第012回国会 予算委員会 第10号
昭和二十六年十月三十一日(水曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 小坂善太郎君
   理事 有田 二郎君 理事 橘  直二君
   理事 苫米地英俊君 理事 西村 久之君
   理事 川島 金次君 理事 風早八十二君
      淺利 三朗君    麻生太賀吉君
      天野 公義君    江花  靜君
     岡村利右衞門君    尾崎 末吉君
      小淵 光平君   小野瀬忠兵衞君
      角田 幸吉君    甲木  保君
      上林山榮吉君    北澤 直吉君
      島村 一郎君    庄司 一郎君
      鈴木 正文君    田口長治郎君
      玉置  實君    中村  清君
      永井 要造君    本間 俊一君
      松浦 東介君    松本 一郎君
      南  好雄君    宮幡  靖君
      井出一太郎君    今井  耕君
      竹山祐太郎君    早川  崇君
      稻村 順三君    勝間田清一君
      戸叶 里子君    西村 榮一君
      横田甚太郎君    小平  忠君
      石野 久男君    小林  進君
 出席国務大臣
        法 務 総 裁 大橋 武夫君
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
        農 林 大 臣 根本龍太郎君
        建 設 大 臣 野田 卯一君
        国 務 大 臣 周東 英雄君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主計局長)  河野 一之君
        食糧庁長官   安孫子藤吉君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        長)     松任谷健太郎君
        専  門  員 小林幾次郎君
        専  門  員 園山 芳造君
        専  門  員 小竹 豊治君
十月三十一日
 委員前田種男君辞任につき、その補欠として川
 島金次君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 川島金次君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 昭和二十六年度一般会計予算補正(第1号)
 昭和二十六年度特別会計予算補正(特第1号)
 昭和二十六年度政府関係機関予算補正(機第2
 号)
    ―――――――――――――
○小坂委員長 これより会議を開きます。
 この際お諮りいたすことがあります。理事川島金次君が昨三十日に委員を辞任せられましたので、目下理事一名の欠員があります。つきましてはその補欠選任をいたしたいと存じますが、先例によりまして委員長において指名するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小坂委員長 御異議がなければ、前の通り川島金次君に引続き理事をお願いすることといたします。
 これより質疑を継続いたします。尾崎末吉君。
○尾崎(末)委員 与党の持ち時間の関係があるようでありますから、ごく簡単なことを短かい時間で、まず建設大臣に御質問を申し上げたいと思います。
 去る十月十四日からルース台風が襲来いたしまして、九州、山口、四国の一部等に前例のない大災害が起つたのであります。特に鹿児島県下におきましては、あるところは七十年ぶりの災害だといわれ、またあるところに襲来いたした津波は、その土地の神社に残されてある記録によりまして、二百五十年前に同じ程度の大きなものがあつたというようなことがわかつたほど、大きな災害であつたのであります。あるいは七千トンの船が小山の上に押し上げられたり、漁船や機帆船が海岸から数町を隔てた、しかも高さ二十七、八尺という高い畑や丘の上に打上げられて大破をいたしたり、漁村数百戸がことごとく全滅をいたしたところもあり、また海岸堤防の決壊、漁港等の被害、農地の壊滅、商工業資産の流失、学校の倒壊等に加えまして、死傷者の多いこと等、言語に絶するさんたんたるものであつたのであります。これに対しまして建設大臣を初め、関係各省の政務次官並びに係官がいち早く現地に御出張の上、その調査と対策とのためにそれこそ夜を日に継いで、まつたく文字通り不眠不休の御尽力をいただいたことに対しましては、心から感謝を申し上げますとともに、国会議員の各位に対しましても、深い御理解と御同情とをこの際お願い申し上げておく次第であります。この災害対策に関しまして、昨日同僚上林山議員が質問をいたしましたので、それと重複するところをできるだけ避けまして、もし若干重複するところがあるといたしますならば、なお一層その点を明瞭にいたしておきたいという点だけに関しまして若干の質問を申し上げることといたします。
 まず第一にお伺いいたしますのは、私がしばしば当委員会において質問を申し上げ、かつまた意見も開陳いたしましたことが、今回の災害に如実に必要となつて参つた事柄であります。それは、従来の災害復旧のやり方は、災害前の原形に復するというやり方でありまして、これではまた次に来るところの暴風雨によつて破壊をせられることは当然であります。災害を受けるべき形と位置とにあつたがために破壊をせられたのを、また元の形に復するというやり方では、あたかもさいの河原のようなものでありまして、いたずらに国費を繰返して濫費するところの結果に相なるのみでありまして、安定に至ることはとうていできないのであります。でありますから、これは原形復旧ではなくて改良復旧でなければいけない、次の暴風雨等に対処し得る復旧を必要とするのだということを力説いたして参りまして、前の増田建設大臣やその他政府関係当局がこれに対しまして、まことにごもつともな意見であるから、適当に考慮するとの御答弁がしばしばあつたのでありますが、今回の災害におきまして、前に復旧いたしたものが、行つてみますと、ほとんどすべて破壊されておるのであります。でありますから、この原形復旧を改良復旧にどの点まで推し進めて行く御計画があるのか、このことを特にひとつ伺つておきたいのであります。もとよりこのことに対しましては、いわゆる災害に便乗するなどという弊害もあるために、原形復旧をやるという、こういう方針なのであろうことは想像するのでありますが、このことはきわめて重大なことでありますので、まずこの点を伺つておきたいのであります。
○野田国務大臣 尾崎委員の御質問に対しましては、私はまつたく同感であります。災害が起きました際に、それを単に原形に復旧するということでは、いたずらに国費を濫費することになる場合が多いのでありまして、当然そこには改良が加えられなければならない、こういうふうに考えまして、建設省といたしましては、でき得る限り必要な改良を織り込んで復旧をいたすよう、そういう方針で進んでおる次第であります。
○尾崎(末)委員 ただいまの御答弁、まことに満足をいたすのでありますが、このことについてごく簡単にもう少しつつ込んで伺つておきたいのであります。それはさつき申しましたように、便乗等をするものを防ぐために、原形復旧をするという従来のやり方であつたのでありますが、ただいまの御答弁の通りに、なるべく改良復旧をやる、こういうことをやつていただきまして、その改良をやる点を、どの程度まで改良を認めてもらうかという、その程度の線をひとつつくつていただきまして、その認めてもらつた程度以上に改良を要求する府県があり、その認めてもらつた以上の改良をするためのその復旧費は、それらの府県が地元で負担をする、こういうような申出がもしあつた場合におきましては、この点を認めてもらうことになるかどうか、あるいは認めてもらうようになるような方法を立ててもらえるかどうか、この点をいま一度はつきり伺つておきたいのであります。
○野田国務大臣 お答えします、ただいまのお話は補助率の関係でありますから、原形復旧する場合には補助率が高い、超過工事になつて改良する場合には補助率が低い、ここに問題があるのでありまして、改良復旧する場合に、補助率を高率にすれば問題はないのでありますが、このことにつきましては、普通の一般の改良工事との権衡がありまして、にわかに改良復旧を全部高率適用するというわけにも行かぬかと思いますけれども、その間にどの程度の線を引くか、改良工事でありますれば、二分の一補助でありますが、原形復旧でありますれば、場合によりましては全額まで行ける、この間にどの程度のものを認めて、補助率をどの程度にするかということの、その線の引きぐあいにつきまして、今建設省といたしましては、いろいろな場合を考えまして、慎重に考慮している、こういう状況であります。
○尾崎(末)委員 ただいまの御答弁の中に、復旧に対しましては、できるだけたくさんの国庫負担をいたしたい、こういう御答弁、まことに御同情のある御答弁で感謝をいたすのでありますが、そこでなおこの点につきまして、いま一度はつきりいたしておきたいと思いますことは、鹿児島の場合及び今回の台風が通つた台風の道筋に当てはまることでありますが、昨年におきましても、中ぐらいの災害が三回、大きなのが四回、合せて七回の暴風雨による災害があり、本年も夏の初めにおきまして、大きな水害があり、中には早魃と害虫の被害があつて、反当りの収穫よりは、これに要した農薬の代金の方が高いなどというところもあつたのであります。しかもそのあとにおきまして、今回のルース台風なのでありますから、従いまして、これらの長年累積されて参つた災害の状況から考えてみますと、当然今回の台風に対しまして、できる限り全額国庫負担をもつてやつていただきたい、こういうことを熱願しておるのであります。また従来の状況がこういうようなことでありましたがために、地元で負担をするなどという力がほとんどなくなつておるのでありますから、今回のルース台風に対しましては、今申しました全額国庫負担という、こういう御処置を特にお願いを申し上げたいと思うのであります。この点に対しまして、くどいようでありますが、いま一ぺん大臣の御答弁を伺つておきたいのであります。
○野田国務大臣 災害復旧の全額国庫負担の問題でありますが、たとえば本年で申しますと、山口県は先般七月に豪雨の災害を受けまして、非常に大きな被害をこうむつているのであります。そこへ持つて参りまして、今回のルース台風によつて、これまた莫大な被害を受けたというようなわけで、私たちの計算によりますと、今回の災害の大部分は全額国庫負担になるのでありますが、本年の災害全部を通じまして、私の記憶に誤りがないとすれば、ならして九割から九割五分、ルース台風だけにしますと、全額近いものが交付になる、こういうわけで、災害が非常に大きかつた県につきましては、あとの災害の大部分が国庫負担になる、こういうような状況に相なつているのであります。
○尾崎(末)委員 今御答弁をいただきました点、まことに感謝を申し上げます。ぜひ御答弁のようなやり方でお願いを申し上げたいと思うのであります。つきましてはその復旧の期間でありますが、これを従来の復旧のやり方のように、長期の継続事業としてやりましたのでは、被害を受けた地方民の立ち上りというのがとうてい困難になるのでありますから、できるだけ早い期間にこれを完成していただきたい、こう思うのでありますが、一体今回のルース台風によるところの災害は、どのくらいの期間にこれをやつていただけるものか。希望を申し上げますならば、できるならば一箇年でやつてもらいたいし、できなければ二年、少くとも三年くらいの間にこれをやつていただきたいと思うのでありますが、最初はどのくらいの割合の経費を出していただけるつもりであるかどうか、その点についての御構想を伺つておきたいのであります。
○野田国務大臣 ルース台風の災害の復旧の期間でありますが、私ども建設行政を担当いたしておる者から申しますれば、できるならば一年または二年で早くやりたいというのが念願でありますが、それも現在の財政状況から照しまして無理だといたしますれば、少くとも三年以内に片づけたいというふうに考えております。そうしてその割合は、災害の起りました当年におきまして三割、その次の翌年度におきまして五割、三年目に二割というわけで、三、五、二の割合におきまして復旧をいたしたい。これをぜひ実現したいと思いまして、今政府各部局にも話をし、また自由党とも連絡をとりまして、この実現に努力しておる次第であります。
○尾崎(末)委員 ただいまの三年間に復旧していただくという御同情ある御処置に感謝を申し上げます。最初の年の三割、次年度が五割、最終年度が二割というのでありますが、この次年度と最初とをとりかえて、最初五割出してもらつて、あと三割、二割というわけに行きませんかどうか。その点について何らかの方法がないかどうか、重ねて伺いたい。
○野田国務大臣 災害は御承知のように、本年で申しますと、十月に起つておりまして、本年の半ば過ぎに起つております。起つた年はいろいろな仕事の段取りその他等もありまして、非常に大きな金をつぎ込んでも、実際工事ができなくて、それを翌年に持ち越すというような例が多いのでありまして、実際問題としては三割くらいというのが妥当ではないか、こういう考えをいたしております。しかしながらもちろん事情が許し、もつと仕事がはかどるというような場合、またもつと早くしなければならぬというようなものにつきましては、個々のケースにつきましておのずから割合がかわつて来ると思います。ただいま申しました三割というのは総体的なものでありまして、たとえば橋梁とか道路と河川というものとを比べますと、道路とか橋梁というものは早く直さないと用をなしません。この間も私鹿児島で現場を拝見いたしたのでありますが、国道なり県道なりがずたずたに切られておるというような場合におきましては、これをさつそく直しませんと、車を通すことができない、こういう状態でありまして、これを半分とか三分の一だけというわけには行かない。しかしながら河川の堤防が決壊したとかいうことになりますと、必ずしもすぐに半分やるということもむずかしいことでありますし、またその必要がない場合もあると思いまして、いろいろな災害を受けた客体と申しますか、対象によりまして、割合はおのずからかわつて来るのでありまして、三割と申しましたのは、大体そういうものを平均して、少くともそのくらいはやりたい。できればもつとしたいのでありますが、大局的に見まして、そういうようにやりたいと思います。御了承願います。
○尾崎(末)委員 次に伺つておきたい点は、この点も私は従来しばしば強く主張をいたした問題でありますが、国民経済、特に農村、漁村、小工業の安定と申しますことは、今までのような災害が起つた場合、災害の復旧をやるという政策を主といたしておりましては、なかなか安定をするどころか、発展の計画を立てることも困難であることは申すまでもないのであります。でありますから、災害復旧の政策から前進をいたしまして、災害防除の策に移らなければならない。この災害防除の対策に移りますならば、災害復旧の経費よりは、はるかに少い経費をもつて多くの効果を上げることができるのでありますから、一方においては災害の復旧に当りながら、一方においては災害防除の方に前進するという方向に、移つて行かなければならないと思うのでありますが、今回の補正予算で、二十七年度の予算の計画等の中に、こういつた構想によつての御計画が立てられておるかどうか、この点を伺つておきたいのであります。
○野田国務大臣 災害防除のためにできるだけ国費を費しまして、将来の災害を未然に防止するということは、まつたく私も御同感であります。予算的に申しますと、昭和二十五年度の予算と二十六年度の予算を比較いたしますと、この災害防除の方面にかなり重点が置かれておるということが申し上げられると思います。ただ私がここで申し上げておきたいのは、災害復旧というものも、もちろん私は力を入れてやらなければならないと思いますが、災害防除と並行的にやらなければならぬ。この間の鹿児島の状況などを拝見いたしましても、災害復旧はやはり急がないとお困りになるというふうに考えるのであります。でありますから、災害復旧も急ぐと同時に、他面におきまして、やはり高い立場から防除の各種の手段を講ずる。一つの例を申し上げますれば、防災ダムをつくるとか、砂防をするとか、あるいは山林を固めるとか、あるいは都市、農村付近の堤防を固めるということも、もちろんやらなければならないのでありまして、私どもといたしましては、災害復旧と災害防除とを兼ね合して行く。そして将来の方法といたしましては、災害復旧などということは少くいたしまして、防除の方に大部分の金をつぎ込むようにしたいと考えている次第であります。
○尾崎(末)委員 そこで今建設大臣から御答弁をいただいたそういう方針のもとに、特に常習的に、継続して台風や豪雨等が来る土地を主としまして、今御答弁になつたような事柄を織り込んだ特別の立法、特別の制度を立てることが必要だと思うのでありますが、それらのことについて何か御所信があるならば、この点も伺つておきたいのであります。
○野田国務大臣 災害の状況でありますが、最近のわが国における毎年の災害状況を見ますと、災害がある局部から漸次全国的に広まりつつある傾向にあるのであります。これはわれわれとしては非常に心配いたしている現象でありますが、遺憾ながら災害の筋囲が広くなつて参つております。戦前におきましては、毎年の災害県の数というものは大体三十四五県でありました。それが最近におきましては、毎年大災害を受ける県が四十県以上になるというふうでありまして、災害の筋囲が非常に広くなつて来ており、程度もひどくなつて来ておるというわけで、災害の一般化という傾向があるようであります。そこでその中でも鹿児島県とか、宮崎県とか、あるいは高知県あるいは山口県のように、災害が頻繁に起る県については、特別な何か措置ができないだろうかという意見がときどき出るのでありますが、それにつきましては、私ただいま具体案を持つておりません。ただ申し上げたいことは、先ほどもお話に出ましたが、災害復旧費を、そういう災害が頻発した県につきましては、国庫の負担割合をできるだけふやす、こういうふうにして行くことが必要だと思います。御承知のように、公共土木施設の災害復旧費と国庫負担の割合は、財政力と見合いまして逓増いたしておりますが、その他の農地とか、農業関係あるいは教育関係等の施設につきましては、比例でありまして、災害の多寡にかかわらず、その二分の一とか三分の一とか固定した率によつて補助をするというようなことになつておりますが、こういう点も私は財政力と見合つた補助率に将来は変更されるべきではないかと考えております。なお私の直接の所管ではございませんが、御承知の平衡交付金の交付にあたりましても、災害の多い県につきましては特別の考慮を払う必要があるのではないか、こういうふうにも考えて、こういつたようないろいろな点を今後改正いたしまして、災害の頻発県については、特に国家としては厚くこれを遇する、手当をするということが必要ではないか、こういうふうに考えております。
○尾崎(末)委員 時間の関係がありますので、特に農林大臣、大蔵大臣等に対する質問の中で急ぎます問題、農業災害共済金の即時前渡し等の問題について急ぐ質問があるのでありますが、これは所管大臣が見えておりませんので、農林、厚生、文部、運輸、大蔵、通産、安本及び総理大臣の各大臣に対する質問を保留いたしまして、この程度で建設大臣に対する質問はおきたいと思つております。なお法務府総裁が参りましたならば、法務府総裁に対する質問をすぐにきよう午前中継続するということを申し述べまして、あとの委員に質問を譲ることといたします。
○小坂委員長 上林山君。
○上林山委員 私昨日からルース台風を中心として農林大臣、大蔵大臣、文部大臣その他の政府委員に対して、いろいろ積極的な質疑応答をいたしたのでありまするが、まず建設大臣に総くくりに私質問をいたしたいと思いますけれども、今回建設大臣が国会開会中にもかかわらず、各関係政務次官とともに、あるいは政府の事務当局とともに災害地を視察されたわけでありまするが、閣僚のうちで災害地を実際に見聞したのは建設大臣であります。でありますから、私はまず質問に入る前に、特に建設大臣に要望したいことは、建設大臣が政府を代表してただ一人九州及び山口方面の視察をしたのでありますから、私は閣議における建設大臣の発言の比重は相当重要であると考え、また期待をしておるのであります。言うまでもなく、財政あるいはその他の国際的な事情、国内的な事情等の関係で、災害の予算等に対しては、相当制約を受ける可能性のあるこのときにおいて、私は閣議における建設大臣の一層の奮闘を期待するものであります。書類の上で、数字の上でいろいろとまちまちの情報も来るわけでありますが、実際に見た目で、計算をし、しかも建設大臣は予算にも相当造詣を持つている人でありますから、これらの大局的な判断を間違うということはなかろうと私は期待をしております。こういう意味合いにおいて、少くとも被害の重い方面には重いように、軽い方面には軽いように、私は科学的な数字の分析と、直観によつて得たる体験とを合せて建設大臣が閣議をリードする、こういうようなお考えで、今度の予算編成の方針に進んでいただきたいということを、これは要望として申し上げておきます。
 こういうようなことを背景にいたしまして、第二点としてこれは要望ではなく質問でありますが、昨日大蔵大臣に対しまして、災害の補正予算を本国会中、もしくは遅れたとしても通常国会の劈頭に、組んで出す意思があるかという私の質問に対し、明確にこれを出すと、こういうことを言つたのでありますから、これは政府全般の当然の意見としてわれわれは受取るわけでありまするが、その際、建設大臣が今までの災害対策に一歩前進した考えをもつて尾崎議員の質問にお答えになつたのでありまするが、そのことは何であるかといいますと、今までの災害は、二十三年度の災害もまだこれを完工しておらない。大体において五箇年計画で災害を処理しておつたのでありまするが、これをわれわれは二年くらいで、今度のような大きな災害はやつてもらうのが、ちようど適当であると考えておりますけれども、これを三箇年計画で完工するという決意をされたということは、これまた災害対策に対する一歩前進した考えである。だからこの最低の線は、いかなる財政の都合や諸般の事情があろうと、この最低の予算編成の方針については、私は少くともこの線を確保してもらいたい、こういう考えを持つのでありますが、これに対する決意はどうであるか。さらに続いて関連をいたしておりますから申し上げたいことは、今までのキジア台風のような大きな災害の量に比べて数倍の災害の量である。こういう点と、私どもが今入手した情報によりますと、補助の対象になるもの、ならないものひつくるめて約一千億円以上の災害であると私どもは推定をしておりますが、こういうような大きな量、それを考え合せて三年計画で予算を編成してこれが完結をはかるという基本方針で進むとすれば、最後の線は、これは私は無理だと思いまするが、一応の線として幾らくらいの補正予算を提出する見込みを持つておるか、現在の法規を最高度に活用した計算、私は現在の法規は、あるいは補助の率とか、あるいはその他の処置についてはいろいろ変更しなければならぬ、こういう考えを持つておりまするが、現在の法規を最高度に活用した場合に、この三つの条件を基礎にして考えて、補正予算は災害に対して幾らくらい組める考えであるか、この点を私は第二点として承つておきたいと思います。
○野田国務大臣 お答えいたします。災害の復旧が今まで長年かかつてされる。私は正確にいうと、国庫の歳出、国庫の補助金交付が数年間に分割して長い間かかつて出されるということが、災害を終戦後累増せしめている一つの大きな要因であると思います。でありますから、一割であるとか、一割五分とか毎年出しまして、数年間かかりて復旧するという態度を根本的に改めなければ、日本の災害はますます増大するのではないか、私はその点を非常に心配をいたしておるのであります。この点につきましては私ばかりではありません。自由党におきましても十分この点を認識され、最近におきましては閣僚諸公も、この点について十分認識を深められて来ていると私は考えております。でありますから、先ほども三、五、二と申しましたが、この線をできるだけ実現するように、閣内においても努力するつもりでございます。また政党の方とも御相談申し上げる考えでおりますが、上林山委員も非常に有力な発言権を党内において持つているわけでありますから、相協力してこれが実現をはかつていただきたい、こういうふうに思うのであります。
 次に補正予算を出す金額いかんという問題でありますが、この問題につきましては、台風がありました直後に、私は閣議に補正予算を出すという原案を出したのでありますが、その当時はまだ情勢が判明しておりませんので、一応留保されましたが、最近は大蔵大臣も補正予算を出すことに決意して、昨日上林山委員の質問に答えられたかと思います。この金額につきましては、ただいま資料を収集中でありまして、ここで的確に申し上げることもできませんし、今この席上で私が申し上げることが、はたして適当であるかどうかということも考えますので、できるだけ早い機会に固めたい、その方向に進んでおるということを申し上げまして、的確な数字を申し上げることだけは差控えさせていただきます。
○上林山委員 私はそれならば一歩下つて、建設大臣の意見を求めたいと思いますが、最後の調査がいまだ済んでいない点もあるし、閣議全体を代表するというわけにも行かない時期にあります、ので、その点は私も了承するのでありまするが、今私が言つておるところの一千億円くらいの災害が起つておる、こういう状態において、現在の法規を基準にして最高度に活用する、こういう意味合いにおいて、大まかにどれくらいはほしいものだという一応の目途をもつて閣議に臨んでおられるのかどうか、そういう点について私はもう少しく具体的に、あなたが閣議に臨む態度、責任あるところの閣僚を代表するという意味ではなしに、閣議に臨む態度としての一つの数字がなければならぬと私は思う。あるいは今後追加されるものは大体もう高がわかつておりまして、九分通りは調査が済んだ時期でなければならぬ、こういうふうに私考えますので、その点閣議に臨む態度としての一つの目途が大体あるのじやないか、これを私さらに一歩下つて質問をいたして答弁を求めたいと思います。
○野田国務大臣 ただいまのは補正予算の金額の問題でありますが、これにつきましては、御承知のように今まで補正予算を出す、あるいは本年度の災害復旧費を出すという場合にも、災害が起りましてからその金額がほぼ決定するまでには二箇月間ぐらいかかつております。二箇月間かかりますので、その期間を補うために、御承知のようにつなぎ資金というものを資金運用部から出しておるという実情になつておるのでありますが、このつなぎ資金は、あまりはつきりした数字的根拠で積み上げたものでなしに、概括的な、場合によりましては勘がおもでありますが、勘で出すというような態度をとつております。このつなぎ資金をどの程度出すかということが当面の問題だろうと私は思います。私が九州に出張しております間に、政府はとりあえず十億円ちよつと越しましたつなぎ資金を出しておるのでありますが、それはもちろん第一次でありまして、総わくのつなぎ資金ではありません。私はつなぎ資金をまず出してくれということを要求いたしまして、それがためには四、五十億円のつなぎ資金を出してほしいということを要請しております。でありますから、これはただいまもお話がありましたが、数字的に積み上げた数字ではなくて、ごく勘の入つた数字で、四、五十億とにかく早くつなぎ資金を出してもらいたいという要請をしておるということを申し上げて、御了承を願いたいと思います。
○上林山委員 私の質問が少し無理かもわかりませんけれども、明確な答弁を得ないということはまことに残念であります。しかしこれ以上この問題については追究をいたしませんが、先ほど要望した通り、建設大臣は政府を代表してただ一人現地を見られたのだ、こういう意味から、私は閣議におけるところの発言は閣議をリードするというような態度で臨んでほしいということと、しかも先ほどの三年計画でやるとか、今までの災害より大きいとか、現存の法律を最高度に活用するとか、場合によつては法規を改正して、補助の率などを変更するとかいうようなことも勘案されて、譲つてはならない最低の数字というものを持たれて、むしろ財政当局をあなたがリードする、これくらいの腹構えで今度の災害対策に臨んでいただきたいということを要望して、この問題については残念ながらこれ以上答弁を求めません。
 次に申し上げたいことは、今までの災害に対して、一歩前進して、予備費をば八十億円二十六年度は組んだわけでありますが、これはわれわれの要望を政府がいれて組んだわけでありましたが、こういうように災害に備えるためには、これは二十七年度の予算のことに触れますけれども、予備費をば二百億円程度組むというような態度をとるか、さもなければ災害の特別会計をこの際制定しておかなければ、予算の財源の状態によつて左右される、あるいは間に合わない、こういうような結果にもなりますので、今後の方針としてこの二つの道しかないと私は考えるのでありまするが、これに対する建設大臣の御所見を参考のために承つておきたいと思います。
○野田国務大臣 災害が起りました場合に、これに急速に対応するためには、予算上相当大きな予備金的経費を持つことが適当であるということは、お示しの通りであります。その金額につきまして、二十七年度の予算に二百億円を計上するかどうかということにつきましては、まだ目下来年度の予算につきまして交渉の段階にありまして、今申し上げるわけに参りません。なおこれについて特別会計をつくるかどうかということにつきましては、これは会計技術上の問題でありまして、私は必ずしもその必要はないかと考えております。なお先ほど申しましたが、私は復旧費はできるだけこれをすみやかに出すべきであると思います。戦前におきましてはその年、あるいは遅れましてもその翌年に出しまして復旧をいたしました。従つて災害が毎年毎年重なるということが割合少かつた。ところが最近の過去の例におきましては、その点が当該年度におきましては一割二、三分しか出せないというようなことをいたしておりますために、非常に災害がふえて来る。私は最近実地についてそれを見て痛感いたしております。この点につきましては、ただいま御要望がございましたが、現地を見た者といたしまして、強く閣議においても発言をして行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○上林山委員 特別会計のことは意見を異にして残念でありまするが、予備費のことについては了解を得たようでありますが、今年は八十億円組んだが、来年度は増額する必要があるということは御認めになるかどうか、あるいはまたその線でわれわれとともに進んで、さらに強くこの線を支持されるという御決意があるのかどうか、この点をひとつ承つておきたいと思います。
○野田国務大臣 当年度災害に対する経費が、昨年度の二十五年度予算におきまして百億円、本年度におきまして八十億円というふうになつておりますが、私はこの八十億円という金額は少いというふうに考えます。この点非常に注意を要しなければならぬ点は、八十億円という本年度の災害予備費をとりますと、災害を八十億円で押えようという本末顛倒した感を抱く者が少くないのであります。災害は予算では押えられません。もし災害が予算で押えられるものなら、本年度災害をゼロにしておけば、ことしは災害がなくなる、そういうとんでもない錯覚に陥る場合があるのでありまして、この点につきましては、予算当局に対しても大いなる反省を求めたいと考えておるのであります。
○上林山委員 非常に欣快な答弁をいただいたので、私どもも意を強くするのでありますが、その線においてさらに御奮闘を要望したいのであります。
 次に少しく具体的に質問を試みてみたいのでありまするが、先ほどの緊急の処置としてつなぎ資金の問題を、第一回分として十億何千万円か出した。これはまことに適切な処置であつたと私は考えますが、この配分が公平に行つておらない。公平に行つておらないから、私はこの配分の是正を政府に要望しておきましたが、おそらくこの配分は是正されるものと確信をいたしております。そこでその問題はそれといたしまして、現在政府が予定しておるのは、三十億円程度のつなぎ資金を出すのではないか、こういうふうにいわれております。私どもは先ほどの、災害がかりに一千億円あつたとしたら、これの一割に相当する金額の百億円、あるいは補助の対象になる、ならないという基準がありますから、それを差引いてみましても、六十億円程度のつなぎ資金というものが必要である、こういうふうに考えておりますので、建設大臣が今四、五十億円いると言われたのを少し上まわつておりますが、これはあなたは過去において財政行政にも関係を持つておられる人であり、しかも現在は実地にこういう方面を見られた人でありますから、私はそういう意味合いにおいて、われわれの意見というものにやや近い御意見を持つておると思う。しかしながらつなぎ資金の性質は、予算を組む時間が相当期間を要するので、これをただちに復興しなければならぬという意味で組むのでありますから、少くとも被害の一割に相当するものがぜひとも必要だ、こういうふうに私は考えておりまするが、これに対するところの建設大臣の考え、あるいは今あなたが御答弁になつた四十億円か五十億円は、ただいまの進行状態としては確実になりそうかどうか、あるいは不安定なものであるかどうか、こういう点について災害地は切実な要望を、あなたも知つておられる通りしておるのでありますから、この点をまずすべての事業の第一着手として、もう少し積極的な結論を私どもは求めておるわけであります。これに対するところの状況の御報告を願いたいと思います。
○野田国務大臣 上林山さんのつなぎ資金の問題でありますが、これは目下準備を進めておるのであります。
 それから先ほど一千億円の災害あるいは一千億円を越える災害があるから云々というお話がありましたが、この中にはいろいろな災害が含まれおりまして、われわれがつなぎ資金の対象にするとか、あるいは補正予算の対象にする損害額と、それ以外のものがごつちやになつておるのでありまして、予算的措置を要するものと、資金的措置を要するものと、いろいろあるのであります。それでありますから、数字を一概に申し上げることも困難だと思うのであります。とにかく四、五十億円のつなぎ資金を出してもらいたいという要請をいたしまして、目下その準備を進めております。私の方の建設省におきましてもその準備を進めておりますが、同時にこれは農林省あるいは運輸省にも関係があるのでありまして、その方にも連絡をとりまして至急数字をとりまとめたい、こういう実情であります。
 なお一言附加しておきますが、災害の当年度の予備費の問題であります。この金額は先ほど二百億円とおつしやいましたが、私どもは予備金というものは一応のものでありまして、それにそんなにこだわることは適当ではないじやないかという考えがあるのであります。ですから災害が起きた際に、予備金はいかに計上しておりましても、その災害に対しまして先ほど申し上げましたように三、五、二の割合で今後達成できるような措置を講ずる、こういう点に主眼点を置いて予備金の金額を考えてみたいというように考えておることを補足的に申し上げたいのであります。
○上林山委員 非常に入念に責任を回避されるかのごときお答えでありますが、私もそういう意味では言つていない。しかしながら八十億円や百億円程度の予備費では緊急の処置ができない、こういう意味合いにおいて申し上げておるのでありますから、増額については確約を守るように奮闘願いたいと思います。
 そこで時間の関係がありますが、あと一、二申し上げたい。今度の災害は性格として高潮によるところの災害が大きかつたことは、建設大臣も視察された通りである。そこで私ども海岸堤防をよく見てみますと、これは工事が十分に行つていないという点もあるし、工事が十分に行つていない点は、これが主として市町村の負担に属しておる。市町村の負担に属しておるから、財源の都合上工事もうまく行かないという点などもあるように見受けられたのであります。それでこういうような問題に対しましては法規を改正いたしまして、災害の対象になるように仕向けていただかなければならない。少くとも復旧工事については、市町村の護岸工事は地元の負担にたえないのでありますから、特別法の処置なりあるいは現行法の改正なりをいたしまして、これらの処置をしていただかなければならぬのではないか。今度の災害で海岸堤防があまりにも多く災害を受けておる。こういう事実にかんがみまして、私はこの点に対する大臣の考えを伺いたいと思います。しかもこの問題については各府県の県会あるいは県会の土木委員会などが、全部決議をいたしまして、私どものところに要望をいたして来ておる問題でありますし、また実地に私ども見まして、その必要を痛感しておるのでありますから、この問題については緊急なる処置を考える、こういう意味において努力をしていただきたい、こういうふうに考えるが、これに対する答えを伺つておきたいのであります。
○野田国務大臣 海岸堤防につきましては、今回のルース台風におきまして非常に大きな影響を受けて、いわゆる惨害を私はよく見て参つたのであります。この海岸堤防の問題につきましてはいろいろと各種の問題がありまして、御承知のように、海岸堤防に対する法律をつくろうという話も進んでおるのでありまして、これが復旧のやり方、また海岸堤防はたれが管理するか、その責任の所在というような点についても、今後すみやかに検討いたして、その制度を設けるような方向に進みたいと考えております。
○上林山委員 次に大臣も視察してわかつた通り、戦災都市が今度の災害で相当影響を受けております。これは鹿児島県に限らずそういう状態でありますが、鹿児島県にしても串木野あるいは枕崎というようなところは戦災都市でありまして、五箇年計画ですでに復興の事業を着々とやつておつたのでありますが、そういうところが流れてしまつて非常に困つておるのでありますから、これを第一期の工事区に編入いたしまして、これらが復興できるような処置を考えて、復興計画の是正を願いたい。第二期の工事区に入つておつたところがほとんどやられてしまつておるという状態から考えまして、そうするのが当然のことだと私どもは思つておるのであります。こういう点に対して建設大臣のお考えを伺うばかりでなく、緊急な研究と対策をこの際講じてもらいたい。こういうのが戦災地で災害を受けた各方面の切実な要望であります。この点についての所見を伺つて、時間がないということでありますから、私は午後の建設委員会において再びこういう問題について具体的に質問を進めて行きたいので、予算委員会におきましては、この程度で質問を打切りたいと思います。
○野田国務大臣 ただいまの問題は、私現に枕崎市に参りまして、事情を十分承知いたしております。至急研究いたしまして、対策を講じたいと考えております。
○小坂委員長 庄司一郎君。
○庄司委員 野田建設大臣にお伺いしたい第一点は、東北興業株式会社の問題に関してであります。東北興業株式会社法は、昭和十一年五月二十七日法律第十五号によつて国会の可決を経て、施行された法律であることは御承知の通りでありますが、この東北興業株式会社法を廃止する御意思があるかないか、それを冒頭にお伺い申し上げます。廃止されるかどうかということは、イコール同会社を解散する御意思があるかないかというお尋ねであります。
○野田国務大臣 私は現在のところ廃止する考えは持つておりません。
○庄司委員 明快な御回答を承りました。東北興業株式会社は、御承知のごとく東洋拓殖、あるいは南洋興発、あるいは満鉄、あるいは北海道拓殖、その他戦争前のわが国の多くの国策会社と同様に、政府が東北地方における殖産興業の勃興を念願されて、当時における国会の要望もいれられ、政府みずから内閣には内閣東北局なる指導監督の役所まで置かれて、政府も相当の持株を持たれてでき上つたこの東北興業株式会社であります。私はこの会社の健全なる発達は、同時に東北六県地方における産業経済、あるいは農業、すべて文化的面より遅れておるところの東北地方を復興させ、積極的に振興させるという目的を持つておる会社であるがゆえに、非常な関心をもつて政府の指導監督を見守つて参りました。すなわち第六回国会においては、内閣総理大臣、時の建設大臣益谷さん等々にも、本予算総会においてお尋ねをし、政府から適正なるところの施策のあらんことを念願して参つたのであります。吉田内閣総理大臣の御答弁も速記録に残つております。直接監督官であるところの建設大臣の御答弁も速記録に残つております。その御答弁の要旨は、東北地方における産業経済の開発のために、この会社を保護助長してその健全なる発達を意図する、かような意味のものであつたのであります。しかるにその後満二箇年半をけみし、政府は、また直接に同会社の監督権を持つておられる建設大臣においては、この会社に対されてどういう指導をなされ、どういう助成をなされたか。ただいま本会社は御承知のごとく気息えんえんとして、ほとんど解散一歩手前の状態に苦吟しておることは、よく御当局の御承知のことと思うのであります。よつて現段階において、国策会社としてただ一つわが国に残りましたこの東北興業会社を、起死回生のストレプトマイシンを注射することにおいて、どういう具体的な施策をもつて政府は同会社を指導し、あるいは助成されんとするものであるか、その御意図をこの際伺つておきたいと思います。
○野田国務大臣 東北興業はただいま御指摘のような大きな目的をもつて設立されまして、同会社は今まで相当大きな貢献を東北開発のために尽して来たと私は思います。しかしながら終戦後にありまして、こういう国策会社――私はあえて国策会社といいますが、この国策会社に対する政府の特別な保護というようなものが、各般の関係からできなくなつたというために、この会社が今日におきましては、ただいまの庄司委員の言葉をかりますならば、気息えんえんというようなことになつて来ているのは事実であります。これをどうするかという問題につきましては、私は目下建設省当局並びに会社当局と連絡いたしまして、また関係の方々の叡智をも十分にお借りいたしまして、対策を練りつつある次第であります。その内容につきましては、この段階におきましては、この席で申し上げない方が、会社にとつて都合がいいのではないか、ためになると私は考えておりますので、具体的の発表を差控えさせていただきたいと思います。
○庄司委員 たいへん同会社に対して御同情のある、何らか耳寄りな施策をお持ちになつておるような印象を受ける御答弁でありますが、この会社がただいまのような気息えんえんたる状態に陥りました原因を当局はよく究明してもらいたい。人間の体格、体位をもつて言うならば、ほとんど病膏肓に入つておるこの東北興業であります。それは会社当局の経営力において、経営がそのよろしきを得なかつたという過去の事実もございましよう。また同会社創立当時以来、歴代政府が真剣に力こぶを入れなかつたということも見のがしてはならないのであります。たとえば初代総裁である吉野さんは、たつた一箇年で時の政府は商工大臣にこれを拉致してしまつた。二代目の八田さんは、六箇月で拓務大臣になつてしまつた。まさに東北興業会社の総裁というものは、当時における大臣の、これは何か予備準備的な、足踏み的の存在であつたような傾向があつたのであります。そればかりじやない。東北振興のためには必要欠くべからざる東北興業会社の姉妹会社である、兄弟会社であるところの東北振興電力会社を、当時永井柳太郎君が逓信大臣の時代に、豊富にして低廉なる電力の供給という美辞麗句のもとに取上げてしまつて、東北興業会社が電力を使用するには、あたりまえの値段で発送電会社より購入せざるを得ないはめに陥りましたことは御承知の通りであります。またこの会社の法律によつて、当会社発行の社債に対しては利子の補給をされておつたのであります。また株式の配当に対しても、政府はある程度の補助金を与えておられたのであります。さような国策会社としての恩典が半面においてはあつたのであります。しかるに最近においては、利子の補給もなければ、社債の発行も認められず、いわんや株式の配当に対する補助というようなものも打切られまして、あたりまえの営利的な株式会社に堕してしまつた。そこで建設大臣におかれては、当面の監督者としての責任上、よくこの会社の実態を把握されて、適当な起死回生の施策を打つていただがずんば、政府の持株こそは少数であるけれども、東北六県の町村あるいは農協、そういうこまかい自治団体の持つておる株数というものは、御承知の通り八十五万株でありまして、零細なるところの株式であります。ゆえにこの会社の健全なる発達といなとは、実に東北六県地方の自治団体に影響するところ、きわめて大なるものがあるのであります。そこでこの会社の手をとり、足をとり、援助政策をとられるという上においては、責任のある態度をもつて、ほんとうに御勉強を願わなければならない。そこでお伺い申し上げたいのは、この東北興業株式会社法という法律によつて、当会社に対しては、政府は直接責任を持たせるところの監理官というものを置くことになつておりまするが、ただいま監理官を持たれておりますか。寡聞にして、監理官は建設省のどんなお役人であるかを庄司はまだ承知しておりません。それをお伺い申し上げたい。
 第二は、この会社の法律の命ずるところによつて、内閣総理大臣は総裁を任命する権限を持つておる。ただいま総裁はいずこにありやであります。高知県生れの衆議院で落選された浜田君、落選のための任命かどうかぼくは知りませんよ、知りませんが、総裁に任命された。北上川上流のダムを利用して、自家発電の権限を与えるとか与えないとか、与えるがごとく与えざるがごとく荏苒たること二箇年半、浜田君はとうとうやめてしまわれたでありましよう。その後任の総裁はどうしてできないのでありますか。またこの会社の法律によつて、当会社の株主総会が三名の理事を政府に推薦した。政府は理事を任命する権限を持つておる。その五名の理事は一体どこに行つたのでありますか。ただいま副総裁オンリー・ワンでしよう。オンリー・ワンの副総裁が、七千万円の借金を背負つて、四千万円の約束手形の利子も払いかねて、電力を与えるがごとく与えざるがごとく、二箇年半にわたつてこの会社を迷わしめて、何という体たらくだ。どこに一体国策会社として、特殊会社として、法律によつて政府が総裁以下を任命され、監理官を任命されて、指導誘掖、監督の任に当るところの誠意を認めることが、私は全然不可能である。どんなに好意を持つて考えても、今までの政府のやり方というものは、誠意のないやり方である。ぶん投げつぱなしである。かような状態であつては、この会社は起死回生を得る道はございません。今建設大臣は、相当この会社を復興せしめ得る妙案をお考えくださつておるやの印象を受けましたが、総裁の問題、理事五名の問題、監理官の問題、続いて元通りに復興して、創立当初通り社債の発行等に対する利子の補給、あるいは株式配当に対するところのある程度の助成というようなことについては、どういうお考えを持つておるか。以上一括してお尋ねをしたいと思います。
○野田国務大臣 東北興業に対しまする監理官は、二、三日中に発令になる予定になつておりまするが、その監理官の問題につきましては、建設省といたしましては、東北興業の現状を非常に重要視いたしておりまして、次官、局長以下、この問題に頭をつつ込むといいますか、非常に熱心に研究しておるのであります。監理官も、これはどちらかといいますと、その人だけに責任を負わせるというのでなしに、連絡係という意味合いの考え方になつておりますが、発令の準備をいたしております。
 総裁、理事の問題は、庄司委員すでに御承知の点も多々あると存じますが、いろいろな事情がありまして、今日まで任命できないような状態であります。人選中ではありますが、まだ適当な方を得られない状態であります。しかしながら建設省といたしましては、当社の内容につきまして厳重な調査をいたしまして、これが対策について熱心に日夜研究しておるということを御了承願います。
○庄司委員 監理官を二、二日中に任命するということは、遅ればせながらけつこうであります。やはりお役所にはお役所の当面の責任者がないと、同会社関係の者がお役所をおたずねしても、たれに行つたらいいかぶつかるところがない。どうかひとつ監理官をすみやかに任命すると同時に、総裁及び理事三名もすでに選考中であると思いますから、すみやかに御任命くださつて、悲境のどん底にある同会社の前途に、一道の光明を把握することができるように御善処を願いたいと思うのであります。
 それから社債の発行等に関して利子の補給――株式の配当に対する補助ということまでは、国家財政の目下の段階では無理なことではありましようが、社債発行に対する利子の補給ということは、ただいまお考え及びでございましようか。
○野田国務大臣 ただいま御指摘の数点は、将来の問題として十分いろいろな点から検討いたしたいと思います。
○庄司委員 もう一点だけ。内閣総理大臣の独創的な発意によつてでき上りましたる内閣内の国土総合開発審議会、それに伴いまして北海道の総合開発審議会――北海道の開発まことにけつこうなことでございまするが、国土開発法が昨年の六月に制定されて以来、あなたのお役所におかれては、大臣は安本長官等と御相談の上、全国にさしあたり十七府県関係の特定地域の総合開発の指定を終られた、まことにけつこうなことであります。たが総合開発のプランがいかにりつぱにでき上り、指定地域に編入されましても、それに必要欠くべからざるところの国家の予算措置が伴わなかつたならば、画龍点睛を欠くきらいがあることは御承知の通りであります。国土総合開発に関する予算については、今回の補正になくても、せめて来年度の予算に相当額の予算を要求されるものと考えておりますが、建設大臣は安本長官と御相談の上、ただいまどの程度の構想を持たれておるか。また国土総合開発審議会が安本、建設両大臣と御相談の上指定地域に編入いたしましても、それを実行する上においては、施行細則あるいは施行法と申しましようか、かような必要欠くべからざる法律あるいは法令が必要であると考えていますが、あなたのお考えはいかがでございますか。
○野田国務大臣 総合開発地域の問題につきまして、予算的には二つの問題があろうと思います。一つは総合開発地域のいろいろな計画を立てるために要する経費と、計画に基きまして各般の開発を実行するに要する経費とあると思います。この点につきましては、計画を立てる部面についてはある程度の金がいると思いまして、建設省としては目下大蔵省とその計画をつくるために必要な調査費を交渉中であります。これはまだ妥結に至つておりませんが、その方向に進んでおります。それから総合開発を実行するために施行法みたいなものが必要であるという点につきましては、安本当局と建設省で目下検討中でありまして、まだ結論に到達しておらない状況でありますが、いずれにいたしましても、総合開発という問題は、できるだけ有効適切に実施して行きたい、こういうふうに考えております。
○庄司委員 法務総裁にお尋ね申し上げます。最近新聞を見ますと、総裁は数箇所において講和条約記念のために、全国の受刑者に対し、そのうちのある特定なる者に対して、多分恩赦の恩典があるであろうという意味のことをお話になつているようでございます。恩赦は受刑者にとつては、まことに旱天の雨露であることは言うまでもない。おそらく全国の受刑者は、新聞あるいはラジオの放送を通じて、あなたの談話に小おどりしておるでありましよう。だが恩赦ということは、これを施行する上において考えなければならぬことは、ただ単に刑期を短縮して許してやるというだけの考えであつてはいけない。恩赦そのものが最も効果的な恩赦の結果を見なければなりません。明治以来おそらく二十何回の恩赦が行われているが、恩赦を受けた者が、不注意にもその後二度、三度と再犯、累犯を重ねている者が相当ある。そこで今度は何とかこの講和記念のためには、恩赦の恩典を受けた者が、再び三たび犯罪を重ねないように、指導措置において有効なる恩赦が行われていなければならない、かように考えておりますが、恩赦を施行される時期はいつごろの構想であるか、また本員の念願する効果的な恩赦施行に対して、総裁はどういうお考えを持たれておるか。旧憲法下における恩赦は、言うまでもなく、天皇陛下の大権に基く恩赦であつたのである。新憲法のもとにおいて行う恩赦は、八千万同胞がつまずいて罪を犯した者を、国民同士においておおらかな心をもつて許してやる、これを忘れてやるというあたたかい愛情の発露でなければなりません。従いまして、恩赦の施行は慎重な上に慎重な態度をとる、恩赦の結果再び三たびあやまちを釈放者が犯さぬように、保護的な措置もとらねばならない。数万の恩赦を一時に実行する場合においては、彼らをその郷里に帰すための旅費も予算の措置があううと考えておりますが、そういう点において総裁はどういうお考えであるか。私のお尋ねはこの一点だけであります。
○大橋国務大臣 庄司委員の御質問に対してお答えを申し上げます。
 恩赦につきましては、わが国といたしまして明治以来国の慶弔の機をトしまして、一般的に行われましたものを振り返つてみましても、明治元年の元服大礼に際しましての大赦に始まりまして、近くは終戦後の昭和二十一年十一月三日、現行日本国憲法公布に際しての大赦令、減刑令、復権令及び特別の特赦減刑、復権まで前後十六回にわたる先例がございます。しかしながら戦争講和の機会に一般的恩赦の行われたということは、前例といたしましてはいまだ見ておらない次第でございます。けれどもこれらの先例といたしましては、ただいまも庄司委員のお述べになりましたごとく、すべて旧明治憲法下またはそれ以前の恩赦でございますので、当時の考え方をそのまま新憲法のもと、しかも新しく恩赦法のできました今日の時代に踏襲し実施いたしますことは、いささか当を得ないきらいがあろうかと存ずるのでございます。しかしてこのたびの平和条約締結の国家的な意義を考え、また従来の先例を参酌いたしますと、この講和条約が発効いたし、わが国が独立の主権を回復いたします機会というものは、恩赦を一般的に考慮するにまことにふさわしい機会ではないかと考えられますので、目下政府におきましても、この点についてその時期、方法、恩赦の範囲等いかなる程度にこれを行うのが適当であるか鋭意研究を進め、その準備を取急いでおるような次第でございます。もとよりこれが実施にあたりましては、庄司委員のお述べになりましたごとき、せつかく恩赦の恩典に浴しました者のその後の真の更生ということを、十分に念頭に入れる必要があろうと存じまして、これらの点につきましてもあわせてぬかりなく準備をいたしたい、かように念願をいたしておる次第であります。
○小坂委員長 尾崎末吉君。
○尾崎(末)委員 ごく短かい時間で法務総裁に二、三御質問を申し上げたいのであります。
 その一点は、さきに締結せられました日米安全保障条約をめぐつて一部左翼政党の諸君や、これにつながると思われる一部国民の間におきまして、警察予備隊に対して著しい疑念を持つた批評と、警察予備隊がただちに再軍備論にいうところの軍隊化でもするものであるかのような議論をする者が出て来たようでありますので、この際、法務総裁からあらためて警察予備隊の性格と、その治安任務に対する範囲とにつきまして、明快に御説明を願つてみたいのであります。
○大橋国務大臣 警察予備隊は昨年七月八日内閣総理大臣あてに発せられました、マツカーサー元帥の日本警察力の増強に関しまする書簡に基きまして、昨年八月十日ポツダム政令であります現在の警察予備隊令によりまして創設せられたものでございます。その目的といたしますところは、あくまでも国内の治安を保持するというものでございまして、すなわち国家地方警察及び自治体警察の警察力の欠陥を補うということを、唯一無二の目的といたしておるのでございます。この点は講和条約あるいは安全保障条約の締結により、何ら変更を見るものではないと考えております。
○尾崎(末)委員 第二点は、きわめてこれは重大な事柄でありますが、最近共産党員及びそのシンパなどに対しまして、日本における革命は、今日においては暴力によつて行う以外に、すみやかにその実現を見ることは困難であるから、暴力手段に出よ。その暴力の集団的やり方については、農漁民層にやらせる暴力は、こういうような方法でやれ、労働組合方面にやらせるその暴力の手段は、こういうふうにやらせろというような、具体的な方法の指令が出ておるとの風評がもつぱらあるのでありますが、それは事実であるのかどうか。これに対する資料が当局にありますならば、その内容をさしつかえのない範囲で御説明を願いたいのであります。またその指令は一体どこから出たと思われるのか、ただ日本の国内だけから出たものであるのか、国外にも関連のあるものであるか、これらの点もあわせて御説明を願いたいのであります。
 なおまた、時間の関係上急ぎますが、同時にこれに対して法務府はどういう対策を持つておられるのか。
 なおまた追放せられておる日本共産党の幹部の政令違反によつて逮捕命令が出ましてから相当期間たつのでありますが、その後逮捕せられず、目的が達成せられずにおること等の問題とあわせて、今御質問申し上げました問題が非常に大きく国民に取上げられておるのでありますから、この問題も一緒に御答弁をいただきたいのであります。
○大橋国務大臣 日本共産党に属しまする党員の諸君が、今日のわが国の政治組織を破壊する、あるいは各種の憲法破壊的な意図のもとに、暴力的な行動に出るというような風評もあるわけでございますし、また八月十五日付と称しまする指令といたしまして、天皇制打破、人民共和国樹立のゲリラ活動及び武装反乱を各方面で準備すべし、というような趣旨の文書が、一部に配付をせられたという事実はあるようでございますが、しかしこの文書なるものの出所及び配付径路等は、目下鋭意当局において捜査をいたしておるのであります。従いまして、この種の文書が、現在の党といかなる関係にあるかということは、いまだ断定する時期に至つておりません。しかしながら昨年以来、各地におきまするいろいろな集団的暴力事犯におきまして、共産党員あるいはこれと密接なる関係ありと認められる人々が、その集団的暴力行為におきまして、主要な活動をいたしておつたという事実は、これは幾多の事例において発見せられておるのでございます。これらはいずれも法によつて、ただいま処断を要請しておるような実情でございます。法務府といたしましては、この種の活動につきましては、できる限り注意をいたしまして、かような意図がいかなる機関によつて、いかなる方法、径路によつて伝達されておるか、またいかなる確証によつてそれが証明されるものであるかというような点につきましては、常に全力を尽して捜査をいたしておるような次第でございます。もとよりこれが確証を得る時期がありましたならば、これに対して適切な措置をとるべき心構えであります。ことは申すまでもございません。また未逮捕の共産党幹部の問題につきまして御質問がございましたが、これは検察庁並びに警察当局におきまして発付せられておりまする逮捕状によつて鋭意捜査を続行いたしておるのでございますが、今日まで見るべき効果を上げておりませんことは、はなはだ遺憾といたしておるような次第でございます。
○尾崎(末)委員 ただいまの御答弁によりまして、御質問申し上げましたような暴力行為に関する指令と思われる文書が出ているということは、まことに重大なことでありますので、御答弁のように、この問題に対しましては、十分の対策が練られておることと想像をいたしておるのでありますが、一体逮捕命令の出ているところの日共幹部というものが、未だその逮捕の目的を達成しないというのでありますが、お見込みとしましては、一体これは日本の国内におる見込みなのでありますか、国外に脱走でもいたしておるというお見込みなのか、おさしつかえなければお聞かせ願いたいと思うのであります。
○大橋国務大臣 何分にも逮捕いたしておりません次第でございますから、何とも申し上げかねる次第でございますが、しかし私どものただいまの推定といたしましては、大部分国内におるものとにらんでおります。
○尾崎(末)委員 次に今回の補正予算に組まれております百五十億円の予算についてでありますが、この百五十億円の予算は、警察予備隊の隊員の増加等に充てる費用ではなくて、通信施設や装備等に充てられるものであるというのでありますが、一体この百五十億円の補正予算だけの経費をもつて、さき申しましたような万一国内の大げさな治安撹乱があつたり、暴力革命を行うということなどが出て来た場合に、それに対処し得るだけの用意となるのであるかどうか。今少しく詳細に申しますならば、こうした国内の騒乱が起つた際、予備隊がこれを鎮圧するために出動するところの経費、あるいはその他の用意に違算はないのであるかどうか、この点を伺つておきたいのであります。
○大橋国務大臣 ただいま補正予算におきまして御審議を願つておりまする経費は、警察予備隊といたしましては、来年度予算に引続き計上を希望いたしておりまするものと一貫いたしたものでございますが、これらの予算の使途といたしまして見込んでおりますものは、御指摘のごとく何ら増員等を含むものではなく、もつぱら警察予備隊の現在の定員の範囲内におきまして、その強化拡充をはかり、装備の改善をはかるというような意味を持つものでございます。すなわちその内容をさらに申し上げますと、宿舎その他建物の建築に要する費用、これらの建築といたしましては、単なる宿舎あるいは予備隊の事務に必要な宿舎以外に、特に各般の部隊の教育のために必要な学校的な施設をも要求をいたしておりまするし、また特別の演習場というようなものの修築による費用をも計上をいたしておるわけでございます。なおかような宿舎あるいは用地等の買収建築のほかに、通信並びに輸送等の施設の強化、それから各種の訓練をなしまするための費用、こうしたものを見込んでおるわけでございます。特に出動に要する費用は、どういうことになつておるかという御指摘でございましたが、通常の際において行動いたしまするための経費は、むろん計上しておるわけでございますが、大規模なる内乱、騒擾等が現実に発生をいたし、それがために出動をいたすというような場合の、特別なる経費というものは包含をいたしておりません。これは今日においてその計上をしなければならないというような差迫つた事情はないと認めておるからでございます。
○尾崎(末)委員 いま一点であります。それはさき申しましたことに関連する非常に国民の大きな不安とするところのものでありますから、最後にこれをただして終りといたしたいのでありますが、今御答弁の中にもありました警察予備隊の訓練及び教育でありますが、これはごく簡単でけつこうでありますから、おさしつかえなければ、どういう教育とどういう訓練とをいたしておられるかということと、それからもう一つは、万一さき申しましたような非常時の際において、あるいは宣伝、デマ、そういうものに脅かされて、たとえますならば、帝都の都民等が、多く疎開でもいたしてしまつた際の、そのあとにおける通信機関であるとか、あるいは放送局であるとか、そういつたものを、これらの暴徒などが占領等をいたしてしまつた際、非常に重大なことに相なるであろうと思われることは、朝鮮動乱の過程におきましても、こういうことが非常に大きな影響を持つたのでありますから、万一そういうことのあつた際に、一体この予備隊がどういう役割を果すのか、またこういうことがあつた際でなくて、ないようにするためにどういうような訓練及びこれに対する教育等を施しておられるのであるか、そのことを伺つて質問を終りたいと思うのであります。
○大橋国務大臣 最初に警察予備隊の訓練の状況についてお答えを申し上げます。警察予備隊の訓練は昨年八月末の第一回の入隊がありまして以来今日まで、第一期及び第三期を経まして、現在は第四期の訓練を実施いたしておるところでございます。この訓練の内容、目的を申し上げますると、第一期の訓練は基礎訓練、すなわちこれは隊員各個人についての個々の行動の訓練を目的といたしたものでございます。個人的な基礎訓練が第一期、第二期訓練は、小部隊訓練でございます。第三期の訓練は大部隊の訓練、いわゆる中隊訓練、あるいは大隊訓練というようなものでございます。第四期の訓練は、現在の段階でございまするが、これは特技及び総合訓練をいたしております。特技と申しますると、たとえば特殊の武器の操作でありますとか、あるいはまた通信、衛生、輸送その他の特殊任務についての特別な部隊の訓練及びこれらを総合いたしました警察予備隊の組織全体としての、あるまとまつた部隊として総合的に行動をする訓練でございます。このうち第三期訓練は、十月上旬に終了いたし、一般訓練は、これをもつて一段落を告げたわけでございますので、目下第四期訓練を実施いたしておるのでございますが、このうちで特に通信、衛生施設等の特技訓練は、装備が十分でありませんために、一般訓練に比して幾分遅れておるのでございまするが、しかしすでに基礎的な訓練は完了いたしておるのでありまして、今後装備の充実とともに、進捗するものと考えております。
 これらは一般隊員に対する訓練でありますが、なお幹部に対する訓練を重視いたしまして、久里浜に総隊学校を開設いたし、各級幹部を入校せしめ、一箇月ないし二箇月の教育を実施いたし、すでにその終了者は数百名に上つておる状態であります。このほかに昨秋追放解除と相なりました旧陸軍士官学校及び海軍兵学校出身者で、さきに任用せられました初級幹部は、八月四日総隊学校の二箇月の教育を終えまして、すでに任務についており、なお一等警察士補の中から優秀な者二百五十名を選抜しまして、初級幹部訓練を実施いたしておるのであります。目下前述のごとき旧陸士及び海兵出身者の佐官の教育を実施中でありますが、これは今年八月初めより実施いたしておるのでありまして、各特技についても、それぞれ二週間ないし一箇月の訓練を、各般の事柄について幹部教育として実施をいたしております。
 なお今次入隊いたしました八千五百名の隊員、これは最近一般隊員の欠員補充として八千五百名を募集いたしたのでありますが、これに対しましては、適切な対策を立てて訓練を実施中であるわけでございます。
 訓練といたしましては、以上のごとき訓練をやつておるのでありまするが、次に御質問になりましたる一旦非常の場合におきまする重要なる機関、たとえばラジオの放送局でありまするとか、通信の中枢機関でありますとか、こうした重要施設に対する警備計画はどうなつておるかという点でございまするが、現在国内におきまする都市その他におきまする重要施設の警備につきましては、第一次の責任は、普通警察においてこれを担当いたすことに相なつております。従いまして国家地方警察並びに自治体警察は相協力いたしまして、各都市におきまする非常の場合における重要施設と目すべきものを協定いたし、これらの非常の際における警備計画というものは、警察がそれぞれ責任をもつて分担計画をいたしておるわけであります。これら第一次の警備の任に当りまする国家警察あるいは自治体警察の警備力の不足の場合におきまして、初めて警察予備隊が補充的に出動をするということに相なるわけでございまして、これは特定の施設について警察予備隊といたしまして、常時より警備計画を準備するというようないたし方をいたしておりません。これはその際において臨機に警備をするという考えをもつて計画をいたしております。
○尾崎(末)委員 質問終りました。
○小坂委員長 角田委員。
○角田委員 今度の補正予算を審議するにあたりまして、政府が主食の統制撤廃をやるかどうかということは、審議をする上におきまして重大な問題でありますので、もしその主食の統制撤廃をするということになれば、いつごろするつもりであるか、農林大臣に承りたい。
○根本国務大臣 主食の統制撤廃の問題につきましては、すでに本会議において総理大臣並びに大蔵大臣さらに私から、しばしば申したように、これは準備のでき次第、できるだけすみやかに実施したい、こういうことでございまして、まだ関係方面との折衝中であり、また具体的な法案の準備中なのであります。いずれその成案ができたときに提案申し上げたい、かように存じます。
○角田委員 本予算が主食の統制撤廃というものを含んで、一つのインフレの可能性を含んでおる、こういう議論が一般に立つておるのであります。一昨日もここで東京大学の名誉教授那須浩博士、朝日新聞の論説委員土屋清の二人ともそろつてこのことを述べられておるのでございます。そこで御承知のごとく、ただいまの米の消費者価格が内地米で十キロ六百二十円、これを一升に換算いたしますると九十三円になるはずであります。現在東京におきましては百七十円ないし百八十万円のやみ買いが行われておる。配給米で足らないところをやみ米を買つておりますると、実際消費しておるものが実効価格として約百十円くらいになる、こういう推定が一般に行われておるのであります。農林大臣は主食の統制撤廃をいたしましたならば、この米が大体どの程度においておちつくか、このことがインフレの素因をなすか、なさないかということについて大きな要素をなすものでありますので、この機会におきまして、統制撤廃が行われたならば一般の消費者価格がどの程度になるか、こういう見通しについて承りたいのであります。
○根本国務大臣 お答えいたします。政府が統制撤廃を考えておりまするけれども、これは無条件の自由放任ではございません。需給並びに価格の調整をいたしたい、かように考えておるわけでございます。ただいまの御質問は統制撤廃になつたならば、いわゆる実効価格がどの程度になるであろうかということでありまするが、これには幾多の前提条件があると存じます。もし何らの需給調整並びに価格の操作をしないということになりますれば、現在の国民の米食に対する嗜好、並びに内地米が絶対量において非常に不足しておるという現状からいたしますれば、相当高くなる可能性はございます。しかしわれわれといたしましては、需給の調整と価格の調整をいたすという方途をとるのでございまするので、従いまして、その場合においてどの程度を目安とするかということがむしろ問題になると存じます。これにつきましては先般私は農林委員会において申し上げたのでありまするが、現在の構想といたしましては、実効価格を目安として操作をいたしたい。そのためには一時この切りかえ時を控えまして、ある程度の輸入食糧を増加し、また従つてそれに伴うところの輸入補給金も若干増加することも考える。しこうしてこの輸入食糧を価格調整の面に使おうとするならば、いわゆる輸入されました原価以上に安く放出することによつて調整をしなければなりません。こういう観点に立ちまして、現在どの程度に輸入し、どの程度に価格を下げて放出することによつて調整の目的を達成するか、目下安本、大蔵、農林の事務当局が資料を集めて検討中でございまして、これは幾多総合的な反作用といいますか、関連作用がございまするので、相当むずかしい問題が伏在しておるわけでございます。なお全体の傾向として主食が値上りするということは統制下においても同様でございます。御承知のように現在主食においてはマル公を規定しておるのでございますが、農業生産資材、農村における生活資材はほとんどこれは自由の価格でございます。これらの品物は国際価格にさや寄せされつつ、一部においては国際価格をすでに越えてまで上つておる。こういう状況でありまするので、現在の統制下におきましても米価の算定はパリテイ指数によつて計算して行く。そういう観点からいたしまして、これは年年現状におきましてはパリテイ指数の上昇に伴うところの米価の上昇が当然行われておるわけであります。こういう観点からいたしますれば、米が自由販売になつたために、そのためににわかなる暴騰ということは考えられないと思つておる次第でございます。若干の、一時的な上昇はあるかとは存じまするが、いわゆる米を自由にしたために、著しくインフレが急激にこれのみによつて起るとは、われわれは毛頭考え得ない次第でございます。
○角田委員 それでは私からもう少し進んでそのことのお尋ねを申し上げたいのでありますが、米の自由販売が行われておつた当時、その時代においても政府の手持米が少かつたときは一年に三割以上上つたときがある。最も少いときには一年間に七割四分も上昇したことがある。通常の年においても平均二割の値上りがあつたのでありますが、こういうことにつきまして、どういうふうに農林大臣は考えておられるか、御所見を承りたいのであります。
○根本国務大臣 いわゆる食糧管理法ができる以前、これは御承知のように大正年代においては米穀法、これがやがて米穀統制法と順次なつて参つたのでありますが、御承知のように明治から大正年間におきまする日本の米の政策は現在と趣を異にいたします。むしろ生産過剰、一時的な生産過剰のために、また一面においては外国から安い食糧が入つて来ることのために、米価の暴落による農村恐怖を防止するという観点が、当時の米穀政策であつたわけであります。そのために政府はむしろ農村の生活の安定、生産の安定を企図いたしまして、過剰米を政府が買い入れて保存して、そうして米価の維持に当る、こういう状況が米穀法当時の方向であります。やがて漸次これが進展して参りまして、価格の調整を含むところの、すなわち朝鮮、台湾の増産に伴うこれらの移入米が、日本の米価に非常に大きな影響を及ぼすという観点からして、調整を含んだところの法案になつたのでありますが、その当時におきましても、やはり輸入の状況、あるいは当時におけるところの農業統計というものが不完備であつたために、実は豊作と見込んだことが、実際の収穫をしてみたところがそれだけなかつた。そのために輸入食糧を非常に制約しておつたところが、逆に絶対的な不足感を与えた。こういう観点で非常に見通し違いの米価の変動があつたということが事実のようであります。その当時におきましてはある場合においては、端境期その他において七割以上の上昇をしたことも事実のようであります。今回われわれが構想いたしておるところの統制廃止に伴う需給調整の考え方は、先ほど角田委員から御指摘のように、日本の米自身は足らないのであります。従つて日本の食糧の価格並びに需給調整に非常に大きな影響を及ぼすのは輸入食糧の問題であります。この輸入食糧を通じて需給並びに価格調整をいたすというわれわれの観点では、輸入食糧は政府がすべてこれを管理する、こういう観点からいたしますれば、先ほど御指摘のような時期的に非常に暴騰、暴落することを防ぐことができる、かように考えておる次第であります。
○角田委員 時期的に押えていただかなければ、前の自由販売の時代と同じような結果になつて、これは混乱に陥るのでありますから、政府におきましてはそのことについては、十分の方途を遂げられんことを望むのであります。
 ただここで申し上げたいことは、農地開放時代におきましてはごく安い価格、今日から見まするとただのような値段で農地を買受けた。こういうわけで、その資本に対する考え方というものはきわめて低いのであります。ところが最近になりますと、何でも一反歩の売り買いが何万円、これは全部そう売れておるわけではありませんけれども、もし田を買つて耕作するという場合においては、事実上は何万円という売買のようなものがあるのであります。そうするとその資本に対する減価償却というものも見込まれて、米の価格をきめようとする傾向があることと思います。また一面から見ますると、今日までのパリテイ計算というものは、押えられて来た価格である、とにかく低い価格である。それがもうすでに消費者価格一升九十三円という計算になると思うのでありますが、そういうふうな段階になつて来た。そこでそういうところから見ると、どうしてもここで統制を撤廃したならば上るじやないか、こういう目安が多いと思うのであります。これは私一人が考えるだけじやなしに、一昨日の那須博士の見解もそうであつた。大体統制を撤廃したならば、百三十円くらいになるのではなかろうか、そうしてもしこれが端境期になると百八十円、二百円というようなものになりはしないか、こういうようなことになると、せつかく均衡財政をとつて、今日まで日本経済の建設をはかつて来たものが、米の統制撤廃をやることによつて、思わざるインフレを起すようなことはないか、そうすると、もちろん全面的な統制撤廃というものではありますまい。どうしてもそこに最低価格、最高価格というものをきめて、その間において操作をするというようなことになるのではないか、こう考えるのでありますが、その辺の事情についての農林大臣の御構想を承りたいのであります。
○根本国務大臣 お答えいたします。これは先ほどお答えしたことと関連しておるのでありまするが、今角田委員から、那須博士の言を引いて、統制撤廃後における米価の上昇の問題が具体的に示されましたが、われわれはこれと見解を異にしております。これはあるいは現在の国民の米に対する心理的な需要が、ただちに現実の有効需要として、すなわち金に何ら不自由がなく、従つてみんなで買いあさるという場合には、そういうことも考えられるかもしれませんが、心理的な要求が具体的に経済的な購買力として実現するためには、やはりその所得が一つの制約になるのであります。その点からしますると、CPSとエンゲル係数との関連において見なければなりませんが、そういたしますると、現在やみを相当食べておるという人は、割合富裕の階級であると存じます。現在においてもやみで食つておる。統制解除になつたために、しからばこれらの人々が今まで満腹した以上に、さらに食うかというとそういうことはあまりない。そうしますと、むしろ一般的な平均所得、一万円なり一万四、五千円の所得の人々の実際の購買力が価格にどれほどの影響を及ぼすか、こういう問題になろうと思います。しかもその際に相関連して起る問題は、現在の大麦あるいは小麦粉、大体こういうような米にかわり得べきところの食糧の値段との関係においてでございます。現在の米に対する日本国民の嗜好は非常に強いものがありまするけれども、戦時中あるいは戦後の食糧事情からいたしまして、相当程度粉食になれて来ておる。しかもこの粉食は、衛生上、栄養上何らさしつかえないのみならず、むしろいい面もある。こういう観点からいたしますと、米に対して麦並びに粉食の方が非常に割安であるということになりますれば、米に対する心理的な需要がかわりまして、粉食に向うという点をも考えますれば、端境期において百八十円になるというような想定はわれわれは考えておりません。なおまた現在百八十円というような数字の出ておるのは、東京とか、主たる大都市においてであります。しかも現在このやみ価格が非常に高いということは、流通規制を非常に厳重にやつておりまするために、生産地から多量に入つて来ない。東北から持つて来るとすると、汽車賃と、その途中における検挙の危険率を合しておるので、やみ価格がさように高くなつておるものとわれわれは存じまするが、これが自由に米産地から多量に入つて来るということになりますると、そういうような現在のやみ価格が統制撤廃後においても発生するとは、われわれは考えていないのでございます。
○角田委員 私は米の統制撤廃というものに根本的には反対しているのではありません。どうしても、今日の生産者価格と消費者価格との間には三割も差があるのでありますから、これは合理的にやつていただけばきつとよくなる、こういうことで農林大臣の構想について私は賛意を表しておるのであります。しかしながら何と申しましても、今までのパリテイ計算というものでやつて来たものは、価格を押えておる。これを自由にして行つたならば上るのじやないか。もつともそこの三割の差がどうなるかということが検討の余地があるのでありますから、このことをどうしても重大な問題としてただしてみなければならぬ。それから大臣がただいま、今までのは東京その他大きな都市の価格だとこうおつしやつておる。そうして地方と東京との間には非常な差がある。それは運賃とか危険というものを見込んでいる。これは、私寡聞にして危険の率はどの程度になつておるか、ただいま記憶しておりませんが、運賃の方は、十年間の統計を見ましたところが、これは価格にして一分程度、それ以下であります。現在はそれ以下であつた。とにかく一分くらいのものだ。そういうことでありまするから、これが一割もかかるなら、運賃というものは大きな問題でありまするが、そうではないのであります。でありますから、実効価格が百十円、そういうものがもし全国的になると、これは重大な問題だ。もつとも、現在の米の価格が九十三円になつておりまするので、その点につきまして十分御検討をしていただいて、誤りなからぬことをお願いするのであります。
 もう時間になりましたので、これ以上私はこの点について申し上げないのでありますが、もう少し時間を拝借いたしまして、ほかのことをお尋ね申し上げたいのであります。実は漁業協定について、農林大臣のそれらの政策についての御構想を承りたいと思つておつたのでありますが、これは水産委員会において詳しく討論が行われておるそうでありますから、私はそれは速記録で拝見することにいたします。ただ最後に一言お尋ね申し上げたいことは、漁港の問題であります。漁業協定が行われる――というよりも、講和と同時に、沿岸漁業から海洋漁業に移つて行く、そうすると、どうしても整備をしなければならないものは漁港だと思う。ところが、御承知のごとく第十国会におきまして、漁港に指定されたもののうちから、国会において四百五十港の整備計画を承認しておるはずであります。これに対しまするところの費用が二百五十億円、こういうことになるのであります。ところが本年度の予算を見ますと、漁港に対するものはわずかに十三億円、こういうことになると、第十国会におきまして承認いたしました四百五十港というものは、こういうことでは、第一次計画がようやく成るのでも二十年かかる。第二次計画、第三次計画というものがあるのでありまするが、一体これについて農林大臣はどういうお考えでおられるか。これはとうていできない相談であるということになるかどうかを承りたいと思います。
○根本国務大臣 お答え申し上げます。御説の通り、漁業協定が成立いたしますれば、今までマツカーサー・ラインにおいて制約せられました遠洋漁業が、相当大きな進路を見出すことができる、さらにまた沿岸漁業も今後大いに開発しなければならない、かような観点からして、漁港の整備について計画を立てたことは事実でございますが、しかし御承知のように、国家財政の現状からいたしますれば、漁港にのみ二百五十億円程度を出すということは非常に困難でございます。御承知のように、鉄道建設につきましてもすでに百数十件の新設の要求がある、あるいはまた治山治水、あるいは河川の改修等、いずれも数千億をもつて計上しなければならぬ要求があるのでございますが、国家全体の財政計画からいたしますれば、漁港、治山治水、そうした公共事業について、おのずからバランスをとつて参らなければならぬと存じます。しかしそれにいたしましても、漁港の整備は今後非常に重大な問題でありますので、大蔵当局とも十分折衝の上、でき得るだけ計画に近い線を実現するように努力したいと考えているのであります。
○角田委員 時間が迫りましたので、実はもう少しいろいろと承りたいのでありますが、いずれ別の機会において承ることにいたしまして、最後に漁港についてもう一つ承りたいのであります。第十国会におきまして港湾法の第三条が改正されて、そうしてこれによりまして、同じ港湾の中に、商港として、漁港として二重指定ができることになつた。ところが、商港として、漁港として二重指定になりますと、これは具体的な問題となりますと、同じ港について、一方においては港湾管理者としての管理、一方においては漁港管理者の管理になる。それを整備計画する場合においてはどうしたらよいかという問題がまだ解決されておらない。あれをどういうふうに処理されるお考えであるか、最後に農林大臣にこのことを承つておきたいと思います。
○根本国務大臣 この問題はかなり実は行政上の問題でありますので、事務当局より御説明申し上げることにいたします。
○松任谷説明員 御質問のございました港湾法と漁港法の調整の問題につきましては、御指摘の通り、港湾の行政と漁港の行政という問題を、実際の一つ一つの港につきましてどう管理して参るかというようなことがございまして、前国会におきましては、調整の一つの手段として、二軍指定というような処置で、国会におかれて御調整をとり、事務的にもその方向ですでに運輸当局と水産当局とで話合いが進んでおりまして、現在まで約十港が二重指定を見ておるわけであります。従いまして、今後の漁港法と港湾法との調整につきましては、国会におかれていろいろ御調整になつた方向に従いまして事務的に処理して参りたい。漁港の管理者、それから港湾法における港湾の管理者の関係、それもやはり二重指定といつたような、いろいろ御調整された線に沿いまして、協調して円滑な実施をはかつて参りたい、かように考えておるのでございます。
○小坂委員長 なおこの際一言お願いいたしておきます。本委員会は、諸君御承知のごとく、去る二十四日より連日にわたりまして、予算に関する審議を行つて参つたのでありますが、総理大臣は、目下のところ参議院の両条約特別委員会に出席しておりまして、当委員会の方には出席されておりません。しかしこれは両条約が本院におきまして審議中に、財政演説並びにこれに対します質疑が本会議場において行われました際においても、総理はこれに出席せずして両条約特別委員会に出席いたすことを、各派において御了解願つた例もありますし、また参議院におきまして財政演説及びその質疑の際にも、総理は参議院の本会議に出席せず、本院の両条約特別委員会に出席をしており、これも各党派において御了承願つた例もありますので、参議院の両条約特別委員会に総理が出席しております間は、当委員会に総理が出席しなくても、主管大臣たる大蔵大臣が出席しておりますので、質疑を継続せられまして、総理に対する部分は後日にこれを留保することに願いまして審議を進むることに、特に野党の諸君の御了承を願いたいと存じます。
 午前中の会議はこの程度にとどめまして、午後は一時半より委員会を再開いたしまして質疑を継続することといたします。
 これにて暫時休憩いたします。
    午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二分開議
○小坂委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。
 質疑を継続いたします。竹山祐太郎君。
○竹山委員 私は国民民主党を代表して、きようはまず主食の問題について質疑をいたしたいと思います。農林大臣にまず伺いたいのは、あすからの食糧年度の需給推算をどういうふうにお立てになつておられるか、その概要を伺います。
○根本国務大臣 まだ事務当局が来ておりませんので、私今資料を持つておりません。資料に基く説明は、後ほどにおまわし願いたいと思います。
○竹山委員 農林大臣、大まかなところぐらいは覚えておられないとお困りになりやしないか。しかしわからぬとおつしやればしようがありませんから、あとで伺います。
 次に収穫予想のこの次の分はいつ御発表になりますか。
○根本国務大臣 近日中に発表する予定でございます。
○竹山委員 近日中というのはいつになりますか、大体のお見込みを承つておきたいと思います。
○根本国務大臣 この四、五日中には発表いたしたいと存じております。
○竹山委員 もう実際はできておるのではないのですか。それを供出数量との関連において発表ができないという感じをわれわれは持つおるのですが、事実はどうですか。
○根本国務大臣 御承知のように、今回の予想収穫高につきましては、先般のルース台風その他の被害状況、これが勘案されるわけであります。従いましてその方面の資料が若干不備な点がありまするので、その調査の到着を待つておる次第であります。大体の見当はついておりまするけれども、今回発表いたしまする予想収穫高が本年度の産米の割当の根拠にもなりまするので、正確を期しておる次第でございます。
○竹山委員 どうもりくつが合わないと思うのですが、知事会議を招集されておきながら、収穫予想高が一応とにかくわからなければ、割当の基準がないと思いますけれども、どうするつもりだつたのか、その点を伺いたい。
○根本国務大臣 そういうふうな諸般の準備が完備いたさなかつたので、知事会議を延期した次第でございます。
○竹山委員 それでは事務当局が来てから、もう一度詳しく伺います。
 次に、供出数量の問題について。世間われわれの承知する限り、二千万石といい、二千五百万石といい、二千三百万石といい、また二千六百万石といい、これは日を追つて出たり入つたりしております。今までにかつてない事情でありますが、農林大臣からこの間の事情を一通り伺いたいのであります。
○根本国務大臣 二千万石とか二千五百万石とか、いろいろ新聞紙上では伝わつておりまするけれども、政府が正式に発表したものはございません。従いまして、その問題については新聞紙上における言論として見ていただきたいのであります。本年度の割当量につきましては、先ほどお尋ねにありました本年度の収穫予想を基礎といたしまして、各般の問題を検討の上、正式に政府としてこれを決定し、関係当局のアプロベーシヨンを得て初めて割当をする、こういうことに相なつておるのであります。
○竹山委員 そうすると新聞は全部誤報だというふうにとれますが、二千五百万石というものは、一応閣議で決定したのではないですか。
○根本国務大臣 本年度の第一回の予想の状況からすれば、おおむね二千五百万石が、一つの標準になりはしないかという見込みを立てたことは事実でございます。
○竹山委員 それが二千三百万石に下つて来たということも、閣議の話合いに出たのではないですか。
○根本国務大臣 統制を撤廃するという前提でいろいろ試算してみたことはございます。
○竹山委員 では角度をかえて伺いますが、二千五百万石というものを一応おきめになつた。こういうことで一応了承いたしておきましようが、二千五百万石をおきめになる基準は、収穫予想が根本でありましようけれども、統制撤廃を織り込んで、農家の保有量その他従来の方針とかわつた方法でおきめになつたか、それを伺つておきます。
○根本国務大臣 現在の食管法の立場において算定いたしておるのでありまして、統制撤廃の問題は具体的成案を得、かつ関係方面の了承を得てから提出する予定でありますので、二千五百万石というものは、統制の撤廃をするかいなかということを直接に織り込んだものではございません。重ねて申しまするが、この問題は現行の食管法に基く二十六年度産米に対して収穫予想高、さらには農家保有その他の面を勘案して決定するものでございます。
○竹山委員 これは非常に重大な問題でありますから、特に重ねて伺つておきますが、二千五百万石は統制撤廃の問題とは関係はないと農林大臣は言明された。そうすると常識的に考えても、今の政府与党の諸君は統制撤廃をする以上は、農家の保有を、還元配給その他の方法で農家に返す方法はないのですから、従つてたれが見ても統制撤廃によつていわゆる供出数量というものは減らなければならないことになると考えますが、この点を念を押しておきます。
○根本国務大臣 統制撤廃に関する具体的な措置が今上程されておるわけではございません。これは政府の方針として持つておるのでございます。しかし今回の供出の問題は、一応政府としては現行の方式でもつて割当てるという見地において計算いたしておる次第であります。
○竹山委員 これは非常に異なことを伺うわけでありまして、閣議が方針を決定し、内閣総理大臣が本会議において言明をされ、与党もそれを決定をされておる。その方針に向つて知事会議もされると私らは承知をしておつたのですが、法律はなるほど食管法に基きましようけれども、統制撤廃とまつたく無関係にこの供出が行われるということに承知をしていいのですか、もう一度念のために伺つておきます。
○根本国務大臣 お答えいたします。これは何回も繰返して申し上げるように、現行の法律に基いてわれわれは本年度の割当をいたす、こういう立場をとつておるのであります。その間に矛盾はございません。統制撤廃の法案が通り、そうしてそれが正式に承認された場合には、それに伴うところの善後措置を新たにすべきであると考えます。
○竹山委員 それは国務大臣ともいうべき人の言うことじやないと私は思う。一体来年の四月一日に統制を撤廃するということは、政府がきめておられるのじやないか。やるかやらぬかは別として……。それを農民に二月までに供出をさせておいて、そのあとで統制撤廃をするという順序を考えた場合において、供出は統制撤廃とは無関係にさせるということは事実行われますか。農民は一体それじやどうすればいいか。これは非常に重大な問題であつて、統制撤廃をするかせぬかということは、供出と不可分に行われることは、これは国民の常識だと思う。農林大臣はそういう法律上のへりくつでこれを押し通そうとお考えになるのか。もう一度承つておきたい。
○根本国務大臣 法律上のへりくつではございませんのでありまして、これは現実に現行の食管法を基礎として配給並びに供出をいたしておるわけでございますから、現行の法律の立場において供出するということは当然のことであります。
○竹山委員 法律は何もそういうことをきめておるのじやないのであつて、この変化の時期において、政府は今いわゆる政令をもつて行おうとすらしておるのであつて、これは法律のりくつを無視して、国会を無視してやろうとされておるくらいです。それはそういう議論もされるかもしれません。しかしながらこれは政府の決定というものを政治家としてお考えになつた場合において、今供出をさせることは統制撤廃とは無関係だということで押し切つて行かれるというならば、それでおやりになつたらいい。それで一体知事会議というものが済むか済まぬかということは、根本さん自身がよくおわかりになつておると思う。まあこれはあとにいたします。それは別として……。(「おどかしだ」と呼ぶ者あり)おどかしだと言うけれども、おどかすのではないので、これを一体国民が理解のできるようになさらぬと――私は何もおどすとかなんとかいうのではなくて、このことに対して農民を理解させなければ供出はできないのじやないか。統制を撤廃するかせぬかということを前提によく理解をさせてかからなければ、農民は供出をしてしまつたあとで、だまし討ちに統制を撤廃されたらどうする。食うものがなくなるじやないか。そういうことを政治家が平気で言われて、それで何とも考えないということであるならば、われわれはもう何をか言わんやである。だから統制を撤廃するかせぬかということと、供出と不可分だということは、もうだれだつてわかつておるじやないか。(「法律の裏をくぐる議論をしなくてもいい」と呼ぶ者あり)政府がくぐつておるのじやないか。それではこの問題は私の理解する限りにおいてはわかりませんから、また別の機会に……。事務当局が見えているそうですから、最初に伺つた需給の計画をひとつ伺いたい。
○安孫子政府委員 お話は、あるいは見当違いになるかもしれませんが、来年の四月から再来年の三月までの会計年度におきまする需給推算の見通しはどうかというお話であろうかと思います。普通ただいままでのような方向で参りますれば、おおむね輸入食糧は三百二十万トン前後の輸入をもつてこれはまかなえると思つております。ただ統制方式を変更いたしました場合には、一面におきまして需要増がございます。あるいはまた供給増も考えられます。また政府の操作力の増強の面からも、経過的には相当の措置を考える必要があると思います。従つて自由にいたした場合に、いかほど輸入食糧を増強する必要があるだろうか、結局それを織り込んでの需給推算をいかように組み立つべきかということについては、ただいま検討いたしておる最中でございまして、ただいま申し上げる段階ではございません。
○竹山委員 あなたは聞いておられなかつたから、見当違いの答弁をされた。もう一ぺん私は申し上げます。あすから始まる米穀年度の需給推算は、当然事務当局は持つておるはずだ。農林大臣は統制撤廃をまだやるかやらぬかわからぬとおつしやるのだから、統制撤廃をしなければしないで、どつちにしてもあすから始まる計画をなしではやれぬはずだから、その計画を伺いたい。こう言つたわけであります。
○安孫子政府委員 ただいま申しましたように、統制方式の変更を前提といたしました、あすから始まる二十七食糧年度の需給推算は、まだ確定をいたしておりません。ただ現在の方式をもつて継続いたしまする来年三月末日までの、十一、十二、一、二、三、この五箇月間の需給推算を私ども立てております。これは大体現状をもつてすれば、問題ない見通しであります。
○竹山委員 農林大臣に伺いますが、需給計画は立つておらぬということですけれども、それで一体一年間やつて行かれるあなたのお考えをひとつ承つておきたい。
○根本国務大臣 ただいま食糧庁長官から御説明がありましたように、もう二十七年の三月末日までの需給計画は大体持つておるわけであります。さらに二十七米穀年度については目下検討中である、こういうことであります。
○竹山委員 それでは安本長官に伺いますが、需給推算も立たないのに、輸入計画というものはどういう根拠でお立てになつたか、その輸入計画とあわせてひとつ承つておきたい。
○周東国務大臣 お答えしますが、輸入計画なるものは、一米穀年度を通じて内地生産の米麦幾ら、それからそれに対して不足する食糧の輸入は幾ら、こういうふうに立てていることは従来とちつともかわつておりません。最近における各年度における輸入数量は、あなたも資料によつて御承知だと思いますが、大体二百七、八十万から三百万トン前後が入つております。しこうして二十六年度における需給の計画に基いての輸入食糧というものは、数量は三百二十万トンというものが大体実行される形になつております。今日までの輸入されておる数量の総計から見まして、これはちつとも狂つておりません。そこで今後の統制撤廃という基本方針に基く経過的措置として、さらにどれだけをその上にプラスして輸入を考えるかということについては、大体見当をつけております。
○竹山委員 大体ついたということで、お答えがないのですから、それではひとつ農林大臣に、これからの輸入計画、今までの輸入計画、この間本会議でも御説明になつておられたように、大体これからどのくらいの食糧をどこの国からお買いになるかということを、ひとつ承つておきたい。
○根本国務大臣 本年度におけるところの輸入の大体の見通しは順調と申し上げます。さらにその現在までの手当したものについては、食糧庁長官から御説明申し上げます。
○安孫子政府委員 四月から来年の三月までの二十六会計年度の輸入計画は三百二十万トンでございます。そのうち十月までに入りましたものが、これは実積でございますが二百七万八千トン、十一月から三月まで百十八万四千トン入ることは確実でございますので、合計いたしまして三百二十六万二千トンの輸入があるはずでございます。
○竹山委員 私の質問に対して農林大臣は本会議で答弁しておきながら、事務当局が答弁をされないのは忘れたのだろうと思いますが、これから入る百十数万トンの米と大麦と小麦、あとから伺う必要上その三つにわけて、主としてどこからどういうものを買うということを伺いたいのであります。
    〔「答弁の必要なし」と呼ぶ者あり〕
○安孫子政府委員 十一月から三月までの見込みでございますが、米については大体三十五、六万トンのものが入る見込みでございます。申し上げるまでもなく、おもなるところはタイでありますとか、ビルマ、そういうところが主になります。それから小麦でございますが、これは約五十五、六万トンのものが入る見通しであります。アメリカ、カナダのものが主になります。大麦はおおむね二十数万トン、これは主としてアメリカの食糧であります。
○竹山委員 今国民が一番心配をしておるのは、統制を撤廃した場合において、食糧が十分であるかどうかということを一番心配しておるのであつて、従つて政府は外米の緊急輸入その他をもつて国民に心配をかけぬということを、しばしば農林大臣などは言つておられる。だからそれをもつと国民が安心をするように言うことが一番大事な問題であつて、それをぼやかしておかれるから国民が心配をする。私は国民にかわつてそれを詳しく伺おうとするのに、与党の諸君は答弁の必要なしということは、これはいわゆる自分だけ承知していればいいということで、それでは国民は安心をしません。われわれは国民にかわつて質問をしておるのでありますから、もう少し政府は親切にお答えを願いたい。
 そこで今伺いますが、三十五万トンの米が入るということですが、そうすると今まで入つた分と合せて幾らになりますか。
○安孫子政府委員 米は結局全体合せまして八十数万トン、年間輸入になるのであります。
○竹山委員 八十数万トン入るということであれば、まだ計画に達せないということでありますが、もう一つ伺つておきたいのは、米についてはカリフオルニアあるいは南北米、主として北米でありましようが、アメリカの米は入るのですか、入らぬのですか。
○安孫子政府委員 大体各方面の米を入れたいと考えておりますが、これは産地を刺激するのを恐れますので、どこをどの程度買うということは申し上げない方がいいのではないかと思います。
○竹山委員 このことを伺うことは大蔵大臣に重大な関係があるので、もうすでにアメリカは一トン二百ドルもしておる。そういう高い米をしいてお買いになるのかならぬのかということは、これは大蔵大臣に関係があるから私は伺うので、安いものを自然の成行きのままに買つて行くということなら、何も私はこういうことを問わない。今の政府はいくら高くても世界中のものをかき集めて、とにかく無理やりに統制撤廃をしようとしているところに無理がある。そこから問題が起つて来ているから、それをごまかしたつてあとではつきりするのですから、私はむしろ今日明瞭にしておく方がいいと思つて伺つておる。
 次に、大麦は従来どことどこから入つておるか。また今後どことどこからお入れになるつもりか。
○周東国務大臣 私は竹山さんの御質問御無理とは思いません。従つて今事務当局の方から、従来どこから入つて来たかということについてのはつきりした答弁はいたさせます。しかし問題は今あなたの御指摘のように、無理やりに何ぼ高いものでも買いますからというような事柄は、私は気をつけていただきたいと思う。そういうことはわずかの談笑の間でも気をつけることです。国民のために統制撤廃後の心配は注意しなければなりません。しかしやることに対する協力は願わなければならぬと思います。この談笑の間におつしやることについては気をつけていただきたいと思います。
○竹山委員 たいへん異なことを伺うもので、私がそう言つたんじやない。私が高くても買うと言つたんじやない。一体政府は統制撤廃をするためには外米の緊急手当をして心配をかけぬと言つている以上は、私が言わなくても世界にはちやんと響いておる。私が言つたというならば周東君の今のお言葉は私友人として受けますけれども、私が言つたんじやない。今のあなたの御意見は政府にお返しをいたします。では先ほどの長官の答弁を願います。
○安孫子政府委員 大麦はアメリカが主になります。その次に順位を申し上げますと、カナダが二番目で、その次に濠州、イラクのものがごくわずかです。
○竹山委員 次に時間もありませんから問題をかえまして、農林大臣に伺いますが、この間農林委員会で、いわゆる九十四円に米価の目標を押えて行くということを先ほども伺つたのでありますが、このいわゆる実効価格に政府が押えて行こうとする具体的な処置をひとつ伺いたいのであります。
○根本国務大臣 答弁いたします。統制撤廃後における需給調整法の内容については目下検討中でありまするので、その内容の詳細について申し上げることはできません。但し先般農林委員会におきまして政府が需給調整をするという場合、価格についてはどういう目安を持つておるか。こういうふうな御質問でありましたので、現在の私の心境といたしましては、実効価格を目安として調整をいたしたい。こういう目安をもつて目下検討中であることをお答えいたしました。
○竹山委員 私の伺つておるのは、その九十四円の値段を押えるためには、何か政府の中に構想がなければ、責任のある農林大臣としてそういうことを軽々にお言いになるはずはないと思う。だから大蔵大臣もおいでになりますけれども、そこらはどういう財政処置なり、政府の中で話し合つた方法がないはずはないと思う。もちろん最後の決定ではありませんけれども、そのことを国民も真剣に心配しておるのですから、安心の行くように、大体こういうことで行くんだということがおありに――ないとおつしやるならば別問題でありますけれども、おつしやつた以上は何かおありになると思うから、もう少し親切に御答弁を願いたいと思います。
○根本国務大臣 お答えいたします。具体的な内容については、まだ固まつていないから申し上げられないということは御承知願いたい。これにつきましては、輸入食糧の量を増すことと、それから輸入食糧については先般の安定本部の委員会において御説明申し上げましたように、価格差補給金は存続して参る、そうして政府放出の輸入食糧の操作においてこれを調整いたしたい、こういう考えを持つておる次第であります。
○竹山委員 ちよつと値段のことに関連して、大蔵大臣が米価が一万円にはなるということをおつしやつたということをちよつと聞いたんですけれども、農林大臣はこまかく九十四円とおつしやつておるところなど、一体政府経済閣僚の中で、大体どこらをお話になつておるのか、この機会にちよつとつけ加えて伺つておきたい。
○池田国務大臣 私は一万円になると言つた記憶はございませんが、今米の配給価格は消費者が九千三百円ということは御承知でございましよう。しこうして実効価格ということを農林大臣が言われましたが、東京都内におきまするやみ米は、一万七、八千円ということも御存じでございましよう。どこの価格を言うかが問題であるのであります。実効価格ということになりますと、大体普通の世帯で、東京都なら二十四キロの米の配給をいたしておりますが、大体四キロ半ぐらいのやみ価格をやつておる。そういうことを計算してみたら、実効価格がどれくらいになるかということは出て来ると思います。
○竹山委員 そこでもう一度農林大臣に今のに関連して伺うのですが、輸入食糧で操作をしたいということでありますが、それは米でありますか、麦でありますか。
○根本国務大臣 お答えいたします。米、麦とも操作の材料になるのでありますが、量的な関係その他から見ますと、麦が相当大きなウエートを持つのではないかと思います。
○竹山委員 米で米を下げる方法は……。(発言する者あり)、私はいくら乱暴なやじがあつても、できつこはないと思いますが、お話の通りこれは麦よりほかに、だれが考えても方法がない。そこで麦について一応伺つておきたいのは、麦を安く供給をして、それで米価を押えて行こうというお考えだろうと思いますが、さようでありますか。
○根本国務大臣 大体そういう構想で検討いたしております。
○竹山委員 そうすると、ここに今現実の問題として、今度の国際小麦協定によつて入つて来る小麦と、従来の輸入小麦との間には相当の開きがありますが、どつちを基準にお考えになつておりますか。
○根本国務大臣 それは竹山さんも御存じのように、どつちを基準ということでなくて、これは総合してやるべき問題でありまして、プール計算で両方とも考えております。
○竹山委員 両方総合すれば相当高いものになります。今よりもずつと高いものになります。今でさえ麦が高いという輿論である。大蔵大臣がおつしやるように、麦を食えといわれても、今はパンが食えないような状態ですが、ほんとうに米の価格を左右するために、麦を十分食えるようにするためには、相当思い切つて下げなければならぬと思うのですけれども、この点お三人のお考えをそれぞれの立場から伺いたい。
○池田国務大臣 米の統制撤廃の問題でございますが、まず考えなければならぬのは、竹山君のおつしやるように需給の問題が第一でございます。そこで需給の問題は、国内生産品の需給の関係と、国外生産品との輸入関係をよく調整する、こういうのが問題であります。その次に起る問題は、統制撤廃後生計費にどう及ぶか、こういう点を考えなければなりません。そこでわれわれは経済の安定を一大主眼としておりますので、生計費をできるだけ今の生計費よりも動かさぬようにしなければならぬ。そういたしますと、米の値で生計費を動かさぬとすれば、麦の値を安くしなければならぬ。しかし麦の値をあまり安くしますと、補給金の問題が起りますし、ひいては国内の麦の生産者価格の問題が起ります。こういうことも考えて行かなければならぬ。それから統制撤廃後、それでは財政的にどういう問題が起つて来るか、今までの補給金がどうなる、そうして今後どういうふうな新たな経費が必要か、こういうことも考えて行かなければなりません。第四には金融の問題でございます。生産者金融とか、配給の問題、こういうあらゆる点を考えまして、われわれといたしましては、経済の自立安定に適当な方法をもつてやつておるのでございます。御質問の米の値が上りました場合においては、生計費の上昇をできるだけ少くしようとすれば、麦の価格を低位に置くよりいたし方ございません。しこうして日本人が今非常に米になれておりますのは御案内の通り、一昨年までは外米は一〇〇、小麦は九五、大麦は九〇、こういう状態であつたのを今度改めまして、米に対しまして八五ぐらいに相なつておると思います。戦前の状況を見ますと、米に対して麦の価格は大体消費者価格におきまして七十六、七パーセント、年によつて違いますが、七八%になつておるところもあります。これが戦前の正常状態でございますが、国民が米になれて来たと申しまするか、他の事情で米に対する執着が強いので、これをどのくらいまで下げたならば、米の値段の暴騰を調整し得るかが、今後あるいは考えられる問題であります。こういう問題につきまして、あらゆる検討を加えております。従いまして私らは早く結論を出して国民の前に発表し、そうして御批判を願いたいという念願でおるのであります。それで今あなたのお話になつた米が一万円になるとか、一万三千円になるとか、こういう問題も一に財政の負担の問題と、どれだけの割合に麦をするかという問題であります。私の見通しでは、ある程度の案を持つておりますが、もう少し研究してから発表することにいたします。
○根本国務大臣 ただいま大蔵大臣から御説明した通り、これがわれわれの現在持つておる結論であります。
○周東国務大臣 大体大蔵大臣が答弁いたした通りであります。
○竹山委員 しかし驚き入つた話で、一番大事な点がさつぱりわれわれにはわからない。今、大蔵大臣は麦の対米比率を八五%とおつしやいましたが、これは何かのお考え違いで、私らが反対しておりました八二の対米比率を、六四に切り下げたのは皆さんであります。それを今非常に誤解されて、のんきなことをおつしやつておられるが、すでに六四に下つておる。それを実はもつと下げなければいけないということは、今大蔵大臣の感じの中からは受取れる。だから率直にもつと麦をお下げになるのであるかどうかということをもう一度伺つておきたい。
○池田国務大臣 これは竹山さんのお聞き違いでございます。一〇〇に対して六四というのは、生産者価格でございます。私は生計費を主体にして言つておりますから、消費者価格を言つておるのであります。八〇前後というのは、戦前におきます米と小麦あるいは大麦の精麦価格の比率を言つておる。だから米一〇〇に対しましての生産者価格は、昨年度六四を今年度は六七に、それから裸麦も相当上げておりますが、生産者価格を私は言つておるのではありません。消費者価格を言つておる。これは生計費の問題であります。
○竹山委員 数字の議論は大蔵大臣と議論しなくても、わかればいいのですけれども、私の言つたのは、生産者価格が常識ですから生産者価格で申し上げた。そこで戦前の米に対する比率とおつしやつたが、米に対する戦前の比率は約六割であります。戦前自由経済のときにおいてすら六割、しかも朝鮮、台湾の米が十分に入つておつたときにおいて六割ですから、これ以下に下げなければ、今米の足りないときにおいて麦は十分にその効果を発揮し得ないと私は思う。その点に対し農林大臣は退席をされるというから周東安本長官にかわつて伺いたい。
○池田国務大臣 あなたのお話が生産者価格を言つておられるなら、生産者価格はその通りでございます。そこで戦前の状態になるべく回復するつもりで生産者価格は下げております。そういう問題がありますから財政資金との問題、生産者価格をあまり下げますと、今の麦の供出価格より下るようになつた場合を私は考慮しなければならぬ。そこで財政負担も相当考えなければならぬということはそこから来るのであります。財政負担というのは補給金ばかりではございません。麦を非常に下げた場合の麦の生産者価格と消費者価格との間のギヤツプ、これを考えておるのであります。
○竹山委員 いや私もそれを伺いたくて伺つておるのでありまして、ことしの国際小麦協定の価格は来年はすでに下る。もうことしにおいて国内生産の麦と協定小麦の価格とは、むしろ生産者の方が問題なんだ。この点は農林大臣にしつかり聞いておかなければならぬ問題なんですけれども、しようがありませんから、この次の機会に譲りますが、要するに今麦をまきつけておるところの農民に対して、来年の小麦の価格というものが非常に重大なんだ。すでに政府が手の中に入れておる小麦において協定小麦との間にすれすれであるということを考えれば、肥料を手放しに高くした今日においては、どうしたつて来年の麦は高くなる。それを農民の生産費が高くなるにもかかわらず、政府が対米比率を維持して行かなければもつと安い麦になつてしまう。そこで大蔵大臣はもう承知をしておられるのだから、そこを私はいわゆる二重価格制度その他によつて国内生産を維持し、しかも消費者に安い麦を供給するというお考えがあるのかないのか、その点を伺つておきたい。
○池田国務大臣 小麦協定について御心配のようでございます。しかし御承知のように小麦協定は六十八ドルと記憶しております。運賃の十六ドルを加算しますと八十四ドルになるのであります。しかもこれは五十万トン。小麦協定以外の小麦をどれだけ入れておりますか、これは小麦協定の五十万トンの倍以上の小麦を入れておる。しかもそれは九十五ドルになつたり百四ドルになつたりしております。そこであなたが今御心配になるようなことは、これから将来の小麦の状況あるいはまた日本がどれだけ小麦協定に入り得るか、こういう問題とからんで来るのでありますが、ただいま八十四ドルの小麦を五十万トン入れるからといつて、国内の小麦価格が下るということは私は今のところは言い得られない。大体小麦協定で入る麦と国内の小麦とはとんとんかあるいは国内のがちよつと上くらい。しかしほかに高い麦があるのであります。そういう御心配は今のところないと思います。われわれは国内の米はもちろん麦の生産の増強をはからなければなりませんので、米に対して麦をどれくらいの割合にするか、下げ過ぎた場合の小麦の問題、それから農家の経済等を考えてやるのであります。従つて私は今研究中のものがありますが、もうしばらく固めてお話申し上げたいと思います。
○竹山委員 いや私もあなたと同じことを言つている。別に私は全部が小麦協定の値段に行くとは申しておりませんが、これはおそらく協定小麦は減ることはなくてふえることはあるだろう。そこで将来の国内生産に対する麦の価格というものをどうするか、今のような状態で行くならば、国内の生産は減つて、減つただけのものは結局輸入の麦をふやして需給の操作をしなければならぬということになつて、国家財政から見れば、きわめてむだな――というよりもつまらない結果になる。だからはつきりとむしろ消費者には安く、生産者には高く二重価格をとる以外にはこの方法は私はないと思う。それに対して御決定がなければ、大蔵大臣の御意見をひとつ伺つておきたい。
○池田国務大臣 大体竹山さんの御意見は私の意見と同じようでございますが、そういうことを心配して今二重価格といいますが、私は二重価格の定義がちよつとわかりかねるのでありますが、とにかく生産増強を阻害しないように、また国民の生計費をそう上昇しないように、財政負担もそうふえないように、こういう観点から検討いたしているのであります。どうもこういう画期的な問題になりますと、えてして取越苦労が多いのであります。今年の輸入の主食はどのくらいかといろいろいわれているが、三百二十万トン、昨年度に比べますと昨年は多分二百五十五万トンくらいじやなかつたか。一昨年もその程度だ、今年は三百二十万トンは優に確保できる、こういう状態に相なつておるのであります。私はこういう機会に十分検討してみたいと思つております。
○竹山委員 あなたは輸入がふえることを御自慢されるようですが、私は輸入のふえることを心配をしているのではないので、むしろ国内生産にもつと努力をせられねばいけないじやないかということが私の質問の要点なのである。何か少しピントがはずれているように思う。それで手品ならいざ知らず、どうしても消費者には安くやらなければならない。そうして国内の生産は最高限度にふやさなければならない今の状態では、大蔵大臣御存じかどうか知らぬが、西日本の方へ行けば一体麦をつくつていいのか悪いのか、農民は決して麦をつくろうとしない。それが私経済から来る当然なことである。そういうことでいいのか悪いのか、これはむしろ農林大臣の重大な責任だと思うが、それを裏書きをするのが大蔵大臣で、大蔵大臣が出すと言わなければ農林大臣の力をもつてしても掛声だけになつてしまう。それで国内生産を維持するためには財政負担をあえて辞されないというのが、輸入はふえてもいいのだ、もつと安い麦をどんどん入れればいいのだというお考えであるのか、そのお考え方を伺つておきたい。
○池田国務大臣 国内生産を確保するということは第一義であります。私は米の統制撤廃ということも、農家の経済を思うあまりに言つておるのであります。もちろん今の麦の価格より将来国内生産費が下るというようなことは考えておりません。これは先ほども触れましたように、財政補給金でそういう場合は考えなければならない。私は米麦の統制撤廃によりまして財政負担の点は十分考えている。そこで生計費の上昇を極力押える、こういうことは、私は財政負担は十分考える、これが今までの御答弁でおわかりだと思います。
○竹山委員 どうも農林大臣がおらぬものですから、大蔵大臣が農林大臣の代理の答弁ばかりしておるので質問になりません。私の質問は農林大臣のおるときにかんじんなことは譲るといたしまして、大蔵大臣に一番関係の多い問題として、これもきまつていないとおつしやれば別問題だが、統制撤廃に伴ういわゆる金融処置と称するものはどういう点とどういう点をお考えになつておられるか、ひとつ伺つてみたい。
○池田国務大臣 金融処置につきましては、私はまず今までのような生産基準、これについて考えなければならないと思う。今までは御承知の通り二百数十億あるいは三百億を越えるかわかりませんが、そういう農業手形制度がせつかく各地に育成せられておりますので、これに似寄つたものをやりたい。似寄つたものと申しまするのは農業手形、供出制度が行われている場合に供出の担保になつている。今度は将来供出がなくなつた場合におきましてはなるべくこれが確保できるようにして、全体として何かいろいろな方法で農業手形制度に似たようなものをつくり上げて行きたい、これが生産者に対する対策。もちろん肥料の供給につきましても、これは肥料金融の方でやつて行かなければなりません。しかるところ、統制撤廃後におきまして問題になるのはこれは流通金融と申しますか、あふれ集荷金融、集めたものを、どういうふうにして農家の方に金を渡して行くか、その問題が出て来るのでありますが、これにはやはり倉庫証券その他いろいろな問題が出て参ります。倉庫の拡充強化とかいろいろな点がございます。われわれといたしましては、生産あるいは流通金融につきまして、できるだけの処置を講じて、正直者がばかを見るあるいは非常に貧乏人がばかを見るというふうなことのないように、金融の方の万全を期して行きたいと考えております。
○竹山委員 今最後におつしやつたいわゆる流通金融でありますが、今政府の需給調整で、特別会計で、いわゆる食糧証券というもので金融をつけておるわけですが、これが一体どのくらいで、それをどういう方法で用立てておられるか伺いたい。
○池田国務大臣 食糧証券は御承知の通りに、年度越しは千百八十億円を限度といたしておりました。しかしピークのときは千七、八百億円の食糧証券を発行しておるのであります。ただいまは相当買入れをいたしておりますので千億円近くになつたかと思いますが、この食糧証券は預金部あるいは見返りの方で相当持つております。
○竹山委員 今政府が確保しております金融を、統制撤廃後の自然流通の場合において、どういう形にかえて行こうとお考えになつておられるか。
○池田国務大臣 これは統制撤廃後の米の流れがどうなるかという問題から来るのであります。従いまして農業協同組合が自分の倉庫にどんどん買い入れるということになりますれば、農業協同組合の方へ農林中金その他商工中金、あらゆる機関を通じて流れるようになると思います。また正米市場その他ができまして、問屋筋が買い集めるということになりますれば、これは一般の倉庫金融とかあるいは問屋金融の方でまかなつて行くと思います。
○竹山委員 その農協に対する金融はどこが金融の供給源となつて出されるつもりでありますか。その額はどのようにお考えになつておりますか。
○池田国務大臣 農協に対しましての中央機関は農林中金でございますから、これが第一義的になると思います。しかし農業協同組合の他の金融機関との連絡は断ち切つたわけではございません。私は中心は農林中央金庫から出て行くと思います。しかしてその額が幾らになるかとおつしやいますが、買い入れた額についてはできるだけ金融をするが、買い入れた額がどのくらいになるかによつてきまりましよう。融通するのは政府が農林中金へ融通する金と、農林中央金庫自体が持つている金、いろいろな金がありますので、額の点については今はつきり申し上げられません。
○川島委員 ちよつと委員長に議事進行について提議をいたしたいと思います。
 本日の予算委員会は、農林大臣が出席をされるという予定を信頼いたしまして、われわれ野党各派は、本日農林大臣に対する質疑、それに関連して大蔵、経済安定本部長官に対する質疑を続けまして本日の委員会を終りたい、こういうふうに考えておつたのであります。しかも委員長御承知の通り、本日は、本来でありますれば総理大臣が本席に出席されまして、われわれ野党が理事会において委員長まで申入れをいたしまして、しかも了承されました総理大臣に対する質問を行うという段取りであつたりでありますが、総理大臣は延引できない事情があるというので、われわれはそれをも了承いたしまして、本日午後から野党各派の質問を始めるということで理事会においては了解が成り立つておつた。のみならず、委員長も御承知の通り、本来でございますれば、昨日の午後総理大臣がここに出席されるという予定でもあつたわけでありますが、それも不可能であるというので本日に延ばし、さらにそれも事情やむを得ないというので、われわれは総理大臣の明日出席ということを了承したいきさつもあるのであります。しかも午後の民主党竹山君の質問は、もつぱら農林大臣を中心として当面の最も重大問題である主食の統制撤廃をめぐる質疑をいたし、さらにまた、必要とあれば大蔵、安本長官にもお尋ねをするということが主眼であり、同時にまた、社会党といたしましても、竹山君に続いて、私がやはり同様の問題について具体的な御質疑を申し上げるという順序になつておつた。これは正式に委員長は御承知なくとも、大体御了承済みのことと私どもは理解をいたしておるのであります。いずれにいたしましても、われわれといたしましては、本日は国民当面の問題であり、政府にとつてもきわめて重大な問題に逢着しておりまするこの主食統制撤廃問題をめぐり、真剣なる質疑を行いたいというのがわれわれの趣旨でありましたところ、遺憾ながら当面の農林大臣が途中退席のやむなきに至りましたので、われわれの真剣に質疑いたしたいという事柄についての当面の大臣がおりません以上は、われわれの具体的な、しかも真剣な、国民の問わんと欲する重大な案件についての質疑が行われないという事情に相なつたわけであります。そこでわれわれは、いたずらに議事を遷延せんとするような党利党略をもつてこのようなことを申し上げるのでは、絶対にないということをまず前提に御了承を願いまして、以上の経過であり実情でありますので、本日は農林大臣が出席することは、もう今後当分の間不可能であるという事情も私ども聞き及んでおりますので、もし農林大臣が当分の時間の間出席が不可能であるという事情でございますならば、本日の予算委員会の審議はこれをもつて打切り、いずれ農林大臣の御都合のよきときを見はからつて再開をしてこの問題の審議に当り、また明日は総理大臣がせつかく見えられるということでございますので、これは予定通り明日午前十時から会議を開くことにいたし、本日はこの程度で散会されんことを、私どもは動議といたしましてこれを提出いたします。
○小坂委員長 動議が川島金次君より提出せられたのでありまするが、この際委員長の見解を若干申し上げてみたいと存じます。御承知のように、本日竹山祐太郎君が民主党を代表してという御発言があつて質問に入つていただいたわけでございまするが、委員長といたしましては、この委員会が二十四日以来審議をせられまして、従来の慣例からいえば野党代表の質疑の順序になつておりますので、入つていただくことができれば、はなはだ議事進行の上に好都合であると思つておつたのであります。と申しますことは、前々より野党の委員諸君より強い御希望がございまして、総理大臣の出席を待つて野党の質問に入りたいという御希望でございました。委員長といたしましても野党の立場を尊重いたしまして、その御希望についてはごもつともであるから、でき得る限り好意的にはからいたい、こう思つておつたのでございます。またその努力もいたしたのでありまするが、御承知のように、総理大臣は目下のところ参議院の両条約に関する委会員に出席中であります。この両条約委員会について本院といたしましてどういう態度をとつたかと申しますると、御承知のように、過般財政演説が本会議場において行われましたる際、これに対して野党各派の御質疑を願いましたが、そのときは両条約の委員会が開会中であり、総理がこれに出席をしているならば、それではやむを得ないからというので、本会議においても総理が出席をしなければ質問しないということはなくて、その点は各派において御了承願つたのであります。参議院におきます場合も同様なのであります。しかしてまた本日は、総理は参議院の両条約委員会に出ておるのでございます。委員長はなはだ微力ではございまするけれども、理由の立つ限りは、総理は絶対に出席してもらいたい、こう思つておつたのでございますが、こうした慣例もあり、各派すでに御承知になつておることでもございますので、委員の各位にはその事情を御了承願うようにお願い申し上げ、それはよかろうということになつて御質問を願つたのだと思つておつたのでございます。しかるところ、ただいま川島君の御質疑を伺いますると、きようの質問は野党は米穀の統制撤廃問題だけについて質疑をしてやるのである、こういうような御趣旨のように承りましたが、この点は若干委員長は見解を異にして了承しておつたのでございます。しかし農林大臣がいなくなつたことははなはだ遺憾であります。それから理事会というお話がありましたが、実は民主党の方は理事が本日朝から御出席になつておりません。それで御協議の申し上げようがないのであります。(「代理がいる」と呼ぶ者あり)代理がいるとおつしやいますが、代理の方がおつしやることは常に理事が出席すればひつくり返るのです。こういう問題は、私はしいて申し上げたくないのですが、できるだけ円満にお話をいたしまして、はからつて参りたいと思つておりますが、事情やむを得ず、そういうような扱いになつて来たわけであります。川島君は社会党の第一陣といたしまして、全部の大臣の出席を得てこれを行いたいというお気持は十分了解いたします。従いまして、私は川島君の後段の御質疑は明日以後においてなさる、この点を了解いたしまして、ただいまの打切るという話はひとつお取下げ願つて、こちらに両大臣がおいでになつていらつしやるのでありますから、竹山君の御質疑を続行していただきたいと思うのでありますが、いかがでございますか。
○川島委員 私が提案した動議を取上げて、委員会の議に付してもらいたい。
○小坂委員長 ただいま川島金次君より提案されたる動議について、これを動議として採択するかいなかについてお諮りいたします。動議として採択することに賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
○小坂委員長 起立少数。よつて動議は否決せられました。
 竹山君御継続を願います。
○竹山委員 委員長の御命令でありますから質問はいたしますが、農林大臣がおらないのに、農林大臣に質問のしようがありませんから……。
○小坂委員長 竹山君に申し上げますが、農林大臣の分は留保願つてけつこうです。
○竹山委員 それでは大蔵大臣の質問を継続いたします。先ほど大蔵大臣の言われた農協に対する金融は、どこの資金をおまわしになるのか、それをひとつ伺つておきたいと思います。
○池田国務大臣 資金の出所につきましては、その資金の需要によつて考えなければなりません。先ほど申し上げましたように、農協の買入れ数量によつて、農林中金が自分の余裕金でできない場合におきましては、これは日銀が出すとか、あるいは資金運用部の金を使うとか、いろいろ考えられますが、結局どれだけ金がいるかによりまして、どこから金が出るかということがきまるのが、金融の原則であります。
○竹山委員 すると、その場になるまではまつたくわからない。というふうに、今大蔵大臣の見解を伺つたのでありますが、問題は今まで政府が厖大な資金の操作によつて運転をして来た米の扱い、それが出るか出ぬかわからないようなきわめて不安心な状態において、農協の責任でやれということは、これは一番くせものであつて、いつも話だけはうまいけれども、さて実際の場になつて、しからばお前の責任でやれといつたつて、大蔵大臣御承知の通り、農村金融が自前で動くほどの力のないのは当然であります。そこを安心の行くようにやつておくことが問題だと思うのですけれども、もうこれ以上言つてもおそらく御答弁はありますまいから、私は農林大臣の質問と関連をして、また次の機会に譲りますが、要は私の今までの質問を通じて見れば、政府においては、いわゆる統制撤廃に対する具体的な処置というものは、まつたく伺うことができないという結論になるのであります。これからよく研究をするという段階であつて、何も処置についてはまだわからないのだという了解のもとに、私は質問を一応ここで打切ります。
○小坂委員長 それでは質問を留保して打切られたのでございますが、明日は総理大臣が出席せられる予定でございますので、総理に対する質疑を中心にして行いたいと思います。なお川島金次君がその次でありますが、川島金次君は総理大臣、大蔵大臣、安本長官、運輸大臣、しかして農林大臣の出席を要求せられておるのであります。促つてそのようにいたしたいと思います。本日は農林大臣に対する質疑だけをされたいという話は、委員長は聞いておらなかつたのでありますが、委員会の円満なる運行上特にそのようにとりはからいたいと思います。明日は午前十時より委員会を開きたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時八分散会