第013回国会 農林委員会 第28号
昭和二十七年四月二十五日(金曜日)
    午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 松浦 東介君
   理事 遠藤 三郎君 理事 河野 謙三君
   理事 平野 三郎君 理事 小林 運美君
   理事 井上 良二君
      宇野秀次郎君    越智  茂君
      小淵 光平君    川西  清君
      坂田 英一君    坂本  實君
      千賀 康治君    中馬 辰猪君
      幡谷仙次郎君    原田 雪松君
      大森 玉木君    吉川 久衛君
      高倉 定助君    石井 繁丸君
      竹村奈良一君    足鹿  覺君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 廣川 弘禪君
 出席政府委員
        農林政務次官  野原 正勝君
        食糧庁長官   東畑 四郎君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (食糧庁企画課
        長)      齋藤  誠君
        農 林 技 官
        (農地局建設部
        災害復旧課長) 堀  直治君
        專  門  員 難波 理平君
        專  門  員 岩隈  博君
        專  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会要求に関する件
 農林公共事業に関する小委員長より中間報告聽
 取
 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一六九号)
    ―――――――――――――
○松浦委員長 これより農林委員会を開会いたします。
 この際農林公共事業に関する小委員長より、昨日の小委員会の経過を御報告いたしたいとの申出があります。これを許します。
○坂本(實)委員 昨日、本委員会終了後、公共事業に関する小委員会を開会いたしまして、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の法律適用基準につきまして、農林省農地局災害復旧課長から大蔵省との折衝経過を聽取いたしましたので、農林委員各位に御報告をいたしたいと思います。
 先に農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案が全会一致をもつて本農林委員会を通過いたしたのでありますが、御承知のごとく、この法律案は激甚なる災害をこうむりました農林水産業施設に対し、高率の国庫補助を適用いたしまして、災害復旧を促進しようとするものでございますが、この高率補助を適用いたします基準は政会で定めることとなつておるのであります。この基準の定め方いかんが本法案の中核となるものでございますので、農家の経済負担能力を勘案いたしまして、適正な基準を設定いたさなければならぬのであります。当時大蔵省の意向といたしましては災害を受けました当該市町村の災害復旧事業費の総額を、被害農家戸数で除した額が十五万円となる額を基準にしたいと考えているとも伝えられたのであります。われわれといたしましては、農家経済力の脆弱な実情にかんがみまして五万円程度が妥当と考えましたので、本法案が本農林委員会で可決されました直後、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の高率適用基準に関する件の決議案を上程いたし、本委員会全員の御賛成を得まして、政府に対し強くこれが実現方を要望いたしたのであります。農林省におきましては、この趣旨に基きまして、ただちに大蔵省当局と折衝を開始いたし、今日まで鋭意努力を続けて参りましたが、大蔵省といたしましては、財政上の理由から最初十五万円の額を主張いたし、後十万円まで引下げるという妥協案を示して来たのであります。農林省といたしましては、依然五万円を主張いたし、これが貫徹を期して来たのでありますが、その結果最近に至り、ようやく大蔵省も八万円の額を認めるところまで譲歩して参りました。これは最初の十五万円に比べますと、非常な譲歩でございまして、また農林省自身の調査いたしました資料によりますと、大体八万円を妥当とするという結果も出ております関係もございますので、政令で定める基準につきましては、八万円をもつて一応了承していただけないだろうかとの申出が、ございました。これに対しまして、御出席の委員から御発言がございまして、独立予算編成上破格の財政支出を余儀なくされておりまする現在、国家予算の余裕のないことはこれを認めるにやぶさかではありませんが、激甚な災害をこうむりました場合の農家の負担能力から見まして、五万円を適当と考えられますし、かつまた本委員会におきましても五万円とすべきであるとの決議をいたしました関係もございますので、もう一度大蔵省と折衝いたし、これを実現するよう努力すべきであるとの御意見の開陳がございました。つきましては、農林省にその意向を伝え、さらにこれが実現方を要望いたす所存ではございますが、右経過の御報告を兼ね、御了承を願う次第でございます。
○松浦委員長 ただいまの小委員長の報告に対して質疑があれば、この際お願いいたします。
○小淵委員 ただいま坂本小委員長からの御報告によりまして、過般の農林委員会において、その基準を五万円まで引下げて適用するように決議をいたしたのは、すでに報告によつて明らかになつておるでありますが、この五万円をさらに農林当局から大蔵省に交渉をして、その実現方に努力をしていただくようにという報告でありますけれども、これはその性格上どうしても五万円まで引下げてこれを適用するように、あくまでも決議を尊重してやつていただきたいと考えるのであります。これはもともと五万円になりますると、予算も多少は増額することは当然でありますけれども、この予算面に及ぼす影響はきわめて少いのであります。五万円とか八万円とかいうわくをはるかに越えたものがその大部分をなしておりますので、五万円に引下げたからといつて、予算面に影響するところはきわめて少いと存ずるわけであります。さらに五万円に引下げまするならば、零細農家がその受けた災害を早期に復旧できますことは、これは論をまたないのでありますけれども、どう交渉いたしましても、五万円までは必ず貫徹していただく。よんどならない場合には――二十六年遡及適用でありますから、二十六年度の適用の実施に照しまして、毎年改訂することは、これは行政執行上適当に行えることでありますので、よんどならない場合には二十六年度に限つても五万円には引下げていただくように、さらにその決心を強くして交渉されるように、ぜひこれはお願いいたしたいと考えるわけであります。このことは重ねて決議を尊重する意味におきましても、ぜひともお願いいたしたいと考えるので、これに対して私の特に強い要望を申し上げておく次第であります。
○坂本(實)委員 今回この改正案が衆参両院を通過いたしまして、その直後、私といたしましては、提案者としての責任もございますし、大蔵省へ参りまして国会の意思を十分に伝達をいたしたのであります。さらにまた自然休会に入ります前にも、大蔵省へ参りまして、いろいろ実は折衝をし、具体的な情勢の報告もいたしておいたのであります。その後農林省と大蔵省との間におきまして、事務的な折衝が続けられたのでありまして、昨日の公共事業小委員会にも御報告申し上げたような今日の段階であります。ただいまの小淵委員の御趣旨はごもつともでありまするし、激甚な災害を受けました過小農家を救済するということが、私どものこの法案改正の趣旨でもありまするので、私としましても今後さらに努力を傾注いたしまして、なるべく御趣旨に沿うようにいたしたいと考えております。なお農林省事務当局から、折衝の経過につきましては御報告をさせることにいたします。
○堀説明員 ただいま坂本先生の方から、大蔵省との折衝の経過につきまして、概略御説明がございましたが、農林事務当局といたしまして、大蔵省の主計局の局長以下係官の方々と、数回この問題について交渉をいたしたわけでございますが、大蔵当局の方といたしましては、当初から法律に明文化してある十五万円という線――たまたま一つの農家に起つた場合とそれが数個の農家にわかれた場合とで、法律上の差別待遇を受けはせぬか、そういつたような問題があるということではまずいから、一応十五万円の線で行くべきではないか。またいろいろな統計から見ても、たとえば農家の税收入の対象は、二十七年度においては十八万六千円という数字になつている、こういう点から見ても、負担能力がそこまでないということは言えないのじやないかというような、いろいろな数字をもちまして、われわれの案に難色を示しておつたわけでございますが、国会の方からの御要望その他坂本先生の方からのお話もあり、いろいろ農林委員会の意向も伝えまして、大蔵当局としても、金を出すことについては、どうもあまり賛成ではないけれども、それではということで、だんだんに歩み寄るような形で、向うがこちらの案に近いところまで持つて来たわけであります。基礎となります五万円、八万円というものも、なかなか理論的にはつきりした数字を割出すわけには参りませんし、また地域によりまして農家の所得というものも相当な開きがある、農家の経済調査その他もいろいろ違つた数字を出しておりますので、そういつたものをひつくるめての数字的な争いになりますと、どうもあまりはつきりした結論が出て来ないということもありまして、一応つつぱるだけつつぱつてみましたが、今の段階といたしましては、大蔵当局としても、八万円以下まで下げる意思はないという話合いになつているわけであります。もちろん国会の御意思もあるものですから、事務当局の一係官がそれで承知するというわけには、とうてい参らぬわけでありまして、今後もその点については、なお基準を引下げるように努力して行きたいと思いますし、またいずれこれが政令となつて出るまでの間には、各省の次官会議それから閣議、この二つの関門も通つて決定になるわけでございますので、それまでの間についても大いに努力を続けて行きたいと思つておりますが、とにかく事務当局間の話合いでは、今のところ大体限度まで来ているのじやないか、これ以上いくら話合いを進めても、どうも水かけ論に終つてしまう傾向があるということだけは、一度御報告申しておきたい、このように考えているわけでございます。
○小淵委員 大体投げたような結論の報告のようでありますけれども、そうでなく、農林委員会としていやしくも決議してあるものだし、あらゆる力を傾注してわれわれとしてもやつて行きたいと考えておりますので、どうか投げたようなつもりでなく、あくまでも貫徹するということでひとつやつていただきたい。但しいろいろ二十六年度をやつてみて実際に予算が膨脹して、いかにもその限度にしたのでは実施が将来やりにくいときは、物価の高騰の事情もありましようし、実施をした経過に徴しましたその結果を見ての改訂は、これはいかようにも行えることでありますので、いよいよならないときは、二十六年度だけでもこれはやむを得ないと思う。どうかその意味において、腰をすえてひとつ事務当局の折衝をさらに続けていただきたいことを希望しておきます。
    ―――――――――――――
○松浦委員長 それではこれより食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引続き質疑を行います。足鹿覺君。
○足鹿委員 大臣に対して御質問申し上げようと存じておりましたが、まだおお見えになりませんので、大臣に対する質問を一応留保いたしまして、食糧庁長官に事務的な問題についてお尋ね申し上げたいと思います。中途で切れましたら、またあとでひとつ引続き発言を許していただきたいと存じます。
 統制廃止後の麦類の需給調整対策要綱というものがありますが、これはあくまでも政府の行政措置としてこういう措置を行われるのでありますが、その運用についてはどういうふうにお考えになつておりますか、この点をまずお伺いをいたしたいと存じます。
○東畑政府委員 この法案に政令に讓つている事項があります。その政令に讓つている事項をはつきりと実は規定をいたしまして、その範囲内で政府で運用するつもりでありますが、価格に関する問題は米価審議会へ御諮問いたしまして、御意見を伺つて決定をいたしたい、こういうように考えております。
○足鹿委員 大体この対策要項は政令に盛る、こういう御方針を伺いました。問題は価格問題であろうと私は思うのでありますが、従来の政府の態度は、国会その他においては常に米価審議会を尊重しておるかのごとき御発言がありますが、私も米価審議会の一委員をいたしておるのでありますが、従来の米価審議会の運用を見ますると、まつたく政府には誠意がありません。これは與党の諸君といえども、おそらく同感であろうと存じます。予算の編成前に、政府買上げ価格の基準について米価審議会に諮れということは、そう無理な要求ではないのであつて、政府に誠意がありまするならば、必ずこれはできることなのであります。にもかかわらず、この重要な麦の統制撤廃の問題にしましても、過般は懇談会というがごときことでお茶を濁しておいでになる。私どもは不満にたえないのでありますが、米価審議会につきましては、過般の全国農民大会の決議もありまするし、またこの供出問題については、実際にその運用の衝に当つておる農業委員会の系統組織も、政府に対してしばしば農民の総意として、建設的な意見を要望いたしておりますが、今回の食糧管理法の一部改正法律案につきましても、米価審議会に事前に諮つて、その議を経て、政府の買上げ価格あるいは消費者価格についてはきめるということに対する御方針が、何ら明示されておりません。あくまでも政府の一方的な処政措置によつて行われることにおきましては、生産者も消費者も、ともにこの価格問題について安心することができないのであります。これは食糧庁長官としては非常に重要な問題でありまして、御答弁が困難とは存じますが、大臣もお見えになりませんので、その衝に当つておいでになる方として、なぜ今回の管理法の改正に際して、適当な条文において、米価審議会の議を経て買上げ価格及び消費者価格を決定するということを盛り上げなかつたか、その理由について伺いたいと存じます。
○東畑政府委員 大臣がお見えになりましたけれども、事務的なお話だけ申し上げます。われわれ事務当局といたしましては、食糧管理法の改正は、一つの制度の新しい改正でございます。制度の改正そのものにつきましては、立法府の議会で十分御審議をお願い申し上げまして、その制度のきまりました上で、その運用につきまして、価格に関することは十分米価審議会にお諮りをいたしまして、御審議を願いたい、こういう態度でおるのでございす。ただこういう法案をつくります場合に、事前によく御懇談を申し上げたらいいだろうというので、正式の審議会でなしに、考え方等もお話を申し上げたわけであります。制度そのものはひとつ議会で十分御審議を願い、その制度のわく内における価格の決定につきましては、十分米価審議会の御意見も尊重して参りたい、こういうふうに実は考えておる次第であります。
○松浦委員長 農林大臣は閣議のために遅れたそうでございますが、ただいま御出席になりましたから、それではこれより農林大臣に対する質疑をお願いいたします。
○足鹿委員 それでは大臣がお見えになりましたので、大臣に重要な点だけをお伺いいたします。他の同僚議員からも先日来御発言がありまして、相当検討が進められておりますので、なるべく重複を避けたいと思いますが、若干観点の異なる点等もありますので、この点委員長においても御了承を願いたいと存じます。
○松浦委員長  ミスター・ラツセルがお見えりになりましたから、拍手をもつてお迎えを願います。
    〔拍手起る〕
○足鹿委員 大臣にお伺いいたしたいのでありますが、この食糧管理法の一部改正法律案の率直な目的は、どこにあるのですか。農民の保護にあるのですか。消費者の擁護にあるのですか。一体どこにこの法案の重点があるのですか。その点をまず最初に率直な御所見を承りたいと思います。
○廣川国務大臣 きのうあなたから質問と希望がありました鳥取の大火のことで、実は知事、市長が見えておりましたので、あなたから言われたことを事務的に処理をいたしておつて遅れたのでありますが。木材は大体三万石程度必要なようであります。そうして業者が三割程度のつり上げをいたしておるようでありますが、農林省の手持ち材木を払い下げまして、これを平常の価格に引下げるように努力いたしておるようであります。大体現在のところ一万数千石現逸する予定になつております。その他のことも、それぞれ事務的に処理をいたしたことを御報告申し上げておきます。
 ただいまの御質問に対しましては、これは農村も消費者も、どつちも好都合になるように考えておるのでありまして、消費者はこれをチケツト等の煩瑣な手続を経ずに、自由に買えるようにいたすのであります。また農民は国できめる最低価格よりも上まわつた、安定した市場価格によつて、売れるのでありまして、これも非常に農民のためになる。両方の利便を考えてやつたわけであります。
○足鹿委員 ただいま昨日の鳥取大火に対する私の要望をかねた御質問に対しましては、さつそく閣議等で御善処いただいたそうでありまして、御努力に対しまして厚くお礼を申し上げます。
 ただいま消費者のためにもなるし、農民のためにもなるような立法であるという御意見であります。しかし実際政府がこの問題を二年越しで御苦心をなさつておるその理由は、農民の利益になるのである、こういうことを中心としておやりになつておるふうに、私どもは従来見受けもし、またしばしば政府の出しておいでになるものについても、さように見ておつたのであります。ところが今伺いますと、消費者にも農民にも両方にうまく行くようにという御意見であります。さよういたしますと、本来ならば自由党の基本政策である自由経済に復帰せしめるというのが、本法案の目的であるとするならば、別に需給調整の必要はないものだと私どもは考える。真にそれが農民の利益になるならば、麦の値段が統制撤廃が行われて、上りほうだい上ることが農民の利益になるのではないでしようか。これを買い上げる場合は、政府手持ちの外麦やあるいは政府手持ちの麦製品等を放出してこれを押えるというのが本法の需給調整の眼目になつておる以上、事実上において政府の買上げ価格というものはいわゆる最高価格であつて、実質的には農民の利益を抑制することに本法の目的があると断ぜられましても言い過ぎではないと私どもは思うのであります。さような廣川農林大臣のどちらにもいいというようなお考えは、それでは本法の趣旨というのは私はわからないと思う。そういう点で、ただいまの御答弁は私了承することはできないのでありますが、以下順を追うてお尋ねを申し上げたいと思います。
 まず第一に、今日の国際情勢及び貿易事情等から考えてみまして、食糧の輸入事情は悪化こそすれ好転するとは私どもは考えられないのであります。先般根本前農林大臣をビルマその他に御派遣になりまして、国際的な食糧の買付競争のバスに乗り遅れないために政府が措置を講じておいでになるのを見ましても、いかに輸入情勢が困難であるかということを裏書きしておると私は思うものでありまして、そういう点につきましては、世界的な政情不安と相まつて、今後食糧の輸入事情というものは相当困難になることを大体想像して、いろいろな食糧政策は樹立すべきものであると私どもは考えておるのであります。そういつた関係から、いわゆる国内の食糧供給力をもつと向上して行かなければならないことは、昨日も他の委員からしばしば論ぜられた点であろうと存ずるのであります。そういう一つの食糧情勢の見通しに立つて考えてみますると、政府が今回の改正法律案を出しまして、予算の範囲内において麦を買い上げる。そしてまた一般の市況によつて放出をするということを考えておりまするけれども、政府のそうした市場統制カというものが、はたしてどの程度まで自信がありますか。最近の肥料の値上りに対しましても、政府の市場統制力というものは、肥料の統制撤廃以来ほとんどなすところを知らないような現状ではありませんか。また最近えさの値上りが著しい。この問題に対しましても、飼料の需給調整法を與党の内部にも提出し、政府部内の畜産局もこの立法に賛意を表するような形が現実に出ておるではありませんか。事実、いわゆる政府の従来の市場統制力というものがきわめて無力であると、私どもは考えておるのであります。これは事実であろうと思いますが、統制撤廃後におけるそうした市場統制力に対して、政府はどの程度の自信を持つておいでになりますか。過去の肥料問題、えさの問題、すべての問題に対してことごとく失敗ではありませんか。いかような確信がありますか。この市場統制力の問題に対して、基本的な大臣の御所見を承つておきたいと思います。
○廣川国務大臣 この肥料の問題あるいは飼料の問題等から見まして、内地麦の統制を緩和することによつて市場操作がむずかしいんじやないか、またどのくらい自信があるかということでありますが、これは飼料や肥料等と違いまして、政府が外麦をすべて管理いたしまするし、しかもまたそのパーセンテージが非常に違つておりまするので、これは十分統制カがあると確信いたしておるのであります。これがあべこべになつた場合にはあなたのような御議論が立つかもしれませんが、現在政府が外麦を管理いたしておる以上、また内地麦を希望によつて大量に買い入れるのでありますから、政府の手持ちは相当あるので、これを放出することによつて市場は十分操作ができると信じておるのであります。また国際関係の問題で非常に御不安のようでありますが、しかしわれわれと修交を結んでだんだん情誼を暖めて行く国が多くなつておりますので、その御懸念も私はないと思うのであります。多少価格の高低等はあるでありましようが、そういつたような日本が孤立するというようなことは、われわれとしては考えないのでありまして、われわれと意を同じうする国がたくさんふえて行くことはわかり切りたことなのでありまして、決してそういう心配はないと考えております、
○足鹿委員 大臣はきわめて抽象的に御答弁になりましたが、私は政府の市場統制力と商人あるいは精麦業者、大手筋の思惑の問題等について具体的にひとつ伺つてみたいと思う。現在の製粉業者あるいは精麦業者の操業度の内容をわれわれが見ますると、政府がよく御存じの通り、大製粉業者は相当余裕を持つておることは御存じの通りであります。一説にはこういう麦の統制撤廃の議論が出て来たというのも、こういう大きな製粉業者がフルに自分たちの工場の操業をやりたい。しかし今のままでは十分にできないから、麦の統制を撤廃すれば思う存分にやれる。一説には麦の統制が撤廃になつて十分に工場の運転ができるならば、自分たちの工場までの運賃は、操業が一〇%程度上れば優にかせげるということすらも考えておる業者があるように私は聞いております。さよういたしますと、かりに現在製粉業者の操業度が施設の六〇%程度だといたしまして、これが麦の統制撤廃によつてフルに動いて来るということになりますと、勢い他の中小製粉業者というものはおそらく競争の立場から倒れて参ります。そして独占資本の制覇が行われ、しかも大資本を擁したこれらの製粉業者は、おそらく麦の大量買占め、思惑をやつて出ることは、従来の実績から見ましてこれは無視することはできないと思います。必ずそういう傾向が出て来ることが――私どもはあつてはならないと思いますけれども、あり得る。いわゆる麦が商品となつた場合には、そういうことを制止する法的な根拠は何らないのであります。従つて大資本は大きな利潤を思う存分にとり、しかも中小業者はそれによつて圧迫を受け、農民はそれによつて買いたたかれて来るという結果がないと政府は保証できますか。先刻も申しましたように、かような万一の場合思惑買いがもし出て来るといたしますならば、政府は今後これに対していかなる対策を用意しておいでになりますか。現在の暴利取締令のごときものをもつていたしましては、過般のいろいろな事情等から考えてみましても、おそらくこれは実効を期しがたいと私どもは考えざるを得ないのでありますが、さような点についてはどのような対策を考えておいでになりますか。大臣の御所見をお伺いいたしたいと存じます。
○廣川国務大臣 これをはずして大資本家の擁護になる、手先になるんじやないかということでありますが、そういうことは私ないと信じます。どういうことかというと、麦の売却の場合において、法律をごらんになつていただけばわかるのでありますが、中小業者に対してもちやんと入札の方法を講じてやれるようにしてあるはずであります。なおまたこの買受けの金についても、支払いの期間等についても、十分これは考えて行けることでもあるのでありまして、しかもまた大量に買い占めるというのは、買い占める商品が高くなるような場合は、これはまた政府が他の方法を講じて放出すればよろしいのであります。それからまた農民にも買いたたくんじやないかというが、最低価格というものをきめておくのでありまして、それ以下には買いたたけるはずはないのでありまして、最低の価格をきめておりますから、最低価格よりもいつも上まわつて商品の価格が安定している、こういうことでありまするから、あなたのおつしやつたことは当つていないと思います。
○足鹿委員 もう水かけ論のようなことになると思いますが、政府の市場統制力が、私は程度の差ではありますが、圧倒されて来るということは、これは過去の事実から徴して間違いないと思います。農林大臣がいかようにここで御答弁なさいましても、これは経済情勢であります。必ずそういう事態が私は起きて来ると思います。さよういたしますと、米価と麦価との価格のアンバランスが必ず生じて参ります。あるいは主食用とその他の用途との相互関係によるところの価格の高騰を通じまして、政府の国内麦の買上げはきわめて困難になつて参り、ひいては米の供出強化衣招来することも私どもは憂えておるりものであります。そういうことになりますと、政府はまたそういう事態が起きますと麦の再統制を行つて行くのではないか、こういうことも一応考えられるのでありますが、さようなことが絶対ないと農林大臣は保証ができますか。麦の再統制の問題についてあるいは国際情勢の変化なりあるいは貿易市場なり、今申しました政府の市場統制力の問題、思惑の制止の問題等を通じて、政府は麦の再統制をやらないということの確たる所信がありますか。この点についてはどうでありましようか。
○廣川国務大臣 麦の再統制をするかしないかということでありますが、国際関係は、私たちの見通しにおいては修好関係を結ぶものがだんだん多くなるような現状においては、国外から入らないというようなことの予想を持つておりませんし、また私といたしましては再統制をする意思は毛頭ないのであります。それから、これによつて米の供出を強化することはないかということでありますが、これも米も事後割当になつておりまするので、決して強化をするというようなことは考えられないと思います。
○足鹿委員 再統制をおやりにならないというはつきりした御見解でありましたので、それはそれといたしまして、現在の配給基準量は昨日も他の委員からもお尋ねがありまして、くどくは申し上げません。米麦で二合七勺となつておりますが、もし米の不作がありました場合には、今の関係は米の不作は麦で補う、麦の不作は米でそれぞれカバーをして行くといるのが現在の政府の食糧操作の基本の方針であります。これを麦だけをはずして農家の保有量も含んだ配給基準量がほんとうに維持できるかどうか。いわゆる米の凶作がもしあつたときに、政府はどういう対策を用意をしておいでになりますか。麦の收穫は一年に一ぺんしかありません。途中でこういう事態が起きて来たからといつて、また強制買上げというようなことはおやりにならないとも限らない。そういうことをやらないといたしまするならば、米作農家の負担が非常に加重して来るという結果が起きて来ることも案じられておるのであります。現在米の主産地方面の農業団体や農民が、政府の麦の統制撤廃につきまして反対の意思表示をしているその大きな理由の一つに、米作農家の負担過重の問題があろうと思いますが、この点について、絶対に米作農家に対するいかなる事態が起きても、政府は責任をもつて負担加重をしないという自信がありますが、この点はどうでありますか。
○廣川国務大臣 米作農家に負担を加重されるかしないかということでありますが、これは今まで長い間供出制度をとつておりまして、限度は大体農民諸君も納得いたしておりまするので、それ以上やるといつても、これは農民は承知するものではございません。またわれわれといたしましてもそれをやる意思はないのであります。ただ日本が悪いからといつて世界中悪いのじやないのでありまして、そういう場合には世界の出来高のいい所から入れてでも、決して農民に負担をかけないようにしたいと私は考えております。
○足鹿委員 大臣と質疑応答やつておりますと、どうも何と申していいか非常に名状すべからざる気持になるのでありますが、麦類を統制撤廃にしまして、しからば一番眼目になります価格問題について、これは先刻食糧庁長官にもお尋ねいたしましたが、一番問題になりますのはこの点であろうと存じますので伺いたいのであります。政府は従来小麦、裸麦は対米比価を八一・三、大麦七〇の比率で昭和二十四年来、来ました。これを去年から小麦、裸麦は六四に対米比価を落し、現在に至つております。こういう実情でありまして、現在政府が別途に考えておられる新麦価の算定方式につきまして、私どもは非常に政府の意図を察することのできませんのが、この点にあるのであります。すなわち従来政府のおとりになつたのは、池田さんの有名な金持ちは米を、貧乏人は麦をというこの方針に、はしなくも事実上一致しておる。従つて麦類の価格がもし上つたといたします。そういたしますと、麦価との関係で米価を是正して行かれるのでありますか。政府のお考えになつているように、麦の値段がかりに上つたとします。そういたしますと、今度は米の価格をお上げにならなければりくつが合わないと私は思います。一体その点はどういうふうにお考えになつておりますか。従来政府のおとりになつているのは八一・三を六四に下げ、最近においではこれを一〇〇対五五ないし五〇に下げるという、農民にとりましてはあまり芳しくない政策をおとりになつているように見受けられます。一体こういう対米比価の新麦価の価格構成の問題については、どういう方針を持つておいでになりますか。この点を大臣からひとつお伺いいたしたいと思います。
○廣川国務大臣 また漠然たることを言つて、はなはだ恐縮ですから、数字で食糧庁長官からちよつと申し上げます。
○東畑政府委員 米価も麦価もパリテイを基準に、いたしておりますので、パリテイ計算上麦価が上る場合はまた米価も上るわけであります。八一・三というのは、足鹿さん御承知のように二十五年における五月のパリテイ指数から見て八一・三であつたわけであります。このときの新米の価格から申し上げますと七五ということになるわけであります。こういう対米比価というものは形式的に定めることがかえつて悪いのでありまして、われわれとしましては、麦価はいつも米価との関係において調整をするということが、従来においてもそうでありますし、今後もそれが農家のためにも消費者のためにもいいと思いまして、この法案では想定実効米価と現実の実効価格比というものでやりますことが現実に即するのであると、こういうふうに実は考えたのであります。具体的に申しますと、われわれとしましては、これで合理的な対米比価が実現し得る、こういうふうに実は考えている次第であります。
○足鹿委員 どうも東畑さんそれは違うと思うのです。それだつたらなぜ従来の米価をきめて、これとの対米比価を一定比率を出して麦の価格をおきめになつたものを、統制撤廃に際して何ゆえに麦は麦のパリテイでおやりになるのですか。ほんとうに農民に親切があるならば、対米比価をでき得る限り高率に維持し、生産者価格を決定して、消費者に対しましてはこれを割つて政府の財政負担によつてこれを売渡して行くということが、すなわち大臣が当初述べられた農民も喜ぶ、消費者も喜ぶという政策ではありませんか。現在あなた方がおやりになつているのは、従来あつた対米比価の算定方式をことさらに破棄して、昭和二十六年のパリテイでもつて、麦は麦のパリテイ指数でもつて買上げ価格をきめよう、現に先般の米価審議会の懇談会にはその方式を発表しているではありませんか。事実上において、お考えになつていることとやつておいでになることはこういう面でも食い違いがあるのでありませんか。その点についてはどういうふうな御見解でありますか。
○東畑政府委員 麦は麦のパリテイ指数ではじくということはこの法案の根拠であります。対米比価は、いつも麦を下げるという御認識のように考えるのでありますが、私はそういうふうに考えておりません。一つの制度でありますので、麦の需要が上りました場合には対米比価は上つて来るわけであります。そういう事情の変化というものを絶えず織り込みますことが、一つの制度論としては合理的な麦価が出るのではないか、こういうふうに実は考えているので、いつも政治的に八一とか六四、五〇とかいうように、理由なしに対米比価をとりますこと自身が、麦の非常に不安定になるゆえんであると実は考えているのであります。米価との考慮ということは必ずしも麦を下げるということにはならない、こういうふうに私は考えている次第であります。
○足鹿委員 東畑さんともあろう者がそういう抽象論で逃げられるとはけしからんと思うのです。私はそういうことを言つているのではないのですよ。麦の生産費調査をごらんになりましても、米の場合と違つて非常にこの生産費が高くつくことは御存じの通りなんです。農政局長をおやりになつた東畑さんはよく御存じだろうと思いますが、米の数字と違つて、非常に全国的に大きな波があります。これは結局肥料次第、管理次第によつては麦というものは相当とれます。従つて生産費が高くつくということは御存じの通りなんであります。これを保障して行くようないわゆる政治的な麦価というものをきめて行くことによつて日本の食糧事情に貢献して行くというのが私どもの考え方なのでありまして、そういう点では、ただ自然に合理的にいわゆる麦価が経済現象によつて出て行くというお考えであるならば、今言つたように政府の買上げ価格を引かれて行くこと自体が私はくずれて行くと思う。今東畑さんのお言いになるようなことでありますならば、いわゆる自然現象、経済現象による麦価を放任しておくのだ、こういうふうになると言つてもさしつかえないのでありまして、その点は非常に私は考え方が間違つていると思います。しからば逆に先刻申しましたように、麦価がもし上つた場合に、今度は米価を是正して行かれるところの用意がありますか。これはどうでしよう。
○東畑政府委員 その前に今生産費のお話が出ましたが、この法案では生産事情ということも考慮するようにいたしております。終戰後、生産費が非常に、農林省の調査においても高くなつたことは、これはやはり過燐酸石灰等の不足のために反当收量が非常に少くなつたということが一つの原因であると思います。従いまして、この生産上の考慮は減收係数を出すということを昨日も申し上げましたが、昭和十八年から二十一、二年の非常に過燐酸不足の時代はこれを削除して、大正十三年から二十八年の趨勢線をとりますとそういう非常に異状な年を抜いておりますのでそこに出ます平均反收というものは上るわけであります。それをしんしやくいたしますので、減收した場合はそれを麦価に考慮するという要素もありますので、その点も私は足鹿さんとそう結果において異議はないのじやないかと考えます。米価を上げますかどうかという問題はやはりパリテイが基礎になりますので、パリテイ指数というものは米価にも麦価にもやはり反映をいたすのではないかと実は考えております。
○足鹿委員 長官に対しましてはまだ時間があるようですから、その点についてはまたあとで別の機会においてやります。
 大臣に御答弁を願いたい問題ですが、大臣は、この方式によつて麦類の価格が業者の思惑等によつて騰貴した場合に、農民の手取り価格がそれだけ私はふえないと考えておりますが、事実上においては農民は上つただけの手取りはいろいろ若干のこうむりはあつても、後日においてたたかれるという考え方に立つておりますが、農民の手取り価格がふえるとお考えになつておいでになりますか。
○廣川国務大臣 これはやはり市場が上ればそれだけ農民は利益を得ると私は考えております。
○足鹿委員 そうしますと、政府がお買上げになりまして、そうして市場価格が上つた場合に、政府は消費者に対しましては上つたままで放任できませんから安い価格で放出をされます。そうした場合に、勢い現與党及び政府の最もきらいな統制方式の復活となり、二重価格制度の復活になることはこれはもう明らかであります。そういう二重価格によるところの赤字の補填については、一体どういうふうにお考えになつておりますか。従来政府のおとりになつている考え方は、まず食管特別会計は独立採算だ、口を開けばそうお言いになる。しかしこの統制方式のおきらいな政府自身が、いざとなるとやはり財政支出でもつてこれをまかなつて行かれます。そういう姑息なことよりも、当初からやはり赤字補填については財政支出でまかなつて行くのだという大胆率直な御意見がなからねば、今まで大臣がお言いになつた、農民も喜ぶ消費者も喜ぶなんということはできないのです。できないはずなんだ。食管特別会計で独立採算を強行しておりながら、農民から高く買い上げ、消費者に安く売れるなんということはできないはずなんだ。しかも最近の海外電報の伝えるところによりますと、国際小麦協定による価格の相当の引上げを希望しておるということも伝えております。さよういたしますと、外麦を相当価格で買上げ、しかも内地の食糧情勢が変化して、麦価が高騰する、米価が高騰する場合に、政府が放出をされるときには、この食管特別会計の赤字というものは、政府は十七、八億や二十億前後にお考えになつておるようでありますが、私どもの推算では、これは莫大な数字に上ると思う、とても独立採算なんというのはできるものでありません。もつと大胆率直に、ほんとうに消費者も農民も喜ぶという考えがあるならば、当初から財政支出を見込んで、思い切つた態度を表明すべきではないかと私は思いますが、食管特別会計の独立採算制はどこまでも堅持してお行きになるのでありますか、そうしてしみつたれた最後のしりをぬぐうという程度でお茶を濁される考えでありますか。従来の政府のおとりになつた措置から見まして、この点は非常に重要な問題でありますので、大臣の確たる御所見を伺つておきたいと思います。
○廣川国務大臣 どうも思惑というお言葉が出るのでありますが、政府が市場の価格を見て時折放出をいたしまし
 て、これを是正して参りまするので、思惑する余地がないと私は思つておるのであります。それから層思い切つ
 て二重価格にしたらいいのじやないかということでありますが、補給金の制度も、これは嚴密に言うと二重価格制と見られなければならぬと思う、そういうようなことで、これは二重価格と見てもさしつかえないと思いますが、しかしこの中で独立採算々堅持して、赤字は赤字として最後にしりぬぐいするのじやないかというのですが、われわれといたしましては、どうもやはり独立採算という一つの線は守つて行きたいと思うのであります。しかしここで赤字の出た場合には、これも長い間の場合には黒字も出ることがありますので、それで相殺ができると思つておるようなわけでありまして、決してあなたのおつしやるように、インチキの考えというようなものじやないと私は思います。
○足鹿委員 私は決してインチキというようなことで非難をしておるではありません。当然そうならざるを得ないのです。大臣は当初、私が質問したときに、農民のためなのか消費者のためなのかといつたら、どつちのためにもなるということをお言いになつた。とするならば、当然これは赤字が出なければ、農民も喜び消費者も喜ぶようなことにはならないと私は主張しているのであつて、そういう点について、独立採算は堅持するというようなことでは、事実上において、だれかが泣かねばならぬはずなんだ。これはもう明らかですよ。どんなに大臣がお言いになつても、この点はもつとはつきりとしたお考えをきめてやらなければならないと私は思うので、これ以上大臣が御答弁になりませねば、あえて追究はいたしませんが、この点は非常に重要な問題であります。そこで赤字の見込みは、一体現状から推してどの程度見込んでおいでになりますか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
○東畑政府委員 麦につきましては、従来とかえまして、経費は見積り経費でやる以外にないと思います。政府は見積り経費を算定する場合は現実、今までは供出でありますけれども、今後は最低価格を保障して農家から自由に買うわけでありますので、農民の実際政府に売ります量というものと、われわれが見積り経費に考えました量との差が明らかになるのであります。ただいまの計算では赤字の出ない計算をして、なおかつ現在の消費者価格水準を維持して行こうという計算をいたしております。かりに非常な不作でもありますと、これはそれだけ赤字が出ると思いますが、平年作であれば收支は合うという計算をいたしております。
○足鹿委員 もうあと一、二点で終りたいと思いますが、これは大臣でも長官でもけつこうであります。現在食管特別会計には相当の滞貨がある、手持ちのものがある、昨日から問題になつております配給辞退の麦であるとか、いろいろなものをたくさんお持ちになつておりますが、このものの概算見積りはどれくらいありますか、そしてその手持品の放出の条件は、この法案と別個な立場から、放出の時期あるいはその他の条件はどういうふうな方針を持つておいでになりますか、これは大臣でも長官でもどちらでもよろしいのでありますが、伺いたいと思います。
○東畑政府委員 現実の配給辞退というものは、われわれは委託加工等を調整いたしまして、そんなにたくさんの手持ちをしておるわけではございません。六月当初における保有高は、先ほども申し上げましたように、玄米換算
 で百万トンということにいたしております。これが昨年は百万トン程度であつたものが、大体統制撤廃の前提といたしまして、相当量を持つた方がより安全であるというので、それだけの輸入計画を進めまして打つて曲る次第であります。その他のものにつきましては、ほとんど食管特別会計は売払いを完了いたしておりますが、大豆約四万トン、砂糖約七万トン程度を保有している以外は、米麦のみであります。
○足鹿委員 最後にもう一点お伺いいたしたいのでありますが、先ほどもいろいろと論議になりました国内生産の維持方策に関連をいたしまして、いろいろ御議論はありましたが、現在国内の需要と供給を満たすことができませんので、相当量の外米の輸入が行われていることは御存じの通りでありますが、この外米はみな白米で輸入をされ出ております。しかもこの白米の中には二〇%程度のくず米が入つておることも、これはもう天下周知の事実でありますが、いろいろな面から考えて、玄米で輸入して、そうして白米輸入によるくず米を少くし、さらに玄米で輸入することによつて品質の損耗を防止し、なおこれらのぬか等によつて飼料の供給に寄與するというようなことはできぬものでありますか。私どもあの外米を見まして、ひどいやつになると三分の一くらい変質しておる、しかも臭いくず米が多いというようなことで、昨日もこの外米が非常な議論になりましたが、玄米で輸入することはできぬものでありますか、技術的に困難なのであるか、できてもおやりになつておらないのであるか、この点について政府はどういうふうにお考えになつておりますか。この点は今後の国内生産の維持の問題と関連をいたしまして、私非常に大事な問題だろうと思いますが、いかがでありましようか。
○東畑政府委員 私からお答え申し上げます。玄米で入れること自体は、私としても足鹿さんと同じように、日本国政府としては賛成なのでございます
 が、タイ、ビルマにおきましても、御承知のようにすでに相当の華僑あるいはインド人の資本が精米工場を営んでおりまして、輸出に対しまして、玄米を入れるということ自体については非常に問題でありましよう。国際的な関係において困難な情勢であります。従いましてなかなか玄米で入れますことは、今日の段階におきましては非常に困難な状態にあります。ただ同じ精米にいたしましても、非常に精白度が違いますので、そういう点で若干精白度をよくする施設等は今後考えまして、消費者のためのいい品質のものを配りたいという計画は、いろいろ案を練つておる次第であります。
○足鹿委員 大体まだほかにもありますが、あとは事務的な問題でありますので、食糧庁長官に対する質問の際に讓りたいと思います。要するに私は、この法案自体は、今まで大臣に御質疑を申し上げました点で、農民の保護あるいは消費者の擁護という、きわめてあいまいなものでありまして、しかも政府にはそれに必要な二重価格の基本的な態度がないということだけは明らかになつた。あくまでも食管特別会計は独立採算で行くのであるというお考えであります以上、政府が鳴りもの入りで宣伝をしておいでになります農民保護が徹底せず、また消費者の擁護もきわめて不徹底なものになり、結局これはいわゆる苦肉の策として、従来お考えになつておりましたすべての統制の撤廃と、自由経済への復帰という一つの政策への公約の手前から、このような不徹底な案をお出しになつた印象を私は強く受けました。問題は技術的ないわゆる撤廃の条件が整つたとか整わないとかいう問題ではなしに、これは計画経済が農民のためになるか、あるいは消費者の食生活を安定するか、自由政策が如上の趣旨に合致するかという基本的な問題を含んでおるのでありまして、これは統制方式を撤廃するのではなしに、一部改変をして、天下には統制の撤廃だと称し、実質的には、法案の内容は統制方式を改変して行くという不徹底きわまるものであるという印象を私は多分に受けました。特に価格構成の点については、ことさらに米価審議会においても昭和二十五年、二十六年をとつて農民擁護にすべきであるという一致した意見があるにもかかわらず、昭和二十六年のパリテイをとつて行くという態度を政府が堅持しておられることを私は非常に遺憾に思います。いろいろと申し上げたいことはありますが、意見にわたる点がありまするので、私は今まで重要な問題について御質疑を申し上げましたが、農林大臣の御答弁につきましては、きわめて不満であるということを、また私の聞かんとすることに対して、ほんとうに委曲を盡して御答弁にならなかつたということをはつきりと申し上げまして、私の質問を一応打切つておきます。
○松浦委員長 石井繁丸君。
○石井委員 この問題はもはや三日にわたりましていろいろと各方面から質問がされ、いろいろな幅においての答弁もされまして、大体委曲を盡しておるような形であります。この関係で、私としましてはごく二、三の点にわたりましてお尋ねをしたいと思うのであります。
 御承知の通り、自由党では昭和二十四年の年に、当時現農林大臣の廣川さんが幹事長でありまして、米麦の統制撤廃という旗差物で、農民を大いにつりまして奇勝を博したのであります。爾来何とかして統制撤廃をして、公約の一端でも果したいという気持は、これはごもつともであろうと思うのであります。幸いにして麦におきましては、配給辞退が相当ふえておる、並びにやみ価格と公定価格がやや接近しつつある、こういうときであるから、ひとつ麦だけでも統制撤廃をいたしまして、公約の一端を果したいというのはごもつともでありますが、しかしながら麦の統制撤廃ができる、こういうふうな処理ができるというところの根本の基礎をなすものは大体におきまして外麦の輸入が案外大量にできるというような点が根拠をなしておつたと思うのであります。東畑長官も再々述べておりまするが、手持ちが豊富になつておるから、その関係で、いかなるときにおいても、その政府の手持ちを出動させることによつて対処ができる、こういう根拠に立つておるのでありますが、この点につきましては、現在幸い日本としましては、変則的なるところのドル取得の手段が行われておるので、海外から麦を買い得る、こういうところのゆとりがあるのでありまするが、しかしながら貿易面に見ましても、本年二十七年度の貿易は、昨年から見ますると二割ぐらい伸びる、こういうふうな予想のもとにおいて、安本等では対策を立てて参つたのであります。しかしながら最近の国際情勢、この海外におけるところの貿易の萎縮というような関係からしまして、貿易が非常に狭まつて来る。予想外に伸びない、あるいは去年よりも少し貿易が低下するのではないか、こういうふうな実情が現われております。そこで今年の三百五十万トンの食糧を海外から輸入するというような点も、安本の想定によるところの今年度の当初における貿易の伸び方というような点を基礎に置きまして、三百五十万トンが輸入できる、こういうふうにお考えになつたのだろうと思いますが、この貿易が萎縮しておるというような実情のもとにおいても、三百五十万トンをあくまで買うというところの方針を政府は堅持するものであるかどうか。貿易の関係におきましては、そういうふうな外国食糧は買えない、改訂をしなければならないいうふうにも思われるのでありますが、貿易のいかんにかかわらず、これだけの食糧は確保するのである、こういうお考えかどうか、それをお尋ねしておきたいと思うのであります。
○廣川国務大臣 これは貿易の現状はあなたの御指摘の通りでありまして、われわれも正常貿易外の外貨獲得によつて今ドルのある程度の保有をしておるということについては、非常に心配いたしておるのでありまして、将来さような変体的なドルの獲得の仕方は、これはどうしても考えなければならぬとは考えておりまするが、しかし本年度においての予定は、これはどうしてもこれだけは輸入いたしたい、こう考えております。
○石井委員 本年度についてはとりあえず三百五十万トン輸入したい、おそらく本年度につきましても幸い変体的なドルの獲得が、特需あるいは進駐軍の消費等において獲得できるかもしれないと思う。しかしながら一面におきましては、日本の独立を維持するためにはアメリカの軍隊に出てもらつて、そうして日本の再軍備をしなければならぬというふうな風潮等がありまして、次第に日本が独立態勢を整えるということ、あるいは朝鮮事変等が安定いたしますれば、そういうことはほとんど架空のことになつてしまうのであります。ドル圏輸出は大体において三億ドル、しかるに外貨面におきましては、いろいろと特需関係で七億近いものが入つておる、輸出よりもそういう変体的なドル取得が多いというようなことでありますから、こういうところの一つの架空な事実、安定しないところのフアクターに基いて、この麦の統制撤廃というものを政策的に断行するということは、少し早計に過ぎるのではないか、こう思うのでありまするが、将来ドル等が特需等によつて獲得できないというような場面が出たときにおいては、いかなる対策を立てる気持であるか。一たび統制を撤廃したあと、またこれを実現するということは、なかなか問題でありまして、自由党は公約であるからやつて、一応は果して、それで済みましようが、あるいはその後において、また自由党内閣が続くかもしれないし、あるいは他の内閣が責任を持つようなことになるかもしれない。そういうような場面も考えず、たまたま変態的なドル獲得の手段があるから、外麦等が十分に入れられる、こういう要素に基いて麦の統制撤廃をするのは、少し軽率ではなかろうかと思うのでありますが、これに対しての大臣の所見を承りたいと思うのであります。
○吉川委員 関連して……。昨日大臣に、この外国食糧の輸入の問題について、私は非常に見通しについて心配をして伺つたのでございますが、大臣はたいへん楽観的な御答弁であつた。ことに私どもの心配している一つは、根本安本顧問が、はるばる海を渡つて食糧の確保にお出かけになつた。この一時で非常な心配をしているのですが、その根本さんが帰つておいでになりましてから、われわれの委員会にも御説明がないのです。そこで農林大臣に、われわれは根本さんがおいでになつた話のぐあいははなはだ芳ばしくないように聞いているのです。私はちよつとタイ国の主要な立場にある人と知り合いがございまして、いろいろな情報も聞いているのでございますが、それをもしここではつきりしていただけないとするならば、秘密会でもけつこうでございますから、ぜめて農林委員会ぐらいには、御報告を願いたいと思うのです。昨日の大臣の御答弁では、どうもはつきりしないのですから、さしつかえなかつたら、ここでひとつ大臣からお答えを願いたい。できなかつたら、根本君にここへ来ていただいて、さしつかえがあるならば、秘密会でもけつこうでございます。これはむしろ委員長にお願いしておくべき事柄ではないかと思いますので、両方から…。
○廣川国務大臣 ドルの獲得が非常に変態的であるのに、この麦の統制を緩和するということは、どうもおかしいじやないかということでありますが、なるほどドルの変態的な穫得の仕方はわれわれも非常に心配をいたしておるのでありまして、それで将来世界の軍拡がやまつたときに対応いたしまして、国内の生産の自給度を高めるために、国費を投入いたしまして、五箇年間に自給度を確立するという計画を、今立てておるようなわけであります。早急に世界の軍拡がやまり、あるいはまたすべての諸条件かなくなつて、ドルかなくなつたときに、再統制をするのではないかというお話でありますが、私たちの見通しでは、しばらく現在のまま続くという構想でやつておるのでありまして、そしてまたその間に、年を追うて自給度の確立をしたい、こういうふうに考えておるのであります。なおまた関連質問でございますが、昨日も申し上げました通り、根本君からわれわれの聞きました報告によりますと、非常に修好関係をよくして来た、こういうことを聞いておるのであります。また向うの方から送つて来てくれた新聞等を見ましても、トツプの見出しで歓迎をされており、また修好を非常に深めたという記事が載つておるのであります。また事務的には、農林省から長谷川君が行つておりますので、これは事務的に今処理をいたしておりますが、何せ根本君の行つたことは、非常によかつたということであります。また根本君自体からも、米が来ないというような報告は受けていないのでありまして、より一層よくなるという報告を聞いているようなわけであります。
○松浦委員長 ただいまの吉川君の、私に対する御発言でございますが、タイ米その他外米の輸入問題につきましては、これを当委員会においてどういうふうに処理するか、このことにつきましては、いずれ理事会等を開きまして、善処いたします。
○石井委員 そこで政府といたしましては、統制撤廃になる以上は、方針をかえる以上は、この制度を続けたいというようなことになりますと、政府としましては、国際小麦協定等におけるところの活動と、ある意味におけるところの継続的な、相当量の外麦の取得というようなことが、必要になろうかと思うのであります。先ほど足鹿委員も若干触れまして、小麦協定の価格が少し上りそうだというふうに言われましたが、この四年間ほとんど売り手の方は損ばかりしておつたという関係で、小麦の協定価格は上るのではなかろうか、こう思われるのであります。政府におきましては、来年切りかえのときにおきましては、今度はどれくらい小麦協定の麦を取得し、そしてどれくらいの価格で獲得できる、こういうようなお考えを持つて将来の対策を立てておるのであるか。ひとつそれらについても、将来の見通しを、安定させるために、御方針等を承つておきたいと思うのであります。
○東畑政府委員 来年更改いたします小麦協定につきましては、ただいま政府からロンドンに人が行つておりまして、折衝中であります。もちろん政府としましては、一定の価格、一定の数量に対する希望を持つて行つておるのでありますけれども、事外交交渉の問題でありますので、こういう席でお話申し上げることは、差控えたいと思います。
○石井委員 今までの量よりよけいに、あるいは倍くらい、あるいはそれに近いものとか、こういうくらいは、漠然と御答弁ができようと思います。倍くらいという希望を持たなければ、無理じやなかろうと思うのでありますが、相当に大きな期待を持つておるかどうか、この点くらい御答弁願いたいと思います。
○東畑政府委員 現在小麦協定で、シフで大体八十四ドルで一般に買つておりますものが、一時は非常に高かつたのでありますが、最近漸次下りまして、百ドルを割つて来ておるような状態でございます。日本政府の予算といたしましては、平均百ドルという予算を組んでおりますが、今後はもう少し單価が安くなると思います。これでもまだわれわれの考えております麦価に対しては、若干国際価格が高いような状態であります。日本政府としましては、その辺の事情をいろいろ検討した結果の価格で、予算を組んでおるのであります。量につきましては、ただいまのところ五十万トンというものを、政府は割当を受けておるのであります。大体それは輸入済みでございますが、今後の問題につきましては、それより多くを希望していることはもちろんでございますが、さような決定を待つまでは、何とも申し上げられないのであります。
○石井委員 今国際的に見ますと、麦の余つているのはカナダの麦であります。ところがカナダの麦は、御承知の通り四等麦、五等麦が非常に多い。そこで政府は、忙しいときに打つ手は、急に両方のくず米を買付けたり何かするのでありますが、今年も、統制撤廃に備えて、急遽手当をしようということで、あわてて買いつけると、そのカナダの四等、五等麦の、えさにするようなものを買いつけるということによつて、問題を起すようなことがあるのではなかろうかと思うのです。今年においては、そういうふうなことでなく、ほんとうにいいものを買いつけるかどうか、こういう点をひとつ確かめておきたいと思います。今四月相場が二ドル三十セントから四十セントになつておるようでありますが、私どもとしては、小麦もそんなに弱気ではないと思うのであります。それを政府側におきましては、ばかに小麦を弱気に考えておるようでございますが、何かこの含みにおいては、どうも売れないところの四等麦、五等麦をにらんでおるようにも思われるのでありますが、そういうことがないかどうか、ひとつ承つておきたいと思います。
○東畑政府委員 小麦の問題でございますが、小麦で政府が本米穀年度に入りましてから、すでに到着しましたもの、及び買付済みのものを合計いたしまして、小麦のトンで百四十一万トンとなつておるのであります。米穀年度といたしましては、大体百六、七十万トンというものを計画いたしておるのでありまして、すでに百四十万トン程度が買付済みでございます。アメリカ等におきまして、八月以後新穀が出まわりますれば、相当価格も下落するのではないかという見通しを持つて、あとわずか二十万トン程度のものは、その後買付をしてはどうかという考えを持つております。なお四等麦、五等麦だけを買つておるのではないかというお話でございますが、絶対にそういうことはありません。りつぱな麦を輸入いたしておるのでございます。
○石井委員 いろいろ食糧について、国民のために努力されておるのでありますが、この点敬意を表するのであります。それでもう一つ承つておきたいのは、今度の政府の内地麦の買上げは、一応千八百三十四円において買上げる、こういうことになるのでありますが、大体これは出来秋を目あてとして買上げる、こういうことになろうと思います。ところが海外の事情等を見ますと、麦は砦干それより強気になるのではないか、こういうふうに思われるのであります。ところで力のない君は、大体におきましていつも底値で売る、こういうふうな形になつて来る。政府は底値をささえてやるのであるから、農民からそれより下らない値段で、いつでも買つてやるという親心である、こういうのでありますが、底値で売る者は、大体におきまして、農民として力のない人が売る。若干力のある人は、値が上つた適当なときにおきまして売払う、こういうふうな立場をとるわけであります。そこで今度一括買入れというような場面でなく、でき得る限り農業協同組合等へ中金の資金等をまわしまして、そうして農家におきましては、協同組合にそれを預けて、そうして適当なときにおいて農協等が処理しまして、底値よりも若干の高値においてさばけるようにする。こういうふうな場面がとられることが、力の弱い人を保護するゆえんではなかろうかと思うのであります。この点につきましては、今までにおいては、バツク・ペイというような形におきまして、一応プール計算において出したものを、値が上つた場合には、あとでその差額を補償してくれたのであります。ところが今後におきましては、力の弱い者は、何らそういう恩恵がなく、力のある者、資金力のある者だけが高値で売る、こういうふうな不公平ができようと思うのであります。そこで政府といたしましては、そういう底値で買上げをするというようなことでなくて、でき得る限り農業協同組合等に、低金利でもつて融資の道を講じてやつて、農家におきまして、力の弱い者でも、価格において若干の幅を見て売れるような、こういうふうな考え方をとつてもらうことが、一つの親心ではなかろうかと思うのでありますが、この点についてのお考えを、農林大臣はどうお考えになつておるか、お尋ねいたします。
○東畑政府委員 私からかわりまして申し上げます。石井さんの御議論とまつたく同感書ざいます。われわれと
 いたしましても、この小生産者等につきましては、やはり協同組合の共同出荷と申しますか、共同販売と申しますか、そういうことは、もちろん助長育成しなければならぬということは、まつたく同感であります。従いまして政府は、一応無制限買入れという建前はとつておりますので、現在の食管特別会計は、相当量の麦の買上げ予算を組んでおりますが、この財源は、国庫余裕金から証券を発行して、受入れるというのが非常に多いのでありますが、もし共同出荷等になりましたならば、国庫余裕金はそれだけ中金の方へ預託されまして流通資金になるわけであります。その点は大蔵省事務当局とも完全に了解が済んでおります。農協の集荷資金につきましては、国庫余裕金を中金に預託いたしまして、その方に流れて行く仕組につきましては、まつたく同感であります。
○石井委員 そういうことになれば、農民もたいへん喜ぶことと思うので、ひとつその点につきましては、十分お考えおきを願わなければならぬと思います。そこで政府にひとつお尋ねしておきたいことは、いろいろ農民運動の立場からすると、統制撤廃で麦が下るということを、農民運動者の方においては常に論じて来ておるのでありますが、私は逆に終始強気で、統制は今まで非農家のために存続していた。農家は統制のもとにおいて、非常に損失をこうむつておる。統制撤廃は、米麦が上るという立場を、常に堅持して来ておるのであります。今回のこの麦の統制撤廃も、おそらくこういうふうな形において、麦が若干上るのではなかろうか、こういうふうに思われるのであります。そこで政府におきましては、ある価格を安定させるために、逆に麦を出せ、こういうようなことをやるのでありますが、国際関係におきまして、中共、ソ連等近接国があるが、これらが食糧がとぼしいということになると、あるいは日本の麦の買付が来るかもしれない。そしてこれがその方面に流れるような場面が来るかもしれない。海外から、価格差補給金を出して高い米麦を買つて来ておる。ところがそれを安い値で一般の市場に出荷すると、それが国民の腹に入らないで、逆に密輸出等によりまして、海外に出るというような現象も、今後現われようかと思うのであります。こういうようなことに対して、政府はどういうふうな対策を考えておるかどうか、承つておきたいと思います。
○廣川国務大臣 あなたのお考えとまつたく同感でありまして、統制を緩和することは、農民は非常に喜ぶと私思つております。今回は最低価格を置いてありますから、最低価格を上まわつて市場が安定することは、あなたの御指摘の通りでありまして、それだけ農民をうるおすことになると私は思うのであります。ただ密輸出等によつて、大事な食糧が外国に行くのではないかというお話でございますが、これは沿岸の警備も今後大分強化されるようでありまするから、密輸船等は、その方面で十分押えることができると思つております。
○石井委員 今一番食糧庁関係の方の人において不安に感じておるのは、ここで麦の統制が撤廃になりますと、食糧庁の機構改革とともに、人員整理の問題、こういうような問題がただちにまた擡頭して来るのではなかろうか、こういうことです。しながら外麦を買い入れ、あるいはまた内地麦も買い入れるというふうな場面があり、これを一般の卸商あるいは製粉業者に出すというような場面が出ますと、あるいは先ほど言つたように、海外の荷動き等を見るということになると、食糧庁の人員につきましても、十分に配置いたしまして、嚴重なる活動の場面を與えなければならないと思うのでありますが、この麦の統制撤廃によつて人員整理の問題あるいは機構改革によつて食糧庁の職員に不安定を與えるようなことはないのであるかどうか、その点について農林大臣より、一応またその点を承つておきたいと思うのであります。
○廣川国務大臣 農民の希望によつて買い入れるのでありますから、今までの数量よりもあるいは多いこともあるかもしれませんので、そういう点から考えますと、人員整理というようなものは考えられないと思つております。
○石井委員 もう一ぺんだめを押しますが、今までの定員は十分いるであろ
 う、つまり政府としては、農民の希望でできるだけ買うというのだから、実際問題としては八百万石ぐらいの麦を買い入れないと政府の操作にどうもいろいろと支障がある。これくらいは買入れの努力目標としたいというような考えを持つておるから、人員整理や何かは考える点はない、また考えるべきではない、こう思つておる、こういう点に承ることにしてよろしゆうございますか。
○廣川国務大臣 その通りであります。
○石井委員 それでは最後に一点だけ、何か廣川農林大臣は私が麦の統制撤廃に賛成であるというふうにばかり同調されましたが、私は前に言つたような為替関係その他諸般の事情から、農民を代表する立場に立つて統制撤廃は農民にそう不利ではないというように考えておるけれども、統制を撤廃するにはまだ時期が早いのではないかこういう見地をとつておるのであります。いろいろと国際上の変化の点におきましては、プラスがマイナスになり、マイナスがプラスになる、そういう点もありますから、時期尚早を唱えるのであります。
 最後に十分に考えておきたいのは、今後におけるところの日本の食糧の問題である。先ほども言いました通り、ドルの関係等から見まして、麦等はなかなか輸入が困難になる、こういうふうな場面が相当出て来ようと思う。そこで日本の海外の食糧輸入の面は、南方米に依存しなければならない場面が多かろうと思うのであります。しかしながら米というものはなかなか生産が上らないというのが実態である。南方の不安定状態が続いておるというときにおきまして、南方の米の獲得はなかなかまた困難である。しかしながら日本がいろいろと貿易の面から見まして、どうしてもドルを獲得することが困難であり、ポンド圏の貿易を増大して行かなければならないという場面が相当多いことになりますと、外米の輸入に相当カを入れなければいかぬと思う。この外米の輸入によつて、また日本の輸出を増大するというふうな場面によつて、東南ア貿易に対するところの日本の今後の発展場面を十分に考慮に入れなければならない、こういうことを中心としていろいろと――自由党の一片の公約にとらわれず、将来においてのそういうふうな根本的なる事情……。
○松浦委員長 石井さんに御注意しますが、質問の要領をおつしやつてください。
○石井委員 最後の結論です、こういうような点をも考慮に入れて対策を立てなければならないと思うのであります。今後の政府の根本方針は、外麦輸入中心主義か、あるいは外米に重点を置いて輸入するかの点であります。先ほど申した通り、日本において必要とするところの麦は十分に自給度を高めて、なるべく麦は国内産で間に合わせるように、そうして逆に輸入するものはなるべく外米によつて食生活を安定させ、かわりに外米を輸入した関係においては、内地のいろいろな物資をタイ、ビルマに輸出して貿易面を拡張する、こういうふうな点をとろうとするのであるかどうか、最後にこれらの点についての根本方針をお尋ねしまして終りたいと思います。
○廣川国務大臣 あなたのお考えの通りにやる考えでおるのでありますが、でき得るだけ内地の生産によつてまかなうような施策をいたしたいと思つて、われわれは非常に苦心いたしておるのであります。これをすべて安易な輸入にたよるということは日本の農村を破壊することになりますので、でき得る限り自給度を高めて、万やむを得ないものを輸入するような方向に行きたいと思います。しかもまた万やむを得ないものを輸入する裏づけとして、日本の生産品をどんどん輸出したいという考えでありまして、あなたとまつたく同様であります。
○松浦委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○松浦委員長 速記を始めてください。ただいまの理事会で本案の農林大臣に対する質疑は終了することにいたしました。御了承願います。
 午前中の会議はこの程度にとどめまして、午後は二時より再開いたします。
 暫時休憩いたしまして、午後一時より理事会を開きます。
    午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十二分開議
○松浦委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 この際連合審査会開会要求の件についてお諮りいたします。目下建設委員会において審査中の日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案、及び通商産業委員会において審査中の臨時石炭鉱害復旧法案、右の一案は農耕地等に関しまして重要な関係を有しておりますので、この際建設委員会及び通商産業委員会に、それぞれ連合審査会開会の申入れをいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認めます。なお連合審査会開会の日時その他につきましては、関係委員会と協議の上決定いたしたいと思いますので、これらの点につきましては委員長に御一任を願いたいと存じます。
    ―――――――――――――
○松浦委員長 これより食糧管理法の一部を改正する法律案を議題といたし、質疑を続行いたします。井上良二君。
○井上(良)委員 昨日に引続きまして食管長官にさらに質問をいたしたいと思います。内麦の供出並びに配給を廃止する、そういたします場合に、外国麦類の輸入について、政府はどういう見通しをお持ちになつておりますか。麦の国内市場における流通が自由になるというところから、現在の輸入よりも相当ふえると思いますが、その点はどういう見込みをお持ちになつておりますか。伺いたいと思います。
○東畑政府委員 麦の統制撤廃後における国内の有効需要の問題だと思いますが、資料にお配り申し上げましたように、今日麦類につきましては、実効価格がマル公に非常に近接しておるということ自体、大体において有効需要が頭打ちをして来たということが言えると考えております。従いまして、精米のごとくまだマル公と実効価格が非常に離れておるものと違いまして、麦製品については、今日の価格と所得から見まして、有効需要が大体頭打ちをしておるということを考えますと、統制撤廃後における麦製品の需要というものは、そうかわらないと実は考えておる次第であります。
○井上(良)委員 問題は有効需要の動向いかんでございますけれども、私どもが考えなければならぬ一番大事な問題は、麦の統制がはずれる、そうしてこれが自由に売買される。そうしますと麦の市場価格の決定権は政府ではないのであります。これは市場を左右する当該の商人またはそれに関連する資本の多寡に上つて市場価格が決定されはせぬかと思うのでありますが、そうお思いになりませんか。
○東畑政府委員 これは政府が何らのコントロールをしないものではございません。政府がたびたび申し上げますように、相当量のコントロールをいたして統制をはずすわけでございます。従いまして、有効需要と政府の原麦把握量というものが価格支配をするのであります。輸入の見通しにつきましても、六箇月先まで手当をして計画的にやつておりますので、麦に関する限りは、時価の形成力は完全に政府が握るという確信のもとに、この法案を提案いたしておりますので、この点は井上さんと若干意見を異にするものでございます。
○井上(良)委員 そうすると、政府が市場価格を操作するといいますか、市場価格を決定する一つの実際の力を持つておるから、そういうことは心配ない、こう解釈していいですか。
○東畑政府委員 さよう御了承を願います。
○井上(良)委員 しからば市場価格が非常に下りました場合に、政府は高い外麦を入れる。そうしますとそこに大きな国損を生じますが、その国損はいかなる方法でこれを埋めようといたしますか。
○東畑政府委員 主要食糧でございますので、国民の所得と比べまして、そう大きな需要の弾性はないのであります。従いまして、米麦を通じて国民の需要というものは、そう大きな変化はないのであります。かりに麦製品が非常に下るということを申されますけれども、われわれの方といたしましては、原麦と政府の買入れ価格の間で時価を形成する。その時価の形成が合理的であれば、そう価格変動は大きなものではないと考えております。かりに麦の需要がなくて非常に余る場合を考えますと、政府は輸入を減らすことによつて、そういうことは十分調整ができる、井上さんのおつしやるような事実は私には考えられない、こういうように考えます。
○井上(良)委員 それはそういう事実が起らないという一つの見通しにすぎないのであつて、結局は政府がマル公をきめて、そして一定の需要に応じて配給をしている時代と違つて、まつたく国内の麦の需要は自由であります。そうなりますと、その麦を扱うものは商人であります。商人が取扱いをするのであります。そうしました場合、当然そこに資本の背景による市場価格の操作というものが行われないという考え方は成り立たないと思うのです。それが自由主義経済のほんとうの取引の現状でありまして、あらゆるものが自由主義経済のもとに動かされているときに、しかもそれが統制がはずれて自由になつた場合に、資本を背景にした、営利を目的にした活動が行われないという断定がどうして下されます。どういうことからそういう断定が下されます。そういう資本的な活動の余地をどの法規によつて押えようとするのです。現実にできないじやありませんか。その点どうです。
○東畑政府委員 たびたび申し上げますように、完全に自由にするのではございません。国の特別会計の資本が厖大な原麦を把握いたしているのであります。この力が市場を支配する力の方が私は大きいということを申し上げているのであります。完全な営利資本が活動する以上に国の特別会計の財政というものがこれを握つているという麦類統制の撤廃でございますから、現実の形としてはそういうように動かない、こういうことを申し上げているのであります。
○松浦委員長 本会議の都合がございますから約三十分休憩いたしまして、三時より再開いたします。
 休憩いたします。
    午後二時三十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十分開議
○河野委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
 委員長は本会議で委員長報告がありますので、私がかわつて委員長の職務を行います。
 食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を続行いたします。井上良二君。
○井上(良)委員 先ほど食糧庁長官は、政府は市場価格を支配するだけの実力を持つておるから、従つて一部の商業資本のために市場価格がつり上げられたりあるいは引下げられたりするようなことは考えられない、こういう自信のほどの答弁をされておりますが、そうすると政府が所有しています原麦を売却します時期は、市場において需要が非常に逼迫しましたとき、つまり麦類の価格が上昇しましたときに、政府はその操作のためにこれを払い下げるという処置をとるだろうと考えるのであります。そうなりますと、たとえばこういう現象をわれわれは考えなければなりません。政府のきめます価格が農民の納得する価格でありまして、つまり再生産を償う価格であるといたします場合は政府に売るかもわかりませんけれども、政府のきめます価格が市場価格よりも安い場合は農民は政府に売りません。政府に売り渡しました結果は、その金の支払いが非常に複雑であり、かつ日にちがかかる。そこへ持つて来て検査をやかましく言われる。しかも共同出荷荘何だと言つてめんどくさいことをやらなければならぬ。商人はみずから村の農業倉庫までトラツクを横づけをして、そこにはおみやげを持つて来たり、肥料の裏づけをしてやるとか、金を先貸ししてやるとか、つまり農民が最も喜ぶような方法によつて買い集めることは必至であります。そうしますと、かりに国内市場にまわります原麦を百五十万トンと想定をいたしまして、これを巨大資本の数十社が買い占めたと仮定いたします。そうなつて参りますと、市場価格は非常によつて参るのであります。この場合政府は一つは特定の会社に入札によつて払い下げる方法と、一つは地方別の中小企業を対象にした随契による払下げとの二つ方法があると思います。この直接入札による払下げの場合がかりに起つたとして、政府が払い下げる価格というのは一体幾らを基礎にして払い下げようとするか。市場価格を対象にして払い下げようとするのか、原麦から消費者価格の間をとつてやろうとするのか。その消費者価格といいますのは、政府が買い上げます価格から中間マージンを織り込んで、必然に麦十キロに対して幾らという消費者価格がはじき出されて参ると思いますが、そういう一つの消費者価格を基準に政府は払い下げようとするのか、この問題が非常に重要になつて参ります。そういう場合一体どういう払下げ方法をおとりになりますか。払下げ価格は一体どこを目途にいたしますか。そのときの市場価格によるか、政府が買い上げようとする原麦に対する中間マージンを織り込んだ消費者価格の推定によつて払い下げようとするか、一体どこを基準にいたしますか。
○東畑政府委員 食糧青理特別会計は原麦の数量零から出発するものではございません。昨日も申し上げましたように、六月一日現在でお配りしました資料によりましても、大体玄米換算で百万トンという量を持つておるわけであります。その大きな量を現実の問題としてお考え願いたいと思います。以後はこの法案にございますように、標準価格というものを米価審議会で決定をしていただく、この価格を標準といたしまして予定価格で払い下げられるわけであります。しかもそれは相当先まで見てある程度発表して行こうと思います。そうして売るわけでございますが、国内の新麦が出まわつて参りまして、これだけの所要量がいらない場合は払下げ量が少くても済むわけであります。だから一度に百万トンの買占めをするということは現実問題としてその必要はありませんし、またそのような大きな出まわり量が一時に出て来るものとは思いません。農産物でございますから、地域的にも出まわり時期が違います。七、八、九、十月と順次出まわつて参ります。政府はそれ以上のものを持つておりまして操作左いたすわけであります。井上さんのおつしやるような事実は、こういう関係における統制撤廃であれば起らない、こういう確信のもとにやるわけであります。
○井上(良)委員 私の聞いておりますのは、政府が払い下げる場合の対象となる市場価格は、標準価格ですか、それともそのときに動いておる市場価格によるのですか。それから逆算して来た原麦価格で払い下げますか。そこが非常に大事な問題になつて来ます。
○東畑政府委員 政府は標準価格を決定いたします。その標準価格が売払い場所における時価になるわけであります。もちろん標準価格は予定価格とは違います。標準価格を標準にしましてさしあたりは随意契約によるわけでありますから、予定価格がわかるわけでありますが、時期別による金利、倉敷に若干の差がつくわけであります。それがその地帶の時価になるわけであります。
○井上(良)委員 わかりました。そうすると標準価格が大体払下げの基準になる、こう解釈してさしつかえありませんね。そうしますとそこに問題になりますのは、標準価格を上まわつた市場価格が横行しました場合には一体どうなりますか。
○東畑政府委員 食糧でありますので、有効需要には非常に彈力性が小さいのであります。従いまして多年の統制の経験から政府としましては麦及び麦製品の推定需要量は現実に把握をいたしております。それだけの必要量は国内と海外の輸入によつて確保し、しかも相当の部分は輸入管理をして政府が握つておるのでありますから、われわれとしましては、この方式で参りますれば政府は最高の時価を形成できる方式である、こういうふうに考えますので、輸入計画さえ合理的であればそういう事態は起らないと確信をしておる次第であります。
○井上(良)委員 払下げでございますが、市場価格が、自由に取引される原則に立つ以上は、常に値上りになり得る危險性がある。またあるときは値下りになる危險性がある。それは大きな幅はありますまい。ありますまいが、かりに麦の価格十キロ当り十円上げたといたしますと、十キロ当り十円に対する消費者の生活指数にはねがえつて参りますのはわずか四%か五%くらいじやないかと私ども想定しております。そうしますと、消費者の食生活から言うなら、五%くらいの値上りならば吸收できると考えるのが政府の考え方です。そのくらいなら別に大きな負担にならぬと考えるのがあなた方政府の考え方です。ところがこの五%を全国的な麦の消費の実数にかけましてはじき出しますと、全体で二、三十億の利益になるのです。わずか五%の影響しかないものでも、全国的に申しますと二、三十億の利益を独占することができ得るのです。だから麦の市場価格のほんのわずかの値上りが、それを操作しております同大な商業資本になつて参りますと、莫大な利益がここに生れて来ることが明らかになつておるのです。そういう利潤が独占でき得る一つの余地が残されております以上は当然この政府の払下げに対して、あるいは政府がかりに今払い下げようとしたつて――現に政府はガリオア以来の大豆をかかえ込んでおります。あの大豆を何ぼ払い下げようとしても、市場価格が暴落して政府の予定価格で払下げられない事実をあなたも御承知でありましよう。商人がこれの払下げを受けたらもうからぬということならば払下げを受けませんよ。市場価格を操作しようとしても、製品をもつて配給しない限り、原麦でもつて払下げをしたときに、払下げを受ける商人が、この払下げを受けたらもうからぬという場合には払下げを受けませんよ。その場合どうします。現に大豆がそれのいい例じやないかね。大豆を相当高い値で買い入れている。今国際価格は相当下つて来ている。政府は利益を得ようとするが、利益を得られない。結局もとを切つて売らなければならぬ状態になつて来ている。この事実をあなたどう見ます。大豆を採算が合うように今売れますか。これをどうお考えになりますか。その点をはつきりわかるように教えてください。
○東畑政府委員 大豆の問題は、食管が持つております大豆が非常に高くて、一般の油かすが下つたために売れないという現象であります。麦については若干違いまして、政府は小麦粉を暴落もさせない、暴騰もさせないのであります。一定の家計費における麦の支出割合というものを予想いたしまして、それの時価とも見合いまして、原料の買手がない場合はもとよりけつこうで、そういう場合にはむしろ輸入量を少くいたしますか、あるいは全体としての家計費をもう少し充実して行くならいいのでありまして、製品が安くなつて原料の買手がないというようなことは当分起らないのじやないか、もしそういう事態が起つて来れば、政府の持量が少くてもいい、こういう現象じやないかと考えております。
○井上(良)委員 一方は政府機関でもなければ社会奉仕機関でもありません。現実の利潤を目的にした会社なんです。自由に買える国内産麦を政府が一手に管理しているならば問題はありませんよ。国内産麦百五十万トンが市場へ出るという予想がつく今日、政府の所有します麦というのはたかだか二百万トンです。百五十万トンというものは自由に商人の手によつて左右される現状を放任しておいて、かりに農民の庭先で買い占めてしまつて、そうしてこれで一般市場の価格を操作して、政府がいかに払下げをしようとしても、政府の払下げを受けたんではこの国内産麦による利益が脅かされるという場合は、この値でなければ買いませんと出て来るのははつきりしておるのです。中小企業のわずか五千トンや一万トシくらいの随契が全国至るところにあつたにしても、こんなものによつて全体の市場価格は操作できません。やはり大製粉なりあるいは商業資本を巨大に持つております銀行を背景にしましたいわゆる米商人が市場価格をきめるのです。そういうわけですから、あなた方が市場価格を手持ちでいかに操作しようとしても、商人が、そろばんの合わぬものの入札を受けるはずがありますか。そろばんが合わぬものをどういうわけで入札を受けますか。そこが一番かんじんですよ。私の聞こうとするのはそこなんです。
    〔河野委員長代理退席、委員長着席〕
払下げを受ける対象の、相手の機関が政府の配給機関であつたり、公益法人の場合は問題ないですよ。幾らもうけたつて一向さしつかえない。私益を中心にする営利会社です。そういう会社に払下げをする。政府の払下げを受けたんでは現実の手持ちが下るので、どういうところへ払下げをしようとしても払下げさせないような運動を起して来ますではないかね。油糧公団の清算を見てもはつきりそれが現われている。油糧公団が大豆その他の油を払下げしようとしても、そんな大量のものを一ぺんに払下げられたんでは市場価格が困るというので、この払下げを延期し、そうして市場価格の維持をはかつたではありませんか。現実に商人が自分のそろばんの合わぬものを――政府がいかに市場価格を操作しようとしても、政府が市場価格の決定権を握つておるのではないのです。商人が握つているのですよ。そこに問題があるのです。商人が買わぬというものをどういう方法で売りつけます。もう一度その点をはつきり教えていただきたい。
○東畑政府委員 日本全国に無数の取扱い機関がありまして、メーカーにも大きいのも小さいのもあります。そういうものが全部カルテルといいますか、独占といいますか、そういう形になるというようなことは私は想像もできないのであります。かりにそういたしましても、国内の麦以上に政府の輸入の方が多いのであります。しかもその大きな量を原料に政府が持つておるのでありまして、どちらが経済的な力を持つているかというと、当然政府のカが強いということができると思います。それが米と麦の管理方式の違う点であります。その大きな原料を政府が把握しておりますれば、そういうことで政府に対抗する形は麦全体としては絶対に起り得ない、こういうように実は考える次第であります。
○井上(良)委員 私はあなたの方が製品で持つておつて、いつでも消費地へ安く売り出して、価格が暴騰して来たら、あるいは需要が逼迫して来たら安く売り出すというのならば話がわかるのです。ところが政府の持つているのは原麦なんです。原麦を直接払い下げるのです。委託加工をやるのじやないのです。そうなりますと現実に政府が市場価格を操作することができ得ない状況に置かれているんじやありませんか。そこに私は問題があると思うのです。政府が末端に配給機関を持つておつて、また公益法人の一つの指定機関を持つておつて、いつでも市場価格が上つた場合、需要が逼迫した場合、政府の所有しておるものを放出して均衡のとれる価格にするのなら、これはりくつが合うのです。ところが政府の払い下げを受けるのは、利益を対象にした、営利を目的にした商人です。利益にならぬものを、払い下げは受けませんよ。それを受けることによつて国内で買い入れたものが下るという場合は、当然歩調を合し、この払下げを拒否をいたしますよ。これはすでに今お話いたしましたように、油糧公団の清算において手持ちの油糧を払下げをする場合に、そういう事態が起つて、政府は必要以上に安く売らなければならぬ事態が起つたのです。安く売らなければ買わぬというのです。国民は困ろうが困るまいが、自分の利益を守るためにはやむを得ない処置として商人はやるのですよ。そこに私は問題の本質が横たわつておると思うのです。それからあなた方が市場の操作権を持つておるように言いましたけれども、政府はかえつてそれを抱えて、高い金利と倉敷を払つて国損を大きくするだけの手しか残りませんよ。将来市場を操作するという見地から、三箇月も六箇月も先に物を買いつけて、その間の金利、倉敷は一体どうなつて行きますか。そういうべらぼうなことはわれわれには考えられない。現実に不足して曲る食糧を、まつたく商人の利益のよいえさにこの食糧が使われるということは、目の前にはつきりわかつて来ているんじやないか。それを、現実にあなたが粉を持つておつて、麦製品を握つておつて、いつでもそれによつて操作できるというのなら、消費者も納得するかもしれませんけれども、いかにぜん政府はただちに食糧にならぬ原麦を握つているにすぎぬ、しかもそれは早くて二週間、遅ければ一箇月もしなければ市場に出て来ない、経過的処置を要するのです。政府が、今上つたからただちに原麦を払い下げたからというて、市場価格はただちに下るものではありません。これが製品になつて市場へ出て来るまでには、早くて二週間はかかる。遅ければ一箇月かかる、そういうようなまわりくどいやり方をやつておつて、どうして一体当面して来ますこの食糧の市場価格を安定させることができますか。どうも私はその点がはつきり納得できませんから、この点に対してもう一度わかりやすいようにひとつ御説明を願いたい。
○東畑政府委員 原料による数量調整の問題だと思いますが、政府としましては、大豆製品の市価というものは把握しておりません。政府の売払い価格が高いから、より加工利潤を得るためにしようがないじやないかという話でありますが、製粉会社といえどもやはり操業度を上げることによつて、コストを下げることは当然であります。従いまして政府の麦の払下げがなく、操業度を上げなくては、これはなかなかそういつまでも持ちこたえるものではないと私は思います。しかも全国の製粉会社がそういう形で同じ歩調をとるということは、今日の政府の原麦操作の力をもつてすればあり得ないのではないか。問題は量をどの程度政府が把握しておるか、需給の不安定なような物量不足があるかどうかという問題であります。政府としましては、外麦の手当等につきましても万全を期しまして、有効需要見合いとする先を見て輸入をいたしておりますので、そういう不安感は大衆にはないのであります。政府の資本が一般の消費者から離れて、利潤だけでそういう操作ができるという条件には、この統制撤廃はありましてもなり得ないのではないか、もちろん商業利益及び加工利益というものは当然あるのであります。それがそういう形において不当な利潤追求の形のような操作力を持つということは、私はこの管理方式では絶対ないと考えております。もちろん政府としてもこの法案にありますように、委託加工制度も残しておるのであります。製粉、精麦ともに委託加工は若干は継続いたしまして、製品の操作もいたす次第であります。
○井上(良)委員 ただ長官は、政府がよけい持つておるから市場価格が不当に上ることはないというようなお考えでございますが、またそのことで市場の価格があまりに大きく動くということはないと、こういう考え方ですが、今幾多の例を私がお話いたしましたように、そんなら何ゆえに大豆をあんなに長い間、一年に一億円に近いところの金利と倉敷を払つておるのか、どういうわけでそんなものを抱えておくのです。国内で大豆は足らぬのです。国民は十分に油を消費していないのです。一体どういうわけで、倉敷と金利を合わせれば一年に一億円も払わなければならぬようなたくさんの量の大豆を抱え込んでいるです。これをわかるように説明しなさい。それならば私は納得しますよ。これを払下げしてもらわなくては油糧会社はもうからぬ。引合う価格ならば引受けるということじやないか。この事実を見てごらんなさい。政府はもつと国民に安いよい油を食わそうとするならば、これを払下げたらいいじやないか。しかし業者は政府が言う価格じや払下げを受けない。それならば現実に油は余つておるかというと、余つてない。大豆が余つておるかというと余つてない。一体どういうわけでこの払下げをしないのです。これは油と米と麦とは違うといえばそれまでですけれども、私は同じ筆法で言い得ると思う。商人は自分の利益を無視して営業はいたしません。そこに私は根本的にあなた方の見込み違いがあると思つておる。必ず市場価格は商人に左右されますよ。そして商人の最も巧妙な入札に対するいろいろな牽制や要請や誘惑に動かされて、結局国が大きな損をすることしか現実に起つて来ません。そうなつた場合あなたは責任を持ちますか。現実はそこに行きますよ。私は事実そう考えておる。(「そうならんよ」と呼ぶ者あり)ならんと言つたつて、現実に損をする商人はありません。現実に利益を上げようとして営業をやるのです。その食糧が限度がきまつておりますから、政府が何ぼ手持ちしておる、手持ちしておるといつたところで、たかだか三、四箇月分です。そのくらいのものは、商人の考え方でどちらにも動かすことができ得る、価格操作ができます。そういう商人を甘く見ておつたらたいへんな間違いを起します。そういう点に対してもつと政府は愼重な検討を加えてもらわなければなりません。同時に政府が市場価格を上まわる価格で農民から買上げます場合には、農民は政府に売りますが、政府のきめました標準価格が中場価格を下まわります場合には政府によう売りません。何ぼ政府が買い上げる買い上げると言いましても売り得ないのです。そういうことになりましてその上つた分が、いわゆる農民が生産費を償う価格になつて帰つて来るならよろしい。しかしそれは中間商人の搾取の対象になることははつきりしておる。そういう見地からもつとわれわれは麦の生産費について検討を願うとともに、今一つ従来麦に対してもバツク・ペイが採用されて参りましたが、そうすると、政府は今度六月の中ごろに開かれます米価審議会では標準価格を生産者価格と消費者価格できめるだけで、きめたら一年間その価格ということになりますか。それとも月々の標準価格を発表いたしますか、どういうことになりますか。その点ひとつ物価庁の方から御説明を願いたいと思う。
○東畑政府委員 大豆と麦とは当然条件が違いますが、大豆は民貿に切りかえました場合に、当時日本は油脂資源が非常に不足しておりましたために、民貿で相当輸入を多くいたしたのであります。それで予想外にたくさんの大豆が入つて参りまして、経営資本、それを取巻く商業資本等に相当痛手を與えたのであります。そのためなかなかこれらの資本が立直りにくかつたのであります。政府の持つておりますのは、ごくわずかでありまして、これは非常に高い原価のものを輸入しておつたのであります。政府といたしましては麦と違いまして大豆は政府自身が市場操作をするという力は毛頭ございませんし、またその必要もないというので、この払下げ方式は一般の特別会計なり、会計令に基くコスト主義で払下げをしておりますために、現実になかなか売れなかつたのであります。今回考えております麦の市場操作の考え方と全然違う。政策のない單なる物の払下げの方式であります。大豆をもつてこの麦の場合と同じようになるのではないかというお話になりますと、若干私と見解が違うわけであります。
 それから農家の方は一定価格で買うわけでありますから、年間一本で買うわけであります。従いまして地帯によりましてはそれ以上の時価が出ることは当然であります。その政府のきめますものが、また農民の時価になつて売る場合もあります。地帶によりましては、政府の売る標準価格に近いような地帶もあると思います。そういう所は御意見のように政府に集まつて参らないことは当然でありますが、それは農民自体の価格がそれだけ上るわけでありますから、有利な地域はそれだけ生産力が伸びて行くと思います。その間買占めとか思惑とかいう商人の動きがあります。これはやはり農業協同組合その他との関係において、別の流通機構を整備して農民の利益をはかつて行くという政策をとるべきである、かように実は考えております。
○井上(良)委員 私はこういうように考えます。すなわち自由にこれが取引されることになりますと、どうしても麦が偏在してしまう。つまり商人の思惑や、あるいはまた市場価格の関係や、需要の嗜好等の関係によりまして、あるいは価格操作等の関係でストツクが多くなるということが一つ、それからいま一つは競争の関係からどうしても搗精度を上げるというので、減耗の分が非常にふえやせぬか。それから今一つは、工業用等に対しましても、相当自由になる関係から、大びらにこれが使われることになります。それからまた飼料等にも相当需要がふえて来やせぬか、そういう目に見えぬ、政府が予想しない潜在需要というものがふえて来るということを見込んでおかなければならぬのではないか、こう考えます。そこでわれわれは麦が自由になりますと、どうしても二、三百万石多く輸入しなければ年間の不足を補うことができなくなりはせぬか、こういう考え方をしておりますが、政府はどうお考えになつておりますか。
○東畑政府委員 消費者の需要というものは、クーポン制でありましても遺憾ながらやみで動いておりまして、それはCPSで実態が出ておるのであります。そのやみ価格とマル公が接近いたしまして、実効価格がほとんどマル公と同じというのが麦製品でありますので、食糧としての需要は頭打ちをしておる、こういうように考えております。その他の需要につきましても、長い統制中にえさの問題その他もいろいろ検討しております。また現にえさにもこれを払い下げております。またしようゆ等の一般の加工業にも払下げをしておりまして、幸い長い統制中に大体の需要量は把握しておりますので、もちろんこの需給計画にはそういう加工用等も織込んで計画をしております。政府の持つております需給推算の資料は、過去の長い実験としかも方向によりまして、そう大きな狂いはないと思います。もちろん若干の有効需要の増というものは予想されますが、そういうところは輸入計画の調整等で十分やつて行けると考えております。
○井上(良)委員 政府としては、ふえると言うたんでは輸入補給金や外貨の準備等にまた問題が起るから、そう言つて逃げておるんだろうが、現実にやはり商売をして行くのに、それぞれストツクをみな持つておるのです。また農民にしてもそれぞれ今売るよりももう少し持つておる方が値が出るとか、いろいろな関係でそれが市場に出て参りません。また製粉会社におきましてもその通りであります。そういう潜在的な需要が相当ふえて行くと私は見ておる。これはあなたがそう見るなら、それ以上申し上げる必要はありませんが同時にここでお考え願つておかなければならぬのは、この点どうなりますか。政府が払下げをする、そうしますと、今まで大体委託加工に出しておりましたものが月三十万トン見当でございますが、大体これが目分量でないかと見ておるのです。そうすると、三十万トンの払下げを受けます場合の資金の問題について、何か昨日農林大臣は、その支払いの猶予期間を何ぼか置くというようなことを答弁されておるようつに伺つておりますが、具体的にどのくらいの猶予期間を置く予定でこぎいますか。そうしてそれに要しまする、つまり猶予期間中の政府の金繰りによる資金は、どれくらいつを見積つておらつれますか、これを伺いたい。
○東畑政府委員 正常なランニング・ストツクにつきましては、井上さんと私は大体同じように、三十万トン程度と考えております。政府のただいまやつております売却方式は、市場にランニングを持たせつつ、順次払下げをやつて行くのでありまして、市場がゼロではないのであります。原料等につきましても、三十万トン程度の通常のランニングを持つた上に、払下げを計画的にやつて行くわけで、からから始めるわけではありませんので、その辺の御懸念はないと私は思います。ただ昨日大臣が申し上げましたのは、農民の融資の問題と、売払いの方の融資の問題と二つあつたと思いますが、後者の問題につきましては、いわゆる食管特別会計としては延納制度をやつておるわけであります。小さい製粉等につきましては、やはり社会政策的な考慮もいりますので、ただいまのところ三十日間の延納を認める。大製粉等につきましては二十五日、これをまた六月から二十日程度にしまして、あと三箇月ぐらいで終りたいと思つております中小製粉につきましては、若干延納期間を延ばして行かなければならぬ。これはまた別個の社会、政策的な考慮に基くものでございます。大体三十万、ンのうちの半分程度がそういう形で延納を続けて行かれる。こういうふうに考えております。
○井上(良)委員 次に入札と随契の割合です。かりに三十万トン毎月払下げをするといたしまして、大口の製粉と、随契にまわります地方の中小製粉精麦等に対する比率はどういうふうにお考えになつておりますか。それから現在まで政府が委託加工をやらし、現に買取制に改めました中小製粉は将来とも大体操業度をどうにか維持できるくらいに、払下げをずつと継続して行く方針でございますか。そのやり方はたとえば現在クーポンが出ておりますが、それぞれ地域別にクーポンの需要というものはわかつておりますから、そのクーポンの回收等による実需要というものが、各地域別におわかりだろうと思う。そうすると、その地域別にそれぞれ製粉がありまして、それらに按分して必要な量を、その地域の各製粉会社に払い下げて行くという手を打ちますか。全然そうじやなしに、価格本位で払下げをやりますか。どういうやり方を具体的におやりになりましようか、これをひとつ御説明を願いたい。
○東畑政府委員 この法案が通過いたしました場合の想定で申し上げますと、当初は、やはり随契で割当売却方式を継続して行きたいという考え方を持つております。と申しますのは、井上さんが御心配になつております製粉資本等に、また大小いろいろな構成がございます。それともう一つは、長い統制でございましたので、急激に入札制度になりましても、かえつて不安定をもたらすと思いますので、当分は全部割当売却方式を続けて参つた方がよかろう、こういうふうに実は考えておる次第であります。全体の三といたしましては、やはり中型、小型製粉の方が総量においては多いのであります。今後の売払い等につきましては、一昨日申し上げましたように、その能力等を考えてやるわけでありますけれども、もちろん国内麦が自由になりますと、自由買入れの麦がありますから、そういうものはおそらくそう多くのものを希望しないかもしれません。従いまして能力と希望数量等を勘案いたしまして、従来の割当売却方式とそう大きな変化がないような操作を、現実にはいたしまして、市場が安中一いたすように考えて行きたいと思います。
○井上(良)委員 大製粉と中小製粉との割合はどのくらいになつておりますか。
○東畑政府委員 月によつて違いますが、今申し上げましたのは、大工場が月九万六千五百トン、一般加工工場が三万二千トン、小型が二万九千五百トンということになつております。
○井上(良)委員 その基準は、大体ずつと、かりにこの法案が成立いたしました後においても、実行して行く予定でございますか。
○東畑政府委員 必ずしもこの数量比ということには参らないと思います。今後はやはり国内麦が出まわつて参りますと、国内麦を集める製粉会社等につきましては、こんな大きな量の希望はないと思います。国内麦の出まわり期におきましては、必ずしもこの比率には行かないというふうに考えております。
○井上(良)委員 次に麦類の取引所というものがかりに計画された場合に、政府はどういう処置をおとりになりますか。全然そういうことは認めませんか。
○東畑政府委員 取引所というものは、多数の供給者と多数の購買者との間に行われるものだと政府は思つております。麦につきましては、供給者は実に多数ございますが、需要者は限定をされております。ことに輸入麦というものを政府が管理いたしますと、いわゆる清算取引的な機能というものは、麦に関する限りは起つて来ないのじやないかということで、政府は清算取引的な取引所の発生を予想いたしておりません。
○井上(良)委員 最後に二つ質問して終ります。一つは砕米が最近相当り抱合せで入つております。政府の手持は約八万トンくらいあるのじやないかと思います。あるいはもつとあるかもしれませんが、これをどういうわけで、こんなにいつまでお持ちになつておりますか。これも補給金がついておるし、かつ倉敷、金利を計算いたしますと、相当なものになつて行くと思いますが、これはやはりすみやかに処分した方がいいと思います。どういうわけでいつまでもお持ちになつておりますか。
 それから今度はこの条文の罰則の問題でありますが、罰則のうちで、第九条の規定に反した場合は、十年以下十万円以下の罰金になつておる。ところが第十一条に違反した場合は非常に軽い。第九条の場合におきましてはもつと内容を明記しておく必要がありはせぬか、もちろんこまかい点は政令によりますか、省令によりますか、出されると思いますが、体刑または高額の罰金を科するというような規定はできろ、だけ法文で明記し(おく必要一があろうと思います。それから十一条の規定に反しました場合は、前条の規定よりも軽いというのは一体どういうわけですか。
○東畑政府委員 砕米の問題でございますが、四月一日現在で政府の持つておりますストツクは、三万四千三百トンということになつております。年度の当初におきましては、五万一千トン程度あつたのであります。政府としましては、砕米の輸入というものはなるたけ避けたいのでありますけれども、やむなくこれを相当量入れぎるを得ないのでありますが、これらの加工その他につきましても、十分考えまして、国民食糧に適するような形において消費をはかつて行きたい、その計画等につきまて、いろいろ練つて、なるたけすみやかにこれを消費の形態にいたすよう、今後努力いたしたいと考えております。
○齋藤説明員 法案の第九条、第十条の、加工賃あるいは食糧の価格に関する必要な命令という場合には、十年、十万円という罰則がありますけれども、十一条の輸移出入に関する流通制限の規定については、罰則が三年、三万円以下というふうになつております点について、均衡を失するではないか、こういう御質問だと思います。第十条の食糧の価格または加工賃に関する命令は、現在食糧管理法については現実には出しておりませんが、出し得る規定を設けておるわけであります。この関係におきましては、現実には物価統制令に基いて価格の統制をやつておりますので、物価統制令の罰則との均衡上十年、十万円という形になつておるわけであります。
○井上(良)委員 十一条第一項、第二項の規定の方は非常に軽いのです。ところがこれは相当大物がタッチし得るのであつて、いわゆる大資本がこれにタッチし得るのに、違反した場合には非常に軽くて、その前の規定にあります場合は、どつちかといえば農民や消費者がこれにひつかかる。いわゆる小物には非常に重い体刑と罰金をかけて、大物が違反した場合は三年か三万円で済ます、そんなばかな話はありませんよ。だからそれはやはり懲役十年または罰金十万円以下と書いておかぬことには、これは均衡がとれておらぬどころではない。逆にこつちは重くして、輸入をかつてにやつたり、輸入を無断でやつたりしたようなやつは大資本でやるやつだから、そういう者こそ厳重に処分せぬと、政府の管理制度は崩れて来る。それを三年や三万円くらいでこらえてやるというような考え方は、いわゆる弱い者いじめの罰則になつておると思います。それをもう一度はつきりお答え願いたい。でなかつたら委員会で修正します。
○齋藤説明員 先ほど申し上げましたように、第十条に基いて、政令あるいは省令におきまして価格の命令は出しておりません。現実には物価統制令によつてやつておるわけでございます。なお物価統制令を適用されておる場合におきましては、卸売価格あるいは小売価格について規定しておるわけでございまして、消費者価格について統制しておるという規定はございません。
○松浦委員長 本日の会議はこの程度にとどめ、明二十六日は午前十時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時六分散会