第013回国会 本会議 第35号
昭和二十七年四月二十五日(金曜日)
 議事日程 第三十四号
    午後一時開議
 第一 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基行政協定に伴う刑事特別法案(内閣提出)(前会の続)
 第二 外資に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 米穀の政府買入価格の特例に関する法律案(松浦東介君外二十三名提出)
 第四 十勝神地震にまる農林業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案(宇野秀次郎君外三十八名提出
 第五 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第六 木船運送法案(關谷勝利君外三十名提出)
 第七 日本国との平和條約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う道路運送法等の特例に関する法律案(内閣提出)
 第八 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う水先法の特例に関する法律案(内閣提出)
 第九 町村職員恩給組合法案(内閣提出、参議院送付)
 第十 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律案(内閣提出)
 第十一 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定に伴う刑事特別法案(内閣提出)(前会の続)
 日程第二 外資に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 米穀の政府買入価格の特例に関する法律案(松浦東介君外二十三名提出)
 日程第四 十勝沖地震による農林業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案(宇野秀次郎君外三十八名提出)
 日程第五 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第六 木船運送法案(關谷勝利君外三十名提出)
 日程第七 日本国との平和條約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う道路運送法等の特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第八 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う永先法の特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第九 町村職員恩給組合法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第十一 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)
 総理府設置法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出、参議院回付)
 戰傷病者戰没者遺族等援護法案(内閣提出、参議院回付)
    午後二時四十一分開議
○議長(林讓治君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第一、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定に伴う刑事特別法案を議題とし、前会の議事を継続いたします。
 これより採決いたします。この採決は記名投票をもつて行います。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
  氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(林讓治君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(林讓治君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 二百三十三
  可とする者(白票)  百六十三
    〔拍手〕
  否とする者(青票)    七十
    〔拍手〕
○議長(林讓治君) 右の結果、本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔参照〕
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定に伴う刑事特別法案を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
   阿左美廣治君  逢澤  寛君
   安部 俊吾君  青柳 一郎君
   淺香 忠雄君  淺利 三朗君
   天野 公義君  新井 京太君
   有田 二郎君  井手 光治君
   飯塚 定輔君  池見 茂隆君
   石原  登君  稻田 直道君
   今村長太郎君  宇田  恒君
   江崎 真澄君  江田斗米吉君
   遠藤 三郎君  小川 平二君
   小川原政信君  小高 熹郎君
   尾崎 末吉君  尾関 義一君
   越智  茂君  大石 武一君
   大泉 寛三君  大上  司君
   大澤嘉平治君  岡延右エ門君
   岡田 五郎君  岡西 明貞君
   岡野 清豪君 岡村利右衞門君
   奧村又十郎君  加藤隆太郎君
   鍛冶 良作君  甲木  保君
   金光 義邦君  上林山榮吉君
   川西  清君  川野 芳滿君
   川本 末治君  河原伊三郎君
   木村 公平君  菊池 義郎君
   北川 定務君  北澤 直吉君
   久野 忠治君  倉石 忠雄君
   黒澤富次郎君  小金 義照君
   小坂善太郎君  小西 寅松君
   河野 謙三君  近藤 鶴代君
   佐瀬 昌三君  佐藤 榮作君
   佐藤 重遠君  佐藤 親弘君
   坂田 道太君  清水 逸平君
   塩田賀四郎君  篠田 弘作君
   島田 末信君  澁谷雄太郎君
   島村 一郎君  首藤 新八君
   周東 英雄君  鈴木 明良君
   鈴木 仙八君  鈴木 善幸君
   鈴木 正文君  關谷 勝利君
   千賀 康治君  田嶋 好文君
   田中伊三次君  田中 角榮君
   田中 啓一君  田中  元君
   田渕 光一君  高塩 三郎君
   高田 弥市君  高橋 英吉君
   高橋 權六君  高橋  等君
   竹尾  弌君  玉置 信一君
   玉置  實君  土倉 宗明君
   辻  寛一君  坪内 八郎君
   坪川 信三君  寺本  齋君
   奈良 治二君  内藤  隆君
   中垣 國男君  中野 武雄君
   中村  清君  中村 幸八君
   中村 純一君  仲内 憲治君
   永井 英修君  永井 要造君
   二階堂 進君  西村 直己君
   野原 正勝君  野村專太郎君
   橋本 龍伍君  幡谷仙次郎君
   花村 四郎君  原 健三郎君
   原田 雪松君  平澤 長吉君
   平島 良一君  平野 三郎君
   福井  勇君  福田 篤泰君
   福田 喜東君  福永 一臣君
   福永 健司君  藤枝 良介君
   渕  通義君  淵上房太郎君
   船越  弘君  古島 義英君
   細田 榮藏君  本多 市郎君
   本間 俊一君  眞鍋  勝君
   前尾繁三郎君  前田 正男君
   牧野 寛索君  益谷 秀次君
   松浦 東介君  松木  弘君
   松田 鐵藏君  松永 佛骨君
   松野 頼三君  松本 一郎君
   松本 善壽君  丸山 直友君
   三池  信君  三浦寅之助君
   水谷  昇君  滿尾 君亮君
   南  好雄君  宮幡  靖君
   宮原幸三郎君  村上  勇君
   守島 伍郎君  八木 一郎君
   柳澤 義男君 山口喜久一郎君
   山口 好一君  山口六郎次君
   山崎  猛君  山村新治郎君
   吉田吉太郎君  吉武 惠市君
   龍野喜一郎君  若林 義孝君
   亘  四郎君
 否とする議員の氏名
   荒木萬壽夫君  小川 半次君
   大森 玉木君  金子與重郎君
   川崎 秀二君  北村徳太郎君
   吉川 久衛君  小林 運美君
   佐伯 宗義君  笹森 順造君
   椎熊 三郎君  鈴木 幹雄君
   高倉 定助君  千葉 三郎君
   床次 徳二君  長谷川四郎君
   畠山 重勇君  林  好次君
   原   彪君  藤田 義光君
   増田 連也君  村瀬 宣親君
   森山 欽司君  柳原 三郎君
   吉田  安君  井上 良二君
   石井 繁丸君  石川金次郎君
   大矢 省三君  岡  良一君
   加藤 鐐造君  熊本 虎三君
   鈴木 義男君  堤 ツルヨ君
   土井 直作君  前田榮之助君
   前田 種男君  松井 政吉君
   松尾トシ子君  松岡 駒吉君
   松澤 兼人君  松本 七郎君
   三宅 正一君  門司  亮君
   井之口政雄君  池田 峯雄君
   江崎 一治君  加藤  充君
   風早八十二君  柄澤登志子君
   苅田アサノ君  木村  榮君
   田島 ひで君  田代 文久君
   田中 堯平君  高田 富之君
   竹村奈良一君  立花 敏男君
   梨木作次郎君  林  百郎君
   山口 武秀君  横田甚太郎君
   渡部 義通君  猪俣 浩三君
   上林與市郎君  田中織之進君
   黒田 寿男君  中原 健次君
   小平  忠君  佐竹 晴記君
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第二、外資に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。経済安定委員長前田正男君。
    〔前田正男君登壇〕
○前田正男君 ただいま議題となりました外資に関する法律の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 御承知のごとく、日本経済の自立と発達をはかり、国際收支の均衡を維持するには、国内における資本の蓄積とともに、民間外資の導入がきわめて必要でありますので、昭和二十五年五月、外資に関する法律が制定せられ、さらに昭和二十六年四号、この法律が改正されました。本法は、外国資本の投下について認可または届出の制度をとり、日本経済の自立、発展及び国際收支の改善に寄與するものに限つて投下を認めるとともに、それに伴う海外送金の保証措置を設けたものであります。しかるに、今や平和條約の発効とともに対日投資の活発化が予測されますので、これら制度による制限は漸次緩和すべき時期に立ち至つたと認められるのであります。よつて、この際、外国投資家の投資を容易にして外資導入の促進をはかるため、外国投資家による株式等の取得の制限を緩和し、かつ外国投資家が取得した株式の売却代金その他の元本の回收金について、その海外送金を保証し得る道を開き、かつ新たに株式等についても指定及び確認によつて送金の保証を與える制度を設ける等の措置をとることにいたしたのであります。
 すなわち、本案改正の要点は、第一は認可制度の改正、第二は送金保証制度の拡大、第三は株式等の指定及び果実またば元本の回収等に関する確認の制度の設定であり、第四は外国投資家預金勘定の設定であります。
 本案については、去る四月二日提案理由の説明を聽取し、引続き十六日、十九日及び二十三日に審議をいたしましたが、その詳細は委員会の速記録に譲ることといたします。
 昨二十三日、その討論を行いましたが、福田委員は自由党を代表して、導入外資の増加をはかるためには従来の制限を緩和することは当然の措置であると賛成の意見を述べられ、有田委員は改進党を代表して、本案はわが国経済自立のために貢献するものであるが、これがためにわが国経済に禍根を残さざるよう、その運営に遺憾なからんことを望んで賛成の意見を述べられました。また風早委員は日本共産党を代表して、わが経済的独立のためには、外資の導入、特にアメリカ外資の導入は好まないとて反対の意見を述べられました。
 次に採決に入りましたが、多数をもつて原案の通り可決されました。
 右御報告を申し上げます。(拍手)
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。順次これを許します。中崎敏君。
    〔中崎敏君登壇〕
○中崎敏君 日本社会党を代表いたしまして、本法案に反対の意思を表明せんとするものであります。
 私は外資導入の必要性を否認せんとするものではありません。ただ、しかしながら、いたずらに他力本願であつてはならないと思うのであります。まず経済自立の心構えが、政府においても、さらに民間においてもできていないということを認めなければならぬのであります。
 日本経済の安定のためには、政府と民間と打つて一丸となつて、あらゆる努力が傾けられなければならぬと思うのであります。池田大蔵大臣は、三月危機はまつたく荒唐無稽のものであるというふうな言明を本会議においてなしたのでありまするが、三月危機はすでに四月危機に及び、前途暗澹たる状態に置かれておるのであります。さらにまた、アジア大陸との貿易並びに東南アジアとの貿易は、日本経済自立のために必要欠くべからざるものであることを信ずるのであります。しかるに、吉田総理大臣は、アジア大陸との貿易についてはあまり重点を置く必要がないということをしばしば言明しておるのでありますが、かくのごとき考え方をもつていたしましては、日本経済自立というものば当然あり得ないと信ずるのであります。
 さらにまた金融の面におきましても、公債を発行いたしましいわゆるオープンーマーケツト・オペレーシヨンによりまして民間の遊資を吸收し、一面においてインフレを防止しつつ、さらに産業開発の面に一段と飛躍すべきものかと考えるのであります。さらにまた、政府と日本銀行と市中銀行との間に十分に意思の疏通が行われないために、日本の金融は相当混乱しておるような実情にあるのであります。こうした問題を解決いたしますには、計画経済を確立することによつて、日本産業の健全なる発展と民生の安定とに努力せなければならぬのであります。
 しかるにかかわらず、政府は行政機構の改革に名前をかりまして、経済安定本部をさらに縮小せんとする考えを持つておるのでありまするが、これは時代逆行とも申すべきものでありまして、世界の実情より見ましても、明らかにこれは時代の流れを逆に行くものだといわなければならぬのであります。こうした点を考えてみますと、政府においては、この際根本的にその方針、計画を改めまして、まず自己の力によつて日本の経済を前進せしめるという、あらゆる努力と熱意を傾けなければならぬと信ずるのであります。
 第二に、民族資本の防衛の見地から本法案に反対をするものであります日米安全保障條約と、さらに軍事協定と、これに関連するところの再軍備の計画は着々と進んで参りまして、国民の犠牲と負担とは莫大なものがあるわけであります。やがては、しかばねを大陸にさらし、無名の戰いにかり立てられるところのおそれがないと何人が保証できましようか。この代償といたしまして、政府はよろしくアメリカに対して政治借款の要請をなすべきものと考えるのであります。政府が鳴りもの入りで宣伝して来ましたところの外資はうやむやとなつております。特に政府は秘密外交に終始いたしまして、政治借款の導入について、いわゆる国民外交におつて強く主張しでいないから、うやむやな結果になるのであります。この際、政府は、さらに謙虚な気持を持つて、国民とともに政治借款等を獲得することによつて、日本経済の再建の上に一段の努力をなすべき竜のと信ずるのであります。
 コマーシャル・ベースによる借款につきましては、三月末現在において、いわゆる繊維工業に対しては二三%の外資が入りておるりであります。さらに化学工業に対しましては、一四%鉄鋼、金属に対しては一二%入つておるのであります。これらのものにつきましては、すでに外国の資本家が経営に参加し、はなはだしきに至つては、この企業の主体性を握つておるような状態でありまして、日本の企業は手も足も出ないような状態に追い込まれておるものもあるのであります。外国におきましては、工業法等を設けまして、重要産業と公益事業に対しましては、外国の資本がいたずらにそれらの工業に圧迫を加えることを防いでおるのであります。フィリピンにおきましては、鉱業、発電、公益事業は外国企業によりで経営することができないということになつておるのであります。インドにおきましては、原則としてその企業の支配権の過半数はインド人によつて占められなければならぬと規定しておるのであります。
 以上、各国多少の差はありまするが、本法案ほど寛大なものは他に類例を見ないのであります。一九五〇年の春、イスラエル国会を通過しました外資法でさえも、これほど寛大なものではないのであります。今後、本法案が国会を通過したあかつきにおいては、外国資本が日本の産業を牛耳り、日本経済は隷属的地位に置かれ、八千五百万の同胞は奴隷的存在になることをおそれるものであります。この意味において、政府は外資法をいま一度再検討すべきであると考えるのであります。その時期は、講和條約の発効後、曲りなりにも自主権を回復した適当の機会において、これをなすべきものだと考えるのであります。一たび與えた既得権は、容易にとりもどすことはできないのでありまして、こういう点においても、この外外資法については愼重なる態度をもつて臨まなければならぬと考えるのであります。
 この意味合いにおきまして、私は日体社会党を代表いたしまして、本法案に反対するものであります。(拍手)
○議長(林讓治君) 横田甚太郎君。
    〔横田甚太郎君登壇〕
○横田甚太郎君 自由党の諸君、外資の種々相を見きわめよう。
 三原山で日本人三十七名を殺した飛行機のことを知つているだろう。機名はもく星号と呼ばれていた。この名は日本名である。だが、機体とその本質はアメリカのマーチン二〇二号と呼ばれ、ノースウエスト社がマーチン社かち購入した同型機だ。この飛行機は、二十五機のうち五機が、過去二箇年間にアメリカで遭難している。アメリカの操縦士組合が乘務することを拒否い、ノースウエスト社の幹部が総辞職した因縁づきのボロ飛行機だ。日航内部でも、運航関係者が契約に反対した。そのようなやつかいもの、だ。戰後、飛行機もなく、飛行機を選択する自由を持たぬ日本人の不自由さを幸いに、自由党に言わせれば和解と信頼に満ちた米国の好意で飛行機を飛ばせたと喜んだしろものがこれだ。
 このやつかいなボロ飛行機で、日本航空株式会社という、藤山愛一郎を会長とし、柳田氏を社長とした、おめでたい会社ができ上つたと喜んだのも、ついこの間のことではないが。現行の汽車賃、電車賃、電気・水道料金にさえ耐えられない国民大衆をしり目に、何でもうけたのか、敗戰後の国民でありながら、高い料金も苦にならず、アメリカにつながることにおいて、ふところのふくらんだ人々が、アメリカを信じ、この会社の組織と、この飛行機を利用し、早くて快適な空の旅を味わうために飛び立つたのだ。あわれなこの人たちの行く先は、大阪でも博多でもなかつた。あすの日本への飛行でもなかつた。自殺で名高い三原山の黒い火山灰に自己の血を吸わせる残忍な旅だつた。大辻司郎を笑つては死ななかつえはずだ。(発言する者あり)やじつておるやつは、ばかさかげんをよく考えてみろ。
 この気の毒な人たもの死にお悔みを述べなければならないのは、あわててアメリカ飛行機の傀儡となり、会社の責任を持たしてもらつたと喜んだ、日本戸籍のアメリカ人、日航の人々であつた。日航の人々は何の責任を持つていたんだ。運航と機体の選択、航空とその実権、もうけの実体は米人が握り、それをごまかすために日本人の名とつらが並べてあつたのが日航の組織でなかつたか。日本国民の怒りに対しては、米人に奉仕する日本人を正面に立ててあやまらせる。もうけは巧妙に米国人にせしめられている。三十七名の生命は、このからくりをあばき、日米無批判的な提携への死の抗議となつたこの事実を忘れるな。
 ドルの日本への投下とは、こんなにも残忍なものなのだ。国民は、このからくりを、はつきり知つて来たのだ。米軍が日本におる限り、結局日本人は切符売りなんだ。切符売りをさせてもらつておるやつだけがいばつておる。自由党も切符売り政党なんだ。このあわれさを知らない手合いが自由党のから元気なんだ。自由党の言う外資の導入、識後日本への最初の飛行機を通じての日米協力。アメリカの政治と、そのドル資本家に、もうけ以外に一片の誠意だになかつた。物的表現としての飛行機はボロで、金もうけにほうけていたのが三原山の惨劇なんだ。信用を落してもいい、もうけだけを得たいというのが、ドル資本の日本への進出だ。さればこそ、実利と実力のある中国、ソビエトとの貿易を許さず、世界経済会議に参加させずに、この通商産業上の無理から生ずる破綻を押えるために武装化し、われわれを生命としては扱わずに、肉彈として数えているのが、アメリカと日本との経済提携なんだ。
 戰後の日本は、マツカーサー帝国といわれていた。米人のみが気ままをしていた日本の国柄だつたのだ。その帝王が最も好んで独占したのが相互ビルだ。ビルもよかつた。地の利もよかつた。これほど日本で便利なところがなかつたのだ。日本の国民は住宅難であえいでいるのに、その日本人をしり目に、日本で一番よいこの土地の近くに日活国際ビルが建つたのを知つているだろう。きれいで、がんじようで、豪壯なもので、ここにはホテルがあるのだ。(発言する者あり)自由党のやじつている手合いも、かい性があるなら、遠慮することはないのだ。この土地に建つた建物は日本の名前がついているから、ここへ行つてとまつてみろ、一晩最低三千二百円から一万八百円で、六段階にわかれて、とまらせてくれるのだ。
 この建築費は、一体どこから出ているのだ。そうして、だれ利用されているのかを考えてみろ。この金がかせぐところの利益は、だれからしぼつて行くんだ。この建物が、現代日本の国民大多数と何の関係があるんだ。資本は貧欲に利益を求めて、人の世の中をのたうちまわつているのだ。人と人との間に打立てねばならない基本的人権さえも蹂躪し、国と国との通商に干渉し、ひいては平和までも乱して、ドル資本は人権を無視して、世界の各地に戰争と破壊を強行しているのだ。資本の代表的なものがドルで、特にアメリカ資本の貧欲は、米国内でさえ自国民の生活に脅威を與え、ストライキをもつて鬪わねば生活を守れない大衆を日々多くし、アメリカの政治も経済も外交も悲鳴をあげているのじやないか。
 この国内の苦しい問題の解決をごまかすために、はけ口を排外問題に持ち込んで、ゆえなき殺人戰争をおつ始め、原爆と細菌でおとして、十余万の米国人を殺し、朝鮮人民の財宝と人命を奪い、世界平和のための国連機構をさえも自国の利益のために私し、その機能を喪失させ、平和のために話し合う国連機関を中ソへり戦争宣伝機関にしてしまつたのだ。世界の争いを大きくしてしまつたのだ。
 さらに、アメリカ資本のもうけのために、マーシャル・プラン、ポイント・フオア等の排外的な諸政策をつくりては、他国の経済的な貧困に乘じ、自主権を奪い、多民族の領土を仁国と資源を米国のための前進基地化しているではないか。ドルの入るところには必ず血が流れるのだ。ドルにつながる人々を買弁化させ、売国的政権を強要するからなんだ。ドルは、他国民を尊重せずに、むしろその政治的自主権を、強奪して行くのだ。国を憂え、民族の独立を念願とする国民大多数の愛国心と激突するのは理の当然なんだ。
 戦争中、石油の一滴は血の一滴に相当するといわれた事実を知つているのだろう。日本石油資本の七八%は、すでに米英資本に毒されているではないか。生産能力百万トン、日本石油精製の二五%を占める生産設備の四日市燃料廠はドル資本にねらわれている事実を忘れているのか。この復興のためには、世界に冠たる旧海軍の技術者たちがあるじやないか。この人たちを見殺しにして、ドル資本への身売りをあせりているところの自由党のばかない政策、ここに大きな無理があるから国内は混乱するのだ。
 日米経済協力が解ばれてかもの石木は、一体どうなつて来た。警察が丸腰からこん棒へ、こん棒からピストルヘとかわり、今では実彈をぶつぱなす暴力団となつているじやないか。予備隊ぱ米国軍隊のお先棒となり、講和とともに帰らねばらないアメリカ軍の駐留を公然化し、日米安全保障、行政協定、刑事特別法、さらに破防法をつくつては労働者にけんかをふつかける。ゼネストの中に全国民の反抗を誘発し、毎月、毎時、日本の各所で武装警官が国民の各層と衝突している事実は何を物語つている。常に衝突の相手、は警察であるという事実を忘れるな。人類多数の貧困化をよそに、飽くなくもうけを求めて、世界の森に、世界の川に、世界の土地に、その強欲な触手を伸ばして行く、世界をドル資本の支配下に専有しようとしているのがドルの正体なんだ。アメリカの政治も経済も、これに全部奉仕しているのだ。
 自由党よ、東京で毎日何を見ているのだ。(発言する者あり)やじつているひまがあつたら、外へ行つで見て来い。日本商品が滯貨に悩んでいるのに、日本の政治経済の中心地、日本人口の一割を占める東京市場では、米国製品が氾濫して、よけいに日本の産業を圧迫し、失業と不況をつのらせているではないか。道路には米国自動車のみが充満している事実を忘れるな。外資に対する原稿程度の保護規定でさえ、外資は形をかえて、こんなにはびこり、日本経済を乱している。この上になお外資を優遇するための改正法とは、何という愚策なんだ。
 安本官僚は、逃げ口上に、この法律は、日本経済の自立とその健全な発展及び国際収支の改善に寄與する外国資本に限りその投下を認め云々と言つているが、ドル資本の犬である自由党吉田安保政権が、経済の再建自立のために資本の統制なんかできるものか。東京温泉に遺憾の意を表明してみた。無用有害な建築関係にちよつと文句は言つてみた、人身売買にも云々はしてみたものの、政府が日本経済を日本国力による自立のために施策し、そのよき成果が現われた何があるのだ。
 自由党の吉田、池田、周東の大臣は、努力すれば外資は入ると言うが、その努力は、外資の貧欲へのへつらいなんだ。共産党の努力は、みずからの力で断じてなし遂げる日本の自立なんだ。そこにのみ国際間の正常関係が回復され、日本の独立と富と繁栄が待つているのだ。ここにおいてこそ、外国資本は日本を見下げることなく、安心して世界の平和と日本の発展のために、政治的條件を伴わずに、平等に導入されて来るのだ。
 日本で今必要なのは、ドル資本の導入のための無條件降服ではないのだ。むしろ、日本市場を荒す米国資本とその商品の排撃なんだ。ボイコツトなんだ。これこそが、日本経済に課せられた第一課題なんだ。この日本経済の要請を無視し、逆にドル資本の利得のために日本を破壊する、外資優先りための外賓法改正には、日本共産党は断固反対であります。
 外資優先は日本の国土を荒し、日本人を原爆と細菌の中で必ず大量に殺す。広島と三原山の惨劇を繰返すことによつて……。
○議長(林讓治君) 横田君、簡單に願います。
○横田甚太郎君(続) 初めて日本の国民の憤激となり、その中で、この法と君たちはもみくちやにされるだろう。
○議長(林讓治君) 時間が来ましたから簡単に願います。
○横田甚太郎君(続) それまで、わずかの安穏の中に、かつてな寢言でも言つている。りくつを言つても正論を吐いても絶対に聞かず、絶対多数の上にあぐらをかいて、かつてな議決をして行く自由党には、あつた事実を述べて抗議し、実力をもつて抗争する以外に手はないのだ。
 日本共産党は、日本の国土と人民をねらうドル資本の狂奔を許さないのだ。ドル資本への日本の身売りに対しては、全国民の力を結集して、日本経済の自立と民族独立のために鬪うことを表明して、外資法改正反対の意見を述べておきます。(拍手)
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第三、米穀の政府買入価格の特例に関する法律案、日程第四、十勝沖地震による農林業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長松浦東介君。
    〔松浦東介君登壇〕
○松浦東介君 ただいま議題と相なりました両案、すなわち松浦東介外二十三名提出、米穀の政府買入価格の特例に関する法律案、及び宇野秀次郎君外三十八名提出、十勝沖地震による農林業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案に関しまして、農林委員会における審査の経過並びに結果の大要を御報告いたします、
 まず米穀の政府買入価格の特例に関する法律案について申し上げます。
 食糧管理特別会計が食管法の規定に基いて米を買い入れる際の価格は、九月末のバリテイ指数が判明するのを待つて決定されます関係上、実際供出があつた時期から見れば、通常一箇月ないし二箇月程度遅れて本ぎまりになる実情にありますので、今日まで、政府はそれに対する措置として、供出の始まる時期に仮の価格を支拂つておいて、買入れ価格が正式に決定されると、供出の時期にさかのぼつてその差額を支拂うことといたしておりのでありますが、の追加拂額に対しては、買入れの本価格が決定された時期に政府の供出者に対する債務が発生するという建前をとられておりまするために、遅延利息を支拂う等、特別の措置を講じてはおらないのであります。しかし、このような措置が不合理でありまして、何らかり救済措置が講ぜらるべきであるとして、この法律案が提出せられたものであります。
 従いまして、本案の内容は以上の趣旨にのつとりまして、二十七年度以降の産米に対して、買うい価格と仮の価格との差額につき、一般利息相当額を政府より支佛うべきことを明文化しておるのでありまして、本案の実施により二億円ないし三億円程度のものが農民に対して追加拂いされることと相なるのであります。
 本案は、四月十八日、提案者を代表して坂田英一君より提案理由の説明を聴取しましだ後、二十四日簡單な質疑を行い、討論を省略して、ただちに表決に付しましたところ、全員一致して本法律案はこれを可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、十勝沖地震による農林業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案に関して御報告いたします。
 過般の十勝沖震災によりまして、北海道、三陸地方に相当激甚な被害の発生しましたことば御承知の通りであります。政府は着々これが復旧対策を急いでおりますが、本案は、その一環として、これを促進する目的をもつて議員から提出されたものであります。すなわち、農林中金等が、二億円を限度として、農林業者に対して農舎、畜舎、サイロ、炭釜その他共同施設の災害復旧資金を融資しました場合、政府はこれに対しで年四分の利子補給を行い、かつ三割以内の損失補償を行うというのが、本案の骨子と相なつております。
 四月二十三日、提案者を代表して宇野秀次郎君より提案理由の説明を聴取し、ただちに質疑を行い、引続いて討論を省略して表決に付しましたが、本案の目的、内容はすこぶる時宜に投じたものとして、各委員とも異議なく、全員が賛意を表され、本案はこれを可決すべきものと議決した次第であります。(拍手)
○議長(林讓治君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(林讓治君) 日程第五、国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案、日程第六、木船運送法案、日程第七、日本国との平和條約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う道路運送法等の特例に関する法律案、日程第八、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う水先法の特例に関する法律案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長岡村利右衞門君。
    〔岡村利右衞門君登壇〕
○岡村利右衞門君 ただいま一括して議題となりました法律案四件につき運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 国際観光ホテル整備法は、戰後、外客誘致上最大の隘路となつておりました外客向けの宿泊施設の不備不足を早急に克服するため制定せもれました助成法でありまして、その後、わが国のホテル、旅館は逐次整備せられましたが、施行後二年有余を経過いたしました今日、その助成内容に不十分な点もありますので、ホテル、旅館の登録條件の引上げを行うとともに、助成の内容を充実しようというのが改正の趣旨であります。
 次に改正案のおもなる内容を申し上げますと、第一に、現行規定においては、特例耐用年数の適用は法人所有の固定資産に限られているのでありますが、これを個人所有のものにも適用することにいたしたことであります。
    〔議長退席、副議長着席〕
 第二に、昨年五月実施された所得税法及び法人税法関係令規の改正との均衡をはかる等のため、現行の規定に基く登録ホテル及び登録旅館の営業用の固定資産の特例耐用年数のうち不適当と認められるものを若干短縮したことであります。
 第三に、本法による税法上の助成を強化することを前提として、真に外客施設として適当なホテル及び旅館のみを登録するため、登録條件中経営に関する條項を改めるとともに、客室、浴室等について施設基準を引上げることにしたことであります。
 本法案は、四月十二日、本委員会に付託され、十七日政府より提案理由の説明を聽取し、愼重に審査いたしたのであります。本法案審査にあたりましては熱心な質疑応答がかおされたのでありますが、その詳細については会議録に讓りたいと存じます。
 かくて、本二十四日質疑を打切り、討論を省略、採決の結果、多数をもつて原案通り可決いたしました次第であります。
 次に、木船運送法案について申し上げます。
 まず本法案の趣旨を簡單に御説明いたします。木船はわが国内輸送にきわめて重要な役割を果しておりますが、木船運送事業の経済的基盤はきわめて薄弱でありまして、このまま推移いたしますならば、安定した木船運送は望みがたく、ひいては国内輸送に支障を来すおそれがあるのであります。かかる実情にかんがみまして、木船運送事業の健全な発展をはかろうとするものであります。
 本法案の骨子といたします点は、木船運送事業を登録制とし、木船回漕業につきましては、登録に際して営業保証金を供託せしめ、また標準運賃制度及び標準回漕料制度を設けようとするものであります。
 本法案は、去る四月十五日、本委員会に付託され、翌十六日、提出者の代表より提案理由の説明を聽取し、二十一日熱心な質疑が行われましたが、その内容は会議録に讓ることといたします。
 かくて討論に入りまして、日本社会党を代表して熊本虎三君より、本法案の運用に際し弱小運航業者の保護育成に留意することを條件として賛成の意見を述べられました。次いで、日本共産党之代表して江崎一治君より反対の意見が述べられたのであります。
 以上をもつて討論を終えまして、ただちに採決いたしましたところ、本法案は起立多数をもつて原案通り可決いたしました。
 次に、日本国との平和條約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国どの間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う道路運送法等の特例に関する法律案についで申し上げます。
 本法案は、日米安全保障條約により、わが国に駐留する合衆国軍隊に対する道路運送法及び道路運送車両法の適用除外を規定するとともに、従来こから法律の対象外であつた連合国へ占領軍の軍人、軍属等の私有車両が、平和條約発効後においては、これらの法律の規制崎受けとることになるので、これに伴う経過措置を規定しようとするものでありまして、その骨子は次の通りであります。
 第一に、駐留軍の公用車両に道路運送法及び道路運送車両法に定める規制を加えることは、その性質上不適当でありますので、公用車両の使用に直接関係のある規定の適用を除外することであります。第二に、現在の連合国、占領軍の軍人、軍属等の私有車両に対して、平和條約発効直後の取扱いについて特例を設けようとするものでありまして、條約発効後夫だちに登録、検査等、所定の手続を行うことは困難でありますので、六箇月間の猶予期間を設け、その間に所定の手続を完了しようとするものであります。
 第三に、六箇月の猶予期間内であつても、自動車の登録番号が破損し、または所有者もしくは使用者に変更があつたときは、だだちに登録、検査等を受けなければならないことにしたことであります。
 次に、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う水先法の特例に関する法律案について申し上げます。
 行政協定第五條において、アメリカ合衆国によつて、アメリカ合衆国のために、またはアメリカ合衆国の管理のもとに、公の目的で運航される船舶は強制水先が免除される旨が規定されております。従つて、この行政協定の條項を実施する必要上、かかる船舶に対して水先法による強制水先に関する規定の適用を除外するための特例を設けようとするのが、本法案の目的であります。
 右行政協定関係の法律案二件は、本月二十一日、本委員会に付託ざれ、翌二十二日、政府より提案理由の説明を聴取した後、愼重に審査いたしたのでありますが、審査にあたり各委員乙政府委員との間に行われた質疑応答については、会議録によつてごらんを願いたいと存じます。
 かくて、二十四日質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決の結果、右法律案二件は多数をもつて原案の通り可決いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。江崎一治君。
    〔江崎一治君登壇〕
○江崎一治君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま一括上程されましたところの四法案、すなわち日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う水先法の特例に関する法律案並びに道路運送法等の特例に関する法律案に対しまして反対するのもであります。また国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案及び木船運送法案にも反対するものであります。以下、これらの法案につきまして反対の理由を明確にいたしたいと思います。
 まず水先法の特例に関する法律案について申し述べます。
 元来、水先案内というものは、潮流が早いとか、航路に暗礁や危険物があるような場合に、特にその水域の事情に精通している者をわずらわしで船舶の運航の指示をやらせ、その航行の安全をはかるものであるのであります。外国の船舶の船長と、日本の船舶の船長と、どちらが日本の港湾の状態について詳細な知識を持つておるかということは、これはきわめて明らかであります。日本の艦長の方が精通していることは当然であります。ところが、この水先法の特例に関する法律案によりますと、日本国の港の事情に不案内なアメリカの公用船に対しては、強制水先の規定を特例をもつて免除し、逆にその事情に精通しておるところの日本船舶に強制水先の義務を付するということは、何という、ばかげたことでありましよう。
 戰前、日本には強制水先の規定はなく、戰後、米軍の占領下、初めて重要港湾並びに特定の水域に対して、強制水先が法令で規定されたので、あります。これは重要港湾の接收と相まちまして、日本の梅津界に重大なる打撃を與えたことは周知の事実であるのであります。今後、日本の港に入る米国舶を筆頭に、諸外国船は、大なり小なり、必ず米駐留軍関係によりまして、従つて軍公用船の資格で入港することは必定でありますので、入港料は一切不要であり、強制水先が免除されておりますので、日本船舶をさしおいて最優先に入港し、最良の種橋を独占することができるのであります。これに反し、日本の船舶は、強制水先が規定されておりますから、後に来たアメリカ公用船にお先を食わされ、むなしく港外や水域外に待船させられ、その結果といたしまして、日本海運界は、占領下の場合と同様、重大なる被害を受けることとなるのであります。
 諸君、こんなことを日本海運界のために黙つて見ておられるでありましようか。とくとお考えを願いたいと考えるのであります。だから、日本共産党は、本法案に対しては断固反対するのであります。
 次に、道路運送法等の特例に関する法律案について反対の理由を申し述べます。
 昭和二十年八月十五日以来今日まで、外国人の自動車事故によつて日本国民の受けた被害は莫大なものであるのであります。今日までの経過を見ますと、ひき殺されても、犬ねこ同様、殺され損であります。家が住めないまで破壞されても、その賠償の持つて行きどころがないのであります。單に日本政府から千円とか二千円とかと、うお燈明代以下の見舞金が支給されたにすぎないのであります。これは、わが国民にとつて、長や間恨み骨髄に達つしておるたことであります。これが講和発効とともに根本から除かれると思つたら、実はそうでもなく、行政協定第十條の規定によりますると、米国並びに米軍の運転許可証は、本人の換価がどんなに拙劣であつて、無條件に有効となるのであります。また本法案によつて、軍公用者は一切車両検査をやらないということになつておりますから、わが国民の被害は、占領下の今までと何ら選ぶところがないことになるのであります。国会議員の諸君が真の日本国民の代表であるならば、何んといえども、このような売国的な法案には賛成できないと信ずるのであります。日本共産党は、日本国民の立場から、断固としてこういつた法案に反対するのであります。
 次に木船運送法案でありますが、これは弱小一ぱい船主のための保護法案といつておりますが、実はそれは名目でありまして、その内容は、逆に弱小木船業者いぢめの法律案と考えるのであります。真に機帆船業者の繁栄を望むなら、中央、ソビエト同盟を含む全世界各国と自由な貿易を聞くベきであり、これ以外に有効適切な手段は存在しないことを指摘いたしまして、この法案に反対するのであります。
 最後に国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案に対しましては、私は次のように主張したいのであります。すなわて、日本の外貨の收支は正常な貿易に重点を置くべきでありまして、一口に言えば、つめを赤く染めて外貨を獲得するというような植民地的な考え方はやめるべきであると考えるのであります。この観点から、共産党はこの法案に反対します。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局たしました。
 まず日程第五及び第六の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案と心委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第七及び第八の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第九、町村職員恩給組合法案、日程第十、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基づく行政協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事河原伊三郎君。
    〔河原伊三郎君登壇〕
○河原伊三郎君 ただいま議題となわました町村職員恩給組合法案につきまして、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のごとく、昨年十二月第九回国会において成立し、昨年二月から施行されました地方公務員法におきましては、第四十四條において、職員が相当年忠実に勤務して退職しまたは死亡した場合における退職年金及び退職一時金に関する制度がすみやかに実施されなければならないと規定しておるのであります。これは申すまでもなく、地方公務員に有為の人を誘致するとともに、その職にある者をして安んじて職務に専念させることを趣旨としているのであります。政府としても、地方公務員法の理念に基く地方公務員の退職年金及び退職一時金制度をいかにすべきかについては、国家公務員制度との関連、一般社会保障制度との関連等をも考慮し、せつかく研究中でありますが、町村職員に対する退職年金及び退職一時金の制度については、昭和十八年、政府の指導により、各都道府県ごとに町村の事務組合として町村吏員恩給組合が設けられて今日に至つておるのであります。町村吏員恩給組合の給付の種類、額等の現行の基準は、おおむね国家公務員あるいは他の地方公務員の制度に準ずるものとなつ、ているので、今ただちにこの基準を改めることは、国家公務員あるいは他の地方公務員の制度との均衡の問題もあり、全般的な退職年金及び退職一時金の制度の改革と照合しで、今後なお研究を続ける必要がありますが、だだ町村吏員恩給組合は、その法的基礎が薄弱であり、その財政的基礎も強固でなく、その運営上遺憾の点があり、町村からは早急これが整備を要望してやまないので、この際現行恩給組合制度の建前を維持しつつ、これを法制化して、機構を整備し、運営の改善をはかるべく、本法案の提出と相なつたわけであります。
 本法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。本法案におきましては、第一に、現在の町村吏員恩給組合は一応町村の任意加入制をとつておりますが、これを強制加入制をと改め、真に町村の公務員全体の福利の向上を確保することにしようとするものであります。
 第二に、町村職員恩給組合の給付を受ける者の範囲、資格並びに給付の種類及び額については組合規約をもつて規定すべきものとしようとするのであります。
 第三に、組合経費の町村負担義務を明定し、組合の財政運営の基礎を確固たらしめようとするのであります。
 第四には、組合の財源の計算及び資産の管理は、保険数理に基くべき原則を法律上の要件としようとするものであります。
 第五には、各町村職員恩給組合の実際の運営が右の原則によつて行われることを共同して確保する方途として、各町村職員恩給組合が連合会を組織し、自主的にその目的達成を期そうとしていることであります。
 以上は本法案の内容でありますが、本法案は参議院送付にかかるものでありまして、参議院においては、内閣提出案の附則第一項を「この法律は、公布の日から施行し、昭和二十七年四月一日から適用する。」と改め、また附則第二項中「この法律施行の際」を「昭和二十七年四月一日において」に改めるという修正議決をいたしております。
 当地方行政委員会におきしては、三月二十日、本案の予備審査のため本委員会に付託せられ、三月二十五日、岡野国務大臣より提案理由の説明を聽取し、四月十五日、政府委員より逐條説明を聴取したのでありますが、四月十七日、本付託を受け、四月二十一日、政府委員より便宜参議院の一部修正についての説明並びに政府がこれに同意した次第の陳述があつたのであります。
 次いで、四月二十一日及び同二十三日の二日間政府委員との間に質疑応答を重ね、同二十三日質疑を終了し、四月二十四日討論を行い、河原委員は自由党を代表して賛意を表し、門司委員は日本社会党を代表し、八百板委員は日本社会党第二十三控室を代表し、床次委員は改進党を代表して、それぞれ施行上の留意方を要望して賛成の意を表し、立花委員は日本共産党を代表して反対の討論を行つたのであります。次いで採決の結果は、多数をもつて参議院送付にかかる原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 次に、同じく議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律案について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告告申し上げます。
 御承知のごとく、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定が締結されましたのに伴い、その実施の円滑を期するため、合衆国軍隊等に対する地方税法の適用について若干の特例を設ける必要が生じて参つたのでありまして、政府は本法案においてその措置を講じようとしたのであります。
 法案の内容を簡單に申し上げますと、まず第一点は、合衆国軍隊に対しては、原則として地市税を課さなやことといたしたことであります。
 その第二点は、合衆国軍隊の構成員軍属及びこれらの家族に対しましては、市町村民税、電気ガス税等は原則として賦課しないこととし、またその合衆国軍隊の直接管理にかかるPX等の施設への入場等の行為に対する入場税及び遊興飲食税は賦課しないこととしたことであります。
 その第三点は、合衆国軍隊のために、合衆国において合衆国政府と結んだ契約を履行することを目的として日本に滯在する合衆国人たる請負業者等に対しては、その契約履行のために行う事業及びそのためにのみ所有する償却資産等に対して、事業税、市町村民税並びに固定資産税博を賦課しないようにしたことであります。
 その第四点として、PX等が行う本来の事業ないし業務に対しては事業税等を賦課しないようにしたことであります。
 最後に、徴收方法にりきまして、合衆国軍隊の構成員、軍属及びこれらの家族等の所有する自動車または自転車に対する自動車税または自転車税は証紙をもつて徴収するものとしたことであります。
 本法案は、四月九月本委員会に付託されましたので、十七日の委員会において政府の提案理由の説明を聴取し、二十一日より質疑を続行したのでありますが、本法案の内容は、従来占領軍関係について実施せられて来たところと大差なく、従つて地方団体の税收入に及ぼす影響もほとんど言うにたりないなのであることが明らかにされましたので、行政協定が締結されました以上、一応当然の措置と考えられたのであります。ただ、将来の運営については自主性を失うことなく、かつ地方団体の財政への影響に対しては政府が遺憾なき措置をとるべきことが要望されたのであります。
 二十三日質疑を打切り、昨二十四日討論に入り、自由党を代表して河原委員、改進党を代表して床次員がそれぞれ賛成意見を述べられ、日本社会党を代表して門司委員、日本社会党第二十三控室を代表して八百板委員、日本共産党を代表して立花委員よりそれぞれ反対意見を述べられだのであります。
 次いで採決を行いました結果、賛成多数をもつて原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。立花敏男君。
    〔立花敏男君登壇〕
○立花敏男君 共産党は、ただいま上程されております二つの法案に対しまして反対するものであります。
 最初に申し上げたいことは、この法案はいわゆる行政協定に基くところの法案であり、しかも日本の国民の重大な問題であるところの税金に対する問題でありますので、共産党といたしましては、この法案が、かかる少数の人たちの出席するところの本会議において討論されるということに、はなはだ大きな不満を感ずるということであります。改進党に至りましては、わずか一名しか出ていません。自由党に至りましては、およそ十分の一しか出席がない。こういう状態のもとにおいて、かかる重大な法案、国民の生活に重大なる関係のあるところの法案が審議されるこいうことは、まつたく言語道断と言わざるを得ないと思う。かかる実態こそ、自由党政府がまさに売国政府であり、国民の利益を外国に売り渡して、国民の苦痛を顧みることなく、して、ただ外国人にだけ税金を免除しようとしているその売国性、パンパン性を余すところなく暴露していると申しても過言ではないと信じます。(拍手)
 さきに、政府與党は、全国民の反対を押し切つて單独講和を締結し、国会にはかることなくして行政協定を調印したのであります。かかる売国政策の結果、日本はまつたくアメリカの軍事植民地となり、国民は奴隷的佳酒を強制されるに至つたのでありますが、しかも、かかる植民地政策、奴隷政策の推進の中核をなすものが―――――――であることは、もはや言をまたないところであります。従つて、日本の独立と平和も望むすべての国民は、売国條約の破棄と占領軍の撤退を要求しておるのである。しかも政府は、この国民の愛国的要求を無視して、逆に占領軍に対する地方税の全面的免除を規定せんとするのがこの法案であります。吉田政府の売国政策、パンパン政策は今やきわまれりというべきであつて、国民の断じて許すことのできないところでありますし国民を奴隷にし、日本を戰争に引込むところの―――に対して、税金を免除してまでおつてもらおうとは、国民のだれ一入として考えていないからであります。
 最近のわが国における重大問題の一つであるところの地方財政の破綻も、実は占領軍の駐屯が原因であります。何となれば、二十七年度国家予算において、占領軍を主軸とするところの日本の再軍備費は千八百億に達するのでありまして、この厖大な軍事費をまかなわんがために、地方財政平衡交付金の大幅削減が行あれたのであります。このことは、今やおおうことのできない事実だからでありますゆえに、地方財政の確立を要求する全国の地方自治体、あるいは全国の地方自治体の住民は、あげて占領軍の撤退こ再軍備反対を叫ぶのは当然であります。しかもなお、この結果は、この地方財政破綻の元凶であるところの―――にその地方税の免税をするというところの法案であるからして、まさに盗人に追銭というところの性格をもつ法案であることは明白であります。(拍手)
 さらに地方税増税の面からいたしましても、事態は同様でありまして、政府は厖大なる占領費、再軍備費をまかなわんがために、二十七年度国税において七百七十九億の増税を決定しておるのでありますが、地方税におきましても、同じく十七年度四百十四億の大増税を実施せんとしておるのであります。その結果、ただいま国会において審議中の地方税法の改正法案におきましては、従来二十六年度までは、税金を納めなくてもよかつたところの六十才以上の老人で、年数十万円以下の者に対しましても、二十七年度からは新しく税金を徴収しようとしておるのであります。農村におきましては、牛が子を産んでも税金をとる、豚が子を産んでも税金をとる、こういう苛斂誅求を行わざるを得なくなつたのであります。国民は、こんなひどい税金がとられるのは、日本にいなくてもいいところの外国軍隊が駐屯し、日本が外国の軍事基地にされるからだということを、よく知つでおるのであります。国民は、自分たちの増税の原因になつている占領軍に対しまして、かえつて地方税を免税せんとするところの法案には、断じて賛成することができないのであります。
 しかも、この特例法に反対いたしておりますのは、ただ單に以上述べたところの地方自治体あるいは地方住民だけではなくして、まじめなる資本家あるいは平和産業家もまた限りない不満をこの法案に対して表明しておるのであります。何となれば、今回の免税は、広く軍関係の請負人あるいは契約者にも及ぶものであつて、しかも、これは必ずしもアメリカ人だけには限らないのです。イギリス人でも、フランス人でも、アメリカに会社を持つている全世界の戰争屋あるいは武器製造業者、これらの連中は全面的に地方税の免税を受け、住民税、事業税、電気税、ガソリン税、物品税等々をまつたく納める必要がなくなるのでありまして、このことは、明らかに日本の平和産業、あるいはまじめなる資本家に対する競争の有力なる武器となり、その結果栄えはびこりますものは、世界をまえにかけてかせいでいるところのイギリス、アメリカの戰争屋及び軍需品のやみブローカーであり、あるいはこれに魂を売渡して彼らの下請となつた日本の買弁資本家、あるいはやみ商人だけということになるのであります。ゆえに、この法案は、日本の平和産業を根本的に破壞するところの恐るべき破壞法案というべきであります。
 さらに問題とすべき点は、かかる脱税と滯納が明白になりましても、日本の官憲はこれを処置することができないという点であります。何となれば、これらの処分については、基地司令官の承認が不可欠の要件とされておるのであります。すなわち、作戰上の必要という一方的な理由によつて承認が與えられなかつた場合は、まつたく手の施しようがないのであります。かつての上海、天津等の租界が脱税とやみ取引の温床であつたことは明らかでありますが、この法案は、明らかに日本全体をかつての上海、天津のごとき、やみと脱税と犯罪のちまたに化する法案であります。(拍手)今日、地方税の強制徴收は峻烈をきわめまして、たといわずか百円に満たない滯納に対しましても、軒並に強制執行をやつておるのであります。しかるに、外国人に対しましては、たとい数百万、数千万の重大なる脱税、滞納が明白でありましても、手を下すことができないとは何たることでありますか。
 さらに問題とせねはねもない点は、地方税法違反に対する裁判の問題であります。政府が唯一の頼みとするところは、アメリカの誠意であり、行政協定にいうところの日本の法律を尊重するということだけでありますが、しがし、これはまつたくごまかしであつて、事実は向うの軍法によつて、向うの軍裁で決定されるのであつて、日本の法律を尊重するということに対する何らの具体的な裏づけも、とりきめもないのであります。現に、重大なる犯罪を犯しましたところの富士銀行の銀行ギヤングの犯人が、二人ともゆうゆうと、無事に故郷に帰つてしまつだではありませんか。このことに対しまして、日本の政府は何らの詳細なる通告も受けていないと言つております。
 以上のごとく、この法案はまつたく言語道断な売国法案であり、かかる恥知らずの屈辱的な法案を出す吉田政府の税政策に対しては断固反対であります。
 最近、政府は税務署襲撃事件を放送しておりますが、外国人に対して、かかる売国的、屈辱的税政策をとりながら、日本人に対しましては骨の髄まで税金をしぼり上げようとする政府のやり方を、国民がいつまでも、おとなしく黙つて許しておくと考えているかどうか。今回、政府は破防法を制定いたしまして、反税鬪争を彈圧せんとしておりますが、かかる不法不当なる税政策に対して断固鬪争することこそ、国民の当然の権利であります。国民の生活を破壞し、平和産業を破壞し、地方財政を破壞するところの、かかる売国法案を提出し、かかる破壞政策を強行ぜんとするところの自由党政府こそ、まつ先に破壞者として国民の糾彈を受けるに値するものであります。(拍手)
 今回の日本の労働者三百万のゼネストは、日本国民に大きな確信を與えております。自由党政府が、多数を頼んで、かかる売国法案を成立せしめましても、国民は断固実力をもつて粉碎するであろうことを断言しておきます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 まず日程第九につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第十につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第十一、簡易生命保險法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。郵政委員会理事飯塚定輔君。
  〔飯塚定輔君登壇〕
○飯塚定輔君 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案の、委員会における審議の経過並びに結果について簡單に御報告申し上げます。
 まず本法案提出の理由でありますが、第一点は、保險金の最高制限額を現行五万円より八万円に引上げることであります。第二点は、旧来の小額保険契約の整理、合理化にまつて事務の簡素化をはかる問題であります。この第二点につきましては、ほとんど論議の余地はなかつたのでありますけれども、第一の保除金の最高制限額の引上げにつきましては、委員会においても相当論議が行われたのでございます。
 本案が去る一月二十五日に委員会に付託せられまして以来、しばしば委員会において審議を重ねられ、去る四月二十四日に最後の質疑が行われたのであります、自由党の山本委員、改進党の椎熊委員、社会党の受田委員より真劍なる御意見が述べられたのでありますが、それを要約いたしますと、最高制限額を何ゆえ八万円にしたのであるか、その根拠についてただされ、また引上額は、昨年以来、あるいは十万円と呼ばれ、あるいは十五万円とさえ予想されておつたにもかかわらず、政府は何ゆえにこれを八万円と押えたのであるか、これは民間保險との関係によつて何らか制附せられた結果ではないか、また簡易生命保険は社会保障制度の性格を有し、小額所得者の万一の場合に備えて創設せられた点にかんがみ、今回のごとき低額の引上げであつては、被保険者の万一の場合にはほとんど役に立たないから、さらにこれを増額する意思はないのか、さらにこれに関連しまして、簡易生命保險の積立金の運用に関し、郵政当局はいかにこれを考えておるかという御質問がありました。
 これに対して、郵政大臣並びに担当官より、最高制限額を八万円とした根拠は、戦後における経済情勢の変化に即応して決定し、ざら北民間保険の無審査加入の平角額を現在七万二千円程度であるから、これとにらみ合して、簡易生命保険の最高制限額を八万円としたのである、また決して第三者の制肘によつて最高制限額を決定しだのではないということを言明されたのであります。また将来の増額に関しましては、経済情勢の変化に伴いこれに応ずる意思のあることを表明し、さらに積立金の運用に関しましては、特に郵政大臣より国会の御意思を尊重して善処することを答弁せられだのであります。
 次に共産党の田代委員から、本案のごとき増額は、零細なる被保險者の掛金を集めて軍事費の財源とずるのであるから絶対に反対であるという御意見が述べられたのであります。これに対して、郵政大臣から、絶対にさようなことは考えておらないという答弁がございまして、これにて質疑は終了いたしたのでございます。採決に先だちまして、自由党の飯塚委員より、本案の附則第一項の施行期日に関する規定中「昭和二十七年三月一日」を「昭和二十七年五月一日」に、「昭和二十七年四月一日」を「昭和二十七年六月一日」に改めるべき修正案が提出され、次いで討論を省略して採決に入りまして、まず修正案に対する賛否を諮りましたところ、多数をもつて可決し、次いで右修正案を除く原案について採決いたしましたところ、これまた多数をもつて原案の通り可決すべきものと議決した次第でございます。
 以上、簡單でありまするが、御報告申上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。順次にれを許します。田代文久君。
    〔田代文久君登壇〕
○田代文久君 私は、日本共産党を代表して、ただいま上程されました簡易保險法の一部を改正する法律案に対しまして断固反対する次第であります。
 簡易保険の制限額を五万円から八万円に上げるというその理由といたしまして、政府は、今日における医療費、葬祭費、遺族生活費並びに物価指数等にかんがみて上げねばならぬと、いかにも社会保障や加入者の利益をはかるような口吻で説明いたしておるのでありまするけれども、またこれに対しまして、はなはだ遺憾なことながら、社会党も、現在八万円に引上げるのでははなはだ低い、最小限十万円にすべきが正しいのであるという賛成意見を持つておられまして、これは自由党の委員の諸君から、大いにひとつやつてくれと励まされて強弁されておりますけれども、これは非常にねらいがはずれておる。社会党といたしましても、し戰争に反対されるという立場に立たれまするならば、断固かくのごとき法案に対しては反対しなければならないというふうに私は考えものであります。(拍手)
 実際問題といたしまして、社会保障あるいは加入者の利益、従業員の利益というようなものは、いずれもおよそ縁遠い結果になつておるのでありまして、実際は、税金としてピストルあるいはこん棒で強奪できなかつたところの大衆の零細なる資金を集め、簡易な生命保険の名のもとでしぼりとつて、アジア侵略戰争の資金として、これを再軍備のために徹底的に使う。なお言いますと、零細なる資金の吸收というのが本法案の終局的な目標になつておるのであります。
 簡易保険の金が繰入れられる預金部運用資金というのは一体何であるか。かつては日本帝国主義の戦争資金としまして、戰争中、戰時金融金庫、燃料興業、満鉄、満州拓殖、北支開発、日発、関配、朝鮮銀行等に投資され、侵略と軍需工業の第一線に立つて働いた、これは前科者であるのであります。戰後、それゆえに嚴重にその使途を限定されておるのでありまするけれども、それにもかかわらず、三千五百億になんなんとする厖大なる資金は、主として間接的ではありますけれども戰争資金の役割はりつぱに果しておるのであります。それは戰時中の国債一千三百億円を日本銀行から肩代わりいたしておるのであり、また現在預金部資金から電通事業に百三十五億円まわしておるのでございますけれども、その電通事業そのものは、あめりかの軍隊の傀儡でありますところの警察予備隊あるいは警察に対しまして三〇%も使われ、まさにこの事業そのものは半身不随の状態に陥つていることは、皆さんがはつきり認識しなければならない嚴然たる事実であります。
 郵便大臣は、預金部資金の運用権を大蔵省から郵政省に奪還するならば民生安定、地方財政の補給に使うことができるというような幻想をふりまき、大衆の不満と闘争をその方向へそらそうといたしておりますけれども、米軍の駐留、吉田植民地政府、戰争政府のもとにおきまして、そんなことはまさに夢物語にすぎないのであります。かえつて預金部資金の用途の制限を、インチキな絶対多数の投票仕掛でとつてしまう、公然とアジアの火遊びの資金にすることは、火を見るよかも明らかであります。
 簡易保險の積立金は焼く六百億でありますけれども、郵便貯金よりもずつと長期確実な資金でありまして、それがゆえに政府は、現に東海あるいは東北などにおきましては、郵便局長が、実際におきましては公々然と、これは軍費を集めるためのものであるということを言いまして、強制募集にすでにかり立てられているのであります。郵便局におきましては、朝礼とか、あるいは訓示というようなことが全国的に行われ、大阪などにおきましては、割当を誓つて完遂いたしますというがごとき宣誓書を労働者に書かせようとしているのであります。
 政府は、従業員組合に対しまして、低い制限額では募集がやりにぐいから、職場の苦労を減らすためにやるのだといつておりますけれども、これはまつたく偽りであります。現に、この制限額引上げとともに、郵政省の発表によりますと、二十七年度簡易生命保險の歳入額を五百九十四億円に引上げ、今年度の四百三十一億円に比べますと三五%もふやしているのでございます。これは、新年度の契約募集目標を九億円から十八億円にふやすことと、失効解約減少運動を見込んで一層従業員をこき使おうとしているものであります。実際には、制限額引上げに伴いまして、募集用に非常勤を置き、あるいは固定給を廃止し、出来高拂いによりまして、次第に現在の外勤を公務員の定員のわくの中からはずして、首切りをやろうとしているものであります。
 共産党は、この大衆の貴重な資金は、これを再軍備に使うことをやめさせ、そうして保險加入者の利益や、健康保險や、生活保護法から除外されました広汎な大衆の健康と生活を守るため、あるいは中小商工業や平和産業の発展、学校建築等に使うことを要求するとともに、このような加入者と全逓労働者の犠牲で政府の戰争資金をふやそうとする本法案に対しましては、断固反対する次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 受田新吉君。
    〔受田新吉君登壇〕
○受田新吉君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程せられておりまする簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対しまして、條件付の賛成の意思表示をしたいと思うのであります。(拍手)
 この法案におきましては、その重点は保険金額の最高制限額を八万円に引上げるという点にあります。私たちは、すでに終戰後におきまして七年を経過いたし、大衆の資金が郵便貯金に、簡易生命保險に、もしくは郵便年金に吸収され、それによつて国家の事業が運営されて、そのなされた運営が結局大衆の生活安定という方向へ返さるべきであるということを待望して参つたのであります。ところが、現実の経済情勢、特に物価指数の関係とか、あるいは、ただいま提案理由の説明にありましたことく、老後の生活安定もしくは葬祭費、あるいは最終医療費、もしくは死後における遺家族の生活保障等の諸種の観点より勘案いたしまするならば、この簡易保険の最高金額は少くとも十万円を下ることは不当であると思わざるを得ないのであります。(拍手)しかるに、政府は、わずかに三万円の増額をもつて、大衆の生活安定、老後の生活保障もしくは遺家族の生活安全という線に口実を設けておるのでありまするが、結果的に見まして、郵政大臣の答弁にありましたことく、諸種の情勢を勘案するときは、相当額の制限引上げをすべきであるが、民間保険の状況等を勘案して八万円としたのであるというこの問題は、要するに民間保険業者の圧力によりまして、大衆生活安定の基本線すらも確保できなかつたと言わざるを得ないのであります。
 この点において、ただいま共産党の田代さんより、社会党の代議士は、この法案に対していま少し制限額を引上げろという要望であつたが、これは自由党に同調するものであるという、まことにありがたい御託宣をいただいたのでありまするけれども、この点は共産党のやり方で行きまするならば、民間保險業者に利益を與え、そうして資本家育成の方向へ行くという結論が出るではございませんか。(拍手)私は、これらの観点を十分勘案いたしまして、保保険額の最高制限額をせめて十万円の限度まてぎりぎり一ぱい引上ぐべきであるということを主張したのであります。
 次に、この簡易生命保険の運用権の問題と関連いたしまして一言申し上げたいのであります。資金運用部資金法は、昨年の第十国会におきまして本院を通過いたし、目下この法律施行後満一年を経過したのであります。ところが、この資金運用部資金となりましたところの大衆の零細なる簡易保險の積立金は、どこから出、どれに使われるかということを考えるときに、国家資金の美名のもとに、三百数十億の零細資金を大蔵省が吸収いたしまして、簡易保険出発の事業目的でありましたところの地方産業の開発とか、あるいは地方公共団体の事業育成等に振り向けられることがおろそかにされるという現実であります。この問題につきましては、あくまでも事業経営はその運営と不可分でなければならない、しかるがゆえに簡易生命保険事業は郵政省に復元をいたしまして、郵政省が独自の立場から、大衆資金を当然また大衆の生活安定に復元してやるという、あたたかい愛情が必要ではないのでありましようか。
 この点におきまして、すでに昭和二十三年の吉田内閣におきまして、閣議決定事項といたしまして、大蔵省資金預金部に預託されておりまするこの簡易保険積立金の運用権を郵政省に復元することの閣議決定がなされ、翌二十四年の五月には、衆参両院におきまして郵政省復元の決議がなされたのであります。越えて二十五年の閣議において、さらに予算的裏づけの決定がなされたのでありまするけれども、二十五年の十一月、ドヅジ書簡に名をかりまして、池田大蔵大臣は断固強引に閣議をこの方向へ導き、自由党の方々も、この強引なる池田大蔵大臣に引き込まれて、遂に資金運用部資金法をして国会を通過せしめたのでございます。
 こういう諸種の歴史を見るときに、この制限額の引上げられたる部分が軍国主義的な要素に万一用いられるということがあつたならば、われわれは断固これに対して反対しなければならないのでありまして“大衆資金の、零細なる資金の吸收されたるこの簡易生命保険の積立金は、どうしてもやはり大衆のほんとうの生活安定に今後復元させるという條件を付してこの制限額を引上げるということが正しいものであると確信しております。(拍手)しかるがゆえに、政府にこの意図をただしましたるところ、大臣より、この復元については必ず近き将来において実現するという保証のある言辞が用いられまして、ここに政府といたしましても、その簡易保険積立金運用の前途に対して確約を與えた点を了といたしまして、はなはだ遺憾ではありまするけれども、全国全逓従業員の諸君の猛烈なる要望と、地方公共団体及び簡易保険の加入君たちの熱烈なる要望にこたえまして、この事業経営と運用権の不可分一体の方向を最もすみやかに実現するために全力を傾性することを政府に確約をさせ、もつてこの法案に対して條件付で賛成をいたした次第であります。(拍手)
 自由党の諸君は、この法案をめぐつて二つの流れがあつて、郵政委員の各位が、猛烈に制限額の引上げを十万円線まではと努力したにかかわらず、遺憾ながら、政府の一部圧力により、政府の強引なる議会索引政策にひつかかつて、やむなくこの線にとどめを刺したということにおいて、自由党の内部に、すでに命旦夕に迫るところの、余命幾ばくもない姿を見出し得るのでありますが、こいねがわくは與党の諸君は、少くともこの点において、正しいもののためには断固として守り抜くという信念に徹し、一部の勢力に圧せられて正しいものを曲げる方法を断固粉碎せられんことを要望いたしまして、私の討論を終る次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 参議院から内閣提出、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、総理府設置法等の一部を改正する等の法律案及び戰傷病者戦没者遺族等援護法案が回付せられました一この際議事日程に追加して右回付案を逐次議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 まず行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の参議院風付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 次に総理府設置法等の一部を改正する等の法律案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 次に戰傷病者戰没者遺族等援護法案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十二分散会