第013回国会 電気通信委員会 第28号
昭和二十七年五月二十四日(土曜日)
    午後一時四十八分開議
 出席委員
   委員長代理理事 高塩 三郎君
  理事 橋本登美三郎君 理事 長谷川四郎君
   理事 松井 政吉君
      石原  登君    井手 光治君
      加藤隆太郎君    庄司 一郎君
      辻  寛一君    福永 一臣君
      石川金次郎君    田島 ひで君
      稻村 順三君
 出席国務大臣
        電気通信大臣  佐藤 榮作君
 出席政府委員
        電気通信監   山下知二郎君
        電気通信事務官
        (大臣官房審議
        室長)     大泉 周藏君
        電気通信事務官
        (大臣官房人事
        部長)     山岸 重孝君
        電気通信事務官
        (業務部長)  田邊  正君
        電気通信事務官
        (業務局国際通
        信部長)    花岡  薫君
        電気通信事務官
        (経理局長)  横田 信夫君
        電気通信技官
        (施設局長)  中尾 徹夫君
 委員外の出席者
        電気通信事務次
        官       靱   勉君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
五月二十三日
 練馬北町局の電話交換方式改善に関する請願(
 加藤隆太郎君紹介)(第三一一七号)
 指宿町に電信電話局設置に関する請願(上林山
 榮吉君紹介)(第三一一八号)
 電波法の一部を改正する法律案の修正に関する
 請願(松井政吉君紹介)(第三一四四号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 公共放送によるテレビジヨンの実施に関する陳
 情書(滋賀県市町村会長田邊孝右衞門外一名)
 (第二〇〇二号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 日本電信電話公社法案(内閣提出第二一二号)
 日本電信電話公社法施行法案(内閣提出第二一
 三号)
 国際電信電話株式会社法案(内閣提出第二一四
 号)
    ―――――――――――――
○高塩委員長代理 これより開会いたします。
 委員長は葬儀のため御欠席になつておりますので、私が委員長の職務を行います。
 日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案及び国際電信電話株式会社法案を一括議題といたします。靱事務次官より昨日の答弁に関し補足いたしたい旨の申出がありますから、これを許します。靱説明員。
○靱説明員 昨日経営委員会の権能ないし責任、また総裁の権能ないし責任につきまして御質問があつた次第でございますが、その答弁の中に非常に明確を欠き、あるいは表現として誤つた点がございますので、ここにあらためて申し上げたいと存じます。
 まず経営委員会につきましては、この法案に規定いたしております通り、業務運営の重要事項を決定するということに相なつておりますので、公社の事業運営の重要なる事項の決定機関である。従いましてこの経営がうまく行かないというような問題につきまして、経営委員会としては内閣に対して当然責任を持つ、こういうふうに解釈いたします。それから総裁は公社を代表し、業務を総理することになつておりまして、これは経営委員会において決定されない事項、すなわち経営委員会におきましては、この五号におきまして、その他特に経営委員会において必要と認める事項というのがございます。それと認めないような事項につきまして総裁が決定し、執行する権力を持つておる。また経営委員会の決定した事項につきましては、それに従つて執行する権限を持つておる、それらの事項につきまして直接内閣に対して責任を負うというふうに私は解釈いたす次第であります。従いまして内閣におきましては、経営委員罷免の権能を持つておりますし、総裁、副総裁の役員の罷免の権能も持つておる次第であります。なお経営委員会におきまして、総裁、副総裁等の職責に反することに対しまして、たとえば経営委員会の決定に従つて業務を執行していないとふう場合におきまして、経営委員会はいかなる措置がとれるか、この点につきましては昨日御説明申し上げました通り、罷免権はないわけである。しかしながら業務運営の重要事項に属する事項につきましては、たとえば総裁、副総裁等が決定に従つて常に業務を運営していないということにつきましては、経営委員会としてそれに対する判断を決定できるものというふうに解釈いたす次第であります。
○石川委員 総裁、副総裁その他の執行機関が決議に反する営業の方針をとつて、経営委員会の意思を尊重しない、こういう場合において経営委員会は、執行機関がきわめて怠慢である、不適任であるという決議をもつて内閣に善処方を要請するということは、経営委員会のこの第十條の第二項第五号によつてやれるものと思います。そうしなければ経営委員会は十條に規定する公社の業務の運営に関する重要事項の決定機関とならないと思います。その点局長から昨日できるかのごとく御答弁があつたように私は推察するのでありますが、なお明確にしていただきたいと存ざます。
○靱説明員 お答えいたします、罷免する権能は持つておりませんが、第五号の解釈におきまして、業務運営上の重要事項でございますので、そういうような決定をすることはできるものと解釈いたします。
○高塩委員長代理 稻村君。
○稻村委員 今の答弁でよほど明らかになつたと思いますが、なおこの種の問題で同じように明確でないものがこの法案の中にたくさんあると思います。その例は理事の問題であります。執行部を形成する一つの役員としての理事であります。この理事は役員であるという特色が一体どこにありますか。役員であるという特色がほとんどこの法案のどこを探してもないのであつて、ただ役員として理事を置くということで、理事の任命が明らかにされておるのであります。これが役員と職員と違うことを明確に示しておるところは一体どこにあるのか。その点御指摘願いたい。
○靱説明員 お答えいたします。理事
 につきましては、役員の職務権限の二十條に理事の職務権限が書いてありますが。役員として二十條の規定を設けております。ただいま御指摘の通り、罷免の規定あるいは役員の欠格條項あるいは役員に対する任期というもの等におきまして、役員たる性格を持つておるのであります。なおまた理事は総裁、副総裁に事故のあるときはその職務を代理するというような点におきましても、役員たる性格を持つている、こういうふうに考えております。
○稻村委員 一般通念として、会社なら会社、あるいは公社なら公社というものの役員は、ただそれだけのことでもつて役員ということは簡単に言えないと思います。たとえて申しますれば、会社の役員の場合には、総会において選出されることが非常に大きな條件になつております。普通の団体の場合でもそうなのであります。とうろがそれは役員と同じように、執行部の代表者である総裁が任命するのであります。総裁が任命された限りにおいて、その任免権はそつくり総裁にあるわけであります。そうしますとこの任期を定めたというのはほんの形式的なものであつて、この役員と職員の区別は一体どこにあるのか。たとえば権限がある程度期限付の職員であるというものもあり得るでしよう。それから職員の中では、大臣、次官に欠員があつたときに局長がそれを代行する場合、一時代理するのなら課長が代行してもちつともさしつかえない。そういうところに本質はないのだが、一体常識的にいう役員たる、べき本質と職員たるべき本質があるはずだと思うのでありますがそういうものがここにどういうふうにして盛られておるか。それでも法律の上で役員だといつて名称だけかえれば役員として通用するのかどうか、この点をもつと明確に御答弁願いたいのです。
○靱説明員 役員の任期につきまして、単なる形式ではないかという御質問でございますが、これに対しましては、役員を罷免する場合にはこの法律に明らかに定めてあります。職員の免職、休職等は別の形で規定されております。それから役員の性格につきましては、先ほど申し上げました通りに、役員としての職務権限の二十條その他の規定によつて、役員たる本質というものは明らかにされておると私どもは考えておるわけであります。なおまた給與につきましても、役員につきましては職員と別に定められるということになりまして、三十條は職員の給與につきましてはというような規定になつております。役員と職員との区別というものは、それぞれの條文によつて明らかになつており、まつたく同様ということではないのであります。
○稻村委員 そうするとまたきのうのところにぶつかつてしまうのですが、今度は責任問題といつたようなことになると思うのです。たとえば株主総会に対して役員は全部責任を持つ。職員は任命されておるのですから、社長なら社長という会社の代表者に対して責任を負うだけでいい。これと同じことであつて、理事は経営委員会には任命されないし、推薦もされない。任免権はすべて総裁にあるから、総裁に対して責任を負う。この本質から申しますと、これは職員と同じではないか。給與の出し方が違うの、任期がどうの、欠けたときに代行するとかいうのは一つの形式じやありませんか。この点一体どうですか。
○靱説明員 本法によつて総裁に理事の任命権を與えておりますのは、公社の一つのかわつた形と申せば、他の機関の理事、役員とかわつた形になつておりますが、これは執行役員として内閣に総裁が任命される。さらにこの法律によつて総裁に理事の任命権、罷免権を與えておるという形をとつたのでありまして、たまたま職員においてそれと非常に近似した形を持つておるといたしましても、本法によつて特別にそういうような形をとつた。これは公社の業務執行上の便宜から来たものでありまして、他のように経営委員会で選任するとか、あるいは同意するとかいうような形をとつていない、特殊の形をとつたということでございます。
○稻村委員 そうすると先ほどの経営委員会の問題に移るのですが、経営委員会は執行部を決議で縛るということはできるけれども、執行部の行動に対して非常に弱いものしか持たない。ことにこの中において総裁、副総裁というものがおりますが、実際上の公社の業務をつかさどつておるのは、おそらく理事だと思う。その理事の行動が経営委員会の決定に対して責任を負うか負わぬかということについても、すべて経営委員会に対して拘束されずにできておるという形であつて、しかも執行の場合に、経営委員会に対してどういう責任を負うかという点についても、明確になつておらないと思う。この点は特殊問題だからこれでいいという説明は説明にならない。何でも特殊なものならいいということで片づけて行くならば、あなたの説明はみなそれでもつて済むことになる。だからどうして理事という執行部が経営委員会に対して責任を持つという、有機的な関係を明らかにしておかないかということです。あなたはそういう必要はないのだというけれども、なぜ必要がないかということを聞きたい。特殊な事情なんだから必要がないというならば、これは問題外です。その点明確にしていただきたい。
○橋本(登)委員 今稻村委員からの質問の点ですが、私はこう解釈しておるのですが、念のため聞きたいのです。第二十條の「理事は、総裁が定めるところにより、総裁及び副総裁を補佐して公社の業務を執行し、総裁及び副総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときはその職務を行う。」この條項が理事の職務及び権限の範囲になつております。従つて理事は総裁が任命及び罷免するのですが、「総裁が定めるところにより、」というのは、こういうような職務権限を総裁が理事に代行せしめるということで定めることになるだろうと思う。たとえば総裁は執行機関の最高地位ですから、最高の責任を負わなければならぬのですが、実際は総裁が技術から業務から会計から負うことはできない。従つて総裁の代理として、あるいは職務権限として、総裁の責任で行う権限の一部を理事に行わしめる、こういうことだろうと思います。もし理事がその職務権限内において不適当なことを行うならば、その理事は総裁に責任をとらなければならぬ。総裁は自分の権限において行わしめたことだから、理事の行つた適、不適については総裁が内閣にその責を負う、こういうことになると思います。ですから稻村君のおつしやつておることは、こういうものがあるならば、なぜこれ以外に理事会というものがあつて、理事としての権限を明らかにしないだろうか、こういう御質問も入つておると思うのです。大体公社というものは政府機関も同様ですが、局長には局長会議というものがあつても、権限を持つておりません。公社は政府機関に準ずるから、その責任の所在は大綱に明らかにされている。従つて総裁の権限が定められて、それを理事が行つて不適当に行われた場合においては、それは最高責任を負う総裁が内閣に責任を負うものである、こういうように私は解釈するのですが、その点についての御意見を承りた。
○靱説明員 理事につきましては、ただいま橋本委員の言われた通りに考えております。
○稻村委員 今與党から一人出て来たと思つて議事を進めたのですが、お帰りになつてしまつたので、野党二人、與党一人では議事になりませんから、もう一人出席するまで私は質問を中止いたします。
○高塩委員長代理 今呼びに行つておりますから……。
○橋本(登)委員 それではつなぎに私から質問いたしたいと思います。まず国際電信電話会社法の二、三のごまかい点についてこの前質疑を残してありますから、それについて御当局に質問いたします。
 日本電信電話公社法案の関係ですが、「そのうち第五條の公社の資本金は、この法律の施行の際における電気通信事業特別会計の資産の価額から負債の金額を控除した残額に相当する額とし、政府が全額を出資するものとする。」これは金額が明記されておらないのですが、第五條にいうところの「負債の金額を控除した残額に相当する額」というのは、帳簿価額を基準としてこれを出すものか、もしくは将来において再評価を行つて、再評価価額によつて残額というものを出すのか、その点について、事務的な問題ですがお伺いしておきたい。
○横田(信)政府委員 電気通信特別会計の持つておる資産につきましては、固定資産については、まだ再評価が済んでおりません。この固定資産は全国的に非常に厖大にわたるものでありますので、施行法に書いてありますように、二十九年度末までに再評価をいたしたいというふうに考えております。従いまして現在この特別会計の資産として計上されておるものは、帳簿価額が前提になつております。このままの形において日本電信電話公社に引継がれて行く、こういうふうに解釈いたしております。
○橋本(登)委員 現在の帳簿価額によつて引継がれるといたしますると、帳簿価額から出した金額というものは、具体的にその額を表示することができるのですか、どうですかこの点を承りたい。
○横田(信)政府委員 これは前に次官から御説明がありましたかと思いますが、大体今の帳簿価額で、本年の六月三十日末をもつて決算が完了いたしませんと、ほんとうのものは出つこないわけでありますが、この三月三十一日末を前提にいたしますと、その価額が、これも最終決算が済んでおりませんが、約百六十億程度になるだろうということを申し上げましたが、大体その程度の額であります。これに四月、五月、六月と加わりまして、六月末の決算が終了いたしまして、七月ごろまであと二箇月ばかりは決算に必要だろうと思いますが、決算終了後出す、こういうふうな順序になるわけであります。
○橋本(登)委員 そうしますと、その中にはこの前の見返り資金から繰入れられた繰入れ資本といいますか、その金額は入つておらないのでありますから、従つて見返り資金から入れたところの繰入れ資本というものと、再評価との関係はどんなぐあいに考えられますか。
○横田(信)政府委員 実は御承知のようにこれは特別会計になりましても、今事業会計に類似いたしまして、貸借対照表、損益計算書という複式簿記をとつておるわけであります。貸借対照表の方におきまして貸方に上るものが、御承知のように資産といたしまして、流動資産と作業資産と固定資産とあるわけであります。そのうち問題は、固定資産が再評価を必要とするものになるわけでありますから、これに対応しまして、それらの作業資産、流動資産、固定資産がどういう財源から出て来たかという、ものが借方に載るわけであります。その借方の方は借入れ資本、すなわちほかから借金したもの、それから今の自己資本に相当するもの、それから貸方に載るものの引当金勘定といたしまして例の減価償却引当金、ほんとうは貸方に載つておる財産価額から初めから引くか、あるいは間接法をもつて借方に上げるかという問題でありますが、そういう意味の引当勘定、この三つにわけられるわけであります。その自己資本の中に固有資本と積立金と今お話の繰入れ資本、ガリオア資本金から入りましたもの、そのほか進駐軍の設備のために繰入れになつたものが入るわけでありまして、これが約百三十六億、先ほど申し上げました百六十億というものはこれを含めてのものであります。借入れ資本が公債、借入金その他にわたりまして、公債が約三百八十五億、借入金が約百一億、そのほかの借入金未拂金が三十一億円、一般会計からの繰入金が三十四億、こういうものが借入金としてそのまま公社に引継がれて行くということに相なるわけであります。公社の借金として残るということであります。
○橋本(登)委員 大体わかりました。それから従業員の給與関係で非常に重要問題ですが、この国営事業を公社に移しました大きな理由に、従業員の給與に関する問題があるわけであります。従つて従業員の給與の問題はこの公社法の第七十二條に「公社は、その役員及び職員に対して支給する給與について給與準則を定めなければならない。この場合において、この給與準則は、これに基く一事業年度の支出が国会の議決を経た当該事業年度の予算の中で定められた給與の総額をこえるものであつてはならない。」こういう規定があります。この関係と予算をつくる場合の関係ですが、公社の予算は弾力性を持たなければならないという公社予算の原則論というものと、この第七十二條の給與準則、すなわち給與のわくですが、この場合においてこの條文から見ると、従来の官庁事業のように、その給與はその予算できめられれば、いかに働いてもよけいな給與は出せないのではないか、あるいは利益が相当上つても、予算できめられた以上はその給與の総額を越えるこどができないのではないか、こういう疑問があります。こういうぐあいに能率を上げた仕事に対しての給與はそれに伴うべきである、これを縛つてはいけない、こういう建前が、もちろん、それだけではないのでありますが、一うには公社に移した大きな理由である。従つてわれわれはこれを弾力性あるものと解釈する。たとえばその事業年度において相当に黒字が計上せられた場合においては、その基準給與においては変更がないにしても、他の諸給與においてこれに報いる道が、たとい予算総額を越えても行われるべきだ、こういうふうに考えますが、その点について当局の考え方を御説明願いたい。
○横田(信)政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。御指摘がありましたように、七十二條にはこの給與準則は「国会の議決を経た当該事業年度の予算の中で定められた給與の総額をこえるものであつてはならない。」となつております。この趣旨は従業員の能率をできるだけ上げて行つて、いわゆる高能率、高賃金という幅で今後の仕事をやつて行くことが最も適切なことであるという趣旨であります。しからば給與の総額は弾力性が全然ないものかどうかということが次に問題になるわけでありますが、これは四十三條の予算総則の中に出て来る問題でありまして、「予算総則には、収入支出予算、継続費及び債務負担行為に関する総括的規定(予算に與えられる第四十條に規定する弾力性る範囲を定める規定を含む。)」こうなつております。すなわち今の高能率、高賃金という原則は明らかでありますが、しかし給與にもいわゆる比例費的なものあるいは固定費的なものが相当あるわけでありまして、業務量がふえるに応じて人をそれだけふやさないで、みなが作業能率を上げて行つたという場合においての問題は、いわゆる彈力的な問題であります。一応業務量を前提にいたしました場合においては、給與総額がある程度固定的になるのは当然であります。しかし業務量が相当ふえ、事業の収入も相当ふえるという場合においての彈力性というものはごの予算総則の中できめて行く。従つて六の「役員及び職員に対して支給する給與の総額」という総額のほかに、この予算総則の中では総括的規定として、業務量がふえ、収入もふえて来るという分野においての場合には、これを率できめるかどうかということは今後の問題でありますが、ある一定の限度において給與総額に彈力性を持たすということが四十三條の方でできる。従いましてその範囲の強力性を持つた給與総額の拘束を受けるのだ、こういう意味であります。
○橋本(登)委員 大体御趣旨はわかりましたが、そうしますとたとえば給與の標準額は、たとい人員が少くてよけいの仕事をやつても、給與の本給それ自体を例外的に上げることは困難であろうと思うのですが、その他の形式ではこの彈力規定によつてたとえば特別賞與を出すとか、あるいは時間外手当を支給するというような、他の方法でやるという意味でありましようか。それともそのように仕事の量がふえて収入がふえてもなお人をふやさない場合においては、本給それ自体を上げるという意味だ解釈していいのか、その点をお答え願いたい。
○横田(信)政府委員 これは予算総則の定め方の問題でありますが、この予算総則で彈力性を與えた場合において、そういう意味で従業員の数というものも絶対的な固定性が出て来るかということになると、業務量が非常にふえるという場合の彈力性を與える場合においては、給與基準は元のままで人員がふえるということも考えられます。し、あるいは今お話のように、将来永続的にずつと行くことは相当むずかしいけれども、臨時的給與を出して行く方法は可能であるということになれば、そういう方法をとつて行く。大体そういう意味におきまして臨時的ないろいろな方法奮るこあ嘉寡にできることになるのじやないだろうかど思われます。
○稻村委員 さつき話をしているときに橋本委員からの助け舟が入つたりしまして、橋本委員の言う通りだと言つたのは、理事が職員と違つているところは委任執行権を持つていることだと思う。ところが委任執行権は職員だつて持ち得る。これは明らかなことでありまして、役員という以上は官吏と違つている。官吏であれば、さつき橋本委員が言つたように次官があり、局長があり、課長があつてそれ自身として何も独立した執行権は持つておらない。しかし委任執行権はおのおの持ち得る、こういう形だと思う。ところが会社の場合は、役員というのは独立した執行権を持つていなければいかぬ。それをもつて役員と職員と区別したところを見ると、この点は明らかに民営の一番長所をとるとうたつているのだから、民営会社のそれをとつたのだろうと思う。総裁以外に役員というものを置いた以上は、民間の制度をとつたのだろうと思う。それで私たちこれを読んでみると、ほとんど委任執行権だ。そうすると職員と役員との本質的な区別は、この法律の上でどこに設けているのか、この点もう少し明確に御答弁願いたい。
○大泉政府委員 この点につきまして、審議の経過におけるわれわれの見解を御説明いたしたいと思います。おつしやる通り役員というものは経営責任を持ちまたはそれを分担するものでなければならない。従つてその経営責任を某したかどうかという判定が必要であります。その場合には任期を定めまして、その任期内における経営の執行の責任がうまく果されたかどうかということを判定できる要素がぜひ必要であるということを考えまして、理事の任期を二年と定めたわけでありま目す。従つてこれを罷免するにつきましても、法定事項を設けまして、一般職員と違つて経営責任を十分果せるように考えたのであります。しかしながら理事を経営委員会に参加させるかさせぬかというと、われわれ非常に苦心しどころでありまして、もしこれを参加させるといたしますれば、この経営委員会の意思決定というものは、執行機関の意思が多く入り過ぎる。従つてこれ入れることは適当でない。しからば経営委員会に入らずして、はたして経営執行の責任を果し得るかということになりますと、電気通信事業のごとき大きな事業におきましては、最高意思決定機関たる経営委員会のみならず、全部を決定することは困難であります。その全部を決定しないという点につきましては、一般商事会社においては常務取締役その他にまかされることになつておりますが、この公社の経営においては、総裁は全責任を持つとは言い條、大きな企業でありますので、特に理事を設けまして責任を分担せしめるというとにいたしたのであります。そして理事は、そのような職を持つておりますので、もし総裁、副総裁が事故があるとき、または欠員の場合においては、当然この二十條の規定をもちまして代理の権限を持つこともある。こういうようにいたしたわけであります。
○稻村委員 まだその点についても議論はありますが、先を急ぎますので次に移りたいと思います。
 二十五條に「役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。但し、郵政大臣の承認を受けたときは、この限りでない。」こう言つておりますが、郵政大臣の承認は、どういうときに営利事業に従事したり、営利を目的とした団体の役員になつたりすることを承認するということになるのでありますか。この点ただ無制限にこうやつていると、悪用される危険が非常にあると思う。その点をひとつはつきりと御答弁を願いたいと思います。
○靱説明員 ただいまの御質問は、この前の委員会におきまして他の委員からも御質問がございました。この條文を特に必要としました理由は、国際電信電話株式会社の株式を公社が持つ場合がありましたので特に設けたのでありまして、原則といたしましては、役員はこの電通公社の業務の経営責任を遂行するということに専念すべきものである。きわめて例外的の場合、すなわち公社におきまして国際の株式を持ち役員を出さなければならぬような場合を考慮して規定した規定であることを、この前もお答えいたしておいたのであります。
○稻村委員 そうすると、そのためにこういう漠然たる規定を設けて、悪用される危険性があると私は思う。これはこれだけでもつても、非常に大きな法の欠陷になると思う。国際電信電話株式会社という会社があるのだから、国際電信電話株式会社の役員となる場合は郵政大臣の承認を受けて除外することできるというような意味のことをなぜ明記しないのですか。たつた一つしかないのでしよう。その場合が一つしかないならば、これは明確にしておいた方がよろしいではないですか。それをなぜこういうふうに漠然と書いてあるのか、その理由をはつきり説明してもらいたいのです。
○靱説明員 この点はおつしやるような御意見に特に反対申し上げるわけではないのです。原則は営利を目的とする団体の役員になつたり、みずから営利事業を行つてはならない。役員は事業の経営につきまして非常に大きな責任を持つておりますので、法文の解釈といたしましてもきわめて例外の場合、すなわち役員の職責を遂行するに支障ないというような場合を、特にまた役自身できめられるようにしているのではなくて、監督大臣たる郵政大臣の特別の承認を受けなければできないということで縛つたのでありまして、もつと具体的に書かなければいけないという御意見ならば、それは確かに御意見だと考えます。
○佐藤国務大臣 先ほど来の御意見を伺つておりまして、説明をいたしております通り、法案制定審議の過程におけるいろいろの問題がありまして、そのままになつている。従つて今日の状況から申せば、あるいは不要だということも言えるわけでございます。しかし一面他の理論から申しますと、なるほどこの公社の責任者は重責を持つものだが、他の事業に一切関與してはいかぬのだ、こう言つてしまうのもまことにきゆうくつ過ぎはしないか。だから法律の建前としてはこの程度のものを残しおいて、本筋、原則としては兼業を認めないが、場合によつたらその道を開いておくことも一つの考え方ではないか、こういような考えも別にあるわけであります。だから今日、この規定があるために認可を予想する具体的のものありやと言われると、経過的にはあつたが、ただいまはなくなつております。従いまして私ども、別にこれをぜひ残していただかなければならないというようには考えま書せんが、考え方の一面といたしましては、ぞうきゆうくつにばかり言わないで特別な場合に、それは何ができるかわからないことでございますので、こういう道を残しておくことも、法律上の建前としては考えられはしないか。こういう御議論のあることもごひろう申し上げて、別に修正に反対だとか、あるいはこれをぜひとも残せとかいういう意味ではありませんが、一応考え方をひろうをしておきます。
○稻村委員 大臣の説明はある程度わかるようですが、わかるだけに危險性があります。われわれは原則というものを立てておいて、この原則で行くといつて原則の抜け道を一つつくておいて、原則が否認される場合がしばしばある。例が例外でなくなることがある。今までの法律上の抜け道というものは、みなそれでできている。だから私たちは過去において法律的にこういうふうな抜け道が設けられているから、なるべく抜け道はふさいでおいた方がよろしいということで、実はその点を質問したわけでありますが、その点大臣及び次官の説明においてある程度わかりましたので、次に行きます。
 第二十六條に「公社と総との利益が相反する事項については、総裁は、代表権を有しない。この場合においては、経営委員会は、副総裁又は理事のうちから、公社を代表する者を選任しなければならない。」こういうふうになつております。これは相反する事項についてはというが、この事項が未解決の間はどうかというと、すべで総裁はその期間中代表権を有しないというふうに解してよろしいのかどうか、その点伺いたい。
○大泉政府委員 今御質問の趣旨とあるいは合つていないかもしれませんが、私たちの考えでは、公社と総裁との利益が相反する事項ということは、この公社の意思決定は経営委員会がこれをする。従つてその意思に反してたとえば不当支出をしたということになりますと、公社はこれに対して請求権を行使して、賠償を要求する場合があり得るかもしれません。そのような場合において、総裁をそのまま代表者として、この総裁に対して請求権を行使するのは不適当でありますから、そういう具体的事項々々に限つて、公社の経営委員会は公社を代表するものを別に選任しまして、そして総裁に当らせて行くというふうな考えでございます。
○稻村委員 そうすると、これは政府に対して罷免を要求したにもひとしいと思う。代表権を失つた総裁などというものは、総裁としての地位が実質上においてなくなつたことになる。従つてこれは実質的において、政府に対する総裁罷免の要求権というふうにわれわれは見てさしつかえありませんか。
○大泉政府委員 今のは極端な例をおとりになつたのでございますけれども、普通の場合は、たとえば公社と総裁との貸借関係、その他いろいろな場合が多いと思います。そのような具体的な一つ一つの事項に限つて、総裁が代表権を失うと、あとは別に代表者を定めるという形でございまして、この規定をもつて罷免権にかわるというものではございません。
○稻村委員 たとえば経営委員会なら経営委員会を開きますと、ここに五つばかりの問題が出ておりますが、その一つの問題で公社と総裁との意見が違つてしまつた。そうするとあとの四つは意見が反したということが明瞭でないのだから、あとの四つは総裁が代表権を持つて、たとえば経営委員会に臨んだりその他の代表権の行使ができるけれども、しかしそのうちの一つはできない。この点に関しては総裁は一切の発言権がない、こういうことを意味するのかどうか。
○大泉政府委員 この代表権と申しますのは、公社を代表いたしましてある行為をなす権限でございます。従いまして決議をする問題でなくて、公社を代表してある行為をなし得るかどうかの問題でございます。四つの議案がございまして、その一つだけが総裁と利益が反しますならば、その行為は総裁はできない、代表権を持たないという趣旨でございまして、ほかの三つの行為はなし得るわけでございます
○稻村委員 そうするとこれは総裁の名前をもつて執行することができない。この問題に関しては執行権を全然喪失した、こう解釈してよろしゆうございますか。
○大泉政府委員 これはその具体的事項に関しまして、総裁が公社を代表して行うのは適当でないので、臨時に別の代表者を定めた趣旨で、ございまして、おつしやいましたように代表権を全然喪失するという意味よりも、その事項に関しまして、公社の意思を代表しなくなつているというだけのことでございます。
○石川委員 ちよつと関連してお聞きしておきます。二十六條によつて代表権を失つた場合、公社と総裁との間に債権、債務の関係ができたというときが一番明らかになる例でありますが、公社に対して総裁が債権を持つて請求権を行使する。そうしてそれが裁判になつた。その場合に総裁は、二十七條によつて副総裁、理事または公社の職員に裁判上の代理人たる権限を與えられなくなりますか。
○大泉政府委員 私たちの解釈におきましては、そのような点に思い至らなかつたのかもしれませんが、実は商法の場合の代表権の制限と同じように規定いたしたのでありまして、解釈上そのような場合に、特に裁判上の代理人を選定するのは、これは公社を代表する者と考えるのでありますが、このようなことを特にこまかく断らなくても当然ではないかと実は考えておるわけでございます。この点「総裁は、」としか書いてないとおつしやいますれば、その通りかもしれぬと思います。
○石川委員 そうなりますと総裁は、自分が原告として、被告としての公社の訴訟行為をなす者を、自分のことですから、公社を代理する者を、副総裁でも理事でも職員でも選べないということになりますね。そうなつて参りましたら、そのとき二十七條を使つて行くのはだれになるのですか。
○大泉政府委員 私の考えますところは、このような場合に総裁が代表権を持つということは不適当でございまして、場合によつてはこれは私の解釈が間違つているかもしれませんが、二十條の規定によつて、副総裁なり理事が当然代表権を持つと考えてもよろしゆうございますが、それでいけない場合には、経営委員会が別の代表権を持つ者を選定する場合もあり得るかと思います。しかしながらこの二十七條の規定は、一般的な規定でありまして、総裁はこのような代理人を選任することができるという一般権限を書いたつもりでございまして、二十六條のような具体的の場合につきましては、一般解釈に従いたいと考えております。
○石川委員 あなたの言われる二十條で副総裁が代表権を持つて来て、それが任命するのだと、すなおに解釈なさればいいのじやないですか。
○大泉政府委員 その通りであると思います。
○稻村委員 それから第二十八條の二項の点で、職員が公職を兼ねる場合に、町村議会と県議会と、これは同じ地方議会であるのに区別をした、その一番大きな理由はどこにあるか、この点を伺いたい。これもただ技術上の問題でなくて、やはり本質上の問題として考えなければならぬ。政府の方の答弁はどうも形式的な答弁が多いようでありますが、一体本質的に、地方自体の議員の場合に、県議会と町村議会の場合とどうして区別したのか、その点を明確に御答弁願いたい。
○山岸政府委員 県議会議員と町村会議員とを区別いたします理由は、はつきりと論理的にと申されますと非常にむずかしいのでありますが、大体において町村議会議員の方は町村議会の会期その他の関係から、その議員を兼ねましても、比較的職務の執行に影響がないということ、それから一般に町村には知識階級が少いと申しますか、そういう場合に公社の職員などが議員になつて、その町村のために大いに知識を活用してもらうというようなことも適当なことではないか。こういう点から、町村議会議員を兼ねることを認めることとしたわけであります。
○佐藤国務大臣 ただいまの点は、人事部長の説明で大体おわかりかと思いますが、私ども議席を持つ者から見ますと、この点に多大の関心があるわけでございます。業務遂行の観点から見ますれば、最近のごとく議員たる職責が非常に長期にわたつて拘束されるような形から申せば、なるべく避けたい、こういうのが本旨でございまするが、いろいろ実態的に考えてみまして、業務遂行に支障がなく、しかもその人の持つ社会的地位等から勘案いたしまして、十分働きのできるような道も考えるべきですが、それをどの範囲にするかということは非常に議論の存するところでございます。そこで国鉄等の例をとりまして、ただいま提案いたしておるような範囲にこれを限つた次第でございます。
○石川委員 大臣が来ておられますから、ちよつとお伺いしたい点があります。経営委員会に三人の一般の委員をとられ、特別委員として、業務執行の方から総裁と副総裁とおとりになる。そうすると、大臣は今までのしばしばの本委員会における御声明で、従業員のことを非常に心配され、尊重されておるようでありますが、私は経営委員会の特別委員に労働組合の代表者を加えることが、公社の性格をほんとうによくして行くと思う。なぜかといえば、資本を代表し、管理するという方面から執行者が入る。それから公共の福祉の立場から、大臣が監督をなされ、また選任権を持つ。そうすると十五万の従業員が一生懸命働いて財産を築き上げる、その十五万の従業員の意思によつて、この事業の信用のいかんが決定されて行くのですから、一番尊重しなければならぬのは従業員だ。その従業員の代表者を経営委員会の特別委員として入れられることが当然だと私は思います。大臣もきつとこの点で御苦労なさつたと思うが、どうして入れなかつたのですか、ひとつ御説明を聞いておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 経営委員会に職員の代表者を入れろ、こういうお話は今までもいろいろ伺つておつたのでありますが、経営委員会の性格から見ますと、やはり公社を代表するものといたしましては、総裁なり副総裁なりがこれに参加する。部内的な問題におきまして、管理者と職員との間におきましては、相互協力の立場にあるように思うのであります。従つて経営委員会に職員の代表を入れることは、理論的にもまた実際的にも必ずしも当を得たものではないというのが私どもの考えでございます。
○稻村委員 今の話を聞いておりますと、本質論でない、便宜論であるというふうに解釈されるのであります。そうするとこれは町村会、市会などを除いておりますが、市会などと申しましても、市などでも、大きいのは六大都市から、小さいのはほとんど町と区別のつかないような市もある。そうかと思うと、私たちの知つているところによりますと、村で人口からいうと市より大きい村がある。こういう場合にこういう規定があると、市より大きい村だのに、今度は村であるがゆえにという場合もあるし、村より小さな市が、市なるがゆえにというようなことがあると、こういう問題を片づける上において非常に不都合が生じて来はせぬか、私はそういうふうに考えるのです。こういう点は一体どういうふうにお考えになつておりますか。
○佐藤国務大臣 稻村さんの御意見は確かに一応首肯すべき点があるように思います。従つてただ單に市町村を、市なるがゆえにこれを区別し、あるいは町村なるがゆえにというようなことは、いかにも形式的な議論のような感もいたすだろうと思います。しかし先ほどきわめて簡単に申しましたように、鉄道職員の場合の先例もあることでありますので、それらの議論には触れないで、同様の考え方で処理をいたしておるのであります。確かにこれをきめる際におきましては、いろいろの論議が成り立つと思うのであります。しかし町村の大部分は小さなものであり、市制を施行するものは相当大きな場内であり、仕事の量もそれに相応して、市会の場合は非常に忙しい。町村の場合でありますれば、比較的兼務可能である。こういうことが常識的に実は考えられるのでございまして、先ほどお話のような特別な例をとつて、実際的な議論をいたしますと、法制の建前には必ずしも合わないと思います。これはやはり常識的な基準で、この種の問題をとりきめるというのが、最も望ましいのじやないかと考えております。
○稻村委員 もう一つは、たとえば今から二、三年前の県会と、今日の県会と比べてみると、県会の開かれる度数なども非常に減つて来ております。その意味からいつて軌道に乗つて来ますと、存外地方団体の議会というものとの間の兼務が、そう兼務できないという問題でもないような場合も起きて来る。私は近き将来において、そうなつて来るだろうと考えられるので、この点政府とは大分意見が違いますけれども、なお私の質問を先に進めて行きたいと思います。
 もう一つは四十一條であります。四十一條三項に、「大蔵大臣は、前項の規定により予算の送付を受けたときは、これを検討して必要な調整を行い、閣議の決定を経なければならない。」というのは、これは要するに官庁と同じように、やはり大蔵省の査定を予想しているのかどうか、この点を伺いたい。
○佐藤国務大臣 御承知のように予算の編成権と申しますか、これは大蔵大臣が所掌いたしておるのでございます。その予算編成権の問題というか、その原則には、私ども触れたくないのであります。そこでただいま申し上げるような規定が必要になつて参るのでございます。
○稻村委員 なるほどそうかもしれぬけれども、しかし国直接の事業でない。少くとも企業団体の、この予算編成のその他に関しても大きな発言権を査定して行くということになりますと、これは予算のわくの圧迫というか、わくの狭さでもつて頭打ちしてしまう。どうしても十分な企業活動ができないというような條件が出て来るのではないか。企業責任者が、これだけの予算を立てるならば十分できると言つても、片一方ではどうか、というと、国の予算との関係から、たとえば金融の関係がこうだとかいう解釈も出て来ましよう。あるいは一般産業との解釈がこうだというので、そこでインフレーシヨンの進行がどうだなどというような、いろいろな大蔵大臣の査定、こういうものがばつさり破られてしまうというようになると、企業活動というものは非常に制約されるのではないか。こういうことを考えて、大蔵大臣の関與などというものはなくなつて、たとえば郵政大臣がある程度監督しておればよい。あとは公社それ自身の自主性を認めないなら、それは公社をつくつた意味はない。国営がいけないなんといつて、何のために公社をひつぱり出したか、これだけの理由がない。この点をもつと明確に話していただきたい。
○佐藤国務大臣 まことに明快な御判断をしておられますが、先ほど申しました大蔵大臣が持つ予算編成権、同時にまた国会の委員会等におきまする審議の経過等におきましても、政府の予算はもちろんでありますが、政府関係機関等の予算等においても同様な扱い方をするのが、現在の基本的建前のように私どもは考えております。ことにこれはひとり政府だけの問題ではなく、国会運営上の問題にも多大の関連がある問題であります。私どもかねてから申し上げますように、この種の企業体を公社にする、あるいは会社にするとか、こういうふうにいたしますれば、御説のように経営主体というか、責任者の自由闊達に手腕が振えるようにするのが理想的形態だと思います。今までもたびたび御説明申し上げましたような事業の性格から申しますと、これは当然ある程度国の干渉はいたさなければならない。そういう最もテイピカルな状態だ、かように考えるのでありまして、この意味において先にできました鉄道の公社であるとか、専売の公社であるとか、これらの扱い方とその基本的の線はなお同一である、こういう点を御了承願いたいのであります。
○稻村委員 どうも公社として出発するならば、何でこういう古いわくをはずすことを考えないかと思います。政府の監督が不十分だから郵政大臣でやる。郵政大臣だけで不十分だからまた大蔵大臣、それではまだ大蔵大臣でも不十分であるから、もう一つ総理大臣などといつて、内閣総理大臣でも不十分だから、今度はどうせ外資が入つて来るのだから、アメリカだというふうなところまで持つて行かないとも限らない。こういうことはちつとも不思議ではない。こういうことをやつておれば、政府なら政府の監督権は一つでいいじやないか、こんな二つも三つもあるのは監督権じやなく、干渉権です。そして先ほど言つたようにこれを出しておいて、公社であるところの性格を消し、国営と同じような形にしておいて、それをしなければどうも企業的活動ができない、あるいは国営だと現行法律がじやまになるという。ところがこれでもやはり現行法律がじやまになつておる。結局国営と同じような形をとらないということになつても、五十歩百歩というような感じがする。この点は答弁をお願いしてもこれ以上の答弁はできないと思いますので、これだけ私の意見として述べておきます。
○佐藤国務大臣 別に議論を申し上げるわけではありませんが、ただいまのお話は根本の問題でありまするし、これはひとり政府だけの問題ではないと思います。国会の機能発揮上の問題も当然関係があると思うのでございます。従いましてこういう点が国会の皆さん方の御審議をいただく本筋でございますから、そういう意味合いで、やはりこの問題の御審議を賜りたいと思うのであります。私どもがかねてから主張をいたしておりますように、これは簡明率直なもので、場合によつては予算をつくらなくてもよいくらいの考え方が一部には必ずあると思う。この予算をつくります限り、やはり大蔵大臣の予算編成権というものが問題になつて参りますし、国会における審議の場合においてもその線が強く出て参らざるを得ないのでございます。こういう点は、公社をつくる場合にはたしてそれが適当なりやいなや、こういう基本的な問題はもちろんあるわけであります。従いまして私ども当初におきまして種々折衝を重ねて参りました実情を、率直に申し上げるわけでございます。しかし現在まで鉄道の公社がある、あるいは専売の公社がある。これらの先例を強く取入れざるを得ない現状にありましたために、ただいま御指摘のようなことになつております。この先例が気に食わなければかえればよいじやないかという議論はもちろんあると思いまするが、この先例は今までにもお話を申し上げましたように、いろいろの批判はいたしておりまするが、まだその試験的期間のように思いますので、いましばらその先例を踏襲せざるを得ない、かように私どもは考えておる次第でございます。
○稻村委員 この点については私どもまた意見があるのでありますけれども、討論のときに讓ることといたしまして、もう一点お聞きしたいことは、今年の予算で建設資金として電通省が要求したのが五百三十七億あるということを聞いておりますが、そのうち百三十五億だけ認められているわけであります。今後ほんとうにサービスをよくするということになりますと、いろいろな点で資金がいるだろうと思う。これが公社になりまして、これを電信電話債におもにたよるということと、国の出資という二つの面で行くのでございますが、この国の出資はおそらく百億か百五十億というのが限度ではないかと思います。そうしますとこの五、百三十七億という、厖大なあとの残りを、今年の要求だけにしてもこれをやるということになると、これを電信電話債ということを言つておりましたが、政府が引受けるのと民間が引受けるのと、それで足りないものは外資、こういう話でありました。これに対しての見通しもはつきりと聞いたのでありますが、これはもうすぐ出発するのであります。おそらく来月からでも出発するのだろうと思いますが、そうしますとやはり今からその見通しを持つていなければ公社などというものはつくれるものではありませんが、こういうような要求されておるサービスに適合するような建設というものが、可能な資金ができるという見通しで出発するのかどうか、その点お尋ねいたします。
○靱説明員 本年度の予算におきましては、すでに御承知の通り政府から借り入れました資金というものは百三十五億なのでございます。それに対しまして減価償却の金というものが損益勘定の方から建設勘定の方に参りまして、それが約百三十五億、それから電話の負担臨時措置法によりまして負担金をとつておる、これが約三十五億かと思います。その他の建設資金の合計が三百二十二億ということになつております。そこで先日もこの委員会で御説明申し上げましたが、三百億程度ではなかなか整備改善が迅速にできない。私どもとしては、今御説明がありましたように五百億程度の全体の建設資金が欲しい、こういうようなことで計画を持つておるのであります。そこで今後におきまして公社になつてどうなるかという点でございますが、やはり公社の出発にあたりまして、当然経営者としては一つの努力目標というものがなければならぬ。そこで政府からのただいま申しました借入金というしは、やはり今後も引続き残つて行くという形に考えております。現に国鉄におきましても鉄道債券をまだ一回も発行いたしておりません。それはあたかも電気通信特別会計に資金運用部資金を貸したことく、国鉄にもその資金を貸しておるのであります。従いまして来年度におきましても、公社としてはやはり国の資金を借用するということは一つの財源として考える。それから負担金法によるところの財源ということも考えておりまして、これは加入者の数が増して行きますればだんだんと増加するものであります。あるいは五十億程度を見込むということも考え得ると存じております。さらに減価償却等におきましても年々この金額がふえて参りますので、百三十五億以上の金が業務収入の方の残余から建設資金の方に入つて来る、こういう形に相なるのであります。そこで新たな問題としましては電信電話債券の発行でございますが、これは一般的に募集する、それによつて非常に多くの資金が吸収できるということは、考え方として現在の状況においては少し甘いのではないか。むしろ電信電話につきまして、各地域も非常にこれの改善整備について要望いたしております。場合によりましては一時資金を立てかえても、あるいは寄付をしてもいいというような声が各方面に出ておるわけであります。従いまして電信電話債券の発行が認められまして、民間資金にそれを求めることをする場合におきましては、地方的に集めた資金をそこの建設整備に充てるというようなことによりまして、これは結局公社経営者の努力によりますが、ここに全然ゼロということを考える必要なないのでありまして、そこをできるだけ多くの幅において考えて行くということによりますと、在来程度の政府の借金というものを予想して大体計算しますと、本年度成立いたしております予算総額よりよけいのわくができるものと考えておるのでありまして、何とか五百億の線に持つて行きたいということを、現在の電気通信事業を経営しておるものとしては考えておりますが、計算といたしまして四百億以上にともかく持つて行けるのではないかという考えを持つております。もつともこれはまた公社を経営する人の能力、あるいは努力によつてさらに増すのではないかというふうに思つております。
○稻村委員 会社を設社する場合であつても、大体もくろみ書というものができておりまして、それによつて株式を募集する場合に、一見してわかように、どれぐらいの資金が集まる見込みがあつて、どういう償還計画で、どういう事業をやるかということが一々出されておるわけです。ところが国の事業であり、国の資本でできるところの公社については、われわれにそういうもくろみ書がはつきりしておらぬ。そこでお尋ねしたいのですが、五百億の資金をもつて再出発したい。少くとも建設資金には五百億ぐらいいるから、それくらいのものをもつて出発したいということならば、その資金の調達に対する予定は、たとえば政府がどれだけの電話債を引受け、あるいは民間で一般に売り出すことができなければ、同じものであつても食糧証券のように、これを一時日銀に引受けさせる、そういうことでやるとかということが考えられているのかどうか。もしあつたらあとから資料でよろしゆうございますから、私の手元にもらいたいが、どうですか。
○靱説明員 お答えいたします。先ほど御質問のありました條項にも明らかなように、ともかくこの公社といたしましては、毎事業年度予算を立てて、結局国会の最終議決にまつという形になつております。その際借入金はどういうふうにするか、電信電話債券はどのくらいに見込むかということは、すべてそのときにはつきり国会に提出いたしまして、議決を経るという形になります。従いまして、もちろんこれは公社ができ上りました上において予算書を郵政大臣に提出し、そこで今申しましたような手続によつて最終的な決定がきまつて参るわけでありまして、結局来年度予算の計画としてこれは考えて行く問題になります。
○稻村委員 それならば、今までの国家資本で国営でやつておるのと同じことになります。私はやはり民間企業のよいところというのは、ある程度経済活動を見通して協力を得るというところに、民間企業のよいところがあると思う。それならば、こういう公社をつくる以上は、可能性だけでよいから、資本金はこういう形で集まる。そうしてこれだけの事業をやつて、これだけの黒字が出て、これだけの償還をやるというふうなもくろみ書ぐらいは、詳しいものはいりません。ざつとでよいからわれわれに提出しておいて、そうしてわれわれの審議にかけるのがあたりまえである。それをしないで、法文だけでもつて、こういうふうなものができたから、これでやつて行け、これは国営よりよいのだといくら説明されても、それでは説明にはなりませんから、その点、そういうものがつくれるのかどうか聞いておるわけです。
○佐藤国務大臣 重ねて稻村さんの御意見を聞くまでもなく、お答えするつもりでおつたのですが、遅れて、手数をおかけしたようであります。先ほど次官から申しましたように、ただいままでのところ、予算編成の段取りになつておりませんので、いわゆる政府機関としてというか、政府の直営の場合におきましても、まだ事業計画ははつきり立つておるわけではないのであります。しかし政府の予算等も、いずれそのうちつくらなければならない時期になりますから、政府自身としての予算も、もちろんただいまは申し上げるわけに参りませんが、その時期は遠からず来ることだろうと思います。ところでなぜさようなことを申すかと申せば、今公社としての事業もくろみは一体どうだというお尋ねでこいざいますが、これもこの公社法案の全体をお考えになり、全体を御検討願えばわかりますように、やはり政府機関の一つとしての予算を考えて参るわけでございますので、総体的なものを計画せざるを得ないのでございます。従ついましてその意味合いにおいては、まだ時期がやや早い。従いまして先ほど申し上げておりますたとえば電話の五箇年擴充計画一箇年に約五百億の資金を要するだろう、そうして二千五百億の設備計画を持つておると、かように申しましても、過去の計画がしばしばそういうはめになつておりますが、どうも期間は延長されがちである。今回さようなことがありましては困るという意味合いにおいて、この事業の整備計画等については、これをぜひとも実現すべく最大の努力をする考え方でおるのであります。ただいま御審議をいただいております法案では、たとえば資金の獲得の面においても、在来よりも新しい資金獲得の方法が開かれるとか、その資金の運用にあたりましても、在来よりももつと融通のある方法ができる、かような便益がこの法案のうちに盛り込まれておるのでありまして、ただいま御指摘の事業計画、あるいはもくろみ書を出せ、かように申しておられましてこれは少々ラフなものでもよろしいという御意見に聞くのでございますが、私どもといたしましては、政府機関として考えますと、やはり総体的なものを勘案して参らねばならないように思います。従いまして今日ありますものは一応の計画数字で、これは出せないことはないのでございますが、できるだけ実際に近いものをお目にかけるのが私どもの責任のようにも考えますので、ただいまの時期といたしましては、やや早い感がいたすのであります。この点、私からもお詫びかたがた実情をお話し申し上げる次第でございます。
○稻村委員 そうしますと、公社になつて後の出発のことでありますが、ここで今のところ四百億以上の資金が大体できるという見通しだということになりますがその資金ができますと、現在建設が非常に思うように行かないということによつて生じておるところの、電話のスペキユレーシヨンを抑制するというところまで行けるという見通しであるかどうか、この点いかがですか。
○佐藤国務大臣 現在の電話のスペキユレーシヨンとおつしやるのは、おそらく電話架設が、いろいろ民間で讓渡されている場合の権利金の問題だろうと思います。この状況は、全国を通じまして非常な供給減であります。需要に対しまして供給が非常に少いという状況であります。従いまして相当の期間をかしていただかないと、この状況はなかなか解消はいたさないだろうと思います。ことに、一面におきまして事業の増強をはかつて参りますが、一面におきまして、需要の方もまたそれに負けずにふえておるような次第であります。でありますから、やはり画期的な増強をいたさない限り、なかなか思うように参らないのでございます。たとえば東京都内ごらんになりましても、今電気通信省としては、相当自慢にして、他に誇り得るものとして考えておりますものに、第二千代田の交換局をただいま建設整備中でありまして、これなどが完全に働くようになりますれば四万端子、さらに第二期工事を考えれば八万端子になります。これは非常な画期的な増強であります。あるいはまた中間の線路等の増強も、それぞれ地下ケーブル等を増備いたしつつありますが、しかしそれにいたしましても、東京都の地域的な面におきましては、なおなお非常な供給不足の規象があるわけでございます。、従いまして民間で売買されておるところのこの電話の価格にいたしましても、同じ都内と申しましても非常な差異があるのではないかと思うのであります。この種の問題は東京都内に起きておるばかりでなく、地方におきましても同じような現象が場所的にあるのであります。これらのものをできるだけその需要に応ずるように、実は私どもといたしましても毎年々々計画を進めておるわけであります。その意味におきまして相当の期間がかかることだと思いますが、一層の努力をいたして参りたい、かように考えております。
○稻村委員 先ごろ田島委員と佐藤大臣との間に、いろいろな上のいきさつもあつたようでありますが、その一つの問題として、たとえば電話がごく一部の人間にしか使われない、こういうような指摘に対して、必ずしもそういうふうには考えておらないと言うけれども、しかし電話が一部の人間にしか利用されないというのは、むしろそこに電話市場という別個のものが立つて、そこにスペキユレーシヨンが行われるために、一人の人間がある程度の値上りを予想して、十本も二十本も集めておくというようなことさえ今月行われておる。今日電話一つつけるのに、東京の市中ですとおそらく十何万から二十万円とかいう値段がついておるという話です。こういうようなところから一般に利用されないような事態になつておると思います。またそういうことが実を言うと電通省あたりの汚職などの大きな原因にもなつておると私は思います。だからしてこういう事態を解消せずして、枝葉末節のところに一生懸命に、やれ官紀粛正だ、綱紀粛正だと言つてみたり、あるいは電話の一般的利用を促進するのだと言つてみても、それはなかなかむずかしい、のじやないか、こういうふうに考えております。この点を考えると同時に、また公社が国営よりも多少でもゆるんだ形でできて行き、企業性を強くするということは、むしろそれだけ国の干渉から解放することになる。そこでこの状態のままでやつて行くと、このスペキユレーシヨンがもつとはげしくなつて来るというのが一つ、またこのスペキユレーシヨンと相応して、官吏というか職員の汚職事件というようなものも、いくら取締つても多くなつて来る。この点についてこの二つの問題の関連性を十分に考えて公社を運営して行く立場に立つておられるのかどうか、これは建設資金や何かとも非常に関係があるということを認識されておるのかどうか、その点をひとつ承りたいと思います。
○佐藤国務大臣 たいへん御理解のあるお尋ねのように伺つたのでございます。もちろん電話の需要が非常に大で供給が不足いたしておりますと、その間にありまして電話を自分で備蓄して、あるいはそれによつて利益を得る、こういうような不都合な考え方の者が生じて来る危険性は多分にあるわけであります。これは御指摘の通りでございます。従いまして本筋といたしましては、電話の事業をいたしておる者から申せば、その需要に相応するだけの設備をするというのは当然のことでございます。同時にまたそういう状態になり得ない間におきましては、この施設は国民に公平に分配されるというか、公平に利用されることを本来の建前にしておるわけでありますから、不都合な所為のある者につきましては、厳然たる態度をもつて臨んで、これの対策を講じて行かなければならないと思うのであります。余談を申してまことに恐縮でありますが、昭和八、九年時分に私二ユーヨークへ参りましたが、そのときに電話がほしくなつて電話を申し込みますと、二日したらすぐつけてくれたのであります。こういうような状況にならないとほんとうの電話のサービスにはならない。いろいる考えてみると、アメリカの電話交換台にも余裕をちやんと持つているし、また中継線においても余裕を持つている。でありますから、ただいま申し上げるように、場所的におきましてもほとんど不都合なしに、即刻と申していいくらい電話の架設ができるわけであります。ところがロンドンに行つて同じような経験をいたしましたが、ロンドンでは電話をつけるのにそう一箇月も二箇月もはかかりませんでしたが、それでも二週間くらいはかかつたことを私経験いたしております。こういうような場所だと、ただいま御指摘になつたように電話を十分に保有して、それを高く売りつけてそれでもうけよというような不都合な者は生じて来ない、ほんとうに電話というものが近代的な科学的な利便を提供する施設として国民だれにも使われるようになると思うのであります。私どものねらいはそこに持つて行かなければならないと思うのであります。そこでただいまのように需要は非常に多いが供給が足らない、こういう場合において、その実情を十分知つております電気通信省の職員、また将来公社になつたら公社の職員といたしましては、現実にこれができないにいたしましても、納得の行くようなお話をいたしますならば、国民の皆様にも了承していただけると思うのであります。こういう点に事業の遂行を担当し、また事業に従事しておる諸君の心がけが一つあるわけであります。先ほどのお話では、今度公社になつて利益追求を第一にすれば、一層その間違いなり過誤なりが起るのではないか、こういう疑念を持たれたようでありますが、私はこれについてさような不安も、またさような疑惑も感じておらないのであります。ただいまの電気通信省の職員といたしましては、非常に困難な状況のもと、いわゆるサービスが非常に不十分であるということについてはよく知つている諸君であります。従いましてこの企業形態がかわりまして、もつと事業の発達と申しますか、事業自体が能率を上げるということに協力される場合におきましては、利用者に対しましても今日より以上の親切さが徹底して参るのではないかと思うのであります。利益追求は、これは公社自体の事業形態としての利益追求であつて、これを構成しておる職員個人々々の利益追求では絶対にないわけであります。だから個人のふところと公社の事業収入という問題には、これは明らかに公私の別があるわけであります。私どもは現在の職員がこういう点において幾分かでも疑いを持たれるということはまことに残念に思いますが、その点は決して心配はいらないように思うのであります。おそらく従業員自身といたしましてもこの際積極的に立ち上つて、公社の経営を事業的経営に移して行き、そして與えられた予算の範囲内においてできるだけ仕事をたくさんして国民に利便を提供しサービスの徹底を期する、こういう気持にただいまはみんな燃えておるように私自身は感じておるのであります。それで先ほどのお話の中に田島委員とのやりとりの問題が出ておりまして、現在の状況では特定の連中にサービスを提供しておるのではないかというお話でありましたが、やはり国家的活動あるいは経済的活動、またお互いの国民生活というものを個人個人の活動というふうに考えられることは、私納得ができないのであります。やはり団体的な活動であることは見のがせない現実であります。従いまして現在までのところ電話を現実に持つておる者は、なるほど少数であるかもしれない。全国全部合せましても、わずか二百万個に足らない数であります。その数から申しますれば、電話を持つ者は一つの特殊階級だ、こういうふうな批例があろうかと思いますが、それにいたしましても利便を受けております者は、電話を架設して電話を使う人ばかりの問題ではなくて、やはり社会的活動をいたしております限り、また経済活動をしております限り、この電話があるために、間接的ではありまするが、国民活動の上に多大の利便を提供しておる、かように私どもは考えている次第でございます。もちろん先ほどのお話は重大な点であります。また経営者が、どういう人が具体的に総裁なり、副総裁になるにいたしましても、現在の電気通信省の職員自体が、汚職の問題からとかくの目を持つて見られたり、あるいはまたただいまの電話架設の問題に関連をいたしましてとやかく申されることは、私どもまことに遺憾に思つております。多数の従業員のうちには、もちろん不心得の者がないと申し上げたいのでありますが、これはままあるのであります。従いましてこの御批制も全然当らないわけのものでもないと思いまするが、皆様方のただいまのようなお考え方で一層の御指導をいただきますならば、御懸念の点は必ず解消する、かように私は信じておる次第でございます。
○稻村委員 電話の権利の売買を業としておるような者が、昔は公然とあつたようであります。今は公法ではないけれども、半公然として存在するのでありますが、こういう業者というか、こういう者に対するところの取締りその他に関する方針を持つておられるかどうか、その点を伺いたい。
○田邊(正)政府委員 お答え申し上げます。ただいま電話の売買を業といたします者は、特は大都市には相当おりまして、話を聞きますと、中には電話事をほしい人に対しまして、不当な金を要求するというふうな事例もあるようでございますが、現在のところ、電気通信省といたしましてはこれを取締る法規がございませんし、また電話の加入権は昭和二十四年の二月十四日以前のものは、これは判例もございまして財産権というふうになつておるわけでございます。従つて電話にいわゆる市価が生じております。この事実は、電話が始まりましてから、電話の需要と供給との不均衡という点から生じて参つておるであります。これを今日ただちに抹殺いたしますことは、既存の権利の侵害というふうな点からいたしましても、非常に議論があろうと思います。ただ昭和二十四年の二月十五日以降の電話につきましては、移転を認めないことにいたしております。従つてこういう、新しい電話と言つておりますが、新しい電話につきましては讓渡はできないものであります。今後もこの讓渡の問題につきましては、大体今の方針を踏襲して参りまして、新しい電話につきましては、讓渡は原則として承認しないというふうな建前で参りたいと考えております。
○稻村委員 建前はそうであつても、具体的にそれを取締ることができないという状態であるとすれば、電話が公然と市場ができて売買されるということが起り得ると思います。ことに法律上の問題としても、電通省が――今度は郵政省ですが、郵政省が中心になつて考えなければならぬ問題ですが、そういうことから言つても、公然と電話は担保権を持つておるのです。こういうふうなものをそのままにしておいて、国営がよいの公社がよいのと言つても、国営と公社は五十歩百歩だと思う。それよりも、そういうものを片つぱしからかえて行くことが必要なのではないか。私がさつき言つたように、従業員が非常にまじめにやつていらつしやることは私自身も認めておるが、多少でもこういうものを残しておけば、需要者の方で非常に誘惑される。人間誘惑されて乗るのはわずか四百六十六名という選ばれた政治家のうちだつて、十年に一回や二十年に一回は誘惑にひつかかる者がある。そういうことを考えてみますと、こういう事実をそのままにしておいて誘惑にひつかかるやつを罰するぞと言つてみたつて、これは意味がないと私は思う。国営よりも公社の方がよいと言つて、いろいろなりくつをつけるように持つて行くが、こういう問題をどうやつて解消するかという、その基本方針が立つておるのかどうか。次官のお話によると、これは五百億もおそらくないだろう。それからいろいろ聞いてみますと需要供給は、供給よりも需要の方がもつと大きくなる。そうして担保権は持つている、権利の売買は自由だということで、取締りの方法がありませんと言つて手を上げている。そうしたらこれは政府でもつて汚職奨励をやつているようなもので、むしろ汚職奨励のために公社にかえるようなことをやつているのとひとしいように感ずるが、こういう点に対する方針を持つておるかどうか伺いたい。
○佐藤国務大臣 私の説明の足らぬところは、いずれ事務当局からお答えいたさせたいと思います。ただいまのお話でありますが、旧電話は別といたしまして、新電話になりますと讓渡ができない。讓渡ができないということは、結局名義書きかえができないということであります。民間でやるといたしますならば、あるいは名義貸しという問題があるかもわからないと思いますが、この意味合いにおきましては、取締りは相当の効果が上つて参る。だからそこに融通性はよほど減殺されるわけであります。そこで実際問題といたしまして非常に困つたことは、電通職員は仲介あつせんをいたしておるわけではないのでありますが、とかく電通職員が仲介あつせんをしておるかのような感を持たれる。この点は電通職員に対しまして、非常なぬれぎぬのように思うのでございます。いい一つの例をとつてみますると、私どものところにも電話の架設をずいぶん陳情される方が多いのであります。そういうものにつきまして、もちろん大臣が受けた陳情だからすぐ電話ができるというものではないのでありますが、世間の人は、大臣に頼めばこの電話はつくのではないかというような考え方をとかく持ちやすいのであります。ことにただいま需要と供給が非常にかけ離れております際におきましては、電通省といたしましては、この受付けました電話の加入申込みにつきまして、それぞれ順位を決定いたしておるのであります。そうして足らないながらも公平な電話の架設を計画いたして参つておるのであります。従いましてこれは大臣であろうが、次官であろうが、あるいは局長であろうが、極端な例かもわかりませんが組合の委員長でありましようが、その順位をくずしてまでこれを架設するというようなことは、実はできないのであります。しかしどうしてそれがつかないか、これは十分にひとつ取調べてみたい。先ほどのお話にもありましたが、私どもの仕事といたしましては、何がゆえにこれがつかないか、また申請書類はいかに処理されておるか、これは管理者といたしましても当然業務の遂行を監督し、またその実情を把握する要がありますので、しばしばそれをやつてみておつのであります。そういたしますと扱い者の方にはまず手落ちはない。ところが困つた問題は、役所に堂々と頼んだらなかなか電話がつかない、民間の周旋業者に頼むとその電話がつく、そこに問題があるわけです。これはどういう欠陷かと思いますと、私が理解しておるところでは、役所に不要になつたとか、讓渡可能というか、讓渡希望の電話の返還がとにかく出ておらないのであります。だから役所の方の帳簿から見ると、動くような電話は一つもない。中継線は一ぱいである。交換台も一ぱいである。従つて役所としては電話をつけるわけに参りません、かように断るわけでありますが、現在持つておられる人自身が役所に返せば、十分の価格は支拂つてくれない。周旋業者のところに持つて行けば、相当のプレミアムのついた値段でこれを処分してくれる。そこで周旋業者のところには、自分のところの電話は讓つてもよろしい、ほしい人があればあつせんしてくれということを依頼しておるわけであります。ことにビルあるいは住宅地においてもそうですが、回線が一ぱいになつているような場所、あるいは交換台が一ぱいになつておるような場所においては、役所の方には参らないが、周旋業者の方にはその点を申し入れておるということがある。この事情がわからないために、電話の架設を申し込まれる方は、役所に行けば、絶対にこの場所はつかないところです、回線も一ぱいである、交換台も一ぱいでつかないと断られるので、周旋業者のところに行く、するとちやんと世話をしてくれる、しかしその値段は非常に高かつた。こういうような話をしばしば聞くのであります。こういう点は私どもの事業遂行の面から見ましても、積極物に電話の利用状況、あるいは加入者の状態等を十分把握する方法がありますれば、ただいま周旋業者があつせんするようなことは、利潤の問題から見るとなお残りますが、比較物少くなるだろうと思います。そこまで立ち入ることはいかがかと思うのでありますが、この種の公益事業といたしましては、また公器というような観点から考えますれば、当初設けられておりますごとく、電話機自身は電通省がこれを施設して行くし、またその施設費も電通省自身がこれをやつて行く。従つてこれが不要になれば、簡単に成規の手続をとられて、電通省にこれがみな返つて来るというような方向に、利用者の方々の協力を得るようになれば、理想物形態であろうと思います。この点は電通省自身にも、それ相当勉強しなければならぬ点もあるだろうと思いますが、やはり国民の皆さん方の公器に対する考え方につきましても、幾分か考え方をかえていただかないと、なかなかりつぱなものにならないのではないかと思うのであります。基本物な問題としては先ほど来から御指摘のありますように、需要供給をマツチさせることをまず考えなければならないし、またその途中においては、加入申込み等につきましても公平な取扱いをし、同時につかないものについては実情をよくお話申し上げなければならないし、また電話周旋業者の不正等につきましては、私どもといたしましては、これに対して確固たる態度をもつて臨まざるを得ないと考えておる次第であります。最近の模様等から見ますと、周旋業者自体が、加入申込者から金だけをとりまして、どうしても施設しない。こういうような例はよほど減つて参つたやに聞くのでありますが、民間の業者自身が入りますると、そういうような不正事態も起り得るのであります。こういう点につきましては、それぞれの機関等もあることでありますから、取締りを十分嚴にさして参りたいと考えております。
○稻村委員 業者の既存権を侵害するわけにも行かない、こう言つておられましたけれども、一方においては需要に対して供給がとても応じ切れない。こういうような場合、電話のスペキユレーシヨンが行われることを防ぐためには、やはりこれに対しての制限的な対策、あるいはまた抜本的な対策が、ことに公社などをつくる場合には必要になつて来ると思うのであります。そういうものに対して対策を立てる必要があると思つておるか、結論だけ聞きたい。
○靱説明員 その点はまことにごもつともな議論なのでございますが、電気通信省、また経営者として非常に困つておる点は、旧電話、讓渡可能な電話を、法律的に制限することが在来できない。ことに連合軍が占領いたしまして、電話に権利金をつけることを最も非難いたしまして、ポ政令によつて、ある期間から以後、これからつけるものについては讓渡は認めないという政令を出したわけでございます。これ自体についても、法律的に申しますと一つの個人の財産権である。これについて全然讓渡を認めないということは、ある意味において法律上大きな疑義があるということさえいわれておるような現状でございまして、電話を持つておられる方は、できるだけこれを高く売ろうとされる。買う方の方はなかなかつかぬから、それによつての利益を勘案して一定のマーケツト・プライスができる、こういう形になつておるのであります。結局売買業者の既得権を保護するということじやないのでございまして、電話の加入者が持つておる権利を現在制限できない、こういう形のために発生している事態であります。そこで根本的にはどうしても電話の数をふやして行くということが、一番正当な解決方法であります。それ以外に法律的に絶対にできないかどうかということはきわめて疑問でございます。あるいは五箇年間讓渡制限をするというような規定が設けられるかどうかという点は、一つの問題として残つておるわけでございます。ただいまのところ公開売買されておる点につきまして、おもしろくない現象と考えておりますが、これを防ぐ方法は法律的に困難であるという見解になつておるわけでございます。
○稻村委員 法律的に困難であるという、そこに対する制限の方法を取締り当局の方が全然考えないでいるということが、私は実におかしいと思う。これでは公社をつくつてそれを監督するなどとはおこがましいといわれたつてしかたがない。財産権だつたら、それを制限するとか、古いものに対しては、全部買上げなくても、ある程度補償金を出して補償してやるとか、やる気になればいくらでもあると思う。そういうものは全部ほうりつぱなしで、電話をふやすよりしようがないという。しかし今のところこつちでふやすよりも需要の方が大きい。こうなればいつまでたつても電話のスペキユレーシヨンは絶えない。またそういうことから来るところのいろいろの策動が起きたり、それから誘惑が起きたりして、せつかくまじめに働いておる従業員を犠牲にするということもやむを得ないのだ。その原因は、やむを得ぬからどうにもなりませんと、両手を上げておる。それなら政府はいらぬというのだ。こんなばかなことでもつて、この公社法案というものが出ておること自身が私はふしぎなんです。
 それからもう一つ、時間もありませんから、最後の質問をしたいと存じます。これは将来も起ることだし、現在のことでもあるのですが、いろいろな弊害が起つて来る問題は、建設事業にからんでおる。それで原則として建設事業は、指名入札にするのか、あるいは一般入札にするのか、あるいは指名請負で請負をさせるのか、こういうようなことについて、どういう方針で行くのか。一つではいかぬが、原則としてどういう方針で一体臨もうとしておるのか、それをお尋ねしたい。
○佐藤国務大臣 先ほど靱君から申し上げましたが、現在全然対策がないということじやなくて、讓渡禁止という問題によつて、名義書きかえの際にこれを処置する方法、これは新しい電話については可能だ、かように申しておりまして、旧電話をただちに買い上げて、もう一ぺんやり直せという御議論は、これはまだまだもつと私ども研究しないと、その当否についての御返事はここでできないように思います。
 そこで次の建設の問題につきましては、御指摘の通りいろいろ問題があり得ると思います。そこでこの扱い方については非常に力を入れまして、画期的な変化をここに招来してみようというので、いろいろ事務当局とも相談をいたしまして、できるだけ請負と申しますか、それも競争入札の方向において請負を民間事業にやらすように、実は指導して参つておるのであります。御承知のように電気通信省におきましては、直営の部門も相当あります。ことに保守の部門につきましては、これは性質上直営が本来だと思います。あるいはまた特殊な大きな建設工事で、高度の技術を必要とするような問題につきましては、これも直営が望ましいことかと思います。思いまするが、今日の民間事業の活動状況等を考えますれば、民間事業の協力のもとに工事を遂行する、いわゆる民間事業の事業者の請負の形においてやらすのがいいのじやないかということで、くふうをさせているわけであります。つまり請負ということにいたしますると、今御疑念が生じましたように、随意契約でやるのではない、これを指名して、その指名請負人にする場合に、いろいろの問題があるのではないか。あるいはまた全然そういう資格審査等を必要としない、完全な公開をした競争入札はできないか、こういうような御意見があると思うのであります。しかしただいま採用いたしております方式は、大体におきまして指名請負人制度のもとにおいて、競争入札をやらすという考え方をいたしておるのであります。随意契約という方向は、これはいろいろの問題があるのでありますので、できるだけ避けて参る考え方でおります。またしからばなぜ突き進んで、一般の競争入札にまでこれを擴大しないかという御疑念があろうかと思いますが、やはりこの事業といたしましては特殊な枝術を必要とするように私どもは考えるのでありまして、この意味では、資力なり技術等相当の資格を有するできるだけ多数の指名請負人をつくりまして、多数の指名請負人のもとで競争させることによりまして、弊害を除去して参りたいと思うのであります。大体その方向で参りまして、私どもは工事費などの節約ができ、ただいままでのところこれという不都合を感じておらないのでございます。ただ指名請負人の制度は、いろいろ工事の関係等もありまして、全国的な指名請負人制度も必要であつたり、あるいはまた地方的な通信局単位におきましてそういうものを考えましたり、あるいははまた下の機関において、そういう制度を考えたりいたしておるわけでありますが、その資力、信用等が十分でありますれば、その数を少数のものに限るという考えはいたしておらないのであります。できるだけ資力、信用のあるものをふやして参りまして、指名請負人の数等にはとらわれないという方向で、できるだけ公正を期して参りたいと思います。なお施設局長からこの問題について補足させます。
○中尾政府委員 一言つけ加えさせていただきます。大きい方につきましては大臣から御説明申し上げた通りでありますが、非常に小さい工事でありまして、一般的なものにつきましては、普通の人でも一般公開をして自由競争にしております。
○稻村委員 指名入札だということになれば、その指名はよほど慎重にしないと、いろいろな疑惑が持たれることになるのでありまして、この点も田島委員と佐藤大臣との間にいろいろのやりとりがありました。実は私もただ聞いているうわさで、うわさの出所を明らかにしろと言われれば、私は調べたわけではありませんが、星製薬のビルに何か建設工事の会社があつて、その建設工事の会社が一切の建設工事をそこからトンネルするというようなことを建前に、逓信省の古い人がその首脳部になつている、こういううわさを聞くのであります。それで指名入札などをする場合には、よほど慎重にしないと困る。ことにこの問題はすでに何か事件のようなものにも関連し、しかもその首脳部の中には二、三その職事に関係しているとさえ伝えられている。そうだとすると、こういうことで痛くもない腹を探られるようなことがしばしばあるのでありまして、ことに公社になつてその点企業活動のわくが少し広くなりますと、こういう問題が非常に強く出て来ると思うのでありまして、こういう問題に対する問題、ことにこれがトンネル会社であるということになりますと、まつたくあつせん業みたいな形になつてしまつて、公社などができたら、それこれがむちやくちやに食い荒して行くというかつこうになる。そういう点に対してこの指名入札の場合にどうするかというような点について、もし御意見があつたらお伺いいたします。
○佐藤国務大臣 今の指名入札と、それから際意契約とは区別していただきたい。随意契約と申しますと、これは個々の請負人契約をいたしてやるのでありまして、そこには入札関係が全然ないのでございます。指名請負人の競争入札と申しますのは、一定の資力信用を持つておりますものを、請負人として入札し得る資格を有するものとして認めるわけであります。その指名請負人をきめます場合に、いろいろの要望が出ておることも事実でありまして、そういう際におきましては、関係官においてよく実情を調べた上で、もちろん追加することも可能でありますし、また在来の指名請負人でも不正等がありますれば、これを取消して行くこともある例でございます。この点では指名請負人の選定については、お説の通りよほど厳正に、しかも公平にいたさないと弊害が残る、かように考えます。
 次にただいまうわさとして申されたのでありますが、この点はあるいはうわさ以上になつていると申してもいい。というのは、この委員会におきましてたびたびお尋ねがあるのであります。これはことに通信建設会社の問題ではないかと思うのであります。もし今疑いを存しておられるのが通信会社の問題でありますならば、これについては私から重ねて申上げてみたいと思います。通信建設の会社につきましては、野党側からもたびたび質問を受けましたが、同時に與党側からもこの点の質問を受けておりますので、過去の委員会においてこの通信会社に対する電気通信省の態度は明確にいたしておるのでありますから、重ねて申し上げる要もないようでありますが、稻村委員はこの委員会に来られたのも最近のようでありますので、はつきり申上げておきたいと思います。今まで言われておりますのは、この通信建設という会社は電気通信省が特に声をかけてつくつたものではないかという点が一点であり、同時にこの建設通信会社は、声をかけた会社であるがゆえに現当局と密接な関係があるのではないかという点、さらにまた私自身が関係者の一人としていわれるようでありますが、満州関係の職員等を擁していて、そういう意味において特別な関係があるのではないかというような疑いであります。御承知のように現在までの電気通信省関係の工事請負人の実情は、今まで工事を部分的に出していた関係もありましようし、あるいはまた工事の性格も多分にあることだと思いますが、庁舎の建設のような大工事ではないだけに、比較的小さな工事請負人がその工事を担当していた例が多いのであります。従つて資金もそう必要としないとか、あるいはまた技術等においても高度の技術を必要としないとかいうような考え方が、相当支配的でのつたのではないかと思うのでありますが、私ども事業を遂行して参ります面から見れば、やはり資本力を持ち、高度の技術を持ち、活発な行動をする会社、これこそが資力、信用のある会社のように思うのでありまして、かような意味合いにおいて私どもは通信建設のような会社が一つといわず、数会社誕生することを実は心から希望をいたしておるような次第であります。従つてこの会社ができ上るにつきまして、電気通信省の当局が建設上特に相談を受けたというような事実は毛頭もありません。またこの会社に対しまして、人的な特別な因緑があるということももちろんありませんが、今日でき上つております通信建設の実態につきましては、私どもも相当の期待をかけておることは事実であります。しからばこの通信建設が工事をとる場合にいかなる状況になるかと申しますれば、やはりこれは指名請負人の一員でありまして、競争入札によりまして適正な価格によつて工事が決定を見て参るのでございます。従つてこの新しいものができたことに関しまして、いろいろのうわさも出ておりますことは、委員会等を通じて私もたびたび質問を受けておりますのでよく了承しておりますけれども、実態はただいま申し上げたような筋のものでありまして何ら疑惑を生ずる筋のものではない。従いましてこの種の問題についてのお尋ねがありました機会に、重ねてこの通信建設との関係を明確に申し上げた次第であります。なおこの種の会社はトンネル会社であつてはならないと考えております。やはり実情からいたしまして、事業を直接遂行するということが本体でなければならない、かように考えておりますので、御意見として御指摘になりました点は、私ども十分同感の意を表する次第でありますが、通信建設と現当局との間に特別な関係があるというようなうわさ等をお聞きでありましたら、その点だけはひとつ水に流していただきたい。私どもといたしましても厳正な取扱いをすることにおいて、何らかわりもないことを重ねてごひろう申し上げます。
○稻村委員 なお質問したいことはたくさんあるのですが、時間の関係もありますので、公社に関する質問はこれで一応打切りまして、あと国際電信電話会社法の問題について順序が来たときに質問することを保留しまして、これで私の質問を終ります。
○高塩委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明後二十六日午後一時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時六分散会