第012回国会 運輸委員会 第6号
昭和二十六年十月二十四日(水曜日)
    午後一時四十四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 大澤嘉平治君
   理事 岡田 五郎君 理事 原   彪君
      稻田 直道君   岡村利右衞門君
      尾崎 末吉君    尾関 義一君
      黒澤富次郎君    片岡伊三郎君
      畠山 鶴吉君    山崎 岩男君
      木下  榮君    飯田 義茂君
 出席政府委員
        運輸政務次官  關谷 勝利君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      足羽 則之君
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  石井 昭正君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道総
        裁       長崎惣之助君
        日本国有鉄道経
        理局長     三木  正君
        日本国有鉄道営
        業局長     津田 弘孝君
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一号)
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○大澤委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が不在でありますので、私が委員長の職務を行います。
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたし、資疑を続けます。質疑の通告がありますので、これを許します。岡村君。
○岡村委員 昨年の運賃改正のときに、木炭、石灰石、鮮魚、無煙炭の運賃改訂につきまして、相当政府当局にお願いし、特別割引というものを制定していただいたのでございますが、今度の改訂につきましては、こういうようなものにつきましてどのようなお考えをお持ちでありましようか、お伺いしたいと思います。
○關谷政府委員 いろいろその後の情勢によりまして、負担力が著しく過重に過ぎるというふうなものに対しましては、考慮いたしたいと考えております。
○岡村委員 今度の改訂につきましては、貨物を三割上げるということは、応承認しなければならぬ立場にあるのじやないかと思いますけれども、これらの無煙炭並びに木材、石灰石、鮮魚につきましては、特別割引をぜひとも御承認あらんことをお願いする次第でございます。
○關谷政府委員 極力御期待に沿うように善処いたします。
○岡田(五)委員 まず運賃法に入ります前に、一応お尋ね申し上げておきたいことは、最近新聞紙上、また当委員会において報告を受けて知つたのでありますが、バス運賃の値上げ、あるいは定期旅客船の運賃の値上げ、また昨日聞くところによりますると、最近また私鉄関係につきまして運賃を値上げしたい、こういうお話を承つたのであります。また本年の一月でございましたか、二月でございましたか、相当大幅にトラツク運賃の値上げがあつたように思うのでありますが、この国鉄の旅客並びに貨物運賃の値上げの率が、客観的妥当性を持つておるか、常識的に受入れられるかどうかという面を、われわれが判断いたしまする上に、重要な参考になると思うのでありますが、これら類似交通機関の最近における運賃値上の模様、率を、簡単でよろしゆうございますから、ひとつ御説明願いたいと思います。
○關谷政府委員 私鉄の関係は、大体貨物におきまして約三割、旅客の関係におきまして三割四分ないし二割八分ということになつております。海運関係におきましては、定期船の関係が三割二分、貨物が大体二割ないし三割三分、こういう程度になつております。バス運賃の関係は、いろいろな條件によりましてA、B、Cと三段階にわけまして、これがそれぞれ一六%、三三%、四七%というふうな値上りになつております。トラツクの運賃に関しましては、これは扱い方がかわりましたために、金額の上におきましては非常な開きがあるようになつておりますが、実質的にはあまり大して上つておらないというふうな状態であります。
○岡田(五)委員 それではもう一つ承りたいのですが、国営自動車運賃、鉄道及び航路の運賃の値上げに関連いたしまして、旅客及び貨物につきまして値上げをされるおつもりでいらつしやるのか、また現行の運賃のままで国営と申しますか、いわゆる省営自動車の運賃料金をすえ置かれるおつもりでありますか、この点について御説明を願いたいと思います。
○津田説明員 国鉄自動車の運賃につきましては、先年来一般の民間のバス運賃、トラツク運賃に即応いたしまして、と申しますよりも、その適用をそのまま受けているというような関係でありまして、今回のバス運賃の値上げにつましては、監督官庁の運輸省の方では、大体バスの運賃をたしか三種類程度、三円三十銭、三円、二円六十銭、大体この三種類をきめまして、会社ごとの経理状況を審査されて、会社ごとにそういつた三種類の運賃を、それぞれ適用されるというようなことに相なつていると承つておりますが、国鉄自動車のバスの運賃につきましては、原則としてそのまん中の三円というところを基準のベースにいたしまして、あと山地で山坂の多いというような所につきましては、若干の割増しをつけるというようなことになる予定であります。トラツク運賃につきましては、いつでございましたか、もう数箇月前に、トラツク運賃の最高価格が改正になりました際に、やはり同じ適用を受けておりますので、今回はトラツク運賃につきましては、国鉄自動車の改正を特段にするというようなことはないわけであります。
○岡田(五)委員 もう一つ承りたいのは、このたびの貨物運賃三割値上げによつて、主要貨物の価格に対する負担割合は、運輸大臣の説明によりますと、昭和十一年は二・五二%というお話で、それがこのたびの運賃値上げで三・五一%でありましたか、一%程度ふえるにすぎない。従つて物価の負担力からいえば負担できるであろうと思われる限度ではないかという御説明があつたのであります。なるほどこの率からいえば、負担できると思うのでありますが、ただこの点につきまして、運輸省または国鉄でもけつこうでございますが、承りたいことは、この一%なり二%上りました物価構成上の負担増加が、現在の物価の中に吸收できるものとお考えになつているのか。これだけ上げたものは、必ず物価騰貴として現われて来るとお考えになつたのか、その辺を承りたいと思うのであります。私はこれはおそらく物価の騰貴ということではね返つて来るのではないかと思う。そういたしますと、国鉄が六百億円近くの重要資材をお買いになつておりますが、たといこの価格が一%なり二%上るにいたしましても、十億なり十二、三億なり、また物品費がふえて来る、こういうようなことを私は考えるのであります。そうするとそれだけまた赤字がふえるのではないか。そうすると来年度、このたびの運賃値上げで大丈夫だろうと思つて、平年における計算を出されて、その運賃値上げによつた増收が、また赤字に終るということになりはしないかと思うのでありますが、はたして物価の高騰へのはね返りによる、鉄道財政の負担増というものを考慮に入れられたのか入れられなかつたのか、入れる必要がなかつたのか、入れたが大したことではないとお考えになつたのか、その辺のところをこの際承りたいと思うのであります。
○津田説明員 ただいまの岡田議員の御質問に対しまして、はたして適当な答弁になりますかどうか存じませんが、よく御承知のように、物の値段というものがきまりますのは、主として物資の需給の関係、あるいは国際価格の関係とか、いろいろなものによつてきまりますので、運賃が上つたから物が必ず上る、下つたから下るということもございましようけれども、必ずしも全部が全部そういうことに相なるものではない。もつとほかの大きな原因によりまして、物の値段が上つたり下つたりするわけでございます。従いまして今回の運賃改正に伴いまして、いろいろな物が上るか下るかというような問題につきましては、ある物につきましてはそのはね返りがありますでしようし、ある物につきましてはもつとほかの大きな原因の作用の方が大きくて、運賃の値上げのでごときはその中に吸收されてしまうということに相なるのではないかと私は考えております。
○岡田(五)委員 この点につきまして私の所見を述べれば、結局政府委員と意見の相違でありまして、いずれが正しいかということは、結果を見なければ判断がつかないことであると考えますので、この問題につきましての私の意見の開陳は差控えますが、要するに今の政府委員の御答弁によりますると、運賃値上げによる鉄道用資材の物価の騰貴のはね返りは考慮に入れていない、さように御答弁あつたものと私は判断いたしまして、次の質問に移りたいと思うのであります。
 このたび運輸大臣からの御説明もありましたように、二等に定期賃金をきめまして、一箇月は三割引にした、三箇月は三割五分引にした、こういうお話があつたのでありますが、なぜこの二等につきまして定期を設けられて、三割という高率の割引をなさいましたか、また三割五分という高率の割引をなされましたか、その理由と、また三割または三割五分と計算されました計数的な根拠を承りたいのであります。私から申し上げるのもどうかと思うのでありますが、おそらく鉄道の旅客輸送におきましては、過般御説明がありましたように、收入は原価に対しまして八〇%近くしか達していない。旅客は非常に損しておるから、五割上げてもいいところを二割五分上げるのだ、こうおつしやいまして、結局二割五分お上げになりますと、まあ旅客收入全体においては採算がとれることになつておるのでありますが、この内訳を見ると、おそらく三等旅客におきましては相当の利潤をおあげになりまして、一等及び二等において原価を相当――相当というと語弊がありますが、割つた輸送をしておられるのではないか、これは旅客輸送の形態として、一等、二等、三等という階段を置くととは当然でありますが、かような二等客に対して、何がゆえに一箇月だからといつて三割、三箇月だからといつて三割五分の割引をしなければならないのか、むしろかような割引をするくらいならば、もうけている三等客の方を安くするような考え方もあるのではないか、かように考えますがゆえに、その理由と、また計算上の基礎をこの際承つておきたいのであります。
○津田説明員 ただいま二等の定期乘車券について岡田委員からお話がございましたが、かねて御承知の通り三等については非常に高率な割引を、日本の国有鉄道はいたしておるのでございます。これは社会政策的な意味、あるいは国の文教政策に即応して、これに協力するという建前からいたしておるのでございますが、二等の定期については、このような社会政策的な意味はそれほど考える必要はないか、かような見地から、今回の二等の定期乗車券の設定について、その割引率を一箇月は三割、三箇月は三割五分ということにいたしたのでございます。何がゆえに三割だ、三割五分だ、その計数的な根拠を示せ、こういうお話でございますが、あまり詳しい計数的なはつきりしたものをお示しすることは、十分用意をしていないのでございますが、先般国鉄全体の乗車券について、抽出法によつて、はたして一箇月の定期を持つている者が三十日ないし三十一日往復まるまると使つているかどうかという点を調べてみたのでございますが、それによると、大体定期の乘客で一箇月のうちで定期を利用するのは、二十三日ないし二十四日という数字が出たのでございます。従いまして今までは一箇月の定期を、まるまる三十日ないし三十一日使うという建前のもとに、いろいろな措置、制度をやつて参つたのでありますが、その抽出法によるところの調査の結果によつて、今まで申し上げましたように、二十三日、二十四日しか利用されていないということに相なりますと、大体今回の二等の定期乘車券をつくります場合にも、二十三日、二十四日と申しますと、二割引は当然してよいのではないか、そこへ持つて来て、職員の取扱上の手数が省ける等々のことも勘案して、あるいはまたわずかではございますが、あらかじめ一箇月分、あるいは三箇月分の運賃を頂戴するということから、金利というものも考え合せますと、この三割ないし三割五分の割引というところが、大体妥当な線ではないか、かように心得まして、このような二等の定期乘車券の割引率を考えた次第でございます。
○岡田(五)委員 そういたしますと、二等の定期券の三割または三割五分引というものは、鉄道の收入の面においては、実際は損はないのだ、また手数が省けるのだ、こういう意味において割引をされた、何ら割引の面においては政策的な理由はないのだ、こういうふうに御説明でございますので、さよう承知いたしまして、次に、二三質問を続けたいと思います。
 航路運賃についてでございまするが、昨日も飯田委員からの御質問に対しまして、運輸大臣または国鉄総裁から詳細な御説明があつたようでございます。貨物の問題はともかくといたしまして、普通旅客運賃の面を見ますると、非常に高率の引上げをしておられるのでありますが、何を好んでこの航路にのみかような高率の値上げをされましたか、この際その理由を承つておきたいと思います。
○石井(昭)政府委員 航路運賃の改正案は、現行の航路運賃に比較して比較的値上り率が多いというお話でございまするが、従来とも航路の運賃につきましては、比較的経費がよけいかかつているにもかかわらず、その値上げが少かつたのでございまして、鉄道、船舶、自動車の部門において、いろいろ原価計算をいたしまして、各部門においておのおの総合した原価を立てたいというのが、大体の念願でございます。そういう趣旨で今回、経費から算定いたしまして、この程度の運賃が至当であろうという国鉄の申請でございました。それを運輸審議会に諮問いたしましたところが、運輸審議会においてもその趣旨を認めて、その通りでよかろうという方針でございますので、私どもの方といたしましても、国鉄申請の原案の通り御承認願いたい、かように存じまして御提出申し上げたわけでございます。
○岡田(五)委員 なるほど御説明を承りますと、ごもつとものように考えるのでありまして、また特殊な施設と特殊な手数を要する航送といいますか、航路船舶輸送という面におきましての減価償却という意味からする高率の通貨負担ということは、ごもつともではございまするが、かような点から言いますると、運賃法その他につきましても、相当改正すべき点もあると思うのであります。定期について一例をあげてみまするならば、日本の旅客定期におきまする非常な高率の割引ということは、なるほど労働政策、社会政策という大きな政策の面から来ているとは考えまするが、世界各国を見ましても、おそらく日本ほど労働政策と社会政策に徹底した高率の定期の割引はないと思うのであります。かようなところにつきましても、現在の値上につきましては平均二割五分、こういうことで運賃値上げを申請しておられるにかかわらず、理由があつても、何を好んでこの際この青凾その他の航路、しかも收入の面におきましては、そう大して影響のないこの面に、六割なり七割の高い率を適用される理由は、私は納得できないのであります。私といたしましてはむしろこの点につきましては、ほかの旅客また貨物と同じように、平均の引上率を適用することが当然ではないか、かように考えるのでありまして、この点につきまして私は非常な関心を持つておるのであります。この点につきましてはなお慎重に態度を決したいと考えておりまするので、私、一委員といたしまして気持を申し上げるわけであります。
 なおこの青凾航路のことにつきまして、昨日飯田委員また山崎委員から、いろいろと北海道の滯貨一掃につきましてお話があつたのであります。これに対しまして關谷政務次官からいろいろ、農林省との打合せの関係その他の関係を詳細に御報告になつたのでありますが、山崎委員が言われましたように、機雷の脅威は、米ソ対立いたしておる期間は去らないのでありまして、今後半永久といいまするか、この問題が解決しない以上は、機雷のためにする青凾航送力の制限ということがあり得るのであります。これに引きかえまして、北海道の開発、先海道の資源的利用という面は、日本の経済復興の面から見ま凾て、ますます重要度を増して来るのであります。かような北海道の重要性及び青凾航送力の現在置かれたる客観的情勢というようなものを判断いたしますると、私は国鉄または運輸省におきまして、青凾航送力の強力なる増備対策を至急に講ぜられる必要があると考えるのであります。昨日山崎委員から申されました小湊の可動橋の利用、あるいは青森の機帆船岸壁の利用というような、応急的な処置ももちろん必要でございますが、何といいましても青凾航送船の増強による、北海道と本州との輸送機関を太くすることに帰一しなければならない、かように信ずるのであります。運輸省または国鉄におきまして、青凾航送船の増強、青凾航送船の増備というような問題につきまして、本年度の予算においてはどう考えておられるか。また二十七年度の予算編成にあたつては、どういう決意を持つておられるか。航路運賃にも触れましたので、この機会にこの点につきまして御説明を願いたいと思うのであります。
○石井(昭)政府委員 青凾航送力の問題でございまするが、実は御承知のように本年の五月ごろから、機雷が津軽海峡に出没いたしまして、非常に航行が危險になりました。特に見張りのきかない夜間航行は、非常な危險を伴いましたので、中止いたしておりました。晝間の間しか航送をしておらなかつたわけでございます。その結果といたしまして、相当努力はいたしましたが、航送車数が減少いたしまして、北海道に本土向け滯貨をますます増しまして、まことに申訳ないと思つておるのであります。ところがだんだん夏の終りになりまして、日照時間がきわめて短かくなりました。このまま推移いたしますると、ほとんど航送能力がなくなつて参る。特に最近の種ばれいしよあるいは蔬菜ばれいしよというような問題は、等閑に付することはできない問題でございます。運輸省といたしましてはいろいろ苦心をいたしまして、海上保安庁と協力いたしまして、津軽海峡におきますところの哨海線をできるだけ西方に移動させまして、そのために相当の努力と船とを要するわけでございますが、これによりまして海流の速度とにらみ合せて、夜間航行し得る時間を極力推進いたしまして、九月上旬より夜間航行を遂に断行いたしたわけでございます。その後も機雷が一、二現われておりますが、かような危険な作業を冒してまで、何とか北海道の物資の流通をはかりたいと努力いたしておりまして、最近は予定通り十六運航を進めております。種ばれいしよにつきましても、百六十三万俵というお約束をいたしまして、目下看々輸送中でございます、このような情勢でございます。なお今後航送能力を増すのかどうかというお話だと思うのでありますが、現在の連絡船の船腹をもつていたしますれば、まず現在の十六運航あるいはこれを一運航程度増しまして、十七運航程度が精一ぱいの能力ではなかろうかと見ております。しかしながらこれ以上船腹を増加いたしますと、同時に岸壁能力の整備もいたさなければなりません。かつまた操車能力の整備も必要になつて来る。従つて現在の青森操車場なりあるいは盛岡操車場の擴張も考えなければならぬ。なお東北本線が御承知のように輸送力の線でございますので、東北本線の輸送力の擴充もあわせて講じなければ、單に青凾間の海原だけを往復いたしましても、なかなかむずかしい問題でございます。それで国鉄並びに運輸省といたしましては、青凾航路については本年は現有の能力をフルに行動せしめるということをもつて対策といたしております。運輸省といたしましては過日総合輸送力の見地から、現在運賃の関係あるいは荷繰りの関係等で、どうしても海運にまわらない荷物がございますので、これを極力目下多少なりとも余裕のございます海運をもつて輸送いたしまして、できればこれを定航化いたし、なお運賃等においても特段の措置をとらせ、海陸運賃のバランスをとらせまして実施いたして参りたいと、目下研究中でございまして、近くその対策について御説明申し上げる機会があるかと思うのであります。その点につきましては鉄道といたしましても、定航船と連絡いたしまして、一貫した輸送ができまするように協力させるつもりでございます。
○岡田(五)委員 北海道の荷物の輸送についての青凾航送の状態、またこれに対する所見について、詳細にわたつて承つたのでありますが、私は幸か不幸か十年近く北海道に在住いたしまして、北海道の荷動きまた青凾の航送の状態、また日本国土における北海道の重要性について、最近特に認識を新たにしておる立場におるのじでございます。いろいろ御説明を聞けばごもつともでございまするが、政府においても国鉄においても、今後北海道が日本においてどういう立場の島として占めるべきであるか、また占めさせなければならないかというような、大きな国策的な日本の立場からする見地からいたしまして、青凾航送力の増加、またこれに伴う東北線その他の増強について、英断を振われることを希望いたすのであります。なぜかといいますと、九州におきましては幸いにいたしまして関門隧道ができて、トンネルの中を長い石炭列車が、遠慮会釈もなくというと失礼でありますが、十分に通るようになつたのであります。一方北海道は不幸にいたしまして、船によつて航送をしなければならない。しかも北海道は一年のうち半分は、吹雪と荒天に悩まされておる。幸いにいたしまして今時期は非常によろしゆうございますので、十六運航を続けておりまするが、十一月の末から来年の五月、六月ごろまでは、おそらく十運航か十一運航くらいで、船を動かすのには天候が悪過ぎるというように、天候の支配を受けるのであります。かような点から十分御勘案を願いまして、大きな国策の見地に立つた青凾航送力の増強という面を、なお一段と御考究あらんことを切望して、この点についての私の質問は打切りたいと思うのであります。
 次に承りたいことは、先ほど岡村委員からも御発言がありましたが、貨物の等級の問題でございます。まず承りたいことは、現在貨物の等級が十一等級にわかれておるようであります。この十一等級の級の中へ各品物を振り込まれる、というと語弊がありますが、当てはめる場合に、どういう方針のもとに一級だとか二級だとか三級だとか四級だとかいうようなものをお入れになつておるのか、等級表作成にあたつての根本的方針を承りたいと思うのであります。
○津田説明員 今岡田委員から、貨物の等級表を作成するにあたりまして、凡百の物資をどのような方法で、どのような基準で割当をするのかという御質問でございましたが、大体の基本的な方針といたしましては、凡百の物資につきまして、たとえばその一トン当りの価格というようなものを標準にいたしまして、その価格の高級なるものから価格の安いものに従いまして、まず五等級に分類をいたしたのでございます。また別の言葉で申し上げますと、一級から五級にわけるのでありますが、その一級は概して申しますれば高級品、二級は上級の製品、三級は下級の製品、四級は半製品、五級は原料品、まずこのような五等級にわけまして、その五等級にわけたものにさらに社会政策的、あるいは産業政策的、またときによりましては鉄道自体の営業政策というようなものも加味いたしまして、この五等級にわけたものをさらに十一にわけている、こういうのが基本的な分類の基準とお考えいただきたいと思います。
○岡田(五)委員 等級をわけられました方針を大体承つたのでありますが、この間いろいろ運賃法改正にあたつての予備的な質問の際に、ここに重要品種何種類でございましたか、主要貨物の価格の中に占める割合というような表によつて、今度の運賃改正に基く新しい運賃が、これこれの物資についてどのくらいの割合を占めるかという表があるのでありますが、この表を見ますると、ある物は〇・〇〇九%程度しか運賃負担がかかつていない、ある物は価格の六〇%近く、あるいは三〇%近くも運賃が占めておるというふうに、品物によつて非常に運賃負担の割合が違つておのであります。もちろん先ほどおつしやいましたように、あるいは輸送に非常に手数のかかる荷物だから相当運賃が高くなつておる、あるいは生活物資だから政策的に運賃を安くしておるというようなことから、こういう割合が出ると思いまするが、あまり幅が広過ぎるのではないか、価格のうち六〇%も運賃を拂わなければならぬということ自体、その等級のきめ方が非常に無理ではないか、おのずから限度があり、おのずから運賃の幅がきまつておるべきではないか、かように考えるのであります。どうもこれを見ますと、弱きものはいじめられ、強きものは非常に運賃の負担を軽くされておるがごとき感を受けるのであります。私は運賃の等級のきめ方につきましては、国鉄当局においては、あらゆる方面を十分御考慮になりまして、公正、妥当にきめらるべきであると信じて疑わないのであります。かような面から行きまして、昨年の六月でございましたか、運賃値上げの際にあたりましては、この等級の変更につきまして、当委員会におきましても、また本会議におきましても、行政事項であり、国鉄総裁の所管される事項ではございまするが、議会内における大きな審議事項として、政治問題として取上げられたのであります。従いまして当委員会の討論採決にあたりましても、賛成演説におきまして、与党たる自由党の關谷委員からも、等級改正についての強い要望がなされ、また本会議における委員長報告におきましても、等級改正につきましての附帶決議がつけられておるのであります。そのつけられた後におきまして、十数種類の主たる品目についての等級の変更は行われたようであります。
    〔大澤委員長代理退席、尾関委員長代理着席〕
また一部につきましては、特割という制度によりまして、等級表の不合理を是正せられたような政策を講ぜられたのでございまするが、この等級表につきましては、もつと科学的に、経済的に、また専門的に、各界の権威を集めまして、公正に、妥当に等級をきめらるべきであると私は信じて疑わないのであります。もちろん凡百の品種でありまして、これを最も精密に、巖格に、合理的にきめるということになりますれば、数年を要するかもしれませんが、私はもつと早急に科学的に、合理的にこれをきめるべきであると信じて疑わないのでありますが、この等級の合理化、等級の科学化といいますか、この点につきまして国鉄当局はどういうお考えを持つておられるか、またこの等級改正についてどういう処置をするおつもりでありまするか、この点はつきりと承つておきたいと思うのであります。
○津田説明員 ただいま岡田委員からお話のございました国鉄の貨物の等級表の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、物の値段が定まりまする要因は、いろいろとあるわけでございまして、物の供給と需要との関係、それから場合によりましてはいろいろな取引関係と申しまするか、特殊の事情によつてもきまるというようなことでございます。従いまして、運賃が全体の価格の中に占める割合は必ず――必ずとはおつしやいませんでしたが、一様であるというような岡田委員のお話は、私はどうかと思うのでございます。それはともかくといたしまして、非常に強いものは安いところへ格付けされて、弱い産業は高いところへ格付けされておるということも、これまたないわけでございます。その点を申し上げておきます。
 さて貨物の等級につきまして、どのような措置を従来とられたか、また今後はどういう方向で進むかというようなことにつきまして申し上げたいと思うのであります。昨年の一月に貨物運賃の値上げをいたしました際に、ただいま岡田委員からお話のございましたように、国会におかれまして附帶決議をされたのであります。その條件が二つございまして、その一つは、特殊の物資で、運賃値上げによつて著しい影響をこうむるものにつきましては、運賃値上げと同時に、運賃上何らかの措置をとるということであります。その次の條件は、貨物の等級は現在の事情に即しないので、すみやかに、すなわち四月一日から改正し得るように準備すること、また四月一日に改正をする場合には、この運賃値上げと同時に実施いたしました暫定措置は、つまりこの第一の條件のことでございますが、四月の等級改正の中に織り込め、こういつた二つの條件がつけられたのでございます。運賃上の特段の暫定措置を講じた貨物といたましては、先ほど岡村委員からお話のありました無煙粉炭その他十数種類の貨物についてであります。
 さてそれでは昨年四月の改正は、どういうことをやつたかという点について申し上げますると、国会の御要望に基きまして、貨物の等級を審議するために、国鉄総裁の諮問機関といたしまして、国鉄に貨物等級審議会というものを設けたのでございます。この貨物等級審議会におきましては、国鉄で一応つくりました原案に基きまして、数次にわたつて検討せられ、またさらに専門委員をあげて詳細なる検討をされました結果、一応の答申をされたのであります。その答申に基きまして改正をいたしましたもので、等級を引上げたものが二百三十品目、等級を引下げたものが四十品目、その他等級操作が不適当なもので、運賃を引下げる必要があるのにつきまして運賃割引をしたもの、並びに等級操作とあわせて運賃割引をしたものが、十三品目あつたのでございます。
 昨年の四月に行いました等級改正案は、先ほど申し上げました暫定措置をとつたもの以外につきましては、国鉄の貨物運賃收入といたしましては、全体として不増收、不減收という建前でつくられましたが、それでもなおかつこの四月の等級改正によりまして、四億四千六百万円の減收をいたしたのであります。またさきに暫定措置をとりましたものも合せますると、その減收は九億三千万円ほどに及ぶというような次第でございます。
 国会の御要望に基きましてできましたこの審議会の答申の中に、さらに国鉄は貨物の等級について研究を引続いて行い、なるべくすみやかに根本的な改正を行えというような要望事項を加えられたのでございます。かような次第でございまして、昨年の四月に等級改正をいたしまして、一応応急の改正をいたしたのであります。根本的な改正は近い将来に持ち越されることと相なりましたので、国鉄といたしましては、その改正準備といたしまして、対内的な準備、また対外的な準備をあわせて、慎重にかつ非常な熱心をもつて、目下進めておるような状態でございます。
 対内的な準備といたしましては、凡百の貨物につきまして、その品目ごとにカードをつくりまして、そのカードの中には、貨物の銘柄別の価格でございますとか、あるいは荷づくり費、重量と容積との関係、あるいはその物資の生産量、その他万般にわたりまして、各物資の生産者のもとに係員が出向いて調査をいたしております。かような調査が、現在におきましては七千枚のカードになつて、所要の事項が記載され、累積されておるという状況でございます。対外的な準備といたしましては、各産業の代表者の方をもつて組織されました鉄道貨物運賃研究会というのが設けられておりまして、ここに月に一ぺん以上の会合を持ちまして、熱心に研究を続けておるような状況でございます。
 そこでそんなに研究ばかりして、いつ結論が出るのだというような御疑問を持たれるか思いますが、われわれといたしましても、昨年の国会の要望事項、あるいはそれに基きましてつくられた等級審議会の要望事項に基きまして、目下今申し上げましたような準備を着々と進めておるのでございます。何分にも今日いまだ経済も全部安定したというわけではございませんし、従いまして物の値段も刻々とかわつて行く。一例を申し上げますならば、木材につきまして運賃の割引をする、あるいは等級を引下げるというようなことをいたしましたところが、たちまち朝鮮事変が起りまして、そのものの市場価格が非常に高くなるというような状況でございますので、もう少し経済が安定し、また物価が安定するというような時期になりましたならば、現在続けておりまするところの厖大な資料に基きまして、なるべく早い機会に根本的な改正をいたしたい、かように存じているわけでございます。
○岡田(五)委員 この等級の改正につきましての国鉄当局の御努力のほどは御推察申し上げ、またこの作業の至難であるということにつきましても御推察申し上げるのでございます。先ほど津田営業局長からのお話の模様を見ますると、まだ日本の経済は安定をしていないから、また研究のスピードも何らか成果を得るに遅れるがごときような言葉があつたのでありますが、この点につきまして私と国鉄当局とは多少意見が相違いたしますので、この際要望かたがた私の所見を申し上げておきたいと思うのであります。
 日本の経済が安定するという意味につきまして、営業局長はどの程度のことを安定とお考えになつておるか。いつになつたら日本の経済がほんとうに石橋の上にすわつたような安定状態になるのか。そのような事態は、おそらく日本の経済の将来においては、当分の間予期できないと考えるのであります。底の浅い、また幅の狭い日本の経済状態で、半永久的に相当年限の間安定するがごとき事態を予想するに至つては、はなはだもつてのほかと言つては語弊がありますが、どうかと思うのであります。この等級表という問題は、賃率とともに非常に重要な事項でございます。われわれは賃率はこうやつて法律できめますが、等級表は一日も早くわれわれの敬愛する斯界の権威者を網羅いたしまして、現在の経済状態を基礎にして科学的に、経済的に、学術的に考えて、こういうランクであるべきだという成果を得てこそ、等級表を基礎とした賃率表を私たちは国民の代表として、安心して審議できると思うのであります。なるほど数万種類の品種でございますので、作業は非常にむずかしいであろうと考えるのでありますが、等級表も、運賃法によつて賃率を審議するのと同様に、重要な事項であります。しかもこれは国有鉄道総裁の専管事項になつております。だから国鉄総裁におきましては、一年有余を経過いたしまして今なお研究中であるということは、なるほど先ほど申し上げますように作業の至難性から見まして、ごもつともだとは思うのでありまするが、私たち国民の代表といたしましては、これを至難性を理由にいたしまして数年間あとに延ばされまして、当面の糊塗策で日を過すというがごとき結果を見たくないのであります。かような意味におきまして、現在の国鉄の研究にさらに拍車をかけ、さらに箔をつけ、さらに権威あらしめるがために、斯界の公正なる博学の代表をそれぞれ網羅せられまして、権威ある等級表を定められたい。その等級表に基いて、運賃法による賃率を適用されて、運賃の公正、妥当、公平を保たれんことを切望してやまないのであります。私は好むらくは、この年内にかような成果を期待してやまないのであります。どうか要望でございますが、国鉄当局においても、言葉は悪うございますが、もつともつと熱意と誠意と迫力とをもつて、この等級表をきめられまして、運賃法がかかるたびごとに、等級表の問題、割引の問題が、政治上の問題となるがごとき形を、今後残さないように切望してやまないのであります。これはおそらく運輸委員の皆様方のみならず、国民の代表として出ておられる国会議員の方々の一致した希望であり、また意見であると私は推察いたしましたるがために、一運輸委員としての私の意見とともにつけ加えて、要望いたす次第であります。なおこの等級表につきましていろいろ議論すれば、専門的になり、事務的になつて恐縮でございますので、この点につきましてはこの程度にとどめておきます。
 もう一つ、簡單に国鉄の態度を承りたいと思いますのは、二十五日から国内航空が始まるのであります。東京から札幌へは一万二百円くらいで行くそうであります。汽車で一等の寝台に乗つて行きますと九千六、七百円ということで、札幌まで参りますのに五、六百円くらいしか違わない。ところが飛行機に乗りますれば非常に時間的に早い。しかも乗つておる間にはお茶も飲ましてくれるようでありますし、ランチも食わしてくれるようである。りつぱなエア・ガールのサービスがあるということです。この国内航空が日本国内の幹線について、二十五日から開始されるのであります。かような有力なる競争相手の交通機関が、喜ばしいことでございますが、二十五日から発足いたすのであります。これに対する公共企業体、事業体としての国鉄経営者は、どういう対策をお考えになつておりますか、ちようどいい機会でございますので、営業局長の御意見を承りたいと思うのであります。
○津田説明員 ただいま岡田委員より、明日から開始されると承ります航空対策について、国鉄はどういうように思うかというお尋ねでございますが、先ほどもお話がございましたように、たとえば東京、札幌について見ますと、鉄道の方で急行料金を拂い、また寝台に乗つて寝て行くというような場合を考えますると、鉄道が九千六百十円に対しまして、航空運賃は一万二百円、五、六百円の差があるにすぎません。東京、福岡につきましては、若干状況が違いますが、これも国鉄の七千八百円に対しまして一万一千五百円というようなことでございまして、御案内のように、日本のような非常に狭小な長い国において、遠距離の高級旅客につきましては、相当程度航空の方に転化するということは、これまたやむを得ないのではないかというふうに考えておりますが、国鉄といたしましても、これに対しまして決して傍観をしておるというわけではございませんで、今後とももう少し設備を増強するというような面につきまして、いろいろと研究いたしております。なお一番利用客の多いと思われます東京、大阪間につきましては、一日一ぱい東京なり大阪で仕事をなさつて、夜行で行かれて翌朝着くという方が、お仕事をやられる上において都合がいいというような方も多いと思われますので、東京、大阪間につきましては、もちらんある程度の影響はあると思いますが、しかし国鉄の高級旅客は、全然その意義を失つたというようなものではないと考える次第でございます。なお承りますところによると、六十四人とか四十二人とか乗れるような大型の飛行機を使われるようにも聞いております。たとえば東京、札幌というような例で見ますと、この定員に対しまして、現在東京から札幌に行つている毎日のお客さんというものは、とても六十人とか四十人とかあるわけではございませんので、人事ながら航空会社の経営もなかなかぺイするというわけには行かないのじやなかろうかというように推察をいたしております。
○畠山(鶴)委員 先日来、国鉄運賃値上げにつきましては、大臣及び政府関係官からいろいろ説明されましたが、その際の大澤、岡田、山崎委員の質問に対しまして、私は同感の意見を持つておるものであります。この国鉄運賃値上げについては、いろいろ申し上げたい点もありますが、各委員から大体のことを申されておりますので、私はその点に触れずにひとつお伺いしてみたいことは、国鉄の営業所ができまして、この営業所がお客様を取扱うということを大体主にしてその仕事をやつておるようでありますが、現在の運輸省の観光部とか、あるいは当委員会内にありますところの観光委員会に対して、何らの連絡もなく、また何らの関心も持つていないようであります。この点につきまして営業所といたしまして、どういう見解を持つておられるのか、お伺いいたしたいと思います。
    〔尾関委員長代理席、岡田(五)委
  員長代理着席〕
○津田説明員 ただいま畠山委員からお話のありました点につきまして申し上げたいのでございますが、先般の機構改正に基きまして、国鉄本庁の下部機構の一つといたしまして、営業関係を担当いたしまするために、各所に営業所というものが設けられておるのでございます。ただいまお話になりましたように、いろいろと国鉄の営業活動の第一線の機構といたしまして、当然旅客、貨物両方面につきまして活発に活躍すべきでありますが、今御指摘のように観光関係などもそのお仕事の一つであります。全然連絡をとつていないというようなお話でございますが、これは個々の具体的の問題になりますので、もしそのような営業所がございましたならば、私の方からよくまた連絡をすることにいたします。
○畠山(鶴)委員 私のお伺いすることは、営業所内に所属しておりますところの営業事務所が、観光委員会あるいは運輸委員会に対しまして何らかの連絡か、関心を持つておるかということとをお伺いしておる。それはこのたび総裁が就任されまして、まず旅客に対するサービスの改善ということをモツトーとして、第一に御発表になつておるような点から、この観光問題は今後重要ではないかと考えるのであります。その点を伺つてみたい。
○津田説明員 運輸委員会なり、あるいは運輸省の観光部、もつと大きく言えば観光事業に関心を持つておるかどうかという点につきましては、持つべきであるというふうにお答え申したいと考えております。
○畠山(鶴)委員 現在この問題は、各営業所に所属しております旅館業者だけでも、全国に万に近い数を擁したところの、国鉄推薦旅館というものが指定をされております。この旅館に対しましては、受持ちの営業所がいろいろお世話をされておるのでありますが、私どもも業者の一人といたしまして、ただ不快に思う点はこの国鉄推薦旅館にお客さんを推薦した場合には、相当の歩合をとつております。この歩合金高も相当なものになつておると思いますが、これらを営業所といたしましてどういうふうに取扱つておるか、それを御存じかをお伺いしてみたい。
○津田説明員 国鉄推薦旅館という制度は、旅行者が安心して宿泊をしていただくことができるように、個々の旅館について推薦をするということで先年つくつたのでございますが、たとえばお客様をある営業所で推薦する、ある駅で御紹介するというような場合に、駅なり営業所なりが歩合をとるというようなことは、全然あり得べからざることであります。私はそのような事例をいまだ聞いたことがございません。
○畠山(鶴)委員 多分御存じないだろうと思いますからお伺いしたのですが、これは九千軒になんなんとしおりますから、相当の金高なのであります。一軒の旅館でも、歩合として納める高は月に万を越えるのがあります。九千軒が全体ではございませんけれども、しかし相当の額になつておる。これは額で言いますと、五分の歩合をとつております。これは今まで関係しておりますところの交通公社と国鉄推薦旅館というのが一致いたしまして扱つておりますから、内容的においては私どもに発表されておりませんからわかりませんが、聞き及ぶところによりますと、一部はその地方の営業所のいろいろな機関に利用している。あるいはクーポン券を持つて来た場合におきましては、その交通公社の出張所が、クーポン代の支拂いのときに五分の金を引いております。これは相当な金高なのですが、どういう関係になつているかということを、私どもはもう少し知りたいのですけれども、国鉄にも何かこれにはお考えがあつておやりになつておるかと思いまして、今日まで黙つておりました。この国鉄運賃値上げに関しては、何でもかでも値上げすることばかり考えないで、きのうあたりの御質問の通り、いろいろ欠点があるにもかかわらず、そういうようなこまかいところを是正して行かずに、ただ運賃ばかり値上げして行くようなことになりますと、重大ではないかと考えるものであります。この点につきまして営業局長さんは、もう少しこまかいところを一応お調べ願つて、御回答願えればたいへんけつこうだと思います。
 次にお伺いしたいことは、先ほど岡田委員から言われたように飛行機ができて、どんどんスピード化され、お客様のサービスに対して改善に改善が加えられております今日、最近聞き及ぶところによりますと、せつかくできました国鉄のドル箱ともいうべき東海道、この湘南地方に対する湘南電車の運行を中止するような話を聞きましたが、この湘南電車ができまして、当時初めのうちは乗客が非常に少かつたのですが、今日のこの湘南電車の便利を周囲の人が知るようになりまして、これを利用することが非常に多い、ことにいつも満員を続けております今日、これらを廃止するとか、あるいは一時休むとかいうような、何らかお考えがあるかないかを、ちよつとお伺いしてみたいと思います。
○津田説明員 ただいまお話のございました湘南電車をやめるというようなことは、私の知つております限りにおきましては、全然さようなことはない。従来も増強して参りましたし、今後とも都合のつき次第ますます増強して参るという方向に向いこそすれ、全然これをやめるということは、まつたくの風説だと思います。
○畠山(鶴)委員 湘南電車、つまりいでゆ号という電電車のことを大体目ざしております。ちよつと言葉が欠けましたたが、現在のいでゆ、これはどうでありましようか。
○津田説明員 今、週末あるいは列車によりましては毎日運行をいたしておりますが、国鉄といたしましては、お客さんがたくさん出ればなるべく車両の都合のつく限り、また乗務員の許す限り、できるだけ列車を増発するというようなことは、当然のことでございます。ただ従来いでゆと申し、あるいはいろいろな、何と申しますか、遊楽的な、ちよつとよい言葉が出ないのでございますが、遊楽的な感じを一般の方に持たせるような名前でございますね。そういつたような名前を列車に冠してやるということは、一般の国民感情に及ぼす影響もどうであろうか。一般世の中におきましては、電力の不足でろうそくをともして本を読む、飯を食うというような時代に、ゆのか列車とか何とかいうような、いろいろな遊楽的な感じを起させるような名前を冠してやるようなことは、やめようじやないかというようなことで、先般そういつた俗称と申しますか、列車の名称はやめるように通達はいたしました。しかしながら国鉄といたしましては、やはりお客さんが出る限りにおきまして、輸送力の方は都合のつきます限りつけたい、かように存じているような次第であります。
○畠山(鶴)委員 ただいまの局長さんのお話で、真相が少しわかりましたけれども、名前をかえて、その電車を変更せずに運行しようというお気持でありましようか、その名前のついた電車は運行を中止しようというのでありますか、それをお伺いしたいと思います。
○津田説明員 先ほども申し上げた通りでございまして、お客さんの都合によりまして、輸送の需要に応じまして、輸送力をできる限りつけるというような方針でございますが、ただ名前はただいま申し上げましたような一部の世評もございますので、この際とるように通達をいたしたということでございます。
○畠山(鶴)委員 まだ私どもの立場から言うと、はつきり了解できませんけれども、最初に申し上げましたように、飛行機がお茶もくれればサービスもするという今日、何の意味においてそういうことを遠慮しなければならないか。日本は国際的親善をモツトーとして、世界の人を相手にしてサービスの改善を根本からはからなければ、日本の将来、日本の経済的に大きな問題があろうというやさきに、私どもはその名前くらいにとらわれて、これを中止するとか、せつかくできたものをすぐよすとかいうようなことは、何だかあまりおとなげないような国鉄の政策ではないかということを考えるのであります。この点につきまして、今局長さんのおつしやられますような單純な意味でなく、いやしくも玄関に金看板をかけて東海道を走つているその名前の汽車を急によすということは、何だかおとなげないような気がします。国鉄の政策は、すべてがそういう單純なものであるかということを疑うようなことになるのでありますから、私はぜひとも支障のない限りは、これを運行してもらいたいと思う。せつかく国民なり住民が、いでゆ号というりつぱな便利な電車ができて、けつこうだといつて超満員を続けている今日、遊覧的気分だけを取上げておりますが、しかしこの電車を利用する人は、ほとんど公務を帶びている、貴重な時間を持つている人が利用しておるのが七割であります。遊覧的気分を持つた人は三割くらいしかないというように、私は実情を見ておりますので、そういうことにとらわれる必要はないと思いますが、この機会に国鉄の前途のために、私どもは営業関係から意見を申し上げる次第です。この点をぜひ御留意願いまして、もしそういうような簡單な軽率なことであつたならば、いま少し慎重にお考え願いたいと思います。
 なおこれに続きまして、昨日来山崎委員その他から質疑がありましたが、管理局設置問題につきましては、私どもは前々国会からともにこの意見は同感に考えているものでありますが、これに準じまして、東海道の三島駅あるいは凾南駅が、伊豆半島の一角にありまして、片側は東鉄の管内であり、片側は静鉄の管内であつて、一つのものを二つにわけて扱われている関係になつております。これには言うまでもなくいろいろ支障のあることは、前々申し上げておりますが、この機会にどうしてもこの地元の要望に対しまして、東京鉄道管理局管内に編入していただきたいことを、重ねてお願い申し上げる次第であります。またこれにつきましては、沼津も今まで東鉄管内に所属されて、歴史を持つ東鉄管内の沼津でありましたけれども、これをとつてしまえば静鉄の関係が非常に薄弱になるという関係がありますので、これらの点につきましては御当局の意見にお願いしたいと思いますが、とにかくこの三島と凾南というものは、トンネル一つを隔てまして、伊豆半島を循環したすべての貨物あるいは旅客、箱根山からおりた人たちのために大きな支障を来しておりますので、四つの管理局設置の場合におきましては、この問題をぜひ取上げていたたきたいことを、重ねて私はお願いを申し上げる次第であります。当局はこれらに対しまして、何かお考えがありましたらお伺いしたいと思います。
○岡田(五)委員長代理 答弁を求めますか。
○畠山(鶴)委員 なければいいと思いますが……。
○岡田(五)委員長代理 飯田委員。
○飯田委員 私は総裁にちよつとお尋ねしたいと思います。昨日の委員会におきまして、国鉄機構に関しまして大澤、山崎両委員より、それぞれ御質問があつたのであります。国鉄側の方の答弁に対しまして、大体私は満足をしたのであります。しかし私がちよつとふに落ちぬ点があるのでありますが、これは総裁にお尋ねするというよりは、私どもの委員会の方の関係にもなりまするが、委員会としましては、昨年の国勢調査の結果、四班にわかれておりましたるところの各委員が帰りまして、そうして四箇所の管理局の設置が必要であるというように認めまして、おのおの答申をいたしました。その結果、委員会を数度重ねまして、この四箇所だけはただちに増置してもらうということに一致いたしたわけであります。いわゆるそこに委員会といたしましては決議が整うたわけであります。そこで私どもはそれに伴いまして、前総裁も御承知のことであつたのでありまするから、もうただちにこれが実行に移さるべきものと考えておつたのであります。昨日、山崎委員の御説明によりまして、私もつまびらかにわかりましたが、委員会が決議いたしましたその後の活動ぶりであります。聞くところによりますと、運輸大臣にも交渉し、運輸大臣と加賀山前総裁も対決し、それには自由党からも幹事長であるとか、政調会長であるとか、あるいは民主党としましても木下総務会長がそこに立会つて、オブザーヴアーといたしましては代議士の方々も立会いの上で、ただちに実行に移すというかたい契約がそこに生じたということでありまして、まことにそれはけつこうなことであつたのであります。その点が私どもは一向わからなかつた。昨日の山崎委員でありましたか、大澤委員でありましたか、これは各党の者が承知しておるというようなお話があつたのでありますが、これは私どもは相談にはあずかつていない。一向そのことはわからぬ。まことに熱心にやつてもらつたことはありがたいのでありますが、お話のうちに四箇所だけはやろうときまつて、りつぱなとりきめがここにでき得た。しかしながならこれを外部に発表をすべきものでないということになつたそうであります。外部に発表しない。すなわちこれを新聞社に知らせない、新聞記事にも載せない。こういうことになつたそうであります。このことは私は初耳であつたのであります。それはどういうゆえんで、これが委員会にも諮り得ないか。外部にも少しも漏せないのか、全国で管理局を四箇所ばかり増置いたしましても、それでは国民が満足いたしません。各地方とも満足をいたしません。大体元ありましたるところの管理部の所在地は、どこでもこれは管理局の設置を要望しておるのであります。でありますから、これを全国的に一ぺんに広げれば、それは十箇所も十五箇所も必要でありまするけれども、今日の国鉄の経済から申しましても、それができ得ないから、まずまず一回には四箇所するぞということで、四箇所のものだけが拍手をして、そうして臭いものにふたをするようなかつこうにして進めようとしたのか、どういうわけで前加賀山総裁が実行に移さなかつたか、こういうことであります。そこで各政党の幹事長が立ち会つておろうが、要望があろうが、あるいは政調会長の意向がどうであろうが、そんなことは問題でありません。私ども委員会としますれば、そういう者が立ち会つておるからやらぬぞということはないのであります。そういうことは国鉄にしても、幹事長が来たからやらぬとか、政調会長が来たからこれは実行に移さぬということはない。委員会なら委員会、国会議員なら国会議員で判断せらるべきものであると思う。ところが各党の幹部の人が出て、そうしてここでかたい取引をしたということは、その間に熱心さというものが現われておることは実証されるのであります。しかしながら前加賀山総裁にして、何ゆえにそれを実行に移さなかつたか、移すと言いながら、なぜに移さなかつたかというところに、私らは疑問があるのであります。そこで私の想像が当らぬかもしれませんが、むろん国鉄といたしましては、この四箇所も必要でありましよう。必要でありましようが、地理的にも経済的にも、現在も将来におきましても、この場所はこの次は必要である。この次はどこが必要であるということは、われわれも一応当つておりまするが、国鉄は一層よくおわかりであることは当然である。そこで前総裁としては、四箇所も必要であるが、この以外にこれ以上まだ必要なところがある。この四箇所を第一次の計画に入れるとすれば、まだまだこれより急ぐところがある。国鉄から見ても、国民から見ても、地方的に見ても、四箇所よりももつと必要なところがあるというようなお考えがあつたのではないか。それが今言う通り、委員会の決議が四箇所にきまりましたから、そこでいくらか何か別の考えを起されたのではないかというような想像もするのであります。年々四班にわかれまして、われわれの委員が向つております。私も長くやらせてもらつておりますので、大体全国を一応歩かせていただいておりますので、ここには必要であるというところは見てとつております。いわんや今申します通り、国鉄総裁といたしましては、十分そこは御承知のことであるから、あるいはそういう点もあつたのはないか。また一面経済のこともあります。国鉄は赤字に重ねるに赤字を出しまして、そうして年々歳々運賃の値上げを要求することになつておるのでありまするから、おそらく四箇所増置しますれば、経費もかかりますし、いろいろな関係があつたには違いありませんが、それがあるとすれば、前総表にしましても、私はよく人柄は存じており、人格者があります。いかにもりつぱな人であります。それが政党に囲まれて、強要せられて、無理に引受けなければならぬことはないと思う。何かがそこにあつたのではないかと私は考えるのであります。そこで新総裁に私がお尋ねしたいのはそこであります。四箇所も必要でありましようが、それより以上に必要なところも私は全国にはあると思いまするが、その点昨日の御答弁におきましては、よく調査もし、詮議もして善処したい、こういう御答弁でありまして、非常に私は心強く存じておるのでありまするが、その御調査あるいは御考慮、御詮議というのは、今一応ここにわれわれが強く希望いたしておりますところの、四箇所にきまつての御調査という御答弁でありましようか。あるいはまた全国的に見て御調査をせられるのでありましようか。ただいま畠山委員からもいろいろ御注文がありましたが、それはこれを野放しにしますと、三十箇所も四十箇所も希望が出て来ましようが、そうはできません。実際にはここも必要だというお見通しがつきまするならば、四箇所だけでなくて、ほかの場所も四箇所の中に入れますとか、あるいはこの四箇所なら四箇所ときまつたところを二箇所にして、ほかの二箇所を加えるというようなお考えがありますかどうか。その今後調査、御詮議、御考慮というのは、どういうところにあられるのか、その点も私はお伺いしたいのであります。ほかにもありまするけれども、その点を私はお伺いいたしておきます。
 それからこの問題について委員会としては、どういう処置をとるのか、これは私深く考えておりますので、本日は委員長で代理でありまするが、委員長の――むろんわれわれが決議をいたしましたるところの決議自体にも責任はあります。われわれにも責任があります。決議というものは、どの委員会でもありましよう。また本会議におきましても決議はありますが、その決議をよろしいとのんだ国鉄総裁、あるいは大臣もよかろうとしたものが、うやむやになつてしまつて、黙殺しておるということは、委員会の決議というものはそんなものであるのか、また国鉄総裁も運輸大臣もやろうといつたものが、昨日の質問まで何ら話がなくて、ここにまさに一年を過しております。一年を越した今日においても何もないということは、委員会は決議のしつぱなしである。また総裁は総裁でしつぱなしでいいか、また総裁と運輸大臣とがりつぱに取引をしていてもそのままでいいのか、こういうことになるのであります。前総裁より新総裁はむろん万事お引継ぎになつておりましようから、そういうことは知らなかつたと申されることはないと思うのでありますが、これは私らの方でもありますが、一体委員長――委員長代理でありますが、これはどう思われるのですか。これまで決議で進んでおつたものがうやむやで、そうして委員会といたしましては、管理局を要望する地方の関係者にここ来てもらいまして、おのおの参考としてよく意見を聞いた。聞いた結果、必要であればやつてやろうというように委員会がなつてしまう。そうしますと、その委員会としてどうするかということを心配するのであるが、一体委員長としてはどうお考えになるか、この点は委員長代理にお尋ねしたい。
 それからもう一点は、先ほど岡田委員より、日本の経済は将来とも容易でない。なかなか将来も安定しないというようなお話があつて、国鉄も大いに勉強してくれということで、委員会も同感であろうというお話があつたのでありますが、これは皆同感でありましよう。しかし私も日本の経済は容易でないと思つておりますが、自由党はそうではない。大蔵大臣の話を聞いておりますと、もう現在安定してしまつているというようなお話でありますが、私の考えはしばらく安定しないと考えております。しかし国鉄も大いに勉強していただきたいという点は同感であります。以上私の申したことについて御答弁をいただきたいと思います。
○山崎(岩)委員 私から先にお答えを申し上げた方が都合がいいと思いますので、発言させていただきます。ただいまの飯田委員の御質問でありますが、昨日の大澤委員の質問に対しまして私は関連して質問を申し上げ、その機会において実は昨年のできごとにつきましてお話を申し上げたのであります。加賀山総裁を中心としていろいろ私どもが協議いたしました事項が、ただいま飯田委員からなぜ今日まで伏せられて来たか、また各党が寄つての相談であつたのだけれども、今日までそれが荏苒日を遅らした理由はどこにあつたか、また委員会としてどういう責任をとられるかという御質問でありますので、私は実は本委員会から、この管理局設置に対するところの交渉委員として選ばれておつた責任があるのでございます。従いまして管理局ができ上るまでは、私は本委員会から選任を受けまして、CTSその他当局に対しまして交渉する役目を公的に持つておりますので、この機会に飯田委員に対しまして御説明を申し上げるということも、私の職責の一端を果すゆえんであると考えますので、私から御説明いたしたいと思います。
 実は昨年の七月二十八日に、与党の政務調査会長、幹事長、総務会長、また民主党からは木下総務会長もお見えになりまして、大臣、国鉄総裁、両院の委員長、本委員会からは片岡委員が正式の委員として参加され、私その他二、三の代議士がオブザーヴアーとして参加をいたしましたことは、昨日お話申し上げた通りであります。それは昨年の八月一日に実施せられるべきところの縦割制度に基く今度のこの大改革を眼前に控えまして、本委員会におきまして容易ならざる空気のありましたことは、飯田委員も御承知の通り、従いまして八月一日に実施することを、あるいは議会としてこれを阻止するというような運動もきわめて濃厚になりましたので、そこで大政党と申しましようか、とにかく飯田先生には申訳のない次第でございますけれども、自由党並びに民主党といつたような、一つの大きな党として指導権を握つておる人々が中心となつて、これに対するいろいろな話合いをいたしました。その際の加賀山総裁と、それから運輸大臣との協約でありまして、これは委員会と関係がない問題なのであります。單にそれらの方々がそういう政務調査会長、総務会長、幹事長という立場と、それからまたそれにいろいろ関連を持つておるところの委員との間におけるところの協約でありまして、本委員会における公的なる活動ではなかつたのであります。とにかく昨年の七月二十八日には、この四つの管理局を置きましよう、置くについては大臣命令を発してもらいたい。またこのことは占領治下にありまして、占領軍の意向に基いて縦割制度を実行することになつたのであり、それに対しまして加賀山総裁がいろいろな立場を勘案いたしまして、今ここで発表し、またさらにこれに加えるというようなこと言うことは、その筋に対しまして、まことにいろいろな点において影響が大きいから、これを秘密にしてほしいというのが、加賀山総裁の御意見であつたのです。それですから私どもは今日まで、ただいま批准国会が開かれてはおりますものの、まだ占領治下にありますので、実はこのことに関しましては、昨日まで私はそのことを申し上げなかつたのであります。しかしそれとはまつたく別個に本委員会といたしましては、北海道並びに東北地方におけるところの状況、全国における国政調査を遂げまして、はたしてこの縦割制度に基くところの改革が、ほんとうに日本の交通政策というものにマツチするものかどうか、こういう点について調査に行きましたのは、昨年の八月十三日であります。
    〔岡田(五)委員長代理退席、大澤
  委員長代理着席〕
まずこの縦割制度を実施いたしました北海道を調査し、北海道から青森県に参りまして、くまなく実情を調査いたしまして、われわれは本院に帰りましてから、昨年の九月十九日に本委員会におきましては、青森、宇都宮、姫路、下関の四箇所に管理局を設くべきであるという決議をしたことは、加賀山総裁や山崎運輸大臣との協約とは完全に別個のものでありまして、本委員会における公的活動として取上げられた問題なのであります。従いまして私はただいまの飯田委員が取上げられて問題にすべきものは、あくまでも本委員会における四箇所に管理局を設くべしという決議それ自体であらねばならない。大臣や加賀山総裁との間における話合いというものは私的な会合であつて、いわば政治的にいろいろな妥協点を見出そうとしたやり方である。もちろんそれだけで私どもは満足することはできない。委員会は委員会の立場において公的な活動をしなければならないのであつて、昨年私どもが実地調査して参りまして、そうして本委員会の決議をした。本委員会におけるこの決議と同時に、私どもは運輸委員長、それから二、三の委員が選ばれまして、私もその一人となつて選ばれて、CTSを初め、国鉄あるいは運輸当局にいろいろ折衝を遂げて参つたのであります。ところが衆議院の本委員会とさらに別個に、参議院の運輸委員会におきましても、いろいろな点から国政調査を遂げて参りまして、委員会において大臣や国鉄総裁にいろいろな点について質問応答をいたしておりまして、その質問に対しては、縦割制度に基くいろいろな欠陷を補正するための、新しい管理局を設けなければならぬという答弁をしている。そこでその答弁の通り、国鉄はすみやかに管理局を設くべきものであるという決議をしましたのは、たしか昨年の十二月十日ごろであつたと考えるのであります。そこで昨年における決議ができ上つたということになるのでございまして、従いまして昨日ここでお話申し上げましたのは、新総裁になられて、また加賀山総裁のお考え方とは、必ず別個の考えを持つておられるに相違がない。またいろいろな点からただいまの総裁は苦難を受けられた方であつて、これは人世におけるすいも甘いもかみわけられた人格者であると私は考えておる。そこで私は昨日は、はしなくも大澤委員の質問に関連をいたしまして、いろいろな点から、私も大臣と総裁のおられる機会に、こういう私的ではあるけれども、各党の幹部と委員とが集合をして相談をなし、協約をした例があつたのだということを申し上げておくことが、新総裁のこれのとらるべき処置の上に何か一つの大きな示唆を与えはせぬかと考えたので、実は私昨日口を割つて本委員会において経過を御報告申し上げた次第なのであります。従いましてを田委員が取上げらるべき問題、本委員会において決議されましたその事項を、なぜ今日まで荏苒日を遅らしたかという一点、しかも本委員会におきましては、これに対しましてどういう処置をとるか、この一点、その点に集約さるべきものであると私は考えますので、実は経過の報告を申し上げた次第であります。
○岡田(五)委員 管理局の問題が昨日から問題になつておりますが、この管理局設置の経過につきましては、山崎委員から詳細にわたつて御説明になつておるので、いまさら私から申し上げる必要もないと思うのでありますが、昨日からの総裁の御答弁を承つておりますると、自分が元鉄道にいた時分の現場、管理部、局、本省という四段構えがはたしていいかどうか。現在の機構がはたしていいかどうか。現在の機構についてもいろいろ欠点を聞いておる。自分としては過去の鉄道の機構と現在の機構というものを比較勘案いたしまして、十分に誠意をもつて研究し、一日も早くこれが実現を期したいという決意のほどを承つたのであります。私は国鉄総裁のお人柄、また明敏なる頭脳の所有者でございます長崎新総裁におかれましては、彼此利害を勘案せられまして、われわれの期待いたしまするりつぱな国鉄運営の機構を遠からず――と言つては語弊があるかと思いますが、可及的すみやかに実現せられると信じて疑わないのであります。ただここで運賃法の審議にあたりまして、管理局を設置すべし、すべからずという議論を――議論というのは言葉が悪いのでありますが、言葉の至らぬところはお許し願いまして、率直に私の意見を申し上げる意味におきまして、お聞きのがし願いたいのでありますが、この問題は、経営の合理化によつて鉄道の経費を節約し、能率を向上することによつて鉄道の赤字をいかに少くするか、いかに運賃引上げの率を少くするかという論点から、管理局問題を考えてみる必要があると私は思うのであります。ただ簡單に現在の姿のままで四つなり五つをふやすということになりますれば、事務当局では必ず、いや人間がふえる、経費がふえるという結論が、おそらく一応は常識的に出ると思うのであります。従つてその四つなり五つの管理局設置の問題を、全体の国鉄機構の改変という問題とにらみ合せて、高能率、合理的に経営されるということに考えるべきではないか、かように私は考えるのであります。かような意味からいたしますると、先ほど飯田委員が言われるように、四つ置いたつてあとに事務的に申せば置くべきところもあるのじやないかというような問題、あるいは四つをふたをしたのではないか、あるいは秘密にしたのではないかというような誤解の一掃、また誤解ばかりじやなしに、そういうあとから来るべき運動に対する国鉄総裁としての態度というような問題も、毅然たる姿に立ち得るのじやないか、かように私は考えるのでございまして、実はこれは運賃法審議には相当関係はあると思いまするが、せつかく国鉄新総裁が昨日のごとき決意を披瀝しておられまするので、その決意を信頼いたしまして、運賃法審議と別個に、この委員会としていかに政治活動をし、いかに合理的な方法でわれわれの院議といいますか、決意が実現するように持つて行くかということで、むしろ分離してこの問題を論議すべきではないか、かように私は考えるのであります。あまりに率直に私見を申し述べて、あるいは岡田委員の軟弱化を非難せらるるそしりを受けるかもしれませんが、活発に、自由に私の所見を一態申し上げた次第でございます。
○長崎説明員 昨日来私申し上げておる通りなのでございまして、繰返すわけでございますが、昨日どなたかが申し述べられましたけれども国鉄の姿、国鉄の機構ということにつきましては、問題は大別いたしますと二つあるのではないかと思います。その一つは、国有鉄道が公共企業体として一体どういう方向に行くのだ、その方向並びにその方向にはたして現在の機構なり制度なりがぴつたり合つているのかどうか、それはもうすでに二箇年間の経験で大体試験済みではないかという、これは非常に大きな問題でございます。これは日本国有鉄道法自体にも関連をいたして参ります。また予算その他の関係にも及んで参ります。財政の問題、あるいは国会との関係、運輸大臣との関係、監理委員会の問題、あらゆる点にこれは波及する問題であろうと思うのであります。従いましてこれを私がただ單純に、総裁なるがゆえに簡單に、私はこう思いますと言うような、さような軽々な問題ではない。もつともつと重大な問題であると私は考えます。そう申しますことは、公共企業体は、ややもすれば公共企業体即独立採算制というふうにくつつけておつしやいますが、私の理解する限りにおきましては、公共企業体というものと独立採算制というものとは必ずしもくつついていないのでありまして、独立採算、これを逆に申しましたならば、收入をもつて支出をまかなう、もしこれがそういう意味であるといたしますれば、昔の鉄道省もやはり独立会計でございまして、收入をもつて支出をまかなつたのであります。ただし金の面において、建設あるいは改良というような新しい設備をする場合において、資金が足らなければ公債を募集する、しかもその公債も、決して一般会計から頂戴して来たのではない。鉄道会計が自分で負担をして自分で償還をし、利息も拂う、そういう制度であつたのであります。これは今日の公共企業体たる国鉄とほとんどかわつていないのであります。そうして国会からの監督も、やはり昔は純然たる官庁でございますから、嚴重なる監督があつたのであります。今日におきましても、やはり私は同様程度の御監督を受けておるやに感ぜられるのであります。これはまだはつきり私研究いたしておりませんからわかりません。なぜそういうことになるかと申しますならば、むろんこれは公共企業体であろうが何であろうが、国有鉄道というものは国民の鉄道であり、国家の政治に重大なる関係があるからだと私は信ずるのであります。この性質をどうかえるかということは重大な問題であります。かるがゆえに、もし二年間の間に研究すべきことあり、また私はあるだろうと信じておりますが、それについては今後委員会を設けるなり、審議会を設けるなり、これはとくと監督官庁である運輸大臣の御意見も聞いて、善処して参りたいと考えております。
 第二の問題でありまするところのいわゆる縦割制、横割制、三段監督制、四段監督制につきましては、私いろいろのうわさを聞いております。私のような古い経験者にとりましては、四段制の方が非常にわかりよくて、まことに便利なのであります。しかしそれだけがほんとうにいいのか悪いのかということになりますと、そんなことをいつまでもやつておれば、百年同じことをやつておることになるのでありまして、私はこれでは国有鉄道において進歩はないと思うのであります。でありますから三段制のいいところ、縦割制のいいところ、横の連絡というものをどういうふうにつけたらいいか、また機構だけをいたずらにいじくつてみたところで、やはり精神の問題と申しますか、事務のほんとうの科学的なとでも申しますか、そういう意味での新しい考え方というものも取入れなければ、私は仕事の能率は決して上らないと思うのであります。ただいたずらに管理官庁の人員をふやすだけでは決して能率は上らない、やはり仕事のやり方というものをよほど考えなければいかぬ、それにはただ單にアメリカとかヨーロツパの横文字を訳んで、それをそのまま敷寫したところで、これまたうまく行くものではない。やはり日本人には日本人のやり方があります。いいところもあり悪いところもありましよう。日本人の悪いところはやめて、いいところをとつたらいいと思うのです。それらこれらを勘案いたしまして、しかも一方においては今日人員の整理あるいは行政機構の簡素化、そうして国民の負担をなるべく軽減しなければならぬ、能率を上げなければならぬという時代でございますから、制度全体として考え直してみたい、私はかように存じております。なるほどこれは巷間伝うるように、アメリカのある会社の制度を模倣して、日本に押しつけられたのかもしれません。けれども押しつけられたからといつて、全部を排斥すべきものではないので、いいところがあればとつた方がいい、悪かつたらやめた方がいい、私はそれを一ぺんとくと見直して、そしてなるべく早い時期にこの問題の処理をいたして参りたい、むろんその際において本委員会の御決議になりました御趣旨をも、十分に考慮いたしたいと考えておる次第であります。
○山崎(岩)委員 昨日私は大澤委員、岡田委員の質問に関連をいたしまして質問をいたしましたために、その意を得ていないところがありまするので、この機会に総裁並びに石井部長さんなどから御意見を承りたいと思います。
 青凾関係におけるところの機雷の問題でございまするが、この点につきましては私は山崎運輸大臣を御案内申し上げまして、現地についていろいろ調査を遂げて参つたのであります。そこで山崎運輸大臣も、この状態では捨ておきがたいといたしまして、ヘリコプターを用いて機雷の発見に努めよう、あるいはまたまことに強力なるレーダーを用いまして機雷の発見に努めめよう、その他探照燈を用いまして、夜間の航行に便益を与えようといつたようなことをお話になつておつたのでありまするから、大臣はそういういろいろな現地の調査をお持ち帰りになりまして、これに対して何らかの処置をとつておられるに相違ない。そこでそれに対しましてはどういう処置をとつておられますか、それを一点お尋ねいたしたい。また国鉄におきましてもどういう処置をとつておられるか、お尋ね申し上げたい。
○石井(昭)政府委員 青凾海峡に機雷が浮遊いたしましたために、本州と北海道との間の輸送にいろいろと支障を来しまして、御迷惑をかけましたことは、ただいまお話の通りでございまするが、山崎運輸大臣も親しく現地を見られまして何とかこれを解消することができないかというお話でございました。従いまして運輸省といたしましては、何とか機雷の危險を排除しつつ、しかも現状の連絡船をもちまして、あとう限りの輸送能力を発揮せしむる方法を研究いたしたのであります。夏季日照時間の長い間におきましては、努めて明るいうちに運航を集中いたしまして航送を行つておりましても、相当の実績が上げられたのでございまするが、だんだんと日が短くなつて参りまして、そういうわけにも参りかねるのであります。はなはだ心配いたしたのでございまするが、いろいろ海上保安庁と協議をいたしまして、現在それまで海上保安庁がやつておりました哨海の区域を、さらに一段と西方に広げまして、その結果といたしまして、海流の速度から計算いたしまして、連絡船の航路に当つて通ります海流が、絶対安全とまでは申せませんが、ほとんど安全といえる程度の哨海の済んだ時間までは、夜間でもこれを動かし得るという結論に到達いたしました。海上保安庁の方においても船が少い折ではございましたが、この間にたくさんの哨海船を配置いたしまして、哨海に着手いたしました。これにあわせまして国鉄の方も、連絡船のダイヤの改正を行いまして、九月四日から一応夜間十六運航の航送を開始いたしました。ただその後も機雷が全然一個も出ないというわけには参つておりません。旅客船につきましては、最も安全な日照時間を選んで航行いたしておるわけでございます。しかしながら今後天候の関係等によりまして、だんだんとそういう哨海船だけでは哨海が十分に行き届かぬ、あるいは日照時間もますます減つて来るというようなこともございますので、できるだけ早い機会にレーダーを備えつけまして、陸上からある一定の線を両端から見通しまして、レーダーによつて機雷を発見することを研究いたしたいということで、これに対するレーダーの予算も海上保安庁から提出いたしまして、補正予算の内容に盛られて、御審議をお願いいたしておると存じます。ヘリコプターのことにつきましても、非常に有効適切でありまするので、この点も司令部方面にいろいろ折衝いたしておりますが、何分にもヘリコプターそのものがアメリカにおきましても、軍用以外にはほとんど使われておらないという状態で、有効適切なものであるが、なかなかヘリコプターの使用ということまでは行きかねるのではないかと思つております。なおこの点については重ねて米軍当局に懇請をいたしておるのでございます。しかしレーダーは性能が機雷の発見に非常に適当いたしておりまして、これによつて相当の成果を上げることができますならば、今後夜間等は、各季になりましてもつと天候が悪くなりましても、哨海がかなり行き届くことになつて参るのではないか、かように考えます。しかしながらそれでもなお自衛手段も必要でございますので、その方におきましては各船に探照燈を備えつける、あるいは防雷網につきましても研究をいたしておりまして、すでに数回の実験を行つております、性能がよろしかつたら、ただちに備えつける準備をいたしておる次第でございます。
○山崎(岩)委員 本委員会におきましては、実は本年の八月一日に実施調査のために、北海道並びに青森県に出張いたしました。そうして私どもは海上保安庁の船を借りまして、凾館から大間港に渡つて見たのでございます。津軽海峡を横断してみて、そうしてはたしてパトロール船が、一体どういう効率を上げ得る活動をしておるか。それからまた津軽海峡そのものが一体どういう程度のものなのか、これに対する浮機雷というものは、一体どういう危險性を持つておるものかという点につきまして、本委員会におきましては身をもつて体験する必要がある、かように考えましたので、ここにおられます岡田委員、黒澤委員、山口委員、柄澤委員、それに私、この五名の者が八月七日に凾館を出港いたしまして、大間港に参つたのであります。そしてこのパトロール船によるところの浮遊機雷の発見に対する船員の活動も、つぶさに見て参つたのであります。あの潮の早い津軽海峡におきまして、パトロール船がどんなに精巧なレーダーを用いましても、なかなかあの波間における機雷の発見は、困難ではないかということを私どもは見て参つた。いわんや日本においてただいま現存する程度の探照燈を用いましても、夜間における航行する船からこの機雷を発見するということは、およそ木によつて魚を求めるような程度のものではなかろうかということを実見して参つた。そこでこれに対する処置を、当局は一体どういうふうに考えておるのか。これに対しましてはただいま石井部長さんの御説明のように、防雷網を用いる、これも必ずいい効果を持つて来るに相違ない。けれども何と申しましても、夜間における航行が一番危險であつて、これはぜひとも晝間航行に切りかえてもらわなければならぬという結論に至つた。このことはまことに困難な問題であります。北海道におけるただいまの滞貨の状況から、本州との間の連絡の関係につきまして、夜間をやめて晝間だけにしろということは、まことに重大な問題でありまするが、しかしながらこれには当局としましても、できるだけの処置を講じてもらわなければならない、私はかように考える。現地におきまして船員その他労働組合の諸君にお目にかかりました。その方々の要望もここにあつた。旅客の輸送は晝間だけやつておつて、貨物の輸送は夜間やらしておる。旅客の生命が尊いのであつて、われわれ船員の命はちりあくたのように考えていいものか。われわれとても尊い生命を持つておる。たまたま国鉄従業員であるのだ。それであるがゆえにわれわれは夜間の航行をやらなければならない。これは一体どういう関係のものであろうかという辛辣な質問をわれわれは受けた。これに対する処置として、国鉄は一体どうやつてくれるのか。これに対するところの超過勤務の手当を出すつもりか。一体どういう優遇案を講じて、この夜間航行の仕事をさせようとするのか、こういう点についてのさもありなんと考える、まことに辛辣な質問を私どもは受けたのでございます。こういういろいろな点を考えてみますれば、私どもとしましては鉄道はあらゆる面において十分研究して、最も適切なる航送の処置をとつて行かなければなるまいと考えるのであります。これにつきましては私ども昨日も質問申し上げたのでございますが、凾館には連絡船の接岸岸壁が四基あるのに、受入れ態勢となつておる青森は三基よりない。これではどうしてもフルにこのベースを使うわけには行かぬ。何としても本州側にも四つの可動橋を設けてもらわなければならぬという、現地における労働組合側の強い要望があるのでございます。その点から言つて、私は小湊における可動橋は、現在の価額にするならば四、五億円からかけておるものと考える。あそこは至れり盡せりで、燈台までもちやんとこしらえてあつて、いつでも連絡船を受入れることができる設備ができておると断言することができるのであります。こういうものを眠らしておいて、最も危險な夜間の航行をやつて行かなければならぬということは、私は鉄道当局における処置としては、いささか失当ではなかろうかと考えるのでございます。この点につきましては昨日も關谷政務次官から、いろいろな御説明があつたのでございますが、国鉄総裁はいま一度この点につきまして、御明快なる判断をせられて、こういう宝の持ちぐされを一日も早く利用して、できるだけ晝間の航行をやつてもらわなければならない、かように私は考えるのであります。何となればこの浮遊機雷の問題は、朝鮮事変が解決したとたんにやみ得る問題ではなく、朝鮮事変が解決いたしましても、その後二年ぐらいの長期間にわたりまして、この危險を拂拭することはできないのです。なぜ私がそういうことを言うかと申しますと、第二次世界大戦終了後において、二年間はあの津軽海峡というものは、非常な危険にさらされた。あらゆる掃海艇が出働いたしまして、機雷に対する処置を講じたのでありましたけれども、なかなかその危險を拂拭することができなかつた。ですから朝鮮事変解決によつて、この問題が明朗なものになるのではなくて、少くともその後二年間は尾を引くのだということを考えてみなければならぬ。そうすれば私はおのずから国鉄当局の判断というものができ上るのではなかろうか、かように考えるのであります。しかも総裁は東北の御出身である。私の隣の秋田県であるから、必ずや冬季における東北地方のあの暴風雪がどういうものであるかということは、身をもつて御体験あそばされておるに相違ない。津軽海峡における冬季間のあの大風雪というものは、机の上で私どもが判断することとはわけが違う。先ほど岡田委員は札幌鉄道局長時代における御軽験を、この席上でもつて述べられましたけれども、咫尺を弁ぜずという言葉がございますが、まさにその通り、一寸先が闇の状態になりますのが、津軽海峡のありようなんであります。昨年における冬季間の欠航は、私の経験では十二、三回あつたと考えます。その十二、三回も、二日あるいは三日間も続けざまに欠航しなければならぬような状態であります。欠航のときは機雷の危險はありません。しかしながら欠航せざるときも津軽海峡の航行には、私は目の先がまつたくきかないような状態がきつとあると思う。この場合における対策を考えてみれば、夜間の航行にどんなりつぱな探照澄を用いましても、機雷の発見は困難だ、そういう結論に達せざるを得ない。そこでもつて私は何としても、晝間航行を第一義に取上げていただかなければならないと考えるのでありますが、この点についての石井部長さん並びに総裁の御意見を承りたいと考えます。
○石井(昭)政府委員 青凾航送の現状で、現在の船腹をもつて晝間に動かし得ます最大の能力は、現在の可動橋の数で消化し得る能力であります。従つてお説のように晝間運航に集中いたしますためには、船腹の増加をはからなければならぬものと思いますが、将来の問題として、まことに御適切なる御意見で、研究させていただきたいと思います。
○長崎説明員 山崎委員のまことにごもつともな御意見でございますが、実は私はかつて在官中、真冬のさ中に小湊を拜見したことがございます。青森の港も承知いたしております。津軽海峡までは出て行かなかつたのですが、東北地方の吹雪の猛烈さは、子供のときから体験いたしておりますから、よくわかります。また従業員の危險を冒す勤務につきましても、これは決して金銭をもつて償い得ざるものであると承知いたしております。これを手当とか、そういうことで片づく問題であるならば、きわめて簡單である、と申すのは口幅つたいようでありますが、容易に解決する問題だと私は思います。しかしそうじやない。お説のようにできるだけ危險にさらさないようにするという問題でございますけれども、御承知のように海は幅は広いし、航路は何本でも引けば引かれるものです。でありますから、船さえあれば晝間運航もできると思います。また小湊の問題等につきましても、運んで来ても、今度は東北本線あるいは奥羽本線というところが隘路になりますから、もしあそこに来れば、あそこに相当大きな貨車の收容所をつくらなければならぬのではないかと思うのであります。彼此いろいろ考えてみますと、はたして今の急場に間に合いますか。御説はまことにごもつともでございまするから十分尊重いたしまして、とくとこの問題を研究し、できるならば御説のように晝間運航に持つて行きたいと存じます。
○山崎(岩)委員 総裁の御答弁を承りましたが、昨日もちよつとお願い申し上げておつたのでありますけれども、青森県は北海道に面しておるところの一つの足場です。北海道の重大なる開拓を控えて、どうしてもあそこを通らなければならぬ一つのベースなんです。その青森県に幸いなことに、たとえば津軽海峡に面した大畑港のごとき、大畑鉄道というものがある。従いまして室蘭と大畑とをつなけば、この大畑鉄道を利用することによつて、まだまだ鉄道の急場をしのげるような措置ができるのではないか。それをどうもあそこはローカル線だから、皆様方の頭にぴんと来ない。そこでああいうものがちやんと備わつておるにかかわらず、これを利用なさらぬのじやないかと、私どもは実は疑いたくなるのでございます。どうか大畑の港のごときは、鉄道までちやんと通つておるのでございますから、室蘭とつなげるようなくふうをする、あるいは東北本線、奥羽本線の措置を何とか講ぜられて、滞貨の払拭ということ、北海道開拓ということのために大きな役割を果してもらいたい。これが私どもの希望なのであります。先ほど畠山委員からもいろいろお話がございましたが、ローカル線の取扱い方はまことにひどい。昨日実は原委員からも総裁に対して御質問がございましたが、東北本線は東海道線その他に比べますと、お月さんとすつぽんくらいの違いがある。まして東北本線の中でも、大畑線また五所河原線のごとき、ローカル線に至つては、ほとんど人を乗せるような程度のものではない。本線から乗りかえて大湊線に参りますと、だにでもいるのではないか、南京虫でもいるのではないかと思うような南京袋でおおつたいすをまず用いさせておいて、昨日原委員の御質問の中に雨漏りがするということがありましたが、まさにその通り、かさをささなければ乗つていられないような汽車の中、しかも冬になると汽車の中でストーブをたきますが、そのストーブの石炭の煙は、機関車と同じような煙を吐いて、とても人間がいることはできない、窒息するようなものを私どもに与えておるのであります。そうして鉄道運賃が同じなのであります。東海道線のあの優秀な車、しかもロマンス・カーというような優秀なものに比べて――私ども地方民がいかにこの鉄道というものを危険視しながらも、足であるから乗らざるを得ないので、やむを得ず乗つているのであります。こういう点を考えてみれば、総裁の御説明にありました通り、まずサービス第一です。一等車よりも、二等車の改造よりも、三等車を何とか直してもらいたいということは、各委員異口同音に言われる通り、この点について御勘案を願いたい。
 それからもう一つ、大畑線と小湊線というものは、客車と貨車が一緒なのです、あれを貨車は貨車で編成されたら、室蘭と大畑とを結んでりつぱに用いることができるのじやないかと思う。しかるに客車と貨車と一緒なのだから、お客さんだけ運ぶと着かない、荷物だけ運ぶと着かない。そこであの線は赤字になつておる。あれをお客さんだけ運ばせる、また貨車は貨車だけ運ぶようにして、室蘭と大畑とをつなぐならば、あの線が十分に今度の急場のお役に立つものと確信しておるのでありますが、こういう点に対して一体鉄道当局は、どういうお考えを持つておるかお尋ね申し上げたいと思います。
○長崎説明員 この次には三厩も出るだろうと思います。青森、小湊、大間、大畑とたくさんあるのであります。たくさんあることはわかつておるのですが、そう簡単ではございませんので、大畑に行つておる鉄道線路はきつと細いことと思います。ですからスピードも出ませんし、また大きな車も入らぬのだろうと思います。けれどもそれは機帆船くらいに持つてくる荷物は、何とか運べないことはないと思います。それからレールをかえれば、非常に時間と費用がかかつて、今仰せの急場に間に合わない。今北海道には非常に滞貨が多いのですが、どうしても急に持つて来なければ、冬になつたらだめですから、やはりこれは一面において運輸省の海運局の御当局ともよく相談をいたしまして、船舶の協力を得ないと、あれだけの大きな北海道の産物を、全部鉄道だけで引受けることは、よほど至難なことではないかと思う。昔のように生産物の少いときはいいのですけれども、今日は大分復興して参りまして、その上に資源の開発もどんどんとできて来ておりますから、やはりこれは船舶の力によらなければ、なかなか解決できないのじやないかと思う。昔だつて石炭、木材など、悪く言えば大量の品物は大体船で東京なり、新潟なり、あるいは伏木なりというところに持つて行かれたものである。それを今日全部あの津軽海峡に乗せて、レールの上に持つて来るということそれ自体において、非常にむずかしい点があるのじやないか。しかし私はできるだけ力を盡して行きたいと思いますが、やはりそういつたところで、船舶のいろいろな経済上の問題等もございますから、なかなか急速に解決がつかぬかと思います。ですからわれわれとしては全力をあげて、北海道の物資を一日も早く本州に持つて参りまして、これを完全に利用していただくべく努力いたしたい所存でおります。
○山崎(岩)委員 山崎運輸大臣は、日本の再建のための第一の要諦は海上輸送力だということを、この間もこの席上で言明されております。青凾連絡船の心臓に対して、先ほど岡田委員からも質問があつたのですが、石井部長さんはそれに対して苦しがつて答えられない。来年もし予算がとれないのでしたら、われわれも一緒になつて働きますから、ひとつ予算をとるようにお願いいたしたい。
○大澤委員長代理 本日はこれにて質疑を終ります。
 明日は午後一時より国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対して、参考人より意見を聽取いたすことになつております。参考人は委員長及び理事に御一任になつておりましたが、きまりましたので参考人の氏名を申し上げます。天日光一君、上田光春君、松宮あや君、高橋秀雄君、福良俊之君、菊川忠雄君、大和与一君、以上であります。
 本日はこれにて散会し、明日午後一時より開会いたします。
    午後四時十分散会