかいなかについて、これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○篠田委員長 起立少数。よつて証人喚問はこれをもつて打切ることに決定いたしました。
 次に、報告書についてお諮りいたします。電力再編成問題に関する調査の今日までの報告書の作成、提出については、今日をもつて本委員会が消滅いたします関係上、これを委員長に御一任願いたいと思います。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○篠田委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時二十五分散会