第013回国会 議院運営委員会 第2号
昭和二十六年十二月十二日(水曜日)
    午後一時四十七分開議
 出席委員
   委員長 小澤佐重喜君
   理事 寺本  齋君 理事 福永 健司君
      石田 博英君    今村 忠助君
      岡延右エ門君    川本 末治君
      菅家 喜六君    倉石 忠雄君
      島田 末信君    田渕 光一君
     山口喜久一郎君    土井 直作君
      松井 政吉君    田中織之進君
 委員外の出席者
        副  議  長 岩本 信行君
        議     員 中川 俊思君
        議     員 小野  孝君
        議     員 竹村奈良一君
        議     員 上林與市郎君
        議     員 高倉 定助君
        議     員 岡田 春夫君
        事 務 総 長 大池  眞君
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本日の会議に付した事件
 特別委員会設置の件
 常任委員長の辞任及び補欠選任の件
 公益事業委員会委員任命につき同意を求めるの
 件
 国家公務員法等の一部を改正する法律案起草の
 件
 本日の本会議の議事に関する件
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○小澤委員長 ただいまより本日の委員会を開きます。
 最初に、常任委員長の辞任の件が出ておりますので、これの許可の件、引続いてこの選任をどうするかという件を議題に供します。事務総長から内容について御報告を願います。
○大池事務総長 従来の取扱いは、常任委員長の辞任が出ました場合には、これは院議で許可をしなければなりませんので、院議で御許可を願いまして、許可されますと、各常任委員長が欠員となりますので、その後任の選挙をお願いする。これは従来から、与党から出るという先例に基きまして、与党の御推薦になつた方を議長に一任して指名を願う、こういう取扱いをいたしておりますので、今回もそのようにお取扱い願えればけつこうかと思います。ただいま自由党の方から御推薦になりました委員長の方々の印刷したものをおまわしいたしましたが、その通りでございます。
○小澤委員長 それではこの辞任は許可することにいたしまして、さらに選任の問題も大池事務総長の言われたように、議長一任で指名願うことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小澤委員長 それではさように決定をいたします。
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○小澤委員長 次に公益事業委員会の委員に伊藤忠兵衛君を任命する件を議題に供します。内容については大池事務総長から御説明を願います。
○大池事務総長 お手元にただいま委員長から御宣告のありました伊藤忠兵衛君の履歴書が行つております。この伊藤忠兵衛君は、すでに公益事業委員会の委員になつておられたのでありますが、この十四日に任期が満了となりますので、これをそのまま再任をしよう、こういうわけであります。
○岡田春夫君 これは慣例によつて、この次の議運まで待つていただきたいと思います。
○小澤委員長 それでは前例もありますので、本問題は決定を留保いたしまして次会に決定することにいたします。
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○小澤委員長 次に、前会から問題になつておりました特別委員会設置に関する件を議題に供します。
○倉石委員 従来ございました公職選挙法改正に関する調査特別委員会、それから海外同胞引揚に関する調査特別委員会、行政監察特別委員会、この三つを従来通り設置しておきたいと思いますが、ただ海外同胞引揚につきましては、野党側でも私どもの方でも、遺家族援護ということについて最近非常に留意しておりますので、そういうものもあわせて取扱うということにいたしまして、名前を少しかえたらどうか、こう思つております。委員会を従来通り設置しておくという方針に御賛成を願いたいと思います。
○土井委員 別に反対ではございませんが、大体海外同胞というのは、戦犯などで抑留されておる者以外に、ソ連に抑留されておる者、これは数字的の差はありますが、実際的にはやはりいるのですか。そういう点について、あの発表によると相当食い違いがあるが、戦犯以外の者としては、抑留されておる者がどのくらいあるのか、おわかりになりますでしようか。
○倉石委員 これは運営委員長に聞かれてもなかなかめんどうな問題だと思いますが、諸般の情勢を考えまして、遺家族援護という点にもやはりわれわれは努力しなければならぬと思いますから、その意味でもうしばらく設置しておきたいと思います。
○土井委員 設置には反対ではございません。
○岡田春夫君 各特別委員会の、従来の委員の数をちよつとお知らせ願いたいと思います。
○大池事務総長 公職選挙法が二十五名、海外同胞が三十名、行政監察も三十名でございます。
○高倉定助君 この海外同胞引揚の名前をかえるというのは、どういう名前にかえようという案があるのですか。
○倉石委員 今事務局にお願いしてありますが……。
○小澤委員長 実質的には、海外同胞引揚並びに遺家族援護調査特別委員会というようなものです。
○竹村奈良一君 たとえば遺家族援護の問題を取扱うというような特別委員会を置くというのですが、そうすると厚生委員会で取扱うべきものを、また別の特別委員会をつくるということになるわけですか。
○倉石委員 遺家族援護に関する問題については、今まで厚生委員会でもやつておりましたが、海外同胞引揚調査特別委員会でも一緒にこの遺家族援護の問題を検討しよう、こういうことであります。別に厚生委員会の職責を侵そうというわけではないのです。
○竹村奈良一君 職責を侵すわけではないというが、そうすると、厚生委員会所管のものを海外同胞引揚委員会にもかけて、両方でやるということですか。
○小澤委員長 竹村君の御質問も一応ごもつともと思いますが、やはり片方は援護の問題、片方は法律に重点を置くというような意味で今までもやつて来たと思いますから、今までと同じ考え方で、今の遺家族のものも入れたらどうかという倉石君の発言です。従つて異論を言えば、今までの海外同胞引揚の委員会についても、そういう形になつておつたのじやないかということが言えると思います。
○竹村奈良一君 わかりましたが、私の方は遺家族援護の問題については反対ではないのです。しかしそれは厚生委会との関係から考えて、われわれの考えでは、厚生委員会で当然やるべきだという考えを持つております。従つてそうなりますと、大体海外同胞引揚問題については、先ほどから問題になつておるように、いろいろ問題はあるが、戦犯とかそういう者だけが残されておるという考え方をするならば、この特別委員会というのは設置する必要はないのじやないか。しかも遺家族援護の問題につきましては厚生委員会で十分やり得るし、またやるのが当然である、かように考えるのであります。
○小澤委員長 結局竹村君の言うのは、反対というわけですね。それでは採決はしませんが、竹村君を除いてみな御同意のようでございますから、倉石君の提案通り、この特別委員会を設置することにして御異議ありませんか。
○土井委員 それはさしつかえないと思いますが、遺家族というものを特別に入れる趣旨は、海外同胞というものは、もうある程度までたてば特別委員会は見切りをつけなければならぬ。そうするとさらに遺家族だけの特別委員会というものが残る形になる。すぐなくなるようなものをやるということは、これを設けた趣旨の上からいつても避けた方がいいと私は思うのです。ほかの常任委員会で一切のことをやる。従つて今竹村君が言つたように、遺家族という面の救済は、これは厚生委員会でやつておるわけです。海外同胞の委員会と遺家族というものとミックスするから重要性があるが、これを特別に切り離したら、むしろ厚生の方が取扱うべきものです。ただ問題は、海外同胞の委員会がなくなつた場合、同時にこれをなくするということが必要じやないかと思います。
○倉石委員 厚生委員会であとはやるということですね。
○土井委員 そうです。
○小澤委員長 それでは一応今国会だけは倉石君発言の通り、この三つの特別委員会を設置することにいたします。
○倉石委員 この委員会の名前でございますが、海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会ということにいたしたいと思います。
○竹村奈良一君 この際、私の方の態度だけはつきりしておきたいと思います。今言われた名前の後段の遺家族援護に関する調査ということにつきましては、私ども賛成したいと思いますが、海外同胞の引揚げという問題につきましては、すでに戦犯等だけが残つておるのだという関係から、新しくこれを設置することには反対いたします。
○小澤委員長 今竹村君からの発言がありましたが、これは前の決定通りでございます。
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○小澤委員長 次に緊急上程の案件が二、三件あります。この内容について事務総長から伺います。
○大池事務総長 本日の本会議にぜひ緊急上程をしていただきたいというのは、通商産業委員会に継続審査で残つておりました企業合理化促進法案が本日すでに上つたそうでございますから、その緊急上程をお願いいたしたいのが第一点、もう一つは、先般当委員会で御決定を願いました国会職員を特別職に編入がえをいたします法案でございまして、国家公務員法等の一部を改正する法律案、ただいまお手元に差上げたものでございますが、先般御決定願いました分とちよつと違つておりますのは、附則の第二号がくつついたのであります。これは当然のことでありますが、表面の上から見ますと、給与の額並びに支給条件、支給方法等が十條の二項、三項において規程に讓られております関係で、規程でどんな高いものでもつくれるような形に見えます。しかし現実の規定はそうではございませんで、一般公務員の例によるということでそれに載づておりますが、その規定をあとから自由自在に変更されては困るというので、予算に盛られたもの以上に上げることはできないという意味で、予算の範囲を越えないものとするということを一項加えておいてもらいたい、こういう関係方面等の意向もありまして、附則にそれだけを差加えてオーケーが参つております。従つて先般きめていただきましたものに附則二号が付加されておりますので、その点御了承を願えますれば、本日ただちに緊急上程をお願いいたしたいと思います。この法律による改正規定により支給する国会職員の給与の総額を予算の範囲内でやるということで、当然のことでございますが、念のために入れておいてくれというだけのことでございます。
○田中(織)委員 この問題は、これは公務員の給与についても法律に入つておることは私ども承知しておりますが、この点は、たとえばベース・アップ等の問題のときにやはり縛られることになるので、私どもとしてはこの問題についてはただちに賛成するわけには行かないのです。
○大池事務総長 具体的なことは国会職員法を決定する場合のことで、それはもちろんかつてにかえるわけではございません。これは現在のままなのですが、ただ形の上でそうなつておるから、こういう注意書を入れておこうというだけでございます。この法案は御承知の通り、現在の国会職員並びに議員の秘書を特別職にするというだけの法案でございます。ただ特別職になつた場合、出す金がございません。今までは一般公務員法の規定で出しておつたのでありますが、今度特別職になりますと、一月からもらう分は従来通りのものをもらうわけです。当然ベース・アップになつたものをもらう。それを予算の範囲内でまかなう、こういう注意書だけを入れておいてくれというわけでございます。別に今のものを特別かえようという案ではございません。これをかえようという案が出ます場合には、また皆さんの御審議を経てお願い申し上げるわけでございます。
○田中(織)委員 これはただ国会議員の秘書の場合だけでなく、一般国会職員にも関連した法律なんでしよう。
○大池事務総長 さようでございます。
○田中(織)委員 それは現行より悪くするという意味ではないでしようが、将来ベース・アップの必要があるとき、予算の額で縛るということになる。予算的な措置がなければ、人事院の韓国がなされてもやらないというのが最近の通例になつておりますから、こういう規定を設けることには私ども反対です。議員秘書などの場合には反対はいたしませんが、多くの国会職員を対象にした場合、将来のベース・アップを予算の面で縛るという根拠となるものです。これはほかの給与法の問題のときにもわれわれは問題にした点でございますから、おきめになるということであれば、少くとも私どもの党としては附則第二については反対です。
○岩本副議長 現実にベース・アップする場合には予算を直すのだから、問題はないでしよう。
○田中(織)委員 たとえば年末手当の問題で〇・八以上のものを出そうとしても、既定予算の中でゆとりがあつても、そういうものを流用することを、こういう附則ができると封ぜられてしまうのです。給与に関する予算の総額というものがきまると、現実に各省は親心でやろうとしても、また財源があつてもできなくなる。これはわれわれ国会議員の秘書の場合ならば、私はそういうもので縛つてもかまわぬと思いますが、大きく国会職員を対象とする場合には、私ども一般公務員と同じ意味で、この規定を入れるということには賛成できないのです。
○小野孝君  一般公務員にはこういう規定があるのですか。
○大池事務総長 ございます。
○岩本副議長 従来の一般公務員とかわることはないのだからね。
○田中(織)委員 予算総額で縛るというこの項には、従来の給与法でわれわれは反対して来ておる建前上これにも反対をいたします。一般公務員が現実的に年末手当の問題でいろいろ紛議を起しておるのは、やはりこれで縛られておるからです。
○松井(政)委員 次会までに各党の態どをはつきりして、その上で賛成があり、反対があることはけつこうですから、これは次会まで延ばしていただきたいと思います。
○田中(織)委員 あすか、あさつての議運で態度をきめていただけば……。
○岡田春夫君 これは提出委員会は議運なんだから、議運でもう少し論議してみるということでどうですか。
○田中(織)委員 次会の本会議に間に合せるということで、あしたでも、あさつてでもやつていただきたいと思います。
○土井委員 十四日でいいでしよう。
○小澤委員長 それでは本問題は、本日は決定を留保いたしまして、次会に決定することにいたします。
○田渕委員 通常の本会議日はあしたになるのでしよう。それをあさつてにするということは、委員会の関係でしようが、大体木曜日までに衆議院が法案を上げてくれるならば、参議院は土曜日までに審議を終りたいということがあるようですが、そういう関係は委員長の方に連絡がありましたでしようか。
○小澤委員長 別に連絡はございませんが、できるだけすみやかに参議院に送るということが本委員会の義務であると考えましたので、きようも緊急上程をすることにしたわけでございます。
○大池事務総長 実はきよう上る予定になつておりました法案で、内閣委員会にかかつておるもので、本日上らないのが一案ございます。財閥同族支配力排除法を廃止する法律案と、新聞出版用紙の割当に関する法律を廃止する法律案、この二つがきよう上ると思つておつたら上らない。あすもちよつと無理で、あさつて上るということを聞いておりますので、きよう、あすに上るという見込みがあれば、あした本会議を開きますが、きよう、あすが無理で、あさつてということになれば、あさつて本会議を開いていただく。こういうことでございます。
○田渕委員 それが、木曜日に参議院に衆議院から送り込んでくれば、参議院は土曜日までに審議を終らせたいというように伺いましたので、もしそういうふうに内閣委員会で審議ができれば、明日本会議を開くことにしておいて緊急上程すれば、今週中に終る。ところが今言われたように、国会職員のものを十四日ということにすれば、結局十六日、十七、十八日というように延びるわけです。
○小澤委員長 それでは田淵君のお話もありますし、一応内閣委員会と交渉してみて、明日上るようでありますれば、明日本会議を開きます。どうしても明日開けないということになれば、明後日ということにいたします。
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○小澤委員長 それでは次に本日の議事の順序を事務総長から……。
○大池事務総長 本日の議事の順序でございますが、本日三時半にダレスさんが上院議員のスパークマン、スミス両氏とともに参議院の方においでになることになつておるそうでございます。従つて参議院の方で本会議があれば、たまたまダレス氏以下二議員が参られますので、参議院の本会議の傍聴をしたいという申出がありましたが、参議院に本会議がありませんで衆議院でたまたま本会議があるので、衆議院の本会議を参観いたしたいという話になつておるそうでございます。従いまして本日三時半に参議院にダレスさん以下二名がお着きになりますころを見はからつて、衆議院の方ですぐ本会議を開いて、ダレスさん以下上院議員のスパークマン、スミス両氏を議員さん方に御紹介申し上げて、そのあとでただいま申し上げました常任委員長の辞任並びに指名、及びただいま緊急上程をお願いいたしました企業合理化の法案を上げていただく、そういうことにお願いしたらけつこうかと思いますが、いかがで、ございましようか。
○竹村奈良一君 ちよつと聞いておきたいのですが、大体傍聴していただくために三時半まで本会議を延ばすというような前例があるのですか。
○大池事務総長 前例というのはございませんが、ただいま申し上げます通り、向うからおいでになる予定時間というものが大体あるわけでございまして、予定通り……。
○倉石委員 運営委員会で大体時刻はきめるのでしよう。それを事務総長に聞いてもしかたがないじやないか。
○竹村奈良一君 今事務総長の説明の中にそういうことがあつたから、そういうことが前例としてあるのかどうかということを聞いたのです。私は、少くとも日本の国会で、特別に傍聴をしてもらうために開会時間を延ばすというようなことは、はなはだ不見識でもあり、そういうようなことがたまたま前例になるともわれわれとしては考えざるを得ない。しかも今日、たとえば平和條約ができて日本が完全に独立するのだということを豪語しながら、そういう例を身をもつてつくるということはどうかと思いますので、私は開会時間を延ばすことには反対です。
○小澤委員長 今の問題は各派の大多数の人からの要望で、議長がそうい、ふうに扱うということだろうと思います。
○岩本副議長 議長は、きようは各派の議題に対する話合いには相当ひまがかかるだろう、ちようど三時半ごろ開会できるじやないかという見通しですから……。
○田中(織)委員 たまたまダレス氏がきよう国会に見えるという関係から、その意味で時間の調整を委員会できめようという趣旨だと思います。その点から言えば、事務総長の御説明がちよつと行き過ぎた形のようでしたから竹村君の質問が出たのだろうと思います。しかしこれは国会の運営を民主的にやるという意味から、外国からお客さんが、ことに関係の深いお客さんが来るという場合、私はそれくらいのことはやつていいと思う。これは一つの場合ですが、ほかにも国会の民主的な、また国際的に考えたそういう運営をやるということは、私は非常にいいことだと思うのです。議長の方でたまたまその予定だということですが、そういう意味から、竹村君は開会時間を延ばすことには反対だというが、われわれは国会の民主的な運営という見地から、これに賛成したいと思います。
○小澤委員長 それでは三時半ごろ開会ということにいたします。
 本日はこれで散会いたします。
    午後二時十七分散会