第016回国会 議院運営委員会 第6号
昭和二十八年六月十七日(水曜日)
    午前十一時五十三分開議
 出席委員
   委員長 菅家 喜六君
   理事 荒舩清十郎君 理事 坪川 信三君
   理事 渡邊 良夫君 理事 椎熊 三郎君
   理事 正木  清君 理事 土井 直作君
   理事 池田正之輔君
      生田 宏一君    今村 忠助君
      尾関 義一君    田嶋 好文君
      田渕 光一君    三和 精一君
      山中 貞則君    山田 彌一君
      長谷川四郎君    淡谷 悠藏君
      井手 以誠君    島上善五郎君
      山本 幸一君    池田 禎治君
      松井 政吉君    山下 榮二君
      加藤常太郎君    岡田 春夫君
 出席政府委員
        内閣官房長官  福永 健司君
 委員外の出席者
        副  議  長 原   彪君
        事 務 総 長 大池  真君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 委員派遣承認申請に関する件
 首都建設委員会委員任命につき同意を求めるの
 件
 日本国有鉄道監理委員会委員任命につき同意を
 求めるの件
 鉄道建設審議会委員任命につき同意を求めるの
 件
 漁港審議会委員任命につき同意を求めるの件
 国際連合食糧農業機関アジア極東地域会議日本
 政府代表任命につき国会法第三十九条但書の議
 決を求めるの件
 本日の本会議の議事に関する件
    ―――――――――――――
○菅家委員長 これより開会いたします。
 まず最初に、内閣より各種委員の任命につき同意を求めるの件が四件ばかり出ておりますので、事務総長より御説明申し上げます。
○大池事務総長 お手元に、内閣の方から両院の同意を求めて参りました人事承認の件につきまして、一応刷つたもの並びに各委員の履歴書を差上げてあります。ごく簡単に御説明申し上げますと、首都建設委員会の委員でありました次田大三郎君が三月ごろやめておられたのでありますが、さらにこの次田君を再任いたしたいというのが第一でございます。第二は、日本国有鉄道監理委員会委員の栃木嘉郎君が任期満了になつたので、その後任として村田省蔵君を任命いたしたい、こういうのでございます。三番目の鉄道建設審議会委員の任命につきましては、大体みな任期が終了いたしますが、その中で再任が大部分でありまして、新たに関桂三君と佐藤博夫君、この二人だけを任命をいたしたい、こういう申出であります。漁港審議会の委員の方では鮫島茂君、これは再任の形でありまして、和田鶴一君、早稲田要衝君、この両君は新たに今度なられるというのであります。それだけが各種委員の同意の件でございます。
 もう一つは、参議院議員の石黒忠篤さんを、国際連合食糧農業機関アジア極東地域会議、これがインドの方でやられますので、日本の政府代表として向うに出席させたい、従つて国会法第三十九条但書の議決が必要であるので、その承認を求めて来た件でございます。
 以上五件につきましては、履歴書もお手元にありますし、大体任命をいたしたいという理由書もついておるようでありますから、先例によりまして各派におかれて御研究の上、なるべく早い機会に御決定願いたいと考えます。
○菅家委員長 何か御質問がありますか。
○土井委員 これは人事の問題でございますから、前例に従いまして党に持ち帰りまして一応相談するということで、次会に延ばしていただきたい。
○椎熊委員 この際ちよつと他党の人に御了解を求めておきたいのは、漁港審議会の委員は、地区的に、そうして各党別に最初推薦した関係がありまして、今もそれを踏襲しております。和田鶴一君というのは和歌山県方面の地区で、わが党が今度推薦する番になつて、石田博英君が運営委員長時代からの懸案であつたが、含までいろいろな事情があつて――事情というのは、国会が解散したり、選挙後忙しかつたり、また解散したりというようなことで、後任の決定が遅れているので、これは当然の割振りからいつてわが党が推薦しておるのであります。そういう意味を御勘案の上、御賛成を願いたいと思います。
○池田(禎)委員 こういう委員の同意について、政党なり政府なりから御推薦のあつた人は、それぞれ理由があつて、またそれぞれ経歴等があつて出ることになつておると思います。が、ときどきこういう人がこういう委員に妥当なりやいなやというような人もずいぶんおると思います。こういう点については、従来の委員会の経過は存じませんが、その党の推薦あるいは政府の推薦の中で、こういう人でなく、もつと妥当な人にしてはどうかというようなことはできるのですか、できないのですか。やはり推薦したものはそのままのむのか、のまぬのか、こういうことをちよつと伺いたいのです。
○椎熊委員 それはできます。たとえば、わが党がこれを推薦するゆえんのものは、ほかの委員会は知りませんが、漁港審議会に関する限り、これは和歌山県全県下の漁業協同組合長です。そういうことで、この委員会は資格が非常にやかましいのですが、これを適任と認めたわけです。しかし皆さんが御審査の上、これが漁港審議会の委員として、適当でないじやないかということなら、拒否することはできます。国会の承認がなければ任命できない。だから相当の余裕を置いて各党の意思表示をしてもらつておるわけです。
○池田(禎)委員 私が今言つておることは、椎熊委員の御説明になつたようなことではない。一般的にずいぶんあやふやというか、こういう人がはたして妥当かどうかというようなことがある。たとえば、お手盛り人事ではないか、論功行賞ではないか、こういうとんでもない畑違いのようなものが過去においてもあるし、本日これを見ても、名前をあげては申しませんが、木に竹を継いだような感じの人もなきにしもあらずでございます。そういう点について、今までは比較的その推薦したものを通すようなことをやつておるようでございますが、もつと妥当な人を考慮する必要がありはしないかという委員会としての意見を具申する点について、もう少し考えてもらいたい。われわれは何も悪い意味でなく、政府の推薦を拒否するというようなことではなくて、最も適切な人を出すという意味において、これから先慎重審議したいという希望意見を持つております。
○菅家委員長 池田君の御意見ごもつともではありますが、これは内閣の責任においてこちらに同意を求めて来たのですから、同意するかしないかを本委員会で決定するので、推薦して来たのがいけないから、これにかわる者をこうしたいということはできないのです。ただ同意するかしないかということを決定するだけであります。そこで、従来必ずしも全部について同意したという前例もありませんが、大部分は同意になつております。あるものは同意されない場合もあつたように思います。従つて、どうか党の方にそれぞれお持ち帰りになつて研究されて、それぞれ内容について御研究の上、次の委員会においてこれを決定いたしたいと思いますから、御了承願いたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長 それではさようとりはからいます。
○菅家委員長 次に、内閣委員会の委員派遣承認要求の件についてお諮りいたします。前回の委員会において御協議いたしておきましたが、内閣委員会から、保安隊の演習の見学に出かけたいという問題であります。各党の意見がそれぞれまとまられたようでございますから、この際お述べを願いたいと思います。まず自由党から……。
○坪川委員 内閣委員会からの委員派遣の件につきましては、わが党といたしましては、国会開会中は万やむを得ざる場合以外はこれを承認しないという原則を守る意味においても、また、ことに国務大臣の演説に対する質疑が行われておる今日でもありますから、この委員派遣については、自由党は反対であります。
○椎熊委員 わが党も、今度の保安隊の演習見学は必要ないという見地から、派遣に反対でございます。
○正木委員 わが党は、昨日当委員会において稻村委員長から御説明のあつた出張の期間その他等を勘案して、しかも内閣委員会全員が賛成をしてきめて、正式に手続をとられて来たことであるから、これは承認すべきである、こういうふうに方針が決定しております。
○土井委員 わが党としましては、今度の委員百派遣につきましては、いろいろな事情等もありましようけれども、昨日、委員長の私の質問に対する答弁によりますと、十九日に大体出発する、時間は一時または三時というようなことを言つておられるのであります。従つて、かりに三時に出発するならば、当日の本会議に出席することが事実上相当困難ではないかと思われる。当日はきわめて重大な施政方針演説に対する質疑が行われておるわけでありますから、こういう点から考えまして、時期的に今度の問題はちよつと無理ではないかと思いますので、わが党といたしましても、この委員派遣に対しては、今回に関する限りは同意しがたいという態度をとつております。
○池田(正)委員 私の方は、これを見ることはよいと思いますが、その時期と方法において当を得ていないから、そういう意味で反対です。留一春一言われわれの方は、今度の保安隊の演習というものは、今までの演習と実質的に違う。きのう内閣委員長から相当詳細にお話があつたように、重要な演習であるだけに、これはぜひ国会としても委員派遣を必要とすると考えております。但し本会議の質問と時間的に重複するという点では、本会議の審議権を放棄する結果ともなりますので、本会議終了後において行く、演習は二十日もあるのですから、それはできると思います。
○菅家委員長 条件付賛成ということですね。それでは各会派の御意見が、大体派遣は承認しないという御意見のようでございますから、別段採決しないで、議長にこの旨答申することに決定して御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長 御異議がないようでございますから、さよう決定いたします。
○池田(正)委員 この問題に関連して……。この議運では、原則として、特別のものを除いては開会中の議員の出張は認めないということをきめておるのです。前国会におきましても、水産委員会や人事委員会で満場一致の決定も、またこの国会になりましてからの建設委員会の決定も、すべて妥当ならずとしております。国会開会中においては、その委員がそれぞれ各党の同意を得たとしても、ほんとうに緊急やむを得ざるものを除いては、議運としては賛成できないということを、あらためて各委員長に御通告していただきたい。その原則をさらに確認していただきたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長 了承いたしました。
○菅家委員長 それでは官房長官が見えておりますから、御質問がありますればお述べを願いたいと思います。
○井手委員 長官にお尋ねいたしますが、この特別国会に、政府はどういう重要法案を出そうとお考えになつておりますか、参考のために承つておきたいと思います。
○福永政府委員 ただいまお手元にお配りいたしますが、この国会に、政府といたしましては、法律案といたしましては大体百五十五件提出をいたしたい。休会前に法律としてすでに成立したものがほかに九件あります。これを合算しますと、百六十四件ということになるのでありますが、このうち九件はすでに成立し、三十一件はすでに国会に提出いたしておる次第でございます。閣議決定を了しまして、印刷中のものが五十三件でございまして、これは印刷のでき次第、次々と国会に提出いたしたいと考えております。七十一件は引続き閣議決定をいたす予定でございまして、印刷その他も急がせまして、ただいま私どもが考えておりますところでは、できるだけ六月中に全部国会に提出いたしまして御審議をいただきたいと考えております。各省から申し出て来ておりますものの中には、若干七月に入つて提出の見込みということを言つておるものもありますが、内閣といたしましては、国会で御審議をいただく上には、できるだけ日数がなければならぬというので、あとうべくんば六月中に全部提出してしまいたい、かように考えておる次第でございます。なお、このほかに条約案といたしまして三十八件ございます。このうちすでに出ておりますものが九件、それから予算でございますとか、いろんな調書、報告等を含めたいわゆる議決案が二十二件ございます。このうちすでに成立いたしておりますものが三件ございますし、ただいま御審議をいただいておりますものが五件、大体そういう状況でございます。ただいま井手さんからお話の法律案というのは百六十四件ございますので、一々申し上げるのもいかがかと思います。前国会に出ておつたようなもので、出ないものも若干ございますが、おおむね前国会に出ておつたもので、さらに提出するというものが多いわけでございます。件名等につきましては、非常に多岐にわたりますから、いずれ後ほどということで御了解を願いたいと思います。
○井手委員 提出議案の件数につきましてはただいま詳細伺いましたが、そのうちのいわゆる重要法案、前国会においては、いわゆる五大重要法案と政府自身銘打つて出されたわけですが、われわれも重要法案であればその用意をしなければなりません。政府もまた用意をしておられるだろうと思いますので、百数十件、二百件近くに上る案件のうち、特に力を入れて重要法案と考えられておるものはどんなものであるか、承りたいと思います。この前は、スト禁止その他の重要法案があつたと思いますが……。
○福永政府委員 実は前国会のいわゆる五大重要法案と申しますのは、政府で特にそれが五大重要法案と申し上げたのではないのでありますが、当時国会におかれて、この五つについては取扱いを別にするということで、この提案理由の説明ないし審議等についても他の法案と若干別にせられました。さような意味におきまして、政府でさようにいたしたわけではないのでありますが、国会の取扱いは特別にされたという意味におきまする五つの法案の中では、すでに提出いたしましたのがいわゆるスト規制法、つまり電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案でございます。その他では、政府が提出いたしますものは恩給とか独禁に関するもので、いわゆる警察法と義務教育、これはただいま提出いたすという決定はまだいたしておりません。将来のことにつきましては今申し上げる段階ではございませんが、国会の日数その他諸般の状態を考えますと、提出するというようなことになりますかどうか、それはただいまのところ私ははつきり申し上げられません。しかしどうもそれは困難ではなかろうか、かように考えます。
○椎熊委員 私ついでにお伺いするようで、はなはだ失礼ですけれども、話が出たから聞くのですが、警察法の改正と、いわゆる義務教育費全額国庫負担の法案は、政府は警察法改正の意図が現在ないということですか。義務教育費国庫負担の問題も、現在は現行法通りやつて行くので、前国会で主張したような考え方が現内閣にないという意味なんですか、どうですか。
○福永政府委員 ただいまも申し上げました通り、意図がないとかいうことを明確にいたしたわけではございませんが、少くとも閣議決定におきまして、前回に出したものをさらに出そうということを決定する時期に至つておりませんし、ごく近いうちにきまるという予想もちよつとただいまのところできない、そういう実情を申し上げた次第でございます。
○椎熊委員 実情から行くと、今国会には警察法改正、あるいは義務教育費全額国庫負担に関する法案というものは出ないと認識してよいわけでございますか。
○福永政府委員 その傾向の方が多いのではないかと考えます。
○正木委員 ただいま官房長官から提出議案についての経過を承つたのですが、委員長の方で、明日の当委員会に件名その他を明らかにして、印刷して提出するようにお手配をいただきたいと思います。
○福永政府委員 ただいま正木さんのお話でございますが、できるだけ早くとは思いますけれども、ちよつと明日ではどうかと思います。できるだけ早くいたします。
○池田(正)委員 官房長官に伺いたいと思います。MSAの問題が、非公式か公式か、話合いが始まつたようでございます。そうすれば、当然これに伴つて協定を結ばなければならない。この協定は当然国会の承認を得ることになると思いますが、それは今国会に間に合うかどうか、その辺の心組みはどうですか、まだはつきりしないのですか。
○福永政府委員 非常に微妙な問題でございますが、もし協定が結ばれるということになりますれば、国会に出すべきものと考えております。でございますが、これはもしということでございます。国会に出すというようにお聞きいただきますと、それでは政府はそういうことについてすでにきめておるのかという御反問があるかと思いますが、そういう意味ではないということを御了承願いたいと思います。そこで今国会に間に合うかどうかというお話でございますが、ただいまのところ、そういうことにつきましてはちよつとお答え申し上げられるだけの根拠があるというところまでに至つておりませんことを御了承願いたいと思います。
○池田(正)委員 外務委員会で、これは吉田さんから見れば、あんなやつというかもしれませんが、外務政務次官が、協定は必ず国会の承認を経ますということを、この前明確に委員会で答弁しておる。
○福永政府委員 おそらくその政務次官の申しましたことも、協定を結ぶといたしますならば提出いたしますという意味かと存じます。
○岡田(春)委員 百五十何件ですか、政府としては重要な法案を出すというのですが、重要であるだけに十分審議の期間をとるために、提出の時期は早くしてもらわなければならない。先ほど、何か六月中とかいうようなお話を伺つたのですが、あいまいだつた。少くとも六月中に出してもらわないと、全部の法案の議了ということが困難になる場合もあるかと思います。それで、当然これは政府の責任でもあるわけだし、期限をはつきりひとつ言つていただきたい。
○福永政府委員 ただいまの岡田さんの御指摘の点につきましては、私もかつてこの委員会でお世話になつておりましたので、このことにつきましては十分な認識を持つております。従来の例よりははるかに能率的に進めまして国会の御審議をいただくように、今日までもずいぶん努めて来ておりますが、この上ともさらにただいま御指摘の御趣旨に合いますよう努力いたしたいと考えております。
○菅家委員長 それでは次に、先般議長より諮問になつておりました電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案の趣旨説明を本会議においてやる、この件について各党の御意見をこの際ちよつと伺いたいと思います。
○土井委員 この案件は、きわめてデリケートな関係にありますので、本日この問題の結論を得ることは多少困難な点があるのではないかと思われます。昨日の申合せでも、開会はできるだけ定刻からやるということになつておりますので、本日この問題を論議することは留保していただきまして、明日この委員会で最終的決定を見ることにして、本日は留保していただきたいと思います。
○菅家委員長 ただいまお聞きの通り、明日これの最終的な決定をするということで、本日は留保するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長 それでは、さよう決定いたします。
 その他決議案の取扱い、緊急質問の取扱い等も、次回の委員会においてこれを行います。
 参議院の方の審議が十二時半ごろまでかかる予定だそうでございまして、あるいは幾らかずれるかもしれませんが、本会議の開会は一時半でいかがでしようか。
○土井委員 これはこの前のときにも、議院の書でしばしば定刻から始まることが遅れておるのであります。やはり参議院の事情によつて衆議院の方の審議が遅れるという慣習をそのまま承認して行くということは、将来悪例になると思います。従つて、参議院は衆議院の審議を妨げないということを前提として、必ずこちらが一時から開会することができるように向うで審議をしてもらう、これを厳重にやつて行かないと将来困ると思います。
○菅家委員長 これは事務局の方からしばく参薩の方量し入れてあつて、本日も定刻より始めたいということは申し入れてありますが、それではやはり一時ということにいたしておきましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長 それでは本日の本会議は午後一時。明日は午前十一時に、当委員会を開会いたします。
 本日はこれで散会いたします。
    午後零時二十二分散会