第010回国会 決算委員会 第1号
昭和二十六年一月三十一日(水曜日)
    午後二時二十九分開議
 出席委員
   委員長 菅家 喜六君
   理事 金光 義邦君 理事 渕  通義君
   理事 三宅 則義君
      高塩 三郎君    田中 角榮君
      田中不破三君    多武良哲三君
      藤枝 泉介君    井之口政雄君
 出席政府委員
        警  視  正
        (国家地方警察
        本部会計課長) 三輪 良雄君
        法務府事務官
        (総裁官房経理
        部長)     岡原 昌男君
 委員外の出席者
        大蔵事務官   千葉 春二君
        経済安定事務官 渡邊 一郎君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局経理局主
        計課長)    畔上 英治君
        会計検査院事務
        官
        (検査第一局
        長)      小林 義男君
        会計検査院事務
        官
        (検査第三局
        長)      山名酒喜男君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
昭和二十五年十二月十日
 昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二
 十三年度特別会計歳入歳出決算
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二
 十三年度特別会計歳入歳出決算
    ―――――――――――――
○菅家委員長 ただいまから、決算委員会を開きます。
 本決算委員会に付託と相なつております昭和二十三年度歳入歳出決算については、第七回国会以来、総論の部分及び特殊事項について、閉会中にわたつても、あるいは委員会小委員会を開き、また委員を派遣し調査を行つて、種々審議をいたして参つたのでありますが、今回は通常国会で相当長期のことでありますので、この際本格的に審議して参りたいと存じます。委員諸君には努めて御出席の上、その審議準行に御努力願いたく、一言希望を申し上げておきます。
 本日の日程に掲げてあります昭和二十三年度歳入歳出決算の審議に入りますが、去る二十六日の理事会において、その運営方針につき協議決定いたされました予定に従つて、進めて参りたく思います。この方針を大略申し上げますと、各省所管に対する検査の批難事項について、検査院の指摘順により、一応の説明並びに質疑を済ませた上で、理事会に諮つて進行して参る予定であります。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これより昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳用決算を議題といたします。決算検査報告書二十九ページ、批難番号一、制規によらない給與を支給したもの――裁判所外二府九省中、まず裁判所所管の分の説明を求めます。裁高裁判所事務総局経理局畔上主計課長。
○畔上最高裁判所説明員 これにつきましては、私どものほか、二府九省同様な批難事項に相なつておりますが、昭和二十三年十二月十九日の閣議決定によつて、寒冷地において寒冷地手当、北海道におきまして石炭手当を支給したものでございます。これは昭和二十二年度におきましては法律をもつて明文がございました。この年度におきましては特に法律はございませんでしたけれども、政府職員の新給與実施に関する法律の運用として閣議決定がございました。これに基きまして予算上の措置といたしましては、既定予算の範囲内で、この年度におきましては給與特別措置費等がございましたので、これより支出いたしたものでございます。特にこの年度におきましては法律はございませんでしたけれども、この新給與実施に関する法律の運用として、閣議決定が行われたものでございます。各省とも共通に非常に悩んでおつた問題でございましたので、これによつて支出した次第でございます。
○菅家委員長 それでは次に、決算検査報告書三十一ページの第二、裁判所、批難事項の二、工事の施行に当り処置当を得ないもの――本件に対しても裁判所当局の御説明を伺います。最高裁判所事務総局経理局畔上主計課長。
○畔上最高裁判所説明員 御説明いたします。これにつきましても、大体において検査報告の通りでございます。元水戸の刑務所の官舎敷地であつたものでございますが、この敷地が戰災によりまして焼失して、他に水戸の刑務所の官舎が移りまして、この土地があいておりました。これを当時司法省で所管いたしておりましたので、司法省におきましては、その後この土地を一応大蔵省に不用の財産といたしまして返還することとして、その返還をした上で、さらにこれを所管がえを受けて、裁判官の官舎と検察官の官舎を建設することに、司法省当時方針が決定しておつたのであります。そのままでおりましたところ、二十三年度に至りまして、水戸に裁判官の官舎を建設する予算が配賦になりました。ところが官倉の配賦の予算がいろいろの事情から遅れまして、建設時期になりましたけれども――ちようど地方裁判所の裁判官の転任の問題、欠員補充の問題がございまして、官舎を早急に整備しなければならない事情がございました。また冬になりますと、建築が非常に遅れますし、またいろいろと建築上支障がございますので、冬の前に何とかして早く建てて、そうしてそれに欠員を補充するための裁判官を迎えたいというので、非常に急いでおりました。そういう関係かございまして、前々からそういう方針のもとに裁判官の官舎を建設する場所がきまつておりましたので、これに建設することにきめたのであります。しかしながら形式上は当時まだ大蔵省に返つておりませんので、これは水戸刑務所の所管にあつたのであります。そういうわけで、水戸の刑務所長にもその形式上の点につきまして、建築を始めると同時に、書面をもつてなお形式的な手続を進めて参つたのでありますが、その後昭和二十二年五月三日の新憲法の施行によりまして、最高裁判所が発足いたしました。同時に司法省から分離いたしまして、独立の会計を持つこととに相なつたのであります。そういたしまして、その前から裁判官官舎と検察官官舎に予定されておつた土地が、司法省の所管となつたままでございまして、裁判所の所管とならなかつたのであります。それで書面をもつて当時司法省に――まだ法務庁となつておりませんでしたが、申請いたしました。ところが司法省といたしましては、これは別にそこに検察官の官舎を建てる御予定がございました。そういうわけで、これはもとより所管が違うことと相なつた上に、検察官官舎の敷地予定にされておつたために、これに裁判官官舎を建設するということができなくなりましたので、急遽冬を前にいたしまして別な敷地を探しまして、そちらに移したのであります。かようなことに相なりましたのは、形式上の手続を十分にいたさずにいたしましたうらみがございます。ので、まことに相済まないのでありますが、当時非常に急いでおつた関係から、こういう結果になりました。またもう一つは、当時の所管が司法省で共通であつたものが、最高裁判所にかわつた経過的な問題でございまして、こういう結果に相なつたのであります。まことに遺憾なことでございます。その後はほかにこういうことのないよう、嚴重に所管の別を区分してやつております。
○菅家委員長 次に検査報告主ないし一二、物価庁関係の価格差益納付金の徴收不足をきたしたもの――これについて千葉説明員の御説明を求めます。
○千葉説明員 価格差益は、価格差益処理規則に明示されておりますように、手持物品について価格の改訂がありましたときに、初めてその所有者の報告にまつて私どもが決定するのが、建前になつております。従いまして報告者が報告書を提出いたしますと、われわれがそれをいろいろな資料に基いて、妥当な報告であるかどうかを検査いたしまして、決定するのではありますが、何分にも徴收機構の不備と申しましようか、人員が非常にその当時は少くありましたので、いろいろな面に手が届かなかつたということで、このように御指摘されたのであります。それ以来私どもの方といたしましては、人員の強化に努めるとともに、実地検査ということに重点を置きまして、その後逐次こういうようなことのないように心がけて、今日まで参つたのであります。
 ここに御指摘になられました各項目につきましては、それぞれ指摘されました金額の通りに追徴いたしまして、現在ではすでに完結いたしております。はなはだ簡單でありますが、答弁といたします。
○菅家委員長 次に検査報告一三ないし三七、不急の物品を講入したもの、国警本部の三輪会計課長より御説明を求めます。
○三輪政府委員 第一三のところから御説明をさせていただきます。最初の問題は、兵庫県におきまして、昭和二十三年度に警察官の冬服を買いましたのが、実際その時としては、それまでにいらなかつたではないかという御指摘でございます。結果から見ますと、それだけの数がその年度内にいらなかつたことは事実でございまして、確かに不急なものを買いました点は、恐縮にたえないのでありますが、ただ御了解いただきたいと存じますことは、当時まだ国家地方警察と自治体警察とが分離をいたしましても、従来の県費でまかなつておりました一本の警察の被服が、どれだけのものが国家地方警察に行き、どれだけのものが神戸市ほか自治体警察に行くかということが、まだはつきりわかれておりませんでしたことが一つ。もう一つは、当時御承知のごとく、非常に被服の事情が悪くありまして、ことに先行きの非常に悲観的な見込みがありましたので、良質なものが得られれば、できるだけ少しでもよけい買つておきたいということが、当時その衝に当る者としては考えたことでございます。
    〔委員長退席、三宅(則)委員長代理着席〕
 従いまして、この数は結果から見ますと、きわめていらないものを買つたではないかということは、御指摘の通りでございますけれども、そういう事情がありまして買つたものでございますから、そのような事情をひとつ御了承を願いたいと存ずるのであります。
 それから一四から二〇まででございますが、これは経費の年度区分をみだつたもの、つまり三月の末までに代金が確定しなかつたものに対して、二十三年度予算で拂つておる。年度を越してからでき上つたものに、前年度の予算で拂つておるという御指摘でございます。これはまつたく御指摘の通り申訳のないことでございますが、当時ことに通信器材が非常にきゆうくつな時でございまして、それぞれメーカーとの契約が、完全に入る予定で契約したものでございますが、いろいろな材料の入手難その他のために、年度を事実上越しまして、御指摘のような事実を生んだわけであります。将来このようなことのないように嚴重に注意して参りたいと存ずるわけでございます。
 それから、二一から二四までは、北海道札幌方面、福井県、熊本県等におきまして、従来の警察制度当時は、御承知のように県で一本の警察費を支出いたしまして、それに対して国庫が半額連帶支弁金として支給いたすわけでございます。その計算の基礎に入れていけないものを入れておるというようなことで、実は連帶支弁金の交附が超過しておるというような御指摘でございます。これらの点も、一々御指摘の通りでございますが、ただこれは、年々前年度の決算に対しまして交付をして、区切りをつけて参りますものでございますから、御指摘のようなことは翌年度の交付までには整理をいたしまして、処置が全部済んだわけでございます。
 次の二五は私の関係ではございません。二六から三七までは、警察庁舎をつくるために寄付を受けた、あるいは自動車の修繕その他活動費の寄付を受けたという御指摘でございます。国家地方警察の経費を予算以外の寄付に仰ぎましたことは、御指摘の通り、まことに申訳のないことでございますが、これまた従来とも、実は警察の経費というものは、相当地元の寄付によつておつた部分が多うございまして、二十三年に初めて警察制度がかわりまして、国家地方警察費を国費で組んだのでありますが、従来寄付によつておつた部分を十分つかまえて、それを予算化することができなかつたという事情もございまして、制度改正に伴いましていろいろ金がいる面もございまして、やむを得ず地元においてこのような寄付を仰いだわけでございます。大部分のものは、県費もしくは市町村等の費用で援助を受けました。治安協力会、警察協力会というようなところからちようだいいたしたのでございますが、一部地元民の御好意を受けたものもございます。当時の事情といたしまして、やむを得なかつたものでございますが、今後は嚴重に注意をいたして参りたいと考えております。
○三宅(則)委員長代理 次は二五、会計経理のはなはだしく当を失したもの――この件につきまして、経済安定事務官渡邊一郎君。
○渡邊説明員 この批難事項といたしましては、相当入りくんでおりまして、後ほど数字的な御説明の要があれば、なお詳しく御説明いたしますが、かいつまんでこの批難事項に対して御説明をいたします。
 第一の問題につきましては、管区庁及地方庁の支出官及び小切手等の認証官の発令手続が遅延いたしましたために予算の支出ができず、他から融資を受けてこの間の経費に充てたという事実でございます。調査庁は二十三年八月から発足したのでございますが、当初は六月早々開庁する予定で、すでに予算及び人事等につきまして十分用意してあつたのでございますが、内定していた職員の発令にあたりましては、関係筋の承認を得るため、当時毎日のように折衝いたしまして、発令が一日も早くできるよう努力いたしたのでありまして、支出官である地方庁長の発令は比較的順調に進みましたが、小切手等の認証官として決定を受ける部長あるいは総務課長の発令が意外に時日を要し、こういう結果になつたことは非常に遺憾なことでございます。
 第二は、札幌管区庁、山梨地方庁におきまして、架室の名儀で支出し、またほしいままに借入れをいたしまして不当な経費に充て、その返済についても、不実の事実があつたということでございます。札幌管区庁の場合におきましては、従来札幌にある管区庁において、多くの宿舎の施設を有しておりましたが、当庁で採用した職員は、道庁その他所管庁においてすでに宿舎に入つている者、または樺太等からの帰還者がおもな対象であつたことと、冬季で遠くからの通勤が非常に困難でございまして、市中には当時借家がほとんど皆無の状態であつたことなどの事情からいたしまして、開庁前に宿舎の手配をはかりましたため、報告のような事態を生じまして、庁のためとは申せ、実に遺憾にたえない次第でございます。なお物として国庫に帰属した以外の用途に使用された金額に対しましては、現在退職しておりますが、庁長から国庫に対してこれを返納済みでございます。
 それから山梨地方庁の場合におきましては、二十三年度、二十四年度の両年度にわたりまして、四十八万円を交際費、報償費及び会議費等に不当に使用したことは、庁の運営のためとは申せ、まことに申訳ない次第でございまして、その十七万円の使途不明の額を出しましたことは、地方庁の監督不行届きのせいでございまして、責任者に対しては減俸処分を行いまして、爾今かかることのないよう嚴重に注意をいたしました。なお借入金につきましては、現在すでに返済済みでございます。
 その他の地方庁の不当支出のことにつきましては、会計経理をみだつたものとしてそれぞれ戒告処分にしまして、爾今かかることのないよう嚴重に注意いたしました。
 以上はなはだ遺憾のきわめてございますが、開庁当時の特殊事情にもより、やむを得なかつた点も多々ございますので、よろしく御審議をお願いいたします。
○三宅(則)委員長代理 次は法務府関係になりまして、第三八より五九に至りまする件につきましての批難事項に関しまして、法務総裁官房経理部長、政府委員岡原昌男君。
○岡原政府委員 簡單に御説明申し上げます。
 最初の三八でございますが、そのうち第一の松山地方法務局の登録税の賦課当を得ないという点でございます。本件の対象物件は、元敷島紡績株式会社の施設が、海軍に買上げになりまして、終戰後戰時補償特別措置法に基きまして、元の使用者に返されることになつたのでございます。ところが海軍省に買收される当時の四百九十万余りの買收金は、特別預金として一時たな上げされておりましたが、そのまま戰時補償特別税として全額徴收されましたので、結局会社には売却代金は一銭も入らないという結果になつた次第でございます。しかるにこの会社にもどしました当時の会社の状態を見ますと、ちようど戰争のごたごたの際に直面いたしましたために、たいへん所内が荒れておりまして、非常に甚大な損害を受けておつたのでございます。これを金額に見積りましても、実に復旧には巨額の修復費を必要とするというような荒廃ぶりであつたのでございます。さような状況でありましたので、何とか登録税の減免の規定がないものかと、大蔵省当局に懇請をして直接交渉せしめましたところ、現地の大蔵当局も、こういう場合に免税の規定がないのは、法文の不備ではあるけれども、何ともしようがないということでありましたので、松山地方法務局の宇和島支局においても、松山財務局の宇和島支所の財産台帳登録価額の百七十万七千八十七円という点、並びに登記嘱託及び譲渡の契約書の金額をそのまま一応認めまして、これを適当な額として課税した次第でございます。この点につきましては、現地におきましては、ほかによりどころがないので、かような方法によつたということを申しておりますので、一応うなずけるのでございますが、まああるいは再評価をすれば、また何とかなつたものじやないかというふうに、これはあとからの話であつたのでございますが、遺憾の点がないでもございませんが、さような次第でございます。
 次は三九と四〇をまとめて申し上げますが、最初は府中刑務所の收納遅延のものでございます。御承知の通り、刑務所の作業によります收益は、金額としては年間十数億という程度でございますけれども、国家財政に一部寄與しおるという面から、われわれは常にやかましいほどこの收納の促進方について言つておるのでございます。しかるに刑務所におきましても、種々手不足、あるいはその他の事情によりまして、なかなか思うように行かない。結局本件につきましても、あるいは職員が直接出向き、あるいは呼び出して催促する等、重ねがさねの措置をとつたそうでありますが、一般経済界の不振並びに金融逼迫等に災いされまして、回收意のごとくならず、いついかようなことになつた次第でございます。もつとも、これは今日におきましては全部收納済みで解決しております。
 その次は、高知刑務所の関係でございます。これは高知市外の大津村というところの風害及び津波防止のための堤防工事でございます。刑務所におきましては、囚人の出役によりまして過剩拘禁を緩和し、同時に堤防をしつかりでかすことによりまして、農業生産の復興という大きな目的に寄與するために、村の方並びに県の方のあつせんもありまして、協力出役したものでございます。ところが実際問題といたしまして、工事をやつて参りましたところが、村の財政関係並びにちよつとしたごたごたがありまして、結局村の方から十分な金が入らず、保証金も結局何にもならないというふうな事情に立ち至つたのでございます。ところがその工事たるや、先ほども申した通り、国家的に非常に重要でございますので、ここでやめますと、今までやつた工事が全部むだになる。で、刑務所といたしましては、涙をのんでその工事が一応完成に至るまで損得を度外視する――度外視するというと少し語弊がございますけれども、一応の形をつけるまで進行をするというのでやつておりまして、結局このような結果になつたのでございます。その後その点につきましては、法務府の担当の主計の方からも、あるいは総務の方からも地元に出かけまして、いろいろ県、村その他と交渉いたしました結果、先般和解ができまして、少しずつでございますが收納することになつております。しかしまだ百万円ほど残つておるようでございまして、たいへん遺憾に存ずる次第でございます。
 次は四一ないし四七を一括して申し上げます。
 法務府所管の会計職員は、実は法務府は、御承知の通り最初司法省から裁判所が分離し、司法省の中でも新しい部局を加えまして法務庁、次いで法務府と機構が急速に改革になりました関係上、また現地の実際の会計を担当する職員といたしましても、従来の検察庁職員というものが、裁判所から分離して初めて会計を握るというふうな事態も生じ――御承知の通り少年院が急速にふえまして、あるいは保護観察所とか、あるいは鑑別所といつたふうな、いろいろな地方官庁もできまして、そつちこつち有能な会計職員を配置いたしました関係上、たいへんそれ自体が弱くなつたのでございます。その弱いところにつけ込みまして、私の部の方としては常に会計監査というものについて相当目を見張つて、絶えず出張もし、講習、会同もいたしておるのでありますが、何分にもそういうふうな事情がありましたために、検査院から御指摘のような、たいへん困つた事態を頻発した次第でございます。これは昭和二十四年度におきましても続いておりますので、私ども心痛にたえない次第でございます。何とかして素質の改善に努力を拂いたいと思いまして、目下会計職員の講習あるいは会同等におきまして、機会あるごとに犯罪防止の具体的方法について、あるいは協議し、あるいは指示いたしまして、今後はなるべくこういう事態の起らぬように努力をいたしておる次第でございます。かような事件が頻発いたしましたので、その所属長官等は、それぞれ軽重に応じまして行政上の処分もいたしましたし、本人に対してはもちろん刑事上の処分を加えてございます。なおそれらの実際の賠償の完全に行つた、あるいは行かない等の一覧表を別につくつてございますので、当委員会に後日差上げることにいたします。
 次は四八、予算の使用当を得ないもの――これは実は法務府におきましては、一昨年の暮でございますが、解散団体財産売却理事会の新設を見まして、全然新しいなれない仕事に突入したのでございます。これが予備費支出で始まつたのでございますが、当時の会計課というのが経理部になりまして、機構の大改革をいたしたのでございます。従つて人員の配置等も、それに伴いましてたいへん異動がございましたので、その間実は帳簿のやりとりとか、事務のやりとりにたいへん連絡不行届きの点がございまして、予備費であるにかかわらず、目的外の目的に流用したということになつたのでございます。たいへんうかつな話でございますが、会計検査院から御指摘のあるまで気がつかなかつた。これは悪意のなかつたということになりましようか、あるいはあまりルーズ過ぎたということになりましようか、とにかく深くおわびをいたす次第でございます。但し変なものは買つておりません、みな有用には使つております。
 それから四九の工事費の部分拂に当り、処置当を得ないもの――これは岩国少年刑務所柳井支所の新営工事に関するものでありますが、これは大体において昭和二十三年度末におきまして、工事のでき高と、それから工事場に搬入した材料の金額と両方合算いたしまして、それを部分拂いいだしたような次第でございます。実はこの点につきましては、若干会計検査院の方と意見を異にしておるのでございます。会計検査院の方では現に建物が組み立てられてあるものでなければいかぬという御意見でありました。そういうことになりますと、大体会計検査院の御指摘の通りになります。しかし私どもの方といたしましては、当時ちようど金融の逼迫しておつたころでございましたので、ともかく業者の方から誠実に工事の現場まで材料を全部運んであるのだから、これをいまさら持ち出しもしないから、これを評価してひとつ金を拂つてくれという切なる懇望がありました。それをいたしませんと、次の工事がどんどんと進んで行けないというふうなことがございましたので、そういうふうな見解のもとに部分拂いをいたした次第でございます。
 五〇ないし五二でございますが、これは本来年度繰越しの手続を正式にいたして、そうして次年度に繰越した分は二十四年度に支拂わなければいかぬということは、ごもつともでありまして、御指摘の通りでございます。ただ事情といたしましては、当時資金繰りの関係とか、あるいは工事の進行状況等を十分に検討いたしました結果、どうしてもこれをこの場でぷつつりと打切つて、次の予算の正式配賦の翌年七、八月まで待たせるということになますと、その間工事がおのずからとだえてしまうというふうな懸念がございましたので、大体現地におきまして間違いがないと見たものを、繰越しの手続をせずにやつたものでございます。これは監督者である私どもといたしましても、たいへん遺憾に存じておる次第でございます。実際問題として、瀬戸と宇都宮の栃木は、六月に完成いたしました。多摩少年院の分は、茨城農芸学院でございますが、七月にはそれぞれ完成して実害はなく行つております。
 次は五三でございます。これは大体において、先ほど「職員の犯罪に因り国に損害を與えたもの」という、四一ないし四七について御説明申し上げたのと、まつたく同様でありまして、本件もなるべく実損を少くするために、数回にわたり嚴重に督促を加えたのでありますけれども、本人が無資力のために、この損害がそのまま残つたということに相なつた次第でございまして、たいへん申訳ないと思つております。
 次は五四ないし五八の收入印紙の関係でございます。このうち御指摘の五四、東京司法事務局日本橋出張所、五五、本所出張所、五六、中野出張所、この三件は、それぞれ関連して発覚した犯罪でございますが、実はこの種の犯罪形態は、大分古くからあつたのでございまして、司法省当時からこの種の犯罪の防止につきましては、絶えずいろいろなくふうを凝らしておつたのでございます。何分にも司法事務局の末端に相なりますと――これは都内でございますので、あるいは末端とは言い得ないかもしれませんが、事務面といたしますと末端になるのでございます。――本局の監督がどうしても不行届きになるということがございますので、つい二十三年二月から二十四年三月までというふうな、一年にも及ぶ犯罪を未然に防止し得なかつたという結果に立ち至つたのでございます。最近この種事犯の防止のために、印紙を消します消印機を新たにくふういたしまして、何年何月何日消印いたしますと――三つの輪をぐるぐる、回転率を違えて押して行く。従つて同じような穴が絶対に二度あかない、こういう機械を今つくつております。これをつくりますと、今後はこういう犯罪を防止するのにたいへん役立つのではないかというふうに考えております。従来でございますと、ポンと穴をあけます。その穴のあいたものと同じ種類の印紙をもう一つ持つて来まして、同じ箇所に穴をあけて二枚の印紙を重ねる。それをうまくのりづけすると一枚のものに復元する、こういうふうな方法だつたのが多いのでございます。そういうのがなくなつたわけであります。いろいろくふうはいたしております。
 なおこれらの責任者、直接の犯罪者につきましては、もちろん刑事訴追中でございます。また監督責任者につきましては、それぞれ行政上の処分をしてございます。なお検察庁において捜査いたして、なおかつ若干わからない面があつたのでありますが、これも極力捜査中でございます。
 その次の五七及び五八も、金額は先ほどよりは落ちますけれども、似たような犯罪でございます。右の外云々、疑いのあるもの約二百万円という御指摘でございますが、これも先ほど申した通りでございます。事実判明次第、刑事責任並びに行政責任を追究する考えでおります。
 五九の国有財産使用料の徴收決定をしていないもの――これは先ほど申し上げました解散団体財産売却理事会において所管いたしております解散団体、国に帰属しました解散団体の財産でありますところの、元大阪府の産業報告会の支部の建物を、使用料を徴收せずに貸しておつたという件でございます。この点につきましては、調査をいたしましたところが、地元のCPC――これは御承知の通り、民間財産管理局とかいう役所でございまして、その方におきまして当分この使用料の徴收についての決定を見合せておけという指令があつたのだそうでございます。ところが、さらによく調べてみますと、その指令は大阪の八尾一箇所の支部についての指令だつたそうでありますけれども、大阪の理事会関係の出先の機関におきましては、同じような指令がほかにも同時に来たものと――あの当時CPCの勢いが非常に強く理事会にも反映しておりましたので、そういうふうに理解いたしまして、ほかの十二支部につきましても使用料の徴收決定をしていなかつたのだそうでございます。その後二十四年の七月、CPCからあれは使用料をとつてもよろしいという指令が参りまして、爾後遡及して徴收するという運びになつたのであります。結局実損はなきに帰したのでございますけれども、さような事情があつたのでございます。
○三宅(則)委員長代理 それでは二十九、三十ページ、法務府関係の特別俸並びに勤務地手当合計千五百二十三万一千七百九十円、こういうのがございます。そのことにつきまして、関連しておりまするから、この際説明を求めます。
○岡原政府委員 ただいま議題に上りました石炭手当並びに寒冷地手当の支給につきましては、事情は先ほど裁判所側から御説明のありましたのと、まつたく同様でありまして、当時政府全般の問題といたしまして、石炭手当及び寒冷地手当の支給が取上げられまして、法律の直接の根拠はないけれども、結局法律に基く閣議決定に基いて支出したという関係でございます。事情はまつたく同一でございます。
○三宅(則)委員長代理 以上で各所管に対する政府当局の説明を聽取いたしたのでありますが、右各所管に関し、会計・査院側の御意見を伺いたいと存じます。本日は小林検査第二局長、山名検査第三局長がお見えでございますが、まず小林局長から承ります。小林局長。
○小林会計検査院説明員 第一の問題の制規によらない給與を支給したもの、これにつきましては、今総体について、山名局長が見えておりますので、そちらから説明を聞いていただきたいのであります。そのほかの分を私が申し上げたいと思つております。非常に問題が全部にわたつておりますが、逐次申し上げます。
 三十一ページの二の、工事の施行に当り処置当を得ないもの――事態は先ほど裁判所側から御説明があつた通りでありまして、本件のように刑務所が裁判所所管のものでないのでありまするから、そこの敷地に裁判所が官舎を建てるというような場合には、よく相手方の刑務所と連絡をして建てて、このように工事中途で移転をしなければならないようなことがないようにしなければならない。こういうふうな結果になつたのは、はなはだ遺憾であると思つております。
 それから第三から一二までの価格差益でありまするが、価格差益はここに提出されておりますのは、物価庁外二箇所の分でありまして、中に載つておりまするものは、二十二年度が八件で七百万円、その他に二十三年度は二件でありまして、金額もやはり七百万円くらいであります。先ほど来御説明がありましたように、大体価格差益は、会社側の報告に基いて、それを根本にいたしまして、それについていろいろな検査をされて、物価庁できめられておるのでありまするが、はなはだ徴收がうまく行つておらなかつたということで、会計検査院でも、都合のできる限り物価庁の方に立ち会つて、その会社を検査したわけであります。検査いたしました結果のうち、おもなものをここへ計算したわけでありまして、価格差益につきましては、このほかにもこういう徴收不足があると思うのでありまするが、会計検査院としても、全国をまわつたわけでもありません、計画的に一部実施いたしましたもののうちが上つておるわけであります。従いまして、そのほかの分については、物価庁なり物価局で、徴收上手落ちがないように措置をとつていただいておるわけであります。その後だんだん是正されておるように承知いたしております。
 それから、一三の不急の物品を購入したもの――本件は、当時被服の需給が、先行き不足を告げるといつたような状態はあつたのでありまするが、四百万円で購入いたしました被服が、翌年の九月になつても――九月の会計検査院の実地検査当時まで、そのうち何もまだ給與しておらなかつた、そう急いで買う必要はなかつた、こういうことの問題であります。
 一四から二〇まででありまするが、これは経費の年度区分をみだつたものということで、ここにありまするように、元来二十四年の三月までに完成なり、納入なりしておらなければならなかつたものが、実際は三箇月から六箇月遅れて、完納または完成しておる。それを年度内に完納または完成したものとして、二十三年度の予算から代金を支出するということは、会計経理の区分をみだることになるものでありまして、遺憾であるということであります。
 それから二一から二四までの地方警察費国庫負担金等の交付に当り処置当を得ないもの――警察法が二十三年の三月に施行されまして、自治体警察というものができたのでありまするが、それらの経費については、従来通り国は警察費連帶支弁金を交付するという考え方で、二十三年の六月まで実施しておつたわけであります。そういうものの負担金を交付いたしましたが、その精算にあたりまして精算がうまく行かないで、交付超過となつた事案でございます。これらの点は、いずれもその後是正され、または是正される予定になつておりまするが、その二一で申しますと、補助金の基本に入れてはならないところの警察費、庁舎の修繕費、この計算を誤つて多く入れておる。あるいは基本額に入れなければならない自治体警察費、施設費の補助金を交付済みに算入してなかつたというものが二一番であります。
 二二の方は、庁舎の復旧費あるいは学校の復旧費を過大に計算したとか、財産の管理者を、今度は反対に漏らしておいたとか、そのほか基本額から控除すべきものを控除しなかつたといつたような関係で交付超過になつたものであります。
 二三は、緊急増員警察官の教養に要した経費、これは別途に全額交付済みでありまするから、基本額に加算してはならないのに、それが加算してあつた。控除すべきものを控除しなかつた。そういうものに対して補助金を交付いたしましたので、交付超過になつた。それが二三でございます。
 第二四は、自治体警察に対しまして、地方警察費補助金として、一県当り八十五万六千円というものを交付いたしております。これは、もうすでに警察費で支弁金の中で交付済みだとして、基本額から差引くべきものでありまするのに、それを差引かなかつたために、国庫負担金の交付超過となつた、こういう案件でありまして、当時、機構がかわつた等の事情があつたといたしましても、こういう計算違いを起したのは遺憾であるというのでございます。
 二五の会計経理のはなはだしく当を失したもの――本件は、計数も複雑でありますが、はなはだ当を得ないものでありまして、札幌地方経済安定局で札幌管区経済調査庁というものの開庁の準備をいたしたのであります。その際に、二十三年の五月に宿舎を買いました。金がありませんので、百六十万円の購入代金として北海道の拓殖銀行から借り入れました。借りたのは二百六十万円でありますが、二百六十万円借りて宿舎代を全部拂わないで、百三十五万円拂つておいた。その借りた二百六十万円のうち、残金は逐次接待費とか、借入金の利子とか交際費などに使つておつた。しかるところ、その返済をしなければなりませんので、今度は二百六十万円借りたのに対して、百十万円というものを備品費から流用して銀行へ返した。そうすると、今度は備品費が足りなくなつたものですから、地方建設工事部に頼んで、やつておる工事請負人のところへ行つて、ちようど備品費から流用した百十万円に相当する金を工事請負人から寄付させた。そういうことをやつてだんだん過しおつたのですが、まだ返し足りないわけなので、それは後に購入代等の予算が百六十一万五千円というものが配賦になりましたので、返し足りない分は、大体それで返した、こういうことをやつておつたわけであります。なおその工事請負人からそういう百十万円も寄付を融通させたというのは、この検査報告の五九〇の方にまた出て参りますから、そこのいきさつはその方で御承知を願いたいと存じます。
 それから山梨の方とその他の経済調査庁は、大体架空の支出をいたしまして、浮いた金を役所の経費に使い、場合によつては接待費等にも使つてある、こういう事態でありまして、はなはだおもしろからぬことと考えております。
 それから二六から三七の、寄付により警察費を予算外に経理したもの――警察費は、警察法が施行されて間もなくであつたのでありますので、先ほど来御説明もありましたように、あるいは予算が不足であつたというような事情もないでもないとは存じますが、とにかくもこの四十二ページの下に書いてありますように、地元民なり協力会なり協議会というようなもの、あるいは広島市外三十五市というようなものから寄付金を出させまして、その金によつて、元来予算から支弁すべき経費に充当しているというのは、これは寄付は形式上地元民からの自発によるものであるというのでありまするが、実際上負担をそれだけかけることになると考えられますので、検査報告として掲載されておるところであります。
 第四は法務府でありまして、三八の登録税――登録税の問題につきましては、前々年来から検査報告に掲げておるのでありまして、そのために漸次改善されているとは考えておるわけでございますが、本件は戰補税との関係でありまして、特に問題がはつきりしております。この建物十九棟などは四百九十万五千円という価格で讓渡価格が決定されておるのであります。その中から戰時補償特別税の課税額の三百十九万八千円というものを控除した百七十万円というものを課税標準価格としたものであります。しかしながら、登録税はこの建物の価格を課税標準として課税すべきものでありますので、そういたしますと、登録税は約三十二万円ぐらいを賦課すべきものになるのであります。しかるに本件は八万五千円課税させてある、こういう問題でありまするので、特にここに御報告してあるわけであります。
 それから三九は、府中刑務所の委託作業賃金、四〇は高知刑務所の委託作業賃金の問題でありまして、その間事情はあるにいたしますにせよ、作業賃を收納しておらないので、その間長くほうつてあるということは、はなはだ遺憾であるわけであります。
 四一から四七までは、職員の犯罪により国に損害を與えたもの――こういう犯罪につきましては、出納整理、会計経理を迅速にし、的確にするということが欠けておるために、あるいは直接補助者なりその責任者なりの責任観念がないというようなことから、いずれも事件が起きておるのでありまして、将来は内部的にもつと検査を嚴重にされ、そして責任観念を重んじてもらうようにして、だんだんこういう事態が起らないように防ぐことが肝要だと考えておりまするが、ここでは割合金額の大きい十万円以上ぐらいのものだけを掲載してあるわけであります。
 第四八は、予算の使用当を得ないもの――本件につきましては、予備費の使用の決定を受けた、しかるにその使用方法を見るに、元来の目的でないものに使つた、こういうのでありましては、はなはだ遺憾であるというものであります。
 それから四九、これは部分拂いの問題でありまして、会計検査院としては、出来高というものがその建物に附帶しておらない――附帶したものが出来高だということを考えておりますし、まあ普通もそうであろうと思つております。
 それから五〇から五二は、経費の年度区分をみだつたもので、これは先ほど御説明のあつた通りであります。
 それから五三から五八までは、職員の犯罪によるものであります。それから五九は、国にこの財産が帰属したにもかかわらず、使用料の徴收決定さえしておらぬ。しかしそれはCPCからの指示というものも口頭であるし、ことに一つの支部に達せられたというだけでありまするが、本件について使用料を徴收決定していないのは遺憾であるというので、その後是正されておるというのであります。
○三宅(則)委員長代理 次は山名検査第三局長の説明を求め、御意見を伺います。
○山名会計検査院説明員 第一番目の「制規によらない給與を支給したもの」とありますのは、政府公務員におきまして、昭和二十三年の年末に、北海道では独身公務員一人当り大体千七百三十円、それから世帶主公務員につきましては、一人当り五千二百円になるように石炭手当が出、並びに北海道、青森、宮城、秋田、山形といつたような東北県並びに裏日本の方面に勤務しております寒冷積雪地の居住勤務公務員に対しましては、本俸及び扶養手当に対する二割五分から大体四割のつかみの金を寒冷積雪地手当として支給いたしました全額が、総体で九億四千五百万円に及んでおるのであります。この給與が出ました情勢につきましては、物価改訂によります石炭価格等の値上げによりまして、公務員の年末が非常に苦しいということで、政府の方でも非常に苦慮されまして、関係方面と折衝いたされましたが、了解が得られなくて、法律が制定できなかつたという事態にあるのであります。私の方といたしましては、これが支出いたされました必要性の問題について、とやかく申しておるのではありませんで、当時の情勢として必要のであつたということは、私の方も十分の同情を持つて了解いたしておるのでありますが、給與に関します法律によりますと、すべての給與というものは、法律の根拠がなければ支給できないという建前になつておりますので、本件の石炭手当、寒冷積雪地手当というものが、成規による法律の手続によらないで出されたということは、はなはだ遺憾であつた。すなわち立法の手続がなされ、予算措置がなされた上で支給されるべきであつたという点についての措置が不十分であつたということについての形式的な、ないし手続的な点について遺憾の意に表しておるのであります。
 そこで石炭手当並びに寒冷地手当についてわけて申し上げますと、石炭手当につきましては、昭和二十二年末において、及び昭和二十四年末におきましては、それぞれ法律の根拠があつたのであります。二十三年末だけが法律に根拠がなくて穴が明いたわけであります。そこでその穴をどうして埋めるかということになるわけでありますが、結局石炭手当として大いばかりでは出せない。では特別法で出そうということで、先ほど申し上げましたように、千七百三十円と五千二百円になるように、特定の人に対しまして、俸給を四月にさかのぼつて二号俸から九号俸、すぽつと上げて手取りがちようどそういうふうになるようにする。そうして十二月が済んでしまうと、また元の俸給に切り落してしまう。そうしてその上りました俸給の基本は、恩給及び政府共済組合の経費の中には加算しない。要するに一時的な俸給の上げ下げの操作で、それだけのつかみの金をやろうということで、閣議決定がなされて、それに基いてそのことが行われたわけであります。そこで給與というものに、そういう特別法があるか、ないし昇給、降給というものを、そういうふうに非常に便宜的に運用できるかという点については、法律の條文を読んでみますと、そういう特別法というものはない。また昇給、降給というものは、そういうふうな運用の仕方をするのはおもしろくないということで、ただいまのように出すのならば、石炭手当の法律というものを出して、支給すべきであつたという意見であります。
 それから第二の寒冷積雪地の問題については、やはり二十二年末におきましては、大正九年勅令四百五号という法令の根拠がありまして、これが昭和二十三年の十月十五日に廃止されまして、今度は昭和二十四年末におきまして、先ほどの石炭手当の同列に法律が制定いたされまして、結局二十三年末における寒冷積雪地手当に関する法令の根拠が穴が明いた、こういう問題であります。結局政府の方におきましては、穴が明いたが、これをほうつておくわけにいかぬということで、勤務地手当――私どもがただいまもらつております東京の勤務者は二割五分、物価の開きに応じまして一割から二割五分の手当をいただいておりますが、その勤務地手当の操作でやつたらいいのじやないかということをお考えつきになりまして、結局先ほどのように二割五分から四割までの金額を地域別の等級別によりまして出されたのであります。しかし勤務地手当のやり方によるということは、どうも変だ。一応勤務地手当のやり方によるといたしましても、勤務地手当に関しまする割合をきめたり、地域別をきめたりすることは、大蔵大臣が給與に関する準則を改正して、支出官に通牒をするという一つの行政命令の形式をふんだ上で行われなければならぬじやないか、その形式が実はこの問題についてはふまれていない。それからまた勤務地手当と今の寒冷積雪地手当というものは、性質が違うじやないか、だからそれにむりに間借りをしてやつたということも、どうも変じやないかということで、私の方といたしましては、閣議決定のままで、その閣議決定の内容も、少し今のように新給與実施に関します法律を運用して行く上においては、法律の精神に沿わない運用の仕方がされておる。閣議決定をなさつて、行政命令が全然出ないで、支出官の方ではこれを含んで出せといつたような実際の運用になつておりますので、その点がはなはだ手続的に遺憾であつたという意思表示をいたしたものであります。
○三宅(則)委員長代理 以上で会計検査院側の御意見を伺つたのであります。これより質疑に入りまするが、質疑に入る前に、委員長より各官庁の当局者に警告を発します。
 所管事項の決算説明書は、一部こちらに来ておりまするが、これは委員の方皆さんに手渡りするように、各省の政府委員の方は、これを十数部ずつおよこし願いたいと思う。ただ口で御説明なさることもけつこうでありまするが、大体の説明書につきましては、よく委員に徹底するように、謄写版刷りで、けつこうですから、十数部ずつおよこしを願いたい。
 それからなお第二番目に申し上げておきたいと思いまするが、各省ともなるべく大臣、次官あるいは局長等、政府委員の方が中心に出席せられまして、他の方は説明員として御出席を求めます。その意味合いにおいて、各省にお帰りになりまして、十分にそのことを御伝達を願います。
 それから第三番目に御忠告を申し上げておきたいと思いまするのは、過去のことでございまして、なお責任がないように感ずる各位もあるかと存じまするが、国家といたしましては、きわめて重大なる諸案件を審議する事項でありますから、どうか責任の所在を明らかにせしむるために、各責任者に属する方にぜひ出席をしてもらいまして、皆さんの御了解を得たいと思うような次第でございます。
 また第四番目には、各委員の各位にお願いいたしまするが、各委員会等も非常に頻繁に開かれまして、御多用中ではございまするが、万障繰合せられまして、月水金午後一時より御出席を願いまして、各省の説明を聞き、審議せられんことを希望いたします。
 これより質疑を許します。井之口君。
○井之口委員 この質疑の点も、きようは初めてでありまして、十分内容を検討しておりませんが、この次ぎやはり大臣並びに次官が御出席になつて、そして責任の所在が明瞭になりまするまで、今日のこの質疑も延ばされたらどうかと思います。それから会計検査院の検査に対しまする政府側の答弁書も、だだ三項目だけしか出ていないようであります。この点の二十二年度の検査の場合には、ちやんと刷り物になつて明確なる御返事があつたようでありますが、このたびはそれもないので、われわれが対照して審議するのにも非常に困難を感じておる。それでありますから、この次まで延ばして、そういうものの不備な点を補つていただいたらどうか。それにとりわけきようは委員の人たちも大分出席が少いようでありますから、そうされたらどうかと思います。
○三宅(則)委員長代理 ただいま井之口委員の御説明もございましたが、次会には必ず次官局長並びに責任者を呼びます。本日も時間がまだ多少ございますから、もう少しく審議をしていただきまして、なるべく進行せられんことを切に希望いたします。渕委員。
○渕委員 私も延期します。
○田中(不)委員 概括論としてちよつとお伺いし、なお資料をいただきたいのでございまするが、今のお話によると、いろいろの事項について決定したものについて、それぞれほとんど処分をしておられるようであります。その処分がどういうふうになされておるか、これをひと……。
○三宅(則)委員長代理 委員長より申し上げますが、二十三年度歳入歳出決算検査報告に掲載された批難事項に対する関係責任者の処分状況調べ、これは一部しかありませんから、これはやはり十数部お刷りくださいまして、各委員に徹底せしめて、よく掘り下げて検討し、そういうことが再び起らないように注意することがきわめて肝要であると思いますから、委員長からも嚴重に各省に催告いたします。
○渕委員 私の延期いたしました理由の一点だけ申し上げておきたいと思います。私は実は本日の決算委員会に出まして、特に警察問題自治警察、こういつた問題にからむところの寄付行為あるいは懲罰、こういつた問題をいろいろ聽取しておりますと、非常に重大な問題でありまして、これは特に大橋法務総裁、あるいは国警の齋藤長官なり、こういつた責任ある方の出席を求めて、これに対して一々事項をあげて質問しなければ、日本の今日の警察が、これじやボス的政治の道具に使われるということは、共産党の諸君が申すのみならず、私自身もそれを深く考えている一人でございまして、各地方をまわりますと、「暴力の街」という映画もあつたことく、この問題がすべてを不明朗にしている根本原因であると思いますので、特に警察の問題につきまして深く掘り下げて質問をいたしたいと思いますから、その点どうか法務関係の警察担当の方、長官なりあるいは大橋法務総裁に御出席願いまして、そして今までの事項の御説明と、同時に私も深く御質問いたしたいと存じますから、一言申し上げておきます。
○三宅(則)委員長代理 ただいま渕委員、田中委員並びに井之口委員の三委員も嚴重に催告せられました通り、委員長もまつたく同感であります。およそ決算事項に関しましては、予算と並んで重要な事項にかかわりませず、予算委員会には、各大臣なり次官なり局長なりが必ず出席しなければ審議をいたさないことになつております、しかるに本委員会だけは、御都合もありましようが、割合に御出席がないことは、はなはだ遺憾に思つております。ぜひ大臣なり次官なり、長官なりの責任者が御出席になり、ことに会計検査院からも検査官の御出席を願つて、堂々と国家の経理内容について検討を加えて、しかる後に運営の正常化を期したい、かように思います。ただ委員長非常に遺憾に思います事柄は、この報告書にも書いてあります通り、いつも遺憾に思う、遺憾に思うということでありまして、わずかな嚴重警告等を発したのみで処分が終つているものが多い。これのごときわれわれとしてははなはだ納得ができないところでありますからして、もう少し経理内容を検討する意味におきまして、十分の責任とその勧告をいたしまして審議を進めたいと思いまするからして、どうかそのおつもりで、次会には、そういう責任者が必ず出席しなければ審議しないという決意をもつて臨みたいと思います。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
○三宅(則)委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。
 次に質疑はどうしますか。少し関係ないことをやつたらどうですか。
○田中(不)委員 それではまず概括論でお伺いしたいのでございますが、例の警察の寄付というのが、ここにずいぶんたくさんあります。これは実際にわれわれ各地を歩きまわりまして、地元からいろいろ話を聞くわけであります。ちようどこれは過渡期でありましたから、警察といいますか、あるいはいわゆる交番といいますか、そういうふうなものも新築しなくてはならぬ、あるいは給與関係もまだ十分に予算が渡つていない、あるいは予算ができていないとか、あるいはその他の備品類、なかなか過渡期におきまして、国警の予算的の面が十分でなかつた点から、いろいろと地元に強制的な寄付が多かつたようであります。またその惰性で、今でも寄付の強要とは言いませんが、任意の出費というのが相当にあるようであります。これに対しまして、国警御当局あるいはその他の関係庁で、どういうふうな考え方で、それらの過当なる出費に対してのお取締りといいますか、御指導といいますか、そういうことをなさつておられるか、それをまず伺いたいのであります。
○三宅(則)委員長代理 ただいま田中委員の御質問がありましたが、各委員とも本日は総括論でけつこうですから、御遠慮なく、これを許します。答弁といたしまして、国警会計課長三輪良雄君。
○三輪政府委員 警察の寄付につきましては、ただいま御同情あるお話もありました通り、関係方面の指令が出まして、早々の際に制度を改正いたしましたような関係もございまして、二十三年度も準備が十分できずして予算化をするというような事情もございまして、いろいろ地元に御迷惑をおかけしたことは、まことにお説の通りでございます。そこで私どもといたしましては、一面寄付をちようだいいたしますことをやめろという長官の指導も、もちろんいたしますとともに、他面ただやめろやめろということだけではいけないので、必要な面に対しては、これを予算化するということが大切でございます。その意味におきまして、年々第一線の資料をとり、予算化に努力して参つております。いろいろ全体の予算につきましては、健全財政の建前で、年年歳出を抑制するという中に、警察につきましは、わずかながらこれが増額を認めていただきまして、ことに従来から悪いことではありますが、寄付に一番たよつておりましたのが、第一線の駐在所の経費でございます。そういうものに対しましては、本年も、実は来年度予算に対しても重点事項として要求いたしまして、駐在所等の経費につきましても、明年は五千万円足らず増額を認められるというようなことで、最小限度の第一線の要求には予算化して行きたいという努力と並行いたしまして、第一線でそのように寄付にたよつて行くというような惰性は、一日も早く是正するように、これは絶えずいろいろな機会に長官から指導をいたしているところであります。
○井之口委員 それではあちらこちら、ただいまお伺いした意見に対して総括的に御質問申し上げますが、この価格差益金の徴收問題につきましては、二十二年度の決算にも出ておりました。ここで見ますと、会計検査院が取調べられたのが十件、その十件のうち、すでに一千四百万円からの不当な徴收不足が報告されております。しかるに、もしこれを日本全国で精細に調べ上げるということになりましたならば、実に厖大なものに立ち至るのであろうと思うのであります。人民は、わずか千円や二千円ぐらいの所得税の未納に対しても、強制執行を受けて悩んでいる今日に、当然この価格差益という厖大なるところの利益金が、不当に資産家によつて納入されているという、それに対して会計検査院がほとんど手が足らない。いや玄海灘からひしやくで水をくみ上げるように調べたのが十件、そうして一千四百万円ということになつております。このような方法で価格差益の徴收がはたしてできるものだろうか。会計検査院としてはどういう考えを持つていられるのか。あるいはこれが申告制度になつているからだ、あるいはまた税務署で価格差益の査定がなされていないからだとか、いろいろな点が會計検査院においても気がつかれているだろうと思います。なおこれに対して、強制執行をして取立てるような手段もあるかどうか、また今日でも発見次第、さかのぼつてそういうものを徴收することができるかどうか、その辺に対して会計検査院の一応の御説明を承つてみたいと思います。
○小林会計検査院説明員 価格差益の問題でございますが、ただいま井之口委員からお話のありましたように、会計検査院として検査報告を提出いたしましたものは、これだけでありまして、ほかにもあるということはお話の通りであります。価格差益が始まりまして、たとえば二十四年の三月当時は、係の人も百数十名ということで、非常に貧弱でありました。そこで会計検査院も、そういうことではという意味もありまして、物価庁の方の案内で、会社に実地に検査に参つたわけであります。そういうふうにして全国に行くというわけには、種々の都合上どうしても参りませんので、一定の計画に従いまして実施した結果がこうなる。そのほかについては、その後これは物価庁の方からお聞きとり願えばよろしいと思うのでありますが、価格差益の決定の方法については、なお手段を講ぜられまして、だんだん徴收決定なりはいたしております。ただそこで問題は、それでは二十四年度末でどういう状況になつているかということでありますが、二十四年度末におきましては、遺憾ながらまだ徴收不足のものが三十数億残つておる。二十五年度においては、それらのものも含めまして五十億くらいの收入がまだある、価格差益の規則そのものは、二十四年の末に一応廃止になつたわけでありますが、まだそういうふうに跡始末の問題が残つておる。他方なおそういうものの徴收なり、徴收決定のためには、物価庁でなく、今度はその機構を税務署、国税庁の方へ移しまして、国税庁に価格差益課というものがあり、これに伴つて国税局の方でもそれに要する人員を配置いたしておりまして、その方で徴收の決定なり、今まで漏れているものがありはせぬかということで徴收決定をいたし、また二十四年度末で申す三十数億の徴收というものについては、場合によつては強制徴收もするということで、目下整理を進めておるわけでございます。会計検査院といたしましても、そういう措置が強硬に推進されるように検査は依然続行しておる、こういうような状況であります、以上お答え申し上げます。
○三宅(則)委員長代理 速記をやめて。
    〔速記中止〕
○三宅(則)委員長代理 速記を始めて。――それでは今の打合せによりまして、二日の日は本日残つております法務府関係、あるいは国警関係等に対しまして、大臣なり次官なり、責任ある人の御出席を得まして御説明を承り、次にさらに二日の一般会計、租税等について大蔵大臣の出席を要求いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅(則)委員長代理 異議なしと認めます。さよう決しました。
○井之口委員 この価格差益金の徴收不足の問題は、二十三年度の決算報告の検査について非常に重要であります。ちようど二十二年から二十三年、二十四年というところは、物価が天井知らずに上つて行つた時代でありまするから、この時代のものをわれわれはもう少し掘り下げて、いろいろ官庁の方から責任ある答弁をお聞きしたいと思いますが、物価庁といたしましては、その時分の徴收さるべき大体の価格差益納付金の納付額を、どれくらいに算定しておつたものであるか、そうしてそれがただいまのお話の通り、実際上の査定においては約三十数億とか、それから五十億とかなつておりますが、これらの問題に対しても、物価庁としては、これをどうしたらいいものか、具体的な責任ある意見がいろいろあるだろうと思います。その点をひとつ伺いたいと思います。
○千葉説明員 この価格差益の問題につきましては、毎年の本委員会におきまして御指摘を受けておるのでありますが、ただいま検査院の小林局長からもお話がありましたように、私どもの方のこれに従事しておりますところの職員というものは、二十一年の八月でわずかに五名であります。それが逐次ふえまして、二十二年の四月一日になりまして全国を通じて十七名であります。さらに二十三年の一月三十一日に参りまして、本庁関係が二十三名、それから各地方局が二十二年七月十二日から販売業者についての価格差益を徴收するということになりましたので、地方局にもその従事職員を置くことにしたのであります。それらのものを合せまして、これに従事しておるところの職員が最高百四十名であります。百四十名で、大体対象になるべきところの業者数が三十万から四十万あります。これはどうしても、人員の関係から行きましても、完全になし遂げるということはでき得ませんし、また経費の面からも、これを完全になし遂げるということはでき得なかつたのであります。そこで私どもといたしましては、そういうことになりますと、正直者がばかを見るというような結果になりますので、何とかしてこれを完全にしなければいかぬということで、大蔵当局の方にも、いろいろ予算のことにつきお願いをして参りましたが、その当時の状況によつて、なかなか私どもの意のようにはならなかつた。そこで実地調査ということになるのでありますが、もちろん御承知のように、報告をする場合には、虚偽の報告が多分にあるのであります。そこでその報告に基いて、この報告は妥当であるかどうかというようなことを、私どもが通産省なり農林省のあらゆる資料に基いて検討しまして、そのうちで、これはおかしいというもののみについて実地調査に出かけて行つたのであります。そうして追徴したものも、二十二年度におきましては、今よく記憶しておりませんが、たしか五億から六億、それから二十三年度におきましては、その倍になつております。従いまして、二十三年度には十億から十二億というものは追徴されておるのであります。それでもどうしても人手が足りませんで、ここにも行かなければならぬ、あすこにも行かなければならぬということがありましたので、検査院の方に私が参りましてお願いをしたのであります。どうしても人手が足りなくてここまでは行けない、もし検査院の方でこちらの方へ行く向きがありましたならば、その節に、はなはだ御迷惑ではありますが、この点について御調査願いたいということをお願いしたのが、この二十三年度に出ておるところの滝川工業あるいはコロンビヤ、こういうものであります。そういうことで毎年御指摘は受けておるのでありますが、いかんせん人手が足りないということと、二十四年の十一月にはこの価格差益処理規則というものが廃止されまして、今日に及んでおりますが、廃止になりますと同時に、今度は徴收の面だけだということで、国税庁に昨年の六月一日に移管になりました。ところがそれに従つて人員が縮小されるということで、現在では本庁に課長以下女の雇に至るまでわずかに九名であります。それから各国税局には、その従事している人間が現在九十四名であります。これをもつて滯納件数十八万件現在ありますが、これを整備する一方、ただいま井之口委員からお話がありましたような、二十三年、二十二年の一般物価の上つているときの、要するに故意に逋脱しているもの、これらに対するところの実地調査もあわせてやつておるのであります。それで結局その当時のものを現在実地調査をして、まだ追徴できるかどうかということでありますが、これにつきましては、私の方に調査係というものを置きまして、現に実地調査をして追徴しております。大体二十六年度もこの価格差益課というものが存続する予定でありますので、二十六年度においてもなお実地調査をやつて行きたい、こう私どもは考えておりますが、二十六年度におきましては、さらに人員が半減されまして、全国で五十名ということになります。それで現在これをいかにして運営して行くかということを、私どもが今いろいろ研究しておるのであります。そういう状態でありますが、御指摘された点についてはこれは何とも申訳ないことでありますので、私どもも二十二年度あるいは二十三年度にさかのぼつてやることではありますけれども、何とかして不公平なことのないようにして行きたい、こういうように目下鋭意努力をしております。はなはだ申訳ないことではありますが、答弁にかえます。
○井之口委員 これは今から強制徴收ができるのかどうか、それからこれにつきまして、いろいろ会計検査院の方でも、また物価庁の方でも、ある程度のまとまつた資料というものを集約してこしらえておいでになることと思うのであります。省内文書でも何でもかまいませんが、そういうことで大体の輪郭なり何なりが価格差益の状態についてわかるような資料を、お持ちになつていらつしやらないかどうか、その二つの点をお聞きします。
○千葉説明員 強制徴收をできるかどうかということでありますが、ただいま私が伺いましたところの強制徴收というものは、たしか脱漏などをしているもの、いわゆる逋脱しているもの、これに対して追徴ができるかどうかという御質問でないかと思います。
○井之口委員 差押えができるか。
○千葉説明員 差押えができるかどうか――これは徴收にあたりましては、国税徴收法によることになつておりますので、差押えができます。それで現在ただ税と違いますので、簡單に差押えができないということは、価格差益というものは、価格改訂時に持つておつたところの手持物品が、販売をされて換金された場合、初めて価格差益を納付することになるわけであります。ところが現在でいいますと、絹、人絹というものは最近非常に値上りがして、一部よくなつたのでありますが、二十三年八月以後二十四年にわたりまして、御承知のように非常な暴落時代があつた。そうしますと、価格の改訂時にはそれだけのものが差益として、換金はされておらないけれども、帳面に出ておつたわけであります。それに対して私どもの方で納入告知書を発行したわけであります。ところが実際にやつてみますと、新マル公ではまつたく売れない。新マル公と旧マル公の中間、あるいは中には旧マル公ででも売らなければ、売れないというような粗悪品もあるというようなことで、減額をしなければならぬというようなものも、そこに出て来るわけであります。またたとえばマッチにつきましても、戰時中につくりましたマツチは、硫化燐なりあるいは赤燐というものが非常に不足を来しておりましたので、つかなかつた。そのつかないものが、あの急激な統制廃止というようなことでもつて、各メーカーがストツクして六万トンもあるはずであります。そういうものは今売ろうとしても、どうしても売れない。しかし差益の対象になつて、差益は納める、あるいは納めなければならないということになる。しかしながら、それはマル公ではとうてい売れないのでありますから、価格差益というものは徴收でき得ないのであります。そこで減額というような問題も起きて参りますし、あるいは還付しなければならないというようなこともあるわけであります。そういうようなことをいろいろにらみ合せて、これは品物が売れて、まつたく換金されておる。されておるにもかかわらず、納めないのであるから、これについては強制執行をする。しかしこれについては、一旦徴收決定はしておるけれども、まだ品物は持つておる。持つておるのであるから、それはもう少し売れるまで待とうというような方法をとらなければならぬのであります。しかし総体的には強制執行はできる、こういうことであります。
 それから資料のことでありますが、これは検査院の方からも、たびたび私どもの方が言われておるのでありますが、先ほどもお話申し上げましたように、人手が足りないために、業種別、たとえば繊維、あるいは木材、鉄鋼、皮革、その他いろいろ日用雑品類、こういうようにあります。それを一々やると一番よろしいのでありますけれども、なかなかそれができないのであります。それで検査院の方からもそういうものを出せということを言われておりますが、今日のように九名という人員になつた以上、なかなか二十一年度からのものについてやるということはでき得ませんし、歳入が本年度は歳入欠陷になるのではないかという心配がありますので、現在課長以下全員が各局に督励しに行つておるというようなことで、留守をするものがないというような始末でありますので、資料まではなかなか行きませんが、まあ大体においてわかるという程度のものなら、相当期間いただけば、つくり得るのではないかと考えております。
○小林会計検査院説明員 価格差益につきましては、われわれとしてもいろいろ資料をそろえようと思つてやつておりまして、この際なお激励をいただいているような感じを受けるわけであります。実は研究しておりましたが、税務署が受取つた以上――税務署と申しましても、国税局以下には実際価格差益を扱う人は今おらないようなわけですが、問題は、どういうふうにしてその報告が正しいか、つまりその欠点を探し出すことが要点になると思うのでありまして、そういう研究をいたしながら、今中間的な結論としては、われわれの方も、租税の証拠書類が会社から出ておりますので、その分と価格差益の報告書をつき合せて、そうして報告漏れなり、あるいは虚偽の申告なりを発見しよう、そういうような措置をするためには、どうしても今の三十万の対象のうち、何かの企業の分がごつそり落ちてはいないかいうことまで、今なお研究しつつあるのでありまして、そういうふうに研究はいたしておりますが、ただいまこういうものがたいへんごらんになつて都合がいいというほどの資料が実はできていないのは、はなはだ遺憾とする次第でございます。何かひとつまとめたいとは考えております。
○井之口委員 それではその点調査書をできる範囲において至急ひとつ出していただきとうございます。
 それから算定の場合についての、今の御意見でございましたが、換金されたものに対してかかるのであつてみれば、一ぺん換金してそれだけの利益を得ているのだからその後の下落によつてこうむるところの負担は、やはり企業者の負担になるのじやないか。またそれを見越して、価格差益というものはそう大きな率にもなつておらぬのだと思います。その辺はやはり実行しようと思うならば、できるものじやなかろうかと思うのであります。なお建築業というものが、この時代において非常に大きな利益を上げておりますが、そういうふうなものにも、これが手持をしておる間に資材が非常に大きな高騰をいたしましたがゆえに、それの高騰に対してこれを査定するような方法をとつておられるかどうか、それをちよつとお聞きしておきたいと思います。
○千葉説明員 私が生産業者でありますならば、私がこの本を持つております。そのうちに価格が改訂になりまして、十円であつたものが二十円になつたという場合に、まだこれは販売はしておりませんが、一応差益は決定するわけであります。そして納入告知書を出します。これはその品物が十円のものが二十円になつたのでありますから、二十円に売れた場合には、その十円と二十円の差額について差益を徴收いたします。ところが納入告知書が物価庁から出されましても、その品物が売れずに、やはり生産業者なりあるいは販売業者なりが持つておる間に、今度は値下りをした。マル公は二十円になりましたが、十五円より売れないというような場合には、それは一応決定はいたしましたが、今度は十円と二十円の差額でなくて、十円と十五円の差額に改訂するわけであります。そこで販売されて換金されたものを減額するということではありません。換金されない場合に値下りをしたような場合には、これは更正をしなければならぬ、こういうことであります。
 それから建築業者の手持物品でありますが、これは非常にむずかしい問題で、私どももその当時はいろいろ悩まされたのでありますが、規則には請負業者というものは一応除外してあるのであります。加工業者と言つておりますが、請負業者は一応除外しておるのであります。建築業者ばかりでなく、電気工事業者についても同じであります。電燈の工事をする、こういうものをつけるというような場合に、これは明らかにソケツトならソケツトを持つて行つてとりつけるのでありますから、販売行為にもなるようにも考えられるのでありますが、その販売行為になるか、請負行為になるかということで違つて来るのであります。また印刷業者がいろいろ名刺を印刷いたしますが、あれは名刺代ということになりますと、その中には紙代も入りましようし、印刷工賃も入る。そういうような点で非常にむずかしいのでありますが、明らかにその品物だけについて販売をするというような場合は差益を徴收いたしますけれども、総額について請負をする、加工をするというような場合には、規則上差益を徴收することはできないのであります。
○田中(不)委員 この「経費の年度区分をみだつたもの」これが件数が非常に上つておるようであります。おそらく従来のいずれの年を見ましても相当件数に上つておる。またごく少部分の御調査でもこれだけ上るのでございますから、全国的に見ますると年度区分をみだしておるものが相当あると思います。ところがこれは御承知のように、ほとんどあるいは慣行的に年度末近くになりますと、各官庁方面でそれぞれ腕の見せどころというのでやつておられる向きが多い。むしろ慣例的になつているといつても、いいくらいだと思います。しかし御承知のように年度末にあわてていろいろなのもを支拂う。工事の未完成部分に対して、つまり工事のでき上つていない部分に対しても拂う。あるいは物品の購入されていない部分についても支拂うというような非常な危險が負担されるのであります。また一方、これを、たとえば物品を売り込む側から見ますると、とかく粗製濫造の品とか、あるいは品質の悪い品物が官庁の方の足元を見透かして納入されるるとか、あいは工事の方にしましても、年度を越してから、粗雑な建築をする。物品にしましても、年度を越してからそういうような粗製濫造の品物あるいは品質の悪い物を足元を見透かして納入するというような例が多いのであります。もつとも予算の繰越し使用というような例もあるのでありますが、概して年度末における工事費といいますか、あるいは物件費といいますか、これはほかの物件費と同じように、非常に濫用が多く、また年度末が世間で言われるほどに常識的なかつこうになつておりまするが、これに対して検査院はその都度こういふうに御報告をなさつておられるか、また実際に実地検査をされた場合にも、こういうふうに指摘してあげておられまするか。これについて検査院として、これは事実上やむを得ないものか、あるいはこれを防止するのにはどうしたらよいか。予算の濫用といいますか、むしろ品物を受取つていないのに金を支拂うというのは、濫用の域を通り越しておるのでありますが、この点についてどういう対策を立てたらよろしいかというような点について、御意見を伺いたいと思うのであります。
○小林会計検査院説明員 「年度区分をみだつたもの」ということが、慣行的なほど多くないかというようなお話でありますが、相当事案がありまするので、会計検査院といたしましては、発見の都度嚴重にそういうことがないようにという注意をいたしております。そういたしまして、そのうちで金額も五十万円以上になり、それから竣工も三月までにできなければならぬのですが、それが四月一ぱいくらいにできるものは、実はここへ掲載しておらないようなわけです。そこでこういう年度違いの問題でありますが、これは極端に言えば文書の偽造ということにもなりますし、できないのに予算を支出いたしまして、その小切手を現金にして借りて保管している場合もありますし、先に請負人に渡してしまう場合もあります。そういうことで、ひいてはそういうところに金の保管なり使途というものでおもしろくない事態も生ずるおそれがありますので、お話のようにどうしてもこういう事態を絶滅させる必要があると考えておるわけであります。こういうように年度違いになりまする場合に、それではどうしたらそれが防げるかということでありますが、これは簡單に予算の繰越し手続を大蔵省が認めるということがどうしても必要なんでありまして、そこで繰越し手続の簡素化ということが、実は大蔵省でも考慮されております。従来ですと、繰越しの書類は全部大蔵省の本省へ持つて来て承認をするというようなことであつたのでありますが、最近は財務部の方で一応計算書なり契約書なり、それぞれ下調査を完了されて、それを本省へ持つて来る。本省の方では、そうした審査を経たものは、ほとんどフリー・パスのようにして承認をしておられるというように、だんだん措置は改善されております。従いまして、承認の時期も、二十三年度あたりよりもだんだん早くする。今までは繰越しの承認を六月、あるいは極端な例では七月のものもあるというように聞いておりますが、そういうことのないように、繰越しの手続も簡易化し、承認の時期も早める、こういうようにしておりますので、二十四年度の実績からしましても、これらの点は幾分減少しているように考えておる次第であります。もう一つ、根本的には雪の降る地方などに対する予算の未達の問題もありますが、これもだんだん研究いたしておるような次第であります。
○井之口委員 それではもう一つ二つお聞きいたします。「会計経理のはなはだしく当を失したもの」ですが、たとえば札幌の例では、これは費用が足りなくなつて銀行から金を借りて、その金を捻出するために建設請負人から寄付をさせるというようなことをやつているのです。経済調査庁の管轄内においてこういうことがなされておるのであります。経済をやりくつたのか何かしれませんが、こういうことをやられたならば実に粗雑な建物が建つて、ちよつと風でも吹いたらすぐひつくり返ることは明らかである。こういうものは非常に悪質だと思うのであります。経済調査庁においてこうした悪質犯を犯すということはまつたくもつてのほかでありますが、この場合に金を借り入れるのは、だれか個人の資格において借り入れているのですか、あるいは政府の資格において銀行から借り入れているのですか、こういうものはどうなつているのです。これは例の公団なんかの場合に、一個人の資格で公団の受入れを預金しておつたというような例もあるわけで、もしこれが返せればよいが、返せないような場合が出て来たりなんかしたときに、その責任はだれに行くのか。また会計検査院においては、この事実をごらんになつて、建つているところの建物に請負業者の不正が行われていはしないか、手を抜いているではないか、そういうところまで検査されていらつしやるかどうか、ひとつお聞きしたいと思います。
○小林会計検査院説明員 第一点の、借入れにあたつて政府が正式に借り入れているかどうかということでございますが、政府として正式の借入れはできませんので、これはだれか肩書つきの役人が銀行から借り入れる、かように考えておりますが、この点はちよつとただいま私失念をしておりまするので、なお経済調査庁の方から詳しく御報告願いたいと思います。
 それから百十万円を業者からとりあえず融通させたという点であります。これは提供させたいという文句になつておりますが、これなどは二百三十八ページの五九〇の問題になるのであります。地方建設工事部と経済調査庁とあらかじめ打合せまして、田中組というものに地方経済調査庁の庁舎の新営をさせた際に、工事代金が、元来六十万円くらいで済むものを百二十万円ばかりつけ書きをした契約書をつくりまして、そうして金を拂いました。従いましてその百二十万円という浮いた金がそこへ出て来る。そのうち十万円を請負人に諸経費としてやり、百十万円を官に提供させる、こういうからくりをやつて捻出した金なのであります。できた建物が吹けば飛ぶという点も、もちろん検査の際に実地に調査しておりますが、本件はそれほどのことはないのでありまして、もともとつけ書きしてやつておるわけであります。しかしこれは非常におもしろくない悪い案件でもありますし、関係者のうちでは、総務課長が起訴されておるという状態になつております。
○井之口委員 百十万円の寄付を受けたというので……。
○小林会計検査院説明員 これは先ほどの数字をだんだん申し上げますと、結局その百十万円くらいがいろいろな経費に使われておると申しましたが、その経費の使途の明瞭でないものができて来たわけです。その分について起訴されておる、こういうことになり、公文書偽造という問題もからんで出て来ております。
○井之口委員 先ほども委員の方から御質問がありましたが、この寄付によつて警察の費用をまかなつて行く、これは会計検査院からも不当であるということを指摘になつております。ただ政府としては恐れ入つておられるのであるかどうか。もし恐れ入つておられるのであるとすれば、この金を元に返される意思があるかどうか。地方の素封家なり何なりの寄付によつて、警察が建物を建てたという事実が、いつまでも残るといたしますならば、日本の警察がいつまでそういう人たちの恩顧によつて立つているということになります。地方の自治警察においては、とりわけひどい弊害が起ることと思いますが、これを返して、きれいさつぱり国家の予算によつてやる意思があるのかどうか。またそうした方が正しいとお考えになるのかどうか。
○三輪政府委員 ただいまのお話でございますが、予算に計上すべきものを、一般から寄付をとつてやるということは、政府としては、閣議決定もございまして、とらないという方針にいたしております。従つてこれをとつたものに対しましては、ただいま御指摘のように、全部返すというようなことは、あるいはそれが趣旨かも存じませんが、そこまで予算的の用意もできませんので、今までちようだいいたしたものについてお返しするということは、今のところ考えておりません。ただいま自治警察のことも関連してお話がございましたが、これらは、いずれも御承知のごとく、市町村費でまかなわれるものでございますから、私どもは直接何らの管理も指揮も命令もいたしません。自治警察の分はお答えをいたすわけに参りません。国家地方警察につきましては、そのように考えておるわけであります。
○田中(不)委員 ただいま問題がさらに出たのでございますが、今の警察の寄付というものは、地方としては非常に重圧を感じます。もちろん皆さんも御体験があるかと思いますが、われわれ地方におりますれば、非常な重圧を感ずるし、だんだん地方財政も確立いたして来ましたけれども、まだまだ予算上不足の部分もありますので、おのずからそういうやすい方法に流れやすい。これはあらためて嚴重に各御管下に御注意を願いたい。弱い地方民では、とうていそれだけの言葉も言い切れないという実情もありますので、その点はよく御注意願いたいと思います。
○三輪政府委員 ただいまのお言葉、よく長官にも伝えますし、国会の決算委員会のお言葉といたしまして、御趣旨の通り強く伝えることにいたします。
○三宅(則)委員長代理 それでは委員長から申します。本日御出席を願いました各省にさらに申し上げるのでありますが、参考資料の要求並びに説明書等の要求も專門員にいたさせますから、十分これに対しまして御盡力願いまして、親切な説明書並びに資料等の御提出を願います。さらに参考資料の作成等につきましても、迅速かつ正確を期して御配付を願いたいと思います。
 次に明後二日には大蔵大臣の出席を要求しておきましたが、承認を受けておりますので、ぜひ御出席を願いたいと思います。なお本日審査未了になつておりますところの案件がかなりありますから、特に検査院の検査官の御出席を求めます。さらに斎藤国警長官に御出席を願いたい。なお大橋法務総裁及び次官の御出席を要求いたします。
 本日はたいへんに御多用中御出席願いまして、各委員とも国民の代表として熱心活発に御意見を御開陳願いまして、まことに迅速に議事が進むことと相なつたわけでありますが、なお今後とも皆様の御出席を得まして、国民にかわつて諸種の問題を審議され、本国会を通じまして、国政に寄與させんことを強調いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時五十分散会