第013回国会 水産委員会 第34号
昭和二十七年五月十三日(火曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 川村 善八郎君
   理事 小高 熹郎君 理事 田口長治郎君
   理事 永田  節君
      川端 佳夫君    鈴木 善幸君
      田渕 光一君    冨永格五郎君
      二階堂 進君    平井 義一君
      松田 鐵藏君    小松 勇次君
      水野彦治郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  野原 正勝君
        水産庁長官   塩見友之助君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産庁次長) 永野 正二君
        専  門  員 杉浦 保吉君
        専  門  員 徳久 三種君
五月十三日
 委員寺本齋君辞任につき、その補欠として田渕
 光一君が議長の指名で委員に選任された。
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五月十日
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約
 に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させる
 ための漁船の操業制限等に関する法律案(内閣
 提出第二〇五号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約
 に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させる
 ための漁船の操業制限等に関する法律案(内閣
 提出第二〇五号)
 水産業の電化に関する件
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○川村委員長 これより水産委員会を開きます。
 まず田口委員より発言を求められておりますので、これを許します。
○田口委員 去る五月十日の水産委員会における問題の処置につきまして理事に御一任を願つておりました次第でございますが、今日の委員会が済みましたら、関係委員だけ集まりまして懇談会を開くことになつておりますので、そういうことに処置しようと思いますから、一応皆さんに御報告を申し上げておきます。
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○川村委員長 次に日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律案を議題とし審査に入ります。まず本案の趣旨について政府の説明を求めます。野原農林政務次官。
○野原政府委員 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための船漁の操業制限等に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 この法律案の目的としますところは、安全保障條約に基いて駐留する合衆国軍隊の訓練等のため、一定の水面が、日米合同委員会で協定して使用せられる場合におきまして、その水面における漁船の操業が駐留軍の訓練等の支障とならないようにこれを規制する反面、これによつて漁業経営上損害をこうむつた漁業者の損失を補償することであります。
 まず、漁船の操業の規制の点について御説明いたしますと、漁船の操業の制限または禁止を行いますのは内閣総理大臣でありますが、あらかじめ農林大臣の意見を聞いて行うこととなつております。この操業の制限や禁止を行いますのは、行政協定に基く合同委員会で協定せられた範囲における使用水面に限られるわけでありまして、右の合同委員会においては、わが国の漁業の実情を十分反映し、駐留軍の水面使用の目的を達し得るとともに、漁業における被害を最小限にとどめるよう折衝しているのであります。
 次に損失補償について御説明にたしますと、その要点は、第一に、この損失補償を受ける者は、操業を制限または禁止されたところのその水面で、従来適法に漁業を営んでいた者であつて、しかもこの制限または禁止によつて漁業経営上損失を受けた者であります。漁業権または入漁権に基いて漁業を営んでいる者は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法によつて、その権利を収用または使用せられ、その際補償を受けますため、この法律による損失補償の対象とならないことを予定しているのでありまして、許可漁業を営んでいる者その他適法に漁業を営んでいる者がその対象となつているのであります。なお、補償すべき損失の範囲は、漁船の操業の制限または禁止によつて発生した損失であり、かつ漁業経営上生じた損失のうち通常生ずべき損失といたしました。これは操業の制限または禁止と密接な因果関係のある範囲に限ることを意味するのであります。
 第二に、損失補償の申請手続でありますが、これは都道府県知事を経由して内閣総理大臣に対して行うこととし、知事は、これにその意見をつけて内閣総理大臣に進達することといたしました。これは、都道府県知事が被害を受けた漁業者の実情に精通していると考えるからであります。
 第三に、損失補償額の決定は、内閣総理大臣が決定しまして、都道府県知事を通じて申請者に通知することといたし、補償金は、一定期間内に交付することといたしましたが、これらの事務の実施には、調達庁長官が当ることを予定しております。
 第四に、補償申請者の利益を保護する措置といたしまして、異議の申立と増額請求の訴えを認めているのであります。
 最後に、この法律案の意図するところは、駐留軍による水面使用によつて漁業者のこうむる損失に対して適正な補償を行うことを制度化しまして、漁業経営上の不安を除き、その保続をはかることに重点を置いて考えている次第であります。
 以上申し述べましたところが本法案提出理由の大要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
○川村委員長 本案に対する質疑は次会より行います。
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○川村委員長 次に松田委員より発言を求められておりますからこれを許します。松田君。
○松田委員 先に農林委員会と水産委員会との與党懇談会において大体その趣旨を決定して、両委員会において審議することを約束された農漁村用電力導入法という法律をつくりたいという意見であつたのであります。しかしてこの法律の内容は、現在の農漁村が農林漁業特別融資のうちに、協同組合が借入れて、小水力の自家発電をしつつあるのでありまするが、農漁村において非常な電力の不自由を認めておるのに、その予算が非常に僅少であり、しかも配電会社等において電力をつくる場合においては、四十箇年という長い年月をその償還の基礎としておるのでありまするが、農林漁業資金特別融資の中の小水力の融資の年限は十五箇年となつておるのであります。金利は七分五厘でありまして、かようなことでは農漁村というものが非常に高率な、しかも短い年限においてこれを償還しなければならないということになつておるのであります。しかし農漁村の電力の需給というものが非常に恵まれていないのであつて、この短い期間においての償還であつても、なお本年度においては五十億以上の申請があるようになつておるのであります。ゆえに配電会社と太刀打ちのでき得るような方法によつて農漁村を電力化しようという考え方から、相当長期間の年月と、利息においても低利な方法を講じてやつて行きたいということと、農業用の水利、ダム、排水路等が全国至るところにあるが、これが活用されていないような現状である。それをただちに自家発電によつて使用する場合においては、相当な電力が発生でき得るという考え方を持つておるのでありまして、日本の国の電力不足に対し、画期的な増大をはかることができ得るという計算になつておるのであります。かようなことから、また現在の農漁村特別融資の小水力資金の借入れに対しては、町村が損害補償をしておるような状態であり、協同組合が長く二十箇年なり三十箇年なりというような場合においては、その協同組合がどのように変化して行くかわからぬということから、町村自治体に利用組合をつくり、そうして自治体が主体となつてやつて行くことにおいて、自治体の財源ともなるというような建前から研究されておつて、與党懇談会で、この法案をつくりたいという意見がまとまつておるような次第でありまして、昨日政調会においてもいろいろ論議したのでありまするが、水産委員会において、漁村の力電導入に対する特段の考慮を拂つていただきたいとうう意見であつたのでありまして、委員長から委員各位に対して、しかるべく御意見を聞くようにおとりはからいを願いいたいと思います。
○川村委員長 各委員にお諮りいたします。ただいま松田君より発言のありましたように、漁村の電力が最も緊急を要するものと存ずるのであります。従つて各委員に御意見がありますれば、この際拝聴いたしたいと思います。田口君
○田口委員 ただいま松田委員から御提案になりました農漁村電力普及促進につきましては、各府県の実態をよく調べてみますと、いろいろな生産事業に対して、電力がないために非常に困つておるところがあります。また生活上、文化的に考えまして、電力が足りないために非常な不便を感じておる地方がたくさんあるのでございます。しかるに今日の電力会社の電力だけを予定いたし事と、なかなかこれを普及することができないのでございまして、何かこの問題に対して特別の処置を講じなければならない、こういうことが一般に期待をしておる事柄でございますが、ただいま松田委員からの提案でさようなことができますと、日本全国の漁村における恩恵がすこぶる大きいものとなりまして、私らは一日も早くこの法案が成立いたしまして、生活面にあるいは農村の復興促進ができることを望んでおる次第でございます。一日も早く法案の成立を希望してやまないものであります。
○川村委員長 ただいま田口委員よりも松田君の発言に対して賛意を表しておるのでありますが、本問題審議の慎重を期し、速急に解決するためには、農林委員会と連合審議する方が適当かと思います。が、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川村委員長 ではさようとりはからいます。
○小松委員 今の電力問題に関連して、ただいま松田君からの御発言の農漁村電力化の問題には、われわれは大賛成するものであります。ぜひともこの実現を期したいと念願しております。
 この際に特に当局に御考慮を煩わしたいことは、漁村におきましていろいろ魚価の安定あるいは鮮度等の関係から、各協同組合が製氷、冷凍事業をいろいろもくろんでおります。ところがその大半は電力事情によつて阻止されておるような現状にあります。こういう点を考えましたときに、漁村の経済の安定ということはなかなか容易ならざるものがあると私どもは心配するのであります。この際当局に、漁村のさような施設に対しては、電力を優先的に割当てるように御努力を願いたいことを特にお願い申し上げておきます。
○塩見政府委員 ただいまの御意見に対しまして、当局といたしましては極力努力いたします。
○川村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。これにて散会いたします。
    午前十一時十五分散会