第013回国会 経済安定委員会 第11号
昭和二十七年三月十九日(水曜日)
    午後一時四十九分開議
 出席委員
   委員長 前田 正男君
   理事 志田 義信君 理事 多田  勇君
   理事 有田 喜一君
      岩川 與助君   小野瀬忠兵衞君
      圖司 安正君    奈良 治二君
      福田 喜東君    細田 榮藏君
      笹山茂太郎君    土井 直作君
      横田甚太郎君
 出席政府委員
        経済安定政務次
        官       福田 篤泰君
        経済安定事務官
        (産業局長)  近藤 止文君
        経済安定事務官
        (民生局長)  前谷 重夫君
 委員外の出席者
        経済安定事務官
        (産業局次長) 岩武 照彦君
        経済安定事務官
        (産業局産業政
        策課長)    樋詰 誠明君
        専  門  員 圓地與四松君
        専  門  員 管田清治郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時
 措置に関する法律案(内閣提出第八一号)
    ―――――――――――――
○前田委員長 これより会議を開きます。
 本日は昨日提案理由の説明を聴取いたしました国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律案を議題といたし、これより質疑に入ります。質疑は通告により順次これを許します。横田甚太郎君。
○横田委員 この法案並びに物調法関係のもので、外国自動車があつたでしよう。この外国自動車は、これによりますと、四月の初めで終るものを六月末まで延ばしておるのであるから、やはり関係があると思うのです。そうすると、これは共産党が言うのではない、朝日新聞の三角点を見ましたところが、外国自動車を持つているという名義を日本人に貸すだけで、月十数万円の利得になるのです。こういうようなものに対しては、一体どういうような処置を今後とつて行かれるつもりかということと、同時に、こういうことはいいことだと思つておられるか、悪いことだと思つておられるか。これをまず第一に聞いておきたい。
○近藤(止)政府委員 ただいま横田委員からお尋ねのございました外国自動車の件でございますが、外国自動車の中古のものにつきまして、現在施行されております臨時物資需給調整法によりまして、一定の譲り受けの場合の條件を制限いたしまして、これを特定の用途のものに配給をするという形をとつておるのでございますが、この外国自動車の問題につきましては、新しい法律におきましては、これを一切自由にいたす考えでございまして、この法律の附則の第三項によりまして、さしあたり四月一日から撤廃というのではなしに、六月末日まで伸長するということに相なつておりますが、その事情は、現在外国自動車の譲り受けの割当をいたしております台数が、大体六百五十台程度ございまして、これが現に割当はしてございますけれども、現物の入手ができておりません。そこで外国自動車そのものにつきましては、これを配給いたします場合に、報道関係あるいは国会関係、その他緊急の用途のものに対しまして、これを配給いたしておる事情にございますので、これら六百台余りのものが、現実に自動車が入手されますまでの間、過渡的にこの物調法の規定を伸長いたしておる次第でございまして、この現物化が済みました場合におきましては、外国自動車は今後自由に国内におきまして取引ができることになるわけであります。ただ問題は、売手の方で円払いでよろしいという場合におきましては、まつたく自由になるわけでございますが、かりに外貨資金が必要であるというような要求のございました場合には、外貨の割当を持つている人でなければ譲り受けできないことになるのでございます。現在三万台等で国内にございます自動車につきましては、大体円払いで取引されるような形になりまして、従来のような制限がなくなるというふうに考えておるわけであります。要するに、外国自動車の規定が三箇月延びますのは、現在配給いたしております切符が現物化されるまでの経過規定としてこれを取扱つたわけでございます。
○横田委員 六百五十台ですね。これは何を基準にして六百五十台と言われたのですか。たとえば全部を六百五十台と言われたのですか。一期間を六百五十台と言われているのですか。それから六百五十台のことに関しまして、まだ譲り受けが十分に行つておらぬということでありますが、これは全部が行つておらぬという意味であるか。六百五十台のうちの何台かが行つて、おらぬという意味ですか。
○近藤(止)政府委員 ただいま六百五十台と申しましたのは、一―三月の外貸資金のわくから出ました数字が六百五十台でございまして、これは発券手続その他が多少遅延いたしておりましたので、相当部分のものは未現物化のものがあると思うのであります。正確な台数はまだはつきりつかめておらぬのでありますが、かなりのものがそういう形になつているのでありまして、全体の計画は、年間三千台程度の外国の中古自動車をこちらに入れるという計画になつておるのであります。六百五十台とあります数字は、一―三月の期における数字であります。
○横田委員 この場合の外国というのは、アメリカ一国をさすのですか。それともアメリカ一国をささないのですか。やられた実績から見て、アメリカの自動車のみやられたというのですか。それ以外のものがあるとすれば、そのうち何台アメリカ以外の自動車があるか承りたい。
○近藤(止)政府委員 外国自動車と申しましても、別にアメリカだけに限定はいたしておりませんが、実際問題として、中古で国内で譲渡されるような目的になりますものは、大部分がアメリカの自動車というのが従来の実績でございます。ただ今後、今の六百五十台のうちで、あるいは英国製等のものが譲り受けられる場合も起り得るかと存じますが、別段どこの国でつくりました自動車ということで制限されてはおらないわけであります。
○横田委員 どこの国でつくりました自動車という制限はないということもわかるのですが、大部分ということは、アメリカの自動車全部という意味ですか。それともその中には何台か英国あるいはフランスのものが入つているという意味ですか。たとえて言いますと、空気銃のごときは、どんな径路をとつて入つて来るのか知りませんが、フランス製の猟銃が入つている。フランス製のものはアメリカのより軽い。それで猟に行く人に喜ばれている傾向がある。自動車の場合は逆の場合もありましよう。そういう意味において、大部分というのは、アメリカのもの全部という意味ですか、その点を承りたい。
○近藤(止)政府委員 実はこれはアメリカの自動車のみならず、イギリス、フランスの自動車も実際にはあり得るはずでございますが、その実績につきましては、通産省の方からはつきり確かめておりません。ただいまわかりかねますので、いずれ調べましてはつきりお答え申し上げたいと思います。
○横田委員 調べて答えてくれるというのはけつこうですが、いつも答えた例がない。それで言うのですが、特に外国映画の場合、アメリカの映画がどういうわけでああたくさん入るのか、大きい問題になつて来る。映画の場合には私たちが端的に見ている事実ですが、自動車は自由党の人は見ているが、われわれには縁が遠い。ことに国会が国民と切り離された生活環境に置かれることにおいて、共産党にも二台の自動車の配給があつて、初めて外国自動車にお目にかかつたというのがわれわれの立場です。それで私は聞きたいのですが、何といいますか、外国の自動車もあり得るはずだというような形において解釈される結果、映画の場合に見るように、アメリカの映画が輸入のうちほとんどを占めておつて、そしてソビエトの映画はわずか三本であつて、三本でも入れられない。英国映画はわずかに十本から十一本、フランス映画もその通りである。イタリア映画もこれに準ずる、こうなつております。イタリア映画が見るにたえない映画であればしかたがないが、しかしイタリア映画としてやられましたうちには、実にいい映画がある。「明日では云々」何とかいう映画もありますし、今日はやつております「にがい米」もありますし、あれなんかを見ておりますと感心するのです。自由党の議員諸君があれを見られましたら、アメリカの映画を棒を持つてなぐりつけたくなるほど、暴力性を発揮されるほど芸術性において優劣がハツキリ違うのです。ところが自動車の場合は違うのです。私は英国製自動車というものはあまり見ていないのです。吉田さんを攻撃する場合には、吉田さんの自動車は英国高級品だと材料にするのですが、外国自動車はあり得るはずだというような言葉をもつてわれわれと相対されるということは、議会の応対であつて、実際の商取引においてはそうではないという結果になつておるのです。ですから、そういう点に関しまして、もつと均等な立場で、日本によいものを入れる、安いものを入れるという立場において、あまりにもアメリカの自動車にたより過ぎの現状をかえて行かれるような方法があるかないかということを聞きたいのです。
○近藤(止)政府委員 ただいま取扱つております外国自動車は実はいずれも中古でありまして、新品を輸入してこれを配給するという形ではございません。従つて第一段としましては、アメリカの自動車にしろ、あるいはイギリス、フランスのにしろ――ソビエトの自動車があるかどうか知りませんが、そういうものを入れて参りますのは外国人でございまして、それを国内において譲り受けるのが日本人ということになつておりますので、今の映画のお話の場合とはちよつと内容が違うと思うのです。
○横田委員 どうして日本という国はアメリカの中古品ばかりを買わなければならぬのです。特にしやくにさわるのはアメリカの古服なんです。どこへ行つてもぶらぶらぶら下つている。アメリカの国民生活というものは、自由党の議員諸君の国会報告とか、アメリカへ行つた方の報告を聞いてみますと、天国のような生活をしているように言うのですが、中古服を見ますと、こじきのような服があるのです。あんなものをよく日本へ持つて来やがつたというようなものもあるのです。自動車の場合なぜ中古品ばかり買わなければならないのでしようか。新しいものを買うわけには行かないのですか。その買つた場合における値段の相違を聞いておきたい。
○近藤(止)政府委員 終戰後の経済回復の過程におきます日本といたしましては、新しい外国の自動車を輸入いたしまして、十分国民生活に供するだけの外貨資金、そういつた経済上の余裕がまだございませんので、従来そういうものを認めておらない次第でございます。
○横田委員 終戰後の経済回復に何するために、さらよりか古いものが安いというわけだというんですね。しかし日本の銀行家でもこう言つております。一例をあげますと、大発の三輪車を買う場合に、旧品を買うやつはばかである。古いのは一年くらい使いまして――新品で三十一万円くらいのが、中古車では大体十六万円くらいで買えるのです。高くて十八万円くらいで買える。それを買う場合に金のないやつはもつと安いものを買いますけれども、経済的に考えている人、そんなものは買つては損だから、三十一万円のものを買つた方が得だというような考え方を持つておる。占領下においてはそういうことが行われるでしようが、日本の立場はそういう立場から計算されておらないのでありまして、アメリカの人たちが日本において、その生活環境から日本に古を押しつけた方が、アメリカ人に得になるのではないか、そういうようなことから日本に古を買わせておるのであつて、それを解釈する言葉として、終戰後の経済回復のためにさらよりか古の方がよいと政府要人はいうことになるのではないですか。だから私は経済価値としては新品の方が得ではないかと思うのですが、その点はどうなんです。
○近藤(止)政府委員 現在の中古自動車の価格は、実はアメリカ等におきまして新しく生産されました自動車の販売価格よりは安くなつているのでありますが、ただ自動車の価格が、二、三年前から比べますとやはり相当騰貴いたしておりますので、中古自動車が割高であるという例もないわけではないのであります。ただ現在新しい自動車を買います場合と比べますと、中古自動車を買います場合の方が、金の面からかなり割安になつているのが実情であります。
○横田委員 割安とか割高とか申しましたところが、値段を比較して初めて割安になつておるといえるのであります。具体的にはさらを買いますとどのくらいの値段で、中古品を買いますとどのくらい、しかも中古品の中でいいのはどのくらい、悪いのまどのくらいと、とにかく大阪人というものは商取引は手固くいたしますのでその点はつきり聞いておきたい。(笑声)
○近藤(止)政府委員 今の御質問は非常に正確なお答えを要すると思いますので、取調べまして後刻御報告を申し上げます。
○横田委員 かんじんなところは皆そういうように取調べるのですね。大体こつちではわかつているのです。だからそういう政治的な答弁をされるということはどうもけしからぬ。
 それから今度は日本の経済では、日本の政治では、日本の法律では、自由党の先生からいいましてもやみはいけないでしよう。しかし外国自動車の譲渡権を持つことがやみの温床になつているということについてはどうお考えでしようか。そんなことはないとはつきり言えるのでしようか。もしないということが言えるならば、私と一緒に検察庁とかいろいろなところに行つて、こちらにも資料がありますから差上げて論議したいが、この点に対する御見解はどうですか。
○近藤(止)政府委員 現在中古自動車として割当をいたしておりますものは、いずれも緊急に自動車を必要といたします用途に配給をいたしておるわけでございまして、この自動車につきましては、現在では二年間譲渡を禁止する規定があるわけであります。もちろんこれらの自動車が、もつぱら悪質なブローカーのようなものの手に渡るような割当になつておりますれば、お話のような事例も多いと思いますが、報道関係なりあるいは国会関係の方々に配給しておるわけでありますから、そういう方々がこの規則をもぐつて別の用途にお流しになるということはないものと信じておるわけであります。
○横田委員 あつてやるのだつたら犯罪捜査はいらないのです。ないと思つているところに何かややこしいことがあるので、犯罪捜査が必要になつて来るのです。そういう点に対する御見解はどうですか。だから国会議員といえども、あるいはまた政府の大官といえども、そういうことがなかつたというようなことは言い切れないほど、日本の政治は混濁の中にあると思う。いわんやその中で生活している各個人は、すべて米一つ例にとりましてもやみに依存している。これを極端に言いますと、米の姿を見ます場合に、今やられている現行法では、自由党の党則、イデオロギーから言うとやみです。アメリカの恐ろしいやみなんです。アメリカの操作する米を高く日本に売りつける。小麦でもそうです。自由党はそんなことはしたくはない、したくはないと言うが、強制をもつてやられている。簡單に申しますと、そういう形においてあるとかないとかの論議ではないのであつて、しかもあるとかないとかの論議を、政府の大官とかあるいは代議士とか、報道関係の人たちに配給しているから大丈夫という言葉で、やみ自動車がありませんということは答弁にはならないと思うが、その点非常に勇気のある答弁は産業局長としては無理でしようが、どうですか。
○近藤(止)政府委員 今のお話のように、報道機関でも、国会議員の方でも、政府と申しましても、自動車は役所が買つておるわけでございますが、役所自体がやみをやりかねないのだ、やるかもしれないというお話になりますと、お答えを申し上げるわくじやなさそうでございますから御遠慮申し上げます。
○横田委員 お答えを申し上げる、その次の言葉は何ですか。答えにくいという意味ですか、私の言うようなやみというものは全然ないというお考えですか。その点に対して木村法務総裁のような人でも、アメリカ人の遵法性を聞きましたときに、法律をよく守るやつもあるし、守らないやつもある、こういうことをはつきり言つておるのです。こういうような立場から、あなたももう少し正確なことを言つても、自由党の法務総裁にしてこうなんですから、かまわないじやないですか。責任関係におきまして向うは総裁、あなたは局長ですが、その点はどうですか。
○近藤(止)政府委員 今のお話は、人格が高いといつても個人々々の問題になれば別の問題だということであります。外国自動車は公的な形のものに対して配給されておるのでございますから、私はそういうものについてはやみがないと信じます。
○横田委員 それではこの自動車のやみに関する問題は、このくらいにしてやめておきましよう。それでわれわれがやみについてなぜかような自動車の例をあげたかというと、とにかく不愉快なんです。自由党のやられました統制あるいは配給というものは、これほど不愉快しごくなものはないのです。きのうもちよつと申しましたように、砂糖がそうなんですよ。砂糖の姿は現在配給の中にあるでしよう。あるいは業務用の砂糖は配給がはずされたでしようが、ここがインチキなんだ。町でおかみさんが砂糖の配給をとる金がないので困つておるにもかかわらず、昨年の年末からことしの初めにかけてやられました百貨店の砂糖の売り場はどうだつたか。とにかく配給でもらうところの半斤の砂糖は、数は多くの人々を対象にしていてもはけないのです。ところが十斤あるいは二十斤というような大口のものになりますと、日本の現状においては贈答用に社用族公用族の台所へ飛んで行きます。そのときに日本の議会においては大蔵大臣池田勇人なる人は耐乏を説いておるのです。こういうような形と同じであるがために、自動車の問題でも私は聞きたくなるのです。だからやみというものは統制し得ない政権がやる強制統制から生れるのでしよう。誠意のない配給から生れるのでしよう。かような意味で、なお法律の名前がかわりましても、今度の場合五つのものにしましても、統制されるところの、消費規正でやられるところの品目が残るのです。これも私たちの見解によりますと、この五つのものは親でありまして、これからあと統制すべきものが幾らでもたくさん出て来るのです。そうして「ほしがりません勝つまでは」とかいうような、ややこしい言葉を再び必要とするような、いわゆる物資のない、暗黒の国民生活にたたき込んで行くと思うのです。だからやみそれ自体に対して、自動車のことで言えないのであるならば、昨年の年末に砂糖のあり方について悩みを持たれたか持たれないか、そうしてそのような砂糖の取引を、百貨店あるいはそれ以外の大きな砂糖店において見られたか見られないか、この点について伺いたい。
○前谷政府委員 ただいま砂糖の点について御質問がございましたが、御承知のように砂糖は、昨年の十月から業務配給につきましては一部配給の統制をといております。一般家庭配給につきましては、御承知のように従来の実績に応じて、一人につき半斤の配給を続けておる事情でございます。
○横田委員 それで自動車ですがね、外国の自動車はこういう形で入つて来ます。それで私は東京の町を歩いてみまして、自動車はうるさくてかなわない。ところがこれをうまく整理すればやつて行けるらしい。うるさい一例としてこういうことが言われる。うるさいのは共産党だと言われるかもしれませんが、そういうようなことを言う自由党の議員は間抜けである。なぜかと申しますと、自由党の議員でもこういうことを言つている。自動車に乗つて東京に行つてみると、たとえば東京駅ですが、アメリカと施設が違うから困つてしまう。自動車の置場がなく、うまく駅前でおりられたところで、今度乗る自動車を探すのに困る。だからその人の案としては、日比谷公園の下をくり抜いて、その中に自動車の置場をつくればもうかるだろうというようなことを言つておる。だから自動車がうるさいというのはそういうところからも出ている。これはわれわれの立場、自由党の立場を問わずそういうようなことから来ている。こういうような自動車の台数が多い中において、なお日本において自動車をふやせる見込みがあるかないか、見込みがあるとすれば何ぼくらいふやせるか。今日の形において自動車だけが道を占有して、人間は小さくなつて通らなければならぬというようなことをどういうふうにして整理して行くか、その点をお伺いしてみたいと思う。
○近藤(止)政府委員 現在自動車が相当町に氾濫しておりますが、大体その台数のうち約半数は占領軍関係の自動車でございまして、その半数が日本の自動車ということになつておるわけです。従つて今後講和の成立に伴いまして、占領軍関係の配置その他が転換いたしますと、自動車の台数はむしろ現在よりは減つて参る傾向にあるかと思うのでございます。
○横田委員 現在占領中である。極端に言うと司令部が東京にある、だから外国の自動車が大きな顔して闊歩しておつて東京が混雑をしておる。だから今度講和條約が結ばれてアメリカが遠慮する――私は遠慮しないと思うのですが、そうすると少し台数が少くなる、こういうような御見解ですか。
○近藤(止)政府委員 おつしやる通りでございます。
○横田委員 そういうことを簡單に言えますか。たとえば安全保障條約において、あるいはそれによつて生れました行政協定において、アメリカが譲歩した何ものもないのです。しかしこれはこれ以上あなたに聞いても無理でしようし、私も大臣以外の局長に卑怯な聞き方はしません。だからあなたの言われるような、外国の自動車が多いから東京が混雑しておるということ、この点について、私は日本の一員として、あなたが日本人らしい気持を持つておることに非常に欣快の意をもつて同調いたします。しかし問題は後の方です。私は、アメリカさんが朝霞にずつとひつ込んだ後に、東京のような繁華なところを放つておくということは言えないし、東京のような自動車の走る施設のあるようなところでも、あなたの言われるように混雑しておるのに、朝霞のようなところに行かれて、あのいなかの町を自動車で走られては、町の人はどんな気持になるか。東京の混雑を、設備のないいなかの町に行つて再び繰返すようなことになるのではないか。それに対して、産業局長ともあろうものがつまらない答弁をされたと思うのですが、その点においてもつとはつきりした答弁を願いたい。
○近藤(止)政府委員 私が申し上げましたのは、占領軍及びその関係において使われている自動車の数は、今後減つて参るということを申し上げたわけであります。
○横田委員 減つて来る減つて来ないの問題は、岡崎さんを呼んで来なければならぬので、あなたをとつちめたところでしかたがないが、そういう形で自動車をふやされますと、しまいにはアメリカの自動車が通らぬように八方道をふさがなければなりません。そうしてわれわれが歩く道もなくなるようになつてしまう。だからそういうようなつまらない見解を自動車に対してお持ちにならずに、もつとはつきりした形で持つていただきたい。だからふやす場合には、一体日本の道路にどのくらいの金を入れたらふやせるかというような考慮を持つてふやさなければならぬ。現にアメリカのあのべらぼうに大きい――あれは何と言いますか、化け物トラックですか、あんなものに通られて日本の道が困つている。私は道路のことははつきり知らないのですが、日本の道路は何とかという重量の基準があるそうですね。そうして日本の道路は、あんな化け物のような重い自動車が通る約束でできたコンクリートではなかつたそうです。あるいはアスフアルトではなかつたそうですね。あんな大きいものが通るので、日本のコンクリートとかアスフアルトの道路にひびが来たといつて、各地方自治体では非常な苦境に立つているというのが現状であろうと思う。これは自由党を支持する役人も言つております。だから日本においてただの一台でも自動車をふやす場合に、自動車は道路の上を走るのだから、道路を考えてふやす
 ような計画があるかないかということを承つておきたい。これ以上お聞きしてもおそらくあなたもお困りでしようから、今の答弁だけしてもらつて、あとタングステンに移ります。
○近藤(止)政府委員 自動車をどの程度まで、道路と関連してふやして行くかという問題になりますと、実は私どもの方で所管をしておりませんのでお答え申し上げかねます。運輸省でそういつた点は十分考慮して立案していると思いますので、あちらの方から見解を伺いましてお答えをするようにいたしたいと思います。
○横田委員 あきれたもんですね。第一あなたはここの答弁としては自動車をふやす場合に道路のことは考慮に入れなくともいいという答弁ができるのです。ところがこの委員会関係の経済安定本部の所管として、国土開発法案がすぐに出て来るのです。国土を開発する場合には、自動車はものの数ではないほどの單位として考えなくちやならないものでしようか。もつと大きなものも考えなくちやならない。ソビエトにおきましては、自動車といわず、原子力といわず考慮に入れられて国土が開発されて行く、そうでなければだめだ、トルクメン大運河は千百キロも長さがありながら七年間で完成して、アメリカの人たちが非常に羨んでおるにもかかわらず、今どんどん川の水を流してザバク地帯の八割を沃野にしておる。だからあなたの答弁はきようの答弁としてはいいが、あとからやがて国土開発法案がここへ来る。そこで安本関係のだれかが説明するのです。そのときから見ますと非常におそまつな考え方でありまして、そういうふうな自動車に対する道路の配慮がないのだつたら、国土開発なんかいらなくなつて来る。だからそういう点に対しましては、経済安定本部におられるところの役人の一人として、やはり近代的なセンスを持つた役人としての立案をやつてもらいたい、こう思うのです。
 それからタングステンのことですが、私はタングステンというものが顔料に使われるそうですね。これはもし顔料に使われるといたしますと、今までどのくらい使われておつたかということを承りたい。
○近藤(止)政府委員 タングステンが顔料に使われますのは、これは製法の過程におきまして顔料にいたしております場合が多いのでありまして、おおむねタングステン鉱から直接顔料にいたしておるのでございます。これは印刷をいたします場合、顔料の実は布地等に対します染色は、現在まだ日本ではあまり発達しておりませんので、そう多量に大きなタングステンなりタングステン鉱なりを使つておるということはございません。数量といたしましても実は申し上げるほどにならない、ごく微量のものが使われておとるいうことでございます。
○横田委員 それでありますと、これが使用制限になりましても、別にこたえるところはないのですね。こたえるところはあるんだけれども、大したことはない。もしもこれが大したものでなくても少しこたえるのだつたら、どういう点が少しこたえるのでしようか。
○近藤(止)政府委員 タングステンを顔料に使いませんでも、ほかの品物で代用がききますし、使用制限をいたしましても、実際問題といたしましてはほとんど影響がないとお考えくだすつてさしつかえないと考えます。
○横田委員 それでは今度はタングステンの含有量一九%以上の高速度鋼は禁止されるのですね。そういたしますと、この鋼は今までどのくらい日本で生産されておりますか。
○近藤(止)政府委員 現在のところ日本におきましてはハイスピード・スチールの生産は、品質的に申しますときわめて劣等なものでございまして、戰争の末期から終戰後にかけましては、大体タングステンの含有量は一四%程度のものが大部分であります。優良なものにおきましても一八%どまりであります。実際につくろうと思いますれば、二〇%というようなものもできないわけではございませんが、現在のハイスピード・スチールの需要面から見ますと、大体一八%程度のもので需要は充足されるというように考えられるわけでありまして、従いましてこの一九・五%というところで押えておりますのは、現実の問題といたしましては実害が起つておらないわけであります。
○横田委員 実害が起つておらないのだつたら、統制をする必要はないと思いますが……。
○近藤(止)政府委員 要するに現在非常に高いタングステンを含めなくとも需要に間に合うのでございますが、場合によりますと、むだにタングステンをよけいに入れなくても、十分間に合う用途に貴重な金属を使うという場合が考えられますので、そういつた点を押えるということでございます。
○横田委員 貴重なところへ使うという、貴重なというのはどんな意味ですか。
○近藤(止)政府委員 ちよつと今の私の説明が足りなくて失礼したかと思いますが、貴重なタングステンをむだに入れまして、ハイ・スピード・スチルをつくることが出て来るのを防ぐ、こういつた意味でございますから、現在のところでは制限のパーセンテージ以下のもので十分必要な用途のハイ・スピード・スチールが製造できるわけなんです。それを二〇%か、二二%よけいに入れるということがございますれば、それだけ、タングステンをむだ使いするということになるので、こういうものを制限する。こういう意味でございます。
○横田委員 タングステンは電球にも使つており、真空管にも使つておりますね。真空管に使つておる量並びに電球に使つておる量、それが大体終戰後年代別にわからぬでしようか。
○近藤(止)政府委員 ただいま数字を持ち合せておりませんので、後ほどお答え申し上げたいと思います。
○横田委員 しかしこれはそういうふうな真空管及び電球の分野においては非常に重要であるということはお認めになるのですね。たとえば戰争が終りました直後には、電球を買うにも困つておつた。しかし最近におきましては、押売りしてくれるほどたくさんある。この形が、もしタングステンをこういうような形において扱うようになつて来ますと、再び戰争中並びに戰争直後のような結果になるかならないかということを承りたい。
○近藤(止)政府委員 電球なり真空管に使われますようなタングステンを十分確保し、またハイ・スピード・スチール等についてもごく必要なものに適当な量の混入を認める、こういう行き方で、電球なり真空管に絶対に困らないようにするために、こういつたような措置をやつておるわけでありまして、この措置をやりました結果、電球、真空管、そういうものの供給に困難するということはございません。
○横田委員 今このタングステンは一体どこから入つて来ますか。
○近藤(止)政府委員 現在アメリカからほとんど全部入つております。
○横田委員 アメリカはタングステンの足りない国なんでしよう。また少々ありましても、何ぼでも使うのでしよう。そういたしますと、アメリカは一体どこからかせいで来て、悪い言葉で申しますと、どこから盗んで来て、日本にまわしてくれるのでしようか。その点に対するお考えはどうなんでしようか。
○近藤(止)政府委員 実は鉱石の産地はボリヴイヤでございますが、そこから鉱石をアメリカが大量に輸入いたしまして、タングステンを精製いたしておるわけでございます、足りないと申しましても、現在タングステンは世界的にアメリカから供給しておるという実情でございます。
○横田委員 アメリカから供給しておるというやつが、もし朝鮮からかりに入るようになつて来たら、アメリカから入れてもらわなくてもいいようになると思うのです。中国の場合もそうだと思うのです。そういたしますと、アメリカは自分の国で軍拡をやつておる。軍拡をやつておるがために非常に自分の国内において物資を統制しておる。この統制しておる中からまわすのであるから、まわされるところは規正制限しなくちやならぬ。こういう形になると思うのです。こういうことから言いましても、タングステンはソ連圏の方がたくさんある。もし中国貿易を前提にいたしますと、タングステンの統制などいらなくなつて来る。もつと極端に申しますと、世界が軍拡をやらなくなつたら、こんなことをやらなくてもよくなると思いますが、そんなことに対する考え、並びにタングステンをこういうような規正制限の中に置くということに対して、あなたは一体どういうようなお考えをお持ちですか。
○近藤(止)政府委員 実はタングステンの開発の問題につきましては、日本国内におきましてもタングステン鉱のあるところがある程度ございます。これを極力開発いたしまして、できるだけ早い機会に、国内需要につきましては国内の生産で間に合せるようにいたしたいと考えておるのでございます。さしあたりのところといたしましては、まだ輸入をいたさなければ、この国内の需要をまかない得ないという状況でございますし、現在のところはアメリカからこの供給を仰いでおりますので、やはりこういつた国際的にどうしても足らぬというものにつきましては、さしあたりこういつた規正措置をいたさなければならぬ、かように考えておるわけであります。
○横田委員 それでは日本においてもある程度タングステンの産地がある、こう言われておるのでありますが、その産地の原料、それから後の見込みは一体どういうようになつておりますか。
○近藤(止)政府委員 戰争中に開発いたしましたもので荒廃しておる山が相当ございまして、これも開発して参るということになるわけでございますが、大体現在のところタングステンの国内における生産だけで需給関係を全部調和するというわけには、ここ一両年は参らないと思うのであります。従つてあるいは外国から鉱石を持つて来るというようなことでもございますれば、国内需給が間に合うということになると思いますが、そういつた別の要素が加わりませんと、需給関係はしばらくの間均衡がとれない、かように思います。
○横田委員 委員長にちよつと伺うのですが、あまり産業局長をいじめてもらちがあきませんから、自由党の代表選手を出して欲しい。代表選手のうちの横綱は、あす帰られる周東安本長官ですが、約束によりますと、きよう出られるはずの人は政務次官ですね。次官を出してもらいませんと、こういう小さいやりとりをやつておりましては、こつちもたいくつですし、こういう答弁を聞いておりますと、タングステンは十分確保し得るというようなことを言われますと、何かしらぬけれども、おとなげないと思いながら、つい質問をしなくちやならぬことになる。局長が数字も解せずに、十分確保できるかというような論議になる。だから次官を早く呼んでください。
○前田委員長 お答えいたします。ただいま政府委員の方に連絡いたしまして、政務次官に至急出ていただくように連絡いたしております。
○横田委員 それでは石油のことを伺いますが、石油の現状は今どうなつておりましようか。
○近藤(止)政府委員 石油製品につきましては、現在統制をなお実行いたしておりますものは、ガソリン、桐油、軽油、重油の四品目でございまして、潤滑油、グリス、アスフアルト、パラフイン、こういうものは昨年の秋に統制を撤廃いたしました。ガソリン、桐油、軽油、重油等の統制品目の需給関係が、一体どのくらいになるかという需給の見通しの点でございますが、現在のところ二十七年度と二十六年度と、石油の数量がどのくらいにかわるかという点を比較して申し上げますと、揮発油におきましては、二十七年度におきましては、百六十七万二千キロリットル程度の給供を予定いたしております。これを二十六年度の配給実績と比較してみますると、二十六年度は九十八万七千キロリットルでございますから、大体七割近くの増加ということになる予定でございます。桐油につきましては、逆に二十七年度が十四万二千キロリットル、二十六年度は十六万七千キロリットルで、約二割小々の減少に相なりますが、これは現在のところ桐油の需要が非常に減少いたしておりまして、製油業者の方でストックを持ちまして、実はさばけずに困つておるという状況でございます。しかも輸出は桐油の輸出になりますと、まだ本格的にこれを輸入する市場が開けておりませんので、これがはけないという状況でございますので、二十七年度は二十六年度よりも桐油の供給量は減つて参る見込みでございます。なお軽油につきましては、二十七年度は四十八万四千キロリットルでございまして、二十六年度が四十六万キロリットルであります。大体一割程度の増加ということに相なります。それから重油につきましては、二十七年度が三百十九万キロリットル、二十六年度の配給実績は二百四十三万キロリットルで、大体これは四割近くの増加ということに相なつておりまして、相当需要も増加いたしておりますけれども、供給の側がなお急速に伸びますので、二十七年度におきましては、需給関係はほぼ均衡をとり得るというように予想いたしております。
○横田委員 ガソリンですね。ガソリンは運転手さんなんかにいろいろ聞いてみますと、今まで統制しておるのがふしぎだというような意見が多いのですが、現状はその通りなんですか。もしその通りであるなれば、今統制、配給されておる意味はどこにあるのか伺いたい。
○近藤(止)政府委員 ただいまお話のように、ガソリンにつきましては、現在供給が非常にきゆうくつであるということはだんだん解消いたしておるようでございます。ただ今まで統制を継続いたしておりましたのは、結局ガソリンにつきましては、従来ガソリンだけの輸入ということが行われませんで、原油を輸入いたしまして、これを国内で精製いたしまして、ガソリンを供給しておつたわけであります。従いまして原油の輸入量に応じまして、国内に対するガソリンの供給量がおのずから規正されるというわけでございます。ただ原油につきましては、これは国際的な商品でございまして、御承知のようにイランの石油関係の問題もございますし、とにかく先の見通しから行きまして、心配なく原油が輸入し得るかどうかという点に相当懸念もございましたので、今まで統制を継続いたしておつたのでございますが、昨日御説明申し上げましたように、物調法が廃止になりましたのを機会に、経過的に三箇月の期間を置きますけれども、七月一日よりは全部ガソリンその他の油の統制を撤廃いたすということになつておるわけであります。
○横田委員 今まで石油はイランの石油がたくさん入つておつたのですか。
○近藤(止)政府委員 実は現在輸入されて参ります油が、最近におきましてはドル地域のものが非常に比率がふえて参りまして、ポンド地域からの輸入が非常に減つておる。これはなぜかと申しますと、イランの石油問題に原因をいたしまして、英国系のシェル石油会社が持つて参ります原油なり製品の量が減りまして、逆にドル地域からの輸入がふえて来ておるというようなかつこうでございます。つまりイラン問題が間接的ではございますが、日本の石油の需給関係に影響を及ぼしておる状態でございます。
○横田委員 ドル区域からのものがふえておつて、ポンド区域からのものが減つておることは、日本の経済としてはポンドが余つておるのだから困る。そうじやないのでしようか。
○近藤(止)政府委員 お話の通りでございます。
○横田委員 これをどういうふうにして打開して行くか、これはまた高橋通産大臣に聞かなければなりませんか。それともあなたでもわかりますか。
○近藤(止)政府委員 実はイラン問題というのは、ポンド地域からの輸入に影響を與えた一つの間接的な原因でもございますが、同時に南方地域におきまする油田の開発というような問題が遅れておるわけでございまして、こういつた関係を極力促進いたしまして、たとえばボルネオ等の石油を、できるだけこちらに持つて来るというような段取りによりまして、極力ドル輸入を減してポンド輸入の方に切りかえて行く、それからもう一つは原油の輸入が非常に困難な場合におきましては、ポンド地域から製品の輸入をいたそうということで、現に一―三月の期間におきまして、約三万キロリットルのガソリンをポンド地域から輸入するというような手配をいたしております。できるだけポンド輸入を増加いたすということで努力いたしております。
○横田委員 南方から石油を入れる場合に、これを南方開発という言葉と結びつけますと、非常にきれいになるのですが、南方の開発なんかほとんどできないでしよう。米なんかでも、今根本さんが買いに行つておりますが、あれもいい米じやなく、石の入つた腐つた米を買つて来たら、あとで政治問題を起すくらいが関の山でしよう。だから南方を開発いたしまして、そこからいろいろな油を入れる、ガソリンを入れる、こういうことは非常にけつこうに聞えるのですけれども、実際はできないことでしよう。高橋さん自身もこれについては言つておるのです。私がなぜこういうことをあなたに聞くかといいますと、自由党の総理大臣である吉田さんは、イランの石油問題等について私が予算委員会で聞きましたときには、答えず、吉武労働大臣をして答えさせますというようなとぼけた答弁をした。労働大臣とイランの石油なんか何の関係もない。私共産党員といたしますと、イランの石油問題は日本の石油問題に響くものだと思つておりますが、かわいそうに自由党の総裁は、イランの石油問題と日本の石油問題と結びつけられぬ、こういう国会答弁なんです。だから今日局長に聞いたのですが、あなたから聞いてみますと、製油で三万キロリットル入る。それから南方の場合においては、開発したら入つて来ると言われるのですが、開発を具体的にやるがためには、一体どういうような手続を経て、どのくらいの年月をしんぼうしておつたらこれが入つて来るようになるのでしようか。
○近藤(止)政府委員 私の説明の仕方がまずかつたかと思いますが、御了解されておる点は、私が申し上げたのと大分違つておるようであります。今の点は間違つておりますから私から訂正をいたします。つまり私が申し上げたのは、言葉が短かつたので正確にお受取りにくかつたかと思いますが、要するにポンド地域からの輸入が、これは取扱う外国社の能力の問題とも関係いたしますし、イラン問題にも影響いたしておると思うのでありますが、一時減つて来たわけでありまして、それを従来はドル地域からの輸入によりましてカバーして参つたわけであります。ところが先ほどの御質問で、ポンド地域からの輸入もやらなければいかぬじやないかというお話がございましたので、その点は極力原油の輸入のほかに製品の輸入も考えまして、ガソリン等も輸入の量をふやす。それから同時に南方地域の石油の開発の問題でございますが、これは日本で開発をするということではございません。大体外国の有力な石油会社がそれらの権益を持つておるわけであります。それらのものをできるだけ早目に開発をしてもらうようにして、それをできるだけ早くこちらにとつて来たい、こういう意味で申し上げたのであります。日本自体が開発をするということを考えておるわけではございません。その点誤解のないようにお願いしたいと思います。
○横田委員 次官が来なかつたので非常にさびしい論議だつた。局長答弁も至つて親切にしてもらつたのですが、今度はひとつ戰闘的なやつで、次官も自由党の腹をまる出しにして元気よく答弁をしてもらいたい。
 第一に、私はみんなあなたたちがくれました法案の中から引いた文章を基礎にしてお尋ねいたしますが、この臨時物資需給調整法が重要物資の需給を調整した場合と、今度の国際的な供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律案で重要物資を調整する場合と、どういうように違うのでしようか。その政治的な意図並びに効果を承りたい。
○福田政府委員 お答えいたします。従来の場合は日本の国内の経済の回復をいかにするかという点に重点を持つて来たわけでありますが、独立を控えまして、国際的な色彩も大分強くなつて来たのであります。この意味から国際的な稀少物資について單なる国内のみならず、対外的な国際的な観点から、物資の調整を取扱わなければならぬという点に、大きな差異があると考えております。
○横田委員 あまりイデオロギーが違うのでその答弁ではわかりにくいですが、たとえば今までの臨時物資需給調整法というものは、非常にたくさんの禁止項目を持つておりました。今度の場合は、今現われている限りにおいては五品目ですね。しかも臨時物資需給調整法というやつは、国家総動員法あるいは食糧管理法、物価統制令、こういうのと並び称せられた悪法であつて、こういうものは早くなくさなければならないということが選挙時の自由党の目標であつたと思うのです。その点に対するお考えはどうでしよう。
○福田政府委員 御説の通りでありまして、たとえば統制が停止せられておるような物資であるとか、あるいは今後統制の解除を予想せられるというようなものについては、できるだけ大幅にそれに対する制限ないし禁止処置を省く、同時に従来は御承知の通り省令でやつておりまして、広い範囲で政府がみずからその考えで禁止または制限の処置をとれたのですが、今後は国会の審議すなわち法律によつてのみその対象の品目をきめられるというふうにして行きたいと思つております。
○横田委員 臨時物資需給調整法というやつは、これは大体平和確保経済民主化の線に沿つて、日本の再建をやらなければならない方向に向いておつたと思うのです。今度のは軍拡へのコースを歩んでおるように思うのです。それゆえに理解するのにもむずかしいような長つたらしい名前をつけてあるのだと思う。この名前のままの内容のものがすなわち今度の統制だと私は思う。簡單に申しますと、だからその点に対して平和から軍拡へと向つて行く、しかもそうしてよろしいというような日本経済のポイントはいつごろから生れたんでしようか。
○福田政府委員 平和か軍拡かという見方は非常にむずかしい問題だろうと思います。従つてわれわれとしましては、もちろん日本の自立経済ないしは経済の復興というものが重点でありますから、これが国内的に見て一つの民生安定向上、これはいわば平和的なとあなたがおつしやる意味だろうと思います。同時に国際的な一つの軍拡というような立場で、われわれがもし自衛力の強化と申しますか、現在の新憲法が許されるいろいろな意味合いでなされる努力の面もあるわけであります。両方の面があるわけであります。ちようどあなたのおつしやる通り、單にこれを軍拡の方面のみというふうにはわれわれは考えておりません。
○横田委員 稀少物資は軍拡を対象としているということはおのずから明らかでしよう。またアメリカも軍拡をやつていればこそ、その経済につながればこそ、おのれの乏しいところから――乏しいというと語弊がありますが、たくさんあるものをむだに使つて、足らなくしてしまつたものを、アメリカ経済が日本にわけてやるから規正制限しろ、消費制限しろ、こういつておる。だからあなたが自由党の相当の地位におられる方として答弁されるなれば、軍拡をやる、軍拡をやればこそ平和を守る決意をしておるというのが答弁になるのではないでしよか。私はそう思う。だから明らかにこれは軍拡経済に向いておる。さきのは経済民主化の線に沿つて、日本のいわゆる平和的建設の方向に向いておつた。それをこういうものに対してはなおそのまま向いているのだとおつしやる。その向いているという非常に不可解なところに間接侵略、直接侵略が出て来て、共産党が暴動を起すから、けしからぬからといつて、アメリカがこういうような軍拡をやるというような形を許して、アメリカがそれに応じて助けてくれているから、日本においても統制経済はあたりまえだというふうなあなたの御答弁になつて来るのじやないのですか。そうでなければ、私ども質問しても論議がボケてしまうんじやないですか。だからその点において、今度次に尋ねるのですが、終戰後の日本経済が、統制とか配給に対しましては、どういうふうな方向に向いておつたとあなたはお考えですか。その点からひとつ承りたいのです。
○福田政府委員 御承知の通り終戰後は経済の大きな混乱があり、まだ全部その混乱の要素は整理されておりません。従つて必要な場合には計画性を持たせなければいけないし、また必要な場合には無用な統制も解除する。ことに今は御承知の通り自由党を與党としての基盤に立つた政府でありますので、根本はあくまでも自由経済を基本として行きたいと思います。
○横田委員 あなたは無用な統制ということを使うのが好きですね。きよう一ぺんですが、この前も二回答弁に使つておる。無用な統制なんか何もいらない。無用な答弁の立場が問題になるのです。簡單にいいますと、タングステンを統制するというのは無用それ以外の何ものでもない。日本の国がかりに兵隊をこしらえたとしても、昭和二十年は動員兵力が八百万、そして軍艦もあつた、飛行機もあつた、それでも国が守れなかつた。にもかかわらず今度警察予備隊に対して、あるいはそれ以外の武装兵団をこしらえるのに対して、いろいろな武器がいる。それに対して軍拡をやる。私たちの考えといたしましては、日本なんかがアメリカにそそのかされて軍拡をやつたところが、軍拡によつて国を守れるような国柄じやない。これはマッカーサー自身が恥を知つておるなら、おのれのノートを持つて読んだらいい。そのノートから割出して憲法第九條ができた。ところがそれを裏切つたのはマッカーサーであつて、それの指令を出したのがアメリカのトルーマン親分なんです。だから私が聞きたいのは、その軍拡から生れたところの五つの品目、これはそうでない、今までの形の統制経済の行き方からするなれば、これじやないのであつて、ほかのものがいわゆる規正制限の対象にならねばならない、私はこう思うのです。だから簡單にいうと、今言われたように、終戰後の日本経済は、自由党の考えによりますと、統制、配給、そういうものはいらないからやめるのだ、こういう方向に向いておつたはずなのであります。ところがその方向とは逆であるから、自由党にもし世界の動きに対する正し認識があるならば、ここに別な形においてまた再び統制を迎える、配給を迎えるというばかげた法律は出せないはずです。自由党の名前がかわらない限り出せないはずだ。もし自由党が統制党になつたら別です。だから私はここであなたに聞いておる。この五つの品目というものを中心にいたしまして統制し、配給して行くということは、これはやがて米まで食わさない、電力はもちろん、やがてわれわれの家庭の電気も消える。そればかりか、人間の命まで消してしまうであろう、戰争経済への移行だ、こうなるのです。だからこれが一つの出発点になつて、今の品目は少いけれども、今までの統制、配給をなくそうとするコースとは逆コースに向いて行くようになるのですが、その点に対する次官のお考えはどうですか。
○福田政府委員 先ほども御説明しましたように、今度の新しい法案の趣旨は、今まで省令でやつておつた広汎な政府の権限をむしろ狭くする。いわば多数品目にわたるものは整理しまして、規制物資の対象をむしろ整理したというところにあろうと思うので、むしろ御質問の方が的はずれではないかと思います。同時にまたタングステンの問題が出ましたが、御承知でもありましようが、タングステンは現在ほとんど全部民需用の生産、たとえばステイールその他に使つておりまして、軍需用には使つておりません。
○横田委員 そうすると質問いたしましたことに対して、こういうことが言えるのですね。自由党としては、相もかわらずやはり配給とか統制とかいうものがないような方向にして行きたいのですね。その点をひとつ承りたいことと、もし行きたいのであるなれば、残された五つの品目は、いつの時においてこれを統制しなくてもいい、配給しなくてもいい、規正制限しなくてもいいような條件に返すことができるかという、その條件と時期の見通しについて承りたいのです。
○福田政府委員 前段の御質問につきましては、先ほど申し上げました通り、あくまで基本方針はかわりません。それから五つの品目につきましての将来の見通しでありますが、これは将来実際の経済の客観的な情勢に応じてきめらるべきでありまして、現在いつの時期において、またいかなる方法においてということは、おそらく早計であろうと思います。
○横田委員 これはあなたのお考えからの答弁でしようか。世界の情勢を勘案して、そして考えられた、あんたという人格が自由党の中において人選されて、そうして今日の吉田内閣のもとにおいて安本の政務次官になられた、そういう良識のもとにおいてなんでしようか。もしそうであつたなれば、さきほどからの答弁は問題ですよ。ここにございますのは時事通信です。それによりますとこういつておる。これは共産党の意見ではないから自由党でもすなおに聞くべきだ。それによりますと、世界の軍拡を反映する重要原料資材の需給逼迫、それから国際原料会議の割当物資あるいはアメリカ商務省の割当物資ということへの依存度から、総司令部は日本経済が新しい統制時代に入るよう指示して来たので、政府、自由党は稀少物資取扱いについて、現行の臨時物資需給調整法―物調法と略称――を改正存続するか、別個の單独法を制定するかを論議していたが、それから云々となつて今日のようなこの化けもの法案論議になつた、こうなつておる。だからあなたがそう考えられて私をごまかそうという答弁ではいけないのであつて、アメリカが統制し、その統制を強化しなければならない條件のもとにおいて押しつけて来たものであつて、その行き方から察しますと、だんだん統制の範囲が多くなり、配給の範囲が狭められる、こういう結果になる。それを基礎にして聞いておるのです。あまり自分一人の茶飲話のような形の答弁は改めなさい。要するに世界的動きを判断される政務次官としての答弁を願います。
○福田政府委員 別に茶飲話という意味で言つていませんから、そのおつもりでまたお聞き願いたいと思います。やはり主観の相違ということもありましようし、お互いの世界観の立場から解釈はどうにもなるのでありますが、時事通信、これは私もちよつと拝見しておりますが、これは一つの報道でありまして、意見として私も読んでおります。問題は先ほどから繰返しておりますように、むしろ新しく今御審議を願つておる法案については、今までの政府が專断的に、またいつでも強力な権力をもつて多数の物資をどうにでもできるというので、不安がある。これはむしろこの際はつきりした法的根拠に基いたものにして、しかも不必要なものは逐次整理をする。またこれが御質問の中にありましたように、もし軍拡の世界的風潮というものがますます激化された場合には、あるいはきゆうくつな世界的国際物資も出て来るだろうと思いますが、これはいろいろな国際会議その他の委員会の決定に基いて今後も予想されますが、それはその場合に適応した処置をとる、それはあくまでも法的な根拠に基いたものでなければならない。政府がかつてにするようなことはしないようにしようというのが眼目であります。
○横田委員 そんな小さい技術的な問題ではない。それではあなたに具体的にお伺いしますが、五つの品目、これは私の記憶に誤りがなければ、ニッケル、コバルト、フエロタングステン、フエロモリブデン、白金、この五つだと思いますが、これはどういうようなものに使うのですか。また使用用途から見ましてあなたに承りたい。これは今までのコースで今までの輸入量がそのまま入つて来ておつたならば、何も統制なんかする必要はないじやないか。
○福田政府委員 その使用の目的その他細部につきましては、産業局長に詳しく答弁いたさせます。
○近藤(止)政府委員 フエロタングステン、フエロモリブテンはいずれも合金関係の原料に使いますものでございまして、特殊鋼の原料といたしまして必要なものでございますが、そのうちでフエロタングステンは、御承知のようにハイ・スピード・スチールといたしましてある程度材質のかたいものを要求いたします特殊鋼に対して使われておるものでございます。これはバイトその他ああいつた刄物類で強いものにこれを使うわけでございます。それからフエロモリブデンはやはり特殊鋼の原料として使うのでございますが、これは合金鉄で特殊用途の製品に使われる特殊鋼に使うわけでございまして、いずれも現在のところでは、これらの品物で生産いたしましたものが、機械工具類の相当重要なポイントとして使われておるものであります。
 それから白金の点でございますが、白金で現在用途の一番多いのは、化学繊維の製造設備の一部であります紡糸工程のノズルの部分に、白金と金との合金を使つておりまして、これが現在白金の使用量の半分以上の割合を占めております。そのほかに白金は化学工業における触媒として使用されておりまして、白金を触媒に使用することによりまして、化学工業品が、相当精密度の高い高度の製品ができるということになつておりまして、主要な白金の用途はただいま申し上げました化繊と触媒、この二つがおもな用途でございます。
○横田委員 そんなぼけた答弁を聞くことはだめです。われわれは何も産業局長や次官に、鉱物講座とか産業講座を受けておるのじやないのですよ。そんなことぐらいの使い道はわかつておる。聞いておるのは、さつきから聞いておるように、こういうふうなものがどれだけ手持ちがあり、どれほど入つて来て、結局今まではこれだけ使つておつたが、今度はどうなるという数字が、いつもあなた方にあるのだから、もしあるのだつたら、数字、用途等、政治的なものをお答え願いたい。それを承りたい。今までのコースと性格が逆に使われて行くということで、用途がわかつて来ますと、それで初めて論争の中心になるのですから、その数字からはつきりしてもらいたい。
○近藤(止)政府委員 ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデン、白金の需給の見通しにつきましては、昨日お配り申し上げました資料に、一枚刷りの紙がございまして、そこに掲示いたしてございます。ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデン、プラチナという順序で供給需要を対比いたしまして、二十六年度の実績と、二十七年度の見通しの数字を掲示してございます。
○横田委員 だから問題になつて来る。明らかに軍拡へのコースじやないか。それを認めるのだつたら、そうなつて来るのじやないですか。アメリカに奉仕するところの、アメリカ経済につながるところの、日本経済の変形じやないですか。そこで私は聞きたいのです。その点をはつきりしていただきたい。何も日本が初めに約束されましたように、戰争しないような條件のもとに進んで行くのだつたら、こういうふうな形において規制制限とか、あるいはこれに対する思惑を加えなくてもいいんじやないですか。この点は次官どうなんですか。
○福田政府委員 今御質問がありました数字の問題については、すでに御了解のようでありますし、御存じのようでありますから、むしろ根本的な方向というか、性格というか、そういうものをお尋ねだろうと思う。しかし先ほど来申し上げておりますように、全部が軍拡用に充てられたものでもなし、また民需用その他国民経済に欠くべからざる面も、大部分の比率を占めておる品目であります。ただいわゆる世界の軍拡傾向というものは、傾向としまして、私どもも率直にこれは認めております。ただ日本としましては、あなたのおつしやるように、すべてが戰時経済に行くのだ、またアメリカのいうように行くのだというのは、少し行き過ぎではないかというように考えております。
○横田委員 あなたは、極端に言いますと、政務次官としては、今までのコースと全然かわつておらないというのですか。私の見解によりますと、かわつて来たがために、こういうふうな法的措置が必要になつて来たのだ。もちろんこれは單に今までのように物調法を、三月三十一日でおしまいになるがゆえに、これを延ばすというだけの性格のものとは大分違うと思うのです。その点を私ははつきりあなたに承つておきたいのです。だから去年やりましたね。物調法をそのままふやした。そうすると物調法の中に盛られておるところの禁止品目が解除されて来ましたね。そういうふうな性格のものと違うというところに、私の質問の重点があるのです。その点はどうなんですか。
○福田政府委員 これは先ほど御説明いたしましたように、私どもり考えは、あなたの御質問の趣旨とは少し違つておりまして、私どもはむしろ物調法をそのままやればやれるわけでありますが、それをむしろ嚴格な法的な審議を経てしつかりしたものにして行こうという措置でありまして、いわば軍拡のために緊急処置的なものとしてこれを強度にやつて行くのだという意味合いとは、全然違う考えを持つております。
○横田委員 これはやはり提案理由の中にもあつたのですが、ここに「朝鮮事変の勃発に伴う国際情勢の緊迫化と、海外諸国における軍備の強化」云云として、後は略しますが、こういうふうな形に出ていますね。だからこの朝鮮事変の勃発というものが、こういうふうな法的なものに対して非常に強制をして来たと思うのです。そこで私はもう事変というものはこりごりなんです。前のときもたしか支那事変だつた。今度も朝鮮事変から始まるのです。朝鮮事変、支那事変という言葉は違いましても、簡單に申しますと、それは大陸に対して日本の足が、一歩かかつておつたか、十歩かかつておつたかだけの違いなんです。そこで問題になるのですが、朝鮮事変と支那事変との違いを、一体どういうふうにお考えになつておるかということを、一応政治的な考慮としてお答え願いたいのです。なぜかと申しますと、支那事変という場合においては、大東亜戰争になり、また第二次世界大戰になつたのですね。朝鮮事変の場合においても、そういうような形になるかならないかということも大きな問題になつて来るのです。だからやはりここの提案理由の中に盛られておる言葉なんですから、朝鮮事変、支那事変というものに対するお考えと、またその相違点をはつきりしていただきたい。
○福田政府委員 この委員会は御承知の通り経済安定委員会でありますので、いわば支那事変その他戰争的な、事変的なものの性格を論議することは不適当だと思いますから、差控えます。しかも支那事変の問題につきましては、われわれまだ残念ながら占領下でありまして、これに対するわれわれの意見を発表することは、お互いに愼重にしなければなりません。ただ朝鮮事変は、はつきりしておりますことは、北鮮共産軍の挑発によつて起されたる事件であり、しかも国連軍がアメリカを中心として南鮮を助けまして、拡大した事件だとわれわれは考えております。従いまして両事変の性格の差異、比較ということにつきましては、今ここで断定的なことを申し上げることは差控えたいと思います。
○横田委員 支那事変に対して非常に謙譲の美徳を発揮した答弁をせられた次官が、朝鮮事変には、非常に共産党とかあるいは共産勢力に対しては、きつくしておられる。そうなつて来ますと、問題になつて来るのですが、もし朝鮮の事変が北鮮軍の侵略だということを言われるのであるならば、簡單に言えば何を証拠にして言われるかというようなことを言つたところが、あなたに聞いてもわからないのでせうが、あなたがそういうふうな物の考え方から、アメリカ人と同じような考え方をするために、非常に日本の自主性というものを失つてしまうのです。アメリカ人がそうなんじやないですか。朝鮮の人たちが三十八度線を境にして、南と北との二つにわかれておりましたところが、朝鮮の国内の政治をきめるために、アメリカ人の許可を受ける必要はない。共産主義であろうと、自由主義であろうと、民主主義であろうと、好むところを朝鮮人がやつたらいいじやないか、アメリカの国内においてそんなことをやられてアメリカ人は黙つていますか。パール・バツクさえ言つておる。メキシコに事変が起つて、ソビエトなり、中共なりが出兵して、朝鮮と同じような事変になつたときに、アメリカ人が黙つておるかということをはつきり言つておる。アメリカ人さえこういう正しいことを言つておる。だからあなたは支那事変に対して、そうして第二次大戰に対して、非常に謙讓な答弁をしておられるのだから、北鮮事変に対してはあまりなまいきなことを言われない方がいいと思う。それを侵略だ侵略だと言われるのだつたら、何も経済委員会だとか何とか言つて逃げる必要はない。自由党の意見は侵略だといい、われわれは侵略じやないというのですから、これからここで討議しましようか、そんなべらぼうなことがありますか、だからいらぬことは言わないでおきなさい。それからわれわれは支那事変に対して一つの考えを持たないような政治家のおることを実に情なく思う。敗戰問題は支那事変から出発する。支那事変ゆえにこそ国を占領下におくような大騒動になつたのです。だからわれわれは非常に考えねばならない。考えてこそ初めて日本の民主主義的、平和的な再建が可能になるという考えを持たずに、朝鮮事変に対して非常に扇動的なことを言うのは実におこがましい話である。何で私が支那事変を聞くかといえば、これは人民生活を非常に圧迫したのです。この支那事変が起つたがためにわれわれは非常にだまされた。そしてわれわれは非常に不幸な目にあつた。この不幸を解決するためには国内の解決かかんじんなんです。さればこそ国内におきましては農地は解放された。解放されたが、一向効果が上つておらないのですが、農業協同組合法というものが生れまして、残りを改革して行く各所に農業協同組合、漁村にも漁業協同組合、町には労働組合ができて、税金の問題録しまして民主的ないろいろな方法がとられたはずなんです。それを一々蹂躙して来たのが自由党なんです。蹂躙しぶりがよかつたのであなたは次官になつたのです。こういうふうな行き方で行きますと、現に警察の問題がそうじやないですか。警察というものは人権援護のための仕事をしなければならないのです。それが東大の手帳事件が起つた。京都でもあるいは北大でも問題が起つておる。警察こそ暴力団の巣窟であつて、全国のどこでもけんかばかりしているじやないか。こういうような点から見て行きますと、もつと次官は、支那事変に対しまして、第二次大戰に対しまして、まじめな良識を持つたところの世界人としての反省の中に、沈思黙考をしていただきたいのです。そうせぬとこつちの質問は何ぼでも引つかかつて行きますよ。
 それから次に、軍拡をやつているという点はある程度認められましたね。それだから軍拡をやつた結果として、軍拡は必ず戰争になるという意見があるのです。これは共産党だからといつてもだめですよ。ベヴアンという人がおりますね。これは英国の労働党の議員なんです。この人さえも軍拡が戰争にならなかつた例があるかということをはつきり言つているのです。そこで軍拡が戰争にならないと言つておるのはアメリカひとりなんです。アメリカ人の意見が間違つておるのです。きのうもはつきりと上院の意見にもありました通り、フイリピンには賠償しろといつておりながら、支那本土に対しては賠償するなというこのような意見の強要は、気違いでなければ言えないことなんです。アメリカには紳士は一人もいなくなつたのか、ワシントンとアブラハム・リンカーンが紳士であつたが、紳士は死んでしまつた。そういうような意味でアメリカ人は非常にむちやなことを言います。軍拡こそがすなわち戰争を防ぐのだ、力があればこそ戰争は防げるのだ、こう言います。ところがそれに対して軍拡こそが戰争になるのだという意見があるのです。そこで私があなたに聞いておきたいのは、日本もこのアメリカの軍拡につながつて、これで平和を確保できるというあなたのはつきりした見通しを承りたいのです。
○福田政府委員 まず最初に自由党に対して言われました農業政策その他に対する不当な誹謗に対しては、私どもは絶対に反対をいたします。
 それから第二の点でありますが、軍拡が必然的に戰争になるという考え、これは相当いろいろな立場に立つ人々も認めておる議論でありますが、またそれに対して違う意見もありまして、私どもの考え方といたしましては、軍拡の勢いのおもむくところ戰争に行く可能性があることはわれわれも考えております。しかし必ずしもそれ自体が戰争必至であるという議論については、軽々に賛成しかねます。従つてその次に来る最後の御質問に対しましては、私どもはそう簡單に結論づけることはできないのではないかというふうに考えております。
○横田委員 それじや紡績の例をとります。紡績で繊維品をこしらえます。それを町で着なくちやならない人が着たら消費できるのですが、着るために買えない、着られないために売れない。そのために操短が問題になつて来ております。それで軍拡を例にとつたら一体どうなるでしようか。大砲とか戰車とか原子爆弾、こんなものをたくさんこしらえて貯蔵して、どの産業を生むのですか。どこの人民の生活を安定さすのでしようか。そういうふうなものを消費しなかつたら資本が寢てしまうのです。資本が利潤をかせがないで寝たままでほつておかれるのです。資本とは利潤をかせぐための剰余価値です。そこであなたに聞きたいのですが、軍拡には資本が使われるでしよう。これがやがておれの使つたものに対するもうけを保証してくれといううなりをするのです。要求をするのです。それがすなわち戰争になると私は思うのです。だから資本に対する、あるいは資本主義社会に対するあなたの考え方は一体どうなんです。いらないことを言うようですが、私は何も農業協同組合において、漁業協同組合において、労働組合において、これに対してあなたが弁明しなければならないほど自由党を誹謗した覚えはないのです。演説会なんかに行つて、自由党を誹謗するのだつたらこんな程度じやないのです。物凄いものですよ。要は軍拡に使つたところの金、再び回収を迫られない程度のアメリカ並びに日本――アメリカがいやだつたら、日本だけで出せるだけの金の率はどれくらいか。日本は今年は千八百億の金を出しておりますね、それを承りたいのです。
○福田政府委員 御質問の立脚点が、日本が軍拡経済であるとはつきりきめておられますので、どうも私どもお答えするにも説明するにも、食い違いがあるのはやむを得ないと思います。私どもはあなたの言うように、日本の経済が百パーセント軍拡経済であるというふうには考えておりませんし、従つてそれに使われる資本につきましても、いわば軍拡的資本であるという考えに対しては、私どもは違つた考えを持つております。
○横田委員 これははつきりしないのですから、あなたに聞いてもよけいはつきりしないと思うのですが、一応念のために聞いておきます。大体予算委員会でも大問題になつたのです。その問題になつたというのは、日本の国力では一体どの程度まで軍備の強化が可能であるか、これが一つ。この点に対して一人々々の意見を聞くということは非常にいいと思うのであなたにも聞いておきます。それから強化された軍備で、今日の国民生活を基準にして、それよりもよくなるか、よくならないかの問題、いわゆる民生を圧迫するかしないかの問題を、念のために簡單に答えておいてもらいたい。
○福田政府委員 第一の点ははつきり聞き取れませんでしたので、もう一度御質問をお願いいたします。
○横田委員 日本の国力でどの程度までの軍備の強化が可能かということです。この一問だけで終ります。――これ一問やつたらこれで切るという意味ですよ。質問をやめるという意味ではないのです。これがなぜ問題になつておるかというと、予算委員会では野党全部が、二千三十三億、そのうちの二百億を引きまして、千八百億ほどの金が、今度の軍拡につながるところの軍事予算だというのです。池田大蔵大臣は、これくらいだつたら日本国民生活を圧迫しないということをはつきり言つておるのです。アメリカの空軍参謀長であるところのローリングス中将は、いやあんなものはあかぬと言うのです。三千百億から四千三百億の軍事費を、日本にことし一年に負担さしてやると言うのです。もちろんアメリカの言うことは、自由党は絶対多数をもつて最も忠実に守る党ですから問題が起つて来るのですが、日本の力では、どの程度までに軍備の強化が可能であるかどうかということを、その一問の前段として聞きたい。
○福田政府委員 日本の国力は、御承知の通りたとえば国民の総所得とかいろいろな見方があろうと思います。国力の算定につきましては、日本の国民総所得というような立場をとりますと、現在のところ各国の国防費との比率は、日本としては低位であることは御承知の通りであります。その点から言うならば、まだ負担能力があるという一つの議論も生れるのでありますが、これは私個人の考えでありますけれども、この場合に国力の算定についても、相当いろいろな要素をもつと愼重に考えなければならないだろうということが一つと、それから軍拡ということを簡單に言われておりますが、一体どういう意味の軍拡か、この点につきましても、まだ日本は正式な軍備を持ち得ないし、また持つておらない。また将来持ち得るだけの経済力のないことは御承知の通りであります。その点につきまして、私ははつきりした計数的なことは申し上げることは無理であると思います。
○横田委員 軍備を持ち得ないと言われるのですが、軍備を持つておるとか持つていないとかということは、木村法務総裁や大橋さんに聞いても少しも解決がつかないのです。だからそういうことを問題にしておるのではなくて、警察予備隊という姿がありますね。あれを軍備というのが、いやならいやでもよろしい。とにかく普通人と違う化けものみたような形でしよう。普通人は持たないバズーカを持つたり、高射砲を持つたりして人殺しの稽古をしておる。そのようなものをどのくらいつくられる見込みであるかないかということが、次官会議でおそらくちよいちよい雑談でも出るだろうと思いますが、日本のあの程度のものだつたら、日本で十一万、いや三十一万くらい、いや七十万くらいは行けるだろう、こういうような談話なんか出ないのですか、その点どうです。軍備とか軍備でないとかはどうでもいい。殺人をやるごろつきの集団を、今日どのくらい多く持てるような日本経済のゆとりがあるのですか。
○福田政府委員 横田委員のおつしやる、また御質問なさる観点が、あなたも御承知の通りわれわれと考え方が基本的に違つております。従つてあなたの御満足の行きますような答えをいたしますことはでき得ないと思います。
○横田委員 でき得なかつたら、私の暴言といいますか、あなたに対する攻撃に対して、自由党を代表しておる人は、この場合あんたしかないのですから、もつと反駁されたらどうですか。そうせぬと議会はさびしいものになるんじやないか、答弁はないのですか。
○前田委員長 答弁はないようですから続いてやつてください。
○横田委員 それじやあとの、国民生活が、今日を基準にいたしましてもう少しよくなるか悪くなるか、私は悪くなると思う。たとえば終戰処理費が去年は九百二十七億です。それが今度はなくなつて、終戰処理費がなくなつたために別の軍事費が千八百億とられる。とんでもないことである。かえつて名前がかわつてよけいとられる結果になるのです。しかもできたところの警察予備隊は使いものにならない。海外出兵にしたつてそうです。出兵といつてもこのごろ国会論争においても、警察予備隊を海外に出兵さすかさせないかということを言つておりますけれども、警察予備隊の人に行つて聞いてみなさい、海外出兵なんかできますか、やれるならやつてみなさい。アメリカの兵隊が、バズーカ砲や高射砲、鉄砲、そんなものは持たすけれども、その中にこめて人を殺すところのたまは、ある程度以上持たせないじやないですか、あとはかぎを掛けて一生懸命アメリカ人が番をしておる。だからほんとうを言いますと、海外出兵いたしませんと残念そうに言うのです。吉田自由党総裁は、歯を食いしばつてその現状を見てはつきり知つておる。木村さんもそうなんです。私はそう思います。共産党は至つて実際的事実を知つておりますからはつきり言えるのです。だから今日の国民生活を基準にいたしまして、一体ああいうふうな形で役にも立たないような、普通人でないところの武装団をこさえて、そうして国民生活を圧迫するかということについて、次官会議で何か意見を交換された例がありましようか、あるいはまた周東安本長官に対しまして、あなたから意見を進言されたり、あるいは安本長官から御指示を受けられたようなことはないでしようか。
○福田政府委員 その点につきましては、安本におきましても、数度幹部会の討議研究の対象になつております。これは予算案の提出の場合に御説明しましたように、総括的に見て、幾分むしろ民度は来年度は上まわるということも、われわれは見通しをつけ、またそれを発表しておるわけであります。根本の問題はあなたのいわゆる軍拡、また私どもに言わせれば防衛力を強化して行く、それにつきまして民生が著しく圧迫されるとか、あるいはこれ以上著しく低くなるということについては、むしろ自由党も反対しておりまして、その線はあくまでも守つて行くということははつきり申し上げられると思います。
○横田委員 いやらしい答弁ですね。だれだつてこれよりか国民生活を悪くするという人がありますか。私は数字と理論的な根拠において聞いておるのです。考えてみなさい。言葉としては、死んだところに行つて悔みを言う場合だのに、おめでとうと言えますか、そんなべらぼうな答弁があるものか。
 それから次にこの文句の中にあるのですが、消費規正を強化しなければ輸入をすることも困難な状況であり、国内における在庫も漸次枯渇をし、需要もきわめて逼迫して云々、こう書いてあります。消費規正の強化の結果は、国民生活にどのような影響を受けさすか、だからこの点ではつきり聞きたいのは、消費規正を強化しなければというのは、今の品目だけの消費規正の強化ですか、それともまた次に何か例があがつておるが、そのあがつておる例としては、今度五品目しかあがつておらない。海外の情報を見ますと銅もちよつとメッコを入れられておるように報じておるのです。だからその形において次にねらわれるものは一体どんなものでしようか。
○近藤(止)政府委員 割当配給をいたします物資として五品目が法律の別表に上つておりますが、そのほかに使用制限を近い機会にいたさなければならないと思つておりますものは銅でございまして、そのほかの物資につきましては、さしあたりこういつた制限あるいは割当配給の品目に入れる予定はございません。
○横田委員 銅は消費制限の対象になりつつあるのですね。そういたしますと、現在の銅の産出量が少くなつたのでしようか、今日のままで銅を使う用途がほかにふえたためでしようか。
○近藤(止)政府委員 実は銅の生産関係を申しますと、国内における銅鉱石の採掘量が非常に減少いたしております。これは戰争時代から逐次減少いたしておるのでございまして、ただ終戰後一時銅のスクラップの回収量が相当ございまして、これが還元をいたしまして銅製品になつておつたわけでございますが、そのスクラップの回収量が逐次減退して参る状態でございまして、大体二十七年度の下期あたりになりますと、スクラップあるいは銅鉱石の輸入をいたしませんと、昨年度程度の需給関係を維持いたしますのに不足を来すような状態なのでございます。従いまして従来より新しく需要がふえたというのではございませんで、従来程度の需要量を持続いたしますのに、原料的に不足を来すおそれが近い将来にある、こういうことでございます。
○横田委員 委員長にだめを押しておきますが、あすは大臣が来るのですね。長官が来るのですね。そのときに改進党の質問が残つておりますね。それから社会党の方々の質問が残つておりますね。あす一日で審議を打切ると言つておるのですが、そうすると今うんとしやべらして、長官のくるかんじんの明日、またやつたら、時間を見ていつもの手を使い、こちらの時間を減らしますか。
○前田委員長 申し上げますが、あしたは改進党から質疑がありまして、次に社会党から御質疑がありまして、時間がございましたらまた横田君に質疑願いたいと思つております。
○横田委員 そうすると自由党の公約みたいにだんだん約束がかわつて来たじやないですか。今日は時間外にしやべる。簡單に言いますと、一般的な問題を先にやりたかつたのですよ。一般的な政治問題は、長官があした来られるのでしよう、だから今日使つた時間を全部ゼロにして、あす全部くれとは言わぬのです。言わぬのですけれども、あすの時間をきつちり約束してもらいませんと、ばかみたいに今日つまらぬ質問ばかりして、かんじんの長官が来たときに何も言わさぬで共産党は済んだというようなことで済ませておられますか。
○前田委員長 いや違います。お答えいたしますが、横田君もできるだけ御質問を願います。
○横田委員 できるだけというのはややこしいのです。
○前田委員長 いや改進党の方や社会党の方がどれだけ質問されるかわかりませんが、できるだけあした中に質問の御希望のある方全部ができるように私も議事を進行いたしたいと思つておりますけれども、まだ改進党の方の質問時間等を聞いておりませんので、できるだけひとつ横田君の御質問を願えるようにいたしたいと思います。
○横田委員 できるだけじやだめです。今質問することが一枚済んだだけです。あと三枚あるのです。ところがこれが大臣に一番聞きたいのです。今日も技術的な問題もたくさんあります。ありますけれども、改進党の先生、社会党の先生、自由党の先生によく相談してもらつて、できることならあすの時間が公然と残つて、公然と要求できるような立場に置いてもらいたい。そうせぬと調子に乗つてあまりやつておつても損ですから。
○前田委員長 その点了解いたしました。
○横田委員 これから四時半までの時間をあすに確保しておきます。
○前田委員長 それでは次に小野瀬君。
○小野瀬委員 私は時間がかからないように項目をあげて簡單にお尋ねいたしますから、政府委員におかれましてもごく簡單にお答え願います。
 タングステン鉱の国内における鉱区はどこですか。それから第二番目は、国内産出の鉱石のタングステンの含有量。それから三番目がタングステンの輸入鉱石の価格と内地鉱石の今の価格。それから今度出る法律によつて、このタングステンの需給調整を行う場合に、政府が買入れを行うようにするのか、あるいは売渡先を指定するようにするのか。その次はこの表によりますと、内地の生産量が昨年まではわずかに三キロであつたのが、二十七年度は百三十キロ見込んでおる。これは何かこういうような増産をさせるために、政府が特に対策をとつておられるのか。とつておられるとすれば、どういう対策をとつておられるのか、それをお伺いしたい。もう一つはガソリンの統制解除の問題が、新聞では四月に統制を廃止するというのが六月になるだろうというように書いてありましたが、この解除の時期の見通し、そういうような点についてお伺いします。
○近藤(止)政府委員 タングステン鉱の国内にございます所在の場所でございますが、これは大体タングステンとモリブデンと一緒にございます山が普通であります。京都の粟村鉱業、富山県の黒部の上流、それから島根県の三朝温泉の近くでございますが、大体この三箇所が近い機会に開発できる。むしろ昔開発いたしましたものを復活いたしまして、相当再産出するということに相なつておる山であります。これらの鉱石の含有量でございますが、これはまちまちでありまして、実はあまり品位のいいものではございませんが、モリブデンと一緒に出て参ります関係もございますので、採算的には大体成立し得るのではないかと考えられておるわけであります。
 それから輸入の場合の価格と国産の価格との比較でございますが、これは実は輸入価格が非常にまちまちでございまして、輸入先によりまして非常に高いものがございますが、大体鉱石で持つて参りますような場合から考えてみますと、国内の開発はある程度戰争中にやつたようなものが多いのでございますから、価格の点ではむしろ国産の方が非常に高いということはございません。大体国産で精製いたしますれば、採算ベースに乗り得るのではないかと思うのでございます。なおこの点はもつと詳細に調べまして、明日でもその具体的な金額をお示しいたしたいと存じます。
 それから統制の仕方の問題でございますが、鉱石は全然統制をいたしません。そこでフエロタングステン、つまりタングステンの合金鉄のことでございますが、これにつきましては、これを需要いたしますものは、大体特殊鋼メーカーに限定されておりますので、このフエロタングステンにつきましては、近い機会に割当配給制度をとりまして、それから制限の方はタングステンそのものにつきまして、先ほどもちよつと御質問が出ましたように、これを特殊鋼に混入いたします場合に、一定比率以上のものをまぜてはいかぬということで、製品の方の構成と申しますか、材質の構成の点で、一定の量にタングステンの含有の量を制限する、こういう行き方をいたしたいと考えておるわけであります。
 それからタングステン鉱の開発の問題でございますが、これは国家といたしてもできるだけ急速に進めたいというように考えまして、先般の閣議で決定いたしましたが、開発銀行における融資の準則の中に、タングステン、モリブデンの鉱山を含ませるということにいたしまして、極力開発銀行の資金をつけるようなことにいたしたいと存じております。
 それから生産の見通しの問題でございますが、タングステンの金属といたしまして、二十六年度の実績といたしましては、五九・三トンという数字になつておりまして、輸入が三トンであります。来年度はタングステンそのものの生産を三百トンまで上げて参りたい。輸入は百三十トンくらいになります。これは結局、従来は戰争中からの在庫が相当ございまして、特に特殊物件等でハイスピード・スティールのストックがございまして、しいて新たにこれを生産する必要もなかつたのでございますが、逐次そういつた在庫が底をついておりますので、国内の生産をふやし、同時に輸入もある程度ふやさなければならない、こういう状況になつて参りました。むしろ需要量といたしましては来年度は二十六年度よりは多少下まわるというような数字になります。これはお手元に差上げました資料にございます。
 それからガソリンの統制撤廃の時期でございますが、これはただいま提出してございます新しいこの法律の附則の第三項によりまして、ガソリン関係の統制は六月三十日限り、七月一日からガソリンその他の石油統制は全部撤廃する予定でございます。
○前田委員長 ほかに御質問ありませんか――ほかに御質問なければ本日はこの程度にいたし、明日午前十時より開会いたし質疑を続行いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十七分散会