第013回国会 大蔵委員会 第89号
昭和二十七年六月十三日(金曜日)
    午後一時五十八分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 重遠君
   理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
   理事 佐久間 徹君 理事 内藤 友明君
   理事 松尾トシ子君    淺香 忠雄君
      大上  司君    苫米地英俊君
      三宅 則義君    宮幡  靖君
      深澤 義守君    久保田鶴松君
      中野 四郎君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (銀行局長)  河野 通一君
        大蔵事務官
        (銀行局資金運
        用課長)    高橋 俊英君
        郵政政務次官  寺本  齋君
        郵政事務官
        (簡易保險局
        長)      白根 玉喜君
 委員外の出席者
        專  門  員 椎木 文也君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二〇三号)
 簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第二四一号)
 資金運用部資金法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二四二号)
    ―――――――――――――
○小山委員長代理 これより会議を開きます。
 簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改正する法律案、及び資金運用部資金法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として、質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。内藤友明君。
○内藤(友)委員 郵政省から政務次官と白根さんとお見えになつておりますので、少しお尋ねしたいと思うのであります。実はすでに簡保郵便年金特別会計法の運用法律は衆議院を通つておりますので、いまさら私はかれこれ申す筋合いではないと思うのでありますが、しかしまだこの委員会に残つておる二つの法律審議の上においてやはり一応ただしておきませんと、私どもの方の法律についてほんとうの審議ができませんので、はなはだ申訳ありませんけれども、ひとつお答えいただきたいと思うのであります。
 すでに通つております運用法でありますが、これはなるほど法律の表題は積立金の運用に関する法律でありますが、これは実は特別会計というものではないかと思うのであります。私はこういうことについてあまり専門的な知識がありませんために、こういうふうなお尋ねは非常に妙なお尋ねかと思うのでありますが、簡易生命保險郵便年金というものは、一体法律上積立金というものがあるのかないのか、それからまずお尋ね申し上げてみたいと思うのであります。
○白根(玉)政府委員 簡易保險法自体には、積立金という積立て方を書いておるのはございませんが、会計法の中に、積立金をこうこうしてやるようにという條文があるのでございます。このことは、御承知のように簡易保險は一つの保險事業でございまして、保險事業である限りにおきましては、民間保險でも積立金というものがあるわけでございまして、将来保險事故が発生いたしましたときに、それに支障ない程度の金額の積立をしなければならないのは、事業の性質からいたしましても当然のことでございます。それらの積立てをすべしというのは、会計法の中にあるわけでございます。
○内藤(友)委員 法律には積立金というものはない。私はあまりこの方面の知識がないのでいろいろ調べてみたのですけれども、やはりないようであります。ただいま白根さんのおつしやる通りであります。そうしますと、なるほど法律的でない積立金があるかもしれません。一時郵政省の手元にある金があるいは積んであるのかもしれません。しかし法律にない積立金を運用するというのでありますが、一体それはどういうことなのかというふうな疑問が持てるのであります。これは私ははなはだ悪いことを申し上げるのでありますが、第一條にはつきりと書いてあります「簡易生命保險及郵便年金特別会計の積立金」というこの言葉を略せられて、つまり積立金の運用だ、こういうことで大蔵委員会にかけずに、郵政委員会に持込まれる。そういうふうなお考えでわざわざ法律にもない積立金というものを
○白根(玉)政府委員 少し先ほどの説明が足らなかつたと思います。積立金に関する法律が全然ないわけではないのでありまして、簡易生命保險法第十九條におきまして「被保險者のために積み立てるべき金額は、前條の基礎によつて純保險料式で計算する。」前條といたしましては、十八條で「保險料は、左の基礎によつて計算する。」「一昭和五年四月から昭和十年三月に至る期間の簡易生命保險経験死亡率を基礎として作成した死亡生残表。但し、保險約款の定めるところにより算出した被保險者の年齢が六年に満たない場合にあつては昭和十一年内閣統計局の発表した第五回生命表の男子死亡率にその百分の十を加えて作成した死亡生残表」「二 年三分五厘の予定利率」「三 前二号により計算した純保險料の額の百分の十八に相当する額と保險金額の千分の八に相当する額との合計額をこえない額による附加保險料」というふうにございまして、純保險料式に計算しなければならないということは、法律にあるのでございます。こまかい算出根拠を、大体この十八條の基礎によつて、純保險料式に算出するようにという條文があるわけでございます。
○内藤(友)委員 ただいま私がお尋ねした御答弁がなかつたのでありますが……。
○白根(玉)政府委員 会計法でかければいいじやないかというお話でございますが、この法律ではなるほど会計的な規定もある程度入つております。しかしながら投資の対象を制限するとか、それからまた投資にあたりまして審議会にかけるとかいうような事項は、これは実態必ずしも会計法とは言い得ないと存じまして、従いまして單行法律で立案いたしたわけでございます。
○内藤(友)委員 それはそれにいたしておきまして、白根さんに一つお尋ねしたいのは、先般来郵政大臣並びに局長の御答弁を承り、また昨日の参考人の陳述を承りまして、なぜこの積立金を郵政省で運用せられなければならぬかということは、およそ輪郭はわかつたような気がするのでありますが、もう一ぺん、これは繰返すことになるかもしれぬと思うのでありますが、郵政省がはつきりしたこれに対するお考えがあつての分離運用だろうと思うのであります。はなはだ恐縮でありますが、あとの方の質問を申し上げたいために、もう一回なぜ分離運用しなければならぬかということを、お誘いただきたいと思うのであります。
○白根(玉)政府委員 実は資金の必要な理由、大臣からもたびたび御説明申し上げたのでございます。御承知のように簡易保險の資金と申しますのは、これは政府資金であるか、財政資金であるかというような点については、いろいろ御議論があるかと存じます。しかしながらこれは実質的に申し上げますと、簡易保險の金は加入者のために積み立てた財産でございまして、このことは簡易保險法の中にも、簡易保險の金に余剰金が出たら、加入者の利益のために使わなければならないという條文も入つておるわけでございます。また保險の創業以来の沿革から申し上げましても、保險事業から集まつた資金は、社会政策的な施設の方へ使うという意味からいたしまして簡易保險事業創始以来そうなつておるわけでございます。従いまして戰前におきましては、御承知のようにその線によつてやつておつたわけであります。そういうような簡易保險事業の創業以来の性質に合うような運用方法をとりたい、こういうのが根本的な考え方でございます。しかしながら現在の状況は、資金源が非常に少い状況でございまして、資金の総合的な運用が必要であるという現実の状況も、これはむろん認めなければならないのでございます。従いましてそれらの意味からいたしまして、資金運用部資金法というものができたのであろうと存じます。従いまして民間資金にあらざる資金を吸收したものは、これこれのわくの範囲内において貸付をするようにというのが資金法にございます。その資金法の考え方をかえないで、一面資金の総合的な運営ができるように、それを乱さないように、また他面、先ほど御説明申し上げましたような事業の特質からする資金の運用もできるように、というような意味からいたしまして立案いたしたのが、この法律案でございます。
○内藤(友)委員 これは銀行局長と両方おられると非常に都合がいいのですが、そういたしますと、資金運用部の方で全体の資金を動かしておられる。その中には、今あなたの仰せになつたようなこともやつておるのでございますが、やつておるのにかかわらず、その上またあなたの方でやらなければならぬというのは、どういうことなんでございましよう。
○白根(玉)政府委員 先ほど申し上げましたように、資金運用法で総合的にやつておる考え方はかえてはいけないと思うのですが、その範囲内におきまして、簡易保險事業の資金の性質からいたしまして、その運用を直接的にやることこそ事業の性質に合うのである、かような意味で立案いたした次第であります。
○内藤(友)委員 それではお尋ねいたしますが、簡易生命保險の性質に合うような事業というのは、具体的にどういうものでありますか。
○白根(玉)政府委員 先ほど来御説明申し上げましたように、簡易保險事業の集まつた資金は、できれば直接的に加入者階層の福祉その他の施設方面へ運用することこそ必要である、かように存じておるのでございますが、資金運用法におきましては、われわれの考えております加入者階層に直接的に投資する部面もございます。間接的に投資する部面もございます。また加入者階層といえばいえないこともないかもしれませんけれども、相当縁の遠い金融債というのもございます。そういうような資金運用法に基く運用のうちで、直接的に加入者の階層の利益のために投資する部分を、こちらで直接に運用させていただきたい、かような意味でこの法律を御提案した次第でございます。
○内藤(友)委員 そういうお気持による具体的な事業はどういう事業でありますか。学校を建てるとか、あるいはその町の道路をこしらえるとか、あるいはその町の何かの施設をつくるとかいうことで、何か具体的なことがあろうかと思うのでありますが、その具体的なものを教えていただきたい。今のあなたの一般論は今までよくお聞きしておるのでありますから、これはもうわかつておるのでありますか……。
○白根(玉)政府委員 具体的に申し上げますと、これは一例でございますが、ガスとか水道とか学校とかあるいは病院とかいうような、加入者階層の利益になるような施設の方に貸すようにいたしたい。もつともそれは直接的ではなくして、御承知のように公共貸付、あるいは地方債におきましては、事業の内容といたしまして単独事業、公共事業というような区別がある模様でございまして、その事業の中でそういう性質に合うような施設を目的として起債をするという方面、そういう場合にその方にまわしたい。一般的に申し上げますと、地方公共団体の地方債なり、あるいは地方貸付の大体の対象は、そういうところに力点を置いて起債の許可を受けたりしている模様でございまして、そういう面からいたしますと、地方債あるいは地方貸付という方面に重点を置きまして運用したい、かように存じておる次第でございます。
○内藤(友)委員 それでは高橋さんがおられますが、今白根さんのお話になつたことをお聞きだろうと思うのでありますが、加入者階層の利益になるようなガス、水道、学校、病院、そういう方面に貸したい、こういう白根さんのお話でありますが、あなたの方で今までこういうところにお貸付なさつておらなかつたのか。それを承りたいのであります。
○高橋(俊)政府委員 地方債は今御説明がありましたガス、水道、その他各般のものにわたつておるのでありますが、今簡易保險の金をもつて新たにとおつしやいますが、運用しようとしておる対象は、現在地方債の詮議方針というようなものに基きまして、具体的に資金運用部資金としてお貸ししておる対象と、何ら相違はないはずでありますし、今後その範囲が簡易保險の独立によつて非常に違つて来たり、また貸付の具体的な金額等が非常に動くというようなことはあるべきではないし、私たちとしてそういたしたくないと考えております。
○内藤(友)委員 大蔵省と郵政省の皆さんのお話を承つたのでありますから、これはこの程度にいたしておきます。
 もう一つ白根さんにお尋ねいたしたいと思いますのは、この印刷物はあなたのところでお出しになつたのだろうと思いますが、確かにこれも一つの分離運用の理由になつておるかと思うのであります。これに募集維持に絶大な効果があると書いてありますが、これはこの通りでありますか。
○白根(玉)政府委員 実際問題といたしまして、募集維持に相当な効果があることは事実であります。
○内藤(友)委員 それはわかりました。しかしこれは私どもまた別の観点から研究することにいたします。そこで、私保險のことはあまり知らぬものでありますから、あなたから見ますと、おかしくてお笑いなさるかと存じますが、一つお尋ねしたいと思うのであります。
 先般簡易生命保險法が一部改正になりまして、五万円を八万円に引上げられたのであります。これは当然のことだろうと思うのであります。ところが私ども間々いたしまして、今までの五万円につなつておるのにかかわりませず、募集をやつておられる人は、いろいろな手で五万円以上超過のことをやつておられるのがあるのですが、具体的な実例を申し上げてお尋ねしたいと思うのであります。これは私の富山県、証券番号を申し上げましよう、「養F三四八六四四」五万円ずつ四口二十万円。これは四人の人に五万円ずつ加入さしたのでありますが、こういうのは一体どういうことになろのでありますか。実はかつて私の町にも問題があつたことがあるのであります。以前に二口入りまして、とうとうその一口が違反だというので、かけた金だけしか返つて来なかつた。一口は約束通り返つて来ましたけれども、あと一口の方は、かけた金だけ、それも非常なお情で、もちろんその利子もついておらなかつたのでありますが、こういうことは一体どういうことになろのでありますか。まだほかに実例を出せとおつしやるならば、これは差上げていいと考えるのでありますが、ひとつその点を教えていただきたいと思うのです。
○白根(玉)政府委員 御設例のような事例が全然ないというわけではございませんで、この点は非常に遺憾に存じておる次第であります。弁解がましいことは、申し上げませんで、とにもかくにもそういう事態は悪いことである。従いまして一昨年来、ことに昨年利保險局長に就任して以来、この遵法精神の面からいたしまして、さような超過契約をいたしてはいけないというので、厳重に実は取締つておる事情でございます。ただ取締るのは厳重にいたしますけれども、すでに成立した契約を、加入者の方々が破約いたしたいという御希望があれば別でございますが、存続したいという希望がある場合におきまして、善意の加入者でございますので、従いましてすでに成立した契約につきましては、むろん保險金をお払いいたす、こういう考え方で参つております。ただ御設例の点は、御承知のように独占時代におきましては民間の契約はこれこれの金額の範囲内においては、無審査はできないという独占時代でございましたので、独占時代にはあるいは法律解釈からいたしましても、これは無効であるからというので、おつしやるような事例があつたのでございますが、独占を解除いたしまして民間間も無審査ができるという現状になりますと、やはり加入者の方方の存続を希望する方々に対しまして、いやこれは無効であるからというので、還付金だけを、その積み立てた保險料だけを返すというのは、いかに竜加入者の方々にお気の毒でございまして、従いまして過去におきまして成立した契約につきましては、一応有効的に取扱いまして、單に保險料だけを返すのではなくて、保險事故があれば保險金額をお払いすると、こういう取扱いをいたしておるのでございますが、過去におきまして、組織が非常に複雑で厖大であつて、いろいろの情からそういう事態が出たとは思いますけれども、そういうことは弁解にならないのでございます。従いまして特に昨年来郵政局なり――昔の貯金支局でございますが、担当官を集めまして厳重に取締つておるつもりでございます。その点御了承を願いたいと存じます。
○内藤(友)委員 昨年の三月に――まあ一生懸命そういうことをおやりなすつた後でしようが、東京都には五万円二十口百万円というのがあつたのであります。そんなのは御存じでございましようか。
○白根(玉)政府委員 実は私保險局長になつたのが昨年の六月であります。それはまあとにかくといたしましてそういうことがあることは非常に悪いことでありまして、御趣旨によりましてさらに拍車をかけまして、これらの事態の出ないように取締つて行きたいと存じます。誓つてそういう方向に参つておるつもりでございますが、そういう事態が出たことにつきましては非常に遺憾に存じております。
○内藤(友)委員 この百万円なんというのはどうなさるのでありますか。わかり切つておることでありますが、これはおそらく加入者の責任じやないと思うのでございます。募集した人が、大丈夫だから心配するなといつて二十口も入れたのだろうと思うのであります。だから責任は、何と言われようとも、あなたのところに私はあると思うのでございますが、こういう五万円二十口百万円というのは、これは将来どうなさるのでありますか。
○白根(玉)政府委員 おつしやる通りに、加入者には責任はむろんないわでございます。悪いのは私の方でございます。従いまして五万円幾口あろものは、やはり幾口あるから五万円だけを有効にして、あとの方は無効処理をいたしまして、保險料だけを返すということは、いかにもお気の毒でございます。従いましてそれらの事態の出たときには、そういう事例に対しましては加入者の御意向に沿うように、あたかも五万円以内と同じような意味で、不利益にならないような措置をいたしたい、かように存じております。
○内藤(友)委員 そこが実は問題でありまして、そうすると百万円というものはお認めなさるのでありますか。
○白根(玉)政府委員 百万円ということにつきましては今後厳重に取締りますが、成立したものにつきましては加入者の御希望を無視するわけには行かないので、これは一応有効といたしまして取扱いたい。これは責任は役所側にあるわけなのです。加入者の方は善意の方々で、しかも契約の存続を希望なさつておる方々であります。そういう方々に対しまして無効であるということになりますと、保險料だけ返せばいいことになるのであります。少くとも末端といえども郵政省の職員がやつたわけであります。悪いことは郵政省側にあるわけであります。加入者側にはないのでございます。しかもこの契約の存続を御希望なさつておる方々でございます。そういう方々に対しまして、それ以外のものは無効であるということで取扱いをするということは、いかにもお気の毒でございますので、有効的に取扱いたいと同時に、今後はそういうことを厳重に取締つて行きたい、かように存じておる次第であります。
○内藤(友)委員 そこがちよつと私どものふに落ちぬところであります。そうすると郵政省は八万円の限度に引上げてあるのでありますが、それ以上のものを郵政省はお認めなさるのでありますか。法律に書いてないことをお認めなさるのでありますか。それをお尋ねしたい。
○白根(玉)政府委員 実はこれらの契約の有効であるか、無効であるかということにつきましては、いろいろの方面の御意見を聞いておる次第でございます。有効であるという説も相当ございます。無効であるという説もございます。法律的な解釈といたしましてはそういう両論があるのでございます。そういう法律論は別にいたしましてそういう契約をして加入者の方々が存続を希望しておれば、それについて無効であるからという処理をいたしますと、加入者の方々に不利益になるので、過去の契約についてはそういう措置をいたしたい。しかし将来にわたりましては、そういう事態の出ないように巌重に取締つて行きたい、かように存じております。
○内藤(友)委員 いやいや私どうもお尋ねしても、私の気持がおわかりにならぬのかしれませんが、有効、無効の論を私は申し上げたのではないので、それよりもただお尋ねしたいのは、百万円というのをあなたのところで認めておられるようでありますが、それは法律にきめてないのにかかわらず、認められるのかどうかということなんです。郵政省が法律に違反なさるのかどうかということなんです。問題はそこだけなんです。
○白根(玉)政府委員 この点が法律論になるのでございます。法律上有効に認めるか認めぬかという問題だろうと思います。それは……。
○内藤(友)委員 いやそうではない。私のは契約が有効か無効かというのです。そうじやないので、法律は五万円を限度としておる。今度は八万円に上げた。それをいや大丈夫だから二十日入れなどと言つて、入れておるのがあなたのところの人なんだ。そういうことがあなたは有効のように言つておられるが、そうすると法律というものはいらない。限度をきめる必要はない。なぜこういうふうに八万円にするということの法律を出されるのか。私は無効なら無効でいいのですよ。それをお聞きしておるのです。
○白根(玉)政府委員 そういう超過契約、そういう事態が今後出ることは、厳重に御趣旨のように慎まなければならない。ただすでに過去において成立した契約については、加入者の不利益になるような措置をしたくないわけでございまして、今後は、今後と申しますか、厳重に取り締つておる次第でございまして、それを取締ることは当然なことでございます。遵法精神の面からいたしまして、そういう超過契約の出る事態を厳重に取締らなければならぬことは、当然のことでございます。そういうことをやつて参つておるのでございますが、ただ過去に成立した契約につきましては、これは加入者に不利益にならないように措置いたしたい、こう考えておる次第でございます。
○内藤(友)委員 遵法精神、遵法精神とおりつしやつておられますけれども、遵法精神はもちろんなければならぬのであります。それが郵政省の方には遵法精神がない。その責任がどこにあるのか。責任があるのかないのか。これは二口とか三口ならわかりますよ。十万円とか十五万円ならわかりますけれども、百万円というに至つては常識上ちよつとわからない。そういうことをしておられる郵政省は責任を感じられるのかどうか。これから遵法精神をやるとかいうのではなしに、過去のこういうことについて、責任をとられるのかどうかということを申し上げているのです。
○小山委員長代理 なお委員長からも補足質問をいたしますが、内藤委員が申されておることは、かりに白根保險局長の言われておる通りに、過去のものは有効的な取扱いをするといたしましても、何月何日以降のものが無効になるのか。何月何日以降の超過保險契約は、無効になるかどうかということも聞かれておると思いますので、あわせて御答弁を願いたいと思います。
○白根(玉)政府委員 その点でございますが、これは今そういう超過契約をした際に、これが有効であるか無効であるかということにつきまして、関係の権威者の方の御意見を今聞いておる最中であります。それで無効ということがはつきりいたしますれば、そういう措置もしなければなりませんが、いずれにいたしましても、そういう事態が起らないようにまず取締つて行きたい。こう考えておるのでございます。
○内藤(友)委員 私はお尋ねしたいけれども、どうも私の気持が通わないようですから、私は質問を打切つておきます。
○小山委員長代理 深澤君。
○深澤委員 資金運用部資金法がドツジ書簡の圧力によつて成立いたしたのでありますが、このときに際しましてこの資金運用部資金が、従来の政府資金の運用の方針とは異なりまして、政府の資金をここに全部集中し、今までなかつた金融債に対する運用というような面まで、その運用の面を拡張いたしたのであります。これはまさしく金融関係におけるフアツシヨ的な体制である。そうして独占企業に対して大きな利益を与えるような運用の方法であるというような立場から、これに反対して来たのであります。従つてこの資金運用部資金による大蔵大臣の政府資金の統合管理ということに対しまして、われわれは現在においてもこれはいけない。これは分離運用すべきであるという議論については、かわりがないのであります。そういう意味におきまして、われわれは議院の決議におきましても、これに賛成をしておるのであります。従つてこのたび出されたところの法案で、この大蔵大臣の統合運用の権限が分離されまして、形式上一応郵政大臣におきましても、簡易生命保險並びに郵便年金に対する管理運用権があるということについては、双手をあげて実は賛成するのであります。しかしながら実質の問題といたしまして、この運用面において全国民が要望しておるところの地方還元が、今までよりも非常に多額に行われるのか、あるいは社会政策的の資金に対して、今までより以上に運用が行われるのかというこの実質面に、案は問題の議論が一番あると思うのであります。そこで私がお伺いしたいのは、まず郵政当局にお伺いしたいのは、昨年の実績によりまして、大体地方債に対して五百六十億、住宅金庫に対して六十億、農林漁業に対して三十億、国民金融公庫に対して二十億というような運用が行われまして、大体五〇%以上の運用が行われておるのであります。このたびの分離運用のこの法案が通過いたしました以上、昨年度の実績より以上に、これらの地方還元あるいは社会政策的方面に使われるという具体的な方針があるか。それができろ確信をもつてこの法案を提出されておるのか。そこにわれわれがこの法案に対する賛否をきめるところの根本的な根拠があると思います。この点について郵政当局の具体的な説明を私はお伺いした
 い。
○白根(玉)政府委員 御承知のように政府資金を、たとえば地方債に対しましてどのくらい配付するかということにつきましては、集まつて来る政府資金の量、それから需要の面、それらをにらみ合せて決定する模様でございます。このことは大蔵省の方から御説明する方が的確であろうと思います。その際におきまして、地方債をどのくらいするという面をきめるときにあたりまして、現在は需要に対しまして、供給財源が少いわけでございます。従いまして供給財源が相当ふえて参ればふえて参るだけ、ある程度、むろん一面地方の財政事情も考えて、非常に不堅実な投資はいかぬと思いますが、資金量がふえれば、むろん地方債の方についても潤いが出て参るのではないか。従いまして地方債に対しましては簡易保險の資金量だけではまかない切れないのでございます。むろんあとに残つた資金運用部資金と合せてやらなければ、まかない得ない現状でございますが、簡易保險の運用が復元したときとしないときを比較いたしまして、もしここに資金が増加するとすれば、その分は供給財源がふえるわけであります。しかもこちらの資金は、法案にありますように地方債、地方貸付に限定いたしておるような事情でございます。ただどのくらいにふえるかということ、これは一応のめどといつても、これは将来のことでございますが、私どもといたしましては、ある程度むろんふえるのじやなかろうか。と同時にこちらの集まつた金はほかの方へ、たとえば金融債の方へ流さないで、地方債、地方貸付の方へ集中的にやるという建前であるのであります。具体的にどのくらいふえて、どのくらいになるかということは、これは見当の問題でございますし、またふえないという御議論もあるような状況であります。私どもといたしましては、相当程度ふえるのではないか、かように存じておる次第でございます。
○深澤委員 相当ふえるではないかというまことに自信のない見地から、この法案をお出しになつているということは、私はこの法案自体を主張せられる郵政当局としては、まことに遺憾であると考える。なぜならば、全国民の間に今この問題を通じて、大きな二つの議論が展開されているのであります。御承知のように郵政当局、関係従業員の諸君は、この分離運用によつて相当の地方還元が行われる、あるいは社会政策的な資金として運用されるということを言つておられる。ところが町村関係の当局者はあげてこれに反対して、大蔵当局にこの管理運用権がなければ、おそらく総合的な計画ができない、従つて地方債等もおそらく少くなるだろうというような意見から、実はこれに反対をしているのであります。従つてわれわれは、国民の中にそうした二つの議論が今行われている、それに対して明確な見通しを持つて、大局的な見地からこれを決定しなければならないと思う。従つて私は郵政省がこういう法案をお出しになる場合において、そうであろうという單なる希望的な観測からお出しになるということについては、はなはだ不見識であると考える。従つてこの大蔵委員会におきまして、私は具体的にその資料並びに今後の見通しというものを、科学的に国民を納得させ得るものを出す必要があると思う。そういう点について、郵政当局としてはいろいろな資料と見通しがおありになると思う。そういうものを遠慮なくお出しになつて、われわれも納得させ、国民をも納得させるということこそ、私はこの法案審議の進行に必要ではないかと考えるわけでありまして、重ねて郵政当局にその具体的な方針と、今後の科学的な見通しというものをお伺いしたいのであります。
○白根(玉)政府委員 昨日参考人の方方の御意見を拝聴いたしておつたのでありますが、市町村側といたしましても、復元のために資金が減るという意味で反対しておるのを、拜聴はいたさなかつたのであります。ただ地方還元ということになりますと、その字句からいたしまして、農村方面では契約の量が少い、従つてその契約の量に応じて地方還元をやるということになりますと、その町村は少くなるじやないかという御心配があつたのは事実であります。そういうような意味の、算術的に契約の量に応じまして地方に配分するのではないという考え方を、私どもは持つておるのでございます。ただ資金量が、たとえば復元しない前に比較いたしまして、何分あるいは何割ふえるということは、これは御承知のように加入者の方々が御協力して入つていただかない限りにおいては、わからないことであります。科学的とおつしやいましても、実は見当でございます。その見当をはつきり言えとおつしやいましても、実ははつきり言えないのは、これは常識でもそう言われるのではないか、こう考えている次第であります。
○深澤委員 私はもつと具体的にお伺いしたいのでありますが、たとえば昭和二十七年度の予算並びに資金計画等は、ある程度きまつておるのであります。しかしこの法案が通ることによりまして、あるいはある程度の変更もあり得るのではないかと考えるわけであります。そこで私がお伺いたしたいのは、運用に関する法律の第三條にあります第一の「保險契約者又は年金契約者、年金受取人若しくは年金継続受取人に対する貸付」、これは一体どのくらい予定されておるのか。この点が第一。第二の「地方債」はどのくらいの計画をされているのか。第三の「地方公共団体その他政令で定める公共団体に対する貸付」に対しては、どのような運用計画を持つておられるか。これは法案が郵政委員会を通り、衆議院も通りますれば、これに対する郵政大臣としての独自の運用計画というものをおそらく持たれなくちやならぬ。従つて法案が出される以上は、その準備がなされているだろうと私は考える。従つて第三條の第一項に基く計画はどのような計画を持つておられるか、その点を具体的に伺いたい。
○白根(玉)政府委員 まず契約者の貸付がどのくらいあるかというお話でございますが、大体十二億程度であります。
 さて運用計画がすでにあるべきものではないかというお話でございますが、これは御提案申し上げました法案の附則をごらんになればわかるのでございますが、これは来年四月一日から施行することに相なつておるのであります。当該年度の計画を立てる際におきましては、前年度の三月末までに計画を立てるような実情でございます。四月一日に施行するのでございますので、ただいまのところまだ計画を樹立する域には達しておらないのであります。
○深澤委員 今までこの運用の問題につきまして、郵政当局に御質問申し上げたのでありますが、どうもわれはまだ納得が行かないのであります。そこで銀行局長にお伺いしたいのでありますが、本法案の通過によりまして、従来の資金運用部資金の運用の面において、著しく変化を来すという見通しがおありになるのかどうか、つまり分離運用に基きまして、地方債あるいはその他社会政策的な事業に対するこの資金の流れが、画期的にかわつて来るというような見通しがついておられるのかどうか、あるいはそういうことはないのか、その点を明確にお聞きしたい。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。この法案が通過いたしました後におきましても、現在の制度から申しますと、地方債につきましては、御承知のようにまだ許可の制度があるわけであります。この許可は、現在地方財政委員会と大蔵省が協議をいたすことになつているのでありますが、この許可をされた範囲内において、分離運用されました後におきましても、簡保、年金の積立金は、その許可されたものに対して貸付が行われるわけであります。従いまして、その許可のやり方次第によりまして、今後どういうふうに変化をして行くかということに相なつて来るわけであります。この点は、許可という制度を通じて、政府資金全体の配分の問題を十分に調整して行きたい。その限りにおきましては、さほど実質的に大きな変化はないのではないかと思います。
○奧村委員 今の御質問に関連して銀行局長にお尋ねいたします。この法律施行になりまして資金運用部の方の運用計画を立てる場合に、簡保の積立金の分は郵政省の方で計画をお立てになる。その間、資金運用部の方の運用計画を立てる場合心、簡保積立金の方では、地方債にどれだけ出るかということを、あらかじめその大体の数字がわからなければ資金運用計画は立たぬわけです。その事前の打合せというか、政府一体になつてこれを立てて行かなければならぬが、その間の調節は事前にとらなければならぬと思う。この法律が施行されても、その点円満に従来通り行くかどうか不安に思うのですが、その点はどう考えておられますか。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。この法律の建前からいたしますと、簡保年金の運用計画は郵政大臣が立てられる、その他の資金運用部資金の運用計画は大蔵大臣が立てる、こういうことに相なつております。その間に法律の建前としては、協議をいたすとかあるいは事前の打合せをするということには相なつておりません。しかしこの法律が通りました上におきましては、やはり限られた政府資金を最も有効に運用して行くという観点から、及びたびたびお話が出つおりますように、地方債の引受に対する政府資金の配分のうち、簡保年金の関係の積立金だけで、全部をカバーするということはおそらく困難であろう、従いましてどうしてもその残つた分については、資金運用部資金で見て参らなければならぬ。そういつた関係もございますので、できるだけ事前にお打合せをして、全体の政府資金が効率的に十分円滑に運用できるように、計画の作成にあたつてはよく御連絡を申し上げなければならぬ、かように私は考えております。法律の制度としては、事前に協議をするとかいうような規定はございません。
○小山委員長代理 大上司君。
○大上委員 二、三お尋ねいたします。まず先日来よりの審議における同僚委員の質問に対する御回答、並びに昨日部外者の御意見等を拜聴しておつたわけです。そこでただいま特に深澤委員からの発言についていろいろのお話がありましたが、まず施行期日が来年四月一日からだ。それで計画その他は立たないという御意見だつたのですが、私の主観的な見方からいうと、まず観念論でなかろうか。このような観念論的な回答のように思つたのです。そこでまず第一点としてお尋ねしたいのは、先般来問題になつておりました簡保年金の、あなたの方から出ておるパンフレットでございます。その第九ページの第四項の「終戰後の占領政策と運用権の停止」という末端において、「大蔵省預金部に預入すべき悲運に遭遇」したというような字句が出ておる。そこで先般宮幡委員からもお話がありまして、国民感情という言葉が出ておりますが、これは特にわれわれ委員だけがもらつたものではなかろうと思います。これだけの活版のものなら相当ばらまかれておる。これは常識上判断さしていただきます。そこであなた方の郵政省の発表なさつておるところの、いわゆる非運に遭遇ということは、一元的な――その当時しかも本案はいわゆる議員立法ではなくて政府提案である。しかも政府の中の郵政省が構成員の一員になつている。これは国民がたれしも終戦直後の占領政策に対しては、いろいろの角度から見ておりまするが、特に政府部内において、一つのものが移譲移管されたというものについて、あなた方が特に悲運であつたというところの理由をまずお聞きしたい。いわゆる悲運であるというところの字句を使われた理由、それからこれは加入者が悲運であつたのか、あるいは郵政省それ自体が悲運であつたのか、まずその一点をお尋ねしたいと思います。
○白根(玉)政府委員 われわれといたしましては、占領下の際におきましても簡易保險の運用を復元いたしたい。われわれというのは郵政省ではございません。事業の特質からいたしまして郵政省に復元いたしたい。これは郵政省だけでなくて、御承知のように占領軍下におきましても、郵政省に復元すべきものであるという閣議もたびたびあつた。しかも吉田総理大臣、大蔵大臣の方からも書簡をGHQの方へ出しまして、何とか簡易保險の特質に合うような運用に復元するようにというような手も打たれたのは、御承知の通りでございます。そういうような意味からいたしまして、事業のためというのは加入者のためも含んでいる。そういう意味で悲運と書いてあるのでございますが、その字句が非常に変であれば、これはおわびしなければならぬ次第でありますが、そういう意味で悲運と書いたのでございます。
○大上委員 大体わかりました。では具体的に加入者のためというお言葉がありましたが、どういうふうな具体的事例に基いて――あとからお尋ねしたいと思いますが、たとえば利益の配分がどうであるとか、掛金が少くて済むとかいろいろそれはあると思いますが、その具体的の実例をおあげ願いたいと思います。
○白根(玉)政府委員 たびたび申し上げましたように、簡易保險の事業資金は、簡易保險で收支が償うて余裕金が出たときは、これは加入者の利益のためにやらなければならないという規定が、簡易保險法にも郵便年金法にも明文があるわけでございます。従いまして收支のバランスがとれて、その上に余剰金が出れば加入者に還元しなければならぬ。そういう趣旨からいたしましてもし復元されますと、これは検討の数字を手元に御配付してございますが、現在資金運用部からちようだいいたしました利子は五年もので五分五厘でございます。こちらで運用する際におきましては、これは融通利率その他は、資金運用部の融通利率とまあ同率にしなければならないと存じますが、そういたしますと市町村に対する貸付は、最小限度六分五厘になるわけでございます。そういたしますと利ざやが一分あるわけでございます。それらの利ざやはいろいろ科学的にもう少し検討して、数字を出さなければならないのでありますが、大体の見当といたしまして五年間に二十億程度は利益増になるのじやないか。そういたしますとそれの利益増をどこへ持つて参るかということになりますと、民間の利益金の配当に相当する長期還付金という制度が昔あつたわけであります。ところが終戰後御承知のようにインフレになりまして、事業の基礎が危くなりましたので、民間の利益配当に相当する長期還付金も、たしか昭和二十一年に廃止いたしておるのであります。民間におきましても、利益配当は御承知のようにすでに実施をいたしております。従いまして余力が出ますれば利益配当もいたしたい。また削減期間というものがある。これは御承知のように普通の有審査保險におきましては、保險事故が発生いたしますれば所定の保險金を払うことになつております。無審査につきましては民間でも医者が診断をするわけではないのであります。従いまして弱体者の加入のために、事業の基礎を危うくするのではなかろうかという意味で、削減期間というものがございます。大体二年になつております。契約をして二年未満のものにつきましては、所定通りの保險命を払うのは少し危險でございますので、相当程度お払いするのを制限いたしております。その制限の率は現在におきましては民間の制限の率より、加入者に不利になつております。そういう不利なものを、せめても民間程度に有利にいたしたいという加入者に対するサービス――利益になるように処置をいたしたい、かように存じております。
○大上委員 もう一つ、私一番聞きたかつたことを毎質問して――頭が悪くて申訳ないのでありますが、現行法においてはいわゆる利益配当または削減期間というものは設置できないのですか、あるいは現在のやつが来年四月一日から施行になればそれが可能である、こういう御説明のように解していいですか。
○白根(玉)政府委員 現行法におきましても、利益配当なり削減期間に対する金の支払いを、有利にすることはできるのでございます。できるのではございますけれども、これまた先般御配付いたしました資料でおわかりのように、二十五年度の決算では七億の赤になつております。従いまして事業の收支のバランス・シートがとれまして、余裕が現状としては出てない状況でございます。従いまして運用を復元いたしますと、まあ一分かどうか、これは御議論もあるかもしれませんが、腰だめ式に申し上げますと一分の差益が出る。それらが出ますと利益配当なり削減期間の支払いを、加入者に有利にするような財源的余裕が出て来るという意味でございまして、法律的には現状の法律でもできることでございます。
○大上委員 そこでお尋ねしますが、財源的余裕が出て来るとおつしやりなおかつまた現在は五分五厘だが、自分の方で扱うと六分五厘だ。それは詳細にあなたの方からお出しになつておるこの十五ページでよく拝見しております。そこでお尋ねせねばならぬ点は、さいぜんの私の質問に対してのお答えの中にも、概算二十億円という計数の言葉が出て来た。それでまずお尋ねしたい点は、一分の利ざやは逆に私たちに言わせると一分以上の欠損になりはせぬか。現状維持じやないか。ということは、経営コストを何パーセントに考えておられるか、まずそれをお尋ねいたしたいと思います。
○白根(玉)政府委員 経営コストと申す意味は、事業比率の意味でございましようか。
○大上委員 採算です。
○白根(玉)政府委員 事業比率からいいますと、簡保は二十五年で三割程度になつております。それから民間は五割程度になつております。
○大上委員 その三割ではじき出された場合、いわゆる一分の利ざやがある。なおこのパンフレットによりますと、金融債に融資するときは最低八分の運用利益を上げることができる。最高に見て八分でもけつこうですが、この八分の利ざやをとるために、現行法に比較して概算ではなるほどそうだと思うが、私のお尋ねしておるのは、その一分のうち何パーセントが、あなたの方に事務の所管がかわつた場合に引かれて行くか、あなたの方の実質上の利益はもつと削減せられるのではないか、そのパーセンテージを教えてもらいたい、こう言つておるわけです。
○白根(玉)政府委員 御質問は、こちらで運用する際における経費のお話でございましようか。
○大上委員 そうです。
○白根(玉)政府委員 先ほど申しましたのは、事業全体の比率でございまして、大体運用に関する限りにおきましては、一人当り二十万円程度で、大体これの事務に当るのが百五十人程度でございますので、三千万円程度じやないかと思いますが、これも見当でございまして、要するに資金運用部による運用の際の投資コストと、こちらで運用する際の投資のコストは、こちらの方が割高になるんじやなかろうか、こういう御心配であろうかと存じます。が、私どもといたしましては、地方債なり三條の範囲の貸付だけに限つておるわけでございます。従いまして資金運用部は相当複雑な調査もいると思います。貸付先が非常に複雑でございます。そういう意味からいたしまして、大体コストは少くともとんとんではなかろうか。しかも先ほど申し上げました一人当り何ぼというのも、復元いたしますと募集しいい環境にもなりますので、定員増をお願いするという考え方は持つておりません。部内の定員の差繰りでやりたい。従いまして三千数百万円と申し上げましたが、その面に対しまして特別に増にするという考え方は持つておらないのでございます。
○大上委員 どうも私は頭が悪いからわからぬのですが、五分五厘で大蔵省の方へまわす。あなたの方で運用なさると六分五厘、あるいは金融債にするときは八分の運用益があるとおつしやるのですが、その運用益は、まるのみにはのみ込めない。一分の中にはあなたの方の運用経費がかかる。だからそれを何パーセント、と言つたら語弊があるから、何厘に見積つておられるか、これをお尋ねしておるわけです。
○白根(玉)政府委員 運用経費といたしましては、何厘というところまでの数字の手持がないので、正確なことにつきましてはあとで資料をお渡しいたします。
○大上委員 それならその資料をちようだいしてから、質問を続行することにいたしますが、一言お願いしておきます。われわれは真剣にこの計数を抜つているんだが、その計数を簡單に読みますと、郵政省のおつしやるように一分というものは、なるほどそうであるかといつて錯覚を起しやすいので、こういうようなパンフレットを出されるときは、気をつけてもらいたいということを特にお願いしておきます。そこでこの点は資料が来るまで質問を留保させてもらいます。そこでいろいろお尋ねをして、あるいはわれわれが考えてみて、今までに得た結論は、どうも本法が施行になれば、募集の維持というか、募集がややよく行くというように私には聞きとれたのです。それは十二ページの「答二」にも言葉が表われておる。それから加入者の保護あるいは加入者の利益のためだということも、しばしばお聞きしております。かといつて、大わくにおきましては、その結論において運用が政府の一元的適用の線にはずれないのだ、こういうふうなことがしばしば繰返されておる。なおかつ、ただいま内藤委員の質問に対して電気とかガスというようなことも出て来ておるわけなんです。ざつくばらんに申し上げて、われわれはどうもこの立法趣旨がのみ込めないのです。観念論と主観的な考えのやりとりにすぎないのじやないか、こう思いますので、ざつくばらんな計数をあげていただきます。まず私の申し上げたいのは、本法をやることによつて運用益が概算どの程度出て来るのか、それをどのような方法に――まず考えてみなければならぬ点は、さいぜん申しました利益配当、または削減年限ということも関係する。だからほんとうの計数の概算でよい。必ず計数をなぶるのですから出て来そうなもので、それを観念論で片づけられてはわれはちよつと了解に苦しむ。第二点は、ただいま簡保の募集についていろいろな意見が出ておりましたが、白根局長にお尋ねいたします。これが相当強く出て参つて国民全般に立ち至つた場合は――一般にはそう收入はないのです。将来あなた方が考えられた場合に、いなかには信用金庫というのがあります。あるいは農協というものがある。こういうふうな零細預金を扱つて行かなければならぬ場合に、それぞれ総合的な金融政策として考えて行かなければならぬ点です。だから簡保それ自体の一部門から持つて参りますと、あるいは郵政省のような意見が出るかもしれませんが、特に白根さんは、全体的な零細預金の吸收という面において、本法がいいか悪いかということは――本日私の宅へあなたの方の人が来られまして、これはよくお調べ願いますが、電話がうちに二本あるから、ぜひ入つてくれと言つて二時間くらいねばつたそうです。私は留守だつたのです。私の秘書が困つたと言うが、あなたの方の勧誘が熱心なことは了解する。了解するが、そういう事例のように、農村において今度こういうふうになる、あるいは地方へ還元するのだという方向を、国民的な感情で植えつけられた場合に――全般的な金融政策から考えられて、本法が立案せられたものなりやいなやということをまずお尋ねいたします。
○白根(玉)政府委員 まず運用利差益の問題について申し上げます。これは多分資料としてお渡ししてあると思います。
 まず一例を申し上げますと、二十八年度に運用する金がどのくらいあるかというのを押えなければならぬと思います。予算の面におきましては三百七十億になつております。しかしこれをかたく踏みまして三百五十億程度積立金があると推定いたします。そういたしますと、初年度におきましては赤でございます。これは約二億八千万円程度の赤になります。と申しますのは、この前御説明申し上げましたように、こちらで運用する際におきましては六分五厘でございますが、金が入つたその年におきましては余裕金という姿になるわけであります。余裕金時代におきましては、その余裕金は資金運用部へお預けすることになるのでございます。そういたしますと、資金運用部といたしましては、預託期間を見つつ御計画をお立てになるのではないかと存ずる次第でございます。従いまして資金運用部の御計画に齟齬を来さないため――期限前の払いもどしは利子が少なければできることになつておりますが、期限前の払いもどしをすることは、資金運用部の運用に齟齬を来すという考え方で、余裕金時代のものは最長一年の短期の預入をいたしまして、次年度積立金になつたときに期限満期の姿で引出して運用をいたしたい。そういたしますと、その面におきましては利ざやが低いのでございます。ところが放出がきまりまして地方債に具体的に貸出しする際におきましては、その面から行けば六分五厘で大体一分程度の増になるのでございます。ところが御承知のように、現在の地方債の貸付にあたりましては相当な準備がいるのであります。当該年度の積立金を全部放出してお貸しするというのには、相当ずれが参るのであります。そういうマイナスの面とプラスの面とを総合して計算いたしますと、初年度におきましてはパーセンテージで〇・八分、八厘程度の赤になる。次年度以降は、これは先ほど御心配の点、資金投資コストがどの程度であるかという点について、いろいろ御議論あろうかと思うのでありますが、一応一分の開きを見ますと毎年三億五千万円ずつふえて参ります。増になります。先ほどの赤の部分と黒の部分を、五年間にわたりましてはじいてみますと、十一億二千万円の差引増になる。次の年度はどうかと申しますと、次の年度の積立金がどのくらいになろかということが問題でございます。これも大体三百五十億円として押えてみます。そういたしますと、初年度におきましては、先ほど申し上げましたように〇・八分程度の赤になりますが、これは先ほど申し上げましたようなふうで、次年度以降は黒になる。五年間大体三百五十億円ずつ積立金が可能であるという見方からいたしますれば――これは仮定でございます。従いましてそうなるかならぬかは、実績を見なければわからないのでございますが、そういう仮定からいたしますと、先ほど申し上げましたような計算の基礎に基いてやりますと、五年間に二十億六千万円の黒になる、こういうことでございます。もつともこれは資金の運用の面だけの利差益の問題でございますが、それを度外税して事業の基礎から見ますと、二十五年度は七億の赤でございます。二十六年度は今計算はできますが、積立金がどのくらいになるかということは計算中でございます。二十六年度におきまして七億の赤が消えるか潤えないか、あるいは黒になるかならないかということによりましてそれらとかみ合せてみて、どの程度事業全体として黒になるかという問題が起るであろうと存じます。いま一つは、農村組合もあり信用組合もある。そういう組合は零細資金を吸收しておるじやないか。そこでこちらの方が出て参りますと、そこの方との競合があるじやないかというお話であろうと存じますが、これは零細資金の吸收の度合いを強化する必要があるかないかにかかると存じます。御承知のように前年度におきましては、簡易保險の金からする積立金は、二百七十億を予定しておつたわけであります。これは大蔵省と御相談の上二百七十億を予定して、資金計画を大蔵省でお立てになつたわけであります。ところが本年度におきましては、見返り資金、資金運用部資金との均衡をはかる意味も含めまして、簡易保險から三百七十億とつてもらいたいというお話がございました。このことは前年度に比較いたしまして百億の増であります。この百億の増が出ない限りにおきましては、資金計画上齟齬ができて来るわけでございます。そういうような、むろん民間資金と官業資金との関係のバランス・シートはよくしなければならないけれども、現状におきましては、民間資金もさることながら、政府資金を集める必要の度合いも強いのでございます。その面からいたしますと、農村協同組合による零細資金の吸收もさることながら、じやまをするという意味でなくて手を相携えて零細資金の吸收の必要ということはあり得るのでございます。もつとも資金の吸收の必要性に名をかりまして、強制的に募集をがむしやらにやつて、やがて解約がどんどんふえて行くような方法は、募集の面についても考えなければならないと思いますが、民間資金のうちで零細資金の吸收をやる機関、私の方を通じての零細資金を吸收する機関、これが並立するということは、これはあつていいのではないかと存じております。
○大上委員 その問題でもう一つお尋ねしますが、あなたの方はいわゆる政府機関であり、しかも政府ということになりますと、どなたも一番信用するわけであります。ところが片方信用組合とか農協とかいうものは一つの国家的なバツクというような信用度合いがあつても相当開きがある。しかも本法をお出しになつた直後このようなパンフレットその他によつて、ただいまもお話のあつたように、国民に二つの意見があつて議論されておることは周知の通りです。時も時、折も折こういうものをお出しになつたことは、国民にあるいはこの農協または零細資金を扱つている業者に、非常に不安を与えておるのではないか。そういうことをお考えになつたかどうか。私は不安を持たしておると思うのです。こういうパンフレットをもう少しあとで出すというのならいいけれども、特に地方では、簡保に入るとそれが自分たちの村にすぐ返つて来る、自分たちがすぐもらえるというようなことをよく聞きます。こういうような意味から見て、本法案が国全体の経済政策あるいは金融政策から見て、是と思われるか非と思われるか。結論を申し上げますと、このパンフレットが国民に及ぼすところの影響は非常に悪いと断定したいのです。われわれ審議過程にあるものにだけまわしてもらえたらよかつたのに、地方にも相当行つております。この間宮幡委員の質問に対し撤回する意思はないということでしたが、時期が時期であるため国全体の総合的な面から見て、いま一度お尋ねいたします。
○白根(玉)政府委員 むろん、一例を申し上げますと、農村協同組合の面に対しまして、その伸び行く姿をチェックするという意識的な行動はしてはならないと思います。しかし民間協同組合の点につきましても、たとえば二十四年度のとき、私の方でも月に二十億という大きな目標を与えておりました。しかしその当時におきましては、御承知の通り民間の農村協同組合は隆隆たるものであつたわけであります。従いまして現在民間協同組合の信用力と申しますか、経営内容と申しますか、それが悪いという意味ではございません。問題はそこの権衡だけを考えて、資金の増をはからないでいいかという問題であろうかと存じます。先ほど申しましたように本年度は前年度に比較いたしまして、百億という大きな資金増を国家全体の資金計画の面から予定されておる次第であります。そういう面からいたしまして私どもはことさらに零細資金の吸收をやります協同組合を、圧迫するという意図は毛頭ないのであります。農村ではまだたんす貯金があるのではないか。そういう面はできるだけ吸收いたしまして、現在国家資金がまだまだ必要な現状におきましては、そういう考え方で行つてもいいのではなかろうかと存じておる次第であります。
 なおパンフレットの問題につきましては、こちらの御審議の際に御便宜になると思いまして、国会に御配付申し上げたのでございますが、量が多かつた関係上地方に持ち帰られておる方々もあろうかと存じます。それらの面に対しまして非常に悪影響があるとは私どもは考えておりません。なお研究いたしまして、もし悪影響ありという結論に達しましたら善処いたしたいと存じますが、ただいまのところでは悪影響ありとは存じておらない次第であります。
○佐久間委員 先ほど同僚委員の内藤さんから、超過保險の問題でお尋ねがあつたのでありますが、それに関連いたしましてお尋ねいたします。超過保險は民間はたしか約款か何かに規定しておるように記憶しておりますが、あるいは商法の規定であつたかもしれません。その点よくわからないので、よるべき法律は何であつたか、御記憶でしたらひとつ御説明願いたいと思います。
○白根(玉)政府委員 民間の保險で超過最高制限額は、根拠はどこであつたかというお話であろうと存じますが、民間ではおつしやる通りに約款でございます。別に保險業法にそういう最高制限は規定いたしておりません。これは大蔵省の方から御説明する方が確実であろうと思いますが、約款の認可の際に無審査ならどの程度だということは認可でおのずからその限度をきめておられる模様でございます。もし間違つたらいけないと存じますので、この点は大蔵省の方が適当かと存じます。
○佐久間委員 銀行局長はおられますか。
○小山委員長代理 今参議院の方に行つております。
○佐久間委員 それから先ほどあなたは、独占当時においてはそういうこともあつたかと思うということを言いましたが、独占当時というの、民間会社が無審査保險を開始した以前のことを言つておられるのかどうか。
○白根(玉)政府委員 先ほどの御説明の際は、独占時代におきましては超過契約は無効であつて、いわゆるお払いする金が少かつた、こういう意味で御説明申し上げたのでございますが、独占時代と独占後との面について法律解釈はどうであるかということを、今権威者の方の御意見を聞いておるのであります。御紹介申し上げますと、独占時代においては無効であるということは、ほぼ一致した意見でございます。しかしながら独占を過ぎたあとは、これは約款の法定額であつて従つてこれを守らなければならないというのは、一種の訓示規定である。従つて役所側は非常におしかりをこうむるのでございますが、取引の安全の意味からいたしまして、契約自体は無効である、これが一つの説でございます。それからいま一つは、かりに無効といたしましても、無効の時効というような解釈によりまして、これまた取引の安全の意味からいたしましても有効である、こういう説と、いやこれは独占時代と同じで、やはりその契約は無効であるという説とが、非常にわかれておる状況でございまして、私どもといたしましても、その法律解釈につきましては、まだはつきりした見当をつけかねておるのが現状でございます。そういう法律解釈はとにもかくにも、私どもの考え方といたしましては、御本人には全然責めがないので、責めはもつぱら郵政省にあるわけです。従つて御本人が継続を希望されておる方々については、これは御本人の利益のようにお取扱いいたしたい。さればといつて訓示規定と解釈しようがどうしようが、遵法精神の建前からいたしましてそういう事態が出ることは非常にいけない。従つて私どもといたしましては、できる限りの努力を払いまして、そういう超過契約が出ることを厳重に取締つておるのでございます。何しろ組織が非常に厖大でございまして、われわれといたしましてはまだまだ足らないのじやなかろうか。さらに拍車をかけたい。取締りの面については厳重に取締るが、すでにできた契約につきましては、加入者の利益のためにそういう措置をいたしたい。また法律解釈もいま少しくはつきりした法律解釈を――われわれの解釈だけではだめでございまして、裁判所なりその他権威者の方の御意見を聞いているさ中でございます。
○佐久間委員 先ほどの話の中にも、独占時代にはそういうことがあつたがその後は注意して大いに押えておるようなお話のように承りましたが、ここへ上つておる事例は昭和二十六年ごろのものでありまして、これが数十件ある。しかもこれは大口で五十万、百万というようなものであります。われわれのところへ来た材料でさえも、そういうように大きいもの、あるいは十万くらいのものはざらにある。これはこれから推しても推定しなければならない問題であろと思うのであります。そこでこの制限規定、今度簡保の方におきましては最高制限を八万円と押えた、あるいは民間保險会社においても、一口二百万円以上はいかぬとかいう規定があるのではないかと思うのでございますが、要するにこういつたような本人の欲するままでなくて、一つの規制を加えておるというその事実はどこにあるのか。これをひとつ考えてみるとこれは一つのモラル・リスクを押える意味合いからでもあり、社会的秩序を守る一つの意図が、多分に含まれておるのではないかと思うのでございます。そういう道徳的見地から見ても、当然超過保險は無効にすべきがあたりまえだ、こういうように思うのであります。できてしまつたものはしようがない、払うのだというような考えは、あまり甘過ぎるじやないかと思います。あなた方の御意見を承つてみると、契約は自分たちの責任になる、郵政省の責任であるから、できるだけ本人の利益を守つてやりたいというその気持はよくわかるのですが、そのために及ぼす影響ということも考えてみなければいかぬ。政府みずからが遵法精神といつてみたところが、事実においては法律、またそれ以上の道義に序するようなことを認めて行く、こういうようなことであつては、まるで法治国がどうなつてしまうのだか、さつぱりわけがわからないことになる。悪く言えば、郵政省が日本の秩序を乱しつつあるのだというようなぐあいにも考えられる。
    〔小山委員長代理退席、委員長着席〕
今日になつていまだあなたのそういつた答弁を聞いておると、実にわれわれとしては心外にたえないところがあるわけであります。どろぼうを押えてなわをなうよりまだひどい。たくさんの事例が上りつつある今日、なおかつ法律解釈が決定的に至つていないのだ。これは職務に対して忠実なゆえんだとは言えないだろう、こういうぐあいに私たちは思うので、まことに遺憾にたえないのです。今後のことは今あなたがるる説明せられたように、われわれ大いにあなた方を信頼することにはやぶさかでありません。しかし今まで起りつつあるこの問題をもう少しはつきりして、たとえば天下に声明する――このパンフレツトを出すだけの余裕があるのですから、どんどんパンフレツトや何か出して、われわれの扱う保險の最高限度は八万円である。もしかりにこれを間違つてそれ以上の契約をしたときにはこれは無効になりますというように、どうして国民に徹底するような周知方を努力しないのか。この点が私にはわからないのであります。その間の見解をひとつ披瀝していただきたいと思います。
○白根(玉)政府委員 モラルの問題についてはおつしやる通りで、はなはだ相済まないと思つております。ただ法律解釈につきましては、何しろ加入者の方々が存続を希望しているのが多数であります。従いまして私どもといたしましては、郵政省の独自の解釈というよりも、権威者の意見をただいま聴取しているさ中であります。それの解釈が三つくらいにわかれているのは一応御紹介申し上げましたが、やはり加入者の方々が存続を希望している限りにおきましては、独断的な郵政省の解釈でなく、いま少しく権威者の解釈をお聞きいたしまして善処いたしたい。ただ気持といたしましては、加入者の方々にお気の毒であるから、不利益にならないように処置したいという気持は私ども持つておりますが、しかし権威者の御解釈によりまして、当然無効であつて、払うべきものであるということになれば、加入者の方々には御迷惑ではございますが、そういう措置も考えなければならないということで、せつかく今研究している次第でありまして、加入者の方の利益になる方法でありますれば、これは郵政省の解釈だけでいいと思いますが、郵政省の解釈で加入者の不利益になるようなことになりますと、やはり権威者の御意見を十分拜聴した方がいいのではないか、かように存じております。
○内藤(友)委員 実は局長こうなんですよ。加入者はちつともそんなことを知らないのです。募集に来られる方が、心配するなとか大丈夫だとか言つて、募集に来られるのですよ。だからさつき申し上げましたように、二十口なんというものが出て来るのです。末端の募集しておられる人はあなた方と一心同体なのでしようが、どうも私にはそこに割切れぬものがあるのです。ものをわかつておつてやつておられるのですね。最高限度があることをわかつておりながら、教えてやつておられる。そこがどうも私には割切れぬものがあるのであります。
○白根(玉)政府委員 おつしやる通りのような実情でございます。従いまして今取締つておるやり方を御説明申し上げますと、まず募集面に対しましては、奨励課長、保險部長を再三集めまして、そういう事態の起らないようにということを厳重に申し渡しております。しかしそれだけではあぶないので、実は保險支局に対しまして、一々上つて来るやつを、とにかく連続番号でわかる限りにおいて、つつ返すようにやつておるわけであります。ところが御承知のようにカードは県別に記号番号式になつておつて、名前別にやつてないのであります。そこはやはり操作の能率的な意味で、そうやつておるわけであります。しかしそういうことがあつてはいけないというので、実は地方簡易保險局の機構もそういう意味で改めました。とかく申込みに対する監査が薄過ぎたのではないかというので、今までは契約課一本であつたのを、申込課を特設いたしまして、そういう超過契約を監査する、また契約の間違いを直す。申込み当時におきまして、十分監査するようにしなければならぬのじやないかということで、本年度におきましてそのために機構を改正いたしました。従来は申込みというのはあまりはでな仕事ではないので、実は若い者が申込みを処理しておつたわけであります。しかし申込みが非常に大事であることには間違いないのであります。のみならずそういう超過契約の出るようなことは、厳重に取締らなければならないというので、機構も申込課というのを単独につくりましてそこで契約違反がないか、あるいは法律違反がないかということを監査するために、機構まで改正いたしましてやつておる最中であります。今内藤先生のおつしやいましたように、これは相手方が悪いのでなくて、募集する人間がだましたというかつこうになつておると思います。それだけ扱いにくいというのでありまして、個々知識の不足とか、違反とか、あるいは加入者の側の責めに帰すべき理由があれば、もう無効だ、従つて金は保險料の幅だけしか払わないぞ、こう言い切れるのでございますけれども、何しろ私の方の側が悪いのでありまして、そういう意味で非常に実は苦心しておるのでございます。なお今佐久間先生の御質問に対しまして、私超過契約は独占時代にあつたという意味で言つたのではございませんで、独占時代におきましてはお払いする金額が少かつた時期がある。これは独占以後には全然ないという意味ではございません。あることは十分認めております。従つてこういう事実を認めたので、そのために機構まで改正いたしまして、厳重に取締つておる次第でございます。どうかひとつ郵政省の不手際で御迷惑をかけたことにつきましては、心からおわびを申し上げます。おわびの気持は、今後の取締りにおきまして十分お答えいたしたい、かように存ずる次第でございます。
○小山委員 この問題は派生的な問題なんですけれども、どうも説明のわかりにくいところがあるのであります。と申しますのは、過去のすでにでき上つた契約について、これを有効と認めて行こう、まだ法律の解釈も未定なことであるから、認めて行こうということ、これは了解できます。しかし問題は今後あるいは保險局長就任以後に起つた事件をどうするか。これは先ほどの御説明で、まだ法律解釈が未定だから、有効にしておこうということもわかる。最後に残る問題は、郵政省が超過保險を希望しておるのかどうかということなのです。希望してないならば、先ほど佐久間君が言つたように、天下に声明して、保險募集者は一生懸命やつているのであるから、何とかかんとか言つてやるだろうが、それに応募者が惑わされぬように、われわれの方は八万円以上の契約は取扱わないのだ、もし取扱うような、あるいはそれを募集するような勧誘員がおるならば、ただちにどこそこの官署に届けてもらいたいとか、そういう措置をとるべきであろうと私は思う。また同時にただいま機構改革をされて申込課をつくられたというが、その申込課でわかつた場合には、すぐはねつけるのですか。はねつけて、契約をさしとめるのですか、その辺はどうなんですか。
○白根(玉)政府委員 契約の最終的な決定は、保險証書を渡すところでございます。従いまして保險証書を渡さないで、つつ返すわけでございます。なお今小山先生のおつしやいましたのは有力な示唆でございまして、無審査である限りにおきましては、百万円とかいうのはあぶないのでございます。われわれとしても希望しておるわけではないのです。そういう意味からいたしまして、適当なる周知方法を実は考えたいと思つております。
○小山委員 明瞭にわかりましたが、天下に周知する方法をやられると同時に、われわれが今度の法案審議過程において、非常に心配なのは、あなた方が独立運用のそもそもの動機を、志気の高揚というところに求められておることは、きのうの参考人の一致して言つているところである。従つてわれわれとして非常に心配しておるのは、市町村長が募集者と一体となつて、強制的な募集をせざるを得ないような立場に追い込まれるのではないかというような心配もある。こういうこともあるのでありますから、一罰百戒ということがあるので、保險局長の指示に従わぬような募集人は、即座に首にするというだけの覚悟を持たれれば、たちまちなくなると思う。ところが内部ではやはり保險がふえた方がいいという考え方があるから、なかなか一罰百戒ができないのだと私は思う。そこでその一罰百戒の方法を講ぜられる意思があるのかどうか、それをひとつお伺いしておきたい。
○白根(玉)政府委員 一罰百戒の意思は――あります。(小山委員「もつと元気よく言いなさい。」)ありますが、罰の程度になりますと、これはすぐ首というところの段階までとらないで、戒告のときもございます。また警告のときもございます。またあまり常習犯であれば、働く場所をかえる手もございます。そこら辺は御趣旨でもつともでございまして、やるつもりでございますが、罰はすべて首だというのは、ちよつと行き過ぎだろうと思いますので、そこら辺はひとつわれわれにおまかせをお願いいたしたいと思います。
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○佐藤委員長 次に、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○奧村委員 ただいま議題となりました外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案につきましては、すでに質疑も盡されたと思われますので、この際本案につきましては質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
○佐藤委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、ただいまの動議のごとく、本案につきましては質疑を打切り、討論を省略してこれより採決に入ります。
 本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
    〔総員起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決せられました。
 なお委員会報告書の件につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。
 次会は明十四日午前十時から開会することといたしまして本日はこれにて散会いたします。午後三時五十二分散会
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