第010回国会 本会議 第38号
昭和二十六年五月二十三日(水曜日)
 議事日程 第三十七号
    午後一時開議
 第一 電信電話料金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法律案(内閣提出)
 第三 弁護士法の一部を改正する法律案(法務委員長提出)
 第四 商法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(法務委員長提出)
 第五 商法の一部を改正する法律施行法案(内閣提出)
 第六 商法の一部を改正する法律の施行にに伴う関係法律の整理等に関する法律案(内閣提出)
 第七 有限会社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 非訟事件手続法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第九 租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律案(内閣提出)
 第十 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関の支署及び出張所並びに支署の出張所及び監視署の設置に関し承認を求めるの件
 第十一 特別都市計画法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十二 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(前田郁君外四名提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 国土調査法案(内閣提出、参議院回付)
 日程第一 電信電話料金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法律案(内閣提出)
 日程第三 弁護士法の一部を改正する法律案(法務委員長提出)
 日程第四 商法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(法務委員長提出)
 日程第五 商法の一部を改正する法律施行法案(内閣提出)
 日程第六 商法の一部を改正する法律の施行に俘う関係法律の整理等に関する法律案(内閣提出)
 日程第七 有限会社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 非訟事件手続法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第九 租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律案(内閣提出)
 日程第十 地方自治体法第百五十六條第四項の規定に基き、税関の支署及び出張所並びに支署の出張所及び監視署の設定に関し承認を求める件
 日程第十一 特別都市計画法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十二 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(前田郁君外四名提出)
 計量法案(内閣提出)
 計量法施行法案(内閣提出)
 海上運送法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後二時三十二分開議
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 参議院から国土調査法案が回付せられました。この際議事日程に追加して右回付案を議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 国土調査法案の参議院回付案を議題といたします。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第一、電信電話料金法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。電気通信委員長關内正一君。
    〔關内正一君登壇〕
○關内正一君 ただいま議題となりました電信電話料金法の一部を改正する法律案につきまして、電気通信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、現行電信電話料金法の別表一の電話に関する料金及び別表二の電話に関する料金の一部に改訂を加えようとするものでありまして、改正点の要旨及び目的について申し上げますれば、第一は、現在におけるラジオの天気予報等の放送に照し不要となつた気象通知電報の種別を整理統合するものでありますが、その料金額につきましては、大体現行のものを踏襲しております。
 第二は、現在実際必要とする経費を著しく下まわつておりまする国際放送電報の料金を引上げようとするものでありまして、すなわち現行料金に比し、発信については三倍半ないし六倍半、受信については十倍ないし十九倍に引上げようとするものであります。しかしながら、政府の説明によれば、この値上げによりましても、得るところの收入は所要実費の約半額を償うにすぎないのでありますが、この電報の利用者が新聞通信社を主とする点を考慮して、この程度にとどめたということであります。
 第三は、電話需給の実情にかんがみ、できるだけ多数の電話を架設するため、共同加入制度を拡張して、現在二加入を限度とするのを十加入まで認めることとし、その使用料は單独加入の料金を基準とし、一加入について三または四の共同の場合はその約六割、五以上の共同の場合はその約五割とするものであります。なお普通加入区域外の共同加入についてつけ加えられまする電話線設備料及び附加使用料については、この割合をさらに低めまして、三または四の場合は約四割五分、五以上の場合は約三割とするのであります。
 第四は、電話の利用効率を高めるために開こうとする新しい取扱いの料金であります。その一は、一箇の電話機を切りかえて四つの回線まで接続できるよう取扱いを拡張するものでありまして、その料全は、現行の二回線の場合を基準として、一回線を増すごとにその約二割を増すものであります。その二は、同一の邸宅または構内で電話機を移動して接続できる取扱いでありまして、これには附加使用料として、電話機一個ごと、接続装置一箇所ごとに月二十四円ないし五十円を課するのであります。その三は、普通加入電話に臨時電話機を増設し、または臨時電話に構内交換機を接続する取扱いでありまして、その附加使用料は、電話機一箇ごとに四百八十円とするほか、すべて実費とするものであります。その四は、警察の警邏制度の実施に必要な街頭電話の取扱いでありまして、その料金はすべて実費とするものであります。
 以上、本法案の内容の御説明をいたしたのでありますが、電気通信委員会におきましては、五月十五日、本内閣提出法律案の付託を受けまして、同十八日、二十一日及び二十二日の三回にわたつて委員会を開き、提案理由の説明を聽取し、各委員と政府との間に質疑を盡したのでありますが、その詳細は会議録に讓ることといたします。
 かくして、委員会は五月二十二日討論を行い、その際自由党を代表して高塩三郎君は賛成の意見を述べられ、また日本共産党を代表して田島ひで君は反対意見を述べられ、次いで採決に入りましたところ、起立多数をもつて政府原案通り可決いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第二、硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員長小金義照君。
    〔小金義照君登壇〕
○小金義照君 ただいま議題となりました硫酸アンモニア増産及配給統制法を廃止する法律案の、通商産業委員会における審議の経過並びに結果につき御報告を申し上げます。
 硫酸アンモニア増産及配給統制法は、昭和十三年、第七十三回帝国議会において成立したものでありますが、この法律の骨子は大要次の通りであります。
 まず第一は、民間硫安製造事業の拡充促進のために、昭和十八年までの五箇年間に製造設備を新設または増設したものに対し、一定年間法人税、輸入税等の免除を行うほか、右事業は、資金調達上、社債発行限度を拂込資本額の二倍とする等、いろいろの保護、特典を與えるとともに、必要に応じて硫安製造業者及び日本硫安株式会社に対し増産命令をなし、硫酸アンモニアの自給をはからんとした点であります。
 第二は、特殊会社であるところの日本硫安株式会社を設立せしめて、硫酸アンモニアの配給統制事業を遂行せしめるとともに、必要ある場合は、この会社をして硫酸アンモニアの製造、その他供給確保上必要な事業を行わしめるという点であります。事実、この法律の施行によつて、硫安の生産は年ごとに増加したのでありますが、戰争の拡大及び戰災による被害によりまして、昭和十六年を頂点として激減いたしましたので、法人税等に関する特典をさらに五箇年間、すなわち昭和二十三年まで延長いたしましたが、実質的効果を生ぜずに終戰を迎えた次第であります。終戰後におきましては、わが国経済の復興、民生の安定の基礎的條件として、硫安の増産は最も重点的に取扱われたのでありますが、法人税の免除は別途法人税法に規定され、加うるにこの法律に規定されていた免税に関する期限がすでに経過いたしたこと、日本硫安株式会社ないしこれを承継した日本肥料株式会社も、その配給業務を肥料配給公団に引継いですでに解散いたしましたこと、社債の限外発行に関する規定も、昨年の資産再評価法の実施により、さらに商法の一部改正より、すでに各條文とも空文にひとしくなりましたので、今次商法の改正を機に廃止するのが妥当と考えるに至つたのであります。
 本法律案は、去る五月十七日通商産業委員会に付託され、同日提案理由の説明がありましたが、本法律案の趣旨は以上申し述べた通りでありますので、別段の質疑もなく、昨二十二日、ただちに討論に入りました。自由党の中村純一君より、代表して賛成の意見が述べられました。また日本共産党の風早君は、本法律案に反対の意思を表明せられました。これにて討論を終りまして、ただちに採決いたしましたところ、多数をもつて可決すべきものと議決した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第三及び第四は委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。
 日程第三、弁護士法の一部を改正する法律案、日程第四、商法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。法務委員山口好一君。
    〔山口好一君登壇〕
○山口好一君 ただいま議題となりました弁護士法の一部を改正する法律案及び商法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、法務委員会を代表して、その趣旨弁明を申し上げます。
 現行弁護士法は第五国会において制定されたのでありますが、その実施の結果、弁護士の公職兼職禁止について不便なところが生じました。というのは、現行法は、弁護士が県知事、市長その他公選による行政職につく場合に兼職を禁止しているのであります。しかし終戰後、中央または地方において行政運営をなすにあたり、民間代表の意向として弁護士会の意見を徴され、あるいは弁護士のまま行政職に進出することが要請されております。よつて、法務委員会はこの問題を取上げ、弁護士法改正小委員会を設けて成案を練つたのであります。小委員会においては、弁護士が在職のまま報酬ある公職につくことは国家及び地方両公務員法の精神に反し、弁護士道に反するとの意見もありました。これがため、愼重審議の結果、兼職禁止の原則をくずさず、ただ特別職の若干につき、その兼職期間中は、弁護士の職務を行うことができないものとし、もつて公務員法と弁護士道との関係を調整することにしました。なおこの際、弁護士資格中、衆参両院法制局参事を法務府事務官並に取扱い、その他字句二、三を修正いたしました。かくして法務委員会の成案がまとまつた次第であります。
 右成案のうち、第三十條が改正の骨子となつているので、これを読み上げます。第三十條「弁護士は、報酬ある公職を兼ねることができない。但し、衆議院若しくは参議院の議長若しくは副議長、内閣総理大臣、国務大臣、内閣官房長官、内閣官房副長官、政務次官、内閣総理大臣秘書官、国務大臣秘書官の職又は国会若しくは地方公共団体の議会の議員、地方公共団体の長その他公選による会職につき、又常時勤務を要しない公務員となり、あるいは官公署より特定の事項について委嘱された職務を行うことは、この限りでない。」「弁護士は、前項但書の規定により常時勤務を要する公職を兼ねるときは、その職に在る間弁護士の職務を行つてはならない。」
 以上で大要の説明を終りました。
 次に、商法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 御承知の通り、昨年第七国会において制定いたしました商法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第百六十七号)は、来る七月一日から施行されることとなるのでありますが、これに伴う施行法がいまだ公布せられないため、現在の株式会社にとつて、改正商法に適応する定款の変更及び新設條項に対する準備、訓練の期間がほとんどないことを認めまして、当委員会におきましては、去る三月二十日、全会一致をもつて、これが施行期日を十二月一日と改める仮案を定めまして、関係方面と十数回にわたつて折衝し、かつわが国経済界及び関係機関から実情、意見を聽取し、愼重に検討いたしました。その結果、一、商法の一部を改する法律は、原則として既定の通り七月一日から施行する、二、但し同法律中、わが国経済の実情に即しない点は改正する、この二点を骨子といたしまして、当委員会は、新商法に対し次の三点を改正すべく、多数をもつてその成案を得たのであります
 すなわち第一点は、第五十九條を改正して、新法において削除いたしました本條は、いわゆる会社荒し等を防ぐためには必要であるとの理由から、株主その地の利害関係人が会社に対し解散命令の請求をしたときは、裁判所は、会社の請求により、相当の担保を供すべきことを命ずることができるようにいたしました。但し、この場合、会社は株主の請求が悪意に出たものであることを疎明すべきことといたしました。
 第二点は、第百六條及び第二百四十九條を改正しまして、それぞれ合併無効の訴え及び株主の決議取消しの訴え等についても、第五十九條の改正と同様の趣旨をもつて担保提供の義務を規定いたしました。
 第三点は、第一点及び第二点の改正に伴いまして、八箇條について條文の字句を整理いたしました。以上が、商法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の大要の説明であります。
 何とぞこれら二法案につき諸君の御賛成をお願いする次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) まず日程第三につき採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 次に日程第四につき採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第五、商法の一部を改正する法律施行法案、日程第六、商法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案、日程第七、有限会社法の一部を改正する法律案、日程第八、非訟事件手続法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長安部俊吾君。
    〔安部俊吾君登壇〕
○安部俊吾君 ただいま議題と相なりました商法の一部を改正する法律施行法案、有限会社法の一部を改正する法律案、非訟事件手続法の一部を改正する法律案、商法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案につきまして、それぞれの提案の要旨及び法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず商法の一部を改正する法律施行法案について申し上げます。
 本案は、本年七月一日より施行せられまする改正商法に対する経過規定でありまして、既存の株式会社が旧法より新法に移行する場合の措置を内容としたものでありまして、その詳細につきましては説明を省略いたしたいと存じます。
 さて当委員会におきましては、本案の審議に際しまして、改正商法の施行を目前に控え、これに伴う施行法案の政府提出が予想外に遅れたため、準備期間の少い関係から、ある程度新法の実施を延期するのと同じ効果のある、次のような、おおむね二点について、各派共同の修正案が提出されたのであります。すなわち第一点は、第十七條を修正して、総会の決議要件は、一定の期日まで、新法施行後もなお旧法を適用し得るようにしたのであります。第二点は、第二十條を修正して、累積投票の制度については、新法施行後もなお一定の期間は旧法の規定を適用し得ることとしたのであります。
 かくて討論採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも多数をもつて可決せられた次第であります。
 次に、有限会社法の一部を改正する。法律案、非訟事件手続法の一部を改正する法律案及び商法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案の三案について一括して申し上げます。
 本法案は、それぞれ商法の一部を改正する法律の施行に伴いまして当然改正を必要とする趣旨のものでありまして、ことに有限会社法の改正は、新商法の株式会社編に準じて改正規定を設けたものであります。三案の内容につきましては、お手元に配付してある印刷物によつて御承知願いたいと存じます。
 さて法務委員会におきましては、有限会社法改正案の質疑を終り、他の二法案については質疑を省略し、討論に入りましたところ、本三案に対し、それぞれ各派共同の修正案が提出されました。修正案の内容は、商法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に準じまして、四ないし五箇條につきましてそれぞれ字句の整理をいたしたのであります。
 かくて採決の結果、三案それぞれの修正案及び修正部分を除く原案は多数をもつて可決せられた次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 四案を一括して採決いたします。四案の委員長の報告はいずれも修正であります。四案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて四案とも委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第九、租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律案、日程第十、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関の支署及び出張所並びに支署の出張所及び監視署の設置に関し承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事奧村又十郎君。
    〔奧村又十郎君登壇〕
○奧村又十郎君 ただいま議題となりました租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律案外一件について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律案について申し上げます。
 この法案は、租税債権及び貸付金債権を除く国の債権で、債務者が無資力のために当該債権にかかる收入金を納付することが著しく困難であるものの整理をはかるため、従前の租税外諸收入金整理に関する法律を廃止いたしまして、当該債権を定期貸債権またはすえ置き貸債権として整理し、また当該債権を保全し、当該債権にかかる收入金の納付を容易ならしめるために必要があると認められるときは、その貸付の條件を変更し、さらに一定期間経過後、債務者の資力が回復の見込みがない場合においては、その債務の免除をすることができることとする等、当該債権の管理を適切ならしめる措置を講じ、もつてこれら国の債権の処理に万全を期することといたそうとするものであります。
 この法案に関しましては、去る十六日、政府委員より提案理由の説明を聽取し、二日間にわたつて質疑を行つたのでありますが、その詳細につきましては速記録に讓ることといたします。
 次いで、昨二十二日質疑を打切り、討論省略の上採決いたしましたところ、起立総員をもつて原案の通り可決いたしました。
 次に、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関の支署及び出張所並びに支署の出張所及び監視署の設置に関し国会の承認を求めるの件について申し上げます。
 本件は、最近における外国貿易及びび密貿易の趨勢に対応し、税関行政の円滑な遂行と、監視取締りの万全を期するため、細島税関支所及び横浜税関鶴見出張所外二十張所を設置するとともに、監視署の配置転換を行い、名古屋税関、清水税関支署、御前崎監視署外四盛観署を設置いたそうとするものであります。
 本件に関しましては、去る二十一日、政府委員より提案理由の説明を聽取し、昨二十二日質疑を打切り、討論省略の上採決いたしましたところ、起立総員をもつて承認すべきものと議決いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) まず日程第九につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第十につき採決いたします。本件は委員長報告の通り承認を與えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第十一、特別都市計画法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員会理事内海安吉君。
    〔内海安吉君登壇〕
○内海安吉君 ただいま議題となりました特別都市計画法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 最初に、本法律案の提案理由及び要旨について申し上げます。
 御承知のように、特別都市計画事業の基盤は土地区画整理でありますが、現在本事業は、おおむね清算段階に入ろうとしております。しかして、この清算事務の処理について、現行都市計画法に若干の不備の点があるのであります。これを改正せんとするのが、すなわちその主要点なのであります。
 改正の第一点は、換地処分の結果徴收する清算金については分納が認められておりますが、交付する清算金については分割佛いが認められておらないのであります。従つて、一時に清算金を交付しようとすれば、清算金が完納されるまで交付の時期を遅らせるか、または地方公共団体において一時立てかえ沸いをせざるを得ないのであります。ここにおいて、清算金の交付についても分割佛いができるように改正せんとするものであります。
 第二点は、換地予定地の指定によりまして、土地の使用收益が禁止または開始されますので、換地処分の完了前において、換地割当の不均衡をすみやかに金銭をもつて調整することが望ましいのであります。従いまして、換地予定地の指定があつた場合は、清算金を概算徴收及び概算交付することができるよう改正せんとするものであります。
 以上二点を改正し、区画整理事業の円滑な遂行を促進せんとするのが本改正案の骨子であります。
 建設委員会におきましては、去る五月二十一日、政府より提案理由の説明を聽取し、引続き質疑を続行いたしました。質疑応答の詳細につきましては速記録に讓ることといたしますが、おもなる質疑は、清算金の分割交付の時期及びその利子計算の方法いかんという点でありまして、これに対しては、清算金の分納と多調を合せて分割交付の時期がきまつて来る、また利子は第一回の分割交付をした翌日から計算することになるが、この分割交付がすみやかに行われるように指導して行きたい旨の答弁がありました。
 かくて、昨二十二日質疑を終了し、討論に入りましたところ、共産党を代表して池田峯雄君より反対の討論があり、国民民主党を代表して村瀬宣親君、日本社会党を代表して前田榮之助君よりそれぞれ、本法律の運用にあたつては換地予定地の指定を早め、できる限り急速に清算金の徴收交付をするよう希望を付して賛成の討論がありました。
 次いで採決の結果、多数をもつて本法律案は原案の通り可決いたした次第であります。
 右御報告を申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日第十二、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事坪内八郎君。
    〔坪内八郎君登壇〕
○坪内八郎君 ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につき、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、去る十九日、本委員会に付託され、同日ただちに提案者より提案理由の説明を聽取し、二十一日及び二十二日の両日にわたり、愼重にこれを審査いたしたのであります。
 本法案の趣旨を簡單に申し上げます。日本国有鉄道法は、公務員の労働問題解決を契機として急遽制定せられたため、その内容は必ずしも整備されたものとは言いがたいのでありまして、公共企業体としての日本国有鉄道発足以来今日までの実績に徴するに、国鉄の運営上並びに運輸行政の総合性確立上適切でないと考えられるものがあるのであります。現行法においては、国鉄の業務運営を指導統制する権限と責任を有する国鉄の最高機関は監理委員会でありますが、事実上において、この委員会は、総裁の諮問機関的あるいは監査機関的存在と見られておるのであります。従つて、所期の目的を達しておるとは考えられないのであります。しかも、総裁は監理委員会に対し責任を負うと定められているため、国鉄運営の責任が監理委員会にあつて、総裁にないような規定になつておりますので、その責任の所在が明確でないのであります。よつて、この際これを廃止して、国鉄運営の責任体制を確立し、総裁以下役員をして、全責任を持つて、その創意くふうによつてこれが運営に当らしめることが、国鉄運営の能率化の健全な発展を期するゆえんであるというのであります。
 次に、運輸大臣の国鉄に対する監督権であります。国鉄の公共企業体としての本質にかんがみ、これが自主性はでき得る限り尊重すべきであることはもとよりではありますけれども、国鉄は国の事業を経営管理するものでありますから、公共の福祉の確立並びに他の運輸機関との総合整備をはかるため、監理委員会の廃止に伴いまして、必要最小限度の許認可事項を追加し、命令権の内容を明確にすべきであるというのでります。
 次に、本法案の要点を申し上げます。監理委員会を廃止して責任体制を確立したこと、これが改正の主眼でありまして、それに伴い、新たに監事を置き、役員の員数、任免方法、任期等を規定または改正したこと、運輸大臣の許認可事項として、運輸事業の貸渡しまたは借受及び運輸事業の経営の委託または受託並びに国鉄の基本的な業務運営組織の変更を追加したこと、運輸大臣の国鉄に対する命令権の内容を明らかにし、国鉄が運輸大臣の許認可を受ける事項、並びに地方鉄道法または軌道法の規定により、地方鉄道業者または軌道経営者に対し命令、許認可した事項であつて、国鉄と関連のある事項を例示したほか、運賃法により総裁の定めることができる運賃料金の変更を命ずることができるようにしたこと、運輸大臣に立入り検査権を認め、監事から意見を徴することができるようにしたことと相まつて、国鉄の実情把握に遺憾なきを期したことなどであります。
 本法案審査にあたり熱心な質疑応答があつたのでありますが、その詳細は会議録によつてごらんを願いたいと存じます。
 かくて、昨二十二日質疑を打切り、討論に入りましたところ、日本共産党林百郎君、日本社会党山口シヅエ君、労働者農民党石野久男君は、それぞれの党を代表して反対の意見を述べられたのであります。次いで討論を終局し、採決の結果、多数をもつて原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上、簡單でありますが、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対しまして絶対反対の意思を表明するものであります。(拍手)
 本法案は與党の議員提出の形で提案せられたものでありまして、提案の理由には、日本国有鉄道法施行の実績にかんがみ、日本国有鉄道の業務の運営に関する責任体制を明確にし、あわせてその業務の適正な運営をはかるため云々と書いてあるのでございまするが、責任体制を明確にするために監理委員会を廃止するということは、これまつたく、りくつに合わないことでございます。何となれば、現行法におきましても、日本国有鉄道の責任は、はつきり総裁が持つておるのでございます。それにもかかわらず、これによつて運輸大臣の監督権限を拡大強化して、責任体制を明確にするといわれるのでありまするが、業務を総理する以上、総裁が全責任を持つということは、企業体として当然のことであると私は思うのであります。しかるに、運輸大臣の権限を強化して、総裁から政治上、行政上の自主性を奪つてしまつて、しかも責任と義務を依然として総裁に負わせようとするところに、この改正の反動的な意図をわれわれは指摘せざるを得ないのであります。
 監理委員会が従来非常に不活発である、あるいは無用の長物であるという理由をあげられておるのでありまするが、そういう事実を、現内閣として、また與党として十分察知せられるならば、監理委員会が、その法に規定されたような運営をするように、現在までどれだけの努力を沸つて来たかということを、私は提案者に反問いたしたいと思うのであります。公共企業体として、国有国営の鉄道から日本鉄道公社が設立せられたときには、コーポレーシヨンの本質として、これに財政的、行政的、政治的な自主性を與えるということが提案の中心であつたのでございまして、私は、監理委員会を廃止することによつて運輸大臣の権限を一段と強化するというこの改正の意図は、明らかに公共企業体の本質を滅却するものだといわざるを得ないのであります。これが反対の第一の理由であります。
 第二の理由といたしまして、運輸大臣は、公共の福祉を増進するため特に必要があると認めるときは、日本国有鉄道に対していろいろな事項について命令することができるというのが、たしか五十四條に規定せられておるのでございまするが、私はこの際申し上げたいのであります。一体、日本国有鉄道が認許可を受けるべき事項というものを運輸大臣の命令事項にするということは、認可あるいは許可を受けるということの意味をなさなくなるではありませんか。認許可を受けることとして規定しておるものを、いきなり運輸大臣が命令をもつてこれを行わしめることができるということになりまするならば、どこに日本国有鉄道の公共企業体としての自主性があるかということを私は反問せざるを得ないのでありまして、これはコーポレーシヨンの特質でありまする行政上の自主性をまつたく喪失するものだといわざるを得ないと思うのであります。こういう命令権を強化することによりまして、運営と行政の面において運輸大臣が絶対権を持つて、総裁を單にロボット化してしまうということになるのであります。しかも、総裁をロボット化しながら、一方において責任をしいるというところに、この法律の第二の反動的な意図を私は指摘せざるを得ないのでありまして、これまた公共企業体の本質に反するものだといわざるを得ないのであります。ようやく公共企業体として日本国有鉄道が今日まで進んで参りまして、行政上、政治上の自主性がほぼ確立せられて、いよいよ眼目の財政上の自主性――現在不十分であるものを確保することによつて公共企業体として適当であるかどうかという判断ができるその段階において、この公共企業体の本質を抹殺するところのやり方に対しましては、われわれはあくまで反対をせざるを得ないのであります。
 それかといつて、これを昔のように国有国営の鉄道にもどすかといえば、経営の面においては依然として日本鉄道公社にやらせるというところに今回の改正の意図が――たとえば加賀山総裁以下の国有鉄道の幹部が、現内閣の思う通りに動かない、あるいは伝えられるところによれば、地方の鉄道管理局の増設等の問題について、與党の思う通りに国有鉄道の幹部が動かないということから、まさに犬糞的な、こうした腹いせ的な法律を出したものだと一部に伝えられておる。ここに、この法律のきわめて不純なる意図がはつきりと現われて来ておると思うのであります。
    〔副議長退席、議長着席〕
 これは、たとえば先般閣議決定いたしまして、関係方面に手続をとつておるという、北海道開発予算の問題に関連いたしまする開発局の中央の出店を北海道につくる、この地方行政の本質を無視したところの反動的な立法が、今現内閣において企図せられておるということをわれわれは聞いておるが、これと一連的な関連を持つものでありまして、こういうフアツシヨン的なやり方に対しましては、われわれは断じて賛成することができない。しかも、このことは、自由党の本旨である自由主義の建前から見まして、大臣の権限を強化するというようなことは、まさに自由党の立党の精神に逆行するところの、反動的なもの以外の何ものでもないといわざるを得ないのであります。
 ことに本案の審議にあたりまして、皆さん方が無用の長物だ、何らの活動をしなかつたというあの監理委員会を廃止するなら、監理委員会の代表を呼んで意見を徴すべきではないかという、わが党の委員からの提案に対しまして、これを多数で蹂躙して、議会における審議権すら委員会において十分発揮せしめておらないという反動的な態度をとつておるじやないか。監理委員会を廃止するなら、監理委員会の代表者を呼んで、彼らの意見を聞いてやるということが、国会として当然やるべきことではないかと考えるのであります。われわれは、これが最近の自由党及び吉田内閣の反動的な、時代逆行的な立法の一つの端的な現われといたしまして、この法律案に対しましては断固として反対の意思を表明するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) 石野久男君。
    〔石野久男君登壇〕
○石野久男君 私は、労働者農民党を代表して、ただいま上程になつております日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に絶対反対をするものでございます。
 第三臨時国会において、長年にわたつて国営事業として経営を続けて来た国有鉄道事業を、公共企業体に法律改正行つたのであります。その際われわれは、明治三十年以来のわが国の鉄道の歩んで来た歴史にかんがみ、また国民すべての共有財産である鉄道が、独立採算の名のもとに、その公共性が、うとんぜられ、経営は一部の独占資本のために壟断され、あるいはまた鉄道に対する外資導入の地ならし工作になることをおそれて、強く反対したのであります。昭和二十四年の六月に鉄道公社が発足してから僅々二箇年に満たない今日、自由党の諸君は、早くも日本国有鉄道の業務の運営に関する責任体制を明確にし、あわせてその業務の適正な運営をはかるために本改正法案を提出するに至つたのでありますが、私どもは、以下述べる三つの点から、本改正法案に対して絶対反対をするものでございます。
 第一の点は、本法を改正しなければならない理由、その根拠が薄弱であるという点であります。国鉄は、一昨年公共企業体として発足以来、長い間の国鉄事業にからんでいた政治的、行政的ないろいろな干渉から、経営の自主性がようやく確立せられて、人事に関する問題においても、企業体としての自主性が打出されるようになつていたとわれわれは信じておるのであります。過去二箇年間にわたつて、われわれの痛感した国鉄経営上の欠点と申しまするものは、それは財政的、予算的拘束があまりにも強く、従つて経営上のいろいろな難点が、特に労働問題の不明朗な強圧等が、ここから発生して来ていたことであると存ずるのでございます。戰後苦難の中から今日の国鉄の復興をかち得たのは、一にかかつて国鉄従業員諸君の、見るに忍びない労働強化によつて築き上げられて来たものであるということを、われわれは銘記しなければならないと存ずるのであります。
 公共企業体を主張した自由党の諸君が、真に国鉄を公共企業体として、独立採算制と公共性の満足なる調和をはかり、かつこれを育成しようとする一片の誠意を持つておるならば、本法改正の方向は、おのずから、むしろこの改正法案とは全然違つた面において、少くともその財政的な自主性の確立に意を注がなければならなかつたはずであります。しかるに、本法の改正は、あとにも申し述べるように、その考え方において公社制の本旨に逆行、これを抹殺しようとするものであります。
 法令の改正は朝令暮改であつてはならないこと、言をまたないのでありまするが、特にこの国鉄法改正の趣意にかんがみて、公社制の運営は、いましばらく、これが整備増強のために、親心をもつて、自由党の諸君はもとより、立法部は見守らなければならない時期であるのではないかとわれわれは考えるのであります。しかるに、法を改正する当事者であつた自由党の諸君が、このことに思いをいたすことなく、趣旨一貫しないところの態度をもつて法を改正することは、あまりにも軽率であるのでありまして、それがもし軽率でないといたしますならば、何らか他に政治的な意図があるのではないかとさえ思わせるものがあるのであります。まことにこの改正の理由、根拠が薄弱にして、あまりにも不純であるといわなければならないと信ずるのであります、われわれは、この改正の趣旨において、かくのごとく根拠薄弱である改正法案に対しては、賛成することはできないのであります。
 第二点といたしましては、本改正法案によつて、国鉄の企業経営に対する政党支配の影響が露骨に現われて来るということでございます。監理委員会があるために大臣の権限が国鉄内部に及ばないというのが、自由党の諸君の偽らない不満であつたのであります。第二章を削除して監理委員会を廃止し、第二十條、第二十二條によつて、国鉄役員の任免が政党内閣の支配のもとに確立せられるのでありますが、監理委員会の功罪については、われわれは、さきに田中君からも言われたように、本改正法案の審議に際して、運輸委員会において、これが審議を詳細にしようとしたのでありまするけれども、自由党の諸君の横暴なる拒否によつて、これを果すことができなかつたのであります。まことに残念であります。現行法第十三條第三項に明記されておりまするように、この監理委員会は、毎年輪番に改選される監理委員をもつて構成されており、政治的な力の抑圧を均等化することにおいては、一応民主化が行われておると考えられるのでございます。国鉄総裁の言をもつてしても、国鉄経営のために、この委員会が著しく障害になつたとは決して言つていないのであります。
 本改正法案の提案者たちは、国鉄の運営上の責任体制を明確化するために現委員会を廃止するという理由を言うのでありまするが、われわれは、これを理解することができないのである。国鉄の機構改正にあたつて、大臣の権限が、あるいはまた国会における一部の人々の意図が、監理委員会という壁にぶつかつたことによつて、この委員会を廃止する必要性が痛感されるに至つたとするならば、これはあまりにも公共企業体の本旨にもとるものといわなければならないのであります。第二十條、第二十二條の改正は、責任体制の明確化という名目で、政党内閣の国鉄企業に対する支配の確立であるということは、條文を読める者ならば、だれでもわかることであつて、私は、このような意図に対しては絶対に反対をするものでございます。
 第三点は 運輸大臣の権限が過大に強化されることによつて、国鉄経営の自主性が著しく阻害されるのみならず、それに伴う反民主的官僚支配の弊害が増大することでございます。第五十三條の改正によつて、大臣の監督権を強化拡大しただけにとどまらず、第五項として、基本的な業務運営組織の変更が認許可事項として加えられたことは、担当者に対する制約と干渉これに過ぎるものなしといわなければならないのであります。このことは、第五十四條における大臣の命令事項の拡大強化と相まつて、もはや国鉄の公共企業体としての独自性を完全に佛拭してしまつて、国有事業としての政府事業への昔の形にもどすのではないかとさえ疑われるような懸念があるのでございます。自由党の諸君は、国鉄を公社として育てようとしておるのか、あるいはまた政府事業にもどそうと考えているのであるけれども、世間への手前上、このような、へびのなま殺し的な取扱いをしようとしているのか、この点は、むしろはつきりすべきであると考えられるのであります。
 第五十四條第二項以下に規定されている立入り検査権のごときは、政府の不当干渉の道を開くものでありまして、これは第三国会においてわれわれが認めたところの参議院の附帶決議の趣旨ともまつたく逆行するものであるといわなければならないのであります。このことは、やがて国鉄内における労働諸條件に対する政府の干渉となり、その他の諸問題に反動的な支配と干渉とが持ち込まれることになるのであつて、かくのごとき意図に対しては、全然われわれは反対せざるを得ないのであります。
 以上、これを要約いたしまするに、本改正法案は、提案者が国鉄総裁の責任が明確化され、権限が拡大強化されたのだと主張するにもかかわらず、政党内閣の圧力と、所管大臣の監督権限の拡大によつて、国鉄経営内部における自主性と創意性は、はかり知れぬ程度にまで制約され、他面では、国鉄経営の独立採算性が強調せられるために、公共企業体としての経営的成長が著しく困難となり、この企業体に従事する従業員は、公共性と企業性の板ばさみになつて、苛酷な労働強化をしいられること火を見るよりも明らかである反動的改悪法案であるといわなければならないのであります。労働者農民党は、以上のような法案に対しては、絶対に賛成することはでき得ないのであります。
 以上、われわれのこれに対する反対の理由を申し述べた次第であります。(拍手)
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、計量法案、計量法施行法案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 計量法案、計量法施行法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員長小金義照君。
    〔小金義照君登壇〕
○小金義照君 ただいま議題となりました計量法案及び計量法施行法案の通商産業委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 現行度量衡法は明治四十三年に制定せられたものでありまして、その後メートル法の採用、その他数次にわたる改正が施されて参りましたが、なおその大綱においては制定当時と大した変化なく、終戰後における諸制度の更始一新の情勢等から、同法改正の要望が強くなり、政府は、昭和二十一年十一月から改正に着手して、種々検討を加え、愼重審議して、今回この計量法の成案を得たものであります。計量法案及び計量法施行法案は、現行度量衡法のかわりとなるものでありますが、改正の要点は大体次の通りであります。
 第一は、従来の度量衡の單位のほか、計量單位として熱量、流量、速さ、織度、かたさ、ひつぱり強さ、耐火度、その他最近の取引または証明に使用せられている大部分の單位二十三を追加したものであります。但し、電気関係の計量單位はこれを除外いたしております。第二は、検定並びに取締りに関し、新たに覆審制度を設けて、その審査を行うために計量調査官を置いたことであります。第三は、計量士の制度を設け、計量士を置いた事業場に対しては一定範囲の無検定修理を認めるとともに、定期検査を免除することといたしたことであります。第四は、計量行政民主化のため、計量行政審議会、公聽会等の制度を設けたことであります。
 計量法施行法案は、現行度量衡法を踏襲しておりますが、計量法の施行期日を定め、さらに計量法の制定に伴う必要な経過的措置を講ずるとともに、関係法律の改正を行うことを目的とするものであります。
 計量法案は去る三月三十一日、計量法施行法案は五月九日、それぞれ通商産業委員会に付託せられ、それぞれただちに提案理由の説明を聽取いたしました。越えて五月十五日、十六日、二十一日、二十二日の四日間にわたり、両法案を一括して議題として質疑を続行し、二十二日をもつて質疑を終了いたしました。なおこの間現地視察を行い、さらに去る十八日、関係学識経験者等を招集して公聽会を開くなど、愼重審議いたした次第でありますが、これらの詳細は一切会議録に讓ります。
 本二十三日、討論採決を行いましたが、その際、自由党中村幸八君、国民民主党高橋清治郎君、日本社会党加藤鐐造君は、いずれもそれぞれ党の代表者として、政府当局に対し強い要望を付して賛成の意を表明せられ、日本共産党風早八十二君は、両法案に反対の意を表明せられました。
 賛成者の要望事項を総合いたしますると、第一は、検定、取締りに関し、不統一、煩雑あるいは非民主化等のために、業者を不当に苦しめるがごときことの絶対にないように、運用そのよろしきを期すること、第二は、計量行政審議会の委員に民間の学識経験者を加えんこと、なおその任期を短期間に限定しないことなどでございます。元来、度量衡または計量なるものは、国民の日常生活及び慣習などと密接不可分の関係があるものでありまして、本法律案に対しても各方面に相当異論がある実情にこたえて、計量行政の完璧を期するため、さらに各方面の権威者を網羅した調査会をすみやかに設置せられんことを、この際委員会における審議の経過にかんがみ、委員長より特に要望いたします。おおむね以上のごとくでありまして、この両法案はいずれも多数をもつて原案通り可決すべきものと議決いたしました。
 右御報告申し上げます。
○議長(林讓治君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
 この際通商産業大臣から発言を求め、られております。これを許します。通商産業大臣横尾龍君。
    〔国務大臣横尾龍君登壇〕
○国務大臣(横尾龍君) ただいま委員長より御要望になりました調査会につきましては、政府といたしましても、すみやかに善処いたしたいと思います。さよう御了承願います。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、海上運送法等の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 海上運送法等一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事大澤嘉平治君。
    〔大澤嘉平治君登壇〕
○大澤嘉平治君 ただいま議題となりました海上運送法等の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。まず本法案の趣旨を簡單に申し上げますと、わが国の定期貨物船航路の就航は、連合国軍の好意によりまして、すでに沖繩航路、バンコツク航路、南米航路等が許容され、近く二ユーヨ―ク航路も許可される見込みでありますが、これらの航路におきまして、外国の定期航路事業者と公正な競争を行い得るようにいたしまして、わが国海運の健全なる発展をはかろうとするのが、本改正案の主眼であります。
 次にその内容のおもなる点をあげますと、まず第一点は、従来なかつた貨物定期航路事業の概念を新しく規定しようとするのであります。次に第二点は、補助金の交付、輸送命令を出し得る範囲を国内の船舶運航事業者に限定しようとするのであります。第三点は、従来の二重運賃制が海運同盟に認められるかいなか、現行法では明確でなかつたのでありますが、これが不公正または不当でない限り認めることといたしまして、世界的慣習に即するようにしようとするのであります。第四点は、虚偽の運賃請求書を作成したりして、不公正な方法で輸送を行つたときは、航路事業者はもちろん、これと共謀した荷主も処罰されるようにするのであります。第五点は、外国船の裸用船に対する許可制をさらに一箇年延長するとともに、国内における重要物資の輸送命令をさらに二箇年間出し得るようにしようとするものであります。
 本法案は、五月十五日、本委員会に付託され、越えて十七日、政府より提案理由の説明を聽取し、十八日及び二十三日の二回にわたり、政府委員と委員との間に熱心なる質疑応答がとりかわされたのでありますが、その詳細は会議録に讓ることといたします。
 次いで、自由党岡田五郎君より、本案の第二條は、外国船の借受けに対する許可制をさらに一箇年延長しようとするものであるが、すでに効力を失つた規定を改正することは法律的に疑義があるので、この改正規定を削り、新たに附則第四項として、この法律施行の日から一箇年を限り再びその効力を発生するように改めること、また本案の経過規定で、この法律施行の日に定期航路事業を営んでいる者に対して、事業の開始の届出期日についての猶予を規定しているが、現行法の第二十三條の規定により、すでに届出をしておる業者に二重の負担をかけることを避けるため、事業開始の届出に関する事項、すなわち「第十九條の二第一項及び」を削除すること等の修正案の提出がありました。
 次に、討論を省略し、ただちに修正案について採決の結果、起立多数をもつて可決し、引続き修正部分を除く原案について採決の結果、これまた起立多数をもつて可決し、本法案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 右議決申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
 明二十四は定刻より本会議を開きます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時四十七分散会