第012回国会 大蔵委員会 第23号
昭和二十六年十一月二十六日(月曜日)
    午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 夏堀源三郎君
   理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
   理事 西村 直己君 理事 内藤 友明君
      淺香 忠雄君    大上  司君
      佐久間 徹君    清水 逸平君
      高間 松吉君    三宅 則義君
      宮幡  靖君    宮腰 喜助君
      八百板 正君    深澤 義守君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  西川甚五郎君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      佐藤 一郎君
        大蔵事務官
        (主税局税制課
        長)      泉 美之松君
        国税庁長官   高橋  衛君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (国税庁関税部
        消費税課長)  永見 周蔵君
        大蔵事務官
        (国税庁徴収部
        長心得)    田所 正幸君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
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十一月二十六日
 委員松尾トシ子君辞任につき、その補欠として
 松澤兼人君が議長の指名で委員に選任された。
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十一月二十四日
 財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五三号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十二日
 勤労所得税等の軽減に関する陳情書(大阪府会議長西田俊信)(第八九二号)
 未復員者給與法の適用患者に対する療養期間延長に関する陳情書外十四件(鹿児島県姶良郡国立加治木療養所伊地知正一外十四名)(第八九三号)
 近畿財務局大津財務部存続に関する陳情書(長浜市長寺本太十郎)(第八九四号)
 南九州財務局管内財務部廃止反対の陳情書(熊本県人吉市長黒木儀壽当外一名)(第八九五号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
 連合審査会開会要求に関する件
 物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)
 財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五三号)
 税制及び金融政策に関する件
  請 願
 一 調整金附送金小切手の処理に関する請願(田中不破三君紹介)(第九六号)
 二 補助貨幣に蜜ばちの図案採用に関する請願(水野彦治郎君紹介)(第二八九号)
 三 台湾における外地資産補償に関する請願(坂口主税君外一名紹介)(第三四六号)
 四 豊平町地内旧陸軍用地を無償払下げの請願(河口陽一君紹介)(第三四七号)
 五 終戦後外地における被接収船舶の国内補償に関する請願(岡田五郎君紹介)(第四一八号)
 六 在外資産の補償に関する請願(大森玉水君紹介)(第五〇五号)
 七 熊本国税局存続の請願(川野芳滿君紹介)(第五六三号)
 八 北陸財務局廃止反対の請願外一件(南好雄君紹介)(第六二八号)
 九 在外資産の補償等に関する請願(三木武夫君紹介)(第六七九号)
一〇 医療法人の医療施設に対する所得税免除の請願外一件(川野芳滿君紹介)(第七三七号)
一一 ふん尿輸送用ガソリン税免除に関する請願(山村新治郎君外一名紹介)(第七三八号)
一二 旧日章飛行場跡保留地開放に関する請願(長野長廣君紹介)(第一〇六七号)
一三 終戦後外地における被接収船舶の国内補償に関する請願(倉石思姫君紹介)(第二〇九号)
一四 煙火類に対する物品税撤廃の請願(高聞松吉君紹介)(第一二八八号)
一五 在外資産の補償に関する請願(坂本泰良君紹介)(第一四四一号)
一六 揮発油税軽減に関する請願(保利茂君紹介)(第一四六二号)
一七 同(村瀬宣親君紹介)(第一四六三号)
一八 同(中村又一君紹介)(第一四六四号)
一九 同(北村徳太郎君紹介)(第一四六五号)
二〇 同(清水逸平君紹介)(第一四八四号)
二一 同(小峯柳多君紹介)(第一四八五号)
二二 同(西村久之君外一名紹介)(第一四八六号)
二三 同(中村幸八君紹介)(第一四八七号)
二四 同(高田弥市君紹介)(第一四八八号)
二五 同(守島伍郎君紹介)(第一四八九号)
二六 同外二件(川野芳滿君紹介)(第一四九〇号)
二七 同(畠山鶴吉君紹介)(第一五二三号)
二八 同(長野長廣君紹介)(第一五二二号)
二九 同(畠山鶴吉君紹介)(第一五二三号)
三〇 同外一件(大野伴睦君紹介)(第一五二四号)
三一 同(中野四郎君紹介)(第二六一号)
三二 同外一件(河原伊三郎君紹介)(第一五六二号)
三三 同(神田博君紹介)(第一五三号)
三四 同(吉川久衛君紹介)(第一五六四号)
三五 同(藤枝泉介君紹介)(第一二六六号)
三六 同(岡村利右衞門君紹介)(第一五六七号)
三七 同(河原伊三郎君紹介)(第一五六八号)
三八 同(藤枝泉介君紹介)(第一五六九号)
三九 同(西村直己君紹介)(第一二七〇号)
四〇 同(角田幸吉君紹介)(第一五七一号)
四一 同(橋本龍伍君紹介)(第一五七二号)
四二 同(田中不破三君紹介)(第一六二号)
四三 同(通達寛君紹介)(第一六一二号)
四四 同(小淵光平君紹介)(第一六一三号)
四五 同(岩本信行君紹介)(第二一四号)
四六 旧陸軍共済組合員に年金交付に関する請願(千葉三郎君紹介)(第一四六七号)
四七 同(江崎真澄君紹介)(第一五七五号)
四八 奄美大島特産品の関税免除に関する請願(石原登君外二名紹介)(第一四八三号)
四九 台湾における外地資産補償に関する請願足鹿覺君紹介)(第一五一七号)
五〇 同(奧村又十郎君紹介)(第一五一八号)
五一 同(北川定務君紹介)(第一五四〇号)
五二 同(宮腰喜助君紹介)(第一五四一号)
五三 同(江花靜君紹介)(第一五四二号)
五四 水あめ、ぶどう糖に対する物品税撤廃の請願(足鹿覺君紹介)(第一五二〇号)
五五 関税定率法の一部改正に関する請願(小金義照君紹介)(第一五二五号)
五六 徴税適正化に関する請願(高田富之君紹介)(第一五七三号)
五七 塩収納価格引上げに関する請願(三宅則義君紹介)(第一五七四号)
五八 光学機械類に対する物品税撤廃の請願(淵上戻太郎君紹介)(第一五七六号)
五九 ふん尿輸送用ガソリン税免除に関する請願(高間松吉君紹介)(第一六一五号)
 陳情書
 一 勤労所得税等の軽減に関する陳情書(大阪府会議長西田俊信)(第八九二号)
 二 未復員者給與法の適用患者に対する療養期間延長に関する陳情書外十四件(鹿児島県姶良郡国立加治木療養所伊地知正一外十四名)(第八九三号)
 三 近畿財務局大津財務部存続に関する陳情書(長浜市長寺本太十郎)(第八九四号)
 四 南九州財務局管内財務部廃止反対の陳情書(熊本県人吉市長黒木儀壽圭外一名)(第八九五号)
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○夏堀委員長 これより会議を開きます。
 一昨二十四日本委員会に付託に相なりました財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案を議題といたしまして、まず政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。西川政府委員。
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○西川政府委員 ただいま議題となりました財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、国の行政事務の簡素化の一環として財政会計制度の簡素化をはか心ため、支出負担行為その他の会計上の制度及び手続を簡素にするとともに、会計職員及び繰越しに関する制度を整備し、あわせて継続事業の円滑な遂行に資するため、新たに継続費の制度を設けることを目的といたしております。
 以下、簡単にその内容を御説明いたします。
 まず、支出負担行為に関する制度の簡素化について説明申し上げます。現行法では、各省各庁の長は、配賦を受けた予算に基き、支出負担行為の計画を定めて、大蔵大臣の承認を経なけれげならないこことなつており、また、各支出負担行為当官は、支出負担行為認証官の認証を受けなければ、支出負担行為を行うことができないこことなつているのでありますが、改正案におきましては、支出負担行為の計画につきましては、公共事業費その他大蔵大臣の指定する経費にかかる予算についてのみ、支出負担行為の実施計画について大蔵大臣の承認を要するこことし、また認証につきましては、特に各省各庁に認証官を置かず、現在の支出官にその支出負担行為が示達された予算を超過しないか、どうかという確認を行わせるここといたしたのであります。なお各省各庁におきまして、予算の適正な執行をはかるため、認証官を置いて認証を行わしめることが望ましい場合には、支出官の確認にかえて認証官による認証を行うことができるものとした次第であります。
 第二に、会計職員に関する制度の改正について説明申し上げます会計職員に関しましては、その任命変更についての手続を簡素にし、また必要に応じて他の各省各庁の職員を、会計職員にすることができることを明らかにする等、会計事務遂行の便宜をはかるここといたしたのであります。
 第三に、契約手続に関する改正であります。現行法におきましては、随意契約または指名競争契約をなす場合には、すべて大蔵大臣に協議を要するこことなつておるのでありますが、契約の性質または契約の金額の小額のものにつきましては、あえて協議を経る必要もありませんので、この協議を省略し得るようにするここといたしておるのであります。第四に、繰越制度の改正について説明申し上げます。現行法による繰越制度といたしましては、経費の性質上年度内に支出を終る見込みのない経費につき、国会の承認を経て翌年度へ繰越すいわゆる明許繰越しと、支出負担行為をした後、避けがたい事故のため年度内に支出を終らなかつた経費の金額を翌年度べ繰越す、いわゆる事故繰越しの二本建でございますが、改正案におきましては、このほかに、予算成立後の理由に基く繰越しを新たに認め、現行の明許繰越しこともに、繰越し明許費として国会の議決を経べきものとし、経費の効率的な使用に資しようといたしておるのであります。
 第五に、継続制度の創設について説明申し上げます。国の工事、製造その他の事業で、その完成に数年度を要する継続事業につきましては、その経費は、毎年度歳出予算を組みまして支出をするのが、現行法の建前でもありますが、継続事業の性格からいつて、長期の事業計画の樹立こともに、これに対する長期の財政の裏づけが望ましいのでありまして、今回継続費を設けまして、国の重要な継続事業につき数年度にわたる支出権限を確保し、その途行に遺憾のないようにいたしたのであります。なお、ただいま御説明申し上げました事項のほかに、歳出予算の部、款の区分は、予算の編成、執行及び決算事務を複雑化せしめる点が多いので、昭和二十七年度の予算からこれを廃止するこことし、現在翌年度八月三十一日まで繰延べている歳入歳出の完結の時期を、最近の出納事務整理の進捗状況にかんがみ、原則に復帰して翌年度の七月三十一日までとすることもに、昭和二十四年九月十五日限り停止いたしておりました4切手4認証制度につきまして、制度自体としても廃止することといたしました。以上財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案の提案理由について御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを御願いいたします。
○夏堀委員長 次に本案につきまして政府当局よりさらに詳細なる説明を聽取いたしたいと存じます。佐藤政府委員。
○佐藤(一)政府委員 ただいま提案理由の説明を申し上げたのでございますが、事柄の性質上あるいはもう少しく敷衍して御説明をいたす必要があるかと思いますので、私から御説明を申し上げます。
 今回提案をいたしております要点は第一番は支出負担行為制度の改正という点でございます。これは御承知のように予算が成立いたしまして、各省の大臣がそれに基いて支出をするという場合には、まず契約をいたしまして、それから支払いをする、こういう二段階になつておるわけでございます。契約をいたします際に、大体四半期になつておりますが、予算全体の契約計画というものをつくわまして、それを年間四つくらいにわけて出しておるわけです。その毎四半期に認められるところの契約計画を越えて契約することができない。これが支出負担行為制度の根本でございます。その計画のもとにおきまして、各契約を担当する――われわれは支出負担行為の担当官と呼んでおりますが、契約を担当しておる係がその計画の範囲内において契約する。契約ができましていよいよ支払いの段階になりますと、今度は四半期別の支払い計画にわけまして、また支払い計画の範囲内であるかどうかということを確かめて小切手を振り出す、こういうふうになつておるわけでありまして、いわばわが国の支出はコントロールがニ重しなつておるのであります。戦前ずつとわが国の会計制度としてとつておりましたのは、支払い計画の制度でございまして、契約の段階、すなわち支出負担行為の段階におきましては計画を四半期にわけるという制度はとつておらなかつたのでございます。終戦後におきまして一時支払い遅延の問題が、非常にやかましくなつたことがございます。すなわち支払いのあてがはつきりないのに、むやみに契約ばかり先にしてしまう。主としてこれは終戦処理費に緊気事態が多く起りましたために、その目的を達するためにそういう事態が起りがちでございました。しかも契約ばかり先走つておりましたために、あとさ支払い計画によつて支払いを確保することが困難であるというような事態から、支払遅延が多く起りました。それで政府としましては、契約自身について計画を設けまして、それを防ぎたいという気持から、契約計画という制度を設けて、いわば二重のコントロールをしたのでございます。ところがその後支払い計画の約束がないようなものについて、契約するというような事態がだんだんなくなつて参りました。一方におきまして、支払いと契約というものは二重になつておりますけれども、その内容においては大体重複しておりますたとえば俸給の支払いにしましても、ちよつとばかりの各事務用品の買入れにいたしましても、契約即支払いという場合が大部分でございます。そういうような事態のもとにおきまして、わざわざ二重の協定をやるということは、いたずらに手続を煩瑣にいたしまして、ただでさえ経理人員が乏しい今日におきまして、非常に事務の負担過重になるということがかねがね叫ばれておりました。今回政令諮問委員会が政府に設けられまして、政府の人事並びに会計の手続に不必要に煩瑣な面があるからもう少し実際に即するように改正したらどうか、こういう要求がございまして、われわれもそれに基いて研究を進めて参りまして、その結果特別に契約についてコントロールをするような経費以外は、すなわち支払いと契約が同時になされ、あるいはまた別々の統制をする必要のないようなものにつきましては、支払い計画の制度だけに残しまして、契約の段階にれける支出負担行為をやめることにいたしたのであります。しかし今申しましたように、公共事業費でございますとか、予備隊の経費でございますとか、予算を編成いたします際に、内容をコントロールするのに不十分な点のあるようなものにつきましては、さらに詳細にわたつて審査をなし、そのコントロールを十分にするという意味合いからしまして、特定の経費として大蔵大臣が指定いたしまして、その契約計画をやはり大蔵大臣の承認にまかせることにいたしたのでございます。
 それから第二に、会計職員に関する制度でございますが、たとえば各省の会計課長は、ただいま会計法上の支出官というポジシヨンを持つておるわけでありますが、支出官でありますときには、たとえば、会計課長の異動がございますごとに、大蔵大臣に一々協議を求めて来ておるわけであります。ところが大蔵省といたしましても、個々の人間についての協議は実は不必要なのでございまして、会計課長あるいは文書課長、その職名に応じて、支出官は会計課長がいいか文吉課長かいいかということを、あずかり知る必要があるわけでございます。それで個々の人間の異動というものが、一々協議にかかるということは不便でございますから、最初に各省の大臣が会計課長を支出官にするというふうにすれば、それだけで事足りるというふうにしたい、こういうわけでございます。
 それから次に契約の点でございますが、御承知のように政府は、一般入札制度というものを政府の売買の建前にいたしております。そして特に法令で認めた特別の場合においてのみ、いわゆる相対ずくの随意契約というものを認めておるわりでございますが、その随意契約をいたします際には、大蔵大臣に一々協議を要することになつております。しかしこの中には、必ずしも一々大蔵大臣の協議を必要としないようなささいなものもございます。それで従来会計法の二十九條におきまして大蔵大臣に協議をすべしということになつておりましたのを、政令によりまして、場合によつては大蔵大臣に協議をしなくてもいいという規定を設ける余地をつくわたいというふうに、改正をいたしました。金額の少ないものでございますとか、労務の契約のようなものにつきましては、一々大蔵大臣の協議を要しないということにしたい、こういう心づもりでおります。
 それから繰越し制度でございますが従来繰越しの制度には二種類ございまして、明許繰越しというものと事故繰越しというものがございました。明許繰越しと申しますのは、国会で当初予算を御審議を願います際にあわせて、この経費は工事の性質その他から見てとても年度内には完成の見込みがない。従つて繰越しをするかもしれないが、あらかじめどうかお認め願いたいという意味の、いわゆる繰越しの明許というものを、予算の中につけて出してあるわけでございます。ところがそれに対しまして、年度当初全然予想はいたさなかつたのでございますが たとえば天候のかげん、雪国において雪が早く降つたとか、あるいは工事において土地の買収が予想外に手間取つたために、本来の工事に落手するまでに至らなかつたとか、何かの理由に基きまして工事の着手が遅れた結果として、年度内に完成の見込みがなく、どうしても繰越しの必要があるというような事態があるのであります。これを私ども事故繰越しと呼んでおります。しかしながらその工事を完成させないわけには行きませんので、大蔵大臣に承認を求めまして、各省におきましてはその繰越しをしておるわけでございます。しかるに繰越しの制度と申しますのは、ともかくも契約を結びまして工事に着手するということが要件でありますが、中には、たとえば今申し上げましたように、土地の買収等でまだ工事に着手する段階にまでも至らないというような、特殊な場合があります。こういう場合におきましては、予算そのものを繰越すことになるのでございますので、私どもとしては、従来は、慎重に考えた結果、これを認めておらなかつたのでありますが、今回これを、国会の承認を経て認めることには、さしつかえなかろうということに考え先のであります。すなわち繰越しの明許というものを、従来当初予算についてだけ認められておつたのでございますが、このたびは追加補正の際、たとえば二十六年度の分について申しますと、来るべき通常国会におきまして、とても年度末には、どうしても繰越しをしなければ工事の完成の見込みがないというような種類のものにつきましては、あらかじめ国会の承認を得まして明許を得たい、こういう制度を開いて、少しでも繰越を円滑にやつて行きたいという考えでございます。これはなぜ私どもがこういうことを考えるかと申しますと、会計検査院の検査報告において、しばしば注意を受けておるのであります。それは各省といたしましては、もしも繰越しするのを厳重に取締りますと、どうしても工事を完了したような様子をするというような傾向が出て来るのであります。そのために工事が完了いたしませんでも、工事が完了したかのごとくに支払いを完了してしまうとか、各種の弊害が出て参ります。検査報告をごらんになりますとわかるのでありますが、そういつた会計検査院の報告批難にこたえる意味においても、この制度を必要とする、こういうふうに考えておるのであります。
 次に継続費の制度について申し上げますと、御承知のように旧憲法におきましては、継続費という制度があつたのでございます。新憲法におきましては規定の上ではなくなつておりますがしかしながらこれは継続費制度そのものを、新憲法が否定しておる意味ではないというように、政府は考えておるわけであります。しかも一面におきまして、大きな工事、たとえば関門のトンネルでございますとか、各種の大港湾工事でございますとか、いわゆる継続費の制度を必要とする公共事業は相当あるのでございます。もしも継続費を認めないというようなやり方をいたしますと、どうしても毎年度の工事計画に不安定が参ります。毎年々々人夫を募集してはまたこれを解散する。その他いろいろな面におきまして、無用の出費をかえつてもたらしておるという実情でございます。その点を考えまして、われわれは公共事業が円滑に施行されるという目的のために、今回継続費の制度を認めたわけでございます。
 なおそのほか、従来決算の予定締切りの期日を八月三十一日にいたしておりましたが、これは暫定的な措置でございましたので、これを一月繰上げて本来の姿である七月の末までに決算を締め切るということにいたしまして、少しでも決算の締切りを早くして、検査院べの提出が湿れることのないようにしたいという点と、それから小切手の認証制度につきましては、すでに法律において根本的に廃止になつておりましたのを、さらに今回確認をしたということでございます。ごく簡単でございますが大体の御説明を申し上げました。
    ―――――――――――――
○夏堀委員長 次に物品税法の一部を改正する法律案、及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、質疑を行います。
○奧村委員 ただいま議題となつております二法律案のうち、物品税法の一部を改正する法律案につきましては、すでに質疑も盡されたと思われますので、この際本案について質疑を打切り討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
○夏堀委員長 奧村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、本案につきましては質疑を打切り、討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。
 本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
    〔総員起立〕
○夏堀委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました
 なお報告書の作成及び提出手続等につ営ましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。
○奧村委員 これは泉政府委員にお尋ねしたいのでありますが、けさの日本経済の記事を見ると、泉さんの御説明に、今度の配当所得に対する源泉課税これに関連して、申告所得税の申告の中に配当所得の申告が非常に少い。つまり法人の内容を調べると、配当金額が総計で百六十五億円あるうち、申告所得税で申告されているものは三十数億円だ、こういう御説明が出ておるわけです。これは国税庁において正確にお調べになつた数字であるかどうか。その点お尋きたします。
○泉政府委員 お答えいたします。法人税の統計によりますと二十五年度中の配当所得の金額は百八十四億というふうな数字になつておるのでございます。ところが実際申告書で提出されました納税者の方についてのみ集計されました所得税の方の数字によりますと配当所得の申告額は本人分が三十億、同居親族といいますか、合算課税されるものを合せまして三十六億三百万円という数字になつておるのでございます。それではなぜ両者の間にそのような数字の開きがあるのかと申しますともちろん一つには、配当所得は御承知のように個人のみならず、法人にも支払われるわけでありまして、法人の配所当得もかなりあろうということが考えられるわけでございますけれども、過言数字をいろいろ調べてみますと全株式のうち法人が持つておる株式は比較的いい株が多くて、配当をしておる会社の株が多いかと思いますが、全株式のうちで大体二〇%ないし二五%程度のものでありまして、三〇%程度にはまだ至つておらないくらいのものなのであります。従いまして、それを引きまして、さらに所得税の納税の義務のない方々、控除の結果、納税義務のなくなる方々について支払われる分もあろうかと存じますが、それを考えましても、なおかつ個人の申告された配当所得の三十六億三百万円という数字は、やはりどうも配当所得の申告のものとしましては、不十分なのではないかというふうに考えられるわけでございます。
○奧村委員 私のお尋ねしましたのは個人の申告は三十六、七億円にとどまつておるが、それは国税庁において調べられた数字に基いておるのかどうかということです。その点を伺います。
○泉政府委員 お答えいたします。その数字は、二十五年の確定申告につきまして、国税庁において集計しました結果でございまして、まだ一般には公にいたしておりませんが、朗報の状態で国税庁に集まつておる数字でございます。来年の三月になります、毎年の税務統計書としまして、発表されることになろうかと思いますが、現在の段階ではまだ年悪書として発表はされておりません。朗報の数字で各税務署、国税局から集まつた数字でございます。
○奧村委員 それでは、法人の受取るところの配当所得が、約三〇%余りということを言われておるのであるが、それはどういう資料に基いて言うておられるのか。
○泉政府委員 これは株式の分布状況の推計、あるいは税務署の方を通じまして、源泉徴収がありました当時の数字からいたしますと、個人が受取る配当所得と法人が受取る配当所得を調べてみますと、法人の持つておるものが大体三〇%程度であつたのであります。ところが御承知のように終戦後は証券民主化というここと、それから財閥の解体というようなことで、法人の持つておる分が減りましで、一時一五%程度にまで下つたのでございます。しかしその後独占禁止法などの若干の緩和等に伴いまして、法人の所有している分が最近若干上りつつありまして二〇%をちよつ越える程度ではないかというふうに、推定されるわけでございます。これは一々統計を全部集めたわけではございません。源泉徴収の税額その他からの推計でございます。
○奧村委員 法人の受取る配当所得についてのこの三〇%というのは、泉政府委員のほんの腹づもりで言われたように思れる。証券取引所で調べた数字によると、約四五%を法人が受取つておる、こういうことを言うておるのであります。これがもつとはつきりいたしませんと、今回の配当所得の源泉課税ついて、われわれは審議するのに相当困難するのじやないかと思うのです。しかし腹づもりでありますから、今これをこれ以上つつ込んでお尋ねしてもしかたがなかろうか思う。
 そこで国税庁の方の資料でありますが、これは特に個人の申告について、配当所得のみについてそういうふうな調査をなされたのか。各所得別にそういうふうな調査をなさつた一環としてそういう数字が現われたのかどうか。その点を国税庁の方へお尋ねいたします。
○泉政府委員 前段のお話の、証券会社などで調べた数字によりますと、法人の所有分が四五%というようなお調べがあるということでございますが、これは上場株式についてだけ調べてみますと、あるいはそういう結果が出るかもしれないのでありますけれども、そのほかの配当しておる株も上場株式以外にございますので、それを合せて集計いたしますと、先ほど申し上げましたように二〇%ないし三〇%の間にあるということにかるのでございます。
 それからあとの御質問でございますが、配当所得についてだけ特に調べたというわけではございません。種類別階級別表と申しまして、確定申告に基きまして、各所得階級別、または所得種類別に調べました結果の数字として、出て来ておるわけでございます。
○奧村委員 それではついでに関連して一つお尋ねしますが、昨年のその調査の際に、株式の譲渡所得、この個人の申告はどれだけ出ておるか。これは一番正確な資料だと思いますので、この際お尋ねしておきます。
○泉政府委員 後刻調べて御報告いたします。
○奧村委員 会計法、財政法の改正案ですね。大体これはどうしてこんな国会会期末になつたのか。われわれは非常にこれは困惑しておる。こういう問題を審議しようと思うと、少くとも十日以上かかるのだが、どうしてこうなつたのか、政府の釈明を聞かなければ審議できぬ。
○夏堀委員長 午後一時半より会議を開きます。
 それでは休憩いたします。
    午前十一時四十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十一分開議
○小山委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
 大蔵大臣が見えましたから、大臣に対する税制及び金融政策に関する質問を許します。
○夏堀委員 毎度のことでありますが、大蔵委員会では法案が山積しまして、次の通常国会に相当重要法案が提出になるだろうと存じます。特に銀行法の改正法案、貯蓄債雰、こういう問題は、金融機関とは何か懇談会等の形で、大蔵大臣の御意見を御発表になつたように聞いておりますが、まだ当委員会では、正式に大蔵大臣より、どのような御構想であるかという責任あるお話を承つておりません。通常国会に入つてから、このような重要な法案を、いつものようにあまり急いで通すということもどうかと思いますので、この機会に大蔵大臣の、これら重要法案に対する御構想を承りたいと存じます。
○池田国務大臣 銀行法の改正につきましては、今の銀行のやり方等を見まして、意に満たないところがございますのて、そういう点につきましてある程度改正を加えたいと思います。改正の内容につきましては、今検討を加えておりまするが、おもなる点を申し上げますれば、第一は資本金の問題でございます。資本金につきましては、大都市は一億円、その他の都市では五千万円程度の資本金にしたらどうか。改正の第二の点は、一銀行が一会社あるいは個人に対しまして、資本金並びに積立金の一定割合しか貸し出し得ないようにすること。御承知のように現状では、かなり大口貸付があるのであります。自己資本以上の貸付をいたしておる場合がございます。こういうことにつきましては、資金運用の適正化と申しますか、そういう点から、自己資本の何割という数字、一業者に対する貸付の制限を設けようと思つております。これは貸付あるいは社債の引受等いろいろな形態をあわせましてやりたい。これを一度にやりますると、急にかわつて参りまして、銀行並びに借りている人に非常な影響を及ぼしますので、ある一定年間は猶予期間を置く、こういうふうな考えで今検討を進めております。第三の点は、資金融通に対しましてどの程度の監督権を大蔵大臣が持つか、こういう問題。これは一番やつかいな問題でございまするが、何といつても金利あるいは貸付條件その他につきまして、何ら監督権がないということもどうかという気がいたしますので、その点今もし指導権、監督権を持つとすれば、どの程度に規定するかというふうなことを、今最も重要な研究題目にいたしておるのであります。おもなる改正点は以上のようなところであります。私は案をつくります前に、金融業者はもちろん、産業団体の人の意見も聞いて万全を期す、こうういう考えであります。
 次の貯蓄債券につきましては、私は長期資金、ことに電力に対しましては十分その資金を獲得いたしたいので、貯蓄債券を政府が発行いたして、これを特定の産業、ことに電力に向けて開発資金として吸収しよう。これもまだきまつた案はございませんが、まあ三年間くらいで、金利の点につきましても発行の際の利回りは八、九分程度にしよう。なおこの頬面は一万円、五千円、情勢によりましては千円、二千円ということも考えられないこともないのでありますが、大体五千円、一万円というふうにいたしまして、割引の方法で発行いたしまして、割増金をつけて行くというふうな考えをもつて検討を加えております。
○夏堀委員 きようは質問ということでなく、一応承つておいて、休会中に十分私どももその内容を検討してみたいというような意味で、今お伺いした次第であります。この銀行法の改正、これは今後金融界に、あるいは事業界に及ぼす影響が相当大きいだろうと存じます。これは大蔵大臣の御構想に基いてこの法案をいろいろお考えになつたことであるか。またはドツジ氏からの何か御指示があつて、これをどうしてもやらなければならぬというようなことになつておりまするか。もしおさしつかえがなかつなら、その点を承りたいと思います。
○池田国務大臣 関係方面からの指示があつたのではございません。とちらから自発的にこういう案で進みたいということで、非公式に今事務当局として出しております。私の、大蔵大臣の案としてはまだ出しでおりませんが、向うから慫慂があつたわけではございません。
○夏堀委員 講和條約に調印したとはいいながら、まだ発効になつておりませんので、関係筋からの御意向であれば、そのように私どもも考えなければなりませんし、またそうじやなく、大蔵大臣のお考でというこ売であれば、この問題はほんとうに腹を割つて、いろいろ今後委員会としても御懇談の機会を求めたい、そうして正式に委員会でこれを討議したい、こう考えておりますのでお伺いした次第であります。貯蓄債券問題では、大体郵便貯金の利子も値上げになるそうであります。そこで各郡部いわゆるいなかの方で郵便貯金にまわつて来るその金額、これと都市の方での郵便貯金の貯金の率と、大体どんなくらいになつておりましようか。
○池田国務大臣 郵便貯金は日によつてやはり動きまするが、大体今年は四百六十億円程度の増加を見込んでおります。都市の貯金と農村、いなかの貯金との割合は今はつきりいたしておりませんが、一応農村の方が相当多いここと考えております。
○夏堀委員 都市の方の郵便貯金も相当多いということでありますまあそうだろうと存じます。大体いなかの方で多少利回りのいい方法を考えたところで、銀行のないところでは、郵便局へ行つて知合いの局長ないしは奥さんに会つて、こんな余分な金が幾らかあるから、まあ郵便貯金をしておこうかこうか、こういう簡単な気分で貯金になる分が相当あるだろうと存じます。しかし都市の方に入りますると、これはいわゆる地方銀行に預金になつている分が、この貯蓄債券にいわゆる移動すると申しますか、そうしたことによつて、地方銀行が非常に脅威を感ずるというようなことになりはせぬかというようなことも、考えられるわけでありまするが、大蔵大臣はこの点に対してどのようにお考えになつておりますか。
○池田国務大臣 資金の蓄積が最も必要であるということは、前から申し上げておるところであります。従いまして今お話のように、政府が財蓄債券を発行したならば、郵便貯金、ことに地方銀行の預金が横流れをしないかという問題ですが、それは貯蓄債券の発行について一番留意しなければならぬと番います。従いまして、今の利子の関係等につきまして、相当考えなければならぬと思うのでありまするが、私は横流れのするような方法は避け、とにかく貯金された以外のもので、いわゆるたんす預金とか何とかいわれておりますが、そういうものをねらい、またその次にはできるだけ貯蓄を増強するのに都合のいいあの手この手で、貯蓄をしてもらうという考えのもとに進めたいと思うのであります。一時は横流れするような場合も考慮して、地方銀行にも売り出さして、そのうちの一定額を売り出した銀行に還元しようかという考え方をもつて、協議は進めておるのでありますが、銀行によりましては、そういうことをしたくないというところもありますので、最後の結論には至つておりませんが、なるべく横流れを防止して別途に蓄積ができるような方法を講じたい、こういう考え方でございます。
○夏堀委員 この二つの重要法案についての御構想を承りました。これはまあきようは承つておくという程度にいたしまして、十分に私どもも検討いたしたいと存じます。
 なお最近の金詰まり状態はかなり深刻なものがあるようであります。東京の手形交換所で、いわゆるこの金詰まりにつきまして、不渡り手形の発生事件が八月ころで毎日三百件くらい、十月は四百件台、十一月になつて一躍八百件台、また銀行からの取引停止の処分を受けた商社あるいはメーカー、これが十月中に千百大十八件、手形の金額は一億三千万円、ちようど九月のそれに比較して二倍になつておるということを承つております。このような金詰まり状態は、結局何かの対策を講じなければならぬだろうと考えております。この年末に際して、なお一層これに対して拍車をかけるであろうというこのような非常な危機な状態を来しております。何か年末金融等について、この対策を大蔵大臣はお考えになつておるかどうか。この点をお伺いしたいのであります。
○池田国務大臣 お話の通りに、かなりきつい金詰まりの声を聞くのでありまして、この原因はやはり生産の増と物価の騰貴、これが主たる原因をなしておるのでありまして、これが緩和のために日本銀行はかなりの貸出しをいたしております。日本銀行の貸出しが今二千四百億ばかりで、昨年の倍くらいになつており、別にユーザンスの方で千三百億円ほどの信用供與をいたしております。片一方では預金よりも貸出しが多い。いわゆるオーバーもローンになつている。そうかと思いますと、片一方では金詰まり、こういうことになつておつて、年末にかけて金融対策を考えなければならぬという声が、強くなつて来ておるのでありますが、私は特に今年に限つてこういう策を持つておるという策はございません。ただ予算審議を終えましたならば、国民金融公庫とか、あるいは農林漁業とか、いろいろな金が政府の投資として出て参りますので、これを年末に有敷に使つて行こう。それからまた日本銀行に対しましても、年末越年資金としての手配は、万潰漏のないように指示いたしておるのであります。従いまして、通貨も五千億円を越えることは当然であり、またいる金はどんどん出してさしつかえないが、片一方では通貨増発によりまして物価高、インフレに拍車をかけるということは、これは経済全体としては愼まなければならぬことでありますから、資金の効率を上げるような方法で融資をして行くように、指導いたして曲るのであります。数多い中には思惑をした一部の商社もあるようであります。これにつきましても、できるだけつぶさないようにして、やつて行けるものは銀行その他と協調して、犠牲者の少くなるような方法を、1個々の場合に考えさしておるのであります。輸入増加による金詰まり、あるいは策出の場合思惑をしたのが、値が上つて困つておるという具体的な例も聞いておりまするが、そういう問題につきましては、個々にこれをとり上げて、市中銀行間で協力して、とにかく何とかこの年が越せるように努力したいと思います。
○小山委員長代理 ちよつと申し上げます。ただいま大蔵大臣は本会議において、緊急質問に対する答弁を要求されておりまして、二十分ばかり中座されますので、御了承願います。
    ―――――――――――――
○小山委員長代理 この際ちよつとお諮りいたしておきます。それはただいま通産委員会において審査中の企業合理化促進法案につきましは、大蔵委員会の所管に重要な関連を持つ法案でありますので、通産委員会に連合審査会開会の申入れをいたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長代理 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
 なお連合審査会の開会の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。――それでは連合審査会は明日の午前十時開会のことにいたしたいと思います。皆さん全員の御出席をお願いいたします。
    ―――――――――――――
○小山委員長代理 財政法、会計法に対する質問はありませんか。
○深澤委員 財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する法律案について質問をいたしますが、この提案理由の説明を聞きますると、国の行政事務の簡素化の一環として、この制度の簡素化をはかるためにということになつているのでありますが、行政事務の簡素化ということは、結局人員整理という形で、このたびの行政整理に大きな関係があると思うのであります。この財政法、会計法等の改正による行政事務の簡素化によつて、整理人員はどのくらいになりますか、その点をひとまずお伺いしておきます。
○佐藤(一)政府委員 ちよつとお断り申し上げておきますが、実は今回の行政整理、すなわち行政の簡素化と当然結びついておるわけですが、これと今回の私どもの改正というものは、もちろん間接的に関係がないとは申しませんが、直接関連づけて改正をするということまでは、実は考えておらないのでございます。もともと行政簡素化の必要は前から叫ばれておりましたが、私どもの方としましても昭和二十四年に現在の認証制度というものができましたので、いわば試験的にこれをやつてみたのであります。ところが約二年間ばかりこれをやつてみましたが、功少くしてむしろ煩雑というか、害の方が相当にあるという結論が出ましたので、こういうことにいたしたのでありますももちろん各省大臣の立場からしましては、どうも手続が非常にめんどうくさいから何とか簡素化してくれ、あるいはその逆に、とてもこんなふうに煩雑な手続であつては、今の人手では足りないというような要求が、しばしばあつたことは事実でございます。各省の会計課長の集まります会議にお冒しても、そういうことがしばしば話題に上つたのでございますが、しかしただいまのこの会計法、財政法を改正いたしました結果、何への整理を心がけておるというところまで、直接の関連をつけて考えてはおりません。従つて今の点は、私どもとしてもはつきりと数字をもつてお答えするということは、できかねるわけであります。
○深澤委員 この行政簡素化では人員整理は含んでいないというこが、御答弁によつて明確になつたわけであります。
 第二にお伺いしたい点は各省、各庁の長官が配賦を受けた予算を使う場合において、大蔵大臣の承認を得なければならないということを、今度は緩和したようであります。ところが先ほども夏堀委員長の銀行法改正の問題に関連しての大蔵大臣の答弁は、現在の銀行に対して監督権、指導権を強化する意味の銀行法の改正が行われるということも言つておりまするし、昨年度におきましても預金部資金等を資金運用部に統括いたしまして、大蔵大臣の国家資金に対する権限の面を強めております。ところがこの会計、財政法によると、大蔵大臣の権限というものを縮小する意味も含めておるというぐあいに、われわれは理解するのでありますも最近の政府の政治の行き方が、大蔵大臣等に金融財政の権限を非常に強めて行くという傾向が顯著に現われておることは、吉田内閣の性格から考えて必然であると考えるのでありますが、この法案によると、かえつて権限を弱めて行くというような、趣旨としてはこれは大蔵省独善の傾向を一応緩和するという意味において、まことにけつこうであるが、全体の行き方としては、どうも逆行する行き方はないかと私は思うのであります。それでこの法案を提出いたしました真意はどこにありますか。その点をひとつお伺いしたい。
○佐藤(一)政府委員 ただいまのお話でございますが、一つには銀行検査の問題を今お話になりましたが、私たち扱つておりますのは、直接には政府部内の関係、すなわち大蔵大臣と他の大臣との関係でございますので、お話のありました点と必ずしも軌を一にすのるということはないと思います。今回改正案を出しました根本の趣旨は、先ほどから申し上げましたように、この新しい制度というものは、われわれがやつてみた結果として、大して益がかくて、案外手続が煩瑣であるということを感じたからであります。大体予算というものを考えますときに、国会の議決を経まして、政府がこれを使つてよろしいというその趣旨を尊重するか、あるいはまた他の面、予算以外の面、たとえば資金統制という見地を尊重するかということは、そのときぞれの情勢に応じて考えるべきものと考えておりますももちろん予算は国の資金計画上の重要な一部分でございますので、資金統制という見地からも、これを没し去ることはできません。しかしながらそれにつきましては、午前中に御説明申し上げましたように、支払い計画制度というものがなおございます。すなわち契約の段階における統制は、今回や争ゆるめられましたけれども、支出資金の面におきましては、従来と何らかわつてはおりません。ある経費を出しますときに、各省大臣に四半期ごとのわくをはめ込みまして、そうしてこれは第一も四半期に契約していいが、第二も四半期にしてはいかぬししいううな統制をすることが妥当かどうかいうことは、これは運用の面も大いにあるのでありますが、疑問があるわけであります。一番理想的なことを考えますると、各省大臣が一年間の予算の配賦を内閣から受けましたならば、最もその使いよい時期において、国会が認めてくれた趣旨に応じて最高の能率を上げる時期において、これを支出し得るようになつておることが、一番理想的であるというふうに私どもは考えております。ただ先ほど申し上げましたように、昭和三十二年、二十三年等の経験によりまして、一時契約と支払いとの間に非常に不必要な時間のずれが出まして、支払い遅延としう一つの大きな問題を起したことがありましたものですから、それらを考え合せて現在の制度をつくつたわけであります。しかしながらほんとうを言いますれば、今申し上げましたように、各省大臣の責任において、一番能率の上る時期において、予算の契約を結ぶということが適当かと考えられるわけであります。
 なお実際問題といたしましていろいろな経費を契約しようとしますと、その計画のわくがある。それをどうしてもわくを直すということになりますと、いろいろなこまかい経費についてまで、毎四半期の計画の訂正を一々大蔵大臣に持つて来ておるわけでありまして、これらの手続の煩瑣ということも、事務の上から見ますとなかなかばかにならない分量に上るわけであります。あれやこれやを考えまして、支払い計画の面におけるコントロールというものを嚴存さしておくならば、契約の面における統制こいうものは多少ゆるめた方が、予算の執行上もむしろ適当ではないか。こういう結論によつて今回の改正案を提案したわけであります。
○深澤委員 これは大蔵大臣もすでに言明されているごとく、予算の支出については行政面において幾多の不正行為があることは、これは天下周知の事実であります。国民自体もこのような不当な支出に対しては、納税ということに対しても非常な疑問を持つような結果になつておることも、皆さんすでに御承知のことだろうと思うのであります。要するにこの予算支出の問題は厳格の上にも厳格にして、国民の疑惑を招かないことが第一であると考えるわけですが、何かしらこのような形で認証関係の問題が緩和されて参りますと、現在の不当なる予算支出の問題を解決するのでなしに、より以上の混乱に陥らせるような印象を、われわれは受けるのであります。その点についてはどういうぐあいに考えられておりますか。
○佐藤(一)政府委員 ただいまの御心配は、私どもも実は同じような考え方でおるわけでございます。経理の面における不正事故というものは、終戦後の混乱で相当件数に上つて来ているわけでありまして、これを何とか防止したいというのが私どもの念願でございます。それにつきましていわゆる形の上と申しますか、法規的に非常にこまかいあれやこれやという統制の方法を考えまして、こまかくきめつけて行く方がいいか、それともある程度自分の責任というものを意識させて、そうして手続の上ではある程度の弾力性を與える方がいいか、これらが私どもの考えなければならぬ点だと思つておるのであります。行者の実際。言い分その他を聞きまして、われわれ勘案いたしました結果によりますと、いたずらに手続が煩瑣である。各省の官吏は会計法規を理解することだけで精一ぱいである。いろいろな、たとえばチエツク・アンド・バランスというような組織がよく言われておるのでありますが、それだけに責任が不明確になるのであります。たとえばただいまの制度を一例にとつてみますと、支出負担行為担当官が契約を結ぶのでありますが、しかしながらその契約を認証官が認証するという場合に、支出官が今回は兼ねるような仕組みにしたわけであります。さらに認証官のほかにまた支出官がある、そういうふうに権力が分立しておりますると、責任がやや不明確になる。一体だれが最後の責任、最も多い責任を背負うのかというような点も、不明確になるわけであります。それからとかく他人に依存するというような傾向を生ずるということも、いなみがたいと存ずるのであります。結局責任の所在を明確にし、そうしてしかも万一不正事故が起りましたときには、ただちにこれを捕捉できるような組織、すなわち簡潔な組織ということも、われわれにとつて考えなければならぬ問題ではないかと思うのであります。われわれは最近の経験に基きまして、ある程度会計手続というものを、そういう見地から簡素化をする必要があるというふうに考えて参つたわけであります。
 なお会計職員、予算執行職員の責任に関する法律というものが昨年でき上つたわけでありまして、これに基きまして会計検査院が比較的簡便な手続をもつて、その責任を追究し得るような組織を確立したわけでありますが、その法律を適用いたしますにも、むしろそれぞれの部門の担当官の責任を重くした方がいいのじやないか、というようなことも考えられます。
    ―――――――――――――
○小山委員長代理 大蔵大臣がもどつて来られましたので、引続き大臣に対する質問を続行いたします。夏堀源三郎君。
○夏堀委員 ただいまの年末金融の問題についても大蔵大臣は補正予算の面で幾らか足しこなるでしようと言うけれども、この年末の金融には大した足しにはならぬと思いますも何か年末金融ということについて特に取上げた面があるのじやないのだろうか、こう存じまして伺いした次第でありますが、事新しくそれは別に考えておらぬというような御答弁で、国民も非常に期待はずれというように考えられた、思つております、この十一月十三日に引揚げた預託金の百四十九億、これによつて一層金詰まりを激化した、こう私どもは考えております。この際に預託金を再預託するようなことをお考えになつておりませんかどうかいうことをお伺いいたしたい。
○池田国務大臣 これは昨年の二月だつたと思いまするが、百四十九億を普通の銀行に預託いたしたのであります。その後補正いたしまして、今の相互銀行、前の無盡会社の方へ二十億ばかり肩がわりした。また信用金庫の方にも七、八億出しました。それから商工中金、農林中金の方もふやしたのであります。今回引揚げましたのは、この六、七月ごろから計画いたしまして、普通銀行の分を引揚けることにいたしておるのであります。無盡会社、すなわち相互銀行あるいは信用金庫、商工中金、こういう方面の分は年末に引揚げずに、来年の三月まで延ばすことにいたしております。それから引揚げました銀行につきましても、災害地の銀行につきましては十五億ほど引揚げましたが、また別に出すことにいたしております。従いまして残りの百億ばかりのものは、ただいまのところ引揚げつばな上で、再度出すという計画は持つておりません。私はやはり全体的に日本銀行あるいは市中銀行が適正な方法に上つて、政府の金ということでなしに、いるところには出すということで行つていただくのが、定石ではないかと思います。今回の法人税法におきましても、普通ならば十二月の初めに三、四百億円の税金が入るのでありますが、これは御承知の通り三箇月、半額は三箇月以上ということにしておりますので、十二月の金融には相当役立つと思います。また商工中金につきましても、できるだけ融資をしたいというところで、今案を練つておりまするが、国民金融公庫あるいは農林漁業金融の方からも出して行きますし、また農中の方には御承知の通り供米資金が相当余つております。これを何かの方法ででひとつ使つて行きたい。年末金融はこういうことで、あらゆる方策をその時期に使つて行くのが適当ではないかと考えております。
○夏堀委員 中小金融に対しては、若干大臣は御考慮なさつておるようでありまするが、との年末金融の急場を救済するには、やはり全体に対して大きく――私どもの考えとすれば、関係筋の方でそれはまかりならぬということであれば、これはやむを得ないことでありまするけれども、大蔵大臣の裁量でできるものであつたならば、この際に百五十億や二百億の金は、再預託するようなことをお考えになつてほしい、こういうような意味でお伺いした次第であります。それはできないということでありまするが、できないということは一体どういうことか。それはあなたお一人のお考えで出したくないのであるか。またこういういわゆる急場を救済しなければ、国民経済は先ほど申し上げたように、不渡り手形、銀行取引停止等もう経済的破綻を来すという面まで追い込まれておるから、これを救済するのが政治じやないか、こう私は考えておりまするけれども、どうも出したくないということが、まだ占領管理下にありまするから、その関係筋の側に何らかあれば、これはやむを得ないことでありますけれども、この点をしいて今ここでどうこうということをお伺いすることは、大臣を苦しめることになるかもしれませんけれども、できる限りこの面に対しては、国民経済のあり方を十分に関係筋の方にひとつ御説明かさつて、そのような方法をとつていただくことが望ましいと考えております。どうもインフレとかなんとか言つて、大分御心配になつておるようですけれども、むしろこうした金詰まりは国民経済を最後の破綻の線に追い詰め、従つて本年の電力関係、金詰まり等によつて、生産は著しく減退しはせぬか、こうまでも私どもは考えておりますが、もしそういうことになつたならば、二十七年度の予算歳入において何か狂いが来はせぬか。これは杞憂であればいいのですが、もしそういう面があつたらこれはゆゆしき問題である、こう考えるものであります。そのようなことについて何か御心配ありませんか。その点をお伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 出したくないということではないのであります。この百五十億の分は、実は昨年度引揚げる約束をしておつたのでありまするが、あの当時引揚げるということはよくないので、関係方面と話合いをつけまして、とにかく政府の資金散布のとまに、政府からどんどん金を出すときにかわりに引揚げる。それはやはり八月頃から準備して、十一月ごろに返してもらうのが一番返してもらうときとしていいこういうので七、八月ごろから準備してやつておるのであります。急激に引揚げたのではございません。しかもまた引揚げますにつきましても、ただいま申し上げましたように、年末、越年のために必要な分だけは残しておく。災害でいる場合においては特に再貸付をする、こういう手配はとつております。ただ政府が金を一般銀行に預託してやるということは、定石ではございません。従つて金融というものは一応定石を踏んで、そうしてずつとやつて行つて、どうしてもしわが寄つて来るというときには、何としてもこれはやらなければならぬ。私は一応定石を踏んで行つて、そうして日本銀行あるいは普通銀行、あるいはその他の特殊金融機関を督励して、定石でひとつ越えて行こう。そこでむずかしくなつた場合におきましては、これは一昨年もそうでございまするが、見返り資金で造船資金あるいは電力資金を年末に出すこういうようなことをやつておりますが、その時々、情勢に応じていろいろな手を打つ、そう実はいたしております。
○夏堀委員 定石ではない。あるいはそうかもしれませんけれども、この前にお出しになつたときは、それは定石であるかないか知らないが、国民経済は非常に困つた、金融界は非常に困つたからお出しになつたので、今はその当時と比較してはたして定石論によつて、これを出さなくてもいいということができるかどうか。私はその当時よりも、むしろ今の方が非常に危機に追つておるというようにも考えております。このことで時間をとつても何でありますので、とにかくこの問顯は大蔵大臣の御盡力によつて、国民は大きな期待を持つておるのでありまするからひとつ国民の期待を裏切らかいようにして、この年末金融を、そういう面において救済してもらいたいということを、私より申し上げておきたいと存じます。
 それからもう一つは資本蓄積の問題です。独立国家となつての、自立経済的資本蓄積の問題になりますが、現在資本蓄積は各会社の現状において、どういう状態になつておりまするか。これは簡單でよろしゆうございますが、御答弁願いたい。そしてなお資金はいわゆる利益の何十パーセントが資本蓄積に向いておるかもこれをちよつとお伺いしたい。
○池田国務大臣 年末金融について重ねてお答え申し上げますが、御承知の通り一昨年の暮れはかなり金詰まりがひどかつたので、当時の預金部資金百億円を十二月に預託いたしました。それからその後年が明けまして、中小企業の金融とかなんとかいつて騒がれたときに、今の政府のものを出したのであります。私は今こういう金を出す、ああいう金を出すという約束よりも、いつでも大蔵大臣は経済の円滑なる運営ということが第一の主眼でございますから、あの手この手といろいろの画策をいたしておりますから、どうぞ御安心を願つてしかるべきだと思います。いろいろの手がございますので、微力ではございまするが、万端の用意はしておりますから御安心をいただきたい。
 それから資本の蓄積で、法人の資本の蓄積は私は非常にこの二十六年度はできたと思います。利益金の留保が大体二千三、四百億円、それに持つて行つて償却で利益から落した金額が千百債円、三千五百億円ばかり二十六年度の法人関係で資本の蓄積ができたと思います。その中の千百億円は償却の分でありますから、ほんとうの意味の資本蓄積ではございませんが、利益金から留保した分が両方合せて三千五百億円、二十五年度にはこの三千五百億円に比して千五百億円程度でございました。二十四年度は六百億円余り、こうなつてみますと幾何級数的に法人関係の留保はふえているのであります。利益金を積み立てたものが二千三、四百億円でありますが、配当は八百億程度であります。税金が御承知の通り千五、六百億円、こうなつて参りますので、大体全体が五千七も八百億円の利益で、税金の千五、六百億、配当の八百億、その残りが資本の蓄積となるのであります。会社によつて違いますが全体の会社はそうなつておりますので非常な資本の蓄積をいたしておることに相なつております。
○夏堀委員 こういう資本の蓄積は、税率を引上げることになつて、民間資本の蓄積はこれに逆行するというように考えてよろしいだろうと思います。これは両方持つて行かなければならぬでしようが、大体今後のあり方は、大蔵大臣はどちらに重点を置いてお考えになつておりますか。
○池田国務大臣 税金をとつてそれをためるということよりも、税金を少くして民間の人にためてもらうということが本筋だと考えます。税金を安くして民間にためさすようにしたらどうかということでありますが、そういうようにしております。ただインフレ防止のためにある程度税金でとつて、国家資金として使う場合もありますが、これは原則ではありません。
○夏堀委員 それで私どもも大蔵大臣の御意見に賛成であります。まず民間の資本蓄積によつて国民経済の基盤を強固にし、そしてそれがひいて国家財政の健全化をはかることができる、こういう順序で行くべきものであると存じておりまするので、そのような御方針でお考えになることは、私どもも賛成であります。なおこの資本蓄積の面で、資本の蓄積と税体系の確立という大きな問題がありますが、大分最近今社関係が成積を上げているというようなことで、一日に二億円程度の遊興費そうした濫費がある、こういうことを伺つておりまするが、これは国税庁幕官もお見えになつておりまするが、一日に二億円程度をいわゆる遊興費として――社用族と申しておりますが、こうしたようなことが実際あるかどうかお伺いしたい。
○高橋(衛)政府委員 会社におけるところの交際費その他として、料亭等に使われる経費の額に関しましては、これはむしろ遊興飲食税を調査しておりまする地方自治庁でありますか、その方面において調査があるかと存じますが、私の方でこれだけを取上げて調査したものは、ただいまのところございません。これだけお答えしておきます。
○夏堀委員 それでこの問題は非常に大きな問題であつて、二億円という濫費がもし事実であつたならば、これに対して政府及び国民全体が反貧して、これを有敷に使う線に持つて行つたならば、私少くともこの支出を八百債ないし一千億と見ておりまするので、特にこういうような大きな金がたとえば電源開発とか、こういう国策的に有効な方面に使うことができることになれば、それはたいへんいいことじやないか、こうちよつと思いついたので、お伺いいたしたわけであります。なお地方自治庁の予算の面では、二十六年度の遊興飲食税の予定額は大体百六十一億一千四百万円になつているそうであります。そこで売上げの税率は三〇%であるから約五百億円程度になる。しかしこれとても六割くらいで、四割は実態把握不能であるだろう。これは大体予想びつくことであります。こうしたような金が大体社用族と申しておりますが、この会社関係の交際費その他の濫費になつておるそうであります。個へなんというものはせいぞれ全体の五%にも当らぬだろうと思います。そうすると会社の経理の内容を、税体系の確立という面からいつて、これを何とか軌道に乗せるようなことをお考えになつてはどうか。どうしてもここに現われた数字からして、地方自治庁のこの予算面に現われるそれは、今私が申し上げたそれとほとんどかわりがない数字であつて、むしろ二億二千万円くらいになることになりますので、この際にこれをどういう方法で資本蓄積の線に繰上げることができるか。たとえば私の考えとしては、会社経理の内容について、この考え方ですが、青色申告のような申告の内容に、この程度はまあ認めるとか認めないとか、そういうことは御研究の上で一つの線をすえて、そうして資本蓄積の線がかりに四〇%程度であれば、その四〇%程度以上の線にこの濫費を繰上げた際に、それを免税もしくは一〇%程度の減税にするという方法を、法律もしくは何か国税庁の操作の上において、これをおやりになることができるならば、結局その濫費の防止もできますし、資本蓄積もできます。そういうような方法で政府及び国民全体が反省して、ほんとうにいわゆる講和締結後の独立国家としての国及び議会、個へ全体が自己の責任において資本蓄積の実態を実施しなければならぬ、こう考えておりますので、この問題を取上げてお伺いした次第であります。これは今ここで、しからばこういう名案があるかちどうせい、こうせいと言つたところで、これはちよつと事務的に相当研究しなければならぬ問題であると存じますので、大臣及び国税庁長官はこの問題を十分に頭に入れて、今後事務的にこれをどう傑作して有敷に使えるかということを、御研究を願いたい。私どもも研究してみます。
 繰返して申し上げますが、二億円という濫費の支出があるということが、すでに予算の面に現われて、そうしてその全部が把握することができないということ、料理屋が最近全国的に増築新築あらゆる方法で、りつぱな建築をしているということ、これはまさか金融機関が全面的に援助しこやつているとではないだろうと思います。そういうことはお客からとる金あるいは税の面における操作、こういうことで中小企業の――まあこれも中小企業であるかもしれませんが、一般の産業面に携わつている中小企業の連中の予想も及ばないような、宏壯な建築をやつているのであつて、そうした面から見てもこれを否定することはで品きないだろう、こう考えているのであります。きようはこれに対して具体的にこういうような方法でやろうじやないか、また何か名案がないかとかいうことは申しませんが、特にきようは私から取上げて政府に申入れをして、そうして今後資本蓄積の面において、国民全体の協力態勢をつくつていただきたいということを申し上げておきます。これに対して御答弁を願います。
○池田国務大臣 お話のように一日遊興飲食の金が二億円になるかならぬか正確な答弁はできませんが、私はそのくらいに上るのじやないかと思います。一軒の料理屋で年に六、七千万円の売上げの料理屋が、相当とは申しませんがちよいちよいあるこういうことから考えると、料理屋のみならず温泉族館等を入れますと、夏堀さんの御想像のような金額になるのではないかとも、私も考えるのであります。ただこれをどうするかという問題であります。戦時統制時代におきましても、商売上の交際費を切るということは、なかなかむずかしいのであります。ほかの機会でも申し上げましたが、あるしようゆ屋とか酒屋が、自由主義になつて参りますと、自分の販路を獲得するために温泉に小売屋を招待する。これは私は、しようゆ屋とか酒屋としては必要経費だと思うのであります。その必要経費としての硬い方が多いとか少いとかいうことは、なかなか問題でございまして、交際費のたくさんいるところとたくさんいらないところは、おのずから業種によつて違いますが、業種別に、また企業の規模別にやるということは、なかなか困難な点があるので、昔からたびたび考えたのでありまして、同族会社につきましては今でもある程度やつておりますが、一般の企業につきまして基準を設けてやるというこ様、なかなか享かしいの募ります。しかしせつかくのお話でございますし、またそういう声が今非常に強うございますから、われわれとしても課税上何かいい方法はないものかということを、今後も特に研究して行きたいと考えておるのであります。
○夏堀委員 今申し上げたような事情で、この点は早急に何かの対策を講じてもらいたいということを申しておきます。
 なおもう一点お伺いしたいことは、国民経済が、でき得るならば憲法に示してある通り、平等で行ければたいへんよいのであるが、それはなかなかできないことであつて、よつて憲法第十三條、第十四條でありましたか、政治経済、社会的に不平等な点は、政治のカによつて云々ということが明記してあります。これは、この前大蔵大臣に私お伺いしたことがあつたわけでありますが、今こうした面を地方的にある程度是正するために、平衡交付金、起債、そうした政府資金によつて何とか調整をとるということを、地方自治庁また大蔵大臣はお考えになつておる一ろうと存じます。しかし、それは万人を期して、国民が期待する線には行つておりません。私は青森縣でありますが、青森縣のような農業縣は、平衡大付金あるいは起債は実債によつて算出されるので、もともと貧乏な縣は実績がないのであつて、富める縣と比較して、そういう政府の考えた線にも、浮かび出ることがない実情になつております。最近の新聞に、何か平衡交付会のあり方に対する再検討というようなことがちよと見えておりますが、これは私の今申し上げたような、貧乏縣等に対して調整するために増額するしいう意味の検討であるのか。また減額の措置をとるということの再検討であるのか。この点を大蔵大臣からお伺いしたいのであります。
○池田国務大臣 平衡交付金のわけ方の問題でありますが、各都道府県におきましては、経済力がよほど違つておりまして、たとえば東京とか大阪府のごときは、ほとんど平衡交付金は行つておりますまい。また行かなくても畑当の増収然あるような状態でございます。またお話の青森県等の農業県におきましては、かなり苦しい立場におありのようでございます。従いまして私はできれば平衡交付金の算定並びに配分の方法につきまして、検討を要するのではないかという私見を持つております。直接の所管ではありませんが、私は今のような経済状態で、都市と農村との懸隔が非常に大きくなつた場合には、ある程度考えなければならないのではないかと思います。
 第二の御質問の平衡交付金についての再検討、これは増額の問題でありまして、私としては減らすという考え方は持たないで、衆議院並びに参議院のあの決議の趣旨を体しまして再検討し御趣旨に沿うように今努力しておる状態であるのであります。
○夏堀委員 ただいまの御答弁を承つてすつかり安心しました。どうも大蔵大臣は、大分予算の面でこの次には歳入はちよつと思うように行かんのじやないかということから、減ずることをお考えになつていはしないかという心配が非常にあつたのでありますが、今やはり衆議院及び参議院の決議にあつたように、増額する線に進めることにおきめになつたということをお伺いして、私ども安心しました。国民もこれに対して、非常に好感をもつて迎えるだろうと考えております。まだ大分質問者もあるようでありますから、私はこの辺で打切りたいと思います。
○淺香委員 大蔵大臣があまり当委員会にお見えにならないものですから、いろいろお伺いいたしたいと思う点がずれまして、まちまちなことを質問するかもしれませんが、その点あらかじめ御了承願いたいと思います。
 国家としては、最近行政改革、これに伴うところの経費の節減あるいはその他いろいろの方面を考慮して、相当努力を示しております。ところがそれと反対に地方自治体の方では、この点きわめて不十分であろうと思うのであります。というのは、公選知事や市町村長というものは、どうしても選挙あるいは任期というものが頭にあつて、これがためにあまり喜んで緊縮政策をとりたがらない風があることは、御承知の通りであります。従つて今も夏堀委員長から質問がありましたが、年々膨脹するところの地方支出の財源をどこに求めるかといえば、これの財源は平衡交付金に依存する。これが獲得あるいは奪合いに血眼になつておるのが、現在の地方財政だろうと思うのであります。地方自治の確立は、中央の財源と並行して、地方財政の緊縮と自立を強力に行わなければならぬことは、私が言うまでもないと思うのであります。そこで中央が国税の減税をやる、あるいは財政の緊縮を急ぐの余り、そのしわをことごとく地方財政に押しつけるような結果になるに及んで、せつかく政府が減税を誇示いたしましても、結局国民の負担の軽減にならないようなことになつて来るのでありますが、これを調整することについて、大蔵大臣としてはどういうようにお考えになつておられるか。この点をお伺いいたしたいと思います。
○池田国務大臣 原因はいろいろございましようが、ただいま国の財政はかなり緊縮して行つておりますが、地方の財政は、御承知の通わ年々累増いたしております。政府は今回行政整理その他で経費の節減をはかつておりまするが、地方の方におかれましても、機構の縮小、人員の整理をやつていただくよう、政府は勧奨するような気持で案を練つておるのであります。国民のふところから出るのは同じでありますから、国税を減らしても、地方税がふえれば何にもなりません。従つてわれわれといたしましては、地方の方の経費を極力節約していただくように願つておるわけでございます。何分にも今大蔵大臣といたしましては、地方財政につきまして昔のようにとやかくくちばしを入れるわけにも参りませんので、平衡交付金で議論するのが精一ぱいであります。議論いたしますと、いつも負けまして、どんどんふやして行かなければならぬようなことはまことに遺憾でございますが、これは結局国民自身が、国の財政に関心をお持になる、同時に、あるいはそれ以上に地方の財政につきましても関心を持つていただく。国民自身が国並びに地方の財政を監視して、ぜひ節約するようにひとつ仕向けて行つていただきたいものだと、大蔵大臣として願つているわけでございます。
○淺香委員 ドツジさんが再々こちらの方へ参られまして、今どき世界中に減税するような国はどこにあるのか、アメリカでさえ増税の方向に進んでいるではないか、日大政府が減税計画を立てるというようなことは、物の考え方があまりにも甘過ぎる、こう言つたということが非常に最近喧伝をされまして、国民としてこのドツジさんの言われた言葉が、やがては増税を意味するのであろうと、これが機運になりまして、国民一般としては来るべき増税に対する不安を相当持つておると思うのでありますが、これにつきましてこの際ひとつ大蔵大臣の見解を、いま一度承つておきたいと思うのであります。
○池田国務大臣 ドツジ氏はそういう気持を持つておられるようでありますが、
    〔小山委員長代理退席、委員長着席〕
 私は日本の今の国情、国民生活の状況から申しまして、ぜひともただいま国会で御審議願つておりますあの減税案は、来年度も続けて行かなければならぬと思います。いろいろな経費が来年度はかさみますが、いくらかさんでも、減税を前提として経費のやりくりをするのが至当だ、こういう強い希望を持つて努力を続けておる次第であります。
○淺香委員 非常に明快な御答弁をいただきましたが、税の負担は一両年来軽減の方向に進んでおりますが、私は国民生活の現在の程度から見ましたらなお高率であろうと思う。従つて税の率というものは現在でもなお戰前の倍に近い率であります。この重税を国民感情からあらわしますならば、われわれは税金のために疲れきつているというのが、実感であろうと思うのでありますが、なおこの上ともただいまのお話のように、税制の合理化あるいは減税の方向に、なお一層進んでいただきたいことを希望いたしますと同時に、いま一つは、商工中金あるいは農林中金などの金融機関の監督行政は、御承知の通り主務大臣は通産、大蔵あるいは農林、大蔵の両大臣になつておりますが、これがために、いわばこの両金庫などは宙ぶらりんになつているので、大蔵省としては一向力が入らない。力が入らないということは、とわもなおさず中小商工業者あるいは農民に対して、資金が流れることが非常に阻止されている。言いかえれば熱が入らないために、資金が流れていないというように思われる節があるのであります。これにつきましては、金融機関一元的統制の建前からいたしましても、主管はやはわ大蔵省であり、また大蔵大臣が監督行政の責任者であることが、私は常道であると思うのでありますが、もし大蔵大臣が、私のただいま申しましたことがしかりだというようなお考えを持たれる場合には、今後この問題に対しまして、この解決にどうお考えになるか。この点を承りたいと思います。
○池田国務大臣 お話の商工中金及び農林中金は、その発生の動機が特殊の団体の育成発展ということが、一つの旗じるしになつておりますので、その機関は金融機関でありますが、そういう関係から共管になつておるのであちます。従いまして、十分な監督その他ができないとか、あるいは力こぶの入れようが足りないとかいう批判はあるかもわかわませんが、それは発生の動機の関係上やむを得ないじやないかと思います。しかしこの商工中合に関しましては、御承知の通り私が大臣に就任いたしましたときは、貸出しが二十億余りだつたと思います。過去長い歴史を持つておつてそれだけだつたのでありますが、ここ二年半ばかりに百七、八十億円に膨脹して来たのであります。決して力こぶの入れようが足りないじやなくて、私は中小金融に対しまして、極力その金融の適正強化をはかるために一番努力して拠り、善通の銀行よりも商工中金の方に力を入れている状況であります。今後もこれを続けて行きたいと思います。商工中金の発展ぶりは実に目ざましい状況であります。今回商工中金の改正をして組合員のみを相手にせず、非組合員をも相手にし得るように、けれは貸付、預金の方につきましても、そういうふうな機構の拡充をはかりまして、中小商工業者の金融に一段と努力いたしたいと考えているのであります。農林中金におきましても、このごろの活動ぶりは目ざましいのでございまして、私は他の金融機関よりも、両者ともより活発に動いていると考えております。
○淺香委員 他に質問者もあるようですし、あまり長時間をとりましても恐縮ですから、最後に一つだけお伺いいたしますが、過日予算委員会の席上で庄司一郎氏の質問に端を発しました皇居の再建であります。予算委員会においては皇居の拝観に先般行かれましたが、私もお供いたしました。ところが外観からあの皇居を見ますと、たとえば二重橋附近からながめますと、非常にりつぱであります。ところが、中へ入つて見ますと、非常に荒れ果てておりまして、私も意外な感じで帰つて参りましたが、幸いに講和條約の批准も終り、各国の批准も来春ごろに終るだろうと予想されます。その場合に外国からの使臣、使節など相当来られると思うのでありますが、それを考えます場合に、あまりあれではひど過ぎると思うのであります。つきましては、当委員会も関係の深い委員会でありますので、一度皆様方も拝観に行かれることを、私は提案したいと思つておつたのでありますが、大蔵大臣はこの皇居の再建に対して、予算措置などにつきまして何かお考えがあれば、ひとつ承りたいということが一点。
 いま一つは抽象的な問題でありますが、過日大臣は、金持は米を食い、貧乏人は麦を食え、こう言つたとかいう話で、野党の諸君は何やらの一つ覚えのようにこの大蔵大臣の言葉を攻撃宣伝の最たる武器として、国会の中は言うに及ばず、外においても非常な武器としておるのであります。大蔵大臣ぴ、金持は米を食い、貧乏人は麦を食えと言われたのは、決して単なるそれだけの意味合いでなく、ほかに異なつた意味があるものであると私は解釈いたしておりましたが、この言葉の真意につきまして、ひとつこの際はつきり大蔵大臣から、お答えを願つておきたいと思います。
○池田国務大臣 第一の皇居の再建の問題でございまするが、先般庄司委員より宮内庁次長に対しましての御質問のときに、私はあえて発言をいたしたような状況でございますもそれは、先般拝謁を仰せつけられまして、予算の問題等を陛下に言上申し上げたあと、侍従長と会いまして、その話が出ました。そこで侍従長は、今の宮内庁の一部を改造して、外国使臣の接見あるいは招待に充てたいという御意見がございましたので、私は、これは一応お考え願わなければならない。單にあそこを使うと申しましても、実は食堂その他に充てた部屋でないのでございまして、改造するにいたしましても、ごく不十分ではないかという意見を申し上げて、御再考を願つたのであります。やはわ陛下の御心も侍従長はそんたくされましてそういうようなことになつておるのかと思いますが。私は一国民として、また大蔵大臣上して、何かいい方法はないかとお考えを願つたような次第でありまして、宮内庁長官あるいは侍従長におかれましても、検討せられておると思います。おの通りわれわれのみならず、一般国民が皇居を拝見して、非常な感激と申しますか光栄と申しますか、何とかしなければならぬという気持は常にわれわれに響くところで、善処いたしたいと思つております。
 次の、金持は米を、貧乏人は麦をというのは、これは間違いでございまして、私は参議院の方で、所得のある人、もうけた人はお米をお食べになり、損をされた人は、これは麦でがまんしてもらわなければなりますまいということを、申し上げたのであります。これは経済の原則であつて、今の統制時代におきましても万人が米と麦を同じように食つてはいないと思います。遺憾ながらやみがありまして、もうけた人は米を食う場合が多いのであります。それから麦は安いのでありまするから、麦でがまんせられておる人も相当ある。これは経済の原則で、大蔵大臣としては、ます経済の原則を皆さんに申し上げて、そうしてそれをいかによくして行くかということが、政治の問題であります。だから政治的にものを解決するというので、すぐ結論的に人の耳に入りやすいようなととを、大蔵大臣が言つておつてはだめなのでありまして、経済の原則を申し上げて、その原則にのつとつて、万人がいい生活をして行くように持つて行かなければならぬ。今日本ではそうでありまするが、世界全体からいつたら、一等国の人が麦を食べ、そして金持ちが必ずしも米を食べるというわけではございますまいが、日本の古来からの実情からいつたら、非常に米が高くて不足で、麦は安くて外国からも入りやすい、こういうことからして、経済の原則から言えば、私の申し上げた通り所得の高い者は米を食い、所得の少い人、損をなさつた方は一時的には麦でがまんしていただかなければならぬ。これは経済の原則を申したのであります。これは古今東西を通じて誤りないものだと私は確信いたしております。何と反対党の人が言われようとも、だんだんわかつて来るだろうと思います。これは私からとやかく弁解する必要はなく、国民が今に知つてくれるだろうと考えております。
○深澤委員 最近の経済事情から申しまして、免ほど夏堀委員長からも御質問申し上げたようですが、不渡り手形の増大と、倒産整理の商社が百五十以上にも上りておるというような状態でありますが、おそらくこのような状態は、私は戦後未曽有の現象ではないかと考えております。これはいわゆるドツジ政策に基く金融引締め、インフレ抑制の結果として、こういうことが出て来たのではないか、従つていわゆるドツジ政策の改正をしなければならない段階に来ておるのではないかというぐあいに、われわれは考えますが、この点についての大蔵大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 ディスインフレの政策は、甘い考えの人にはきつうございましよう。しかし敗戦国の日本の状態を考えましても、金詰まりのない楽なやり方をやつておつたあの昭和二十一二十二、二十三年はインフレが起きまして、金詰まりの声を聞くときよりも、上ほど国民生活は悪かつたのであります。ドツジ政策とかなんとか言われますが、このディスインフレ政策、日本としてはこういう脆弱な経済基盤の上に立つておりますので、やはり今までの政策を今後も続けて行きたい、こう考えております。経済界に波の打つことはやむを得ない。だからその波の高低をできるだけ少くして行くのが、政治の要諦だと考えております。
○深澤委員 しかし現実は、こういう不渡り手形の増大と倒産整理という問題が起つて来ておるのでありますが、それが年末の金融とからみまして、相当大きな波紋を描くことが予想されるわけであります。そこで年末金融の問題でありますが、大蔵大臣も先ほどの御答弁によると、農林中金等に相当の余裕金があるから、それによつて操作をするという御答弁をなさつておりますが、その農林中金の余裕金ということは、供出代金を支払うために準備した金なのか、あるいは供出代金を支払つたその預金が、農林中金にはね返つて来て、余裕金としてあるのか、どういう性質のものでありますか。その点をひとつ伺いたい。
○池田国務大臣 あとの方でございます。
○深澤委員 あとの方であるということでありますが、十一月二十二日現在における供出の状況は九百四十万石であります。そうすると、二千五百五十万石に対する三七%にすぎないのであります。ところが政府の方の御計画といたしますれば、相当上まわつた供出の予想を持つておられるのでありますが、一体二千五百五十万石に対して、年末に供出を完了する見込みは何パーセントぐらいを予想されておりますか。
○池田国務大臣 詳しい数字は知りませんが、供出は大体二月の中ごろ過ぎまで続きますが、しかし十二月までた大体半分以上入つて来ると思つております。
○深澤委員 そうすると五〇%以上を予想いたしまして、大体農林中金の二百八十億程度の余裕金が年末金融として操作できる、そういう根拠になつておりますか。
○池田国務大臣 大体そういう数字を考えております。
○深澤委員 そこでなおお伺いしたいのでありますが、昨今の経済界の事情は、非常に資金需要が増大していると私は考えるわけであります。それは電力料金の値上げとかあるいは電力不足等によりまして、生産価格が上昇しております。もう一つは運賃の値上げというようなことで、生産コストが上昇しておる。あるいは通貨増発というようなこととからみ合せまして、物価の上昇ということは必然的であります。そういうことから申しまして、従来の資金量を押えて行くというところに非常に無理があるのではないか。そういうところに金融梗塞あるいはこの経済界の活動が、非常に不円滑になつて行くのではないかというぐあいに考えるわけです。現在の資金量は絶対量として不足しているのではないかというぐあいに考えるのですが、生産と資金量のバランスの関係について、大蔵大臣はどういう考え方でありますか。
○池田国務大臣 考えようでありますが、私は全体的に見まして、そう不足しているとは思いません。いる金ならいつでも出します。年末の通貨の発行高も五千億を超えるという大体の見通しを持つております。
○深澤委員 先ほどの大蔵大臣の御答弁によりますと、資本蓄積は戦後未曽有の状況になつておるという数字的な説明をされたわけであります。あるいは全体の数字としては、そういう数字が出て来るかもしれません。ところが反対に、先ほど申しました経済界の事情は、不渡り手形や倒産整理という問題が起つて参りまして、結局一部の企業は資本の蓄積が増大すると同時に、一部の資本は破産しなければならないという、こういう敢行的な状態が来ているのではないか。いわゆる資本の集中集積が行われる反面、倒産と破産が今後陸続として起つて行くのではないかというぐあいに、われわれは考えるわけです、それを全体として大蔵大臣の資本の蓄積が非常に上昇し、法人の利益は増大しておるということは、一方的な見解ではないかというぐあいに考えられるわけですが、その点はどうですか。
    〔委員長退席、小山委員長代理着席〕
○池田国務大臣 私は全体の数字を申し上げておるのであります。数多い中でございますから、経済不如意の人があるかもわかりません。しかしあなたのおつしやるように倒産者、破産者が陸続として出て来る、こういうふうなことは私は考えていません。最近経営不如意の人を私も知つておりますが、そういう人がなぜ不如意になつて来たかということを調べなければ、不渡り手形が出るから、不渡り手形を出す人に金融をつけるということは、これはまた経済の原則でないのであります。原因をよく調べて個々の場合に手を打つよりほかにないと思います。
○深澤委員 その原因につきましては、大蔵大臣は参議院におきましても答弁をされております。思惑がその原因の重点であるやに説明をされております。しかし資本主義経済機構の中で思惑のないということはあり得ない。簡単に申しますれば、すべてが思惑でやつておるわけであります。しかしその思惑の材料というものは、政府の国内的な経済政策、金融政策、あるいは国際的な関係によつて左右される、そういう動きがどうなつて行くかということが、思惑の原因であると考えます。しかして思惑が非常に当らなかつたということは、それは不健全の経営であるということに結論づてられているようでありますが、しかし私はやはりこういうような事態が起つて来たことの中には、單にこれは経済の原則としてほうつておくべき問題ではなくして、政府の経済政策、金融政策に大きな原因がある。従つて政府はこういうような状況に対して、特別の金融政策を講ずるということが、責任としてあるのじやないかと私は考えるわけです。しかし先ほどからの御答弁によりますと、特別の措置は講じないというような御答弁でありますが、これでは政府はその責任を感じないような立場におるのじやないか、こう私は考えるわけですが、その点はいかがですか。
○池田国務大臣 御質問の点は、政府が財政経済政策をしくじつたから、破産者が出るということならば私は責任を持ちます。しかし個々の人が非常な思惑をして破産をした場合に、これも国民の一人だから責任を負え、こう言われても、これは負いにくいのであります。最近生糸の輸出業者でひどい思惑をやられていた人が、不如意になつているということを聞いておりますが、これは貿易その他ではある程度の思惑をやります。ある程度の思惑ならあとの収拾がつくのであります。しかしその度を越えますと、これは収拾するといつてもやはり経済原則に浩わなければなりません。私はできるだけの善後処置はとるように指示いたしておりますが、どうしてもとれぬものは、遺憾ながらこれはやむを得ない。それが他に影響を及ぼさないように、善後措置を十分つけるようにいたしてはおりますが、非常な思惑をやつて損をした人までも、国の責任において善後措置をとるということは、なかなかできにくいことと考えておるのであります。
○深澤委員 個々の顯著なる思惑という問題で、あえて政府が責任をとれというぐあいに、私は主張するわけではないのであります。その問題はある程度の手当をするということで了承いたします。それからもう一つの問題は、朝鮮の停戦が今日ある程度片がつくというぐあいに見られております。そうすると朝鮮事変を契機とする特需関係というものが、相当打切られる可能性があると思うのですが、しかしそのあとに朝鮮の復興ということが、日本の経済界において相当期待を持たれておるように聞いております。しかし最近のドツジ氏の意見が新聞に発表せられたところによりますと、朝鮮復興は各国が現物を持つて来るから、日本はあまり期待を持つべきでないという発言をされておるやに聞いておりますが、この朝鮮停職と、その後に来る朝鮮の復興の問題は、日本の経済界とどういう関連性があるか。その点の見通しをひとつお話願いたい。
○池田国務大臣 日本の大蔵大臣としてそういうことは言わない方がいいと思います。私は朝鮮の復興その他に日本が貢献し得る、日本の品物が行くことを相当期待しておるのであります。
○小山委員長代理 深澤君にちよつとお諮りしますが、大蔵大臣は、今参議院の予算委員会に呼ばれておりますので、内藤さんから質問の通告がありますから、ひとつお讓り願つて……。
○内藤(友)委員 私のはきわめて簡単です。
○深澤委員 それでは内藤君に譲ります。
○内藤(友)委員 私のは具体的にきわめて簡単なことでありますが、政府は今度郵便貯金の利上げをほんとうになさるつもりでありますか、どうでありますか。それを伺いたい。
○池田国務大臣 利上げいたします。
○内藤(友)委員 それでは次に二つのことについて大蔵大臣の御意見を伺つてみたいのでありますが、その一つは郵便貯金というのは、御承知の通り官営でありますので、普通の金融機関よりも信用度が非常に高いのであります。ことに非課税であります。秘密性が保持できるというあらゆる有利な点があるのであります。こういう有利な條件を有しております郵便貯金に、さらに金利上の有利なことを與えましてそうして民間の金融機関、特に貯金吸収の地盤を同じくしております農業協同組合としましては、非常に大きな影響があると思うのでありますが、それについて大蔵大臣どうお考えなすつておられますか。農業協同組合の貯金に影響があつてもいいとお考えかどうかということが一つ。
 それからもう一つは、これはごく最近の数字はよく存じませんけれども、昭和二十五年度におきまして、郵便貯金が実は十五億くらいの赤字を出しておると思うのであります。そうしますと、今度の引上げによりましてさらにこの赤字が多くなるのではないか、こういう一般財政に及ぼす影響もあるのだが、それもあえてして金利の引上げをおやりなさる、こういうことに対してどういうお考えをなすつておられるか。十五億の財政負担を、さらに大きくなつてもいいんだというふうなお考えかどうか。この二点をお尋ねしておきます。
○池田国務大臣 郵便貯金の利上げにつきましては、他の金融機関の金利のことも考えまして、御承知の通り一番代表になりまする銀行の方は、一年の定朝預金は六分でございます。しかも昨年あるいは今年二、三度にわたつて利上げをしておりまするが、郵便貯金はずつと前からすえ置きになつておりまして、また農業協同組合の方との金利も考えてやつておるのでございます。
 次の郵便貯金の利上げをしたならば政府支払い利子が多くなるから赤字が出るのではないか。お話の通りでございます。一時郵便貯金の方の分は二十二年度のごときは四十数億円の赤字だつた。だんだん減つて来ましてなくなつて参りました。今度上げますと赤字が出るのでありまするが、その点を一般会計で負担するか、あるいは地方債等は御承知の通り昨年は六分五厘だつたと思いますも引下げておりまするがこれを元の程度にもどすかという問題がありますが、この点は今検討を加えております。
○内藤(友)委員 いずれこの問題はあとでお伺いすることにいたします。
    ―――――――――――――
○小山委員長代理 次に本日の日程に掲げました請願及び陳情書を一括議題として、審査に入りたいと存じます。
○佐久間委員 ただいま議題となりました請願日程五十九件のうち、日程第一六ないし第四七、第五四及び第五五の各請願は、いずれも前回の委員会において、採択の上内閣に送付すべきもとの決定いたしました請願と同趣旨でありますので、同様に取扱うこととし日程第四八、第五七及び第五八の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決定せられんことを望みます。
 なお陳情書についてはいずれも了承すべきものと決定されんことを望みます。
○小山委員長代理 ただいまの佐久間君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長代理 御異議ないようでありますから、請願及び陳情書についてはただいまの動議のごとく決定することにいたします。
    ―――――――――――――
○夏堀委員長 先ほど、明日企業合理化法案についての合同審査をやるように申しましたが、企業合理化法案の審議に入りますにつきましては、ただいま当委員会にかかつております租税特別措置法の一部を改正する法律案、これが衆議院を通過しなければ、審議には入れないという法制局の意見でありますので、明日の合同審査は取消しまして、あらためて公報をもつてお伝えをいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時二十五分散会