第013回国会 予算委員会 第20号
昭和二十七年二月二十日(水曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 塚田十一郎君
   理事 有田 二郎君 理事 上林山榮吉君
   理事 北澤 直吉君 理事 小峯 柳多君
   理事 苫米地英俊君 理事 井出一太郎君
      淺利 三朗君    飯塚 定輔君
      江崎 真澄君    江花  靜君
      遠藤 三郎君    大泉 寛三君
      尾崎 末吉君   小野瀬忠兵衞君
      小淵 光平君    角田 幸吉君
      甲木  保君    川端 佳夫君
      栗山長次郎君    小坂善太郎君
      志田 義信君    庄司 一郎君
      鈴木 正文君    田口長治郎君
      玉置  實君    永井 要造君
      中村  清君    中村 幸八君
      西村 久之君    南  好雄君
      今井  耕君    川崎 秀二君
      椎熊 三郎君    中曽根康弘君
      林  好次君    藤田 義光君
      岡  良一君    西村 榮一君
      水谷長三郎君    風早八十二君
      山口 武秀君    横田甚太郎君
      稻村 順三君    成田 知巳君
      八百板 正君    世耕 弘一君
      石野 久男君    小林  進君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
        運 輸 大 臣 村上 義一君
        電気通信大臣  佐藤 榮作君
        労 働 大 臣 吉武 惠市君
        建 設 大 臣 野田 卯一君
        国 務 大 臣 岡崎 勝男君
        国 務 大 臣 周東 英雄君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主計局長)  河野 一之君
        農林政務次官  野原 正勝君
        農林事務官
        (大臣官房長) 渡部 伍良君
        食糧庁長官   東畑 四郎君
 委員外の出席者
        專  門  員 小林幾次郎君
        專  門  員 園山 芳造君
        專  門  員 小竹 豊治君
    ―――――――――――――
二月二十日
 委員天野公義君、宮幡靖君、今井耕君、早川崇
 君、平川篤雄君、水谷長三郎君、山口武秀君及
 び成田知巳君辞任につき、その補欠として大泉
 寛三君、飯塚定輔君、林好次君、竹山祐太郎君、
 椎熊三郎君、岡良一君、林百郎君及び八百板正
 君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員林好次君、椎熊三郎君及び八百板正君辞任
 につき、その補欠として今井耕君、早川崇君及
 び成田知巳君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十七年度一般会計予算
 昭和二十七年度特別会計予算
 昭和二十七年度政府関係機関予算
 分科会主査の補欠選任
    ―――――――――――――
○塚田委員長 会議を開きます。
 昭和二十七年度本予算の各案を議題に供します。これより質疑を継続いたします。小林進君。
○小林(進)委員 安本長官にお伺いいたしたいのでありまするが、電源開発のために政府資金に重点を置き、民間資金の活用と相まつて昭和二十七年度は千二百億円程度の電源開発資金を確保すると言われるのでありまするが、その数字を少し具体的にお伺いいたしたいと思うのであります。
○周東国務大臣 お答えいたします。電源開発につきましては急速にこれを進めるという計画のもとに、二十七年度から大体今の一応の計画は四箇年計画であります。それをその計画のもとに今日大体六百四十億キロワツト・アワーでありましたか、それを完成後において七百六十億キロワツト・アワー程度にまで増加するという目標のもとに、各地域における水力電気の開発を進めるという計画であります。これに対しましては、計画といたしまして資金面におきましては、ただいまお話のありましたように、二十七年度は約千二百億程度であります。四箇年計画を総計いたしまして約四千五、六百億円程度になると思います。さしあたりは二十七年度は千二百億円程度を使いたい。そのうち大体政府資金として考えられるものは、資金運用部資金、見返り資金、また貯蓄債券による六十億円に一般会計から五十億円、三百億円の見返り資金等、政府資金は出しますが、他の残りはこれを民間の資金に仰ぐ、合計して千二百億円程度、こういうふうに考えております。そのうち一般会計から支出する五十億と貯蓄債券による六十億合計百十億を新しくつくりたいと思つておりまする特殊な開発機構に使われるという趣旨であります。それから開発担当者としては、あとさきになりましたが、今までにある九つの会社はもとよりのこと、地方自治団体あるいは企業による自家発電ということにそれぞれ各地域ごとに担当の箇所をきめて開発させるほかに、ただいま申しましたように、特殊な地域只見川とか天竜というようなところ、公共事業による多目的ダムを同時に電気に利用する、こういうような箇所は今特殊な会社をつくつてそれを担当せしめよう、こういうふうな考であります。
○小林(進)委員 ただいま言われました特殊地域と申しましようか、開発規模が大きいというような特定の地点については、新たに電源の開発機構を設けるというようなことを言われておるのでありまするが、その新たな電源の開発機構というものに対する具体的な案と、それからその特定地域というものを具体的にお示し願いたいと思うのであります。
○周東国務大臣 今の特殊な機構と申しましたのは、ただいまちよつと触れましたように、政府及び自治団体等の出資による新しい会社を考えております。これは今までにある九つの会社、あるいは自治団体あるいは企業の自家発電というものを箇所ごとにフルに動かしましても、急速に急ぐためにかなり大きな地域――たとえば天竜とか只見川とかあるいは熊野川というような大きなところがあります。それからもう一つは公共事業で多目的ダムと申しますか、洪水調節、灌漑用水等のためにつくるダムを同時に発電ダムに利用したいというような箇所につきましては、国家資金で仕事をいたしておりますから、そういうところについてはあわせて特殊な会社をつくつてこれに正式に開発をやらせる、こういう考えで今法案を審議中であります。いずれ近いうちに国会に法案が出まして御審議を煩わすことになる、かように考えております。
○小林(進)委員 その特殊地域の開発機構でありまするが、それを特殊なる地域ごとに設けられるのか、あるいは全国一社の形でおやりになるのか、その構想を承りたいと思うのであります。
○周東国務大臣 これにはいろいろ全国を各水系ごとにつくつたらどうかという議論もあるようでありますが、ただいまのところ金の関係等もありまして、さしあたつては全国一社だけをつくつて、それに担当させてやつて行きたい、かように考えております。
○小林(進)委員 これは具体的な例でお示し願いたいと思うのでありまするが、先ほどおつしやいました只見川の開発について、いかなる具体案をお持ちになつておりまするか。聞くところによりますれば、すでに安本案なるもができ上つているかのようにも承つておりまするが、その構想、費用、工事年月日、発電量等々といつたものをお示し願いたいと思うのであります。
○周東国務大臣 こまかい数字の問題は、あるいは御要求がありましたならば、事務当局からお答えをさせてもよろしいのでありますが、大体只見等につきましては、相当に調査を進め、ある一部については着手しているところもあります。しかし水系の中には箇所がたくさんあります。その相当大きな部分の開発を早くやる必要がありますので、そういう点については、この会社が着手して実行して行きたい。これは大体開発することが一つの主要目的であります。その箇所ごとにおける発電量等につきましては、事務当局から説明いたさせます。
○小林(進)委員 この今おつしやいました只見川の問題でございまするが、これについては、従来本流案ないしは流域変更案あるいはまた俗に福島案、新潟案と称するものがあつて、互いに地元で相当の調査を続けながらその長所、短所相争つて今日に至つておるのであります。そこへ安本案なるものが出たのでございまするから、私どももその若干を見せてもらつておるのでありまするが、率直に言つて、その計画が非常にずさんであるというような感じを受けておるのでありまして、あるいは巷間どうも安定本部は政治的に動いておるのではないかというようなうわさも出ておるのであります。もちろんそんなことはないと思いまするが、ただこの只見川につきましては、私どもも現地を調査いたしておりまするし、また学界の権威者につきましても、相当に研究し、また意見も徴しておるのでありまするが、その意見ないしは研究に基きましていかに電源開発、ダムの建設というものが困難であるかということをつくづく感じておるのでありまして、いやしくもこうした国家的な一、二を争う大きなダムなどにつきましては、降雨の時期、降雪の時期、年中を通じて間断ない調査をすると同時に、あるいは土砂の流出埋蔵、そういつた点まで非常に研究を深めて行かなければならないと思うのであります。われわれのざつとの考えでも、百万キロないしは百五十万キロも発電できるような、こうした大きな資源地帶を、まず当面必要な電力の要求につれてずさんな計画でやられては困る、こういう気持が非常に強いのでありまして、今ちようど政争のさ中にあります地域でもありまするので、願わくは安定本部といたしましては、そうした計画はひとつ白紙に帰して早急に強力な調査団を編成されまして、業界あるいは学界の権威者を集めて、白紙に帰つて根本的な調査を開始して、その上に完全なる案を立案するというふうな御計画、御構想をひとつお持ち願えないかどうか、これに対する安本長官の御所見を承りたいと思うのであります。
○周東国務大臣 お話の只見川の問題については、お話の通りあるいはそのダムの設置箇所等につきましても、福島とかあるいは新潟というようないろいろな争いがある点もよく承知いたしております。それからその箇所ごとにおける調査につきましても、すでに相当深く調査がなされておる過去の実績というようなものもあることも承知をいたしておりますので、これが実施にあたりましては、過去に調査されたものも無用に終らぬように、それを活用することはもとよりでありますが、同時にお話のように、もしその調査に不十分なところがありとすれば、十分に新たなる調査を加えて、政府としては完全な最も適当な箇所に適当な方法で実施するという運びになると思います。ことにそのことにつきましては、今度の計画の一つとしては、法案の中に、水源等の許可を受ける場合に、どの地帶にどの箇所を担当せしめるが一番よろしいかということを決定する一つの法的な根担を持つ委員会等もこしらえまして、学界等の権威を集めた団体によつてどの箇所をどういう地帶にやらせるかということも決定するのでありまして、これについてはよほど慎重に扱うつもりであります。小林さんの御発言の趣旨は、十分くんで善処いたしたいと思います。
○塚田委員長 淺利委員の関連質疑を許します。淺利君。
○淺利委員 今電力の問題が出たようですから、この際一言関連して質問いたしたいと思います。
 安本においては総合計画を担当しておられるようですし、全国的な総合計画の上から見ると、道路交通の問題とか、あるいは電力の問題は大きく取上げられるべき問題だと思います。今日までの電力の需給の状況、あるいはその配分の状況を見ますと、かつては日発に統一されておつて全国的に統制されておつた。今は九つに割られておる。しかしながら日本の各地の立地條件から見ましたならば、毎年河川のために災害を受けておる県が非常に多いのであります。この災害を受けておる県が同時に発電の最も有力な地点であります。そういたしますと、この地方において発電したものは地域的に一方において災害を受け、一方においては発電の有利なる地点でありますから、もしこの発電をその地方において消化するということになれば最も安価なる発電ができるのであります。今のように既設の工場地帶にこれを送るということになれば、そこに送電設備の費用もかかり、また途中のロスも非常に多い。もしそれを発電地帶において工業を興すということになれば、今まで貧弱であり、災害だけ受けている地方がこれによつて発展する、こういうことになる。また全国的に見てある地方に人口が集中するということも緩和されると思うのであります。立地條件から見ますならば、あるいは各種の工業等は、販路の都合がよいという一方において利益があり、一方においては、電力において非常に安いという條件があれば、おのおのその條件に従つて各地が平等の発達ができると思うのでありますが、今のようにこれを一方だけに、京阪地帶とか、東京地方とか、九州地方というところに遠いところから持つて行つて、そうして同じ電力の値段をもつて事業を興させる、こういうやり方をしておつたならば、全国的に普遍にこの工業が普及しない。人口の配分が不平均になる。もう一つはむだなコストがかかるというような状況になると思うのでありますが、この点について何かその地方々々に安い電力をもつて、その地方に事業を新たに興すというような総合的なお考えはあるかないか、これが第一点であります。
 第二点は、この電気事業は従来は公営事業が非常に多かつた。私も現に富山県において県営電気の電気局長をして、県営電気を計画したのでありますが、これによつて一方においては災害を防ぎ、一方においては県下の工業を増進せしめ、そうして県の財政を緩和する。こういう目的でやつたものが、あとであの日発に統合せられまして、今日は県がその電力建設のために負うたところの県債とその利子に追われて、しこうして一方においては何ら株式の配当がない。まことに悲惨な状態であるのであります。でありますから、そういうものはその立地條件に応じて、その地方の県にこれを許して、それを認めるというお考えはないかどうか。ことにさきに日発に統合されたところの各県あるいは市の公営電気事業というものが統合されて、株式の配当もほとんどない。そうしてその当時公約せられたところの納付金と申しますか、交付金を、これを各公営の電気を行つておつたところの公共団体に交付する。それに対しては政府は保証しておるにもかかわらず、その保証も今十分に行われておらぬ。こういう状態でありますが、これらについてはどういうふうに処置されるか。これらの点についてお考えを伺つておきたいと思います。
○周東国務大臣 御質問の第一点、各地方における河川の災害等で荒れている地方を、災害復旧をされると同時に、そこに発電が適当な箇所があると認められるが、そういう点についてはやらせるかどうかというお尋ねでありますが、先ほど申しましたように、今度の電源開発の促進に関する施策の中には、特に多目的なダムとして建設されるダムを、同時に発電に利用し得るものは、できるだけ利用することが、非常に国家的に利益であるという立場から、洪水調節のようなダムとか、あるいに灌漑用水のダムとかいうようなものを、同時に発電の設備をそこにして、発電させるということを考えておるのであります。その点については、お話の点に即応するものであると思います。特に公共事業で、河川洪水調節ということのためにやろうとしておる箇所は、相当に多いのでありますから、それらの箇所については、同時にここに発電の設備を考えるという行き方を考えております。そういう箇所については、特殊な関係がありますので、先ほど申しましたように、例外はもちろんありましようが、特殊な電源開発をさせたい、こういうふうに考えておることで御了承願いたいと思います。
 それから第二の点でありますが、今後の開発計画の中には、先ほどお答えをいたしましたように、開発担当者としては今までの九つの会社にやらせることはもちろんのこと、企業自体における自家発電の促進も認める。同時に、公共団体であるところの地方の自治体にも認めるという趣旨で、それぞれいかなる場所をどの担当者にやらせることがよろしいかということをきめて、実行させるということで考えております。二十七年度のおよその見通しにつきましては、地方自治団体の実行する箇所が相当あります。従つて将来その具体的な箇所に応じまして、県営がよろしいか、あるいは自家発電をやらせるのがよろしいか、あるいは九つの会社等にやらせるか、あるいは新しくつくる特殊の機関にやらせるかということを決定して進めるつもりでおります。従つて相当箇所において県営等が行われ得る、またやらせてよろしい、かように考えております。
 それからお話の第三点でありますが、従来県営であつたものを日発に統合されて、それを適当な時期に復元する意思はないかということであります。これはこの前の電力再編成のときにも問題がありました。私どもとしては、事情が許せば、だんだんと元の県へ戻すということも、一つの行き方だということを考えておりましたが、しかし今日の事情下におきましては、まだまだ発電そのものが全体の産業をまかなうに足らない状況にありますので、ある地方に優先的にやらせないで、全般的に見て調節するという意味もありましたから、この前の再編成の場合においては、とうとう元の運営に復元することが認められなかつたような事情にあることは、御承知の通りであります。しかしこれは将来電源の開発が進むにつれまして、必要な場合は県営の開発を認めるという趣旨から見ましても、過去における県営事業を、事情によつてはまた還元する場合もあり得るのではないか。またその方が適当と認めるならば、その方がよろしかろうと私どもも考えておりますが、今日の段階ではそこまで至つておらないということだけを申し上げておきます。
○淺利委員 今の交付金の問題はお答えがありませんでした。それから第一点について、何か誤解があるようですが、私の質問の趣旨は、今のように既設の工場とかあるいは大都会地に、すべて地方の電力を持つて行くというようなことではなく、その地方々々で発電したものは、その地方に産業を興して、低廉なる電力によつて新規の事業を興して、全国的に工場の分布というものの再編成を考える、こういうことを国家の総合計画として考える意思がないか、こういうことが重点であります。
○周東国務大臣 失礼いたしました。今の御質問の点でありますが、もとより私どもそれは必要だと思います。日本の工業立地といいますか、工場の分散計画を考えて行くということは必要であります。今日のように工業地帶というものがある地方に集中していることは、あるいは人口の問題、食糧の問題、あるいは電力の供給事情など、いろいろな点から見ましても、これは必ずしも適当ではないと思います。従つて今お話の御趣旨のように、電力の開発される地帶へ工場を分散させることはどうかという、抽象的な議論からいたしますれば、私はそれは一つの考え方である、かように考えます。ただこれが実行にあたりましては、やはりその電力の開発せられたる地域における電力供給事情とか、あるいは港湾施設とか、あるいは交通施設とかいうものと関連しなければなりませんので、そういう面とあわせて総合計画を立てつつ、工場の分散をはかつて行くということでなければならぬと思います。御趣旨は、私は必ずしも反対ではございません。
○小林(進)委員 ちようど建設大臣がお見えになりましたから、今の問題に関連してお伺いしたいと思うのでありますが、今安本長官にお伺いいたしました只見川開発の問題であります。この問題につきまして、先ほど申し上げましたように、本流案と本流変更案、俗に言う新潟案、福島案があるのでありますが、これに対しましても、建設省ではすでに別の独自の開発案ができておるやに伺つておるのでありますが、これに対する建設省の具体案をお示し願いたいということが一つ。それからいま一つは、特殊地域に対する電源の開発にあたつて、会社機構を設立した方がよろしいか、やはり全国一社の方がよろしいか、こういうことに対する建設省のお考え、以上二つをお伺いいたしたいと思います。
○野田国務大臣 只見川の問題につきましては、現在本邦に残されております最大の水力資源でありまして、これが開発につきましては、慎重に考えて行きたいと思つております。私も実は先日只見川へ参りまして、現地の実情を三日間にわたつて調べて参りました。また新潟県の方も再度参つて見ようと思つたのですが、これは雪のためにはばまれて、見ることができませんでしたが、事情はよく承つて参りましたので、今慎重に研究をいたしております。なお第二点の会社を幾つもつくるか、一社で行くかということにつきましては、政府の方針としては、ただいま一社で行く方向に進んでおるのであります。
○小林(進)委員 これは安本長官にも、とくとお願いいたしてあるのでありますが、今もおつしやるように、非常に重大な、最高の資源地帶でありますので、十分御研究願いたいと思います。特に新潟の方は雪にはばまれて、まだごらんにならなかつたということは、非常に遺憾とするところでありまして、どうか早急にひとつ労を煩わし、これを見ていただきまして、この水源が最も有効に、かつむだなく低康な経費で、しかも短期にでき上るような、非常にりつぱな御計画をお立てあらんことをお願いして、私の質問を終ります。
○塚田委員長 世耕弘一君。
○世耕委員 私は農林大臣、大蔵大臣、その他の大臣にお尋ねしたいと思いましたのですが、岡崎官房長官はきようお見えになりますか。
○塚田委員長 後ほど参議院が終りましてから見えます。
○世耕委員 それではなるべく早目においでをいただくように願いまして、最初に運輸大臣にお尋ねをいたします。
 主として航空対策についてお尋ねするのですが、巷間伝えるところによると、運輸省は百億近くの航空対策費を政府に要求したところ、わずかに三億くらいしか予算が通らなかつたということが伝えられておるのですが、そういう事実があつたかどうか。もしあつたとするならば、どういう理由によつて削減されたのかということを承つておきたいのであります。私の持時間がわずかでございますから、要点だけをかいつまんで御説明願えばいいと思います。時間を省略する意味において、私はさらに二、三他の例をつけ加えて申し上げたいと思いましたが、なるべくそれを省略いたしますから、重点だけ御説明を願いたいと思います。
○村上国務大臣 百億というお話ですけれども、そういう額を要求したことはありません。ただ一部に八十億程度の計画はあつたのであります。しかし今の日本の航空活動のさしあたり予想せられる経費としては、そういう必要はないと私も考えております。ただ日本の航空事業を発達せしめるというためには操縦士、機関士、あるいは整備士、航空管制官等の養成も必要であります。しかし世界各国ともこれらの養成を政府がやつておりまするが、今日本のさしあたりの現状におきましては、そういう必要もなし、米国にむしろ留学せしめて必要員数を整備する方が適切だ、こう考えまして、そういうふうに切りかえた次第であります。
○世耕委員 三億円の予算をとつたということは間違いでございませんか。なおその三億円の予算をどういうふうにお使いになるかということを聞きたい。それはなぜかというと、ドイツの例を申しますと、ドイツでは三十四、五億円の金で、しかも大西洋横断の航空計画すら進めておるというわけであります。もしそれが政府予算でやれなかつたら、民間資本でもそれが活用できるという道を講じておるということであります。今大臣が御説明になりました人的方面の訓練をどうするかということに対しても、西ドイツでも同様苦労しておるようであります。それに対して、むしろ外国にそういうような適当な人物を派遣して、外国の手によつて訓練して行くという便法を立てておるようであります。当然日本においても貧乏国だから大げさな計画はできなくとも、いつでも国家の要請に応じ得るだけの人的要員が今日から訓練さるべきだと思うが、この点に対してどういうような御計画がおありになるか。輪郭だけでもお示し願えればけつこうだと思います。
○村上国務大臣 この約三億円の経費をいかに使うかという第一点のお尋ね。大体いろいろのものにこれは使用いたしまするが、飛行場の整備というものにも相当の経費を要します。また航空路の航空燈台の設置でありますとか、また大都市の市中における照明でありますとか、そういつたものにも相当の経費を要します。ただ飛行場が今日御承知の通りに今占拠されております。そういう関係上講和條約の発効と同時に、一応は必ずこれはわが国に返還されるはずでありますが、引続いて駐留軍の関係上あるいは共用にしたり、あるいは專用にしたり、その要望に応じなければならぬ関係もあると思います。また国際飛行場、すなわち羽田だとかあるいは伊丹だとかいうところは、おそらく日本の民有に完全になるのではないか、またそれを希望いたしておるのであります。そういうあかつきには相当の設備を日本の航空場として適合するような施設も必要であります。まず的確にいえば、どの程度の経費を要するかということが、行政協定の内容によつてかわつて来るはずであります。従つて大体の見当をつけたにすぎないのであります。
 次に人の養成につきましては、先刻申し上げましたように、まず日本で航空訓練所を設置するというのには莫大な経費も要します。これは現状にかんがみましてなお時期尚早の感があると思います。戰争前に航空の技術を持つておる人は、民間において約八千人ほどあると考えます。また軍事訓練を受けた人が一万数千名にもぼつておると思います。しかしながら飛行技術の進歩というものは隔世のものがあることは御承知の通りであると思いますので、どうしても再教育を必要とします。実は操縦士の試験官をつくり上げる目的で、来月の初めに四名をオクラホマの航空訓練所に留学せしめることになつております。これは操縦士の試験官に充当する目的であります。そうして今回提出し、御審議を願つております予算が通過いたしますれば、四月の初めから約二十名操縦士をやはり留学せしめるという考えであります。これは半額を政府が補助する、その意味で三千万円を計上しておる次第であります。
    〔委員長退席、苫米地(英)委員長
  代理着席〕
○世耕委員 大体了承いたしましたが、私は航空機のいわゆる基地、飛行場をつくるのはいつでもできると思います。航空燈台あるいは無線の裝置、そういうような機械は金さえあれば何どきでもできると思います。しかしいわゆる人的な方はそうはいかぬ。何年か、あるいは優秀な者については相当な長い年月の訓練が必要であろうと思うのであります。この点については運輸大臣はまだ御着任間もないことであるから、理想実現というところまで行かないであろうが、頭の中では描かれておるだろうと思います。その描かれておる一端を漏らしてもらえば、国民は喜ぶのではないかと思うのであります。問題は、できたら三億を全部投げ出して、この人的資源、いわゆる航空要員の養成にむしろ充てるべきではないか。必要に応じて追加予算も組んだらよいと思う。行政協定という問題もお話がありましたが、ごもつともだと思います。行政協定もそう長くならぬと思う。つい目の前で行政協定も話合いがつくものと結論的にそう思つております。なおまた今日は米国の優秀な飛行機がわれわれの頭の上に飛んでおる。沖縄あるいは日本の国内にもそれぞれ基地を持つて幾多の人たちを訓練しているのだから、その中に入れて、何か島の方でもいいが、訓練さしてもらうという一つの便法がある。もう一つはヨーロツパでやつておりますように、アメリカにどんどん送つて、この航空要員を養成するということが、今こそ一番大切なときではないか、よく昔の言葉にいいますが、どろぼうをつかまえてなわをなうという行き方は、おそらく賢明な大臣は、そういう愚案はおつくりにならないだろうと思いますが、もう一ぺんこの点を重ねてお伺いいたします。
○村上国務大臣 前刻申し落しましたのですが、立川においても、航空機の検査官の養成をしてもらうという話が、今ほぼ成立しかけております。何らかの方法で御趣旨に沿うような方策をとつて行きたいといろいろ検討を重ねておる次第であります。
○世耕委員 よくわかりましたが、国民の要望のあるところをひとつおくみとりを願つておきたい。
 それからもう一つは、長距離飛行には大型飛行機が必要であるけれども、短距離には私はヘリコプターの利用ということは、特に日本の地形から発達を促す必要があるのだろうと思いますが、こういう方面に関して大臣はどうお考えになつておられるのか。
○村上国務大臣 日本の地形、また日本の需要等から見て、大型はむしろ不適当であるという御意見のようであります。まつたく私も感を同じくしております。現在内地航空におきましては、大体中型機が適当だと考えております。大体DC三とか、DC四とかあるいはマーチンとかいつたような、まず三十人ないし四十五人程度乗る中型機が適当であると思つております。そうして短距離はもつと小型な飛行機、むしろお話のようにヘリコプター等が適当であろうと思うのであります。ただ現在では二人ないし四人程度のヘリコプターが用いられております。いわゆる五五号型という今試作中のものが実用に供せられるようになれば、これは十人ないし十五人くらい乗れるはずであります。おそらく近き将来にそういうものが実用面に現われて来ると思います。従つてただ輸送上の問題のみならず、漁群の発見でありますとか、あるいは航空測量、写真測量でありますとか、あるいはまた鉱山の発見に使うとか、あるいは送電線のパトロール等に使うとか、いろいろ用いる面があると思うのであります。あるいは観光とか、こういつたような面に、今後相当ヘリコプターの五五号が完成しますれば用途が広いと考えて、これをなるべくすみやかに発達せしめるように希望し、また期待しておる次第であります。
○苫米地(英)委員長代理 小野瀬委員より運輸大臣に対する関連質疑の要求が出ております。この際これを許します。
○小野瀬委員 関連じやないのですが、ごく簡單にお伺いします。わが国におきましては、戰前は各駅に運送事業者というものが二店ないし三店ございまして、非常に便利な事業を行つておつたのでございます。それが戰時中を通じ、また終戰直後には政府の命令によりまして、強制的に合同させられまして、單一となつた結果、自然独占事業化されまして、非常に荷主が不便を感じておつたのであります。ところが多分吉田内閣のときと思いますが、運送事業法が改正になりまして、現在は複数制となつておるのであります。これは御承知でありましよう。しかしながらこれはその駅に集散する荷物の量によりまして、ある場合には三店ある場合もあり、二店ある場合もあり、荷物が少い駅におきましては、やはり依然として單数である。これはまことにやむを得ないのでございますが、せつかく政府がそういうふうな考えを持たれて複数制を採用されましても、ここに事業の経営上非常に不便な点があるのでございます。施設やなんかにつきましては、既存の運送業者もあるいは新規に開業した業者も、公平に使用を許されておりまするが、ただ問題は交互計算の制度がまだ完備しておりませんので、先拂い運賃とかあるいは引きかえ証の整理とか、そういうような点について非常な不便があつて、どうしても新規に開業したものは、もともとやつておる業者に対しましては非常に不利な地位に立たされておる。こういう題題につきまして、運輸大臣としては何か戰前に行われておりましたような交互計算制度というようなものを考えておられますか、おられませんか、これを伺います。
○村上国務大臣 御承知の通り今複数制をとつております。しかしながら相当貨物数量がない以上は、かえつて事業として成り立たない。そこにいろいろ好ましからざる問題が起つて来ます。荷主に迷惑を及ぼすということにも相なりまするので、ごく少量の取扱駅は認めぬことにしております。ただ今お話のような交互計算、引きかえ証というような問題につきましては、これはどうしても荷主の要望に応じてそういうふうにして行かなければならないのであります。交互計算はもちろんなし得ることでありまして、相当実施の考慮が進んでおります。しかし引きかえ証につきましては、これは全然資力、信用の問題でありまして、たとい運送業者が法律に基いて荷主さんの要求によつて引きかえ証を発行しましても、これが銀行で割引かれない以上は何もならないのであります。問題はその運送業者の資力、信用にあることであります。簡單にこれは制度だけで解決のできない問題であります。
 なお運送店に一駅に一つ店があるだけでは完全なものではないのであります。理想的に申せば、全国の各駅にそれぞれ支店を持ち出張所を持つということが、運送業者の一單位であるというても、あえて過言ではないと思うのであります。この公益事業は、そういう点において複数制を完全に成り立たす上において、非常に困難な事業であることはお認めになつておると思うのであります。せいぜい完全な複数制を持たすように、当局においては盡力いたしておる次第であります。
○苫米地(英)委員長代理 小野瀬君、時間がありませんからその一問だけで……。
○小野瀬委員 時間がないという御注意でございますので、私はいろいろ交互計算制度、それから引きかえ証の制度のことについても意見を持つておりますが、これは分科会におきまして質問することはいたしまして、もう一つ簡單な問題ですからお答え願います。
 それは常盤線の電化問題でございますが、これは当時関係方面の御了解も得まして、常盤線というものが東京に接続する幹線中でも特に重要な幹線でありますので、いろいろ関係方面からグツドマンとか、あるいはウツドとかこういう方々も実地に見えられまして、交通量も非常に多い。輸送量も常盤炭田等を控えておりまして非常に多い。当時競願と申しますか、各地から陳情がありまして、福塩線、あるいは信越線、中央線、東海道線、こういう路線かありましたが、この重要路線におきまして、東海道線に次ぐというように認められておつたのであります。そして二十六年度は、これが取手駅から以遠を着工するというような見込みか立つておつたのでございますが、これがその後非常に遅れておるのでございます。これはいかなる理由によるものでございますか、お答え願いたい。
○村上国務大臣 常盤線は輸送のヴオリユームにおきまして、また性質におきまして電化に適当な線の一つであるということは、お説の通りでございます。ただ御承知のように、あの世界的に有名な地磁気研究所がありますのでこれを移転せしめるというためには巨大な経費を要するのであります。むしろそういうことをするよりも、ただいま大体成功に近づいておりますジーゼル・エレクトリツク・ロコモテイヴ、これを使つて、要するに架線なき電化をやることが最も適当なのではないかというふうに今考えておる次第であります。
○世耕委員 私の要求している大臣はまだお見えにならないのですか。(「政務次官がおる」。と呼ぶ者あり)大臣でなくてもいいという話だから敬意を拂つてお尋ねしますが、聞き漏らしのないようにしていただきたい。大臣の代理をしてくださる方だからお尋ねしますが、鶏に米を食わすとどういう結果になるかということをこの間大臣に聞いた。鶏に米を食わしておるとみな脚気になつて死んでしまう。それと同じように、日本人は知らず知らずに米を食つて頭を悪くしておる。私は米を食つていたから戰争に負けたと結論しておる。また米を食つているから結局戰争なんか考え出したのだ、こう言つているのだ。食糧事情が今後の日本の新しい文化を生み出すのだということを、私は主張しているのでございますが、この点について農林大臣はどういう考えを持つておるか。それともう一つは、時間がございませんから省略しますが、だいこんをつくつてごらんなさい。いい肥料をやればおいしいだいこんができる。それはだいこんが肥料を選択するのだ。また同時に、東京でねぎと言いますが、ねぶかと申しますか、あのねぎに金肥をやつてごらんなさい固くて食えないでしよう。そればかりではない。ねぎのにおいがなくなる。あれにもし植物性のものをやつてごらんなさい。鼻の先につんと来る本来のねぎというものが生れて来る。植物ですら自分の取入れる肥料に対しては選択しているので。日本人に今日食糧に対して選択するだけの頭の働きがありますか、ないと私は断言したい。ないというその根本の理由は、日本人自身の頭脳にもあるだろうけれども、その指導者の、衝に当る農林省自体が頭がないのではないかと私は思う。ここをひとつ根本的にお考えを願いたい。もう一つ例を上げますと、魚にえさをやつてごらんなさい。どのえさをほうり込んでも、配給されたえさをむしやむしや食いますか。金魚だつて食いませんよ。必ず選択する。日本の国民の大多数は、農林省から配給してくれたやつは、砂が入つていても石が入つていてももみが入つていても、むしやむしや食つているじやないか。そんな民族がはたして発展するか。優秀な頭脳の持主である日本民族が、食糧のために今行き詰まつていると私は言いたい。ここをひとつ根本的に考えてもらいたい。外国から輸入するところの外米にあたるものが約三億ドルといつております。この三億ドルを食いとめる簡單な方法がある。これをこれから御伝授申し上げたいと私は思つている。農林大臣が来られなかつたら、優秀な政務次官がおいでになるのだから、農林次官にお話がわかるかどうか、ここをしつかり聞いておつてもらいたい。農林省の役人の頭の切りかえが必要だ。開墾費を三百億も五百億も今度予算をとつておる。新しいところを開墾してどれだけの收益があつたか調べてごらんなさい。もやしのような麦が出ておる。あれは六十か七十過ぎたおじいさん頭のように、広い土地にもやもや生ええておるのが開墾の麦ではないか。それに何百億金を使つておる。今またそれを繰返さうとしている。愚の骨頂である。だから食糧対策はこれから進んでいただきたい。この間自由党の議員から御熱心な食糧問題についてのお話があつたようですが、これにはあまり興味があられなかつたようだが、私は非常に熱心に謹聽した。私は一人でも熱心な同僚議員の食糧問題に直劍に取組む人の現われることを期待する。そこでこの間申し上げたように、イタリアは米を日本へ送つて、自分らはマカロニを食つているじやないか。その原因はどこにあるかと調べてみると、結局米は栄養価値が少い。だから日本人に食わせて自分らはマカロニに栄養価があるのでそれを食つてあの大きなからだを、しかも張り切つた体力を維持できるじやないか。それでわれわれは三等米か四等米か御飯にしても味も油けもない細長いものを食つている。あれはイタリアの米です。ろくろく検査もしない米をわれわれ食つているのは、愚の骨頂だと言いたいのはそこなんだ。私はこの間そばの問題を申しました。そばに対する研究も農林省されているはずである。われわれ同僚の松岡俊三君は、学説のとなえる千メートル以上のところにそばははえぬと言つたのを、それをぶちこわして、今度は代表的なりつぱなそばを山形の山のてつぺんでつくつております。われわれの文化はわれわれの努力において開かれるということは、こういう点について申し上げることができるのであります。これは時間もありませんからあまり詳しいことは言いませんが、大臣にぜひこの点を考えていただきます。その根本問題として、総合食糧というものをまず確立しなければならぬ。その総合食糧の確立に対して農林省はどれだけの予算を今後組もうと思われ、また現在どれだけの予算をそういう方面に振り向けているかということをひとつ御説明願いたい。
○野原政府委員 現在の国民食糧が、非常に米に偏重しておるという点は同感でございます。何としましても米だけを特に頼りにするということでなしに、あらゆる総合的な観点から、食糧対策を進めるという点におきましては、今日政府では大いに麦を食べてもらうという方向と、また酪農等の振興によりまして、蛋白質の給源を酪農の方面からも十分取入れる。また同時に海産物によりまして、現在相当の蛋白栄養をとつておりますが、将来またその方面におきましても、十分国民の栄養源としまして期待をしておるのであります。さような点から今後の食糧問題は、従来ややともすると米に対する非常に強い要求がございましたが、漸次その点は他のさまざまな食糧に切りかえるようにいたして参りたいと考えております。肥料のお話もございましたが、これは化学肥料が非常に多く使われておりますけれども、化学肥料に対する欠陷というものも、また相当認識されておるのでありまして、これはできるだけ自給肥料を増加いたしまして、土地の生産力を増強せしめる。土地そのものの本来の性格が、漸次化学肥料によつて失われておるという点につきましては、これは従来の化学肥料偏重に対しましては、大いに是正する必要があろうと思つております。従いまして、政府のとつております有畜農家創設のための積極的な措置によりまして、大いに酪農、畜産を振興すると同時に、自給肥料の増産に努めまして、土壤を肥沃にせしむる。そうして化学肥料のみに頼る施策を私どもは修正して参りたいと考えております。今日政府が食糧増産のためにとつておりました予算措置といたしましては、この委員会で御審議をいただいておりますが、食糧増産経費といたしまして四百億円の予算を計上しておるのでありますが、そのほかに金融措置といたしまして、農林漁業資金融通法によりまして約二百億、そのうち約百億円は土地改良その他の施設、いわゆる食糧増産に直接関係のある方面に資金の融通をいたすつもりでおります。なお有畜農家の創設並びに維持、無畜農家を解消するという面におきましても、二十四億円の融資をいたしまして、その利子の補給をするということを考えております。なお総合的な食生活の改善という観点からいたしまして、特に二十七年度におきましては、新しく農林省の食糧政策の一環といたしまして、学校給食の問題に対しましては、特に政府の手持ちの麦をできるだけ安くその方面に差上げまして、そうして必要なミルク代その他の資金の融通のための全額利子補給というような新しい道をとりたい。全国の学校兒童等の給食問題を通じまして、国民の栄養の改善、食生活の改善をはかりたい。それによりまして、先ほど世耕委員のお話のような総合的な観点から、日本の国民の栄養を改善する。そしてまた米にのみ偏重しておつた従来の食糧政策を切りかえたい。さように努力する考えであります。
○世耕委員 ドイツ人はあれだけの体格とあれけの文化を持つている。その食糧を調べてみますと、主食はじやがいもです。じやがいもがドイツ文化をつくつておる。ところが日本では、じやがいもは全国至るところに植えればつくれるわけです。このじやがいもの生産に対して、農林省はどういう計画を新たに持つておるか。なおまたこの間も申し上げましたが、そばも同様です。そばの産地は至るところにある。そばは一反歩一石とれるとすれば、春、夏、秋と三回にとつて四石五斗とれる。これは私は農林省の統計を見せていただいたのだから間違いないでしよう。そうするとこの三億ドルに及ぶ外貨は支拂わないで済むのではないか。ここが政治の根本なんです。私の聞いておいていただきたいのはここなんです。日本人は米をやめろというのではない。ドイツ人はじやがいもでいわゆるドイツ文化を築いているではないか。日本は米に依存し過ぎたから、今つぶれかかつているのじやないか。だからこれの切りかえをなぜやらないか。しかもそばも麦もつくるのに適しているじやないか。地元の宝をなぜ開発しないのかということが根本です。ここから農業政策、農林行政が出発しなければだめだということを申し上げたい。
 もう一つは、牛乳の話が出ましたが、牛肉の話もおのずから同様であります。私は米を輸入するより、日本人の食う食糧を輸入するよりも、家畜の食うえさを輸入しろというのです。家畜の食うえさを輸入して、家畜をうんと飼つて、そこから肥料、食糧を生み出せと言つている。これがすなわち生きた政治なんだ。家畜の食うものを人間が食つていたことが戰争時代にあつた。それは矛盾している。だから行き詰まつてしまつた。食糧を輸入する金があるならば、それでえさを輸入しなさい。農林大臣は鶏を飼つているというが、それくらいの頭が働いて研究的に飼つているのだろうと聞こうと思つていた。鶏にえさをたくさん食べさせて、卵を生ませて肉を食べる。これが根本対策だというのです。根本問題として道はわかつていますが、こういうところに目安を置いていただきたいと私は考えております。また土地改良の問題も、数百億をお費しになつていることもけつこうと思いますが、従来のような土地改良の形ではだめです。それは学者の遊戯にすぎない。その他にもつと進歩的な科学的な方法があるということをここに申し上げております。時間がないから申し上げませんが、以上の諸点について農林大臣によろしくお伝えを願いたい。農林大臣は陽気な人だが、私の見るところ締めくくりのない人だ。だからあなたがしりの方でしつかり締めくくつてもらわぬと、私の注文が筒抜けになつてしまいます。どうぞこの点はお願いいたします。
○野原政府委員 食糧政策に関しまして、世耕委員の該博な御意見を拜聽いたしまして、農政上非常に参考になる点が多うございました。まつたく同感の点が多いのでございまして、ドイツ人の魂がばれいしよによつてあそこまでになつたという点、またかのデンマークがやはり同様に、あの荒地を開いて大いにばれいしよを増産して、今日のようなゆたかな農業国家になり得た。そこには農業、酪農あるいは林業と一体になつた大きな復興があつたということを、われわれは他山の石として学ばなければならぬと考えておるのであります。また総合食糧の点におきましても、今日政府の施策としまして、実は飼料の問題等につきましても、飼料を輸入した方がよろしいというお話でございまするが、これは御承知の通り麦を相当たくさん輸入しておりますので、その麦の加工から相当の飼料はできております。しかし飜つて考えれば、国内での飼料の増産は実は相当可能だと考えております。厖大な牧野があり、その牧野の利用の状態が実は今日まで非常に遅れております。粗放な利用の状態でございますので、何とかしてこの広大な牧野の利用をより一層集約して高度に利用する、土地の生産力をより一層高めたいということから、二十七年度の予算には牧野改良のためにも相当程度の予算を計上しております。かような点で政府の今日考えております食糧政策は、お話のようにあらゆる面から総合的に考えておるのであります。もとより澱粉、あるいは澱粉の原料たるばれいしよ、あるいはさつまいも等につきましても、今日あらゆる観点からそれらの増産がより一層着実に行くように考えております。従いましてその価格等の問題につきましても、さまざまな観点から、澱粉の原料たるばれいしよ、あるいはかんしよ等が十分生産できるような体制に進みたいと考えておる次第であります。
○苫米地(英)委員長代理 世耕委員、時間が切れましたから、あと一問くらいにしておいてください。
○世耕委員 実は私の時間にほかの方の関連質問がありました。それと大臣の説明がこれまた非常に熱心なために、時間が非常に食われたのでありますから、これはぜひ少しばかり余分の時間をとつていただきたいと思います。
 なお私が申し上げたのは、農林省として食糧政策上特に国民に教育を施してもらわなければならぬのは、米が一番栄養になるのだという観念をなくして、米がはたして日本人に適するのか、栄養価値があるのかということの研究をもう少し普及させていただきたい。米がそばよりも栄養価値が少いのだ、じやがいもが米よりもさらに栄養価値があるのだ、麦が米よりもさらに栄養価値があるのだということなんです。今国民は盲目的に米を信じている。そこに錯誤がある。私たちが今日食糧対策を論議するのは、單なる量の問題で論議しているのではなくて、いかにかして日本の国民の食生活をして文化的ならしめんがために実は論議しているのである。ただこの方が腹がふくれるだろうとか、これなら間に合うだろうというようなおためごかしの議論を私はここでしているのではないのでありますから、この点は十分戰時中の食糧対策のような矛盾したようなことを私は言うているのではないということを申し上げたい。あるいはまたほかのものを食べてもおなかが一ぱいにならぬというようなことをよく言うのです。これは日本の国民が胃擴張を起している。原因はそこに指摘されるのであります。だから米を食うために日本人の生命が短縮しているという結論がはつきり出て来るのです。ここを十分ついていただいて、ほんとうの文化的食糧をわれわれのこの時代に完成すべきだという力説なんです。だから衣食住の重大な問題のうちで、住と衣とは非常な進歩をしているけれども、食糧においては神武天皇と同じものを食つているではないか、こういうふうに私が指摘しているのは、ここを言うているのでありますから、どうぞこの点を御了承願いたい。
 それから大蔵大臣がおいでになりましたから、二、三点お尋ねして、私の質問を終りたいと思いますが、御病気のところ特に勉強しておいで願つたのだから、私の労も勉強して簡單にお尋ねいたします。われわれの調べたところによりますと、税金が相当滞納していると思うのです。これまでのところでは七百四、五十億円税金がたまつておる。この三月までに一千億を飛び抜けやせぬかというふうに憂えているのですが、そういうようなことがないかどうか、またあれば、それに対する対策をどうおとりになるか、予算と非常に重大な関係がございますので、この点をひとつ。
    〔苫米地(英)委員長代理退席、委
  員長着席〕
 もう一つは、これは私の手元に政府からいただいた資料をもとにしましてお話申し上げるのだが、実は糸へんが一時景気がよかつたが、糸へんが非常に景気が悪くなつて、ちよつと概算で調べただけでも三十四、五社で四十億円くらいの負債で、解散あるいは倒産というような状況にならておるが、この原因はどこから来たのであるか、この二つだけ伺いたい。
○池田国務大臣 租税の滞納はお話のように一時千億円ばかりあつたのであります。この原因は昭和二十二年、二十三年、二十四年のあのインフレ時代におきまする税務執行が十分適正に行われていない結果でこうなつて来たのであります。従いましてこの七、八百億あるいは千億近い滞納を個別的に調べまして、御承知のごとく昭和二十六年度からは、滞納者を一応資産内容の十分なものがただ金詰まりで納められないものと、それから資産内容が悪い、税金の決定が無理だというものとわけまして、事実税金の決定が無理なものは個別に訂正をいたします。しかし税金の決定はよかつたが資産内容は悪いというのは、三年間待つて別調査をしよう、こういうふうにわけましたので、全体としては七、八百億ありますが、今徐々に整理をして行つております。昭和二十六年度におきましては、税金の新規滞納はあまりございません。ただ非常に法人税などが上つて参りましたから、一度に納めるのを二回に分割して納めるようにいたしました。これは滞納の部類に入らない。今は整理期間でございまして、ここ三年間過ぎますれば、すつきり整理ができると思つております。最近税務の執行は相当改善されて参りましたので、二、三年前のようなことはないと考えております。
 次に糸へん景気が悪くなつて相当滞納ができないか、こういうお尋ねでありますが、昨年三月の決算期は非常によろしゆうございまして、当時は一こり二十万円を越えるというような値段でありましたので、非常によかつた。昨年の九月はわれわれとしては半分ぐらいの利益になるのではないか、こう思つておりましたが、そこまで行きませずに、三月に対しまして糸へんの方が大体八掛ぐらいのところでとまりました。糸へんと申しましても、紡績とパルプ、紙とは違いまして、パルプや紙はいまだによろしゆうございます。紡績の方がちよつと悪い。最近の糸へん関係で、紡績会社の方は、米綿が四、五日前に一日に二セント半も下るというようなことと、それから製品が一こり十一、二万円で、あまり利益が出まいということと、海外への輸出が十分でないということで、全体として十分でないのでございますが、従来のようによくない、こういうことでございますが、紡績会社自体におきまして、そう赤字が出ている紡績会社はございません。何と申しましても、日本の紡績の十大社というものは、相当内容がよろしゆうございます。ただ最近に起きました一工場一万鍾程度あるいはそれ以下のものが新設の工場にありますので、不如意のものもあると思いますが、紡績業全体といたしましては、まだ堅実なものでございますいます。ただ糸へんの中でも、紡績を取扱つている商社の方は目下困つているのが多いようで、今大蔵省、日銀、あるいは通産省、各銀行等と十分協議いたしまして、切抜け策を講じつつあるような状況であります。
○世耕委員 復金の方の仕事が今度開発銀行に切りかえられるということを承つておりますが、私の聞くところによると、復金の不良貸しが相当――ちよつと概数で五百億近いものがある。かなり厖大な金額になるわけでありますが、その不良貸しを開発銀行に肩がわりするとき、みなこれを償却する、棒引きする、こういうような形で扱うやにうわさを聞いておるのですが、さような事実はございませんか。
○池田国務大臣 これはまつたく反対でございまして、復金の貸付は一時千億円を越えておつたのでありまするが、回收状況はすこぶる良好でございます。予定以上にどんどん返つて参ります。全体といたしまして千億円も貸せば四、五パーセントは回收不能というか、あるのが通例らしいのでございますが、この復金の回收につきましてはほとんど全部返つて来る、しかも相当の利子をとつておりますので、赤字は一切出ない、こういう確信を持つております。
○世耕委員 景気のいいお話ですが、必ずしもそうじやなさそうです。けれども、今ここであなたと数字をもつて争うことは御病気中だから御遠慮申し上げます。
 もう一つ、行政協定の分担金の問題を一点だけお尋ねしておきますが、この分担する主体性はどこにあるのか、日本のために分担するのか、アメリカとの協定のために分担するのかということは非常に重大な問題ではないか。日本の安全保障をするために分担するというならば、また意味はおのずからかわつて来るわけですが、アメリカの利益があるからそこで分担するんだ、こういうことになればまずそこで分担の率がかわつて来るわけであります。その方面はどういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○池田国務大臣 安全保障條約によりまして、日本の治安に対しまする空白状態なくするために、われわれが希望して駐留してもらうのであります。従いましてわれわれはこれを負担する義務があると考えております。そうしてこの日本の負担いたしますのは、今協議中でありまするが、六百五十億円を限つております。これ以上ふえることはございません。しかもアメリカ側におきましては、アメリカ駐留軍の給料、被服、食事、裝備、あるいは日本とアメリカその他の移動の費用を全部向うが見る。そうして日本に駐留した場合、日本で支拂う労務者とか、国鉄の運賃とか、あるいは光熱費、それから通信費、これは日本で支拂われる金の大体半分を日本で負担する。半分を向うで負担する。こういうことになるのですから、アメリカの駐留軍が日本に駐留するための全体の費用から申しますると、私は日本が負担するのは一割程度と考えます。
○世耕委員 一割程度が私は気に入らないのです。できれば自分のことは自分でやりますからというふうなことに出て行くのが、日本人の気風に合つたことであります。金がないからいたしかたないといたしましても、その気魄が私は必要であると思う。その点についていろいろな疑惑を生じて来るわけなんです。この疑惑を一掃することが、政府として非常に大切なことじやないか。人心に影響することが非常に大きいと思います。もう一度この点に対して明確な御答弁をしていただくことが、国家のために必要だと思うのであります。
○池田国務大臣 日本の国は日本人が守るという気魄は望ましい。われわれもそうありたいのでございまするが、しかし経済的に、財政的に申しまして、武士は食わねど高揚子というわけにも行きませんので、しばらくの間、気魄に欠けたと言われるかもしれませんが、アメリカ側にひとつ守つてもらう、そのうち日本で守り得るようになりたいものだ、こういう方針で進んでおります。
○塚田委員長 世耕委員に申し上げますが、大分時間を超過いたしておりますから、この一問で……。
○世耕委員 時間がありませんから省略させていただきますが、かんじんな大臣が来てないので困つておるが、これはあとにいたしましよう。大蔵大臣にもう一点念のためにお尋ねしておきますが、大臣の今の御説明だと、まことにわれわれも納得行くのです。納得が行くのだけれども、国際情勢がはたしてさような立場で押し切つて行けるかどうかということに、一つの不安がある。それでアメリカさんが何ゆえに日本に親切にしてくれるのかということの背後が、いろいろな問題を発生して来るのであります。これが疑惑の起きて来るところの問題ではないかと思います。いずれ別の機会にお尋ねすることがあると思いますが、もう一点だけ、これは岡崎さんが来られたらぜひお聞きしようと思つていたのですけれども、賠償問題です。ダレス声明によりますと、賠償金は拂わぬでもいいのだと言つた。ところが最近は各所から賠償の問題が出て、賠償の交渉にこちらが出かけておるということは、ダレス声明と少し食い違いがあるのじやないか。それともう一つは、われわれは、非常に恩惠的な平和條約だと思つておりましたが、内容を検討してみますると、必必ずしも恩惠深い、やさしい平和條約ではなかつたということ、たとえば領土の四五%が日本の支配権を失つておる。台湾、朝鮮は別といたしましても、千島、樺太の線においても、われわれはその領土から離れなくやちならぬということを考えると、お金の方は拂わなくて、あるいは少く拂つていいのかもしれぬが、領土の面においては高い賠償を支拂つているという感じが、国民の中に起つておるのであります。そうすると、ダレスさんの人道的な、世界平和の根本の精神から出た宗教的な見地から申しますと、そこに非常な矛盾が出て来る。この点について、大蔵大臣はどういうお考えをお持ちになつておるかどうか。私といたしましては、今度の平和條約における日本の負担というものは、決して軽いものではない、非常な罰を食つたきびしい賠償が、ここに規定されておるものであるということを、力説いたしたい。同時にまたかようなダレス声明に反した懲罰的な條約が日本に押しつけられるとするならば、やがて私は次の時代に忌むべきところの結果を生み出すであろうということが想像されるのであります。この点が私の誤解であればはなはだけつこうでありますが、大蔵大臣として御見解を承つておきたいと思います。
○池田国務大臣 平和條約がきついかきつくないかは、大東亜戰争中あるいは直後の状態を考えて、各自が判断すべき問題だと思います。私はいろいろな点から申しまして、そうきつい平和條約ではないと考えております。
 それから次にダレス声明と言われますが、われわれは平和條約第十四條の規定によりまして、賠償義務を負担しようとしておるのであります。従いまして十四條の規定をがつちり腹に入れ、この精神によつて行くよりほかにない。いたずらにかけ声で驚かないように、がつちり行くべきだと考えております。
○塚田委員長 石野久男君。
○石野委員 周東安本長官にお尋ねいたします。先日大蔵省からと、それから外国為替管理委員会の方からと、両方からポンド貨に対する対策が発表されております。その結果として、ポンド地域における輸出が非常に押えられるような結果が出て来ているように思われるのであります。相当市場の縮小が予想されると思いますが、それに対してどのようなお考えを持つておられますか。
○周東国務大臣 一昨日ポンド過剰対策として、一部ポンド地域に対する輸出を制限するような処置をとつたことは、お話の通りであります。しかしこれはあくまでも暫定的な処置でありまして、今日の状態からいたしまして、ポンド地域におけるドルに対するポンド安の立場から、当該地方における物価高というようなことも影響して、ややもすると日本の方からそつちの方へ出したがるという傾向があります。これは必ずしも堅実な面ばかりではなく、国家的な立場から申しますと、ポンド地域に出るだけで、ポンドがたまりましても、必要な物資をかわりに入れることができなければ、やはりいろいろと経済的な影響も多いのであります。そこで発表したように、予約期間を切つたり、あるいはポンド地域の輸出に対する保証料的なものの歩合を上げたりするようなことによつて、一時的にその他方における輸出の調整をはかつたのであります。これは多少の影響があるといたしましても、国家的に見てやむを後ざる処置と私は考えております。
○石野委員 その結果として、二十七年度計画の国際收支上の見通しの点で、非常にまずい結果が出るようなことはないでしようか。
○周東国務大臣 これは今後の問題でありますから、見通しは的確にどうなるということは申し上げることはできないと思いますが、しかし私は達観してみまして、そうあまり悪い影響が起るとは思えない。と申しますのは、一部ポンド地域に対する輸出の調整をやるる一面におきまして、ドル地域への輸出につきまして、日米経済協力を通じて必要なものの輸出ということがこれから起つて来る。その間におけるドル、ポンド地域の調整によつて輸出の総額というものについては大した影響はない、こう私は考えております。
○石野委員 ドル地域に対する輸出が増進するだろうという見解でございますが、これはちよつと私必ずしもそうばかりは思えないのであります。今度大蔵省からは輸出手形金融の制約が、一応発表されておりまするし、また輸出の予約期間の短縮等も発表されておるのであります。ところが本日の新聞を見ますると、日銀の意向としては、金融引締めはやらない、こういうことでありますが、この間の考え方の相違はどういうふうに大蔵省としては考えておりますか。
○池田国務大臣 御承知の通り、最近の外貨の手持ちは、昭和二十六年度におきましては三億五千万ドルばかりを増加いたしまして、昨年末で九億ドルを越えるという状態であります。それでこの一―三月の貿易の見通しから申しますると、私の今の見込みでは一―三月で一億八千万ドルあるいは一億九千万ドルの外貨の増加になります。そうしますと、過去二年余の間に約十一億ドル近い外貨を日本が持つわけです。日本の国内の物資が少くなつて、金だけ積んでおく、こういうことでは日本の経済の脆弱性がますます加わるのですから、今までにおきましても、特にポンド地域からの輸入につきまして、あらゆる手段を講じて参つたのであります。すなわちポンド地域からの輸入について日銀の融資あつせんを強化するとか、あるいは輸入手形の担保をごく下げて一%程度にするとか、あるいはポンド地域からの輸入のために自動承認制をふやすとか、外貨予算をふやすとか、あらゆる手を盡したのでありますが、なかなか思うように行かない。それは結局二ドル八十セントというポンドが二ドル三十セントないし四十セントに下りまして、実際言つたら、ポンド地域は物価が非常に高いので輸入しようにもせられない。ドル地域から輸入した方が楽なんです。日本の貿易というものは、ドル地域から安いものを輸入して、それを加工して高いポンド地域に持つて行くという不自然な状態でありますので、これを何とかかえなければならぬというのが私の考えであつたのであります。昨年の十一月ごろにも、今問題になつております輸出手形の期間の問題、これは外為あるいは通産省と相談しておりましたところが、ひよつと漏れまして、輸出の契約が何千万ドルと非常にかさむようになつた、そういうことが行われますので、私はあらゆる点を検討いたしました結果、日銀、外為あるいは通産省とも相談いたしまして、先週の金曜日の閣議で承認を得まして、そして折衝の上、土曜日の午後に発表したわけでございます。この構想は何と申しましても、ポンド地域からの輸入をふやさなければならぬ。その場合におきまして、今商社におきましては金融に困つている。そこで輸入せよといつていかに日銀があつせんいたしましても、商社はそれだけの力がないという状態でありますので、日銀の融資あつせんを強化すると同時に、ポンドあるいは外貨を低利に貸し付けるつもりでございますが、それによつて輸入をはかつたらどうか、こういうのが根本の考え方であります。いろいろな説がありました。輸出をとめることはよくない。これは私も同感であります。だから、まず物を輸入することと、それで外資をかせごう、こういうことで行く、これが根本であります。しかしそれでもなおきかない場合におきましては――それでもなおポンドあるいはドルがふえる場合におきましては、第二段としてさしむきポンド地域への輸出につきまして、信用状が発行せられたときから貸付け割引を始める、こういうことで一応行こう。実は今までは契約からすぐ外貨の取引を多くいたしておつたのでありますが、それが契約期間の三箇月、それから信用状が来てから三箇月、都合六箇月――それを一応三箇月で行つたらどうかというので契約期間を待たす、これも原則をきめた場合でございまして、品物によつてはある程度のことはまかして行くつもりでありますが、原則はそういうふうにいたしたい。なおそれでもきかない場合におきましては、ポンド地域の輸出手形は今大体八掛見当で割引しておりまして、百万ポンドのものなら八十万ポンドか、場合によつては九十万ポンドもございますが、この八掛を六、七掛くらいにまで物によつては下げたらどうか、こういう考えもいたしましたが、これは相当きつくこたえますので、この分については今やつておりません。これは情勢によつたらこういうこともあると私は発表しているのであつて、今すぐ輸出手形の割引の掛目までやろうとはいたしておりません。これは石野君御承知の通りベルギーなんかはもう輸出税にかわるような、ポンド地域への輸出に対しては相当の強制貯蓄をやらせている。そういうふうなことをやつて、ヨーロツパにおきましても、ベルギー・フランは一応ドルと匹敵するような状態になつているので、こういうことを考えまして、とにかく外貨がたまるばかりで、品物が日本になくなつては困りますので、まず輸入して参りたいという点から出ているのであります。しかしこれは国際間の商売でございますから、情勢によりまして、いろいろな手を盡して行かなければならぬと思います。
○石野委員 今お話のような意見ですが、それに対して日銀の方では、現状からしてはそういうような処置をする必要がないというようなことを言われておるようであります。それに対する所見を伺いたい。
○池田国務大臣 それはたれがそんなことを言つておりますか。私は一万田総裁にもお話をし、外為とも話をし、一応これで行こうということはもう相談ずくであります。
○石野委員 今のお話で、大体日本の今の国際的な貿易関係から来る事情は、非常にきゆうくつなものになつて来ておる。そして特に外貨は非常にたまり、物資が非常に不足するという実情はるる述べられたわけです。こういうような観点から、必然的に物の面の統制がが、いろいろな点から強化されなくちやならぬ事情が出て来るのではないかというふうに考えられるのであるが、政府はこれに対してどのようなお考えを持つておりますか。
○周東国務大臣 ただいまの事情については、大蔵大臣からもお話があつた通りであります。だからといつて、今後いつまでも物資の面において輸入が非常にきゆうくつになるとは考えないのであります。それあるがためにこそポンド地域とドル地域との調整をはかりつつ、しかもドル地域におきましても、目下進行しておりますドル地域における鉄鋼石や石炭の開発による資源の輸入ということを促進しつつ、それに見合つてこちらからの輸出も出て行くような形に持つて行こう。今まで片方に偏しておつたことは事実であります。同時にドル地域に対する輸出も多くし、ポンド地域からの輸入もする方針をとつておりますので、一時的に多少の影響はありましても、二十七年度を通じて見まして、今からいろいろな処置によつて、いろいろな物資に対して見込みをつけておるわけであります。
 第二段のお話の、しからばきゆうくつになるだろうから、すぐに物資の統制をやらなくちやいかぬじやないかというお尋ねでありますが、これについては、たびたび申しましたように、一般的にはまだその必要を認めておりません。しかし世界的に稀少の物資を有効に使つて、日本はもとより、民主主義国家の有効需要をはかるために、稀少物資等については使用制限とか、あるいは用途制限をやるということが順次起つて来るかと思つておりますが、それらにつきましては、最近発表しましたタングステン、モリブデン、銅、ニツケル、コバルト、そういう面については、その一部はすでに実行に移つております。
○石野委員 物資の面での統制が必至になつて来ておるという実情は、おそらく自由党の政調会でも、すでにそのことは問題になつておるそうでありますが、われわれもそれは当然やらなければならぬと思つております。
 それから先ほど日銀との関係において、池田さんは非常に憤慨されて、だれがそんなことを言つたというのでありますが、そういうようなことが、もしかりに金融上の処置としての輸出手形の金融制約などをやるということになれば、必然的にこれに関連する中小企業者がたちまち困つて来る、そういう実情が目に見えておるのでありますが、それに対しては、それならば大蔵省として、特に池田大蔵大臣として中小企業に対するこの面から来る金融的な処置あるいは救済策というようなことを、特にここで考えておられるかどうか。
○池田国務大臣 今度の施策につきましては、関係各省、日銀と相談の上でやつておるのであります。それで、事柄をよくお考えにならぬといかぬと思うのでありまするが、輸出手形の問題と割引の問題とは別でございます。割引の問題につきましては、日銀の方でも今ただちに八掛を六掛とか七掛とかに下げるというのは行き過ぎだというので、われわれの方もこれは情勢によつたらやるけれども、今はやらない、こう言つておるのでありまするから、よく事柄をはつきりさせてから御質問になりませんと、誤解を招くようになるのであります。従いまして、そういう措置をした場合に、中小企業関係の輸出業者に対して、どういう措置をとるかという問題であります。これにつきましては、先日も触れましたが、商工中金から引揚げるべき金を十三億程度二箇月延ばします。それから一般市中銀行から政府に返つて来ます――昨年二月の政府指定預金が九億余り返つて参りますから、それを商工中金の方に出す。それから従来予定しております毎四半期四億五千万円の商工債券、これも資金運用部で引受ける、こういうふうにこの二月、三月につきまして中小企業の中心金融機関であります商工中金の方に金を出そう、こういう手配をとつておるのであります。こういう問題はやはり一旦やりまして、実情を見ながら徐々に手を打つて行くべきだと考えておりまするが、金融面につきましては、中小企業にはそういうふうなことをやつております。それからこの問題のみならず、昨年の春からのしわがだんだん寄つて来ているのが、昨年の秋ごろから出て参つております。今日にかけても出て来ておりますので、一般的のいわゆる輸出入商社に対する金融措置は、別途講じておる次第であります。
○石野委員 時間がないので多くをとれませんが、今の中小企業に対する施策は、おそらく繊維の問題だけに関してさえも、明年度の施策として五十億以上のものが特別に必要だということは、さきの公聽会のときにも公述人から話があつたのであります。私はそれだけではとても中小企業に対する施策としては出て来ないだろうと思う。
 問題をほかへ移しますが、農林関係で二、三質問します。
 農林省としては、前にも話があつたのですが、タバコの件について、以前タバコの民営の問題が出ておりましたが、外資導入のためにタバコ民営ということを今でもなお考えておられるかどうか。これは大蔵省の所管でありまするが、しかし耕作者の立場から農林省に聞いておるわけであります。
○野原政府委員 タバコの国営、民営というような問題は、まだ私がここで御回答申し上げるような段階でもございませんし、また私もよく存じておりません。ただタバコをつくつておりますいわゆる耕作農民の立場から申し上げますならば、これはいわゆるタバコをつくつております地帶の農民にとりましては、相当大きな問題だろうと思います。いずれの場合にありましても、まじめな耕作者がそれによつて相当の收益を上げ、農業生産を続けておりますることに対しては、支障がないようにいたさなければならぬ。もしさようなタバコの経営をどうするかというような問題が起きます場合におきましては、農林省は農民保護の立場から、やはり農業政策の一環といたしまして、農民の立場を十分尊重し、その不安なからしめるような線に十分の連絡を持つと同時に、農林省の主張をいたしたいと考えております。
○石野委員 先ほど農林次官は、自給肥料の問題を特に強調されておつたのでありますが、有畜農を奨励することによつて、自給肥料を獲得することも一つの方法であるが、特に山間地帶等においては、自給肥料のために落葉を拾うことが非常に困難になつて来ておる。土地改革の線から山林の問題が非常にやかましくなつてそれで現地においては非常に困つておる実情がある。こういう問題に対して何らかの施策、たとえば国有林の中の用材林になつておるところで、あまり伸びがよくないところを薪炭林にするとかいうようなことの処置をおとりになるようなお考えがあるかどうか。
○野原政府委員 農地改革等によりまして、従来採草林あるいは草刈り場あるいは放牧地等にしておりましたそれらの地帶が開拓されてしまつた。そのために必要とする採草が不可能に陷つたというような問題に対しましては、適当な代替地があれば、努めてその代替地を提供するという方針で進めておつたわけであります。またこの農地改革の精神に基きまして国有牧野に対しましては、これはできるだけ地元の要望に沿うように開放することによりまして着々開放を進めております。なお牧野として利用すると同時にまたこれが森林の形態になつておるというものに対しましては、これは採草を許す。特に国有林の場合におきましては、これはそうした国有林の林として管理すると同時に、この中からの採草を、いわゆる利用権を設定するというような措置によりまして、十分地元の利用に供するという方針で進めておるわけであります。なお薪炭林あるいはまた採草地等が少いために、従来の施業計画によりまして、たとえば用材林を造成するというような予定でありましたものも、その地方の地元の山林に対する実情といわゆる要望の事情とを勘案いたしまして、施業計画を変更いたしまして、それらの要望にこたえるような措置をとつておるのであります。今後とも十分農業計画とマツチさせた林業政策をとりたいと考えております。
○石野委員 岡崎国務相がおりますから、岡崎さんにお尋ねしますが、先日宮崎情報文化局長がモスクワ経済会議の旅券発給については、それは好ましくないというような意見を発表されております。本日の新聞によりますると、同様なことがまた報道されておるのでございまするが、このモスクワ経済会議に対する旅券の件については、やはり新聞等で報ぜられておるような考え方でおられるのですか。
○岡崎国務大臣 今、新聞に報ぜられておりますのは、旅券法等の問題だと思います。そこで今は総司令部の保護のもとにおりまして、総司令部としては連合国総司令官がやつておりますから、各国に在外使臣等がありまして、その保護のもとにありまするから、日本の者が外国へ行きましても、当然その保護を受けられるわけであります。日本が講和條約を締結して独立国として平常関係に入つた国に対しましては保護がありますけれども、そうでない国については保護がない。そこで旅券法等において、ある種の支障があるであろう、こういう意見だと考えておりますが、それ以上のことは新聞等に出ていないと思つております。
○石野委員 政府としてはその旅券法のどういう條目によつて、この問題についての新聞等に報ぜられておるような考え方を持たれるのですか。
○岡崎国務大臣 旅券法の條文はここに持ち合せておりませんが、旅券は適当でない場合、不必要になつた場合、いろいろの場合において返還を命ずることができることになつております。というのは、つまり旅券法の目的を達成できない場合には旅券を発給できないことになつております。そういうような技術的な問題であろうと考えております。
○石野委員 旅券法の第十三條の項目によりますると、第一号から第四号までは、おそらく今回のモスクワ経済会議に招聘されている諸君は、ほとんど該当しないと思うのです。この五号のところに問題があるわけで、「著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある」ときに、外務大臣がこれを許可しない、こういうようなことになるとわれわれ解釈するのであります。本日の新聞によりますると、第十九條の旅券返納という項目の第四号、これが適用されるように見られるのであります。第十九條第一項の第一一、第二第三号にはほとんど該当しないと思います。その第四号によりますと、「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」こういう規定でありますので、岡崎国務大臣は担当の立場から、この條項を適用して旅券を発行しないという考え方なんですか、それをはつきり伺いたい。
○岡崎国務大臣 まだ旅券を出すとも出さないとも言つても言つておりません。しかしながら新聞に出ていたことは、今申されたように、日本の国民は現在では総司令部の保護のもとにあるけれども、條約発効後は平常関係に入らない国に対しては、日本政府としては保護する道がないので、旅券法では困難であろう、こういう意味であろうと思います。但し旅券を発給しないとかするとかいう問題でもないし、また外貨の問題もあるかもしれぬし、そのほかいろいろの考慮はあるかと考えております。
○石野委員 旅券の申請が行われてないからというのですか、それでは申請が行われれば所定の旅券法によつて取扱うということは、はつきり政府として言えるわけですね。
○岡崎国務大臣 旅券法に基いて発給しないかするか、むろんきめるわけであります。
○石野委員 さらに宮崎情報文化局長は談話を発表して、第十三條をどう解釈するかにあるのだが、自分としては好ましくないというようなことを、はつきり言われておるのですが、担当の大臣としてはこれに対してどういうような意見を持たれますか。
○岡崎国務大臣 旅券法等は非常に技術的な問題でありまするから、私も正確にその法案についてお答えするだけの知識は持つておりません。ただ今申した通り、日本の国民を保護するのは政府の義務であります。その保護する手段がなければ、旅券発給は困難ではないかというのが外務省の意見であります。
○石野委員 時間がないので多くを尋ねられませんが、同じような関連する問題で出入国管理令の問題がある。これについては中国あるいは朝鮮人で内地に在留する諸君が非常に困つておる。現にこの出入国管理令によつていろいろと喜良な朝鮮あるいは中国の諸君が、内地できびしい取締りを受けておるように聞いておるのでありますが、この出入国管理令の問題については、少くとも一九四五年九月二日以前から日本に在留している韓国人あるいは中国の諸君は、なるべくこれの適用外にしてくれという要望を政府に出しておると思う。またそれ以前に在留する諸君に対しては、朝鮮国の場合には国籍の強要が非常にされておつて、大韓民国に籍を置くのならば寛大な処置をするけれども、そうでない場合にはお前らすぐ出て行けという非常にきびしいことを言つておるそうであります。これらの在留朝鮮人の諸君は、朝鮮の統一を望んでおるので、それを今しいて大韓民国でなければならぬということを言われるのは困るというような要望が出ておるわけであります。従つて国籍の問題については、完全に朝鮮が統一されるまでは選択の自由を認めてくれということを政府に要望しておるはずであります。この二つの点に対して政府はどういうような見解を持つておられるか。
○岡崎国務大臣 あの法律は各国の例をとりまして、十分研究してつくつたものでありまして、実はあの法律は世界でも優秀なものであると自負しております。しかしながら実際の取扱いにおいて、国内に居留しておる中国人、韓国人等が著しき不便がありとすれば、取扱いの面ではできるだけそういうことのないように努力はいたします。なお南鮮、北鮮を区別して、南鮮の方に国籍を持てと強要したような事実は全然ないと信じております。これはまつたく自由であります。
○石野委員 これも確かめておきたいのでありますが、特に在留韓国の諸君に対しては、その国籍の問題が末端においては非常にやかましく論じられておつて、実際警察官とかなんとかが、それに対してきびしい取締りをしておるそうであります。この点について今岡崎国務相からは、そういうことはないはずだということであります。これは末端にまでもよく徹底してもらいませんと、せつかく善良なこれらの諸君が居を失うような状態になるのではないかと、戰々兢々としておる事実があるのであります。政府は積極的に下部に指示していただきたい、こういうように私はお願いしたい。
 それから運輸大臣にお尋ねしますが、運輸省の予算によりますと、七十二億の港湾施設に対する予算が、二十七年度に含まれておるのであります。これは行政協定との関係がありましようが、主要な港湾においては、相当程度が進駐軍当局によつて接收されていると承知しておるのであります。東京、神戸、横浜、門司、これらのところは少いところでその埠頭延長の七一%、大きなところになると九二%までは、これを接收されておると存ずるのであります。七十二億の港湾施設費の使用先は、おそらくやはりこういう方向に相当程度は使われてしまつて、日本側の埠頭利用の点に対しては、非常に少くなるじやないかというふうに思われますが、この点について七十二億の予算と、港湾設備の進駐軍に接收されているものとの関係はどういうふうになるか、それについての所見を伺いたい。
○村上国務大臣 接收港湾につきましては、お説の通り横浜、神戸は大体七〇%接收されております。大阪、名古屋は全然提供しておりません。関門港におきましては門司側が大体九〇%、東京港も約九〇%、福岡港が大体八〇%であります。その他の少数の港湾でも接收されておる分がありますが、これはごく一部分であります。お聞き及びだと思いますが、横浜港その他もおいおい返還されております。横浜港のピヤーはすでに返還されており、神戸も近く一部分は返還される予定であります。そういう状態で、返還を受けますれば、日本の情勢に適応するように若干の施設をこれにせにやならぬと思つております。しかし現在でも横浜、神戸等返還されることを相当期待いたしておりますけれども、日本の商船隊の活躍、また日本の経済、産業の発展にマツチさせるために、横浜においても今一本ピヤーをつくりつつあるような次第であります。神戸においてもそうであります。二十六年度におきましては、五十六億の港湾施設費を使つております。二十七年度はお説のごとく、七十二億の港湾施設費になつております。これは広く使つておりまして、ここにも大体の計画のものがありますが、全面的と言うてもいいように港湾施設を進めつつあります。特に日本海の港湾のごときは、戰前よりも一層施設は進んでおります。なお安全宣言を先般行いましたことは御承知の通りであります。ただ日本海方面では、今日国際情勢上船が行かぬために、せつかくの港湾施設が活躍されてないということをつけ加えておきたいと思います。
○塚田委員長 石野委員に申し上げますが、すでに五分ほど経過しておりますから、あと一、二問程度でお打切り願います。
○石野委員 接收の状況が、非常に大きな率になつておつて、そのために日本における港湾の利用率というものは、非常に低下していると思う。従つて私の聞きたいのは、七十二億の予算で、どの程度新に日本の港湾利用度の面に用益が出て来るかということであります。その点についてもう一応御答弁をいただきたい。
 それからなお吉武労働大臣がおいでになつておりますので、一問だけお聞きしておきたいのでございます。これは行政協定の進行しておる過程において、特に朝鮮水域等で働いておる港湾労働者の諸君や、あるいはまた進駐軍労組の諸君の取扱いの問題でございますけれども、これについての答弁はさきにもありましたが、それでは十分でありませんので、いま一応四つの点だけをお聞きしておきます。それは行政協定が行われた後において、労働者の管理機関というものをどういうふうに考えておるかということ。それから第二番目は、労働者の充足について、それをどういうふうにされるかということ。それから第三番目は駐留軍と政府との関係がどういうふうになるかということ。それから第四番目は労働條件の問題でございますが、今後紛争とかいろいろな問題が起きた場合、国内法がどういうふうにこれに対して施行されて行くかということであります。
○吉武国務大臣 お答え申し上げます。駐留軍の労務の関係についての第一のお尋ねは管理機関でございますが、元来労務は使用する者と使用される者との間に直接雇用関係の生ずるのが普通でございます。しかしながら、組合等におきましては、間接の雇用をも望んでおるようでございまするから、それで便宜的な措置としてそういう方法も考えたいと思つております。従つて管理機関ということになりますと、直接雇用関係が生ずればもちろん直接雇用いたしまする者が管理するのでありましようし、また間接関係になりますれば、間接に管理する方の機関が管理するようなことになろうと思います。従つて私どもとしては、現在の特調のような機構が必要ではないだろうか、かように存じております。
 第二にそういう労務の充足の方法でございますが、これも従来特調等の機関を通じてやつておりまするので、できるだけそういう機関によつて充足する方がお互いに便利ではないか、かように存じます。
 第三にお尋ねの駐留軍と政府との関係でございますが、今申しましたように、間接に労務を充足するということになりますれば、その間に政府が介在するようになります。
 第四のお尋ねの労働條件に関する国内法の関係でございますが、これはもちろん国内法が適用せらるべきものではないか、こういうことで目下折衝をいたしております。
○村上国務大臣 どうも今お話の御趣旨は十分に私のみ込めない点があるのでありますが、おそらく港湾の施設に対して、どういうぐあいに七十二億を使つておるかというお尋ねだと思うのであります。大体港湾施設につきましては、内地と北海道とに大別しております。内地は六十七億四千万円、北海道は五億一千万円であります。内地の六十七億四千万円をさらにわけまして、港湾事業費に三十八億七千万円、港湾災害復旧事業費に二十八億七千万円、こういうことに大別せられます。そうして港湾事業費の……。
○石野委員 ちよつと違うのです。こまかい問題はまた分科会とかほかでお伺いしますが、七十二億というのは接收されておるような埠頭に対してはあまり行かないのか。全然新設という形で行つて、新たに接收されるような方向へその予算は行かないかどうかということを聞いているのです。
○村上国務大臣 もう新たに接收されるという段階ではないと思うので、全部一旦返つて来るはずなんであります。さらに行政協定によつて協力せぬならん分がそれから生じて来るということを……。
○石野委員 それを聞くのです。
○村上国務大臣 これは行政協定によるのでありまして、現在ではまだ明確でありません。
○塚田委員長 稻村君に関連質問を一問に限りお許しいたします。稻村順三君。
○稻村委員 この前木村法務総裁に私が、駐留軍関係の労務者に、日本の労働関係法規を適用するかしないかという質問をしたのに対して、木村法務総裁は、駐留軍が直接の雇用者である限りにおいては、日本の労働法規は行政協定のとりきめのない限りは適用しないという、こういうはつきりした、断定的な答弁でございました。ところがきようの石野委員の質疑に対しまして吉武労働大臣は、どういう形の、直接であれ、間接的なものであれ、労働條件に関するものは、日本の労働法規が適用されるという、こういう答弁であります。これは両大臣の間に重要な食い違いがあります。一体どつちがほんとうなのか、その点をはつきりしていただきたいのです。
○吉武国務大臣 決して矛盾があるわけじやございませんで、私が申しましたよううに、駐留軍に使われる労務につきましては、国内法たる労働法規が適用せらるべきものであると思いまするので、その線に沿うて目下行政協定の折衝をしておる。ですから行政協定のとりきめによつては、どういうふうになるかわかりません。けれども目下のところは適用するように折衝をしておる、かように言つておるわけであります。
○塚田委員長 小林進君。
○小林(進)委員 時間がありませんので、まとめて箇條書でお尋ねしたいと思うのでありまするが、それについて大臣も、ひとつ簡潔明瞭かつ時間を省くようにお答え願いたいと思うのであります。
 第一番目に運輸大臣にお伺いいたしたいと思います。私は相当の質問を持つておりまするが、その中のきわめて切実な問題からお尋ねしたいと思います。それは特に農道、林道の問題でございますが、現在農村へ行きますと、鉄道が敷設してあつて、農民の農道並びに林道、特に農道でありますが、それを遮断しておる。農道と林道の間に鉄道が走つてその高さが二メートル、三メートル、所によつては十メートルもある、こういうような形が非常にあるのであります。ところが最近農地改革その他でだんだん林道、農道が整備せられて、――農村はほとんど荷車やリヤカーで作業するのでありますが、鉄道に一切の作業が遮断せられておる、ためにそこに通行の一つの踏切りをつくつてもらいたい、あるいは十メートルくらいの所は隧道をつくつてもらいたい、それがないと農民は作業をするために半道も一里も遠まわりをしなければならない、そういう場所が非常に多いのであります。従つて農民は隊伍をなして毎年々々管理局その他の鉄道へ陳情請願に行つておりまするが、今日なおこれが開始されたためしがない。いつも費用がないとか何かの問題で、放任せられておるのでありますが、これはきわめて切実な問題であります。しかも全国的な問題であります。これに対して具体的な調査をただちに進めていただくと同時に、どうかこれが救済策を早急に立てていただきたい。これに対する運輸大臣の明確な返答をお願いしたい、これが第一問であります。
 第二問は、これは水難救済に関する問題でありまするが、各漁村には、もと帝国水難協会というものがありまして、そこに所属いたしておりまする船が、漁師、漁民の生活を守つて、水難の救助に当つておつたのであります。ところが終戰後それが資力、資材の関係で、形はありますけれども実力がない。けれども実際に港を守つて漁師の生命を守つているのは、こうした水難救助の船であります。ところが現在費用がないものでありますから、地方自治体等がわずかな費用を出して、それを養つている形でありますけれども、現在海上保安庁の強化につれて、どうしてもこういう問題に重点を指向していただきませんと、ほんとうの水難救済事業が完備いたしませんので、これに対して運輸当局は一体どういう具体案をお持ちになつておるか、またどれだけの補助金を用意せられておるか、こういう問題をお伺いいたしたいと思うのであります。第二問であります。
 第三問といたしましては、現在何か航空機の生産が再開せられる。聞くところによりますと、運輸省と通産省とがまた行政管轄の争いをしておられるやに聞いておるのでありますが、これに対する御意見。
 いま一つは、運輸省で行政をやつておいでになります海運と造船の問題でありますが、現在ともかく海運の船運賃が相当厖大なもので、聞くところによりますれば、米炭三十ドル、その中の二十ドルが船運賃に支拂われておるというようなことを聞くのでありますが、この矛盾を解決するために、あるいは海運業者の方で用船あるいは買船というような計画を持つと、造船業者の方で強力な反対が出る。そうすると運輸省がこの造船業者に非常に味方をして、そうした買船、用船を非常に反対をしておられる。ために高い品物――石炭とか鉱石とか塩などというものは、原価は非常に安いのでありますけれども、この船運賃を加えると結局高いものになる。高い資材でつくるために高い船ができたり、品物が高くなるというような、こういうような矛盾があるということをしばしば聞くのでありますが、なぜ特別にそういう造船の保護にのみ片寄つて、経済の矛盾を是正できないのか。こういう三つの問題についてお尋ねいたしたいと思うのであります。
    〔塚田委員長退席、有田(二)委員
  長代理着席〕
○村上国務大臣 踏切道特に農道、林道に対して、鉄道の新線建設に際して遮断されておる、これはそう多くはないと思いますが、しかしながら今お話によれば全国的だというお話であります。そういうことがあれば、これは何らか適切な処置を講じなければいかぬと思います。ただちに調査をいたしまして善処したいと考えております。
 次に水難救済会のことについてお尋ねがありました。これは一口に言えば、以前の消防というような組織のものでありまして、今全国に約二万の隊員とも申すべき人がおりまして、救済に従事する船はたしか四十六、七隻あると記憶しております。実はこれに対して、海上保安庁はもちろんありますが、これが有機的に結びついて活躍するということは、非常に望ましいと思うのでありますが、二十四年度には、わずかではありますが、百万円の補助をしたのであります。しかしながら関係方面の強い主張によりまして、そういうことをするならば、むしろ海上保安庁をすみやかに充実しなければいかぬという観点から、これが二十五年度以降補助を出すことは許されないという現状であるのであります。一面におきまして、会員としては大体十八万人、全国津々浦々にあるのであります。これらの会員の会費というものに依存することは、あまりに妥当でないと考えられる点があります。もとより会費の額も少額であります。それで、二十五年度以降は、いわゆる青い羽根運動をいたしまして、募金をいたしておりますが、実際の手取りはとにかく二百万、三百万程度であるのであります。本年は海の記念日に当つて、この青い羽根運動を強く展開して千万、できれば千五百万くらい集めたいということで、当事者は張り切つておる次第であります。御説の通り海上保安庁の機能が十分に充実しましても、こういう機構を保育して行くことはすこぶる必要だと考えて、適時適当な手を打ちたいという考えは持つております。
 次に民間航空について争いがあるというお話であります。おそらくこれは民間航空工業の所属についてのことだと拜察いたします。これは今せつかく政府部内で調査検討中でありますから、しばらくお待ちを願いたいと存じます。
 次に海運と造船の関係についてのお尋ねでありましたが、その要点は運賃が不当に高いということだと存じまするが、御指摘の通り塩のごときはある場合には九割が運賃だということは事実であります。けれども御承知でありましようが、運賃は太平洋運賃同盟、またその他の運賃同盟がありまして、それに違反することは許されないのであります。運賃同盟に入らぬ以上は、荷物の積取りはできないというのが現状であります。それで日本だけできめることはできない。他の公益事業におきましては、すべて政府が認可する制度になつておりますが、この海運賃、特に遠洋航路の運賃は、運賃同盟できめて行くということに相なつておる次第であります。
 なお買船について関連してお話がありましたが、買船は従来終戰後多く行われました。約五十万トン程行われたと記憶いたしております。しかしながらこれらの船はみな三十年以上の船齢を経たものばかりでありまして、性能においても不十分な点があつたのであります。こういう古い船を購入するということでは、とうてい日本の商船隊の競争力というものがなく、貧弱であるのであります。それでただいまでは船齢を二十五年未満ということにいたしまして、このうちでも最近の実績によつてそのスピードなり、その他の点について性能を十分検討しまして、買船の許可をするという方法をとつておるのであります。ただこういうぐあいに一定の條件、制限を付したということは、お聞き及びだと思いますが、先般も買船で海上分解をしかけたというような事実もあつたことは御承知の通りであります。ある程度に制限をすることは絶対に必要なことであると思うのであります。
○小林(進)委員 次に労働大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。現在審議会で労働法の改正が審議されておるようでありまするが、この労働法の改正は労働組合法本来のあり方から申しまして、あくまでも労働組合を保護するという立場で私は決定すべきものであると思うのであります。願くは独立しようという今日、国民的労働組合を育成する、こういう大きな観点に立つて、これを処置していただきたいと思うのであります。聞くところによりますれば、現業公務員や公共企業体の労働組合、職員団体に争議権、団体交渉権を與えるかどうか、あるいは職権仲裁を認めるか認めないか、こういう二点が何か未解決の中心になつていると承つておるのでありますが、これに対する労働大臣の御所見を承りたいと思う。あくまでも労働法は労働組合の保護――もしこれが大きなゼネストまでに行きあるいは二・一ストその他これに類似するような行為があつた場合が仮定せられても、それは別個の法律できめるべきじやないか、労働法規の中にこうした取締り的な條項を入れるということは、労働組合法本来の建前からいつて間違いである、こういうふうに考えておるのでありまして、この点私は労働大臣の明快な御所見を承りたい。
 第二番目といたしましては、これは緊急失業対策法に基く日雇い労働者の問題でございますが、今日の政府の予定人員といたしましては毎日十四万五千百十三人、稼働日数二十五日、こういうふうに計算をしておられて、しかも昨年よりもこの人員が二万人も少いように予定せられておるのでありますが、実際の国内事情ではむしろこうした失業者が激増いたしておる現状で、これがどいう見解で少く見積られたか。
    〔有田委員長代理退席、委員長着席〕
そして日雇い労働者の平均賃金を一体幾らに換算しておられて、その地域差――この地域差がある場所、町によつてはなはだ違うのでありますが、こういうのを一体どんなぐあいに考えておられるのか、具体的に一つお伺いいたしたいと思います。
 なお労働賃金、これは今年度の見通しとして、どういうふうな形を示すか、これも労働大臣の見通しを承つておきたいと思うのであります。以上の三点であります。
○吉武国務大臣 お答え申し上げます。第一点は労働法規の改正の点でございますが、これは御承知のように目下労働関係法令審議委員会に諮問をいたしております。御指摘になりましたごとく、問題の点は現業労務者あるいは公共企業体労務者に争議権を與えるかどうかという問題と、職権仲裁あるいはまた調停のようなものをやるかどうかという点に集中されておるようであります。御承知のように公企業及び政府の現業の労務者は、普通の労務者とは性質が違いますので、これにただちに争議権を持たすということは適当ではないのではないかと、私は率直に考えております。また職権仲裁もしくは職権調停のような制度につきましては、争議は原則として労使双方において、自主的に解決すべきことは当然であります。しかしながら自主的に解決できない場合に、争議に訴えることもまたやむを得ないと思います。しかしなが争議に訴えた場合において、国民の生活を著しく危胎に陷れるような事態になりましても、なおかつそれはしかたがないのだということは、独立後における日本のこの大事なときにおいて、私は放置すべきものではないのではないか、そういう万一の場合に合理的な機関によつて合理的に解決するという道をつくるということは、私は必要ではないか、かように存じておるわけであります。
 第二にお尋ねになりました日雇い労務の関係でございますが、これは御承知のように二十五年の朝鮮動乱以来失業者の数は漸次減少をしております。現に日雇労務に就労しておりまする人の数も、大体二十五年の七月が登録人員四十五万くらいでございましたのが、昨年の暮れころは三十五万あまりに減つておるような状況でございまして、しかも稼働日数も二十五年の七月ころは十五、六日でありましたものが、今日では二十日を越えておるという状況でございまして、私はこの点はそう心配の状態とは思つておりません。なお失業者の数も漸次減少をしておるような状況でございます。大体二十五年の七月四十七、八万ございました完全失業者が、昨年の半ば以後は三十五、六万くらいに減つておるような状況であるのであります。なお来年度も公共事業費も相当増しておりまするし、また電源開発等の事業も起つておりまするので、そう心配をしなくてもいいんじやないか、かように存じます。
 なお賃金の点でございますが、賃金の点は今日大体平均二百二十五円を日給に考えております。もちろんこれは平均でございまして、地域によつて違いまして、東京のごときところは、二百七十円くらいを考えております。これは御承知のようにリヴイング・ウエージの賃金標準の線がございまするので、大体それにならつて地域的に考えております。
○塚田委員長 小林君に申し上げます。大分正午もまわつておりますし、あと一名質疑の通告がありますので、この一問で結論をおつけ願いたいと思います。
○小林(進)委員 労働大臣の言われた公企業体職員並びに公務員の争議権でありまするが、これは憲法二十八條にも認められているということが、学者の定説になつておりますので、これをまつこうから否定せられるということは、労働大臣の労働行政のエキスパートには似合わない保守反動的であるということを痛感するのでありますが、時間がありませんので省略いたしまして、次に私は岡崎国務大臣にお伺いいたしたいと思うのでありまするが、日米の行政協定は、すでに今週中に仮調印をしてラスク特使はこれを持つて本国に帰る、こういうことが新聞に報道せられておるのでありまして、これからうかがつても内容はほんど完成せられているということは、もう否定できないと思うのであります。その仮調印までに至らぬとしている内容の中で、緊急事態の処置がどのように決定せられておるか、行政協定の本文の中に規定するということに、ほとんど意見の一致を見たというふうに、われわれは確かなる報道を得ておるのでありますが、これは行政協定の本文の中にはつきりうたわれるのか、あるいは了解事項になるのか、あるいは先般の御質問のように、事態が起きたその場所になつて初めてこれが取上げられるのか、これをひとつ明確にお尋ねしたい。
 第二番目といたしましては、軍事基地の協定の問題でございまするが、この軍事基地の協定につきましても、巷間もはや五十だ、六十だ、そういう場所が協定せられたというふうにも報道せられる一面、また米軍の駐留区域あるいは使用施設、建物等は調印後の合同委員会にかけられて、その決定にまつのであるというふうにも言われておる。これは合同委員会の決定にまつのか、あるいはもう仮調印に達する今日において、これは決定しておるのであるか、私はもう決定したものと推定される余地がある。なぜかならばもう米軍は不必要なる品物は、ああやつて返還するのでありますから、返還する建物がある限り、必要な品物もちやんと打合せが済んでおると思うのでありまして、この点をひとつ明確に私は御返答を顔いたいと思う。
 それから第三番目の刑事裁判の管轄権の問題でありますが、これは米軍軍人、軍属、その家族までが駐留地以外の公用、私用の場合においても犯した犯罪について日本の裁判権を受けない、こういうことが規定せられておるのでありますが、一九四七年の米・比間の軍事基地協定においてフイリピンにおいてさえも、この軍事基地以外におけるところの米人のその犯罪については、いわばフイリピン国が裁判権を持つ、こういうふうに決定せられておるにもかかわらず、われわれはフイリピン並の取扱いを受けないで、こうした私用、公用にかかわらず、日本全国至るところのそうした犯罪に対して、日本が権限を持たないということは、これは一体実質上においてどこにわが日本の独立があるのか、講和條約の調印をして、ペーパー・プランだけはでき上つたけれども、現実においてはアメリカの軍隊が一体全国幾箇所に駐留するか、しかも駐留の場所は国民の前に示されない。しかも半秘密的かあるいは農民においても一万有余町歩の耕地が随所で取上げられておる。あるいは私の知る範囲においては、ある一つの部落は全部耕地を取上げられて、娘は転業してパンパン、部落一つがパンパンになつて細やかな生活をしておるというような生々しい現実も行われておる。将来ああやつてわれわれははだかにせられて――一体だれがはだかにした。はだかにせられて一切の軍用基地、軍用車、建物、それを開放して開拓だ、移民だと大騒ぎをしてそれを育成して来た。それが二年、三年たたないうちにこれがまた取上げられ、しかも取上げる場所さえも予想がつかない。取上げらてパンパンに転落し、あるいは失業者に陷るというような、こうした朝令暮改の政治が一体どこにあるのか、しかも今も言うように裁判官轄権さえもわれわれは持たない、われわれは一昨年の十一月でありますが、銀座で友人と歩いているときに、二人向い合つて来る米人とすれ違つた。そのすれ違つたときに、彼は酩酊しておつたか、いたずらか、冗談半分か知らぬが、ぐんと私のみぞおちを突いて私は昏倒した。倒れたけれどもあそこには銀座四丁目の交番がある。その交番に行こうと思つたが、日本の交番へ行つたつて頼みにならない、相手がアメリカの軍人であれば頼みにならない、私は一週間みぞおちの痛みを押えながら実に切々たる敗戰国の悲しみというものを味つて来た。こういう小さなトラブルで泣いている国民というものが、われわれの同僚の代議士にもこれに類似したものがあるはずだ。こういうものがちよいちよい行われておる。これも将来われわれに裁判の管轄権が與えられない、あるいは警察には若干の権限があるかもしれぬが、それがある限り依然としてわれわれは屈辱的な気持でついに行かなければならぬ。講和の独立と、現実のこの問題と一体どこにいくばくの差があるか。私は官僚政治だ、あなたは官僚の上りだ。大体官僚というものは権力にしがみついて、そのにおいをかいで立身栄達する道は知つておるけれども、国民のことを考える力がない。今われわれの日本が一体どうなるか。どこに独立国と属国と植民地との違いがあるのか。私はこの問題を真劍に考えていただきたい。
 いま一つ私は申し上げる。以上三点とあわせて、ヤルタの協定がアメリカの上院において、これは権利がない、留保するということが言われた。対日講和條約で千島と南樺太――ヤルタ協定は第三国人が結んでいる。われわれは関係がないかもしれぬが、その協定の根底に流れて南樺太、千島を取上げられた。被害者はわれわれなんだ。そのヤルタの秘密協定さえも、今アメリカの上院において、これは効果がない、留保を食つて対日講和條約を批准せんとしている。それに対してわが日本は一体いかなる処置をとつたか。この千島、樺太の帰属について政府はいかなる手を打つたか。政府はアメリカに何か要求したか。この問題をわれわれは明確にしてもらいたいと思うのであります。
 なおあわせて対日講和條約に基く第十四條に、海外におけるわれわれの財産の没收処分、これは一体幾らになつておるか。現在価格に見積つてどれだけの金額になつておるか。以上私は三つの点について、いま少し岡崎国務大臣の明快なる答弁をお伺いしたいと思うのであります。
○岡崎国務大臣 第一は、非常事態と言いますか、緊急事態に対する措置がどうなつておるか。これはただいま話中でありまして、昨夜もおそくまでいろいろ話をしたが、まだきまつておりません。内容については、まだ交渉中であるから申し上げられません。
 第二の点につきましては、五十幾つかの軍事基地が話がきまつておるだろうというお話でありますが、これはあとから申すことと関連しますが、軍事基地という観念は全然持つておりません。それぞれの施設及び区域について協定をいたすのでありますが、これはまだ全然進んでおりません。いずれ行政協定ができますれば、予備的な話はいたそうと考えております。しかし正式な決定は独立後になります。
 フイリピンの裁判管轄権のことを言つて、日本のことと比較されましたが、これはおそらくあなたはたての一面だけをごらんになつておるのだと思います。フイリピンの協定によりますれば、あれは今申した通り広範囲な軍事基地があつて、その軍事基地の中では、フイリピン人も第三国人も、アメリカ人も、アメリカの裁判管轄権に服し、そして基地外ではそのかわりフイリピンの裁判管轄権に服すという、これがいわゆる治外法権の明らかな形であります。これはただいまの国際慣習から申しますと、あまりよくないということに傾いておりますので、われわれの方では施設区域と申しますが、原則としては、施設区域内においては、アメリカ人に対してはアメリカが裁判権を持つけれども、そのほかの国民の犯罪に対しては、日本側で裁判権を持つ、そのかわり施設区域の外であつても、アメリカ人に対してはアメリカが裁判権を持つ、日本人に対しては日本が裁判権を持つ、こういう国際慣例になつております。なおこれにつきましては、ただいまいろいろの点を調整して、いわゆるNATOの協定というものがつくられつつあります。北大西洋條約に基く行政協定であります。これがもし成立いたしますれば、日本としましては、今つくつておる協定に基くか、あるいは北大西洋條約各国でつくつたものによるか、どちらでもオプシヨンと申しますか日本の選択の自由があるということにいたしたいと考えております。
 それからヤルタ協定の問題でありますが、これについてはたびたび申した通り、われわれの方はポツダム宣言に基いて行動をとつております。ポツダム宣言は受諾したのであります。ポツダム宣言の中には、日本の領土は四大島とその周囲にあるわれらの定める小島に限ると、こういうことになつております。そのポツダム宣言を受諾した以上は、連合国が定める領土を、われわれが甘受するということになるのであつて、これはやむを得ぬと思います。われわれはポツダム宣言だけに拘束されており、ヤルタ協定には何も拘束されておらない、こういうことに相なつております。
○塚田委員長 椎熊三郎君。
○椎熊委員 私は本日この委員会において、総理大臣から直接お答えをちようだいしたいと考えておりましたが、遺憾ながら出席がない。情においてははなはだしのびないが、担当大臣たる佐藤君から明確なる所信を御披瀝願いたい。
 問題はすこぶる重大であります。当吉田内閣が成立の当初において、国民との公約の第一項に掲げられたものは、綱紀、官紀の粛正ということであります。国民もまた吉田総理大臣のこの決意に対しては、多大の期待を持つておつたものであります。しかるに組閣以来三年を越ゆる今日に至りまして、官紀はますます紊乱し、綱紀の頽廃その極に達した、実に驚くべき現状であります。しかも総理大臣初め、連帶責任を持つ閣僚の諸君においても、てん然として恥じるの色なし、何たる無恥、何たる恥さらしであるか。今や講和條約の効力を発生せしめて、日本は独立国家にならんとする、この重大な際において、政府の最高責任者たる諸君において、何らの国民に対する責任感がないというがごとくに見える現状は、日本の将来にとつて実に嘆かわしい次第である。まず私は具体的に問題を質問いたします。
 最近新聞の伝うるところによれば、電気通信省を中心とする汚職事件、先般この問題に関しまして、電気通信委員会において、電気通信省の事務次官が、非常に恐縮せられまして、内容のほんの一部分を漏らされました。申訳ないと言明された。これに対して佐藤大臣も遺憾の意を表せられた。事件が目下検察当局の手にあるので、私は内容をつまびらかにすることはできませんが、聞くところによると、これは佐藤大臣のもとにおいて行われた事件ではないということを聞いて、私は佐藤君のために喜びます。しかしながらたといそれが佐藤君就任以前の事件にありましても、今日の担当大臣は佐藤君であり、最高責任を免れることはできないのであります。まず第一にお尋ねしたい。新聞等では抽象的に出ておるが、電気通信省に関する限り、逮捕され、あるいは起訴された者何名に及んでおるか。なお局長以上の官職についおる者はだれだれであるか、氏名等も明らかにしていただきたい。
○佐藤国務大臣 ただいま椎熊委員からお話がありました点は、過日も電気通信委員会におきまして、椎熊委員からお尋ねがありまして、当時資料等も提出いたしておる次第であります。ただいま逮捕されておる者の数というお尋ねでありましたが、正確な数を私ただいま記憶いたしておりませんので、その資料等でひとつ御判断願いたいと思います。しこうして令逮捕されました者のうち前施設局長、これは電気通信省の電気通信研究所の所長をいたしておりました時分の事件によりまして、起訴されております。これは吉田五郎と申します。これはもうすでに起訴されておりまして、この事件は前臨時国会中にも御説明申し上げましたので、一応その問題は片がついております。ただいま問題になつておりますのは、中国電気通信局長がただいま捜査を受けておりまして、これは捜査中でありますので、その事件の概要はわかりません。
○椎熊委員 担当大臣は検挙されたる者の数を本日は御記憶ないという。先般の説明によると、四百何十名に及んでおるという。日本の官界の汚職事件で、同じ役所で一挙にこれほど多数の者が逮捕され起訴されたということは、私は寡聞にして知らない。日本の内閣制度始まつて以来初めてのことです。これが綱紀粛正を一枚看板にして内閣を組織された吉田内閣のもとにおいて行われておる。(拍手)しかも施設局長といえば、いかなる地位か、電気通信省における施設局長の地位は非常に重大であります。本年度の予算におきましても、二百億を越えるところの費用がこの局長のもとに使われるのであつて、この前の大臣はすこぶる政治力微弱にして、大蔵大臣からやり込められて、電気通信省のあの施設の費用が百三十億に前年度は減らされておる。そういうことで日本の電気通信事業があなたのわがままによつて、非常に事業の再興が遅れておるのだ。それでも百億からの金を使う。本年度は二百億を越えるのだ。それほどの重大なるポストにある施設局長が、現に起訴されておる。広島における局長は現に捜査中である。数を合しては四百名を越えるという。ことに電話施設工事のごときに至りましては、全国の末端、ことごとく清純にしては一個の電話もつかぬという事実だそうです。何ということだろう。私のような北海道僻陬の地だが、札幌では今電話一本二十万円をもつて売買をされておる。東京はそれ以上だということです。一本の電話をかけるのに数万の賄賂をとつた者がたくさんおるという。(拍手)現にそれらはつながれておるのだ。こういう綱紀の紊乱は、かつて日本の内閣制度あつて以来ございません。私は思い起す佐藤大臣の最も身近な方、あなたのお兄さん岸信介さんは東條内閣の閣僚であられた。東條内閣というものは今日では国民怨嗟の的だ。われわれをして今日かくのごとき不幸な状態に陷れましたる大半の責任があるとさえ言われておる、あの国怨嗟の的である東條内閣ですら、あなたの兄さんが閣僚であつたあの東條内閣ですら、ときの農林大臣が、たつた一人の課長が起訴せられたということだけで、しかもその事件はあとでは無罪になつたということですが、下僚の一課長が起訴されたということだけで、――その日はちようど閣議を開いておつたそうだが、農林大臣はこのことの通報を受けて、ただちに閣議の席上にこれを報告して、即刻辞表を出した。同僚ことごとくがそのりつぱな態度に感奮したということである。情においては留任していただきたいが、あなたの心情としては、ことに戰時中でもあるし、そのような態度はりつぱでありましようというので引きとめる者なく、当時の農林大臣石黒さんは即刻辞職している。あの東條内閣ですらかくのことし、もう諸君は近ごろなれ切つてしまつたのだろう。四百人も出しててん然としているとは何だ。私は佐藤君がやめたからといつて事件の解決になるとは思いません。しかし検察当局の今のやり方だけでは、日本の官界の粛正は私は望むべくもないと思う。そこであなたの使つておる下僚がふるえ上るような一つのシヨツクを受けなければならぬ。みんなが戒め合うというような動機をつくつて上げなければならぬ。それはあなたが切腹することなんだ。あなたが辞職することなんだ。あなたは当面の直接の犯罪の関係者ではないが、自分らのいただいておるこの大臣は、国民に申訳ないといつて辞職したということをあなたの部下が聞いたなら、まつたくあなたの心情に同情して、彼らは大切な国家奉公の道に精進するであろう。そのことなくしててん然としてその席に控えておられる以上、下僚はますますどろ沼に足を突込むのではなかろうか、それで私は聞きたい。あなたはこの事件を閣議の席上報告せられたることがあるか、あるいは最高責任者たる総理大臣にこの事件の内容、経過等を御説明申し上げておるかどうか、多分あるろだう。総理大臣はその際あなたにどういうお話があつたか、黙して語らずただ聞いておいただけであるか、一層峻酷に粛正すべしと命令したのか、そこに吉田総理大臣の今日存在する意義内容があるのであります。その間の事情をつまびらかにしていただきたい。
○佐藤国務大臣 ただいま数の問題は記憶がないと申し上げて、それに対して四百名だというお話が出ておりますが、期間のとり方の問題もいろいろあると存じますので、非常に長期にわたつて数がふえたと申して、はたしてそれが全部汚職をやつているという結論にはならないと思います。その点は誤解のないように願います。差上げました資料は相当長期にわたつておるものであります。
 次にこの問題につきましては、私の就任前の事項で、ただいま職員が訴追を受け、あるいは捜査を受けております。まことに私自身も責任を感じ、遺憾に存じております。お話のごとくこの問題は電気通信省にとりましては、最も大きな重大問題でございます。従いまして今日大臣の職にあります私といたしましても、真劍にこの問題と取組んでおる次第であります。もちろん総理に対しましても、十分詳細な説明もし、同時に総理の指示も受けておる次第でございます。先ほど来椎熊委員が御指摘のように、職員の多くは国民に対して綱紀の粛正を誓つておる状況であります。従いましてこの線におきまして万全を期するというのが私どもの仕事なのであります。特に私どものあずかつております役所は、国民公衆の利便を増進する役所であります。その観点からいたしますれば、今日かような疑惑を受けておる省といたしましては、この際にりつぱな省をつくり上げ、そして本来の公益の使命を達成するにふさわしい役所をつくるということが、すなわち大臣たる私自身の責任だと、かように痛感いたしまして、一層の努力をいたしておるような次第であります。
○椎熊委員 あなたは自分の力でこの役所をりつぱにしよう――もうあなたは落第したのです。試験済みなんだ。そういう人は一刻も早く去つて、新たなる人がこの問題を解決しなければならぬ。それはあなたの心境だからよろしい。
 次に私が君にお伺いしたいのは、先般新聞に非常に重大な記事が出ております。その記事によりますと、現職にある電気通信省の事務次官の氏名が出ておる。前政務次官の氏名も出ておる。前々施設局長の氏名も出ておる。犯罪と称せらるる内容まで書いてある。施設局長の手を経て百万円の金が、今日参議院議員に当選している前事務次官の手に渡つたと明らかに新聞は書いておる。私はこんなことはまさか事実ではなかろうと思う。そこで、やめた人やなんかは別として、現に事務をとつておる者、あなたの直接のすぐ下の事務次官のごとく、これに対して、その掲載したる新聞に、電気通信省の最高責任者たる大臣として、いかなる措置を講じたか。いまだ寡聞にしてこの新聞は取消しも出しておらぬ。記事の訂正も出ておらぬ。あなたはこれを黙認しておるのか。もうすでに新聞に掲載せられて二週間以上を経過すると思われる。その間これに対して何らの措置もとつておらぬということは、この犯罪の内容をあなたは黙認したのか、また現に名前を記載されたる事務次官は、これだけのことを書かれて平然としておられるのだろうか。それが事実でなかつたならばこれは命にかけて争わなければならぬ。(拍手)ひとり事務次官個人の問題ではない。日本の官吏全体の面目にかけても、かくのごとき新聞とは戰わなければならぬ。それをようしないところを見ると、何かくさいところがあるのではないか。そこでしからざるゆえんをあなたは明確になさい。いかなる措置をとつたか。
○佐藤国務大臣 ただいまの御意見は、過日読売新聞に出た記事を材料にしてのお尋ねかと思います。この点につきましては、過般、最高権威である国会の委員会におきまして、事務次官は、何ら心配はない潔白であるということを申し上げた次第であります。その記事もはつきり新聞に出ております。国会の委員会の席上において明白に本人がお話しておる、この事実自身が、新聞以上の権威を持つておる、私はかように思います。
○椎熊委員 私は事務次官が過日あの新聞記事に関連がないと言明をせられたことを承つております。私はこれを信じます。けれどもこれは国会内部のことだ。いかに国家最高の機関とはいい條、これは新聞の大衆性とは違う。何百万部発行しておるあの読売新聞、全国に配布せられておるでしよう。それに対して何らの措置も講じないというのは、一体どういうことだ。いなかの人々のように、新聞一つをもつて世間を知ろうとしておるものは、委員会の発言などを聞く由もない。みんな新聞を信じておるかもしれぬ。いまだに取消しもない、これはきつと次官もやがてはひつぱられると心配しておる向きがあるかもしれぬ。それほどあなたが断言できるのなら、新聞社に堂々と抗議を申し込んで訂正させなさい。それでなければ、日本の官吏の面目が相立たない。居並ぶ閣僚の諸君を見たまえ。ことごとくこれ官僚出身だ。(拍手)自由党のこの性格から見て、政党出身の閣僚がこの重大なる予算委員会をサボつておる状態を、私は日本の政党のために嘆く。そして諸君は党に帰つては官僚を攻撃しておりながら、ここに来ておるのは官僚だけじやないか。その官僚諸君がこれだけおつて、官吏がこれほど侮辱されておるのに、内閣としてなぜこれに対して措置を講じないのかと私は言うのです。
    〔サボつておるとは何だ」と呼び、その他発言する者あり〕
○塚田委員長 御靜粛に願います。
○椎熊委員 出て来ないのは残念だと言つておる。お互いの責任においてこれを直してやろうじやないか。
    〔「サボつておるとは何事だ、取消せ」と呼び、その他言する者あり〕
○塚田委員長 御靜粛に願います。
○椎熊委員 サボつておると私は認める。サボつていないとなればけつこうですが、出て来ないということは事実だ。
 そこで次に聞きたいのは、あなたはあれほどの新聞に出されても、新聞社に対しては何らの措置も講じていないが、部内に対しては、いかなる措置を講じたか。これなんです。あなたは今電気通信省をみずからの力によつて、りつぱな役所に仕上げることが責任だと言われる。いかなることをしておるのか。
○佐藤国務大臣 いろいろ御高見を拜聽いたして、私もたいへんありがたく思つております。部内に対しましての態度といたしましては、すでに問題として一応の段落のつきましたものについての、それぞれの処理をいたすことはもちろんでありますが、制度なり、あるいは法規上の問題もいろいろ改正して参らなければならないものもあります。あるいはまた人事そのものにつきましても、適正を期して行くことも考えて参らなければなりません。あるいは根本の問題から申しましても、職員が奮い立ちまして本来の業務を遂行して行く、これに積極的に協力を示す、こういう問題もあるわけであります。それぞれの問題と申しますか、今までの欠陷に対しましてはするどい批判を加えまして、着々準備を進めているような次第であります。
○塚田委員長 椎熊委員に申し上げます。お申し合せの時間でありますので、この一問で結論をおつけください。
○椎熊委員 今の答弁は答弁でない。あなたは電気通信省をりつぱな役所にするために、献身的な努力をすると言われたが、どういうことをしておるのかを聞いてきる。法規が不満足であるとか、機構がどうとか、法規が不満足なら、法規をどう直すというのか。機構が悪かつたら、機構をどう直すというのか。現にそのことに着手しておらなければ、あなたはその席に坐つているの必要はないのですよ。いかなることをしておるかという具体的の質問なのです。私はあなた自身が事件に関係ある人ではないということを確信しております。しかし新聞紙の伝うるところによれば、某政党の、かつてあなたの前に就住せられておつた大官にも金が行つているということが書いてあるのです。そうなると容易ならぬ問題ですよ。ですから一日も早くこの内容を明らかにして、そうしてあなた自身が責任をとるということによつて、一番最初にこの内閣の責任を明らかにすることによつて、電気通信省がきれいになつて行くというその行動は、この際としてはあなたが責任をとるという以外にないということを私は言うのです。あなたは前途のある、春秋に富む若き政治家だ。恋々として大臣のいすにこびりついているような人でない。ほんとうにこの吉田内閣の名誉挽回のために、そうして日本政界刷新のために、あなたが身をもつて範を示すことによつて、この事件の解決を早めると私は信じたから、あなたの率直なる御決意を聞きたかつた。先般の委員会においても、実に気の毒ではあるが、あなたは私に感謝しつつ、責任をのがれるような答弁をしておる。それじやいかぬのです。一椎熊に感謝する必要は何もありません。あなたが率直にこの事件と取組んで、自分の責任を明らかにするというところに事件解決のかぎがあるので、私はあなたの心境を問いただしておる。靜かに今度の問題を中心とし、現下置かれた日本の立場、日本の将来を考えるとき、あなたの出処進退は実に影響するところ甚大なるものがあると私は信じます。(拍手)どうかあなたが男らしいりつぱな政治家としての態度をお示し願いたいのであります。これだけのことをやつてなおてん然としているようなことでは、あえて綱紀の粛正には相ならぬのです。(「とどまつて責任を盡せ」と呼び、その付発言する者あり)何を言うか。こういうものがあつて妨害すると、私はなかなかやめられぬ。言わなくもいいことを言わざるを得ない。
    〔発言する者あり〕
○塚田委員長 御靜粛に願います。
○椎熊委員 これらのことがあつても、やめなくていいと言うような人間がいるから、事件の解決ができない。こういうものが何を言おうと、あなたはりつぱな政治家としての態度を明らかにしていただきたい。これについては答弁しなくてもよろしい。これをもつて終ります。
○塚田委員長 井出委員より発言を求められております。この際これを許します。井出一太郎君。
○井出委員 私は野党の全委員を代表いたしまして、動議を提出いたすものであります。最初にその文案を申し上げます。
  防衛支出金六百五十億円、安全保障諸費五百六十億円、行政協定、特に刑事裁判管轄権に関する件、駐留軍の内乱及び外国出動に関する諸條件、これらの諸点を明らかにし、かつ要求中の資料が提出あるまでは、分科会に入らず、質疑を続行すべし。これが文案でございまして、以下簡單に趣旨の弁明をいたします。
 予算委員会は一月の二十八日に始まりまして以来、今日まで二十日有余日子を経ておるのでございまするが、われわれがこの画期的な独立予算を審議するに際しまして、一番大きな問題は、防衛費の負担が内政費に対して重圧を加えておるという点でございます。しかもその防衛費たるや、安全保障條約に基きまする行政協定を明らかにせざる限りは、われわれとしては予算の審議のしようがないのであります。しかも連日の政府答弁によりますると、ことごとくこの行政協定の内容をさらにあいまいもことした、わけのわからない了解事項というようなものにしわ寄せをしてしまつておるのでございます。われわれはこの問題に対して、今まで審議を集中して来たのでございまするけれども、大臣の答弁はまことに不誠実そのものでございました。岡崎国務相もここにおられますが、あなたは新聞発表には若干の点を漏らされたようでありますが、この権威ある国会の予算委員会に対しましては、ほとんど何も語つておらぬというのが事実でございます。しかも與党側は多数を頼みまして、本日午後から分科会に入らんとすることを強行しようとしておるのであります。
    〔発言する者多し〕
○塚田委員長 御靜粛に願います。
○井出委員 先ほど来の質問を聞かれても明らかな通り、いずれの委員も……。
    〔発言する者多し〕
○塚田委員長 御靜粛に願います。
○井出委員 時間を気にしながら質問しておるような状況でございます。われわれもまだ幾つかの留保してある質問もたくさんあるのでございますがこの段階においてわれわれは、行政協定の内容が明らかならざる限りは、分科会に入るということはわれわれの審議権を放棄することになる。(拍手)国民多数はこの予算委員会に眼を集中して、行政協定の内容がいかに明らかにされるかということを刮目して待つておるのが現在でございます。さような意味からいたしまして、われわれはこの諸点が明らかにならざる限りにおいては、分科会に入らずして、従来の保留してある質問もたくさんございまするによつて、これを継続すべきことを動議として提出いたします。
○塚田委員長 ただいまの井出君より提出されました動議について採決いたします。この動議に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
○塚田委員長 起立少数であります。よつてただいまの動議は否決されました。
 この際お諮りいたしますが、第四分科会主査小峯柳多君より主査を辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚田委員長 御異議がなければ、これを許可することに決しました。
 つきましてはその補欠を選任いたさなければなりませんが、これは先例により委員長に一任するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚田委員長 御異議がなければ小野瀬忠兵衞君を第四分科会の主査に指名いたします。
 これにて予算各案に対する大体の質疑は一応終了いたしましたから、分科会の審査に移します。
 次回の会議日は公報をもつてお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時四十四分散会