第009回国会 大蔵委員会 第6号
昭和二十五年十二月一日(金曜日)
    午前十一時十五分開議
 出席委員
   委員長 夏堀源三郎君
   理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
   理事 西村 直己君 理事 天野  久君
      淺香 忠雄君    有田 二郎君
      大上  司君    川野 芳滿君
      佐久間 徹君    島村 一郎君
      高間 松吉君    三宅 則義君
      宮幡  靖君    内藤 友明君
      宮腰 喜助君    川島 金次君
      米原  昶君    竹村奈良一君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  西川甚五郎君
        大蔵事務官
        (日本專売公社
        監理官)    久米 武文君
        大蔵事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  舟山 正吉君
 委員外の出席者
        專  門  員 椎木 文也君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
十一月三十日
 碁将棋具に対する物品税の免税点設定に関する
 請願(松永佛骨君紹介)(第一三〇号)
 てん茶に対する物品税撤廃の請願(三宅則義君
 紹介)(第一三一号)
 卓球ボールに対する物品税撤廃の請願(三宅則
 義君紹介)(第一三二号)
 はち蜜に対する物品税撤廃の請願外四件(三宅
 則義君紹介)(第一三三号)
 国民金融公庫宮崎支所の資金増額に関する請願
 (川野芳滿君紹介)(第一三五号)
 旧軍都転換特別措置に関する請願(前田郁君紹
 介)(第一三六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第六号)
 所得税法臨時特例法案(内閣提出第九号)
 砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一〇号)
 揮発油税法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一一号)
 塩田等災害復旧事業費補助法案(内閣提出第一
 六号)
 物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一七号)
    ―――――――――――――
○西村(直)委員長代理 これより会議を開きます。
 政府委員の出席がございませんので、はなはだ遺憾でありますが、午前中暫時休憩をいたします。
 午後一時より再開いたします。
    午前十一時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時六分開議
○夏堀委員長 ただいまより会議を開きます。
 塩田等災害復旧事業費補助法案を議題として質疑に入ります。三宅委員。
○三宅(則)委員 私は塩田等災害復旧事業費補助法案に対し、三、四点お伺いいたしたいと思います。この法案によりまして、塩田等に対しまする災害の復旧を補助しようというのでありますが、資料でもけつこうでありますが、わが国の塩田の面積もしくは堤防の延長数等がわかりましたから、この際監理官から御説明願いたいと思います。
○久米政府委員 現在わが国におきます塩田の総面積は、約五千ヘクタールであります。塩田堤防の総延長は約八百七十キロであります。今回のジエーン台風及びキジア台風の関係で被害をこうむりました塩田の方をまず申しますと、塩田は全国総面積の八四%が被害を受けております。堤防の方は総延長の約一五%が被害を受けております。
○三宅(則)委員 災害の算定は公社がやることかと考えておりますが、算定には相当めんどうがあると思いますが、どういうような方法で、どういうようなところまでこれを研究して査定するかということをお示し願いたいと思います。
○久米政府委員 この法案にあります災害復旧は、原形に復旧するというのを根本の観念といたしております。原形に復旧することが著しく不適当または困難な場合におきましては、それにかわるべき復旧工事をいたすことに相なつております。本補助金の交付を受くべきものは、大部分の場合は業者の組合でございます。この組合は、実際の手続といたしましては、日本專売公社の各地方局長に、事業計画書を添えまして補助金の交付申請書を出すことになつております。その交付申請書に添付すべき書類の形式その他は、專売公社内部におきまして、総裁達というような形で定められるわけでございますが、その中にどれだけの被害を受けたか、たとえば堤防でありますれば、どこの堤防のどの部分がいかなる被害を受けたか、それを復旧するにはどれだけの資材なり、労賃なり、その他の諸経費を要するか、従つて事業費の総額はこれだけだ、それに対する補助金としてこれだけほしいという申請書を出すわけであります。その申請書が出ました上、專売公社においてその内容を点検いたし、実地調査もいたしまして、適当な額を認定いたすわけであります。なお本法案を提出いたしまする前に、政府といたしましては、日本專売公社をして被害の実施調査をいたさしております。この実施調査の結果、本法案によりまするところの補助の対象となりまする事業費の総額というものは約八億五千万円と考えまして、それに対しまする補助金――これは補助率が二本になつておりまして、堤防の方は六割五分であります。それから塩田、濃縮台あるいは枝じよう架と申しまする特殊の製塩設備がありますが、そういうような濃縮施設、普通の塩田、濃縮台、枝じよう架その他の濃縮施設というものについては五割、それぞれの補助率で算定いたしました金額の合計が四億八千万円でございます。
○三宅(則)委員 監理官に対してもう少しつつ込んだことをお伺いいたしたいと思います。なぜならば、損害をこうむりました場所でありますが、たとえて申しますと、堤防等におきましては、かりに原形に復しましても、また破壞するおそれがある場合が往々あると思う。でありますから、原形、もしくはそれ以上にやらならなければ、とうてい災害を防止することは不可能である、こう私は断定したい。といたしまするならば、これについてのその復旧よりも余分なところだけはだれが負担するのか。公社が負担するのか。あるいは政府といたしましても何らか考慮する余地があるかないか。その辺をはつきりと見きわめることが親切であると思いますが、いかがでしようか。
○久米政府委員 ただいまの御意見、まことにごもつともな点があると思うのでございます。災害を未然に防止いたしますためには、たとえば堤防の構造等につきましても、十分な構造にもつて行かなければならないということは、まことにごもつともだと考える次第でございます。ただし補助金の政策といたしましては、補助金の算定の基礎といたしまする事業費、要するに金額を算定するときの基礎としては、原形復旧に必要な経費というものを念頭に置きまして算定いたします。従いまして元よりもりつぱな施設に直すというときは、前よりも改良した部分についての負担は一応業者にかかる、そういうことに相なろうと存じます。
○三宅(則)委員 たいへんに問題の多いところでございまして、他の委員からもそういうことは御質問があろうかと思いますが、塩田に対して五割、堤防について六割五分と申されます。しかしこれらはもう少しく増大する方が、かえつて製造能力を増進するゆえんであると私は思うのですが、政府としてはその余地がないものでしようか。たとえば塩田の五割を六割五分、七割にするとか、あるいは堤防の六割五分を七割、八割にするとか、もう一、二割ずつ増大することがどうだろうかと思う。昔は全部を政府でやつたということも聞いておるわけですが、その辺をもう少し少し明細に説明せられたいと思います。
○久米政府委員 ただいまの御意見まことにごもつともでありまして、関係いたしまする塩業の組合あるいは業者の方々からも、また国会内におきましても、多数の方々からそういう御意見を伺つておる次第でございます。塩田の補助についての歴史を振り返つてみますると、補助率といたしまして、たとえば昭和十七年の八月に津波がありましたが、この津波の際には、堤防に対して九〇%、塩田に対して七〇%という補助率を適用いたしております。二十年の九月の風水害、及び二十一年十二月の南海震災の際には、堤防九〇%、塩田八五%という補助率を使つております。ただいま御指摘の通り、今回の法案よりは高い補助率でございます。その点はまことに御指摘の通りであります。ただ政府といたしまして今回の法律に六割五分、五割という二つの補助率を使いました理由は、第七国会で御審議願いました農林水産業施設の場合の補助率というものにおきまして、農地とか林道とか、そういうふうなものにつきましては十分の五、それから農業用施設については十分の六・五という率を使つておりまするので、予算を扱つておりまするものといたしましては、彼此勘案して、権衡を失しないようにという配慮から、この程度でひとつがまんをしていただきたい、そういうふうな意味でございますので、御了承願いたいと思います。
○天野(久)委員 それについて関連質問をいたしたいと思うのでありますが、実は私は建設省におるときに、この塩田の関係で親しく視察をいたしまして、今の塩田の災害は、ただ單なる津波だけではなく、地盤沈下という一つの特異な災害を受けておる。そこでここに新しく塩田災害復旧事業費補助、こういう法案が出されるということは、政府当局に対して私は敬意を表しまするが、今の説明を伺つておると、いわゆる普通の災害と同じように、原形復旧が原則である。しかもそれに六割五分ないしは五割の補助を出すのだ。こういうことは、まことに矛盾した話である。こんな法案を出されるならば、あの地盤沈下による災害は今までに例のないことであつて、今までの堤防の原形復旧ということであつては、これは絶対に元の塩田にはなり得ないものであるとかたく信じます。そこでこういうものを出しておいて、操作の上において何とかしようと言われるのか。それとも法案通りはつきり、その災害に対して原形復旧の形で六割五分ないしは五割の補助をなされて、ほんとうにそれをやつて行こうというお考えかどうか、これをひとつ承りたい。
○久米政府委員 この法案の第二條第四項に災害の定義が掲げてございますが、「この法律において「災害」とは、暴風、こう水、高潮、地震その他の異常な天然現象に因り生じた災害をいう。」ということになつております。地盤沈下は確かに異常なる天然現象であろうとは思いまするが、地盤沈下によつて現実に災害が発生いたしますれば、本法の適用はあろうかと思うのでありますが、ただ地盤が沈下して行くために、堤防がだんだん低くなつて来て、海面との差がだんだんと縮まつて来る、そういう過程におきましては、まだ本法の災害にはならないのだ、そういうふうにひとつ御了承願いたいと思います。
○天野(久)委員 そうすると、つまり地盤沈下による災害は、本法によらずして、特に規定を設けようというのですか。それとも地盤沈下をして、つまり堤防が下つたから、それだけかさ上げをすればいいという考えであるか。その点をひとつはつきりと承つておきたい。
○久米政府委員 地盤沈下の対策は、これは塩の生産確保の点から非常に重大な問題でありまして、大局的見地から愼重なる配慮をいたさなければならぬことは事実であります。しかしただ堤防がだんだん下つて来るというだけで本法の補助は適用はない。それにつきましては、地盤沈下によりまして、堤防が下つて来るというのに対しましては、堤防のかさ上げを必要とする。それは確かに御指摘の通りでございます。その堤防のかさ上げをするということは、今あります制度だけから申しますれば、これは業者として堤防のかさ上げをやるということにならざるを得ないかと思います。
○天野(久)委員 いま一点、ちよつと私の質問が悪かつたかと思いますが、つまり塩が国民生活に最も必要欠くべからさるものであるということは、よくわれわれ考えなければならぬ。私は山梨県で海には接しておらない、塩田には関係がないのですが、事実あの地盤沈下の惨状を見て――親しく九州から四国あの附近を見て来たが、それは單なる災害復旧によつてはできないということはよくわかつた。そこで今お尋ねしたのは、つまり災害復旧というものではなしに、地盤沈下に対する対策を別にお立てになるのか。それともかさ上げだけするということで、つまり一般の災害の関係でこれを補つて行くのか。こういうことをお尋ねしたわけであります。そこで、これで最後ですからいま一度希望申し上げておきますが、つまりあの地盤沈下という、今までにない異様なる、いわゆる異変が起きて来ている。政府として、これに対して何か特別なる対策を講じて、單なる災害復旧という――いわゆる災害復旧は原形に復するのが原則で、しかしてその補助は幾ら出る、その操作の上において幾らかの割増しを見たという單なるものでは、あの塩田の復旧というものはでき得ないのではなかろうか。従つてこれを單なる災害復旧、いわゆる全国のありふれた広義なる災害復旧でやるのか。それとも新しく別に、その地盤沈下に対する塩田復旧の特別な対策をお立てになる用意があるのかどうか。これをお尋ねいたしたい。
○久米政府委員 ただいまの御質問の地盤沈下の対策ということは、非常に大きな問題でございますので、私からお答えするのはいかがかと思いまするが、地盤沈下の対策の問題はひとり塩業だけの問題でなしに、全体を総合した各種の対策、たとえば公共企業全般の問題とか、いろいろな問題に関連しておると思うのでございます。塩の関係だけから特に取上げることは困難であろうと思います。全般的、総合的な、たとえば四国あるいは瀬戸内海沿岸、あるいは九州の東の方も一部あるかと思いますが、そういうふうな全般的な地盤沈下の対策として、研究を進めなければならぬ問題であろうと考えます。塩だけの関係で申し上げることは、ちよつと困難かと思います。
○竹村委員 ちよつとお尋ねいたしたいのですが、大体現在国内におけるところの塩の需給関係について、外国の塩と内地の国内産の塩との関係は一体どのくらいになつておるのか。パーセントでも、数量でもけつこうですから、外国の塩がどういうパーセントになつておるか、あるいは国内の塩がどういうパーセントになつておるか、伺いたい。
○久米政府委員 国内における塩の生産は、現在の設備といたしまして、年産約六十万トンの能力を持つております。本年度予算におきまして、專売公社の收納いたします塩が五十万トンでございます。それから防府の直営工場でつくります塩が二万トン、五十二万トンというものが国内製塩でございます。それから輸入につきましては、当初予算の見込みが百五万トンでありましたが、これを八十万トンと補正いたすことにいたしております。なお本年度は前年からの塩の持越しが約九十七万トンございます。その持越しのうち約四十八万トンというものが輸入原塩でございます。従いまして、持越しの国内塩というものが四十九万トン。この前年からの持越しの九十七万トンを本年度としては一部使います。それから本年国内で生産されまする五十二万トンを加え、なお輸入を八十万トンいたします。その全体のうちから約百五十万トンを本年度として消費いたします。翌年度へ残額を持越すということに相なるわけであります。従いまして、二十五年度から二十六年度への持越しは相当減少するわけであります。
○竹村委員 そういたしますと、現在、これはもうどなたかお聞きになつたかわかりませんけれども、国内産の買上げ値段、それから輸入塩の値段は一トン当り幾らですか。
○久米政府委員 国内塩の買上げ値段は、現在一トン当り九千七百四十五円でございます。これは塩の賠償価格と称するものであります。輸入の価格につきましては、昨年度輸入いたしましたものは、トン当り十六ドル以上の高い塩もございましたが、本年度に入りましてから、できるだけ安い塩を輸入するという努力をいたして参りまして、最近では十ドルないし十一ドルくらいの塩を輸入いたしております。補正予算におきましても、トン当り四千円という單価で計上いたしております、約十一ドル弱でございます。
○竹村委員 そういたしますと、今度はこれが販売にあたりまして、一般家庭の消費者価格一トン当り、それから工業塩に渡される価格、これをひとつ……。
○久米政府委員 売渡しの価格でございますが、現在最も安く供給しておりまするのがソーダ工業用の原塩でございまして、これは御承知の塩專売法第二十九條の規定によりまする特別価格でございます。これは現在トン当り三千円でございます。この三千円が一番安い価格でございます。その他は原塩といたしましては、原塩そのままの形のものを売ります場合には一万二千円でございます。これを特に包装いたしまして、包裝塩として売ります場合は、一万二千八百円であります。原塩を粉碎いたしまして、粉碎塩として売ります場合は、一万四千五百円であります。その粉碎塩を包裝いたしました場合に一万五千三百円であります。その他の国内で生産されました塩、つまり九千七百四十五円で收納した塩を売ります場合の価格が一万七千九百五十円であります。これが現行の価格でございまするが、政府といたしましては、できるだけこの一般用の塩を安く供給したい。專売公社の事業におきまする塩の事業関係のバランスの許す範囲内において、できるだけ安く供給したい。また公社が回送いたしまするとか、保管するとか、あるいは売渡しに各種の経費を要しますが、そういうふうな経費は極力節減して、安い塩の価格をきめて行きたいというふうに考えておるのでございまして、明年一月一日からは食用塩の値下げをいたしたいと考えております。その値下げ案の大体の内容を御説明いたしますると、まずその高い方の値段から申しますけれども、内地塩の一万七千九百五十円は三千九百五十円引下げまして、一万四千円といたす予定でございます。次に粉碎の包装塩一万五千三百円は二千三百円下げて一万三千円に、粉碎塩の包裝しない碎塩の一万四千五百円の口は千九百円下げて一万二千六百円に、原塩の方は、碎塩の方は一万二千円ですえ置きまして、包裝の方だけ四百円下げまして、一万二千四百円、そういうふうに値下げをしたいと考えております。なおソーダ工業塩につきましては、トン当り約一千円の値上げを目下考慮しております。
○竹村委員 ソーダ工業に必要とする塩は大体一箇年に何トンぐらいでありますか。
○久米政府委員 本年度一応七十万トンと考えておりまするが、これを七十五万トンぐらい供給することになろうかとも思われます。これはソーダ工業塩の需要が今非常に旺盛でありますので、できるだけたくさん輸入して、たくさん供給してほしいという要望にこたえたいというふうな意味でございます。
○竹村委員 こういうふうに見て参りますと、内地産の買上げ価格と輸入価格と比較しますと、内地産が少し高いのでありますが、その原因は一体どういうところにあるのでありますか。たとえば設備が近代化されていないのか、あるいは労賃との関係であるか、こういうような点についてひとつお伺いいたします。
○久米政府委員 現在の国内における製塩の方は、塩田と申しまする特別の施設を必要とするわけでございます。これは他の国にはあまり例がないところなのでございまして、他の国では自然に塩が存在しておるのでございます。日本の場合には塩田をつくりますには大体一ヘクタール当り百五十万円かかると思います。そういうふうに相当の資材をかけ労力を使いまして、塩田というものをつくり上げなくちやならない。その塩田を維持して参りますためにも、相当の資材と労力を必要とする。これは外国の原塩が自然に産出されているという状況とは、いささか趣を異にしておるのでございます。この現在の塩田から鹹水をとりまして、それを、工業というようなカテゴリーに入りますか、塩につくり上げる。そのつくり上げます場合に最も原始的な方法は平がま式と申しまして、下から石炭をたいて鹹水を煮詰める。それからなおその上に進歩して参りますれば、蒸気式でありますとか、真空式の蒸発カンを使つてやる方式、こういうものになつて参りますと、コストは低減しております。現在われわれは非常に矛盾を感ずるのでありますけれども、非常によい塩、良質の塩というのは真空式であります。これは設備をつくりますときは固定設備はたいへんかかりますけれども、あとのランニング・エクスペンスは非常に安く済みますので、毎年々々のコスト計算としては真空式が一番安く上ります。ところが平がま式と申しますのは、これは今まで申しました三つの方式のうちでは最もプリミテイーヴな製塩方法に相なるわけでありまして、コストがたくさんかかる。現在塩の收納価格は九千七百四十五円一本でございますが、この三つの生産方式の塩を收納する価格としては、現在のところ九千七百四十五円はどうしてもかかるということに相なると思います。ただ将来の方針といたしましては、極力そういうふうな煎熬部門の改良、あるいは採鹹部門の段階において、できるだけその機械力を利用するというふうな方法によりましてコストの低下をはかる。ですから九千七百四十五円が将来の方向としては下つて来るだろう。大局的に申しまして、そういうふうな努力を今後続けて参りたい、かように考えております。
○竹村委員 今までの説明を聞いておりますと、日本国内塩のコストを下げるということも、必ずしも不可能ではない。問題は外国塩のコストまで引下げるというには、結局塩の生産の近代化が必要である。近代化すれば、外国の塩のコストまで引下げるのにむずかしいことはない、こういうふうに考えてよいのでしようか。
○久米政府委員 大体の傾向としてそういうことになると思います。輸入塩につきましても、日本は国際的に申しまして、最も大口の注文者と申しますか、需要者でございます。従いましてこの国内塩業の設備、あるいは鹹水をとります段階における各種の合理化等によつて、コストの低減をはかるとともに、外国塩の輸入価格についても極力低減をはかりたい、かように考えております。
○竹村委員 大臣が見えましたので、私の塩に対する質問は保留しておきます。
    ―――――――――――――
○夏堀委員長 ただいま大蔵大臣が出席されましたので、国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題として、保留された大臣に対する質疑を許します。
○内藤(友)委員 大蔵大臣に申し上げたいのでありますが、この委員会は連日開かれておりますが、大蔵大臣のお顔を見るのは今が初めてでありまして、お忙しい中まげてお出ましいただきましたことを、心から御礼申し上げる次第であります。ところが大臣に一言申し上げたいのですが、私どもは一生懸命になつて審議しておりますが、まあ大臣もお忙しいからお見えにならなかつたのはやむを得ぬといたしまして、局長、課長さんもお見えにならなかつたので、きようの午前中は委員会が流会になりました。大臣はお忙しいか存じませんけれども、どうか局長、課長を御督励くださいまして、この委員会の審議が円満にすみやかに運ぶようにお願い申し上げたい、まずそれをひとつ申し上げておきます。
○池田国務大臣 ごもつともなお話でございますが、きようは実は午前中公聽会がありまして、私こちらに上りまして、本日議題になりました各種の法律案につきまして、御説明いたすはずだつたのでございますが、あいにく発熱いたしまして晝休んだものでございますから、欠席いたしましてまことに申訳ございません。事務当局の政府委員につきましては、できるだけ大蔵委員会に出るように言つておるのでありますが、きようもし出なかつたとすれば、非常な私の手落ちでございまして、今後はそういうことのないようにいたしたいと存じます。御了承願います。
○内藤(友)委員 今議題になつております国民金融公庫の問題に関連しての事柄でありますが、実は少しさかのぼることでございますけれども、以前に復興金融金庫というものがありまして、今もあるのでありますが、この増資の法律案が出ましたたびごとに私は申し上げておつたことなのであります。大蔵大臣が御就任になりましてから以後も、これは私のばかの一つ覚えかもしれませんが、いつも申し上げておることであります。ところがいつも大臣はこれは十分考えておるのだ、やるのだというふうなお話で、そのお言葉を聞きますると、非常に安心をいたしまして実現の日を待つておるのでありますが、今度もお配りになられました二十五年度補正予算の説明、これを見てみましても、いつも私がばかの一つ覚えを申し上げておる事柄が、ここに出て来ておらぬのであります。
 そこでお尋ね申し上げたい第一の点は、大蔵大臣は農林金融に対してどういうお考えをお持ちなのか。中小企業者あるいは貿易業者あるいはその他の産業者に対して、ない中から非常な金を出していろいろとお考えになつておるのであります。これはまあいいと思います。またやらなければならぬと思います。しかしそういうのを見ますると、農業の方に関係を持つております私どもは非常にさびしい気持を持つのであります。しかしそう申しましても、私どもは單に農業だけのことを考えておるのではございませんので、わが国産業構造がどうあるべきか、自立経済をはかる基本的なことはどういうことかということを考えてのことなのであります。御承知の通り、戰後日本経済は援助金とそれに補給金、いわゆる竹馬の足でささえられて来ました。ところが竹馬の足もだんだんと細く短かくなりまして、やがてこの足がなくなろうと思うのであります。こういうふうな今日の状態になりまして、資本蓄積という面を強く考えてみますると、それは何と申しましても貿易というものが一番考えられるのであります。ところが昨年の貿易状況を調べてみますると、輸出いたしましたのは五億一千万ドル、輸入いたしましたのが九億ドル、差引三億九千万ドルというような輸入超過になつております。この赤字の大部分が実は食糧なのであります。私どもはほんとうに貿易を盛んにして、そうして日本の資本蓄積を考えるのならば、何もそれは食べて肉になり血になるのでありますから、何にもならぬとは申しませんけれども、そういうものよりもむしろ日本の工業の原材料を入れるということに向けなければ、ほんとうに資本蓄積にはならぬと考えるのであります。でありますから、今日のこの貿易の現状をながめまして、私は食糧の輸入ということをなるべく少くして、そうしてその部分を日本の工業の原材料の輸入に向けるということでなければ、正常な自立経済というものはどうしても考えられない、こう思うのであります。そういう観点に立ちまして、私どもは農村の問題を考えておるのでありまして、ただ單に農村だけの狭いことを申し上げておるのではないのであります。これをほんとうにやらなければ私は日本の国は立たぬと思う。そういう意味で実は尋ねておるのであります。また一面農業人口は全人口の半分おります。工業にとつては有力な国内市場であります。この農村の購買力の消長、そういうことをほうつておいては、日本の工業というものは考えられません。そういう意味からも実は農村のいろいろな問題をお願い申し上げておる。しかし大蔵大臣は減税という問題を非常に強くお取扱いになつておりますので、その点は多といたすのでありますが、それが行き過ぎますると、その反面いろいろな産業が萎靡し、振わぬような状態になつて来ることも考えなければならぬ。従つて政治家はどこに線を引くかということか一番大事な問題であります。私ども申し上げますことは、決してこれはごむりなことを申し上げるのではないのであります。今日の予算をながめてみましても、農村に対する金は少しも計上されておらない。救農臨時国会を開いてもらいたいというお願いも、この予算の上では出ておりませんし、廣川農林大臣が、興農臨時国会を開くのだと言われたのでありますけれども、その片鱗も現われておらない。こういう状態を見ますると、日本の将来が実は心配でならぬのであります。そこで行政の面から農村のことを心配できないのならこれはしかたがないが、それがやがて融資の面にどうしても向けなければならぬということになつて来るのであります。これは感心したことではございません。借金をして農業のいろいろな施設をするということは私は邪道だと思います。けれども今日の状態としましてはこれはしかたがない。ところがその融資の問題も今日はまつたく望みがない。いろいろ新聞では大臣も――これはいつでありますか、二十七日の予算委員会でお話になられたことが新聞に出ておりまして、これを私どもは何かこうお宮でいただいたお守りのように持つておるのであります。これが実現してくれればと思つてその日の近いことを待つておるのでありますが、はたしてこういうことはほんとうにおやりなさるつもりかどうか。そのほんとうの心をひとつまずお聞かせ願いまして、安心させていただきたいのであります。
○池田国務大臣 今度の補正予算で農業関係の経費があまり載つていない、廣川農林大臣は興農臨時国会と言つているのだがどうか、こういうお話でございましたが、私は興農臨時国会という言葉につきましては、廣川君の気持が十分わからないので、大蔵大臣としてはそういう興農国会という名のつく国会等は私は期待しておりません。何と申しましてもわれわれが参議院の選挙の直前に声明いたしました、いわゆる来年度の公約をできるだけ早く実行して行こう、そうしてまた今の朝鮮事変の影響を受けましたわが国の経済を、安定させ自立さす方向としてできるだけ早く手を打とう、こういう二つの考えで予算案その他を編成したのであります。従いましてもうこれは申し上げるまでもないのでありまするが、補正予算でございまして、今までの既定経費で足らないところを余つた金でやる、そうしてまた私が常に主張しております今の日本の政治の根本は、何と申しましても減税が一番だ、こういう考えで編成したのであります。従いまして国民金融公庫は御承知の通り三十億円程度の金を貸しておりまするが、今金庫の中に一つもない。これは今の庶民階級の状況を見まして出さなければいかぬし、また中小企業の保全制度の金融の円滑をつけますためには、これは焦眉の問題でありまして、われわれも公約しておりますし、また輸出関係その他で、これも来年度の四月から動き出すためにやはり輸出銀行も設けておかなければならぬ、こういうふうなことからやつたのであります。しからば農業の方は遅れているじやないか、こういうお話でございまするが、農業の方につきましては、私は今までの姑息なやり方でなしに、明年度からはこの農業金融につきまして、根本的の改革と申しますか、かゆいところに手の届くと申すのもこれは言い過ぎかもしれませんが、今まで農業の短期金融ということを主にしておつた制度を、短期長期とこの二つの方面からやつて行きたい。ことに農地の改良なんかにつきましても、何でもかんでも公共事業費で政府の補助というふうなことでなしに、政府の補助もさることながら、低利の金利を出しで農民の方々がみんな集まつて、自分らの力で経済的にやつて行くような方向をとるべき必要があるというので、長期の農林金融のことを考えておるのであります。もちろん私は農村対策といたしましては、できるだけ米価を上げること、そうしてまた肥料の増産をはかつて安い肥料を出すこと、もちろん米麦生産だけでなく、ほかの方面にも相当の施設を講じなければならぬと思つておるのでありまするが、できるだけ米価を高くするということが一つの農村振興の重要なアイテムでありますので、今回の国会で御審議を願いまする食管会計の方では、御承知の通り前には五千円とか五千二百円とかいつておりましたが、私が期待しておりましたような五千五百円余りの分を出すようになつたのであります。しかしこれは補正予算でございますので、十分には私の政策が織り込み得られなかつた点はありまするが、いずれ近いうちに来年度の予算をごらんに入れますので、それをごらんくださいましたら、現内閣が食糧の需給度を高める上において、また農業ばかりでなく漁業方面において、どういう考え方を持つておるかということが、おわかりになると思うのであります。今申し上げてもいいのでありまするが、まだ関係方面と折衝中でありますので、はつきりきまりましてから申し上げた方がいいと考えますので、いましばらく現内閣の持つておりまする農林水産方面の金融の措置につきましては、お待ちを願いたいと思います。
○夏堀委員長 内藤君にお諮りいたします。今予算委員会の方で、大蔵大臣が出席しなければ会議を開かれないということになつておるそうですから、どうぞ要点をかいつまんでひとつ……。
○内藤(友)委員 よくわかりました。まことにありがたい言葉ですが、少し待てと言われれば待たなきやならぬのであります。しかしこれは大臣はよく御存じだろうと思うのでありますが、私は過去第一回国会からこの委員会に実は顔を出しておるのであります。先ほども申しましたように農林金融のことばかり私は言つておるのでありますが、昭和二十三年の通常国会まで復興金融金庫で千七百億の金を出すことになつたのであります。そのうち何とか少し農林の方へまわらんものかというので、まあえげつないことでありますけれども、ごねてごねて、最後に私どもは司令部に何度か足を運びました。その結果四十億のわくが農林金融の方に実施できることになつたのであります。それで二十三年八月二日の閣議で、農林漁業復興融資要綱というものがきめられまして、それから間もなく芦田内閣がつぶれましてあなたの内閣になつたのであります。ところが四十億の金が前内閣できめられたのだから、ことにわれわれが血みどろになつてとつた四十億だから、出ておるものだろうと思つておつたところが、出ましたものは二十二億でありまして、大蔵省が何のかんのと言つて出さないのであります。とうとう十八億残りました。ところが今年あなたの非常な御配慮で、農林中金には優先出資で二十億お出しいただいた。あなたは二十億とおつしやつたのでありますが、私さつき速記録を調べてみた。あのときは二十億のお間違いだろうと思つておつたのでありますが、実は二十億でありました。これはあなたは二十二億と言われたが、速記録に載つておりますのは二十億でありまして、そうして事実二十億出ておりますので、それでいいのですが、ところが二十億の中からあなたは復興金融金庫に返すべき十八億を差引かれたのであります。わずか二億しか出なかつた。こう考えてみますと、あなたは待て待てとおつしやるが、あなたが今までやつて来られたことをじつとながめておりますと、わずか二億しか出ていないという形なのであります。こういうふうなことで、今に喜ぶことがあるから待て待てと言われるのでありますが、どうも今までのことを考えてみますと、にわかに喜ぶことができない気持に実はなるのであります。そこでそういう漫談みたいなことを申し上げてお尋ねするのははなはだ恐縮でありますが、ことに予算委員会のこともありますから、端的にお尋ね申し上げたいのでありますが、それは実は二十億の優先出資をしていただいたのでありますが、これは中金法に書いてあります年六分の制限があります。その制限を超過いたしまして七分五厘をまず出せ、こういう御命令であります。それで事業税でありますとか、法人税とかを考慮しますと、あの二十億というものは一割二分八厘になるのであります。それは二十億の中から十八億引かれたのでありますから、あとの二億だけが、この問題かは存じませんけれども、その十八億の穴埋めに、農林中金はこの二十億の優先出資で、わずかにプラスになつたのは、どちらかと申しますと、債券発行限度の拡張でありまして、余力が百四十八億ほどあるのでありますが、これだけはプラスになつたかと思うのであります。しかしこの百四十八億もなかなか思うように債券が市場では消化できません。そういう関係で中金は非常にむりをいたしております。こういうふうなことでは、どうしても農業金融というものは問題にならぬのでありますが、そういう朗報は別といたしまして、せめて優先出資の七分五厘を法律に書いてあります制限の六分以下、できるなら五分、四分五厘、そこまで引下げを願えないだろうかということを、ひとつお聞きいたしたいのであります。
○池田国務大臣 農林中金への見返り資金からの出資は、私は二十二億と記憶いたしております。勧銀、興銀が十億、北拓、商工中金がそれぞれ五億ずつ、それから農林中金が二十二億と思つておりますが、あるいは二十億であつたかもわかりませんから調べてみましよう。ただお話の十八億、これは実は私も意外であつたのでありまして、とんでもない話だとしてかけあつたのでありますが、私の力が足らなくて、復金に返すようになつたことは、まことに遺憾でございます。結局は債券の発行ということだけになりまして、ただいま三十億近くの農林債券の発行ができたという程度に終りました。しかしこのことがやはり今後の農林中金の拡大強化といいますか、農林漁業へのただいまお話申し上げたこれらの施策に役立ちまして、ひどいことをしておるのだから、今度はこういうふうにしようというので、今話合いを進めております。私はかえつて十八億を返したために、今後の融資がそれ以上になつて来るのではないかということを期待しておるのであります。
 次に優先株出資の七分五厘の優先配当の問題でありますが、お話の通りこれを利益処分の配当として出すということになりますと、この金を相当高利にまわさなければならぬという点があるのであります。優先株の出資を願いもしても、それを一割二、三分にまわさなければ、七分五厘の配当ができないという痛い点がありますので、私はこの点につきましても、ひとつ何とか改めたいという気持で話を進めております。いずれ成功いたしましたら、喜んでいただけると思うのであります。
○内藤(友)委員 今の答弁は喜んでいただけるということだけなのでありまして、とれ以上はどうも何でありますし、川島君がお尋ねしたいということですから、これで私の質問は打切ります。
○川島委員 本委員会が開かれて、もうすでに数日経過いたしておる。しかもその間にきわめて国民生活と密接重大な関係のある法案が出ておりますにかかわらず、担当大臣である大蔵大臣が昨日まで一回の出席もなかつたということは、大蔵委員会の権威のためにもまことに遺憾と存ずるのであります。今も予算委員会の方から大蔵大臣の出席を求めておる。だから大蔵委員会の方の大臣の出席も、早めに退場するという空気があるようですが、私どもは断じてそういうことには承服できません。大蔵大臣は少くとももうすでに数日にわたつて予算委員会に出席して、きわめて懇切丁寧な説明をして来ているのです。大蔵委員会はまだきようが初めてです。ぜひきようは大蔵委員会に最後まで在席を願つて、われわれの質問に応じていただきたいことを、特に最初から希望しておきます。
 そこで私は、大臣に、金融公庫並びに税制等の改正案をめぐりましての――金融、税制の問題がありますので、この機会にそれをめぐつての総括的なお尋ねを申し上げまして、政府の日本経済の再建自立の方策についての根本的な方法を、尋ねておきたいと思うのであります。大蔵大臣は先般の財政演説の際も、また前回の国会の財政演説の際にも、日本経済の安定ということを、しきりに強調し、日本経済の安定をステツプとしての日本経済の自立の促進を強調されておる。その言葉自体に対しましては、われわれもきわめて同感であります。ただ問題となりますのは、どういう形のものが日本経済の安定であるかという事柄であろうと思うのであります。私の見たところによりますと、大蔵大臣の日本経済の安定の構想というものが、ややもすれば財政の安定、さらに極言すると通貨の安定だけに、最も強力点を置いているように思うのであります。従つて財政上においては、一応均衡が保たれ、安定感がつくり上げられたような形ではございますけれども、その反面において、企業の上において、あるいは国民生活、ことに勤労大衆の生活の上においては、必ずしも財政の安定と相まつての一般的な安定というものは、残念ながらいまだつくり上げられておらないという現状であります。なるほど特需景気によつて一部少数の企業は、やや立直つた形勢にありますが、これは政府の財政経済政策の影響ではなくて、偶然に発生した一つの條件による立直りであろうと私は思う。従つて大部分の企業というものは、いまだに赤字を続けており、不安を続けておる。また一般の国民大衆ことに勤労大衆の生活は、これまた何らの立直りを見せておらない。のみならず一方には政府の財政経済政策の強行の結果として、失業者は増大しておる。そして政府の税制金融対策の不十分からいたしまして、中小企業の倒産者は続出しておる。また貧困者も続出して、国家の保護を受ける者が増大しておるというこの形、この形で蔵相が繰返して申すように、はたして日本の経済は安定せりと誇張のできるような姿であるとは、私は考えられない。にもかかわらず大蔵大臣はしばしばそれを口にいたしまして、いかにも吉田内閣の財政経済政策によつて、いまや日本の経済は安定せりと誇張いたしておるのでありますが、その根拠はどこにあつてそういう言葉が出るのか、そして日本の経済の安定の姿というものは、いかなる姿であるかということについての所見を、まずひとつ率直にお伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 私は財政演説においても安定の度を加えたと言つておるのであります。安定は程度の問題でございまして、まあ川島さんと私と議論してもあれでございますが、二人のけんかはやはり外国の人がよく知つておると思います。日本の経済が安定の度を加えておるかどうかということは……。私はせんだつても申し上げましたが、外債がニユーヨークの市場で取引せられるということになつたのは、敗戰国で日本が初めてであります。ほかのドイツとかオーストリーとかルーマニアとかブルガリアはまだ乘つかつておりません。しかもいち早く日本がそこに上場されるようになつたということは、日本の経済が安定の度を加えて、大体安定しておるという証拠だ。これが答えとして一番だと思う。こまかい問題を言えば、昨年の九月に比べて今年の九月は生産も、安本の調査では七六が一〇三になつておるじやございませんか。GHQの調べによりましても、十月は一一三、こういうような数字でどんどん生産が伸びておる。物価もやみが非常に少くなつて、大体今までのあなた方が政権をとつておられたころの、あのセラース・マーケツトからバイヤース・マーケツトになつて、元のように御用聞きが来るようになつた。買だめもいらぬ、売惜しみもないというようにだんだんなつて来た。これは身近に考えられることであります。通貨に私は執着しておりませんが、通貨というものはやはり経済のある程度の現象を表わすものです。昨年の暮れと一昨年の暮れとを比べてみますと、あれほど年々伸びて行つておつたものが、大体同額で納まつておる。今年は生産の非常な拡充等によりまして、ある程度の通貨はふえますが、ともかく日本の生産がふえ、そうして賃金も徐々に上昇して来て、CPI、消費者物価指数は、昨年の九月の一四○に比べて一三○という状態ではございませんか。あらゆる経済事象が日本の経済が安定の度を加えたということを、内外どもに私は認めてくれると思うのであります。これは議論になりますからあれでございますが、日本の経済が社会党やあるいは民主党内閣でやつておつたときと比べて、非常によくなつたということは、私は内外の人がひとしく認めておることと思うのであります。これ以上議論になりますから差控えます。
○川島委員 池田蔵相の議論は、観点がわれわれと少し違うのであります。その事柄について、もう一歩つつ込んで議論をいたしたいのでありますが、時間がありませんから、その事柄についてはいずれまた機会を見て、さらに蔵相に質問を重ねたいと思うのです。次にお尋ねを申し上げたいのは、大蔵大臣の構想によるところの日本経済の自立、この問題はきわめて重大な問題であろうと思う。この日本経済の自立もしくはその自立の前の安定というものが、失業者をかかえたりあるいは困窮者をかかえ込んだり、あるいはまた金融の逼迫による困難な事業者を、ちまたに存在せしめての経済安定であつてはならぬと私は思う。これらの一連のものを建直りの健全な姿に育成せしめつつ、その建直りを強化することにおいてのみ、初めて私は経済の安定ということが言い得るのだと思う。そういう形の基礎に立つて、初めて日本経済自立の構想が考えられるのではないかと私は思う。そこで端的に私はお尋ねするのですが、政府は昭和二十八年度になりますれば、いわゆる日本経済の自立態勢ができるんだ、こういうことを言つておるわけであります。そういう方針がもし政府にあり、構想があるとすれば、昭和二十八年度におけるところの国民経済の姿というものは、大ざつぱに見て一体どういう形になるのか。そういうことは国民のひとしく聞きたいところであり、関心を寄せておるところでありますので、この機会に示してもらいたい、こういうふうに思います。
○池田国務大臣 悪性インフレから経済安定に参ります場合におきまして、ある方面にしわが寄ることは、これはやむを得ないことであると思うのであります。われわれはそのしわを少くするように努力して参つておるのであります。なお二十八年度において日本の経済が自立するのだというふうなことは、私としては申し上げたことはございません。私は一日も早く自立経済の態勢に持つて行きたいということを申し上げておるので、いついつ自立態勢が完了するのだということは申し上げていない。一日も早くやりたい、こういうことでございます。
○夏堀委員長 川島君に御相談申し上げます。先ほどあなたに御相談申し上げました通り、大蔵大臣にはいずれ適当な機会にじつくりと時間をとつていただいて、ゆうゆうと御質問を願いたい、了承した、こういうことでありましたから、どうぞそういうことになさつて、今日はこの程度にして、予算委員会で待つておるそうでありますから、よろしくお願いいたします。委員長は責任を負います。
    ―――――――――――――
○夏堀委員長 塩田等災害復旧事業費補助法案についての質疑を許します。竹村君。
○竹村委員 それではもう二、三点お伺いいたしたいのでございますが、先ほどの答弁では、大体日本の塩田というものを近代化するならば、外国に追いつき得る、こういうことがはつきりしたわけでありますが、それにつきましてお尋ねいたしたいのは、これを近代化することには一体どれくらいの費用がいるか、こういうような点について、わかつておればお答え願いたい。
○久米政府委員 ただいまの塩業の合理化のためには、どれだけの資金を要するかという御質問でございます。その総額はちよつと申しかねますが、現在たとえば平がま式を真空式に切りかえる等のためには、大体年に五億程度の金をつぎ込んでいると思つております。総額については、ちよつと何十億という程度を申しかねます。
○竹村委員 そこで私は政務次官にひとつお伺いしたい。大体今までの説明によりますと、近代化するのには年に五億くらいいるということであります。そこで大体ソーダ工業に七十万トンないし七十五万トンを一年に供給する。その差額を考えますれば、大体七億ほどというものは結局原価を切つて供給しておられる。こういう状態が続いているわけです。しかも七十万トンといいますと、輸入いたします塩の大体七、八割をそれに使つておられる。ここで大体こういう点を考えますと、国内の塩業、いわゆる外国塩を駆逐して、国内塩によつて自給の態勢を整えることにいたしますならば、たとえばソーダ工業にこれだけの安いものを供給して、七億円余りを補償しておるというような現状を、政策を振りかえますならば、日本の塩が外国塩を駆逐する單価に切下げることは、難事ではないと考えるわけであります。ちようど数学的にもそういうふうに出て来ているわけです、国がソーダ工業に補償しておるのは、これは毎年やらなければならぬ。それを一年か二年さえその気になつて、それだけの金を出すならば、国内塩の單価というものは外国塩に追いつくことができる。そこで政府は思い切つてそういう補助金でも出して――いわゆる国内塩によつて国内消費の自給態勢を整えるために、思い切つた補助金等を出して、そうしていわゆる日本の自立経済の一翼をまたになうところの方策を立てる気があるかどうか。政府においてそういう心構えがあるのかないのか、そういう点を聞きたい。單なる災害復旧もけつこう、これもやらなくちやならぬでございましようけれども、もつと根本的には、やはり外国塩の單価に追いつくことが、これが一番先決條件である。これは技術的には不可能でないと言われている。こういう問題、しかも塩の生産者というものは実に零細である。こういうものに対して、政府は真劍にこれを考え、しかも国内のそういう業者を保護し、いわゆる日本民族の経済を自立せしめて行く。これも一つの小さい問題といわれているけれども、これも一つの問題である。従つてそういう根本的なお考えに立つて、これを思い切つてひとつその改良をやるような政策を考えておるのかどうか。この点をひとつ政務次官に聞きたい。
    〔委員長退席、小山委員長代理着席〕
○久米政府委員 先ほど私が申し上げました五億円という数字が、私の言葉が足りないために、やや異つた印象をせられたかと思いますので、その点を補足して若干修正いたします。
 先ほど五億円と申しましたのは、本年度に平がまから真空式等に切りかえる。要するに鹹水が工場に入つて来て、それから塩に仕上げる段階の改良のために、本年度に大体業者が予定している金額が五億円なんでございまして、全体の施設を真空式に切りかえるというためには、やはりこれは何十億かの金が必要だろうと思いますし、また塩田におきますところの鹹水をとる作業を近代化するためには、相当の機械力を要する。たとえば塩田でもつて塩水をかく人夫があります。ああいうふうなものをいちいち手でかかないで、たとえばモーターのオート三輪みたいなもののうしろにすきみたいなものをつけまして、機械力でもつて塩田をかいて行くというようなことによつて、鹹水をとるための労務費の低下をはかる。そういうふうな設備をして行く。またそのためには塩田の構造自体を改造しなければならないのであります。そういうふうな意味におきまして、技術的な面で相当改善を要する点がございます。そういうふうなあらゆる施策をした上で、相当大幅の生産費低減が可能となる。これは可能なんでございまして、ここ一年や二年努力したところで、外国から塩を輸入しなくて済むというふうな程度にまで持つて行くことは、これは技術的に不可能なのであります。私がちよつと申しました言葉が不足のために、少し誤解を與えたと思いますので、その点だけ訂正さしていただきます。
○竹村委員 それで全部が自給するということにはならないけれども、しかしいわゆる近代化し、機械化して行くならば、日本の国内塩の生産費というものは、外国塩に追いつけるということは、技術的に可能だ。こういうふうに先ほどからの質問で承つたのでありますが、そういうふうな機械的な設備をするためには、私の言わんとするところは、たとえば工業塩に対しましては、御承知のように年に七億余りの補助という形になつておる。そういう面も必要上そうなるならばいたしかたがないといたしましても、そのもとである国内の塩を外国の單価と同じような形にするまでに機械化をするために、政府は一体どういうような構想を持つておるのか、これを聞きたい。それはいたしかたがないから、安い塩をどんどん入れて来て、国内の塩は高いから買わぬでもよい。将来はそういうことになつて来るかもしれない。自由党の政策からいえば自由経済主義だから、安い外国塩をどんどん買つて、国内の高い塩は買わないのが得策だ。こういうことになつて参りますと、問題は、国内の塩業者が破滅する。災害復旧も大事だが、この根本的な問題に対しては、政府はどういうお考えをもつていらつしやるか。私の聞かんとするところはこれです。
○西川政府委員 輸入塩の問題につきましての御質問でありますが、ソーダ塩はやはり現在といたしましては、絶対的に輸入にまたなくてはならないと思います。ただ国内の食糧塩等につきましては、政府といたしましては、ただいま技術の改良とか、あるいは塩田の改良、あるいは資金の問題等を検討いたしまして、次第にその方面に努力いたしたいと検討中でございます。
○三宅(則)委員 私は二、三点簡單に質問いたしまして、私の責任を終ります。先ほど途中でしり切れとんぼになりましたからして、もう一度申し上げます。塩の賠償価格は今度は下げるというお考えを持つておるようでありますが、いわゆる買上げ価格は、私は現段階におきましてはなかなか生産者の立場から見ますと、下げたのでは困るから、むしろこれをすえ置くか、あるいは多少値上げしてもらいたいというのが、業者の方の意見だろうと思いますが、これに対して政府はどう思つていますか。はつきりとひとつその意思を表明されたい。
○久米政府委員 お答えいたします。塩の賠償価格、つまり專売公社が買い上げる値段というものは、これを当分すえ置く方針でおります。
○三宅(則)委員 その点は当分すえ置くということではつきりいたしました。真空式に切りかえなければ採算がとれぬということを、今監理官が仰せになりましたが、これは日本の製塩業者から申しますと、相当な費用がかかると思いますが、現にこれについて特に費用を出して、補助するというような意向があるかどうかということを、いま一ぺん聞いておきたいと思うのであります。
○久米政府委員 現在の九千七百四十五円という收納の価格は、真空式の場合はもちろんペイいたしますし、採算の悪い平がま式の場合でもペイいたしておるのでございます。言葉をかえて申しますと、真空式は最もいい塩が最も安いコストでもつてできる。従つて一本の九千七百四十五円という賠償価格でありますれば、最もマージンの幅が大きい。平がま式はマージンの幅が狭いという意味です。
○三宅(則)委員 もう一点だけ最後に聞いておきます。現段階におきまして、二十年もしくは二十一年度には、政府といたしましては、堤防においては九〇%、塩田には八五%を補助したことがある、こう言つているのですが、先ほどの説明によりますと、農林もしくは水産の災害等を考慮に入れまして、五割もしくは六割五分ということにいたしたというのであります。しかし塩田のごときは、特にわが国の重要産業の一つでもあり、基礎産業のもとになるものでありますから、やはりこれは少しく色をつけて、もう少し政府としても考える必要があると思います。少くともこの前の九〇%ないしは八五%にまで引上げる用意と努力を拂われたいと思いますが、これに対する政府の確固たる信念を伺いたいのであります。
○久米政府委員 まことにごもつともな御指摘であると思います。従来確かに高い補助率を使つて予算補助をやつた例はございます。これは收益率の低い塩業のためには、そういうふうな特別な配慮が必要だつたということは、いなむべからざる過去の事実であると思いますが、補助金についての政府全体の政策といたしまして、農林、水産業の施設とどうしても権衡をとらなければならないという点を、とくと御了承願いたいと思います。
○三宅(則)委員 もう一点だけ……。私は政府の御苦衷もよくわかるわけでありますが、先ほど繰返したのでございますが、これは日本の重要商業でもあるし、また外国塩も相当入れておられるような今日でありますから、この次の国会には、ぜひもう一ぺん検討されまして、われわれの希望するような補助率にまで増額せられんことを、特に強く要望いたす次第であります。
○川島委員 だれか聞いたかどうか、ちよつと私聞いていなかつたので、一言聞いておきたいと思うのです。従来の災害復旧事業、あるいは防災施設の災害復旧費については、予算的措置で補助を行つたのですが、この予算措置で行つて来た補助というものは、濃縮施設及び災害防災施設、それぞれどういう形で行われて来たのでありますか。それをちよつと伺いたいと思います。
○久米政府委員 大体の考え方としましては、今回の補助と同じように、災害復旧のためにどれだけの事業費を必要とするか。その復旧事業費を基礎といたしまして、そのときどきにおいて、政府が適当と認めたところの補助率を適用したというわけであります。大体予算の方は、これは当初予算から塩田の災害復旧というような科目で予算は計上いたしませんで、あるときは追加予算になつたこともございますが、ある場合には予備費の使用、予備金の支出ということになつております。
○川島委員 私の質問のねらいは、従来の予算的措置で行つた補助と、今度法律ができ上りましてされますところの補助と、このつり合いについて補助の額がふえるのか。それとも減つて来る形になるのか。その点はどういうふうになりますか。
○久米政府委員 補助の率について申しますれば、先ほども申しました通り、昭和十七年、二十年、二十一年等の補助の率は、今回提出しました法案よりも高い率でございます。ですからそのときとしては、この法案よりも厚い保護を與えているわけでございます。ですから塩業者の方から見ますれば、今回の法案ははなはだ不満足だというふうな御意見は、まことにもつともだと思います。ただ国としていろいろの補助政策について、補助率の検討をやらなければならないという苦衷があることを、ひとつ御了承願いたいという趣旨の答弁をいたしているわけでございます。
○奧村委員 今回の災害復旧費は、專売公社の塩事業費の中から支出しているのですが、これは従来の災害復旧もこういうふうな塩田の災害復旧をやつておつたのですか。
○久米政府委員 従来も大体專売局の特別会計の中で操作しております。
○奧村委員 先ほど竹村委員からお尋ねになりました、塩の消費者の価格が高い。これに対して、特に内地塩の高いことは、設備あるいは塩田等に非常な資金がいるからとか、その他いろいろな事情を述べられたけれども、私は別にこういうことをお尋ねしたい。内地塩の收納価格は九千七百円、これの高いことは、ただいまの御説明でわかりますが、この九千七百円で收納して、これを消費者に販売する価格が、従来はトン一万六千円、そういたしますと六千円のさやがある。一体この内地塩を收納してから消費者に渡すまで、六千円のさやがどういうわけで必要か。これは專売公社の今度の補正予算を見れば、一応つじつまは合うようになつておりますが、どうも具体的に考えてみて、六千円の経費がかかるようには思えない。特に今回は十九億円の利益を塩事業において出している。たとえば実際に内地塩のトン当りの收納価格から消費者に渡すまでの経費が、どういうわけで六千円かかるかということは、予算書を見てもわからない。それでこまかい資料をお出し願うように申し上げておつたのですが、まだ出て来ない。資料が出ないから、やむを得ぬ。それではトン当りの経費は、具体的に保管費で幾ら、輸送賃で幾ら、そのほかに何か欠減でも見られるのか。どういうわけでこの六千円のさやが出るのか、お尋ねいたしたい。
○久米政府委員 まず今回の補正予算で、塩事業の関係で約二十億の利益が出ておりますが、これは特に利益を出そうと思つて、特別な予算上のやりくりをしたわけではございません。これは塩の事業の收支の面から申しますと、前年度から九十七万トンの塩を持ち越しております。従つて四月一日現在においては、前年度に買つて、公社の手持財産として持つておるわけでございます。ですから本年度からいえばただの塩を売るというか、俗に申しますと、こういうふうな勘定になるわけであります。そういうふうな関係が主となつて二十億の黒字が出ておるわけでございます。なお塩の賠償価格は九千七百四十五円で、たとえばそれを白塩として売ります場合に約八千円の幅を見たところの、現行一万七千九百五十円というふうな相当高い価格になぜなるかといえば、これは公社といたしまして、收納いたしました後、それを回送しあるいは倉に入れる。それを扱うための公社の各種の経費を加えますことが一つ、それからもう一つ塩事業の收支のバランスを合せるという意味におきまして、輸入原塩をコストを割つて特別価格で安く売り拂つておる。その部分の差額が工業塩以外のところに振りかかつておるという事情があるわけであります。
○奧村委員 ただいまの御答弁によりますと、内地塩の收納から内地塩の消費者へ販売するまでの経費のほかに、輸入塩を特にソーダ工業等へ安く拂い下げる。つまり赤字の分が内地塩の分にかぶつておるという御答弁です。それは大体トン当りどの程度になるか。重ねてお伺いします。
○久米政府委員 先ほど申し上げました通り、輸入原塩の輸入原価は、日本の港で、補正予算の通りであるとすると四千円でありますが、四千円のところに大体の数字で申しまして、輸入原塩の回送、保管等の経費五百円ないし千円近く、輸入原塩を扱う公社の一般管理費の割掛分と申しますか、総経費的なものを若干背負わせますと、四千五百円と五千円の間くらいになると思います。それを現在三千円でやつておる。それから一月以降は四千円で売るというわけでございますから、かりに千円の幅があるといたしますと、大体七十万トンの輸入原塩をソーダ工業その他に渡しております。この七十万トンについてトン当り千円というものが、食糧塩その他のいろいろなところへかかつて来ておるのだ。そこで背負つているというようなわけであります。
○奧村委員 かんじんの私のお尋ねの点にはなかなかお触れになつておらぬ。第一に内地塩の收納から消費者へ売り渡すまでのトン当りの経費をお尋ねしている。念を押してお尋ねすると、水産委員会で過日塩脳部長からトン当り約千円の経費でまかなえる、こういうお話があつたのですが、その点はどうですか。
○久米政府委員 私も今はつきり記憶いたしておりませんが、トン当り千円というのは、おそらく輸入原塩が日本の港へ着きましてからあとの諸経費の総計、輸入原塩に対する総経費的なものを含めたもの、そして輸入原塩のコストを出す。そうすると港へ着いたときの価格にプラス千円が大体の目途になる。国内の收納塩につきましては、とても十円とか二千円とかいうものではないと思います。
○奧村委員 これは当然はつきりできるはずです。大体トン当りの保管料、輸送賃あるいは欠減、粉碎料について資料としてお出し願つておるので、さような御答弁では審議が進まぬ。実は今日ここでこの問題の質疑の打切りをやろうとしておるのですが、資料も出ておらぬ。御答弁もさような御答弁ではわれわれ国会として非常に困る。もう一つお尋ねしますが、今度は原塩が相当値下げをすると言いながら、一般消費者への原塩はトン当り一万二千四百円、今原塩の輸入価格が大体トン四千円内外、そうするとトン四千円で入つた原塩が一万二千四百円、これはどういうわけでそれだけの経費がかかるか。これまた御答弁によれば、おそらくソーダ工業に対して安く渡すからということであろうが、これは問題が違うと思うが、大体それじやソーダ工業に安く拂い下げるから赤字が出る。その赤字を輸入原塩の分についても新価格でもつて約八千円の負担を負わせる。この経費に対しては大体塩脳部長は一千円で事足りると言われる。六千円も七千円もソーダ工業に安く拂い下げる負担を、一般消費者にかけるというようになつておるのですか。この点はどうですか。
○久米政府委員 御要求の資料を提出するのが遅れましたために、はなはだ論議をまねいておるような点、まことに恐縮に存ずるわけであります。実は手元にコスト計算の内訳を持ち合せておりません。(「あすの朝持つて来たらどうだ」と呼ぶ者あり)あしたの朝持つて参ります。コスト計算の内訳はございます。それでその資料をできるだけ早く提出いたしますが、ただ今の輸入原塩のうち一万二千円で渡しております分は、これはごく少量でございます。その輸入原塩で工業用以外の塩は――これは一万二千円の口は、工業用以外でもつて入手し得る塩のうちでは一番安い最低なんです。それでありますから、たとえば魚の塩蔵でありますとか、みそ、しようゆ、その他あらゆる業界からこの一番安い塩をよこせというお話が出るわけでございまして、それをコストだけから申せばもつと安くてもしかるべきだと思いますが、非常に少しの、非常に安い宝物みたいな塩でございますから、それをあまり安くするわけに行かぬのであります。これはやはり粉碎塩、白塩というような全体にわたつて段階的な値段になつておりまして、一つだけ少いものを、経費がかわるのだからといつて落すわけに参らぬのであります。全体として塩の会計のバランスを合せるために、ある程度にとどめておるわけです。なお詳細な資料は提出いたします。
○奧村委員 おそらく今の御答弁は国会においては少しふさわしからぬと思います。少くともわれわれ大蔵委員会としては、特に專売公社の内容をある程度わかつておりますから、そういう御説明では不十分で、塩專売なるものはどういうわけでやつておるのか。おそらく国民大衆に対して安く塩を渡したいという性格のものである。輸入塩が四千円で水産などの塩蔵用の塩を一万二千四百円、輸入塩の四千円に対して経費を七千円も八千円も見込む。これは塩專売の性格に非常に反している。ソーダ工業などに安く渡すならば、これは別の方の一般会計の方で渡すべきだ、その補給金を出すべきだ、こういうふうな解釈をしておるのであるが、これを今あなたと論議を始めてもいたし方ないと思うのであります。そこでただいま国会の一部において、どうも特に輸入塩などのソーダ工業以外の配給が高過ぎるという御意見が出まして、この際ソーダ工業以外についても、たとえばみそ、しようゆ、あるいは水産物の塩蔵あるいは南洋の捕鯨等の材料等、輸入原塩を使用する価格については、一万二千四百円よりも安い価格で配給させたい、そういう法律案を国会に提案しよう、こういうことを考えておるのでありますが、御当局として、これに対してどうお考えになりますか。
○久米政府委員 ただいま御指摘になりました点は確かにごもつともな点がございますが、塩專売法二十九條の改正という実質を持つた法案になろうかと思います。ただその御意見はごもつともでございますが、塩の事業の会計におきまして、この收支のバランスはひとり予算の表の数字のバランスだけでなしに、企業としての損益計算の上で赤字を出さないようにという、主計局的な配慮、そういうものも同時にいたしまして、そのバランスという範囲内で許されることであれば、研究いたしたいと思つております。
○川島委員 さつきぼくが質問中、與党の奥村君が横取りをした形で、私は非常に温厚だから黙つておつた。そういうことのないように、委員長においてひとつとりはからうようにお願いいたします。
○小山委員長代理 気がつきませんで相済みませんでした。
○川島委員 先ほど私が尋ねましたところによれば、従来の災害の復旧事業に対して予算措置でやつた場合には、この法律よりもよけい出しておる形になるわけですね。そのよけい出したという比率は、最近のを平均いたしましてどのくらいになるのですか。
○久米政府委員 数字でお答えいたしますと、堤防の関係はこの法案では十分の六・五でございます。これが十七年の八月の津波の場合には十分の九でございます。それから二十年の風水害と二十一年の南海震災の場合、これも同様十分の九でございます。従つて十分の九という前例に対して十分の六・五というわけでございます。なお塩田の方、これは法案では十分の五ということになつておりますが、前例といたしましては、十七年の津波のときには十分の七、二十年の風水害と二十一年の南海震災では十分の八・五ということになります。ただもう少し前にさかのぼつて申しますと安い例もなきにしもあらずでございまして、十六年の八月の暴風雨、十六年の十月の高潮、このときは十分の五という安い例もございます。
○川島委員 そうするとこの法律を出した趣旨は、塩の生産を確保し、日本專売公社の行う塩に関する国の專売事業の健全な運営をはかるためにという、その塩の生産を確保し、健全な運営をはかるために、大いに施設の復旧に対しては国が全力をあげようというのが普通の常識なんです。それを逆に従来の予算措置で、予備費が何かでやれば相当に出せたものを、今度は逆にこういう物価高のときに、復旧補助費というものは減らしてしまう。しかもそれは法律でつくつて減らしてしまう。これは常識的に考えても逆な話になるわけです。他の災害補助等に関する比率もあるからという意味もあるようではございますけれども、長い間相当の補助をして来ているものを、法律を突然つくつて、これを突然に減らさなければならぬという事情は、一体どこにあるのですか。
○久米政府委員 ただいま説明の引合いに出しました昭和十七年、これは戰時中でございます。昭和二十年の九月、これは戰後間もないときでございます。二十一年も同様でございます。当時塩業は燃料の不足その他非常に悪條件にございまして、この程度の厚い保護をしなければ、とうてい塩業が成立つて行かぬという終戰後の異常な経済事情、特に燃料不足その他でございますが、これはそういうようなときにおける補助率でございます。その後塩業は一般経済の回復につれまして、徐々に実力を備えて来たと考えていいのではないかと思います。従いまして今回御審議を煩わしております提案程度の補助率で、あとは業者がいろいろごくふうなさつて、この金融機関からの資金の借入れその他によつて、災害復旧事業が円滑に実施され、塩の生産も確保される、そういうことを考えておる次第であります。なお先ほどもちよつと申したかと思うのでありますが、従来は予算補助でやつて、今回は関係方面等の意見もありまして、この種の補助は立法措置により国会で補助の内容、補助率その他十分御検討を願い、国会のおきめになつた法律によつて、政府がそれを実施して参るということでございまして、この補助率につきましても、向うの司令部内には実はいろいろ検討が加えられておるのであります。この程度の補助率ならば、日本の補助率として現在のバランスを見た上で適当であろうという了解をとりましたような実情でございます。
○川島委員 どうも補助率を下げて生産の確保ということは……。補助政策というものはそういう形で行くことが確保になるというかつこうになるわけですね。まことに論理的な矛盾もはなはだしいわけです。もしかりにそうすると、これは仮定になりますが、この法案を今回否決してしまつたら、この四月にさかのぼつて災害を受けたところに対して、従来の慣例に従つて事業費に対する補助ができる形になりますか。
○久米政府委員 ちよつと答弁の前に一部分速記の中止をお願いしたいのですが……。
○小山委員長代理 では速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○小山委員長代理 速記を始めてください。
○久米政府委員 この種の災害復旧事業費の補助は、提案理由説明においても申し上げました通り、立法の措置をとることが適当である。ぜひ立法の措置をとりたいと考えております。立法の措置なしに補助金を交付するということは、きわめて困難な事情にあると考えております。
○竹村委員 政務次官に伺いたい。先ほど政務次官の私に対する答弁では、日本の国内塩のコストを引下げるため、あるいは国内塩の製造を保護するために、あらゆる施策を講ずるように研究中である、こういうふうにお答えになつた。その研究された具体的な現われは、今川島委員からの質問に対して御答弁になつたように、補助金を減らすと言つている。そういたしますと、さなきだにコストの高い内地塩は、これまたコストが高くなることになるわけです。そういたしますと、結局先ほども私ちよつと触れておきましたが、自由党内閣の自由経済主義で、そういう高い塩を買つては困る。だから安い塩が外国にあるのだから、それを必要な分だけどんどん輸入したらいいではないかという結論に、結局においてはなつて参ると思うのであります。しかもそのためにたとえばこういう補助金を減らすような法案というものが、一方において押しつけられるような形で出されて来る。結局において内地塩をつつくんだ。これに対して政務次官は先ほどから、いや、そうじやない、内地塩をふやすことであると言つておられますけれども、これは事実に反しておるので、政府は今から内地塩をつぶすのだ、こういうふうに政府が考えているということを、われわれは製造業者に申したいと思うのでありますけれども、これに対してはつきり答弁してもらいたい。
○西川政府委員 私先ほど研究中と申しましたのは、先ほど説明員から申し上げました通り、以前におきましては燃料とかあるいは運搬とかという製塩に対してのいろいろな費用、あるいはその生産面において相当困難があつたのでありまするが、最近におきましてはその状態が漸次とれて参りまして、今後日本の経済状態がだんだんと復興して参りましたならば、製塩に対しての施設も十分にできて来るように思うのであります。それでありまするから、私先ほど申し上げました通り、製塩に対しましてはその方面において研究をいたしておる、こういうことを申し上げたのでございます。
○竹村委員 そういうような研究をされるのはいいですけれども、現実に補助金を多くもらつたものが少くなる。これは簡單で、むずかしい問題ではないわけです。補助金が少くなつて来れば、従つてあれだけの補助金をもらつても、常に災害がいろいろ起つてその設備に金がかかり、コストが高くなる。それを補助金が少くなつたら、それだけに要したものは結局生産費にかかつて来る。そうすると内地塩の生産費が高くなつて来る。だからそういう高いものは買わずして、外国の塩をどんどん入れて行く、簡單に言うとこういう政策である。問題はそれ以外に方法はない。安い塩をどんどん買つて国内の塩を買わない。これは政策が国内の製塩業者をつぶすということである。これは一連の日本の中小工業に対する政策が、たまたま塩のことに現われておるので、結局国内の民族的な小さい資本、民族資本というものは、外国の安い塩の大きな製造業者のためにだんだん押しつぶされてもかまわぬ、そういう政策の一つの現われである。政務次官はそういうふうに考えられませんか。これは日本人として考えてもらいたい。答弁がなければ、しからば大体補助金を減らして、それでも日本の塩田が立つて行く、外国の塩を買わないという自主性がありますか。この点をお尋ねしたい。
○西川政府委員 私が申し上げます通り、今から五年前と今日の状態とはかわりまして、また今後日本の経済状態も次第に復興して参りまするから、この製塩に対するいろいろの原価計算における工程において、相当よくなつて来るということが加味せられると思うのであります。それでありますからそういう点を加味いたしまして、十分に塩田の改良とか、あるいは技術の向上とか、あるいは融資の問題について検討して、国内の塩の生産を何とかして向上させたいということを研究中であると申したのであります。
○竹村委員 それではもう一つ技術の面から聞きたいのですが、先ほどから聞きますと、国内の生産量というものは大体六十万トンだと言つておりますが、これは全能力をあげて、そして買上げ値段をもう少しあげて、現在買い上げておるところの九千七百四十五円という一トンの値段を一万一千円か二千円くらいに買い上げるならば、六十万トン以上できるのか、あるいは六十万トンというものが生産量の最高限度であるのか、この点を伺いたい。
○久米政府委員 先ほど六十万トンの生産能力と申しましたのは、九千七百四十五円の現在の收納価格を前提として申し上げておるのでありまして、もつとたくさん労力も使つて、割高でもかまわぬから鹹水をたくさんつくるというふうな政策をとる余地がありますれば、現行設備でもあるいは六十万トンより上の数字になる可能性はあろうかと思います。
 なお先ほどもう一つ前の質問でお触れになつた点でありまするが、補助率は引下げる。しかし現在の塩業者はこの程度の補助率で今回のジエーン、キジア両台風の災害復旧は、完全にやつて行くという確信を私は持つております。それは先ほどこういうふうに補助率を下げたら、塩の値段が高くなるのじやないかというお話でございましたけれども、補助率は下げますが、別に明年賠償価格九千七日四十五円を引上げたりする意思はございません。塩業者としても今回のこの法案の補助率でもつてこれだけの補助をもらつて、あとは自己資金あるいは金融機関から借入れしてやつて、できる塩は九千七百四十五円で公社に売つて、ちやんとそろばんがとれる。一向に御心配になることはないと思います。
○竹村委員 塩の買上げの値段を上げる意思はない。従つて補助は少くなつてもそれで生産費は償う、こうおつしやりますけれども、それは結局補助が少くなるだけ、いわゆる投下資本というものが多くなつて、高く買い上げられないと、それだけ生産者が多く負担をする、こういう結果になる。高く買つてもらえぬということになると、国内の塩の生産というものはだんだん下つて来る。あるいはそれでなかつたならば、下つて来れば、外国の塩がどんどん入つて来る。また外国の塩は安いから入れようと思えばどんどん入つて来る。こういうことになつて来ると、結局においては資金やその他の面から、内地の塩田というものは結局はつぶすということになる。そうするといくらりくつを言われましても、内地の塩の生産を保護するのだといいましたところで、結局においてはこれはつぶすことになる。そうするとやはり今内地の塩田はどうなつてもいいと考えておる、生産の状態がかわつた、こういうふうに言われます。もちろんかわつたとしたところで、事実上においては政府の政策というものはつぶす方に向いておる。それで国内の塩ができないから外国の塩を入れる、こういう方向に向いておる。私はこう思つておる。それ以上の方策は別に出て来ない。この点ははつきりしていると思います。そこでもう一つ念のために聞いておきたいのは、たとい国内産の値段が上るような、こういう形で生産費が上るというようなことがあつても、六十万トンないし七十万トンの国内産は、いかなる場合にでも政府は買い上げるのか。あるいはあまり高くなかつたらどんどん少くして、六十万トンを三十万トンとか二十万トンに減して、外国の塩をどんどん多く買うのか。この点だけをはつきり聞きたいと思います。
○久米政府委員 先ほどからの御質問の続きでありますから、私からお答えいたします。
 先ほどからたびたび申し上げておりまする通り、ソーダ工業塩は別でありますけれども、国内の食料その他一般用塩は、これは国内で確保するという根本方針は、たびたび繰返して申し上げました通りでございまして、今回の補助の率がたまたま昭和十七年の例でありますとか、二十年の例、二十一年の例というものに比べまして下つております。しかしながら今日の塩業の状況から申しまして、これだけが今回の法案に盛りましたところの塩田及び濃縮施設十分の五、塩田防災施設十分の六・五という率による補助を與えますれば、国内製塩の確保というものは決して御心配になる点がない。塩業者としても補助金で出ました以外の分につきましては、自己資金または金融機関からの借入れ等でまかないます。明年度の塩の收納価格は九千七百四十五円という価格々引上げることなしに、現在のままで十分ペイして行く、そういう見通しを持つていることは先ほどから重ねて申し上げている通りでございます。政府として国内塩業の維持発展ということは十分考えております。これをつぶすような事態はもうとう考えておりません。
○宮幡委員 ただいまの法律案につきましての各党各派の御意見もおおよそ承りました。元来この大蔵委員会は第一国会以来、政府委員もきわめて懇切丁寧な答弁をしておられるのであります。きようも監理官でありれる政府委員の御答弁はきわめて懇切丁寧、微に入り細に入りまして、個人的感じで申しますと敬服いたしておるわけであります。ところがあの御説明があまりに丁寧過ぎたと申しましようか、いささか本法律案に対して反対せざるを得ないような一つの空気が生れて参りました。これは言葉のやりとりの間に出ましたものでありまして、将来誤解があつてはいけませんと思いますので、念のためその点を確かめておきたいと思うのであります。大体この立法措置を講ぜられましたことは、もはや行政措置をもつてかような補助をいたすべきでないという確定した方針が出たので、それによつてこの法案を出したと解してよろしいでございましようか、この点を御説明願いたい。
○久米政府委員 塩田の災害復旧事業に対しまする補助は、立法措置を講じ、法律の基礎に基いて、法律で定めた補助率により交付するということが必要であるという結論に到達いたしましたので、この法案を提出いたしたわけでございます。
○宮幡委員 その点はつきりいたしました。立法措置によりまして法律に定める補助率をもつて、今後やつて行こうという方針が確立したわけであります。これは了承いたしました。つきましては專売公社の独立採算制の観点から行きまして、もし公社の財源に余裕があり、しかも災害の状況が国の補助率をもつて償い得ないというような状況が招来したといたしますならば、この率を改訂するために、引上げるか引下げないかは別といたしまして、改訂するために再び国会の審議に備えまして、これを実行するお考えを含んでおられるか、この点をお答え願いたいと思います。
○久米政府委員 補助率の点につきましては、先ほどから申します通り、農林、水産業施設の場合等との権衡を考慮して、本法案はでき上つておるのでございまするが、万一、将来の仮定の問題としての御質問かと思いまするが、今後たとえば明年に非常な大地震でもあつたというふうな場合であつて、塩業者の資力がほとんど壞滅に帰したというふうな事態でも万一ありましたならば、そういうふうな仮定の問題でしたら、またその事態に即した補助率の検討ということは必要かと思いますが、大体この補助率でもつてまかなつて行けるのではないかというふうな感じであります。
○宮幡委員 現状ではもちろんそうだと思いますが、この補助率が不適当になつた事態の仮定だと申しますが、そういう事実があつたならば、公社としてはそれに適応する措置を講ぜられる用意があるかどうか。
○久米政府委員 そういうことが起りましたら、当然に法律改正の措置を上りたいと思います。
○宮幡委員 それからさらに価格の問題についても、価格政策としてまで考えられるほど詳しい御説明がありまして、また各委員からるる御質問がありましたソーダ塩の問題でありますが、現在の三千円を四千円に改訂する。港に至りましてからの陸揚げの費用が千円、七十万トンにして七億、こういう補給金的な支出が出るわけであります。これをとるということは、政府の不動の信念としてしばしば閣議におきましても表明され、現にこれが実施の段階に行つておる。そこでソーダ工業の原料塩でありますが、このソーダにつきましては、今後四千円という一律の価格に改訂するという御説明だけでは少し足りないと思います。もちろんこれは私の個人的感じかもしれませんが、ソーダ工業自体は従来の補給金のありました当時においてはフル操業をしておりません。五〇%、六〇%の低率操業をやりまして、その中で補給金かせぎをやつたきらいが相当多いのであります。しかしながら補給金が一たびとられるという方針が明らかになりますと、たちまち全操業をやりまして、コストの切下げ、いわゆる合理化をやりまして、もはや工業塩の原価に特別の保護を加える必要をさえ認めない段階に進んでおると思つております。そこでソーダを製造する方式もア法ソーダと電解ソーダ、この両者の製造原価に相当の開きがありますので、将来專売公社として考えます拂下げ、売渡し価格、ア法ソーダ、電解ソーダの原塩の価格の間に等差をつける考えがあるかどうか、お考えだけでけつこうであります。これをおやりにならなければ責任になるという強い意味じやありませんが、その点に思い及んでおるかどうか。その点だけ明らかにしていただきたいと思います。
○久米政府委員 專売公社の内部においていろいろ研究はしておりますけれども、ただいまのやり方を変更したいという結論まではまだ出ておりません。
○西村(直)委員 塩田等の災害復旧の補助に関する法律案に関する質疑は相当進みましたので、この際一応これで打切るよう動議を提出いたします。
○小山委員長代理 ただいまの西村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長代理 御異議がないようでありますから、本案に対する質疑は以上をもつて打切ることといたします。討論、採決の日取りはさらに理事会において決定して御通知申し上げます。
    ―――――――――――――
○小山委員長代理 ただいま大蔵大臣が出席されましたので、ただいま提案になつております法案の全般について質疑を続行いたします。宮腰君。
○宮腰委員 国民金融公庫法の一部改正に関しまして、今回三十億から四十億に増額されておるようであります。現在の中小工業の不況から考えて、わずか十億を出すだけでは、とうてい歳末の決済もまた中小工業の事業の振興もはかれない、こういう意味合いで、第八回国会で三十億くらいというような議論もありまして、われわれもそれに賛成しておつたのでありますが、今回はからずも出されてみると、十億というふうな金額になつておるようであります。見返り資金とか預金部資金から考えて、財政の支出上困るという情勢もないようであります。従つて委員会でも何とかもう少し増額したい、修正案でも出したいという考えを持つておりました。ところが本日中小企業振興議員連盟の会長星島氏から、百九十億という厖大な支出をいたすよう懇請の申入れがあつたのであります。大蔵大臣としても現在の中小工業に対する御理解がだんだん高まりつつあるようでありますが、この十億の資金ではとうていまかない切れない。年末の決済はとうていできないのでありますから、ぜひ何とかあと十億くらいふやしてもらうことができないかどうか。この点について大蔵大臣に質問申し上げます。
○池田国務大臣 御承知の通りに庶民金融金庫から昨年の七月だつたと思いまするが、国民金融公庫にかわりまして、今までの出資が合計で三十億円であるのであります。そのうち従来の庶民金融金庫当時も債務を弁済いたしましたので、国民金融公庫が発足いたしまして、昨年七月から今日までの貸付金額というものは二十億足らずだと記憶いたしております。それでこの国民金融公庫の機構から申しまして、この十二月から来年の三月までにそういう厖大な金額を出すことは、今までの実績から申しましていかがなものかと思うのであります。当初予算は本年度十二億円だつたと思いますが、私の今までの考えといたしましては、あと四箇月に十億円程度あれば今までの事業を相当拡張できると考えておるのであります。御承知の通りこれは庶民階級の事業資金でございますが、一人当り五万円ということに相なつておるのであります。しかも回收が非常に成績がよろしゆうございまして、一般金融機関では三%とか二%回收不能があるといいますが、これはもう非常な回收成績でございます。回收金もありますし、本年度におきましては十億円程度で十分ではないかと考えております。来年度におきましては先般も申し上げましたように、二十億円を予定いたしておるのであります。非常な成績を上げておるのでありまするが、ただいまのところ十億円で十分ではないかといろ考えを持つておるのであります。
○宮腰委員 今大臣は生業資金は五万円であるというお話でしたが、現在改正になつてたしか十万円になつておるはずです。これから考えまして、大臣は五万円を基準として十億を決定されたのでしようか。それとも十万円を決定基準として決定されたのでしようか。
○池田国務大臣 五万円は実は引揚者のと間違いました。十万円が十人で最高百万円となつております。ちよつと誤りまして失礼いたしました。
○宮腰委員 大臣は来年の三月末までに十億円で大丈夫というお話でありますが、事実全国の中小企業連盟だとか、そういう諸団体の意向を聞いてみると、どうしてもこれは十億円じや足りない。ましてや自由党の星島さんが会長をやつておる中小企業議員連盟では、百九十億という厖大な数字を出して来ておるのでありますが。どうしてこんなに食い違いがあるか。大臣がもう少しこの中小企業に御理解を賜わりまして、倍額の二十億くらいの御出資を重ねてもう一度お願いしたいと思います
○池田国務大臣 予算の要求でも実は五、六千億にとどめるのでも何兆億円という要求がありますので、そういうふうなことは理想的には考えられますが、徐々にやつて行かなければなりません。しかし先ほど申し上げましたように、国民金融公庫の機構から申しまして、十億円程度が適当と考えておるのであります。もちろん中小企業の金融あるいは生業資金ということにつきましては、私はできるだけの力を入れておるのであります。補正予算でございまして、そしてまた年度内の期間も短いのでございまするから、将来はこの点百億とか百五十億くらいのものを使いたいと思いまするが、御承知の通りの財政状況でございますので、この程度でがまんしていただければいいと思つておるのであります。私は個人の意見としましては、国民金融公庫に預金部資金その他から借入金として、全部政府出資ということでなしに、借入金の制度を活用して行きたいという考えを前から持つておるのでありますが、微力にしてまだそこまで実現に至つていない。一つの金融業務ですから、政府の全額出資でなければなかなか動かないというとは――これはもう大分なれて来たときでありますが、いかにもきゆうくつではないかという気持を持つておるのであります。まだその実現の運びに至りませんが、将来におきましては融資額をふやす意味において、そういう方面も考えてみたいというので進んでおるのであります。
○宮腰委員 ごく最近厚生金融金庫だとか、いろいろな金庫という名前の金融機関をつくりたい意向が大分あるようであります。今後そうした問題が起きた場合に、何とか一本にしてまとめて行つたら将来いいだろうと思いますが、大蔵大臣の所見をお伺いいたします。
○池田国務大臣 各種の金庫を一本にしましても、やはりそこには金庫特有の使命がございまして、私は庶民金庫をほかの輸出金庫なんというものと一緒にしては、庶民階級が困るので、やはり特殊の使命を持つた金庫にしておいた方がいいと思います。しかし庶民金庫は特殊の、普通のコマーシヤル・ベースに乗らない、ほんとうの庶民階級を相手にするのでございますから、ほかと区別した方が実態に沿うと考えております。
○川島委員 先ほどちよつと論議に入つたんですが、大蔵大臣は日本の経済の安定の証拠には、日本の外国における市場がどうだというようなことをとられての議論であります。まことに強弁だと私は思うのであります。なるほど財政は一応超均衡で、つじつまがとれておる。ところが企業体は一部を除いて、大半が瀕死の状態にある。そうして職を持つておる勤労大衆は、賃上げの熾烈な要求をしなければならないという事態に直面しておつて、政府も何らかの形で公務員の給與を上げなければならぬという事情に差迫つておる。のみならずさつき申したように失業者は増大しておつて、失業対策費を補正予算においても増額しなければならぬという実情、生活困窮者もふえて、これまたその保護費を増額計上しなければならないという実情、そうして、ことに国鉄裁定のごときにおきましては、この四月から八千二百円に引上げるのが至当だと、政府の一つの機関さえも裁定しておるにかかわらず、それもやらない。そうして米価は低米価で、賃金は低賃金、さらに金融は逼迫、失業者は増大、こういう形で、日本の安定した姿とはわれわれは決して受取れないのです。その意味で私は、一体大臣が安定の姿というのはどういうのだ。そう言つたら、それは外国の取引所に日本の証券が上場されたから、これをもつても一つの安定の証拠であると言う。これは私は少くとも国務大臣であり、池田大蔵大臣ともあろう者が言うべき言葉じやないと思う。もつとまじめに、もつと真劍に、われわれも真劍に聞いておるのだから、やはり真劍な立場において率直に、やはり国の姿というものをながめつつ答弁をされるということが、私は議会政治のほんとうの形でなければならぬと思う。これ以上のことは私は議論をしようと思わないですが、そういう意味で、大臣の昨今の各委員会における答弁が、ややもすると非常にずさんで、しかも非常に独善的で、しかも非常に尊大であるという風評が起つておる。私はかつて初期以来の議員として、池田さんとはごく親しい間柄で、論議もやつて来たが、大臣になる前の池田さんは、もつと真劍味のある、人間味のある人だつた。ところが大臣になつてから非常にかわつて来た。どうも心境の変化というのか何か知りませんが、もう少しひとつ委員会の、われわれのまじめな質問に対しては、まじめに答弁をするという態度に改めてほしい。こう私は親友池田君のためにお願いを申し上げます。
 そこで昨今非常に金融問題がやかましい。寄ると触ると、税金の話か、もしくは金融の話、金詰まりの話です。大臣は電車で通つたことがないからわからぬでしよう。バスで通つたことがないからわからぬかもしれない。バスの中でも、電車の中でも、汽車の中でも、人間が五人寄れば、税金の話、でなければ金詰まりの話です。これが真実の日本の姿、それをごまかしてどうこうと言えるものではない。この政府の、ことに池田さんの考えられておりますところの財政均衡の施策というものが、大衆の生活の上にのしかかり、そうして中小企業を中心とする多くの産業界に、深刻な金詰まりというものをもたらしてしまつた。おそらく池田さんといえども、その問題については、日夜心配もされておるのだろうと、私は理解を持つた気持で想像はいたしております。しかしながら議会などで、あるいは議院外などで大蔵大臣が説明し言明しておることと、実際とは違つておる。そうして金融の問題はいまだに解決がついておらない。税金の問題にしても、今度税制改正がありましたが、実際は、端的にいえば増税みたいなもの、そういう形であるにかかわらず、日本の経済は安定だ、少したてば自立ができるという、こういう楽観的な言葉を軽々に大臣ともあろう方が放言されることは、私は瀕死の状態にある失業者、上野の地下道でふるえあがつておる日雇い労働者、首をくくる手前まで来ておる中小企業の困難な人たち、あるいは働いても働いてもまだ生活の安固を得られない零細な所得階級、こういう人たちに刺激を與えればとて、よき影響は私は断じて與えないと思う。そういう意味で私は前段の質問をした。ことに今日上程されておるところのこの国民金融公庫の問題にしても、大蔵大臣は宮腰君の質問に対して、きわめて簡單にあしらつておる。私が聞いておれば、あしらつておる形だ。きわめてそういうことは不謹愼だと思う。この純真な、まじめな宮腰君が聞いておる真劍な質問には真劍に答えることが、日本の政治のために必要なことだ。親友池田君のためにあえて言う。
 そういうわけで、政府の財政施策が一切合財しわが金融面に寄つて来て、今日やかましく言われておるオーバー・ローンの問題がとり上げられるところまで来てしまつた。オーバー・ローンがいいか悪いかは別問題といたしまして、オーバー・ローンにならざるを得ないということは、やはり政府の財政施策の一つの欠陷がここに来たのである、こういうふうに私は思うのですが、金融界、産業界で問題になつておりますオーバー・ローンに対して、大蔵大臣はどのように今日お考えになつておるか、それをまずお尋ねしたいと思います。
○池田国務大臣 多年御好誼にあずかつております川島君に御注意をいただきましたが、私は決してふまじめに答えてはおりません。事柄を率直簡明に答えるつもりでやつておるのであります。それが誤解を招きますということは、私の不徳のいたすところで重々恐縮に存じておりますが、決してふまじめに答えていないということは申し上げておきたいと思うのであります。宮腰さんの質問につきましても、私の知り得たところはお答えしておるのであります。今までの好誼に甘えましてお願い申し上げまするが、どうぞ敵意をもつてお聞きにならないようにお願い申し上げたいと思います。
 次に寄るとさわると減税の問題、金詰まりの問題――私は電車、バスに乗らなくてもよく存じております。従いまして、私は減税をしなければいかぬというので、御承知の通りに減税を二年続けてやろうとしておるのであります。
 次に金詰まりの問題、これはなかなか困難な問題であります。金融に対しまして大蔵大臣は相当の権限その他を持つておりまするが、何分にも敗戰によりましてわが国の資本蓄積は非常に少い。しかもまた国民はインフレ時代の夢から十分にさめていない。昔のように、物が上れば実質的な財産は減つても売る人はもうけた。たとえば十円で仕込んだものが五十円に売れれば四十円もうけたと思つても、その物を仕込もうとすれば三十円だ。そうしてそれが八十円に売れると今度は五十円もうけたといつても、だんだんやつて行くと、帳面づらはいいけれども倉の中の品物は少くなつている。こういう麻酔剤、醉つた経済に日本人はなれて来ておる。それを一躍安定の経済に持つて行こうとする場合には、相当の摩擦があるのはやむを得ない。それで私は資本蓄積をどんどんやつて行かなければならないと思う。問題は、資本蓄積をしながら今足りない資本をいかにうまく使つて行くかということであろうと思うのです。そこで私は、先般来政府の吸收いたしました金をできるだけうまく使つて行こう、こういうので関係方面とも折衝をいたしておるのであります。しこうして、その折衝が遅れたといつても、必要な金を出さぬというわけには行きません。従いまして、日本銀行の貸出しは今年の六月から八、九月にかけて千六百億あるいは千七百億円にも近いというような状態であつたのであります。これはやはり最近のわが国の財政状況が、年度の上期におきまして相当引上げ超過になるという関係もありまして、そうなつたのでありますが、第三四半期に至りましては、御承知の通りに相当の散布超過、十一月も三百七、八十億の散布超過になりました関係上、ただいまでは千六、七百億の日銀の貸出しが千百四、五十億円に下つて、昨年のそれと比べましてそうオーバー・ローンというような状態ではないと考えておるのであります。ただ日本銀行の貸出しはそのくらいになりましても、なおかつ経済の規模がふえて参りました関係上、各金融機関におきましては、まだ金詰まりの声を聞いておりません。しかし実際を言つたら経済界にある程度の金詰まりということはこれは避け得られない。ことに仕事をすれば、物をつくればもうかる、仕入れをすればもうかるということの夢が残つておりますから、どうも仕事をふやしたがる傾向があるのでありますが、私はそういう方々について、全部の満足はできませんが、足りない資本をできるだけ有効に適時、適当に使つて金詰まりを緩和するようにすると同時に、使い得るような制度を設けようというのが、本年度の補正予算並びに来年度予算に盛ろうとしている一つの私の金融政策であるのであります。
○川島委員 大臣はせつかく金融の問題についても努力はしておる――努力の若干されておるという点は、あえて私は否定するものではございませんが、特需の景気に潤つている面あるいは特需の有力な産業面は別でございますがしかし、一般的私どもの言ういわゆる中小企業の金詰まりというものはきわめて深刻なものがあることも、大臣は認めておるのではないかと私は思うのです。そこで、昨日も銀行局長から若干の説明があつたのですが、ことに年末に臨みまして、政府が考えておりまする特段の金融対策というものがあつてしかるべきだと思います。そのことについて大臣に具体的な、しかも年末が差迫つて効果のある具体策がありますれば、この機会に吐露してもらいたい、こう思います。
○池田国務大臣 年末の、特に中小企業を主題といたしました対策といたしましては、先般来日銀の政策委員会でいろいろなことを考えておるようであります。今までの分は、見返りから出る分も三倍になりますし、また日銀の中小企業の別わく融資も今四十一億でありましたが四億ふやす、こういうようなことを言つておるようでありますが、状況によりましてはいま少しくふやすように勧奨してもよいと思います。これは今からこうという手を積極的に打つよりも、やはりそのときの情勢に従つて考えて行きたいと思うのであります。昨年の暮れは預金部資金を百億円出しましたが、本年は別に出さなくても引上げを年内見合わすとすれば相当潤うではないか。また大産業に対しまする政府の融資と申しまするか、これも相当期待できますので、それがだきればこれが中小企業の方にも潤つて来るではないか、こういうような考えであるのであります。なお中小企業の信用保險制度が幸いに議決になりますれば、これを即座に施行して行きまして中小企業の金融をはかつて行く。ただいまのところ具体的に申し上げられるのはこの程度のものであります。
○川島委員 金融問題は今日日本経済興廃の重要な問題になつております。そこで長期資金の特別の金庫、中小企業に対しては別な中小企業金融会席といいますか、そういつたものを設立して――昔の復金のようなものになつてはいかぬのですが、そういうものが日本の経済安定と復興のために、非常に必要な時代になつておるのではないかと私は思うのですが、こういつた長期金融金庫あるいは中小企業に対する特別な金融機関、こういつたものの設立方針が政府におありかどうか、これをひとつ……。
○池田国務大臣 特別の機関を設ける考え方もないことはないのでありますが、実際問題といたしましては、私は特別な機関を設けるよりも、既存の機関でそういうふうな仕事ができる。すなわち長期の担保金融、不動産金融と申す方が適当でありますが、長期の金融機関、長期の金融にやらすように既存の機関を向けて行つた方が、手取早いのではないかという考えを持つておるのであります。お話のような中小企業金融につきまして、何か特別の金庫を設けたらというお話がございますが、中小企業につきましても、御承知の通りに商工中央金庫がある。私が就任いたしますころは融資が二十億か二十五億だつたと思いますが、最近では八十億を越えるというような状況で、商工中金の活躍ぶりは相当なものがあるのであります。私は今後におきましても、預金部の金融債引受という場合におきましては、商工中金とかあるいは農林中金というものを一律的に考えて行きたい。そうして農村関係方面の長期金融は農林中金にやらせよう。また中小企業の方は商工中金を中心としてやらす。あるいはまた庶民階級に最も関係の深い無盡とか信用組合につきましても、できましたならばいま少しくはつきりしたかつこうのいいものにしようというので、今考えておるのでありますが、新たに金庫をつくりますと、それが実際運用されるまでには相当の期間を要します。ふなれその他の点で、私は既存の機関を活用して行くというふうな方向で行きたいと考えております。
○川島委員 次に先般来この委員会で問題になつておるのですが、滯納が過年度及び今年度合せまして、実に一千億になんなんとする巨額なものがあるのであります。まことに重大な現象だと私は思うのであります。この滯納の整理にあたつて、相当犠牲者が出て来るのではないかと私は想像しておる。この滯納をどうやら円滑に、国家の目標とするところの收納を得させますためにも、やはり積極的な金融政策というものが伴わない限り、この滯納の整理というものは容易でないのではないかという感じがいたしますから、そういうことがなくして、はたして大臣にはこの一千億にも余るような滯納の整理が、そうやすやすとできるような見通しでもおありですか。その見通しについて承りたいと思います。
○池田国務大臣 この滯納の問題につきましては、本委員会におかれましても、先般調査をしていただきまして、非常に有益な御意見をお述べになつておるのであります。私も滯納の原因につきましては、一つは税務署側の調査の不徹底、また他の部面は納税者側の申告が誠実でないとか、なかつたとか、納税者側にもある程度の責めはあるのであります。またもう一つは金融問題、これが三つの大きな柱だと思うのであります。従いまして私は税務署側につきましてはできるだけ調査を確実にして、誤つたものは早急に直して、そして滯納を少くし、また納税者側に対しましても、税務署側から懇切丁寧に了解を得るように努力して行けば、誤解も解けるのでありますから、そういう方向へ行くように督励しておるのであります。しかし何分にも経済の変革時代、また税法の改正されたときにおきましては、こういうことは日本においてもまたその他の国におきましても、えてして起るのであります。しかしこれも一挙にやろうということになるとなかなか摩擦が多いのでありまして、われわれはできるだけ、ただいま申し上げましたような方針で滯納額の整理を早急にしたいのでありますが、いろいろな関係がありますので、徐々に整理して行きたい。だんだん整理も進んで行つておると考えておるのであります。
○川島委員 私は一千億の滯納額の大部分は、中小企業に多いのじやないかというように考えている。しかも中小企業が深刻な金詰まりである。ことに最近の情勢では原料商の製品安、こういつた形でありますることは大臣御承知のような状態である。このまま滯納整理を強行すれば、片つぱしから倒れるという形になります。そういう事柄を考えましても、やはり年末の金融対策というものは、よほど政府が理解を持つた積極的な対策を講じてやらぬと、滯納の整理もできぬ。逆に中小企業は倒れて行く。こういう恐慌状況を現わして来るのではないかということを心配するので、できるだけ政府はこの年末に際しての金融対策を、積極的に働きかけるべきだと考えているわけであります。ついでにこの際聞いておくのですが、この間大臣もどこかで説明されたようでありますが、今度の税制改正で、一方米価が上るけれども、その米価の値上りを吸收してなおかつ減税は余りあるのだ、こういうことを大臣は説明されておつたように私は記憶している。そうかと思うと、その米価の値上り以外に、全体的な経済状況の説明の中で、物価上昇は一四%になつておるとも大臣はどこかで説明されたように私は記憶いたしている。ことに最近東京銀行協会の調査によりますと、最近における物価の上昇率は一八%に及んでおるということすらも、調査の結果発表しておる次第であります。そういう調査結果の真偽はかりに別といたしましても、米価の値上りは必然的に他物価への刺激となり、物価上昇を招くことは必至の勢いではないかと思うし、さらにまた朝鮮動乱の情勢等から見まして、世界的の軍拡競争への情況がきわめて濃化して参りました。そういつた一連の事柄等からいたしまして、漸次また物価は上昇の過程をたどつて行くであろう。それでなくても、米価のみならず、最近では新聞あるいは燃料その他かなり値上りを見せているものがございます。従つてかりに今度の減税措置がありましても、勤労者の実質的な負担というものは必ずしも軽減されないで、逆に場合によつては負担過重の、收入寡になるものもあるのではないかというふうに私は考える。従つて今度の税制改正は勤労者のためにはかつたような形ではあるけれども、実質的にはそのような結果にたつておらぬと私は思うのですが、その点について大臣の見解をあらためて伺いたいと思います。
○池田国務大臣 今回の税制はいわゆる勤労者でなしに、中小企業あるいは農家の方に対しましての全般的の減税であるのであります。従いましてこの資料は不日ごらんに供することと考えておりまするが、所得税におきまして、大体十二万円の四・七人のいわゆる平均標準世帶について二・四、五パーセント生計費が楽になる。また酒税、物品税等におきましてはやはり一%余りの軽減になると思うのであります。しこうして主食の方につきましては、まだ消費者価格がはつきりしておりませんが、一応十キロ五百二十円、それから外米の方は精米に対しまして九〇%にし、小麦は十キロ四百二十五円、精麦四百円、今のすえ置きにいたしますると、大体三食の値上りは八・七、八パーセントと考えております。主食の生計費のうちに占むる割合が一六%でありますから、大体一・四%程度であります。そういたしますと減税によりまして三・三、四パーセント楽になりますので、二%程度が楽になるということに相なるのであります。しこうして川島君はお米が上ればほかの物価が上ると言われましたが、そのときに賃金のくぎづけがあるかという問題になつて参ります。私は公務員につきましては平均千円上げますから、これはある程度の上昇はあつてもカバーできるのではないかと思います。また公務員以外の労務者の状況も、最近はやはり賃金は上昇の傾向をとつておるのであります。この点は御專門家でありまするから申し上げなくてもいいのですが、九月が九千五百四十円ぐらいでございましたが、六月が九千二百円程度ではなかつたかと思つております。ある程度の上昇も私はあるのではないかと思います。それで大体われわれの措置といたしましては、減税によりまして主食の値上りは十分カバーし得る。物価騰貴の問題につきましては、今後の情勢を見なければはつきりしたことは申し上げられませんが、公務員の給與は上る。一般労務者の給與も上る傾向にある。しかしこれが物価が上るんだからといつて給與を先走つて上げますと、これはなかなかたいへんなことになりますので、政府は物価があまり上らないことを――ある程度は上りますが、賃金が先に上つて物価がついて行くか、あるいは物価が上つて賃金がついて行きますか。大体私は政府の今の考えておるインフレ要因を押えるという財政経済政策をやつて行くならば、今後朝鮮事変を契機としましての世界的の物価上昇の状況も、切拔け得るという確信を持つて進んでおります。
○川島委員 一応物価は上昇するが賃金は上げるんだ、また産業賃金も上つているんだという説明ですが、公務員のうちの国鉄の従業員のごときは、人事院の裁定によつても、ことしの四月から八千二百円が適当だ、四月現在でさえもすでに八千二百円でなければ食えぬという裁定があつたのであります。従つて今ごろ千円政府が上げるからといつて、その物価上昇の問題を十分にカバーできるという説明は、われわれの納得できない点であります。
 そこで今公務員の問題が出ましたからついでに尋ねておきますが、国鉄の裁定はすでに八千二百円とこの四月に行われて、その後政府は予算上、資金上の理由でそのままになつて来ておる。しかるところ最近国鉄内の組合員の協力一致、勤勉と努力で国鉄内の資金が大分蓄積されて来たという話を私は聞いておる。この際国鉄自体の公共企業体的な、独立採算制的なあの性格から見まして、また政府も資金上余裕ができれば、この裁定を実施するにあえてやぶさかではないという約束を国鉄の組合にされておるように、私ははつきりと記憶いたしておるのでありますから、この機会に政府は国鉄をしてあの裁定を実施させるような方針がないものか。この裁定の実施の問題について、大蔵大臣の所見をこの機会にあらためて伺つておきたい。
○池田国務大臣 国鉄の裁定に関しまする政府の考えは、先般本会議で申し上げましたように、裁定の線に沿うという方針で今検討を続けておるのであります。結論はいましばらくお待ち願いたいと思います。
○川島委員 そうすると、その検討の結果十二月からその裁定の線に沿いたいというのでなくして、四月にさかのぼるという方法によつて政府は検討しておるか、その点であります。
○池田国務大臣 内容の点は申し上げられませんが、裁定の線に沿うように今努力をしておるのであります。
○川島委員 最後に一点お伺いしておきますが、政府は、この間の事務当局からのお話によりますと、今度ここに上程されております所得税改正案を、そのまま明年度に引続いて行くという方針のようであります。しかも内容的にはいささかの改正も見ずして、このまま進むという方針のようなことを事務当局は説明しておるのですが、私どもの主張から言いますれば、この機会に基礎控除にしても、扶養控除の問題にしても、税率にしても、異議はもちろんあるのですが、ただ重ねてもう一ぺん大臣から直接に聞いておきたいのは、農業所得及び中小零細業者の所得のごときものは、やはりシヤウプ勧告にまつまでもなく、勤労所得に準ずべき性質のものではないかと私どもは信じておるのです。その建前で長く主張を続けて来ておるのですが、大蔵大臣は二十六年度において、ただいま出ております改正案にさらに何らかの改正を加えまして、農業、中小企業の零細業者の所得に対する負担の軽減をはかる方針がないものかどうか。これをひとつお尋ねしておきたい。
○池田国務大臣 川島さんは專門家であられるのでおわかりと思いまするが、勤労所得の基礎控除は昨年度までは二割五分であつたのであります。シヤウプ勧告ではこれを一割という勧告が出ておつたのであります。私は大正時代からの所得税法をずつと見まして、一割ということはいかにも勤労階級に酷だというので、関係方面と極力折衝いたしまして一割五分にいたしたのであります。しかして今回シヤウプ勧告では、農業所得に対しまして一割とか五分とかの控除旅すると言つておりますが、私はこれはあまり賛成できません。今回のシヤウプ勧告は、さきの第一回のシヤウプ勧告のように、私はうのみということはいたしません。そうしてシヤウプ勧告は前もかえさせましたが、今度の問題についても関心は持ちましても、これに沿つて行くという気持は私にはあまりない。もしシヤウプ勧告のように農業所得に対しまして一割の控除をいたすとすれば、中小企業におきまして、左官屋さんとか、おとうふ屋さんとか、床屋さんとか勤労部分の非常に多いところがあるのでありますが、これをどうするか。これもやつて行くということになつたならば勤労階級の一割五分を二割とか二割五分にしなければならぬ。川島君は二割五分の控除を一割五分でも少い。一割じやとんでもないという御議論であつたと思う。幸い一割五分にしたのでありますが、この関係から考えますと、シヤウプ勧告は農業所得について一割ということをいつておられますが、私は今にわかに賛成はできない。相当研究してかからないと、みんなを控除するならば税率を引上げなければ收入は確保できない、こういう状況であるのであります。ただ幸か不幸か農業所得に対しましては、御承知の通り基礎控除の引上げによりまして、農家のあれは相当潤うかと思うのであります。米価がたとえば五千五百二十四円にいたしましても、昨年度の所得税四百五十億円は、米価が相当上つても、私は中分程度しか農家は所得税を納めなくてもいいのじやないかという見当をつけております。なぜかと申しますと扶養家族が農家には多い。これを引上げまして、そうして專従者の控除を認める、こういうふうな関係で、いま少しく今年度から行いました税法の施行状況を見て手を打ちたいと思うのであります。控除の問題は税收によほど影響する。とにかく所得税幾ら幾らというものは、各階級の今がその分に応じて納めたければならぬ。それでゴムまりのように片方押すとどこかに出て来る、こういうことになるので、愼重に考えなければいかぬという気持を持つておる次第であります。それでは来年度の予算はどうか。来年度の税法はどうかとなりますと、今御審議を願つております税法をそのまま行くつもりで進んで行つております。
○川島委員 その点私はちよつと意見がありますが、その程度にしておきます。
 最後にお尋ねをいたしたいと思います。最近学界、経済界などでも、日本の経済の実相に基いて、一体どの程度が適正な通貨量だという問題がいろいろ議論になつておることは、大臣御承知の通りであると思う。話が飛躍して恐縮ですが、この問題について大臣はどのように考えられておるかということと、あわせて尋ねてしまいます。年末の通貨発券高については、大体何かどこかで大臣から報告か説明があつたようでありますが、あわせてお尋ねしたいのですが、年度末には一体発券高の発券量というものはどの程度になつて来るか。この関係についての見通しがありましたら御説明を願いたい。それで私の質問を終りたいと思います。
○池田国務大臣 この適正な通貨量というものは、御承知の通りに経済学的に申しまして、通貨数量論、いろいろな説がございますが、なかなか困難な問題であると思うのであります。私はこの問題について、たとえば国民所得に対してどのくらいの通貨の状態であるかということを、各国を調べてみたこともありますが、国民所得それ自体が、御承知の通りに二兆七千億を三兆二千億かにし、来年度は三兆何千億とかいうなかなか困難な問題があるのであります。大体私は国民所得に対しまして二割のところはほとんどないと思います。二割では少し多いのであります。それが一割程度のもの――経済が非常に安定しまして、そうして預金通貨その他が非常に多くて、あまり通貨の授受が行われずに、商取引が行われるようなところにおきましては、国民所得に対して一割程度ではないかと思います。今正確な数字は覚えませんが、英米はそのくらいではないかと思います。フランスなんかは国民所得の一割五分程度じやないか。これは私の大体の勘でございますが、日本はどうかと申しますと、昭和十一、二年ごろにおきましては、やはり私の記憶違いかもしれませんが、昭和十年あたりの国民所得は百三十億前後でありまして、通貨は十六、七億じやなかつたかと思います。そういうようなところから考えて参りますと、今の日本の状況から申しまして、きようは三千五百億を越えておりますが、年末には四千二百億程度になるだろう。あるいはそれが一―三月に收縮いたしまして、三千六百億くらいになるだろう、こういうことが大体適当なところじやないかというふうな勘を持つておるのであります。これは大蔵大臣が、通貨はこれが適当だというふうなことは、なかなか言えるものじやございませんで、そのときの状況に応じまして、適時適当にやる。通貨の数量がふえ過ぎるようなら少し締めるとか、あるいは締め過ぎるようならゆるめて行く。これはそのときどきに応じてやらなければいかぬと思いますが、私は今申し上げたような勘を持つておるのであります。しかし何分にも年末の問題、三千九百億と通貨の発行限度をきめ、年末が四千二百億ということになると限外発行ではないか、こういうことを言われますが、これは限外発行でよろしゆうございます。御承知の通り大体十二月二十九日あるいは三十日くらいが最高で、三十日、三十一日から減つて参りまして、一月がずつと收縮いたしますから、私は三千九百億ときめて、四千百億とかあるいは四千二百億になりましても、限外発行を徴收するようなことはないのではないか、あつてもごく短期間だ、こういうふうな見込みでおるのであります。一―三月の通貨の收縮の問題も、今後の政府の資金の使い方あるいは産業界の状況によりまして、相当動くことは動くのでありますが、まあ日本の経済の動きは順調な道をたどつておりますので、あまり通貨の問題とかいろいろな問題を、そう長く神経質に考える必要はないという気持でおるのであります。
○小山委員長代理 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時十八分散会