第013回国会 農林委員会 第9号
昭和二十七年二月十四日(木曜日)
    午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 松浦 東介君
   理事 遠藤 三郎君 理事 河野 謙三君
   理事 平野 三郎君 理事 小林 運美君
   理事 井上 良二君
      越智  茂君    小淵 光平君
      坂田 英一君    坂本  實君
      千賀 康治君    中馬 辰猪君
      幡谷仙次郎君    原田 雪松君
      大森 玉木君    高倉 定助君
      石井 繁丸君    竹村奈良一君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 廣川 弘禪君
 出席政府委員
        農林政務次官  野原 正勝君
        農林事務官
        (大臣官房長) 渡部 伍良君
        農林事務官
        (蚕糸局長)  寺内 祥一君
        食糧庁長官   東畑 四郎君
 委員外の出席者
        專  門  員 難波 理平君
        專  門  員 岩隈  博君
        專  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
二月十三日
 蚕糸業法の一部改正に関する請願(藤枝泉介君
 紹介)(第六五〇号)
 同(高間松吉君紹介)(第六九五号)
 同(高間松吉君外五名紹介)(第七三六号)
 北川村地内宮原せき用水路改修工事費国庫補助
 の請願(佐藤重遠君紹介)(第六五一号)
 林業行政機構改革に関する請願(松浦東介君外
 四名紹介)(第六七〇号)
 川根、出羽間に林道開設に関する請願(山本久
 雄君紹介)(第七三四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する
 件に基く農林関係諸命令の措置に関する法律案
 (内閣提出第一三号)
 食糧問題に関する件
 蚕糸に関する件
    ―――――――――――――
○松浦委員長 これより農林委員会を開会いたします。
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く農林関係諸命令の措置に関する法律案を議題といたします。――他に御質疑はございませんか。御質疑もないようでございますから、これをもつて質疑は終局いたしました。
 本案につきましては、別に討論の通告もありませんので、この際討論を省略して、ただちに採決したいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議ないようでございますから、これよりポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く農林関係諸命令の措置に関する法律案について採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○松浦委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 なおお諮りいたします。本案に対する衆議院規則第八十六條の規定による報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認めまして、さようにとりはからいます
    ―――――――――――――
○松浦委員長 御異議なしと認めまして、さようにとりはからいます
○松浦委員長 引続きこれより食糧問題に関する件につきまして調査を行います。質疑の通告がありますから、これを許します。河野謙三君。
○河野(謙)委員 この機会に大臣及び長官に伺いたいのですが、匿名供出に関する課税の問題につきましては、與党野党を問わず、現廣川農林大臣の御盡力に対しては、農民ひとしく感謝しております。しかしこの問題につきまして、少しく詳細に伺いたいと思います。
 まずこの課税の取扱いについて、新聞紙上によれば、すでに国税庁長官または食糧庁長官の名前をもつて通牒が発せられたように伺つておりますが、いつその通牒が発せられ、またその通牒の内容はどういうものであるか、この機会にひとつ御説明願いたいと思い
○廣川国務大臣 政府委員をして答弁いたさせます。
○東畑政府委員 お答え申し上げます。国税庁長官と私の方から通牒を出しましたのが二月十三日、昨日でございます。大体同趣旨でございますので、国税庁から出されました通牒を読み上げたいと思います。
   匿名供出等に係る奨励金に関する課税上の取扱について
  匿名供出等に係る奨励金に対する所得税の課税については、次のように取扱うこととしたから、この問題に関し納税者に対し無用の刺戟を與え、農業所得に対する本年分の所得税の円滑なる課税を阻害することのないよう嚴に留意せられたい。
 右通達する。
 一、匿名供出(匿名によらない超過供出を含む。)の事実があつても、この事実により当該農家または当該市町村の昭和二十六年産米の収量の増加を課税上持に見込むことは、行わないものとする。
 二、昭和二十六年産米に対する匿名供出等に係る奨励金は昭和二十六年分の収入には算入しないものとする。
 三、なお、匿名供出に係る超過供出奨励金に対する昭和二十七年分所得税の課税については、行政的措置または場合により立法的措置により課税対象から除外する措置が講ぜられる予定である。これが国税庁長官から国税局長に昨日出されました通牒であります。
 私の方から出しました通牒も、その趣旨とまつたく同様でございます。内容は、ただいま申し上げましたように、二十六年産米につきまして超過供出がありましても、二十六年産米の課税につきまして、すでに反当所得標準率というものが定められておりますから、その反当所得標準率が定められておるものに対しまして、超過供出がありましても、これは節米をして出しておるものでありますので、反当収穫高の増加はこれを見ないということであります。従いましてもちろん二十六年分の所得の収入には算入しないということであります。二十七年度分につきましては行政的措置、または場合によりましては立法的措置によつて匿名供出にかわる超過供出奨励金、いわゆる二千円分は課税対象からこれを除外するということであります。実質は除外するのでありますが、将来のことでありますので、予定であるというように事務的には考慮されるのであります。そういう通牒であります。
○河野(謙)委員 今の通牒の内容並びにこれに対する説明によりまして、二十六年度分については非常にはつきりしたのでありますけれども、ただ一つ、二十七年分についてはつきりしない点があると思うのです。それは通牒の出たのは二月十三日であり、一月一日から二月十三日までの間に匿名供出の行われたもの、もしくはこれに類似するもの、こういうものについての取扱いが、今の通牒によりますと明快でないと思います。もちろん常識的に考えて、これは当然二月十三日以前にさかのぼつて一月一日までの供出分に対しては同様な取扱いが課税上行われるというように考えますけれども、この点念のためにひとつ明快に御答弁いただきたいと思います。
○東畑政府委員 通牒が出ましたのは二月十三日でございますが、匿名供出はそれ以前から行われておりますので、匿名供出によります超過供出奨励金は当然課税対象から除外される、こういうように了解しております。
○河野(謙)委員 それは單なる農林省食糧長官としての御意見であるか、それとも今のお言葉は大蔵省、農林省、もつと具体的に言えば農林大臣、大蔵大臣両大臣の了解事項として成立しているのでありますか、これをひとつお伺いしたい。
○東畑政府委員 匿名供出につきますものは、もちろんこれはさかのぼつて課税対象から除外するということは、事務当局でもはつきりと話合いをつけております。通牒が若干遅れましたことははなはだ遺憾であります。
○河野(謙)委員 これにつきまして事務当局の御意見はよくわかつたのですが、幸いきようは大臣、政務次官が御出席でありますから、大臣この点はいかがですか。
○廣川国務大臣 東畑政府委員の答弁の通りであります。
○河野(謙)委員 それではよくわかりました。私はあらためて確認する意味でありませんが、通牒の発せられた二月十三日以前一月一日までの分も同様なる取扱いをされるということに、政府は方針を決定しているということに了承いたします。
 この機会にもう一つ伺いたいのですが、二十七年度の予定米価をパリテイ二五五と政府は言つておりますが、私が今想像するところでは、現在すでに二五八ないし二六〇なりに行つていると思いますが、このパリテイの決定の推移について、もし私が想像するように二五八ないし二六〇になつているとすれば、その上つているおもなる要素は何であるかということについてこの機会に――これはむしろ物価庁に質問すべきであるかもしれませんが、その道に詳しい食糧庁長官に、ひとつパリテイについて現在どのくらいになつているか、また将来についての見通しはどうかということについて伺いたいと思います。
○東畑政府委員 パリティのデータは実は持つておりませんので明確なるお答えは今日はできません。記憶をたどりますと、十一月はただいま河野さんのおつしやいましたように、二五九の線に行つておつたと思います。十二月になりまして二五八台に下つておるように記憶をいたします。一月につきましてはまだ物価庁から来ておりませんので、実は何とも申し上げられません。パリテイの大きな要素を占めますのは肥料と飼料の価格、あとは水産品等の値上り値下りが影響するのでありまして、今後の飼料価格、肥料価格あるいは水産物の価格等が相当パリティには影響するのでありまして、その他のものにつきましては、パリティ指数としてはそう大きな変化はないものであるというように考えております。
○河野(謙)委員 そこで私は心配するのであかますが、今のような情勢で今後推移いたしますと、予定米価の二五五というものはきわめてナンセンスなものになるということははつきりして来ます。でありますから、今から少くとも農村資材等につきましては特段の施策を政府は講じて、米価を安定させるように御霊力をいただかなければいけないと考えまして、この点特に農林大臣にお願いします。
 それからもう一点大臣にこの際お伺いしたいと思いますが、輸入食糧が年々非常に増加しております。これは最近のドル不足を訴えておる際に、食糧だけで六〇%くらい使つておるのじやないか。そこでドルの節約の面から、また国内の食生活の合理化の面からいつて、そろそろ輸入食糧の内容を少し私はかえたらいいのじやないかと思う。と申しますのは、今の配給辞退の面から言いまして、外米の配給辞退が非常に多い。もちろん麦の配給辞退も多いのですが、同様に外米の配給辞退が多い。食生活の合理化の面から行けば、この機会に特に南方諸地域の、非常にえさにもならぬような外米の輸入量というものを、単なる量にとらわれて輸入計画を立てないで、もう少し質のいい麦等に輸入食糧の内容を切りかえて、一面ドルの節約をし、一面食生活の改善、大臣の考えられるところの脂肪蛋白中心の食生活に今後切りかえて行くことがいいと思いますが、今後一年間の輸入食糧につきましては、依然として米と麦との輸入の比率は前と同様にお考えになつておるやに聞いておりますけれども、一体その点について、大臣は今後の輸入食糧についてどういう方向に持つて行かれるか。この点伺いたいと思います。
○廣川国務大臣 日本の主食についてですが、あなたとまつたく同様であります。輸入の面においても非常に大きな金額になつておりまして、四億三千万ドル以上拂うようなことになつておりますので、輸入を何とかして防ぎたいと考えまして、内地の農村の保有米をここで出してもらうために特に超過供出等を考えて、農林省、政府一体となつて努力いたしておるわけであります。特に今までの食生活の慣習からいたしまして、外米に対する魅力が非常に少いのであります。非常に良質なカリフオルニア米等を入れましても、外米という極印が押されますと非常にこれをきらうというようなわけでありまして、何となく外米と日本米との差が非常に強まつておるのであります。特に南方諸地域のいろいろな夾雑物の入つているような米に対しては、もつともつとこれはきらわれておるのでありまして、これをあなたのおつしやるような油等を加えて食生活を改善いたしまして、そして防遇するということも
 一手段ではありますが、しかし米、麦等をある程度のもの持つておりませんと人心に不安を来たしますので、計画量はやつておりますが、一面食生活改善、あるいはまた農家の生活改善等をはかりまして、あなたの御趣旨のようにいたしたいと思うのであります。このままの推移で行きますと、内地増産が伴いませんで輸入にたよりますと、外貨を非常な骨を折つてとつたのが、これをその方面にのみ使うということで非常に重大な危機になりますので、あなたの御趣旨のような方向に努力をいたしたいと思います。
○河野(謙)委員 私が今大臣にお尋ねしたのは、輸入食糧の絶対量を減らすということももちろんありますけれども、そうでなくて、輸入食糧の内容について米と麦とを考えました場合に、もう少し麦にウエイトをかけたらいいんじやないか。米をもう少し輸入食糧を減らして、たとえば三百二十万トンなり、三百五十万トン入れる場合、そのうちに米を八十万トンとか、百万トンとかいう計画を立てずに、米をもう少し減らすという方向にした方がいいんじやないか。そうしてこれは枝葉末節の問題になりますけれども、麦をよけい入れるということは、即えさの対策にもなるし、輸入の五等麦というものは相当今後ふやしていいのじやないか、かように考えるのですが、輸入の内容を米から麦にもつとウェイトをかけたらいいのじやないか、こういうことをお尋ねしているのですが、そういうお考えがあるかないかということを伺いたい。
○廣川国務大臣 実際の買付の状況から見ますと、好むと好まざるとにかかわらず、そういうような方向に行く段階になつております。またこれをあなたのおつしやるような角度から、そういうふうに持つて行くことがいいかどうか、この間からそういうことを検討いたしておりますが、特に肥料対策等のついても十分考えなければならぬと思つております。
○松浦委員長 次は小林君。
○小林(運)委員 私はこの際大臣に、蚕糸の問題について簡単にお伺いしたいと思います。前国会におきまして、繭糸価格安定の法律が通過いたしまして、先般繭糸価格の審議会が行われた模様でありますが、その結果答申があつたようですが、その答申に対して大臣は大体どのくらいの値段で昭和二十六年度の生糸の価格を決定されますか、その額と政府の決定の発表の期日について簡単にお答えを願いたいと思います。
○廣川国務大臣 政府委員をして答弁いたさせます。
○寺内政府委員 ただいま御質問のことは、後ほど御説明いたそうと思つておりましたが、審議会の答申は最高価格二十三万円、最低価格十八万円、希望決議といたしまして、最高価格を突破いたしましたときには、ただちに審議会を招集して禁止価格二十四万円を決定してもらいたい。こういう答申がございました。この答申につきまして農林省といたしましては、大体答申案通り決定いたしたいと思いまして、ただいま関係方面にこれを折衝いたしておりまするが、一部まだ意見の留保いたしておるところがございます。特にわれわれがなるほどと思うような理由を持つ強い反対意見が出て来ない限り、またきめなければならない期日は法律によつて今日中でありまするから、ただいま申しましたような一部からの納得し得る反対意見が出て来ない限り、今日中に答申案を農林省といたしまして決定いたしたいと考えております。
○小林(運)委員 私は今局長からお話のありました答申案自体について、最低価格十八万円、最高価格二十三万円、禁止価格二十四万円、これが有力な反対がなければ、答申案通りに本日中に決定するというような御方針を承りました。この詳細につきまして、私はあとでいろいろ局長に御質問を申し上げたいと思いますが、この際大臣にはつきり御答弁願いたいのは、審議会には各業界その他から出ておりまして、相当権威あるものと考えます。この答申に対して大蔵省その他からいろいろお話があるようでありますけれども、これは十分尊重してもらいたい。しかし私はこの内容を見ましてこの法律に規定されております、生糸の価格は繭の生産費というものを基調にしてきめるということが、この法律が修正されるについてわれわれの念願していた一番強い点であろうと考えております。また大臣もそのつもりでおやりになつたと思う。ところが今度の最低価格の十八万円というものが、はたして繭の生産費を補うものであるかどうか。これは非常に疑問であると思う。むしろこれは少し低きに失するのではないかと考えております。二十六年度の繭はすでにもう生産されている。これは既定事実です。生産費ははつきりわかつている。この十八万円という繭の値段が、はたしてこれで生産費を補えるかどうかということでありますが、一体確信があるかどうか大臣によく考えてもらいたい。現在二十六年度の値段をきめましたが、二十七年度の価格は遠からず――遠からずといつても三月中にきめなければならぬ。どんなにおそくなつても五月中にはきめなければならぬ。ところが二月、三月の間ではそう大した変化はないと思う。すなわち今度きめた二十六年度の値段というものは、二十七年度のものとみてさしつかえないと思う。それでこれから生産される繭の生産費を十分償う価格をとるという、この法律の建前からいつて、はたしてこれが妥当であるかどうかということは、はなはだ疑問であります。二十七年度において、繭の生産費を十分にまかない得るような値段をおきめになる気持があるかどうか、大臣としての腹をしつかり御答弁願いたい。
○廣川国務大臣 ただいま政府委員から説明しました最高、最低、禁止価格のことでありますが、これは大蔵省方面では、最低価格をもつと低くしろという大分強い意見もあつたのでありますが、専門家の集まつているこの審議会の決定したことでありますから、私十分尊重いたしたいと思つております。
 それから二十六年度の価格については、この審議会の人たちには各界各層から出ておりますので、大体そういうことを判定し、推定してきめたと思つておりますので、大体これで行くのではないかと考えております。
○松浦委員長 今農林大臣に対しまして予算委員会から出席の要求が来ておりますので、ひとつ食糧問題を中心として、大臣に対する質問は簡潔にお願いいたします。
○小林(運)委員 大臣の考えはけつこうですが、二十七年度の繭の生産費を補うような値段を最低価格で補償できるかどうか、その点を強く要望したいし、大臣の腹を聞きたい。二十六年度のものはすでにもう生産されているので、これについてもまだ当局にこまかい数字の問題について、あとでいろいろ御質問したいと思うのですが、われわれはこれでは生産費は償えないと思うのですが、これをどうするかということについて、大尉の腹構えを聞きたいのです。
○廣川国務大臣 先ほど申し上げました通り、審議会の人たちは各界から出ているのでありまして、その方々が集まつて非常に愼重審議したことでありますから、二月後に出て来る価格は大体それで行くのではないかと思つております。
○高倉委員 大臣にお尋ねしたいのでありますが、例の甜菜糖の問題であります。私は過般の本委員会におきまして、本年四月より砂糖が統制を解除される、その後におけるところの甜菜糖等の重要性にかんがみまして、その処置についてお伺いしたのであります。そのときに大臣は、この問題は相当大きな問題であり、ビートの平均年度の砂糖の糖分と歩どまりを規定して、この歩どまりのどの点に免税点を置くか、そして外糖とどういうところで調整するか、このことは外国等でも甜菜糖には相当の保護政策をとつておるし、また家畜飼料との関連性より考えて、二十数年の経験と完備せる工場のある北海道の大きな問題として、早急に解決したいと思うというようなお話があつたのであります。われわれは浮沈にかかわるところのこの甜菜糖業に対しまして、大臣の過般の御答弁に信頼いたして参つたのでありますが、この歩どまり免税の問題は今日どういうふうになつておりましようか、お伺いしたいと思います。
○廣川国務大臣 ビートの問題でありますが、これをこのまま放置いたしておきますと、会社等において大体四億程度の欠損になるということを言われておるのでありまして、そこでわれわれといたしましては、税の点であなたのおつしやるような免税点の問題その他で大蔵省と折衝もいたしております。あるいはまた食管特別会計でこれを買い上げる方法はどうかということも検討いたしております。また甜菜の栽培者に補助を出す方法はどうかというようなことで、二つ、三つ並べて今は検討いたしておりますが、大蔵省と折衝し、また省内としても十分愼重にやつている最中でありまして、まだ結論に至つておりませんが、なるべく早く結論をつけたいと思つております。
○高倉委員 これは早急におきめを願わぬと困る問題でありまして、幸いにきようは過般札幌に出張された野原政務次官もおいでであり、札幌でこの問題は大きな問題としてお聞きを願つたことと思いますし、また同僚の委員諸君にも一応お聞きを願つておく必要があると思いますので、その必要性を少し申し上げたいと思うのであります。砂糖の原料でありますところのビートは、元来他の作物と違いまして、北海道では亜麻耕作と同じように、耕作者と会社との契約栽培の作物であります。毎年大体二月の下旬ごろまでには買入れ価格と耕作反別を相互に契約することになつておるのであります。これによつて耕作農家はその年の農業経営を通じまして、いわゆる輪作方式によつて作物の配分をきめる、これが北海道の畑作農業の経営の根本原則であります。この契約栽培に直面しているところの今日、一日も早く重要な買入れ価格が決定しなければ、耕作者はつくりたくともつくれない、ということは、すなわち農家経済より見てつくれないのであります。引合わないのであります。そこでこの買入れ価格でありますが、昨年は千斤当り二千円でありました。これではばれいしよを初めその他の雑穀類と比較しますと、引合わないのであります。わが国にただ一つの砂糖の給源の生産地としての誇りと、畑作の輪作方式によりますところの、いわゆる混同農業、酪農経営等のことから考えて、犠牲的の精神をもつて今日に来つておるのであります。ところが昨年の四月に雑穀は統制が解除になりまして、自由販売になりました。その価格がどういうようになるかと思つておりましたところが、公定価格よりはるかに上まわつたところの高騰をいたして、あずきのごときは実に三倍にもなつておるのであります。
○松浦委員長 高倉君、簡潔にお願いいたします。
○高倉委員 今日雑穀は反収約一万円以上でありますが、ビートは千斤当わ二千円で、かりに三千斤とれるといたしましても六千円にしかならない。ところが、雑穀類を見ますると、――このビートは相当に手数がかかりますけれども、雑穀類はそう手数がかからたいで反収一万円ぐらいになつておる。今年は他の作物と比較しまして、少くとも千斤当り千五百円程度の値上げを要求しておるような次第であります。しからばはたして会社の方ではこれで引合うかと申しますと、なかなかこれではでき得ないというようなことから、これが北海道の大きな問題になつて参るのであります。政府は来る四日一日から砂糖の統制を撤廃すると同時に、二十七年度において外糖を六十万トン輸入する方針が決定したのでありますが、これから見ますると、消費税を百斤に対して千円から七割値上げいたしまして、一千七百円にするようであります。こうなりますと、外糖の輸入価格より見た甜菜糖の価格は非常に安くなつて参るのであります。このように外糖と甜菜糖の間に約千円からの開きが出ますると、耕作者の要求に応ずることがとうていできないことに相なつて来る。もしこのままで推移いたしましたならば、おそらく二十七年度の作付反別の二万町歩、産糖五十万ピクルは無意味であると私は思う。おそらく一割ぐらいの作付に減じて参り、従つて産糖五、六万ピクルくらいになるのではなかろうかと思うのであります。これは明白であります。この二十年の歴史を有しますところの甜菜糖業は、これによつて壊滅に瀕するばかりでなく、酪農と不可分の関係にありますところの北海道の農業に一大打撃をこうむりまして、経済的、社会的の大きな問題になるのであります。そればかりでなく、政府においても予定されておるところの税収入がなくなりまして、一箇年に約十億円ぐらいの欠陷が生ずると私は思う。これでよいと思われるならばそれでいいのでありますが、甜菜糖は過去二十年の歴史を有しておりまして、その当時もうすでに拓殖費として国庫より相当の補助金を出しておつた。昭和二年から十年までの調査によりましても、合計九百七十万円を補助しておる。一年平均が古十万円であります。また十一年から十九年までの助成金が千百万円、一年平均百二十万円の助成金を出しておる。これを今日の貨幣価値に直しますと、約二百倍と見ましても、一万五、六千町歩といたしまして、大体一億三、四千万円程度の助成金を交付してもらつてもさしつかえないという計算に相なります。かような次第でありまするからして、この北海道の農業に直接間接に大きな貢献をして参つたところの甜菜糖業に対して、ぜひひとつこの際これは早急にきめていただきまして、独立国家としての今後におけるところのわが国の食糧の自給態勢の確立と外貨の節約等を考えられ、ことに税の收入の増加をはかることを考えられますなれば、結局増産の奨励をいたして税の収入をふやすということをお考え願わなければならぬと思うのであります。もし歩どまり減税制度がだめだといたしましたならば、甜菜糖に限つて、法的な助成策が決定するまで、暫定的に政府買上げを一箇年間存続する特例を設けることのお考えがないか、これをお尋ねしたい。
○廣川国務大臣 詳細な説明を承つたのですが、これは、私たちもあなたのお説のように十分重要な作物であると考えております。それからまた重要な産業であると承知いたしております。そこで税の方面でやつたらよろしいか、あるいはまた買い上げた方がよろしいか、あるいは補助をしたらよろしいかということを今検討をいたしておるのでありまして、決して等閑に付しているわけではございません。作付が非常に追つておりまするので、一生懸命検討をいたしておりますが、金が伴うものでありまするから、なかなかそう簡単に行きません。しかし極力事務を急がして期待に沿うようにしたいと思つております。
○高倉委員 ぜひひとつ期待に沿うように願います。
○松浦委員長 井上委員。
○井上(良)委員 この際特に農林大臣に真劔に伺つておきたいのです。先般食糧庁長官に、本年度の、主として内地産米の需給について質問をいたしましたところが、このままでは大体百万石の不足が出る、そこでこの不足をいかにして補うかということで、一つは超過供出に全力を注ぎ、一つは輸入食糧において――主として米でありましようが、その方面において確保をはかつて、何とか百需給を円滑にいたしたいということで努力をしておるという御答弁がございました。そこでここに超過供出と補正の問題が大きしな問題になつて参ります。この問題はあとで当面の責任者であります食糧庁の長官に伺うことにいたしますが、大臣は、本年のこの食糧需給について、諸般の情勢から絶対国民に不安を與えないという自信をお持ちでございますか。当然自信をお持ちになつておることと存じますが、特に私伺いたい点は、政府が今国会に上程をされました来年度予算から想定をいたしまして、国内産の食糧の確保はもちろんのこと、輸入食糧に非常に大きな期待をかけておるのであります。一体来年度予算に出て参りました二十七米穀年度において輸入する三百五十一万七千トン、これを計画いたしました根拠はどこにあるのか。かくのごとき大量な外国食糧を、国民の血税をもつて補給金を支出してまで輸入する計画を持ちながら、一方その裏では、麦の統制をはずすという矛盾きわまる食糧政策を立てておるのですが、一体そういう食糧政策があるのでございましようか。この根本的な食糧政策の立て方についてひとつあなたのほんとうの腹を聞かしてもらいたい。われわれが食糧統制をいたします以上は、絶対量が足らぬというところでやつている。絶対量が不足をしなくなつたから統制をはずすというのか。一体その統制をはずそうという機運と輸入食糧の増大の数量の開きですね。昨年は三百万トン近い数量であつたものが、本年は五十一万トンもよけいに入れなければならぬが、これはそれだけ不足するために入れるのか、それとも余分にそれだけ入れようとするのか、この点が一点であります。
 それからいま一つは、この輸入の大牛が、さきに河野さんも御指摘になりました通り、アメリカを中心にするドル地域からの輸入であります。今日日本が独立を控えて一番大事な問題は、ドルをどう獲得するかということです。そのドル資金が今日非常に大きな問題になつているときに、ドル地域から大半の食糧輸入をしなければならぬということは大きな問題です。今は朝鮮動乱その他による特需景気によつて相当ドルの獲得が安易に行われておりますけれども、この動乱が一応平静に帰りました後において、はたして日本はドル資金を獲得するに何をもつてやろうとするか。政府は蚕糸その他においていろいろな手を打つておりますけれども、これもなかなか思うように行きません。そうすると一体日本は、アメリカに対して何を送つてドルをかせごうとするのか。将来東亜、アメリカ、ポンド地域との関係において、三角貿易というものが具体的に出て参りますなら別でありますけれども、そういうことが許されない現在において、このドル地域から大量の食糧を仰いでドル資金を使うという輸入のやり方は、決して健全なやり方ではないと思います。その点に対してどうお考えになりますか。これが第二点であります。
 第三は、東南アジア、ビルマ、シャム、インド等のいわゆる米作地帶の輸出は、日本の要求に応ずるだけのものが可能であるかどうかという問題についても、非常に不安であるという見通しを私は持つております。向うの農業生産が拡大すればするほど、向うにはそれだけやはり自国の消費がふえて参りましようし、また向うがいろいろな経済の再建をはかるために、必要な重工業の面や、いろいろな面が伸びて参りましよう。そういう点から想定いたしまして、国民の生活程度というものが米を輸出する当事者の国においてどんどん向上して参ります。つまり輸出国自体の米の消費量が自然にふえて来る。そういうことから、なかなか日本の要求に応ずるだけの、よい米を安い価格で輸出をすることが困難な事態になつて来わせぬかとわれわれは想定する。そういうような点から、安易に輸入にたよるということが、非常に両面とも困難な事態になりはせぬかという見通しを私は持つておる。そういう点から、ただ輸入の量さえふやして、国内の需給のバランスをとり、だぶつかせて統制をはずして行こうという食糧政策は、独立を控えた今日、立てられる筋合いではないと私は考えますが、この点に対して大臣はどうお考えになりますか。以上三つの点についてお答えを願いたい。
○廣川国務大臣 食糧の需給の問題は、非常に重大な問題であります。私たちは日夜これに苦労をいたしておるのでありますが、前に食糧庁長官から言われた、おもに米について、いわゆる米食い率と言いましようか、これについて不安があつたようでありますが、私は今一生懸命やつておる超過供出等によつて、米食い率を下げないで行きたい、こう考えておるのであります。それからなお東北、北陸地方における米の配給辞退量が相当数に上つております。そういうものも勘案し、でき得る限り努力をいたしまして、西の方の地域の補正についても、非常に心配いたしておつたのでありますが、これも私たちの心配したよりも幾分よくなつております。
 それからまた超過供出についても、各府県知事等が上京して参つておりますが、この人たちの言葉を聞いてみますと、農民は非常に好感をもつて迎えておるようでありますので、これは心配ないと私は思つております。
 そこで、これに付随いたしましてのお話でありますが、私たちは決して外米、外麦を多く輸入したいということは考えていないのであります。内地の自家保有米でも出せる者は出して、輸入を防遏することがわれわれの務めでありますが、しかし昨年の作柄からいいまして、需給のバランスをとるためには三百五十一万トン、――本年は三百三十万トンくらい大体入る予定でありますが、三百五十一万トンくらいが適当じやないかという見込みで、やつております。しかしこれを減らすことは、どうしてもわれわれとしても心がけねばならぬのであります。その中でポンド地域とドル地域のお話がありましたが、どの地域におきましても、買付が非常に旺盛なことは御承知の通りでありまして、われわれはなるべくこれをポンド地域からとりたいと考えまして、特に本年はエジプト米等について特殊な手を打つて見たらどうかということまで考えておるようなわけであります。しかし何と言いましても、買付が各国とも非常に盛んなので、決して楽観を私たちはいたしていないのであります。また大事なドルを大半これに使うようになりはせぬかということでありますが、これも私は非常に心配いたしておるのであります。特にインド等におきましては、紡績も、もう輸出国になろうとしているときでもありますし、また内地の産業を見まして、ドル地域にどういうふうにして輸出するかということは、国をあげての問題でないかと思うのであります。あなたの杞憂の点、できるだけ国内で食糧の自給をしなければならぬという段階に十分に達しておるということはわかるのであります。その中において麦を一体どうしてはずすのかというお話でありますが、いわゆるほんとうの主食というものは、食生活の慣習からいたしまして米が主体になつております。現在麦の辞退率あるいはまた麦のやみ価格とでも申しましようか、こういう点から考えますと、これははずして、自由に選択して食物をとれるようにした方がいいのじやないかと、私たちは考えているのでありまして、決して無謀なことではなく、麦をはずしましても、決してこれを他のものに使うのではなく、日本の大事な食糧は国民全般よく知つておるのでありますから、米を幾分でも節約する方に使つてもらえる、こう考えておるのであります。
○井上(良)委員 もう一度大臣に確かめておきたいのですが、今大臣は、できるだけ米食い率を下げないようにしたいという御答弁でございましたが、まだはつきりした数字をこの際政府から聞くことができませんで、その点多少不安でございますけれども、そういう抽象的なことでは、私ども国民を納得さすわけには参りません。それで今年政府の買い上げます政府の手持ち食糧が、二十六年産米で一体なんぼ入るか、このことが一番問題になつて来ます。われわれの想定いたしますところによると、政府がいろいろ努力して超過供出に骨を折つておられますけれども、まず大体百万百行けばいいところじやないか、それ以上進むということは、いろいろと政府の手が合理的に打たれたときに成功するのであつて、現在のような政府の措置では、大体百万石と押えておけば間違いないじやないか。また一方補正もそれに見合う補正をしなければならぬじやないか。そうなりますと、当初割当の二千五百五十万石が政府の手持ち食糧になる。このうちから二十六米穀年度における早食いが、古米と差引きましても、五十万石はされておりますから、そうなりますと、実際使用量を月々計算をし、その他工業用等を織り込んで見て参りますと、どうしてもここに実質二百万石の穴があくというそろばんを私ははじき出しておる。それを無理に穴をあけぬようにするには、ランニング・ストツクをうんと食い詰めて行くか、それとも内地米に匹敵するような良質の外米を輸入するか、何か手を打たなければ、米食い率約一箇月分が穴があくという確実な見通しを立てておる。そうなつて参りますと、当然一箇月分の穴埋めをするために政府の打つ手は、一つは農繁期に、あるいは転落して参ります農家への配給をできるだけ引下げるとか、また労務加配米その他の加配米を相当圧迫して行く、この二つの手が残されておるのじやないかと思う。そこで大臣は米食い率は下げないというお話でございましたが、これは内地米をもつてそう言うておりますか、外米を入れての話ですか。外米を入れて米食い率を下げないと言うてみたつて、国民は承知しません。内地米のことを私は言うておるのであります。そこで現在都会における米食い率は、十日分が内地米、五日分が外米です。これが少くとも四月、五月の小端境期、八月、九月の大端境期、この時になりますと、逆に内地米が五日分、外米が十日分ぐらいになりはせぬかという心配をしておる、そういうことは絶対にないという保証ができますか。それが一つ。
 それからいま一つは、そういうことをやらさぬために労務加配米なり、農家への米による配給を相当引下げるということはありませんか。労務加配米の米食率を引下げ、農家への配給を引下げるという処置をとるようなことは絶対ないと言明できますか。この二点について、はつきり御答弁願いたい。
○廣川国務大臣 そういう心配をさせないように、真劔に供米の勧奨に努めておるのでありまして、今各県に政府の方で手わけをして参つておりますが、あなたの想像よりも私は十分上まわると思つておるのであります。
 それから先ほど申し上げましたように、特殊の地域の米の辞退率、こういつたものを入れまして、そしてあなたの心配のような労務加配米をごまかすというか、それからまた還元米のことについても心配しないように、ここでできるだけ努力いたしております。特に東北、北陸地方等は非常に作柄がいいのでありましてここに非常に期待をかけております。また西部地方の方面においても、政府の匿名供出に非勝に気をよくして、補正の額も大分減つております。なおまた超過供出等もできる農家があるように聞いておりますので、県知事諸君から聞いておりますと、もう少し私はあなたの御心配以上に出ると思つておるのであります。またこまかい数字は食糧庁長官からお話をしてもらいますが、そういうようなことで、なるべく私はこれを防遇するために全力をあげておるのであります。
○井上(良)委員 もう一点、これは非常に関連しております、が、例の学童給食の問題でございます。この問題二ついて、今度政府の方でも学童給食の必要性を考えられて、いろいろ対策を講ぜられて従来通りの給食を続行されるように承つておりますが、問題は現在の学童給食の実際の内容について、相当検討を要するとわれわれ見ております。そこで特に農林大臣はその方に非常に御関心が深いと私どもも考えまして、要請をいたすのでありますが、最近御存じの無畜農家の解消、有畜農家創設ということで家畜の大増殖をはかり、農家経済の安定をはかるとともに、農業生産を拡充して行こう。ところが一方酪農製品の販売といいますか、処理といいますか、その面に対する手当が計画的に、総合的に立てられていないのであります。せつかく乳をしぼつても、非常に安くたたかれるということが問題になつておるのでありまして、これらの乳をまず第一に学童給食の中へ、相当手当を講じてやりますならば合理的に行きやしないか。その次は、最近厚生省なども非常に関心を拂つております国民健康保険組合員に対して、相当積極的に乳を飲ます、あるいは卵を配給するというような手を打つたらどうか。これをかりに私どもが実際についていろいろ検討し、研究しているところによりますと、大体今日一合の乳の値段が五円でありますならば、乳をしぼつている方は出していい。しかしこれが実際の商売人を通つて家庭に配給されます場合には、十二、三円も十五円もと言うております。この五円のやつを、かりに二円なら二円ぐらいの運賃なり消毒費その他の手間賃を加えまして、これを直接今の国民健康保険融合員なり、あるいは学童なりへ配給するように何とか政府としてここに手を打つ。その面で、粉食による一方的な栄養を、できるだけ蛋白脂肪で埋めて行く、そういう手が打たれるべきではないか。こういうことについて積極的に何か政府の方で対策を立てるべきでないかと思いますが、その点に対する御意見はどうでありますか。
○廣川国務大臣 これは、私の方では学童給食とは申し上げておりません。食生活改善として取上げているのであります。この食生活改善の上において乳製品をとらせたらどうかということですが、これはとらせるための基金が設定されて利子が計上されておりますので、そういうふうにいたす考えであります。ただあなたの構想のようなことが、各協両組合等からもそういう意見が十分ございます。これをびんの容器に入れて配ることなく、大きな容器で持つて行つて、そうしてこれを何か器に入れてやつた場合には非常に安くなる。あなたのおつしやるような大体五円見当という協同組合からの申入れもあるようなわけでありますから、これは文部省ともよく相談いたしまして、なるべく簡潔に、しかも安く入るような方途を講じたいと思つております。
○井上(良)委員 それからもう一点、食管の長官に最後に伺つておきたいのは、最前あなたが免税措置についての通達をお読みになつておりました、その最後の第三項というやつを、もう一ぺん読んでくれませんか。そこが非常にぼやけている。
○東畑政府委員 「なお、匿名供出にかかる超過供出奨励に対する昭和二十七年分所得税の課税については、行政的措置または場合により、立法的措置により課税対象から除外する措置が講ぜられる予定である。」
○井上(良)委員 その行政措置または法的措置が講ぜられる予定であるというのは、政府ではそういう法的措置を何か講ずる予定か準備を進めておりますか。そうしなければ、予定であるなどということは言われません。
○東畑政府委員 われわれ事務当局の話だけに限定いたしますと、本件は二十七年度の所得の課税でございまして、問題は来年の二月までの問題であります。その間行政措置としてやりますか、または立法的措置でやりますかは研究するものでありまして、実質的には、課税対象から除外するということについては完全な了解がついております。
○井上(良)委員 よくわかりました。
○松浦委員長 竹村奈良一君。
○竹村委員 私は井上委員がいろいろ米合い率の引下げの問題について質問されましたので、この点は拔きますが、そこで私が大臣からの答弁を何つておりますと、大体内地米の米食い率を引下げないというその根拠は、結局現在政府が各員をまわつて督励をされておりますところの、いわゆる匿名等による超過供出に大きな期待をかけておられると思うのです。従つてこの問題がもし政府の予定するがごときことが行われないとするならば、当然内地米の米食い率というものは引下げなければならぬ。それは結局労務加配米あるいは農家の還元米、転落農家に対する還元米というものが引下げられるということになると思うのです。そこで問題は、この超過供出が円滑にやられると政府が期待をかけておられ、あるいは府県知事が参つてそれが政府の期待通り行われ得るということを言明しておるということは、結局私は匿名供出、超過供出をやつて石二千円の奨励金が農民のふところに入る、確実に入る。そうして片一方においてはこれに対するところの税金がかからない。ここにあると私は思うのです。そういたしますと、私の伺つておきたいのは、問題は米食率を引下げないために、超過供出の先途を期待して、つまり石二千円の超過供出報奨金は農家に完全にお渡しになるのか。七千円で買上げられるのを二千円よけいもらうので九千円になるから、ほぼ生産費に匹敵するということで、農家は出そうと考えておるのですが、ほんとうに石二千円ずつお出しになるお考えなのですか、この一点だけ農林大臣に伺つて、その他の点については食糧庁長官にお尋ねしたいと思います。
○廣川国務大臣 これは報奨金とおつしやいましたが、集荷手数料ということで町村單位、あるいはその他の單位に参ると思うのでありますが、私は完全に下まで流れて行くと思つております。
○竹村委員 そういたしますと、結局それは石二千円の超過供出奨励金ではなしに、集荷手数料として町村にお渡しになる。そういたしますと、町村でその金をいろいろな形において流用してもさしつかえないものでありましようかどうか。
○廣川国務大臣 私は農村の一戸々々までずつとそれが下つて行くものと信じております。
○竹村委員 それで私は食糧庁長官にその点でお伺いいたしたいのでありますが、政府の先般の閣議決定による通知によりますと、たとえて申しますと、一千石割当てられた町村の中で、その一千石が五百戸の農家に割当てられたとして、初めの予定数量というものが、やはりかりに五百戸のうちで百戸の農家が百石というものを未納した場合、あとの四百戸の農家から匿名供出によつて八十石超過供出が出たという場合におきましては、政府のあの先般来の要綱で申しますと、この村に八十石に対して一石二千円の割合で集荷手数料というものが拂えぬことになるのでありますが、この点はどうです。
○東畑政府委員 匿名供出をいたします場合におきましても、検査その他はやらざるを得ないということになると思います。売り渡し前に必ず検査をやりますので、検査官は、その村が割当の供出量を完了しておるかどうかということがはつきりわかつておりますので、そういうところにはおそらく匿名供出としての超過供出を石二千円ということでやるということはないというふうに考えております。
○竹村委員 そういたしますと、政府が最も期待をかけておられますところの超過供出というものは、結局その村が当初の割当を完成しなければ超過供出、あるいは匿名で供出した場合でありましても、今の食糧庁長官のお話になる形によりますと、石二千円の集荷手数料はもらえない。そういたしますと、こういう点から行きまして農林大臣が非常に御期待になつておりますところのいわゆる超過供出というものは、政府の予定通り出ない。出なかつたら米食率を下げないと言つておられますけれども、勢い下げなければならないのではないかと考えられますが、大臣はどう思います。
○廣川国務大臣 政府委員から答弁いたさせます。
○東畑政府委員 割当と言いましたのは、県によつて違うのでありますが、中央で認めました減額補正をいたしました場合は、減額補正をしたものが次の割当になる、こういうふうに御了解願いたいと思ひます。
○竹村委員 その減額補正をされましても、たとえば五百戸の村のうちで十軒なら十軒がその減額補正された供出量すら出せない農家があつた場合に、一方において余つて匿名供出をした人も、その額以上に出さなければ、さつき言われたようにもらえないことになる。そういたしますと、一体個々の農家に超過供出や、あるいは匿名供出をやつても確実に金を拂うということはうそになります。そういたしますと、農民が匿名供出あるいは超過供出をやるのは結局石二千円もらえるとか、税金が免除されるということで熱意を示しているのですが、これはもらえなくなると思うのですが、この点はどうですか。
○東畑政府委員 減額補正等は県の責任者、農業委員等が集りまして語り合いまして、じつくりやつたのであります。従いましてその県の実態に即しまして、中央では合理的に減額補正ができたものと思います。従いまして県の当局がその村について割当をいたしますならば、その村全体として減額補正をいたしました量以上は必ず出るものと信じております。
○竹村委員 それでは具体的な実例を申し上げたいと思います。先月の二十六日でございますが、埼玉県の二合半領において、地方事務所の所員と村の農業委員と転落農家で供出することのできない農家に参りまして、この村の割当量を完成しなければ、超過供出をしても、二千円という超過報奨金がもらえないからというので、これは警官がついておりませんので、強権とは言えないか知りませんが、当然その人たちが保有米としているものを車に積んで持つて行つたということがあつた。こういうことは全国至るところにおいて起つている。当然自分たちが保有でき得るものまでも、補正された割当量の完成という名前において、そういう農家が牛強制的に供出を押しつけられているわけでありますが、現在の政府のやり方では、こういうことが全国に起きると思います。政府はこの点について御承認なさつているのでございましようか。初めから当然こういうものには割当てられないのではないかと思いますが、この点はどうですか。
○東畑政府委員 さような事実がございましたことについては、私まだ存じてはおりませんが、農家が節米をなされて自発的に出されることは、非常に歓迎いたしておるのであります。従いまして單に割当のなかつた農家といえども、この際ひとつ九千円で米を出そう、こういう農家の方々は非常に歓迎をいたしております。しかしあくまでもそれは農民の自発的意思ということを前提にいたしておりまして、その間強制してやるというようなことは政府としては考えていないのであります。
○竹村委員 政府としてはそう考えておられましようが、村の割当量を完成するという裏には、実際においてこういう問題が全国至るところに起つているわけです。例は幾らでもありますが、時間がかかりますから申し上げませんが、全国至るところにある。村の方といたしましても、村が完成しなければ報奨金がもらえないというので、農家がほんとうに保有米としてとつているものを、無理に半強制的に供出させられている実情でありますが、その原因は何かと申しますと、村全体が完成しなければ報奨金を渡さないというところに問題があるわけであります。従つて政府は、個々の農家に対してそういうことは考えていないと言われておりますが、事実はそういうことが行われているわけであります。しかもこういう農家はたちまち還元米をもらわなくちやならぬという結果になるわけでありますが、そういたしますと、昨年度農家に還元された還元米は、本年度はこういう形で供出を進められますならば、還元米の量は昨年よりも増大すると思うのでありますが、それに対する用意を政府において持つておられるかどうか伺つておきたい。
○東畑政府委員 県の責任者と折衝いたしました際に、還元配給をしなければならぬような供出割当なり減額補正は一切いたしておりません。本年は還元配給というものを前提としない減額補正をいたしておりますので、中央といたしてはそういう事実は県との間においては一切ないというように私は了承いたしております。
○竹村委員 もう一点だけ最後に伺つておきたいのです。東畑食糧長官の話を聞いておりますと、補正割当をして、たとえば千石村に割当てられた、そして補正を百石された、そうすると九百石になります。これで百姓五十軒なら五十軒が九百石になるのだけれども、五十軒で保有米をとると百石がどうしても供出できない。そうすると八百石になるわけです。そこでそのほかにまた自分の飯米を出して政府の食糧政策に協力するというので、匿名で百姓が八十石出したとする、この場合に、――さつきお尋ねしたのですが、八十石を出した人に対して一石二千円の割で金はやるのですか、やらないのですか、この点を聞いておきたい。
○東畑政府委員 村全体が減額補正をした割当以上出しませんといけないということでございます。
○竹村委員 わかりました。それでは大臣に申しておきますが、大臣はこういう詳しいこまかいことはお知りにならぬと思います。あなたは先ほどから超過供出、匿名供出した者には、必ず一石につき二千円を渡すとおつしやつておりましたが、実情はかくのごとく渡せないことがあるということを申し上げて私の質問を終ります。
○廣川国務大臣 あなたのそれは何かの憶測であろうと思います。政府委員の答弁も私よくここで聞いておりますが、決して無理な強制的なことをいたしておりません。そしてまた村全体のことをよく県は見ております。それから村も協力してやつて、末端まで二千円が行くと私は信じております。
    ―――――――――――――
○松浦委員長 引続き蚕糸問題に関しまして調査を行います。質疑の通告がありますから順次これを許します。小淵光平君。
○小淵委員 私は官房長にお尋ねしたいと思います。この予算の中に農林漁業技術研究に必要な経費というのがありますが、技術研究費の概要を見ますると、技術改善向上をはかるために必要な補助金は、従来文部省に計土されていた応用研究費を昨年度より農業改良局に計上した。さらに研究項目について相互の有機的関連も不十分であつたため、その効果については多くを望めないうらみがあつたので、昭和二十七年度から試験研究の効率化をはかるため、有機的かつ統一的な計画に慕いて、これが実施に移さんとするものである、こういう説明になつておるのでありますけれども、農林漁業研究補助金というものは、どういう面に使われるものであるか、その大要をお示し願いたいと存じます。
○渡部政府委員 ただいまの技術研究費は、今まで各局にあつたのを便宜官房に集めたのであります。その理由は今お読みになりましたように、局ばらばらになりますと、ダブツた試験研究をやつたり、あるいはある局では他の局にこういう試験をしてもらいたい、たとえば農政局では、農業経営の改善から畜産局にこういう畜産改良の研究をしてもらいたいというような、横の連絡が必ずしもうまく行つていなかつた。そこで今度はこれを官房に計上しまして、農業技術の研究であるとか、あるいは農産物の加工処理の研究でありますとか、あるいは栽培上の研究でありますとか、そういうものを、一応今私どもの方では、官房へ各局あるいは試験場あるいは大学の先生その他の人々に寄つていただきまして、各局から出て来たテーマを縦横から検討いたしまして、それできめて行きたい、こういうふうに考えております。従いまして従来やつておる研究を取捨選択することになろうかと思います。
○小淵委員 大体構想はわかりましたが、これはもとより農林水産資源の維持培養であるとか、あるいは総合的の技術の向上をはかるとか、あるいは農家経済の安定を期するに必要な措置を講ずるとか、いろいろこの技術研究あるいはこれに要する補助金の交付がなされると思うのでありますけれども、ただいまの説明にもありましたように、農産物加工処理であるとか、あるいはこれが基礎的條件の整備をはかるというような面について、農林水産物の輸出増進にも必要な方面にこの研究補助金を交付されるものか、この点をお伺いいたしたいと思うのであります。これはたとえば農林水産物の輸出増進というようなことでありますけれども、私のお伺いしたいと思うことは、結局農林水産物の輸出増進に関する補助金交付が蚕糸に関しても出るかということがねらいであります。もちろん輸出増強の面でわずか百億円ほどの金が計上されておりますけれども、これはほとんど問題にならないものでありますので、これも一括して、先ほどの御説明の中にこういうものが当然含まれておると私どもは了解いたしておるのでありますけれども、この点がお伺いしたいねらいであります。
○渡部政府委員 もちろん蚕糸も含んでおります。ただ具体的なテーマの問題になりますと、何さま八千万円ばかりの金でありますから、どういう順序になりますか、今各局からテーマをとつておりまして、先ほど申しましたように、これは今の農業全般から検討しましてきまりますので、具体的にどういう問題かわかりませんが、問題としては当然入ることになります。
○小淵委員 蚕糸がこの中に入るという、――具体的な問題はもちろん将来のことでありますので、入るということがはつきりすればそれで内容がよくわかつて参ります。これでよくわかりました。
 次は蚕糸局長にお伺いをいたしたいと思います。この蚕糸局の予算を見ますると昨年度計上されておつたところの製糸技術の研究費が本年度は計上されておらないように見受けるのでございます。これはもちろん、各府県の繭検定所も今回は多條繰糸の機械の改善を五箇年計画でやつて進もうというときであり、なお現在の科学的に進歩しておるところの各製糸機械、技術等について当然これらの費用が計上されてしかるべきだと私考えておるのでありますけれども、昨年度は実績を持つものが今年度計上されておらないのはどういうわけでありますか。さらにまたこれが計上されておらないとすれば、かような面は、どこからそれらの費用を持つて来て技術研究に充てるのか、かような点をお伺いいたしたいと存じます。
○寺内政府委員 ただいまお尋ねのありました製糸技術の研究費は、ただいま小淵さんの御質問になりました八千万円の中に入つております。金額は官房長と交渉してきめますけれども、その方に使うことについては約束は済んでおります。
○小淵委員 その内容は、官房長の説明と蚕糸局長の説明でよくわかりました。どうかこれについては、ひとつ打合せをしていただいて、現在の時局の進展にふさわしいような技術の研究が行われるように、特段の御配慮をお願いしたいと思います。
○小林(運)委員 私は先ほど大臣に、生糸の最高、最低値段につきまして詳細伺つたのですが、蚕糸当局の大臣教育がまだ少し足りないせいか、どうも大分逃げておりまして、大臣あまりよく知らないらしい。こういうことでは実際どうかと思う。大臣がただにやにやしていれば済んで行くという、そんなことではない。それよりかもう少しよく勉強してもらいたい。というのは、先ほども私が申し上げましたように、二十六年度の値段が決定することは、二十七年度に非常な関連を持つておる。特にこれは期間が短かいので非常に関心を持つておるのですが、この問題はまだはつきりしていない。今度の繭糸価格安定法のねらいは、繭の生産費を確保するというところに重点が置かれておる。ところが今度政府の出しました諮問の中に、繭の生産費が千二百九十一円となつておる。千二百九十一円ではたしてほんとうの繭の生産費を償うかどうう、これは重大な問題であります。しかもこれは昨年の物価その他から計算はしてあるけれども、これがほんとうの生産費と私は思わない。こんなものではないと思う。そこで政府はもう少し真劔に、この法律の一番重要な繭の生産費というところに重点を置いて考えてもらいたいと思う。それを考えているあとが、これだけではちつとも出ていない。この点について政務次官はどんなふうに考えるか。
○野原政府委員 繭糸価格安定法は、ただいま小林君のおつしやいましたように、繭を生産する生産農民が十分引合うような価格にしたいというためにできたのでありまして、そのために繭糸価格、生糸の値段だけを安定してはいけない。繭の生産者に十分再生産を可能ならしめる価格にしたいというねらいのために、法案の名前までもかえたような次第であります。従いましてただいまのお話のように、繭の生産に対して十分なる考慮を拂わなければならぬことに対しましてはまつたく同感でございます。ただいま最低、最高価格の設定に伴いましての繭の買入れ価格は、大体千二百九十一円と小林君がおつしやいましたが、それではそれが絶対に引合わないかどうかという問題になりますと、これは研究問題だろうと思いますが、できるだけ高く買い上げても間に合うようなことにしたいという考え方で実は進めておるわけであります。現在のところ、委員会の答申に基きまして、できるだけ繭の価格が高く安定できるように考えて行きたいと思います。
○小林(運)委員 考え方はそれでいいだろうと思うけれども、実際問題として、生糸の最低価格が十八万円、臼坂低価格で政府が生糸を買い上げる、ここまではいいのですが、その際に製糸業者が先が安いと見た場合、一体製糸家が繭をその最低線で買うかどうかということです。千二百九十一円で製糸家が必ず繭を買うかということです。これは、この法律だけではとてもそういうことはないだろう。最低価格になりそうなら製糸家は繭をなるべく安くだたくということになる。その補償がこれには何も出ていない。ただ計算上は千二百九十一円とはなつておるが、いよいよ繭を買うというときになれば、千二百九十一円が最低価格であつて、それ以下は買わないというわけじやない。もつと安くたたくかもしれない。そういうときに一体どうするか。この法律の欠陷はそこにある。これをどうするかということです。これに対する対策はどういうふうに考えておりますか。
○寺内政府委員 ただいまのお話は、なるほど繭糸価格安定法の施設だけでは救済できないのであります。これは繭取引改善の問題と関連して参りますので、政府の方針といたしましては、団体取引によりましてやりたいと考えております。農家が個々に製糸家に当つては、製糸家から買いたたかれるという憂いがありますから、――これは農産物の販売一般の原則でありますが、団体取引についてもいろいろな奨励をいたしております。なお最近特に繭の不足、それから製糸機械の進歩向上というよなところから、繭取引が混乱しておりますので、この繭取引の安全をはかる処置につきましてただいま考究中でございます。いろいろな県の実情を調べ、いろいろな外国の立法令等も調べまして、近くその対策をきめて皆様方の御意見を拝聽いたしたいと思つております。
○小林(運)委員 そんなあいまいなことではどうも納得ができないのです。先ほどよく申し上げましたように、先が安いというようなことになつておると、幾ら設備が多いといつても、設備があるから繭を買うとは言わないでしようし、損をすると思えば、半分にして操短をやるかもしれない。その場合養蚕家に対する補償は一体どうするかということです。今蚕糸局長の答弁では、団体取引を奨励するというのですが、団体取引を奨励しても、先が安いから買う方がこれをたたくのです。たたかざるを得なくなる。これは商売上しかたがない。そういう場合に一番逆境に立つのは養蚕家なんだ。それに対する施策があるかどうかということです。ただ研究するとかなんとかいうことでは始まらない。もうきようから政令もきまつて、値段もきまつてだんだんやつて行くのです。ちよつと見たところでは、繭糸価の安定の法律ができて安定するようだけれども、実際の問題になつたらどうするかということです。現在のところは、製糸設備が多いか、いろいろよい材料ばかりあるようでございますが、先に行つてどうなるかわからない。もし最悪の事態が起きた場合にはどういうことをやるのか。そこが私どものねらいだ。その際どうするかという問題です。
○寺内政府委員 ただいま小林さんの御心配になりましたようなことにつきましての法律上の規定を申しますと、繭糸価格安定法の第十條に「生糸の買入によつてもなお繭の価格の異常な低落を防止することができないと認めるときは、繭の価格の異常な低落を防止するため必要な措置を行うものとする。ということになつておりまして、これが政府の法律上の義務になつております。もしこういう事態が起りましたときにどうするかということは、具体的にはまだそういう事態が起つておりませんので処置しておりませんけれども、われわれの考えといたしましては、たとえば養蚕協同組合に対して補助金を交付して、乾繭処置をとるとか、あるいは製糸家に対抗して、養蚕家の団体によりまして繭を保有しておくための資金を融通するとかいうような処置を考究したいと考えております。
○小林(運)委員 この法律で、異常な低落があつた場合には、適当な処置を講ずるという義務がはつきりある。それに対して今局長の御答弁のように、補助金を出すとかあるいは資金の融通をするとかは当然だろうと思う。ところが補助金は予算のどこにあるか。資金の融通はどんなふうにやりますか。それを具体的に御答弁願いたい。
○寺内政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。現在の状況におきましては、まだ繭の価格が上昇期にございまして、低落いたす当面の事態にございませんので、補助金であるとかあるいは資金融通とかいうことについての具体的な処置はとつておりませんけれども、こういう事態が間もなく起るであろうと予想されましたときには、われわれといたしましては、今申しましたような処置を至急とるということを申し上げたわけであります。
○小林(運)委員 考え方はそれでいいのです。しかし一旦こういうものをきめた以上は、最悪の事態を一応考えて用意をするべきが当然なんです。そこではつきりした用意があれば、養蚕家は安心して蚕を飼える、先ほど井上君からいろいろ質問があつた、ドルの獲得という問題も非常に重要な問題なんです。それを果すのは養蚕業です。養蚕業を国家的な事業だと思つて、ドルの獲得のために養蚕家が一生懸命やつておる。その農村の犠牲的な精神をここで生かしてやる責任が政府にあるのです。それはただ考え方だけでなくて、やはりはつきりこういうものがあるのだから、増産してもさしつかえないのだと言えば、ほんとうに業界がはつきりして来る。その点を十分に考えてもらいたい。私はこの点については、非常に最悪の事態ということを言つておりますけれども、これは備えあれば憂いなしということなんです。その点を十分考えて、具体的な施策を早急に立てていただきたいということを私は申し上げておきます。
 それに二、三こまかいことがあります。政令の第七條第一項でございますが、この格差は二十二日前から三日前までの実際の状況を見て、すなわち二十日間の実際取引を基準としてやる、こういうふうになつております。ところがこれは各地において非常な悪例があつた。これに対して一応はこの政令でよけるようになつておるけれども、一番危険なのは、第三項にあります「生糸の取引事情を参しやくして、農林大臣が定める。」この「参しやく」というのは、いい意味に考えると非常にいいのですが、悪い意味にとつたら、とんでもない大きなことが起ると思う。また過去の悪例を再び繰返すような結果に私はなると思う。これに対して蚕糸当局はどういうお考えを持つておるか。簡單ですから、実例を申し上げますが、たとえばある特定の人たちが非常に高級の生糸、すなわち格差の非常に大きいものをつくつておる。これも作為的にやろうと思えばできる。生糸がどんどん下つて来た。ところが格差を特別によくして、実際から取引でも何でもやればできる。その格差をうんとつけておいて、たつた二十日間ぐらいのものだから、やればできる、そういうようなことは、ちよつと売買をやつておく。そうするとこれが実例だといつて、いよいよ買い入れるときに、その格差のうんと大きいものをどんどん出したら、政府はこれを無制限に買えるかどうか。これでは値段だけをきめてある。値段を安くするようになつておる。これも実例があれば、やらないわけには行かない。これは農林大臣がかつてにきめれば、それでできるのです。その際に農林大臣がかつてにそんなことをきめられるかどうか。これはやはりはつきり書く必要がある。こんなことをいいかげんにしておくと、業者はこういうことに頭をつつ込んで、とんでもない悪いことをする。政令をきめるなら、こういうところまでもつと愼重に考えてやらなければ、私はいかぬと思う。これに対してどうお考えですか。
○寺内政府委員 ただいまお尋ねの、標準生糸以外の生糸を買う場合の格差金の算出の方式につきましては、法の第十三條で、生糸の取引業者は取引について届出をしなければならない義務になつております。その届け出ました価格によつて、この第一項で原則といたしまして、買入れる三日前から二十日間の実際を届け出ました金額を計算いたしまして、算出するのであります。
 ただいまお尋ねのありました第三項は、そういう届出がなかつたときのものでありまして、客観的な格差金を算出することができないような場合には、やむを得ず農林大臣が取引事情を参酌して定める。こういうことになつておりますので、この参酌をいたしますときには、ただいま御注意のようなことを十分参考にいたしまして、適正な価格をきめたいと考えております。
○小林(運)委員 私の言つておるのは、そうではないのです。届出があつても、実際作為的にやれば、こういう問題ができるんです。その場合どうするかということです。そうすると、届出があれば、これは実績でこれだけの格差があつて、これだけやつておるんだ。たとえば十俵か二十俵売買があつても、あとで千俵も二千俵も――こういうことはないかもしれないけれども、作為的にやろうと思えば、できる。そういうときにはこの政令でもつて、業者はこれで買うのが当然だとやられたら、どうするか。これは大きな問題である。
○寺内政府委員 第七條の第一項の規定によりまして、買います三日前の二十日間のあれをとるのでありますから、作為的にそういうことをやるものがあれば何でございますけれども、よほどその点は……。なおただいまのような御意見は、先ほどの審議会においても多少議論がございまして、審議会で小委員会を開いて、この七條についてよく研究しようということになつておりますので、小委員会において研究いたしました成果が出ますれば、それに基いて――それが妥当であるという審議会の答申でありますれば、七條は修正してもよろしいと考えております。
○小林(運)委員 今の蚕糸局長の御答弁のように、これは非常に重要なことですから、十分研究して、そういつた拔け道のないようにやつてもらいたい。この政令もそういうこまかい点までつつ込んで研究して、適当にかえていただきたいと考えます。
 なおその他この価格の算定方式等につきましてもいろいろ考えがございますが、一応二十六年度の生糸の価格を本日法定して、発表になつて、その上で実際その影響を見て、さらに私はいろいろ質疑を進めたいと思うのです。
 最後に一点、今度の十八万円と二十三万円、さらに禁止価格二十四万円に対する海外の反響は一体どうなんですか。これについて情報等がありましたら、お聞かせ願いたい。
○寺内政府委員 海外の反響につきましては、この審議会が開かれる前から、アメリカへ出しまして、向うで売れる価格の限度が五ドルを越えてはいけない。それから値幅を狭くと申します人は一割、広くとも一割五分というような要求があつたのでございます。幸いこのたび答申になりました最高価格の二十三万円というのは、ドルに直しますと四ドル九十セントでありまして、アメリカに対する輸出促進上非常に適切な値段であると政府は考えております。また今回の算出につきましては、標準価格とかあるいは中心値というようなものを算出して、上何割、下何割というような算出の方法ではございませんでしたけれども、結果から判断いたしまして二十三万円と十八万円の中はちようど二十万五千円になるのでありまして、従いまして二十万五千円から計算いたしますと、最高価格の二十三万円が一二%くらいになりますし、最低の十八万円はやはりこれも一二%というようなことで、海外で要望いたしております値幅と大体合致いたしておりますし、またこの答申案を昨日司令部へ報告に参りましたら、司令部の係官から非常にいい値段を出したといつてほめられたような次第でございます。これは海外に非常に響きのいい値段でございます。
○松浦委員長 本日の会議はこの程度でとどめます。次会は公報をもつて御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十二分散会