第012回国会 行政監察特別委員会 第7号
昭和二十六年十一月六日(火曜日)
    午前十時五十九分開議
 出席委員
   委員長 篠田 弘作君
   理事 佐々木秀世君 理事 島田 末信君
   理事 塚原 俊郎君 理事 内藤  隆君
   理事 小松 勇次君 理事 猪俣 浩三君
   理事 山口 武秀君    大泉 寛三君
      岡西 明貞君    鍛冶 良作君
      志田 義信君    田渕 光一君
      福田 喜東君    八木 一郎君
      柳澤 義男君    藤田 義光君
      坂本 泰良君    加藤  充君
      松本六太郎君
 委員外の出席者
        証     人
        (日本專売公社
        塩脳局需給課
        長)      友藤 哲夫君
        証     人
        (大阪国税局調
        査査察部調査第
        三課主査)   山崎 利夫君
        証     人
        (日本塩回送株
        式会社大阪支店
        長)      矢頭 正藏君
    ―――――――――――――
十一月一日
 委員椎熊三郎君辞任につき、その補欠として森
 山欽司君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 日本專売公社関係事件
    ―――――――――――――
○篠田委員長 会議を開きます。日本專売公社関係事件について調査を進めます。ただちに友藤証人より証言を求むることにいたします。友藤哲夫君ですね。
○友藤証人 はい。
○篠田委員長 ただいまより日本專売公社関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。
 なお証人が公務員として知り得た事項が職務上の秘密に関するものであるときは、その旨申出願いたいと存じます。
  では法律の定めるところによりまし
 て証人に宣誓を求めます。御起立を願
 います。
 宣誓書の御朗読を願います。
    〔証人友藤哲夫君朗読〕
   宣誓書
 良心に従つて、真実を述べ何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
○篠田委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。
    〔証人宣誓書に署名捺印〕
○篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。
 証人の現在の職は一体何であるか。またいつ就任されたか。
○友藤証人 私は現在日本專売公社塩脳局の需給課長をいたしております。就任いたしました時期は、昭和二十四年六月、日本專売公社が発足いたしましたのと同時であります。
○篠田委員長 証人が塩の輸送業務を担当していた当時における塩輸送方法に関する概要を述べてください。
○友藤証人 塩の輸送の機関といたしましては、汽車、汽船、機帆船、こういつたものによつておりまして、当時は国内の生産の数量がまだ十分に伸びておりませんし、外塩の入着が非常に不順でもございましたので、一旦立てた回送の計画をしばしば変更するようなことがございました。全国に数百箇所の発送する地と回送する先がございますが、それぞれにつきまして本社においてどこからどこに送れという回送の命令を出します。地方におきましては随時それに応じて回送を実施いたしております。その場合にその回送の計画はどういうふうにして立てるかと申しますと、それは地方の各地々々における需要と供給の関係を絶えずにらみ合せながら計画を立てております。
○篠田委員長 それはただどういう計画でやつているというだけであつて、どういう方法でやつたかということにはならぬですね。どういうものに請負わせてどういう方法でやつているかという……。
○友藤証人 請負わせているものは日本塩回送会社に請負わせております。
○篠田委員長 日本塩回送会社に一手で請負わしているのですか。
○友藤証人 專売公社になりましてから中央の公社本社で回送の計画を立てまして、それに基いて回送の命令を発するわけでありますが、その本社において立てた回送の命令に基く運送の請負は塩回送会社による。地方において部分的に起りますところの、これは管内の融通回送と申しておりますが、その地方局管内の回送については必ずしも日本塩回送株式会社によつて行わない。
○篠田委員長 日本塩回送株式会社の性格、專売公社と同会社との関係、塩運送契約の内容、運賃の決定方法について述べてください。
○友藤証人 日本塩回送株式会社の性格でありますが、この会社はもともと瀬戸内海におきます十州塩田地区におきます昔の回漕問屋といいますか、そうしたものを主体にしてつくられた会社です。塩專売法が実施になりましたときに、塩の回送は官費回送になりました。その官費回送になりましたときに、在来の回漕問屋が回送の業務を奪われるということのために、その回送の仕事を、その当時は瀬戸内海地区に約六社の回送会社がありましたが、それに請負わせることになつたのであります。その六社が大正八年に合併してつくりましたのが日本塩回送会社であります。それから公社との関係でありますが、そういうふうにして瀬戸内海におきます十州塩田の国内産の塩の回送について、日本塩回送会社というものを大体使うということにその当時なつて、現在に及んでおりますが、公社としてはこの塩の回送と申しますのが、発地着地の箇所の多いこと、それから大部分が外国塩でありますのでそうした回送の業務が相当複雑になつておりますので、そうした関係からして日本塩回送会社を会社の手足のごとく使うというようなことで実際上今まで仕事が進められて来ておつた。こういうことであります。
○篠田委員長 塩回送株式会社は瀬戸内海で塩の回漕問屋をやつておつたものが六社ばかり集つて大正八年につくつた、こういうのですね。
○友藤証人 そういうような会社でありましたのが、塩專売法に基きます官売回送が実施されました当時、塩の回送の仕事を六社にやらせて来た。そうした在来回送問屋の仕事をしておつた六社が、大正八年に合併してつくりましたのが塩回送株式会社であります。
○篠田委員長 それは大正八年につくつたものをそのままずつとやつて来ておるのですか。
○友藤証人 それからずつと現在まで使つて来ております。
○篠田委員長 その間に塩回送会社の機構の改革とか、人事の異動はなかつたのですか。
○友藤証人 その間にやりました事項としては、輸入塩のうちで、食糧に充てられる輸入塩につきましては、塩回送株式会社のほかに、大日本塩業という会社が一部塩の回送を請負つておつたことがあります。
○篠田委員長 大正八年に回送問屋が集まつてつくつたのだけれども、現在は公社から天降り的な人たちがたくさん入つて、塩回送会社の幹部は、公社のかつての職員が重役とか社長になつているのではないか。
○友藤証人 公社におりました人が職員になつております。重役には現在社長と常務と二人おります。
○篠田委員長 二名は二名だが、それでは頭を押えているのではないか。社長と常務が專売公社から行つた人であれば、首脳部がほとんど專売公社関係ということになつて、君の言う、回送問屋が集まつてつくつたということは、過去の歴史であつて、現在ではそうではないのではないか。
○友藤証人 現在でも株主はあります。そうした在来の……。
○篠田委員長 その塩回送株式会社をつくつたときの資本金は幾らですか。
○友藤証人 その点は私ちよつと今記憶いたしておりません。
○篠田委員長 今あなたは、塩回送は非常に複雑な業務であるから、專売公社が手足のごとく動かすために、塩回送会社に塩の回送をやらしておると言つておるが、塩回送会社は何パーセントの実務に携わつておるか。
○友藤証人 実務という点から行きますと、パーセンテージはそのときそのときの情勢で……。
○篠田委員長 実際に塩回送会社の手で輸送されている塩は、一年間に全国で回送されている塩の何パーセントであるかということはわかるでしよう。
○友藤証人 大体三、四十パーセントぐらいじやないかと思います。
○篠田委員長 そんなことで需給課長が勤まるか。
○友藤証人 塩回送会社が現在持つております実務の範囲といいますのは、主として汽船とか機帆船とか、そうした海上輸送の面が大部分であります。その輸送の状態によつて、汽車を非常に多く使う場合とか、汽船を多く使う場合とか、それから外国塩の輸入状況、国内塩の生産の状況によつて、絶えずかわつて来ておりますので……。
○篠田委員長 一年間の平均を聞いておる。たとえば去年の実績はどうであつたか。
○友藤証人 去年私が従事しておりました当時においては、大体三〇%程度であつたと思います。
○篠田委員長 非常に複雑な塩回送の事業であるから、手足のごとく動かすために、塩回送会社にその業務を委託しておると言つておるが、三〇%きり自分の力で輸送できないということでは、そう複雑とは言えないのではないか、トンネル会社であれば、手足のごとく動かすという意味にはならぬ。君がここに来て、特にそういう弁護をしなければならぬ理由はどこにあるか。
○友藤証人 弁護をいたしておるわけではございません。ただ在来から使つておつた……。
○篠田委員長 ただ行きがかり上在来から使つておつた……。
○友藤証人 いや、設立の経過が、そういうふうに在来の回送業務をやつておつたということであつて、しかも従来非常に長い間回送の業務をやつて来ておりますから、塩の回送についての経験とか知識については、よその会社に劣らないだけのものを持つておつたということはあつたと思います。
○篠田委員長 大正八年からの歴史を持つておつたということはわかる。しかし自分で輸送しているものは三〇%で、あとの七〇%はよその下請会社に出しておるなら、下請会社は経験があるけれども、塩回送会社は、ただトンネル会社ではないか。
○友藤証人 私の申し上げますのは、実際に塩を輸送しておるという問題でなく、まず塩が入つて来た場合に、これをどういう径路を通じて、どういう運賃でもつて請負わせて輸送させるのが適当であるか、さらに……。
○篠田委員長 それは公社が計画を立ててやるのではないか。
○友藤証人 公社が計画を立てますが、その場合に実際上そうした請負人の知識によらなければならぬ場合があると思います。
○篠田委員長 しかし仕事は七〇%まで下請がやつているのだろう。
○友藤証人 現実の作業は下請がやつております。
○篠田委員長 現業の作業以外に何がある。何か特別な塩を回逸することについての理論とか、学問的なものがなければ、塩の回送の作業ができないのか。
○友藤証人 ある一定の場所から、ある一定の場所へ持つて行く場合に、どういう径路を通じるのが一番いいかという……。
○篠田委員長 そんなことは下請会社がわかるだろう。大体こんな狭い日本で、たとえば青森から東京へ持つて行く場合に、どういう径路を通じなければならぬというようなことは、專売公社でわかるだろう。
○友藤証人 そのときにおける運賃の情勢……。
○篠田委員長 そんなことが塩回送会社でなければわからないのか。
○友藤証人 そういうことの判断については、塩回送会社が多年の経験でよくわかつておつたであろう……。
○篠田委員長 多年の経験と言うけれども、三〇%きり自分で輸送していないで、あとの七〇%は請負でやらしておる。どこからどこへどういう運賃で持つて行くかということは、專売公社で立てるのではないか。
○友藤証人 どこからどこへ持つて行くかということは、專売公社で立てます。
○篠田委員長 幾らの運賃でやるということは、專売公社が塩回送会社と話合うのではないか。それならほかの会社とも話合うことができるのではないか。こんな狭い日本で、塩回送会社の知識を借りなければ、持つて行く塩の径路がわからないというのか。
○友藤証人 それは機帆船の運賃の方が、そのときには安いという場合もありますし……。
○篠田委員長 そういうことが君らにわからないかと聞いておる。特に塩回送会社にやらせなければならぬ理由はどこにあるか。
○友藤証人 その問題は直営といいますか、公社自身がやつた方がいいという……。
○篠田委員長 そんなことを聞いてやしない。三〇%きり自分で輸送してない塩回送会社に、回送を委託しなければならない公社との関係を聞いておる。計画を立てるのは專売公社が立てるのでしよう。
○友藤証人 はあ。
○篠田委員長 機帆船で持つて行く方が便利であるか、汽車で持つて行く方が便利であるかということぐらいわからない公社ではないでしよう。しかも長い間の経験というけれども、長い間三〇%しか経験がないので、あとの七〇%は他の下請会社がやつておつた。それを特に塩回送会社をそれほど重親しなければならぬ理由はどこにあるかということを聞いている。
○友藤証人 回送と申しますのは、私が今申しておりまするように、公社の方でどこからどこへ持つて行くかということ、それから請負に大体どれくらいの契約でやらせるかということはきめておりますけれども、その運賃というものは絶えず現実に動いております。それをそのときの運賃の情勢によつて、何が最も合理的であるかということの判断を下すことのためには、これは絶えず運賃の情勢にタツチしている者でなければできないのであります。それでそこの判断までやるということになりますれば、公社がそういう仕事をやるか、あるいはそういう元請機関にやらせるかという問題になつて来ると私は考えます。
○篠田委員長 君は必要以上に弁護しようとするからいけないのだ。運賃の協定というものは、一番最初に年一回年度の初めなら初めに、塩回送会社といかなる運賃でやるかということで、その後損をしたりあるいはまた非常に利益があつた場合には調整するという契約でやつているのじやないのか。
○友藤証人 さようでございます。
○篠田委員長 それだつたらそのときそのときの運賃というものは問題にならないじやないか。
○友藤証人 そのときそのときの最も有利な運賃できめるということが必要であります。
○篠田委員長 年に何回契約する、輸送のたびごとに契約するのか。
○友藤証人 委員長のおうしやつておられますのは、現実の回避が起つたとき、汽車で輸送すべきか、機帆船で輸送すべきか、あるいはその場合の下請の作業業者はどこを使うかという問題になりますと、現実にそういう作業面にタツチしている者でないとわからないのです。そういう点から見ますれば、実際の業務面の判断なり、実際の現実に塩を動かすという作業でなくして、契約上の問題をどこに公社自身がやるべきか、あるいはそうした元請機関を通じてやらせる方がいいかという問題であろうかと私は考えます。
○篠田委員長 それでは七〇%は現実に他の会社が輸送しているのだろう。その輸送しておる会社とどうして契約を結ばない。
○友藤証人 ですからそういう問題になりますと、そういうふうな事業的な感覚を公社自身が働かして、そうして公社が直接にそういう業務をやるべきかどうかという問題になつて来ると思います。
○篠田委員長 そんなことを言つてやしない。七〇%というものを、現実にほかの下請会社がやつておるのでしよう。なぜそういうトンネル会社を通じてやらなければならぬかということを聞いておるのです。元請会社がどんな合理的な運賃で持つて行くかということは、現実にやつておる。そうじやないの。
○友藤証人 下請会社は元請業者にこういうふうに運んでもらいたいということによつて、元請会社と下請会社と契約をいたします。
○篠田委員長 そんなことはわかつているよ。自分で三〇%しか輸送しない会社を、何のために君らがそれを庇護して使わなければならぬかということを聞いておる。合理的であるとかなんとか言わなくても、合理的に運送することはきまつている、じやないか。そんなことは塩回送会社を使わなければ君らはわからないか。長い間輸送の業務に従つて、そんなことがわからないか。現実に輸送している会社となぜ相談できないかということを聞いておる。
○友藤証人 現実に輸送しておる会社は、そのたびごとにいろいろな汽船会社あり、機帆船あり、小運搬の会社がありまして、それと実際に使つておる会社がおそらく数十以上になると思います。
○篠田委員長 数十以上とやるのはめんどくさいから、塩回送会社というものを通じてやつておる、こういうのか。
○友藤証人 直接に公社がやるということになりますと、その場合には、いわばそうした実際上の運賃の情勢について、どういうそのときにおける会社……。
○篠田委員長 君はりくつを言つて塩回送会社と塩專売公社との関係をごまかそうとするから、そういうことになるのじやないの。
○友藤証人 ごまかしておりません。私は現在ありのままのことを申しております。
○篠田委員長 しかし君の言うことは、さつぱりわからぬじやないか。さつきから僕はずつと聞いていますがね。塩回送会社の性格というものはどういうものであるかということを聞いたところが、あなたは回送問屋が集つて、大正八年につくつたものであるということを言つて、その後に專売公社から重役も社長も常務も入つておるということを、あなたは一つも言つていない。なぜ言わないかというのです。それから塩回送会社というものを、なぜ使わなければならないかということを聞いておると、運賃のとりきめとか、どこの径路を最も合理的に経るかということは、塩回送会社に聞くのが一番有利であるという、そんな簡單なことで、三〇%の輸送をやつておる会社を長年君らが使つておるところに、いろいろな問題が起つたじやないのか。それではもう一度聞くが、あなたは塩回送に、塩回送会社を使うのが、最も合理的であり、最も妥当であると今でも信じているのだね。
○友藤証人 現在……。
○篠田委員長 あつさり言つたらいいじやないの。思つたことをあつさり言いなさい。
○友藤証人 現在については私としては、何とも申し上げかねます。
○篠田委員長 判断がつかぬというのか。
○友藤証人 判断がつかぬのです。
○篠田委員長 判断がつかぬということはどういうことです。いやしくも需給課長ともあろう者が判断がつかぬでは困るじやないか。あなた自身の事業としたらどうする。あなたは單なる公社の職員として、需給課長をしているから判断がつかないかもしれない。いろいろ上役の関係もあり、長い間の因果関係もあるだろうから判断がつかぬかもしれぬ。あなたが自分の事業として塩の回送をするという場合に、一体あなたはどうする。そういうトンネル会社を使うか、使わないか、使うことが合理的であるか、あなたはどう思う。
○友藤証人 現在元請機関というものを使うことが……
○篠田委員長 そんなことはどうでもいい。あなたが事業主で塩を持つている。この塩を全国にあなたの財産において回送しなければならぬという場合に、塩回送会社というものを使うことが合理的であり、経済的であり、最も妥当であるか、あるいは何らかの他の方法を考えた方が妥当であるかということを聞いている。
○友藤証人 ですから私判断が……。
○篠田委員長 判断がつかなかつたらあなたは塩の回送ができない、そうするとその商売はやめなければならぬ。
○友藤証人 ですから私として考えますのには、元請機関というものは、公社として現在の状態では使つた方がいいと、かように考えております。その場合に元請機関として日本塩回送株式会社がはたして現在においても適当であるかどうかという点については、私としては今のところ何とも申し上げかねると思います。
○篠田委員長 そうすると、あなたは塩の回送には元請機関というものが必要であると考えているの。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 個々の輸送会社とやるということは、とうてい煩雑でできない、そこで元請機関というものはどうしても必要である、こういうふうに考えているの。
○友藤証人 現在の公社の状態から言えば……。
○篠田委員長 元請機関が必要である。しかし元請機関として塩回送会社が適当であるかどうかということは何とも言えない。こういうのですね。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 それでは塩回送会社の内容というものは一体どういう内容を持つているか、もう少し詳しく話してください。
○友藤証人 内容とおつしやいますとどういうふうな……。
○篠田委員長 さつきあなたが言つた重役とか、職員とか、あるいは能力とか、そういうものは大体三〇%しかない。重役も常務と社長は專売公社から行つている、こういうふうにあなたは言われたですね。それ以上に何か特に專売公社との深い関係というようなものはないですか、たとえば塩回送会社から利益なら利益というものの何割か、あるいは何分の一か、そういうものが專売公社に返されるというようなことはないですか。
○友藤証人 利益が返されると申しますのはどういう意味でございますか、ちよつとわかりかねますが。
○篠田委員長 これはあとで聞くつもりでいましたけれども、專売公社に、要するに利益の割もどしがあるというようなことはないのか。
○友藤証人 利益の割もどしといいますと……。会社の利益になつたものを公社に割もどすということはありません。
○篠田委員長 たとえば何らかの違つた形で、交際費とか接待費とかいういろいろな形で割もどされるというようなことはありませんか。
○友藤証人 それはないのです。
○篠田委員長 運賃はどういうふうにしてきめていましたか。
○友藤証人 運賃のきめ方は、まず輸送の機関が今申し上げましたように汽船と機帆船と小運搬賃と、こういう三つのものに大別できるわけですが、汽船運賃につきましては、私の就任しておりました当時においては、船舶運営会の公定料率によつておりました。私が塩の輸送関係の仕事をしておりましたのは、昭和二十五年の七月まででありますから、それ以後のことについては申し上げかねるかと思います。
○篠田委員長 どういう方法でやつておりましたか。一年の初めにやるか、そのときそのときでやるかというようなこと……。
○友藤証人 運賃の契約は毎年更改し、あるいは経済上の著しい変動があるという場合には、そのときに別に更改するという建前をとつておりました。
○篠田委員長 毎年更改したわけですね。
○友藤証人 原則として……。更改する必要がなければ更改しないのです。汽船につきましては、私が輸送業務を担当しておりました当時においては、船舶運営会の料率によつておりました。それから機帆船運賃につきましては、一応機帆船のマル公を基準にいたしまして、各地方局相互間におきまする運賃のプール計算をやりまして、それによつて算出いたしました。それから小運搬賃につきましては、全国数百箇所の発地と着地それぞれについて、輸送機関が汽船の場合と、汽車による場合と、機帆船による場合とそれぞれにわけまして、これを全国的にプール計算をいたしました。それをきめますのには、現在公社の地方にあります地方局に運賃の調査を命じまして、その運賃の調査を全国的に集まりました資料によつて彼我検討いたしまして、各地方局間のアン・バランスを修正した上で決定いたしました。そしてそれを物価庁の認可を得て決定したというような事情です。
○篠田委員長 あなたは昭和二十四年六月ごろから日本塩回送会社の利益金の内容を調査されましたか。
○友藤証人 昭和二十四年八月と二十四年十月の二回、それから昭和二十四年十二月及び昭和二十五年二月、これはいずれも日本塩回送会社の本店に私自身が出張いたしますか、係員が出張いたしますか、いずれにしましても、公社として本店に出張して調査したのが四回ございます。
○篠田委員長 それでこの四回にわたる調査は定期的な調査ですか。それとも何か調査すべき目的とかあるいは何か動機があつてやられたのですか、どつちですか。
○友藤証人 第一回目及び第二回目の調査につきましては、私が就任いたしましたのは二十四年六月でありますので、二十四年六月に運賃の契約を検討しましたところ、一般の運送業界においては運賃が相当下落の傾向にある、ところが運賃の費額については前年度の費額を踏襲しておるというような点で、これは実際上はたして現在この二十四年度中に前年度から踏襲した費額を採用しておることが妥当であるかどうか、相当検討する余地があると考えまして、そこでまず第一の目的といたしましては、現在回送の契約をしておるところの運賃が適正であるかどうかという点が最も重要な点であります。その点をまず検討する必要があるということで、その当時地方局の担任者を呼んで会議を開いたのでありますが、なおそれとあわせて回送会社自体の経理内容を調べるならば、そうした運賃の情勢が適正であるかどうかということもあわせてわかるであろうということで、第一回目の調査を行つたわけであります。それでありますから動機といたしましては、その当時の運賃の契約が適正であるかどうかということが、就任しました私としてはまず第一の動機でありました。それとあわせて会社の経理状況も調べたいということで参つたのであります。
○篠田委員長 そうすると、あなたの独自の判断で行つたのですか、課長としての判断で……。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 そのとき回送会社にはもうすでに十五億円ばかりの不当なというか過当な利益金があつたけれども、あなたは調査したけれどもそれが発見できなかつた。それはどういうわけで発見できなかつたのですか。
○友藤証人 それでは第一回、第二回目の調査の概要と申しますか、それを申し上げます。
 第一回目に調査に参りましたその動機なり目的は、今申しました通り、調査に参りましていろいろ帳簿書類を見て参りましたのですが、その当時の会社の帳簿は非常に不整理でありまして、とてもその帳簿から推して、回送の利益がどのくらい出ておるかということの判定がつきかねる状態でありました。そこで私としましては、まず第一の眼目が回送費が一体どうなつているかということであつたのでありますが、その回送費の実情という面から推して、会社の利益というものが推定できるのではないかという面から、その会社の帳簿について、そういう面から逆に利益を推定しようと試みました。一応そのときに概略の数字を持つて帰つたのでありまするが、そのときに一応そうした面から逆に出した利益金というものを一億六千万円程度その当時においてつかんだのであります。
○篠田委員長 逆算して一億六千万円、それだけ発見したわけですね。
○友藤証人 それだけを発見したわけです。そこで会社の帳簿がその当時において不十分でありましたので、そうした帳簿の整理をすることを会社の方に命じて帰つたのであります。第二回目のときにおきましても、そのときには私の方の係員が調査に参つたのでありまするが、第二回目の調査においても、第一回目とほぼ同様な結論しか得られなかつたのであります。帳簿も依然として整理がほとんどできていないということで、その調査としましては、第一回、第二回ともに一億六千万円程度の利益しか推定できなかつたのであります。
○篠田委員長 そうしますと、あなたは第一回の検査に行かれたときに、帳簿が不十分であり不整理であるから、十分に整理しておくようにということを命令して行つたにかかわらず、第二回目のときも整理ができていなかつた、こういうことですね。その間に二箇月ありますね。
○友藤証人 二箇月あります。
○篠田委員長 そのときあなたはそれについて何か対策を立てましたか。どういうわけで二箇月間たつても帳簿がひとつも整理されていないのかということを何か質問しましたか。
○友藤証人 注意はそのときには係員の方からしたと思います。
○篠田委員長 したと思う ……。
○友藤証人 会社の責任者にも、その点は私からも申したと思います。
○篠田委員長 口でですね。
○友藤証人 はあ。
○篠田委員長 ほんとうに帳簿整理をさせようという意思があつたかないかということは……。
○友藤証人 それは相当帳簿の整理をよくやるようにということを、第一回目のときには言つておいたのでありますが……。
○篠田委員長 実際問題としてあなた方はそういう命令を発することができないのじやないか。塩回送会社の幹部、重役みなあなた方の先輩であり、上役であつた人が入つておるのだから、あなた方は形の上では実際監督官ではあるけれども、そういう命令を発するということは、事実上はできないのじやないか。
○友藤証人 そういうことはありません。
○篠田委員長 それで第一回から第二回分調査までに、二箇月も間があるのに、依然として帳簿の整理ができていないということについて……。
○友藤証人 ある程度はおそらく整理はしたのであろうと思いますけれども、その当時の会社の状況からいえば、私の方で第一回に参りましたときの会社の経理の陣容でありますが、非常に不十分でありましたもので、その点も人員をふやして仕事をするように言つておいたのであります
○篠田委員長 特に陣容を不十分にしておかなければならないという、何か客観的な事情があつたのですか、そのときに。
○友藤証人 それはどうも会社側に聞いていただかなければわかりません。
○篠田委員長 いや、会社側に聞くのは主観的な事情を聞きます。あなた方が外部から見て客観的な事情があつたかどうかということを聞いておる。
○友藤証人 人手不足にしておかなければならないというような事情でございますか。
○篠田委員長 そう、監督官とかあるいはまた外部から客観的に見て、不十分になつておるのは無理ではないと思われるような何か事情があつたかどうか。
○友藤証人 ということは、何かはかに会社の方で非常に忙しい仕事があつて、そのために経理の方に人が……。
○篠田委員長 あなた方が見て、何か社会的に客観情勢がそういうふうになつておつたかどうかということを聞いておる。たとえば戦争中に人手が足りない。何かそういう事情があれば、何ぼ整理しようと思つても人手がないわけですね。これは昭和二十四年ですから、もう終戦後大分たつていますが、何かそのとき特にそういう客観情勢があつたかどうか、あるいはただ会社の便宜上陣容を不足にしておつたかどうか、こういうことを聞いておる。
○友藤証人 おそらくそれはなかつたであろうと思います。
○篠田委員長 大阪の国税局からの内報で、塩回送会社が十五億ばかりの預金を持つている。こういうふうにあなたの方で報告を受けたわけですね。そのあとでまた調査をされたわけですね。
○友藤証人 調査をいたしました。
○篠田委員長 そうしたらその通りありましたか。
○友藤証人 ありました。
○篠田委員長 それではその過当な利益金というものは一体幾らあつたのですか。
○友藤証人 過当な利益金として確定いたしましたのは、十四億七千万円ばかり。
○篠田委員長 十四億七千万円あつたわけですね。
○友藤証人 そうです。それは預金ではありません。
○篠田委員長 預金は幾らありましたか。
○友藤証人 預金はその当時は十一億であつたかと思います。
○篠田委員長 そうしますと、あとの三億七千万円はどうしておつたのですか。あなたは今過当な利益金が十四億七千万円あつたと言われたのですね。そのうち十一億が預金してあつた。そうすると、あとの三億七千万円はどこにどうしてあつたのですか。
○友藤証人 それは未収入金とか――未収入金というのは回収しない金です。
○篠田委員長 未収入金として帳簿に載つておつた。それが実は未収入金として帳簿に載つておつたが、実際において未収入金であるか、それとも回収しておつた金であるかどうか。
○友藤証人 未収入金がございましたから、その入るべき金を入れれば、十四億七千万円ある、こういう意味でございます。
○篠田委員長 そうすると未収入金が三億ばかりあつた。
○友藤証人 ということは、公社の方からの支払いが非常に遅れておりますから……。
○篠田委員長 わかりました。それでその過当利益金を十四億七千万円と計算した、その計算の根拠はどこにあつたのですか。
○友藤証人 計算いたしました根拠は、公社の方から会社に支払いました回送費の額に対して、本来会社に支払うべきであつたという回送費の額を算定いたします。それの二%を会社に留保さるべき通常の利益金ということで見たのです。
○篠田委員長 そうすると、実費に対して二%の手数料を見て計算したわけですか。
○友藤証人 手数料といいますか、二%程度の利益金というものを見たわけです。
○篠田委員長 そうすると、実際に回送に使つた実費と、下請に払つたお金と、そのものの上に二割の利益を見たわけですね。
○友藤証人 実際にといいますか、ちよつと……。
○篠田委員長 下請が七〇%あるから、実際に下請に払つておるそのお金でしよう。それと実際に自分が回送に使つたお金でしよう。そういうものを見積つて二割の利益を見たのでしよう、そうじやないですか。もちろんその間の会社の費用とか何か見るのですけれども、そういう意味でしよう。
○友藤証人 大体そういう意味でありますが、私の今申しておるのは、本来会社に支払うべきものであつたという……。
○篠田委員長 支払うべきというのはどういう意味ですか。
○友藤証人 支払うべきといいますのは――過当な利益金というものは、本来公社で支払うべき金でなかつたということで取上げたわけであります。
○篠田委員長 だから支払うべき金というのは、実際の回送に要した費用、会社の費用を見たほかに、二割の利益を見たということになるでしよう。
○友藤証人 大体そうです。
○篠田委員長 それでこの過当利益金が発生した原因は一体どこにあつたのですか。
○友藤証人 過当利益金が発生した原因でありますが、その当時運送契約の方法は、全国の運賃をプール計算する方式をとつておりました。プール計算といたしますと、この発送の数量が当初の見込み数量に違うという場合に、利益あるいは損失が出て来る。それからその数量の中でも安い契約費額でできるものが実際上非常に多かつた。全体のプールの中で非常に安い契約費額でできる回送が多かつたという場合にもまた利益が出て来ます。
○篠田委員長 実際に安い運賃で回送できるということは、市場の運賃が値下りしたということですか。
○友藤証人 値下りしなくてもそういう場合が起るわけです。
○篠田委員長 それは下請をたたいた場合。
○友藤証人 今私の申しましたのは、プール計算上実際出て来る問題でありますが、プール計算と申しますのは……。
○篠田委員長 プール計算はわかつております。だからあなたの方では一年の初めにプール計算でもつて、何トンかの塩を回送するということで、そこで運賃をきめたわけでしよう。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 そうすると、市場の運賃が実際において値下りした。しかしあなたの方はプール計算で金を渡しておつたということから、そこに開きが出て来たわけでしよう。だから実際問題として、あなたの方から受取つた金を下請にそれより少い金を払つたということでしよう。その差金がこうだということですね。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 この調査にあたつて、会社側は特に過当利益金を陰蔽する態度はなかつたですか。
○友藤証人 態度としてはそういうことはございません。
○篠田委員長 しかしこれを言わなかつたでしよう。これは銀行預金してあつたでしよう。
○友藤証人 銀行預金してございました。
○篠田委員長 銀行預金はこれだけございましたということは言わないでしよう。
○友藤証人 言いません。
○篠田委員長 だからそれは隠そうとしたじやありませんか。
○友藤証人 でございますから……。
○篠田委員長 非常にあなたのものの見方は善意に見えるが、帳簿にも載つておらない。実際においてそれだけの金をもうけて、銀行預金を片方でしておる。その銀行預金は会社の名前でしてなかつたと思うのですが、会社の名前でしておつたか、あるいは個人の名前で匿名でしておつたのか。
○友藤証人 個人名義のものもあつたかと思います。
○篠田委員長 それでは十一億は一口ではなくて幾日にも預金してあつたのですか。
○友藤証人 そうです。幾口もございました。
○篠田委員長 どういうふうな種類の預金をしておりましたか。
○友藤証人 通知預金、それから当座預金、それから無記名もございました。
○篠田委員長 通知、当座、無記名、そういう幾種類もの預金をしておりながら、その伝票もなければ帳簿にも載つておらない。係官が行つたときにも、あなたに対してこういう預金が別にあるということを話さなかつたのですね。
○友藤証人 はあ。
○篠田委員長 それでもあなたは自分たちに対して隠そうという意思はなかつたというように判断したのですか。
○友藤証人 そういう意思という点になりますと、今お問いがなかつたから申し上げなかつたのです。
○篠田委員長 意思と態度とは違うのですか。ぼくは隠そうとする態度はなかつたかと聞いた。態度の中には意思も含まれておる。意思がなければ態度も出て来ない。だからあなたはぼくの質問に対して、態度と言つたから態度はなかつた、意思と言えば意思はある、こういうふうに言うのですか。
○友藤証人 その態度の中に当然意思が含まれておるということでありますれば……。
○篠田委員長 意思がなければ態度は出て来ません。普通そうじやないんですか。
○友藤証人 普通そうでありますが……。
○篠田委員長 だから、態度はなかつたかということは、そういう意思もなかつたのであるかということを聞いておるわけです。もしあなたがそれほど人のしやべることを分析して解釈されるならば、ぼくの方でももつと分析した言葉を使いますよ。
○友藤証人 意思がなかつたかどうかという点でありますが、これはあとから考えてみて、そういう意思がなかつたということは私としては言えないと思います。
○篠田委員長 意思がなかつたということは言えない、こうあなたは解釈するのですね。
○友藤証人 はあ。但し故意にそういうふうにやつたとは考えない。
○篠田委員長 故意にそういうふうにやつたとは考えない、しかしあなたは係官として、監督者として調べに行つたんでしよう。
○友藤証人 はあ。
○篠田委員長 調べに行つたならば、そういう意思がなければ、ここにこういうものが別にありますということを言うべきでしようね。
○友藤証人 言うべきであつたろうと思います。
○篠田委員長 言うべきであつたじやおかしいじやないですか。あなたはそれじや何を調べに行つたんですか。
○友藤証人 言うべきであつたと思います。その点は……。
○篠田委員長 言うべきであつたのでしよう、それを言わなかうたのでしよう。それならば、それは隠そうとした態度じやないんですか、違うのですか。隠そうとした態度はなかつたかというぼくの質問に対して、あなたはそういう態度はなかつたとおつしやつたでしよう。
○友藤証人 そうです。その態度という点に……。
○篠田委員長 態度とはどういうものですか。現実に十一億を幾種類もの預金をしておきながら、伝票も示さず、帳簿も不整理のままにおいて、しかも不整理のままに置かなければならぬという客観情勢は何もない。いいですか、あなたは今証言されたように、それをそういう状態におきながら、監督官であるあなたに対してそういう貯金を隠したということは、明らかに隠そうとした意思もあり、また示さなかつたということは、それは態度で示さなかつたんじやないんですか、どうなんですか。ぼくはあなたのそのときの感じを聞くだけなんですがね。あなたは監督者としてどうです。それを調べに行つたんでしよう。
○友藤証人 調べに行きました。
○篠田委員長 あるものを隠されたんでしよう。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 そのときあなたは、特に私に隠そうとする意思はなかつた――隠そうという意思はあつたかもしれないけれども、自分に対して特にそういうことをしたわけではないという解釈は、あなたはどういう理由でそういう解釈が成り立つのですか。
○友藤証人 その点は第三回、第四回の調査におきまして、会社の帳簿内容なりを全部ひつくり返して調査する、さらにまた預金の出入りその他と対照することになつたのでありますが、そのときに見ましたのは、銀行の預金は一応この会社の経理状況として、全部本店に集中する勘定をとつておりました。で、入つて来る金を銀行に一ぺん入れて、それからその会社の方に通知して来るような状況でありましたから、その銀行の通知は、正式には後ほど銀行の通知書か何かで会社の方に送付されて来ております。会社の方としては、そうした通知書を集計した金額を実際に確認し、そのたびそのたびごとの預金の出入りを押えなかつた、こういうふうに言つておるわけであります。
○篠田委員長 しかし後ほど通知されたというのはどういうわけですか。あなたは八月、十月、十二月、二十五年の二月と四回にわたつて調べたとさつき言いましたね。
○友藤証人 はあ。
○篠田委員長 そのときにもうすでに預金してあつたのでしよう。
○友藤証人 あつたはずであります。
○篠田委員長 あつたはずだというのはどういうわけですか。はずじやなくてあつたのでしよう。それがあとで通知が来るということはどういうことです。
○友藤証人 今申しましたのは……。
○篠田委員長 預金というものは、預つたときにすぐ通知を出すべきものでしよう。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 通知の方法は、通帳であるか、何であるか、それは別問題として……。
○友藤証人 はあ。
○篠田委員長 あとから通知が来たためにわからなかつたということはどういうことですか。
○友藤証人 その点はわれわれとして、も非常に不可解なのでありますが、そういうふうに申しておりました。
○篠田委員長 それで会社の帳簿は故意に隠そうとは思わなかつたけれども、乱れたためにそれがわからなかつた、こういう言い訳ですがね。会社は一体何千万円の会社ですか。
○友藤証人 その当時においては三百万円。
○篠田委員長 三百万円の会社が十一億の預金をしていて、帳簿が乱れておつたからその十一億の金がわからぬということが常識で考えられますか。しかもあなたは監督者でしよう。どうなんですか。三百万円の会社です、三百万円の会社というのは、そう言つちや何だけれども、今の時代なら吹けば飛ぶような会社である。それが十一億という厖大もない預金をしていて、それが監督者が来てもわからない。気がつかなかつた。向うの言うことをあなたが真に受けて、国会まで来て、会社側がこう言つておりますという答弁をあなたがしておるということはおかしいと思う。それでもまだ、故意に隠そうとする態度はなかつたということをあなたがここで証言することはおかしいじやないですか。
○友藤証人 ですからあとから振り返つて見まして、隠す……。
○篠田委員長 あとから振り返つてと言つても、現在ですよ。現在あなたはどう思つておるのですか。
○友藤証人 現在は隠す意思がなかつたということは言えないと思います。
○篠田委員長 もつと率直に言つたらどうです。
○友藤証人 ただその当時の経理の状況その他から見まして、故意にそういうふうにやつたというふうには考えられない。
○篠田委員長 そこがおかしいんだな。ぼくとあなたと常識が違う、物の考え方が違うといえば違うかもしれないけれども、三百万円の会社が十一億の預金をして、係官に対して通帳も見せず、伝票も見せず、帳簿にも記載せずしておいて、しかも故意に隠さなかつたというふうにあなたが解釈することはどういうことなんですか。それはぼくらの常識にはないことで、おそらくこれは一般の実業界にも私はないと思う。それを專売公社が特に塩回送会社に対してそういう解釈をとらなければならないというところに問題があるのですよ。
○友藤証人 事実そういう点で、その当時の担当者の話を聞きましても…。
○篠田委員長 担当者の話は上手にしやべれば幾らでもごまかせるんです。人間の口ですからね。しかしごまかすことのできないのは現実でしよう。実際に十一億の預金をしておつたというのは、これは現実でしよう。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 三百万円の会社が十一億円の預金をしておいて、それを忘れるほどの大した社長なり重役なり経理部長なんかいるのですか。一体常識上考えられますか。それを係官としてのあなたに何ら示されない――伝票も示されない、帳簿も不整理のまま、預金通帳も見せないでそれを発見することができなかつたのですか、しかもあなたは一回や二回じやない、四回も行つている。
○友藤証人 いや第一回目、第二回目だけです。
○篠田委員長 一回でも二回でもよろしい。行つていて発見できない。そうして向うの人が隠す意思がなかつたのだということを、実際上あなたは今日でも信じているのか。信じているならあなたの主観の問題だからやむを得ない。
○友藤証人 ただ故意にやつたのではなかろうというふうに考えております。
○篠田委員長 故意にやつたのでなければ何だというのだね。
○友藤証人 重大な過失だと思います。
○篠田委員長 それこそ過失ではないか。あなたの解釈こそ最も重大な過失じやないんですか。そういうことは常識でありますか。そういう人が、国民の税金でまかなわれておるところの公社の幹部におるということになれば、それこそ彈劾せざるを得ない。あなたが本気でそういうことを言つているとすれば、われわれはまかせられませんよ。この委員会は個人の利益とか刑法上の犯罪を追究するためにやつているのではない。国費によつてまかなわれているところの経理が、故意であるか過失であるかわからないで、そういうふうに扱われるということは、国民に対して申訳ないから、この委員会が存在して調べているのです。あなた方が良心的に調べてしかもあなた方の力で及ばなかつたというのなら、何もあなたの罪を追究しようというのではない。しかし今日においてもなおあなた方がそういう態度をとつておるというならば、われわれは自分の利益、自分の関係しておることではないけれども、国民の公僕として憤慨せざるを得ないわけです。どうなんです。それでもあなたは故意ではないというのですか。重大なる過失とはどういうことですか。それでは過失の意味を話してください。一ぺん経理上納まりがついたからいいということではないのですよ、経理上納まりがついたとしても、それは税務署も中に入つたでしよう、国税局も中へ入つたでしよう、專売公社の幹部も跡始末された方もたくさんおられるでしよう。あなたは当の責任者であつたかもしれないが、当の責任者でなくても、これから呼ばれる人がたくさんありますよ。しかも国民の税金によつてまかなわれているのが、一応二年前に始末をつけたからといつて、それが済んだというのではない。二年前に人を殺した人が、今日それが発覚すれば罪になるのですよ。片がついたからといつてそれでいいのだというものではないのです。しかし、誠心誠意あなたが調べて解決していればけつこうなんですが、しかし今あなたの証言によれば、誠心誠意というよりも、むしろ故意に自分の良心を欺いてか、あるいは圧迫されてか、ここで証言をごまかしているとしか思えない。故意でないといつても、たつた三百万円の会社が、十一億円の預金をして、それを監督官に隠したという事実は、故意であるということにしか解釈できないでしよう。過失であるならばどういう過失ですか。
○友藤証人 われわれはそういう点は非常に不可解なんであります。
○篠田委員長 ぼくの方はあなたの言われることが不可解なんだ。いやしくもあなたは公社の需給課長でしよう。公社というのは営利会社じやないですよ。だから公社とついている。これは全額国庫でやつているんです。国民の担負でやつているんだ、そこのあなたは幹部じやないか。しかもあなたは検査官じやないですか。しかも歴然と、隠すことのできない事実があつても、それは故意でやられたのではない、これは重大な過失だということは、それがあなたの子供が係官であつたと仮定しても、過失とは思えないじやないか。それほど弁護しなければならぬ公社と回送会社との関係というものがおかしいということを、国民も皆考えるから、ここで調べなければならぬことになつておる。だからむしろこの問題は、あなた方がほんとうに誠心誠意処理してあるならば、やらなくてもいい問題です。ところが今日に至つてもなおその塩回送株式会社というものが依然として残されており、しかも監督官であるあなたまでが、この国会においてその弁護の証言をしなければならぬということが、おかしいというのが、調査の原因なんですから、率直に述べなさい。いいじやないか、それによつてあなたが皆からきらわれたり、首になつてもいいじやないですか。国民のためですよ。
○友藤証人 その点は、私としても非常に不可解ではありますが。
○篠田委員長 不可解ではあるが、故意ではないというのかね。
○友藤証人 故意であるというほど悪意があつたということは考えられないのです。
○篠田委員長 何にも悪意はないけれども、十一億の金を隠したというのですか。
○友藤証人 隠したということになりますと、それはもちろん……。
○篠田委員長 それでは、隠さなかつたことをあなたが発見できなかつたのか。向うでは隠しておいてないけれども、あなた自身発見できなかたのか。それならばあなたの能力がないということになる。隠されたからわからなかつたのか、隠してなかつたけれども、あなたに発見できなかつたのか、どつちなのか。世間では食うに困つて千円か二千円の金をどろぼうしても、全部罪人になるのですよ。悪意がなくても……。子供に着せる晴着一枚がほしいために、そこらの松坂屋や三越で万引をしても、これは警察に連れて行かれるのです。国民の税金を、十一億の金を、帳簿にも伝票にも書かず、監督官にも話さずに預金しておいて、それに悪意がない、これは重大な過失であつたということが、どうして成立つのです。あなたも公務員ではないか。今日の役人とか公務員とかいうものか、あなたのような感覚を持つておるということになれば、これは重大問題です。さつきからたどたどしく証言されておるが、おそらくあなたの意思ではないと思う。あなたは監督官としてもつと率直に証言できると思う。
○友藤証人 その点は私の判断でありますから、今申し上げる通りであります。
○篠田委員長 あなたは、今日でも重大な過失であるということは認めるけれども、故意ではないというふうに判断しているのか。
○友藤証人 そう思つております。
○篠田委員長 あなたの判断がそうとすればやむを得ない。
 それでは、公社のこの過当益金に対して、どういう処置をとりましたか。
○友藤証人 十一億の預金があるということを発見しました直後において、それは昭和二十四年の十二月九日であつたと思いますが――ちよつと資料を見てよろしゆうございますか。
○篠田委員長 どうぞ。
○友藤証人 もう一度申し上げます。第一回目が昭和二十四年の十二月九日に九億二千万円、それから第二回目は二十五年の三月三十一日に三億八千万円回収しております。それから第三回目は一億七千九百万円でありますが、これは分割いたしまして、二十五年の十二月九日、それから二十五年の十二月三十一日、二十六年の一月十六日、二十六年の一月三十一日、この四回にわけて、この残り一億七千九百万円を全額回収しております。
○篠田委員長 日本塩回送株式会社の経理調査は、毎年これを行つておるわけですか。
○友藤証人 経理監査は、私が就任いたしました以前においては、おそらくあまりやつてなかつたんじやないかと思つております。
○篠田委員長 そうしますと、塩回送会社と專売公社との間に非常に不当な利益があつたとき、あるいは何かの社会的な事情によつて非常な損害を受けた場合に、調整するということがあつたんじやないですか。そういう約束があるんですね。
○友藤証人 はい。
○篠田委員長 調整するということは、その年に利益があつても調整するし、損害があつても調整しなければならぬ。そうでしよう。
○友藤証人 そうです。
○篠田委員長 そうすると、年度の終りに一回なら一回調査しなければ調整できないんじやないですか。調整するということはこれは空文だつたのですか。
○友藤証人 私はその当時在任いたしませんでしたので一応わかりかねますが、おそらくその当時は、そういうふうな調整を必要とするほどの利益も損失――損失といいますか、そういう調整をするほどの大きな費額はなかつたのであろうと私は思います。
○篠田委員長 それがあなた方の安易な考え方でいけないと思う。回送会社は損をすれば、調整するという規則をたてにとつて、調整をあなた方に必ず申し出ますよ。黙つているということは、調整することを必要としないほど利益があつたということなんです。それを黙つているから、調整する必要もないのだろうということであなた方が放任して、年に一回の検査もしないでおいたということが十一億何千万円の預金になつたわけです。そうじやないでずか。ぼくらはそう解釈する。
○友藤証人 検査は当然すべきであつたろうと思います。
○篠田委員長 すべきであつたろうじやなく、すべきじやなかつたですか。
○友藤証人 すべきであつたと思います。
○篠田委員長 あなたは言葉の使い方が嚴格だから、もつと嚴格にやつてもらいたい。それで過当利益金に関連して、公社は塩回送会社に対してどういう責任をとらせたですか。
○友藤証人 公社といたしましてはそれに関係いたしております重役を辞任することの勧告をしております。
○篠田委員長 何人。
○友藤証人 担当重役は本社在勤重役として三人おります。
○篠田委員長 だれとだれです。
○友藤証人 姓で申し上げますが、森田、吉田、井上の三重役であります。
○篠田委員長 森田というのは何ですか。
○友藤証人 井上重役が專務で、あとの二名は常務であつたと思います。
○篠田委員長 社長はどうしました。
○友藤証人 社長はこの事件の起る前にやめてしまつております。
○篠田委員長 その社長の名前は何というのです。
○友藤証人 沼野。
○篠田委員長 それでこの森田常務というのは今何しておりますか。
○友藤証人 現在会社の平取締役をやつております。
○篠田委員長 なんだ、そうすると、常務をやめただけですか。
○友藤証人 われわれとしましてはやめることを勧告はしたのでありますが、会社内部の何か特別な事情があつたのだろうと思います。
○篠田委員長 特別設けた事情かね。
○友藤証人 ただ会社の幹部が交代いたしましたときに、新しい重役がそれぞれ就任して、この事件の経緯なり事情をよく認識して、新しい常務が就任されて仕事をしておるはずであります。そうした責任について、会社内部でどうしても残らなければならない事情があつたのだろうと想像しておるのですが、公社としては……。
○篠田委員長 それじや吉田常務は今何をしておるのですか。
○友藤証人 吉田常務は、名前は覚えておりませんが、やはり関係の会社に入つております。
○篠田委員長 井上專務は。
○友藤証人 井上專務も関係のある会社に入つておると思います。
○篠田委員長 そうすると、あなたの方で忠告をして、森田常務と井上專務と吉田常務三人とも責任をとれと言つたのですね。ところが、森田常務は何らかの会社内部の事情によつてなお塩回送会社の重役にとどまつているわけだ。いいですか。それから吉田常務は共立産業というのか――これは塩回送会社が株を持つておるのですか。それとも專売公社が……。
○友藤証人 專売公社は持つておりません。おそらく会社が持つていると思うのですが……。
○篠田委員長 そうすると、子会社の重役になつたのだね。
○友藤証人 はい。
○篠田委員長 それから井上專務も子会社の内外何とかいう会社の社長か何かになつているのだね。
○友藤証人 はい。
○篠田委員長 それじや君、責任とつたことにならぬじやないか。このほか何も專売公社は責任を追究しておりません。表面的に去つたと言うけれども、ただ常務から取締役に一人はなつており、あとの二人は自分の子会社の社長になつておるのだから、何も責任をとつたことにならぬと思う。これはもちろんあとで秋山総裁に聞きますけれども、あなたが直接の監督者として行かれたのだから、あなたに十分聞いておくが、その間の事情をあなたわからぬですか。
○友藤証人 私わかりません。
○篠田委員長 それじや最後にお聞きしますが、塩輸送については塩輸送会社のごとき中間機関がどうしても必要だとあなた現在でも考えていますか。
○友藤証人 現在の公社の、たとえば会計の法現であるとか、あるいは定員の関係でありますとか、あるいは人の事業に対する感覚といつたような点から判断いたしまして、元請の機関をつくつた方がより経済的であるということについては、私そういう確信を持つております。
○篠田委員長 会計法規、定員の関係、それから感覚――感覚というのはあなた重大な発言をしておることに気づかぬかもしれませんが、塩を回送するさつき言つた最も合理的な径路とか、そういうようなことについての感覚が公社にはないというのですか。そうして公社の現在の幹部にも……。
○友藤証人 ないとは申しませんが、そうした專門の業者にやらした方がより経済的に運用ができるんじやないかというふうに考えます。
○篠田委員長 必要であるという結論をあなたは今でも持つておるのですか。
○友藤証人 持つております。
○塚原委員 委員長の追究がなかなか鋭いように証人は感ぜられて、大分しどろもどろしております。が、ひとつおちついてお答えください。私は簡單なことを聞きますから、あなたは非常に言葉の表現を研究しているようですが、簡單に答えてください。
 第一に、あなたは專売公社の塩脳局需給課長をやつておられますが、塩の方がおもなる仕事でしようか、どつちですか。
○友藤証人 塩だけでございます。
○塚原委員 きよう証人としてこの会議に出席される前にあなたは專売公社の幹部かあるいは塩回送会社あたりの方々と御相談してこちらに参りましたか、どうですか。○友藤証人 事実の確認はいたしております。
        ―――――
とういう事実であつたかということを確認しております。
○塚原委員 私がお聞きしているのは、きよう証人として友藤さんがここへ呼ばれてどういうふうな答弁をしたらいいかとか、それから十四億七千万円等の問題についても、どういうふうに答えたらいいだろうというようなことで、專売公社のあなた方の上級幹部なり、あるいは塩回送会社の幹部の方方と御相談してこちらに来られたかどうかということを私は聞いているのです。率直に言つてください。何も相談をしてはいけないということを私は申すわけじやありませんから。
○友藤証人 打合せはしております。
○塚原委員 証人は二十四年の六月に就任されているそうですが、このいろいろな問題が持ち上つて、二十四年の八月と十月に第一回の調査に行かれたとさつき言つておられましたが、そのときの調査のおもなる目的というものは、運賃問題を主として行かれたと証言されております。しかし私たちが考えるところでは、すでにこういう問題、その過当利益金がどうであるとか、いろいろな問題があることを証人は知つていて、検査に行つたと考えるのですが、その点はいかがですか。
○友藤証人 その点は絶対に知つておりません。
○塚原委員 一体あなた方が、検査の目的のために出張ざれる場合には、何名くらいの陣容で出られるのですか。
○友藤証人 最初はたしか四名であると記憶いたしております。それから第二回目は二名ないし五名であつたと記憶しております。第三回目は六名程度であつたと思います。第四回目もおそらくそのくらいであつたと思います。
○塚原委員 そのうちあなたが行かれたのは、一回目と二回目ですね。全部行かれたのですか。
○友藤証人 第一回目だけです。
○塚原委員 そのときはあなたが主任として行かれたわけですか。
○友藤証人 そうです。
        ―――――
ちよつと失礼しましたが、第三回目も連絡に途中で参つております。
○塚原委員 先ほどの証言を伺つていまして私たちが非常に疑問に思うことは、検査というものをただ形式的な、向うへ行つてごちそうになるとか、そういうことを言う意味ではないです、ただ形式的に行つて、向うの人と会つて帰つて来るという意味にしかとれないのですが、行く前には相当周到なる準備、周到なる用意をして行かれると思うのですが、その点はどうですか。検査というものをただ形式的に、昔の言葉で言うならば、ただ員数でやつて来るというようなことが実際あるのではないか、その点どうですか。
○友藤証人 検査四回を通じて、相当愼重な準備をして参りました。その点は、どういう点を検査すべきか、またどういうふうに調査すべきかということを、準備は十分して参つております。
    〔委員長退席佐々木(秀)、委員長
  代理着席〕
○塚原委員 それだけの周到な準備をして行かれたとするならば、第一回目に行つて、逆算して利益一億六千万円があつた、その帳簿の整理を命じておいて、第二回目に行つたときに、それができていなかつたという証言をしておられますが、そういう場合に、よほど嚴重な忠告というか、勧告というか、そういうものをするのが私は当然だと思うのですが、先ほどからあなたの話を伺つていると、そういうことが一つもしていない、しかもわずか資本金三百万円の会社が、十何億というような過当利益金を出しておるということは、検査官として、ことにこの道のエキスパートであるあなたが、全然感づかなかつたということは、私はおかしいと思うのですが、実際何も知らなかつたのですか、それとも知つておつたのではないですか。その点どうなんですか。
○友藤証人 何回も申し上げますけれども、私は全然そういう厖大な利益があることは知つておりません。
○塚原委員 私も役人の経験はありますが、そういうことは、ちよつと常識で考えられないと思うのです。ことにあなたが大蔵省でも非常に優秀な方であると私は聞いておるのですが、そこに今われわれが追究している塩回送会社、これは大蔵省をやめられた方々が入つておられる、そういうようなところからわれわれは疑問に思うのですが、いわゆるなれ合いの検査ということを実際やつておるのではないですか、実際その点はどうなんですか。
○友藤証人 なれ合いの検査はいたしておりません。なれ合いの検査でないからこそ、その実際の費額を検討をいたしまして、逆に実際会社にどの程度の利益があるということを推定する手がかりを得たわけであります。
○塚原委員 これは水かけ論になりますから、私は追究いたしませんが、どう考えてもあなたの証言では私は納得ができない、しかしこれ以上言つても、結局同じことでしよう、さきほどの委員長の意思と態度のような議論になると思うから、これでやめておきます。
 それからお聞きしたいことは、先ほどの委員長の質問に対して、塩の回送には元請機関が絶対に必要である。しかしこういつた塩輸送会社のような会社がはたして適当なものであるかどうかということは、自分としては判断がつかないというような、さつきあなたは非常に微妙な答弁をされておりましたが、判断がつかないという意味は、どういう根拠から言われるのですか、こういう問題を起したからいけないと言われるのですか、それともその点何か理由があるのですか。その点を率直に答えてください。
○友藤証人 こういう問題が起つた現在の状態においてであります。
○塚原委員 問題が起つたからですね。
○友藤証人 そうです。
○塚原委員 いま一つ、こういう問題が起つたところに、私たちの考えでは、あなた方の先輩がたくさんおられるから、そこに何らか微妙な関係ができて来る、あなたはこういつた会社にあなた方の先輩が入つておるというようなこと、がいいものであるかどうか、どういうふうにお考えになりますか。
○友藤証人 今の点はいいか悪いかということですか。
○塚原委員 そうです。
○佐々木(秀)委員長代理 あなたの主観でいいでしよう。
○塚原委員 情実やら何やらがつきまとうから、会社の構成上そういう方がいない方がいいとあなたは考えられるかということです。
○友藤証人 どうもちよつと、その点については私からは意見は申しかねるように思いますが……。
○塚原委員 どうして申しかねるのですか、はつきり言つたらいいじやないですか。あなた個人の意見として、現在どう考えておられるのですか。こういう問題を起したあと、考えて見て何かさしさわりがあるのですか。
○友藤証人 さしさわりはございませんが……。
○塚原委員 それだつたら答えたらいいでしよう。いいか惡いか、それだけでけつこうです。
○友藤証人 もう一度質問の趣旨をお聞きしたいと思います。
    〔「大蔵省のうば捨山だ」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員 今雑音が入りましたけれども、そういうことなのです。いかなるところを見ましても、たとえば鉄道を見れば弘済会にたくさん鉄道の方が入つておる、專売公社を見れば、專売関係のいろいろな会社に大蔵省の出身の方が入つておられる、これが今までの各省の常識です。実際あなた方は後輩とし監督官庁にあつて、いろいろな仕事をなさる場合、今うば捨山ということが雑音では入りましたが、昔の方が入つておるような会社があるということが、いいか惡いかということを私は聞いておる。
○友藤証人 いい場合もあるし、惡い場合もあると思います。
○塚原委員 だから、どつちですか。
○友藤証人 それはその……。
○塚原委員 現在あなたが需給課長の仕事をしておられて、塩の輸送の問題で、これだけの問題が起きて――現在あなたは需給課長ですわ。そういつた問題が起きておるから、あなたは切実に感じておるはずですよ。先ほどあなたは何だか判断がつかないと言つたけれども、私の質問に対しては、今はそういう方がない方がいいということをさつき言いましたが、今度はこの問題とは別に、大きく見て、いわゆるうば捨山的な人事というものによつた会社というものが、あつた方がいいかということを私は聞いておる。あつた方がいいといえばいい、ない方がいいといえばいい、それだけ答えてください。
○友藤証人 そういう一般的な問題、まあ、たとえば官庁関係の人がその関係の会社に入ることがいいとか惡いとかいう問題として考える場合には、私は今申し上げましたように、それはいい場合もあるし、惡い場合もあるということ以外には、答えようがないと思います。それから現在回送会社にそういう者が入ることがいいか惡いかという点になりますと、現在は回送関係の職を去つておりますので、その点については、いいとも惡いとも私から申し上げかねるのであります。
○佐々木(秀)委員長代理 どうだね塚原さん、これは議論になりますから……。いいですか。藤田君。
○藤田委員 私は簡單に二、三お伺いしたいのですが、この塩回送会社と專売公社の関係、これは過当という認定をするために、非常に重大なる点でございますが、これは財政法あるいは会計法に基く規則に従いました契約であるか、あるいは單なる民法上の契約であるか、その点をまずお伺いしておきたいと思います。
○友藤証人 民法上の契約であります。私法上の契約であります。
○藤田委員 そうすると、憲法に保障されました個人所有権の問題にも関係して来るわけでございますが、過当という認定をされた根拠をひとつお話願いたい。過当利益金ということを認定されましたが、普通の民法上の契約に基いて、株式会社が業務を運営して、もうけがある、あるいは損がある、これは当然のことでございます。その当然の私法上の契約に基いて、営利が少しでも多かつたということからして、過当利益金という認定をされたのであるか。この点は非常に重大な点でありますから、お伺いしておきたいと思います。
○友藤証人 過当という考え方につきましては、通常その会社に許されている利益の範囲を越えているということの判断でありまして、その点はわれわれとしては、その会社の取扱い金額の二%というものに一応基準を置いたわけであります。その点はこれを取上げるにつきましても、会社側においても、それ以上については過当であるということについて了解しておるわけであります。
○藤田委員 取扱い高の二%を越える部分は過当なる利益であるということは契約書にうたつてありますか、どうですか。
○友藤証人 契約書には、その点は明確にはうたつてございません。
○藤田委員 通常の基準から過当であるかいなかを認定する、その通常かいなかの認定の基準を、大体取引量の二%にされた根拠はどういう点にあつたか、お伺いしたい。
○友藤証人 これは一般の運送会社の利益率を検討いたしまして、その額に比べて、この会社が従来上げておつた利益率というものを一応基準にいたしまして、こういう性質の会社でありますから、一般の運送会社よりははるかに少い利益でいいものだという認定のもとに、従来この会社に認められておりました基準を一応基礎にいたしまして算定いたしましたのが、二%ということであります。
○藤田委員 先ほど塚原委員も質問しておりましたが、われわれはこういう問題を一つのサンプルにいたしまして、今後の政府機関の運営について、あるいは会計法、財政法の欠陥についていろいろ検討することが、一つの大きな目的でございます。何も検察庁的な取調べをしておるという気持は全然ございませんから、その意味からしましても、端的に御答弁願いたいと思いますが、昭和二十四年、この過当利益金の認定をされた当時、ほかの官庁あるいは政府機関において、かかる輸送の問題がいろいろあつたと思います。たとえば米麦等の主食に対する輸送、その他この專売公社の塩の輸送と大体同列の業務を運営している会社並びに官庁の契約というものもあつたのではないかと思います。そういうほかの官庁ないしは政府機関のかかる物品の処理に関する具体的な状況を御研究になつたことがありますかどうか、お伺いしたい。
○友藤証人 塩の運賃の費額を決定いたしましたのは、私が就任したときには、その契約費額を受継いでおつたのでありますが、それを検討いたしますときに、ほかの物資の費額がどういうふうになつておるかということをあわせて調査いたしました。その際に、米につきましても、その他の重要物資につきましても、比較の上運賃の検討を続けて参つたのでありますが、塩の場合にも、物価庁のその当時のマル公料率というものを基準にして、その割増しだとか、歩増しだとか、そういうようかいろいろなものを基礎にして算出いたしております。そういう点から見まして、ほかの物資がどうかといいますれば、ほかの物資につきましても、同じようなやり方でマル公が算出されておりましたので、その算出の方法については、塩も、他の重要物資もさほどの差はないものと考えております。
○藤田委員 過当利益金という認定のもとに、十四億七千余万円を分割徴収されて公社の歳入にされたようでございますが、私法上の契約に基いて過当利益という認定をされるならば、たとえば塩会社が過当に損害をこうむつた場合は、その補填を專売公社でやりますかどうか。もうけた場合だけを問題にするのでありますかどうか、お伺いいたします。
○友藤証人 もしそういう場合がありましたならば、しなければならないのではないかと考えますが、ちよつと仮定の問題でございますから……。おそらくそういう場合には、しなければならなかつたであろうと思います。
○藤田委員 その点は、この会社との契約には全然何も触れられておりませんかどうか。それから従来友藤課長が関係された物品の需給に関しては、そういう先例はありませんかどうかお伺いいたします。
○友藤証人 契約上は、利益及び損失について調整するという條項になつておりますので、契約と申しますか、協定といいますか、そういうものには、利益または損失という、両方の場合に一応調整が適用されるようになつております。
○藤田委員 各官庁に物品の納入、あるいはその他の仕事をやつている個人、会社、種々雑多に存在しておりますが、その官庁の物品の取扱いに対して、かかる民法上の契約で締結する例は少いんじやないかというふうに考えております。会計法に基く諸般の規則によりましてこういうものをはつきりときめまして、專売事業に伴うかかる問題の再発を防ぎ、明朗な運営をやつてもらうために、何か友藤課長として考えられておることがありますか、お伺いしておきす。
○友藤証人 ただいまの御質問の趣旨がちよつとよくわかりかねる点がありましたので、もう一度お願いいたします。
○藤田委員 この塩会社との問題は、民法上の契約に基きまして随意に運営されたために、かかる問題が起きた。それでこの際私法上の契約でなくして、公法上の、たとえば会計法に基く規則をつくりまして、その規則に基いて一定の基準をきめて運営したならば、かかる問題も起きなかつたんじやないかというふうにわれわれは考えておりますが、この点に関しまして、單なる民法上の契約でなくして、何か公法的な裏づけが必要ではないかと、これは私個人の直感でございますが、考えておりますが、証人は今後の運営に関して何かお考えがありますかどうか。
○友藤証人 行います業務が運送の請負という仕事でございますので、公法的にこれを拘束することはちよつとむずかしいんじやないかと思いますが……。
○藤田委員 たとえば国鉄が電車の新造車の発注をやる場合におきましては、公入札によつてつくらせ、それを納入させる、こういう問題はすべて会計法に基く規則に従つて運営されております。従いまして塩のごとき專売事業に関しては、かかる規定の趣旨をこの際広めて規則を新たにつくつたらどうかというような意味の質問でありますが、この点に関しまして何か考えがありましたらお伺いしておきたい。
○友藤証人 現在のところ私といたしましては、今おつしやいましたような点については格別考えは持つておりません。
○藤田委員 專売公社になる前のいわゆる專売局時代は塩の輸送はどういう方式でやられておりましたか。
○友藤証人 專売局当時におきましても、現在公社になりましてからも、輸送の方法という点になりますと、大まかなやり方につきましては現在と同様、ことにお話のございました契約どいう点によつて運送させるという点については、專売局当時も現在も同様でございます。
○藤田委員 われわれ委員としては、私企業の内容に立ち入りましてその人事に容喙するようなことは不可能でありますが、国政調査の一翼として先ほど塚原委員も質問しましたが、従来長年官庁におりまして、その独特の体験を民間会社に下りまして活用するために、その関係官庁の外郭団体に多数の退職者が再就職いたしております。これは各省の外郭団体がこれらの人々でほとんど埋められておる。こういうことはその官庁自体の行政の執行上有利であるかいなかということは、本問題を取上げました委員会の結論を出すための一つの大きな資料になるだろう。従いまして塚原委員からも質問がありましたが、この際証への忌憚のない意見を、非常に有利であるならば有利である、あるいはいろいろな情実があつて不利であるならば不利であるというようなことを、もう一回、いい場合もある、悪い場合もある、どちらがパーセンテージが高いのであるか、この際お伺いしておきたい。
○友藤証人 御質問の点につきましては、私といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたのと同じ御返事をもう一度申し上げるほかないのでありますが、一般的に申しますればいい場合もありましよう、悪い場合もありましよう。
○藤田委員 過当利益金の問題は、專売公社時代に起きた問題でございますが、公社という組織の変更がなくてもこういう問題は起り得ると証人は想像しますか、あるいは公社なればこそかかる事件が発生したと解釈しておられますか。これは公社の機構組織の問題に関連してわれわれの研究資料になりますので、忌憚のないところを課長の個人的な見解でけつこうですからお伺いします。
○友藤証人 私の今まで申し上げました点が説明不十分であつた点がありますが、この事件の実際の大部分の事件は專売公社が発足するまでに起つておる事件でございます。公社としましては、いわば事件の解決にむしろ当つておるという状況でございます。
○佐々木(秀)委員長代理 ちよつとお伺いしますが、友藤証人の証言のうちに過当利益の分のときに、その手数料が二%、その二%は官庁の諸般の物資を勘案してつくつた二%だということになりますと、過当利益のあるときには……。
○友藤証人 ほかの運送業者と申し上げた。
○佐々木(秀)委員長代理 ほかの運送業者が取扱う運送物資、その他の物資と比較してきめたということになるでしよう。そうなると二%をきめたけれども、場合によつて過当利益もできるが、場合によつては赤字になる場合もある。その赤字の場合には適当な調節をやるということでありますと、この輸送会社というものが赤字の場合、調節をやれば損することがないという結論になるじやないかというような考えを持つのですが、そういうような私の考えでは、二%ときめたら、もうけようと損しようとその運送会社の運用いかんにまかせるべきだ、こう考えるのですが、やはり赤字のときは調節するのですか。
○友藤証人 その点は現在までのところそういう事例が起つておりませんので、必ず調節するとは申しかねると思うのでありますが、現在過当利益として回収ぜられた経費等から考えまして、理論的にはそういう赤字が出た場合には、それを今後の運送契約で改訂するというような方法になるかとも思いますが、そういう補填をして契約を更改するというようなことになるのではないかと私は考えます。
○佐々木(秀)委員長代理 そうするとこれは重大問題でありまして、はつきりしておかないと、将来こういう会社が赤字の場合は、公社が調節するということになれば重夫問題なのである。ただぼくらは赤字は赤字として、その会社が責任を負うべきものであつて、その赤字が出た場合には次の契約のときにパーセンテージを幾らにかえて行くというならば話はわかる、赤字を補填するような答弁であると非常に重大になるのです。ただあなたの先ほどの答弁の中には、調節することがあり得るでしようということを言われましたから、それをはつきりしておかないといけない。私は調節すべきものではないと考えている。ただ将来の契約パーセンテージがかわつて来るのじやないかということは考慮される。その点に対しての答弁をひとつはつきりしておきたい。
○友藤証人 おつしやる通りだと思います。
○田渕委員 私はもつと率直に聞きたいのですが、本会議が一時からありますので、この証人はこの程度にして、午後に引続いてやりたい。あとの二人の証人はあとにして、この証人に主力を置けばいい。だからこの程度で休憩されて……。
○藤田委員 その点に関しましては、私はせつかく遠いところから三人の証人を呼んでおりますし、この委員会の日程も大分立て込んでおります。たとえば私のことを申し上げて恐縮ですが。予算委員会その他各般の委員会が重複しておりますので、なるべく日程通りにやつていただきたい。
○佐々木(秀)委員長代理 それではこういたしましよう。友藤証人も、ぼくは擁護するわけじやないが、事件のあとになつた人だから……。(「委員長、甘いぞ」と呼ぶ者あり)それをやめるというのではないが、友藤君の証言が終つてから休憩に入りましよう、こういうことを私は申し上げたい。どうですか、三人ありますから途中でやめますか。
○田渕委員 本会議が始まるまでには私の質問だけでも終了いたしません。でありますから本会議にちよつと顔を出しまして、それからずつと引続いてやりたい。
○佐々木(秀)委員長代理 それではやつてみましよう。やつてみまして残るところがあつたら考慮するということで、本会議の始まる時間まで……。
○田渕委員 一応私は様子を見て来ますから、他の委員の質問を願つておきましよう。
○山口(武)委員 証人は先ほど二十四年の六月に現職に、日本專売公社発足の当時に就任、こう言われましたが、その以前はどんな職についておられましたか。
○友藤証人 二十四年前は、二十三年の十一月に地方から赴任いたしまして、專売局におきまして、塩の生産関係の仕事をいたしておりました。
○山口(武)委員 公社と会社との間で、運賃にプール賃率が適用されておるということですが、そのプール賃率というものは、どういうような事情で採用されることになつたのか。その弊害か認められて、二十五年度からこれが改正されたというのですが、このように後になつて弊害が認められるようなプール賃率が適用された事情というものを聞かせていただきたい。
○友藤証人 プール運賃の採用されましたのは戦争中のことでありまして、おそらく計算その他の便宜とか、あるいは人手不足とかいつた事情から採用されたのではないかと考えますが、これは私の推測であります。それから廃止になりましたのは、先ほどお話しましたように、二十五年の四月からと思います。
○山口(武)委員 あなたが現職につかれたのは二十四年六月ではあつたでしようが、その前の事情というものも当然引継ぎし、事情についても聽取して、現職の仕事を遂行して来たと思うのですが、このプール賃率というものが、適正なものではなしに、弊害が生ずるものであるということについては、二十五年のこの改正までお気づきにならなかつたですか。
○友藤証人 二十四年に就任いたしましてから、運賃が適当であるかどうかということを検討して参つたのでありますが、プール運賃の費額をもつて元請会社である日本塩回送会社と年間の契約を結んでおつたのであります。年間の契約を結んだまま引継いでやつておつたこの問題が起きましたから、プール運賃は非常に不適当であるということで、その次の年度からはこれを廃止したわけであります。
○山口(武)委員 これは問題になるのだが、あなたがそう逃げたのでは困るので、これはあとであなた以外の人に聞きましよう。当然このことから問題が発生して、その事実については、跡始末にしろ何にしろ調査なされたと思うのですが、二十三年度下半期から二十四年上半期にかけての輸送計画というものが、実績と大分食い違いを生じた。この事情はどこにありましようか。
○友藤証人 年度当初に立てました計画の見込みが違つたということが、おもな原因であると思うのであります。その点は、当時塩の在庫が十分でなかつたために、外国塩の入荷が順調に行かない場合には、一旦ほかの倉庫に入つている塩で間に合わせるというようなことで、不合理な回送が起つて参ります。そういう計画上の齟齬からそうしたものが出て来たと考えます。
○山口(武)委員 ちよつとおかしいのですが……。あなたの言われることによると、外国からの塩が来る関係でそうなつだと言われておりますが、これは実際には短距離輸送が多かつたというような関係で、計画より実績の方の運賃が安く上つたのだということになつておるはずですが、その関係はどういうわけですか。
○友藤証人 計画とおつしやいましたのは、ちよつと意味がわかりかねますが……。
○山口(武)委員 輸送計画に運送距離の長短という問題があるでしよう。外国から持つて来る場合には短距離輸送ということになりますか。
○友藤証人 もう一度敷衍して申し上げます。現在日本の塩の需給から申しますと、総体の八割程度は外国の塩でありますが、外国の塩を入れます場合に、その当時におきましては通産省と公社と売買契約をしておりまして、どの港に入れるということについては、そのときどきに船が実際にきまりましてから契約をするのであります。ところが一旦港がきまりまして、いつ入るということが大体予定されましても、それが十日遅れるとか、十五日くらい早くなつたりおそくなつたりするようなことが始終起ります。そのために当初予定しておつて、たとえば北海道で塩がいるからというので、北海道に外国船が入るからその外国船で輸送しよう、需要を充当しようと考えておりましたところが、船が予定通り入らない。もし倉庫に在庫が十分ございますれば、その在庫で間に合せることができるのでありますが、遺憾ながらその点において十分の在庫がないという場合におきましては、その近くの倉庫、たとえば仙台とか新潟とかいつた地区の塩を別に持つて行かなければならぬというような事情が起つて来るのであります。そうして一旦送つたあとで予定通り北海道に船が入るというようなことになりますと、当初の回送計画が非常に狂つて来る。狂つて来ますと、塩の絶対の数量はたとえば百五十万トンでありましても、回送した数量はそれの何割ということになるのでありますから、当初立つておつた回送の予定数量というものは動いて来るという点から違つて来たのであります。
○山口(武)委員 公社と塩回送会社との間には運送契約が結ばれているわけですが、それに附帶協定というものがありますか。あるとすればその内容はこういうものですか。
○友藤証人 附帶協定としましては、先ほど来問題になつております利益の調整というような項目が附帶協定でございます。
○山口(武)委員 その場合に、必要に応じて公社で会社の帳簿を監査し得るという特別なものができているわけですか。
○友藤証人 できております。
○山口(武)委員 そうしますと、それに基いて監査というものはずつと行われていたのですか。
○友藤証人 公社になつてからの監査が行われます前には、実際上監査は行われてなかつたのではないかと考えます。
○山口(武)委員 なかつたのではないかということくらいしかわからないのですか、はつきりわからないのですか。
○友藤証人 実績に残つておりませんから、おそらくやつてないと思いますが、その当時の関係主任とか、そういつたものをそれほど徹底的に調べておりませんので、確言をするわけには参りませんが、おそらくやつてなかつたと思います。
○山口(武)委員 はつきりしないようですが、しかしあなたは今この問題で調査をしておる、そういうことになりますれば、その以前の監査がどうなつているかということは当然考えなければならないし、その監査の結果を探がそうとするでしようし、監査があつたかなかつたかということは明白になることだと思うのです。それであなたがこの調査をするのに、一つの資料として、前の監査を調べようと当然しなければならないわけですが、それが行われておらなかつた、どういうわけで前に監査がなかつたかということを、あなたは調査してみましたか。
○友藤証人 どういうわけで前に監査を行わなかつたかということでございますが、その当時の事情はちよつと私わかりかねるのであります。
○山口(武)委員 しかしあなたはこの問題のために大分苦労をなさつていて、こういう附帶協定があつて、それに基いて監査が行われることになつているにもかかわらず、行われていないとすれば、そういう問題のためにこういうことが生じた、そこにも一つの原因があるのだと思う。これは困りはしないか、どういうわけだということで、当然私は前任者かあるいは上級幹部などに質問すべきだつたと思うのですが、それもやらなかつたのですか。
○友藤証人 その点今申しましたように、当時私が、前の監査に関連いたしまして、前任者その他に聞きました情勢から行きますと――ちよつと私申し上げたうちで誤りがあつたと思いますが、監査を行わなかつたというのは終戰後のことを申し上げたのであります。終戰前には監査を行つております。
○山口(武)委員 終戰後でいいです。
○友藤証人 終戰後に行わなかつた事情として、終戰後は塩の需給が混乱いたしまして、塩をどういうふうに動かすかということの方にむしろ重点が置かれて、実際上その契約期が適切であつたかどうかという点について、そこまで考えが及ばなかつたというのが実情であつたのではないか。事実その当時においては塩が非常に不足しておりまして、その与えられた必要な場所に塩をできるだけ早く持つて行くことが非常に大きな要素であつだと思います。さようなこともあつたと思います。
○山口(武)委員 そういうような一つの事情もあつたかもしれません。しかし公社として――これは前の專売局になるかもしれませんが、監査の機関はなかつたのですか。
○友藤証人 監査の「きかん」がなかつたかという点につきましては、私からはちよつとお答え申し上げかねると思います。
○山口(武)委員 事実を言われるのに申しかねるというのはどういうわけです。ここで……。
○佐々木(秀)委員長代理 友藤君に申し上げますが、わからないならわからない、知らないなら知らない、想像的な答弁でなく、そうしてもらうと質問する方もはつきりするのです。だから想像でなく、わからないならわからない、知らなかつたなら知らなかつた、知つているなら知つている、こういうはつきりとした答弁をしていただきたい。
○友藤証人 私にはわかりません。
○山口(武)委員 あなたは公社と回送会社の間に運送契約があつた、附帶協定があつたのも知つているのですね。それに基いて監査がなされなければならないということも知つておるのですね。そういうことを知つておるのにかかわらず、それを監査する機関があるかないかということも知らないまま、あなたは二十年の六月に新しく就任して塩の仕事をやつていたのですか。
○友藤証人 私が今知らないと申し上げたのは、終戰後私が就任するまでの間において、実際上監査が行われた形跡はないようであります。そのないのは監査の「きかん」が実際上なかつたかどうかという点でありますが、その点については私は知らない、かように申し上げたのであります。
○山口(武)委員 そうしますと、あなたはこういう重大なことに直接関係のある課長をやつていて、監査をする機関があつたのだかなかつたのだか知らないということですから、その以前は何のことだかわけがわからなかつた、もうめちやくで監査もへつたくれもない、附帶協定というようなものがあつても、それに基いての監査は顧みていなかつたということになるわけですね。
○友藤証人 今監査の「きかん」とおつしやいましたが、その監査をやるのは、何か特別な部局とか、特別な会とかそういうような意味の「きかん」をおつしやつたのでございましようか、それとも監査をする余裕とか時間という解釈でございましようか、その点もうちよつと御質問の趣旨を……。
○山口(武)委員 私の言つたのは、係の人が存在している、あるいは必要な場合に係の人が出て行く、これが決定している、こういう意味までも含めてそれを機関と言うのです。
○友藤証人 ちよつと誤解して失礼いたしました。塩運送の業務を行つている担当の部局においてそういうものは監査すべきであります。
○佐々木(秀)委員長代理 結局その部局において監査すべきであつたが、監査したかどうかはあなたは知らないということなんでしよう。
○友藤証人 そういうわけです。
○佐々木(秀)委員長代理 そういうような答弁をしてもらわないと、あなたの主観をその中に入れるとおかしなことになるわけです。
        ―――――
小松君。
○小松委員 先ほど証人のお話を承りますと、この塩の輸送には元請機関が必要だと思うというお話があつたのであります。それはそうかもしれませんが、公社の塩の輸送を日本運送会社が一手に引受けておるようでありますが、この会社が託送の業務を担当するに最も妥当な会社であるということをお認めになりましたその理由はどういうことですか。
○友藤証人 多年にわたつて塩回送の業務を実施して来ておりますし、ことに海上の部面につきましては、機帆船三十数隻、それから汽船二隻でありましたか持つて、海上の面においては相当実際の仕事を行つて来ておる。そういうふうな点からいたしまして、塩の回送についての事業知識とか経験のすぐれた会社であるという点から現在まで使つて来ている、かように考えております。
○小松委員 この塩回送会社は、さような船や何かの機関をお持ちになつておるのですか。これは下請会社に仕事をまわして、自分はさやをとつているというようなことはないのでありますか。
○友藤証人 実際に仕事をやつております部面は、そういうふうな海上の部面で三十パーセントくらいはあるじやないか。三十パーセントくらい実際に自分でやつている。その他の陸上の部面につきましては、自分で現実にその輸送機関を持つておりません。
○小松委員 それでは重ねて伺いますが、海上の輸送機関は持つておるのですか、そこをはつきりひとつ伺いたい。
○友藤証人 海上の輸送機関につきましても、機帆船の三十何隻と汽船二隻で、全部の海上の塩の輸送はほとんどできない。
○小松委員 そうすると海上の輸送でさえ、この会社が自分の力だけでは十分にできないということがはつきりわかつたのであります。そういうような会社が、公社の運送を一手に引受けるに最も適当な会社と言えるであろうかどうか、私はここに疑問を持つのであります。この会社に対して、しかもあなたの方で随意契約によつてこの運送の事業をまかせてあるというのは、一体どういう関係から随意契約にしたのですか。
○友藤証人 運送の業務は絶えず動いております。それから回送の仕事も、先ほど申し上げましたように、塩の発送場所、それから回送する先、全国に数百箇所ございますし、内地塩と外国塩との回送入荷等から見て相当複雑であります。そういう点から見まして、多年そうした回送業務に携わつて参りましたこの会社が、少くとも現在あるほかの会社に比べて、塩の回送業務の元請け機関としては適当であるというふうな考え方でやつたのであります。
○小松委員 それだけの理由で随意契約をなされたのでありますか。私は随意契約をされたいま少し根本の深い理由を伺いたい。
○友藤証人 今申し上げました点からしまして、一般競争なり指名競争といつたような競争契約によるのは不適当である、かように考えます。
○小松委員 この会社は多年の経験があるというお話ですが、なるほど多年の経験もありましよう。小さい人たちが寄り集つてつくつた会社でありますが、しかし現在の会社を運営しておる方はほとんどみんなお役人上りの方でありまして、少数の人によつて運営されている。しかもその会社の内容たるや、輸送機関というものはほとんど持つておらぬ、こういうことからしまして、私どもは非常にいろいろな疑惑を持たれるのであります。ことに不可解に思うのは、随意契約をする場合に、この日本專売公社のいろいろの規定を見ますると、随意契約というものはかつてにできないと思う。一般競争入札にするのが原則ではないか、私はこう思うのであります。こういうことをなさずして随意契約をされておるということは、それだけの理由ではどうしても私どもは納得ができないのであります。これをそれ以上あなたにお伺いしても御返事もないことだと思うから、他の問題を伺いまするが、運賃をプール計算によつて契約しておつたが、それを改訂した、この改訂した根拠はどこにあるか。二%の普通運送会社の利益を認めて、そうしてプール計算にしたという話であつたにかかわらず、このプール計算を改訂した理由はどうか。
○友藤証人 二%と申しますのは、過当利益金を徴収する場合に、会社の方に認める利益の基準のことであります。プール計算をやりましたのは、こうした過当利益金が出て参りますのは、プール計算という方式自体に基くことが非常に多いという考え方からであります。
○小松委員 それでは二十四年度までプール計算をしておつたのですね。
○友藤証人 はい。
○小松委員 二十四年度にプール計算で公社はどれだけ運賃を払つたか。二十五年度にプール計算を改めた後において、区間運賃にした場合にどれだけの運賃を払つたのか。その差はどうなつておるか、ちよつとお伺いしたい。
○友藤証人 二十四年度中におきましては、検査の実績によりまして、プール計算による利益を、その年度中における回送費の改訂によつて調整しております。
○小松委員 その額はわかりませんか。
○友藤証人 額は年度当切に比べまして機帆船が四割、それから小運搬賃が二割五分から四割近く引下げておると思います。
○小松委員 回送会社は社外の出資が大分あるようでありますが、この出資金は利益金の中から出したのですか。それとも借入金をしてこういう出資をしておるのですか。これはあなたの方で御検査をなさつたときに、よく内容がおわかりになつたと思いますが、ちよつとそれをお伺いします。
○友藤証人 多くの部分は利益金から出ておると思います。
○小松委員 検査した結果をはつきりしてください。思つておるではわからない。
○佐々木(秀)委員長代理 検査した結果そういうことがわかつたのですか。
○友藤証人 検査いたしました結果、利益金から出ておるものが多いじやないかと想像されます。
○佐々木(秀)委員長代理 多いじやないかと想像するよりも、検査されたのですから、検査の結果わかつたのでしよう。だから利益金から出たのが多かつたとか、利益金の何十パーセントくらいだということがわかるでしよう。
○友藤証人 利益金から出たのが多かつた。
○小松委員 そうすると他は借入金なのですか。借入金から出資しておつたのですか。われわれの調査によると、一億近いものが借入金で出資されておるように思うのですが、そういうことはなかつたのですか。
○友藤証人 公社の方では実際上その金がどこから出ておるかということはむずかしいと思うのでありますが、現在においてはその過当利益を全部回収しておりますから、それに見合うものは結局借入金で、結果的には相当借入金でもつて社外に出ておるということになると思います。
○佐々木(秀)委員長代理 それはこうなんです。結果的には借入金になるのでしようが、最初は出資が過当利益から九千三百万円出ているのです。それがあつたから返すのが遅れた、その結果なんでしよう。だから最初はやはり過当利益から出ている。あとは借入金に肩がわりした、こういうことなんでしよう。だからそれをはつきり言つてもらわぬと困る。
○小松委員 それは、過当利益金をごまかすために、そういう借入金をしたのではなかつたかということも疑われるわけなんです。だからそれを今お伺いしておるのです。その点もよくわかりました。そこでこの会社に交際費がなかなか多いようですが、こういう交際費の内容について、いろいろ御検査の結果内容がわかつておると思うのですが、もしこれはふしぎな交際費だというようなものでおわかりになるものがあつたらお話し願いたい。
○友藤証人 交際費につきましては、検査の結果、特にこれはふしぎだと思われるような交際費はございません。
○小松委員 なおこり会社で過当利益金が十四億七千万円ですか、あるというように算出されているのでありますが、伺うと、帳簿はあつても伝票がなかつたということであります。伝票がないとわれわれ実際の帳簿上の内容がわからないとぼくは思うのです。その伝票がなかつたというのは、伝票をどうしたのか、紛失したのか、あるいは焼き捨てたのか、焼き捨てたということがもしあるとするならば、それはそういうような不正を隠すためにそういう手段を用いたのであろう。こういうぐあいにわれわれには解されるのでありますが、御検査の結果、あなたはどういうぐあいにお感じになつたか。
○友藤証人 どういうふうに感じたかという点につきましては、先般申し上げた御答弁を繰返すほかはないのであります。
○佐々木(秀)委員長代理 最初に伝票はあつたけれども、あとで焼くか何かしてなくしてしまつたでしよう。
○友藤証人 伝票はありました。
○佐々木(秀)委員長代理 あとで焼いたのかね。
○友藤証人 ただ伝票のうちには相当疑わしいもの、あるいはつくつた伝票、架空の伝票というようなものもありました。
○小松委員 その伝票はあとで焼いち、やつたのですか。
○友藤証人 焼いたかどうかということは私は知らないのであります。
○佐々木(秀)委員長代理 まあ焼いたらしい。
    〔佐々木(秀)委員長代理退席、委
  員長着席〕
○小松委員 そうすると、そういうような御検査では、過当利益金がどれだけあるかということは実際まだはつきりしないと思うのです。十四億何千万円以上にまだあるかもしれない、こういうことについて不審をお持ちにならなかつたか。そしてなおそれを続けて監査する必要を感じなかつたかどうか、このことをお聞きしたい。
○友藤証人 過当の利益が正確に把握されているかどうかということでありますが、この点は国税局の調査によりまして、預金の出入りと現実の会社の収支の出入りを調査いたしました。それからわれわれの方につきましては、実際の下請に対する支払いを全国的に調査いたしておりまして、全国的に各店から本店に集まつた資料によつて調査しております。なお公社からの支払いの金額につきましては、公社の決算の金額によつておりまして、調査につきましては十分自信を持つております。
○小松委員 自信はお持ちになつておるのですね。
○友藤証人 はあ、持つております。
○篠田委員長 それではまだほかの議員から発言がありますが、他の委員会との関係で、採決をしますので中座しておりますから、友藤証人の尋問は午後も継続いたします。
 暫時休憩いたします。
    午後一時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十二分開議
○内藤(隆)委員長代理 休憩所に引続き会議を開きます。
 友藤証人に対する尋問を続行いたします。田淵君。
○田渕委員 証人は先ほど同僚塚原委員の質問に対しまして、証人調べのあることを知つて打合せをして来たかという問いに対して、打合せをして来たというお話でございましたが、いつ、どこで、だれらと、どういう打合せをしたかという内容を少しく折り入つてお話し願いたい。
○友藤証人 打合せの件でございますが、公社内部におきましては、ここで証言いたしますことの中に、その当時における公社としての考え方というような点もあろうかと思いますので、そういう点で、私の業務を担当しておりました当時の記憶で非常に薄れている点もございますので、そういう点につきまして打合せをして来たわけでございます。
 それから日本塩回送会社と打合せをしたかということでございますが、その点につきましては、日本塩回送会社の人が、昨日私のところへ参りましたので、その当時における事実の、どうも私として記憶のはつきりしていない点等について、自分ではこういうふうに考えておるが、実際上どうであつたかという点について、事実どういう状態であつたかということについて、打合せと申しますか、話合いをいたしました。
○田渕委員 塩回送会社のことを伺つたのではございません。專売公社のだれだれと御相談なさつたかと聞いたのでございまして、もし塩回送会社が来たとすれば、どういう人たちが来られたか、ちよつと伺いたい。
○友藤証人 私は、公社内部では、需給課におきましては塩の回送の業務は現在は担当いたしておりません。現在担当いたしております輸送部――輸送部というのができておりますが、その輸送部と打合せをしました。それから塩回送会社のどういうものが来たかということでございますが、何送会社の社長と、それから森田という重役と、それから矢頭という大阪の支店長が来ております。
○田渕委員 預金の通帳が検査に出ておるから、わからなくて、あとでわかつた、第二回に大阪国税局から内報があつてわかつたというお話でしたが、その通知、当座、無記名預金に、会社名義と個人名義が、大体約十四億八千万円の金で、どのくらいになつておりましたか伺いたい。つまり個人名義で幾ら、あるいは会社名義で幾ら、あるいは通知、当座、無記名、こういうような点がどういうような額で入つていたかということの記憶があれば、その記憶を伺いたい。
○友藤証人 預金の種類によつで、どういうふうになつておつたかという点につきましては、現在正確に十一億の預金が、何億くらいになつておるかということは記憶いたしません。それから個人名義の預金がなかつたかという点でありますが、これは多額ではございませんが、無名といいますか、存在しない人の名義の預金がたしかあつたと私は記憶しております。
○田渕委員 先ほど証人は、塩回送会社の森田というのがきのう来て打合せをしたとおつしやつたのですが、それは前の常務であつて、今は平取締りになつておる森田さんでありますか、そのことを伺いたい。
○友藤証人 その通りでございます。
○田渕委員 そこで今伺いました個人名義、会社名義の額などは、当時のあなたの検査なすつた資料を調べるならば出ましようかどうですか。
○友藤証人 調査を実際担当いたしました者におきましては、あるいはそういうことがわかるかもしれませんが、資料としてははつきり保存してあるかどうかちよつとわかりません。
○田渕委員 資料をあとでいただくかどうかということは、ひとつ事務局に出せれば出してもらつて参考にしたいと思います
 それから先ほどやはり塚原委員、または小松委員からの質問で、天くだり人事あるいは元関係しておつたような会社へ横すべりして行く、これはその專門的な知識を活用する上において、善用しても惡用してもどつちでも行けるのでありまして、よい場合もあるが悪い場合もある。こういうふうに証人は数回言葉を濁しておるのでありますが、このよい場合の例はどういう場合かということをひとつ御参考に伺いたいのであります。
○友藤証人 先ほどよい場合があるということを申し上げましたのは、官庁方面から会社に行く、そしてその会社が政府なりあるいは公社のような企業体と非常に密接な関係があり、しかもその会社に入る人にしてよろしきを得るならば、その会社の運営がうまく行くとか、あるいは政府とか企業体のようなところでよく監督ができるというような部面においていい面もあると私は考えます。これは私の個人的な考えであります。
○田渕委員 要は企業体の中へ入つて、たとえば元いたところの大蔵省あたりで資料をとるために、スパイ的なことをやるという意味においていい場合があるというふうにとつておられるのか、それはいろいろあなたの解釈もありましようが、私はこういう場合には悪い場合の方が多いと思うのです。今までの当委員会で調べて来た経験から見まして、悪い場合はたくさん例がありますが、よい場合は非常に少い。あなたは悪い場合が多いというようなことにお気づきでないか、あるいはかつての経験からそう思わぬかというような点を率直にお答え願いたい。われわれの聞かんとするところは、何回も委員長も申し、また各委員も述べられておりますが、ここは検察庁ではないのであります。どこに制度の欠陥があるかということを聞くためにわれわれはただしておる。それを見出して国民の血税を有効に、またなるたけ少くするように持つて行かなければならぬ。こういうような精神から私個人としても発言しておるのでありますから、そのおつもりでお答え願いたい。かつての自分の検査が穏便であつたか、あるいはその衝にあなたの上役が天くだりに入つて来て、その人の引立てやある、いは抜擢によつて地方から中央にひつぱられたとか、あるいはいろいろな圧力が加わつたとか、とにかく官庁の中でもことに大蔵省においてはそういう悪い例はわれわれは多々見ておるのであります。現に銀行の方に入つて行つた。あるいは、農林中金に入つた、あるいは配炭公団に入つたとか、いろいろありますが、大蔵省の後人でまつたく完全に調べたのはあの加藤清算人くらいしかないと見ておる。こういう点からわれわれは悪い場合が多いと思いますが、こういうような点についてどうも公社の上役に悪いとか、あるいは現在の自分の地位というものが保たれないというような意味から発言されないならばしかたありませんが、そうでありません限りは、われわれこの委員会で取上げて熱心にやつておるのでありますから、どういうふうに制度機構を改善して行つたらいいか、われわれにヒントを与えるように御答弁願いたいのであります。この点についてよい場合は今おつしやつたようなこともありましようけれども、あなたの言うことを聞くと、まるでスパイを入れるようなもので、監督する上からはいいと思いますけれども、同時にその逆手を使つて、たとえば税務署の役人が首になるとすぐ関係していた会社に入り、会社ではこれを脱税の方面に使われておる。企業体が多くそれをやつておる。またそれに便乗しておる。これは現実の問題です。かような意味から悪い場合が多いと思います。よい場合は少いと思うのでありますが、この制度機構を改革する上において、どういうぐあいにして行つたらいいか、あなたの今までの御経験から、ひとつ率直にあなたの気持を伺いたいと思います。
○友藤証人 私のその点に対しまする考え方は、よい場合もあるし、それから悪い場合もあるというふうに申し上げたのでありますが、いい場合が多いか、悪い場合が多いかという点については、私としましては悪い場合、いい場合どちらもあるし、私の個人的な考えといたしまして、どちらが多いということは考えておりません。
○田渕委員 あなたが当時の森田常務、吉田常務、井上專務に対して勧告を出したというお話でありましたが、その勧告の趣旨あるいはその勧告の内容というものはどういうものであつたか、またあなたはどういう地位で勧告を出されたかということを伺いたいのであります。
○友藤証人 勧告したといいますのは、申すことは私からも申しましたし、私の上司からも申したと思います。もちろん私個人として勧告したわけではありませんで、公社として勧告したのであります。勧告の内容は、この三重役はこの事件に関連して、こういう契約、そういうふうな従来からの公社との関係といいますか、公社と調整條項等があるという関係等から見まして、事前にもう少し早く公社に、こういう預金があるとか、こういう預金があるから調整をしてほしいとか、あるいは回送費を引下げてほしいとかいうような申出をすべきであつたと公社としては考えるのであります。そういうふうな措置をとらずして、非常に職務に怠慢であつた。そこで重役は責任をとつて辞職をするのが当然だ、こういうふうな勧告をいたしたのであります。
○田渕委員 御趣旨と精神はよくわかりました。そういう怠慢であつたということを断定して勧告をしておるにもかかわらず、さらにそれが平取締役になつてすわつておる。そしてきのうあなたとの打合せにもさらにそれが上つて来ておる、こういうようなことが想起されるのでありますが、森田常務は元大蔵省の方では何に携わつておられましたか。
○友藤証人 森田常務は官庁の関係はございません。会社の在来の重役であります。
○田渕委員 検査した当時のあなたの資格は、大蔵省の事務官、あるいは監督官、あるいは検査官としてですか。その職名をひとつ……。
○友藤証人 需給課長としてであります。
○田渕委員 先ほど小松委員の質問に対して、專売局時代の不正を公社でしりぬぐいをしたと述べられたのであります。そうすると、それは相当長い期間でありまして、ことに二十四年の八月に第一回の検査をしてそれがわからずに、十月の二度目の検査までに大阪国税庁の内報があつてわかつた。要するに発覚したといいましようか、わかつたときが二十四年十月であります。二十四年十月以前にすでに專売局時代からこういうことをやつておつた。それを公社が跡始末をしたのだという。こういうようなお話でありますと、相当長い間この十一億何がしという金が無記名で、あるいは通知預金、当座預金で、個へ名義もしくは会社の名義で過当払いが隠されておつた。それを取上げるというについては、二十四年十月の調査から本年の一月三十一日までに大体取上げてしまつた。こういうふうに述べられたのでありますが、この間十一億というような金は、私はどんな名義にしても大きなものだと思う。当座預金の利息はいざ知らず、通知預金なり無記名預金に対しては、相当な利息がついておるはずでありますが、これらに対してどういうふうな御措置をとられましたか。
○友藤証人 どういう措置をとつたかという点でありますが、過当利益として認定いたしました十四億七千万円を、分割払いはいたしておりますが、その後において全額回収いたしておりますので、その預金は当然その中に入つて回収されておるというふうに考えております。
○田渕委員 十四億七千九百何万円の金が、先ほど申し上げた――つまり故意ではなく、重大な過失であろうというような判断を下されたのでありますが、かりに重大な過失にしろ、少くともこの十四億七千九百万円のうちの十一億円というものが預金してあつた。この預金は預金通帳ともに回収したというお話でありますから、当然銀行の利子が入つて来ると思うが、これは相当な利子だと私は思う。検査にかかつたのが二十四年八月でありますから、相当長い期間であります。二十四年の專売局時代から塩回送会社がそういう過当払いを受けて、損があれば調整でやつて行く、利益があれば個人名義、別途名義で隠しておく。そうなれば、長い期間ですから、これは利子だけでも何百万円に上る相当なものだと思う。こういう利子も一緒に回収されたのかどうかということを承つておる。
○友藤証人 お話のありました点の中で、相当長い期間ではないかという御質問でありますが、私の今までの御説明で十分盡さなかつた点があるので、その点を今御説明しておきたいと思います。その利益が発生して参りましたのは、二十三年の八月にマル公が改訂されて、そのマル公の改訂に従つて下請の請負の費額が改訂されて参りました。その二十三年度の下半期における運賃の改訂、にれをマル公改訂当時にさかのぼつて、言いかえますと二十三年の八月にさかのぼつて実施しておつたのでありますが、このさかのぼつて実施しましてからの利益がほとんど大部分であります。おそらく十四億七千万円のうちの八割以上がこの二十三年度中に生じた利益であると存じております。なおその回収いたしました金額に対する利子をどうしたかというお話でございますが、利子は会社の支払い利子と収入利子とを出しまして差引きました。支払い利子と申しますのは、運転資金その他として借入れを要する場合の利子であります。これはほとんど大した額はございませんでした。その差額でありますから、ついた利子は全部回収しておることになります。
○田渕委員 私が資料を事務当局の方にお願い申し上げたいと言つたのはそこであります。今日百万円の通知預金というのをいたします。たとえば今やつておつて、新聞にも広告が出ており、電車などにも書いておりまするが、明星預金とか福徳預金とかいつて、一千円六箇月旅行というような名目で出しておるのでありますが、この百万円の利息は六箇月預ける場合に最低で四万円あるのであります。これはからくじなしです。はなはだしいのになると、百万円で五十万円当るのもあり、三十万円当るのもあります。これをかりに定期預金にこの額をとつてみれば、百万円で最低四万円の利息が半年でつくのでありまするから、一箇年すれば八万円であります。この比率で行けば、宝くじに当らなかつたといたしましても、もしこれを通知預金にしておくならば、利息だけでも少くとも八千万円というものがあがつて来なければならぬ。当座預金には利息がつかないことは私たちも知つておりますが、少くともこういう日の出、あるいは福徳、明星、ラツキーその他、三和銀行、あるいは富士銀行、あるいは大和銀行あたりでやつておるところのこの預金の賞金というものは、どこにこれが回収されておるか、これを伺いたい。
○友藤証人 預金の賞金といいますのは何でしようか。
○田渕委員 少くとも需給課長はこのくらいの常識はあるだろうと思う。賞金というやつは、たとえば第一銀行の明星貯金です。明星定期というやつは、千円の六箇月旅行というのでやります。そうすると、これは賞に当らなくても、からくじで最低で約四万二三千円になる。でありまするから、すでに六箇月の通知預金にしておる。この通知預金の賞金はどこで回収されたか、こういうのであります。
○友藤証人 私が利子も全部回収済みということを申しあげましたのは、賞金に当つておるものがあるならば、そうした賞金をも含めて回収しておる、そういう意味でございます。
○田渕委員 先ほど証人は、同僚の塚原委員の質問に対して、回収は、二十四年の十二月九日に九億二千万円、二十五年の三月三十一日に三億八千万円、二十五年の十二月九日と十二月三十一日、二十六年の一月十六日と一月三十一日、四回にわたつてこれを全部回収した。この回収のときに、こういう賞金や銀行の利子も一緒に回収しておるからというようなお話は先ほどなかつた。この十一億何千万円に相当な利子がついて来ると、もう少し金額はふえなければならぬ。今日、銀座裏で戰争に負けたか勝つたかわからぬような状態でらんちき騒ぎをしているのは、ほとんど、公団、公社の浮貸しというか、やりくりの金を使う連中である。まじめな実業家や、まじめな人の行くところではない。結局こういう金が浮貸し的に使われて客。われわれの算定では、もし通知預金にしておるなら、最低で八千万円以上、あるいは億に近い金が賞金が当つて命が入つておる。これは概算でありますから、数字に多少の違いはありましようけれども、もしも国家が有益にこの金を使つたならば、八千万円でも一億円でも、国民の税金の負担の軽減になつておる。これらの点を考えて、私は、あなたのおつしやる通りに元金とその賞金、利子を完全に回収されたかどうかということをはつきり伺いたい。
○友藤証人 今申し上げました回収した利子と申しますのは、最後の調査で回収すべき金額が確定いたしましたのが、たしか二十五年度の四月か五月であつたと思つておりますが、それまでに発生しました利子を含めて調査金額を確定いたしておりますので、それまでに生じた利子については回収された。ただその場合に、それを確定するまでの中途において、概算で九億二千百円と三億八千万円を回収しておりますが、その残額については、残りが一億何がしになる。その点につきましては、そういうふうに公社として実際上金を取上げてしまいますと、会社の運転資金その他が非常にきゆうくつになる、そういう点から、お話のありましたような定期預金とかそういつた部面に運用する余裕はなかつたのであります。そういうものがあれば、なお回収する見込みでありましたが、その当時におきまして、実際に会社の経理状況からそれだけのものを回収する余裕が実のどころなかつたのであります。
○田渕委員 私は別に検事でも検察官でもございません。御承知の通り当委員会は制度機構のどこに欠陥があり、この機構のどこを改善して行くかということに重きを置くがゆえに伺うのでありますから、この点について、この回収した年月日と金額、これに対する利息あるは賞金等を、銀行も調査いたしまするけれども、ひとつ資料を御提出願つて私の質問を終ります。ぜひとも委員長の方からもさらに念を押して至急に提出方を命じていただきたいのであります。
○内藤(隆)委員長代理 友藤君わかりましたか。
○大泉委員 過当利益の金を会社が任意で出されたのか、あるいはまた公社と国税局との相談の結果、これが会社のためによろしいというような指示を与えて出されたのか、この辺の事情を承りたいと思います。
○友藤証人 この金を返還させるにつきましては、こういう過当な利益といいますか、過当な支払い金につきまして、従来からこの会社にそういう過当な利益金が生じた場合には、公社に返還させるという申合せをしてございます。過当な額の確定につきましては、相手方の会社も公社の考え方に一応同意しております。お話のように、会社のために国税局とそういう話をしたというような事実はないのでございます。
○大泉委員 二十三年度、二十四年度ごろは法人税にしても、所得税にしても、きわめて高率な税額であつて、もしこれが脱税の意思に見られた場合には、日歩二十銭という高額な追徴金までもとられる、そうして普通の民間会社や個人においては、税額の決定よりもより以上厖大になる、そういうような場合、会社のために公社が考えてやれば、税を納めるよりは返還金の方がよろしいのじやないかというような考えで、おそらく話合いが成り立つたと私は思うのです。もしこれが国税局から脱税容疑のために追徴される金額であつたならば、こんな額では済まない。おそらく二十三年、二十四年度の、あの税金の辛辣な計算から行つたならば、二十億にも上るのじやなかつたかと私は推測する。これをとにかくあり金で、あるいは積立金その他未回収金で納まつたところを見ると、税額よりはずつと低い額と思う。あなたのお考えはどうですか。
○友藤証人 会社と公社との間に、そういう過当な利益金については徴収するという従来からの申合せがございましたので、これを税として取上げるということにはならないのでありますが、かりに税として追加徴収しました場合においても、公社で取上げる場合の方の金額が多かつたと思います。但し、もちろん脱税ということになりますれば、全然別でございます。
○大泉委員 公社のためにこういう処置をとられたかどうかということが、私の聞かんとする要点であります。もしこれが一般の普通会社の立場であつたならば、脱税容疑で当然摘発されて、ほんとうにどえらい目にあう。ところが公社と会社の特殊な関係で、こういう返還金で利益をずつと引下げてしまつたから、その容疑がなくなつて国税局もこの処置を認めておられたのだろうと私は思う。これが普通の営利会社であつたならば、それこそ根こそぎやられたと思う。私は公社が非常に会社のためを思つてこういうことをされたあかどうかということを聞くのですが、あなたの御答弁は、ただもうかつた場合には、過当な利益を得た場合には返す契約があるとおつしやいますけれども、本来ならばこれは会社に返さなくても私は何ら法に触れるわけではないと思う。ただ返さない場合には、国税局という大きなものがあつて、もろにのみ込まれるような税のために、私はこういうような処置をとつたのだ、こういうふうに思うのです。おそらく私どもの推測ははずれまいと思つております。大蔵省関係のあなたとしては、おそらく私はこの計算はよく見通されてなされたと思うのですが、それともやはりそういうことは会社の内情であるというなら、あなたから御答弁を得なくてもよいのでありますけれども、私はこれはあとから証人に出て来られる人に聞こうと思いますが、その点はあなたのお考えはその通りの答弁であればやむを得ませんが、しからばこの金を公社としてどういうふうな処置をとられたか、いわゆる公社の一般経理に入れられたか、あるいは大蔵省に塩回送会社から特に過当金として取立てたのだといつて、何らかの箋をつけてまわされたか、その処置について伺いたい。
○友藤証人 公社で回収いたしました金の処置でありますが、公社としては雑収入として計上いたしまして、その年度における公社の專売益金の一部として国庫に納付してあります。
    〔内藤(隆)委員長代理退席、委員
  長着席〕
○篠田委員長 他に御発言がなければ、これにて友藤証人に対する尋問は終了いたしました。証人には御苦労さまでした。
    ―――――――――――――
○篠田委員長 引続き山崎証人より証言を求めることにいたします。
 山崎利夫君ですね。
○山崎証人 そうであります。
○篠田委員長 ただいまより專売公社関係事件ついて証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になりておいていただきたいと思います。
 なお証人が公務員として知り得た事実が職務上の秘密に関するものでありときは、その旨を申出願いたいと思います。
 では法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。
 宣誓書を朗読してください。
    〔証人山崎利夫君朗読〕
   宣誓書
 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
○篠田委員長 それでは宣誓書に署名捺印を願います。
    〔証人宣誓書に署名捺印〕
○篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。
 証人の現職は何でありますか、またいつ現職に就任されましたか。
○山崎証人 私は大阪国税局調査第三課主査として従事しております。現在のポストにつきましたのは、昭和二十五年六月であります。
○篠田委員長 証人は昭和二十四年十月ごろ日本塩回送株式会社の経理内容及びその取引簿について調査したことがありますか。
○山崎証人 調査いたしました。
○篠田委員長 その調査の動機目的、内容、そういうものについて話してください。
○山崎証人 法人税法第十八條による申告書並びに同法第二十九條による更正決定書写し等によりまして、調査対象と認められるような法人を選択中、たまたま日本塩回送株式会社の昭和二十一年八月十日以降昭和二十四年七月三十一日に至る期間における総収入金額約二十億七千万円に対する利益金五千九百万円は、経営分析並びに当該法人の規模等にかんがみまして、利益が僅少であると考えられましたので、調査することとしたのであります。
○篠田委員長 証人が調査をされた当時における同社の経理事務の状況はどんなふうでありましだか。
○山崎証人 当該法人の主たる業務であります官有塩の回送取扱い数量は、年々増加の傾向にありまして、それにもかかわらず、従事員の数はこれに比例しないために、経理事務は澁滯しておつたように考えます。加うるに経理部長でありました川北龜太郎氏が、二十三年中ごろかと思いますが、その当時病床にあり、二十四年の二月ごろ死亡いたしましたので、本人が取扱つていました経理の事務はその間停頓状態にあつたと考えます。かかる状況にありました関係上、官有塩の回送に伴う運賃の精算事務が数箇月にわたつて遅延しておりました。なお二十三年十二月締結せられました運賃契約の改正に基く事務につきましても、精算事務が未了の状態にありました。その他の部分については大体において経理状態は明朗であつたように考えられます。
○篠田委員長 十一億七千万円かの預金はどうして発見したのですか。
○山崎証人 調査当時調査員が経理課長のメモから大体預金があるという資料を得まして、銀行調査をいたしたのであります。
○篠田委員長 経理課長のメモから発見したのであつて、帳簿、伝票その他から発見したのではないのですね。
○山崎証人 端緒はメモから発見したのであります。
○篠田委員長 結局調べてみたところがそれは帳簿に載つていましたか。
○山崎証人 その部分については帳簿に載つておりません。
○篠田委員長 伝票は……。
○山崎証人 伝票もありません。
○篠田委員長 どういう種類の預金にしてありましたか。
○山崎証人 ちよつとここに資料を持つておるのですが、取扱い銀行は主として千代田銀行神戸西支店並びに富士銀行神戸支店が主でありまして、その他数社の取扱い銀行があります。預金の種類といたしましては通知預金、普通預金、割増し定期預金、特別定期預金、組合預金といつたような、そのほかに当座預金もありますが、こういつた種類にわかれております。
○篠田委員長 金額は……。
○山崎証人 金額を種類別に申し上げますると、二十四年七月三十一日が私たちが調査対象といたしました期間の最終日でありますので、その現在にて申し上げたいと思います。通知預金で四億三千三百九十一万三千円、普通預金が一億一千九百六十一万五百六十一円、割増し定期預金が八千七百十九万四千円、特別定期預金が四億四千二百五十二万四千円、組合定期預金が四十九万五千円、当座預金が八百二十一万八千円、合計いたしまして十億九千百万円、そのほかに本勘定の預金が二千八百万円ということになつております。
○篠田委員長 それはその同社の預金簿には載つておらないわけですね。
○山崎証人 今申し上げました九億九千百万円については会社の帳簿には載つておりません。会社の帳簿と申しますのは、法人税法の申告書を提出した際に使用した帳簿に載つていないということであります。
○篠田委員長 別冊はありましたか。何か帳簿か……。
○山崎証人 別冊はありません。
○篠田委員長 そうすると結局何にも載つていないというわけですね。
○山崎証人 載つておりません。
○篠田委員長 そのほかに当時同社の利益金が他に流用されておるような事実はなかつたか、あるいはまた銀行預金を浮き貸ししておるというような事実はなかつたのですか。
○山崎証人 これはちよつと流用に入るかどうか疑問に考えられますが、傍系会社に対する運転資金の貸付が約五千万円程度あつたと思います。これはお尋ねの流用の点に入るか入らないか、ちよつと疑問に思います。それから銀行の浮き貸しの点につきましては、私たちの調査対象はあくまでも日本塩回送株式会社の銀行預金を対象といたしたのでありますから、銀行自身の浮き貸しという点につきましてはわかりません。
○篠田委員長 そうすると傍系会社に対して約五千万円の運転資金の融資をしておつた。それはこの預金とは別に融資をしておつたわけですね。
○山崎証人 約五千万円の金額は、先ほど申し上げました預金勘定から出ておる金額でありますから、先ほど申し上げました帳簿には載つておりません。
○篠田委員長 その当時の預金の中に会社の重役個人名とかあるいはまた偽名、そういうもので預金されたものはなかつたですか。これはだれの名前で預金してあつたのですか。
○山崎証人 重役名義の預金はなかつたと思つております。偽名についてはありました。
○篠田委員長 どういう偽名です。
○山崎証人 口数が非常に多いのでありまして、記憶にはありませんが、池岡慶三、竹村一義といつたような名義の預金があつたと思います。
○篠田委員長 それは全然架空な人ですか。
○山崎証人 架空だと思います。
○篠田委員長 それは会社にもそういうへはおらぬのですね。
○山崎証人 一部会社に実在する人があつたようにも記憶しておりますが、はつきりした記憶はありません。
○篠田委員長 総額何ぼくらいです。
○山崎証人 総額は今申し上げました十億九千百万円のほとんどであります。
○篠田委員長 ほとんどが偽名ですか。
○山崎証人 偽名で、このほかに無記名がありますから……。
○篠田委員長 無記名もあるけれども、その十億九千百万円が無記名を除けばほどんど偽名ですか。
○山崎証人 そういうことになります。一部日本塩回送株式会社経理部長川北龜太郎名義の預金もありました。
○篠田委員長 それはどのくらいありましたか。
○山崎証人 数字については記憶ありません。
○篠田委員長 証人は、会社が当時預金事務を銀行にまかせておつたか、そ、れともまた特別に会社から專従者を置いて、その預金の事務を扱つておつたか、どつちですか。
○山崎証人 銀行にまかせていたように考えられます。
○篠田委員長 それで調査の結果、多額の預金が、ことに十億何千万円という預金が偽名で預けられておるということがわかつて、その処置をどういうふうにしましたか。
○山崎証人 專売公社を調査いたしました関係上、これらの預金について專売公社に返納することとなつたのであります。
○篠田委員長 最後は収納することになつたけれども、預金を発見したとき返納までの手続はどういうふうにしましたか。
○山崎証人 調査のときにおきまして、專売公社と日本塩回送株式会社の運賃契約に関する覚書條項に調整するという字句があつたのでありまして、これらにつきまして疑問を抱きましたので、專売公社の意見を求めた結果、これらの預金を返納することになつたのであります。
○篠田委員長 利益金が帳簿の上に載つておるならば調整ということもあるけれども、伝票もなく正当な名義でもなく、偽名を用いて十億何千万円というものを預金しておるということについて、あなたの方では、脱税の疑いは持たなかつたのですか。
○山崎証人 調査の途中におきまして、今申し上げた預金等を発見した当時におきましては、一応脱税しておるようにも考えられたのでありますが、先ほど申し述べました通り、專売公社の運賃の契約に関する覚書條項につきまして調査いたしました結果、これは專売公社に返納すべきであるということになりましたので、税法上の利益はなくなつてしまつたことになるのであります。
○篠田委員長 結論はそうだけれども、動機はどうです。それを隠そうとした意思があつたかなかつたかということに対するあなた方の判断はどうなんですか。結論を聞いているのではないのです。あなたの言うのは結果なんです。話合いの結果調整したのだけれども、そうではなくしてこの十億何千万円という利益金を、塩回送会社は初めから調整する目的でやつておつたか、あるいはこれを隠そうという考え方でやつておつたか、そのときあなたはどういう判断をしておりましたか。
○山崎証人 それは日本塩回送株式会社が運賃を隠したのか、あるいは税法上の利益を隠したのかという問題になるかと思いますが、税法上から申し上げますと、結果的には課税上の利益がなくなつたことでありますから、專売公社に対する返納金を隠匿したということになるのじやないかというように思われます。
○篠田委員長 結果においては返したのだが、結論としては、專売公社に返すべきものを初めから隠匿しておつた、こういうふうに考えられるわけですね。
○山崎証人 そういうわけであります。
○篠田委員長 そうすると脱税の問題はそこで起らなかつたのですか。
○山崎証人 そうであります。
○篠田委員長 しかし途中じや起つたのではないですか。
○山崎証人 脱税は未遂がありませんので、そういうことは考えられないと思います。
○篠田委員長 最後にはそうだけれども、最初は利益金を隠したのじやないですか。返納金を隠したというのは、後になつて返納したから返納金であるけれども、最初隠したのは利益金じやないのですか。
○山崎証人 私どもの方から申し上げますと、あくまで事業年度の利益を対象にして、その期末における利益金に課税するのでありますから、中途でいかなる変化がありましても、最後の期末で押えるわけであります。
○篠田委員長 そうするとこの十億何千万円というのは、一会計年度のうちに起きたのですか、二会計年度に起きたのですか、あるいは数会計年度に起きたのですか。
○山崎証人 数事業年度にわたつております。
○篠田委員長 そうしたらそういうことは言えないじやないですか。数事業年度にわたつておるとすれば、その事業年度において税金も納めていない。調整もされていないという結果が何年か続いて来て、君にそれを発見されたのじやないですか。
○山崎証人 そういうことになつておます。專売公社の方におかれましては、先ほど申し上げました通り、運賃に関する契約の覚書がありまして、それによつて運賃を調整するという……。
○篠田委員長 調整することはわかつておるけれども、何年間か調整されていなかつたのじやないですか。
○山崎証人 それは專売公社の方から調整せられなかつたと思いますが、税法上は一応利益は出たのでありますが、これを返納することになつてしまうと、課税上の利益はなくなつてしまうわけでありますから、私たちの税法上の考え方からいたしますと利益がないことになります。
○篠田委員長 何年前のことでも発見されたときに納めれば、それは税法上の脱税はないとあなたは解釈しておる。普通の商社の場合ならばどうですか。たとえば昭和二十五年度なら二十五年度の利益金が、かりに十一億隠されておつた。その年度内にそれを発見してあなた方がそれを返させた、あるいは税金を納めさせた場合は脱税でないでしよう。但し去年、一昨年とずつとあつた場合にはそれは脱税じやないですか。
○山崎証人 公社の方は過去にさかのぼつて返納をさせられることになりました関係上……。
○篠田委員長 公社はそうであるけれども、会社の経理状態はどうなんですか。
○山崎証人 具体的に申し上げますと、銀行預金が十万円抜けておりまして、反対に專売公社に対する支払い勘定が十万円ありますならば、当然そこに損益は起らないと思います。
○篠田委員長 そうじやないのです。その十一億の金というものは、何年間か專売公社と調整すべき金を帳簿上から隠して積んでおいたものでしよう。
○山崎証人 そうであります。
○篠田委員長 そうすると、その年度年度の利益金が積まれておつて、たまたま相手が役所だから何年かの後に調整したのであつて、普通の会社ならどうなりますか。
○山崎証人 普通の会社のことはちよつと答弁はできにくいかと思いますが……。
○篠田委員長 普通の会社です。塩回送会社をあなたは特別の会社だと思つておるのですか。
○山崎証人 そうではありません。塩回送会社は專売公社と過去数事業年度にさかのぼつて調整するという考え方でありますから、利益金は起きていないのであります。
○篠田委員長 專売公社としてはそうですけれども、しかし会社独自のやつていたことは、あなた方税務官吏として見た場合どうですか。
○山崎証人 さかのぼつて調整して、運賃を返納させる以上は紛議は起らないと思います。
○篠田委員長 それは、会社がさかのぼつて税金を納めた場合は脱税という問題は起らない――そういう官僚的な考え方はないだろう。普通の民間の会社であれば、昨年度利益金を隠して銀行預金その他をしたということが翌年度発見されたら脱税だ。しかるに專売公社との契約があるからそれを調整さした、言いかえれば官庁が公共企業体の中に介在したためにそれが脱税でないという理論はどこから出て来るか。
○山崎証人 そういうのじやありませんので、結局受取つた金額が返納金という考え方であるから、損益が起らないというわけになる。
○篠田委員長 返納金であるか、利益金であるかという解釈の問題になるね。
○山崎証人 調査いたしました結果、返納金となつた以上は課税の対象にならないと思います。
○篠田委員長 調査した結果返納金となつた……。
○山崎証人 はい。先ほど申し上げました通り、銀行預金等を発見した当時においては、脱税しているじやないかということに認識を深めたのでありますが、その後專売公社を調査いたしました結果は、それはさかのぼつて返還するのだということたなつたのでありまするから、利益はないわけであります。
○篠田委員長 そんなことはないだろう。利益がなければ預金はできないはずだ。現実の問題として利益があつたから預金をしておつた、利益がなければ預金はできない
○山崎証人 先ほど申し上げましたように、銀行預金十万円が抜けておりましても……。
○篠田委員長 もし君、発見されなかつたとしたらどうする、返さないだろう。おそらく会社は公社の返納金をごまかしたろう。返納金であるから脱税の対象にならない。しかし返納金というものは明らかに会社の利益金である。経理上利益が上つた、ただ返納金というものを調整するということであつて、その額はあとで調整するときにきまるものであつて、返納金というものは公社と会社が調整し合つて初めて十一億の中から何ぼが返納金であるかということになるものであつて、預金全部が返納金ではありませんよ。そうでしよう。預金の中には返納される部面もあるし、利益になる部面もあるはずである。それが隠されておるからそれを全部返納金であるという解釈はどこから成り立つ。現実に返納したから返納金であるというならば、普通の民間会社でそれが発見されたときに、税金で納めたら脱税という問題は起らないじやないか。相手が公社であるから返納金で治まる一相手が普通の会社で公社でなかつたらどういう問題が起る、脱税じやないか。
○山崎証人 さかのぼつて返納する以上は脱税にならないと思いますが……。
○篠田委員長 それでは聞くけれども返納金は、全部が返納金だというのかね。
○山崎証人 全部であります。
○篠田委員長 そんなことはないだろう。その中かち四千六百万円とか……。
○山崎証人 それは申告上利益に計上されて、税法上の申告がなされておりますから……。
○篠田委員長 そのとき四千六百万円は税法上の申告をして税金を課した……。
○山崎証人 税金払つております。
○篠田委員長 この問題が発見された後において、その四千六百万円を利益金として書いたわけじやない……。
○山崎証人 そうでありません。先ほど申し上げました通りに、二十一年の八月十日以後二十四年の七月三十一日までの期間における申告利益が五千九百万円あります。
○篠田委員長 そうするとその五千九百万円の利益は預金してなかつた……。
○山崎証人 それは預金になつている場合もありましようし、売掛金の場合もありましよう。
○篠田委員長 それでは十一億の預金と五千九百万円の預金についての関連性は……。
○山崎証人 それは関連性はありません。
○篠田委員長 そうすると、これが税法上脱税でないということをきめたのは、たれとたれでしよう。それは大蔵省の国税庁関係と相談の結果きめたか、あなたがまさか一人できめたわけじやないでしよう。
○山崎証人 それは局といたしまして組織がありますから……。
○篠田委員長 どういう組織です。
○山崎証人 課長、部長、局長。
○篠田委員長 それから。
○山崎証人 それだけであります。
○篠田委員長 局長と部長と課長と三人で相談すればそういう問題は全部きまるね。
○山崎証人 私も参加しております。
○篠田委員長 もちろんあなたは発見者なんだから入つているでしよう。その四人で……。
○山崎証人 そうです。
○篠田委員長 ほかのそういうような場合は、発見すると課長、部長、局長できめるね。
○山崎証人 大体下の意向は私が聞く、私の意向は課長にお伝えする。課長は部長にお伝えし、部長は局長にお伝えしてきまるのです。
○篠田委員長 それは会議を開いたのですか、書面で伝達したのですか。
○山崎証人 会議は開いたこともあると思います。
○篠田委員長 あなたが参加して……。
○山崎証人 ええ。
○篠田委員長 会議を開く以上はそこに疑問があつたわけですな。
○山崎証人 專売公社に対する返還金に対して疑問があつた、調整するということに……。
○篠田委員長 返還金であるか脱税であるかということに疑問があつた……。
○山崎証人 そういうわけです。
○篠田委員長 ところが返還してしまつたから結局において脱税ではないということにきまつた。
○山崎証人 そうであります。
○篠田委員長 だからそれは結果論であつて、脱税には見ていないとあなたは言うわけなんだが、あなたの方は年度がかわつているが、調整金を黙つて隠しておつた、こういうふうに解釈しても、あくまでもそういう解釈に立つている……。
○山崎証人 そういうことであります。
○篠田委員長 他に御質問ありませんか。
        ―――――
他に御発言がなければこれにて山崎証人に……。
○大泉委員 証人にお伺いしますが、この塩回送会社の申告された計算書というものはいつ出されて、いつ調査においでになられたか。
○山崎証人 大体私たちの調査対象といたします期間は、先ほども申し述べられました通り二十一年八月十日以後、二十四年七月三十一日までの期間を対象としたのであります。この間の事業年度は二十二年七月三十一日と二十三年一月三十一日、二十三年七月三十一日、二十四年一月三十一日、二十四年七月三十一日と事業年度数が五つあるわけであります。税法に基きまして事業年度末終了後二箇月以内に法人税法第十八條による申告書を提出することになつております。それで二十二年七月三十一日の事業年度分に対する申告は二十二年九月三十日に提出されております。それから二十三年一月三十一日に終了する事業年度分に対する申告書は二十三年三月二十三日に提出されております。二十三年七月三十一日に終了する事業年度分の申告書は二十三年九月十二百に提出されております。なお二十四年一月三十一日に終了する事業年度分の申告書は二十四年四月一日に提出されております。最後の二十四年七月三十一日に終了する事業年度分の申告書は二十四年九月三十日に提出されております。
○大泉委員 申告されたのを調査に行かれたのは、最終のものに行かれた、その申告書によつて行われたというのですが、しかしその申告書の内容に対しては、やはり支出経費の面において調整金というものは費目にはなかつたのですか、それを伺いたい。
○山崎証人 調整金があるかないかということは、決算書を見ましただけではわかりません。
○大泉委員 しかしそれは総収入から総支出ということで、あるいは利益金の中に利益を繰入れなければ調整金として項目がなければならぬわけであるが……。
○山崎証人 ただいま御質問になりました調整金の意味が一先ほど申し上げました十億九千何百万といつた預金に対するものを調整したのでありまして、当初提出いたされました申告書には調整勘定という記載がなかつたのであります。
○大泉委員 そういう記載のなかつたものは、いわゆるこの帳簿にも預金の記入がない。それで国税局で勝手に調整金と見ているというのはどういうことでしようか。
○山崎証人 調整金という言葉は、專売公社と日本塩回送株式会社との間において締結せられました官有塩の回送事務に関する運賃の契約に基いて定められた條項にあるわけであります。
○大泉委員 それはあとで結果においてあなたの方で判断せられたのであつて、事前にそういう種目が明瞭になつていなければならないはずじやないですか。何を根拠としてあなたの方で調整金と決定されたかということを私は聞きたいわけです。
○山崎証人 先ほど申し上げました調整金のことにつきましては、專売公社がその衝に当つておられるわけでありますから、專売公社の御意見に従つて返納すべきだということが確定したのでありまして。そこに調整金勘定が起つたのであります。
○大泉委員 これは私どもの方の推測でありまするが、專売公社からこれは利益金に計算されていたと事前に認定されるとたいへんだから、こうじてやつてもらつた方がよろしいという相談の結果、会社と三者会議の上でこういうふうになされたのではないですか。
○山崎証人 今三者が協同になつて調整金をきめられたのじやないかという御質問の趣旨のようでありまするが、私の方はそういう妥協的な考え方ではありません。あくまでも調査段階におきまして調整をするという事柄につきまして、專売公社を調査いたしました関係上、そういう金額を調整すべきであるという條項に基いての專売公社の決定金額に従つたわけであります。
○大泉委員 それでは別の立場において伺いますが、重役の個人支出に対して適当と思いますか。また交際費等に対してはどういうお考えか。
○山崎証人 先ほど経理事務の処理につきまして申し上げたのでありますが、その際後段に申し上げました中に今御質問になつたものが属すると思いますが、重役に対する交際費等に対しては適当と考えられたのであります。
○篠田委員長 他に御発言がなければこれにて山崎証人に対する尋問は終了いたしました。証人には御苦労きまでした。
    ―――――――――――――
○篠田委員長 引続き矢頭証人より証言を求めることにいたします。
 矢頭正藏君ですね。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 ただいまより日本專売公社関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年。以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。
 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。
 宣誓書の御朗読を願います。
    〔証人矢頭正藏君朗読〕
   宣誓書
 良心に従つて、真実を述べ何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
○篠田委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。
    〔証人宣誓書に署名捺印〕
○篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。
 証人の略歴について述べてください。
○矢頭証人 大正十五年六月日本塩回送株式会社入社。赤穂、尾道、宇野支店勤務。昭和十二年七月応召。昭和十七年九月帰還、本社調査課勤務。昭和二十二年八月経理課長心得。昭和二十三年十二月経理課長。昭和二十五年六月大阪支店長、それで現在になります。
○篠田委員長 証人が日本塩回送会社の経理課長当時の経理課の事務分掌並びに職員数について述べてください。
○矢頭証人 経理課は私のほかに男子が一名、女子が一名であります。
○篠田委員長 男子一名と女子一名でこれだけの経理をやつていたのですか。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 十一億何千万円の経理をするような……。
○矢頭証人 それは経理部というのがありまして、経理部の中に経理課と調査課というものがあります。
○篠田委員長 経理課というのは金の取扱い、あるいは帳簿の記載、みなやるのでしよう。
○矢頭証人 そうであります。
○篠田委員長 それが男一名、女一名……。
○矢頭証人 私のほかにです。
○篠田委員長 あなたは監督者ですね。実際の帳簿をつけているのは男一名と女一名ですか、伝票も何も全部入れて……。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 それはどういうわけですか。それであなたは経理課長としての事務が十分にやれましたか。
○矢頭証人 できませんでした。
○篠田委員長 どういうわけで人数をふやさない。重役に対して経理課の人数をふやすということについて、希望か要求をしたことがありますか。
○矢頭証人 あります。ありますがその時分は集排とか、特経会社とか、いろいろ制限を受けておりましたので、それが解ければ増員をしていただける……。
○篠田委員長 特経会社とかそういうことでいろいろ制限されておつたから人数は少かつた……。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 いつ解けましたか。
○矢頭証人 解けましたのは昭和二十四年の十二月九日だつたと思います。
○篠田委員長 それから人数はどのくらいになりましたか。
○矢頭証人 現在のところははつきり知りませんが、経理課が十人以上おるように思います。それから調査課も十人くらいおります。
○篠田委員長 昭和二十四年六月ごろから、日本塩回送会社の経理の内容について、專売公社並びに大阪国税局から調査を受けたことがありますか。
○矢頭証人 あります。
○篠田委員長 その当時の状態、概要を述べてください。
○矢頭証人 專売公社は、たしか二十四年の八月と十月に来られました。そのときは、專売公社は、二十三年度からの運賃の契約を、二十四年度も引続き踏襲してやつておりましたが……。
○篠田委員長 專売公社から来たのは二十四年の何月ですか。
○矢頭証人 八月と十月であります。專売公社が御調査になつたのは、おもに二十三年度の運賃を二十四年度も引続き同じでやつていたが、そのとき市場の運賃が大分かわつて来ましたから、今後はどのくらいでやれるかということを御調査になられたようであります。
○篠田委員長 運賃が下つたからあとの問題はどのくらいでやれるかということを調査して、前の運賃が下つたことによる差益金というか、その問題については調査しなかつたのか。
○矢頭証人 いや、それも、請求書とか、運賃の収支を計算する回送塩整理票カードが私の方にありますから、そういうものも見られたようです。
○篠田委員長 そうすると先ほど来、調査の衝に当つた公社の需給課長の友藤哲夫君、それからその後にこの十一億何ぼの預金を発見された大阪国税局の山崎利夫君が、二人とも口をそろえて言つておることは、伝票もなかつたし、帳簿もきわめて未整理のままであつた、非常に会計が紊乱しておつたというような証言をしておるのだが、あなたはその当時の会計の責任者ですね。
○矢頭証人 そうであります。
○篠田委員長 どうしてそんなに、伝票もないし、帳簿もないようにしておられたのですか。
○矢頭証人 なかつたのじやありません。できなかつたのです。二十二年、三年、四年ごろは、運賃の変動が非常にはなはだしかつたのですが、私の方と專売公社との契約は年一回ということになつていまして、その当時は年に二回も三回も運賃の更改をやつていましたので、その後契約ができるのが早くても三月、四月、おそいのになりますと半年以上遅れて契約ができる。それからその契約ができてから、私の方に下請会社知、積地七十箇所、着地四百箇所、約五百箇所ありますが、その実際の代理店とまた、そこに対する支払いを契約していた。
○篠田委員長 しかし契約する方は違うでしよう。あなたの方の係じやないでしよう。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 そこであなたの方は帳面をつけることができない。やらないのじやない、できなかつたんだ。なるほどこれだけの利益を上げた会社が二人も、会計の帳簿をずさんにしておいていいということは私はないと思う。
○矢頭証人 申訳ありません。
○篠田委員長 それからもう一つ、税金は、山崎証人の証言によると、利益金はちやんと国税庁に申告してある。そうすると帳簿も伝票もろくにつけることができないのに、どうして利益金だけを国税庁に申告できたかということになるのだが、帳面も伝票もなくて、会計事務も十分にやることができないのに、利益金だけ国税庁に申告したというのはどういうことです。
○矢頭証人 それは詳しく述べませんとわかりませんが、とにかく公社から金が入るのが契約の関係でうんと遅れておる。その遅れたのを払うのがそれ以上に遅れます。その遅れたものを支払つて初めて利益がわかることになりますが、わかりまして整理のできた分は帳簿に載せていたわけであります。それで前々契約ができませんけれども、下請に対しては仮払いしておきますが、そういうのは利益も何もわからずに仮払いしたまま整理するひまがなかつた。整理のできた分が利益として申告してあるわけであります。
○篠田委員長 しかし、十一億何千万円かの預金をあなたがしたわけなんだが、そのときにはすでに專売公社から金を受取つて払つて、そうして余つた金だから預金したのじやないの、そういうことになるでしよう。ない金は預金できないのだから。
○矢頭証人 それは結果から見ればそういうようになりますけれども、そのときには支払いが遅れていたから預金もできたわけであります。
○篠田委員長 そうすると、あなたの証言によると、公社から金は来たけれども、支払いが遅れたからとりあえず預金にしておいて、その預金から下請に払う、こういうように聞こえる。
○矢頭証人 そうです。
○篠田委員長 それならば、なせ会社の正当な名前で預金せずに、偽名を使つて預金したのです。
○矢頭証人 それは、うちの会社が非常に金の出入りが多いというのは、神戸の銀行間に知れわたつていて、毎日銀行から取引してくれといつて、どこかの銀行が来てすわり込んで動かぬものですから、なるべくわからないようにしてくれと向うに頼んだのです。
○篠田委員長 それはおもしろい話だ。銀行が来てすわり込んでうるさくてしようがないので、会社の金があまりたくさんあるというふうに見せてはいけないから、偽名で預金したわけか、そうなつたら今度は銀行はまた偽名のところへ行くんじやないのかね。偽名で預金したつて、銀行は、通知も受取りもよこすだろうし、利子の勘定も通知するだろうし、住所、氏名がわかつておらなければ銀行の事務はできないので、結局あなたのところで偽名で預金していることは銀行でわかつているんじやないか。そのくらいのことでだまされて、ほかの銀行は来なくなつたかね。
○矢頭証人 いや、やつぱり来ました。(笑声)
○篠田委員長 それじや話にならぬじやないか。そういう子供つぽい話をしてもしよりがない。
 それじや、もう一ぺん聞ますが、あなたの話だと、公社から受取つた金が帳簿上整理ができない、しかし現金で置くわけには行かないから、とりあえず銀行へ預金をして、その中から下請に金を払うために預金したというならば、発見されるまでの間に三月や四月じやない、だんだん積み重ねて行つた預金が十一億何ぼになつている。そこから幾らかでも払いもどしをして、下請に払つたことはありますか。
○矢頭証人 送金は、毎日多いときは二、三千万円もありますし、少いときでも何十万、何百万毎日送金していて、そればつかりかかり切りだつた。
○篠田委員長 そうすると、あなたの会社の名前で正当に預金したものは何ぼありますか。
○矢頭証人 それもしかられるかもしれませんが、銀行が長年の取引ですから、普通私の方に毎日どれくらい入るということをほぼ知つていますから、当座の残は二千万円なり三千万円なり残して、あとは利息のつく預金に振りかえてくれておつたわけです。
○篠田委員長 銀行がうるさいから偽名で預金したというのは、どうもおとぎ話か何かならいいが、国会における証言としてはちよつと受取れないのだが……。
○矢頭証人 それでも、そのつもりでしたんです。(笑声)
○篠田委員長 それはだれの命令でやりました。
○矢頭証人 だれの命令でもありません。
    〔「そう答えろと言われて来たんじやないか。」と呼ぶ者あり〕
○矢頭証人 そうではありません。
○篠田委員長 十一億円という金を、たつた部下二人しか持つておらない経理課長が、自分の意思で自由に預金できるのかね。
○矢頭証人 いや、その時分は重役の方はほとんど上京しておられまして、たまに帰られても、経理の方はあまりかまつてくれなかつたんです。
○篠田委員長 何年間……。これはただ一年じやないでしよう。
○矢頭証人 預金がたまつたのは…。
○篠田委員長 昭和二十三年の下半期から二十四年の上半期で一番たくさんだまつているんでしよう。そうすると少くとも一年間あるじやないか、一年間の間に、重役が何人おるか知らぬが、全部上京して、経理のことは全然見ないのか。
○矢頭証人 見ないことはありませんが……。
○篠田委員長 それとも、トンネル会社だから、見なくても済むというわけかね。
○矢頭証人 いや、そんなことはありませんが、あまりかまつてくれなかつた。
○篠田委員長 そうすると、あなたが非常に正直であつたから、十一億の金をあなたが自由に預金したけれども、あなたがもし不正直者だつたら、そのうち十億ぐらいごまかすことができるということになるが……。
○矢頭証人 まあしかし正直だと信用してくれたからやらしてくれたんだと思います。(笑声)
○篠田委員長 なるほど、絶対にごまかさぬ……。そうすると、あなたが正直だから、重役は帳簿も何も見ないでまかしてくれたというんだが、その正直な人間が、ただ銀行がうるさいというだけのことで、偽名を使つたりなどして会社の帳簿に載せなかつたということは、これは正直かね、正直でないかね。経理課長としての良心から、そういうことははたして正直な経理課長のやるべきことであるか、ないか。
○矢頭証人 申訳ありません。
○篠田委員長 重役個人としてはあなたが正直だと思つたかもしれませんが、社会的に見て、そういうことが正直であるかないか、やはり正直でなかつたということになるね。
○矢頭証人 申訳ありません。
○篠田委員長 それで、さつきいろいろ証言された中にも、通知預金だとか定期預金だとか当座預金だとか無記名預金だとか、いろいろな預金がたくさんの種類にわかれて預金してあるのですが、それもやはりあなた個人の考えでされたのか。重役からそういう指示を受けてやられたのか、どつちですか。
○矢頭証人 それは個人の考えです。
○篠田委員長 どういうわけでそんなたくさんの種類にわけたか。利子が稼ぎたいというなら、一番利子のたくさんつくのに預けたらよさそうなのに、どうしてそういう幾種類にもわけたかね。係が二人しかなくて手数がなく、しかも非常に繁雑だ。その中の利子のたくさんつくところに、一箇所にまとめてぽんと入れたらよさそうなのに、幾つにもわけて、そういう少い人数で手数のかかる預金をなぜしたか。
○矢頭証人 そういうふうにした方が目立たないと思つてやりました。
○篠田委員長 目立たないというのは、どこに……。
○矢頭証人 他の銀行に……。
○篠田委員長 そんなにうるさいのなら方々にわけてやればいいのに、どういうわけで千代田銀行なら千代田銀行だけに、そういう預金をしなければならないのか。何か千代田銀行と特殊な関係があつたから……。
○矢頭証人 いや、千代田と富士と両方です。
○篠田委員長 千代田と富士と特殊の関係があつたからかね。
○矢頭証人 ありませんけれども、三十年来の取引です。
○篠田委員長 そうすると、千代田と富士とは三十年来取引しているから、よその銀行に預金をしないという考え方ですか。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 その考え方は伝統的な、歴史的な考え方ですか。それをあなたが守つただけのことですか。それともあなたもそう思つてやつておつたのか、どつちですか。
○矢頭証人 ちよつとわかりませんが……。
○篠田委員長 三十年来歴史的にそこばかり取引しておるから、あなたがその伝統を重んじてそうしておつたのか、あるいはあなた独自の判断でそうしておつたのか、どつちですか。独自の判断で、それ以外に取引する必要がないと思つてやつたのか、どつちですか。ただ習慣に従つて取引をしておつただけですか。
○矢頭証人 そうであります。
○篠田委員長 それであなたの方では、大阪の国税局から発見されるまで、その預金を隠しておつたわけだ。公社から課長が来ても見せなかつた。そういうことは言わなかつたのですか。
○矢頭証人 別に預金のことは何も……。
○篠田委員長 聞かないから言わないのかね。
○矢頭証人 はい。それに帳簿に預金があつたということは、もうわからないのです。
○篠田委員長 だれに。
○矢頭証人 私に。
○篠田委員長 この十一億の預金は君も知らなかつたのかね。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 そうすると、だれがしたのです。
○矢頭証人 とにかく発地の支店なり出張所なりで金をもらつたら、それをまとめて、本社の当座へ全部振り込んで来る。
○篠田委員長 あなたの方では本社は神戸なんですか。
○矢頭証人 神戸です。
○篠田委員長 だけれども、当座へ地方から振り込んで来たものが集まつて十一億になつたのか。そうじやないだろう。あなたはいろいろ区分して預けているというのに、そんなに地方のあなたのところの支店が偽名を使つたり、いろいろなことをして送つて来るわけはないじやないか。本社の当座に送つて来たものを、あなたの方でわけて預金したのじやないか。
○矢頭証人 本社の支店なり出張所から……。
○篠田委員長 あなたはそれを知らぬというのかね。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 ちよつと、あなたはそういうことを言うと、さつき宣誓したんだから大問題が起るんだが、さつき山崎という国税局の調査第三課の主査は、伝票もなかつたし、帳簿にもなかつたが、経理課長のメモからこれを発見したと言つた。あなたはメモを持つているんじやないか。あなたのメモから発見したということを、さつきの国税局の係官がちやんとここで証言している。それをあなたが知らぬと言うと偽証になるのだが。
○矢頭証人 ほんとうに現在高というのは調べてみもしませんし、とにかく日常の伝票と送金とにかかり切りだつたんです。
○篠田委員長 君は預金も知らぬのか。
○矢頭証人 預金は支店なり出張所からもらつたやつをどんどん本社の取引銀行宛振り込んで来る。それを日常の運転資金だけ残したやつは利息のつく方へ振りかえてもらつておつた。
○篠田委員長 銀行が振りかえておるわけか。
○矢頭証人 それはこちらから……。
○篠田委員長 さしずをしなければ振りかえないだろう。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 だからさしずをしたのはあなたでしよう。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 それじや銀行預金があつたことを知つているじやないか。
○矢頭証人 はい。それがそういうようにいろいろにわけてもらつておるものですから、どれくらいあるかということは、はつきりは……。
○篠田委員長 それで一番おかしいのは、とにかく十一億の会社が三百万円の預金を忘れておつたのなら話がわかるのだが、三百万円の会社が十一億の預金を忘れておるということは常識上あり得ないのだからね。
○矢頭証人 今からそう言われますと非常に申訳ないのですけれども、そのときはほんとうに毎日来る伝票と送金ばかりに力を入れて、それだけでもたまりがちだつたんです。
○篠田委員長 安心して、預金の方はだまつておつぽつておけば、いつでもたまつて行くから、そつちの方へは頭を使わないで、伝票と送金だけをやつておつたということだな。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 そうすると、あなたの言うことは、隠そうという意思がなくて隠していたというふうにとれるんだが、隠そうとする意思は全然なかつた
○矢頭証人 それはありません。
○篠田委員長 それじやなぜ調べに来たときに言わなかつたか。專売公社から課長が来たときになぜ言わなかつた。そのときは忘れていたのですか。
○矢頭証人 別に銀行預金のことについても……。
○篠田委員長 経理の調査に来て利益が何ぼあつた。前年度はこれだけの單価でもつて契約したのだ。ところが実際において市場の価格が下つておるから、ことしはもつと安くできないかといつて来たんでしよう。そうすれば、市場の單価が下つて安くできないかという限りにおいては、去年幾らもうけておるかということが根拠にならなければ安くしろということにはならないのじやないか。
○矢頭証人 それがそう言われますけれども、もう何千件数という未整理で、仮払いをして利益を出してないやつもあるのですから、十日や二十日来られても、とても調査はできなかつたのです。
○篠田委員長 何千件という未整理がそのまま銀行預金になつておつた。だから全部払つて銀行の帳簿の整理をしなければわからぬというのだな。それは二十四年のことでしよう。臨時に計理士を雇つたつていいじやないか。やろうという意思がなかつたんじやないか。
○矢頭証人 そうじやありません。特契会社が解けて、強化してもらつて、何とかかたをつけるという気持はあつたのですが、それまでにそういうように来られてしまつたのです、
○篠田委員長 この利益金の中から預金以外の方法で、何か貸付であるとか、あるいは何か資産に残すとかいう方法で処分したことはありますか。
○矢頭証人 それは別に私の……。
○篠田委員長 あなたのときはやらなかつたのですか。
○矢頭証人 私のときは……。
○篠田委員長 さつきの証言では、何か運転資金として五千万円くらい貸している。第一商事株式会社外十八会社に対して約一億円くらい投資しておるというんだが……。
○矢頭証人 それは出ております。
○篠田委員長 それはあなたのときに出したのか。
○矢頭証人 私のときにもありましたし、前の経理部長さんは二十四年二月ごろになくなられたのだろうと思います。それまでにも出ていたと思います。
○篠田委員長 それは戻つて来ておるの、戻つて来ていないの。
○矢頭証人 現在のところは私は知りません。
○篠田委員長 現在はそれが経理部長か。
○矢頭証人 山田常務取締役。
○篠田委員長 それじやあなたが会計課長のときの経理部長はだれですか。
○矢頭証人 川北龜太郎。
○篠田委員長 それはそのときの常務ですか。
○矢頭証人 違います。経理部長です。
○篠田委員長 経理部長で重役だつたね。
○矢頭証人 違います。
○篠田委員長 最近経理部長を重役にかえたのだね。
○矢頭証人 そうであります。
○篠田委員長 この問題が起つてからかえたの。この人は今何をやつておるのですか。
○矢頭証人 川北さんはなくなられました。なくなられて欠員のままで……。
○篠田委員長 欠員のままであなたが一人で扱つていたわけだね。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 川北さんという人は、すつと病気をして、実際の経理は見なかつたわけですね。
○矢頭証人 そうです。一年くらい病気をしておられたのです。
○篠田委員長 それで経理担当の重役はだれだつたのですかね。経理部長の病気中……。
○矢頭証人 常務取締役吉田勘三。
○篠田委員長 この吉田という人は、その責任をとつてやめたといつておるが、現在は塩回送会社の株式会社の共立産業の取締役をやつておるわけですね。
○矢頭証人 それは聞きませんが。
○篠田委員長 あなたは知らない。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 あなたはこの事件で、そういう経理上の不始末というか、非常に紊乱というか、あるいは不行き届きというか、そういうような関係で幹部重役なんかから責任を追究されたというようなことはありませんか。今までに重役がやめるようなことが、あなたの経理課長時代に起つた。それで重役が三人やめた。実際やめておらぬかもしれぬが、やめたかつこうになつておる。あなた自身に対してはどうですか。
○矢頭証人 私は大阪支店にかわらされました。
○篠田委員長 大阪支店長というのは、経理課長よりも栄転ではないか。
○矢頭証人 そんなことはありません。大阪は塩の生産地でも何でもありませんし、支店の中でも小さい支店です。本社の課長から支店長では、栄転ではありません。
○篠田委員長 あなたは塩回送会社の株を三千七十株持つておるということだね。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 それはどうしてもらつた、どういうときにもらつたのですか。
○矢頭証人 それは増資々々でふえて打つたのです。
○篠田委員長 何年かのうちに割当ててもらつたのですか。
○矢頭証人 はい。
○篠田委員長 この事件で、特に論功行賞でもらつたなんということはないのか。
○矢頭証人 違います。まだ会社に借りがあります。
○篠田委員長 どなたか質問がありませんか。
○内藤(隆)委員 証人は友藤哲夫という人を知つておりますか。
○矢頭証人 知つております。
○内藤(隆)委員 この人と最近会いましたか。
○矢頭証人 会いません。
○内藤(隆)委員 それでいいですか。
○矢頭証人 はあ。
○内藤(隆)委員 さいぜん友藤君はあなたと会つておるということを証言しておる。
○矢頭証人 長い間関係ありませんから会うことはないです。もう需給課とは関係がないから……
○内藤(隆)委員 おかしい。そうすると、どつちか偽証しておることになる。きのう会つておるということを言つた。
○矢頭証人 そういう意味で言われたのでしたら……。
○内藤(隆)委員 それじやどういう意味ですか。
○矢頭証人 仕事の関係で何か……。
○内藤(隆)委員 だから、あなたに対する尋問はまず、こういう人を知つておるかと言つたら、あなたは知つておると言つておる。しからばいつ会つたか。会つたことはありませんとりつぱに言つた。
○矢頭証人 それは言い違いました。
○内藤(隆)委員 言い違いじやここでは通りませんよ。こういう重大な問題に対して、言い違いでは通りません。これはまつたく友藤と証人の矢頭君、つまり君とが、昨日当委員会に出頭する前に、答弁その他をすべて打合せておつたのだろう。だから、打合せておつた証拠だから、ただいまここで、会つたかと言つたら会わないと言う。偽証するのだろう。
○矢頭証人 そうじやありません。会つたかと言われたのは、仕事の関係で言われたのかと思いましたから、仕事は友藤さんとは離れておりますから、私の方の会社と関係がありませんから、それで会つてないと申し上げたのですが……。
○内藤(隆)委員 それじや、きのう会つたのは何の用件ですか。
○矢頭証人 その当時の状況を私も忘れておりますし……。
○内藤(隆)委員 そうすると、やはり仕事の関係で会つているのじやないか。
○矢頭証人 そうです。
○内藤(隆)委員 それを仕事の関係でないと言う。一体どういう意味か。要するに当委員会に出頭する前に、あなた方はグルになつて協議をしておるということは明らかである。
○矢頭証人 そんなことはないです。どんなことを聞かれるかわからないですから、その当時の状況をどうやつたか聞いてみただけです。
○内藤(隆)委員 だから要するに、こういう問題をつかれた場合にはどう答弁しようという打合せぐらいしておることは、常識で判断できる。それ以外に何のために会う理由があるか。
○矢頭証人 やはりその当時の状況をよく思い起しておかないといけませんから。
○内藤(隆)委員 あなたの先ほどの答弁を聞いておると、どこの出身であるかわかりませんが、まことにどうも奇怪しごくな答弁をしておる。ここで一つわかつたことは、会わないと称しながら、実はきのう会つたという明瞭なる一つの事実が出て来ておる。それからもう一つ。さいぜん山崎証人は、証人のメモによつてこれを発見したときつぱり言つておる。しかるにあなたの証言をだんだん聞いておると、メモをつけた覚えはない。それじやそのメモはだれがつけてどうしたのか。だれのものだ、この点を一応聞いておきます。
○矢頭証人 それは、銀行から、どこから幾ら入つて来たというのを、メモをとつていたのもありますし、私がるすだつたりした場合は、そのまま何も……。
○内藤(隆)委員 すると、銀行から通知のあるたびにメモをとつておうたということは間違いないですな。とらぬ場合があつたのですか。
○矢頭証人 はあ。
○内藤(隆)委員 すると、メモは何のためにあるのですか。
○矢頭証人 そのときは、ほんとうに、今も申し上げたように、混乱しておつたので、メモをとつたやつもありますし、とらぬやつも――休んだりしたらすぐわからなくなりますし、出ておつたらわからなくなりますし……。
○内藤(隆)委員 それは、休んだ場合は、メモは、男女二人おるのだから、一名がつける。しかしそのメモはあなたの机の上にあるのでしよう。どこにあるのですか。
○矢頭証人 それはその近くに、来たやつをちよつと書いていたかもしれません。
○内藤(隆)委員 しからばもう一ぺん聞きますが、山崎君に調べられまして出したメモは、それはあなたが書いたものに間違いなかつたですか。
○矢頭証人 メモを書いたのでしたら、私以外にないだろうと思います。
○内藤(隆)委員 すると休んだ場合にはほかの者が書く場合もあるのか。
○矢頭証人 いや、ありません。だれもとつておりません。
○内藤(隆)委員 そうすると、あなたのメモはあなたが机の上で、あなた個人だけで見ておるものだから、そのメモに書いてあるなら、きような預金があるということをあなたが知らなかつたという証言は一体どうなりますか。
○篠田委員長 証人に申し上げますが、ここは検察庁でないから、あなた方を罪人にしようというようなことでやつているんじやないのです。ただその間のいきさつがわかればいいのだから、何も特にここに来てものを隠す必要はない。知つているだけのことを率直に言えばいいのだから……。
○矢頭証人 古いものですからどうも……。
○篠田委員長 古いと言つたつて、昭和二十三年から二十四年、発見されたのは二十四年でしよう。まだ一年ちよつときりたつていない。あなたは年も若いんだから……、
○矢頭証人 メモのことは、書いたものもありますし、書かぬ分もありますし……。
○篠田委員長 だから書いた分を発見されたんでしよう。それでいいじやないですか。メモを全部とつていたかいないかを聞いているんじやない。発見されたメモは、あなたがとつたメモであるかどうかということを聞いている。それはあなたがとつたメモを発見されたと言えばいい。
○矢頭証人 はあ。
○内藤(隆)委員 今、委員長から注意されたけれども、あなたは非常に戰々きようきようとしておられるが、良心的にとがめられて戰々きようきようとしておるとも言えるが、委員長が言われた通り、必ずしも犯罪視しているのではないが、あなたの答弁の仕方によつては犯罪をあなたみずからつくることがある。
 それからメモの点はそれでわかつたが、重役が一年間も経理に関して目を通さなかつたという証言ですが、そういうことは事実でありますか、ほとんど上京しつぱなしで、だれも経理については目を通してもらえぬという証言ですが、どうですか。
    〔委員長退席、塚原委員長代理着席〕
○矢頭証人 神戸におつたときは経理を見てくれましたけれども、さいぜんも申しました通り、ほとんど上京していました。
○内藤(隆)委員 その重役の上京の用件は何ですか。
○矢頭証人 集中排除や、それから独禁の……。
○内藤(隆)委員 そういう運動をやつておつたということですが、しかし一体重役報酬というものは、平均どれほどやつておりますか。あなたは経理課長としてわかつておるでしよう。それじやこういうふうに聞きましよう。役は何人おりますか。
○矢頭証人 その時分は常勤が四名。それから社長、專務、常務が二人、それから地方重役が二人と、監査役が一人……。
○内藤(隆)委員 そうすると十何人になりますね。十人以上おつたわけですね。その重役手当とか報酬というものは、平均してどれほどやつておりましたか。
○矢頭証人 忘れました。
○塚原委員長代理 ちよつと証人に申し上げますが、どうも私らの考えでは、少しものを隠そう隠そうとしていることが見えるのですが……。
○矢頭証人 そんなことはないのですが……。
○塚原委員長代理 少し水でも飲んでおちついてください。
○内藤(隆)委員 重役報酬くらいを忘れる経理課長は、少しどうも私から見ますとおかしいのですが、ともかくもこれはトンネル会社の重役であるという確証がここに出て来たのです。ただ重役陣に名前だけを連ねておつて、実務に携わらない。それで高給をとつておる。トンネル会社の性格がはつきり出て来ておる。その意味において私は尋ねておる。何もしないで、名義だけ出しておいて、高給をとつていたに違いない。どうですか。
○矢頭証人 別に特別の高給をとつていたようには思わないのです。
○内藤(隆)委員 それではもう一つ聞きますが、吉田勘三とかいう方は、あなたの経理課長時代にもやはりおられたのでしよう。
○矢頭証人 はあ。
○内藤(隆)委員 この人が責任をとつたか何か知りませんが、とにかくおやめになりまして、――大体この人の就任されたのは昭和二十年の二月、やめたのが二十五年の八月、やめるときに退職手当を出されたのですな。
○矢頭証人 その時分は私は経理を退いておりました。
○内藤(隆)委員 経理を退いて何をやつておつしたか。
○矢頭証人 そのときは大阪にまわつておりました。
○内藤(隆)委員 大阪の支店長に来た。それで本社のことはわからない。こういうわけですね。私の方の調べでは、吉田勘三に七十万円、それから井上という專務に百万円出しておる。その他森田には十五万円とか、あるいは沼野に六十万円出しておるが、大体三百方円の資本の会社が、重役が退陣した場合に、百万円からの退職資金というものを出すというところに、私たちは一つの大きな疑惑を持つておる。まあしかしあなたは大阪へ来られて、その事実は知らないのですな。
○矢頭証人 はあ。
○内藤(隆)委員 それでは最後にもう一つ聞いておきまするが、最初にあなたに聞いた、友藤という專売公社の塩脳局需給課長という証人がおりますが、これとはあなたは会わぬという最初切証言を打消して、会つたということになるのですな。
○矢頭証人 はあ。
○内藤(隆)委員 これはそういううそをついておつたということを認めますね。会つたものを会わぬと、この国会で一時でも申したということは……。
○矢頭証人 うそじやない。そういう会つたことが、最前も申したように、仕事の関係で最近きのうのことも何か気がつかなかつたり……。
○内藤(隆)委員 きのうのことを忘れるなんてばかなことをここで言うべきじやない。特に私が疑うことは、友藤という証人は、これを調べに行つて発見することのできなかつた人です。しかるに国税庁から来た山崎君が君のメモによつてこれを発見しておる。そのメモは君の机の前にある。これを一体、わざわざ調査に来た友藤君が発見できなかつたということは、まことに奇怪至極である。
○矢頭証人 それはあのときは非常に整理が遅れておりますから、專売公社の調査では、三月か四月来られてじつくりやらぬことには……。
○内藤(隆)委員 何回も来ております。友藤君があなたのところに行つたのは二回、あとまた三回ぐらい別の人が行つておる。
○矢頭証人 八月と十月だけです。
○内藤(隆)委員 ことに私は今あなたの陳述に対して大きな疑惑を持つておるのは、友藤という証人は頭からあなたの会社を弁護し、援護しておる。これは明らかに速記録に残つておる。そういう関係にある專売公社の課長なのです。各同僚議員諸君からいろいろと突かれる。しかしながら結論は、やはりあなたの会社を擁護している。擁護すべからざる立場においてなお擁護しておるというところに、私は非常な疑惑を持たざるを得ない。いわんや会つたものを、あなたが会わぬとおつしやる。ここに私はこの友藤証人、並びにあなたの会社、またあなた自身に対する非常な疑惑を残して、私の大体の質問を終ります。
○福田(喜)委員 二、三点証人にお伺いします。十一億何千万円という預金は、これは塩の積出しとか受取りということで、つまり当座預金の振替の受払いによつて、こういうものができて来たのですか、初めから利益金を隠してこういうものができたのですか、どうなのですか。
○矢頭証人 初めから隠すにも何にも、利益がわからないのです。利益がわかるのが、ただいまも申しましたように、契約が半年も遅れ、その間仮払いばかりしておりますし、それから契約ができてからも、下請会社から請求が来なかつたら利益がわからない。その下請業者も一年も二年も請求の来ないという場合もあります。そういうことで、利益ということは、整理の遅れたのが一番悪いのですけれども、わからない。
○福田(喜)委員 そうするとこういうことですか。初めは当座預金の振替勘定から幾らか口座を設けて取引しておるうちに、これだけの金額になつた、こうおつしやるのですか。
○矢頭証人 そうです。
○福田(喜)委員 もしそうであるならば、銀行預金の種類が、普通預金、通知預金、特別定期とか、いろいろわかれておる。これは一体どういうわけですか。無記名でやつたということはどういうわけですか。あなたの答弁とつじつまが合わぬことになります。普通の取引でやる場合の商慣習に反する。こういうことは一体どう説明しますか。
○矢頭証人 別にそのときには、深い考えもなしに、とにかく仕事に追われておりましたから、銀行が長年の取引で、私の方の日常の資金はわかつておりますから……。
○福田(喜)委員 日常の取引がわかつておるのに、特別定期とか通知預金とかいうものが取引に普通使われますか。あなたの言われる取引の過程において、これだけの利益金が預金の形として残つたということを言われますが……。
○矢頭証人 利益で残つているのではないと思つていました。ただ未払いが……。送金が毎日来たものでさえ遅れなんだから、支払いが遅れて来たら……。
○福田(喜)委員 それと偽名の関係はどうなります。どういうふうに打合せしてあるのですか。
○矢頭証人 なるべく他の銀行へわからぬようにしてもらおうと思つてやつたのであります。
○福田(喜)委員 よその会社もこういうことをやつておりますか。
○矢頭証人 そんなことはないと思います。
○福田(喜)委員 あなたはさつき銀行とか、その他いろいろなものが、こういう会社の名でやるとうるさいからこういうふうにわけた、あなたはそういうように答弁されたが、今の答弁と食い違いやしませんか。
○矢頭証人 どういうことですか。
○福田(喜)委員 こういうふうな匿名で、偽名で通知預金とか、普通預金とかあるいは特別定期、こういうふうにやつてしまつた、しかも偽名でやつた。こういうことは、どうもあなたが取引しているうちにそれだけの利益があつた、預金残高があつた、それが利益になつたかどうかわからないと言われると、その間に作為が一つもないわけですが、実際あなたが言うのは、普通預金、通知預金、特別定期等十種類ぐらいに分離されておつた。その間にはいろいろな作為があつたのだろう。そういうことと今答弁されたこととは非常にわれわれはふに落ちませんが、これはどういうことになるのですか。
○矢頭証人 とにかくそのときはそういうことはあまり頭に置かず、ただわからぬようにしてもらうことだけに……。
○福田(喜)委員 こういう偽名でやつたり、こういうふうなことをやるについて国税当局、大蔵省当局、專売公社との間に何かさしずがありましたか。話合いか何かありましたか。
○矢頭証人 それは私は知りません。
○福田(喜)委員 上司からこういうことをやれという命令はありませんでしたか。
○矢頭証人 何もありません。
○福田(喜)委員 あなた独断でやつたのですね。
○矢頭証人 それは相談する人もありませんし……。
○福田(喜)委員 三百万の会社が十一億何千万という預金を持ち、利益を上げ、しかも普通預金、通知預金、特別定期というふうにこういうふうなものをやつている、その過程に至るについて経理課長一人が独断で、その名義も何も全部自分で考えて、自分でやつたわけですか。
○矢頭証人 いやそれは銀行へお願いして……。
○福田(喜)委員 銀行じやない。上司の指揮命令も何もなかつたですか。
○矢頭証人 はい。
○福田(喜)委員 どうもわれわれふに落ちませんが。
○矢頭証人 今からそう言われますと、ふに落ちぬだろうと思いますけれども、実際……。
○福田(喜)委員 一体証人が経理課長のときにこれは初めて始まつたんですか。その前からこういうことをやつておつたのですか。
○矢頭証人 前はそんなことはなかつたと思います。
○福田(喜)委員 それはあなたが発明してやられたのですか。
○矢頭証人 はい。
○福田(喜)委員 これはあなたはきわめて普通のことと思つてやられたのですか。何でもないことと思つて、たれのさしずも受けずに……。
○矢頭証人 そのときはあまりそう気を使わずに。
○福田(喜)委員 気を使わずにえらく込み入つたことをやつたものですね。(笑声)
○矢頭証人 それは銀行へ頼んでやつておけば、日常のやつだけ残しておけばあとは……。
○福田(喜)委員 この点に関して專売公社、国税当局は何の調べもなかつた、何らの疑問も提出されなかつたのですか。あなたが黙つておつたら、向うから調べに来たとき何もそれに対する疑問の提出はなかつたですか。三百万の会社がこういうことに立ち至つた。世間の常識として、国税当局あるいは專売公社の態度というものはわれわれはなはだ奇怪に思いますが、そういうことで済むんだつたら世の中はおとぎ話の世界になつちやう。その事実は反面に何ものかをわれわれに暗示し、表明しておるということがわかりやしませんか。こういうことでほかのところは経理関係が済んで行つていますか。あなたのところだけこれで済んで行つたというのはおかしいことはないですか。
○矢頭証人 特契会社の契約が解けたら、自分としては何とかしてきれいに整理してしまおうと思つておりました。
○福田(喜)委員 それじや答弁になつておらぬが、しようがない。
○鍛冶委員 それじやちよつともつと事実に基いて聞きましよう。運賃の公定価格が二十三年から二十四年にかけてかわつて来たそうですが、その事実は御承知でしたか。
○矢頭証人 はい。
○鍛冶委員 そうすると、二十三年から二十四年へかけてマル公がかわつたというのは、下つたわけですな。それはわかつていますね。ところが、公社との契約は二十三年のマル公で契約しておりましたね。それも御承知でしようね。
○矢頭証人 いつですか。
○鍛冶委員 二十四年にかけて――それはわかつていたんですね。
○矢頭証人 はい。
○鍛冶委員 そうしてみれば、二十三年の高い運賃で公社と契約しておつて、実際に払うのは下つた安いマル公で払つておる。こういうことはわかつておるのですね。
○矢頭証人 はい。
○鍛冶委員 そうしておれば、その間に運賃の差額だけはあなたの方へ利益として入つておるということはあなた十分知つておるはずである。
○矢頭証人 それは運賃を下げたはずなんです。
○鍛冶委員 運賃はマル公が下つたから下げたんでしよう。
○矢頭証人 そうじやありません。マル公はそのままでしたが、市場運賃が下つたから私の方も下げたんです。
○鍛冶委員 ところが專売公社との運賃契約は二十三年のままだつたでしよう。
○矢頭証人 いやそれもまた下げました。
○鍛冶委員 それは間違いありませんか。
○矢頭証人 間違いないと思います。
○塚原委員長代理 証人にお尋ねしますが、過当利益が出て来たから下げたんじやないでしようか。
○矢頭証人 そうじやありません。過当利益のことは、とにかく国税局が調査せられるまでわからなかつた。ただ市場運賃が下つたから、きれいに整理ができたら適当な運賃にする、それまでとりあえず何割か下げておるはずです。
○鍛冶委員 だから、あなたの方の支払いは下げておるが――あなたさつき言つたんじやないですか。契約は二十三年のものをそのまま承継しておつた、こう言つたじやないか。だから契約面は二十三年の運賃で公社からもらつておる、実際に払うのは下つたから安くやつておる、こういうことになつているだろう。
○矢頭証人 契約の方は私関係ないものですから……。たしか下げているはずなのです。專売公社との契約も。
○鍛冶委員 そこが大事なのです。さつきあなたはどうして調査に来た、こう言つたら、二十三年のそのままの契約を承継しておるから、運賃が下つたので、下ぐべきではないかというので、調査に来た、こう言つた。下げておれば調査に来はしない。だから契約は二十三年の高い運賃で契約しておるし、実際は下つておつたのだろう。
○矢頭証人 契約の方ははつきりわからぬのですが、公社との契約も下げているはずです。
○鍛冶委員 それならさつきそのために調査に来たというのはどういうのですか。うそか。私は間違いない事実だと思つたから聞いた。あなたはさつきそう言つた。二十三年の契約をそのまま承継しておるから、そこで運賃が下つて来たので、下ぐべきものじやないかということで調査に来たとこう言つたが、違うのですか。
○矢頭証人 いや、そのことは私ははつきり、たしか下げたはずなのです。
○鍛冶委員 それではさつき調査に来たのはそういうわけだということはうそか、どうなんです。あなたが言うたから聞いているのだ。私は何も知らぬので、あなたの言うことを元にして聞いているのです。契約は二十三年の運賃でそのまま承継されておつた、しかるに二十四年になつて、運賃が下つたから、そこで契約も更改すべきものじやないかというので、調べに来た、こう言つた。それは間違いないのだろう。
○矢頭証人 はい。
○鍛冶委員 間違いないのなら、二十四年に調べに来たときは運賃が下つておらなかつたはずだ。
○矢頭証人 いや、それはたしか下げたと思うのです。
○鍛冶委員 どつちなのです。それをはつきりせねばいかぬ。そんなことを言つてはだめじやないか。下げておるものなら調査に来るわけがないじやないか。二十四年の十二月に。
○塚原委員長代理 ちよつと証人に伺いますが、機帆船の運賃を当初協定した請負費額の三割引きにしたのじやないですか。この点は御存じないのですか。
○矢頭証人 何割か引いたのです。
○塚原委員長代理 あなたは経理課長でしよう。私はあなたに助け舟を出しているのですよ。この数字は肯定しませんか。忘れましたか。
○矢頭証人 はつきり覚えぬのです。何割か下げたのです。とてもそこまで頭を使う何はありませんよ。
○鍛冶委員 そんなことばない。運賃を何割か下げたことは覚えているのだろう。三割か五割か下げたのだろう。ところが契約もそのままであつたことは間違いないのだろう。あなたはそう言つている。それだから調査に来たのだと言つているのだ。
○矢頭証人 下げた上またもつと下がりはぜぬかというので調査に来られた……。
○鍛冶委員 公社との契約は下げたの。
○矢頭証人 はあ。
○鍛冶委員 間違いないか。
○矢頭証人 間違いないと思います。
○鍛冶委員 何年何月にどれだけ下げたのか。
○矢頭証人 忘れました。
○鍛冶委員 そうすればあなたにもう一ぺん聞くが、あなたはありのままさえ言えばいいのだ。
○矢頭証人 自分でわかつていることはみな言うておるのですが……。
○塚原委員長代理 証人に申し上げますが、何か当時のことで書いたものがあつたら、それをごらんになつてもけつこうですよ。いわゆるメモですね。そういうものをお持ちであつたら、ごらんになつてもけつこうです。
○矢頭証人 いや、何も……。
○鍛冶委員 さつき言われたのは、それでは一度下げたのだが、また下ぐべきものかもしれぬというので調べに来た、こういうのか、間違いないか、はつきりしてもらいたい。
○矢頭証人 はあ、たしかその通り……。
○鍛冶委員 そうすると一度下げたのは、何年何月に下げましたか。
○矢頭証人 それが忘れましたのです。
○塚原委員長代理 その間にちよつと証人にお尋ねいたしますが、先ほどの福田喜東君の質問に関連して、銀行との関係でちよつとお聞きしたいことがあるのですが、矢頭証人と預金の取引をした千代田銀行と富士銀行、あなたは先ほどそう言われましたね。その当時の千代田銀行並びに富士銀行の係員のお名前をちよつと言つてください。千代田の方はだれですか。
○矢頭証人 たくさんいましたね。
○塚原委員長代理 おもなるものでけつこうです。その責任者でけつこうです。
○矢頭証人 責任者は支店長でしよう。
○塚原委員長代理 あなたが直接交渉なさつたその銀行の責任者の代表の方でけつこうです。千代田はどなたですか。
○矢頭証人 千代田はおもに今井という人でした。
○塚原委員長代理 それは何をやつていた人ですか。
○矢頭証人 預金の係です。
○塚原委員長代理 それから富士銀行は……。
○矢頭証人 富士銀行は芝という人だと思います。
○鍛冶委員 その点は覚えありませんか。何月幾日にどれだけ下げたか……。
○矢頭証人 それは忘れました。
○鍛冶委員 実際の運賃と契約の運賃とに差額のあつたことは、これは認めるだろうね。
○矢頭証人 それはある程度は……。
○鍛冶委員 どれくらいあつたか。
○矢頭証人 それもその当時はプール計算でありますから、利益の出るやつもありますし、中には損の行くやつもある……。
○鍛冶委員 あなた訥弁でやつておると思うと、なかなか考えて、こつちの質問に対して上手に前打ちをやるね、感心だ。
 それでは先ほどから何べんも聞かれたが、あなたは預金のメモを持つておつたことは間違いありませんね。
○矢頭証人 預金のメモと言われますけれども、それが確かなメモか、違うかは、はつきり覚えませんが……。
○鍛冶委員 何ですか、税務署にとられたメモというのは、それではあなたは知らぬのか。税務署ではあなたのメモでわかつたと言つているが、それはどうなんです。そういうメモがあつたことは知らぬのか。
○矢頭証人 いや、それはちよつと手帳ぐらいに、わかつた分だけは控えておつたかもしれません。
○鍛冶委員 かもしれないではない。現にとつて行つたのじやないか。あなたの机の上から持つて行つたのじやないの。かもしれぬのか、間違いなく持つて行つたのかどつちだい。
○矢頭証人 まあそう言われるのでしたら持つて行かれたのでしよう。
○鍛冶委員 あなた考えて言うからいかぬのだ。何でもないことじやないか。実際とられたのだから、持つて行つた、それでわかりましたと言つたらいい。
○矢頭証人 いや、もうほんとにその当時のことは忘れたのです。国税局は来られるし……。
○鍛冶委員 持つて行つたことは間違いないのだね。
○矢頭証人 はあ。
○鍛冶委員 そうすれば、その手帳に書いたからには、預金が幾らあるかということをあなたは知つておつたわけでしよう。知らぬとは言えまい。自分でつけていながら……。
○矢頭証人 そんなに、全部控えてないのですから……。
○鍛冶委員 控えてあるだけでも知つておつたろう。
○矢頭証人 控えてあるだけは知つておりました。
○鍛冶委員 間違いなく知つておつた。
○矢頭証人 はあ。
○鍛冶委員 その預金はあなたが最初言われたのと、あとから言われたのと違うのだがね。最初はあなたは、公社から預かつた金で、そのうちから支払いした残りが預金に行つた、こう言つたのだ。その次は、そうじやない、支店から送つて来た金が積もり積もつたのだと言つた。そのどつちなんですか。
○矢頭証人 もう一ぺん聞かせてください。
○鍛冶委員 最初委員長に聞かれたとき、公社から金が来て、そうしてそれをみな預金しておつた……。
○矢頭証人 それは支店、出張所に公社から来て……。
○鍛冶委員 それをまたあなたの方に送つて来るのか。
○矢頭証人 はあ。
○鍛冶委員 それを預金しておつた、こういうわけだね。
○矢頭証人 はあ。
○鍛冶委員 それから伝票はつけておりましたか、つけておりませんでしたか。
○矢頭証人 つけておりました。
○鍛冶委員 つけておつた――間違いないね。
○矢頭証人 それがたくさん抜けているものですから……。
○鍛冶委員 それじやつけておらぬじやないか。
○矢頭証人 毎日やつていてもたまつて、そのときは一生懸命やつたのですけれども、どんどん残つて行く。それで契約がきまらぬでも下請業者には仮払いをしておるものがありますし、そんなものがそのままで整理がちつともできていない。その方まで手がまわらなかつた。
○鍛冶委員 伝票を記帳するのが遅れたというならわれわれは聞けるが、伝票そのものが遅れたというのはどういうわけだね。伝票を書いて、伝票を切つて金が出るんだろう。それが遅れるというのはどういうわけだね。それを記帳するのが遅れたんじやないのか。伝票が出なかつたら金は出ぬはずじやないか。
○矢頭証人 それは出ております。
○鍛冶委員 伝票はあるんだろう。遅れたというのは記帳が遅れたんじやないかね。
○矢頭証人 いや、私の方の仕事からお話しなければわからないのですが、私の方は塩の生産地や輸入港から塩の需要地へ塩を運送するのが仕事です。專売公社からの命令で塩を送りますと、どこからどこまで何トン送つたという回送塩の整理帳というものが本社に来る。それによつて発地の支店、出張所が公社から全費用をもらつて、その中から発地の費用、着地の費用、それから中継地の費用にわけて、各箇所ごとに金を送つて来た。
○鍛冶委員 そういうことを聞いているのではない。あなたは会計係なんだろう。金を支払う役なんだろう。支払うときには伝票を切るでしよう。あなたは伝票を切つてそれから金を出すでしよう。
○矢頭証人 はあ。
○鍛冶委員 そうすると伝票は必ずあるわけじやないか。それを書いておらなくちやならぬはずだよ。なければならぬでしよう。そうじやないかね。
○矢頭証人 それは伝票は切つております。
○鍛冶委員 あつたのだね。ところが公社から調べに行つたときも、税務署から調べに行つたときも、その伝票がなくなつておつたのはどういうわけだね。それを聞きたい。
○矢頭証人 そんなことはありません。
○鍛冶委員 そんなことはない……。では伝票はあつたのか。
○矢頭証人 はい。
○鍛冶委員 全部あつた……。
○矢頭証人 それは抜けておるのもありますけれども、あるはずです。
○鍛冶委員 どうして抜けた。伝票が抜けるとはわれわれには合点が行かないが、どういうわけだね。
○矢頭証人 とにかく請求書を見て払うことを一番にやつておりましたから……。
○鍛冶委員 払うのはわかつているが、伝票を切らんで金が出るわけはない。伝票を切るがゆえに金が出る。その伝票がなくなるのはどういうわけだ。
○矢頭証人 そう抜けてないはずなんですが……。
○鍛冶委員 そんなことを言うて……。そういうふうに伝票も残つていたり、帳簿もつけたりすれば一目瞭然にわかりますね。ところが公社から調べに行つたときにどうにも調べようがなかつたというのは、あなたの方で伝票を抜かしておつたり、帳簿につけなかつたりしたからじやないか。
○矢頭証人 そうじやありません。それは今お話したように、契約が半年も遅れますし、それからその遅れた上へまた支払いの方もそれ以後にきめるのですから。
○鍛冶委員 そういうことより、伝票があればどれだけ払つておるかわかるじやないか。金が入つたのもわかる。それを差引すればわかる。それが伝票を抜かしておつたからわからぬ……。
○矢頭証人 それさえ整理したらわかる。
○鍛冶委員 それができなかつたそうだね。あなたの言う通り抜けたりしておつた。それでどうしてそう伝票が抜けたか。記帳は手がまわらぬのでできなかつたと言われるなら、あなたは会計係としてはなはだ容赦のならぬことだがまだ受取れぬでもない。しかし伝票が抜けたというのはどういうわけだね。
○矢頭証人 伝票はそう抜けていない。
○鍛冶委員 それが今君は抜けたと言つておるじやないか。
○塚原委員長代理 矢頭君、議事の整理上、委員長の許可を得てから発言してください。それからいま一つ申し上げておきますが、先ほども言つたように、決して罪をつくろうというのではないのですから、まじめに答えてください。あなたのは二分置き、三分置きにかわつていますが、あなたは頭がどうかしたのじやないでしよう。精神状態がどうかしたということがあるのですか。
○矢頭証人 いえ。
○塚原委員長代理 それだつたら、そう二分三分とねこの目のように証言が違うはずはないと思いますが、少しおちついてまじめに答えてください。
○鍛冶委員 伝票はどうした。
○矢頭証人 伝票はありました。
○鍛冶委員 いや、抜けておつたか。
○矢頭証人 それは忙しいときには抜けますけれども、たいていはあつたはずです。
○鍛冶委員 それが君は抜けた、そう言つたんだ。それから專売公社から調べに来たとき、最初のときに、伝票及び帳簿等の整理ができておらなくていかぬから、整理しておけと言つて、また二箇月後に第二回目の調査に行つたそうだね。それであなたは整理しましたか、しませんでしたか。
○矢頭証人 できませんでした。
○鍛冶委員 しておらなかつた……。
○矢頭証人 はあ、とても一月や二月でできるものじやなかつたのです。
○鍛冶委員 それで預金については何も聞かれなかつたからあなたは言わなかつたのか。
○矢頭証人 はあそうです。
○鍛冶委員 あなたの方で、もちろん経理を調べに来たのだから、経理といえば金の入つた分と出た分を調べるわけですね。それについて伝票は整理ができておらぬでも、預金はこれぐらいあるということを言わなければならぬはずだが、どうして言わなかつた。
○矢頭証人 そのとき来られたのは公社から幾らもらつて、支払うのが幾らで、差額がどれぐらいあるということをおもに調べられております。
○鍛冶委員 そこで少くとも抜けたのがあつて、帳簿はなくてもあるものくらいは見せなければならぬ。
○矢頭証人 それは見ておられました。
○鍛冶委員 それじやなぜ預金を見せなかつた。あなたのメモぐらい見せたらよさそうなのに、なぜ見せなかつた。
○矢頭証人 こつちからこれだけありましたと調べて出せばよかつたのですけれども、別に聞かれませんでしたから……。
○鍛冶委員 出せばよかつたということがわかつたら出しそうなものだが、なぜ出さなかつたかとわれわれは言つておる。それさえ言えば明確にわかる。どういうわけで出さなかつたか。今あなたの言う通りだ。入つたものと、出たものと、残りが幾らあるかを調べに来たのだ。残りの一番大きいのは、銀行預金だ。それを調べに来ておることはわかつておる。なぜ出さなかつたか。
○矢頭証人 今も言つたように、聞かれませんでしたから……。
○鍛冶委員 聞かれなかつたといつても、向うが調べに来たら、君は調べられる役じやないか。入つた金と、残りの金を調べに来たんじやないか。残つたものの主たるものは銀行預金だ。預金はこれだけありますといつて、調べに来ておる人に対してなぜ見せなかつたか。
        ―――――
答弁ができなければ、できないでよろしい。
○矢頭証人 聞かれなかつたから、見せなかつたのですけれども……。
○鍛冶委員 調べに来ておる者に対して、会計係たるものがどういうわけで見せなかつたか。それが一番大きな問題だ。
○矢頭証人 銀行預金なんかはあまり深く考えていなかつたんです。(笑声)
○鍛冶委員 千円や二千円の金じやないのだ。十何億という大金だ。それを重くないと思うのか。
○矢頭証人 十何億と言われますけれども、そうはなかつたと思います。
○鍛冶委員 どれだけあつたか。
○矢頭証人 それは私にはわかりません。毎日二千万円も三千万円も、多いときには送る。少いときでも何十万円、何百万円毎日送つているのですから、少々金があつたところで、もらう方が遅れましたら、じき減りますし……。
○鍛冶委員 そんなことを聞いているのじやないのです。通知預金、特別当座預金、無記名貯金、会社以外の名前によつてなしたる貯金、そういうものを無意識に貯金しておるわけはない。私は、あなたにしては、これほど頭に残つておる貯金はなかろうと思う。しかも千円や二千円の金でなく、十何億という大金だ。それが頭になかつたとあなたは言えますか。
○矢頭証人 ある程度はあると思つておりましたけれども、そうたくさんあるとは思つていなかつたのです。
○鍛冶委員 事実あつたんじやないか。あると思つておつたら、調べに来た人に対してなぜ言わない。
○矢頭証人 ただいまも言いましたように、別に聞かれませんでしたから……。
○鍛冶委員 聞かれぬでも、調べに来たら、言うべき義務があるはずだ。その義務があるにかかわらず言わないのは、何ゆえだ。あなたは頭にないというが、頭にないわけはない。特別当座預金にしても、無記名預金にしても、人の名前を借りてした預金でも、頭にないわけはない。
○塚原委員長代理 証人にお尋ねしますが、聞かれたかつたから、言わなかつたのですか。それとも隠そうとしたのですか。どつちですか、はつきりしてください。
○矢頭証人 聞かれなかつたから話さなかつた。隠そうというても、銀行預金だから調べればわかる。
○塚原委員長代理 しかし経理検査ですよ。公社から需給課長以下四名も経理検査に行つている。そうでしよう。そこで私はお尋ねしますが、監督官庁から行くような検査というものは、あなた方すつかりなめてかかつているわけですね。聞かれないから言わない。帳簿の整理をしろと、二十四年の八月に言つたのに、十月に行つてもやつておりませんね。二箇月たつてもできないということを盛んに言つておりましたけれども、監督官庁から出せと言われて、二箇月もたてばできないわけはないと思う。つまり監督官庁の検査というものは、あなた方あまり問題にしていないのではないのですか。
○矢頭証人 そんなことはありません。力一ぱいやつたのです。
○塚原委員長代理 今までのあなたの話を聞いていますと、どうもそういうふうにしかとれないのですけれども……。
○矢頭証人 とにかく毎日の……。
○塚原委員長代理 泣言を聞いているのじやない。なめているわけじやないですね。精一ぱいやつたのですね。
○矢頭証人 はあ。
○鍛冶委員 精一ぱいやつたと言うなら、今言う通り、そんな無記名預金にしたり、人の名前を借りてやつたりしておるものを忘れるわけはない。言わなかつたわけは答えられませんか。問われなかつたからでは済みませんよ。あなたは会計係じやないか。調べに来ておるのだから、金の出入りはどうだ、残りは幾らだと聞いておるに違いない。それにもかかわらず、あなたは問われなかつたから言わなかつたというのでは済まぬと思うが、どうですか。
○矢頭証人 今も申しましたように、とにかく聞かれなかつたから言わなかつたのです。
○鍛冶委員 あべこべに聞くが、言うたらどういう不都合があつて言わなかつたか。
○矢頭証人 そう言われますけれども、別に何にも思つてないのです
○鍛冶委員 これ以上聞いてもしかたがない。
○田渕委員 それじや伺いますが、預金帳はだれがどこに保管しておつたのですか。
○矢頭証人 銀行へ保管しておりました。
○田渕委員 銀行は三十年からのお得意だからというんだが、架空名義でしかも銀行へ預金帳を預けておつて――これはもつとも隠すのだから、会社へ置くよりも、銀行へ置いておいた方がいいでしようけれども、銀行へ置いておいて会社の経理課長として責任が済みますか。重役はそういうことを承諾しておつたのですか。
○矢頭証人 そういうふうに問い詰められますと何ですが、そのときはそんな気持は何にもなかつたんです。ただもう……。
○田渕委員 会社には金庫がありますか。
○矢頭証人 金庫があります。
○田渕委員 なぜその金庫に入れなかつた。十億からの銀行預金帳を、架空の名義としてなぜ銀行へ預けておくか。君の一存でやられたことではないのではないですか。それを私どもは聞きたい。
○矢頭証人 さいぜんから十億といわれますけれども、そんなにはなかつたのです。
○田渕委員 幾らあつた。友藤証人も、先ほどの山崎証人もみな言うている。速記録にちやんと載つている。
○矢頭証人 それは調査に来られてからも、毎月二億も三億も入つて来るのですから、少し支払いしなかつたら、相当たくさんたまるわけです。
○田渕委員 どうも私は証人は健康体のように思うし、ぼけているとは思わぬが、これから聞き直して行かなければならぬ。証人は年齢はお幾つですか。
○矢頭証人 三十九歳。
○田渕委員 学歴は。
○矢頭証人 高等小学を卒業しています。
○田渕委員 あなたは大体大正十五年から二十七年もおるのであるから、しかも昭和二十二年の八月から二十五年の六月まで経理をやつておつたのであるから、相当あなたは頭もよいわけだ。そうでしよう。今日大学を卒業した者でもなかなか経理課長はやつておれはせぬ。二十七年もおつて、日本塩回送会社の生字引だ。給仕から上つたかどうかは知らぬけれども、生字引で、頭もよく、すべて知り抜いているあなたが、知りません、存じません、忘れましたで当委員会が通ると思つているのか。なめるのもいいかげんにしなければいかぬ。少し下腹に力を入れて私に回答しなさい。あなたは会社から給料を幾らもらつていますか。
○矢頭証人 現在はボーナスも合せて月にしますと、月給は一万七千円であります。
○田渕委員 盆、暮れのボーナスは幾らですか。
○矢頭証人 ボーナスは三月分くらいを二回です。
○田渕委員 あなたが三千七十株持つておられるという株は、三百万円の会社で六万株として約五%持つておるわけですが、大体自分の名義ですか。それともこれは架空な名義ですか。あなたが実際ボーナスあるいは賞与などでもらつた株ですか。
○矢頭証人 私の株です。
○田渕委員 それはどういう径路で手に入つたのですか。あなたが月給から買つたのですか。それともボーナスでもらつたのですか。
○矢頭証人 月給で買いました。
○田渕委員 一株幾らしておりますか。
○矢頭証人 五十円です。
○田渕委員 五十円は払込株券ですが、実際の株価は相当――十一億も預金しておいてわからぬほどもうかるような会社の株ですから……。
○矢頭証人 まあ六十円から六十五円じやないかと思います。
○田渕委員 先ほどから各委員から聞いておるのに対して、あなたは非常にあいまいな答弁であるが、この十億七千九百万円という金は、專売公社が過当な払いをしておつたということで回収を受けた。その過当な金をとつておきながら、しかもそれを別途に架空な人物の預金をして、それであなたはその当時これは国民の血税の金だというような気も何にも起きずに、こんな問題が起るとも思わなかつたのですか、どうですか。
○矢頭証人 ほんとうにそのときは、もうそういう気持は何にもなしで、日日のことばかり一生懸命やつていました。
○田渕委員 友藤証人は過当払金を回収した。聞かれないから言わなかつた。こう言うし、そこもわれわれはおかしいと思う。大蔵省のうば捨て山だ。それらが入つておるこの日本塩回送会社、これらに向つて現職の大蔵省の関係にある專売局の一需給課長くらいが行つたところが、上の方ではなめておる、聞かれなかつたからうつかり言わなかつた。こういう形式に打合せをしておる。聞かれなくても鍛冶委員の聞く通り出すのがほんとうじやないですか。二十七年も二十八年も会社に勤めておる生き字引と言われるあなたが、十一億からのものを架空な名義で隠して、聞かれないから出さなかつたという、それで通ると思うのか。ここは弁慶の安宅の関じやないですよ。
 もう一つ伺いたいが、経理課長をしておつた当時月給は幾らもらつておつたか。二十五年の六月から去年の盆までの経理課長の時代のサラリーは幾らでしたか。
○矢頭証人 今より千円か千五百円少かつたと思います。
○田渕委員 先ほど栄転だと言つたら、栄転じやありません、経理課長から大阪の支店長に行くのは左遷だというふうに言つたが、月給が上つて左遷ということはないでしよう。
○矢頭証人 月給は定期にみなと一緒に上ります。
○田渕委員 それじや少くともあなたは、これだけの責任を帶びて、知りません、忘れました。存じませんで通して来たが、少くとも会社から大阪の支店長を命ずるというだけの、これは一つの賞罰であつた。社長あるいは重役、常務が平取締になる、こういう大きな問題を起した君が、大阪支店長で勤まるということは、会社の重役とあなたの間でくされ縁があつたから、しようがなくてここまで来た、長い間の專売局時代の悪因縁があるからでしよう。それを率直に聞きたい。われわれはあなたを懲役にやろうとかどうということで聞いておるのじやないのです。但しうそを言えばほんとうに偽証罪で告発するだけの動議を出そうと思つておる。友藤証人が偽証か、君が偽証か、どつちかになつて来るのだ、そこをよく考えて言つてもらいたい。
○矢頭証人 非常に申訳ないと思つておりますが、私としては、そのときのことを記憶をたどりたどり思い出して言つておるのですから……。
○田渕委員 まだ私はこの証人に対して追究したい点がたくさんありますが、本日は相当時間も過ぎておりますし、証人も疲れておるようでありますから、次回は友藤証人と対決尋問をしたいと思いますので、この質問は打切らずに留保しておきます。
○塚原委員長代理 ほかに御発言はございませんか。
        ―――――
今田淵君の言われた点につきましては、銀行等の関係もありますので、一応理事会において証人喚問等について相談してそのあとできめたいと思います。
 矢頭証人に対する尋問は一応これで終了いたしました。証人には御苦労さまでした。
 本日はこれにて散会いたします。
 次会は明後八日午前十時より開会いたします。
    午後五時二十八分散会