第010回国会 大蔵委員会 第40号
昭和二十六年三月二十三日(金曜日)
    午前十一時二十七分開議
 出席委員
   委員長 夏堀源三郎君
   理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
      川野 芳滿君    佐久間 徹君
      島村 一郎君    清水 逸平君
      苫米地英俊君    三宅 則義君
      内藤 友明君    宮腰 喜助君
      田中織之進君    松尾トシ子君
      竹村奈良一君    深澤 義守君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
        大蔵事務官
        (主税局税関部
        長)      石田  正君
        大蔵事務官
        (理財局次長) 酒井 俊彦君
        大蔵事務官
        (理財局経済課
        長)      吉田 信邦君
        公認会計士管理
        委員会委員長  河本 文一君
        公認会計士管理
        委員会事務局長 伊藤  博君
        国税庁長官   高橋  衞君
 委員外の出席者
        参議院議員   平岡 市三君
        大蔵事務官
        (主税局税関部
        業務課長)   木村 秀弘君
        大蔵事務官
        (主税局税関部
        調査統計課長) 藤田  茂君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
三月二十三日
 委員川島金次君辞任につき、その補欠として田
 中織之進君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月二十二日
 たばこ民営反対の請願(吉武惠市君紹介)(第
 一四五二号)
 同(岡田勢一君紹介)(第一五三五号)
 未復員者給与法等の改正に関する請願
 (星島二郎君外五名紹介)(第一四五四号)
 同(増田連也君外一名紹介)(第一五三七号)
 同(村瀬宣親君紹介)(第一五三八号)
 同(三池信君外一名紹介)(第一五三九号)
 飲食物製造販売業者の衛生設備改善費の課税控
 除の請願(木村公平君紹介)(第一四八〇号)
 所得税法の一部改正に関する請願
 (田中重彌君紹介)(第一四八一号)
 山陰合同銀行生山支店設置に関する請願(稻田
 直道君紹介)(第一四八二号)
 未復員者給与法の適用範囲拡大に関する請願(
 苅田アサノ君紹介)(第一四八三号)
 原油に対する関税率撤廃の請願(南好雄君紹
 介)(第一五三四号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 山林課税に関する陳情書(名古屋市中区南外堀
 町愛知県森林組合連合会会長千賀康治外三名)
 (第四三七号)
 関税定率法の一部改正に関する陳情書(東京都
 千代田区丸の内三丁目十四番地東京商工会議所
 会頭高橋龍太郎)(第四四九号)
 印紙税法の一部改正に関する陳情書(東京都中
 央区日本橋本町三丁目五番地本町薬親会代表幹
 事佐野孝外二名)(第四五五号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするため
 の一般会計からする繰入金に関する法律案(内
 閣提出第九号)
 食糧配給公団の清算経費の財源に充てるための
 剰余金の使用に関する法律案(内閣提出第一〇
 号)
 鉱工品貿易公団の損失金補てんのための交付金
 に関する法律案(内閣提出第二四号)
 関税定率法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第六六号)
 関税法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 一七号)
 再評価積立金の資本組入に関する法律案(内閣
 提出第一一九号)(参議院送付)
 国税徴収法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一二一号)
 資産再評価法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一二二号)(参議院送付)
 公認会計士法の一部を改正する法律案(参議院
 提出、参法第一三号)
    ―――――――――――――
○夏堀委員長 これより会議を開きます。
 本日はまず国税徴収法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律案、及び関税法の一部を改正する法律案の三案を一括議題として、質疑を続行いたします。奥村君。
○奧村委員 高橋国税庁長官にお尋ねしたいと思います。
 まずこの昭和二十五年度の申告所得税の收入歩合が最近非常に悪い。三月一旬末で七百億余りの徴収実績になつております。予算額と比較しますと收入歩合はわずかに六割、前年同期と比べましても約一割以上收入歩合が悪い。この收入歩合の悪い理由をまずお尋ねいたしたいと思うのであります。
○高橋(衞)政府委員 ただいま御質問になりました通り、三月一旬末の申告所得税の收入済み額は七百五億円でありまして、予算に対して六〇・二%程度に相なつております。この收入割合の非常に低い原因は、一つには申告所得税の申告並びに納税の時期を、前年度におきましては一月末でありましたものを、今年は法律の改正をいたしまして二月末にいたしましたこと、これか最も大きく響いておると思うのでありますが、その他現実に調査いたしました結果、所得額の積算が予算のこと現実に出て参らないということが、響いているかと思うのであります。もちろん昨年の中以後、朝鮮動乱等の影響を受けまして、特需景気その他の関係からいたしまして、相当収益を上げいるものもあるのでございますが、特需景気が最も敏感に響いて参りましたものは、法人所得税でありまして、個人所得税におきましては、特に営業者等につきましては、われわれの調査するところによりますると、せいぜい十一月ごろから、その影響が現われて参つておるという状況でありまして、年の半ば以後ころまではむしろ相当に売上げも減少いたしまするし、物価も低落ぎみでありましたために、収益が非常に少なかつたというようなことが、非常に大きく原因しておると思うのであります。しかしながら本年は先ほどもお話いたしました通りに、一箇月申告時期を遅らせております関係もございますので、最終的には相当成績を上げ得るのではないかというふうに考えておる次第であります。
○奧村委員 高橋長官は、申告期限を一箇月延ばしたから、それで現在の歩合は悪い、こういうことでありますが、しかしすでに三月一旬分で九十億入つております。これは二月の期限が済んで、その收入分が全部計算されて九十億というものになつておるはずです。従つて申告期限を一箇月延ばしたこいうその影響は、七百五億の中に盛り込まれておるはずでありますから、ての御答弁は私は当らぬと思う。私は大体昨年の大蔵委員会で平田主税局長に特に指摘しましたことでありますが、この申告所得税の現行税法で行く限り、税收見積りがすでに甘過ぎるのだと考えておるのであります。まあ不幸にして私の見通しがどうも当るようであります。千百七十一億の見込みはとうてい千億も入らない。私は千億を割るだろうという最初からの見通しであつたが、その通りにだんだんなつて来たわけであります。ただいまの長官の御答弁では、少し私は当らぬ点があろうかと思つておるのであります。それでもう一つ税収見込みについてお尋ねいたしますと、どうも昨年末の税収歩合が第一に悪い。つまり昭和二十五年度分の納期を過ぎた申告所得税に対して、実際の納税歩合が六割五分であつた。これは前年度と比べて五分方成績が悪い。そうするとこれは新しい税制になつて、納税思想が低下して来ておる。こういうことが現実にこの徴収歩合に現われて来ておると思うのであります。そこでこの三月一旬によつて、大体確定申告の成績はもう国税庁で現われておると思うのでありまして、この確定申告による決定額、つまり納税の確定額と実際徴收された金額との歩合を、ひとつお尋ねしてみたいと思うのであります。
○高橋(衞)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたのに、一、二の点だけ補足させていただきたいと思います。
 まず第一に、今年度は申告所得税の税務行政のやり方といたしまして、できるだけ納税者の納得を得て行く。またその前提といたしまして、実額調査その他の調査を徹底して行くということに、もつぱら努力いたしたのでございます。従いまして更正決定をいたす際におきましても、確実に調査のできたものであつて、なおかつ申告指導に応じなかつたという方につきましては、更正決定をただちにいたす考えでおります。しかしながら調査がなお不十分である、または再調査を要するというものにつきましては、年度経過後においてでも、今後次々と調査を実行いたしまして、次々とやつて行くという考えを持つておるのでございます。従いまして昨年は年度内、つまり二月一ぱいに四百十八万件に上るところの更正決定の通知を出したのでございますが、今年はまだ三月末までに、年度内に一応の更正決定をいたしますが、この件数は予想はつきませんけれども、おそらく昨年の十分の一程度の更正決定にとどまるのではないかというふうに考えておるのであります。従いましてわれわれの見当といたしましては、百二、三十億円程度の税額に上るところの更正決定が、次の年度つまり四月、五月に繰延べることになりはしないかというふうに考えております。これが今年度の申告所得税に相当大きく影響を持つていると考えておるのであります。
 それからいま一つの点は、法人になつているものが予算で見込んだよりもはるかに多いという点でございます。これは年度を過ぎてみませんと、確実な計数は申し上げかねるのでございますが、個々の事態についてみますると、大納税者にして、つまり調査課所管の個人の納税者にして、法人にならつているものが非常に多いということは、個々の事例として非常に痛感されるのであります。これによる税収の減が相当大きく響いて参つております。従いましてそれらの点を彼此勘案いたしますれば、もちろん昨年年初以来秋ごろに至るまでの相当な物価の低落とか、または業界の不振が相当影響している面もございますが、それほど大きな差はなかつたのではないかというふうに見込んでいる次第でございます。
 なお先ほど御指摘になりました昨年末における申告額に対する徴収済み額は、昨年は七割であつたが、本年は六割五分という点についてのお尋ねであります。昨年と本年と違います点は、昨年は御承知の通り自主的に申告なさつた者に対する收入歩合であります。本年はもちろんそういうふうに自主的に申告なさつたものも相当あるのでありますが、御承知の通り法律が改正になりまして、予定申告の段階におきましては、昨年の所得額以上を申告しなければならない。しかしてそれに達しない場合におきましては、法定通知ということをいたします。それは昨年の所得額に対しまして、新しい税法による税率を定めまして、これをもつて税額を通知すべく、これで納税義務を確定をするということをいたしておるのであります。そういうふうに税額通知をいたしましたものが相当多数ありますので、純粋に予定申告をされたものに対する割合をとつてみますれば、昨年より成績は悪くなつているというふうには見ていないのでございます。
○奧村委員 そこでこの三月一旬末の七百五億の申告所得税のうち、約二百億余りは繰越し滞納分の徴収、そうすると、今年度の申告所得税として現実に徴收されたものはわずかに五億円、そうすると年度末までに一体この上どれだけ申告所得税がとれるか。これが一番問題になると思うのであります。高橋長官としては今年は更正決定が遅れて、あとから相当決定をやるというお言葉でありますが、これも私は相当問題があると思う。つまり今年は初めてこの勧告ということをなさつておられる。つまり納期までに納税者に税務署が勧告して、その勧告通りに納税者が申告を出せば、税務署としては再び更正決定は原則としてしないということになつて、なるべく更正決定を減らそうという立場で指導しておられるのでありますから、昨年と比べれば更正決定はうんと減るはずであります。これはお言葉の通りとすると、更正決定によつてこの七百五億以上にどれだけふえるか。これは昨年の実績よりは私はふえないというふうに思います。この勧告のやり方は、私は税務行政がもつと充実されて来たときはいいが、今の段階でやる場合には、納税者には喜ばれるが、この税収は赤字を出すのじやないかというふうに見ておるのであります。これは今後の結果を見ればわかると思うのであります。それでどうもあまり楽観はできぬと思いますが、結論として年度末までに、申告所得税がこの七百五億からもうあとどれだけとれるか。五月末までの結果を見ることになるわけでありましようが、これはあと二箇月余りのうちにどのくらいとれるか。この点お見通しをお伺いしておきたい。
○高橋(衞)政府委員 今後の收入見込みにつきましては、これは非常に見通しが困難な問題でありまして、確たる数字を申し上げることは非常に困難であると考えるのでありますが、これは私どもの希望的観測になるかもしれませんけれども、何とかして税全体として予算額程度の收入を確保いたしたいという目標をもつて、努力いたしておる次第であります。言いかえますと、法人税で約二百億円程度の増収が得られるのではないかと予想しておるのであります。従つてまた源泉所得税においてある程度の増収が見込まれると考えます。他方物品税その他においてある程度の減収が予想されまするので、それらを全部総合いたしまして、何とかして税全体としては赤字を出さないという程度の收入が、確保できるのではないかという見込みを立てておる次第であります。
○奧村委員 私のお尋ねしましたのは、税全体の税収見込みでなしに、申告所得税の成績のことであります。なぜならば申告所得税は、今年度は当初予算で千五百億を見積つた。それを補正予算で千百七十億円に減らした。ところが実際の実績はどうなるか。私は千億はむずかしいと昨年末までは考えておりましたが、どうも今の見通しで行けば、おそらく九百億を割るでしよう。そうすると一体この政府の申告所得税に対する税收見積りは、当初予算と比べれば六百億以上も見積りが間違つておるわれわれが予算で、どうしてそういう間違いをわからなかつたかというふうなことまでも考えて行かなければならぬので、特にこの申告所得税の見通しについてお尋ねしておるわけです。大体九百億とれるかどうか。今はとれませんとはおつしやりますまいが、おそらく五月に行つて、私は九百億を割ると見ておるので、そのときになれば、私の言うたことが正しいかどうかがおわかりになると思うが、九百億がとれるかどうか。その点はつきり御答弁をお願いしたいと思います。
○高橋(衞)政府委員 先ほども御答弁申し上げました通り、申告所得税の指導方針につきましては、今年はやり方をすつかりかえましたので、従つて来年度に更正決定が繰越されるものが百二、三十億円程度に上るのではないかと予想いたしております。まだ今月末までにいたします更正決定の予想数字も、われわれの方でつかめない状態でありますので、確実な自信のあるところは申し上げかねるかと思うのでありますが、ただいまお話のように、九百億円を割るというふうなことは、おそらくはなかろう。できれば千億程度に近づけたいという考えをもつて、努力いたしておる次第であります。しかしながらこの税務行政のやり方自体につきましては、税收入を確保するために、是が非でも更正決定を強行するというふうなやり方は、私どもといたしましては避けまして、やはり当初の方針通り、税収に多少響きましても、納得をしていただいて納めていただくという方針を、堅持して行きたいと考えておる次第であります。
○奧村委員 これ以上は議論になりますが、私といたしましては、もうこれからあと年度末までの申告所得税の收入は、更正決定による徴収とそれから滞納整理による徴収と、これ以外にはないのでありますから、年度末までにもう二百億とれれば十分だというふうな見通しでおるのでありますが、これは結果を見てから、またある時機に議論いたしたいと思います。
 次に最近新聞紙上に、国務庁が三月二十日まで確定申告の申告時期を延ばしたというふうな感じを受けるような広告を出しておられる。この点についていろいろ税法上の疑義がありますので、明らかにしておきたいと思います。われわれが国会において、確定申告の期限を二月二十八日まで延期したことは、御承知の通りであります。申告期限の延期ということは、これは国会でなければできぬはずです。この三月二十日に延期したかのごとく見られるようなやり方については、税法上明らかにしておかなければならぬと思うのでありますが、新聞の広告に、三月二十日までは、申告があれば扶養親族その他の控除が認められるほか、無申告加算税も徴収されないことになりました、こういうふうに出ておるが、これは所得税法の二十四条によるところの申告期限の延長であるか。それとも申告期限の延長でなくして、単に取扱い上の問題であるか。その点を明らかにしていただきたいと思います。
○高橋(衞)政府委員 先ほど来たびたび御答弁申し上げました通り、本年度は何とかして申告を出していただきまして、納得した納税をしていただくという方針をとつて参りましたので、たびたび税務署においでを願つて、それぞれ税務署の調査した結果を説明申し上げて、そうして申告をお願いしておるのでありますが、二十八日までにまだおいでを願えなかつたという方もございますし、また一度はおいで願つたけれども、なおもう少し考えてみてというような方も多数ございまして、そういうふうに納得ができれば少しでも早く申告をしたいと考えておられる方が、非常に多数あるということを、私どももよく実情として見ておりますので、何とかしてそういう方にはすぐに更正決定をぶつつけるということでなしに、申告を出していただいたというふうに考えまして、その後も引続いて申告の指導と申しますか、修正申告の慫慂をいたして参つておるのであります。ところでそういうふうにこちらからお話をしお願いをして、申告、修正申告を出していただきます場合におきまして、それらの方についてなおかつ無申告加算税でありますとか、または扶養親族の不控除というような事柄を嚴格に施行いたしますことは、いかにも不合理のように考えられますので、これを二十日までは、とにかく出していただきました方につきましては、それを徴収しない、または特典は認めるという考え方をとつたわけであります。しこうしてその法律的な根拠といたしましては、扶養控除の点につきましては、法律の二十八条の後尾の但書に、「但し、命令で定める場合は、この限りでない。」という命令に委任された規定がございます。なおその法律の委任に基きまして、施行規則の二十二条に「税務署長において、性別の事情があると認める場合においては」――途中を省略しまして、「法第十五条の二の控除に関する規定を適用することができる。」という規定があるのでございます。この規定は、もちろん税務署長が個々の具体的な場合において、特別な事由がある場合において、これを認めるという趣旨の規定でございますが、こういうふうな税務署からお願いをして、特に申告を出していただきたいと言つておる場合に、これを認めないということは、いかにも妥当でない、というふうに考えられますので、そういうふうな個々の判断にまかせないで、全国一律にそれは特別の事由があるものと認めて、控除に関する規定を適用するようにしたいという趣旨の通達を出しておる次第であります。
 なお無申告加算税につきましては、第五十七条の第一項の終りに近いところをごらん願いますと、「修正確定申告書若しくは修正農業確定申告書に相当するものの提出があつたときは、政府は、当該更正又は修正前の申告又は修正申告に係る額に誤があつたことについて正当な事由がないと認めるときは、」「過少申告加算税額を徴収する。」という規定になつております。この場合に「正当な事由がないと認めるときは」という除外例がつくつてあるのであります。しかしてこういうふうに政府がお願いをして、申告書の提出をやつてもらつておるという場合におきましては、これは正当な事由があるんだというふうに認めて行きたいという通達を出しておる次第であります。しかして冒頭のお尋ねの納期限の延長であるかどうかという問題でありますが、納期限の延長につきましては、法律の二十四条に規定しておるのでありますが、この二十四条の規定に従つてこの措置をとつた次第ではないのでありまして、もつぱら二十八条並びに五十七条の規定に従つてこの措置をとつた次第であります。
○奧村委員 それでは納期限は説法通り二月二十八日ということならば、二月二十八日以後に確定申告をお出しになつた方、つまりこの新聞の広告によつて三月二十日までにお出しになつた方には利子税はかけろのかどうか。この点お尋ねしておきます。
○高橋(衞)政府委員 お尋ねの通り、これは納期限の延長ではございませんから、利子税は徴収するのであります。
○奧村委員 先ほど長官の言われた、今年は特に勧告ということをして納税者になるべく自発的に申告させて、更正決定というような処置はなるべく避けようというやり方については、私どもまことにけつこうであり、かねがね賛意を表しておるのであります。しかし今回の処置については、結果としては相当おもしろくない点があると思う。すなわち二月二十八日の期日までに必ず申告しろ、申告しなければ無申告加算税をかけるんだ、あるいは扶養控除その他の恩典は与えられぬのだと言つて指導しておきながら、三月に入つてずるけて出さなかつた人に、今度また三月二十日までは許してあげますということになると、二月二十八日までにどうしても出さなければならぬと思つてやつて来た人たちが、ばかを見たということになつて来る。そこでそういうふうに期日をお延ばしになるならば、少くとも二月二十八日の期限までに一般に知らせて、三月二十日までならよろしいというふうになさるならばよかつた。今後予定申告その他においても、すべて期日というものが嚴格に守られて、期日が遅れれば利子税その他いろいろな罰則の税がかかる。理由はどういうふうにつけられるか知らぬが、国税庁みずから税法を無視して、税法を真に守る人がばかを見るというふうなことをあとからなさるということでは、今後の税法施行上非常にお困りになりはせぬかというふうに思うので、特に私はこの点をお尋ねしておきます。
 そこでただいま長官は、三月二十日までに申告した、つまり期限後申告しても扶養控除その他の控除の恩典は認める。その控除の恩典を認めるというのは、所得税法施行規則第二十二条の「税務署長において、特別の事情があると認める場合においては」とあるのを言われるのです。しかしこの解釈は私は当らぬと思う。所得税法施行規則の第二十二条は、期限までに予定申告書あるいは確定申告書が出されて、その出された書類の中に既定の控除の該当の事柄が記載してなかつた場合において、税務署がやむを得ない事情があると認めた場合は、これを認めるという規定であります。決して期限までに申告書を出してない場合においての規定ではない。その点はどう考えておられるか。これはひとつ主税局長の御意見も承つておきたい。
○高橋(衞)政府委員 税法の施行は法律の通りやる、ことに期日に関しては嚴格にやるということが必要であるということにつきましては、私どもも同様に痛感している次第であります。ただ全般的な観点からいたしまして、御承知の通り日本の税務行政は、昔の賦課課税制度から申告納税にかわつたのではありまするが、納税者は昔の賦課課税制度にまだなれておりまして、申告納税制度に十分なじんでおりません。従つて奥村委員のお使いになりました勧告という言葉はどうかと思うのであります。私どもは申告書をお出し願うお願いだというふうに考えておるのであります。こういうやり方をするということが、この申告納税制度を完成する経過的な時期においては、どうしても必要であると考えております。これが漸次軌道に乘りますれば、たとえばアメリカにおいて行われておりまするように、申告指導は単に申告書をお出しなさいというだけにとどめて、実際の申告書が出て参りましてから調査を始める。そしてそれについて誤りがあればどんどん更正決定をして行くというやり方が、将来のあるべき姿であるとは考えるのでありまするが、過渡的な時代におきましては、そういうふうなやり方がいかにも不親切であるという感じがいたしますので、私どもといたしましては、漏れなく各納税者にお話をして御納得を得て、また申告納税制度というものはどういうものだということもお話申し上げて、できるだけ多数の方に申告を出していただくということを考えていたのであります。ところが奥村委員もよく御承知の通り、二十四年度の更正決定の波紋が多数の審査の請求となり、その処理に十月ごろまでも没頭せざるを得なかつたのであります。従つて申告指導について必要な事前の調査というものについて、どうしても時間が足りない。従つて時期が押せ押せになりまして、二月の末までに各納税者に十分に御指導申し上げるという、時間的の余裕がなくなつてしまつたというところから、これはやむを得ざる手段といたしまして、それでもなおかつお話を申し上げて出していただくということの方が親切なやり方で、税務行政としてもほんとうに妥当な方法ではないかというふうに考えまして、そういう措置をとつた次第であります。もとより今後こういうふうな措置を繰返しやることは、私どもといたしましても絶対に避けて行きたい。これは今年限りの応急の措置であるというふうに考えておりますので、その点は御了承を願いたいと思います。なお二十二条の解釈につきましては、これはもちろんただいま御指摘のように、記載はされておつたが、記載が不正確であつたというふうな場合を含むことはもちろんでありますが、そのほかに、御当人がその前後ちようど病気であつて、申告書を出すのにどうしても方法がなかつたとか、またはその他何らかの事故によつて遅れたという事由がはつきりいたしました場合には、そういうのは当然認めるという建前にいたしておるのでありまして、無申告の場合ももちろん含むものと解釈しております。
○奧村委員 長官の今日までの勧告の処置その他の御苦心はお察しするのであります。しかし少くとも国税庁の税務行政は、法律によつてなさつておるのであつて、われわれはこの法律通りにやつておられるかどうかということをお尋ねしておるのであります。特に昨年来、税法は最も合理的にして、その合理的な税法を最も正確に実施せよという建前で、われわれは法律をつくつて来た。従つて税務行政の都合主義から、税務当局の方はかつてに法律を蹟聽していい、納税者だけは嚴格に守らせるということでは、はなはだ一方的である。従つて私はここで法律的な解釈を明らかにしておきたいという意味で、お尋ねをしておるのであります。
 そこで平田主税局長にお尋ねするのでありますが、この所得税法施行規則二十二条は、申告書が出されたが、その申告書には控除の該当事項が記載されてなかつたという場合においても、場合によつては税務署長はこれを認める場合があるという規定であつて、未申告の場合の規定は全然記載していない。これに対してどういう御解釈を持つておちるか。
○平田政府委員 御指摘の点は条文の書き方上若干問題になり得ると思います。無申告の場合はこの問題はないと思いますが、期限後に申告して来た場合にも、特別の事情のある場合は扶養控除を認める。その意味合いは、施行規則二十二条並びに二十六条の第二項、確定申告は第二十六条の第二項で、二十二条の予定申告の場合の例を準用いたしておるのでございますから、両方とも、確定申告の期限後に出された申告書に記載して来た場合におきましては、特別の事情がある場合にはこれを認め得ると解釈し得るのではないかと考えます。ただ全然申告をしてむ来ないのに、扶養控除だけ認めろというのは、どうも法律上そこまでは認めていないと考えますが、期限後に確定申告をして来まして、扶養控除の申請をして来た。それが特別の事情によりましてそういうふうになつた場合におきましては、この規定を適用してもいいのではないかと考えております。問題は、むしろ奥村さんの御指摘は、特別の事情があるとか、あるいは正当な事由があるというようなことを、本年度は一般的に相当広汎に認めることにいたしておりますが、それがはたしていいか悪いかという問題ではないかと考えます。その点につきましては、私ども国税庁から相談にあずかつたのでございますが、これはやはり先ほど長官からお話の通り、更正決定のやり方、申告の指導等につきまして、新税法の実施の機会におきまして、国税庁の非常に適切と認められる方針でやつていただいておりますので、そういう事情がある場合におきましては、一般的に本年度に限りましてそのような解釈をとつたのも、条文解釈としてはいたし方なかろう。事柄は非常にいいことであるという意味におきまして、実は賛成いたしたような次第でございます。
○奧村委員 私は繰返して申し上げるように、こういうことをやられた精神は賛成である。しかしその事柄について法的根拠をただしておきたいというのは、今までの税務行政に反省を促しておきたいからなのです。というのは、納税者が期限をたとい十日でも遅らした場合、あるいは申告を出さなかつた場合、あるいは異議の申立てをする場合、たとい一月のところを一日遅れても、税務署は、これは期限が遅れましたというので、納税者に対しては税法上非常に嚴格に実施しておられる。ところが従来税務当局は、この法律案をかつてに御解釈なさつて、実施上は非常にゆがめておられる。そういう一方的なことはこの際改めるべきだという建前から、この点を法的に明らかにしておきたい。そこで私はこういうふうに考えておるのであります。確定申告の期限においては、たとい申告書がなくとも、もし納税すべき所得があるとするならば、納税者には納税の義務が発生するわけであります。国としては納税者から税をとるべき債権が発生したと見るべきであるというふうに、私は税法を解釈しておるのですが、本由主税局長はどういうふうに考えられるか。
○平田政府委員 その点は、税法の規定に基きまする実体的な納税義務は、確定申告の期限が来たときに発生すると私も同様に考えております。
○奧村委員 期限が来たときに納税義務が発生し、また国の債権が確定するとするならば、そのときに申告書が出ていないとするならば、これは控除の恩典は受けられない。申告書が出ておらぬのだから、どの条項を見ても控除の恩典は受けられないと常識的に判断はできると思うのであります。そこで高橋長官が言われた所得税法施行規則第二十二条、あるいはまた平田局長の言われた所得税法施行規則第二十召集の二項は、二つとも私は読んでみております。また所得税法全部くまなく見てみたが、申告書は出されたが、その出された申告書に控除の該当事項が書いてなかつたという場合の規定はある。しかし期限において申告していなかつた場合の控除の恩典を認めるという条文は一つもない。平田主税局長がそういうふうな御解釈をなさるならば、一体何条のどの項目にそういうことが規定してあるか。二十六条の二項は、申告書は出されておるが、控除に関する事項の記載がない場合において準用するのであつて、申告書が出されておるということが前提になつておるのであります。ただいまの御答弁は少し間違つていると思うので、重ねて御答弁を要求いたします。
○平田政府委員 お話の通り確定申告書は出ているが、その中に控除の記載がないというのは当然入るのでございますが、その後確定申告が出されまして、その確定申告の中に記載されておる場合におきましては、この条文によつて、特別の事情があると認める場合には控除し得るというふうに、二つの規定から読めると私は解釈いたしておるのでございます。それから納税義務発生の関係におきましては、議論は同じでございまして、期限内に確定申告書が提出されておりましても、それに控除の記載がない場合におきましては、期限の際にあとはもう動かないものとしまして、最終的にきまつてしまうという解釈をとりますれば、その後において特別の事情がありとして控除を認めるのは、一応きまつたのを、その後におきまして控除の申請が出て、それによりまして、確定申告の期限内におきまして、一旦発生しました納税義務にさかのぼつて変更が行われまして、それが最終的に納税者の納むべき税額になるということとは、両者の場合におきましても私は同様な関係にあると考えております。
○奧村委員 確定申告が期限内に出されずに期限後に出された場合、これを認めて、しかも局長の言われるように期限前にさかのぼつてこれを適用するということが、法律上どの条文に根拠を置いて、そういうことになるのかということまでお尋ねしたいのでありますが、同僚議員諸君も相当御質問があるようでありますから、これをもつて私の質問は一応打切り、また別の機会にお尋ねをいたしたいと思います。
○清水委員 この徴収法の改正によつて、徴収面に相当いいことが盛られて緩和されたような部面がありますが、まだ実際の徴税面において非常に人権を圧迫するのじやないかと思われる節もございまして、この税法とは関連はありますが、ちよつと違うかもしれませんが、この際長官が見えておるから伺いたいと思います。
 所得税法の中に、虚偽の申告をした者または答えなかつた者は、一年以上の懲役または十万円以下の罰金に処すると規定されております。しかし憲法においては御存じのように自分に不利の証言はしなくてもよいという黙秘権を認めております。また刑事訴訟法においてもこの黙秘権を認めております。しかるに税法一つについてのみ、もし答えなかつたならば罰するという条項があるために、現実に税務署の官吏が法人税なり所得税なりの調査にあたり、まず一番先にぶつつける爆弾はこの条項であります。うそを言つてはいけない。黙つていたり返事をしなかつたならばこういう罰がある。そういうふうにして徴税をしているのですが、こういうことについて将来政府として改められる意思があるか。また私とすればこれはまつたく憲法違反を税法において定めておる、こういうふうな考えを持つものでありますが、まずこのことについてお伺いしたい。
○平田政府委員 ただいまのお尋ねの問題は、私ども若干問題にしまして研究したことがあるのでございます。ただ今の税法の解釈の問題といたしましては、ここにありまする調査はすべて刑事訴追の目的で調査するのではない。所得の税務行政の目的で調査するものである。そういうものに関する限りにおきましては、憲法に規定しておりまする黙秘権の問題と直接抵触しない、こういう解釈を下しておるのでございます。ただしかし憲法の趣旨から申しまして、行政目的とはいえ、はたしてこういう規定がいいかどうか。これはたしかにまたさらに立法論としては議論の生れるところであろうと思います。そのような問題につきましては、いま少しく実施の実効の結果なり、あるいは御指摘のような国民の非難の態度等をもよく調べまして、研究はしてみたいと思いますが、憲法に抵触するものとは解釈いたしておりません。
○清水委員 御当局とすれば行政措置としてはやむを得ないというような御答弁でありましたが、これはちようど紙の裏と表で、表から見るのと裏から見るのとの差異になるのではないか。つまり徴税に際して、被疑事件として取扱う、脱税事件として取扱う場合においては、黙秘権を認められるのでありますか。
○平田政府委員 脱税事件として刑事訴追の目的で行きます。場合においては、これはやはり刑事訴訟法の規定に従つてやるべきものだと思つております。
○清水委員 そうすると、脱税事件としては黙秘権を認める。従つてこの場合には答えなくてもいいということを、被疑者に宣告をしてやられるのですか。
○平田政府委員 昨年でございましたか改正いたしまして、先ほども申しましたように税務調査のための質問あるいは帳簿書類の検査は、刑事訴追の目的でやるのではないという条項を特に挿入いたしております。刑事訴追の目的でやります場合におきましては、国税犯則取締法と刑事訴追法――もちろん基本的には刑事訴訟法でありますが、その手続によりましてやらなければならない。従いまして刑事訴訟法において認められたる範囲内におきましては、それぞれ納税者は正当の主張すべき権利があるというように解釈いたします。
○清水委員 徴税にあたつては、まず一番先に黙つていたものは罰するということで、一つの爆弾を投じておいて調べ上げる。そのために材料のそろわないものでも、押しつけがましいものでも、承諾して行かなければならないような状態が起つて来る。そういうのは憲法の条項において黙秘権を認めておるのに対して、昔からの権力者の政治である。徴税にあたつて国家を動かすのに、ある権力者が動かしておる。そういう遺風があるために、こういう条文をつくつておるのではないか。国民の公僕として税の徴収に当らなければならないのに、憲法に反するのではないかと思われるような条項によつて税を取立てる。そこに大きな矛盾があるのではないか。私の考えとすれば、たとえば税の査察を受ける場合には、これは被疑者として取扱われる以上は、黙秘権も行使されていいのではないか。そういう査察の場合においてもこの条項を宣告して、黙つておれば、うそを言つたらば、これこれの罰があるのだぞ、こういうことを宣言して徴税に当つておる事実も私は承知しております。これは確かに税法の徴収官吏の違反ではないか、こういうふうに思われますが、その他たくさん質問者もあるようでありますから、もう一言これについての御意見を承りたいと思います。
○平田政府委員 この査察にあたりましても、質問を発したり調べたりすることは、当然できるわけでございますが、本人が話さなかつたような場合、あるいは言つたことが必ずしもただちに完全な証拠にはならないというのが、新刑事訴訟法の規定するところでございまして、その点は税の査察の場合におきましても、まつたく同様であるということを申し上げておるのでございます。ただ普通一般の場合におきましては、行政目的で所得の調査をいたすわけでございますから、それに関する限りにおきましては、できるだけ正しいことを見出しまして公平な課税をする必要がある。そういう意味におきまして、それぞれ必要な調査規定なり質問の規定を設けておる次第であります。その範囲に関する限りにおきましては、かりにそれに答えない、あるいは帳簿書類を提示しない場合におきまして、罰則を適用するということになりましても、これは先ほど申し上げましたような、直接憲法違反にはならない。ただ最初に申し上げましたように、憲法の精神に従つてはたしてどうかということになりますと、これは確かに問題があるところでございますので、なお将来においてそういう点につきましては、少し研究いたしてみたいということを申し上げたわけでございます。
○清水委員 そう申しますと、たとえば査察が判事の令状を持つて来て査察する場合にはこの黙秘権は行使できる。これを認めるべきでございますか。
○平田政府委員 査察に行きました場合においても、もちろん質問することができると思いますが、これを黙秘いたした場合におきまして、刑事訴追の目的で罰則を適用するということは、刑事訴訟法の規定によりますとおそらくできないことではないかと思いますが、普通の税務の調査の目的でありますならばそれができる、このように解釈いたしております。それからその場合におきまして、納税者の陳述がただちに刑事訴追の関係においては証拠にはならないということは、これも先ほど申しましたように新刑事訴訟法の重要な点である、かように考えております。
○清水委員 ちよつとわかりませんが、査察が判事の令状を持つて来た場合においては、説法上これに対しては黙秘権を認めないという御解釈ですか。
○平田政府委員 税法の行政目的で調べる場合におきまして、質問に答えない場合には、これは罰則規定の適用がある。しかしそれをただちに刑事訴追の証拠にするために質問するような場合におきましては、これに答えなかつたからという理由で、罰則を適用することにいたしておりません。国犯法におきましては、単に収税官吏の検査を拒み、妨げ、または忌避した場合にだけ罰金に処することにいたしております。税務調査の目的で調べました結果に基きまして、本人が述べましたこと、従いましてそれは刑事訴追の目的ではただちに証拠にはならない、こういうような関係になるものと解釈いたしております。
○奧村委員 関税定率法改正案に関連して、平田主税局長に一言お尋ねしておきたいのですが、染料のピグメント・カラー及びエキステンダー、こういうものについては、現在外国商社が日本国内において特許権の申請をしておる向きがあるようであります。これはかねて事務当局の方にはお尋ねしてあるのでございますが、そこでもしこの特許が認められる場合は、日本国内においてその製造はその特許を受けた外国商社の特権になりますので、日本業者としてはこれを製造することはできない。そういうことになつた場合においては、そういう種目の輸入について関税をかけておいたのでは、日本のそういう染料を使用する輸出業者などが困るので、むしろ無税にして、その薬品を使用して事業を行う業者に便宜を与えていただきたい。これは仮定の問題でありますが、さような事態になつた場合には、現在かかつておる関税を無税にするという御意見が政府におありであるかどうか。この点をお尋ねいたしておきたいと思います。
○平田政府委員 私具体的にまだ深く研究いたしておりませんので、若干あとであるいは追加してお答えするかもしれませんが、一応お答えしますと、お話のような場合におきましても、国内においてその特許権によらずして同種のものができるかできないか。あるいはまつたく同じでなくても、製造方法を若干違えまして、ほぼ同じものができるかどうか。できる可能性がある場合におきましては、これは必ずしもただちに関税を免除すべきだということにはならないかと思いますが、しかしそういう可能性もなくなつて、外国からも入つて来ない、従つてそういう染料につきましては、もう使えなくなつて、その結果日本品の輸出に重大な影響がある、こういう場合におきまして関税政策をどうするかということは、やはり全体的に今私が申し上げましたようなことも検討しました上で、正しい結論を下すべきものではないか、かように考えておる次第でございます。
○小山委員 関税法と国税徴収法について二、三点政府の考えを伺つてみたいと思います。第一に関税のことでありますが、この関税定率法を国会が可決いたしました場合には、ただちにこれは施行されるわけであります。その場合に、輸入業者あるいはそれらの品物を最終的に輸入する人々の間に、契約上いろいろ混乱が起つて来はしないかということで、関税定率法の施行期日を二箇月ないし三箇月延ばしてもらいたいという希望があるのであります。また同じようなことでありますが、かりに延ばすことができないとするならば、たとえば三月末とか二月末とか、一定の期日までに契約を締結した場合、あるいはLCを開設した場合には、特に旧法による関税をかけてもらいたいというような強い希望が、輸入業者あるいは輸入を最終的にしようとする人々の間にあるのでありますけれども、これについて政府はどのように考えておられるか、政府の所信を伺いたいのであります。
○石田政府委員 関税定率法の改正をいたしました場合の施行期日を延ばしたらどうかというのが、第一点であろうかと思います。この点は、今度の関税定率法改正の全般の趣旨からいたしまして、政府としては、なるべく早く改正し、なるべく早く実施いたしたい、こういう考え方を持つているわけであります。従いまして四月一日という期日をさらに二、三箇月延ばさないで、このまま原案通りやりたいという希望を持つている次第であります。なおその場合に、そういうことを予想しておらなかつた輸入業者の人々に対して気の毒な結果が起ろから、たとえてみますならば、今お話がありましたがごとく、契約がすでに施行前に行われていたものについては輸入税は免除したらどうか。これもある意味におきましてごもつともな点があると思うのであります。しかしながらその場合、その契約をいたしましたかどうかという事実の確認その他におきまして、行政庁といたしましてはなかなか困難な問題がございます。これは昔からもあることなのでございますが、真正なるところの契約ができておるというものと、それから今言いましたような恩典に浴するために、契約があつたがごとき形をとるというものと、どういうふうにして差別するかということが非常に技術的にむずかしゆうございます。それから今度は、契約があつたような形をとるといいますか、そういうやり方につきましても、これは海外に非常に便宜を持つておられる人と、持つておられない人との間には、非常な差が出て来るということが一つあるわけであります。またその次の問題としまして、たとえばLCの開設があつたものについてはどうか。これは非常にはつきりつかめろという点はございます。しかしながらそれにいたしましても、LCを開設いたしまして輸入するほかに、無為替輸入等の問題もあるのでありまして、片方のLCだけでやるということに相なりますと、無為替輸入の許可を受けた方は、不公平になるというような問題もあろうかと思います。関税率の改正をいたします場合には、始終経過的な問題をどうするかということが起る問題なのでありますが、従来もこの点はいろいろな点を考えまして、はつきりと期日を定めまして、それによつて施行するという建前をとつて参つておるのであります。なお今回の改正につきましては、そういう点もございますので、できるだけ早く業界の方々に知つていただこうという意味からいたしまして、まだ案自体は確定しない前からして、すでにいろいろな手を使いましてそれが大体わかるように、政府といたしましては努力いたして参りました。また関係方面との折衝によりまして最終的な決定を見る前におきましても、やはりそういうことを続けおりまして、われわれといたしましては、輸入業者の方が、どういうふうに関税は改正されるであろうか、しかも具体的な率についてどの程度であろうかということを、できるだけ前にわかつていただけるように努力して参つたのであります。関税定率といいますものは、国際間の取引を規律するものでありまして、明確にある期日をもつてやるという方がしきたりになつておりますので、そういうことに従いまして今回の改正もやらしていただきたい、こう思つておる次第であります。
○小山委員 ただいまの御説明でよくわかつたのでございますが、各国が関税定率をかえます場合の先例、こういうものはどういうふうになつておりましようか。たとえば、ただいま私が申し上げたような一定の経過規定を設けておるような先例は、各国にないかどうかということが一つ。
 それからもう一点伺つておきたいことは、ただいまの御説明のように、数箇月前から、関税定率は大体このような方向にかわりそうだということを、業者には知らしておられるということでありますが、その場合に、知らなかつた人は別といたしまして、知つている人は、どのような契約方式をとつておるであろうかということが一つ。知らなかつた場合には、輸入業者が負担をするのであろうか、あるいは最終のそれを買い受けた人が負担するのであろうか、そういうようなところに気を配つた契約をしておるであろうか、そういうことをひとつ伺つてみたいのであります。
○石田政府委員 第一の問題でございますが、これは世界各国を通じて、国別にどうなつておるということを申し上げるところのものがちよつとございません。しかしわれわれの知つております範囲では、経過規定のある例は少いかと思つております。それからはなはだしきに至りましては、イギリスなんかはそういうような式が多いのですが、国会に提出いたしますと同時に施行するというようなことも、公平といいますか、はつきりさせるといいますか、そういうふうにやつているところもあるようであります。
 第二の点は、契約をどういうふうにやつておるかということでありますが、実は私たちは契約をやつておる当事者でございませんので、どういうふうになつておりますか、的確に申し上げることはできませんが、大体関税率の改正ということは、大規模な改正はございません。しかし個々の品目につきましては毎年改正の問題があるというのが、今までの実例でございます。そういう場合におきましては、業者の方々は、関税率の改正があつた場合は、国内の売渡先に対して、どちらの負担であるということをはつきり書くのが慣例になつておつたわけであります。戦後におきましてはそういう慣例がすたれまして、ルーズになつた面がございますので、そういうことをしないような方も、あるいはあるのではないだろうかというふうに考えられます。そういう場合におきまして、どちらの負担になるかということでございますが、これは結局裁判所の判決にまたざるを得ないのでありまして、大体輸入いたしましたときに――その売渡先に灯してきまつております場合のことだと思うのでございますが、売渡先がきまつておりませんければ、これは関税を込めた値段で新しく売るということになりますと、問題はないかと思いますが、そういうことを考えずにやりました場合に、どうなるかという最終的な法律問題になりましては、ちよつとここでお答え申し上げかねます。
○小山委員 関税の方はその程度にいたしまして、国税徴收法をちよつと伺つておきたいのでありますが、この国税徴収法は、この大蔵委員会においてしばしば問題になつた点を実情に即して改正されている点は、われわれも非常に満足するのであります。それで一、二点伺つておきたいのは、この国税徴収法改正の目的であります。これは、これによつて現在滞納になつているものの徴収を促進しようというのでありますか。それとも、現在滞納になつているのは一応あきらめて、これでもつてもういよいよとれないものはとれないものなりに、はつきりしようというのでありますか。まずその目的をひとつ伺つてみたい。
○平田政府委員 ごく砕いて申し上げますと、お話の通り、とてもとれない、強行してとると非常に生活困窮に陥らしむるおそれがあるようなものは、はつきり制度を設けまして、あきらめるものはあきらめろ。そのかわり資力があつて徴収可能なものは、ますます適正な処理をいたしまして促進をはかる。帶納の中におきましてそういうものをよく振りわけまして、それぞれ適切な処置をはかつて行く。従いまして、それによつて帶納のたくさんありますものを全体として合理的に処理しよう、こういうことになるかと思うのであります。
○小山委員 私もそのように想像しておつたのでありますが、要するに税務官吏が見ても、とうていとれないと思うものについて法的根拠を与えたのである、そういうことが主であろうと考えておるのであります。内容について二、三点伺つておきたいことは、この提案理由の説明を読みますと、帶納者が無資産の場合あるいは著しく生活困窮のおそれある場合に、三年間滞納処分を停止する、こういうことが書いてあります。その次に、停止後三年たつてもなお資力が回復しない場合には、納税義務は消滅すると書いてあるのでありますが、そうすると三年という期間は時効でありますか。あるいは三年たつたらもうやつてはいけないのだというのでありますか。法定期間なのか、あるいは時効なのか。時効でときどき中断することになつているのか。その法の趣旨を伺いたい。
○平田政府委員 ちよつと先ほどの説明に補足して申し上げますが、もちろん先ほども申しましたように、とれないものは、とれないものとして納税の促進をはかる。しかし分割納付を認める。あるいはその納税者の資力に応じまして妥当な措置を講ずる。場合によりましたら公売処分等を急いで実行するよりも、むしろ少し延ばしまして、納税の促進をはかつた方がいいという場合もございますので、適切な処理によりまして、かえつてその税収の確保をはかり得るという面も相当ございますことを、特にひとつ申し添えておきたいと存ずるのでございます。ただとれないものを負けるというだけのものではないということを、つけ加えておきたいと思います。
 それからもう一つは、今のお尋ねにもございましたが、これは特別な今の規定に基きまして停止処分をやりますれば、三年たちますと納税義務が消滅する、こういう規定を設けておりますので、時効と申しますか何と申しますか、一種特別の制度によりまして、納税義務の停止処分をやりましたあと、三年間たちましてなお依然として資力が回復しない場合におきましては、消滅する。そのようにお考え願つた方がいいと思います。中間におきまして、納税資力が回復したと認められる場合におきましては、停止処分を取消しましてそうして帶納処分を続行するということになります。それによりまして、時効の場合でございますと、中断と同じような効果が出るわけでございます。特に時効云々の問題は抜きにいたしまして、その条文で納税義務の関係が解決できるのではないか、かように考えております。
○小山委員 今のでよくわかりました。
 それからもう一点、これは国税庁長官に伺いたいのでありますが、今度の法律改正によりますと、昭和二十四年以前のものに対する帶納加算税及び延滞金についても、適用がある法律がありまして、その条件としては申告期限から一年以上たつて行われた更正決定に基いて、徴収された場合の帶納税金の加算税、あるいは一度更正決定を受けた後に修正申告をしたり、あるいは更正決定をした場合の加算金、これらのものは一ぺん納めたものも今年の六月三十日までに申告をすれば、もとしてもらえるという規定があります。ところが、これは法律上の規定としては非常にけつこうなのでありますが、これは周知徹底方をはからなければ、ただ飾り物にすぎないのでありますが、これはいわば今までの苛斂誅求をこれで帳消しにしよう――というと非常に言葉がきつうございますが、要するに今まで非常に無理だつたものを、ここで一応緩和するのだという趣旨の規定でありますので、この周知徹底方が、この法律に魂を入れるくさびだと思うのでありますけれども、これについてはどんな方法で周知徹底をされるか。国税庁長官に伺うておきたい。
○高橋(衞)政府委員 現在帶納になつているものについてのみ、加算税の決定をするというようなことをいたしますると、いわゆる正直者がばかを見るということになるのでございますから、たとえばすでにお納めになつた方につきましても、そういうふうな点は当然に均霑さるべきものであるという観点から、こういうふうな規定を設けた次第でございます。
 この周知徹底に関しましては、国税徴収法の改正全般の問題として、四月早々から一般に――たとえばわれわれの方で監修をいたしております税の資料その他各種の通信、新聞等を通じて周知徹底をはかりたいと考える次第であります。
○小山委員 その点は特に長官に、訓辞をもつてひとつ各税務署長にやつていただきたい。と申しますのは、修正申告または更正決定になつておりまして、一ぺん税務署が無理やりにやつたような場合が相当あるだろうと思う。無理やりにやつた場合のものは、税務署としてはなかなかあとでやりにくい面があろうと思いますから、税務署長がこういうことをやつたのはよく知つているのであるから、個々の納税者に対しても――しれたる債権者ということがありますが、しれたる、ささいな納税者にも、税務署はただ単におざなりの講演なり、あるいは文書なりでやらないで、こういう街のしれたる納税者に対しては、個々に通知をして徹底方をはかる。せつかくここまで来たいい法律でありますからやつていただきたい。この点についてそういう御意思があるかどうか。
○高橋(衞)政府委員 私ども税務行政の本来のあり方として、何とかして納税者に親切にやつて行くということが、ぜひ必要であると考えておりますので、たとえば税務調査等の際におきましても、先般特に訓辞を出しまして、必要な経費として計上されなかつたものにおきましても、税務計算上経費として認めらるべきものは進んでこれを認めて行く。そして申告の書き方等についても指導して行くように、繰返し指示をしておる次第であります。従いまして今回の場合におきましても、そういうふうなものにつきましてはできるだけ親切に、もちろん全部それをあらためて調査し直すということは、なかなか困難ではないかと思いますが、わかつたものについては十分親切に注意をするようにいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
○奧村委員 ただいま本委員会に審議付託されております食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、食糧配給公団の清算経費の財源に充てるための剰余金の使用に関する法律案、及び鉱工品貿易公団の損失金補てんのための交付金に関する法律案の三法案につきましては、すでに質疑も尽されたと思いますので、この際右三案について質疑を打切られんことを望みます。
○夏堀委員長 奥村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、右三案に対する質疑を打切ることといたします。なお本委員会に提案になつております法案が二十数法案にもなつておりますが、これは大体二十七日までに処理しなければならないと考えておりますので、この質疑打切りになりました法案については、できるだけ早くこれも処理したいというようなことで、ひとつ党議をまとめて明日からでもこの討論採決に入りたいと思いますから、よろしくお願いいたします。
 これをもつて休憩いたします。午後は二時より会議を開きます。
    午後零時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十九分開議
○小山委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
 まず本日付託いたされました公認会計士法の一部を改正する法律案を議題とし、提案者より提案理由の説明を聽取いたします。提案者参議院議員平岡市三君。
○平岡参議院議員 ただいま議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を説明いたします。
 公認会計士法は、わが国にりつぱな会計士制度を誕生せしめろ構想のもとに、第二回国会において制定されたのでありますが、財務書類の監査証明という職能に応じた高い品位と技能とを有する公認会計士制度を確立するために、たびたび改票が行われましたことは御承知の通りであります。
 このたびもまたこの趣旨にのつとりまして、次の諸点について改正を加え、制度の改善、充実をはかりたいと存ずる次第であります。
 まづ第一に、財務書類の監査証明の業務は、公認会計士、外国公認会計士及び計理士でなければ営んではならないことといたしたのであります。すなわち公認会計士制度は、きわめて新しい制度であり、かつ企業の財務書類の監査または証明に関する業務は、高度の技能と職業道徳とを必要とすることが強く要請せられますので、かかる業務を営む者は、公認会計士、外国公認会計士、計理士のごとく特定の資格を有する者に限定することといたしたのであります。
 第二に、公認会計士の資格試験でありますところの第三次試験の試験科目に、新たに、税に関する実務を加えることといたしたのであります。けだし、税に関する実務知識は、公認会計士がその業務を行う上におきまして、当然必要とされるからでございまして、シヤウプ第二次勧告におきましても、同様の趣旨の勧告が行われている次第であります。なお試験科目の増加に伴いまして、試験委員の定数を増加することといたしております。
 第三に、特別試験の施行期間を二箇年延長することといたしたのであります。すなわち特別公認会計士試験の施行は、本年七月をもつて打切ることになつておりますが、公認会計士の資格試験でありますところの第三次試験の受験資格者が、約二年後でなければ相当の数に達しないことが予想されますことと、現在までに特別試験に合格した者のほかに、この特別試験を受験する資格のある優秀な学識経験者が多数存在いたしますので、かかる適格者にも特別試験を受験する機会を与えることが望ましいという理由から、特別試験の施行期間を二箇年延長することといたしたのであります。
 第四に、公認会計士試験の第三次試験の受験資格を緩和いたしまして、会計士補となる資格を有する者であれば、会計士補の登録を受けていなくても受験し得ることといたしたのであります。
 その他、罰則の整備及び条文の整理をすることといたしております。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成せられんことをお願いいたします。
○小山委員長代理 質疑はありませんか。
○三宅(則)委員 ただいま議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案につきましては、提案者を代表せられまして、参議院議員平岡市三君の提案理由をお聞きしたわけであります。これに関連いたしまして、私は政府当局、いわゆる大蔵省公認会計士管理委員会の委員長に二、三の質疑を試みたいと思う次第でございます。この公認会計士法の一部を改正する法律案につきましては、すでに昨年十月より数回にわたりまして、衆議院におきましても研究を積んでおつたところであります。ことに本年の正月早々の国会には通過すべく努力いたしておりましたが、その後都合上参議院の提案するところとなりまして、すでにわれわれもその方面につきましては、宮幡靖君も宮腰喜助君も、また各党の委員も知つておるところでありますが、幸い管理委員会の委員長がおいでになりましたから、この際政府の心構えを確かめる意味において、二、三の質疑をいたしたいと存じます。
 わが国の経済の発展に対しまして、ことに証券取引法の施行によりましての監査証明ということを、公認会計士に限るということになつておりましたが、その後一部改正になりまして、だれでもやれることに一応なりたわけであります。もちろん資本金等によりましてその高下はありましたが、今回の改正によりまして、きわめて合理的にこの改正ができ上ることになつたということを、私はまず第一に賛成いたしておるのでありまして、ことに公認会計士、外国公認会計士、また計理士がことごとくこの監査証明ができるようになりました事柄は、一大進歩でありまして、むちやくちやに監査するものではない。やはり相当社会にも経験を持ち実務に堪能な者が、監査証明することになつておるのでありまして、これはまことによき改正であると思うのでありますが、これに対しまして政府といたしましては、相当公認会計士を将来おふやしになるような御予定であると観察いたしますが、政府当局はどういうふうに考えておりますか。この際一応承りたいと存じます。
○河本政府委員 ただいま御質問の点につきましてお答え申し上げます。公認会計士は、今回証券取引委員会規則をもつてきめられましたごとく、本年の七月から始まる会社事業年度の証券取引にかけられておる会社のうちで、一億円以上の資本金のものに対して強制的に監査をするということになりました。一億円以上の会社の数は約三百もございまして、将来は証券取引所に出される株式に対しては、全部公認会計士の監査を要するということになるわけでございます。現在公認会計士になることができる有資格者が三百七十名くらいございますが、そのうちにはまだ登録をしない人もございますし、将来相当これをふやして行かなければならぬかと考えますので、この法律に改正されましたごとく、特別試験の期間をもう二箇年延長されるごとになりまして、一箇年に二回試験をすることになりますれば、約四回において相当学識経験者を簡抜することができるものであると考えまして、まことにこの改正案には賛成をいたしておる次第でございます。それであと四回の特別試験を行いまして、その後は常道によりまして、一次試験から続いて受ける人が続々と出て来ることでございましようが、この間におきましての要求せられる人は、この改正によります特別試験の期限の延長によりまして、とつて参りたいというふうに考えておる次第でございます。
○三宅(則)委員 ただいま河本政府委員の御説明によりまして、政府の意図も了承いたしました。本案に盛られておりますところの公認会計士特別試験を二箇年延長されるということについては、立案者に対しましてもまことに敬意を払うところでありまして、全国の二千人になんなんとする計理士諸君、実務に堪能しておるところの職業の監査をいたしておりまする計理士があるわけでありますが、そういう者もだんだんとこういうような特別試験を施行せられることによりまして、将来は公認会計士になれるという道を講ぜられたという点は、まことによき改正でありまして、われわれも賛成をいたしておるのでありまして、特に政府におかせられましても、この立案者の趣旨を尊重せられまして、どうかなるべくたくさんの人格高き、また経験の深い公認会計士を試験に合格するようにさせていただきまして、日本の再建に努力するように御指導、監督を願いたいと思うのでございます。
 次にひとつ申し上げておきたいと思いまする事柄は、今度公認会計士の試験に、税を中心にというわけではありませんが、税の知識も入れなければならぬということになつたことは当然のことでありまして、今度の公認会計士の特別試験にはお入れにならぬかしれませんが、将来はいつごろから税に関しまする特別試験をお入れになるおつもりでありますか。この際承りたいと存じます。
○河本政府委員 ただいまの公認会計士の試験に税の実務に関する問題を出すということは、これにありますように第三次試験において税務の問題を出す、こういうことになつておりますので、本年十月ごろに第三次試験を実行することになりますから、このものから試験を課する。従いまして、これはこの法律が施行された後におきましては、やはり特別試験においても、これは管理委員会の規則において将来きめるべき問題でありますが、やはりこの秋十月ごろこの法律が施行されましたならば、もう一回試験を施行することになりますから、その際にこれを加えるということにいたしたい考えでおるのであります。
○三宅(則)委員 ただいまの御説明によりまして了承いたしました。その次に申し上げることは、由来弁護士、公認会計士、計理士、税務代理士、こういうようなものにつきましては、やはり自由職業の最高度を行くべきものと考えまして、当然罰則等その他の規定もそれにならつて、弁護士並にすることが基準でありましたが、今回の改正によつてそれも弁護士並になつたわけでありまして、まことによき改正を考えております。この法案は、冒頭に申しました通り昨年の十月から叫んでおつたことでありまして、本法案は昭和二十六年一月に出さるべきものでありますが、いろいろの事情で今日まで延び延びになつおります。宮幡君も宮腰君も司令部の関係で行つておりますので、私が代表して発言しておるわけでありますが、これが両院を通過しましたときには、即刻実施いたしますように御努力願いたいと考える次第であります。
○河本政府委員 ただいまの御意見につきましてはわれわれも同感でございますから、手続が許す限りにおきまして、なるべく早く実施したいと考えております。
○三宅(則)委員 ただいまの管理委員長河本文一政府委員の御答弁に満足いたしました。
    ―――――――――――――
○小山委員長代理 次に関税法を議題といたしまして、審議を続行いたします。竹村奈良一君。
○竹村委員 昨日大蔵大臣から一応大体の御趣旨を承つておるのでございますが、大蔵大臣は、たとえば日本の輸出品が向うでとられている関税と比較して、高いとか安いとかいうことについてはいろいろ問題がある、こういうことを言つておられたのであります。そこで私はひとつ当局から具体的にお伺いしたいと思うのであります。たとえば日本のカン詰類が相当輸出されておる。これに対してアメリカ、イギリス並びにインド、こういう方面に輸出した場合において、カン詰類に対しましては、向うにおいては一体どれだけの関税をとられておるか。この辺をまず第一点としてお伺いいたしたい。
○藤田説明員 お答えいたします。カン詰類に対しましては、ただいまお話に出ました国々で関税をとられているかという御質問でありますが、大体において関税はとられているのであります。具体的の数字につきましては、ただいま数字を持ち合せておりませんので、後刻資料によつて御説明申し上げたいと思います。
○竹村委員 私委員長にお伺いするのですが、これは早く上げたいのでしよう。そうすると一々資料を出されるまで待つておつてもなんですから、質疑するときにできるだけ資料を持つて来てもらつて……。
○小山委員長代理 委員長から伺いますが、後刻というのは一時間くらいの間に資料をとれますか。
○藤田説明員 とれます。今参議院の方で……。
○小山委員長代理 至急とつていただきたい。きよう中にできますか。
○藤田説明員 できます。
○小山委員長代理 きよう中にできるそうでありますから……。
○竹村委員 それではそういうこまかい点はほうつておいて、問題になつておる日本の生糸がアメリカに輸出されたときにおきましては。これに対して関税は一体どれだけとられておるか。
○藤田説明員 生糸がアメリカに輸出されます場合には、関税はかかつておりません。
○竹村委員 それでは陶磁器は一体どれだけとられておりますか。
○藤田説明員 陶磁器には関税がかかつておるのでありますが、ただいま手元に資料がありませんので、正確な数字は申し上げられません。
○竹村委員 委員長、あとにします。そうして資料をそろえてからやります。
○小山委員長代理 それでは深澤君。
○深澤委員 先般イギリスの国会において、イギリスの商務大臣が日本に対して最惠国待遇を与えておるという声明をしたことを、われわれ新聞紙上で見ておるのであります。はたしてそうなつておるか、われわれ少し疑問があるのですが、どうですか。
○藤田説明員 英国はわが国に対して、現在までに最惠国待遇は与えておりません。何かの間違いだろうと思います。
○深澤委員 そうすると、現在日本に最惠国待遇を与えている国は、どことどこでございますか。
○藤田説明員 わが国の輸出品に対して最惠国待遇を与えております国は十二箇国でありまして、米国、トルコ、ギリシャ、イタリア、韓国、ビルマ、アイレ、パキスタン、アイスランド、ノールウエー、台湾、タイの十二箇国でございます。なおガットの協定税率を適用しております国は六箇国でありまして、ただいま申しました十二箇国のうち、米国、ビルマ、ノールウエー、イタリア、ギリシャ、パキスタンであります。
○深澤委員 そこで最惠国待遇を与えておるアメリカとの関係でありますが、大体アメリカの日本商品に対する関税の最高率は幾らになつておりますか。
○藤田説明員 アメリカの関税率は相当高いのでありまして、確か一〇〇%程度のものがあつたかと思いますが、手元に米国の関税率を持ち合わしておりませんので、後ほど調べましてお答え申します。
○深澤委員 アメリカが日本の商品にかけるところの最高税率は一〇〇%、今度の改正における日本の関税の最高率は五〇%と承知しているわけですが、そうすると最惠国の待遇が与えられていないという結論になるのですが、どうですか。
○藤田説明員 ただいま申し上げましたのは、アメリカの固定税率でありまして、最惠国待遇を与えます場合は、それよりも幾分引下げられた率がかけられているのでありまして、最惠国待遇を与えられているごとになつております。
○深澤委員 そういう漠然とした御答弁では了解できないのです。つまり日本の商品に対して、アメリカの固定税率が一〇〇%である場合に、日本の商品がアメリカに輸入される場合においてかけておる最高税率は幾らかということです。その点をひとつ明確にお答え願います。
○藤田説明員 後ほど調べましてお答えいたします。
○深澤委員 それでは後刻御答弁願えるときに、その最高税率が幾らであつて、そうして大体日本からアメリカに輸出するところの重要商品に対して、どの程度の関税をかけておるかということを、明確に御説明ができるようにしていただきたいと思います。一応留保しておきます。
○小山委員長代理 これは委員長からお尋ねいたしますが、きよう中に御返事できますか。
○藤田説明員 きよう中にはできます。
○小山委員長代理 なるたけ早くお願いいたします。
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○小山委員長代理 それでは資産再評価法の一部を改正する法律案、及び再評価積立金の資本組入に関する法律案を議題といたします。まず初めに政府委員より、ただいまの両法律案の内容を一応説明いたさせます。酒井政府委員。
○酒井政府委員 それではただいま提案されております資産再評価法の一部を改正する法律案、及び再評価積立金の資本組入に関する法律案につきまして、若干の補足的な御説明を申し上げたいと思います。
 御承知のように資産再評価は昨年実施いたしたのでございますが、その結果は、実はわれわれが当初考えておりましたところよりは、やや低調であつたのであります。これを数字について見ますると、法人の総数が全部で四十四万でございます。もつともこの中には民法上の法人が十七万、組合、金庫等が五万一千ばかりございますので、これらを差引きまして普通の会社企業といたしましては、二十一万五千ほど現在あるのであります。そのうち再評価を実施いたしました会社は二万程度、会社の総数に比較いたしますと、一四%程度の会社が再評価をいたしております。申告といたしましては、十三万五千社ばかりが申告いたしまして、全体の七七%が申込をいたしたのでありますが、そのうちで再評価をいたしましたものが、ただいま申し上げましたように一四%程度しかなかつたのであります。この資産再評価の状況を見ますると、まず対象となり得るところの資産の帳簿価額総額が七百十億、これはただいま申し上げました会社企業について申し上げました。七百十億円に対しまして、われわれの計算によりまするところの最高限度は、六千三百十九億という数字であるのでありますが、これに対して実際に行われました再評価額は、四千二百六十億ということに相なつております。従いまして帳簿価額七百十億との差額三千五百五十億が、大体再評価差額ということになつておりまして、これに六%の再評価税がかかりまして、再評価税といたしましては、二百十三億程度税がかかつて来るわけであります。再評価の実施率と申しますか、全体の最高限度に対する実際に行われた再評価の額は大体六七・四%、帳簿価額に対する再評価の実際に行われました倍率は約六倍でございます。なぜこのように限度まで行かなかつたかということにつきましては、いろいろ原因があると思いますが、ただ当時はいわゆる経済が下向いておつた。ややもすれば先行きデフレになるのではないかというような懸念もございまして、企業は将来の改益率等に不安を持ちまして、実施を手控えたというようなことも、相当大きな原因になつていたのではないかと考えます。ところが最近経済界は御承知のように相当活況を呈して参りまして、将来に対する収益の見込み等も、この前に再評価をいたしました当時よりはかなりかわつて参つております。そこでこの際さらに第二次の再評価を認めまして、新しい条件のもとにもう一度資本の是正をやるという道を開くことが適当であろうというのが、今回第二次再評価を提案いたしました理由でございます。
 なお昨年行われました再評価におきましては、当時株式市場の景況等もそれほどよろしくございませんので、一時に再評価をいたしました額を全部株に組みかえますと、相当株式市場を圧迫するのではないかというような懸念もございまして、それらを考えました結果、資本に組み入れる額といたしましては、昭和二十八年まで資本化させない。つまりそれまでの間は再評価積立金の形で、社内に留保させておくということになつておつたのでありますが、最近の状況から見まするならば、それらの懸念も大体ないようでございます。むしろこの際資本金をはつきりさせまして、今日の貨幣価値ではかつた正しい資本金を表に出すことによりまして、会社の経理状況を合理的ならしめるということが、必要ではなかろうかと思いましたので、再評価積立金を早期に資本に組み入れることを認めるということで、再評価積立金の資本組入に関する法案が提案された次第でございます。
 これの要旨を申し上げますと、再評価法の一部を改正する法律案におきましては、再評価はいつできるかということでありますが、第二次再評価は昭和二十六年一月一日、または一月一日から本年九月三十日までに終りますところの事業年度の期首につきまして、法人は再評価をすることができる。ただ本年三月三十一日までに事業年度の終ります会社につきましては、四月以降の事業年度について再評価をしていただくことになつております。そうして再評価の申告の提出期限は、本年の十一月三十日までということに区切つております。個人につきましては昭和二十六年の一月一日現在をもつて評価をいたしまして、申告期限は九月三十日までということに相なつております。但しこれは原則でありまして、たとえば電力でありますとか、鉄道でありますとか、ガス事業等も入りますが、そういう公益事業で、料金等が公定されておるものにつきましては、これはただちに再評価をしろと申しましても、公定価格に再評価後の適正な償却金額が織り込めるという状態にならなければ、実際問題として再評価は無理でありますから、従いましてこれらの企業については、さらに一年間再評価の時期を延長して、明年の七月三十日まで延長することにいたしております。
 第二に再評価資産の範囲でございますが、これは原則は昭和二十五年の一月一日すなわち基準日現在に持つておりました資産のうちで、大体前回の再評価におきまして最高限度まで再評価をしなかつたもの、全然しなかつたもの、あるいは最高限度まで達しないで、中間的な再評価を行いましたものをも含んでおります。大体その範囲は前回の再評価と同じでありますが、ただ株式だけは今回の再評価からは除外いたしております。これは前回実施いたしてみました結果、非常に問題のむずかしい点もございますし、なお今日の状況で、さらに株式について再評価をするという、それほど実質的な意義もございませんので、この際株式については適用を除外いたしております。
 それから次に再評価の基準でございますが、これはおおむね前回と同じ基準によつております。すなわち当該資産を取得したときから今日までの、大体の卸売物価倍率というものを基本にいたしまして、再評価の基準といたしております。ただ昨年の基準から今日まで約一年ほどたつておりまして、その間に企業は実際に償却をいたしておりますので、償却資産につきましては、その間に前年の再評価時から今日までに実際に償却をいたしました額だけは、基準から落してございます。
 それから再評価税でありますが、これも前回と同様六%の再評価税を課することにいたしております。この再評価税につきましては、いろいろ論議のあるところでありますが、しかし前回の再評価におきまして六%となつた理由が、要するに再評価というのはインフレーシヨンによる貨幣価値の変動によつて、会社の資本を是正するというねらいでありまして、再評価によりましてそういうインフレの不合理が除かれるわけでありますが、しかし今日まですでにインフレ過程において譲渡所得税をとられましたもの、あるいは終戦後に持つておりました金銭、債券の価値が減少いたしましたもの、それらとの均衡を考えますときは、やはりある程度の税を課することは公平であるという見地で、前回は六%課税したのでありますが、今回も同様の理由により六%の課税をすることにいたしております。ただ再評価税の納付につきましては、延納の規定があるのでありますが、これは再評価税を納付することによつて、従来よりも法人税が重くなるというような場合には、従来の計算によつた法人税の限度で再評価税を納めまして、それ以上負担を重くしない。それ以上の分は従来五年間延納を認めておつたのでありますが、同様今回の第二次再評価におきましても、さらに五年間延納を認めようということにいたしております。そういたしますると、同じ企業で昨年も再評価し、今年も再評価をしたというような会社につきましては、同じ資産につきまして一方は昨年から五年間、今回の分で今年から五年間ということで、再評価延納の時期がまちまちになりますので、一律に今回の再評価をいたしました場合にはこれから五年間、すなわち昨年から考えますと、六年間延納ができるという結果になりますが、要するにそういうものにつきましては、一年延納期間が延びたことになつております。
 それから再評価積立金の資本組入れでありますが、これは先ほど申し上げましたように、今日の状況では、これをいつまでも積立金に置いておく理由もございませんし、再評価のねらいそのものは、そもそも再評価をいたしまして、これを資本に組み入れて資本の正しい姿に直すということが、この法案の目的でございますので、改正商法の実施いたされます本年七月以降、積立金の四分の三までは資本に振りかえることを認めるということになつております。なおこの資本の組入れに際しましては、登録税は従来の千分の七を特に千分の一・五というふうに軽減をいたしております。また社債発行限度の問題でありますが、社債発行限度には一年について四分の一ずつ算入して行く規定でございましたが、ただいま資本組入れの項について御説明申し上げましたように、今日といたしましてはもう一挙に資本に組み入れてもさしつかえないという状況に相なつて参つておりますので、社債の発行限度といたしましても、再評価積立金の四分の三まではただちに限度に入れられるということにいたした次第であります。その他商法の改正に伴いまして若干の法文の修正がございます。
 次に再評価積立金の資本組入に関する法律案でございますが、これはただいま申しました資本に組み入れるにつきましての手続、方法を規定した法律でございまして、要旨を申し上げますと、資本組入れは株主総会の特剔抉議による。資本を増加いたした場合に、新商法ではこれは資本準備金におきましても、あるいは株式にいたしましても自由なのでありますが、株式にいたします場合には、やはり特剔抉議によつて株主に交付するということにいたしております。この株主に交付いたします新株は、新株と申しますか、再評価によつて振りかえた株でありますが、これは原則として無償で交付することにいたしております。しかしあわせて若干の増資をするということがあるいは便宜な場合もありますので、額面以下の金額で特に払込みを認める。これは無償でありますか有償でありますかは会社の自由であります。それからただいま申し上げました有償で交付いたします場合に、株主といたしましては有償ではいやだと言つて、新株を引受けたくない株主が出て参りますので、そういう株主につきましては引受権の譲渡を認め、あるいは払込み額を越えて会社が交付いたしました場合には、その越える部分についても当然株主として取得し得べかりし部分を、たとえばプレミアムと申しますか、その金額を請求することもできるということにいたしております。なお資本に組み入れます場合に、一般に有償で交付をいたしました場合には、これは今申しましたように引受権のない、引受けなかつた株主に対して金銭を交付する等のこともございまして、たとえばそれは資本に超過する部分は資本に組み入れないとか、そういつたような商法の若干の特使を設けております。なお金銭交付請求権等がございますために、法人税の所得計算につきましても支障のないように、若干の特例を認めております。法案の内容は大体以上のようであります。
○竹村委員 大体従来再評価を行つた法人で、これは組合とか金庫とか、そういうものは別として、この法人の中に再評価をされたうちで損失を計上しておつた、いわゆる決算において利益が上つていないところの会社、こういう法人と、それから多くの配当利潤を持つておつた法人との再評価した率は一体どうですか。どういうふうになつておるか伺いたい。
○酒井政府委員 ただいまお尋ねのありました損失を計上しておつた会社と、利益を計上しておつた会社の再評価の状況、これはそういうわけ方では目下のところ資料をとつておりませんので、ちよつとお答えできないのでございますが……。
○竹村委員 われわれの考えでは、大体従来資産再評価を行いました法人は相当な利潤を上げていたものだと、こう考えておるのでありますが、そこでそういうものは一応再評価をやつた。ところが今度こういう法律を出されるのは、先ほどの御説明にもありましたように、いろいろ経済的な状態がかわつてまた利潤を得るような会社が増大して来た。従つて再び再評価をやるようなこの法律を出されるものだと考えますが、こういうような経済界の変動によつて利潤を得ておつた会社と、今まで再評価しておらなかつた法人というものは、今までどれくらいあるように考えられておるのか。
○酒井政府委員 再評価の実施状況は国税庁国税局の系統で調査いたしております。ただいま持つております資料は、国税局においてとりました統計でございますが、おつしやるような損失を計上した会社がどれだけ再評価し、利益を計上しておる会社がどれだけ再評価しておるかというふうな統計のとり方をいたしておりませんので、ちよつと御質問に対してお答えいたしかねるような状況でございます。
○竹村委員 ちよつと違うようですが、この法案が出て今度資産再評価をするという会社は、おそらく先ほどの御説明にありましたように、経済界の変動で、再評価してもいいという会社が相当増加して来た、こういうふうに考えられておるのですが、この増加しておる会社は一体どのくらい見込んでおられるかということです。
○酒井政府委員 そういう数字は見込んでおりませんので、ただ経済的な条件がかわつて参りましたから、この際再評価をもう一度やろうというような会社もあるのではないかと想像されますので、再評価自体はこの終戦後のインフレによつて正しい資本金額に直して、経理を適正にするということでございますから、そういうものがもしあれば認めて行こうという趣旨でございます。どのくらいそういう会社があるから、これをやろうというような予定は立てていないのであります。
○竹村委員 そうなると私の聞きたいところは、たとえば今まで再評価の法案が出る前に利潤を得ておりました法人というものに、再評価することによりまして少くとも再評価税というものはかけますけれども、つまり減価償却を行いますがゆえに、法人の所得に対するところの税率というものは非常にかわつて来ていると思う。従つて国の徴収します法人税というものは減少しているのであつて、実のところはその減少額はどれだけ減少したかというようなことを聞きたかつたのでありますが、それはわかりませんか。
○酒井政府委員 後ほど数字がわかりますれば申し上げますが、実は先ほど申し上げましたように再評価税を納付することによつて、従来の法人税より負担が重くなります場合には、従来の計算によつて算出いたしました法人税の限度にとめるということになつておりますので、ここ一両年は大体におきまして再評価税がふえればそれだけ法人税が減る、再評価税が減ればそれだけ法人税がふえる、大体のところはそういうことになるかと思います。今数字がございましたら申し上げますが。が……、
○竹村委員 そうするとこういうふうにお聞きしたいのですが、これは前にも問題になつたわけでありますけれども、たとえば相当な設備を持つておる百貨店のようなところにおきまして、従来は相当な利益を上げておつたところが、今度再評価することによつてその利益というものは減価償却にまわされるので、再評価税はもちろんかかりますが、しかし法人税は、なくなるとは言わないが、ずいぶん減少するわけであります。そういたしますと、この資産再評価というものは、結局においては従来から多くの固定資産を有したものが、多くの減税になると私どもは考えておるのですが、この点については一体どういうふうに考えておられますか。
○吉田(信)政府委員 お答え申し上げます。インフレーシヨンに際しまして、従来の資産再評価前の状況におきましては、物価は上つて参ります。たとえば当初ビルデイグが千万円で買われたものであるといたしますと、千万円に応ずる償却、たとえばその一割をしていると仮定いたしますれば、一千万円で買つたものは百万円ずつの償却しかしておりません。しかしながら物価が騰貴いたしました結果、現在その建物と同じものを買おうといたしますれば、昔は千万円で買えたけれども、今は二百倍で二十億かかるというふうな状態になるわけでございます。従つてもし今まで通りに千万円の簿価に対して償却をいたして行くとするならば、その設備の耐用命数が尽きた場合には、まさに物価の騰貴割合だけ、極端に申せば二百倍上つたとすれば、その企業の実質資本は二百分の一に減じてしまう。しかしながら従来の税制の上では国民負担のいろいろな問題がございますので、そういつた大資本につきましては、資本の食いつぶしになつてもやむを得ないという形で、実は資本の食いつぶしを前提として、それに対する課税が行われておつた。しかしながら最近におきまして経済の回復と同時に、再評価を行うことによつて、実質的にその企業の資本が正常に維持される限度に再評価を行えば、それに対して課税が行われるということになるのでございまして、名目的には減税になりますが、その減税という意味は、要するに今まで資本の食いつぶしをしていたのをやめるという、消極的な意味合いのものでございます。
○竹村委員 おつしやる通りだと思います。私は初めからそれを聞きたかつたのです。そういうことになりますと、私の考えでは大体おつしやる通りになることだと思うのですが、そうなりますと、結局におきましては大企業、あるいは中小企業もそうでありますけれども、固定資産の大きいものは資本の食いつぶしにならないような形における徴税方法に改める。これが再評価のねらいである。これはその通りでございますが、そういたしますと、現在の国民一般の税金のかけ方と比較いたしまして、国民全体にかけておるのも、おのおの自分の持つておるものを食いつぶしていないかどうか。この辺と比較いたしますならば、これは実に利潤を得る大企業の利益になるように考えるわけであります。資本の方を食いつぶさないということはわかりますが、たとえば農家にいたしましても、あるいはその他の小さいところにおきましても、資産を食いつぶしてでも税金を納めるような形に現在はなつておるのです。この点私は均衡がとれないのではないかと思いますが、この辺はどういうふうに考えておりますか。
○吉田(信)政府委員 その点につきましては、おそらく税法案の御審議の際に十分御論議を尽されていることと存じますが、今回の税制改正においては、個人の所得税の減税というところに特に重点が置かれて、所得の少い者に対して相当減税になるような措置が講ぜられたわけであります。もちろん理想といたしましては、これでいいのかといえば、まだまだ改善の余地は大なるものがあると思うのでありますが、経済の復興というような観点、あるいはまた国家としての種々な仕事というような関係からして、まだ税負担についてはかなり重いものがあると思いますが、これらの点については税法全般の問題として考えられておることだと存ずるのであります。
○竹村委員 その議論はやめておきましよう。しかしひとつ伺つておきたいのは、たとえば資産再評価をやることによつて減価償却が増大する。そうなりますと、相当生産費というものに影響を与えると思うのでありますが、この資産再評価を行うことによつて物価にどれだけ影響したかということを、御調査なさつたことがありますか。
○吉田(信)政府委員 物価騰貴と再評価との関係につきましては、現在私ども的確な資料は何も持つておりませんが、一般的に申しまして再評価はむしろそういつた収益状況をもととして行われるものでございます。現在の場合再々評価を認めようということは、現在の企業の収益力が相当増大して来た。これが単に収益という形になつておりますれば、ややもすると濫費の危險性がある。従いまして適正な償却を行つて、そういつた濫費を行わないようにしようというところに、再々評価のねらいがあるわけであります。いわば再評価をしたからコストが上るという性質のものではなくして、相当償却をし得る余力のあるところが、再評価をするという結果になるであろうと思います。
○竹村委員 結局再評価をいたしますと減価償却を認めるようになるのですが、そうすると、それが生産費の中の原価計算の中に入つて――それだから現在の物価の値上りが、全部再評価によるというようなばかなことは考えておりませんが、その中の一部分というものはやはり物価は上るものだと考えるのですが、もしそういう減価償却を増大して生産費計算の中にそれを織り込んでもなお物価を上げないといたしますと、これはほかの面、たとえば労働賃金の面でこれを押えて行かなければならないと考えるのですが、そういう点はどういうふうに考えておりますか。
    〔小山委員長代理退席、奥村委員長代理着席〕
○吉田(信)政府委員 その点につきましては、現在価格の公定されておる部面はきわめてわずかでございます。大部分が自由価格によつておりますから、再評価をしてそれに応ずる償却費を出すということは、需給の関係からいつて、それだけの収益力がなくてはできないという関係になるのでございます。また公定価格のあるものにつきましては、現在のところは再評価に応ずる償却費というものを、価格の算定の基礎に算入しておりませんが、従つてそういう場合には、現在のところ再評価をしたいが十分行えないという事態も生じております。それらの点については、ここで急いで価格を上げるというような措置がいいかどうかという点に種々問題がありますので、むしろ今度の再々評価につきまして、公益事業等については再々評価をやり得る期限を一年間延長するというような形で、諸般の問題の解決とともに、これらの問題についても何らかの解決がなされるであろうという前提に立つておる次第でございます。
○竹村委員 非常に満足した答弁です。ということは、はつきりしているわけです。公定価格のあるものは、公定価格できめられているから、資産再評価をやつても、価格の改訂が行われぬから、あまり資産再評価が進まない。ということは、結局再評価をやつて減価償却をやると、減価償却の分だけは生産費の中に入つて来る。従つて当然価格を少し上げなければならないが、それが上げられない公定価格の分は資産再評価をやらない。公定価格のない普通のものは、再評価される結果、償却費が増大したその分だけが生産費の中に入つて、物価が上つておる。もし上つていないとすれば、それだけ労働賃金を下げておる。これは今の答弁ではつきりしたと思いますので、これで打切りますが、結局今後これをやられますと、こういうことになつて来ないかと思うのです。今、日米経済協力とかいろいろ言われて、日本はいろいろな形における軍需生産の道を進んでいるわけですが、そこで利潤を得たものは、いわゆる再評価をやつてそれで案をどんどん蓄積して行く。しかしそうでないものは、資本蓄積をするどころか損失しているのだから、あまり資産再評価をやらない、資本蓄積もできないという結果になると思うのですが、この辺はどうですか。
○吉田(信)政府委員 ただいま再評価をした場合に価格を上げなければ、ただちに労賃の方への圧迫になるというお話でございましたが、その点は必ずしもそうであるとは考えておりません。企業の合理化その他の方法によりまして、生産費の低下ということは必ずしも労賃の低下だけがもたらすものではないと存じておりす。そしてまた再評価をすれば、大資本だけがますます資本を蓄積して行くのではないかという御意見に対しましても、これは資本の維持をはかるということでございまして、今までのような資本の食いつぶしをやめるという意味でございます。その限りにおきましては、ふえもしなければ減りもしないという意味での、いわば消極的な性質を持つものであると考えております。
○川野委員 ただいま議題となつております資産再評価法の一部を改正する法律案、及び再評価積立金の資本組入に関する法律案の両案につきましては、すでに質疑も十分に尽されたと思いますので、この際右両案については質疑を打切られんことを望みます。
○奧村委員長代理 ただいまの川野君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奧村委員長代理 御異議なしと認め、右両案につきましては質疑を打切ります。
    ―――――――――――――
○奧村委員長代理 次に関税定率法の一部を改正する法律案、及び関税法の一部を改正する法律案について質疑を許します。竹村奈良一君。
○竹村委員 先に質問いたしました点で、資料がそろつたという話ですから、答弁していただきたいと思います。
○藤田説明員 ただいま参議院でも同じ法案がかかつておりまして、そちらへ行つておりましたので、さつそく取寄せましてお答え申し上げます。
 米国の関税率で最高のものは幾らかというお話でございましたが、向うの税率の規定の仕方はいろいろ複雑になつておりまして、最高のものは、そのうちで多分八五%になつている科目であろうと思われますが、それは生物学、化学、冶金学、外科学用器具、そのうち主としてその器具がガラスよりなるもの、こういう品物が八五%になつておりますが、これが多分最高だろうと思われます。多分と申しますのは、たとえば人絹織物などでは価格に対して六五%、及び一ポンドに対して四十五セントというように、従量税と従価税と併課している科目がありますので、そういうものの従価税率に換算した。パーセントが若干疑問がありますが、多分八五%よりも低いものと思われますので、おそらく先ほど申し上げました八五%のものが最高であろうと考えられます。
 それからわが国から輸出する品物の中で最高のものは何かという御質問でございましたが、わが国からの輸出品に対しましては、最惠国税率が適用されておりますので、概して五〇%以下のものが多いのでありますが、たとえば陶磁器で申し上げますと、平皿及びカツプというのは、国定税率で行きますと五〇%、及び一ダースごとに十セントという税率でありますが、最惠国税率では四二%、及び一ダース十四セントという税率になつております。それから陶磁器の平皿及びカツプ以外のものは、これは最惠国税率がありませんので、もとの五〇%及び十セントという税率がかかるごとになつております。従いましてわが国からのアメリカヘの輸出品で、大体において最高のものは陶磁器その他、つまり五〇%及び一ダース十セントという程度のものであろうと思われます。従つて五〇%よりちよつと高い程度のものと思われます。
 次にカン詰の関税率についてでありますが、このカン詰は肉とか、魚などはいろいろ違う税率がきまつているのでありまして、たとえばわが国から一番多く行くと考えられます魚のカン詰の場合で行きますと、さけとかそのほか特惠されていない魚のカン詰が、従価二五%という国定税率になつております。但し最惠国税率ではこれが従価一〇%になつております。
○竹村委員 これはアメリカでありますが、イギリスの方は一体どうなつておりますか。
○藤田説明員 イギリスにつきましては、わが国からの輸出品でおもなものを御説明申し上げますと、たとえば生糸は一ポンド二シリング二ペンスないし一シリング六ペンスというようになつております。それから綿糸で申しますと従価にいたしまして七・五%、編織物にいたしますと、従価で一七・五%ないし二〇%、それから綿布で漂白しないという項目では二五%というような税率になつております。高いものではガラス製品の三〇%とか、タイルの三〇%というようなものもあります。なお一番高い方では人絹くつ下の従価四三・三%ないしは一ポンド五シリングでありますが、このどちらか高い方を課税するというようになつておりまして、イギリスの場合もやはり固定税率は五〇%に近いものが最高というようになつております。
○竹村委員 この法案を見てみますと、必要なものに対しては別に特例を設けて無税にする。この中に無税のものもいろいろ多いのでありますけれども、そういうものがあるわけです。もちろん食糧等の不足した場合において、食糧に関税を一応取るようになつておりますが、これは不足の場合においては特例を設けるということが骨子でありますけれども、そういたしますと、私の一番疑問とするところは、そういう特例というものがどういう形で出されるか。それはやはり国会に提出するのか。あるいはどういう形でその特例を設けられるか。その点をはつきりしておきたい。おそらくこれは国会に出されるだろうと思うのですが、その辺はどうですか。
○藤田説明員 たただいまの御質問は、主要食糧などを免税する場合に、国会に出されるかという御質問と解釈いたしましたが、これは関税定率法の今度の改正案の第六条に書いてありますように、政令をもつて減免税はきめるというふうに原案は規定してございます。それは外国において主要食糧の価格が非常に上つたというような場合には、なるべく早くこれを減免税を実施する必要があると考えられますので、政令をもつて実施するということにする方が便宜かと考えられます。ただその範囲につきましては、最高額の税率はもちろんこの関税定率法できまるわけでありますが、その免税の品目――もちろん主食の範亜内でありますが、その品目及び免税期間の指定等は政令でするように、今度の関税定率法第六条に規定してございます。
○竹村委員 おそらくこの法案のねらいは、私はそこにあるだろうと考えておつたが、今の答弁で最もはつきりしたわけです。というのは、一応きのうも大臣に伺つたのでありますけれども、二年間にわたつて研究して、ようようこれを仕上げたのだ、こう言われますけれども、現在まだ日本は御承知のように占領下にあつて、従つて自主性を持つていると言われますけれども、実際完全な自主性は持つていないということは、これはたれでも認めるところであります。現在政府の一応意図しているところは、結局野党各派あるいは国民の大半から、自主性がないということを非常に攻撃されている。そこでこういうような関税定率法を出して、あたかも日本が特定の関税をとつて、おれのところは独立国でやつておるというような感じを起させる。一方においては、今仰せのように一切が政令でできる。従つて食糧の方もそうでありまして、それ以外のいろいろな物資も政府の都合のいい、政府の政策に合致するようなものに対しましては、全部これは政令できめられるのだと思うのでありますが、自分の自由意思によつてやつて行くとすると、こういうものはあつてもなくても同じで、一切を政令できめて行く。そうすると、こういうような法案を真剣に審議することはばからしく、何にもならなくなる。しかも国会はあつてもなくても同じことだ。そんなものをここで審議すること自体実に国会の審議権を無視し、その品位を傷つけるものだと考えるのですが、大部分政令できめるというのでなしに、国会で審議してきめるというように訂正なさる意思はないですか。それをお聞きしたい。
○藤田説明員 ただいまのお話は主食の免税つまり米、麦、大麦、小麦粉の場合だけでありまして、これが外国において穀物の価格が非常に暴騰する、あるいは暴落するというような場合に、それに対して関税を課して農村を保護する、あるいは関税を撤廃して消費者を保護するという措置は、価格の暴騰、暴落というような場合でありますから、迅速に行わなければならないと考えられますので、従来も関税定率法におきまして、飢餓の場合などに米及び麦の輸入税を減額することができるということも、やはり勅令によつていたのでありまして、それと同じ例を踏襲いたしまして、そういう緊急の場合に行うのでありますから、政令をもつてその場合に減額あるいは免税をきめる、あるいはその復活も同様であると考えられますが、その場合だけでありまして、そのほかの一般の税率につきましては勅冷、政令をもつて減額し、あるいは免税するということはないのでありまして、すべて法律によることになつております。
○竹村委員 たとえば食糧の消費者を保護するために、無税にするというようなことを言われておりますけれども、私はそういう問題は国内的な措置としてできるものだ。関税はやはり当然関税としてとられる。もしこれが消費者に与える影響が多いとすれば、国内的な予算的措置で、できるだけ減額するとか、あるいは助成するとかいうようなことができるのでありまして、わざわざ政令でこれを行うというようなことについては、非常に私は問題があると思うのであります。しかしまあ議論になりますからやめておきますが、もう一つ聞いておきたいのは、たとえばこういうことを申しますと、共産党はそればかり言つているということになるかもしれませんが、しかし実際は、今日の日本におきましては、ともかく日本がいわゆるアメリカの軍事工場になるということが、再々言われているわけであります。いわゆる日米経済協力の構想でも、日本に軍需生産、いわゆる軍需部分品の製造を許すというようなことになつているわけであります。従つてそういう軍需資材になるようなものについては、一応基礎産業だ、重要産業だということで、ある程度減額されておるが、こういう問題については、今後この法案が通過いたしましたらこの通りにとるのか。あるいはまた何らかの方法で減税されるのか。ここでは非常に低いとか無税というようなものも多いわけでありまするが、この辺はどうでありますか、お伺いしておきたい。
○藤田説明員 外国から軍需産業等の原料等を入れるという場合に、免税措置を政令等でやるかという御質問と解釈いたしましたが、そういう場合には政令等で減免税をするということは絶対にありませんので、この関税定率法の税率を変更するという場合には、むろん法律によつてこの定率法の特例を設ける、あるいはこの定率法を改正するという手続をとることになります。
○三宅(則)委員 動議を提出します。ただいま議題となつております関税定率法の一部を改正する法律案、並びに関税法の一部を改正する法律案、及び公認会計士法の一部を改正する法律案の三案につきましては、すでに質疑も十分尽されたと思われますので、この際右三案については質疑を打切られんことを望みます。
○奧村委員長代理 ただいまの三宅君の動議のごとく決定することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奧村委員長代理 御異議なしと認め、右三案につきましては質疑を打切ります。
○内藤(友)委員 平田さんがお見えになりましたので、ちよつとお伺いしたいと思います。
 織物消費税の問題でありますが、これは今まで議論し尽されておる問題だと思うのでありますが、これはいかがなものでしようか。業者が盛んに納めたやつを返してくれと言うのでありますが、何とかこれは返してやる御意思があるかどうか。技術上非常に困難なことかもしれませんが、一応平田さんのお心持をお伺いしたいと思うのであります。
○平田政府委員 ただいまお話の問題は前国会からの問題でありまして、私ども大分研究してみたのでございますが、なかなか技術的に困難な点等が多々ございまして、この実行可能な案を作成することは、現在までのところむずかしいのではないかと実は考えて参つたのであります。
○内藤(友)委員 まあこれはりくつでもないと思うのでありますが、織物消費税は結局これは消費者が負担するわけであります。ただ徴税が便利だからといつて業者にまわしておつたのでありますが、なるほど返すことの技術は、非常に困難性があるかもしれませんけれども、私は少し良心的に物を考えますならば、何とかその困難なところを乘り越えて、これは返してやるのが私はいい政治じやないかと思うのでありまするが、もう少し御研究なさる御意思がございますかどうですか。とるものはとつてしまつて、そしてもうあとは返さないということでは、物事は収まらぬと思うのでありますが、もう一ぺん平田さんの――今のところは困難かも存じませんが、ひとつ何とか研究してみる。業者の希望をいれることにひとつ骨を折つてみようというお気持があるかどうか。これを伺いたいのであります。
○平田政府委員 なかなかむずかしい問題でございまして、たとえば物品説等も大分課税から廃止したものもございますが、これらのものにつきましても困難がございますのと、実際上の影響が少かつた場合もあろうかと思うのでありまするが、返すような措置は今までいたしておりません。織物にやりますということは、これは全然新規な例を設けることになるわけでございますが、公平な査定がはたしてできるかどうか。ことに織物につきましては、一時脱税品等が大分市場に出まわつていたと思うのでございますが、はたして税を納めたものであるかどうか。そこの確認が第一むずかしい。それから第二には、手持ちの量、卸業等につきましては大体できると思いますが、小売業者それから既製服業者の手持ち数が非常に多くなりますと、なかなかこれはむずかしく、問題がかえつて紛糾する場合もありはしないかという点が感じられたわけでございまして、今まで研究の結果は、どうもなかなかこれならば大丈夫ということの実行案を得るまでに、実は至つていないのでございます。
○内藤(友)委員 まことにどうも淋しいお答えでありますが、こういうことを政府としましても良心的に、まじめにお考えいただくことが、徴税成績を上げるゆえんでありますので、とるものはとるぞ、あとは返さぬぞ――実は私は一昨年でありましたか、所得税を少しよけい納めてあるのですが、今まで何の音さたもないということでありまして、そういうふうなやり方は私は結局いかぬじやないか。今日新聞紙上で税金が多いので死ぬとか何とかいうことが、ひんぴんとして出て来ますが、これはやはりあなた方として、税の立法者としてもつと真剣に、まじめにお考えなさる必要があるのじやないかと思います。これからでも遅くないのでありますが、いかがでしようか。この織物消費税をわかるものは何とか返してやるというお気持で御研究願えるかどうか。イエスかノーかさえ御返事いただけばいいので、いつものような平田さんの能弁をお聞きしようとは考えませんが、お心持だけをお漏らし願いたいと思います。
○平田政府委員 同じことをお答えするようでございますが、今まで実は大分研究したのでございますが、実行可能という結論をまだ得ていないということを申し上げておきたいと思います。
○奧村委員長代理 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時五十八分散会