第013回国会 郵政委員会 第18号
昭和二十七年五月二十八日(水曜日)
    午後二時四十五分開議
 出席委員
   委員長 尾関 義一君
   理事 飯塚 定輔君 理事 風間 啓吉君
   理事 山本 久雄君
      池田正之輔君    石原  登君
      犬養  健君    坪川 信三君
      降旗 徳弥君    牧野 寛索君
      椎熊 三郎君    園田  直君
      田代 文久君
 出席政府委員
        郵政政務次官  寺本  齋君
        郵政事務官
        (簡易保険局
        長)      白根 玉喜君
 委員外の出席者
        郵政事務次官  大野 勝三君
        専  門  員 稲田  穰君
        専  門  員 山戸 利生君
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五月二十七日
 委員中野武雄君辞任につき、その補欠として越
 智茂君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
 委員越智茂君辞任につき、その補欠として中野
 武雄君が議長の指名で委員に選任された。
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五月二十七日
 簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用に関す
 る請願(河本敏夫君紹介)(第三一九〇号)
 同(川本末治君紹介)(第三一九一号)
 同(志田義信君紹介)(第三一九二号)
 同(飯塚定輔君紹介)(第三一九三号)
 同(村上勇君紹介)(第三一九四号)
 同(佐伯宗義君紹介)(第三一九五号)
 同(平井義一君紹介)(第三一九六号)
 同(藤井平治君紹介)(第三一九七号)
 同(小澤佐重喜君紹介)(第三一九八号)
 同(松浦東介君紹介)(第三一九九号)
 同(山口好一君紹介)(第三二〇〇号)
 同(山本猛夫君紹介)(第三二〇一号)
 同(小淵光平君紹介)(第三二〇二号)
 同(福田一君紹介)(第三二〇三号)
 同(中村幸八君紹介)(第三二〇四号)
 同(川野芳滿君紹介)(第三二〇五号)
 同(門脇勝太郎君紹介)(第三二〇六号)
 同(二階堂進君紹介)(第三二〇七号)
 同(鍛冶良作君紹介)(第三二〇八号)
 同(奧村又十郎君紹介)(第三二〇九号)
 同(鈴木善幸君紹介)(第三二一〇号)
 同(小平久雄君紹介)(第三二一一号)
 同(坪内八郎君紹介)(第三二一二号)
 同(安部俊吾君紹介)(第三二一三号)
 同(井上知治君紹介)(第三二一四号)
 同(丸山直友君紹介)(第三二一五号)
 同(坂田英一君紹介)(第三二一六号)
 同外一件(森幸太郎君紹介)(第三二一七号)
 同外一件(佐々木秀世君紹介)(第三二一八
 号)
 同外一件(福井勇君紹介)(第三二一九号)
 同外二件(田中堯平君紹介)(第三二二〇号)
 同外二件(深澤義守君紹介)(第三二二一号)
 同外二件(山本利壽君紹介)(第三二二二号)
 同外三件(田中啓一君紹介)(第三二二三号)
 同外四件(千賀康治君紹介)(第三二二四号)
 同外三件(神田博君紹介)(第三二二五号)
 同外五件(木村公平君紹介)(第三二二六号)
 同(龍野喜一郎君紹介)(第三二二七号)
 同(木村榮君紹介)(第三二二八号)
 同外十件(周東英雄君紹介)(第三二四三号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関
 する法律案(内閣提出第二四〇号)
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○尾関委員長 これより郵政委員会を開会いたします。簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案を議題とし、質疑を続けます。飯塚定輔君。
○飯塚委員 資金の運用に関する分離問題は、前の委員会でも同僚委員から申し上げたように、国会における多年の要望であり、それがまさに実現しようとしていることは、われわれとしても心から喜びにたえない次第でありますが、これを実施した場合にどういうことになるか、二、三の点について簡単にお伺いしたいと思います。
 たとえば来年度から始めるといたしまして、二十八年度の貸出しに関しては、そのわくを決定するのにどれを基準としてやるか、たとえば二十七年度の積立金の予算面の金額を目標としてやるか、あるいはそれの決算を目標としてやるか、あるいは二十八年度の募集の予算面を基準としてやるのか、まずこの点についてお伺いしたい。
○白根(玉)政府委員 現在の大蔵省資金運用部による資金の融通のやり方といたしましては、計画を立てるにあたつては、予算面を中心にしてわくを決定しているのでございます。わくの決定は、地財委の取扱いの面からいたしまして、前年度の三月までに計画を立てなければならないことに相なつているのでありまして、私の方に移管して参つたといたしましても、決算は五月一ぱいかかるのでございます。私どもの計画にあたつても、当該年度の予算を目標にしてやることに相なつたのでございます。
○飯塚委員 そういたしますと、二十八年度からやる場合は、資金運用部のやり方に準じて、二十八年度の予算面を基準としてわくを決定するのでございましようか。
○白根(玉)政府委員 そうであります。
○飯塚委員 それに関連して、予算面でやるとすれば、たとえば二十八年度には四百億の額を決定して募集するということになると、現在これに従事する職員がオーバー・ワークになるということがありはしないか。定員との関係について伺いたい。
○白根(玉)政府委員 当該年度の予算を立てるときは、実際問題としては予算の編成は前年に編成するわけでありますが、その際に定員並びに募集能力等をも勘案いたしまして予算を組むのでございます。それを基礎にしてやるのでございますから、大体そういうことはないと思います。
○飯塚委員 大体それでわかりますが、人員と募集額を特ににらみ合せ、これを運用することによつて相当な利ざやが増加するというお話がこの間の
委員会でありましたが、もしそれの利ざやがありますならば、契約者に対するサービスはもとよりでありますけれども、従事員に対する福利施設というようなものも十分考慮していただきたいと思います。
 なおもう一つ申し上げますが、最近各地方自治体から分離運用反対の同じ文句で、ただ名前を書き込んで陳情するというような印刷物がわれわれのところに舞い込んでおります。それは、手続が煩瑣になるから非常に困る、分離せずに現在の制度でやつてくれといううことを言つております。これはどういうところから出ているかということもいろいろ聞いおりますけれども、地方自治体でも町村会でも、去年も一昨年も分離運用を決議しておるくらいでありますから、その出所は大体わかりますけれども、分離したあかつきにおいて、手続がめんどうになるというようなことを盛んに言つて来ております。手続の実情についてひとつ御説明願いたい。
○白根(玉)政府委員 おつしやるように、そういう声を聞いておるのであります。今お話のありましたように、たとえば町村会に例をとりますと、町村会の決議といたしましては、多年にわたりまして、運用再開に賛成しておつたのであります。にもかかわらず、最近ぼつぼつ町村会の方で反対の決議が出て来ておることにつきましては、一見われわれといたしましては、ふしぎの感を抱いておるのでございます。とにもかくにも御心配の、手続が煩瑣になるのではないかという御議論が、もしそうであるとすれば、われわれとしても考えなければならないと思うのでございます。われわれといたしましては、従来に比較いたしまして、手続が煩瑣にならない方法を考えて行きたい、かように存じておる次第であります。今までのやり方といたしましては、大体地方財政委員会と大蔵省とが、まず起債方針をきめ、詮議方針をきめて、その方針によりまして都道府県、五大市、市町村のわくを示し、起債要望額をきめまして、これに基いて大蔵省と協議の上、貸付承認を与えておつたのでありますが、この点につきましては、直接には一般の市町村には関係ないことでございまして、中央の仕事でございます。この中央の仕事の面におきましては、起債総額の決定あるいは起債方針の設定にあたりましては、郵政省も御相談にあずかつていただかなければならないと思うのでございますが、町村側が直接手続の煩瑣になるかならないかという面につきましては、われわれといたしましては、極力手続の煩瑣にならない方法を考えて行きたい、かように存じております。具体的に申し上げますと、現在のやり方といたしましては、地方が地財委に対しまして貸付承認等を申請する前に、形式上からいたしますと、地方庁に対しまして許可の申請が参るわけであります。許可の申請に対しましては、市町村は当該府県に申請書を出しでやつておるのみでございます。それだけあれば一見いいのではないかとわれわれは考えられますけれども、大蔵省といたしましては、財政監督という面か、あるいは債権者の立場という面かしりませんけれども、大蔵省は大蔵省で、さらに地方公共団体から起債事業説明書というものをとりまして、二ルートでとつで、地財委の決定する際におきましては、大蔵省の資料と地財委の資料とをかみ合せてやつておるような事情でございまして、市町村側から申し上げますと、同じ起債の金を借りるにつきまして、詳しい資料を両方に出さなければならないような建前になつておるのでございます。しかしながら私どもといたしましては、地方の財政監督とかいう考え方はないのでございまして、従いまして、できれば地財委のルートから来る資料を参考にし、しかも地財委といたしましては、起債の要望は市町村の要望を優先する、尊重するという建前でございますので、その起債の申請書に対しまして、特に簡易保険の資金を借りたいという希望を述べていただきまして、それで地財委の書類を活用して行きたい。むろん債権信用的な面の調査も必要でありましようが、事前の調査をなるべく避けたい。現在では、地財委も事前の個々の調べをやり、大蔵省も個々の町村の調べをやつて、両方つき合せて行つておるのでございます。われわれといたしましては、個々の町村の具体的の調査までも、地財委と並行してやつて行くという考え方はないのでございます。要するに、地方の財政監督というような意味合いの関係からする書類の問題は、地財委を通じて来ればいいじやないか、こういう考え方をいたしまして、できるだけ事務の簡素をはかりたい、かように存じておる次第であります。
○飯塚委員 よくわかりましたが、この制度を復活することによつて、この制度の従来の活用の方法は、いろいろと地方の有意義な仕事に役立つておりましたが、将来この法案にある仕事の中で、額から見ますと、あるいは大きな額もあるかもしれませんが、最小の額はどの程度くらいまで取扱えるか、その点も伺いたい。
○白根(玉)政府委員 現在のやり方といたしましては、昨年から起債方針としてきめておるのを一応御参考に申し上げますと、都道府県、五大市にありましては五百万円、人口二十万以上の市にありましては二百万円、人口二十万未満の市にありましては五十万円、町村については三十万円以下のものには貸さないというような起債方針になつております。しかし、これは私どもの考え方だけでなく、地財委とも連絡をとり、大蔵省とも連絡をとり、関係者とも御相談しなければならないのでございますが、私どもの考え方といたしましては、町村に対しまして、五十万円以下あるいは三十万円以下は貸さないというような考え方がいいか悪いかにつきましては、疑問を持つておるのであります。まじめな町村においては、学校を建てるとかいう場合に、相当な金がいるといたしましても、木材はすべて町村の町村有林を使い、労力は村民全体が集まつてやる。しかもまじめに税をかけて、なおかつ足りないときに借りるという町村もあろうかと存じます。従いまして、三十万円くらいあれば大体学校は建つという場合もあり得ると思います。こういう制限は従来なかつたろうと思いますが、昨年入つております。これらの点につきましては、結局、起債当局との話合いもしなければなりませんが、単に手数がかかるからということだけで、起債総額を不必要に制限するという考え方につきましては、われわれといたしましては、賛成しかねるのであります。これは関係官庁とよく連絡して行かなければならぬと思いますが、この金額のごときも、まだまだ制限を緩和してもいいじやないか、抽象的にこの程度しか申し上げられません。
○尾関委員長 椎熊三郎君。
○椎熊委員 簡単な問題を二、三伺つておきたいと思います。多年要望しておりましたこの積立金が郵政省の手によつて運用されることになるということは、同慶の至りにたえません。従つてこれの運用の面においては、国会としてもかなりの責任を痛感しなければならぬと私は思います。もとより郵政当局の責任は非常に重大だと思います。そもそもこの積立金の運用の問題は、簡易保険の成立当初においても、かなり問題になつておる。ただいま配付されております参考資料の中にも、時の逓信大臣箕浦勝人氏と、当時の委員小山松壽氏との問答等も特に再録しておる。これは非常に重要な問題だと思う。当時の考え方から行きますと、この積立金の運用は一体いかなる方面に運用するのか、具体的にはその貸出しの対象はいかなるものであるかということが、当時非常に論議された。しかも三十年前のその論議は今なおかわらず、この運用の問題の非常に重要な要素をなしておると信ずるのであります。ここに配付されました参考資料の中の貸付先対象事業を見ますと、簡易保険制度の成立いたしました当時の方針とはやや離れているような状況にあることを私は遺憾に思う。社会保障制度がはなはだ不徹底なわが国におきましては、この簡易保険制度並びに運用の問題は、主として社会保障制度という重大なる観点に考え方を置いて運用されるのでなければ意味がないと思う。ただ単に保険事業の隆盛とか、もうかるとか、そういうことであつてはならない。これは本質的には社会保障制度そのものを具現する一つの方法であるという考え方でなければならない。古い時代の箕浦先生のごとき三十年前の政治家でも、この貸付先対象は社会保障制度に立脚して、社会政策を加味したものに貸すのだということを当時の委員会で言明しておる点は、旧時代でありましたが、すこぶる卓見であつたと思う。従つて地方起債などでも、単に地方の起債の借りかえに間に合わしてやる。一般地方の行政上の資金が足りないから貸してやるとかいうことであつてはならない。従つて貸出しの対象は非常に真剣に内容を調査して、それが具体的でなければなりません。しかもこれは大企業家あるいは富有階級等のみの便利に供されるがごときものには、断じて貸してはならない性質の金だと思う。零細なる国民の金を集めて、しかもそれを社会政策的に使うならば、その使い道は社会保障制度的な精神を加味したものでなければならぬ。たとえば僻陬の地における村落に診療所がない。そのために一般の細民階級は非常に不便苦痛を感じておる。このためにその村がどうしても診療所をつくる、そういうことはこの貸出しの対象としては絶好のものだろうと思う。あるいは学校の建設、これもよかろう。水道、道路の建設等も、その意味おいては非常に拡張的解釈ではあるが、その範疇に入ると思いますが、ここに示してあるような地方債の借りかえということははなはだ了解に苦しむ。災害応急事業に対する貸付のごときも、これは急場の間に合わせなどにも、便利であるから貸してやるということであつてはならないと思う。災害復旧のために貸すにしても、それは庶民階級の住宅を建設する費用に貸すというふうに、厳格なるわくがなければ意味をなさぬ。一般地方行政費として使われるような方面に資金が流用されたのでは、この積立金の運用の本旨に反する。あくまでも社会保障制度の精神を貫くという点において、貸出先の対象を厳密に調査する必要があると考えるが、その点について当局はいかなるお考えをお持ちであるか。
○寺本政府委員 椎熊委員の御意見まことにごもつともでございまして、私たち郵政当局としまして、この簡易保険並びに郵便年金の積立金を郵政省の手において運用したいと念願する根本の趣旨も、やはりそこにあるのでございます。ただ現在過渡的な問題として、国家資金が非常に不足をいたしておりますので、過渡的な便法としてこういう規定を設けておりますが、行く行くはやはり椎熊委員の御意見のように、漸を追うて社会保障制度、いわゆるこの簡易保険の本来の目的に沿うような融資の方法をとつて行きたいと考えております。
○椎熊委員 そういうお考え方を聞いて安心いたしましたが、その通り実行していただきたい。近時わが国の社会情勢から申しますと、ことに終戦後非常な混乱をきわめ、窮乏をきわめ、ことに国民生活の水準はすこぶる低い。まことに哀れなる貧乏国であります。そのうちでもこの七箇年の間に徐々に秩序は回復せられて、幾分よくなつておるように思われます。われわれ、一般の中産以下の社会生活のものは、何と申しましても食糧の問題、衣料の問題、家屋の問題、人間の生活に欠くべからざる衣食住の問題が、社会保障制度の問題の対象としても一番大きな問題だと思います。現に食糧の問題でも、今日やや緩和されておるとは言い条、外国の食糧が入つて来なければ十分ではない。それでも七年前の状態から見るならば、国民のだれかが餓死しなければならぬというような逼迫した状況ではなさそうでございまして、極東方面における、ことにインドやその方面の状況を聞きますると、むしろ敗戦国ではあるが、わが国の食糧状態のごときは、たいへんよくなつておるように思う。衣料品のごときも、外国貿易ができなくなつて国内放出などがあつたせいもありますが、非常に高価ではあるが、七年前の状況と比べれば、これまた一通りの解決の曙光が見えたように私は思う。いまだに七年にして解決のできない問題は住宅の問題で、ことに吉田内閣、この政府のもとにおけるこの方面の感覚は、私どもは断じて承服できません。東京を中心とする銀座街頭には、大廈高楼、大きなビルディングが次々とできて行きます。それにはなお何億、何十億という役資がなされております。しかるに一歩裏小路に入るとき、庶民の生活ははたしてどうであろう。現に東京市内だけの住宅の不足でも、おびただしき数に上るでございましよう。先般北海道の十勝沖震災における住宅の復興につきましても、冬を見越しての北海道の災害者のために、たつた一戸当り九坪の住宅を建てるのに、五百二十七戸建ててやれば大体解決するというのに、予算上の都合からそのうちの八割ぐらい、四百戸だけ建ててやつて、あと百二十七戸は来年度にまわす。雪のない土地でも困難をきわめるのに、雪の多いあの寒冷の地において、住宅なくしてどうするのだと当局に聞くと、それは間借りでも何でもして何とか忍ばなければならぬだろう、こう言う。間借りができる状態というものは、北海道の状況を
 知らないから出て来る。小さなうちの中ヘストーブを置く。ストーブというものは部屋のすみに置いたのではだめなのだ。部屋の中央に置くのだ。間借りをするのにも、五人の家族がばらばらになつてどこかに行くというならばともかくも、一家を形成している以上は集団しなければならぬ。狭いうちに五人も六人もの他の家族が入るということは、あの人口のばらばらになつておる、隣りから隣りまで何町もあるというようなところでは非常に不都合だ。それにもかかわらず今日の政治のやり方は、そういうものを救済しようとはしない。何たることでしようか。また先般の鳥取の大火におきましても、住宅の復興は今年度は半分よりやらぬという状態で、庶民の生活とはあまりにかけ離れた料亭であるとか、旅館であるとか、待合であるとか、鉄筋
 コンクリートのビルディングに至りましては目をそばだてるものさえある。官庁の建物におきましても、われわれ
 国会の目の前にすぐ見えておる厚生省の建物のごときは、東京最大の坪数を持つという大建築が、今現にわれわれの目の前に建てられつつある。しかるに庶民階級の生活はどうか、鉄橋の下には、まだむしろ小屋を建てて住まつているルンペンにひとしき者も、現にわれわれは電車の窓の中か見る状況で、一般の住宅の不足は極度に達している。こういう問題に対する現内閣の方針は、大資本主義的金融、独占的な金融のやり方であつて、私は共産党ばりに抗議するのではないが、ほんとうに社会政策的の見地から言つても、こういう不平等なる金融のやり方、社会正義に立脚せざる利潤追求主義的なる金融の仕方というものは、政治の正しい行き方ではないと思うのであります。従いまして零細なる人々から集めたる尊きこの金は、たとえ間違つてもそういう方面に流用されては相ならぬのです。これは社会保障制度主義に重点を置いて貸し付けるのだが、現段階における貸出しの対象としては、庶民階級の住宅を解決してやることなどに一つの新たなる感覚を置いて、これを奨励しつつ貸し出してやるくらいな勇気があつてしかるべきではないだろうか。また庶民階級の病人にしても、今健康保険制度なども、制度の欠陥から行き詰まりの状態で、病弱に苦しむ細民は医薬に親しむことができない。療養に日を重ねることはできない。療養所を持つことはできない。これは地方に対する貸出しではないけれども、郵
 政省自体が、こういうものを救済するために厖大なる療養所などをつくつてやるなどということも、これは新たなる感覚としておもしろい構想ではなかろうかと思います。すなわち現段階におけるこの貸出し先は、細民救済に主眼を置いて、そのうちでも最も住宅の問題などの逼迫したる状況を解決してやる、打開してやるという勇断をもつて、ひとつお考え願いたいと思うのであります。それらの貸金に対する責任は、もとより地方公共団体が責任を負うでしようから、決して融資に対する不安はあり得ないと私は思う。そういう点で、今までの貸出し対象はこうであつたからこうなければならないというのではなくして、新しい時代における、今日の実際の日本の社会に適合したような新感覚によつてやつてもらいたい。すなわち簡易保険、郵便年金の積立金の運用は、日本の社会保障制度の先端を切るのだという名誉と誇りとをもつて、そういうことに精進していただきたいということが私の念願なのですが、これに対する当局のお考え、特に保険局長等のお考えをお聞きしたいと思います。
○白根(玉)政府委員 今おつしやいました住宅問題の解決の必要性につきましてはまつたく同感でございます。従いまして御提案申し上げましたこの法律の執行にあたりましても、市町村の起債の詮議の際におきまして、そういう事業をやつて行くのに重点を置いて貸出先をきめるように、地方庁あたりとの詮議方針の設定の際に考えて行きたい、かように存じております。のみならず地方庁を通じない方法でも、別わくとしてやるという必要性も考えられないことでないと実は考えておるのでございますが、現在の資金量の状況等からいたしまして、さしむきはむき出しに、別わくで地方庁を通じないような方法によるものは、しばらく状況を見合せたい、かように存じておる次第であります。
○椎熊委員 大体私は長年にわたつてこのことの実現せられることを念願し、微力ではありますが努めて参つたものでありまして、この法案の提出を眼前に見て実に喜びにたえない。従つてこれが法文化せられてわれわれの面前だ出されるにつきましては、郵政当局の熱意ある行動に私はむしろ敬意を表しておる。今後はあなた方の運用面における適正なる御行動を期待するのみであります。
 最後に私は当委員会に一つの、何と申しましようか、注意を喚起していただきたい問題がありますので、委員長にも簡単なことをちよつと承り、あわせてそのことを申し上げたい。それはこの法案審議にあたりまして、この法案の主体は当委員会が審議することは当然でありますが、事大蔵省とも関係があるというので、大蔵委員会等にも多少の関連性を持つておる、その関連性はどの程度のものであるかということを委員長にお伺いしたい。もう一つ委員全体の諸君もお考え願いたいことは、昨日私どものやつております国会運営委員会に重大な問題が提議された。それは大蔵委員会から、この法案審議にあたつて公聴会を開きたいとの議長に対する申請があつたのであります。私は実にこれはけしからぬ行動だと思う。これは参衆両院は、この三、四年の間この法案を出してもらうために、すなわち積立金の運用を郵政省に復元せしむるために、同一趣旨の決議案を三回やつております。参議院も衆議院もほとんど満場一致で決議しておる。従つてわが日本の国会の、この問題に対する意思は炳として日月のごとく、不動の態勢をもつて確立しておるのです。そしてこの国会の決議に基いて、大蔵当局の不同意にもかかわらず、国会の決議の圧力が今日この法案を出現せしめたゆえんであると私は思います。郵政当局の御努力もとよりしかりでありますが、そうして国会の総意と郵政当局の熱意とによつてこれが出現しているのに、ほんとうの法案を審議する中心委員会が当委員会であるのに、わずかの関連性を持つておる大蔵委員会が、かつて大蔵省に関係があつたということに籍口して、この問題に割込んで来て、公聴会を開くというのは一体どういうことなんです、公聴会を開いて一体どうしようというのですか。われわれはもはや反省の余地はない。日本の国会はこの問題に関する不動の決意をしておる。これに反対する者があろうが賛成する者があろうが、国会の意思はもう動かない。それほど確定しておるのに、公聴会を開いてそれを聞いて、参考にして、何か考え直しでもしようというのでしようか。こういう事は国会の威信に関することです。そこで私は昨日運営委員会でこのことをるる陳弁いたしまして、断固これを反対いたしました。どうか自由党の委員の諸君は特にそれを聞いてもらいたい。これを主張する者は、大蔵委員会の自由党委員の諸君だそうです。そこで運営委員会では、自由党の運営委員が多数ですから、私があまり矯激なことを申しましても、採決でもされるとわれわれはいかにどのようなことを言つても負けるのです。それですからきのうは、ものやさしくそのしからざるゆえんを私は説きました。そうして委員長以下それはもつともだと言う。もつともならこれは拒否すべし、ただちに拒否すべしということを私強く主張いたしましたが、これは自由党の議員から主張されておるのだから、きようのところは留保してくれと言う。そして明日の運営委員会に再びこれがかかるのですが、断固私はこれを拒否することを主張いたします。委員長もまた精神において私と同感であるということを言明しておられます。従つて当委員会におられる自由党の諸君は党にお帰りになつて、その間違つたゆえんを、ものやさしくても何でもいいから糾明して、どうかそういうことのないようにしていただきたい。同じ国会の中で他の委員会がやるというようなことは、これは不見識もはなはだしい。国会の不見識を暴露することになります。特に委員長は、党内においても有力な方でございますから、党にお帰りになつて、国会対策委員長等ともよく御相談の上、さようなことのないようにしていただきたい。そこで委員長にお伺いしたいのは、この審査の過程において、大蔵委員会と当委員会とをどうしようとなさるのでありましようか、心得のために伺つておきたいと思います。
○石原(登)委員 ちよつと関連して。委員長から当然答弁があると思いますが、その前にこれは非常に重大な問題でありますから、私どもが関知いたしましたことについて一応弁明いたしたいと思います。私どもはかねてからこの問題について大蔵委員会の一部に非常な反対があるということを承知しておりましたので、われわれはもちろんでありますが、委員長からも国会の権威のために、十分慎重な態度をとるようにということは警告してあつたのであります。ところがたまたま大蔵委員会の方から、一応公聴会の申入れがあつたということを聞きました。ただいま椎熊委員から言われた通りでありまして、私どもの方の運営委員長、国会対策委員長も、そういうようなことはいたすべきでないというような見解をとつております。私どもは昨日運営委員長に会いまして、国会がすでに決定したのだ、国民の意思がこれ以上明らかになる方法はない、決議が出ない前に、国会が態度を決するについて公聴会を持つことは必要であるかもしれないが、今日の事態においては、そういうことは断じて必要はないのだ、こういうことを申入れました。それについては運営委員長の意見も同一でありまして、この問題に対して公聴会を開く意思はないということをはつきりと申しております。それからこれは内談でありましたが、大蔵委員会がああいうのだから、郵政委員会で公聴会を持つたらどうだというような意見もありましたが、それも国民の意思が国会を通じてこんなに明らかにされておる今日、私個人としても、郵政委員会としても、公聴会は考えられないことだということをはつきり私は申しました。そういうわけで運営委員長も、そのことについては十分了承をいたしているわけでございます。そういうようなことがありましたことは、われわれ国会の立場といたしまして非常に遺憾でありますが、これは自由党でもほんの一部でありますから、その点については誤解のないようにしていただきたい。断じてそういうような措置は起らないということを、私はつきり申し上げまして御了解を願いたい。
○飯塚委員 椎熊委員から、昨日は一人で強く主張されたように御報告がありましたけれども、われわれも運営委員会の末席を汚しておりますので、いち早く発言しようとしたところが、委員長が椎熊委員にわれわれの考えておることと同様の御発言をお許しになつたので、そのまま引下つたのでありまして、椎熊委員もわれわれがあまりに弱体でないということを認識していただきたい。
○椎熊委員 この問題については飯塚委員のたいへん強力なる御主張を聞きまして、反対党ながら頼もしいと存じますが、どうかその意気で善処せられんことを希望いたします。私は委員長に質問いたしましたが、これだけの決意を聞けばもうお答えを願わなくてもけつこうであります。私の質問はこれで終ります。
○尾関委員長 しかしこの際私としても一言申し上げておきます。申すまでもなく基本法である本法が本委員会に付託されておるのでありまして、大蔵委員会に付託せられました両案というものは処理法であります。この観点に立つて、処理法を審議しておる大蔵委員会からの公聴会云々という申入れに耳をかす必要はないと思います。同時に連合審査についても、あるいは決議があつたようなことも承りましたけれども、この問題は、すでに椎熊委員その他の方のおつしやるごとく、もはや異論のない明らかなる法案でありまして、これ以上連合審査会を開会する意思はございません。また必要もないと深く信じております。党においても同様でございます。御了承願いたいと思います。田代文久君。
○田代委員 この法案は、先ほど椎熊委員から申されましたように、わが党としましても、大蔵省からこれが郵政省に返つて来るという復元の問題に対しては双手をあげて賛成であります。ただ問題は、それだけでは片づかない。その返つて来た金がいかに運用されるかということに、一切の問題がかかつておるので、その点がはつきりならないことには、この法案に対して賛意を表するわけに行かない。先ほど椎熊委員から言われました趣旨には、われわれとしましてはまつたく賛成でありますが、問題は抽象的に、そういう社会保障制度、特に住宅問題とかあるいは中小企業者の窮状を救う、また平和産業を発展させるために使うとか、こういう方面に使いたいという希望だけでは問題は片づかないのであります。実際においてそういうことのために、いかに具体的な方策が講ぜられておるか。なお実際にそういう方面に使うためのわくが、どれくらい広げられておるかというような点がはつきりしないことには納得行かないのであります。従つてまず第一に質問したいことは、大蔵省の資金運用部がこれを握つておつたときと、これが今後運用される場合において、社会保障制度とか、そういう面において、実際にどういう差がはつきり出て来るか。またそれに対してはどれくらいのわく、あるいは予算措置を見込んでおられるか、こういう点をはつきりしていただきたいと思うのです。
○白根(玉)政府委員 この法案の執行の際におきましては、先ほど椎熊委員にお答えいたしましたような観点から運用いたしたい、その点は了承していただいておるのであります。しからば大蔵省がやつた時代と、こちらに移つたあとの執行面に対して、どれだけの開きがあるかという御質問であると存じますが、この点は御承知のように、私の方に移管したあとの地方自治体の起債計画にのつとらなければならないのであります。従いまして大蔵省一本でやつておつた時代に比較いたしまして、そういう方面にまわす金、プラス・アルフアの面がどの程度にあるかという、具体的に、数字的にまだ御説明できないのを遺憾に存じております。しかしながらわれわれといたしましては、本年度の余裕金が約三百七十億程度ございます。その金をまわす際におきまして、大蔵省時代に比較いたしまして、そういう方面に重点的にやる気持を持つておるのでございます。
○田代委員 その数字の面は今の御答弁でわかるのですが、しかし少くとも社会保障制度あるいは平和産業の発展、あるいは中小企業を救済するというような面から考えますならば、少くともこの法案の中に、その使途として、今までとははつきり違つた形で、社会保障のためにこれを使うというようなことを明記することができないかどうか。そういう点が出ておりませんと、ただそういう気持で良心的にやりたいということを言われましても、実際における権限は、国家的な資金運営という面から握られて来ますと、だんだん縮小して来る危険があると思うのですが、そういう点はどうですか。社会保障制度のために重点的にこれを使うということを明記する意思があるかどうか。
○白根(玉)政府委員 その点につきましては、法文に明示いたさなくても、戦前における簡易保険の資金の通用は、その方面に力点を置いて参つておるのでございます。そういう意味合いからいたしまして、復元をわれわれ熱望いたしておつたのでございます。従いまして、社会保障制度だけに限るというような法文を書かないでも、戦前における郵政省――当時の逓信省の運用の実態に合せるように、この法案を出しておるわけであります。その点は必ずしも法文にはつきりしないでも御了承いただける、かように存ずる次第であります。
○田代委員 このいただいている資料の中に「簡易生命保険及び郵便年金の積立金等の運用状況(昭和二十七年四月末現在)」というのがありますが、これは二十七年の分ですか、二十六年の分ですか。今申されました戦前における通用状況というものはないようでありますが、この資料はどういう内容でございますか。
○白根(玉)政府委員 これはこちらで金を運用している状況でございまして、昭和二十七年四月末現在の数字でございます。
○田代委員 そうすると過去はいつから始まつておるのですか。
○白根(玉)政府委員 始まつてからでございます。
○田代委員 そうしますとこれで問題ははつきりするわけなんです。たとえば戦前におけるこれに対する運用状況も含まつておるということになるわけですが、そうしますと社会保障制度、特に庶民住宅あるいはその他の福利厚生施設というような面が、十分入つておるという御答弁の結果になると思うのです。実際上におきまして使われておる割合を見ますと、たとえば公共団体の証書貸付なんかは〇・五%、一%にもならない。それから地方債の証券なんかも同じく〇・五%であります。それから社債及び債券が〇・一%、それから契約者に対する貸付が二・二%。結局、こういう割合ではほとんど貸しているか貸していないかわからないような状態なんです。実際においては、資金運用部の預託金に圧倒的になつておりまして、これはおそらく私は福利厚生という面に使われずに、そういう大資本あるいは中央の一方的な運用ということになつているのじやないかということを懸念するわけですが、これの説明はいかがですか。
○白根(玉)政府委員 その点は結局、御説明申し上げますと、戦前の姿における運用で残つておるのは、三十一億程度私の方でやつておりますが、それ以外のものは、御承知のように終戦後マッカーサー書簡によりまして、全部資金運用部の方へ預託するようになつておるのであります。しかも前の証券のごときは、御承知のように物価指数が違つているわけであります。従いましてたとえば二番目に書いてあります地方債の証券というものは、御承知のように、あの貨幣価値の高い時代の数字でございます。それから資金運用部預託金として害いてある金額は、貨幣価値の非常に下つた時代における、インフレ時代の金になつておるのです。従いまして、この数字だけからはそういうように見えますけれども、時代の変遷、貨幣価値の変動、また終戦後における、すべての金を資金運用部に預託して運用しなければならなかつたというような関係を、分析して表に出していないので、そういう御議論が出ると思うのでありますが、その実質はさような実情でございます。
○田代委員 これは戦前の非常に貨幣価値が高くて物価が安かつたときということになりますと、大体の見当でどのくらいの割合になりますか。これではあまりパーセンテージが低過ぎて、社会保障とか何とかということに対して安心するわけに行かない。
○大野説明員 御質問の点は、従来における簡易保険の積立金の運用が、所期の目的とした社会保障的な方面への投資がまことに少いではないかという点にあると思います。それは御指摘の通りなんです。なぜかと言いますと、当初においてこそ、当時の逓信省におきまして本来の趣旨において運用しておつたのでありまするけれども、ちようど支那事変の始まります前後からいわゆる非常事態が始まりまして、当時唱えられました高度国防国家の建設といつたような一つの重要な国家的な要請に応じて、その方への投資を余儀なくされ始めました。そこでまず本来の趣旨がそれ始めたわけであります。それから今度大東亜戦争に突入する。そうするとそこで本来の投資、つまり当時の逓信省においてやつた直接投資をすることをやめて、全面的ではありませんが、一部やめて、大部分はそれを、政府資金を統合運用いたしておりました当時の預金部に預け入れるということになつた。それが戦後においては、ただいまお話しましたように、全面的に預金部に預けられ、昨年からは資金運用部に預けられるということになつたわけです。その行き方が間違つているのではないか。間違つているから、これを復元して、本来の趣旨に投資をすべきではないか、こういうことになつたんです。ですから過去の統計が、数字をごらんになつて、間違つているじやないかとおつしやるのは、まさにその通りで、それなるがゆえに、今日復元の問題が、国会においてこれほどやかましく言われるようになつた、こういうことでございます。
○田代委員 ただいまの答弁によつて私の言わんとする重大問題が出たと思うのです。すなわちはつきりと戦争のあるなしに関せず、国民に対する、あるいは庶民に対する福利厚生というものが確保されないことには、国民の民生、経済の安定というものはない。なおわれわれの理想としましては、世界の人類に戦争が絶対にないという事態を、私たちはもたらさなければならない、絶対平和を確保するという立場で私たちは政策を立てなければならない。従つてそのためには、あらゆる犠牲を払つてもそれをはつきり明記する必要があるし、またそのためにはつきりさせなければならない。ただいまの説明によりますと、戦争前日本が満州に手を出す、あるいは東洋諸国に手を出すというようなことになつたがために、初めの意図のいかんに関せず、いわゆる社会保障という線がだんだんそれて行つて、影が薄くなり、後にはなくなつてしまつて、戦争のためにこれが使われるようになつたという結果になつておるのであります。であればこそ、いかんに関せず、社会保障制度のためにこれを使うという点がはつきり明記されなければ、われわれとしては安心ができないという結論になるのでありまして、私はそういう意味から、これがいかに今後使われるかという問題に対する本質がすでに暴露されているというふうに考えます。私はどうしてもそういう点ははつきり明記しなければ、非常に不安定きわまるものであるということが言えると思うのであります。これは議論になるからその点はやめますが、そういう点でどうしてもこの点を明記させる必要があるし、これはインチキ性を持つているというふうに考えるのであります。
 なお私はお尋ねしたいのですが、つまり契約者に対する貸付の問題です。この契約者と言いますと、地方の、つまり零細な国民諸君がこれに加入されまして集められた資金になるわけです。従つてそれは当然そういう人たちに還元する必要がある。従つてそういう人たちはどういう階層かといいますと、大ざつぱに見まして大体中小商工業者、あるいは農村の農民の方々ということになるだろうと思います。そうするとこういう不況に当面し、そして大産業のために、中小企業あるいは農民諸君が融資の面、金融の面で非常に困つて四苦八苦している場合に、そういう面にこういう金を流用するというのが本筋であろうと思う。従つてそういう場合に、ここに百人なら百人の契約者が集まつて、集団的に、たとえば自分の企業のために一括して使いたいためにこれだけの金を貸してもらいたいというようなことを申請して、こういう法律が適用される場合、実際にこれを運用するときに、そういう希望に対して融資のあつせんをされるというような保障があるかどうか、この点をひとつお尋ねしたいと思います。
○大野説明員 この簡易保険事業の本来の目的が、社会公共のために、ある意味においては社会保障制度の一環として、その点をねらつているということは申し上げるまでもございません。単に積立金の運用の出し方の点のみにそれが現われるわけではありませんで、保険自体、つまり一定の保険事故の発生に対して、簡易に加入していただいた保険の契約の条項に従つて、確実に保険金の支払いをするということ、その制度自体に本来の目的があることは申すまでもないことと存ずるのであります。その本来の使命は、戦争中といえども、戦後といえども、いわんや戦前といえども、その点においては少しもかわりがなかつたのであります。このことをなぜさように申し上げるかというと、今問題になつておりますのは積立金の運用の問題でありますけれども、運用自体は、同時にそのお金は、前会の委員会でも御指摘になりましたように、実質的には零細な加入者、契約者の方々のいわば預り金でございます。そういう預り金を、最も有利に、確実に運用するということも、どうしても忘れてはならない一つの条件でございますから、社会政策的な、あるいは社会保障的なねらいを強調するのあまり、大事な預り金である積立金に、不慮の損失の及ぶようなことがあつてはならない。そこでその辺は両者兼ね合せて適当にやらなければならぬという点を、特に申し上げたかつたわけであります。
 もう一つの点は、先ほどのお話で、今度の運用の法律の中に、今の運用についても社会保障的なねらいをはずさないという点を、何か明記しなければいけないのじやないか、どうもこのままではインチキな法律であるというにおいがするといつた趣旨の御発言がありましたが、これは法律をごらんくださいますと、第三条でありましたかに、運用の範囲を実に狭くしぼつてあります。本来からいいますと、これをもつと広くした方が、運用という面からいうならば有利確実で、確かにその方がよりベターであるはずなんです。にもかかわらずこれをこんなに狭くしぼつているゆえんのものは、従来資金運用部の方に資金を預託して、その方で一方に運用した場合とは非常に趣きを異にしている点が、明瞭に法律の条文に現われている一つの証拠であると言い得るかと思うのであります。資金運用部資金の方では、御承知のように第七条に一号から九号までの運用の範囲が掲げてございます。それは一は国債、二は国に対する貸付、三は法律の定めるところにより、予算について国会の議決を経、又は承認を得なければならない法人の発行する債券、四前号に規定する法人に対する貸付、五番目に初めて地方債が出て来る、六が地方公共団体に対する貸付、七が特別法人の発行する債券の引受、八がこの法人に対する貸付、九に至りますと銀行、農林中金、商工中金等の発行する債券の引受、これがいわゆる金融債といわれるものであります。このように資金運用部の方の運用の範囲が非常に広いのに対しまして、今度の簡保年金積立金は、わずかに一が契約者に対する貸付、二が地方債、三が地方公共団体、これだけにしぼつてあります。ということは言いかえますと、地方債というものは地方公共団体の発行する債券であることは御承知の通りでありますが、そういう地方公共団体というものは、本来公共の目的を存立目的としているわけでありまして、営利追求というような観念は全然その中に入つて来ない。そういうものの資金だけにこれを投資しようというところに、これが本来社会政策的な、あるいは社会保障的な方面への運用目的をはずさないように法律的に縛るということを、はつきりと明示していると言い得るかと思うのであります。
 それから契約者貸付という問題につきまして最後にお尋ねがあつたのですが、もちろん団体を結成しまして、必要な資金を需要される面につきましては、契約者の団体であれば契約者貸付のその方法によりまして、それを実行することができるのでございます。
○田代委員 ただいまわくが狭まつておるという御説明がありましたが、これは以前逓信省が運用権を持つていたときのわくよりも狭まつているのですか。
○大野説明員 その通りでございます。戦前には御承知の通り国債の引受けもできましたし、特別の法人、つまり国策会社の社債や株式までも持つておりました。それが現在の参考資料に出ておりますように、社債、株式というものが、わずかのパーセンテージですが残つておりますゆえんであります。しかし今度の運用ではそれができないことになるわけでございます。
○田代委員 もう一点だけお尋ねしたいのですが、地方から陳情に来ておる、さつきも問題が出ておりましたが、事務の煩雑になるという点で、先ほどの御説明で、大体できるだけそういう煩瑣にならないような方法を考える。つまりそれは地方債一本でこれをやるようにするとかしないとかいうような御説明のようで、何だかはつきりしなかつたのですが、そういうふうになるのですか、その点どうですか。
○白根(玉)政府委員 現在では、起債の許可がありまして、許可に対しまして貸付承認をやるのでございます。その貸付承認をする段階までに起債許可がございますが、その起債許可の際に、市町村から府県に許可の申請をやりまして、それは業者が申請書をやはり書くわけなんです。書いた申請書を中心にしまして、地財委の承認を受けることになります。それだけ一本で行けばいいとも考えられるのでございますが、別途大蔵省としましては、市町村から事業計画説明書というものをとりまして、実に詳しい非常に複雑な申請書を出させて、そして地財委で書類を通して、大体の見当をつけておる際に、大蔵省は大蔵省でもらつた資料をもつて、それでつき合せてやつているのでございます。従いまして大蔵省としては、地方財政監督という問題もある程度あるという観点からおやりになるのでございますけれども、われわれとしましては申請書を二つも書かないでも、われわれの個別的審査をする場合には、地財委を通じて来るルート一本の申請書を通じて審査してもいいんじやないか、こういうふうに考えてできるだけ緩和いたしたい、かような意味であります。
○田代委員 質問を終ります。
○尾関委員長 石原登君。
○石原(登)委員 実は言葉の表現はともかくとして、私のところにはすでにこの法案が提出されて、この運用金が郵政省に還元されるということが明らかになつた今日、どうも脅迫状みたいな手紙が非常にたくさん参つております。電報も参つておる。それでその内容をしさいに検討してみますと、ある一つの意図があるように伺われるのでありまするが、さらにまたこれを掘り下げて考えてみますと、どうもこの簡易保険の積立金の性格に対して一部識者の間でまだまだ十分に納得していない面が相当あるということが、どうしても指摘されるわけであります。今日までこの積立金が、国家産業のためにいろいろな面で非常に大きく寄与しておつた。これがあまりにも寄与しておつたがためであるかもしれませんが、そういうような面からの強力な反対意見というか、反対陳情といいますか、むしろ反対の脅迫状が今でも来ております。ですから私はそういう意味においては、この積立金の性格というものについて、はつきりとしておく必要があると思うのであります。これはただいまは大臣が御出席でありませんから、いずれ大臣の御出席がありました際十分私の議論も申し述べまして、この点を明らかにいたしたいと思います。それだけをまず前提にいたしまして御質問申し上げます。
 まず第一番に私が考えますことは、この法案には非常に不満である。この法律が上程されることになつたということを聞いて、私は非常な喜びを感じましたが、この法律の内容については非常に不満がある。だから先日から議論しております通り、私はこれは一つの過渡的現象におけるところの、これはもう現在においては最大の方法であるという政治的な含みにおいての了解ができております。しかしながらこの法律が、将来に向つても最もベターな法律だとは私は考えない。でありまするから、今日はこの法律の欠陥についても十分に指摘し、将来これをよりよき法律に改正いたしまして、そうしてほんとうにこの簡易保険の事業のための運営が、さらに一段と円滑に行われるというような方向だけは、どうしても明らかにいたしておきたい、かように考えるわけでございます。そういうような観点に立ちまして、私が本法及びさらに旧法でありまするところの簡易生命保険法を勉強いたしますと、この簡易保険は、その第二条におきましてあくまでも営利を目的とするところの事業ではない、これはあくまでも中小企業者以下の零細な国民のための、いわゆる社会政策であるのだということをはつきりとうたつているわけでございます。しかもこの簡易保険法の第六条の第一項並びに四十七条にも明らかでありまする通り、この簡易保険によつてもし利益金が生ずるとするならば、その剰余金はすべてこれは契約者に分配されねばならぬということも明記してございます。しかもこのことは、保険約款に基きまして、契約当初にあたつて契約者との間に十分に約束がしてある。しかるに最近の実情を見ておりますと、こういうような法律に明記した事柄についても約束を果していない。これはまことに残念なことでございます。しからばそれはどういう理由であるかといいますと、この簡易保険のこういうような貴重な金が、国家目的のために非常に安い利息で運用されている。この前も議論いたしましたが、零細な、しかも非常に救済しなければならないような立場の人を救済すべくつくつたところの保険である。政府は今までの運用で行きますと、むしろこの制度によつて国の事業のための金融一般の資金なんだ。むしろ貧乏者が金持を助けているというような事業の運営を行つている。このことだけはどうしても是正しなければならぬと私は思うのでありまするが、こういうような今日の運用について、また今回改正されたところの第三条におけるところの内容、ただいま申しましたところの第一項は別といたしまして、第二項、第三項、これは解釈のいかんによつてはそういうことが十分言えるわけでございます。むしろわれわれに言わすならば、これはいかなる方法をもつてしても、きわめて高利に、最も有利な方法で運用すべきであつて、しかもその運用利益というものが契約者に還元する、こういうような趣旨で行かなければならないと考えるわけであります。この私の理論の根拠は、簡易保険が創設せられました当時、第三十七回帝国議会におけるところの簡易保険法の提案理由の説明においても明らかにこれが示されているところでありますし、また質疑応答の間においても十分このことがうたつてあります。かように考えますときに、今この法律で示されましたところの二項、三項の運用のみではなしに、さらにこういうような契約者の利益擁護のためには、広範囲な運用を認めるべきだと思います。今共産党の田代委員からいろいろ指摘されましたが、断じて戦争目的に使うことは反対でありますけれども、運用方法については、確実に運用して行かなければならない、こういうような考え方であるわけでありますが、この考え方に対する当局のお考えはどうでございましようか。
○白根(玉)政府委員 ただいまのお考え方につきましては全然同感でございます。ただこの法案の運用につきましても第二項、第三項の運用にあたりましては、極力その選択の方針に沿いましてやるということは、毎々申し述べた通りであります。さてその程度のものだけでいいかという問題があろうかと存じます。われわれが市町村債等を中心にしてやりましたのは、有利であり、確実であつて、有利性につきましては一般貸付は六分五厘、証券貸付は八分五厘になつております。ほかの株式とか、社債に比較すれば有利ではございませんけれども、一面確実性も考えなければならないという意味で、二項、三項は貸付対象といたしましても、簡易保険の金の運用の貸付先といたしましてはふさわしいものであることは、間違いないと思います。従いましてさしむきこの程度の運用をするということで御提案申し上げているのでございますが、さてこれだけでいいか、もし有利であり、確実である限りにおいては、市町村を中心として貸付をするというわくにこだわらないで、別わくで有利確実な事業主体があつて、その事業主体の事業内容が社会福祉的な仕事をやつている、そういう面に対して運用することも道を開いてはどうか、こういう点につきましては将来考えるべき点だと存じておりますが、ただいまの状況からいたしますと、御承知のように市町村を中心とする貸付の資金源と、供給源と、需要との関係からいたしまして、現在の国家資金の現状からも考えてみますと、さしむきは二項、三項程度の運営でやつて行くようにいたしまして、将来状況がかわれば、御趣旨のように別わく的な方面に対しましても、簡易保険の資金の運用にふさわしい客体を探しまして、それに投資するような方法も考慮いたしたい、かように存ずるのであります。
○石原(登)委員 これは古い話ですが、簡易保険法ができた当時、この資金は一般の財政の運用には断じて使わない、こういう答弁をせられまして、保険金運用の方向が一応はつきり指示されたわけでありますが、今日地方債は、一般の財源ではないというふうな御解釈でありますか。
○白根(玉)政府委員 地方債は形式上では一般の財源と一応見られております。しかしながらわれわれの選択する対象といたしましては、一般の財源的な面に重点を置いてやるのではなくて、一般財源として、当該市町村でこういう仕事をやりたい、ああいう仕事をやりたい、そのためには現在の市町村の財政状況ではまかない切れない、従つて資金を借りてやらなければならないという意味から言いますると、資金的に見れば一般の財源の補充だろうと思うのです。しかし私たちが運用する際においては、その一般財源的な面に対して注意を払うのではなくて、そのものは地財委なり、府県の許可で見るべきものだと思います。われわれの運用の際に問題になりますのは、その外部資金を借りてやる事業が、簡易保険の資金の投資対象としてふさわしいものであるかどうかということに力点を置いてやりたい、かように存じております。
○石原(登)委員 それでは重ねてお尋ねいたしますが、この地方債の内容は、今やつておるものにはいろいろあります。たとえば政府がやつておるところの公共事業の地元負担金の地方債、あるいは単独事業としての地元の自主的な起債、こういうふうなものがあるわけです。今郵政省暦運用の対象として考えておるところの地方債というのは、そういう公共事業の地元で負担すべきところのものを予想するのではなくて、むしろ後者の、単独企業としての地方債を予想されておるわけでありますかどうですか。
○白根(玉)政府委員 おつしやる通りでありまして、われわれの力点を置きたいところは、公共事業の方には力点を置かないで、むしろ単独企業、公営企業、その方面に力点を置きたい。かように存じております。
○石原(登)委員 それではつきりわかりました。非常によいことだと考えます。それでこれは根本的な議論になりますが、先日も申しました通り公共団体に限らず、あるいは個人に限らず、地方の資金が非常に枯渇いたしております。この簡易保険法が制定された当時の代議士も、地方から資金を吸収されて、それが中央によつてのみ運用されることを非常におそれておりまして、これは今日記録にも明らかになつておる。ところがこの記録にも明らかな、当時私どもの先輩が憂えたことが、今日事実となつて現われて来ておるということは、私ども非常に残念でたまりません。今日、地方中央を通じて資金が苦しいことはわかつておりますが、中央よりも地方が非常に資金に困つております。そういうような状態を考えますとき、郵政省を通じて昔の農工銀行、あるいは勧業銀行のような方法によるところの貸付の道をどうしても開いてもらわなくちやならないということを、私は強く主張いたしたいと思うのであります。そこでこの第三条に示された一般の地方債と、第三号のいわゆる政令により定められたところの公共団体に対する貸付、これは来年の貸付は大体三百七十億円というような御予想のようですが、その一応の振割りについて、何らかそこにお考えがありますかどうか、その点を承つておきたいと思います。
○白根(玉)政府委員 たいへん相済まないのでございますが、御承知のようにわれわれといたしましては、ただいま運用はいたしておらないのであります。しかもその振りわけの実情は、地財委その他から聞けば一応わかることではありますけれども、運用自体は来年度、四月一日からやることになつております。そのときの状況を見てやらなければわからないのであります。振りわけをどの程度にやつて行くかは、ただいまのところははつきり申し上げかねます。
○石原(登)委員 本法の提出にあたりまして、閣議でも問題になりまして、農林中金とかあるいは商工中金に対して、大きくまとめて貸し出したらどうかというような議論があつたように聞き及んでおるわけであります。もちろんこういうような意見に対しましては私どもは全面的に反対でありまして、決して簡易生命保険積立金のいわゆる運用復元の本法の趣旨に合致いたさないわけであります。もしこういうような考え方が事実あれば、これに対して事務当局は、今日どういうふうに考えておられますか、この点をちよつと伺つておきたいと思います。
○白根(玉)政府委員 確かに農林省の方からそういうような申入れはあつたのであります。しかしながらそういう申入れの点につきましては、一例を申し上げますと、農林漁業資金融通法による農林漁業資金融通特別会計に融資するといたしますと、この実態は、一般会計なり対日援助資金から外部資金として一応借り入れるようなものでありまして、実はその実態がいろいろ客観的に制肘され、繰入金等に左右される会計でございますので、そういう会計にわれわれ郵政省から融資するということについては反対でございまして、むしろ許されれば、そういうのではなくて、個々の有利確実である事業につきまして、たとえば土功組合、水利組合につきまして、有利確実であるということを個々的に審査いたしまして、別わくで直接に融資することにつきまして農林省が御賛成であるならば、この政令によりまして実際運用をいたしたい、かように存じております。
○石原(登)委員 ただいまの言明を聞きまして安心をいたしました。ぜひともそういう趣旨でなくてはならないと思います。
 それからもう一つ、本法が制定された根本は、郵政省に復元しなければならぬということで、だからこれは新たな貸出しを計画したわけではありません。復元ということは申すまでもなく従来の通りの運用の処置をとることで、従来の通りの運用というと、相当かけ離れておる。この点はどうか誤りのないように、これはたびたび言うことでありますが、過渡的な一つの現われとして、私どもはやむを得ずこの程度で承認するということになりましようから、あくまでも精神は復元するのだ、こういうような気持で、実際の運用については十分御注意が願わしい、かように考える次第であります。
 それから法律の三条の第二項でありますが、「積立金は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による運用をするまで大蔵省資金運用部に預託することができる。」と書いてある。ところが一方今度は、大蔵省から提案されましたところの資金運用部資金法の一部を改正する法律案の附則の第二項によつて見ますと、「昭和二十八年三月三十一日現在の簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金でこの項の規定施行の際資金運用部に預託されているもののうち、政令で定めるものの資金運用部への預託については、なお従前の例による。」こういうふうに書いてある。この法律をまつすぐに読みますと、どうも郵政省が先日私の質問に対して御答弁になつた趣旨と違う。さらに特別会計法を見てみますと、この特別会計法にもどうもわれわれは了承できないところがある。第八条の、各勘定において支払上現金に余裕あるときはこれを大蔵省預金部に預け入れるべし、これは古い書物ですから、生きておるのか死んでおるのかわかりませんが、もしこういうような決定的な条文が今もなお生きているとするならば、この第二条の解釈はよほどかわつて来やしないか。さらにまた大蔵省から提案されておりますところのこの資金法の表現とよほど違うのじやないかと思いますが、この間の解釈はどういうふうにお考えでございますか。この二項の資金運用部に預託できるということは、こちらの考え方か、あるいは市中銀行に預託してもよい、こういうような意味に解してよいのかどうか。
○白根(玉)政府委員 これはそういう意味ではないのでございまして、御承知のように、簡易保険の金といたしましては、入つて来る金は、一年間は余裕金の姿で行くのでございます。決算上の余裕金は決算したあとで積立金に編入されるのでございます。そこで初めて運用原資になるのでございますが、この原資は、放資対象がきまつて運用されるまでには、時間の余裕が相当あるのでございます。昔はそういう際におきましては、一時証券を買つたり、株式を買つたりしておつたわけなのであります。そういうものは運用で認められておつたのでありますが、この法律はそういう点をとめております。従いまして、放資体がきまるまでその金をどうするかという問題があるのでございます。そういたしますと、おつしやるように市中銀行に預けたらどうかということも考えられぬこともないのでございますが、現在の法制からいたしますと、国庫金の範囲に属する積立金ということに会計法上なつております。国庫金の範囲に属する積立金は、市中銀行に預託することはできないことになつておりまして、すべて日本銀行の簡易保険歳入歳出外現金出納管理の預託金口座に入れなければならぬことになつておりますが、これは性質上は非常に少額なものであり、しかも一時のものを対象にいたしておる関係からいたしまして、利子がつかないことに相なつております。そういたしますと、市中銀行に預けることもできませんし、日本銀行に預託するのでは無利子でございますし、しかも制度から行きますと短期であり、少額を目安にした方法でございます。そこでいくら探しても資金運用部以外にはない。資金運用部の方にやる方が利子も高くなる。こういうようなかつこうで、預託することができることになつておりまして、資金運用部と故意に結び合せようという観点からやるのではなくて、金繰りの面からそういうようにやる方がいいという観点からやつておるのであります。
○石原(登)委員 ただいまの説明で大体わかりました。しかし私は、あくまでもこれは国家資金であるという法律的な、理論的な考え方についてまだ疑義があるから、これは後日に譲ることにいたします。
 次に、本法の附則の二項と資金運用部資金法の附則の第二、これの読み方に、私は非常に疑惑を持つ。おそらく事務当局としても、閣議においても了承された事項であろうと思いますが、この二つの関連したものが、字句の上ではまつたく相反するような意味に読まれるような表現になつております。これはどういうふうに御解釈になるか。私は、先日私の質問に対しての郵政省の答弁に十分満足いたしたのでありまするけれども、念のためにこの資金法の一部改正案を読んでみると、どうも手放しで安心ができない。この点について伺いたい。
○白根(玉)政府委員 まずこちらの法律の第二項の趣旨は、先般御説明申し上げましたが、重ねて御説明申し上げます。本法によつて運用しようとする積立金につきましては、当面昭和二十八年度以降の新規編入金であつて、昭和二十七年度以前の資金運用部に預託してあります積立金は、預託期限の到来と同時に随時引上げることができるような法律になつております。従いましてこれを引上げて新規の運用原資に加えて行くというのが建前的な考え方であると思うわけであります。しかしながらこちらの運用の実際面から申しますと、それを引上げて運用するにあたりまして、一時にそういう金がいる場合でもないのであります。一面向うとの事情も考えなければならない。従つて預託期限が来たら引上げることはできるけれども、その引上げ得る限度は政令で定めようという趣旨であります。それから資金運用部資金法の一部を改正する法律案の附則の二項は、こちらで引上げた残りについては、なお従前の例によるという意味でございまして、政令と両方とも書いてございますが、この政令は二本の政令によるのであります。
○石原(登)委員 ただいまの答弁でよくわかり、納得いたしました。
 次にお尋ねいたします。地方のこの起債について、郵政省が大体どういうふうな形で関与して、この郵政省の、あるいはまた本委員会でこんなに熱心に審議するところの精神を、どのような形で盛ることができるか。これは事務的なことでありますから、この点について事務当局の御説明を願いたいと思います。
○白根(玉)政府委員 大体今地方財政委員会で行つている地方起債の許可承認手続のポイントを説明しつつ、私どもの考え方を申し上げたい、かように存じております。まず起債をやるにあたりましては、起債総額のわくをきめなければならないと思います。このわくをきめるにあたりましては二つの要素からきめるのであります。一つは地方予算の推計を立て、一つは国の金融政策の観点からきめることでありますので、要素によつてきめることに相なるのでございます。それで地方予算の推計を立てるのは地方財政委員会であります。地方の骨格予算から過去の実績を参照して、年間の所要経費と収入経費を推定いたしまして、地方予算の推計をきめるのであります。これが総わくをきめる一つの要素であります。一面の要素として国の金融政策からする観点は、実質上実際面といたしましては、国の金融政策は安本もタツチする事柄だと思います。実際の運用といたしましては、資金運用部資金の地方債融資可能額を算定いたしまして、これと先ほど御説明申し上げました地方予算の推計とをかみ合せて決定することに相なります。この国の金融政策の面の算定は大蔵省でやつておるのであります。従いましてこのたび地方債原資の面は大蔵省、資金運用部と私の方になると存じます。従いまして国の金融政策の面にわれわれはタッチし得ると思います。従来は総額をきめるにあたりましては大蔵省と地財委だけで協議しておりましたが、われわれは国の金融政策の、いわゆる地方債融資可能額の一部を担当しておる面からいたしまして、総額のわくの決定についてわれわれの協議を受ける筋合いがあるのではなかろうか、かように存じております。
 次は詮議方針でございますが、現在やつておるのは、起債総額の決定と同時に、地財委と大蔵省と協議いたしまして、年間における地方公共団体の事業がございます。先ほど来御説明申し上げましたように、単独企業とか、公営企業とか、公共事業とかいうのがございます。これらの事業の中でいずれに重点を置くかという基本方針をきめ、詮議方針をきめるのであります。その際におきましては、われわれの希望といたしましては、簡易保険の金の運用が、事業の実態に合うような運用をしたいためには、投資事業について相当な関心を持つておるのであります。従いましてわれわれは、地方の財政監督という意味からはタッチする必要はないけれども、投資者である建前からいたしまして、しかも事業にふさわしい投資をいたす必要がありますので、そういう観点からこれらの審議方針をきめるにつきましても、われわれはそれに関与いたしたいと考えておるのであります。さてそれらがきまりますと、この方針に基きまして個々の地方町村から申請が来ます。その申請に対しては、やはり従来地財委の希望を尊重しております。それでその希望を尊重いたしまして、郵政省から借りたいのがどのくらい、大蔵省から借りたいのがどのくらいときまると思います。それがすぽつと入れば、従来それにつきましては大体府県で順位をつけて参つております、その順位にわれわれとしては必ずしもこだわるわけではございません。いずれにせよそういう郵政省に対する融資の希望額とこちらのわくがはまらないときがございます。そういたしますと、残つた分は向うの地財委の更正決定になつて大蔵省の方に行くことになつております。逆に大蔵省に対する要求の方が多くてわく以上に来る場合もあれば、両方とも多い場合もあると思います。そういうときにあたりましては締切り前に、われわれは地財委とよく相談をいたしまして締めて行きたい、かように存ずる次第でございます。
○石原(登)委員 ただいまの説明で了承いたしました。
 そこで第三条第一項の三号に示された「地方公共団体その他政令で定める公共団体に対する貸付」についてでありますが、御提出になつた資料によりますと、その他の地方公共団体というのは、土地改良区並びに水害予防組合を大体予想しておられるように書いてあるのであります。これは何ゆえに土地改良区、水害予防組合だけをあげられたのであるか、この根拠をお尋ねいたしたい。もちろんこういうところにも必要でありますけれども、先ほど椎熊委員その他の委員からも言われた通りに、中小商工業者はどうするつもりなのか、あるいは中小漁民はどうしてもらえるのか、あるいは薄給者はどういうふうにしてもらえるのか、こういう直接に救済してやらなくてはならぬような多くの人たちが、この示された法律によつては救済の対象になつていないわけであります。どうしてこの土地改良区と水害予防組合だけをこの中に取入れられたのか、また将来今申し上げたような中小商工業者とかあるいは漁民とか、薄給者とかいう人たちを救済する道を早急にお開きになつて、いわゆる政令をもつてこれらのものを追加規定されるところの御意思があるかどうか伺いたいと思います。
○白根(玉)政府委員 おつしやるように土地改良区、水害予防組合以外につきましても法律で規定したらどうかというお話があるだろうと存じておりましたところ、その通りの御質問が今あつたのでありますが、実はその程度を必ずしもそこに限定するという考え方ではないのでありまして、例示的に申し上げたのでございます。しかしその範囲をきめるにあたりまして例示を二つしたのは、例示にふさわしいという意味を御説明申し上げますと、土地改良区のごときは、御承知のように農地改良、開発、保全なり、交換分合によつて集団化することを事業といたしまして、しかもそれが地域団体でございます。団体員は強制加入であり、賦課金を徴収することのできるような程度の地域団体であります。従いまして起債能力があるわけでございます。御承知のように土地改良区債とかいうので、起債能力というものがあつて、有利で確実性もあるわけでございます。それから水害予防組合も、御承知のように堤防なり、閘門なりによる水害防禦事業を主体とする地域団体でありまして、これまた団体員は強制加入であり、しかも費用を強制徴収することができるようなものでございまして、確実な面としましても起債能力があるのでございます。こういうような確実であり有利であるような事業実体がそれ以外にありまして、それでどうしてもそこまで行く必要があるとすれば、政令で広げることはやぶさかでないのであります。
○石原(登)委員 例示であつて、さらにこの起債の範囲は政令で広げるのだ、こういう御意見でこれまた安心をいたしました。
 そこで私は従前行つておりました貸付、たとえば実費診療所とか産院というようなものは、当然つくらなければならぬものだと思います。特にこの簡易保険の六十九条によりますと、郵政大臣は被保険者の健康を保持するために必要な保険施設をつくらなければならぬということが、ちやんと法律でうたつてある。そして従前は、簡易保険の健康相談所というのがたしかあつたと思いますが、これも戦争の途中に取上げられて、今日では厚生省の方へ行つております。従つてこれは簡易保険の被保険者の努力の結晶によつてできたものが、今日これを十分利用するところの道が開かれていない。私はこれが厚生省に行つたことについては決して反対はいたしませんが、せめて簡易保険の契約者が、こういうものをいわゆる優先利用できるくらいの道は開いてもらいたい。こういうことは当然法律できめてあつて、これは簡易保険の契約者に対する政府の一つの義務規定である。かように考えてみますと、私が申し上げる実費診療機関とか、産院とか、あるいは公営浴場とか、託児所というようなものは、ぜひともつくつてもらわなければならぬ、かように考えております。そのほか従前行つでおりました高利債の負債整理組合ですか、ああいつたもの、あるいは日雇い労務者の賃金の立てかえ支給とか、少くとも従来運用されておられたこういうような面の程度までは拡張される御意思がありますか、その点だけをお尋ねしたいと思います。
○白根(玉)政府委員 おつしやいました各種事業のうちで、地方公共団体を通じてやつている事業と、営利を目的としない法人または組合を対象にしている事業と両方ともお触れになつたと思いますが、地方公共団体を通じての貸付につきましては、先ほど申し上げたような趣旨に基きまして、おつしやるような趣旨に重点を置いて貸付の方に行かなければならぬと存じております。問題は営利を目的としない法人なり組合がありまして、それに貸付する方法を考えたらどうかということに尽きると思うのでありますが、その点はなるほどおつしやるようにこの法案には入つておりません。これは御承知のような現段階でございまして、やむなく入つてないのでございますが、将来におきましてはその線の方に向つて行くべきものであろうと存じております。
○石原(登)委員 本資金の運用について、地方の郵政局が行う役割、また本省と地方の郵政局との権限の問題は、おそらく従前の例にならわれることであろうと思いますが、この間の関連はどういうふうになつているか伺いたい。特に私が発言をいたしますのは、この資金の獲得について、地方の従業員が並々ならぬ苦労をいたしております。実はけさの自由党の総務会におきまして私初めて聞いた言葉でありますが、どういう人だつたか知らぬが、相当有力な人から聞き捨てならぬ発言があつた。割当が非常に大きいために、その土地の郵便局長あるいは局員が東京にまで出て来て、当局の有力者に、どうしてもこれだけの割当を完遂するためにぜひ入つてくれというような要望があるということを言つておりましたから、私はそのようなことは断じてないと強く言つたのであります。しかしながら相手は相当確信のあるような議論をしておつたわけでありますが、今日の郵政省の割当は、そんなに強制的であり、そんなに地方の従業員を拘束しているものであるかどうか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○白根(玉)政府委員 まず一点は、このたび郵政省へ運用が復元した際において、郵政局長にどれだけの権限が与えられるか、本省の権限と郵政局長の権限との限界いかんというお話であろうと思います。この点につきましては、戦前は郵政局長の権限と本省の権限とをはつきりわけておりました。その当時におきましては、起債額と金を借りることとは、無関係ではないけれども、起債は起債、借入れは借入れで、起債のわくは借入れ総額よりはねて許可した場合もあるわけであります。ところが現状におきましては、起債の許可の際において、はたして貸す金がそこまで及ぶか及ばぬかということまで考慮いたしまして、地方自治庁で締めているわけでありますが、現状におきまして地財委でやつているやり方といたしますと、地方庁の許可というのは形式的でありまして、ほぼ中央で締めているわけであります。従つて形式的な面から行けばすべて地方庁を通じて行つている。また貸す側の大蔵省といたしましても、府県なり五大市を除けば、形式上は主として財務局長にまかせるようなかつこうになつて、特殊のものだけ承認をすることになつております。従つて私どもといたしましては、財務局長の形式上の権限が相当強い現状から見ますと、地方分権というか、そういう意味から言つても、できるだけ地方の郵政局長に権限を委譲したいとは思いますが、現在の実情に基き、こちらはどうやるかということがまだそこまではつきり固まつておりません。考え方といたしましては現在形式上ながらも地方財務局長の権限が強くなつておりますので、それに対応するように郵政局長に対してもできるだけ権限はまかせたい。しかし手放しにまかせるのではなくて、中央でぐつと締める方法で形式上はまかせるという考え方で行つたらどうか。抽象的でございますが、そういう考え方で今後やりたいと思つております。
○石原(登)委員 私がこれを聞きますのは、実は私は起債の実情をいささか知つている。今年の一月ごろ申し込んだものが、実際に金が借りられるのは九月か十月です。そうするとすでに年度の半分を過ぎていて、実際の仕事ができないという実情です。そういうことでは非常にまずいので、少くとも郵政省が運用される以上、もつとスピーディにこの処理が行かなければならないと思います。これは私のちよつとした思いつきでありますが、たとえば全体の資金額を郵政省できめたならば、各郵政局にこれこれの範囲内において融資を認めるという話でもあれば、郵政局長はその範囲によつて相当いろいろな整備ができるだろうと思う。同時にまた今後の資金の運用あるいは貸付のサービスその他において、将来大蔵省とも競合するだろう。そうすると私どもは絶対に郵政省がこれを運用するから借りてよろしいという見地に立つて、相当の努力をいたしましたときに、当然その責任を遂行するのではないか、こういうときに、もし郵政省でやつた方が大蔵省の運用よりもまずかつたという結果になることは、非常にわれわれのおそれるところであります。起債運用の中で一番困るのは、わざわざ地方からわずかの金のために東京に来て、しかも東京に一週間も十日も滞在して、なおかつはつきりと事態をつかむことができないために、年内に二回も三回も、多いときは七回も八回も上京するという事例が少くないわけであります。従つて郵政局においてほぼ大丈夫だつたというものは、中央に来ても大体間違いないというようにまで、中央と地方郵政局との間の連繋がとれますれば、この一点だけでも郵政省の一般起債認可に対する信用は相当高まると考えますので、この質問を申し上げたわけであります。従来郵政省においては、地方と中央の権限争いということは見られなかつたことでありますし、今後も断じてそういうことがあろうとは思わないのでありますが、外部に対して十分の放資ができるためには、相当この点の連絡について万遺憾なきを期していただきたい、こういう趣旨でありますから、この点は誤解のないようにお願い申し上げます。最後にお尋ねいたしまするが、大体貸し出すことははつきりわかりましたが、貸し出す金額並びに貸し出す期間その他についてどういうふうにお考えでありますか。金額は最高一件当りどのくらいまで貸せるのか、それから期間については、もちろん疲弊しておる市町村でありますから、できるだけ長期にわたつての貸出しを希望しておることは事実であります。そこで郵政省では、期間はどのくらい、金額は一件当り最高どの程度を予想しておるのでございますか。
○白根(玉)政府委員 最低の面につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、現在では、たとえば町村は三十万円以下には貸してはいかぬということになつておりますが、これは別途地財委あたりとも御相談申し上げまして、この制限を、三十万円以下には貸さないということがいいかどうか検討の上で、これをさらに引上げることはしないけれども、引下げることを考えてみたいと思います。最高の面につきましては、現在制限はないのでありますが、これは個別詮議で、資金のわくと相談しながらやらなければならないと思うのであります。期間につきましては、五年のすえ置きあたりもありますが、最長は二十年程度に、現在大蔵省でもやつておりますし、二十年程度のものが最長だろうと思います。
○石原(登)委員 終戦前にやつておつたときも、最も長いのは二十年でしようか。
○白根(玉)政府委員 前も最長二十年でありました。
○石原(登)委員 あと根本的なことについてお尋ねしたいことがありますが、これはいずれ明日でも大臣にお尋ねすることにいたしまして、この機会に、私がこの前質問して、答弁だけを保留しておいた問題について、お答えいただきたいと思います。
○白根(玉)政府委員 御質問の御趣旨は、運用再開によりまして利ざやが有利なものになるのではないか、有利な面も出るのであるから、この際加入者の利益のために、たとえば保険料の引下げとか、また非常に貧困な人には、保険料の免除とか、減額とかということをやつたらどうか、それに対する対策を、次の郵政委員会の際に説明していただきたい、こういうような御質問だつたろうと存じます。なるほど復元いたしますと、少くとも五分五厘に対して、地方貸付は最小限六分五厘でありますから、一分の利益があるわけであります。しかしながら来年四月一日から実施する建前からいたしまして、やはり資金運用部との関係等も考えまして、本年度の余裕金を来年度の積立金として引出す際においては、やはり預託期間を短期にしなければならぬ面も出ると思います。従いまして短期の預託のために、利ざやは五分五厘より低くなるのであります。一面放資対象がきまりまして地方債を引受けますと、六分五厘程度になるわけであります。従いまして放資対象がきまりまして、なるべく早く地方債を引受けて貸出しができれば、その方の利ざやの面も一分のプラスになるわけであります。ところが起債の関係は、実情から申しますと、なかなか遅れるわけであります。一面本年度の余裕金自体は短期にしなければならぬという面を、かれこれ計算してみますと、来年度においては、必ずしも現状より利ざやがふえるわけではないのであります。但し二十九年度からは、年々三億程度の増になつて参ります。そういうような明るい見通しにはなつておるのであります。そういう明るい見通しであるから、しからば来年度はそうならないでもやつたらどうか、こういうお話もあろうかと思います。それらの関係を考慮いたしまして、できるだけすみやかな機会に、加入者の利益になるような方法で実施をいたしたい。いつ、どの程度ということは、まだここで御説明するのにちよつと確信がないのであります。御趣旨のように、できるだけ早くそういうような方法に実施して行きたいと存じております。一面貧困者に対する関係でございますが、これは貧困者の程度その他も相当むづかしゆうございまして、これから研究してみたいと思いますが、なかなかちよつとむづかしいじやないかと思つております。
○石原(登)委員 特別会計は、余剰金があつたら国庫に納付する義務はなかつたですね。全部特別会計はその中で処分していいと思いますが、その通りですか。
○白根(玉)政府委員 その通りでございます。
○石原(登)委員 三年先か四年先かには、当然利益があるわけです。もちろん利益がないなら、こういうような制度にはわれわれは賛成しないわけですから、今やれという意味でなしに、その利益をどうするかという一般的な方向がわからなければいけないと思う。言いかえれば、契約者の利益を擁護するためには、たとえば保険料を下げるとか、あるいはそういう人たちのために診療所をつくつてやるとか、それくらいのことははつきりと勇敢に言明があつていいと私は考えます。さつき言つたいわゆる零細民の保険料の免除あるいは割引ですが、もちろん零細民をどういうふうに選ぶかということは、いろいろ問題があろうと思いますけれども、困つておる人は、政府が生活扶助金を与えておるから、こういうものも対象として考えられると思いますので、今すぐ即答は求めませんが、この問題についてもぜひ御研究を願い、簡易保険の創設された本来の趣旨に一段と合致するように、政府の特別の施策を切に希望いたしたいと存じます。以下をもつて私の本日の質問を打切ります。
○尾関委員長 本案に対する質疑はこの程度にとどめ、明二十九日午前十一時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十九分散会