第016回国会 予算委員会 第12号
昭和二十八年六月二十七日(土曜日)
    午後三時五十三分開議
 出席委員
   委員長 尾崎 末吉君
   理事 小峯 柳多君 理事 西村 直己君
   理事 西村 久之君 理事 川崎 秀二君
   理事 八百板 正君 理事 今澄  勇君
   理事 河野 一郎君
      相川 勝六君    植木庚子郎君
      江藤 夏雄君    小林 絹治君
      迫水 久常君    庄司 一郎君
      鈴木 正文君    田中  元君
      中村  清君    灘尾 弘吉君
      羽田武嗣郎君    葉梨新五郎君
      長谷川 峻君    原 健三郎君
      船越  弘君    本間 俊一君
      八木 一郎君    山崎  巖君
      小山倉之助君    河野 金昇君
      河本 敏夫君    櫻内 義雄君
      高瀬  傳君    中村三之丞君
      古井 喜實君    松浦周太郎君
      青野 武一君    伊藤 好道君
      福田 昌子君    武藤運十郎君
      八木 一男君    横路 節雄君
      和田 博雄君    加藤 鐐造君
      小平  忠君    河野  密君
      平野 力三君    三宅 正一君
      吉川 兼光君    石橋 湛山君
      北 れい吉君    三木 武吉君
      黒田 寿男君    辻  政信君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  吉田  茂君
        国 務 大 臣 緒方 竹虎君
        法 務 大 臣 犬養  健君
        外 務 大 臣 岡崎 勝男君
       大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
        文 部 大 臣 大達 茂雄君
        厚 生 大 臣 山縣 勝見君
        農 林 大 臣 保利  茂君
        通商産業大臣  岡野 清豪君
        運 輸 大 臣 石井光次郎君
        郵 政 大 臣 塚田十一郎君
        国 務 大 臣 安藤 正純君
        国 務 大 臣 大野 伴睦君
       国 務 大 臣 大野木秀次郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  愛知 揆一君
        大蔵事務官
        (大臣官房長) 森永貞一郎君
        大蔵事務官
        (主計局長)  河野 一之君
        労働政務次官  安井  謙君
        建設政務次官  南  好雄君
 委員外の出席者
        専  門  員 小林幾次郎君
        専  門  員 園山 芳造君
        専  門  員 小竹 豊治君
    ―――――――――――――
六月二十七日
 委員倉石忠雄君、富田健治君、中曽根康弘君、
 中村三之丞君、飛鳥田一雄君、石村英雄君、佐
 藤觀次郎君 及び山本勝市君辞任につき、その
 補欠として田中元君、長谷川峻君、櫻内義雄君、
 高瀬傳君、伊藤好道君、和田博雄君、青野武一
 君及び三木武吉君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 理事山本勝市君の補欠として河野一郎君が理事
 に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事互選
 昭和二十八年度一般会計予算
 昭和二十八年度特別会計予算
 昭和二十八年度政府関係機関予算
 昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第2
 号)
 昭和二十八年度特別会計暫定予算補正(特第2
 号)
 昭和二十八年度政府関係機関暫定予算補正(機
 第2号)
 公務員の期末手当に関する件
    ―――――――――――――
○尾崎委員長 これより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。理事山本勝市君が委員を辞任されましたので、理事の補欠は、先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決しました。
 それでは河野一郎君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
○尾崎委員長 昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第2号)外二案を一括議題といたします。右三案に関する質疑はすでに終了いたしております。
 この際日本社会党両派の共同提案として、八百板正君外十四名より政府に対し、昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第2号)外二案の編成替を求めるの動議が提出されております。まずその趣旨弁明を求めます。八木一男君。
○八木(一男)委員 私は日本社会党両派を代表いたしまして、昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第2号)、昭和二十八年度特別会計暫定予算補正(特第2号)、昭和二十八年度政府関係機関暫定予算補正(機第2号)については、政府はこれを撤回、組みかえの上、すみやかに再提出すべしとの動議を提出し、その趣旨弁明を試みんとするものであります。
 本動議を貫く基本方針の第一は、四箇月にわたる暫定予算の連続のため、昭和二十八年度の現状に対応すべき各種計画の実施が著しく遅延し、国民生活に重大なる脅威を与えつつある弊害を打破せんとするものであります。
 その第二は、再建にあえぐわが国に、不幸にも襲来し来つた風水害並びに凍霜害の二大災害に対する政府の措置の無策怠慢を改め、急速に有効適切なる措置をもつて被災国民特に農民の生活を救済するとともに、その勤労意欲を鼓舞し、国土特に農地の荒廃を防ぎ、経済再建の道を全からしめんとするものであります。
 組みかえの要綱は、各委員のお手元に配付せられてあります印刷物の通りでありまするが、その大綱の第一は、国家公務員、地方公務員、公共企業体職員等の夏期手当を、六月暫定予算決定分より半月分を増加し、計一箇月分を支給することであります。半月分増加に要する費用は百九十億円でありまして、一般会計、特別会計、政府関係機関職員の分として百億円増額、地方公務員の分として地方財政平衡交付金の六十五億円増額、教職員の分として義務教育国庫負担金二十五億円増額が必要であります。重大な職責を果しつつあるこれらの人々が、現在非常なる薄給にあえいでいることはすでに各委員の十分に御承知の通りであり、政府側も吉田首相みずから、本国会の当予算委員会で明らかに認めておらるるのであります。国家公務員法、公共企業体労働法等により争議権が剥奪されて、労働者としての基本権を踏みにじられているこれらの人々に対し、少くとも守られなければならないはずの人事院勧告、仲裁裁定等が、ただの一回も完全に実施されたことがないことはまことに遺憾のきわみであります。政府のこのみずから法律を無視する暴逆なる方針の犠牲になつて、窮迫を告げているこれらの人々の家計の現状を直視いたしまして、われわれは本予算の審議にあたりまして、断固として生活し得るベースヘの改訂を実現しなければならないと深く決意をいたしておるものであり、昨年末現行ベース実施の法律案に対し、すみやかに合理的改訂を行うこととなすとの一部修正に全面的に賛成せられた与党の各位も、必ず御同調くださることと期待いたしておるわけでありますが、それまでの間の応急の措置として、夏期手当の増額はぜひとも急速に実現しなければならないと考えるものであります。昨年の人事院勧告と現行ベースとの差額の合計平均八千五百八十円、勧告ベースさえも実現されなかつた公務員等の家計は赤字累積のため窮迫の一途をたどり、借金で首がまわらない状態にまで陥つている者が多数あるのでありまして、夏期手当を半月分増額し、計一箇月分とすることは当然と言うよりは、むしろ少きに過ぎるものといわなければならないと考えるものであります。
 第二の点は、日雇い労働者の夏期手当に充当するため、失業対策費を四億円増額することであります。東京、大阪等の大都市で月収最高七千円台、平均四千円ないし五千円、はなはだしきに至つては月収三千円という生活に苦しみ続けている日雇い労働者、政治の貧困の犠牲になつて窮乏のどん底にあえいでいるこれらの人々に対して、みずからの責任を全然感ずることなしに、何ら手を差延べようとしない吉田内閣の態度は実に言語道断であるというべきでありまして、この増額の必要性はすでに委員各位の御明察のところと信ずるのであります。
 第三の点は、風水害並びに凍霜害に対する点であります。両災害の被害は実に甚大なるものがありますことは、各位の十分御承知の通りでございます。農作物の被害種目は前者にあつては小麦、裸麦、大麦等の麦類、あるいは苗しろ、ばれいしよ、菜種、各種蔬菜、果樹類等にまたがり、後者また麦、桑、ばれいしよ、果樹類等に及んでいるのでありまして、被害額は前者四百億円、後者百億円、計五百億円に及んでおるのであります。この驚くべき甚大な被害にかんがみまして、われわれは被害民の生活の救済、農業経営力の維持、国土、特に農地の回復、今後の災害予防等のため本予算案審議にあたつて長期にまたがる措置、あるいは恒久的対策について根本的に検討しなければならないと考えるものでありますが、特に問題の性質上急速に取扱う必要がございますので、とりあえず総計九十五億円の措置をとることといたしたいと考えるものであります。すなわち風水害に伴う土地改善復旧、校舎復旧等緊急分のため公共事業費として十億円増額、風水害並びに凍霜害に対する特別補償並びに農林漁業金融公庫貸出しに対する利子補給五十億円、このうち特別補償は農業共済金の概算払いを受けることのできない作物に対するもの、または速効性施肥、農薬等に関するものでありまして、利子補給は農民に無利子で営農資金を供給しようという意味のものであります。
 さらに風水害並びに凍霜害の被害農家の所得税等国税を二十億円軽減することとし、地方税減免の補償として地方財政平衡交付金を十五億円増額することとするのであります。朝星夕星をいただいて営々として働き続けた成果を、一朝にして失つた農民の苦難は目をおおわしめるものがあります。さらに飯米、飯麦の確保並びに麦の規格外買上げ等の具体的措置が講ぜられなければならないと考えるものでございまするが、とりあえず七月暫定予算において、以上の措置が必要欠くべからざるものであると考えるものでありまして、各位の心からなる御賛同を確信するものであります。
 なお地方財政平衡交付金の増額につきましては、さきに述べましたるごとく、地方公務員夏期手当増額分六十五億円と両災害減税補償分の十五億円、計八十億円を増額することと相なるのでありますが、この二項目は特に使途の定めてあるものであり、われわれの態度は地方財政窮乏を救うために、三百億円の地方債起債が許されるという前提に立つての、平衡交付金八十億円増額であることを明らかにいたしておく次第でございます。
 第四の点は本年度において拡張実施をなす必要がある諸計画のうち、特に緊要なものを七月から実施しようとするものでありまして、政治の空白をせめて一月でも短縮しようという考えのもとに要求されておるものであります。
 国民健康保険国庫負担額増額のため、社会保険費五億円増額、留守家族、遺家族、中共引揚者援護費五億円増額、生活保護費増額二億円、母子福祉等資金貸付の経費二億円増額、児童福祉法による施設費増額一億円を計上すべきであると考えるのであります。国民健康保険育成の重大なことは論をまたないところでありまして、その国庫負担増額は可及的すみやかになすべきであるとの見地に立つたものであり、また留守家族、遺家族、中共引揚者あるいは未亡人、孤児等の人たちの境遇の気の毒なことは申すまでもございません。その人たちの精神的苦痛をいやすすべの乏しいことを心から遺憾といたしますとともに、物心二重苦を背負つているこれらの人たちに対して、せめて物質的苦痛の幾分かでも軽減するために努力することは、為政者の絶対におろそかにすべきことではないと考えるものでございます。
 第五の点といたしましては、以上の財源といたしまして七月分の防衛支出金百四十五億円、保安庁経費三十一億円、官庁営繕費の一部三億円、計百七十九億円を削除、残金は国庫余裕金及び大蔵省証券の発行によることといたしたわけであります。
 米軍の駐留と保安隊の存在はまさにわが国にとつて命とりの悪質のがんでありまして、これによつてわが国の平和と独立は完全に脅かされ、経済自立が困難になつておりますことは明らかでございます。従つてわれわれ日本社会党両派は、軍事基地に反対、再軍備に反対し、国民生活の安定をはかるべきであるとの観点に立つてこの三項目を削除いたしたのであります。
 ちなみに第四次吉田内閣は、三月十四日野党四派に不信任案をつきつけられまして、最も重要である昭和二十八年度予算に対しましては何らの措置をはからずに、無謀にして無責任なる解散をなし、今日の政治的空白の原因をつくつたのでありまするが、総選挙後も急速に行うべき国会の召集を荏苒手をこまねいて遅延せしめ、第五次吉田内閣はまた急速に本予算案を提出する熱意を欠いたため、四箇月暫定予算というまれに見る事態を招いたのであり、これにより社会の進展を阻害し、国民に多大の迷惑を与えた責任は、重かつ大なりといわざるを得ません。われわれはこの事態を直視し、少くとも七月暫定予算においては本年度の現状に対応する内容を十分に織り込むべきことをしばしば要求いたしましたのにかかわらず、提出された三案にはほとんどその趣旨が盛られておらないことを知り、その無能、無誠意に実に唖然たるものがあるのでございます。しかもまた本暫定予算作成中に、すでに発生しておりましたあの風水害の対策について全然これを織り込むことをしようとはいたしませず、また凍霜害に対してはわずか五億八千万円の措置のみで足れりとしておることなど、まつたく国民を無視したやり方でありまして、心からの憤激を覚えるものであります。かかる意味におきまして政府原案に対しわれわれは断固として反対し、現状に即した施策をたとい一月でも早く取上げ、また緊急対策として一日もゆるがせにできない施策を実行し、ともすれば社会の片隅に追いやられんとする人たちに自立の道を与え、真に働く大衆が生きがいのある生活が保障され、日本の平和と独立が確立される道へ進むため、本組みかえ案を提出し、あえて与党たる自由党の諸君並びに吉田内閣に強く国民の名において要求し、日本社会党両派の組みかえ要求の趣旨弁明を終る次第でございます。(拍手)
○尾崎委員長 これにて暫定予算補正三案に対する編成替を求めるの動議の趣旨説明は終りました。
 これより暫定予算補正三案に対する編成を求めるの動議及び政府原案を一括して討論に付します。西村直己君。
○西村(直)委員 ただいま議題となりました昭和二十八年度一般会計、特別会計、政府関係機関暫定予算につきまして自由党を代表いたしまして政府原案賛成、社会党の編成替を求める動議には反対の意を表明いたします。
 今回の暫定予算は四月から六月までの暫定予算が二十七年度の予算を基礎にいたしました骨格予算でありましたが、それに対しまして今回の七月分の暫定予算は今審議されております二十八年度本予算を大体基礎にいたしておる点が特徴でございまして、従いまして二十八年度予算のうちのそれぞれの特色を一箇月分計上いたし、あるいは本予算におきまして、七月から実施を予定しております新規事業や、あるいは単価の改訂等は、それぞれ原則としてこれを織り込むようにして、国政の運営に支障を来さないようにいたしておるのであります。もとより本予算が早く上るということが、国民全体の要望であることは申し上げるまでもないのでありますが、本予算の成立までのつなぎといたしまして、かかる暫定予算をつくりましたることは、もちろんこれも国民の要望にこたえるところでありまして、国政の運営におきましては、円滑な運営が期待できると思いまして、この政府の措置に対しましては、十分賛成の意を表するものであります。
 次に私は、社会党の組みかえ要求につきまして、反対の理由をかいつまんで申し上げたいと思うのであります。本予算の成立までのつなぎ措置であるということが、この暫定予算の精神であります。従つて暫定予算は、本予算の国会審議を束縛するようなものであつてもいけませんし、また後年度の財政負担を決定するような措置をとり得ないということは、財政法の規定からいつても明らかであります。しかるに、今回の社会党の組みかえ要求は、本予算の内容に相当の変更を加える要素を多分に含んでおるのであります。また年間財政計画の変更を前提といたしておる点から、暫定予算の範囲を越えておる、逸脱いたしておると言うことができるのでありまして、本予算の審議が終らない現在、このような組みかえは、はなはだ当を得ないといわざるを得ないのであります。防衛支出金百四十五億円の全額を削除しろというようなごときは、防衛支出金は日米安全保障条約の存続いたしまする以上は、当然必要な経費でありまして、その削除を主張することは、国際信義を冒涜するものだと考えるわけであります。また保安庁経費三十一億円の全額削除も、国内治安確保の必要のために設けられておる施設でありまして、これを否定することは、日米安全保障条約に規定する日本の防衛力漸増計画をまつこうから否認するものでありまして、これには賛成できません。また災害対策として暫定予算に十五億の災害対策予備費を計上いたしております。四月から六月分の使用残が合計されますから合せて十五億、十分にその必要を満たすことができるのでありまして、組みかえの必要は認められないのであります。その他公務員の夏期手当の増額、社会保障関係経費の増額などの組みかえ要求をいたしておりますが、年間財政計画に当然変更を加える年度を通じまする予算全体の問題でありまして、本予算審議の過程においてこれらは十分に検討を加えらるべきものでありまして、七月分暫定予算について、その場限りの一時しのぎの措置を行うことは、賛成ができないゆえんであります。
 以上が私の意見であります。(拍手)
○尾崎委員長 櫻内義雄君。
○櫻内委員 私は改進党を代表いたしまして、ただいま議題となりました一般会計暫定予算補正外二案に対し、賛成の意を表し、社会党両派の組みかえ動議に反対をいたします。
 政府原案は、暫定予算の本質上、当然国政運用上の必要欠くべからざる最小限度のものであるべきであり、またそのように了解をいたし、賛成するものであります。従つて社会党両派の組みかえ動議は、この趣旨からは賛成しがたいのであります。
 この際特に希望いたしたいことは、第二台風に伴う各地に見られた水害と、今般の九州、中国方面の水害につきましては、その惨害の著しいものがありまして、とりあえず予備費を使用し、緊急対策を講ぜられんことを要望し、原案賛成、組みかえ動議反対の討論といたします。(拍手)
○尾崎委員長 福田昌子君。
○福田(昌)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつております政府提出の七月暫定予算三案に対しまして反対いたし、私ども両派社会党の共同提案になります組みかえ動議に賛成するものでございます。 その反対の理由を簡単に申し上げます。第一に、私どもは七月までも暫定予算にしなければならないというそのこと自体をどうしても了承できないのでございます。本国会は去る五月十八日に召集されまして、今日ですでに一箇月以上を経過いたしております。もし政府自体におきまして、国政を憂えるの熱意があり、そしてまたこま切れ予算を出すことが、地方自治体の窮乏をさなきだに困窮に陥れるということを御理解されておりますならば、今国会劈頭に、早急に二十八年度予算案を提出いたしまして、七月くらいは暫定予算にいたさなくともよいだけの熱意を持ちまして、二十八年度予算を六月一ぱいに上げるほどの誠意を持ちまして、予算審議に当るべきであると思うのであります。それにもかかわりませず、政府はこの六月十三日になりまして、やつと年度予算を提出して参りました。世界情勢はこの三、四箇月の間に激変いたしました。マレンコフの平和攻勢にあわせまして、朝鮮の休戦会談の成立を見ました。これらのことは、当然日本の経済、産業にも変動を及すものでございますから、私どもは二十八年度の本予算におきましても、政府は当然これらの世界情勢を反映いたしまして、日本の自立経済の確立のためにも、また民生の安定のためにも、格段の努力を払つた政策が盛られるであろうことを考えておつたのであります。ところが驚きましたことには、ただいま審議されておりまする二十八年度本予算を見ましても、その内容におきまして、あの無謀な解散によつて打切られました、三月の解散国会によつて審議されましたところの流産予算とほとんど大差ないのでありまして、こういうような内容の予算でございましたならば、当然国会開会劈頭に提出し得るはずのものといわなければならないのであります。それにもかかわりませず、当然出すべき予算の提出を怠り、わざわざ七月までも暫定予算に追い込みまして、年間予算の三分の一をこういうようなこま切れ予算にいたし、いたずらに地方自治体の混乱と民生の不安をもたらしましたことは、まつたく政府の無責任と怠慢によるものでありまして、この点だけでも私どもといたしましては、どうしても承服できないところであります。
 反対の第二の理由は、かりに百歩を譲りまして、七月もまた暫定予算の必要があるとその理由を認めたにいたしましても、その内容におきまして賛成できないのでございます。本暫定予算案は、なるほど名目は暫定予算でございますが、しかしながら衆参両院の承認を得る予算でありますから、その内容におきまして、年度予算と同様の趣旨において、新しい経済自立政策、民生安定対策が盛られてしかるべきものであるのでございます。それにもかかわりませず、本暫定予算の内容におきましては、大衆が要望いたしておりますところの施策がほとんど盛られておりません。御承知のように、本年度になりましてからの二大災害と申されておりますところの凍霜害対策に対しましても、また今月の当初北九州及び中国を襲いましたところの農産物を中心といたしました未曽有の風水害に対しましても、これに対する緊急対策といたしましては、ほとんど何ら見るべきものがないのであります。政府はこれらのものに対しまして、緊急対策費として十五億を組んでおるではないかと言われましたが、この被害はざつと計算いたしましても約五百億に上ると言われておる被害であるのであります。こういう大きな被害に対しまして、何らの対策も政府は積極的にとつていない。この怠慢にあわせまして、再度また不幸なことには、この両三日北九州には六十年来という豪雨が見舞つて参つたのでございます。このことによりまして、さなきだに困窮いたしておりまする地方自治体及びこの被害農民が、いかに困つておるかは申すまでもないことでありまして、とうてい自力では再起できないまでに、完全に打のめされてしまつたのでございます。さらにまた本予算を見ますると、勤労者が熱望いたし、しかも民生安定のためには、ぜひとも必要でありまするところの公務員の夏期手当の補正分〇・五箇月分も、いささかも考慮されていないのでございます。このような一、二をあげてみましても、民生安定を無視いたしました暫定予算に対しましては、私どもはどうしても納得できないのでございます。しかも政府はよく暫定予算であるから、年度予算のような趣旨が盛れないということを申されながら、一方防衛支出金のごときは問題となつておるにもかかわりませず、百四十五億の巨額に上り、また保安庁経費にいたしましても、相当の巨額を含んでおるのであります。隠すより現われるはなしということわざがございますが、木村保安庁長官が九州におきまして放言いたしました警備五箇年計画といい、また本委員会におきまして論争の中心になりましたMSAの問題にいたしましても、政府は質問に対しましてつい一昨日までは知らぬ、存ぜぬの一点張りであつたにもかかわりませず、昨日になりまして、やにわにアメリカ政府当局といかにもなれ合いであるかのような感を覚えまするところの交換文書を出して参りました。こういうようなことは、政府の従来の防衛に関しまする考え方といい、またMSAの本来の性格からいたしまして、政府がいかに強弁いたしましても、この暫定予算そのものにおきまして、すでに再軍備的な予算の性格を持つておるものであるということはいなめないのでございます。私どもは、政府がいかに口に民主主義を標傍いたしましても、国会の審議におきましてはきわめてその審議権を無視し、しかも善良なる国民大衆に向いましては目をおおい、耳をふさぎまして、また勤労者のためには、最近にはことにスト制限法のごとき法案を持ち出しまして自由を奪い、そうしてまた一方次の世代をになつて立ち上らなければならない、有能な国民にならなければならない児童の中から、多くの学校に行けないような、就学不能の貧困児童、母子家庭があることも無視いたしまして、社会保障制度へのパンを求めておりまする国民の前に、大衆が要望もいたしておりませんところの、負担にたえかねるような、銃を与えるような、こういう内容の予算を出すことには、どうしても賛成できないのであります。そこで私どもは、民生安定と地方自治体の確立のために、両派社会党で組みかえましたところの組みかえ動議に賛意を表するものでありまして、その動議の内容につきましては、先ほど説明がございましたので避けさせていただきますが、私どもはもちろんこれでも十分とは思つていないのであります。しかしこの程度のことは、少くとも時宜を得た当然やらなければならない措置であると考えておるのであります。従いまして私は、以上のような理由によりまして、政府原案に反対いたし、社会党両派の提出いたしました組みかえ動議に賛成するものであります。(拍手)
○尾崎委員長 吉川兼光君。
○吉川(兼)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になつておりますところの七月分の暫定予算の政府の三案に反対しまして、両派社会党で提出いたしておりますところの原案組みかえの動議に賛成するものであります。賛成の趣旨につきましては、すでに趣旨弁明並びに今福田さんからの賛成討論がございまして、大体私の言いたいことは、その御両氏によつて尽きておりますので、きわめて簡潔に申し上げておきたいと思うのであります。私は、まず内容の論議に入ります前に、一つどうしても触れておきたいことは、それはなぜ七月分を暫定予算にせねばならなかつたかということでございます。これは今福田さんも言われておりましたが、政府は最初に四、五月分の暫定予算を出し、続いて六月分の暫定予算を出して、さらに連続して七月分の暫定予算を提出になつておるのでございますが、これはおそらく新憲法のもとにおきましても、稀有の事柄でありまして、私は端的に吉田内閣の無定見がここに暴露された、財政政策の貧困さがここに露呈されておると見なければならぬと思うのであります。私個人といたしましては、かねがね吉田首相の国会軽視の傾向に対しまして注目をいたしておる一人でございますが、吉田内閣がもう少し議会政治に情熱を持つといいますか、あるいはもつと努力を惜しまないのでありますれば、私は七月分のごときは、何ら暫定予算になる必要はなかつたものと思うのでございます。つまり五月の十八日に召集されましたこのたびの国会でございますが、これをもし十五日も早く召集をしておりますれば、そうして会期を六月いつぱいくらいにしておりますれば、六月中に本予算もできたでありましようし、また七月分の暫定予算というものは、全然その必要がなくなつたでありましようが、こういうようなことは要するに政治に対する良心といいまするか、こういうことに原因があるのでありまして、先般この委員会において、改進党の中村三之丞君と大蔵省の当局者との間に、補正予算に対する何か論議があつたのを、あとで書いたもので読んだのでありますが、それによりますと、大蔵当局の説明によりますれば、これは大蔵政府委員のお言葉でありますが、中村君の質問に対して、暫定予算は編成要領で申し上げましたように一年の十二分の一というようなことではなくて、時期的に調節を考えてやつている月別予算だということを言つている。これは私は非常に名答弁であると思うのでありますが、この時期的に調節を考えるということが、すなわち今度私たち両派で出しましたところの組みかえ動議の要点になつておるのであります。今福田さんもおつしやつたようでありますが、MSAの問題で、政府はつい一昨日まで、われわれを通じて国民を瞞着しておつたが、いよいよ瞞着ができなくなりまして、きのうから正体を現わして来ておるのでありますが、われわれは、七月分の暫定予算と言いながらこういうように、たとえば今もお述べになりましたように、防衛費に百四十五億、保安庁費三十億というような巨額のものを組んで、いわゆる時期的な調節を考えておりますような予算でありますがゆえに、この予算には賛成することができない。われわれがむしろ時期的な調節といいますのは、たとえば公務員の夏期手当の問題でありますとか、あるいはほとんど全国的に被害の及んでおりますところの凍霜害の対策であるとか、風水害の対策であるとか、こういうことこそが、いわゆる単なる十二分の一の七月分の予算ではない、時期的な調節を考える予算の妙味のあるところではないかと思うのでありまして、私は今日の日本経済再建の点から考えましても、民生の安定の点から考えましても、この白堊の殿堂をとりまいておりますところのあの赤旗の動きを、われわれは大衆の動きとして尊重することによつて、ぜひわれわれの組みかえ動議に与党の諸君も、政府も御賛成になりまして、民生安定のために、ただいま政府から出しておりまするところの原案を撤回するぐらいの誠意を、ひとつ示していただきたいということを申し上げまして、はなはだ簡単でありまするが、私の討論にかえたい次第であります。(拍手)
○尾崎委員長 河野一郎君。
○河野(一)委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題となつております七月分の暫定予算政府提案に賛成をいたしまして、社会党両派の提案いたしておりまする案に、反対の意思を表示するものであります。
 いずれ両案に対するわれわれの主張は、本会議場において同僚より詳細申し述べることに相なつておりまするが、私はこの機会にいささか所見を述べて、特に吉田総理その他閣僚諸公にお聞きとりをいただいておきたいと思うのであります。
 第一は、現在わが国の置かれておりまする立場が、世界の情勢の中にありまして非常に重大な段階にありますることは、あえて私が申し上げるまでもありません。しかも政局は非常に不安定でございまして、国会の運営、従つて日々おそらく総理も安んじて運営して行くことはできないような気持がせられるだろうと思う。現に予算委員会におきましても、今までのような気持で委員会の出席をことさらにはばまれて、委員会の運営に支障を来すというようなことは、われわれのはなはだ遺憾とするところであります。暫定予算のごときもわれわれは全面的に協力いたしまして、すみやかに通過することに取運ぶように、理事会その他においてもきめておるのであります。しかるに総理が何のゆえか大磯に帰られるために、われわれは当然定刻より始める委員会も開けなければ、本会議もいまだに開くことができないというような、この政治の停滞は、あげて吉田総理の責任であります。(拍手)かくのごときは、この内外重大な際において、はなはだわれわれは遺憾とするところであります。かくのごときは、総理において今後そういうことのないように、厳にみずから戒めていただきたいと私は思うのであります。
 さらにまたこの機会に申し上げたいことは、総理は国会の運営、政治の推進について、少しも積極的熱意を持つておられぬという感を私は深くする。たとえば当然提出せられなければなりませんところの重要法案等が、今日少しも現われて来ない。一体警察法の改正であるとか、義務教育費の問題であるとかいうようなことはどうなさるつもりか。前回の国会において、あれほど国家緊急の要務であるということを主張せられながら、事態は一体どうなつておるか。今日のわが国の置かれておる現状はどうなつておるか。社会の治安維持の衝に責任を持つてあなたは当る確信がおありになるのか。現に保安隊の問題にしても、保安隊の予算を少しも節減するような方向には向わずに、社会治安が悪い、国内の治安が悪い。従つてその防衛のために入用だということをあなたはおつしやるが、それならばなぜすみやかに警察法の改正を提案なさらないのか。かくのごとき緊急な要務に対して全然熱意を持つておられない。こういうことは国民とともにはなはだ遺憾であります。さらに夏期手当の問題にいたしましてもそうであります。これらのことは、政府においてすみやかにその態度を決定して、そうしてこれらの社会不安の原因になるようなことを、根本的に除去されることが当然であります。ところが周囲からいろいろと攻め立てられて、そうして政府の態度を左右するというようなことは、はなはだ遺憾であります。こういうことは、総理が率先して結論を出して、これに信念を持つて向われますれば、世の中はおのずからその方向に向うのであります。しかるに国会の態度等に対して右顧左眄し、少しも結論が見出されないというようなこと等は、はなはだ遺憾でありまして、現に本日のこの委員会において友党より提案せられようとするところの動議等に対して、われわれの方に向つて賛成してくれるか、くれないかとかいうような、そういうような態度では、断じて日本の国政はこの世界の重大な段階に対して、うまく行くものではないと私は信ずるのであります。どうかそれらの点については御配慮を煩わしたいと思うのであります。
 さらにつけ加えて申し上げたいと思いますことは、吉田総理は、かねがね行財政整理に対しては、非常な熱意を持つておられるはずであります。私もしばしば伺つておる。しかるに最近の吉田首相の態度を見ますると、これに対して熱意があるのかないのか、全然わからないような様子である。たとえばわが党より議員自粛に関する各種の申出をいたしましても、あなたの与党はこれに対してどういう態度でありますか。あなたはよろしくこれに対して、ほんとうに行財政整理をしなければならぬ、国家のためにやらなければならぬという信念をお持ちならば、これに率先賛同を与えて、この実現に邁進せらるることこそ、それを基盤にしてほんとうに国家の行財政整理を実現することの正しい行き方だと私は思うのであります。しかるにこれらに対しては何ら発言もしなければ、全然熱意もない。こういうことでどうして今日の国家財政の難局に処してほんとうの政治ができましようか。これらについてははなはだ遺憾の点が多いのであります。
 かくのごとく総理が引続き国会に対して熱意を欠き、出席したかと思えばすぐ帰つてしまうというような態度でありますれば、予算審議その他各種の委員会は十分な審議ができません。国会軽視もはなはだしい。こういう態度をあなたが続けられるならば、おそらくはこの予算案も七月中には通過しない。そうして八月の暫定予算をまたここにわれわれは審議しなければならぬような、はめに追い込まれるのではないかということを、国家のためにはなはだ憂うるものであります。万一そういう事態になりますれば、その責任はあげて全部総理が負わなければならぬということを御承知おきいただきたいのであります。
 以上申し上げました諸点について、十分なる御反省を煩わして、原案に賛成するものであります。(拍手)
○尾崎委員長 黒田寿男君。
○黒田委員 私は労働者農民党を代表いたしまして、八百板君らの御提出の動議に賛成し、暫定予算案に反対をいたします。
 動議の内容は、おおむね適切妥当であると考えます。原案の支出項目の中から防衛支出金、保安庁経費等を全面的に削除いたしましたことは、単に予算の数額に一定の変化を与え、これを他の支出項目に充てるという部分的な効果があるというだけではなく、この削除を行う根本精神すなわち動議提出の根本精神が、全世界の平和とわが国の独立の実現の方向に向けて、吉田内閣が隷属と戦争政策に立つて編成いたしました予算を根本的に切りかえようとする趣旨に立つてなされておるものと理解いたしまして、これに賛成するものであります。また原案の上に積極的に支出項目を加えようとしておりますその項目、たとえば一般会計、特別会計、政府関係機関の職員の夏期手当の現行ベース〇・五箇月分増額、地方財政平衡交付金の増額、その他の増額項目は、勤労大衆の経済的窮迫の現状、地方自治体の疲弊困憊しております実情等を目前に直視いたしますときに、直面最小限度これだけの増額は緊急不可欠であると私は考えます。その他私の前にこの動議に賛成せられました委員諸君の賛成理由は、ことごとく同感であります。私は重複を避けまして、これらの諸君の賛成理由を援用させていただきたいと思います。
 次に暫定予算に対する反対の理由を申し述べます。この暫定予算案は、政府の説明によりますと、昭和二十八年度本予算を基礎として編成せられております。元来当該年度の本予算の中には、政府の当該年度における政治上、経済上、財政上の根本方針が織り込まれておるのであります。これに比して暫定予算は本予算成立を見るまでの、いわばかりの予算であり、これに計上すべき経費は、いわゆる骨格経費として最小限度必要欠くべからざるものにとどむべきであります。但し予期せざる自然災害の発生等に対し、その対策費を支出する必要のありますとき、あるいはまた民生安定の見地から、すみやかに一定の支出を要するような事情が生じましたときに、適当額の経費を計上いたしますことはさしつかえないだけでなく、適切妥当であると考えますが、しかし政府の新政策の財政的裏づけをなしますような経費は、たとい少額といえども計上すべきではないと考えるのであります。本予算に影響を及ぼしますような、政策的経費は、計上すべきものでないと私は考えます。この見地が正しいといたしまして、さて本暫定予算の場合はどうでありましよう。この暫定予算は先ほど申し上げましたように、昭和二十八年度本予算を基礎として編成せられており、七月より実施を予定されております新規事業、及び単価の改訂等につきましても、これを織り込んでおり、要するにできるだけ本予算の趣旨を織り込もうとしておるのであります。しかして他方二十八年度本予算はどうかと申しますと、それはまだ成立していないだけではありません。現在これから審議がこまかい点についての論議の段階に入ろうという今その時期にあるのであります。私は暫定予算の中に本予算の編成方針を盛り込むことは不当であると思います。それだけでなく、もし本予算成立前に暫定予算を成立せしめますならば、本予算の成立前に、部分的にではありますけれども、本予算を成立させることと同一の効果が発生するのであります。基礎となるものが確定しない前に、この基礎から派生するものか先に確定されるという不合理を生むのであります。しかも暫定予算の議決か、一定の既成事実の成立となりまして、本予算審議に一定の限界を画するということになるのでありまして、これは非常に不当であると考えます。私は今回のような暫定予算の編成方法は、それは自由党がみずから招いたやむを得ざる措置であつたのでありますが、この意味においてきわめて不都合なやり方であると考えます。予算は元来一体として議決すべきものでありまして、これを部分にわけて別々に時期を異にして議決すべきものではありません。これは予算審議の大原則であります。二十八年度本予算と七月分暫定予算とは、形式的には別個のものとして提出せられておりますけれども、しかし内容上からいえば本予算案と一体をなしている、こう断じなければならない。なぜと申しますと、政府はこの暫定予算案を二十八年度予算案を基礎として編成していると言うているからであります。この点において政府の言うておりますごとく、七月分の暫定予算は四ないし六月分暫定予算とは趣を異にするのであります。四ないし六月分暫定予算は、二十八年度本予算が成立いたしました後においてこれと一体をなすものであります。しかるに七月分暫定予算案は本予算案と合せて予算案としての段階において実質的に一体をなすものであります。しからばこれを別個の形式として提出したのは不当であると考える。これを時期的に異にして議決するということは、予算審議の大原則に反すると思うのであります。このようなことをしなければならないようになつたのは、吉田内閣が二十八年度予算成立の機会があつたにもかかわらず、党利党略の不当な解散をあえていたしまして、本予算成立の機会をみずから消滅させたからであると私は考える。このような理由を私はこの予算案に反対する理由の一つとして申し上げたいと思います。今までに暫定予算案への反対理由について、他のこれに反対をされました諸君からいろいろと理由を表明せられております。私は他の委員諸君の反対理由と重複いたします点はこれを繰返すことをやめまして、これらの理由を援用することにさせていただきたいと思いまして、私といたしましてはただいま申し上げました反対の理由を一つつけ加えまして、これらを総合して私の反対理由といたしたいと思います。
 これをもつて討論を終ります。
○尾崎委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。まず八百板正君外十四名より提出された昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第2号)外二案に対する編成がえを求めるの動議を採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○尾崎委員長 起立少数。よつて本動議は否決されました。
 次に昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第2号)外二案を一括して採決いたします。本三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○尾崎委員長 起立多数。よつて暫定予算補正三案はいずれも原案の通り可決いたしました。
 なお本三案に対する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。
    ―――――――――――――
○尾崎委員長 それでは昭和二十八年度一般会計予算外二案を一括議題といたします。この際松浦周太郎君より発言を求められております。これを許します。松浦周太郎君。
○松浦委員 この際緊急動議を提出いたします。
    決議
 政府は現下の物価高並びに、経済上の種々なる悪条件に鑑み、公務員に対して支給する期末手当中に、毎年十二月十五日に支給する〇・五ケ月分中より〇・二五ケ月分を繰上げ支給の出来得るよう、措置を速かに講ずべき事を決議する。
これに対する簡単なる趣旨を申し上げます。夏期手当として、すでに六月暫定予算中の〇・五並びにさらに〇・五箇月分と、合計一箇月分を与えよということは、今や全国官公労並びに自治体地方公務員の切なる要求であります。今や諸種の経済上の悪条件の中に呻吟しているところの公務員に〇・五箇月分を増加支給すべきでありましようが、国家財政上の現況にかんがみ、すこぶる困難であろうことを考えます。しかしながら政府は、行政上並びに財政上の困難を克服して〇・二五箇月分を支払う指置を講じ、いわゆる二十八年度一般予算中十二月に支給すべき期末手当中より繰上げて〇・二五箇月分を、七月並びに八月の初旬までに支給されたいことを緊急動議として提出いたします。皆様の御賛成を求めます。(拍手)
○尾崎委員長 ただいまの松浦周太郎君の御動議に対し御意見があればこれを許します。小峯柳多君。
○小峯委員 ただいま松浦君から提出されました動議に関しましては、われわれ自由党は反対であります。しかしわれわれはいたずらに反対のために反対するのではありませんで、今日ただいまの場合、かかる動議にはやむを得ず反対するのでありますが、ここにその理由を明らかにしておきたいと思います。
 まず第一番目には、昭和二十八年度本予算案を審議中の現在、すでに二十八年度本予算が決定されたものとしての繰上げ支給を主張している点は、予算審議の技術的にかんがみまして、これに賛成することはできないのでございます。ことに年末手当の繰上げ支給のみをうたつて、減額された年末手当の処置に触れていないことは、公務員諸君のためにも決して親切ではないと考えるからであります。またさらに予算審議の過程を正確に解するなれば、松浦君からの動議は、将来二十八年度予算案が審議可決された場合に考慮すべしという意味になるのでありまして、今日ここにかかる動議を出すことの根拠は非常に薄くなるのでございます。
 また第二には、年末手当の繰上げ支給は給与法の改正にまたねばならないのでございまして、給与法の改正は議員の発案をもつてできるわけでありますから、右改正の責任を政府に負わせるごときは、議員の審議権を制限することになるのでありまして、われら議員の決してとらないところであるからであります。
 以上予算審議の本則から行つて、また議員としての審議権を十分に確保する立場からいいまして、動議には反対するものであります。(拍手)
○尾崎委員長 今澄勇君。
○今澄委員 私は野党の各派を代表して、ただいま提出せられました公務員夏期手当に関する動議について賛成をするものであります。
 本年度の予算案を見ても、国民総所得の大幅なる増加が見込まれている現状のもとにおいて、現下官公労が夏期手当に関して、苦難の生活にあえぎながらいかに待望しているかということは、いまさらここで申し上げるまでもありません。ただいま与党たる自由党から三点の反対理由があげられましたが、これらはいずれもこれらの夏期手当の支給を渋る名目的な反対理由にすぎないのでありまして、昨年末の年末手当の支給その他の経緯にかんがみるならば、これらの問題は立ちどころに解決するものと思われます。私どもは社会党両派が提案をいたしました〇・五の夏期手当の追加支給ということが、最もこの際妥当なものであると思うのでありまして、ただいま本委員会において否決せられましたが、これが本会議においては通過することを心から期待をするとともに、この〇・二五というようなまことに最低限度の期末手当の支給についても、これに対する反対の意見を述べる与党たる自由党については、まことに血も涙もなきものといわなければなりません。私どもはこの際最善の策ではないが、次善の策として、本動議に心から賛意を表するものであります。(拍手)
○尾崎委員長 ただいま松浦周太郎君より提出されました動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○尾崎委員長 起立多数。よつて本動議は可決されました。
 大蔵大臣より発言を求められております。これを許します。小笠原大蔵大臣。
○小笠原国務大臣 ただいま御決議の趣旨につきましては、委員会多数の御意見でもありますので、さらに考慮してみることといたします。
○尾崎委員長 本日はこの程度にし、次会は明後二十九日午前十時より公聴会を開会することといたします。
 これにて散会いたします。
    午後四時五十五分散会