第010回国会 本会議 第25号
昭和二十六年三月二十七日(火曜日)
 議事日程 第二十四号
    午後一時開議
 第一 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件
 第三 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第五 裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第六 少年院法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 第七 裁判所職員定員法案(内閣提出、参議院送付)
 第八 農業協同組合法の一部を改正する法律案(参議院提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 外国為替管理委員会委員任命につき同意の件
 日程第一 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件
 日程第三 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第五 裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第六 少年院法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 日程第七 裁判所職員定員法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第八 農業協同組合法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 運輸省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 国税徴收法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 物品税の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後二時三分開議
○議長(林讓治君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) お諮りいたします。内閣から、外国為替管理委員会委員に奥村竹之助君及び杉原雄吉君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意を與えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて同意を與えるに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第一、日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案、日程第二、世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長守島伍郎君。
    〔守島伍郎君登壇〕
○守島伍郎君 ただいま議題と相なりました法律案並びに條約案につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず法案から報告いたします。本法案は、三月二十二日、内閣から衆議院に提出され、本委員会に付託されましたので、二十四日及び二十六日の両日にわたり委員会を開き、審議をいたしました。政府側の説明によりますると、日本政府在外事務所設置法は昨年第七回国会において成立いたしまして、まずアメリカ合衆国内の五箇所に在外事務所が設置され、その後、同法第二條第二項に基く日本政府在外事務所増置令によりまして、スエーデン国ストツクホルム市、フランス国パリ市、ブラジル国リオデジヤネイロ市及びサンパウロ市、パキスタン、カラチ市、インド、ニユーデリー市、カルカッタ市及びボンベイ市、ベルギー国ブラツセル市、ウルグアイ国モンテヴイデオ市、オランダ国ヘーグ市、タイ国バンコツク市の十二箇所にそれぞれ在外事務所が増置されたのであります。政府としては、その後もいまだ在外事務所の設置されていない諸国に対し、総司令部を通じてその設置方を交渉しておりましたところ、このたびビルマ国の承諾を得ましたので、同国ラングーン市に在外事務所を設置することといたしたい。そこで、従来国会が休会中であり、かつ緊急を要しましたために増置令によつて増置して参つた前記十二の在外事務所も、この際在ラングーン在外事務所とともに設置法第二條第一項の表に追加して、現在設置されておるすべての在外事務所を法律の中に明らかにしようとするのが、今回の改正の第一点なのであります。
 次に、右の改正に伴い当然設置法第九條の在勤手当及び居住手当に改正を必要とするに至つた次第であります。すなわち、アメリカ合衆国に設置される在外事務所については同法中の別表を適用し、その他の在外事務所については外務大臣が別表の額の九割から十一割の範囲内で定めることとしようとするのが、改正の第二点であります。
 なお附則におきましてはこの法律の施行期日を定め、さらに日本政府在外事務所増置令を廃止せんとする規定を設けたのであるとのことでありました。
 本法案は、質疑終了の後討論を行い、採決の結果、多数をもつて可決せられました。
 次に、條約案について御報告いたします。本件は、三月二十二日、内閣から衆議院に提出され、本委員会に付託されましたので、二十四日及び二十六日に委員会を開き、審議いたしました。政府側の説明によれば、世界保健機関は、国際連合憲章に定められた專門機関の一つでありまして、一九四八年四月七日に効力を生じた世界保健機関憲章に基いて設立され、現在米、英、仏等六十三箇国が加盟しております。この機関の目的とするところは、憲章に明らかな通り、すべての人民の健康を増進し及び保護するため、相互に及び他の諸国と協力することでありまして、このため、この機関は国際保健事業の指導的かつ調整的機関として行動することを第一の任務といたしておりま。政府としては、この機関に加盟して国際保健事業への積極的協力をいたすことははなはだ有意義であると認め、かねて加盟手続を進めておりましたところ、本年一月十五日、連合国総司令部から加盟の申請さしつかえなき旨を申し越して参りました。よつて世界保健機関の事務局長に対し加盟申請書を送付しましたところ、二月二十八日付をもつて、この加盟申請を受領した旨及びわが国の申請は来る五月七日からジユネーヴで開催される保健総会に提出される旨の通知がありました。この総会の過半数によりわが国の加盟が承認されれば、わが国はこの憲章を受諾して保健機関の加盟国となり得る状態となります。この場合には、世界保健機関憲章を受諾することといたしたい。なお国会の承認を得まして受諾の手続をすみやかに進めますときは、わが国の国際社会への復帰がそれだけ早く一歩を進めることになるのみならず、来る五月七日から開かれます保健総会に出席を予定されておるわが国のオブザーヴアーは、会期中にその場で正式代表となり、討議に参加し、また投票権を行使し得る可能性も出て来るとのことでありました。
 次いで委員と政府当局との間に質疑応答が行われましたが、その詳細は委員会の会議録につき御承知を願います。
 これに引続き討論が行われ、採決を行い、多数をもつて本件を承認すべきものと議決いたした次第でございます。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。砂間一良君。
    〔砂間一良君登壇)
○砂間一良君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となつている世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件、日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案の両案に対して反対の意見を表明するものであります。
 まず第一に、世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件に反対の理由を申し述べます。
 政府は、この世界保健機関に加入すれば、国民の健康の増進と保護に何かたいへん有力な援助でも得られるかのように言つておりますけれども、それは一つの幻想でありまして、みずから努力せずして、決して国民の健康の増進向上はあり得ないのであります。今、日本の保健衛生の現状を見まするに、諸君も御承知のように、きわめて劣悪でありまして、結核患者は世界第一位にあり、児童保護はまつたく行き届かず、その他栄養、住宅、衛生、慰安、経済上及び労働上の條件は世界の最低位にあるといつてもよいのであります。これらは、あらためて世界保健機関に加入せずとも、政府がやろうと思えば、いつでも改善できることであります。しかるに、そういう努力を放擲しておいて、国民の健康は悪化するにまかせ、他方世界保健機関に加入して、こういう機関に加入しさえすれば、何らかよそから救いの手でもやつて来て、自然国民の健康が増進するかのごとき幻想を與えることは、まつたく国民を欺瞞するものであります。世界保健機関はそういう他力の機関ではないのでありまして、これに加入すれば、年に四千数百万円の分担金を負担しなければなりません。世界の国々の中には、この分担金があまりに高いというので脱退した国も幾つかあるのであります。私は、大した活動も期待されない世界保健機関に四千数百万円も出して加入するよりも、まず政府みずから国内の保健増進に努力すべきだと思います。これが反対の理由の第一であります。
 次に政府は、こういう国際機関に加入することは、日本がそれだけ国際社会に認められることであつて、講和の見通しも明るい今日、たいへんけつこうなことだと申しているのであります。ところが、事実はまつたくこれと逆でありまして、世界保健機関に加入することは、これはなしくずしの單独講和の布石の一つでありまして、日本みずから全面講和を不可能にするものであります。
 御承知のように、世界保健機関は国連と一身同体ともいうべき、きわめて密接な関係にあるのであります、しかるに、今その国連はどういう機能を果しているかと申しますと、これはスターリン首相がきわめて適切に表現しているのであります。いわく「平和の防壁としてつくられた国連は――と化し、新しい世界――を始める手段となつてしまつた。国連の中心的――は、――北大西洋條約加盟十箇国及び中南米二十箇国である。これら諸国の代表は、国連で戦争か平和かの運命を決定している。中華人民共和国が――だと、――を国連で行つたのも、これらの代表である。このようにして国連は――と化すとともに、もはや加盟国が平等の権利を持つ世界機構としての――――いる。実際上国連は、現在のところ世界機構というよりも、むしろ――――機関であつて、――通りに動いている。」世界保健機関も、まつたくこれと同様の動きをしているのであります。
 なるほど世界保健機関憲章の前文には、「到達し得る最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的條件の差別なしに万人の有する基本的権利の一つである。」とりつぱに平等の原則がうたつてあります。この原則に賛同して、世界の多くの国々は喜んで世界保健機関に加入したのであります。ところが、その後の実際の運営を見ますと、この世界保健機関もまた国連と同様に、――――となり、たとえば伝染病、災害等の場合、ある種の国々に対しては医薬品、救済物資、医師、看護婦等を派遣いたしますけれども、他の種の国々に対しては送らない等、まつたく医療保健を通じて――――の機関化してしまつているというのが実情であります。そうでありますから、最初喜んでこの機関の設立に参加したソビエト、中国を初め、世界の人口の三分の一を代表する十箇国は、遂に脱退してしまつたのであります。世界保健機関は、世界の機関ではなくして、一方的な帝国主義支配機関化している、この点の認識がきわめて重要であります。今講和を前にして、日本がこの一方的な機関に参加するということは、日本みずから全面講和を不可能にするものであり、わずかな医療援助のために――――することになるのであります。
 次に日本政府在外事務所設置法は、昨年の第七国会において制定せられたのでありますが、そのときも、わが党は反対の理由を明らかにしております。すなわち、国の独立と自主性を持たないとき、そんなものを設置してもむだである、外交権も持たずに十分な活動ができるはずがない、また在外事務所をどこへ設置するかについても、――認可を受けなければならない、日本がぜひここへ設置したいと思うところでも、――――結局この法案のねらいは、国民の目をごまかして、單独講和の既成事実を一つ一つ積み上げて行く――の一つの現われであるというのが、わが党の反対の理由のおもなる点でありました。ところが、その後一年の実績を見ますと、わが党の予言した通りになつて来ているのであります。まず第一に、在外事務所の設置されている場所を見ますと、アメリカは別といたしましても、ブラジル、ウルグアイ、タイ、パキスタンといつたような、日本とどつちかといえばあまり縁の薄い遠方の小国ばかりでありまして、日本の最大の隣国であるところの中国やソビエトには一つも置かれておらないのであります。これは中共貿易の禁止措置とも考え合せまして、日本が――――とする意図の端的な現われであります。しかしながら、日本の経済的自立が中ソと友好親善関係を持たずに絶対に達成できないことは、国民の常識であります。
 第二に、在外事務所の開かれたところでも、その活動はほとんど見るべきものがないのであります。南米等におきまして、移民あるいは居留民の実情をもほとんどつかんでおりません。貿易あるいは商況等の報告もきわめて不十分であります。これはそのはずであります。第一、外交権も持たない使節が、国を代表しての正式の交渉も調査もできないのは、あたりまえであります。在外事務所が開かれて、日本は講和前でもたいへん世界との関係が密接になつたように宣伝されておりますけれども、それはただ見せかけだけでありまして、その実質的内容はまつたくないと言つてもよいのであります。こういう空虚な在外事務所を数ばかりふやしましても、日本と一番密接な関係に置かるべき国々には一つも設けず、かえつてこれを――続けて行くならば、それは何ら役に立たないばかりか、かえつて有害であります。世界保健機関への加入とか、在外事務所の増設とか、あるいはユネスコへの加入、国際捕鯨協定への加入等、最近一連の国際機関への参加が目立つて参りまして、政府與党の諸君は、これをもつて、日本は講和前であるにもかかわらず、アメリカの好意によつて日本の国際的地位が大いに高められたかのごとき、から宣伝をやつておりますが、これはまつたくの見せかけだけでありまして、内容は空虚なものであり、しかもそれらは、ことごとく單独講和の布石として政治的に利用されており、全面講和を不可能にし、日本の――にする方向に導かれて行つておるのであります。
 わが党は、かかる羊頭を掲げて狗肉を売る、これら一連の吉田内閣の――――に断固反対するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) ただいまの砂間君の発言には不穏当の言辞があるように思いますから、速記録を取調べの上、適当の処置をとることといたします。
 これにて討論は終局いたしました。
 まず日程第一につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第二につき採決いたします。本件は委員長報告の通り承認を與えるに賛成の諸君の起立を求めます、
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第三、日本国有鉄道法の一部を改正する法立案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事大澤嘉平治君。
    〔大澤嘉平治君登壇〕
○大澤嘉平治君 ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、去る三月十五日、本委員会に付託され、二十二日政府より提案理由の説明を聽取し、これを審査いたしたのであります。
 本法案の趣旨を簡單に申し上げますと、第七回国会においてこの法律が改正せられた際同時になすべきであつた條文の字句の整理をするものであります。すなわち。第二十一條及び第二十六條第二項に「第十二條第二項」とあるのを「第十二條第四項」に改めるのであります。
 本法案は、昨二十六日の委員会において、質疑討論を省略し、ただちに採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたしたのであります。
 以上、簡單でありますが、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第四、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、日程第五、裁判所法等の一部を改正する法律案、日程第六、少年院法の一部を改正する法律案、日程第七、裁判所職員定員法案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長安部俊吾君。
    〔安部俊吾君登壇〕
○安部俊吾君 ただいま議題となりました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、裁判所法等の一部を改正する法律案、少年院法の一部を改正する法律案及び裁判所職員定員法案の四案を一括して、それぞれの提案要旨及び法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その要旨を申し上げますと、第一は簡易裁判所の増設でありまして、今回は事件の数、交通の状況等を考慮いたしまして最も必要と認められる三箇所に増設することといたしました。すなわち徳島県鳴戸市、栃木県小山町、広島県吉田町であります。第二は、簡易裁判所の所在地を二箇所変更することであります。第三は、土地の状況、交通の便否等を考慮いたしまして簡易裁判所の管轄区域を是正しようとすること等であります。
 本法案は、次の裁判所法等の一部を改正する法律案とともに、三月十九日、本付託となりましたが、委員会においては次のような質疑応答がありました。一般に下級裁判所の増設については、政府はどういう方針で臨んでいるかという質疑がありましたのに対して、政府から、現在下級裁判所設置に関する要求が約四十箇所に上つているが、予算の関係もあり、これらの要求を全部いれることはできないので、まず国会で採択されたものを第一順位として、各方面の意見を聞いて愼重に決定する方針である旨の答弁がありました。また、今回栃木県小山町に簡易裁判所を設置する特に必要な理由等について共産党から質疑がありましたのに対し、政府から、小山町は新興都市で、事件の数が多く、地方住民の強い要望もあり、関係弁護士会、裁判所、検察庁の支持もある上、第五国会以来衆参両院で請願が採択されておるので、今回これを設置しようとするものである旨の答弁がありました。
 次いで討論に入りましたところ、共産党から反対の討論がありまして、採決の結果、多数をもつて政府原案通り可決された次第であります。
 次に、裁判所法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法案は、第一に、家庭裁判所に家事調査官及び家事調査官補を置き、これをして裁判官の命を受け、家庭に関する事件の審判及び調停に必要な調査をつかさどらしめ、もつて新民法施行以来年々増加の一途をたどりつつある家庭事件の適正迅速な処理を期そうとすることであります。
 第二に、家庭裁判所の成人の刑事事件に関する裁判権を拡張し、現在家庭裁判所は、その取扱う成人の刑事事件についで罰金刑を科することができることとなつておりますのを、禁錮以上の刑をも科することができることとし、地方裁判所との審理の重複を避け、事件の能率的処理をはかろうとすることであります。
 第三に、昭和二十七年一月一日から、裁判官以外の裁判所職員は特別職の公務員となります関係上、これに必要な規定を整備すること等であります。
 委員会におきまして、裁判官と家事調査官との職権の限界等について質疑がありましたが、政府から、家事調査官は具体的事件が係属した際、裁判官の補助として、裁判官から命ぜられた範囲において、家庭事件に関する事実についてのみ任意調査を行うものであつて、しかもその調査は原則として裁判所において行い、家庭に出かけるようなことは、ごく例外の場合を除いてこれを避けたい、また家事調査官等の採用には慎重を期し、いやしくも調査の行き過ぎのないよう留意したいとの答弁がありました。
 次いで討論に入りましたところ、共産党から反対の討論があり、採決の結果、多数をもつて政府原案の通り可決された次第であります。
 次に少年院法の一部を改正する法律案につき、委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 第一に、現行法におきましては、在院者が二十歳に達すれば退院させる建前をとり、ただその矯正教育のため必要があれば、二十歳を越えても、入院の日から数えて六箇月を限り、引続き少年院長の裁量で在院させることになつておるのでありますが、この六箇月の期間を一年に改めようとするのであります。それは、最近の実績に徴しますれば、保護少年の仮退院までの期間が平均九箇月余になつておりますことと、本年一月から少年の年齢が二十歳に引上げられましたので、二十歳近くで収容される少年も増加することをも考慮いたしまして、現行の六箇月を一年に延長し、少年院の矯正教育の実情に即したものにしようというのであります。
 第二に、少年保護鑑別所の施設、特別少年院の施設の收容能力及び女子の医療少年院の施設が現在いずれも不足しておりますので、さらに二箇年間、いわゆる代用少年保護鑑別所、代用特別少年院等を使用することができることにすること等であります。
 委員会におきましては、三月二十日、参議院より提案理由の説明を聞き、次いで質疑を行いましたが、在院期間を延長する理由、延長した場合の効果及び少年の保護矯正施設充実の見込み時期等について質疑がありました。これに対し、提案者宮城タマヨ君等から、最近の実績に徴し少年の保護矯正期間は六箇月では十分でないので、これを一年に延長したい、また保護矯正施設の整備については近い将来その実現に努力したいという答弁がありました。
 かくて、三月二十四日質疑を終了し、討論に入りました。共産党を除く各派から賛成意見の開陳がありまして、採決の結果、多数をもつて宮城タマヨ君外二名提案の通り可決された次第であります。
 最後に裁判所職員定員法案について申し上げます。
 本法案の要点の第一は、事件の増加に伴う裁判所職員の定員の増加でありますが、その大部分は家庭裁判所関係の職員でありまして、これは最近における家庭事件の増加及び今後予想される少年事件の著しい増加による裁判所職員の負担の増大に対処するためのものであります。その他地方裁判所における各職員、少年調査官、少年調査官補及び技官の増員もございます。第二は、先ほど申し上げました裁判所法の一部を改正する法律案により新設されますところの家事調査官の定員を定めることであります。
 本案は、三月二十三日、本付託となりましたが、委員会におきまして、質疑なく、討論を省略し、全会一致をもつて政府原案通り可決されました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) まず日程第四、第五及び第六の三案を一括して採決いたします。三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて三案とも委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第七につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第八、農業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長千賀康治君。
    〔千賀康治君登壇〕
○千賀康治君 ただいま議題となりました、参議院提出、農業協同組合法の一部を改正する法律案に関しましては、三月二十三日、予備審査のため当委員会に付託され、同じく二十六日、提案者より提案理由の説明を聽取いたしましたが、全員異議なく可決すべきものと議決いたした次第でございます。詳細は速記録に譲ることといたします。何とぞ御賛成を願います。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、厚生省設置法の一部を改正する法律案、運輸省設置法等の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 厚生省設置法の一部を改正する法律案、運輸省設置法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事青木正君。
    〔青木正君登壇〕
○青木正君 ただいま議題となりました両案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず厚生省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。本案のおもなる点は、通商貿易の進展に対応して検疫事務の迅速な処理をはかるため検疫所の支所または出張所を設置することができることとし、また麻薬取締業務を円滑に行うため、全国八箇所に麻薬取締官事務所を設置することとして、所要の改正を行わんとするものであります。
 次に、運輸省設置法等の一部を改正する法律案について申し上げます。本案は、運輸審議会のつかさどる事務の重要かつ複雑なる実情にかんがみまして、同審議会の審理事務の能率化をはかるため、これが補助機関として審理官を設けるほか、関係法令の制定、改廃に伴い、運輸省の権限、所掌事務の規定を整理しようとするものであります。
 厚生省設置法の一部を改正する法律案は三月二十二日、運輸省設置法等の一部を改正する法律案は三月二十三日、それぞれ本委員会に付託され、いずれも政府の説明を聽取し、質疑を行つたのでありますが、その詳細は会議録によつて御承知を願うことといたします。三月二十七日、いずれも多数をもつて原案の通り可決いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、国税徴收法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 国税徴收法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長夏堀源三郎君。
    〔夏堀源三郎君登壇〕
○夏堀源三郎君 ただいま議題となりました国税徴收法の一部を改正する法律案外一法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず国税徴收法の一部を改正する法律案について申し上げます。この法案は、国税徴收の現況にかんがみまして、国民負担の軽減、合理化の措置と並行し、徴收制度につきましてもその合理化に努め、一層円滑かつ適正な納税が行われますように、まず最近における滞納の発生及びその処理の状況にかんがみ、納税者に特別の事情がある場合における租税の徴收及び滞納処分につきその合理化をはかることといたし、分納及び徴収猶予の制度並びに滞納処分の猶予及び停止の制度を新設し、次に現在の国民生活の実情及び滞納処分の執行の状況にかんがみまして差押え禁止物件の範囲を拡張し、次に昭和二十四年十二月三十一日以前の期間に対する等の加算税及び延滞金につきましては、特定の場合に限りこれを軽減し得ることといたし、次に督促手数料の廃止等を行い、次に納税者に詐害行為等がありました場合におきましては、滞納者本人について滞納処分を執行してもなお徴收すべき税金に不足するときに限つて、これに関係のある親族または同族会社から徴收できることといたし、さらに国税と地方税との間の徴收の順位を同一にすることといたす等の改正を行おうとするものであります。
 次に物品税法一部を改正する法律案について申し上げます。この法案による改正の要点は、物品税につき一層納税の円滑化、負担の適正をはかることを目的といたしまして、第一にサツカリンまたはズルチンを原料とする錠剤甘味料に対しては、納税資金の調達等を考慮いたしましで、原料段階において課税することを廃止し、製品段階において課税することといたしますとともに、第二に物品税の取締力を容易にし、脱税の絶滅を期するために、製造場から移出される際の形のまま小売店舗において陳列販売されるような物品のうち特に必要なものにつきましてはその製造者に対して、移出の際物品税証紙の貼付を命ずることといたそうとするものであります。
 以上の二法律案については、愼重審議の結果、本二十七日、一括して討論採決に入りましたところ、小山委員は自由党を代表し、松尾委員は社会党を代表してそれぞれ賛成の意を述べられ、深澤委員は共産党を代表して反対の旨討論せられました。次いで一括採決の結果、起立多数をもつて原案の通り可決すべきものと決しました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
 明二十八日は特に定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後二時四十七分散会