第015回国会 人事委員会 第13号
昭和二十七年十二月二十二日(月曜日)
    午後零時三十四分開議
 出席委員
   委員長 有田 二郎君
   理事 植木庚子郎君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 竹山祐太郎君 理事 受田 新吉君
   理事 森 三樹二君
      加藤 精三君    木村 公平君
      木暮武太夫君    近藤 鶴代君
      竹尾  弌君    中田 政美君
      灘尾 弘吉君    根本龍太郎君
      明禮輝三郎君    山崎  巖君
     生悦住貞太郎君    小島 徹三君
      早川  崇君    松野 孝一君
      池田 禎治君    三宅 正一君
      加賀田 進君    小松  幹君
      館  俊三君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 菅野 義丸君
        人事院総裁   浅井  清君
        人事院事務官
        (事務総局給与
        局長)     滝本 忠男君
        総理府事務官
        (総理大臣官房
        審議室長事務代
        理)      久田 富治君
        自治庁次長   鈴木 俊一君
        大蔵事務官
        (主計局次長) 正示啓次郎君
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      岸本  晋君
 委員外の出席者
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
十二月十八日
 委員阿左美廣治君、麻生太賀吉君及び吉武惠市
 君辞任につき、その補欠として木村公平君、青
 木孝義君及び福永健司君が議長の指名で委員に
 選任された。
同月二十二日
 委員根本龍太郎君辞任につき、その補欠として
 近藤鶴代君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員近藤鶴代君辞任につき、その補欠として根
 本龍太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員青木孝義君、小澤佐重喜君、濱田幸雄君、
 福永健司君及び保利茂君辞任につき、その補欠
 として中田政美君、近藤鶴代君、明禮輝三郎君、
 加藤精三君及び山崎巖君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員加藤精三君、近藤鶴代君、中田政美君、明
 禮輝三郎君及び山崎巖君辞任につき、その補欠
 として福永健司君、小澤佐重喜君、青木孝義君、
 濱田幸雄君及び保利茂君が議長の指名で委員に
 選任された。
十二月十八日
 公務員の給与引上げ等に関する請願(井手以誠
 君紹介)(第二六七号)
 同(井手以誠君紹介)(第一一六八号)
 同(丹羽喬四郎君紹介)(第一一九一号)
 同(受田新吉君紹介)(第一四二五号)
 大野原村の地域給指定に関する請願(田万廣文
 君紹介)(第一一六九号)
 和寒町の地域給指定に関する請願(三宅正一君
 紹介)(第一一七〇号)
 上高瀬村の地域給指定に関する請願(田万廣文
 君紹介)(第一一七一号)
 同(田万廣文君紹介)(第一一七三号)
 本山村の地域給指定に関する請願(田万廣文君
 紹介)(第一一七二号)
 大野村の地域給指定に関する請願(田万廣文君
 紹介)(第一一七四号)
 地頭方村の地域給指定に関する請願(西村直己
 君紹介)(第一一七五号)
 本庄町の地域給指定に関する請願(川野芳滿君
 紹介)(第一一七六号)
 同(持永義夫君紹介)(第一三一五号)
 岩谷村外二箇村の地域給指定に関する請願(高
 橋禎一君紹介)(第一七七号)
 岡山村の地域給引上げの請願(楢橋渡君紹介)
 (第一一七八号)
 松任町の地域給引上げの請願(武部英治君紹
 介)(第一一七九号)
 新津市の地域給引上げの請願(三宅正一君紹
 介)(第一一八〇号)
 春日部町の地域給引上げの請願(古島義英君紹
 介)(第一一八一号)
 直江津町の地域給引上げの請願(塚田十一郎君
 紹介)(第一一八二号)
 新潟県下の地域給引上げ等の請願(猪俣浩三君
 紹介)(第一一八三号)
 同(塚田十一郎君紹介)(第一一八四号)
 同(三宅正一君紹介)(第一一八五号)
 同(大野市郎君紹介)(第一二八七号)
 同(高岡大輔君紹介)(第一三二一号)
 同(佐藤芳男君紹介)(第一三二二号)
 同(吉川大介君紹介)(第一三二三号)
 同(北れい吉君紹介)(第一三二四号)
 八王子市の地域給引上げの請願外十一件(並木
 芳雄君紹介)(第一一八七号)
 同(並木芳雄君紹介)(第一一八九号)
 同(並木芳雄君紹介)(第一一九一号)
 同(並木芳雄君紹介)(第一一九三号)
 同(並木芳雄君紹介)(第一一九五号)
 同(並木芳雄君紹介)(第一一九七号)
 同(並木芳雄君紹介)(第一一九九号)
 同(並木芳雄君紹介)(第一二〇一号)
 香住町の地域給引上げの請願(甲斐中文治郎君
 紹介)(第一二〇四号)
 田子村の地域給指定に関する請願(勝間田清一
 君紹介)(第一二〇六号)
 剣渕村の地域給指定に関する請願(芳賀貢君紹
 介)(第一二一〇号)
 日和田町の地域給指定に関する請願(粟山博君
 紹介)(第一二一一号)
 矢板町の地域給指定に関する請願(船田中君紹
 介)(第一二一二号)
 青谷町の地域給指定に関する請願(足鹿覺君紹
 介)(第一二一三号)
 長野市外七箇市町の地域給引上げ等の請願(原
 茂君紹介)(第一二二四号)
 高千穂町の地域給引上げの請願(川野芳滿君紹
 介)(第一二二六号)
 稲武町外八箇町村の寒冷地手当引上げ等の請願
 (福井勇君紹介)(第一二九四号)
 湘南村の地域給指定に関する請願(岩本信行君
 紹介)(第一二九五号)
 玉川村の地域給指定に関する請願(岩本信行君
 紹介)(第一二九六号)
 煤ヶ谷、宮ヶ瀬組合村の地域給指定に関する請
 願(岩本信行君紹介)(第一二九七号)
 泗水村の地域給指定に関する請願(松野頼三君
 紹介)(第一二九八号)
 多良木町の地域給指定に関する請願(福永一臣
 君紹介)(第一二九九号)
 追分村の地域給指定に関する請願(南條徳男君
 紹介)(第一三〇〇号)
 高岡町の地域給指定に関する請願(持永義夫君
 紹介)(第一三〇一号)
 鹿忍町の地域給指定に関する請願(逢澤寛君紹
 介)(第一三〇二号)
 中条村の地域給指定に関する請願(青木正君紹
 介)(第一三〇三号)
 埼玉村の地域給指定に関する請願(青木正君紹
 介)(第一三〇四号)
 本山町の地域給指定に関する請願(長野長廣君
 紹介)(第一三〇五号)
 荒木村の地域給指定に関する請願(青木正君紹
 介)(第一三〇六号)
 太井村の地域給指定に関する請願(青木正君紹
 介)(第一三〇七号)
 南河原村の地域給指定に関する請願(青木正君
 紹介)(第一三〇八号)
 吉田町の地域給指定に関する請願(砂原格君紹
 介)(第一三〇九号)
 下忍村の地域給指定に関する請願(青木正君
 紹介)(第一三一〇号)
 太田村の地域給指定に関する請願(青木正君紹
 介)(第一三一一号)
 星宮村の地域給指定に関する請願(青木正君紹
 介)(第一三一二号)
 上村及び中村の地域給指定に関する請願(松野
 頼三君紹介)(第一三一三号)
 歌外波村の地域給指定に関する請願(田中彰治
 君紹介)(第一三一四号)
 高原町の地域給指定に関する請願(持永義夫君
 紹介)(第一三一六号)
 富岡町及び志岐村の地域給指定に関する請願(
 松野頼三君紹介)(第一三一七号)
 小鮎村の地域給指定に関する請願(岩本信行君
 紹介)(第一三一八号)
 荻野村の地域給指定に関する請願(岩本信行君
 紹介)(第一三一九号)
 中津村の地域給指定に関する請願(岩本信行君
 紹介)(第一三二〇号)
 大井町及び長島町の地域給引上げの請願(平野
 三郎君紹介)(第一三二五号)
 豊川市の地域給引上げの請願(福井勇君紹介)
 (第一三二八号)
 後免町外五箇村の地域給引上げの請願(長野長
 廣君紹介)(第一三二七号)
 青海町の地域給引上げの請願(田中彰治君紹
 介)(第一三二八号)
 境町及び上道村の一部地域給引上げの請願(足
 鹿覺君紹介)(第一四一一号)
 氷川町外二箇村の地域給引上げの請願(足鹿覺
 君紹介)(第一四一二号)
 古海の地域給引上げの請願(足鹿覺君紹介)(
 第一四一三号)
 福川町の地域給引上げの請願(受田新吉君紹
 介)(第一四一四号)
 徳山市の地域給引上げの請願(受田新吉君紹
 介)(第一四一五号)
 富田町の地域給引上げの請願(受田新吉君紹
 介)(第一四一六号)
 熱海市の地域給引上げの請願(三宅正一君紹
 介)(第一四一七号)
 黒坂町の地域給指定に関する請願(足鹿覺君紹
 介)(第一四一八号)
 米子市隣接箕蚊屋地区の地域給指定に関する請
 願(足鹿覺君紹介)(第一四一九号)
 余子村外八箇町村の地域給指定に関する請願(
 足鹿覺君紹介)(第一四二〇号)
 鳥取県下の地域給指定に関する請願(足鹿覺君
 紹介)(第一四二一号)
 岩井町の地域給指定に関する請願(足鹿覺君紹
 介)(第一四二二号)
 原田村の地域給指定に関する請願(横路節雄君
 紹介)(第一四二三号)
 新宮村の地域給引上げの請願(福田昌子君紹
 介)(第一四二四号)
 池田町の地域給指定に関する請願(吉田正君外
 一名紹介)(第一四五九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 請願及び陳情書審査小委員会設置の件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一二号)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一六号)
    ―――――――――――――
○有田委員長 これより人事委員会を開会いたします。
 ただいまより一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出第十二号及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出第十六号の両案を一括議題として質疑を継続いたします。小松幹君。
○小松委員 政府委員にお尋ねしますが、先般の予算委員会できめられました附帯決議の内容について、その後閣議決定等が行われたということを承りましたが、そのことについて具体的に説明を承りたいと思います。
○菅野政府委員 先般衆議院の予算委員会におきまして、地方財政の問題とか、あるいは中小企業の問題とともに、給与の問題が附帯決議といたしましてなされました。衆議院が公務員の給与のことについて非常な御理解と御同情を寄せられておるということを拝承して、恐縮しておる次第でございますが、政府はこれに対しましていろいろ方策を検討いたしたのでございます。まず公社職員につきましては、先般十二月十六日に衆議院の労働委員会で、公共企業体等仲裁委員会の裁定に対する議決の附帯決議がなされたのでありますが、その附帯決議の趣旨にのつとりまして、予算の範囲内におきまして奨励手当、報奨金等によりまして、年末に際して国家公務員と実質上均衡のとれた額が支給されるように努力しようということに決定いたしたのでございます。このことによつて年末に増加して支給される額は、大体基本給の〇・二五月分程度でありまして、これは経費節約等によつて捻出するほか、必要とあれば予備費を使つてまかないたい、かように存じておる次第であります。
 次に一般公務員についてでございますが、これは年末に際しましてこの附帯決議の趣旨を尊重しまして、できるだけのことをいたしたいと考えておるのでございますが、現行の法令または予算の範囲内においてやりたい、こういう方針を立てまして、超過勤務等の実情に応じまして第四・四半期分の超過勤務手当の財源を、若干年内に繰上げて支給するという方法等の措置を講じたいと考えておる次第であります。
○小松委員 公社関係等のことははつきり財源的にできると思いますが、われわれがこの審議の対象としている一般職の職員の〇・二五の問題をどういうようにお取扱いになつておるか。
○菅野政府委員 一般職の職員に対しまして年末手当等を支給する場合におきましては、御承知のようにどうしても現在の法律を改正いたさなければなりませんし、また予算的にも相当の変動を来して参るのでございまして、この際非常に押し詰まつて、そういうことをすることも、技術的に不可能でございまするので、政府は先ほど申しました通り、現在の法令とそれから予算の範囲内において、何とかできるだけのことをしたいという考えから、超過勤務手当で第四・四半期分になつておりまする分を繰上げて財源にいたしたい、こういうふうに考えておるのでございますが、これにもやはり一部法令といいますか、人事院の規則の改正が必要でございまするので、その点は人事院の方にお願いしまして、指令等の改正をしてもらうことになつておりますが、公社と違いまして、一定の額のきまつたものを一般公務員にやるということは、どうしてもこれは法律上の根拠がないとできないような次第でありまして、はなはだ不本意ながら、ただいま申し上げましたような方法によつて、幾らかでも年末の手取りが多くなるようにいたしたい、かように考えている次第であります。
○小松委員 国家公務員がそのような措置をとられるということについては、多少の疑義もありますけれども、私はあえてこのことについては追究いたしません。しかし問題になるのは、平衡交付金関係の給与によつてまかなわれておるところの地方公務員の問題でありますが、この地方公務員の、特に超過勤務という制度のない職員の問題について、どのような御所見をお持ちでありますか。
○菅野政府委員 ただいま申し上げましたのは国家公務員でございますが、地方公務員がすぐ問題になることは仰せの通りであります。しかしながら、最初に申し上げました通り、現在の法令と予算の範囲内において、こういうやりくりをいたすのでございまするから、理論的に申しますると平衡交付金法の問題にならないのでございます。つまり、地方公共団体におきましても、現在の法律と予算の範囲内において、そういうやりくりをするということにつきましては、政府はもちろん異存を申し上げる筋合いではありませんけれども、法律と予算にはつきりきめてあるもの以外は、平衡交付金の計算に上つて来ないのでございます。そういうことになるのでございまするが、たまたま一緒に附帯決議をなされました地方財政の堅実化については、いろいろ政府の方でも考えておりまして、この際平衡交付金の増額ということはできなくとも、地方財政の堅実化についての衆議院の趣旨は十分汲んで、そのいろいろな方法を講じて行きたい、かように考えておる次第であります。
 次に超過勤務という制度がない職員に対しての方法でございまするが、これは国家公務員にもございまするし、地方公務員にもあるのでございます。予算のやりくり上、超過勤務というものによつていろいろやるということは、その制度のないそういう職員については不可能でございます。そこで多少のゆとりを考えまして、先ほどお答え申し上げました中に、年内に繰上げて支給する等ということを申し上げたのでございますが、これは各職の実情に応じまして、予算の範囲内におきましてできるだけのことはいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○小松委員 今のようなペース賃金をあてがつておる場合には、ほぼ平等の原則を支持して行かなければならない。それでなくては私は力関係によると考えるわけでありますが、そういうことを抜きにいたしまして、さしずめの問題としまして、超過勤務の制度のない、しかも予算がないところの学校教職員については、今言われた平衡交付金の堅実化の問題で、何とか処置を願わなければならない。かように考えますが、この点についてよりよき御答弁がいただけるならば、私もこのことはこれ以上深入りはしたくないと思つているわけであります。
○菅野政府委員 お答え申し上げます。地方財政に対しまして平衡交付金の比重というのは、非常に強いのでございまするが、平衡交付金は御承知の通り給与ばかりに出すのではないのでございまして、地方財政全般についての財源になるわけでございます。また平衡交付金が唯一の財源ではなく、地方の起債であるとかあるいは一時融資であるとかいうような方法があるわけでございます。そういう全般的な問題につきましては、先般の予算委員会におきましても、特に地方財政の堅実化についてということに関しまして、附帯決議がなされておるような次第でございまして、政府はこれを十分に尊重して、今後、ことに年度末等における地方財政の実情に照して、それぞれ措置をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございまして、御趣旨は十分に汲んで行きたいと思つております。
○小松委員 本年末におけるところの緊急なる問題は、今の政府の御答弁に善意を認め、私はこれを期待しております。しかしこの超過勤務制度というものは、年々歳々あやふやなる給与の形態をたどつているわけであります。昨年にもしろ一昨年にもしろそういうことがあつたわけであります。ここで問題になるのは――これは人事院関係の方にお尋ねをしなければならぬのでありますが、超過勤務制度のないところの学校教職員についてどのような考え方を持つているかということ、私はたびたびの委員会において、この点は幾度も強調して来たのでございます。そこで私は、研修手当の問題を先般文部当局にも申し上げ、人事院にも申し上げておきましたが、これらの制度を設けない限りは、超過勤務の制度のない学校教職員の陥没があるのではないかと考えます。この点について人事院の御見解を承りたいのでございます。
○浅井政府委員 本回の処置につきましては、人事院といたしましても何ら特別のはからいはできかねると思つております。なお、将来の研修手当あるいは超過勤務手当を教育公務員に設けるかどうかという問題につきましては、これは文部省ともよく協議をいたしまして善処いたしたいと思いまするが、ここでどうするかということを明言いたす時期ではないと思つております。
○小松委員 一般職の職員で、管理監督の地位にある者については超過勤務の捕捉が困難なるがゆえに、今度新しく特別調整額というものを本法の上に乗つけて、それで調整しようと試みている。ところが学校教職員の超過勤務についての何らの処置がとられていないと思う。この点についてやはり人事院の反省を促すと同時に、この問題の解決を私は望むわけでございますが、この点についてさらに人事院の御見解を賜わりたい。
○浅井政府委員 御趣旨に従つて善処するつもりでおります。
○小松委員 最後に委員長にお願いのようなかつこうになりますけれども、ただいま私が内閣にも質問し、人事院にも質問いたしましたことは、地方公務員、特に超過勤務の制度のない職員についての問題の解決のために、野党、与党を問わずこの人事委員会の宿題として、ひとつ御検討を煩わしたいと考えるのでございますが、与党である委員長の御見解なり御希望なりを承ることができれば幸いだと思います。
○有田委員長 委員長としてお答えいたします。小松幹君のお申出に対しまして、委員長としても最善の努力をいたすつもりであります。受田新吉君。
○受田委員 特別職の職員の給与に関する法律の残余の質問を申し上げます。
 別表第一に、内閣総理大臣等の俸給月額新旧比較表があるのでありますが、これの中に官職名の内閣官房長官、公正取引委員会委員長その他の官職を持つた人たちが八万二千円にべース・アツプしてあります。これは旧俸給によるならば六万円であつて、国会議員の給与よりも高いこと三千円に及んでおるのでありますが、内閣官房長官は以前政務次官と同額であつたのです。それを特に政務次官すなわち国会議員と同額の給与から四千円高く引上げた理由はどこにあるかを御説明いただきたいと思います。
○菅野政府委員 官房長官を政務次官とわけましたのは、たしかこの前の改正のときでございまして、今回新しくやつたわけではないのでございます。
○受田委員 昭和二十五年の改正でこの官房長官を引上げたのでありますが、この内閣官房長官を国会議員より高くした当時の事情、またこれが高くしたそのままでベースをアップした今回の理由を申していただきたいのであります。現在の政府でありまするから……。
○菅野政府委員 この改正をいたしますときにも、いろいろ問題があつたのでございまするが、官房長官は御承知の通り国会議員と兼ねることができる職でございまして、国会議員として官房長官を兼ねた場合におきまして、少しでも多くの給与を払うべきではないかというようなことで、一段上に移したということを記憶しております。その点は、政務次官の点と矛盾して来るのでございまするが、政務次官と官房長官との仕事の性質等からいろいろ考えまして、その差をつけたように記憶いたしております。今回の特別職の法律の改正は、ただその既定事実を認めまして、それに対しまして一定の割合のベース・アツプをいたしたような次第でございます。
○受田委員 官房長官と同額の給与をもらつておりまする公正取引委員会や土地調整委員会、こういうものの委員長は、その職務の内容が常勤的なものばかりであるか、あるいは非常勤的なものであるか、この内容を明らかにしていただきたいのであります。
○岸本政府委員 内閣官房長官と同じランクにあります特別職の常動的なものは、承つておるところによると大体公取だけでございまして、あとはどちらかと申しますと、別に勤務がきまつていないという性格のものでございます。
 それから先ほど官房副長官からお答えいたしましたところで、ちよつと補足させていただきたいと思います。内閣官房長官のランクを少し引上げたのは八千円ベースのときでございますが、政務次官もそのときにランクは引上げておりまして、官房長官との間に二つほどランクに差がございましたが、八千円ベースのときに大分そのランクの間を縮めておるようなことになつております。
○受田委員 内閣官房長官と政務次官は、昭和二十四年の改正のときには同額で二万八千円でありました。その後二十五年に政務次官を四万三千円にし、官房長官を一級高く四万五千円に引上げたのであります。従つてこの二つは同額であつたものであつて、それを官房長官を特に引上げて、国会議員にあらざる官房長官の場合にも、その給与を支払うことになつて来たのでありまするが、政務次官と比べて、その職務が重いという判定は、政府のどう、いう観点からそれを重いと判定を下したのか。それからもう一つ、公正取引委員会の委員長とか委員のような常置のもののほかの土地調整委員会の委員長とか委員のようなもの、文化財保護委員会の委員長、地方財政審議会の会長あるいはその委員、こういうふうにときどき勤務するような特別職にまで、国会議員よりも高い給与を出すという事由はどこにあるのか、確かめたいのであります。
○菅野政府委員 官房長官と政務次官の職務につきまして、どちらが上とかどちらが軽いとかというようなことは申し上げられないのでございまして、これはともに重要な仕事であることは申し上げるまでもないことでございます。しかしながら給与のことは、これは非常に沿革的なものでございまして、そのときどきの考え方によつてあまりかえるのはいかがかと考えまして、今回の改正におきましては既定事実を根拠にいたしたような次第でございます。
 なお土地調整とか地方財政、運輸審議会の委員とかあるいは会長というようなものが、官房長官、あるいは議員と同じであるというようなことになつております点は、つまり非常勤の職員でありながら、相当な高額の給与を受けておるということについては、一見妥当でないように思われる点もございます。しかしながらこれはほとんど全部が占領期間中にできたものでございまして、政府はこれを是正するためにかなり努力をいたしまして、一回か二回、ベース・アツプのたびにこれを下げたこともございます。それが現状であるのでございます。
 それから中には法律でもつて、はつきり国務大臣と同額とかいうようなことを書いてあるのもございまして、こういうようなものにつきましては、その仕事の性質がどうであろうとも、どうしてもこれは国務大臣と同じ給与をやらなければならぬというようになつて来るわけでございます。これらの点につきましては、今後根本的に検討を要するということは、政府も十分承知しておるのでございまするが、給与の問題は、先ほど申し上げた通り沿革的にむずかしい問題がありまして、なかなか急激にこれを減額するというふうなことは非常に困難でございまするので、しばらく今回のベース・アツプはもとの事実に即したものを提出をしたような次第でございます。
○受田委員 そうした官職につく人が国務大臣と同額であるべき規定が法律に定められたものもあります。ありますけれども、それは国務大臣と同額の高度の職務を持つているというだけであつて、勤務というものに対しては、俸給はその職務執行の努力に対しての報酬でありまするから、ときどきしか出ない者に国務大臣と同額の給与を払つたり、あるいは国会議員よりも高い給料を払つたりするというようなのは、これは筋が通らない。ちよつと一週間に一ぺんとか、一箇月に二、三回顔を出すのが八万何千円という俸給をとるということは、これはまことに不届きなことでありまして、非常に給与の低い少額所得者が四苦八苦しているときに、一箇月に少数事務しかとらぬ人が、その十倍もの給与をとるというような現象が占領下にあつたからやむを得ぬという今お説があつたのですが、独立国になつた今日、しかも独立後最初の選挙で選び出された新構成の国会であるにかかわらず、依然として占領下の俸給を持ち出し、しかも代議士よりも高い給料を払つて、八万二千円も今度出しておるがごときは、前の行きがかりから同じものをこのたびやむなく出されたというお説でありますが、こういう独立になつた機会に、一挙になかなかできないものですから、せめて順次これを縮小して、このたびの改正で一段階ずつ下げて行くような手続をなぜおとりにならなかつたか。事務的にめんどうだから前のままこれを切りかえて行つたというような形をとつていらつしやることに対して、まことに納得ができないのでありまして、いやしくも常時国権の最高機関に列している国会議員で、国会法三十五条にも、一般の官吏よりも下らざる俸給をもらうことが規定されている国会議員の給料に対しても、いろいろの批判があるこの際、ほとんど常時勤務をしておらぬものが、国会議員よりも高い給料をもらつて平気でいるということは、これはまことに許されないことであつて、その勤務に応じた適当の報酬を与うべきであつて、少くともこうした非常勤の委員会の委員長及び委員に対しては、ただちにこれは改正しなければならぬ問題だと思つておるのです。ベース・アツプの機会にこれをやらぬと、あとからなかなか途中でできないものでありますから、こういう改正の機会になぜ引下げにならなかつたのか。やすきにつくという気持があまり強くあつたのではありませんか。これはこの間から検討してみまして、すこぶる私たちはこの問題に対して疑義を抱いておるのであります。御答弁をいただきたいと思います。
○菅野政府委員 御質問の趣旨はまことに同感でございます。ただ一つの理由として考えますことは、非常勤でございましても、相当な重要な審議会でありまするので、民間給与等と比較しまして、わつぱな人を得るということによつて、かような法律ができ上つておるんじやないかと考えるのであります。たとえば文化財保護委員会り委員長でございまするが、これは議員提出の法律でもつてできた文化財保護法によつてつくられておるものでございまするが、この委員長の給与は特別職の給与に関する法律を訂正しまして、その中に差加えられたというようなことは、やはりりつぱな人を得たいという気持から最初つくられたものじやないかと思うのでございます。法律の中にははつきり国務大臣と同額あるいは下らざる給与をというふうに書いたものもございます。しかしながら御質問のように職務の繁閑あるいは責任の程度によつて給与は出さなければならぬのでございますから、これはお説のごとく根本的に検討を要するということにつきましては、先ほどお答え申し上げました通り、政府もまつたく同感でございます。
○受田委員 政府が同感であるという御答弁があつて、これを早急改正するところの用意をお持ちであることを今お聞きしたわけでありますが、少くともこういう給与体系については、何だか思いつきでそれぞれのポストヘこの官職を当てたような感じがしまして、これは国民大衆に納得せしむるのに、すこぶる困難を感じておるのであります。この点につきまして、早急にこの委員会制度における委員長や委員の問題と合せて、法務省関係の職員あるいは国会関係の職員もしくは外交官、こういう人たちの給与の中に、その執行している職務の繁閑の度合い、重要の度、こういうものに不適当の給与がないために、政府としても十分に検討を加え、早急に、少くともその職務内容が一般職の職員、一般の官吏の最高の俸給よりも下らぬという国会法三十五条の規定を、こわすことのないような給与体系を立てていただきたい、これを政府に要望しておきます。
○竹尾委員 今いただきました別表第六を拝見いたしますと、大分ミス・プリントがあるようですが、これはどうしていただけましようか。
○有田委員長 委員長としてお答えいたします。あとで皆さんにお諮りしてやることになつておりますから、御了承を願います。
○森(三)委員 ただいま受田君からの御質問がありましたが、特別職の給与問題につきまして、一応御質問を行いたい。時間もありませんから、簡単にいたします。私どもは終戦後の第一回の国会から憲法改正に着手いたしまして、憲法の条章の中には、四十一条に国会は、国権の最高機関であるということが規定されている。それにかんがみまして、国会議員の受ける歳費は、一般公務員の受ける給与より低からざるものを給与されるということが国会法にも規定されているのであります。私は何もみずからが議員だからといつて申すわけではありませんけれども、少くとも最高機関としての権威を保持するために、国会法の議員の歳費に関するところの規定というものは、十分に尊重されなければならぬと思います。これは毎国会において議論になつている。従いまして政府としても、このことは十分に理解されていなければならぬと思うのです。しかるにかかわ応ず、いまだにもつてこうしたところの特別職の給与体形というものが別表のごとくつくられまして、一般国務大臣あるいは人事官、検査官、国家公安委員会委員、これらが八万八千円に上る。内閣官房長官、公正取引委員会委員長、土地調整委員会委員長、文化財保護委員会委員長、地方財政審議会会長、官内庁長官、これらのものが八万二千円になつている。こういうことになるならば、やはり私は憲法の精神というものが蹂躙されてしまうと思うのです。われわれはやはり国家公務員の給与に関しては、人事院の勧告というものを十分尊重しなければならぬし、また尊重する決意でおるのでありますが、政府はみずからこうしたところの俸給別表というものをつくられまして、憲法の精神を蹂躙し、国会法の規定を破壊するものである。このことは受田君からも言われましたけれども、私は前の国会以来議院運営その他の各種の委員会において主張している。このことがだんだんとこわされて行つたならば、憲法の条文も、国会法の議員待遇の規定も、空文に帰してしまうと思うのです。先ほど政府委員も御答弁がありましたが、私は十分じやないと思う。政府はこれに対して毅然たる考えを持たなければならぬと思うのでありますが、あらためてお尋ねしたいのであります。
○菅野政府委員 憲法並びに国会法の規定を尊重することは当然でございまして、政府もその気持につきましては先ほど来申し上げている通りであります。なお総理大臣、国務大臣あるいは内閣官房長官が議員の歳費より上であるということにつきましては、先ほどもちよつと触れましたが、これはいずれも国会議員が兼ねることのできる職員であります。あるいは兼ねなければならない職員でございますので、その点を考慮してきめられたものでございます。それから国務大臣と同程度の給与を受けておりますこの二つの種類の職員は、法律にはつきりきめてございますので、これを下げるときには法律の改正をしなければならないわけでございます。その他の公正取引委員長であるとか以下の職員につきましては、これでも実は下げたのでございまして、逐次妥当なところに進めて行くのが当然であろうと思います。その根本的の検討は、さらに進めて行きたいと考えております。なお国会議員の歳費につきましては、政府は実は全然関係ないのでございまして、国会でおきめになることでございますので、これにつきましては、私の方からは何も申し上げられません。
○森(三)委員 国会議員の歳費については、政府は何ら関係しない、国会できめるのだと言いますが、その国会できめた歳費の上に位するものの俸給を定めることが、私はいけないというのです。だから国会議員の歳費というものがきまつておれば、それより同等以下にしなければならない、それより以上にするものをつくるから、私はいけないと言うのであつて、歳費が基準となると私は思うのでありますが、歳費を基準とする考え方を肯定するのか、あるいは歳費なんかどうでもかまわない、政府はこれらの特別職に対しては、一方的にきめて行くんだというお考えを持つておるのか、そこを聞きたいのです。
○菅野政府委員 もちろん今までのところにつきましては、国会議員の歳費よりも上の職員があるのでございますが、その既定事実に基きまして、今回の改正案を出したような次第でございます。そしてそれらの職につきましては、ただいまお答え申しました通りの理由――大して強い理由ではございませんが、理由がありまして、国会議員の歳費以上の給与を得ておるような次第でございます。なお今後これらの点につきましては、給与全般につきまして相当根本的な検討をしなければならないと考えております。そういう点につきまして政府も早急に全面的な検討を加えたい、かように考えておる次第であります。
○森(三)委員 国会法の第三十五条に「議員は、一般官吏の最高の給料額より少くない歳費を受ける」。こうあるのです。最高の給料額より少くないと書いてあるのです。その解釈を政府は誤つておるのじやないかと思うのです。だから国会議員の歳費というものが、この国会法の規定にあるとすれば、それより上のものを私はつくつちやいけないと思うのです。その根本的な考え方が、今後においていろいろな特別の法律をつくつて、議員よりか多い給料を受けるものをいくらでもつくつていいというようなお考えのようにとれるのですが、その点はいかがですか。
○菅野政府委員 国会法に規定しておりますところは、政府は、一般公務員つまり一般職の公務員のことをさすのではないかと考えております。従いまして、この法律は特別職でございますので、もちろん政府が一方的にきめるものではないのでございまして、国会の御決定になるところでございますが、この点は国会法にきめられましたところと抵触するものではないというふうに解釈しておる次第でございます。
○森(三)委員 私は政府委員の御答弁に対しましては満足することはできないのでありますが、時間の関係もありますので、この問題につきましては、十分今後御検討を願いたいと思うわけでございます。ただ私、先般の補正予算にからみまして、ちよつと政府委員にお尋ねしたいのですが、年末手当等の問題は、まだはつきりしないようでありますが、北海道の石炭手当につきましては、先般の御答弁では、補正予算が通過したならば、トン当り三百円程度の追加金を支払いする意向であるということをお述べになつておられた。私はそのときに、三百円程度じや足らないから、それ以上に増額していただきたいということをお願いしておいたのでありますが、それにつきまして、政府委員の御答弁をお願いしたいのであります。
○菅野政府委員 石炭手当につきましては、実は今回の補正予算に石炭手当の増額の分が載つておりますが、これは当初予算に組んでおりましたのと、今回支給がすでに済んでおります額との差額でございまして、それ以上の増額の予算は組んでおらないのでございます。従いまして、今回トン当り三百円くらいの増額をしようと考えておりますのは、本予算、補正予算を一緒にして、予算の運用上捻出し得る最高のものでございます。十分でないということはよくわかつておりますが、この際予算を動かさないでこれ以上の増額はとうていできないのでございまして、この補正予算が通りましたならば、すぐその日にでも総理府令を出しまして、トン当り三百円、すなわち世帯当り九百円の増額をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○森(三)委員 ただいま御答弁をいただきましたが、私はさらに増額の御配慮をお願いすることといたしまして私の質問を終ります。
○有田委員長 この際委員長として一言申し上げます。森君の今の質疑の中で、特別職の問題につきましては、さらに当委員会としても十分検討してみる必要があると考えますので、委員長として将来この問題の検討をいたしたいと考えております。
○受田委員 最後に政府にお聞きしたいのですが、石炭手当その飽こういう手当がそれぞれ考慮されておる際に、僻地手当に対して人事院総裁は、先般八割の増額を考慮すると答弁しておられるのですが、政府としてはこの僻地手当に対して、あの僻遠の地で苦労しておられる人に対して、どういうお報いをしようとしておるのか、これに対して確固たる御答弁をいただきたいのでございます。
○岸本政府委員 現在僻地手当は法規上は特殊勤務手当の中に入つておりまして、この特殊勤務手当の全体の取扱いにつきまして人事院で目下検討中でございます。近く職階制をお出しになるとき、それを総合して再検討するというお話がございますが、そうした場合は僻地手当、寒冷地手当などそうしたものを総合して、根本的に検討されるということになろうと思います。それまであまり目立つた変更はしないで行きたい、かように考えておる次第であります。特に僻地手当につきましては、いろいろ指定基準がきまつおります。絶えず指定基準に適合するかどうか、たとえばある町がその指定基準に合致するかどうかということは、絶えず交通事情などかわつて参るわけでありまして、そういう点の実施後の状況の変化による改変が行われているという点もございますので、本年度予算におきましては、さしあたり二割程度の増額をいたし、あとは全般的に再検討をいたしたいと考えております。
○池田(禎)委員 私はこの際政府委員と人事院に最後に質問いたしたい。本日は討論採決に入ることと思います。本会議にも上程されることと思いますが、この一般職の給与に関しまして、われわれはあくまで最小限勧告の線は実施すべきである。こういう主張を持つておつたのでありますが、政府案はこれを相当下まわるものでありまして、御承知のごとく国鉄、専売、電々等のいずれも公共企業体に属しまするものは、これ以上の裁定を受けて、かつまたその実施を受けることになつておるのです。その差額はわずかなりといえども、薄給者にとりましては重大な問題でありまして、少くとも人事院の勧告だけは、ぜひとも完全に実施してくれということは、すべての公務員の熱望であるということを思うときに、われわれはもちろん修正案をもつて臨むわけでありまするが、もしかりに不幸にいたしまして、政府の案が通りましたならば、政府はこれに対しまして、その他とのつり合いの関係をどういうふうに愛情をもつて臨もうとなさるのであるか。あるいは人事院はこの問題について、あなた方の勧告が実現されなかつた場合には、いかなるときに再勧告をする用意があるかどうか。この点を私はお伺いいたしたいのであります。
○菅野政府委員 今般人事院が八月に出されました勧告を、全面的に実施に移すことができなかつたことにつきましては、政府もまつたく遺憾に考えております。人事院勧告はお説のごとく、財政その他の事情が許せば、これはもちろんそのまま実施いたしたいという気持を政府は持つております。しかしながら今回の勧告につきましては、どうしても諸般の情勢からこれをそのまま実施することはできないという結論になりましたので、平均給において約七百円ばかり下まわつたものになつたような次第でございます。なお国鉄あるいは専売の裁定はのんだではないかというようなお話もございましたが、値上りの点につきましては、大体一般公務員と同様約二割でございます。その点は調整がとれておるように感ずるのでございます。電々公社につきましてはまだ調停の段階にございまして、仲裁には入つておりませんが、あとの二公社につきましては、公務員と同じ率の値上げでございますので、これは調整がとれておるように考える次第でございます。しかしながら原則といたしましては、お説のごとく国家公務員につきまして、人事院という機関の存在する以上、その勧告につきましては、できるだけこれを実施するという方向に行くということは当然でございまして、今日の財政は不幸にして許さなかつたのでありますが、一日も早く人事院の勧告がそのまま実施に移される日が到来することを、政府も念願しておる次第でございます。
○竹山委員 議事進行について。まだ質問はたくさんおありだろうと思いますが、人事委員会はこれで閉会するわけでないのでありますから、希望としては、本日上程を予定されている問題の採決をして、あとまた本日も明日も引続いて根本問題についての質疑を継続することを希望いたします。
○有田委員長 竹山君のお申出に御異議ありませんか。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○有田委員長 それではそういうことに御了承願います。
    〔「人事院の答弁がない」と呼ぶ者あり〕
○浅井政府委員 ただいま竹山さんの御発言がありましたから差控えたのでございます。人事院といたしましては、勧告がもし通りませんければ、それは非常に残念に思うということはこれは当然のことでございます。しかしながら国会で御制定になりまして法律と相なれば、これは政府案たると野党案たるとを問わず、人事院といたしましては、誠実に施行するほかはありません。将来さらに勧告をいたすかどうかは、国家公務員法の規定に従つて善処いたすつもりでございます。
○有田委員長 これにて通告者の質疑は全部終了いたしました。他に質疑もないようでありますから、両法案に対する質疑は、これにて終局いたすことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○有田委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。
 この際お諮りいたします。小松幹君外十名より改進、社会両派の各派共同をもつて、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案が、委員長の手元まで提出せられております。また有田二郎君外二十四名より同じく各派共同の一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案、すなわちこれは別表第六に関する区分のみの修正案でありますが、これがまた委員長の手元まで提出せられておるのであります。この際小松君外十名提出の修正案について、提出者より趣旨弁明を聴取することといたします。竹山祐太郎君。
○竹山委員 簡単に修正案の提案理由を説明いたします。修正案の内容につきましては、お手元に配付してある資料でごらんをいただくこととして、内容の説明は省略いたします。
 われわれ野党三派が本修正案を提出いたしますゆえんは、先般補正予算に対する野党三派の予算修正の態度と一貫をいたしておる立場からであります。すなわち今回の政府補正予算におきまして、給与ベースの問題については、もちろん各党においていろいろのお話もありましたが、最終の段階においては、国がつくつたところの人事院の勧告というものを尊重することが、政府また国会がみずからの法律を尊重するという立場において、幾多の労働問題の派生しておるこの段階に構いて、政府が法律を無視するような態度に出ることを、最もわれわれは民主政治確立の立場かう遺憾と考えているがゆえに――もちろん人情として公務員の給与を増額するということは、財政の許す限り何ら反対をするものではありませんし、ますくわれわれは希望をするところであつて、国家公務員が幾多の制約のもとにおいて、国民の公僕として政治的中立性を維持して、ほんとうに国家再建のために努力するには、問題はその給与を十分にするということが前提であることは論をまちません、従つてわれわれは、国民の負担はますます重くなつて困難な中でありますけれども、その本来の努力をしてもらうためには、できるだけ給与を多くするという立場に立つて考えた結論が、政府はわれわれ国会においてつくつた人事院の勧告を尊重するという線において、野党三派は一致いたしたわけであります。その修正案に基いてわれわれの作成をいたしましたのが本修正案であります。もちろん予算は衆議院において敗れましたけれども、なお参議院において審議を重ねられておりますし、また決してこの問題は今回の補正予算だけの問題ではありません。この勧告なるものは、科学的に幾多の問題は蔵してはおりますけれども、人事院の提出された勧告案というものは、依然としてわれわれは今後に生きていると考えておりますから、他日機会を得て、再びこの人事院勧告の線に、公務員給与の改訂をなさんとするのが、野党三派の立場であります。従つてわれわれは、予算は衆議院としては不成立になりましたけれども、ここに野党三派を代表いたしまして、本修正案を提案するゆえんであります。
 なお今川町に委員長から御提案がありました別表第六の修正案につきましては、私は改進党を代表いたしまして賛成をいたすわけであります。これは委員長の努力によりまして、ここまで進行をいたしましたことを私は委員長に敬意を表するものであります。野党三派といたしまして、ことに改進党といたしましては、人事院の地域給に関する勧告には、幾多の不満があります。もちろん人事院において財政的な立場その他から理由はおありでしようけれども、今日までこの地域給の問題について、地方のでこぼこが非常にやかましい論議の対象となつて来ておる。そこでこれはもつと十分に地方の実情をしんしやくをして直すということに、前国会以来この問題が論議されておつたので、それに対する今回の勧告は、一歩前進ではあるけれども、まだ残された問題がたくさんあるということで、われわれは特に野党三派の予算修正の際に、七億五千万円の追加財源を加えて、残されたる地域給の問題の根本的な修正をなすべきであるという立場で主張をいたしたのでありますが、この七億五千万円の予算追加は、不幸にして成立を見なかつたので、はなはだ残念でありますから、委員長に望んで、何とか政府はこの際いかにも地方が困つておる地域給について、既定財源のうちにおいても、可能な最大限度において修正をなすべきことを希望いたしたわけであります。その結果委員長初め委員諸君の一致協力した努力によりまして、今回ここまでの修正案が、時日が不十分のために、まだまだ決して完全とは言えますまいけれども、でき上りましたことは、人事委員会としては、私は満足すべき段階と考えるわけであります。
 このことたるや、まだ問題を残しておりますから、今後において人事院においても、このあと残された問題について十分なる検討を続けて、すみやかに今日残された問題の解決をはかられたいことを、希望を付して、別表第六に対する修正案に賛成をいたすものであります。
 すなち、野党三派の修正案の提案理由とあわせて、全員共同修正による別表第六に、改進党を代表いたしまして、賛成の意を表するものであります。(拍手)
○有田委員長 別表の第六についての修正案は、各派共同提出でありますから、趣旨弁明は省略いたします。
○有田委員長 この際委員各位にお諮りいたしますが、別表第六の修正案の印刷物中事務的な誤りの箇所がまだ若干残つておると思うのでありますが、これらの正誤箇所の取扱いにつきましては、すべて委員長に御一任願つておきたいと思うのでありますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○有田委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。
 この際委員長より人事院総裁に一言お伺いいたしておきたいと思いますが、ただいまの地域給の修正案につきましては、急いで案を作成いたしましたので、法律的にはやや不明確な箇所があるかもしれませんが、これらの取扱いにつきましては、ただいま委員長に御一任願つたのですが、人事院においてこれがこの委員会で決定されました後に、たとえば町や村という文字が脱落しているとか、区域の範囲が明確になつておらないとかという部分がありましても、これが実施にあたり、当委員会の意思を尊重して善処してもらいたいと思いますが、御所見を承りたいと思います。
○浅井政府委員 実施官庁といたしまして、御趣旨に従つて善処いたすつもりでございます。
○有田委員長 別に御発言もないようでありますから、ただいまより両法案並びに両修正案を一括議題として討論に付します。討論は通告順にこれを許します。丹羽喬四郎君。
○丹羽委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題となつております給与関係の二つの政府の原案に賛成をいたし、野党三派の修正案に反対をいたすものでございます。
 今回提出せられましたる政府原案は、現行給与の約二割方の引上げでございまして、われわれといたしましては、これで十分である、満足であると考えている次第ではございません。公務員諸君の生活の現状が相当困難でありますことは、十分に認識いたしているのでございまして、これが改善に対しましては、最善の努力をいたしたいと考えておるのであります。でき得れば、人事院勧告案、あるいはそれ以上の給与ベースの改訂をもつて、公務員諸君に報いたいと思うのでありますが、一面われわれといたしましては、現下の財政、経済事情、国民の負担、国民の生活水準等をもあわせ考えねばならないのでありまして、現在のところ政府案程度がやむを得ざるところであろうかと考えるのでございます。今回の改正によりましても所要経費は一般、特別両会計、これに政府関係機関を加えますると、総額で約三百二十二億に達しまして、さらに地方団体職員をこれに準じて引上げますると、これが二百七十五億円でございますから、これらを合せますると、五百九十七億円に達する次第でございまして、一方今般の減税によりましても、なお相当の負担加重を訴えておりまする国民の負担を考えますると、ただいまのところここらが限度ではなかろうかと思うのでございます。さらに昨年十一月の給与引上げ以来本年十一月までに、消費物価はわずかに一・五%の上昇を示しているのにすぎません。また民間賃金も毎月の勤労統計によりますると、一八・三%の上昇を示しているのでありますから、これらを勘案考慮いたしますると、これを上まわる二割程度の給与の引上げは、これまた現在のところでは妥当ではないかと思うのでございます。しかしながら政府の原案のうちで特に不安に思いますのは、最も働き盛りの六級、七級、八級あたりの給与カーブが、やや中だるみの傾向が見えることでございまして、次回の給与改訂の際には、これら中堅層の給与の改善を強く要望いたす次第でございます。
 今回提出せられましたる野党共同の修正案についてでありますが、今日この際における案といたしましては、われわれは財源の点から考えましても、また時間的並びに技術的観点から見ましても、ともに余裕なく、実施不可能なりといたしまして、遺憾ながら反対の意を表する次第でございます。修正案のごとく人事院勧告の八月実施をやるといたしますれば、国家公務員だけでも政府提出の予算案よりさらに百八十九億円を要することになります。これに地方公務員、国鉄、専売職員等を合算いたしますると、約四百六十七億円を要することとなりまして、わが国の財政、国民の生活水準等より考えまして、国民一般に現在これだけの負担をかけることは、とうてい忍び得ないことと思うのでございます。さらに二十五日を前に控えまして、一切の公務員の給与法を通過せしめねばならない現状から考えますると、あと三日に迫つておりまする今日、修正案を通過さすためには、特別職給与法初め十種以上に上る各種給与法を改正いたさなければなりません。今日これらの措置を講ずることは、ただいまの段階におきましては、すでに時間的余裕は全然ないのであります。これを無理に強行しようといたしますならば、かえつて実施が不可能となり、この歳末を控えまして、公務員その他に多大の迷惑を及ぼす結果になるであろうと恐れる次第でございます。以上の点からいたしまして私は自由党を代表いたしまして、今日やむを得ない次第でございますが、政府原案に賛成をいたし、修正案に反対をする次第でございます。
 最後に地域給に関する別表第六のことでございますが、これはただいま竹山委員からのお話もございました通り、その経過をたどりますと、人事委員全員一致で、しばしば従前より論議せられておりますところの地域給に関する不権衡の是正に努めて、一応の成案を得たわけでございます。私どもといたしましては、今日のこの修正案をもつて、これまた満足すべきものではございません。まだまだ不平等の点がございますが、これをできるだけ早い機会に再修正いたしまして、人事院におきましても、再勧告されることを切望いたしまして、私は地域給に対する修正案に賛成をする次第でございます。
○有田委員長 竹山祐太郎君。
○竹山委員 改進党は政府原案に反対をし、ただいま野党三派によつて提案をいたしました修正案に賛成をし、別表第六につきましては、改進党としては希望を付して賛成の意を表する次第であります。
○有田委員長 受田新吉君。
○受田委員 私は日本社会党を代表して、政府原案に反対をし、野党三派共同の修正案及び一般職の職員の給与に関する法律の別表第六の勤務地手当支給地域区分表に賛意を表するものであります。
 まず政府原案に対するところの反対の理由を申し上げますならば、この国家公務員に対する給与改善ということは、独立国家となつて真の面目を発揮するために、国家の公務に従事する人たちに真に職責を遂行せしめるための最も重要な手段であり、またそれに対する国家としての責任であります。これが具体的に人事院によりまして、理論的にもまた実際的にも幾多の検討を加え、その専門的な知識の動員によつて、勧告案がすでに五月実施一万三千五百十五円ベースという基本線を引いて政府に打出されておりましたにかかわらず、政府は十一月よりこれを実施するとともに、人事院勧告よりも七百円も下まわるところの原案を提出したのであります。この点につきましては、民主国家といたしまして、少くともこの専門的な給与体系に検討を加える機関である人事院が存在する以上、国家は財政的な事由などということを、ことさら取上げてまでこの人事院勧告をけ飛ばすような措置に出ずして、人事院勧告をそのまま政府原案として提出する用意がなぜなされなかつたか。財源的に百八十九億という予算の追加が必要であるというこの野党三派の修正案に対しまして、政府はこの財源を求めるのに道なしと断定をしたのでありますが、少くともインベントリー・フアイナンスの一般会計べの繰りもどし、また繰越金、財政余裕金、あるいは安全保障費の節約とか、少くとも今政府自身が十分手をつけ得るところの財源が残されていることは、これまた先般の予算委員会で野党の各位より十分討論の尽された通りであります。こういいう意味から、われわれといたしましては、少くとも政府は人事院の存在を十分意識する以上は、この線を認めるところの方途に出なければならなかつたと思う。最近人事院の軽視論が出、あるいは廃止論まで出て、政府の中の責任の衝にある者までもこれを放言するにおいては、人事院の存在を否定する意図があるようにわれわれは疑わざるを得ない。その現われが、人事院の勧告を無視して、ここにはるかに下まわるところの政府原案を提出したものであるというような疑義さえも、われわれは十分認めざるを得ないのであります。従つて私たちは少くとも国家公務員に対しまして、人事院の立場が十分納得できるように、この給与改訂にあたつては人事院勧告の線を実施し、少くともこれは財政的な立場を考慮して、八月よりこれを実施するという線を打出さなければならぬという結論に達しまして、野党三派の提出した修正案に賛意を表するものであります。
 また政府原案によりますと、常勤的な性格を持つ非常勤勤務者が約十二、三万おるのでありますが、こういう人たちに対する期末手当というようなことなどは、全然法制的に考慮されていない。これに対するわれわれの質問によつて、ようやくこれに対する具体的な措置を考慮するということになつて来たのでありますけれども、少くとも法制的にこれを明文化しなければならない。あるいは休職者もしくは未復員公務員に対しまして、これまた期末手当を支給すべきであるとわれわれは考えております。何となれば、休職者のごときものは、真の自分のあやまちという意味でなくして、まことに不幸な運命に襲いかかられて病気にかかり、そしてこの寒い冬も、お正月も病床に坤吟しなければならない。こういう人たちが、同僚が元気盛んに勤務して、かつ全部の職員に十分とはいえなくても期末手当が与えられ、それをいただいておるというときに、休職者がおもち代すらもらえないということは、いかに寒い冬、寒いお正月を迎えさせるかということになるのであつて、この点においても、われわれはこういう人たちにこそ、国家があたたかい愛の手を差延べて、病床におもちを送るという思いやりが必要ではないか。これに対する予算がきわめて少額であることははつきりしておる。また未復員公務員におきましては、戦いの終つた八たび目のこの冬を異国の空に送るこのわれわれの同胞の同じ政府職員の身の上を思うとともに、この方々をいつまでもお待ちになつて、いらつしやるお家族の身の上を思うときに、自分の夫が帰つていてくれさえすれば、りつぱに国家公務員としてお手当も、また期末手当もいただけるのに、夫がまだ帰つて来ぬばかりにおもち代さえももらえない。さらに三七ベースで給与を押えられて、少額の給与を与えられているにすぎないというときに、いまだ帰らざる方々、またこれを待たれるお家族の方々を思うときに、これら未復員公務員に対しておもち代を差上げて、その悲しみを補つてあげるという愛情がなぜ持たれなかつたか。これに対する国家予算もこれまたきわめて少額であります。このきわめて限られた少額の予算さえも融通することができなくて、しかも電源開発その他につまらぬ融資をするとか、財政的な資金の政府の不公平な分配によつてなされる欠陥を見のがしておいて、こういう人たちに対する愛情の政治を断行しないというところに、われわれといたしましては、この際政府原案を十分考えて行かなければならないのであります。
    〔一社会党は電源開発を否定するのか」と呼び、その他発言する者多し〕
○有田委員長 静粛に願います。
○受田委員 従つて政府はこうした不幸な人々に対する思いやりを持つという政治を実現するというところに、徹底的な対策を講じなければならない。いわんやわれわれといたしまして、ここにさらに考えなければならないことは、この政府原案によりまして、特に公共企業体の職員、国鉄の職員は仲裁裁定を実施していただくことになりまして、この点一般公務員でありますところの国家公務員と比較するならば、相当額の給与の差異があるのであります。この点につきましても、少くとも同じ性格を持つ職員は、公共企業体で同性格を持つものとして、郵政省の企業職員あるいはアルコール工場に働く人、印刷庁に働く人たちに対しては、同等の給与を支払うべきことは当然である。いわんやこれら人事院勧告とこうした差異を持つものには、政府の給与体系に対する大きな矛盾があるのであつて仲裁裁定を重んずることによつて、同時に人事院勧告を重視するという線が必要ではないか。こういう点においても、ことさらに人事院勧告を無視した政府の一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対しては、われわれは賛意を表し得ないのであります。
 なおここに別表の第六といたしまして、地域給の改正がなされたのでありますが、これは公務員に対して少くとも一歩前進の待遇改善であるという点において、われわれは大いに賛意を表します。と同時に、さらに忘れてならないことは、特殊勤務をいたしますところの僻地に働く人々であります。この僻地に働く人々、すなわち山間僻地あるいは離れ島等において文化の恩恵にも浴せず、あるいは交通不便のため都市との連絡もできずに苦労の生活をしている人々に対してこそ、思い切つた給与改善をすべきである。従つて僻地手当のごときは教員の研修手当とともに抜き出して、これは法制化して考えるべきであるということを、われわれは政府に迫つたのでありますけれども、これまた受入れられなかつたのであります。私たちはこのように一般職の公務員に対して、政府自身が上に厚く、下に薄いところの考え方をもつて、給与体系を実施しているとともに、忘れ去られようとする人たちをそのまま忘れ去つている。国民の中に、公務員の中に、一人として不幸な人をつくらぬという徹底した大衆愛に燃えた政治を忘れておる。こういうところにこの法案に対する大きな欠陥のあることを認めるのであります。従つてここに実情に即したところの最低賃金制の確立を十分法律案に盛り込むとともに、今申し上げたような公務員のすべてにまで行き渡つた、深い愛の手を政治的に打たなければならなかつた、これが忘れられているというところに、この法案の大欠陥があることを指摘せざるを得ないのであります。私はこの意味におきまして、政府はすべからくこの法案に対して猛反省を要求するとともに、この法案に対して断固反対をせざるを得ないのであります。
 以上簡単でございましたけれども、原案に対する反対と、野党三派の修正案並びに別表第六に対する賛成討論を終る次第であります。
○有田委員長 小松幹君。
○小松委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして反対いたし、修正案に対し賛成するものであります。
 この法律は、全国九十一万の国家公務員の賃金を決定する法案でありまして、これに関連した地方公務員の賃金をも定める法律でありまして、いわゆるベース改訂を中心とする給与改正法でありますが、この法律いかんが、これらの公務員の今日の生活を決定する重大なる影響をもたらすものでありますから、私はあえてこの席上において、政府並びに与党各位に反省を促し、修正案に賛成いたしたいと思うのであります。
 第一政府は、財政上の理由として現行ベース二割増し、一万二千八百円ベースという、現在の世上から考えたならば、まさに常識はずれの低賃金を押しつけているような形になつておるのでございます。これでは今日までの国家公務員並びに地方公務員のまじめな勤労と、その成果をまつたく無視しているのみならず、苛酷な労働条件に、さらに賃金を民間水準以下にくぎづけしようとしておる点が、明らかになつておるのでございます。これは低賃金政策の現われであるともに、私は吉田内閣そのものの持つ、反勤労者的性格をこの法案において暴露しておるものだと言わなくてはならないのでございます。
 一体今日成人一人の生活費が、いかに最低といつても月四千四百円で事足りるでございましようか。ベース平均一人一日八十六円の生活費の計算になりますが、これでよろしいと考えている政府は、一体国民にどのような生活をしろといつておるのか、きわめて了解に苦しむものであります。
 そもそも賃金設定の基準は、何といつても現実の生活費を保障する賃金でなくてはならないことは、論をまちません。食えない、着れない賃金においては、働きと能率も上がらないということは、当然すぎる当然であると思うのであります。いかなる理由がありましようとも、国家が雇傭する公務員の賃金であります以上、最低の生活を償い得る賃金設定がなされることが、私は当然であると思うのであります。それがまた民生安定、能率向上のための政府の責任でもあると思うのであります。現在公務員は、このような政府の生活のできない低賃金に対して反対いたしまして、町に出て品物を買つて来てくれ、どれだけ金がかかるか、かような考えのもとに、マーケツト・バスケツト方式によつて、買物かごを用意しながら市場に出かけ、一人最低八千円という最低賃金を打ち出しているわけでございます。これは決して今日において高い要求ではないと私は考えます。昭和七、八年ごろのあの不況時代の、中学校卒業者が四十円の初任給をとつていたことを思い出すのであります。現在のこの八千円から考えれば、二百倍の貸金要求になつております。ところが物価を考えてみますと、昭和七、八年ごろの物価よりも三百倍、飲食物資に至つては五、六百倍になつているということは、だれもが知つている事実であります。かように考えましたならば、一人八千円を要求している賃金は、まことにつつましやかな最低の要求であると、私は賛意を表したいのであります。これに対して人事院は、去る八月一日一万三千五百円ベースを勧告いたしました。この勧告も、きわめて私は不可解な点を感ずるのでありまして、人事院は、食糧に関してはマーケツト・バスケツトの方式をとつておりますが、市場に出て、しかも東京の市場に出まして、物を買いあさつて、一番安い物を買つて、それで人事院勧告の実効価格を出しているわけでございます。もつと具体的に言うならば、人事院はしなびた野菜を買つたり、歯にも立たないような馬肉か何かを買いあさつて、それで人事院勧告案をつくつておると考えざるを得ないのであります。それにしてもやはり現在の生活から考えるならば、一万三千五百円というベースになるわけであります。
 かように考えて来ましたならば、政府の今回提出した一万二千八百円べースというものが、いかに現実の生活にふつり合いであり、理論的に合わない低賃金であるかということは、納得できるわけであります。これではいかに国家公務員なり地方公務員が、まじめに努力しようと耐えておつても、耐え切れない、追い詰められた心境になるということは、やむを得ないことであります。憲法に保障されている健康で文化的な生活、これを完全に今すぐ実施してもらいたい。かようなここは申しませんけれども、今日の国家公務員の心情を察するときに、私は何といつても心身ともの健康を保たなければならないと思う。政府は共産党をおそれ、それの対策に多くの金を費しておりますけれども、はたしてこれが共産党防禦の政策であろうかと疑わざるを得ないのであります。それよりもむしろその前に、これら公務員の心身ともの健康をはかつて、正常なる勤労者的精神の高揚をはかることこそ、最も必要なことではないかと私は考えるのであります。政府は金がない、財政的に困難だからこのベースでがまんしてくれといつておりますけれども、金がないのではない、出さないのであるということは、先般の委員会においても、私の質問によつて明らかになつたところでございます。他国の軍隊の宿舎を建てるために、他国の民族を守るために、日本の公務員を現実に低賃金の犠牲に置いておくということは、私は耐えられない気もいたします。日本の安全保障は廃品やバズーカ砲で守れるものではない。国民のほんとうの精神的、肉体的の健康と文化性を持つてこそ、初めて日本の安全保障があるのである。
 かように考えましたどきに、一応合理的に算出され、しかも世論において最も妥当とされておるところの人事院勧告案を、せめても採用して施行することが、民心の動揺を防ぎ、国家公務員の心身の安定をはかる唯一の政策ではないかと、かように考えて私はこの修正案に賛成するものであります。どうかこの点を御考慮いただきまして、政府当局は今後もかような低賃金政策を施行しないで、国家公務員の要望を切に入れられることを、最後につけ加えまして、私は大様政府提出の一万二千八百円ベースに日本社会党を代表しまして、断固として反対するものでございます。
○有田委員長 館俊三君。
○館委員 私は労働者農民党を代表いたしまして、政府の原案に反対をし、さらに野党三派の修正案についても反対を表明せざるを得ないことをきわめて遺憾とするものであります。賛成する委員及び反対する委員がるる述べられたことのうちで最も主要な点は、財政的やり繰りができないということが主眼点でありまして、この財政的やり繰りができるならば、政府といえども人事院勧告をそのまま履行し、国鉄裁定及び専売裁定のごときものを、ああいうふうに十一月に持つて来るという形にしてしまうことはなかつたというお話であろうと私は感ずるのであります。そこで財政的にやり繰りができるかできないかというところの根本問題は、自由党の諸君や、改進党の諸君と私たちの党の立場が違いますから、見解の相違として葬られればそれきりでございますけれども、日本の今日置かれた国際情勢の判断の上に立つて、自由党の諸君や、改進党の諸君が再軍備の準備形態に入つて、そのための予算を二十七年度において多量に獲得しておることに根本的原因があるのであります。しかもこのわれわれの党の立場からするところの戦争反対、従つて再軍備反対という項目を貫くならば、この人事院勧告にいたしましても、国鉄裁定、専売裁定、全電通調停委員の案、そういうものにいたしましても、あるいは地方公務員に関連する平衡交付金の問題にいたしましても、十分にこれを支出し得るところの余裕を持つておるのであります。しかも二十七年度の予算において、二十六年度から繰越し予算の二百二十何億が、また二十八年度に繰越されようとしておる。さらにまた防衛費その他の、わが党が称するところの戦争準備諸費の使い残りがたくさんあるのであります。消極的に見まして、これらを勘案いたしましても、悲惨な生活をしておるところの労働者諸君の賃金として少くとも気がねしながら持ち出しておるところの一万六千八百円ベース及び新制中学卒業生八千円、新制高等学校卒業生に対しての九千九百七十円のベースを獲得させても、一向さしつかえないと、財政的立場から私たちはにらんでおるのであります。そういう意味から考えますならば、これらの諸要求を十分に獲得できるのでありますが、政府諸公は私たちの態度を否定して、再軍備の方向に予算を盛り立てておるがために、その金のけじめのしわ寄せがあわれむべき労働者全部にしわ寄せされておるのが、一万二千八百円のベースであり、一万三千五百十五円の人事院勧告となり、あるいは国鉄裁定の一万三千四百円という形になつて現われておるのであります。国鉄裁定の一万三千四百円にいたしましても、人事院の一万三千五百十五円にいたしましても、労働者がほとんどこぞつて、どの組合も、どの立場におる人たちも言うておるように、一万六千八百円ベースというと非常に大きいようですが、人事院の立てておる一日の食料費八十六円とこの一万六千八百円べースの立てておる食料費を比較いたしますならば、わずかにこれが上まわつて百七円にしかつかないのであります。従つて一万六千八百円ベースというものが、いかに最低の要求を出しておるかということは、この点においても歴然としておるのであります。しかもこの給与体系を見ましても、上厚下薄になつておるのである。上に厚く下に薄くなつておるのであります。しかもそればかりでなく、かかる低賃金で坤吟ずる諸君に対して、勤勉手当あるいは奨励手当というものをつけまして、暮れに臨んで金のやりくりに困り、越せるが越されぬかと年の瀬に坤吟しておる労働者に当然与えられるべき〇・五のもう一つの〇・五を、勤勉手当あるいは奨励手当という名前によつて、政府あるいは勤労管理当事者のごきげんをとるような者に対しては〇・七を与え、悪い者に対しては〇・二を与えるというような極端な勤労操作をやつておるに至りましては、実に気の毒な次第であります。それからまた従来ある給与法律の中を見ますと、六箇月で昇給させる、九箇月で昇給させる、あるいは一年で昇給させるということに書いてございますのは、いかにももつともらしうございますけれども、その法律のさらにその次の条におきましては、政府予算の許す範囲内において、この昇給をさせると書いてあるのであります。こうなつて参りますと、百人の昇給期限に満足に達した者がありまして、その百人が一応そろつて甲の成績であつた場合におきましても、政府の予算の出し方が従来毎年足りませんので、百人の人間が百人とも同じ成績を持つておりましても、たいていの場合七十人か八十人しか昇給しておりません。そういうことになりますと、昇給に残された三十人、四十人の者は、また年末に行つて、お前の成績が悪いのだからといつて削られる。そういうようなえらいことに法律がきめられておるのであります。私はこういう制度に対しては、ほんとうにこれは封建的な状態に給与体系をかえすものであると思う。現場当局者の勤労管理がかくのごとき状態であるならば、昔あつた通りに、偉い人のふろをたきに行く者が昇給したり、偉い人の弁当を運ぶ者が昇給したりするという形が出て来るのでありまして、労働の価値に対して払うという新しい意味における給与体系が、ここでまた崩れてしまうということを、私は非常に残念に考えるのでございます。
 いろいろ申し述べたいことはありますが、政府原案に対しては、そういう予算の措置がわれわれの立場からいえば絶対にできるのである。そのしわ寄せを労働者がひつかついで、さらに戦争になつた時分に、その労働者がまたまつ先に先頭に立たせられるという本質的な考えから、政府原案に反対をする次第であります。
 三党修正案に対しては、私がこういう立場でいろいろ述べた欠点が、かなりに修正されておることについては、私も修正に参加した一人でありますから、賛成はいたしますし、その点によろしいのでありますけれども、これを八月から実施としたということはどういうことであるか、少くとも五月から実施すべきでないかと私は考えるのであります。しかもこの八月実施の形によつて出された三党修正予算案の概要を見ますとへ私たち党として、基本的に考えて、こうしなければならないと思つている戦争準備予算に対しては、ただ少しだけしか手をつけておらないばかりでなく、かえつて酒及び砂糖の消費税が増加をしておるような状態でございます。かくのごときことであつたならば、この一万三千四百円のベースをきめたといたしましても、これだけで一万六千円に比べて一万三千円が低いところへ、さらにそういうことになつて参りますと、とんでもない。労働者は名目賃金は上りますけれども、実質的にはますます零落の一途をたどるという形が出るのではないかと思つております。しかも三党予算修正によつて、予算の増額を来すことになります。この予算の増額は、日本の予算総額は私たちの党として考えますと、少くとも年度初頭の八千六百億、それよりも下まわつた予算を立てなければ、インフレを押えることができない、そういう、八千六百億円よりも下まわつた予算でなければならないと考えておるのであります。しかるにもかかわらず、この予算を増額して、さらに引続いて軍事予算を三党予算が削つてないということのために起きるところのインフレ傾向をどうするかという点について、もしその通りであるとするならば、これは給与増額を、ほとんど現在のような増額で、困難をしておる労働者をして、ますますインフレのために実質的賃金の価値を落して行くことになる。私たちはそういうことをも考えまして、この修正案には全力をあげて協力をいたしたのでありますけれども、全体的な予算の措置から考えまして、当然ごのことを究明いたして明らかにしておく必要がありまして、こういうことを申し述べるのであります。そういう意味で反対の結論は出たつもりでございますが、ただ地域給の問題におきましては、別表六号は賛成をいたすということを申し上げて、私の反対演説を終ることにいたします。
○有田委員長 これにて討論は終結いたしました。
 これより採決いたします。採決の順は、第一に一般職の方について、まず改進、社会両派共同の修正案を採決し、次に全会派一致の共同修正案を採決し、最後に原案の採決をいたしまして、そのあとで特別職の方を採決いたしますから御了承を願います。
 採決いたします。一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する小松幹君外十名より提出の改進、社会両派の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○有田委員長 起立少数であります。よつて本修正案は否決されました。
 次に有田二郎君外二十四名提出の各派共同の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○有田委員長 起立総員。上つて本修案は可決されました。
 次に、ただいま議決されました修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○有田委員長 起立十二名であります。念のため、反対の諸君の起立を求めます。
    〔反対者起立〕
○有田委員長 起立十二名、よつて可否同数であります。委員長は、国会法第五十条の規定によりまして、これを可と決します。よつて一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に修正議決いたしました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○有田委員長 起立十二名であります。念のため、反対の諸君の起立を求めます。
    〔反対者起立〕
○有田委員長 起立十二名。よつて可否同数であります。委員長は、国会法第五十条の規定により、これを可と決します。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なお両案に関する委員会の報告書については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○有田委員長 御異議なければさよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
○有田委員長 この際お諮りいたします。本委員会に今日まで付託となりました請願は、約四百六十件となつておりますので、この請願の審査にあたりまする場合、一々本委員会で審査をする手続を省きまして、請願及び陳情書を審査する小委員会を設けまして、それに審査を付託し、その結果に基いて本委員会において、最終的決定をするということにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○有田委員長 御異議なしと認めます。よつて請願及び陳情書審査の小委員を設置することに決定いたしました。
 ただいま設置するにきまりました小委員の指名及び小委員長の指名につきましては、すべて委員長に御一任願つておきたいと思いますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○有田委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。
 小委員及び小委員長の氏名は追つて公報をもつて指名いたします。
 本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつて御通知することといたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後二時十五分散会