第010回国会 本会議 第29号
昭和二十六年三月三十一日(土曜日)
 議事日程 第二十八号
    午後一時開議
 第一 住民登録法案(鍛冶良作君外三名提出)
 第二 教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第三 教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
 両院協議会協議委員の選挙
 関税定率法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
 両院協議会協議委員の選挙
 食糧管理法の一部を改正する法律案につき両院協議会協議委員の選挙
 有線放送業務の運用の規正に関する法律案(本院提出、参議院回付)
 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
 公益事業委員会に関する緊急質問(椎熊三郎君提出)
 秘密外交排撃に関する決議案(北村徳太郎君外三名提出)
 国務大臣法務総裁大橋武夫君不信任決議案(鈴木義男君外百十三名提出)
 遺族戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案(高橋等君外四十五名提出)
 国際放送の再開促進に関する決議案(橋本登美三郎君外三十一名提出)
 歯舞諸島返還懇請に関する決議案(冨永格五郎君外二十一名提出)
 日程第一 住民登録法案(鍛冶良作君外三名提出)
 日程第二 教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第三 教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 農薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 農漁業協同組合再建整備法案(内閣提出)
 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案書(青柳一郎君外九名提出)
 河川法の一部を改正する法律案(西村英一君外十一名提出)
 軽井沢国際親善文化観光都市建設法案(黒澤富次郎君外百二十名提出)
 文化功労者年金法案(内閣提出、参議院送付)
 産業教育法案(長野長廣君外十七名提出)
 経済調査庁法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 漁船保險法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 積雪寒冷單作地帶振興対策審議会委員の指名
 関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会成案
 関税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(西村直己君外二名提出)
 熱管理法(本院提出、参議院回付)
 熱管理法案(本院議決案)
 外国為替監理委員会設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 船舶職員法案(内閣提出、参議院送付)
    午後四時三十五分開議
○議長(林讓治君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
○議長(林讓治君) お諮りいたします。この際議事日程に追加して日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立少数。よつて参議院の修正に同意せざることに決しました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 憲法第五十九條第三項及び国会法第八十四條第一項の規定により、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について両院協議会を求められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて両院協議会を求めることに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) これより両院協議会協議委員の選挙を行います。
    ―――――――――――――
○福永健司君 両院協議委員の選挙は、その手続きを省略して、議長においてただちに指名せられんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて協議委員は議長において指名するに決しました。
 ただちに指名いたします。
  日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員
   石田 博英君  倉石 忠雄君
   佐々木秀世君  福永 健司君
   吉武 惠市君  橋本 龍伍君
   田中 啓一君  前田  郁君
   西村 直己君  岡延右エ門君
 ただいま指名いたしました協議委員諸君は、議長応接室に御参集の上、議長、副議長おのおの一名を互選せられんことを望みます。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 次に議事日程に追加して関税定率法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。関税定率法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立少数。よつて参議院の修正に同意せざることに決しました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 憲法第五十九條第三項及び国会法第八十四條第一項の規定により、関税定率法の一部を改正する法律案について両院協議会を求められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて両院協議会を求めることに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) これより両院協議会協議委員の選挙を行います。
    ―――――――――――――
○福永健司君 本案は日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員にあわせ付託せられんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員にあわせ付託するに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 参議院から、本院送付の食糧管理法の一部を改正する法律案は同院において否決した旨の通知を受領しました。
○福永健司君 憲法第五十九條第三項及び国会法第八十四條第一項の規定により、食糧管理法の一部を改正する法律案について両院協議会を求められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて両院協議会を求めることに決しました。
     ――――◇―――――
 食糧管理法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員の選挙
○議長(林讓治君) これより両院協議会協議委員の選挙を行います。
○福永健司君 本案は日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員にあわせ付託せられんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議会協議委員にあわせ付託するに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 次に議事日程に追加して有線放送業務の運用の規正に関する法律案の参議院回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 有線放送業務の運用の規正に関する法律案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 次に議事日程に追加して地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。
○議長(林讓治君) 本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、椎熊三郎君提出、公益事業委員会に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 公益事業委員会に関する緊急質問を許可いたします。椎熊三郎君。
    〔椎熊三郎君登壇〕
○椎熊三郎君 先般来、私は公益事業委員会に関する緊急質問を運営委員会に提出しておりましだが、多数の諸君は、この質問をなるべく避けるようにしたのでしようか、今日まで許されません。はなはだ遺憾千万でございます。しかも今日となつては、時期ややおそきに失するのであります。公益事業委員会は、新会社の人事を今朝発表しております。私は、少くとも発表前にこの質問をしたかつた。しかもこの最高責任者は内閣総理大臣ですから、総理大臣から聞きたいと思つておりましたが、総理大臣はこの重大なる国会をよそにして、どこか別莊等に行かれておるということで、はなはだ遺憾千万であります。けれども、本日の機会を失しましては、もはや明日からあるいは自然休会になるかもしれないので、この質問をなすの機会がございません。はなはだ遺憾ではあるが、私は主として官房長官からお答えを願われればけつこうであります。なおまた、この質問に際しましては、自由党多数の諸君はいろいろ私に條件を付しまして、こういう質問は、特に君なるがゆえに、許したくはないが、紳士協約をもつて、あまり毒舌などを用いないならば、やむを得ず許すということでございます。従つて、この紳士協約に基きまして、私は毒舌等に類する言辞は一切用いません。在来といえども、そういうことは私はかつてなした覚えはないのであります。(「その通り」)そういう意味で、簡單率直にお伺いしたい。
 電気事業の再編成は、諸君御承知のように、去年十一月、国会開会の直前にあたつて、内閣は関係方面に懇請して、国会の自主権を蹂躪して、ポ政令によつてこのことをなすに至つたのでございます。その際私は、日本の国会の自主性の喪失、この問題に対して、日本の国会の権威のために、その当時緊急質問をしております。それに対する総理大臣の答弁は、はなはだ不十分なものでございましたが、遂にこの政令によつてこのことは断行せられました。政令によつてこのことを断行したるの結果、世間は今度の再編成に非常な疑惑を持つに至りました。
 われわれが主張するがごとく、これは二十三年以来の国会の懸案でございまして、第七国会では審議未了になつた問題であります。続いて第八国会では、自由党党内の紛争によつて、遂に議会に顔を見せることのできない問題であつた。第九国会では、このことを国家のために私どもは十分なる用意と注意をもつて審議しだいと待ち構えておつたやさきに、ポ政令でこのことを決定せられたのであります。それなるがゆえに今日のごとき疑惑を残すに至つた。もしこの再編成の問題が、国会において、法律に規定せられてなされるならば、今日のごとき紛糾はなかつたであろうと私どもは思うでございます。真に日本の再建を思うならば、この日本の経済上の復興の基礎をなす動脈的な電気の問題でありますから、このことだけは、われわれは国家の再建のために十分なる用意を持つて、法律によつてやるということでなければならなかつたと、今なお信じでおる。内閣においては、ポ政令によつてこのことをなしたその後の経過、それをまず内閣官房長官は御説明にならなければいかぬ。国会では、まだ衆議院の本会議では、正式にこの問題が取上げられておりません。従つて、その後の経過については、詳細に内閣官房長官から御説明をお伺いしたい。
 この問題につきまして、参議院の電力委員会では重大なる決定をいたしました。そうして、公益事業委員会が不明朗、不適当の処置をとつたということを断定しております。なおこの参議院の決定につきましては、松永公益事業委員その他より、これに対して善処する旨の答弁等があつたにもかかわらず、今朝の新聞によると、まつたくこれを裏切りまして、世にいわゆる松永案なるものを、今日なお平然として天下に示すの醜態を演ずるに至つておるのであります。今日発表せられておる九分割の新会社の人事については妥当なりやいなや、私は内閣の見解を承りたい。本日の新聞による役員の選定の状況を見ますると、驚くべきものがある。日発側からは、九会社を通じて取締役が十四人、配電会社からは驚くべし三十三人、社外からは三十四人出しておる。監査役につきましては、日発からわずか六名、配電会社からは十七名、社外から十名、こういう不公平な処置をとつておるのであります。
 なお、この公益事業委員会における最初の決定は、九分割による新会社の設立は、両会社、すなわち日発と配電会社の財産を合併して、そうして新たなる会社をつくるということだ。その合併の方式を、株価によつて一対一に決定したことに、不公平の最初が始まつておるのであります。諸君、株価による合併の方式は、参議院の電力委員会における大学の教授あるいは有名なる会計士等の証言によれば、まさにナンセンスであるという言葉を使つて軽蔑している。そんな合併の方式はないという。この株主の財産を、まことに不適法なる考え方をもつて一対一に評価せられた。この現実というものは、日発の株主にとりましては重大なる損失をこうむる。何の、いかなる根拠に基いて――これらの株主は、自分の財産権を擁護することができない。現に日発の持つておる固定資産は二百二十億を越えておる。そうして、税額は二十億を納入しております。それに対する配電会社の税額は、固定資産税は十億である。半分である。嚴密に財産の調査の上から比率をとりますと、一対一・七四でなければ正当な比率が出て来ない。これを一対一にすることは、日発の株主の財産を不当に新会社が所有するの結果を招来することであつて、これはおそらく将来大きなる裁判上の問題を形成するでありましよう。日発はすでにその用意を整えて、裁判に訴えて最後の審判を受けようとしておる。
 公益事業委員会とは何ぞや。わが国の再建のために、基礎的産業たる公益事業を、この人々は非常なる重大なる権限をもつて支配している。そもそもこの公益事業委員会の委員の人選そのものに総理大臣の不明があつた、間違いがあつたと私は思う。公益事業委員会の中の松永安左衛門君はいかなる人物か。日本電気業界における長老ではございましようけれども、九分割案が世に喧伝せられるに至りましてからの彼の行動、彼のやり方というものは、私どもは国民として許すことはできません。電気事業再編成の委員に就任しておりながら、彼は私的の松永機関と称する事務所を設置いたしました。世間では、この費用をどこから捻出したのだ――松永君は、新聞紙上には、骨董品などを売つてこの費用に充てておるというようなことを言明しておつた。しかるに、疑惑が遂に疑惑を生んで、われわれは、かつての考査委員会でこの問題を審議するに至りまして、調査してみると、驚くなかれ、配電会社系統の各会社が、およそ一千万ほどの金を醵出いたしまして、そのうち松永氏個人に関東配電の高井君から渡した金が三百八十五万円でございますよ。しかも松永事務所、その事務費は三百万円を超えておる。まさに六百万円からの金というものを、松永氏が個人的の関係によつて関東配電側から受取つたという事実が、考査委員会の記録に歴然と残つております。現に、われわれはこれを調査した。この問題は、すでに刑事訴追を受けて、目不審理中でございます。電産関係の労働者は、このことを背任行為、収賄罪として訴えておるのであります。そういう事実がある。こういう人物を、公益事業委員会の委員に任命したということは、何と申してもこれは内閣の責任でなければならぬと私は思います。これらに対する総理大臣直接の弁明を聞きたいのだが、遺憾ながら聞く機会がございませんので、官房長官は内閣の大番頭であらせられるということであるから、責任ある御答弁をお願いしたいのであります。
 なおこの松永機関等に対する醜聞、醜事実等はたくさん材料がございますけれども、今日は時間の制限等もあつて詳しく申し上げる機会がないので、はなはだ残念でございまするけれども、そういうことによつて、委員会がそういう不純な人物によつてなされた結果、新会社の役員というものは、本日発表になつただけでも、驚くべし、北海道は日発側の取締役が二名、配電会社三名、社外が四名、東京は日発一、配電三、社外六、中部は日発一、配電四、社外四、北陸は二、三、四、関西は一、五、五、こういうような状態になつておるのであります。合計いたしまして、日発側から十四名の取締役、配電会社から三十三名の重役を出している。しかもこのことは、小坂日発総裁と松本公益事業委員会委員長との間にすでに話合いがあつて、配電と日発の間から五分、五分の人選をしようということが最初の申合せであつたということが、参議院における証言として記録されております。これを蹂躪して、ほとんど松永案でやつておる。
 参議院の委員会では、日本の電気事業界には有名な人々がたくさんあるので、これらの新会社の重役あるいは顧問にせよということを委員会から言われて、これには、松永君も顧問等にするように善処したいということを答えておる。その一部の人々の氏名を申し上げますると、あるいは村上君であるとか、新井君であるとか、名取君であるとか、池尾君、これらの人々は、日本の電気業界における、そうそうたる人物であります。これを松永君は、参議院の電気委員会において、むしろ承諾を與えつつ、本日の新聞を見ると、一切これをしりぞけておるのであります。彼の横暴、彼のやり方というものは驚くべきものである。
 私は、先般ラジオの放送でも言つたが、この公益事業委員会が今日発表したる人事の中に、世間では総理大臣の側近などとうわさされている人々の名も見受けるのでございます。たとえば白洲君であるとか、同僚何がしであるとか、(笑声)これらは、おそらく私は、総理大臣としても、こういう人事は御遠慮なさらなければならぬはずだと思う。同僚の中の氏名をさすと、一身上の弁明などに出られて、はなはだ皆さん迷惑なさると思うから、私は某氏と言うのだが、諸君御承知の通りだろうと思う。
 私は、この新会社設立による財産の評価の誤り、そうしてそれがことごとく松永人事によつて、この厖大なる国家的の財産が新会社に掌握されるという結果、日本の産業界に及ぼす影響をおそれるのであります。内閣は、この重大なる祖国再建の基礎をなすところの電気事業に、こんな軽率にして不謹愼なる行動をあえてなし、日本の産業界の根底を破壊するがごとき今回の再編成、これをもつて、真に日本の産業界が復興すると確信せらるるかどうか。官房長官は国務大臣でもないのですから、あまり大した御意見もなさそうだが、少くとも内閣の番頭たる以上、総理大臣の留守中等は責任のあるお答えを願いたいのでございます。
 なお、この新会社がこういうような人事をやつて、日本の産業界の基礎を、まつたく一個人の私利私欲の前に壟断せらるるがごとき人事行政をやつておいて、ほんとうに日本の電気事業界というものは発展再興できるかどうか、私は、そこにはなはだ不安を感ずる。今朝発表になつたこの人事は、一箇月間のうちに総理大臣が裁定しなければならぬことになつておるということだが、せめてかくなる以上は、この一箇月の間に再考を煩わしたい。内閣においては、内閣の監督のもとにあるこの公益事業委員会がなしたる今回の人事行政に対して、これを再考するのお考えがあるかどうか。もしないとするならば、まつたく無責任であつて、内閣もまた、世にいうところの、一つの問題の人物たる松永君に籠絡せられているといわれても弁解の辞がないのではなかろうか。
 私どもは、予算委員会において、これらの人々を召喚して、いろいろの証言、陳述を受けました。その中に、日発の今日の総裁の小坂順造先生のごときは、声涙ともに下つてこの内情を暴露し、これでは日本の産業界は壊滅するという言葉まで使つておる。しかも内閣総理大臣から任命されたる小坂君が、あれだけの至誠を披瀝して、まじめに、あれだけの献言をしても、一切これを受付けずして、本日発表になりましたるがごどき松永人事、世の中は、これは納得いたしません。現にあの松永機関が、数百万円の金を関東配電その他から受取つて、その消費先につきましても、私どもは考査委員会で納得できざる節々がたくさんあつたのでございます。
 そもそも電気の再分割の問題は、二十三年、水谷君が商工大臣であつた当時からの問題である。そうして、水谷君の案は二分割案であつたと私は記憶いたします。それ以来、日本の産業界における重大案件であります。これがために大臣も数回かわつたくらいで、ことに稻垣商工大臣のごときは、遂にこの問題のために職を賭したといううわささえ飛んでおるのでございます。私ども、まじめに日本の産業界を心配する者はしりぞけられて、私利私欲のために日本の公共事業を悪用せんとするがごとき人々が内閣によつて任用されておるというようなことは、今日の民主化されたる日本では断じで承服することができないのであります。
 諸君、松永君はなるほど電気事業界には長き経験を持つておつたではございましようが、そもそもこの再分割の問題は、関係方面からの経済力過度の集中を排除するという問題から来ておるので、ぜひとも何らかの方法で分割しなければならぬ運命にあつたでございましよう。ところが九分割というのは、これは松永案なんです。松永君がこの案を内閣に進言して、内閣はこれを取上げたのです。そのことから始まつております。松永君が九分割案を持ち、配電会社方面はすでに九分割になつておる。それなるがゆえに、一千万円からの金を集めて、松永君に三百八十五万円という現金を渡すという事実もそこから生れている。初めから松永君の陰謀から出ている。
 私は、吉田内閣は戰後の苦しい日本の政界にあつて相当のこともなされておるようだから、悪い方面ばかり言うことは、はなはだ遺憾ではあるが、この内閣の計画したことで、許すべからざる二つの罪悪があると思う。その一つは電気の九分割案で、もう一つはタバコの民営の問題、この二つとも、これを初めて考え出したのはだれか。今天下の問題となつておる、しかも東北配電の重役に本日発表せられたる白洲何がしというものの発案なんだ。私は、この白洲君の電業九分割とタバコ民営のこの二つは、むしろ売国的な行動であるとさえ思うのだ。なお外貨導入に名をかりて、日本人の重大なる権益を彼の私利私欲によつて壟断せられるということは、私どもは断じて承服できません。(発言する者あり)タバコ議員連盟におきましては、各党の議員がこれに参画して、ことごとくこの内情を知つておるのですぞ。諸君といえども、これを否定することはできないだろう。
 私は、総理大臣吉田さんは外交界の長老ではあるが、経済上の問題についてはすこぶる関心が深くないように思われて、日本のために遺憾である。側近などといわるる人々は、こういう点についてこそ大いに進言して、総理をしてあやまちなからしめるという行動をしなければならぬ。しかるに何ぞ、総理大臣が監督の地位にあることを利用して、側近と称せらるる者みずからが、不当と解せられる九分割の重役に平然として就任するがごときは、日ごろ尊敬する同僚、あなたのためにも私は惜しむのであります。(拍手)こういうことによつて、一国の講和を担当せんとする吉田総理が、いろいろ疑惑を持たれたり、国内的の問題でこんな非難を受けたりすることは、日本の講和締結のために、百害あつて一利なし。どうか吉田さんは講和のために精進するならば、内政上の問題でも、まつたく清純なる気持をもつて、公正妥当なる行動をとつていただきたいのであります。
 そこで、お答えを願いたいのは、官房長官のお答えしやすいように、箇條書きでさらにあらためて申し上げます。それは、ポ政令による電気事業再編成の問題は、政令発布以来今日までいかなる状況をたどつたか、これが第一。
 第二、公益事業委員会は、この問題に関し公正かつ妥当の処置をとりつつありやいなや。
 第三、九分割による新会社の設立経過について御答弁を願いたい。
 第四、新会社設立のための財産権の処分の内容について御答弁を承りたい。
 第五、新会社の人事はいかなる経過をたどつて本日のような発表になつたのか。これに対して一箇月以内に裁定しなければならぬ内閣総理大臣は、再考の余地ありやいなや。
 しかして最後に、かくのごとき状態をもつてする再編成によつて、わが国の電気事業界の将来の見通しいかん。これで電気事業界が殷賑をきわめ、勃興するかどうか、そうして日本の産業界の基礎を現実に守ることができるかどうかということについて、官房長官は内閣を代表して所信を明らかにせられんことを希望いたします。(拍手)
    〔政府委員岡崎勝男君登壇〕
○政府委員(岡崎勝男君) お答えいたします。
 ポ政令公布以後の状況はどうかというお話でありますが、公益事業委員会その他は、同政令に基いて的確に仕事を行いつつあります。
 なお公益事業委員会の中のある委員に対して、その任命は不適当ではないかというお話でありまするが、政府は、公益事業委員につきましては、いずれも各方面の権威者を網羅しておりまして、ことにお話の委員は、業界における長い経験にかんがみまして最も適当であると考えておつたのであります。そうして、決してこの人が私利私欲で動くような人でないということは私も確信しておつたのであります。
 なお公益事業委員会の決定した人事は適当であるかどうかというお話でありますが、公益事業委員会が政令の規定に基いて行いまする人事に対しては、政府としては一々これに対し具体的な掲示をすることは差控えております。但し、この決定に不服な場合の救済の方法は同じく政令に書いてあるのでありまして、その方法によることが適当であろうと思うのであります。
 また財産権その他につきましてもお話がありましたが、これまた政令によりまして、公益事業委員会にその第一の決定をまかしてあるのでありまして、これに不服があれば、同様な方法によりまして異議の申立てができるわけであります。
 また公益事業委員会の人事の決定によりまして、再編成が日本の産業界の再建に役立つと思うか、こういうお話でありますが、元来電気事業再編成と申しますものは、ただいまもお話がありましたように、二分割とか五分割とか九分割とかいろいろ議論ありまして、なかなか困難な問題であります。従いまして、ある方法で行いますれば、それに反対の向きが反対するのは、これまた自然のことであります。その間にありまして、公益事業委員会は、むしろ自分の信ずるところを勇敢に行つておると考えでおりますが、この決定に対して不服な場合は、それぞれ総理大臣に申請の道があるのでありまして、総理あるいは政府といたしましては、具体的に申請がなされた場合には考えるのでありまするが、ただいまのところ、まだそういうところまで行つておりませんので、今では公益事業委員会のやり方を見守つておる次第であります。(拍手)
○椎熊三郎君 私は、ただいまの政府の答弁には満足いたしませんけれども、本日の議場の諸般の情勢にかんがみて、再質問は遠慮いたします。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、北村徳太郎君外三名提出、秘密外交排撃に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 秘密外交排撃に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。北村徳太郎君。
    〔北村徳太郎君登壇〕
○北村徳太郎君 ただいま上程せられました秘密外交排撃に関する決議案につきまして、私は国民民主党を代表いたしまして、その提案の趣旨を弁明いたしたいと思います。
 まず決議の案文を朗読いたします。
  秘密外交排撃に関する決議案
  民主主義政治は輿論の政治である。輿論を尊重するためには政治は公開の下に行われることを原則とすべきである。
  しかるに吉田外務大臣は、外交は秘密を本体とするとあえて公言し、秘密外交をもつて講和会議に臨まんとしている。
  衆議院は、民主主義に反し、講和会議を誤らしめる危險があり、日本再建の前途に暗影を投じつつある吉田秘密外交を排撃する。
  右決議する。
    〔拍手〕
 由来、国会は輿論を反映する鏡であると申されております。その輿論に沿つた政治こそが民主的な議会政治の基本的條件であることは、いまさら申すまでもないところでございます。従つて、国民待望の講和のごとき重大問題にあたりましては、十分に輿論の動向を察知し、またごうも遺憾のないまでに十分に輿論を議会に反映させ、国民の納得する、また国民の最大多数から歓迎されるところの、また従つて国会においても円滑に批准せられるという最も望ましい状態において結論を求めなければならないことは当然でございます。(「ヒヤヒヤ」拍手)
 先般来朝の特使ダレス氏自身が、いかに輿論を重視し、日本各界、各層の意見を聞くことに忠実熱心であつたか。氏自身の語つた言葉の中に「自分は單にテンポラリー・マジヨリテイと話合いをすればよいなどとは思つていない。すなわち、一時的の現象にすぎないところの多数党とだけ話すのではない」と言い、事実野党、経営者、労働組合、教育者、学者、さらには現になお政治上の自由を抑制せられておる人々とさえも大いに懇談されたことは、国民に強く感銘を與えておる事実であります。(拍手)わが党また、つとに、講和は八千万国民とともにということを主張して参つたのでございまするが、今日まで吉田内閣の講和に対処する態度は、どこまで薄暗い中世紀的な不明朗に終始いたしております点において、まつたく近代政治家たる感覚を失なつていることは、祖国のためにまことに遺憾にたえないところでございます。(拍手)
 わが民主党は、現下の歴史的な世界危機に立つ日本として、また講和に対処する日本として、超党派外交の必要をつとに痛感いたしまして、一昨年以来これを唱道して参つたのであります。
 すなわち、容易ならざる現下の世界情勢下にありまして、わが民族の運命を決すべき外交に関しては、これを一党一派に独占させたり、独善を許したりしてはならないと同時に、政党相互間もまた相戒めて、これを政争の具に供してはならないというのであります。もちろん国内の問題に対しましては、私どもは国民のために、批判すべきは鋭く批判し、また攻撃すべきを攻撃することは当然でございまするが、事外交に関しては、進んで朗らかに協力し、講和に遺憾なからしめようとの誠意から出たものでございます。
 ダレス氏来朝の直前に至りまして、ようやく政府及び與党は、わが党に対しまして協力を求められました。私どもは、かねての主張に基きまして、これを応諾したのであります。ところが、ダレス・吉田会見の事前に、何ら具体的な相談もない。事後また何ら報告もない。しかも、祖国の運命に関する重大問題は、独裁者吉田外務大臣の独断で、ひそかに、ほしいままに決定されてしまつたというのであります。もし、はたしてそういう事実がありといたしますならば、事はまことに重大であります。わが党は、苫米地最高委員長から緊急質問を行つたのでありますが、これに対する吉田外相の答弁はまつたく誠意を欠き、また意外にも、外交は本来秘密を本義とすると放言し、従順なる與党の諸君をさえ唖然たらしめたのであります。
 しかるに、吉田外相の秘密主義に反し、さすがにアメリカの公開外交は、ダレス氏からトルーマン大統領への報告文書の発表によりまして、逆にワシントンから、吉田氏の国会において事実を隠蔽しておる事柄が、次々に電波に乗つて私どもに知らされて来るという、まつたく笑えぬ皮肉な事実があるのであります。(拍手)たとえばダレス氏の報告文書によりますると、平和成立後に日本はアメリカの駐兵を歓迎すると吉田首相は約束したというがごときことがその一例であります。かくして、ワシントンからは真相が発表されておるのであります。また最近、本日入手いたしました情報によりますると、ダレス氏のロスアンゼルスにおける演説は、講和に関して、吉田外相との話合いその他について、きわめて具体的な、詳細なものが私どもに入手されておるのであります。吉田氏は、国会報告においても、その会談内容中、すでにダレス氏と約束してしまつている事実を、しかも重要な事実を故意に抹殺して、一言もこれに触れていないのであります。
 かつて第一次大戰休戰の直後、一九一八年一月八日でありますが、当時の大統領ウイルソンは、平和條約の基本原則として十四箇條の綱領を発表しておるのであります。その第一項に、秘密外交の打破を提唱しておるのであります。もちろん日本は、当時他の連合国と同樣に、この方針を応諾してヴェルサイユ会議に臨んだことは、世界周知の歴史的事実であります。爾来、世界の民主主義国家は、中世の遺物たる秘密外交を捨てて、民衆を基礎とする公開外交に転換いたしましたことは、これまた顕著な歴史的事実であります。(拍手)今日、もしアメリカ、イギリス等の国会において、そもそも外交は秘密を本義とするなどと放言する者があつたといたしますならば、おそらくは輿論は、ただちに彼を政界から葬り去るまで反撃を加えてやまないでありましよう。(拍手)すでに三十三年前ウィルソンによつて提唱された外交原則を、三十三年後の日本において、今私どもがこれを口にしなければならない事態に接しましたことは、国民とともに遺憾この上ないことであります。(拍手)
 われわれは、祖国のために超党派外交を提唱して参りました。しかし、中世紀的な古い外交官僚の感覚をもつて、今日この世界の危機感の中に、なおかつあえて秘密外交を行おうとする時代錯誤者と協力するだけの雅量は、もはや私どもは持ち合せていないのであります。すなわち、超党派外交もここに至つては、もはや私どもの忍耐の限界点に達したということを、ここに宣言するものであります。(拍手)時代逆行、民主主義逆行、輿論無視の吉田内閣の外交の秘密主義は、この際すみやかにこれを放擲し、自由世界の各国と波長の合つた外交、国民とともにする外交に一大転換を行うべきであります。これが本決議案提出の理由であります。
 なおこの際一言をつけ加えておきまするが、昨日共産党の提案になりました外務大臣不信任案に対し、私どもは反対いたしたのであります。これは、あえて外相を信任していることではない。提案者たる共産党とは、元来その世界観を異にしておりますから、これに同調しなかつたというだけであります。
 以上、私は提案理由の説明をいたした次第であります。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立少数。よつて北村徳太郎君外三名提出、秘密外交排撃に関する決議案は否決せられました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、鈴木義男君外百十三名提出、国務大臣法務総裁大橋武夫君不信任決議案は、提出者の要求通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 国務大臣法務総裁大橋武夫君不信任決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。鈴木義男君。
    〔鈴木義男君登壇〕
○鈴木義男君 ただいま議題となりましたる大橋法務総裁の不信任決議案の提案理由を説明いたします。これは野党各派の共同提案になるものであります。
 案文を朗読いたします。
  国務大臣法務総裁大橋武夫君不信任決議案
 衆議院は、国務大臣法務総裁大橋武夫君を信任せず。
  右決議する。
    〔拍手〕
 私どもは、国務大臣として、ことに法務総裁担任の国務大臣としての大橋武夫君を信任することができなくなつたことを、深く遺憾とするものであります。その理由は、きわめて簡單明瞭であります。それは、大橋君が神聖なる国会の委員会の査問に対して、偽証をなしたと見るべき嫌疑濃厚だということに起因いたすのであります。(拍手)偽証は、何人がこれを犯しましても、真実の発見を妨げ、憎むべき罪でありますが、正義を守り、法律の公正なる執行をその職責とする法務総裁がこれを犯したというにおいては、その罪許しがたきものがあります。(拍手)これを看過するがごとくんば、何をもつて国家の綱紀を維持することができましようか。
 大橋君の身辺については、その就任の当初から、足利板金工業株式会社、これは足利の單なるブリキ屋さんと、大橋君の秘書と称する者とのつくつておる会社でありまするが、この受注にかかる、いわゆる二重煙突事件にからんで疑雲が低迷しておつたのであります。品物の注文が、すでに大橋君の戰災復興院在職中にかかりまして、この注文につきましても、大橋君は関係しないと言われますが、大いに疑うべきものがあります。退官してこの会社の顧問になり、問題の代金の支拂いをあつせんし、相当の報酬も得ておるというのでありますから、関係は十分であります。会計検査院の指摘によつて本件は脚光を浴び、参議院の決算委員会の審査に付せられて約半歳、全貌はほぼ明らかとなつたのであります。
 しかして、去る二十六日、参議院の本会議において前之園委員長は中間報告を行い、大橋君が証人として行つた証言は偽証の疑いが濃厚であつて、はなはだ遺憾であると述べたのであります。これは実に重大なる報告であります。あるいは、それはまだ中間報告であつて、最終の報告でないというかもしれない。あるいは、まだ告発もされておらず、検察当局が取調べに着手してもおらないではないかと言うかもしれない。あるいは、小委員会の証言は正式の証言でないなどと、三百的言辞を弄する者があるかもしれない。もちろん、わが検察庁は常に公正であり、超党派的であり、新憲法の国民平等の原則に基いて、現職の大臣であろうが、元大臣であろうが、いやしくも犯罪の嫌疑ある以上は嚴正公平に検察権を発動させることは、すでに前例の示すところでありまするから、早晩そのことあることは、私どもの信じて疑わないところでありますけれども、ここで私どもが問題としておるのは、かかる法律上の責任ではないのであります。これは今後別個に追究されなければならない。私どもは、この中間報告に現われたる大橋君の道義的責任を糾彈いたしておるのであります。(拍手)政治道徳の問題であります。
 いやしくも正義の源泉たる法務総裁が、国権の最高機関において偽証をなした嫌疑濃厚なるものありと宣言せられました以上は、一日もその職にとどまるべきではないと信ずるのであります。(拍手)検察の最高指揮権をとる者が、がかる嫌疑をかけられましたる以上は、もはや検察の威信を保つことができないと信ずるのであります。(拍手)良識がありまする以上は、潔くその地位をしりぞいて、検察権の威信の保持に努むべきであります。そのことをしないのは未練というべきであり、恥を知らないというべきであります。(拍手)
 私どもが特に大橋君の今回の偽証の疑いを強く糾彈いたしまするのは、それが單なる第三者のためにした偽証でない、みずからの実質的罪悪をその背後に蔵しておると信ぜられるからであります。私どもも、参議院決算委員会の今日までの調査の結果は一通り拜見いたしておるのであります。諸種の証拠物件も見ておるりであります。これによれば、政治道徳の問題としては、すでに証明十分であります。四千万円以上の仕事を引受けた足利板金は、ブリキ屋の親方田中平吉を社長とし、大橋君の秘書と称する高橋正吉の二人の個人会社でありまして、ろくろく仕事をしないばかりでなく、交付された資材を横に流しておつたことで有名であつたのであります。田中は足利のブリキ屋であり、高橋君は、大橋君と銀座に共通の事務所を設けて、特調との交渉、金の使い方等に従事いたしておつたといわれるのであります。
 事の起りは、足利板金が、ありもしない品物をあることにして請求書を出して、三万二千九十二フイート分、二千二百三十七万六千九百六十七円という、莫大な、とるべからざる金を特別調達庁から受け取つたということに始まるようであります。ないものに対して代金をとることは、世間では詐欺というのであります。もちろん、大橋君がこれを知つて助けたとは思いたくありませんが、この代金の支拂いを促進させたことには非常な功労があられたわけであります。普通この特調の納入代金の支拂いは、二箇月も三箇月も遅れるので有名であります。それが昭和二十三年十二月十四日に請求書を出したが、放つておかれて、大橋君のあつせんによつて、御用納めの日である十二月二十八日一日で、起案から決裁、支拂いまで、ばたばたと片づいて、金を受け取つておるのであります。まさに顔の効用である。しかも驚くことには、物品納入検査調書も、初め十二月四日という日付になつておつたのでありまするが、いつの間にか三箇月さかのぼらせて、九月三十日につくられたことに改竄されておるようであります。
 次に、品物がないことが暴露されまして、過拂金の返納を命ぜられたわけでありますが、金は大部分使つてしまつて、なくなつておつた。二十四年四月から翌年二月までの間に、わずかに六百三十六万余円を返しただけでありまして、あとは社長田中平吉、專務高橋正吉の個人資産を提供することになり、特調には誓約書を入れ、田中、高橋間には、大橋君立会いのもとに詳細契約書を作成して、私財提供の関係を明らかにしたのであります。その提供した私財のうちに、高橋の自動車一台もあつたのであります。その売却方の委託を受けて、大橋君は、これを自分と特殊の関係にある山下茂なるものをして売却させた代金百三十三万円であります。これは、ただちに国家に納むべき金であります。それを、どういうわけか銀行に預金して、なかなか納めないで、それを融通しておつた。本件が問題となつたとき、わずかに四千余円しか残つておらなかつたのであります。しれは決して国家に対して忠実なるゆえんでないと思うのであります。大橋君の証言によれば、大橋君は特調から頼まれて、この過佛い金の取立てに協力しておつたというのでありまするが、もしさような関係にありまするならば、これを国庫に納めないで流用を許したことは、一種の背任ではないかと存ずるのであります。(拍手)かりに田中、高橋いずれかのものであるとしましても、大橋君にも山下某にも処分権はないはずでありますから、一種の横領になるのではないかをおそれるのであります。
 その他、月々三万円の顧問料のほかに、二十万円の謝礼や、二十万円の陣中見舞というようなものが大橋君の手に入つたようでありまするが、これらについて、所得の申告とか、政治資金規正法上の手続とかいつたものがなされた形跡はないのであります。また高橋正吉から、東武鉄道株式売却代金中五千万円を大橋君に預けたと言う者があるのに、大橋君はそんなことは知らないというのは奇怪千万であります。さらに足利板金は、国家から材料のクーポンをもらい、これをやみに流しておつたことは有名であるのでありまして、重大な経済違反もひそむようであります。とにかく、この一運の行為というものは、一貫性を欠き、明朗性を欠いておることは疑いない事実でありまして、これ大橋君の証言がしどろもどろとなり、他の証人の証言とも食い違い、深い疑いを抱かせるに至つたゆえんと信ずるのであります。(拍手)
 もちろん大橋君としては、いろいろ弁解の言葉もあることでありましよう。私どもは、それを承るにやぶさかなものではないのでありまするが、参議院決算委員長の中間報告は、まるで架空の讒誣中傷とは思われないのであります。この際事の真相を明らかにしまするためにも、もしまた、ぬれぎぬであると言われるならば、これをほすためにも、権力の地位を去つて、一布衣になつて、公正なる調査に応ずる構えをされますることが、検察の最高の指揮権をとる法務総裁たる者の、まさにとるべき道徳的責務であると存ずるのであります。(拍手)
 現職のまま調べたいなら、かつてに調べたらよかろうと言われるかもしれませんが、結局本件は、検察の手を煩わさなければ今日以上真相を明らかにすることむずかしいと思うのでありまして、検察の最高指揮官という現職のまま取調べろということは、木によつて魚を求めるに近いものであろうと思う。私どもは日本の検察の公正を信じまするが、それでも人情忍びがたいものを認めざるを得ないのであります。また、問題がここまで発展いたしました以上、今後決算委員会の告発の有無にかかわらず、検察庁は大橋君を取調べるほどの必要がないとの結論に達するようなことがあるといたしましても、現職にとどまつたまま、それが言われまするならば、国民は虚心坦懐にはこれを受取らないでありましよう。法務総裁であるから、権力を濫用して捜査を抑止したと解するか、検察権が権勢に阿諛して、その発動を遠慮したと誤解するでありましよう。いずれにいたしましても、検察の威信を失墜することは同一であります。これが人心に及ぼす影響は容易ならざるものであります。
 法務総裁という地位についた者の第一に努むべきことは、検察の威信の保持でなければならないと思うのであります。一身の保身のためにその地位を濫用するというがごとき疑念は、万難を排しましてもこれを拂拭しなければならないと信ずるのであります。かつて芦田内閣が、栗栖大蔵大臣が勧銀総裁在職中の涜職嫌疑に道義的責任をとつて総辞職を断行したときに、吉田自由党総裁はこれを罵倒して、自分はクリーン・ハンド、すなわち白い手の閣僚のみをもつて組閣してみせると豪語されたのであります。今いかなる御感想を持つておるか承りたいのであります。また吉田総理は、第二代目の法務総裁を兼任されたのでありまして、私との間に事務の引継ぎを了せられたのでありますが、そのとき吉田総裁は、検事総長以下検察官一同を招集されまして、私の面前において、綱紀の粛正ということは何よりも大切なことである、諸君は勇敢に、遠慮なくやつてもらいたい、現職の総理大臣にでも、被疑事実があると認めたならば、少しも遠慮することなく、この私を検挙せられたい、それが検察の使命であると訓示されたのであります。私は、今や吉田首相の訓示を忠実に実行すべきときが参つたのではないかということを、法務総裁に御注意を喚起いたしたいのであります。(拍手)
 私どもは、今日の段階において、大橋君の刑事上の有罪、無罪を断ぜんとするものではありません。それは、さらに調査を進めなければ断ずるわけには行かないでありましよう、ただ私どもは、少くとも、もはや大橋君は国務大臣の地位を去るべきときであるということを申しておるのであります。(拍手)君子のあやまちは日月の蝕のことしであります。疑惑がこの程度に達しました以上は、市井の一私人の場合と異なり、天下公衆の面前においてその黒白を明らかにすることが、政治道徳の要請であります。(拍手)有罪ときまらない限りはその職を去らないなどということを申すのは、匹夫野人の言であります。(拍手)
 私の法務総裁在職中に、国務大臣西尾末廣君が、大臣就任以前の選挙の際に土建業者から陣中見舞をもらつたことが明らかになり、それが政治資金規正法違反ではないかとして、特別委員会において、自由党の諸君から痛烈に彈劾されたのであります。私は、実際の事実を詳しく知つておりましたがゆえに、違反となる性質のものでないと信じたのでありますが、疑惑が広く浸透し、これを押えることは、権力によつて検察権の行使を阻止したとの疑いを国民に抱かしめることを憂い、西尾君もこれに同意せられ、総理及び閣僚もやむを得ないものとせられましたので、無理を信じましても、事ここに至りました以上は、不起訴というがごとき処理に出ず、国務大臣を辞し、起訴を受けて、法廷において公正なる審判を受け、ガラス箱の中でその結論を得るに努めたことは、諸君も御承知の通りであります。(拍手)これが政治道徳の要請であると信じたからであります。大橋君の場合は、西尾君の場合に比して、比較にならぬほど事案は悪質であり、嫌疑は濃厚であります。全国民は、これがいかに処せられるかを凝視しておるのであります。
 行政部における正義の源泉であり、内閣における法律の最高顧問であり、法律の公正なる執行者であるところの法務総裁が、みずから法を犯したという疑いは、綱紀維持の上からも、国民風教の上からも、これ以上重大なことはないと信ずる。(拍手)法務総裁という地位の威信と信用とを保持することは、国家の最高機関たる国会が、全力を盡しても努力すべき問題であります。これは断じて党派の問題ではありません。いたずらに臭いものにふたをしたり、数をもつて、しやにむに押し切つて、ごまかすというようなことのあるべき問題ではないのであります。自由党の諸君も、虚心坦懐に、法の権威護持のために、この決議案にだけは賛成されるのが正しい態度であり、自由党の信用を国民の前に救うゆえんと信ずるのであります。(拍手)泣いて馬謖を切る悲痛な心情をもつて、われわれの提案に同調されることを期待するものであります。
 これをもつて提案理由の説明といたします。(拍手)

○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。角田幸吉君。
    〔角田幸吉君登壇〕
○角田幸吉君 私は、自由党を代表いたしまして、国務大臣大橋武夫君の不信任案に対して反対の意を表するものであります。(拍手)
 かつて愚か者がありました。(笑声)その愚か者は、ゆうがおを見て幽霊だとふるえ上つたのであります。(「愚かなる演説をするな」と呼び、その他発言する者あり)今鈴木義男君が、夏に咲くゆうがおを恐れて、ものを知らずに幽霊だと断じたのが本案であります。以下私は、これから鈴木君の不信任案について、一つ一つ駁撃してみたいと思うのであります。(拍手)
 そのためには、第一に大橋君の人となりを説かなければなりません。大橋君は、まれに見る信念の人であります。信念の人は決して不善をなさないことは、古今に明らかな事実であります。これは鈴木君も大いに学ぶべき点であると、皆さんにここで申し上げておきたい。(拍手、笑声)
 先刻鈴木義男君は、大橋君がこの発注当時において、特別建設局の何かの重要な地位にあつて、大橋君がその発注についての関係があるがごとき言を申したのでありますが、当時におきましては、大橋君は計画局長でありまして、まつたく関係がないのであります。しかも、その過拂いの問題については、まつたく関係がない。特別調達庁におきまして支拂うべきものを怠つておつた。そこで正当なる支拂いを求めたのが大橋君でありまして、過拂いのあるようなことの支拂いを要求した事実はまつたくない。このことを、鈴木君はまず考えなければならない。ところが、この過拂いがあつたということは、これは過拂いがあつた後において、幹部が非常に困つてしまつて、そうして調達庁の幹部が大橋君に泣きついて、何とかしてくれと、むしろこれは懇請して参つたので、義侠的な行動をとつたのが、本件に入つて行つた大橋君の行為なのであります。
 自動車の預かりをしておつたということを大橋君が言つておりまするが、この自動車は、そもそも高橋君の名義のものであつて、そのナンバーの保管を田中君がしておつた。ナンバーの保管者であつた。それで、それを大橋君においてやつた。ところが、これが百万円で処分されたが、それは三十万と三十万、二回納めてある。ところが、ここで鈴木君が法律家であるから私は申し上げたいのであるが、およそ納入というものは、会計法におきましては、告知書が来て初めて納めることができるので、納付告知書の来ないものは納めることができないのは、会計法をよく調べてみればその通りである。ところが、第二回目は納めたが、三回目の四十万円の告知書はいまだ参つておりません。そこで、これは告知書が来ればすぐ納める金である、ここに詐欺も横領もあるはずがない、かような次第であります。
 その他のことにつきまして、くどくどしく言いましたけれども、結局抽象論で、何らこれは偽証罪を構成するとか、あるいはまた詐欺罪を構成するとか、横領罪を構成するとかいうことについての法律的な、事実的な問題はない。ただただ漫然人を欺き、人の名誉を毀損する以外の何ものでもなかつたのであります。(拍手)こういう根拠のないことによつて、鈴木君が、まさにあるがごとき言動を弄するがごときは、君の将来を誤るから、この際さようなことのないことを、むしろ私は、多年の友人として君に忠告しておきたい。(拍手)
 鈴木君は、片山、芦田内閣の法務総裁であつた。あなたは今でも思い出すでありましよう。そのとき、何とかして最高検察庁の木内次長を転出させたいと、あなたは幾たびか考え、そうして悩んだはずである。ところが、あのときにおいて、君は遂に断行することができなかつた。なぜ断行することができなかつたかというと、先ほど言われたように、あなたの弟の問題があつた。ところが、鈴木君ごらんなさい。法務総裁は、この転出を断行したではありませんか。こういうときに、心にやましいことがあつて、かくのごときことができるはずはありません。(拍手)私は、大橋君が信念の人、不善をなさざる人、正しき人であるということを、ここにおいて証明するに十分であると思う。この一事によつて、大橋君に対するところのものはすべて架空であり、君の議論が、夕顔を幽霊と認めておるところの議論であるということを君に忠告いたしまして、この決議案に対して反対の意思を表明するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立少数。よつて鈴木義男君外百十三名提出、国務大臣法務総裁大橋武夫君不信任決議案は否決せられました。
    〔発言する者、離席する者あり〕
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、高橋等君外四十五名提出、遺族戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 遺族戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。高橋等君。
    〔高橋等君登壇〕
○高橋等君 ただいま上程になりました決議案の趣旨につき御説明申し上げます。
 まず決議の案文を朗読いたします。
  遺族戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案
  去る昭和二十四年五月第五国会において、本院は「遺族援護に関する決議」を行い、政府に対して速やかなる対策の樹立並びにその実施を強く要望したのである。
  しかるにこれら施策の成果は、所期せられしところよりはなはだ遠く、戰歿者の遺族及び未帰還者留守家族の悲況並びに戰傷病者の惨状が、国民の到底默視し得ざる状態に放置せられていることは、遺憾とするところである。
  よつて本院は、深き人道精神に立脚してこれら戰歿者の遺族、戰傷病者及び留守家族に対し、国家保障を断乎として早急に確立することを期する。政府もまた、この国民の強き要望に応え、諸般の施政について格段の努力を拂うべきである。
  右決議する。
 ダレス特使を迎えまして以来、講和の輪郭もある程度察知せられ、また講和の時期も早期を期待せられまして、国民の各層は明るい希望を抱きつつあります。このときにあたりまして、講和を迎えるにつき、国民の中には割り切れぬ気持を抱いておる人々があるのは、見のがすことのできない事実であります。その一は戰歿者遺族及び戰争による傷病者であり、その二は未引揚者の留守家族であります。
 終戰後第六年を迎えました現在、夫や父や子を異郷に抑留され、いつ帰るかもわからぬ状況のもとに置かれておる留守家族の人々の心情を察しまするとき、はげしい衝撃と義憤を禁じ得ないものがあります。引揚げ促進に対する国連の人道委員会における米・英・濠三国及びその提案に賛成された各国の理解あるとりはからいに感謝いたしますとともに、一日も早く全員を母国に迎える日の来ることを、衷心より希望にたえない次第であります。
 遺族援護については、第五国会において本院が遺族援護に関する決議をいたしましたことは、われわれの記憶に新たなるところであります。遺族の人々は、終戰以来、本院の決議と同様の要求を、久しきにわたり主張し続けて参つたのでございます。父を失つた遺児、夫を失つた寡婦、子を失つた老人の心中を察しまするとき、まさに断腸の思いがいたすのであります。(拍手)しかも要求に対する運動は、きわめて遠慮深く、控え目に続けられておるのでありますが、われわれは、この声なき声を胸裡に強く聞くことができるのであります。
 本院の決議がなされまして以来、政府は、一般の生活保護の拡充、生業資金、育英資金の増加、母子福祉施設の拡充、市町村民税の免税、来年度以降所得税法の改正等によりまして、遺族にも一般国民とともに援護の道を講じて参つたのでありますが、遺族に対する援護の問題が根本的に解決せられておらないことは、残念にたえないところであります。また戰争による傷病者に対しては、身体障害者福祉法の制定のほか、一般厚生年金の例にならい救済の道を講じておりますが、その金額は、年額平均わずかに二千五百円にすぎず、戰争のため不具癈疾となつて生活能力を低減した傷病者の保護に欠けるところがあり、やむなく街頭に立つて義金を求める姿のありますことは、放置し得ないことと申さねばなりません。さらに未引揚者留守家族の保護につきましても、支給される金額はきわめて僅少でありまして、多数家族の生活困窮は見るに忍びないのであります。
 もちろん敗戰国であり、占領下の現状におきましては、行政面にも幾多の制約のあることは承知いたしております。しかし戰歿者は、国家を愛する至上精神により、遂にたつとい生命を失つたものであります。国家は、戰歿者の霊に対して弔意と感謝のまことをささげ、その遺族をして所を得せしめるよう措置する責務を有することは、当然と申さねばなりません。(拍手)国家の命令により戰争行為を強制され、ために傷病せる人々及び抑留された人々の留守家族の生活についても、国家が重大なる責務を有することはもちろんであります。このことは、指導者が戰争目的に誤りを犯せるといなとに関係なく、また戰勝国たると敗戰国たるとを問わず、何ら差別のあり得ないところでありまして、まことに深い人道に立脚したものと申さればならないのであります。
 時あたかも講話を間近に控えまして、国民の関心は、講和後の国土の防衛に集中せられております。国土の防衛は、まず国民の力にまつことは当然であります。国民の愛国心の高揚こそ、日本の再建、日本の防衛の至上要件と申さねばなりません。最高の愛国心を発揮せる戰歿者の遺族及び傷病者、抑留者の留守家族の援護が未解決である現在、一方において国民の愛国心の高揚を必要とすることは、国民感情の上から申しましても矛盾を感ぜざるを得ないところであります。政府においても、この点特に留意をお願いいたしたいのであります。
 しかしながら遺族、傷病者、留守家族援護の問題は、この観点から解決すべきものではありません。これらの人々の援護は、先ほど申し上げましたごとく、潔い人道精神に立脚して解決さるべきであります。愛国心を求めることを目的として、これらの人々の援護を解決するがごときことがありますれば、それは戰歿者に対する冒涜であり、これらの人々に対する侮辱を意味するものであることは申すまでもないところであります。
 西ドイツにおきましては、戰争犠牲者扶助に関する法律によつて、社会保障と戰争犠牲者扶助との分離の原則を確立し、厖大な予算を計上して戰争犠牲者の保護を実行いたしておるのであります。わが国と西ドイツは、占領状況、国民経済等にも相違があることはもちろんでありまして、西ドイツと同樣の措置をわが国において実行すべきことを主張いたすものではありません。しかし、少くとも戰争犠牲者は一般生活落伍者とは異なること、従つて国家は、戰争犠牲者に対して、一般的社会厚生事業とは別の観点に立つてこれを扶助する原則は、わが国においても、ぜひとも確立する必要があります。この原則に立ち、遺族、傷病者、留守家族の扶助に要しまする経費は、財政計画樹立上の重大要件として取扱わなければならないと存ずる次第であります。願わくば政府においても、異常なる決意のもとに、一日も早く本決議の趣旨の実現を期していただきたいのであります。
 以上をもつて趣旨弁明といたします。何とぞ満場の御賛成をこいねがうものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
 この際厚生大臣から発言を求められております。これを許します。厚生大臣黒川武雄君。
    〔国務大臣黒川武雄君登壇〕
○国務大臣(黒川武雄君) 第五国会において、衆参両院におかれましては、未亡人並びに戰歿者遺族の福祉に関する決議がなされ、政府といたしましては、決議の御趣旨に沿い、実現に努力いたして参りましたが、何分終戰直後のことであり、問題は軍人に関することであるがために、特別の保護をする、特別な待遇をするということは、当時の諸情勢からして、いたしかねたのでありまして、生活に困難しておる人につきましては、軍人の遺家族たるといなとを問わず、すべて生活保護法で平等に処置して参つたのであります。本日さらに衆議院において、戰歿者、戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案が決議されました。政府といたしましては、決議の趣旨を十分了承いたしました。
 右お答えいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、橋本登美三郎君外三十一名提出、国際放送の再開促進に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 国際放送の再開促進に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。橋本登美三郎君。
    〔橋本登美三郎君登壇〕
○橋本登美三郎君 ただいま議題となりました国際放送の再開促進に関する決議案の提案の趣旨を説明申し上げます。
 まず決議案文を朗読いたします。
  国際放送の再開促進に関する決議案
  わが国の国際放送は、終戰以来中絶のまま今日に及んでいる。わが国が、今後文化国家として、各国の信頼を繋ぎ国際社会に伍してゆく上に、極めて重要な使命を担う国際放送をこのまま放置することは到底許さるべきでない。
  国際放送を通じて、諸外国に日本民主化の実情を伝え、各国の理解と支援とによつてわが国の自立復興を進め、文化の交流を図り国際親善に寄與することは、今や講和を目睫の間にひかえたわが国にとつて、殊に焦眉喫緊の問題である。
  よつて政府は、速やかに国際放送再開のため必要な措置を講ずべきである。
  右決議する。
以上であります。
 国際放送の重要性につきましては、事新しく申し上げるまでもなく、現代競争社会においての近代的武器であり、その国の消長は電波によつて決するとまで極言せられておるのであります。あるいはまた交換放送によつて、諸外国の情勢を正確迅速にわが国民に伝えるとともに、相互の理解を深め、国際親善に寄與する真に偉大なる役割を演ずるもりであることは、諸君すでに御承知の通りであります。国際親善の上における国際放送の使命たるや、まさに重大なるものといわざるを得ないのであります。
 いまさら申すまでもなく、敗戰後平和国家として立ち上つたわが国は、爾来五年有余の間、孜々営々として自立復興の一途をたどり、着々として民主化顯現の歩みを続けて参つたのでありますが、今や国運の将来を制すべき連合国との講和條約が論議され、形づくられつつあるとき、わが国の民主化された実体が、正確に詳細に連合国によつて理解されることは、緊急の重要性を持つものであります。すなわち、日本民主化の実情に対する理解をあまねくいたしまして、平和愛好のわが新生日本の姿に国際社会の好意と信頼とを獲得して、わが国の自主独立の上に諸外国の協力を期待し、支援を待望すること、けだし今日より急なるはないのであります。
 もちろん、国際放送の番組編集には愼重な考慮が拂われ、あるいは生産消費の趨勢、需要供給の傾向、その地産業経済百般の動向を率直公正に紹介することによりまして、世界の理解、認識の徹底を助け、有無相通ずる国際間の交流を好調に導くことをよくし得るのであります。このことはまた、政治、外交その他国際交渉の諸部面におきましても同樣に考えられるのでありまして、まことに新生日本の発展は、貿易は電波に従うといわざるを得ないのであります。
 しかるに、わが国の国際放送は、終戰直後中絶いたしまして以来、一昨昭和二十四年七月、総司令部の覚書により、ようやく再開可能の段階に立ちもどつたのでありますが、その後さらに情勢の変化に災いせられまして、現在なお実施延期の状況下に置かれているのであります。すなわち、国際放送中絶後ここに数年間、ためにわが国は世界文化から隔離されているのでありまして、いまだにわが国の敗戰を信じない多数の日系外国住民の存在さえ伝えられ、一方においては、強制的な政治教育のために、三十数万の抑留同胞が、事実とは正反対な認識を植えつけられつつある現状であり、また諸外国民の中には、民主化された新生日本に対して、なお敗戰前の軍国主義日本を追想する者すらあるのであります。
 御承知の通り、第七国会制定の放送法は、国際放送の重要性にかんがみ、国際放送業務に要する費用を国の負担として、政府は日本放送協会に国際放送実施の命令を発することのできる旨を規定したのであります。しかして一般会計予算には、すでにその必要経費として若干の金額が計上されているのであります。しかも国際放送の再開は、前に申しましたように、いまだ実現されないのであります。すなわち、立法に、予算に必要な措置を進めてあるにかかわらず、いまだその実現を見ざることは、はなはだ遺憾とせざるを得ないのであります。政府は、よろしく万難を排し、最善を盡して国際放送再開をすみやかに促進すべきであるとの見地から、同志議員相はかり、所属各派共同の提案として本決議案を提出した次第であります。
 何とぞこれが趣旨を了とせられまして、満場一致御賛成あらんことを切望いたす次第であります。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
 この際内閣官房長官から発言を求められております。これを許します。内閣官房長官岡崎勝男君。
    〔政府委員岡崎勝男君登壇〕
○政府委員(岡崎勝男君) 国際放送の再開は、国際親善関係を増進し、内外文化の交流を盛んならしめる上から申しましても、わが国として最も重視すべきものであることは申すまでもないのであります。従つて、ただいまの決議は、まことに時宜を得たものと存ずる次第であります。ただ、わが国の置かれておりまする現在の状況は、ただちにこれを実現することを困難とする点もあるのでありますが、政府といたしましては、十分その御趣旨を体して、今後国際放送の再開にでき得る限りの努力をいたす所存であります。
 右お答え申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、冨永格五郎君外二十一名提出、歯舞諸島返還懇請に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 歯舞諸島返還懇請に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。冨永格五郎君。
    〔冨永格五郎君登壇〕
○冨永格五郎君 ただいま上程されました歯舞諸島返還懇請に関する決議案につきまして、同僚共同提案者を代表いたしまして、まず決議案を朗読し、趣旨の弁明をいたします。
  歯舞諸島返還懇請に関する決議案
  現在ソ連邦の占領下にある歯舞諸島は、地理的には花咲半島の延長であり、古来より根室の一部として日本人が居住していたのである。又行政区域からも歯舞諸島は根室国であり、明らかに北海道本土の一部をなしてわが国固有の領土であり、天然的、歴史的環境をもつものである。
  しかるに終戰当時これらの島に駐とんせる日本軍隊が千島と同一の指揮系統にあつて降伏した事情等のため、北海道と分離せられ、ソ連邦に引き渡されたのである。しかもこれらの諸島は、わが国水産業の上からは国民栄養の重要要素である水産物生産地としてまことに重要なる地域である。
  さらにこれらの海域はしばしば濃霧が発生し、船舶の運航は困難であり、なお且つ、彼我の領土が指呼の間にある現在においては領海侵犯あるいはだ捕等の事件がひん発する状態である。このように国際的紛争がじやつ起することは、平和国家として再発足せるわが国将来に暗影を投ずることとなり憂慮される次第である。
  よつて連合国各国の深い御理解、御同情により、講和條約締結に当つては、歯舞諸島はわが国に返還されるよう懇請する。
  右決議する。
以上であります。(拍手)
 連合国の好意ある援助及び指導と国民の努力によつて、日本再建の道が順次開けて参りますことは、まことに御同慶に存ずる次第であります。この上は、すみやかに講和條約が締結され、独立国として、世界各国とともに人類の平和と文化の向上のため力を盡し得る日の一日も早からんことを熱望する次第であります。
 しかして、われわれの最大関心事の一つであり、本決議案の念願である領土の問題について、去る三月一日、ダレス特使の発表として、歯舞諸島は北海道につながるものであるとの言明に接したのでありまして、この報一たび伝わるや、北海道四百万の道民の感激はもちろん、これらの諸島に生を受け、生活して参つた島の人々の感激こそは、まことに感慨無量なるものがあるのであります。
 この歯舞諸島とは、根室国花咲半島の延長線上わずかに三マイルを隔てた水晶島を初めとし、それより東北に延びる秋勇留島、勇留島、志発島、多楽島及び色丹島の六つの島々をいいまして、その面積は、色丹島が最大でありまして約二百五十平方キロメートル、他の五つの島は百平方キロメートルにもすぎない小島であります。これらの諸島につきまして、その歴史を見まするに、今より千年余の昔におきましては、南下するロシヤの勢力と、日本の北進勢力との間には種々なる摩擦があり、波瀾を生んだこともありましたが、一八五五年、安政元年に神奈川條約が締結されて、択捉島以南は日本に属することが明瞭にされて以来、何らの問題もなかつたのであります。
 次に行政しからば、歯舞諸島は花咲半島に本村を有する歯舞村の離島であり、色丹島だけが明治十八年便宜上千島に編入されて、国後、択捉島とともに北海道庁根室支庁管轄区域に属したのであります。住民につきましても、北海道の先住民族であるアイヌ族が住んでおりまして、今より二百年以前ころから日本民族が移住し始め、逐次その数を増加し、父祖代々漁業を営んで生活して来たのであります。現在根室地方に引揚げて来ておるこれらの人々は、ただ一筋に講和の日の近きをこいねがい、講和條約締結のあかつきには必ず故郷に帰れるという希望にすがつて、朝な夕な、海のかなたに見える故郷をしのびつつ、帰れる日を待ちこがれておるのでありまして、これらの人人の心情を思うとき、私たち北海道の代表として、はたまた国民の代表として、これら諸島の帰属について何よりも深い関心を持つておる次第であります。(拍手)
 かくのごとく、歴史的、民族的に北海道本土とは一体不離の関係にあつて、その上、根室地方とは三マイルという指呼の間に隣接しておるために、経済的にも深いつながりがありまして、風俗、習慣、宗教等はもちろん、教育その他文化的にも、まことに密接なる関係にあるのであります。なお歯舞諸島は、その地理的環境上、暖流、寒流が交流して、水産資源はきわめて豊富でありまして、わが国にとりましては非常に重要なる地域であります。これらの生産高について見ますと、昭和十四年ないし十六年の三箇年間における平均漁獲高は、歯舞諸島は三千八百万貫の多量に上る次第であります。これらの漁獲物は、主として、たら、さけ、ます等の魚類のほか、かに、帆立貝その他海藻類であります。ことに、こんぶにおいては、北海道全道の過半を占めていたのであります。かくのごとく、わが国国民の重要栄養素である水産物を供給し、あるいはその製品を海外市場に輸出し、国民経済に寄與すること、まことに重かつ大なるものがあつたのであります。
 このように重要であつて、しかも歴史的、民族的に関係の深い領土が、終戰当時これらの島に駐屯していた日本軍隊の関係等の事情によりまして、北海道本土と分離され、ソ連邦に引渡されたのであります。これがために、彼我の領土は指呼の間にあつて、濃霧の発生の多いこの地方におきましては、船舶の運航及び漁業操業上幾多の領界侵犯あるいは拿捕事件等が頻発いたしまして、平和国家としてその再建に努力しているわが国の将来に暗影を投ずるのではないかと憂慮される次第であります。われわれは、これらの事情にかんがみまして、近く締結される講和條約においては、連合国各国の深い御理解と御同情によつて、歯舞諸島はわが国に返還されるよう懇請してやまない次第であります。(拍手)
 なお北海道におきましては、すでに昨春以来、本問題について熱心なる運動を展開しておるのであります。最近に至つては、全道有志が一丸となつて千島及び歯舞諸島返還懇請同盟を結成して、全道民相携えて、その実現に向つて、ひたむきの努力をいたしておる次第であります。
 何とぞ本決議の成立につきましては、議員各位の満場の御賛成を得たいと存ずる次第であります。(拍手)
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。立花敏男君。
    〔立花敏男君登壇〕
○立花敏男君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程されました決議案に反対の意見を述べんとするものであります。
 まず最初に、私はこの決議案の意図するところがどこにあるかということを指摘しておきたいと思うのであります。今日わが民族の当面せる最大の課題は、申すまでもなく民族の完全なる独立であります。しかして、これを実現するための全面講和による全占領軍のすみやかなる撤退であります。しかるに本決議案は、この重要な問題の核心から巧みに国民の目をそらさんがために南千島、歯舞諸島の返還を叫び、これによつて、人民の愛国的精神を、誤まれる民族主義と排外主義にかり立てんとするものであります。
 そもそもソ同盟が、日本の敗戰直後、これらの諸島に進駐いたしましたのは、ヤルタ協定に従つた当然の処置であり、これらの諸島は、講和を待たずして、日本の敗戰と同時に、ソ同盟への帰属は当然に決定済みのものでございます。なぜならば、翌年の一九四六年一月二十九日、連合軍最高司令官の覚書において、日本の権力の及ばない地域の中に千島列島、歯舞群島、色丹島を明記されたのであります。従つて、ソ同盟は、同年二月二十六日、憲法を改正して、この地域をサガレン州に正式に編入したのであります。また、いわゆるマツカーサー・ラインは、歯舞群島中の水晶島と、北海道花咲半島との間に設定されておる次第であります。
 かくて、今日まで五箇年間、連合国の間には何らの問題もなく経過したのみならず、むしろ右のごとき一連の措置は、明らかにソ同盟の進駐を合法的なものとして各国が確認しておることを物語つておると見るほかはないと思うのであります。もともとヤルタ協定において、南千島はいうまでもなく、歯舞、色丹の諸島は、千島列島に付属するものとして不可分の取扱いを受けたと信ずべき理由は、大体次の点によると考えます。
 すなわち、まず第一に、元海軍少将高木惣吉氏が出されましたところの太平洋海戰史にも述べられておるごとく、南千島一帶が、第二次大戰中わが国の重要なる軍事基地であり、ハワイ空襲の空軍基地であつたことを忘れてはならないのであります。
 第二に、このような事実に基いて、当時のアメリカ大統領ルーズヴエルトが、将来の平和と安全を保障するために、これらの諸島をソ同盟に引渡すべきことを提案し、米、英、ソ三国間において異議なく決定されたものと信ずるものであります。
 第三に、千島列島とほぼ同じ意味において、太平洋上の重要軍事基地であつたところのマリアナ、カロリン、マーシャル、これらの諸島が、後に国際連合安全保障理事会の決定によつて、ソ同盟もこれに同意いたしまして、講和を待たずしてアメリカの信託統治に編入されたことをあわせ考えるならば、その間の経緯はおのずから明白であります。これらの点に関しましては、当時大統領に随行いたしました国務長官バーンズの「率直に語る」という著書によつても明白にされておるところであります。
 しかるに、先般ダレス特使が、帰米後、新聞記者団に対しまして、アメリカは歯舞諸島は千島列島に属さないものと見る旨を語つたと伝えておるのでありますが、以上申し述べました通りの事情を顧みまして、われわれは、今日アメリカによつてこのような問題があらためて提起されたとすれば、国際情勢緊迫化の折から、このことの国際政治上の意義を重大視せざるを得ないのであります。いやしくも平和を念願する日本国民は、ダレス氏によつて投ぜられた一石に、多大の危惧と不安の念を禁ぜざるを得ないのであります。しかるに、吉田総理を初め、自由党その他一部の諸君が、たちまちこれに便乗いたしまして、これらの返還要求を叫び出したことは、明らかに━━━━━━━の陣営にくみしまして、日本に軍国主義を復活させ、国民を━━━━━━にかり立てんとするところの、かねてよりのたくらみをもう一度証明したものといわなければなりません。(拍手)
 領土問題に関するポ宣言、ヤルタ協定、カイロ宣言の決定は、わが国がこれに無條件に従うはもちろんでありますが、連合国もまた当然これを守る義務があると信ずるものであります。従つてわれわれは、領土の帰属に関して問題にすべきは、これらの国際協定によつて決定済みのものを除き、講和会議によつて初めてその帰属の決定されるべきはずの小諸島、すなわち琉球列島、奄美大島及び小笠原群島についてでなければならないはずであります。しかも、これら琉球列島その他の島々は本来日本に所属せる事実、さらに奄美大島及び小笠原群島はそれぞれ九州及び本州の一部たる事実にかんがみまして、当然日本の領土に属すべきものと考えるものであります。(拍手)いわんや、これらの諸島を外国の軍事基地にするために日本の領土から切り離さんとするがごときことは、たとい信託統治、あるいはその他いかなる名目によつても、国際諸協定の尊重の建前からいたしましても、はたまた世界平和のためにも、断じて容認することはできないのであります。(拍手)しかるに、この際当然主張すべきところの、かつまた主張できるところのこれらの諸島については、この決議案は、何ら口をつぐんで触れておらないのであります。かえつて主張することのできないはずの歯舞諸島を、ことさらに問題にしておる。この見えすいた矛盾撞着の中にも、この決議案の企図するところが━━━━━━のためにするところの宣伝以外の何ものでもないということを、明白に暴露しておるのであります。(拍手)
 次に、歯舞附近が水産物生産地として重要な地域であるからといつても、何らこれは返還要求を正当づけるものではないのであります。むしろ歯舞近海の漁獲や樺太の木材などが、わが国にとりまして欠くべからざる重要性を持つておるからこそ、ソ同盟当局との平和的な交渉による友好的解決の道を選ばなければならないのであります。(拍手)全面講和こそがこの問題を解決するただ一つの道であると、われわれ共産党は信じております。(拍手)
 しかるに、本決議案のごとく、これらの地域を日本の領土としなければ、これが解決できないがごとく主張することは、かつての軍閥の考え方に通ずるものであり、あのヴエルサイユ條約の後において、ヒトラーが失地回復を叫んだのと何らかわらないものであります。もしわが国が、ポ宣言を忠実に履行し、平和主義に徹した民主日本として再建されさえすれば、ソ同盟は必ずや、常に強調してやまないところの日本の平和産業の無制限発展を支持し、北洋漁場の開放を初め、わが国の正当な経済的要求に対しまして、誠意をもつて進んで交渉に応ずるであろうことは、一点の疑いもないところであります。(拍手「大うそつき」と呼び、その他発言する者多し)現にソ同盟は、中華人民共和国に対しまして、かつて国民党政府との條約に基きその権益に属していたところの中国の長春鉄道を無償で返還し、旅順、大連の権益を自発的に放棄するという、資本主義国家の常識では想像もできないところの平和と友好の政策を実行しておるではありませんか。(拍手)しかるに、吉田内閣とその與党は、今やポ宣言を蹂躙いたしまして━━━━━━━━━━━━━━━━━━にほかならないところの單独講和を推し進めておるのであります。かくてはソ同盟との平和交渉の道は断たれ、ひたすら破滅への道を進みつつあると断じてはばからないのであります。
 最近、アメリカ州兵二箇師団が日本へ派遣されるにあたり、その一部が北海道に駐屯するとのうわさが、ことさらに強調されて報道されておりまするが、また、いかにもこれと関係があるかのごとく、ソ同盟が日本人捕虜を武装して、歯舞諸島を基地といたしまして、ゲリラ部隊を北海道に侵入させるかもしれないというような、まつたく恥知らずのデマが公然と流布されておるのであります。これは明らかに、これら諸島の返還を合理化し━━━━━━の前進基地としての北海道と、その周辺の軍事基地化を、しやにむに推進せんがための煙幕にほかならないのであります。(拍手)
 かくのごとく、今日わが国を舞台とするところの━━━━━━━━━━━━━━、いよいよ露骨化し、いよいよ熾烈化しつつあるのであります。われわれが確固として平和を守り抜くために、私はこの際、自由党を初め各派の議員諸君に対しまして、次のことを提唱いたします。
○議長(林讓治君) 立花君、お約束の時間が経過いたしました。
○立花敏男君(続) すなわち、この種の戰争宣伝を断固禁止し、これに対する違反者は人類に対する最大最悪の犯罪者として厳罰に処することを規定するところの平和擁護法を制定することであります。(拍手)
 わが党は、以上の理由に基き、ただに本決議案に反対するのみならず、今後とも平和と独立を望む全人民諸君とともに内外戰争挑発者と闘い、台頭しつつあるところの軍国主義勢力の粉砕を目ざして、あくまでも闘い抜くことを、ここに表明するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) 佐々木秀世君。
    〔佐々木秀世君登壇〕
○佐々木秀世君 ただいま上程せられました歯舞諸島返還懇請に関する決議案に対しまして、私は賛成討論を保留していたのでありますが、ただいま共産党の立花君より、日本人とも思われぬような反対の討論がございましたので、やむなくこの演壇に立つた次第でございます。(拍手)
 敗戰後における日本の領土をどう規定するかについては、すでにポツダム宣言がこれを明らかに示しているのであります。すなわち一九四五年七月二十六日、米国大統領トルーマン、英首相チャーチル、時の重慶政府主席蒋介石の三国代表は、ポツダムにおいて、日本に対し無條件降伏を要求する米・英・支三国宣言を決定し、次いで同年八月八日、ソ連邦が同宣言に加入して対日宣戰を布告し、かくて日本は、同年八月十五日、ポツダム宣言を全面的に受諾いたしましたことは、皆様御承知の通りであります。このポツダム宣言第八項には「「カイロ」宣言ノ條項ハ履行セラルベク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」と規定しておることも、諸君御承知の通りであります。すなわちポツダム宣言は、カイロ宣言の履行が前提條件とされていることは申し上げるでもございません。
 そこで、そのカイロ宣言とは、一九四三年十一月二十七日、北アフリカのカイロにおいて、ルーズヴエルト、チヤーチル、蒋介石主席の英・米・支三国代表によつて決定せられ、これを公に声明せられたものであります。その声明には、三大同盟国は日本の侵略を阻止し、かつこれ罰するため今次戰争をなしつつあるものなり、右同盟国は、自国のために何らの利益をも欲求するものにあらず、また領土拡張の何らの念をも有するものにあらず、右同盟国の目的は、日本国より一九一四年の第一次世界大戰の開始以後において日本が奪取し、または占領した太平洋における一切の島嶼を剥奪すること、並びに満州、台湾及び膨湖島のごとき、日本が清国人より盗取したる一切の地域を中華民国に返還することにあり、日本国はまた暴力及び貧欲により日本国が略取したる一切の地域より駆逐せらるべし、前記三大国は、朝鮮の人民の奴隷状態に留意し、やがて朝鮮を自由かつ独立のものたらしむるの決意を有す、とされているのであります。
 前に申し述べましたように、ポツダム宣言には、明らかにカイロ宣言の條項は履行せらるべしと明記されてはおりまするけれども、ただいま立花君の演説を聞きますと、この領土問題につきましては、ヤルタ協定によるものなりとの論旨でございました。しからば、ヤルタ協定とはいかなるものでございましようか。一九四五年二月、ルーズヴエルト、チャーチル、スターリンの三大臣頭の秘密協定であつて、正式な公的性格を有するものかどうかには大きな疑問があるが、もしそれが公的な性格があるとせば、またその内容が法律的に制約力を有するとせば、それは当然カイロ宣言と同樣に、ポツダム宣言の中に、ヤルタ協定は履行せらるべしと書くのが当然ではございませんか。しかるに、このポツダム宣言におきましては、ヤルタ協定のことについては一言だに触れていないのでございます。
 私たちは、申し上げるまでもなくヤルタ秘密協定に降伏したものではなくして、その後六箇月後においてつくられましたポツダム宣言に無條件降伏いたしましたことは、共産党の諸君といえどもこれは明瞭であることは、申し上げるまでもございますまい。しかして、このことにつきまして、一方ヤルタ秘密協定がある程度の制約をいたすものといたしましても、現在置かれている日本の立場から考えまするならば、寸土といえどもこの国民の領土として認めるという連合国の一言があるならば、日本人ならば、だれ一人として反対する者はないでありましよう。(拍手)しかも、ただいまの議論におきまして、これらのことを懇請することは、戰争挑発者どもの――反共の宣伝であると申しております。
 しかしながら諸君、私たちは静かに終戰当時のことを考えてみましよう。共産党の諸君も、ともに考えていただきたい。終戰の年の日本の総理大臣は、申し上げるまでもなく鈴木貫太郎氏でございました。この方が、六月の二十九日、ソビエトの主権者でありまするスターリンに対しまして、日本はこれ以上戰争を継続することはできません――当時、日本とソビエトとは日ソ不可侵條約を結んでおります。そうした立場にありまするスターリンに対しまして、講和の労を依頼したにもかかわらず、これに対して何らの返電もございません。そこで鈴木貫太郎氏は、七月の十三日、再度の電報をスターリンに打ちまして、再び講和のあつせんをお願いしたのでございますが、これに対しても返電はございません。そうこうしているうちに、八月の六日になまして、皆さん、忘れもいたしません、広島におきましては、人類史上いまだかつて一度も体験し得なかつた原子爆弾が落されました。越えて八月の九日におきましては第二の原子爆弾が落されまして、いよいよ日本はどうにもこうにもならなくなつたと見てとつたあのソビエトは、ソ満国境を怒濤のごとく押し寄せて来たのであります。これすなわち共産党の軍隊ではなかつたですか。(拍手)
 諸君、また欧州におきまするトルコ、ブルガリア、ルーマニア、かつはまた最近におきましては、北鮮軍が南鮮に攻め寄せた━━━━━━━━━━━━━━━━━ことは、皆さん御承知の通りであります。かかる諸般の情勢を考えまするならば、現在の世界の平和を乱す者は、いわゆる戰争挑発者とは━━━━━━のやり方であると断言するものでございます。(拍手)
 諸君、かかる観点からいたしましても、平和を愛好し、しかも戰争によつて四つの島に区切られてしまい、その人口八千三百万、今なお百万以上ずつ増加しております日本国民の置かれておる立場を考えまするならば、先ほど提案者が説明せられましたごとく、その水産物におきましても今日百億余の收獲を上げるというこの歯舞諸島返還に対しましては、どうか共産党の諸君も日本人に立ち返つて本決議案に賛成せられんことをお願いいたしまして、私の賛成演説を終ります。(拍手)
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第一、住民登録法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員佐瀬昌三君。
    〔佐瀬昌三君登壇〕
○佐瀬昌三君 ただいま議題と相なりました住民登録法案につきまして、提案の要旨及び法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 現行の寄留制度は、本籍外に住所または居所を有する者を寄留簿に記載し、戸籍簿と相まつて市町村住民の居住状況を明らかにするために、大正三年以来実施されて来たのであります。しかしながら、この制度においては、市町村の住民全部が登録されるものではなく、かつまた住所寄留及び居所寄留という二種類の寄留を認めておりまするがために事務の複雑化を来し、必ずしも実用的ではなかつたのであります。さらに市町村住民の側から見ますると、この制度から受ける実益に比較して、届出義務の負担があまりにも大きく、届出の励行を期待することも無理であつたのであります。かような状況にあるにかかわらず、市町村はこの制度のために年々相当多額の経費を支出しております。その関係上、同制度はこれを早急に改革する必要に迫られておつたのであります。他方、市町村におきましては、配給制度実施の必要上、昭和十五年ごろから世帶台帳を調製し、これに市町村の住民を世帶別に登録しておるのでありまするが、市町村といたしましては、寄留制度が前述の実情にありまするがために、世帶台帳をもつて住民把握の重要な基礎資料として、ひとり配給の事務だけではなく、選挙、教育、徴税、衛生、統計、生活保護、住民の居住関係の証明等、各種行政事務の処理に利用しておる現状であります。
    〔議長退席、副議長着席〕
しかるに、世帶台帳の調製につきましては法令上の根拠がないばかりではなく、本人の申告だけを基礎にいたしておりまするがために誤りも多く、市町村の公簿としてこれを行政の基本資料とするには、はなはだ不完全なのであります。
 以上の理由によりまして、本案におきましては、現行寄留制度と世帶台帳のおのおの長所をとり、また短所を捨てて、住民登録の制度としてこれを統合し、住民の利便をはかるとともに、市町村の單なる行政事務の適正簡易な処理に供しようとするものであります。
 今、本案の内容中そのおもなる点を見ますると、第一に、住民登録の事務は市町村の固有事務として、市町村が処理するものとされていることであります。
 第二に、市町村は、その住民について、世帶を單位として住民票を作成いたし、これに住民の氏名、年齢、住所、本籍その他の事項を記載いたし、かつ住所の異動その他住民票の記載事項に変動があつたときには、その都度これを届け出で、または職権によつて住民票に記載するものとされていることであります。
 第三に、住民票と戸籍とを関連させることによりまして住民票の記載の正確を期するため、市町村は、その区域内に本籍を有する者について、戸籍を單位として戸籍の附票を作成いたし、これに戸籍に記載されている者の氏名、住所等を記載いたし、住所の異動があつたときは、住所地市町村からの通知によつて、その都度これを戸籍の附票に記載するものとされていることであります。
 以上が、本案の提案要旨及びその内容の概略であります。
 さて法務委員会におきましては、本案の審議に際して次のような質疑があり、提案者鍛冶良作君外三名並びに政府側よりそれぞれ意見の開陳がありました。
 その第一点は、住民登録制度と戸籍制度とを統合してはいかんという点であります。これに対する政府の所見は、住民登録制度は、市町村内に住所を有する者の居住関係を登録する、いわば属地主義的な制度であるのに反し、戸籍制度は住所に関係なく、市町村内に本籍を有する者の身分関係を登録する、いわば属人主義的な制度であつて、おのおのその目的を異にしているがために、両制度を早急に統合することは困難かつ不合理であるということでありました。
 質疑の第二点は、住民票の記載事項を定める第四條第一項第九号の「その他政令で定める事項」についてでありまして、現在政府として、政令で定める事項として予定したものはないということでありました。
 質疑の第三点は、第四條第二項で住民票記載事項を市町村條例に白紙で委任することは行き過ぎではないかという点であります。しかしこれに対して、固有事務として住民登録事務を処理いたしまする市町村の熱意を高めるためには、條例で記載事項を定めることができるようにする必要があるということであつたのであります。
 なお質疑の細部については、新宿区長以外一名の参考人からも意見を徴した次第であります。
 かくして質疑を終了いたし、三月三十日討論に入り、共産党を除く各党から次のような修正案が提出されたのであります。すなわち第一、第四條第一項第九号を削る。第二、第二十九條の規定を「法務総裁は、市町村に対し、住民登録事務の取扱に関して必要な勧告をし、又は助言をすることができる。」と修正する。第三、新たに第三十條に次の規定を設ける。「国の行政機関は、都道府県知事又は市町村に対し、都道府県知事は、市町村に対し、それぞれその所掌事務について必要があるときは、住民票の記載事項に関して報告を求めることができる。」第四、その他数箇條にわたつて字句の修正がありました。
 次いで討論採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案は多数をもつて可決せられた次第であります。
 なお地方自治体が、この法律により基本的人権の侵害になるがごとき調査権の濫用をしないように努めることを、多数の希望意見として述べられたのであります。
 以上、簡單に御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。上村進君。
    〔上村進君登壇〕
○上村進君 私は、日本共産党を代表して、この法案に反対するものであります。
 その第一は、法案の目的は、常時人口の状況を明らかにして各種行政事務の適正かつ簡易なる処理に資すると規定し、まことに無理からぬ体裁を擬装しております。しかし、この法案の隠された真の目的は━━━━━━━━━━━━の準備である。しかも、さらに名誉ある日本人の━━━━であるといわなければならぬのであります。(拍手)
 元来、身分証明書、住民票のごときものは、外国人や植民地人に対して嚴重な調査をやつて付與したものである。第二次世界大戰の経験によれば、ナチス・ドイツがフランスに侵略して、その支配を固めんとしたとき、残忍な刑罰でおどしつけてフランス人に強制したのは、かの住民登録身分証明書であつたのであります。これは、ナチスドイツと、売国傀儡ヴイシー政府が、フランス人の首に鑑札と番号をつけて、フランス人民を侵略戰争に動員し、再配置し、同時に民族解放運動の彈圧のために行つたのであります。
 この法案は、氏名、生年月日、性別、住所の異動等の調査項目を列挙しておりますが、その上さらに市町村條例で、どんなことでも調べることができるようになつており、法務総裁は市町村長に、どんな事項を調査させるか、たとえばこの法律にはきめてないが、不具者であるかどうか、あるいは前歴、職業、技術の種別、程度等、まつたく━━━━━のために必要な事項を、指導勧告及び助言という事実上の命令によつて調査させようとしているのであります。内閣総理大臣、法務総裁、各省大臣及び各外局や都道府県知事が要求すれば、市町村長は住民調査の結果を報告せねばならない義務を負担させられております。すなわち政府は、市町村條例で、どんなことでも調べさせて、その資料を集めることができる仕組みになつております。これは、国連協力の名のもとに、外国の企図する━━━━━━━━━━する吉田自由党内閣の、日本再軍備と單独講和の━━━━の一連の法的措置であるといわなければなりません。(拍手)一旦緩急あれば、再建軍隊の各種兵士の充員召集、動員は必定である。また産業の軍事的再編成と、その全能力の発揮のためにも、労働力の配置、徴用が必定となることは明々白々であります。このためにこそ、各種行政事務の適正かつ容易なる処理という美名のもとに常時人口の状況を明らかにすることをねらつたのが、この法案の本質であります。
 第二には、この法案は、日本植民地化と、日本人民の隷属化政策の一部である。従来、戰争遂行の人的資源の基礎調査は、世界に冠たる警察政治のもとで、警官による戸口調査、戸籍法等、あらゆる方法で行われた。この法案は、地方行政機関や職員に刑罰権を持たせて、さらに全面的に、徹底的に調査をやらせるものであつて、かくのごときは、まさしく植民地行政のやり方であり、植民地行政管理の権限である。このことは、強大にして広範囲な調査を規定したり、調査質問に対しては陳述と書類提出を強制して、これを拒む者には五万円の罰金を命じた等の罰則がこれを証明しているのであります。かくて十重、二十重に人民を包囲捕捉し、まつたく監獄の中に置くも同樣な状態に陷れるものといわねばなりません。
 第三には、この法案は明らかにポ宣言と憲法に違反するものである。それはこの法案が━━━━のものであり、人民の居住権を拘束するものであり、中央政府に市町村條例制定の干渉を認め、日本の一般人民に対して、一般的に新たなる刑罰を課し得ることを定めたものであるからであります。自由党とその政府は、かかる反人民的な法案を制定することにより━━━━━━━━━━━━━━━━━━日本人民を、しやにむに━━━━にかり立てようとしているのであります。
 今日、自由と独立と平和を熱望する全日本の青年大衆は、わだつみの声を再び繰返さないために、二度と銃をとることを拒否すると叫んでおります。全日本の婦人大衆は、再び夫やむすこたちが彈丸のたてになることを拒否しております。労働者、農民、中小業者等、一切の平和愛好人民勢力は、平和と独立と自由の全面講和のために、敢然として愛国国民運動に結集し、戰争と奴隷化と闘いつつあります。(拍手)この全民族の先頭に立つている日本共産党は、かかる━━━━の法案には断固反対し、これを粉砕するであろう。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第二、教育職員免許法の一部を改正する法律案、日程第三、教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員会理事佐藤重遠君。
    〔佐藤重遠君登壇〕
○佐藤重遠君 ただいま議題となりました教育職員免許法の一部を改正する法律案及び同施行法の一部を改正する法律案につきまして、文部委員会における審議の結果を御報告申し上げます。
 本案は、参議院より修正議決の上本院に送付されたものでありまして、免許法におきましては、私立学校における特殊教科についての免許状新設及び臨時免許状の有効期間の延長等について改正し、施行法におきましては、上級免許状の有効期間の延長その他本法施行上の諸種の難点を、教育界の実情に即して改正いたしたものであります。
 当委員会におきましては、きわめて活溌に審議を重ねました後、自由党を代表して圓谷光衞君、民主党小林信一君、社会党坂本泰良君、共産党渡部義通君のそれぞれの賛成討論がありまして、次いで採決の結果、全会一致をもつて参議院送付案の通り議決いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、農薬取締法の一部を改革する法律案、農漁業協同組合再建整備法案、右両案を一括して議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 農薬取締法の一部を改正する法律案、農漁業協同組合再建整備法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長千賀康治君。
    〔千賀康治君登壇〕
○千賀康治君 ただいま議題となりました、内閣提出、参議院送付、農薬取締法の一部を改正する法律案及び内閣提案、農漁業協同組合再建整備法案につきまして、農林委員会におきまする審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。
 まず農薬取締法の一部を改正する法律案について御報告いたします。
 現行農薬取締法は、終戰後におきまする不正粗悪な農薬の出まわりを防止する目的をもちまして、去る昭和二十三年に制定せられましたが、爾来今日まで、その目的達成に相当の効果をあげて来たのであります。しかしながら、現行法には公定規格の制度がありませんため、判別能力の乏しい多くの農家は、その取捨選択を誤りまして、病虫害防除並びに農家経済上に種々支障をもたらしているのであります。従いまして、ここに新たに公定規格制度を設けますとともに、さらに現行法施行以来の実績に照しまして、農薬に対する虚偽の宣伝の禁止、審議会規定の改正等を行う必要を生じましたので、これらの点につきまして改正を施そうとするものであります。
 本法案は、三月十五日、予備審査のため付託せられまして、十九日、島村農林政務次官より提案理由の説明を聽取いたしました。次いで昨三十日、参議院より本院に送付されまして、本委員会に付託せられたのであります。
 本案は、趣旨、内容とも明瞭でありまして、病虫害防除上時宜に適した措置と考えられまして、各委員とも異議がありませんので、本日野原委員の発議によりまして、質疑討論を省略いたし、ただちに採決いたしましたるところ、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと議決いたしました。(拍手)
 次に、内閣提出、農漁業協同組合再建整備法案に関し御報告いたします。
 戰後、インフレーシヨンの收束と、経済安定政策の強力な推進に伴い、農業協同組合並びに漁業協同組合は、わが国農漁業の特殊な性格を反映する困難な事情に基因いたしまして、相当数の單位組合並びに連合会において多額の資産及び債権を固定化し、経営の危機に見舞われていることは、皆様御承知のごとくであります。これを放任しまするならば、その與える悪影響は広範囲に及び、農漁業及び農漁民一般に與える損害も甚大なるものがありましよう。ここにおきまして、経営の振わない組合で、自力再建の困難なるものに対しまして、政府は財政上その他の援助を與え、よつてもつて再建意欲の高揚と経営の健全化を行わしめたいというのが提案の趣旨であります。しかして、その具体的方法としましては、一、五箇年を期間とする再建整備計画を樹立させ、その間に不振組合の固定化した債権及び在庫品を資金化させると同時に、保有する固定資産と欠損金の合計額以上に自己資本を増加させることを目標といたしております。二、この目標を達成できない不振組合に対し、当初年度において、自己資本不足額の一、單位組合では三分の一、連合会では五分の一以上を増資することその他を條件として、五箇年間に限り増資奬励金及び固定化資金利子補給金を交付する。その額は二十六年度約六億五千万円の範囲内でありまして、これを予備費中より支出し、その後逐次減額し、五箇年総計約二十二億円を予定しておりますこと、但し奬励金は、再建整備の完了した後、剰余金のうちから政府へ償還する建前をとつているのであります。以上が大体の骨子であります。
 この法律案は、本日農林委員会には付託され、提案の理由について政府より説明を受けたのでありまして、十分審議する時間もなかつたのでありまするが、本法案の成否が農漁業協同組合の再建、ひいては日本農漁業の盛衰に少からざる関係を有する事案にかんがみまして、簡單な質疑を行いました後、討論を省略して、原案のまま、ただちに可決することにつきまして全会一致の支持を得、ここにその旨を御報告する運びとなつた次第であります。
 なお自由党野原委員より、森林組合が本法案より除外せられたのは、はなはだ片手落ちな措置であり、今後再建整備計画に努められたい旨の意見が述べられ、これに対し政府より、もつともな意見であるので、今後十分考慮する旨の答弁が行われましたことを、特につけ加えておきます。
 以上をもちまして、簡單ながら御報告を終ることといたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、青柳一郎君外九名提出、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福水君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員会理事青柳一郎君。
    〔青柳一郎君登壇〕
○青柳一郎君 ただいま議題となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 現行法は昭和二十三年七月制定されたものでありますが、いたずらに素質の向上に急なるのあまり、各種看護婦養成所はすべてこれを厚生大臣の指定を必要とし、その設置要件も嚴格でありますので、従つてその設置数は少く、ひいてはその卒業生の数が減少いたし、ために国民の保健上必要な看護婦、保健婦、助産婦の数を確保することがきわめて困難となつておるのであります。特に過日本院において議決せられました結核予防法の施行と相まつて、結核予防には看護婦数を増加することが必要でありますので、なおも質の向上に留意するとともに、今回新たに准看護婦の制度を設け、数の増加による看護力の増強をはかり、従前都道府県知事の免許を得ておる、いわゆる旧制度による看護婦は、一定條件の講習を受けることによつて、厚生大臣の免許、すなわち国家登録に切りかえようとするのが、本法案提出の理由であります。
 次に本法案のおもなる内容を申し上げますれば、第一は、現行の甲種看護婦、乙種看護婦をそれぞれ看護婦と准看護婦に改めたことであります。すなわち、新たに都道府県知事の免許する准看護婦制度を設け、これには現在の乙種看護婦のごとき業務の制限を付さないこととしたことであります。
 第二は、准看護婦であつて、三年以上業務に従事する者または高等学校を卒業した者は、看護婦学校または養成所において二年以上修業すれば看護婦国家試験を受けることができることといたし、看護婦たるの道を従来よりも広げたのであります。
 第三は、旧制度による看護婦は何どきでも国家試験を受けることができるばかりでなく、小学校からその最終の学校までの間における修業年数、看護婦になるのに必要な学科を修めた年数と、その持てる経験年数を通算して十三年を越える者は、厚生大臣の定める講習を受くるのみにて厚生大臣の免許を受けることができるという新しい方途を規定して、旧制度による八万に上る看護婦の要望にこたえんとするものであります。なお旧制度による看護婦は、法律改正後においても、看護婦の名称を用いて従前通りの業をなすこともできるのであります。
 第四は、乙種看護婦については、これを旧制度による看護婦と同一の取扱いをすることといたし、何どきにても国家試験に合格したるときは、ただちに大臣登録の看護婦たるを得させるとともに、これまた修学年数と経験年数を合し十三年を越えるときは、厚生大臣の定める講習を受くるのみにて厚生大臣の免許を受けることができることとしたのであります。
 第五は、現在保健婦及び助産婦の学校または養成所における修業年限はそれぞれ一年以上であるものを、六箇月以上に短縮したことであります。
 本改正案は、第九国会及び引続き第十国会において、本委員会及び看護婦制度に関する小委員会を開くこと十数回、参議院との合同打合会を開催すること六回に上り、熱心に検討審議の結果、各政党一致立案せられたものであります。
 本法案は、本日、本委員会に付託、提案者を代表して私より提案理由の説明をいたし、なお十分その運営につき検討した後、討論を省略して採決に入りましたところ、全員一致可決すべきものと決した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、西村英一君外十一名提出、河川法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員会理事内海安吉君。
    〔内海安吉君登壇〕
○内海安吉君 ただいま議題となりました、西村英一君外十一名提案の河川法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果につき御報告申し上げます。
 最初に、本法案の提案理由及び要旨について申し上げます。現行河川法は、その内容において現状に即さない点が多く、その全面的改正が必要であるが、特に同法第三十二條第二項の規定は、河川改修並びにこれに関する附帶工事促進のため急速に改正する必要があるとして、特に本改正案が提案されたのであります。すなわち、現行河川法第三十二條第二項の規定は、河川工事によつて必要を生じた他の工事の費用は、当該工作物の管理者たる公共団体または私人が負担すべきことになつているのであります。すなわち、河川改修を行う者がその附帶工事の直接の費用負担者でないため、附帶工事の着工が遅れがちとなり、改修工事の促進を著しく阻害している現状であります。本改正案におきましては、その費用負担者を逆にして、附帶工事の原因者である河川工事の費用負担者が直接負担することに改め、河川改修工事及び附帶工事の促進をはかつたのであります。しかしながら、受益の限度で当該公共団体または私人にその費用の一部を負担せしむるというように規定してあります。
 本委員会におきましては、今三十一日の委員会において提案者より提案理由の説明を求め、引続き質疑を行いました。
 次に、質疑応答のおもなるものについて二、三申し上げたいと思います。第一に、地方財政への影響いかんという質問に対しては、附帶工事の管理者である市町村及び水利組合等は著しく負担が軽減する、その肩がわりとして、府県はその一部を負担することになるが、全般的には軽減される旨の答弁がありました。第二に、附帶工事の限界いかんという質問に対しては、河川工事を遂行する上において必要となつた直接的な工事のみを考える旨の答弁がありました。第三に、受益の限度で、管理者をしてその費用の一部を負担せしめることとしているが、その受益の判定をいかにするかとの質問に対しては、特別の受益のみを考慮するのであり、関係両者の協議によつて決定する旨の答弁でございました。第四に、日本国有鉄道に対してこの規定を適用しない理由いかんとの質問に対しては、日本国有鉄道法第六十三條の規定により、日本国有鉄道は、河川法の適用については国とみなされるので、この規定は適用しない旨の答弁でありました。
 かくて討論を省略し、採決に入り、全会一致原案の通り可決いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、黒澤富次郎君外百二十名提出、軽井沢国際親善文化観光都市建設法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 軽井沢国際親善文化観光都市建設法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員今村忠助君。
    〔今村忠助君登壇〕
○今村忠助君 ただいま議題となりました、黒澤富次郎君外百二十名提出の軽井沢国際親善文化観光都市建設法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず本法案の要旨につき申し上げます。本法案は、軽井沢町を国際親善文化観光都市として建設することを目的とし、これが事業の促進と完成に対して、国及び関係諸機関が、国有財産の譲渡等により援助し、助成すべしとするものであります。しかして、本建設事業は軽井沢町長が執行し、計画及び事業に関しては都市計画法を適用するものであります。なお本法案は、憲法第九十五條による特別法であります。
 建設委員会におきましては、提案者より提案理由の説明を求め、引続いて質疑を行つたのでありますが、その質疑のおもなるものは、この種法案の濫立を避けるため一般法を制定しないかとの質問に対しては、政府としては、今後ともこの種法案が提出されるならば一般法を考慮したいとの答弁がありました。
 かくして討論に入り、自由党を代表して田中角榮君より賛成の、日本共産党を代表して池田峯雄君より反対のそれぞれ討論がありまして、採決の結果、多数をもつて可決されたのであります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、文化功労者年金法案、長野長廣君外十七名提出、産業教育法案、右両案を一括して議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 文化功労者年金法案、産業教育法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員長長野長廣君。
    〔長野長廣君登壇〕
○長野長廣君 ただいま議題となりました文化功労者年金法案につきまして、文部委員会における審議の結果を御報告申し上げます。
 本案は、参議院において修正議決されて、本委員会に付託されたものでありまして、従来は文化の功労者に対して精神的な優遇の道を講じておりましたものを、物質的に優遇する方法として、功労者に終身年金を支給しようとするものであります。なお学術、芸術その他文化の功労者の選考の範囲を広くして、文化の向上発達に資するようにしたのであります。
 本委員会におきましては、予備審査もいたしまして愼重に審議をいたしました結果、参議院送付案の妥当なることを認めまして、全会一致をもつて議決いたしたのであります。なお詳しくは速記録によつて御了承願います。
 次に産業教育法案の概略を申し上げ、これが審議の経過及び結果を御報告いたします。
 いわゆる六・三・三・四の学術改革が行われまして、その成果も次第に見るべきものがあります。しかし一面には、われわれの期待に反する事実も現われて参りました。その最も著しいことは、職業教育の全面的な低下傾向及び中学卒業後ただちに社会に出る者に対する教育の脱落したことであります。高等学校の職業課程及び大学の理科的方面の入学志望の減少と学力低下の状態は、これを戰前に比しまして大体半ば程度となつておるようであります。また年々百万を越える中学校卒業者の約三分の二の者は、ただちに社会に出ておりますが、卒業後二年は、労働基準法の制約のため、正規の就職ができませんので、やむなく無為徒食の空白層となり、これが社会悪の温床であるかの観を呈しているのであります。
 本法案は、この事実と、目下のわが国の産業経済上の諸情勢とにかんがみまして、この空白層にある六百万青少年に対する適切なる職業教育を施すとともに、公私立を問わず、中学校及び家庭技芸科を含む高等学校の職業課程の充実をはかり、大学及び短期大学における職業教員の養成を促進し、同時に学校教育として、一般公衆にも職業教育を展開しようとするものであります。
 この施策による根本のねらいは、実験、実習及び勤労作業等によりまして、技術の練磨とくふう、創造の能力の涵養をはかり、正しき勤労の信念を確立せしめまして、單なる活字による観念的人格教育にとどめることなく、積極的な実行力を持つて、よりよき郷土の建設と、文化国家再建のため、真になすある青少年を育成することを目的とするものであります。この目的実現の具体的な方法及び内容に関する立案計画は、中央産業教育審議会と、地方にも同樣審議会を設けまして、その諮問建議の機関とし、昭和二十六年度より発足いたしまして、その準備を整え、同二十七年度より実施に移そうとするものであります。
 本法案は、愼重審議の後、討論に入りまして、国民民主党を代表いたしまして笹森順造君より、社会党を代表いたしまして松本七郎君よりそれぞれ賛成の意見を述べられましたが、討論を終結し、採決の結果、全会一致をもつて可決せられました。
 以上御報告申し上げます(拍手)
○副議長(岩本信行君) まず文化功労者年金法につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 次に産業教育法案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、経済調査庁法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 経済調査庁法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事青木正君。
    〔青木正君登壇〕
○青木正君 ただいま議題となりました経済調査庁法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。
 本案は、第七国会において、経済調査庁が特別調達庁についてその業務の調査及び経理の監査を行う期間は一箇年間、すなわち本年五月九日までと限られたのでありますが、特別調達庁の業務は広汎かつ複雑なため、まだ調査に着手しない部門も残つており、調査を続行する必要があるため、これを「当分の間」と改め、公布の日から施行しようとするものであります。
 本案は、二月二十七日、本委員会に付託され、政府の説明を聞き、質疑応答を重ね、三月十四日には建設委員会と、三月二十日には経済安定委員会とそれぞれ連合審査会を開いたのでありますが、本案に対し、自由党江花委員より、「当分の間」を「昭和二十六年十二月三十一日までに限り」と修正する案が提出されたのであります。これらの詳細につきましては会議録によつて御承知を願うことといたします。
 三月三十一日、討論を省略、採決の結果、多数をもつて右修正案の通り修正議決いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、参議院提出、帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事大澤嘉平治君。
    〔大澤嘉平治君登壇〕
○大澤嘉平治君 ただいま議題となりました帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、去る三月二十日、本委員会に付託され、二十二日、提案者より提出理由の説明を聽取し、その後委員会を開くこと八回、その間参考人の意見を聽取するなど、愼重に審査いたしたのであります。
 本法案の趣旨を簡單に申し上げます。今回池袋、神田間の路線の建設が計画せられているのでありますが、この路線並びに今後における計画路線を完成するには巨額の費用を必要とするので、その資金を民間に依存することは非常に困難と考えられるのであります。よつて、所要資金の大部分を米国対日援助見返資金並びに資金運用部資金等の政府資金に仰ぐことができるように受入れ態勢を整えるとともに、これに伴いまして、営団設立当時の趣旨をさらに徹底せしめ、公益的運営ができるようにするため、帝都高速度交通営団法の一部を改正しようとするものであります。
 次に、その内容のおもなる点を申し上げますと、まず第一に、公法上の法人たる性格を明らかにしたこと、第二に、出資者を日本国有鉄道及び関係地方公共団体に限ることとしたこと、第三に、資金運用部資金法の特例を設けたこと、第四に、米国対日援助見返資金の一般担保の規定を設けたこと、第五に、営団の内部機関として管理委員会を設け、収支予算、事業計画、資金計画及び收支決算について審議決定するものとしたこと、第六に、営団の役職員の地位を明確にし、刑法その他の罰則の適用については公務に従事する者とみなすこととしたこと等であります。
 本法案審査にあたりましては、きわめて熱心な質疑応答がかわされたのでありますが、そのおもなるものは、民間資本を排除する理由、国鉄の電化、新線の建設が要望せられている際、巨額の政府資金を一部市の交通機関の建設に投ずる理由、管理委員会の性格、建設路線と沿線住民との関係について等でありますが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 かくて本三十一日、質疑を打切り討論に入りましたところ、自由党大澤嘉平治より、その党を代表して、本法案に対し、管理委員の人選及び委員会の運営につき遺憾なきを期せられたきこと、並びに政府は、営団が今回工事に着手せんとする路線については沿線住民の利害を十分に考慮し、その設計に再検討を加え、沿線住民の損害を最小限度にとどめるとともに、もし損害を生じた場合には、これに対し十分な補償を行うこと、その他騒音の防止、都市の美観の保持等について万全の措置を講ずるよう営団に対して指示せられんことを望む旨の希望條件を付して賛成する旨を述べ、また日本社会党山口シヅエ君、日本共産党江崎一治君はそれぞれその党を代表して反対の意見を述べられたのであります。
 次いで討論を終局し、採決の結果、多数をもつて本法案は原案の通り可決すべきものと議決いたしました。
 以上、簡單でありますが、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、参議院提出、漁船保險法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 漁船保險法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。水産委員会理事小高熹郎君。
    〔小高熹郎君登壇〕
○小高熹郎君 ただいま議題となりました漁船保險法の一部を改正する法律案について、その概要と、水産委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず提案の理由と、そのおもなる内容について御説明いたします。近年支那東海及び北海道の近海においては、漁船の拿捕、抑留等の事故が頻発し、なおこの種の事故が、最近におきましても毎日のごとく起つている現状であります。これがため、関係漁業者の不安は申すまでもなく、金融機関その池に及ぼす悪影響のため、東支那海を漁場とする以西底びき網漁業はもちろん千島、樺太に面する北海道の漁業は、前途まことに暗澹たるものがあるのであります。このことにより、わが国漁業がこうむる影響はもちろん、国民の食生活に及ぼす影響の重大性にかんがみ、とりあえず漁船保險法を改正して、この種の危險を保險する道を開こうとする次第であります。
 その内容のおもなる点を申し上げます。現行の漁船保險制度におきましては、前に述べたように、漁船の拿捕、抑留による損害を填補する道が開かれていなかつたので、この点を改めて保險の対象とすることができるようにしたのであります。この場合においても、違反操業等の場合には損害を填補しないことはもちろんであります。次に保險の目的たる漁船が拿捕、抑留せられて三十日間解放されないときは、これを組合に委付して保險金額全額を請求できるようにする点であります。以上が法律案のおもなる趣旨であります。
 本案は、参議院提出をもつて、本日水産委員会に付託になつたのでありますが、このことにつきましては、本委員会としては、さきに支那東海及び北海における関係漁業者を参考人として招き、その実情については十分検討し、その対策について調査研究を進めて参つた問題でありますので、動議により、質疑及び討論を省略して、採決いたしましたところ、全会一致をもつて可決すべきと議決いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 積雪寒冷單作地帶振興臨時措置法第十三條第一項第一号の規定に基き、積雪寒冷單作地帶振興対策審議会委員の指名を行います。
    ―――――――――――――
○福永健司君 積雪寒冷單作地帶振興対策審議会委員の指名については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて議長は、積雪寒冷單作地帶振興対策審議会委員に
   佐々木秀世君  松浦 東介君
   坂田 英一君  内藤 友明君
   佐々木更三君を指名いたします。(拍手)
 この際暫時休憩いたします。
    午後七時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後十一時十八分開議
○議長(林讓治君) 休憩前に引続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) この際関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会成案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて右成案を議題といたします。両院協議会協議委員議長の報告を求めます。石田博英君。
    〔石田博英君登壇〕
○石田博英君 関税定率法の一部を改正する法律案の両院協議会の経過及び結果について御報告申し上げます。
 協議委員は、先刻議長より指名せられまして後、ただちに協議委員の議長、副議長の互選を行い、その結果、議長には不省私が、副議長には倉石忠雄君が当選いたしました。
 午後八時半より両院協議室に両院の協議委員が参集いたしまして、まず、くじにより、衆議院側において本日の議長を勤めた次第でございます。
 協議会におきましては、まず衆議院側の議決の理由及び両院協議会を請求した趣旨について、西村直己君より説明があり、次いで参議院側の議決の趣旨について参議院の小林政夫君から説明がありまして、ただちに協議に入りましたが、双方互いによく互讓妥協の精神から協議懇談の結果、合成染料中の建染染料につきましては、両院議決の中間をとつて、その定率を二割といたしますほか、他は参議院議決の通りとすることとし、なお建染染料の定率を現行二割五分から二割にいたします関係上、本法の施行期日を一簡月延長して五月一日とすることに意見の一致を見たのでありまして、全員一致をもちまして両院協議会の成案を得た次第であります。その成案は速記録に讓ります。
 以上、関税定率法の一部を改正する法律案両院協議会の経過並びに結果について、簡單でありますが御報告申し上げた次第でございます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本成案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本成案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、西村直己君外二名提出、関税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案は、提出者の要求の通り、委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 関税法の一部を改正する法律案の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。西村直己君。
    〔西村直己君登壇〕
○西村直己君 ただいま議題となりました関税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を簡單に御説明いたします。
 ただいま関税定率法の一部を改正する法律が五月一日から施行されることに修正されましたので、これと関連ある関税法の一部を改正する法律、保税倉庫法及び保税工場法の一部を改正する法律の施行期日を、四月一日から五月一日に改める必要が生じたのであります。何とぞ御賛成をお願いいたします。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 参議院から、本院提出、熱管理法案が回付せられました。この際議事日程に追加して右回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 熱管理法案の参議院回付案を議題といたします。
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔起立者なし〕
○議長(林讓治君) 起立者はありません。よつて参議院の修正に同意せざることに決しました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 憲法第五十九條第二項に基いて再議決のため、熱管理法案の本院議決案を議題とせられんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて熱管理法案の本院議決案を議題といたします。
 ただちに採決いたします。本案はさきに本院において議決の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立者、出席議員の三分の二以上の多数と認めます。よつて本案は、さきの議決の通り可決せられました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち。内閣提出、外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事青木正君。
    〔青木正君登壇〕
○青木正君 ただいま議題となりました外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案について、審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、外国為替の取引及びこれに関連する外国貿易の手続について、外国為替管理委員会が関係官庁相互間の連絡調整に当るとともに、関係諸法令の規定に従つて、右委員会の外国為替銀行に対する監督の範囲を拡大し、かつその他の関係金融機関をも監督せしめようとするものであります。
 本案は、予備審査のため、三月十六日、本委員会に付託され、政府の説明を聞き、三月三十一日参議院の送付を受け、あらためて付託されたのでありますが、同日討論を省略、採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、船舶職員法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 船舶職員法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事坪内八郎君。
    〔坪内八郎君登壇〕
○坪内八郎君 ただいま議題となりました船舶職員法案につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、本法案の趣旨を簡單に御説明申し上げます。現行法は明治二十九年に制定せられ、その後必要に応じて一部改正を加えて参りましたが、船舶航行の安全を確保するためにはなお不十分の点があり、また新憲法下の今日では、法律の体系上不適当な箇所がありますので、現行法を廃止し、本法案を制定しようとするものであります。
 次に、本法案の内容のおもなる点をあげます。まず第一点は、従来は一旦海技免状を受有すれば、その後たとい心身の欠陷、技術の不足等が生じても、その職務をとり得る建前となつておりますので、五箇年ごとに更新することにしようとするものであります。第二点は、小型船舶に対して船舶職員制度を採用しようとするものであります。第三点は、船舶職員として船舶に乗り組ますべき者の資格の表を改めようとするものであります。
 本法案は、予備審査として、三月十六日、本委員会に付託せられ、二十二日政府より提案理由の説明を聽取し、二十六日水産委員会と連合審査会を開く等、愼重に審議いたしたのであります。しかして、政府委員と委員との間に熱心なる質疑応答がとりかわされたのでありますが、その詳細は会議録に讓ることにいたします。
 三月三十一日、参議院より、同院において修正の上、正式に本委員会に付託されたのであります。
 次に討論に入り、日本社会党を代表して川島金次君より、本法案に対して反対の意見を述べられました。次いで日本共産党を代表いたしまして江崎一治君より、本法案に対し反対の意見が述べられたのであります。
 かくて討論を終局し、ただちに採決の結果、本法案は起立多数をもつて原案の通り可決した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次会の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後十一時三十分散会