第015回国会 電気通信委員会 第6号
昭和二十七年十二月八日(月曜日)
    午後二時開議
 出席委員
   委員長代理理事 本間 俊一君
   理事 中村 梅吉君 理事 有田 喜一君
   理事 松前 重義君 理事 原   茂君
      岩川 與助君    寺島隆太郎君
      貫井 清憲君    松村 光三君
      中曽根康弘君    楢橋  渡君
      三輪 壽壯君    阿部 五郎君
      山田 長司君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  平井 義一君
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  金光  昭君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      長谷 慎一君
 委員外の出席者
        日本電信電話公
        社総裁     梶井  剛君
        日本電信電話公
        社副総裁    靭   勉君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     古垣 鉄郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     岡部 重信君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の
 承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
 電気通信事業に関する件
    ―――――――――――――
○本間委員長代理 これより電気通信委員会を開会いたします。
 本日は委員長が所用のため御欠席相なりましたので、私が委員長の職を行います。
 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、質疑を続行いたします。本日の参考人として日本放送協会会長古垣鉄郎君、同理事岡部重信君が出席されておりますので、適宜政府委員と参考人に対して並行して御質疑をされたいと思います。山田君。
○山田(長)委員 おととい御質問申し上げましたが、さらにその連続とでも申しますか、これは一応当局及び放送協会側にお願いしたいと思います。大体ラジオの公共性の問題についてはおととい一応御説明がありましたので、この点についてでなく、きようお伺いしたいと思いますことは、テレビの公共性の問題についてお尋ねしたいと思います。
 テレビの受像機の問題につきましてはおととい御説明を伺いましたが、大体一台十七万円もするようなある一定の限られた人だけにしか所有できない高価な機械に対しまして、公共性ということを考えるのはかなり問題があるのではないか。非常に数の多い人に与えられるものであるならば、公共性というものは考えられますけれども、限られているテレビの受像機について民間側が求めるテレビと、放送協会側で設けようとするテレビとの公共性の差がどこにあるのか、この問題を第一点として伺いたいと思います。
○古垣参考人 お答えいたします。最初にテレビジョンのセットが、これから始まる日本において高いということは、テレビ普及の隘路の一つの大きなものだと思います。そこで何としても国産を振興いたしまして研究を重ね、またその他いろいろ必要な方法を講じてその値段を安くするように努力することが、テレビ普及の上で非常に必要なことだと考えております。また国民の所得に比較してテレビのセットがほかの機械などに比べまして相当高価である場合に、これをできるだけ月賦販売とかその他の方法によつて入手を容易にするというようなことも考えなければならぬと思いますが、テレビジョンが国会においても促進決議が出ております通りに、単に文化だけと申しませんで、国民の社会生活の上で非常に必要なものである。ことに民主主義の普及の上に、教育の普及向上の上に必要なものであるというような見地から、テレビは今日の日本において大衆の友となるべきものであつて、決して一部の階級限りの、ことに富有階級のおもちやであつてはならない。そういう立場で番組の面におきましても、また技術施設の面におきましても考えて参りたいと思います。最初東京から始めますが、これは日本の政治、社会の中心が首都の東京にありますから東京から始めるのでありましてやがてはわれわれの企画といたしまして、日本全国にあまねくテレビを受像でき得るようにいたしたい。また一部階層だけでなく、一般の階層、ことに国民大衆の友としてテレビが役立つようにいたしたいと考えて、隣組の面もそういう基礎に置いてつくつて行きたいと考えております。
 ちよつと余談になりますが、テレビが始まりましたアメリカやイギリスなどにおきましても、初めはテレビのセットも非常に高かつたのでありますが、国民の所得に対してだんだん安くなつて参りまして、今日では庶民の友となつておることが立証されております。ことに私どもの深い関心をもつて調査いたしておりますイギリスなどにおきましても、初めはテレビの普及が上層階級に非常に偏在しておりましたけれども、公共テレビをやつておりますイギリスにおきまして、最近の一九五一年の中ごろの調査がこちらにわかつたのでありますが、それによりますと、収入の額によつて四階級くらいにわけまして、第一、第三、第三、第四、第四は一番下層の階級でありますが、初めは上の方に非常に片寄つていたものが、今日は下から二番目、第三の収入層の階級がテレビ・セットのほとんど五〇%を持つておる形になつております。また教育等の区別で調査しましたのをみても、今日では高い学校教育を受けない層においてテレビ・セットが普及して、教育の用に供せられておるということになつております。私どももそれと同じようなねらいで考えて行きたいと思つております。
○山田(長)委員 イギリスの国民の所得とでもいいましようか、生活水準はどれだけであるか、私は普及された当時の状態というものを知りませんけれども、公共性と名のつく以上は、最初から限られた人だけに利益を与えるというのではなくてあまねくの人に、もちろん今日のラジオの場合にも最初そういう状態でなかつたことはわかるのでありますが、少くともこれからこういう文明の利器は、最初からすべての人に恩恵を浴せしめる状態をつくり出すべきではないかと考えられますが、その点についての御当局のお考えでは、あまねく国民に普及させるようなどういう方法がございますか、その点を伺いたいのであります。
○長谷政府委員 ただいまの点についてお答え申し上げます。テレビジョンは、ほかの現に実施いたしております例を調べますと、
    〔本間委員長代理退席、中村(梅)委員長代理着席〕
一台のテレビジヨンを見る、あるいは聞いておる人々は、それが次第に各家庭に普及するに従つてかわつて参りますけれども、特に初期におきましては、家庭に置かれました受像機についてさえも、十数名というような数字が出ておるのでございます。と申しますのは、いずれの国におきましても、このようなことが始められました初期におきましては、そうたくさんの受像機が各家庭にまんべんなく行き渡るというようなことはとうてい考えられません。従つてこういうようなある時期において相当高価なものを持てる家庭の施設を、近所、縁者、友達たちが相寄つて見る。しかも小さい子供から老人、全家族、あるいは今申し上げましたような友達などが、全部一堂に会して見るというような形で、ございまして、それが例外なしとは言えないかと思いますけれども、家庭に置かれた受像機は、必ずしもその家庭の者だけが見るということではないだろうと思われます。それからもう一つの点は、おそらく日本のような場合には、特に学校とか公民館とか、たくさんの人が集まられるところに割合に初期のうちからこういうものが施設されるのではないかと思うのであります。振りかえつてみますと、日本の放送の歴史においても同様でございますが、初期においてはむしろ個人々々が、あるいは少数の者がこういうものを別個な形に独立して享受するということでなしに、できるだけたくさんの人が集まつて見よう。これは一つは珍しい点もあるかと思いますが、そういう傾向が出て来るだろうと思うのでございます。なお私ども管理者側といたしましても、あるいは日本放送協会が従来とつて来た考え方でございますが、学校とか、公民館とか、あるいは病院とか、そういうところでは、聴取料を無料にするというような処置をとりまして、できるだけそういうところの普及が、ほかの場合よりも増進されるような形をとつておる次第でございます。
○山田(長)委員 私が申し上げる公共性の問題については、あまりはつきりしないのですが、たとえば今免許になつているテレビジヨン放送網の会社、及び今度申請しようとしておるといわれるNHKの公共性、この公共性の二つの問題なんでありますが、この点について、民間の場合には、公共性は一体どういう点で認められないか。あるいはNHKの場合における公共性というものは、どういう点で特に取上げられるか。この点をひとつ郵政大臣に伺いたいと思います。
○高瀬国務大臣 公共性という意味についてのお尋ねでありますが、私の解釈しておりますところでは、ラジオにしろ、新聞にしろ、テレビジョンももちろんでありますが、一極の公共性を持つた仕事であると思つております。ただ事業経営の方法といたしまして、NHKのやつておりますのは、広告料収入によりませんで、有料放送をやつておつてテレビジヨンについてもそういう方針でやろう、こういうことであります。一般の民間のラジオ放送は広告収入によつて経営する、こういうことになつておりますから、どうしても営利性が相当に入つて来るわけであります。その点に違いがあります。ではなぜ営利性を持たない公共放送というものの必要があるかという問題になるかと思いますが、やはりそれは営利性という制約がありますために、放送の内容の問題、あるいは普及の方法の問題等について相当の制約受ける。しかしもしそういう営利性が入らない場合には、公共性をもつと発揮できる、こう私は解釈をしておるわけであります。
○山田(長)委員 今の公共性の問題ですが、NHKでかりにそれが広告にわたつても、それが公共性を持つものであるならば、国民のためになるものであるならば、NHKはそういう問題を取上げてもいいと思うのですが、その点について郵政大臣はどういうふうにお考えになるか、お伺いいたします。
○高瀬国務大臣 先ほど申し上げましたように、広告による収入によつて経営をするという場合でありましても、公共性はむろんある程度発揮できるということは、私も認めるのであります。しかしそうでない、営利性を全然加味しないという経営方法による方が、徹底して公共性を発揮できる。従つてそういう放送も私は必要であると考えておるわけであります。
○山田(長)委員 日本のような貧乏な国で、一応これだけの経費のかかるテレビジョンというものを始めるにあたつて、いろいろ聴取料の問題などがあとで出て来ると思うのですが、一体これらについては税務署はどういう態度をとるかということを常識的に考えてみると、一台十七万円ものテレビジョンをすえつけられる家庭においては――一体テレビジョンはなくても生活はできる。文化的に考えてみれば、将来これは日本になければならないものであることはわかるのですけれども、住むごとのためにも関連がありませんし、食べることのためにも関連がない。こういう莫大な経費を要して行かなければならないものへ国家がたくさんな金を出して援助されることになるわけでありますが、一体こういう点で税務署などはどういう取扱いをされるか、郵政大臣及び放送局はどういう交渉をされるか。これはラジオの場合と値段の点などにおいてもちよつと開きがありますので、こういう問題が考えられて来るような気がするのですが、どういうお考えをお持ちでありますか、一応伺いたいと思います。
○高瀬国務大臣 私からまず簡単にお答えを申し上げたいと思います。確かに現在におきましてはテレビジョン受像機というものは非常に高価でありまして、日本の生活水準から申しますと、普及には非常に困難があるということは私も認めるわけであります。しかしテレビジョンというものは、文化とか教育とかいろいろな面から申しまして、社会的には非常に有効な活動をするもので、国家の発展、国民の教養向上という点からいいますと、非常に重要な役割を果すと思つております。ですからできるだけこれは普及させたい、普及させることが必要であると考えておるのであります。ただしかしお話のように受像機が非常に高いわけでありますから、いかに必要で普及をさしたいと申しましても、日本ではなかなかそう急速には行かないのではないかということも、むろん考えておるわけであります。しかしできるだけ早くこれをやりたいというのが方針でありまして、今お話のありましたような国家の補助ということは実はやらないことになつておるわけで、経営上の危険の責任はすべて会社が負担をする、こういうことになつておるわけであります。
○山田(長)委員 現在の日本のテレビジョンの数というものは、特許になつておるというような関係から、製造家があぶなくて手が出せぬというような話があるのですが、特許の問題について何か知つている範囲がございましたら、お話願いたいと思います。
○高瀬国務大臣 局長からお答えいたさせます。
○長谷政府委員 特許の点について、私の方の承知いたしておりますことをお話申し上げたいと思います。テレビジョンの技術につきましては、御案内と存じますが、日本は比較的早くから手をつけておりまして、戦争前もずいぶん前から各方面で研究されておりまして、日本の持つておる特許も相当あつたのでございますけれども、戦争のために、テレビジョンの研究がまつたく中断されておりました間に、諸外国の技術が非常に進歩したというような点がございまして、お話の通り日本で製造を始めようといたしましても、アメリカ及びイギリスのある程度の特許を取得いたさなければ、正式に製造して販売ができない事情にございます。しかしこの点は大体関係のところとお話合いが進んで、近くその見通しができ上るように承知いたしております。
○山田(長)委員 最後に伺いたいと思いますことは、この間いただきました資料で、事業計画及び資金計画という中の最後の十四ページのところでございますが、連合国関係の放送の問題について、何かふに落ちない点がありますのは、独立後の今日連合軍関係のために、一億二千六百余万円というものが費されているように思うのですが、この点について御存じの範囲内で、郵政大臣及び古垣会長に伺いたいと思います。
○高瀬国務大臣 古垣会長からお答えいたします。
○古垣参考人 この問題については、経理担当の岡部理事から御説明申し上げます。
○岡部参考人 御承知の通り連合軍放送をいたしておりますが、これらにつきましてはすべてこれに必要とする経費を連合国の方から頂戴をするということにいたしておりまして、二十七年度においてただいま御指摘の通りこれを収支予算に掲げまして、それらの収入支出の御承認を得て、いわば実費主義のような制度でこれを実施しているわけでございますから、国内の受信者に御迷惑をかけるというようなことはいたしておらない次第でございます。
○山田(長)委員 私の質問はこれで終ります。
○中村(梅)委員長代理 それでは山田君の御質疑が一段落したようでありますから、ちよつとお諮りをいたします。有田委員より公社の給与改訂に関する調停案について、郵政大臣に質疑の御通告があります。郵政大臣はほかの委員会の方に御用事があるようでありますから、この議案の審議を一時中断いたしまして、有田委員のこの問題に対する質疑をお許しいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
○中村(梅)委員長代理 御異議ないようでありますから、それでは電気通信事業に関する調査を進めることにいたしまして、有田委員の御質疑を許します。
○有田(喜)委員 私はやむを得ない事情のために、当委員会に常に顔出しをしておりませんでしたために、あるいは他の同僚委員の質問と重複するきらいがあるかもしれませんが、その点はあらかじめお許しをいただくことといたしまして、郵政大臣と公社総裁に電電公社職員の賃金改訂問題に関しまして、若干お尋ねいたしたいと思うのであります。
 元来逓信従業員は待遇に非常に恵まれていなかつた。何とかしてこれが待遇を改善して勤労意欲を発揮できるように、せめて国鉄の従業員並というのが、通信行政上従来の大きな課題であつたのでありますが、ことに電気通信事業は国鉄と同じように省営から公社形態に先般移行され、公共企業体として鉄道と同じような形態になつたのでありますが、それにもかかわらず職員の待遇はあまりにも恵まれておらない。国鉄とは非常に隔たりがある。かくてはいたずらに電電公社職員の生活を不安に陥れるのみでありまして、勤労意欲の発揮を期待することができない。独立企業体としての電電公社の合理的経営をはかる意味におきましても、給与の改善、そうして労働条件の改善をはかつて行くということは、非常に緊要のことに思われるのでありますが、梶井総裁はもとより何十年という長い間逓信省の飯を食われた方でありまして、私以上にこのことについては痛感されていると思うのでありますが、これらに関して現在いかに梶井総裁はお考えになつているか、その基本的態度をまず承りたいと思うのであります。
○梶井説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。御意見の通り現在公社の従業員は、その待遇が民間と比較して劣つているばかりでなく、他の公社と比較いたしまして相当の差異のあつたことは、われわれ十分承知しております。しかし公社が電通省から移行いたします際には、その予算は電通省時代の予算そのものを踏襲することになつておりましたために、遺憾ながら公社移行と同時にその待遇を改善することはできなかつたのであります。しかし電通省時代から組合といたしましては、その待遇を改善してもらいたいという要求があつたことは、前電通大臣からわれわれは引継ぎを受けておつたのであります。従つて機会があれば、待遇改善をしなければならぬと考えておる次第であります。従つて今回の補正予算を提出します際には、調停案によりまして待遇改善をいたしたいと考えておつたのでありますけれども、予算におきまして二割ということに決定されましたために、ベースの低い公社の従業員としては、鉄道、専売の従業員とは一層その差が開くように相なつたのであります。私どもは調停案そのものをもつともだと感じますので、今後とも予算並びに資金の措置が講ぜられるならば、できるだけ早い機会においてそれを実現したいと考えておる次第であります。
○有田(喜)委員 梶井総裁の基本的な考え方はよくわかるのですが、しからば問題は政府の方にあると思うので、郵政大臣にお尋ねいたします。私が先ほど梶井総裁にお尋ねした点、すなわち電電公社の職員が現在あまりにも待遇に恵まれていない。公社の能率と企業の経営の合理化をはかる上からいつても、この待遇の改善をすることは焦眉の急務だと考えますが、郵政大臣はこれに対してどのようなお考えをお持ちになつておられるか、基本的なお考え方を承りたいと思います。
○高瀬国務大臣 同じ公社の従業者として電信電話公社の従業員が国有鉄道、専売公社の従業員等に比べて、待遇が低くなつておるということは私も認めておるわけであります。従つてそこに不均衡がある、これは是正すべきであるということは、私も十分に認めておるのであります。ただしかし今これをすぐ是正できるかどうかということになりますと、現在の公社の財政状態等から参りましてすぐこれをやるということは困難である。御承知のように調停案は、大体そういう均衡是正ということをおもな理由としてできておるように思います。ですから調停案もその意味では妥当であると私は考えるのでありますが、今すぐこれを実施するということは、公社の現在の財政状態から申しますと困難である、こう考えておるわけであります。
○有田(喜)委員 大臣はこの調停案の妥当性を認められておりながら、今すぐにこれを実施に移すことは公社の財政上非常に困難である、こうおつしやつた。これは非常に見解の相違があると思うのですが、いろいろとくめんしてやるという前提に立つて考えるのと、それからできたならばやろうというその考え方とは非常に違う。私はこの待遇の改善をはかるということは、公社の企業の能率を上げる、あるいは合理化をはかる最低条件であると思いますから、どうしてもやるのだという前提に立つて、しからばいかにしてその財源を見出し、いかにして行政上の措置を講ずるか、あるいはいかにして予算上の措置を講ずるか、こういう態度に出ていただきたいと思うのでありますが、大臣はさようにお考えくださるわけに行かぬでしようか。
○高瀬国務大臣 妥当と認めます以上は、できるだけこれは実行したいという考えを持つのは私も同じなのであります。ただしかし公社の財政の現状と関連いたしまして、これをすぐ実行しようとして検討をいたしますと、やはり予算との関連が出て参りますし、あるいは料金との関連も出て参ります。いろいろな問題が出て参りまして、検討をいたしました結果、現在では困難である、こう私は理解したわけであります。
○有田(喜)委員 しからば大臣は、今補正予算に計上されておるあるかぎりぎりだとお考えになるか。
○高瀬国務大臣 現在におきましては、補正予算において決定しましたところがやむを得ない結果であると考えております。
○有田(喜)委員 やむを得ないとおつしやいますけれども、もう少し積極的に検討をしてくださるならば、まだまだ財源捻出の余地があると私は確信するのであります。大臣はいかなる見地からあれがぎりぎりだとおつしやるのか。あの調停案の妥当性を認められる以上は、もつとゆとりのある気持を持つて、何とかしてあの調停案の線に持つて行くように努力を払つていただくのが当然のことではなかろうかと思います。ひとつ大臣に考え直していただき、何とかして調停案に近づけられるように最善の努力をお願いして、公社の経理というものをもつと検討を続けて、ぜひともあの調停案に近寄をうという努力を払つていただきたいと思うのであります。
○高瀬国務大臣 国家の予算との関連においては、私はもうあれでやむを但ないと思つておるのであります。しかし公社としましては、いろいろと含予算の範囲で検討もされておるように聞いております。公社の方からはいろいろな意見も聞いたり、それを検討したりしております。ですから、そういう点で公社の方に意見も出て、私にお話があるということがあれば、むろんこれは検討せざるを得ないと考えております。
○有田(喜)委員 大臣は公の席で、政府が出した予算であるから、それを譲つてもいいとは言いにくいでしよう。しかし公社の財政の許す範囲において、あるいは大臣の許可権にかかる問題、あるいは行政上の処理の問題でできる点が多々あると思いますが、そういうことについては大臣は積極的に、いやしくもこの調停案の妥当性を認められる以上は、できるだけその調停案に近づける、できるならば調停案通りにやる、こういうお考えを持つていただきたいのであります。それからややもすると、大臣は同時に郵政の多数の職員をかかえていらつしやる。電電公社の職員と郵政の職員は今まで同じかまどの飯を食つておつた関係上、その方との均衡ということをお考えになるかもしれない。また大臣はさほどお考えにならないかもしれませんが、ややもすると郵政省のお役人の中にはそういうことをお考えになる。これは一分の真理があると思いますけれども、しかし郵政省の職員の待遇は元より悪い。これは行政官庁であるから当然でありますが、しかしせつかく電通の職員は今度公社になつた。公務員とはやや趣が違う。しかるに依然として郵政省と同じような条件に置かなくてはぐあいが悪いというようなお考えがもしあるならば、それは誤つているのではないか。むしろ国鉄なり専売公社なり、そういう方面の職員の待遇と均衡を保つようにして行つて、そうしてもつと企業の能率を上げて経営の合理化をやつて行けば、それだけ従業員もその功労が報いられる、そういうような調子でみなの従業員が青んで企業意欲を発揮するような行き方をする、それが公社ができた一つの理由だと私は思うのです。よもや大臣はさような属僚的なお考えはしていらつしやらないと思いますけれども、私はこの際逓信従業員と切り離して公社の問題を解決する、かような考えを持つておる。また公社の従業員の待遇がよくなるということは、やがては郵政省の職員の待遇もよくなるということの前提ではないかと私は思うのです。さようなことは当然のこととは思いますけれども、念のために大臣のこれに対する御所見を承りたいと思うのであります。
○高瀬国務大臣 公社と国営とは性質が違つておつて、性格が別のものであるということははつきり言えますし、また国営から公社に移したということも、国営とは違つた運営をはかろうという趣旨で移されたものと思うのであります。従いまして従業員の勤務条件、待遇等について違つても、理論的にはちつともさしつかえないはずだと私は思います。ただしかし実際問題といたしますと、同じ建物の中でもつて郵政の国営の従業員と、電信電話公社の職員が机を並べて働いておるところもあるわけでありまして、そういう場合にはやはり均衡もよほど考えなければならぬ問題だと思つております。しかしそういうことを考えないでやれるようにする方が最も理論的だと思つておりますので、運営等はやはりできるだけ別に考えられるように改めて行くことが必要ではないかということも考えております。ですから理論的に申しますれば、有田委員のおつしやる通りこれは別でさしつかえない。ただ実際の問題になりますと、やはりそう無視するわけにも行かない。その点は十分考慮しつつ実施しなければならない。その点が少しはつきりしないとおつしやればはつきりいたしませんけれども、実際やる場合にはやはり働く人の気持から申しまして、そういう点も相当考慮はしなければならないという気持でおります。
○有田(喜)委員 大臣のそのお気持、わからぬわけではありませんけれども、しかしせつかく公社となつて、しかもいたずらに従業員の待遇がよければいいということばかり申すのではありませんが、今のように生活の不安に陥れられる、ああいう調子では、第一能率が上らない。勤労意欲が上らない。そこで公社の職員に対して、せめて今回の調停案にまで持つて来るように最善の努力をしたい。これも私の考えです。大臣もその妥当性を認められる以上は、それに対して最善の努力をするというようにさつき承つたのでありますが、そこで同じ職場に、同じ庁舎におるからといつて、悪い方に引きずられようとすると、いつまでたつても公社の職員の待遇改善はできない。同時に郵政の職員の方もなかなか改善できない。むしろいい方に持つて行く。公社の方をよくして行くならば、やがては郵政職員も今大臣がおつしやつたような理由によつて改善されるときが早かろうと私は思うのです。その考え方、私はここが非常に大事なところだと思うのです。均衡をはかるということは、ある一部において必要なことかもわからぬが、悪い方に均衡をはかられてはたまらぬ。いい方に均衡をはかられたい。そのためにはせつかくこの際調停案ができたからには、公社の職員を国鉄あるいは専売の職員に劣らない線まで改善する。しかし後にまた郵政職員もやがては改善する。こういう方向をたどつて行つていただきたいと思うのです。それに対する大臣のお考えをもう一ぺん伺いたい。
○高瀬国務大臣 ただいまの御質問に対するお答えは、実は先ほど申し上げたようなわけでありまして、むろん私もできるだけ待遇はよくしたいという点では同感でありますから、御趣旨に沿うようにできるだけ努力いたします。
○有田(喜)委員 大臣は私の言つた趣旨に沿うように努力する、こうおつしやいましたので、それ以上この問題に対しては追究いたしませんが、どうか今申しましたような見地に立つて、最善の御努力と大臣の政治力をこの際非常に発揮していただきまして、われわれの言わんとするところのこの要望を満たしてくださるようにお願いする次第であります。
 そこでもう一点伺つておきたいのでありますが、公社も最近できたばかりで、急速に能率を上げて経営の合理化をやることは、おそらくなかなかできるものではない。しかし長い間国営に置かれておりまして、これをビジネスライクに運営して行く余地は相当ある。梶井総裁は民間の出でありまして、役所の飯も民間の飯も両方食われて両者のいいところも悪いところもよく御存じになつておると思いますが、公社に対していかにして経営合理化をするか、さような点に対して梶井総裁の抱負と、またまさに行わんとしておるところがあると思いますが、その一端を披瀝していただき、経営の合理化をやればかような利益があつてかくかくになるというような、概略でもお示し願えればけつこうであります。
○梶井説明員 たいへんむずかしい御質問でありまして、それに対して今ただちに具体的にかくかくして経営を合理化して行くということを申し上げることは、非常に困難であります。しかし原則的に申しますれば、公社の仕事は公衆に接するところの現業が中心であります。現業の良否がサービスにただちに影響を及ぼすのでありますから、私どもとしましては現業を中心にして、事業の経営を合理化して行かなければならない、さように考えております。従つて今回の機構改革におきましても、管理部門をできるだけ縮小いたしまして、現業の方に人を送り込んでやつて行こう。従つて今後事業の拡張に伴いまして、現業には必要欠くべからざる充員をいたさざるを得ないのでありますけれども、管理部門におきましては極力増員を避けまして、現状の人をもつて最善を期して行くことが、一つの合理化の方向だろうと思います。また公社設立の趣旨にかんがみまして、能率を上げることは、先ほど来御質問のありました通りに、高能率、高賃金でなければ能率は上りません。これは民間におきます私どもの経験から申しましても当然のことでありまして、従つて今後むやみに人を増員するよりは、得たところの収入の範囲内において、増員を極力避けてその待遇を改善して行くという方針をとりたいと考えております。また今後能率を上げます上においてもう一つの問題は、技術的改善の問題であります。従来の技術の範囲内においては、電通省時代におきましてもそれを考えておやりになつたこととは思いますけれども、今後はできるだけ最新の技術を積極的に取入れまして、そうして能率のいい企業経営に持つて行かなければならぬと考えておる次第であります。なおこまかい点については、たとえば事務簡捷、従来の繁文縟礼の弊を避ける。また会議をいたずらに頻繁に開きまして、自己の職務の席を離れて能率を下げるといようなことも避けなければなりませんし、また現業局それ自身にできるだけ権限を与えて、現業局長は責任と権限とが相一致して十分に事業の運行ができるようにする、そういうよう点は目下早いろいろと研究いたしまして、一つ一つの問題を解決してそれを具現して行きたいという考えでおります。
○有田(喜)委員 梶井総裁のお考えを承りまして、私も非常に同感する点が多いのであります。せつかく公社となつたのだから、一人の従業員が二人力、三人力を出して大いに働いてもらう、そのかわりに普通の国営のものと違つて働けば働くほどそれだけ報酬も多くなる、そうして能率を上げて行く、こういう態勢にしたい。いつまでも郵政職員がこうだから公社の職員もその通り、悪い方に右へならえするというような態度であつては、せつかく公社ができましても公社の能率は上らないと思います。その民間的なよいところを取入れて、そうして能率を上げて待遇も大いに改善すべしということを考えますが、梶井総裁のお考えを承つて非常に意を強うしたわけであります。しかしそれをいかにして実現するかが今日の大きな課題であります。どうか梶井総裁のお考えが実現するように大臣も監督官庁として御協力、御指導になつて、大いに公社の能率が上るようにひとつお願いしたいわけであります。
 それからもう一点伺いますが、公社は今日サービスを上げて、建設、拡張、改良をやつて行くことが非常に大事であります。そこでやはりせつかく公社になつたのだから、大いに建設公債を発行してやつてよいのじやないかと思います。生産公債何ら遠慮する必要もない、インフレのおそれもない、私最近の公社の実情はよく存じませんが、公債の面なんかが大蔵当局といいますか、そういう方面から縛られて、せつかく公社になつたのだが、非常に制限されるために、思うような拡張も改善もできないようになつておるように私承るのでありますが、これは政府当局のお考えにもよると思いますが、何とかして建設公債をもつと積極的に出して、そうして電話の拡張改良を大いにはかる、この考え方を進めて行くならば、今の待遇改善の問題の、ごときは比較的簡単に解決ができるのじやないか、建設勘定でやるべきものまでも今までのようなしきたりでやつておりますと、第一電話の拡張ができないのみならず、産業の向上も期待されない、また従業員の待遇改善もできないと思います。これに対する大臣のお考えを承りたいと思います。
○高瀬国務大臣 建設資金の調達の問題でありますが、確かに私の見るところでも今までは非常に不十分でありまして、今までの当局としてもむろんそれは考えてできるだけの資金調達をして急速に拡張をやりたいという考えは持つておられたに違いないと思いますけれども、御承知のような日本の経済状態のために、思うようにそれが行かなかつたのだろうと思つております。これからはやはり御趣旨のような線でもつて、できるだけ建設資金の調達をもつと拡大いたしまして、迅速に建設を進めて行くことが必要であろうと考えております。
○有田(喜)委員 あなたが同様のお考えを持つておるというお答弁で私は満足するのでありますが、しかし大臣にお願いしておくのですが、大臣は通産大臣も安本長官もおやりになつて、経済、財政、金融方面に非常に明るいのであります。政府も今までのドツジ・ラインというものを多少反省しておるのでおりますから、ひとつ閣内において大臣の政治力を大いに出していただいて、そうして電話の建設改良、もつとたやすく建設公債が発行できるように大いに御奮闘あらんことをお願いするのであります。
 もう一つ小さい問題ですがお聞きいたします。直接給与以外の福利施設、たとえば病院その勢いろいろな施設がある。これらに対して私は最近の実情はよく知らないのですが、国鉄、専売公社など同様の公社に比較いたしまして、電電公社の病院その他の福利施設はどうなつておるか。国鉄その他と比較して電電公社の方が劣つているのではないかと思いますが、それらについて最近の実情をお聞かせ願いたい。これはこまがいものでありますから、総裁でなくても事務当局の方でけつこうでございます。
○靭説明員 福利厚生施設につきましては、在来相当の努力をして参つておりますが、電通職員は他に比しまして比較的劣つております。特に国鉄に比較して劣つておると認められますのは、住宅問題でございます。医療施設、病院施設等につきましては、郵政、電通一体となりまして、全国各通信局、郵政局所在地に病院を設置しております。また電通職員におきましてはかなり結核患者が多い。必ずしも職業病とは言えないのでありますが、実数におきまして非常に率が高いので、かなり大きな規模の療養所を設置いたしております。それでもなかなか職員の家族あるいは結核になられたすべての人がこれを利用する態勢にはなつておりませんので、予算の折衝等を考えまして、現在では方々に、東京の九段にあります郵政病院に匹敵するような病院を月下建設中でございます。その他静岡県の函南の元陸軍で持つておりました施設を結核療養所としてやる。また最近におきましては淀にも療養所がある、あるいは中国地方にもそういう設備をしておりまして、私どもの考えとしては医療施設についてはかなり進んでいるのではないかという考えを持つております。
 また住宅につきまして終戦後相当努力して参つておりますが、現在の割合で行きますと、職員の約一割二分程度が入つているような現状でございます。国鉄のように長い歴史を持つて、駅付近に宿舎をつくつているということに比べますと、通信関係の宿舎はかなり劣つている。これも住宅金融公庫と連絡をとりまして、鉄筋アパートをつくるような施策を講じておりますが、住宅問題につきましては、今後相当大きな施策をしなければいけないと強く痛感いたしているような次第でございます。
○有田(喜)委員 福利施設につきまして、医療施設は相当進んでおるとのことで、非常に当局の御努力を多といたしますが、しかし私の見受けるところによりますと、住宅などは非常に電電公社が劣つている。のみならず国鉄はとにかく足代がただなものですから、購買施設その他が非常に発達しておつて、直接給与以外の面において、電電公社の職員などに比べて恵まれている。第一、家族パス、通勤。ハスはもとよりのこと、パスだけでも他の従業員一の方々から見れば非常にうらやましいように思う。もちろん国鉄と電電公社は内容が違いますが、同様に給与以外の福利施設は非常に大事なことと思います。今後大いに従業員のためによき施設をやり、同時に今回の給与改善の問題につきましても、給与以外のその他の面において電通職員が恵まれていない、専売公社もいろいろと陰の面といいますか、給与以外の面で恵まれておる点があるという点をよくお考えくださいまして、この給与の面をぜひよきように御考慮願いたいと思う。
 最後に私の希望でありますが、もつとこまかくいろいろな数字上のことで聞きたいこともありますけれども、これは間接にいろいろ聞いておりますのできようは省くこととして、この際何としても大事なことは大臣のお考えだと私は思う。われわれ国会も、及ばずながらいかにして電電公社の能率を上げるか、そのためには何とかして調停案の趣旨にのつとつてできるだけこれに近いようにということをお考えておるのですが、これを左右するのは何といつても大臣のお考えだと思う。どうか大臣は、電電公社ががせつかくできたのですから、この能率を上げ、そして日本の通信事業のために大いに貢献できるように、この恵まれない何十万という職員のこともよくお考えになつて、大臣の政治力を発揮していただいて、この電通の調停案に近いものをあるいはこのまま実現するならこれに越したことはないのですが、大臣の最善の御努力を私はお願いしてやまないのであります。一層の御健闘をお祈りして大いに待遇問題の改善とか、公社がいろいろ能率が発揮できるような御措置をお願いしたい。
○原(茂)委員 私は時間も大分経過いたしましたので、郵政大臣に簡単にただ約束をしていただきたい、こう考えて発言するわけであります。
 まず今までの労働争議をずつと通観いたしますと、御承知のように争議権を行使することのできる組合は、必ず争議権を行使するまで、その争議が行き当るまでずつと参ります。今度の電通の問題になりますと、御承知のように争議権の行使はできないわけでありますが、電産あるいは炭労というような争議を見ますと、ほんとうの最後のぎりぎりのところまで今来ておるわけです。過去のすべての争議の経過というものは、必ずどん詰まりまで来て、しかる後に究極ぎりぎりのところで解決を見ております。しかし幸いにいたしまして、今回は終戦後初めてといつていいくらい電通職員の態度は実に平和的で、むしろ建設的な考えから調停案をのんだわけであります。もしこれをのまないとなれば、いやでもおうでも仲裁裁定まで行きまして、しかる後にまたある相当の期間経過してこの解決がはかれる結果になるわけでありますが、幸いにも今わが国の多くの労組の中で非常に進歩的な電通の労組が、初めて調停案をのんだ。裁定まで行かないうちに、ここいら辺で一つのいい金字塔を立ててみたい、前例をつくつてみたいという意味を含めて、涙をのんでこの調停案をのんだと聞いておるのであります。私は今回の電通職員の調停案をのんだ態度というものは、わが国の終戦後からずつと今日に至るまでの労働運動の一石が、ここに打たれたものだと考えるわけであります。従いまして所管大臣であられる郵政大臣におかれては、どうか閣議において腹を切る覚悟でぜひともひとつやつていただきたい。わが国の民主的な労働組合運動のあり方について新しい一石が、しかも平和的な理念の上にここに建設されようとしている。その新しい一石が打たれた、こういう歴史的な重要な意義がある電通職員の態度をよく御理解いただきまして、大臣を中心に、日本の将来の労働組合運動のために新しい一石を立ててやろうという国家的な愛情のこもつた決意をもつて、ひとつぜひともワンマンといわれる吉田さん以下の閣僚の御了解を得ていただきたい。せつかく公社の総裁以下大臣までが、もつともな調停案であり、妥当であるとお認めになつている以上は、天下に公表してはずかしくない大きな理由がございますから、この際思い切つて日本の将来のために、労働組合運動の健全な発達のために、新しいこの進歩的な態度に出た電通職員の窮状をくんでいただき、大臣も一緒になつて日本のために新しい歴史の一歩をつくつてやろうという決意で、あすの閣議をぜひとも大臣の非常な決意でまとめていただきまして、次会でけつこうでありますから、そのときにこうして来たというようなことを話していただきたい。調停案が実施できるような財政的な措置について何らかの方途を講じて、この委員会で快い御返事をいただきますようにお願い申し上げたいと存ずるのであります。従いましてその腹をきめて、閣議に諮つて総理以下を納得させるように全的な努力をする、こういうお約束をここでぜひ郵政大臣から頂戴したいと思うものであります。
 なお今わが国の大きな民間あるいは官公労のあらゆる労働争議が、ほとんどデッド・ロックに乗り上げているような現状にございますが、ここで電通のこの解決が見られますならば、おそらく日本全体に暗雲といつてよいほど低迷しております労働争議の大きな黒雲を、一ぺんに吹き飛ばすような突破口ができるものと確信いたしますので、この意味からも国家的見地から、郵政大臣の決意を促したいと考えております。あわせて衷心から私もお願い申し上げたいと考えますが、次の委員会に大臣は、閣議に諮つた結果、よい御返事をもたらしていただけるという、決意のもとに努力して、その結果をお話願うというお約束を私はここで頂戴したい、かように考えて発言したわけであります。
○高瀬国務大臣 調停案につきましては、私は閣議でよく説明をしております。しかし先ほどから申し上げましたように、公社の実情、財政の状況等から申しまして、現在すぐ実行困難であるということが閣議で認められたところであります。それでこれからどうするかという問題でありますが、政府としては、とにかく一応態度をはつきりしておるわけでありまして、これからの問題は、予算の範囲で後者はいろいろお考えになつている点もあるかもしれませんが、いろいろ御意見があればむろん相談には乗りまして検討する、こういうこと以外には私としてはやれないと考えております。
○原(茂)委員 私今衷心からお願いを申し上げたわけでありますが、そのお願いの急所は、何といつても今わが国の最重要問題となつておる労働組合員の待遇改善の問題であります。この問題を通じて全国民大衆が、直接間接にあらゆる悪影響下に置かれていることも事実でありますので、これを一掃する突破口として、しかも歴史的な民主的労働組合のあり方というものをここでひとつ天下に前例を残そう、日本人としての愛情を込めてぜひともこの問題に対して挺身してやろう、こういう決意を郵政大臣からぜひお聞かせ願いたい。その表わし方をぜひ次の閣議に十二分に諮つてもう一度努力してやろう、その上で、次の委員会においてお答えをする、こういつたあたたかい気持、しかも日本人としての強い決意を私は要請いたしたわけでございますから、再度お答えをいただきたいと存じます。
○高瀬国務大臣 私がここでお答えするのは、先ほどお答えした以上のことはお答えできないと思うのでありますが、御趣旨のところはよく私どもはわかつております。調停案がとにかく理論的にはもつともだということはむろん考えておるのでありますから、今後において公社の財政のことも考え、その他のことも考えて、できるだけそういう方向に進めるように努力をしたい、こういうことは申し上げたいと思います。
○中村(梅)委員長代理 それでは元にもどりまして、引続き放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたしまして、質疑を続行いたしたいと思います。松前君。
○松前委員 私は放送協会の公共性について、先ほど山田委員から御質問がございましたが、放送協会の公共性というものは一体どこにあるか。たとえば放送の聴取料を五十円おとりになつていらつしやいますが、テレビジョンをおやりになると二百円もおとりになる。このような聴取料をとることによりまして経営しておられるところの放送協会は、公共性があるからそういう聴取料をお集めになることになつておるのでございます。この公共性の具体的な実例といたしまして一応私どもが認められる点は、まず第一に海外放送の実施でございますが、この海外放送の実施は、少くとも一文の金にもならないところの海外放送であります。しかし国といたしまして、あるいは文化的な国家の存在といたしましては、海外放送もやれないような国はどこにもない。すなわち海外放送によりまして日本の文化の宣伝あるいは政治的立場に対するところの理解を深める。あるいは日本のいろいろな商業的な貿易的な海外への発展、こういうものの援護射撃をやらなければならない。このことは独立国においてわが国が最も痛感される問題であるのであります。この意味におきましてただいまやつておられる海外放送の実情、公共性というならばおそらくこのくらいのものだろうと思うのでありますが、これに対してどのくらいのお金を使つておられるか、反響がたくさんあるというお話も承つたのでありますがその内容につきまして少しばかり御説明を願いたいと思うわけでございます。
○古垣参考人 お答え申し上げます。御承知のように日本放送協会は、第二次世界大戦前及び戦時中にかけまして、相当の規模をもつて国際放送をいたしておつたのでありますが、戦争の結果一時中止になりました。私どもといたしましても、ただいまお話がありましたような趣旨をもちましてできるだけ早く海外放送を復活したい、新しく再建された日本の民主的な考え方から、海外放送を新しく始めたいという念願に燃えておりました。幸いに国会におかれましても、国際放送に対して非常な関心をお寄せくださいまして、その結果、日本が今年の春独立を完成いたします前、本年の二月から再開することができたのでございます。なお新しい放送法によりまして、NHKは国際放送をする権限も与えられておりますが、同時に国際放送の実施を命令することもできるようになつております。いろいろの考慮から最も適当な方法ということで、国家より年間三千万円の助成金を頂戴いたし、また日本放送協会の方からも年間二千八百万円という金をもちまして、本年二月より国際放送を開始いたしておる次第であります。その国際放送の番組内容につきましては、政府は全然タッチせず、NHKの自主独立の番組編成にまかされております。私どもの方では責任の重大を感じまして、部外の各方面、政府の代表者も参加し、また国内各方面の知識経験者を集めまして、海外放送番組の放送審議会というものをつくり、そこで番組編成の方針等について連続審議をいただいて、その審議の結果に従いまして日々の番組を組んでやつております。現在のところ毎日五つの方向に向いまして延べ五時間、一つの方向に一時間ずつ放送いたしております。国語といたしましてはいろいろの考慮より、とりあえず日本語及び補助語として英語を使つておりますが、予想以上にその反響が頻繁に渉外より寄せられ、国内よりも寄せられております。特に海外では在留邦人ばかりでなくて、各外国の聴取者から絶えずたくさんの反響をいただいております。そして音響の関係あるいは番組の内容の関係等について、貴重な示唆をいただいております。またこちらの方から海外におられる在留邦人あるいは外国人の方等に依頼いたしまして、その人々からも連続的に聴取状況あるいは内容の反響等について意見を聴取いたしまして、それも番組編成あるいは技術の方面の運営に参考といたしてやつております。なお南米ブラジル等については、非常にたくさんの在留邦人がおりますが、先ほど申しました五方向と申しますのは、北米、華北、華中、フィリピン、インドネシア及びインドというふうになつておりまして、南米は加わつておりませんが、華北向け、華中向けの放送が南米等にもよく聞えるそうであります。但し時間の関係が、華北、華中向けに適当な時間で、あつて、南米向けには適当な時間でないというような観点もあり、また非常に熱望が高まつておりますから、私どもといたしましては、南米向けにもできるだけ早く実施いたしたいという計画を準備しておりますが、さらに来年度におきましては、本年度の海外放送の計画を拡大いたしまして、五方向を十方向くらいにいたしたい。また言葉なども単に英語だけにたよらないで、放送をいたします土地の国語をさらにたくさん取入れて、十四箇国語ぐらいまでに拡大したいというような計画を持つております。もちろんこれは政府当局とも交渉いたしまして、さらに案を練つて、その上で実現することでございますが、私どもとしてやはりこの海外放送には非常な関心を寄せ、熱意を持つて、ぜひこれを拡充いたしまして、国際親善のみならず、日本の経済の復興、貿易の振興といつた面にできる限り寄与いたしたいという念願を持つております。
○松前委員 英国のBBCに比べて、日本の現状はどのくらいの割合になつておりますか。
○古垣参考人 海外放送は、お尋ねのBBCが国際的に最も早く先鞭をつけ、最も効果を上げているところだと思います。最近の一九五〇年の実情といたしまして、BBCは放送時間一日延べ九十五時間、約百時間近くを放送しております。このうちの半分くらいが欧州向けであります。またそのほかに英連邦の諸地域に送つております海外放送が二十四時間、使用国語は四十四箇国語、その経費が邦貨に直しまして大体毎年四十六、七億、これは全額国庫の支出によつてまかなわれております。
○松前委員 英国のBBCにまでただちにわが国の海外放送が達することのできないのは、日本の国情よりしてもちろんでありますが、しかし放送協会なるものが、特殊な立場に立つて公共性を持つた放送団体として、日本の国内における文化の普及、あるいはまたその他の公益的な役割を勤めております以外に、特別に与えられた料金の徴集その他の特権と相まちまして、この海外放送の拡充、すなわちBBCが英国の言論機関として、世界に対する英国の宣伝機関としてその存在を示し、大きな国家的な機能を現わしておる、この状況と比較してみましても、日本の国がいかに貧弱であるかということがわかるのであります。ただいまのお話によりましてもわずかに二十分の一、もつと少いようでありますが、こちらはたつた五時間で向うは九十五時間、百時間近くであります。そのほかイギリス連邦向けのものが二十四時間でありまして、それとまるで比較にならないような状況にあるのが日本の現在の地位であると思うのであります。どうか放送協会におかれましては、テレビジョンの問題もさることながら、この異常な国際情勢下にある日本の現状に対しまして、十分な認識を持つておられての現在の施設であろうとは思いますが、それほど逕庭を見ておる現状でありますので、国際放送に対して十分の努力を払われんことを希望するのであります。また私どもが海外に旅行しましたときに最も心細く感ずるのは、日本から出て来る電波、すなわち日本の海外放送がいかに貧弱であるかということであります。日本人はとかく空の電波などにはあまり気をつけないで、目先に見えることだけしかわからないような状態でありましてなかなか電波などに目をつけておる人は少いのでありますけれども、しかし一旦この空の電波の飛びこうておる現状並びにそれらの情勢を見ておりますと、他の国の放送に比べて非常に貧弱であるということを痛感するのであります。ところが日本がいかに貿易だとか、海外発展だとか、あるいはまたその他の政治的な言葉、経済的な言葉を使つてやつておる表現の裏に、日本の非文化性を具体的に現わしておるのが海外放送であります。この意味におきまして、いろいろな反響も海外からございましようけれども、しかしそれらの反響より以上に悪い反響も多分にあるはずでございます。それは放送協会には参らぬかもしれませんが、当然あることであろうと思うのでございます。どうかこのような海外放送に対しまして、ことに思想的にも国際的にも非常に困難な情勢にあります世界歴史の現段階における日本の立場におきまして、放送の拡充並びに施設の拡充と同時に、世界を相手にしたプログラムの充実、これこそ今日最も重要な問題であると思うのであります。どうか放送協会におかれては、ただいま承つただけでもとうてい満足の行かない内容でございますので、先ほど来来年度の御計画もあるかに承つたのでございますが、そんなことではまだまだ足りないと私どもは思つております。どうか十分の御努力をお願い申し上げる次第であります。
 次に伺いたいのは、公共性の問題に関連いたすのでございますが、先ほど来山田委員がいろいろ詳しい御質問をなすつたのでございますけれども、その公共性の立場からいたしまして、民間放送の事業その他においてはどうしてもできないことを、放送協会にやつていただかねばならない。それがすなわち公共性であると思うのであります。たとえばただいまの国際放送もさることながら、放送技術に対する研究、この問題はこの前も申したのでありますが、ちようど放送協会の会長がおいでにならなかつたので、ここにあらためてお願いを申したいと思うのであります。研究機関の拡充、現在研究所をお持ちでございますけれども、テレビジョンやラジオ等は、国の文化の前線を行くものでございますので、この研究というものは非常に大きな文化のバロメーターをなすものであると思うのであります。この意味におきまして今後研究機関に関しましてどのような拡充並びに今後の研究所の運営に対する方向、これらの御計画がございまするか、伺いたいと思います。
○古垣参考人 われわれといたしまして非常にありがたい御意見、御注意をいただきました。私どももまつたく今申されましたような考えを持ち続けながら、技術の研究、技術だけに限らず、放送文化面の研究もあわせまして特に技術の研究には力を入れたいと念願し、そしてそれを一歩々々実現しつつ参つている実情でございます。特に終戦後この技術研究所及び文化研究所の拡大強化ということを、私どもの方針の大きな一つといたして参つております。今日テレビジヨンがほぼ世界の水準に達し、実用化の試験局を設定いたしまして、そして国会の御承認をいただいた上で、いつでも本格的に開始できるという水準にまで達しましたことも、この技術研究所があずかつて大きな力があると存じます。私どもの研究所の方針といたしましては、基礎的な研究、特に音響の問題、また最近はテレビジヨンに関する基礎的な研究、そういうものをいたすかたわら、実用的な研究、この実用研究の方は、放送を運営いたしております日々の業務と直結いたしまして、単にこれを参考にするとか連絡するというようなものでなくて、一方において基礎研究を行いつつ、一方においては日々の放送の上にそれが直接現われるというような、いわば事業そのものの研究をしつつ運営するというような態勢で、とかく予算の面で研究機関が虐待されがちでありますから、私どもはさようなことがないように、この研究機関をわれわれの事業運営の一つのプレーンとして頭脳としてやつて行くというような考え方をもつて進めて参つております。他方、先ほどから申されましたこの公共性の発揮の一つとして、私どものこの研究を国の産業の面に大きく寄与したいという考えで、メーカーとも常に協力いたしております。またメーカーとの共同研究というようなこともいたしておりまして、ラジオ産業の向上、振興ということに努めております。さらに学術的な面におきまりして、先ほど申しました基礎研究の結果はこれを公開いたしまして、ラジオ学界の向上発展のために尽すというようなことを心がけておることを申し上げておきます。
○松前委員 研究所はただいまの御説明で今までのところは伺つたのでございますが、この研究に対しましては相当な理解を持つて、会長さん自体が理想を持つておやりになつておられるように承つて非常に力強く思いますが、しかし何をおきましてもただいまのテレビジョンの技術、それが放送協会の研究所からも私はある程度出たと思いますけれども、しかし少くとも世界の発達に刺激され、それに誘導されて参つたに相違ないので、ございまして、いずれにいたしましても、どうしても日本独自のものができるくらいまでの研究をやらなければならないと思うのであります。この点に関しましては予算やその他の面において十分の御検討を願いまして、充実拡充をやつていただきたいと思う次第であります。
 もう一点、電波監理局に対して質問を申し上げます。外国では無線による放送ばかりでなく、有線による放送をやつておるのでありますが、この有線による放送について、今後どういうふうなお考えをお持ち合せでありますか、承りたいと思います。
○長谷政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。御指摘になりましたように、特にヨーロツパにおいては無線による放送以外に、有線による放送が相当発達いたしているのでございます。日本では一時そういう機運もございまして、ある程度施設を見たこともございますが、戦後ほとんど立消えの状態になつております。ところが一方、たとえば北海道のような無電燈地域等で、ラジオをできるだけたくさんの人が聞く一つの手段として共同聴取施設と一時は申しておりましたけれども、それがマイクロフォンを設けまして、いわゆる有線放送の形をとつたものが非常に発達をして参りました。それはただいまお話のヨーロッパにおける有線放送とは、発達の道程もまた現在の形も違つておりますけれども、ただいま日本におきましては、そのような形の有線放送が相当多数ある状態でございます。このような日本における有線放送は、一般の無線による放送を聴取して、その受けたものを有線の線を通じて各家庭のラッパに送るという形でございますが、それと一緒に親受信機を置いたところにマイクロフォンを置いて、必要な告知事項等をしたいというような形になつております。この有線放送は、無電燈地域のような非常に辺鄙な山村、漁村に、ラジオを通じての文化の恵みに浴させるためには、ぜひ助長しなければならないと思うのでございますガ、一方、この運用を間違つてはたいへんなことになりますので、去る国会におきまして特に有線放送業務の運用の規正に関する法律が制定されまして、有線放送についても無線による放送と同様に、そのプログラムについては、たとえば政治的に公平であるとか、真実を曲げた報道をしてはならないとかいうような、いわゆる民間放送と同じような規正を受ける形になつておりますが、その他の点につきましては何らの規定が設けられていない状態でございます。もつともこの有線放送は、一般の通信施設との間にいろいろな技術上の妨害、相互干渉等のことがございますので、この点は別途有線電気通信法によつて規律を受けるだろうと思うのでございますが、そういう規律の点はさることながら、私どもといたしましては有線放送が日本においてあるべき姿で発達することを望んでおるのでありますが、現在のところは、先ほど来申し上げましたように、僻隊の地においてラジオを聞く一つの手段として――ラジオと申し上げましたのは、無線による放送でございます。――として発達をしておるにとどまつておるので、外国におけるように、都会地におきまして優秀な音楽その他の放送を聴取する手段としては、現在のところないのでございます。一、二最近においてこういう計画を持つた人々もあるようでございますが、日本においては電話線の利用ということにいろいろな面で制限あることと、電燈線を活用しようという考えを持ちますと、戦争以後配電線、送電線の碍子その他の性能の劣化のために、雑言その他が非常に高く、なかなか経費の問題等で見通しがつかない等のために、いわゆるヨーロッパにおける有線放送のような高い性能を持つた有線放送は、日本の現状における都会地ではややむずかしいのではないかということで、研究課題になつておる状態でございます。
○松前委員 たとえば有線放送をやろうと思つたら、郵政省のあなたの方に認可申請を出せばいいわけでありますか。
○長谷政府委員 有線放送の計画をなさる場合には、それがいわゆるキャリアを利用する、高周波を利用する方式でございますならば、郵政大臣の認可を経ることになつております。また有線による場合も、今後この国会の御審議を経ることになるだろうと存ずるのでございますが、有線電気通信監督法との関連も出て来るのではないかと思います。
○松前委員 放送協会は、この有線放送を御実施になる御計画はございますか。
○岡部参考人 ちようど長谷局長からいろいろお話がありましたが、私の方として、一応考える対象といたしましてもしあれば、無電燈地帯がまず第一にあげられるのでございます。しかし現在、御承知とは思いますが、おかげさまでこれが相当普及をいたしまして、ただいまわれわれの手元で調査したところによりますと、共同聴取の加入者が十二万ほどあるのであります。それでこれがどういう伸び方をしたかと申しますと、大体におきまして昨年度あたりと本年度は大した動きがないというので、これを持ち得るところはほとんど行き渡つたのじやないかというふうに考えております。将来電波のカバレッジの問題ついていろいろの救済策という場合においては、お話のような共同聴取施設、有線放送施設についての許可も考えなければならないのではないかと考えますが、ただいまのところ、先ほど申し上げたような実情でございますから、これを取立ててどうするということはいたしておりません。これに対する、何と申しましようか、技術的のお役に立つということにつきましては、できるだけ技術的のお役に立つようにいたしまして、これをどうすればいいものができるか、最初施設するときにはどういう方式にしたらいいかというようなことについては、全面的の御相談にあずかつてやつているような次第でございます。
○松前委員 最後に一言意見を申し上げたいのでありますが、先ほど来申し上げましたように、国際放送の拡充については格段の御努力をお願い申し上げたいと思います。これについては詳しく申し上げません。第二の研究機関の整備拡充についても、ただいま申し上げましたので詳しく申し上げませんが、十分の御配慮を願いたいと思います。また有線放送に関しましては、どうもまだはつきりした具体的な方針をお持ちにならぬようであります。だんだん電波も使われて参りまして、使える電波が少くなつて来れば、当然有線放送の方向に参ることは申すまでもございません。とにかく今にしてこういう準備をしておきませんと、今回テレビジョンの放送に関しまして、先年まではテレビジョンなんかと言つてだれも食いつかなかつたのでありますが、一つか二つ出て来ると、おれもおれもと言つて出て来てこういう混乱を起すことに相なりまするので、早く手をつけて、これらの問題の解決の方向を決定しておかれる必要があると思うのであります。いずれにいたしましても、電波の問題はあまりにも日本人の文化の現状といたしまして認識が足りないのでありますから、出て来ると大騒動をいたしますが、出るまではなかなか食いつかない。このような状態でありまするので、特に当局はこれらの将来を見通されてあらかじめ御準備をなさつて、そのときになつてからテレビジョンの問題のような混乱が起らないような方向に持つて行つていただきたいと思う次第であります。これをもちまして私の意見といたします。
○長谷政府委員 先ほど来いろいろ国際放送の問題あるいは放送に関する研究所の問題、あるいはただいま有線放送等につきまして、適切な御注意をいただいてありがたく存じておる次第でございますが、この機会に私どもの方が国際放送あるいは研究等について考えておりますところを申し上げまして、御参考に供したいと思うのであります。
 先ほど来お話が、ございましたように、国際放送はまことに国家的な事業と申しましようか、仕事でございますので、放送協会がこれを実施いたすといたしましても、これの経費は国が出すのが本則である、そういうふうに私どもは考えております。なお現在の放送法もそういう考え方からそのような条文がございまして政府が放送協会に国際放送の実施を命じ、それに対して交付金を交付することになつておる次第でございます。先ほど来お話の出ました英国BBCあるいはアメリカのVOA、その他の国も、すべて国際放送は国家的な仕事としてその経費を国が負担いたしておりますので、そういう考え方を私ども持つておるのでございますが、この点はいろいろお話も出ましたごとく、単に海外に向つて放送をするその仕事の時間数ばかりでなく、この問題は日本の国の電波の獲得にも関連いたしますので、私どもといたしましてはできる限りの規模におきまして、またできるだけすみやかな機会に、日本の国に相当した規模の国際放送を行えるような段階に達したいという気持でおるのでございます。しかしながら何分にもいろいろ国の予算上の点もございましたり、あるいはさつそく海外放送を始めたいと思いましても適当な施設が現在ないため、あるいは戦争後国際放送を日本はずつと中止しておりました関係上、適当な電波の獲得に時日を要するというようなことのために、最初から急速に望むところまでの理想的な形で出発できない点がございますけれども、今後いろいろ御指導、御援助を願いまして、なるべくすみやかに私どもの理想とする海外放送の範囲を拡張したい、こういうふうに考えておる次第であります。
 次に、日本放送協会が行つておる放送の技術その他に関する研究の問題でございますが、これは大体日本放送協会の事業運営費の約四%前後の費用が、毎年研究費につぎ込まれております。この学もちろんその時時の技術の状態等によつて、あるいは研究課題のいかんによつて増減の差はございますけれども、この四%という数字そのものは、私どもは今後もやはり考慮すべき問題だと考えておるのでございます。最近までの日本放送協会の技術研究所の仕事といたしましては、その能力あるいはいろいろな設備備その他からいつての能力と申しますか、準備態勢と申しましようか、そういう点から、大体この程度であるならば無理からぬ数字である、そういうふうな考えから私どもも大体妥当と考えて来ておつた次第でございますが、将来はこの点はなお相当研究を要すると考えております。なお日本放送協会の研究所に対しまして、国が必要と認める研究事項その他がありましたならば、命令をなし得る形になつておりますので、従来そういう例は、ございませんけれども、今後の問題として私どもも考えて行きたいと思つております。
 なお最後に御指摘、御注意くださいました有線放送の問題につきましては、次第に日本の利用し得る電波もサツレーシヨンに近づいて参りますので、お話のような点にかんがみまして有線放送についてもできるだけ研究をしたいと思つております。なお有線放送と一緒に超短波による放送、VHF放送等も今後の問題としてわれわれも気をつけなければいかぬと思つております。そういう点からいろいろ準備その他に努力をいたして行く考えでありますが、よろしく御指導、御援助を願いたいと思つております。
○中曽根委員 今の松前委員の御質問に関係したことでございますが、先般私の質問に対して政府委員は、テレビジョンの問題について現在の放送法、電波法及び電波監理審議会の最近のテレビジョンに関する決定、この原則に従つてこの法体系のもとに政策を進めている、こう答弁されました。私も同感であり、政府がすみやかに前進されんことを希望しておるのであります。ところが今般政府は放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件としてここにNHKの予算を出して来ました。内容はテレビジョンの建設の問題であります。しかるに先般電波監理委員会はすでに日本テレビ放送網株式会社については予備免許を与え、それに対応してこの予算が今度出て来たのだろうと思います。日本テレビ放送網株式会社の方は先に免許を得たのであるから、建設の途上にあり、NHKより先に電波を発射する段取りにあるのだろうと思います。そこで今度この予算が通過したら、政府がすみやかに日本放送協会にもテレビジョンをやらせるという意思のもとに予算を国会に承認を求めて来たのでありますが、政府はこの予算が衆議院及び参議院を通過した場合は、NHKに対して、日本テレビ放送網株式会社に負けないように実現するために、予算通過後すみやかに正式の予備免許を与える用意があるのかないのか、その点をまずお尋ねいたしたい。
○長谷政府委員 ただいま大臣、次官がおいでになりませんので、私から私の承知いたしております範囲内において御答弁申し上げることをお許し願いたいと思います。
 ただいま御質問の点につきましては、ただいま御審議をいただいております日本放送協会の二十七年度の追加事業計画及び追加予算関係の議案が国会の御承認を得ましたならば、郵政省としては可及的すみやかに日本放送協会から出ております放送局の、これはテレビジョン放送局の意味でございますが、申請の内容を審査いたしまして、許否の決定をする考えでおります。許否と申し上げましたのは、経費の面ではこの予算書においてその実行が可能か不可能かわかりますが、もしも設計その他に不備がありまして、この条項に適合しない場合には許可ができないわけでありますから、許否の決定という言葉を申し上げたのであります。許否と申しますのは、断る意味ではありませんので、許すかいなかという意味でございます。
○中曽根委員 政府が副申付でこういう承認を求めるの件を持つて来たのでありますから、通過すれば、この予算を実施しなければならない。当然すみやかに実施すべきもので、その間に空隙があつてはいけない。従つてこの予算が国会を通過したら、可及的すみやかにと今おつしやいましたが、可及的という言葉を使う必要はない、すみやかにやるべきものである。それを許可するかあるいは許可しないかは、技術条件その他……。(「許可するのがあたりまえだ」と呼ぶ者あり)ちよつと待つてください。発言中ですから……。とにかく政府の方はそういうお考えのようでありますが、技術的条件その他あると思うので、一応許否ということにいたします。しかし予算を出した以上、当然これは許可するのがあたりまえだとわれわれは常識的に解釈しおきます。またこれはその表われわれは了承したいと思います。問題は予算を通したら、これをすみやかに実施しなくちやならない。従つて通過後すみやかに許否を決定すべきである。不適合ならば許可を許さないことはさしつかえありません。
○長谷政府委員 無線局の許可、不許可の郵政大臣の決定は、事前に電波監理審議会に諮問いたしまして、その答申を待つて決定をすることになつておりますので、従つて電波監理審議会の審議の模様等のこともございますので、私どもとしては御承認を得た即日というわけには行かないかと思います。その点は御了承願いたいと思います。なお電波法上から申し上げますと、経費の面だけでなしに、先ほど申し上げましたように技術条件に適合しておらなければ、免許ができないことになります。しかし日本放送協会の場合には、技術条件に合わないようなことがあつて、不許可になりましても、その点を補正して提出になれば、これは免許になるわけでございますから、予算の御審議を得まして、御認可を得た後には、ただいまお話がありましたようにおそらく免許という形になると思いますが、法律上は許可か不許可か、いずれかの決定ということになるわけでございます。
○中曽根委員 電波監理審議会の議事録で、日本放送協会に対するこの決定の理由を読んでみると、こう書いてある。「日本放送協会がテレビジヨン放送を東京において実施することは、方針に明示したように当然のことと考えるのであるが、この実施の要件である財政的基礎は、放送法第三十七条によつて、実施に必要である協会の収支予算、事業計画及び資金計画が国会において承認せられて、初めて確立するものである。ことに収入の財源である受信料(聴視料)額は、収支予算に対する国会の承認によつて確定するものである。従つて、国会の承認前に予備免許を与えることは適当ではない」こういうことがあるのでありますから、国会を通過すれば財政的な問題は解消して、当然免許を与えるべきものと解すべきでありますが、いかがでありますか。
○長谷政府委員 ただいま御指摘になりました点はその通りであります。ただ御参考に申し上げますと、法律的な解釈についてはいろいろあるようでありますけれども、私ども実際の面から考えましてまつたくお話の通りに考えております。
○中曽根委員 そこで予備免許が与えられると、NHKと日本テレビ放送網と二本建てでいよいよ準備を始めて、建設工事が始まるわけであります。おそらく日本テレビ放送網が先に始めたのだから、先に電波を発射されるだろうとわれわれは考えおりますが、その場合、最近巷間にNHKと日本テレビ放送網の方との混血児をつくるような動きが一部にあるということを聞いておる。しかしこれは今までの電波法や放送法や電波審議会の体系をまつたくくずすものである。この法体系のもとにおいては、男か女か、これ以外にない。公共企業体のやる系統、それから民間施設的なもの、こうあるわけであります。だから生れて来るのは必ず男か女であつて、男性でありかつ女性であるというものではない。政府のフリゲート艦と同じようなものはあり得ない。しかしそういうようなうわさがあるということは非常に世の中を惑わすものでありますから、そういうことは行われないということをはつきりここで申して、世の中の不安を除去してもらいたいと思いますが、どうですか。
○長谷政府委員 ただいまお話のような点は、私どもとしては何ら聞いておりませんけれども、もしもそういうことを考えられます場合には、現行の放送法におきましてはそういう形は許されないと思います。法律改正その他が行われまして、国民の放送に対する考え方、国会のお考え等がかわりましたならば、そういうことは可能かもしれません。しかし今男と女というお話が、ございましたが、これは国会の御意思と一緒にはできないかもしれませんが、放送の場合には、放送法がそういう趣旨から改正になれば不可能とは言えないと思いますけれども、現行の放送法におきましてはそういうことはできないことだと解釈いたします。
○中曽根委員 最後にもう一つお尋ねいたします。放送法あるいは電波法の内容がかわつて来ればもちろんそうですが、しかし国会においてはそういうことはないと思います。政府の方針は一体どうなのか、そういう混血児を認める方針に急にかわることがあるのか。国会は別として、政府の持つておる腹はどういうところにあるのか、かえない方針であるのかお尋ねいたしたい。
○長谷政府委員 その御質問に対しましては、大臣等からお答え申し上げるのが適当な問題ではないかと思いますが、私ただいま承知している限りにおきましては、そういう御意思はないように存じます。
○阿部(五)委員 テレビ以外のことについてちよつとお尋ねいたします。
 過日政府にお尋ねしたのでありますが、十分明らかになりませんでしたので、古垣会長がおいでになつておりますからお尋ねしておきたい。現行の放送局の設置に関する根本的基準について、電波監理委員会規則というのがあるそうでありますが、これと現在各地に散在している放送局の中の四、五のものとの間に矛盾があつて、現在の放送局のやり方をかえなければ、規則が存在する以上、一部の放送局はやめなければならぬという状態にある。すなわち両方の存在は許されないような状態にある、こういうふうに聞いておりますが、その点いかがですか。
○古垣参考人 ただいまの御質問にお答えいたしますが、そういう問題がありまして研究を進めております。われわれの考えといたしましては、放送ということはただ単に電波を発射するという技術だけではないのでありまして、発射する電波の内容、番組ということこそが、われわれの一番目的とするところであります。ところがその番組の内容につきまして、一昨日私から御報告申し上げました中にもちよつと触れましたが、単に番組が聞えるというだけでなくて、だんだん各県の聴取者が県の自治に関係し、その地方の文化に関係したものを聴取できるように持つて行きたい、それが放送の骨子となつているのであります。そういう点等から県の行政事項に関する報道とか、天気予報とか、いろいろな問題が出て来ます。そういう方針と、他方において大電力の問題があります。大阪の大電力電波そのものは京都に届く。しかし京都地方の自治の発展、文化の発展その他等々から、われわれは京都の放送局の必要性を強く感じております。そこでそういう問題につきましては御当局に対していろいろわれわれの主張も申し上げ、また向うの出している御意見も伺いつつ研究して、この問題の満足な解決に向いたい。他方その地方の聴取者等からも強い要望が来ておりますから、私どもはその要望を土台にしていろいろ研究、交渉を進めております。
○阿部(五)委員 結局今の状態であると、規則をかえるか、あるいは一部の放送局の放送内容をかえるか、どちらかをしなければ、それらの放送局はなくなるほかはないということに帰着するのではないかと思いますが、その点放送協会におかれてはどういう御方針であるか。すなわちそれらの一部の放送局の放送内容をおかえになる考えであるか、それとも規則をかえるということを政府に要望なさるのか、それとも放送局そのものをなくしてしまうか、この三つよりほかに道はないと思いますが、その点をはつきり伺いたいと思います。
○古垣参考人 お答え申し上げます。私どもは最善を期して放送をいたしているわけであります。それで現在の置局はわれわれとして最も望ましい状態であります。また受信者の方でもそれを強く要望いたしますから、今法律のために、置局を現状のままに維持したいという強い要望の上から、根本基準がそうなつていないからといつて、その番組をかえたりなんかすることは適当とは考えません。できれば受信者が要望し、放送の当事者である日本放送協会が強く希望する線に、この根本基準の方をかえていただきたい、それが最も望ましいことであろうと思つておる次第であります。
○阿部(五)委員 結局それは郵政省を出してもらつて、現在の根本基準をかえてもらうという御方針でございますね。そう思つてよろしゆうございますか。
○古垣参考人 そういうような問題を現在研究いたしておりまして、私どもとしては究極の目的を達成したいというので、手段、方法等については最も適当な方法をとりたいと思つております。
○山田(長)委員 今の問題とちよつと違うのですが、実は十月の初めに朝の声を放送で聞いて――ここで会長に申し上げることはどうかと思いますが、参考までにちよつと聞いていただきたいのです。イギリスの貿易船が中国へ向けて動いている途中で、台湾の政府に拿捕された。こういう訴え方で、続いて日本の船が中共へ向けて行こうとするときに、台湾政府に拿捕されたという放送をしたのです。それで日本の貿易は不可能なんだということをつけ加えてそのあとで放送されておつたのですが、私はこの放送を聞いたときに、台湾政府と日本政府は条約と結んでいるのであるから拿捕されるはずがない。貿易促進に関してわれわれがやつておるときに、意識的に放送を放送局ではやつておるのではないか、こういう印象を放送を聞いたときに受けたのですが、こういう放送をどういう方法でやられておられるものか、参考に伺いたい。
○古垣参考人 私不幸にしてその放送を聞きませんでしたけれども、ただいまの御質問につきましてはわれわれは番組の全体に対して、特に報道については外部から何らの圧迫も干渉も受けるべきものではなく、また受けておりません。従いまして私の申し上げたいことは意識的に貿易を阻害するとか、ある運動をじやまするというような考えをもつて報道は出しておりませんことを、はつきり申し上げたいと思います。
○山田(長)委員 ついでに参考に伺いたいのですが、戦争直後、この間の四月の講和発効までは、アメリカはどんな干渉をしておられたものですか。
○古垣参考人 私自身何もそういう体験も持ちませんし、放送局でもアメリカはいろいろの指導、示唆を与える、従つて示唆、指導でありますから、われわれはそれがいいと思つて、われわれの責任でやる場合以上には出なかつたのであります。
○中村(梅)委員長代理 本日はこの程度にいたしまして、次会は明九日午後一時から開会をいたします。
 これにて散会いたします。
    午後四時十五分散会