第010回国会 本会議 第43号
昭和二十六年五月二十八日(月曜日)
 議事日程 第四十二号
    午後一時開議
 第一 国土緑化推進に関する決議案(森幸太郎君外十名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第二 自転車競技法を廃止する法律案(河田賢治君外二十四名提出)
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●本日の会議に付した事件
 計量法案(内閣提出、参議院回付)
 信用金庫法施行法案(本院提出、参議院回付)
 公営住宅法案(本院提出、参議院回付)
 北海道開発法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第一 国土緑化推進に関する決議案(森幸太郎君外十名提出)
 司法書士法の一部を改正する法律案(法務委員長提出)
 会期延長の件
 税理士法案(川野芳滿君外四名提出)
    午後二時四十八分開議
○議長(林讓治君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 参議院から、内閣提出、計量法案、本院提出、信用金庫法施行法案、本院提出、公営住宅法案が回付せられました。この際議事日程に追加して逐次右回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) まず計量法案の参議院回付案を議題といたします。
○議長(林讓治君) 本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 次に信用金庫法施行法案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 次に公営住宅法案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
 北海道開発法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、北海道開発法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 北海道開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長木村公平君。
    〔木村公平君登壇〕
○木村公平君 ただいま議題となりましたる北海道開発法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、北海道総合開発計画に基く事業並びに国家の公共事業のうち農林省、運輸省及び建設省の所掌するもの等について、その円滑をはかるため、北海道開発局を設置せんとするものであります。御承知の通り、北海道における公共事業の実施については、都府県の場合と異なり、国の直轄事業を実施する官吏を北海道知事が指揮監督しておるのであります。かくのごとく官吏を公吏が指揮監督するというがごときは、行政責任の明確をはなはだしく欠くと申さなければならないのであります。かてて加えて、北海道の開発こそは、国家の総力をあげて解決すべき問題であり、国民的事業として、国がその計画の当初より終りまで一貫してこれを行い、国民に対して責任を負うことが必要であるというのが、本法案の趣旨であります。この措置によりまして、北海道における公共事業の実施は、他の都府県におけると同様の取扱いになるのであります。すなわち、北海道開発局で所掌するものは、公共事業のうち国の直轄事業のみを実施するものでありまして、直轄事業以外の補助事業は、従来通り北海道知事がこれを執行するのであります。
 本案は、五月二十五日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、質疑を行い、昨日曜日も委員会を開き、各委員及び特に委員外の質問をもこれを許し、政府との間にきわめて活発な質疑応答が続けられたのであります。その詳細については会議録をごらん願いたいと存じまするが、質疑応答の主要な点を申し上げますれば、第一に、この法案が今回突如として、しかも地方選挙の直後に提出されたのはいかなる理由であるかとの質問に対し、政府は、これは昨年の北海道開発法制定以前から一貫して来たものを、ここに成案を得て提出したものであつて、選挙には何ら関係がないものであると答えておるのであります。(拍手)次に、この法案は北海道八十年来の伝統を破り、地方自治の本旨に反するものではないかとの質問に対し、本法案の措置こそは、むしろ八十年来の伝統であつて、民選知事の制度以後この伝統が破れたとも申すべきであります、との答弁があつたのであります。さらに、この法案によつて特に北海道費が負担を増加するのではないかとの質問に対しては、この法案により何らの負担の増加はないことを明らかにし、なお国の財産である庁舎、現場事務所及び建設機械等で、公共団体に使用せしめるのを妥当とするものは、それぞれの手続を経て善処することを明確にしているのであります。
 かくて、本日午前中、委員会において討論に入り、自由党、国民民主党、農民協同党から賛成意見が社会党、共産党から反対意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたしたのであります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 質疑の通告があります。これを許します。淺沼稻次郎君。
    〔淺沼稻次郎君登壇〕
○淺沼稻次郎君 私は、ただいま議題となりました北海道開発法の一部を改正する法律案に関しまして、内閣委員長の報告に関連をして、委員長並びに政府当局に質問をしたいと考えるものであります。
 第一には、本案の審議に関してであります。すなわち、本案が政府より提出せられたのは二十五日であります。二十六日から質問に入つたのでありまするが、本案は地方自治行政と国家行政とをいかに調整するか、また国家の予算執行をいかにするかという重大な問題に関係があるのでありまして、必然的にこのことから、他の委員会より連合審査の要求が行われておるのであります。すなわち、大蔵委員会並びに地方行政委員会から連合審査の要求をしておるのでありまするが、内閣委員会はこれを拒否しております。しかし、これは前例のないことでありまして、今までの委員会運営の習慣というものは、他の委員会から要求があつた場合においては、必ず連合審査会を開くということが、この運営の原則になつておるといつても過言ではないと思うのであります。(拍手)これを行わざることは、よき慣例を破るものであり、他の委員会との連合審査を避けたことは、法案の本質に無理のあることを暴露しておるものではないかと私は考えるのであります。(拍手)かかる意味合いより、何ゆえにこれを拒否したか、お伺いをしたいのであります。
 第二には、かかる一北海道知事に管理せしめた国家の事業を国家に回收するということは、利害関係の及ぶところ実に重大なるものがあろうと思うのであります。また理論的にも大いに究明すべきものがあろうと思うのであります。従いまして、会期も延長されるのでありますから、公聽会が開かれ、あるいは公聽会が開かれなくとも、参考人を招致して意見を求むべきであつたと思うのでありまするが、これを行わなかつたのは、いかなる理由であるか。従つて、案そのものが党利党略的に扱われたといつても断じて過言ではないと私は思うのであります。(拍手)
 次に、提案者である主管大臣増田建設大臣にお伺いしたいと思うのであります。第一は、本案立案にあたつて政府のとつた態度であります。およそ法律案を作成するにあたりましては、政府が国家の事務を執行するにあたりまして必要なること、あるいは政府並びに政府の背景にありまするところの政党が天下に公約したものを法律化して行くのは、私は当然だと思うのであります。本案は、終戰後公選知事に移管した日本の国家事務を国家の手に回收するのであります。従つて、このことは、四月下旬行われた地方選挙に関し、増田建設大臣が、北海道の開発事業は国家事業であるから、必然この機会にこれを政府に回收するのであると、こういう演説をやつて、それでこの法案が出て参りまするならば、まさに公明であるといわなければなりません。(「その通り」拍手)
 しかし増田建設大臣は、北海道で選挙の際、応援演説をやりまして、五月の十日札幌市で行われましたところの選挙の結果に関する街頭録音において、それについてこういうことを言われておるのであります。すなわち、札幌市の輿水という人が、「さきに来札した増田建設相は、札幌の街頭演説で、田中君ならおいそれと予算も出せないが、黒澤君なら、ああ予算か、よしよしというのが人情だ、諸君が黒澤君を知事にしなければ道開発も十分できない、私は辞職する、と公約した。にもかかわらず、辞職どころか、腹いせに法を改正し、地方自治の芽をつみとろうとしておる。」こういうようなことを言われておるのであります。
 そこで私は、増田建設大臣に対しまして、一体公約をしないで――選挙のときには、道庁側の持つておりまする国家事業を政府の手に回收するということは一つも言つておらないで、ただあとでこれを立法化して来るということは、明らかにこの街頭録音に現われておる通りに、選挙に敗れて、社会党の知事が当選したから、その腹いせに奪還するという気持が十分あるのではないかと考えるのであります。(拍手)
 この点を私は伺いたいと思います。その次に、第二にお伺いしたいと思うのであります。提案にあたりましては、私は当然民主的な方途が行われなければならぬと思うのであります。すなわち、この案をつくり上げる場合においては、道庁側の意見を聞く、また北海道開発法の中には開発審議会というものがあるのでありますから、当然その議を経てしかるべきと思うのであります。しかしながら、その議を経ずして、道庁側の意見も聞かず、審議会にもかけずして、関係方面に対してオーケーを求めるような行動をとつてから後に了解を求めるというな態度は、まさに非民主的な態度であるといつても断じて過言ではないと思うのであります。(拍手)
 しかも、地方行政事務と国家事務をいかに調整するかということについては、地方行政調査委員会議がただいま審議中であります。北海道の問題に関しては三月から審議が行われまして、大体の審議が終了して、六月には現地に行つてこれを調べるということになつておるのであります。でありますから、当然この行政調査委員会議の答申を待つて、それによつて態度を決するのが政府のとるべき態度でなければならぬと思うのであります。(拍手)政府みずから行政調査委員会議をつくつておいて、みずからこれを否定する態度というものは、政府としてとるべからざる態度であるといつても断じて私は過言ではないと思うのであります。こういう点につきまして、私は増田君の率直なる答弁を伺いたいと思うのであります。われらといえども、八千三百万の同胞が、四つの島――北海道、本州、四国、九州並びにその周辺の小島に生きて行かなければならぬのでありまするから、北海道の重要性はこれを認めるのであります。その開発の重要性もこれを認めるものであります。しかし、国家が計画をいたしまして、これの執行を国家がやるにあらずして、知事にゆだねるということは、非常に民主的な方途であるといつても断じて過言ではないと思うのであります。(拍手)かかる観点からいたしまして、一旦與えたものを取返すということは、まさに反動的な傾向の現われであり、また吉田内閣そのものの本質の中のこの反動的傾向の現われが地方自治体の上に現われておるといつても断じて過言ではないと思うのであります。
 かかる観点を申し上げまして、大臣並びに委員長の答弁を求め、時間がありましたら、再質問の時間を與えていただきたいと存ずるのであります。(拍手)
    〔木村公平君登壇〕
○木村公平君 淺沼君の御質問にお答えいたします。
 かねて淺沼君は議事規則には明るいと承知いたしておつたのでありましたが、まことにふしぎなる御質問であるといわなければならぬ。衆議院規則第六十條によりますれば、「連合審査会を開くことができる。」となつておるのであります。開かなければならないというような文字は使われておらないのでありまして、これは委員長の義務ではないのであります。従いまして、委員長の判断によつて連合審査会を拒否することは最も合法的でありまして、淺沼君の御質問は、当らざるもはなはだしいといわなければなりません。右お答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
○国務大臣(増田甲子七君) 淺沼君にお答え申し上げます。
 まず、札幌における演説等は荒唐無稽でございますから、御答弁の限りではございません。
 そのあとの選挙の前後の問題でございます。これについてお答えを申し上げたい。実は皆様御承知のごとく、北海道の開発は、開拓使という、今の言葉で申せばおそらく総督府というようなものが設置されまして、開拓使長官である黒田長官が、北海道の開発を模範的にされておるのであります。今日私は建設大臣として、原爆都市である広島あるいは長崎を初めとして、全国百十の戰災都市の再建という役目を担当しておりまするが、これら戰災都市の再建の際、いつもお手本になる都市はどこであるか、京都にあらずして、札幌あるいは旭川であります。これらの計画を立てた者はだれか。黒田開拓使長官である。しかして、いつであるか。明治二十年以前であります。また北海道の地図をよくごらんの方は御存じでございまするが、たとえば関東平野にも匹敵すべき十勝平原等は、都市計画のごとく地割をしております。いわゆる農地計画これである。内地の土地改良なり、あるいは耕地の改良等は、あの農地計画を模範としております。これらの開拓使の大事業というものは、内地諸都府県の、むしろお手本になつておる。
 爾来、北海道庁長官とかわりましたが、三十二代にわたる間、北海道庁長官の仕事は、国の行政が八割であります。自治行政が許されたのは、内地と異なりまして明治時代ではございません。北海道会というものができたり、あるいは北海道市町村会議員というものができたのは、大正時代になつてからであります。これによつて見ましても、北海道庁長官の仕事は、国政がほとんど全部であり、大正になりましてから、多少自治事務を北海道庁長官が兼ね担当することになりましたけれども、事業分量から申しまして、昭和二十二年四月に至るまで、国政が八割であり、道の自治事務が、事業分量からも予算面からも二割であるのであります。そこで、北海道長官というこの国家機関の地位なり職責がいかに重大であつたか、おわかりと思うのであります。
 ところが、地方自治法が施行されまして、地方自治を担当する執行機関の首長が公選によることになつたのであります。そこで、公選知事はどういう仕事を担当しておるか。もとより淺沼君の御承知のごとく、地方自治事務の執行機関の首長であります。これに実は、時の政府は、八割やつておるところの北海道の国の行政を漫然委任いたした形になつております。もとより公共団体自体に委任したのではございません。北海道という自治体に委任したのでも何でもございません。繰返して申し上げますが、自治事務の侵犯でも何でもございません。北海道という公共団体に国の事務を委任したわけではございません。だから、伝えられるごとく地方自治の侵犯でも何でもないのであります。
 しかして、ただいまは一体どんな行政をしておるか。総理府の役人が三千二百名北海道におりまして、そうしてこの八割という国政を担当しておるのである。しかして、この国政の執行についての指揮監督も、あるいは事柄によつて農林大臣、あるいは建設大臣、あるいは運輸大臣等が直接やつております。しからば、公選知事である北海道知事はどんな仕事をしておるか。農林大臣や建設大臣や運輸大臣と並んで、これら総理府の国の官吏を指揮監督いたしておるのであります。かかる隘路をもつてしては、北海道の大開発はしがたい。これは淺沼君も御同感であると思います。
 先ほども申されましたように、われわれは、終戰後四つの島に限局されて国民生活を営まなくてはならない。そこで、われわれのすべての産業行政の対象は四つの島に限局されております。そのうちでも特に力を入れなければならぬのは北海道である。でありますから、終戰後は、実は終戰前よりも、北海道に対して、国家の総力をあげて、国の行政として、国民的の事業として、国民の代表者である国会に対して責任をとり得る体制において北海道の開発を行わなくてはならなぬのである。(拍手)口を開けば国有国営あるいは国家的事業、民主政府のもとにおいて国家事業を大いに営まなくてはならぬという社会党が、この法案に反対をされるということは、私はこれこそは自殺論である、自家撞着もはなはだしいと信じて疑わないものでございます。(拍手)
 繰返して申し上げます。單に機構の問題ばかりではございません。われわれは、国の総力を、物心両方面に総がかりで北海道に傾倒すべき時期である。しかるに、地方自治を担当するにすぎない、しかもその地方自治たるや、明治時代はまだ北海道は公共団体でなかつた、その地方自治を担当するにすぎない首を――隘路を通じて、国家的の大事業である、しかも終戰後その意気いよいよ重かつ大を加えて来つた北海道の開発のごときを、この地方自治を担当するにすぎない知事を通してやつたのでは、とうてい北海道四百三十万入の生活の安定向上を期待しがたいのみならず、八千万同胞の生活の安定は期待いたしがたい。
 そこで私どもは、かねてから北海道開発機構の修正ということは考えておりました。でございまするから、皆様から政権を担当するやいなや、昭和二十四年の四月、北海道開発審議会を内閣に設けたのであります。この開発審議会の答申に、いかなるものがあるか。淺沼君が御勉強くだすつたならば、必ずおわかりになつております。北海道の開発機構を根本的に修正して強力なるものにせよという答申があるのであります。この答申に従つて、われわれは今回の改正案を出したのでございまして、これは北海道の開発、ひいては日本再建のために必ず至大なる公益をもたらすものと確信いたしておるということをこの際御回答申し上げます。(拍手)
○淺沼稻次郎君 再質問をお許し願います。簡單でありますから、自席よりお許し願います。
○議長(林讓治君) 淺沼君に申し上げます。申合せの時間を過ぎておりますから、再質問は御選慮を願います。
 質疑は終了いたしました。
 これより討論に入ります。門司亮君。
    〔門司亮君登壇〕
○門司亮君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されておりまする北海道開発法の一部改正をいたしまする法律案に対しまして反対の意思表示をいたすものであります。
 本法案は、先ほど委員長の御説明にもありましたように、その提案の理由の中に最も大きなものとして掲げられておりまする、官吏が公吏に使われておるというようなことは認めがたいというお話でありまするが、現在の社会で、官吏あるいは公吏という、公務員の上に二つの階級があるとは断じて考えられないのであります。この事大思想の上に立つてものを考えておりまするから、こういう法案が出て参るのであります。この事大思想を持つておりまする自由党の本案の提出理由の、さらにその次に書いてありまする問題は、一体何であるか。すなわち、国の費用を多く使つておるから、これに対してその責任云々と書いてあるのでありまするが、現行法律によりましても、国の支出いたしましたものについて、地方公共団体のそれらの事業の内容に対しては、これが十分なる監督の規定は明記されておるのであります。従つて、この二つの理由から考えて参りまするならば、本法案の提出は何らの根拠がないということをはつきり申し上げましても、決してさしつかえはないのであります。(拍手)
 さらに国の宝庫でありまするところの北海道の開発が、国家的の大規模のもとに、非常に遠大な構想のもとに、言いまするならば、アメリカのTVAのような、非常に大きな構想と、巨大な費用と、さらに高度の技術をここに投入して行わなければならないというような、この構想の上に立てられた現行法案でありまするならば、まだ一応われわれは国家の事業の開発として考える余地もあるかと思うのでありますが、しかしながら、現行のこの開発法案がその域に達していないということは、諸君も御承知の通りであります。ただ、従来の四十億そこそこの金を、本年度においては七十億北海道に投じようとするというところに――この巨額の費用を一知事にまかしておけないという理論は、何らわれわれには見出すことのできない理論であるということを、はつきりといわなければならないのであります。
 従いまして、われわれは、こうした観点から申し上げて参りまするならば、今回のこの法案は、先ほど淺沼書記長も申し上げました通り、今度の選挙の結果による犬糞的な自由党の腹いせの法案であると断定しても、決して私は過言ではないと思うのであります。(拍手)もし自由党の諸君がそうでないとするならば、この法案が会期末わずか二日にして提案され、しかも最も密接不可分な関係を持つておりまする関係委員会、いわゆる地方行政委員会、あるいは大蔵委員会等の、正式の機関にかけた連合審査の要求をなぜ否決されたかということであります。
 少くとも、この北海道の開発は、ひとり政府の行いまする施策のみによつては断じてでき得ないものであります。地方の開発事業というものは、地方住民の熱心なる、きわめて多大の協力なくしては断じてできないということを、はつきり知らなければならないのであります。しかりとするならば、現行地方の行政体に対しましては、当然それらの意見を十分徴するのでなければならない。ことに政府は、このことのために、さきに北海道開発審議会を持ち、その審議会の意見を十分徴することが第一の要件でなければならなかつたはずでありまするが、これを実行していないということであります。
 その次に、いかなる事態をここにもたらしておるかということは、諸君も御承知のように、現在の地方財政法の二十一條の規定によりますならば、国は地方に対して、これらの案件を出しまする場合においては、当然内閣総理大臣を通じて地方財政委員会の意見を徴さなければならないということは、地方財政法の二十一條に明記してある通りであります。しかるに、この処置を一体講ぜられたかどうかということである。この処置が講ぜられていないということを、主管大臣は委員会において答弁されておるではございませんか。
 われわれは、かくのごとき法律無視の態度――さらに同じ地方財政法の十二條には、国は地方の公共団体に対して経済的の迷惑をかけるような施策を講じてはならないということは、これまた明記いたしてあるのであります。政府の答弁によりますれば、かくのごときことをいたしたとしても、決して地方の財政には迷惑をかけないと言つておりますが、諸君に考えてもらいたいことは、この法律の施行の期日は七月一日であります。従つて、北海道における二十六年度の開発事業計画は、気候的に見て参りましても、当然四月から十月ないし十一月の間にその事業が行われるであろうと私は考えるのであります。しかりとするならば、この七月一日という日にちは、明らかに施行年度の半ばにあるということ、この事業年度の半ばにおいて機構の改革をいたされて参りますならば、道庁の仕事と国の仕事との分離の関係から、当然地方の自治体に迷惑をかけるのであつて、何人といえどもこれは承服できぬ條件であると私は思うのであります。これをしも、なおかつ地方の公共団体に一銭たりとも経費の負担をかけないということは、断じて大臣といえども断言はできないはずであると私は思うのであります。
 ことに私は、本年度において、すでに北海道庁において事業計画が成り立ち、しかして事業の実体に突入いたしておりまする年度半ばにおけるこの変更は、事業がいたずらなる混乱に陷り、いたずらに事務の煩雑を来すことにおいて、おそらく北海道の開発は、この法案の実施において一年は必ず遅れるであろうということを、はつきりいわなければならないのであります。(拍手)この事業の進行が一年遅れることによつて、北海道開発のためにこの法案を出したということは、私は断じて言えないと思います。
 さらに私は、本法案に対する見方として次に見なければならないのは、すでに皆様も御承知のように、去る二十五日の知事会議における声明書の内容であります。知事会議の声明書の内容の中には、政府は、最近地方開発等に対しても、地方の開発という名をかりて、地方に與えられておる多くの権限を中央に集権しようとする、このことに対しては特に警戒を要すると、これを政府に声明の形において抗議しておるということは、諸君も御承知の通りであります。(拍手)われわれは、この知事会議の意思は、全国民によつて公選された知事であります上は、国民総意の意思決定であると申し上げましても、あるいは過言でないと思うのであります。(拍手)
 日本の真の民主主義行政は、すなわち地方公共団体の自主的自律性にまたなければならないということは、諸君も御承知の通りである。この地方の自主的自律性にまつべき現在の状態でありますのに、この北海道長官に與えられた権限を中央に集約するということは、明らからにこれにもとる行為であると申し上げましても、決して過言ではございますまい。ことに地方自治法百五十八條の規定によりまするならば、北海道に対しましては、特に開拓、入植の二つの部門を必置部として法律は制定いたしておるのであります。すなわち、北海道の知事のもとに、開拓と入植は必置部として設けなければならないという規定が自治法に明確に書いてあるということは、これまた閣僚諸君といえども御承知のはずであります。
 かく考えて参りまするならば、この開発事業は、明らかに地方自治法百五十八條の規定において、当然知事がこれを主宰するということに、何らのふしぎもなければ、当然そうあるべきであるということを、われわれは法の建前の上においても申し上げなければならないと思うのであります。(拍手、「書いてないぞ」と呼ぶ者あり)よく読んでみなさい。自治法をよく読んでみなさい。
 われわれは、かくのごときことを考えますときに、さらに問題になつて参りますことは、もしかくのごときことをしようとするならば、十分将来の問題を考えなければならない。それには、現在御承知のように、地方における国と地方との事務の再配分のために、地方行政調査委員会議においては、すでに一部を政府並びに国会に勧告し、さらに北海道と東京に対しましては、特殊の事情があるから、この次にこれを延ばすとは書いておりますが、この調査委員会議の現在の状態は、六月になりまするならば、全員北海道に移つて、北海道の実情を十分調査した上において、国と地方との事務の再配分に関する勧告をいたそうとするということは、明記してある通りであります。この事実は、一体何を物語るか。政府の機関であるこの地方行政調査委員会議の答申をまたずして、政府が單独にかくのごときことを行われるということは、調査委員会議無視の傾向であり、政府機関のまつたく用いられないことを政府みずから示しているものであると、私どもははつきり言わなければならないのであります。
 従いまして、われわれは、かくのごとき見地から、本法案は、明らかに自由党の一方的な、きわめて犬糞的の施策であり法案であるということを申し上げますと同時に、本案審議の上においてきわめて遺憾に考えますものは、先ほど委員長にも申し上げましたように、これが国会において、各種関係の委員会との間に十分なる審査が行われておらないことと、さらに国会外においても、あるいは北海道の開発審議会、あるいは地方行政調査委員会議等との十分なる打合せと、さらに地方財政委員会等の意見を徴することなくして、ただちに短時日のうちに本会議に上程し、多数を頼んでこれを一気に可決せんとするがごとき行動は、明らかに今日の民主主義のあり方に逆行し――民主主義は、全部の国民の理解と納得の上にすベての行政が行われ、政治が施行されるということが原則でなければならない。しかるに、すべての国民といわず、あるいは正式の機関にも、国会にも、十分な理解と、十分な了解を求めずして押し切ろうとするこの陰謀的本法案に対しましては、日本社会党といたしましては、断固としてここに反対をするゆえんであります。(拍手)
○議長(林讓治君) 小川原政信君。
    〔小川原政信君登壇〕
○小川原政信君 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま議題になつております北海道開発法の一部を改正する法律案につきまして、賛成の意を表するものであります。
 戰後におけるわが国全体の立場において占めておりまするところの北海道の地位並びにその特殊性にかんがみまして、政府は、さきに国策として北海道の開発を行いますために、昨年の五月、第七国会において皆様の御賛成を得て、北海道開発法の制定を見たのでございます。今後ますます国民経済の復興と人口問題の解決に寄與するために、北海道に存在する豊富なる未開発資源を急速に開発しなければならぬ重要性を加えて参つたのであります。これにつきまして、今回政府提案の北海道開発法の一部を改正する法律案を見まするに、現地に国の直轄機関たる北海道開発局を置きまして、国民的事業として、国がその計画から事業執行まで一貫して、名実ともに国民に対して責任を負つて、強力にこの開発を行わんとするものでありまして、われわれが多年要望して参りました全日本の再建はもとよりのこと、北海道民の生活の飛躍的向上のためにも、まことに時宜を得たる措置と確信するものであります。
 この法案の要点は、国の事業の執行にあたり、従来知事に官吏を指揮監督せしめながら実施していたその責任の所在の不明確なる点を根本的に改めまして、直接政府が国民に対する責任において執行することにいたしましたことに盡きておるのであります。
 従前われわれがこの議会において議決して参りました予算の執行は、北海道という自治体に委託したものではないのであります。北海道知事に委任したかというに、それすらも明らかでないのであります。こういう状態において執行をして参つておるのでございます。国会は、むしろこの点におきまして、政府をしてこの不明確なる責任体制を明確化せしむることを強く要求する必要があるのであります。この意味におきまして、現地出先機関の構想は、昭和二十三年、北海道開発審議会の設立当時より、すでに考えられていたことであります。昨年成立を見ました北海道開発法制定の当時も、つとに議題になつたところで、ございましたが、今回、昭和二十六年度事業より開発事業が飛躍的に増大いたしまするや、本年四月までの、選挙による不適当な時期を避けまして、次の予算編成期との間にこれを設置することは、混乱を避くる上に最良の時期であると言えるのであります。
 また開発局の所掌事務の内容を見まするのに、自治体の行うべき本来の事務は依然道知事に残されておりまして、何ら地方自治権の侵害とはならぬばかりではありません。道知事は地方自治本来の行政に専念でき得る結果、地方自治はかえつて強化を来すこととなるのでありまして、かえつて道民のために非常に大きな幸福となるのであります。この点、特に御了承にあずかりたい。
 また従前、国と道とは、その仕事の上において截然と一線を画し、事業の施行を進めていたわけでありますから、この分離のために経費が増大するなどとは、常識的に見ましても、とうてい考えられないことであります。むしろ、このことによつて経費が減少することさえ考えられる面があるのであります。戰前、台湾、朝鮮の開発を強力になし得たわが国といたしまして、今ここに、四つの島にひしめく人口過剰問題の解決、国民経済の復興、また未開地に挺身する北海道道民の福祉増進のためにも、国が北海道開発に全力を注ぎ得る態勢を整備せんとする本法案に、全面的に賛意を表するものであります。
 この点から考えまして、今申し上げました通りに、時期の問題においては、すこぶるよい時期を選んだのであります。負担が増大するというのでありますが、これはむしろ愚にもつかぬ話であらます。これを考えてみまするというと、條理のわからないまま、うやむやのうちに仕事をすることが民主政治の破壊でないと考えている人を、私は今初めて知つたのであります。社会党の方々は、混乱した経済が明らかになり――理論の正しくないことが民主政治のために行われる政治とお考えになつているように思われるのでありますが、こういう点は、今初めて知つたのでありまして、われわれは、理論の中において正しいことをいたし、そうして道民の負担を軽減し、重ねて国の力を増大して行くということがわれわれの目的であります。どうぞこの点におきまして皆様の御賛成を得たいと存じます。
 これをもつて私の賛成演説を終ります。(拍手)
○議長(林讓治君) 池田峯雄君。
    〔池田峯雄君登壇〕
○池田峯雄君 私は、共産党を代表いたしまして本法案に反対するものでございます。
 去る五月二十五日の全国知事会議におきましては、地方自治の確立に関する声明書というのを出しております。これによりますと
  地方自治の本旨は憲法の條章により嚴として保障せられ、地方自治に関する三法律とともに我国地方自治の根幹をなすものである。謂うまでもなく、自治の精神は民主思想の根源をなすもので、生々脈々たる政治形態は自治の政治を除いてはあり得ないと深く確信するものである。然るに最近に於ける政府の施策は、地方財政委員会及び地方行政調査委員会議等の勧告にもかかわらず、社会福祉事業法、その地地方に関する立法において、稍々もすれば中央集権的な色彩が見受けられる。のみならず、開発事業、その他に関し政府の地方出先機関を強化せんとするが如き傾向のあることは、洵に吾等の諒解に苦しむところである。こういうのであります。この全国知事会議には、自由党の知事さんがたくさん出席しておる。自由党の諸君は、これに対して何とお考えになるでございましよう。(拍手)また民主党の諸君は、この法案に賛成のようでございますが、北海道の道会副議長の齋藤藤吉さんは民主党の方だそうでございますが、この開発庁出先機関設置反対道民大会におきまして反対を表明されております。あるいはまた農民協同党の方も賛成だそうでありますけれども、農協党の下部機関であります北海道農民同盟も、この法案に反対だそうでございます。(拍手)一体これをどうお考えになるのでございましようか。また増田建設大臣は、北海道拓殖行政が従来と異なる方針は地方分権の精神に逆行することであるという決議を北海道会がやりましたときに――昭和二十二年に、地方分権の精神に逆行するのは反対だという決議を北海道会がやつたときに、増田建設大臣は北海道長官であつたのでございます。また岡田次長さんも、北海道庁長官であつた時代、中央集権的な行政に反対し、すべての行政を道庁に委任すべしという決議に同様参画しておるのであります。あるいはまた増田長官は、かつて北海道知事になろうといたしまして、一説によりますと、社会党に入党を申し込んだことがあるそうでございます。もし増田建設大臣が、最初の公選知事として社会党から立候補し、当選しておりましたならば、あるいは現在の田中知事と同じように、この法案に絶対反対せざるを得ないようなはめに追い込まれたでございましよう。(拍手)何となれば、北海道民は数十年来中央集権に反対し、地方分権を主張して来たからであります。この北海道の要求を踏みにじる本法案に、私ども共産党は絶対に反対なのであります。
 増田建設大臣は、北海道の公共事業費を増額したと言つて大いに自慢しております。しかしながら、十三億円の開拓事業費をもつて、新規に入植させる開拓農民の生活を、政府は一体どれだけ保障することができるでありましようか。政府の農業政策は、低米価、重税政策であり、高い肥料、高い電力料金、また高い工業生産品を農民に押しつける政策であります。農業の再生産を不可能にする農業破壊政策であります。これに加えて北海道の開拓民は、北海道の特殊な気候と地質からして、絶えず自然的脅威にさらされておるのであります。だから、今日まで北海道に入植した多くの農民は、まつたく悲惨な生活に陥つているのである。この悲惨な開拓民の現実こそ、十三億円の公共事業費が一体だれのためのものかということを雄弁に物語つているといわなければならないのであります。これは明らかに満蒙開拓義勇軍の復活である。全国農村の失業者、土地がない、二、三男の貧農青年を、北海道へ行けば食えるぞといつて、だまして連れて行つて、そして全国農民の盛り上る憤懣を消しとめ、二、三男の貧農青年の革命化を、はかない希望で防ごうとするものである。そして、一朝有事の際には――というのは、吉田内閣の單独講話の政策は、明らかにこれ――――でありますから、そのときには、この開拓民に竹やりでも持たせて、外国の傭兵にしようとする北海道屯田兵の復活だといわなければならぬ。
 北海道開発法とは、実は今回の改悪のあるなしにかかわらず、このような意図を内包したものなのであります。吉田政府のもとにおいての資源の開発は、少しも国民のためにならないのであります。平和産業をつぶし、国民を低賃金でとき使う政策のもとでは、開発された資源は、軍事的生産と結びつかざる限り、そのはけ口がないのであります。かつて北海道で売れないで山と積まれた石炭が、ぼうぼう燃え出したことがあります。この事実こそ、資本主義社会では資源の開発が少しも国民の生活をゆたかにしないものだということを明らかに示しておるといわなければならないのであります。(拍手)
 アメリカの政府部内で赤だと非難され、攻撃されたりリリエンタール氏によつて強力に推進されたテネシー開発計画も、その電力が第二次世界大戰のアメリカ軍事工業の強力な支柱となり、今やこの電力が、原子爆彈の製造にとつてなくてならない軍事資源となつておるということは、資本主義と戰争との密接な因果関係を雄弁に物語つておるのであります。今回の改正案は、この開発法の本質をさらに強力に推し進めるためにつくられたものなのであります。すなわち、知事にまかしておいたのでは、北海道の軍事基地化を思う存分遂行することができないからなのであります。
 公共事業費の総額百億円のドル箱を社会党に讓るのはもつたいないということもありましようけれども、これは動機であり、本質ではございません。たとえば道路事業でありますが、今回の改正案が通りますと、北海道知事は道路総延長の三八パーセントを施行するのみとなり、国道、地方道、準地方国道等、総延長の六〇パーセントを国が施行することになるのであります。しかして、北海道知事の施行する三八パーセントの道路工事費は、国庫補助願わずかに一億九百万円、開発局の施行する道路事業費は実に十三億七千余万円となつておるのであります。このことは、北海道大衆の切実に希望しておる道路工事は道の費用で知事にやらせ、そうして今までやつていた費用を横取りして、軍事的道路の大々的建設に振り向けんとする意図であるのであります。また開発局は、国の支弁による建物の営繕をすることになつておりますが、これまた進駐軍兵舎や、あるいは警察予備隊兵舎等、治山治水などとは何の関係もない建設工事を受持つことになるであろうことは明白であります。
 一方、北海道住民が最も切実に欲しておる民生施設はどうであろうか。現在北海道には、三十八箇所の保健所しかない。あの広大な地域に散在する住民十一万人に一箇所である。医者は、実に三万三千七百六十平方キロメートルに一人という割合であります。十万人の結核患者に対して、三千六百の病床しかない。校舎の不足四十万坪といわれるにもかかわらず、総合開発計画によりますならば、三十一年度までに二十七万坪の仮校舎を建てるわけであるが、これも地方財政の窮迫で非常な困難に逢着しております。住宅におきましては、最低需要戸数三十七万戸に対し、本年度庶民住宅予算は、国庫補助類わずかに二億円、低家賃住宅建設予定は、わずか一千百八十戸にしかすぎないのであります。これでも政府は北海道民のために力を入れておるということができるでありましようか。炭鉱労働者の生活を初め、一般勤労大衆の困窮その極に達し、すでにタコ部屋が再び復活しておるではありませんか。
 国費で開発するということを大層強調しておりますが――国費で開発する、これを大層強調しておりますけれども、もともと北海道からしぼり上げた税金ではありませんか。その税金の一部を北海道に返してやる、あたりまえの話です。そうして教育、文化、保健、住宅等には、国費はすずめの涙で、これは道の費用で知事がやれ、道路や港湾は国でやる、但し地方道路や小さな漁港は道の金で道でやれ、これがこの法律なのであります。
 吉田首相は、日本をアジアにおける共産主義制圧の一勢力として期待をかけられておることに満足の意を表しましたが、日米経済協力によつて━━━━━━━━━━━━━━━━━━、沈まぎる航空母艦にしようとするために、北海道が━━━━━━━━━━━━━━━となつておるということは、周知の事実である。この法律は、まさにこの計画をさらに強力に押し進めんとするものであるがゆえに、日本共産党は、北海道の平和を愛する人民大衆とともに絶対に反対するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) 椎熊三郎君。
    〔椎熊三郎君登壇〕
○椎熊三郎君 ただいま議題となつております北海道開発法の一部を改正する法律案に、私は国民民主党を代表いたしまして賛成の意を表するものであります。(拍手)
 この法案の討議にあたつて、共産党の反対論は、私はこれを無視いたします。それは事実に根拠を置いておらない。この神聖なる議政壇上で、齋藤藤吉なる道会の副議長はこの案に反対であると言つておる。どこにそんな議員がおるか。齋藤藤吉なる者は、かつてわが民主党の道会議員でありましたが、今回の選挙では、現田中知事を応援したために落選しておる。現在では道会議員でもなんでもない。(「前議員だ」と呼ぶ者あり)そういう荒唐無稽なうそを言つて欺瞞的行動に出るというような、こういう論拠には私は耳をかさない。それだから、私は先ほど運営委員会においても、共産党が討論に出ないで、北海道の事情に明るい岡田春夫君、これは容共左派ですから、共産党と同じようなものですから、これにやらせなさいと勧告したのだ。つまらぬ、北海道の事情を知らぬ者をしてこの壇場に立たせるから、ああいう醜態を暴露する。
 それはさておき、一体この改正法案に反対する現田中知事並びに社会党の反対の論拠はどこにあるか。これは先般来、田中知事が……(発言する者あり)君にはわからない。よく聞いていなさい。ゆつくり聞かせるから…。先般来、田中知事が上京して、この案に反対しておる。この反対の論拠は、全部文書にしてわれわれに配付しておる。この文書を、つまびらかに私は点検しておる。総合すると、反対の論拠が三点ある。それは、北海道の総合開発が混乱せられる、監督権が二途に出るために総合開発にはならないということが重大な一点。(「その通り」)第二は、北海道地方自治権、自治体の権力が国家に取上げられるというのが二点。(「その通りじやないか」と呼ぶ者あり)第三点は、この法律によつて北海道の道民の負担が加重せらるるというのが三点。(「その通りじやないか」と呼ぶ者あり)さあ、しからば、はたしてその通りであるかどうかを私は言うのだ。(拍手)諸君、もし事実においてこの通りなら、私は、北海道に生れて北海道に骨を埋めるこの椎熊は、この通りであるならば、これに賛成することはできぬのです。
 そこで、第一の問題たる、総合開発の計画が分散せられるかという問題。そもそも北海道の開拓というものは何によつて起つたか。明治の初年、東京芝の増上寺に北海道の開拓使が設立された。そうして、われわれの先輩である、明治の元勳ともいわれる黒田清隆君が、北海道の長官となつて赴任した。当時、北辺北海道の地は、日本の発展のために無視することができないので、非常に大きな政治力を持つた、りつぱな政治家をもつて北海道の開拓に当らせた。それですから、それ以来北海道の長官というものは、非常にりつぱな政治家が行つております。
 しかるに遺憾なことに、大正の中期からは、どうも北海道が中央から軽視せられるに至つて、北海道の長官なるものは、内務省の属僚が行くようになりました。そこで、ここにおられる増田君や、増田君の次長をしておる岡田さんには気の毒だが、由来北海道長官は、大正の中期からは小物ばかり行くようになつた。そのために、北海道の開拓は遅々として進まない。ことに満州事変勃発以来、国内の政策が転換しまして、北海道の開拓というものは一時足踏み状況で、われわれは非常に遺憾禁ずるあたわざるところのものがあつたのであります。
 しかしながら、終戰後、地方自治体確立までは、北海道の長官は政府の任命する長官であります。従つて、政府の意見というものは、内閣総理大臣の意見というものは、明確に一本縦に一貫して通つておる。しかるに公選知事となりましては、知事は内閣総理大臣の指揮監督のもとにはないのです。そこで官選知事の場合では、北海道の開拓は国費で直轄的にやられておつても、そうして何千石という国家公務員が北海道へ出張しておつても、それが北海道の長官の監督下にあつて何ら不都合がなかつたものなのです。
 そこで、今回のような公選知事になりますと、今の北海道の開拓計画というものは、何によつてできておるのか。これは、去年できました開発法によりまして、内閣の外局として開発庁がございます。開発庁の中には、本院が承認したる法律をもつて規定せられたる審議会があつて、われわれもその審議会の一員。この審議会が、開拓の計画について審議している。これなくしては、北海道の開拓というものはできない。終局的には、国家最高の機関たる国会の同意を経ずしては、北海道の開拓の計画というものは実施できないのです。その予算的裏づけは、当国会において協賛を與えるものであつて、北海道の道議会、すなわち自治体は、北海道で国がやる直轄的事業には、一銭一厘も発言権がないのですぞ。あり得ない。われわれは、そのことを、むしろ北海道のために喜ぶ。
 北海道は、あんなに広い土地です。そこに四百三十万の人口よりおらぬ。資金的には涸渇しておる。開拓の途上にある北海道で、あり厖大なる北海道を開拓するのに、自治体の力で自治的にやれというならば、政府の補助、援助、直轄事業を排撃して、すべてこのことを道民の負担においてやれということか。そんなことはできないことなんだ。それをしたくないから、国費を多額に北海道へ投入せよというのが、八十年来の北海道民の念願ですぞ。これなくしては北海道の開発はできない。この費用とこの計画とは、北海道の知事といえども、北海道の道議会といえども、一言もくちばしを入れることのできないのが今日までの状況だ。(「そういうことはないよ」と呼ぶ者あり)その通りじやないか。三宅君は知らないのだ。
 そうして、これを遂行せしむるためには、四千八十五人という国家公務員を北海道に出張せしめておる。その公務員は、内閣総理大臣から月給をもらつておる。北海道の知事はこれを監督しておるというが、何の根拠で監督しておるのか、いかなる法的根拠があるのか。これは何らの根拠もない。政府任命の長官時代、政府の官吏が政府の官吏を監督することは当然である。地方自治体の確立の際に、この制度を明確にすることを怠つたのは、その当時の政府なんだ。そのために、惰性をもつて今日に来つておるのだ。この不明確を明確にしようというのが今回の立法じやないか。(拍手)
 北海道総合開発というものは、北海道道民の負担による自治的の計画では断じてできないのです。国費を投入しなければできないのだ。その最高の責任は、われわれ国会が持つておる。(拍手)その予算は、われわれ国会の審議を経ずしては一銭も使うことのできない予算だ。しかるに、予算の責任を持つているのは、運輸大臣と建設大臣と農林大臣だ。予算に対して責任を持ちながら、今回、監督権は惰性によつて知事にあるのだという。国会に対しては、何ら監督していない農林大臣、建設大臣、運輸大臣が責任を帶びさせられて、現実の事業と、国家公務員の監督の実際に当つておらぬということはそもそもけしからることなんだ。(拍手)
 そこで、これが責任を明確にするために、運輸大臣も、農林大臣も、建設大臣も、それぞれ自己監督のもとにある部下、有力なる官吏を北海道に派遣して、その省省くだけ分離孤立してこの事業を遂行させようとした。そうなれば、いわゆる日本の官吏の悪いところ、割拠主義になるではありませんか。それでは総合開発が阻害せられる。それよりも、去年の法律で総合開発法というものがある。総理大臣監督のもと、担当大臣増田君があつて、そのもとに審議会がつくつてある。この機関を活用せしめて、そうして割拠主義を是正して、ほんとうに総合的の開発をやつて行こうというのが今度の改正なんだ。従つて、改正法実施のために総合計画が阻害せられるという論拠はまつたくございません。(拍手)
 第二の問題たる、自治制の、北海道自治体の権利が政府によつて取上げられる。どこにそんな事実があるか。北海道総合開発の費用でも、事業計画でも、北海道道民の負担と権利義務によつてなされておるのではありませんよ。国会によつてきめられておるのだ。そんなことは、社会党が言うように道民の負担でやつたなら、北海道なんか開拓できないのだ。今ですら税金が高くて困つておるというのに、国費の事業、国家の事業でなくして、どうして北海道の開拓ができるか。それなればこそ――、しからば言うであろう。知事が四千人の国家公務員を監督しておつたその権利がなくなる。これは法律に根拠なき、あいまい模糊たる惰性による権力であつて、そんなものは、北海道の道民の権利義務とは何の関係があるか。ごうまつも関係がない。従つて、この不明確なる関係を明確にすることによつて北海道の自治の権力が狭められるということは断じてないのであります。(拍手)
○議長(林讓治君) 椎熊君、申合せの時間が来ておりますから簡單に……。
○椎熊三郎君(続) 第三は最も重大な点だ。この法律を確定するならば、北海道道民の負担が過重せられるのだ、そうなるとたいへんなことだ。そこで、私先般この開発審議会の委員として、委員会の席上、このことを取上げて質問、追究してみた。なるほど、これはこういう点があるのだ。たとえば、地方費の道路をつくるために国費で買つた土木の機械、国道をつくる国家の機械を北海道地方道路のために使うということによつて、北海道は利益しておる。これは確かに北海道民の利益ですぞ。そういうようなことは、いくらもあるそうだ。しかし、これは正しき行動か。ことごとくこれは脱法行為、違法行為、不法行為なんだ。そのために、会計検査院から、二十数件にわたつて内閣は警告を発せられておる。いやしくも国家最高の日本の国会において、不法行為、違法行為、違法行為を是認せよとの勧告は、国会としてはできないことじやないか。(拍手)われわれ国会として取上げるべき問題ではない。
 しかも諸君、社会党の諸君が言われるように、自治の権力をもつて、北海道民の責任をもつて北海道の開発をせよとなれば、北海道民は、一体どれだけの負担をすることになるのか。それを調べたことがあるか。本年だけでも、大蔵大臣は四十億より出さぬと言つた。それを私どもは百二十五億よこせと言つた。しかるに、国家財政緊迫の折から、どうしても出せぬ。ところが、四十億ではどうなるか。去年までやつて来た事業が、そのままでとまるならばまだしもがまんする。港湾の施設や、農地の改革、道路の修築というものは、ここで打切られると、停頓して悪くなつてしまう。退歩してしまう。少くとも、いかに国家財政が緊迫化しておつても、今までやつた事業が退歩するような計画では国家の損失である。少くとも現状を維持し、さらに半歩でも一歩でも前進するだけの金をよこせということで、七十億でわれわれはしんぼうした。それに災害復旧費の二十億一、それに事務費を加えると、おおよそ百億の金が、審議会を中心として、諸君、国会の承認を得てできた金だ。社会党、自治体で百億の金を、北海道民からどうして出せるか。さようなことはできないじやないか。
 そこで、諸君は選挙に勝つたとか負けたとか言うが、北海道のほの字も知らない人間が、自分の公選知事、自分の公認知事、しかもこの公認知事は何か。四年前には――よく聞いてくだざいよ。四年前には、共産党の公認候補じやないか。今回の選挙にも、また共産党が公認しておる。その通りじやないか。共産党ほどのかたい党則を持つ政党が、党員でない者、シンパサイザーでない者、政策を同じゆうせざる者を公認するいわれはないのですぞ。
○議長(林讓治君) 椎熊君、結論を願います。
○椎熊三郎君(続) 諸君、北海道の現状を何と見るか。今やアメリカの州兵二箇師団は、小樽と室蘭から上陸している。津軽海峡には機雷が毎晩流れて来て、あの夜の連絡船が欠航している。すでに北海道に対する赤色勢力の侵略が開始せられつつあるのですぞ。(拍手)このときに、こんな者どもの言うことに耳をかして、北海道の開拓に国が全力を注ぐというこの法律案に反対せんとするならば、共産党以外の社会党といえども、諸君は党利党略にあらずんば、感情問題以外の何ものでもない。そこにいる三宅君でも、淺沼君でも、そんな非常識じやないじやないか。もう少し北海道のために、血の通つた感覚で、ほんとうに北海道を心配してもらいたい。あなた方は、北海道を外国だと思つているのか。北海道は、日本ではこれ以外に開拓の余地がないのですぞ。どうかその意味において、北海道のために親切なる構想、親切なる思いをいたしまして、わが北海道の絶大なる発展のために、ただいま議題となつております開発法の一部を改正する法律案を、満場諸君の御賛同を得て、大多数の賛同のもとに可決確定いたしていただきたい。私は民主党を代表いたしまして、社会党を駁撃しつつ本案に賛成するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第一は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右の申出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、国土緑化推進に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。金原舜二君。
    〔金原舜二君登壇〕
○金原舜二君 ただいま議題となりました国土緑化推進に関する決議案につき、私は提案者を代表いたしまして、その趣旨弁明をいたすものであります。
 まだ第一に決議案を朗読いたします。
  国土緑化推進に関する決議案
  国土の荒廃は今やまさに言語に絶するものがある。多年にわたる山林の過伐、濫伐の結果、風水害は相次いで起り、これがため山林、田畑・電力、交通機関等わが国産業文化のあらゆる部門は危たいに瀕し、その被害額は毎年実は一千億円を突破している。このままにして放置するならば、荒廃は更に荒廃を生み、その禍害は加速度的に増大して、国土の前途はまことに寒心に堪えないものがある。
  この秋にあたり、先には国を挙げての国土緑化運動の強力展開あり、今また森林法の根本改正その他森林関係法案の通過成立をみる。国土の荒廃に対し、森林関係法規の整備充実はまことに時宜を得たものというべく、この機を逸せず、挙国緑化推進の必要をいよいよ深く痛感する。
  衆議院は、院議をもつて速やかなる全国土の緑化推進を期し、ここに政府の決意を促さんとするものである。
  政府は、速やかにこれが具体的方策を講じ、次期国会に報告されたい。
 右決議する。以上であります。
 国家の盛衰がその国の森林の興亡と並行していることは、世界に幾多の例を見るところであります。わが国の森林が大戰前後を通じて著しく荒廃したこと、またことに敗戰後、国土の縮小と、これに伴う森林資源の欠乏は、これに加速度を加え、現状はまことに寒心にたえないものがあることは、識者のひとしく痛感するところであります。年々季節的に起ります風水害による惨禍は、山林、田畑等、国土の荒廃はもちろん、直接人の生命にまで幾多の犠牲を生じていることは、枚挙にいとまがない事実でございます。資源に乏しいわが国におきまして、電源開発が急を要する重大な国策の一つとしていかに要望されているかは贅言をまちませんが、その電源の開発には、まずもつて健全なる治山治水対策を講じ、水源を涵養することが、必須の前提要件であることは申すまでもありません。
 以上の点からいたしましても、国土面積の六八パーセントを占めるところの森林の保護育成は、実に国運の消長にも関する最も重要なる基本的国策と申さなければなりません。本国会において、森林法、国有林野整備法その他関係法規の画期的の改正ができたことも、右国策の重要性の認識による結果であると信じるものであります。
 しかしながら、法の成立は、いまだなお森林の復興充実そのものではないのでございます。これが目的を達成することは容易なわざではないのでありまして、山林の経営は、伐期に達するまで五十年、六十年を要するので、文字通り百年の大計を立て、その間営営として幾多の難難を乗り越える不断の努力がなければならないものでございます。でありますから、山林経営は、直接営利とか採算のみを目標としたならば、これほど気の長い、割の合わない仕事はおよそないのであります。さればと申しまして、営利採算を無視して、個人に対して、国家公共の福祉のために、犠牲的にのみその奉仕を求めるととも、これはまた、かたきをしいるものであつて、容易にでき得るものではないと考えるのであります。しからば事業の性質上国営にしてはどうかというような議論もございますが、これは長年にわたる過去の実績に徴しまして、国営がいかに民営と比較して非能率であつたかということを顧みますれば、一目瞭然、その非なることをさとるでありましよう。
 これを要するに、森林の整備充実は、一面においていかに国土の保全、国民の福祉に重大なる影響があるところの公共性のあるものであるかという認識を一般国民に徹底的に高めさすと同時に、他面において、一般森林経営者をして自発的に造林意欲を旺盛ならしめるように、あらゆる方途を探求して、これをただちに実行に移し、国をあげてこれが至上目的の達成に全力を傾けてこそ初めて可能なものであると信ずるのであります。
 ゆえに政府は、この際この点に着目し、林業の指導助成、林業の特殊性を考慮せる税制の改革等万全の策を立て、国政の大局的見地に立脚して、小事にこだわることなく、確たる信念をもつて適当なる施策を断行し、わが国百年の大計をすみやかに立て、目的の達成に真劍に邁進されんことを望む次第であります。
 以上が、本決議案を提案した理由であります。満堂の諸君の御理解ある御賛同を衷心より望む次第でございます。(拍手)
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。米原昶君。
    〔米原昶君登壇〕
○米原昶君 ただいま上程されました国土緑化推進に関する決議案に対し、日本共産党を代表しまして、簡單に反対の理由を述べます。
 本決議案の中でうたわれております国土の荒廃、山林の過伐、濫伐の根本原因はどこにあるか。これは、われわれが常に唱えて来ました通り、山林の地主的所有制、国有林、公有林の不正拂下げによるのであります。われわれは、第三次農地改革を断行して、山林の農民的所有ないし農民管理、こういう、やり方によつて大資本の濫伐を防ぐ方策を講じない限り、かかる欺瞞的な一片の決議によつて決して日本の緑化ができないと思うのであります。
 第二に、緑化計画と称しまして、最近では地方の農民、小学生まで動員しまして、無償でこの緑化と称するものをやつておりますが、しかも、この根本問題が解決されずして、こういうことが行われる限り、單に再び濫伐を繰返すのみであり、結局は農民に対する大資本の收奪を強化することになるよりほかないのでありまして、こういう欺瞞的な決議にわれわれは反対するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程の追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、法務委員長提出、司法書士法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「御異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 司法書士法の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。法務委員会理事北川定務君。
    〔北川定務君登壇〕
○北川定務君 ただいま議題と相なりました司法書士法の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会を代表いたしまして、その趣旨弁明を申し上げます。
 本法案における改正は二点ありまして、その第一点は、司法書士の報酬に関する問題であります。現行法においては、報酬額は法務総裁の定むるところとなつております。これを、報酬額は司法書士会において定め、それを届け出て法務総裁の認可を受けようとするものであります。もつとも、法務総裁が二箇月以内に認可の有無を決定しないときは、届け出た報酬額が効力を生ずることといたしました。その理由は、報酬については、他の同種の法律と同じように会の自主性を認めるとともに、現状においては、法務総裁の認可によつて効力を生ずるとすることが適当と認められるからであります。
 第二点は、正当業務の付随を削除するという問題であります。現行法におきましては、非司法書士が司法書士の業務を行うことを禁止しておりますが、その除外事項として、第十九條に、他の法律に規定のある場合及び正当の業務に付随して行う場合はこの限りでないとなつております。この除外事項中から、正当業務の付随を削除しようとする理由は、他の法律においてこの文句を削る傾向にあり、今回弁護士法の改正におきましても、これを削除いたした次第でありまして、本改正案もこれにならわんとするものであります。
 以上が本案の大要であります。何とぞ諸君の御賛成をお願いする次第であります。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際暫時休憩いたします。
    午後四時二十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後七時五十一分開議
○議長(林讓治君) 休憩前に引続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) お諮りいたします。今回の会期は本日をもつて終了することになつておりますが、明二十九日から六月二日まで五日間会期を延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。
 本件につき発言の通告があります。これを許します。田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
○田中織之進君 私は、ただいま議長より発議せられました五日間の会期延長に対しまして、日本社会党を代表いたしまして反対の意思を表明するものであります。(拍手)
 そもそも今回の第十国会は、いわゆる通常国会として百五十日の長期の会期を持つておつたので上あります。さらにこの間地方選挙がありまして、一箇月の自然休会を持つた関係から二十日間の延長をいたして、本日をもつて会期が終了することに相なつておつたにもかかわらず、突如として與党側から五日間の会期延長を持ち出したということにつきましては――数時間前に本院を無理やりに多数をもつて通過せしめましたところの北海道開発法の一部改正法律案を、無理押しに、会期が切迫いたしました一昨日提案いたしましたのは、ろくろく委員会におれる審議も十分に行うことをせずに通過せしめるために提出したものに違いないのであります。衆議院における運営委員会においては、與党側から、必ずしも北海道開発法の一部改正法律案通過のためではないと強弁せられましたけれども、小澤運営委員長並びに岡崎官房長官の参議院の運営委員会における発言の内容を見まするならば、このたびの会期延長は、過ぐる地方選挙における北海道知事選挙の敗北を根本的に報復せんとする、かの北海道開発法の改正法律案を無理やりに成立せしめようとする、あくまで政略的な意図に基くものでありまして、わが党といたしましては、本法の参議院通過成立には、あくまで阻止のために全力を傾注するとともに、このたびの会期延長にはあくまで反対するものであります。
 なお今回の会期延長に対しましては、衆参両院に、なお多数の議員提出法案が審議半ばにあるということから、これを成立させることが必要であるという理由も、ある委員から述べられておるのであります。しかし、現に衆議院大蔵委員会に係属されておりまする農林中央金庫法の一部改正法律案のごとく、自由党、民主党、社会党の各党共同提案にかかつておる法案が、すでに会期の最初から提出されておるにもかかわらず、提案者である自由党内部において、いまなおこの内容に対してとやかくの議論をいたしまして、これが通過成立のために、與党側がむしろ妨害行動を行つておるというような事実があるのであります。われわれは、こういうような與党側の態度こそ改むべきであると思うのでありまして、警察法その他重要法案が審議未了になるおそれありといたしますならば、これは非常に握れて提出して参りましたところの政府並びに與党の責任にあるのでありまして、われわれは、こうした政府並びに與党の怠慢を合理化するための会期延長に対しては絶対に賛成するわけには参らないのであります。
 さらにこのたびの会期延長が、新聞紙の伝えるところによるならば、異常のいわゆる参議院民主党に対する工作、あるいは自由党の党内事情にかかつておるところのその意味においても明らかに政略的な延長であるということを考えますならば、われわれは断じて承服はできないのであります。過ぐる予算委員会における大蔵大臣の言明においても明らかなように、近く一千億に近い補正予算を提出しなければならない情勢に追い込まれておるのでありまして、もし本会期中に成立しない案件があるといたしますならば、これは来るべき臨時国会において十分審議せしめることができるのでありまして、この意味からも、すみやかにこの会期を終了いたしまして、臨時国会を早期に開催すべきである。私は、そういう見地に立ちまして、この会期延長に対しましては反対をするものであります。
 なお私がこの際政府ならびに與党に警告を発したいのは、先般出ました地域給に関する人事院の勧告につきましても、いまだに関係法律案の提出をいたさないというような、そのための努力をきわめて怠つておるところの政府與党の態度に警告をいたしまして、わが党は、今回の五日間の会期延長に対しましては断固として反対の意思を表明するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) 本件につき採決いたします。会期を五月二十九日から六月二日まで五日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて会期は五日間延長するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、川野芳滿君外四名提出、税理士法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 税理士法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事西村直己君。
    〔西村直己君登壇〕
○西村直己君 ただいま議題となりました税理士法案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法案は、戰後、申告納税制度及び青色申告制度の実施等、租税制度に根本的な改正が行われ、これに伴いまして税務代理士の職責はますます重加し、その素質の向上をはかる必要が強く要望されるに至つたことにかんがみ、現行の税務代理士法を廃止して、新たに税理士法を制定し、申告納税制度等の健全な発展をはかるためであります。税理士の取扱い業務に、国税のほか、新たに地方税に関する事務を追加することとし、次に税理士となるためには、弁護士及び公認会計士を除き、原則として試験制度を採用すること、税理士の権利及び義務を明確にすること、税理士は国税庁長官の監督に服することといたしております。
 この法案は、川野芳滿君外四名の提出にかかるものでありまして、去る三月三十日、提出者三宅則義君より提案理由の説明を聽取し、同三十一日質疑を行つたのでありますが、質疑応答の詳細に関しては速記録に讓ります。
 次いで本二十八日、本法案に関し修正案が提出されました。その骨子は、弁護士につきましては、所属弁護士会を経て国税局長に通知することにより税理士業務を行うことができることとし、この場合、税理士業務を行う範囲において、本法中必要の規定を適用することといたそうとするのであります。
 次いで、討論を省略の上、修正案及び修正部分を除く原案について採決をいたしましたところ、起立多数をもつて修正議決いたされました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
    ―――――――――――――
○福永健司君 日程第二は延期し、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後八時一分散会