第013回国会 大蔵委員会 第4号

昭和二十七年二月一日(金曜日)
    午前十一時四分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 重遠君
   理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
   理事 佐久間 徹君 理事 内藤 友明君
      有田 二郎君    大上  司君
      島村 一郎君    夏堀源三郎君
      三宅 則義君    武藤 嘉一君
      高田 富之君    深澤 義守君
      久保田鶴松君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
        国税庁長官   高橋  衞君
 委員外の出席者
        專  門  員 椎木 文也君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
一月三十日
 清涼飲料及びし好飲料に対する物品税撤廃の請
 願(塚田十一郎君紹介)(第二五一号)
 富裕税撤廃に関する請願(高塩三郎君紹介)(
 第二七八号)
 輸出向たばこ用巻紙の専売廃止に関する請願(
 苫米地義三君外一名紹介)(第二八〇号)
 石油関係関税の免税措置延期に関する請願(池
 見茂隆君紹介)(第二八二号)
 日本専売公社に対する損害賠償請求の請願(佐
 藤重遠君紹介)(第三〇二号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十九日
 熊本財務局及び熊本国税局の存置に関する陳情
 書外二件(宮崎県日南市議会議長石井彌平外二
 名)(第一二三号)
 台湾における被接收資産の補償に関する陳情書
 (広島市皆実町三丁目九百八番地広島台湾同志
 会代表者恩田次郎外百八十八名)(第一二四
 号)
 林業税制に関する陳情書(東京都千代田区有楽
 町一丁目八番地森林資源総合対策協議会会長笹
 山忠夫)(第一二五号)
 寒冷地の事業所得者の所得税に対する特別控除
 に関する陳情書(小樽市議会議長岩谷静衛)(
 第一二六号)
 石炭手当及び寒冷地手当に対する免税の陳情書
 (小樽市議会議長岩谷静衛)(第一二七号)
 継続事業費の制度確立に関する陳情書(宮城県
 知事佐々木家壽治外七名)(第二〇七号)
 公共事業費繰越制度に関する陳情書(宮城県知
 事佐々木家壽治外七名)(第二〇八号)
同月三十一日
 在外公館借入金の返済実施に関する陳情書(大
 阪府泉佐野市栄町長滝谷辰三郎)(第二三一
 号)
 同(佐賀市松原町在外公館貸付金返還促進会理
 事長坂井貞一外五名)(第二三二号)
 引揚者の外地より送金せる為替金支拂に関する
 陳情書(山口県阿武郡弥富村藤村與重)(第二
 三三号)
 南九州財務局及び熊本国税局の存置に関する陳
 情書外十八件(熊本市長佐藤眞佐男外三十六
 名)(第二三四号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 税制改正に関する件
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 本日はまず税制改正に関する件を議題として、政府当局より今回の税制改正案についての説明を聴取いたしたいと存じます。平田主税局長。
○平田政府委員 二十七年度の税制改正につきましては、大体におきまして成案を得まして、目下法律準備中でございまして、近く提出の運びになる見込みでございますが、本日はその改正の要綱につきまして、御説明申し上げたいと存じます。
 お手元に昭和二十七年度税制改正の要綱という書類を本日お配りしたはずだと思いますが、それに基きまして御説明申し上げたいと存じます。
 まず基本的な考え方でございますが、この点につきまして、大臣からも本会議におきまして御説明があつたかと思うのでありますが、最近の財政の状況などにかんがみまして、大体次に述べますような基本的な考え方によつておるのでございます。まずいわゆる減税または増税と申しますか、そういう問題につきましては所得税と相続税はできる限り軽減する。所得税につきましては前国会で臨時特例法が出ておりますので、あの減税を二十七年度も引続き踏襲するという見込みでありまして、これによつて相当実質的に減税になると思いますが、とにかく減税方針をとる。相続税につきましても相当重過ぎますので、これを減税する。これが一つの点であります。法人税につきましては、新たに増税する意味ではございませんが、前回増税しました措置を二十七年度におきましても、そのまま踏襲して行く。それから間接税につきましては、最近まで減税を重ねて来ましたが、この際減税は一切行わない。砂糖につきましてだけは自由販売になる等の関係がございますので、砂糖消費税と輸入税は若干の増税を行う、こういう点が増税または減税問題に対する基本的な二十七年度の考え方でございます。そういう方針をできるだけ堅持しようという考えであります。従いまして酒税とか物品税とかにつきまして、軽減の要望もございましたが、政府としましては一切軽減をいたさないことにいたす考えであります。
 それから税制の制度的な改正の問題でございますが、この点につきましては二十五年度に改正しました現行税制について、いろいろ民間等におきまして要望があることも、よく承知いたしておるのでありますが、二十五年度に改正しました税制の基本に触れるような根本的な改正につきましては、もう少し状況を見あるいはさらによく検討した上で、結論を出すということにいたしまして、やはり本年といたしましても、実施の結果にかんがみまして実情に即しない点を、基本を著しくこわさない限度におきまして、できる限り調整を考えて行く、こういう考え方に立つております。できる限り実情に即するように、さらに負担の一層の軽減をはかるなど、それから課税の簡素化をできるだけ努めることにいたしたい。なお資本の蓄積の必要なことは、前々申し上げておる通りでございまして二十六年度におきましても、これに必要な措置をいろいろ講じましたが、今回それもでき得る限りさらに措置を追加または拡充いたしまして、必要な措置を講ずる、こういう考え方に立つておる次第でございます。以上が大体の基本的な考え方でございますが、以下各税の改正の内容につきまして、お手元にお配りしました要綱に基きまして、御説明申し上げたいと存じます。
 まず所得税でございますが、所得税につきましては、さきに臨時特例法によりまして実施しました控除と税率の改正を、次のように平年度化することにいたしたい。基礎控除を従来の税法では三万円、二十六年度は三万八千円になつておりますのを五万円に引上げる。それからこの平年度化するという意味は、若干問題がございますので、申し上げておきたいと思いますが、給與所得者の場合は、すでに昨年の十一月から八月にさかのぼつて実行したわけでありまして、八月から基礎控除は五万円ということで税額が計算されております。従いまして給與所得者の月税でございますと、今回の改正で別段負担がかわるということはない。ただ申告所得税の場合でありますと、八月から実行いたしました関係上、二十六年分の申告所得税、つまりことしの二月に納期の最終期限が参りますところの二十六年分の申告所得税につきましては、基礎控除は三万八千円になつているわけであります。それが二十七年分におきましては五万円に引上がるということになります。年税の方は今回の改正によりまして、実質的にやはり特例法よりも引上がるということになるのでございまして、その点源泉課税の方と申告所得税の方と、若干技術的な理由から影響が違うということを御了承願いたいと思います。このことはひとり基礎控除だけではございません。扶養控除及び税率につきましても、それぞれ同様な関係になるのでございます。その点特に申し上げておきたいと思います。
 扶養控除につきましては、三人まで一人二万円に引上げる。三人以上は一万五千円すえ置き、これも前回申し上げたのと同じでございます。それから税率につきましては、ここに示しておりますように、最高税率を従来百万円超過百分の五十五でございましたのを、二百万円超過百分の五十五に改め、中間の税率も若干それに応じましてずらしております。すなわち、五万円の区分をなくしまして、八万円の区分にいたした。それから十万円をなくして、十二万円にいたしました。十五万円をなくしまして、二十万円を越える金額にいたしまして、以下順次税率を上に引延ばすという方法を講じておる次第でございます。これも前回申し上げました税率と同じでございまして、特に申し上げる必要はないかと存じます。
 それから不具者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除、この制度は昭和二十六年度から新しく設けたのでございますが、これにつきましては前回申し上げました通り、改正前一万五千円の所得控除を、四千円税額から控除するという方法に改めました。これはすでに臨時特例で出しておりますが、これも平年度化することになります。
 それから今回新たに追加しました点は、旧軍人軍属の遺家族でありますところの寡婦及び老年者、並びに旧軍人軍属で戦争のために不具者となられた方々に対しましては、この四千円の税額控除を、六千円の税額控除に引上げるということにいたそうというのでございます。これは今回の遺家族援護の趣旨と関連しまして、所得科におきましても一層の軽減をはかるという趣旨でございます。
 それから生命保險料につきましても、二十六年度から新しく控除の制度を設けたのでありますが、これを今までは二千円まで保險料を控除いたしておりましたのを、四千円に引上げることにいたしました。この結果、大体保險金額十万円程度までの保險料は、課税所得から控除されるということに相なるかと存じます。
 次は青色申告者の問題でありますが、青色申告者につきましては、さらに一層優遇措置を講じてもらいたいという要望が大分ございます。その中に、一定の所得金額が出て来た場合には、割引したらどうかという議論、これは国会においてもたびたび御議論があつたと思いますが、そういう議論がございます。しかしそういう方法は、どうも私ども所得税の本旨にかんがみまして適当ではないので、やはり何か課税標準の計算その他において、合理的に考えられる限度において、できるだけ考えてみたいという趣旨からいたしまして、今回青色申告書を提出しました納税義務者の家族従業者について、給與の控除を認めることにしたらどうか。但し奥さんと未成年の子供は除きまして、それ以外の人の場合におきまして、よそに働きに出ないで、自分の家で働いて仕事をしておる人に給與の支拂いを行つた場合に、これを事業上の必要経費と認める。御承知の通り、現行法ではそういう所得は全部世帶主の所得と見て、課税することにいたしております。そのかわり扶養控除の一万五千円を所得から控除いたしておるのでございますが、今回はそれにかえまして、五万円を限度といたしまして、給料を必要経費として控除する、こういうことにいたしたいと考えておるのであります。これは少額の比較的低所得者であるところの青色申告者の場合におきましては、相当の恩典になるかと考えております。給料五万円以下でございますので、五万円以下で拂う限度におきましては、基礎控除が年五万円に上りましたから、勤労所得税がかからなくなつて来るわけでございます。従いまして少額の事業所得者で青色申告をした場合におきましては、この規定によりまして、相当優遇されるという結果になるものと考えております。
 その次は変動所得に対する課税の改正でありますが、この点につきましては、負担の軽減をはかるのと、できる限り簡素化をはかりたいというので、改正を加えたい。ただこのうち、譲渡所得等につきましては、全部課税を見合せたらどうかという根本論もございましたが、そういう問題は先ほど申し上げましたように、若干二十五年度の税制改正の基本に触れて参りますので、今回といたしましては、これは将来に結論を延ばすことにいたしまして、さしあたりできる限りその基本に触れない限度におきまして、課税の経減と簡素化をはかろう、こういう趣旨でございます。
 しかしこれによりましても、少額の比較的低い中小の所得者の場合におきましては、私は相当な負担の軽減になるものと考えるのでございます。その内容を申し上げますと、まず退職所得につきましては、これは所得の性質上、一時所得の中でも最も担税力が弱いと考えられますので、前回臨時特例法によりましていたしました措置を、そのまま平年度化することにする。すなわち十五万円をまず基礎控除いたしまして、残額を二分の一にして、その二分の一だけに対しまして税率を別途に適用して、税額を計算する。これにいたしますと、源泉課税だけで済まし得る人が大部分でありまして、簡素化の上におきましても、総合する煩雑もなくなりますし、非常に負担の軽減と、両方の目的を達し得るというふうに考えております。それから譲渡所得、山林所得の一時所得につきましては、これは十万円の特別控除を行うことにいたしたい。この種の所得のうち、中小の所得の場合につきましては、担税力も必ずしも普通の所得通りではないということも考えられますし、また一々少額の取引を少額の納税者の場合について、所得税法のむずかしい規定によつて所得税を計算するということは、なかなか困難である点もありますし、また税務署等におきましても、小さい部面について調査の徹底をはかるということも、なかなかこれは問題でございますので、そういう点を考慮いたしまして、特に十万円程度以下のものにつきましては、課税しないことにする。十万円を越えます場合におきましては、十万円を控除しまして課税しよう、こういう趣旨であります。これによりまして、株式の投資家等の場合におきましても、一年に二、三千株くらい売買する場合におきましては、大体もう讓渡所得税の問題はなくなるのではないかと見ております。もちろん非常にうまくふやしまして、一株当り値幅が大きくて、うんと差が多い場合は、そう行きません。これは一つの目安にすぎませんが、値幅がどのくらい動きますか、三割前後動いて、それでもうけたような場合、二、三千株まで売買しても、大体譲渡所得税の問題はなくなる場合が多いだろう。もちろん非常に値上りした場合におきましては、少額でも十万円の利益が出る場合もありましよう。反対にもつと大量に売買しても、十万円の利益が出ない場合もあるかと思いますが、まず頭数から申しまして、大部分の株式の投資家と申しますか、そういう場合におきましては、大体十万円の控除を設けますと、譲渡所得税の問題はあまり認めなくてもいいということに相なるのではないかと見ております。しかし譲渡所得等におきまして、大口の利益を得たという場合におきましては、何と申しましても、他の所得者との負担のバランス等の関係もございますし、そこまで全部やりますことはいろいろ税制上の問題がございますから、その問題は政府といたしまして将来研究することにいたしまして、今回としましてはこのような措置にいたしたいという考えなのでございます。山林所得の場合におきましても、たとえば山林所得が二十万円ありますと、十万円を控除しまして、半額に対して課税するわけでございますし、これは相当な負担の軽減になると考えております。ただ分離して課税するということはいたしませんで、やはり十万円控除した残額を課税所得といたしまして、総合して課税する。総合して課税する際には、例の五箇年間の五分五乗の方法によりますところの、平均課税の方法を選択することができる。これはもちろん納税者が必要ないと認めて、選択しなければそれでもさしつかえないわけですが、選択することができる。その五箇年選択します範囲を四項に掲げておりますが、でき得る限り簡素化する意味におきまして、一年間一ぺん五分三乗で計算すればいいというふうに範囲を拡張いたしたい。現在は二十万円以下の所得については、一年間で計算することを認めておるのでありますが、今回の場合は、変動所得の金額五十万円程度以下の場合は、一年限り五分三乗の方法で計算しましたら、毎年五箇年間やる必要がないことにいたしたいと考えております。ただ漁業所得とか原稿料の所得等、主として変動所得によりまして、所得の大部分を占めるような場合等は、一年限りにいたしますと、他の所得者との間にあまりにも負担のアン・バランスが生じますので、そういう場合におきましては、これはやはり五箇年間の選択を主としていただかなければならぬと考えておりますが、その場合におきましても、その種の所得が五割以下でありますれば、一年限りで済ますような措置をとることにいたしたい。そういう意味合いにおきまして、できる限り変動所得につきましては負担の軽減と、ことに中小所得の負担の軽減と、それから課税の簡單化をはかる改正を加えたい考えであります。
 それから不動産の譲渡所得の場合におきまして、住宅や農地の場合等は、ある住宅を売つて新しい住宅を買いかえる。あるいは建てる、あるいはある農地を売りまして他の農地を買う、こういう場合におきましては、売つてから買うまでの間が一年以内であります場合におきましては、譲渡所得税の課税をしないでおこう。ただそのかわり、あとで取得しました家をさらに売りました場合におきましては、その取得原価は、前に売りました家の取得原価をもつて原価とするということにしなければおかしいと思いますので、そういうふうにするつもりでございます。同時に相続の場合に、今みなし讓渡所得税をとつておりますが、これも相続の際には課税しないでおきまして、あとで実際売つた際に課税するということに、あわせて改正を加えたいと考えております。その辺細目でございますので、さらに法律案を提案いたしました際にこまかく申し上げますが、今申し上げましたような趣旨で、改正を加えることにいたしたいと考えております。
 それから次は源泉課税の問題でございますが、源泉課税につきましては、一応若干源泉課税の範囲を新しく拡張いたしたい。一つは医師の社会保險に基く診療收入、それから弁護士、公認会計士等が法人から受ける報酬、それから日本に住んでいない人が受けております特許権の使用料、そういうものにつきまして一定の税率で源泉課税をいたしたいと考えております。診療收入とか、弁護士、公認会計士の報酬等につきましては一〇%程度の税率で、特許権につきましては二〇%程度の税率で源泉徴收することにしたらどうか。なお特許権の場合に一五%程度にするかどうか、若干現在なお精査中でありますが、そういうことを新しく設けたい。それから配当に対しまする源泉課税は、そのままやはり二〇%続行する考えでございます。それから原稿料の二〇%の税率は、文士等の場合におきまして少し高過ぎるというような点もあるようでありまして、返す場合がやや多きに過ぎるような傾向がございますので、この税率を若干引下げたい。しかし何と申しましても、源泉課税の範囲を拡張いたしますと、最後に申告の際に清算するわけでございますが、どうしても納め過ぎるような人が出て来ることになるのであります。そういう人の場合におきまして、なるべく早く返すような措置を――これは国税庁の運用の面に主としてなるのでありますが、法令の運用においてもできる限り妥当な措置を講じまして、早く返すようにいたしたい。それによりまして、極力納税の円滑化をはかるようにして参りたいと考えております。昔の税法は源泉課税はとりつぱなし、申告所得税等は、返す場合は大体調査が間違つて誤謬訂正するという場合に返すというのが、昔の日本の返す場合の方法であつたのでありますが、戰後の税制におきましては、全部源泉課税で一応とつておきまして、確定申告で申告して、少な過ぎる分は追徴するし、それからとり過ぎの分は返すという制度上、やはり追徴したり還付したりするような制度になつたわけであります。そういう点、制度といたしまして、特に返すべきものは迅速に返すという方針で、現在も国税庁はやつておられるのでありますが、今後におきましても、そういうことをさらに促進してやつていただきたいというように考えているのでございます。
 それからその次は租税の二重課税の防止に関する協定を各国と結ぶつもりでございますが、現在のところアメリカと一応下打合せ中であります。それに関連いたしまして、日本におきまして生じた所得に対しましては、できる限り日本においてまず優先して課税する。相互に住所地国で課税する場合におきましては、発生地で課税しました税額を控除することによりまして、二重課税を防ぐようにする。こういう点を基本的に考えておるのでございます。日本の所得税法は発生地課税主義の建前に大分近いのでございますが、なお條文等におきまして不十分な点もございますので、この際日本におきまして生じた所得に対しましては、できる限りその所得者が日本に住居所がない場合におきましても、課税するような措置を拡張するように、規定の改正を行いたいと考えております。
 それからその次は法人税でございますが、法人税につきましては、前回大部分の改正をいたしましたので、今回の改正は前回の改正の引続きといたしまして、若干の改正を行うこととしたにすぎません。一つは配当に対しまして源泉課税を行いますので、その結果赤字で、法人税額から源泉課税額を控除しきれない場合には、やはりこれは還付するということにいたしたいと考えております。なお公社債、銀行預金等の利子等につきましても、現在源泉課税をやつて、これはとりつぱなしでございまして、法人の場合は返さないことにいたしておりますが、これはやはりとり過ぎましたら返すことに、あわせていたしたいと考えております。
 それからその次は法人税額の半額を三月徴收猶予する制度を、臨時国会で開いたわけでありますが、日歩四銭の利子税は少し高過ぎるきらいがございますので、二銭程度に引下げたい。相続税の年賦延納の場合の利子税も、二銭に引下げておるのでございますが、法律上当然徴收猶予を認めるという場合におきましては、若干低い金利が適当ではないかというので、二銭に引下げるつもりであります。
 それから次は相続税でございますが、相続税につきましては、まず基礎控除十五万円を三十万円に引上げたい。これは相続人一人ごとでありますので、たとえば四人相続人がおりますと、財産をうまくわけますと、百二十万円程度まで控除される、こういうことになりまして、相当な改正だと考えております。また農家の場合等におきまして、分割がむずかしい点もあるようでございますが、大体現在の自作農家の場合においては、農地と家屋敷を持つている。それを長男が相続するというような場合におきましては、大体三十万円の基礎控除を設けますと、相続税の問題はなくなるのではないかと考えております。そういう点を考えまして、三十万円にいたした次第であります。
 それから保險金につきましては、昨年から十万円の控除を認めましたが、今後は二十万円に、それを引上げる。おやじさんが在職中なくなつて、息子さんが退職金をもらつたような場合、本人が退職金をもらわれた場合は所得税の問題ですが、被相続人がなくなつて、退職金に相当する額をもらつた場合におきましては、相続税の問題になるわけですが、その際におきましても、やはり二十万円の特別控除を認める。それから保險金は相続人ごとの控除になりますが、退職金の方は、これはどうもやはり相続人一人につき二十万円というのが妥当だという考え方でありまして、相続人一人について二十万円の控除にいたしておるわけであり
 ます。
 その次は税率でございますが、税率につきましては、最高現在五千万円を越えるごとに、百分の九十という非常に高率になつておりますので、日本の実情からいたしますと、やはり少し高過ぎるという点もございますので、一億円を越える場合におきましては、百分の七十の税率にする。下の方も、二十万円を越える金額は、百分の三十を二十五に上げる。以下順次税率の適用を、上にずらせまして、税負担の軽減をはかりたい。二十万円以下の場合の税率の下げ方が少いのですが、この辺は実は控除の引上げによりまして、大分負担が軽減になりますので、税率といたしましては、このような改正でいいのではないかと考えております。なお相続税につきましては、山林と不動産が相続財産の半額以上である場合におきましては、五年の延納期間を十年に延長する。それから一般に、山林不動産ばかりではありません。一般の延納を認める場合の利子税は、四銭を二銭に引下げることにいたしております。なお相続の場合の申告及び納付の期限を、現在四箇月になつておりますが、六箇月程度に延長いたしたい、そのような改正をはかる考えでございます。相続税の負担が改正の前後でどうなるかということにつきましては、七ページに改正前後の相続税の負担額調べというものを示しております。これによつてごらんになればわかるように、相当相続税につきましては、負担の軽減になるかと考えておるのでございます。
 最後に砂糖消費税でございますが、砂糖消費税につきましては、この四月から砂糖が自由販売になる予定になつておりますので、それに対応いたしまして、砂糖消費税と輸入税と、両方で若干の増税をはかりたい。砂糖消費税におきましては、約七割程度の増徴を考えております。今税率は、百斤につき千円、つまり一斤十円の税率になつております。それを七円ほど引上げまして、一斤十七円の税率にいたしたい。それから輸入税の方は、今粗糖は一〇%、精製糖が二〇%でございますが、それを粗糖を二〇%に引上げ、精製糖の方を三五%に引上げる。両方合せますと、約一斤当り十円強の税負担の増になるかと思つております。大体砂糖の値段は、現在自由販売のものが一斤百十円ちよつと強、配給が六十八円くらいでございますが、配給がやめになりまして、この税がかかるということになりますと、今の国際相場の動き次第にもよりますが、現在の国際相場から行きますと、八十円前後の値段になりはしないか。それに対しまして、輸入税と砂糖消費税を加えまして、二十四円前後の税の負担になるかと考えますが、三割くらいの輸入税と消費税を通じました砂糖の税の負担ということになりまして、その程度でございますれば、まず妥当なところじやないかというふうに考えておるのであります。なお、この輸入税を特に課税することにいたしましたのは、申すまでもなく北海道の甜菜糖並びに黒糖などの、日本の糖業をできる限り保護しようという点と、一般に砂糖消費税及び関税を通じてこのように増税いたします結果、若干水あめ等に対しましても、ひいてはかんしよ等に対しましても、いい影響があるということも、あわせて考えておるのであります。
 以上大体改正の内容について申し上げた次第でございまして、この結果どういうふうになるかということにつきましては、別に予算の説明という資料で、相当詳細な資料を出しておりますので、それをごらん願いたいと考える次第でございます。なおそういう点につきましては、将来必要な際に御説明申し上げてもよろしいかと考えますが、一応これで説明を終ります。
○三宅(則)委員 議事進行について……。ただいま平田主税局長から、詳細な説明を聞いたわけでありまして、質疑もありますが、私は質疑に先だちまして、議事進行について委員長に対して申し上げたいと思うのであります。税收入に対するこの法案は、われわれ大蔵委員会の主管であると考えております。ところがこの要綱等も、新聞にはすでに二十七年一月二十六日に発表になつておりますが、その要綱が、実は本日手元に渡つたわけであります。予算委員会の方には数日前渡つたということでありますが、本委員会の方も予算委員会と同時に、もしくはそれ以前に渡るべきが当然であろうと思います。でありますから、今後こういう問題につきましては、まず第一に大蔵委員会に提出して、しかる後に他の委員会に提出する、こういう原則をひとつ実行してもらいたい。これが一つ。第二点は、たびたび政府にも要望しておることでありますが、本日は雪も降つておるわけでございますが、各委員も精励恪勤しておるにかかわらず、政府の方は精励恪勤していない。これはまことに遺憾にたえません。どうか委員も精励いたしますから、政府委員の方も早く御出席願つて、われわれの審議を促進するようにしてもらいたい。かように思いますから、今後はひとつ委員長を通じて、厳重に政府にも督励方をお願いいたしたい。要点は、本委員会には他の委員会に先んじて歳入に関しては提出すること、第二番目は、委員とともに、法案の審議にあたり精励恪勤してもらいたい。この要点を委員長を通じて政府に厳重に警告を発せられたいことを要望いたします。
○佐藤委員長 三宅君の御発言はしごくごもつともだと考えます。ことに所管の法案に関する資料は、優先的に当委員会に御提出になるようなお心構えは、これは当然なくちやならぬと委員長も考えます。所管の法案の資料であります以上、どうぞ十分に政府当局において御反省を願いまして、今後本委員会が迅速に議事の審議ができますように、御配慮あることを希望いたします。なお今の御発言に対しまして、政府当局として御意見がございますならば、一応御発表をお願いいたします。
○平田政府委員 ただいま三宅さんのお話の件は、私どもよく注意いたしまして、御満足の行くようにいたしたいと思います。なお要綱でございますが、今説明しました要綱は、実は本日初めて本委員会にお配りいたしたものであります。歳入予算の説明の方は、予算委員会が早く開かれました関係上、急いで出しましたが、それと同時に私どもとしましては、大蔵委員会の方にも配る手続は完了いたしていた次第であります。お手元にいつ届きましたか、その辺は調査未済でございますが、できる限り御趣旨に沿いまするように、今後注意いたして参りたいと思います。
○内藤(友)委員 実はこの大蔵委員会は、いつでもずいぶんだくさんの法案が出て来る委員会なのであります。委員長は今度お初めてでありますから、まことにこれから御苦労なのでありますが、きようもお配りいただきました予定表を見ましても、六十も予定法案があるのであります。ところがいつの国会でもそうでありますが、押し追りましてから、どやどや出て来るのが今までの通例なのであります。そうしてもうほとんど審議せずに参議院へ送り込んでしまうというふうなことであります。たとえて申しますと、これは前年、年暮れでありましたが、財政法のごときは、ほとんど審議がなかつたと私は思うのであります。今参議院でいろいろな問題を起しておるのでありますが、ああいうことがあつては、私は大蔵委員会それ自体の権威にかかわるのではないかと思うのであります。これは前夏堀委員長からも、政府にしばしばお申出になつたものでありますが、一向に実行されておらない。どうかひとつ、こういうふうに予定も出て来ておるのでありますから、なるべく早目にこの委員会に法案をお出しいただくように、特に委員長から政府の方へお申出いただくことを、ぜひお願いしたいと思うのであります。やはりこれは大蔵委員会の権威にかけても、審議すべきところは審議し、十分手を盡さなければならぬと思うのでありますが、現に財政法のごときは、私はちようどこの前の臨時国会の終りごろいなかつたのでありますが、あれはほとんど審議なしに行つてしまつただろうと思うのであります。今日参議院であのようにいろいろな問題が出ておるのでありますから、どうかその点は十分御注意いただきたいと思います。委員長にはきよう初めてお顔を拜し、そういうことを申し上げるのは恐縮至極なのでありますが、どうかひとつよろしくお願いいたします。それからこの委員会はほかの委員会と違いまして、伝統的に非常になごやかな委員会であり、野党も與党もないのでありまして、一生懸命にたくさんの法案を処理して行こうという建前でやつておりますので、どうかこの私ども先住民族の意思をひとつ御尊重いただきたいということを、お願い申し上げます。
○佐藤委員長 内藤君の御発言はしごくごもつともだと存じます。委員長において必ず善処いたします。
○奧村委員 ただいまの内藤委員の御発言、まことにわれわれも同感でありまして、本委員会では毎国会この要望が強いのであります。ところが政府の方におかれては、われわれのこの委員会の意見が十分徹底していない。よつてこの際ひとつ内藤委員の御発言を動議として取上げて、委員会一致の決議として、この際政府に申し入れるというふうにいたしたいと思います。委員長、動議としてお取上げを願います。
○佐藤委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を始めて……。
○奧村委員 先ほどの私の動議の件は一応取下げておきます。そこでお尋ねいたしておきますが、ただいま配付された第十三回国会提出予定法律案のうち、ただいま御説明になつた税制改正要綱の中の法律案、これはいつごろこの委員会に提出される見込みでありますか。
○平田政府委員 今盛んに徹夜してやつておりまして、来週の中ごろまでにはぜひ出すようにいたしたいというので、目下進めておる次第であります。
○大上委員 ただいま内藤委員並びに奥村委員が本大蔵委員会に対する法案の提出、これに関する審議等について動議をお出しになろうとし、これを撤回なさつた。これは運営の面から申しますと、委員長が採択なさらなかつたというふうに解釈するのです。そこで本委員会の冒頭にあたりまして、委員長並びに大蔵委員の各理事にお尋ねしたいと思うことがあります。なるほど本委員会としての内藤委員の発言はしごくもつともと思うのですが、そこで特に理事におきましては――これがいわゆる期末においてうんと出て来る、審議未了になるという今の内藤氏の意見は、私まつたくもつともと思う。特に私以前から当委員会におりまして、痛切にそれを味わつておるわけです。そこで特に委員長と理事とが、もしもそういう場合に出くわした場合に、われわれ委員にどのような運営方法をおやりになるか。その点を特に一応委員長にお尋ねし、また次の委員会においては理事会等に諮つて、理事会等の模様等も次の委員会でお尋ねしたい。これだけをお願いしたいと思います。
○佐藤委員長 お答えいたします。大上君の御発言は、要するに審議を敏速正確にするために、うんと勉強するようにという御趣旨と了解いたしました。委員長は本委員会に出ますこと、これで二回目でございますので、正直に申しまして、諸般の実情にまだよく通じておりません。それでよく理事諸君と連絡をいたしまして、愼重に協議いたしまして、御趣旨に沿うように善処いたします。さよう御了承を願います。(「了承々々」と呼ぶ者あり)
 先ほど政府当局の説明に対しまして、政府委員、国税庁長官も御出席になりましたから、御質疑がございましたらば、順次これを許します。
○奧村委員 ただいま平田主税局長から、二十七年度の税制改正の要綱について御説明を承つたわけでありますが、高橋国税庁長官から本年度の税務行政のやり方について、何か改正するお考えがあるかないかということを承つておきたいと思います。
○高橋(衞)政府委員 ただいま二十七年度の税制改正に関連いたしまして、二十六年度の税務行政の今後の運営のやり方について、説明をしろということでございますが、御承知の通り本年度は、生産も昨年に比較いたしまして相当増加いたしておりまするし、一方物価もある程度の高騰を見ておりまするので、それが所得に反映いたしまして、税收入は二十五年度に比較いたしまして非常な好調を示しております。今月の十日現在における租税及び印紙收入の收入済み額は、四千二百四十五億円でございまして、予算であるところの五千六百八億円に対しまして七五・七%という数字になります。昨年度の同じ時期におけるところの收入の割合は、予算に対して六七・三%でございましたので、約八・四%だけ本年度は好調を示しております。従つて今年度内に予算額に達するのには、さらに千三百六十三億円という税收入が入れば、予算額には達するという状況でありまして、従つて昨年との比較等におきましても、今年度は收入予算を確保するという面からは、それほど無理をすると申しますか、そういうふうな考え方をとる必要が全然ないわけであります。従いまして昨年度中心になりますものは、御承知の通り申告所得税でありますが、申告所得税につきましては、昨年できるだけ更正決定を少くして、納税者と政府との間の紛争を未然に防いで、そうして円滑な納得の行くところの税務行政をやつて行きたいという趣旨で、運営して参つたのであります。従つて昨年当初におけるところの確定申告の時期におきましては、更正決定の数も三月末までにわずかに十一万七千件というふうに非常な激減を見まして、平静に税務行政の運営をなすことができたのであります。今年度におきましても、こういうふうな收入状況でもありますので、やはり昨年の方針を踏襲いたしまして、できるだけ納税者の納得を得るような方法でもつて、仕事を進めて行きたいと考えておるわけであります。もちろん全般としては、こういうふうに非常に收入状況はいいのでありまするが、申告所得税につきましては、一月の十日現在におけるところの收入の割合は、予算に対しまして三九・七%でありまして、昨年の同期が四四・六%であるのに比較いたしまして、なお約五%程度昨年より下まわつておるのであります。この原因は現在の所得税法の建前から申しまして、予定申告の段階におきましては、前年の所得よりも少くない金額の申告があれば、更正決定はしないという建前に相なつておりまして、従つて予定申告の段階におきましては、きわめてわずかな例外を除きまして、ほとんど大部分が前年の所得金額をもつて申告をしておるという状況であります。従つて税法の改正等によりまして、税額は相当減少して来ておるというような原因がございまして、このパーセンテージが低くなつたのはそういう理由によるのであつて、必ずしもこの收入の割合が少いということをもつて、申告所得税関係の仕事がよく行つていない、または納税者の御協力がうまく行つていないということは、言い得ないと思うのであります。従つて問題は、この二月末に参りますところの確定申告の際に、どの程度納税者の御協力を得て收入を上げ得るか、またいい申告を出していただけるかという点にかかると思うのであります。先ほど説明申し上げましたように、昨年の当初更正決定の非常に少いところのやり方に成功いたしましたので、税務署といたしましては、ある程度前年は比較いたしましては手がすけて参りましたので、従つて調査の方面には量も質もともに非常な躍進を見ておると、私どもは見ておるわけであります。税務官吏が全般的に非常に年が若くて経験が少いということは、かねがね皆さんから御批判を受けておるのでありますが、しかしとにかく年一年と訓練を積んで参りましたので、その能率の面におきましても、今年度におきましては相当な進歩を見せる考えでおりますし、時間的にも相当余裕があるところの調査ができるというような関係からいたしまして、所得額そのものは、前年よりも相当ふえ方が多いと思いますが、調査の裏づけが相当自信の持てるという調査ができるというような関係からいたしまして、ある程度納税者の方々の御協力また御納得を得られるのではないかというふうに、考えておる次第であります。
○三宅(則)委員 私はただいまの主税局長並びに高橋長官の御説明に対して、二、三点ずつ簡單に質問いたします。詳しいことは、ほんとうの法案が出たときに伺いますが、平田さんがせつかく努力せられました山林所得、これは変動所得でありまして、まことにめんどうきわまりないものであります。退職金については十五万円控除ということがきめられておりまするが、山林の方につきましては、三十年、四十年たたなければこれは実らぬものでございますから、山林所得の控除を十万円にいたしまして、あとを課税することになりまする以上は、やはり退職金と同じように十五万円くらいにしたら、なおよかつたのではないかと思うのでありますが、これはどういう根拠によられたか、簡單に御説明願いたいと存じます。
○平田政府委員 退職金と山林所得は控除と違えておりますが、御承知の通り、退職所得はまつたく勤労の結果による所得でありまして、山林所得のごとく一種の投資と申しますか、資産所得的な性質は全然退職所得にはない。従いまして、昔は退職所得には全然課税しないで、山林所得には課税した時代もありましたことは、御承知の通りでございます。そのような点から考えましても、やはり退職所得と、山林所得なり譲渡所得との間には、若干の開きがあつて初めて負担の公平を期し得るのではないか、こういう考え方をとつておる次第であります。
○三宅(則)委員 もう一つお伺いしますが、ただいまの御説明でありますが、この前の委員会において大蔵大臣が、緊要欠くべからざる物品税は、今度の国会に出すというように言われたのであります。この要綱で見ますと、出ておらないようでありますが、たとえて申しますると、食品衛生法におきまして、冷蔵庫のごときは、各家庭にこれをやるとか、あるいは業者におきましては当然なければならぬということになつております。また病院等もその通りでございますが、家庭用の、二貫目くらい入るような小さい冷蔵庫については、これはねずみ入らず、なべ、かまと同様に免税したらよい、こういうように思つておるのであります。当然そういうものは生活必需品また日用品であります関係上、物品税の改正を出したらいいと思うのでありますが、どうしてお出しにならなかつたか。小さい冷蔵庫のごときは、家庭で野菜などを入れておくのでありますから、これは免税点を設けまして、免税するというような線が必要であると思います。これらいわゆる零細なる企業もしくは生活必需品に対しまする物品税の改廃等をなされたらよろしいと思いまするが、これに対して御意見を承りたい。
○平田政府委員 物品税につきましても、細目の点はいろいろ問題があることは、私ども承知いたしておるのでございますけれども、先ほど一般方針につきまして、申し上げました通り、財政事情が二十五、二十六年と、二十七年は若干かわつて来たのではないかと考えておりまして、間接税につきましては、二年にわたりました減税を今年は行わない、こういう考え方を実はとつたのでございます。所得税、相続税はいかにも負担の実情から見て重過ぎるので、これはできるだけ軽減をはかりますが、間接税の方は、今まで改正しましたような改正を行うということは、二十七年度並びに今後の財政事情を考えてどうであろうかということで、間接税は原則として減税しない、こういう基本方針を実は採用いたしたわけでありまして、その方針に従いまして、今回物品税、酒税等の問題につきましては、改正案は出さないという考え方にいたしたのでございます。
○三宅(則)委員 平田さんにもう一点だけ伺つて、あとは高橋長官に伺います。今の物品税を改廃しないといいましても、免税点については行政的にできると思いますから、お骨折り願いたいと思います。実は青色申告についてはたびたび伺つたのですが、いわゆる専従者、義務づけられております従業員に対して五万円となつておりますが、これについてはもう少し考慮する余地はなかつたか。ほかにまた便宜な方法があると思うのですが、それについてもう一点だけ伺います。
○平田政府委員 その問題は、おそらく所得から何割から何割まで引いたらどうか、こういう意見が大分ありますし、三宅さんもそういうお話であつたのですが、これはやはり所得税の本旨から考えまして、そういう制度を導入するのはよろしくない。やはり所得税というものは、正しく所得を計算して、その所得に対して負担すべきものでありますので、そういう出て来た所得から一定の控除をするということは、担税力がないとかなんとかいうなら別ですが、たとえば勤労所得等は、ほかの所得に比べまして担税力が低いので、一割五分控除いたしておりますけれども、そういう特別な理由なくして、所得がはつきりなつたから控除するというようなことは、やはり税制の根本的な考え方からして、どうであろうかという考えを持つております。ただそういう基本原則に触れない範囲におきまして、青色申告でありますと帳面がはつきりしますから、課税標準の計算につきましては、理由のあるところは何でもひとつ聞いてやろう、こういう気持と申しますか、方針の現われがこの一端であるということを、御了承願いたいと思います。
○三宅(則)委員 簡單にもう三点だけ高橋長官に伺います。本年の六月、七月に予定申告を出すということになりますが、全国の農民あるいは零細なる商工業者におきましては、これをめんどうがつておりますから、昨年これだけ納めたということを税務署の方から通知を出しまして、その金額だけ納めたらよろしい。増減があつたものに対しては、減税の申請とか、あるいは増税の申請とかいうことをいたしますが、あとのものはやらなくてよろしい、こういう方針でよろしいと思うのですが、長官はどう考えておりますか、承りたい。
○高橋(衞)政府委員 これは税制の問題であると考えますから、主税局長の方からお答えいたします。
○平田政府委員 今のお尋ねは、どういう問題でありますか、はつきりしないのでございますが、おそらく予定申告を省いて、予定申告の段階では前年の税額で一応納めるようにしたらどうか、こういう御意見かと思いますが、これは便宜論から行きまして、一つの考え方だと思います。しかし申告所得税の本来の行き方から申しますと、やはり現在の制度の方が、もつとそれよりもいいように思うのでありまして、この制度をすぐこわすというほどの必要もなかろう。しかしそういう問題は、便宜論から行きまして、お話のような議論もございますので、将来もよく研究してみる必要はあるかと思いますけれども、今すぐそれを採用するのはどうかと思いまして、今回は将来の研究にゆだねることにいたしたのであります。
○三宅(則)委員 今度は高橋長官に伺います。これは実際あつた問題ですが、あなたは、この前質問したときに、わからぬと言つて逃げられたのですが、荒川税務署と墨田税務署にあつた問題です。領收書を出します際、納税者の申告納税でありますから、五万五千円という金額をもらつて来る。ところが申告するときに五千円納めまして、あとは帰つて来てから領收書に五万円を書き入れる、こういうのがありまして迷惑したことがございますから、これは直さなければならぬということを言つたのであります。高橋長官はそういうことはないとおつしやいましたが、実際ある。実は墨田にもあるということを税務署長が言つておりました。これは数字の頭に¥という字を掲げる。これを書かなければならぬといつて、各税務署長に訓示しなければならぬと思つているのですが、長官はそういうことをお聞きになつたことはないか。なければ、やつてもらいたい。
○高橋(衞)政府委員 ただいま御指摘のようなものがときどきあることは、私も聞いております。できるだけ御趣旨のような方向に注意をして行きたいと思います。
○三宅(則)委員 もう一点伺いますが、これはいつも平田さんに申しますと、大げさだと言われるわけですが、実は国民の税負担の公平を期するためには、全国民が納税する、こういう制度が一番よろしいということになりまして、私は米の通帳と同様に、税籍簿というものを完全に備えて、税務署にもあるが、国民にも税籍簿を持たせる、こういう案が非常によいと思つて言つておるのであります。経費もかかると思いますが、これは国民の要望でありますし、また国民が公平に負担するというものでありますから、国民にも税籍簿を持たせる、税務署にももちろんある。そうして年々公平に納めて行くという線を堅持したいと思いますが、これに対しまして平田主税局長の構想を承りたい。
○平田政府委員 今の問題につきましては、たびたび私からも答えいたした通りでございまして、確かにそういう方法も完璧を期する上におきまする一つの方法かと思いますけれども、経費の問題、はたして実行する場合においてどの程度の実効が上るかという問題等、いろいろ同時に考えなくてはならぬ問題があるかと思う次第でありまして、今すぐここで政府が案を出すというところまでは申しにくいのであります。御了承願います。
○佐藤委員長 深澤君。
○深澤委員 農林省で匿名供出制度をまたやろうとしておるわけです。昭和二十三年のときにこの制度をやつたのですが、しかしこれは主税局かあるいは国税庁の方と十分連絡がとれなかつた関係か、匿名供出をした者にやはり税金がかかつて来ている。今度の匿名供出制度については、農林省と大蔵省と具体的に打合せができておるか。農民はこの制度でやれば税金はとられないといつてやつたが、二十三年度はとられておる。今度もその点がはつきりしない限りは、また匿名供出制度で供出はしたが、税金をとられるという結果になる。その点は大蔵省と農林省との間にはつきり話がついておるか。それをお聞きしたい。
○平田政府委員 匿名供出のことは、おそらく供出に関連して考えられた制度だと考えるのでありまして、課税の上におきましては、所得がある場合においてはすべて課税する。この原則は一歩も讓れない。もちろん正しく調べまして所得のあります場合には課税すべきだ、かように考えております。
○深澤委員 もう一点お伺いしたいことは、投資信託法によつて盛んに投資をやつております。それに対する配当があるのですが、その配当に対してはやはり二〇%の配当課税をするのかどうか。
 それからもう一つは、法律によらない匿名の組合等が、やはり投資信託的なことをやつて、預金あるいは投資をかき集めておるわけです。それに対しては月三分の配当をするということになつておりますが、そういうものにも配当課税をするというような建前になつておるのかどうか。法的にきめられた信託投資に対しては、当然配当課税というものがあると思うのですが、法外のそういう行為に対しても、やはり配当に対して課税をしておるのかどうか。その点を伺いたい。
○平田政府委員 投資信託の配当に対しましては、御通知の通り信託利益を分配します際に、二〇%の源泉課税をいたします。ただその投資信託に属しまする株の配当が、投資信託の利益に入つて来る際に、今度は源泉課税になることになつたわけですが、その点は二重課税になるおそれがありまして、どうせ控除するわけでありますが、赤字になつたとき問題がございますので、元で課税するのは見合せまして、投資信託として分配する場合に課税しよう、こういうことになつておりますことは、前国会で措置していただきましたのと同様でありまして、これを今後かえるつもりはございません。
 それからもう一つのお話は商法上の申合せ組合ですが、法人格がない団体といたしまして、お互いに申し合せて一種の組合をつくつて、共同事業をやつて利益をわける、こういう場合は、それぞれ事業所得と見て課税することにいたしておりますので、この場合は源泉課税の問題はなかろうかと思つております。ただよく事実関係を調べた上でないと申し上げにくいので、なおどういう場合でございますか、それをはつきりいたしましてお答えしてもいいかと思いますが、一般的にはそういうことになるかと思います。
○深澤委員 匿名組合で十数億の金を集めておるわけですが、それに対して月三分の配当をするということで集めておるわけです。そういう場合配当課税によるのか、組合の所得に対して課税するのかという点が非常に不明確であります。匿名組合ですとだれがやつているのかわからないということで、結局理事長なら理事長という責任者の個人の所得にかける、こういう結果になるのではないかと思うのですが、その点まことにわれわれも不明確であります。おそらく国税庁の方においては、そういう問題に具体的に当面しておられると思います。どういうぐあいに処置しておられるのか、高橋さんの御見解を伺いたい。
○高橋(衞)政府委員 そういう組合組織のような場合におきましては、やはりその人に対して質問を申し上げまして、そうして内容がわかればその内容に従つていたしますし、内容がわからない場合においては、やむを得ずその人に所得に属すると、推定せざるを得ない場合もあるかと存じます。
○高田(富)委員 最近個人の申告所得に対しましては、税が非常に重いというので、法人組織が大分ふえて来ておるわけです。それを見まして、税務当局においては個人から法人になりました場合には、その法人の性質を見まして、個人と同様の課税をして行くというような場合が相当あります。これについては何か特別の通牒か指令のようなものを下の方へ出して、法人を法人と認めないような措置をとつているのかどうか。
 それからさらに、同族会社になつた場合に、前の個人が滞納しておつたものを、今度できた同族会社がその滞納を引継いで拂わなければならぬというような制度を、さらに厳格に徹底的にやるために、何らかの法的な改正をするのではないかということも、巻間伝えられております。あるいはまた企業組合なんかも、最近相当発達しておりますが、これを認めないで、個人としてどんどん課税をするというようなことについても、何か特別の方針というようなものが下の方へ出されておるのではないか、こういうような点についての方針を、明らかにしていただきたい。
○高橋(衞)政府委員 最近と申しますよりも、二、三年前から個人から法人に組織がえをする方の数が、非常に増加して参つております。しこうして法人になりました際におきましては、その最初の年において、その法人の内容をはつきりさせておくということが、その後の納税関係のことをやつて行つていただくのに非常に好都合であり、また必要でもありますので、法人になりました際には、そういうふうな法人につきまして、きつちり税の関係をしておくということが、便利かと考えております。しかしながら特にそれらについて、何らかの訓令を出すなり指示しておるということはございません。それから法人そのものを否認するというふうなことは絶対ありません。
 企業組合の場合におきましては、これは企業組合自体を否認するのではありませんので、その事業自体が組合を構成しておるところの個人に属するか、それとも企業組合自体に属するかということについて、それぞれ客観的ないろいろな資料をもとにいたしまして、判断をする場合が相当ございます。そうした場合におきましては、たとえば預金が個人の名前になつておる、取引自体も個人の名前でやつておられるものとか、またはそれらの收支が企業組合の帳簿を通してないとかいうふうなことのために、それは一応企業組合として届け出てはおられますけれども、実質は個人の所得であると見られる場合が相当あるのであります。そういう場合におきましては、個人の事業所得として課税せざるを得ないかと考えるのであります。
 なお個人から法人になりました場合に、いろいろな滞納等がありました場合につきましては、これは主税局の方の所管だと考えますので、主税局長から……。
○平田政府委員 その問題につきましては、たしか昨年国税徴收法を若干改正いたしまして、必要な規定を設けたかと思いますが、さらにそれを強化するかどうか、まだ現在のところ別段考えておりません。事態をよく見ました上で、必要がありますればよく研究してみたいと考えております。今すぐ取上げてはおりません。
○佐藤委員長 委員長からちよつと申し上げます。先ほど奥村委員から内藤委員の御要求を動議として取扱つてほしいという御発言があつたのでありますが、その取扱い等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。委員長及び理事において善処することといたします。
 本日はこの程度にとどめまして、明日は午前十時より開会いたし、本日の質疑を続行することにいたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十一分散会