第016回国会 水害地緊急対策特別委員会 第28号
昭和二十八年九月八日(火曜日)
    午後三時一分開議
 出席委員
   委員長 村上  勇君
   理事 田渕 光一君 理事 綱島 正興君
   理事 岡部 得三君 理事 滝井 義高君
   理事 稲富 稜人君 理事 佐藤虎次郎君
      上塚  司君    江藤 夏雄君
      大久保武雄君    熊谷 憲一君
      武田信之助君    徳安 實藏君
      仲川房次郎君    降旗 徳弥君
      坊  秀男君    三池  信君
      山中 貞則君    田中 久雄君
      舘林三喜男君    中島 茂喜君
      本名  武君    吉田  安君
      井手 以誠君    田中 稔男君
      辻原 弘市君    芳賀  貢君
      原   茂君    八木 一男君
      伊瀬幸太郎君    小平  忠君
      辻  文雄君    堤 ツルヨ君
      松前 重義君    首藤 新八君
      世耕 弘一君    中村 英男君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 緒方 竹虎君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計局長)  森永貞一郎君
        大蔵事務官
        (主計官)   柏木 雄介君
        農林事務官
        (大臣官房長) 渡部 伍良君
    ―――――――――――――
九月八日
 委員村瀬宣親君及び木下郁君辞任につき、その
 補欠として中島茂喜君及び堤ツルヨ君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 理事平井義一君及び赤澤正道君の補欠として田
 渕光一君及び岡部得三君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 水害地対策に関する件
    ―――――――――――――
○村上委員長 これより会議を開きます。
 まず理事の補欠選挙の件についてお諮りいたします。理事の平井義一君及び赤澤正道君は委員を辞任されております。これによつて理事が二名欠員となつております。つきましては、この際その補欠選任を行うごととし、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長  御異議なしと認めます。それでは田渕光一君及び岡部得三君を理事に御指名申し上げます。
    ―――――――――――――
○村上委員長 ただいまより水害地対策について議事を進めます。
 ただいまより政府に対する質疑に入ります。本日の理事会の申合せによりまして、委員会を代表いたしまして、私より二、三御質疑をいたします。
 本委員会は、前国会最終日の八月十日に、緒方国務大臣御出席の委員会におきまして、水害地対策に関する諸法律の適用地域の指定及び臨時国会召集等について決議を行い、同日文書をもつて関係各大臣あてにお送りいたしておきましたが、ここに念のために読み上げますと、「政府は、既に調査完了せる地域については、直ちに政令を以て指定し、水害地対策に関する諸法律を適用することとし、調査未了の地域についても調査完了次第逐次政令をもつて指定し、法を適用すること。その間、調査未了の地域及び法の適用を受くるも予算の関係上実施に至らないものについては、公平なるつなぎ事融資を行うこと。当委員会は今般福岡、佐賀、熊本、大分、長崎、山口、和歌山、奈良、鹿児島、愛媛、兵庫、鳥取、島根、三重、福井、長野、大阪、岐阜、北海道、千葉、京都を調査対象地域とし、直ちに、その実情調査に当り、九月五日までに委員会を開会し、各班の実地調査の結果をとりまとめ、政令をもつて指定すべき地域に関し、政府をして地域指定を追加して行わしめるようこれを明示すること。国会は今次水害救済及び復旧の重大性にかんがみ、ここに特別立法を成立せしめたが、政府は、これが復旧に対する国民の待望に答えるべく遅くとも九月下旬までに臨時国会を開会し、予算措置を講じ民心の安定を図らんごとを要望する。」というのであります。
  この本委員会の決議の第一点たる政令による被害地域の指定について、政府の現在までにおとりになつた処置について、まずお伺いをいたします。
○緒方国務大臣 災害地の地域指定につきましては、政令におきましても、災害の実態を把握するために、爾来できるだけの努力をいたしておるのでありますが、この政令をきめますことにつきましては、法のできました由来にかんがみまして、国会側と十分にお話合いをいたしまして、きめて参りたいということで、まだ決定までに至つてておりません。
○村上委員長 被害地指定の基本方針が決定になつておらないということでありますが、可及的すみやかにその方針の御決定をお願いする次第であります。
 次に決議の第二点のつなぎ融資の点に関してでありますが、これについてお伺いいたします。現在までお出しになりました五十億円にさらに追加交付する必要があろうと存じますが、これについて政府の御方針なり御計画をお伺いいたします。
○緒方国務大臣 つなぎ融資につきましては、今委員長から申された通りの経過をたどつて参つておるのでありますが、臨時国会の開会の時期ともにらみ合せまして、つなぎの必要も出て参ろうかと思いますので、この点につきましてはあまりきゆうくつな考えをいたしておりません。災害対策予備費はあとあまりないと思いますが、何とかその間のつなぎをやつて行くつもりで、今研究いたしております。
○村上委員長 それでは、次に決議の第三点たる臨時国会開会の見通しについてお伺いいたします。
○緒方国務大臣 それは当委員会の御決議は九月の末までということでありましたが、臨時国会を開きますにつきまして、政府側としての準備にまだはつきりした見通しができておりませんので、九月の末日は多少困難ではないかと考えておりますが、できるだけ早く開会するように手順を整えたいと考えております。
○村上委員長 私の質疑は一応これにて打切りますが、委員より通告がありますので、順次これを許します。綱島正興君。
○綱島委員 緒方国務大臣にお尋ねをいたします。ただいままでいろいろ調査をして参りましたし、本委員会でもいろいろな審議を重ねて参つたのでありますが、もはやすでに予算処置にかかり、地域指定にかかつて、一日も早く復旧の実施をこいねがつておられる災害地の皆さんにこたえなくちやならぬ特別の義務を政府においても感じておられましようし、委員会の委員といたしましても、この点については非常に深い関心を持つておるわけであります。つきましては、政府においては、まず本件の予算処置は、こちらで立法いたしておりますから、大体の見通しというか、およそ見当がおつきになりましたでございましようか。
○緒方国務大臣  お答えをいたします。私大蔵大臣の代理を承りましてまだ二、三日しかたちませんので、こまかい数字を存じておりませんが、今綱島委員からお尋ねになりました、いわゆる予算の裏ずけにつきましては、十分とは申せませんが、大体何とかまかないがつくのではないかという荒見当はつけております。
○綱島委員 私がお尋ねいたしますのは、巨細にどういう予算を幾らいただかねばならぬと、こういうことを臨時大蔵大臣にお尋ねする意思はございません。大体およその荒見当をおつけになつたかどうかということをお尋ねすれば事足りるのでありまして、この点についてはこれで打切ることにいたします。
 問題は、予算の内容がどうなるかということも、実は地域の指定の関係、どういう標準によつて地域を指定するかということが非常な問題になりますし、その地域の指定の根本になるものは、このたびの災害をどういうふうに処理せねばならぬか、こういう考え方によつて違うと思うのでありますが、緒方国務大臣は、ただいま臨時の大蔵大臣を兼任であられますので、そこらのところは御了承と存じますけれども、えてして大蔵省は予算を出さぬ。何でもかまわぬから、金を出さなければ国のためだ。必ずしも自分の金とは思つておらないから――そうではないでしようが、金さえ出さねばお国のためだというような考え方が、非常に濃厚のようであります。ややもすれば袋の口をかたく締めることによつて、これはあるいは優越性を印しようと考えておるのじやないかなと思うようなことも、これはおよそ政治家というものはみな経験したことだろうと思う。そこで、このたびの予算処置の基礎となります政令の内容、従つて政令で特に決定されます地域の指定、政令に盛り込まれる標準の決定、これらが実は非常にこのたびの予算の数額にも関係して参りますし、特にこの災害地域というものに対する影響が、これで非常に大きくなつて参ります。もちろん委員会といたしましても、このたびの非常災害ということに名をかりて、そうしてあらゆる部面にただ予算をぶんどりしよう等の考えは毛頭ございません。異常災害に対するものだけの処置を早くとりきめまして、一日も早く諸般の面においてこれの処理をいたして行きたい、こう考えております。その内容としては、大体行政府に委託いたしました地域指定及びこの地域指定に関する標準、こういうものが、案はこのたびの立法の予算と不可分な関係があり、言いかえれば、災害復旧と不可分な関係を持つわけでございますので、この点に対する基本的な考え方を大体伺いたいと存あます。
○緒方国務大臣 お話がありましたように、今度の災害の始末につきましては、政府といたしましても、災害の性質にかんがみまして、できるだけのことをいたそうと考えているのであります。特に私は臨時に大蔵大臣の代理をしておりますが、本来西日本災害対策本部の本部長をいたしておりまして、実は金を要求する方の立場と、きんちやくを締める立場と両方にまたがつておりまして、これは見ようによつては非常に進退両難の立場のようにも考えられますが、考えようでは、災害の実情が一応私の頭に入つておりますだけに、できる無理ならば無理を通しても予算の裏づけをやつて行きたい。まだ予算の数字そのものは十分に頭に入つておりませんので、ここでこまかいことを申し上げることはできませんけれども、私も九州から北海道まで一応見て参りましたので、その点につきまして、大体皆さんの御意見と同じ意見を持つているとお考えぐださいましていいじやないか、さように考えております。
○綱島委員 他の関係のことは申し上げませんが、このたびの災害復旧において、本委員会で力を尽しました点を一応申し上げますと、現代の政治の方向が、まず社会の福祉を増進する、少ぐともその欠如するところなからしむるための保障を打立てるということにあることにかがみまして、特に公共の中の文化的関係のもの、教育的関係のもの等に厚く施設をすることを考えたのございますが、但しこの部面としては、予算処置は非常に少額に相なるのであります。問題は農林災害に対する救済、これに寅は重点を置きまして、これは本委員会の処置によつて予算が非常に増額をいたしたのであります。公共企業の災害におきましては、これはおそらく復旧費の最大部門を占むるとは存じますけれども、旧法によりましても、この点は同じように大体保護される部面が多いのであります。特に本委員会で力をいたしましたところのものは、国民食糧の確保ということが国民経済から見て非常に大切であること、及び農村に対して特に非常なる迷惑を国家はかけておつて、強制供出以来非常に義務づけをいたしております等の事柄より、この農地に対しあるいは農業施設に対して特殊なる処置をいたすことが、国家がこれに報いるゆえんであろうと考えましたこと、その他国民経済を確保するゆえんなりと考えましたこと、わけては農業地帯の人たちが、もしもすてばちになりましたならば、これほど恐ろしいことはない。国家のほんとうの基盤であると思える、四〇%以上の人口を占めるおもなる部分の中に、国家に対する失望感が起つたり、あるいは離農しようというような考えが起つたりいたしましたならば、ゆゆしき問題であるという、それらの考えから、特に農業施設には手厚く立法をいたしたわけであります。ところが昨日本委員会で、農林当局からその心構えであるような素案をひとつ出してもらおうということで出してもらいましたところ、立法の趣旨とは案に相違し、ほとんど本質的には立法の趣旨を没却するようなものでございまして、これはと5てい本委員会の許容しがたいところであります。由来農業災害の中で重く考えられておりましたのは、農業災害の最低単位を対象十万円までといたしておつたのであります。ところが一箇所の災害が十万円だけでございますと、小さい渓谷に起つた、たとい非常な強烈な災害でございましても、小面積の部分は救われなかつたり、しかもこういう所の農民にとつては、実は国家が相当援助してやらねばならないかけがえのない田畑であつたりすることが多いのでございます。さようなことにかんがみまして、特に三万円にこの対象の金額を下げたのであります。由来災害額十万円のときに、災害の数額がその災害の額を被害を受けましたる農家数で割つたるものが八万円に及ばざるものについては、国家の補助は農地については二分の一、農業施設については十分の六・五をやつておりましたし、この八万円を越えるものについては、農地については十分の八、農業施設には十分の九を国家が補償しておつたのであります。ところが、このたび帰つて見ましたところが、特に驚いたことは、これらの災害に対して指定地域に入るのには、これが頭割して八万円以上の災害でなければならない。これなら従来でも八割ないし九割の補助を受けておつたもので、特にこのたびの災害について本委員会が立法しました趣旨を虚無に帰せしめるという意図がうかがわれるのであります。実は法律の内容を政令をもつて変更することはできないということは、法学上の本則でございますが、このことは案は政令でもつて立法の内容を虚無に帰せしめんとする企てであると見なくてはならない。もしもこういうことがこの内閣で企てられていることとなれば、重大な問題であり、委員会としては、かようなことは絶対に認容することはできない問題であります。そこで、かようなことについては絶対にその考えをかえてもらわなければならないということを、農林省の官房長にやかましく昨日申したわけであります。
 次に、林道の問題でございますが、これも従来立法がございました。災害町村の災害額を町村の林道で割つてメートル当り千円以上、これは従来用いようとしたつてほとんどこれにひつかかつた災害はない、今度は特別災害だから、それゆえひつかかつたものだけやればいい、こういうことなら一応りくつは通るかもしれませんが、実質的にはそれこそ見るも無残に渓谷は土砂の氾濫するところとなり、農民の田畑はほんとうに一丈にも近いような泥土の集積するところとなつており、農民の畑の中には材木が生埋めになつているというようなこの状態に対してさえ、あるいはその地域の林道にさえ適用を免れるようなおそれがあるのであります。これは元来災害対策本部長にやかましく申し上げる筋合いでございますが、そう申し上げようというのではございません。一例をあげればかようなことです。私は、農林専門でございますので、農林のことを申し上げておるのであります。他の担当されている小委員の――あるいは厚生あるいは通産あるいは建設等においても、おそらくはこれに類似したる処置が行われるのではなかろうかと考えられます。従つて、かような点については、特に本委員会においては指定地域に対する標準をきめたいと実は考えているわけでありますが、政府においても、本委員会もさようなものに対するべらぼうな処置はいたしませんので、特に御尊重くださる御意思がございますかどうか。この点も特に災害対策本部長であり、大蔵大臣の臨時兼摂の国務大臣としての御所信を伺つておきたいと思います。
○緒方国務大臣 それは申すまでもないのでございまして、委員会の皆さんの御良識を信頼いたしまして、無理なことはなさらないという期待を持つて、できるだけどこまでも、今度は政府の方から国会の御立案に協力をする措置をとつて参りたい考えであります。
○綱島委員 ただいまの御答弁をいただきましたので、実はたくさん質問を用意いたしておきましたが、これでよろしゆうございますから、私はこれで質問を終ります。
○村上委員長 次は舘林三喜男君。
○舘林委員 重複を避けまして、簡単に予算の問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。
 今まで二十四の法律の実施につきましていろいろ検討しております最中に、大体この災害の復旧は今後三年間でこれを完成する、すなわち初年度におきましては三割、次が五割、最終年度二割というようなことが、あたかもこれが何かきまつた事実のように論ぜられて来ておるわけであります。まつたく今までも日本の災害復旧の問題につきましては大体三年間でやつておつたが、実際は二十三年災等は七割くらいしか全国で復旧しておらない。二十六年災、二十七年災に至つては八割は復旧未完状態であります。そんなことを考えますと、今まで厚生省とか建設省とか知事会あたりで、ぜひ今後の復旧予定は三・五・二の比率でやつていただきたいといういろいろ意見があるようでありますが、この委員会としては、ぜひ今度の特別の災害においても三・五・二の比率でやつていただきたいということの意思表示はまだきまつていないわけでございます。そこで私たちといたしましては、三・五・二で三年間にやるより、六・四、すなわち本年六割やつて来年は四割やつて、思い切つて短年度にやつてもらいたい。そうでなければ今までの災害がさらに積み重なつて、ちようどさいの河原に石を積むようなもので、いつまでたつてもだめだから、急速に今度の災害については短期間にやつてもらいたいというのが、おそらくすべての委員諸君の希望だと思います。そんな意味から申しまして、私たちといたしましては、六・四の比率でやつてもらいたい。今度の二十四の法律を見ても、私の記憶しているところでは、たとえば公営住宅については、今年半分やり来年半分やるということで、すべて来年までに完成するということになつておりますし、学校建設につきましても、多分の来年度までに完成するという二箇年計画だと思います。今度の復旧につきましてはあとで質問いたしますが、そんな意味から考えまして、副総理は、大蔵大臣代理としてのお立場から、財政との関係もありますが、やはり今まで通り三・五・二の比率で予算をお組みになるつもりでありますかどうか。これは大事な問題でありますので、ひとつお聞かせ願いたいのであります。
○緒方国務大臣 まだ決定しておりませんが、今お話のようなことは、今までも災害地視察の間にたびたび聞いておりますし、私不案内でありますけれども、その方が適切ではないかと考えます。その点は財源との和らみ合いもありますので、今あらゆる努力を払つて財源を見出しておるのでございますが、財源があつて、そういうやり方をする方が適切であるという結論になりますれば、むろんそういうことにいたしたいと考えておりますけれども、今のところ財源に関しまして何とも申し上げかねろ段階であります。
○舘林委員 私もぜひ財源が許しますならば、今年度におきまして六割の負担をやつていただきまして、二年間にこの災害復旧が完全にできるようにお願いいたしたいと思つております。かりに不幸にいたしまして三割しかできないということになつて来ますと、現在被害総額が大体大まかなところ七百八十億か七百九十億といつておるわけであります。そういたしますと、本年度にかりにこれを三割やるといたしますと、その総額として大体二百三十億くらいになります。そういたしますと二百三十億のうちに今予備費が大体あと六十五億残つておるようでありますから、結局どうしても新しい財源を要するのはあと百七十億くらいだと思つております。そういたしますと、大蔵大臣として財源のことは十分よくお考えいただいておるだろうと思いますが、たとえば自然増収があと二百億とか四百億とかいわれておりますが、またその以外に、財源としては、たとえば前年度の剰余金が四百億ある、あるいは自然増収が二百億ある、そんなことを考えますと、今回の補正予算に関する限りは私は相当財源があろような気がいたすのです。しかし、一方におきまして、たとえば先般の国会で問題になりました〇・二五なんというのは、今度当然新しく計上しなければいけない。あるいは供米の完遂奨励金の問題とか、あるいは義務教育費の半額国庫負担の富裕府県負担分四十八億とか、いわば政治上義務的に出さなければならぬ費用が相当あるわけであります。その場合財源は相当あるような気がいたしますが、私が一番心配いたしますのは、最近しばしば新聞で論ぜられますように、とにかく二十八年度の一般会計の予算額は一兆以内にとどめたいということであります。そういたしますと、現在すでに九千六百五十四億の予算でありますから、どうしても一兆以内に切り詰めるというこのわくがある以上は、わずか三百四十五億しか出せないということになります。そうすると、わずか三百四十五億のうちで政治上義務に属するような費用を差引きますと、実際上いくらというと語弊がありますが、財源が相当ありましても、やはりこの水害関係の予算はぐんぐんしわ寄せさせられてしまつて、今おつしやいましたように、六割はおろか三割もなかなか出せないようになるのじやないかというような気がいたすのであります。そんな意味から申しまして、これは大蔵大臣としてもあるいは政府としても一番大きな問題だと思います。一兆以内に必ずとどめなければならないかどうかということは、この次の国会で問題になりますが、そんなことでわくをきめられますと、この水害予算というものはしわ寄せさられて、期待通りできないのじやないかという気がいたすのですが、この点につきまして御意見を承りたいと思います。
○緒方国務大臣 小笠原大蔵大臣のアメリカ出発前の構想は、何とか一兆以内にまとめたいという強い意見であつたのでありまして、私留守を預かつている間に、まだ補正予算編成につきましても、最後の結論まで行く時期になつていないのでありますが、私といたしましては小笠原大蔵大臣の考えをできるだけ尊重して参りたい。ただ、今お話のようにいろいろな問題がありますので、これを確保いたしますることは、お話の通りに非常な困難があろうということも予想いたしております。ただいま私がここで小笠原大臣の申し述べましたことを割つてもよいということは申し上げかねるのでございます。
○舘林委員 私一番心配いたしますのは、少くとも今度の補正予算においては、財源はあるけれども実際は一兆というわくに縛られて、事実上水害予算が非常にしわ寄せされて苦しくなる、この点を実は心配いたすわけでありました、ぜひ、この問題につきましては、副総理といたしまして特別に御高配いただきたいということをお願いいたしたいのでございます。そんな立場から考えますと、各事務当局が、先はども綱島委員から御質問のありましたように、指定地域の問題で非常にしわ寄せされるのではないかと思います。きのうも私たちの方で農林省の官房長のお話を聞きましたら、まつたく法律の趣旨と違つたような政令をつくつておられる。私はきのう申し上げたのですけれども、あんな政令をつくられるということは、法律そのものの精神を没却するものでありまして、むしろ行政権が立法権を侵害しているものだと私は思うのです。もちろん私たちも真剣に日本の財政の行き詰まりを考えますと、この際とれというような考えは給対いけませんけれども、あれだけ困つておる罹災者を救うためには、やはり法律の精神を生かすような政令をつくつていただかなければならぬ。しかし、官房長といたしましても、そんな政令のできないのは、やはり一兆億という予算のわくがきまつておるために、しぼれしぼれというようなことでやつておられるような気がいたすのでございます。従いまして私は、政令で指定地域を指定される場合には、もう少し実情に即するような気持でしていただきたい。結局これは、さつき副総理からも、この政令指定地域につきましては、ただいま委員会の意見を十分に尊重するという御意見を承りまして、私安心いたしましたが、できましたならば、私たちは各村ごとに各省が違つた考えできめられないで、この委員会として統一した方針として政令で指定地域をきめるようにしていただきたい。そのやり方はいろいろあるだろうと思います。いろいろ同僚の委員がたくさん意見を持つておられる中にも、たとえば災害救助法を実施したところの町村は、必ずこれを適用する、二十四の法律の適用地域にする、あるいは災害救助法を適用しなくても、実際被害がひどいところは農林土木とか農業の村の標準税率を超える場合は適用するとか、あるいはまた水防団体がその村で非常に活躍した――実際水害がなかつたら水防団体も活躍しないはずですから、とにかく水防団体が活躍した場合には、今度の土木関係の法律で水防関係の資材は念願国庫補助になるわけです。それだから各町村としては、その水防関係の資材の補助をもらうために、いろいろ書類は整つておるはずでありますから、なるほどその村ではかくかくの被害があるということがわかるわけであります。そんな三つ四つのものを標準として持定地域をやつていただきたい。そうしなかつたら、あの村はどうとか、この村はどうとか、こまかく別々の法律でやられますと、村長が困るだろうと思います。自分の村はどの法律が適用になるか、役場の玄関に一覧表でもつくつておかなければならぬ。ですから、そんな意味で各村共通の指定地域を定めていただきたい。そういたしますと、代議士もそうあちらこちらの各省ごとに運動して歩くというようなことをしなくてもよいのではないか。能率的に働けるし、その方がよいと思う。ぜひ各町村に共通するようなものを、この委員の意見を聞いてやつていいただきたということを、総合対策本部長としての大臣にお願いしたいと思います。これで私の質問は終ります。
○村上委員長 滝井義孝君。
○滝井委員 今綱島委員あるいは舘林委員の質疑に対する緒方副総理の答弁は、きわめて抽象的でありまして、われわれ満足することができません。幾分重復する点があるかと思いますが、重ねてなおお尋ねいたしてみたいと思うのです。さいぜんから緒方副総理は、皆様方の意見を意見とする、意見はまつたく同じ、こうおつしやつたのでございます。そのわれわれと意見を同じくするということは、災害地の被害者の心を心としておるということだと思います。それで緒方副総理にも現地を詳しく見ていただきましたし、保利農林大臣にも見ていただきました。河井参議院議長にも見ていただきました。私たちもそのあとを追つて見たのでございます。こうして多くの内閣の方、あるいは国会の人たちが現地をつぶさに視察をいたしたのでございますが、しかも国会は二十四の法律をつくつたのでございます。そういうように、われわれが親しく見、あるいは国会が二十四の法律をつくつたので、災害地の被害を受けた大衆は、それに呼応して喜んで立ち上つたかというと、必ずしもそうでなかつたのでございます。いわば、このできた二十四の法律がほんとうに、肉づけをされ、そうして血が通い、魂が躍動をしなければ信頼できないという無表情な気持が現在災害地の大衆にみなぎつておるということは、各有力新聞が報じておる通りでございます。これは何を意味書するかというと、現在の日本の政治に対する不信の感が大衆の中に徐々にみなぎつておるという、一つの具体的な現われではないかと私は思うのであります。すでに災害が起つて二箇月以上を経過しておる現実において、その災害対策のための臨時国会を具体的にいつ開くか、それに対する予算をどの程度計上するか、あるいはその災害救済のための適用の率をどうするかという、こういうきわめて緊要な問題に現在具体的にこたえることができないということは、これは私は内閣の怠慢でなくてはならぬと思うのであります。従つて、われわれの心を心とし、意見を同じくするならば、もつと具体的に答えていただきたいということを前提に置いて、もう一回質問をいたしたいと思うのでございます。
 さいぜんの臨時国会の開会の問題でございますが、現在の客観的な情勢においては臨時国会は九月の下旬に開くということは大体不可能であろう、こういう御説明でございました。しからば大体いつ臨時国会を開くのか。十月上旬なのか中旬なのか下旬なのか。現在の新聞論調を目ておると、十一月に臨時国会が開かれるという意見がぼつぼつ出ておるのでございます。こういうことでは私たちは満足できないのでございますが、大体何日ということは言われなくてもけつこうでありますが、十月の上旬なのか中旬なのか下旬なのか、十一月の上旬なのか、こういう四つくらいにわけてひとつ明白に御答弁願いたい。
○緒方国務大臣 政府の方としましても、委員会の決議にありまする時期を故意に遅らせようとしているわけではありませんが、いろいろ相当困難な財源事情もありますので、そういうことのために、今の見通しとしましては十月下旬より早くは開けないと思つております。
○滝井委員 今の答弁で大体私現在十一月初旬だというような新聞論調が出ておると言つたのでありますが、そうしますとこれは新聞論調が当つておる。十月下旬より早くは開けない。そうなりますと、まずお尋ねしなければならないことは、現在災害地におきましては仮工事その他が必ずしも完全でありません。なぜこれが完全でないかというと、はたして自分の市町村が指定をされるかどうかということを非常に危うんでおるのでございます。従つて、もしここに市町村のなけなしの一般財源から仮工事に継ぎ足して、指定をされない場合におけるこの継ぎ足しの金というものは、これは非常に重大な市町村の損失になるのだというような考えが現在起つておるのでございます。従つて、そういう仮工事等も必ずしも意のごとく進んでいないのが現状でございます。従つて、もし、緒方副総理の御意見のごとく、十月下旬より早く開けないとするならば、現在九月の上旬ですから、十月下旬までの二箇月の間において、どの程度具体的なつなぎ融資を市町村にやつて、政府はこの市町村の財政的な危機を乗り切る腹があるか、この点を具体的にお示し願いたい。
○森永説明員 いわゆる地区の指定をしきるだけ急ぎまして、政令を早く出していただきたいと思つておりますが、その場合に補正予算ができるまでの金をどうするかというお話でございます。政令で地域が指定されますと、高率の補助の適用を受けるということになつた結果、さらにつなぎ融資をする余地ができて参りますれば、つなぎ融資をするのにやぶさかでありません。
 なお政令で地域が指定されますと、現在六十五億の予備金がなお残つておるわけでございますので、それにつきましてはできるだけ早く補助金を支給する努力をいたしたい、かように存じております。
○滝井委員 きわめて抽象的で、そういう答えでは現在災害を受けた市町村は満足することができません。少くともつなぎ融資を現実にやつたところはもうわかつておるわけなのでございます。現在たとえば市町村に行つて調査をいたしてみますと、つなぎ融資の額というものは、要した額のせいぜい一割か二割程度しか行つていないのであります。従つて、こういうことでは、今から二箇月間この市町村の赤字財政というものは持てないのでございます。すでに失業対策事業その他を行つても支払う金がないというのが現状なのです。たとえば、あるところに行けば、現実に仮工事をやる金がないために、ただどろを積んでおるだけで、そこの部落の民衆を何とか満足さしておる。あるいは一何も用のないブルドーザーが、ただ畑の中を行つたり来たりして、どろをあつちにやり、こつちにやりしながら、仕事をしておりますよということを見せかけておるのが現在の災害地の姿なのです。こういうようなごまかしの政治ではもはや大衆は満足しない。もつと具体的に、この二箇月間の余裕を、たとえば少くとも被害を受けた市町村の額の五割は出すのだというような、こういう具体的な線を出していただかなければ、その後に及んで予算がはつきりしないとか、あるいは残りが六十五億しかないから出せませんというようなことでは満足できない。すでに私たちがあの閉会前の国会において五十億のつなぎ軍融資を出すという議決をいたしております。ようやく政府は今に至つて五十億のつなぎ融資を出しておる。その後の情勢から考えたら、それ以上の金を必要とすることは、大蔵省の計数をあずかつている主計局長の専門家は御存じのはずだと思います。もつと具体的に、この二箇月間の空白をどうして埋めるかという具体的な数字を出していただきたい。
○森永説明員 現在の補助率を基礎といたしまして、今までつなぎ融資を出して参つたのであります。政令で地区が指定されて、どこに高率補助の適用があるかということがきまりますのは今後の問題でございますが、その前の段階におきまして、現行の補助率を基礎にいたしましてつなぎ融資を計算いたしますと、大体今までに出ております金額が限度ではないかと考えられるのでございます。そこで、先ほども申し上げましたように、今後地域がきまりまして、高率補助の適用の有無がはつきりいたして参りますと、なおもう少しつなぎ融資が出せるという余地が出て参るわけであります。その場合には、資金運用部の資金は決してゆとりがあるわけではありませんが、できるだけ差繰りましてつなぎ融資をすることにつきましては、もちろんやぶさかでないという答弁を申し上げたわけであります。
○滝井委員 どうも抽象的です。大体主計局長は、現在のあなたの手元にあるいろいろの財源を勘案して、今緒方副総理の御意見のごとく、災害地の心を心とし、われわれの意見と同じくいたしておりますので、あなたの現在の手元のいろいろの資金繰りから勘案して、二箇月間のつなぎ融資として最小限度どの程度出し得るか、この点言明していただきたい。
○森永説明員 重ねての御質問でございますが、私も実は新米でございまして十分検討が積んでいないのでございます。ただいま手元にある数字でどのくらい出せるかというお尋ねでございますが、金額的に幾らということを申し上げることはちよつと困難でございます。できるだけのことはいたしたいと思います。
○滝井委員 しからば金額は言わないが、幾なか出すということだけは確言できますね。
○森永説明員 先ほど申し上げました通り、高率補助の適用の有無がはつきりいたして参りますれば、幾らか出すゆとりができて来るわけでございます。その場合には、できるだけ差繰りまして出すことについて努力をいたします。
○滝井委員 一応その質問はそれにして、時間の関係もありますので次に移ります。
 緒方副総理にさらに質問を返しますが、臨時国会の件でございます。国会は九月下旬を目途にして臨時国会を開いてもらいたい、こういう要求をいたしておりますが、さらにそれが十月下旬、こういうことに相なつておるわけでございます。そこで何か具体的に、この未曽有の災害にあたつて急速に国会を開かなければならないのに、一箇月もそれを遅らせなければならないという根拠、具体的な理由があればそれを御説明していただきたいと思います。
○緒方国務大臣 緊急な具体的なという言葉に当るかどうか知りませんが、大蔵大臣も今アメリカへ参つております。一言で申しますれば、予算編成が非常に困難、補正予算の編成が非常にむずかしいということが主たるものであります。
○滝井委員 予算編成が非常にむずかしいということでございますが、これは下に編補助いろいろの機関があるわけでございます。そこで、その点は一応そういうことで了承いたしまして、予算の問題に少し入つてみたいと思いますが、さいぜんから舘林委員がいろいろ御質問になりました。緒方副総理も、一応小笠原大蔵大臣が一兆円のわく内でとどめてくれ、こういう言い置きがあつて行つたということでございます。一応そういうことを議論の基礎にして御質問をしてみたいと思うのでございますが、さいぜんから舘林委員も言われましたように、九千六百五十四億円、従つて一兆円にとどめますと、ここに臨時国会で補正予算として出て来るものは、三百五十億円前後しか出て来ないことになります。最近の新聞報道によりますと、大蔵当局は三つの案をつくつたということでございます。A、B、C案の三案をつくつた。しかしそれらの三つの案で共通するところの面は、供米完遂奨励金として八十四億円、それから災害対策予備費百五十億円前後、公務員の夏季手当として十二月分手当の中から繰上げ支給をした〇・二五分の補給費として八十九億円、この三点だけはA、B、C三案の共通点だ、こういうことを新聞報道はしております。ほかの供米あるいは公務員ということは一応問題外にしまして、災害予備費についてでございます。これで見ますと、政府は災害対策予備費を百五十億円しか今度の臨時国会には計上しないというような形が出ておるようでございますが、大体そういう考えであるのかどうか、主計局長からひとつ御答弁願いたいと思います。
○森永説明員 補正予算を一兆円のわく内にできるだけ押えたいということは、小笠原大蔵大臣から私どもに指示をされておるところでざいますが、これは歳入の面から考えましても、大体そのくらいが限度じやないかということもあるわけでありまして、その中でいろいろと勉強はいたしおりますが、ただいまお話のございましたように、三案を用意したというような事実はございません。目下のところはいろんな要素につきまして検討いたしておる段階でございまして、どの費目に幾ら計上するというようなことは、いかなる形におきましてもまだ決定いたしておりません。御了承いただきたいと思います。
○滝井委員 そうすると歳入面から勘案して三百五十億程度が限度である、こういう御説明でございます。大体それによつて三百五十億というわくがきまりましたので、この三百五十億のわく内において災害対策予備費は出る、こう了解してもさしつかえありませんか。
○森永説明員 ほかいもいろいろ緊要なる要請があるわけでございますが、災害復旧費が現在の予備費で不足しておることは、これは明瞭でございまして、災害復旧費が最も重点を置かるべき項目の一つであるということにつきましては、私ども全然異論はございません。
○滝井委員  今のは答弁にはならない。三百五十億のわく内で災害予備費は出ろ、こう了解してさしつかえないか。イエスかノーかだけでけつこうです。一応一兆円のわくならば、三百五十億しかないわけです、九千六百五十四億円ですから。従つて、その三百五十億円のわく内に災害予備費は含まれておる、それから出られない、こう一応考えてさしつかえないかどうか。
○森永説明員 三百五十億を出ることはできないことは算術として当然出て来るわけでございますが、その中でもできるだけ重点を置いて考えたいということを先ほど申し上げたのであります。
○滝井委員 それをもつて大体わかりましたが、災害予算というものは三百五十億のわくの中からとられて来る、こういうことでございます。これは非常に不満でございますが、いずれまた国会の態度を決定することになろと思います。しからば、もう一つお尋ねいたしておきたいのでございますが、大蔵省に、各省と申しますか、各地区から集まつておるこの災害の損害の国庫補助の対象となる総額と申しますか、そういうものは千四百七億円だと号しておりますが、大体大蔵省に出て来ておる総額はそのぐらいでございますか。
○森永説明員 大蔵省に出て参ります数字は、査定をいたしました数字が出て来るわけでございまして、その数字はまだ出ておりません。災害直後につなぎ融資をいたしますための基準として各省から報告はいただいておりますが、補正予算の基礎になる金額につきましては、目下各省におきまして査定中でございまして、私の方にはまだ参つておりません。
○滝井委員  昨日も多分農林省からいろいろ基準をもつて、大蔵省には一応出しておいたというようなお話もあつたので、新聞等を見てみましても、大蔵省の査定が七百九十二億円だと、こういうような新聞報道も出ておるようでございます。ひとつ隠さずに、ざつぐばらんに、まあ非常にグローバルな数字でもかまわないと思うのですが、各省から出たものを大蔵省で大体どの程度わくを見ておるのか、大蔵省の今度の災害の査定をした大まかな査定でけつこうですが、そのわくを大体どの程度大蔵省は現在握つておるのか。それでけつこうですが、もうそろそろ予算編成時期で、何かきのうかおとといかは、主計局の次長さんもおいでになつておつたけれども、予算の方の会議があるからといつて帰られたようでもありますし、隠さずに、大体どの程度大蔵省は大まかな数字は査定をしておるのだという――たとえば七百億台、八百億台、一千億台、これでけつこうですから、ひとつ大まかなところを御説明願いたい。
○森永説明員 ただいま手元に数字は持つておりません。またいわゆる局議の段階までそれが上つて参つていないのが、率直に申し上げた現状でございまして、固まつた数字はまだ持ち合せておりません。
○滝井委員 それはまだ政令が出て指定地区がきまつていないので、これは固まつていないことは当然なんです。固まつていないにしても、われわれの手元へは各省からそれぞれこう出て来ておるわけです。私がそれを足してみると、大体各省から出て来たのが八百四十億円くらいあるのです。だからこれは、われわれの手元に各省から出て来た資料を集めてそろばんをやつてみると、八百四十億くらいになるのですから、いわんや専門家の大蔵省が今になつて各省からの数字がわからぬと、そんなことは言わせられないと思うのです。だからひとつ七百億含、八百億台でけつこうですから、何億台かそれだけでけつこうですから、ひとつあなたのつかまれた概略のところを御説明願いたい。
○森永説明員 目下担当の主計官の手元で、いろいろ推測的な作業はいたしておるはずでございますが、私からここでお答えできますような数字はまだ固まつていないのが、ほんとうに率直に申し上げました実情でございます。
○滝井委員 まあそれ以上追究しませんが、私の見たところでは、大蔵省が七百九十二億円、こういう査定をやつたという新聞報道を見ているのです。われわれは、これは突然、最小限譲つても、三・五・二という、第一年度三割、第二年度五割、三年度二割というような、三・五・二の割合で行くにしても、今年少くとも二百三十七億を必要とすると思うのです。ところが、今の三百五十億という一応予算のわくをきめた、このわく内から出て行くということになると、二百三十七億というものは、これはもうどうも出ない感じがするのですが、聞くところによると、三・五・二とか、さいぜん舘林委員も言われておつたが、四・四・二とか、六・四とか、五・五とか、いろいろ説はありますが、大蔵省は、聞くところによると、どうも三・五・二というようなことでは出せない、五箇年間の均分支出で行こう。従つて三・五・二にすれば七百九十二億あるうちの二百三十七億になるのですが、これを五箇年間の均分で参りますと、二割ですから百五十八億円になるわけなのでございます。そうすると、これはさいぜんの三百五十億というわくの中で、A、B、C三案の中で、災害対策予備費に百五十億円出るというのとちようど合うのですが、どうですか。それともほんとうに固まつていなくて何にもないのですか。正直にそこらあたりを御説明願いたい。どうもいろいろ数字を集めてみると――あなた方の方にはA、B、C三案はないと言われましたが、A、B、C三案でなくてかまいません。どれか一つの案でも――百五十億というのと、今大蔵省の査定した七百九十二億円とを比較してみると、ちようど合う。しかも災害予備費が百億あつて、現在六十五億近い残りがあるので、現在これに九十億だけ足すと、ちようど百五十億前後の金ができる。だから、新しく九十億前後を今度はいろいろの面から出して来てやろうというような案があるということも、新聞その他で承知しておるわけなんですが、ひとつそこらあたりをお説明願いたい。数字が固まつていないかもしれないが、大体あなたの心組みでもかまわないのです。私たちでさえもこのくらいのことは調べればわかるのですが、主計局長は専門家ですから、このくらいのことがわからないはずはないと思う。あなたの心組みでかまわないが、固まつていなくても、それをあとで言質にするというのじやない、いじめるわけじやありませんから、どうかおよそこうだというところを御説明願いたい。
○森永説明員 目下まだいろいろ暗中摸索をしておる段階でございまして、ほんとうにただいまお示しのような三案は手元に持なておりません。なお、災害予備費で幾ら補正予算に計上するかという問題につきましては、今までの災害も相当考慮に入るわけでございますが、まだこれから災害があるかもしれぬというような要素も考慮に入れなければいけませんし、いろいろな点も考慮に入れなければいかぬわけでございまして、私どもといたしましては、荒見当としても、まだここで申し上げる数字を持ち合せていないのでございます。
○滝井委員 どうもいろいろ追究いたしましたけれども、満足な答弁が得られません。ただ三百五十億というこのわくの中から災害予備費が出て行くのだということだけははつきりいたしましたので、これで一応私は質問を打切りたいと思います。
○村上委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 先刻からの同僚各位の質問によりまして、大体政府の意思のあるところはわかつておりますので、時間もありませんから、できるだけ、重複する点を避けまして、簡単に御質問申し上げたいと思います。
 まず、先刻の緒方副総理の言葉の中に、政令で指定する地域に対しては国会側と十分協議をして決定をしたいという考えを持つておる、こういうような御答弁があつたのがありますが、私たちがこのたびのこの政令に対しまして最も憂慮いたしますことは、私たちは、先般の国会におきまして、御承知のごとく非常災害に対しまする特別立法の処置をやりまして、罹災者を一日も早ぐ復興せしめたいという気持から、そういうような法律が議会を通過したことは御承知の通りであります。ところが、その後政府のお取扱いになつておりますところでは、ことに行政的な立場から考えますと、先刻綱島委員からも御質問がありましたごとぐ、この法律をできるだけ骨抜きにしようというような故意があるのではないかとさえも、われわれ疑わざるを得ないような点がたくさんあるのであります。私たちが地方に参りまして各罹災者に会いますると、このたびはほんとうに罹災者が救われるような立法処置ができたというので、この取扱い方に非常な希望と期待を持つておるのであります。しかるに、もしもこのせつかくできました特別措置法というものが骨抜きになるような結果になりますると、罹災者の失望はもとより、国家百年の大計を誤る結果になるのではなかろうかということを、私は非常に憂慮するものであります。ところが、ただいま申し上げましたごとく、政令で指定する地域につきましても、いろいろ巷間伝えるところによりますると、できるだけこれを縮小して、できるだけ罹災者がこの恩恵に浴しないような処置をとろうとするような、別の言葉で申し上げますると、立法の精神と逆なコースをとるような状態のあることを、われわれは憂慮するものでありまするがゆえに、願わぐば本委員会におきまして、緒方副総理より重ねて、この政令で指定する地域については、立法の趣旨を尊重し、十分国会の意見を尊重するということを、全罹災者が安心しまするように、政府としての立場をまず明らかにしていただきたいということを、この際お願いする次第であります。
○緒方国務大臣 初めに申し上げますが、政府といたしましては、議員の諸君の立法になつたものを骨抜きすることに努めようという考えは毛頭ございません。悩みはただ財源の問題でありますが、大体今度の災害に対しましては、国会内におきましても、超党派的に視察もされ、立案もされ、今度の地域指定につきましても、自然にまとまるところにまとまつて参ろうかと思います。この問題につきましては、国民的な非常な不幸でありまするだけに、国会と政府の間にも意見の違いようはないと考えております。ただ問題は財源の問題でありまして、それだけは政府の力でいかんともいたしがたいだけに、地域指定等がきまりましたあかつきに、どういうふうに予算の裏づけをして行くかということについては、今からしきりに頭を悩ましているところでありますが、できるだけ努力いたすつもりでございます。
○稲富委員 財源問題はあとといたしまして、ただいま副総理より国会と政府と一体となつての対策をやられるような御意思のあるように承つたのでありますが、実情を申し上げますと、たとえば地方における査定等におきましても、非常に罹災者の意思に反するような査定が行われているのであります。たとえば、私昨日も農林省官房長に申し上げたのでありますが、農民が、この災害のときに際しましても、非常な増産意欲に燃えまして、みずからくめんをして、その稲が実るか実らざるかわからないようなところにも、稲の植付をやつておるのであります。ところが、そういうような実情を見ました査定宮は、これは植付になつているから、もう査定の区域に入らないのだというようなことをして農民の生産意欲を少くしているという傾向があるのであります。農民から申し上げますると、その町村の指導者の、ともかく植えつけてみろ、収穫はあるかないかわからぬけれども、植えつけてみろという指導によつて植えつけたのに、その査定の結果を見まして、これは植えつけないでおけばよかつたのだというような、指導者に対する恨みの声さえも起つておるという現状でありまして、おそらくこれは地方におきまする出先官僚が、政府の意思に反してそういう行為をやつておるのじやなかろうかと思うのでございますけれども、事案においては政府の意思に反したような査定等が行われておるのであります。こういうようなことに対しましても、何らかの通牒、何らかの形によりまして、すべての行政官に対して、政府の意のあるところを十分伝えてもらうような処置をやつていただくという御意思があるかどうか。そういう点を重ねてお願いすると同時に、政府の御意思を承りたいと思う次第であります。
○緒方国務大臣  お答えをいたします。今の行政官の査定の仕方が、災害者等の気持と非常にちぐはぐになつているというお話でありますが、これは具体的に財源の問題等が詳しいだけに、警戒をしてそういう意見を言うたのではないかと考えるのでありますが、そこになると、私はまだ十分事情がわからぬので、あるいは甘いことを申し過ぎるかもしれません。いずれにいたしましても、今稲富委員からお話になつたような今日の災害者の気持を無視するということは、これは政治として絶対にあり得べからざることであり、あつてはならぬことでありますので、今後は注意いたします。
○稲富委員 次に、財源の問題でございますが、これに対しましても、ただいま滝井委員からの質問に対しまして、主計局長は、現在の被害状態のごときも、ともかくも政令が決定いたしていないので、十分でないというようなお言葉でありますが、これははなはだ失礼な言い分かわかりませんが、私は大蔵省としては非常泊ずるい逃げ方であろうと思うのであります。政令で決定されないことを非常にいいことにして、これに便乗した御答弁でないかと思うのです。これは、先般われわれが本委員会において質問した場合も、旧法によつて公共災害に対する大体の貝適しは三百三十億だということを、その当時においてはつきり私たちは御答弁を承つたことを承知いたしております。その当時さえも、ともかくも公共災害に対してはこれだけの数字が出ているのだという的確なる答弁をしておられたのでありますが、その後今日まで相当の時日を費やしておるのに、まだ各地方からの十分なる発表がないからわからぬのだ、政令が決定していないからわからないのだというごときは、集にこれは逃げるための方便ではないかと私は思うのでありまして、おそらぐ現在の大蔵当局がそんななまぬるい仕事をやつておられる道理はないと思うのであります。それで、現在大蔵省に来ております各県からの報告を基準といたされまして、しからばこのたび制定されましたこの緊急措置法でなくして、以前からの法律によつてやられることにおいてはどのくらいの金額になつているか。この点はおわかりになつているだろうと思いますので、この点をまず承りたいと思います。
○森永説明員  大蔵省といたしまして、いろいろ推測をいたす程度のいろいろの作業は実はいたしております。しかし補正予算の問題になつて参りますと、やはりある程度査定が済みました結果を正確に反映させるという必要もあるわけでございまして、そういう意味の各省間の要請は、各省で目下査定が行われている最中でありまして、まだ大蔵省の方に参つていないことを申し上げた次第でございます。なお、政令が決定していないことをいいことにして、できるだけ見送つておるというおしかりもございましたが、それは決してそうではございません。できるだけ早ぐ政令を出していただきたいと、私どもも関係各省と一緒に協議をいたしておるわけであります。
○稲富委員 私が大蔵省にこういうことを質問しますゆえんのものは、どうも大蔵省は、まず頭において総金額で押えておいて、そうしてその押えた金額内において各省に査定をするように政令を決定するようにというような逆な方向をたどつておられるのではなかろうか、かような疑いを私は持つのであります。私は、災害に対しましては、ただいま主計局長が言われるように、ほんとうに災害の実情に応じて相当の金額を支出するという御意思から、ただいま申されるようなことをおつしやられるならば、これはわれわれ非常に善意に解釈いたしますし、御好意があるように思うのでありますが、私たち考えるのは逆でございまして、往々にいたしまして、われわれが聞くところでは、大蔵省が一切のさいふを持つておつて、これを最初に締めておつて、そのわく内で各省に配分しようという考えを持つておるのだ、これがすなわちこの災害救助に対する十分なる目的を達することができないようになるのだということを、われわれは巷間聞いております。しからば、そういうようなことがないように、政令の決定したところでほんとうに各省の査定によつて結果が出ましたならば、その結果に対しては、大蔵省は欣然として財源を見出し、これに対する予算措置をやられるという御意思があるかどうか、これは主計局長の責任ある御答弁を承つておきたいと思う次第であります。
○森永説明員 復旧費にどのくらい金がいるかということは、これは各省の査定によつて出て来るわけでありまして、それに対して私どもの方がかれこれと言う筋はないと思います。ただ財源等の関係で問題がございますのは、先ほどの御質問にもございましたが、たとえばことし六割、来年四割というようなことになりますと、これは非常な財源が必要でございまして、とうてい財源のわく内に入らない。そこで、われわれといたしましては、従来の復旧率程度のものはぜひお願いしたいと考えているわけでありますが、そういう面では、とにかく財源等の面でわれわれの方からも主張をいたすのは当然でございますが、あらかじめこれこれに押えてくれということで、それに合せて復旧費を縮めていただく、あるいは各省に要求をひつ込めて無理をしてもらうというようなことは全然いたしておりません。大蔵省だけで予算がきまるわけではございませんので、閣議で調整されるわけでありまして、その点はどうぞ誤解のないようにお願いいたします。
○稲富委員 ただいま主計局長のお言葉を聞きまして、それでは関係各省におきましては遠慮なく大蔵省に対する予算措置をやつてもらうように要望されることを、われわれ委員会としてもまた各省に希望いたしたいと思うのであります。
 さらにお尋ねいたしたいことは、先刻国会開会の時期が十一月になるというような緒方副総理の御答弁であつたのでありますが、私たちは、この水害の復旧状態から見まして、一日も早く予算措置を講ずる必要があるというので、九月末に要望いたしましたことが、非常に遅れまして十一月になるということは、私は実に遺憾でありまして、ややもしますると、災害復旧に対する政府の熱意の足らざることを罹災者が恨むのではなかろうか、かように考えまして、これは私は政府のためにも最も遺憾であると思うのであります。ただここにおいて私がお聞きいたしたいことは、しからばそういうようなやむなき事情のために臨時国会の開会が遅れるとすれば、その間におきましては、罹災者が不自由のないようなつなぎ融資十分出していただきたいということは当然であります。先刻緒方副総理の御説明によりましても、現在のつなぎ融資のわくが非常に少くなつておるので、これに対しては何とか考えなくちやいかぬというようなお話でありますが、これはなおさらさびしい話でありますので、国家としては、罹災者の窮状を知りながら、やむなき事情により臨時国会を開会するのが遅れるとするならば、この罹災者の切望にこたえるために、なおさら一層のつなぎ融資の方法をとつていただきたい、かように考えるわけでございますが、これがつなぎ融資の処置に対していかなる考えを持つておられるか、あらためて承りたいと思う次第でございます。
○緒方国務大臣 委員会の御決議に対しまして、その通りに政府としての臨時国会召集の準備が整わないのは、政府といたしましても遺憾でございます。その間のことにつきましては、先ほど主計局長からお答えをいたしましたが、なおできるだけの努力をいたしまして、今の御質問の趣意に沿いたいと考えております。
○稲富委員 なおまたつなぎ融資に対してでありますが、せつかく政府がかような親心をもつてつなぎ融資を地方に出されましても、地方におきましてはこれが非常に活用されてないという事実があるのでございます。たとえば一例をもつて申し上げますならば、これは福岡県の例でございますが、つなぎ融資を一回、二回、三回、四回とわけて出されております。ところが、三回のつなぎ融資がすでに国からは八月十二、三日ごろ出ております。これが県に通牒があつたのが八月の二十四日であつて、十数日というものがすでに経過しておる。これはどこが持つておつたかというと、北九州財務局がこれをその間握つておつたという事実でございます。私たちはあえて大蔵省に対していやなことは決して言いたくないのでございますが、こういうような事実を知りますと、何か大蔵省が北九州財務局等を通じて、政府の意に沿わざるような、つなぎ融資が活用されないような、こういうような方法をとつておられるのではなかろうかとさえも、われわれは疑わざるを得ないのであります。こういうような、せつかく流されるつなぎ融資が末端に活用されないということは、これは最も遺憾であると同時に、政府の意思にも反することであります。大蔵省事務官の指示によつてこういうことがされるということは、最も遺憾でありますので、つなぎ融資の流用と同時に、その取扱い方についても大蔵省としてはいかなる考えを持つておるか、この点をひとつ承りたい。
○森永説明員 つなぎ融資が財務局のところで眠つておりまして、各府県に参りますのが遅れたというような事実がございますれば、これはまことに何とも申訳ございません。できるだけ迅速に県市町村に参りますようにということで指示いたしておりましたが、おそらくこういう事情があつたのではないかと思います。たとえば県市町村の配分がなかなかきまらないというようなことから遅れたというような事実もあつたかと思います。これはやむを得ないと思います。もし財務局の事情で遅れたというような事実がありますれば、もちろん注意しなければならぬと思います。ただ、北九州財務局は、実は私どもの聞いておりますところではなかなかよくやつたというような話も聞くわけでございまして、たとえば県市町村の配分がなかなかきまらないので、金が出ないわけでありますが、佐賀県のごどきはわざわざ出かけて参りまして、むし県で一括して借り入れたらどうかというような相談もいたして、それによつて金がすぐ出たというようなこともあつたように聞いております。何分事情をよく調査いたしまして、今後そのようなことがないように十分気をつけたいと思います。
○稲富委員 ただいまの北九州財務局の例でございますが、これはあなたの御答弁は全然逆でありまして、あなたの方には北九州財務局がよくやつたというように御報告が行つておるかわかりませんが、事案はそれとまつたく反対でありまして、故意に北九州財務局が遅らしたという事実があるのであります。これは、いずれ機会を見ました、また申し上げたいと思いますが、こういうことに対しましては、将来十分注意をしていただきたいと思うのであります。
 さらに次に、最後の予算措置に対しまする支出の方法でありますが、三年の年限にあたりましても、先刻から同僚よりこの一年間の配分についてもお話があつたのでございますが、われわれが災害復旧に対して最も必要なことは、もちろんこれは財源とのにらみ合せもありましようが、できるだけ前年度たくさんに復興するということが最も必要でありますし、次々に来る災害に対してわれわれが応ずるためにも、できるだけ早ぐ支出をして、そしてこの来るべき災害を防ぐということが最も必要でございますので、年間配分に対しては前年にできるだけたくさん出すという考え方をもつて臨んでいただきたいという希望を申し上げたいと思うのであります。
 さらにまた、先刻から申し上げます財源の問題でございますが、この財源に対しましては、先日大臣の新聞記者団等に対する発表によりますと、災害公債を発行したいというような腹案もあるように承つたのでありますが、この財源に対ては、あるいは災害公債でも発行して財源を何とかしよう、こういうような意思があるかどうか、この点を承りたいと思います。
○緒方国務大臣 私は災害公債を発行するというような意見を発表したことはございません。この点につきましてはまだ私は十分研究しておりませんから、ここではお答え申し上げかねます。
○村上委員長 小平君。
○小平(忠)委員 災害復旧の財源に関連しましてきわめて重要な問題が起きておりますので、一間だけ主計局長にお尋ねしたいと思います。と申しますのは、今回のこの災害に対します措置は、これは政府当局も私はなかなかたいへんなことだと思うのであります。このことは十分わかるのでありますが、しかし現状は、政府当局またわれわれ国会においても調査いたしました結果、被害はきわめて甚大でありまして、これは急速に措置をしなければならぬ。ところが、最近大蔵省の主計局におきまして、本年度の一般公共並びに食糧増産費の新規事業を一応さしとめているということを私は耳にいたしたのであります。もしこれが事案だとすればきわめて重要な問題でありまして、事実そのようなことをなされているのかどうか。特に本年度予算は、御承知のように解散によりましてきわめてその実施の時期が遅れ、七月三十一日ようやく両院を通過して、例年よりも、三、四箇月も遅れているということから、特にわが国の現状からいたしまして、食糧増産なりあるいは公共事業費等は、これは自由党内閣が特に重点的に取上げて拍車をかけております事業だけに、これは一刻もゆるがせにならない事業であります。これを例年よりも相当期間がずれているということから、それをさしとめるということについてはちよつと理解しかねるのでありますが、一体そういうような事情が事実であるのか、まずお伺いしたい。
○森永説明員 公共事業費の新規の施行箇所がまだ最後的にきまらないものが相当ございます。そういう面から支払いをつけることが遅れておるものが若干あるのは事実でございます。できるだけ急いでつけたいと思います。なお、災害復旧費の総額も相当厖大に上ることでざいいますし、しかもまた来年度以降は治山治水というような問題も出て参りますので、公共事業費のやり方につきましても、相当重点的にやらなければならない。そういう観点から、未着手の新規事本につきまして再検討をしたらどうかというような議論も一部にはございますが、それによつて押えておるのではございません。新規着手の箇所がまだきまらないために遅れておるわけでございますから、それ以上の他意はございません。
○小平(忠)委員 ただいまの主計局長の御説のように、新規の箇所がまだきまらないというような問題のために遅れているのでありますれば、私は理解いたすのでありますが、しかし事実はそういうふうでないようであります。全国一律に二十八年度の一般公共事業費並びに食糧増産費の新規事業は、一切とりあえず十分に検討したい、また場合によつてはこれは中止する、中止は政府当局が単独でできませんで、すなわち国会の議を経て補正する、そういう考えのもとにこれを差押えているということで、建設省、農林省にその資料を出している。これは小笠原大蔵大臣から渡米前に主計局長にそういう示達があつてなされたものであるか。これは、大臣渡米中のいわゆる代行事務は緒方副総理が臨時兼摂されるということで、緒方副総理がおられるときに聞きたかつた。もちろんこの災害復旧のための財源は、あらゆる角度から重点的にこれを救済処置するために努力しなければなりませんが、そのために最も重要であります国家のいわゆる食糧増産費でありますとか、あるいは公共事業費であるというような面を、むしろ増額しなければならぬという一般国民の与論であります。それを削つたりあるいは打切つたりすることは、きわめて重要な問題なのでありまして、特にこれはその内容あるいは事業の実態、性質から言いまして、一刻も早く手をつけなければならぬ。ところが、今主計局長のおつしやつたように、一部事業箇所の決定しない分があろというのであれば、もうきまつておるものはこれをどんどん事業実施に移していいはずでありますが、そうなつていない。これは、本来からいいますと、四月からやつてもいいはずでありますのに、今日まで延びておるのであります。これは、ただいまの主計局長の言を信頼いたしまして、重要な問題でありますから、ひとつ急速に進めてもらうと同時は、そういうことは食糧増産費とか公共事業費とはまつたく別個に切り離した角度に立つて、この災害復旧の財源を重点的に確保してもらいたいということを申し上げて、私の質問を終ります。
○森永説明員 災害復旧費その他の財源捻出のために新規事業を見合せたらどうかという意見もござまして、それはそれで実は検討いたしております。しかし、今新規のものがついていない。遅れておりますのは、これは普通の事務的な手続から申しましても、まだ実はきまらない。予算の成立が遅れまして、各省から大蔵省の方へ出そろつて参りましたのが先月末くらいでございまして、検討いたしておる次第でございます。事務的のそういう面から遅れておるわけございます。今後新規事業を云々というような問題がどうなりますか、これはちよつと予測を許しませんが、私どもといたしましては、そういう問題が起らない限り、できるだけ早く決定いたしたいと存じておる次第であります。
○辻原委員 主計局長に三点ばかりお伺いしたいのであります。先ほど主計局長の答弁の中に、国会が、われわれの要求したような時期に開会されずに、政府の方針として十月末ないし十一月になつた場合には、一応現在のつなぎ融資のわく以上に若干の考慮を払うことを今予定しておると、確言があつたのです。私は、その問題に関連をして、これは前の委員会でも前主計局長に質問をいたしまして、ある程度のお答えをいただいておつたのでありますが、この六月の災害から考えますと、大体国会が政府の言うごとく十一月に開かれるということになれば、実際予算が組まれて予算の実効が各災害地域に現われるのは、早くて十二月、あるいはおそくなれば明年にまわるというような状況にもなる。こういう点から考えまして、当然相当大幅のつなぎ融資の問題が出て来ると同時に、これはすでに前々からやかましく言われており、実際の予算査定が終つたそれぞれの工事については、前渡金ないしは概算払いの方法を考慮するということも、一応こうした相当のブランクを生じておる場合には、適当な措置であるわけであります。従来こうした方法をあまり大蔵省としてはとられておらなかつたという点について、私は前委員会において尋ねましたところが、ある程度考慮しておるというような前局長のお話でありましたが、ただいま大蔵省としては、このつなぎ融資の問題と同時に、前渡金、既算払いの問題について考慮せられておるかどうか。この点は、従来の例から見まして、実際工事が完了しても、なおかつその補助金等の交付が、年度内はもちろんのこと、何年来そういうことが遅れておつて、最も顕著な例としては、二十三年あるいは二十四年当時の災害についても、いまなお補助金が交付されておらないというようなことで、その間の資金繰りに町村財政はさらに赤字を倍化しておるというような実例も地方ではたくさん見られております。こうした問題についても、大蔵省としては、この際異常な災害に対する一つの具体的な行政面の考慮すべき点として、特別に私は考慮していただかなければならぬと思つておるのでありますが、その点今回の災害に対しては、つなぎ融資と同時に、特に概算払いを考慮せられておるかどうか、この点をひとつお答え願いたいと思います。
○森永説明員 現在の会計法規上は概算払いの対象になつていないそうであります。そこで、つなぎ融資なり何なりでつないで行く、こういう方法を講じているわけでありますが、その限度を越えてさらに概算払いの問題をどうするかというふうなことにつきましては、あらためて検討をいたしてみたいと考えております。
○辻原委員 私が前回お尋ねいたしましたときには、大蔵省の答弁では、現在の法規の上においてもその点は可能だということを聞いたのですが、それは誤りですか。速記録を調べれば残つておりますが、どういうことなんですか。
○森永説明員 よく調べまして、あらためて御報告申し上げます。何分先はど申し上ましたように、法規関係のことをまだよくわきまえておらないものでありますから……。
○辻原委員 それは法規関係の問題がありますから、ここでははつきり言えないと思いますが、もし現在の法規において可能ならば、そういう措置をとるという御決意があるかどうか、この点をひとつお伺いいたします。
○森永説明員 できるだけできるように検討したいと思います。
○辻原委員 その点は法規の問題といたしまして、先ほども稲富委員から御忠言がありましたが、最近のつなぎ融資の取扱いあるいは実際の予算査定の問題等にわたつて、地方では大蔵省の出方というものを非常におそれておる。しかもそれが向うで金を握つておるということにおいて、いろいろ実際被害町村がやろうとしておることについても、これをセーヴするかのごとき地方末端の行政機関の動きがあるということを私は指摘しておきたい。たとえば、このつなぎ融資を実際各町村にあてがつて、町村が金がないために何とかこれを活用して応急工事その他をやりたいというようなことで大いに努力しておられるが、その間地方財務当局が、このつなぎ融資の事務的な面において、たとえばこれは公共事業だけのつなぎ融資なんだから、応急工事のためには一銭一厘といえども使つてはいけないとか、そういうふうな個々の使途についての限定をやつているような例がある。私たちは寡聞にしてつなぎ融資の細部の取扱いの事務的な面については知りませんけれども、少くとも、従来の例から見て、補助金が交付される、その費目についてはつなぎ融資をもつて充てるということが可能になつておると私は思つておるにもかかわらず、さらにその中で区わけをしてセーヴしておるということは、いささか大蔵省関係の取扱いとしては行き過ぎがある、私はかように思つておりますので、そういう点についても、これは実情を調査の上で、被害町村がそういう金の運用に困つているさ中、なお困るような措置を金の面からいたさないように、特別な配慮を考えてもらいたい。この際そういう通牒を行つていただきたいということを特にお願いをしておきたい。
 その次に、いま一つの問題を申し上げたいのでありますが、それは、先ほど予算規模の面から一兆に押えたい。その一兆に押えた場合には、大体補正予算として充てられる額が三百四十億ないし五十億、その範囲において補正予算を組むという考えを事務当局が持つておるという話でありましたが、私はこの考えにつきまして、たとい事務当局といえども、いささかこれは金の面にこだわり過ぎて、実際の災害に対する予算の組み方としては、いかにも冷やかな大蔵省としての態度ではないかということを非常に心外にたえないのであります。と申しますことは、かりに予算規模が一兆円という方針があろうとも、もし先ほどのお答えのように、まだ各省の査定が集まつておらない、その査定額が予算規模をオーバーしなければならないような実額に達した場合には、これは一体どうするかという問題が出て来る。そのときに三百五十億しか追加すべき金がなくても、そこの補正という問題もあれば、さらには別途な方法でこれを調整する考え方もあるはずである。先ほど新聞にも出ましたこの建設公債等の問題もわれわれは聞き及んでおる。こういう点については本日は全然触れられておらないが、一体その予算更正、いわゆる査定額が非常に大きくなつたような場合、これに対する取扱いとしては、予算更正あるいはその他の建設公債というものもあわせ考慮せられて、一応通常予算の一般会計の中においては三百五十億の範囲内でとどめよう、追加すべき金としてはそういう方法で出して来よう、こういう考えで述べられたものか、一切他のものも考慮されずに、ともかく三百五十億追加すべきその財源の中でのみ考慮しておるというふうに答えられたのか、その点を明らかにしておいてもらいたい。
○森永説明員 先ほど申し上げましたのは、予算の総額についてでございます。予算の総額としてふえるのは三百五十億ぐらいがせいせいであるということでございます。なおもう少し詳しく申しますと、既定の歳出の中で不用になるとか、あるいは減らせる、積極的に減らすというようなものも皆無ではないと存じます。それを減らしてでも、より緊切な歳出に充てるという場合には、これはあり得るわけでございます。一応総額として申し上げる場合には、財源として三百五十億ぐらいが具体的に最高限度だということを申したのであります。
○辻原委員 今のお話で、三百五十億は追加すべき金を言つたのであつて、更正という問題もそれに含むとお答えになつたわけでありますが、さらに私が先ほどお伺いいたしました――これは相当各方面で開くのでありまするが、現在大蔵省において建設公債の発行等も検討せられておるということを聞えておりますが、それらもあわせて考慮されておるのが、そういう点については、今回の補正については全然触れて行くおくつもりではないのか、ひとつお答え願いたい。
○森永説明員 来年度の予算の編成につきましては、まだあと二箇月、三箇月あることがございまして、決してゆつくりしておるわけではありませんが、まだここで更正を出すとかなんとかいう問題につきましてお答え申し上げる段階にはないことを、御了承いただきたいと思います。
○佐藤(虎)委員 委員長に一言根強い要望があります。それは、私どもこの委員会というものは党派を超越してというのが前提で、災害地を一日にも早く復旧し、二の悩みを取除くというのがこの委員会のねらいであつたということを、みな承知しておるのであります。そこで、私は災害地ではありません。静岡県でありますが、災害地選出、すなわち地域選出の代議士各位の方々が委員となられまして、熱烈に、夜寝る間も寝ないで今日まで審議された。これは八月十日いわゆる国会が閉会になるときに二百三十八名の調印をとりまして、すみやかにこの災害復旧の臨時国会を召集すべしという決議案を院議をもつて上程し、これを可決してあります。しかるに、ただいま緒方副総理の申されます言葉によると、十月下旬ないし十一月と申さております。六月から災害を受けたときに、私どもが二十九日に福岡、佐賀、長崎あるいは熊本、大分に出かけまして、今日見受けられますところの佐賀の知事さんを初めとし、各県の代表者の方々が、このお忙しい中にも多額の費用を使つて陳情に来るその真意はどこにあるかということは、一日も早く民心を安定に導き、もつて復興の寄与に参画せんとするのがねらいであつて、皆さんが御上京をなすつておられるのであります。しかるに、緒方副総理いわく、十月下旬もしくは十一月と申されました。十一月けつこう、災害を受けまして五箇月間になります。といたしますと、予算が国会を通りまするのが大体十一月一ぱい、これを法文化して財源面に各府県に通達すると十二月であります。十二月、一月、二月はどういう気候の時代でありましようか。おそらくコンクリートは固まる。凍つて打てない時期であります。そうすると、またもや来年の五月の梅雨にかかりて風水害に見舞われる。いわんや、今日私どもが建設常任委員会におきまして調べたところによりますと、直轄河川、中小河川、この危険面積が二百二万町歩、戸数が四百八万、そこで人口が二千万というように、非常な危険に瀕しておりますゆえに、願わくは名委員長でありますから、この委員会の熱意のあるところをよく御体得なされまして、委員長は、委員会を代表いたしまして、政府当局に一日も早く予算処置をいたし、臨時国会を召集すべしという要求をされんことを要望いたします。
○村上委員長 ただいま佐藤君の要求につきましては、後刻御協議の上決定いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔異議なしと呼ぶ者あり〕
○村上委員長 御異議なしと認めます。よつてその通りに決しました。
 本日はこれにて散会いたします。次会は明日午後一時より開会いたします。
    午後四時五十分散会