第010回国会 水産委員会 第5号
昭和二十六年二月三日(土曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 冨永格五郎君
   理事 鈴木 善幸君 理事 二階堂 進君
   理事 松田 鐵藏君 理事 林  好次君
      小高 熹郎君    角田 幸吉君
      川端 佳夫君    川村善八郎君
      田口長治郎君    福田 喜東君
      小松 勇次君    水野彦治郎君
 出席政府委員
        水産庁長官   家坂 孝平君
        農林事務官
        (水産庁次長) 山本  豐君
 委員外の出席者
        農 林 技 官
        (水産庁漁政部
        協同組合課長) 曽根  徹君
        專  門  員 杉浦 保吉君
        專  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 水産業協同組合法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二三号)
 漁業経営安定に関する件
    ―――――――――――――
○冨永委員長 これより水産委員会を開きます。
 水産業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府の説明を求めます。曽根説明員。
○曽根説明員 このたび提案せられました水産業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 過日大臣より提案理由の御説明がありました通り、協同組合法に、組合の財務の基準を定める政令の根拠規定を設定するということと、もう一つ組合に対する行政庁の定期的検査の実行をするように法律で定めるということの二つが大きな点でありますが、そのほか法律上の不備が二、三点ございますので、それを加えて改正することにいたしたのであります。
 逐條御説明申し上げます。「第七條第二項中「前項第一号、第三号及び第四号の組合」を「前項各号の組合」に改める。」この條項でございますが、これは第七條の二項は、水産加工業協同組合につきまして、従来は準組合員を持たなかつたのでございますが、先般の法律改正によりまして准組会員を持つことになつたわけでございます。従いまして、今までの第七條の二項に第一号、第三号及び第四号というように、第二号に当るべき水産加工業協同組合には特に准組合員がございませんので、第二号が規定されておらなかつたのでありますが、先般の改正によりまして准組合員を持つことになりましたので、ここに第二号の文字も挿入して、水産加工業協同組合も、また他の組合同様、独禁法二十四條三号の、議決権平等の要件を満足させるとみなすことができるように規定したわけであります。要するに先般の法律改正によりまして、当然ここで第二号を挿入すべき点が不備であつたわけでありますので、ここにあらためて第二号を挿入したわけであります。
 第二の、第五十七條の二の財務基準の條項でございますが、「前三條に定めるものの外、出費組合が、その組合員との間の財務関係を明らかにし、組合員の利益を保全することができるように、その財務を適正に処理するための基準として従わなければならない自己資本の額、余裕金の運用及び信用事業の運営に関する基準は、政令でこれを定める。」現在は、組合の運営上、自己資本が非常に貧弱でございまして、経済的の基礎が確立しないで、十分な経済活動が期待できないというような実態でございます。さらに組合の信用事業を発展させるということが必要でございますので、組合の自己資本額の基準、貯金の受入れまたは資金の貸付に関する事項、組合の余裕金の運用等につきまして、基準を定める政令を制定いたしたいと思うのであります。これを法律事項といたしませずに政令によりましたのは、一般的な情勢によりまして、経済的ないろいろな情勢の変化に応じまして、政令によつてこれを規定した方が運用がうまくできますので、その政令を定める基準としてこの根拠規定を設けたわけでございます。農業協同組合法におきましても先般このような規定を設けまして、従来監督指導等についてあまりに放置されているという点につきまして、政府は政令をもちまして財務基準を定めて指導をし、監督をして行くというような、その根拠になる規定を設けましたのが理由でございます。
 次に、「第八十二條第三項中「従事する組合員」を「常時従事する組合員」に改める。」という條項でございますが、これも法律上の不備でございまして、先般漁業法施行法によつて協同組合法の一部を改正いたした際に、第八十條、八十一條及び八十二條第三項中「従事する者」を「常時従事する者」に改めるというふうに改正されたのであります。しかしながらその際八十二條は、法文が「従事する者」ではなくて、「従事する組合員」となつておりましたので、「従事する者」を「常時従典する者」という事ふうに單に「常時」を入れただけでは、八十二條の法文が改正にならなかつたわけであります。この三條とも「従事する者」となつておりますれば、この改正によりまして改正されたわけでありますけれども、「八十二條のみは法文が「従事する組合員」になつておりますので、この際改正いたしまして「常時従事する組合員」と改めた次第でございます。その際の法律の誤りを是正した意味合いでございます。
 「第百二十三條に次の一項を加える。3行政庁は、出資組合(漁業生産組合を除く。)の業務又は会計の状況につき、毎年一回を常例として、帳簿検査その他の検査をしなければならない。」これも先般農業協同組合法によりて同様な趣旨の改正があつたのでありますが、今までは検査をする際には現行法によりますと、組合に法令、定款等の違反の疑いがある場合、あるいは組合から請求のあつた場合でなければ検査をいたさなかつたのでありますが、先ほど申し述べましたように、組合の経営についての指導、監督をあまりに放りぱなしにしているというようなことにつきまして財務基準を定めると同時に、行政庁が定期的検査を実行し、財務基準に示された目標に到達するように指事し、もし到達できないような組合の基本的な欠陷がある場合には、さらにその基本的な問題につきまして助言や勧告並びに寄りがかりができるように、行政庁が、定期的に検査を行政庁の立場においてできるように改正したわけであります。
 次に「第百二十四條第一項中「行政庁は、」の下に[第百二十二條の規定による報告を徴した場合又は」を加える。」百二十四條には組合が法令等に違反した場合の処置でございますが、前條によりまして検査を行つた場合に、当該組合の業務または会計が法令または法令に基いてする行政庁の処分、または定款もしくは規約に違反すると認めるときは、当該組合に対し必要な措置をとるべき旨を命ずることができるようになつておりますが、單に検査のみならず百二十二條の規定による報告を徴した場合にも、そのような違反があつた場合には、それに対し行政庁が必要な措置をとるべき旨を命ずることができるように改正いたしたのであります。
 次に「百二十九條第一項中「千円」を「一万円」に改める。」これは、貨幣価値下落に伴いまして、従来の千円の罰金では効果が薄いので、これを一万円と改正いたしたのであります。
 これで説明を終ります。
○川村委員 ただいま水産業協同組合法の一部を改正する法律案の説明が非常に各般にわたつてされたのでありますが、一昨日の本委員会において、農林次官から提案の理由の説明が明らかにされたのでありまして、ただいま協同組合課長が説明したこととは大分提案の理由が違うのであります。提案の理由の大要をお話申し上げますと、組合の出資金はきわめて少く、ために新組合結成以後の借入金並びに旧団体より承継いたしました負債の重圧を受け、その経営はきわめて苦難の道をたどつているのであります。このように組合の経営的基礎が薄弱の上に、その経理組織の整備も十分ならず、さらに信用事業についてもその整備発達の必要きわめて大なるものがあるのであります。よつて、水産業協同組合法の一部を改正いたしまして、組合の自己資本の目標額、信用事業の運用等に関する基準を定める政令の根拠規定を設け、さらに組合の業務または会計について一年一回の定例検査を行うこととし、組合の自力によつてその最大限の強化を期待しようとするものであります。これが提案の理由になつております。ところが今日協同組合法の一部を改正するという内容の説明を見ましたところが、各般にわたつております。他の委員は頭がよいから協同組合課長の説明が一々頭にとどめることができるかもしれませんが、協同組合課長の説明したような各般にわたる條項の改正であるならば、私は実は聞いていましたけれども、わかりません。一体そういう大幅の改正をしたならば、ここに旧法と改正する法律案の大要を何ゆえに示さないか。一体どうしてこれに対して各般にわたる質問を試みて、いいとか悪いとか、賛成できますか。委員長も提示させないことは惡いけれども、水産庁協同組合課がこれをわれわれに示さないということは、われわれはまことに遺憾とするものであり、また私だけはわかりません。他の委員は審議をすると言う方があるかもしれませんけれども、私は各般にわたるところの大幅な改正については頭に入つていないので、審議はできません。はつきりお断りしておきます。
○鈴木(善)委員 ただいま御説明を受けました二、三の点につきましてお尋ねをしたいと思うのであります。第五十七條の二でございますが、政府から提案になりましたように、組合の財務関係を明らかにいたしまして、財務の適正をはかりますと同時に、組合の運営その他に万全を期する趣旨で、このような條項を入れようという趣旨は了といたすのでありますが、ここに「政令でこれを定める。」ということに相なつておりますから、その政令案の内容を提示して御説明していただきまして、五十七條の二の審議について本委員会の態度をきめたい、こう思うのであります。よつて委員長から政令案の案文及びその説明を求めていただきたいと思うのであります。
○冨永委員長 政令案の内容について政府当局の説明を求めます。
○曽根説明員 お手元に配付いたしました水産業協同組合の財務処理の基準を定める政令(案)について御説明いたします。この政令案につきましては、目下司令部と折衝中でございまして、司令部の最後的な承認は得ておらないのであります。なお」の法律案がもし成立いたしましたならば、この検査に伴う追加予算等の予算的処置が必要と存ずるのであります。その予算的措置の見通し等とにらみ合せまして、政令をはつきりきめなければならないと考えている次第であります。つきましては、そのような意味合いにおきまして、ただいまお手元に配付いたしました案は一応の案として立案いたしました次第であります。しかしながら司令部について、今までのところ承認を得るのにそれほど困難ではないと考えております。読みながら御説明申し上げます。
  内閣は、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第五十七條の二の規定に基き、この政令を制定する。
   (自己資本の基準)
 第一條、水産業協同組合法第十九條
  第一項(同法第九十二條第二項において準用する場合を含む。)又は第九十五條(同法第百條第二項において準用する場合を含む。)の規定により組合員又は会員に出資させる水産業協同組合(以下「組合」という。)の自己資本の額は、左の各号に掲げる金額の合計額以上でなければならない。
 出資組合につきましての自己資本の額についての規定でございます。これは左の各号に掲げる金額の合計額以上でなければならない。
 一、当該組合の有する固定資産の価格
 二、当該組合の加入する漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合連合会及び農林中央金庫への拂込済出資金
 この二つの額の合計額以上でなければならない。第二項、
 2 前項の自己資本とは、拂込済出資金及び準備金(準備金、積立金その他名称のいかんを問わず、剩余金のうちから積み立てられたものであつて資本勘定に属するものをいう。)の合計額(繰越損失金がある場合」はその額を控除した額)をいう。
 自己資本というのをかように規定したのであります。拂込済出資金、準備金というものの合計額ということに相なるわけであります。それでそれから損失金があつた場合には、それを控除する。第三項、
 3 第一項第一号の固定資産の価額には、当該固定資産の取得又は拡充のためにした借入金の残額で返済期限の到来しないもの(借入期間が一年をこえるものであつて、数回にわたつて定期に返済する契約のあるものに限る。)を除く。
第一項第一号の固定資産の価額にはこの固定資産の取得のためにした借入金で、たとえば年賦償還等の長期の借入金をした場合に、返済期限の到来しないものについては、その額を除くというふうに規定したのであります。このような規定に基く固定資産の価額と系統の佛込済出資金の合計額以上でなければならないというふうに自己資本の規準を定めたのであります。
 第二條は経理の区分であります。
   (経理の区分)
 第二條 信用事業(貯金の受入及び資金の貸付ならびにこれらに附帶する事業をいう。)とその他の事業をあわせて行う組合は、信用事業と信用事業以外の事業とを区分して経理しなければならない。信用事業を行う組合につきましては、任用事業とその他の事業を区分して経理するということを規定したのであります。
 2 前項の信用事業に係る勘定には、信用事業に係る資産として現金、預け金、有価証券、貸出金及び信用事業に関するその他の債権を、負債として貯金、信用事業に関する借入金及びその他の債務を收入として貸付金利息、預け金利息、有価証券利息及び信用事業に関するその他の收益を、支出として貯金利息信用事業に関する借入金の利息及びその他の損費を含ましめ、信用事業以外の事業に係る勘定には信用事業に係る勘定に属しない資産、負債、收入及び支出を含ましめなければならない。
第二項は要するに信用事業とその他の事業についての経理の区分の際の勘定につきまして規定したのであります。
   (貯金の運用の基準)
 第三條 信用事業を行う組合は、その貯金を定期的貯金の百分の六十の額に相当する金額をこえて、一年をこえる期間の貸付のために運用してはならない。
これは貯金の運用の基準でございまして、その貯金を運用する際に、定期的貯金の六〇%に相当する金額を越えて、一年以上の貸付のために運用してはいけないというふうに、貯金の運用の基準を示したのであります。
   (貯金の拂戻準備預金の基準)
 第四條 信用事業を行う組合は、貯金の拂いもどしに充てるために、左の各号に掲げる金額の合計額以上の金額を、信用事業を行う組合、農林中央金庫、銀行又は郵便局へ預け入れなければならない。
  一、要求拂貯金の百分の二十に相当する金額。
  二、前号の貯金以外の百分の十に相当する金額拂いもどし準備預金についての基準を、要求拂いもどし貯金については二〇%以上、その他の定期的な貯金等につきましては百分の十に相当する金額以上を預けることを規定したのであります。
   (余裕金の運用の基準)
 第五條 組合は、左の方法による以外に、その業務上の余裕金を運用してはならない。
  一、信用事業を行う組合、農林中央金庫、銀行又は郵便局への預け金
  二、国債証券、地方債証券又に農林中央金庫若しくはその他の金融機関の発行する債券の取得。
    附 則
  1、この政令は、公布の日から施行する。
  2、この政令施行の際現に自己資本の額が第一條の基準に達しない組合については、同條の規定は、この政令の施行の日から起算して五年間は、適用しない。五年間にそのような基準に達するようにするということでございます。

  3 前項の組合は、左表の上欄に掲げる期日までに、その自己資本の額の第一條の固定資産の価額と拂込済出資金との合計額に対する比率がそれぞれ下欄に掲げる比率以上になるようにしなければならない。
これは二項にございますように、政令施行の際に、そのような自己資本の額に到達していないものは、五年の間に次の表に掲げるような比率によつて、年次的に自己資本の充実をはかるようにしなければならないという規定であります。

  第二條の規定は、この政令の施行の日の属する事業年度の次の事業年度から適用し、第三條及び第四條の規定は、この政令の施行の際これらの基準に達しない組合については、この政令施行の日から起算して一年を経過した日から適用する。
これはこのような経過的な規定でございまして、第二條の経理の区分につきましては、次の事業年度から始めるということでございます。第三條、第四條の貯金の運用の基準、貯金の拂戻準備預金の基準につきましては、この政令施行の際、これらの基準に達しない組合については、一年を越えた日からこれを適用するようにして準備することに相なるわけであります。

  この政令施行の際組合が第五條第二号に掲げる有価証券以外の有価証券を所有している場合には、当該組合は、同條の規定にかかわらず、余裕金をこれらの有価証券の所有のために運用することできる。これはこのように規定された有価証券以外のものを持つておる場合についてり除外規定でございます。
 以上で御説明を終りたいと思います。
○冨永委員長 この際お諮りいたします。法案に対する質疑は次の委員会に讓りたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 それではさようとりはからいます。
○冨永委員長 この際質疑の通告がありますのでこれを許します。川村委員。
○川村委員 先般保留しておきました長官に対する御質問を申し上げます。主として左の四点について質問を試みたいと考えます。第一は、水産行政について水産庁の所信を伺いたい。第二点は、大海区制と北海道の機船底びき網漁業に関する問題について質問したい。第三点は、東北入会県より機船底びき漁船の入会等取締りのことについてお伺いしたい。第四点は、北海道全区にわたる底びき漁業資源の調査船の問題について伺いたい。
 まず第一点からお伺いいたします。先般の委員会におきましても、松田委員からいろいろ水産庁のおやりになつておることに対して御指摘があつたのであります。その一例を取上げて申し上げるならば、国会は国の最高機関であり、立法機関である。従つて立法を基礎にして、その精神を十分取入れて、行政官はこれを実直に行わなければならぬという指摘があつたことは、御承知の通りであります。そこで私は水産問題にこれを当てはめて申し上げますならば、われわれ水産常任委員会におきましては、水産の各般にわたつて立法をいたしております。そこでその立法に基いて、水産庁はその精神を十分会得しまして政策を樹立し、水産業の発展のため行政を行わなければならぬ。また漁民に対しましては、これを真実に行わしめるだけの政策をいろいろめぐらして、骨を折らなければならぬのであります。しかるに現在の水産庁は、その点に欠けておるかのように見受けられるのであります。なぜならば、これまでの立法は政府掛出である。すなわち政府提出は水産庁でそれぞれ案をつくり上げ、そしてこれを内閣に提出し、内閣はこれを閣議に付して国会に提出するというような行き方でありましたので、水産庁は、水産に関するすべての立法はわれわれがやつたのであるというような考えを持つておるのではなかろうか。従つて自分たちが出した法律であるから、自分たちがこれを行うも行わないもかつてであるというような考えを持つておるように、われわれは考えるのであります。そこでその一例を申し上げるならば、まず協同組合法の本日のこの提案であります。この法律の制定にあたつては、もちろんわれわれが委員会で十分練つたのでありますけれども、いささか押しつけられたような感じがするのであります。すなわち政府提出で、政府はすでに関係方面のオーケーをとつて来たというので、ほとんどがわれわれの意に沿わないものがあつたことは事実であります。現在の協同組合の行き方については、私が説明するまでもなく、二十名以上あれば漁業協同組合を組織することができるというようなことから、法律の精神をくみとることができずして、もうばらばらになつておる。一箇町村に七つも八つも協同組合ができて、組合の運営ができないばかりでなく、引継いだ財産の処理もできず、また運営もできない。赤字を出してにつちもさつちも立ち行かないような現状になつております。そうして、根本問題の解決をつけずして、今協同組合法の一部を改正して、財務の処理とか、支出の増額をするとか、あるいは貯金の利息とか、受入れ等について政令をもつて定めるというようなことはもつてのほかである。それよりも、どうやつて行つたならば漁業協同組合がりつぱに育つて、漁業協同組合を中心に漁民が生産に親しみ、そうして所期の目的を達することができるかということを検討すべきであると私は考えるのであります。すなわちすべて根本問題をよく検討してからでなければ、法律の改正ということは出すべきではないと私は考えておるのでありますが、こうした根本問題を忘れて、水産庁はただ先に進むことだけを覚えておつても、今までの経過の処理を十分にやることはできないというような感じがするのであります。例をあげますならば、たくさんありますが、まず大海区制を施行せんとして立案しております。この大海区制を施行いたしまして、数県が入会をするということは、相当に困難性があります。私はその前に、まずおのおのの県の漁業を整備して行かなければならぬ。たとえて申し上げるならば、宮城県や、岩手県、あるいは青森県が、自県では底びき網が経営できないというならば、まずそれを整備して、自県でどうしてもこれだけの隻数よりできない。その余つた隻数をどうするかという問題を考えるならいいが、それを考えずして、まず北海道にやつてしまう、こういうように先へ進むことばかり考えている。もう一つは、瀬戸内海に数万隻の密漁船がある。これを整理することができずして、また整理しようとして一つの案を出しても、それを実行に移せない。にもかかわらず、これも大海区制で一部の県の余つた船を北海道にやろうとしているがごときは、根本問題を解決しないで、ただ進むことだけ考えているというふうに見受けられます。われわれはもちろん立法機関で正しい立法をいたしまして、水産庁の行政にゆだねるのでありますが、われわれといたしましても、一旦立法した以上は、正しく行政面に現われておるかどうかということを監督する義務と責任があります。また権利もあります。従つてわれわれ立法者はよろしく法律を研究し、あるいはその法律に基いて正しく行政を水産庁が実施しておるかということを、監督しなければならぬことはもちろんであるけれども、また困難性があるならば協力もしなければならぬということも、十分われわれは考えて行かなければならぬと思うのであります。そこで水産庁は常に自分たちが法律をつくつたという観念で、自分がその法律に基いて政策は立ててやつているけれども、われわれに一回も相談もなくやつて、失敗すると初めてここへ来て何とかしてくれ、あるいはつつ込まれてから、いや、それは済まなかつたということがたくさんあるのであります。そのようなことでは、とうてい水産庁行政は満足に行きません。従つて不幸を見るのは漁民である。かような点から私の申し上げたいことは、われわれは立法機関であることは申すまでもないが、法律をつくつた以上は、これが水産庁の行政にはつきり反映し、水産庁はその立法の精神に基いて、そうして行政面の政策を樹立いたしまして、正しい行政を行つて行かなければならぬと考えております。また正しい行政である以上は、漁民にこれを実施させて行かなければならないという権利と、義務と責任があると、私はかように考えますので、この点において今後水産庁は、われわれといかなる緊密な連絡のもとに、正しい行政と、あるいは漁民にこれを正しく守らせるというような所信があるならば、お伺いいたしたいと考えております。
○家坂政府委員 ただいま川村委員から、国会と行政との関係につきましてお尋ねがあつたのでありますが、従来は立法いたしますときに、大体水産に関するものは、まず水産庁におきまして素案を作成いたしまして、そうして政府提出の形で提案されたのが多かつたと思うものであります。しかし立法をされる所は国会であるのでありまして、国会においてその素案を取上げられて立法化されました上は、私ども行政の立場にあります者が、その立法をいかに忠実に、正確に実施するかという、執行の仕事を担当しておるものと考えておるのでありまして、たといその素案が自分ら自身のつくつたものであるにいたしましても、それが法としてきまつた以上は、それは国会のつくられた国家の法でありますから、この法の施行者として忠実にこれを守つて行くということが、私どもの立場と考えておるのであります。私どもは今後とも国会においてでき上りました法につきましては、その法がいずれから提案されたにいたしましても、施行者の立場といたしまして、それに忠実に、実施を取運んで参るということを覚悟しておる次第であります。決して自分たちが提案したものを、自分たちのきめた法であるというような錯覚は持つておらないのでありまして、国の法律として、常にその法を守る者として、これを実施する者として、嚴格に、正確に、その法の施行を取運んで参る覚悟でおるのであります。ただいま協同組合あるいは大海区制のお話もありましたが、これとても法ではつきりときまつております精神にのつとりまして、私どもはこれを強く正確に実施して参りたい、かように考えておるものであります。
○川村委員 第二点は、水産庁では大海区制を執行いたしまして、太平洋岸は内地方面の数県と北海道との入会をさせよう、言いかえるならば、太平洋岸は一丸とした海区にしたいというような案を立てており、さらに日本海岸といえども、東北各県と北海道の海を一丸として総合区域にするという大海区制をとつておるのであります。そこで私が先ほども指摘申し上げたように、各県は――北海道も同様でありますが、自分の――漁師は前浜といつておりますが、自分の前浜は自分の海だ、かように考えて、いわゆる繁殖保護等の問題や、その他、いろいろ漁業に関する政策を立て、あるいは犠牲を拂つて参つておるのであります。ところでいよいよ日本の水産資源が枯渇に近いということから、水産庁といたしましては、日本全国を一本の海区にしたいという腹もありましよう。が、しかしとりあえず北海道の海をねらつて大海区制を執行しようというような精神のあることは、あの示された要綱を研究してみればよくわかるのであります。もちろん内地各県は資源が相当になくなつたので、一番惠まれている北海道に人ろうとする気分のあることはわかります。しかし北海道の資源も、十分調査もせずして、ただ北海道が資源が多いから内地の船を人れてやろうというような考え方では、私は大きな間違いを生ずるのでなかろうかと考えるのであります。しからば北海道の、特に底びき網の問題を取上げてみますと、はたして北海道全道の底びき網漁業というものは惠まれておるかどうか。地域的にはもちろん惠まれておる所もありますけれども、全道にわたつては決して惠まれておるというようなことは言い得ないのであります。そこで私は、内地方面の各県も、おのおの県の資源に応じて、漁業を許可あるいは免許すべきである。北海道も同様でなければなりません。それを水産庁が総合的に取上げて、はたして各県の行政措置がいいか惡いかということを検討して、さらにどうしても多くなつておる、いわゆる漁民が困つておるという部面だけを解決つけて行くというふうに考えなければ、初めから大海区制をとつて、資源が北海道にたくさんあるから、北海道だけに入れようという考えになるというと、北海道は反対せざるを得ません。私は、水産庁としては、各県の資源と、あるいは各漁業の許可あるいは免許等を国会に示して、そうしてかようになつておるから、要するに大海区制をしいて、北海道に幾分でも入れなければならぬということでなければ、北海道といたしましては、ただ漫然と水産庁案の大海区制には賛成しかねるのであります。そこで北海道の機船底びき網の問題をここで申し上げますと、既存のほか、今度小手繰り網を整理いたしまして、大型機船底びき網に転換したもの合せて五百ぐらいあると思つております。一体この五百の機船底びき網が四つの海区になつて、そうして内地方面から非常に圧縮を受けましてもうすでに行き詰まりを生じておる所もあり、また資源が豊富で、他から幾分入漁しても、漁民がさまで資源に困らないという所もある、いろいろであります。そこで私は、そういうような問題を解決づけるために、水産庁に一つの提案をしております。すなわち昨年の九月二日付で、北海道内許可機船底びき網漁業に関する件、これは文書で提出しております。十分検討をして、私に回答を寄越したことは事実であります。ここに回答文の成文もあります。一応参考までに記録にとつておく必要がありますので読み上げます。
   北海道内許可機船底びき網業に関する件

  さきに内地船入会操業反対(條件付)の意見書を提出したるも不得要領なる回答に接し遺憾の次第であります。

  さらに去る八月三十日付にて、北海道における小手繰網漁船の整備に関連する大型底びき漁業許可申請期間と許可打切り約束に関し、警告付にて報告書拂出方を要求したるところ、水産庁当局並びに道庁水産部当局等は相当に困つておるようでありますが、右に対する最善の解決のかぎは、これまでの約束をした事項の実行及び特に左記に記載したる事項を完全実施に移すことができるかいなかにあると思うのでありますから、今度こそは必ず実施するかいなかの誠意ある御回答を求める次第であります。
  私の右に対する今後の態度及行動については、回答文の内容との実施いかんによつて決したいと思いますから、各事項については責任をもつて来る九月十日までに御回答を願います。
     記
 一、機船底びき網漁業内地入会県の操業区域、特に青森県内操業区域において、道内太平洋岸に根拠地を有する(函館を含む)機船底びき漁船に、内地同様の操業を認めるよう措置を講ずること。
 二、道内許可船の漁獲物は、入会県の陸揚地にはもちろん、内地主要陸物地に陸揚でき得るよう措置を講ずること。
 三、道内における禁漁区域の一部解放、及び変更等を沿岸漁業との関係を考慮しつつ促進するよう措置を講ずること。
 四、道内許可船には主たる根拠地を移動することなく船型、トン数、馬力、隻数及び地方の特殊事情等を勘案し、操業区域を「道内一円」または数海区に拡張する措置をすみやかに講ずること。但し一定隻数に制限を加えることあるもやむを得ざるものとす。
 五、北海道における小手繰漁船にして、転換業者にはすみやかに資金及び資材等の供給の措置を講じ、再び違反等を起さしめざるよう特段の配慮を拂うこと。
 六、昨年度内地入会各県の漁船中、正しい業者には本年度も昨年同様の措置においてすみやかに入漁の許可を與えること。但し取締の強化と違反船の処分を必要とする。右各事項に関し、明確にしてかつ誠意ある御回答を願います。
  昭和二十五年九月二日
     衆議院水産常任委員
        川 村 善八郎
   家坂水産庁長官殿
   山 本 次 長 殿
   関係部課長係長殿
 こうしたような文案で、昨年の九月二日に、私の名前において、家坂水産庁長官、山本次長、関係部課長あてに出しておるのであります。
 これに対して、九月七日付でかような公文書が参つております。
  二五 水第四二五〇号、北海道内
 許可機船底びき網漁業に関する件
 (回答)。
  昭和二十五年九月二日付をもつて提出された表記の件については、左記一部の実施困難と認められるものを除き、その他については御趣旨を了承する。今後はこの線に沿うて実施に努力する。
 記(一) 申出の第二項後段の入会県以外の内地漁業者に対する許可機船底びき網漁業による漁催物の陸揚については、現在のところ不可と考える。
 (二)申出の第四項中道内一円とある点は再検討を要すると考える。昭和二十五年九月二十七日水産庁長官家坂孝平という名前で、その他参考資料をたくさん添えて、私あてに回答をしてあるのであります。時間の関係上参考資料は読みません。この回答からいたしますと、北海道の機船底びき網の漁獲物を内地の主要県の陸揚地に上げることはいけないけれども、またできないけれども、入会県の陸揚地に上げることはさしつかえないということと、それから第四の操業区域を道内一円とすとことは研究を要すると考える、数海区に操業を許すことは可能であるということを含んだほか、あと全部私の提案については了承し、努力をするという回答であります。そこでこの問題について、はたして一体実行できたかどうか。私に言わしむれば、了承するそして努力するということであるから、昨年の九月に提出したものは、今日までは実施に移していなければならないと考えるのでありますが、いまだにこれは実行に移されてありません。聞くところによりますと、一部入会県には陸揚げすることを許すということが明らかになつたとか、あるいは青森県の操業区域に、北海道の船が入ることができるよう運んでおるということは聞いておりますけれども、まだ実施に移していないばかりでなく、その他のことはいずれも実行になつておりません。まことにこの点においては、遺憾の意を表するばかりでなく、ほんとうに行政措置において、水産庁はこれをやろうとしておるのかどうか、ここであります。やる気がないならば回答しなければよろしい。回答した以上は、昨年の九月七日で回答しておるんだから、それからもうすでに半年であります。それが実行できないとするならば、やる気がないと私ははつきり言えるのであります。こうしたような点において、一体水産庁はどういうお考えを持つておるか。私はこれは責任をもつて回答したと考えております。私の提案に対して誠意をもつて回答したならば、今ごろは実施していなければならないのであるにかかわらず、実施していない。一体実施する気があるかないか。私が先ほど劈頭に言つた通り、各県の問題を先に解決つけないで、先に進むことばかり考えておる。これではたして一体満足にあなた方が行政面に実行することができるかどうか。すなわち北海道が反対せざるを得ないのはここであります。北海道をまずもつて解決づけ、あるいは青森をつけ、岩手県をつけ、関係各県というものをその範囲において解決つけ、さらにこうしたような事情で北海道に大海区制をしなければならないし、北海道に入会をさせなければならないというのであるならばわかるけれども、いきなり北海道は資源があるから、北海道だけを第一にする。そして北海道の機船底びき網に圧迫を加えるというようなことに、私は不可解な点を持つておるのであります。どうかただいままで質問したことについて、誠意ある御答弁を願いたいと思います。
○家坂政府委員 ただいまのお尋ねにつきましては、去年の秋に書面をもつてお尋ねがありましたが、それに対しましてお答えをしてあつたのであります。それでその中の事項につきましては、いろいろ今度の制度改革にも関係を持つものもありますし、ただいま御承知のように漁場計画の進行中でもありますので、そうしたものの進捗とともに解決を見なければならない点も多多あるのであります。それでまだ実施に移されていないものもあるかと思いますけれども、大体御回答いたしました点につきましては、その線に沿つて取運びつつあるわけであります。
 それかからただいまの大海区域の問題でありますが、この点につきましては、この以東底びきの問題は非常に重要な案件でありますので、過日も以東底びき総会に水産庁の一つの考え方を披瀝しました。そうしてその案の検討を頼んであるわけであります。近いうちにその回答もまとまるかと思いますが、その回答をよく総合検討いたしまして、そうしてでき上つたものを当委員会の方にもお示ししまして、かような案はどうであろうかということをお尋ねしたいと考えている経過中であるわけであります。ことに北海道は、この底びきの関係におきましては、非常に重要な各県との関係もありますので、まず北海道の海区をどうするかというような問題も、これは非常に重大なのであります。それで私どもといたしましては、やはり北海道一円が非常に好ましい一つの海区としての姿じやなかろうかとかように考えているのでありますが、これはまた北海道自体の問題でもありますので、北海道の業者各位また道議会の関係、そういつたものの御意向もよく聽取いたしまして、そうしてその可否を私どもといたしましては十分取入れまして、当委員会にも御相談を申し上げ、最後の決定に持つて参りたい、かように考えているのであります。
○川村委員 ただいま長官からの最後の言葉に、北海道の機船底びき網の海区を北海道一円とすることが望ましいとおつしやつているが、私はまことにその言葉を聞いて意を強うするものであります。水産行政を担当する最高首脳部であります長官の腹を他の関係部課長は十分含んでいるかと思つております。長官が正しいことであり、それがいいことであるとするならば、それをなぜ今日までやらせないか。すなわち今長官の言葉によると、業者の声も聞き、あるいは行政部面の声も聞いてからやる、こういうふうな御回答があつたのでありますが、それならば一体その道をどうして進まなかつたか。私はかように申し上げたい。長官はどうも石橋をたたいて渡らない、昔は石橋をたたいて渡るということはあるけれども、あまり大事をとり過ぎて、やるべきことをやらないのだ、私は石橋をたたいて渡ることはけつこうだと思います。しかしたたいて渡るとしたならば、まずもつて地固めをして橋を渡して、早く渡ることを考えなければならない。私に一旦回答した以上は、その問題を早く解決づけるように進まなければならぬと思つております。北海道の海区を一円とすることは、水産行政の最高機関である水産庁、しかもその長官であるあなたがまことによいことでこれを実施したいというならば、なぜ一体部下に言いつけてその道に進まれなかつたか。これには一部の反対があるということは私も聞いております。この問題を解決づけるには、みんなの意見が一致するということは、決して容易ではありません。だが百人中八十人がよいとか、あるいは七十人がよいとしたならば、あとの二十人や三十人の反対くらいあつても、正しいことであつたとするならば、押して行くべきである。北海道の入会問題について、相当に反対のあつたことは事実であります。きようここに見えられる人にも大分反対者があつた。しかし私たちは日本の水産の客観情勢から、北海道人としては原則的には反対しなければならぬのであるけれども、大局から見て入会を認めなければならないということで、水産庁に認めさせたという実例があります。私は北海道の出身であつて、しかも水産人でありますから、まつこうから反対しなければならぬのであるけれども、先ほど申し上げたように、大局からいつてこれはある程度入れなければならないということで、むしろ私は水産庁に御援助申し上げたいのであります。しからば、私の提案した問題について、この席上においてよいことだというならば、なぜ一体つつ込んでやらなかつたということであります。石橋をたたいて渡らないなら渡らないでもよい。渡りたくないのなら渡らないでもよい。しかしこの席上で、よいということを発言している以上は、少くとも今月中に実行に移すという気構で進んでもらいたいということを要求するものであります。
 次に第三点は、東北各県から機船底びきは、二十五年度から入会を許しておりますが、これはどこまでも暫定措置であります。そこでこれについて、北海道で一番の問題として取上げたことは、一応入れることもやむを得ないという機運になつたけれども、はたしてほんとうに取締りが充実するかどうか。また他の許可を持たざる違反船が道内に侵入するのではなかろうかということで、この問題を非常に重視いたしまして、水産庁で発表いたしました要綱の中にも、取締りについては十分責任を持たなければならないということがあるわけであります。また私は一旦要綱を出して、要綱の線に沿つて入会を認めた以上は、水産庁は取締りの責任は十分あると思いますし、さらに各県も、約束をした以上は各県にも責任があると思います。ところが一年の経過を見たのでありますが、水産庁は、資源の調査をするという約束も実行しない。取締りの強化をするということも実行しない。関係各県は、取締りをするということも実行しないで、むしろ違反することを奬励したようなかつこうになつて、許可船の違反よりも、むしろ無許可船の違反が多かつたということがその姿であつたのであります。そこで昭和二十六年度の入会につきまして、一年の経過をたどつて、さらに水産庁は新たな要綱を出して、北海道に入会をさせんとしたのであります。それに対して北海道は、まつこうから全面的に反対だ、特に北海道会まで決議して反対した。私たちはその反対はよくわかります。われわれの海を荒されて、指をくわえておることはできません。特に沿岸漁業は網をさらわれ、あるいは張なわをさらわれて、実際に自分が営業ができないという姿の者がたくさんあつた。こうしたような者は、実際に許されるならば、船を沈めても、人を殺しても阻止したかつたのでありましよう。しかし漁民は良心がありますので、かようなことをしないで、道庁なりあるいは水産庁に、その処置について陳情もして来たことは事実であります。そこで北海道の入会について要綱を出して審議しましたが、われわれの方からも反対があり、北海道からも反対があつた。だが大局から言うと正しい漁業者がわずかの違反船、すなわち正しからざるところの漁民のために犠牲になるということはまことに忍びないので、違反船を全部振り切つて、そうして正しい漁船だけを許した、その数は大体百十九隻かであつたと私は考えております。そこでその正しい漁船は今操業しているでありましよう。しかしながら昨日も問題となつて、たくさんの陳情団が参つたのでありますが、百十九隻より入つておらないと思つておつたとこるが、もうそれの三倍も北海道の海を撹乱しておる、侵入しておるという事実が明らかとなつたのであります。そこで昨日松任谷部長にこの対策方を陳情し――これは多分長官もおられたことでありますから、よく御承知だと思いますが、懇請をいたしましたところ、私はまことに遺憾だと思つておるのは、昨日の陳情団は、主として渡島管内惠山魚田を中心とした方々の陳情であつた。あそこに一隻の船を配置して取締りをするということを言われたのでありますが、私はあの惠山魚田、広い海上を、一隻の常置取締船ではたして一体完全な取締りができるかどうか。もちろん北海道には十五隻を配置すると言われたから、十五隻といえばまことに数が多いのでありますけれども、北海道は御承知の通り内地の十数県を合せただけの海があるので、そこに一体十四、五隻を配置して、どうして完全な取締りができるかということを私は考えるのであります。そこで一応今年も入会を認めたのであるからいたし方ないといたしましても、取締りを嚴重にして、そうして沿岸漁業との摩擦は申すに及ばず、北海道の機船底びき網漁業に圧迫を加えないように、要するに北海道の海を侵害をしないように、責任をもつて取締りをしてもらわなければならぬ。もし本年度にして取締りが十分でなくて、昨年度と同様もしくは昨年以上の侵入船があるとするならば、遺憾ながら今度は私はまつこうから入会の反対をしなければならぬのであります。そうしますと正しい漁業者に不幸を見せる、入会関係に迷惑をかけるということになりますので、この入会問題とからんで、機船底びき網漁業の取締りの強化を、いかにしてわれわれに悔を與えないかという所信をここに御答弁を願いたいのであります。
○林(好)委員 先ほど長官は、今の太平洋と日本海と北海道の大海区制につきまして、以東底びきの連合会に諮問をしたのである。従つて以東底びきの組合が結論を出して、近く水産庁に回答があるはずだという御答弁がありましたが、以東底びきの組合には、北海道は遺憾ながら加入をいたしておりません。従来は加入をいたしておつたのでありますが、以東底びきの組合の運営の仕方が北海道としては納得の行かない点がありまして、以東底びきの組合からは北海道は脱退をいたしておるわけであります。従つてこの大海区制につきましては、北海道は太平洋あるいは東北の方の方々とは利害が相反する面があるのでありまして、以東底びきの連合会の回答というものが、はたして北海道の考え方を織り込んで正しい回答がされるとは私は考えていないのでありまして、この点は水産庁長官として十分に御留意を願わなければならぬ、このように考えておるのであります。
○家坂政府委員 ただいまのお尋ねにお答えいたします。北海道の入会問題は、一昨年から要綱をつくりまして始めたのでありますが、遺憾ながら去年の冬は非常に違反船が多くて、北海道側からは非常な非難が浴びせられたのであります。それでこのたびの入会の協定につきましては、この違反という問題が最も中心となつて論議せられまして、辛くもいろいろ北海道の代議士の方々から御援助を賜わり、また当委員会からも御協力願いまして、ようやくまとまつたような次第でありますので、この違反船の取締りということにつきましては、私どもとしましては、十分意を用いてやる覚悟でおるのであります。それで本年度は十五隻の取締船を決定いたしまして、これをもつて十分活躍をさせたい、かように考えておりまして、過日もその配船計画――どこにどういう船をやるかというようなことも下打合せをしたような次第であります。なお技官を派遣いたしまして――きようあたり帰つて来ると思いますが、最近の実情もよく取調べさせまして、その報告も聞き、今の十五隻の取締船をいかに有効に活躍させるかということにつきましての対策を緊急に打立てたい、かように考えておるのであります。この十五隻の取締船の中に、水産庁の最も指導力を持つ取締船は三そうでありまして、去年は一そうであつたのでありますが、今年は二そうを加えて三そうにして、十分他の取締船とも緊密な連絡をとり、なお誘導もいたして、完全なる取締りを持つて参りたい、かように深く意を決しておる次第であります。十分取締の効果をあげるべく、私どももほぞを固めておる次第であります。
○川村委員 第四点は、北海心全区にただいま試験船を配置して、試験操業をいたさせ、底びき漁業の資源の調査をするということに相なつて、それぞれ船の選択にかかつておるということを承つております。そこでこの問題については、昨年の十二月の本委員会であつたと思いますが、私から指摘されて、十五隻は不正があつたということで取消したという事実があつたのであります。そこで私はその十五隻の試験船が多いとか、試験の目的方法については反対するものではありませんが、その取上げ方についていささか私が疑義を持つ点があり、その疑義を持つた点が私の疑義通り現われて来たから、ここに質問をしなければならぬということに相なつたのであります。そこで私は、もう必ずこれには不正行為があつたと見て、昭和二十五年の十一月三十日に、衆議院水産常任委員会水産資源に関する小委員会小委員長川村善八郎の名前のもとに、北海道の水産部長、それから北海道の第一管区海上保安本部長、北海道水産試験場並びに経済調査庁等に回答を求めるべく文書を出したのであります。ところがその回答はここに全部参つておりますが、水産庁の説明したことと、それからさらに各関係官庁からの回答は、おのおの立場は違うけれども、どうも食い違いがあります。ただ食い違いのないのは水産部長からの回答と、札幌管区経済局査察部長からの回答で、試験船に採用された船から、総計で百八十五万円をとつておつて、そのうち百三十五万円は水産試験場にやり、それから七万幾らかを專務費として使つて、四十二万何千円かを北海道機船底びき網連合会が保管をしておるということだけは一致しておるが、さて試験場から来た回答文には、その百三十五万円を受取つたとも何とも言つて来ていない。そこに一体水産庁はどういう責任を持つか、われわれはただしたいのであります。そこで私は提出した文書を読上げます。
   北海道における機船底びき漁業資源調査試験船に関する件

  標記の件につき別紙漁船(水産庁の傭船したる底びき漁業資源試験船)の実体を至急調査する必要がありますので御多忙中御手数とは存じますが左記事項中貴庁の関係所管事項を至急御調査の上御報告願います。
     左 記
 一、試験船と称して操業している漁船は別紙記載の漁船と相違はありませんか
 二、十五隻の試験船は全部試験し従事して居りますか、又は代船を使用しているものもありますか
 三、試験船は指示示された試験操業区域で忠実に試験操業に従事しておりますか、又試験操業区域外でも試験操業と称して従事していることはありますか
 四、試験船は機船底びき漁船と操業方法は同しでありますか、又異つた操業方法で試験に従事しておりますか
 五、前項にある異つた操業方法で試験に従事して居るならばその点を詳細に御報告を願います、
 六、試験船は水産庁より一隻当り何程の傭船料を支給されておりますか又は支給されている傭船料の使途は如何ようにされておりますか
 七、試験船はある底びき関係団体等に斡旋料、負担金、手数料又は試験料等の名目で相当額を支拂つているということでありますが、それは事実でありますか、(若しその事実がありましたら支拂先の団体等の所在地団体及びその代表者又は個人名並びにその金額及び其使途等)
 八、試験船を水産庁が傭船契約するまでの斡旋等は如何なる機関又は団体又は個人等でありますか
 九、以上のことで本委員会は必要に応じ参考人として召請する場合もありますから直接に調査を担当される責任者の職種氏名等を御報告願いますこういう文書を出しましたところが、去る二十五年十二月九日に、北海道区、水産研究所長大島幸吉氏から私あてに回答が参りました、その大要を申し上げますと、
 一、漁船は船主及び操業の都合により変更があるので別紙の通り報告する。但し第二征波丸は本所において傭離し直営を以て資源調査施行中であるの別紙から除いた。
 二、しらとり丸、第八松島丸、幸丸三隻以外は試験に従事している。
  但し十二月三日以降は水産庁長官よりの指令により調査中止中である。
 三、試験船は担当者が乘船し忠実に試験操業に従事している。
 四、操業方法は同じであるが測深、採泥、海洋観測等を施行している。
 五、なし
 六、試験船は水産庁より傭船料を支給されていない。
 七、このことについては詳細判らない。
  但し資源調査に要する費用は北海道区入会関係業者協議会において負担している。
 八、試験船の斡旋、各基地への配船、操業許可申請等は一切北海道区入会関係業者協議会において行つた。
 九、この調査は本所沿岸資源部と海洋資源部との共同調査であつて調査責任者は次の通りである。
   沿岸資源部資源科長
     技師(兼職)佐藤  榮
   海洋資源部長
      農林技官 大垣 光平以下別紙がついて来ておりますが、これも水産庁から出されましたこの調査表とは少し違つております。一々これを申し上げると時間が長くなりますので、あとで水産庁に提出いたします。第一回、第二回、第三回と報告がこうなつているのが違つておりますから、これは水産庁がだまされているのか、あるいはまかせてあつたのか、いろいろただしたいのでありますけれども、時間の関係上この書類を見て本委員会に書面で回答を願いたいと思います。
 それからさらに昨年の十二月二十七日に水産部長から私あてに来ております。
   北海道における機船底びき漁業資源調査試験船に関する件
  標記の件については北海道区水産研究所より詳細御報告あつた事と思いますので御申越事項の第七項の点のみ左記の通り回答致します。
  なおこの事についてはさきに北海道海区入会関係業者協議会会長渡辺照平名義にて一括許可を受有していたのですが、その後の水産庁長官の指導もあり今回北海道水産試験場の委托操業として実施し経費は道底曳連合会の寄附採納による予算措置を講ずる事に決定され二十三日の道議会にても可決し目下事務的処理を取進め中ですから予め御諒承下さい。
     記
  このことについては、入会協議会が試験調査協力費として各船より応分の額を徴收し試験場との連繋のもとに協力することとされていましたが、左記の通り予算措置により実施することとなつたことから右既徴收額は一切返還されます。
  なおその内容は次の通りであります。
  收入として第八早取丸二十万円、第一三好丸十五万円、釧路三隻十万円、室蘭三隻七十五万円、第二菊理丸二十万円、稚内三隻四十五万円、計百八十五万円、支出として調査費百三十五万円、消耗品費、通信費七万六千四百七十円、預り金四十二万三千五百三十円、計八百十五万円。こういう報告が部長から来ております。
 それから札幌の経済局の査察部長からの回答はこうなつております。
   北海道における機船底びき漁業資原調査試験船に関する件
 十一月三十日付標記について御照会あつた件左記の通回報致します
     記
 一、左記一乃至五の事項に関しては、道水産部長、道試験場長及び第一管区海上保安部長等本照会を発せられた他の所管官庁より回答さるべきものと考えられます。
 ただ別紙十五隻の試験船の外更に一隻を許可申請中(第七神正丸、根拠地小樽、所有主小樽市中本彦七)であるが水産庁に於て許可保留になつているとのことで

 二、六乃至八の事項に関しては次により御諒知されることと存じます
 (イ)本資源調査の実施は本州漁船の北海道入漁に関連して発生したものであるが、所要経費の国費計上ない水産庁は漁業者による経費負担とその所有船による試験実施を計画し、道の反対を押し切つて行つたところに無理があつた、試験船の選定に際しては一応道に推薦方を依頼したが事実は北海道機船底曳網漁業協同組合連合会専務理事藤野戸多喜雄が單位組合に諮ることなく独断をもつて個々の漁業者に交渉し選衡して道に提出し道は連合会の推薦によることを理由として形式的副申を付して水産庁に上申したのである
 (ロ)試験実施による経費は当初一船あて五十万円と見込み、総額六百万円として従事試験船の所有者より徴收し、試験に要する設備資材、水産試験所職員の試験旅費等に充当するものとし、その経理は水産試験所に一任することとした。現在までの費用の徴收状況及び支出は次の通である。
ということで、ここに水産部長の回答と違つて今度は支出になつております。読み上げますと、船名は第二昭和丸、三号壽々丸、千技丸、第二昭和丸は網走の大和田広義という人の所有、壽々丸は宮城県の臼井福司という人の所有、千技丸は稚内市石本鉄蔵という人の所有、三船で四十五万円、時間が長くなりますので少し省略いたしますが、第十六明神丸、第十五明神丸、やまさん丸、この三船で七十五万円、第八早取丸が二十万円、それからしろとり丸、第一星徳丸、第十千代喜丸、この三船で十万円、それから第一三好丸十五万円、第二菊理丸これが二十万円、あと出さない船が二隻、こうなつて百八十五万円、そのうち支出は、水産試験所へ送つたのが百三十五万円、北海道機船底曳網漁業組合連合会の支出になつているものは七万六千四百七十円、これは旗、通信費、試験場との打合せ、旅費等に支出したもの。保管金は北海道機船底曳網漁業組合連合会四十二万三千五百三十円、こうしたような支出と收入になつております。
 それから
  (ハ)試験船の許可受有者が北海道人会関係業者協議会となつているのは抑々本協議会は道底びき漁業者と道沿岸漁業者及び本州より入会の底びき漁業者をもつて構成している為、本試験の如きは本協議会名によつて行うを適当と認めたからである従つて個々の漁船は本協議会に使用承認を與えた形式をとつたものである、出願の形式が入会協議会長名となつており傍々夫々試験費用を徴收したことなどに一般の疑惑を招いたものではないかと推知される。
 以上の通であるから試験船は水産庁より何等傭船料の支給を受けることなく、かえつて一船宛の試験所要経費五十万円の見込の下にその経費を負担し試験に従事するものである
 三、本調査に従事した調査官は次の通であります
   査察部物資課勤
   務経済調査官  川北 熊壽
こういう回答書が来ております。もちろんこの回答書の内容には同じところもありますが、違つておるところもある。まず一点を指摘しますと、許可は入会協議会で一括してとつたし、また與えたんだということになつておるが、金の集め方だとか、その支出については連合会がやつておる。試験場がやるのだというふうになつておつても、試験場はやつていない。それから試験場に百三十五万円渡したと言つているけれども、受けとつた者がない。その他いろいろここに疑義を持つことがあるが、これに対して一体こうした違いがあることを知つているかどうかということと、一体この責任を水産庁はいかにして解決するかということと、それからこの調査によると、連合会の藤野戸專務が独断でやつておる。言いかえれば、自分の許可でないにもかかわらず、五十万円ずつとつて、そうして百八十五万円集めて、それをかつてに試験場へ百三十五万円やつて、支出も七万幾らを支出して、四十二万幾らというものを連合会が預つておるということになつております。しからば一体これは横領ではないか。自分の許可でもないのに、自分がかつてに集めて、かつてに預かつて、かつてに支出する、こうしたようなことは、私から見ますると、横領だと考えます。こうしたようないろいろな矛盾がある点から、水産庁は一応解消しまして、新たな試験船を物色しておると思うのでありますが、とにかく今までの経過からいうと、こういう経過になつておりますので、これをどこまでも明らかにして、水産庁の責任はどこにあるか、それから連合会の責任は一体どこにあつて、どうやつたのか、あるいは試験場がはたして百三十五万円受取つて、そうして支出しておるのか、あるいはこの内容だと、全部船にもどすということになつておるが、もとしておるかどうかというようなこと、それからさらにこうしたいろいろな内部的に策のあつたことが明らかでありますので、その船が再び採用されておるかどうかということを、私は明らかにいたしたいので、今もし回答ができないとするならば、この書類をお貸し申し上げますから、よく究明をして、書面で御回答を願いたいのであります。もし今ただちに御答弁ができれば幸いでありますけれども、ずいぶん複雑な内容になつておりますので、今回答ができなかつたならば、文書をお貸し申し上げますから、文書で回答願いたい。
 最後に、先ほどいろいろ御答弁があつたのでありますが、大海区制については私は全面反対をします。従つて大海区制と北海道の海区の問題をどう解決するかという問題と、それから内地自県のおのおのの海区と漁業許可、それから隻数その他について、書面をもつて、どういうふうな方針で進めるかということを御回答願いたい。
 それから入会と取締りの問題については、違反船がたくさんあるということは、指摘したばかりでなく、事実でありますので、各方面から御調査をせられて、一体どういう船が違反船として入つておるのかどうかということをきわめて、これに対する今後の行政措置を一体いかにするかという問題も、書面で回答願いたい。
 それから前の試験船の問題は、もちろん詳細に文書をもつて御回答下さるように願いまして、私の質問を終る次第であります。
○冨永委員長 川村さんにお諮り申し上げますが、ただいま政府の回答は大体書面をもつてと御要請になつたようでありますが、本日は政府からの答弁は必要としなくてもよろしゆうございますか。
○川村委員 書面で回答するというのであれば、今必要はありません。
○冨永委員長 ただいまの川村委員からの質疑に対しては、政府当局から回答をいたすようにとりはからわせます。
○林(好)委員 ただいま川村委員からお話のあつた試験船の問題でありますが、私は決して川村委員に反駁するものではございません。川村先生からお話がありましたように、私どもも北海道に帰りまして、水産庁から指令をされて、北海道で一そう五十万円の権利金をとつて試験をやらすということでありまして、実に驚いたわけであります。あたりまえでありますならば、国家が予算措置を講じて、水産庁みずからが傭船をして、正しい試験をやるべきでありますが、遺憾ながら予算がないために、非常に無理な試験船の計画を立てられた結果が、このようになつたのだと思いますが、過去におけるいきさつにおきましては、川村先生が詳細に調査されまして、今御質問をされた通りであります。しかしながらそり後北海道の試験船に対する以前の行き方を全部御破算にいたしまして、解消して、現在では北海道の底びきの連合会の責任において、各根拠地の單協の責任において一応試験をするという内容にかわつておるわけであります。そうして先ほど川村先生から話がありました船のうち、若干船もかわつておりますが、以前の試験船として選定をされた船も入つておるようであります。ともかくも根拠地の單協の責任において試験を完遂するということで、ただいま進行しておるようであります。しかしながら問題になりましたので、以前の許可が一応取消しになりまして、そのままに相なつておるわけで、すべて試験船は準備を完了しておるのであります。試験をどうしても水産庁がやらなければならぬというのであれば、この十五そうの試験船に対しましては、すみやかに許可をされることが私は正しいと考えておるのであります。この試験船の十五隻に対する今日までのいろいろないきさつにおいては、川村先生のおつしやつた通りでありまして、私どもも同感でありまして、まことに遺憾に考えておるものであります。しかし今までのあり方が間違つておつたので、連合会の責任において、いろいろ協議をいたしました結果、各根拠地の單協の責任において、新たに今度完全な試験をやるということで、許可申請をいたしておるのでありますが、すみやかに許可をする御意思があるかどうかということを伺いたいのであります。
○川村委員 今、林君の言われた通り、試験を早急にやるということには、私は双手をあげて賛成でございます。ただ單協が選んだ申請によつてずつとまとめたでしよう。私は知りませんが、一応十五隻を選択したらしい。ところが一單協で三隻も四隻も出すところがあるし、一單協で一隻も出されない、はねられたところもある。一体この撰択の方法は正しいかどうか。十五隻なら十五隻出すとして、單協はおのおの資源の調査を自分の方から出した船によつて、試みたいというのがおそらく念願だろうと思います。そこで、この選定の仕方においてもまだ矛盾があるようであります。早急にこれらを選定して試験することは、私は最もいいことと思うが、選定の方法にまだいささか疑義があるので、早い機会に、この委員会で取上げた問題だから、この委員会に命じて承認を得た方がむしろスムースに行くのじやないか。もし十五隻のうちに、二隻なり三隻なり疑義のある船がありましたならば、それを一応やめられましても、あと十隻なり十一隻なりを早く試験させた方がいいと思います。試験させることについては林君に同感でありますが、選定について少し不明な点がありますので、一応これを究明して行きたいと思います。
○林(好)委員 今川村先生のおつしやつた通りでありまして、あるいは根拠地ごとに選定の不十分な点もあるかと思います。幸いに他の問題もございまして、北海道の底びきの役員の方が五、六名上京してここに傍聽しておられますので、この場合に、できることであれば水産庁で、川村先生にも入つていただいて、一応業者の意見もお聞き取り願いまして、この問題を納得して、すみやかに解決するように善処したい、かように考えるのであります。
○冨永委員長 了承いたしました。林委員にお諮り申し上げますが、一応本委員会を閉じさしていただいて、懇談の形式で承ることにいたしたいと思います。
 それでは本日はこの程度にとどめ、散会いたします。
    午後零時五十三分散会