第010回国会 本会議 第23号
昭和二十六年三月二十四日(土曜日)
 議事日程 第二十二号
    午後一時開議
 第一 議員川上貫一君懲罰事犯の件
 第二 外資に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 国土調査法案(内閣提出)
 第四 外国為替資金特別会計法案(内閣提出)
 第五 緊要物資輸入基金特別会計法案(内閣提出)
 第六 農業共済再保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第七 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部を改正する法律案(夏堀源三郎君外二十三名提出)
 第八 結核予防法案(内閣提出)
 第九 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十 船員保険法の一部を改正する法律案(丸山直友君外二名提出)
 第十一 精神衛生法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 第十二 中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十三 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十四 大蔵省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十五 法務府設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十六 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、公共船員職業安定所の設置に関し承認を求めるの件
 第十七 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十八 食糧の政府買入数量の指示に関する法律案(内閣提出)
 第十九 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二十 競馬法の一部を改正する法律案(小笠原八十美君外七名提出)
 第二十一 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
 第二十二 国会閉会中委員会が審査を行う場合の委員の審査雑費に関する法律案(議院運営委員長提出)
 第二十三 衆議院事務局職員定員規程中改正案(議院運営委員長提出)
 第二十四 衆議院法制局職員定員規程中改正案(議院運営委員長提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 彈劾裁判所の裁判員辞任の件
 彈劾裁判所の裁判員の補欠選挙
 日程第一 議員川上貫一君懲罰事犯の件
 日程第二 外資に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 国土調査法案(内閣提出)
 日程第四 外国為替資金特別会計法案(内閣提出)
 日程第五 緊要物資蔵入基金特別会計法案(内閣提出)
 日程第六 農業共済再保險特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部を改正する法律案(夏堀源三郎君外二十三名提出)
 日程第八 結核予防法案(内閣提出)
 日程第九 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十 船員保險法の一部を改正する法律案(丸山直友君外二名提出)
 日程第十一 精神衛生法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 日程第十二 中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十三 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十四 大蔵省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十五 法務府設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十六 地方自治法百五十六條第四項の規定に基き、公共船員職業安定所の設置に関し承認を求めるの件
 日程第十七 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十八 食糧の政府買入数量の指示に関する法律案(内閣提出)
 日程第十九 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二十 競馬法の一部を改正する法律案(小笠原八十美君外七名提出)
 日程第二十一 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
 日程第二十二 国会閉会中委員会が審査を行う場合の委員の審査雑費に関する法律案(議院運営委員長提出)
 日程第二十三 衆議院事務局職員定員規程中改正案(議院運営委員長提出)
 日程第二十四 衆議院法制局職員定員規程中改正案(議院運営委員長提出)
 裁判官彈劾法の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
    午後三時一分開議
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) お諮りいたします。田中伊三次君から彈劾裁判所の裁判員辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) つきましては、この際彈劾裁判所の裁判員の補欠選挙を行います。
○福永健司君 彈劾裁判所の裁判員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて議長は、彈劾裁判所の裁判員に椎熊三郎君を指名いたします。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第一、議員川上貫一君懲罰事犯の件を議題といたします。
 川上貫一君から一身上の弁明のため発言を求められております。この際これを許しますが、弁明の範囲を越えないよう御注意を願います。川上貫一君。
    〔川上貫一君登壇〕
○川上貫一君 一身上の弁明をいたします。
 自由党の諸君は、去る一月二十七日、日本共産党を代表して行つた私の質問演説を、占領政策違反であると、こう言つておる。そして、私を懲罰に付することを提案した。その上で、懲罰委員会においては、多数をたのみ、私に陳謝させる演義を通過させておる。私は言うが、これこそ国会史上未曽有の、卑劣きわまる、恥知らずの懲罰である。(拍手、「何を言うか」と呼ぶ者あり)
 そもそも私の質問演説は、日本の政治がポツダム宣言に違反し、極東委員会の諾決定に違反し、日本の非武装化と民主化の義務を踏みにじつておることを、これを事実をあげて指摘したんだ。すなわち私は、アジア侵略の拠点とするために日本━━━━━━━にし、日本を━━━し、軍需産業を復活、し、人民に対しては━━━━━━━━━━━━して、日本の民主化を━━━━━━し、アメリカとの單独講和を━━━━━━いる事実を指摘したんだ。(拍手、「陳謝じやないぞ」と呼び、その他発言する者あり)私の演説は、戰争に反対し、平和のため独立を守ろうとする日本人民の意思を完全に代表しておる。しかるに政府は、これに何と答えたか。一言も答弁することができないんだ。
 自由党の諸君は何と言うたか。諸君は私の演説を、事実無根であり、虚構であり、捏造と宣伝であり、占領政策違反であると騒ぎ立てたのである。しかし、私の演説がはたして無根と虚構と捏造の宣伝であつたかどうか。そうではない。反対に、私の演説内容は厳然たる事実であり、当然の質問であつたことは、数回にわたる懲罰委員会の質疑、私の答弁によつて、まつたく明らかになつておる。それだけではない。私の演説以来二箇月、その間に内外政治上に現われた、たくさんの新しい事案は、私の演説がいかに正当なものであつたかを明らかに証明しておる。(拍手、発言する者あり)私はここで、このうちの一つ二つの事実を取上げ、私の演説がいかに正しいものであつたか、またいかに竪要なものであつたかを明らかにし、同時に私の演説は、議院の品位を傷つけるどころか、反対に議院の威信を高めたことを明らかにしておく必要がある。(拍手、「何を言つているか」と呼ぶ者あり)
 まず第一に、去る二月二十一日ベルリンで開かれた第一回世界平和評議会における報告と決議である。この国際会議は、西ドイツと日本の軍事的復活を徹底的に非難しておる……。
○副議長(岩本信行君) 川上君――川上君に御注意申し上げます。――御注意申し上げます。御議論にわたらぬように願います。
○川上貫一君(続) 重大な抗議を決議しておる。そうしてこの会議は、日本で多数の兵器工場が兵器を生産しておる事実を指摘しておる。さらに郭沫若中国代表は、吉田内閣は━━━━━━━━━━━━━、日本民族の利益を━━━━、人民の利益に反する行動をとつておることを、事実をあげて非難しておる。
○副議長(岩本信行君) 川上君に御注意申し上げます。弁明の範囲を越えておると存じますから、再度御注意を申し上げます。
○川上貫一君(続) それだけではない。同代表は、軍需工場及び軍用道路等の軍事使節で、━━━━━━━━━━━━━━━になつておる、北海道から九州に至るまで点在する飛行場は━━━━━━━━━になつておることを、はつきり言つておるんだ。自由党の諸君、諸君にとつては、これもまた無根と虚構と架空と捏造であるのか。
 さらにこの国際会議においては、日本の單独講和と再軍備を断固非難しておる。そうして、日本における公然、非公然の一切の軍事組織、軍事機関を禁止することを要求しておるんだ。日本の講和條約に関しては、日本、アジア、アメリカ、大洋州各国に国民投票を要請する法蔵を採択しておる。(「何を言つてるんだ」と呼ぶ者あり)自由党の諸君、諸君はこれをどう考えるのか。この国際会議で、八十箇国の代表によつて、このように問題とされ、このように明らかにされておる事実が、日本の国会の中では虚構であり、捏造であり、宣伝であり、懲罰であると諸君は言うのか。(拍手)これが日本の国会であれば、日本にあり、もはや自由もなければ……。
○副議長(岩本信行君) 川上君、再々御注意をいたしましたが、弁明の範囲を越えておりますので、発言を中止いたします。
    〔川上貫一君発言を継続〕
○副議長(岩本信行君) 川上君、降壇を命じます。
    〔川上貫一君なお発言を継続〕
○副長(岩本信行君) 執行。
    〔発言する者多し〕
○副議長(岩本信行君) 御静粛に願います。ただいまの川上君の発言中、不穏当の言辞があつたようでありますので、速記録を取調べの上、適当の処置を講じます。(拍手)
 川上貫一君の退席を求めます。
 委員長の報告を求めます。懲罰委員長土倉宗明君。
    〔土倉宗明君登壇〕
○土倉宗明君 ただいま議題と相なりました議員川上貫一君懲罰事犯の件につきまして、委員会における審査の経過及び結果を簡単に御報告申し上げます。
 本件は、去る一月三十一日、院議をもつて本委員会に付託されたものでありますが、委員会としましては、事議員の一身上に関する問題でありますとともに、ことに問題となりましたのが川上議員の本会議における発言内容に関するものであります関係上、單なる暴行事件等とは異なり、議院における言論自由の原則にも重大な関連を有します点にかんがみまして、本件の審査には特に愼重を期し、委員会といたしましては、付託以来十分の時間を費しまして、ただすべきものはただし、弁明の聞くべきものは聞きまして、終始公正なる立場より検討を加えますとともに、特に議院における言論自由の精神から、いやしくも同君がその包蔵する主義思想または政策に基いてなされた言論について云々するがごときことをあくまで避け、ただ議院の秩序を乱す不穏当な言辞があつたかいなかの点に限ることを委員会の一貫した審査方針といたした次第であります。
 審査の経過といたしましては、まず二月一日、佐々木盛雄君より懲罰動議提出の理由について説明を聞き、引続き本人川上貫一君の一身上の弁明を聽取いたしました。次いで二月二日より二月十七日に至る間、六回にわたり委員会を開き、川上君に対して弁明を求め、審議を重ねたのであります。その内容の詳細については会議録に譲りますが、各委員から不穏当と患われる数箇所の言辞について本人に弁明を求めましたが、これに対する川上君の弁明は、要するに不穏当な言を用いたとも、無冠な言辞を弄したとも、議院の品位を傷つけたとも全然考えないとのことであつたのであります。質疑を終了するにあたりまして、特に委員長より、川上君に対し、いやしくも議員として議院の秩序を尊重する精神を有するならば、質疑に盛られている思想、政策等については別として、單に不穏当な言辞について率直に取消す意思はないかと謙虚なる反省を促したのでありますが、同君は、自分の発言には少しも不穏当な点はなく、従つてこれを取消す意思はないことを表明されたのであります。
 質疑終了の後、三回の理事会を開きまして、本件の取扱いにつき慎重協議をいたし、各党の態度について御準備を願いました後、三月九日、川上君に対し懲罰を科すべきかいなか、懲罰を科するとすれば、国会法の定めるどの懲罰條項によつてこれを処するかについてお諮りいたしましたところ、自由党佐々木委員より、川上君の演説は、その内容に盛られたる思想はこれをおくとしても、その演説中に用いられた若干の言辞にはきわめて不穏当なものがあり、また同僚議員を侮辱するがごとき言辞を含むものであつて、議院の秩序を乱し、議院の品位を傷つけ、かつまた無礼の言辞を用いたことは明らかであるから、国会法第百二十二條第二号の規定により公開議場における陳謝を命ずべきものと議決すべしとの動議が提出され、社会党猪俣委員より、川上君の演説は、国会における言論自由の原則から判断して、議院の秩序を乱し、議院の品位を傷つけ、無札の言辞を弄したことは認められないから、懲罰を科すべきでないとの動議が提出されました。これを一括討論に付しましたが、自由党鍛冶委員及び国民民主党小川委員よりそれぞれ佐々木委員の陳謝の動議に賛成で、懲罰事犯にあらずとの猪俣委員の動議に反対の旨の意見開陳があり、社会党猪俣委員及び共産党梨木委員より、佐々木委員の陳謝の動議に反対で、猪俣委員の懲罰を科すべからずとの動議に賛成の意見の開陳がありました。討論の詳細は会議録に譲ることといたしますが、ただ特に川上君の懲罰に反対の討論をされた社会党猪俣委員も、川上君の発言には言辞として激越に過ぎるものがあつたこと、及び川上君が委員長の寛容なる取消しと反省の勧告に対し全然その意思なしとして適当なる態度をとらなかつたことについて遺憾の意を表明されましたことを、一言申し添えておくにとどめます。(拍手)
 討論を終り、採決の結果、多数をもちまして、佐々木委員提出の動議のごとく、国会法第百二十二條第二号により公開議場における陳謝を命ずべきものと決した次第であります。
 その陳謝文案を朗読いたします。
  陳謝文案
 私こと、昭和二十六年一月二十七日の本会議において日本共産党を代表して行つた質疑中、きわめて不穏当の言辞を用いましたことは、議院の品位を保持し、秩序を守るべき議員の職責上、顧みてまことに申訳ありません。
 ここに誠意を破れきして衷心より陳謝いたします。
 なお本件の審査進行中に、委員長及び一部委員に対し、それぞれ何十通という脅迫的書状を送りまして、各委員の職務遂行を院外から牽制せんとするものがありました。このことは、議会制度の本旨にかんがみまして遺憾とするところでありますが、かかるものに左右されることなく、各委員が毅然として、議員としての良心と信念に従い、その職責を果されましたことを申し添えて、私の報告を終ります。何とぞ愼重審議の上、委員長の報告に御賛同あらんことを希望する次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これより討論に入ります。梨木作次郎君。
    〔梨木作次郎君登壇〕
○梨木作次郎君 私は、日本共産党を代表して、議員川上貫一君の懲罰に絶対反対するものであります。(拍手)
 そもそも懲罰の対象となつた川上君の演説は、今の日本のすべての人民が最も心配し、深い関心を持つている、戰争か平和か、独立か奴隷か、さらに日本を戦争に導く再軍備と單独講和の策謀の問題につき、具体的な事例と国際的な輿論を示して吉田総理に質問したのであります。しかるに吉田総理は、この国民の最も聞きたいと思つておる重大質問に対し、それは共産主義の宣伝であると称して、不当にも答弁を拒否したのであります。しかも、それだけではなく、吉田政府の與党自由党は、川上君を懲罰せんとしているのであります。あらためて言うまでもなく、懲罰委員会における審議により、川上君の懲罰がいよいよますます理由なきことが明らかになつたのであり、このことは委員会の速記録によつて明瞭に証明されているのであります。しかるに、自由党並びにこれに同調する諸君が、国権の最高機関たる国会における言論の自由を蹂躙してまでも、あえて川上君を懲罰せんとしているのであります。
 一体、これは何を企図するものでありましようか。それは明白であります。第一に、川上君の演説が、国際帝国主義のための吉田政府の――を完膚なきまでにあばいたからであります。日本をアジア侵略の――となし、日本を――とし、日本人民を――――に供せんとするたくらみにつき、事実をあげて質問したからであります。あたかも痛いととろにさわられて、驚いて飛び上るそれのように、あわてふためいて、人民の前に事実を隠蔽せんとする策謀、これが川上懲罰であります。(拍手)しかしながら、川上君が指摘し、政府に尋ねた問題が、いかに緊急かつ重大であつたかは、その後どしどし実行に移されつつある、容易ならざる事実によつて明らかであります。
 たとえば、伝えられるダレス特使の対日講和構想については、――――を意味することは、今では、日本国民はもとより、世界周知の事実であります。しかしながら、かかる対日講和構想は、平和と独立を願う日本人民の絶対に承服し得ないところであります。(拍手)されば、国会が真に人民の声を代表する場所であるならば、その国会において、平和と独立を願う人民の切実なる要求をひつさげ、日本を――に導く吉田政府の單独講和政策に断固反対することは当然許されなければならないし、また国会議員の果さなければならない重大任務であるといわなければなりません。(拍手)しかるに、この愛国の叫びが国会において懲罰されるがごとさは、もはや日本の国会が日本人民の声を反映せず、日本人民の国会でなくなつたことを暴露するものであります。国を憂え、人民を思う一片の良心さえあるならば、かかる懲罰には絶対賛成できないはずであります。
 第二に、この懲罰は、川上演説が、吉田政府のとつている――、すなわち戰争挑発者のため日本の政治、経済、産業並びに国土と人的資源をあげて世界平和勢力に対する――に供せんとする政策に反対したからであります。すなわち吉国政府は、昭和二十六年度の予算において、一般予算六千五百億円のうち、軍事費並びに軍事的支出と見なされるものにその七〇%、すなわち四千五百億円を計上しておる。また外資導入法、緊要物資輸入基金特別会計法、資金運用部資金法、日本開発銀行法当による軍事資材の輸入と軍需品の生産により、世界の反動勢力の――に協力せんとしておる。さらに行政機関職員定員法の改正、警察法の改正その他による行政機構の改編、警察予備隊、海上保安庁、航空庁の設置により事実上の軍隊の復活をはかり、日本を軍事植民地的に再編せんとしている。
 以上のごとき政策に対し、日本共産党は、民族の独立と自由を守るため、その陰謀を徹底的に暴露し、粉砕するために躍つている。それゆえに、これに恐れおののいた内外反動が、日本共産党の非合法化を策謀し、あらゆる手段を弄して日本共産党と人民を彈圧しているのであります。川上懲罰は、まさにかかる策動の最も卑劣なる一環であります。かような暴挙こそ、国会から自由と民主主義の最後の一かけらまでも奪い去らんとするものであり、――に道を開くものであります。共産党員でなくても、自由と民主主義を守る決意の片鱗だにあるならば、かかる懲罰には絶対反対すべきであります。
 第三に、またこの懲罰は、戰争に反対し、自由と平和と民族の独立を守るための全面講和の愛国運動をまず国会において――し、これをきつかけに全人民の平和と独立の運動に――――を加えんとする第一歩であり、日本人民に――を押しつけようとするものであります。またこの懲罰は、日本政府が過般強行した、平和と独立を日本人民に訴え、呼びかけた新聞「平和のこえ」の発行を停止し、その関係者五百余名を逮捕投獄したことや、去る三月三日、東京都練馬区における民主党、社会党、共産党、労農党、四党の主催する全面講和の区民大会を禁止し、その他全国にわたり、平和と全面講和の集会をことごとく禁止し、ひたすら――――に驀進せんとする内外反動の一連の動きと切つても切れない関係にあり、平和と自由と独立を脅かす最も憎むべきしうちといわなければなりません。(拍手)だがしかし、内外反動がいかに川上演説を懲罰にし、戰争と再軍備反対の全面講和運動を彈圧しようとも、全面講和を熱望する幾千万の人民大衆は、川上演説を熱狂的に支持し、かつ具体的行動によつて反動の陰謀を粉砕しているではないか。たとえば和歌山県議会は、去る二月二十七日、全国講和促進、再軍備反対の決議を可決しておる。(拍手)しかも、かかる決議は、ほうはいたる全面講和の愛国運動とともに、続々と全国に展開されるでありましよう。
 さらに海外においては、昨年十一月、七億の平和投票を背景とする八十箇国の代表をもつて開かれた第二回平和擁護世界大会の決議に基き、去る二月下旬ベルリンにおいて開催された世界平和評議会では、対日全面講和の締結、日本の再軍備反対、講和後の占領軍の即時撤退を決議しておるのであります。また中華人民共和国においては、ダレス氏訪日以来、米日單独講和反対、日本の再軍備反対の大デモンストレーシヨンが、全国にわたつて連日のごとく展開されておるのであります。(拍手)さらにインドその他のアジア諸国は、世界平和のため対日全面講和を提唱し、主張しておるのであります。かくて、内外の平和愛好諸勢力によつて、戰争と再軍備の單独講和は粉砕され、平和と独立の全面講和の道は洋々として開かれておるのであります。(拍手)
 私は最後に、自由党並びにその同調者に警告します。かくして川上君を懲罰にしたものが、全世界の平和諸勢力によつて、やがて厳粛に審判される日が刻々と近づきつつあることを銘記すべきであります。(拍手)
 以上によつて、議員川上君の懲罰に日本共産党は絶対反対するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) ただいまの梨木君の発言中不穏当の言辞があるようでありますから、速記録を取調べの上、適当な処置をとることといたします。
 鍛冶良作君。
    〔鍛冶良作君登壇〕
○鍛冶良作君 私は、自由党を代表いたしまして、委員長の報告に賛成の意を表せんとするものであります。(拍手)
 一月二十七日の本会議場で行われた川上君の演説は、日本共産党を代表して行われたのでありまして、共産党の意思を代表して宣明されたもの、換言すれば同党のテーゼを述べられたことは、同君の弁明によつても明らかであります。従いまして、同党の本旨であるマルクス・レーニン主義に基く、議会を革命の具に供する思想に出たものにほかならないのであります。このことは、川上君が同僚西村直己君の質問に対して答弁されたことで明瞭であります。すなわち、資本主義に社会主義の議会があるはずがない、われわれは資本主義の中に生きておる、従つて、この資本主義を改革して、革命して社会主義の方向へ持つて行くという精神を共産党は持つております、これは共産党の精神でありますと言つて、資本主義の議会を社会主義の議会に革命することが同党の精神であると明言しておるのであります。しかも、この革命たるや、国民を惑わしめ、これによつて社会の混乱を惹起し、この挙に乗じて、暴力をもつてこれを成就せんとするものであることは、同党の過去における行動によつて明瞭であるといわなければなりません。(拍手)従いまして、同君の演説すべてが現在の秩序破壊の目的であり、議会の秩序破壊にほかならなかつたのであります。しかもこの演説は、質問に名をかつて議会破壊の宣言をいたしたものと断ぜざるを得ないのであります。
 その第一は、現在の日本が占領治下にあることを無視し、かえつて占領軍は日本及びアジアを――――であると断定しておることであります。しかして、終戰処理費が朝鮮に対する――のために使われておるとか、――――となつておるなどと言つて、占領軍の行動を――――であると断定しております。しかして、この事実を前提といたしまして、今日総理大臣はこの歴然たる事実を知らないとおつしやるのでありますか、総理大臣は日本人民の意思を明らかに踏みにじつておる、総理大臣はポツダム宣言、極東委員会の諸決定に――、と断定いたしております。これは明らかにポツダム政令第三百二十五号占領目的阻害行為処罰令第二條に違反するものであり、日本政府の責任の及ばない、純然たる占領軍の行動を曲否いたしまして、日本政府の大責任のごとくしいる暴言といわなければなりません。その上、これに援用せられましたる事例は、ことごとく虚構もしくは誇大されたものでありまして、すべて今日の世界情勢において人心を惑わしめ、日本の国威を失墜せしめんとしたものであります。(拍手)
 中にも、朝鮮における国際連合軍の騒起は、北鮮共産軍が不法に三十八度線を突破、侵略して来たことに起因いたす国際警察軍としての行動であることは、論をまたないところであります。しかるにかかわらず、これは――――であり、国連を――にし、――――を実現する機関としておると言い、これによつて朝鮮の人民は殺され、家は焼かれ、国土は戰争と爆撃で焼野原になつてしまつた、あまつさえ――――を言明しておる、こんな安全保障はどこにある、これは危險保障である、と断言いたしております。
 さらに、日本の政治は、――――として、中国や朝鮮に対する――にしようとしておる、と言つておる。しかして、総理大臣は――を彈圧し、大橋法務総裁は、東日本重工業丸子工場の労働者に対して、――なるがゆえに基本的人権はないのであると明言しております、などという、でたらめを並べておるのであります。戰争奴隷を望み、国民を再軍備に扇動しておる危険な反動政治家がある、現に――の、ごときは、その最も有名な代表の一人である、(「その通り」)ことに吉田内閣に至つては、これは言語道断、国民に何一つ相談もせず、国会にも諮らず、外国の力を借つて、こつそりと――――をつくつておる、などと言明しておるのであります。これは同僚議員に対する重大なる侮辱であつて、明らかに国会法第責十九條の違反であり、わが国の信用を国際的に失墜せしめんとする非国民的言動と申さなければなりません。(拍手)
 ことに容赦のならないことは、松川事件に対する非難であります。かように言つておる。このような狂暴の政治の集中的な現われとして松川事件を指摘したい、(その通り)かように前提いたしまして、そもそも松川事件は、架室の捏造事件である、検察当局が頼みとする証拠物件と称するものは何であるか、それは外国文字入りの、バールと、使いものにならぬ小さなスパナの、たつた二つがけである、それ以外こは何もない、反対に裁判所の調べによつて事実無根が明らかになつたのであります、しかるに日本の支配岩は、民主主義勢力に対する恐怖政策のため裁判所を圧迫し、この無実の労働者二十名に対し、五名を死刑にし、十五名を無期懲役その他の重刑に処する未曽有の判決を下しておる、これは憲法と人権に対する冒涜であります、だからこそこの陰謀は、今や中国を初め全世界の民主勢力の一大抗議運動となつて摘発されている、われわれは政府に対し、即刻松川事件に関する全被告を無罪釈放することを要求する、と宣言しておるのであります。(「あたりまえだ」と呼ぶ者あり)
 一体、裁判所の調べによつて事実無根が明らかになつたのだとは、何によつてかような断定ができたのでありましよう。しかも、しかるに日本の支配者は、裁判所を圧迫し、重刑に処する未曽有の判決を下しておる、と断定するがごときは、日本政府が行政権力をもつて同法権を圧迫したということであります。三権分立の大原則によつてできておりまする日本国憲法を現政府が蹂躙したという断定でありまして、まことにあり得べからざることを、あつたと断定したものである。かかる言辞を国会においてあえてすることは、まことに議院の秩序を乱し、議院の品位を傷つくること、これよりはなはだしきはないと断言いたします。(拍手)
 以上の事実を総合いたしまするに、第一は、虚構の事実を重ねて日本政府並びに日本国の信用を失墜せしめんとしたものである。第二は、占領軍を誹謗してポツダム政令第三百二十五号に違反したものであります。第三は、同僚議員に対して重大なる恥辱を與えたもので、以上すべて憲法第五十八條、国会法第百十六條及び第百十九條、衆議院規則第二百三十八條及び第二百四十五條に違反したること、まことに明瞭でありまして、これこそ極刑に値するものと断ぜなくてはなりません。(拍手)
 なお重大なことは、この演説を広く院外に流布いたしまして、モスクワ放送並びに対日理事会でこれを請売りさせております。近くあ、懲罰委員会の速記録を複写して世間に流布しておる事実があります。これは一層その罪重しと断ぜなければなりません。(拍手)しかしてこれは、ひとり川上君だけの処置では済まぬことであると思う。すなわち、共産党そのものも同罪、いな同罪というより、その主犯として同党自身を極刑に処すべきものであると信ずるものでありますが、これは懲罰委員会の任務ではありませんから、適当な機関においてこれを処断せられんことを望んでやまないものであります。
 以上により、川上君の懲罰は、衆議院規則第二百四十五條により除名を相当と信ずるものでありまするが、翻つて今日の国際情勢をながめまするとき、川上君を除名しただけでは、これによつて失墜されたる日本政府並びに日本国の信用を回復することはできません。日本の国会において、かかる言辞を弄したことは、重大なるあやまちであつたとして、あらためてこれを中外に宣明させることが何よりも必要なことだと信じまするがゆえに、川上君に物理的制裁を科するより、言論をもつて傷つけたる信用を言論によつて回復せしむることが何よりの急務と信じますから、ここに川上君に対し、これに相応する内容の陳謝文を朗読せしめることを適当と信ずるものでございます。よつて委員長の報告に賛成いたす次第でございます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 本件の採決をいたします。議員川上貫一君懲罰事犯の件委員長報告に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて議員川上貫一君懲罰事犯の件は委員長報告の通り議決いたしました。(拍手)
 川上貫一君の入場を許します。
 ただいまの議決に基き宣告いたします。昭和二十六年一月二十七日の議場における議員川上貫一君の発言は不穏当なものと認め、同君に対し国会法第百二十二條第二号により公開議場における陳謝を命ずべきものと議決いたしました。よつて議長は、川上貫一君に対し、委員会起草の文案を朗読し陳謝の意を表すべきことを命じます。(拍手)
 川上貫一君の登壇を求めます。川上貫一君。
    〔川上貫一君登壇〕
○川上貫一君 一身上の弁明もさせないで、陳謝などとはもつてのほかだ。この陳謝文は議長にお返しする。(拍手)
    〔発言する者多し〕
○副議長(岩本信行君) 御静粛に願います。御静粛に願います。
 川上貫一君は院議に従いませんから、議長は川上貫一君を懲罰委員会に付することといたします。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第二、外資に関する法律の一部を改正する法律案、日程第三、国土調査法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。経済安定委員長圖司安正君
    〔圖司安正君登壇〕
○圖司安正君 ただいま議題となりました外資に関する法律の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のごとく、わが国の自立経済の達成と発展をはかり、国際收支の均衡を維持せんがためには、国内資本の蓄積とともに民間外資の導入を促進することのきわめて必要なることは申すまでもありません。これがために、昨年外資に関する法律を制定いたしまして、外資導入に資する法的措置を定めたのでありますが、本法第二條にも明らかなごとく、わが国に対する外国資本の投下はできる限り自由に認めらるべきものであり、届出または認可の制度は、この必要の減少に伴い逐次緩和または廃止さるべきものであります。最近の諸情勢から見ますれば、今やこれらの制限を緩和すべき時期に立ち至つたと認められるのでありまして、この際外国投資家の株式取得に関する従来の制限を緩和して外資導入をますます促進せんとするのが、今回の改正を行う目的なのであります。
 本案の内容を申し上げますれば、第一に外国投資家の株式取得の制限を緩和しようというのであります。それは、当該法人の財産の増加をもたらす株式、すなわち新株の取得については、配当金の外国向け支拂いを保証する必要のない限り認可を要せず、外資委員会に届け出れば足りるものとしたのであります。また当該法人の財産の増加をもたらさない株式、すなわち旧株の取得については依然認可制度をとるが、その取得が投資計画の一部でない場合でも、外貨または外貨と同等の価値のあるものを対価として取得する場合に限り認可し得ることといたしたのであります。
 第二に、外国投資家が本邦において所有する財産が強制的に收用または買收された場合における補償金の外国向け支拂いについて、その手続を明らかにするため第十七條の規定を整備したのであります。
 第三に、外国人の財産取得に関する政令の規定に基く認可を受けて、外国投資家が取得した株式で、外資に関する法律の基準に照して妥当と認められるものについては、配当金の外国向け支拂いを確保する道を開くようにいたしたのであります。
 本案については、去る三月十五日に提案理由の説明を聽取して審議に入り、二十日に質疑をいたしましたが、従来投資計画の一部でなければ投資できなかつたものが、投資計画がなくとも投資し得ることに改正したために、好ましからぬ外国人の株式取得によつて財界を撹乱されるおそれがないかとの質問に対し、政府は、かかるおそれがないよう十分に注意しており、外国人の取得株式の配当金で送金を将来予想されるものは毎年四万ドル程度の見込みであつて、これがためにわが国の財界が撹乱されることがないと信ずるとの答弁がありました。また土地その他の不動産取得が、外国投資家のみならず、外国の宗教団体や公益団体より申請された場合、それがわが国の重要資源の保全や自作農耕地の保護の上から好ましくない結果を生ずるおそれはないかとの質問に対し、政府は、まつたく同感であつて、従来外国人がわが国内でもうけた不当な邦貨で取得せんとするものは、これに許可を與えず、農地法等によつても抑止はしているが、今後は一層注意を拂う旨の答弁がありました。なお日米経済提携問題との関連についても質問がありましたが、これに対し政府は、自立経済をそこなわない限り提携は望むところだが、外資の導入は、わが自立経済が達成され、日米経済提携ができてから初めて本格的になるものであると思うとの答弁がありました。
 かくて二十日、討論を省略いたして採決に入りましたが、本案は全員一致をもつて原案の通り可決されました。
 次に国土調査法案について、委員会における審議の経過並びに結果を報告申し上げます。
 近く講和を控えたわが国といたしましては、経済の自立をできるだけすみやかに達成することが絶対に必要でありまして、これには生産の向上発展と、貿易の飛躍的拡大をはかるとともに、これが前提として国土資源を最大限に活用いたしまして、わが国民経済の基盤を一層充実さして行かねばならないのであります。すなわち、土地の利用度を保持するために国土を保全し、国土利用を一層高度化し、国土の人口扶翼力を強化するために、その基礎條件として土地及び水に関連する幾多の施策を必要とするのでありますが、これが適切有効なる実施には、その計画及び具体化の基礎として国土の量的及び資的の実態を正確に把握しなければならないのであります。本案は、実にこの国土の実態を科学的かつ総合的に調査し、国土の開発、保全及び利用の高度化に資することを目的とするものであります。
 本案の内容について申し上げますれば、国土調査とは基本調査、土地分類調査、水調査及び地積調査をいうのであります。基本調査とは、土地及び水の測量の基準となる基準点測量並びに土地及び水の所在及び面積、行政区画の境界及び面積に関する測量及び調査を行い、国土調査基本図を作成することをいうのであります。土地分類調査とは、土地利用現況及び主要な自然的要素並びに收量に関する調査を行い、土地利用現況図、土壌図、土地保全図及び土地收量等級図を作成することをいうのであります。水調査とは、気象、流量、水質、流砂状況、取水量、用水量、排水量及び水利慣行等、治水及び利水に関する調査を行い、治水図及び治水台帳並びに利水図及び利水台帳を作成することをいうのであります。地籍調査とは、毎筆の土地の所有者、地番、地目、地積及び境界に関する測量及び調査を行い、地籍を作成することをいうのであります。
 第一に、この国土調査の計画及び実施については、基本調査は政令で定める国の機関及び都道府県、土地分類調査と水調査は国の機関、地方公共団体及び土地改良区その他政令で定めるもの、地籍調査は地方共公団体及び土地改良区その他政令で定めるものが当るのであります。
 第二に、国土調査に関する業務は経済安定本部において統轄することとし、そのために経済安定本部に国土調査審議会を設け、国土調査に関する重要事項について調査審議し、調査の実施は関係各省庁が各所管に応じてこれを行うことにしたのであります。なお国土調査審議会は、経済安定本部総務長官及び委員三十人以内で、委員は関係行政機関の職員及び学識経験者から総裁が任命する者をもつて組織することにしたのであります。
 第三に、国土調査が実施される都道府県に国土調査委員会を設置し、都道府県の区域内における国土調査の実施のため必要な連絡及び調査を行うこととしたのであります。この国土調査委員会は、都道府県知事、当該区域内における市町村長の代表者二人、関係行政機関の職員及び学識経験者から知事の任命する八人の者をもつて組織することにしたのであります。
 第四に、国土調査の結果作成された地図及び簿冊につき認証の制度を設けて国土調査の精度を確保するとともに、この成果によつて土地台帳等の訂正を行うことができるものとし、なお国土調査を行う地方公共団体等に対しては予算の範囲内で所要の補助をなし得るものとしたのであります。
 本案については、去る三月十三日に提案理由の説明を聽取し、審議に入りましたが、本案のわが国民経済上における重大性にかんがみまして、政府より詳細なる資料の提出を求め、最も熱心なる質疑応答が行われたのであります。すなわち、かかる計画は徹底的に一貫した方針のもとに、国が負担して、法律上の強制力をもつて実施すべきではないかとの、質問に対し、政府は、それはまことに望ましいことであるが、財政上の理由から国が全部を負担することが困難であるから強制力を持たないものとしたが、しかし基準点の測量その他基本調査、分類調査、水調査等、全国にわたるもの及び重要なるものは国が負担して実施し、細部にわたるもの及び自発的に地方が望むものは地方に実施せしめることとし、また国が直接負担せずとも、地方負担のものについては、国から補助金として財政の許す限り支出するから、この実施は困難ではないと思う、との答弁がまりました。また地籍に関して所有権の問題があるが、これがために紛争を惹起することはないか、また土地所有者がこの調査を喜ばないということはないかとの質問に対し、政府は、この調査は所有権の問題に立ち入らないから、紛争を直接解決するものではないが、正確なる基礎資料を提供するものであるから、かえつて紛争解決を促進することになるであろう、従つてこの調査については、土地所有者の中には多少喜ばない者もあるかもしれないが、しかし非常に要望する者も多いのてあるから、結局は国民一般にとつて利益になることが理解されるものと思う、との答弁がありました。
 かくて昨二十三日、討論を省略して採決に入りましたが、全員一致原案通り可決されました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。順次これを許します。風早八十二君。
    〔風早八十二君登壇〕
○風早八十二君 ただいま上程せられました外資に関する法律の一部改正法律案に対し、私は日本共産党を代表して絶対に反対の意思を表明するものであります。
 米国資本の導入は、周知のごとく片山内閣に始まつて、芦田、吉田と歴代内閣の一貫して採用して来た政策であり、またわが党が一貫して徹底的に反対して参つた政策であります。戰後の外資は、本質的に国際独占資本が日本を――ための呼び水として導入されたのであります。このことは、今にしてみれば、もはや何人も疑うことのできない事実によつて証明せられたところであります。戰後、国際独占資本は、その危機を免れるためのあらゆる政策にことごとく失敗したあげく、もう一度、今度は、――――にただ一つののがれ道を見出し、――のであります。他方、社会主義、人民民主主義諸国はもとより、資本主義諸国自体におきましても、平和愛好人民大衆は原爆使用に反対し、戰争に反対して、――のために闘つておるのであります。そこで国際帝国主義は、――を率いて、世界の平和愛好人民大衆の柱であるソ同盟と共産党に対する――――おるのであります。
 かくして日本は、今や西ドイツとともに、国際独占資本の目ざす――のための――にさせられようとしておるのであります。日本はもはや東南アジアの反ソ、反共基地に対する補給地にとどまるのでなく、それ自身が――の役割を持たされようとしておるのであります。日本が單なる補給基地ではなく、――に見すてられた一つの根拠は、日本に潜在する軍需生産施設にあります。太平洋戰争において、米空軍の襲撃は、もつぱら非戰闘人民の住宅区域と中小町工場に集中せられ、軍需大工業施設に対する襲撃は、航空機組立工場を除いて用心深く避けられたのであります。このようにして、発電設備、炭鉱、八幡、広畑の大製鉄工場を初め、石油精製所、貯蔵所、アルミ工場、ボール・ベアリング工場など、いずれも今日あるを予想してか、安全に残されたのであります。海外植民地こそ失つたとはいえ、日本独占資本が再び軍事的独占資本として復活する物的基礎は無事に存在しているのであります。米国独占資本は、これらの軍需施設が他の国の独占資本に持ち去られるのを防ぐために、ひとまず賠償物件として自己の独占的管理下に置き、次に賠償免除という恩惠と引きかえに、これらの所有者たる軍需独占資本をして――させようとしているのであります。
 これに対して吉田政府は、外資導入の地ならしとして、一方において職場から組合活動家を追放し、職制を強化しながら、他方外国人に対する税金を不当に軽くし、電力の割当を事実上無制限に與え、盡を欺く非常識な電燈の濫費に対して最低料金を認めて参りました。そうして、今日遂にこの改正法案を提出して、外囲人に対して株式取得や配当金の本国送金の制限を緩和し、さらに外貨予算をもつて外国人の財産権を保障するなど、まつたく手放し御機嫌取りをやろうとしているのであります。
 しかしながら、吉田内閣がかくも御機嫌をとつて導き入れる外資のドル箱から飛び出すものは、あひるがかえした、がちよう以外の何ものでもないのであります。その証拠に、米国の石油会社、テキサス・オイルは、日石に原油を供給し、技術援助を與える代償として、捨値同様で日石の支配権を握り、採油鉱区から精油工場、石油貯蔵所の一切の施設の半分を自由に使用する権利を獲得したのである。東亜燃料に対するスタンダード・ヴアキューム・オイル会社、三菱石油に対するタイド・ウオーター石油会社の支配関係、いずれも同様であります。農村でも漁村でも、石油がなくて困つている。石油はどこに消えたか、子供たちのゴムぐつをつくる中小工場は、ゴム原料が入らなくて、どんどんつぶれて行く、輸入ゴムは何に使われたか、こういう問題のなぞは、すでに解けたのであります。外資で輸入された、ゴムは、戰車のタイヤとなつている。石油には羽がはえて、重爆撃機を朝鮮の野に飛ばすガソリンとなつている。
 これまでに民間外資が導入されたのは石油とゴムなどが中心てありましたが、今後の中心は航空機になるアルミの工場と、それを動かす電力に移りつつあるのであります。しかし民間外資は、金額からいえば、外資導入法実施後今年二月まででも十億三千万円を出す、これを二十五年度見返り資金二千五百二十億円に比べれば問題になりません。問題は、米国対日援助資金、すなわち米国政府資本を引当てにした、この巨額の見返り資金であります。これは、その本質において外資であり、しかも実際問題として中心的な外資にほかならないことを忘れてはなりません。――――。ところが、この見返り資金たるや、ふたをあけてみれば、米国政府の腹を少しも痛めたものでなく、ほかでもない、わが日本国民の血の出るような蓄積物であり、税金ででき上つたものであつたというに至つては、あいた口がふさがらないではありませんか。(拍手)
 さて、日本が第一線基地となつたということは勇ましいのでありますが、実は――第一線基地となつたということであります。それは、――――、好むと好まざるとにかかわりなく、まつ先にみずから飛び出さねばならない基地であり、――べき基地であります。ウオルター・リツブマス氏が、日本はいよいよになれば、せいぜい六箇月は持つまりと言い、コリンズ参謀総長が、本年一月、米本国において、米軍が日本から撤退を余儀なくされるということはあり得ることである、その場合、――――といつて、重爆撃で破壊された朝鮮の工場の写真を見せたと伝えられているのは、日本が今や――――いることを裏書するものにほかならないのであります。
 このような――日本に対して、長期であれ短期であれ、およそ経済的意味における資本投資について、まじめに語ることはナンセンスであります。――日本に飛び込んで来る外資というものは、もはや、つめのあかほども経済的な、いわば平和的なしろものではなく、飛んで火に入る夏の虫以上に、まさに軍事的冒險者であるといわねばならないのであります。かくのごとき軍事的冒險に乗り出して来る者こそは、――――。それは投資ではなく軍事的冒險であるからこそ、戰争商売人が、きわめて短期間に、生産施設能力のことごとくを掠奪的に酷使してつくらせるものはつくらせ、しぼりとるものはしぼりとつて、あとは野となれ山となれという早わざをやるのに、何のふしぎもないのであります。日米経済協力と名づけようと、何と名づけようと、――――。外資が一ドル日本に入り込むことは、百ドルも日本を殖民地、奴隷化することであり、外資が百ドル日本に入ることは、千ドルも万ドルも日本を――かり立てる効果を持つのであります。平和愛好人民大衆は、血みどろの経験を通じて、このことをはつきり認識しています。
 低米価、低賃金、重税と強制供出、土地取上げ、――外米、みそ、しようゆの値上り、これはどこから来るか。日本の生きる道、中国との貿易が、だれによつて禁止されたか。人民大衆は、もはや欺くことはできないのであります。日米経済協力により、日米経済再建に、人民生活の安定に役立つ金でも入つて来るかのごとき幻想を振りまくことによつて人民大衆の憤りをそらせ、そのすきに――――の仕上げの呼び水を注ぎ込もうとする本法案こそは文字通り――――であり、これに賛成するものは――――されることを覚悟せねばなりません。
 わが日本共産党は、すべての平和愛好人民大衆とともに、これに対し断固として闘うことをここに宣言して、私の討論を終ります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) ただいまの風早君の発言中、不穏当の言辞があるようでありますから、速記録を取調べの上、適当の処置をとることといたします。
 志田義信君。
    〔志田義信君登壇〕
○志田義信君 ただいま議題となりました外資に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、自由党を代表し、委員長報告に対して賛成の意見を申し上げます。
 民間外資の導入を促進するためには、第七国会におきまして、外資導入と、これに伴う海外送金に関する方針並びに手続等に関しまして、これを明らかにいたしたのであります。外資を保護するための法的措置をとつたのでございます。しかしながら、その後の導入状況を見ておりますると、日本経済の再建の上からいたしまして、外資の必要がますますその度を高めるに至つております。しかるにもかかわらず、内外の諸情勢の影響を受けまして、技術援助の導入に比べましては、本来の外資導入は必ずしも所期の目的を達しておるとは言いがたい実情にあろうかと思うのであります。この状況を打開して日本の産業の発展と開発に資するために、政府は今回の改正において、投資家の株式取得の制限を緩和することと、外国投資家が日本で所有する財産の強制收用または買収の場合の補償金の外国支拂い手続を明らかにすることと、従来外資委員会の認可を要しておりました外国投資家の取得株式の配当金を、再審査の上外国送金ができるようにすること等の三点に改正を加えまして、外資の導入を一層容易ならしめようとしておりますことは、まことに時宜を得た措置であると思うのであります。
 先ほど共産党の風早君は、これに反対する演説におきまして、外資を目するに、これに賛成する者は――であるかのごとき言辞を弄しておりまするが、――ソビエトでさえ、第二次五箇年計画を発表、いたしました当時におきましては、全世界に三百の利権を提供し、アメリカからその一割の外資を導入して第二次五箇年計画を達成した事実がございます。(拍手)
 今日、わが国の産業経済は、産業設備の更新並びに増強及び新たなる開発のためにも国内資本の蓄積を急いでおるばかりでなく、新建設のための呼び水としての外資の必要を痛切に感じておる次第であります。しかも、講和條約の締結も間近い機会に迫つておる際でもあります。日米経済協力の問題も具体的に取上げられております。これに伴つて日本産業の対応態勢が、生産力の増強拡充を必至の事実として求めようとしているときだけに、活用されるべくしてなお十分に入らざる外資の導入をさらに容易にし、わが国の産業経済をして一日もすみやかに国際水準に復帰させたいという念願は、国民ひとしく抱くところのものであろうと確信して疑わないのであります。(拍手)
 私は以上の立場におきまして、本法に賛成の意見を陳述申し上げた次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第四、外国為替資金特別会計法案、日程第五、緊要物資輸入基金特別会計法案、日程第六、農業共済再保險特別会計法の一部を改正する法律案、日程第七、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事西村直己君。
    〔西村直己君登壇〕
○西村直己君 ただいま議題となりました外国為替資金特別会計法案外三法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 外国為替資金特別会計法案は、政府の行う外国為替等の集中のための売買につきましては、従来外国為替特別会計を置き、同会計において為替取引に伴う一切の収支を予第に計上して経理して参つたのでありますが、今回さらにその円滑を期するためこれを改正いたしまして、新たに外国為替資金を置き、外国為替等の売買を本資金の運用として行うことといたしまして、その運営に関する経理を一般会計と区分して行うため外国為替資金特別会計を設置することといたそうとするものであります。
 次に、緊要物資輸入基金特別会計法案の提案趣旨を申し上げます。この法案は、特殊需要に応ずるため緊急に取得することを必要とする外国で生産された特資の取得及び売拂いを円滑にする目的をもつて緊要物資輸入基金を置き、一般会計からの繰入金をもつてこれに充てることといたしまして、その運用に関する経理を一般会計と区分して行うために緊要物資輸入基金特別会計を設置いたそうとするものであります。この会計の歳入歳用といたしましては、基金の運用によつて生じました利益の組入金、預託金の利子、借入金の借入れ及び融通証券の発行による收入金、決算上の不足補填のための一般会計からの補填金等をもつてその歳入といたしまして、事務取扱費、借入金及び融通証券の償還金、一時借入金、借入金及び融通証券の利子、融通証券の発行及び償還に関する経費並びに基金の運用によつて生じた損失の補填金等をもつてその歳出といたしますとともに、特別会計に必要な措置を規定いたしておるのであります。なお政府貿易から民間貿易への移行に伴いまして、本特別会計の創設に際し、貿易特別会計はこれを廃止することが適当と思われますので、その廃止及びこれに伴う必要な措置をあおせて規定いたそうとするものであります。
 以上の二法案のうち外国為替資金特別会計法案は、三月六日、本委員会に付託され、翌七日政府委員より提案理由の説明を聽取し、また緊要物資輸入基金特別会計法案は、三月九日、本委員会に付託され、同十二日政府委員より提案理由の説明を聽取しました。質疑応答の詳細に関しては速記録に護ることといたします。
 次いで三月二十日、両法案を一括して討論採決に入りましたところ、深澤委員は共産党を代表して反対、三宅則義委員は自由党を代表して賛成、松尾委員は社会党を代表して、外国為替資金特別会計法案に対しては反対、緊要物資輸入基金特別会計法案に対しては條件を付して賛成の旨討論せられました。次いで採決いたしましたところ、起立多数をもつて原案の通り可決すべきものと決しました。
    〔副議長退席、議長着席〕
 次に、農業共済再保險特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 農業共済再保險特別会計におきましては、気象上の悪條件に基く異常災害の発生に伴つて再保險金の支拂いが増加し、これがため支拂い財源に不足が生じ、毎年一般会計からこの不足財源を補填するため繰入れを行つて参つたのでありますが、今後も同様の事態が発生する可能性が考えられますので、この法案は、この会計に新たに再保險金支拂金勘定を設け、農業勘定における再保險金の支拂い財源の不足に充てるための財源を、一般会計からこの再保險金支拂基金勘定に一括して繰入れておきまして、必要が生じた場合には、この勘定からその不足を補填することができるようにいたそうとするものであります。なお再保險金支拂基金勘定に属する現金は、この会計の農業勘定及び家畜勘定において、一時支拂い上現金に不足が生じましたときは、これを繰りかえ使用することができることといたしまして、農業勘定及び家畜勘定における支拂いの円滑化にも資することといたそうとするものであります。
 この法案は、三月十三日、本委員会に付託され、同十五日、政府委員より提案理由の説明を聽取し、質疑に入つたのでありますが、その詳細に関しては省略することといたします。
 次いで同二十旧討論採決に入りましたところ、西村直己委員は自由党を代表し、深澤委員は共産党を代表し、また松尾委員は社会党を代表してそれぞれ賛成の旨討論せられました。次いで採決いたしましたところ、起立総員をもつて原案の通り可決されました。
 次に、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 日本製鉄八幡共済組合の年金受給者の年金額につきましては、第九国会におきまして、官業共済組合時代の退職者に対して、国がその年金額の改訂に伴い必要となる責任準備金の増額分に相当する金額を、同共済組合に対し交付する法律的措置が講ぜられたのでありましたが、この改正案におきましては、国庫負担につきさらに特別の措置を講ずる必要を認めまして、年金受給事由の発生が官業時代であると民営時代であるとを問わず、年金額増加分のうち官業在職期間に相当する部分の分の一を国庫負担とすることといたしまして、その交付方法としましては、一時交付をとりやめて、毎年四半期に交付することといたそうとするものであります。なお本改正法実施の結果、二十六年度予算に影響を及ぼすことのないよう、附則に必要な規定を設けることといたしておるのであります。
 この法案は、三月二十日、本委員会に付託され、同二十二日、提出者西村直己君より提案理由の説明を聽取したのでありますが、この法案の起草にあたりましては、本委員会において準備委員を設け十分審議したものでありますので、ただちに質疑を打切り、討論を省略の上採決いたしましたところ、起立総員をもつて原案の通り可決すべきものと決しました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま委員長の御報告になりました四法律案のうち外国為替資金特別会計法案に対しまして、反対の意思を表明するものでございます。
 政府は、今回外国為替資金特別会計法案におきまして、一般会計から五百億の資金をこの特別会計に繰入れることを企図いたしたのでございまするが、われわれは、こうした形において外国為替資金特別会計を設定するということに対して反対をするものでございます。
 まず反対の理由の第一は、御承知のように現在国際的なインフレの傾向にあり、この国際的なインフレ傾向が世界的な軍拡景気の影響を受けて起きているものであり、従つてその根本的な対策は、基礎原料並びに生活物資に対する輸入を確保するということになければならないと信ずるのであります。これらの基礎資材並びに生活必需物資の輸入が円滑に行われない限りにおきまして、今回政府が行おうとするがごとき、單なる国内における金融操作をもつてこのインフレ傾向を抑圧しようとすることは、不可能なことだと私は信ずるのであります。しかも今日、日本の国民が相当な重税にあえいでおる現状におきまして、国民の血税の中から五百億をこの特別会計に繰入れることによつて新たに負担せしめようとする企図に対しましては、これは同時に購買力を一層圧縮し、さらに生産の障害を来す結果と相なるのでありまして、むしろインフレ傾向を激化せしめるおそれがあることをわれわれは指摘をいたしまして、これはむしろ日銀からの借入金をもつてまかない、同時に輸入を促進するところの別途の手段を講ずべきだと思うのであります。われわれは強い希望條件を付して、今議題になつておりまする緊要物資輸入基金特別会計法案に賛成をいたしておりまするけれども、この緊要物資輸入のための基金がわずかに二十五億円しかなくて、外国為替資金特別会計に五百億を一般会計から繰入れるということに対しましては、われわれはどうしても賛成することはできないのであります。
 しかも政府は、先般本院を通過いたしました税制改革案によりまして本年度相当の減税を断行したと主張しながら、こうした血税の中から五百億をこの特別会計に繰入れるということは、主として中産階級以下の勤労大衆の負担を増強せしめる結果に相なつておるのであります。これは、わが党が主張するような、最近の軍需、いわゆる特需景気のもとに超過利得税等の創設をするだけの勇気がなく、むしろ現行の税制のままに、政府がこの五百億を、いわゆるインヴエントリー・ファィナンスとしてとの特別会計に繰入れることに対しましては、われわれはこの点からも、勤労大衆の犠牲においてインフレを抑圧しようとするところの反動的な意図を政府は持つておるものとして、どうしても反対せざるを得ないのであります。
 さらに最近のドル貨が現実に下つておるという問題から、為替レートにも解決しなければならない問題が起つておる。最近のこの為替レートの関係から参りまするととろの物価高という水路を通じて、わが国の物価が相当の高騰を示しておるという観点からいたしましても、為替レートの、解決をはからなければならない問題等を未解決のままにして、こうした、きわめてイージー・ゴーイングなやり方をすることに対しましては、われわれは予算案に反対いたしましたと同様、政府は根本的に考え直すべきであるという立場におきまして、この外国為替資金特別会計法案には反対の意思を表明するものでございます。
○議長(林讓治君) 深澤義守君。
    〔深澤義守君登壇〕
○深澤義守君 ただいま上程されております四法案のうち、外国為替資金特別会計法案、緊要物資輸入基金持別会計法案の二法案に対しまして、日本共産党を代表して反対の意見を述べんとするものであります。
  第一は、両法案はいわゆる新特需、すわち軍需品をつくるための原料や資材を輸入することを主たる目的としているものでありまして、これはアメリカの大軍備拡張と日本の軍事的復活を目的とする、いわゆる日本経済協力対制の一環であります。今日国際帝国主義は、――――李承晩、蒋介石、バオ・ダイ等の――政権に対する軍用物資の供給源として、日本の産業の――――しているのであります。しかも最近の情報によりますれば、さらにその上に西欧諸国の――――していることは、ダレス報告によつても明らかであります。これが――――單独講和の実体であるとわれわれは指摘しなければなりません。さらばこそ吉田内閣は、中日貿易を禁止して、歴史的にも地理約にも経済的にも当然提携しなければならない、きわめて重要なる日中の関係を――、日本産業に――を與えて、こうも顧みないのであります。だから、一トン十一ドル半で買うことのできるところの粘結炭を、二十九ドルも出してアメリカから買わなければならない、一トン十ドル半で買える鉄鉱石を、二十六ドルも出してアメリカから買わなければならない、このようなことを平気でやつているのであります。このようなばかばかしい不利益と損害と危険を冒して、日本産業と日本労働者とを――――ところの態勢をつくるために軍需賛材を輸入することが、本法案のねらいであります。従つて本法案は、平和産業の発達も、中小企業の復興も、さらに人民生活の安定もまつたく顧慮しないのみか、遂にこれを破壊するところの法案であります。(拍手)これが、われわれが本法案に対するところの第一の理由てあります。
 第二に、この――ために輸出入を操作するところの外国為替資金特別会計に対しては、いわゆるインヴエントリー・フアイナンスと称して、人民の血の出るような税金から五百億という莫大な資金を繰入れるのであります。また戰争資材を專門的に輸入するために新たに設けたところの緊要物資輸入基金特別会計には、これも国民の税金から二十五億円をつぎ込むのであります。これはまつたく国民大衆の血のにじむ税金を――濫費する典型的なものであるといわなければなりません。その結果として、日本における軍需産業は、ポツダム宣言をしり目に大々約に復活され、労働者に対しては、人権を無視した奴隷的労働が強制され、労働賃金はますます引下げられ、その結果生産された軍需用品の飢餓輸出が強制されるので、あります。――ところの国際物価の値上りは、この労働者を犠牲にする飢餓輸出の強行なしに、輸出入計画の実行あ不可能であります。従つて本法案は、人民の收奪と飢餓輸出を強行するところの法案であるといわざるを得ないのであります。これが本法案に対する反対の第二の理由であります。
 第三には、特に緊要物資輸入基金特別会計法は、政府でなければ輸入できない緊要物資の輸入を目的とすると言つているのでありますが、委員会における質問においても、政府はまつたくこの法案の内容を明らかにしないのであります。これは、この法案の背後に、国会と国民の前に明らかにすることのできない伏線が隠されておる証拠であります。われわれは、この伏線こそ――新聞では毎日大問題として論議されているにかかわらず、政府は頑として、国会において知らぬ存ぜぬとしらを切つている、この伏線こそは、いわゆる日米経済協力体制であることは、もはや明らかであります。これが本法案に反対する第三の理由であります。
 第四には、両法案の予算が普通の予算の形をとらずに、いわゆる経費予算と称して、歳入には運用の結果である損益のみを計上し、歳出には事務費等の経費のみを計上し、何が何やら、予算面では、その実体がつかめな仕組みになつていることであります。従つて、外国為替資金特別会計では十四億六千万ドルの輸出も、また十三億八千二百万ドルの輸入も、何を輸出し何を輸入するか、その運用はまつたく何もわからないような仕組みになつているのであります。また緊要物資輸入基金特別会計の二十五億も四回転で百億の輸入をすることになつておるのであります。けれども、これも何をどれだけ輸入するか、まつたく国会にも国民にも少しもわからない仕組みになつているのであります。これこそが――――ところの吉田内閣の秘密外交と相まつて、本法案が秘密貿易によつて軍用資材の輸入を行い、日本の全経済と産業、労働を一貫する――を強行しようとするところの、――法案であると断せざるを得ないのであります。しかしながら、平和を守り、全面講和のために断固として闘うところの日本の労働者及び人民は、この法案の実効を必ずや無力にするであろうことをわれわれは確信するので参ります。
 以上の理由をもちまして、わが党は、この両法案に対しで断固として反対するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) ただいまの発言中不穏当の言辞があれば、速記録を取調べの上、適当に処置いたします。
 これにて討論は終局いたしました。
 まず日程第四につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第五につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第六及び第七の両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り、決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第八、結核予防法案、日程第九、予防接種法の一部を改正する法律案、日程第十、船員保險法の一部を改正する法律案、日程第十一、精神衛生法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長松永佛骨君。
    〔松永佛骨君登壇〕
○松永佛骨君 ただいま議題となりました結核予防法案外三法案の、厚生委員会における審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。
 まず結核予防法案について申し上げます。
 結核はわが国の国民病といわれるほどに蔓延し、昭和二十四年における人口一万に対する結核死亡は十六・九で、デンマーク、アメリカ等に比べて五倍以上であります。その害は、各個人のみならず社会全般に及んでおり、ひいて国民経済にまで悪影響を與えておることは周知の事実であります。この結核予防をはかるための現行結核予防法は三十年以前に制定されたものであり、もつぱら伝染の防止に重点が置かれておりますので、現代医学の長所を行政の面に十二分に活用するとともに、社会保障制度の一環として患者の医療費の負担を軽減し、もつて結核の予防と患者に対する適正医療の普及をはかり、わが国の結核撲滅を行わんとするのが、本法案提出の理由であります。
 次に本法案のおもなる内容を申し上げますれば、第一は、最も結核にかかりやすい状態にある一定範囲の国民に対して健康診断並びに予防接種を行うべきことを規定したことであります。
 第二は、保健所長は医師の届出によつて結核患者を登録し、必要に応じて家庭訪問指導を行わせることとしたことであります。
 第三は、結核の医療に最も著効のあるとされておる医療数種を選んで、その適応性の患者に対しては公費をもつて医療費の半額を負担することとし、結核の適正医療の普及をはかるとともに、患者の負担軽減を行おうとすることであります。医療の種類は、さしあたり胸部外科手術、人工気胸、ストレプトマイシン及びパスの投與等であります。
 第四は、厚生大臣が地方公共団体に対して結核療養所の新設及び拡充を勧告することができることとし、これに対して国庫から二分の一の補助をすることができるよう規定したことであります。
 その他、結核を伝染させるおそれのある患者の従業禁止、入所命令の規定、これらの患者に対する医療費の公費負担等の規定を設け、かつこの法律の施行に伴い地方公共団体の支出する費用については一定率の国庫補助を出すよう規定しておるのであります。
 本法案は、去る十六日、本委員会に付託され、十七日、政府委員より提案理由の説明を聽取した後、ただちに質疑に入り、以来ほとんど連日委員会を開催し、熱心なる質疑応答が繰返されたのであります。これらの詳細については速記録によつて御承知を賜わりたいと存じます。
 かくて、二十三日質疑を終り、討論に入りましたところ、自由党を代表して丸山委員より、本法案は第七国会において満場一致で可決された結核対策に関する決議の趣旨に沿つて立案されたものであり、国、地方公共団体の負担する費用が増額され、結核対策の予算として一生面を画するものである、ただうらむらくは結核病床と保健所の定員等が十分でないが、一般予算との関係もあるので、運用を将来に期待して本法案に賛成する旨の意見が開陳せられ、国民民主党を代表して金子委員より、健康診断その他結核対策全体を保健所のみで行わないよう結核病床を拡充すること、宗教団体等の民間団体の経営する後保護施設を助成すること、農民も組織労働者や公務員のごとく、治療のみでなく生活も保障される社会保障制度を実現することの希望意見を付して賛成の意を表せられ、次いで日本社会党を代表して堤委員よりは、社会保障制度審議会の勧告をすみやかに実施に移すこと、後保護を法制化することの希望意見を述べて賛成の意を表せられ、さらに日本共産党を代表して井之口委員より、懲罰規定が多い、後保護の規定がない、国庫負担額が少い等の理由をあげて本法案に全面的に反対する旨の意見が述べられたのであります。
 次いで討論を終結し、採決をいたしましたところ、多数をもつて原案通り可決すべきものと決せられた次第であります。
 次に、予防接種法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法は、昭和二十三年に制定されたのでありますが、本制度の一層円滑なる運営を期するために次の改正をなさんとするものであります。従来の市町村長が行う予防接種のほか、新たに一般医師の予防接種を認め、その事実を証する証明書等の授受手続を規定したのであります。次は、疾病その他やむを得ない事故のため定期予防接種を受けられなかつた者に対して、事故消滅後に予防接種を受けるべき義務を課すること等が、本改正案の提案理由であります。
 本改正案は、去る十六日、本委員会に付託せられ、翌十七日政府より提案理由の説明を聽取した後、ただちに審議に入り、熱心なる質疑応答が行われたのであります。次いで質疑を終了し、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全員一致をもつて政府原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 次に、船員保險法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 船員保險制度に関しましては、今日まで数次の改正が行われておるのでありますが、本年度よりは養老年金の支給は開始されますので、最近の経済情勢にかんがみ養老年金額の増額をはかり、他の年金給付たる寡婦年金、鰥夫年金、遺兒年金等との均衡をはかろうとするのが、本改正法案提案の理由であります。詳細は速記録により御承知を願いたいと存じます。
 本法案は、去る二十二日、本委員会に付託せられ、提案者丸山委員より提案理由の説明を聽取した後、ただちに審議に入り、次いで質疑を終了し、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全員一致原案通り可決すべきものと決した次第でございます。
 次に、精神衛生法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本改正案の提案理由並びに内容について申し上げますれば、第一は、精神衛生審議会に、正式委員のほか、必要がある場合臨時委員を設けることができること。第二は、市町村長が保護義務者になつた場合の医療保護に要する費用は、その全額を都道府県の負担とし、特別の取扱いをするようになつておりますが、私人が保護義務者である場合と何ら区別すべき理由もないのでありますから、との費用負担の條項を削除することといたしたのであります。第三は、検察官の通報義務に関する規定につき誤解を生じないよう、その表現を改めたことであります。
 本改正案は、去る十六日、本委員会に付託、翌十七日、提案者参議院議員中山壽彦君よりその提案理由の説明を聽取した後審議に入り、熱心なる質疑応答が行われたのであります。次いで質疑を終了し、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全員一致をもつて原案通り可決すべきものと決した次第でございます。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。井之口政雄君。
    〔井之口政雄君登壇〕
○井之口政雄君 私は、日本共産党を代表いたしまして、この結核予防法案に反対するものであります。
 結核を予防する、これもとより、わが党は大賛成であります。わが愛する祖国の上に一人も結核患者のないまでに国民の健康を増進せしめるためには、徹底的に予算を組み、サナトリウムを建て、安心して全治するまで一切の患者を收容することこそ党の方針であり、党が政権をとつた場合、ただちに着手する公約である。(拍手)従つて、第五回国会に、結核予防の決議案が提出されましたときには、全党をあげてこれに賛成し、努力もして参つたのであります。
 労働者、農民が政権を得ておりますところの、ソビエト社会主義共和国同盟の疾病対策を見れば、完全なる社会保障制度によりまして、医療の無料、入院の自由が実施され、サナトリウムのどときは、至るところで人民の利用にまかされております。しかるに、わが国の吉田内閣の二十六年度予算を見れば、わずかに二千八百六十万円、これが結核対策費として計上されております。これは最大限に病床をふやしましても約十三万台に達するにすぎぬのでありまして、年々結核患者の死亡数は十三万人に該当するという、このことから考えてみますならば、まつたくこれは死の床を患者が選ぶというにすぎないのであります。社会主義共和国と比較した場合に、その雲泥の差に驚かざるを得ないのであります。(拍手)憲法によつて、国民の健康な文化的生活が保障されております。結核患者は毎年死亡が十三万人、しかし結核患者は、死ぬ年度だけやつと病院の病床にありつけるというような日本の哀れな状態、あとは失業して、不潔と湿気に悩む病床に放置されているのが、日本の今日の現状であります。この状態のもとにおいて提出されて来たのが、この結核予防法案である。
 それならば、一体この予防法案は、現実のこうした結核患者に対していかなる規定をなしているでありましようか。第一に、強制的に検診し、予防接種し、こく病勢の重い者だけを死の床に隔離し、少しよくなつた者は強制退所をさせる。後保護を與えず、放置するのであります。この後保護の規定を含まないという、これがこの法案の根本的な欠陥であります。しかも、これら一切の結核患者を一々登録して、あとを追いまわして、いやがらせる。それだけが、この法案のとりえになつている。従つてこの法案は、一口に言いますならば、結核の予防ではなくして、結核患者の懲罰法になつている。その証拠をこれから指摘しましよう。
 第一、あれも懲罰、これも懲罰、あれも強制、これも強制というのが、この法案の真正面から振りかざしているところであります。従つて、病人が自主的にみずから進んで治療するという意欲を、この法案はちつとも盛つたものではありません。他方、病が高進して初めて国立療養所に收容され、本人がいくら地獄のような国立療養所でもかまわぬから入れてくれと希望しても、病床が足りぬから入れられぬと、医師の一言で、患者は門前拂いを食うような始末になつており、強制退場も命ぜられるような仕組みになつておるのであります。強制検診の結果は、雇い主に思うままに首を切らせる口実を與えるのであります。政府は、労働基準法によつて、こうした馘首は禁止されていると逃げ口上を述べておりますが、この労働基準法なるものは、今日は空文にすぎなくなつている状態である。
 收容される患者についても、費用の点で国家が四分の一……(発言する者あり)よく聞きなさい。――地方自治体が四分の一、本人が四分の二、これだけの負担になつておる。これはわが共産党の主張する医療費全額国庫負担の大方針に及ばざること、はるかに大なるものである。(拍手)――性格を持つた予算を組まねばならぬような政府としては、きわめて当然のことでありましよう。患者に対する負担の点では、現在の制度よりも、むしろ加重される傾向をこれは持つておるのであります。しかも收容される患者が、その扶養義務を持たねばならぬ家族に対する生活保障が何ら規定されていないのでありまして、このために患者は、結局において事実上入院加療することができず、逆に国家からの干渉と監察とに悩まされるという結果が、この法案の実質的効果になつておる。教員諸君及び国鉄や郵政や電気通信その他の官公庁の労働者諸君は、給與法の改悪によつて、結核療養期間を三年から二年に短縮されています。しかもこの事実こそ、また結核予防法のねらいとするところで、それらのねらいが那辺にあるかは、以上の事実をもつて、あまりにもはつきりするのであります。共産党は、結核患者全員の国立並びに一切の公共療養所への無料かつ即時收容を主張するものであり、あわせて病院運営に対する患者の参加及び病室や病床、栄養、看護婦、医師等々の数を厳重に規定し、設備に対する完全なる責任を政府に負わしめる規定を法制化し、もしこれを実行しない場合、最高責任者たる大臣、知事、市町村長の責任を追究する罰則こそ、むしろ患者を罰するより必要なのであります。(拍手)
 要するにこの法案は、結核の撲滅に藉口して、かえつて戰争のための人的資源の動員計画を具体化して、人民の――をやるものであります。東條の結核予防政策をほうふつせしめるものがあるのであります。これこそ外国帝国主義者の手先となつて――に狂奔する方策に賛成する人のみが賛成し得る法案であります。いやしくも平和を願い、全面講和を願う日本の人民たるものは、これに反対せざるを得ないのであります。しかも結核患者をして病の床に潜然と涙せしめる、さんたんたるこの法案には、絶対に日本共産党は賛成できません。(拍手)
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
 まず日程第八及び第十一の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通句可決いたしました。(拍手)
 次に日程第九及び第十の両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第十二、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員会理事多武良哲三君。
    〔多武良哲三君登壇〕
○多武良哲三君 ただいま議題と相なりました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、通商産業委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 申し上げるまでもなく、中小企業等協同組合法には、商法の規定、特に株式会社法の規定を若干準用いたしておるのであります。しかるに、商法の一部改正がなされまして、一応本年七月一日より実施と相なつておりますため、所要の改正を行う必要が生じた次第であります。なおこの機会に、中小企業等協同組合法施行後の経験にかんがみ、所要の改正を同時に行おうとするものであります。
 以上が改正の理由でございますが、次に改正の主要な点を申し上げますと、まず第一に、改正商法に従いまして理事会の制度を設け、組合の業務執行の決定は理事会が行うこととするとともに、各理事が組合を代表する現行の制度を改め、組合を代表すべき理事を選定することといたしております。第二は、監査役に関する改正商法の規定を準用して、監事の権限を会計監査に限定いたしておることであります。第三は理事の責任に関する点でありますが、組合制度の特殊性を取入れております。
 以上が改正商法に伴います改正の要点でありますが、次に組合法自体の改正中、主要な点を申し上げます。従来の経験によりまして、組合制度に関する知識経験の乏しい公証人よりも、組合に関する指導に多年の経験と多大な関心を有する行政庁にその認証を行わせる方が適当と思われますので、定款の認証は行政庁が行うことに飲めておるのであります。次に、組合の業務または会計が法令、定款に違反し、または組合の運営が著しく不当であると認められるときは、組合員の申出がなくとも、行政庁が積極的に組合を検査して、適当な勧告を行うことができる道を開くことといたしておるのであります。
 以上が、改正の理由並びに主要な点であります。
 本案は、三月十二日当委員会に付託せられまして、十三日政府委員より提案理由を聽取し、十五日質疑に入りましたところ、自由党多武良哲三君、共産党風早八十二君と政府委員との間に熱心な応答があつたのであります。なお詳細は会議録を御参照願います。
 越えて二十日、質疑を打切り討論に付しましたところ、自由党多武良哲三君、民主党高橋清治郎君、社会党加藤鐐造君より。それぞれ賛成の討論がなされたのであります。引続き採決に入りましたところ、多数をもちまして原案を可決いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第十三、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、日程第十四、大蔵省設置法の一部を改正する法律案、日程第十五、法務府設置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員松本善壽君。
    〔松本善壽君登壇〕
○松本善壽君 ただいま議題となりました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、大蔵省設置法の一部を改正する法律案及び法務府設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会の審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず行政機関職員定員法の一部を改正する法律案について申し上げます。本案の、昭和二十六年度予算の内容に即して行政機関の職員の定員を改正せんとするものでありまして、その改正の大要を申し上げますと、第一に、総定員は八十七万五千八百三十三人が八十八万七千二百七十七人となり、差引き一万一千四百四十四人の増となつております。その主要な増減の内訳を申し上げますと、まず減のおもなものとしては、経済統制関係三千八百九十六人、農林統計調査関係千四百八十八人、国税徹夜関係五百人、電波監理関係五百十九人等があり、増のおもなものとしては、電信電話施設の拡充によるもの一万四百三十一人、海上保安関係二千三百三十四人、食糧配給公団廃止に伴う食糧配給事務関係等千七百三十五人、失業保險業務関係千五百四十三入、国立結核療養所の職員千三百四十四人等であります。
 第二に、電気通信省の本省の定員並びに税関の特派官吏については、必要のある場合にそれぞれ政令をもつて増加することができることになつておりましたのを、一般の定員の場合と同様に取扱うことに改めたのであります。
 第三に、終戰処理事業費、特殊財産処理附帯事務費等の支弁にかかる職員については二千四百七十六人から三千五十五人に増加しているのでありますが、これは主として航空庁の航空保安施設の維持運営に従事する職員の定員をここに振りかえたからであります。
 第四に、定員減少に伴う措置として、まず一律に三箇月の猶予期間を設け、六月三十日までは新定員を越える員数の職員を定員の外に置くことができることとし、さらに統制経済の解除等の関係で比較的多型に減員が行われる農林省、通商産業省、運輸省及び経済安定本部については、九月三十日まで新定員を超える職員の定員を認めることとし、事実上その整理期間を延長する措置をとつているのであります。
 次に、大蔵省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案のおもなる改正の一は、従来主税局において取扱つておりまする税外諸收入の事務を大臣官房の所掌事務とすることであり、その二は、会計制度の統一的運営と、国の会計事務職員の資質向上をはかるための研修を主計局において行うことを規定の上で明らかにすること、並びに法令の改正等に伴い、管財局及び銀行局の所掌事務に関する規定を実体に即して整備することであり、その三は、国税徴收事務の増加に対応して、国税庁の内部機構について、総務部を廃して新たに長官官房並びに徴収部を設けるとともに、特別な職として次長一人を置くこととし、また監察官を六十人増加すること等であります。
 次に、法務府設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案のおもなる点は、監獄の分監及び少年院の分院の一部をそれぞれ監獄及び少年院に昇格せしめること、並びに医療矯正保護施設の名称を統一することであります。監獄に昇格せしめようとする分監は二箇所でありまして、すなわち広島拘置支所は、広島刑務所拘置監の被告人が相当多人数のため、また横須賀刑務支所は、これをもつぱら外国人刑務所として運営するため、それぞれ本所に昇格せしめようとするものであります。次に少年院の分院で本院に昇格せしめようとするものは十一箇所となつておりますが、これは主として少年法の適用年齢の制限が解除されたことに伴うものでありましれ、分院配置の現状から指揮監督及び運営上困難を伴つておりますところの分院十一箇所を本院に昇格せしめ、必要な施設を拡充し、もつて少年の矯正保護の実をあげようとするものであります。次に治療を第一義とすべき受刑者が多数ある実情にかんがみまして、八王子少年刑務所び北方刑務所を專門的な医療刑務所と改めるほか、実際にもつぱら医療を実施しておる少年院について、一様に医療少年院と改称しようとするものであります。
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案は二月二十七日、大蔵省設置法の一部を改正する法律案は三月十二日それぞれ本委員会に付託され、法務府設置法の一部を改正する法律案は、予備審査のため、二月二十七日、本委員会に付託、三月二十日、参議院の送付を受け、あらためて付託され、いずれも政府の説明を開き、質疑を行つたのでありますが、その詳細は会議録によつて御承知を願うこととし、三月二十2日、それぞれ討論採決の結果、三法案とも多数をもつて原案の通り可決いたした次第であります。以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。河田賢治君。
    〔河田賢治君登壇〕
○河田賢治君 私は、ただいま上程された行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対し、特に日本共産党を代表して反対の意見を表明するものであります。
 わが党は、第五国会において、この定員法の制定に反対したのであります。当時政府は、機構の簡素化、経費節減と称して、現業員の二割、非現業員の三割の天引首切りを、全労働者の反対を押し切つて、あえてしたのであります。その結果は、わが党の指摘した通り、植民地的な食えない賃金、職階制による無権利な――と、ものすごい労働強化をもたらしたのであります。そして、このことは、朝鮮事変以来さらに拍車をかけられて、一層はなははだしい状態に公務員は突き落され、物価の高騰、ベースのすえ置き、地域給の引下げ、――仮に伴う公務員の労働の再編成等が行われ、まつたく生活は破綻しているのである。この法案の定員を決定するに際しても、何ら科学的、合理的な根拠もなく、單に予算の多少によつて決定され、労働の過重な負担はあげて個々の現場員に転嫁され、電気通信のごとき、作業基準量を、電話では三二%電信では一三%をそれぞれ超過していることによつても明らかなのであります。この結果、労働強化と生活の破壊はさらに悪循環し、定員数の決定が、増員するにしろ、あるいは減員して残留者の数を決定するにしろ、非科学的、非合理的であるため、人間労働の限度を無親している。これが本法案に――定員決定におけるこの無理なやり方、非人間的なやり方にわれわれが反対する理由の第一であります。(拍手)
 第二の反対理由は、定員数の改正が――を企図している点なのであります。現にわが党が予算の反対討論において指摘した通り、予算の七〇%が――性質を持つものであることを主張したのである。定員もまたこの――――性格に従つて増減配置されているのであつて、政府のいう適正な配置ではないのである。電通省の増員にしても、警察、進駐軍等の軍事通信のためであり、厚生省の増員にしても、――――な人的資源の必要からの対策であり、労働省の増員は、軍事道路や港湾その他の施設増大のためであり、教員の増加は、――教育と植民地的な愚民教育のためである。また海上保安庁の増員二千三百三十四人、密貿取締りに名をかる千一名は、言うまでもなく――復活の準備にほかならないのである。(拍手)かように、一方においては――に増員しながら、他方においては農林水産関係調査要員千四百八十人の減員を行い、科学研究機関の閉鎖縮小と相まつて、自主的な政策決定に必要な調査機能をみずから破壊しているのである。それゆえに、今回の定員改正は明らかに戰争への道を進む――――に従つて決定されているのであつて、平和を守るわが党の断固反対する理由はここにあるのであります。(拍手)
 第三の反対理由は、定員法そのものが問題なのであります。政府は、第五国会での定員法の制定で、大量首切りを行つた。定員法によつて公務員を縛りつけている。しかるに吉田内閣は、かかる定員法を制定しながら、昨年は国会の審議に付することなく、また定員法を無視蹂躙して、一片のポ政令によつて七万五千の警察予備隊を設置し、海上保安庁の増員をあえて行つたのであります。シカゴ・デーリー・ニユース特派員ピーチ君の表現をかりるならば、ペンの一走りで軍隊にかえることができるのが警察予備隊である。しかも大橋法務総裁は、予備隊の宿営地がどこにあるかの質問に、答弁を拒否しているのであります。警察予備隊も国家公務員である。所在を隠さねばならぬ公務員があることは、一体何を意味するのか。しかも今回の定員法改正には、警察予備隊の定員を少しも規定していないのであります。政府は、いつでもポ政令をもつて、幾らでも国会に諮らずに増員することのできる陰謀を、ちやんと押し隠しているのである。日本の――に対して着々と現実に進め、これらの増強を企てているのであります。定員法そのものの性質は公務員を縛りつける道具であり、この法律のうち外で、政府はかつて気ままに、独裁的に定員外の定員を置き、――への協力を行つているのであります。
 以上のように――への道である單独講和と日本の軍事基地化、再軍備、これら吉田内閣の諸政策は、この定員法改正法案の内容として表現されているのであります。(拍手)目下、吉田政府の日米協力態勢が問題となつている。――態勢強化、政府機構の――態勢への再編成並びに公務員、労働者の生活水準は昨年末にすえ置くこと等々の構想が新聞紙上に伝えられております。これこそ日本を――――に縛りつけることであり、勤労者にはいよいよ植民地的生活の強要であり、民族にとつては、独立を失う帝国主義への――なのであります。本法案は、まさにこの吉田内閣の、人民と民族の利益に反し、日米協力態勢への一つの布石となるものであります。
 よつてわが党は、以上の理由を、もつて、断固として本法案に反対を表明するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
 三案を一括して採決いたします。三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて三案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第十六、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、公共船員職業安定所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事坪内八郎君。
    〔坪内八郎君登壇〕
○坪内八郎君 諸君のお許しを得まして、簡單に御報告申し上げます。
 ただいま議題となりました案件につきましては、当委員会におきまして慎重審議をいたしました結果、全員一致をもつて承認を與えるべきものであると議決いたしました。詳細は会議録によつてごらんを願います。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認を與えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第十七、食糧管理法の一部を改正する法律案、日程第十八、食糧の政府買入数量の指示に関する法律案、日程第十九、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、日程第二十、競馬法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。農林委員長千賀康治君。
    〔千賀康治君登壇〕
○千賀康治君 ただいま議題となりました、内閣提出、食糧管理法の一部を改正する法律案、食糧の政府買入数量の指示に関する法律案、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案並びに小笠原八十美意外七名提出、競馬法の一部を改正する法律案につきまして、農林委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 まず食糧管理法の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。
 食糧管理法は、昭和十七年に制定せられた食糧管理の実体法でありまして、第一回国会以来、そのときどきの食糧情勢に応じ数次の改正を経たのでございまするが、このたびは、昨今の食糧需給好転の事実に立脚いたしまして、食糧観劇の大幅緩和を中心思想として所要の改正を意図したものであります。以下、おもなる改正点について御説明申し上げます。
 第一は、すでにいも類、雑穀類の配給統制、価格統制を全面的に廃止いたしておりまするので、食管法上の主要食糧からこれを削除し、かついも類の売渡し申込み制をも廃止したことであります。
 第二は、米については従来の買入れ方式を継続するが、麦につきましては、生産者が命令の定めるところにより政府に対して売渡しの申込みを行つたときは、政府はこれを一定価格で買入れねばならぬ、しかし食糧確保のため特に必要があると認めた場合においては、政府は売渡し命令を発し得るようにしたことであります。
 第三は、食糧配給公団の存続期間は本年四月一日までということになつておりまするが、公団の廃止は既定方針により準備が進められておりまするので、同公団に関する規定を削除するか、または公団にかわつて主食の配給業務を行う民営の販売業者に関する規定に書きかえたことであります。
 第四は、種子用の米穀については農林大臣が一般の米穀管理の特例も設けることができることにした点であります。以上が、食管法改正法律案の内容の大体であります。
 この食管法に対して、現行食糧確保臨時措置法はその手続法として施行せられて参つたのでありまするが、本法は限時法でありまして、来る三月三十一日に失効する建前となつておりまするので、その失効を機会に、食管法改正法案の内容に合致するごとく手続規定を制定いたしたいというので、政府は新たに食糧の政府買入数量の指示に関する法律案を提出ざれたのであります。
 その内容を簡單に申し上げまするならば、要するに、これまでの事前割当制度をやめまして、本年産以降の米穀については、收穫見込み高がおおむね判明する時期に割当てるところの、いわゆる事後割当制度を採用したということでございます。以下、それに伴う細部事項について若干説明を加えたいと存じます。
 まず第一点は、政府買入数量に関する行政庁の指示権についての規定を掲げておることであります。
 第二点は、農村大臣の諮問機関として米穀買入審議会を設置したことであります。
 第三点は、都道府県知事または市町村長の諮問機関として、別途提案中の農業委員会法案は基く都道府県農業委員会、市町村農業委員会代表者会議または市町村農業委員会をこれに充てていることであります。
 第四点は、指示数量について生産者に異議があるときは、食確法の例により異議申立を認めたことであります。
 第五点は、收穫見込み高に基いて割当てた数量が、実收高に比べて多過ぎたか少な過ぎた場合、農林大臣は必要に応じて減額また増額の補正割当を行い得る道を残し、同時に増額補正に関するポ政令を廃止したことであります。
 第六点は、従来も行われて参りました地方補正を法律をもつて明定したことであります。
 第七点は、麦について食管法の供出規定が発動された場合、麦の生産者についてもこの法律の規定の準用が行われることとしたことであります。
 以上が両法律案の概要でありますが、三月七日政府より提案理由の説明を受けて以来、両案を一括して議題とし、二週間以上の日子を費し、愼重審議して参りました。時間の都合上、質疑応答の詳細は速記録によつて御承知を願いたいと思います。
 昨三月二十三日、川西委員の動議により質疑を終了することとし、ただちに自由党松浦委員より、農業委員会法案の修正に伴い、食糧の政府買入数量の指示に関する法律案中の関係條項の整理を行うための修正案の趣旨弁明が行われ、この修正案並びに両法律案を一括議題として討論採決に付することとしたのでございますが、討論の通告がございませんので、ただちに採決いたしましたところ、修正案並びに両法律案は、いずれ多数をもつてこれを可決すべきものと議決いたしました。
 次に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 御承知のごとく、わが国は天変地災が非常に多く、年々農林水産業施設に対して多大の損害を與えておりますので、この合理的な災害対策を確立して農林水産業の経済安定をはかる必要のありますことは、今さら贅言を要しないところと存じます。現行法は、この趣旨に基きまして、去る第七国会におきまして、従来軍に補助規定によつて実施いたしておりましたものを法制化したのでありますが、その後一箇年間にわたる実施の経験に基きまして、さらに改正すべき点がございます上に、一般土木災害制度の改正の方向とも歩調を合せる必要がありますので、所要の改正をいたそうとするものであります。
 次に改正の主要点を申し上げますと、
 一、現行法におきましては、原形復旧事業と超過事業との区別が不明確でありますので、改正案ではこの点を明確にいたしまして、災害復旧事業上欠くととのできない超過事業につきましても、新たに一般改良事業と同率の補助を行うことにいたしました。
 二、林道に対する補助率は、現行法では一率に十分の五となつておりますが、奥地林開発の緊要性にかんがみまして、奥地幹線林道とその他に区分いたし、奥地幹線林道に対する補助率を十分の六・五に引上げました。また水産協同組合の維持管理に属する漁港施設につきましても、現行の十分の四・五を十分の六・五に引上げました。
 三、林地荒廃防止施設及び漁業施設中、地方公共団体またはその機関の維持管理に属するものは、近く提出を予定されております公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法案の適用を受けることになつておりますので、本法の適用を除外いたしました。
 四、現行法によりますと、地方公共団体は当該災害復旧事業の費用の一部を負担することとなつておりますが、地方財政の実情にかんがみまして、かような義務負担制を廃止いたしました。
 改正の要点は、おおよそ以上の四点であると存じます。
 本法案は、去る十九日付託と相なり、二十二日提案理由の説明を聽取いたしましたが、本改正案の内容は、災害復旧に対する補助率の引上げ、または原形復旧を越える超過事業に対し新たな補助を與えるごととする等、治山治水対策に対する現下の要請にこたえんとするものでありまして、最も時宜に適した措置と認められ、各委員とも異論がございませんので、質疑を省略いたしました。
 次いで、昨二十三日採決いたしましたるところ、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと決しました。
 次に競馬法の一部を改正する法律案につきましては、三月十九日、提案者の一人川端佳夫君より、この法律案の提出理由と改正内容を聽取いたしたのでありますが、その要点を御報告申し上げますと、御承知のごとく、現行法上の国営競馬の開催地は札幌、函館、福島、新潟、中山、東京、横浜、中京、京都、阪神、小倉、宮崎の十二箇所と相なつておりますけれども、実際には新潟、横浜、中京、宮崎の四箇所は種々の理由から挙行できず、従つて挙行できない部分につきましては、第三條の但書によつて、隣接競馬場で一回をふやし、年四回開催できることとなつておるのであります。しかるに最近における国営競馬の現状を見ますると、地方競馬に比較し、開催回数のみならず、出場手当金等の関係もありまして、いささか押されぎみで、かくては国営競馬に出場する馬の持主の経済に悪影響があるばかりでなく、由緒ある国営競馬の伝統を傷つけ、かつ資源としての優秀競走馬の涵養にも支障を與えまするので、この際とりあえず該当條項を改正して、開催のできなかつた分の国営競馬を他のいずれかの国営競馬場で開催せしめ、全体として国営競馬の開催回数を増加せしめようというのが、本法案の目的とするところであります。
 三月二十日質疑を行いましたが、その詳細は速記録に譲りまして、三月二十三日、討論を省いて採決いたしましたところ、多数をもつて可決すべきものと決しました。
 以上をもつて御報告を終ります。(拍手)
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。順次これを許します。吉川久衛君。
    〔吉川久衛君登壇〕
○吉川久衛君 私は、ただいま提案されました食糧の政府買入数量の指示に関する法律案及び食糧管理法の一部を改正する法律案の二案について、国民民主党を代表いたしまして反対するものであります。(拍手)
 反対の理由は、共産党を除く各党の申合せによりまして、今回に限り速記録に譲ることにいたします。(拍手)
○議長(林讓治君) 野原正勝君。――では足鹿覺君。
    〔足鹿覺君登壇〕
○足鹿覺君 ただいま上程されております四法律案のうち、食糧管理法の一部を改正する法律案及び食糧の政府買入数量の指示に関する法律案につきまして、日本社会党は絶対反対の意思を表明するものであります。その詳細につきましては速記録に譲りたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(林讓治君) ただいま野原正勝君がお見えになりましたから、野原正勝君。
    〔野原正勝君登壇〕
○野原正勝君 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま議題と相なりました食糧管理法の一部を改正する法律案並びに食糧の政府買入数量の指示に関する法律案に関しまして賛成の意見を述べんとするものであります。
 詳細は速記録に譲りたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(林讓治君) 横田甚太郎君。
    〔横田甚太郎君登壇〕
○横田甚太郎君 この法案審議にあたりましては、委員会では相当もめたはずであります。時間がないのだ、もつと尋ねさせよ、こういうふうな意見が実にたくさんあつたのであります。それを無視して打切つたのは自由党であります。しかるにもかかわらず、本会議において各党が討論しない。私は解せないから、わが党は全部これに対する反対討論をいたします。
 こんな法案は、改良法案と書いてあるが、何が改良法案だ、日本の政府は、ただの一度だに、日本の農民から米でも麦でも納得する値段で買つたことがあるんか。去年は、日本の米はどうしても一石を八千円から一万円以上で買つてもらわねばいけないと言つていたのが日本の農民の意向であつた。それを日本の政府は、四千二百五十円でむしりとつたではないか。出ないから、アメリカ人に頼んでジープを持つて来て、むりやりにふんだくつたのが供出の真相で、そして供出の数量が合つただけじやないか。こういうような無理な法案であるがために、もめるのは当然なんだ。大体、農村では米は出るものなんだ。麦は出るものなんだ。それを出ないようにしているのが日本の政府なんだ。
 自由党の石田君もここにおるだろう。この新聞は、一体何が書いてあるんだ。ここには、こういうことが書いてあるじやないか。秋田におきましては、やみ米が一升五十五円しているんだ。超過供出であれば六十八円なんだ。それを農民がやみで売れば、しかも台所に持つて行けば、駅前渡しより以上に三円高く売れる。五十二円の米を五十五円で売れる。この三円のために――ここにはちやんと朝日新聞が書いている。だから秋田では、駅前渡しだと五十二円が、お勝手に届ければ五十五円になる。さや三円のために、お百姓さん自身売り歩くようになつたと書いてある。百姓は米を出すものなんだ。それを出ないようにしているのが日本政府である。アメリカの米、ビルマの米に対しては、むちやくちやに高い金を拂つておりながら、日本の農村には金を出さないからなんだ。秋田の自由党は、よろしくこの事情を、ここにおらない廣川農林大臣に申し上ぐべきなんだ。
 かような意味において、われわれは――この法案が重要だ重要だと自由党は言つておりながら、実に重要に扱わない委員会の審議の結果を見てみなさい。本会議のきようの討論の結果を見てみなさい。一体何をやつたんだ。あの質疑打切りに対しましては、多数の意見をもつて打切りと言つたんだ。そのとき委員会におつたのは、一体何人なんだ。私と自由党の二人がおつて、自由党の二人が立つたために、これが多数だと言つたんじやないか。何がこれが多数なんだ。こんな委員会での質疑打切りがあるのか。こういうふうなことをやつて、ここにおきましては、どうしても反対討論をやるんだ、きようの本会議にかけるんだといつてやつたんだ。
 そのときの言いぐさはどうなんだ。ここに来ている食糧庁の安孫子長官が、どうしてもきよう通せと、あそこにいる農林委員長に言つたんだ。だから通さねばならないと言う。安孫子君は、なぜ国会に強要して、こういうふうな、むちやな審議をさすんだといつて聞けば、安孫子長官はどう言つたんだ。廣川農相がどうしてもきよう通してくれと言うと言うんだ。さほど重要だと言つた廣川農相は、その席上におつたか。一体この農相は、共産党非合法化でみそをつけて、自分の寄りどころである自由党からけなされて、どこへもぐつてしまつたか、消えてしもうたか、おりもしない。これが何が重要法案なんだ。かようなことをやつているのが、あのでたらめな廣川農政なんだ。だからわれわれは、食糧というものは農村から出るんだ。出すがために米麦をつくつている農民が、出さないようにしいられているのが、いわゆる日本の農村の食糧政策であり、政府の農政の中心であるということが、はつきりと言われるのであります。
 そうして、日本の農村をなぜこんなに貧乏にするかといえば、――――。日本の人口が多いから、ここで――――のための、いわゆる軍需品、反共軍需工場にするために日本の農村の労働力が必要なんだ。ここから安い賃金をとつて来て、安い労力をとつて来て、働かして、そうして――――がほしいんだろう。アメリカが中国においてやつたところの――は、国民政府軍の腐敗によつて明らかなんだ。国民政府軍の親分である蒋介石は、日本の領地であつた台湾に逃げて行つているんだ。
 かつての戦争に対しましては、日本人一億が反対したがために、――――(「これもまた除名だ」と呼ぶ者あり)除名でも何でもやつたらいいよ。――それがために非常に困つた。今度は一億がアメリカに反対したのじやないのであつて、――――。これじやかなわぬからというので、日本人の――としているのがアメリカの占領政策である。それだから、日本の農村に対しては、金を残さないようにしてあるじやないか。これは明らかなものじやないか。だから、日本の農村から安い値段で米を取上げて、農村に持物をなくして、村においては、やくざ気質が充満しておる。これは全国の新聞が報じているのだ。このやくざ気質や農村ボスに乗つかかつてポカリと現われたのが自由党なんだ。だから、この政党が、国内の政治に対しましては、世界の大勢と逆行して何をやつているかといえば、廣川農相は共産党の非合法化を云々しておる。吉田首相は中道政治を否認して、自由党と同じように言わないやつは、アメリカ人に相済まないから、けしからぬと言つているのだ。自由党と同じでないやつは容共だと言つている。これはドイツのヒトラーと何のかわりもないところの言葉じやないか。
 このいわゆる供出というものは、大体におきまして日本の農村にも得が行かない。町の人たちにも得が行かない。この悪い供出があるために、出された米に農民は責任が持てぬ。町の人たちも配給に責任が持てない。従いまして、石のまじつた米を食わされましても黙つておる。ここにつけ込んで自由党は何をやつた。韓国で戰うている人たちのために米を送つても、日本の国民に米を確保するという根性はないではないか。石のまじつた米を食わしておいて、朝鮮で戰うている人に米を送つて何をするのだ。朝鮮で戰争をしている人に、日本人のわれわれが食いものをへずつて、一体何を送らなければならないのか。朝鮮で戰うておる人たちのために、われわれが何の因縁で安い賃金で働いて、その人たちが人殺しをするための武器や弾薬を送らねばならないのか。われわれはアメリカ人のために生れて来たのじやないんだ。日本人として生れて来ておるのだ。日本の国防のために、日本の繁栄のために、このためにこそわれわれはがんばるんだ。――によるところの、農村に対するいらざる收奪に対しては、共産党は反対するのであります。
 だから、われわれは最後に臨んで言つておきますが、天下の政権を握つておるところの大自由党であると、かりにも言うのであるなれば、もつと日本の国土と日本の人民に対して限りなき愛着を持つてほしいんだ。この日本の人民こそが、日本の国におけるところの食糧をつくるのです。日本の国においては、まだ開墾されないところの三百万町歩の土地があるんだ。これに金を入れるんだ。ここから食糧を出すのだ。すれば、アメリカからわずかに三百万足らずの、日本の食糧供給に対する四分の一の米が入つて来るがために日本の農村供出がむだにされるような、ばかなことがなくなるんだ。
 われわれは、こういうふうな意味において、どうしても、日本の農村の事情を知らず、農村を阻害するような政府のやる供出政策には反対であります。従いまして、日本共産党は、町のためにもならず、農民のためにもならないで、かえつて日本を――――にするところの本法案に対しましては、絶対反対するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) ただいまの横田君の発言中、不穏当な言辞があるようでありますから、速記録を取調べた上、適当の処置を講ずることといたします。
 これにて討論は終局いたしました。
 まず日程第十七及び第十八の両案を一括して採決いたします。日程第十七の委員長の報告は可決でありまして、日程第十八の委員長の報告は修正であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り決しました。(拍手)
 日程第十九につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 日程第二十につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、日程第二十一ないし第二十四は、議院運営委員長提出、裁判官彈劾法の一部を改正する法律案とともに委員会の審査を省略して、五案をこの際一括議題となし、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 日程第二十一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第二十二、国会閉会中委員会が審査を行う場合の委員の審査雑費に関する法律案、日程第二十三、衆議院事務局職員定員規程中改正案、日程第二十四、衆議院法制局職員定員規程中改正案、裁判官弾劾法の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。提出者の趣旨弁明を求めます。議院運営委員岡延右エ門君。
    〔岡延右エ門君登壇〕
○岡延右エ門君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案、国会閉会中委員会が審査を行う場合の委員の審査雑費に関する法律案、衆議院事務局職員定員規程中改正案、衆議院法制局職員定員規程中改正案及び裁判官彈劾法の一部を改正する法律案の五案について、提案の理由をきわめて簡單に御説明いたします。
 まず国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法第九條に規定せられております通信費は、議員として公の書類を発送したり、または公の性質を有する通信をするために受けておるものでありますが、その後郵便電信料金等が増額されたのと、議員が通信しておる実情にかんがみまして、現在額では何の足しにもなりませんので、これを多少増額する必要があると認めたのであります。
 また国会閉会中委員会が審査を行う場合の委員の審査雑費に関する法律案は、現行の法律では審査手当として受けておりますが、実費弁償の性質を有するものでありますから、その名称をこれに沿うように審査雑費と改めるとともに、各自の実費を十分弁償することは困難でありますが、ある程度これを増額しなければなりませんので、昭和二十三年法律第八十九号国会閉会中委員会が審査を行う場合の委員の手当に関する法律を廃止し、本法にかえようとするものであります。
 次に裁判官彈劾法の一部を改正する法律案につきましては、裁判官訴追委員及び裁判官彈劾裁判所裁判員と、おのおのの予備員が、国会の閉会中その職務を行う場合に受けるべき手当は、ただいま御説明いたしました審査雑費に相当する性質のものでありますから、これを職務雑費と改めたことと、訴追委員会における事件は非常に増加して参りましたのに、現在では彈劾裁判所の職員の定員よりも少いので、このたび主事一人を増加しようとするものであります。
 次に衆議院事務局職員定員規程中改正案及び衆議院法制局職員定員規程中改正案につきましては、事務局定員のうち参事一人、主事一人を議員会館に配置するため、七月以降増員しようとするものであります。その他は速記関係で十五人、開会中の警務関係に臨時の者として三十人の増員と、医務室関係の主事一名を非常勤職員に振りかえるため、結局参事百六十人が百六十一人に、主事四百五人が四百二十人に相なり、ほかに臨時主事三十人を置くことといたしました。また法制局定員の方は、参事八人、主事六人を増員して議員立法等の事務の増加にも備えようとするものでありまして、参事二十四人を三十二人に、主事二十人を二十六人に改めようとするものであります。
 以上の五案はいずれも議院運営委員会において検討の上起案したものでありますから、何とぞ御賛成あらんことを希望いたします。(拍手)
○議長(林讓治君) まず日程第二十一、第二十二及び裁判官彈劾法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて三案は可決いたしました。(拍手)
 次に日程第二十三及び第二十四の両案を一括して採決いたします。両案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて両案は可決いたしました。(拍手)明後二十六日は特に定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後七時八分散会