第011回国会 水産委員会 第1号
昭和二十六年八月十七日(金曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 松田 鐵藏君
   理事 二階堂 進君 理事 林  好次君
      石原 圓吉君    小高 熹郎君
      川端 佳夫君    川村善八郎君
      田口長治郎君    田渕 光一君
      永田  節君    小松 勇次君
      水野彦治郎君    井之口政雄君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主税局調査課
        長)      泉 美之松君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  河野 通一君
        水産庁長官   藤田  巖君
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        漁業調整第一課
        長)      高橋 泰彦君
        農林事務官   久宗  高君
        専  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した事件
 漁業権証券の課税並びに資金化に関する説明聴
 取の件
 漁業取締対策に関する説明聴取の件
    ―――――――――――――
○松田委員長代理 これより水産委員会を開会いたします。
 漁業権証券の課税並びに資金化の件につきまして説明を聴取したいと思います。水産庁長官。
○藤田説明員 それではまず漁業権証券の資金化に関しまするその後の経過について御報告を申し上げます。前国会後水産庁といたしましては、さらに詳細に、各県から漁業権証券の資金化に関係いたしまするところの所要資金の需要額を調査いたしたのでありますが、それによりまするところの本年度の資金需要額が、全体を合計いたしまして約八十億程度どうしても必要であるというふうな数字に見ております。それからなおこのほかに補償金に対する課税引当分があるわけであります。さらにこれをプラスいたしまして買上償還をしてもらいたいという主張をその後大蔵省の方といろいろやつておるわけであります。この八十億の資金のまかないにつきましては、まず第一点としては国債整理基金特別会計の買上償還を、今年度四十億出していただきたいというふうに考えております。これは従来大蔵省の方からは三十五億というふうな数字もちよつと出たように――まだ御決定にならないのでありますが、国からの直接買上げを四十億、それからなおそのほかに国債の銘柄整理に伴いまして、資金運用部資金が原資増となる部分も何かあるようであります。その金額が二十億見当はあるのじやないかと私どもといたしましては想像しておりますが、その程度のものは農林中金を通じて漁業権証券の買取に充当をしていただく。さきの四十億と合せまして約六十億というものを買上げしていただきたいと考えております。なおそれで足りません分につきましては、これは農林中金の手持資金その他の操作によつて、何らか融資に事欠かないようにしていただきたいというふうにこれは中金の方と話をしておるわけであります。その際も日銀あるいはその他において、特別に農林中金の資金造成に資するような特別の御配慮をいただきたい。それによつて所要資金をまかないたいということで、現在大蔵省と交渉いたしておるわけでありますが、まだそれについては折衝の過程でございまして、決定はいたしておりませんわけであります。
 それからもう一つは、課税の問題につきましては、これはその後参議院の大蔵委員会におかれましていろいろ研究いたざれました結果、大体の方向といたしましては、漁業会に対しますところの漁業権証券に対しましては、再評価税として従来六%のものがかかるということに原案はなつておつためでありますが、その後この分については何らか税金のかからぬようにすることが、適当ではないかというふうな御結論を大体得ておられるようでありまして、そういうふうな線に沿つて研究を進められておるわけであります。
 なおそのほか所得税がかかるかかからないかということについて、はつきりと決定した解釈が立つてなかつたようでありますが、その点はその後いろいろ研究をされました結果、国税庁長官から、これについては所得税をかけないというような通牒を全体的に出していただいたということを聞いておるのであります。従つて漁業権証券の問題については、その後相当事情が緩和をいたしておるように伺つております。ただ個人が漁業権証券をいただきまする分についての所得税の問題、これはやはり徴収せざるを得ないというふうなことに相なつておるように聞いております。
○川村委員 漁業権証券の資金化並びに課税対象になるかいなかという問題についても、水産庁長官の説明があつたのであります。一応納得することができますが、はたして一体水産庁長官ふただいま御説明になつたように、大蔵当局がその実施について自信ある方法をとれるかどうかという問題に、われわれはまだ疑義が残されておるのであります。そこでわれわれも当初からこの問題について心配もあり、さらに水産庁でももちろんこの資金化については全力を尽して、あらゆる方法を講じたけれども、遺憾ながら水産庁案というものは通らなかつた。そのようなことから、委員会といたしましてもこれを黙視するわけにいかぬので、これは直接大蔵大臣並びに銀行局長に当つた方がいいということから、前国会におきましては、数度われわれは大蔵大臣に折衝したのであります。また委員会においても大蔵大臣に質問をしたのであります。当時委員の質問が悪かつたかどうかはわかりませんけれども、四十億や五十億というようなけちなことを言うな、必要な資金は出してやるのだ、こういうふうなわれわれが唖然とせざるを得ないような、また耳をひつぱられてぼたもちをごちそうになつたような答弁があつたのであります。しかしながら財源の問題でさらに心配がありましたので、大蔵大臣にこの財源についての個人的折衝をわれわれがしたところが、財源はあるということで、われわれは大蔵大臣の答弁されたことに安心をして、また事務当局であり、また担当局である銀行局も、これは大蔵大臣と相談をされて、もう自信ありというようなことをわれわれは今日まで考えておつたのであります。ところ私らが国会の閉会なか中にいろいろ各地方から聞いてみますと、いまだに自信がないということで、不安でありますので、本日会合を開いて水産長官から説明を求めましたところが、大体全国から八十億の要求があり、そのうち三段構えでこれを資金化して行くということの説明があつたのであります。そこでこれは大蔵大臣と銀行局長とに食い違いがあるとたいへんなので、それを確かめておきたいのでありますが、第一の問題は、国債の整理基金特別会計の買上げは、水産庁では四十億とせられたいとの要望であります。前国会においては大体三十五億ぐらいはできるだろう。五億の差でありますので、これは銀行局長の腹がそこにあれば、五億ぐらいのものは何でもないとわれわれは考えますけれども、銀行局長はこれに対しまして、四十億出すだけの用意ができるかどうかというこの問題であります。われわれはどうしてもこの資金の獲得をしなければならぬのであるから、この四十億という水産庁案は是なりとせられまして、ここに買上げの四十億の財源の点において、はたしてできるかどうかという問題を第一に伺いたい。
 第二の問題は、国債銘柄の整理に伴つて、これは資金の運用部から二十億くらいは農林中金を通じて買上げに充当せられたいという水産長官の要望であり、また水産庁長官が説明しておるのでありますが、これらのことのができるかどうか。この二点について大蔵大臣はわれわれに自信満々たる説明をしているのであります。そこで大蔵大臣も、もちろん事務当局にそれだけのことは通じてあるものと思いますが、この六十億という問題は、当初からもれわれがどうしても買上げをしてもらはなければならぬということで要求しておつたのであります。この点について、銀行局長ははたしてこの二点がはつきり資金化できるかどうか、ということよりも、でかしてもらわなければならないことでありますので、御答説を願いたいのであります。
 さらに第三点は、大体その足らず前、すなわちあと二十億の問題は、中金の手持ち資金等で操作してもらいたいという考えで折衝しているという水産庁長官の話でありますが、聞くところによりますと、中金にはそんな金はありはしない。農業から集めた金を漁業の方にも六十五億という最高限度の融資をしているので、できないのだ、こういうことを言つているということを、私は北海道で聞いて参つたので焦ります。従つてこれらについて水産庁長官は折衝の過程において二十億出し得るようないわゆる自信があるかどうか、水産庁長官はどういうふうな感じがしたかどうか。
 それから銀行局長におかれましては、中金は政府の方からその資金に充てるだけの資金を流用してもらえれば、二十億でも、三十億でも出そうと言つておるということを聞いたのでありますが、中金の言われる通り、その二十億なり、三十億なりの政府資金を融通してやる御意思があるかどうか。この点についてまず銀行局長からお伺いし、さらに水産庁長官からも、自信があるかどうかということについて御答弁を願いたいのであります。
○河野説明員 漁業権証券の資金化の問題につきましては、前国会からお話のように、いろいろ強い御要望を承りまして、それ以来引続き検討を続けて参つたのであります。ただいま水産庁長官からお話のように、水産庁としての、と申しますか、農林省全体としての御要望、御計画を実は最近入手したのであります。今お話を承りましたが、大蔵省といたしましては検討を続けている最中でありまして、非常に残念でございますが、私としては、具体的に今確定的な金額を申し上げるまでに至つておりません。
 第一点の国際整理基金特別会計からどの程度の買上げ償還ができるかという点と、第二点の預金部の金でもつて――これはやり方は幾らでもあると思いますが、要するに結論的には、漁業権証券を持つ金を預金部からある程度出すという問題と二つ実はあると思います。これは今お話がございましたように、水産庁の方としては、前者について約四十億、後者について約二十億と言つておられますが、私どもとしては、特に両方を区別して考える必至は実はないと思うのであります。場合によつてもしこれが必要であるということになりましても、国債整理基金特別会計の方からの資金繰りから見て、その方で相当程度ふやして行けるということになれば、預金部の方の資金を使うことは必要ないかもしれません。要するに御要望の六十億というものが必要であるか必要でないかということは、もう少し検討を要すると思いますが、もし必要であるということになりますれば、預金部を通して出すか、あるいは国債整理基金特別会計の方を通じて出すかということは、いわばむし技術的な問題でありまして、どちらの方法でも資金を獲得できればよいのだというふうに考えております。従つて二十億は必ず預金部から出さなければならない性質のものでもないというふうに考えております。
 なお今お話がありました預金部の方で持つている国債の銘柄を整理することによつて、約二十億の国債償還が近くあることはお話の通りであります。ただこれは預金部全体の資金の充実になるだけの話で、これにひもをつけて、これを必ず漁業関係の方の資金にまわすということはなかなかむずかしいわけであります。最近預金部の方としては、これは皆様方に直接関係がたいかと思いますが、中小金融の方へもある程度預金部の資金を使つて参りたいというような希望を持つております。またこの点はまだはつきり申し上げられませんが、その他の特別会計等において、預金部の資金にまたなければならぬ支出というものが相当あるだろうと実は見込まれますので、それらも全部考えて預金部資金の運用ということをやつて参らねばなりませんので、必ず二十億が国債の銘柄整理によつて、それだけ預金部の資金がふえるのだから、それにすぐひもをつけて漁業権の関係の方にまわすわけには参らない。全体の預金部としての資金繰りを見ました上で、各方面からの需要とにらみ合せて、その資金を配分して参らねばなりませんので、必ずしもそういうひもをつけるというわけには参らないと考えております。
 それから今お話のように、八十億なり八十五億の金額が本年度として資金化を要するものであるということが水産庁からも言われております。先般の国会において大蔵大臣から――私もお聞きしましたが、当委員会で、四十億とか三十五億とかそんなけちなことは言わぬでもというお話を私どもも聞いております。そのときに大蔵大臣の申し上げたのは、おそらく、必要な資金は何としてでも支出しなければならぬ、どうしても政府が資金としてまかなわなければならぬ金額がどの程度になるかということは、これもよく当つてみなければならぬ、こういう意味で申し上げたのだと思います。これは多々ますます弁ずるという点もありまして、八十億が最小限度に必要であるか、百億が最小限度に必要であるかということは、いろいろな計算のやり方もあると思いますが、いわば程度問題もありましようから、そこらあたりの金額の問題については、これからやはりじつくり検討いたさなければはつきり言えないと思います。大蔵大臣も、必ずしも水産庁から御要望のあつた金額を幾らでも出そうということを申し上げたのではないというふうに私どもは了承」ているわけであります。そういうわけで、別に私も責任を全部水産庁に転嫁する気持はございません。私どもとしても、責任上十分まじめに検討して、もしこれだけは、どうしても整理基金の方で調達しなければならぬというものについては、何らかの形で調達するように努力したい、かように考えております。
 それから第三点の農林中金のお話でありますが、これは水産庁長官からお話願つた方がいいかと思いますが、少くとも農林中金に対して、政府の資金を漁業権証券の資金化のための資金として、特別に別のわくでもつてつぎ込むという方法は今のところ考えておりません。農林中金に対して預金部等から財源の引受としてこれを供給いたしております。今後もこれはできるだけそういう形で預金部資金をもらいます限りにおいては、農林中金の財源の引受を進めて参りたいと考えているわけであります。何分にも農林中金自体の資金繰りのうちで、水産関係にどの程度をまわすがいいか、あるいは農林関係にどの程度まわすのがいいかということは、これは私どもはいろいろ関心は持つておりますけれども、何しろ専門的な立場から農林省全体の調整によりまして、農林中金が持つております資金を農業関係にどの程度、あるいは林業関係にどの程度、水産漁業関係にどの程度充てるということは、おのずからこれは水産庁の立場、すなわち農林省全体としての立場からしての御判断にまたなければならぬ。従つてそこから出て参りましたものに資金をどうつけるか、これは極力私ども考えて参りたいと思いますけれども、特別にこのために政府の資金を別のわくでもつて、別のルートで流すということは、現在のところ考えておりません。
 それからもう一点は、先ほど水産庁長官からお話がありましたが、日銀に国債の銘柄整理によつて十億程度資金が入ると思います。これをやはり今お話のようにひもをつけて農林中金に流すことの問題でありまして、これはなおさら預金部一般金融の問題にかかるのでありまして、そこへひもをつけて行くということはなかなか困難であると私どもは考えております。
○川村委員 ただいま私の質問に対しまして銀行局長から詳細な御答弁がありました。要は水産庁は三本建で漁業権証券の資金化をはかるという方針をとつております。それから銀行局長は、まず水産庁が要求している八十億がはたしてほんとうに必要な資金かどうかという問題にかかつている。ほんとうに必要な資金だとするならば、形は三本で行かなくても、一本でも、いわゆる国債整理の買上げ償還でも何らか方法がとれるのじやなかろうかという、必要だという資金は出してやろう、言いかえればこういう御答弁のように私は承るのであります。そこで大蔵大臣の腹とこれを比べてみますと、大蔵大臣は銀行局長の言われるように、必要な資金は出してやろう、かつての国債は三分三厘かそこらの金利である。今漁業権証券は五分五厘の債券を発行している。しからば国家的に見て五分五厘の高い金利を払うより、財源さえあれば必要な資金はこの方からまかなつてやることが妥当だ、国は得をする。事業者も非常な利益になる。この方法が一番いいのだ、そこで財源だということをわれわれ話たところが、財源は自信がある、こういうことであつて、結局水産庁が大蔵省に提出するところの漁業権証券の資金化の計画そのもの、すなわち漁業にしろ、あるいはいろいろな高度利用の施設なり、あるいは漁港の施設なり、いろいろありましようが、こうしたものの施設に必要な資金がはたして八十億あるかどうかという問題にかかつておるようであります。そこでこの問題を明確にするために何らか方法を講じなければならぬということで、前国会におきましてわれわれは、漁業権証券資金融通組合というような原案を出して、そこで全日本の都道府県から出て来ますところのものを検討しよう、掘り下げて末端まで検討して、これがどうしても資金化に必要だからという案でまとめて、そうして大蔵省から出すような方法をとろうということで取上げたところへ、水産庁でちよつと待つてくれ、また銀行局長も、立案当局は水産庁であるから水産庁からも出した方がいいのではなかろうかという意見もありましたので、われわれは一歩譲つて水産庁に立案さしたところが、漁業権証券資金化協議会というものを設立して、そこで計画が正しいものであるかどうかという問題を判定して資金計画をまとめよう、こうなつて、すでに都道府県にこれを通達し、さらに都道府県では目下検討しておるようでありますし、北海道では条例をもつて数日前にこれを設置することになつたのであります。従つて各都道府県から正確な数字が現われるものと私は期待をしております。ただ当初水産庁のまとめましたところの八十億というものは、資金化を急ぐということから、大蔵省に腹をきめさせるために各府県から急造の計画を出して来たもので、それをまとめたものが八十億になつたとわれわれは考えているのであります。しかしこれはほんとうに末端まで、漁業制度改革はかくしなければならないということを徹底して、その資金化をはかろうとするならば、おそらく巨億でも足りますまい。百七十八億の総額を一挙に資金化してくれという要求があると私は考えるのであります。そこで、水産庁で提出されました八十億案というものを、まだ大蔵省では、特に銀行局長が疑つておるようでありますが、私は疑うどころでなく、水産庁はむしろ八十億という線で押えて行つたのではなかろうか、北海道だけでも八十億では足らぬ。しかし割当は五十一億四千六百万円しかないから、それ以上資金化しようつたつてできませんから、いたし方ないのでありますが、おそらく全国的にこれをほんとうに資金化協議会が検討しましたならば、百億を下らない、かように考えておるのであります。とにかくわれわれは水産庁案というものがむしろ不足に過ぎるのではなかろうかという危惧を持つておるものでありますから、銀行局長は、必要な資金は、八十億は最小限度であるというふうに頭を改めてもらつて、そうしてまずもつて八十億の線に向つて資金化できるような方法を講じてもらいたいというのが、私の願いであり、またおそらく各委員もかような考えを持つておるものと思うのであります。われわれは水産庁案たるこの三本で行こうと、二本で行こうと、一本で行こうと、漁業制度改革に必要な資金が――今第一次案たる八十億がまかなえればけつこうなのでありますが、その方法等においては銀行局長に一任いたしますから、どうかこの八十億の線を堅持できるように、資金化の方法をすみやかに講ぜられんことを、私から強く要望する次第であります。
 次に漁業権証券の課税の問題でありますが、われわれは当初は無税にしなければならぬ、国の施策によつて漁業権を買い上げて、その代償に証券をやるのですから、好むと好まざるとにかかわらず、これはどうしても国がやるものであるから、国としては無税にすべきだという主張をして参つたのでありますけれども、いろいろな事情から考えてみますと、必ずしも無税でなくともよろしい、税に相当する額を増すなり、あるいは漁業制度改革の資金にこれを均需するなり、あらゆる方法を善意にとつてもらうならば、われわれはよろしい、とられることはやむを得ないということで、一応水産委員会におきましては、大体個人並びに漁業協同組合の六%の再評価の財産税に相当するものをとられてもよろしい、だが先ほども申し上げましたように、資金化の問題とさらにこれを何らかの形で均霑するような方法をとれという附帯条件のようなことで、租税の一部改正を通したのであります。ところがこれが大蔵委員会でストップし、さらに現在では、参議院の大蔵委員会並びに水産委員会で取上げて、無税にすべきであるといつたようなことや、それからかりに課税するといたしましても、漁業協同組合だけは無税にしろ、それから現在の租税特別法の一部改正が通過した場合でも、個人が漁業協同組合から配分を受けた時分には、当初の説明から行きますと、これは所得税ならあるいはそれに附帯した税金がかかるということは、われわれももちろんそう思うのでありますが、漁業協同組合にこれを出資する場合でも、個人もしくはその出資を受けたところの協同組合に課税をするのだというように、地方の財務局あたりで判断をしておるようでありますが、これを明らかにしてもらわなければ、漁民に非常な迷いを生じ、混乱を来すおそれもありますので、この税の問題で今長官から簡単な御説明があつたのでありますが、さらに私が先ほど申し上げたように、ほんとうに六%よりあの税金がかからぬのかどうか。それから今大蔵委員会なりあるいは参議院で取上げているように、団体は無税になるという見通しがあるのかどうか。それから漁業協同組合に出資する場合、これがいわゆる個人の所得になるから、個人にかかる、あるいは漁業協同組合が財産が増加するというので、利益になると見られて、これが税金がかかるのかどうか。この三つの点を明らかにしたいので、長官の御答弁を願いたいのであります。さらに大蔵当局に御答弁を願いたいのであります。もし私の言つたことがはつきりおわかりにならなければ、当局からさらに、こういう点はどうだという逆な質問を受ければ、よく説明を申し上げて、御答弁を願いたいと思います。
○久宗説明員 先ほど長官から所得税の問題につきましてごく概括的な説明をされたのでありますが、なおそれをさらに詳細に申し上げますと、これは大蔵省から泉課長もお見えになつておりますので、あとでお話があるかと思いますが、従来参議院の委員会にたびたび出席いたしまして、その間小委員会でおきまりになうたまでの段階を承知しておりますので、それを御報告申し上げます。
 この前にこの委員会でもお話がありました通り、一応租税の問題につきましては、再評価という線がすつと出ておつたわけであります。それにさらにいろいろ疑義があつたわけであります。特に組合員たる個人に対する所得税の問題にいろいろ疑義があつたわけでありますが、その後の大蔵省とのいろいろ折衝の過程で明らかになりました点は、漁業会から脱退いたします組合員に対しまする課税は、残余財産の分配になりますので、これは個人のみなし再評価の部分と所得税と二つがかひります。みなし再評価をされたそれより越える分については、脱退する組合員につきまして当然に所得税がかかるわけであります。これから漁業会が解散いたしまして、これが協同組合に引継がれるわけでありますが、その際持分をもつてその分割の内容をきめておりますので、新しい協同組合に行きました場合に、前の漁業会の会員だつた者が持分を取得することになつておりまして、さらにそれを出資に引当てることができることになつております。この点について非常に疑義がありまして、その際みなし譲渡あるいはみなし配当というようなことで、所得税がその段階でかかるのではないかという点が国税庁方面から出ておつたわけであります。これは小委員会の過程におきまして大蔵省当局の弁明を聞きますと、主税局と国税庁との間に十分の、話合いがつきまして、国税庁長官から、この点についてはその段階では所得税はとらないという旨の通牒をお出しになるというところまでのお話を聞いております。その通牒の内容については、まだ私どもの方としては見ておらないのであります。この点は呪ういうことで、小委員会ではこれをはつきり法律で規定しようかという話まで出たのであります。昨日の小委員会ではその必要はなかろうということで、きようの午後の本会議にその問題が出るように聞いております。これと関連しまして、地方税の問題が残つておつたわけでございまして、一つは清算所得という問題があつたわけでありますが、これも大蔵当局のお話を伺つてみますと、その心配はない。これもはつきり参議院の委員会において言明されております。またこの所得税と関連)たしまして、市町村民税とかそういう問題があるわけでございますが、これにつきましては、地方税としてはまた一応独自の建前で、そういう問題を考え得る理論的な建前にはなつておりますが、納税義務者の便宜を考えて、法人税及び所得税関係の扱いにならつて取扱いをきめるというふうになつておりますので、この点も問題がないというふうに、これも昨日地方財政委員会の担当者の方が見えまして、そういうふうに明確に言明しております。
 個人の漁業権者につきましては、これはもちろん再評価税だけがかかります。所得税はその関係においてはかかりません。
 なお残る問題といたしましては、漁業協同組合員になつた方と協同組合の関係でございますが、補償関係で来ました金を出資に引当てるか、あるいは他の何か積立金にいたしまして、持分を取得するというような関係になつた場合に、税の扱いが違うというような疑義があつたわけでありますが、この点も必ずしも出資にしなければならないということではなくて、出資にしても、持分にしても、そのときに税をかける、かけないという問題については、同一に取扱うという言明を得ております。ただ将来解散をいたしましたり、あるいは脱退ををいたしました場合に、そのときに初めて持分が実現するわけでありますから、そのときにおける所得税の問題がまだ残つておるわけであります。
○泉説明員 大体のことはただいま久宗室長からお答え申し上げた通りでございますが、なお補足して申し上げますと、御承知のように、租税特別措置法の一部を改正いたしまして、今回漁業権の消滅によつて交付されます補償金につきましては、原則において再評価税だけを課する建前にいたしたいと考えまして、衆議院の大蔵委員会並びに本会議の方は前国会におきまして御決議を願つたのでございますが、参議院の方へまわりまして、参議院の方でどうしても無税にすべきではないかという御意見が相当強く出まして、継続審議ということになつておる次第でございます。その後継続審議については、どういうふうになるかまだきまつておりません。ただ昨日までの段階におきまして、大蔵委員会の小委員会におきまして修正案が出ました。その修正案と申しますのは、漁業会に交付されまする補償金についてだけ免税にしたいという趣旨に承つております。ただこの修正案がどういうふうになつて行くかということは、今後の参議院の御様子で、私どもの方としましては、現在は予測することはできないのであります。
 従いまして現在の改正案を前提としました場合の課税関係がどうなるかということについて申し上げますと、先ほど久宗室長からお話がありましたように、まず個人の場合は補償を受けて、再評価税だけであることは申すまでもないのであります。それから会社の場合も同様でございます。漁業会に対しまして補償金が交付されました場合には、これも漁業会の段階におきましては六%の再評価税にとどまるわけでございます。ただ御承知のように、漁業会は補償金をもらいますと解散することになります。そうして漁業会の会員で漁業協同組合の組合員にならない方につきましては、残余財産の分配が行われるわけであります。残余財産の分配につきましては、出資額は財産税調査時期におきまして、財産税評価額がきまつておるわけでありますが、その出資額に対しまして再評価法の規定による倍率を適用した範囲までは六%のみなし再評価税、それからその再評価額を越えて残余財産の分配がありますと、それに対してみなし評価所得ということになるわけであります。
 さらにこまかく申し上げますと、現在の漁業会の解散時における資産につきましては、従来の積立金がございますと、これに対してはみなし配当としまして課税になりまして、その二五%は配当控除の恩典に浴することになるわけであります。しかし御承知のように、漁業協同組合へ移りませんで、脱退する人は非漁民でございます。戦時中の統制などのために漁業会に入つた方が多いように承つておるのでありますが、この方につきましては、ある程度課税することになるのはやむを得ないと思うのでございますが、実際問題としましては、所得税の控除の関係からして課税を受けることはほとんどないのじやないかというふうに思つております。ただ所存曲の他の所得が相当多額の人でありますと、この上にプラスになつて課税になる場合があろうかと思います。こういつた場合があろうかと思いますが、そういう場合は比較的少いのではないかというふうに思つております。
 それから漁業会から漁業協同組合の会員となりまして、その人の持分が漁業協同組合に移ることになるわけでありますが、その人につきましては、先ほどもお話がありました通り、出資に振り当てました場合におきましても、また持分のままで持つておる場合におきましても、その際には譲渡所得の課税は行わないということに国税庁と意見が一致いたしました。ただ末端の税務機構において疑義があるといけませんから、通達を出しましてはつきりさせたいと存じております。その通達は法律案が通過いたしませんと出すわけに参りませんので、その法律案の通過を待つておるような次第でございます。
 それから漁業協同組合に漁業会の財産が移つた場合に、漁業協同組合に対して課税するかどうかというお話がございましたが、これは御承知のように、水産業団体の整理等に関する法律におきまして、課税をいたさないように規定ができておりますので、その御心配はなかろうと存じます。
○川村委員 漁業権証券の課税の問題については、現在政府が提出をしております租税特別措置法の一部の改正案が、いわゆる衆議院のまま通つた場合の課税の問題についてはわれわれも十分わかつたのであります。そこで目下参議院で、漁業協同組合の証券、つまり漁業会から漁業協同組合に移管されるところの専用漁業権等の漁業権証券については課税するなということで、いわゆる継続審議になつておるということでありますが、これと資金化の問題とは関連がないのだとわれわれは解釈しておりますけれども、もしそのことが混乱に陥つて、さらにまた国家の税の財源が不足になつたとかいろいろなことから、今度の漁業権証券の資金化が遅れたのでは、いわゆる角をためて牛を殺したことに相なるのであります。極端に言えば、言いがかり上それでは資金化はもう少しあとまわしというように大蔵当局に感情に走られたのでは、われわれ漁民はまつたく窮地に陥つてしまうのであります。もちろん漁業協同組合は、この漁業権証券の移管と資金化についての問題を首を長くして待つておる。かようなことがわかつておるがゆえに、われわれは大蔵省の面子も考え、さらに大蔵省では当初百七十億の補償をするというのに対して、百七十八億、すなわち漁業協同組合に移管さるべき漁業権証券に該当するだけのものが増額されておるというようなことからわれわれは一応了承いたしまして、租税特別措置法の一部改正を通したのであります。従つてもし参議院でいわゆる修正案が通れば、われわれも望むところでまことにけつこうでありますが、そのために時間を費し、さらにいろいろ混乱から資金化が遅れる憂いがないでもないというわれわれの想像もありますので、その点について大蔵銀行局長は、たとい現在参議院で審議しておりますところの租税特別措置法の一部の改正におきまして修正案が通つたといたしましても、いわゆる必要な資金であれば出してやるという意思にはかわりがないかどうか。さらに時期的にもかわりがないかどうか。この二点と、さらに先ほど私が御質問申し上げた中に、今水産庁が出された八十億というものは最低線である。むしろ資金化協議会が協議をしてこれを完全に出すというと、百億にも百二十億にもなるのではないかというようなことを申し上げましたが、この八十億の最低線を一日も早く資金化するというような御意見はないものかどうか。この三つの点をお伺いしたいのであります。
○河野説明員 参議院の方で修正案が今出ているように承つておるのでありますが、この問題は、先ほど来お話が出ておりまする漁業権証券の資金化の時期並びに金額等については直接影響はないと思います。ただ参議院の修正によりまして、税額が若干減額されることがある場合におきましては、この税のための資金化の問題も必要とすれば、その金額は税が減るだけ少くなるということは当然あり得るかと思います。この点も、もう少し参議院の方の経過を拝見いたしませんと、何といいましても私ども国会の方のことはよくわかりませんので、その点だけは的確には申し上げられません。
 それから最後のお話の、八十億が最低であるからぜひ何らかの形をもつて資金化しろということは、御要望としてよく承つておきます。
○川村委員 水産庁当局と大蔵省当局の間に何かまだ割切れないものがあるのではないかという感じがするのです。それはむしろ質問というよりも、割切れない点があつたならば、委員会と大蔵当局と水産庁と、三者の間で懇談的に話し合つて折合いをつけた方が早いのではないかと思われるのですが、この点について局長並びに水産長官はどういう考えを持つておるのでありますか。つまり私の申し上げますのは、役所と役所がお互いに角を突き合せておつたのではなかなか時間がかかるから、委員会から小委員会でもあげて、三者一体となつてこの資金化の問題を本腰を入れて相談したならば、金額の問題でも、それから時間でも、決定するのに相当早いのではないかということを考えるのですが、その点について両者の御意見を承りたいと思います。
○川端委員 関連質問をいたします。私は先ほどから川村委員と政府当局の質疑応答を聞いておりまして、はなはだ不満足に感ずるのであります。従つてここで先ほどの質疑に関連して、もう一ぺん私から確かめたい。簡単に伺います。
 今、川村委員からもお話がありましたが、八十億の資金化の問題について水産庁は、あるいは資金繰りの方法等について銀行局内で考えられるのであろうというような点あたりを盛んに申しておられるようであるが、そういうことは銀行局にまかしたらいいと思う。八十億は緊要の資金である。従つてこれを証券をもつて資金化して行きたい。こういう緊要なる問題であるという点を、いかように銀行局長その他大蔵当局に認識を与えたのか。私たちはその点が実にはつきりしないのであります。今、川村委員からも、何だかわだかまりがあるような気がすると申しておられたが、まつたく同感であります。この八十億の意義について、どの程度まで銀行局長に認識を与えておるのかという点をわれわれははなはだ疑わしく思うのでありますが、この八十億の説明を銀行局長の前で水産長官がもう一ぺんはつきりと説明してもらいたい。
 それから銀行局長に二、三の点を伺いたいと思う。
○松田委員長代理 川端委員に申し上げますが、もうその必要はありません。
○川端委員 それでは銀行局長は水産庁長官からこの事情についてはすつかり伺つているものとして伺います。われわれもしばしば大蔵大臣から話を伺つており、あなたもそばで聞いておられた場面も多い。そうしてあなたも大蔵大臣の考え方はよくわかつていると思うが、先ほどのお話を聞いておりますと、見通しというものがはつきり立つていない。あなたはこの資金化の見通しについて、八十億の額についてもまだはつきりと八十億でよいのかどうかわからぬというような話である。従つて私は水産庁長官に八十億の意義をもう一ぺん説明してくれということを言いたくなる。従つてあなたは八十億の意義がわかつているものとして私は伺うのであるが、あなたは資金化の見通しをどういうふうにつけておられるか。簡単にまとめて申し上げますが、委員会の代表が大蔵大臣に最近会つた。大蔵大臣は渡米の前に方向をはつきりと協議をしてきめて行きたい、こういう言明があつたのでありまして、先ほどあなたはまじめに考えたいということでしたから、ほんとうにまじめな答弁をしていただいて、漁民が渇望しているのでありますから、ここでもう少し責任のある言明を願いいたいと思うのであります。
○河野説明員 水産庁長官並びに水産庁関係の方々からは十分御説明を伺つております。それから水産庁と私どもの方との間には、別段わだかまりその他はございません。ただこれは普通の予算の折衝の場合においても、おのずからやはり大蔵省と他の省とは、いろいろな問題で意見の相違は起つて参ります。しかしこれはわだかまりとか何とかいうことではございません。十分検討して参りたいと思います。
 それからただいまの御質問でありますが、一体どの程度の金額を資金化するつもりであるかというお話については、先ほど川村委員の御質問にお答えいたしました通り、現在一生懸命になつて検討を加えております。これは私どもの方だけの関係ではございません。内部のことを申し上げてはなはだ申訳ないのでありますけれども、主計局方面、あるいは理財局方面とも関係がございます。それから先ほど来たびたびお話のありました通り、大蔵大臣の意向もはつきり確かめた上でありませんと、私どもとしては責任ある具体的な御答弁は申し上げることはできないわけであります。大蔵大臣から、渡米前にこの問題を解決したいというお話があつたようでありますが、私はきよう初めて実は伺うのであります。いずれにしても、ぐずぐずいつまでも延ばしておくことはいたしたくないと思つております。なるべく早くこの問題を解決したいという気持でおりますけれども、いつまでにこの問題を解決するかという点については、今はつきりと日にち等について申し上げられません。
○松田委員長代理 銀行局長に申し上げますが、川村委員、川端委員の質問にいたしましても、資金化の問題を非常に急ぐためにかように申し上げているのでありまして、大蔵大臣の渡米前に急速にこの問題を解決していただくように、しかも大蔵大臣からこの前発言があつたように、三十五億や五十億でなく、水産庁が要求している八十億に該当する程度におとりはからいあらんことをお願い申し上げるのであります。銀行局長は通産委員会から出席を求められておりますので、この程度で打切りたいと思いますから御了承願います。
    ―――――――――――――
○松田委員長代理 先般さんまの漁期について政府はその方針を決定しているのでありまするが、これが取締り対策について政府はいかなる方針をもつて臨もうとするか、その説明を願いたいという川村委員からの申出がありますので、水産庁の説明を願います。
○藤田説明員 さんまの問題については非常にいろいろ御意見が出たわけでありまして、その経緯は御承知かと存じておりますが、漁期につきましては、水産庁においていろいろ検討をいたしました結果、北海道の特例として認めます漁期は、これを八月二十五日というふうに一応きめたわけであります。そして具体的な漁期決定は、その後の回遊条件等を調査いたしまして、現地で決定をするということに規則で相なつております。十一日の現地会議におきまして本年の回遊条件等を調査いたしました結果、これを繰上げるというふうなことの理由はないように考えます。会議の結論といたしましては、当初通り二十五日から解禁するということにいたしたわけであります。なおこの取締りについては、やはりいろいろ北海道方面から陳情もたくさん参つておりますが、水産庁といたしましては、当初の方針に従つてこれをやつて行きたい。またそれの取締りについても万全を期して行きたいと思つております。
○井之口委員 ただいま資金化の問題や、あるいは漁業権に対する税金の問題等が論ぜられておりますが、これらの問題についても、講和の問題が一体どうなつて来るか、この講和のいかんによつては資金の額も違つて来るだろうし、水産庁行政の上においてかなり大きな変化がなければならぬと思うのであります。そういう意味でどうしても今日――昨日総理大臣は講和に対するところの意見を述べられている状態でありますので、これが非常に重大だと思う次第であります。ところが昨日の総理大臣のお話を聞いていると、水産の方面に関する何らかの協定も、もうこれ以上は講和においては討論されないように、前のダレス会談において、あの書簡において決定しているかのごとく聞えるのであります。してみますと、今日の状態がこのまま講和後も持続されるのであろうか、もしこれが持続されるとすれば、非常にゆゆしい問題になつて来るので、今日の漁民大衆というものは、講和にでもなつたらマツカーサー・ラインも広がるであろうし、あるいはそのほか日本の漁業の発展する方向も進んで行けるだろう、こういう大きな期待を持つている。しかるにこういう問題が講和で何ら論じられず、この間行われたところの書簡でもはや前もつて決定されている。言いかえてみますと、アメリカだけとの単独講和でもつて、この水産問題はきまつているという結論になつて来るというと、現在の状態をそのまま将来にかけても維持するものではなかろうかと思う。水産委員の方々にとつても重大な関心事であられるだろう、かつ心配なことであられるだろうと思いますが、北方方面、べーリング海、オホーツク海方面あるいは日本海、東支那海方面に対するところの将来の漁業協定の問題はどうなるか。これは全面講和において……。
○松田委員長代理 井之口委員に申し上げます。率直にこのさんまの問題に対して御質疑を願いたいのでありまして、それがないとすれば発言を中止させます。
○井之口委員 率直にさんまの方面にも言及したいと思います。せつかく委員長の公明正大なるところの言論のさばき方でありますから、しばらくのごしんぼうを願います。
 さてそういう状態でありますと、やはりさんまの問題に対しましても、これは北方から流れて来るところの寒流関係にも大きな影響を持つのでありますが、マツカーサー・ラインというものは将来どうすることもできないものになるのか。全面的な講和をしない限りは、日本の水産業はにつちもさつちも行かなくなるのではなかろうか。あるいは西部方面で拿捕される船に対して保障の問題なんかも起つておりますが、これが激化して来るということになりますと、ゆゆしき問題が将来において起つて来ると思うのであります。その点もはや水産庁においては――例の吉田総理大臣のお話を承つてもわかる通りでありまして、大体きまつていなければならぬと思うのですが、いかがなものでありましようか。それを一つ。
 それから、あとは簡単な問題ですが、まず六十億なりあるいは八十億なり漁業権証券が資金化されるといたしまして、そのうち新しく協同組合なんかに入らないで、もうすでに漁業から出て、不在地主的なものはどれくらいになるか、それからそういうものに対しては、今度課税もやはり依然としてやられるそうでありますが、この課税額なんかも一体どれくらいになつて来るのやら、総体的に……。
○松田委員長代理 井之口委員に申し上げますが、その問題は前にとうに論議されて、数字もはつきり出ておりまするし、前の速記録を読むとはつきり現われております。今議題が別な議題になつておりますし、時間もないのですから、ただいまの井之口委員の二つの質問に対しては、長官は答弁の必要はありません。
○井之口委員 総理大臣の昨日の演説に関連するのであります。から、水産庁長官のこれに対する明確なる御答弁を願いたい。
○藤田説明員 漁業の問題は、御承知の通り現在示されております平和条約の第九条に規定がございます。そうして今後日本は、希望する各国との間においてすみやかに漁業協定を結んで行くという原則が示されておるわけであります。それ以外に漁業に関する条項はございません。私どもといたしましては、平和条約が成立をいたしますると、当然従来のいわゆるマッカーサー・ラインというものは解消してしまうものと考えております。でありますから、日本は公海においては自由に行けるわけでありますが、しかしながら吉田ダレスの書簡によりまして、各国と漁業協定を結ぶまでの間、つまり平和条約が成立をいたしまして、それから漁業協定を結ぶまでの間におきましての態度は、これは従来各関係国の間において保存的な措置の講ぜられておるところの漁場であつて、しかも一九四〇年に出漁しおらなかつたような所には行かないということを明言をしておるわけであります。従つてその範囲内において、日本は自主的に守る、へきところはこれを守つて出漁させて行くということに相なると思います。そしてすみやかに関係の国との間に漁業協定を締結をする、漁業協定成立のあかつきは、その協定の趣旨に沿つてこれを守つて行く、かような段階になると考えます。
○松田委員長代理 さんまの漁期に対する長官の答弁に対しての質問だけにしてもらいます。
○川村委員 さんま漁業の問題について大体長官から説明があつたのでありますが、もちろん漁期決定に至りますまでにいろいろな経緯を経て、波瀾曲折があつて、ようやく八月二十五日にきまつた。一口に言えばそういうよう
 なことに相なつたのでありますけれども、そこに至るまでには相当の長い期間といろいろな角度から論議のあつたことは御承知の通りでありますそこで一応きまつたことはやむを得ないのでありますけれども、海況、漁況その他を調査いたしまして、漁期の変更もすることができるような省令になつておりますが、北海道におきましては、八月十一日に試験場からの発表によつて、海況、漁況等を調査した結果、潮流が今急に変化があつて、ただちにさんまがその方面にいなくなるようなことがないから、繰上げる必要がない、ゆつくりとつても十分にとれるのだというような発表があつて、二十五日から解禁をすることに確定したようなことに相なつたのであります。そこで私は沿岸漁業という角度から、簡単に、さんま漁業と関連して伺つてみたいのであります。
 御承知の通り今や日本の沿岸漁業は衰退の一途であります。なぜかというと、これは一口に言えば資源がなくなつたということに尽きておるのでありますけれども、沖合漁業が非常に発展したので、いわゆる回遊漁業等は、沿岸に来ない前にとられてしまうということが一つと、それからせつかく沿岸に来ましても、現在の零細漁民の漁掛方法、さんま漁業でいうならば、十トンか二十トンの船で操業するような零細漁民が、とるところまでせつかく来ておつても、他の漁業に略奪されるためにとれないといつたようなこともあります。もちろん海況、漁況その他、いろいろな潮流等の関係もありますけれども、こうした先ほど申し上げたような事情が最も大きな原因をなしておると考えておるのであります。そこでわれわれ零細の沿岸漁民とすれば、特に定置漁業のごとき、あるいは十トン、十五トンの船で、ほんとうの沿岸を操業する漁民は、沿岸に来たときにとるということでなければ――せつかく魚がそこに来ても漁期が到来しないためにとれなかつた、そのうちにいろいろな潮流の変化等によつて沖合いに出てしまつた、前沖にはあるけれども、陸岸から距離が遠くなつたといういう場合には、魚を見つつもとれないということが、今日までの常識であり、またこれからもおそらく私はあることだと思うのであります。そこで試験の結果、さんまが来ておるということは明らかであります。それからさらに松田委員長代理が班長となつて、特に釧路、根室にさんま漁業の調査に行つたのであります。私も同道して行きました。その際に流し網をやつておる。すなわちさけ、ますの流し網をやつておる人たちのことを聞きましても、あるいは試験船のお話を聞きましても、相当に魚が来ておる。今出れば、ただちに大漁をするのだ。しかし漁期がまだ来ておらないので、遺憾ながら出漁させることができないし、出漁することができないために、さんまをとることができないというお話があつたのでありますけれども、われわれは波瀾曲折があつたとはいえ、一旦八月の二十五日に北海道は解禁するということに決定した以上は、魚をとつて来いと言うことができなかつたのであります。もう少しわかりやすく言うならば、法律が定まつた以上は、法律を犯してまでもとつて来いと言うことができない。立場が立場だけに遺憾ながらそう皆さんに言わざるを得ない。皆さんの気持はわかる。しかしながら水産庁の腹も実は八月の十五日、遅くとも二十日には許すということであつたのでありますけれども、前農林大臣が突如として八月二十五日に決定しろということになつたために、八月二十五日に今の農林大臣も決定せざるを得なくなつたという経過がありましたので、試験場並びに道庁と相談をして、業者は同じ漁獲をするのにも、そこに違反行為の成立しないようにとつてもらいたい。極端に言うならば、五日や七日は、ほんとうに魚が来ておるならば、試験的に繰業をすることも、やはり相談の結果ならいいでしよう。但しこの魚は内地の方に出してはいけないぞ、こういうことを言つて来たのであります。
 漁業は御承知の通り、網をつくると、まず試験をしてみなければなりません。陸上で網をさしたくらいでは、網はささりませんし、流し網でも陸上では試験できません。それから棒受網でも、陸上ではしつかりした網になつておるけれども、これを海へ行つて試験してみなければ、はつきりわからぬ。いきなり行つて、もし網のこしらえ方が悪かつたために、魚がとれないというと、改造するのに何日も手間がかかるので、そうしたようなこともあるし、また集魚燈をつけましても、やはり試験をしてみなければならぬ。その他エンジンの関係とかあるいはモーターの関係とかありますので、そうした試験操業に少しくらい早く出てもいいのではないかということを松田委員からも言われたので、そうしたようなことを守れるものである、かように考えて来たのであります。
 そこで何かのいきさつでありましよう。高橋課長が協議会を招集して、そこで八月二十五日前は絶対まかりならぬ、片一方は、今魚が来ているのだからすぐとらせろといつたような議論があつたそうでありますが、高橋課長はこの試験場の意見を採択して、絶対まかりならぬ、二十五日以前はこれは取締るぞといつたようなことを言つて来たと思います。その間の会議の模様等は私は知る由もないのでありますけれども、とにかく魚がたくさん来ている、さんまが近海に回遊をしているのにと心せないという方針をとつたことは間違いないのであります。法律はたといあつたとしても、来ていることはわかつている。それを二十五日までとらせないということを協議会で発表したことは事実でありましよう。いろいろないきさつがあつたのでありましようけれども、とにかく北海道ではもうすでに出漁したということを承つておるのでありまして、はたして出漁したかどうか、それから出漁するまでにいろいろないきさつがあつたか、その間のいきさつがどういうことになつて爆発して、集団的に出たかどうかといつたような問題も、私らは詳細に知りたいのであります。もちろん水産庁としては違反した者は取締る、この一本で行くだろうけれども、取締るにも取締りの仕様もあるし、また指導の方法一によつて再び違反のないようにすることもできるでありましよう。わずかのいきさつからわずかな違反を犯したからといつて断罪をするということは、必ずしも私は本筋ではないと考えますので、そうした集団出漁をするに至つた経過等が知り得ればたいへんけつこうでありますし、それによつてまたわれわれも水産庁並びに取締り当局等とも相談して、最善の方法でこの問題を解決して行きたいと思うのでありますから、詳細な御説明を高橋課長から承りたいと思います。
 なおまた傍聴席には北海道庁の野口取締官も来ておられるようでありますので、必要に応じては委員長から野口取締官の発言を求めて、ここで皆さんに御報告を願えればけつこうだと思います。
○永田委員 ただいま川村委員から御指摘になりましたことは、すでにわれわれ水産常任委員会、また水産庁においても常識問題だと思う。この常識問題をあえてここで繰返さなければならぬということは、講和を目捷の間に控えたわれわれ水産日本といたしまして、まことに不面目、不謹慎きわまるところの漁業違反である、かように断言してはばからない。そこで従来しばしば各漁区におけるとえろの違反もありましたが、今度の違反は事は違うと私は思う。一定の法律が定められて、省令がありまして、その省令に基いて審議が重ねられ、法律に従つて解禁が行われた以上は、いかなる理由があつても、かりに犠牲が出ましても、その法律は守らるべきだと私は思う。水産経済新聞の報ずるところによりますと、八月十七日付で「この改正で沿岸漁民、特に零細漁民はその間の収入減から経済的に苦しくなると、根室近辺の漁業関係者は群がるさんまの大群を目前にして道庁、農林省に漁期繰上運動を開始、もし繰上げなければ禁を犯しても出漁すると気勢をあげておる。」こういうことが出ております。そうしてこの四、五日で約五十隻の密漁船そのほかの密漁船を発見している、こういうことであります。これらの事実は、ただいま川村君からも御指摘があつた通りなんだが、その後この事態に対して責任をとらなければならぬ、指導しなければならぬところの水産庁当局は、どういう処置をもつて臨んで来ているのか。また将来どういうふうに取扱うという方針でおられるのか。むしろそのことを具体的に研究してもらいたいと思う。そこで長官はこの問題に対して、こういう態度で進むとか、こういう方針でおるということを、われわれの納得の行く程度で説明してもらいたいし、また場合によつては、北海道庁の人が来ておるならば、この席上において参考人として聞きたいと思う。
○林(好)委員 さんまの問題は、皆さん御承知のように水産庁を中心にいたしまして、本年の出漁に対しては、内地の業者あるいは北海道の業者が数回にわたりまして会合もいたし、また中央審議会におきましても、この問題につきましては数回審議を重ねたのでありますが、いろいろな事情でほとんど事務的な解決が進捗しない状況にあつたわけであります。従いまして、第十国会の末期、六月六日にこの水産常任委員会においてこの問題を取上げまして、そのときには、北海道は大体八月十五日に解禁するということを、一応衆議院水産常任委員会としては決定を見ておるわけであります。その当日は本道の代表者、道庁の係官も傍聴をいたしておつたのでありまして、当然北海道庁としては解禁が八月十五日に決定されたものとして、七月四日に札幌に全道の業者を集めまして、そうして北海道の本年のさんま漁業は八月十五日に解禁することになつた。こういう発表をいたしておるわけであります。しかるに七月十九日に、まつたく道庁に連絡なく、北海道は八月二十五日に解禁するのだということが省令で出たわけであります。しかしながらその内容におきましては、試験の結果さんまの回遊状況を見て解禁日を繰上げするというような弾力性のある省令になつておるように私は承つておるのであります。従いまして、水産庁としては予算がないから、北海道の道庁及び業者の協力を得て、六そうの試験船を出漁させて試験をいたし、さらに高橋課長が十一日に釧路に参りまして、そうして本道のさんまの解禁日に対する協議会に出席しておられるわけであります。そのときはすでに、――もちろん全道的ではございませんけれども、根室の納沙布の先、あるいは根室の近海におきましては、なんきんさんまでなく大型のさんまの大群が回遊いたしておることが試験の結果明らかになつていたのでありまして、従つて根室を根拠としておる業者は、この十一日の会議において、少くとも十五日には解禁されることを期待して協議会に臨んだのでありますけれども、どういう関係か知りませんが、一方的に八月二十五日以前は解禁はできないということに相なりまして、結局十一日の会議は決裂をした。こういうことであります。従つてまことに遺憾ではありますが、そういう感情の対立から、結局どうしても八月二十五日まで解禁されないとするならば、われわれはそれまで待つことはどうしてもできないということで自由出漁をしたという結果になつておるわけであります。すなわち今日までのさんま漁業のいろいろな経緯を考えてみますと、こういうような混乱を巻き起したのはすなわち政府及び水産庁の責任であると私は考えるのであります。この考え方について水産庁長官の責任ある御答弁をいただきたい。かように考えるものであります。
○藤田説明員 解禁日をきめますまでにいろいろないきさつがあることは、もう私の申し上げるまでもないことでありますが、省令において二十五日ときめ、さらに八月十一日の釧路における会議で、現地調査の結果各調査船のもたらしました報告を総否判断いたしまして、当初通り八月二十五日と決定をいたしたわけであります。従つて私どもといたしましては、再びこの方針をかけようとする意図は持つていないのであります。従つて本年はやはり既定の方針通りやつて参りたいと思います。
 なお自由出漁というようなことも、そのことがあることは聞いております、るが、これに対しまして私どもといたしましては、取締つて行くということで、昨日各関係方面が集まりまして取締りに関する方針をきめたわけであります。従つて私どもといたしましては、昨日北海道庁の方へ、知事あてで、さんま漁業の取締りについて万全を期してもらいたいというような書類も出したのでありまして、この解禁日以前に出漁をしたものについては残らず調書をとりたいと考えております。また解禁日以前において内地に出て来るようなものについては、これは厳重に取締つて行きたいと思います。それから悪質な違反者については、さんま漁業の許可をしないようにしてもらいたいと考えております。それから解禁日以後において、なるべくすみやかなる時期に関係取締り機関の係官が現地に集まつて会議を開きまして、この第一項において調書をとつたものの処理について協議をする、こういうふうに考えております。
○川村委員 高橋君から、そのときの状況がどうであつたかということを簡単に要所だけ説明していただきたい。
○高橋説明員 それでは十一日釧路市役所において開きました会議の内容その他のいきさつを簡単に御説明いたします。
 十一日に開きました会議に集まりましたのは、試験研究機関を代表する方と、内地側を代表する者五名、北海道側を代表する者五名、以上の方に参集していただきまして種々意見を聞いたのであります。その前に、取締り規則の規定に従いまして、一番基礎となるのは海況、漁況その他の問題でございますので、まずさんまについて事前に詳細な試験をいたしました北海道区水産研究所の係官より、その試験の結果の詳細なる発表を受けたのであります。その試験の調査の結果によりますと、本年度におきましては黒潮の勢力が相当強く、かつ相当長期間これが持続するという結論で、ございました。従いまして本年度におきましては、さんまの東方が例年に比較して特に早いということにはならないというのがこの試験研究の結果の発表でございました。従いまして、以上の発表を各代表者とともに検討いたしたのでありまするが、これに対しまして内地側代表者らは、その報告の通り、特に今年は繰上げる必要はないという御意見の発表がつたわけでございます。北海道側の委員といたしましては、試験の結果はそうなつているのだが、なるほど例年より特に早いということはないかもしれぬが、現にさんまが沖合いにいるではないか。だからそういう意味もあるし、いろいろないきさつもあるから、解禁日を早めていただきたいというような意見の開陳があつたわけであります。しかし試験研究機関を代表する方の意見と私どもの意見といたしましては、なるほど根室地区の漁民の方々のお気持はわかりますけれども、取締り規則の趣旨は、例年よりさんまが早く来るような海の状態にある場合には解禁日を早めるという趣旨であると思いますので、今年はそういうような海の状況にはない。従つて結論として、今年は解禁日を特に繰上げなければならないというような海洋学的な理由はないということで、解禁日はすえ置きということに発表したのであります。その後会議の終つたあとで、さらに北海道、特に根室地区から出られた委員からは、これではなかなか了承しがたい、従つて事ここに至れば、われわれ代表者としても自由出漁をとめることがなかなか困難だというような情報の発表が、ございました。それに対しまして、私どもとしては、なるほど苦しい点はわかりますが、取締り規則の趣旨を体して、その解禁日を守つていただくように協力を願いたいということは懇請して参つたのでございます。その後における情報を聞きますと、新聞に出ておりますように、ある隻数の船が出た模様でございますので、昨日急拠関係方面の方に集まつていただきまして、ただいま長官の申されるような線で打合せをいたしまして、取締りに手を打つて参りたい、かように考えているのでございます。以上であります。
○川村委員 ただいまの高橋課長からの御説明によりますと、手を尽し得るだけは手を尽したということにとどまつております。そこで最後に北海道側が、どうしてもこれでは了承できない、魚が来ておるのだから、われわれの要求をいれなければ、自由出漁をとめるわけには行かないというふうなお話でありますが、しからば会議の前に自由出漁の船が何隻かあつたかどうかという点と、もう一うは、北海道の要求が大体八月の十五日であつた、それが二十五日と十日間遅れたのでありますが、会議が終ると、ただちに出たことになる、というのは、私が十三日に札幌に行きました際にはもうすでに出ている。きようから集団的に出たという情報があつたのであります。そうしますと、会議が十一日に開かれて、十三日だとすると中一日であります。そうすると、結局自由出漁を阻止するわけには行かないから、かつてにやれと煽動した者があつたのかどうか。それからこの点に努力して、北海道庁を通じて、さらに水産庁に対して努力する気持があつたら、十三日から出るというようなことはわれわれには考えられない。であるから、そこに出席した委員がかつてにやれと宣伝をしたのか、あるいは宣伝というよりも、むしろ教唆した、もしくはほんとうに出漁すると言つて漁師の気持だけで出て行つたかということに非常な問題があり、そこにまた取締りをどのようにしなければならないかといつた問題が出て来ると思います。悪質な者については云々という長官のお言葉もありましたが、そこで悪質か悪質でないかという判断もしなければならないので、そうした点においても、情報をとつておられたならその情報をお聞きしたいと思います。
○高橋説明員 まず御質問の、十一日の会議以前に出漁した事実があるかどうかという点でございますが、これはいろいろな意味で十一日に開かれまする会議を、この北海道の漁民の方々が期待を持つておられました関係上、十一日の以前においては違反はほとんどなかつたのでございます。非常にその点はよく協力してがまんしていただいたと思つておりますので、この点は感謝しております。ただ一部よく事情を知らなかつた方が、さんまはとらなかつたのでありますが、漁具を積んで沖に出た船が三隻ほどあつたことを承知しておりますが、その程度でございます。
 それから会議の当日、ただいま川村委員の御指摘のような空気があつたかどうかという点でございますが、これは会議が終了後相当混乱いたしまして、傍聴なさつておつた多数の漁民の方が、期せずして自由出漁だということを口々に言われたことはよく承知しております。但しその間に私としては煽動的なことはなかつたように思いまするが、私の見たところでは、期せずして口々にそういう声が出たということはよく承知しております。
 それから十三日に出たか、日にちの関係はただちに帰京いたしましたのではつきり記憶がありませんが、その点はなお調査して参りたいと考えております。
○川村委員 大体さんまの違反の問題についてはわかつて来たのであります。そこで悪質であるかどうかという問題は相当に研究しなければならないと思いますけれども、少くも違反をした、二十五日に出漁をしなければならないということがはつきりわかつておつたにもかかわらず――さらにわれわれが行きまして、特に松田班長から業者の代表となる人にるる事情を申し上げて、違反のないようにしてもらいたいということを懇請もし、さらに私もそれに追従して、いろいろ違反があると今後漁港の問題にしろ、あるいは漁業権証券の資金化の問題にしろ、大きく言えば領土の問題、特に歯舞諸島の問題等につきましても、わずかのことから波及して、われわれが解決のためには困難を来すことがあるから、特に根室の諸君はかたく守つてもらいたい、こういうこともよく申し上げて来たのであります。
 それからさらにもう一つ不可解でありますのは、根室へ行つた場合に、さんまの漁業の中心となつて陳情に来られた人たちがいなかつたということと、それから漁業協同組合が中心となつてやつているのに、漁業協同組合の最高幹部の方々が、委員会の調査に顔も見せなかつたというようなことを、いろいろに総合してやるというと、かえつて水産委員会が根室地方の漁民を思つて調査に行つた、特に私は根室の諸君がうしろにいるから申し上げますが、歯舞の問題のごときは、われわれはこの席からもさらに政府にも要求をして、一日も早く根室の漁民にもどしたいという熱意から、あの地方に、しかも危険まで冒して行つたのであります。しかるにわれわれの心が届かないのか、また道庁の連絡が悪かつたのかわかりませんけれども、漁業協同組合の首脳部も来ておらないことや、さんま漁業の中心となつて水産庁並びに国会に来た中村某という者も見えなかつたこと等は、私はまことに遺憾と存じて来たのであります。そのことはそのことといたしましても、われわれがあれだけに、違反を越さないでくれ、四日や五日のことならばまだしも、解禁が二十五日と一旦きまつている以上は、二十日以前に出たならば絶対にわれわれは責任を負わないぞというところまで断言をして来たのであります。そのことははたして全漁民に知らしめておつたかどうかはわかりませんけれども、とにかくあの地方には悪質な者もいるということは想像がつくのであります。悪質というよりも、むしろ悪意を持つておる者がおるということは私は指摘し得るのでありまして、従つてもし無知な漁民が煽動を受けて出漁をしたとするならば、それらは何かの方法によつて寛大な処置をとつてもらいたい。また悪質な者、しかも煽動した者があるとするならば、これらに厳重な処置を加えていただきたいということを付言いたしまして、私の質問を終るのであります。
 再び申し上げます。漁民の多数はよく煽動に乗るものであります。特に共産党の宣伝には、北の方が非常に乗りやすいのであります。でありますから、無知な漁民が宣伝に乗つて出漁したものは、どうかこの際処罰しないようにお願いいたしたい。また許可をやらないというようなこともしないようにしてもらいたい。それから煽動した者等はもちろん、今後さんまの漁業ばかりでなくすべての漁業もやらせないような、厳重な処置をとつてもらいたいのであります。
○永田委員 この取締りの問題は――今日まで水産常任委員会で慎重に審議しましたすべての法律は、密漁とかような行為よりましてわれわれは北方に出るところの自信をまつたくなくしたのであります。講和によりましてやがて関係各国と漁業協定が結ばれるのでありますが、それに先だちまして、日本の一部の悪徳漁師が、自己の私腹を肥やすに汲々としまして、法律を無視してかようなことをする、のみならずさようなことを煽動するというふうなことがあつたとしたならば、これはわれわれが漁業制度改革の将来のおきてといたしまして見のがすわけには行かない。これらは十二分に極刑に付すべきであると私は思うのであります。先ほどからの水産庁関係方面の説明を聞きますと、省令にも相当の幅があり、また法律に従つて省令が生じ、その省令が効力を生じた以上は、かりにほしくともそれをとつてはいけない。物がほしいからどろぼうする、どろぼうすれば監獄に行く、その監獄に行く行為を、あえてほしいからとつたのだ、自由出漁したのだ、これを認めたのだというに至つては――しかし林君のごときは、この省令と法律に感情が加わつておるというようなことまで先ほど発言をされたのでありますが、感情とは一体何をさして言われるか。法律に感情は絶対にありません。神聖であるべきはずのものである。それを感情にこだわつておるというふうな物の考え方をなさり、一方的に自由出漁を認め、煽動するというようなことは、今日の日本の水産人として、少くとも国会議員として恥ずべき行為である、国会議員の風上にも置けない人である、私はかように思う。かような問題に長い間議論をする必要はありません。どういうような取締りをやるのか、取締りにあたりまして軽微な点と悪質なものと、かように区分をされる御意向でありますが、さようなことについて区分をする必要はない、全部悪質とみなし、この際は泣いて馬謖を斬る、将来は絶対にかようなことが起らないように、このことが日本の水産界の警鐘となることを私は希望するのであります。
○石原(圓)委員 さんまの問題も長時間を要するのでありますが、北海道長官は社会党であるそうであります。その関係で、北海道の水産に関する役人にも、相当社会党に感染して、社会党とみなされる人も相当あるそうであります。そういう関係で、水産庁の命令が北海道の官庁に対じて浸透しない、従つて命令が行えないというようなことから、行き違いが生じて、今日のような問題が起つたということは、水産長官は心得ておるのでしようか、いないのでしようか。とにかく今日は自由党の内閣でありまして、数年間、自由党の政策を実行しようとしているのに、北海道のみはそうは行かないとい三とにいろいろな錯誤が起つて来るのではないか。さんまの問題もそういう点において、高橋課長が現地での会議でごまかされて来たようなことはないのかどうか。そういうような点を疑うのでありますが、水産長官はそれらの点、今後命令が徹底的に行い得られるところの自信があるのでしようか。その点をお伺いをしておきたいのであります。
 それから共産党の井之口君が昨日の総理の演説に対しまして、漁業協約はやらないのだということを総理が発表したかのごときお話でありましたが、これは意外なことであつて、昨朝発表された講和の草案の第九条、第九条のみならず、草案を井之口君が御検討なさらずにやつておられるお話ではないかと私は思うのであります。第九条において、各相手国と個々に協定をするということをきめてあるのでありまして、このことは井之口君から、そういう発言が間違つておつたということの釈明を求めるものであります。
○松田委員長代理 時間も相当経過しておりますので、本日はこの程度で終ります。
    午後零時三十二分散会