第013回国会 運輸委員会 第32号
昭和二十七年五月十五日(木曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 岡村利右衞門君
   理事 黒澤富次郎君 理事 原   彪君
   理事 淺沼稻次郎君
      大澤嘉平治君    岡田 五郎君
      尾崎 末吉君    玉置 信一君
      坪内 八郎君    飯田 義茂君
      川島 金次君    江崎 一治君
      石野 久男君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主税局税制課
        長)      泉 美之松君
        大蔵事務官
        (銀行局銀行課
        長)      大月  高君
        運輸事務官
        (港湾局長)  黒田 靜夫君
        航空庁長官   大庭 哲夫君
        運輸事務官
        (航空庁次長) 粟沢 一男君
 委員外の出席者
        運 輸 技 官
        (航空庁調査課
        長)      市川 清美君
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 航空法案(内閣提出第一七九号)
 港湾法の一部を改正する法律案(岡田五郎君外
 四名提出、衆法第三九号)
    ―――――――――――――
○岡村委員長 これより会議を開きます。
 港湾法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。江崎君。
○江崎(一)委員 簡單にこの法案について御質問を申し上げます。今度の改正の重大なポイントといたしまして受益者にその分担金を課すことができるように改正せられたのでありますが、この受益者というのは、どういう範囲を言うのですか。
○岡田(五)委員 別に具体的に受益者の範囲ということは言い表わせないのでありますが、この法文にもありますように、港湾工事によりまして、著しく利益を受ける者があります場合には、その人がいわゆる受益者ということになるわけであります。御承知の通り港湾は公共的な施設でありまして一般大衆、一般国民が平等に公平に利益を受けるのが、公共的施設の目的であると私は思うのでございますが、その公平な利益以上に著しく利益を受けた場合は、その工事の費用を、その普通以上に受けた利益の範囲において負担するのが当然ではないか、かような意味でございます。
○江崎(一)委員 そういたしますと、具体的にはどういうことなんでしようか。
○岡田(五)委員 一例を港、八幡なら八幡港にとつてみますると、たとえば港の中を浚渫いたしまして深くしました場合、深くした結果、製鉄所に出入りする船が、非常にその航行が容易になり、便宜を受けた場合に、八幡製鉄所の方からその浚渫工事の費用の一部を負担させるということであります。具体的な一例をあげますれば、そういうことであります。
○江崎(一)委員 そういたしますと港湾の修復、浚渫、その他いろいろ事業があるでしようが、その国家予算と、それから著しく利益を受ける者が負担するという金額について、大体今後の港湾事業について何か目安を持つておられるのでしようか。どれくらいを受益者に負担させるという目安がありましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○岡田(五)委員 御承知のように港湾改修工事は、それぞれ港によりまして態様を異にいたしておるのであります。しかもまたこの受益の限度がどの程度であるかということも、また負担の限度がどの程度であるかということもその工事をやつてしまつた結果でなければきまらない。これは想定すべきものではない、かように考えるのであります。しかもまたこの負担の限度は、管理者と受益者との間におきまして十分協議をいたしまして、過重な負担にならない程度において、また微少にならない程度において負担させ、また徴収させることが、具体的に妥当性を得ておるのではないか、かような意味をもちまして、受益者負担によつての徴収額というものは現在予定いたしておりません。
○江崎(一)委員 港湾の運送業者が、この著しい利益を受けた者として指定されて、そのために港湾の修復とか、いろいろな港湾の浚渫事業なんかに、不当な分担金を課せられるようなことはないかどうかということについて心配をしております。たとえばあるAという港があつて、その港が浅いのでこれを浚渫しますと、大きな船が入つて来ることができるので、運送業者はそのために非常な利益を受けるということで、分担金が課せられるというようなケースはあるのかないのか、その点についてはどうでしようか。
○岡田(五)委員 先ほど八幡製鉄所の例を出しましたが、八幡製鉄所は具体的に御承知だろうと思いますが、八幡製鉄所の入口は同じになつております。しかしほとんど八幡製鉄所専用の港になつておつて、特定の荷主ということになつておりますので、その浚渫のために受ける利益については、八幡製鉄所のみ非常に利益を受けるということで徴収ができる。それから今荷揚場というか、船着場というか、そういうようなところを改築した結果、それによつて利益を受ける荷主、運送業者というような者は、受益者負担ということで徴収されはしないかというような御質問もあつたようでありますが、そういう場合は、大体荷揚場その他の使用料ということで大体徴収いたしておりますので、港湾工事によつて著しく利益を受けたという受益者負担というのによらないで、荷揚場その他の使用料というところで費用を負担させておるようなわけであります。
○江崎(一)委員 以上でけつこうであります。
○岡村委員長 これにて質疑は終了いたしました。
 これより討論に入りますが、通告もありませんので、省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 これより本案について採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
○岡村委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決いたしました。
 なお本案に対する委員会報告書については、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○岡村委員長 次に航空法案を議題として質疑を続けます。岡田君。
○岡田(五)委員 簡単に一、二点だけ質問いたします。
 まず、これは他の委員からも御質問があつたと思いますが、第四條第一項の第四号に「法人であつて、前三号に掲げる者がその代表者であるもの又はこれらの者がその役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるもの」については登録することができないということになつているのですが、大体この三分の一以上あるいは議決権の三分の一以上云々というその数を限定した思想といいますか、考え方をこの際はつきりお聞かせおき願いたいと思うのであります。
○大庭政府委員 この件につきましては、世界各国いろいろ慣例があるのでありますが、かく制限をいたします根本的理由としましては、その国の排他的な思想からして、一部の国ではこういうようにできる限り制限を加えているわけでありますが、先日来も御説明申しましたように、日本の国情、現在の経済情勢から勘案いたしまして、かかる制限をつけていいか悪いかということにつきましては、愼重御審議をお願いいたしたいと存じている次第であります。実はこのような慣例をとつている諸国といたしましてはアメリカ、イギリスがあり、従つて日本の段階におきまして最初からゆるめるよりも、まずその慣例に従つておいて、もしも日本の経済状態がそれに伴わない、航空の発達を阻害するというような場面が起きました場合には、法の訂正をいたしたいというように存じまして、このように定めた次第であります。
○岡田(五)委員 それでは次に移りまして第七十條でございますが、「航空機乗組員は、酒精飲料又は麻酔剤その他の薬品の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。」こういう條文があるのであります。これは過般のもく星号の事故報告の場合に、スチユワード機長が酒に酔つばらつておつたとかいなかつたとかいう記事があつたとかなかつたということにつきまして、私がこれをお尋ね申し上げたことに対して、大臣の答弁も、酒を飲むような者は乗せないということになつております。また航空法といたしましてかような規定があることは、私は非常に喜ぶのでありますが、これに対する罰則が見当らないのであります。もしこういうアルコール気分を持ちながら乗つた航空従事員をどう処罰されるのか、ただ首を切るというだけに済まされるのか、あるいは罰則に基いて罰金刑を科せられるのか、この点御説明願いたいと思うのであります。
○大庭政府委員 その点につきましては第百四十九條の第二項に、第七十條の規定に違反してその航空業務に従事した者は、一年以下の懲役または三万円以下の罰金に処するという罰則規定がございます。
○岡田(五)委員 次に百二十六條及び百二十七條に関連してでありますが、具体的な例をあげまして御答弁を求めたいと思うのであります。たとえば国際航空で東京発、大阪へ着陸いたしまして台北、マニラ行きというようなコースがある。その国際航空に東京から乗つて大阪でおりるというお客を扱うことができないのかどうか。この法文を見ますと、どうも東京発の国際航空に乗つて大阪なり福岡でその飛行機が着陸するのにかかわらず、乗れないように解釈できるのでありますが、この点はどうなるか、御答弁を願いたいと思います。
○大庭政府委員 大体百三十條の規定がそれに該当するわけでありまして、国内のカボタージユというものは認めないことになるのであります。
○岡田(五)委員 それからこまかいのでありますが、百二十八條に軍需品輸送の禁止についての規定があり、この軍需品の内容は運輸省令できめられるようでありますが、大体どの程度のものを軍需品として運輸省令でお定めになる予定でありますか。軍需品というと非常に範囲が広いようにも解釈できるのでありますが、大体でけつこうでございますから、お考えになつておるところがこの辺のところだということだけを御説明願いたいと思います。
○大庭政府委員 これは一応常識の範囲内になるわけでありますが、弾薬その他軍に戦闘用具として直接使用される品物に限定したいと思います。
○江崎(一)委員 第十條の第四項以下におきまして耐空証明について規定しておりますけれども、この耐寒証明の技術基準というものは、もう運輸省でできておりますか。
○大庭政府委員 大体草案ができています。
○江崎(一)委員 ただいま配付されました資料によりますと、点検箇所だけはずつと記載してあるようですが、これの検査規定であるとか材料強度であるとか、そういうものの規定についてはどうなるのですか。
○大庭政府委員 大体この法案の前提になつています国際民間航空機構から出ました基準様式によりまして、それに日本の状況を加味してつくり上げたものであります。今担当官の方から御説明申し上げさせてもよろしゆうございますが、いかがでございましようか。
○江崎(一)委員 今御説明になつた検査基準については、外部へ発表するような段階にまでなつておりませんか。
○大庭政府委員 まだ外部へ発表するまでには至つておりませんが、草案としてでき上りまして、今部内で検討中であります。
○江崎(一)委員 それでは現在部内できまつておる基準について、大体こういう方向で行くんだということが説明できるなら、ここで説明していただいたらけつこうだと思います。
○大庭政府委員 それでは担当官の方から説明いたさせます。
○市川説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。ただいま大庭政府委員が申し上げましたように、一応の基準といたしましては、国際民間航空條約の第八付属書に航空機の耐空性に関連した規定があるのであります。その規定は一応このくらいの厚さのものがあるのです。これに加えますに一応作成の基準といたしまして、アメリカの民間航空規則、イギリスの民間航空規則並びに日本でつくつておりました旧民間航空規則を参照いたしまして、わが国といたしましても一応の案を現在この程度につくつて、これを審議しておるわけであります。相当のページ数になりますが、これらは先日来御説明申し上げたことと存じますが、検査担当官の裁量をできるだけ少くして、検査の基準を周知するために、できるだけ詳細につくつております。
 この内容を概括的に申し上げますと、飛行機の部、滑空機、ヘリコプター、発動機、プロペラ、動力装置、動力装置と申しますとちよつとおわかりにくいかと思いますが、操縦席だとか、操縦装置等のごときもの、あるいは燃料系統、電気系統、また航空機に付属いたしまする落下傘であるとか、消火器であるとかいう部にわたりまして、詳細にこれを規定しておるわけであります。お手元にお配りいたしましたのは、一応の例といたしまして点検例をそこに提示いたしましただけで、その細部につきましてはこれらの規定に詳細に述べておるわけであります。たとえて申しますれば、主翼のところに桁というのが入つておりますが、それにいたしましても、普通の飛行状態におきまする桁の強度、あるいは急降下状態におきまする桁の強度、あるいは輸送機におきまする桁の状況、それらをそれぞれ普通状態、突風状態によつて係数的に安全率を定めております。また普通材料もしくは鋳物材料あるいはベアリングをするところにつきましても、それぞれ安全係数をそれに附加するように規定しておりまして、これらは飛行機の種類なり、その巡航速度なり、あるいはそのウエートなりによりまして、グラフ的に算出するようなモノグラフをつくつて、これを一つ一つに分類して当てはめて、強度係数、構造係数あるいは実用の試験過程をそれぞれ規定しておるわけであります。これらに対する検査の対象といたしましては、お手元に配りましたごとく、設計の段階、製造の段階並びに現状の段階にそれぞれわかれるわけです。御説明を終ります。
○江崎(一)委員 一例をお伺いします。たとえば主翼の機械的な強度について申し上げますと、普通の浮揚に必要な強度に対して安全強度の係数を何倍くらいにとつておられるのですか。
○市川説明員 普通の場合におきましては、空気力学的な加重を一といたしまして、それに対しまして平均的にかける数字が一・四、それになおプラスいたしますのがダイビングを要するような飛行機に対しましては六倍、それから実用機と申しますか、輸送機に対しましては、四・四倍、以下各ケースがあるわけであります。そういうふうな基準があります。
○江崎(一)委員 ちよつと詳しくなりますが、今の四・四倍とか六倍という係数の強度をかけると、ブリーク・ダウンするケースになるわけですか。
○市川説明員 さようでございます。
○江崎(一)委員 第十條の六項によりますと、製造過程においてもこれを検査する。しかもその検査は「航空長官が当該航空機の製造を行う工場の従業者であつて政令で定めるもの又は通商産業大臣が運輸大臣に協議して指定する通商産業省の職員に行わせるものとする。」というふうに二つの場合があります。片一方は社内検査で、片一方は監督官検査になるわけですが、主としてどちらを採用されますか。
○大庭政府委員 第六項及び第七項につきましては、先日来御説明申しましたように、運輸省と通産省との所管問題上、内閣において決定された線に従つて書いたわけでありまして、決定権は当然通産大臣が運輸大臣に協議をして指定する通商産業省の職員が行うことになりますが、その人間をできる限り少くいたしまして、会社側の従業員に大部分のことをやらす、その監督権を通産省の職員が持つという方式でやれということで、こういうことにきめたわけでございます。
○江崎(一)委員 耐空証明について詳しくお伺いしましたのは、実はアメリカの耐空証明を保持したもく星号が事故を起しております。この間の大臣の経過報告などを聞きましても、いろいろとわれわれふに落ちない点があるわけです。たとえばスチユワード機長が数千時間の航空時間を持つた経験者であり、あの航空路についても十数回の経験者である。だから失速とか横滑りとかいうことによつてああいう事故を起すほど未熟者でないということを書いております。それからまた一方それとちようど反対のような結論が出ておるのです。あの三原山の上空をあやまつて二千フイートくらいで飛んだことが、事故の原因だというふうに結論されておりますが、これは非常に矛盾した書き方ではないかと思います。スチユワード機長ともあろう者が、三原山の標高を知らないはずはないと思う。そういうことになりますと、どうもわれわれから考えますと、あの事故は死人に口なしというような感じがするのです。彼が生きておつたらこの結論に非常に強く反発するのではないかとさえ感じられるのです。特にあの高度計その他の構造から考えて、高度計がどこでとまつていたか、七千フイートとか何かを指示しておつたということをやえますと、遭難の原因が機体の欠陷にあるのではないかというようなことが考えられるわけです。そこで日本の耐空証明については、特に強度についてこれは四倍とか六倍という係数が正しいのかどうかは、私は航空関係の専門家ではないからわかりませんが、その点について十分な責任のある検査規格を設けてもらいたいということを希望申し上げておく次第です。
 次に第二十四條に移りまして、操縦士の技能証明についてずつとクラスがあるのですが、この技能証明についての基準がきまつておりますかどうか、その点も承りたいと思います。
○大庭政府委員 大体先ほどの耐空証明の検査基準がきまつておるのと同じように、本法案につきましての技術的な資料は、大体全部草案まで行つておるわけです。現在部内の審査を経て全部きまつております。
○江崎(一)委員 次に第六十二條で規定されておりますところの高高度飛行というのは、どれくらいの高度から高高度飛行というのでしようか。
○大庭政府委員 今までの慣例といたしましては、大体四千メートル以上が高高度になつていたわけでありますが、漸次航空機の性能の進歩に伴いまして、また航空機の航法の変化に伴いまして、常時それは改変されて行くべき筋合いであります。従いまして政令によつてそういうものは決定したい。法で決定することは常時の変化にそぐわないわけでありまして、変化の多いものはできる限り政令の方へ讓つた方がいいと思うのであります。
○江崎(一)委員 それから雲中飛行をする場合には、これこれの設備がなくちやならぬということになつておりますけれども、雲が非常に低くたれ込めたような天候の場合にはどういうことになるのですか。その雲の下を飛ばなければいかぬのですか。
○大庭政府委員 この雲中飛行と申しますのは、まつたくの計器飛行による飛行状態を表わしたわけでありまして、それの状態というものは規定されているわけであります。従つて視界は十二マイルとか高度は二百フイートというように、それの範囲が見える間は有視界と認められますが、それ以内に視界がない場合を雲中飛行というように規定いたしまして、雲中飛行をやる場合には雲中飛行をやるだけの資格証明書を持たないとできないというように規定いたしているわけであります。
○江崎(一)委員 次は第八十條に危險のおそれのある区域の上空を飛行してはならないということが規定してありますが、この区域は現実にどういう地方が当てはまるのですか。
○大庭政府委員 山岳地帯であるとか、あるいは工場地帯であるとかいうように、地形的に、あるいはその下の施設物が航空機の飛行に対して危險を及ぼすような場所を限定いたしまして、その上を飛行することを制限しようというのがこの八十條の條項でありますが、現在具体的には私たちはまだ決定していないのであります。
○江崎(一)委員 戰争前にありましたいわゆる要塞地帯といつたような範囲も、これに含まれておるのかおらないのか、その点はどうですか。
○大庭政府委員 現在の日本の状態から勘案しまして、そういうことは今私たちは存じていないのであります。
○江崎(一)委員 駐留軍関係の軍事施設の上空を飛行するというようなことが、この法令で禁止されるのかされないのか、その点もう少し明確にしてもらいたい。
○大庭政府委員 そういう問題は禁止されないと存じておるわけであります。但し先ほどの御説にもあつた通りに、現在の飛び方また飛ぶコースというものはある程度定められています。し、また飛行する場合にはそれらの制限を受けるわけでありまして、それらの制限に従つて飛行しなければいけないことは事実でありますが、特別に駐留軍が借用しようとする飛行場の上を飛んだらいけないという規定は、つくる必要はないと思います。
○江崎(一)委員 あやまつて日本の航空機がアメリカの軍事施設の上空を飛んだということになると、現実にはどういうことになるのですか。
○大庭政府委員 何ら支障はないのじやないかと思います。また飛んだらいけないという規定がない壇上は支障はないと思います。
○江崎(一)委員 次に八十條に、「運輸送省令下定める高度以下の高度で飛行してはならない。」ということがありますが、この運輸省令できめる高度というのは、どのくらいの高度を指定されておりますか。
○大庭政府委員 普通の飛行機は、大体市街地では二千フイートくらいで制限したい、あるいはヘリコプターというようなものになりますと二百フイート前後、まだこれの具体的な問題についてはただいま検討中でありますから、いずれきまりましたら御説明申し上げたいと思います。
○江崎(一)委員 第八十七條に無人飛行機の規定がありますが、これは日本においてもすでにこいう何か当てがあるのですか
○大庭政府委員 これはこういうことも起きるかと思いまして、一応條項として書き出したわけでありますけれども、具体的には当てはありません。
○江崎(一)委員 これは遠い将来のことであるというのだつたら、こういうことを記載しない方がよいのじやないですか。これは抹消した方がよいと思いますが、どうでしようか。
○大庭政府委員 実は先ほど来申します通りに、民間航空飛行の條項の中にこれらは一応うたわれておるわけでありまして、そういう場合も起きないとも限らないわけでありますので、一応條項として入れてあるわけであります。これがあるないということは、航空機の進歩過程におきましてないとも言えないものでありますし、一応ここに想定して入れたわけであります。
○淺沼委員 ちよつと関連して……。これはわれわれちよつと了解しにくいのでありますが、そうすると仮想のことを法律で規定しておくわけですか。要するに法律というものは、やはり現実に合つた問題が対象となろうと思いますが、これは全然仮想のものであつて、それを今から予想して法文化しておくという意味でしようか。
○大庭政府委員 今の御質問はごもつともと存ずるわけでありますが、近い将来にこういうことが想定されるということも想像されるのでありまして、遠い将来のことを考えれば、その現実が真近になつたときに法を改正すればよいわけでありますが、すでに世界各国ではそれらが実用に供されておるということも現実のものであります。従つてある現実性がもうすでに起きておるというところから、一応盛つたわけであります。
○江崎(一)委員 将来こういうことが起り得る可能性があるので、こういう條項を規定されたのだというお話ですけれども、これはまずくすると無人ロケツト飛行機に悪用される危險があると思います。日本の再武装と関係があるので、この問題は非常に重大ではないかと思います。必要が起きれば必要なときにこれを改正すればいいじやないですか。非常にわれわれは疑問に思うのですが、大庭長官の御説明だけでは、この條文を残して置くことについて納得行きません。もう少しりくつの通つた説明をしてもらいたいと思います。
○大庭政府委員 案は航空機そのものをお考えになりますと、そういうものはなかなか起きないというようなことが想定されるかもわからないわけでありますが、滑空機を御想定なさると、ある程度こういうことも可能になつて来る現状であります。この航空法は單に飛行機そのものに限らず、全般的な航空機を坂路つているわけでありまして、そういう面においてもう少し分野を広くお考え願えれば幸いではないかと思います。
○江崎(一)委員 ただいまの大庭長官の御説明でも納得できないのです。しかし今日はこれくらいにしておきまして、また次会に質問を続けたいと思います。
○坪内委員 私の質問は航空法案の審議に関連してこれに重大なる関連を持つ資金関係について、昨日来大蔵大臣あるいは銀行局長の出席を求めて所見を伺うことを予定しておつたところ、いろいろな都合で局長もおいででないようでありますので、ただいま御出席になつた銀行課長にお尋ねをいたすわけでございます。銀行課長は当面の最高責任者でないので、十分われわれの質問の内容を上司に連絡をとつて、さらに適当な機会に何らかの方法をもつて委員会に出席を願つて、私の質問に対して答弁をしていただきたいと考えておる次第であります。なを昨日来銀行局長並びに関係者の御出席を要求しておいたにもかかわらず、一時間有余になつてもその連絡がとれないということは、これはまつたく当委員会を無視しておるような関係にもなりますので、そういう点も考慮に入れて、十分慎重な審議ができるように考えてもらいたいと思うのであります。
 そこで資金関係の点をお尋ねいたしまして、さらに課税問題についてお尋ねをし、最後に航空長官に航空機の乗組員の養成等について、そういつた順序で質問をいたしたいと思うのであります。
 申すまでもなく日本が独立いたしまして、今後の航空事業の健全なる発展をはかるためには、莫大な資金を要することは申すまでもないことであります。しかも航空事業はその収益面が他の産業に比較して劣るというような性格からして、アメリカ等におきましては航空会社に対して強力なる、しかも積極的な援助の方法をとつておることは御承知の通りであります。私たちも過般来渡米して、アメリカ各州の各会社の実態を調査いたして参つたのでございますが、そういう関係から見ても、その援助の形をどういうふうに持つて行くかということが非常に問題でございまして、その形についてはその国の経済、政治あるいは軍事上の実情から、それぞれ異なつているのであります。従つて今後日本においていかなる形をとつてこういつた資金対策を考えるかということが、今後の航空事業の発達を左右することになりますので、当面の問題としてはこの種事業の公共性を十分考慮して、他の重要産業の場合と同様に、設備資金の融資の対象とすることを考えなければならぬと考えておる次第でございますが、そういつた問題について、将来あるいは当面の考え方として、どの程度のお考えを持つておるか、御所見を承つておきたい。
○大月政府委員 大臣あるいは局長から直接お答えすべき問題とは存ずるのでありますが、税あるいは補助金というものによつて航空事業の発達をはかるか、あるいは金融の面に重点を置くかということは、全体の予算の考え方あるいは税制におけるほかの事業との均衡というようなことや、非常にむずかしい問題があると存じますが、金融の面に関して現在の機構なり考え方からいたしまして、航空機の製造に対してどういうような方途でもつて出し得るものであろうかということについて、ただいまの現状を御説明申し上げます。
 現在児間の資金として航空機の製造のために設備資金として出し得る機関といたしましては、圭とし債券を発行しておる日本興業銀行、日本勧業銀行であろうかと思うのであります。現在国会の御審議を願つておる長期信用銀行の法案が成立いたしまして、この制度が確立いたすことになりますれば、これらの銀行も性格を変じて、新しく長期信用銀行になると思うのでございますが、そういう段階になりますと、長期信用銀行からこれらの設備資金が出ることになると思います。ただこの融資に関して現在銀行局長から通牒が出ておりまして、特定の産業に対してのみ重点的に融資をする、他の比較的重要でない面については、特別の事由がない限り融資を差控えるようにということを、一般に銀行に通知をしてございます。航空機の製造というものが、現在の通牒におきましてはその直接の対象になつておらないわけでございますけれども、特別の事由がある場合には、必ずしもいけないという建前ではございません。それから航空機の事業自体が非常に重要であるという段階になりますれば、場合によりましてはこの通牒の改正その他によりまして、この事業に対する融資を公に認めて行く、こういうことも考えられるかと存ずるのでございますが、いずれ慎重に検討して結論を出すべきことかと存じております。それから政府の機関といたしましては日本開発銀行がございまして、主として緊要な産業に重点的な融資を行つております。現在電力であるとか、石炭、鉄鋼とかいう方面に出しておるわけでございますが、航空機に関しましては融資面の援助が必要である、こういうことになりますれば、開発銀行から融資するということもあるわけでございます。ただこれらの金融機関といたしましても、いずれも採算に乗るということが融資の前提になるわけでございまして、それは個々の会社の経理なり将来の業績の見通しなりを根本的に判断いたして、融資するということになるわけでございます。一律に航空機であるから出す、あるいは出さない、こういうことは言えないかと思うのでございます。ただいまの御趣旨は十分上司に伝えまして、いずれ責任ある御回答をしていただきたいと思います。とりあえず金の出得る方式並びに現在の考え方について御説明申し上げた次第でございます。
○坪内委員 航空事業に対する資金対策という問題については、重大な問題であり、また私たちといたしましても重大な関心を佛わなければならぬ点でございますので、これは当面の責任者である大蔵大臣なり銀行局長の直接の答弁を必要とするのでありますが、今日大臣の出席がなかつたことは残念に思つております。そこでただいまのお話によりますと、法律的あるいは通牒によつて、そういう道が開かれつつあるのだというお話でありましたけれども、その点がはつきりしなかつたので、法律的にこれができるようになつたのか、また通牒でできるようになつたのかという点を、はつきりしていただきたい。また航空事業の採算という面を考えて、融資の対象になるというようなお話でございますが、私が言うまでもなくアメリカの民間航空会社においても、採算のとれておる会社はほとんどない。小さい会社などはほとんど赤字である。従つてそういつた採算のとれない赤字の会社は、例の郵便物の逓送料の補助金政策をもつて、これを補つておるという現状である。採算というようなことを考えておつたならば、とても資金の対策などは確立ができないと思う。だからそういつた採算ということは度外視して、今後の日本の航空事業を健全に発達させるためには、相当大きな手を用いなくちやならぬというのが私の考えでありますが、そういつた三点についてもう一回はつきり伺いたい。
○大月政府委員 最初の法律的に可能かどうかということ、あるいは通牒で措置し得るものであるかどうかということにつきましては、現在融資に関しまして、直接個々的にあそこに貸すように、あそこに貸してはいけないということは言わない建前になつておりますが、通牒といたしましては先ほど申し上げましたように、主として緊急産業、重点産業を列挙いたしまして、その方面に重点的に考えてほしい。ただ特別の事由のある場合は別であるという建前になつております。従いましてこの航空事業の緊要性が一般に認識せられ、どうしても国策として貸す必要があるということになりますれば、当然通牒も改正いたしまして、そこへ航空事業を入れるべきだと思いますが、それでは現在、改正する以前におきましてもそれは不可能かと申しますと、特別の事由を判断いたして貸してもいい、このように考えております。
 それから採算に乗らないものもどんどん貸すようにというお話でございますが、これは金融の建前から申しますと、やはり一般の大衆からの預金を預かつております建前上、採算のとれない会社には金融をしてはいけないというのが絶対の原則でございます。従いましてこの会社がうまく成り立つかどうかということは、ほかに技術的の指導もございましようし、あるいは先ほどお話のございました補助金を出すとか、あるいは税の面で考えるとか、そういう国の全体の政策及び技術の改良等によりまして、全体として見て採算がとれるという態勢にいたしました上に、金融的に考えるという段階になるかと思うのでございます。従いましてそれは財政、金融あるいは実際の産業行政というものを総合して考えるべきことかと考えるのでございます。金融の面から抽象的に申しますれば、採算に乗らなくても金を貸すということは建前としてはできないし、またそうすべきことでもない、全体として考えたいというふうに考えているわけであります。
○坪内委員 資金対策について、私の質問は重要な点でございますから、あらためて大蔵大臣並びに銀行局長に機を見て質問を申し上げたいと考えております。ただいまの銀行課長の御答弁は、その立場においての答弁としては、まずその程度のものだろうと考えております。
 そこで次の質問につきましても、これまた大臣並びにそれぞれの局長の答弁を必要とするのでありますけれども、お尋ねをしておきたいと思います。私が申すまでもなく、航空機材の購入あるいはその資金が莫大な金額に上ることはもちろんでございますが、外国より機械、器具を購入しなければならぬということに相なる次第であります。そこで単なる円資金の融資のみにおいては、これが足りないということは当然のことでございます。従つて外貨資金の割当あるいは外貨導入等の為替対策を考えなければならない。あなたの所管ではないので御存じではないと思いますが、航空法案の第四條に外資の関係をうたつておりまして、外資の関係は三分の一までにとどめておくというようなことがあり、この点は当委員会といたしましてもあらゆる角度から質疑をいたし、慎重に審議中のものでございますが、なお研究の余地がある次第でございます。先ほど申し上げましたように、單なる円資金のみでこれを補うということはまつたく行き詰まるものでございますので、そういつた関係を為替対策によつて、道を開かなければならぬということも考えられるわけでございますが、その点についての御所見を承つておきたいと思います。
○大月政府委員 外貨の関係は私の直接の所管でございませんので、あるいは責任のある御答弁にならないかと存じますが、ただいま私の承知いたしております限りにおいてお答え申し上げます。一つはこの航空機を製造する会社について、その株式に外資を入れるという問題かと存ずるのであります。もう一つは、できました会社が航空機材その他を購入するについて、一般の為替資金をどうするか、あるいは借入金、いわゆる狭い意味における外資をどういうふうにして入れて来るか、あるいは現在日本にたまつております外貨をどういうふうにして航空機器材の購入のために使い得るか、こういう問題であろうかと存ずるのであります。
 最初の外資による株式取得の問題については、現在株式を取得するにつきまして外資委員会というものがありまして、そこの認可を得るということになつております。従つて航空機製造の会社につきまして、かりに外資導入が株の面において非常に必要であるということを産業官庁の方において認められ、外資委員会と御連絡になるならば、それについての認可は比較的簡單に出すかと存じます。ただ今のお話で外資については三分の一という制限がついておるように承つたのでありますが、そういうように外資が入ることがいいか悪いかというような実態的な問題は、産業官庁の方で十分にお考え願うことでありまして、そちらの方でぜひ入れたい、入れてもさしつかえないという御判断でございましたならば、外資委員会の方では積極的にその方針に従つて認可の方針をとるであろうと考えております。
 それから航空機の機材購入につきましては、現在とつております制度として外貨貸付の制度がございます。これは一般には設備の合理化資金として外国からいろいろな物を買つて来る。機械、工場その他を近代化し、合理化するというためには、特別の低利をもつて外貨を貸し付けることができるという制度になつております。この制度のもとに航空機の機材が入るかどうかということが問題かと存ずるのでありますけれども、現在のところ合理化資金という面では直接には入らない。ただ解釈といたしまして、この航空機事業を積極的に育成するということになれば、最近の近代科学の要請に応じたいろいろな航空機製造のための機材なり資材を入れるという面がはつきりいたしまして、そういう機材、資材を入れることによつて、国際的な近代的なレベルに達し得るものだということになれば、今の合理化資金という面において外貨貸付が可能であると考えております。そういう点につきましても個々の問題として、問題になつておる機材なり資材がはたしてそういうレベルのものであるか、そういう性質を持つものであるかという判断によつて運用されると思います。
○坪内委員 いろいろ御説明がありましたが、航空機器材購入のために外資を導入するという場合には、外資委員会に申請すれば道が開ける、あるいは申請を受付けるかわからぬということでありますが、そこで外資委員会は、想像するに大蔵大臣の諮問機関のよつなものであろうと思いますが、外資委員会でそういうように決定いたしますと、大蔵大臣の基本的な考え方と一致しなくてもそういうことになるのであるかどうか。この外資委員会の性格を簡單に御説明願いたい。
○大月政府委員 現在外資委員会は内閣に直属しております。そして外国為替管理委員会その他の行政委員会と同じ独立の行政委員会になつております。これが現在の機構改革案によりますと、七月一日から大蔵省に吸收されるということになりまして、ただその性格は大蔵省で吸收するといたしますと、外局とか、あるいは行政官庁ということではなくして、大蔵大臣の諮問機関というかつこうになるのではなかろうか。かりに委員会という制度は残るといたしましても、決定機関ではなくして、大蔵大臣の諮問機関というように性格は変ずるものだと考えております。従いましてこれは大蔵省の外貨運用の方針に従つて運用され、大蔵大臣の責任において決定し得るものだと考えております。
○坪内委員 その点は了承いたしました。そこで次にお尋ねいたしますが、所要資金の調達の方法には、私が申すまでもなく政府の出資の場合と、政府資金の融資の場合があろうかと思うのであります。そこで日本政府の資金で、かりに民間航空会社の融資を適当とされるというようなものについては、先ほどからもお話がございました通り、開発銀行の資金、あるいは外貨貸付制度による外貨資金というような関係になるかと思うのでありますが、そういつた貸付の対象は、日本経済の再建及び産業の開発に寄與する設備、その中には、たとえば船の建造なども含むし、車両などの点も含む、こういうふうに考えておりますが、航空機材がその対象になるかいなかということが、先ほどもお話がございましたけれども、不明確です。従つて日本が独立した講和発効後においては、その対象となるということを明らかにする必要があろうと思いますが、そういう点について、何かあなたの方では考えを持つておられるかどうか、あるいは何か計画があるかどうか、日本独立後早急にそういつた手を打たなければならぬということを痛切に感じておられるかどうか、そういう点も伺つておきたいと思います。
○大月政府委員 航空機の事業の重要性に関しましては、お説の通りでございまして、やはり一つの重要な産業といたしまして、愼重に考慮して行かなくてはならぬ問題であろうと考えております。ただこれを育成する、あるいは補助、助成する、こういう立場に立つて考えますと、どういうかつこうがいいのかということが、やはり残るかと思うのでございます。補助金によるのか、税の免除によるのか、あるいはただいまお話のございましたように政府の出資によるのか、いろいろなニユアンスがあると思うのでありまして、その点については今後十分に検討して行きたいと思いますが、外貨の貸付につきまして、航空機材が入るかどうかというお尋ねかと存ずるのでございますが、これは先ほどお話申し上げましたように、合理化という線に入るかどうかという解釈の問題になると思います。そういう意味において、近代的な機材がへり、国際的なレベルに達し得るというもの、そういう機材がなければ一般的な競争にも耐え得ない、近代的な飛行機もつくれない、そういうような機材、資材につきましては、当然この合理化という線に入り得るものと解釈しております。
○坪内委員 外資導入の関係につきましては、わが党においてもいろいろ政策に取入れておりまして、これを積極的に促進しようということになつておりますので、そういう点とにらみ合せて、大蔵当局においても十分な考慮を拂つてもらわなくてはならぬ、かように考えております。しかしこの点につきましては重要な政策の一つでございまして、大蔵大臣に適当な機会に御質問申し上げたい、かように考えております。
 次に、先ほどちよつとお話申し上げた通り、民間航空会社が最も発達しておりますアメリカにおいては、その採算面については個々の会社でおのおの違つておることは御承知の通りであります。そこでそういつた採算のとれない小規模の会社、あるいは採算のとれない大会社にいたしましても、これについては政府が強力な補助政策をとつております。その政策の一つに、郵便物の逓送料に補助金の性格を織り込んで、航空事業の育成をはかるというような関係に相なつておるのでございまして、私ども先般アメリカを視察いたしまして、実に理想的なやり方だと思つたのであります。そこで政府あるいは大蔵省でも、郵便物の逓送料をもつて航空事業を補助するといつた行き方をお考えになつてないのかどうか。わが国よりも地理的、経済的に有利な立場にあるアメリカでさえも、こういつた手を打つておるのであるから、そういう点にまつたく見劣りのするわが国の航空事業に対しては、そういう強力な援助あるいは手段を講ずることが当然のように思うわけでありますが、そういう点についての所見をこの際承つておきたいと思うのであります。
○大月政府委員 郵便物の逓送料でございますが、そういう問題につきましては、直接予算に関係することでございまして、私詳細なことはわかりませんので、担当の当局によく連絡いたしまして、検討するように申入れしたいと思います。
○坪内委員 そこで銀行課長に最後にお尋ねいたしますが、ローカル線の問題であります。ローカル線の開設にも、あるいは不時着用にも、それぞれその地方において、地方的な飛行場の整備を必要とするのであつて、われわれ国会に対しましても、各地方からローカル線の要望が強いのであります。また熱烈な請願が出ておる次第でありますが、そういつたローカル線の開設あるいは不時着用にも、各地に飛行場の新設、整備が必要であるから、そういつたローカル線にも、何か地方公共団体に資金面で援助をしてやるというような考えはないのかどうか、その点を承つておきたいと思います。
○大月政府委員 これも具体的な問題が起きまして、具体的にこういう面で資金がいるからというような計画でもできましたときに、個々的に検討すべきものと存ずるのでございます。そういう問題が生じましたならば、十分担当の各省とも御連絡申し上げまして、十分御意向を入れて善処いたしたいと思います。
○坪内委員 ただいま私が質問いたしました数点は、今後の航空事業の発展ということに重大な関連を持つものでございますので、これは当面の責任者である大蔵大臣並びに関係者にもう一度当委員会に御出席願つて、徹底的にいろいろと御所見を承つてみたいと思いますので、今日はこの程度にとどめておきたいと考えるのであります。
 次に税関係についてお伺いしたい。課長さんでけつこうです。御承知の通り航空用のガソリンの消費税は免税になつておるけれども、将来航空事業の健全な発展のために、航空用ガソリンの関税も免税にする必要があるのではないかと考えますが、その点について御所見を承りたい。
○泉政府委員 所管のことを申し上げて恐縮でございますが、私内国税の仕事をやつておりまして、関税の方の仕事は税関部の方の仕事になつておりまして、直接タツチいたしておりませんので、関係の者に伝えまして、詳しい御返事をいたすことにいたしたいと思います。
○坪内委員 通行税の関係はどうですか。
○泉政府委員 通行税につきましては、昨年の春の国会におきまして、航空機の搭乘客に対しまして通行税二〇%を徴收するということを提案いたしまして、国会の御決定を得まして現在実施いたしておるのでございます。現在の日本航空株式会社の経理の状況を見てみますと、航空機用の揮発油税につきましては免税いたしたのでございますけれども、なおまだ会社の採算をとるまでに至つておらないようであります。通行税もできるならば免除するようにしてほしいというような要望があつたのでございますが、この点につきましては、結局通行税として現在課税いたしておりまするのは、汽車とか汽船、乗合自動車、こういつたものの二等の乗客の料金以上のものに対して課税するという建前をとつておるのでございます。ただ寝台料金につきましては、三等の場合にも課税することにいたしておるのでございますが、そういう建前をとつておりますると、汽車、汽船の場合に通行税を課税して、航空機の場合に課税しないということは、課税の体系としては非常にアンバランスなものになる、こういうわけで昨年通行税法の改正をお願いいたしまして、決定をしていただいて現在実施いたしているのでございまして、現在の段階におきましては、通行税を免除するということは考えておらないのでございます。それでは日本航空会社が現在赤字で困つている状況をどういうふうにして救済するか、あるいは打開すべきであるかということになりますと、これはどこの国でもそうであると思いますが、航空事業は普通のコマーシヤル・ベーシスではなかなかもうからないのが普通でございます。従いまして坪内委員も御承知の通り、アメリカなどにおきましても、政府が相当の補助金を出しているのでございます。従つて日本におきまして航空事業の発達をはかるということにつきましては、そういつた意味で、やはり政府で補助金を出すかどうかすべきであろうと考えるのでございまして、税の面からいたしまして通行税を免除するというのは、一種の隠れたる補助金にはなろうかと思いまするが、課税の体系としては非常に妙なことになりますので、やはり通行税は、アメリカでも航空機に対して課税されていることは御承知の通りでございます。そういつた面からいたしましても、やはり隠れたる補助金でなしに、正規の補助金で行くべきではないかというふうに私どもは考えるのでございます。
○坪内委員 通行税の関係はあなたの担当ですか。
○泉政府委員 さようでございます。
○坪内委員 それでは質問を続行いたします。ただいま通行税の関係でいろいろお話がございましたが、わが国よりも生活水準の高い米国よりも、わが国の通行税が五%も高い。あなたはこの五%というようなことについては、高いとお思いにならないのですかどうですか、その点を伺いたい。
○泉政府委員 これは通行税の税率全体が高いか低いかという検討になろうかと思います。ひとり航空機についての通行税だけの問題ではないのでございまして、そういう意味からいたしまして、通行税に二〇%の税率が妥当かどうかということは、いろいろ議論の余地のあることだとも思うのでございます。アメリカは御承知の通り一五%になつております。それに比べまして日本の方が五%高いということは、事実として認めなければならぬのでございますが、それがはたして日本の状況において妥当であるかどうかということになりますと、日本の生活水準とアメリカの生活水準とを比べてみて、どうこうと言うわけにはなかなか行きかねると思うのであります。結局現在通行税で收入をあげておりますのは、御承知かと思いますが、十六億円何がしになるのでございます。従つて通行税というような形で、十六億円余の財政收入をあげなければならぬかどうかという、価値判断の問題になつて来ようかと思うのでございますが、現在の段階といたしましては、比較的奢侈的と認められまする二等の乗客以上の料金につきましてこの程度の税率とすることは、日本の置かれた財政状況から考えまして、やむを得ないのではないか。もちろん将来の財政状況がよくなりますれば、これを軽減するということは適当かと考えますが、現在の段階においてはやむを得ないのではないかと考えております。
○坪内委員 私どもはこういつた高度の公共性を持つ航空事業に対して通行税が二〇%といいますのは高過ぎると思うわけであります。従つてただいまのお話では、通行税の年間收入が十六億円というようなことでありましたが、航空事業の関係においては、年間一億程度というようなことを聞いております。そこでこういうような一億程度の税收のために、わが国の航空事業の発展を阻害するような形になるのではないかという面も考えられるので、むしろこれを減免して運賃を引下げて、高度にその利用層の拡大をはかつて、本事業の公共性を拡大して行くということが、航空事業を助成する一つの方法でもあろうかと思うのでありますが、その辺のお考えを簡單に承つておきたいと思います。
○泉政府委員 なるほどお話の通り通行税の十六億六千万円のうちで、航空機の関係から生ずるものは、二十七年度におきまして一億三千八百万円と見込んでおります。しかし問題は、航空機に対する通行税の二〇%を一五%にするということでは解決にならないのでございまして、汽車、汽船に対する通行税をもあわせて考えなければならないと思うのでございます。汽車、汽船の通行税を二〇%にしておいて、航空機だけ一五%にするというわけには参らぬだろうと思います。やはりその消費の性質を考えてみますと、両方がパラレルに行くべきではないかというふうに考えられるのでございます。そういう意味からいたしますと、十六億の租税收入は、全体の歳入のうちからいたしますればもちろん金額は僅少でございます。やはり非常に重い租税負担になつておりまする現在の段階におきましては、まあ二等以上の乗客なり、あるいは航空機の乗客の場合には、若干税を負担していただくことは、やむを得ないのではないかというふうに考えるのでございます。
○坪内委員 そこで次にお尋ねをいたし、なお要望をいたしたいと思つております。関税関係はあなた方の所管ではないというので、十分関係者と連絡をとつて検討してみるというようなお話でございますが、私どもは、ただいま申し上げました観点からいたしましても、こういつた通行税が高いものである。さらにまた航空用ガソリンの消費税を免除してほしいというような強い要望を持つております。そこでわれわれの調査いたしましたところによりますと、昭和二十七年度の政府予算における関税收入は百二十六億八千九百万円になつておる。しかも今後一、二年間の輸入ガソリンの見通しに関しましても、ガソリン輸入税は二千二百万円程度、さらに潤滑油は二百八十万円程度で、計二千四百万円程度になる。こういう関係から換算いたしますと、その関税收入中に占める比率というものはわずかに〇・〇二%である。こういう関係から考えましても、私が先ほど申し上げました通りこういう点については十分に考慮を拂つて、免税なり、あるいは免税できなければそれよりももつと低く減税をするとかいうような措置を講じて、航空事業の円満健全なる発達をはかるということが、一つの国策にもならなければならぬということを考えておりますので、あなたの所管外のこともありますけれども、この点について御所見を承り、さらに私たちのこの強い要望を関係方面に十分御連絡の上、検討していただきたいと考えておる次第であります。またこの点につきましては最高責任者にも適当な機会に御質問申し上げ明らかにしてみたい、かように考えておる次第でございます。
○大澤委員 ただいま坪内委員から発言されました航空機の通行税に対する点について、大蔵省の税の面から御答弁されましたが、承りますと通行税は船舶、汽車等、他との比例もあるので、航空機に対してだけ減免するとかいうようなことは、税の体系から行つて適当でないというような御説明でありますが、先ほどの大蔵省の政府委員からの説明によりますと、航空機用のガソリンに対しては特に免除しておる、すなわち陸運の自動車その他に対するガソリンは何ら税の減免をしてないにもかかわらず、航空機に対してはこれを免除しておるということでありますので、航空機のガソリン税を免除するならば、通行税もそれと同じように特別の措置を講じてもさしつかえないのではないか、かように考えるのでありますが、この点をお伺いいたします。
○泉政府委員 ガソリン税を免除いたしておりますのは、オクタン価の高いものを免除しておるのでございまして、結局そういう種類のものは航空機に使われるということになるわけでございますが、これをなぜ免除しておるかということにつきましては、昨年法律案を提出したときにも申し上げたのでございますが、結局汽車、汽船の場合の料金に対しまする通行税の負担と、航空機の場合には御承知の通り揮発油を多量に使用いたしますので、その通行税と揮発油税とを合せたものの負担がどうなるかということを、あわせて考えてみなければならないのでございます。そういたしますといろいろな比較があろうかと思いますが、通行税、揮発油税もだんだん引下げて参つておりますが、なおかなり高い税率になつておりますので、航空機の搭乗料金に対する通行税と揮発油税とを合せた負担が、汽車、汽船の場合に比べて非常に重いことになつております。そこでこの負担を比較してみた場合に、通行税のほかに重い揮発油税がかかることは気の毒だということが考えられます。もちろん考え方によりましては、飛行機は非常に便益を受けますので、それくらいの税を負担してもよいのじやないかというようなりくつもあろうかと思うのでありますが、しかし料金に対する負担ということを考えますと、あまり高くなるのは適当でないというふうに認めまして、揮発油税の方だけ免除いたしておることになるのでございます。
○大澤委員 ただいまの御説明によりますと、航空機は他のものと比較してガソリンの消費が非常に多いから、ガソリン税をかけると負担が過重になる、そういう意味からガソリン税を免除したというお話でありますが、あなたのお話によりますと、税の体系から言つて担税力あるいは負担の公平という面からすれば、船舶、汽車等に対しては通行税を負担せしめ、航空機に対してだけ税を免除することは公平でないという御答弁でありましたが、ガソリンの量をたくさん使うから航空機は免除するということは、航空機事業の発達の面から見れば非常にけつこうなことでありますが、陸上交通機関の場合、たとえば自動車で、自家用にしましてもあるいは営業用にいたしましても、二倍も三倍も五倍もガソリンを使用しておる自動車は担税力を持つておるので、そういうものからよけい税金をとることは理論的にも納得できるのでありますが、あなたのお話では航空機はガソリンの量をたくさん使うから減免して、他のガソリンを消費する交通機関はガソリンの量が少いから、ガソリン税をそのままにかけて行くのだというようなお話では、どうも納得が行かないと思うのでございます。ガソリンの量をたくさん負担するものは担税力があり、ガソリンの消費が少いものは担税力がない。こういう点から言つて負担の公平、担税力の面を考えますときに、あなたの御説明によりますとどうかと思われる点がございますので、この点もう一言お尋ねいたしておきたいと思います。
○泉政府委員 お尋ねの趣旨がよくわかりかねるのでありますが、私が申し上げましたのは、航空機の場合には通行税と揮発油税とを合せたものが、結局搭乗者の負担に転嫁されて参つて来ますので、その両方合せて負担を見ました場合に、汽車、汽船の場合に比べて重過ぎると考えて、揮発油税の方を免除したと申し上げたのでございます。なるほど通行税法の規定の上から申しますと、自動車の場合には乗合自動車にだけ通行税がかかることになつておりますが、実際におきましては乗合自動車で二等と三等というふうにわけているのはないのであります。そこで等級をわけておりません限りは、全部三等として課税をいたしておらないのでございます。規定上は課税し得る場合があるのでございますが、実際問題としては課税になつておりません。従いましてまた乗合自動車用の揮発油というのは、ちよつと判別できがたいと思います。オクタン価八五以上の揮発油ということになりますと、判別できるわけでございます。ただ技術上乗合自動車用の揮発油ということで区別して免税するわけに行きませんし、また実際の負担からいたしましても、普通の自動車は通行税はかかつておりませんので、せめて揮発油税を負担してもらわなければならないというような関係がございまして、こういうふうになつておるのでございます。
○坪内委員 大蔵省所管関係の質疑は、また大蔵大臣なり適当な最高責任者を招致して質問申し上げたいと思いますので、この程度にとどめておきたいと思います。
 次に大庭長官に少しお尋ねしたいと思います。先ほど同僚議員から第四條第四号に基く質疑がございまして、大庭長官よりこの外資を三分の一にとどめておるということは、アメリカの慣例にならつたのだというような御答弁がございました。申すまでもなく外資導入ということについては、わが党においても慎重に考えておる政策の一つでございまして、また内閣においてもしかりでございますが、先般外資導入という関係からして、銀行行政に敏腕を持つておるところの新木氏をアメリカ大使に任命して、円満なる外資導入をはかろうとしておるやさきでございますので、この外資導入ということについては非常にデリケートな問題があろうかと思うのであります。従つてこの外資の導入によつてわが国の経済にプラスになる面と、無用の摩擦を生じ、その調整に困るという面も出て来るかと思われる点もありますので、非常に慎重を要する点であろうと思うのであります。そこで先ほどの長官のお話によると、三分の一にとどめたのはアメリカの習慣によつたのだということでございますけれども、私どもの調査によりますと、アメリカにおいて資本を投資しておる会社は、イタリアの航空会社については米国のトランス・ワールド航空会社が四〇%、コロンビア航空会社においてはパン・アメリカン航空会社が四八%、キューバ航空会社においては同じくパン・アメリカンの会社が五二%、セイロン航空会社におきましては濠州航空会社が五一%の資本を持つておるというようなことになつております。こういう点から考えますと、私どもの資料と長官の考え方と少し違う点がございますので、その辺のところをもう少しはつきり伺つておきたいと思います。
○大庭政府委員 先ほど私が申し上げたのは、アメリカの国内において、アメリカの会社に対する外国資本の導入についての習慣、あるいは法的処置を申し上げたのでありまして、アメリカの会社が他国へ乗り入れてやる場合には、その法は適用されていないので、その国の法が適用されることになつているわけであります。その点お間違いないように願いたいと思います。パン・アメリカンが御承知のように、世界各国に腕を伸ばして事業の援助をしているわけでありますが、その半面航空事業あるいはその国の室の権益について、ある程度のものがあることは御承知の通りだと存ずる次第であります。これらの点は慎重に御審議をお願いいたしたいと存ずる次第であります。
○坪内委員 航空法第四條第四号の件につきましては、われわれは十分慎重審議をする考えでおります。
 そこで次に航空機搭乗員の関係をお尋ねいたしますが、二十七年度の予算におきましては、こういつた乗組員の養成について三千万円の予算を計上して、そうして渡米をさして養成をするというようなことで予算の審議が行われたのでございますが、この点につきまして関連いたしてお尋ねいたしますか、現在この予算をもつてアメリカに人員を派遣しておられるのかどうか、またそういう過程にあるのか、あるいはこういう予算で十分なのかどうか、またこの訓練にはおそらく一人三百万円も四百万円もかかるだろうと思いますが、そういつた莫大な予算をもつて外国で訓練を受けないでも、国内に訓練所、養成所などを持つてそういう訓練をして、それを民間航空会社にでも乗せるというような行き方がほんとうじやないかと思いますが、そういう点について所見を承つておきたいと思うのであります。
○大庭政府委員 今お話がありました通りに、日本の今後の民間航空事業というものを想定いたす場合におきまして、必要な訓練、單に操縦士に限らず、機関士、航空士、航空通信士あるいは整備士等――御承知の通り私たちは戦争後の空白時期を持つておるわけであります。かつまたそれらの空白状態において、世界各国の民間航空機の技術的な発展は、いやが上にも想像も及ばないほどの発展をいたしているのでありまして、これらに追いつくためには、どうしても政府自身の教育施設を持たなければ、今後の民間航空事業の発展は期し得られないと私は信じているものでありますが、過日申し上げましたように、二十七年度の予算におきまして、それらの教育施設費は国家財政上の見地から落されたわけであります。しかしながら今申し上げたように、今後の日本の民間航空事業の発展を期する上から行きましても、これはぜひとも国会に提案して御審議をお願いしたいと存じておる次第であります。ただ先ほど御質問になりました二十七年度に通過いたしました三千万円という海外へ派遣する費用は、二十名を想定しているわけでありまして、その費用は個人負担が半額、あとの半額を政府負担ということで、三千万円を計上しているわけであります。従つて個人負担ということは当然できないことでありまして、会社が設立されたあかつきにおきまして、それらの者が派遣されるということになるわけであります。会社の設立されない間に個人がそれらの費用を持つということは、日本の経済上から申して不可能だと考えているわけです。従つて現在派遣しています者は、日本航空株式会社の二名で、それに現在想定いたしておりますのは、朝日新聞社から一名、産経から一名で、計四名であります。但しこれらの海外派遣ということで、当分をしのがなければいけないような状況になつていますが、私といたしましては、できる限り海外派遣の費用を有効に使用する面におきまして、極東空軍とある程度の協定をとり、国内においてそれが教育できるように、またそれらの残りの費用でもつてよりたくさんの人間をより短期間に教育できるように、現在交渉を進めているわけでありますが、まだ交渉過程にあるために、ここで十分具体的なことを申し上げることができないのを遺憾と存ずる次第であります。
○坪内委員 航空機の乗組員の養成ということについては、ただいま長官のお話の通り私もまつたく同感でございます。先般のもく星号の事故原因を考えまして、機長の事故によるというような結論が出たという関係からいたしましても、この乗組員の養成というものには慎重を期さなくてはならぬと考えるのであります。従つてこの乗組員の養成について、国内でそれぞれの機関をもつて訓練をするということは当然必要で、また将来起り得る問題であろうと思うのであります。そこで今お話がございましたが、こういつた養成に対する予算はほぼどのくらいであるのか、第二点として、その予算のことについては、近く予想されている補正予算にでもこれを提出するような用意であるのかどうか、そこでこの補正予算あるいは将来の予算で予算が組まれたあかつきには、この養成機関においていつごろ日本で教育するというような見通しなのかどうか、この三点を、時間も相当経過いたしましたので、要点のみお答え願いたいと思います。
○大庭政府委員 二十七年度に計上いたしました金額がどのくらいであつたか、今こまかい資料の持合せがないので、後ほど資料を見まして御回答申し上げたいと存じております。ただ私といたしましては、次の補正予等にはぜひこれを計上いたしまして、国会の御審議をお願いしたいと存じている次第であります。また今後の見通しといたしましては、この前の計画によりますと、一期を三箇月ないし四箇月と見まして、大体一期に三十名を教育し、四箇月の場合には年に三回、三箇月の場合には年に四回、従いまして四箇月の場合は一年に百二十名が教育を受けられることになるわけであります。それに機関士、整備士の養成を附加しているわけであります。従いまして養成といたしましては操縦士並びに航空士、それに附加することに技術的な機関士、整備士、これに航空通信士というものを合せまして、総合的な養成機関として計画いたしている次第でございます。
○坪内委員 そこで将来予算が組まれたあかつきに、養成機関をもつて乗組員をそれぞれの立場から養成するということになりますと、実際には乗組員は二十八年度とか、あるいは二十九年度とか、いつごろから利用できるようなことになるのでありましようか。
○大庭政府委員 今申しましたように、大体今の計画では四箇月を想定しているわけでありますから、予算の通過後四箇月後には、それらの者が日本の飛行機に乗つて操縦できることになるわけであります。但しここで申し上げておきたいことは、その教官に当るべき人間がなければ教育ができないわけでありまして、実はその人間を十名ばかり二十六年の予備金で要求をいたしたのでありますが、財政上の関係から現在四名が派遣されているわけでありまして、帰り次第これに充当して、教育の実行をはかつて行きたいと考えているわけであります。また機関士の方につきましては予備金で十六名、このうち航空運送事業の方の監督に使われるものを除きまして、教官としてここに四名ばかりの人間は充当できるわけでありまして、それらの職員を使つてこれらの教育に当らせたいと考えております。大体の準備は実行しつつあるわけでありますが、ただアメリカに派遣あるいは駐留軍にお願いするということになつた場合には、英語を話せる者でないと、その訓練を受けられないという一つの大きな難点がありまして、できる限り日本人の教官を早くつくりたいという念願で、その方に集中していたのであります。現在アメリカに派遣している四名は、六月末には日本に帰りまして、次の補正予算に計上できてそれが実行できれば、七月からは教育できるという準備は整つておるわけであります。
○坪内委員 問題である教官は日本人であるのか外国人であるのかということをお尋ねしようと思つていたやさきに御答弁がありましたが、現在アメリカに派遣されている四名が帰国されて、乗組員を教育するのに四名で足りるのでしようか。
○大庭政府委員 先ほど申しました通り、私の方の計画から行きますと十名を必要とするわけでありましたが、国家財政上の観点から四名に制限されたわけでありますが、四名が帰つて来ますれば、まず最初教官を養成するということが第一歩でありまして、教官を養成することによりまして、一期だけずらせば今後の計画は遅滞なくできて行く、従つて計画は三箇月ばかりは一応遅れると思います。遅れますが、教官をつくり上げることが速急の問題でないかと考えております。一期だけは教官の養成に充てて、あと四箇月間で全部の教育をやつて行くという計画を進めております。
○坪内委員 あと五、六分で終りたいと思いますが、飛行場の返還につきまして、現在何箇所くらいの飛行場が返還される見込みであるか。羽田、伊丹、板付、その他いろいろの飛行場の返還がうわさされておりますが、その点の所見を伺いたい。
○大庭政府委員 飛行場の返還問題につきましては、講和発効と同時に日本の飛行場になつておるわけでありますか、駐留軍のそれを使用するということについて、現在行政とりきめの準備作業班において交渉している途中でありまして、具体的にどの飛行場がどうなるかというのは、まだ交渉の過程にあるために、全貌を御報告申し上げることができないことをはなはだ遺憾に存ずる次第でありますが、とりわけ日本政府として要求しておりますのは、札幌から鹿児島にかけて、日本のいわゆる商業航空のために必要な飛行場は、全部日本側でこれを確保して行きたいということは要求してあるわけでありますが、駐留軍の要求する飛行場と、その間に両者かみ合せの飛行場が出て来ることが想定できるわけでありまして、單独の日本の飛行場、それと單独の駐留軍の飛行場、その間に両者共用する飛行場が想定されるわけであります。個々の飛行場につきまして、それを協定で打合せ中であります。いずれ最近のうちには全貌がきまることと想定しておるわけであります。但し羽田の飛行場につきましては、現在どうやら駐留軍におきまして、日本の大きな玄関としてこれを日本が専属に使用することができるようになるように、話が進みつつあるわけであります。
○坪内委員 最後に一点御質問申し上げて終りたいと思います。ただいまのお話の通り、飛行場が返還された場合のコントロールその他無線関係の引継ぎ、その他に関しても、これは非常に重要な問題でありますので、十分ひとつ打合せを進めていただきたいと思うわけであります。さらにまた返還されない飛行場の使用につきましては、従来以上に便宜を與えられるように、また共用するような話合いを十分進めて行つていただきたい、かように考えております。
 それから先ほど、乗組員の点でお尋ねすることを一点忘れておりましたので、この際ちよつとお尋ねいたしますが、乗組員の災害補償というようなことについて、当然考えなければならぬというふうに思つておるのでありますが、そういう関係について、何か特別の單独法規でも出すような用意があるのかどうか、あるいは保険の関係ということはどういうふうになるのか、その点についてお尋ねいたしたいと思います。
○大庭政府委員 その問題につきましては、乗員の災害、障害につきまして、会社が定めた保険制度によるわけでありますが、その保険制度につきましては、事業計画の見積りが申請された場合に、それによつて検討することになつているわけであります。今この保険制度を幾らに定めるかという問題につきましては、まだ慎重研究をいたしておる次第でありまして、具体的にまだここで御報告できる段階に至つていないわけであります。
○坪内委員 私今日御質問申し上げました資金関係、あるいは先ほどから質問申し上げました点につきましては、もう一回適当な機会に大蔵大臣に出席を願つて、基本的な問題についてお尋ねをいたしたい、かように考えておりますので、委員長におかれてはそういう措置をしていただきたいと思います。なおあとの問題につきましては、次の委員会でお尋ねいたしたいと思います。
○岡村委員長 石野委員。
○石野委員 非常に時間が迫つておりますので、簡單に総括的な質問をさしていただきます。
 すでに大臣から提案の理由も説明され、一般に質問も行われたわけでありますが、まだこの法律につきまして理解が十分でないので、長官にお尋ねいたします。この法律とまた別個に航空に関する法律が予定されておるのかどうかということを一応聞きたいのであります。その理由は、たとえばこの法律の提案の趣旨にもありましたように、国際民間航空條約に基く法律の施行がなされておるわけです。しかし民間航空條約の第三條の規定によつても明らかなように、国際民間航空條約というものは、民間の航空機にのみ適用して、国の航空機には適用しないということが言われておるのですが、日本においてはまだ国の航空機というものがあるかどうかはつきりわかりませんが、そういうものに対して、この法はどういうような考え方を持つておるかお尋ねいたしたい。
○大庭政府委員 この法の趣旨は、おおむね先ほど御説明をさせました民間航空條約の條項にならつて、それに日本の従来の航空法というものを加味してつくり上げたわけでありますが、民間航空條約では、軍、警察または税関というものを国の航空機とみなすというようになつておるわけであります。しかしながら日本にはそれらの飛行機はないわけでありまして、それらの飛行機が想定された際に、もう一応検討はしてみたいと考えていますが、現段階ではそれらについてはまだ想定をいたしてない。現段階で起きる範囲を一応想定して、法文としてつくり上げたのであります。
○石野委員 ただいまの長官のお話によりますると、この法案はほとんど民間航空のみにというふうにとれるわけでありますが、しかし今年第の予算の中で持たれておりまする講和に関係する費用等が、将来警察予備隊等のある程度の航空機などを持つておるというふうに考えられるのですが、そういう場合はそれらの飛行機は、どういう法案によつていろいろと規制されるのでありますか。
○大庭政府委員 保安庁の方のこのたび保安庁法というものが出る関係上、運輸省の方へこの中の除外例というものを先方から要求が来ておるわけでありまして、現在それらの要求に基いて除外をするかしないかということにつきまして研究中であります。
○石野委員 すでに駐留軍に対する除外例は、法によつても今度提案されておるのでわかるのですが、ただいまのいわゆる保安庁関係で除外例の要求がありますということの予想がすでに出ておるときに、政府としてはそれらに対する法案の用意はまだできていないのでございましようか。
○大庭政府委員 法案の用意でなしに、保安庁法の中にそれが組み立てられるわけでありまして、私の方としましては、この法案そのもので行くわけでありますが、保安庁法案の中にこの法の一部の除外項目が入つて来るわけであります。
○石野委員 長官にお尋ねしますが、政府の意見として、民間航空のほかに、いわゆる国際民間航空條約の第三條の規定による国の航空機というものが持たれることを予想し、またそういうことを希望するという考え方をお持ちになつておりますか、どうですか。
○大庭政府委員 はなはだむずかしい御質問ですが、それらは内閣できめられた方針に従いまして実行するのでありまして、私の権限内にそれらはないわけであらます。ただ政府がきめられた場合に、この法との比較対照というものにつきましては、私も意見をさしはさむ所存でいますけれども、それらにつきましては内閣の方から指示されるまでは、私の意見をここで申し上げることは少し差控えたいと存じます。
○石野委員 大臣の説明によりますると、講和條約の効力発生後においては、航空活動について全面的な自由が回復されることになつたので、活発な航空活動が期待される、こういうふうに言つております。この内容はおそらく国際條約がいつておりまするように、民間航空及び外国の航空機というようなものをも含めているのだろうと私は想像するのでございます。この想像に基いて質問を長官にするということは、非常に無理かと思いますけれども、国際民間航空條約の前文にもはつきりいつておりますように、世界の各国及び各人民の間における友好と理解とを創造し及び維持することを、大いにこの国際民間航空の発達は助長し得るが、その濫用は一般的安全に対する脅威となることがあり得る、こういう前書きを書いておるわけでございます。わが国は現在独立いたしましたけれども、日本国憲法の実情からいいますると、航空機をこの前文がいみじくも指摘しているような方向へ持つて行つてはいけないということは、長官御同感であろうかと思つておるのでございますが、それに対する長官の所見を聞かせていただきたいと思います。
○大庭政府委員 今の御説の通りで、私もそういうように感じ、これを濫用するのを防ぐことが、今後の民間航空の事業に対する大きな問題でないかと存じているわけであります。
○石野委員 この法案を作成されるにあたつて、航空庁長官の職にありますあなたは、国際民間航空條約第一條に主権の規定がございます。「締約国は、各国がその領域上の空間において完全かつ排他的な主権を有することを承認する。」こういうふうに書かれております。現在の日本の講和條約のもとにおいて、これは明らかにこの問題に触れるといいますか、この第一條の規定と相反するような條約が、日本にはつくられておると思うのでございます。航空事業の主管長官といたしまして、こういう状態はなるべく予想しない方がいいと思うのでございますけれども、それに対する所見はどうでございましようか。
○大庭政府委員 ちよつと御質問の趣旨がわからないのですが、実はそういうようなものを現在予想されているかどうかということにつきましては、私はあまり存じていないわけでありますが、私としましても、平和條約にも書かれました通りに、またこれが日本国民全体、政府全体の意思であると存じているわけであります。従いまして航空法の草案にあたりましては、この国際民間航空條約というものを十分尊重いたしまして、これに従うべく、あらゆる面に努力を傾中したわけであります。国際民間航空條約そのものも、航空機の安全というものが主眼であり、かつまた今御説のありました通りに、各国ともある程度空に対しては排他的であるということは事実であります。従いましてそれらを十分胸に入れて航空法案を想定したわけであります。
○石野委員 国際條約の第一條の主権の項目において、各国が排他的な主権を有することを承認するという條項が、日本においては非常にこれに適用しないような條約になつておるということは、どういうことかわからないというお話でございますが、これは今の講和條約を見れば一番よくわかると思うのです。すでに同僚議員にお話がありました通りに、日本国の講和條約ができた後においては、飛行場は返還されたはずだと言つておるのに、まだ具現されていないということでもわかつていると思います。これは大庭長官は御勉強をなさらなければならぬかと思います。こういうことはもつと主管大臣の運輸大臣に尋ねなくてはならぬことだと思いますので、後日あらためて聞きたいと思います。
 そこでいま一つ長官にお尋ねしておきたいのは、この法案は先ほど長官のお話がありましたように、保安庁関係の除外例の問題等を含まないで、なるべく民間航空事業だけに適用するんだというようなお話でございました。ところがこの條項をずつと見て行きますと、必ずしもわれわれが予想しているような民間航空でないものまでも、この中に内蔵されるのではないかというようなことが危惧されるのでございます。たとえば八十七條の無線操縦者航空機というものが、民間航空あるいはそれに関連するものとしてどういう場合が予想されるかということは、ちよつと見当がつかないのですけれども、この條項はどういうようなことを予想しているのでございましようか。
○大庭政府委員 これはちよつと先ほども御説明申し上げたのでございますが、実はグライダーの無線操縦というものが最近起る可能性が相当あるのであります。これは日本の無線操縦というものはなかなか容易でないし、また日本の飛行機製造というものから推して、なかなか速急に実現される見込みもないわけでありますが、グライダーの無線操縦というものにつきましては、ある程度可能性はあるという想定をいたしたわけであります。従いましてこれを一応出したわけであります。
○石野委員 ただいまの御説明ごもつともなようで、なかなか私納得できない。しかしこれはあとでまたお尋ねすることにしますが、もう一点だけ日本の航空技術の面からいいまして、とても無線操縦の飛行機なんかできないというようなお話をなさいました。なるほど現在の航空機産業といたしましては、無理かもしれませんけれども、別に日本でつくらなくても、外国から幾らでも入るわけでありますので、ただいまの御説明ではちよつと納得が行かないのですが、これはまたあとでお尋ねしたいと思います。いずれにしましても、この航空法案というものが民間航空機自体だけではなくて、そうでないものの内容をも含めての法案であるかどうかということについて、もう少しあとでまたお尋ねいたしたいと思いますが、時間もありませんので、今日はこれで終ります。
○岡村委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十八分散会