第015回国会 本会議 第15号
昭和二十七年十二月十七日(水曜日)
 議事日程 第十四号
    午後一時開議
 第一 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第三 船員保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 てん菜生産振興臨時措置法案(野原正勝君外四十一名提出)
 第六 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国有鉄道に関する件)
 第七 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(専売公社に関する件)
 第八 外航船舶建造融資利子補給法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第二 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第三 船員保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 てん菜生産振興臨時措置法案(野原正勝君外四十一名提出)
 日程第六 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国有鉄道に関する件)
 日程第七 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(専売公社に関する件)
 日程第八 外航船舶建造融資利子補給法案(内閣提出)
 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日本国とアメリカ合衆国との間の民間航空運送協定の締結について承認を求めるの件
 中小漁業融資保証法案(内閣提出)
    午後四時十七分開議
○議長(大野伴睦君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○久野忠治君 日程第一は延期されんことを望みます。
○議長(大野伴睦君) 久野君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大野伴睦君) 御異議なしと認めます。よつて日程第一は延期するに決しました。
     ――――◇―――――
 第二 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第三 船員保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(大野伴睦君) 日程第二、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案、日程第三、船員保険法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員会理事野澤清人君。
    〔野澤清人君登壇〕
○野澤清人君 ただいま議題となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案並びに船員保険法の一部を改正する法律案につきまして、厚生委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案について申し上げます。現行法によれば、旧看護婦規則により看護婦免許を受けた者は、新制度の保健婦学校、養成所または助産婦学校、養成所を卒業いたしましても、保健婦国家試験または助産婦国家試験を受けることができないので、これらの者にそれぞれの国家試験を受けることができるようにすることであります。
 本法案は、十一月二十四日、予備審査のため本委員会に付託せられ、同二十六日、厚生大臣より提案理由の説明を聴取したのであります。かくて、十二月十二日本付託となり、同十六日審議に入り、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全会一致をもつて可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、船員保険漢の一部を改正する法律案について申し上げます。現行法では、失業保険金の日額は、被保険者の資格喪失前二箇月間の標準報酬日額を平均して得た額の六割とし、その額の最高は三百七十円を越えることを得ないことと規定されております。しかるに、最近の経済情勢の推移にかんがみまするのに、その最高限を三百七十円とすることは実情に沿わなくなり、これを引上げる必要が認められるに至りましたが、最高額を直接に法律によつてのみ改正する建前によりますと、早急に改正する措置を講じ得ないおそれがございます。しかるに、陸上の労働者を対象とする失業保険におきましては、毎月勤労統計を基礎として労働大臣が失業保険金額表を改正し、平均給与額の上昇または低下に応じて保険日額を定めることとされておりますので、この際、船員保険におきましては、失業保険金の日額の最高額につきまして、陸上の失業保険の失業保険金額表が改正されました場合は、その表における保険金日額の最高額を基準として、厚生大臣が社会保険審議会の意見を聞いて定めることとし、もつて被保険者の保護に遺憾なからしめようとするものであります。以上が本法律案提出の理由並びにその大要であります。
 本法律案は、十二月十六日、本委員会に付託、同日政府より提案理由の説明を聴取した後審議に入り、討論を省略して採決に入りましたところ、全会一致をもつて可決すべきものと議決した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(大野伴睦君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大野伴睦君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第四 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(大野伴睦君) 日程第四、外務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長船田中君。
    〔船田中君登壇〕
○船田中君 ただいま議題となりました外務省設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、外務省に神戸移住あつ施所という付属機関を設置するため、外務省設置法の一部を改正せんとするものであります。
 近時、海外移住者はようやくその数を加えつつありまして、現に二、三の諸国においては、日本移民の誘致につき具体的な計画を進めつつある際でもありますので、このあつせん所を設けて、できるだけ優秀な移民を多数送り出す目的をもつて、移民に必要な教育を与え、その渡航手続をあつせんしようとするものであります。
 本案は、十二月二日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、質疑を行い、十六日、討論省略、採決の結果、全会一致をもつて原案の通り議決いたしました。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
○議長(大野伴睦君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大野伴睦君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第五 てん菜生産振興臨時措置法案(野原正勝君外四十一名提出)
○議長(大野伴睦君) 日程第五、てん菜生産振興臨時措置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員青木正君。
    〔青木正君登壇〕
○青木正君 ただいま議題と相なりました、野原正勝君外四十一名提出、てん菜生産振興臨時措置法案につきまして、農林委員会におきまする審議の経過並びに結果の大要を御報告いたします。
 てんさいは、冷害に対し強靱であります上に、砂糖原料の工芸作物として、またその副産物の茎葉及びビート・パルプは貴重な家畜飼料として利用され、かつまたてんさい跡地は他作物の増収に好影響を与えます等、北方寒地農業の適地作物として広く推奨されているのでありますが、わが国におきましては、大正九年北海道にてんさいが導入せられましてから、北海道農業の開発に多大の貢献をいたして参つたのでありまして北海道農業の特殊性にかんがみ、今後一段とその向上発展を期すべきことは、もとより当然のことであります。しかるに、他方、今次敗戦によりまして台湾を喪失いたし、砂糖を自給いたしておりましたわが国は、今やそのほとんど大部分を海外から輸入しなければならぬ状態と相なり、国内砂糖の生産増強は、わが国の食糧自給、経済自立上きわめて重要なる案件となつて参つております。それにもかかわらず、最近における輸入糖価格の異常な低落は、てんさいの栽培を強度に圧迫いたし、このまま放置いたしますれば、てんさい栽培はまつたく不可能となり、ひいては北方寒地農業の確立発展上にも多大の支障を来すものと考えられるのであります。以上の、ごとき状態と理由とによりましてこの際、てんさい栽培を保持強化いたし、北方寒地農業の合理的発展に資するとともに、あわせて国内糖の自給度をも向上いたす措置を講ずるため、ここに本法案を提出することと相なつたのであります。
 次に本法案の要点を申し上げますと、一、一定の計画のもとで、てんさい栽培の合理的発展に必要な経費の一部を国で補助し、その生産の拡張をはかることといたしたこと、二、農家のてんさいの最低価格を支持するため、特に必要があると認めたるときは、てんさい糖の政府買入れを行うこととすることの二つであります。
 本法案は、去る十二月十五日、本農林委員会付託と相なり、同日、提案者を代表して野原委員より提案理由の説明を聴取いたしましたる上、同日及び翌十六日の両日質疑を行いました。その際、自由党中馬委員、社会党井上委員、同じく社会党足鹿、芳賀の両委員から御発言がございましたが、詳細は速記録に譲りたいと存じます。
 次いで、昨十六日、改進党高倉委員より、質疑、討論を省略して、ただちに採決すべしとの動議が提出され、多数をもつて可決せられました。よつてただちに採決を行いましたるところ、多数をもつて原案の通り可決いたした次第であ参ます。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(大野伴睦君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大野伴睦君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第六 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国有鉄道に関する件)
 第七 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(専売公社に関する件)
○議長(大野伴睦君) 日程第六、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国有鉄道に関する件)、日程第七、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(専売公社に関する件)、右両件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。労働委員長田中伊三次君。
    〔田中伊三次君登壇〕
○田中伊三次君 ただいま議題となりました、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、内閣提出、議決第一号、すなわち国鉄裁定、及び第二号、すなわち専売裁定の両件につきまして、労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず議決第一号について申し上げます。
 国鉄労働組合は、本年二月、日本国有鉄道に対して、昭和二十七年度の賃金の改訂及びその増額の要求をいたしましたが、経理上の理由によりまして拒否せらるるに至りましたので、本年三月、国有鉄道中央調停委員会に対して調停の申請をいたしたのでございます。調停委員会は、討議の結果、五月になりまして、公共企業体等仲裁委員会に対して仲裁の請求を行い、仲裁委員会は、審議の結果、八月十三日に至り、おおむね次のような裁定を下しました。
 すなわち、日本国有鉄道における職員の基本給、この基本給は本俸に扶養家族手当と勤務地手当を加えたものでございますが、これを本年八月一日以降平均一万三千四百円とする。また特殊勤務地手当については、両当事者の団体交渉により、従来のものを改訂する。その実施の時期は前項に準ずる。また寒冷地給、石炭手当、薪炭手当は、これを一本化して、地域別、世帯構成別に段階的定額制をとることといたし、両当事者の団体交渉により、従来のものをいずれも改訂する。年末手当については、両当事者の団体交渉によつてきめる。こういう内容でございます。
 そこで、政府は、この裁定実施に必要とする経費を検討いたしました結果、国鉄の既定予算から見て、予算上、資金上いずれも支出不可能であるから、この裁定は全体として公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認めて、同条第二項の規定によつて、去る十月二十四日、本国会に議決を求めて参つたのであります。
 本件を付託されましたわが労働委員会は、十一月十三日に運輸、人事両委員会と連合して審査会を開き、参考人の意見を聞き、さらに引続き前後数回にわたつて、労働委員会において慎重熱心なる審査を遂げたのであります。
 次に、議決第二号、専売裁定の内容について一言申し上げます。
 全専売の労働組合は、本年三月に、日本専売公社に対して、昭和二十七年四月以降の基準賃金の改訂について要求をいたしましたが、当事者間の自主的な交渉をもつてしては解決が困難となりまして、この五月に至りまして、当事者双方は専売公社中央調停委員会に対して調停の申請を行つたのでございます。これに対して、調停委員会は七月になつて調停案の提示をいたしましたが、双方ともにこれを拒否することになりました。組合は、本年の八月、公共企業体等仲裁委員会に対して仲裁の申請を行いまして、仲裁委員会は、審議の結果、十一月二十七日、おおむね次のような裁定を下したのであります。
 公社職員の昭和二十七年度における基準賃金は、八月一日以降月額平均一万三千百円とする。前項による新旧賃金の差額のうち、八月から十月までの三月分については、公社は十二月中に一時金としてこれを支払うことができる。扶養手当の額は現行の通りとする。公社は、夏季に支払つた報償金のほかに、当初予定されております額の報償金をあらためて支給する。本年度の決算において予定以上の利益を生じた場合には、公社はその一部を業績賞与の形式において職員に支給するというのであります。
 そこで、政府は、この裁定に要する経費についても検討いたしました結果、裁定の第一項及び第二項の実施に要する追加の経費として、昭和二十七年度予算に対して、さらに約九億三千万円を必要といたしますので、これを支出することは予算上不可能である。従つて、この裁定は公共企業体等労働関係法第十六条の第一項に該当すると認めまして、本件を十二月六日に本国会に提出をいたしましてその議決を求めて参つたのであります。
 本件の付託を受けましたわが労働委員会は、十二月の九日会議を開きまして参考人の意見を聞くとともに、政府委員並びに参考人に長時間にわたつて質疑を行い、慎重に審査を行つたのであります。
 かくて十二月十六日、右二つの案件に関する質疑を打切り、一括して討論を行いましたところ、自由党の山村新治郎君より、次の通り議決案が動議として提出せられました。
   公共企業体等仲裁委員会の裁定に対する議決
 (国鉄関係)
   本件は、公共企業体等仲裁委員会裁定中第一項は、昭和二十七年十一月以降実施するものとして、これを承認する。
   附帯決議
  一、昭和二十七年公共企業体等仲裁委員会仲裁々定第八号の裁定第二項、第三項及び第四項の団体交渉を速かに妥結するよう、両当事者においてできる限り努力すべきである。
  二、第四項の年末手当については、国家公務員等との均衡を実質的に考慮した額を支給し得るよう政府並びに日本国有鉄道において努力すべきことを要望する。
 (専売関係)
   本件は、公共企業体等仲裁委員会裁定中第一項は、昭和二十七年十一月以降実施するものとして、これを承認する。
   附帯決議
   年末に際し支給せられる奨励手当、報償金等の額については、実質上国家公務員との均衡を失しないよう政府並びに日本専売公社において努力すること。
以上であります。
 次いで、改進党の森山欽司君より、野党各派を代表して、次のごとき議決案が動議として提出せられたのであります。
   公共企業体等仲裁委員会の裁定に対する議決
 (国鉄関係)
   公共企業体等仲裁委員会の裁定(昭和二十七年八月十三日仲裁裁定第八号)はこれを承認する。
   附帯事項
 (イ) 裁定に関し基本給の新旧給与の差額のうち八月から十月までの分については十二月中に一時金により支払うこと。
 (ロ) 政府は裁定中の年末手当については一・二ヶ月分を基礎として予算措置を講ずること。
 (専売関係)
   公共企業体等仲裁委員会の裁定(昭和二十七年十一月二十七日仲裁裁定第九号)はこれを承認する。
   附帯事項
 (イ) 政府は決算賞与については昭和二十八年度実施のため必要な予算上、法律上必要な措置をとること。
 (ロ)政府は年末手当についても一・二ヶ月分を基準として、予算措置を講ずること。以上でございます。
 よつて、右二つの動議について一括討論を行いましたところ、伊能繁次郎君は自由党を代表して、山村新治郎君の動議に賛成をし、森山欽司君の動議に反対する旨を述べ、改進党の石田一松君、日本社会党の前田種男君、日本社会党の山口丈太郎君及び労働者農民党の石野久男君は、それぞれの党を代表いたしまして、山村新治郎君の動議には反対をし、森山欽司君動議に賛成をする旨を述べて討論を行いました。
 かくて、討論を終結し、山村新治郎君の動議についてまず採決をいたしましたところ、可否同数となりました。よつて、委員長は、国会法第五十条の規定に基き、山村新治郎君の動議を可と決するに至つた次第であります。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
○議長(大野伴睦君) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国有鉄道に関する件)委員長報告に対し石田一松君外二百八名から、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(専売公社に関する件)委員長報告に対し森山欽司君外二百八名から、それぞれ修正動議が提出されております。この際両修正動議の趣旨弁明を許します。春日一幸君。
    〔春日一幸君登壇〕
○春日一幸君 ただいま議題に供せられました公共企業体等仲裁委員会の裁定に関する田中労働委員長の報告に対しまして、私は、改進党、労農党、日本社会党両派の四党を代表いたしまして、次の修正動議を提出するものであります。(拍手)
 まずその案文を朗読いたします。
   公共企業体等仲裁委員会の裁定に対する議決(案)
 (国鉄関係)
   公共企業体等仲裁委員会の裁定(昭和二十七年八月十三日仲裁裁定第八号)はこれを承認する。
   附帯事項
  (イ) 裁定に関し基本給の新旧給与の差額のうち八月から十月までの分については十二月中に一時金により支払うこと。
  (ロ) 政府は裁定中の年末手当については一・二ケ月分を基礎として予算措置を講ずること。
 (専売関係)
   公共企業体等仲裁委員会の裁定(昭和二十七年十一月二十七日仲裁裁定第九号)はこれを承認する。
   附帯事項
  (イ) 政府は決算賞与については昭和二十八年度実施のため必要な予算上、法律上必要な措置をとること。
  (ロ) 政府は年末手当についても一・二ケ月分を基準として、予算措置を講ずること。
以上であります。以下、その修正動議の趣旨弁明をいたします。
 そもそも公共企業体関係労働法は、公共の福祉を擁護いたしますために、公企業の職員の労働条件に関する紛争を友好かつ平穏に調整するため、その団体交渉の慣行とその手続を本法によつて確立したものでありまして、従いまして、公労法第一条は、この趣旨にのつとり、関係者は主張の不一致を調整するため最大限の努力を尽すべき義務を両当事者に負わしめておるのであります。(拍手)ここに議題となつておりまする本仲裁裁定は、実に本年二月二十九日以来、両当事者間において最善を尽されたものの所産でありまして、すなわち、これは数次にわたる団体交渉と、さらに公労法第二十四条第二号による中央調停委員会の討議を経て最後に公労法第三十四条第三号の規定に基く、公共企業体等仲裁委員会による厳粛かつ貴重にる結論であるのであります。しこうして、公労法第三十五条は、この仲裁裁定に対しては、当事者は双方とも最終的に服従しなければならない旨を規定いたしておるのであります。(拍手)しかるに、労働常任委員会の決定は、本裁定案に対し、賛成十二票、反対十二票、賛否相半ばいたしまして、委員長が辛うじてこれを決したるものでありまするが、結局この決議は、仲裁裁定に至るまでの関係者間の困難をきわめたる努力も認めず、かつは公労法立法の目的を忘れ、この法律の規定を無視して、独断的にその仲裁裁定案を否認せんとするものであります。かくのごときは、民主憲法下、実に立法の大権を負う本国会が、みずからその法律を蹂躙せんとするものであつて、かかる暴挙は断じて許されては相ならぬのであります。(拍手)公共の福祉の名のもとに、その罷業権を剥奪されたる公共企業体関係労働者の公労法による保障は、政府によつて今ここに否認され、国会またこれに同調せんとするのでありますが、かくのごとき非道の処遇の中において、なおかつ彼らは公共の福祉のための精励に耐え得るものでありましようか。(拍手)
 およそ、この仲裁裁定は、公労法第三十五条によつて規定せられておる通り、あたかも最高裁判所の判決と同等の権利を有するものでありまするが、本院がこの裁定を否認するということは、まさに最高裁の判決を否認すると同様の意義を持つものであります。(拍手)本院は、その政治的影響の帰趨を特に重視しなければ相ならぬと思うのであります。そもそも公企体関係労働者の罷業権は、本法の制定を契機といたしまして、本法第三十五条の中に委譲せられ、すなわち労働者の主張は、国の信託による仲裁裁定委員会の調整によつて実質上の救済が行われる道を開き、これが罷業権にかわる唯一の保障となつているのであります。しかるに、この罷業権に匹敵するほどの高価な唯一の保障が、政府によつて一方的に否認されるといたしましたならば、このことは、おのずから公企体関係労働者の団結権、団体交渉権、罷業権を実質的に奪うのであります。もつて公企体関係労働者に対し、奴隷的屈従のみをしいるものでありますが、かくのごときは憲法、労働組合法、労働関係調整法、公労法の各規定に反するものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 政治の基調をなすものは、道義と条理にもとるものであつては相なりません。およそ公企体労働者に対しては、ひとり公共の福祉と国家経済への奉仕を強要しながら、一方においては、その労働基本権はこれを理由なく否認せんとする、かくの如き道義にはずれ、条理にもとる施策を強行し、はたしてこの労働秩序を保ち得るでありましようか。思うに、吉田首相の労政感覚は、労働運動指導者を不逞のやからとののしり、争議行為をぜいたく行為だと断定するほどの、恐ろしく時代離れなものでありまして、内閣は、炭労、電産争議による国家経済の重大危局を外に、党内の紛争に没頭し、特に所管労働大臣のごときは、ここ十数日国会に姿を見せないという状態であるのであります。(拍手)
 私がこの機会に特に指摘しなければなりませんことは、かかるやからと、かかる雰囲気の中において毒せられて行くものは、ただ単に関係労働者の生活ばかりではなく、それは民族の独立と祖国の再建のために営々孜々として立ち働いている全国民の運命であるということであります。(拍手)特に、本議案の賛否をめぐつて政府と自由党民同派諸君との間に行われた不潔きわまる政治的取引は、わが国国会史上に腐息の文字で記され、後世の識者をしてはなはだしく顰蹙せしめることでありましよう。(拍手)伝えるところによれば、吉田総理大臣は、政府原案を民同が認めるならば、石橋、河野両君の除名を取消すと言い、民同の諸君は、除名を取消したあとでなければ政府原案には協力しないというかけ引きを行つたという、かかる応酬のために、本議案を初め国会の重要審議が数日間にわたつて渋滞されたということは、これは天下に隠れなき事実であるのであります。大義親を滅すというが、かかる手法によつて維持される政権は私権と異ならず、党利党略まことに大義を滅するの極致であることを、この機会に申し上げておきたいと思うのであります。(拍手)なお民同派諸君の行動は、正純なる野党連合を踏台として、みごとその意趣を遂げられたのでありますが、かくのごときは、天下の政道ではなく、場末に見る軽業師の所業にすぎないということを、この機会にはつきり申し上げておくのであります。(拍手)
 今や、国鉄、専売を初め全国の労働者は、祈りをこめ、まなじりを決して本国会の公正なる審議を期待しておるのでありますが、もしそれ本院が本裁定案を否認した場合、絶望者たちの憤懣はいかなる方向をたどるでありましよう。その責任を負うものは政府ではなく、しよせんはわが国会であるということを忘れては相なりません。(拍手)伺いまするは、吉田総理は党内においてはワン・マン、独裁であられるとの趣でありますが、本院こそは、民主政治の本義を貫き、あくまでも法律を擁護することによつて、そのような独裁的暴虐は手きびしくこれを排除しなければ相ならぬのであります。(拍手)
 法律は、その法律の効果がいかがありましようとも、その法律が廃止されるときまで厳に適用されなければ相ならぬのであります。田中委員長報告により委員会決議は、それを承認せざる理由といたしまして、財政上、資金上の支出力能力の限界を、別途政府が提出せる補正予算案の範囲とし、すなわちこの政府の行政措置に盲従せんとするものでありますが、これは公労法第十六条の国会の議決権を、政府と相結託して歪曲するものでありまして、本院はすべからく、政府の本件補正予算案などに顧慮せず、すなわち本仲裁裁定そのものを予算原案として、国会独自の立場において、その所要財源の捻出の方途を講ずべきであると思うのであります。(拍手)
 昨日、本議案関係補正予算は、政府の一方的資料に基いて本院の議決を見たのでありますが、そもそもこの仲裁裁定に関する予算上、資金上の審議に関し本院の付託を受けたものは、実に労働常任委員会であるのであります。しかるに、その労働委員会の結論をまたずしてその予算を決するがごときは、政府並びに与党は、二重三重のあやまちを重ねているものであるのであります。(拍手)
 政府並びに与党は、仲裁裁定の完全実施は資金がないからできぬというが、初めから出さぬ気の労働者への金は一銭もなく、一方、初めから出す気の防衛関係費は、八百何十億も使えぬままに隠退蔵されておるのであります。かかる財政方針は、決して国家民族の繁栄に寄与するものではないでありましよう。たとえば、国鉄法に基く鉄道債の発行、あるいは事業の公益性に立つ一般会計よりの交付等、その対象財源は――安全保障諸費未使用分、平和回復善後処理費未使用分、前年度財政剰余金、給与引上げに伴う税の自然増収、その他見返り資金、資金運用部資金等、仲裁裁定をまかなう所要資金の財源は、随所にこれを発見いたし得ると思うのであります。(拍手)特に専売裁定においては、裁定に要する資金は公社みずからの備蓄資金でこれが自足できるということは、秋山公社総裁が労働委員会において明確に答弁いたしておるところでございます。(拍手)この裁定を国会が承認でき得ないという理由は何一つないのでございます。(拍手)
 かくて、この労働常任委員会の決議は、裁定完全実施に要する資金難を表面の口実といたしてはおりますが、その実質は資金難にあらずして、他の一般公務員との給与の均衡を特に顧慮して、その実施期を十一月にずらさんとしておるものであります。しかし、このことは、労働関係の判断に属する事柄であり、これは仲裁裁定委員会の所管事項であつて、公労法第十六条の規定による国会の承認事項ではないのであります。(拍手)すなわち、公労法第十六条に基いて国会は本件を審議する権利を有するものでありますけれども、それは明らかに予算上、資金上の範疇にとどまるものであつて、公労法による労働関係の判断に属する事柄の審議は、この国会には許されてはいないのであります。もとより、仲裁委員会は、この種の判断を含め、職権によつて裁定したことは当然でありまして、政府といえども、国会といえども、予算上、資金上以外の理由によつてその決定をくつがえすことは、明らかに法律違反であると思うのであります。(拍手)
 法律は、ただ単に尊重するだけのものではなく、それは厳に遵守されなければ相なりません。本仲裁裁定に対し、政府において、かりにどのような意見があつたといたしましても、国会が、その裁定に対し、いまだ議決を行わない先に、一方的、独断的に、特に今回のごとく中途半端な補正十算を国会に提出するがごときことは、公労法第三十五条と第十六条との関係において、まさしく非立憲、無法の措置と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)従いまして、かくのごとく法律の規定を遵守することなく提出された政府の補正予算を基準として決定されましたる労働委員会の決定は、本院の本会議においてこれを否決し、そのあやまちを修正しなければ相ならぬのであります。私どもは、民主憲法を擁護し、憲法によつて保障されたる労働者の基本的人権を確保するためには、国の機関である公共企業体仲裁委員会の仲裁裁定は当然にして、これは完全に実施すべきものであつて、かつは、わが国財政の現状においては、これに対し十分なる支出能力ありとの認定のもとに、よつてここに本修正動議を提出いたすものであります。何とぞ各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○議長(大野伴睦君) これより討論に入ります。山村新治郎君。
    〔山村新治郎君登壇〕
○山村新治郎君 諸君、私は自由党を代表いたしまして、ただいまここに上程いたされましたる、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、国有鉄道に関する件及び専売公社に関する件の両件に関し、公共企業体等仲裁委員会裁定第八号及び第九号の第一項は、昭和二十七年十一月号降実施するものとしてこれを承認するという委員長の報告に、附帯決議をも含めて賛成の意見を表明し、石田一松君外二百八名並びに森山欽司君外二百八名提出の動議に反対の意を表明せんとするものであります。
 さて、国鉄及び専売公社の職員の給与増額に関し、さきにそれぞれ仲裁委員会の裁定が下されましたが、そのおもなる内容は、いわゆるベース・アツプを本年八月から実施すべしという点にあるのであります。しかし、このことは、公社の予算上、資金上不可能でありましたるために、政府は公労法の規定によつて国会の議決を求めて参つたのであります。わが自由党といたしましては、仲裁裁定は十分に尊重されなければならないと考えますとともに、公社職員諸君の逼迫せる生活の実情も考慮いたしまして、裁定の趣旨をいかにして実現するかにつきまして並々ならぬ努力を重ねて参つたのであります。年末に差追つたこの深刻なる職員諸君の窮状に思いをいたしまするとき、もしも国の財政上、資金上に余裕がありまするならば、むしろわれわれは野党の諸君より以上に積極的に給与の改善をいたしたいと思うのであります。しかし、皆さん、労働者諸君に阿諛迎合し、労働者諸君の口に甘き劇薬を盛ることは、わが党のとらざるところであるのであります。(拍手)すなわち、口にはたとい一時は苦くとも、真の労働者諸君のためになる政策をとることこそ、真の愛国的政党なりといわざるを得ないのであります。(拍手)遺憾ながら、焦土のただ中から、窮乏のまつただ中から復興途上にありまするところのわが国現、在の財政上においては、そのゆとりがないのであります。すなわち、この程度におきまして裁定を実施することを承認いたしたいのでありましてこの点、公社の職員諸君も、わが国の経済の現況にかんがみまして、大乗的愛国心を発露せられて、何とぞ了解せられんことをこいねがうのであります。
 さて、野党各派の諸君は、仲裁裁定の完全実施と、年末手当一・二箇月分の支給を主張いたしておるのでありまするが、これに要する経費を考えますときには、現在の国家及び国鉄並びに専売公社の財政上から見まして、とうてい実現し得ないところの無責任きわまる主張であるといわなければならないのであります。(拍手)しかして、仲裁裁定に示されておる年末手当、その他団体交渉によつてきめるべきものにつきましては、すみやかに妥結に至るよう、当事者双方誠意をもつて解決に当り、この年末において逼迫せる職員の生活に対処するための年末手当については、国家公務員等との均衡を十分に考慮した額を支給し得るよう努力すべきであることを要望する次第であります。(拍手)なお自由党といたしましては、今後におきましても、国鉄並びに専売公社の職員諸子がよりよき生活を営むことができまするように切に念願し、さらにその待遇改善に努める決意でありまするから、今回のところは、この程度におきまして職員諸子にがまんをしていただきたいと存じまするが、政府といたしましても、裁定の趣旨実現にさらに一層の努力を払われるよう切望してやまざる次第であります。
 最後に、私は勤労者諸君の真の味方であるところの自由党の立場から、国鉄並びに専売の職員諸子はもちろんのこと、まじめな……。(発言する者多し)まじめな全国勤労者諸君が幸福な越年をせられんことを心より祈りつつ、なお一層諸君が国家のために尽されんことを望んで、この討論を終る次第でございます。(拍手)
○議長(大野伴睦君) 石田一松君。
    〔石田一松君登壇〕
○石田一松君 私は、改進党を代表いたしまして、ただいま議題となつております、公労法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の、国有鉄道公社に関する件、同じく専売公社に関する件の二件に対しまして、仲裁裁定の一部を限定承認せんとする田中労働委員長の報告に反対、仲裁裁定の全面的承認をせんとする、われわれ野党共同提案になる、春日君の説明いたしました委員長報告の修正案に賛成の討論を行わんとするものであります。
 私はこの際申し上げておきますが、過去の歴史を考えてみますと、昭和二十三年の十二月二十一日、法律第二百五十七号といたしまして、公共企業体等労働関係法が制定されて以来、まる四箇年の間に、国鉄並びに専売両公社の関係するいわゆる仲裁裁定なるものがしばしば本院に付議されたのであります。しかしながら、現在第四次内閣をつくつている吉田内閣が、積極的にこの裁定の完全実施のための予算的措置を講じて、良心的に、誠意を持つて、熱意をこめて国会の承認を求めるために議決をしてくれという提出をなされたことは、いまだかつて一度もないのであります。(拍手)この事実は、吉田内閣が労働問題に対する理解というか、愛情というか、まつたくそうした片鱗すら持つていないという、まことに驚くべき冷淡さを暴露したものと、私はこう考えております。(拍手)
 ただ、おもしろいことは、第一回の国鉄の仲裁裁定の問題のときには、公労法第十六条の、国会の承認を求めなければならぬと書かれておることを正直に解釈して、国会の承認を求めるの件といつて出しておるのであります。表面には承認を求めるの件といつて出しておいて、裏面では、与党の自由党の方に対して、これは表面はそうなつておるけれども、政府としては不承認なんだから、ぜひ不承認にしてくれと、政府みずからが与党によつて自分の政府に不信任案を突きつけておるような形をやつておるのである。(拍手)まことに笑うべき小手先細工であります。遂にこのことに懲りまして、それから後というものは、皆さんがすでに御承知のように、国会の議決を求めるの件――公労法のどこに国会の議決を求めると書いてありますか。要するに、仲裁裁定あるいは労働協約がなされて、これが予算上資金上支出が不可能であるという部分を含んでいたときには、その支出をしようと思つたら、国会の承認を求めなければならぬと書いてある。それを、ことさらに無理に解釈いたしまして、しかもその解釈は、いわゆる法律解釈の熟練工か何か集めまして、まことに巧妙に、今日までこの法律を無視するがごとき、公労法の立法精神を忘却したるがごとき、こうした実績、過去の先例をつくり上げてしまつて、今もなお、自分たちで間違つた先例をつくつた、このたてに隠れて、独立後の国会において、再びこの公労法による承認を求めようとしておる。(拍手)実に不都合千万であります。
 今日、この公労法におきまして、それでは公労法のどういうところが権威ある法律的効果を持つておるかというと、公労法にただ一つそれがあります。それは十七条の争議行為の禁止という規定のみが、憲法に超然として、公労法に、さんとして光つて覚るところであります。(拍手)何のために公労法ができたのか。公共企業体、いわゆる国民の一般生活、国家の経済に悪影響を及ぼすようなストライキをやることはいけないという、公共の福祉という観点から、労働者の最大の権利である争議権を剥奪する大きな犠牲の上に、いわゆる仲裁裁定なる制度を設けまして、先ほども野党の共同提案の趣旨弁明をいたしました春日君が申しましたように、この決定は最終的なものであつて、当事者双方がこれに服従しなければならないと、こう書いてあるのであります。にもかかわらず、これに何ら服従をしようとしていない。しかも、国鉄総裁の長崎君のごときは、国会の労働委員会においても、また連合審査会においても、さながら政府の代弁者であつて、国鉄の当局の総裁ではない。当事者であるから、それに拘束されなければならぬものが、現に補正予算が審議中で、これなんかにもいろいろ関係がありますので、応ずることができないなどという、さながら、ここにいらつしやる運輸大臣と国鉄の総裁と入れかわつたようなかつこうになつておる。こういう、法律も何も知らぬ者、公共企業体の総裁であるという立場まで忘れてしまつた、ただただ政府におべつかをつかつて、しつぽを振つて行くことによつて自分の地位を把握しようとするような総裁のもとに、しかも四十何万という国鉄の労働者が、ただこれ一つをたよりにして生きておるとしたならば、今後国鉄あたりの労働者の生活改善の要求などというものはいかになるか、その運命というものはまことに暗澹たるものがあるといわなければならぬ。(拍手)こうした仲裁裁定に服従するところの義務がある者さえが、すでにこの法律を忘れ去つておるような現状である。
 そこで、私がこの際ひとつ申し上げておきたいことは、政府自体がこうした態度をとり、国鉄当局自体がこの法律を無視するような態度をとつて、しかも国会の労働委員会等の審議過程におきまして、いろいろと与党の党内事情もあつたかもしれませんが、予定の議決日より二、三日ずれたことだけは間違いありません。この時間のずれが、いわゆる国鉄あたりの組合の何かを刺激したものか、一部の人によつてある種の行為がなされた。その行為が業務命令違反であるというので、今回これらを三十数名も処分するということだけが、まことに強く主張をされておるのであります。もし、このことが業務命令であるというので、今回のことでこれらが処分されるとするならば、それより先に、処分しようとする者自体が国の法律を犯しておるという立場にあるものである。(「その通り」拍手)しかも、政府自体が法律を守らないというような慣例をつくつておるのである。(「その通り」、拍手)これらの者が、みずから法律上、政治上の責任を明らかにした後に、労働者の問題を云々すべきである。私は本末を転倒しておるものであると考えておるのであります。
 ここに、このデータ、あるいは、あらゆるこまかい問題――公共企業体の仲裁委員会が出しましたこの裁定書の理由の面を、どなたでも、今晩一晩ゆつくり読んでみてください。おそらく、この代議士諸君、政府、与党の閣僚の中で、これを読んで、これは無理だ、これをやつてはいかぬという、もし結論が出て、反対論が唱えられるような人があつたならば、一ぺんあすにでも出て来てください。(拍手)この理路整然たる計数をあげた、だれが何といつても一点の非の打ちどころのない理由書を見たならば、なるほどとわれわれのうなずけるものを多分に含んでおるのであります。しかし、私はこの際これをここで読み上げることは省略いたします。
 ただただ残念なことは、予算上あるいは資金上不可能であるという説明が今日問題になつておるのでありますが、今まさに、昨日わずかの差で決定された補正予算案なるものは参議院で審議中であります。この審議中の、予算となつていないものをたてにとつて、予算上質金上不可能だというのはどういうわけであるか、おかしいじやありませんか。しかもなお本院でこれを審議するときに、予算を先行させて、予算の方を先に議決して、この議決をした予算案のもとではこの仲裁裁定はのめないから、予算上不可能であるというのならば、先に不可能な前提をつくつておいて、国鉄あるいは専売公社の従業員をますます窮地に追い詰める作戦と言われても、何ら弁解の余地はないはずである。(拍手)
 私は、ただ今回の不可能な理由は、おそらく大蔵大臣等の言われるところの、国の財政上財源がない、これが不可能の大きな理由であろうと思うのであります。しかしながら、これは私は決して死者にむちうつつもりはありませんが、元大蔵大臣池田勇人君は、この問題について予算上資金上不可能だというのは、大蔵大臣が予算上資金上不可能だと考えるから、これは予算上質金上不可能なのである、こう言つておるのであります。今の向井大蔵大臣も、おそらく財政上不可能ということは、大蔵大臣が不可能であるというから不可能なんである、これが財政上の不可能であると、こういう議論に相なりまして、行政府の一大臣によつて法律上の解釈が自由自在になされておるということは、法治国としてまさに遺憾千万であると考えるのであります。(拍手)
 私は、こうした観点におきまして、ただいま申し上げました仲裁裁定、この理由書を特にこの速記録にとどめていただくことを要求して、これらの理由をもちまして、この仲裁裁定が完全に実施されなければならぬ――もし今後、奪うものは大きなものを奪つて、与えたものはほとんど見るべきものがないということになりましたときに、今日までに穏健に穏健にとやつて来た国鉄、専売公社あたりの、りつぱな、健全な、民主的な労働組合が、いかなる方向に移行するか、こういうこと等を考えましたときに、政治を論ずる者は、少くとも奪うものがあつたならば、その代償、与えるものは、奪つたものよりも以上に与えるという観点に立たなければ、りつぱな政治はできない。(拍手)特に労働行政においては、今後その考え方が最も必要であるという観点から、私は改進党を代表いたしまして、ただいまの野党連合によつて出された修正案に賛成をいたしまして、労働委員長の一部限定承認の案にまつこうから反対して討論を終るものでございます。(拍手)
○議長(大野伴睦君) 山花秀雄君。
    〔山花秀雄君登壇〕
○山花秀雄君 私は、日本社会党を代表して、ただいま労働委員長より報告されました、国鉄、専売両公社に対する公共企業体等仲裁委員会の裁定に関する労働委員会の議決に反対すると同時に、ただいま野党四党共同提案になる修正案に賛成するものであります。
 労働委員会の議決は、諸君も御承知のように、賛否同数となり、辛うじて委員長採決で議決されたものでありますが、われわれの主張するところのものは、公企労法の精神を正しく理解し、仲裁委員会の裁定を全面的に承認して、紛争久しきにわたる両公社の労使関係を円満に治め、もつて国家経済の発展に寄与せんとするものでございます。
 各位の御承知のごとく、両公社の職員は、公企労法の適用を受けるがゆえに、一般の賃金労働者と何らかわるところなき立場にあるのにもかかわらず、労働者の基本的権利たる罷業権はないのであります。それゆえにこそ、労働条件、特に賃金問題に関しては、仲裁委員会の裁定案に、双方において、たとい不満ある場合においても、最終的決定として服従しなければならないと法律は定めておるのでございます。われわれは、公社関係において、労使が労働条件及び賃金等で紛争を来し、その結果仲裁委員会の裁定が行われました場合は、政府は当然法を守る精神にのつとり、その裁定案の実現に努力する責任を負うものと思うであります。しかるに、従来政府のとり来つた態度は、国鉄の場合も、専売の場合も、再度これを蹂躙し、今またこれを抹殺せんとしておるのであります。恐るべき法を守らざる不逞の政府と言わざるを得ぬのであります。(拍手)
 政府は、口を開けば予算上資金上不可能と称し、それのみを唯一の口実として仲裁委員会の裁定の不承認を国会に求めておるのでございます。政府に働く者の生活に対する一片の誠意があれば、補正予算の提出審議以前に仲裁委員会の裁定案が示されておるのでございますから、法の精神にのつとり、これに服従し、その予算的措置を講じ、国会の審議に供すべきは、政府のとるべき当然の態度であると私は考えるのでございます。(拍手)しかるに何ぞや、裁定の不承認を国会に求めるに至るがごときは、本末転倒もはなはだしく、目下の重大問題たる労働問題解決の能力のない無力を天下に表明したものであるとわれわれは言いたいのであります。
 政府は、再三にわたり仲裁委員会の裁定を蹂躙するに至つたが、仲裁委員会は、国鉄関係の裁定についての経過報告に――ただいま石田君は裁定書をよく読んでもらいたいと言われましたが、私は幾らか説明をいたしましよう。この間、当時者双方より資料を提出させ、事情を聴取し、かつ各方面の専門家の意見をも徴し、前後二十八回の会議を重ね、慎重審議の結果裁定したと言つておるのでございます。またその理由に、本来ならば、本年四月に遡及さるべきであるが、しかしながら国鉄の支払い能力には多くの問題がある、かたがた、この際として八月以降の実施を適当と認める、その間は職員側にしんぼうしてもらうことにしたと言つておるのであります。決してずさんな裁定はやつていないのであります。また職員側に立つてこの裁定が行われたのではないということは、ただいまの理由書によつても明らかであります。さらに、もはや職員数を過大と断ずることは困難であり、その生産性の回復率は一層高く評価さるべきであろうと言い、損益勘定においても、人件費については、昭和十一年度に比し三百三十六倍となつておるにすぎないが、人員数を調節すれば、人件費は一人当り百八十四倍となり、民間賃金がこの間およそ二百六十倍になつたというそれに比べれば、人件費の相対的過少はさらに明白であると言つておるのであります。
 このような仲裁委員会の裁定は、国鉄事業の持つ公共性を考慮するあまり、むしろ四十数万の国鉄職員諸君に必要以上の犠牲をしいておると思われるような節々が若干あるのであります。この国鉄当局や政府の立場を必要以上に考慮されたと思われる裁定案すら、ただ金がないという理由で、その実施を政府は拒否しているが、金がないという口実はまつたくの詭弁であります。たとえば、諸君も知られる通り、先日の予算委員会の審議の過程において明らかに暴露されたるごとく、炭鉱資本家の利益のために炭住融資金の利子引下げを行い、すでに納入済みの金を二十三億返還して、一部資本家に忠実なる奉仕を示した。(拍手)この政府の態度は、単に国鉄四十数万の職員のみならず、全国民の納得しあたわざるところであります。(拍手)
 次に専売関係の仲裁裁定であります。この裁定案も、四月より遡及すべきであるが、やはり国鉄同様八月より実施すべしと裁定しているのであります。なお、このうち八、九、十月の三箇月分のベース・アップの差額については、これを一時金として年末支給し得る道を開くこととしておるのであります。またその理由として、製造タバコは昭和九、十、十一年平均に比べて本年度は一四九の指数を示し、その間職員数指数は一〇八にすぎないので、労働生産性は一三八に上つたことを指摘しているのであります。工程作業の機械化の要素をしんしやくして実質的な労働生産性に改めても、これが戦前の水準をはるかに突破していることは、公社側も十分に認めているところであります。しかも、専売事業の現状は、その経理状態を含めて、おおむね順調なのであるから、その限りにおいては、少くとも戦前水準程度の賃金の負担を拒むべき理由は見出しがたいと述べておるのであります。(拍手)
 経済審議庁発表にかかるCPIの指標をもつてこれを見ても、昭和九、十、十一年度の三年平均に比して、消費者実効物価は、本年度半ばにおいてその三百倍に相当しておる実情にかんがみ、当時の三箇年間の専売職員の賃金は月額五十二円二十銭であつたから、これにその指数をかければ一万五千六百六十円となるのであります。現実的には、戦前の賃金には税負担がない。今日の賃金には給与所得税がかけられておる実情においては、裁定案の一万三千百円はあまりにも低い裁定案であります。(拍手)専売職員諸君が鋭意生産向上に努力しておることは、仲裁委員会がそれを十分認め、専売公社側も十分これを認めているのであります。試みに本年度の公社経理を見ても、予定利益金より二百十七億円の利益増が予想され、現に今次補正予算案には一般会計に百億円が繰入れられておることは、諸君の十分知つておるところであります。(拍手)
 われわれが労働委員会の審議の過程において明らかにされましたことは、国鉄の長崎総裁にいたしましても、専売の秋山総裁にいたしましても、その職員諸君の生産能率の向上性については十分これを認めておるのであります。特に専売公社の秋山総裁は、さらに生産性を向上し、公社の利益増をはかり、国家経済に寄与するためには、今回の仲裁裁定案は全面的に実施すべきであると強く発言されておるのであります。(拍手)使用者の立場にある者から職員の勤勉さが賞讃され、予定以上の利益増が承認されているこの実情を、われわれは十分に知る必要があります。しかるに、理論的にも実際的にも他に比して低いと思われる裁定案すら実施されないとするならば、常に政府が掲げておるところの高賃金、高能率の労働政策は、まつたくもつてインチキきわまる、ごまかしの政策であるといわざるを得ぬのであります。(拍手)
 特にわれわれが留意したいことは、たとえば専売の裁定案の完全実施に伴うその費用は、あと六億六千万円程度の予算計上で事足りるのであります。公企労法適用の専売職員が、法律のわく内の合法闘争として超過勤務を一箇月拒否する態度に出たならば、秋山総裁の言をかりますと、その場合には製造数量において約八億五千万本の減、益金において約十五億の損失になると証言されておるのであります。六億六千万円程度で円満に事態が解決し、合法のわく内の一箇月の紛争が続けられたときには、約十五億の損失が明らかになる。この実情は、われわれは党派の立場を超越して、国家の利益に立脚して考慮すべき問題であります。(拍手)この際、政府や与党の自由党の諸君は、従来の面子にこだわることなく、国家的見地からこの裁定案を全面的に承認すべきあると、われわれは申したいのでございます。(拍手)しかるに、労働委員会の審議は、相かわらず与党諸君の狭い党派的セクトにとらわれて、ここにわれわれの見解と対立して、わずかに委員長採決というきわどい表決によつて、われわれと見解を異にする結論が出たのであります。われわれは、この本会議において、良識ある諸君の法律を守る精神に訴えて、公企労法の真の精神を守つていただきたいことを願うものであります。
 かかる意味からして、委員長報告には反対し、野党各派の共同修正案に賛成するものでございます。(拍手)
○議長(大野伴睦君) これより採決に入ります。まず石田一松君外二百八名提出、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求あるの件(国有鉄道に関する件)委員長報告に対する修正動議及び森山欽司君外二百八名提出、公共不在業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(専売公社に関する件)委員長報告に対する修正動議を一括して採決いたします。この採決は記名投票をもつて行います。石田一松君外二百八名提出及び森山欽司君外二百八名提出の両修正動議に賛成の諸君は白、票反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(大野伴睦君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(大野伴睦君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 四百九
  可とする者(白票)  百八十三
    〔拍手〕
  否とする者(青票) 二百二十六
    〔拍手〕
○議長(大野伴睦君) 右の結果、石田一松君外二百八名提出及び森山欽司君外二百八名提出の両修正動議はいずれも否決せられました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔参照〕
 石田一松君外二百八名提出及び森山欽司君外二百八名提出の両修正動議を可とする議員の氏名
   秋田 大助君  荒木萬壽夫君
   有田 喜一君  安東義良君
   石坂  繁君  石田 一松君
  生悦住貞太郎君  宇田 耕一君
   臼井 莊一君  小川 半次君
   大麻 唯男君  大川 光三君
   大森 玉木君  岡田 勢一君
   加藤 高藏君  川崎 秀二君
   菅  太郎君  菅野和太郎君
   北村徳太郎君  楠山義太郎君
   小泉 純也君  小島 徹三君
   小畑虎之助君  河野 金昇君
   後藤 義隆君  佐藤 芳男君
   笹山茂太郎君  志賀健次郎君
   椎熊 三郎君  白浜 仁吉君
   鈴木 正吾君  園田  直君
   田中 久雄君  高岡 大輔君
   高倉 定助君  高瀬  傳君
   高橋 長治君  高橋 禎一君
   武部 英治君  竹山祐太郎君
   舘林三喜男君  千葉 三郎君
   床次 徳二君  内藤 友明君
   中島 茂喜君  中村 寅太君
   中村庸一郎君  楢橋  渡君
   長谷川四郎君  早川  崇君
   廣瀬 正雄君  古井 喜實君
   町村 金五君  松浦周太郎君
   松野 孝一君  三浦 一雄君
   三木 武夫君  宮澤 胤勇君
   粟山  博君  森田重次郎君
   森山 欽司君  柳原 三郎君
   山下 春江君  山本 粂吉君
   吉川 大介君 早稻田柳石ェ門
   井伊 誠一君  井上 良二君
   伊藤卯四郎君  池田 禎治君
   石井 繁丸君  石川金次郎君
   今澄  勇君  受田 新吉君
   大石ヨシエ君  大矢 省三君
   岡部 周治君  甲斐 政治君
   加藤 勘十君  春日 一幸君
   片山  哲君  川島 金次君
   川俣 清音君  河上丈太郎君
   菊川 忠雄君  菊地養之輔君
   木下  郁君  熊本 虎三君
   河野  密君  杉山元治郎君
   鈴木 義男君  田原 春次君
   田万 廣文君  竹谷源太郎君
   辻  文雄君  堤 ツルヨ君
   土井 直作君  冨吉 榮二君
   中崎  敏君  中澤 茂一君
   中村 高一君  西尾 末廣君
   西村 榮一君  日野 吉夫君
   平岡忠次郎君  平野 力三君
   前田榮之助君  前田 種男君
   松井 政吉君  松尾トシ子君
   松岡 駒吉君  松前 重義君
   松本 七郎君  三宅 正一君
   三輪 壽壯君  水谷長三郎君
   門司  亮君  矢尾喜三郎君
   山口シヅエ君  山下 榮二君
   吉川 兼光君  吉田 賢一君
   吉田  正君  足鹿  覺君
   阿部 五郎君  青野 武一君
   赤路 友藏君  赤松  勇君
   伊藤 好道君  井手 以誠君
   帯村 順三君  猪俣 浩三君
   小川 豊明君  加賀田 進君
   加藤 清二君  上林與市郎君
   木原津與志君  久保田鶴松君
   小松  幹君  佐々木更三君
   佐藤觀次郎君  坂本 泰良君
   志村 茂治君  島上善五郎君
   下川儀太郎君  鈴木茂三郎君
   多賀谷真稔君  田中織之進君
   田中 稔男君  楯 兼次郎君
   辻原 弘市君  永井勝次郎君
   成田 知巳君  西村 力弥君
   芳賀  貢君  長谷川 保君
   原   茂君  原   彪君
   福田 昌子君  古屋 貞雄君
   帆足  計君  正木  清君
   松原喜之次君  武藤運十郎君
   森 三樹二君  八百板 正君
   八木 一男君  安平 鹿一君
   柳田 秀一君  山口丈太郎君
   山崎 始男君  山田 長司君
   山中日露史君  山花 秀雄君
   山本 幸一君  横路 節雄君
   和田 博雄君  渡辺 惣蔵君
   川村 継義君  中村 英男君
   石野 久男君  黒田 寿男君
   館  俊三君
 否とする議員の氏名
   阿左美廣治君  阿部 千一君
   相川 勝六君  逢澤  寛君
   青木  正君  青柳 一郎君
   赤城 宗徳君  秋山 利恭君
   淺香 忠雄君  淺利 三朗君
   麻生太賀吉君  新井 京太君
   新井 堯爾君  荒舩清十郎君
   有田 二郎君  安藤 正純君
   伊藤 郷一君  伊能繁次郎君
   飯塚 定輔君  生田 和平君
   池田  清君  池田 勇人君
   池田正之輔君  石井光次郎君
   石田 博英君  石橋 湛山君
   犬養  健君  今松 治郎君
   今村 忠助君  岩川 與助君
   岩本 信行君  宇田  恒君
   宇都宮徳馬君  上塚  司君
   植木庚子郎君  植原悦二郎君
   内田 常雄君  江崎 真澄君
  小笠原八十美君 小笠原三九郎君
   小川 平二君  小澤佐重喜君
   緒方 竹虎君  尾崎 末吉君
   越智  茂君  大石 武一君
   大泉 寛三君  大上  司君
  大久保留次郎君  大倉 三郎君
   大島 秀一君  太田 正孝君
   大西 禎夫君  大野 市郎君
   大平 正芳君  大村 清一君
   岡崎 勝男君  岡田 五郎君
   岡田 忠彦君  岡野 清豪君
   岡本  茂君  奧村又十郎君
   加藤 精三君  加藤 宗平君
   加藤常太郎君  加藤鐐五郎君
  甲斐中文治郎君  河合 良成君
   河原田稼吉君  勝俣  稔君
   川島正次郎君  川村善八郎君
   川野 芳滿君  菅家 喜六君
   本村 武雄君  北 れい吉君
   久野 忠治君  倉石 忠雄君
   栗山長次郎君  熊谷 憲一君
   黒金 泰美君  小金 義照君
   小坂善太郎君  小平 久雄君
   小西 寅松君  小林かなえ君
   小林 絹治君  小山 長規君
   木暮武太夫君  近藤 鶴代君
   佐々木秀世君  佐治 誠吉君
   佐藤 榮作君  佐藤善一郎君
   佐藤虎次郎君  佐藤洋之助君
   坂田 英一君  迫水 久常君
   重政 誠之君  篠田 弘作君
   島村 一郎君  首藤 新八君
   周東 英雄君  薄田 美朝君
   鈴木 善幸君  鈴木 直人君
   砂田 重政君  砂原  格君
   關谷 勝利君  田口長治郎君
   田子 一民君  田嶋 好文君
   田中伊三次君  田中 角榮君
   田中 彰治君  田中 萬逸君
   高木吉之助君  高木 松吉君
   高橋 英吉君  高見 三郎君
   竹尾  弌君  谷川  昇君
   玉置 信一君  中馬 辰猪君
   塚田十一郎君  塚原 俊郎君
   辻  寛一君  綱島 正興君
   坪川 信三君  東郷  實君
   徳安 實藏君  富田 健治君
   内藤  隆君  中  助松君
   中井 一夫君  中田 政美君
   中峠 國夫君  中野 武雄君
   中村 梅吉君  中村 幸八君
   中山 マサ君  仲川房次郎君
   永田 良吉君  永田 亮一君
   永野  護君  永山 忠則君
   長野 長廣君  灘尾 弘吉君
   南條 徳男君  丹羽喬四郎君
   西川 貞一君  西村 英一君
   西村 茂生君  西村 直己君
   貫井 清憲君  根本龍太郎君
   野澤 清人君  野原 正勝君
   羽田武嗣郎君 橋本登美三郎君
   橋本 龍伍君  花村 四郎君
   濱田 幸雄君  濱地 文平君
   林  讓治君  馬場 元治君
   目高 忠男君  平井 義一君
   平澤 長吉君  平野 三郎君
   廣川 弘禪君  福井  勇君
   福井 順一君  福井 盛太君
   福田  一君  福永 一臣君
   福永 健司君  船田  中君
   保利  茂君  星島 二郎君
   本多 市郎君  本間 俊一君
   前尾繁三郎君  前田 正男君
   牧野 良三君  益谷 秀次君
   増田甲子七君  松浦 東介君
   松岡 俊三君  松岡 松平君
   松田竹千代君  松田 鐵藏君
   松野 頼三君  松本 一郎君
   松山 義雄君  松村 光三君
   三池  信君  三木 武吉君
   三和 精一君  水田三喜男君
   水谷  昇君  南  好雄君
   宮幡  靖君  明禮輝三郎君
   村上  勇君  持永 義夫君
   森 幸太郎君  森   清君
   森下 國雄君 山口喜久一郎君
   山崎  巖君  山崎  猛君
   山田 彌一君  山村新治郎君
   山本 正一君  雪澤千代治君
   吉江 勝保君  吉田  茂君
   吉武 惠市君  荻野 豊平君
   木下 茂範君  只野直三郎君
   武知 勇記君  辻  政信君
   福田 赳夫君  坊  秀男君
    ―――――――――――――
○議長(大野伴睦君) 次に、両件の委員長報告を一括して採決いたします。委員長の報告は、両件とも、公共企業体等仲裁委員会裁定中第一項は昭和二十七年十一月以降実施するものとしてこれを承認すると決したものであります。両件を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(大野伴睦君) 起立多数。よつて両件とも委員長報告の通り決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
 第八 外航船舶建造融資利子補給法案(内閣提出)
○議長(大野伴睦君) 日程第八、外航船舶建造融資利子補給法案を議題といたします。運輸委員長逢澤寛君。
    〔逢澤寛君登壇〕
    〔議長退席、副議長着席〕
○逢澤寛君 ただいま議題となりました外航船舶建造融資利子補給法案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 まず本法案の趣旨を簡単に説明いたします。
 日本経済の自立達成のためには、貿易の発展をはかるとともに、貿易外収入の大宗である海運の拡充を一段と強力に推進することが必要であることは、申し上げるまでもありません。しかるに、戦後のわが国海運は、戦災により保有船腹の大半を喪失し、しかも海運再建の主軸ともなるべき戦時補償が一切打切られました結果、船舶の再建に要する資金は国際的に見てきわめて高利な借入金によつてまかなわざるを得ない状況でありまして、これがため今後の船腹拡充計画の遂行に重大な支障を来しているのであります。かかる実情にかんがみまして、外航船舶の建造融資に対して政府が利子補給金を支給いたしまして、日本経済の自立達成のために必要な外航船舶の建造を促進しようとするのであります。
 次に、その内容のおもなる点を申し上げます。
 まず第一点は、政府は、金融機関が外航船舶の建造に要する資金を融通するときは、その金融機関が船舶設備資金等を貸し出す場合の利率と、財政資金の利率七分五厘との差額を限度として、利子補給金を支給し得るようにしようとするのであります。
 第二点は、利子補給金を支給し得るその年限は、契約した会計年度以降八箇年度以内とすることであります。
 第三点は、政府が利子補給契約を結ぶ場合には、その総額が国会の議決を経た金額を越えないようにしなければならぬことであります。
 本法案は、去る十二月十一日、本委員会に付託され、十六日、政府より提案理由の説明を聴取の上、ただちに質疑に入りまして、政府の金利政策について、また損失補償制度の復活及び内航船舶に対する助成策について、その他詳細にわたり熱心な質疑応答が行われましたが、各委員より、利子補給制度のみでは造船融資の確保は期し得ないので、戦前に行われたるごとく損失補償制度を設けられるよう、政府に力強く要望がありました。その他内容につきましては会議録に譲ることといたします。
 かくて、討論を省略し、採決の結果、本法案は、十六日、起立総員をもつて政府原案の通りに可決すべきものと議決したのであります。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○久野忠治君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、食糧管理特別会計の歳入不定を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 久野君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事淺香忠雄君。
    〔淺香忠雄君登壇〕
○淺香忠雄君 ただいま議題となりました二法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について申し上げます。
 この法律案は、食糧管理特別会計において昭和二十七年度に生ずることが予定される歳入不足金、すなわち昭和二十七年産米の消費者価格及び生産者価格の改訂措置等に伴つて生ずる不足金七十八億円余、昭和二十七年産麦の売買差損二十一億円余、昭和二十六年産米につき、昭和二十七年度において奨励金等を支払つたことによる不足金十億円余、その他学校給食用輸入小麦の売却に伴つて生ずる不足金十四億円余等の合計額から、加工米等の売払いに伴う歳入増加見込分八億円を差引いた差額百十四億六千万円を補填するため、これを一般会計から本特別会計に繰入れることができることといたそうとするものであります。
 本案につきましては、慎重審議の結果、本日、討論を省略の上、ただちに採決いたしましたところ、起立多数をもつて原案の通り可決いたしました。
 次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、現在食糧管理特別会計において、食糧の買入れ代金の財源に充てるため、食糧証券を発行し、また借入金等をすることのできる額は、両者を通じて最高千七百億円となつておりますが、先般昭和二十七年産米の政府買入れ価額が七千五百円に引上げられたこと等の理由によりまして、食糧買入れ代金の増加が予想されることとなりますので、従いまして、右最高限度を二千二百億円まで引上げることといたそうとするものであります。
 本案につきましては、慎重審議の結果、本日、討論を省略の上、採決いたしましたところ、起立総員をもつて原案の通り可決いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) まず、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 次に食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日本国とアメリカ合衆国との間の民間航空運送協定の締結について承認を求めるの件
○久野忠治君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、日本国とアメリカ合衆国との間の民間航空運送協定の締結について承認を求めるの件を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 久野君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 日本国とアメリカ合衆国との間の民間航空運送協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員会理事谷川昇君。
    〔谷川昇君登壇〕
○谷川昇君 ただいま議題となりました、日本国とアメリカ合衆国との間の民間航空運送協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を報告申し上げます。
 本件は、十二月四日、内閣から国会に提出され、本委員会に付託されましたので、去る十日、十一日及び十七日の三回にわたりまして委員会を開き、慎重審議をいたしました。
 政府当局の説明によりますれば、わが国は、平和条約第十三条(a)の規定で、連合国の要請があつた場合に、当該連合国との間に国際民間航空運送に関する協定を締結するため、すみやかに交渉を開始することになつております。また第十三条(b)の規定によりまして、これらの協定が締結されまするまで、平和条約の最初の効力発生後四箇年間、連合国はわが国において航空業務を運営する一方的特権を享有しております。アメリカ合衆国は、連合国中の手始めといたしまして、本年六月、協定締結の交渉を開始する意向を示して参りました。六月二十四日から両国政府間に交渉を行つて参りました結果、日本国とアメリカ合衆国との間に民間航空協定案が作成され、去る八月十一日、岡崎外務大臣とマーフイー特命全権大使との間に署名されました。この協定は、日米両国間の民間航空運送の促進、これを目的とし、かつ両国の航空企業が航空業務を運営する路線を定めるとともに、その運営開始の手続及び運営の条件を双務的基礎において定めております。従つて、この協定の締結により、わが国は、アメリカ合衆国との関係で、この平和条約に基く片務的状態を解消することができると同時に、わが国の航空企業もまた、アメリカ航空企業と平等の条件で、アメリカ合衆国に乗入れを行うことができるようになるわけであると説明を受けたわけであります。
 本協定は、前文、本文二十箇条及び末文、それに附表からなつておるわけでありまして、そのうち特に注目すべき点をあげますると、第一は、本協定は、戦後二国間協定の典型といわれておりまする米英間のいわゆるバーミユーダ協定に従つており、両者の間に大きな差異は認められないことであります。第二は、本協定は、定期航空の業務の路線を定め、日本国政府指定の航空企業は、第一に、日本国から中部太平洋の中間地点を経て、ホノルル及びサンフランシスコヘ、並びに以遠、第二には、日本国から北太平洋及びカナダの中間地点を経まして、シヤトルヘ、第三には、日本国から沖繩へ至る三路線であり、アメリカ合衆国政府指定の航空企業は、大体右申し上げました日本側路線の逆の航路となつておるわけであります。第三の点は、両国の航空企業の業務運営に関し、機会均等の原則を定めていることであります。
 次いで、委員から、日本からアメリカヘの乗入れ計画等につき質問がありまして、これに対し政府側は、目下運輸大臣に対し免許申請のあつたものとして左の三つの会社を示して参りました。すなわち、日本航空会社、日本国際航空会社及び飯野海運株式会社、これであります。これに対しては、その一つまたは数社に許可するかどうか、まだ決定に至つていないということであります。また、現在わが国に乗り入れておりまする外国航空会社はその数十一に及んでおりまするが、米国から二つ、その他連合王国、カナダ、濠州、フイリピン、タイ、中国、オランダ、スエーデン、ノールウエー及びデンマーク、フランスであります。この応答がありました。なおその他の質疑の詳細につきましては、委員会の議事録によつて御承知を願いたいと思います。
 質疑応答を終了し、討論を省略いたしまして採決に入りましたところ、採決の結果は、全員一致をもつて本件は承認すべく議決いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 中小漁業融資保証法案(内閣提出)
○久野忠治君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、中小漁業融資保証法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 久野君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 中小漁業融資保証法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。水産委員長福永一臣君。
    〔福永一臣君登壇〕
○福永一臣君 ただいま上程せられました中小漁業融資保証法案の、委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本案は、わが国漁業の中で、水揚高において約七割、その経営単位においては九割以上を占めている中小漁業につきまして、漁業者の信用力を高め、みずから金融難を打開するため、漁業者の漁業権証券または現金による出資及び地方公共団体の出資を基金として、各都道府県を区域とする漁業信用基金協会を設立し、この協会が中小漁業に対する金融機関の融資を保証し、かつ国がこの保証について保険を行つて協会の事業を支援し、もつて中小漁業への融資を円滑にし、その振興をはかろうとするものであります。
 次に、この法案の要点を申し上げます。まず第一点は、先にも触れました通り、漁業信用基金協会は法人として原則的には都道府県ごとに設立するものとし、その協会の会員の資格については、漁業協同組合、同連合会及び漁業生産組合、あるいは一年を通じて九十日以上漁業を営む個人、一定規模以下の漁業を営む法人及び地方公共団体であります。第二点は、この協会は、会員の漁業経営の発展に必要なる資金及び会員である漁業協同組合等の事業に必要な資金の借入れによる金融機関に対する債務を保証するということであります。第三点は、協会は、税法上は民法上の公益法人と同様に、法人税法、所得税法等について免除されることであります。なお政府の行う保険事業については、別に中小漁業融資保証保険特別会計法による特別会計を設けて行うことになつております。
 さて、本案は去る十三日水産委員会に付託され、その審議にあたりましては、各委員と政府委員との間に熱心なる質疑応答がかわされたのでありまするが、その詳細は速記録により御了承願いたいと存じます。
 かくて、本日の委員会において質疑を終り、討論に入り、各派の委員から、本案はその趣旨においてまことに適切であるが、中小漁業の真の振興を長くはかるためには、政府において強力に次の措置をなすべきであるとして、附帯決議を付して、全会一致をもつて原案通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。
 附帯決議は
 政府は、本法実施に当つては、次の措置を講ずべきである。
  一、地方公共団体が協会の会員として出資するに当つては、その資金に充当するための起債を認めること。
  二、本法による融資に対しては、その利子補給の方途を講ずること。であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後六時二十一分散会