第009回国会 文部委員会 第3号
昭和二十五年十一月三十日(木曜日)
    午前十一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 長野 長廣君
   理事 岡延右エ門君 理事 圃谷 光衞君
   理事 小林 信一君 理事 松本 七郎君
      佐藤 重遠君    高木  章君
      若林 義孝君    笹森 順造君
      坂本 泰良君    渡部 義通君
      小林  進君    浦口 鉄男君
 出席政府委員
        文部政務次官  水谷  昇君
 委員外の出席者
        文部事務官
        (大臣官房会計
        課長)     寺中 作雄君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     辻田  力君
       專  門  員 横田重左衞門君
        專  門  員 石井  勗君
    ―――――――――――――
十一月二十八日
 官立商船学校を国立商船高等学校として存置に
 関する請願(内藤友明君紹介)(第二九号)
 六・三制校舎建設予算増額の請願(金塚孝君
 紹)(第三〇号)
 無縁寺建立に関する請願(並木芳雄君紹介)
 (第三一号)
 小、中学校教職員の災害補償に関する請願(宇
 野秀次郎君紹介)(第四九号)
 教員保養所創設費国庫補助の請願(小西寅松君
 外一名紹介)(第六〇号)
 教育財政確立に関する請願外三件(坪川信三君
 紹介)(第七〇号)
 教育財政確立等に関する請願外三件(坪川信三
 君紹介)(第七一号)
 六・三制校舎建設費国庫補助継続等に関する請
 願(山崎岩男君外一名紹介)(第七二号)
 群馬大学工学部に教養課程存置の請願(長谷川
 四郎君紹介)(第七三号)
 国立きつ音矯正所設置の請願(松澤兼人君紹
 介)(第七五号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十九日
 教職員の認定講習改正に関する陳情書外一件(
 福井県教職員組合今市支部南中山小中学校分会
 安達實積外二十二名)(第一三号)
 六・三制校舎建築整備費に対する国庫補助継続
 の陳情書外五件(宮崎県西臼杵郡岩井川村議会
 議長小石龍助外二十九名)(第一五号)
 北海道の義務数奇施設の拡充に関する陳情書
 (北海道市長会長高田富與)(第一六号)
 六・三制校舎建築完全実施に関する陳情書(神
 奈川県藤沢市立第一中学校P・T・A会長中村
 彦左エ門外四名)(第一七号)
 六・三制校舎建築整備費に対する国庫補助継続
 の陳情書(大阪市大阪府議会議長亀井喜代丸)
 (第四二号)
 同外二件(富山市富山県庁内富山県教育委員会
 委員長金岡好造外二十名)(第六二号)
 教育財政の確立及び給與ベース改訂の陳情書(
 小倉市福岡県教職員組合小倉支部曽根小学校分
 会加来辰雄外二十六名)(第六三号)
 標準義務教育費法制定に関する陳情書(島根県
 教職員組合簸川支部出東小学校代表勝田光夫)
 (第八〇号)
 同(鳥取県出雲地区小学校長金田義務外百十四
 名)(第八四号)
 六・三制中学校の屋内運動場建築費全額国庫負
 担の陳情書(新潟県南蒲原郡町村議会協議会長
 目黒昌司)(第一一二号)
 教育の復興充実に関する陳情書外一
 件(福岡県小倉市新道寺小学校横田直吉)(第
 一一四号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国政調査承認要求に関する件
 文部省所管の予算に関する件
    ―――――――――――――
○岡(延)委員長代理 これより会議を開きます。
 前会において討議せられました宗教教育に関する事項について小委員会設置に関し、この際衆議院規則第九十四條により国政調査の承認を得ておきたいと存じます。ただいま承認要求書を朗読いたします。
 一、調査する事項宗教教育、社会教育に関する事項
 二、調査の目的 国民一般の宗教情操並びに道徳観念の酒養及び治安関係者等の訓育方針に関する政策の確定を図るため
 三、調査の方法 関係各方面より意見の聽取、資料の要求及び小委員会の設置
 四、調査の期間 本会期中ただいま朗読いたしました承認要求書を議長に提出いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
○岡(延)委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。
○岡(延)委員長代理 次に前会に引続き文部省所管の予算について質疑を許します。若林君。
○若林委員 前会文部当局から、文部予算について御説明を承つたのでありますが、私の一個人の考えであるのでありますが、ひとつ皆様方にお諮りを願いたいことは、今度補正予算並びに明年度の予算につきまして、初め文教予算であるという掛声が非常に強かつたので、われわれもそれに期待をしておつたのであります。大体新しい項目が明年度予算において見込まれることについては、了とするのでありますけれども、数学的にこれをながめましたときに掛声ほどでないことを発見し、今度またドツジ氏の勧告に基いていろいろなる削減が加えられておりますのを、本委員会として黙視することができないような感を持つのでありますので、ひとつ今日その点について文部当局の話をもう一度聞いて、本委員会として、政府当局に折衝をするようなことにしていただければけつこうかと思うのでありまして、各派代表が政府当局に当るということも、本委員会の使命ではないかと思うのであります。昨年六二三の予算があのうき目を見ましたときも、各派が共同歩調をそろえましてその筋へ当つた経験もありますので、今日文部予算がこ、いうような危機に、というところまでは来ておらぬかもしれませんが、相当初めに考えておつたより以上削減をされておるのでありますから、ひとつ今日あらためて文部当局の予算に関することを承つて、それに基いて、本委員会として政府に事前交渉をするということを、ひとつおきめを願いたいと考えるのであります。
○岡(延)委員長代理 若林さん、それは補正予算についてですか、来年度予算についてですか。
○若林委員 両方です。
○岡(延)委員長代理 それでは若林君の御提案の趣旨はいかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡(延)委員長代理 御異議がないようでありますから、この提案を了承いたしまして、何か後刻具体的な御相談をいたしたいと思います。
○若林委員 それについて大体文部当局の次官からでもいい、今までここで行き詰まつているというようなことについて御説明を承つておけば、みなの腹構えができると考えるのであります。
○寺中説明員 お話しのように文部予算、文教予算という掛声が非常に強かつたのでありますが、その後いろいろな政治情勢から、必ずしも最初の目標通り行かなかつたという点が、多少現われて参つたのでありまして、そのおもなる点を申し上げますと、まず補正予算について、この前大体の御説明を申し上げました点から変更を加えられましたおもなる点は三つであります。一つは補正予算の中の額としては最も大きな部分を占めておりました昭和二十四年度臨時年末手当補助金が七億二千六百万円ほどありましたのが、それが落されまして、三十五億の平衡交付金の中に含めて考慮するという形になつたわけであります。第二の点は、七千七百万円の私立学校に対する災害復旧貸付金であります。これが落されたのでありますが、来年度十億の私立学校振興のための金を入れるということとにらみ合せまして、本年はそれを落すことになつたわけであります。第三の点は、地方教員の関係の、やはり平衡交付金の中で考慮される金の問題でありますが、九億というものを義務教員のベース・アップの金に充てるものとして平衡交付金に含まれておつたのでありますが、それが三十五億に増額になりまして、その中で考慮されるということになりました。そういう三つの点の変更があつたわけであります。
 それから来年度予算の関係は、一般経費の方はほとんど変更はございませんが、公共事業費の関係で相当の影響を受けたのであります。公共事業費は、これは全体のわくに対しまして相当の批判が加えられたわけでありまして、安本の所管になつておりますものと、文部省所管になつておりますものと合せまして、十三百三億というのが元の案でございましたが、それが千八十億に縮められました。その百二十三億にわたる削減を、各省の関係の公共事業費に、多少の考慮は加えられておりますが、大体において按分的にその削減を負担するという形になりまして、文部省のわくでありました五十九億のわくから三億を落される。同時にジェーン、キジア台風の第二年度の復旧費である金が約七億五千万円に上るのでありますが、これを五十六億の文部省のわくの中で考えるという形になつて参りました。それが來年度予算に加えられた最も大きな削減であります。
 もう一つの点は、今ちよつと触れましたが、私立学校の復旧費でありまして、それは金融金庫の形で大蔵省所管で計上するという予定でありましたが、金庫の方法をやめまして、額はそのまま十億として、文部省関係に私立学校振興費として計上する。その使い方は、大体戰災復旧費に主としてこれを使うことにせられたわけであります。
 大体来年度予算についてはその三つの点でございます。いずれも文部省にとりまして非常に重要な変更でありますので、これに対する対策を目下研窮いたしまして、大いに安本その他に対して交渉を続けておるような実情でございます。
○松本(七)委員 ただいま御説明の補正予算の問題ですが、第一の昨年度の臨時年末手当の七億三千六百万円ですか、今の御説明だと、これを一応やめて、そして三十五億円の平衡交付金の中で処置するというようなお話でしたが、金額だとか、そういう点はどうなんですか。
○寺中説明員 ここに非常にデリケートな問題が介在しておるのでありまして、七億二千万円は昭和二十四年の年末手当でありますので、義務教育費国庫半額負担という原則によつて国庫で負担すべきものを、その際財政的な規模からどうしても負担できなかつた。しかし将来補正予算編成の際には必ず考慮するという約束を大蔵省としておりました。今度の補正予算の機会に大蔵省ではこれを計上するというのが、第一案になつておつたわけであります。ところがその後大蔵省における非常に急激な事情の変更によりまして、それは一応考えないで、別に平衡交付金を増額するという形になつて参つたわけでありまして、大蔵省としてはあくまでも七千二百万円の一種の債務というものは、十分考慮しておるのでありますから、平衡交付金が三子五億行けばその中で考えられるであろ、うから、それで処置してもらいたいという趣であつたわけであります。しかしそれでは三十五億のいわゆる算出基礎の中に入つておるかどうかということについて、いろいろ議論が出て参つたわけでありますが、これに対しましては、算出基礎といたしましては入つていない。しかし現にそれだけの金が地方に行けば、七億二千万円の債務は十分カバーできるという意味で、大蔵省は考えておるということなのであります。それで私どもとしましては、従来の交渉経過から見まして、当然この黒十五億の中に含めて七億二千万円を考えておるというふうに了解いたしておるような次第であります。
○松本(七)委員 そうすると、文部当局としては、この平衡交付金の中かけ年木資金として七億二千万円をどうやりて確保しようという御方針ですか。ただ平衡交付金に大蔵省は含めたか、何らひもはついていないのですから、大蔵当局の方でそういうような意向でやつてくれたものだから、地方で出すことを期待するというだけでは、済まぬのであります。何らかはつきりした確保の遭を文部当局として講ぜられるのかどうか、その点をひとつ……。
○寺中説明員 この七億二千万円は、府県におきましては広い意味の借金になつておるわけであります。形の上では、ところによつては歳入欠陥になつて繰越されておるわけであります。各府県にそういうようなものがあるのでありますから、三十五億の平衡交付金が行きます際に、この七億二千万円は別わくとして、その債務に応ずるような配分をしてもらうということを、目下地方財政委員会の方に交渉して、文部省の持つておる配当計画に合うような配当をしてもらうように交渉しておるのでありますが、それに対しましては、地方財政委員会といたしましては、必ずしもその通りという言明は、今のところいたしておりません。今後それに対して格段の努力をして、私どもの主張が通るようにいたしたいと思つております。
○松本(七)委員 その点が大事なんでして、地方財政委員会がその確約をするように、文部委員会でも働きかけたいと思う。それで委員長にお願いしたいのは、今の点を具体的に文部委員会で決議でもして推進するように、とりはからつていただきたい。
 それから同じく補正予算の問題ですが、九億のベース・アップは、平衡交付金の中で扱うと予想されてあつたのですか。
○寺中説明員 第一案におきましても、それは平衡交付金に入つておつたわけであります。それが増額になつたわけであります。
○松本(七)委員 そうすると、これは一月――三月のべース・アップとして九億が予定されておつたのですか。
○寺中説明員 そうであります。
○松本(七)委員 それを今度幾らに増額しようというのですか。
○寺中説明員 三十五億です。
○松本(七)委員 三十五億円というのは、平衡交付金の額でしよう。
○寺中説明員 そうです。いま少し詳しく御説明申し上げますと、平衡交付金を出しますためには、地方財政委員会におきまして、地方の財政需要並びに財政收入の差額を見まして、必要なものを平衡交付金に計上するわけでありまして、地方財政委員会から意見甘を大蔵省の方に送り、その意見書をもとにしてその額を査定してきめる、こういう形になるわけであります。地方財政委員会では、基準的な計算をいたしました結果、最初百三十三億くらいの額を平衡交付金として必要だという計算をしておりましたが、その後いろいろ研究の結果、八十三億という数字を決定いたしまして、それを意見吉として大蔵省の方に送付いたしまして、大蔵省におきましてさらに財政事情その他いろいろ検討しまして、たとえば雑收入がもう少しあるだろうとか、あるいは財政支出をもう少し切り詰める余地があるだろうというような推計を立てた上で、これを三十五億に査定して、これを平衡交付金として出すごとにきめたわけであります。この中のおもなる項目は職員のベース・アップ、これは必ずしも教員のみならず、地方職員全体のベース・アップ、それから年末手当、その他補正予肝実施に伴う地方の負担分世々正含めて、三十五億という数字を決定したわけでありまして、第一案にありました九億は、そのままその中に含まれておるという形になつておるわけであります。
    〔岡(延)委員長代理退席、委員長
   肩席〕
○松本(七)委員 そこでベース・アツプを予定されておつた九億が三十五億になつたというわけではないのですね。三十五億の平衡交付金の中でこれを、奪えることにしたということなんでしよう。
○寺中説明員 第一案におきましては、地方教員のベース・アップ九億だけを考えておつたわけであります。ところが検討の結果、地方教員のみならず、あらゆる職員、それから年末手当、その他一切を計算した結果、三十五億という数字が出て来たわけであります。でありますから、九億は三十五億の一部分を占めておるというふうに考えられるわけであります。
○松本(七)委員 そうすると、この九億は、はつきり計算の基礎に入つておるわけですね。
○寺中説明員 そうであります。
○松本(七)委員 それから来年度の一般の方ですが、さつきの御説明の公共事業費の中でその金額はどうなるのでしようか。六・三制の建築費は幾ら予定されておつたものが幾らに減つたか、大まかな数字でけつこうです。
○寺中説明員 これも第一案、第二案にわけて説明いたしますると、第一案におきまして六・三制は四十五億二千万円ばかり、ただ上ごの四十五億という中には、盲聾唖学校の整備費、それから寒冷地におけるところの雪中避難所、屋内体操場、そういうものをあわせて四十五億、純六・三制の経費は四十三億二千五百万円という数字であつたわけであります。第二案におきましては、四十五億という数字はかわらないのでありますが、その中に二十四年度並びに二十五年度の災害復旧費を含めて、小中学校関係の建築整備費全体を四十五億にしたいという案が出ておるのでありますが、それに対しては、私どもは承服しかねるということで交渉しておるわけであります。第二案における内訳は、四十五億の中に、雪中避難所、あるいは盲聾唖学校を含めることはもちろんでありますが、給食施設、それから屋内体操場、そういうものを含め、さらに二十四年度、二十五年度の災害復旧費を占める。二十五年度の災害はジェーン、キジア台風の関係でありますが、二十五年度の補正予算で大体六億ぐらい確保できる見込みになつておりまして、その第二年度として二十六年度に小中学校関係で六億六千万円ばかり必要であるということになつております。一方国立学校の関係で九千二百万円ばかり、やはりジェーン、キジア台風の復旧費が必要なんであります。そういたしまして四十五億の数字の中に、純六・三制として現在提出されておる案は三十五億という計算になるのであります。これは非常に大きな打撃でありまして、今交渉しております点は、この六億六千万円に当る災害復旧費を、安本の方に確保している公正、事業費のわくの災害復旧費の中から見てもらうということを極力努力しているところでございます。
○若林委員 委員長御交代の席に私から提案したのでありますが、相当査定されました文部予算が危殆に瀕し、六・三のごとき十億のずれが生じて来ておりますので、ここで本委員会としても黙視することができない、何らかごの時機をとらえまして、本委員会として文部省を鞭撻して、それぞれ要所要所に当る必要があるのではないかということを私提案して、それに基いて今会計課長から説明を承つたのであります。いかなる措置をもつて政府を鞭撻して歩くかということをお諮り願いまして、文部予算の確保を期したいと存じます。
○長野委員長 ちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
○長野委員長 それでは速記を始めて。
    〔委員長退席、岡(延)委員長代理
  着席〕
○小林(信)委員 この際お伺いしたいのですが、教育便師団の第二の勧告案の中に、文部省以外の省に直轄されるところの学校、こういうものは早く文部省に入れなければいかぬというふうな勧告があつたのですが、そういう文部省で直轄していない、他省に属する学校、それからそれらに対する文部省の態度、こういうようなものについてお伺いしたいのです。
○辻田説明員 私からお答え申し上げます。一般人を対象といたします教育機関は文部省で主管することが、文部省並びに関係方面との話合いで一応きまつておるわけであります。従つて一般人を対象としないもの、たとえばある会社あるいはある官庁におきまして、その会社、官庁の要員を自分で養成する、あるいは再教育するということにつきましては、それぞれの官庁なり会社において一種の教育機関を持つことができるのでありますが、一般の不特定の多数の人を対象とする教育機関は、文部省において主管するというとりきめになつております。
○小林(信)委員 そこで商船学校の問題ですが、現在運輸省の管轄下にあるのです。最近の海運界の情勢あるいは職業教育の重視というような点からして、いよいよ海員の養成ということが必要になつて来るのじやないかと思いますが、そういう趣旨からいたしましても、この運輸省に直轄されておるところの商船学校というものは、中等学校程度のものでありますか、高等学校程度のものでありますか、私ははつきり存じませんが、その性格からいたしますと、やはり官立であるべきだと思います。そうして文部省の管轄下に入れることを促進すべきじやないかと思いますが、その点いかがですか。
○辻田説明員 ただいまお話のございました、現存運輸省所管になつております商船学校の問題でございますが、これにつきましては、かつて商船学校が文部省の所管から逓信省の所管に移りましたときに、ちようど戰争中でございましたが、戰時中に限つてこれを逓信省に移すというふうなとりきめがあつたのであります。その後逓信省から運輸省にまた所管がかわつたというような経緯がございますが、しかし先ほど申しましたように、一般人を教育する教育機関は、文部省において主管するという大方針から考えまして、商船学校を文部省において所管するのが適当であると考えておる次第であります。
○小林(信)委員 それはどれくらい促進しておられるか、お伺いしたいのです。
○辻田説明員 御承知の通り、現在運輸省で所管しております商船学校は、五校ございます。山口県、広島県、愛媛県、富山県、三重県というふうになつております。それぞれの県に一つずつ国立学校として所在しておるのでございますが、これらの関係の県におきましては、非常に強い熱意をもつて、これを商船高等学校として、普通の政育のコースの中に入れると申しますか、正規の学校体系の中に入れて、高等学校として文部省の方に移管してもらいたいという強い要求が出ております。私どもといたしましても、この御要望にこたえる準備は、いろいろいたしておりますが、しかし現在運輸省の所管になつておりますので、これをむりやりにでもひつぱつて来るということも、官庁間のごとで、必ずしも適当でありませんので、それぞれの筋を通しまして話合いをしておる状況であります。
○小林(信)委員 ただいまお伺いしますと、文部省にもそういう積極的な意向がある、また情勢としても、その必要があるというような情勢にあるのですが、ただ関係省との間にいろいろな問題があるからというふうなことで、この問題が促進されないのは、非常に遺憾だと思います。この際積極的に文部省としましては関係省に折衝されまして、ただちに商船高等学校の問題を促進していただきたいということを私はお願いするものであります。その点、大臣にここではつきり、やるというような御意思を承りたいのですが、はたしてそういう点がはつきり言えるかどうか。
○水谷政府委員 運輸省におきましては、船員教育審議会というものがありまして、この問題が議題になつておるのであります。こういう審議会がありまして、この問題が審議されておるのでありますので、この点に対して私どもは敬意を表しておるのでありますが、一方私から運輸政務次官の関谷氏に交渉を続けております。さらに運輸大臣にも最近に交渉をしたいと考えております。文部省の意向といたしましてけ、当然これは商船高等学校として、文部省に移管になるべきものであろという考えを持つております。
○小林(信)委員 委員長にお願いするのですが、この商船学校の置かれておる府県等には、きわめてこれに対する熱中があるのでありまして、また文部当局としても、この点につきましては十分考慮されておるというような情勢で知るならば、この際この問題は超党派的な問題であつて、しかもこれは積極的に促進して行かなければならぬ問題だと思うので、委員長におかれましては、委員会の意向を結集されまして、実現方をおはからい願いたいと思います。なおこの点につきまして、もしこの際この設置の問題で障害となるような点があるとするならば、どんな点であるか、あればお伺いしたい。なければよろしゆうございます。
○辻田説明員 先ほど政務次官からお話がございましたように、現在この問題は運輸省の船員教育審議会で審議中でございますが、この審議がなかなかはかばかしくないような状況であります。この点は、もう少し促進されまして、明確なる判断を早くされるということが、非常に望ましいのでありますが、遺憾ながら今日までは、まだ結論が出ておりません。しかし事柄は非常に急を要しまして、明年度の入学者の処置、あるいは入牢しておる者の処置等につきましても、当然考慮すべき問題でありますので、文部省といたしましては、できるだけすみやかに、適当な方法によつて、商船学校が文部省に移管されまして、教育全体の一環としてりつぱな教育ができるようにいたしたいと存じておる次第でございます。なおそれにつきましては、障害というようなものは、特別ございませんが、ややもすると、こういう、一つの省から他の宙に移管するというような場合は、予算その他のものについて、あるいは少し削減したり、いろいろこまかい芸当が行われるということもございますので、われわれといたしましては、それに関連した一切の仕事なり予算なり率直に移管したい、この点を特に希望したいと思つております。
○小林(信)委員 現在そういう情勢だとするならば、もし文部省に移管された場合に、はたして文部省の意向としては、現存の五つの数でよいか、もつとふやす必要があるか、これは予算との関係もありますし、また各府旧の要望もあると思いますが、そういう点はいかがですか。
○辻田説明員 とりあえず現在あります五つの商船学校を文部省に移管しまして、内容の充実をはかりたいと思いますが、しかし今後予想されます、講和会議以後における海外発展というようなことも考慮しなければなりませんので、そういうことを加味して、全体的な計画の上において、どのくらいの学校が必要であるか、どのくらいの養成が必要であるかというようなことは十分研究いたしまして、具体的な施策を進めて行きたいと思つておる次第でございます。
○岡(延)委員長代理 船員教育看護会というものの性格、権限は、どういうものでしようか。要するにこの答申はどの程度運輸大臣を縛るものであるか。たとえば文部省に移管すべからずということを決定すれば、それに運輸大臣は非常に縛られるものかどうか、そういう点についてお伺いしておきます。
○辻田説明員 ただいまお話の船員教育審議会の性格でございますが、これは政令に根拠を持つております審議会でございます。その性格といたしましては、運輸大臣の諮問機関でございます。従つて、政府全体を拘束するということはないと思います。運輸大臣に対してはある程度の、諮問機関としての役割を務めると思います。
○松本(七)委員 ちよつと緊急の問題でお伺いしたいと思いますが、先般新制大学の久我山大学が、大学を廃校するという決議を理事会でやつております――これはいろいろな問題を含んでおりますので、私立学校法ができてからの最初のケースになるのではないかと思つて、われわれ関心を持つております。久我山大学ができる当時のことなども申し上げなければならぬと思うのですが、時間がありませんから、ごく要点だけ申し上げますると、現在御出席になつておられる政務次官にもちよつとお伺いしておきたいのです。打係の局長がおられないそうでありますから、詳しいことはまたの機会にお譲りいたしますが、ただ政務次官に考えていただきたいとぶいますのは、この久我山大学が大学としてやつて行けないというので、理事会で廃校を決定したわけなんです。ところが教授の方では、これはしばらく存続したいというので、いろいろ熱心に運動しておつたようですが、結局のところ学長も、廃校やむなし、いわば理事側と妥協して、遂に廃校するために、学生を何とか他の私立学校に転校させるような努力を現在しつつあるわけなんです。それで助教授の渡邊という人は最後まで孤軍奮闘して、ただ営利的にやつて行けないからといつて、学年の中途においてやめるというようなことは、これはいかぬじやないか、少くとも学年末までぐらいはやつて、そして廃校すべきである。これはもう新制大学をつくるときに、ちやんと計画をつくつて、つくつた以上は、廃校する場合も、やつぱり学年末までぐらいはちやんと任務を果してやめるべきだ。いくら経営が困難だからといつて、途中でもつていきなりやめるのは不当だというので、孤軍奮闘しておつたようですが、結局大勢に押されて、結論は、学生の処置さえつけば廃校やむを得ないじやないかというような大勢に向つておるようです。しかし私立学校法から申しますると、私立大学を廃校する場合には、あらかじめ文部大臣が私立大学審議会に諮るということになつております。認可をするときには、私立大学審議会に諮問するということになつておるのです。そこで昨日私が聞いたところでは、久我山大学は、まだ正式な書類は文部省に提出しておらないようです。しかし、すでに理事会がそういう決定をしておるのですから、遠からずそういう申請書が出て来るだろうと思う。そのときに文部大臣は、ただ形式だけの諮問でなしに、これはよほどよく実情を調査していただきたい。これはいろいろな問題を含んでおります。新制大学ができるときに、どれもこれも、とにかく大学になりたいというので、形ばかりを整えて、実質の整わないもので新制大学になつたものが、かなりあるのじやないか。そういうことを考えますると、今後久我山大学の二の舞が出て来る危險が私は多分にあると思う。これは新制大学を設置するについての、大学設置委員会のあり方の今後の問題にも、あの当時の事情を考えてみますると、いろいろ反省してみなければならぬ点を含んでおるのじやないか。それから今後、できた新制大学の経営の問題というような点についても、文部当局としては十分考えていただかなければならぬ点が多々あろうと思いますから、そういう点十分御研究いただきたいと思いまするが、何か現在までに御報告を得られて、政務次官として考慮されておることがあるならば、この機会に、簡單でよろしゆうございますから、説明していただきたいと思います。
○水谷政府委員 ただいまお話の久我山大学廃校の問題については、私といたしましては何も存じません。しかしお説の通りに、私立大学の経営が非常に困難になつて参りまして、先ほどのお話のように、今後において経営が至難なところも出て来るんじやなかろうかということは予想しておるのでありますが、これはせつかく新制大学を文部省としても認めた以上、なるべく廃校をするようなことのないようにしたい考えでおりますので、そういう申請が出た場合には、お説の通りに愼重にこれを研究いたしまして、善処いたしたいと考えております。
○岡(延)委員長代理 ほかに質疑はございませんか。――それでは先ほど申し上げました小委員会の設置は、国政調査の承認を得た上で、小委員長及び委員を選定するごとにいたします。
○小林(信)委員 別に質疑がないわけではない、たくさんあるのですが、大臣に一ぺん出て来ていただく機会をつくつていただきたいと思います。
○岡(延)委員長代理 承知しました。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十一分散会