第013回国会 厚生委員会 第34号
昭和二十七年五月三十日(金曜日)
    午後二時二十七分開議
 出席委員
   委員長 大石 武一君
   理事 青柳 一郎君 理事 丸山 直友君
   理事 亘  四郎君 理事 岡  良一君
      新井 京太君    田中  元君
      寺島隆太郎君    堀川 恭平君
      松永 佛骨君    松井 豊吉君
      松谷天光光君    堤 ツルヨ君
      苅田アサノ君    福田 昌子君
 出席政府委員
        外務政務次官  石原幹市郎君
        厚生政務次官  松野 頼三君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局環
        境衛生部長)  楠本 正康君
 委員外の出席者
        外務事務官   片上 一郎君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局検
        疫課長)    軽部彌生一君
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
        専  門  員 山本 正世君
    ―――――――――――――
五月二十八日
 委員新井京太君辞任につき、その補欠として木
 村公平君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
 委員木村公平君、田中元君及び松井豊吉君辞任
 につきその補欠として新井京太君犬養健君及び
 池田正之輔君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十日
 委員池田正之輔君、犬養健君及び三宅正一君辞
 任につきその補欠として松井豊吉君、田中元君
 及び岡良一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 岡良一君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
五月二十七日
 国立松江病院整備拡充に関する請願(大橋武夫
 君紹介)(第三二三九号)
 母子福祉法制定の請願(内藤隆君紹介)(第三
 二五五号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十九日
 琉球の遺家族援護に関する陳情書(沖繩島那覇
 市護国寺内琉球遺家族会会長島袋全発)(第二
 〇四二号)
 未帰還者及び留守家族国家補償に関する陳情書
 (北海道議会議長蒔田全吉外七名)(第二〇四
 八号)
 海外引揚者に対する国家補償に関する陳情書(
 東京都議会議長菊池民一外七名)(第二〇四九
 号)
 戦沒者遺家族への弔慰金の早急交付に関する陳
 情書(東京都議会議長菊池民一外七名)(第
 二〇五〇号)
 児童福祉関係費の特別補助に関する陳情書(福
 岡県社会福祉協議会長山脇正次外二名)(第二
 〇五一号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 小委員の補欠選任
 参考人招致に関する件
 外国軍用艦船等に関する検疫法特例案(内閣提
 出第二〇四号)
    ―――――――――――――
○大石委員長 これより会議を開きます。
 まず参考人選定の件についてお諮りいたします。先般の委員会において、堤委員より、日本赤十字社の問題の調査のため、関係者を参考人として当委員会に出席願うべく、所要の手続をとられたいとの御要望がありましたので、昨日の理事会において協議いたしたのでありますが、来る六月二日の当委員会における参考人として、元日本赤十字本社外事部顧問の蜷川新君、元日本赤十字本部職員組合長の瀬尾正書君、日本赤十字本社理事の松井義重君、以上三君を選定し、意見を聴取いたしたいと存じますが、そのように決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大石委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
○大石委員長 次に理事及び小委員補欠選任の件についてお諮りいたします。委員であつた岡良一君が去る五月十六日、新井京太君及び松井豊吉君がそれぞれ昨五月二十九日委員を辞任されたのに伴いまして、理事及び小委員に欠員を生じておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、三君とも現在委員に再び選任されておりますので、それぞれ辞任される以前ついておられた職、すなわち岡良一君は、理事、戦争犠牲者補償に関する小委員、医療体系に関する小委員、国民健康保険に関する小委員、国立公園に関する小委員に、新井京太君を日本赤十字社に関する小委員に、松井豊吉君を水道に関する小委員に、それぞれ補欠選任することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大石委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
○大石委員長 次に外国軍用艦船等に関する検疫法特例案を議題とし、審査を進めます。
 質疑を順次許可いたします。松谷天光光君。
○松谷委員 若干の質問をさせていただきたいと思います。先ごろこの厚生委員であられる苅田委員が、検疫所に参観と申しますか、調査と申しますか、行かれた際に、伺われたという話で、
    〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕
沼津あるいは、小田原という開港場に当つていない場所に、外国軍用艦船が入港し、そして上陸をしたというようなお話があつたということでございますが、この件について、なお詳細を、わかれば承りたいと思います。
○楠本政府委員 ただいま御質問のような点に関しましては、私どもは何ら正式に聞いておりません。また確認をいたしておりません。しかしながら、万一さようなことがかりにもあつたといたしますれば、それは当然外交折衝によつて解決をはかるべきものだと考えておりなす。
○松谷委員 ただいまそうした事実が、まだはつきり厚生省の方で資料を得ておられないという御答弁でございましたので、これ以上質問申し上げてもむだかと思いますが、かりにそのようなことがあり得ると、厚生省は現在お考えになりますかどうか。
○楠本政府委員 外国の軍用艦船が、日本の港に、何の連絡もなく、また何の了解もなく入つて来るというようなことは、絶対にあり得ないことだと考えております。
○松谷委員 この問題は、厚生当局に御質問申し上げても、ちよつと御答弁はいただけないと思いますので、また他の機会に外務当局にでも伺うことにいたします。
 次に、なお伺つておきたいのは、先般からの当局の御答弁で、行政協定によるととろの艦船は、大体二十四開港場、すなわち検疫所のあるところに入るという協定が結ばれたということを伺いましたので、一応その点については了承いたしたのでございますが、今仮想的な問題をひとつ取上げてみます。あの朝鮮動乱のような、具体的な例のございます場合に、一時に艦船がもしも日本の港に押し寄せた1押し寄せるというと、言葉が悪うございますが、引揚げたというような場合があると暇遣いたしましたときに、一体検疫の方で、それを処理するだけの能力があるかどうか。あるいは二十四開港場のみでそれを処理することが、一体検疫の立場から考えて、できるかどうかという点について、御答弁いただきたいと思います。
○楠本政府委員 ただいまお話のような点は、まつたくの非常事態に属する問題でありまして、私どもが、單にここであるいは御答弁申し上げる範囲でないかもしれませんが、しかしながら、現在運航いたしつつあります艦船の状況等から考えまして、日本内地の港に入つて参りました場合の処置につきましては、相当な努力は要することと思いますが、国内防疫に間隙を生じない程度に、処置いたします能力はあると考えております。
○松谷委員 ただいまの御答弁は、そうした非常事態にあたつても、処理し得るだけの能力があるというお答えをいただいたのでございますが、これはどうも現在の検疫所に与えられている予算、あるいはまた定員、こういうものから見ましても、ことにこの特例が実施されるということになりますれば、五十八開港場にすべて入れるので、その出張検診、それでさえも十分ではないという御答弁を、さきにもいただいたように記憶いたします。ことに、この非常事態にあたつて、今日のような厚生省の、いわゆる二十七年度検疫所に与えられた予算だけで、ことに現在の定員で、その非常事態をまかなえるとは、私は常識的に考えられないのでございますが、その非常事態にあたつての予算的あるいは人員的措置というようなものは、どういうふうになつておりましようか。
○楠本政府委員 何分にも、ただいま御想像のような事態は、非常事態でございまして、さような場合には、おそらく他の一般商船というようなものの交通も考えられないのでありまして、しかも一方さような非常事態に対処しましては、日本側も全力をあげてその処置に集中いたしますから、従つて、その意味で能力があるということを申し上げたのであります。ただ、これはあまりにも想像に過ぎることで、これ以上お答えはちよつと困難でございます。
 なお、現在の検疫所の施設、人員等につきましては、先日来御答弁申し上げておりますように、今後船舶の運航状況、あるいはその交通関係等をよく見まして、必要がありますれば、いつ何どきでも必要なる予算を計上いたしたい、かように考えておる次第であります。
○大石委員長 苅田委員。
○苅田委員 外務当局においでいただいてから、またほかの点は質問したいと思うのですけれども、もしおわかりになつていれば、部長の方から御答弁願つてもいいと思います。行政協定で、大体今新聞で発表されておるだけでも、三十箇所の飛行場というものができているわけです。これは今できたわけではなくて、この大部分のものは従来からできておつて、米軍の使用しておつたものですが、ここでの検疫というものは、従来どういうふうになつておりましたのですか、この点をひとつお聞きしたいと思います。
○楠本政府委員 従来は、アメリカ側がこれを実施いたしまして、日本側は、これに協力する立場をとつております。
○苅田委員 協力ということを、ひとつ具体的にお話願いたいのです。
○楠本政府委員 たとえば、実際の人員数を調べるとか、あるいはまた、場合によりましては検便その他の健康診断にサービスをするとか、かような意味で協力をいたしておつたのであります。
○苅田委員 そうしますと、日本の検疫官も、その飛行場内に入つて、一緒に検便をしたり、人員の調査をしたりしたわけですか。
○楠本政府委員 これは、先日もお答え申し上げましたように、アメリカ側のさしずに従いまして、必要なる措置をとつたのでありまして、その都度異なつておると存じます。
○苅田委員 その都度異なつていたでしようけれども、やはり向うからそういう要請があれば、飛行場の中に入つて検便をしたり、人員も調べたりすることをやつていたことがあるわけですかどうですかその点は。
○楠本政府委員 ただいま御指摘のような点は、一部さようなことが実施されたのであります。さような場合もあつたということを申し上げておるのであります。
○苅田委員 そうしますと、占領下でも、そういうふうにして米軍の要求があれば、米軍基地内の飛行場に入つて、日本の検疫官が協力ができていたものが、なぜ占領が解除されたといわれている今日になつて――従来のものをそのまま使つているのが、ほとんど大部分だと思うのですが、ここに日本の検疫の自主権が認められているということを、あなた方は言つておられるのですから、それなのに、なぜ検疫所をつくつて、あるいは日本の検疫官が立ち会つて検疫をする、日本の納得のできるような検疫をするということができないか、こういう点です。占領が解除になつて、今度はもつとそれができなくなるというようなことは、私どもどうしても了解できないのです。その点はどうです。
    〔青柳委員長代理退席、委員長着席〕
○楠本政府委員 今後は日本の立場で検疫をいたすわけでありますけれども、ただそれに関して、アメリカ側を協力させて仕事をするごとになります。
○苅田委員 それはおかしな御答弁だと思うのです。というのは、この間お聞きしたときには、飛行場の中には日本の検疫所はできないのだ、日本の検疫官は立ち入られないのだという御答弁があつたのです。それで行政協定の相談があつたときに、こちらからも出て、そして日本で検疫所をつくり、検疫官も日本が置くから、検疫をさせてもらいたいという話があつて、向うの軍医もそれに同意したにもかかわらず、アメリカの作戦上困るというので、断られたのだということを、軽部課長が言つておいでになるわけです。ところがあなたは、日本に自主権があつて、向うに協力させるのだという御答弁は、それと全然違うと思うのですが、これは一体どういうことですか。
○楠本政府委員 これははつきりお答えいたします。その検疫は、日本政府の責任において実施いたしますが、施設区域の関係もありますので、そのやり方につきましては、日本の検疫法、つまりこの特例の示すことを間違いなぐアメリカが実施することを、われわれが確認をいたしまして、そして実施をする。從つて、アメリカ側が日本のやろうとすることを、そのまま間違いなく行つてくれるのだ。それを私どもは、しかも口だけではなく、確認をして、そこで検疫が終ることになるわけです。
○苅田委員 アメリカが間違いなくこちらの言つたことをやつてくれたかどうかということは、どうして確認されるのですか。
○楠本政府委員 これはもちろん文書その他の協定において、これを実施いたします。
○苅田委員 もう少し具体的に……。
○楠本政府委員 文書で確認する場合もありますし、あるいは実際にやつた成績、あるいは人員名簿、さようなものをこちらに示すわけでありますが、しかし、この法律に書いてありますように、あらかじめ協議をいたすことになつておりますから、場合によりましては、協議の結果、日本の検疫官が入つて、それを実際に確認するということもあろうと存じます。それは協議の結果によつて異なつて来ると存じます。
○苅田委員 そうしますと、飛行場は三十何箇所かあつて、そこには一つも日本の検疫所もないわけでしよう。そういう御答弁だつたのです。そういたしますと、一体どこから飛行機が飛び出すのだとか、入つて来るのだとかいうようなことを知らせて参つて、どこでそういう確認をするのかということが、どうもはつきりしないのです。話合いができておるとおつしやるが、それでも直接検疫に従事している検疫の担当医は、明告書だけでは、自分ははつきり検疫ができているか、できていないかの確認は、非常に不安だということを言つておるのです。ところが、検疫所も何もなくて、そして日本中に三十もある飛行場から、しよつちゆう飛び立つて行つたり、また帰つて来ている飛行機を、どういうふうにしてどこへ一体それでは事前に通知するのでま。いろいろなことをやるとおつしやつても、もつとそれを具体的にお聞きしないと、どうもあなたの言つておられることだけでは、わからないのです。
○楠本政府委員 これもまつたく連絡がなく入つて来ることはございません。従いまして……。
○苅田委員 どこに連絡があるのですか。
○楠本政府委員 これは検疫所にございます。
○苅田委員 だつて、検疫所はないでしよう。どこの検疫所に連絡があるのですか。飛行場には検疫所がないとおつしやるのですが……。
○楠本政府委員 先日来、もよりの検疫所が、それぞれ責任を持つておるということを、申し上げたわけであります。
○苅田委員 私は、船の場合は、あなたがおつしやるように、二十四の検疫港があるのだから、そこで飛行機の場合を特に今お聞きしているわけです。飛行場は日本には羽田と岩国しかあれがないでしよう。日本の飛行場というのは、そうたくさんあるわけではなし、今度新しくできる飛行場というのは、日本の飛行場ではない。行政協定による三十の飛行場というものは、これは向うが全部接収している飛行場ですから、ここには検疫所はないのでしよう。そうすると、ここの飛行場に入つて来る飛行機について、いつ入つて来るといつても、どこにそれではもよりの検疫所があるのか、私にはわかりません。
○楠本政府委員 ただいま御指摘のような飛行場というものは、私どもは新聞紙上等で聞いたように思つておりますけれども、別に何ら正式にきまつたということは聞いておりません。いずれ正式にきまりましたら、それぞれ担当すべき検疫所を示して行きたいと考えております。
○苅田委員 それはこの前に来られました外務省関係の方の御答弁とは、まつたく違つております。それは、あなたも来ておつてお聞きになつたと思いますが、あるいは当らずといえども遠からずで、大体そういうことがあるのだ、きまつているのだというお話があつたのですよ。ですから、今のような御答弁は、非常に無責任だと思います。ああいうものがあるということは、大体外務省できまつております。そうすれば、さつそく検疫の問題はどうなるかということで、御相談があつたに違いないと思います。だからこそ、飛行場の中には検疫所をこしらえさせてもらいたいという、直接の御相談があつたのでしよう。それを断れているでしよう。だから私は、日本が弱い立場だから、断られていることを何も責めるのではないけれども、なぜこういう大切な問題で、しかも行政協定の中には、防疫関係のことについては、條件がついていないということを、何べんも課長も言つておられるのだから、それならば特に日本のこの状態を話して――国内の非常に弱い状態を話して、今、日本で疫病がはやられたらたいへんだから、われわれで責任の持てる防疫措置をやらせてもらいたいと言うことは、これは何も行政協定に違反していないのですよ。なぜそれをしなかつたかということです。あなたは、そういうものができることになつてからまた話をするというような、そういうごまかしを言われると、私はほんとうに腹が立つのですよ。そんなことを答弁してもらつても、あなたの方はいいかげんの答弁しかなさらないということになりますよ。そういうようにおつしやられれば……。
○楠本政府委員 いずれ正式決定を見ましたら、正式の通知を受けまして、それに基きまして、それぞれ所管すべき検疫所を指定して参りたいと考えております。
○苅田委員 それでは、この前この委員会でも軽部課長が言われましたが、飛行場についての検疫の申入れをしたけれども断られたということは、これは軽部課長が間違つた御答弁をしたことになるのかどうですか。この点もひとつお聞きしておきます。まだそういうような折衝までやつていないということであれば、軽部課長は間違つた御答弁をこの委員会でなすつたということになるのですか、これはいかがですか。
○楠本政府委員 間違つてはおらぬと思いますが、いずれその点私も失念をいたしておりますので、速記録等を調べましてお答えいたします。
○苅田委員 間違つていないということは、厚生省の方としては、そういう交渉をしたこともなければ、米軍から拒絶されたこともないということをおつしやるのですか、どうですかということをお聞きしたいのです。
○楠本政府委員 たとえば、二十四以外の港にはアメリカは入らない、軍用艦船が入らぬというようなことは、それは折衝によつてきまつた問題であります。從いまして、その間いろいろな折衝は繰返されているのではなかろうかと考えております。
○苅田委員 私のお聞きしているのは新しくできる三十の飛行場に対しまして、こちらからも検疫所を置いてくれということの交渉をやつたのだけれども、軍医は承知したのだけれども、アメリカ軍の作戦上の都合で断られたというふうな御答弁があつたのです。これはあなたがおつしやるのは、主だ三十の飛行場とかなんとかいうことは飛行場のことはきまつていないのだから、きまるようになつたら、また何とかごのことについても相談するという御答弁ですから、それではせんだつて軽部課長から御答弁になつたことは間違つているかどうかということを、お聞きしているわけなんです。そういうことはなかつたのですかということをお聞きしているわけなんです。
○楠本政府委員 協議は現在も進められておるそうですしかし、その間にはいろいろなことが話合いになつてる関係上、一々どういうような話が話題になつたかというようなことは、はつきり記憶がないということです。
○苅田委員 外務次官が御出席になりましたから、お聞きしたいのですが、せんだつて朝日新聞で発表されました行政協定に基く接収地の話合いにつきまして、朝日新聞の発表によりますと、大体全国で三十の飛行場として予定されたものがあるわけなんで、この点につきましては、せんだつての本委員会でも、これは外務省のどなたでありましたか、やはり、説明員の方が、それは当らずといえども遠からずで、大体そういうふうになつているのだというお話があつたわけですが、この飛行場につきまして、ただいまどれだけ話が進んでおりますか、その後の新聞の発表によりますと、当時予定されただけでは足りないので、もう少し使用地を増加してもらいたいという強い要求があるということも、その後の新聞に出ておるのでありますが、まず飛行基地だけでもけつこうでありますが、どういう話合いになつているかということを、お聞きしたいのです。
○石原(幹)政府委員 これは前会政府委員から話が出たと思いますが、向うからいろいろ要望が出まして、それをもととして協議をしておるわけでございまして、一日も早く最終的決定にたどりつきたいのでありますが、まだそこまでの段階に全つておりません。それから増加云々というようなお話がございましたけれども、そういうことは、ただいまのところでは、ないようでございます。
○苅田委員 そうしますと、大体朝日新聞で発表になりました約三十だつたと思いますが、この飛行基地につきましては、まだ確定的話はできていないのですか。
○石原(幹)政府委員 最後の決定にまではまだ至つておりません。
○苅田委員 そういたしますと、外務省としては、この三十の基地がもつと少くなつて、たとえば、十か十五になるという見通しでもつて交渉しておいでになりますか。それとも、これは大体向うの方との話が、その辺で折り合うだろうというおつもりで交渉をしておいでになりますか、この点もひとつ御説明願いたいのです。
○石原(幹)政府委員 ただいま申し上げましたように、向うといろいろ折衝しておるのでありまして、最終決定を見ておりませんので、ここでどうこうということを、今申し上げることはできないと存じます。
○苅田委員 ここは委員会ですから、ひとつほんとうのお話願いたいと思うのです。今問題になつております三十の飛行基地というものは、これは私が申すまでもなく、ほとんど大部分は――私も知つているところもありますが、一々歩いておりませんから、全部とは言えませんが、ほとんどこれはもうすでに飛行場になつて、飛行機が飛び立つておるところが大部分だろうと思うのです。ですから、まだきまつていないというのは、どういうことが問題になつてそれがきまつていないのか。そうして、大体いつごろそれがきまる見通しで、それでは飛行場が三十よりも多くなるか、少くなるかという見通しぐらいを――それも当然わかつていなければならないが、もしそうでなければ、朝日新聞あたりの大新聞が、ああいうふうな間違つた記事をすつぱ抜いたということに対して、これは責任問題をとられなければならない重大な問題だと思うのでありますが、そういうことがないところを見れば、前の外務省の説明員が言われたように、大体その辺の話合いができていると思うのですが、もう少しはつきりと、大体飛行場はその辺でおちつくのかどうか。それとも、今申しましたように十か十五ぐらいにしようと思つて外務省の方では骨を折つておられるのか。そういう簡単なことでも、今の場合、私はお聞きして非常に参考になるのですから、お聞かせ願いたいと思うのです。
○石原(幹)政府委員 これは数についての問題もございますが、その他、たとえば地元からいろいろな要望等も出ておりまして、その付近に通路をつけてほしいとか、極端な例をいえば、飛行場の中を一部あけるようにしてほしいとか、いろいろ地元からの希望も出ておるわけでありまして、日本側といたしましても、できるだけ地元側の要望も入れたい。それから、数につきましては、先ほど申し上げましたように、どんどん増加の何が出ておるというようなことは全然ございません。日本側といたしましては、これはできるだけ少くて済めば、それに越したことはないのですから、そういう気持でやつているということは申し上げられます。
○苅田委員 そういたしますと、今の政務次官のお話の中で、地元側から要求があつて、飛行基地の中を一部あけてもらいたいというような要望もあつたということでありますが、そういうことに対しましても、外務省の方では、なるべくそういうことが実現するように骨折りをしておられると思います。もしそうであれば、外国の特に悪い病気などのはやつておるところから入つて来る飛行機に対して、日本の検疫官が入つて検疫ができるような設備をするというようなことを日本側から申し出ることは、そう困難ではないと思いますが、この点はいかがお考えになりますか。
○石原(幹)政府委員 この施設区域につきましては、向うが行政協定によつて使用権も持つておりますし、運営管理も相手方がやつておるのであります。この法律をその区域内で施行するにつきましては、当然相手方の協力を得なければならぬと私は思うのであります。そういうことにつきまして、いろいろ打合せが行われておるのであります。この法律がそういうところにおいて施行されるというようなことについては、原則として問題がないところであろうと思います。
○苅田委員 この法律を施行いたします上におきましては、やはり責任のある日本の検疫官が、これに対して立ち会えるということがあるが、実際日本側が要求しているような処置がとられたかどうかということを確認するのに、必要な方法だと思うのです。そういうために、日本側から検疫所を一部に設けるとか、日本の検疫官をそこに派潰するというような申出をすることは、何も協定に違反していない、行政協定にはそういう禁止がない。私どもの見地では、そういうふうに考えるのでありますが、その点いかがお考えになりますか。
○石原(幹)政府委員 具体的の方法については、ただいま打合せ中でございます。
○苅田委員 そういたしますと日本の検疫官が、直接外国から来る飛行機の検疫に立ち会えるというような、問題も、しつかり話し合うというような御覚悟が、今外務省にできておりますかどうか、その点をお伺いいたしたいのです。特に検疫のことに関して、私は伺いたいのです。
○石原(幹)政府委員 くどいようでありますが、ただいま打合せ中でございます。
○苅田委員 その打合せ事項の中に、そういう点が入つておりますかどうかをお聞きしているわけなんです。結果をお聞きしているわけじやありません。
○石原(幹)政府委員 先方の協力を得なければならぬのでありまして、協力態勢につきましては、これを極力強化したいと思います。そういうつもりでやつております。
○苅田委員 私は、ひとつ外務省の独立の立場から、御答弁をお願いしたいわけなんですが、環境衛生部長についての質問は別にありましたから、今実際に具体的な話合いの中で、検疫について、日本側で検疫所を設けるとか、あるいは向うの施設の中に日本の検疫官を置くとか、そういう具体的な話合いが、どの程度進められておりますかどうかについて、そういう具体的な点についてお聞きしておりますので、その点だけでけつこうですから、あらためて御答弁願いたいと思います。
○石原(幹)政府委員 この点は、厚生省の方にお聞き願います。
○苅田委員 そうしますと、厚生省の方からも、責任のある方が検疫の問題につきましては、その行政協定の中の話合いに参加して話を進めておいでになるというような御答弁だと思うのですが、私もそういう話を聞いて、軽部課長から、一応厚生省の方からも申し出たのだけれども、軍医は同意したけれども、米軍当局の作戦上の見地から断られたという話を聞いておるのであります。こういうことを、私どもは正式にこの委員会でも、一部御返答になつておる事実があるので――これは速記録を調べればわかりますが、そうすると、今までの話とは、まるでどうもぼやけた話になつてしまうわけです。私どもは、一体この問題について、秘密にしなければならぬことがどこにあるかと思うのです。日本が非常に弱い立場で主張できないのなら、できないのだということを、今はつきり言つてもらわなければ、われわれの方としても実際方策に困るのです。あまりそういう交渉の内容につきましてお隠し立てなさらないで、はつきり言われることは、今は何も占領下でもないし、吉田内閣が責任を持つて日本の政治をしておられるのだから、こういう専門の法律がきまる委員会で、そういうふうにあいまいになさる必要はないと思うのですが、どうしてその点がはつきりさせていただけないのですか。
○石原(幹)政府委員 少しもあいまいなことはないと思うのでございます。施設区域は、行政協定にありますように、使用権を向うが持ちまして、その運営管理を相手方がやつておるのでありますから、この中でこの法律を施行するにあたりましては、相手方の協力を得なければならぬ。その協力を得るについて、今具体的方法を折衝しておる。しかも、協力態勢を極力強化するような方向へ折衝しておる。こういうことでありますから、私は何らあいまいな点はない、きわめて明瞭であろうと思います。
○苅田委員 それでは厚生省――のこれは環境衛生部長では、やはり直接の御答弁はできないと思いますので、軽部課長に、御迷惑ではありましようけれども、ひとつはつきりしたことをお聞かせ願いたいのであります。あなたがこの委員会でもお話になりました、今回行政協定によつてできる飛行基地の中に、日本の検疫所がない。この問題については、話合いのときに、日本の方からも強力にそのことを主張して、アメリカ側の軍医は同意したけれども、終局的に作戦上困るというので拒絶された、こういうような御発言がこの委員会であつたのでありますが、それをお取消しになりますかどうか。この点をひとつ軽部課長から御答弁願わなければ、しかたがないと思います。
○軽部説明員 私、米軍の管理いたします施設区域内についての検疫の実施方法ということにつきまして、いかにしてわれわれ責任をとるかということを御説明申し上げたときに、ただいま苅田委員のお話のような、そういうふうにおとりいただけるかもしれないようなことを申し上げておると思います。しかし、この委員会で、そういう御返事を申し上げてはいけないだろうと思うのであります。やはり現在この細部の打合せにつきましては、最終的決定にまで至つておりません。現在まだなお、先ほども部長の御答弁のように、区域の数も正式にはきまつておりません。從つてできるだけ協力態勢を強化いたしまして、われわれはわれわれの立場で責任が持てるような方法をできるだけとりたいというふうに考えております。
○苅田委員 私、軽部課長のお立場上、非常に御迷惑な御答弁を願つたと思いますが、これは私個人的の発言をする以外にも、この委員会で松谷委員あたりにお答えになつた中にも、そういうことが含まれておるのでこれは速記録を見れば明らかになると思いますが、この点についてはこれ以上争いません。
 それでは、きようの御答弁は一応私は承知いたしまして、そういう話合いが一体いつつくのか。外務政務次官は御存じないかもしれませんが、この検疫法をつくることを、この委員会で自由党の人たちは非常に急いでおる。ところが、この法律をつくつてみても、どういう協力態勢をするかということが、まだ話合いでわからないというようなことでは、体どうしてこれを実施するのですか。今まで話合いがついていないというようなことは、とうていこれはできないということになるのじやないかと私は思うのです。この法律をつくつてみたところで、一体どの程度これができるかというふうな話合いがついていないと言うのですが、どうもその点、私ども納得が行かないのです。いつになつたらそういう話合いがつくのですか。
○石原(幹)政府委員 今いろいろ折衝がかわされているようでありまして、そう長いことではないと思います。
○苅田委員 そういうふうに、そう長いこと折衝をするわけではないとおつしやるとすれば、むしろ実際それがどういう協力態勢で実施してもらえるのかどうかきまつた上で、この法案自体も審議すべきだと思います。私は、今日これを急いできめる必要は、ちつともないと思いますから、委員長にそのようにおとりはからいを願いたいと思います。
○松谷委員 外務政務次官にお尋ねいたしますが、先ごろ検疫所の方のお話によりますと、小田原あるいは沼津――これは開港場にも当つてないように私どもは考えるのでありますが、開港場でないそうした港に、外国軍用艦船が入港いたしまして上陸をし、たいへんに検疫方面からも困つたというような話を、先日苅田厚生委員が聞いておいでになつたということを伺つたのでございますが、体こういうような事実を、外務当局はお認めであるかどうか。そういう事実が実際あつたのかどうか、そういうことをお尋ねしたいと思います。
○石原(幹)政府委員 ただいままでのところ、正式に何ら聞いておりません。
○松谷委員 現在までに外務当局が聞いておられないという御答弁なので、これ以上この具体的な問題についてお尋ねすることは、むだかと思いますが、そうした事実があつたかどうかということを、至急に御調査くださいまして、本委員会に御答弁を願いたいと思います。それはいただけますでしようか
○石原(幹)政府委員 全然そういうことを何ら聞いていないのでありまして、この答弁で御了承願いたいと思います。
○松谷委員 ただいままで政務次官が「お聞きではない、これは私は了承いたします。しかし、これから御調査をくださいまして、そういう事実が小田原あるいは沼津港になかつたかどうかということの外務当局の御調査をお願いしたいと思います。これについての御調査は、当然私は外務当局としても、なさるべきであると思いますが、御調査の上の御答弁を伺いたいと思います。
○大石委員長 暫時休憩いたします。
    午後三時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三十五分開議
○大石委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。松谷天光光君。
○松谷委員 休憩前に御質問申し上げました外務政務次官への問題でございますが、先ほど政務次官は、ただいまの答弁で了承してほしいというお言葉でございましたが、私は先ほども申し上げました通り、きようこの問題を知らないということは、これは了承をいたします。しかし、そういう事実があつたかないかということを、ひとつ御調査いただきまして、他日答弁をお願いしたいと思います。
○楠本政府委員 この点に関しましては、私どもの方におきまして、調査をいたしまして、お答えいたします。
○大石委員長 岡一良君。
○岡(良)委員 この問題で多少紛糾と申しましようか、議論え沸騰いたしまいたのも、御存じのように、行政協力の政府の取扱い手続の問題において、われわれは憲法の第七十三條によつて、事後においてでも国会の承認を求むべきであるということについての、違憲的な手続であつたという考え方と、その次には、刑事訴訟法あるいは税法等において、どんどん特例が出て来る、そこへまた、今度の外国艦船の検疫に関する特例が出て来たというとろから、やはり問題が特に、いわばセンシブルな形をとつたと思うのであります。幸いに外務政務次官が御出席なので、この機会に最初大体の概括的な問題から始めて、ごく簡単ではありますが、しぼつてこの検疫の問題について、政府の所見を伺いたいと思うのです。
 そこで、まずわれわれが心配いたしますのは、要するに行政協定の第二十四條によつて、わが国への脅威が発生をし、あるいはまたその脅威が急迫した状態においては、日本国政府とワシントン政府が共同措置をとり、あわせて安全保障條約第一條の目的を遂行するため協議するということが規定されておりますが、そういう事態、いわゆる非常事態になつた場合における検疫業務というものが、日本の主権との関連において、われわれとしては一株の疑義を持つて来るということに相なろうと思うのであります。そこで外務大臣にお伺いいたしたいのは、一体行政協定第二十四條に基くかかる非常事態におけるところの日米共同の措置をとると書いてありますが、そういう日米共同の防衛措置についての具体的なプログラムないし非常事態の宣言、あるいは非常事態の判定、その手続等について、今、日米合同委員会においても御論議のようでありますが、その特別な作業班なり、あるいは何らかの機構を設けて、それらの事態に対する対策を御用意になつておられるのか。少くともこの問題の解釈については、日本政府として、どういうふうに処理されようとしておるのか。またその腹案があるならば、その構想についてお伺いしたい。
○石原(幹)政府委員 私の承知いたしております範囲では、合同委員会におきましては、ただいま施設、区域の決定であるとか、あるいはまたそれに関連する幾多の派生的な問題等を主として検討しておるようでございまして、ただいま御質疑の二十四條に関連するそういう問題については、合同委員会では、ただいまのところそういう段階に行つていないように承知しております。
○岡(良)委員 しかしながら、行政協定の中で、あるいは施設なり、あるいは敷地なり、あるいは基地等の問題は、結局第二十四條の問題が凝結点でなかろうかと思うのであります。待つて、行政協定の中で二十四條の問題に対しては、当然日本政府としても、具体的な対策が用意あつてしかるべきと思うのでありますが、外務省としてはこの問題に対して、どういうふうな考えを持つておられるか、その腹案があつたらお示しを願いたいということをお願いしておるのです。
○石原(幹)政府委員 実はただいま申し上げましたように、私の承知しております範囲では、先ほど申し上げたような点でございまして、これは軍の編制、作戦行動等、いろいろ関連する問題でございまして、ただいまわれわれの承知しておるところでは、まだそういう打合せが行われておるようには承知しておりません。
○岡(良)委員 それでは、重ねてお伺いいたしますが、もしまた第二十四條の前段に述べられておるような事態が発生したといたしました場合において、これはアメリカ駐留軍の活動、移動あるいはアメリカ駐留軍の増強等は、当然アメリカ駐留軍の指揮官の決断ないし判断によつて、自由に行われることと思いますが、その点についての見通しについて承りたいと思います。
○石原(幹)政府委員 いわゆる緊急非常事態が発生したと認められまして、共同措置をとらねばならぬというような場合には、ただちに協議しなければならないということになつておるのでございまして、協議に基いていろいろなことが行われると思うのでありまして、一方的な考え方だけでとり進めらるべき問題ではないと、私は承知しております。
○岡(良)委員 しかし、行政協定第二十四條の日本訳によれば、両国政府は共同措置をとり、ただちに両国政府は協議をしなければならないと書いてあるので、共同措置が先行しております。そうすれば――なるほどこれは緊急非常の事態であつてみれば、協議の余裕がないかもしれないということになれば、やはり実力を持つた、実力を行使し得る行動部隊としてのアメリカ駐留軍というものの移動なり、増強なりその他に関しては、これは駐留軍の一方的な指揮権のもとに従属すると思うが、そういう点については、外務省はどういうふうに御判断なさつておりますか。
○石原(幹)政府委員 実はこういう場合の指課命令の関係も、まだきまつていないのでありまして、安全保障條約は、こういう緊急事態が起らないように、あるいはまた可能性をできるだけ少くするために締結されておるものでありまして、ただ第二十四峰は、もしもそういう事態が起つた場合には、必要な共同措置をとり、また安保條約第一條の目的を遂行するため、ただちに協議をしなければならない、こういう意味で定められておるのが第二十四條であると、私は承知しております。
○岡(良)委員 石原政務次官の御答弁は、どうもポイントと申しましようか、私のお尋ねしておる点のおのみ込みが、非常に悪いように思うので、重ねてお尋ねをいたします。問題は、もちろんそういう事態が起ることは、国民だれ一人として歓迎いたしておりません。しかしながら、それにしても、そういう悪い事態がやはり予想されるということからいたしまして、安全保障條約というものが、一応結ばれて来ておる。こういう段取から考えてみまして、やはり好まないことではあるが、そういう悪い事態というふうなものを対象として結ばれたものである以上、その結ばれた中心点は、何と申しましても具体的細目が行政協定によつてとりきめられておるとすれば、かかる急迫した脅威が発生した場合の事態に対する共同措置ということは、何と申しましても、これが中心の課題でなければならぬことは申し上げるまでもないと思います。それに対して、日本の外務省といたしまして、その場合駐留軍の指揮官が、自己の判断に基いて兵力を増強し、あるいはこれを移動し等々のことがなし得るものであるかどうか、またそういうことを認めるのであるかどうかという点は、これはやはり検疫業務とも密接な関連がありますのでお伺いしておるのでありますが、どういうふうなお考えを持つておられますか、その点を重ねてお尋ねしておきます。
○石原(幹)政府委員 これは行政協定が、いろいろ議会等でも議論されました際にも出た問題でございますが、そのときにも、この現実の場合をあれこれと予想して、こまかいことを今から、急迫事態が起きた場合にどうする、ああするということを、規定するというようなこともできないのでありまして、結局具体的な場合に最も適切なる措置をとるという以外に、方法はないのではないか。そこで、そういうふうに考えられます際には、ただちに協議をして緊密に連絡をとつて協力をして行く、こういう趣旨が二十四條の趣旨でございまして、そう言えば、何だ当然のあたりまえのことじやないかということになるのでありますが、われわれの理解しております範囲におきましては、第二十四條というものは、そういうふうな規定のように承知しております。
○岡(良)委員 それでは重ねてお尋ねをしたい点は、私どもはこういう情報を得ておるのであります。それによれば、アメリカ駐留軍と申しましようか、軍事当局と日本政府の間に、次のような了解事項がすでにでき上つておる。一つは、非常事態の際は、駐留軍の軍事行動は自由になる。次には、日本が直接侵略を受けた場合は、保安隊は自衛のため駐留軍とともに断固応戦し、政府は物心両面から国家の全機能をあげて駐留軍に協力し、防衛に当る。日本に間接侵略が生じた場合は、政府は駐留軍に出動を要請し、協力して処理する云々とあります。しかも次には、この際の指揮権は、結局駐留軍1司令官が持つ。これは毎日新聞が報道しておる記事でありますが、こういう事実があるのかないのかまた将来こういうような申出がアメリカ当局からあつたといたしました場合に、日本の外務省当局としては、これに対していかなる態度で臨まれる御決心であるか、この点を承りたいと思います。
○石原(幹)政府委員 これも私の承知しております範囲においては、両者の間に、行政協定以外に何らの秘密協定はないということを承知いたしております。
 それから、ただいま言われましたような問題につきましては、これはひとり外務省という問題でなく、内閣全体の責任において、いろいろなことが検討されることかと思います。
○岡(良)委員 そうすると、結局石原次官としては、こういうふうな一切の両国共同の防衛ということに関してのいかなる手はずについても、何らの決定にも到達しておらないことを承知しておる、こういうふうに了解していいのでございますか。
○石原(幹)政府委員 安全保障條約に基きますていろいろな規則とか配備とかいうことについて、この行政協定に基いて施設、区域等が決定されて行くことは、これはもう当然でありますが、いわゆるお尋ねのような、この二十四條を想定して、かりに秘密協定であるとか、こういう場合の具体的措置をどうするかというような、将来をあれこれ予想して規定あるいは協約されておるものは、何らないように私は承知しております。
○岡(良)委員 将来を予想し、あるいは仮想するということは、これは先般の予算委員会でも、岡崎国務大臣がよくおつしやつたことでありますが、しかし何もわれわれは、最も悪いことを無理じいに、あるかのごとき幻想にとらわれてものを言うのではなく、あつてはならないことであり、あつてほしくないことではあるが、しかし万一あつたならばということを考えて、国民に対する責任をとろうという立場で、そういう場合を想像し、またそういう場合を想像されて、すでに締結をされておる條約なり協定というものの内容を吟味しておるわけです。ところがそれについて、これはどろ合戦と申しましようか、ということになるから申し上げませんが、これも想像とおつしやれば想像になりますが、きようあたりの新聞を見ますと、朝鮮の雲行きもまた大分あぶないようなかつこうに、ワシントンの官辺が伝えておる。もし万一、あのような新聞の報道の記事が事実となつた場合においては、これは当然国連軍のダンケルクが出現するかもしれない。そういう場合において、この検疫業務というものを十分に果し得る可能性があるのかどうか。これを環境衛生部長はどういうふうにお考えになつておるか。こういうときのことを顧慮した手配を講じておるかどうか。松谷さんのさつきのお尋ねにもありましけれども……。
○楠本政府委員 さような事態が万一発生いたしました場合、しよせんこれは非常事態でありまして、從いまして、一般船舶等もおそらく就航しなくなる。從いまして、私どもといたしましては、全力をあげまして、その地域の検疫なり防疫措置に集中しなければならぬと考えております。
○岡(良)委員 最後に、実はこれはこの問題と離れて、この際ちよつと希望しておきたいのですが、実は自分のことを申し上げて非常に恐縮ですが、私昨年ちよつと海外に出まして、検疫を受けました。二十二の場所で検疫を受けました。ところが、大体指定された東京のセント・ルカ病院ならセント・ルカ病院の種痘その他に関する証明書を持つて行きますと、先進国、たとえばフランスやイタリアやロンドン、そういうところでは、非常に手続が軽いのです。医者が署名した証明書を非常に信頼してくれまして、一言二言の問尋でパスする。ところがラングーンとかカルカッタとか、ああいうところに来ると、非常にやつかいな検疫業務をやられる。これは職務に忠実といえば忠実でしようが、しかし羽田が大体そのちようど中間のところくらいに来るようです。これはもちろん、当然厳正にやるべきものですが、しかし御存じのように、予防接種の効力期間というものもありますし、うそでない予防接種の証明書であるかどうかということの判定は、検疫官はできないわけですから、それを一応信用するならば、あまりこうるさい検疫業務をやらないということの方が事務も早く行くのではないかと思いますので、今後検疫業務のときには、こういう点もまたひとつ十分御考慮を願いたいと思うのです。
○大石委員長 他に御質疑はありませんか。他に御質疑もないようでありますから、この際お諮りいたしますが、本案についての質疑は終了したものと認めるのに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大石委員長 御異議ないようでありますから、本案の質疑はこれにて終了したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時五十三分散会