第018回国会 法務委員会 第4号
昭和二十八年十二月七日(月曜日)
    午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長 小林かなえ君
   理事 鍛冶 良作君 理事 佐瀬 昌三君
   理事 花村 四郎君 理事 吉田  安君
   理事 古屋 貞雄君
      大橋 武夫君    押谷 富三君
      林  信雄君    野田 卯一君
      本多 市郎君    牧野 寛索君
      鈴木 幹雄君    飛鳥田一雄君
      猪俣 浩三君    今澄  勇君
      木下  郁君
 出席政府委員
        法務政務次官  三浦寅之助君
 委員外の出席者
        判     事
        (最高裁判所事
        務総長)    五鬼上堅磐君
        証     人
        (仏教保全経済
        会副会長)   大谷 照乗君
        証     人
        (保全経済会理
        事証券部長)  牧原 四郎君
        参  考  人
        (仏教保全経済
        会常務理事)  近藤 良譲君
        専  門  員 村  教三君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
十二月七日
 委員井伊誠一君辞任につき、その補欠として今
 澄男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 証人出頭要求の件
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第七号)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第八号)
 法務行政に関連する保全経済会等特殊利殖機関
 の調査に関する件
    ―――――――――――――
○小林委員長 これより会議を開きます。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案並びに検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、以上二案を一括議題といたします。御質疑はありませんか。――別に御質疑がなければ、二案に対する質疑はこれをもつて終局いたします。
 この際両案に対する修正案が自由党より提出されておりますから、その趣旨説明を求めます。鍛冶良作君。
○鍛冶委員 原案に対しましてはもちろん賛成なのでありますが、この原案を通しますと、ただいま増額になりましたものと、そのまますえ置かれますいわゆる認証官との間に差異がなくなる現状になりますので、これでは司法制度の今までの慣例からいたしましてよろしくない、またかような考え方から原案が出たのでありますが、さらにこの考えをもつて拡充するならば、検察官の一部にもこれと同等に引上げなければならないもの、また裁判官においてなおさら同様引上げなければならぬものがあることを発見いたしましたので、ここに修正案を提出する次第であります。
 まず第一に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案といたしまして、「検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。別表の改正規定中「七八、〇〇〇円」を「八一、〇〇〇円」に改める。」
 次に裁判管の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案といたしましては、「裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。別表の改正規定に関する部分を次のように改める。別表を次のように改める。」というのでありますが、この別表はずいぶん長いものでありますから、いずれこれを速記録に載せることにいたしまして、大体のところを御説明申し上げますと、今申し上げましたように、原案によつて引上げますと旧来裁判官と検察官との間に相当の開きを見ておりましたものが、開きがないことになりますので、その開きのくついた部分、すなわち各高等裁判所長官合計八名に対して、おのおの三千円ずつの増額を認めんとするものでございます。
 簡単でございますが、こまかい説明はこれを省略さしていただきまして、右御賛成のほどをお願いいたします。
○小林委員長 これにて修正案の趣旨説明は終りました。
○古屋委員 今の修正案提案者に聞きますが、その施行期日はいつになるか、それを明確にしていただきたい。
○鍛冶委員 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、「附則を次のように改める。この法律中判事、判事補及び簡易裁判所判事に係る部分は昭和二十九年一月一日から、その他の部分は公布の日から施行する。」と修正いたします。
○古屋委員 そうしますと、同じ施行期日にして行かないとちよつと理論が合わなくなるわけなんです。今の長官たちの三千円の給与べースを引上げる理由の基礎が、一般の職員の給与が上つて来るので差額がなくなる、それで三千円上げる、こういう理論になつておりますから、同じ施行期日にしておかないと理論が合わないと思うのです。その点提案者の御趣旨はいかがでございましよう。
○鍛冶委員 古屋君からの御質問にお答えいたしますが、原案にならつて修正案をつくつたわけです。原案には附則として、「この法律中検事及び副検事に係る部分は昭和二十九年一月一日から、その他の部分は公布の日から施行する。」こうなつておりましたので、従つて修正案もこれに平仄を合せてこのように提出した次第でございます。
○小林委員長 この際お諮りいたします。両案ばこれを討論に付すべきでありますが、討論はこれを省略し、ただちに採決に入るに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、討論はこれを省略し、ただちに採決に入ります。
 これより裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず自由党提出の本案に対する修正案の採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○小林委員長 起立総員。よつて修正案は可決されました。
 次にただいま可決されました修正部分を除く原案の採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○小林委員長 起立総員。よつて修正部分を除く原案は可決されました。従いまして裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案は修正議決すべきものと決しました。
 次に検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず自由党提出の修正案の採決をいたします。これに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
○小林委員長 起立総員。よつて修正案は可決されました。
 次にただいま可決されました修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○小林委員長 起立総員。よつて修正部分を除く原案は可決されました。従いまして検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案は修正議決すべきものと決しました。
 この際お諮りいたします。本日議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし上と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
○小林委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。
○小林委員長 次に法務行政つに関連する保全経済会等特殊利殖機関について調査を進めます。本日は去る四日の委員会における決定に基きまして、本件について証人より証言を求むることにいたします。
 この際申し上げておきますが、本日出頭を求めた証人は、お手元に配付してある名簿の通り、仏教保全経済会の大谷照乗君外二名でありますが、うち佐々木正照君からは、病気のため出頭ができない旨の通知がありました、ここに佐一木正照君の代理として仏教保全経済会常務理事近藤長譲君が出頭されております。本日近藤良譲君に参考人として御発言を願いたいと存じますが御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 これより証言を求める前に証人に申し上げておきます。昭和二十二年法律第二号二十五号、議院における証人の宣誓並びに証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるものは、その証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮またば一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。
 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。
 大谷照乗君、代表して宣誓書を朗読してください。
    〔証人大谷照乗君朗読〕
 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
○小林委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。
    〔証人宣誓書に署名捺印〕
○小林委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲をなるべく越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立をお願いいたします。
 これより証言を求めます。まず委員長から概要の点についてお尋ねをいたしまして、そのあとで委員諸君の発言を許すことにいたします。
 それでは私からお尋ねいたします。太谷照乗君とおつしやいますね。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 住所、年齢、それから今どういう本願寺の地位におられますか、それをひとつお述べを願います。
○大谷証人 ただいま滋賀県坂田郡坂田村長沢福田寺住職をいたしております。年齢は五十一歳であります。
○小林委員長 東西画本願寺の信徒の概数、それからその末寺の概数がおわかりでしたら述べていただきたいと思います。
○大谷証人 お答えいたします。東西ともに末寺は一万三、四千にわたつております。
○小林委員長 それから信徒というのはどれくらいありますか。
○大谷証人 門信と申しまして門徒と信徒を入れますとおのおの七百万と申しております。
○小林委員長 巷間千五百万人おる、あるいは一千万人といつておりますが、それだけはありませんか。
○大谷証人 それだけはありませんね。七百万人ずつお互いあるわけであります。
○小林委員長 仏教保全経済会と申すのですか。
○大谷証人 仏教保全経済会と申します。
○小林委員長 それはいつごろできてどういう関係からでき上るようになりましたか、その概略をちよつと途べていただきたい。
○大谷証人 昭和二十六年四月にでき上りました。
○小林委員長 どういうことからできるようになりましたか。
○大谷証人 私は私の友人であります大谷瑩潤氏の紹介によりまして、伊藤理事長を知り、お二人より保全経済会の副会長に就任するよう御依頼を受けた次第でありますが、私は経済におきましても、また社会のことにつきましても浅学非才でありますので御辞退いたした次第でありますが、仏教保全経済会は仏教の興隆をはかり、それによつて社会へ御奉公するという目的でありますので、その目的に対しまして私仏教にプラスになり、また社会のためにかいのあることでありますならば、と思いましたのと、業務を直接とる必要はない、経済的に知識がなくても業務をとらなければ務まるというようなことで私副会長に就任いたした次第であります。
○小林委員長 それでは仏教保全経済会の役員はどういう方で、どういう位置におられますか。大体大まかなところだけ御説明ください。
○大谷証人 会長大谷瑩潤、副会長大谷照乗、理事長伊蔵斗福、常務理事疋田桂一郎、近藤良譲、理事の名はあまりはつきり覚えておりません。そうして監事というのがございます。
○小林委員長 それから顧問というのはありませんか。
○大谷証人 はい。監事というのと顧問……。
○小林委員長 顧問はだれですか。
○大谷証人 顧問は東本願寺の元総長安田力。
○小林委員長 一人ですか。
○大谷証人 そうしてもう一人は、西本願寺元総長佐々本正照、二人であります。
○小林委員長 そうすると、ただいま仏教興隆をはかるためにつくつたとおつしやるのですが、保全会というものがどういう方法によつて仏教の興隆をはかるということになりますか。その点の御説明を願います。
○大谷証人 具体的に申しますと、寺院または教会、伝道、社会事業を経済方面から援助いたしますのを目的といたしております。
○小林委員長 そうすると、伝道等にいる費用が仏教保全経済会から出るようにするというわけですか。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 そうすると会員というものがあるわけですか。
○大谷証人 はい、投資された……。
○小林委員長 投資者といつておりますか――ちよつと組織を述べてください。
○大谷証人 「本会と出資契約をなしたるものを本会々員とする。」「本会々員は規定の配当を受くると共に本会の事業に依る宗教上の福祉を享受する。」とありまして、会員になつております。
○小林委員長 会員はどういう責任があるのですか。
○大谷証人 会員は責任は別にないように存じます。
○小林委員長 今承ると、何か利益の配当を受けるということが書いてあるようですが、出資のことは書いてないわけですか。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 そうすると、もうかるばかりですか。
○大谷証人 「出資金額は随意とする。正当に評価された有価証券を以て代えることも出来る。」こうしてございます。
○小林委員長 どうもはつきりしませんが、いずれ会員は投資をするのでしようね。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 その投資はどこへするのですか。仏教保全経済会へするのですか。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 これは伊藤斗福という人のやつておる保全経済会とは全然別なものですか。あるいは同じものですか。伊藤理事長というのが、今あなたのおつしやるように投資になつておるようですが……。
○大谷証人 仏教保全経済会は出資の方を扱うものでありまして、仏教保全会の方は事業の方を扱つておるのであります。
○小林委員長 どうもはつきりいたしませんが、仏教保全経済会が出資の方を扱うというと、会員が出資するのではなくて、会員はあなたの方へ金を出して、その金を仏教保全会へ集めるのですか。あなたの個人の方に集めたのを入れるのですか。その辺がどうもはつきりいたしませんが、会員の義務がないようですね。出資が書いてないようですね。
○大谷証人 仏教保全経済会の事業を助ける目的で投資されたものは仏教保全経済会の扱いといたしまして、右の資金の運営はすべて保全経済会に一任いたします。その取扱いはすべて保全経済会の各店舗で取扱うことにいたしておるわけであります。従つて仏教保全経済会は投資に関する事務は一切行つておりません。
○小林委員長 仏教保全経済会の会員は投資をして、その投資は仏教保全経済会にまとめて、それを保全経済会へ出資するのですか。
○大谷証人 いや、そうじやないのです。この保全経済会の窓口と申しまするか、取扱いはそこでいたしておるわけでありまして、仏教保全経済会はこの投資の業務はいたして、おらぬわけでございます。お金の扱いはいたしておらぬわけであります。
○小林委員長 そうすると、保全経済会というものの中に仏教保全経済会の会員も、一緒にごちやごちやになつておるという意味ですか。
○大谷証人 私は仏教保全経済会の事業に賛成いたしまして、仏教保全経済合台の扱いとして、投資いたしますということに相なるわけであります。
○小林委員長 どうもはつきりしませんが、仏教保全経済会と保全経済会とは会員が違う部分もありましようが、一緒にごちやごちやになつているもので、二つのものじやないですか、これは……。
○大谷証人 はあ、別個のものであります。しかし扱うところが一つの窓口で扱つていただいております。そして仏教保全経済会の方は投資に関する事務、お金を持つて参ります、そういう事務につきましては一切取扱つておらないのであります。
○小林委員長 そうすると、保全経済会の窓口で仏教保全経済会の出資も扱つておる。その金はあなたの方に入らないで、直接保全経済会の方へ行つてしまいますか。
○大谷証人 実際は保全経済会が扱つておる、委任されたわけであります。正式の運営はすべて保全経済会へ一任したわけであります。
○小林委員長 そうすると、一体仏教保全経済会というのは、どういう特殊な点があるのですか。その他の保全経済会員とはどういうふうに違うのですか。
○大谷証人 仏教保全経済会の事業、すなわち仏教興隆のために、また仏教興隆の一つの事案といたしまして行いますところの布教、伝導あるいはまた教典の翻訳、こういうことになつております。
○小林委員長 そうするとこういうことですか。保全経済会の投資者の中には、一般の者と仏教保全経済会員になつている人とあつて、仏教保全経済会員の方になつている人の投資した部分について幾らかあなたの方がもらうわけですか。一人について幾らとかいう……。
○大谷証人 仏教保全経済会の事業につきまして、事業の経営に関する費用は、これは将来仏教保全経済会の投資額に準じまして、保全経済会から仏教保全経済会に提供する方法をとるつもりでありまするが、目下はまだその段階に至つておりません。
○小林委員長 そうすると保全経済会からまだ一文も……。
○大谷証人 はあ、そうでございます。今日までは毎月仏教保全経済会の経費は、予算を出しまして、そうして保全経済会の本店でこれを検討いたし、査定いたしまして、提出してもらうことに相なつておるのでございます。
○小林委員長 それじやほかの方面から伺いますが、仏教保全経済会の本部というものがありますか、どこにありますか。
○大谷証人 京都四条にあるわけであります。
○小林委員長 そこの役員はだれですか。一番の中心になつている人は……。
○大谷証人 会長大谷瑩潤。
○小林委員長 あなたもその役員ですか。
○大谷証人 副会長大谷照乗。
○小林委員長 そこの仕事は何をしておるのですか。今ちよつと伺うと、投資はみんな保全経済会の支店の窓口でやつているというのですから、あなたの方の仕事はないように見えるが、何かあるのですか。どんな仕事をやつているのですか。そこで会員募集をやつて集めた金はどうなるのですか。
○大谷証人 私の方では仏教興隆という事業をいたすわけであります。そうして社会のためにお尽しさしていただく、具体的に申しますれば伝導、社会事業の経済面の援助を受けるわけであります。
○小林委員長 その京都の本部では、投資者を募つたり、金を募つたりいたしませんか。
○大谷証人 金は本部の方では扱つておらぬわけであります。各店舗の窓口でいたしております。
○小林委員長 保全経済会の会員募集の方の仕事は何かやりますか。七百万人ですか、千四五百の末寺と信徒というものを中心にして各方面から投資者を集めようということから伊藤君との話ができ上つたものでしよう。これはそういうものではありませんか。
○大谷証人 私たちは仏教興隆のために協力していただきます。
○小林委員長 協力してもらうと言つても、金の協力をしてもらうわけでしよう。伊藤君が説教して歩くのではないから……。そうすると金はどういうふうにまわしてもらうか。あなたの方は会員募集には信仰というものが中心になつて行くわけですから、伊藤君には便利でしよう。ところがその集まつた金は伊藤君の方へ行つてしまうわけですね。そうしてあなたの方の仏教保全経済会は幾らか伊藤君の保全経済会の方からもらうことになつているんですか。
○大谷証人 仏教保全経済会の事業、経営に関する費用は、将来は仏教保全経済会の投資額に応じまして、保全経済会から仏教保全経済会に提供する方法をとるつもりでありまするが、目下はまだその段階に行つておりませんので、月々の経費は予算を出しまして、保全経済会の本店で検討し、査定していただきまして、提出を得ることになつておるのであります。
○小林委員長 何か聞くところによると、保全経済会の方には月二分の利益配当をして、仏教保全経済会の方はマル仏とかいうふうにきめて、別途になつて一人について月三分というような利益配当をするというような契約があるのではないですか。
○大谷証人 私は承つておりませんでございます。
○小林委員長 そうすると今あなたの方の本部に保全経済会から事務所費その他の費用として払つていただいているのは月々どのくらいありますか。
○大谷証人 私事務の方ば関係いたしておりませんので、まことに……。
○小林委員長 保全経済会からこれまであなたの方はその事務所の費用というもののほかはほとんど何ら利益配当はもらつておりませんか。
○大谷証人 もらつておらぬだろうと思います。私事実事務を担当いたしておりませんので、まことに申訳ありませんが……。
○小林委員長 そうすると仏教興隆のためにやるということでありますが、とにかく東西本願寺の信仰の偉大な力によつて、あなた方、普遍の仏教信者からいえば仏様を拝むように尊敬されている人が間に立つて、そうして伊藤斗福君と一緒になつて、保全経済会というものを中心にして仏教保全経済会というものをつくつたということを言われれば、ずいぶん信徒はこれに信頼して、場合によつては一種の寄進をするようなつもりで、仏さんにでも差上げるような気持で集まるものがあると思うのですが、そういう重要な位置にあなたは立つておられるのだから、いやしくも仏教保全経済会の会員になつておるという人の信頼を考えてみれば、仏教興隆のためにどういう利益を――伝導の費用とでも言うのか知りませんが、そういうものをどういうふうにしてもらうというようなはつきりした契約なしでやるということはどうも無責任のように私は思いますが、その点はいかがですか。何かはつきりした契約があるのじやないかと思います。あるいはあなたは知られないでもほかにあるのですか。
○大谷証人 ほかには契約は何もございません。私は仏教のためにプラスになることであればけつこうたと思つておりますので、ほかに何も契約はございません。
○小林委員長 そうなればどれだけのものを出してもらつてどうするということをきめなければなりませんね。きめなければ、今こういうふうに保全経済会は非常な破綻に瀕してしまつてあなた方を仏さんのように思つていた人々が大分困つておるのですが、当初からそこに責任をもつて臨まれなければならぬように思うのですが、何かあなた方は保全経済会から一定の報酬でももらつておるとか、何かこれまでいわゆる恩恵というようなものを受けておるのですか。
○大谷証人 もらつておりません。私は宗教家といたしまして仏教にプラスになることでありますならばそれで満足いたします。
○小林委員長 何だか一年すえ置きで置いておいて、そうして……。
○大谷証人 一年すえ置きではありません。
○小林委員長 そういうものはありませんか。
○大谷証人 はい。三箇月と六箇月であります。
○小林委員長 全部そうですか。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 一年すえ置きの間を覆いて、そうしてその利息で端境期に東西本願寺にお参りをさせるというようなことで会員を募集したことはありませんか。
○大谷証人 それは私事務を見ておりませんので、まことに恐縮ですが……。
○小林委員長 そうすると、仏教保全経済会の人も保全経済会の人も全然かわりはないわけですね。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 仏教保全経済会の方へ、あなたの方へ報告して来ませんか。窓口で扱つた保全経済会の会員の投資者の中で、いわゆるマル仏として仏教保全経済会の会員になるものがこういうふうに今度人つた、どこで今度はこれだけ入つたというような報告はありませんか。
○大谷証人 来ませんでございます。
○小林委員長 ないですか。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 それでは一体何のために……。
○大谷証人 それで、自分が仏教保全経済会扱いとして投資いたしましたことが、その人には二分の配当が月に渡る。そうしてその自分の投資したことによつて間接に仏教の事業に翼賛することができるわけでございます。
○小林委員長 それでは伺いますが、仏教保全経済会ができたのは二十六年の六月とおつしやいましたね。
○大谷証人 はい。
○小林委員長 その以後仏教興隆のために特にこの会を使つてあなた方が働かれたという実績はありますか。
○大谷証人 それは今来ております近藤常務がよく知つておりますので……。
○小林委員長 どういうことをやつたのですか。
○大谷証人 世界仏教大会とか、あるいは各種の本山の事業に応分の寄付をいたしておるわけであります。
○小林委員長 どのくらいですか、その額は。
○大谷証人 その額は、私今ここには……。
○小林委員長 そうすると、それは保全経済会の方から出ているのですか。
○大谷証人 はい。保全経済会から仏教保全経済会へお金を渡して、そうして仏教保全経済会からそういう方面の事業に御寄付いたしておるわけであります。
○小林委員長 保全経済会の規定がいろいろあるようですが、とにかく最近は月二分の利益を配当しているようですけれども、以前はずいふん高い率のこともあつたわけで、担害というものがなくて常に利益が配当されるようなふうに会員には説明をしているようですね。あなたの今の仏教保全経済会も、何か利益を受ける方のことだけ書いてあつて出費のことがあまり書いてないようですが、そういうようなことでは、この保全経済会というものは、われわれの目から見るというとずつと続けて行かれるものじやないように思うのです。あとからあとから投資者が入つて来れば利益の配当も行きますけれども、そうでない限りは、非常なもうけがない限りはいつかつまずいてしまうように考えられるのです。あなたは初めとにかく仏教徒というものの中心となつてやられたのですから、よほど責任が重大だと思いますが、その点どういうふうにお考えになつたのですか。伊藤斗福君のやつているこの保全経済会が、その主張の通りに、続いてきまつた利益を配当をできるとお思いになつておつたのでありますか。
○大谷証人 私は経済的に学問もありませんが、アメリカに投資銀行というものがあつて、それについて、そういうぐあいにこの保全経済会を持つて行きたいというような話を伺いましてそうすれば配当ができるのではないかと考えたのでありまして……。
○小林委員長 アメリカの投資銀行とか投資信託というものはどういうものですか。簡単に御説明が願えれば御説明を願いたいと思います。どういう理論で立つて行けるか……。
○大谷証人 投資をいたした者がいわゆる株主となつて、配当を受けることができると……。
○小林委員長 それではもう少し聞いておきたい。とにかくこの保全経済会というのは、投資者を新しく募集して、そうして月二分ずつの利益金を配当した。これは、新しい投資者がどんどんできて来ればそれで充当してやつて行けるけれども、いつかはつまずく機会がなければならぬようにわれわれは思うのです。特にこの仏教保全経済会ができた二十六年の六月ですか、このごろには大分行き詰まつておつた。ところが、あなた方の仏教保全経済会というものが加わつて、そうしてあなた方仏教的信仰の中心となられた人々の勧誘によつてたくさんの信徒の人が入つた。この新しい投資者が非常にできたために危機を一時脱したというふうに外部から見ている人が大分おるようですが、実際はそうでなかつたのですか。
○大谷証人 私は、内部のこと、保全経済会の経営のことについては全然わかりませんです。
○小林委員長 わかりませんでも、とにかくあなた方が本願寺の中心になつて信徒というものがそれに大分加わつたのですから、あなた方に対するそういう信頼が大分中心になるということはお考えになつているでしよう。そうはお思いにならぬですか。またこの仏教徒を使つて――使つてと言つては語弊があるかもしれぬが、こういう人々によつて新しい保全経済会の会員を募つて投資を集めよう、その投資を集めたお金の幾らかの何をもらつて仏教興隆のために尽そう、こういうお考えでしよう。
○大谷証人 はい。仏教復興ということが、私たちの一番の念願であり、また経済関係のことはそういう専門の方が、いわゆるもちはもち屋にまかせれば、それが運営をやつてくれるのだという考え方でありまして……。
○小林委員長 それだからあなたらを信頼しておる信徒の者が加わつて来れば、この保全経済会ももつと新しい投資がたくさんできるだろうというところに伊藤君も自を置き、あなた方もそれに協力されたわけでしよう。それでなければ、仏教保全経済会なんというようなものはつくる必要がないのじやないかと思うのですが、いかがですか。そういうふうにお考えにならぬのですか。信徒が投資者に加わることはあなたもやはり責任の一つを背負わなければならぬということはお考えでしよう。またそれを使つて新しい投資者をたくさん得たのですから、そうすれば、その信徒の投資者に対する責任でも、あなたは幾人新しいそういう信徒の者が加わつておるかということを、常にお調べにならなければならぬと思いますが、そうしてそれによつてどのくらいの投資があつて、その一部が仏教興隆のために使われるならば、その金が幾らになるのだということを厳重におやりにならなければ、信徒諸君に対しても申訳がないじやありませんか。その点はいかがですか。お調べになつたか。今どのくらいこれらの人々の投資総額がありますか、御承知でしようか。
○大谷証人 今は七千五百人ほどの投資者でありまして……。
○小林委員長 それで金額は。
○大谷証人 金額は二億三、四千万です。一人平均三万円くらいと承つております。
○小林委員長 七千五百人ですか――その人々に対しましても、あなたが、保全経済会がどのくらい仏教に尽しておるかということは、御承知にならなければならぬと思うのですが、まだそれではあまり金は来ておらぬわけですか。
○大谷証人 どのくらい来ておりますか、存じませんが、仏教連合会あるいはまた各宗の御本山関係の事業に協力、御寄付をいたしておりますということを承つております。
○小林委員長 しかるに保全経済会が本年の十月二十四日に営業を停止してしまつて、今出資者が大分困つておるようでありますが、この点については、あなたの方へ何か投資者や何かからいろいろな苦情の申込などがありますか。またあなたはどういうふうにこれを考えておられますか。
○大谷証人 私このたびの休業を十月二十四日初めて聞きまして、まことに社会の皆様に対して申訳なく、特に投資者、代理店のお方々の御心中を察し、お身の上を思いますと、まことにはらわたを断ち、胸迫る思いがいたす次第であります。どうか一日も早く、最小限度の投資者の被害にとどまり、投資者の方々の安心のできる日が早いことを念願いたしておる次第であります。
○小林委員長 この仏教保全経済会ができて、保全経済会から何か援助を受けて、仏教興隆の上に非常にプラスになつたという点は、どんな点ですか。そういう点がありますか。今言われた事務所費を払つたり、ちよつと伝導に使つたという程度のものですか。
○大谷証人 あちらの方に、私が手元に持つて来ておりませんが、近藤君が持つて来ております書類の中に、それが一切しるされております。
○鍛冶委員 私は大谷さんに申し上げますが、われわれはあなたをここでいじめようとか、どうしようということではないので、実際のところを聞きたいのです。あなたがこれに携わられて実際おやりになつたことを聞きたいのです。ところが先ほどから承つておりますと、どうもつじつまが合わぬことがある。
 そこで私は申し上げますが、あなたはそこにずいぶん何か書いて持つておられますが、それは書いてもらつて来たのですか、あなたがお書きになつたのですか。
○大谷証人 これは私書きましたわけでございます。
○鍛冶委員 そんならいいが、そういうものにとらわれておられるから、こつちの質問することとあわないことになると思いますが、そういうものをなくしてしまつて、今までほんとうに携わられたこと、われわれは実情をあなたから聞きたいのでお話しておるのです。
 そこで先ほど委員長からも聞かれましたが、第一にあなた方に対して仏教興隆のためになるのだから、仏教保全経済会というものを設立してくれ、こう言つたと言つておりますが、ただそういう抽象的のことでは、あなた方たつて納得が行くわけはないのですが、どういうことをすれば興隆になるのだということをお聞きになりましたか。それを第一にお聞きしたい。
○大谷証人 戦後寺院の経済ば非常に緊迫いたしまして、寺院の修理、経営、伝道、社会事業という方面に手が延びないのであります。そういう方面に事業費として出資してもらいますれば、仏教興隆のもとになる、こういうように考えたのであります。
○鍛冶委員 どうもわかりませんね。出資してもらえば、仏教興隆のもとになると、こういうのですか。
○大谷証人 それは出資していただきますれば、それによつて伝道、あるいは経典の意訳とか、経典のむずかしいのを、わかりやすく耕しみやすい言葉に翻訳いたし、あるいはまた仏教音楽、いろいろの事業ができると思つたわけであります。
○鍛冶委員 まだ何かにとらわれておいでのようですが、もつと虚心坦懐に、出資してもらえばあなた方の伝道の役に立つ、出資した金は皆あなた方の収入ですか。そうじやないんでしよう。
○大谷証人 仏教保全経済会の方へいただき、仏教保全経済会がまたそれで翻訳事業なりその他いたすこともできます。また各宗本山がいろいろの社会事業をなさる、それに御寄付することもできる、それによつて仏教興隆の仕事ができる。
○鍛冶委員 どうもわかりません。出資者が出資してくれれば、あなた方の収入になるのじやないでしよう。先ほどから聞いておりますと、全部金の取扱いは保全経済会がやつているというのでしよう。
○大谷証人 はい。
○鍛冶委員 それなら出資者が出資したからといつて、あなた方の伝道の費用になるわけがない。
○大谷証人 それの取扱いは一切保全経済会の方でいたしまして、その仏教扱いの率に準じて、仏教保全会の方へ保全経済会から何割かをもらいますれば、それで仏教保全経済会といたしましては事業ができるのではないかと思われたわけであります。
○鍛冶委員 そうだろうと思う。それをあなたがはつきりおつしやらぬから……。
 出資者からあなた方が金を受取るのですね。
○大谷証人 受取るのは全部……。
○鍛冶委員 いずれにしましても仏教保全会の名で受取りますね。そうして保全経済会へ持つて行つて、それから割もどしを受けるということになるわけですね。そこでどれだけよこすと言いましたか。
○大谷証人 その約束は何もないのです。どうも私たち抜けておりまして知りませんですが、その点に対しましてまことに私たち観念が鈍いわけでありまして、今になつてはずかしい次第であります。
○鍛冶委員 先ほどから聞きますると、あなたは大谷瑩潤さんの紹介で伊藤斗福氏と話した。伊藤斗福氏からあなたは直接お聞きになつたのですか。
○大谷証人 直接聞いておりません。それは約束もいたしませんし、聞いてもおりません。そういう方面はこの常務理事におきまして折衝いたしておるわけであります。
○鍛冶委員 じや、あなたは幾らかのものをくれるということをだれから聞いたのです。
○大谷証人 社会事業のために仏教保全経済会が事業をいたしますわけであります。それは年に一回の会合があるわけでありまして、その席でそういうことはいたしますということでありますが、どれほどいたしますということは私何ら聞いてもおりませず、また約束もいたしておらないわけであります。
○鍛冶委員 額は聞いておらなかつた、わかりました。しかし幾らにしても、とにかく仏教興隆のために金を出しますということを言うた者がいるのです。あなたはそれをだれからお聞きになつたと言うのですか。
○大谷証人 これは伊藤氏からも聞いておりますし、また定款におきましてもそういうことがうたわれておるわけであります。
○鍛冶委員 次に承りたいのは、先ほどあなたのお話を聞いておりますと、私は経済上の知識もないし、業務もわからぬとおつしやつた。そうして業務には一切携わらぬでよろしいのだ、こういうことを言つたと言われましたね。それはだれが言つたのですか。
○大谷証人 それは私の方へ最初来ました使いの人でありまして、近藤良譲氏あるいはまた山口益澄氏、使いに見えた方から承つたわけであります。
○鍛冶委員 それは内輪の人でしよう。私がお聞きしたいのは、保全経済会の伊藤側の方のだれが言つたかということを聞きたいのです。
○大谷証人 事実私は業務に携わつておらぬわけでありますし……。
○鍛冶委員 どうもあなたは、何か言うとさしさわりがあるように心配して言われるが、そんなことはないのですよ。あなたはほんとうに感じたことを、直接だれからそういうことを聞いたということを、ありのままを言われればいいのです。
○大谷証人 今申しました近藤君から聞きましたわけであります。
○鍛冶委員 そうすると伊藤君の側で、それは近藤さんやその他の者に言うたかしらぬが、あなたは直接聞かなかつた、こういうことになりますね。
○大谷証人 はあ、そうでございます。
○鍛冶委員 あなたは何もせぬでもいいのならば、どういうことをすればよかつたのですか。ただ単にパンフレツトだの役員名簿に名前さえ載せればいい、こういうことだつたのですか。
○大谷証人 役員の定款に、副会長は会長を補佐し、会長事故あるときはその業務を代行するとありますが、会長におかれても事故がありませんし、また別に会長を補佐するような仕事も今日までありませんでした。
○鍛冶委員 そんなりくつだの、そういう書き物を聞いておるのじやないのです。あなたは何もせぬでもいいのだということをだれから聞かれたか。何もせぬでいいというならば、どういうことをすればいいのだと思うておられたか、その実際のことを聞いておる。そこに書いておることは聞かなくてもわかつておる。実際のことを聞いておるのです。
○大谷証人 やはり近藤良譲氏からせぬでいいというとを聞いただけであります。私直接聞いたのではありません。
○鍛冶委員 それじやそういうことでおやりになることになつたが、仏教保全経済会というものは、出資者というか、あなた方の言葉で言うと会員と言つておられる。会員と仏教保全経済会とはどういう関係になるのですか。会員は仏教保全経済会へ投資しているのでしようね。
○大谷証人 はあ、会員は仏教保全経済会の目的に賛同いたしまして、そうして仏教扱いといたしまして、その金は保全経済会の窓口に持つて参りまして、一切その出資の金ば保全経済会の方で扱つているわけであります。
○鍛冶委員 それが大事なことなんですよ。りくつじやない。実際のほんとうのことを聞きたいのです。仏教保全経済会という名前で出資者を集められますね。これはもう間違いないことだ。そこで出資者は仏教保全経済会へ投資するのでありますか。
○大谷証人 はあ、仏教保全経済会の方へ投資するのであります。
○鍛冶委員 そうすると、仏教保全経済会へ投資するが、金の取扱いは伊藤斗福がやつたこういうことになりますね。
○大谷証人 保全経済会の方へ一切をまかせたのです。
○鍛冶委員 そこで重大になつて来るのですが、保全経済会というものは法律上の匿名組合だと言つております。あなた方の仏教保全経済会も匿名組合と思つておいでになりましたか、いかがですか。
○大谷証人 そういうところ、私専門的にどうもわかりませんでございまして……。
○鍛冶委員 いまさらあなたを責めてもしようがない。実際のことを聞きたい。
○大谷証人 実際はわかりません。
○鍛冶委員 わからぬでも、今あなたがおつしやつたように、出資者は仏教保全会へ出資するんでしよう。出資を受けたものは仏教保全会になりますよ。してみれば、出資を受けたことに対する権利義務は仏教保全会にあるべきはずです。ところが金はみな保全経済会へ持つて行つておられる。そうするとあなた方はからつぽで、そういう出費者に対する権利義務だけが残るということになるようですが、実際はそういうことですか。
○大谷証人 私たちの方は保全経済会を信じまして、出資の金はその方に一任いたしました。そして仏教興隆の事業だけをさしていただくということになつておるわけであります。
○鍛冶委員 あまりこまかいことはあとで聞きましよう。それ以上わからぬなら……。
 そこで信じたとおつしやいましたが、あなた方信じておられたことと今日とは考えにどれくらいの隔りがありますか。これはありのままを言つてもらいたい。初めあなた方はどういうことを思つていたか、ところが今日はどういうことになつたか、これはおそらく雲泥の相違があろうと思うので、その点をひとつ忌憚なくおつしやつていただきたい。
○大谷証人 こういう蹉跌があるとは存じなかつたわけでありまして、まことに慚愧にたえないわけであります。
○鍛冶委員 それではあなた方、出資者に対して申訳ないと思うが、伊藤斗福なりまた中に入つた人なりからこういうことを聞かされなければこんなことをするわけがなかつた。この点にどうもおれの間違いがあつたとか、この点にどうも私は抜かれておつたとかあるいはたまされておつたとか、何かそういうことがありませんか。
○大谷証人 それは私の経済的な知識がなかつたことが原因で、やはり私の間違いだつたと思います。
○鍛冶委員 先ほどから、委員が言われるように、あなた方興隆のためだとおつしやるが、どういうことが興隆になつているのですか。私にはわからぬのです。興隆にならないのに、興隆のためだといわれてやつたが、それが興隆にならないで相手方になつておる出資者にたいへんな迷惑をかけた。あなたの思いとたいへんな違いがあるでしよう。その点を……。
○大谷証人 やはりいろいろの伝道なり、あるいはまた各種本山の社会事業に寄付をいたすなり、また世界仏教大会などにも出資をいたしたということを聞いておりまするが、やはりそれだけはできたのだと思います。
○鍛冶委員 いろいろ聞きたいが、あまりおそくなつてもいかぬから……。
 あなたは先ほど最後にどうも出資者に対して申訳がない。できるだけ早く損害を埋め合して、安心のできるようにしたいと思つている。こう言われたが、どういうことで安心ができるようになると思つておいでになりますか。
○大谷証人 解散にならず、そうして法制化の裏づけができればいいのじやないかと思います。
○鍛冶委員 法制化の裏づけですか。
○大谷証人 はい。法制化の裏づけです。
○鍛冶委員 法制化で裏づけをしてもらえば安心できる、こういうことですね。
○大谷証人 はい。
○鍛冶委員 あなた方なかなかうまいことを言われるが、それでは法制化とはどういうことですか。
○大谷証人 いつも私の何かにつけまして相談相手になつてくれます近藤良譲師が、法文化の裏づけができますればけつこうだと申しますので、私もそう願えればと思うのでありますが。
○鍛冶委員 これはどうも重大なことをあなた方おつしやる。先ほどから私言うように、あなた方、これはどうも伊藤斗福に一ぱい食わされたのだ、そうして社会に対して申訳ないことになつたのだ、こう思つておいでにならぬのですか。
○大谷証人 やはりそれは私の経済的の知識がなかつたことと、私の不徳であつたと自分を掘り下げて考えております。
○鍛冶委員 そうするとあなたが経済知識がなかつたがために保全経済会がつぶれたのだ、決して伊藤斗福その他の保全経済会のやり方は悪くなかつたので、私の経済知識がなかつたことが出資者に迷惑をかけた、こう思つておるのですか。
○大谷証人 私個人としてはやはり私がそういうことに加わつたことが出資者に対して申訳ない、こういうふうに思つております。
○鍛冶委員 なるほどあなたがそう思つておられるのはけつこうですが、根本は保全経済会が破綻を来したということにあるのでしよう、そうは思わないのですか。
○大谷証人 はい破綻を来したわけでございます。
○鍛冶委員 そうすると蹉跌が来すようなものを蹉趺が来さぬものだとあなた方信じたのでしよう。その信じさせられたことがあなたが出資者に対して申訳ないということじやないのですか。
○大谷証人 私の不徳であつたわけであります。
○鍛冶委員 そうしてみるとあなた方は実際こんなことでだまされてこんなものに携わらなければよかつたと思つておられるに違いないのでしよう。それにもかかわらずそういうだましたものを法制化して一体保護ができるとあなたはお思いになりますか。みんながそういうことを言うがわれわれはがてんが行かない。無知な人々が言うならはまだしもと思うが、ずいぶん人に迷惑をかけて申訳ないと思つておいでになりまするあなた方が、なおかつ法制化して、これを適法にすれば助かるものだと思われることが、これはまことに重大なことだと思うから申し上げるのですが、あなた方これだけ言えばどうお思いになりますか。
○大谷証人 私法制化ということがどういう効力があるのかよくわかりませんわけでありますが、ともかく法文化されますればけつこうだというように近藤氏が申しておりますので、そういうようにしてほしいと思つておるわけであります。
○小林委員長 ちよつと諸君に申し上げますが、たいへん私が長く聞き過ぎたので失礼しましたけれども、何分発言申込みが八人もありますし、まだ証人二人ありますから、できるだけ簡単にお願いしたいと思います。佐瀬昌三君。
○佐瀬委員 簡単に二、三点尋ねます。
 この保全経済会を創設するという根本の相談にあずかつた人はだれですか。
○大谷証人 それを計画いたしましたのは、近藤良譲師、それに山口益澄師、吉田黄雲師、それに河合氏、望月氏などと承つております。
○佐瀬委員 出資者は信徒だけですか。それとも本願寺あるいはその末寺等も直接の出資者になつておるのですか。
○大谷証人 末寺も入つております。
○佐瀬委員 割合はどのくらいですか。
○大谷証人 割合は存じておりません。
○佐瀬委員 本願寺自体はどのくらい出資しておりますか。
○大谷証人 本願寺自体は出資しておらぬと思います。
○佐瀬委員 仏教保全経済会はこの事業の経営者じやないですね。
○大谷証人 経営者ではあまりせん。事業だけを……。
○佐瀬委員 そうすると資金の取扱い、ことに投資運営はすべて保全経済会がその責任に当つているわけですか。
○大谷証人 さようでございます。
○佐瀬委員 先ほど、この設立の趣旨に従つて補助金か何かという名目で保全経済会から仏教保全経済会に対して幾らかの経費を出されるというお話があつたようでありますが、その割合等をきめた者はだれですか。
○大谷証人 まだ割合がきまつておりません。
○佐瀬委員 実際に出ましたか。
○大谷証人 はい。実際には出ております。
○佐瀬委員 総額はどのくらいかわかりませんか。
○大谷証人 私は存じておりません。
○佐瀬委員 それは配当以外の金になるわけですね。
○大谷証人 さようでございます。
○佐瀬委員 相当高額配当を約束して、なおかつ仏教保全経済会に仏教興隆の援助資金を出すということであると、保全経済会そのものの運営というか、経理面において非常に支障を来すというようなことは考えられなかつたのですか。もし誠実にそういうことが行われるということになれば、根本の保全経済会自体が成り立たないということになるようにわれわれには思われるのだが、その点はどうですか。
○大谷証人 そこまで考えが及びませんでございました。
○佐瀬委員 そういう言葉につられて、仏教保全経済会が信徒あるいは末寺からそういう加入者を募つたということになるのじやないですか。その点はどういうふうにお考えですか。
○大谷証人 ……。
○佐瀬委員 お答えできないなら、次の問題に移ります。仏教保全経済会という媒介体をみな信頼して投資されたと思うのでありますが、その結果かように相なつたということに対して、仏教保全経済会あるいは本願寺としてこの会員に対する自主的な解決策とかそういうものがおありになるのか、あるいはそういう問題について協議されたことがあるのか、そういう点について御意見を承りたい。
○大谷証人 本願寺はもともと仏教保全経済会には関係がございません。私個人として関係いたしたわけであります。二十四日の休業とともに、私実は寝耳に水で驚きまして東京に参りまして、大谷瑩潤会長とともに伊藤理事長に会いまして、仏教保全経済会の当事者の方々に御迷惑をかけ、また特に事務関係の経営に支障を来すから善処をしてもらいたいということを申し込みました。伊藤氏はそれに対しまして了解いたしまして、仏教保全経済会は今後とも継続いたしますことを約束いたしますと申しておるわけであります。
○佐瀬委員 今後も仏教保全経済会というものを存続さして迷惑をかけないような対策をするということを伊藤理事長が約束された、こういうことですか。
○大谷証人 はい、そうです。
○佐瀬委員 しかしそれは法制化ということにあるように先ほど意見を述べておつたようですが、これは国民全体の立場から見て、国民の血税でこういう不始末のしりぬぐいをするような保護の立法ということは常識上許されぬと思うのです。そこで被害者をいかにして最低限度に救うか、できるだけ救済するという意味のために、あるいは整理するとか取締るとかいうようないわゆる立法措置ということは考えられるかもしれぬが、そういう意味の立法ということで、あなた方の立場からどういうふうな措置を講じてほしいかというような御意見があるならば、この機会に承つておいてもいいと思います。
○大谷証人 会長もおられることでありますし、ほかに理事、顧問もおりますことでありまして、相談いたしまして、書面をもつて御回答させていただきます。
○佐瀬委員 法制化々々々といわれておるけれども、その内容についてはまだ相談もしていないということですね。
○大谷証人 さようでございます。
○小林委員長 鈴木幹雄君。
○鈴木(幹)委員 簡単に二、三点お伺いいたします。あなたは仏教保全経済会に副会長として今日まで就任をされておりますが、就任をされるにあたりまして、この仏教保全経済会は仏教の興隆に資する、また同時に出資をしたところの本手や信徒は配当というようなもので経済的な利益も得る、非常にいいことだからというわけで進んでお引受になつたのでありますか。それともまたこれは頼まれたから単に名義を出しておけばいいのだ、こういうようなおつもりでお引受になつたのでありますか、お伺いいたします。
○大谷証人 私は最初は再三辞退いたしたわけであります。しかし仏教興隆のためぜひ就任していただきたいというお話が会長、理事長その他の人からありましたものですから、仏教の興隆のためになることならばと思いまして就任をいたしたわけであります。
○鈴木(幹)委員 それは進んでこういう仕事に対して積極的に仕事をしよう、こういう意味でお引受になつたのでありますか。あるいはまた進んで仕事をするほどのことはないけれども、たつて頼まれたから、これが仏教の興隆のために自分の名前を出しておけば役に立つんだ、こういうようなお気持だつたのですか。
○大谷証人 かねて私は終戦後仏教寺院の整備ということにつきまして、何とかそれが経済的に潤うように、また仏教の社会事業ということについてもやつて行けるものがあつたならばということは考えておつたわけでございます。ところがたまたまそういう申出があつたわけでありまするが、しかしそういう機構におきましては、私あながち経験もまた学識もないわけでございますからお断りいたしたわけであります。しかし、たつて仏教興隆のためであるから就任してもらいたいというお話が出ましたから、仏教興隆のためでありますれば、かねて私何とか仏教興條のためにと思つておりましたことでありますので、それが仏教のためにプラスになつてくれさえすればと思つてお受けいたした次第であります。
○鈴木(幹)委員 そうすると、進んでお引受けになつたお気持の過程はよくわかりました。頼まれたから、それが仏教興隆に役に立つというような意味でお引受けになつたのですから、一旦引受けた以上はそれなら大いにやろう、こういうようなお気持はあつただろうと推察はいたしますが、どの程度に保全経済会の仕事なり事業なりについて御関係になり、あるいは副会長として御関係なすつたか、この点をひとつお伺いいたしたい。
○大谷証人 ……。
○鈴木(幹)委員 たとえばあなた御自身は、立ち入つたことをお尋ねいたしますが、仏教保全経済会の方に御自分が出資をなさつたことがあるか。あるいは信徒なり末寺なりに対してこれは非常にいい会だから仏教興隆の役に立つから出資したらどうだ、こういうようなことをその機会にお話になつたことがあるか、あるいは会の仕事そのものに事務的に御関係なすつたことがあるか。あるいは、今までのお話では、全然保全経済会との間において一切の契約がなかつたということですが、そういうようなことについてあなたは詳しくお聞きになり。あるいは自分の意見を述べられるというようなことがあつたかなかつたか。こういう点をお伺いいたしたい。
○大谷証人 出資の点につきましては、わずかではございますが出資もいたしておるわけであります。それから直接人を勧誘いたしたことはありません。それから第三のお尋ねでありますが、大丈夫であろうかということは事務関係の人たちにもお尋をいたしたりしてみたこともあります。しかし大丈夫でありましようと申しますので、私安心いたしておつたわけであります。
○鈴木(幹)委員 あなた御自身も御出資をなさつていらつしやるのでありますから、この会が大丈夫やつて行けるんだ、こういうようなお見通しを持つて御就任をされ、今日まで来られたということについて私は毛頭疑つておるわけではございません。ただ副会長というような職におつきになるにつきましては、一体保全経済会とどういう約束になつておるだろうかという内容ぐらいはあなたもお聞きになつた上か、もしくは就任された後にもお知りになるのが当然だろうと私は思うのであります。これは副会長という責任がある以上は、それから仏教興隆のためにということがある以上は、これは具体的に申しまするならば、仏教興隆のためにする資金なりあるいは便宜なりというものがこの会を通じて得られるんだ、こういうことでなければならぬと思う。ところが今までのお話を聞いておりますると契約というものはないとおつしやる。そのことは、それではないという意味でありますか、あなたが御存じがないという意味でありますか。その点はほかの者はあるいは知つておるかもしれぬ、こういうことになりましようか、その点いかがでありましようか。
○大谷証人 私の知る範囲におきましてはないのであります。
○鈴木(幹)委員 そうしますると、保全経済会と仏教保全経済会との間におきましては、口頭におけるところの責任者、当事者か何かの話合いがあつて、それを明文化したところの契約というようなものは一切あなたの御存じの範囲内においてはないのだということになるわけでありますね。
○大谷証人 はい。
○鈴木(幹)委員 それならば会員は仏教保全経済会の会員でございましよう。
○大谷証人 はい。
○鈴木(幹)委員 この会員は保全経済会の会員ではないのでありますね。
○大谷証人 さようでございます。
○鈴木(幹)委員 会員ではない。
○大谷証人 はい。
○鈴木(幹)委員 そうすると、仏教保全経済会と会員との間にはどういう契約ができていたのですか。
○大谷証人 会員の方には二分の配当が月にある。そうしてその利潤と申しますか、出資に対して保全経済会の方から幾らかを仏教保全経済会の方へ仏教の社会事業費として提出するということになつたものであります。
○鈴木(幹)委員 仏教保全経済会は会員に対して二分の配当を約束する、こういうことになるわけでございますね。そうして仏教保全経済会に対しては、保全経済会の方から、若干の出資額に応じての仏教興隆のための配当といいますか何といいますか、そういうものが来る。こういうことでございますね、今のお話は。
○大谷証人 投資金の出資金は、全部一切を保全経済会の方へまかせたわけであります。
○鈴木(幹)委員 それはわかつております。これは仏教保全経済会というものが事業投資をやつておられるわけではないのでありますから、あげてもつてこれは保全経済会の方に運用管理をまかしておられるけれども、仏教保全経済会と会員との関係というものは、配当の二分ならば二分というものを仏教保全経済会の名において出すのでございましよう。
○大谷証人 さようでございます。
○鈴木(幹)委員 そうすると、仏教保全経済会は保全経済会の方から、出資額に応じて割りもどしというか配当というか、仏教興隆のための寄付金をもらつている、こういう関係になるわけでございますね。
○大谷証人 はい。
○鈴木(幹)委員 そうして、仏教保全経済会に来る若干のものというのはさまつておるわけでございますか。
○大谷証人 今のところきまつておりません。
○小林委員長 鈴木君、もうよろしゆうございますか。
○鈴木(幹)委員 それでは最後にもう一つお伺いいたしますが、保全経済会が休業いたしましてから、仏教保全経済会の方はどうなつておりますか。
○大谷証人 窓口が一つであります関係上混乱を来し、またそういうようないろいろの事情がありまして、ただいま自然休業というのでありますか、業務をいたしておらないのであります。
○鈴木(幹)委員 私はこの程度でやめます。
○小林委員長 古屋貞雄君。
○古屋(貞)委員 私がお尋ねすることは、意見でなく事実をお尋ねしたいのでございますから、どうかそのおつもりでお答えを願いたい。
 あなたは仏教保全経済会の副会長というお役目に就任されておりますが、この仏教保全経済会という会は、理事長伊藤の営業いたしますることに対して、会員が金を出す、こういうことに承つていいでしようか。
○大谷証人 そうではありません。仏教興隆の目的に対しまして、その趣旨に賛同いたして、出資いたしてくださることと存じます。
○古屋(貞)委員 伊藤理事長の営業に金を出すのではないとおつしやいましたが、仏教保全経済会はしからば定款か何か規定されたものがございましようか。ございましたならば、その組織、機構、権限等を御説明願いたい。たとえば理事長はどういう権限を持つておる、会長はどういう権限を持つておる、副会長はどういう権限を持つておる、それを具体的に御説明願いたい。
○大谷証人 「理事長は本会経営者にして本会運営に関する一切の責任者とする。」「副会長は会長を補佐し会長事故ある時は其の業務を代行する。」「会長は本会を代表統理す。」とうたわれておるのであります。
○古屋(貞)委員 今の最初にお読みになりましたのは、理事長が経営するとこうはつきり書いておるんじやないですか。そうすると、あなたの今の御説明によりますと、仏教保全経済会というのは、何でございましようか。組合でございましようか。それとも共同事業でございましようか。どういうことになるのでしようか、私どもの承つておるのは、理事長伊藤の経営する会であつて、伊藤が自由に会員の出資された金をかつてに使われる、かように心得ておるのですが、それはお違いになるでしようか。
○大谷証人 仏教保全経済会は事業をさしていただくわけでありまして、会長本会を代表していろいろな事業をさしていただくことになつておるわけであります。お金のことは保全会の方で処理いたすことになつております。
○古屋(貞)委員 それでは会長と理事長の権限の区別はどうなりますか。財産処分はだれがする権利がございますか、承りたい。
○大谷証人 私一向わからないのでございます。どうも学問がありません。
○古屋(貞)委員 私が承りたいのはそれが根本なのでございまして、あなた方のような、少くも七百万の信徒を持ち、手数百の末寺を持つております日本の仏教会のオーソリテイの方たちが、御自分で副会長になつており、会の内容がわからぬのに、さような大きな問題の地位を引受け、現在のような結果を引起しております。ただあなた方が法制化で救われるというような甘いお考えをお持ちになつておりますから、私承つておるのでありますが、少くともあなた方がおこしらえになりました仏教保全経済会は、どういう目的で、どういう権限で、どういう事業をするかということがはつきりしなければ、私は会が生れて来れないと思います。その点はいかがでございましようか。私の申し上げたように、会員の出資金は伊藤理事長の財産になり、伊藤理事長がかつてに処分ができる。ただただいまあなたのおつしやつたような仏教興降のために伊藤の気持で出してもよし、出さなくてもよい、こういうことに結論はなつて来るんじやないでしようか。
○大谷証人 ……。
○小林委員長 答えられませんか。質問の意味がわからぬのですか。そういうわけではないですか。
○古屋(貞)委員 お答えがないようですが、こういうことじやないでしようか。率直にお答えを願いたいのですが、先刻委員長からもこれはお確かめになつたのです。私も同じ考えですが、保全経済会という、伊藤が理事長でやつておりまする別の会が、すでに経済的に行き詰つてしまつてどうにもならない。そこで一策を講じて、本願寺の信徒という、そういう甘い人たちをつるつもりで、窮余の一策として本願寺の名前を借りて、信徒の本願寺に対する信用を利用して、自分の経営を継続しようとする考え方から、大谷瑩潤さんを会長とし、あなたを副会長とし、その他の方たちをいろいろの監事あるいは理事という名目で並べて実際の仕事は伊藤個人が保全経済会と同じ仕事を完全にやつて行くんだ。従つて経済の一切、事業の一切も伊藤個人が独占する。あなた方には保全経済会にまかせるんだという好餌を与えて、あなた方をだまして、その信用を利用されたということはないでしようか。
○大谷証人 昭和二十六年の仏教保全経済会ができまするときの保全会の経営内容につきましては、私全然存じませんのでありますが、行き詰まつておつたかおらなかつたか、それも私存じません次第であります。それから仏教保全経済会を思い立つたことは、先ほど申し上げましたごとく、近藤、山口あるいはその他四、五人の方であるわけであります。
○古屋(貞)委員 私がお尋ねしておりますのは、経済にうとい信仰のあなた方を伊藤がだました、だまされたというお気持は現在ございませんかというのです。いろいろの名前、あなた方の方の本願寺という一つの信徒の信用を利用して伊藤が自分の事業の行き詰まりを――それは伊藤の考え方ですから、あなたはおわかりにならぬでしようけれども、今あなたのお感じでは、だまされたというお感じがあるかどうか。と申しますのは、事業の内容もはつきりしない、あなた方の権限もはつきりしない、そして会長という名前が連ねられている、副会長という名前も連ねられている、仏教興隆という看板を掲げている、しかしそれに対してはつきりと伊藤からなりあるいは会員からあなた方の仏教興隆の仕事に幾ら出すという契約もないし、定めがないとあなたがさつきおつしやつておつたのだから、結局結論は、あなた方はからであつて、ただ自分の名前を利用された、信用を利用されたということではないのですか、その点を承りたいのです。
○大谷証人 やはりせんじ詰めますと、私の知識が乏しく、私が浅学であつたという点に相なるかというように私は考えます。
○小林委員長 証人に注意しますけれども、実際の感じを述べてもらいたい。宗教的に何でもかんでも間違つたのは自分の責任だという自分の信念的なことでなく、ほんとうの事実自分の感じたままを述べてもらいたい。そう思うけれども、仏教の上から見て自分が責任を負わねばならぬのだからということで、自分の信念を意見にかえてしまつてはいけないので、事実を述べ、そのときの感じを述べられることが必要だと思う。あなたは仏教保全経済会と保全経済会というものとは全然別だと思つておつたのですね。同じものだと思つておりましたか。今そこを古屋さんは聞かれるようだから……。窓口は一緒にやつておつても、仏教保全経済会というものはあるのだと忠つておるのでしようね。
○大谷証人 はあ、別だと思つております。
○小林委員長 信徒もそう思つておるのでしよう。投資をする人も……。
○大谷証人 はあ、事業面も……。
○小林委員長 別でなければならぬでしよう。また他の人もあなたを信用して、仏教保全経済会ができると思うから出資をするのでしよう。ところが伊藤のやつたことは、みんな保全経済会に持ち込んで一つにごちやごちやにしてしまつた。その点あなたは責任を感じないですか。
○大谷証人 われわれがお金を運営いたしましても、なおできがたいことでありますので、もちはもち屋にまかした方がいいという考え方を持つておつたわけであります。
○古屋(貞)委員 先刻あなたは、仏教保全経済会に出資をするのだ、出資した人は仏教保全経済会の会員だ、こうおつしやいましたね。そうすると仏教保全経済会の会員と保全経済会の人との区別はどうなるのでしようか。もう一度重ねて申しますと、仏教保全経済会の会員が金を出しましたね。その金の所有は伊藤理事長になるのですね。そうですね。この点をはつきり伺いたい。それが一つであります。
 それから保全経済会と契約をして金を出した人は保全経済会の理事長の伊藤の所属になつてしまうのですが、この保全経済会に出資をした方と、ただいまあなたのおつしやる仏教保全経済会の会員として金を出した人と、私どもから見て何も区別はない、同じ取扱いを伊藤はやつておるのです。あなたの方では別だとおつしやるから、別だとするならばどういうところに別な点があるのか、伺いたいのです。
○大谷証人 私も仏教保全経済会に投資いたしております。私の気持といたしましては、やはり投資したことによつて、それが仏教興隆のために保全経済会から仏教保全会の方に幾らかまわつて来るのだ、こう私は信じておりました。それで投資された方も、仏教保全会の仏教興隆の目的に賛成されて御投資いただいたことであれば、自分の投資した金によつて仏教興隆のために力をいたしておるのだという信仰的な報謝の気持があるのだ、こう私は考えております。
○古屋(貞)委員 仏教保全会の会員が出したものは仏教保全会の方に金が入つて来るとおつしやいますが、そうすると仏教保全会を代表する大谷瑩潤さんのものになるのですか、それとも理事長の伊藤さんのものになるのですか、その点はどうですか。
○大谷証人 それは仏教保全会の事業に使われて行くわけであります。
○古屋(貞)委員 私の聞いておるのはそうじやなくて、出した金はだれのものになるのですかというのです。私が物を買つて金を相手に差上げれば、その金の所有権は相手に行きますね。ですから今言うように、あなたの方の仏教保全会の会員が出した金はだれのものになるのですか、その点を承りたいのです。そこがこの問題のポイントなんです。
○大谷証人 みな一任したわけであります。だれのものであるということはないと思います。
○古屋(貞)委員 保全経済会に一任したというのですが、そうすると保全経済会の代表者の理事長は伊藤でありますけれども、仏教保全経済会の金として伊藤斗福にまかせて預けてあることになるのですか。
○大谷証人 仏教保全会からは保全経済会に一任いたしておるわけです。
○古屋(貞)委員 仏教保全会というものはただ形だけのもの、名前だけのものでございますね。そうじやありませんか。仏教保全会というものは名前がついておるだけで何だかわからないのですね。私はその金の取得をする人はだれですかと聞いておるのですが、あなたの説明では、定款では仏教保全会を代表するものは大谷瑩潤さんだ、こうおつしやいましたね。それを代表しておる、代表者が仏教保全会の金を保管するなり預かるなり、自分のものにしなければならないということになると思うから、私はお伺いするのですが、どうですか。――それでは承りますが、仏教保全経済会から出しておる書類には、保全経済会理事長伊藤斗福の名前で、証券が発行されておるわけですね。先ほどあなたが鍛冶委員にお答えになつたように、保全経済会の財産と仏教保全経済会の財産とは、別々に何人の契約で幾らあるということがはつきり現われて来なければならぬのです。そうしてそれがあなたのおつしやる仏教保全経済会の金だ、こういうことになれば、あなたのおつしやるような目的、仏教興隆に保全経済会の方からもらうのだ、もらわぬのだという問題は起きて来ないと思うから聞いているのです。
○大谷証人 仏教保全経済会の投資者七千五百人投資金額が二億三、四千万円と承つております。
○古屋(貞)委員 そうしますと、保全経済会が今休業をしたけれども、ところが仏教保全経済会は休業しておりませんから、その金を運営して仏教保全経済会の会員との間の解決に使つたらどうなんですか。その点はどうなんです。
○大谷証人 それは契約ができております。
○古屋(貞)委員 保全経済会にただ取扱いをまかしたということならば、あなたのおつしやる仏教保全経済会の財産として何人の契約で、幾らここに金がある、それを使つてしまえば保全経済会の方の横領とかなんとかという問題が出て来なければならぬはずです。そこで保全経済会がつぶれてしまつたり、休業をしてしまつても、あなたの方は今申し上げたように、独立した仏教保全経済会の金がここになければならぬ、そうじやありませんか。その点はどうなんです。
○大谷証人 預かつているだろうと思います。一切を委任しておるわけでありますから……。
○古屋(貞)委員 そうすると、こう承ればいいのですか。仏教保全経済会は会員が出資した金をみずから取扱うべきものであるけれども、別の保全経済会に事務取扱いの一切をまかしたのだ、委任行為だという、こういうお答えとして承つてよろしゆうございますか。
○大谷証人 その運営を委任いたしましたわけであります。一切を……。
○古屋(貞)委員 あなたのおつしやるのは運営でなく、金の取扱いの委任でしようね。違いますか。
○大谷証人 運営をまかしましたわけであります。
○古屋(貞)委員 そうしますと、あなた方の大きな問題が出て参りますよ。あなた方の会長、代表者は大谷瑩潤であり、会長事故あるときは副会長これを代理すというあなたの立場から、それじやあなた方は仏教保全経済会の会員をだましたということになるのですね。その責任をあなたは負うとおつしやるのですか。そうなんでしよう。仏教興隆の仕事をやるという名目であなたの信者の会員から金を出さして、その金の保管が、どこへ行つたかなくなつてしまつた。それであなた方の方では、まかした保全経済会が休業したから私の方も何もできない、あとの始末もつかない、そういうことで一体あなたの責任が果せると思うのですか。ただ単に済まぬ、浅学だということで果せると思うのですか、その点はどうなんですか。
○大谷証人 その点は伊藤理事長が、必ず仏教保全経済会の方から委任された金は私責任をもつて善処いたしますと申してくれております。
○古屋(貞)委員 そこで承りたいのは、そうすると、伊藤理事長は仏教保全経済会の契約された会員の金は自分がどうしておるというのですか、預かつておるというのですか、どうするというのですか。今のお話の何とかするという言葉だけでは問題は片づかない。しかし申し上げますが、あなた方の伊藤理事長は国会の大蔵委員会へ出て参りまして、現在自分の方にある財産と契約金というものについては行き詰まつてしまつた、このままではどうにもならない、あなたのおつしやるように、何か政府から援助でも受けなければやつて行けないということをはつきり申しておるのですよ。それをはつきり申しておるのですが、あなた方はまだ伊藤理事長を信用して、ただ何とかするという言葉だけで、仏教保全経済会のあなた方を信用し、仏教興隆の大事な仕事をやることを信用し、お出しなさ、れました数千人の信徒に、あなた方はさような軽い伊藤さんの言葉だけを信じて、それで今に何とかなる、かような甘い考えをもつてあなた方はその信頼に報いることができるのでしようか、その決意を聞きたい。
○大谷証人 私はやはり伊藤理事長の必ず善処いたしますという言葉を信じております。
○古屋(貞)委員 それではもう少し承りますがね、伊藤さんが法務委員会に貸借対照表を出しておりますが、それを見ますと、十億円ぐらい赤字になつてどうにもならなくなつておりますがね、それでもあなたはまだそれを御信用なされて、どうにかなるというお考えをお持ちになつておるのですか。さような軽率な、伊藤自身が、だめだどうにもならないと公の席で、国会ではつきりと述べておるにもかかわらず、なおかつあなたは伊藤がどうかしてくれる、かようなことを信じておられるというお言葉なんですが、さような無責任なことで、あなたを信頼し、あなたの宗教を信頼して会員になられて一億数千万の金を出された数十の方々に対するあなたのお答えがそれでいいのですか。あなたの決意を聞きたい。
○大谷証人 私はなお信じております。
○古屋(貞)委員 なお最後に、さつきのだまされたということはないのですか、あなたの立場を伊藤に利用されたんだということは……。
○大谷証人 私は、信じております上からも、やはり仏教保全経済会の投資者に対しては伊藤が善処してくれると信じております。だまされたとは毛頭思つておりません。
○古屋(貞)委員 それではあなた方がいろいろの法律上の責任を負われるというようなことになるかもしれませんが、それでもあなたは甘んじて受けられるのですか。それともあなた方がもつと積極的に努力して、そうして信者、会員に迷惑のかからないような方法を、講ずる御決意がおありなんでしようか。私の申し上げるのは、少くもあなた方の宗教を信仰し、あなた方を信頼して出した数千の会員、一億数千万の莫大な金を出された方々に対して、伊藤本人がもうだめなんだと言つておるにかかわらず、なおあなた方は伊藤の言を信じて、そのままでいいのか、それともあなた方は、ほかに万全の策を請じて、これが解決に努力する意思があるのかどうか、これだけの決意を聞きたい。
○大谷証人 伊藤理事長はある期間をお許し下さいということでありますので、私たちはその期間を待つておるわけでありまして、その上から私たち幹部が協議いたしまして、善処の道を講じたいと思つております。
○古屋(貞)委員 それではなお最後にお尋ねいたしますが、保全経済会並びに仏教保全経済会に金を出した方たちは、せめて現在ある伊藤の財産をそのままなくさずに自分たちにわけてもらいたいということで、おそらく破産の申請が裁判所に行われるでしよう。そうして破産宣告が行われますと、伊藤は自分の財産を一銭一厘もどうにもならなくなる。そういう状況に置かれておることをあなたに御警告申し上げて、それでもまだ伊藤を御信頼になつて、お待ちになるという考え方か。破産を宣告されますと、伊藤はその財産を全部、一銭一厘も自分ではどうにもならなくなります。それももう時期の問題でしよう。そういうことをあなたにお告げして、そういうことが行われてもまだ伊藤があなた方をお救いになり、これを解決し、会員に損害をかけないようにやれるという御信念を持たれるかどうか、あなたの御信念を承りたい。
○大谷証人 会長初めみなとよく協議いたして考えさして、いただくことにいたします。
○古屋(貞)委員 終ります。
○小林委員長 ちよつと関連して簡単に聞きますが、保全経済会と仏教保全経済会とは、全然別なものとあなたは思つておるわけでしようか。
○大谷証人 はあ。
○小林委員長 一つものではないですね。別のものですね。
○大谷証人 姉妹会社と申しますか……。
○小林委員長 伊藤が両方についておるかわからぬが、建前としては別なものと思つておるんでしよう。
○大谷証人 片方の方は事業をいたしておりますし、片方の方は投資をいたしておるわけであります。
○小林委員長 仏教保全経済会というものを信用している信徒の人が投資者になつて、入るのは保全経済会へ入るつもりではなく、仏教保全経済会へ入るつもりではないのですか。
○大谷証人 さようでございます。
○小林委員長 そうすると、仏教保全経済会へ入つて投資した金は、伊藤がいろいろ動かすかもしらぬが、どこまでもあなた方が役員をしておる仏教保全経済会の金でしよう。
○大谷証人 はあ。
○小林委員長 そうすると、保全経済会とは別なものですね。同じものと思つておりますか。仏教保全経済会の投資者はみんな東本願寺、西本願寺を信用して、あなた方が入つておる仏教保全経済会の会員になるわけじやないですか。
○大谷証人 はい、そうでございます。
○小林委員長 そうすると、二つは別なものと思つてあなたはやつたんですね。
○大谷証人 はあ。
○小林委員長 保全経済会をやるつもりであなたは入つたのですか。
○大谷証人 いやそうじやありません。仏教保全経済会に私は入りました。これは別個のものであります。
○小林委員長 そうすれば、七千五百人の会員が二億幾らの金を投資したということは、あなたは保全経済会のものでなくて、仏教保全経済会のものだと思つておるんじやないですか。
○大谷証人 さようでございます。
○小林委員長 そう思つておりますか。そう思つてやつたところが、伊藤はそれをごちやまぜにしてしまつて仏教保全経済会の金を保全経済会の方へ使つておるのじやないですか。そういうことはあなた方の考えたことと違いはしませんか。
○大谷証人 どうしてやつておりますか、運営の方は私の方はさつぱりわかりません。
○小林委員長 そうしたことはよくないことじやありませんか。あなた方の思うことと違うじやないですか。そうすれば、あなたは結局伊藤にだまされたことになりませんか。全然別なものだと思えば、片方がつぶれても仏教保全経済会が残つておるのですから、今古屋さんの言うように、まだ休業していないのだから、そのままにあるのだから、その金をこつちにわけてくれたらいいのじやないかということが、あなた方の主張にならぬのですか。そう思わないのですか。そうでなければ、仏教徒であなた方を信用して仏教保全経済会へ金を入れておる人は……。
○大谷証人 仏教保全経済会の方は休業はいたしません。そして今事務の整理のために開業は一時とだえていますけれども、必ず御迷惑はかけません、こう申しておりますので、それを信用しております。
○小林委員長 それはいいが、それじや最初から保全経済会と仏教保全経済会ば別なものだと思つておるのですね。その当時の考えを言えばいいのです。伊藤が仏教保全経済会をつくりましよう。こう言つて来たから、仏教保全経済会はあなた方を中心にして、仏教興隆のためにいろいろ尽してくれる会にもなるからというので、あなたは力を入れたのじやないですか。ただ伊藤がもう一つやつている保全経済会というものに、力を入れるつもりじやないのでしよう。
○大谷証人 さようでございます。
○小林委員長 そうすれば、その金は全然別にしておかなければならないじやないですか。仏教保全経済会の金と保全経済会の金は、たとい同じ伊藤が中心になつてやるとしても、別口にしておかなければならないのに、これをごちやまぜにすることを初めから許しておるのですか。
○大谷証人 運営の方は一切まかしておりますので……。
○小林委員長 運営をまかしておくのはいいが、それは別なものでなければならぬということを、あなたは考えないのですか。
○大谷証人 どうしてくれるのか存じませんので……。
○小林委員長 もう少しそこは、あなたを信用して仏徒の人は、仏様に金を上げるように、ほんとうに信仰の力で、あなたを信用して出したのですから、そこをはつきり考えておかぬといかぬと思います。木下郁君。
○木下委員 重複しないように、二、三点簡単にお聞きしますから、どうぞそのつもりでお答え願いたいと思います。さつきあなたは、会長、副会長とも個人としてやつたというお話ですね。東本願寺と西本願寺は、宗教財団としては別個のものですか、一緒のものですか。
○大谷証人 別個のものでございます。
○木下委員 そうしますと、仏教保全経済会及び保全経済会のあの広告のビラに、会長大谷瑩潤、副会長あなたというようなものがどんどん出されておつたということは、御承知ですね。
○大谷証人 はい。
○木下委員 その肩書には、東本願寺の法主、西本願寺の法主ですか、御連枝というような文句が入つておりますし、出資者も、御連枝様、御連枝様というようなことを言つておりますが、あの御連枝というのは、一体どういうものですか。
○大谷証人 本願弄大谷家の一門、親族のことであります。
○木下委員 その御連枝という言葉は、本願寺の職制の上に、一つの資格を現わす意味でつけている言葉ですか。
○大谷証人 それは一門一族という意味でつけているわけであります。
○木下委員 パンフレツトに、仏教保全経済会の役員として、会長東本願寺連枝、参議院議員大谷瑩潤、副会長西本願寺連枝大谷照乗というふうに書いてありますが、そういうふうに書くと、信者はこれはやはり本願寺がやつている仕事だと思うのが普通だろう。そういう点については、あなた方は何も考えぬでおやりになりましたか。
○大谷証人 これは私も先般触れましたが、本願寺自体が関係しておらぬということを、たびたび申しているのであります。そうして先般新聞にも、私の談話として、西本願寺が直接関係しておらぬということを申したのであります。
○木下委員 本願寺は関係していないということを、本願寺が一生懸命に言い始めたのは、もう保全経済会が問題になつてからであつて、あるいはなりかけて、内輪で大分怪しくなつてからの話で、この保全経済会から出している「利殖のしるべ」という中に、今私が読み上げた仏教保全経済会の役員の名簿なんかも、ちやんと肩書としてありますが、そういうようなものを以前ごらんになつたことがありますか。
○大谷証人 はい、拝見したことがございます。
○木下委員 そうすると、こういうパンフレツトでこういうものが出れば、信者は本願寺の仕事だというふうに考えて来る、またあなた方も信者がら――目的は仏教の興隆のためという話でありますが、そのために信者はやはりあなた方の肩書、こういうものを信用して行つてくれるだろうということは考えておつたのですね。
○大谷証人 それは私たちが書いたのではありません。事務に、実務に携わる人が大体いるのでありまして、私たちはそういうものを聞いておりませんですから実務、常務につきまして直接関知いたしておらないわけであります。
○木下委員 いや、私はこれをだれがつくつたかを聞いておるのではないのです。あなた方二人が名を出して、そしてこういう肩書のもとに仏教保全経済会というものを――やはりその実務は伊藤がやつたかどうか知りませんが、あなた方の名を出してやれば信仰の方の連中がうんと来るということはやはり期待しておつたのでしよう。
○大谷証人 それは大体出した方が知つておるわけであります。私はそれに対しては関係しておりません。
○木下委員 それじやこうお聞きしましよう。あなた方東西両本願寺の代表者が肩書をつけて名を出せば信者はやはり言つて来る人が多いだろう、あなた方の名を出すことはそのために御利益があるだろう、というふうにはお考えになつておつたのでしよう。
○大谷証人 それほど気にもかけておりませんでしたから……。
○木下委員 そういうお答えであればそう伺います。
 仏教保全経済会の会長は大谷瑩潤、副会長はあなた、理事長が伊藤斗福、会長、副会長は理事長よりも上の役目と思つておいでにになりましたか、それとも下の役目と思つておいでになりましたか。
○大谷証人 われわれは職名――名誉職のような感じを持つておりました。
○木下委員 さつきから繰返して聞いたのですが、一向要領を得ないのですが、出資者は仏教興隆のために仏教保全経済会に出資したのだ、しかしながらその出資者はやはり約束された月二分の利府と元金は約束通り返つて来るものと思つて出資するのだというふうにあなた方は考えて――それじやただ仏教興隆の面には何にも関係がないじやないかということになるが、それは仏教保全経済会については何がしかの手数料というかお礼というか名は知らぬが、何がしかの金銭的な収入があなた方の方にまわつて来るものである、それだから仏教興隆にその意味で寄与するんだという意味で行つたというふうにあなだ方は出資者が言つてくれるものだとお考えになりましたか。
○大谷証人 そういうことは私は考えておりません。私はもともと何とかして戦後の衰微いたしました仏教寺院関係の事業につきまして経済的な援助を与えたいというのが念願でありまして、仏教が興隆いたしましたならば以たちは何の報酬も望んでおらないわけであります。
○木下委員 いやそれは、仏教が興隆して信者がふえればおさい銭も上つて盛んになり、活動資金もできることはわかつておりますが、この仏教保全経済会をおつくりになつて、仏教興隆のための活動資金をそつちからひねり出すのだということの御意思があつたのだということに伺つてよろしゆうございますか。
○大谷証人 はい。
○木下委員 それからさつきから伊藤を全幅に信用されておつて、ちよつと常識的には伊藤にかつがれて、名を利用されているというふうに世間の大多数がとつておりますが、あなたはそうじやない、伊藤から一ぱい食つたような気がしていないというふうにお答えになつている、今となつて結果的に見れば伊藤から利用されたのだというようなお感じもありませんか。
○大谷証人 伊藤が、理事長が必ず善処いたすということを申しておりますので、やはりそれを信じておるだけでありますので、利用されたということはまだ思うておりません。
○木下委員 さつき仏教興隆の一つの活動面として世界仏教大会を開いてあるいは社会事業をやつたというようなことを伺いましたが、その世界仏教大会を開いたときにこの仏教保全経済会から言つて来た金だけで、それをお開きになつたのか、それとも本願寺その他の仏教教団からいろいろ金を出し合つてそういう活動をされたのですかそこをちよつと伺いたいと思う。
○大谷証人 それは東西本願寺初め各支部の教団が出し合つて世界仏教大会をつくりましたわけであります。そうしてそれに対しまして何がしの金額を御寄付いたしていると承つているわけであります。
○木下委員 その仏教保全経済会伊藤の方から出た金と、本願寺から出した金、その他の宗教団体から出した金というものは一応区別されて、やはり決算報告などされておりますか。
○大谷証人 それは世界仏教大会の役員でもありませんので存じません。
○木下委員 それから話は別なことになりますが、伊藤が「私はこう考える」という本を書いている、その本の出版記念会を開いて、今世間のうわさの渦中になつているいろいろな人が、たくさん顔を出したり祝電を打つたりいたしておりますが、その記念会に大谷瑩潤氏とあなたとが出られて、そうして大谷瑩潤氏が伊藤の著書及び伊藤を非常に礼讃したあいさつをしたということを承つておりますが、さようなことがありましたか。
○大谷証人 私は欠席いたしましてそれに出席いたしておりません。それでそういうことは聞いてもおりません。
○木下委員 その記念会の発起人におなりになつたことはありますか。
○大谷証人 それはこの新聞に出ましてから前後いたしまして、発起人を、私の方へだけ十分な手続を忘れて、あとから承認してくれという事後承認を受けました。
○木下委員 最後に一点、今のあなたの心境について聞きたいのですが、伊藤は善処すると言つているからそれを満幅の信用をしておるというだけのお答えですし、それからまたこういうことになつて、多数の信者であり出資者である人に迷惑をかけて、何とも申訳がない、胸迫る思いがするというお話でありました。これはあたりまえの話で、教団の代表者であるあなた方、信者からみれば神格を持つておるくらいに思われておるあなた方としては当然あることですが、これが伊藤の言うことがはずれたときには自分の私財を投げ出してまる裸になつて、そうして本願寺の真宗を興した親鸞上人は紙衣の九十年でやられたということを聞いておりますが、そのところまで行つて私財を全部投げ出してやるというくらいの御覚悟を持つておいでになりますかどうか、その点ちよつと伺いたいと思います。
○大谷証人 私もある覚悟は持つております。
○木下委員 ある覚悟という抽象的な言葉でなくして、ある覚悟の中には社会的に謝罪文を出すとかあるいは極端なことを言えば首をくくるというようなことも考えられるのでありますが、出資者としては先ほど私が申し上げましたように、出資金がなるべくよけい返つて来るということがもう唯一の救済なんです。その点について自分の私財を全部投げ出してやるというくらいの御覚悟がありはしないかと思うのでございますが、また多数の一千万人近くの信者をかかえて、そういう連中に拝ませて来た今日までの経歴からいつても、そういう御覚悟がおありではないかと思いますが、その点をもう少し具体的にお話願いたいと思います。
○大谷証人 ごそんたくにおまかせいたします。
○木下委員 なお、これはざつくばらんにお聞きしますが、あなたはさつきから伊藤からだまされたとは思わない、自分の不徳のいたすところだというふうに非常に謙虚な言葉が繰返されておるのですが、私承つておつて、やはり信者から見れば神格でも持つておるように思われている御連枝、法主、本願寺の代表者というような人が、伊藤から一ぱい食わされた、だまされたというようなことがあつたら多少その権威に関するということを、お考えにはなつていないだろうとは思いますが、そういうことを気持の上でお考えになつておるようなことがあるのじやありませんか。ちよつと最後に伺つておきます。
○大谷証人 これもごそんたくにおまかせしておきます。
○木下委員 ではこれで私の質問を終ります。
○小林委員長 林君。――林君、質問ないですか。なければ……。
○猪俣委員 委員長、午前はこの程度にしたらどうですか。そして午後あるいは証人と対決してもらわなければならぬことが起るかもしれぬので、せつかく出ていらつしやつたのですからやはり午後残つていただきたいと思います。
○小林委員長 必要があれば残つていただくことにいたします。
○猪俣委員 一点だけお尋ねいたします。今あなたの全証言を聞いておりまして、ちよつと私お尋ねする前に申し上げておきたいことは、私ども仏教保全会にも責任はもちろんあると存じますけれども、あなた方世事にうとい人を利用したこの伊藤斗福なる人物の責任が一等重大だと思う。そこであなた方もやはり彼に利用された一人じやないかと考えられるのですが、実はどういうふうに利用せられたかをよく知りたいのが私どもの本音なんであります。その立場に立つてお答え願いたいのだが、この保全経済会を非常に信用せられて、自分たちが勧誘して会員になつた人たちの金というものは全部保全経済会の方へ流れておる。そこでこれは非常に重大なことであつて、もし一朝つまずいた際にはあなた方は責任を負わなければならぬ立場に今日立つている。そこでさような重大な場合に立ち至るのにかかわらず、私ども疑問と思うことは、どういう根拠があつて保全経済会なりあるいは伊藤斗福なりをかくまで信用せられたかというその理由であります。かくかくのことがあるから保全経済会なり伊藤斗福を信用したのだということを率直にお話願いたい。あるいは彼からこういうふうな働きかけがあつてそれを信用した、あるいはこの会のメンバーの中にこういうりつぱな人たちが責任の地位にあるからそれを信用したとか何とか、信用なさるについて根拠があつたろうと思う。その根拠なしにかかる大胆なことをやつたとすれば、あなた方も伊藤斗福と共同正犯だとわれわれ認めざるを得ないのであります。何の根拠もなしに、西本願寺というものを背景にして、そうして多額な零細な金を集めて、それを焦げつきにさせてしまうということは重大責任ですが、あなた方は悪意あつてやつたとは私は考えておらない。悪意はないが彼に一ぱい食つたというのが今の状態だと思うのです。そこでお尋ねするのです。どういう理由があつて保全経済会なり伊藤斗福なりをあなたは信用されたか、どんな働きかけを彼らがあなた方にやつたためにこういうふうに信用することになつたか、それをざつくばらんにおつしやつていただきたい。
○大谷証人 私は、私の親友でもありまた先輩でもありまする大谷瑩潤氏の紹介があり、またかねて仏教復興に対しまする私の念願、仏教社会事業に力を入れてやろうということにつきまして、仏教にプラスになることであればと思いまして、これを信用したわけであります。
○猪俣委員 今あなたが述べられたうちで、一つは非常に具体的で親切があると思う。それはいわゆる会長たる大谷瑩潤なる人を信用し、その人からあなたに話があつたので信用した、これはまあ根拠がありますが、いま一つの仏教興隆の熱意があつたからということは理由にならぬと思うのだ。仏教興隆に熱意があつたことは、それはあなた方仏教徒として当然のことであるが、それだからといつて詐欺師を信用しなければならぬということはない。仏教興隆の熱意があるならば、なおさら事が間違わぬように慎重に考えなければならぬ。今あなた方が募集してこの仏教保全会に入つた人たちから相当に批判が出ておると思う。そうするとこれは逆で、仏教興隆にならぬのです。その意味で、あなたが仏教興隆のためにということは理由にならぬと思う。そこで大谷という今会長をやつている人が、あなたにどういうふうに勧めたのですか。大谷氏があなたに話しかけた内容を明らかにしてください。
○大谷証人 それは仏教興隆のために、日ごろ私は大谷瑩潤氏を尊敬し信頼いたしておるわけでありまして、瑩潤氏の言われることでありますから、私はやはり信頼をいたしたわけであります。
○猪俣委員 そうすると結局仏教興隆のためになるということを信じたということも、大谷氏があなたにさような話をしたから信ずるようになつたというふうになるのですか。
○大谷証人 いや、それは違います。それは私は終戦後かねて仏教興隆ということをいつも念願いたしております。
○猪俣委員 それはよろしい。が、今さつき言つたように、仏教興隆のためということは、この保全経済会を信用したということの根拠にならぬと思う。ただ、今大谷氏の言葉を信じたということは根拠になると思う。そこであなたにどういうふうな話を大谷氏がしたのであるかということをお尋ねしておるのです。
○大谷証人 副会長として就任してくれということでありました。日ごろ私は尊敬いたしておる方ですから……。
○猪俣委員 そうすると大谷氏は保全経済会なるものの性格、あるいはその中心人物である伊藤斗福なる者の人物等をあなたに話されましたか。
○大谷証人 それは話されませんでした。
○猪俣委員 話さないが、ただ大谷さんが副会長になつてくれと言われただけで、大谷さんという人はりつぱな人だから、その人が勧める会はもうりつぱな会であると借用した、こういうことになるのですか。
○大谷証人 さようです。
○猪俣委員 それだけですか。それ以外にまだ何か根拠はありませんか。
○大谷証人 それに近藤氏初め、それに賛成いたしておられる人も私の信頼に足る人だということでありましたから……。
○猪俣委員 そうすると近藤という人、そういう人があなたが副会長を引受ける前に何か仏教保全会のぜん立てができてその役員であつたのですか。
○大谷証人 そうでございます。
○猪俣委員 そうすると、その近藤というような人も関係しておるので、近藤氏は初めにこの保全会についてどういう話をしましたか。
○大谷証人 保全会のことについて副会長になつていただきたい……。
○猪俣委員 その言葉以外に保全会がどうだとか、伊藤斗福という男はどういう人物だという話をしませんでしたか。
○大谷証人 保全会の目的、事業、そういうものについて説明をしました。
○猪俣委員 それで伊藤という人もよく理解しておるようであるからということであなたは信頼した、こういうことになるわけですね。
○大谷証人 さようでございます。
○猪俣委員 そのほかにまだありませんか。
○大谷証人 そのほかにはありません。
○猪俣委員 伊藤斗福という男にあなたは会つたことがありますか。
○大谷証人 その前までは会つたことはありません。
○猪俣委員 その前というのはどの前ですか。
○大谷証人 その副会長に就任してくれと言われた前までは会つたことはありません。
○猪俣委員 副会長に就任してから会つておりますか。
○大谷証人 会いました。
○猪俣委員 何回くらいお会いになりましたか。
○大谷証人 三、四回か二、三回かと思いますが……。
○猪俣委員 その会つたときに、あなたは伊藤から何かいろいろな話を聞きましたか。あなたを信用させるような話を伊藤はしておりましたか。
○大谷証人 いつも私と話をするときは、私は経済的な話はわかりませんものですから、そういう話はしません。そうしていつも私の近くに来る人には私は宗教家の立場といたしまして必ず御仏のお話をいたしておりますので、私のところに参りますとお茶の話、ある日は庭園の話、それから名僧智識の話、そうして宗教の話をいたしておりました。それで伊藤氏が来ましても、私は伊藤氏を信仰のある人物にしたいというのが私の念願でありますから、私は一人でも仏様の御慈悲を喜ぶ人になつてもらいたいと存じておりますので、それで伊藤氏に対しても、全つたときに必ず信仰の話をいたすことにいたしておりました。
○猪俣委員 そこで私はそういうふうに信仰の話をした、それからこの仏教保全会をつくる目的は、仏教の興隆にあるということをあなたは考えておられたことについては、またその運営の方法を伊藤にまかされたことについては、会つた際にいろいろな話が出たろうと思いますが、あなたの目的とする仏教興隆のことについては、伊藤斗福はいかなる働きをするというような話になつておりましたか。
○大谷証人 それは仏教興降のためのことについては、仏教保全会の本部の方で計画を立てるわけであります。伊藤民の方からは話は開いておりません。
○猪俣委員 本部というのはどこのことですか。
○大谷証人 仏教保全会の本部に業務をし、企画する人たちがおりましてその人たちが重要な計画を立てておるようなわけでございます。
○猪俣委員 そうするとそういう事業計画を仏教保全会の本部で立てた。それには金がいりますね。
○大谷証人 はい。
○猪俣委員 その金はどうするのですか。
○大谷証人 金は仏教保全会本部が計画して予算を立てまして、それを保全会の方へ送ります。保全会の方でそれを検討いたしまして査定いたしまして、そうして提出してくれるのをもらうのであります。
○猪俣委員 そうするとあなた方の計画は保全経済会へ出すと、保全経済会でそれを査定するのですか。
○大谷証人 はい、そうらしゆうございます。
○猪俣委員 そうしてこれをやれとか、あれをやるなとかいうことになるのですか。
○大谷証人 そうでございます。
○猪俣委員 そうすると仏教保全会の計画というものは、結局最後の審判権というものは保全経済会にあるわけですか。
○大谷証人 それは出資とにらみ合せてじやないかと思います。これだけの計画を立てますと、それによりまして事業化を査定するのか、予算を査定するのかそれは存じません。ともかく査定をいたしまして、そうして金をくれるのだということを承つております。
○猪俣委員 それは今まではずつと実行されておりましたか。
○大谷証人 はい。それは実行されておりましたらしゆうございます。
○猪俣委員 らしいというのはどういうわけですか。
○大谷証人 これは私、業務の方は直接関係をいたしておりません。いろいろ運用いたしておりますということを本部から聞きますと、やはり実行されておるのだと思います。
○猪俣委員 よろしうございます。
○小林委員長 大谷さん、あなたの持つておられる仏教保全経済会の定款ですか、それをこちらへ出していただけますか。
○大谷証人 はい、かしこまりました。
○小林委員長 今澄勇君。
○今澄委員 簡単にお伺いしておきたいのは、あなたのところに国税局から仏教保全経済会のことに関して調べに行つたことがありますか、ありませんか、お尋ねをいたします。
○大谷証人 私、常時仏教保全経済会の本部におりませんわけでございますので、本部の方へ来たということを、七月ごろですか、あとから聞きました。
○今澄委員 仏教保全経済会の本部はどこにありますか。
○大谷証人 これは京都市でございます。
○今澄委員 それから国家警察並びに京都の地方警察があなたの方の仏教保全経済会に行つたことがありますか。特にあなたについて何か問合せなり参考のことを聞いたことはありますか。
○大谷証人 ありません。
○今澄委員 それから仏教保全経済会が本家の保全経済会からいろいろなものをもらつたことはないそうですが、お金を借りたことはありますか。
○大谷証人 それも存じません。私事務をしておりませんから……。
○今澄委員 あなたの所属しておる西本願寺が保全経済会からお金を借りたことはありますか。
○大谷証人 ありませんだろうと思います。
○今澄委員 私どもは、東西両本願寺が保全経済会から運営の資金について融通を受けておるという情報に基いて聞いておるのですが、あなたは御存じでございませんか。
○大谷証人 それは西本願寺に限つてはありません。
○今澄委員 それからあなたは、仏教保全経済会の副会長として俸給なり給与なり賞与なりをおもらいになつたことはありますか。無給の副会長ですか。
○大谷証人 ありません。
○今澄委員 これでけつこうです。
○古屋(貞)委員 ちよつと証人がおつしやられたことを、結論から行くのですが、今、私もそうでしたが、猪俣委員からも御質問がありましたが、あなたの方で、仏教保全経済会で、その目的である仏教興隆のための企画をして、最後に保全経済会でこの予算の査定を行われたということをお答えになりました。私は結論から申し上げますが、あなたが先刻おつしやられた二億三千数百万円のお金は、仏教保全経済会のお金であるかどうか、この点をまず伺いたい。
○大谷証人 これは仏教保全経済会の金であります。
○古屋(貞)委員 それならば、この金は世界仏教大会以外に使つておらないはずでございますから、あなたのおつしやるように、仏教の興隆のための目的に二億三千万円が使われなければならない。もしお使いにならなければ、これを会員である出資者に全部返さなければならない、かように私ども心得ますが、伊藤からこの金を返してもらつて、今あなた方の会員にこれを全部返せば、何も大騒ぎする必要はないと思いますが、この手続なり、そういうようなお考えがあるかどうか、この点を承ります。
○大谷証人 それは私一人の考えではできないことでありまして、会長その他の機関に相談してみたいと思います。
○古屋(貞)委員 あなたは副会長ですから、会長を代表するのですが、この点ですよ、私ども承りたいのは……。ほかのことにこだわらずにお答えください。伊藤が使つてしまつて返してくれないのか、それともあなたの方で請求しないのか、この点はどうでしようか。
○大谷証人 これは私休業宣言をいたしました十月二十四日に、会長とともに理事長に会いまして、これを責任を負つてくれと申したのであります。そうしましたら、仏教保全経済会の方は寺院の伝道、あるいは社会教化の金も入つておるのでありますから、道義的にも必ず責任を持つて処理いたしますと申してくれました言葉を、私たちは了承いたしておるわけであります。
○古屋(貞)委員 二つにわけて承りたいのですが、ただいま猪俣委員からお尋ねになられました、仏教保全会で企画して、保全会でその査定をするということは、理論が成り立たない。こういうりくつはない。これは子供でもわかる。仏教保全会が事業をやる目的のために出した二億数千万円の金ですから、仏教保全会の幹部によつてこれを処置すればいいのであつて、保全経済会が、これはいいとか悪いとかさしずする筋合いは何にもないのです。それをあなた方は甘んじて受けておつていいのですか。それが一つ。それから仏教保全経済会の会員として、この金を返してもらいたいという人が、相当今要求がございますが、ただいまの証人のお答えでは、会長と二人で伊藤のところへ行つて、返してもらいたいという請求をしたけれども、道義的に待つてもらいたい、何とかする……。
○大谷証人 道義的に必ずすると言うのです。
○古屋(貞)委員 道義的でなく、法律的に請求する権利があるのじやないですか。道義ということはさんざん私は承つておる。あなた方は仏教保全経済会の会長であり、副会長であり、仏教保全経済会の金だとおつしやつているのだから、この金を伊藤からもらつて来るのが当然だと思う。しかも一方においては、あした食うに困るような会員がたくさん出ている。それが泣いている。死にそうになつている。あなた方はそれを道義的でいいというて引下がることでいいのかどうか、この点を聞きたいのです。
○大谷証人 必ず処理いたしますというのを私やはり信任いたしておるわけであります。
○古屋(貞)委員 この二億三千万円の金は伊藤に預けたのですか、やつてしまつたのですか、その点はどうですか。
○大谷証人 運営の一切をまかしたわけであります。
○古屋(貞)委員 運営は事業のことでしよう。事業計画が起きて事業をするから、運営というものは問題があるけれども、金の保管はどうですが、預けているのか、やつてしまつたのか、事実を聞いておる。あなたは伊藤にやつたのですか、貸したのですか、預けたのですか、その点をはつきりしてください。
○大谷証人 まかしたのです。
○古屋(貞)委員 まかせるというのはどういうのですか。でたらめに使つてしまつても、焼いて食つても煮て食つてもいいということですか。
○大谷証人 運営をまかしたのであります。
○古屋(貞)委員 私は証人に承りたいのですが、子供でもわかるはずです。金を預けたのかやつたのか。運営ということは事業のことです。その金の保管はどうしたのですか、これを聞きたいのです。はつきりしてください。そうすればこの問題は片づく。二億数千万円の金の保管はどうしたのですか。保全経済会にやつてしまつたのか。あなたは委任したとおつしやる。委任したというのならば、頼んで預けたのでしよう。その預けたものを返してくれ――あるとかないとかいう問題は別個の問題です。この点はどうですか。事業は経営をまかしても、金の保管については、やつたのですか、委任したのですか。委任したというのならば、預けたことになる。保管を委任しただけだ。所有権はどうですか、はつきりしてください。これは重大問題ですよ。
○大谷証人 運営を委任いたしたのであります。
○古屋(貞)委員 運営というのは事業のことでしよう。金の保管をどうしたかという問題です。二億数千万円の金を保全経済会へやつてしまつたのが、預けたのか。ただ取扱いをまかしただけでしよう。あなたは知つていることを知らぬと言つたら偽証になりますよ。私はそういうことは申し上げたくないけれども、知らぬなら知らぬでいいのですが、運営ということは事業のことでしよう。金をやつたのか、預けたのかどうなんです。
○大谷証人 委任いたしました。
○古屋(貞)委員 委任は、保管の委任ですか、使うことを委任したのですか。
○大谷証人 運営の委任です。
○古屋(貞)委員 金の運営ということはどういうことなんでしよう。
○小林委員長 はつきりしませんから、近藤に聞きましよう。
○古屋(貞)委員 相当な責任のある連枝さんだ。ぼけたならぼけたで、こつちで責任を考えなければならない。あなたは保全経済会に金をやつたのですか、それとも委任して保管してしまつたのですか。
○大谷証人 委任したのです。
○古屋(貞)委員 保管を委任したのでしよう。使つてもいいということで……。
○大谷証人 いいえ、そうじやありません。
○古屋(貞)委員 保管を委任したのでしよう。委任ということばそれ以外にない。取立てたものを管理することを委任したというなら筋が通るのですよ。子供にもわかることです。
○大谷証人 はあ、委任いたしたのであります。
○古屋(貞)委員 間違いありませんね。――それなら委任をされた、それを預かつた保全経済会はあなたの請求に対して何としても返す義務がある。その義務の履行をあなた方やらないということになればあなた方の責任になりますが、どうですか。伊藤の方はどう言つているのです。保管を委任された伊藤はその金があると言うのですか、ないと言うのですか。
○大谷証人 それは不動産になつてあるから、御迷惑はかけない、こう申しているわけです。
○古屋(貞)委員 そうすると、不動産とか動産を買つていいということを御委任なすつたのですか。私が聞くのは、仏教保全経済会は仏教の興隆を目的としているので、その目的以外には一銭も使わないはずです。それを伊藤に金を預けておいたら、目的以外のものを買つてしまつた。こういうことでものを委任したことになりますか。私どもはならぬと思う。あなたの方の仏教保全経済会は仏教興隆以外の目的に金を使つてはいけない。これはわかりますか。
○大谷証人 わかります。
○古屋(貞)委員 それなら伊藤はあなたの方で委任した金を完全に持つていなくてはならぬはずです。それをほかのものにかえたというなら、かえた責任をあなたは追究しませんか。一方では会員が食うに困つて、大騒ぎしてあなたの方に押し寄せる人があるのに、それを信仰を持つているあなた方がほうりつぱなしにして、伊藤という人間の、ものを買つてしまつた、これはあとで何とかするという言葉だけで引下つて来て、あなたは連枝として副会長として会員に対し十分なる責任を尽したとおつしやるのか。その点お聞きしたい。
○大谷証人 私は必ず返済する、この元金を投資君たちに返す、必ず善処すると申しておりますから、それを信じております。
○古屋(貞)委員 しかし伊藤さんのそう言つたことをただ信じているあなたはそれでいいですよ。けれども金を出した会員は明日にも困つているわけで、それを見殺しにしてもかまわぬというのですか。それであなたは一体連枝という職責が果されますか。一方では三、四万の自分の食いぶちの金を出して生活に困つている人間がある。一方では伊藤さんが使つてしまつて、何とかするということをあなたが聞いて来て、へえさようでございますかというだけで、下の方に対するあなた方の責任はそれでいいのかということです。
○大谷証人 投資者の方々に了解を求めます。
○古屋(貞)委員 求めていないから聞いているのですがね。
○大谷証人 しばらく待つてくれと……。
○古屋(貞)委員 と言うだけのことですか。
○大谷証人 はあ。
○小林委員長 それでは午前の会議はこの程度にとどめ、午後正三時まで休憩することにいたします。
    午後二時二十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時四十二分開議
○小林委員長 休憩前に引続き会議を開きます。この際お諮りいたします。本日御出頭になつた参考人近藤良譲君は、都合によりまして明日証人として出頭を求めることといたしたいと存じますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なお牧原証人にも明日出頭を求め、証言を求めることにいたしたいと存じますから、さよう御承知を願います。
 明日は午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後五時四十四分散会